厚生委員会速記録第一号

平成十九年二月一日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十三名
委員長長橋 桂一君
副委員長かち佳代子君
副委員長山加 朱美君
理事谷村 孝彦君
理事野島 善司君
理事増子 博樹君
伊藤 興一君
山口 文江君
田代ひろし君
いのつめまさみ君
大塚たかあき君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 一名

 出席説明員
福祉保健局局長山内 隆夫君
次長吉川 和夫君
技監梶山 純一君
理事片岡 貞行君
総務部長杉村 栄一君
指導監査室長梶原 秀起君
医療政策部長細川えみ子君
保健政策部長清宮眞知子君
生活福祉部長永田  元君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長都留 佳苗君
障害者施策推進部長吉岡 則重君
健康安全室長八木 憲彦君
企画担当部長松井多美雄君
事業調整担当部長牛島 和美君
医療改革推進担当部長高橋  誠君
連絡調整担当部長松浦 和利君
参事宮垣豊美子君
参事佐藤 恭信君
参事金丸 陽子君
参事奥澤 康司君
参事住友眞佐美君

本日の会議に付した事件
 請願の取り下げについて
 福祉保健局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・平成十九年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・平成十九年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 福祉保健局所管分
・東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
・東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例
・東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
・東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
・東京都心身障害者福祉作業所条例を廃止する条例
・東京都心身障害者生活実習所条例を廃止する条例
・東京都養護老人ホーム条例の一部を改正する条例
・東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の一部を改正する条例
・東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・東京都感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例
・東京都結核の診査に関する協議会条例を廃止する条例
・東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
・東京都福祉・健康安心基金条例
請願陳情の審査
(1)一八第一四九号 障害者福祉の継続・発展に関する請願
(2)一八第一五〇号 八王子市犬目霊園(仮称)の建設計画に関する請願
(3)一八第一六一号 永明院による大規模墓地建設計画の中止に関する請願
(4)一八第一六二号 障害者自立支援法に伴う費用負担の軽減と乳幼児の通園施設の療育への支援に関する請願
(5)一八第一六三号 東京の保育・子育て施策の充実と予算の増額に関する請願
(6)一八第一六七号 障害者自立支援法に関する請願
(7)一八第一六八号 肺気しゅの治療費自己負担分を公費負担とすることに関する請願
(8)一八第一六九号 生活保護制度の活用に関する請願
(9)一八第一一二号の二 認定こども園に関する陳情
(10)一八第一二二号 療養病床の廃止・削減計画の中止と介護保険事業の充実等に関する陳情
(11)一八第一二三号 リハビリテーション打切りの実態把握と改善を求める意見書提出に関する陳情

○長橋委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○長橋委員長 次に、請願の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布の一八第一七一号、結核対策の拡充強化に関する請願につきましては、議長から取り下げを許可した旨通知がありました。ご了承願います。

