委員長 | 藤井 一君 |
副委員長 | 野島 善司君 |
副委員長 | かち佳代子君 |
理事 | 谷村 孝彦君 |
理事 | 田代ひろし君 |
理事 | 初鹿 明博君 |
松葉多美子君 | |
早坂 義弘君 | |
山口 文江君 | |
山口 拓君 | |
斉藤あつし君 | |
野村 有信君 | |
佐藤 裕彦君 | |
吉田 信夫君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 平井 健一君 |
次長 | 吉川 和夫君 | |
技監 | 梶山 純一君 | |
理事 | 梶原 康二君 | |
総務部長 | 片岡 貞行君 | |
指導監査室長 | 菅原 眞廣君 | |
医療政策部長 | 丸山 浩一君 | |
保健政策部長 | 杉村 栄一君 | |
生活福祉部長 | 朝比奈照雄君 | |
高齢社会対策部長 | 長谷川 登君 | |
少子社会対策部長 | 都留 佳苗君 | |
障害者施策推進部長 | 吉岡 則重君 | |
健康安全室長 | 八木 憲彦君 | |
企画担当部長 | 野口 宏幸君 | |
連絡調整担当部長 | 狩野 信夫君 | |
参事 | 松井多美雄君 | |
参事 | 高橋 誠君 | |
参事 | 桜山 豊夫君 | |
参事 | 宮垣豊美子君 | |
参事 | 佐藤 恭信君 | |
参事 | 牛島 和美君 | |
参事 | 浅井 葵君 | |
参事 | 大黒 寛君 | |
病院経営本部 | 本部長 | 大塚 孝一君 |
経営企画部長 | 奥田 匠君 | |
サービス推進部長 | 鈴木 茂君 | |
参事 | 及川 繁巳君 |
本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出病院経営本部所管分
・平成十八年度東京都病院会計予算
・東京都立病院条例の一部を改正する条例
・東京都立精神病院条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業に係る落札者の決定について
・がん・感染症医療センター(仮称)整備運営事業のPFI事業としての実施について
福祉保健局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・平成十八年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・平成十八年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費 福祉保健局所管分
・東京都障害者介護給付費等不服審査会条例
・東京都動物の愛護及び管理に関する条例
・東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
・東京都監察医務院関係手数料条例の一部を改正する条例
・心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
・東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例
・東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例
・東京都肢体不自由者自立ホーム条例の一部を改正する条例
・東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
・東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
・東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
・東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
・東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
・東京都地方精神保健福祉審議会条例の一部を改正する条例
・東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の一部を改正する条例
・東京都心身障害者福祉作業所条例の一部を改正する条例
・東京都心身障害者生活実習所条例の一部を改正する条例
・東京都女性相談センター条例の一部を改正する条例
・東京都立ナーシングホーム条例の一部を改正する条例
・東京都介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・「福祉・健康都市 東京ビジョン」の策定について
・都立障害者通所施設の民間移譲について
請願陳情の審査
(1)一七第一六九号 ウイルス肝炎総合対策における医療費助成の拡充に関する請願
(2)一七第一七九号 大林寺による大規模墓地建設の中止に関する請願
(3)一七第一八五号の一 稲城市坂浜の里山での大規模墓地建設計画の不許可に関する請願
(4)一七第一八七号 保育施策の充実と予算の増額に関する請願
(5)一七第八五号 自立支援医療費制度移行後の精神障害者通院医療費自己負担の医療費助成に関する陳情
(6)一七第八八号 無年金在日障害者に対する特別給付金制度に関する陳情
(7)一七第八九号 無年金在日高齢者に対する特別給付金制度に関する陳情
(8)一七第九三号 児童福祉施設における障害のある児童の措置制度に関する陳情
○藤井委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、謹んで申し上げます。
病院経営本部の徳毛宰サービス推進部長は、去る平成十七年十二月十三日にご逝去されました。まことに哀悼のきわみにたえません。
故人の在職中の功績をしのび、ご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
全員のご起立をお願いいたします。
〔全員起立、黙祷〕
○藤井委員長 黙祷を終わります。ありがとうございました。着席を願います。
○藤井委員長 次に、傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○藤井委員長 次に、第一回定例会中の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会において、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、所管二局関係の第一回定例会提出予定案件及び報告事項の説明聴取並びに福祉保健局関係の請願陳情の審査を行います。ご了承願います。
なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は、説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は定例会中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
これより病院経営本部関係に入ります。
初めに、大塚本部長から幹部職員の紹介があります。
○大塚病院経営本部長 今回、病院経営本部の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
一月一日付で着任いたしましたサービス推進部長の鈴木茂でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○藤井委員長 紹介は終わりました。
○藤井委員長 次に、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○大塚病院経営本部長 平成十八年第一回定例会に提出を予定しております病院経営本部関係の議案につきましてご説明申し上げます。
まず、議案の説明に先立ちまして、病院経営本部は平成十八年度に組織の変更を予定しておりますので、一言ご説明させていただきます。
本年四月に荏原病院の運営が財団法人東京都保健医療公社に移管されますことは、昨年十二月の都議会第四回定例会でご審議いただいたとおりでございます。この東京都保健医療公社につきましては、これまで福祉保健局が所管しておりましたが、都立病院と公社病院との連携を強化するため、その所管を本年四月、病院経営本部に移すこととしております。これに伴いまして、病院経営本部は、都が直接運営し行政的医療を提供する十一の都立病院と公社が運営する五つの地域病院の合計十六病院の運営に責任を持つこととなります。これらの病院の運営を通じて、医療サービスの向上に精力的に取り組むとともに、東京発医療改革をより一層推進してまいります。
それでは、次に、本議会におきましてご審議をお願いいたします議案につきましてご説明申し上げます。
ご審議いただきます議案は、平成十八年度当初予算案二件、条例案二件の合計四件でございます。
まず、平成十八年度当初予算案についてご説明申し上げます。
病院経営本部はこれまで、地方公営企業法に基づく地方公営企業として、公共の福祉の増進と経済性の発揮という経営の基本原則にのっとって、医療サービスの向上と経営改善努力を不断に積み重ね、都立病院を運営してまいりました。
一方、社会経済情勢の変化とともに、都民の医療ニーズも高度化、多様化してきており、医療に対する安全対策や救急災害医療体制の整備、医師の育成や専門看護師の養成などについて、その充実がますます強く求められているところでございます。
当本部は、都民に対する行政的医療の適正な提供を基本的役割とする一方、常に都民を取り巻く医療環境の変化を見据えて、限りある医療資源を最大限有効に活用することにより、医療サービス提供体制の充実強化を図っていくことが重要であると考えております。
平成十八年度予算は、こうした考えに基づき、一般会計予算では東京都保健医療公社の運営費などを、病院会計予算では、医療サービスの向上、再編整備の推進、危機管理、経営革新の四つを柱といたしまして、都立病院改革を着実に推進していくための予算案としたところでございます。
なお、一般会計及び病院会計の双方で前年度と比べて大きく予算額が増減しているのは、荏原病院の公社への移管などによるものでございます。
予算案に盛り込みました事項につきましては、後ほど経営企画部長からご説明申し上げますが、私からは主要な施策についてご説明させていただきます。
まず、一般会計予算でございます。
一般会計予算では、東京都保健医療公社が運営する五つの地域病院の運営に要する経費のほか、東京都多摩がん検診センターの運営費などを計上しております。
なお、本来、前年度の一般会計予算額の部分は病院経営本部が所管しておりませんでしたが、予算額の増減を明らかにするため、福祉保健局で計上しておりました地域病院の運営に関する予算額を記入してございます。
次に、病院会計予算でございます。
まず、一つ目の柱、医療サービスの向上でございます。
今年度から一部病院に試行的に導入いたしましたクレジットカードによる診療費の決済を全病院に拡大いたします。
二つ目の柱、再編整備の推進でございます。
多摩メディカル・キャンパスの整備につきましては、去る一月三十一日にPFI事業の落札者が決定いたしましたが、今後、その事業者との契約を締結するとともに、病院本体工事の設計に着手するほか、関連施設の整備工事等も行ってまいります。
また、がん・感染症医療センター(仮称)でございますが、駒込病院につきましても、PFI手法を導入し、整備してまいります。
三つ目の柱、危機管理でございます。
自然災害や、核、生物、化学物質によるテロ、いわゆるNBCテロなどの発生に備え、災害対策訓練を実施するほか、災害用備蓄資器材の配備の充実を図ってまいります。
最後に、四つ目の柱、経営革新でございます。
コスト縮減と環境対策を両立させたESCO事業の導入を今年度さらに拡大し、光熱水費の削減及び二酸化炭素の排出量の削減に努めてまいります。
以上が平成十八年度予算における主要な施策でございますが、診療報酬のマイナス改定が予定されているなど、病院を取り巻く経営環境は従来にも増して大変厳しい状況に置かれております。病院経営本部といたしましては、こうした厳しい医療環境のもとでも、患者中心の医療、そして都民が安心して暮らせる医療の提供という目標をしっかりと堅持しながら、より一層の努力を重ねていく所存でございます。
次に、条例案につきましてご説明申し上げます。
今回ご審議をお願いいたします条例案は、東京都立病院条例の一部を改正する条例及び東京都立精神病院条例の一部を改正する条例の二件でございます。
この二条例はいずれも、障害者自立支援法の施行に伴いまして、病院において行う事業といたしまして、障害者自立支援法上の障害福祉サービスとしての短期入所を規定するとともに、使用料等の規定を整備するものでございます。
この条例はいずれも平成十八年四月一日からの施行を予定しております。
以上が本定例会に提出を予定しております議案の概要でございます。詳細につきましては、この後、経営企画部長からご説明申し上げます。
どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○奥田経営企画部長 引き続き、平成十八年第一回定例会に提出を予定しております議案の概要についてご説明申し上げます。
お手元に配布させていただきました資料でございますが、全部で六点でございます。資料1は、ただいま本部長からご説明申し上げました平成十八年第一回東京都議会定例会議案概要説明でございます。資料2は、平成十八年度当初予算の概要でございます。資料3及び4は、東京都立病院条例の改正等に関する資料でございます。資料5は、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業に係る落札者の決定についてでございます。資料6は、がん・感染症医療センター(仮称)整備運営事業のPFI事業としての実施についてでございます。
それでは、恐縮でございますが、お手元の資料2によりまして、平成十八年度当初予算の概要についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、表紙の次の目次をごらんいただきたいと存じます。目次の順に従いまして、平成十八年度病院経営本部所管当初予算総括表、一般会計、病院会計について順次概要をご説明申し上げます。
一ページをお開き願いたいと存じます。平成十八年度病院経営本部所管当初予算総括表でございます。
上段、一般会計でございますが、先ほど本部長からご説明申し上げましたとおり、十八年度から財団法人東京都保健医療公社を所管することになったため、新たに設定したものでございます。予算額は百四十七億一千百万円でございます。病院会計は一千五百六十三億二千八百万円で、合わせまして一千七百十億三千九百万円を計上してございます。
それぞれ十七年度と比べまして増減額が大きく出ておりますが、主な原因は、荏原病院の公社への移管によるものでございます。
なお、一般会計の十七年度予算でございますが、福祉保健局で計上しておりましたものを、予算額の増減を明らかにするため記入してございます。
青い中扉の次の三ページをお開き願いたいと存じます。以下六ページまでが一般会計予算でございます。
Ⅰ、総括表でございますが、上段の歳出欄には、財団法人東京都保健医療公社の運営費や施設整備費、本部に配置されます人件費など、合わせまして百四十七億一千百万円を計上しております。下段は歳入でございますが、特定財源として、多摩がん検診センターの建物賃借料など、財産収入ほかで二億三千八百万余円、差引一般財源として百四十四億七千二百万余円を計上しております。
四ページをお開き願いたいと存じます。Ⅱ、予算定数でございます。
一般会計の定数でございますが、公社運営に係る本部職員の六名でございます。十七年度に記載してございます人員は、福祉保健局に配置されていたものでございます。
五ページをお開き願いたいと存じます。Ⅲ、事項別内訳でございます。1、地域病院の運営と次のページの2、地域病院施設の整備に区分して記載してございます。
まず、五ページの地域病院の運営でございますが、概要欄にあるとおり、ア、病院運営では、公社所管の五病院の運営に要する経費を計上してございます。予算額は四十七億三千五百万余円でございます。下の表に五病院の患者規模を記載してございますので、後ほどご参照いただきたいと存じます。
六ページをお開き願います。イ、備品整備といたしまして、医療器械等の備品の計画的な更新に要する経費、ウ、電子カルテの導入といたしまして、荏原病院への電子カルテ導入に要する経費、エ、東京都多摩がん検診センターの運営に要する経費のほか、オ、財産管理といたしまして、公社に移管した大久保病院、荏原病院の資産取得に要する経費、さらにはカ、病院管理等といたしまして、保健医療公社の事務局や当本部に配置されます事務職員の人件費を計上してございます。
その下の2、地域病院施設の整備では、病院の施設改修などに要する経費を計上してございます。
続きまして、病院会計予算についてご説明申し上げます。
中扉の次の八ページをお開き願いたいと存じます。Ⅰ、総括表でございます。
上段の1、収益的収支でございますが、収入は、医業収益、医業外収益及び特別利益を合わせまして一千三百七十億四千二百万円を計上してございます。支出は、医業費用、医業外費用及び特別損失を合わせまして一千三百五十四億五千二百万円を計上してございます。収支差引額は十五億九千万円の利益を見込んでございます。
なお、収入欄の括弧内の数値は一般会計繰入金で、平成十八年度は、収入の計欄にございますとおり、合計で三百三十八億五千五百万円でございます。
次に、下の表の2、資本的収支でございますが、収入は、企業債、国庫補助金などを合わせまして九十一億五千九百万余円、支出は、建設改良費、企業債償還金を合わせまして二百八億七千六百万円を計上しております。資本的収支の差引額は百十七億一千六百万余円の不足となりますが、注に記載してございますとおり、損益勘定留保資金で補てんいたします。
収益的支出と資本的支出の合計は一千五百六十三億二千八百万円、平成十七年度と比較いたしまして六十六億八千万円、率にして四・一%の減となっております。
九ページをお開き願いたいと存じます。Ⅱ、予算定数でございます。
平成十八年度の病院会計予算定数は、表の合計欄にございますとおり六千三百十人で、平成十七年度と比較いたしまして五百三十八人の減員となってございます。増減員内訳につきましては、表の右側に事項別に記載してございます。診療機能の充実に向けて十二人の増員を行う一方、荏原病院の公社移管のほか、定数の見直し、業務の委託化などに伴う減員を行います。
一〇ページをお開き願いたいと存じます。Ⅲ、患者規模総括表でございます。
上の表の1、入院でございますが、平成十八年度の病床数は合計五千五百十五床で、平成十七年度と比較いたしまして五百五十八床の減となっております。これは、荏原病院の公社移管と、松沢病院における長期入院患者の社会復帰に伴うものでございます。
下の表の2、外来でございますが、平成十八年度の一日当たり外来患者数は合計で七千六百七十人、平成十七年度と比較いたしまして、一日当たり千百三十人の減となっております。主として荏原病院の公社移管に伴うものでございます。
一一ページをお開き願いたいと存じます。【4】、事項別内訳でございます。
十八年度の病院会計予算を、病院管理運営を初めといたしまして、先ほど本部長からご説明した病院事業の四つの柱でございます医療サービスの向上、再編整備の推進、危機管理、経営革新、これに加えまして病院施設整備の計六分野に大きく区分して整理したものでございます。
一、病院管理運営でございますが、都立十一病院の管理運営に要する経費といたしまして、職員の給与費、薬品などの材料費、施設の維持管理費などの運営費を計上してございまして、予算額は一千三百五十億一千三百万余円でございます。
一二ページをお開き願います。以下、十八年度の主要事業を記載してございます。
まず、二、医療サービスの向上でございます。事項欄の1、クレジットカードの導入拡大から次のページ、一三ページの4、診療機能の充実までの経費で一億五千八百万余円を計上してございます。事項の中から主な事業をご説明させていただきます。
1、クレジットカードの導入拡大では、今年度、一部の病院に試行的に導入いたしましたクレジットカードによる診療費の決済を全病院に導入し、支払い手段の多様化による患者サービスの向上を図ってまいります。
次に、2、救命救急処置技術の充実・強化でございますが、これは、アメリカ心臓協会が提唱する心肺蘇生における救命処置法でございますACLSを今年度に引き続き導入し、医師を初めとする医療従事者に習得させ、救命救急医療の充実強化を図っていくものでございます。
また、今年度、全都立病院に自動体外式除細動器、AEDを整備し、事務職員も含めた全職員を対象に一次救命処置法の講習会を実施してございますが、これを継続するとともに、AEDの配備を増強してまいります。
次に、3、都立病院ネットワークの構築でございます。既存の新病院情報システムなどのIT環境を活用し、医療機能情報の共有化を図り、都立病院間の医療連携ネットワークを構築してまいります。
一三ページをお開き願います。4、診療機能の充実でございますが、清瀬小児病院と府中病院において、患者サービスの向上を図るため看護体制の強化を図るほか、松沢病院の障害者の歯科医療を充実させるため、医師の増員を行います。
一四ページをお開き願いたいと存じます。三、再編整備の推進でございます。
事項欄の1、多摩メディカル・キャンパス(仮称)の整備から次のページ、一五ページの4、荏原病院公社移管に伴う予算上の整理までで八十三億六千二百万余円を計上してございます。事項の中から主な事業をご説明させていただきます。
1、多摩メディカル・キャンパス(仮称)の整備では、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)の整備に要する経費を計上してございます。この件につきましては、後ほどご報告させていただきますが、十八年度は、契約締結後に着手する本体工事の設計経費並びに関連施設の整備、埋蔵文化財調査などの経費を計上してございます。
一五ページをお開き願いたいと存じます。2、がん・感染症医療センター(仮称)の整備でございます。整備に当たっては、これも後ほどご報告させていただきますが、PFI手法を導入してまいります。建設を含め、平成三十七年度までの事業期間中の債務負担行為といたしまして、二千二百三十七億六百万余円の限度額を計上してございます。
次に、3、精神医療センター(仮称)の整備でございます。今年度に引き続き、PFI手法の導入を検討するためのアドバイザー契約などを実施するとともに、特に老朽化の著しい病棟の改修工事を行ってまいります。
一六ページをお開き願います。四、危機管理でございます。
1、医療危機管理体制の整備等に要する経費で四千四百万余円を計上してございます。概要欄にございますとおり、都立病院独自のNBC災害対策訓練及び直下型地震を想定した災害対策訓練を実施するとともに、広域基幹病院である墨東病院と府中病院において、災害用備蓄資器材の配備を増強してまいります。
一七ページをお開き願います。五、経営革新でございます。
事項欄の1、省エネルギー総合対策の推進から次の一八ページ、3、人材育成と意識改革までの経費で十三億三千三百万余円を計上してございます。
1、省エネルギー総合対策の推進でございますが、今年度に導入いたしました広尾病院に続きまして、大塚病院に、コスト縮減と環境対策を両立させたESCO事業を導入するものでございます。大塚病院におきます事業期間中の債務負担行為として、一億三千百万余円の限度額を計上いたしました。
次に、2、IT化の推進でございます。新病院情報システムの開発経費や、導入済みの病院における診療情報共有化のための医療機器への接続経費などを計上してございます。
一八ページをお開き願います。3、人材育成と意識改革でございます。良質な医療を提供していくためには、何よりも人材の育成、確保が不可欠でございます。十八年度は、医療系職員の資質向上のため、海外の医療施設や国際会議への派遣などの経費のほか、医療技術系職員の専門能力の向上と、経営感覚に富む人材の育成のための各種研修事業を引き続き実施してまいります。
一九ページをお開き願います。六、病院施設整備でございますが、1、病院一般施設整備から3、企業債の償還まで、都立病院の施設の改修や医療器械等の整備などに要する経費として百十四億一千五百万余円を計上しております。
二〇ページをお開き願いたいと存じます。【5】、債務負担行為でございます。
先ほどもご説明したとおり、平成十八年度予算において新たに債務負担行為限度額を計上したのは、1、がん・感染症医療センター(仮称)整備運営事業と、2、都立大塚病院省エネルギーサービスESCO事業の二件でございます。
最後に、【6】、企業債でございます。
多摩メディカル・キャンパス(仮称)の整備など、病院建設改良事業に要する財源として計上してございます。限度額は、表の右にございますとおり八十億八千四百万円でございます。
平成十八年度の病院経営本部におきます当初予算案の説明は以上のとおりでございます。
次に、引き続きまして条例案についてご説明申し上げます。
今回ご審議をお願いいたします条例案は二件でございます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料4、平成十八年第一回東京都議会定例会条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
一ページをお開きください。整理番号1、東京都立病院条例の一部を改正する条例についてでございます。
これは、従来、大塚病院において実施しております児童短期入所及び知的障害者短期入所につきまして、障害者自立支援法の施行に伴い規定を整備するとともに、サービスに要する費用のうち、食事の提供に要する費用等が介護給付費の支給対象外となるため、これらを利用者から徴収することができる規定を整備するものでございます。
この条例は、平成十八年四月一日からの施行を予定しております。
引き続きまして、同じページの後半、整理番号2、東京都立精神病院条例の一部を改正する条例についてでございます。
これは、従来、梅ケ丘病院において実施しております児童短期入所につきまして、ただいまご説明申し上げた東京都立病院条例の一部を改正する条例と同様の規定整備を図るものでございますので、説明については省略をさせていただきます。
条例案の詳細な内容につきましては、お手元にお配りしてございます資料3、平成十八年第一回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。
簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○藤井委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
○かち委員 では、予算の関係で。
病院会計における一般会計繰入金の推移。
病院会計における一般会計繰入金のうち、施設整備関連経費の推移。
