厚生委員会速記録第八号

平成二十年六月二十三日(月曜日)
第七委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長野上 純子君
副委員長山加 朱美君
副委員長かち佳代子君
理事くまき美奈子君
理事長橋 桂一君
理事野島 善司君
西崎 光子君
大松  成君
佐藤 広典君
田代ひろし君
石毛しげる君
野村 有信君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
総務部長杉村 栄一君
病院経営本部本部長秋山 俊行君
経営企画部長及川 繁巳君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
 ・第百四十号議案 東京都医師奨学金貸与条例
 ・第百四十一号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
 ・第百四十二号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
 ・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認について
 ・議員提出議案第十四号 東京都子どもの医療費の助成に関する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○野上委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書四件につきましては、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○野上委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百四十号議案から第百四十二号議案まで及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認について、並びに議員提出議案第十四号を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 ただいま第百四十号議案に対し、かち副委員長外一名から付帯決議案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   付帯決議案の提出について
第百四十号議案 東京都医師奨学金貸与条例
 右議案に付する付帯決議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成二十年六月二十三日
(提出者)
 かち佳代子  吉田 信夫
厚生委員長 殿

第百四十号議案 東京都医師奨学金貸与条例に付する付帯決議案
一 奨学金の利子については、今後、利子の引下げ又は無利子化に向けた見直しを行うこと。
二 奨学金貸与の対象者は、医学部定員増枠に限らず、従来の定員枠の学生も含めて、更に拡大すること。
三 総合的な医師確保対策を拡充、推進すること。

○野上委員長 これを本案とあわせて議題といたします。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○かち委員 採決に先立ち、全議案に賛成の立場から意見を述べます。
 まず、専決処分した損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認について述べます。
 本件は、昭和四十二年、天然痘の予防接種後に脳炎発症による脳性小児麻痺となった本人から、国家賠償法により、国、都及び国立市の過失によるものとして損害賠償を求めていた裁判で、本年五月八日、福島地裁における判決で国立市と都に賠償命令が出されましたが、国の賠償は求めないものでした。
 そもそも予防接種は、伝染病の発生と蔓延を防止するため、国の法律による強制あるいは勧奨により実施されるものであります。この天然痘の予防接種は、国の機関委任事務として行われたものであり、国の過失が第一義的に問われなければならないと考えます。予防接種をめぐるこれまでの判例でも、多くが国の賠償責任を問われています。こうした判例と比較しても、国の賠償責任を問わない今回の判決には問題があります。
 都が控訴理由にしている東京都に責任がないという見解に立つものではありませんが、国の責任は問われるべきものであり、控訴そのものは妥当と考えます。
 次に、第百四十号議案、東京都医師奨学金貸与条例についてです。
 医師不足が深刻な状況下で、国の緊急医師確保対策の一環として、とりわけ、卒後、都内で不足する産科、小児科医を初め、過疎地域での勤務を一定期間継続することを要件として医学生に対する修学資金の貸与制度を創設することは、我が党が二〇〇三年度以来求めてきたものであり、歓迎するものです。
 同時に、修学資金貸与制度のさらなる拡充と総合的な医師確保対策を推進することを求めるものです。
 本定例会本会議でも、各党からさらに充実を求める意見も出されました。
 よって、議会としての意思をより明確に示すため、別紙にお配りしてあります三点の付帯決議を本条例に付すことを提案します。
 第一項は、年率一〇%の利子の見直しです。
 第二項は、国の緊急医師確保対策に対応した医学部定員増五人分だけでは不十分であり、都独自に対象を広げることを求めています。
 第三項は、本奨学金制度を初め総合的な医師確保対策の拡充、推進を求めるものです。
 ご賛同いただきますようお願いいたします。
 最後に、議員提出議案第十四号、東京都子どもの医療費の助成に関する条例は、知事の選挙公約であるにもかかわらず、いまだ具体化されていない中学三年生までの医療費無料化を来年四月から実施するものです。
 今定例会で実施方法と実施時期などについて区市町村と協議し、具体的な内容について検討を進めていくとの答弁があったことは一歩前進ですが、知事の公約なのですから、都の財政負担をまず明確にしてこそ実りある協議といえます。
 我が党は、多摩二十六市の意見を聞きましたが、二十五市が中学三年生までの医療費無料化は市町村の負担なしに実施してほしいと答えています。また、市長会、町村長会は都の補助率引き上げを求めています。
 四会派共同提案した本条例案は、こうした要望を踏まえたものであり、都民と市町村の賛同を得るものと確信しています。
 乳幼児の所得制限を撤廃することは、実施に向けた協議の中で十分対応は可能です。
 なお、質疑の中で福祉保健局から、本条例により、市町村の負担はおよそ七億円の負担増になるとの試算が示されました。しかし、これは市町村が都制度どおりに所得制限を実施している前提で計算されたものであり、過大な見積もりです。
 また、所得制限などについて、都制度を下回る内容で実施する市町村は補助の対象外になる心配はないかとのご意見もありました。
 本条例は、補助の上限を定めるものであり、都制度を下回る場合に対象外になることはありません。これは現行の要綱に基づく対応と同じです。
 中学三年生までの医療費無料化は、都民と市町村の切実な要望です。
 皆様のご賛同をお願いいたしまして、意見表明といたします。

○野上委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第十四号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第十四号は否決されました。
 次に、第百四十号議案を採決いたします。
 まず、かち副委員長外一名から提出された付帯決議案について、起立により採決いたします。
 本案にお手元配布の付帯決議案を付することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、本案にお手元配布の付帯決議を付することは否決されました。
 次に、本案について採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、第百四十号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百四十一号議案及び第百四十二号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、第百四十一号議案及び第百四十二号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、報告のとおり承認することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、本件は報告のとおり承認することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○野上委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○野上委員長 この際、所管局を代表して、安藤福祉保健局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○安藤福祉保健局長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程でちょうだいをいたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 また、病院経営本部とも、より一層緊密に連携を強めまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○野上委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十二分散会

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