委員長 | 長橋 桂一君 |
副委員長 | かち佳代子君 |
副委員長 | 山加 朱美君 |
理事 | 谷村 孝彦君 |
理事 | 野島 善司君 |
理事 | 増子 博樹君 |
伊藤 興一君 | |
山口 文江君 | |
田代ひろし君 | |
いのつめまさみ君 | |
野村 有信君 | |
大塚たかあき君 | |
吉田 信夫君 |
欠席委員 一名
出席説明員病院経営本部 | 本部長 | 大塚 孝一君 |
経営企画部長 | 及川 繁巳君 | |
サービス推進部長 | 鈴木 茂君 | |
参事 | 岸上 隆君 |
本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
事務事業について(質疑)
○長橋委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより病院経営本部関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○及川経営企画部長 去る十月十九日の本委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
資料は、目次にございますように、1、清瀬小児病院における小児救急患者実績から12、駒込病院の医療情報・相談室の概要と利用実績までの十二点でございます。
恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、清瀬小児病院における小児救急患者実績でございます。
平成十六年度から平成十八年度までの入院、外来別の小児救急患者実績について、延べ患者数及び一日当たりの患者数を記載しております。
二ページをお開き願います。2、多摩北部医療センターにおける小児救急患者実績でございます。
平成十七年度及び平成十八年度の入院、外来別の小児救急患者実績について、延べ患者数と一日当たりの患者数を記載しております。
なお、患者数につきましては、平日夜間小児初期救急医療事業患者数を含めて記載しております。
三ページをごらんください。3、多摩北部医療センターにおける平日夜間小児初期救急医療事業患者実績でございます。
平成十七年度及び平成十八年度の患者実績について、延べ患者数及び実施日一日当たりの患者数を記載しております。
四ページをお開き願います。4、都立病院及び公社病院における医師及び看護要員の平均経験年数の推移でございます。
平成十三年度から平成十七年度までの医師及び看護要員の経験年数について、都立病院と公社病院に分けて記載しております。また、公社病院につきましては、固有職員と派遣職員に分けて記載しております。
五ページをごらんください。5、都立病院及び公社病院における小児救急患者数、分娩件数の推移でございます。
平成十三年度から平成十七年度までの小児救急患者数と分娩件数について、都立病院と公社病院に分けて記載しております。
なお、公社病院における分娩件数につきましては、産科がないため、実績はございません。
六ページをお開き願います。6、都立病院おける後発医薬品の購入状況でございます。
平成十三年度から平成十七年度までの採用医薬品及びその内訳として、後発医薬品の購入状況を延べ品目数及び購入額に分けてお示しするとともに、採用医薬品に占める後発医薬品の割合についてもあわせて記載しております。
七ページをごらんください。7、公社病院における後発医薬品の購入状況でございます。
先ほどの都立病院のものと同様に、公社病院における後発医薬品の購入状況について記載しております。
八ページをお開き願います。8、都立病院におけるPFIにかかわる予算及び決算の推移でございます。
平成十四年度から平成十八年度までのPFIにかかわる予算額及び決算額について記載しております。
九ページをごらんください。9、都立病院おける主な業務委託の契約金額の推移でございます。
平成十三年度から平成十七年度までの主な業務委託の契約金額につきまして、事項別に記載しております。
一〇ページをお開き願います。10、公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
平成十三年度から平成十七年度までの公社病院に対する運営費補助金の推移を病院別に記載しております。
一一ページをごらんください。11、公社病院における看護職員の固有、派遣職員数の推移でございます。
平成十三年度から平成十七年度までの公社四病院における看護職員の定数及び現員の推移をそれぞれ記載しております。
なお、現員については、固有職員及び派遣職員の内訳を記載しております。
一二ページをお開き願います。12、駒込病院の医療情報・相談室の概要と利用実績でございます。
医療情報・相談室の概要と利用実績について、その内容を記載しております。
なお、実績については、開設日である平成十八年二月十五日から同年九月三十日までの累計となっております。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。
○長橋委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○田代委員 まず、ジェネリック医薬品について少しお尋ねしたいと思いますが、これは病院経営本部だけではなくて福祉保健局の方も当然かかわってくる、医療全体にかかわってくることで、都立病院だけが何かをするということではないんですが、実際に医薬品を扱う最先端、現場を責任を持って運営されているわけですから、そういう意味でも幾つかお尋ねしたいと思います。
前にも何回か申し上げましたように、ジェネリック医薬品、決して悪いものではないんですが、余りにもばらつきがあり過ぎる。極端な例は、前、同じことを申し上げましたけど、血圧の薬で、とうとう最後まで溶けないで便に出てきてしまったという薬もあるわけですね。これは、日本の薬の認可の仕方と他国とが若干違うところがあって、大ざっぱにいうと、外国では、ある程度実施して、使ってどうなるかということまでデータが集まったものが、例えばオレンジブックだけではないですけど、幾つかのものがあるんですが、日本は、中身が同じであればそれで認可しましょうという、大ざっぱにいうとそういうところですよね。
そうすると、どうしても生活習慣病なんかのコントロールに使っているお薬は、長いこと、長期飲まなくちゃいけないから、同じ効果だったら、患者さんは安いものがいいと思われるのは、これは当たり前のことであって、当然取り組んでいかなくちゃならない。ジェネリック医薬品を使わなくちゃならないのは当たり前なんですが、現実に効果がない、非常に効果が不安定であるということになると、安かろう悪かろうになることは患者さんも余り好まれない。
そして、たとえいいものであっても、ある日突然供給がうまくいかないような供給体制、いわゆる経済的なことも含めてですね、そういうことになると、都立病院の方としても本位である治療ができなくなるわけですから、やはりジェネリック医薬品、ただ安かろうというだけで導入、当然なさっていらっしゃらないのはよくわかっておりますが、やはり患者さん方の意識の中に、あれだけ徹底的に政府がマスコミを使って、ジェネリック医薬品を使わない病院は逆におかしいんだぐらいまでいい切るような、ああいう過度なPRをしている中で、やはり都民の健康を守るために都立病院が行っていかなくちゃならない努力というのはあると思うんですね。
そういう点で、簡単にジェネリック医薬品を採用するに当たっての何かガイドラインみたいなものがあれば教えていただきたいと思うし、それに対していろんな問題点、皆様方がおっしゃりたいことがあると思うんですね。もっと国がこういうところをチェックしてくれなきゃ、我々にそこまでの権限、権利はないんだよと、その中で使えというのもひどいものだなということがあると思います。それはおっしゃれるかおっしゃれないかはともかくとして、今現実にどういうガイドラインを持って採用なさっていらっしゃるかを教えていただきたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 都立病院でのジェネリック医薬品を採用するときの注意点、留意点ということだと思います。
後発医薬品の選定に当たりましては、ご指摘のように、医薬品の品質や安全性、治療効果などは最大限に配慮を行う必要がございます。
このため、都立病院では、後発医薬品を選定する際に後発医薬品のチェックリストというものをつくっております。これに基づきまして、有効成分あるいは用法用量が同等か、適応症が同等か、あるいは安定供給ができるか、情報供給体制が充実しているか、製剤の安定性があるか、あるいは誤薬防止のため名称が類似していないことはどうか、信頼できる医療機関が使用しているか等の選定基準を設けまして、安全性についてはチェックしておるところでございます。
○田代委員 まさしくおっしゃられたことがぴったり当たっているんですね。これをやっていかなくちゃならないんですが、さっき申し上げたように、実は日本の法律の中ではそれを裏づけするものがないので、東京都としてもある意味では、被害者とはいいませんけど、やってくれるところがちゃんと、厚生労働省なり何かがやってくれないと先に進まないわけですね。
用法用量が同等である。じゃ、それをチェックするのかというと、ジェネリック医薬品はチェックしなくて済んでしまうわけですね。こういうものが、情報提供体制が充実しているといったって、プロパーさんが来て教えるわけではない。現実には、そんなことがやっていられる製薬メーカーはないわけですから、そこで皆さん方が苦労なさっていらっしゃると思うんですね。
そういう意味では、ここだけで話をすることではないと思いますが、やはりその中でもでき得る限りの努力はしていただいて、いろんな情報を集めていただいて、これは聞くところによるとさほど質の悪いジェネリック医薬品じゃないぞというものと、どうもここは何かいま一つ信用できないなというようなものは、情報をしっかり集めていただきたいと思います。要望としておきます。
次に、新聞でも大きな問題になりましたけど、奈良県の町立病院の、分娩中に意識不明になったという妊婦さんが、搬送先が見つからないで、六時間後に国立病院に収容されたものの、残念ながら一週間たって亡くなったというような事件がありました。大変痛ましい事件で、これは、どこがいいも悪いもない。町立病院の方は、検査をしたって打つ手がないわけですし、今の麻酔科の問題、各専門医の供給体制の問題、いろいろ今の日本の医療を取り巻く問題点がシンボリティックに一点に集約されて、こんな痛ましい事件になっちゃったわけですけれども、こういうことがないようにするために、以前から東京都が取り組んでいるように、周産期医療の体制を整備するということは非常に重要なことだと思うんですね。
これは東京じゃないからって安心しているわけにもいかないわけで、東京都にこれを置きかえてみるとどういうふうになっているのか。今、総合周産期母子医療センター及び地域周産期母子医療センターも整備をしているわけですけれども、周産期医療というものは、世田谷にあります成育センターを中心として、今、一生懸命国も挙げて取り組もうとしている大変難しい医療の一つであり、高度な医療水準というものが求められているわけですけれども、都立病院自身は、都内の周産期医療についてどのような役割を今現在果たしているのか、その点をお教えいただきたいと思います。
○及川経営企画部長 東京都におきます周産期医療についてでございますが、福祉保健局の方で東京都周産期母子医療センター整備基準というものを定めておりまして、現在、総合周産期母子医療センターとして九病院、地域周産期母子医療センターとして十三病院を認定しております。
この中で、都立病院でございますが、墨東病院が総合周産期母子医療センターに指定をされておりますほか、大塚病院、豊島病院、清瀬小児病院、八王子小児病院の四病院が地域周産期母子医療センターとして認定をされております。
こうした指定、認定を受けている病院のNICU、そしてGCUにおきましては、平成十七年度の入院患者実績で、都内全体で六千百四十七人ということでございまして、これに対しまして都立の五病院では一千六百四十五人を受け入れております。割合にしますと二六・八%ということになりまして、周産期医療におきます都立病院の役割は大きいというふうに認識しております。
○田代委員 清瀬小児病院、八王子小児病院、こういうものの将来についてもいろいろ、是非はともかくとして、取り組んでいくために、まだまだ足りているわけではないわけで、鋭意取り組んでいただいているのは大変ありがたいことですけれども、墨東病院なんかでも、ある意味では医師の方はあっぷあっぷしているというところもあるので、そこの部分はやはり手厚くというか、最低限の予算組みは必要なんだろうなと思います。
こういう少子化の中で、周産期医療を守っていかなくちゃならないというのは大変重要なことで、責任も重たいと思いますけれども、前、一度申し上げましたけど、医療の職員のバンクのようなものですね。先ほど申し上げたあの事件も、その場所に医者がいない。どこにその医者がいるかがわかればいいのであって、真ん中に例えば町立病院が、図式的にいうと、真ん中に医者がいるけれども、産婦人科医、産科はいるけれども、設備がなくて頭をあけられない。どこかに頭をあけられる脳外科の専門医が今いて、手術が、たまたま今時間があいている。その近所に脳外科の設備のある病院があって、その日は休みで手術室もあいています、器械もありますと。麻酔の医者は、何時になったらどこどこの麻酔が上がりますというネットワークがあれば、そこに直接搬送していけば、助かる患者さんていらっしゃるわけですね。
そのときに、新聞のコメントで、担当医の、だって、うちでCT撮ったって何もできないじゃないかというのは、その言葉で見ると非常に、何と冷たい言葉のように聞こえるかもしれないけど、我々からしてみると、やるせない最大限の言葉なんですよね。病気はわかってもどうにもならない。まして、それを何かやって、いわゆる今問題になりつつあると思いますけれども、集団的個別指導に当たる可能性もあるわけです、そういうものがないところがそういうことをやればですね。
歯がゆいような、これだけ医療が進んでいて、病院が数多くあるのに、それとのマッチングがうまくできていない。医者のマッチングもできていない。こういうところが僕は非常に問題だと思うので、医療バンクみたいなものをつくられたらいいし、登録バンクをつくられたらどうですかと、一般質問、予特でやったのはそういうことなんですね。
ですから東京都も、なるべく医者がどこにいるかということが把握できるような、たまたまここにみんな集まればうまくいったじゃないって後から思うのはしゃくですから、そういうことの工夫もできたら取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
もう一つ、ちょっと今問題になっている宇和島の徳洲会病院の腎移植、これも学会のあり方と医の倫理のあり方。もう一つは、毎週毎週二度も三度も、多くの人は週に三回透析を受ける。三回のその一日は、全く自分としての時間ではないわけですね、透析で。そしてその次の日は、そのだるさによって一日休む。週七日あるうちに、自分の日にちを取り戻すのは一日しかないという人生になっちゃうわけですね。
どんな形であろうとも腎臓移植を受けたいと思うのは、これはだれでも当たり前であって、希望する人と提供されるドナーの数というのは、大体十二倍から十五倍違うと我が国ではいわれているわけですから、そういうものをすべて無視して、今度の事件は悪いんだと断罪しちゃうことだけがいいのかどうか。これは非常に難しいところがあるわけですけれども、やはり医の倫理というものを確立しておかなくちゃならないわけで、学会の透明性であるとか、学会が持っている責任感みたいなものがしっかりしていれば、重みがあれば、すべての移植にかかわる医師も学会に入るんでしょうけど、まだまだすべての医師が移植学会に入っているわけではない。この今問題になっている先生は、大変実績はあるんですね。非常にうまくいっている。そして、確かに素人目から見ると、病気の腎臓を無理やりに取り出してほかの人に上げたって、病人が二人ふえるだけじゃないかと思われると思うんですけど、実はそういうことはないことが今わかっているわけです。親族間だけの生体腎移植が、倫理的にはそれが必要でしょうけれども、学会がいうことがそのまま今からずっと続くということになると、相変わらず十二対一という現状が続いていってしまうわけです。
ですから、今すぐ都立病院がこれに対して何か指針を出すということは、それは到底難しいことだと思いますが、現実に今、都立病院では、腎臓移植というものはどのような取り組みを行っているのか、今の現場の状態を教えていただきたいと思います。
○及川経営企画部長 都立病院におきましては、現在、清瀬小児病院におきまして腎臓移植を実施しております。平成十七年度は生体腎移植が十六件、死体腎移植が一件の計十七件の移植を行っております。
お話にありましたガイドラインというお話でございますが、移植に当たりましては、当然のことといたしまして日本移植学会倫理指針、こちらを遵守しております。
○田代委員 ガイドラインを遵守しているということなんですが、今後の腎移植など臓器移植に対してどうあるべきと東京都は考えていらっしゃるんでしょうか。
○及川経営企画部長 都立病院では、先ほど申し上げました腎移植のほかに、駒込病院で角膜移植、駒込、清瀬小児病院、府中病院で骨髄移植を実施しております。
お話のございました今後の課題といいますか問題点でございますけれども、都立病院といたしましては、当面、指針等を遵守するということは当然のことと考えておりますが、今後の問題として、今課題となっておりますような問題点につきましては、移植が必要な患者さんの利益をまず第一に考えながら、現在社会問題化している病気臓器の取り扱いなどに関しましても、社会一般の人々が納得できるようなガイドライン、指針が策定される必要があろうかというふうに考えております。
○田代委員 よろしくお願いいたします。大変大きな問題だと思います。
最後に二点教えていただきたいんですが、研修医の現状と将来像についてです。
平成十六年度から始まった初期の臨床研修制度の義務化によって、大学病院医局による派遣医師の引き揚げというのが大きな問題になって、勤務医不足が社会問題になっているわけですけれども、都立病院では倍率が非常に高い。九倍であるとか二・五倍であると。
これだけ集まっていることは大変ありがたいことですが、その分だけ、都立病院というのは医師の育成システムの充実に努めていかなくちゃいけない。いかなくてはいけないといったって、予算も大変、大切だと思うんですが、そういうものを含めて研修医の現状と将来像、都立病院がどうやって取り組んでいくかを教えていただきたいと思います。
○及川経営企画部長 都立病院が高水準で専門性の高い医療を都民に提供し続けていくためには、いつも先生からご指摘いただいておりますけれども、優秀な医師の確保と、それにも増して医師の育成が極めて重要であるというふうに考えております。
これまで都立病院では、二年間のジュニアレジデントの受け入れを始めとしまして、一定の臨床経験を有する医師を対象として、救急、小児、精神など各専門分野におきます第一歩を踏み出すようなシニアレジデントの育成、さらには、各学会が認定する専門医資格までを視野に入れましたサブスペシャリティレジデントの育成にも取り組んでまいりました。
今後も、都立病院、公社病院等の医療機関の人材確保にも貢献できますように、これまで以上に、レジデントにとりまして魅力ある教育カリキュラムの策定や指導体制の充実を図るなど、臨床研修医制度を整備拡充してまいります。
○田代委員 やればできると思いますので、徹底的に頑張っていただきたい。日本の医療の質を上げるために、都立病院の力って大変重要だと思うんですね。
最後になりますけれども、松沢病院のことについてちょっと教えていただきたいんですが、松沢病院は、補助道の問題もあり、それから、あそこは非常に縦に長いものですから横のつながりがない。町としては分断されていて、非常に使い勝手が悪い形なんですが、しかし松沢病院の沿革からいうと、松沢病院が先にあったわけですね。後から、それをご理解して来ていただかなくちゃならない上に、しかも精神科医療というものが、精神病院がやっと精神科病院になるまでにこれだけの時間がかかったわけですから、精神科医療を取り巻く現状というのはまだまだ遅い歩みであるわけで、そういう中で、東京に一つ、今もう関東に一つ、久里浜とかそういうところを抜かして、専門病院としては、いつも申し上げているように、アジアに一つの専門病院であるわけですから、それだけの責務がある中で、やっぱり整備計画というものをよく考えていただきませんと、三研究所が急に入ってきてしまうとか、予算の問題もあるんでしょうけれども、しっかりとしたロードマップがないと、グランドデザインができていないと、皆さん方も大変やりづらいと思うんですね。建物は建てました、横に道が欲しいですといったって、建っているところをどかすわけにいかない。