都立病院における平均在院日数、病床利用率、入院、外来患者数及び医業収益の推移。
都立病院における職種別定員と実員、欠員の推移。
都立病院における研修医受け入れ、前期、後期実績の推移。
都立病院における後発医薬品の購入状況。
公社病院における経営状況の推移。
公社病院の運営に対する運営費補助の推移。
公社病院における後発医薬品の購入状況について。
お願いします。
○藤井委員長 ほかにございますか。--ただいま、かち副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
○藤井委員長 次に、理事者から二件の報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○奥田経営企画部長 報告事項二件につきまして、お手元にお配りしております資料に基づいてご説明申し上げます。
まず、資料5、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業に係る落札者の決定についてでございます。
本事業は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法に基づく事業として平成十七年三月三十日に入札公告を行って以来、事業者の選定手続を進めてまいりましたが、本年一月三十一日に落札者が決定いたしました。資料の5、6、7に記載してございますとおり、総合評価一般競争入札によりまして、清水建設株式会社が二千四百九十億九千二百六十三万余円で落札いたしました。
今後は、本事業を遂行するために設立される特別目的会社と、本年八月を目途に事業契約を締結する予定でございます。契約締結の際には、改めて本委員会にご報告申し上げます。
引き続きまして、資料6、がん・感染症医療センター(仮称)整備運営事業のPFI事業としての実施についてでございます。
本事業は、昨年十二月十九日に実施方針の公表を行うなど、PFI手法の導入に向けて検討を進めてまいりました。このたび民活手法検討委員会でVFMの評価等についてご審議をいただき、PFI事業として実施することにつき承認を得ました。このため都としては、本事業をPFI事業として実施してまいります。
事業の概要は1のとおりでございますが、事業方式といたしましては、民間事業者が病院施設の改修、リハビリテートを行うことで病院機能を向上させるとともに、建物管理、医事業務等の医療周辺業務を行う、オペレートを行う、いわゆるRO方式でございます。
事業内容にあるとおり、民間事業者は、病院施設の改修の設計、工事や施設の維持管理、医事業務、医薬品の調達といった業務を担ってまいります。
事業期間は、契約締結の日から平成三十八年三月三十一日まででございます。
本事業は、2、PFI事業で実施するメリットにございますとおり、都が直接実施する場合と比較して、事業期間全体で財政負担額を四・九%程度縮減することが期待されております。
また、(2)、サービス水準の向上にございますとおり、都と民間の役割分担による医療サービス水準の向上、長期包括契約による医療周辺業務の効率化とサービス水準の向上、設計、施工及び運営を一体的に発注することによる施設整備や運営の効率化、都と民間の協働による事業運営の効率化及びサービス水準の向上を図ることができます。
今後、PFI法第六条に規定する特定事業として、年度内に都民の皆様に公表してまいりたいと考えております。
以上、簡単ではございますが、報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○藤井委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
○かち委員 三点お願いします。
まず、広域基幹病院の方ですけれども、これまでのPFIにかかった年度別、種類別の経費の一覧。
それから、事業者の選定と評価の詳しい内容。
がん・感染症医療センターの方では、PFIによる財政負担額縮減効果の具体的な算定根拠を示すもの。
以上です。
○藤井委員長 ほかにございますか。--それでは、ただいま、かち副委員長から資料要求がありました。これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
以上で病院経営本部関係を終わります。
○藤井委員長 福祉保健局関係に入ります。
初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○平井福祉保健局長 平成十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
今回ご審議をお願いいたします議案は、平成十八年度予算案三件、平成十七年度補正予算案一件、条例案二十一件の合計二十五件でございます。
初めに、平成十八年度予算案についてご説明申し上げます。
平成十八年度予算は、財政構造改革の足取りを確かなものとし、東京のさらなる発展を目指す予算と位置づけ編成されました。
福祉保健局では、この編成方針を踏まえまして、これまで取り組んでまいりました福祉改革や医療改革をさらに前進させ、確かな安心を次の世代に引き継ぐため、福祉と保健医療の両分野を貫く基本方針でございます福祉・健康都市東京ビジョンを策定いたしました。都民一人一人がみずから積極的に健康づくりに取り組み、だれもがそれぞれの環境や条件のもとでその人らしい自立を目指す、そうした新しい自立の実現に向けて、民間、地域、行政の三つの力を生かしながら、将来世代にわたって信頼できる福祉・保健医療システムを構築してまいります。
十八年度の福祉保健局予算は、ビジョンの基本理念を踏まえまして、各種施策にさまざまな工夫を凝らし、その充実を図りました。
局所管の一般会計歳出予算は、総額で七千百十四億五千二百万円、前年度に比べ四・二%の増となっております。都の一般歳出に占める局予算の割合は、過去最高でございました前年度をさらに上回る一七・〇%となっております。
福祉保健局では、ただいま申し上げました一般会計のほか、母子福祉貸付資金会計及び心身障害者扶養年金会計の二つの特別会計を所管しております。
予算案に盛り込みました事業は、お手元の資料に分野ごとに具体的に記載してございます。後ほど総務部長からその内容をご説明申し上げますので、主要な事業についてご説明をいたします。
第一は、高齢者の地域生活と自立への支援でございます。
昨年六月に改正されました介護保険法では、新予防給付の創設など予防重視型システムへの転換が図られ、これらの新たなサービスは、この四月施行となります。
都は、高齢者が健康で自分らしく暮らせる社会を目指し、国に先駆けて介護予防健診を実施するなど、早い段階から介護予防への取り組みを進めてまいりましたが、今般の法改正を踏まえまして、新予防給付に対応したケアマネジメントの充実など、区市町村が実施する介護予防の取り組みを総合的に支援してまいります。
都内の要介護高齢者のおおよそ半数の方が認知症の症状を有しているといわれておりまして、今後、認知症高齢者の数はさらに増加していくことが予想されます。
こうした状況を踏まえ、認知症高齢者を地域で支える東京会議、これは仮称でございますが、を設置し、認知症の正しい理解の普及に取り組むとともに、認知症高齢者の方々が地域で暮らしていくための場として、認知症高齢者グループホームを平成二十年度までに累計で五千六百人分整備してまいります。
第二は、子育て環境の整備でございます。
都市化に伴う核家族化の進行、就業環境の変化、近隣関係の希薄化などを背景に、地域や家庭の養育機能が低下するなど、子どもと家庭を取り巻く環境は大きく変化しております。こうした中、子どもたちが健やかに生まれ、はぐくまれる社会を目指し、区市町村に対する子育て支援基盤整備包括補助金や市町村に対する子育て推進交付金を創設し、ハード、ソフトの両面から地域における子育てを支援してまいります。
児童虐待、非行、子育て不安の増大などの課題に対しましては、地域に根差した身近な支援と、専門的、広域的な支援による重層的な取り組みが重要でございます。児童虐待への対応を強化した先駆型子ども家庭支援センターを、すべての区市への設置を目指して引き続き拡大するとともに、児童相談所におきましては、児童虐待が疑われる事例に対して早期対応を図るため、協力病院制度を創設いたします。
さらに、福祉保健、教育、警察が連携して、子どもと家庭を総合的、一体的に支援する拠点といたしまして、平成二十一年度を目途として、子ども家庭総合センター、これも仮称でございますが、の整備を進めてまいります。
第三は、障害者の自立生活への支援でございます。
障害者自立支援法がこの四月、施行となります。障害の種別を超えました共通のサービス提供、区市町村によるサービス提供の一元化など、障害者への福祉サービス提供の仕組みが大きく変わります。
都では、地域生活や就労など、自立を目指す障害者を支援するため、障害者地域生活支援・就労促進三か年プランを策定し、平成二十年度までの三年間で、グループホームなど三千二百人分の地域生活基盤の整備や、すべての区市での障害者就労支援事業の取り組みなどを推進してまいります。
障害者自立支援法は、一割の定率負担を原則としつつ、低所得者に対する軽減策が講じられております。都としては、障害者の自立生活を支える最も基幹的なサービスでございますホームヘルプサービスについて、社会福祉法人減免のすべての法人への拡大や、利用者負担の激変緩和措置を独自に行ってまいります。
第四は、医療提供体制の確保でございます。
少子化、核家族化、共働き家庭の増加や小児科医師の減少など、小児医療を取り巻く状況は大きく変化し、夜間、休日における小児救急医療体制の確保が緊急な課題となっております。入院を要する小児患者に対応する休日・全夜間診療や小児三次救急のネットワークとともに、区市町村が実施する平日夜間の小児初期救急医療体制につきまして、来年度中に都内全域での取り組みを目指してまいります。
都市型災害などの発生時に災害現場での救命措置を行う東京DMATは、来年度、実施病院を十七病院に拡大を図ります。
第五は、都民の総合的な保健サービスの向上でございます。
本格的な高齢社会を迎える中で、乳幼児期から高齢期まで生涯を通じ、だれもがみずから、より積極的に健康をはぐくむことが重要でありまして、生活習慣の改善への取り組みが求められております。今年度末までに策定予定の東京都健康推進プラン21・後期五か年戦略では、糖尿病予防、がん予防、こころの健康づくりの三項目を重点的課題として取り組んでまいります。
糖尿病予防につきましては、肥満チェックキットなどによる体験型普及啓発など、糖尿病予防のための環境づくりに新たに取り組んでまいります。
がん予防につきましては、乳がんを重点として、マンモグラフィー検診の受診向上を目指して普及啓発に取り組むとともに、読影医師等の養成や機器整備を行ってまいります。
こころの健康づくりといたしましては、中小企業メンタルヘルスセミナーでのチェックシートを活用した普及啓発や専門家による相談支援など、産業労働局と連携し、こころの健康づくりに取り組んでまいります。
第六は、多様化する健康危機への機敏な対応でございます。
鳥インフルエンザがアジアからヨーロッパへと拡大するなど、新型インフルエンザの出現及び大規模流行のおそれが強まっております。昨年末に策定いたしました東京都新型インフルエンザ対策行動計画に基づき、感染症情報ネットワークシステムの活用や都内でのインフルエンザ観測定点の倍増など、発生動向調査の体制を強化いたします。さらに、約百一万人分のインフルエンザ治療薬の備蓄など、新型インフルエンザの医療体制を確保してまいります。
花粉症は、首都圏では約四人に一人が苦しんでいるといわれ、八都県市が共同して広域的な対策に取り組みます。福祉保健局では、花粉症自動測定・予報システムの導入や花粉症患者実態調査を実施するとともに、花粉症の有力な根本的治療方法である舌下減感作療法につきまして、都立病院や民間の医療機関の協力を得て開発を促進してまいります。
第七は、新しい福祉を支える基盤づくりでございます。
路上生活者への対策では、都区共同で実施しております公園生活者地域生活移行支援事業を、これまで実施している五公園に加えまして、隅田川流域等に拡大して実施してまいります。
三宅島火山活動に伴う避難指示の解除から一年が経過いたしましたが、今なお火山ガスの噴出が続く中、村の復興に向けて懸命な取り組みが続いております。都といたしましては、被災者の生活再建を支援するため、生活再建支援金の支給期限を一年延長いたします。
第八に、福祉改革の推進等でございます。
今年度から開始いたしました成年後見活用あんしん生活創造事業につきましては、成年後見制度推進機関の設置や立ち上げ準備の取り組みが進むなど、着実な歩みが始まっております。引き続き制度の普及、定着のための取り組みを進めてまいります。
以上、平成十八年度予算案の主な内容をご説明申し上げました。
次に、平成十七年度一般会計補正予算案についてご説明申し上げます。
これは、国庫支出金返納金並びに医療施設及び社会福祉施設のアスベスト除去に要する経費等を補正するものでございます。
続きまして、条例案について概要をご説明申し上げます。
お手元の平成十八年第一回東京都議会定例会条例案をごらんいただきたいと存じます。
表紙の次のページ、目次をお開き願います。今回ご審議をお願いいたします条例案は二十一件でございます。
まず、東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例から東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例までの七件につきましては、障害者自立支援法の施行に伴いまして、使用料等に係る規定を整備するものでございます。
また、この七条例のうち、東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例及び東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例につきましては、都立施設改革に伴い社会福祉法人に移譲する施設の廃止につきましてもあわせて規定しております。
次の東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例と東京都地方精神保健福祉審議会条例の一部を改正する条例につきましては、障害者自立支援法の施行に伴いまして、センターの事業等について規定を整備するものでございます。
次に、東京都障害者介護給付費等不服審査会条例でございます。障害者自立支援法の施行に伴いまして、区市町村の介護給付費等に係る処分についての審査請求を取り扱う審査会を新たに設置するものでございます。
次に、東京都立ナーシングホーム条例の一部を改正する条例でございますが、介護保険法の改正に伴いまして、ナーシングホームにおいて新たに行う介護予防サービス等について規定を整備するものでございます。
次に、東京都介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例でございますが、これは、基金への拠出率を変更するとともに、介護保険法の改正に伴いまして規定を整備するものでございます。
次に、東京都動物の愛護及び管理に関する条例でございます。動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴いまして、条例の全部を改正するものでございます。
なお、特別区及び市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の中途議決にあわせまして、本条例につきましても中途議決をお願いしたいと存じます。
次の東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例と東京都監察医務院関係手数料条例の一部を改正する条例につきましては、手数料額を改定するほか、規定を整備するものでございます。
なお、このうち東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例につきましては、介護保険法の改正に伴い手数料の規定整備が必要となるため、当該部分につきましては、政省令の公布を待って追加提案する予定でございます。
次に、心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例でございますが、これは、障害者自立支援法の施行に伴いまして、知的障害者更生施設等の入所者にも医療費を助成するため、規定を整備するものでございます。
次に、東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の一部を改正する条例でございますが、これは、被災者の住宅再建の状況を踏まえ、条例の有効期限を一年延長するものでございます。
次の東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例から最後の東京都心身障害者生活実習所条例の一部を改正する条例につきましては、組織改正や都立施設改革等に伴いまして施設の廃止等を規定するものでございます。
以上、平成十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております議案につきましてご説明を申し上げました。
詳細につきましては総務部長からご説明を申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○片岡総務部長 それでは、平成十八年度予算案につきまして、お手元の資料、平成十八年度当初予算概要によりご説明申し上げます。
目次を二枚めくり、一般会計の表題の次になりますが、一ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
まず、歳出の計欄をごらん願います。十八年度は七千百十四億五千二百万円で、十七年度に比べて二百八十九億二千二百万円、四・二%の増となっております。
次に、歳入でございますが、特定財源の計欄をごらん願います。十八年度は八百十八億七千八百万余円で、十七年度に比べて二百三十七億五千百万余円、二二・五%の減となっております。これは、国の三位一体改革により国庫補助金が交付金化され、区市町村へ直接交付となったことや、税源移譲など一般財源化されたことなどによるものでございます。
二ページをお開き願います。Ⅱ、予算定数でございます。
左側の表の合計欄をごらん願います。平成十八年四月一日における職員の予算定数は五千百三十五人で、十七年度と比較して百十一人の減員となっております。主な増減員は表の右側にお示ししてございます。
三ページをごらん願います。Ⅲ、事項別内訳でございます。
初めに、一、高齢者の地域生活と自立への支援でございます。
介護保険制度の運営、地域における日常生活の支援、高齢者の生きがいと社会参加の推進などに要する経費といたしまして、一千五百二十四億四千万余円を計上してございます。
少し飛びますが、一一ページをお開き願います。(3)、安心して利用できるショートステイ支援事業でございます。都民が安心してショートステイを利用できるように、地域の実情に応じた仕組みづくりに向けて、モデル事業を実施してまいります。
一四ページをお開き願います。概要欄1、有料老人ホームあんしん支援事業でございます。高齢者が安心して有料老人ホームを選択できるよう、情報提供の仕組みを構築するとともに、第三者評価の受審を促進してまいります。また、平成十八年度から、改正老人福祉法に基づき有料老人ホームへの立入調査を実施してまいります。
二三ページをお開き願います。概要欄4、地域密着型サービス等重点整備事業でございます。介護が必要となった際にも住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、区市町村が行う小規模特養や地域密着型サービス拠点などの整備促進に対して支援してまいります。
二六ページをお開き願います。二、子育て環境の整備でございます。
次世代育成支援対策の推進、都市型保育サービスの推進、子育て支援対策などに要する経費といたしまして、一千八十四億四千万余円を計上してございます。
二九ページをお開き願います。(3)、認証保育所でございます。平成十三年度の制度創設以来、順調に設置が進んでおります。十八年度末には、A型とB型を合わせまして四百一カ所といたしてまいります。
三五ページをお開き願います。(1)、児童手当の支給でございます。児童手当の支給対象年齢を小学校第三学年終了までから小学校終了までに引き上げるとともに、所得制限を緩和し、子育てを行う家庭の経済的負担の軽減を図ります。
四五ページをお開き願います。概要欄5、東京子ども家庭支援システムの構築でございます。要支援家庭を早期に発見し、また、その発生を防止するため、助産師の地域連携力を養成、地域の子育てネットワーク機能を強化してまいります。
五〇ページをお開き願います。三、障害者の自立生活への支援でございます。
心身障害者地域生活支援、障害者の就労支援、精神障害者地域生活支援などに要する経費といたしまして、一千三百四十九億六千二百万余円を計上してございます。
(1)、地域居住の場の確保では、心身障害者の地域ごとにおける自立生活を支援するため、グループホームの運営に対して補助を行ってまいります。
五六ページをお開き願います。概要欄3、小規模作業所への支援の充実強化事業でございます。小規模作業所について、障害者自立支援法によるサービス類型への移行促進を図るためのモデル的、先駆的な取り組み等に対して新たに補助してまいります。
七三ページをお開き願います。(1)、精神障害者地域生活支援体制の整備でございます。
概要欄1、退院促進支援事業は、精神障害者のいわゆる社会的入院を解消し、地域生活への移行促進を図るものでございます。
七六ページをお開き願います。(1)、都立障害者施設の整備等でございます。
概要欄1、北療育医療センターでは、給排水管等の改修とともに、重症心身障害児通所事業の実施に必要な整備を行ってまいります。
八〇ページをお開き願います。四、医療提供体制の確保でございます。
三百六十五日二十四時間の安心の医療提供、医療施設整備と地域医療連携の推進、地域ケア体制の充実などに要する経費として二百四十八億八千八百万円を計上してございます。
八三ページをお開き願います。概要欄13、救命救急センターでございます。生命の危機を伴う重篤な三次救急患者を受け入れるため、救命救急センターの運営及び施設設備整備について補助してまいります。
九六ページをお開き願います。概要欄1、地域がん診療拠点病院事業でございます。がん医療水準の向上を図るため、地域におけるがん診療の拠点病院を確保してまいります。
九七ページをごらん願います。概要欄(2)、医療安全管理体制支援事業でございます。医療機関の医療安全対策に携わる職員等の育成を支援するなど、医療安全管理体制の一層の向上を図ってまいります。
概要欄(3)、医療情報の理解促進では、医療情報を都民に正しく活用いただくため、医療制度、診療報酬制度等に関する都民の理解促進を図ってまいります。
一〇五ページをお開き願います。都民の総合的な保健サービスの向上でございます。
地域保健の推進、健康づくりの推進などに要する経費として一千二百億二千三百万余円を計上してございます。
一〇八ページをお開き願います。概要欄1、老人保健事業でございます。
老人保健法に基づきまして、七十歳以上を対象に区市町村が実施する健康手帳の交付、健康教育などの事業に対して補助を行います。
なお、平成十八年度から、六十五歳以上を対象とする介護予防に資する機能訓練などにつきましては、介護保険法に基づく地域支援事業に移行いたします。
一一一ページをお開き願います。概要欄8、在宅難病患者通所サービス利用支援モデル事業でございます。医療依存度の高い在宅難病患者の療養生活の質の向上や家族の介護負担の軽減を図るため、在宅難病患者が通所サービスを利用するための支援事業を新たにモデル実施してまいります。
一一六ページをお開き願います。(4)、乳幼児医療費助成事業補助でございます。乳幼児の保健の向上と健やかな育成を図るため医療費の一部を助成いたしますが、平成十八年度は、児童手当に準拠し所得制限を緩和いたします。
一一八ページをお開き願います。六、多様化する健康危機への機敏な対応でございます。
食品の安全確保、医薬品等の安全確保、感染症対策などに要する経費といたしまして百六十八億二千五百万余円を計上してございます。
一一九ページをごらん願います。概要欄4、牛海綿状脳症対策でございます。都内のと畜場に搬入されるすべての牛について、BSEのスクリーニング検査を引き続き実施いたします。
一二九ページをお開き願います。(3)、エイズ対策でございます。エイズ感染を防止するため、普及啓発や相談検診、医療体制の確保を図ってまいります。十八年度は相談検診を充実し、多摩地域において月二回、土曜日に迅速検査を実施いたします。
一三六ページをお開き願います。七、新しい福祉を支える基盤づくりでございます。
低所得者への援護等、福祉人材の養成確保の支援等、被災者に対する支援などに要する経費といたしまして、一千三百十六億三千万余円を計上してございます。
一四〇ページをお開き願います。概要欄1、区市町村国民健康保険都負担金の(3)、財政調整交付金でございます。国の三位一体改革に伴う国民健康保険制度改正により、医療費の適正化など都道府県の役割の強化を図るため、平成十七年度創設された交付金でございます。平成十八年度より本則適用となりますことから、区市町村への交付額が大幅な増となっております。
一四三ページをお開き願います。概要欄3、福祉タクシーコレクトセンター整備事業でございます。
車いす利用者の方々の利便性向上を図るため、福祉タクシーの共同配車センターの設置に係る経費を補助してまいります。
一五〇ページをお開き願います。八、福祉改革の推進等でございます。
福祉改革の推進、社会福祉施設の指導検査などに要する経費として二百二十億九千百万余円を計上してございます。
一五五ページをお開き願います。概要欄1、東京都医学系総合研究所(仮称)の整備でございます。神経科学総合研究所、精神医学総合研究所及び臨床医学総合研究所のそれぞれの研究領域を超えまして連携し、総合的な研究を推進するため、三研究所を統合、整備してまいります。
一六〇ページをお開き願います。【4】、債務負担行為でございます。
債務負担行為の期間及び限度額について、独立行政法人福祉医療機構借入金利子補助外九つの事項を計上してございます。
一六一ページをお開き願います。ここからは特別会計でございます。
まず、Ⅰ、母子福祉貸付資金会計でございます。
母子及び寡婦福祉法に基づく母子福祉資金の貸し付けに要する経費として四十六億八千四百万円を計上してございます。
一六二ページをお開き願います。Ⅱ、心身障害者扶養年金会計でございます。
東京都心身障害者扶養年金条例に基づく年金等の給付に要する経費として四十四億八百万円を計上してございます。
以上、大変簡単ではございますが、平成十八年度予算案の説明を終わらせていただきます。