○長橋委員長 次に、第一回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の第一回定例会提出予定案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行います。ご了承願います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は定例会中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 桜山地域保健担当参事は、公務出張のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○山内福祉保健局長 平成十九年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 今回、ご審議をお願いいたします議案は、平成十九年度予算案三件、平成十八年度補正予算案一件、条例案十四件の合計十八件でございます。
 それでは、お手元の議案概要説明をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、平成十九年度予算案についてご説明申し上げます。
 平成十九年度東京都予算案は、都民の安全・安心の確保、福祉、医療の充実、産業の振興、環境問題への先駆的取り組み、都市基盤の整備などさまざまな分野で、十年後の東京の姿を展望しながら、バランスよく財源を配分し、都民の負託に積極的にこたえることなどを基本に、東京の魅力のさらなる向上を目指し、新たなステージにおいて力強い第一歩を踏み出す予算として編成されております。
 福祉、保健、医療分野では、いわゆる団塊の世代の大量退職期を迎える中、介護保険法改正や障害者自立支援法施行、一連の医療制度改革など、社会保障全般の大きな改革が進められております。一方で、後を絶たない児童虐待や、小児科、産科医師などの不足、新たな感染症発生のおそれなど、都民の安全と安心を揺るがしかねない状況が存在しております。
 福祉保健局では、こうした時代の変化に対応し、昨年策定した福祉・健康都市東京ビジョンの新しい自立の実現という基本方針を継承いたしまして、都民の安心をより確かなものとするため、考え方を進化させました、東京の福祉保健の新展開二〇〇七を策定いたしました。
 平成十九年度福祉保健局予算では、これら都の予算編成方針及び局の基本姿勢を踏まえまして、これまで取り組んでまいりました福祉改革や医療改革をさらに前進させ、福祉、保健、医療を取り巻く課題に一層的確に対応すべく、各種施策にさまざまな工夫を凝らし、充実を図っております。
 福祉保健局所管の一般会計一般歳出予算の総額でございますが、七千三百七十八億五千三百万円、前年度に比べ二百六十四億百万円、三・七%の増でございます。
 このほか、福祉・健康安心基金と心身障害者扶養年金会計繰出金が計上されておりまして、これらを含めた一般会計予算総額は八千六百七十八億五千三百万円で、前年度に比べ一千五百六十四億百万円、二二・〇%の増でございます。
 また、母子福祉貸付資金会計及び心身障害者扶養年金会計の二つの特別会計を合わせまして、会計間重複控除した全会計の総額は九千二百十四億四百十五万余円となっております。
 予算案に盛り込みました事業は、後ほど、総務部長からお手元の資料に沿って内容をご説明申し上げますので、私からは主要な事業について申し上げます。
 高齢者分野では、高齢者の地域生活を支援するため、認知症生活支援モデル事業の実施、地域ケア整備構想の策定、認知症高齢者グループホームや介護専用型有料老人ホームの整備などを進めてまいります。
 また、より一層の高齢者医療の充実に向けまして、老人医療センターと老人総合研究所を一体化し、健康長寿医療センター、仮称でございますが、それを整備いたします。
 子ども分野では、子ども家庭総合センター、これも仮称でございますが、これの整備を進めるとともに、ドクターアドバイザーシステムの創設、院内虐待対策委員会の立ち上げ支援や子育てスタート支援などの取り組みを行います。
 また、教育、保育の一体的提供を目的とした認定こども園の創設に対応するとともに、事業所内保育施設へ支援するなど、大都市に合ったサービスを拡充してまいります。
 障害者分野では、障害者自立支援法の定着に向けまして的確に対応するとともに、十八年度を初年度とする障害者地域生活支援・就労促進三か年プランを着実に推進し、知的、身体、精神の三障害を一体とした施策展開を図ってまいります。
 なお、このプランを含めた東京都障害福祉計画を今年度中に策定することとしております。
 保健医療分野では、都民の健康を守るため、生活習慣病、がん、自殺対策などに取り組むとともに、医療人材の確保、ウイルス肝炎受療促進、新型インフルエンザやエイズなどの感染症対策の強化を図ってまいります。
 また、さまざまな健康危機への対応を図るため、健康安全研究センターを健康危機管理センター、これも仮称でございますが、として整備してまいります。
 新しい福祉を支える基盤づくりとしては、やむを得ない理由で多重債務に陥った等の生活困難者に対しまして、相談支援を行った上で、資金貸付を行う事業を創設いたします。
 また、ユニバーサルデザインの考え方を基本としました福祉のまちづくりを推進するとともに、子どもや高齢者、障害者などが必要なときに利用できるトイレの整備を支援してまいります。
 区市町村に対する各種の補助については、総合、包括化を行い、高齢者、障害者、保健医療分野に包括補助事業を創設するとともに、福祉改革推進事業を、福祉、保健両分野に係る基盤整備事業として再構築し、区市町村が地域の実情に応じた事業の推進が図れるようにいたします。
 さらに、子育てや老後、がんや認知症などの健康に対する都民の安心を確保するため、東京都福祉・健康安心基金を新設いたします。
 次に、平成十八年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 一般会計歳出予算の補正でございまして、障害者自立支援法の円滑な運用に向けた取り組みを行うため、国の補正予算に対応した障害者自立支援対策等に要する経費を補正するものでございます。
 続きまして、条例案の概要をご説明申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします条例案は十四件でございます。手数料の改定及び都立施設改革に関するもの、三宅島災害被災者の帰島生活再建支援のため効力を一年間延長するもの、薬事法等の改正に伴い改正または廃止を行うもの及び予算案でもご説明いたしました都民の安心を確保するため新たな基金を設置するためのものでございます。
 今後の提出予定案件についてご説明申し上げます。
 まず、一月三十一日の都区財政調整協議が調ったことによりまして、十九年度予算の追加補正を行う予定がございます。
 次に、十八年度補正予算案でもご説明いたしました障害者自立支援法の円滑な運用を図るため、国からの交付金の受け入れを目的とした東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例の提出に向け準備を進めておりますので、十八年度補正予算案とあわせて中途議決をお願いしたいと存じます。
 また、地方自治法に基づく公の施設の利用に関する審査請求についての諮問がございます。
 なお、現在、国においては、介護保険法施行規則の改正が予定されていることから、省令の公布を待って、必要があれば手数料条例の追加提案をさせていただきたいと考えております。
 以上、平成十九年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております議案につきましてご説明申し上げました。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○杉村総務部長 それでは、平成十九年度予算案につきまして、お手元の資料、平成十九年度当初予算概要によりご説明申し上げます。
 目次を二枚めくっていただくと、平成十九年度福祉保健局所管予算の概要でございます。一般会計歳出予算、債務負担行為のほか、母子福祉資金会計、心身障害者扶養年金会計の二つの特別会計がございます。
 以下、会計別にご説明させていただきます。
 次の一般会計の表題をおめくりいただき、一ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
 まず、歳出の計欄をごらん願います。十九年度は八千六百七十八億五千三百万円で、十八年度に比べて千五百六十四億百万円、二二・〇%の増となっております。
 なお、歳出の計欄の下段、うち一般歳出の欄でございますが、一般会計のうち、福祉・健康安心基金及び心身障害者扶養年金会計繰出金を除いた一般歳出は七千三百七十八億五千三百万円で、十八年度に比べて二百六十四億百万円、三・七%の増となっております。
 次に、歳入でございますが、特定財源の計欄をごらん願います。十九年度は八百十二億五千九百万余円で、十八年度に比べて六億千九百四万余円、〇・八%の減となっております。
 二ページをお開き願います。Ⅱ、人事定数でございます。
 左側の表の合計欄をごらん願います。平成十九年四月一日における職員の人事定数は四千九百七十二人で、十八年度と比較して百六十八人の減員となっております。主な増減員は表の右側にお示ししてございます。
 三ページをごらんください。Ⅲ、事項別内訳でございます。
 主要な事業及び新たな事業を中心にご説明申し上げます。
 一、高齢者の地域生活と自立への支援につきまして、二三ページにかけて記載しております。
 まず、1、介護保険制度の運営でございます。
 八ページをお開き願います。2、地域における日常生活の支援の(1)、介護予防の総合的な取り組みでございます。
 介護予防システムの普及、介護予防に取り組む場の整備、介護予防を支える人材育成など、区市町村における介護予防の取り組みを引き続き支援してまいります。
 九ページをごらんください。(2)、認知症対策事業の展開でございます。
 概要欄1、認知症対策推進事業でございますが、平成十八年度に設置しました認知症高齢者を地域で支える東京会議の成果を踏まえ、認知症に対する中長期的な施策を検討するとともに、2の認知症生活支援モデル事業により、地域における認知症への理解促進や生活支援を継続して実施するための仕組みづくりを進めてまいります。
 一〇ページをお開き願います。概要欄5、認知症地域医療支援事業でございます。
 かかりつけ医の認知症対応力向上研修等、一〇ページから一一ページにかけまして、認知症対策に係る人材養成に取り組み、区市町村を支援してまいります。
 一二ページをお開き願います。(3)、高齢者の見守りと安心・安全な暮らしの支援等でございます。
 一三ページをごらんください。8、地域ケア整備構想の策定でございます。
 療養病床の再編成を踏まえ、国が策定する地域ケア整備指針に基づき、地域ケア体制の計画的な整備を図るため、地域ケア整備構想を策定してまいります。
 10、高齢社会対策区市町村包括補助事業でございます。
 高齢者分野の個別補助等を統合し、包括補助制度に再構築するものでございます。区市町村が地域の実情に応じて主体的に地域サービスの充実が図れるよう支援してまいります。
 一八ページをお開き願います。5、都立高齢者施設の運営等でございます。
 一九ページをごらんください。(6)、健康長寿医療センター、仮称でございますが、等の整備でございます。
 高齢者医療のより一層の充実に向け、老人医療センターと老人総合研究所を一体化し、地方独立行政法人健康長寿医療センター(仮称)への移行を目指すとともに、施設が老朽化している板橋キャンパス内の施設についても計画的に再編整備を図ってまいります。
 二〇ページをお開き願います。6、老人福祉施設等の整備でございます。
 概要欄の2、認知症高齢者グループホーム緊急整備でございます。
 都は、グループホームの設置促進を緊急の課題として、平成二十年度までに延べ五千六百人分のグループホーム整備を目指して取り組んでいます。新たに小規模多機能型居宅介護拠点併設加算及び既存施設を含めた防火設備を設置するための支援を設けるなど、都独自の整備促進策により、区市町村の整備を支援してまいります。
 二一ページをごらんください。6、介護専用型有料老人ホーム設置促進でございます。
 利用者のニーズが高いものの設置が進まない介護専用型有料老人ホームについて、施設整備費補助や整備資金借入金に係る債務保証料補助により、事業者の整備を支援してまいります。
 二四ページをお開き願います。大きな事項の二つ目、子育て環境の整備につきまして、四八ページにかけて記載しております。
 まず、1、次世代育成支援対策の推進の(1)、子育て支援基盤整備包括補助でございます。
 区市町村が地域の実情に応じて主体的に行う子育てサービス基盤の整備を支援することにより、次世代育成支援のための環境を整備してまいります。
 二五ページをごらんください。(2)、子育て推進交付金でございます。
 子育て支援の主体である市町村が、地域の実情に応じて創意工夫により施策を行うことができるよう、交付金により支援することで、子育て支援全般の充実を図ってまいります。
 二六ページをお開き願います。2、都市型保育サービスの推進でございます。
 二七ページをごらんください。(3)、認証保育所でございます。
 十三年度に創設以来、順調に設置が進んでおります。引き続き推進してまいります。
 また、(4)、認定こども園運営費等補助でございますが、認定こども園がその機能を十分発揮できるよう、都独自の補助制度を創設するものでございます。
 二八ページをお開き願います。(5)、事業所内保育施設への支援でございます。
 事業所内保育施設の設置促進を図ることにより、企業等の次世代育成に対する取り組みを促進し、仕事と子育てを両立しながら働き続けることができる職場環境を整備いたします。
 二九ページをごらんください。3、子育て支援対策につきまして、三二ページにかけて記載しております。
 まず、(1)、子ども家庭総合センター、仮称でございますが、の整備でございます。
 福祉保健、教育、警察の各相談機関が連携し、親と子を総合的に支援する拠点として、(仮称)子ども家庭総合センターを二十一年度以降の開設に向けて整備してまいります。
 三二ページをお開き願います。(5)、子育てスタート支援事業でございますが、家族等から出産後のケアを受けられないなど、特に支援を要する母子に対して、出産退院後、一定期間の宿泊ケアなどを行うなど、心身ともに不安定になりがちな妊娠期から産後までの期間の子育てをサポートするものでございます。
 三三ページをごらんください。4、児童手当等の支給の(1)、児童手当の支給でございます。
 子どもが乳幼児期にある子育て家庭を支援するための乳幼児加算の創設に伴い、三歳未満の児童に対する児童手当の月額を一律一万円といたします。
 三五ページをお開き願います。5、社会的養護の充実でございますが、各種施設の運営等につきまして、三七ページにかけまして記載してございます。
 三六ページをお開き願います。概要欄の2、専門機能強化型児童養護施設でございますが、民間の児童養護施設におきまして、治療的、専門的ケアが実施できる体制を整備し、特別な支援を必要とする児童の入所に対応するとともに、児童の自立促進を図るものでございます。
 三八ページをお開き願います。6、児童相談所でございます。
 (2)、児童相談所の機能強化の概要欄2、児童相談所再編整備の検討でございますが、保健所、子ども家庭支援センターなどの地域の関係機関との役割分担や連携協力による専門支援のあり方を検証するなど、児童相談所の再編、機能強化に向けた組織運営体制の検討を行います。
 三九ページをごらんください。(3)、医療機関における虐待対応力強化事業でございますが、ドクターアドバイザーシステムを創設するとともに、院内虐待対策委員会の立ち上げを支援するなど、医療機関全体の虐待への対応力を高めてまいります。
 四二ページをお開き願います。8、母子・小児医療体制の充実でございます。
 四三ページをごらんください。概要欄5、周産期医療体制の充実でございますが、周産期医療における搬送体制の充実強化を図るため、周産期医療協議会のもとに搬送部会を設置するものでございます。
 四四ページをお開き願います。概要欄5、子どもの事故予防対策でございます。
 子どもの不慮の事故を防止するため、保護者が子どもの目線を体験し、子どもにとって危険な場所や物を体感できるシミュレーションソフトを開発、活用し、効果的な普及啓発を図るものでございます。
 四九ページをお開き願います。大きな三つ目の事項でございますが、障害者の自立生活への支援につきまして、七八ページにかけて記載をしてございます。
 まず、1、障害者地域生活支援の(1)、地域における生活の場の確保でございます。
 概要欄の1、障害者グループホーム等事業は、区市町村に対し運営費を補助するものでございまして、知的障害者と精神障害者のグループホームが障害種類別となっていたものを、自立支援法の制定に伴い一元化されております。
 また、(2)のグループホーム等安全体制強化事業は、新たに夜間支援体制への補助やスプリンクラーなどを設置するための補助を実施いたします。
 五一ページをお開き願います。(5)、区市町村障害福祉サービスへの支援でございます。
 概要欄1、区市町村地域生活支援事業は、障害者自立支援法の施行に伴い、新たに補助を行うものでございます。障害者などからの相談に応ずる事業など、身近な地域である区市町村を支援してまいります。
 五二ページをお開きください。概要欄2の障害者施策推進区市町村包括補助事業でございますが、区市町村が地域の実情に応じて障害者分野の地域福祉サービスを柔軟に実施できるよう支援してまいります。この事業は、従来の心身障害者(児)訓練事業等の補助事業をまとめまして、包括補助事業として再構築するものでございます。
 五七ページをお開き願います。10、相談支援体制等の充実につきまして、五九ページにかけて記載してございます。
 五八ページをお開き願います。8、高次脳機能障害支援普及事業は、東京都の心身障害者福祉センターに支援拠点を置いて、専門的相談支援などを実施してまいります。
 また、9、区市町村高次脳機能障害者支援促進事業は、区市町村に高次脳機能障害者支援員、仮称でございますが、を配置して、身近な地域での相談を支援してまいります。
 五九ページをごらんください。12、夜間こころの電話相談は、通常の相談機関が開設していない夜間の時間帯にも電話による相談体制を拡大し、うつなどの精神疾患患者の病状悪化や自殺防止対策を図るものでございます。
 六〇ページをお開き願います。(11)、障害者の社会的自立への支援でございます。
 2、法内化促進支援事業は、障害者自立支援法の施行に伴い、法人格取得を希望する小規模作業所などの任意団体の計画的かつ着実な法内化を促進するとともに、法人格取得後の安定的な運営を支援するものでございます。
 六四ページをお開き願います。2、障害者の就労支援でございます。
 (1)、区市町村障害者就労支援事業につきましては、障害者の就労支援を一層推進するため、新たに地域開拓促進コーディネーターを創設いたします。
 少し飛びまして、七五ページをお開き願います。6、障害者施設整備につきまして、七七ページにかけて記載してございます。
 七六ページをお開き願います。(2)、心身障害者(児)施設整備費補助の1、障害者地域生活支援・就労促進三か年プランでございますが、障害者自立支援法の趣旨を踏まえ、すべての障害者が地域で自立して生活するために必要な生活基盤の整備に重点的に対応していくものでございます。平成十八年度から二十年度までの三カ年において、施設整備に係る設置者負担の特別助成を引き続き実施いたします。
 七九ページをお開き願います。大きな四つ目の事項でございますが、医療提供体制の確保につきまして、一〇三ページにかけて記載してございます。
 まず初めに、1、三百六十五日二十四時間の安心の医療提供の(1)、救急医療対策でございます。
 2、小児初期救急運営費補助では、小児の初期救急患者に対応可能な診療体制を都内全域で確保してまいります。
 八〇ページをお開き願います。4及び5の休日・全夜間診療では、内科、外科、小児科の救急患者に三百六十五日二十四時間対応可能な診療体制を確保してまいります。
 八一ページをごらんください。8、救急専門医養成事業では、救急告示医療機関等に勤務する医師の小児救急医療レベルの向上を図るための研修を新たに実施してまいります。
 八二ページをお開き願います。11、救命救急センターでは、生命の危機を伴う重篤な三次救急患者を受け入れるため、救命救急センターの運営及び施設設備整備に係る費用の一部を補助してまいります。
 また、12、ヘリコプター救急搬送体制整備事業では、僻地等における救命率の向上と生命の安全を図るため、ヘリポート近辺にヘリコプター添乗医師を派遣できる医療機関を確保するなど、ヘリコプターによる救急患者搬送体制を強化してまいります。
 八三ページをごらんください。(2)、災害医療対策でございます。
 2、医療施設耐震化促進事業では、災害時の医療体制を確保するため、未耐震の建物を有する医療施設が行う耐震診断、耐震補強工事に必要な経費を補助してまいります。
 八五ページをお開き願います。(3)、僻地医療対策等でございます。
 医療の確保が困難な多摩・島しょ地域の町村を対象に、医師等の派遣や専門診療の確保に対する補助を行い、地域に不足する医療を確保してまいります。
 八八ページをお開き願います。2、医療施設整備と地域医療連携の推進につきまして、九〇ページにかけて記載してございます。
 九〇ページをお開き願います。(2)、地域医療連携の推進でございます。
 1の地域医療システム化推進事業では、患者の疾病や状況に応じた効率的な医療を提供するため、地域の中核病院と診療所による医療連携ネットワークを構築してまいります。
 九一ページをごらんください。3、地域ケア対策の充実につきまして、九四ページにかけて記載してございます。
 九三ページをお開き願います。(2)、リハビリテーション対策でございます。
 2の地域リハビリテーション支援では、二次保健医療圏を単位として、地域リハビリテーション支援センターを整備し、地域におけるリハビリテーション支援体制の充実に努めてまいります。
 九四ページをお開き願います。(3)、地域がん医療対策でございます。
 概要欄1の、がん対策推進協議会では、がん対策の推進に関する計画を策定する協議会を設置するほか、2、地域がん診療拠点病院事業や、3、がん患者療養支援事業などの事業を行い、がん対策に総合的かつ計画的に取り組んでまいります。
 九五ページをごらんください。4、安全で満足度の高い医療の提供でございます。
 次の九六ページをごらんください。3、在宅医療マニュアルの作成では、在宅医療に携わろうとする医師等を支援するためのマニュアルを新たに作成いたします。
 九七ページをごらんください。5、保健医療基盤としての人材育成及び技術の向上でございます。
 九九ページをお開き願います。2、確保対策でございますが、(1)、地域医療対策協議会では、地域の実情に応じて必要な医療・医療従事者を確保するための検討を行うほか、(2)以降にございます医師、看護師の確保事業を新たに実施してまいります。
 一〇三ページをお開き願います。大きい事項の五つ目、都民の総合的な保健サービスの向上につきまして、一一七ページにかけて記載してございます。
 1、地域保健の推進の(3)、地域保健医療サービスの充実では、区市町村が地域の実情に応じて保健医療施策を柔軟に実施できるよう支援してまいります。この事業は、市町村地域保健サービス推進事業等の補助事業をまとめまして、包括補助事業として再構築するものでございます。
 一〇四ページをお開き願います。2、自殺総合対策の推進でございます。
 都内における自殺者数の減少を目指すため、さまざまな施策を実施してまいります。
 概要欄1、自殺総合対策東京会議の設置運営では、自殺予防や自殺者遺族への支援に関する社会的な取り組み等を着実に推進し、自殺者の減少を目指すため、必要な検討を行ってまいります。
 また、4、ゲートキーパー養成事業は、自殺念慮者の早期発見などを行うため、自殺念慮者にとって身近な方をゲートキーパーとして養成してまいります。
 一〇五ページをごらんください。3、健康づくりの推進でございます。
 (1)、健康づくり対策でございますが、東京都健康推進プラン21の重点課題といたしまして、2、糖尿病予防対策では、メタボリックシンドロームの概念を導入した糖尿病予防の一層の推進を図るとともに、平成二十年度から実施される新たな保健サービス体制の円滑な移行に向けた人材養成などを行ってまいります。
 一〇八ページをお開き願います。4、難病対策でございます。
 原因不明の疾患で長期療養を余儀なくされている方に対する医療費の助成や療養上の支援を行ってまいります。
 一一一ページをお開き願います。5、ウイルス肝炎受療促進集中戦略でございます。
 本人が感染に気づかないうちに肝がんなどに進行する可能性の高いウイルス肝炎に対して、検診の拡充を初め、新たに通院患者への医療費助成を行うなど、短期集中戦略により肝炎治療を確実に促進するものでございます。
 一一三ページをお開き願います。7、老人医療及び医療費の助成でございます。
 一一六ページをお開き願います。(5)、義務教育就学児医療費助成事業補助でございます。
 子育て推進の一環として、義務教育就学期にある児童、小中学生でございますが、に対しまして、治療に要する医療費の自己負担額の三分の一を都と区市町村で二分の一ずつ助成し、結果として自己負担額を二割に軽減する制度を本年十月から開始してまいります。
 一一八ページをお開き願います。大きな事項の六番目、多様化する健康危機への機敏な対応につきまして、一三五ページにかけまして記載してございます。
 一二三ページをお開き願います。3、生活環境衛生対策の(2)、アレルギー性疾患対策等でございます。
 重篤な症状を引き起こす食物アレルギーについて、小児を重点に効果的な対策を実施してまいります。
 一二七ページをお開き願います。4、感染症対策につきまして、一三一ページにかけて記載してございます。
 まず、(1)、感染症予防・医療対策でございますが、一二八ページをお開き願います。4、新型インフルエンザ対策では、抗インフルエンザ薬リレンザの備蓄等、新型インフルエンザ発生への備えを強化してまいります。
 また、5、救急搬送サーベイランスでは、東京消防庁の救急搬送のデータから感染症などの異常な発生を探知し、迅速な対応を実施することにより、都民への被害を最小限に食いとめるものでございます。
 一二九ページをごらんください。(2)、エイズ対策でございます。
 概要欄の2、エイズ啓発拠点事業では、HIV感染報告が増加している若い世代を対象に、効果的なエイズ・性感染症予防対策として、地域と連携したエイズ啓発拠点事業を実施してまいります。また、検査体制の充実などを図ってまいります。
 一三〇ページをお開き願います。6、エイズ診療ネットワーク整備事業でございます。
 エイズ診療における病診間連携を促進し、感染者、患者が身近な地域で診療を受けられる体制を確保してまいります。
 また、8、エイズ療養支援特別促進事業は、患者等の地域での療養を総合的に支援していくため、手法を構築するために、医療、福祉のネットワークづくりをモデル実施するものでございます。
 一三四ページをお開き願います。6、健康安全施設の整備でございます。
 (2)、健康危機管理センター(仮称)の整備でございますが、新たな感染症の脅威、不正薬物の乱用、食品の安全性を揺るがす事態の発生など、さまざまな健康危機への対応を強化するため、現在の健康安全研究センターを健康危機管理センターとして整備してまいります。
 一三六ページをお開き願います。大きな事項の七番目、新しい福祉を支える基盤づくりにつきまして、一五〇ページまで記載してございます。
 1、低所得者への援護等の(1)、生活保護世帯に対する援護等でございます。
 一三七ページをごらんください。概要欄4、要保護世帯向け長期生活支援資金貸付事業補助は、自宅を保有する生活保護受給世帯に対して、その生活の安定と自立を支援するため、長期生活支援資金を貸し付けるものでございます。
 一三九ページをお開き願います。(4)、新生活サポート事業でございますが、意欲を持ちながらきっかけをつかめない多重債務者や児童養護施設の退所者などの生活困難者に対し、相談体制を整備するとともに、必要に応じて資金を貸し付け、新生活を支援してまいります。
 一四三ページをお開き願います。4、地域福祉の推進でございます。
 恐れ入ります、一四四ページをお開き願います。(2)、福祉のまちづくりの概要欄2、ユニバーサルデザイン整備促進事業でございます。
 (1)、ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業は、不特定多数が利用する施設を中心とする周辺地域で、ユニバーサルデザインの観点から総合的な整備を行う区市町村に対して補助を行うものでございます。
 また、(2)、とうきょうトイレ整備事業は、だれもが社会参加できるまちづくりの核となるトイレの計画的整備を行う区市町村に対して補助を行うものでございます。
 一四六ページをお開き願います。5、福祉人材養成・確保の支援等でございます。
 一四七ページをごらんください。(2)、民生委員の活動等の概要欄2、地域の福祉機能の向上でございますが、民生・児童委員の活動を補完する民生・児童委員サポーター、仮称でございますが、新たに創設し、地域福祉力の向上を図ってまいります。
 一四八ページをお開き願います。6、被災者に対する支援の(1)、被災者の生活支援でございます。
 概要欄1の災害援護資金の貸付等でございますが、区市町村が実施する災害援護資金の貸し付けに要する経費及び三宅島災害被災者生活再建支援条例に基づく支援金の支給に要する経費でございます。
 三宅島災害被災者生活再建支援金については、三宅島島民の方の帰島状況を勘案し、条例の期限を平成十九年三月三十一日から平成二十年三月三十一日に延長し、引き続き実施してまいります。
 一五一ページをお開き願います。大きな事項の八番、福祉保健改革の推進等につきまして、一五七ページまで記載してございます。
 概要欄1、福祉保健基盤等区市町村包括補助事業でございますが、区市町村が地域の実情に応じ主体的に実施する福祉、保健、医療の基盤整備やサービスの仕組みづくりを支援するものでございます。
 なお、この事業は、十八年度まで福祉改革推進事業として実施しておりました包括補助事業を再構築するものでございます。
 2の福祉・健康安心基金でございますが、子育てや老後、健康に対する都民の安心を確保するため、新たに基金を造成いたします。
 一五六ページをお開き願います。3、都立施設の整備等でございます。
 概要欄の1、東京都医学系総合研究所、仮称でございますが、の整備でございます。
 神経科学総合研究所、精神医学総合研究所、臨床医学総合研究所の三つの研究所を統合し、整備を行ってまいります。
 一六〇ページをお開き願います。十一、諸支出金でございます。
 国庫支出金返納金でございますが、精算の結果、受け入れ額が超過した国庫支出金を返納するものでございます。
 一六一ページをごらんください。Ⅳ、債務負担行為でございます。
 債務負担行為の期間及び限度額について、独立行政法人福祉医療機構借入金利子補助のほか、九つの事項を計上してございます。
 一六二ページをお開き願います。ここからは特別会計でございます。
 まず、Ⅰ、母子福祉貸付資金会計でございますが、母子及び寡婦福祉法に基づく母子福祉資金の貸し付けに要する経費として、四十六億八千三百万円を計上してございます。
 一六三ページをお開き願います。Ⅱ、心身障害者扶養年金会計でございます。
 平成十八年第四回定例会におきましてご審議いただきました東京都心身障害者扶養年金条例を廃止する条例に基づく年金並びに清算金の給付などに要する経費として、一千二百九十七億二千万円を計上してございます。
 以上で、平成十九年度予算案について説明を終わらせていただきます。
 続きまして、平成十八年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成十八年度補正予算概要をごらんいただきたいと存じます。
 今回の補正予算案は、国の補正予算に対応して実施する事業に要する経費等を補正するものでございます。
 一ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。
 左側の(1)、歳入予算でございますが、国庫支出金を九十六億円、繰入金を十八億円、合わせて百十四億円を増額補正し、これにより歳入合計は九百三十二億七千八百五十万円となります。
 次に、右側の(2)、歳出予算でございますが、福祉保健費で百十四億円、諸支出金で十三億二千四百九十五万円、総額で百二十七億二千四百九十五万円を増額補正し、これにより歳出合計は七千二百四十一億七千六百九十五万円となります。
 二ページをお開き願います。
 国は、障害者自立支援法の着実な定着を図るため、平成十八年度から二十年度までの間に、利用者負担の軽減、事業者に対する激変緩和、新法への移行のための緊急的な経過措置を内容とした特別対策を講ずるための補正予算を国会に提出しているところでございます。
 概要欄1は、国の補正予算に基づいて交付される障害者自立支援対策臨時特例交付金を財源とした特別対策を実施するため、新たに障害者自立支援対策臨時特例基金を造成する経費として九十六億円を計上しております。
 また、概要欄の2は、障害者自立支援対策臨時特例交付金による特別対策でございます。
 新たに設置いたします基金から一般会計に繰り入れて、十八年度に都や区市町村が特別対策事業を実施するための経費として十八億円を計上しております。
 なお、基金設置条例につきましては、追って提案させていただく予定でございます。
 三ページをお開き願います。
 精算の結果、受け入れが超過した国庫支出金の返納に要する経費として十三億二千四百万余円を計上いたしております。
 以上が、平成十八年度補正予算案の概要でございます。
 続きまして、条例案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成十九年第一回東京都議会定例会条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 今回ご審議をお願いいたします条例案は十四件でございます。
 それでは、順を追ってご説明いたします。
 一ページをお開き願います。整理番号1、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 と畜検査手数料の額を改定する必要があることから、手数料に係る規定を整備するものでございます。
 この条例は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 次に、整理番号2、東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例でございます。
 授業料等の額を改定する必要があることから、手数料に係る規定を整備するものでございます。
 この条例の施行日は平成十九年四月一日としておりますが、改定後の手数料につきましては、平成二十年度以降の入学に係るものから適用することとしております。
 次に、整理番号3、東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都多摩療護園、東京都清瀬喜望園及び東京都日野療護園において診断書等を発行する際に手数料を徴収するための規定を整備するものでございます。
 この条例は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 二ページをお開き願います。整理番号4、東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例と、次の整理番号5、東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例につきましては、都立施設改革に伴い、日の出福祉園及び伊豆長岡学園を社会福祉法人へ移譲することから、両施設を廃止するとともに、先ほどと同様に、施設において診断書等を発行する際に手数料を徴収するための規定を整備するものでございます。
 条例の施行日でございますが、両条例とも平成十九年四月一日としております。
 次に、整理番号6、東京都心身障害者福祉作業所条例を廃止する条例でございます。
 本条例と、三ページに参りまして、整理番号7、東京都心身障害者生活実習所条例を廃止する条例につきましては、都立施設改革に伴い、福祉作業所及び生活実習所を社会福祉法人へ移譲することから、両条例を廃止するものでございます。
 条例の施行日でございますが、両条例とも平成十九年四月一日としております。
 次に、整理番号8、東京都養護老人ホーム条例の一部を改正する条例でございます。
 都立施設改革に伴い、東京都板橋老人ホームを廃止することから、規定を整備するものでございます。
 この条例は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 次に、整理番号9、東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の一部を改正する条例でございます。
 三宅島災害被災者の帰島状況を踏まえまして、条例の効力を失う日を一年間延長するものでございます。
 この条例は、公布の日から施行することとしております。
 次に、整理番号10、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 学校教育法の改正に伴い、盲学校、ろう学校及び養護学校が特別支援学校と改められたことから、規定を整備するものでございます。
 この条例は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 四ページをお開き願います。整理番号11、東京都感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例でございます。
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴いまして、結核予防法が廃止され、結核の診査に関する協議会の事務が感染症の診査に関する協議会に統合されること及び地域保健法施行令の一部を改正する政令の施行に伴いまして、八王子市が保健所を設置することから、規定を整備するものでございます。
 この条例は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 次に、整理番号12、東京都結核の診査に関する協議会条例を廃止する条例でございます。
 先ほどご説明いたしました整理番号11と同様、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律の施行により、結核予防法が廃止されることに伴いまして、本条例を廃止するものでございます。
 この条例は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 次に、整理番号13、東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 薬事法の一部を改正する法律の施行に伴い、薬事法に指定薬物の規制に関する規定が設けられたことから、薬事法の指定薬物を条例に規定する知事指定薬物の範囲から除くため、規定を整備するものでございます。
 この条例は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 五ページをごらん願います。整理番号14、東京都福祉・健康安心基金条例でございます。
 都民の福祉と健康とを増進する施策を推進し、もって都民の安心を確保するため、東京都福祉・健康安心基金を設置する条例を新設するものでございます。
 この条例は、平成十九年四月一日から施行することとしております。
 条例案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成十九年第一回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。
 以上、甚だ簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○かち委員 それでは、十四点ほどお願いします。
 一、都内監察医務院における、ひとり暮らしの検案数の推移。
 二番目に、都立看護学校の授業料の推移及び近県自治体立看護学校の授業料との比較。
 三、都内保健所職員の定数の推移。
 四番、軽度、介護保険における介護ベッド購入費補助の実施状況。
 五番、福祉・健康安心基金の概要について。
 六番、認可保育所における職員の平均経験年数の分布。
 七番、国民健康保険料・税の滞納世帯数。
 八番、国民健康保険の資格証明書発行状況及び短期証の発行状況。
 九番、障害者自立支援法における国の軽減措置と都の独自策について。
 十番、障害者の就労状況。
 十一番、障害者施策推進区市町村包括補助の概要について。
 十二番、精神障害者社会復帰施設の設置状況。
 十三番、老人医療センター整備計画の概要について。
 十四番、都内医療機関における脳卒中専用病床の整備状況について。
 以上です。

○野島委員 一つは、認知症高齢者のグループホームの実数。市町村によっては整備計画を持っているところもあるやに思いますが、それとの対比で、現状がわかるもの。
 それから、介護専用型老人ホームの関係で、それはこれからのやつでしょうけれども、どんなふうな高齢者の住宅があるのか。
 それと、療養病床の各区市町村別の数みたいなものがあったら教えていただけますか。
 それから、包括補助事業に集約をしていくわけでありますが、どういった事業が包括化されて包括補助事業として創設されるのか、そんなところ。
 以上、二点です。