大変限られた財源の中で、また限られた権限の中でなさっている皆様方の苦労って、はかり知れないと思うんですが、やはり町からすると非常に心配な点が幾つかあって、特に今一番問題になっているのは、どうも政治的にそれを使おうという、成田のあれじゃないんですけど、非常に職業的なアジテーターみたいのもだんだん出てきたような話を聞くんです。医療観察法の施設というのは、やっぱり住民の方々みんな、非常に怖がっているんですね。現実にどうなるんだ、PFIに任しちゃって大丈夫なのと。
何を申し上げたいかというと、それがだめといっているわけではない。これは国との契約でもありますし、当たり前のことで、今からの二十一世紀の精神科医療というのは、何か臭い物にふたをするような医療ではいかぬわけですから、鋭意取り組まなくちゃいけないんですが、やはり住民の方々の安心というものも担保していただきたい。
ですから、もっともっと積極的に話し合いを進めて、松沢病院のあり方、六万坪もあるからという人もいるけど、僕は六万坪しかないからと思っているんですけれども、これを有効に使っていくために、そして、あの町の補助道の問題も含めて、松沢病院というものに余りにも今まで関心がなかったというか、手を入れなさ過ぎたためにこの結果が出てきているので、もう一度もとに戻して、そして、政治的な道具として何か一部の政党や考えを持っている人たちが不安をあおることによって利用するようなことがないように。住民の人たちは、ある意味では非常に純真な人たちが、僕が話をしていても大変多いので、取り組みさえ間違えなければ、皆さんご理解いただけると思うんですが、まだまだ情報が足りなさ過ぎる。
医療観察法に基づいてできる三十床プラス三床というのは、嫌な話ですけれども、牢屋、監獄とどう違うのという説明もまだみんな受けていないわけですね。逃げ出しちゃったらどうするのという話も聞いていない。やにわにそういう話が出てきちゃって、どうするのと。それは、説明すれば住民の方々みんなわかっていただけると思うので、誠意を持って対処していただきたいんですが、最後に、どういう形で進めていくかをお尋ねして、質疑を終わりたいと思います。
○及川経営企画部長 松沢病院の改築、いわゆる精神医療センターの整備につきましては、先生からご指摘いただいているとおり、このような施設の整備に当たりましては、地元の協力、理解が不可欠であるというふうに認識をしております。
病院経営本部といたしましては、整備計画の公表に当たりまして、地元の世田谷区を初めとして、医師会等関係機関に対します説明を行ってまいりました。また、この十月三十日には、松沢病院の周辺にお住まいの方を初め広く住民の方を対象に説明会を開催いたしまして、整備計画について説明を行いますとともに、住民の方の意見もお伺いしたところでございます。さらに、病院近隣にお住まいの方を中心とした説明会の開催の要望がございました。したがいまして、世田谷区や町会ともご相談の上、十一月十六日にも、来週になりますが、第二回目の説明会の開催を予定しているところでございます。
今後とも引き続き、地域住民の方々のご理解、ご協力を得られますよう努めてまいります。
○田代委員 最後に一言。
なかなか説明を受けてもよくおわかりにならないという感想が大変多いものですから、一度二度で終わらないで、今から何回でも、時間がとれる限り住民の方と誠意を持っての話し合いを続けていただきたいということをご要望申し上げまして、終わります。
○増子委員 私からは、後発医薬品、ジェネリックについて何点かお伺いしたいと思います。
開発した新薬の特許が切れるのを待って、別な製薬会社が厚生労働省の承認を得て販売する、新薬と同じ有効成分で、効能効果、用法用量が同一だということで、安全性あるいは有効性を確認するための調査だとか臨床試験が省けるということで、新薬に比べて相当安くなるというふうに聞いていますし、欧米においてはかなり後発医薬品の導入が進んでいて、ドイツだとかイギリスなどでは、金額ベースで見ても二五%ぐらいを占めているというふうにいわれていて、一方日本では、その導入が五・二%ぐらいなのだというふうに聞いています。
日本でなかなか後発医薬品の採用が進まないという理由の中に、医療機関側から見て、後発医薬品の情報が不足しているとか品質や薬効に対する不安がある、あるいは、多様で類似な名称を持つ後発医薬品を適正に処方するための手間だとかコストがかかるなどといった問題があると。先ほど、田代先生からもそういったお話がありました。
ところで、この後発医薬品については、私ども会派でも何年か前からこの議会でも質問させていただいて、都立病院でも使用の促進については取り組んでこられたことと思います。ことしの三月の予算委員会でも、十三年度から十六年度ぐらいまでの導入状況についてお聞きしているところです。きょう、また新たな資料が提出されましたが、これ以外の内容があるのかどうかも含めて、わかりませんが、改めて確認のために、都立病院における後発医薬品の導入はどのような実績になっているのか、また、これまでどのようにふえてきているのかをお伺いいたします。
○鈴木サービス推進部長 都立病院の後発医薬品の購入実績でございますが、平成十七年度は六億四千九百万円と、前年度に比べまして約一億三百万円、一九%の増となってございます。平成十三年度からの五年間での購入実績は約二倍となりました。
また、病院で購入している内服薬、注射薬、処置薬等医薬品全体の四・四%を占めております。前年度に比較して〇・六ポイントの増加という状況でございます。
○増子委員 都立病院でも、十七年度についてもさらに後発医薬品の導入が進んだということがわかりました。
ところで、都立病院は後発医薬品の使用促進を図るための電子カルテシステムの改良を行って、院外処方画面で先発医薬品を入力すると、後発医薬品名がポップアップ画面に自動的に表示されるというシステムを構築されたと思います。
また、ことしの四月の診療報酬改定で、医師が後発医薬品を処方しやすい環境を整備するということで、処方せんの様式に、後発医薬品に変更可、変更してもいいよという署名欄が追加されたということになっています。
このようなことから、外来での院外処方が進んでいる都立病院では、院外の調剤薬局においても後発医薬品の使用促進が図られているのではないかと思いますけれども、都立病院における院外処方の後発医薬品の使用状況について、わかればお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 ただいまお尋ねいただきました院外処方における後発医薬品の使用状況でございます。
都立病院での院外処方せんの発行率は、十七年度実績では約七〇%となっております。電子カルテシステムの改良や診療報酬制度の改定によりまして、院外での後発医薬品の処方件数はふえているものと思いますが、患者さんが必ずしも病院周辺の薬局を利用することではないこと、あるいはまた、数多くある院外薬局の処方せんをとらえるというのは実態的になかなか難しいところがございまして、現在、正確な数字は把握していないという状況でございます。
○増子委員 後発医薬品の使用を促進していくためには、院内の採用薬品を後発医薬品に切りかえていくということはもちろん大事ですけれど、患者さんが院外の調剤薬局で薬剤師さんから後発医薬品の情報提供を受けて、患者さんが主体的に選択した新薬あるいは後発医薬品が処方されることが必要だというふうに思うんですね。
今のご答弁にもあったように、確かに院外処方の分の後発医薬品の正確な使用率を把握するのはなかなか難しいのかなというふうにも思いますけれど、都立病院では地域の薬剤師会などとの連携もあるというふうにも聞いていますので、そういう意味ではサンプリング調査というようなこともあるのかと思います。そういった形がいいかどうかわかりませんが、院外処方による後発医薬品の使用状況というのも把握したらどうなのかなというふうに思っています。
そういう意味でいうと、先ほど、院内における後発医薬品の採用率が金額ベースで四・四%だと伺いましたけれど、院外処方による後発医薬品の使用状況の実績もあわせて評価できるのではないかと思っておりますし、院外処方せん発行率が七〇%ということですから、かなり高いということを見れば、そのことも一緒にこの評価の対象にしていってもいいのではないかと思いますので、意見として申し上げておきたいというふうに思います。
次に、平成十八年度予算特別委員会の中で、このジェネリックに関して、医師、看護師、薬剤師等で後発医薬品使用促進検討会というのを庁内に設置して、具体的な方策について検討をしていますよということの答弁があったと思うんですが、この検討会がもし終了しているのであれば、その検討会でどのような議論があって、そしてどのような結論が得られたのかをお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 昨年の十二月に、病院経営本部内に、各病院の医師、薬剤師等の医療系職員と事務職員の代表をメンバーとします後発医薬品の使用促進検討会というものを設置しまして、後発医薬品の使用促進策について検討してきたことはご指摘のとおりでございます。
その結果でございますが、四点ほどあります。一つは、医療系職員の後発医薬品の品質や薬効に対する不安を払拭するため、後発医薬品メーカーによる研修会を開催していこうと。二つ目が、薬品選定の際のチェックシートをつくりまして、品質及び安全の確保を図っていこうと。三つ目が、安全性の確立されている画像診断薬を積極的に導入していこうと。四番目では、当面、金額ベースで目標としては七%を採用目標としていきたい、こういうものが決定されております。
この検討会での検討結果につきましては、各病院に伝達しまして、各病院における後発医薬品の使用促進を改めて依頼したところでございます。
○増子委員 ありがとうございました。検討会での報告内容についてはよくわかりました。
七%という目標まで立てて頑張っていくんだということだというふうにお聞きしましたけれど、今後、この検討結果を着実に実施していくということが求められてくると思うんです。その検討結果を踏まえて、後発医薬品の使用促進を具体的にどのように図っていくのかについて、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 都立病院では、先ほど申しました後発医薬品の使用促進検討会のこの結果を踏まえまして、各病院での導入計画を策定してもらう。それから、十九年度までの二カ年間で金額ベースで七%ということで、これを達成したいというふうに考えております。このため、医療関係者の後発医薬品に対する意識の向上、あるいはチェックシートの積極的活用など、検討会の報告内容を着実に履行していく。
また、あわせまして、採用率の高い病院には研究研修費の配分をふやすなどの措置をとることによって、より一層の使用促進というものを図っていきたい、このように考えております。
○増子委員 わかりました。今のお話の中にも、採用率の高い病院には研究研修費の配分をふやすということまで、そういうインセンティブまで与えながらやっていこうという、一層の使用促進を図りたいということがわかりました。
都立病院の、十九年度までの二カ年で、現在四・四ですから、七%まで引き上げるという計画については、期待させていただきたいと思います。
二〇〇四年度の国民医療費が三十二兆円を超えた、薬品費がそのうちの約二〇%ぐらいだといわれていて、そういった意味では、国の規制緩和だとか医療費のことだとかも含めまして、国が今積極的にやろうとしていることでもあって、都としてどう取り組むかということなので、そういった意味では医療費抑制の一種有効な手段ともなるといわれているので、ぜひ積極的にお願いしたいとは思いますが、しかしながら、この仕組み自体も実際には、先ほどのお話もあったように、まだ発展途上なんだろうなと私も思っています。
そのためには、医薬品の信頼性ということが大変重要だと思うので、メーカーのご努力だったり、あるいは品質を評価していく仕組みをさらにいいものにしていくといったようなことだとか、あるいはお医者さんだとか患者さんへの情報提供、薬剤師さんも含めてのことかもしれませんが、そういったことをきちんとやりながら後発医薬品を促進していくということを、お医者さんも患者さんも不安のないような形で進めていっていただければいいのかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、救急分野の医師の確保について伺いたいと思います。
先日もNHKで救急医療についての特集があったりしまして、最近、非常にERということについて注目が集まっていると思いますが、日本では、いわゆる救急のノウハウを持たないお医者さんが当直していたりということもあって、損傷の見逃しだとか、あるいは処置の優先順位というケースが全くないということではないと。アメリカでは、救急患者の初期判断をする専門医が育成されているということで、最近、日本でも、そういった専門医を招いてERの充実に努めているといったような病院もあるんだと聞いています。
都立病院では、二次救急、三次救急に重点を置いて対応していて、いわゆる総合病院ではすべての病院が、二次救急として休日あるいは全夜間の診療を実施しているということだと思います。その中でも、都立病院の独自の取り組みとして、広尾、墨東、府中の三病院に、初期救急から三次救急まで総合的な救急診療を行う東京ERを開設して、さまざまな症状の救急患者に対して、診察、入院、緊急手術あるいは救命処置など、トータルな救急サービスを行っている。このことは本当に大変高く評価されることだというふうに考えております。
そこでお伺いしたいんですけれど、都立病院では夜間の救急診療体制がどのようになっているのかということと、救急患者の受け入れ実績についてお聞かせいただきたいと思います。
○及川経営企画部長 都立病院、各病院によりまして体制は異なっておりますけれども、二次救急を中心として対応しております大塚、駒込、豊島病院では、内科系、外科系、小児科など、おおむね毎日八名から十名の医師が当直をしているほか、看護師、臨床検査技師、放射線技師、薬剤師も二十四時間体制で救急患者さんに対応しております。
さらに、東京ERを開設しております広尾、墨東、府中の三病院におきましては、おおむね毎日十五名から二十名程度の医師が当直をし、コメディカルスタッフも複数体制で対応しております。
平成十七年度の都立病院における救急患者の総件数は二十二万九百九十六件となっておりまして、一日平均で六百五件の救急患者さんの診療に当たったところでございます。
○増子委員 今ご答弁にありましたように、一日平均で六百件を超す救急患者の診療に当たっておられるということで、大変多くのスタッフが確保されていて、その面では心強い限りだと思いますけれど、受け入れ件数も大変多くて、救急医療の現場が大変厳しいのだろうなということがうかがわれます。体力的にも大変激務であると思われます救急医療を支えていくために、何よりも救急医療を担う若手医師の確保あるいは育成が必要なのじゃないかなというふうに思うわけです。
本来、医師の育成システムは国が取り組まなきゃいけないことだろうと私は思いますし、既にアメリカなどでは、大学の医師課程にERのコースがあったりすると聞きますが、日本ではまだないというふうに私も思っています。しかしながら、そうはいっても、国の動きをただただ待つだけではなくて、都としてできることをやっていくということが大変重要だというふうに思っております。
そういう意味で、都立病院において救急医療を担う若手医師の確保あるいは育成についてどのように取り組んでいるのかをお伺いいたしたいと思います。
○及川経営企画部長 平成十六年度から必修化されました臨床研修医制度では、卒後二年間の初期臨床研修において、救急分野は基本研修科目と位置づけられておりまして、都立病院でもこうしたジュニアレジデントを積極的に受け入れております。
さらに、初期臨床研修を修了した者を対象に、東京ERを開設しております広尾、墨東、府中の三病院ではシニアレジデントを受け入れておりまして、救急医療に携わる若手医師の確保と体系的な育成に努めているところでございます。
○増子委員 若手の救急医師の育成に積極的に取り組んでおられるということがよくわかりました。
救急医療の先進国であるというふうにいわれていますアメリカなんかに比べましても、日本はまだまだ救急の専門医が少ないというふうに聞いております。ただ、私も専門家じゃないのでよくわかりませんけれど、救急の医療システムも、日本の医療圏ごとの救急医療システムと、アメリカとかカナダのような北米型のERというのは若干仕組みが違うようで、必ずしも同じようなものを目指せばいいのかどうかというのは私もわかりません。しかしながら、救急医療の質を都立病院として一層高めていく必要はあると思っております。
そういう意味では、今後、救急医療に携わる医師の専門性の向上についてどのように取り組んでいくのかについてお伺いいたしたいと思います。
○及川経営企画部長 都立病院では、平成十七年度から、学会が認定しております専門医資格を取得できる水準まで修練を積みますサブスペシャリティレジデントの受け入れを開始しまして、高い専門性を有する医師の確保、育成に取り組んでおります。中堅クラスの医師につきましても、指導医資格を有するベテラン医師による指導のもと、多様な臨床経験を積むことや学会への参加、大学や研究機関への派遣研修などを通じまして、知識、技術のさらなる向上に力を注いでおります。
今後とも、救急医療の充実に向けまして、医師の専門性の向上に努めてまいります。
○増子委員 ありがとうございました。都民の皆さんが安心して生活できるように、都立病院でできることをぜひ全力で、若手医師から中堅あるいは指導医といったところまで、トータルな人材確保や育成策がさらに強化されて、救急医療の一層の充実が図られることを要望させていただいて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○伊藤委員 私からは、まず初めに医療従事者の確保、育成について、重複する部分もございますけれども、何点かお伺いさせていただきます。
都立病院においては、安定した経営基盤を確立しながら、同時に良質な医療サービスを提供していくために、医療従事者の確保、育成が重要であると考えます。これも先ほどございましたけれども、先日来の報道でも、本年の八月に奈良県内の病院で、分娩中に意識不明になった妊婦の方が、受け入れ先の病院がなかなか見つからずに、六時間後、十九軒目にしてようやく六十キロも離れた国立病院に収容されたものの、一週間後に亡くなるという非常に痛ましい出来事が起きました。
こうしたたらい回し的なことが起きる背景として、これは断定的なことはいえませんけれども、一つには医師の不足が挙げられると考えます。新聞報道等においても、全国的に産婦人科、小児科、麻酔科の医師が特に不足しているという報道も行われているところでございます。
そこで、一点お伺いさせていただきます。都立病院の産婦人科、小児科、麻酔科の医師の充足率はどれくらいになっているのか伺います。
○及川経営企画部長 平成十八年十月一日現在、定数に対する現員の充足率でございますが、産婦人科が七四・四%、小児科が一〇三・九%、麻酔科が七七・二%となっております。
○伊藤委員 小児科医が足りないという社会情勢の中で、都立病院においては小児科は一〇〇%を超えていることについては大変評価をさせていただきたいと思いますけれども、産婦人科については七四・四%、麻酔科については七七・二%ということで、この二科については確保がなかなか難しいというふうに考えられます。産婦人科、また麻酔科だけでなく、行政的医療を担っている都立病院は、すべての診療科の医師の確保と育成が非常に大切なことであると考えます。
医師の確保、育成については、都立病院独自の取り組みが重要かと思います。現在、都立病院として独自にどのような取り組みを行っているのか伺います。
○及川経営企画部長 まず、確保についてでございますが、不足が生じております診療科の医師確保に当たりましては、各大学の医局に対する派遣の要請を初めとしまして、病院経営本部や各病院のホームページなどを通じて公募、また医師向け雑誌などへの募集広告の掲載など、確保に努めておりますとともに、あわせて非常勤医師等を活用しまして病院運営の体制維持を図っておるところでございます。
さらに、育成という観点でございますが、都立病院におきましては、後期臨床研修に当たりますシニアレジデント制度や専門医資格を取得できる水準まで修練を積むサブスペシャリティレジデント制度など、医師の人材育成の一環として体系的な臨床研修制度を整備し、不足する診療科の専門医の育成に力を注いでおります。
○伊藤委員 ご答弁のように、公募、またホームページ、さらに育成とあわせて、しっかりと都独自に取り組んでいるということでございます。この確保、育成にさらに今後も努めていただきまして、都民に二十四時間三百六十五日、安全と安心の医療を提供していただきたいと思います。
