委員長 | 長橋 桂一君 |
副委員長 | かち佳代子君 |
副委員長 | 山加 朱美君 |
理事 | 谷村 孝彦君 |
理事 | 野島 善司君 |
理事 | 増子 博樹君 |
伊藤 興一君 | |
山口 文江君 | |
田代ひろし君 | |
いのつめまさみ君 | |
野村 有信君 | |
大塚たかあき君 | |
佐藤 裕彦君 | |
吉田 信夫君 |
欠席委員 なし
出席説明員病院経営本部 | 本部長 | 大塚 孝一君 |
経営企画部長 | 及川 繁巳君 | |
サービス推進部長 | 鈴木 茂君 | |
参事 | 岸上 隆君 |
本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出病院経営本部所管分
・平成十九年度東京都病院会計予算
報告事項(説明)
・今後の豊島病院のあり方について
陳情の審査
(1)一八第一一四号 東京都保健医療公社大久保病院に関する陳情
○長橋委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の第一回定例会提出予定案件及び報告事項の説明聴取並びに陳情の審査を行います。ご了承願います。
なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は、説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は定例会中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
これより病院経営本部関係に入ります。
初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○大塚病院経営本部長 平成十九年第一回定例会に提出を予定しております病院経営本部関係の議案につきまして、ご説明申し上げます。
ご審議いただきます議案は、平成十九年度当初予算案二件でございます。
それでは、平成十九年度当初予算案についてご説明申し上げます。
病院経営本部は、これまで、地方公営企業法に基づく地方公営企業として、法第三条に定める公共の福祉の増進と経済性の発揮という経営の基本原則にのっとって、都民に対する医療サービスの向上とあわせて日々の経営改善努力を不断に積み重ねながら、都立病院を運営してまいりました。
一方、社会経済情勢の変化に伴い、都民の医療ニーズも高度化、多様化してきており、医療に対する安全対策や救急災害医療体制の整備等に加えて、医師の育成や確保などについて、その充実がますます強く求められているところでございます。
病院経営本部は、都民が求める行政的医療を適正に提供することを基本的役割とする一方、常に都民を取り巻く医療環境の変化を見据えながら、限りある医療資源を最大限有効に活用することにより、総体としての医療サービスの提供体制を充実強化していくことが重要であると考えております。
平成十九年度予算は、こうした考えに基づき、一般会計予算では財団法人東京都保健医療公社の運営費などを、病院会計予算では、従来の医療サービスの向上、再編整備の推進、危機管理、経営革新の四つの柱のほか、新規事項として新たな改革への取り組みを加え、五つの柱といたしまして、都立病院改革を着実に推進していくための予算案としたところでございます。
予算案に盛り込みました事項につきましては、後ほど経営企画部長からご説明いたさせますが、私からは、主要な施策についてご説明させていただきます。
まず、一般会計予算でございます。
一般会計予算では、財団法人東京都保健医療公社が運営する五つの地域病院の運営に要する経費のほか、東京都多摩がん検診センターの運営費などを計上しております。
次に、病院会計予算でございます。
まず、一つ目の柱、医療サービスの向上でございます。
患者情報の管理を一層推進し、医療の質の向上を図るため、診療情報管理士の確保に努めてまいります。
二つ目の柱、再編整備の推進でございます。
多摩メディカル・キャンパス(仮称)の整備につきましては、病院本体工事に着手してまいります。
がん・感染症医療センター(仮称)の整備につきましては、本年三月にPFI事業の落札者が決定する予定で、十九年度は病院改修工事の設計に着手してまいります。
また、精神医療センター(仮称)の整備につきましても、PFI手法の導入を目指し、事業を進めてまいります。
さらに、大塚病院におきまして、区部における小児精神科医療機能を整備してまいります。
三つ目の柱、危機管理でございます。
新型インフルエンザや災害の発生に備え、医療用資器材の整備充実を図るほか、都立病院合同による災害対策訓練を実施してまいります。
四つ目の柱、経営革新でございます。
コスト縮減と環境対策を両立させたESCO事業を、都立病院では三カ所目となります墨東病院に導入してまいります。
最後に、五つ目の柱、新たな改革への取り組みでございます。
医師不足が深刻化し、次代の都立、公社、公的病院を担う医師の確保や継続的育成が喫緊の課題となっていることから、都立病院医師アカデミー(仮称)を創設し、臨床研修医制度をより一層整備拡充してまいります。
以上が、平成十九年度予算における主要な施策の概要でございます。
昨年は、診療報酬の大幅なマイナス改定が行われたことに加えて、一部診療科では医師不足が深刻化するなど、都立病院を取り巻く経営環境は、従来にも増して大変厳しい状況に置かれております。病院経営本部といたしましては、こうした厳しい医療環境のもとでも、都民の安全・安心を支える質の高い患者中心の医療の提供と、総体としての医療サービスの向上という目標をしっかりと堅持しながら、一層の力を尽くしていく所存でございます。
以上、本定例会に提出を予定しております議案の概要でございます。
詳細につきましては、この後、経営企画部長からご説明いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○及川経営企画部長 引き続き、平成十九年第一回定例会に提出を予定しております議案の概要につきまして、ご説明申し上げます。
