厚生委員会速記録第五号

平成二十年三月十九日(水曜日)
第七委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長野上 純子君
副委員長山加 朱美君
副委員長かち佳代子君
理事くまき美奈子君
理事長橋 桂一君
理事野島 善司君
西崎 光子君
大松  成君
佐藤 広典君
田代ひろし君
石毛しげる君
野村 有信君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
総務部長杉村 栄一君
病院経営本部本部長秋山 俊行君
経営企画部長及川 繁巳君

本日の会議に付した事件
 意見書、決議について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 厚生委員会所管分
・第五号議案 平成二十年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第十九号議案 平成二十年度東京都病院会計予算
付託議案の審査(決定)
・第七十号議案 東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例
・第七十一号議案 東京都立老人医療センター条例の一部を改正する条例
・第七十二号議案 東京都立心身障害者口腔くう保健センター条例の一部を改正する条例
・第七十三号議案 東京都リハビリテーション病院条例の一部を改正する条例
・第七十四号議案 東京都養護老人ホーム条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
・第七十六号議案 東京都身体障害者更正援護施設条例の一部を改正する条例
・第七十七号議案 東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
・第七十八号議案 東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
・第七十九号議案 東京都立肢体不自由児施設条例の一部を改正する条例
・第八十号議案 東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
・第八十一号議案 東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
・第八十二号議案 心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
・第八十三号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十四号議案 東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 東京都監察医務院関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十六号議案 東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
・第八十七号議案 東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の一部を改正する条例
・第八十八号議案 東京都介護福祉士等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
・第八十九号議案 東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例
・第九十号議案 東京都精神障害者都営交通乗車証条例の一部を改正する条例
・第九十一号議案 食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
・第九十二号議案 食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
・第九十三号議案 東京都大気汚染障害者認定審査会条例の一部を改正する条例
・第九十四号議案 東京都立病院条例の一部を改正する条例
・第九十五号議案 東京都立小児病院条例の一部を改正する条例
・第九十六号議案 東京都立精神科病院条例の一部を改正する条例
・第九十七号議案 東京都立結核病院条例の一部を改正する条例
・第八十九号議案に対する修正案
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○野上委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 次に、意見書、決議について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書、決議中、意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

新型インフルエンザ対策の強化に関する意見書(案)
 新型インフルエンザの発生は、もはや時間の問題であると多くの専門家が警鐘を鳴らしており、その対策は喫緊の課題である。
 国はこれまで、新型インフルエンザ対策行動計画の策定やタミフルの備蓄などに取り組んできたが、医療体制の確保を始めとして、対策の多くは専門家によるガイドラインの提示にとどまり、実施の裏付けとなる制度や財源が定まっていないものが多い。このことが、国民、地方自治体、経済界、産業界、医学界など、国を挙げての新型インフルエンザ対策への取組を停滞させる要因となっている。
 今後、東京都を始めとする地方自治体が、新型インフルエンザ対策を一層推進していくためには、国レベルで解決すべき課題について、内閣総理大臣が先頭に立って、国家の危機管理の課題として取り組むことが必要である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 大流行を起こす前に製造できるプレパンデミックワクチンを、希望するすべての国民が接種できるよう、必要かつ十分な生産及び備蓄体制を確保するとともに、接種に当たっての同意など、具体的な取扱いや制度等について早急に検討し実施すること。
二 流行時の医療体制確保のため、国が主体となってマスクやガウンなどの医療物資の備蓄や流通の確保に取り組み、医療機関が診療しやすい環境を整えること。また、国立病院や国が経営に関与する病院は、診療計画を策定し公表すること。
三 消防庁による適切な移送体制の確保や、簡易ベッド等の災害対策用備蓄物資の活用など、省庁の横断的な取組を進めるとともに、施策の推進に必要な法整備を進めること。
四 大規模流行のおそれがあるときは、感染拡大防止のため、国が主体となって公共交通機関の運行縮小や企業等の事業活動自粛等について対策を講ずること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十年三月 日
東京都議会議長 比留間敏夫