続きまして、平成十七年度補正予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料、平成十七年度補正予算概要をごらん願います。
目次の次のページでございますが、一ページをお開き願います。Ⅰ、総括表でございます。
左側の(1)、歳入予算でございますが、補正予算額欄をごらん願います。国庫支出金及び都債について総額で二十二億五千三百万余円を補正し、これにより歳入合計は一千八十一億二千二百万余円となります。
次に、右側の(2)、歳出予算の補正予算額欄をごらん願います。福祉保健費及び諸支出金について総額で六十一億一千二百万余円を補正し、これにより歳出合計は六千九百七十六億一千万余円となります。
次に、左下(5)、繰越明許費でございます。平成十八年度への繰り越しが見込まれる事業について、九億四千四百万余円を計上してございます。
二ページをお開き願います。Ⅱ、事項別内訳でございます。
1、医療提供体制の確保については、概要欄にございますように、医療施設の耐震化整備及びアスベスト除去等に対する補助金を計上しております。
三ページをごらん願います。2、社会福祉施設等の整備でございますが、医療施設と同様に、社会福祉施設のアスベスト除去等に対する補助金を計上しております。
四ページをお開き願います。3、国庫支出金返納金でございます。精算の結果受け入れが超過した国庫支出金の返納に要する経費を計上しております。
五ページをごらん願います。4、特定資金公共投資事業債償還金は、歳入予算の補正でございます。国の補正予算に対応し、償還金に充当する国庫補助金を計上しております。
六ページをお開き願います。Ⅲ、繰越明許費補正でございます。
医療施設及び社会福祉施設のアスベスト除去等の整備につきましては、年度内に事業が完了しないことが見込まれるため、平成十八年度に歳出予算額を繰り越して使用できるようにするものでございます。
以上、簡単でございますが、平成十七年度一般会計補正予算案の説明を終わらせていただきます。
続きまして、条例案につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料、平成十八年第一回東京都議会定例会条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
今回ご審議をお願いいたします条例案は二十一件でございます。
それでは、順を追いましてご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。整理番号1、東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例でございます。本条例から、三ページに参りまして整理番号7、東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例までの七条例につきましては、障害者自立支援法の施行に伴い、食事の提供または居住に要する費用等につきまして利用者の負担を定めるため、使用料等に係る規定を整備するものでございます。
このうち、二ページ上段の整理番号4、東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例及び三ページ上段の整理番号7、東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例につきましては、障害者自立支援法の施行に伴う規定整備のほか、都立施設改革に伴い社会福祉法人に移譲する東京都練馬福祉園、東京都町田福祉園及び東京都中井児童学園に関する規定の削除につきましてもあわせて行うものでございます。
条例の施行日でございますが、いずれの条例につきましても平成十八年四月一日としております。
整理番号8、東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例でございます。
障害者自立支援法の施行に伴う精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正によりまして必要となります自立支援医療費の支給認定等の事務につきまして、センターの事業として規定するものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日としております。
整理番号9、東京都地方精神保健福祉審議会条例の一部を改正する条例でございます。
障害者自立支援法の施行に伴う精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正によりまして、東京都地方精神保健福祉審議会の設置等に関する規定を整備するものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日としております。
四ページをお開き願います。整理番号10、東京都障害者介護給付費等不服審査会条例でございます。
これも障害者自立支援法の施行に伴うものでございまして、障害者等に対する特別区及び市町村の介護給付費等に係る処分についての審査請求を取り扱う東京都障害者介護給付費等不服審査会を設置するため、新たに条例を制定するものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日としております。
整理番号11、東京都立ナーシングホーム条例の一部を改正する条例でございます。
介護保険法の改正に伴いまして、介護予防サービスの提供に係る規定を整備するものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日としております。
整理番号12、東京都介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例でございます。
基金への拠出率を千分の一から一万分の三に変更するとともに、介護保険法の改正に伴う規定整備を行うものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日としております。
五ページをごらん願います。整理番号13、東京都動物の愛護及び管理に関する条例でございます。
動物の愛護及び管理に関する法律の改正に伴いまして、条例の全部を改正するものでございます。
この条例は、同法律の施行日に合わせまして、平成十八年六月一日から施行することとしております。
なお、先ほど局長からもご説明申し上げましたとおり、特別区及び市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の中途議決にあわせまして、本条例につきましても中途議決をお願いしたいと存じております。
六ページをお開き願います。整理番号14、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
手数料の額を改定するとともに、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の改正に伴いまして規定を整備するものでございます。
改定手数料の額につきましては、一〇ページ及び一一ページに記載してございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
また、この条例は平成十八年四月一日から施行することとしておりますが、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の改正に伴う規定整備の部分につきましては、同法律の施行の日から施行することとしております。
なお、本条例に関しましては、介護保険法の改正に伴う介護支援専門員等に関する手数料の規定を整備する必要がございますが、この部分につきましては、先ほど局長からもご説明申し上げましたとおり、介護保険法の改正を踏まえた政省令が公布され次第、追加提案をさせていただきたいと存じております。
七ページをごらん願います。整理番号15、東京都監察医務院関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
自動車損害賠償責任保険の保険金受給に係る意見書及び生命保険の保険金受給に係る意見書の交付手数料に関する規定を設けるとともに、死体検案書謄本の交付手数料の額を改定するものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日としております。
整理番号16、心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例でございます。
障害者自立支援法の施行に伴いまして、知的障害者福祉法に規定する施設の入所者に医療費の負担が発生いたしますことから、医療費助成の対象者に係る住所要件に特例を設ける規定を整備するものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日といたしております。
整理番号17、東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の一部を改正する条例でございます。
帰島された三宅島災害被災者の住宅再建の状況を踏まえまして、条例の有効期限を平成十九年三月三十一日まで一年間延長するものでございます。
この条例は、公布の日から施行することといたしてございます。
八ページをお開き願います。整理番号18、東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例でございます。
東京都立看護専門学校の再編整備に伴いまして、記載の看護学科の二年課程を廃止するとともに、寄宿舎の使用料に関する規定を設けるものでございます。
この条例の施行日は平成十八年四月一日でございますが、寄宿舎使用料に係る部分につきましては、平成十九年度以降に入学する者から適用することといたしております。
整理番号19、東京都女性相談センター条例の一部を改正する条例でございます。
婦人相談業務の強化を図るため、東京都女性相談センターに多摩支所を設置する規定を整備するものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日としております。
整理番号20、東京都心身障害者福祉作業所条例の一部を改正する条例でございます。
都立施設改革に伴いまして社会福祉法人に移譲する東京都立川福祉作業所に関する規定を削除するものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日としております。
九ページをごらん願います。整理番号21、東京都心身障害者生活実習所条例の一部を改正する条例でございます。
同じく都立施設改革に伴いまして社会福祉法人に移譲する東京都府中生活実習所外三施設に関する規定を削除するものでございます。
施行日は、平成十八年四月一日といたしております。
議案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成十八年第一回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。
以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○藤井委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
○かち委員 認証保育所の保育料の分布がわかるもの。
認証保育所の職員の定着状況についての資料。
子育て推進交付金の概要。
孤独死の推移のわかるもの。
地域包括支援センターの認定状況。
精神障害者の退院促進モデル事業の実績のわかるもの。
介護保険における介護予防事業の概要のわかるもの。
自立支援法に伴い利用者負担がふえる障害者施策の一覧。
合計特殊出生率の推移。
都保健所の専門職員定数、実員、欠員の推移。
認可保育所の定員数、入所児童数及び入所率の推移。
認可保育所における職員の平均経験年数の分布。
精神障害者社会復帰施設の設置状況。
看護職員需給見通しと確保策のわかるもの。
都立看護学校の寄宿舎の利用状況。
旧都立授産場の在籍者の状況。
がん検診、基本健康診査の有料化の状況のわかるもの。
以上です。
○野島委員 障害者の自立生活への支援の関係で二点ほどお願いしたいと思います。
一つは就労支援の関係なんですが、東京の障害者の就労支援率というのかな、福祉就労であれ一般就労であれ、それが全国的な部分もわかればありがたい。比較できるようなものがあればありがたいというのが一点。
それから、去年、自立支援法の関係の質疑のときいったんですが、国制度があって、都制度で今回も激変緩和していますよとか、要するに、国制度があり、しかし、都として独自にこういう上乗せ、横出しをしていますよと、要は東京都はそれだけ取り組んでいますよと一発でわかる、制度が複雑なものですから、一回でわかるようなものがあったら教えてください。
その二点です。
○藤井委員長 ほかにございますか。--ただいま、かち副委員長、野島副委員長から資料要求がありました。これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出を願います。
○藤井委員長 次に、理事者から二件の報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○野口企画担当部長 それでは、お手元の福祉・健康都市東京ビジョンによりましてご説明をさせていただきます。
このビジョンは、本年の二月六日に発表したものでございまして、これまで取り組んでまいりました利用者本位の福祉改革と患者中心の医療改革をさらに推進していくために、福祉、保健、医療施策に関する都の基本姿勢を改めて明らかにしたものでございまして、分野ごとの個別計画を策定し、施策を進めていく上での基本指針となるものでございます。
初めに、三ページをお開き願います。ここから五ページまでが目次でございまして、全体の構成をごらんいただきたいと存じます。
大きく分けて、考え方編と事業編の二部構成になっております。考え方編の第1で「ビジョン」の必要性と意味を、第2で施策展開の基本的な考え方を示し、それを踏まえた分野別の事業展開を事業編でお示しいたしております。
それでは、九ページをごらんいただきたいと存じます。ここから一五ページまでが第1、「ビジョン」の必要性と意味でございまして、本格的な高齢化や人口減少社会の到来など、さまざまな不確実さが都民を取り巻く中で、確かな安心を次世代に引き継ぐために、東京の福祉保健施策の基本姿勢をビジョンとして改めて示すことの必要性と意味を述べさせていただいております。
一七ページをお開きください。第2、施策展開の基本的な考え方でございます。
このページから二七ページにかけて、ビジョンの目的と三つの視点を記しております。
ビジョンの目的として、だれもがみずから積極的に健康づくりに取り組み、就労や地域生活などその人らしい自立を目指し、主体的に生活できる社会を構築する新しい自立の実現を掲げております。新しい自立は、都民一人一人がみずからの生活をより豊かなものにするとともに、社会保障制度の安定性を確保するものでございまして、その実現に向けて施策を展開することとしております。
二〇ページをごらんください。視点といたしましては、地域での自立生活に必要な基本的なニーズを把握し、一人一人のライフステージと生活の全体をとらえる視点。それから二二ページになりますが、多様な事業主体の存在や高い地価など大都市東京の特性を踏まえ、その課題を克服すると同時に、その強みを生かして施策を展開していく視点。それから二四ページになりますが、民間の力、地域の力、行政の力を生かし、多様なニーズに的確にこたえていくという施策の効果と、限られた資源を有効に活用していくという施策の効率とを追求していく視点の三つを掲げております。
それから、二九ページをお開きください。ここから事業編になりまして、東京の福祉保健の新展開二〇〇六と題しまして、子ども家庭、高齢者、障害者、生活福祉、健康づくり・医療政策、健康安全の六つの分野ごとに合計二十の重点プロジェクトを中心に、平成十八年度の施策展開を示しております。
三二ページをお開きください。まず、子ども家庭分野でございますが、子どもが健やかに生まれ、はぐくまれる社会を実現するために必要な施策展開について述べ、具体策として、三五ページ以降でございますが、総合的な子育て相談・支援体制の整備など四つの重点プロジェクトを記しております。
なお、これ以降では、分野ごとに中期的な取り組みの方向を示し、それを踏まえました来年度の重点プロジェクトを述べるという形式になっております。
次に、四一ページをお開きください。高齢者分野になります。
高齢者が健康で自分らしく暮らすことができる社会の実現のために必要な施策展開について述べまして、四四ページ以降、介護予防システムの都内全域での展開など三つのプロジェクトを記しております。
四八ページをお開きください。障害者分野になります。
地域生活や就労など、自立を目指す障害者を支援するための施策展開について述べまして、五一ページ以降、地域生活を支えるサービス基盤の充実など三つのプロジェクトについて記しております。
続きまして、五四ページをお開きください。生活福祉分野でございます。
これまでに述べてまいりました子ども家庭、高齢者、障害者の各福祉分野の施策展開を支える基盤づくりといたしまして、五六ページ以降になりますが、自立支援をより重視した生活保護施策とホームレス対策の推進など二つのプロジェクトを記しております。
五八ページをお開きください。健康づくり・医療政策分野でございます。
ライフステージを通じた健康づくりと、生活の質をより重視した医療を進めるための施策展開について述べております。六一ページ以降、糖尿病予防、がん予防、こころの健康づくりを中心とした健康づくりなど四つのプロジェクトを記しております。
続きまして六八ページをお開きください。健康安全分野でございます。
医薬品や毒物、劇物等に起因する健康被害や食中毒、感染症など、多様化する健康危機から都民を守るための施策展開について述べまして、七一ページ以降、感染症の脅威から都民を守るなど四つのプロジェクトを記しております。
七六ページをお開きください。これからの行政の役割、そして都の役割について述べております。
ここでは、これからの行政の役割は、サービスを必要とする人に必要なサービスが行き届くよう、地域のサービス提供システム全体を調整していくことであり、その軸足を、これまでのサービスの直接の提供者からシステム全体の調整者へと大きくシフトしていくこととしております。
こうした中で、これから都が担うべき役割として、七八ページになりますが、区市町村への支援、広域的なサービス基盤の整備、レフェリー役としての役割、新しい時代に合わせて都立施設を改革、国への提案要求の五つを挙げ、さらに、この役割を果たすために取り組むべき三つの課題について述べております。
八〇ページをお開きください。第一の課題、区市町村の主体的な施策展開の支援でございます。
ここでは、地域の実情に応じた区市町村の柔軟な施策展開を支援するため、区市町村に対する従来の補助制度を分権時代にふさわしいものへと見直していく、都独自の補助金改革について述べております。
八二ページをお開きください。第二の課題、レフェリー役としての都の役割でございます。
ここでは、指導検査や監視指導など行政権限の適切な行使と、成年後見制度の普及定着や第三者サービスの評価などの仕組みづくりなどによりまして、都はレフェリー役を果たしていくことについて述べております。
八四ページをお開きください。第三の課題、新しい時代に合わせた都立施設の改革でございます。
行政の担うべき役割や都立施設の役割の変化、指定管理者制度の本則適用など、都立施設をめぐる状況は大きく変化しております。こうした状況を踏まえまして、八七ページになりますが、利用者本位のサービスを徹底するため、民間でできることは民間にゆだねるとの基本方針のもと、福祉保健局所管の公の施設等八十施設について新たな改革方針を策定し、改革に取り組んでいくことについて述べております。
以下、都立施設改革のさらなる展開として、高齢者施設、児童・母子婦人施設、障害者施設、医療施設・看護専門学校等の四つの分野ごとに、各施設の現状、中期的な方針及び二十一年度までの展開を示してございます。
次に、一一三ページをお開きください。参考として、平成十八年度福祉保健局予算案の概要、それから東京都のこれまでの取り組み、最後には、サービスの経費と利用者負担についてお示しいたしております。
以上、甚だ簡単ではございますが、福祉・健康都市東京ビジョンについてご説明申し上げました。
当局といたしましては、この福祉・健康都市東京ビジョンに基づきまして、民間の力、地域の力、行政の力を十全に活用した効率的、効果的な施策展開によりまして、福祉、保健、医療サービス分野における改革をさらに前進させ、現在の都民はもちろん、将来世代にわたって信頼できる安定的なシステムを構築することで、確かな安心を次世代に引き継いでいく決意でございます。
ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。
○吉岡障害者施策推進部長 では、お手元の厚生委員会報告事項の資料に基づきましてご報告いたします。
厚生委員会報告事項の四ページをお開き願います。都立障害者通所施設の民間移譲についてでございますが、まず目的でございますが、都直営の障害者通所施設を民間の社会福祉法人が設置する施設に転換することにより、利用者サービスの一層の向上を実現することでございます。
対象施設は、表記載のとおり、生活実習所が二施設、福祉作業所三施設の計五施設でございます。
運営事業者の選定につきましては、公募により選定することとし、財産上の取り扱いにつきましては、建物は当面無償貸付するものとし、将来的には無償譲渡について検討いたします。
今後のスケジュールでございますが、平成十八年度に公募による選定、引き継ぎを行い、平成十九年度以降に社会福祉法人による自主運営の開始を予定しております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○藤井委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
○かち委員 東京ビジョンで一点だけ。
都直営で残る福祉施設の一覧をお願いします。
○藤井委員長 ほかにありますか。--ほかになければ、ただいま、かち副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
○藤井委員長 これより請願陳情の審査を行います。
初めに、一七第一六九号、ウイルス肝炎総合対策における医療費助成の拡充に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○杉村保健政策部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
まず、整理番号1、請願一七第一六九号についてでございますが、この請願は、新宿区の東京肝臓友の会会長中島小波さんから提出されたものでございます。
請願の趣旨は、ウイルス性慢性肝炎の肝硬変への進行や、肝臓がんの発生の防止を目的とした抗ウイルス治療を受ける患者さんのために、現在の入院時の医療費助成制度から、通院、調剤まで制度の拡充を検討していただきたいというものでございます。
現在の状況についてでございますが、ウイルス肝炎の医療費助成につきましては、外部有識者等から成る新たな感染症対策委員会の提言を受けまして、ウイルス肝炎総合対策の一環として、平成十四年十月から入院時の医療費助成を実施しております。
事業開始から三年が経過し、この間、従前に比してインターフェロン製剤による抗ウイルス療法が進歩するなど、ウイルス肝炎の治療方法が変化しております。
以上のことから、都といたしましては、ウイルス肝炎の現状や、これまでの対策の成果等を改めて整理し、専門的見地からの意見も踏まえ、今後のウイルス肝炎総合対策のあり方を検討してまいります。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○藤井委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○田代委員 請願一七第一六九号について質問させていただきます。
肝臓、いわゆる最大の臓器ですが、沈黙の臓器といわれるこの肝臓を侵すC型肝炎が今大変社会的な問題になっている。毎日、新聞に載らないときがないぐらいに非常に大きな問題となっているわけですけれども、本人が気づかないうちにC型肝炎ウイルスに持続感染している人というのは、今おおよそ二百万人から三百万人ぐらい日本にいるのではないかといわれているわけですね。当然、都内でも二十万人から三十万人、そのぐらいの方がいらっしゃるんじゃないか。
多くの方々は、過去に受けた輸血や注射などに起因して感染しているといわれておりますが、感染初期は、生化学検査、GOT、GTPなどでも異常が余り見つからない。そして長期間自覚症状がなくて、気がついたときには慢性肝炎から肝硬変、肝がんへと、こういう経過に移っていく大変怖い病気なわけですが、我が党は、定例会を初め機会あるごとに、このC型肝炎の対策は早期発見から早期治療まで総合的に取り組んでいかなくてはならない、これが重要であるという見解を示しまして、都の所見を求めてきたところであります。
東京都もこれにこたえて、平成十四年度から独自の事業も取り入れたウイルス肝炎総合対策を推進してきたことは、一定の評価をするものでありますが、このC型肝炎対策の基本的な考え方というのは、ウイルス検査により早期に感染の有無を確認して、感染者に対して適切な治療を行う、これが何といったって基本であります。
そして、C型肝炎による死亡者数を減らすこと、これが究極の目的でありますが、実施後約三年間、都の対策が経過したわけですけれども、今お話にありましたように、治療の面においては抗ウイルス治療が大変進歩してまいりました。それは、入院医療費助成制度が当初の計画から利用者が少なくなっているということでも推測できることであります。
我々日本人に多いタイプ、ジェノタイプ1bというタイプで、これがC型ウイルス肝炎の七〇%を占めているわけですが、このタイプのウイルスは大変難治性でありまして、従前の、今までずっと行われてきましたインターフェロン単独療法、なかなか効果が出てこない。二割とも三割ともいわれている効果ですが、それ以上なかなか伸びていかなかったわけですが、最近開発されましたペグインターフェロンとリバビリンとの併用療法では、治療効果が大変上がっているということであります。
そこで、まず、改めて確認をさせていただきたいと思いますが、最新の有効な治療法として開発されたこのペグインターフェロンとリバビリンの併用療法というのはどのような治療法なのか、その治療効果について認識を伺いたいと思います。
○桜山参事 従前のインターフェロンは、毎日もしくは週三回の注射でございましたが、新たに開発されましたペグインターフェロンは、長時間、安定的に血中濃度が維持されますので、週一回の注射ですぐれた効果が得られるようになりました。