都立病院では、医師だけではなくて医療スタッフも医療チームの一員として、私たち都民に高度専門医療を提供しているところであると思います。特に看護師は、最も患者の近くで直接医療的ケアを提供してくれる存在でありますけれども、その看護師も全国的に不足している、確保は困難と聞いております。
そこでお伺いさせていただきますけれども、都立病院の看護師の充足状況はどうなっているのか伺います。
○及川経営企画部長 看護師、助産師、准看護師を合わせました定数に対する現員は、平成十八年十月一日現在、欠員はございません。数字で申しますと、定数四千三十人に対しまして、現員もちょうど四千三十人というふうな数字になっております。
○伊藤委員 看護師については、定員四千三十に対して現員四千三十と、ぴったり一〇〇%ということですばらしいことだと思いますけれども、日本看護協会の調査によりますと、新卒の看護師の離職率、看護師になったはいいんだけれどもすぐ職から離れてしまう、やめてしまうということが年々増加傾向にあることが調査の結果発表されているところでございます。
そこでお伺いさせていただきます。新卒の看護師の早期離職に対する方策が喫緊の課題であるというふうに考えますけれども、新卒の看護師の定着に向けて都立病院はどのような取り組みをしているのか伺います。
○及川経営企画部長 都立病院では、新卒看護師の定着に向けまして、採用時から、職員一人一人の習熟度に応じましたキャリアパスによる研修体系を取り入れておりまして、その中で定着に向けた初期研修を行っております。
さらに、十八年度は、墨東病院、府中病院、八王子小児病院の三病院におきまして、試行的に基本的な技術習得を中心にきめ細かな指導を行うなど、教育カリキュラムを充実させました看護臨床研修を導入いたしまして、より一層の定着化を図っております。
○伊藤委員 今ご答弁にございました看護臨床研修というのはどういう研修なのか具体的に教えていただきたいことと、また、その研修の効果はどういうものが出ているのかお伺いしたいと思います。
○及川経営企画部長 従来、新人看護師には、夜勤に入るなど、いわゆるひとり立ちする一カ月半から二カ月くらいまでの期間を初期研修の期間として位置づけておりまして、三年程度先輩看護師でございます、プリセプターと呼んでいるんですが、このプリセプターがついて指導をしております。
今回導入いたしました看護臨床研修では、初期研修期間を三カ月に延長しまして、指導者も含め、プリセプターのほかにベテラン看護師が病棟に一人専任指導でつきまして、きめ細かく、心のケアも含めて指導に当たっております。
夜勤の訓練も、従来は、プリセプターが傍らについて準夜、深夜を経験する機会が一回ずつであったものを、この看護臨床研修では、まず夜勤見学から始めまして、プリセプターや専任指導看護師がつきまして準夜、深夜を経験する回数を二回ずつにふやすなど、スムーズに病棟看護業務になじめるように配慮したものでございます。
この結果、看護臨床研修の試行実施をしました三病院の新人看護師の離職率は、昨年度九月三十日時点で一七・五%だったものが、今年度は同時期で二・三%という数字となっております。
○伊藤委員 ありがとうございます。新卒の看護師、本当に夢を持って看護師になられた多くの方々。ところが、医療の現場に行ってみると、現実と理想とのギャップに非常に悩まれる。そういったことに直面する方々もたくさんいらっしゃる中、こうやってきめ細かく、心のケアも含めて指導に当たっている。また、よい方向に成果が出ている。特にこの離職率が、同時点で昨年度が一七・五%だったものが、今年度は二・三%というお話がございました。大変な成果があらわれているということで、大変に安心しました。
これからも、医師を初めとしたこうした医療従事者の確保と育成に創意工夫を持ってぜひとも努めていただきまして、都民が安心して医療にかかれるよう切望して、次の質問に移りたいと思います。
次に、公社病院の関係について伺います。
これまで、都から保健医療公社への移管は、平成十六年四月の大久保病院から始まって、平成十七年度に多摩老人医療センター、そして本年度には荏原病院が移管されてまいりました。公社に移管された病院のうち、例えば大久保病院では、平成十六年七月、我が公明党が必要性を強く訴えてきた女性専用外来を開始するとともに、平成十七年十一月には、最近話題のメタボリックシンドローム短期入院を開始し、好評を得ていると聞いております。
また、多摩北部医療センターでは、新たに小児科を設置して小児二次救急を行うなど、老人専門病院から総合病院へと意欲的な転換を図っているところでございます。
さらに荏原病院では、高額医療機器を新たに整備して、高齢社会を迎え需要が増加している脳血管疾患医療の拡充を行ったと聞いております。
各病院とも、地域の中核の病院として、地域の医療ニーズを素早くとらえて、適切な医療サービスを提供するため努力していることがわかります。
こうした地域の二次医療を担う公社病院と、都全体を対象に高度専門医療を行う都立病院とでは、おのずからその役割が異なってまいりますけれども、保健医療公社が本年四月から病院経営本部の所管となったこともあって、お互いの利点を生かして、連携して医療サービスの向上に取り組んでいただきたいと考えております。
そこでお尋ねさせていただきますけれども、都立病院と公社病院との連携としては現在どのようなことを行っているのかお伺いします。
○鈴木サービス推進部長 都立病院と公社病院の連携についてでございますが、現在、全国的に医師不足がいわれている中、小児科のドクターにつきまして、都立病院から多摩南部地域病院あるいは多摩北部医療センターに派遣を行っております。
また、臨床研修医制度では、公社病院の臨床研修医を都立病院で受け入れまして、都立病院が有する専門的な医療についての研修を行っております。
さらに、患者サービスの向上面でございますが、職員の意識改革を推進するテーマ別改善運動というものを今年度から共同で実施しております。このテーマ別改善運動なんですが、例えばエコノミークラス症候群で知られる肺塞栓症の予防として、患者さんごとにリスクアセスメントカードをつくりまして、そのリスクに合わせた治療、看護を考案するなど、病院職員がみずからの職場で身近な問題の解決に取り組む自主的な改善運動で、各病院での職員意識の向上に大変寄与しております。
公社病院と都立病院が持つそれぞれのノウハウを共有いたしまして、患者さんが快く治療に専念できる、あるいは安心して納得できる医療が受けられる環境の実現を目指していこうというふうに考えております。
○伊藤委員 都立病院と公社病院との連携ということでお伺いしましたけれども、医師の派遣、また研修など、まだまだ都立病院から公社病院への支援の部分が多いというふうに見受けられます。これからも、都立病院、また公社病院双方のお互いの利点を生かして、連携をより深めていただきたいと思います。
次に、公社病院と地域の医療機関との連携は今どのように進んでいるのか伺います。
○鈴木サービス推進部長 公社病院は、医療資源の有効活用を図るため、平成二年の東部地域病院開設以来、地域の診療所や病院からの紹介制を基本とした地域医療連携を推進してきております。こうした公社病院の医療連携の取り組みが評価されまして、平成九年の第三次医療法改正では、地域医療支援病院制度として具体化されたところでございます。
この結果、平成十年には、都内では東部地域病院と多摩南部地域病院の二カ所のみが地域医療支援病院の承認を受けたところでございます。
本年五月には、これらの病院に続いて、多摩北部医療センターが公社病院として三番目の地域医療支援病院に承認され、地域の中核病院として、地域の医療機関と医療連携を通した地域医療のシステム化というものを推進しているところでございます。
残る大久保病院、荏原病院につきましても、地域医療支援病院の承認を目指しまして、地域医療機関との連携を今後とも進めていく予定でございます。
○伊藤委員 大久保病院、また荏原病院も早期に地域医療支援病院の承認を受けられるよう努めていただきたいというふうに思うことと、医療連携をさらに進めることによって地域医療のシステム化を確立して、効率的な医療サービスの提供を通して、より質の高い医療を都民に提供していただきたいと思います。
次に、難病医療について何点か伺います。
都では、平成十三年十月の東京都特殊疾病対策協議会報告書に基づいて、助成対象とする難病のことを、希少で原因不明、治療方法未確立であり、かつ生活面への長期にわたる支障を来す疾病のうち、予後が悪いなど医療依存の程度が高く、療養上特段の配慮が必要な緊急度が高いものとしております。
難病患者への対応を都としてどのようにしていくのかということに関しては、政策的なこと、また支援的なこと、あるいは助成のこと、こうしたことに関しては福祉保健局が中心となって施策を展開しているところだとは思いますけれども、実際に高度専門医療を提供している都立病院として、さまざまな取り組みを展開されることだと思います。
そこでお伺いさせていただきますけれども、都立病院における難病医療への取り組み状況と難病患者の治療実績は現在どのようになっているのかお尋ねいたします。
○岸上参事 難病医療は、専門スタッフの確保が困難なことや、専門的な医療技術と職員の手厚い配置が必要なことなどから不採算医療ということもありまして、一般の医療機関では対応困難な場合が多く、都立病院では、行政的医療と位置づけて医療体制の充実を図っております。
神経系難病では、専門病院として神経病院を設置しているほか、駒込病院におきまして専門病床を設置して対応しております。
また、リウマチ・膠原病系難病におきましては、大塚病院を初め駒込、墨東、府中の計四病院で専門病床を設置して対応しているところでございます。
都立病院における平成十七年度の難病患者実績は、神経系難病で入院患者延べ十一万七千九百七人、外来患者延べ七万八千六百六十六人、リウマチ・膠原病系難病で入院患者延べ五万九千六百七十二人、外来患者延べ五万五千四百十人、劇症肝炎などの特定内臓系その他で入院患者延べ三万九千八百十一人、外来患者延べ三万七千五百七十七人というふうになっております。
○伊藤委員 ただいまご答弁いただきました神経系難病、またリウマチ・膠原病系難病、特定内臓系難病ということで、延べ人数とはいえ、都立病院が大変多くの難病患者さんを受け入れているということに、私はこの数字を聞いて本当に驚きました。多くの方々が難病で苦しんでいる中、都立病院が果たす役割は非常に大きいものだと私は考えます。難病医療において、先ほど触れました東京都特殊疾病対策協議会報告書の中で、在宅難病患者への支援のあり方が大きな課題として挙げられております。
そこでお聞きいたしますけれども、都立病院においても、退院をして在宅療養へ移行した患者さんへの支援策の充実が課題ではないかと考えますけれども、現在、都はどのような取り組みを行っているのか伺います。
○岸上参事 福祉保健局ではさまざまな在宅難病患者対策を実施しておりますが、その中で都立病院としては、寝たきり等による受療の困難な難病患者に対し専門医が訪問診療を実施する在宅難病患者訪問診療事業に、大塚、駒込、神経の三病院が参画しております。
また、在宅難病患者が家族等の介護者の疾病、事故等により一時的に介護を受けられなくなった場合に患者を緊急入院させる在宅難病患者緊急一時入院事業にも、大塚、駒込、墨東、神経の四病院が参画しております。
○伊藤委員 都立病院が、在宅難病患者の支援においても、福祉保健局ともしっかりと連携をとりながら積極的に取り組みを行っているということについてよくわかりました。
さて、私の知人に球脊髄性筋萎縮症にかかっている方がいらっしゃいます。この病気は、脳の一部や脊髄の運動神経細胞の障害によって、しゃべったり飲み込んだりするときに使う筋肉や舌の筋肉、さらには手足の筋肉が萎縮する病気だそうでございます。球がつかない脊髄性筋萎縮症という病気については都の難病指定をされておりますけれども、この球がつく球脊髄性筋萎縮症は現在難病に指定されていないということでございます。この知人は、腰の痛みなどで本当に七転八倒の思いで毎日を過ごさなければならない、対症療法として痛みどめを打つしかないという状況の中で、この病との大変な思いで、苦労されて生活をされておるところでございます。
そこでお伺いさせていただきますけれども、都立病院では、難病指定はされていないとはいえ、実際には難病に近い疾病の患者さんに対してどのような対応を行っているのかお伺いします。
○岸上参事 福祉保健局では昭和四十九年から、国庫補助対象となっていない難病疾病等を都独自に定めておりまして、平成十八年八月現在で、国庫補助対象四十六疾病に加えまして、都単独で定めている難病等は二十八疾病となっております。
都立病院では、難病疾病の指定、未指定にかかわらず当然患者の受け入れを行いまして、専門的な医療を提供するとともに、疾病に関するさまざまな情報提供や、必要に応じて適切な医療機関の紹介などを行っております。
なお、医療費に関しましては、未指定の難病疾病の場合は通常の保険診療で行っております。
○伊藤委員 今後も、ぜひとも都立病院として、難病指定されている疾病はもちろんのこと、それに準じる疾病に関しても引き続き十分な取り組みを進めていただきたいと要望しまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○かち委員 まず、豊島病院の今後についてお聞きします。
事実経過として、東京都はこれまで、病院改革と称して二〇〇一年にマスタープランを立てて、その後、実行プログラムを二〇〇三年から七年までの五年間の計画として、都立病院の統廃合、公社化などを進めているところです。ところが、この七月、行財政改革実行プログラムの中で、都立豊島病院を保健医療公社への移管を視野に入れた再検討を行うということが突然のように発表されました。
これは、これまでの計画にも全くなかった内容ですけれども、病院経営本部としてこうした結論に至った経過と見解、また、今後の検討スケジュールなどどのようになっているかお聞きします。
○岸上参事 豊島病院は、入院、外来ともに板橋区の利用者が半数を超えておりまして、紹介率も約六〇%に達するなど、地域の中核的病院として機能していることから、地域医療充実を目的としまして、主として二次医療を提供する地域病院的性格の強い病院であるというふうに認識しております。
したがいまして、豊島病院に関しまして、地域医療を担う東京都保健医療公社への移管を視野に入れた再検討という方針は、この地域病院的性格を反映したものであるというふうに考えております。
豊島病院のあり方につきましては、この九月に関係局との間で検討会を設置しまして、公社移管を視野に入れた検討を行っているところでございます。今後、十八年度中に結論を取りまとめまして、新しい運営形態への移行に向けた準備に入るということになっております。
○かち委員 地域医療的な要素が強いということをもって、公社移管を視野に入れて検討することが妥当だということで、今年度中、あと数カ月で結論を出すということなんですけれども、ご存じのように豊島病院のこれまでの経過というのは、いろいろと二転三転してきたわけです。こういういろいろな状況があった中で、ここですぐに公社ということで決めることは、私は拙速だというふうに思います。
豊島病院においては、病院改革マスタープランの中で唯一、老人医療センターと統合して民間移譲という方針が出されたんですね。しかし、それは余りにも乱暴な計画であり、都民の合意も得られない中で、板橋区から、板橋区長から、具体的には、それならばということで、老人医療センターは都の直営でやってほしい、しかし豊島病院は区営病院として受け取ろうじゃないかということで声が出されたわけです。その間、東京都と板橋区双方で検討してきた結果ですけれども、結局合意が得られず、昨年振り出しに戻ったというのが経過だと思います。
豊島病院は九九年に改築をしていますので、この病院改革マスタープランができる直前に新しくなったわけです。その中では、精神科救急医療あるいはターミナルケア、緩和ケアともいいますけれども、そういうものとか周産期医療など多岐にわたる重点医療、先ほど来いわれているように、不採算であるけれども行政的に欠くことのできない重要な部分を受け持ってきた病院だというふうに思います。
もちろん、地域医療にもこたえるということでの役割も十分に果たしてきましたけれども、こういう病院に対して、病院経営本部として、都立病院の中での豊島病院の位置づけ、役割というものをどのように見ているのでしょうか。
○岸上参事 豊島病院につきましては、入院、外来とも板橋区の利用者が半数を超えておりまして、紹介率も十七年度には六三・三%に達するなど、地域医療の充実に大きく貢献してきたというふうに考えております。
今後、これまで豊島病院が果たしてきた役割や機能を踏まえながら、保健医療公社移管を視野に入れた検討を行ってまいります。
○かち委員 利用患者さんが地域から六三%ということではありましたけれども、それ以外のところは都内各地から来ているわけですから、その数字だけをもって地域医療にふさわしいというふうにいい切れないと私は思うんです。むしろ、その前段の重点医療に果たしてきた役割というものをきちんと評価すべきだというふうに思います。
この数年間、病院をめぐる方針の紆余曲折の中で、地域住民の皆さんや患者さん、そして働く職員の皆様にも相当な困惑があったことは否めないと思います。こうした中で、豊島病院の現状の医療実態というのはどういうふうになっているのか、特に産科や重点医療の状況など、昨年と比べてどんな状況になっているでしょうか。
○岸上参事 上半期の実績で申し上げますと、延べ患者数をもとに昨年度と比較しますと、例えば精神科におきましては、入院で十八人の減、外来につきましては百二人の増。一方、産婦人科につきましては、入院で三千四百三十二人の減、外来で四千九百五十四人の減というふうになっております。
なお、産婦人科につきましては、医師の不足のために患者実績は減少しているということでございます。
○かち委員 今お聞きしましたように、精神科については外来はプラス百人となっているようですけれども、この豊島病院での精神科救急の果たす役割は大変大きなものがあるということで、東京都の合併症を持つ二次救急という位置づけの中でも大きな役割を果たしているわけです。
ところが、産婦人科については大変な患者減になっているわけです。これは、先ほど来、産科医の不足という問題があって、豊島病院でもその実態が免れない状況ですね。ホームページを見ますと、今、担当の先生が二人しかいない。そういうことで産科を受け入れることができないということなんですね。ホームページを見ますと、ことしの九月付で、医師の不足の状況から、分娩、手術の受け入れを休止させていただきますと、(資料を示す)こういうものを出さざるを得ないような状況になっているわけです。
ところが、豊島病院での産科というのは、地域周産期母子医療センターとして、小児科とともに重点医療の一つであったわけですね。周産期を受け入れられるというのは、母体搬送と産科救急を同時にできるということが非常に大きな要素を占めている。先ほどから話題になっている、奈良県の母体が命を落とさざるを得なかったのも、結局両方を受け入れることができない、片方はあいているけど片方がだめだというようなこともあったやに聞きます。
そうであればこそ、豊島病院ではこの体制をとれるはずなわけですね。そういう設備を持っていながら、そして年間九百件もの出産、分娩の実績があるわけですね。それがこの九月以来受けることができないというのは、地域の産科を標榜している診療所だとか民間の病院だとか、それから利用している妊婦さんたちにとっても大変な衝撃であり、大きな影響を受けるというのも事実だというふうに思います。
お聞きしましたところ、NICUは一応稼働しているということではありますけれども、これまでの実績を見ますと、やはり母体とともにということで、豊島病院に入院した母体、ハイリスクの方からNICUに行く人が八割を超えているわけですね。そういう意味で、やはりセットで利用できる体制を保障していくということが一日も早く望まれているし、それにこたえていくのが東京都の責任だろうというふうに思います。
実行プログラムが二〇〇七年までという計画ですから、来年までですよね。そうであるならば、その時点で、この間の計画遂行がどうであったのか、まずきちんと総括をした上で次の計画を立てるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○岸上参事 マスタープランや実行プログラムでは、都立病院の性格を広域基幹病院、センター的機能病院、地域病院という三つの類型に整理しまして、医療サービスの充実を図っていこうというものでございます。
今回の豊島病院の公社移管を視野に入れた検討という方向性は、豊島病院の地域病院的性格を勘案した上で出されたもので、マスタープランや実行プログラムの基本的考え方は従来から変わるものではございません。