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣  あて

○野上委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書、決議につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○野上委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分、第五号議案、第六号議案及び第十九号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○佐藤(裕)委員 東京都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会に付託された平成二十年度東京都予算関係議案についての意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 我が国経済は、平成十四年から続く息の長い景気回復基調を維持してまいりました。
 こうした中で編成された平成二十年度東京都予算案は、過去最高となる五兆五千九十七億円の都税収入を見込み、「十年後の東京」の実現に向けた施策展開や都民生活が直面する課題に積極的に取り組む内容となっております。
 予算案の内容を見ると、都市機能の拡充や治安対策、福祉、保健、医療の充実、産業力の強化など、我が党がこれまで主張してきた事項に対して、ハード、ソフトの両面から意欲的な施策が盛り込まれております。
 都市機能の拡充としては、骨格幹線道路の整備や東京港の物流機能の強化、鉄道の連続立体交差化の推進など、東京の国際競争力を高め、都民の利便性を向上させる施策が盛り込まれており、投資的経費全体として、対前年度比五・九%の大幅な増となっております。
 また、福祉と保健などの目的別で見ても、ほぼすべての分野で予算の増額が図られており、こうした各分野における積極果敢な取り組みを我が党としては高く評価するものであります。
 一方、「十年後の東京」の実現に向けた将来を見据えた施策は、中長期にわたり継続的に展開していくことが重要であり、そのためには、施策展開の土台となるべき都財政の基盤をより一層強固なものとしておかなければなりません。
 折しも、アメリカの景気減退や資源価格の高騰を背景に、我が国でも景気減速への懸念が急速に高まっております。今後の都税収入の先行きについても楽観は許されません。加えて、都財政は、平成二十一年度以降、法人事業税の暫定措置の影響により減収に直面するという厳しい現実も控えております。
 こうした中にあって、平成二十年度予算案では、十九年度最終補正予算とあわせて、都財政の基盤をより強固なものとするため、できる限りの対策を講じております。基金の活用もその一つです。我が党がかねてから主張している大規模施設の改築、改修のために、社会資本等整備基金に二千五百億円を積み立て、世代間バランスと財政負担の平準化に配慮した安定的な財源の確保を目指すこととしております。
 東京の将来を見据えた息の長い施策を展開していく上で、それを支える財政運営にも中長期的な視点が求められるのは当然のことです。基金は、そのための有効な手段であり、創意工夫に基づいて、その活用を図っていこうとする取り組みを大いに評価いたします。
 都財政は、都民の皆様のご理解とご協力を得て、健全性を回復することができました。これからは、財政再建の成果を効果的な施策展開によって都民に還元していくことが重要になります。そのためにも、さらなる財政基盤の強化は不可欠であり、今後ともたゆまぬ努力が必要であると、特に申し上げておきたいと思います。
 なお、予算執行に当たっては、各局とも効率的な事業運営に取り組み、最大限の効果を発揮されるよう強く要望いたします。
 それでは、福祉保健局関係について申し上げます。
 一、福祉改革や医療改革をさらに前進させるとともに、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八に基づく施策を着実に進められたい。
 二、東京都地域ケア体制整備構想の理念を具体化し、今後の地域ケア体制の計画的な整備を図られたい。特に、医療療養病床については、必要数を確保できるよう、積極的に支援をされたい。
 また、健康長寿医療センター(仮称)の整備を推進されたい。
 三、特別養護老人ホームや老人保健施設等について、地域偏在の緩和、解消を図りつつ、整備を一層促進するとともに、介護専用型有料老人ホームや公有地を活用した介護施設等の整備促進を図られたい。
 四、認知症高齢者グループホーム整備費補助制度の充実を図り、さらに整備を促進するとともに、小規模多機能型居宅介護事業についても整備促進を図られたい。
 五、シルバーパスについて、税制改正の影響に伴う激変緩和措置を平成二十年度も継続されたい。
 六、子育て応援戦略会議により総合的な子育て支援施策の展開を図るとともに、子育て応援とうきょう会議を活用し、社会全体で子育てを支援する機運の醸成を図られたい。
 七、保育所待機児童五千人の解消に向け、保育サービス拡充緊急三カ年事業により、集中的な保育サービスの整備を図られたい。中でも、認証保育所については、国制度への位置づけを強く求めるとともに、その設置をより一層促進されたい。
 八、都民が安全に、安心してお産に臨むことができるよう、周産期母子医療センターにおけるNICU病床の増床、搬送調整機能やGCU、回復期治療室の強化など、さらなる充実を図られたい。
 九、虐待、非行の身近な相談窓口としての子ども家庭支援センターの対応力を一層強化するよう支援されたい。
 十、障害者地域生活支援・就労促進三か年プランに基づき、グループホームや通所施設の整備を引き続き進められたい。
 十一、区市町村において障害者の就労を支援する地域開拓促進コーディネーターの配置を進められたい。あわせて、企業内における授産事業を拡大するなど、障害者の就労支援策を一層推進されたい。
 十二、アジアユースパラリンピックの開催を通じて、障害者の社会参加の促進や都民の理解促進につながるよう、障害者スポーツの振興を図られたい。
 十三、救急医療における病院選定の迅速化に向けた情報システムの強化や地域の医療機関の連携などについて早急に検討するとともに、対応可能なものについては緊急に取り組みを行われたい。
 十四、医師や看護師などの確保対策をさらに推進されたい。特に、産科、小児科医師の勤務環境改善に向けた施策を講じられたい。
 十五、東京都認定がん診療病院と国が指定するがん診療連携拠点病院とを有効に活用し、がん診療水準の向上に努められたい。
 十六、がんなどの疾病ごとに、切れ目のない医療が提供できるよう、医療連携体制の構築に努められたい。
 十七、後期高齢者医療制度について、制度の理解促進に努められたい。
 また、後期高齢者に対する健康診査に対し、他の医療保険者と同様の補助を行われたい。
 十八、ウイルス肝炎対策を着実に推進されたい。
 また、国に準拠した制度への移行に当たっては、住民税非課税世帯を対象とした自己負担軽減のほか、既に医療費助成を受けている方に不利益が生じないように経過措置を講じるなど、適切に対応されたい。
 十九、新型インフルエンザの大流行に備え、防護服の備蓄、医療体制の充実などを計画的に進められたい。
 二十、輸入食品などの原料原産地などの正確な情報提供や違反食品の回収状況の確認、監視指導の強化、他の自治体との連携確保に努められたい。
 二十一、生活安定への意欲と可能性を持つ低所得者に対して、相談窓口を設け、さまざまな生活相談に応じるとともに、就労支援等に向け、必要な資金を無利子で貸し付けるなど、きめ細かな支援策を講じられたい。
 二十二、大都市にふさわしい介護報酬のあり方について、引き続き国に提案要求を行うとともに、関係機関と連携した介護人材の育成、確保策を展開されたい。
 二十三、介護施設等に対する指導検査について、区市町村への支援を含めて充実を図るとともに、介護サービスの情報公表制度の手数料について、その運用実態を踏まえ、適切な見直しを図られたい。
 二十四、三宅村の現状を踏まえ、東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の有効期限を平成二十一年三月末まで延長されたい。
 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、将来にわたり安定かつ継続的に行政的医療を提供していくという都立病院の使命を果たしていくため、第二次都立病院改革実行プログラムを着実に推進されたい。
 二、PFI事業の実施に当たっては、効率的な病院運営、患者サービスの向上に努められたい。
 また、都民に正しい情報を適切に提供するとともに、先行事例の課題を踏まえた必要な改善を図り、全国の病院PFIのモデルとなるよう取り組まれたい。
 三、移転統合予定の都立小児病院については、地域の小児医療体制整備に関し、引き続き地元自治体等と協議を進められたい。
 四、東京医師アカデミーにおいて、優秀な若手医師の育成に努めるとともに、処遇改善や福利厚生の充実により、医療の中核を担う中堅医師の定着、確保に努められたい。
 五、ライフラインの確保、情報連絡体制の整備、緊急地震速報システムの導入など、災害に備えた取り組みに万全を期されたい。
 六、東京都保健医療公社の病院運営に当たっては、地域医療連携の推進と地域医療の充実に努められたい。
 また、豊島病院の移管については、地域ニーズを踏まえた医療機能の確保や地元自治体を含めた新たな連携方法を検討されたい。
 以上であります。