○長橋委員長 ただいま、かち副委員長、野島理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。

○長橋委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願一八第一四九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○吉岡障害者施策推進部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号1、一八第一四九号、障害者福祉の継続・発展に関する請願は、新宿区の障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会会長小林良廣さん外百十三人から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、障害者福祉に関し、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 内容について、順にご説明いたします。
 まず第一項でございますが、国に対し、障害者自立支援法の抜本的な見直しと定率負担の廃止、または大幅な負担軽減を求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
 次に、第二項でございますが、国に対し、地域生活支援事業に十分な予算の計上を求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
 第三項でございますが、地域生活支援事業について、都内各自治体への予算補助を行っていただきたいというものでございます。
 第四項でございますが、国に対し、障害程度区分認定の改善を求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
 第五項でございますが、心身障害者(児)通所訓練等事業補助等を初めとする、あらゆる都の単独事業について、今後も継続し、より充実したものになるよう努めていただきたいというものでございます。
 第六項でございますが、現在、障害包括補助事業、仮称でございますが、検討されているが、個別の補助事業については、都の明確な責任のもと、今後もより充実、継続し、安易な移行はしないでいただきたいというものでございます。
 現在の状況について、まず第一項でございますが、原則一割の定率負担は、サービス利用者も費用を負担し、皆で制度を支える仕組みを構築するために導入されたものであり、その導入に当たっては、所得区分等に応じた月額負担上限額の設定や個別減免の実施など、低所得の方に配慮したさまざまな軽減策が講じられております。
 さらに国は、通所施設等利用者の月額負担上限額の引き下げや、施設入所者等の工賃控除を食費等の実費負担にも適用するなど、一層の負担軽減策等を講じることとしております。
 次に、第二項でございますが、区市町村地域生活支援事業は、地域の実情を踏まえ、自治体の創意工夫により実施するもので、補助事業として、国二分の一以内、都道府県四分の一以内の負担割合が定められております。
 都は既に、地域生活支援事業について十分な予算措置を行うよう、国に提案要求しております。
 第三項でございますが、都は、法に定められた負担割合に従って、区市町村の地域生活支援事業に係る所要経費について、四分の一以内の割合で補助を行うこととしております。
 第四項でございますが、区市町村が実施する障害程度区分の認定は、認定調査項目に基づく一次判定結果に加えて、心身の状況を具体的に記載した特記事項及び医学的観点からの意見を記載した医師意見書などを総合的に勘案して、学識経験者から成る区市町村審査会の合議により二次判定が行われており、定量化が困難な障害の内容についても、審査会の合議の中で反映される仕組みとなっております。
 なお、障害程度区分の認定に不服がある者は、都道府県知事に対して審査請求を行うことができるものとされております。
 第五項でございますが、心身障害者(児)通所訓練等事業は、在宅の心身障害者児を対象に、適切な指導訓練や授産作業等を通して自立促進を図るため区市町村が実施する事業であり、都はその運営費の一部を補助しております。
 本事業における補助対象は、法に規定されていない小規模な事業であるため、障害者自立支援法に基づく新たな事業に移行することにより、運営の安定性を確保する必要がございます。
 このため、都は、移行に伴う施設、設備整備の特別助成等により、法に基づく事業への移行を促進するとともに、移行するまでの間、区市町村を通じて、これら小規模な事業に対する財政支援を行っております。
 平成十九年度以降は、心身障害者(児)通所訓練等事業などの都単独事業について、障害者施策推進区市町村包括補助事業の中で再構築し、引き続き区市町村を通じた財政支援を行うこととしております。
 第六項でございますが、障害者施策推進区市町村包括補助事業は、都単独事業について、心身障害者(児)通所訓練等事業補助などの既存の個別補助事業を統合した一般事業、新たな課題に取り組む試行的事業である先駆的事業、都が示す各政策分野の中から区市町村が選択、実施する選択事業に再構成し、創設を予定しております。
 補助金の包括化は、区市町村の創意工夫に基づく取り組みや、積極的かつ機動的な事業展開を可能とし、障害者のニーズや地域特性を踏まえたサービス提供に寄与するものでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○谷村委員 それでは、本請願につきまして質問させていただきます。
 私ども公明党は、自民党さんとともに、障害者の方々の自立を目指し、地域社会の中で障害者の方々を支えていく、そういう社会の実現を理念として、障害者自立支援法の立法化に取り組んでまいりました。
 障害者自立支援法による福祉改革につきましては、本委員会での質疑で幾度となく触れてまいりましたけれども、これまでの施設中心のサービス体系を機能別に再編成するなど、半世紀ぶりの抜本的な改革であります。
 そうした大きな改革でありますから、当然のことながらさまざまな課題があることも事実であります。しかし、その改革の方向性が正しいものであるがゆえに、私どもはさまざまな課題を克服し、また乗り越えて、その改革の道を責任を持って進むものであります。
 私ども公明党は、これまでまさしく責任ある取り組みを進め、その成果を上げてまいりました。すなわち、昨年四月の法施行を目指して、政府に対しても具体的に、報酬などをどうするのかということについても要望させていただきましたし、また十月の完全施行に向けては、八月十四日に当時の川崎厚生労働大臣に、完全施行に当たっての要望をさせていただきました。
 障害児の利用者負担に関しては、通所施設、入所施設ともに負担の軽減を図ること、また入所施設の報酬単価について、安定的な運営がなされる水準となるように適切な対応を図ること、グループホームにおける夜間の配置に関しては、報酬上の評価が適切になされるように配慮すること、こういった十項目に及ぶ要望をさせていただいたわけであります。
 さらに、国の平成十八年度補正予算の編成を視野に入れつつ、引き続いた努力が必要であるという思いから、関係者間の協議を経まして、補正予算編成に関しての与党合意ということで、昨年十一月二十四日に、障害者自立支援法を円滑に運用するための措置については、改革の趣旨を維持しつつ、適切に対処すること、このように明記していただきました。
 私ども公明党では、こうした合意を受けまして、十一月二十九日に、障害者福祉基盤整備特別対策事業の実施について、こう題した取りまとめを行い、障害者福祉基盤整備特別交付金の創設と、自治体の実情に合わせた障害者福祉基盤整備の実施、利用者負担の減免と事業者に対する支援、これを三本柱といたしまして、障害者自立支援法の理念を踏まえつつ特別対策を実施することにより、その円滑な施行を促すことを提案させていただいたところでございます。
 その後、自民党さんとの協議によりまして、障害者自立支援法の円滑施行にかかわる合意に至ったわけであります。
 私ども公明党の取り組みが実を結びまして、具体的な形となって特別対策として国から示されたのは、昨年の十二月二十六日に厚生労働省が開催した全国課長会議においてであると思います。本請願を拝見いたしますと、定率負担の軽減または大幅な負担軽減とありますが、この請願は昨年の十一月に受け付けられたということでございまして、新たな改善策が示される以前の状況に基づいてなされております。
 そこでお伺いいたしますけれども、今回の国の特別対策では、利用者負担についてどういう改善が行われたのか、改めてご説明をお願いしたいと思います。

○吉岡障害者施策推進部長 今回の国の特別対策は、障害者自立支援法の円滑な施行を図るため、法の枠組みを守りつつ、三年後の見直しまでの措置として、もう一段の改善策を講じるものでございます。
 このうち、利用者負担のさらなる軽減につきましては、通所在宅サービスに関し、月額負担上限額を現行の二分の一からさらに四分の一まで引き下げ、対象を区市町村民税課税世帯のうち所得割十万円未満の世帯にまで拡大したことに加え、社会福祉法人に限っていた事業者の要件の撤廃、資産要件の緩和等が行われることとなっております。
 障害児の通所在宅サービス利用者につきましても、これに準じて負担軽減策を拡充するとともに、施設入所児童に対しましても、負担軽減措置の対象を所得割十万円未満の世帯まで拡大することとされております。
 また、入所施設利用者の工賃控除につきましては、サービス利用料について実施されていた工賃控除を食費等実費負担についても認め、年間二十八万八千円までの工賃は全額が手元に残るよう、工賃控除が徹底されることになっております。
 あわせて、これまで工賃控除の制度がなかったグループホーム、ケアホーム利用者に対しましても、障害福祉サービスの定率負担部分につきまして同様の工賃控除を創設することとされております。

○谷村委員 今の負担軽減措置のなされた中で、軽減対象者というのが市区町村民税非課税世帯から、課税世帯のうち所得割十万円未満の世帯まで拡大した。おおむね年収ベースで幾らぐらいの方まで上がったか、もしおわかりでしたら説明をお願いいたします。

○吉岡障害者施策推進部長 国からは、おおむね年収六百万円程度を見込まれているように伺っております。

○谷村委員 ありがとうございます。
 これまで、社会福祉法人軽減により負担上限が二分の一に引き下げられておりましたけれども、これをさらに四分の一までに引き下げる。また、社会福祉法人のサービス利用者に限らず、あらゆる事業者の提供するサービスの利用者に拡大する。社会福祉法人のサービス利用者だけではない、あらゆる事業者の提供するサービスの利用者に拡大する。さらに、対象者の範囲も課税世帯まで拡大して、今おおむね年収ベースで六百万円ぐらい。低所得の世帯だけではなくて中間的な所得の方々についても配慮するということで、大幅な対象者の拡大が図られたということだと思います。
 また、働いて得られる工賃よりも利用者負担が大きいのはおかしい、こういう声を踏まえまして、入所施設等の利用者負担については、工賃の実態に見合った利用者負担に軽減するため、工賃控除の仕組みが徹底されたということであります。
 そこで、入所施設利用者の場合には工賃そのものが控除されるので大変わかりやすいのですけれども、在宅の方が通所施設を利用した場合の利用料と工賃、この関係は今回の改善策でどのようになったんですか。ご説明をお願いしたいと思います。

○吉岡障害者施策推進部長 通所授産施設等におきまして、障害者の利用料が工賃を上回るのは疑問であるという指摘が一部にあるやに聞いておりますけれども、利用者は、働いているだけではなくて福祉サービスも受けていることから、一定の利用料や食費等の実費負担は、ご負担いただくことが必要であるというふうに考えております。
 このため、利用料と工賃を単純に比較することは難しいと考えておりますけれども、こうした指摘につきましては、まず取り組むべき課題は、通所授産施設等における工賃の引き上げであるというふうに考えております。
 他方で、現実の問題として、工賃引き上げの効果はすぐにはなかなかあらわれないことから、今回の特別対策では、こうした問題にも対応することを考慮しまして、これまで月額負担上限額を二分の一まで引き下げていた軽減措置を、さらに四分の一まで引き下げることとされたものでございます。
 この結果、国の試算によれば、在宅で知的障害者通所授産施設を利用している障害者の場合でございますけれども、福祉サービスの定率負担及び食費の実費負担の合計は、低所得世帯で、これまでの月額約一万三千円から約九千円に、所得割十万円未満の課税世帯で、これまで約二万九千円であった方々が約一万四千円というふうになりまして、いずれにしましても平均工賃の約一万五千円を下回る、そういうふうな結果になるということでございます。

○谷村委員 今ご答弁の中にありましたように、まず取り組むべきは、通所授産施設等における工賃の引き上げである、ごもっともであるかと思います。
 今おおむねご説明していただきました今回の特別対策で、利用者負担については大幅な改善が行われたわけであります。昨年十一月には、東京都においても、法の施行状況に関する実態調査を踏まえて、利用者負担の軽減など三項目にわたる緊急要望を国に提出されました。障害者の地域での自立生活支援という大きな目標に向かっての歩みを進めるためには、関係者が知恵を出し合い、こうしたたゆまぬ努力を一歩一歩積み重ねていくことが大変に重要なことであるかと思います。
 次に、心身障害者(児)通所訓練等事業についてであります。
 五項目めになるでしょうか。この請願を拝見いたしますと、あらゆる都の単独事業について、となっておりますけれども、都の独自事業であっても、障害者を取り巻く環境の変化や仕組みの変更に応じて、常によりよい施策となるよう、見直しは絶えず行われるべきであり、このあらゆるということになりますと、少々行き過ぎかなと思うわけであります。
 特にこの通所訓練等事業につきましては、昨年九月の本委員会におきまして、私自身、通所訓練等事業が担っている役割、新体系へ移行することの意義、また、法内化に取り組む小規模事業所等への都としての支援策など、さまざまな角度から質問させていただいております。
 その上で、法内化に向けての取り組みを一生懸命されても、ハード、ソフトの両面でのハードルがあって、努力された結果として、どうしても移行できないという方々に対しては、都からの財政的支援がしばらくの間は必要ではないか、このように主張し、質問させていただいたところでございます。
 その際には、直ちに法内事業に移行することが困難なグループについては、これまでの運営を今後とも継続できるよう、市区町村を通じて引き続き財政支援を行っていく、そのための予算も十分確保してあるという趣旨の大変に心強いご答弁を既にいただいているところでございます。
 請願者の方は、個別の補助事業について、障害包括補助事業、今回の予算案で申しますと障害者施策推進区市町村包括補助事業の中に組み込まないようにという趣旨のことを述べておられますけれども、この願意は、これまでの個別補助事業が包括的な補助事業に組み込まれることにより、結果として、例えば通所訓練等事業補助で行われていた財政支援がなくなってしまうのではないか、そういうご心配、ご懸念だと思います。
 そこで、改めてお伺いいたしますけれども、新たな包括補助事業の中での、先ほどのご説明によれば一般事業に当たると思いますが、その中で、これまでの個別事業はどのように取り扱われるのか、請願者の方が心配しているようなことは起きない仕組みになっているのかどうか、お伺いしたいと思います。

○吉岡障害者施策推進部長 障害者施策推進区市町村包括補助事業は、心身障害者(児)通所訓練等事業補助などの既存の個別補助事業を統合した一般事業、新たな課題に取り組む試行的事業である先駆的事業、都が示す各政策分野の中から区市町村が選択実施する選択事業に再構成し、創設する予定でございます。
 このうち、一般事業につきましては、区市町村ごとに、従前の補助基準額等を参考にポイントを定め補助することとしております。
 なお、心身障害者(児)通所訓練等事業補助の対象である法外の小規模作業所につきましては、都は、専門的知識を有するボランティアの派遣による法人格取得支援や、施設設備の特別助成などにより法内化の促進を図ってまいりますが、直ちに法内事業への移行が困難な法外施設につきましては、運営に支障が生じないよう、統合後の包括補助事業によりまして、引き続き区市町村を通じた財政支援を行ってまいります。

○谷村委員 包括補助事業といっても、その積算の中で、ポイントという形で市区町村に財源が示されるので、こうした不安、懸念には及ばないというご説明であったかと思います。
 この障害者施策推進区市町村包括補助事業につきましては、昨年の知事原案では予算額八十五億二千五百万円とされておりましたけれども、私ども公明党では、十四億七千五百万円の復活を直ちに知事に要望させていただき、最終的に提出された予算案では百億円と、私どもの復活要望が満額措置されたわけであります。これによって、財源的に十分な額が確保できたわけであります。
 今後、各市区町村が地域の実情に応じた障害者福祉サービスの充実に取り組めるよう、さらに配慮していただくとともに、これまでの個別補助事業のうち、引き続き実施すべきものについては、確実にその財政支援が行われるよう、この包括補助事業の執行に万全を期すことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○吉田委員 私も、請願一八第一四九号について意見を述べ、また、何点か質問をさせていただきます。
 本請願は、一項、二項、そして四項については意見書の提出を求めるものであり、まさに議会としての対応が問われているものだと思います。この点について、まず意見を述べさせていただきます。
 私どもとしては、ここに出されている、意見書の提出を求める要望は当然のことであり、趣旨採択すべきことだというふうに思います。
 今議論もありましたが、まず、第一項目めに関してですけれども、局の説明では、国が昨年末に新たな負担軽減策を講じたということをもって、対応されている旨の説明がありました。
 そもそも障害者団体、当事者の皆さんの粘り強い運動によって、法施行してから一年もたたないうちに新たな負担軽減策を追加せざるを得ないということ自体が、この自立支援法の応益負担、一割負担という制度がいかに重大な問題をはらんでいるかということを示したものだというふうに私は思います。
 しかも、昨年末の見直しは一定の改善にとどまっており、多くの障害者団体が、これでよしというような声は私どもは聞いておりません。期間限定の施策であり、しかも、今も紹介がありましたけれども、住民税所得割十万、収入ベースでいえば六百万以上の方は引き続き上限で三万七千円の負担が求められるということから見ては、これでよしなどというふうに到底いえるものではないと思いますし、さらに、それ以下の方々を見ても、かつて多くが無料だったことから見れば、福祉保健局の昨年秋の調査結果でも、もう数倍に急増しているという事態の解決には当たっていないというふうにいわざるを得ません。
 しかも、応能負担の見直しは、この示された、請願を出された団体だけではなく、私は、障害者団体共通の要望だというふうに認識をしております。一万五千人が集まった「見直してよ!『障害者自立支援法』一〇・三一大フォーラム」の要望事項、さらに、こうした団体が一致して取り組んでいる要望項目の第一は、応益負担の中止というのが掲げられております。
 しかも、この問題に非常に重視するのは、応益負担への転換が、当事者の皆さんの訴えによれば、トイレや外出、コミュニケーション保障という、まさに人間として欠かすことのできない営みを益とみなして応益負担を課すということは、障害者施策の理念の重大な後退、転換だということで訴えておりますが、まさに当然のことだと思います。
 また、二項目めですけれども、国の地域生活支援事業に十分な予算計上を求める意見書を出してほしいというのは極めて当然であり、都としても、説明がありましたが、要望しているということから見たら、議会としても当然のことであり、また、障害区分程度の改善も当然のことだというふうに意見を述べさせていただきます。
 次に、都がかかわる施策に関しての項目、すなわち、三番、そして五番、六番--五番、六番は一体だと思いますけれども、に関して若干質問をさせていただいて、意見を述べておきたいと思います。
 地域生活支援事業への都としての補助を求める要望三項目ですけれども、今の説明では、四分の一の負担を実施しているということにとどまる説明でした。しかし、単に法定の四分の一の負担だけではなくて、さまざまな形で都独自の横出し、上乗せ的な補助が実施されていると思いますし、さらにその継続が今改めて求められていると思うんですが、どのような加算的な補助が実施され、今後それをどうしていくのか、改めてご答弁をお願いいたします。

○吉岡障害者施策推進部長 東京都は従来から、重度心身障害者(児)日常生活用具給付事業と日常生活用具給付に付随する心身障害者火災安全システム、重度身体障害者(児)住宅設備改善費給付事業につきまして、種目の拡大や単価の上乗せなど、東京都独自の加算を行ってきております。
 平成十八年十月の障害者自立支援法の全面施行に伴い、これらの事業が区市町村地域生活支援事業の必須事業と位置づけられましたので、都は、従前の加算分につきまして、引き続き区市町村に対し財政支援を行っているところでございます。

○吉田委員 先日、東京都社会福祉協議会が実施いたしました区市町村アンケート報告書というものを見せていただきましたけれども、もちろん各区市町村の自主性というのは尊重されなければなりませんが、地域生活支援事業の中でどの程度の負担にするのか、あるいはどの程度の時間制限があるのか、無制限なのかなど、相当大きなアンバランスが見られます。
 私は、ある一定の水準については、都民として共通のサービスが受けられるという意味では、やはり引き続きこうした地域生活支援事業に対する東京都の補助、助成というものはますます重要になっていると思いますし、請願の趣旨というのは当然のものだというふうに思います。
 次に、項目の五番、六番に関連して、今の質疑とも若干関連させて意見を述べさせていただき、また質問もさせていただきたいと思います。
 局の説明では、区市町村の創意工夫に基づく取り組み、機動的な展開を可能にするためなんだということが、包括補助化の理由として挙げられました。私は、あえていわせていただければ、先駆的事業あるいは選択事業についての説明だったら、そうしたことは成り立つと思います。しかし、一般化しようとする個別補助事業というものは、それぞれの事業についてある程度の水準を維持するために補助を出してきたという経過から見たら、一般の対象としている個別補助事業まで包括化するのではなくて、先駆的、選択事業を包括化することはあっても、これはなじまないのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○松井企画担当部長 包括補助についてでございますけれども、地方分権の時代にあって、福祉、保健、医療の推進には、利用者に最も身近な区市町村の役割が重要でございます。
 そこで、区市町村の主体的な施策展開を支援するため、個別の補助事業を包括化し、区市町村の特性を生かした事業展開を可能とするものでございます。
 一般事業につきましては、これまで各区市町村において普遍的に実施されてきた既存の個別補助事業を対象としております。個別補助事業を包括化することにより、区市町村が地域の実情に応じて必要と考える事業を円滑に実施することができ、先駆的事業、選択事業とあわせて、より総合的に区市町村の主体的な取り組みを推進していくことができるものと考えております。