リバビリンは、ウイルスの増殖を抑制するもので、ペグインターフェロンの注射開始と同時に服用を始め、毎日服用するものでございます。
治療によるウイルス駆除例で見ますと、先生のご指摘にもありました、日本人に多いインターフェロンが最も効きにくいとされますウイルスタイプの1b型におきまして、また、かつその1b型のウイルス量の多い患者さんにおいても、その効果が約五〇%得られているというデータも報告されております。
○田代委員 学会などの報告を見ておりますと、このペグインターフェロンとリバビリンの併用療法、ウイルスに対する多剤併用というのは、今、二十世紀から二十一世紀にかけて大変活発に行われているわけですけれども、明らかにウイルスの駆除効果が出ているわけです。
先ほど申し上げましたように、なかなかインターフェロン単独では、全体でも二割から三割しか効果がなかったわけでありますが、今度のこの併用療法によって、肝臓の線維化の改善や肝がんの発症率が大変抑制されている、こういう研究結果がありますので、今後、治療研究がさらに推進されていくことを期待するわけであります。
ところで、従前までのインターフェロン治療は、患者さんの状態や副作用などを考慮し、大変副作用が多かったものですから、初期治療の段階では入院を必要としておりましたけれども、現在は、東京肝臓友の会からの請願にもありますように、週一回の注射で、通院が中心となってきているわけです。患者さんの状況によっては、自己注射も可能というわけでございますので、先ほど、今後、専門的見地からの意見も踏まえて検討するということでございますけれども、インターフェロン治療の実態に即した医療費助成制度というものを検討すべき時期に来ていると思いますが、見解を伺います。
○杉村保健政策部長 ウイルス肝炎対策につきましては、平成十三年十月の外部有識者等による報告書が示す方向性に沿って推進してきたところでございますが、ご指摘のとおり、治療の面では、当時と比してインターフェロン治療が大きく進歩しております。
医療費助成制度については、こうしたインターフェロン治療法の変化や医療保険制度の動向などを踏まえまして、今後のあり方を検討してまいりたいというふうに考えております。
○田代委員 先ほど述べましたけれども、このC型肝炎対策という基本は、まず早く見つける、そして早く治療を始める、こういう一貫した体制をつくっていくことでありまして、多くの都民の方々が早期にC型肝炎ウイルスの検査を行って、感染の有無を確認して、感染者に対しては適切な治療を早期に進めていく。これで今問題になっている肝硬変や肝臓がんを大幅に減らすことが可能になるわけであります。
治療法の進歩が大変目覚ましいわけですから、早期治療につながるより効果的な医療費助成の検討をぜひとも積極的に考えていただきたい。そして、C型肝炎に関する正しい知識の普及啓発についても、また、感染者の方に対する大変間違った偏見、差別、こういうものも予防しなくてはならないわけであります。そういうことが行われて初めて受療行動にもつながっていくわけであります。
こういうことを東京都としては今後とも、国、そして区市町村、医師会などと連携を図って、必要なC型肝炎対策を積極的に推進して、患者さんや家族の方々の健康不安を解消されることを強く希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○斉藤委員 それでは、私の方から、確認程度の簡単な質問をさせていただきます。
冒頭で説明がありました。そして今、田代先生から質問があり、それに対しての答弁がありまして、聞いている感じでは、たまたま今回請願がこの時期出ておりますけれども、東京都としても、東京都が行っている事業を始めて、そろそろ、現実的な治療の流れからすると、少し見直しをする時期に来ているのかなと、ちょうど思っていたところの請願というふうな感じに理解できました。
恐らく、今現在、入院の方を中心に支援をしているわけですけれども、今後は、入院の患者数、その数量的な部分とか経費的な部分というもの、全くゼロということはないと思うんですけれども、外来と入院のバランスを考えながら、現在の医療費助成の仕組みを現状に即した形に変えていくことを視野に、既に検討の準備に入っているというふうな感じで理解してよいかと思います。
確認なんですけれども、東京都としては、今回、請願者の願意に沿った方向に、ちょうどそのような考えを持っていて、また、今後この願意に沿った方向に進む可能性が非常に高いというふうに理解をしてよろしいんでしょうか。その辺を確認したいと思います。
○杉村保健政策部長 先ほどもお答え申し上げましたが、C型肝炎の治療におきましては、インターフェロンによる抗ウイルス療法が進歩するなど、治療法が変化していることは承知してございます。
医療費助成制度につきましては、こうしたインターフェロン治療法の変化や医療保険制度の動向などを踏まえまして、専門家の意見もちょうだいしながら、今後のあり方を検討してまいりたいというふうに考えております。
○谷村委員 続きまして、一七第一六九号、ウイルス肝炎総合対策における医療費助成の拡充に関する請願につきまして質問をさせていただきます。
中島小波会長を初めとする東京肝臓友の会から提出されておりますこの請願でございますけれども、私ども都議会公明党も、桜井議員団長、石井幹事長を初め、本委員会の委員長であります藤井委員長、松葉多美子委員、私も紹介議員を務めさせていただいているところでございます。
先日、この東京肝臓友の会の副会長、また中島会長ともお会いいたしまして、この請願を出される背景のご苦労、苦しみというものも直接承ったところでございます。
先ほど、田代委員からも、このウイルス肝炎総合対策をしなければいけない実態というものについて触れられておりました。この請願の理由にも掲げられておりますけれども、肝硬変また肝臓がんの死亡者数は年間四万五千人、一日平均百人以上を超え、そのうちの大半、九五%はB型あるいはC型肝炎ウイルスが原因だといわれているぐらい、第二の国民病として、その克服というのは大きな課題になっているわけでございます。
そういったことも踏まえまして、本委員会で趣旨採択を求める立場から質問をさせていただきたいと思います。
我が党は、平成十四年に都がウイルス肝炎総合対策を実施するに当たり、緊急の要望書を提出したのを初め、機会あるごとに、C型肝炎の患者の皆様への支援策について、その充実強化を求めてきたところであります。
ウイルス肝炎総合対策が実施されて三年以上が経過しましたが、この間、老人保健法による基本健診や保健所における肝炎検査、あるいは職域健診による肝炎ウイルス検査などで新たな感染者を発見し早期の治療に結びつけてきたことは、一定の評価をさせていただきたいと思います。
しかし、最近インターフェロン治療が大きく進歩するなど、C型肝炎の治療環境が大きく変化をしてきております。平成十四年当時は、インターフェロンの自己注射という選択肢そのものがなかったわけでございまして、都が独自に実施しております入院医療費助成制度はそろそろ見直しの時期に来ているのではないでしょうか。
昨年八月、厚生労働省に設置されたC型肝炎対策等に関する専門家会議におきまして、「C型肝炎対策等の一層の推進について」という報告書が出されております。これは、平成十三年三月にまとめられた総合的なC型肝炎対策等が開始されて以降、特にインターフェロン治療の進歩により治療環境が大きく変化したことを踏まえ、今後の対策の方向性を示すものとなっております。
そこで、まず改めて確認をいたしますけれども、都がウイルス肝炎総合対策として入院時の医療費助成を行うこととしたのはどういう理由からでしょうか、確認をさせていただきたいと思います。
○杉村保健政策部長 平成十三年十月の新たな感染症対策委員会の報告では、ウイルス肝炎につきましては、保険診療を原則とするが、検診に続く医療を円滑に行うため、医療費の助成が望ましく、その際、入院、外来すべてではなく、治療上特に必要な内容や時期に限るべきとする趣旨の提言を受けております。
都といたしましては、この提言を踏まえまして、医療費助成のない他の疾患との均衡も考慮の上、病態の診断やこれに伴う治療方針の決定、また病状が悪化したときなど、治療上極めて重要な入院時の医療費について助成をすることとしたものでございます。
○谷村委員 ウイルス肝炎入院医療費助成制度は、治療上特に必要な内容や時期に限ると、専門家の提言を受けて創設されたとのことでありますが、当時のC型肝炎の治療状況からすれば、都が入院医療費助成という制度を選択したことも理解できるわけでございます。現に、肝炎ウイルスに感染している方々が、早期の治療の導入に結びつける仕組みとして活用されているわけであります。
しかしながら、平成十六年には、ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法など有効な治療法が保険適用となり、治療は週一回の通院が中心となっております。その結果として、患者を早期治療につなげるためにつくったせっかくの制度が合わなくなってきているのが実態であります。
繰り返しますけれども、私も東京肝臓友の会の皆様にお会いしてお話を伺いました。本請願にもありますように、医療保険を適用しても、医療費が高額となり、治療を断念する方もいらっしゃるということであります。
そこでお伺いしますけれども、ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法で治療を受けた場合に、医療保険を適用して医療費負担額はどの程度になるという認識をお持ちでしょうか、お尋ねをいたします。
○杉村保健政策部長 使用する薬剤の種類や投与量にもよりますけれども、通院治療で三割負担とした場合、月平均で七万円から八万円程度の負担であると聞いております。
なお、高額療養費制度によりまして、三カ月目までが七万二千三百円、四カ月目以降は四万二百円が患者負担額の上限となりますので、上回った金額については後日償還されることになります。
○谷村委員 この請願の提出者であります東京肝臓友の会の皆様からも、インターフェロン治療の実態に即した通院医療費助成制度が求められているわけでございますけれども、今改めて医療費の自己負担額をお伺いしますと、高額療養費制度があるといっても、治療の標準期間というものが四十八週だそうですから、一年近くかかるわけでございまして、毎月の医療費は、患者、その家族の方々にとって大変に重い負担になっているわけであります。疾患の治療というものは医療保険適用が原則ではありますけれども、有効なインターフェロン治療が開発されたことで、ウイルス駆除が可能となっているわけであります。
北海道において昨年十月、ウイルス性肝炎進行防止対策として、原則的には患者の方にも一部負担を求めてはおりますけれども、入院、通院に係る医療費助成制度を創設したところであります。患者負担の実態に即した制度を立ち上げたわけでございまして、都においても、この通院患者の早期かつ継続的な治療を促進する観点から、医療の進歩に即した受療しやすい治療環境を整備することが必要であると考えますので、ぜひとも精力的にその検討をお願いして、そして、本委員会におきましても本請願について趣旨採択するべきであると主張いたしまして、私の質問を終えます。
○吉田委員 私も、本請願について趣旨採択を求める立場から、何点かダブらない形で質問させていただきます。
先ほど、部長から、今後検討していく旨のご答弁がありました。私は、検討するに当たって、この間の対策がどうであったのかというきちんとした検討の上に立つということ、さらに、もちろん最新の医学的知見をこの治療に生かすことができる制度とすること、さらに、今、北海道の事例が紹介されましたけれども、そうした他県の先進的な経験をできる限り積極的に生かすということ、そして何よりも請願を出された方々を初め患者団体の意向がこうした検討の中で生かされていくこと、そうした点が求められているのではないかというふうに思います。また、そうしたことを希望したいと思います。
一点目の、これまでの対策の問題なんですけれども、私は予算特別委員会の場で、この二〇〇二年、平成十四年からの新たな再構築が進められようとしたときに、ウイルス肝炎で実際に医療費助成を受けている方々の件数で見れば、通院医療費で助成を受けている方々の件数が九七%であると。これは、当時の東京都衛生局の資料を使って、入院そのものは必要だけれども、大多数の患者が主に行っている通院外来医療を、入院をもって削ることはあってはならないということを求めましたけれども、改めてそうした実態に即して再検討していただきたい。
この間、局から聞いた数字を見ても、実際に入院のみに特化をした助成制度をしましたけれども、予算と決算で見れば、当初計画した予算よりも実際に大幅に決算額は下回る、件数は低下するという現実的な乖離が生まれてきたということは、ぜひ見ていただきたいと思うんです。
二つ目に、先進的な経験を生かすべきだということなんですが、北海道では昨年から新たな医療費助成制度に切りかえて、通院と入院、両方とも医療費助成制度が立ち上がったと思うんですが、この制度の概要について、どのような助成制度なのか、この機会に紹介していただきたいと思います。
○杉村保健政策部長 事業名はウイルス性肝炎進行防止対策事業でございまして、ウイルス性慢性肝炎の肝硬変への進行や肝がんの発生防止、治療支援を目的とされています。
助成内容でございますが、入院、通院の治療費と保険調剤薬局費用が対象でございまして、医療保険等を適用し、患者さんの自己負担は、一医療機関当たり月額、入院四万二百円、通院一万二千円という制度であると聞いております。
○吉田委員 ぜひ、そうしたことも参考例として検討していただきたいと思うんです。
最後に、冒頭も述べましたけれども、こうした新たなあり方を検討する上で、専門家の医師の方々の参画を得て進めるんでしょうけれども、同時に、直接的な患者団体の方々がそういう場に参加する、あるいはそういう検討に当たって意見が反映される仕組みというものが、教訓として見てもぜひ大事だと思うんですが、いかがでしょうか。
○杉村保健政策部長 検討に当たりましては、できるだけ幅広い見地から意見を集約してまいりたいというふうに考えております。
○吉田委員 終わりますけれども、冒頭述べました見地で、患者団体の意向などが反映できる形で検討していただきたいということを強く要望して、終わります。
○山口(文)委員 一点だけ確認をさせていただきます。
平成十四年度から平成十六年度までのC型肝炎ウイルス検査実績ですけれども、この検査受診者の数と、それから、できましたらその受診比率について、一点だけ質問させていただきます。
○杉村保健政策部長 平成十四年度から平成十六年度までのC型肝炎ウイルスの検査実績でございますけれども、検査の受診者につきましては、三年間で八十四万六百二十三人でございます。そのうち陽性者が一万六百五十九人という数字になっております。
○山口(文)委員 受診比率でいうとどれぐらいになるか、わかりますでしょうか。
○杉村保健政策部長 先ほど申し上げましたのは、老人保健法に基づく基本健康診査のうちの受診人員でございまして、老人基本健康診査の検査対象者数に比較をいたしましての受診率でございますが、五四・四%になっております。
○山口(文)委員 約半数ぐらいということで、全体の老人保健法の基本健康診査とか、それから政府管掌の健康保険の生活習慣病予防健診、職域健診なども実施されていると思います。
今お尋ねしたのは、老人保健法における基本健康診査の結果が、約半分しかまだ受診していないということですので、早期発見ということも、これからの予防ということについては重要かと思います。また、そういった患者さんたちが、受診をされて異常が発見されても、C型肝炎ウイルス検査が陽性であるとされたとしても、何か医療機関を受ける割合も低いということも聞いておりますので、ぜひ今後とも普及啓発を強化しつつ、早期に肝炎ウイルス検査の受診促進を図ること、それから適切な治療につなげるよう総合対策を進めていただくことを要望いたします。
○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一六九号は趣旨採択と決定いたしました。
この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時二分休憩
午後三時十六分開議
○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
審査を続行いたします。
一七第一七九号、大林寺による大規模墓地建設の中止に関する請願及び一七第一八五号の一、稲城市坂浜の里山での大規模墓地建設計画の不許可に関する請願は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○牛島参事 整理番号2、一七第一七九号、大林寺による大規模墓地建設の中止に関する請願及び整理番号3、一七第一八五号の一、稲城市坂浜の里山での大規模墓地建設計画の不許可に関する請願について、続けてご説明させていただきます。
整理番号2、一七第一七九号、大林寺による大規模墓地建設の中止に関する請願は、八王子市の野猿街道の生活と環境を守る会代表西原俊一さん外五百九十六人の方々から、整理番号3、一七第一八五号の一、稲城市坂浜の里山での大規模墓地建設計画の不許可に関する請願は、神奈川県の大規模墓地対策協議会代表中川敦生さん外三千九百二十一人の方々から提出されたものでございます。
初めに、整理番号2についてですが、請願の趣旨は、都において、大林寺による大規模墓地建設の許可をしないでいただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、本請願の対象となっている宗教法人大林寺が計画している墓地建設については、現時点において墓地経営許可申請書は提出されておりません。
墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例では、墓地経営許可申請の事前手続として、標識の設置、隣接住民等への説明及び意見申し出による事前協議を行った後、許可申請を行うこととなっております。
本件の申請予定者は、平成十七年七月七日に標識を設置し、十一月二十六日に説明会を開催しましたが、隣接住民等の出席は得られていません。
また、現時点において、隣接住民等から条例に基づく意見の申し出は出されておりません。
続きまして、整理番号3につきましてご説明させていただきます。
請願の趣旨は、都において、稲城市坂浜十一号七百三十四番地一帯の大規模墓地建設計画について、次の事項を実現していただきたいというものでございます。
第一に、厚生労働省の墓地の経営・管理の指針から見て不適格な計画であるので、墓地経営を許可しないこと。第二に、墓地の工事計画は地下水系に変動をもたらすおそれがあり、隣接マンションにとどまらず、地域全体の地盤への影響も危惧される。壽量寺とは別の営利法人が行うとする墓地運営計画も、地域住民の安全な生活を脅かすおそれがある。この計画にかかわる工事一切を許可しないことという内容でございます。
現在の状況でございますが、本請願の対象となっている墓地建設を計画している宗教法人壽量寺は、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例に基づき、墓地経営許可申請の事前手続として、平成十四年九月十六日に標識を設置し、隣接住民等への説明会及び事前協議等を行いました。その後、平成十七年五月十三日に墓地経営許可申請書を提出しました。
申請者は、今後、宅地造成等規制法、建築基準法、東京における自然の保護と回復に関する条例等の関係法令に基づく許可を取得した後、工事を行うこととなります。
その後、保健所は、現場調査を行い、条例の構造設備基準等に照らして経営許可の可否を判断いたします。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○藤井委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○佐藤委員 私は、請願一七第一八五号の一、稲城の方の墓地のことで質問をさせていただきます。
その前に、これは委員の皆さんもご記憶いただきたいんでありますが、この請願と同趣旨の請願が、昨年の十二月十五日に稲城市議会で趣旨採択をされております。それから、それに先立って十五年の二月には、同一地での墓地の造成反対の陳情が川崎の市議会で採択をされていることを申し上げておきます。
最初に、まず基本的なことをお伺いするんですが、この多摩地域ですね、この土地に墓地をつくらせる、つくらせないを最終的に判断をするのは、東京都においては福祉保健局と理解してよろしいんでしょうか。
○牛島参事 ただいまの答弁でございますが、最終的に墓地経営許可をする、しないの判断をするのは、申請を受けた保健所でございます。
○佐藤委員 保健所ということは、要は福祉保健局と理解します。うんうん、といってもわからないから、理解します、そういっておきます。
それで、東京都としまして、この土地は、東京都側はゴルフ場にぐるっと囲まれている、いわゆる稲城市の町とはつながってないということ、そして、ここへ行くためには川崎市側からのアプローチしかないと私たち通常思うんですが、その辺はどういうふうに理解をされていますか。
○牛島参事 ただいまお話しのように、墓地の申請予定地には川崎市側からしか行けません。
○佐藤委員 ということは、川崎市側からしか行かれないというのは、当地に何かあったときは、東京都もぐるっと回って行くんでしょう。監視の目というか、許可をした後の諸問題に対して迅速に対応できる東京都としての体制ではないんじゃないかと私は思いますが、その辺はその辺として、たしか四年ぐらい前に、宗教法人の名前が違うだけで、同じ請願がほぼ同趣旨で出されていると思いますが、その辺のことはいかがですか。
○牛島参事 平成十三年に、今回の申請地と同じ場所で条例に基づき墓地計画の標識が設置されましたが、その後計画が中止となり、標識が取り下げられました。
今回の申請者は、前回墓地を計画した宗教法人とは異なる宗教法人でございます。
○佐藤委員 わかればあれなんですけれども、何で取り下げたかわかりますか。
○牛島参事 保健所に提出されました変更届によれば、変更した内容は、諸般の事情によりとなっております。
○佐藤委員 日本語というのは便利だなと思いますけれども、わけのわからない理由で、読み取れない理由で取り下げになった。
この土地の登記簿を私いただいたんでありますけれども、所有権なり何なり極めて不自然な動きをしているんですね。これは東京都はご存じですか。どの程度わかっておられるか。それに対してどう考えておられるか。
○牛島参事 条例で、宗教法人が経営する墓地の設置場所につきましては、原則として、みずから所有する土地であることを要件としております。
許可申請に当たっては、土地登記の証明書等、申請書に添付することを義務づけております。これによりまして、申請地が申請者の所有となっていること、また、永続性を阻害する権利設定がないことを確認しております。
○佐藤委員 それはそうなんでしょうけれども、きれいな謄本ではないなと、私は見て思っているんですね。
登記簿をよく見ますと、ある法人が個人から買っているんですね。それを前の申請者であった経王寺に売って、その後、仮登記が抹消されたり、あるいは今回の申請者である壽量寺が買ったところを、錯誤で所有権が抹消されたり、極めておかしいと思うような動きがたくさんあります。その錯誤で所有権を抹消した後の土地を東京都が差し押さえをしたりしているところもあるんですね。これはもう常識的に考えて、極めておかしな土地の動きをしているなといわざるを得ないところであります。
請願をされている方々は、本件につきまして、いわゆる名義貸しであるということをおっしゃっておられますけれども、経営主体の適格性というのはどのように判断されているのか、お聞かせください。
○牛島参事 宗教法人につきましては、生活文化局の担当部署に、宗教法人法の手続、法人の活動状況等について照会しております。
また、墓地の経営許可に当たっては、申請書類に基づき、資金計画や管理運営計画の内容、宗教法人としての適正な手続、さらに法人としての正式な意思決定の有無などを確認しながら、経営主体の適格性について判断しております。
○佐藤委員 宗教法人としての正式な意思決定という話が今出たんですが、ちょっと聞いたところによりますと、このお寺さんの責任役員というんでしょうかね、亡くなっちゃっていて、何十年も空席のままのようなことも聞いております。
この実際の運営は、有限会社天望の丘がするというようなことも聞いておりますけれども、とすると、これが経営主体ではないかというふうに私は勘ぐっちゃうんですね。議員というのは嫌な商売で、すぐ勘ぐっちゃうんですが、だとすれば、まさにこれは名義貸しそのものじゃないかという感じもいたします。
これ以上追及してもあれなんでやめますけれども、この墓地の造成というのは、墓埋法や、あるいは東京都の条例に照らしてみても、非常に好ましくないものだなと私は思います。どうか慎重が上にも慎重に対応していただくことを希望して、終わります。
○斉藤委員 それでは、今、佐藤委員の方から大変具体的な質問も幾つかございました。多少流れの中で重複するところがありますが、そこの部分を抜いて質問というのは難しいものですから、多少重なりましたらお許しいただきたいと思います。
私の方は、地元の小平市の上水新町で、過去、土地開発について都議会に請願が出たことがありまして、そのときの厚生委員会の皆さんには大変お世話になりました。実はその案件などは二年たつんですけれども、事業者側の方にも事情があるんでしょう、今もって許可申請さえ保健所に出ていないという状態のままでございます。
ただ、その間に住民側もいろんな活動をしておりますし、また事業者側の動きもいろいろあるんですけれども、それでも、管轄をしております多摩小平保健所の担当職員に大変丁寧な対応をしていただいております。これは、住民側に沿って許可をしていないとか、許可をしているとか、そういうことじゃなくて、住民の意見をしっかり聞いて、そしてなおかつ、その都度よく説明をしているということであります。これについては、地元の住民の方も、また地元の市議会議員の方も大変努力を評価しております。
今回、二つの案件が出ているわけですけれども、それぞれの担当保健所についても同様に努力をしていただければというふうに思うばかりであります。
さて、私は、二つ目の一八五号の一の稲城市の案件に関して質問をさせていただきます。
今回、この開発については、先ほどの質疑にもありましたとおり、開発予定地周辺には一般住宅がない一方で、他県の近隣市には多数の住宅があるという大変複雑な背景があります。
その複雑さに加えて、周辺住民に対する説明会において、これは川崎市側の住民の方たちも参加できるような説明会だったようですが、この場で具体的な描写というものについては避けますけれども、開発計画の主体者、そしてまた説明会の説明者に対して住民側が非常に疑問を抱くような事象があったということを聞いております。結果的にそれが不安を募らせる一因になっているということで、それがひいては今回の請願のきっかけになっているというふうに聞いております。