○佐藤(広)委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十年度予算案にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
 二十年度予算案は、堅調な都税収入を受け、一般会計は前年度比三・八%増、六兆八千五百六十億円の規模となりましたが、一般歳出は一・八%増の四兆四千百三十七億円にとどまっています。財政規模がほぼ同額の平成八年度当初予算と比較しても、抑制がきいた予算案となっています。
 歳入においては、都税全体で十九年度最終補正と比較し百六十九億円、〇・三%の横ばい、とりわけ法人二税は一・六%の減収見込みとなり、企業業績の減速など、今後の経済状況に対する警戒感を示しています。
 歳出では、基金積み立てや大規模施設の改修、負の遺産の処理といった備えと補てんの部分が目立ち、その他の経常経費の増は五百三十九億円、二・八%でしかありません。
 原油、資源価格の高騰や米国経済の先行き不透明感、地方法人特別税制度という大きな減収要因、オリンピック招致や社会資本更新経費といった東京の将来需要などに配慮しつつ、都民生活が直面する課題に適切に対応する予算編成とされていますが、長期にわたった緊縮予算へのなれ、内部努力に伴う定数削減、職員のモラール低下による企画力や執行力の低下が懸念されます。
 また、私たちが以前から求めてきた耐震診断や改修などの震災対策の促進や低所得者生活安定化プログラムの充実、小児科医を初めとする医師不足対策などの取り組みは十分とはいえず、現代の貧困についての調査やメディアリテラシーの取り組みなども見過ごされています。
 そして、追加補正の新銀行東京、石原知事のトップダウンでつくられた銀行の救済のための四百億円追加出資は、石原知事を初めとした関係者の責任を明確にするとともに、その実態の解明がなされなければ、到底都民の理解を得られるものではありません。
 最後に、民主党は、石原知事が妥協した法人事業税の一部国税化を取りやめ、道路特定財源の暫定税率を撤廃し、一般財源化を目指す道路特定財源制度改革関連三法案を成立させ、都財政の危機を救うべく取り組むことをつけ加えておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、福祉保健局について申し上げます。
 一、ゼロ、一、二歳の乳幼児保育の拡充や二十四時間開所も含めた保育時間の延長とともに、障害児保育、病後児保育等、保育の充実を図ること。
 また、すべての子育て世帯を支援する施策を推進すること。
 一、認証保育所の設置を推進するとともに、制度の充実や保護者負担軽減事業を実施すること。
 一、要支援家庭の早期発見、支援事業を実施し、要支援家庭の早期発見を図るとともに、適切な支援につなげるよう取り組むこと。特に支援を要する母子に対し、サポート体制を確立し、虐待の未然防止を図ること。
 一、二次医療圏における休日夜間等の中等症妊婦の緊急受け入れ及び周産期センターからの帰院搬送のための体制を整備すること。多摩地域の周産期医療システムを充実させること。
 一、重症以上の小児救急患者に対応するため、重症小児患者に対応するための医師を確保すること。小児救急に来院する多数の患者の中から、緊急度の高い患者を判別し、迅速な医療提供を行うトリアージを行う病院に対し必要な額を補助すること。
 一、産科、小児科などの医師確保が困難となっている医療機関が引き続き医療を提供できるよう、専門医の安定的確保に支援を行うこと。病院勤務医師の過酷な勤務環境を改善するため、当直体制の見直し、医療クラークの配置を行うこと。再就業支援対策を実施すること。
 一、発達障害、児童虐待など、さまざまな子どもの心の問題に係る医学的支援機能を有する拠点病院が関係機関への支援を行う、子どもの心の診療拠点病院整備支援事業を実施し、子どもの心のケア充実を図ること。
 一、がん医療の水準向上、がん対策の計画的な推進を図るため、都道府県がん診療連携拠点病院及び地域がん診療拠点病院、東京都認定がん診療病院を整備するとともに、経費を補助すること。
 一、がん登録支援事業、放射線・化学療法等施設設備整備費補助を行うこと。在宅緩和ケア支援事業、がん患者療養支援事業、ターミナルケアに係る人材育成事業を実施すること。
 また、在宅医療ネットワーク推進事業を実施すること。
 一、介護サービス基盤の整備として、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム緊急整備、ケアハウスの整備、地域密着型サービス等重点整備、介護老人保健施設の整備、介護専用型有料老人ホームの設置促進のための補助をすること。
 一、認知症高齢者への支援として、認知症対策推進事業、認知症生活支援モデル事業、認知症地域医療推進事業、高齢者権利擁護推進事業、認知症ケア高度化推進事業を実施すること。
 一、障害者自立支援法の施行に伴う東京都障害者自立支援対策臨時特例交付金事業を引き続き実施するとともに、障害者の生活実態に即した自立支援策、所得保障を実現するよう国に対し働きかけること。
 一、障害者の就労支援を充実するため、東京都障害者就労支援協議会、区市町村障害者就労支援事業、障害者就業・生活支援センター事業を実施すること。
 また、企業内通所授産事業、障害者による地域緑化推進事業を実施すること。
 また、障害者の地域での生活を支えるサービス基盤を充実させるため、施設整備に係る設置者負担の特別助成を実施し、地域生活の基盤整備を促進すること。心身障害者施設用地取得費貸付事業を実施するとともに、補助率を引き上げること。
 一、低所得者支援策として、生活相談、生活サポート特別貸付、ネットカフェ難民支援、低所得者世帯の子どもたちへの学力向上支援、就労支援などを実施すること。
 また、多重債務者の生活再生事業、児童養護施設退所者等への自立生活支援事業を実施すること。
 一、難病対策として、医療費公費助成の対象疾病を拡大するとともに、在宅難病患者対策を充実すること。
 一、ウイルス肝炎受療促進集中戦略として、健診強化事業、診療ネットワーク整備事業、インターフェロン治療に医療費を助成する肝炎治療推進事業を実施すること。
 また、慢性肝炎等患者及び家族への支援を行うこと。
 一、国民健康保険事業は、現行の補助水準を維持すること。
 次に、病院経営本部について申し上げます。
 一、都立病院の再編整備に当たっては、地域の医療機能を確保するとともに、住民の安心・安全を確保できるよう、十分な対策を講じること。
 一、給与、勤務条件などの処遇を改善するなどして、優秀な医師確保、ひいては都立病院として必要な医療機能の確保に努めること。
 一、都立病院の危機管理体制を充実強化のため、医療資器材の整備、訓練の実施、緊急地震速報システムの整備、エレベーター地震対策工事を行うこと。また、リスクマネジャー等に対して研修を実施すること。
 一、電子カルテシステムについては、業務の効率化に資するよう、一層の改善を図ること。
 以上で、都議会民主党を代表して、私の意見開陳を終わります。