お手元にお配りしております資料2、平成十九年度当初予算の概要をごらん願います。
恐れ入りますが、表紙をお開きいただき、目次をごらんください。平成十九年度病院経営本部所管当初予算総括表から始まりまして、一般会計、病院会計と順に概要をご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。平成十九年度病院経営本部所管当初予算総括表でございます。
上段、一般会計でございますが、予算額は百六十一億六百万円でございます。病院会計は一千五百八十八億三千四百万円で、合わせまして一千七百四十九億四千万円を計上しております。
三ページをお開き願います。以下六ページまで、一般会計予算についてご説明いたします。
Ⅰ、総括表でございますが、歳出欄は、財団法人東京都保健医療公社の運営費や施設整備費及び本部に配置されます職員の人件費などで、合わせまして百六十一億六百万円を計上しております。下段は歳入でございますが、財産収入などの特定財源で二億一千三百万余円を計上しております。
四ページをお開き願います。Ⅱ、予算定数でございます。
公社運営に係る本部職員で、六人でございます。
五ページをお開き願います。Ⅲ、事項別内訳でございます。
まず、1、地域病院等の運営でございますが、百五十八億五千六百万余円を計上しております。概要欄にありますように、ア、病院運営として、公社所管の五病院の運営に要する経費を計上しております。六ページをお開き願います。イ、備品整備として、医療器械等の備品の計画的な更新に要する経費、ウ、電子カルテの導入として、多摩南部地域病院、多摩北部医療センターの電子カルテシステムの改修を行う経費、エ、東京都多摩がん検診センターの運営に要する経費、オ、財産管理として、公社に移管した大久保病院、荏原病院の資産取得に要する経費、カ、病院管理等として、保健医療公社の事務局の運営に要する経費などをそれぞれ計上してございます。
次に、2、地域病院等の施設整備でございます。病院の施設改修などに要する経費として、二億四千九百万余円を計上しております。
続きまして、病院会計予算についてご説明申し上げます。
八ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
上段の1、収益的収支でございますが、収入は、医業収益、医業外収益及び特別利益を合わせまして一千四百十四億八千八百万円を計上しております。支出は、医業費用、医業外費用を合わせまして一千三百八十八億五千万円を計上しております。収支差引額は二十六億三千八百万円の利益を見込んでございます。
なお、収入欄の括弧内の数値は一般会計繰入金で、収入計欄にありますように、合計で三百九十一億四千三百万円でございます。
次に、下の表、2、資本的収支でございますが、収入は、企業債、国庫補助金などを合わせまして六十八億三千万余円、支出は、建設改良費、企業債償還金を合わせまして百九十九億八千四百万円を計上しております。資本的収支の差引額は百三十一億五千三百万余円の不足となりますが、注に記載しておりますとおり、損益勘定留保資金その他で補てんいたします。
収益的支出と資本的支出の合計は一千五百八十八億三千四百万円、平成十八年度と比較して二十五億六百万円、率にして一・六%の増となっております。
九ページをお開き願います。Ⅱ、予算定数でございます。
平成十九年度の予算定数は、表の合計欄にございますように六千二百六十六人で、平成十八年度と比較いたしまして四十四人の減員となっております。
増減員内訳につきましては、表の右側に事項別に記載してございます。再編整備の推進や診療機能の充実、それに、後ほどご説明いたします新臨床研修医制度の構築に伴う増員、また、定数の見直しや業務の委託化などに伴う減員を行ってまいります。
一〇ページをお開き願います。Ⅲ、患者規模総括表でございます。
上の表の1、入院でございますが、平成十九年度の病床数は合計五千五百一床で、平成十八年度と比較いたしまして十四床の減となっております。これは、松沢病院における再編整備に伴う病棟改修工事によるものでございます。
下の表の2、外来でございますが、平成十九年度の一日当たりの患者数は合計で七千六百七十人で、平成十八年度と同規模としております。
一一ページをお開き願います。Ⅳ、事項別内訳でございます。
十九年度の病院会計予算を七つの分野に大きく区分して整理したものでございまして、まず一、病院管理運営でございます。
職員の給与費、薬品などの材料費、施設の維持管理経費など都立十一病院の管理運営に要する経費で、一千三百八十一億六千六百万余円を計上しております。
一二ページをお開き願います。二、医療サービスの向上でございます。
診療情報管理体制を充実強化し、医療の質の向上を図るため、診療情報管理士の資格取得支援等を行い、人材確保を図っていく経費で、五千九百万余円を計上しております。
一三ページをお開き願います。三、再編整備の推進でございます。
1、多摩メディカル・キャンパス(仮称)の整備から、一五ページの4、大塚病院小児精神科外来の整備までで、六十五億三千百万余円を計上しております。
1、多摩メディカル・キャンパス(仮称)の整備では、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)の整備に要する経費を計上しております。十九年度は、病院本体工事に着手するほか、関連施設の整備、埋蔵文化財調査などを実施いたします。
一四ページをお開き願います。2、がん・感染症医療センター(仮称)の整備でございます。駒込病院を全面改修し、がん・感染症医療センター(仮称)として整備することに要する経費を計上しております。十九年度は、PFI事業契約を締結し、病院改修工事の設計に着手いたします。
一五ページをお開き願います。3、精神医療センター(仮称)の整備でございます。松沢病院を改築し、精神医療センター(仮称)として整備することに要する経費を計上しております。整備に当たりましては、PFI手法の導入を目指してまいります。十九年度は、再編整備関連の病棟改修工事などを実施いたします。