○かち委員 三つの分類に分けてやってきて、それでいいんだということですけれども、じゃあ、公社化されていった病院は今一体どういう状況であるのかということなんです。この間、大久保病院から始まって、多摩北部、荏原病院と次々と公社化が進められてきたわけですけれども、このそれぞれの病院の状況についてはどのように見ているでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 移管した病院についてどう考えるかということでございますが、これまで移管されました三病院につきましては、都立病院の医療機能をそのまま引き継ぐとともに、例えば大久保病院ではメタボリックシンドロームの対応だとかアンチエージング、そういうものを行っています。
あるいは多摩北部医療センターでは、新たに小児科を設置する、あるいは小児の二次救急を行ったり、あるいは総合病院化をしたりして医療機能の転換を行ったところです。
荏原病院では、SCUといいまして、脳卒中ケアユニットを設置するなど、脳血管疾患医療の拡充を図ったほか、リニアックを導入したり放射線治療を開始した、このようなことがございます。
こういったことを行いまして、各病院とも、地域の医療ニーズを踏まえまして適切な医療サービスの提供に努めているというふうに評価しております。
○かち委員 そうですね、私もこの間ずっと経過を見てきましたので。しかし、このマスタープランなどを見ますと、公社化をする病院は地域医療支援病院、地域の中核となって、その地域の医療を支援していけばいいということで、それぞれ今まで持っていた重点医療を全部、都立病院に残る病院に振り分けていくということで進められてきたわけですけれども、具体的に検討していくと、あれを取られては困る、これを取られては困る、もっと充実してほしい、それは当然だというふうに思うんですね。住民の皆さんの要望というのはあったと思います。
そういうことで、それぞれ充実させてこられたことは、私は当然だというふうに思います。しかし、公社という都立とは違う経営基盤、都立ほど経営力のある機構ではないところがこれだけの重装備の病院を持って、不採算医療をこれだけ抱えて果たしてやっていけるのかどうか、大変負担になっているのじゃないかというふうに思われるわけです。
それで、今、皆さんが進めてきた公社化というのは、公社化をして地域医療支援病院にするんだというふうにいわれてきたわけですけれども、今移管をした三つと今までの二つと合わせて五つの病院があるわけですけれども、この中で地域医療支援病院を取得しているのは、どことどことどこでしょうか。
そして、この診療報酬がことしから変わりました。公社化することによって、地域医療支援病院で経営的にはうまくいくんだということでやられてきたわけですけれども、その診療報酬改定は大変マイナス改定だったわけです。その影響というのはどのように受けているでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 現在、公社五病院のうち、地域医療支援病院になっておりますのは、東部地域病院、多摩南部地域病院、多摩北部医療センターの三病院でございます。
今回の診療報酬の改定で、この地域医療支援病院に係る診療報酬改定の内容でどのようなものがあったかということなんですが、一つは、外来患者紹介加算の廃止というものがございます。それから、逆に地域医療支援病院の入院患者加算というものがございまして、これは若干の単価アップがございます。それから急性期入院加算の廃止。それぞれ廃止、加算等がございますが、この影響につきましては、この地域医療支援病院である三病院の合計で、年間で約六億九千万円の減収になると見込まれております。
○かち委員 ご説明いただいたように、公社化をして地域医療支援病院になっても、結局、三つの病院合わせて年間七億円の減収見込みということですね。こういうことを見ていると、本当に今後公社化していくことがますます厳しい状況ではないかというふうに思います。
近年、都立病院でも医師不足の中で、公社病院ではもっと厳しいわけです。ご存じのように、昨年度末で四つの公社病院すべてにおいて、医師の不足が、欠員が生じているのが現状です。現にいただいた資料一〇ページを見ても、公社病院への運営費補助の推移を見ると、各病院において、補助金が減っていくんだといわれていたんですけれども、減るどころかふえざるを得ないというのが実態だというふうに思います。この公社病院の経営手法の推移とか人材確保等から見ても、都立病院も厳しい中、公社病院の運営は今後ますます厳しいということは歴然としているのではないでしょうか。
豊島病院が、都立としては唯一緩和ケアがあって、周産期医療、精神科救急などかけがえのない行政的医療を提供している病院です。少なくとも利用する都民が、今ある施設--今この豊島病院が全部オープンしていないという状況もあります、その病棟を全部、フルに機能を稼働して、提供できる都立病院として都民に還元することこそ必要ではないかというふうに思います。
豊島病院がこれまでの重点医療を十分に発揮し、地域医療とのより一層の連携強化を進めていくことこそが、都立病院本来の役割です。豊島病院の今後のあり方については、少なくとも原点に戻って、後期実行プログラムの中で慎重に再検討していただくことを強く求めておきます。
次に、患者サービスの向上、医療の質の向上に向けて、二、三提案いたします。
少子化、子育て支援、産科医不足が社会問題になっている中、助産師の本来の役割機能の発揮が改めて求められていると思います。出産にかかわるケアの充実は、妊娠から出産、周産期まで系統的で安全な医療、心のケアやアメニティーの向上など、ますます強く求められています。
年間、都内で十万人前後の子どもが産まれ、そのうちの半数以上が病院で出産しています。そのうちの五千三百人を超える出産が都立の病院で行われています。近年、都内でも、近隣で産科、小児科の標榜がどんどん消えていく中、安全・安心な出産場所として都立病院の果たす役割がますます大きくなっていると思いますけれども、どのようにとらえているでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 分娩等の医療に関する都立病院の役割でございますが、都立病院はこれまで、民間の病院や診療所ではなかなか対応が難しいハイリスクの妊婦さんを中心に対応するという役割で臨んできております。
今後とも、都立病院のこうした役割というものはちゃんと踏まえた上で取り組んでいきたいというふうに考えております。
○かち委員 機能分担とおっしゃいますけれども、身近なところで産院が減っている。また、いろんな問題があるときにすぐに対応してほしいというのも、妊婦さんや産婦さんの願いでもあります。そうすれば、必然的に都立病院でも普通の対象を受けざるを得ない、そういう要求にこたえざるを得ないというのも実態だと思うんですね。そういう意味で、安心・安全な出産を提供できる病院としての都立病院の役割というのも、私は非常に大きいというふうに思うんです。
先日、日赤広尾病院に行ってまいりました。ここでは助産師外来というのをやっておりまして、正常な妊婦検診は助産師が行う。医師が全くいないわけではなくて、二つのブースを医師がかけ持ちで診ていく。その間に助産師さんが、ゆっくりと時間をかけて妊婦さん、産婦さんの対応をする、計測もするということをやっているわけですね。こういうことが、自然分娩や母乳育児、スキンシップなどきめ細かなケアができるということで大変好評を得て、かなり広範囲に日赤を利用している人が多いというふうに聞いてまいりました。全国的にも、現在、三十を超える病院、またクリニックで、この助産師外来を実施しております。都内でも六病院で実施しているということでした。
これらの病院で、医師の立場からどう見ているかということですけれども、いずれにしても、いいお産ができるようにということで、少子化が進み、妊娠経過でさまざまな悩みを持つ妊婦がふえている中で、身近な相談相手になれる助産師の役割は大変大きいということで、期待をしておられました。
こういうことからして、都立病院の産科のあるところでも助産師外来、ぜひそういうものを導入すべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 いわゆる助産師外来について、都立病院でもどうかというお話でございますが、助産師外来のニーズは確かに民間等でございます。ただし、都立病院の役割といたしましては、民間では対応が困難な、特にハイリスク、危険性が高い妊婦さんに対応するのが、現在の都立病院でのやるべきメーンの仕事ではないかというふうに考えています。
こうしたことから、通常の分娩を対象としました助産師外来につきましては、現在のところ、都立病院で導入することは考えていない状況でございます。
○かち委員 産科医の絶対数不足という問題もあり、また助産師の本来の役割を発揮させるという意味からも、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
また、より質的な向上という問題で、より自然に近い出産、育児の実現を目指す取り組みも始まっています。赤ちゃんに優しい病院というのは、ユニセフとWHOが定めた母乳育児を成功させるための十カ条を実践している病院です。全国でも四十三病院、関東では日赤医療センターを含めてわずか三病院ですが、母乳育児の推進は、母子の心身の健康保持の上でも重要であると考えます。富山県などでは、自治体病院が率先してこれを推進しています。都立病院でもこのような取り組みに着手されることを求めておきます。
次に、子ども虐待防止対策を都立病院でもということで伺います。
厚生労働省のまとめによると、この十年間で、児童相談所の虐待相談件数は約十五倍になっています。二〇〇二年の統計では、三万五千件の発見数のうち五%、千七百五十件は医療機関で発見されています。今日、重大な社会問題である子どもの虐待から死に至らしめるような深刻な事態が日常化している。
こういう中で、とりわけ東京においては、少子化や核家族化の進展が著しい中で、さまざまな子育てに対する悩みや困難を抱えている家庭もふえています。医療機関が、子育て家庭との接点をとらえて、支援を必要としている家庭を的確に把握し、関係機関と相互に連携協力しながら必要なサービスに結びつけ、虐待防止対策をとる必要があると思います。都立病院においてもその役割が大きいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○岸上参事 都立病院におきまして、児童虐待防止等に関する法律にもありますように、病院の医師等は、児童の診察等を通じまして児童虐待を発見しやすい立場にありまして、発見したときには適切な対応をとるべきと考えております。都立病院におきましても当然対応すべきだというふうに考えております。
○かち委員 今日、さまざまな病院で取り組みが始まっています。例えば三鷹市にある杏林大学病院では、院内に児童虐待防止委員会を立ち上げて、医師や看護師やケースワーカーなど二十一人のメンバーで組織されているとか、あるいは、外来でおかしいなと感じたら、必ず再診、もう一回来るように予約をとって、そのフォローがされるシステムができているとか、また聖マリアンナ病院などでは、親とこころの対話委員会を創設し、育児何でも相談外来を開設して、子育て相談、周産期、新生児からの母子愛着形成支援活動などを実施しています。
都立病院でも虐待防止対策に取り組んでいると聞いておりますけれども、どのような状況で、実績はどうなっているでしょうか。
○岸上参事 都立病院では、全病院に児童虐待症例検討会を設置しまして、早期発見に努めております。平成十八年四月から十月末までの間に、全都立病院で十六回の検討会が行われております。
○かち委員 数は多ければいいということではないと思うんですけれども、なければないにこしたことはないんですけれども、いざというときにどういう対応がとれるのかという点では、その現場、現場にいる人たちが見た、その視点で子どもやお母さんを見ることができるというスキルアップ、そういうものが大変必要になってきていると思います。
この問題を解決していくというのは、本当にエネルギーも大変必要になってくる問題です。そういう意味では、個々の病院での解決だけではなくて、関係機関にも速やかに連携がとれる、そういうネットワークづくりということも必要であり、そういうことの核になる役割も都立病院は持っていると思います。
その意味で、検討会ができているとはいわれますけれども、その力量アップのための研修や学習、能力向上の対策が必要だというふうに思いますけれども、どういう取り組みをしているでしょうか。
○岸上参事 児童虐待の早期発見を促進するため、福祉保健局で作成しております医療機関のための子育て支援ハンドブックや医療機関向け犯罪被害者支援マニュアル、これを各病院に周知し、啓発を図っております。
○かち委員 マニュアルを配布しているということですけれども、ぜひ事例検討とかそういうことでスキルアップを図っていただきたいというふうに思います。
児童虐待というのは、発見されたときにはもう遅いということもあります。児童虐待を予防するという視点で、ぜひ日常診療の中での子育て支援、相談できる窓口の開設等の体制の拡充も含めて一層の虐待防止対策に取り組まれることを求めて、質問を終わります。
○山口委員 初めに、都立病院で発生する廃棄物について二点伺います。
病院から毎日、注射針や血液が付着したガーゼなど大量の医療系廃棄物が発生しています。医療系廃棄物は医療行為に伴い発生するため、感染症の汚染源となる可能性があり、法律等にのっとり適切に処分されなければなりません。
そこで、都立病院における医療系の感染性廃棄物の発生状況と処理状況についてあわせて伺います。
○鈴木サービス推進部長 都立病院での感染性廃棄物の発生量は、平成十七年度で千二百六十四トンでございます。特別管理産業廃棄物収集運搬業、こういった資格を有します契約業者が直接各病院から、感染性廃棄物収集の専用容器、MDボックスと申しますけれども、これで回収いたしまして中間処理施設まで運搬し、焼却処分を行っております。
病院から出されました廃棄物には、マニフェスト、産業廃棄物の管理票というものがございますが、これがつけられまして、最終処分までの確認を追うことができます。
なお、各病院では、排出事業者として委託契約を締結している中間処理業者の処理施設や最終処分場、そこにつきましても適宜現地調査を行うなどして、履行状況の確認に努めているところでございます。
○山口委員 医療系の感染性廃棄物の処理は適正に行われているということはわかりました。
ところで、高齢社会の進展に伴い、在宅で治療を続ける患者はふえています。在宅医療では、家族が、たんの吸引や導尿カテーテルの交換などの処置を行う場合が生じてきます。また、糖尿病患者の中にはインシュリンの自己注射を行っているなど、医療機関外での医療行為も広がってきています。
このように、在宅医療の進展に伴い、注射器等の医療系廃棄物が家庭からも多く排出されるようになってきています。ごみ収集時の作業員の針刺し事故が問題にもなっています。
そこで、都立病院では、在宅医療を行っている患者が使用した注射器等についてどのように処分されているのか伺います。
○鈴木サービス推進部長 都立病院では、在宅医療で患者さんが使用いたしました注射器等につきましては、原則、外来にその患者さんが受診されたときに回収を行っています。あるいは、職員が在宅医療に訪問した際にも回収しまして、病院で発生した感染性廃棄物とともに、先ほど申し上げました方法で処理をしております。
なお、院外処方で購入された注射針等につきましては、東京都薬剤師会の実施しております在宅医療廃棄物回収事業というのがございますが、それにより各薬局で収集し、適正に処理されているというふうにお伺いしております。
○山口委員 次に、がん診療について何点か伺います。
がん診療連携拠点病院は、地域における連携を図りつつ、質の高いがん医療を受けることができる体制を確保するという観点から、一定のがん診療の体制を整えていると見られる病院を国が指定するものです。現在、都立病院では、各都道府県二次医療圏に一カ所程度とされる地域がん診療連携拠点病院の一つとして、都立駒込病院が指定されています。
本年二月に、厚労省ががん診療連携拠点病院の指定要件を見直し、新たに整備指針が示されたと聞いていますが、どのような見直しがされたのか伺います。
○岸上参事 厚生労働省から新たに示された、がん診療連携拠点病院の整備に関する指針によりまして、質の高いがん医療体制の確保、地域の医療機関との診療連携の推進、患者等に対する相談支援機能の強化という観点から、これまでの方針が見直されました。
具体的には、専門的ながん医療に携わる医療従事者の配置、集学的治療や診療ガイドラインに準ずる標準的治療の実施、病院内外の患者等に対する相談支援センターの設置、地域のかかりつけ医等とともに行う公開カンファレンスの開催などの要件が新たに加えられております。
また、都道府県に一カ所程度、都道府県がん診療連携拠点病院を整備することが新たに加えられました。
○山口委員 がん診療連携拠点病院では、その病院にかかっていない患者と家族に対して、地域住民からの相談を行う相談支援センターの設置が義務づけられたということですが、駒込病院ではどのように取り組まれているのでしょうか。
○岸上参事 現在、駒込病院では、医療相談室、看護相談室、医療情報・相談室が連携をとりながら、患者、家族の相談等に応じております。医療相談室では、退院時の相談、援助や経済問題に係る相談、援助を行い、看護相談室では、医療依存度の高い患者の在宅療養に関する相談、調整を行っているほか、医療情報・相談室では、医学図書、医学雑誌、ビデオ等の閲覧による情報提供等を行っております。
今後は、これらの機能を連携させ充実していくことが必要でありまして、現在、病院内で詳細を検討しているところでございます。
○山口委員 連携拠点病院として取り組まれている緩和ケアとともに、緩和ケアチームの設置についてはどのような取り組みがされているのか伺います。
○岸上参事 駒込病院におきまして、現在、専用病棟は有していないものの、麻酔科、化学療法科等の医師、がん看護専門看護師、心理士、MSW、薬剤師、栄養士等による緩和ケアキャンサーボードを行っております。
がんの患者さんが抱える多様な苦痛に対して、さまざまな職種で構成するカンファレンスを行い、苦痛緩和に有効な治療方法等について検討していくもので、終末期の患者のほか、がん告知後の精神的苦痛から、がん治療中のさまざまな苦痛問題に至るまで、悩みを抱えるすべてのがん患者さんを対象に実施しております。
○山口委員 ところで、がんの告知についてですが、三十年前に私も身内をがんで亡くしたことがありますが、その当時は、がんを告知するというのはむしろまれなことで、絶対に告知をしないというような形で進められていた経験がありますけれども、最近はインフォームド・コンセントの考え方も浸透して、患者自身も自分の体、そして病気についてきちんと事実を知ることによって、最適な治療を受けることができますし、医療者と患者がともに治療に取り組む体制が生まれるものと考えます。しかし、告知に当たっては、その後のフォローも含め、丁寧かつ慎重に当たらなければなりません。
そこで、都立病院では、がん患者への告知について、都立病院としての共通の考え方があるのか、あるいは各病院の判断に任されているのか伺います。
○岸上参事 平成十三年二月に、東京都立病院倫理委員会から、都立病院における末期医療のあり方についての報告書が提出されまして、末期がん患者さんへの対応について一定の方向性が示されております。
報告書では、告知に積極的に取り組むことを原則としつつ、告知すべきか否かの判断、告知の方法、告知後の支援体制などについて特に配慮すべき事項が示されています。
各病院におきましては、この報告書に基づき、患者や家族の意思を尊重しながら告知を実施しております。
○山口委員 検診による早期発見、早期治療が可能になったことや、医療の進歩により、がんと診断されても完治する例もふえていますが、いまだに、がんは死因のトップということで、残念ながら手おくれという場合、現在、延命治療よりも緩和ケアをという考え方に変わってきていると思うのです。
そこで求められるのがターミナルケアですが、ターミナルケアは、単なる診療に終わるのではなく、亡くなるときまで少しでも快適に、そして本人の意思で人生を選択しながら生きることができるように、職員の一人一人がそれぞれの職分を生かしながら、共同してみとりをすることだと思っています。
ターミナルケア医療の都立病院での現状について伺います。
○岸上参事 緩和医療に関する都立病院の取り組みとしましては、現在、豊島病院で緩和ケアの専用病床二十床を設置しております。