○大松委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通について申し上げます。
 平成二十年度の一般会計当初予算案は、歳出総額が六兆八千五百六十億円、このうち一般歳出は四兆四千百三十七億円と、三年連続して増加しています。この中では、我が党が一貫して充実を要求している福祉と保健の分野の予算額が八千百九十九億円、一般歳出に占める割合も一八・六%と、いずれも過去最高となったほか、都民生活の安全確保、快適な都市環境の実現、産業力の強化など、都民生活が直面する課題への対応が着実に図られており、都民の負託に的確にこたえる予算となっております。
 また、経済環境の変化などから、これまで順調に伸びてきた都税収入の伸びが鈍化し、また今後、法人事業税の一部国税化も見込まれるなど、都財政を取り巻く環境は厳しくなることが懸念される中、将来の社会資本ストックの更新に備え、社会資本等整備基金に二千五百億円を積み立てるなどしていますが、このように各種基金の充実を図り、攻めを支える備えを講じることは、今後の安定した財政運営に必要な取り組みです。
 その上で、「十年後の東京」実行プログラム二〇〇八における二十年度事業の全額予算化や二〇一六年東京オリンピック招致の推進など、将来の東京を見据えた先進的な取り組みを加速させるほか、低所得者対策や子育て環境の整備、公立小中学校の校庭芝生化の推進など、我が党が主張する都民生活を守る施策にも積極的に取り組む攻めを実現していることは、評価できるものです。
 また、二十年度からは、これまで公明党が提案し、都が全国自治体で初めて導入した複式簿記・発生主義会計による新たな公会計制度を活用した事務事業評価を予算に反映したものとなっています。今後も、こうしたPDCAサイクルの活用によって、施策の充実や見直しを行い、都政が直面する諸課題に適切に対応し、将来にわたり施策の積極的な展開を図っていくための仕組みづくりが重要です。
 一方、日本を牽引する首都東京が果たすべき役割はますます大きく、そのための財政需要も膨大です。そうした財政需要にこたえる意味でも、税制の抜本改革を強力に推進し、法人事業税の一部国税化の暫定措置を終了させることが、都財政はもとより、地方分権推進の視点からも重要であり、都としても強力に取り組んでいく必要があると考えます。
 今後、本格的な少子高齢化社会、人口減少社会を迎え、都民生活を守る取り組みがますます重要となる中、引き続き都政の構造改革を進めるとともに、中長期的な視点に立った財政運営を確かなものとしていくことを強く望むものであります。
 なお、予算の執行に当たっては、都民の期待にこたえられるよう、より一層効果的かつ効率的に行うことを要望しておきます。
 次に、各局別に申し上げます。
 まず、福祉保健局関係について申し上げます。
 一、超高齢化や人口減少社会の到来など、時代の大きな転換点を迎え、これまで取り組んできた福祉改革、医療改革をさらに推進するとともに、今年度策定された「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八に基づく施策を着実に進められたい。
 一、子育てや老後、健康に対する都民の不安を解消するために設置された福祉・健康安心基金を活用し、将来に向けた実効性ある施策展開を図られたい。
 一、ケアを必要とする高齢者が、地域の中で暮らし続けられるよう、認知症高齢者グループホームについて、整備率が一定水準以下の地域に対する補助制度を充実するなど、一層の整備促進を図られたい。
 一、認知症高齢者の認知症の早期発見、早期対応に向け、精神科医などによる、かかりつけ医への支援体制を整備し、地域における医療的ケアシステムの整備を図るとともに、地域の社会資源の面的な連携によるモデル事業を実施するなど、総合的な認知症対策に取り組まれたい。
 また、高齢者虐待の防止については、関係機関との連携、人材育成などに取り組まれたい。
 一、高齢者の地域での自立した生活の実現に向けて、市区町村における介護予防の取り組みを支援するとともに、身近な公園を介護予防の拠点として整備するなど、介護予防の定着に向けた総合的な取り組みを図られたい。
 一、高齢者の介護ニーズや社会資源の状況に応じた地域ケア体制の計画的な整備を図るとともに、都有地を活用した介護施設等の整備を促進されたい。
 また、療養病床の確保に向けた支援策を講じられたい。
 一、小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスの整備が促進されるよう、区市町村を積極的に支援するなど、対策を講じるとともに、小規模多機能型居宅介護が活用されるよう、介護支援専門員に対して制度を周知するなど、普及啓発に努められたい。
 一、介護現場での人材確保の困難な状況などについて、より詳細な実態の把握に努め、国に対して適切に提案要求していくとともに、事業者の事務負担の軽減についても、国の動向を踏まえて適切に対応されたい。
 一、介護報酬の不正請求等の悪質な不正に対する適正化対策をさらに充実されたい。
 また、介護サービスの情報公表について、事業者への実地調査の方法を改善するなど、事業者負担の軽減を図るとともに、運用実態を踏まえ、公表に係る手数料の適切な見直しをされたい。
 一、シルバーパスについては、都内の高齢者にとって、社会参加あるいは社会貢献活動に極めて重要な施策であることから、激変緩和の経過措置を継続されたい。
 一、総合的、効果的な子育て支援策の実施に向け、子育て応援戦略会議における施策展開を図るとともに、社会全体で子育てを応援する東京の実現に向けた、子育て応援とうきょう会議の取り組みを推進されたい。
 一、児童相談の第一義的な窓口である区市町村における相談対応力を強化するための支援を充実されたい。特に、児童虐待の早期発見、支援に向けた区市町村の取り組みについては、積極的に支援されたい。
 一、保育サービス拡充緊急三カ年事業により、短期集中的に保育サービスの整備を図るなど、待機児童の解消に向けた施策を展開すること。特に、多様な保育ニーズに柔軟に対応するため、大都市の特性に合わせた都独自の認証保育所の設置を一層促進されたい。
 一、子どもの不慮の事故を未然に防止するため、保護者への効果的な普及啓発や事故予防活動を独自に行う区市町村への支援策などを積極的に講じるとともに、次期の次世代育成支援東京都行動計画の策定に当たり、子どもの事故防止の視点をこれまで以上に重視して検討を行われたい。