東京都として、今回のような場合であっても、つまり他の道府県にある程度関係があるというような場合であっても、関連する地域に対して適切に意見を聴取するとともに、厚生労働省の指針に沿った墓地か否かを、第三者から見ても納得ができるように審査することで、関係する住民の方々の不安を解消することが期待されるんじゃないかなと思います。
長期間にわたって周辺住民が不安を払拭できない。もう既に、先ほど佐藤先生からるる説明がありましたように、何年も前からこの地域の方々は大変不安を募らせている。逆に、何年にもわったって不安を払拭できないということについては、それなりに理由や理屈、背景があるんじゃないかというふうに考えられます。そのことを踏まえて質問をさせていただきます。
東京都の条例の平成十二年の改正時の付帯決議では、区市町村の意向、つまり地元の自治体の意向を配慮することとございます。墓地の設置予定地の自治体の意向はもちろんでありますが、今回のように近隣県の市に隣接して、関係する居住者も隣接する居住者も隣接地の方が多いという場合については、隣接する区市町村の意向ということで配慮をちゃんとするのかどうか、これをまず確認したいと思います。
○牛島参事 平成十二年の条例改正時の付帯決議の趣旨を踏まえまして、墓地計画地の市町村に対して、墓地建設計画が当該市町村の土地利用計画等に支障があるか否かについて意見の照会を行っております。また、必要に応じて隣接する区市町村に対して情報交換を行っております。
本件につきましては、川崎市側に隣接住民が多いことから、川崎市の衛生部局と密接に情報交換を行っており、衛生部局を通じて関連部局の情報も得ております。
○斉藤委員 先ほど佐藤先生の方から、稲城市議会の趣旨採択、そしてまた川崎市議会の採択について説明がありました。私の方もそれは伺っているんですけれども、先ほど出しました地元区市町村の意向という関係では、こういった議会の判断というのは割とプラスに、議会の判断にというふうなことで解釈をされて、地元自治体の意向というふうな感じで解釈できるんじゃないかなと私は思うんですけれども、このような陳情採択、趣旨採択に関して、その結果がどういうふうに反映されていくのか、反映されているのか、この辺を確認したいと思います。
○牛島参事 稲城市議会と川崎市議会に住民から陳情が提出されたことについては聞いております。この陳情を受けて、川崎市からは都に対して、住民と十分な協議をするよう事業者を指導してほしいという要望が出されております。
このようなことを踏まえまして、申請者に対して、住民と十分な話し合いをするよう指導しております。
○斉藤委員 稲城市の方が趣旨採択ということで、川崎市に比べると少し弱い部分なのかなという感じもいたしますが、では、ちょっと別の視点からまた伺います。
厚生労働省の墓地の経営・管理の指針についてを見ると、主に利用者保護、墓地を買われたりする方を中心に、これを主眼にして考えられているというふうに見受けられるわけですが、実際には利用者保護を主眼としてきちんと管理を進めていけば、おのずとこういった誠意ある管理体制は、周辺の住民の住環境というものについても結果的には反映して、よい管理を行えば、その分、周辺の方々からも理解されるというふうに受け取られます。
実際に、先ほどちょっと私の地元の小平市の話が出ました。許可がなかなか進まない、もしくは申請がなかなか進まない墓地開発がある一方で、必ずしもお寺さんとセットでなくても、周辺住民に対して配慮を非常によくやっているところについては、既に許可を受けて建設しているところも幾つか実際にございます。そういう点では、配慮という部分について努力をすれば、決してすべてが反対を受けるということではないんじゃないかと思います。
この指針を見ると、利用者を尊重した高い倫理性、そしてまた管理を行う組織、責任体制、さらには経営主体が宗教法人、公益法人であること、さらには名義貸しがないといった項目がございます。こういった項目に対する審査というのは、かなり踏み込んだ審査が必要じゃないかと思います。これについては東京都としてどのように審査を進めていくのか。これ、先ほどの佐藤委員の質問とかぶる部分はございますが、改めて伺って、具体的に答えていただければというふうに思います。よろしくお願いします。
○牛島参事 条例では、墓地の経営主体を地方公共団体、宗教法人、公益法人とし、法人が墓地を経営しようとする場合には、原則としてみずから所有する土地であることを要件としております。
墓地の経営許可に当たっては、経営主体に関して次の事項について審査しております。
まず一番としまして、土地の所有及び永続性を阻害する権利設定のないこと、第二に、墓地等の設置にかかわる資金計画が宗教法人の規則で規定されている手続により承認されていること、三番目に、墓地の安定的な経営のために十分な基本財産があること、第四に、管理運営計画について、宗教法人の意思決定の中で経営管理及び責任体制が明確となっていること、以上でございます。
また、宗教法人については、生活文化局の担当部署に、宗教法人法の手続、法人の活動状況等について照会しております。
○斉藤委員 今回、この稲城市の案件に関して、隣接住民の方、説明会に出た方から聞きますと、説明会に出て説明している側の説明者が、同じ人物でありながら肩書がちょこちょこ変わったり、そしてまた先ほど佐藤委員からご指摘ありましたように、もともとの土地の流れが非常に複雑で余り一般的ではない、疑問がある流れであるということを、住民の方々、独自で調査されて、非常にそれがいろんな不信につながっている、いろんな疑問につながっているということです。
確かに、きちんと墓地だけを一生懸命努力して経営したり、一生懸命開発したりというふうに専門でやられているような方であれば、逆にいえば、どういうことを皆さんが心配しているのか、どういうことをいえば、どういう態勢で説明をすれば皆さんに理解していただいているのか、このあたりについては当然専門の事業者などについてはよく研究されて、そういったところはなかなかトラブルにつながらないんじゃないかと思います。
ただ、今回につきまして、こういうような説明会をしているにもかかわらず、周辺の方から理解が得られない、不安を完全には払拭できないというのは、やはりそれなりの理由があるんじゃないかなということを思わざるを得ないと考えます。
ただ、もちろん申請を出された後で、今、審査中ということで、この場でこの案件に関してどうこういうというのは適当ではないと思いますので、私もそういう部分については避けさせていただきますが、ぜひ願う部分としては、このような審査をきちんと行うことによって、周辺住民のこの計画に対する不信、疑問を同時に払拭していくことが私は必要ではないかと思います。
このあたり、逆にいえば、もちろん許可、不許可を判断するのが保健所の本来の一番の根っこの仕事であることは重々承知しておりますが、ただ、そういった中で、先ほどちょっと私の地元の保健所の例も挙げましたけれども、周辺の方々に対する、不安を払拭できるような方向に持っていくというのもお願いしたいところでありますし、またそれをすることによって、地域から評価される保健所になるんじゃないかと思います。
この審査の結果によっては、場合によっては不許可になることもあると当然考えますが、福祉保健局の見解としてはいかがでしょうか。
○牛島参事 墓地経営許可につきましては、書類審査のほか、主要構造物が完成した段階で現場調査を行い、条例の構造設備基準等に適合しているか否かについて慎重に審査し、許可、不許可の判断をいたします。
○吉田委員 私も、一七第一八五号の一、稲城市坂浜の里山での大規模墓地建設計画の不許可に関する請願について若干質疑をさせていただきます。
先ほど、冒頭述べられました自民党佐藤委員と問題意識が全く一緒でありました。(笑声)そういうこともあっていいじゃないかなと思いますけれども、ただ、そうはいっても、重複しないようにしたいと思うんですが、厚生労働省が平成十二年に示した指針では、墓地の経営主体について非常に厳格に定めておりますし、また名義貸しについても、それを禁止するための、どういう角度で判断するのかなどについてもかなり詳細、厳格に定めていると思うんですが、なぜこの指針では、経営主体について、あるいはその名義貸しについて非常に厳格な対応を求めているのか、その中身はどうなのかということをちょっと確認させていただきたいんです。
○牛島参事 墓地経営・管理の指針は、都道府県等の行政運営のための指針であり、国の技術的助言としての性格を有するものでございます。
墓地の経営主体につきましては、墓地の永続性、安定的な継続性を担保するために、地方公共団体と宗教法人または公益法人としているものでございます。
東京都の条例もこの指針を踏まえた内容となっております。
○吉田委員 経営主体は原則は地方公共団体、そうでない場合であっても、宗教法人または公益法人に限ると。これは、やはり墓地を利益、経営的な側面ではなくて、きちんと将来にわたって管理運営されるということを担保する意味からだと思います。その点で、先ほども指摘ありました、当初は別な宗教法人が、土地を正規に取得したのか否かも極めて疑問視されるような形で、標識が立ち、説明会が行われるという経過があり、その後、今回具体的に別な宗教法人がさらに同様の墓地開発の計画を出すという経過を見ても、非常に不透明さがあるということに住民の皆さんが疑問を感ずるのは、私は当然だと思うんですよね。
もう一点、住民に説明した際に、参加された説明者側のリストの中に、先ほど指摘をされましたけれども、墓園管理業務として有限会社が紹介され、そこの社長が説明者として参加をしています。しかも、この有限会社には、その後、事業主である宗教法人の方も同時に参加しています。したがって、確かに事業主体は宗教法人ではあるんだけれども、実態的には有限会社がこれを管理運営するというふうなものとして進むのではないかという懸念を感ずるんですけれども、そうしたことは認められ得ることなのかどうか、ご答弁ください。
○牛島参事 許可を取得した宗教法人が墓地経営の主体となり、経営責任を果たし得る体制がとられていれば、墓地の管理を第三者に委託することは可能でございます。
○吉田委員 もちろん第三者に委託しなければ運営できない場合もあると思うんですよね。しかし、今いいましたように、この管理運営業務を行うということで住民の説明会に参加された有限会社は、そもそも宗教法人の住職及び執事の方が役員として参加しているわけですよ。第三者とはいいがたいわけですよね。しかも、私、注目したのは、掲示板の標識が出たのが平成十四年の九月十六日というふうに先ほど説明がありましたが、この有限会社の設立がそれ以前なんですよね。さらに、住民の皆さんから見せていただいた会社謄本を見ますと、この有限会社の目的は、霊園及び墓地の販売、運営管理、霊園の企画、設計、施工及び墓地の販売と、丸々墓地開発から運営まですべてやるということが登記簿上明記をされているんですけれども、こうしたことであっても、第三者による委託はあり得るんだという規定がそのまま通るものなんですか。
○牛島参事 墓地の経営許可につきましては、工事が完了して、保健所が現地調査を行い、書類審査を含めまして、ただいまおっしゃいました点も含めまして、総合的に最終判断をすることになると思います。
○吉田委員 私ももちろん確定的ないい方はすることはできませんけれども、やはりこの問題は、管理運営の妥当性という問題にとどまらず、経営主体あるいは名義貸しがあってはならないということにかかわる問題だと思うんですよね。
そういう点では、佐藤委員もいわれましたけれども、それ自身についてもっときちんと厳格な審査というものが求められているし、ぜひそういう対応をしていただきたいということを要望として述べておきます。
もう一つの墓地の請願であります、大林寺による大規模墓地建設の中止に関する請願について、一言だけこの点は確認しておきたいんですが、この請願の場合には、主に周辺住民との調和と環境にかかわる問題提起だというふうに思います。
いろいろこうした周辺との関係は、裁判の判例などありまして、以前もこの委員会で議論した経過は思い出すんですが、指針の中でも、周辺との調和というものは、保健所が許可するか否かを判断する材料の一つとしては挙げているというふうに認識しているんですが、そうした周辺環境との調和という問題、指針ではどのように位置づけているんでしょうか。
○牛島参事 墓地経営・管理の指針では、周辺環境との調和も判断材料の一つであると述べられております。
東京都の条例では、墓地と周辺環境との調和という視点も踏まえ、都市にふさわしい墓地となるための構造設備基準を定めております。
また、許可申請の事前手続として、近隣住民等から、墓地の構造設備と周辺環境との調和に対する意見の申し出があり、正当な理由があると認めるときは、申請予定者に対し、近隣住民等との協議を行うよう指導することとなっております。
○吉田委員 厳正な審査を求めて、質問を終わります。
○山口(文)委員 私の方からも意見を述べさせていただきたいと思います。
近隣住民にとって、通過交通による安全対策への不安や、周辺緑地の開発などにより生活環境が脅かされることへの不安、また墓地計画そのものへの疑念を払拭することができない今の状況だと思います。
南多摩保健所が事業者の申請を受理した今も協議が続いているということですが、今後も住民と話し合い、合意を得ることが不可欠だと私は思っています。
現地は、読売カントリークラブを挟み、稲城市の南山一帯と緑の回廊をつくっていると聞いています。川崎市と稲城市の市境であるこうした地帯は、緩衝地域として緑を保存すべきと考えています。読売カントリークラブでは毎年オオタカも観測されていることや、貴重な植物の生息地でもあるということです。
ぜひ、自然環境の保護の視点からも慎重に審査をして、可否を下すことを要望しておきます。
○田代委員 私は、大林寺についてちょっとお尋ねしたいと思うんですけれども、この大林寺による大規模の墓地建設の計画というのは、平成十七年七月七日に現地に標識が設置されたことによって、地域に住んでいらっしゃる方がそれをごらんになったわけですね。規模は、約九千九百五十平米の敷地に千百五区画の墓地を造成する大変大きなものですね。そして、自分たちが住んでいる家の真裏に、あるいは隣に千百五区画もの大規模な墓地ができる。隣の方々、大変驚かれて、すぐさま八王子保健所に墓地の建設中止の嘆願書を提出したわけです。その後、この八王子保健所の生活環境安全課が現地視察に出向いて、現地の状況を調査したわけです。
そこでまず伺いますが、この現地調査を踏まえて、大林寺が大規模な墓地建設をしようとしている場所は、どのような環境にあると都は認識しているのかを伺いたいと思います。
○牛島参事 墓地計画地は、四車線の都道一六〇号、下柚木八王子線、通称野猿街道沿いに位置しており、近隣には東京都水道局の給水所、都立公園、住宅等がございます。また、墓地計画地は丘陵地の南側傾斜地に位置しており、北側の傾斜地には住宅がございます。
○田代委員 ところで、この東京都の墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の第六条第一項第三号には、住宅、学校、保育所、病院、事務所、店舗など、これらの敷地から墓地までの距離はおおむね百メートル以上であることが規定されているわけであります。第二項に、専ら焼骨のみを埋蔵する墓地であって、知事が、公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるものについては、前項の第二号及び第三号の規定は適用しないという規定があります。
なぜこの二項の規定があるのでしょうか、伺います。
○牛島参事 条例第六条第一項第三号は、墓地の持つ性格から、周囲に与える環境上の問題及び心理的影響を考慮して、住宅、学校、店舗等から墓地までの距離を規定したものでございます。
焼骨のみを埋蔵する墓地は、公衆衛生上、心理的影響等、周囲に与える影響が比較的少ないため、第二項の規定が設けられております。
○田代委員 それでは、その上で、公衆衛生上また公共の福祉の見地から支障がある場合というのはどのような場合を指すのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○牛島参事 墓地埋葬法でいう公衆衛生上の見地とは、社会に対する衛生面からの観点をいいます。
公共の福祉の見地については明確な判断基準は示されておりませんが、昭和五十五年に、墓地の経営許可申請に対する許可、不許可を争った熊本地裁判決で、公共の福祉の見地とは、国民の宗教的感情に適合することとか、公衆衛生の見地とかの、墓地埋葬法第一条に規定されている内容から推しはかられるものに限られるべく、これから大きくかけ離れる事情までも公共の福祉の見地に含まれるものと解することはできないとの判断が出されたことがございます。
○田代委員 墓地、埋葬などに関する法律の疑義について、京都府が国に、公共の福祉の見地について問い合わせた回答があるんです。
その回答には、前略しますが、公共の福祉とは、憲法その他の法令に基づく法益の尊重はもちろん、社会通念上妥当な人の生活権の保護育成を指すものといえようと。聞かれたことに対して答えているわけですけれども、したがって、結核患者収容の病院の近くに墓地をつくるということは、患者さんに対して極めて悪影響を与えるおそれがあることが予想される、こういう場合には、これを許可しないこともあるというんですね。
多摩ニュータウンもそうですけれども、あのあたり、私自身も自分の病院がある関係で、アレルギーの患者さんたちが療養するのに非常に適格であるということが、四十年ももっと前から東京都ではいわれていて、引っ越しをしている方たち、ぜんそくの方とかたくさんいらっしゃるわけですが、この八王子に今度大変大規模なこういう施設ができることに対して、困るという請願の理由の中に、アレルギー体質の人たちのぜんそくの病気、こういうこともいわれているわけです。大量の線香の煙というのは、これは私自身が大変間近に経験したことなんですけれども、実は、ある方が葬儀副委員長で、私が葬儀委員長で、その副委員長をなさっていた方がぜんそくがある方で、大変狭いところでご葬儀をとり行ったんですけれども、その最中からずっとせきがとまらない。そのまま入院なさって、その方、ご高齢でもあったんですが、残念ながら、ぜんそくの発作によって亡くなったということもありました。
一つのことをとらえて全部を決めるわけには確かにいかないと思うんですけれども、いろいろな環境に対して守られる住民の権利というものがあるわけですから、大量の線香の煙一つも、この理由の中には入っているわけであります。
今、国の回答を当てはめて考えてみますと、健康に障害を持つ人が多数住んでいる地域に隣接される大規模な墓地の許可についての都の判断に当たっては、慎重な検討が必要だと思うんですが、その点はどうお考えでしょうか。
○牛島参事 現行条例では、墓地と周辺環境との調和という視点を踏まえて、墓地の構造設備として、都市にふさわしい墓地となるための基準を定めております。
また、近隣住民等から、墓地の構造設備と周辺環境との調和に関する意見が出された場合には、申請予定者に協議を行うよう指導することとなっております。
線香の煙による健康被害などについては、墓地の構造設備と周辺環境との調和という視点や管理上の問題として近隣住民等から意見が出され、正当な理由があると認める場合には、申請予定者に対して、近隣住民等と事前協議を行うよう指導してまいります。
○田代委員 この大林寺による大規模墓地建設の計画については、八王子市も十七年九月二日付で、公衆衛生その他公共の福祉の見地から、市の土地利用計画等の見地から、市の墓地等の供給または墓地経営計画についての用地等の競合等の見地からなど、この四つの観点から意見書を都に提出しているということですけれども、それぞれの内容についてご説明を願いたいと思います。
○牛島参事 八王子保健所からの意見照会に対して、八王子市から次のような回答が出されております。
まず第一番に、本計画に関して、市としては、事業者に対して地元への十分な説明を行うよう指導する予定であるので協力をお願いする。二番として、八王子市の土地利用方針に添った土地利用を希望する。三番目に、墓地計画を認める場合においても、環境及び周辺住民に対して十分配慮した計画を前提と考えている。四番目に、関係条例に基づき、植樹や駐車場の設置を行い、アイドリングストップについても周知すること。
以上でございます。
○田代委員 市の意見書でも、この土地は、いわゆる市の都市計画マスタープランにおいて自然緑地、農地と定められているわけですね。それから、地域住民への住環境の影響に留意する必要があるということですけれども、市の意見書でも、東京における自然の保護と回復に関する条例による開発行為に該当することなどが述べられているわけです。
ましてや、ここで運営するといわれている大林寺は、この地域から大変離れた地域に寺と墓地を有しておりまして、仲介に入った、先ほどからこの開発業者いろいろ問題になっておりますけれども、この世界のことはよくわかりませんが、この開発業者のビジネスという見方も十分見られるし、いわれているわけですね。墓地、埋葬等に関する法律の目的とする宗教的感情の見地からかけ離れた開発行為ともいえると思うんですね。だからこそ、この八王子選出の自民党、民主党、公明党の超党派の議員が紹介議員となっているわけであります。
東京都は、大林寺による大規模墓地建設の申請がなされる際には、今までの議論の経緯を踏まえて慎重に検討を行うべきであると主張いたしまして、私の質問を終わります。
○藤井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、請願一七第一七九号を採決いたします。
お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一七九号は、本日のところは継続審査といたします。
次に、請願一七第一八五号の一を採決いたします。
お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一八五号の一は、本日のところは継続審査といたします。
○藤井委員長 次に、一七第一八七号、保育施策の充実と予算の増額に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○都留少子社会対策部長 整理番号4の一七第一八七号、保育施策の充実と予算の増額に関する請願についてでございますが、これは、杉並区の公的保育・福祉を守る東京実行委員会代表橋本宏子さん外十八万四千九百五十二人から提出されたものでございます。
請願の趣旨は、保育施策の充実について、次のことをしていただきたいというものでございます。
内容について順にご説明いたします。
第一項でございますが、認可保育所のゼロ歳児のための看護師や調理員の配置、三歳以上児の完全給食などの実施を保障している都加算事業を維持拡充するための予算を増額すること。
第二項でございますが、待機児童解消は、自治体が認可保育所の新設、増設で進めるよう、施設整備費の予算をつけること。
第三項でございますが、これまでの福祉、保育水準が維持できるよう、サービス推進費の経過措置四年目以降の削減をせず、平均勤続年数に応じた補助項目を加えること。
第四項でございますが、保育室制度を存続し、東京の施策として位置づけすること。
第五項でございますが、認証保育所の職員配置などの設置基準を引き上げ、補助金を増額することというものでございます。
現在の状況についてご説明いたします。
第一項でございますが、安心して子どもを産み育てられる環境を整備するためには、区市町村が地域の実情に応じて行う多様な取り組みを支援していくことが重要であります。しかし、既存の補助制度は、対象者や使途が細かく限定されているなど、必ずしも市町村の柔軟な対応を促す仕組みになっておりません。
こうしたことから、区市町村が地域の特性や創意工夫を生かした独自の取り組みを行うことが可能となるよう、認可保育所等への都加算補助など、市町村の子育て支援に関する十三の補助金について交付金化する方向で検討を行い、既に市町村の理解を得ております。
第二項でございますが、地域における保育サービスの供給体制は、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所に限らず、認証保育所や家庭福祉員など、地域の保育資源を活用して確保していくべきものでございます。
なお、国は、認可保育所の施設整備について、都道府県を経由する補助制度等を、平成十七年度からは国から区市町村に直接交付する交付金制度に改め、区市町村が主体的に整備を行う仕組みとしております。
第三項でございますが、民間社会福祉施設サービス推進費補助については、職員の経験年数に基づいた補助から、施設のサービス内容やサービス向上に向けた取り組みに応じた補助方式への再構築を行いました。
再構築に当たっては、見直しの内容及び五年間の経過措置のうち当初三年間の取り扱いについては、施設代表者と合意し、これを踏まえ、平成十六年度から実施しております。
経過措置四年目以降の取り扱いについては、改めて施設代表者と意見交換を行うこととしております。
第四項でございますが、保育室については、保育サービス水準の向上のため、認証保育所への移行を進めております。
移行に際しましては、保育室の現状や区市町村の移行を十分踏まえるとともに、移行をより促進するため、都は、平成十七年度と平成十八年度の二カ年で、移行に必要な改修経費等の補助を行うこととしております。
第五項でございますが、都は、認証保育所について、基本的には認可保育所と同様の基準を設け、国の保育単価を準用した補助を行っております。
認証保育所は、事業者の創意工夫により、利用者本位の質の高い保育サービスを提供しております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○藤井委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○野島委員 先ほど十八年度予算の説明がございまして、私、そちらで質疑しようかなと思っていたんですよ。ただ、きょうはもう何か表決もあるようでございまして、いきなり賛成とか反対というのも、せっかく請願をお出しになった方に失礼に当たると思いますので、極めてざっくりした大ざっぱな話だけしたいと思っています。
いわば、この請願そのものは、包括的な交付金に変えずに、今までどおりの都加算補助とか、そういうことでどんどんお金をつけてください、こういうことだと思うんですね。制度の改正の時期でございますから、どう変わっていくかという不安があるのは当然だろうというふうに思ってございます。あわせて、保育事業はマンパワーでありますから、お金が果たして東京都から来るのかなという不安があることも現実だろうと思うんですね。
そんなことを考えていきますと、なるほどという部分もあるんですが、本件の制度改正反対ということについては、多摩の市からも何市かから、反対をするよというふうな意見が東京都にあてられるということも承知をいたしております。