緩和ケア病床では、専任医師、看護師が入院患者及び外来患者に対応し、全人的医療を提供するため、医師、看護師、MSW、栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床心理士で構成されるPCU、緩和ケア病棟でございますけれども、PCU合同サポートチームによる症例検討等を行いまして、がんの進行に伴って発現する身体的、精神的苦痛に対応できる医療の質の向上に努めております。
また、駒込病院におきまして、現在、専用病棟は有していないものの、先ほどお話ししましたように、医師、看護師、心理士等を含めたチームによりまして、一般病棟において、身体的、精神的苦痛など、さまざまな問題を抱える患者さんに対しまして、協力して緩和ケアを行っております。
○山口委員 緩和ケアについては、結構、亡くなられた後の家族へのケアということも行っている。諏訪中央病院なんかは、医師の方たちが、亡くなられた家族の方にも、その後お訪ねしてサポートをするというようなことも行っているというふうに聞いています。
また、ちゃんと緩和ケアのボランティア育成、そういった研修もしながら、地域の方たちにもボランティアとして参加していただいているというような、大変幅広い緩和ケアが行われている事例などもあると思いますので、こんなことも充実させていただきたいと思います。
専門性も非常に高い分野ですので、その受け入れ体制も十分とはいえないのが現状かと思います。豊島病院でも二十床ということで、希望してもすぐに入院が可能というわけにはいかないと思うのですが、今後、都立病院ではターミナルケア医療についてどのように取り組んでいくのか伺います。
○岸上参事 既にご承知のとおり、駒込病院におきましては、がん・感染症医療センターとして整備するため、大規模な改修工事を計画しております。この中で新たに緩和ケア病棟を設置することにしておりまして、療養環境に配慮した病棟にしていく計画でございます。
今後は、施設整備とともに、がん診療連携拠点病院としての機能を発揮していくため、緩和医療体制の充実を図り、都立病院の先導的な役割を果たしてまいります。
○山口委員 死をタブー視する時代から、死と向かい合い、人生の終わりを、その人らしい輝かしい生を送ることで全うできたらと、臨終の迎え方も時代とともに変わってきました。
しかし、古くからいわれる畳の上の死、つまり自宅で最期のときを迎えたいという願いは、本当に今も変わることがなく、また逆に現在は、はっきりとそのことを何とか達成したいという人たちもふえてきています。そのことを実現しようとするときには、往診や訪問看護による在宅医療のネットワークが不可欠となります。
最後に、在宅のターミナルケア患者に対して、都立病院としてはどのような支援を行っていくのか伺います。
○岸上参事 駒込病院などにおきましては、これまでも、医療相談室、看護相談室が中心となって、在宅医療へ移行する患者さんや家族に対して指導教育を行ったり、地域の訪問看護ステーションと連絡をとりながら、地域につないできたところでございます。
今後は、がん診療連携拠点病院の整備に関する指針にもありますように、退院患者の外来での緩和医療の提供や、地域におけるかかりつけ医を中心とした緩和医療の提供体制の整備が必要となってくると考えております。また、かかりつけ医と連携した退院後の緩和医療計画の作成など、地域での緩和医療に関する連携体制を構築していくことも必要でございます。これらを順次整備していくことによりまして、在宅医療へ移行した患者さんへの支援を充実してまいります。
○山口委員 厚労省も在宅医療の推進を打ち出し、本年四月には在宅療養支援診療所制度を新設しました。また、がん患者からの要望の強い緩和治療にも、来年度からは本格的に乗り出すことになっています。
地域には、在宅医療を中心に地域医療の充実をと、熱意を持って取り組んでいる医療機関も芽生えてきていますので、ぜひこの連携という取り組みを進めていただきたいと思っております。先ほど、地域医療支援病院に公社病院が指定されているということも聞きましたので、期待をしたいというふうに思います。
今後も需要の高まる緩和ケアやターミナルケアについては、終末期を迎え、病気との闘いが一定程度終わったとしても、そのプロセスを支える病院として都立病院が機能することを期待したいと思っています。
終わります。
○長橋委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十七分休憩
午後三時十三分開議
○長橋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○野島委員 何点か簡潔に質問いたします。
前回の委員会で、本部長の方から、都立病院の役割と地域医療の確保ということで、都立病院では、限られた医療資源を有効に活用し、その役割である行政的医療を適正に提供していくために、医療機能の集約を図っていく、こんな役割を持っていると伺いました。
それと同時に、具体的には、小児医療に関しては清瀬小児病院、八王子小児、それから梅ケ丘病院を移転統合して府中キャンパスに小児総合医療センターを整備していく、こういうことで着実に進んでいるわけであります。
本件については、私も何回か、去年、厚生委員会に所属しておりましたんで、そこで質疑もいたしてまいったところであります。平成二十一年度の末の開設ということでありますから、あと三年有余あると思うんでありますが、着実な準備を進めていただきまして、都民の期待にこたえられる、いわゆる行政的医療を着実にやっていく小児医療に関するセンター病院を整備していただきたい、こんなふうに思っております。
これに関連しまして、接続詞としては、その際には、となっているんですが、移転統合等の対象病院がこれまで地域で提供していた初期医療等の医療機能について、地域住民が安心して身近な地域で適切な医療が受けられるよう、地元自治体を中心とした地域医療提供体制確保のための取り組みに対して可能な限り支援をしていく、こういうふうなお話も拝聴いたしました。
私は実は清瀬小児の所在するところにおりまして、今まで、行政的医療だとか、それが一次で市町村の役割だとか、それは二次だとか、そういうことは余り関係なく、地域の病院として皆さん大変親しみを持って、かつ信頼を寄せて利用してきた、こういうことでございます。
しかし、そういう都立病院改革の一連のワン・オブ・ゼムで、清瀬小児についても統合していくよということでございましたので、たしか平成十四年の第二回定例会だったと思いますが、それを皮切りに、去年の厚生委員会ほか定点観測的にこの問題を取り上げて伺ってきたところでございます。
きょう、資料の提供をいただきました。昨年四月に多摩北部医療センターとして保健医療公社の病院となると同時に、小児科を設置いたしたわけでありまして、そして六月からは救急の取り扱いを始めた。年度の途中でありますが、多摩北部医療センターについては、救急患者が二・〇人、清瀬小児の方はマイナス一・九というようなことで、データ的には出てまいります。
ただ、まだそんなに、正直なところ、うちの方でいうと、やっぱり何ていったって清瀬小児病院なんですよ。多摩北部医療何とかかんとか小児科なんていうのは長過ぎるし、まだブランドが浸透していない。
そんなことで、まだまだこれからもいろんな取り組みをお願いしていかなきゃいけないわけでありますけれども、いわば機能面でそっちに行っちゃうけれども、我々の気持ちからすると地域の大切な病院だったよということなもんですから、多摩北部医療センターの充実を急ぎつつ、やっていかなければならない、清瀬の病院の廃止もね、そんなふうに思っているんです。
そこで、その際に必要なのは、この清瀬小児病院の利用実態に合わせながらやっていかなきゃいけないというふうに、以前から私は主張もしてきたところなんでありますが、この救急患者さんの実績、地域と、さっきいろんな話が出ました。医療機能というのは、正直なところなかなか理解しにくい。地域ということになると、物すごく理解できるんです。何も私なんかは、荏原病院が都立であろうが公社であろうが、そんなところ行かない。しかし現実として、その病院改革マスタープラン及び都立病院改革実行プログラムという中では、そういう部分を意識しながらやっていかなきゃいけないし、我々もそういう意味では、そういう大きな流れの中で、それを認識しながら、これからのいろんな地域医療のあり方、都立病院の果たす役割、あるいは公社病院がどういう支援策をとってくれるのか、こんなことを意識しなきゃいけないわけでありますので、まず、この救急患者さんの実績の居住地別の利用状態、こんなところを教えていただきたいと思います。
○及川経営企画部長 清瀬小児病院の平成十七年度におきます時間外の救急患者さんの状況を見てみますと、地域別でございますが、地元の清瀬市が一九・四%、それから東村山市で一九・八%、東久留米市で一五・五%と、この三市の合計で五四・七%となっておりまして、この数字に西東京市、小平市を加えました北多摩北部二次保健医療圏全体では六一・二%を占めております。
また、隣接いたします埼玉県からの患者さんも二七・三%ございまして、一定の割合を占めているということでございます。
○野島委員 今お話を伺いまして、二次医療圏、これは私どもそこなんですけれども、それと埼玉県、所沢とか新座とか、清瀬といったって、あそこの病院は本当に都県境ですから、これを合わせると八八・五%ぐらいになりますかな。ちなみに、二次医療圏を構成する西東京、小平、これが六一・二から五四・七だから、六・五ぐらいになる。小平は昭和病院を持っているからね。西東京というのは、昔、宿場町だったもんですから、そういう医療機能の集積なんかあって、このごろ小児科医の確保に大変ご苦労されているというふうに、聞いておりますけれども、比較的そっちにシフトできるんですよ。そうすると、どうしても清瀬、東久留米、東村山、こういうことになりますし、利用状態がそんなところは、なるほどなと思うんですね。
実は、前は四割以上が都外の患者さんでしたというふうに伺いました。何も東京都以外の人が来ちゃいけないなんて、そういうことをいっているんじゃないんですよ。東京都の人だって、神奈川の病院に行ったり埼玉の病院に行ったり、千葉の病院に行く人もいるかもしれないけれど、そういうことでやっているわけです。ただ、東京都が行政としてサービスを提供するときに、そういう利用実態がどうなっているかということは、都民の税金を使っているんだから、意識するのは当たり前のことだろうと思っておるわけでございます。
さっきもいろいろ議論がありました。いわゆる医療機能としての側面という部分と、我々体を壊したとき、医療機能--滑った転んだは意識しないですよ。やっぱり地域なんですね、体が悪くなって、あさっての方まで行かないですから。ぜひ地域で、一次、二次、三次なんて、そんなの気にしない、治してくれりゃいいんですよ。
そういうところなんでありますが、要するに行政のシステム、あるいは病院を経営していく、あるいは地域医療、こういったさまざまな分野で、そこに公費が投入されていくわけでありますから、そういう機能論と地域性という二つの側面を考えていくことが大事である、こんなふうに思っております。
それで、今後のこの北多摩北部地域のことを考えますと、冒頭の本部長の二つのキーフレーズでいきますと、高度で専門的医療になるのは府中の小児総合医療センターの役割です、こういうふうになっていくわけですよね。他方、地域性の部分で、僕が患者だとすると、高度なところでなきゃ、あんた治らないよといわれたら、そっちでちゃんとやってもらいましょうよ、こういうことでありますし、一般的な、小児医療についていえば、小児救急、こういったものは地域の医療として、地域の医師会とも協力する。あるいは地域の自治体、こういったところと十分連携協力しながら、多摩北部医療センターで対応していかなければならないと思うんですね。皆さんは、行くべきであるというプランを持って、そういうことで実行プログラムを持っているわけです。我々の側からすると、そこに頼るしかないだろうということで、そういうふうにしなければならないという立場に置かれるわけでございます。
今回のこのいろんな資料を拝読いたしまして、いわゆる小児医療については特に外来だけで済んでしまう率が多いことがはっきりしているわけですね。十七年度だと、九割三分ぐらいが初期患者だということであります。
救急を必要とするかどうかというのは、今、家庭のノウハウ、知恵というとおかしいんだけど、それがないもんですから。昔はおばあちゃんなんかいて、熱が出ると、ああそれは心配ない、番茶飲ましておきゃいいとかね。アメリカじゃコーラ飲ませろというらしいんだけど、日本では番茶を冷やして飲ませておきゃいいというのが大体相場だったんですよ。そういうのがないんだから、あたふたして、ともかく救急車でどこか行かなきゃと、こういうことになっちゃうのが実態だろうと思うんですね。
そんなことで、ここに資料もいただいているんですが、実は初期救急患者さんに対応するために、四市と五医師会、二次医療圏五市あるんだけれど、この四市というのがみそなんで、それは、今日は触れません、とやかくいってもしようがないことなんで。それと五医師会が協力して、多摩北部医療センターでは昨年六月から初期救急事業を始めたという経過を承知しております。自治体が共同してやったというのは、ここが初めてだと思うんです。例えば、区は区でやりますよ、何々市は何々市でやりますよということですが、隣接自治体が協力して始めたのは、ここが初めてだと思います。
実はこの事業は、医師会の先生方が先導的にご苦労いただいたんです。むしろ行政は後からついていったというと、うちの方の市長さんに怒られちやうんだけど、そんな経過があるんですね。昨年度の実績が一日当たり二・四人。ことしは八月までですが、わずかにふえて三・四人、こういう状態でございます。
私から申すまでもなく、火曜日と金曜日の二日間の実施ということでありますので、利用しづらい側面があると同時に、まさか遠くの方から小児科の先生が来て、準夜間救急、昼間自分のところで医療行為をして、ああもう北多摩北部は大変だから、多摩北部医療センターでやっている、この五市の共同事業のためにというお医者さんは僕はそんなにいないと思うし、地域の小児科のお医者さんも数的にそんなに多くない。昼間開業して、夜間ということになると、なかなか困難だろうということでも、一生懸命やっていただいているんですが、そういう実態はありますが、それらを充実していかなきゃいけない。こんなふうに思っておりますが、どのような取り組みがなされているのか、お伺いしたいと思います。
○及川経営企画部長 お話にございます四市五医師会による北多摩北部地域平日夜間小児初期救急医療事業につきましては、平成十七年六月の事業開始当時から、これは目標でございますが、週五日の実施を目指すということでスタートしておりますが、今ご指摘のとおり、現在は二日ということでございます。現在、地元市とそれぞれの医師会等で構成いたします協議会が中心となりまして、この充実策の検討を進めております。
また、都内の救急医療体制整備を所管いたします福祉保健局及び私ども病院経営本部を交えまして、この事業充実に向けました協議を進めているところでございます。病院経営本部といたしましても、福祉保健局と連携いたしまして、地域の実情を踏まえながら、本事業の拡充に向けましてできるだけの協力をしていきたいというふうに考えております。
○野島委員 わかりました。当初の目的に向かって、現に有するさまざまな資源の中で、そういう状態だと。いろいろ条件整備をしながら、ぜひ五日間という完全な形になるように。もちろん役割としては地元市の事業であるということは十分承知しておりますが、都として最大限のバックアップをしていただきたい、こんなふうに思います。
九十何%がそういうことで、もう治っちゃうということがあっても、やっぱり入院が必要なときにちゃんと地域で対応できる二次救急体制の充実も当然していかなければならないわけでありまして、それでもだめな場合には府中に行く、こういう機能面からのものを市民の皆さんにも理解していただかなければならないだろうと思っております。
そこで、そういうふうな形でやっていくのに、現在取り組んでいる平日夜間の小児初期救急事業から、入院だといったケースというのはどの程度あるものなのか、教えていただければと思います。
○及川経営企画部長 平日夜間の小児初期救急事業の実績でございますが、平成十七年度は六月からスタートしております。この実績といたしましては百九十六人、そのうち入院をなさった方は五人ということで、率で申しますと二・六%です。
平成十八年度は、四月から八月までの実績でございますが、初期救急事業といたしましては百四十二人ございまして、そのうち三人の方が入院、率といたしますと二・一%というふうになっております。
○野島委員 ありがとうございました。
まだスタートしたばかりでございますので、さっきいったブランドの力もまだ上がっていませんから、そういう実態だということは、なるほどなというふうに理解をいたします。
現在、そういうことで、清瀬小児がありながら、いわば多摩北部医療センター、そこでも小児科を設置して救急もやっていますよという一方、共同事業もありますよという枠組みで、いわば病院経営本部にとっては、これはダブルトラックで走らせているわけですよね。やっぱり一気にシフトなんかできないですから、そういうダブルトラックでうまくこちらの線路に入っていくようなことがなお必要になってくるのかなと思っております。いろんな困難な課題があると思いますが、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
今後、必要なことは、地域の初期事業を多摩北部医療センターで行っている二次医療に円滑につなげるためにも、多摩北部医療センターの小児科を充実させて、地域医療の核として、今後の清瀬小児病院がなくなっちゃうというか、機能が向こうへ行っちゃうわけですから、機能面と地域性というのを今まで話をしてきましたけれども、なるほど私たちは安心だなというふうなことになっていくことが一番重要だろうと思っております。
そこで、実はことしの十月十五日に、清瀬市の市報があるんですよ、さっきもあったように、清瀬にありますんで、ここでのその日の課題は、この北多摩北部医療圏における小児医療体制をどう整備するかという会合を、五市の市長さんと医師会長さんと話し合ったということでございます。一々読んでいる必要もありませんので、簡単に申し上げますと、今の実態の中で、受け皿となる多摩北部医療センターでの小児科の体制強化が最低限必要である、こういうふうにいって、それは医師会なり市、それから東京都も協力しながらということであります。そんなことの市長さんの思いもございますし、五市の市長さんと医師会の会長さんとの会合でありますから、恐らくは共通の認識として出てきたものというふうに私は推測をいたしております。
そこで、今後、この北多摩北部地域で小児科の医療体制を整備し、安心のシステムを築いていくためにも、私はこの市長さんと思いを一緒にしておりまして、多摩北部医療センターがみずからの役割をしっかりと--今までるる機能面とか地域性とか、いろいろ伺いました。あるいは地元の市のかかわり等いろいろ伺いました。こういったふうなもの、ちゃんとシステムアップをして安心を与えていくということが必要だと思いますが、東京都としては今後どんなふうな取り組みをなされていくのか、お伺いしたいと思います。
○及川経営企画部長 清瀬小児病院の移転に向けまして、円滑にこの地域の小児医療を多摩北部医療センターに引き継いでいくためには、先生たびたびご指摘いただいているとおり、段階的に多摩北部医療センターの小児科を充実強化していかなければならないというふうに考えております。そのためには、何といっても医師や看護師など人材の計画的な確保、育成が不可欠でございます。
また、移転は平成二十一年度末を計画しておりますので、遅くともその一年前ぐらいには体制の整備にめどがついていなければならないというふうにも考えております。
このような課題の解決に向けまして、今後とも、運営に当たっております保健医療公社や同センターとも密接に連携を図りながら、問題解決に向けて全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。
○野島委員 よろしくお願いします。
それで、冒頭の二つのキーフレーズのうち、いわば私のとらえ方は、マスタープランあるいは実行計画といったようなもので動いているわけですが、最初にいった方のことからすれば、都立病院改革というのはまさしく機能分担論で始まっているんですよね、正直なところ。だから、そういう意味でいうと、初期、二次、三次という縦軸の中では当然整理をされていきますよ、三次の部分、それで二次の部分がどういうふうになっていくか、こういうことだろうと私はとらえているんですよ。
ただ、それだけじゃないですよ。地域という側面からとらえた場合に、縦軸と横軸をどう合わせながら、二次医療圏の中にあるこの多摩北部医療センターを、地域と連携しながら、有機的に地域の一次と結びつけながら充実させていかなければならない。いわば縦と横が交わる部分をクロスさせながら、そこを重層的に、東京都だけじゃないよと、地元医師会、それから医療圏を構成する地元の市、そんなことだろうというふうに思っております。