 一、ハイリスク妊婦や新生児を受け入れるため、周産期母子医療センターの整備や受け入れ体制の強化を図るなど、二十四時間体制で対応できる周産期医療システムの整備拡充を進められたい。
 また、身近な地域で日常的に診察を受けることのできるかかりつけ医の確保や医師の連携システムについて検討されたい。
 一、障害者地域生活支援・就労促進三か年プランに基づき、精神を含むすべての障害者の地域における自立生活支援のため、グループホーム等の整備により一層取り組まれたい。
 一、障害者が必要とする援助を受けながら就労を実現できるよう、区市町村が就労、生活支援の一体的提供を行う区市町村障害者就労支援事業において、地域開拓促進コーディネーターの配置を進め、福祉的就労から企業等での就労への移行をより一層促進されたい。
 一、障害者自立支援法については、制度の着実な定着を図るために国が実施することとした特別対策とともに、都独自の負担軽減措置を着実に実施されたい。
 一、都民のがん医療水準向上を図るため、国の拠点病院や都独自の認定病院の積極的な活用を図り、人材育成及び放射線療法、化学療法等による効果的治療の普及を促進されたい。
 また、患者や家族の不安軽減を図るため、相談支援や情報提供を充実させるとともに、治療の早期の段階からの緩和ケアの導入を促進されたい。
 さらに、将来のがん医療の向上に向け、院内がん登録の推進に努めることとあわせて、早期に地域がん登録を行えるよう計画的な体制の整備を図られたい。
 一、緊急輸送に対する都民の不安を払拭するため、病院における救急医療情報システムのリアルタイム入力など、救急患者の円滑な受け入れについての検討を行うとともに、対応可能なものについては緊急に取り組みを行われたい。
 一、医師、看護師などの医療人材の効果的な確保等を促進されたい。特に、病院勤務医師の負担を軽減するための勤務環境改善や、離職した女性医師等を対象とした再就職研修などの医療機関が実施する取り組みについて積極的に支援されたい。
 一、自殺対策を社会的取り組みとして推進するため、関係機関による協議、連携体制の整備、自殺問題に関する普及啓発、自殺防止に向けた支援体制の強化など、総合的な取り組みの推進に努められたい。
 一、新型インフルエンザの発生に備え、医療体制の確保について、区市町村や関係機関等と連携して早急に進められたい。
 また、社会福祉施設等におけるノロウイルス等の感染症発生予防のため、施設管理者等への研修、啓発など、必要な支援を行われたい。
 一、輸入食品を初めとした食品の安全性に対する都民の不安を早急に解消するため、都民への迅速な情報提供や適切な相談、積極的な監視を実施されたい。特に、都民の関心の高い原料原産地表示については、わかりやすい表示制度を早急に検討されたい。
 一、生活安定への意欲と可能性を持つ低所得者に対して、就労支援等を目的とした一時的な資金の無利子貸付、さまざまな生活相談など、きめ細かな支援を行う低所得者生活安定化プログラムについては、できる限り早くの実施に努められたい。
 一、後期高齢者医療制度について、広域連合及び区市町村とともに、後期高齢者を初めとする都民全体に対し、わかりやすく説明し、その理解促進に努められたい。
 また、広域連合が実施する後期高齢者に対する健康診査に対し、他の医療保険者と同様に補助するなど、必要な措置を講じられたい。
 一、福祉のまちづくりを推進するため、鉄道駅エレベーター等整備事業などを継続実施するとともに、ユニバーサルデザイン整備促進事業を実施し、オリンピック招致を契機として、ハード、ソフトにわたる社会基盤全体のバリアフリー化を推進されたい。
 一、都区共同で取り組んでいる路上生活者の自立支援策である緊急一時保護センター事業や巡回相談センター事業などを着実に推進されたい。
 一、帰島後の三宅村の現状を踏まえ、東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の有効期限を平成二十一年三月末まで延長し、生活再建に向けた支援を継続されたい。
 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、都立病院改革に当たっては、都民の命と健康を守るという行政としての責任を果たすため、地元自治体や地域住民のニーズに配慮するとともに、都民に正確な情報を提供するなど、きめ細やかな対応を行われたい。
 一、第二次都立病院改革実行プログラムの着実な進捗を図り、がん医療、救急医療など、都民に対する医療サービスの向上に努められたい。
 一、多摩総合医療センター(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)のPFI事業による整備に当たっては、選定した事業者と、患者サービスの向上を目指し、将来の都民の負託にこたえ得る充実した病院となるよう努められたい。
 一、小児の心と体を総合した医療を提供する小児総合医療センター(仮称)の整備を進めるとともに、小児病院の統合に当たっては、地元自治体等と十分に協議を尽くし、地域に必要な小児医療機能の確保に万全を期すよう努められたい。
 一、駒込病院のPFI事業による整備に当たっては、選定した事業者と十分な協議を行い、建設コスト、運営コストの削減と患者サービスの充実に努めるとともに、最新鋭の放射線治療機器の導入や緩和ケア医療提供体制の充実を図られたい。
 一、松沢病院の整備にPFI手法を導入するに当たっては、選定した事業者と十分な協議を行い、建設コスト、運営コストの削減と患者サービスの充実に努められたい。
 また、精神疾患を有する患者さんの社会復帰の支援に引き続き取り組まれたい。
 一、大塚病院の小児精神科外来の整備に当たっては、平成二十一年度秋口の運営開始を目指し、着実に準備を進められたい。
 一、東京医師アカデミーを開講し、若手医師の育成に努められたい。とりわけ緊急医療の専門スタッフの育成を図られたい。
 一、財団法人東京都保健医療公社は、医師及び看護師不足の解消に積極的に努めるとともに、緊急医療を初めとする地域の医療ニーズに的確に対応するよう努められたい。
 一、豊島病院の財団法人東京都保健医療公社移管に当たっては、地域ニーズを十分把握し、地域の中核病院として、地域全体の医療サービスの充実を図られたい。
 一、府中病院において臍帯血移植の一層の推進を図るため、引き続き必要な体制を確保し、着実に実施されたい。
 以上でございます。