○吉田委員 区市町村がそれぞれの必要性を判断してというのは、先駆的、選択的事業の中で選択するという枠組みになっていると思うんですね。で、一般事業に入れようとする個別事業というものは普遍的に行われているという説明でしたけれども、私の理解では、この場合では障害者施策ですけれども、それぞれのサービスにおいて、東京都が、あるべき水準を維持するために、例えば具体的な職員の配置基準などを、国基準ではなくて東京都独自基準に定めて推進するために今まで行われてきたのが、一般に包括化されようとする補助事業だと思うんですね。
 したがって、問われているのは、あるいは請願者の方々が心配されているのは、そういう一つ一つの事業運営に対する東京都の独自基準、職員の配置基準、そういうものが一体どうなってしまうのかと。それは即利用者の方々の処遇にも直結するという意味で問われていると思うんです。
 例えば心身障害者通所訓練事業においても、職員配置あるいは重度加算などについても定めていますよね。小規模通所授産の場合でも、東京都としての職員配置を定めていますね。それに合致しているところに、そうした独自の加配に対応した補助金がされているという仕組みになっていると思うんです。
 そこで、請願者の意向も、都の明確な責任のもとに、ということが問われているんですが、こうした東京都としての都基準、配置基準、これはどういう位置づけになるんですか。これがなくなるのではないかという心配があるわけです。

○吉岡障害者施策推進部長 個別の補助事業を障害者施策推進区市町村包括補助事業の中で再構築するに当たりましては、基本的に、従前の事業実施基準を踏まえたポイント制にするというふうに考えておりまして、利用者へのサービスの質が低下することのないようには配慮してまいります。

○吉田委員 まだ策定途中の話ですから、仮定の話で断定的にいえないかもしれませんが、いずれにしても要綱をつくるわけですね。今までだったら、個別事業ごとに要綱があって、その個別事業の中に、職員配置基準、都基準はこう定めますよ、それに対して補助をしますよというふうになっていると思うんですが、包括化した場合の要綱の中で、個別事業ごとの都基準というのは明記されるんですか、されないんですか。あるいは、それはまだ検討中ですか。

○吉岡障害者施策推進部長 現在、検討中でございます。

○吉田委員 私は、やはりこれは、区市町村の自主性その他以前の問題として、東京都としてどういう基準をきちんと維持し継続するのか、それに対して必要な財政的な支援をするのかどうかということがまさに問われていることで、そのことに請願者の皆さんも非常に心配をしているからこそ、こうした請願が出されているんだと思います。
 私は、やはり基本的には、基準を維持しますよ、お金も出しますよというんだったら、別に包括化しないで、個別補助のままできちんと行うことが一番明確なやり方であるということを意見として述べまして、終わります。

○山口委員 私の方からは、請願に対する意見のみ述べさせていただきます。
 障害者自立支援法の制定に当たって、みんなで制度を支える仕組みを構築するとして、サービス利用者に対して原則一割の定率負担が導入されました。低所得者への配慮として軽減策が講じられたとはいえ、当事者や家族など現場から、制度の見直しや負担軽減の要望が強く、本格実施からわずか三カ月足らずで、国も激変緩和策を打ち出しました。
 費用の一部を負担できるだけの収入を得る就労の場が確保されないままに制度を拙速にスタートさせた国の責任は重く、都議会としても、今後の実施状況を踏まえ、障害程度区分認定の改善、負担のあり方や軽減策のあり方、また地域生活支援事業の充実など、意見書を提出することも当然検討するべきであると考えます。
 また、都の単独事業として予算提案されています障害者施策推進区市町村包括補助事業については、特に先駆的事業の具体的な事業内容など、各自治体の事例を情報提供し、地域が障害者のニーズにこたえて、地域の特性を踏まえ、それぞれの創意工夫による取り組みが進むように努めていただきたいということを要望しておきます。
 したがいまして、この請願には趣旨採択を望むものです。
 以上です。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、請願一八第一四九号は不採択と決定いたしました。

○長橋委員長 次に、請願一八第一五〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金丸参事 整理番号2、一八第一五〇号、八王子市犬目霊園(仮称)の建設計画に関する請願についてご説明申し上げます。
 この請願は、八王子市の八王子市犬目町会代表滝島克明さん外七百三十三人の方から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、仮称八王子市犬目霊園の建設計画の許可申請に対する都条例の運用に当たり、第一に地元八王子市の意向を最大限尊重すること、第二に周辺住民の意向を十分反映させることの二点を実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、本請願の対象となっている、宗教法人蓮生寺が計画している墓地建設については、現時点において墓地経営許可申請書は提出されておりません。
 墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例では、墓地経営許可の事前手続として、標識の設置、隣接住民等への説明及び意見申し出による事前協議を行った後、許可申請を行うこととなっております。
 本件の申請予定者は、昨年八月四日に標識を設置し、九月三日に説明会の開催を予定しましたが、隣接住民等の出席は得られておりません。
 また、八王子市では独自の墓地造成の基準を定めており、保健所において申請予定者に対し、地元市等と十分協議、調整するよう指導しております。
 なお、市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例により、本年四月一日から、墓地等にかかわる許可権限が八王子市に移譲されます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認めます。よって、請願一八第一五〇号は趣旨採択と決定いたしました。

○長橋委員長 次に、請願一八第一六一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金丸参事 整理番号3、一八第一六一号、永明院による大規模墓地建設計画の中止に関する請願についてご説明申し上げます。
 この請願は、立川市の立川市幸町墓地建設反対対策協議会連合代表森田信幸さん外一万四千四百四十四人の方から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、永明院の大規模墓地建設計画の許可申請に対し、許可をしないでいただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、本請願の対象となっている、宗教法人永明院が計画している墓地建設については、現時点において墓地経営許可申請書は提出されておりません。
 墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例では、墓地経営許可の事前手続として、標識の設置、隣接住民等への説明及び意見申し出による事前協議を行った後、許可申請を行うこととなっております。
 本件の申請予定者は、昨年九月六日に標識を設置し、十月一日に説明会の開催を予定しましたが、隣接住民等の出席は得られておりません。
 また、立川市では独自の墓地造成等に関する指針を定めており、保健所において申請予定者に対し、地元市等と十分協議、調整するよう指導しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 本件について、この機会に、意見といいますか、要望だけさせていただきます。
 現段階で、行政としてどういう態度をとるかということは明確にできる段階ではないとは思います。ただ、請願者の方から手紙をいただいて、読ませていただきましたけれども、住宅地に突然墓地計画がされ、しかも、墓地計画から百メートル以内のところに二つの産婦人科医院があり、二階から墓地が丸見えになるなどの事態を初め、切実な訴えが寄せられておりました。
 現段階で、都として中止の意思決定をすることはできる段階ではないと思いますけれども、ぜひこうした請願者の意向を受けとめていただきたいというふうに思います。
 とりわけ、非常に判断が難しい問題もありますけれども、例えば国の墓地経営あるいは管理指針でも、周辺の生活環境との調和に配慮することは留意事項として明記されていると思います。若干引用しますが、その中では、墓地の経営許可に関しては、周辺の生活環境との調和も一つの判断要素である、地域の実情に応じて、学校、病院その他の公共施設、住宅、河川等との距離が一定以上であること等を求めることが考えられる、というふうに明記されておりますので、ぜひこうした点も留意して、請願者の意を酌んでいただきたいということを要望として述べて、私の発言を終わります。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認めます。よって、請願一八第一六一号は、本日のところは継続審査といたします。

○長橋委員長 次に、請願一八第一六二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○吉岡障害者施策推進部長 整理番号4、一八第一六二号、障害者自立支援法に伴う費用負担の軽減と乳幼児の通園施設の療育への支援に関する請願は、小金井市の賀川学園保護者代表神山健三さん外三千百二十人から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというものでございます。
 まず、第一項でございますが、乳幼児の通園施設の療育を維持発展させるための独自の支援策を検討することというものでございます。
 次に、第二項でございますが、障害者自立支援法において生じる施設利用料、給食費を保護者の所得に応じて軽減するよう、措置制度のもとでの利用者負担と同等の額となるような補助をすることというものでございます。
 第三項でございますが、障害者自立支援法の児童に関連する規定は、すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない、という児童福祉法の趣旨にのっとって見直しするよう、国に意見書を提出することというものでございます。
 現在の状況について、まず第一項でございますが、都は従来から、民間社会福祉施設の特性と創意工夫による自主的かつ柔軟な施設運営を支援するため、民間社会福祉施設サービス推進費補助による独自の施設運営費補助を実施しております。知的障害児通園施設に対しましては、看護師の配置等のための基本補助のほか、早期療育や就学前後の個別支援等を行うための加算補助を行っております。
 次に、第二項でございますが、障害者自立支援法の施行に伴う児童福祉法の改正により、平成十八年十月から、障害児施設の利用につきましては、措置制度から原則として契約制度へと移行しました。
 原則一割の定率負担は、サービス利用者も費用を負担し、皆で制度を支える仕組みを構築するために導入されたものであり、その導入に当たっては、所得区分等に応じた月額負担上限額の設定や食費負担額の軽減措置の実施など、低所得の方に配慮したさまざまな軽減策が講じられております。
 また、障害児施設の利用者負担に関し、若年保護者世帯への配慮が必要なため、都は昨年八月に緊急要望書を国に提出し、国は、区市町村民税所得割二万円未満の世帯について新たに食費等の負担軽減策を講じました。さらに、国は平成十九年度から、一定収入以下の世帯については、負担上限月額を従来の四分の一の額まで軽減することとし、区市町村民税所得割十万円未満の世帯までは負担軽減を受けることができるようになりました。
 第三項でございますが、障害児施設の利用が措置制度から契約制度へと移行したのは、障害者自立支援法の施行に伴う児童福祉法の改正によるものでございまして、児童福祉法の趣旨に沿ったものでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○増子委員 意見だけ述べさせていただきたいと思います。
 これまで、自立支援法の実施に当たって、代表質問あるいはこの厚生委員会を初めさまざまな議論の場で民主党が繰り返し求めてきたのは、次の三つということです。
 現状で負担能力が低い方に対しては、負担軽減を行って、必要なサービスへのアクセスを確保するとともに、所得保障を実現する。
 二つ目として、サービスの質の向上とサービス提供基盤の拡充によって障害者の生活を向上させる。
 今の二つは、制度本来の施策として、国が責任を持って手当てすべき事柄であると思いますが、しかしながら、国が責任を果たさないのであれば、都が独自にでも実施すべきだ、そういう趣旨の発言をこれまでも行ってまいりました。この請願の趣旨もこうしたことだというふうに思っております。
 ただ、この請願が提出された後に、国において、若い保護者の負担能力を考慮して負担軽減の対象が拡大されるなど、状況の変化がありました。同じように障害のあるお子さんをお持ちの保護者の皆さんから厳しい声が数多くあり、政府を動かしたものというふうに思っております。
 請願の理由にもありますとおり、障害のある子どもたちが支援をきちんと受けて発達できるよう、国における新たな施策の実施後も、都はサービスの利用状況をしっかりと注視し、利用者の声に耳を傾けながら、必要な施策は迅速に実施していただくように強く求めておきたいと思います。
 なお、先ほど、自立支援法は、サービス利用者が費用を負担することで、みんなで制度を支える仕組みとの説明がありました。保護と分離の措置制度から移行した、選択と共生の支援費制度が財政的に破綻いたしました。そこで新たに、みんなで支える仕組みが必要であったことは事実だというふうに思っております。しかし、負担と同時に、個々の利用者が、従来の制度よりもサービスが拡充した、生活の質がよくなったと実感できる施策が実行されなければ、金銭的負担という、利用者にだけ厳しさを求める結果となってしまいます。利用者が制度を支えているという事実を重く受けとめ、都が障害のある子どもの発達に責任を果たしているとの評価を受けられるよう、しっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げ、要望として意見とさせていただきます。
 以上です。

○かち委員 私からも、一八第一六二号の障害者自立支援法に伴う費用負担の軽減と乳幼児の通園施設の療育への支援に関する請願について意見を述べさせていただきます。
 私どもは、自立支援法の最大の問題点は、応能負担が応益負担になって、一律定率負担になったということに問題点があるという意識で、ずっとこれまでも主張してまいりました。
 この案件については、新しい生命の誕生に喜びを感じるつかの間、我が子の異常を発見し、何らかの障害を持つ子の親御さんの心中ははかり知れないものがあります。若い両親がこうした子どもを育てていくのは並大抵ではありません。共働きもままならないでしょう。こうしたときに、同じような境遇の子どもたちが通う乳幼児施設に通わせることで、その子に合った発達を保障し、精神的にも救われる役割を持つのが、こうした乳幼児施設であります。
 現在、都内には十二施設、五百人の子どもたちが通園しているとのことですが、その利用料は、児童福祉法の精神にのっとり、どの子もひとしくその生活を保障され、愛護される仕組みの中で、低所得者対応と所得に応じた仕組みとなっていました。それが、障害者自立支援法成立に伴い児童福祉法も改定され、何ら収入手段を持ち得ない子どもたちまで利用料の一割負担の義務が課せられることになり、その負担は重く若い両親の肩にのしかかってきて、もうこれでは通園、これまでのように毎日通わせることができないなどの悲鳴や訴えがなされ、マスコミでも取り上げられました。子どもたちが休みがちになれば、即経営にも影響するという仕組みです。
 国は、こうした障害者、関係者の大きな世論の動きの中で、昨年十二月末、一定の見直し策を示しました。低所得者対策として、一般世帯で所得割十万円未満世帯を対象に軽減策をとるとともに、定率負担二分の一から四分の一にするなど、一定の前進はありました。
 しかし、一般家庭における一割負担プラス食費負担の原則は変わらず、措置費制度時と同等の負担軽減にという趣旨ですけれども、措置費時代は一万四千五百円、これが新制度になりますと、一般と低所得のボーダーのところが二万八千七百円ということで、二倍の負担が強いられることになります。健常児の保育園の保育料は所得に応じているのに、障害というハンディを持つ子どもの通園が定率負担という矛盾も生まれています。
 児童福祉法の趣旨にのっとり、この負担のあり方は再検討すべきであると考えますので、本請願には趣旨採択を求めます。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、請願一八第一六二号は不採択と決定いたしました。

○長橋委員長 次に、請願一八第一六三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○都留少子社会対策部長 整理番号5、一八第一六三号、東京の保育・子育て施策の充実と予算の増額に関する請願は、杉並区の公的保育・福祉を守る東京実行委員会の橋本宏子さん外九万九千四百十四人から提出されたものでございます。
 その請願の趣旨は、保育・子育て施策の拡充に関しまして、1、保育所の待機児童の解消に向け、認可保育所の新設、増改築が進められるよう、施設整備費の補助を継続することとし、公立保育所も補助対象に加えること。
 2、民間社会福祉施設サービス推進費補助の交付額算定特例措置四年目以降は削減しないこととし、職員の平均勤続年数に応じた補助項目を加えるなど、人材確保が可能なものにすること。
 3、現行の保育水準を維持、拡充するため、子育て推進交付金を増額すること。
 4、保育室制度を存続し、都の施策として位置づけること。
 5、認証保育所の職員配置などの基準を引き上げ、補助金を増額することを実現していただきたいというものであります。
 現在の状況についてご説明申し上げます。
 初めに第一項ですが、地域における保育サービスの供給体制は、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所に限らず、認証保育所や家庭福祉員など地域の保育資源を活用して確保していくべきものでございます。
 なお、平成十七年度から、認可保育所の施設整備は、国から区市町村に直接交付される次世代育成支援対策施設整備交付金で対応することになっております。このうち、さらに公立分については、平成十八年度から税源移譲により区市町村の一般財源で対応することとなっております。
 次に、第二項ですが、民間社会福祉施設サービス推進費補助については、職員の経験年数に基づいた補助から、施設のサービス内容やサービス向上に向けた取り組みに応じた補助方式への再構築を行い、平成十六年度から実施しております。
 また、再構築に当たっては、補助額が減少する施設への配慮等を行うため、平成二十年度までの五カ年の経過措置を設けております。
 四年目、五年目に当たる平成十九年度、二十年度の経過措置の内容については、既に施設代表者との間で合意しております。
 次に、第三項ですが、子育て推進交付金は、市町村が地域の実情に応じて子育て環境の整備に主体的に取り組むことができるよう、これまでの補助制度を再構築し、平成十八年度から実施しております。
 保育水準の向上については、保育の実施主体である区市町村が、この交付金等を活用しながら対応すべきものであります。
 次に、第四項ですが、保育室については、保育サービス水準の向上のため、認証保育所への移行を進めております。その際には、保育室の現状や区市町村の意向を十分踏まえるとともに、移行をより促進するため、必要な改修経費等の補助を行っております。
 最後に、第五項ですが、都は、認証保育所について、基本的には認可保育所と同等の基準を設け、国の保育単価を準用した補助を行っております。
 認証保育所は、事業者の創意工夫により、利用者本位の質の高いサービスを提供しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○谷村委員 それでは、保育・子育て施策の充実と予算の増額に関する請願に関連してお伺いいたします。
 昨年暮れに国立社会保障・人口問題研究所が公表いたしました将来推計人口では、五十年後の日本の総人口は九千万人を下回り、合計特殊出生率も一・二六も改善されず、人口減少社会の本格的到来を予測しております。少子化の進行に歯どめをかけるためには、児童手当や医療費助成制度の拡充など、経済的支援もさることながら、そうした経済的支援だけではなく、子育て世代を社会全体で支えるとの視点から、働き方、あるいは地域のあり方が喫緊の課題となっているわけでございます。
 都においても年末に、東京都次世代育成支援対策推進会議を開催するなど、組織横断的な取り組みが進められております。保育、子育てをめぐる状況は大きく変化をしております。特に、約五千人いるといわれております東京の待機児童解消に向けて、新しい制度である認定こども園への期待も大変高まっているわけであります。
 認可保育所の施設整備については、先ほど部長からのご説明にもありましたように、三位一体の改革により全国的に財政措置の整理が既になされているものであり、認可保育所の施設整備は、保育の実施主体である市区町村がその責任において対応するべきものであると思います。
 そこで、改めて、保育の供給体制の確保と待機児童解消に向けての都の取り組みについてお伺いいたします。

○都留少子社会対策部長 保育サービスの供給体制は、認可保育所に限らず、認証保育所や家庭福祉員など、地域のさまざまな保育資源を活用して確保していくべきものでございます。
 こうした考えのもと、都は、平成十七年四月に保育計画を策定し、平成十七年度からの五年間で保育サービスの利用児童数を約二万人ふやし、二十一年度に十八万四千七百人分のサービス提供を図ることを目標に掲げ、現在さまざまな取り組みを進めております。
 具体的には、待機児童の多い低年齢層に対応した認可保育所の定員設定や、保育ニーズの高い地域におけるサービス供給の推進などを区市町村に強力に働きかけております。
 委員ご指摘のように、待機児童解消に資することも期待される、幼稚園から認定こども園への移行も含め、保育サービスの供給体制確保に向けたさまざまな取り組みを今後とも積極的に進めてまいります。

○谷村委員 今、大変な決意を述べていただきました。その待機児童解消と同時に、当然のことながら保育の水準を向上させることが求められているわけであります。そのためには、保育の実施主体である市区町村の創意工夫にあふれた自主的な取り組みこそ必要なわけであります。先ほどの共産党の議員の質疑を聞いておりますと、よほど市区町村の取り組み、主体的な取り組みというのはご不安なのか、都の基準で何が何でもやらなきゃいけないのか、信用できないのか、そういうような議論がありましたけれども、やっぱり身近な基礎的自治体である市区町村の取り組み、その創意工夫というのが大変重要なわけであります。地域の特性も生かしていかなければならないわけであります。
 こうした点で、子育て推進交付金の創設を高く評価するものでありますが、ただ、保育所の利用人員がふえれば、その分、この子育て推進交付金の自由に使える部分が圧迫されたり目減りするのではないか、こういう疑問、不安の声もあるようでございます。
 そこで、子育て推進交付金について、保育所の利用人員がふえた場合にはどうなるのか、圧迫されて使いにくくなるのか、その際の都の対応についてご説明をお願いしたいと思います。