そんなことで、今回、公社病院の所管が病院経営本部になりました。ただ、地域医療政策というのは、基本的には福祉保健局マターだと僕は思うんですね。そういう意味では皆さんには大変言葉が悪いかもしれないけれども、地域医療で、あの病院をどういうふうに育てていくかということについては、皆さん、ある意味で病院経営本部はラインの部分になっちゃうと思うんですね、正直なところ。地域医療政策としてこれこれしかじかだから、これは市区町村、これは二次医療圏にある公社病院が担おうじゃないかとか、そうすると、それを着実にやっていかなきゃいけない、こういうラインの部分に、ある部分では行政システム上なるんじゃないかと思うんですね。
ところが、病院経営本部の職員の皆さん、よくやってくれています。地域の市長さんと怒られながら懇談したり、あるいは、ああ、なるほどこの地域については小児科のこの病院は、この小児科の先生がなかなか確保は困難だという実情をちゃんと把握したりして、よくやっていただいておりますが、私たちから見ますと、いやそれは福祉保健局、いやそれは病院経営本部、いや病院経営本部の中でもそれは地域の医療公社が担う部分とか、あると思うんです。それはしようがないです、行政というのはそういうものでありますから。我々は理解しますが、一般的にはなかなか理解されませんので、今日まで大変なご努力をいただいていることに感謝を申し上げながら、この次が二十一年度末ということでございますと、私はこの次、選挙に出るかどうかわかりませんが、二十一年の都議会議員選挙があるんですよ。ぜひそれまでに--さっき、一年ぐらい前までには安定的なシステムをつくるというふうにお話をして、準備体制をしっかりやっていただけるということでございます。
二十一年度の末だから、二十二年三月なんですよ。私たちの選挙は二十一年の夏なんですよ。前回、共産党の候補者にさんざんいじめられました。そういうことで、別に政治的にはいいんです。正しいことは胸を張ってやっていきたい。現実的に施策の展開をどうやっていくというのが、我が自由民主党の体質でございますから、選挙はどうでもいいんですが、一刻も早く地域の小児医療に対しての安心感をお届けいただきたいことを心から切望いたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○谷村委員 それでは、平成十七年四月から保健医療公社に移管をされました、それまで多摩老人医療センター、平成十七年四月からは多摩北部医療センターとしてスタートしたわけですけれども、その多摩北部医療センターの婦人科外来に絞ってお尋ねしたいと思います。
まず、この多摩老人医療センターを公社に移管した理由について、前提として確認をさせていただきたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 公社に移管した理由でございますが、多摩老人医療センターが立地しますこの地域でございますが、急性期医療を行っている医療機関が少ないという現状がございます。このため、同センターは、高齢者に限らず一般患者を受け入れ、地域の医療機関等との連携のもとに継続性のある一貫した医療を提供していくことが、医療資源の有効活用につながり、ひいては地域全体の医療サービスの向上を図ることが可能となるという考え方から移管することとしたものでございます。
○谷村委員 それで、もう一つの前提といたしまして、この多摩老人医療センター、多摩北部医療センターとして公社移管、そしてそれをスタートする際に、移管後の医療機能についてはどういう検討を行い、そしてどういう結論に至ったのか、お尋ねいたします。
○鈴木サービス推進部長 老人医療センター移管後の医療機能についてでございますが、公社へその運営を移管するに当たりましては、平成十五年十一月に、地元の医師会、地元行政機関、それから学識経験者等で構成します多摩北部地域病院運営協議会準備会、こういう名称の協議組織を設置いたしました。平成十六年七月までの約八カ月間、病院における基本的な医療機能や医療連携のあり方等の検討を行っています。
この検討結果を踏まえまして、当時の福祉局、それから健康局、病院経営本部の三局及び公社等のメンバーで構成された、行政側の検討組織でございます公社化検討委員会で、医療機能について行政としての最終的な結論を出しております。
この公社化検討委員会の最終報告では、地域の医療ニーズを踏まえ、おおむね現在の診療機能を基本とし、新たに小児から一般成人までの医療を提供していくということが提言されております。
○谷村委員 それで、その公社化検討委員会におきまして、婦人科外来、いわゆる多摩北部医療センターとしてスタートしてずっと休診になっているわけですけれども、その婦人科外来の位置づけというのは、この検討委員会でどういうふうにされたんでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 婦人科外来の位置づけですが、この公社化検討委員会の最終報告では--当時休止しておりました婦人科の外来を再開するために医師の確保に努力していくという、運営協議会準備会という地元の協議組織では、医師の確保を努力していくというご意見をいただいています。それを踏まえた上で、現行どおりの医療機能を維持していくということで、婦人科外来をそのまま開設していくということでされております。
○谷村委員 その医師の確保に努力していくという、この婦人科外来ですけれども、公社化を検討するに当たって、どういう診療科を残し、どういう診療科は公社移管に当たっては必要ないかというさまざまな議論が行われたわけですけれども、では、なぜ婦人科を残すというふうにしたのか、その検討状況についてお尋ねいたします。
○鈴木サービス推進部長 多摩老人医療センター公社移管に当たりましては、いわゆる総合病院として機能するようにということでございます。総合病院として機能する際には、この婦人科の機能というものは必要な事項ということで、これをそのまま残していくということで提言、方向性が示されたものと理解しております。
○谷村委員 今、総合病院という表現が出ました。公社に移管する際には、総合病院という表現は使わないで地域病院化する、こういう検討でした。総合病院という言葉を使った方がわかりやすいので、総合病院化するということですけれども、それでは、総合病院として機能している都立病院、それから公社病院において、婦人科外来のない病院というのは幾つありますでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 都立の小児とか、その精神を除いたいわゆる総合病院、あるいは公社の病院、これを含めますと十一病院あるんですが、それぞれ婦人科の外来は設置されております。
○谷村委員 いわゆる総合病院化を目指して、北多摩北部医療圏にそういう医療機能がないからということで、総合病院化するということを目指して、どの総合病院にもある婦人科外来というのが、平成十七年四月から公社に移管されて、スタートして一年半以上たっているわけですけれども、いまだに設置されておりません。その理由をお尋ねしたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 婦人科外来が再開できていない理由でございますが、病院及び公社では医師確保に努めているところでございますが、全国的に小児、麻酔、産科、こういった医師は不足しておりまして、多摩北部医療センターにおきましてもこの状況は変わっておりません。そういったことから、残念ながら現在まだ再開できずにいるという状況でございます。
○谷村委員 今のは病院経営本部としての認識だろうと思いますけれども、例えば平成十七年度に、一年間、婦人科外来というのは設置できなかったわけですけれども、保健医療公社からどういう報告を都としてお受けになっているのかお尋ねいたします。
○鈴木サービス推進部長 十七年度中となると、福祉保健局のことなんですが、ただいま、公社と行政側との関係では、逐一、例えば院長事務長会だとか、あるいは個別のものですと、その案件ごとに公社を通じて必要なものについては行政側に報告が上がる、随時それぞれ上がってくる、こういう仕組みになってございます。
○谷村委員 福祉保健局から、この多摩北部医療センターに婦人科が設置されていない理由を保健医療公社からどういうふうに報告を受けているかということについて、引き継いでいないんでしょうか。福祉保健局から病院経営本部に公社病院を移管したわけですね、担当が。その多摩北部医療センターに婦人科外来が、スタートしてから一年間設置できなかったことについて福祉保健局に報告された内容というのを、病院経営本部として引き継がれていないんでしょうか、いるんでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 今、再開できていない理由はどうだということを引き継いでいないかということですが、福祉保健局の方の担当からは、この十七年度中につきましては、病院、公社でそれぞれ大学医局あるいは地域の医療機関、医師会ですね、こちらの方にいろいろお願いはしているけれども、なかなか見つからなかったという状況で、今のところ再開ができていないという状況では、我々は聞いております。
○谷村委員 それではお尋ねしますが、公社病院に対する運営費補助金の推移の資料を本委員会に提出していただいております。十七年度決算では、四つの公社病院の運営費補助金が表記されておりますけれども、四つの公社病院の中で、多摩北部医療センターに対する補助金というのは十二億一千五百万、断トツに高いわけであります。これは決算額でしょうから、実際には、予算的にはもう少しいっていたんだろうと思うんです。平成十七年四月から、本来は婦人科外来を設置するという前提での補助金の予算額だったろうと思いますけれども、決算額として十二億一千五百万円。結果として、婦人科外来はできていないわけですね。それに関する予算残額というのがあるかと思いますけれども、どのくらい補助金としてバックされていますでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 公社に対します補助金の仕組みでございますが、現在、都立病院から公社に移管した病院につきましては、収支の差引不足を補てんするという形式になってございます。
ご指摘のように、十七年度の今の決算額十二億一千五百万につきましては、婦人科外来が設置できなかったことによる不用額といいましょうか、例えば医師の確保とか、そういったものを含めた結果としてこの部分を出しているので、余計な支出にはなっていないという状況でございます。
○谷村委員 これは、今度、来年度予算の審議の際にも確認をしたいと思いますけれども、都として、先ほどご説明ありましたけれども、移管後の医療機能についてどうするかということで、公社化検討委員会で、こういう診療科目を設置しますよと、総合病院化するに当たっては、こういう診療科目ということで一覧として出しているわけですね。それをやりますということで、公社は受けているわけですよね。それを、そのとおりやらない公社に対して、都としてはきちんと指導しなきゃいけないと思うんですが、これは先ほどご答弁では、行政としての最終的な結論を出したんだと。その行政としての最終的な結論で、婦人科外来は設置します、それまでの多摩老人医療センターでは婦人科外来はなかったけれども、休診していたけれども、多摩北部医療センターとして公社で移管を受けたからにはやりますよというのが本来の約束ですよね。そういうことについて含めて補助金というのは出しているわけです。それでできませんでしたと。だから、婦人科外来をするには、それなりの医師を雇わなきゃいけないわけですね。
婦人科外来を設置しようと設置しまいと、結局補助金に出たお金というのは変わらないというようなことでは、東京都として保健医療公社に対して、こんな指導もできない、物もいえないというようなことになってはいけないと思いますので、これは来年度予算審議の際にももう一度確認をさせていただきたいと思います。
補助金をきちんと出す以上は、やると確認されたことについてはきちんとやるべきだと私は思うんですけれども、その婦人科外来に関係する医師の確保について多摩北部医療センターとしてどういう取り組みをしてきたのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 婦人科外来の開設に向けた医師の確保の取り組みを多摩北部ではどうしたかということですが、多摩北部医療センターでは、十七年度について、大学の医局の方にお願いに行っています。それから公社としても、そのことをとらえまして、数カ所の大学医局の方に派遣方をお願いしている、こういう状況で聞いております。
○谷村委員 この多摩北部医療センターの婦人科外来を設置するに当たっての医師の確保というのは、だれの責任で行っているんでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 病院の医師の確保につきましては、基本的にはそれぞれの病院長、医療の専門家である病院長が確保の責任は持っております。
今回お尋ねの婦人科外来の件につきましては、そこでは、なかなか今確保ができていないということもあって、公社も一体となって、理事長を初め率先して大学医局等に接触している、こういう状況でございます。
○谷村委員 平成十七年度は、結果として結論的に婦人科外来をスタートさせることができなかったわけですけれども、十八年度は今どういう取り組み、医師の確保について、特に第一義的な病院長、この四月からかわっていると思いますけれども、医師の確保のためにどういう取り組みをしているのか。そのことについて、都として今年度はどういう報告を受けているのか。その医師の確保についての取り組み、その結果、状況というのを保健医療公社からどう受けているのかについてお尋ねします。
○鈴木サービス推進部長 多摩北部医療センターでは、今年度、医師確保に向けてどういう動きをしたかということでございますが、これにつきましては、具体的に今年度は動いたという報告は、我々は聞いておりません。
院長が交代して、その引き継ぎの際には、過去にこういう働きかけをしているんだけど、なかなか難しいという状況を、新院長の方はお聞きになっていたということもあるのか等ございます。
○谷村委員 そういう状況について、新しい院長というのは、今年度四月からついているわけですよね。年度の途中から新たに着任したわけではありませんよね。
この医師の確保について、だれの責任でするのかということを明確にして、その責任者は動いているのか、動いていないのかということをしないと、医師の確保というのは難しいんだ、難しいから婦人科外来はできていなくて当然なんだと。ほかの病院でも難しいんだから、もともと婦人科外来が休診していた病院に、その関連する医師を確保するのは難しいんだという、そのもやもやとした状況のご説明だけで終わってしまったのでは、いつまでたっても、多摩北部医療センターに婦人科外来を設置するといっておきながら、設置することはできないと思うんですよね。
責任を明確にするべきだと私は思いますけれども、この責任をとれという意味ではなくて、その医師の確保をする、あるいはその努力をする責任というのはきちんと明確にしていかなければならないと思うんです。
病院経営本部として、公社からそういった取り組み状況について、どのくらいの間隔で報告を受けているんでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 本件に関しましては、特に定例的に一カ月に一回とか、そういう報告の受け方はしておりません。実態的に、その病院で動いたり、あるいは何かの情報があって状況の変化があったといったときには報告をいただくようになっております。そういう状況でございます。
○谷村委員 状況の変化があったら報告を受けるということは、めどが立たなければ、いつまでも報告を問わないということですよね。報告がなければ、病院経営本部としても、あるいは東京都としても、どうなっているのか、ちゃんと対応して動いているのか、その進行管理はしていないということですよね。どうですか、もし間違っていれば。
○鈴木サービス推進部長 ただいま、病院経営本部として進行管理していないのかということなんですが、これにつきましては、先ほどもお話ししましたが、公社化検討委員会ということで行政の中でも決めたプランでございます。ですから、我々、進行管理はしております。ただ、定期的にそれはどうだという、そこの進行管理までいっていなかったというのが実態でございます。その点は大きく反省すべき点かとは存じております。
○谷村委員 それで、今年度中の多摩北部医療センターにおける婦人科外来の設置というのは既にあきらめていらっしゃるんですか。それはどうなんでしょうか。認識をお尋ねします。
○鈴木サービス推進部長 決して我々はあきらめておりません。再開に向けては、ぜひ医師の確保に、病院、公社、それから我々は今回病院経営本部という立場ですが、そこについて全面的な支援をするということで、今年度中はもう無理だからやめるという態度はとっておりません。考え方もとっておりません。
○谷村委員 多摩老人医療センターから、それが公社移管する、公社化するというような話の際には、地域ではさまざまな反対運動もありました。一部政党による意図的な不安をあおるような運動もありました。
しかし、高齢者専門の病院としてあった多摩老人医療センターが、これからの高齢社会を本格的に迎える中で、そして小児科病院あるいは小児科救急に対応できる機能も持てる総合病院が生まれるという期待の中で、さまざまな不安を払拭しながら、この地域としては公社化、都立病院ではなくなるけれども、地域病院、総合病院化するということで、この一つの改革というものを受け入れている経緯があるわけですね。先ほども確認いたしましたけれども、都立病院あるいは公社病院で、いわゆる総合病院機能を果たしている病院で、婦人科外来のない病院はないわけですね。
公社化することによって医療機能は下げません、むしろ高めていくんだというのが、この多摩北部医療センターを移管するまでのさまざまな説明であったと思いますし、取り組みであったと思うんですけれども、公社化してしまったら、もうその取り組みというのがどこかへ行ってしまうというようなことでは、私は大きく都政への信頼を揺るがしかねないと思うわけであります。
平成十七年四月から多摩北部医療センターとしてスタートして以来今日まで、婦人科外来が休診している、閉科、科として閉じていることについて、地域住民や都民に対してどういうインフォメーションをされているのでしょうか。
○鈴木サービス推進部長 現在休診しております婦人科外来の地域住民への周知ということだろうと思いますが、病院の窓口に、休診いたしますということで、その掲示をしております。あるいは、皆さんよくお使いいただきます病院のホームページで、その旨をお伝えしているところでございます。
あわせて、病院にそれぞれ患者さんの方からお問い合わせがあった場合などについては、そこでご説明している、こういう状況でございます。
○谷村委員 ということで、利用者に対して、その利用の必要のときにだけ、聞かれれば答えますよ、ごらんいただければわかりますよというインフォメーションですよね。
確かにホームページを拝見しますと、各外来診療の案内のところで、婦人科のところは、当面の間休診しますと。当面の間というのがどのぐらいを指すのか、一年を指すのか、二年を指すのか、五年を指すのか、十年を指すのか、全然わからない。
公社化するときには、私ども地元の東村山においても、市報等でご案内を出しているわけですね。公社化されるとこうなりますよ、総合病院化しますよというような、さまざまな案内をしているわけですけれど、結局そのとおりになっていないことを、関係する人が聞けば、ちょっと婦人科はやっていませんよというふうなものになっているわけで、私は、婦人科外来がきちんとスタートしていないということについて、説明できない状況にあるのではないかなというふうに危惧するわけであります。
そこで、多摩北部医療センターとして婦人科外来を本当に設置する気があるのかどうかですね。病院経営本部としてもしっかり保健医療公社に対して、それも含まれた補助金ですよと、この期限を切って。私はこれ、いつまでに設置するんだということを、都としても、くどいようですけれど、行政としての最終的な結論を出して、地域住民、関係者に説明しているわけですから、公社移管されてから、いつまでも設置されないというようなことでは許されないと思いますので、いつまでには設置するんだという期限を切っての、病院経営本部としての強い決意というものを、きょうは最後、お伺いしたいと思います。
○鈴木サービス推進部長 今、当面ということがあって、これはいつまでだっていうことなんですが、この当面の意味は、できるだけ早く再開したいという、そういう意味で当面という言葉を使っております。