○かち委員 それでは、日本共産党都議団を代表して、二〇〇八年度東京都予算案に関連して意見を述べます。
 今、雇用の破壊、増税と負担増、物価の高騰で、都民の暮らしはますます厳しさを増しています。中でも全国的に問題となっている貧困と格差の是正は、緊急に求められています。東京都に求められていることは、五兆五千億円という過去最高の税収を、貧困格差の是正、都民の暮らしと福祉を守ることに最優先に使うことです。
 ところが、来年度予算案の福祉保健費は、今年度と比べ四百五十二億円も減額となっています。予算案では、石原知事が昨年の都知事選で公約した中学三年生までの医療費無料化も計上されていません。低所得者への減税公約を撤回し、かわりに具体化した低所得者生活安定化プログラムは、三年間の期限つき事業で、その内容の多くが相談窓口と貸付制度であり、不十分なものです。
 障害者分野でも、大きな問題になっている障害者自立支援法に対するさらなる都独自の負担軽減の拡充や、事業者支援策はありません。看護師不足が深刻になっている中、さらに看護専門学校の廃止で再編前に比べ四割台に削減し、小平福祉園を初め、都立施設の廃止、民営化を推進することは見過ごせません。
 相次ぐ食品偽装問題や輸入加工食品の薬物混入など、都民の食の安全確保のために、検査体制や輸入食品監視体制の強化が求められています。福祉と保健予算を拡充し、働く貧困層の増大や、高齢者、障害者の大幅な負担増への対応、少子化対策、食の安全など、都民の要望にこたえることを強く求めるものです。
 次に、各局別に申し上げます。
 まず、福祉保健局関係です。
 一、後期高齢者医療制度の中止を国に求めるとともに、あくまで、実施された場合、広域連合への保険料や健診負担の軽減補助を行うこと。
 一、六十五歳から六十九歳の高齢者医療費助成制度を新設し、一割の医療費助成を行うこと。
 一、シルバーパスは、激変緩和を継続するとともに、所得に応じて三千円パスなどを発行するとともに、多摩都市モノレールなどにも適用すること。
 一、だれもが安心して介護が受けられるよう、保険料の減額、免除の制度をつくること。保険料、利用料軽減を行う区市町村を支援すること。福祉手当を支給すること。
 一、介護予防の取り組みを強化するとともに、要支援、軽度介護者、同居家族などの生活援助を強めること。
 一、福祉人材の育成、確保のための処遇改善を図るとともに、事業所の実態調査を行うこと。
 一、四万人を超える待機者解消のため、特別養護老人ホームや老人保健施設、介護保険施設整備を強化し、療養病床確保に対する抜本的支援を行うこと。
 一、介護事業所の情報公開制度は、情報調査のあり方や公開内容の改善を進め、手数料を引き下げること。
 一、生活保護世帯に対する老齢加算、母子加算打ち切りの復活を国に求めるとともに、都独自の法外援助を拡充すること。
 また、三宅島被災者に対する支援を継続、強化すること。路上生活者対策を拡充すること。
 一、自立支援法による利用者負担の軽減を図り、住民税非課税者は負担なしとすること。障害者施設への都独自の助成を拡充し、サービス水準が低下しないようにすること。精神障害者にも福祉手当を支給するなど、身体、知的障害者との格差を是正すること。
 一、共同作業所や学童保育グループなどの新設も含め、支援を継続すること。
 一、手話通訳派遣事業、要約筆記者派遣事業は中止せず継続すること。盲ろう者通訳介助者養成事業を都として実施すること。区市町村の地域生活支援事業への支援を強化すること。
 一、重度心身障害者や発達障害、高次脳機能障害者に対する支援を強化すること。
 一、中学三年生までのすべての子どもの医療費無料化を早急に実現するとともに、乳幼児医療費助成も含め、所得制限をなくすこと。
 一、妊婦健診を都内どこでも無料化できるよう、区市町村への財政支援を行うこと。
 一、サービス推進費補助を初め、認可保育所への補助を大幅に引き上げ、保育の質を拡充するとともに、都有地活用など、新設への支援を強化すること。延長保育、産休明け保育を充実すること。
 一、認証保育所の食材費を初め、保育環境確保の立場で実態調査を行うこと。
 一、子ども家庭支援センター、一時保育、病児保育、病後児保育など、子育て支援事業を拡充すること。東京都児童会館の廃止計画は中止し、現在地で存続させること。学童クラブ、児童館をふやし、子どもの居場所づくりを進めること。子どもの事故防止対策を強化すること。
 一、児童相談所、一時保護所の拡充など、児童虐待対策を拡充すること。児童養護施設の増設と機能強化を進めること。
 一、ひとり親家庭に対する経済的支援、就労支援、相談体制の拡充を図ること。
 一、ワーキングプア、ネットカフェ難民、低年金者など、生活保護基準以下の生活を余儀なくされている人への生活応援手当を創設するなど、支援を強化すること。多重債務や低所得者に対する相談体制を整備するとともに、生活資金の貸付制度を拡充すること。
 一、不足している小児科医、産科医等の臨床研修医を確保する医療機関への補助を実施するなど、医師の育成、確保対策を強化すること。
 一、看護師確保の目標を大幅に引き上げるとともに、新人研修ヘの支援など、看護師の確保、離職防止対策を強化すること。都立看護専門学校の募集をふやし、拡充するとともに、寄宿舎の使用料値上げは行わないこと。
 一、がん対策推進条例を策定し、総合的ながん対策を推進するとともに、地域がん登録、院内がん登録、専門医の育成、在宅緩和ケアセンター整備、がん患者の相談支援体制づくりを推進すること。
 一、新型インフルエンザ対策を拡充し、感染症指定病院をふやすとともに、必要な医療資材の確保、備蓄を行うこと。エイズ対策、はしか、ノロウイルスなどの感染症対策を強化すること。
 一、小児休日・全夜間救急事業は、六十カ所の目標を早期に実現するとともに、軽症から入院まで対応できる、子ども救急医療センターとして制度を拡充すること。小児初期救急診療事業を全区市町村で実施すること。
 一、産科医療の危機打開に向けて、助産師外来への支援や、病病連携、病診、助産所との連携ネットワーク構築、周産期医療センターをふやすこと。
 一、地域リハビリテーション支援センターを拡充するとともに、回復期リハビリテーション病院などの整備を強化すること。
 一、保健所を拡充すること。
 また、食品監視員の増員、体制強化により、冷凍輸入食品の残留農薬検査を行うこと。
 一、ウイルス肝炎に対する医療費助成は、インターフェロン治療だけでなく、抗ウイルス治療なども対象とし、入院医療費を継続すること。難病医療費助成の対象疾病を拡大し、難病相談・支援センターや神経難病ネットワーク事業を拡充すること。
 一、特別区、市町村国保、国保組合への助成を拡充し、保険料の負担軽減を進めるとともに、保険料、医療費の減免制度を拡充すること。国保組合に対する都費補助は、医療費、経費の増加分を含め、現行水準を維持すること。
 一、ノンステップバスの導入促進、だれもが利用しやすいトイレ整備など、福祉のまちづくりを推進すること。ユニバーサルデザイン推進の全庁的体制を確立すること。
 一、福祉施設の廃止、民間移譲は中止すること。老人医療センターは都直営で拡充すること。
 次に、病院経営本部関係です。
 一、都立豊島病院の公社化、都立小児病院の統廃合はやめ、それぞれ拡充すること。都立梅ケ丘小児病院は、子どもの心の診療拠点病院として拡充整備すること。
 一、都立病院の地方独立行政法人化の検討及びPFI導入は中止すること。
 一、都立病院、公社病院の医師、看護師をふやすとともに、待遇改善を推進すること。
 また、七対一看護体制を実施すること。
 一、豊島病院の公社移管、NICU廃止、病床削減及び看護師定員の削減は中止すること。
 一、都立病院、公社病院とも、地域医療とともに、救急、がん、脳卒中を初めとした専門医療体制を拡充すること。
 一、入院預かり金の検討は中止すること。
 以上です。