○都留少子社会対策部長 子育て推進交付金は、地域の実情に応じた市町村の取り組みを幅広く支援するため、従来の子育て支援に関する都の補助制度を包括化し、今年度から新たに実施いたしております。
 平成十九年度以降の子育て推進交付金の取り扱いにつきましては、総額として、これまでの補助額の水準を確保し、その上で保育所の利用人員がふえた場合につきましては、別途これに応じた額を交付することといたしております。

○谷村委員 規模がふえた分については別途措置される予定であるということで、市町村が地域の実情に応じて子育ての環境の整備に主体的に取り組むことができる、こういうご答弁であったかと思います。明確にお答えいただきました。
 次に、保育室についてでありますが、保育室は、家庭的できめ細かい保育サービスが提供される、非常に保育ニーズも高いわけであります。しかし、その一方で、その水準というものが十分ではない面もあるという指摘もあります。
 そこで、都では、この保育室をより質の高いものへレベルアップするために、認証保育所への移行を進めておられるわけでございますけれども、その進捗状況についてお伺いいたします。

○都留少子社会対策部長 お話のように、都では、平成十三年度の認証保育所制度の創設に伴い、保育サービス水準の向上のため、保育室から、より補助額が高い認証保育所、主としてB型への移行を進めております。
 平成十三年四月一日現在、二百七十二カ所あった保育室のうち、平成十九年一月一日までに認証保育所A型に二十九カ所、認証保育所B型に八十四カ所、計百十三カ所が移行いたしました。
 そのほか、認可保育所への移行、家庭福祉員、保育ママのことでございますが、への移行や、廃止した施設もありまして、平成十九年一月一日現在の保育室の数は百二十三カ所となっております。

○谷村委員 都が進めておられます保育室から認証保育所への移行というのは着実に進んでいるようでございますが、それでも現在百二十八カ所、昨年の十月一日現在でしょうか、移行できていない施設があるわけでございます。それぞれ事情を抱えておられると思いますが、どういう事情、理由で移行できない状況なのか、お伺いしたいと思います。

○都留少子社会対策部長 保育室が認証保育所へ移行できない理由といたしましては、第一に、認証保育所の児童一人当たりの面積基準の方が保育室より広いため、定員の見直しや施設の拡充が必要になること。第二に、認証保育所の基準を満たすためには現在地での建てかえが困難であり、移転が必要であるが、適する物件が見つからないこと。第三に、施設の改修のための経費や移転のための経費の捻出が困難であること。さらに、設置者が高齢であり、将来的に施設の閉鎖も考えて、認証保育所制度への移行を望んでいないことなど、さまざまな理由があると考えられます。

○谷村委員 今ご説明いただきましたように、さまざまなご事情がおありになるのだろうと思いますけれども、今後の認証保育所への移行促進策として、どういう対応策を都としてお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。

○都留少子社会対策部長 先ほどもご説明いたしましたとおり、都では、保育室について、保育サービス水準の向上のため、認証保育所への移行を区市町村及び施設に対して働きかけております。平成十七年度からは、認証保育所B型へ移行する際の改修経費の補助を実施し、移行促進を図ってまいりました。
 さらに、平成十九年度につきましては、認証保育所A型へ移行する場合についても改修経費の補助対象とするほか、施設改修経費以外にも、経営コンサルティングを受ける費用など、認証保育所へ移行させるために取り組むさまざまな事業に対しても幅広く柔軟に支援する予定でございます。

○谷村委員 最後に、この請願の五項目めになります、認証保育所の職員配置などの基準を引き上げ補助金を増額することという趣旨の項目でございますが、これに関連して、認証保育所についてお伺いいたします。
 この認証保育所は、認可保育所と同等の基準により設けられたものでありますし、補助金を増額するまでもなく、私は今でも十分に、事業者の創意工夫により独自の取り組みが行われるなど、保育の充実が図られているものと認識しております。であるからこそ、都民から評価され、認証保育所は創設以来増加し続けているのだと思います。
 本請願に、共産党の議員の方も紹介議員になっておられますけれども、認証保育所制度そのものを否定しておきながら、認証保育所制度を前提に、それを拡充してほしいという趣旨の請願に紹介議員になられ、また、この趣旨採択等に賛成をされるのか、非常に不思議ではあります。
 そこで、認証保育所の増加、大変ふえていると思います。どんどんふえているわけですが、この認証保育制度を都としてどのように評価されているのか、お伺いしたいと思います。

○都留少子社会対策部長 大都市東京の保育ニーズに柔軟かつ的確に対応するため、都独自の保育所制度として創設された認証保育所制度は、ご指摘のとおり都民の広範な支持を得て、本年一月一日現在、施設数では三百五十カ所、内訳は、A型が二百六十二、B型が八十八でございます。施設定員では、合計で約一万五百人にまで増加いたしております。
 認証保育所は、すべての施設でゼロ歳児保育や十三時間以上開所を実施しているほか、直接契約の仕組みによりまして、利用者がニーズに合った施設を選択できることなど、都民のニーズに合致した保育サービスが提供できる制度であると考えております。

○谷村委員 三百五十カ所に及び、その定員は一万五百人にもなっている。この認証保育所は都民の皆様から大変評価を受け、保育ニーズに対応した制度であるという評価を受けているというあらわれだと思います。
 少子化の進行を阻止するためにも、保育施策は大変に重要であります。しかし、既存の補助金を増額したり、あるいは見直された補助金を復活したりすれば課題は解決するというような簡単なものでは全くありません。それはむしろ安易な発想であり、待機児童の解消一つとっても、創意工夫次第でさまざまな取り組みが考えられるはずであります。こうした市区町村の創意工夫を求める取り組みに対して真っ向から否定されているのが、先ほどの共産党さんの質疑であろうかと思います。それは時代に逆行しているのではないかというふうに思います。
 今後とも多角的かつ柔軟に検討し、これまで以上に都の保育施策をさらに充実されることを期待して、私の質問を終わります。

○かち委員 私からも、一八第一六三号、東京の保育・子育て施策の充実と予算の増額に関する請願について何点かお聞きします。
 重複を避けたいと思いますが、子どもを安心して産み育てること、働くことと両立させること、保育料など経済的負担をもっと軽くして、これらのことは、若い両親にとって共通の強い願いですが、ままならないのが東京の現実です。
 東京都は、待機児解消策の一環として、認証保育所制度を進めてまいりました。今お聞きした質疑の中で明らかになったのは、この五年間で三百五十カ所増設し、一万人の入所者数になっているということでしたけれども、それでは、認証保育所制度ができる前と直近の時点での待機児童数はどのように変化しているでしょうか。

○都留少子社会対策部長 保育所待機児童は、国の定義に基づき定期的に把握いたしておりますけれども、平成十四年四月から、その定義が変更となりました。
 平成十三年度までは、認可保育所に利用申し込みを行い、入所要件を満たしているにもかかわらず、現に認可保育所に入所できない児童を待機児童と定義しておりました。これを旧定義と呼んでおります。
 これに対して、平成十四年四月からは、旧定義の待機児童のうち、地方公共団体の単独施策において保育されている児童は待機児童から除くことになりました。これを新定義と呼んでおります。
 待機児童数を旧定義で比較いたしますと、これは認証保育所や家庭福祉員、保育ママのことでございますけれども、などを利用している児童も待機児童に含まれた定義でございますが、平成十三年四月一日現在では七千三百四十八人でございまして、平成十八年四月一日現在では九千二百十一人となっております。
 また、新定義で比較いたしますと、認証保育所制度を創設いたしました平成十三年度の統計はございませんが、平成十四年四月一日現在では五千五十六人であり、平成十八年四月一日現在では四千九百八人となっております。

○かち委員 旧定義では、待機児童が七千三百四十八人から九千二百十一人に、むしろふえていますね。新定義ではほぼ五千人、余り変わらずというのが現状だというふうに思います。
 認証保育所は急増しているけれども、待機児は依然として減らない、こういう現実があるわけですけれども、二〇〇四年七月に福祉保健局がまとめた認証保育所実態調査報告でも、利用者の六割以上が認可保育所への入所を希望しています。女性の社会進出、また経済環境からしても、今後さらに子育てと仕事の両立の要求は高まることは明らかです。だからこそ、安心して子どもを産み育てられる環境と保育行政の充実が求められているわけですが、都は、公立、私立の認可保育所の役割をどのように位置づけているのでしょうか。

○都留少子社会対策部長 公立の認可保育所は、ゼロ歳児保育や延長保育の取り組みはもちろんのこと、障害児保育や病後児保育など地域の多様な保育ニーズに率先してこたえていくことが期待されております。しかしながら、現実には、多くの利用者の切実なニーズであるゼロ歳児保育や延長保育の取り組みが、私立の認可保育所に比べておくれております。
 こうしたことから、都は、公立認可保育所において利用者本位のサービス提供に向けた取り組みが進むよう、保育の実施主体である区市町村に対し積極的に働きかけを行っております。

○かち委員 保育サービスの中核を担っているのが認可保育所ですから、その整備促進の支援と運営費補助の充実を求める本請願の要旨は当然のものと考えます。
 政府の規制改革・民間開放推進会議では、昨年末の答申で、認可保育園に対する公的補助を転換し、利用者が直接契約で保育サービスを買う仕組みを検討するよう求めています。既に公立保育園の補助は一般財源化され、認可保育園については交付金化になり、公立認可保育のよりどころがあいまいになり、民営化、株式会社の参入など、保育の市場化が進んでいます。
 練馬区などでも、公立保育園のピジョン委託をめぐる混乱がありました。子どもの平等という観点からしても、認可保育園の供給をふやし、より広く利用できるようにすべきであり、多くの人がそれを望んでいます。
 一定水準の保育を提供するためには、ある程度のコストはかかります。公立であろうと認可であろうと保育の水準は変わらないための公私格差是正措置が、サービス推進費補助の再構築ということに変遷してきたわけです。
 そこで、平成十六年度から始まった社会福祉施設サービス推進費については、五年間という経過措置のうち、三年間の試行後再検討することになっていましたが、あと二年についても施設代表との間で合意したとのことですけれども、その内容はどういうもので、結果的にどれくらいの補助金削減になるのか、お聞きします。

○都留少子社会対策部長 民間社会福祉施設サービス推進費補助は、福祉サービスの質の向上を目的に、都として望ましい福祉サービスの水準を確保し、施設のさまざまな努力が真に報われるよう、平成十六年度に再構築したものでございます。
 この再構築により、施設の取り組みに応じて交付額が増減する制度となったため、施設代表者との協議において、経過措置として、再構築前の平成十五年度の交付額から減少する施設に対しては、施設運営に影響が生じないように激変緩和のための措置を行うとともに、増額となる施設への調整を行いました。その際に、四年目以降の取り扱いについては、改めて施設代表者との意見交換を行うとしておりました。
 再構築後、四年目、五年目の経過措置の取り扱いについては、再構築前の平成十五年度の交付額からの減少額の限度を、四年目の十九年度は二千万円、五年目の二十年度は二千五百万円としたほか、六年目の二十一年度は、施設の運営形態を精査の上、重大な影響が見られる施設に対して一定の配慮を行うことといたしました。
 保育所における、再構築後四年目以降の取り扱いにつきましては、保育所側からの要望も踏まえ、育児講座や保育所体験など地域に向けたサービスがより取り組みやすくなるよう、従来の単一的な補助基準をきめ細かくするほか、保育士の実習生などの受け入れを促進するための補助項目を新設するなど、施設の取り組みやその成果をより評価するような方向で充実を図り、施設代表者との十分な意見交換を経て合意に至ったものでございます。
 これらの見直しによりまして、保育所のサービス向上の取り組みが一層進む仕組みとなると考えております。

○かち委員 保育の質を確保するために補助金のあり方を再構築したということで、サービス推進費ということになったわけですね。この五年間で、下限額でいいますと二千五百万円の補助金の削減ということになるわけですけれども、保育の質ということで見ますと、福祉保健局が先日まとめた東京の福祉保健の新展開二〇〇七で、福祉サービスは、人が人に対して身体や心の支援を中心にするものであるため、サービスの質は、それを提供する人材の質に大きく依拠するというふうに書いてあります。本格的な少子高齢社会が到来する中で、子どもたちへの支援も含め、人材の質の一層の向上が求められると書いています。これは大変重要なことだと思います。
 ところが、都が実際にやってきたことは逆行しているんですね。公私格差是正事業がなくなり、さらに、サービス推進費補助の見直しで経年数の加算がなくなり、保育園の人材の質の確保が大変困難になっている。保育士など職員からも、園長、経営者からも、保護者からも、経験ある職員が確保できるよう、保育士が長く働き続けられるよう、サービス推進費補助の経験年数加算を再開してほしい、削減をやめてほしい、拡充してほしいという切実な声が上がっているんです。
 先日、全国福祉保育労働組合の労働実態調査結果を見ましたところ、半数が賃金の改善を求めています。三割が正規職員になりたいと望んでいるんですね。こういう実態の中で、正規職員雇用がなかなかできない。こういうことが保育の質にも大きく影響しているというふうにいえるのではないでしょうか。福祉は人、サービスの質は人材だということであれば、この請願は当然のことです。
 次に、保育室についてですけれども、先ほどのご説明で、認証に移行する前には二百七十二施設あったものが、現在百二十三施設、保育室として存在しているということですけれども、保育室には、できた歴史的な経緯、背景や、区市町村の意向や実情もあります。今後もこれらの状況を十分踏まえて、継続できるように支援すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○都留少子社会対策部長 保育室は、認可保育所を補完する役割として、児童福祉法第二十四条第一項ただし書きによりまして補助してきた事業でございまして、保育ニーズの受け皿として一定の役割を果たしてまいりました。
 しかしながら、現行の保育室の施設などの基準は必ずしも十分なものではないため、より高い基準であり、補助額も高い認証保育所、主としてB型への移行を強力に進めております。都としては、平成十七年度から改修経費の補助を実施し、移行促進を図ってまいりました。これに加え、十九年度につきましては、認証保育所A型へ移行する場合についても補助対象とするなど、支援策の拡充を図る予定でございます。

○かち委員 環境の改善という意味でいいますと、私どもはその認証保育所B型に移行することを決して否定するものではないし、十分な対応が必要だという意味で、ここには紹介者になっているわけです。
 しかしながら、保育室に対し家賃補助など独自の補助がある区市では、認証に移行しなさいといわれてもすぐにできないとか、長い歴史があり、保護者と地域、保育園が協働してつくり上げてきた、こういう経過もあるわけで、こういうことを十分に尊重すべきだというふうに考えます。少子化が社会問題になっている今日、子どもを産み育てやすい環境づくりや働き方、働かされ方も問われています。
 経済的な安定を確保するとともに、安心して任せられる保育と質の確保など、課題を実現していくためにも、本請願の願意にこたえる対策を求めて、趣旨採択を求めます。

○山口委員 私の方からは、このサービス推進費のことについて二点ほど伺いたいと思います。
 再構築したサービス推進費が、二〇〇九年度からは本格実施になるわけです。この間、経過措置がとられてきたわけですが、例えば、このサービス推進費の再構築ということが提案されたときに、ベテランの保育士が減り、若い保育士ばかりが保育を担うことになるのではないかということが非常に懸念されてきました。もちろん、保育士の経験年数がすべて保育士の質につながるわけではないということはわかります。しかし、経験が人を育てるということも、また一方では真実でもあると思うんですね。
 そこで、二年以上経過した現在、保育の質が低下するといわれてきた中で、現在の施設運営への影響、これは都はどのように把握しているのか伺います。

○都留少子社会対策部長 民間社会福祉施設サービス推進費補助は、施設の定員規模、利用者数、職員の平均経験年数などに基づく画一的な仕組みを見直し、都として望ましい福祉サービスの水準を確保し、施設のさまざまな努力が真に報われるよう、平成十六年度に再構築いたしました。
 再構築後の施設経営の状況につきましては、委員のお話にありました保育所職員の平均経験年数を見ますと、再構築前の平成十五年度では九・四年、再構築後の十六年度では九・〇年、十七年度では九・一年となっており、再構築の影響はほとんど見られません。
 また、保育サービスの内容では、延長保育やゼロ歳児保育、アレルギーに配慮した給食の提供など、利用者ニーズにこたえる保育所がふえており、一時保育や育児相談、保育所体験など、地域の在宅子育て家庭を対象にしたサービスについても取り組みが進んでおります。
 さらに、施設経営の面においても、具体的な経営目標を設定し、職員の意識改革や人材育成などの経営改革に取り組む保育所がふえております。
 このように、再構築の目的であったサービスの質の向上に向けた取り組みが着実に進んでいると認識いたしております。

○山口委員 先ほどの質疑と重なるところもあるんですけれども、この四年目、五年目に当たる二〇〇七年度、二〇〇八年度の経過措置の内容については、既に施設代表者との合意ができているということですけれども、この代表者からどのような要望が出されたかも含めてお伺いいたします。この経過をお伺いいたします。

○都留少子社会対策部長 再構築後の四年目、五年目に当たる平成十九年度、二十年度の取り扱いにつきましては、施設代表者と東京都との間で改めて意見交換を行うこととされておりました。
 保育所側からは、地域子育て支援の取り組みについての補助基準の緩和や、保育所が保育士等の人材養成の拠点として活用されていることへの評価など、努力・実績加算の充実について具体的な要望がございました。
 都としては、保育所側からの要望も踏まえ、育児講座や保育所体験など、地域に向けたサービスがより取り組みやすくなるよう、従来の単一的な補助基準をきめ細かくするほか、今後の子育て支援にかかわる人材育成、資質向上のための取り組みを促進するための補助項目を新設するなどの見直しを行いました。
 このように、サービス推進費補助が、サービス向上に向けた施設の取り組みや、その成果をより評価したものとなるよう充実を図り、施設代表者との十分な意見交換を経て合意に至ったものでございます。

○山口委員 福祉施設サービス推進費の再構築は、施設のサービスの内容充実や質の向上に向けた取り組みを目的として行われたということは、十分に認識しています。
 であるならば、当然この間の私立保育園等の運営状況やサービス内容については、どのような状況かを十分に把握して、保育環境の質の低下を招くことのないよう取り組まれることを強く要望いたします。
 先ほどもお話がありましたように、今、保育園については、民間移譲というような形で、さまざまな事業所が参入しているような経過がありますので、私どもとしては、この請願のおおむねの趣旨を受けとめて、趣旨採択を要望しておきます。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、請願一八第一六三号は不採択と決定いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時二十六分開議