また、建設を含め、平成三十八年度までの事業期間中の債務負担行為として、七百七十七億六千八百万余円の限度額を計上しております。
次に、4、大塚病院小児精神科外来の整備でございます。区部における小児精神科医療機能を整備するため、大塚病院に小児精神科外来を設置し、外来診療やデイケアなどを実施してまいります。十九年度は、施設の設計を行います。
一六ページをお開き願います。四、危機管理でございます。
1、危機管理・医療安全管理体制の充実強化等に要する経費で、二億八千万余円を計上しております。概要欄にありますとおり、災害対策及び新型インフルエンザ対策として必要な医療用資器材の整備充実を図るほか、十八年度に引き続き、都立病院独自による災害対策訓練を行うとともに、エレベーター地震対策工事などを実施してまいります。
一七ページをお開き願います。五、経営革新でございます。
1、省エネルギー総合対策の推進から、一八ページの3、人材育成と意識改革までで、十四億四千三百万余円を計上しております。
1、省エネルギー総合対策の推進でございますが、十七年度の広尾病院、十八年度の大塚病院に続きまして、十九年度は墨東病院に、コスト縮減と環境対策を両立させたESCO事業を導入してまいります。墨東病院におきます事業期間中の債務負担行為として、一億六千万余円の限度額を計上しております。
次に、2、IT化の推進でございます。新病院情報システムの導入や診療情報の共有化のため、医療機器への接続経費などを計上しております。
一八ページをお開き願います。3、人材育成と意識改革でございます。良質な医療を提供していくためには、何よりも人材の育成、確保が不可欠であります。医療技術系職員の専門能力の向上と、経営感覚に富む人材を育成するため、各種研修事業を引き続き実施してまいります。
一九ページをお開き願います。今年度に新たに柱立てしました、六、新たな改革への取り組みでございます。
1、新臨床研修医制度、都立病院医師アカデミー(仮称)の構築でございます。現在、医師不足は全国的に深刻化しております。都立病院等において、次代を担うすぐれた医師を確保、育成していくため、都立病院医師アカデミー(仮称)を創設し、臨床研修医制度をより一層整備拡充してまいります。十九年度は、検討組織の設置や指導医体制の充実、シニアレジデントの採用枠拡大等に要する経費として、一億一千百万余円を計上しております。
二〇ページをお開き願います。七、病院施設整備でございます。
1、病院一般施設整備から、3、企業債の償還まで、都立病院の施設改修や医療器械等の整備などに要する経費として、百二十二億四千二百万余円を計上しております。
二一ページをお開き願います。Ⅴ、債務負担行為でございます。
先ほどもご説明しましたとおり、平成十九年度予算において新たに債務負担行為限度額を計上しましたのは、1、精神医療センター(仮称)整備運営事業と、2、都立墨東病院省エネルギーサービスESCO事業の二件でございます。
最後にⅥ、企業債でございます。
多摩メディカル・キャンパス(仮称)の整備など、病院建設改良事業に要する財源として計上しております。限度額は、表の右にありますように五十七億六百万円でございます。
以上で、平成十九年度の病院経営本部におきます当初予算案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○長橋委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○かち委員 八点ほどお願いします。
一点目は、一般会計繰入金の推移、施設整備関連経費以外、病院別にお願いします。
二番目が、一般会計繰入金の推移で施設関連費です。
三番目が、都立病院における経営指標の推移。
四番目が、都立病院における職種別職員定数の推移と、〇七年一月一日時点での欠員状況。
五番目が、都立病院及び公社病院における研修医の受け入れ状況。
六番目が、各公社病院の経営指標の推移。
七番目が、各公社病院における運営費補助の推移。
八番目が、都立病院でPFI導入中あるいは導入予定の病院におけるPFI関連経費の推移と今後の予定。
以上です。
○田代委員 二点お願いいたします。
一つは、都立病院が公社化したときの何か変化、特に経営状況ですね、わかるようなものがあれば、数字的に見せていただきたい。
もう一つは、都立病院、特に松沢病院の改革、変革の中で、目的と、経時的にいつぐらいまでにどういう状況で進捗していくのかがわかるものがあれば、簡単なものでいいですから、教えていただけたらと思います。
○長橋委員長 ほかにありませんか。--ただいま、かち副委員長、田代委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長橋委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
○長橋委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○及川経営企画部長 今後の豊島病院のあり方につきましてご報告申し上げます。
お手元に資料3、今後の豊島病院のあり方についてと、その概要をまとめました資料4をお配りしております。
それでは、資料4の概要に基づいてご説明させていただきます。
まず、1、これまでの経緯でございます。
豊島病院に関しましては、平成十八年七月発表の行財政改革実行プログラムの中で、財団法人東京都保健医療公社への移管を視野に入れた再検討を行い、新しい運営形態への移行に向けた準備に入るとする方向性が示されたところでございます。
これを受けまして、庁内に今後の豊島病院のあり方に関する検討会を設置し、検討を行ってまいりました。その検討結果を踏まえまして、今回、病院経営本部として、今後の豊島病院のあり方について方針を決定したものでございます。
2、今後の豊島病院のあり方、(1)、豊島病院の現状でございます。