概括的に見ますと、都加算補助を廃止して交付金に変えていく、このことが東京の保育水準の低下につながるのではないか、こういうことだろうと思います。ただ、市町村が限られた財源の中で、みずからの政策の工夫をいたしながらやっていかなきゃいけないというのが、三位一体改革であり地方分権であるだろう、私はこんなふうに思っているんですね。
今、部長からるるご説明いただきましたので、それ以上は聞くところも特にないんですけれども、いわゆるこれまでの補助制度のように、がんじがらめにしてやっていくことが果たして市町村にとっていいのかという部分があると思うんです。逆に、市町村にしますと、都が補助金を出してくれないからやりません、こういう逃げ口上にも使えるんですよ。自分のところでやらずに、都が補助制度を創設してくれないから、都が補助金を切ったから保育水準が低下していますよ、こういう逃げ口上にも実は使える補助金制度というのは、ある意味政策の判断の中でぬるま湯につかった判断ができるんです、現場にいた者としてはね。
したがって、私は、今後の限られた財源の中で、保育も含めて子育て施策の総量を拡大していくためには、もっともっと実施主体である市あたりも、よっぽど工夫をしていかないと行き詰まっちゃうと思うんですよ。
とりわけ、さっきいったようにマンパワーでございますから、国基準があって、都基準があって、そこまではいいですよ、東京都も面倒も見てくれていたわけですから。より以上、市単で積んでいるわけですね。何を積んでいるかというと、措置人員を国基準、都基準よりもっと積んじゃうわけですよ。三十人で保母さん一人なら一人、この国基準があって、都の基準はそれよりもう少し少ないのかな。市町村にいくと、市によってはもっと少なくしちゃっていますから、したがって、人はふやさなきゃいけない。いわんや保育事業が拡大してきたところに保育園をつくりましたから、その当時の人たちが今物すごく高給取りなんです、保育士が。そうしますと、ダブルパンチで物すごい額になっちゃうわけです。そういうことですから、たとえ東京都の補助制度があったとしても、市として補助裏がとれない、だから保育事業の拡大ができない、こういう構造的なところがあると私は思うんですね。
したがって、今回こういう制度にして、細かく使途を制限するというふうなことでなくして、市町村の独自性を生かしながら、これはよしというふうな事業をぜひやっていくべきだろうと思っておりますが、その辺の見解についてお伺いいたします。
○都留少子社会対策部長 利用者ニーズに的確に対応した保育サービスを提供するためには、保育の実施主体である市町村が地域の実情に応じ行う多様な取り組みを支援していくことが重要でございます。
こうした考えから、市町村の自由度を高め、地域の実情に応じて独自に取り組みを促進するため、財政支援の仕組みを見直し、子育て推進交付金を創設いたしました。
交付金では、市町村が従来の補助制度に縛られず自主的に判断できるなど、自由な裁量による施策展開が可能となります。
また、財政支援の総額は、現行規模を確保するだけでなく、保育所、児童数等の増に対応しておりまして、地域の保育水準の向上につながるものでございます。
○野島委員 認識は大体イコールでございます、さっきの説明を含めてね。
それで、例えば認証保育所の拡大の問題も、十七年、十八年、さっきの予算説明でもいただきました。いわば、がんじがらめの形から、それぞれが創意工夫をしていかなきゃいけないというふうなことだと思うんですね。
とりわけ、認証保育制度は公的保育の責任を放棄するもんだみたいな論調をお持ちになる方が今までいたんです。今でもいるかもしれない。しかし今回は、認証保育所の基準は引き上げろと。基準を引き上げるかどうかは別にして、認証保育所制度そのものが認知されてきたというふうに思うんですね。この実行委員会がどういう方々で、基本的に認証保育制度をどう位置づけているかはうかがい知れませんけれども、少なくともその部分についてはわかった、しかし人の問題については何とかせよ、こういう請願ですわな。実は認証保育制度というのが、いわゆる国の保育制度の中でまま子扱いにされてきた中で、東京都が努力をして今日に至っていると理解をしております。
そこで、これからは答弁は要りません。私、勝手に一方的にいろいろいっておきます。
各区市町村には、かつて保育審議会というのがありました。保育料をどうするとか、こういう制度をやるべきだとか。今は恐らく社会福祉審議会保育部会とか児童部会とか、こうなっているんじゃないかと思うんですが、そういうところでこういうものをしっかり議論した方がいいと思うんですよ。そういう審議会でね。その中で、保育を進めていくという保育総量の中でどう位置づけるという議論を、僕は多分市町村やっていないと思うんだよね。そういうものはぜひやっていくようにすべきだと思う。これは、私は東久留米ですが、東久留米市議会に僕が行っていうわけにいきませんので、誰かにいわせたいと思っています。
それから、さっきいったように、いわば保育事業が今までの補助制度、あるいは国基準があり、都単というか、都が加算してくれて、市町村がそれ以上負担してやっている。そんなの絶対行き詰まっちゃいますよ、財源的に。
僕は、今回のこの制度で、本則の適用は二十一年からというふうに伺っているんですね。それまでに市町村はもっともっとこの辺のやり方を変えていかないと。だって、本則になったときには、より拡大した、より質の高い保育サービス--今までほとんど人件費で食っちゃって、子どもたちの保育です、保育ですといいながら、実は保育士のための保育所だったというのが実情としてあると思うんです。うちの市なんかは、保育士の初任の格付が一般職種よりうんと高いんです。そういうことをやってきた。そういうものを直していかない限り、保育総量の拡大とか、子育て支援策を充実していくなんというのは、夢のまた夢になっちゃうと思うんですね。
したがって、今回の子育て推進交付金が、そういう意味においては、ある意味で市区町村の保育事業にも大きな覚せいを与えていく、制度改正を促していく、こういう交付金制度になっていかなきゃいけないと思います。そのことは、市町村の独自性を否定することじゃありません。それ以上に市町村が独自性でやるならば、東京都の援助なしで私たちはやっていくんだ、このくらいの市町村がなければいけないと思うんですね。
そんな思いを込めて、質問を終わります。ありがとうございました。
○斉藤委員 野島副委員長とは実はお隣の市なんです。私、東久留米の隣の小平市ですから、いろいろな思いは何となく私もよく理解しているつもりです。
私の方は、今回、保育施策に関してということで、願意が五つ入っている請願ですけれども、それぞれの部分を見ますと、それぞれ施策の種類が違って、なかなかトータルとして質問しづらいところではあるかなと思いますので、一点だけ質問いたします。
私、三歳と五歳の子どもがいるんですけれども、下の子が以前、ここに書いてある保育室を一時期利用していまして、毎日毎日保育室を見ていましたら、いろんな問題がある。毎日の中で、ほかの保護者の方も同じように感じているし、今の制度でいいなという部分については、ほかの保護者の方も特に異論はない。問題点、課題という部分については、保護者の方は毎日お子さんを連れて通っている中で、何となく共通して感じるものがあるし、問題ないものについては、逆にいえば余りいじらないで、できれば現状維持をしてほしいなというのが正直なところのようです。
そういった中で、こちらの中では維持拡充というふうないい方をしている部分が若干あるんですけれども、問題がない部分についてはできれば維持していただいて、拡充については、地元の自治体の事情もありますので、この辺は少し慎重にしなきゃいけないのかなということを感想として思いました。
それを踏まえて、一点だけ伺います。先ほど、冒頭、都の方から説明があったんですけれども、その中でわかりにくかったので、この辺を確認したいと思います。
請願願意の四項目めに、保育室制度について語られています。保育室制度を存続し、東京の施策として位置づけをすることというふうにありますが、保育室制度については、先ほど説明の中では、認証保育所への移行ということで、十七年度、十八年度については移行促進事業を行っているということです。
ただ、実際私なども、地元の保育室を見ますと、どこも大体設備面、ハードウエアの部分で移行がすぐにできないというところが多いような感じがいたします。正直いって、認証保育所が嫌だとかそういうこと以前に、事実上移行する段取りが組めないというような感じであります。この部門を何とかしようというのが今回の促進事業です。
十七年度と十八年度ということで、まだ年度途中ということで、なかなか今の段階で事業効果について評価をするのは難しいと思いますので、その辺は今回割愛いたしますけれども、移行促進を行う一方で、じゃ、だからといって保育室の方が存続できないということではない。東京都としては、移行ができない場合には存続するということについて特に異論がないかどうか、確認をしたいと思います。特に、移行はできないけれども、だからといって、じゃ、どうするということではなくて、それはそれで存続であるということを確認したいと思います。よろしくお願いします。
○都留少子社会対策部長 先ほども申し上げましたように、保育室につきましては、東京都の方針といたしまして、保育サービス水準向上のために、認証保育所への移行を積極的に進めております。先ほど申し上げましたように、十七、十八年度の二カ年で移行に必要な改修経費の補助を行っております。
今後につきましては、保育室の現状ですとか、区市町村の意向を十分に踏まえるとともに、移行の状況を見定めていくという考えでございます。したがいまして、十八年度に直ちに保育室制度を廃止するということではございません。
○吉田委員 私からも、一七第一八七号、保育施策の充実と予算の増額に関する請願について質疑をさせていただきます。
いわゆる都加算事業の見直しによって、交付金化の計画が進められ、来年度の予算でもそうした方向で盛り込まれております。交付金化の仕組み、内容、予算などについては、一定の委員会の中で具体的に質疑を深めることが適切ではないかなというふうに思っておりますので、きょうは、ある面でいえば、こうした都加算の現状や意義などを中心として議論をしたいと思っております。
私たちは、それぞれの項目について、基本的に採択ないし趣旨採択が妥当であるというふうに考えております。
まず、一番目の項目について確認をしたいんですけれども、東京都は、都加算事業として例示をされておりますゼロ歳児に対して、看護師及び調理員を増配置する。すなわち、ゼロ歳児の場合には看護師さらに調理員を独自にそれぞれ一名ずつ配置するということを制度としてこの間進めてきましたけれども、改めて、なぜゼロ歳児に看護師、調理員を増配置するということを進めてきたのか。一般的な都加算制度じゃなくて、具体的にこうした配置基準を設けた理由について、改めてご説明をお願いいたします。
○都留少子社会対策部長 東京都として望ましいと考えるサービス水準を確保するため、ゼロ歳児保育特別対策事業、十一時間開所保育対策事業、一般保育対策事業など、個別の補助制度を実施してまいりました。
しかし、国基準の運営費に比べて手厚い補助を行っているにもかかわらず、都民ニーズの高い延長保育やゼロ歳児保育等の実施率が低いなど、都加算補助が必ずしもサービスの向上を促すものとなっておりません。
こうした状況を踏まえまして、市町村が地域の特性や創意工夫を生かした独自の取り組みを行うことが可能になるよう、現行の補助制度を自由度の高い柔軟な仕組みへ再構築するものでございます。
○吉田委員 私は、いいましたように、ゼロ歳児には調理員あるいは看護師さんを増配置すべきだという判断があったから、こういう制度がつくられて続けてきたと思うんですが、それについてはどういうご認識ですかと聞いているんです。
○都留少子社会対策部長 先ほど申し上げましたように、東京都として望ましいと考えるサービス水準を確保いたしますために、個別の補助制度を実施してきたものでございます。
○吉田委員 なかなか具体的なご答弁にならないんですけれども、私どもは昨年来、私立保育園の方々に対するアンケート調査を行いました。そして、加算メニューとしてはさまざまなメニューがありますが、その代表的な事例として、ゼロ歳児への保健師ないし看護師の配置について、及び調理員の増配置について、それぞれ現場に立ってどのような意見や感想を持っているのかということについて聞きました。
私は、この問題を考える上で、先ほど、保育士の方々の立場ではないかという意見もありましたけれども、やはり父母及び園児、子どもたちにとってどういうサービスを提供し、どういう水準を維持することが大切なのかという観点から検討することが必要だと思うんですよね。
例えば、寄せられた声の一例を紹介しますが、保健師、看護師についてですけれども、これは江東区の私立保育園から寄せられましたが、生まれて間もない乳児を見ていくときに、小さな変化や急な変化に対し、その専門知識に基づいて判断できる人がいることはとても大切で必要ですと。大田区の場合ですけれども、少しの変化も大きな病気につながることもあり、医学の専門知識を持った保健師がいると、保育者も保護者も、相談したり処置してもらったり安心できますというものでした。
また、調理員の増配置についても紹介いたします。これは中野区の私立保育園から出されたアンケート回答にありますけれども、離乳食、乳児食、幼児食と三段階の食事をつくり、さらに離乳食は個別に対応することが多い。また、アレルギー対応の子どもが一五%いる中で、国基準の調理員数ではやっていけない。都加算を入れて三人でも難しく、パート職員二人を入れているという報告がありました。
また、私の杉並区の私立幼稚園からの回答ですけれども、乳児期のそしゃく力や健康状態に合わせ、一人一人離乳食の刻みや内容を考慮し、母乳から食事へ移る時期、丁寧に対応しています。この時期は味覚が育ち、また、そしゃくする力をつけることであごの発達を促し、言葉を発する力も同時に導かれますと。
同様の声が共通して寄せられました。その一部を紹介しましたけれども、ゼロ歳児という置かれた状況からすれば、私のような者はなかなか理解しにくかったんですけれども、改めて、子どもたちにとって調理員の方々あるいは看護師の方々が現場で配置されることがどんなに意味深いのかという認識を、率直にいって私自身も新たにいたしました。こういう状態が引き続き継続されるべきだと私は当然思うんですけれども、いかがでしょうか。
○都留少子社会対策部長 交付金についてでございますけれども、利用者のニーズに的確に対応した保育サービスを提供するためには、保育の実施主体である市町村が地域の実情に応じて行う多様な取り組みを支援していくことが重要であると考えております。
交付金では、市町村が従来の補助制度に縛られず自主的に判断できるなど、自由な裁量による施策展開が可能となります。また、財政支援の総額は、現行規模を確保するだけでなく、保育所児童数の増にも対応しておりまして、地域の保育水準の向上につながるものと考えております。
○吉田委員 私は、交付金そのものについては改めて予算議会で議論しますけれども、それ以前の問題として、たとえ交付金化を検討するにしても、このようなゼロ歳児に調理員、看護師が配置されていて、それぞれの成長段階にふさわしいような、あるいは微妙な変化にも対応できるような体制がとられることについて、当然継続されるべきではないかという問題提起についての担当部長としての見解を伺っているんです。
○都留少子社会対策部長 交付金の総額は確保されておりまして、判断するのは保育の実施主体である市町村であると考えております。
○吉田委員 まじめに答えていただきたいと思うんですよ。市町村任せなんですか。東京都が今まで行ってきた人的配置の意義を確認し、それが実際に行われるようにされることについて、東京都としては全くもう関心を持たないということですか。
だって、今まであなた方は、都市のニーズなり都市のサービスにこたえるサービスを提供しなきゃならないといってきたでしょう。こういうふうに具体的にゼロ歳児に調理員や看護師さんが配置されることの意義というのは、今挙げた事例でも明らかじゃないですか。それをどう思うんですか。
○都留少子社会対策部長 最初にもお話し申し上げましたように、東京都として望ましいと考えるサービス水準を確保するためにこれまでもやってまいりました。地方分権の考え方にのっとりまして、今後は、百四十五億という額を予算案では出しておりますけれども、その中で区市町村がご判断いただくものと考えております。
○吉田委員 そういうご答弁だとすれば、私は極めて無責任だと思うんですよね。だって、今までは東京都は、区市町村の自主性を尊重しつつも、東京としての一定の保育水準なり都民ニーズにどうこたえるかという観点からさまざまな検討をしてきたわけでしょう。もう一切そういう、どういう保育水準、都民ニーズ、すべて市町村任せですか。いってくださいよ。(発言する者あり)もう一度いいますけれども、すべて水準も何も東京都は関係なくて、市町村任せということですか。
○都留少子社会対策部長 これまでも区市町村は独自にさまざまな工夫もなさっていると思います。東京都が放棄するということではなくて、地方分権の考え方をご理解いただきたいと思います。
○吉田委員 今までも、がんじがらめなどという、非常に言葉だけはきついものがありましたけれども、東京都の今までの都加算であったとしても、さらに市町村はそれを伸ばす努力をしているんですよね。それが現実の経過だと思うんですよ。がんじがらめなどというものでは決してありません。他の施策でもそうですけれども、地方分権であったとしても、広域行政を担う東京都が、一定水準を確保するための独自の一定の政策誘導をするということはあり得るじゃありませんか。
例えば、これから議論しますけれども、保育所に預けてない在宅の方々に対するさまざまなサービスを向上するための誘導策をあなた方は盛り込むわけでしょう。だから、片方では、見直しをするときは地方分権ですから一切ノーコメント、片方については、いや、政策誘導で誘導するんですということでは、私は極めて整合性がないと思うんですよ。
しかも、こうした、私は冒頭からいっておりますけれども、今の子どもたちや父母の置かれた状態というものから検討すべきだと思うんですよ。そういう点で見れば、アンケートの中でも出されていますけれども、例えば看護師にしても調理員の配置にしても、今の状況ではますます必要性が高まっているという声が共通してあるんですよ。
例えば、これは大田区の保育園から出された声ですけれども、長時間保育の一般化、すなわち、昔、以前から見れば、長時間にわたって保育所にいる子どもたちが多いわけですよね。こういう長時間保育の一般化やアレルギー疾患の多様化など、保育園児へのさまざまなケアを必要とする機会が多くなってきた。それだけに、専門的な力量を持つ看護師の存在が必要不可欠ですという声がありますし、また、中野区の私立保育園の方からは、母子ともに健全に生活している家庭が少なくなっている現在、今まで以上に保健面での援助が必要とされている。小平市の保育園からの回答ですけれども、アレルギー児の増加に伴い、除去食児も今年度三十二人中七人と多く、その対応に追われ、調理師の加算がなければできませんと。また中野区の例ですが、近年、アレルギー児がふえたり、保育時間も延びて夕食もつくっていますので、都の基準でも厳しくなっているのが実情ですと。
このように、もともと現制度があるだけではなく、今日の子どもたちの置かれた状況、父母の社会的な諸条件からすれば、ゼロ歳児に看護師や調理員が増配置されることの必要性というのは、うせるどころか、ますます高まっていると私は思うんですが、どうですか。
○都留少子社会対策部長 ただいまおっしゃいました必要性ですとかそういうことにつきましては、区市町村も十分ご認識されているというふうに思います。
○吉田委員 私は東京都の担当者の見解を聞いているんですよ。そういう上に立って誠実に対応していただきたいというふうに改めて思いますよ、東京全体の保育や少子化対策を担うセクションにいらっしゃるわけですから。
それで、予算や全体のフレームの問題についてちょっとお話しさせていただきますけれども、前回の事務事業質疑のときにも質問させていただきました。見直しのもとになった児童福祉審議会の報告、答申の中では、保育所に預かっている家庭といいますか、子どもたちといいますか、の方が補助、サービスを偏って受けている、それに対して、在宅で、保育所にさまざまな状況で行ってない方々の方がおくれている、もっとそこを強化しなきゃならないというふうな意味合いのことが全体を通じて貫かれている印象を受けました。
私はそのときに、在宅で、ご家庭で頑張っている方々に対する応援をするのは当然です、しかし、それだからといって、そのための予算を捻出するためにほかにしわ寄せをする、あるいは保育所の運営費にしわ寄せをするというんじゃなくて、全体の予算をふやさない限り、保育所のサービス向上も、あるいは在宅で頑張っている方々に対する支援の強化もできないではないかという旨の質問をしたら、その時点では具体的な案も出ていませんでしたが、的確に対応していくようなお話だったと思うんですが、ただ、予算の大きなフレームを見ると、結局、学童や保育や在宅のお子さんたちに対する事業を全部まとめただけじゃなくて、予算をまとめただけなんですよね。予算額としては今年度予算と全く同額を置いていると思うんですけれども、これでは、どこかを削らない限りどこかが伸びないという仕組みになると思うんですが、どうですか。
○都留少子社会対策部長 十八年度の予算案につきましては、十七年度の予算額と同様の額を確保しております。ただし、十六年度の決算額よりは数億円多いということになっております。また、今後、保育所の児童がふえた分については対応していくということで、決して減らすというような方向にはございません。
○吉田委員 しかも、交付金の仕組みでも同様の問題を指摘せざるを得ないと思うんですよね。保育園及び学童の児童数の増加分は見ますよと。これは当然のことだと思うんです。ただ、全体の交付金のフレームを見ますと、政策誘導的な、ある事業を行ったらポイントを加算しますよ、そのポイントの総額に応じて受け取る交付金額をふやすことができますよと。しかし、総額は百四十五億なんですね、この四年間だったか五年間だったか、平成二十一年までは。そうすると、同じ総額の中で、みんながポイントを多く稼いだらどういうことになるんですか。それを百四十五億の枠の中でやろうというのが交付金の大きなフレームじゃないですか。これはどう考えても理解できないと思うんですが、いかがですか。
○吉川次長 子育て推進交付金については予算の方の委員会でというお話でしたが、かなりご意見をいただいておりますので、少し意見をいわせていただきますが、今、吉田先生のお話を聞いていますと、先ほど来、ゼロ歳児のことについて東京都は事業を包括化して、ある種、水準を放棄するのかというお話だった。(吉田委員「そんなこといってないじゃない」と呼ぶ)いや、おっしゃったと思いますね。
で、今おっしゃった子育て推進交付金については、政策誘導の経費というか仕組みがちゃんと入っております。ですから、東京都は、先ほど担当の少子社会対策部長も答えましたけれども、予算的にも百三十九億から百四十五億ということで、きちっと都としての責務を果たしつつ、かつ東京都総体としての利用者本位の新しい福祉の中での保育サービス、これをきちっとつくるという観点で、野島副委員長も先ほどおっしゃいましたように、東京都は後ろ盾はきちっとやります。やりますが、区市町村も努力していただきたい。それから個々の保育所の経営者も努力をしていただきたい。こういう仕組みに持っていって、従来、国の基準の運営費に加えて都加算という形で乗っけていたけれども、ゼロ歳児だってほとんど実施率が低かった。だから、そういう状態を脱皮するために新しい提案をしているわけであります。
なお、ゼロ歳児については、先生、大分ゼロ歳児、ゼロ歳児とおっしゃっていますが、ゼロ歳児の実態を見ますと、平均的に三百五十万、一年間ですよ、一人の子どもについて、ゼロ歳児を預かるのにかかっております。ある区によると六百万を超えております。こういう実態で、果たして今までやってきた仕組みがいいかという問題意識もあって、大きく創意工夫を重ねて保育サービスの質を上げていくというのが東京都の大きな方針であります。
○吉田委員 私の質問には答えてないと思うんですよ。いいですか、政策誘導によってある事業を行えばポイントをふやす、そのふやした合計のポイント数によって交付金を受けることができるということで政策誘導を進めようとするわけですよ。しかし、総額は百四十五億ですよ。百四十五億の総額を固定したままで、政策誘導で、いろんな自治体が東京都の誘導方針に合うようにポイントを稼ごうとして一斉にポイントを上げたとして、分母の百四十五億のフレームがあるわけですから、どういうことになるかといえば、ポイント当たりに交付する金額を減らす以外にないわけですよ。そうでしょう。これは初歩的なことなのよ。
だから、政策誘導を組みますけれども、それに応じて予算を組むというなら、まだそれは予算のフレームとしてはわかるんですよ。ですから、そういうことがたとえ市町村の理解を得ているといっても、市町村の当事者からは、そういう仕組み自身に疑問が発せられたということは明らかなんですよ。別に私だけがいっているわけじゃないんですよ、あえていわせていただきますけれども。
しかも、今いみじくも金額のことをいい、しかも東京都だけじゃなくて他の自治体の金額までいいましたけれども、私は、本当に子どもたちの立場に立って、厳格にゼロ歳児での看護師や調理員の加算というものの意味をどう考えているのかということを先ほどから聞いているにもかかわらず、吉川さんだってそれについて何も答えない。ただお金をかけているんですよというだけじゃないですか。それはやっぱり、私はそういういい方というのは、ここにはいらっしゃらないと思いますけれども、聞いている父母の皆さんがもしいたら、非常に胸の痛む思いをされていると思いますよ、そういういい方をされるということは。詳細については、改めて予算の委員会の中で具体的に議論をしていきたいと思います。
それで、どうしても三番目の項目だけはちょっとやっておきたいんですけれども、サービス推進費ですね。
先ほど、保育士の方が非常に高額な給与を受けているかのような話がありましたけれども、私立保育園の保育士の方々の現状でいえば、決してそんな状態じゃない。もうボーナスが出ないというふうな事態だとか、昇給もストップするという事態だとか、あるいは経験ある職員の方々が次々とやめざるを得なくて、パートにかわらざるを得ないだとかいう事態が本当に多数生まれているというのが、私は東京の私立保育園の現場の実態だと思うんです。