○長橋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 審査を続行いたします。
 請願一八第一六七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○吉岡障害者施策推進部長 整理番号6、一八第一六七号、障害者自立支援法に関する請願は、清瀬市の東京都患者同盟会長小島貞夫さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというものでございます。
 まず第一項でございますが、生活保護・境界層対象者に対する負担軽減措置を適用する場合の預貯金などの限度額は、自立に必要な金額の保有を認めること、また、預貯金等の調査は本人の申告制にすることというものでございます。
 次に、第二項でございますが、障害者施設での日常生活費及び更生訓練費については、すべての入所者及び通所者に支給するよう国に働きかけることというものでございます。
 第三項でございますが、内部障害者更生施設において引き続き障害者手帳を所持しない結核回復者の入所を認め、さらに、福祉ホーム等のほかの施設へ転入所する場合にも同様に認めるとともに、あわせてこれらを国に働きかけることというものでございます。
 第四項でございますが、障害者入所施設における障害者の入退所については、今までどおり障害者本人の希望に沿った選択ができるようにし、あわせて国に働きかけることというものでございます。
 第五項でございますが、障害者自立支援法の運用に当たっては、障害程度区分や在所期間に応じて、機械的に一律の取り扱いをするのではなく、障害者本人の立場に立った自立支援を行うことというものでございます。
 現在の状況について、まず第一項でございますが、平成十八年四月からの利用者負担の導入に当たり、新たに生活保護への移行防止策が講じられております。これは、定率負担や食費等の実費負担により生活保護の対象となる場合には、生活保護の対象とならない額まで負担を引き下げるものであり、移行防止策の対象となる生活保護境界層対象者であるか否かの判断は、生活保護制度に基づいて行われます。
 したがいまして、預貯金の保有限度額等について生活保護制度が適用されることはもとより、預貯金等の調査につきましても、職権による調査が認められております。
 次に、第二項でございますが、日常生活費につきましては、施設利用か在宅生活かにかかわらず必要な経費であり、在宅生活者との負担の公平化を図る観点から、自己負担を原則として、平成十八年四月以降、給付の対象から除外されております。
 更生訓練費につきましては、区市町村地域生活支援事業の選択事業の一つであり、支給については区市町村が決定するものでございます。
 第三項でございますが、現に内部障害者更生施設に入所している者で、身体障害者手帳を所持しない結核回復者につきましては、平成二十三年度までは経過措置として利用が可能でございます。また、新規利用につきましても、経過措置期間中につきましては、これまでと同様の取り扱いでございます。それ以降の利用につきましては、現在国において、三年後の見直しに合わせて取り扱いを検討中でございます。
 福祉ホーム等、他の施設への転入所につきましては、障害者自立支援法に規定する障害者であることが要件となります。
 第四項でございますが、障害者自立支援法では、平成十五年度から導入した支援費制度の自己決定と自己選択及び利用者本位の理念を継承しつつ、地域生活支援、就労支援といった新たな課題に対応するとともに、入所期間の長期化など、本来の施設の機能と入所施設の実態の乖離を解消するため、サービス体系を機能に着目して再編し、サービス内容と利用者像を明らかにしております。
 再編後のサービス体系では、日中活動の場を利用しながら在宅での地域生活を行うことを基本としつつ、居住支援が必要な障害者にはグループホームやケアホームなどのサービスが用意されており、夜間における入浴、排せつ等の支援を必要とする障害者を対象として、施設入所支援を行うこととしております。
 こうしたサービスの支給決定は、障害程度区分や障害者本人のサービス利用意向も踏まえた上で、区市町村が行っております。
 第五項でございますが、障害者自立支援法では、地域での自立した生活を続けるために必要なサービスを障害者のだれもが公平に受けることができるよう、サービス支給決定の透明化、明確化が図られております。
 施設入所支援につきましては、障害者の心身の状況を総合的にあらわす障害程度区分に基づいて、入所の対象となる方が定められておりますが、具体的なサービスの支給決定は、障害程度区分に加えて、介護を行う者の状況、地域における活動、就労、居住等の障害者の置かれた環境、サービス利用に関する意向の具体的内容など、個々の障害者の状況等を勘案して区市町村が行うこととされております。
 なお、従来施設に入所していた障害者につきましては、経過措置により、平成二十三年度まで引き続き入所が認められておりますが、国は、既存の施設入所者が行き場がないということが生じないよう、所要の手続を経て、三年以内のできるだけ早い時期に必要な制度改正を行うこととしております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○谷村委員 それでは、障害者自立支援法に関する請願に関連して質問させていただきます。
 請願一八第一四九号の審査の際にも申し上げましたが、私ども公明党は、障害者自立支援法が目指す、障害者の方々もそれぞれ個々に必要とする支援を受けながら、地域の中で普通に生活が成り立つ社会を構築していこうとする、この理念の具現化にこそ力を注ぐべきであると考え、取り組んでおります。
 障害者自立支援法に基づく障害者福祉サービス制度の余りにも大きな改革ゆえに、当事者を初め関係者の方々の間には、大きな戸惑いや不安が少なからず存在することも、これまた事実であります。私ども公明党といたしましても、そうした方々の声に真摯に耳を傾けて対応する中で、法の円滑な運営のための新たな対策を国に実現させたところであります。
 法実施上の課題につきましては、正確な実情把握と、全体状況を踏まえた判断が何といっても不可欠であります。例えば、大きな課題の一つとなっております利用者負担につきましても、定率負担の限度額の設定や激変緩和措置など、さまざまな対策がふくそう的に講じられているところであります。既存の利益がそがれることなどをやみくもに強調して、新たな制度全体を否定するようなイメージを先行させるのではなく、障害者支援の事業を充実させていくために、広く国民全般の理解を得つつ、安定的な公費投入の制度を担保することとのバランスを図るといった視点もあわせて、将来を見据えた冷静な論議が必要であろうと思います。
 本請願につきましても、そうした視点からの判断がなされるべきものであると思います。
 旧施設体系の内部障害者更生施設にあっては、他の障害者施設の場合と異なり、結核回復期の方々の場合は、身体障害者手帳を所持していない場合も入所を認められていたようであります。
 そこで、まず、どういった事情からの扱いであるのか、また、こうしたこれまでの扱いが障害者自立支援法のもとではどのように位置づけられているのか、改めてご説明をお願いします。

○吉岡障害者施策推進部長 内部障害者更生施設は、昭和四十二年の身体障害者福祉法の一部改正により、呼吸器障害が身体障害者の一部に加えられたことに伴い位置づけられた施設でございまして、従前は結核回復者保護施設や生活保護法による更生施設として運営されてきた施設でありますことから、身体障害者手帳を所持していない方の入所も認められてきたものでございます。
 障害者自立支援法施行後の扱いでございますが、他の施設と同様の扱いがなされているところでございまして、平成二十三年度末までは、経過措置期間として、これまでと同様の利用が認められているところでございます。

○谷村委員 新しいサービスの体系は、障害者の日中の活動を支援するためのサービス事業と居住の場、この支援とに区分されており、障害者が地域で安心して生活ができるように、必要となる多様なサービスを用意することにより、障害者お一人お一人の希望、能力、環境等に応じたきめ細かい選択を可能とするようにしていこうとするものだと思います。
 行政がサービスを決定する措置制度から、サービスを利用する立場の障害者が主体的にサービスを選択し、より納得できるサービス提供事業者と対等の立場で利用契約を結ぶ契約制度を基本とする福祉制度の流れのもとで、多様なサービスの拡大と、サービスの質の充実につながっていくと期待できると考えます。
 しかし、こうした理想に向けた事業執行を行うことは当然ですが、制度改革を円滑に進める上でも、現実を踏まえた対応も必要であります。例えば、障害者自立支援法による施設入所支援サービスの利用対象者については、障害程度区分の規定があるわけですが、この請願の内部障害者更生施設の方々だけでなく、他の障害者施設に入所している方々にも、新たな法のもとで経過措置期間後に引き続き施設での生活が続けられるのかどうか、大変不安に思っていらっしゃる方々が少なからずおられることも事実であります。
 そこで、サービスによっては、利用できる障害認定区分や期間等の定めもありますけれども、請願で触れられているように、利用者本人の意向が反映されることもなく、血も涙もなく機械的に判断されてしまうようなことがあるのでしょうか。お伺いいたします。

○吉岡障害者施策推進部長 障害者自立支援法では、必要なサービスを障害者がだれでも公平に利用できるよう、支給決定の透明性、明確化が図られております。
 また、障害者の心身の状況を総合的にあらわす障害程度区分に基づきまして、入所対象となる方が定められるという仕組みとなっております。
 他方、具体的な支給決定に当たりましては、各利用者の意思を確認して、置かれている環境や個々の事情を勘案しながら、利用していただけるサービスが決定されるようになっております。
 なお、従来から施設に入所されている方々につきましては、経過措置により平成二十三年度までは引き続き入所が認められているところでございますけれども、この経過措置期間後の扱いにつきましては、国は、既存の入所者が行き場がないということが生じないよう、所要の手続を経て、三年以内のできるだけ早い時期に必要な制度改正を行うということを、昨年十二月に明らかにしております。

○谷村委員 今ご答弁いただきました、既存の入所者が行き場がないということが生じないように、所要の手続を経て、三年以内のできるだけ早い時期に必要な制度改正を行うということを国として明らかにしております。
 大変多くの皆さんが、これを聞いて安心されたことと思います。
 昨年十二月六日の衆議院厚生労働委員会においても、厚生労働大臣から、施設事業体系が大きく転換される中で、従来の施設入所者が追い出されて行き場がないというようなことは決してないように、適切に対処していくという答弁がありましたけれども、これを受けての国の具体的な方針というのが、その後、十二月二十六日の障害保健福祉関係主管課長会議において明らかになったという意味でのご答弁を今いただいたかと思います。
 現在、施設に入所しておられる方で、経過措置後の扱いに不安を持たれている方にとっては、今の国の動きを知って安堵されるのではないかと思います。また、昨年の第四回定例会で、私ども公明党の代表質問でも取り上げさせていただきましたけれども、東京都から半分以上入ってきておられる、都外施設の入所者の方々についても、朗報になったであろうと思います。
 理念の実現に向けた強力な事業展開を図りつつ、現実的な運用の配慮も必要なのだと思います。ぜひ多くの障害者が、必要なサービスを利用しながら、地域社会に溶け込んだ明るい生活を送ることができるよう、利用者の前向きな姿勢をしっかりとサポートできるような運用がなされるように期待したいと思いますし、私ども、しっかりと見守っていきたいと考えております。
 障害者自立支援法が動き始めて九カ月が経過いたしました。法の施行に関しては、実施状況を冷静に検証しながら、理念の実現に向けた適切な取り組みをお願いして、質問を終わります。

○吉田委員 意見を述べさせていただき、かつ一点だけ質問させていただきます。
 私は、東京都患者同盟から出されているこの請願について、一項目から五項目ありますが、それぞれ当然の要望であり、趣旨採択すべきであるというふうに考えます。
 一点目は、生活保護に陥ることなく、その手前で自立した生活ができるように、特段の負担軽減措置がありながら、その決定に当たっては、事実上、生活保護の決定と同様の手続を経なければならないということについての改善を求めたものであり、大いに当然のことではないかというふうに思います。
 また、この当事者の団体の皆さんは内部障害者の方々が多くて、障害手帳を保持していないけれども施設に入所している方々が、自立支援法施行後も継続して施設入所が可能であることを求めたものですし、同時に、今ご答弁もありましたが、これは単に内部障害者の問題だけではなくて、施設入所の方々が、施設が新体系に移行した場合には、その障害程度区分によって、施設入所が継続できるかどうかという点では、内部障害の方だけではなく、多くの入所している方々から強い不安が出されていることであります。そうしたことについて改善を求めるという請願ですから、私は当然のことだと思っております。
 先ほどの説明の中で、国は、既存の施設入所者が行き場がないということが生じないよう検討しているというふうにありましたけれども、一体、具体的にどのような検討が今、国においてされているのか、また東京において、どの程度の方々がその対象になり得るのか、そうしたことについてご答弁をお願いいたします。

○吉岡障害者施策推進部長 二点の質問にお答えいたします。
 まず一点目の、国の検討状況でございますけれども、基本的には厚生労働省の所管課の中での内部の検討が行われている状況だというふうに承っております。
 二点目、東京都の状況でございますが、その前提として、この障害者自立支援法の仕組みでございますけれども、障害者自立支援法による施設入所支援は、支援サービスの利用対象者は、障害程度区分が原則として四以上。原則と申しましたのは、年齢が五十歳以上の方の場合には、障害程度区分が三以上の方も利用対象とするというものでございます。
 現に施設に入所している都内の施設の方々の障害程度区分の認定の状況につきましては、今後、都内の区市町村が順次実施する予定でございますため、現時点では明確なことはお答えできません。

○吉田委員 既存の入所者が追い出されることがないようにということですけれども、現実的に、その後どういうふうになっていくかということについては、まだ検討中で定かでありませんけれども、ぜひこれは東京都としてもきちんと、こうしたことがないように状況を把握し、東京都自身としても必要な対応をとるべきならばとるという点で、ご努力をしていただきたいという要望を述べまして、私の発言を終わらせていただきます。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、請願一八第一六七号は不採択と決定いたしました。

○長橋委員長 次に、請願一八第一六八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金丸参事 整理番号7、一八第一六八号、肺気しゅの治療費自己負担分を公費負担とすることに関する請願についてご説明申し上げます。
 この請願は、清瀬市の東京都患者同盟会長小島貞夫さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、肺気腫の治療費自己負担分を公費負担にしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、国が実施している肺気腫などの医療費公費負担制度は、公害健康被害の補償等に関する法律に基づくもので、都内では、世田谷区、杉並区、中野区及び練馬区を除く十九区が対象地域に指定されておりましたが、昭和六十三年三月以降、地域指定は解除され、新規患者の認定は行われておりません。現在、約二百七十名の肺気腫患者の方が対象となっております。
 また、都では、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例に基づき、法と同じ四疾病、慢性気管支炎、気管支ぜんそく、ぜんそく性気管支炎、肺気腫及びその続発症に罹患している十八歳未満の方を対象とした医療費助成を実施しておりますが、肺気腫の患者の方につきましては、昭和四十七年十月の制度発足以来、実績はございません。
 なお、肺気腫などの呼吸器障害で身体障害者手帳の三級以上を満六十五歳未満で取得した方は、一定の所得制限などはございますが、心身障害者の医療費の助成に関する条例に基づく医療費助成の対象となっております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 趣旨採択を求める発言を行わせていただきます。
 今の説明がありましたように、公害健康被害者補償制度に基づく公的な支援は、地域指定の拡大がなく、かつ新規は対象としないということですから、おのずと肺気腫の方々に対する公的な支援という点では限界があります。
 また、十八歳未満の医療費助成制度があるが実績がないという説明がありましたが、そもそもこの肺気腫という病気そのものが、幼児期や子どもではなく、専ら老年期に発症する病気であるというふうなことを聞きました。したがって、当然、肺気腫にこうした制度では対応できないことは明らかです。
 三つ目に、障害者医療費助成制度があるという説明がされましたが、この肺気腫が高齢化して発症するケースが多いという事態であるにもかかわらず、マル障、障害者医療費助成制度は、六十五歳未満での三級以上取得ならば対象になりますが、六十五歳以上、経過した後でのマル障の対象にはなり得ないということからすれば、今説明が行われた現行の制度で、肺気腫の方々の助成制度はカバーできないという問題が生ずることは明らかです。
 しかも、日常的に酸素などの治療を受ける場合の医療費は、毎月毎月欠かすことがなく、かつ高額な負担がかかってくるわけですから、こうした状況にふさわしい公的な医療費の負担、助成というこの請願は、当然のものであるというふうに考えます。
 以上です。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、請願一八第一六八号は不採択と決定いたしました。

○長橋委員長 次に、請願一八第一六九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○永田生活福祉部長 整理番号8、一八第一六九号、生活保護制度の活用に関する請願についてでございますが、これは、清瀬市の東京都患者同盟会長小島貞夫さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、生活保護制度における要保護者に対する自立支援を強化するよう、各福祉事務所を指導していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、生活保護制度の目的は、生活に困窮するすべての国民に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することでございます。
 各福祉事務所は、その適用に当たりまして、本人からの申請に基づき、法令等に定める各種調査を行いまして、資産、能力等を活用してもなお最低限度の生活水準が維持できない場合は保護を決定しており、適正に制度を実施しております。
 都は、福祉事務所の職員に対しまして研修を実施するとともに、すべての福祉事務所に対して、申請時における対応や、受給要件の把握状況、扶養の取り扱い、個々の適用ケースの対応状況などにつきまして実地に赴いて指導検査を行い、それを通じたきめ細かな指導助言を行っております。
 また、自立支援プログラムの策定や、ハローワーク等専門機関とのネットワークの構築、就職活動に必要な経費の援助など、区市が行う多様な自立支援の取り組みに対しましても指導、支援を行っております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を求めます。

○吉田委員 一八第一六九号、生活保護制度の活用に関する請願について、趣旨採択を求めて、一言発言を申し上げます。
 ワーキングプアが大きな社会問題になっておりますけれども、新たな貧困が進行する中で、生活保護世帯が急増し、この生活保護施策の役割はこれまで以上に大きなものとなっていると思います。
 生活保護の廃止理由の内訳を調べさせていただきましたけれども、生活保護の廃止理由の中で最も多くを占めているのが、高齢化の進展もありますけれども、死亡あるいは失踪による廃止が約半数を占め、就労収入の増加などによって廃止ということに至った方は、廃止内訳の中のわずか一割程度にとどまっているという状況があります。
 そうした意味からしても、改めて適切な形でこうした自立を支援することが求められていることは当然だと思いますし、今説明がありましたが、これは直接東京都だけの問題ではありませんけれども、こうした支援を進めていく上で、やっぱりマンパワーの役割が非常に大きいわけです。ケースワーカー一人当たりの担当世帯数を見ると、かつては一人当たり六十人台のときもありましたが、その後、一人当たり七十人、さらに八十人を超えるというふうな事態が進行しています。
 こうした、体制的にもきちんと支援できるような体制を確保することを改めて要望いたしまして、私の発言といたします。

○山口委員 本請願の中にあります就労、自立支援プログラムの対象者はどのように選定されるのか伺います。

○永田生活福祉部長 都内各区市における就労支援での主な取り組み内容といたしましては、福祉事務所に設置される、ハローワーク経験者等の就労支援員が行うものや、ハローワークと連携した支援を行う事業などがございます。
 プログラムの対象者につきましては、おおむね十八歳から六十四歳までのうち、働く能力があり、病気や障害などにより就労を妨げる要因がない非保護者を、所長や担当職員、就労支援員等で構成されます就労支援検討会などにおいて選定することといたしております。
 本人に対しましては、自立支援プログラムの趣旨や手続について十分な説明を行いまして、勤労意欲を喚起しながら、また同意を得ながら実施しているところでございます。

○山口委員 では、その自立支援プログラムの対象期間はどれぐらいになるのか伺います。

○永田生活福祉部長 支援対象期間は、自立支援プログラムのメニューによっても異なりますが、おおむね三カ月から六カ月とされております。
 例えば、ハローワークが就労の支援を行う事業の対象期間といたしましては、原則として六カ月となってございます。また、公共職業訓練あるいは民間の教育訓練講座の受講者にありましては、終了後の三カ月間となってございます。
 なお、就労期間が経過しても就労できない場合には、支援期間を延長することができるとされております。

○山口委員 この自立支援プログラムの実施、二〇〇五年度から本格的に施行されていると聞いておりますが、では、その二〇〇五年度、就職及び保護廃止に至った件数について伺います。

○永田生活福祉部長 ハローワーク経験者等を活用いたしました就労支援員の取り組みや、ハローワークと連携した支援を行うことによりまして、平成十七年度では約二千八百人が就職いたしておりまして、そのうち約五百人が生活保護の廃止に至っております。

○山口委員 二千八百人の就職者のうちの約五百人が生活保護廃止ということで、なかなか自立するだけの収入を得るというのは、まだまだ厳しい状況にあるかと思います。
 これは、この生活保護者だけの問題ではないんですけれども、例えばホームレスの就労支援にしても、それからDV被害者の自立支援にしても、やはり一たん仕事を得ても、安定した生活をどれだけ継続できるかというところでは、その後のフォロー体制ということも大きな一つの課題になっているわけですね。
 当然、この生活保護を受けていた方たちが就職した後も、やはり丁寧なフォローが必要かと思いますし、一人一人の生活保護に至った事情というものはさまざまなこともあります。精神的なフォローということも今後は必要になるかと思いますので、この請願に対しましては、私どもは趣旨採択としたいと思っておりますし、今後もそういったことも含めて取り組みを進めていただくことを要望しておきたいと思います。
 以上です。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、請願一八第一六九号は不採択と決定いたしました。