豊島病院は、平成十一年に精神科救急医療などの重点医療課題を掲げて診療を開始いたしまして、現在では、地元板橋区の患者が、外来で六二・三%、入院で五一・三%を占めるほか、紹介率も六三・三%にまで高まるなど、地域に密着した運営を展開しております。
(2)、基本方針でございます。
豊島病院が属する区西北部医療圏には、二つの大学病院のほか、都立大塚病院や老人医療センターがあり、三次医療や専門的な医療機関としてそれぞれ役割を果たしていることから、豊島病院は、地域で不足する二次医療機関として、地域全体の医療サービスの一層の充実に貢献することが求められております。
このため、豊島病院につきましては地域病院として機能を充実させていくこととし、十六年にわたる地域病院の運営実績を有するとともに、三つの都立病院の運営移管を受け、地域病院として安定的に運営してまいりました財団法人東京都保健医療公社に運営を移管することといたしました。
(3)、移管後の医療機能等でございます。
公社移管後の豊島病院の機能につきましては、地域医療の充実という観点から、今後、具体的な検討を行ってまいります。
なお、現在の重点医療課題となっております精神科救急医療等の行政的医療につきましては、受け皿となる都立病院に順次移転していくことを基本としつつも、今後の具体的な検討の中で、引き続き重点医療として提供していくことも妨げないものといたしました。
(4)、公社移管の時期でございます。
これまで公社へ移管しました病院の準備期間なども踏まえまして、平成二十一年度当初の移管を目指してまいります。
(5)、運営を移管するに当たっての留意点でございます。
豊島病院の施設整備に要した借入金の残債務など資産の取り扱いにつきましては、平成十八年に移管いたしました荏原病院での枠組みを例として検討してまいります。
また、当面は、医師、看護師等の従事者を都の職員として派遣することを基本とし、順次、公社固有職員の比率を高めてまいります。
また、公社移管後も当面継続していく行政的医療につきましては、必要な支援策を検討してまいります。
3、今後の課題でございます。
今後、地域病院として必要な医療機能などにつきまして詳細な検討を行い、平成十九年度に作成します第二次都立病院改革実行プログラムに反映してまいります。
4、今後の検討の進め方でございます。
平成十九年三月には、病院経営本部に豊島病院公社化検討委員会(仮称)を設置し、また豊島病院におきましては、平成十九年度上半期中を目途に、地域の関係者等から成る豊島病院運営協議会準備会(仮称)を設置しまして、地域ニーズを踏まえました詳細な検討を進めてまいります。
以上、簡単ではございますが、報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○長橋委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○かち委員 四点ほどお願いします。
都立豊島病院の経営指標の五年分。
二番目に、緩和ケア、精神科医療、周産期医療、リハビリテーション医療の実績、五年分。
三番目に、医師、看護師、コメディカル、検査、事務の定数と、〇七年一月一日時点の欠員状況。
四番目に、老人医療センターとの統合、民営化についての検討経過及び板橋区との区立病院についての検討経過のわかるもの。
以上です。
○長橋委員長 ほかにございませんか。--ただいま、かち副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長橋委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
○長橋委員長 これより陳情の審査を行います。
一八第一一四号、東京都保健医療公社大久保病院に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○及川経営企画部長 それでは、お手元配布の資料5、厚生委員会付託請願・陳情審査説明表に沿いましてご説明させていただきます。
恐れ入りますが、表紙をお開き願います。整理番号1、陳情一八第一一四号についてご説明申し上げます。
この陳情は、新宿区の大久保病院の医療をよくする会代表田中光春さん外一千七百七十八名から提出されたものでございます。
陳情の要旨についてでございますが、大久保病院に関して次の事項を実現していただきたい。1、縮小した皮膚科、神経科を常設すること。2、地域住民の要望が多い小児科を新設すること。3、リハビリテーション科の医療スタッフを増員し、病院として充実させること。4、安心して入院ができるよう、医師、看護師をふやすこと。5、都立直営の病院にすることというものでございます。
現在の状況についてでございますが、大久保病院は、地域医療機関との連携を図りながら、継続性のある一貫した医療を提供することにより、地域医療の充実を図ることを目的として、平成十六年四月に東京都保健医療公社へ運営を移管いたしました。
移管後の大久保病院の診療科等につきましては、平成十五年九月に、地域の意見や要望を踏まえ、行政として取りまとめました公社化検討委員会まとめに基づき運営してきておりまして、皮膚科、神経科につきましても、現在、医療需要に合わせ、おのおの週一回、外来診療を行っております。
また、小児科は、大久保病院が属する区西部保健医療圏におきましては、医師数や医療施設数を都全体や区部全体と比較しますと恵まれた状況にあることなどから、公社化検討委員会まとめでも設置が見送られております。
医師等医療系職員の定数につきましては、平成十九年度に脳卒中ケアユニットを整備するとともに、医師二名、理学療法士一名の増員を予定しております。
このように、リハビリテーション科の医療スタッフなども含めて、医療需要の変化に適切に対応してまいります。
今後とも、大久保病院は、地域医療の充実に向け積極的に取り組んでまいります。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○長橋委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○田代委員 本日のこれ、大変重要なことでありまして、大久保病院の医療をよくする会、かなり多くの方の署名をいただいている。それだけ希望が多いということですね。おっしゃっていることを一つ一つ拝見すると、これはもうごくごく当たり前、普通のことをみんなおっしゃっている。