今の婦人科外来の再開についてなんですけれども、これはもう先ほども申し上げましたけれども、公社化検討委員会の報告書の中にもあるとおり、早期に再開するということが必要です。こう考えておりますので、我々病院経営本部といたしましても、十九年度の当初には婦人科外来を再開させるべく、保健医療公社の方を指導していきたいというふうに考えてございます。
○谷村委員 その決意をしっかりと公社の方にも伝えていただいて、十九年度早期に婦人科外来が設置できるように。
そうなると、もう来年度予算審議の際には、ある程度目鼻、めどを立てておかなければ、そう簡単な話でもないと思いますし、進捗状況については、また一定等の審議で、予算審議等でも場合によってはお尋ねさせていただくかもしれませんので、東京都の強い意思というものを、ぜひ公社あるいは多摩北部医療センターに明確に伝えていただいて、婦人科外来の早期設置への対応をお願いしたいと思います。
以上です。
○吉田委員 私は、この事務事業質疑の機会に、PFI問題と独立行政法人化の検討について質疑をさせていただきます。
まず、PFIについてです。
多摩広域基幹病院、小児総合医療センターに続いて、駒込、さらに松沢と、都立病院で改修を伴うものについては軒並みといってよく、PFI導入とその準備が進められています。効率化やコストの縮減が効果として強調されていますが、全国の先駆けとして開設から一年余が経過した高知医療センターの実際の経過を見れば、高知の場合は中核企業がオリックスになっていますけれども、この一年余の中で、さまざまな問題点が浮き彫りになってまいりました。
多摩広域基幹病院と小児総合医療センターは、病床数で見ると、高知の約六百五十の二倍以上の一千三百五十床、しかも、広域基幹病院と小児医療センターを合体するという特別な構造を持っています。それだけに、高知以上に、PFIの導入をめぐってはさまざまな困難さや複雑さというものが伴っていると思います。既に契約まで進んでいますけれども、私は改めて慎重な検討、再検討が求められるべきだというふうに思います。
九月の厚生委員会での報告事項の質疑でこの問題を取り上げましたけれども、その後、改めて高知医療センターを訪問し、企業団の幹部からも直接この間の経過を話を聞いてまいりましたし、また、現都立府中病院についても、委託業務とその体制などについて話を伺ってまいりました。
そういう上に立って、何点か質問をさせていただきます。
まず、病院の管理維持、医療事務などの分野へのPFIの導入問題についてです。
この多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターに関して、設計や建設以外に、施設の管理維持、医療事務、医療関連サービスなどをPFI事業の対象にしていますが、それはどういう判断、理由から対象に挙げているのか、まず説明をお願いいたします。
○岸上参事 本件のPFI事業契約につきましては、設計建設から施設の維持管理、運営業務に至るまで、業務を包括してSPCに行わせるという契約でございます。
長期包括的な業務委託を行うことによりまして、一層きめ細かな患者サービスの提供とコストの削減が可能になるというふうに都が判断したものでございます。
○吉田委員 患者サービスの向上とコストの削減が可能だという説明なんですけれども、果たしてそういうふうにいえるのかどうかという点は、私は疑問を持っていますので、質問させていただきます。
まず、確認をしたいんですけれども、PFIの対象事業、すなわちSPCが請け負う事業として挙げている、この設計及び建設、さらに調達以外の仕事というものは、既に府中病院を見た場合には、現実に民間企業にすべて委託されて基本的には実施されていると思うんです。施設の管理あるいは病院事務、病棟事務その他、SPCにいわば出そうとする仕事というのは、既に現実に府中病院では民間企業に基本的に委託されて、東京都がそれを統括しているという形で行われていると思うんですが、いかがですか。
○岸上参事 都立病院におきましては、業務委託につきまして、民間企業の専門性、効率性等を活用することによりまして、患者サービスの向上と病院運営の簡素効率化を図る観点から業務委託を実施しております。府中病院におきましても、警備や清掃等の建物管理、医事や収納等の医療事務、病棟や薬剤管理部門における作業係業務を委託しているところでございます。
○吉田委員 今の委託のやり方や、あるいはコストが果たして適正か否かということは意見があるところでありますけれども、現状でいえば、すべてPFIで委託をしようとする分野というのは、既に企業に委託されているという現状があるわけですよね。では、すべてSPCがそれらの任務を背負って、東京都が今行っている仕事というのは全くなくなるのかということについて確認したいんです。
例えば、医療事務などは、窓口での受け付け、計算、個々の請求業務、あるいはそれの集計ということについては委託企業が行っている。しかし、その集計に基づいて、例えば分析だとか東京都への登録だとか、さらにさまざまな機関に対する請求業務というものは、東京都が医事課という機関を持っていて、そこで行っている。この関係というのは、PFI投入後はどうなるんでしょうか。東京都は一切そこから手を外すんでしょうか。
○岸上参事 都と事業者の役割分担につきましては、原則として都が示しました要求水準によることとなっておりまして、基本的な枠組みは現行と異なるものではございません。
○吉田委員 ですから、SPCがそういう分野を統括するにしても、その分、都が引き揚げるわけではなくて、現実に、わかりやすい例でいえば、医療事務でいえば現行どおりの体制で対応する。あるいは栄養などにかかわる分野で見ても、給食業務は民間企業に委託をして進めているけれども、東京都の職員が栄養士としてきちんと張りついて栄養管理を行っているという体制は、PFI導入後も変わらないわけですよ。したがって、私は、なぜそこにわざわざSPCを入れなければならないのかという点は、やはり極めて基本的な疑問として生じざるを得ないわけです。
さらに、いや、ただ委託を統括するだけではないんだと。要求水準書を見れば、最近非常にわからない言葉が多いんですけれども、例えばアベーラビリティー、医療提供環境を確保するという特別な仕事をSPCはするんだと。何をするのかといえば、各分野ごとに、例えば栄養なら栄養、食事ごとに一体的な体制で進めていく。二つ目に、ただ机に座っているだけではなくて、院内巡回チェックをして、SPCが現場を回りながらチェックをするんだと。三つ目に、さまざまな問題が起きたときには、一本化して窓口で対応する。そういう窓口一本化によるヘルプデスクを設置するんだというようなことが、非常にわかりにくいんですが、アベーラビリティーを確保するということの具体化だというふうにいっています。
しかし、この点を見ても、当然、参事も府中病院の事務局長をされていらっしゃったから、わかると思うんですけれども、当然それぞれの分野ごとに東京都の職員と委託企業の方々が一体となって進めているわけですよね。しかも、現場をそれぞれちゃんと見て回りながら、デスクワークだけじゃなくて、点検しているわけですよ。かつ、もし委託企業に何か問題が起きた場合に、その場で交渉するんじゃなくて、きちんと上に上げてしかるべきところで相談して解決する。今、極めてシステム的に確立されていると思うんですよ。あえて、わけがわからないアベーラビリティーなどという言葉を使わなくたって、実際には円滑な運営がされていて、そこにわざわざ全く別なSPCを入れるというのは、逆に機構を複雑化するだけではないか。直接の運営者である東京都と委託企業が一体になってやっていった方がはるかに効率的でコストダウンではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○岸上参事 これまでの委託業務契約におきましては、委託業務ごとに個別に契約を締結しておりまして、都が業務ごとに個々の事業者へ監督指導を行ってきております。
今回は、さまざまな業務を包括してSPCに行わせるという契約であるため、都からSPCに対して指示を行うことによりまして、SPCが全体を調整した上で協力企業へ指導を徹底するなど、効率的な管理が可能になるというふうに考えております。
なお、そもそもPFI事業につきましては、どういう業務の遂行を行うかにつきましては、基本的にはSPCの創意工夫に任されるという仕組みになっておりまして、そういう意味では、業務を統括する統括マネジメント能力とか、あるいは、さらには業務それ自体を場合によっては再編統合して、あるものは廃止をし、あるものは新たにつくるということも、業務を遂行するという目的にかなうのであれば、それが認められるという意味で、いわゆるサービスプロバイダー能力というものをSPCに求めております。
そういう意味では、単なる委託業務の包括化ということにとどまるものではないということを一言申し上げたいと思います。
○吉田委員 私は、今、都立病院の現場で事務局長を先頭に行っている体制で十分ではないかと。個々の委託業務だけではなくて、全体のまさにどういう医療を提供するのか、どういうふうに病院を運営するのかということと一体で、それに関連するこの業務をどうコーディネートするかが出るわけですよ。それを直で今やっていて、そこに新たに何か特別の専門家を招き入れる必要は全くないのではないかというふうに思わざるを得ないことと、もう一ついわせていただければ、そのサービスプロバイダーだ、いやSPCだということの関連なんですけれども、実は高知で開設から一年余を経て、例えば請求事務をめぐっても請求漏れが発生する。さらに、請求を出したんだけれども、その請求を出した文書に間違いがかつてよりはるかに多く発見されたということが、以前も紹介したかもしれませんが、新聞報道でされていました。
改めて、その事実について、私は、かち副委員長と一緒に行ったんです。高知の医療センターの全体を統括する幹部の方にお会いしましたけれども、まさに事実であって、なぜそういうことになったかといえば、そのSPCの中核企業はオリックスですけれども、このSPCがノウハウがなかった。より具体的にいえば、医療事務は統括するけれども、医事課長に相当するスタッフがいなかったんだと。そのために、出先の実務はできるけれども、それを統括することはできなかったというふうにいっているんですよ。
そういう点から見れば、果たしてそのSPCをもって東京都、今の皆さんをはるかに超えるだけの能力があるというふうに判断することは現時点では到底できない。しかも、今の委託業務というのは、改めて調べてみたら、そんな複雑じゃないんですよね。
それでお伺いしたいんですけれども、例えば、管理的な分野でいいますと、病院の空調、清掃、警備、電話交換、あるいは芝生の管理などという分野は、一体何者がその委託を受けているのか。もう一つ、病棟・外来事務、医療事務、病棟等作業委託は、それぞれ何者が委託を受けているのか、あるいは何者に委託を発注しているんですか。
○岸上参事 府中病院におきましては、委託業務ごとに委託業者の方に業務を発注しておりまして、例えば病院等の設備運転保守管理委託、これは名前を出して差し支えないと思いますが、太平ビルサービス株式会社、建物についても同じ太平ビルサービス株式会社、それから洗濯業務につきましては日本海綿業株式会社、あと病院調理等業務委託、病棟・外来業務委託、医事業務委託、収納業務委託、病棟等の作業業務委託、それから手術室・滅菌材料室の作業委託等について、それぞれ会社の方に委託しております。
○吉田委員 参事、私の質問にそのとおり答えていただきたいんですが、空調、清掃、警備、電話交換、芝生管理は一体何者に委託しているのか。それと、病棟・外来事務、医療事務、病棟等作業委託は何社に発注しているのか、お願いします。
○岸上参事 清掃、警備、電話交換業務、芝生等の管理業務につきましては一者、それから病棟等の作業業務委託についても一者に委託しております。
○吉田委員 ですから、お金の収納だとか、あるいは手術室・中央滅菌材料室作業委託という部分的な特殊な分野は個別の委託ですけれども、病院の全体としての施設の管理運営にかかわる委託業務というのは一者なんですよね。医療事務あるいは病棟内のさまざまな事務や作業というものも結局一者なんですよ。
ですから、何か委託先が複雑にあって、それを全体としてうまくコーディネートするのにすごい能力が必要だと。もちろん今の皆さん、大変能力を発揮されているんでしょうけれども、体制からいえば極めてシンプルなんですよ、中心は二者でやっているんですから。それをわざわざこのSPC、サービスプロバイダーだといってやる必要など、私は全くないと。
ちなみに、この要求水準書を見させていただくと、わざわざ委託業務を実施する業者の代表として委託費による利益のみを享受するような関係ではないと、ねらいは、というふうにありますけれど、私は結果的には、わざわざSPCを入れることによって、そこに中間マージンを当然取られることになるという意味では、SPCがその間に入って利益を得るという結果をつくることはもう明らかだというふうに思いますし、今のこの体制で特段の重大な問題が発生したなどということを、私は聞いたことがありません。
そういう点でいえば、こういう側面から見ても、あえてPFIを導入し、SPCにこうした分野をすべて事実上、丸投げするということは、逆に新たな財政負担と業務運営上の煩雑さというものをやっぱりつくり出すというふうにいわざるを得ないと思います。(発言する者あり)そんな、ごちゃごちゃいわないで。
二つ目に、高知に行って改めて確認をしてきたんですけれども、オリックスを中心とする中核企業が病院経営のノウハウが実はなかったということから、さまざまな問題が発生したというのが一つの大きな問題です。
もう一つ、高知で大きな問題になったのが材料費です。皆さん方も十分ご承知と思いますけれども、この材料費が契約で想定した入院外来収益、収益全体の中で占める比率が、高知では二三・四%というふうに想定しましたけれども、単年度で実際上は、はるかにそれを超えて材料費がかかった。支出せざるを得なかった。はみ出した増加分だけで八億円ですか、というふうに伝えられております。そして、一体その八億円の負担増がやむを得なかったのか、あるいはSPCの事業努力が足らなかったのか、どちらの責任で、どうこの八億を賄うかということが今継続的な協議課題になっていて、ということを聞きました。
材料費というと、私自身も最初は認識が甘かったんですけれども、全体の支出の中では非常に大きな分野を占めているんですね。しかも、高度な手術、医療をすればするほど、いわば手術代というのは丸々材料費で消えてしまうぐらいの比率を持っている。例えば、高知が明らかにした、後でもこれは触れますけれども、全体の契約金額の分野別に見ると、一番高いのは材料費なんですね。建設費よりもはるかに高いんです、材料費が。したがって、その材料費がどれだけ、どうコントロールされるか否かということが、そのバリュー・フォー・マネーの計算にも直結しますし、まさに運営の根幹にかかわる問題を占めているんです。
それで改めて、この多摩広域基幹病院、小児総合医療センターの場合で聞きたいんですけれども、東京におけるこのSPCとの契約では、材料費というものは総収入のどのぐらいで設定されているんですか。
○岸上参事 契約の個別の内訳につきましては、前回の委員会でも申し上げましたけれども、事業者が現在、協力企業等の選定等を行いまして、そこと契約交渉するという関係もございまして、そういう競争上の地位に支障が生ずるということもありまして、詳細な内訳はお示しできません。
○吉田委員 ちょっと理解できないんですけれども、どことどことの競争にとって不利益になるんですか、材料費を出すことは。
それと、要は私が知りたいのは、例えば、もし材料費を不足で設定した場合には、契約金額は既に前回お示しいただきましたけれども、結果的に、後になって、それよりはるかに追加して支払うことが余儀なくされる危険性があるじゃないですか。逆に、もし過大に材料費を設定して契約をしたとすれば、実際の材料費よりも過払いをそのSPCに対してするという不合理さも生まれるじゃないですか。
だから、低いんだろうというふうに私はいっているわけじゃないんですよ。どちらにしても、本来実績払いで積み重ねていけば、こういう問題にはならないんですよ。それを、一まとめで幾らで契約をするというやり方をするから、この設定というのは非常に重要な問題になるんですけれども、改めてちょっとお答えください。
○岸上参事 今の総額について示した場合にどういう支障があるのかというお尋ねにつきましては、基本的に今SPCが相手の調達をする会社を選定しまして、そこと価格交渉をこれから行うわけです。したがいまして、高知のように入院収益等の何%というような決め方の場合には、例えば総額方式でいった場合には、相手の方からするとその価格が予測されるということもございまして、それについては内訳は示せないというふうに申し上げています。
なお、私どもの方は、高知の事例についても検討しておりまして、今回の材料費につきましては、額は申し上げられませんけれども、積算につきましては、都が事業で想定をしている品目、それから数量に対しまして応募者が提案する価格に基づいて算出した額ということで出しておりまして、医業収益等に対して何%というような割合で定める高知の方式とは異なっております。
○吉田委員 ここで、そんな時間をとるつもりはなかったんですけれども、例えば医療機器を買うときに、初めからこの金額で買いますよということを示せば、相手との交渉上、それは不利になるから示さないというのはわかるんですよ。しかし、材料費というのは医療機器じゃないんですよ。薬品であり、あるいは注射針であり、カテーテルであり、ペースメーカーであり、それも一回買うわけじゃなくて、何十年、十五年間かけて買うわけでしょう。今その総額を示すことが購入先に不利になるなんていうことは事実上成り立たないんですよ。
しかも、あえていわせていただければ、なぜそういうことをきちんと説明できないのかと思うんです。これは、高知に行って、その事業団の幹部から直接いただいたものですけれども、このPFI事業契約金額の内訳を全部示しているんですよ。材料費幾らを設定しているかといえば、材料費も幾つか分かれますけれども、総額でいえば七百五十九億六千万。それで、その内訳は幾らかというふうに示しているんですよ。ですから当然、詳細な金額は無理かもしれないけど、東京都だったら、何割で示してはいないけれども、打ち出した金額は医業収入の大体何割ぐらいに相当しますよ、全く安心できますよというふうな答弁だってできるでしょう。どうですか。
○岸上参事 私どもとしましては、高知県についてあれこれ申し上げる立場にはございませんので、その評価はできかねます。
ただ、何回も申し上げますけれども、PFI事業というのは、SPCがその要求水準を達成するためにどういう手法を使って、どういう協力企業と契約を結んで、どのように行うかということについては、そのSPCの創意工夫にゆだねられている。極端にいいますと、先ほどの診療材料費につきましても、幾らで納品させるかということにつきましては、逆にいうと総額の範囲でSPCの創意工夫に任されている、そういう内容でございますので、基本的に委託契約の個別の内訳金額というものがそもそもございません。総価で、トータルで幾らという中で、性能の評価と価格の評価で総合評価をして選んだ、そういう制度でございます。
○吉田委員 総価で丸投げで、あとは知りませんよということは、やっぱり余りにも不透明過ぎると私は思うんです。前回の委員会にお示しされた資料というのは総価じゃなくて分野別なんですよ。私は、その分野別をもっときちんと示していただきたいということなんです。
高知についての論評を私は求めたわけじゃないんですよ。高知では少なくとも、我々のような直接関係しない部外者であったとしても、きちんと契約金額の内訳を示し、しかも私が驚いたのは、例えば配当金を幾ら契約の中から確保いたしますと、すなわち、この契約によってどれだけ自分たちは配当金を確保するかということも含めて、極めて透明に明らかにしているわけですよ。
総価でやって、一体どれだけ企業がもうけるのかは、それはもう全く相手次第。それは、そういう方法もあるかもしれませんけれども、私はやはり公がかかわる事業であるならば、ここまで明らかにするということが、議会との関係でも当然のことだと。高知ではされているんだと。差し上げますよ、必要なら。ここまで詳しいんですよ。(「理事会に事前に出してよ、資料を配るんなら」と呼ぶ者あり)配っているわけじゃないんだよ。
そうしたことを改めて私は強調しておきますし、これは材料費だけの問題ではないんですよね。前回も質疑しましたけれども、果たして清水建設が中核企業で、悪いんだけど、本当に病院経営のノウハウがあるのかという質問に対しても、いや、まだ協力企業が定まっていませんから何とも説明できませんということがありましたけれども、私はやはり議会に対しても、都民に対しても、もっと透明性を確保して明らかにするということが、この多摩広域基幹病院、小児総合医療センターだけの問題ではなく、今後の問題として改めて要望しておきたいと思います。