○長橋委員長 次に、陳情一八第一一二号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○都留少子社会対策部長 整理番号9、一八第一一二号の二、認定こども園に関する陳情は、千代田区の東京都教職員組合執行委員長の中山伸さん外一名から提出されたものでございます。
 その陳情の要旨は、認定こども園に関しまして、1、保育の公的責任を後退させることなく、既存の公立保育所をなくさないこと。2、子どもたちの心身ともに健やかな成長、発達を保障することや、親たちへの子育て支援を一層充実させるために、今までの東京の保育条件を下げることなく守るようにすること。3、条例制定に当たっては、私たち幼稚園、保育所の現場の意見を聞き、十分に審議をすること。以上を実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況につきましてご説明申し上げます。
 初めに、第一項ですが、公立保育所の設置、廃止については、設置者である区市町村が地域のニーズを的確に把握し判断するものでございます。
 次に、第二項ですが、認定こども園の認定基準につきましては、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型の各類型の特性や、都におけるこれまでの保育、教育の実績を踏まえ、サービスの質を確保するとともに、大都市ニーズを反映した基準としております。
 最後に、第三項ですが、大都市ニーズに的確に対応した認定基準を策定するに当たっては、区市町村や関係団体等へ必要な情報を提供し意見交換を行うとともに、寄せられた要請内容を踏まえ、幅広い議論を行っております。その上で、認定基準に関する条例案を平成十八年第四回都議会定例会に提案し、都議会での可決、成立を経て、平成十八年十二月二十二日から施行しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○かち委員 一八第一一二号の二、認定こども園に関する陳情について意見を述べます。
 認定こども園については、基準を定める条例がさきの四定議会で審議され、可決されましたが、本陳情は、議会審議の前に出されたものであり、陳情趣旨である、子どもたちの心身ともに健やかな成長、発達を保障することや、親たちへの支援を一層充実するため、東京都における保育基準、条件を引き下げることなく守ること、また条例制定に当たっては、幼稚園、保育園の現場の意見を聞き十分な審議をという点については、我が党としても繰り返し求めてきたところであります。
 残念ながら、都はパブリックコメントも行わず、国の基準である幼稚園認定基準も、保育園の認定基準も、施設基準も満たさない施設をも認定こども園施設と定めることを組み入れた条例案を提案し、可決されたところであります。
 よって、本陳情には趣旨採択をお願いいたします。

○山口委員 私の方からも、この陳情については意見のみ述べさせていただきます。
 公立保育園の存続については、これは保育園のスタンダードとして存在する意義も大きく、一定の数は存続が必要かと思いますが、確かに地域の自治体での決定権も、分権下においては非常に重要視されるものであると考えます。
 それから、子どもたちの成長や発達を保障すること、それから親たちへの子育て支援の充実、東京の保育条件の低下を招くなということは、認定こども園がスタートしても、当然守られるべきものではあります。今後の状況を注視していく必要があると考えております。
 ただ、条例制定に当たっての審議は、既に昨年、四定の連合審査会において終了したばかりですので、私として、本陳情の採決に当たっては不採択の立場をとらせていただきたいと思っています。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第一一二号の二は不採択と決定いたしました。

○長橋委員長 次に、陳情一八第一二二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○狩野高齢社会対策部長 整理番号10、一八第一二二号、療養病床の廃止・削減計画の中止と介護保険事業の充実等に関する陳情についてでございますが、これは新宿区の東京保険医協会会長塩安佳樹さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、次の事項について、国に意見書を提出していただきたいというものでございます。
 内容について順にご説明いたします。
 まず、第一項でございますが、介護療養病床の全廃、医療療養病床の大幅削減を凍結し、見直すことというものでございます。
 現在の状況でございますが、長期の療養を必要とする患者のための病床である療養病床については、医療の必要性が必ずしも高くない患者が多く入院しており、実質的に高齢者介護の受け皿となっているなどの課題が指摘されてまいりました。
 国が進めている療養病床の再編成は、こうしたいわゆる社会的入院の是正を図り、患者の状態に応じた施設の適切な機能分担を推進する観点から、療養病床を、医療の必要性の高い患者を受け入れるものに限定して医療保険で対応するとともに、医療の必要性の低い患者については、介護施設や居住の場などで受けとめることとするものでございます。
 このため、現在、全国で医療保険適用の療養病床約二十五万床、介護保険適用の療養病床約十三万床、合わせて約三十八万床ある療養病床について、介護老人保健施設や特定施設等への転換を進め、医療保険適用の病床を平成二十四年度当初までに十五万床程度に集約するとともに、介護療養型医療施設につきましては、平成二十三年度末で廃止することとされております。
 都は、こうした国の方針を踏まえ、平成十九年度に策定する、仮称でございますが、東京都地域ケア整備構想におきまして、介護サービス、在宅医療、住まいなどの地域におけるケア体制全般のあり方を検討の上、療養病床再編成の対応の方向性を明らかにしていく予定でございます。
 なお、都は国に対し、療養病床の再編成に当たり、既存の療養病床の介護老人保健施設等への円滑な転換を図るため、十分な支援策を講じるよう提案要求しております。
 次に、第二項でございますが、医療制度改革関連法に付された参議院での附帯決議を踏まえて、療養病床の実態調査を行い、療養病棟入院基本料の医療区分を見直すこと、また、医療区分1の診療報酬点数を引き上げることというものでございます。
 現在の状況でございますが、国は、国会における附帯決議等を踏まえ、平成十八年度診療報酬改定で導入された療養病棟入院基本料の医療区分、ADL区分等の妥当性について、中央社会保険医療協議会で検証するため、療養病床を有する医療機関等を対象とした調査を実施中でございます。
 次に、第三項でございますが、介護保険事業支援計画の参酌標準を見直し、その対象となる施設の増設を可能とすることというものでございます。
 現在の状況でございますが、平成十八年度から二十年度までを計画期間とする第三期東京都介護保険事業支援計画では、区市町村が国の示した参酌標準を踏まえて算定した施設等サービスの利用者数見込みに基づき、都内における介護保険施設の必要入所定員総数を定めております。
 都は、第三期計画期間における介護保険施設の指定等について、国の療養病床再編成の方針を受け、療養病床から介護保険施設等への円滑な転換が図られるよう、施設所在地の区市町村の同意を条件とした柔軟な対応方針を定め、既に関係機関及び関係団体に周知しております。
 なお、平成二十一年度以降の対応につきましては、今後国から示される予定の新たな参酌標準を踏まえ、仮称でございますが、東京都地域ケア整備構想を策定する中で検討を進め、第四期東京都介護保険事業支援計画に反映させていく予定でございます。
 最後に、第四項でございますが、介護療養病床については平成十七年十月一日から、医療療養病床については平成十八年十月一日から実施された食費、居住費の自己負担を、すべて保険給付の対象とすることというものでございます。
 現在の状況でございますが、平成十七年十月から実施された介護保険施設にかかわる給付の見直しは、在宅との利用者負担の公平性や、年金給付との重複の是正を図る観点から、食費、居住費を介護給付費の対象外としたものでございます。
 また、平成十八年十月からは、介護保険との均衡の観点から、医療保険適用の療養病床に入院する七十歳以上の高齢者について、食費、居住費を診療報酬の給付対象外としたものでございます。
 なお、いずれの場合も、低所得者については、食費、居住費の自己負担の上限額を所得に応じて設定するなど、負担の軽減を図っております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○山加委員 私は、一八第一二二号、療養病床の廃止・削減計画の中止と介護保険事業の充実等に関する陳情に関して意見を述べさせていただきます。
 今回の医療制度改革の一環としての療養病床の再編成は、ただいま狩野部長から説明のあったとおり、入院治療の必要性が低いにもかかわらず、適切な受け入れ先がないために療養病床に入院せざるを得ないという、いわゆる社会的入院の解消を図り、一人一人の患者の状態に適したさまざまな介護施設や、在宅療養の場などで受け入れていこうとするものであり、私は、利用者である高齢者、都民の立場からも、真に必要な改革であると確信しております。
 しかしながら、今回の議論が、その発端において、介護療養型医療施設の全廃や、医療療養病床の十五万床への削減などの方針が厚生労働省から極めて唐突に打ち出され、当事者である患者や医療関係者に大きな不安と動揺を与えたことも事実であり、そのことはまことに遺憾であります。
 国会における医療制度改革関連法案の審議過程においてもさまざまな議論がなされ、参議院厚生労働委員会の附帯決議により、療養病床の再編成に当たっては、利用者や関係者の不安にこたえ、必要な介護施設及び訪問介護等、地域ケア体制の計画的な整備を支援する観点から、都道府県との連携を図りつつ、地域におけるサービスの整備などに努めるよう政府に求めています。
 国は、こうした附帯決議も踏まえ、療養病床から介護施設への転換支援策を含め、各種の対策を講じているところであり、都においても、医療関係者や区市町村の参画も得て、地域ケア整備構想の検討を開始するほか、療養病床の実態調査を行うなど、既に必要な対応を図っていると聞いております。
 今後とも、国と十分に連携を図るとともに、患者や医療関係者の声を真摯に受けとめ、今回の療養病床の再編成が、その目的である利用者本位の地域ケアの実現に資するものとなるよう、都としての一層の取り組みを求めまして、私の意見の表明といたします。

○かち委員 私も、一八第一二二号、療養病床の廃止・削減計画の中止と介護保険事業の充実等に関する陳情について、四点ほどお聞きします。
 昨年六月に成立した医療制度改革関連法により、今後六年間で、現在三十八万床ある療養病床のうち二十三万床が削減されることが打ち出されました。介護型療養病床は全廃、医療型療養病床は二十五万床を十五万床にするというものです。
 これを東京都に当てはめると一体どうなるのかということで、平成十八年十二月、都福祉保健局発行の病院関係名簿から割り出してみました。そうしますと、現在二万床程度ある医療、介護の療養病床が一万一千七百七十三床削減され、八千二百床程度に削減されることになります。全国平均から見ても、人口が密集している大都市の状況からしても、東京において療養型病床は、一割程度といえば三万八千床ほどあってもよいところですが、いまだ不足している現実の中で、さらに削減するというのは、本当に乱暴な話です。
 こうした中で、療養病床削減を誘導するかのように、七月から医療型療養病床の診療報酬の改定が行われました。このことが医療機関にも甚大な影響を及ぼしているわけです。
 そこでお聞きしますが、昨年七月の診療報酬改定、その内容はどういうものなのでしょうか。

○高橋医療改革推進担当部長 今回の改定は、いわゆる社会的入院の是正を図り、患者をさまざまな介護サービスや在宅医療などによって地域社会で受けとめていくことを目的に実施されたものでございます。
 医療療養病床に係る診療報酬についてですが、これまで看護体制のみで区分されていたものが、平成十八年七月から、医療の必要性でございます医療区分と、日常生活自立度のことでございますADL区分に基づく患者分類を用いた制度に変更となりました。
 今申し上げましたように、この医療区分につきましては、処置の内容や疾患、状態等といった医療の必要性に基づいて分類されているものでございまして、医療の必要性の低い医療区分1の患者では、これまでより診療報酬が低くなりますが、医療の必要性の高い医療区分2及び3では逆に高くなっております。

○かち委員 東京保険医協会の調査によりますと、七月以降、平均月七百七十四万円の減収になったとか、入院患者の半数が大幅な点数引き下げとなるなど、療養病床を有する病院が極めて厳しい経営状況にあると発表しています。回答の中には、医療区分1の患者は、区分2や3ではないが医学的な管理が必要な患者、独居や老老介護のため退院が困難などの意見が多数とのことです。
 昨年十月、日本医師会が行った調査結果でも、療養病床入院患者の状況を見ると、医療区分1は病院で四一%、有床診療所では約六〇%、全体で四割が医療区分1とのことです。
 中央社会保険医療協議会、中医協の調査結果でも、五〇%が医療区分1に該当するというものです。
 このように、五割前後の方々が療養病床で療養していたわけですが、今回の診療報酬の改定で保険点数が約半分に切り下げられ、このままの状態では病院経営にも大きな影響をもたらすことになり、療養病床の用途変更や廃止を余儀なくされる、これは当然のことです。
 実際、身近な地域の患者さんたちが入院したくてもできない。退院しても、ひとり暮らしで生活を維持することができない。しかし、特養ホームも二、三年待ちといわれている。もともと医療区分1に該当するような人は特養の対象にもならないわけで、一定期間の入院療養で在宅での療養を持続可能にするという役割を果たしていたものです。それができなくなる介護難民、このような事態をどのように解決していくのかが緊急の課題となっています。
 国も、療養病床の実態調査を始めていますが、この間の東京都の療養病床の変化はどのようになっているのか、また療養病床利用者の実態がどうなっているのか、調査はしているのでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 医療保険が適用される療養病床の病床数は、平成十八年六月時点では一万四千二百二十七床で、十八年十月時点では一万三千六十九床であり、差し引き千百五十八床減少しております。
 一方、介護保険が適用されます介護療養型医療施設の病床数でございますが、平成十八年六月時点では七千六百五十八床、同年十月時点では八千三百二十八床であり、差し引き六百七十床増加しております。
 また、療養病床の患者調査の件でございますが、地域ケア整備構想の策定のための基礎資料として、療養病床における入院患者の状態や医療機関の意向等を把握する目的で、療養病床を有する都内の全医療機関を対象とした実態調査を実施しており、本年二月末を目途に集計中でございます。

○かち委員 患者さんたちの状態がどうなっているかというのは、現在集計中で、二月末にならなければ明らかにはならないということですけれども、今のご答弁にもありましたように、介護型療養病床は若干ふえているけれども、医療型病床は一千百五十八床減っているということで、差し引き約五百床マイナスという状況です。今後もこのまま推移すれば、さらに療養病床削減が進んでいくことは明らかです。
 都としては、このような療養病床削減をどのようにとらえているのでしょうか。

○高橋医療改革推進担当部長 この四カ月間で医療療養病床が一千二百床程度減少しておりますが、このうち七百床程度は介護療養病床へ移行しており、制度の大きな改正期における一時的な減少と受けとめております。
 また、全体の約二%に相当する五百床程度の療養病床が減少しておりますが、これは単に医療療養病床の廃止によるものだけではございませんで、一般病床や回復期リハビリ病床へ移行したものも多く含まれております。また最近では、老人保健施設等へ転換したものもございます。今後もこのペースで療養病床が減少していくかどうかは、今後の診療報酬改定の動向や、あるいは介護保険施設への転換支援策等により影響を受けるため、不明でございます。
 いずれにいたしましても、今回の療養病床再編に関しましては、介護保険サービスや在宅医療の充実などを含め、一定程度の医療の関与が必要な方々をどのように地域で支えていくのか、総合的に検討すべきものでございまして、今後とも、残る医療療養病床をどうするかだけを議論するものではないというふうに認識しております。

○かち委員 東京都における介護基盤整備は全くおくれておりますので、そこを充実させていくということは大変重要であり、積極的に行わなければならないことではありますけれども、医療型療養病床の果たしてきた役割、こういうことからして、この意義があるということは、私、先ほどいいましたけれども、地域での介護生活を持続可能にしていく、そのための役割を果たしているんだ、そういう意味で、この病床がどんどんどんどん減ってしまうことに対しては、やはり対策をとるべきだというふうに思うんです。
 私は、東京都リハビリテーション病院の医療福祉連携室で話を伺いました。療養病床を持つ病院の診療報酬見直しで、医療区分1、2の比較的軽度の患者さんの診療報酬が大幅に下がったため、リハビリで状態が改善した患者さんの行き場がないという問題が生じています。このままでは、療養病床の病院側も経営が追い詰められて大変なことになり、患者、家族の皆さんは、本当に介護難民という事態が広がることになるとお聞きしました。
 国は、必要な療養病床を削っておいて、その受け皿づくりの計画を立てるため、都道府県に地域ケア整備体制の計画づくりを推進しています。都としても、この秋ごろまでの計画作成のスケジュールと聞いていますけれども、国が示した考え方の基本は、削減した療養病床の転換後、介護保険事業あるいは保険外の事業がどれくらいあるかというものです。利用者の実態に即したものとは到底いえないものです。
 現在国が示している介護保険事業支援計画の参酌標準というふうにいわれていますけれども、これはどのように定めているのか、また、東京都に当てはめるとどのようになるのでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 平成十八年度から二十年度までを計画期間とします第三期介護保険事業支援計画における国が示す介護保険施設等の参酌標準は、在宅ケアを推進する観点から、要介護2以上の認定者数に対する介護保険施設及び介護専用型居住系サービスの割合を、平成十六年度時点での全国平均の四一%から、平成二十六年度までに三七%以下にするよう計画的に引き下げるというものでございます。
 都の計画では、この参酌標準を踏まえて区市町村が算定した利用者数の見込みに基づきまして、平成十八年度からの三カ年の介護保険施設等の必要定員数を設定しております。
 なお、同計画では、平成二十六年度における要介護2以上に対する施設居住系サービスの割合は三五%となっており、国が示す参酌標準を満たしております。

○かち委員 国はこの間、介護必要量というものの考え方をさまざま二転三転してきているわけですよね。高齢者人口対比で出してみたり、今度は、何の根拠があってかわかりませんけれども、介護度2以上を対象にして三七%以下にする。介護度、要介護というのは1もあるわけで、今、どうしてこの人は介護度1なのといわれるような新基準のところで、そういう方々がかなり今までの介護度よりも軽くなってしまっているという現状があるわけですけれども、そういう中であっても、国は三七%以下にするという目標を定めたわけですね。
 東京都では、現在、三三・五%という計画で、二十六年の計画では三五・三%だから計画を満たしているということですけれども、これは実態の必要量からしたら全然足りないというふうに思えるわけです。
 そもそも昨年三月につくった都の第三期介護保険事業支援計画で、二〇〇八年度までに介護保険の療養病床を千百床までふやすという計画を都はつくっていますよね。介護保険事業計画には、この療養病床はくみしないというふうにいわれていますけれども、この東京でそれを補完する役割を果たしているのが、今、東京の実態だと思うんです。都として、この療養病床の役割、必要性を位置づけるなら、療養病床を有する病院経営が維持できる支援策を国に求めるのは、当然都としても支援すべきと思いますけれども、どうでしょうか。

○高橋医療改革推進担当部長 都では、今後策定する東京都地域ケア整備構想仮称でございますが、において、地域ケア体制全般のあり方を検討し、この中で、療養病床再編への対応についても方向を明らかにしていくこととしております。
 なお、療養病床に係る診療報酬に関しましては、これまでも国に対し、十分な検証を行い必要な見直しを行うよう提案要求しており、現在、中央社会保険医療協議会において実施している実態調査結果を踏まえ、国において適切な対応がなされるものと考えております。

○かち委員 国が適切にやるでしょうということですけれども、都内の都民の実態は、本当にもう悲鳴を上げているわけですから、そこに何らかの対策をとるという姿勢をぜひとっていただきたいと思います。
 それで、先ほど来の、社会的入院を解消するんだ、これからは介護保険の整備の中でやっていくんだということですけれども、では東京都の介護基盤整備がどの程度充実しているのかということでは、先ほどいわれましたように、大変おくれているということがありました。そういう意味で、今後とも、療養病床の継続は、在宅介護の維持を可能にする面においても必要不可欠です。
 本来、医療型療養で見るべき対象も、その不足から特養ホームで見ている実態など、介護現場のひずみも噴出しています。安心して療養介護を受けられる体制整備を確立するために、ぜひとも本陳情の願意を酌み取って、趣旨採択をしていただきたいと思います。
 以上です。

○山口委員 本陳情にあります介護療養病床、それから医療療養病床、これは実質的には高齢者介護の受け皿となっている。いわゆる社会的入院の是正は図るべきことだと考えています。しかし、家族が介護し切れない、あるいはひとり暮らしが困難といった要支援、要介護高齢者の生活をサポートする基盤整備がまだまだ不足しています。現実問題としては、療養病床にある人が地域に帰っても受け皿がないため、拙速に進めることは混乱を招くことにもなりかねません。
 国は、都道府県が今後策定する医療計画、医療費適正化計画、介護保険事業支援計画、三計画の整合性を図り、仮称地域ケア整備構想を策定することとしていますが、単なる数合わせに終わらせず、療養病床の高齢者施設への転換のための整備費補助など、実態に即した支援を行い、受け皿を整備するとともに、NPO等地域力を生かした在宅支援の基盤整備に努められることを要望いたします。
 また、食費、居住費の自己負担については、導入の趣旨は理解するものの、実施後の状況を踏まえつつ、動向を見きわめることも必要ではないかと思います。
 したがいまして、この陳情の願意を酌み取り、趣旨採択としたいと思っております。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第一二二号は不採択と決定いたしました。