ただ、今お話しいただいたように、やはり医療というものは適正に提供されていかないと、ただむだなものを多く提供しても、患者さんにも混乱を来すし、また、医療経済というものの破綻にも結びつくわけです。
順番に伺いますけれども、一番の縮小した皮膚科、神経科、これは、今お話しいただいたように、今の状況に合った形でやっていくというわけですから、その状況が変化することによって、またそのときそのときにお考えいただけると思うんですね。今こうだから五年後もこうだということではないでしょう。大きくなるのか少なくなるのか、そのときに適正にやっていかなくちゃならない。今現在は適正に行われている。
小児科は、確かに、どれだけあったらいいかというのは難しいことでありますけれども、現実に今、日本全体で小児科の問題というのは大きな問題になっていて、この地域はほかに比べて、今のお話のように特段に足りないわけではない。平均からいうと上位に位置するということで、それは、求めるものを高めていけば、幾らでも条件は高くしていかなくちゃいかぬわけですけれども、先ほど申し上げたように、医療費の問題、そして国全体、都全体の経営というものも考えると、今のところ適正である以上の状況だというお話で、今のところ新設を考えていないということでしたね。
リハビリテーションにおいても充実していく。
一番、二番、三番は、それなりに納得できるお話をいただいたので、これは実行していただかなくちゃならないわけですけれども、これに対してきちっと、今お話しいただいたようなことは取り組んでいただけるのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 今、委員の方からご指摘いただきました医療につきましては、それぞれの状況に応じて変化していく、そういうことでご指摘のとおりだと思います。
この陳情にもありますけれども、神経科、皮膚科あるいはリハビリテーション、小児科といったものにつきましても、その状況を見ながら公社としても考えていくこととしております。
○田代委員 一番それが重要なことですよね。状況を見ていかないで、ただ数だけ合わせてみたり、実情に合わないなんということは、逆にいうと都民を裏切ることになるわけですから、しっかりと実情を見ていただきたい。
四番は、これはわざわざいうことなのかどうなのか。安心して入院できるように医師、看護師をふやす、これは、当然安心して入院できなきゃ困るわけですが、ただ一つ困るのは、ある特定の政党に偏るような、看護師さんの生活だけを向上するような、患者さんを全く無視したような運動に偏るような病院が今までなかったわけではないんですね、国立病院でも。いつ行っても赤旗しか立っていないような病院があったわけです。そういうばかげた病院にならないということは、きちっと皆さん方が責任を持ってやっていただかなくちゃならないので、必要な限りの医師と看護師というものをふやす、これは重要なことですけれども、これもルールに従って適正に進めていただきたい。
そして、都立病院、これが一番僕よくわからないんですが、都立直営の病院にする。なぜ都立直営の病院にしなくちゃならないのかがわからないので伺うんですけれども、公社病院と都立病院の区別というものがどういうものであるか、簡単にお話しいただきたいと思います。なぜそういうものがなくてはならないのかということですね。
○鈴木サービス推進部長 都立病院と公社病院、なぜ必要なのかということですが、一つは、ご案内のように、都立病院でございますが、都立病院は東京都全域を対象としまして、高度あるいは不採算といった行政的医療を行うという大きな役割がございます。
それに対しまして公社病院は、その地域、当該地域あるいは二次保健医療圏単位ごとなんですが、その地域で不足している二次医療、入院医療と申しましょうか、そういうものを適正に、地域の医療機関、診療所とか病院といった方々と連携しながら提供していく。
そういうことによりまして、東京都全体では総体として医療サービスをアップするということを考えてございます。
○田代委員 そのお答えでもうすべてが答えになっていると思うので、こういう要望が出る、陳情が出ること自身、ちょっと都立直営にするという意味が私わからないんです。二次と三次をきちっとそれぞれ分担を分けて、中の医療の質を担保しながら、それぞれ患者さんに必要なもの、非常に高度の先進的な医療が必要な患者さんもいらっしゃる、これは当たり前ですね。そして、それが補完できないような病院で診療を受けることは、患者さんにとって非常に不安もありますし、結果としてもよくないわけですから、都立病院が必要であると。
しかし、一方、地元に密着して、各地域の医師会、それぞれのかかりつけ医、ホームドクターとも密接な関係を持って仕事を進めていく、それほど高度先進医療ではなくて、その日その日の、生活習慣も含めて細かくケアしていく病院も必要になってくる。
全体を見る目も必要で、食堂に例えるのは失礼ですけれども、皆さんがどういうものを何食ぐらい必要だという考え方も必要だけれども、それぞれ、どうやったら、どういう人に、だしのとり方が、味がよくなるか、細かいことも見なくちゃいけない。それを全部一緒にやれということは不可能なことですから、都立病院の必要性、求められているものと、公社病院が求められているものはおのずから違うわけですよね。
それをきめ細やかに都民に提供するために都立病院と公社病院に分けたわけですから、都立直営の病院にするということは、では、公社病院が担わなくてはならない地元密着の医療はどこが担うのかということになってしまうわけで、ここだけが私はよくわからない。