○西崎委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された平成二十年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 好調な企業収益によって都税収入が大幅に伸び、長く続いた財政再建にようやく区切りをつけた平成二十年度予算は、「十年後の東京」実行プログラムを中心に、将来の東京を見据えた施策展開を積極的に行うとしています。しかし、ここに来て、原油高、円高、法人事業税の移譲などで、都の財政状況はにわかに不透明になってきました。
 そういう中で、新銀行東京への追加出資四百億円の補正予算が出されましたが、十分な情報公開も参考人招致も行われないまま、知事は、ただただ追加出資が必要であり、責任は旧経営陣にあると繰り返すばかりで、四百億円の根拠も、今後の見通しも、到底明らかになったとはいえません。
 行政のチェック機関である議会が何を判断基準として結論を出すのか、都民の厳しい目にさらされていることを認識すべきです。
 今、国の社会保険庁による年金不安の拡大、介護保険制度改正や後期高齢者医療制度導入など、老後の生活不安は増大する一方であり、高齢者への迅速な対応が求められています。また、若者、母子家庭、ネットカフェ難民などの低所得者対策は、地域の実情に合わせてきめ細かに行われてこそ、実効性のあるものになります。貧困こそ、政治的、社会的に解決されなくてはなりません。
 将来に向けて安心をつくり出すために、食品安全や環境対策などに集中的に予算を振り向けることも大切です。中小企業については、単にお金だけではなく、きめ細やかな支援こそ求められています。
 都議会生活者ネットワークは、都民の多様な暮らしに安全と安心をつくり出す、未来への責任ある予算執行を求めるものです。
 以下、各局別に意見を申し上げます。
 まず、福祉保健局です。
 一、認可保育所、認証保育所など、すべての保育施設において待機児解消を図り、ゼロ歳児保育、延長保育、病後児保育に取り組めるよう、区市町村に対する子育て支援基盤整備包括補助を充実させること。
 一、学童保育の大規模化と待機児の解消、ハンディキャップのある子どもの受け入れ体制の充実等を考慮して、都独自の学童保育の設置、運営基準を策定すること。
 一、子どもへの虐待を未然に防ぐため、生まれる前後から親への適切な支援と虐待を早期に発見する仕組みを構築すること。
 一、子ども虐待に対する緊急介入の迅速化と、緊急一時保護所や専門養育家庭、グループホームを拡充するとともに、市民団体との連携を進め、虐待を繰り返す親へのピアカウンセリングを含む対応の強化を図ること。
 一、小児科医を確保して、小児医療水準の向上を図り、小児救急医療体制は都内全域を格差なく早急に整備し、充実強化を図ること。
 一、ひとり親家庭の安定した就労を確保するため、関係各局と連携した就労支援策を総合的に展開すること。
 一、障害児がいるなど、ひとり親家庭の状況に配慮し、ホームヘルプ事業など、実態に即した総合的な支援を拡充させること。
 一、介護に携わる人材の専門性を高めるとともに、人材を確保できる雇用環境の整備を図ること。介護報酬の見直しに向け、現場の声を反映するよう努めること。
 一、介護サービス情報の公表制度について、事業者の負担軽減措置を講じること。また、福祉サービス第三者評価についても、受審支援策を強化、継続すること。
 一、指定事業者に対するチェック体制を強化し、第三者サービス評価の受審を促進すること。
 一、グループホームは、認知症高齢者や障害者のみに限定せず、多機能化し、ソーシャルミックスを実現する住まいとして進めること。
 一、在宅ターミナルケアが可能になるよう、訪問診療や訪問看護制度の拡充など、在宅医療サービスと生活支援サービスの拡充を図ること。
 一、介護療養型病床の廃止、転換については、老人保健施設、広域型ケアハウスなどの転換モデルを設定し、十分な支援を行うとともに、地域に必要な小規模多機能施設にも十分な支援を行うこと。
 一、精神障害者の自立支援に向け、精神障害者地域生活支援センターやグループホーム等の整備を進めるとともに、小規模作業所等への運営補助を継続すること。
 一、発達障害者の支援については、モデル事業を進め、支援プログラムの開発を促進すること。
 一、ホームレスの安定した住居の確保や雇用の機会を創出し、地域で生活できる多様な支援体制をつくること。
 一、新型インフルエンザやSARSについては、十分な情報提供と体制整備を行うこと。
 一、医療の安全確保のための人材養成プログラムを実施するとともに、人員配置のための助成制度を創設すること。
 一、薬物乱用防止については、学校での学年別教育プログラムの活用とともに、子ども自身が課題に気づき、啓発の発信者となるよう取り組みを拡大すること。
 一、若者の心と体の悩みにこたえ、健康や性に対する正しい知識を提供する機能を備えた若者専用クリニック、ユースクリニックを繁華街に開設すること。
 一、若年層を対象にしたエイズ拠点事業を活用した普及啓発を充実拡大すること。
 一、アトピー性皮膚炎や花粉症疾患など、アレルギー疾患の病態、原因の解明、相談機能、情報提供を充実すること。
 一、乳がん啓発事業について区市町村と連携し、乳がん検診の受診率を上げること。
 一、区市町村における生活習慣病、高齢者などに対する健康検診を一層充実させ、医師、看護師、栄養士などによる生活指導を制度化すること。
 一、食品による危害の発生の未然防止を図るため、残留農薬、照射食品、健康食品その他、都民が不安を持つ食品などの安全性調査を積極的に進めること。
 一、都民の健康を確保するための情報提供、リスクコミュニケーションシステムを確立し、予防原則の観点から効果的な施策展開を図ること。
 一、都の施設給食では、遺伝子組みかえ食品を使用しないこと。
 一、輸入加工食品の原産地表示を実施すること。
 一、BSEの全頭検査は継続すること。
 次に、病院経営本部関連について申し上げます。
 一、都立病院の患者の権利章典を医療従事者及び患者に周知を図り、患者へのサービス向上を進め、インフォームドコンセント、セカンドオピニオンなどの原則を徹底すること。今後策定予定の精神病院の患者の権利章典については、患者とその家族に向けた特有の権利を反映させ、患者中心の医療を進めること。
 一、小児科及び産科などの専門医を育成し、確保していくために、都立病院においての専門臨床研修制度を拡充するとともに、救急医療体制を整えること。
 一、都立病院の見直しについては、地域の声を尊重し、開業医や診療機関との連携を図ること。
 一、セカンドオピニオン外来や女性専門外来を拡充すること。
 一、都立病院での難病患者へのショートステイ受け入れをふやすこと。
 一、入院中の子どもたちへの院内学級や訪問学級の充実を図ること。
 一、難病や小児の入院に伴う家族への宿泊施設などの支援を行うこと。
 一、患者相談センターの早期設置とコーディネーターの養成を図ること。
 以上です。