なぜかといえば、サービス推進費が、もともとは都加算補助だったものが、二〇〇〇年の一月から包括化した単価補助に切りかわる。それでもそのときは、単価補助ではあるけれども、ある程度園の経験年数の平均を加味して補助金が出る仕組みから、どんなに経験がある人がいたところで一切そういうものを見ないという制度に、二〇〇四年、平成十六年から、根本的に制度が変わるということがあったからだと思うんです。それで、そうしたことによって、経過措置がありますけれども、五百万、一千万、そして今年度一千五百万ということで進んでいくわけですけれども、そうしたことが保育の現場あるいは保育士さんたちの雇用条件に、特に経験年数の園の場合には非常に深刻な影響を与えていると思うんですが、そういう実態はどのように認識、把握されているんでしょうか。
○都留少子社会対策部長 お答えいたします。
保育所運営費に関する経費でございますけれども、サービス推進費のみで賄われているわけではございません。また、施設の努力に応じて補助額は増加する仕組みになっております。それから、施設運営に支障がないよう経過措置も設けております。これらを考慮いたしますれば、各保育園や法人の創意工夫や努力により十分対応できているというふうに考えております。
○吉田委員 平成十六年からの新たな制度での段階的削減だけじゃなくて、それ以前から、公私格差の廃止によって削減が続いてきたわけですよね。したがって、園によっては、特に経験年数の高い方々の多い園の中では、一つの園で既に二千万、三千万からの削減という事態が起きていて、当然それはさまざまな給与や雇用条件の見直しとして生まれていると思うんですが、そういう事態にはなってないということですか。
○都留少子社会対策部長 サービス推進費の補助制度は、あくまでも利用者に提供するサービスの向上を目的としておりまして、給与等、職員の処遇の向上を第一義的な目的としたものではございません。
以上をお断りした上で、保育所職員の平均経験年数を見ますと、平成十六年度は九・〇年となっておりまして、補助金を再構築する前の十五年度の九・四年と比較してもほとんど変化は見られておりません。
○吉田委員 そのわずかな期間で見て今の状況を判断できるわけじゃないと思うんですよ。とにかく、園一つで二千万、三千万単位の削減が起きているところがあるわけですから、この公私格差の見直し以降で見れば。それは現場に非常に深刻な事態を及ぼしていると思うんですよ。
それで、三年間の経過措置が終わって、あと今後どうするかという協議が来年度始まると思うんですが、私は、わずかな短期間の調査ではなくて、改めて再検討するに当たっては、あるいは協議に当たっては、きちんと今の保育現場のこの間の経過と雇用の実態がどういうふうに変わっているのかということを把握することが、まず第一に東京都として求められていると思うんですが、どうでしょうか。
○都留少子社会対策部長 現在の再構築につきましては、施設の代表の方々との合意を前提として、合意をちょうだいした上で再構築をしたものでございます。十六年度から五年間の経過措置を設けておりますけれども、再構築後四年目の平成十九年度以降の取り扱いにつきましては、施設代表者と東京都の間で改めて意見交換を行う予定でございます。
○吉田委員 ぜひ、この間の東京都の行ったことが現場の私立保育園にどのような影響を及ぼしているのか、今の雇用、就労状況がどのような事態になっているのか、そこをしっかりと調査することを要望して、私の質問を終わります。
○山口(文)委員 私も、この請願に対しては、全体として採決するということですので、趣旨採択という立場ではありますが、今回の認可保育所あるいはまた認証保育所につきましては、職員の配置を含めて、いずれでも子どもが育つ最善の環境をつくるということが大事だと思っています。そしてそこには、基礎自治体が地域の実情に即した保育サービスを充実できるためには、やはり予算というものは、まだ額としては、子どもにかける額は本当に日本総体として低過ぎると思っておりますので、予算化はしっかりとしていただきたいというふうに思います。
それから、待機児解消については、これからは多様な保育資源を活用していくことが必要だと考えています。地域が一層主体的なサービスをつくり出すことができるように支援することと、そのためにも、保育室制度も選択肢の一つとして施策に位置づけることは必要なことではないかというふうに考えています。
サービス推進費補助については、再構築後の検証を行いながら、これも、サービスの内容の充実と質の向上ということを考えれば、当然予算化を強化することはやはり必要ではないかというふうに思っています。
それからもう一点、少子化対策としての子育て支援としては、やはり労働のあり方をきちんと考え直さなければならない時代じゃないかと思っています。男性でも女性でも、子育てにかかわることができる時間が保障される働き方が選択できるような仕組みをつくること、また、子育てで一時休職をしたとしても、復職が可能な仕組みをつくっていくことなどを国に対しても提案していくこととともに、東京都独自でも何か知恵を絞っていい施策をつくっていただきたいということを要望して、意見とさせていただきます。
○藤井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○藤井委員長 起立少数と認めます。よって、請願一七第一八七号は不採択と決定いたしました。
この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後四時五十八分休憩
午後五時十一分開議
○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
審査を続行いたします。
一七第八五号、自立支援医療費制度移行後の精神障害者通院医療費自己負担の医療費助成に関する陳情を議題といたします。
最初に、理事者の説明を求めます。
○吉岡障害者施策推進部長 整理番号5、一七第八五号、自立支援医療費制度移行後の精神障害者通院医療費自己負担の医療費助成に関する陳情は、小平市の東京都精神保健福祉民間団体協議会運営委員長伊藤善尚さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、精神障害者通院医療費公費負担制度の自立支援医療費制度への移行に際し、非課税世帯に対して自己負担分に対する医療費助成措置を講じていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、障害者自立支援法における自立支援医療費制度では、精神障害者の通院医療費について、医療費のみに着目した応益負担から、医療費と所得の双方に着目した負担とし、公費負担を百分の九十五から百分の九十としております。ただし、低所得者と、継続的に相当額の医療費が発生する重度かつ継続の対象者につきましては、それぞれ月額負担上限額を設定しており、低所得者などに配慮した制度となっております。
これに加えまして、都は、自立支援医療制度による精神通院医療が精神障害者の地域での安定した生活に果たす役割の重要性を考慮し、住民税非課税世帯に対する独自の精神通院医療費の助成を平成十八年度東京都予算案に盛り込んだところでございます。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○藤井委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○田代委員 国の精神医療に関する、入院医療中心から地域ケア中心へ、こういう政策の転換を受けて、東京都においても、約五千名に上る入院患者の退院促進を含めた精神福祉保健政策について、審議会で検討を行っていると聞いているんですけれども、前も申し上げましたけれども、非常に僕は腹立たしいというか、十二年間精神病院の部長をやった経験から思うと、何といっても我々精神科の病院に、行政がやれないこと、警察も含めて、すべて我々に覆いかぶせてくる。まして、入院させていれば人権の問題、退院させて事件を起こせば病院の問題、何でもかんでも我々にいえばいいというのがずっと長いこと、社会の偏見、差別とあわせてきたわけであって、特に町の人たち、故郷の人たちが精神障害のある方たちをしっかり人間として見てくれるという差別観がない町であれば、全然、おっしゃるとおりに幾らだってこういうことができるんですけれども、基本的にこれも言葉だけで、多分うまくいかないと僕自身は思っています。
まして、生活に対するアメニティーのよさというか、一つ東京だけの土地の値段と狭さを考えても、精神科疾患の治療にとって大切なものは、リハビリも必要ですし薬も必要ですけれども、私自身は、大きな空間、青空と広さだと今でも信じているんですね。それは、僕が勤めていた病院はそういう考えでずっときて、皆様方と協力して、今、約五分の四を都立病院に売って、小さくなっちゃったんですけれども、まじめにやって薬を出さないでいると、まさしく目に見えて、ああやって倒産しちゃうわけですね。
だけど、僕は自分で自分の病院を自画自賛するわけじゃないですけれども、薬物性肝炎の発生率は、群を抜いてうちの病院は少ないです、薬漬けにしませんから。
でも、それでは精神科医療はやっていけないし、まして、社会的入院というけれども、じゃ、帰る家があるかというとないわけですから、これはしっかりと行政が、特に東京都は、それに向けて答えを求めていくような姿勢をぜひとも持っていただきたいということを先に申し上げて、いかに通院あるいは治療の継続が必要かということを少し理解していただきたいんで、申し上げたいと思います。
皆様方ご存じの統合失調症という有名な病気、これは最近大変ふえてきたことがわかっておりますし、非常に重症であることもわかっているわけですけれども、これは大変長期間にわたって、よくなったり悪くなったり繰り返してくるわけですね。そして、その時期、時期の病状に合わせて的確な医療というものをやっていきませんと、非常にその後がうまくない。非常に再発しやすい病気であるわけです。これが一番患者さんにとっても患者さんの家族にとっても大きな問題であるし、うまく治療がいっても、途中で何かの理由で医療が続けられなくなったときに、もう一回ちゃんと治療しようという気持ち、インセンティブを高めていくような、そういうものが患者さんから失われていく病気なわけですから、ぜひともこれは、継続してやっていける、そういう状況を全体でつくっていかなくちゃいけない。いわゆる医療の中断というものを起こしちゃいけないわけです。ですから、精神科の、特にこの通院医療については、通院しやすい、受診しやすい、医療が受け続けやすいという環境をつくっていく、これがとても大切だろうと思っているわけです。
平成十七年の第四回の定例会における本委員会で、我が党の早坂委員の質問に対して理事者から、低所得の世帯に対する自己負担分を都が独自に軽減することを検討している、こういう答弁をいただいたわけです。これはどうしてかというと、当然、低所得の精神障害の方々が経済的な理由から医療を中断するということがあると、今までうまくいっていた治療が途中で失われてしまった上に、また自主的に医療の現場に戻るということが、病気の性格上ないわけです。ですから、それを早坂委員は心配して、話を、皆さん方からいい答えをいただいたわけですけれども、私自身もそのときに同じように質問したときに、国が政省令に盛り込む予定の低所得者に対する新たな月額負担上限をどのように設定されるか見きわめる必要があるという理由、それから、都独自の軽減策を検討中という答えもいただいて、今後の動向を見守るべきであるという意見を表明したわけです。それから後に、これだけ時間がたって、国が正式に示した負担軽減措置はどのようなものになっているのか、また、それを受けて東京都としてはどのように対応していくのかを教えていただきたいと思います。
○吉岡障害者施策推進部長 自立支援医療に対する国の負担軽減策についてでございますけれども、平成十八年一月二十五日に公布された障害者自立支援法施行令において定められてまいりました。その内容でございますが、原則一割の自己負担を前提にしながら、生活保護世帯につきましては自己負担を求めないこととする。また、住民税非課税世帯の場合には、その収入の状況に応じて、二千五百円もしくは五千円の月額自己負担上限額が設定されました。さらに、それ以外の住民税課税水準の世帯についてでございますけれども、重度かつ継続に該当する場合には医療費の負担が過重になることに配慮いたしまして、その収入に応じて五千円、一万円、二万円の自己負担上限額が設定されおります。
東京都といたしましては、このような国の負担軽減策を踏まえた上で、精神障害者が地域で安定的に生活していく上で医療の継続は不可欠であることから、住民税非課税世帯を対象として、原則一割の利用者負担を無料とする独自の軽減策を平成十八年度予算案に盛り込んだところでございます。
○田代委員 我が党は責任政党として、これが将来的に都民に役に立つ制度であれば、当然、安定的に運営していくためにはサービスを利用する人たちにも一定の負担をお願いする、これは当たり前のことであろうと考えております。そしてみんなで制度を支えていく、これが原則として必要なことですけれども、やはり低所得の方々には特段の配慮を行っていくべき。特に今回の場合は、先ほどから申し上げているようにとても重要なことで、それがないと、せっかく治療をある程度始めても意味がなくなっちゃうんですね。そのために特段の配慮を行っていただきたい。
まあ、いつも申し上げているわけですけれども、今お話しいただきましたように、東京都は独自に対応を図っていただいているわけですから、我が党の主張にも沿ったものでありますから、ある程度一定の評価はしたいなと思うんですが、この制度そのものが大変大きく変わるために、支給認定などのための手続、これが患者さんに大きな負担がかかる。患者さんだけではなくて、こういう特別な疾患とすると、家族の方の負担も大変大きなものですから、これを円滑に新たな制度に移行していくことが非常に重要なんですけれども、実際は都内で約十二万人に上る方が精神科の通院を受けているわけです。この人たちの手続を進めるためには、当然、精神科医を中心とした医師会、特に我々の関係している精神病院協会あるいは診療所協会の医師たちの協力も大変重要だと思うんですけれども、何せ膨大な手作業を含む仕事の量があるわけですから、東京都としては、どのようにこの手続、ただ、やりなさい、一言で決まるわけではないわけですから、この手続に対して精神科の医療機関との連携体制をどのような形でやっていくかということも含めて、この手続についてのお考えを伺いたいと思います。
○吉岡障害者施策推進部長 都内約十二万人の精神障害者通院医療費助成制度の利用者が円滑に新制度への移行手続を進めるためには、主治医による診断書の作成、重度かつ継続の医療の必要な患者への説明等において、精神科医の方々の協力、連携が不可欠でございます。
都としても、今回の法改正に伴う手続につきましては、現行制度を利用している患者の負担軽減を図り、有効期間についても、可能な範囲で最大限延長できるよう配慮いたしました。また、東京都医師会を初め、東京精神病院協会、東京精神神経科診療所協会と調整を図り、対象となる患者が通院していた医療機関につきましても、制度の円滑な実施について個別の協力をいただいているところでございます。
精神障害者の地域生活の安定を図るためには、地域における精神科医療機関、申請の窓口を担当する区市町村との連携に基づく本制度の運用は極めて重要でございまして、今後ともより一層の連携を深めてまいりたいと考えております。
○田代委員 一生懸命やっていただくということで、安心はある程度しているんですけれども、現実に大変ボリュームの大きな作業ですから、これをしっかり進めていただきたい。
今、四月に対して、四月に行われる医療費の改定、いろいろ救急医療であるとかなんとかという話が出ていますけれども、小児医療が大変である。でも、精神科医療というのは昔からすごく大変なんですね。我々はそれを言葉にしないでじっと我慢しているのでありまして、経済のためにやっているんじゃないという一つの自負がありますから、手作業におけることに対しても、医療費としてどうしてくれ、こうしてくれということじゃないのでありまして、これが大変なことなんだということを理解いただきたい。それを、行政としては、患者さんの負担にもならないように、家族の負担にもならないようにバックアップしていただくことを強く要望いたしまして、質疑を終わります。
ありがとうございました。
○斉藤委員 私の方も簡単に、また確認的な質問ではありますけれども、ちょっと確認的な質問をしながら、要望なども若干いいたいところでございますので、ご了解いただければと思います。
今、田代先生の方から話がありましたとおり、十一月二十八日の厚生委員会ですかね、でも議論になりまして、そのとき、東京都の方でも単独で低所得者対策ということで医療費助成をしていこうということで回答がありました。もちろん自立支援法自体が大変、以前に比べれば患者負担を非常に進めるものでありますから、今回、東京都がそういった努力をしても、対象者がどうしても減ってしまう。もともとは五・五万人ぐらいの方に医療費助成されていたのが、非課税の方というふうなことになって、三・八万人ぐらいに対象者が減るということでありますが、実際に東京都が出している予算そのものはかなり以前よりも多くなる。そういった点では、もちろん課題は残しますけれども、非常に担当者の努力というものについては評価をしたいと思います。
実際に、こういった医療費助成の必要性というものをよく認識しないと、なかなかこういった部分、難しい部分、問題についてはコンセンサスがとれないと思うんですが、今回、そういった意味で非常に担当者の方の努力があったんじゃないかなというふうに思います。この辺は、今回質問をする機会を利用して、大変評価をして、私の方から述べたいと思います。
確認ではありますけれども、今回の陳情そのものについては、要旨がこちらの方に書いてありますけれども、見る限りは、今回の十八年度の東京都予算案にかなり沿った、沿ったというか、かなりそのものに近い要旨かなというふうに思っております。そういった意味では、今の予算案、あくまで通過すればの話でありますが、この陳情者の方の願意は満たされるのかなというふうに思います。この辺についてどう理解していますか。意見を伺いたいと思います。
○吉岡障害者施策推進部長 平成十八年度東京都予算案には、自立支援医療における精神通院医療につきまして、住民税非課税世帯に対して原則一割の利用者負担を無料とする独自の軽減策を盛り込んでおりますので、斉藤委員ご指摘のとおりでございます。
○斉藤委員 じゃ、質問じゃなくて意見なんですけれども、今回、東京都の方は、継続医療の必要性というものについてはよく認識されていると思います。国の方について、同じように、この医療の重要性について国がどこまで考えてくれているのかなという部分については非常に心配な部分でもあります。
私の家の本当に目の前に、国立精神・神経センター武蔵病院という、国の方では精神、神経関係では専門の病院がありますけれども、そうはいっても、そういった国の施設があるにしても、東京都の方がより現場に近いものもありますし、また小回りがきくという部分もあります。
以前も私、委員会の中で要望いたしましたけれども、四月からの、施行後の今回の医療助成の対象にならなかった人の動き、また、もちろんなった人でも、先ほど田代先生からありましたように、手続を理解するのが大変難しい病気ですので、その部分で上手にそういった変更内容が伝わっているか、また利用漏れが、いろいろな部分のサービスの利用に対する漏れがないか、こういったものを、しっかり現場の状況を把握していただきたいと思います。
また、それについてはもちろん東京都の中で生かしていただきたいものもありますけれども、逆に国の方で余りわかってないとか、国の方で対応が遅いとかということがあれば、むしろ東京都が率先して、国に対してしっかりと意見をいっていくことが重要じゃないかなと思います。このあたりは要望として、今後も私も訴えていきますので、担当の部局の方も頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
○谷村委員 陳情一七第八五号について質問をさせていただきます。
現在の精神通院医療費は、四月から施行される障害者自立支援法において、更生医療、育成医療とともに、新たに自立支援医療として位置づけられるわけです。自立支援医療は原則として一割の定率負担となりますけれども、低所得者や、障害程度が重度でかつ継続的に医療費負担が生じるなど家計に与える影響が大きいケースに対しては、国会審議におきます私ども公明党の主張なども取り入れられまして、月額負担上限額の設定など各種の配慮がなされているわけであります。
しかし、精神障害者の通院医療費公費助成については、対象者が約十二万人おり、そのうち、都がこれまで独自に実施してきた低所得者対策の対象は実に約五万人と非常に多く、現在、精神障害者の通院公費負担を受けておられる方々にとっては、自立支援法に移行した後で自立支援医療がどのようになるのか、また都独自の制度がどうなるのか不安に感じておられるわけであります。
このため、私ども公明党は、さきの平成十七年第四回都議会定例会の代表質問におきまして、都として早急に新たな低所得者対策の実施に向けて具体的方策を検討すべきとの質問も行い、平井局長から、独自の負担軽減策を検討しているとの答弁を得たところであります。
そこで、都におきましてはこれまでどういう考え方に基づいて独自の負担軽減策を実施してきたのか、また、新たな負担軽減策は、これまでの負担軽減策の考え方を踏まえてどういう内容で実施するのか、改めてお伺いいたします。
○吉岡障害者施策推進部長 精神障害者が地域で自立して生活をしていくためには、医療の継続が極めて重要でございます。このため、都はこれまで、精神障害者通院医療費助成制度におきまして、低所得の方が医療の中断につながることのないよう、負担軽減措置を実施してまいりました。
障害者自立支援法による自立支援医療におきましては、所得に応じた月額負担上限の設定など、負担能力に配慮した制度となっておりますけれども、低所得の精神障害者に対しては、国の制度に加え、一層の負担軽減策が必要であると考えております。
このため、都としては、自立支援医療における精神通院医療について、住民税非課税世帯に対して、原則一割の利用者負担を無料とする独自の軽減策を実施していこうと考えておるところでございます。
○谷村委員 精神障害者の方たちにとりまして、地域で安定した生活を送る上で医療の継続は必要不可欠であります。都が、自立支援法に移行した後も、精神障害者の通院医療に、低所得世帯を対象として独自に負担を無料とすることは高く評価するものであります。自立支援法により利用者負担がどのようになるか不安を感じていた多くの精神障害者の方々やそのご家族の方々も、この具体的な内容を聞かれれば安心されることと思います。
そこで、自立支援医療制度や都独自の取り組みを精神障害者の方々やそのご家族の方々に十分に周知して、皆さんの不安を解消していくことが重要と考えますけれども、都としてどういう周知方法をとられるのか、お伺いいたします。
○吉岡障害者施策推進部長 ご指摘のように、自立支援医療制度や都独自の負担軽減策について利用者の方々に十分周知し理解を得ることが、新たな制度の円滑な実施のためにも大変重要であると考えております。
このため、都としては、自立支援医療について都の広報紙やホームページへの掲載、申請窓口である区市町村などへの説明会等を開催しております。
そうした中で、医療関連団体や支援事業者などへの説明、周知に当たりましては、精神障害者が申請手続を行う際の支援、協力についてもお願いをしてきております。
さらに、現行の精神障害者通院医療費助成制度による医療費助成を受けている約十二万人の方々とその主治医に対しましては、個別に自立支援医療に対する案内や申請書類等を送付いたしまして、また、東京都中部総合精神保健福祉センターに相談専用電話を設置し、その問い合わせに対応しているところでございます。
今後とも、精神障害者が自立支援医療制度や都独自の負担軽減策の利用に遺漏がないよう、きめ細かく制度の周知に努めてまいります。
○かち委員 私どもの党も、自立支援法が通ってから、精神障害者の方々の通院医療費の負担軽減策をということを繰り返しこの委員会でも求めてきたところでございますので、きょうは意見のみ述べさせていただきます。
精神科医療のあり方は、長期入院から地域ケアへというふうに大きく変わってきているわけですけれども、精神障害者の方々が今後も地域の中で安定した生活を送ることができるためには、社会や地域の受け入れ環境が整っていくこととともに、通院治療を継続できることが第一の条件です。しかしながら、都内で約五万人と推計されているこれらの方々の多くは生計基盤が不安定であり、陳情理由の中にも記されていますように、年収五十万円未満が四割というような状況であり、家族と同居していても、親は高齢で、また親自身が介護を必要とする人であるという場合も、私は多々経験をしているところでございます。
自立支援法の前提である一割負担がかかることになると、低所得者への一定の、国において一定の対応等が図られていることではありますけれども、その基準がかなり厳しいという状況もあります。通院治療の継続が困難となり、中断する可能性も大きく懸念されます。それは、本人のみならず社会的にも大きな影響をもたらすものです。
都としても、そうした観点から、これまでも国の制度に五%の補てんをして、精神障害者医療の充実を図ってきたところであります。我が党はこれまでも、他の障害者分野の施策と比べてもおくれている精神障害者の自立支援を促す施策の一環として、これまでどおりの負担軽減策を求めてきたところであり、本陳情には趣旨採択を求めたいと思いますが、最後に要望として、先ほど、いろいろ書類を本人の方にも配布をしているということなんですけれども、実際にそれを受けた方々が、どういう処理をしていいのか、自分で書くことも困難な方、また自分の所得、家族の所得を証明するものを、役所、あっちへこっちへと、とりにいかなければならないということなどもあって、医療機関も大変なんですけれども、本人自身も混乱をしているというのが事実です。
こういう中で、本当に当事者たちが十分にそういう記録や対応ができるような支援策をとっていただくことも要望として求めて、意見とします。
○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第八五号は趣旨採択と決定いたしました。
○藤井委員長 次に、一七第八八号、無年金在日障害者に対する特別給付金制度に関する陳情及び一七第八九号、無年金在日高齢者に対する特別給付金制度に関する陳情は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○吉岡障害者施策推進部長 整理番号6、一七第八八号、無年金在日障害者に対する特別給付金制度に関する陳情及び整理番号7、一七第八九号、無年金在日高齢者に対する特別給付金制度に関する陳情について、続けてご説明させていただきます。
これらの陳情は、荒川区の無年金在日外国人デフの会会長大石泰延さんから提出されたものでございます。