説明不足が都にもあるんじゃないかなと思うんですね。千七百七十八人もの方が心配なさっているわけで、まさかこれが何か恣意的な、ことしの選挙に関係するようなことで政治活動で行われてないと私は確信していますけれども、なかなか世の中複雑怪奇ですから、どういうことでこういうことが起きているのか。非常に恣意的にだまされちゃってる人がいるなんていうことはないと思いますけれども、だまされちゃう人がいるとすれば、やはり東京都の説明責任や環境づくりが--だましている人がいるのか。いないと僕は信じていますよ。だけど、それが商売でやってる政党がいないと断じ切るわけにいきませんから、そういう意味では、この数だけを見ると、何となくまだ説明責任が足りていないのか、ためにするために何かこういうことを行っているのか。僕はそうは信じたくありませんし、信じてはおりませんけれども、万々が一そうだとすると、非常に奇怪なことだなと思うんですね。
そして公社病院になって、今現実にどういうことを大久保病院が医療サービスとして行っているか、何か例があればお答えいただきたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 大久保病院が公社の病院になってどんなことで変わったかということだと思います。
大久保病院につきましては、公社に移管後、新たな医療サービスとしまして、十六年七月からは、女性専用外来というものを開設しております。十七年十一月には、生活習慣病対策などとして、メタボリックシンドロームの短期入院というものを行っております。さらに、ことしになりますが、十九年度には、人口の高齢化に伴って地域医療機関から要望が非常に強い脳卒中のケアユニット、こういったものを整備するということで、特にこの脳卒中のケアユニットの整備に当たりましては、医師二名あるいは理学療法士一名の増員を予定しております。
今後とも、大久保病院は、地域の医療ニーズに素早くこたえた医療サービスの提供というものをやっていくように指導をしていきたいと思っております。
○田代委員 今お話しいただいたように、非常に現実に即した、決して高度で難しい専門医療ではないけれども、日々の指導、いわゆる人と人とのフェース・ツー・フェースで行っていかなくちゃいけない医療というものに今真剣に取り組もうとしているというお話ですから、それがかけ声だけではなくて、現実のものにしっかり答えを出していただかなくちゃならない。
そのためには、やはり地元の医療機関、これはすべての医療機関、四師会を含み、医師会も歯科医師会も薬剤師会も柔整師会もすべて含んで、医療というもの、もちろんのこと看護師さんたちの協会も含んで、密接に連絡をとって、そしてその中で必ず最後の効果、利益というものは患者さんに還元されるように、もうちょっと密な地元の医療機関との関係、これはまだまだ足りていないような気がします。共同診療という言葉もありますけれども、では、実行されているかというと、なかなか、ほとんど現実に見ていない。こういうことの問題はまだまだ残っていると思うんですね。密にやっていく。いつでも患者さんが、どこの医者に行っても、むだのない、しかもその人にとって一番身近なサービスが提供されるようなシステムをつくる、その中核となって、公社病院というのは地域に貢献していかなくちゃいけない。これは全然足りてないとはいわないけれども、足りないところがある。
その足りないところの問題は、やはりスタッフなんですね。スタッフの充実ということがなかなか大切なので、先ほどちょっと資料要求の中で申し上げた、都立病院と公社病院の資源的な、資金的な流れ、フローを教えていただけたらありがたかったんですが、行政的医療というものを行うためには、もうけ主義でやるわけにはいかない。やはり病院経営本部にしっかりとした予算づけをして、それが都民に戻っていく形にならなくちゃならないわけでありますから、そこのところは、スタッフをふやすという、まず一番大切なことに努力をしていただきたい。
全国的な医師不足という話がありましたけれども、まさしく医師不足なんですね。三十年前に我々が提供しようと思っていたサービスに比べて、今、約百倍にふえているわけです。ニーズも、できるものも、ツールも百倍にふえている。しかし、医師の数は倍にもなってない。看護師さんも足りない。薬剤師さんも足りない。足りないだらけの中でやっていかなくちゃならないので、その予算というものは非常に重要だと思うんですが、そこを公社病院は一つの手本として進めていただきたい。
先ほどのお話で、まだまだ医師不足の解消というものに対しての大きなグランドデザインができているとは思えないお答えでしたし、研修システムによる大学病院の引き揚げというのは全くの一時的ですから、五年間で完全にもとどおりになります。前も申し上げたとおりに、今度、逆にいえばマッチングが都立病院に来ない時代が来る可能性があるわけですから、そこをよく考えて、もう少しスタッフに対して、医療従事者、医師だけではありません、すべてのスタッフに対して、思想的なものに左右されない正当な医療サービスを行うスタッフに対しては、きちっとした対応をとっていただくし、また、そこに医療以外のものの考えによって入ってくる者があったら、それを強く排除していただくことを要望いたしまして、質疑を終わります。
○かち委員 私からも、一八第一一四号、東京都保健医療公社大久保病院に関する陳情について、若干質問をしながら意見を述べさせていただきます。
本陳情に出ておりますけれども、この都立大久保病院が公社病院に移管して二年、これから三年になろうとするわけです。そういうことなので、移管前後を通しての検証を少ししてみたいというふうに思います。
初めに、本陳情の小児科設置の要望について伺いたいと思いますけれども、現況説明の中でいわれたように、大久保病院の属する区西部医療圏においては、区部全体との比較で恵まれているという理由で、公社移管時の設置は見送られました。
それでは、区西部地域における小児科を標榜している病院で二十四時間三百六十五日対応できるところの配置は、公社移管時にはどうなっていたのか、そして今現在はどうなっているのか、お聞きします。