○長橋委員長 次に、陳情一八第一二三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○細川医療政策部長 整理番号11、一八第一二三号、リハビリテーション打切りの実態把握と改善を求める意見書提出に関する陳情は、新宿区の東京保険医協会会長塩安佳樹さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、リハビリテーションの診療報酬改定に関する影響調査と改善を求める意見書を国に提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、リハビリテーションに係る平成十八年四月の診療報酬改定は、医療保険と介護保険の役割分担を前提として、医療保険においては、急性期から回復期の集中的なリハビリテーションを担うとの考え方のもとに行われたものでございます。
 具体的には、医療保険におけるリハビリテーションが、効果の高い発症後早期の段階に集中的に行われるよう、脳血管疾患、手足の骨折など運動器疾患、呼吸器疾患、心疾患の四つの疾患ごとに、診療報酬算定が可能な期間を設定するとともに、その期間内の患者一人一日当たりの訓練時間数の上限を引き上げるなどの改正が行われております。
 また、医療リハビリテーションを継続することにより状態の改善が見込まれる場合、上限日数が経過した後でも、医師の判断により、患者の状態に応じ医療リハビリの継続を可能とするなど、きめ細かな配慮がなされております。
 診療報酬改定の影響については、国の中央社会保険医療協議会において検証を実施することとされており、リハビリテーションについても、算定上限日数に達した患者状況や、医療保険から介護保険サービスに切りかわった患者状況などを把握するための調査が既に実施されているところでございます。
 説明は以上です。よろしくお願いします。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○田代委員 リハビリテーションが打ち切られるんじゃないか、これはいろんなところで大変よく聞く言葉なんですけれども、実際、今お話がありましたように、必要か必要じゃないか、これは非常に難しいところだと思うんですね。どれが有効で、どれが有効じゃないか、これを精査してエビデンスに基づいて行っていくというのは、言葉ではいいやすいんですけれども、現実にはなかなか難しいところがある。それぞれの大学、それぞれの自分たちが行っている整形外科領域の考え方が全部一致しているかというと、必ずしもすべてのお医者さんが一致しているわけではないわけであります。
 その中で、この健康保険制度、世界に冠たる、本当にどこの国にもないような、こういう広く、ある部分は薄くかもしれませんけど、ほかの国は広くもなきゃ薄くもない、存在しないこの健康保険制度、国民皆保険というものを続けていくために、やはり改善というのはしていかなくちゃいけないわけですね。漫然と、ただただ今までやってきたからそのままでいいというわけにいかない。
 特に、今のように介護を受ける方がふえてきて、介護保険のまず資源の問題が非常に将来心配されている昨今、リハビリというのは大変大きな問題を、いい意味でも悪い意味でも持っているわけですね。必ずしも漫然と意味もなくやっているリハビリが多いとは僕は思いたくないんですけれども、やはり、より有効なリハビリをやっていくための工夫というものは、国としてもやっていかなくちゃならない。
 その制度の転換期の過程で、いろいろ説明が足りないことによって不安を助長されることはたくさんあるんだと思います。よくするんだ、ということは、その中で当てはまらない人がいるんだ、その当てはまらない人は取り残されてしまうんだという短絡的な話にならざるを得ない。こういうところの説明が若干足りないような気がするんですが、今回の診療報酬を変えた基本的な考え方と、それから改定の具体的な内容について、もう一度詳しく教えていただきたいと思います。

○細川医療政策部長 平成十八年度四月の診療報酬改定は、医療保険において、身体機能の早期改善を目指した急性期及び回復期のリハビリテーションを行い、介護保険においては、身体機能の維持及び生活機能の維持向上を目指した維持期のリハビリテーションを行うという考え方のもとに行われております。この考え方に沿って、従前の理学療法、作業療法等の訓練の種類別の分類から、新たに脳血管疾患、運動器、呼吸器、心・大血管疾患の四つの疾患別の分類に再編されたところでございます。
 また、疾患ごとの診療報酬算定が可能な期間を設定する一方で、患者一人一日当たりの訓練時間数を引き上げるなど、早期から集中的に効果の高いリハビリテーションを行うように改定されました。
 なお、リハビリテーションを継続することにより状態の改善が見込まれる場合には、算定期間を経過した後でも、医師の判断によりリハビリテーションの継続を可能としているところでございます。
 また、維持期のリハビリテーションに円滑に移行できるよう、介護保険においてもリハビリテーションマネジメント加算の創設など、きめ細かな配慮がなされております。

○田代委員 今お答えいただいたように、今までの理学療法と作業療法だけで分けていくこと、もうちょっと細かく分類していこう。それは早期に効果的にやっていくものと、中には、診療所に通って毎日同じようなトレーニングを受けるということが、進歩はないかもしれないけど、そういうことを行うことによって、毎日のめり張りみたいなのが出てきて、後退していかない、そういうリハビリもなくはないんですね。果たしてそれは医療機関でやるべきかどうかは、これ、大きな問題を今から持つと思います、医療費の問題から見るとね。
 そういうものを分けていく大きな流れの中の一つなんですけれども、さっきちょっと申し上げたように、やはり説明が若干足りないところが国としてもあるんで、現場で働いているお医者さんたちや療法士の人たち、あるいは一番問題は、リハビリを受けている方、そしてご家族の方が、もう何か日にちが来た途端に追い出されちゃうんじゃないかと。移行措置もこういうのがありますよ、それは医学的にきちっとエビデンスがある場合には続けることができますよという説明が、ちょっと届いていないところがあるような気がするわけですね。そういうことで、医療機関側も大変困惑して、うまい説明ができないとなると、輪をかけて患者さんたちが混乱してしまう。
 これがいいことか、悪いことかという前に、まず、現実がどういうものかということを調査、検証していかなくてはならないわけであって、今までの単純な二つに分けた方向から、もうちょっと細かく分けていくことがどういう結果が出るのか。調査をしているということですから、具体的にはどのような内容の調査を国の方で実施して、そしてその結果がいつごろぐらいにまとまるのかということがおわかりになれば、教えていただきたいと思います。

○細川医療政策部長 国が実施しております十八年度診療報酬改定の影響の調査については、特にリハビリテーションにつきましては、疾患別のリハビリテーション料の算定患者に係るリハビリテーションを実施している医療機関等に、状況を調査することを内容としております。
 具体的には、算定上限日数に達した患者状況の把握、医療機関におけるリハビリテーションへの患者さんの意識、医療保険から介護保険サービスに切りかわった患者さんの状況について、リハビリテーションを実施する医療機関及び患者さんを対象にして調査を実施したところでございます。
 調査結果につきましては、中央社会保険医療協議会の調査検討委員会において議論され、二月中には報告がまとまる予定と聞いております。

○田代委員 今お話しいただいた、その三点をしっかり検証して、それに対応する案が出てくる、あるいはそういうものを検証した結果、もうこれでよしということになれば、これは百点で、もういうことはないわけです。この三点について、しっかりと国民みんなが納得できるような調査であり、答えであり、またそれに対応する方向性が出てくれればいいんですけど、何といっても一番心配なのは、そのリハビリテーションを受けている患者さんたちが途中で何か打ち切られてしまって、やめたことによって悪い状況が出てくるというのが一番怖いわけですよね。
 少なくとも東京都は、東京都民に対して責任を持って、国がどういおうと、リハビリが患者さんに役に立つという状況であれば、あればですよ、何でもかんでもやみくもにというわけじゃなくて、エビデンスがしっかりはっきりするんであれば、東京都としてはしっかりそれに対応していく、東京都は、国が足りないところを補完してでも都民の健康を守っていくという気があるのかないのかを最後に一度教えていただいて、質問を終わりたいと思います。

○細川医療政策部長 ただいま委員がおっしゃいました急性増悪した患者さんにつきましては、また医療保険のリハビリを受けることができる制度になっているというふうに聞いております。
 そしてまた、都民の不安にならないように、私ども、急性期から維持期に至る切れ目ないリハビリテーションの提供体制を構築し、またその中で患者さんの症状に応じた必要な施策が展開できるように、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

○かち委員 一八第一二三号、リハビリテーション打切りの実態把握と改善を求める意見書提出に関する陳情についてお聞きします。
 昨年四月にリハビリテーションの診療報酬が改定されたことによって、リハビリを必要とする疾患が四累計に定められ、脳血管疾患などは百八十日、運動器リハは百五十日、呼吸器リハは九十日、心疾患は百五十日で、リハビリの保険診療は打ち切りとなることになりました。
 これらによって、患者にとっても保険診療で受けられるリハビリテーションが制限されることになり、高次脳機能障害や難病患者など、特定の疾病や状態であり改善が期待できると医学的に判断される場合以外は、機能維持を含め一定の効果があっても、診療報酬上の評価がないため、給付日数を超えるリハビリの継続が困難となったところであります。
 実際、今以上はよくならないけれど、治療を続けることによって何とか現状維持している多くの患者さんが、リハビリテーション医療を絶たれる深刻な事態となっています。この診療報酬改定には当初から反対の声が上がり、全国で四十八万の署名が国会に提出されました。
 そこでお聞きしますが、都としては、このような機能低下を防ぐための維持期リハビリについてはどのように考えているのでしょうか。
 また、先ほどの現況説明で、きめ細かい配慮がなされているといわれましたが、そうであるなら、なぜこんなに反対の声が上がるのか、その理由をどうお考えなのでしょうか。お聞きします。

○細川医療政策部長 先ほども申しましたように、今回の診療報酬改定は、急性期から回復期までのリハビリテーションを医療保険のもと、早期に集中的に実施し、維持期のリハビリテーションは介護保険が中心となって対応すべきとの考え方のもとに行われたものでございます。
 維持期のリハビリテーションにつきましては、身体機能の維持や生活機能の向上を目指すためにも必要であり、このために、今回の改定においても介護保険の中で対応するものとして認識しております。
 なお、お話にございました署名につきましては、改定間もない昨年六月に国に提出されたものであり、制度が大幅に改正される中で、今回のリハビリテーションの見直しの趣旨や内容が必ずしも正確に伝わっておらず、医療機関や患者さんに混乱が生じていたために、たくさんの不安が集まったというふうに考えられますので、そういったことの反映かというふうに思っております。

○かち委員 維持期リハビリについては介護保険でというのは、国が制度上仕切りをとったものでありますけれども、この維持期リハビリが医療なのか、介護なのかという点では、まだ学会においても議論のあるところだと、先ほどの質疑の中でいわれていました。
 そういう意味では、このいろんな病状、病態の中で、リハビリを続けていかなければ機能が低下して悪化させるというような状況のもとであれば、これは立派な医療の内容だというふうに私は思うんですね。そういうことをきちんと検証しないまま、制度だけ先につくって、影響があるかどうかは後から検証するというのは、私は本末転倒だというふうに思います。切実で深刻な問題が現に生じているからこそ、日数制限に緊急停止ボタンをという反対の声が急速に広がり、短期間のうちにこれだけの署名が集まったんだと考えます。
 全国保険医団体連合会、保団連が昨年九月に調査したところ、回答率は三割で、一万七千人が中断したと回答しています。全体では四万人を超えるとも推計されています。また、陳情を提出された東京保険医協会が都内の状況調査をした結果では、日数制限により、脳血管障害や運動器疾患の都内の患者六千七百二十三人がリハビリを継続できないという実態も明らかになっています。中断があったのは、調査対象八百九十三医療機関のうち二百五に及ぶ医療機関から報告されています。
 こうした調査結果を、都としてはどのように受けとめているでしょうか。

○細川医療政策部長 ご質問の東京都保険医協会が行ったリハビリ算定日数制限影響調査でございますが、この調査は、脳血管疾患リハビリ及び運動器リハビリの届け出を行っている都内九百二十の医療機関を対象に行われ、二百三十五機関、全体の二五%から回答を得たものというふうになっております。
 その調査結果では、委員おっしゃいましたように、医療保険でのリハビリを継続できない患者さんは、二百五医療機関で六千七百二十三人と公表されておりますが、この患者さんたちに対しましては、医療機関が介護保険に移行させる、または消炎鎮痛処置などを行っているというふうな対応がなされているというふうになっておりまして、ただ、個々の患者さんがどのような理由で継続できなくなったのか、また、どのような対応がとられているのかという点については調査はなされていないようでございます。
 国は既に、全国の医療機関を対象に、医療保険から介護保険サービスに切りかわった患者状況の調査をしておりますので、その調査の動向を見守っていきたいというふうに考えます。

○かち委員 東京都医師会の調査の中で、多くの医師、リハビリ医療機関から、個々の患者の必要性を評価せず一律に日数制限することは問題がある、また、障害の進行を少しでも食いとめて維持するためにも、専門的、医学的なリハビリが必要だ、国は改善が見込める場合は継続してよいというけれども、具体的な基準が示されていない、維持期のリハビリは介護施設でよいというが、整備が不十分で患者の行き場がないなどの声がたくさん寄せられています。
 中断ケースが現にこうして生まれていること、リハビリの医師や医療機関から問題ありという声が多数上がっていることを重く受けとめて、都として国に意見をいうべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○細川医療政策部長 先ほども申しましたように、今回の診療報酬改定の影響に関する実態調査は、既に国の中央社会保険医療協議会において行われているところでございます。
 この調査結果を検証し、その上で、国において今後必要な対応が図られるものと認識しております。

○かち委員 国の動向を見てというような状況ですけれども、現場の、そして都民の、当事者の皆さんたちはもう待ち切れない、本当に何とかしてほしいという切実な実態になっているんで、そこにもっと前を向いて、対峙して、対策をぜひとっていただきたいというふうに思います。
 医療機関でのリハビリが打ち切られた後の受け皿が絶対的に不足しているという問題があるわけですけれども、厚生労働省は、リハ診療の後は、いわゆる維持リハビリについては介護保険に移行すればいいといいますけれども、では、都における介護サービス基盤の整備状況はどのように認識しているでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 介護保険において提供されるリハビリテーションは、通所リハビリテーションと訪問リハビリテーションでございます。
 通所リハビリテーションにつきましては、都内の事業所数は、平成十九年一月一日現在で二百六十一カ所でございます。平成十七年度の利用実績を申し上げますと、延べ百三十九万回で、対計画比八〇%となっております。
 一方、訪問リハビリテーションにつきましては、理学療法士、作業療法士などの必要な人員を配置した病院、診療所等がサービスを提供できる仕組みとなっておりまして、平成十八年十月現在の事業所数は百三十二カ所でございます。平成十七年度の利用実績は延べ八万一千回で、対計画比九〇%となっております。
 こうした維持期のリハビリテーションにつきましては、介護保険により必要なリハビリテーションサービスが提供されているものと認識しております。

○かち委員 維持期のリハビリの対応、介護保険で十分対応していると認識しているとおっしゃいましたけれど、その根拠は示されないんですよね。どうして足りているといえるのかということが、やはり今問われていると思うんです。
 都の第二期介護保険事業支援計画で、通所リハビリのサービス利用は二〇〇七年までに年間二百万回という計画に対し、現状、二〇〇五年度実績では百二十八万回、計画の六割にとどまっています。訪問リハは大変おくれていて、計画そのものが年間十一万回にすぎませんけれども、実績では七万回で、やはり六割にとどまっているんです。これで必要なサービスが提供されていると本当にいえるのでしょうか。介護保険におけるリハビリの整備は、量的側面においても、内容的にも不十分だといわざるを得ません。
 先ほどの通所リハ施設、訪問リハ施設の設置状況、百二十何カ所といわれましたけれども、これは本当に各自治体に割り振ったら、一自治体に二、三カ所あるかないかぐらいの状況なんですね。一つ一つが大変規模も小さい。そういう意味では、大田区でも両方とも数カ所はありますけれども、規模も小さく、受け入れ人数も限られています。当事者の方が探しても探しても受け入れ先が見つからない、これが現状なんです。
 また、介護施設におけるリハ基準と医療施設におけるリハの体制基準は大きく異なります。介護施設では百人に一人の専門医でよくて、マン・ツー・マン指導などは十分か二十分程度、医療の方は四十分とか一時間半とかになっているわけですけれども、そういうことで十分なリハビリが受けさせてもらえない、これも利用者の方々の声です。在宅においての十分なリハビリが行われず、機能低下やひきこもりを起こす悪循環となっているのが今の現状です。
 以上述べてきたように、きめ細かい対応がされているという話も、維持期リハビリは介護保険施設でという話も成り立ちません。国の調査結果を座して待つのではなく、自治体としての役割を発揮して、リハビリテーションの診療報酬改善を国に要請することを強く求めます。
 今日、このような状況の中で、北海道を初め各地の地方自治体からも意見書が上がっております。都議会としてもぜひ国に意見書を上げることを求め、本件は趣旨採択をお願いいたします。
 以上です。

○山口委員 私の方も、この陳情について二点お聞きしたかったんですけれども、一点は、診療報酬改定による具体的な内容は既に答弁を得ておりますので、一つ、やはり今問題になっているのは、維持期になったときのリハビリをどうやって継続するかということだと思います。
 東京都としましては、こうしたリハビリの地域での連携といいますか、地域でのリハビリをどのように取り組んでいくのか、その充実のための支援を図る必要があると思うんですけれども、その辺の取り組みについて、一点だけ伺いたいと思います。

○細川医療政策部長 地域におきまして、急性期、回復期から維持期にうまくリハビリテーションをつなげていくということが非常に重要な点かと思います。そのために、東京都では平成十三年度から、地域におけるリハビリテーション事業の充実を図るために、地域リハビリテーション支援センターというものを、中核的な役割を担っている医療機関を指定しまして、今年度までに十二の二次医療圏に一カ所ずつ整備を終えたところでございます。
 この地域リハビリテーション支援センターでは、地域の実情に応じ、医療機関や介護保険施設等との円滑な連携体制構築や、リハビリテーション従事者の研修の実施など、地域のリハビリテーションの充実に取り組んでいるところでございます。
 今後は、この支援センター同士の情報交換なども行い、その活動の一層の強化に努めていきたいと思っております。

○山口委員 リハビリといいますと、やはり指導者がいて一定程度のメニューをこなしていくというようなことが、私たちはすぐ頭に浮かぶわけですけれども、例えば、私は一つ、すごくおもしろい事例を聞いたことがあるんです。病気の後、どうしても下の世話にならなければならなかった女性が、あの嫁の世話にだけはなりたくないという思いで、片手でも自分でおむつを交換し、結果的にはポータブルのトイレに移れたというような、非常に動機としてはいろいろあるかと思いますけれども、そういった、やっぱり動機づけをどうするかということで、体を起こす、動かしてやらなくちゃいけない。
 それから、ヘルパーさんが一緒にお掃除をしましょうということで、窓ふきを、きょうは手がここまでしか上がらなかったから、ここまでふけましたねと。でも、それを繰り返していくうちに、だんだんだんだん、あ、きょうはここまで、それで、本当に手が徐々に。そういう生活リハビリということを、民間ではそういうことを一生懸命考えている団体とか、そういった取り組みをしている現場のヘルパーさんとか、工夫をされている方たちもすごく多いと思うんです。
 今、認知症なんかも、いろんな民間の事例を東京都もいろいろ取り入れて、今、検討会議などもされているかと思いますが、このリハビリについても、その医療の機関だけとか、専門職だけのリハビリということにこだわらず、何か大きく、もうちょっと本当に動機づけをもとにして、できるだけ自分でああしたい、こうしたいという思いに基づいて、今の体力を向上するなり、さらにはもうちょっと機能アップするというようなことを、ぜひ東京都も検討していただきたいということを要望しまして、この願意については、私は酌み取って、趣旨採択としていきたいと考えております。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○長橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第一二三号は不採択と決定いたしました。
 以上で、請願陳情の審査を終わります。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十八分散会

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