○野上委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたしますので、ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○野上委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第七十号議案から第九十七号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 ただいま議題となっております議案中、第八十九号議案に対し、かち副委員長外一名から修正案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

修正案の提出について
第八十九号議案 東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例
 右議案に対する修正案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成二十年三月十九日
(提出者)
 かち佳代子  吉田 信夫
厚生委員長殿

第八十九号議案 東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例案に対する修正案
 第八十九号議案 東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例案を次のように修正する。
 第二条第一項の改正規定中「東京都日暮里・舎人ライナー」の下に「並びに多摩都市モノレール株式会社が運行するモノレール及び株式会社ゆりかもめが運行する電車」を加え、同改正規定の次に次のように加える。
 第四条中「費用として」の下に「、所得に応じて」を加える。
   附則
 この条例は、東京都規則で定める日から施行する。
(提案理由)
 パスの発行の対象者の所得に応じて費用の負担区分を増やすとともに、多摩都市モノレール株式会社が運行するモノレール及び株式会社ゆりかもめが運行する電車を加える必要がある。

○野上委員長 これを本案とあわせて議題といたします。
 提出者の説明を求めます。

○吉田委員 第八十九号議案、東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例案に対する修正案について説明いたします。
 修正案は、第一に、第二条第一項の改正規定中、「東京都日暮里・舎人ライナー」の下に「並びに多摩都市モノレール株式会社が運行するモノレール及び株式会社ゆりかもめが運行する電車」を加えるものです。
 第二に、第四条中、「費用として」の下に「所得に応じて」を加え、現在の非課税者は千円、課税者は一律二万五百十円の負担だけでなく、所得に応じた負担区分をふやそうとするものです。
 多摩都市モノレールなど第三セクターが運営する公共交通を対象に拡大することは既に七都市で実施しており、東京都市長会からも要望書が提出されているところです。高齢者の社会参加の促進を図るという本事業の趣旨からすれば、利用可能な路線を拡大することは当然のことであり、都の財政力からすれば十分可能です。
 また、同様の制度を実施している政令市の多くが所得に応じた段階的負担制度を実施しており、住民税課税者に対し、一律二万五百十円の負担を求める例は他にありません。多くの高齢者からも、収入に応じた改善の要望が出されており、修正案は、高齢者の要望にこたえようとするものです。
 なお、具体的な収入基準、負担額は別途規則で定めることにしています。ぜひご賛同ください。

○野上委員長 説明は終わりました。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 これより採決を行います。
 初めに、第八十九号議案を採決いたします。
 まず、かち副委員長外一名から提出された修正案について、起立により採決いたします。
 本修正案について賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、第八十九号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第七十号議案から第八十五号議案まで、第九十一号議案、第九十二号議案及び第九十四号議案から第九十七号議案までを一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立多数と認めます。よって、第七十号議案から第八十五号議案まで、第九十一号議案、第九十二号議案及び第九十四号議案から第九十七号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第八十六号議案から第八十八号議案まで、第九十号議案及び第九十三号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、第八十六号議案から第八十八号議案まで、第九十号議案及び第九十三号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○野上委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○野上委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、秋山病院経営本部長から発言を求められておりますので、これを許します。

○秋山病院経営本部長 お許しをいただきまして、当委員会所管二局を代表して、お礼のごあいさつを申し上げさせていただきたいと思います。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきまして、ただいまご決定をいただきまして、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程でちょうだいいたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、十分に尊重させていただきまして、今後の事業執行に反映をさせてまいりたいと存じております。
 また、福祉保健局とも、より一層連携を深めまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 引き続き、野上委員長初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
 甚だ簡単ではございますが、御礼のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○野上委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四分散会

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