○鈴木サービス推進部長 区西部の保健医療圏でございます。ここにおける二十四時間三百六十五日、休日対応が可能な、いわゆる小児の二次救急医療施設ということだと思いますが、これは、大久保病院が公社に移管された平成十六年四月には五施設ございました。現在は四施設となっております。
○かち委員 今お答えいただいたように、当時は、東京女子医大病院、東京医科大学の病院、慶應大学、国立医療センター、それに中野総合病院の五カ所であったわけですね。ところが、中野総合病院では昨年、小児科の救急対応を廃止しましたので、現在では四カ所です。いずれも新宿区に偏在しているわけです。区部全体では恵まれているといいますけれども、区西部医療圏において、小児救急の整備は切実な要望になっているんですね。
ところが、公社移管時と比べて充実するどころか、先進的な小児医療に取り組んでいた中野の総合病院が、小児科医不足ということで昨年やめてしまったわけです。人口五十一万人の杉並区が小児の休日・全夜間の救急がゼロ、人口三十万人の中野区でもゼロになってしまったわけです。
私は、杉並区への整備や中野区での再開が急務だとは思いますけれども、これは民間医療機関に頼るしかないわけで、直接充実することはできません。医療圏の中で、都の公社病院、公的医療機関の大久保病院こそ、その要望にこたえるべきだと思います。
新宿に偏在しているといっても、すべて大学病院と国立の大病院です。子育て中のお母さんたちから、子どもが熱を出したり、ぐあいが悪くなったとき、救急外来で大学病院などに行っても、一時間、二時間待たされるのは当たり前で、その間にかえってぐあいが悪くなってしまうとか、安心してかかれる病院が欲しい、大学病院や大病院では差額ベッドなどの負担が重い、こういう意見を聞いております。
公社移管時に地域の医療機関からの意見集約をされておりましたよね。その中で、近隣の先生方からの意見が寄せられているわけですけれども、小児医療及び小児救急についてはどのような要望が出されていたでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 公社移管時にアンケートをやった、その意見の要望というところでございます。
小児につきましては、大久保病院の医療機能を検討しました区西部地域病院の運営協議会準備会という検討組織がアンケート調査を行っております。回答をいただきましたのは、医療機関等二十五件から回答をいただきました。そのうち小児関係につきましては六件ございます。
主なものとしましては、救急に対応していただけると助かる、あるいは、新宿区は小児救急は不足していないが、中野、杉並、練馬は不足している、あるいは、大久保病院に小児科がないことに初めて気がついた、それから、小児を入院させる施設の窓口として小児科の新設が望ましい、こういった、重複意見はございますが、合わせて六件の要望がございました。
この運営協議会準備会ではこれらの要望を踏まえまして、そのうち、小児人口千人当たりの小児科の診療所が、現在この区西部では三・六五カ所、都全体の二・三一あるいは区全体の二・七〇と比較すると恵まれた状況にありますことから、協議会では、移管後の大久保病院の小児科の設置は見送るという結論になっております。
この状況は現在でも、区西部保健医療圏は三・五九と、都全体の二・一六あるいは区全体の二・五四カ所より恵まれた状況にございます。
○かち委員 私も読ませていただきましたけれども、新宿区において、聖母病院とか社会保険中央病院にも小児科はあるんですけれども、ベッドがないんですね。小児救急外来や入院ベッドを確保してほしい、こういう声もありましたし、小児科は数としてはあるんだけれども、周辺の小児科はビル診、ビルの中の診療所ということで、時間外の対応が全くできないために、救急外来をつくってほしいという要望です。それから、小児科などいつでも安心して紹介できる高水準の病院は、地域医療機関にとって大変ありがたい、このように述べられています。
このような要望が地域の医療機関から出されているわけで、数だけ見れば、数が多いというふうにいわれますけれども、いわゆるビル診、貸しビル、オフィスビルでの開業の場合が多いために、夜間、休日の救急対応が不足しているというのも重要な問題だというふうに思います。
子どもは本当に急変するんだということを、私は最近、身近な知人のお孫さんの死に遭遇して実感しているんです。このお子さんは一歳八カ月。その日の昼間は全く元気で、ぴんぴんはね回っていたんですけれども、夜中に熱を出して、風邪の一種だと思うんですけれども、熱を出して救急外来に行って、入院したんですけれども、それがウイルス性の風邪から肺炎を起こし、ついには心臓まで行って、七日間で急死してしまうという状況がありました。これが、ここ二、三カ月の間に二人も私は体験したんですね。
そういう意味で、子どもというのは、多く救急外来に来るけれども、ほとんどが風邪とか大したことのない人が多いんだと、それも確かなんですけれども、その中に、本当に見逃せない重要な疾患で対応しなければいけない対象もいるということでは、やっぱりきちんと初期対応のできる小児救急外来というのが非常に重要だというふうに思っています。
地元医療機関の要望を受けて、大久保病院の公社化検討委員会の報告書には、将来的には、小児医療を取り巻く地域の状況も変化していくことも想定されるので、こうした変化に留意していく必要があると書かれています。先ほど確認したように、公社移管後、小児休日・全夜間救急は、充実するよりも、中野のようにゼロになってしまっているという状況ですから、大久保病院に小児科をという陳情の願意は十分に酌み取れるものだと思います。
次に、リハビリの充実についてですけれども、都立のときは、リハビリは大久保病院の重点医療に位置づけられていました。建てかえをしたときに、隣接して健康プラザを整備し、これと連携して健康づくりとリハビリの拠点にしていこうという高い理想を掲げられたわけですけれども、財政削減最優先の都立病院改革の中で大きく後退したといわざるを得ません。