次に、独立行政法人化の検討について何点か質問させていただきます。
行財政改革実行プログラムでは突如として、都立病院について、独立行政法人化などを視野に入れた経営形態の検討ということが打ち出されました。しかも、これ、一気に一年間で具体化するかのような記述となっています。
いうまでもなく独立行政法人化は病院経営の根幹にかかわる問題であり、独法化ということになれば、病院の運営、体制、雇用条件などの変更を呼び起こしかねませんし、患者サービスにも影響を及ぼすという、極めて部分的な問題ではなくて、いわば都立病院の運営の前提的な問題が検討されようということだと思います。
そこで、まず伺いたいんですけれども、行財政改革実行プログラムでは、あえて一般的に経営形態の検討を提起しているのではなくて、視野に入れという文言を使って、唯一例示として独立行政法人化というふうな記述になっていますね。一般的に運営形態を今後検討せよ、するということではなくて、具体例として唯一独立行政法人化という文言が出ています。
これまでの経過でいえば、例えば公営企業の全適用というふうなことも課題がありましたけれども、独法化のみを例示して視野に入れるというふうに記述していることは、具体的にどういう意味を持っているのかということについて伺いたいんです。やっぱり独法化というものが、今の時点で、検討を今後するけれどもまず有力な候補ですよということが示されたということなのか、それとも、現行のままでいきます、あるいは全適です、指定管理者です、そして独法化ですということはフラットで検討するということなんですか。どういうふうに理解したらいいんですか。
○岸上参事 地方独立行政法人は、平成十六年度に制度化されました新しい制度でございます。今回、都立病院の経営形態の一選択肢として、独立行政法人化を視野に入れて検討することにしたということでございます。
○吉田委員 その一選択肢ということは、全適や指定管理と同様に選択肢の一つとして扱うということでよろしいんですか。
○岸上参事 繰り返しになりますけれども、都立病院の経営形態の一選択肢として、独立行政法人化などを視野に入れて検討することにしたものでございます。
○吉田委員 やはり私は、この経営形態の検討の中で、あえて独立行政法人化を視野にというふうに例示されたということは、極めて重大な意味を持っているというふうに受けとめざるを得ません。
それで、独立行政法人化は、単に地方だけの問題ではなく、既に国レベルでは先行して行われています。より詳細な調査と検討が必要でしょうけれども、先行して行われている国の事例を見れば、例えば病院で見れば、大学病院あるいは国立病院等で進められていますが、これは昨年発行された「エコノミスト」ですけれども、「独立行政法人化一年 大学病院が危ない」という特集が組まれて、この独法化によって運営交付金が減って、病院財政が破綻するという危機感が強いという、これは「エコノミスト」の分析です。その適否は別にしても、そうした分析までされております。
実際問題、例えば特殊法人等改革推進本部は、独立行政法人に移行した三十二法人に対して経費の一〇から二〇%の削減を指示し、具体的なその削減計画を提出させたということも報道で聞いておりますし、国立病院の場合、運営交付金がこの間、削減が実際に起きてきているということも聞いています。
また、国立病院に長期にわたって入院されている筋ジストロフィーの患者さんからも話を聞きましたけれども、独法化によって経験のある職員が退職された方がふえ、かつ、その結果、ふなれな中で非常に苦労が発生したとか、あるいは食材費などの変化があった、というふうなこともされています。
改めて、特に具体的には国立病院などで、独法化によってどのような事態が起きているのかということは調査すべきだと思うんですが、その点はいかがでしょう。
○岸上参事 ご指摘の点も含めまして、今後の検討につきましては関係局と協議中でございます。
○吉田委員 どういう事態が国立病院における独法化などによって起きたのかということは、やっぱり慎重に調査する必要があると思うんです。いかがですか、もう一度お願いします。
○岸上参事 繰り返しになりますけれども、今のご指摘の点も含めまして、今後の検討につきましては関係局と協議中でございます。
○吉田委員 さらに指摘をしておきたいことなんですが、慎重な調査検討が行われなければ、取り返しのつかない事態を招くと私は思います。
このことは、国会でこの問題が質疑をされた中で、賛成をされた方々の中からも、附帯決議としても反映されています。衆議院、参議院の委員会で、それぞれ附帯決議がなされておりますが、例えば参議院では、附帯決議として、法施行に当たり十分配慮すべきこととして、次のような事項が挙げられています。
一、地方独立法人の設立に当たっては、地方公共団体の自主的判断を十分尊重する。当たり前のことですね。
二、地方独立法人への移行等に際しては、雇用問題、労働条件について配慮し、関係職員団体または関係労働組合と十分な意思疎通が行われるよう必要な助言を行うこと。この助言を行うというのは、政府に対しての附帯決議ですから、政府として地方公共団体に対して、十分な意思疎通が行われるように必要な助言をせよということだと思うんです。都としても、こうした附帯決議を受けとめて、それに基づいて検討するというのは当然のことだと思うんですが、確認をさせてください。
○岸上参事 今後の進め方につきましては、関係局と協議してまいります。
○吉田委員 当然のことですけれども、附帯決議を尊重する、遵守するということは当然のことですがね。
○岸上参事 繰り返しになりますけれども、今後の検討につきましては、関係局と協議してまいります。
○吉田委員 病院経営本部長、これはもう当然のことでしょう。どうですか。
○大塚病院経営本部長 ちょっと議論が混乱していると思いますけれども、まず申し上げると、国の独立行政法人についてお話がございましたけれども、三つのパターンがあるというのはご承知のことだと思います。
一つは文部科学省型。これは大学と一緒です。これは非公務員型ですね。一方、厚生労働省型は、国立病院機構が百五十の病院をまとめる形での独法。それから、これからやろうとしているのが、六つのナショナルセンターをそれぞれ一つずつ別々の独法にしようとしているといわれておりますが、その三つのパターンがあります。
吉田先生のお話は、その三つが一緒になって議論されているんじゃないかと、間違いだったら失礼ですが、そういう心配がございます。
それから附帯決議云々につきましては、これは吉田先生も何度もおっしゃっているように、衆議院総務委員会での附帯決議でございます。したがいまして、国に対して附帯決議ということだろうと思っております。
以上です。
○吉田委員 私は十分承知した上でいっているんですよ。今、私が挙げたのは参議院なんですよ、厳密にいえば。衆議院は国と地方自治体への附帯決議、参議院は政府に対する附帯決議ですけど、一つ一つ両方紹介しないで、一つだけを紹介しただけなんですよ。私は十分承知していますよ、失礼ながら。
問題なのは、その関係局と相談をするというお話なんですけれども、一体どういうスケジュールとどういう体制でこれについて検討、協議をしようとしているんですか。
○岸上参事 行財政改革実行プログラムでは、本年度、都立病院経営委員会に病院経営のあり方を諮問し、来年度、答申を得た上で、第二次都立病院改革実行プログラムを策定することとしております。
○吉田委員 そうすると、来年度策定の実行プログラムで病院形態についての結論を出すということですか。
○岸上参事 今後の検討につきましては、関係局と協議中でございます。
○吉田委員 実行プログラムでは、平成十九年度の課題として--これは話がややこしいな。改革実行プログラムは、病院の方の実行プログラムを十九年度、来年度策定すると。その中で、この病院形態の問題を定めるんだと受け取れるように書かれているわけですよ。したがって私は、要するに来年度中に、平成十九年度のうちに病院形態の結論を出すんですかと聞いたわけですよ。
もう一度お願いします。
○岸上参事 行財政改革実行プログラムでは、十八年度に運営形態の検討を行いまして、十九年度に第二次都立病院改革実行プログラムを策定する、そういうスケジュールになっております。
○吉田委員 その第二次実行プログラムの中で、この経営形態の問題を盛り込もうとするわけでしょう。そうすると、一年なんですよ。違うなら、ちゃんといってくださいよ。
そもそも病院改革第二次実行プログラムというものは、上位計画はマスタープランですよね。あくまでも十年間のスパンを持つマスタープランの具体的な実行策として、実行プログラムを策定する。そこに、全くマスタープランではなかった病院形態、とりわけ独立行政法人の問題を持ち込んでくるというのは、実行プログラムのマスタープランの十年計画との関係でいっても、全く異質なものなんですよね。
二次プランは確かに、終わるから、来年度策定しなきゃならないというのは、理屈としては通るんですよ。しかし、そこに形態の問題を入れるから、一年間で結論が出る、出すような形になりかねないわけですよ。
しかも、上位計画のマスタープランの下位の計画であるところで、根本的な病院経営の方向を定める経営形態を検討するというのは、やはり検討の場が違うし、策定の場が違うと思うんですけど、どうですか。
○岸上参事 この地方独立行政法人は、平成十六年度に制度化された制度でございまして、平成十三年十二月に策定されたマスタープラン、都立病院改革マスタープランのときにはなかった制度でございます。
○吉田委員 ですから、そこまでいうんだったら、マスタープラン自身をめぐっても、この間の経過の中で、先ほども話がありましたけれども、これは直接的には福祉保健局にかわりますけれども、民営化というふうに打ち出された老人医療センター、さらに豊島病院自身は、運営形態、経営形態は再検討するということで、再検討といいますか、マスタープランの方向とは全く変えざるを得なくなったわけですよね。
とうとうマスタープラン自身が、やっぱり根本的に再度検討することが求められていると思うんです。そのマスタープランはそのままにしておいて、その具体化である第二次実行プログラムの中で、より都立病院の運営の根本にかかわる独立行政法人化を含めた経営形態の検討ということは、行政としての検討のあり方から見ても、また事の重大性から見ても、やはり不適切であり、しかも第二次実行プログラムに間に合わせるということで、一年間で結論を出すということになれば、それはやはり十分な検討が結果的に保障されないものだと。
したがって、本部長いいましたけれども、他のさまざまな独法化の形態がありますよ、公務員化した場合、非公務員化した場合、公務員化から非公務員化になった場合、そうした事例も含めて、やはり慎重な調査と検討をし、かつ労働組合を含めた関係者との意見調整。さらに、大阪などでは、具体的にパブリックコメントをとっているんですよね。そうしたことをちゃんと行うべきだということを述べて、私の質問といたします。
○山加委員 ご苦労さまでございます。
私は、大変地味な質問でございますけれども、都民の命にかかわる大切なことでございますので、すっきりと端的に質問させていただきます。
救命救急処置技術の充実強化について、病院経営本部は裏で大変力を注いでくれていると認識をいたしております。確認も含めて、何点か質問させていただきたいと思います。
みずからの命はたった一つでございます。失うかもしれない命がわずかの差で、例えば最新の器械があった、それを知っている、使いこなせる人がいた、そんなたったわずかの差で命が助かるとしたら、こんな喜ばしいことはございません。
都営地下鉄では、三月に自動体外式除細動器、いわゆるAEDですが、これを実際に使用して人命救助されたことが新聞等で大きく報道されました。また九月にも、都営三田線、千石の駅で、このAEDの使用による人命救助が報道されております。この新宿都庁舎を初めとしまして、多くの公共施設等にAEDの設置が進んでまいりました。
私も都営交通大江戸線を利用しておりますけれども、練馬春日町の駅、改札口を入りますとすぐのところに、このAED、オレンジのボックスが目につくところに置かれておりまして、そのそばを通る人を見ておりますと、ああ、これがAEDなのね、それと、使い方はどうなんだろう、この間、使い方を実際試してみたけれどもとか、いろいろな声を耳にいたします。このAEDという言葉が、実際、庶民の中に浸透してきたのかな、しかし、まだまだその使い方までは実際に啓発が進んでいないのかなと、そんなことも実感いたしております。
実際、このAEDは、突然の心停止患者に対しては最も有効な救命処置法ですけれども、器械がどんなに普及してきても、実際に使用できる知識を持った人がいなければ、せっかくの器械も、設置しても何の意味もないわけであります。より多くの都民が使用できることが、この救命率の向上に大きくつながるものと考えております。
私は、議会では、このAEDの啓発、一番早く発信させていただいたと思います。また、十七年三月にも、この厚生委員会で、この普及に対して都立病院が率先して取り組むことによって、都におけるAEDの普及に大きく貢献できるのではないかと、そんな質問をさせていただきました。
そこで、その後、一年と半年がたったわけですが、都立病院でのAEDに関する取り組みの状況について、まず伺わせていただきます。
○及川経営企画部長 都立病院では、平成十七年度にすべての病院にAEDを整備いたしまして、平成十七年度末現在で六十三台を配備しているほか、今年度も増配備を予定しております。
配置場所は、主に診察室等から離れている外来の入り口やエレベーターホール、放射線科受付などに配置をしております。
AEDの配備に当たりましては、その使用法を含めました最新の心肺蘇生法を習得するために、昨年九月から、事務職員も含めましたすべての職員を対象に救命講習会を実施しておるところでございます。
○山加委員 ともすると病院だからAEDは必要ないのではないかということを聞くこともありますが、幾ら院内の緊急時の対応ができているからといって、この心停止の処置は早ければ早いほど救命の確率が上がるわけでありますから、このAEDを、今の答弁にもありました診察室等から離れている外来入り口、エレベーターホールなどに設置をしている。病院だからといってドクターが常に目の前にいるわけではありませんので、病院の危機管理という観点からも、私は大変評価ができると考えております。
しかし、一般の人は、病院のお医者様、ドクターや看護師、心肺の蘇生法というのは当然習得していると考えている人が多いのではないかと思うのですが、今、全職員を対象にAEDを含めた救命講習会を実施しているということでありました。
そこで、改めて、すべての職員を対象としている、その考え方についてお聞かせいただきたいと思います。
また、現在どのような方法によりそれを実施し、どのくらいの職員がこの講習会を受講しているのか、あわせてお聞かせください。
○及川経営企画部長 平成十六年七月から、AEDの使用が非医療従事者にも開放されたことに伴いまして、現在では、国際ガイドラインに沿った最新の心肺蘇生法が重要視されております。
医師や看護師は、当然、心肺蘇生法の基本的な知識は持っておりますけれども、専門化した現在の医療分野では、ふだんから常態として救命措置を実施しているというのは、救命救急医療など特定分野の医療従事者に限られております。このため、医療従事者といえども、一般都民同様に、最新のAEDの使用法を含む心肺蘇生法を習得しておくことが必要であるというふうに考えております。
また、救命講習会の実施状況でございますが、全都立病院共通のプログラムを作成いたしまして、アメリカ心臓協会や日本救急医学会公認の講習会を受講しました医師、看護師等が各病院で講師となってその普及に努めております。昨年九月から、都立病院救命講習会を開始いたしまして、アメリカ心臓協会、日本救急医学会の講習会受講者も含めまして、現在では約三千五百名が受講しております。
○山加委員 病院経営本部の職員定数が約六千三百人だったと思いますから、現在で約三千五百名が受講ということは、既に半数以上の多くの職員が受講しているようですが、多くの公共施設でこのAEDの設置が普及しつつある中で、この受講した職員ももちろん都民の一人として町中を歩いているわけですから、町中で傷病者に遭遇するという可能性も大変高いわけです。病院内だけの対処ということではなく、都内全体の救命率の向上にも大きく寄与するものと私は確信をいたしております。
ところで、この心肺蘇生法にかかわる国際ガイドライン、この二〇〇五年に見直しをされております。これまでの国際ガイドライン二〇〇〇では、AEDの適切な使用にスポットが当てられ、そのために必要となる早期の通報の重要性が強調されていました。ところが、この国際ガイドライン二〇〇五では、さらに傷病者の機能的予後の改善を念頭に置いて、心肺蘇生法の重要性が改めて強調されたとのことでありますけれども、この都立病院の救命講習会では、国際ガイドラインの見直しによる対応をどのように行っているのでしょうか。ちょうど、このガイドライン二〇〇〇とガイドライン二〇〇五のはざまで、AEDの普及が図られてきたと思います。そして、この国際ガイドラインの見直しがされたことによって現場で一般的に課題となっていることがあれば、お教えいただきたいと思います。
○及川経営企画部長 都立病院の救命講習会では、各都立病院の医師で構成されます都立病院救命講習会管理委員会という内部委員会を設置しております。
この内部委員会では、国際ガイドライン二〇〇五が公表された直後より、講習内容の改定について検討を行っておりまして、本年九月には新しいプログラムを策定しまして、各都立病院で、十一月中を目途に講習内容を切りかえることとしております。
また、一般的な課題といたしましては、心肺蘇生法の見直しのほか、AEDの電気ショックが、これまで最大三回から一回のみに変更になったことによりまして、音声ガイダンスが一部変更となりました。このため、しばらくの間、新旧のAEDが混在することになりまして、これまで講習会を受講した一般都民の方が使用する場面に遭遇したときに、混乱が生じるのではないかということがいわれております。
そこで、都立病院におきましては、各病院で講習内容の切りかえが終わった後、速やかにAEDの音声ガイダンスを変更するとともに、既に受講した職員に対しましては、変更点をリーフレットなどにより周知することとしております。
○山加委員 今の答弁を伺いまして、病院経営本部、国際ガイドラインの変更にもしっかりと対応して、また都立病院内でも救命講習会を実施しているということがよくわかりました。今後とも、しばらくは混乱を生じさせないように、どうか周知の徹底をお願いしたいと思います。
それと、東京消防庁がこのAEDを広く一般都民に救命講習会を実施しておりますけれども、今後は、都立病院でも職員以外に受講する機会を設けてはどうかと思います。現在、都立病院の職員以外に講習を実施していないのかどうか。また、今後何かお考えがありましたら、伺いたいと思います。
○及川経営企画部長 現在、都立病院職員への講習会を実施しているほか、今年度に入りまして、交通局から職員向けの講習会の実施依頼がありました。
都営バスやバス営業所にAEDを設置することから依頼があったものでございまして、これまでに講習会を四回実施しておりまして、六十一名が受講されております。
このほか、広尾病院では、地元町会の総合防災訓練でAEDのデモンストレーションを行うなど、AEDの普及啓発に取り組んでおります。
今後とも可能な範囲で、都立病院の職員以外にも講習会やデモンストレーションなどを実施いたしまして、AEDを含む心肺蘇生法の普及啓発に努めてまいります。
○山加委員 これまでの質疑によりまして、都立病院がAEDの普及啓発に地道に努力してくださっていることがうかがえまして、都民の一人として大変心強い限りでございます。
都立病院は、都民に適切な医療を提供していくことはもとより、このような医療技術の普及啓発活動にも寄与していくことが、都民に対する総体としての医療サービスの向上にもつながるものと考えます。
今後とも、AEDの普及啓発に、継続的にそして積極的に取り組んでいただくことを希望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○長橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長橋委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で病院経営本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時三分散会
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