公社移管のとき、脳血管障害と骨関節対応リハ、今でいえば運動リハになると思いますけれども、この二つのリハビリを継続するとされていました。実際には重点医療から外され、専門医が二名から一名に、理学療法士が七名から五名に、作業療法士が五名から三名にと削減されました。
そこで伺いますが、大久保病院における診療報酬上のリハビリテーション、施設基準の届け出は現在どうなっていますか。昨年の診療報酬の改定時に、きのうも議論になりましたけれども、リハビリを四類型に整理されましたけれども、現在、大久保病院での現状はどうなっているでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 現在の大久保病院での診療報酬上の施設基準のことでございますが、現在、大久保病院では、一つが脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)という基準です。もう一つが運動器リハビリテーション料(Ⅰ)。それぞれ、これはリハビリの施設基準としましては最高基準でございますが、この二つを取得しておりまして、お話がありました脳血管あるいは運動器のリハビリテーション医療というものには十分対応できております。
○かち委員 私が見た資料では、運動、血管(Ⅱ)ということで、それしか標榜されていなかったんですね。それがそうではなくて、その後改善しているということで、よければいいんですけれども、医師が減っている中で、この両方に医師がとれるんでしょうか。専門医がたった一ですよね。
○鈴木サービス推進部長 診療報酬は昨年の十八年四月に改定されて、委員ご指摘のように四つの類型に分かれました。そのときに大久保病院では二つを取っておりまして、脳血管と運動器というこの二つです。それが(Ⅰ)、(Ⅱ)と二つの種類がありまして、(Ⅰ)がレベルが高い方。両方とも(Ⅰ)というものを大久保病院では取っておりますので、十分対応できるということでございます。
○かち委員 専門医が現在二名いるんですか。一名というふうに聞いていますけれども、それぞれに一名ずついるということでよろしいんですか。
○鈴木サービス推進部長 先生、ただいまのは、リハビリテーション科の専門医がいるかという、そういうお話でしょうか。--これは、今のリハビリテーションの両方を取るには、リハビリテーション科の医師もそうなんですが、脳血管外科の医師あるいは整形外科の医師という、こちらが専任で行うということで十分対応できるので、大久保病院では、脳血管外科の医師あるいは整形外科の医師がそれぞれ専任の業務を行うという届け出を行いまして、この最高水準の基準を取っている、こういう状況でございます。
○かち委員 わかりました。リハビリの専門医でなくても、それぞれの、その疾患の専門医があればいいということなんですね。
そういう意味で、来年度予算では、脳卒中ケアユニットを整備するとともに、医師二名、理学療法士一名の増員を予定しているということは前進だと思いますけれども、今後一層のリハの充実を求めておきたいと思います。
次に、神経科、皮膚科についてですけれども、大久保病院の神経科、皮膚科の外来開始の実態は、常勤医師一プラス非常勤の体制でやってきたわけですけれども、かつては週五日開設していた神経外来が、非常勤医で週一回のみになってしまったのです。当然、患者数も減ります。しかし、精神神経の患者さんは今後、入院から地域へということで、地域での受け入れ体制の整備が求められているときに縮小するのは、逆行ではないでしょうか。
さらに、大久保病院の特色である医療の一環で在宅医療拡充とありますが、在宅患者の生活の質を高める上での経腸栄養術、こういうことにも積極的に取り組んできたわけですよね。当然、褥瘡対策にも取り組んできたわけです。移管以前から、こうした取り組みの一環として、NST、栄養サポートチームが大きな威力を発揮しておりまして、その中心的な役割を果たしてきたのが皮膚科の医師だったわけですけれども、現在は非常勤医師ということになり、体制的にも不十分で対応ができない、こういう現場からの声も聞いております。
大久保病院は、都立病院改革のもとで公社移管が一番最初に行われた病院です。移管の時期を中心に、医長、部長級の力のある医師が次々に病院を去り、それに伴い患者さんも離れていくという状況が出て、予想外の補正予算を組むことが余儀なくされました。最近は、病床稼働率はやや回復しつつあるものの、外来はやはり大幅な減となっています。都立時代の医療、看護の水準は落とさないとして、三百床、四百五十人外来の規模は維持しつつ、看護師は大幅に削減し、医師も減らされました。地域の医療要求にこたえる立場から、医師、看護師など体制の充実と、都立に戻し、都が直接責任を持って運営することを求める本陳情の採択を求めて、質問を終わります。
○山口委員 私は、この陳情に対しましては、全体の総体としては採択をしないという立場での意見になります。
一番、二番につきましては、今、地域の医療体制のことを伺いましたし、小児科医は確かに全国的には非常に不足をしていて、要望が多い等はありますけれども、これも今後の地域の人口推計などを見て検討していただきたいということは、一つ要望しておきたいと思います。
それからリハビリについても、来年度は脳卒中のケアユニットを整備して、こういった体制も進めていくということですし、新たに地域に必要なニーズにも取り組んでいるということで、地域の特徴ある病院としての体制づくりを要望しておきます。
特段、公社化になったことによって、病院機能として非常に弊害を及ぼしているという事実もないということで、私どもは今回、この陳情に対しましては反対という立場をとらせていただきます。
○長橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第一一四号は不採択と決定いたしました。
以上で陳情の審査を終わります。
以上で病院経営本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時散会
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