初めに、整理番号6についてですが、陳情の趣旨は、都において、都在住の制度的無年金の在日外国人障害者、帰化した者を含みますが、これに対し、年金制度のはざまに置かれていることにかんがみ、国による完全な救済が受けられるまでの間、特別給付金支給事業を創設し、対応していただきたい、また国に対し、早急に特定障害者特別給付金事業の対象とするよう意見書を提出していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、国民年金の任意加入期間に加入しなかったことにより障害基礎年金等を受給していない障害者については、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律が平成十七年四月一日から施行され、国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情にかんがみ、特別障害給付金が支給されることとなりました。
また、同法附則第二条において「日本国籍を有していなかったため障害基礎年金の受給権を有していない障害者その他の障害を支給事由とする年金たる給付を受けられない特定障害者以外の障害者に対する福祉的措置については、国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情を踏まえ、障害者の福祉に関する施策との整合性等に十分留意しつつ、今後検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。」とされております。
都は、大都市民生主管局長会議による社会福祉関係予算に関する要望書、平成十七年十一月の中で、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律により、任意未加入時の事故等による無年金障害者の救済措置が講じられたが、在日外国人等制度的無年金障害者に対する福祉的措置については障害者の福祉に関する施策との整合性等に十分配慮しつつ、今後検討することとなっているが、同じ障害者でありながら不公平が生じることのないよう早急に実現することを既に国に要望しております。
続きまして、整理番号7につきましてご説明させていただきます。
陳情の趣旨は、都において無年金在日外国人高齢者を対象とする特別給付金支給事業制度を創設し、国に対して無年金在日外国人高齢者を直ちに完全救済するよう意見書を提出していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、年金制度は、国がみずからの責任のもとに実施していくべきものであり、年金受給権の確認やその記録等についても国が所管をしております。
無年金者への対応は、年金制度と表裏一体のものであり、国が生活保護制度や各種福祉的措置を踏まえて制度設計すべきものでございます。
このような考え方から、都は、先ほど申し上げました大都市民生主管局長会議による社会福祉関係予算に関する要望書で、在日外国人等の老齢無年金者及び低額年金受給者についても、対象者が高齢な状況にあることから、早急な救済措置を講じることを国に要望しております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○藤井委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○斉藤委員 八八号、八九号一括ということで、トータルとして質問いたします。
今回、願意の方が二つ出ております。前段の方の、年金制度のはざまに置かれている部分について特別給付金支給事業、これは多分そういう名前のイメージでということなんでしょうが、アイデアが出ておりますが、実際、今回、全体から見ますと、東京都の方で独自に事業を行った場合に、補助とか助成という感じになってしまうのかなと。正直いって、今の年金の制度そのものも決して安定的とか万能ということではなくて、むしろ課題が多い方なんですが、そうはいっても、都道府県独自でやると、年金という名前になかなかならない。正直いって、そういったものに、支給される側からしてみれば、年金という、もう少し認められているというか、安定しているというか、制度としてのっているという部分が重要な意味を持つ側面もあると思いますので、その思いというのは非常にわかるんですけれども、予算面も含めて、やはり国の責任で行うのが本筋かなという感想を持ちます。
ちょっと質問なんですが、過去、東京都、都議会の方では、平成六年に国に対して、在日外国人の無年金者の救済措置に関する意見書というのを提出していると先日伺いました。その後大分、もう十年以上時間がたっているわけなんです。そしてまた、今回、冒頭の説明の中では、都を含めた大都市民生主管局長会議という部分を披瀝されましたけれども、東京都としてどのような考えを持って、また、これまでにどのような取り組みを行ってきたか伺いたいと思います。多少、その会議の内容に重複することがあるかもしれませんけれども、よろしくお願いします。
○野口企画担当部長 斉藤委員お話しのとおり、公的年金制度は国全体の制度でございまして、年金受給権の確認やその記録等の事務につきましても国が直接行っており、都には何らの権限等もございません。
年金制度の発展過程で生じました無年金者への対応は、今後の発生防止も含めまして、国が年金制度、生活保護制度など社会保障制度全体の中で責任を持って対応すべきものと考えます。
こうした考え方に立ちまして、都は昨年十一月、大都市民生主管局長会議による要望書の中で、在日外国人の制度的無年金障害者や老齢年金者につきましても早急な救済措置を講じるよう、国へ要望いたしております。
○斉藤委員 そうしますと、先ほどちょっと説明にありましたような形で、会議の中で東京都の方の考え方を述べているということです。都議会としては、平成六年という大分前の意見書の話があったわけですが、今回、願意の二番目の方では、国に対して意見書をという話があります。平成六年当時の東京都の考え方、そしてまた十七年、去年の会議の中の考え方はかなり共通しておりますので、恐らく、今現在こういった陳情が出る中で、この陳情にいわれているような願意、それは東京都が思うこととそれほど大差がない、変わりがないというふうなことと思いますが、そのように解釈してよろしいんでしょうか。そこを確認しておきます。
○野口企画担当部長 東京都の考えということでございますが、先ほど、昨年十一月というお話を申し上げましたが、その一年前につきましても同様の要望を行っておりまして、都としての考えは従来から変わっておりません。
○斉藤委員 ありがとうございます。
最後に意見として、やはりちょっと都から見ても、年金という名前がつく以上、やはり国に頑張ってもらわなきゃどうしようもないのに、今もって従前のままで根本的な解決がない、そしてまた対象から外れている人をそのままにしているという事実がある以上、東京都も国に対して今後とも救済措置、早く、一日でも早く講じられるよう引き続き要望、提案を続けていくようお願いを申し上げます。
以上です。
○かち委員 私も八八号、八九号合わせて質問します。
無年金在日障害者と高齢者に対する特別給付金制度に関する陳情ということで、この陳情は、都内在住の制度的無年金者の在日外国人に対し、年金制度改正のはざまで給付対象外になっている方々の救済のため、国に早急に対策をとるように求めるとともに、それまでの間、都として対策をとってほしいというものです。
この年金制度ですけれども、昭和三十六年に国民年金法ができたんですけれども、外国人には資格がなかったわけですね。その後、五十七年に国籍条項が外されたけれども、外国人については二十歳以上、任意加入ということですので、これでも強制加入から外れてしまう人が出たわけです。当時六十歳以上の人も対象から外れてしまった。障害年金及び障害福祉年金については、昭和五十七年、一九八二年、当時、以前に二十歳以上で障害者になった人はこれも対象外ということで、経過措置もなかったわけです。やっと昭和六十一年、一九八六年に外国人も強制加入制度というふうになったわけですけれども、こういう経過の中で、制度が不十分なために年金を掛けることもできなくて、今、受給資格もないという方々がいるわけで、推察しますと、これらの方々はもう八十を超え、八十五歳ぐらいになる方のようでもあります。
そして、昨年四月から特定障害者に対する特別障害給付金に関する法律というのができたわけですけれども、その目的と対象はどういう人なんでしょうか。これから在日外国人は対象にならなかったのかどうかということをお聞きします。
○吉岡障害者施策推進部長 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律についてのお尋ねでございますけれども、まずこの法律の目的は、特別障害給付金制度は、国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情にかんがみ、障害基礎年金等の受給権を有していない障害者に特別障害給付金を支給することにより、その福祉の増進を図ることを目的としております。
その支給の対象となる方でございますが、任意加入の仕組みがとられていた時期にご本人が制度に加入していなかった、その期間内に障害者となったため、国民年金法による障害基礎年金等を受ける権利を有していない方でございます。
また、外国人についての取り扱いでございますけれども、現在、在日外国人の方はこの対象となっておりません。ただ、法律の附則によりまして、法律の附則の中で、先ほどご説明いたしましたとおり、検討することとされております。
○かち委員 既に五十七年には外国人条項が外れているにもかかわらず、昨年のこの新しい法律のもとでも、外国人の障害者の方は給付の対象から外れてしまっているという状況があるわけですね。
附則で、今後検討が行われ、必要性が認められるときには措置を講ずるという文章が掲げられているのですけれども、それがいつ行われるのかということも全く不明、見通しがないというのが現状なんですね。
こうした方々というのは、多くは、戦争中に、歴史的経過の中でこの日本に長く住み続けることになった方々が多いわけです。こうしたはざまの人々は、今なお救われることなく厳しい生活環境の中に置かれているんですね。
このような外国人無年金者救済のために、これまで都として何か対策はとられてこなかったのでしょうか。
○野口企画担当部長 先ほども斉藤委員のご質問にお答えいたしましたとおり、年金制度の発展過程において生じた無年金者への対応につきましては、年金制度、生活保護制度など社会保障制度全体の中で国が責任を持って対応すべきであります。
こうした考えから、都は昨年十一月、大都市民生主管局長会議による要望書においても、制度の変遷の中で生じた在日外国人の無年金者についても早急な救済措置を講じるよう、国へ要望しておるところでございます。
○かち委員 年金制度そのものは国の制度であり国の責任であるということはもちろんなんですけれども、そういう問題というのは、国の制度の不十分さでできていないこと、やっていないことに対して、地方自治体の方からやって、やらせていくというようなことはたくさんあるわけですよね。そういう観点からやはり考える必要があるというふうに思うんです。
それで、この制度が不十分だったということがあるからこそ、国会の中でも再三にわたって、附帯決議が三回やられていますね。昭和五十九年、六十年、平成六年、やられていますし、先ほどおっしゃられたように、全国の大都市民生主管局長会議などからも再三意見を上げているというのが現状なわけです。
それで、東京都はやっていないわけですけれども、都下の市町村では、身近な自治体の中でそうした大変困難な方がいるということで、救済策をとっている自治体もあるわけですけれども、その辺の状況と、それから他県でもやっている自治体があるということなんですけれども、その辺の状況はどのように把握されているでしょうか。
○野口企画担当部長 無年金在日外国人に対しまして独自に給付金制度を設けておりますのは、都内では豊島区、葛飾区、三鷹市、町田市、小金井市、東久留米市の二区四市について確認いたしております。そのうち葛飾区は障害者のみが対象で、その他の区市は高齢者と障害者を対象としております。
また、他の道府県では、ホームページ等で把握できる範囲でございますが、北海道、神奈川県、滋賀県、京都府、兵庫県の五道府県が給付金制度を設けております。
ただし、その実施主体につきましては、ほとんどが在日外国人の状況を直接把握できる市町村ということになっております。
○かち委員 だから、東京都内でも二区四市では実際に救済制度をとってやっているということなんですね。
それで、先ほど紹介いただきました五道府県ですか、ここでも、やっている自治体に支援策、給付策をとっているということですので、東京都としても、その気になれば、やる自治体に対して給付対策をとることは十分に可能だというふうに思います。
豊島区などで聞いてみましても、対象の方々から再三にわたる陳情や請願をいただいて、議会で議決をされて救済措置をとっているということでありますけれども、対象そのものはそう多くはないんですよね。予算的に大きな影響を与えるというものでもないわけです。
都としてもこうした救済措置をみずからとるとともに、国に実施を求めていくことが大変重要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○野口企画担当部長 無年金者への対応も含めまして、公的年金制度につきましては、制度設計からその運営に至るまで国の責務で行うべきでございます。また、所得格差の是正や所得保障の課題は基本的に国の責任に属するものでございます。
こうした考えから、東京都として独自に無年金者に対する対策を講じることは考えておりません。都としては、今後も、国が公的年金制度の運営主体としてその責任を十分果たすよう引き続き働きかけてまいります。
○かち委員 都としてはこれからもやる意思はないということですけれども、しかし国には意見を上げていくということですね。やっぱりこの制度が重要だという認識に立って、多方面からも要望が出ているし、各自治体でもやっていることを十分かんがみていただきたいと思います。
そういう意味で、この陳情については、特に二項については趣旨採択をお願いいたします。
○藤井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、陳情一七第八八号を採決いたします。
お諮りいたします。
本件中第二項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第八八号中第二項は趣旨採択と決定いたしました。
次に、陳情一七第八九号を採決いたします。
お諮りいたします。
本件中第二項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第八九号中第二項は趣旨採択と決定いたしました。
○藤井委員長 次に、一七第九三号、児童福祉施設における障害のある児童の措置制度に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○都留少子社会対策部長 整理番号8の一七第九三号、児童福祉施設における障害のある児童の措置制度に関する陳情についてでございますが、これは、港区の伊東康江さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、児童福祉施設において、障害のある児童もできるだけ措置制度で対応していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、障害児の児童福祉施設の入所につきましては、児童福祉法の改正により、平成十八年十月以降、原則として措置制度から契約制度へ移行いたします。
契約制度における利用者負担につきましては、所得階層別に月額負担上限額を設けているほか、保護者の所得に応じた食費等の負担軽減措置を講じるなど、低所得世帯に配慮した仕組みとしております。
また、世帯に複数障害児がいる場合につきましても、家計への影響を考慮して負担軽減措置を講じております。
なお、保護者のいない児童や保護者に養育させることが不適当であると認められる児童などの要保護児童につきましては、引き続き措置制度を適用することとしております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○藤井委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○初鹿委員 本日最後の陳情になりますが、幾つか質問させていただきたいと思います。
障害者自立支援法が成立して施行が迫っているということで、恐らく障害を持っている方やその家族の方は、期待もある一方で不安を持っているのが現状なのかなと思います。そうした中で、いろいろな制度に対する誤解や、誤った情報などがその方々に流れていっていて、そういうことから、そういうことが背景になって、この陳情も出てきているのかなというように読ませていただいておりますので、陳情者の方が誤解をされている部分や事実を誤認しているようなところをちょっと正すようなつもりで質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、この障害者自立支援法が制定されたことによって、障害を持っているお子さんが障害児の施設に入所するときの取り扱いがどのように変わっていくのかを確認させていただきます。
○都留少子社会対策部長 平成十七年十月の障害者自立支援法成立に伴いまして児童福祉法が改正され、平成十八年十月以降、現行の措置制度から、原則として保護者等が直接施設と契約し利用する制度に変わることになります。
○初鹿委員 つまり、措置から契約になっていくということなんですが、そこで、この理由の中で書いてあるところで、所得に関係なく一定の負担、月額四万五千円くらいになってしまうというふうに書いてあるんですが、これが事実なのかどうかということも含めて、この負担がどうなるのかということをまず聞かせてください。
○都留少子社会対策部長 原則としてサービスに係る利用者の負担は一割となりますが、所得に関係なくということではなく、世帯の所得に応じて四段階の月額負担上限額を設けております。
また、食費等につきましても、保護者の所得に応じた負担軽減措置を講じるなど、低所得世帯に配慮した仕組みとなっております。
○初鹿委員 具体的に金額をいっていただけますか、所得層ごとに。
○都留少子社会対策部長 サービスの部分に係る月額自己負担額でございますけれども、その部分につきましては四段階ございますけれども、まず生活保護の区分ではゼロでございます。それから住民税非課税が二つに分かれておりまして、低所得一というところでは一万五千円の上限額、それから低所得二のところでは上限額が二万四千六百円、住民税課税の一般という区分では上限額が三万七千二百円ということでございます。
○初鹿委員 一番高い方でも上限が三万七千二百円ということで、これは必ずしも全員がそうだということじゃなくて、サービスを受ける内容によって、現実的には、もっとサービス量が少なければ安いということになるわけですね。
ところで、さらにここで、障害児が二人いる家庭の場合は二人分の負担になり、自立支援法と措置制度では負担の差が大きいというふうにいっておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
○都留少子社会対策部長 先ほど申し上げましたとおり、サービスに係る利用者負担は世帯階層別に四段階の月額負担上限額を設けておりまして、これは世帯の上限額でございます。したがいまして、例えば二人の障害児がいた場合でも、サービスに係る世帯の月額負担上限額は一人の場合と同額の上限額になります。
○初鹿委員 つまり、これは一番かかる方で、住民税課税世帯で三万七千二百円。仮に障害を持っているお子さんが三人いようが五人いようが、三万七千二百円以上はかからないということですね。ということは、この方が、ちょっとこの点については誤解をされているということでよろしいわけですよね。
それでは次、幾つか質問させていただきますが、この契約制度が導入されることによって、今年度の十月以降が契約になるわけですが、児童福祉施設の中でこの制度が適用される施設はどの施設になるんでしょうか。
○都留少子社会対策部長 契約制度が導入される施設は、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲・ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設の五つの施設種別でございます。
○初鹿委員 今の五つの施設が契約になっていくということです。
少し確認をさせていただきたいんですけれども、先ほどの説明の中で、保護者のいない児童や保護者に監護させることが不適当である、いわゆる要保護児童については引き続き措置制度を適用するということでございました。ですから、障害を持っていないお子さんの場合は、例えば虐待などがあって児童相談所に一時保護をされる、そこで本当に虐待があるという場合には要保護児童ということで児童養護施設に措置をされるわけですね。それは措置になる。仮にそのお子さんが障害を持っていた場合に、要保護児童だということで児童養護施設に入った場合は措置になるわけですね。ところが、今挙げたこの五つの施設に、障害を持っているということで児童養護施設では対応できないということで、例えば知的障害児施設に入った場合でも、これは措置制度で、措置で対応されるということでよろしいんですね。
○都留少子社会対策部長 障害児のうち、先ほど申し上げました保護者のいない児童ですとか、虐待を受けるなど保護者に養育させることが不適当と認められる児童、いわゆる要保護児童でございます、要保護児童であると児童相談所が判断した児童は従来どおり措置により入所することになります。おっしゃるとおりでございます。
○初鹿委員 この方と直接お話をしていないのでわからないんですけれども、理由のところで、親の入院などで障害のある児童を、と書いてあるということは、要保護児童も措置ではなくて契約になると誤解をされている部分があるのかなと、この文章を読むと感じるんですね。それは誤りだということですね。
ということになりますと、簡単にいえば、要保護児童という同じ条件でいえば、障害児だからといって特別な扱い、不利益な扱いをされるわけではないということですね。ただ、自立支援法という、制度が変わっていく中で、障害を持っているお子さんが、今までは措置で入っていた施設に入る場合に契約に変わっていく。それはあくまでも、障害の程度によってそういう施設に入ることが必要だという場合や、また、親がそういう選択をしたということで入った場合だということで、契約になるわけですよね。児童相談所がここに入りなさいということでその施設に行った場合ではないということですね。それでよろしいんですか。
○都留少子社会対策部長 おっしゃるとおりでございます。児童相談所が判断をして入所を決めるというのは措置ということになります。
○初鹿委員 当事者なり障害を持っている関係者なんかが心配をしていることは、障害を持っているがゆえに不利益な扱いをされてしまうんではないかということを恐らく心配されているんだと思うんですね。実際にまだ制度がスタートしていないわけで、そういう扱いをされた例がないわけですから、多分思い込みなり憶測でこういう陳情が出てきてしまっているんだと私は思うんです。
ですから、そういう誤解がないようなきちんとした制度についての説明を周知していただくのと同時に、やはり障害を持っているご家庭の方が、これから契約制度に移っていって、いろいろな施設に入ったときも、ご本人たちが安心して暮らせるような、そういう制度にしていっていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○かち委員 私も、この児童福祉施設における障害のある児童の措置制度に関する陳情について二、三質問いたします。
ご説明がありましたように、自立支援法ができたことによって児童福祉法も変わったということなんですね。障害のあるなしにかかわらず児童の施設入所については、これまでは措置制度で行ってきたわけです。本年十月から児童福祉法が変わることによって措置から契約に変わるということなんですけれども、先ほどの質疑で、低所得者対策などは自立支援法の対応と同じという説明がありました。再三いわれている要保護児童については、これまでどおり措置制度を残すということなんですけれども、今までの児童福祉法の中には、要保護児童という扱いというのはなかったと思うんです。今回、この自立支援法との関係で要保護児童という概念が出てきているんですけれども、この子は障害のあるなしにかかわらず要保護児童であるという判断、基準というのは定まっているんでしょうか。
○都留少子社会対策部長 要保護児童ということでございますけれども、現在の児童福祉法にも要保護児童という定義はございます。
○かち委員 入所にかかわって、福祉施設の入所にかかわって、要保護児童であるなしというのは関係なく今までは入所していたわけですよね。今回、要保護児童という子どもを入れる可能性もあるということが出てきたわけでしょう。では、要保護児童という判断基準はどこで決められているんでしょうか。どこをもって要保護児童だというふうに決めるんでしょうか。
○都留少子社会対策部長 要保護児童は、先ほど申し上げましたように、例えば保護者がいない子どもですとか、あるいは虐待を受けて保護者に養育させることが不適当な児童ということですので、それ自体は今も、それから法施行後も概念は変わらないということでございます。障害のあるなしということではなく、関係なく、要保護児童という定義は変わらないということでございます。
○かち委員 福祉施設入所にかかわって要保護児童であるかどうかということは、今までは問われないでやってきたわけですね、措置制度のもとで。ところが、今回の自立支援法のもとで、要保護児童というものについては措置で行うよというのが新しくつけ加わった制度なわけでしょう、十月から。だから、全部契約でやるんですけれども、要保護児童については措置で行いますよという項目が加わったわけですね。だから、その要保護児童というものはどういう子どもたちを対象にしていくのかということは、もうきちんと決まっているものなんですか。
○都留少子社会対策部長 ちょっと具体的にご説明いたしますと、現在、要保護児童が一番多く入所している代表的な施設といたしましては、児童養護施設というものがございます。そういうお答えでよろしゅうございましょうか。
○かち委員 入所の概念として、今までは児童福祉法二十七条の第一項第三号で、すべて措置制度で行っていたわけですけれども、今度は、法律が施行されると契約になって、児童福祉法の第二十四条二というのが新設されて、契約でいきますよということになりますね。ところが、第二十七条の一項の三号によって措置で対応する子どもも出ますよということですね。だから、全部が契約になってしまうんではなくて、その対象の中でも措置で対応する子どもも出ますよというのが今度の新しい制度なわけですね。だから、その措置で対応される子どもの要件というものはもうきちんと決まっているんですかということなんです。
○都留少子社会対策部長 決まっております。先ほどから申し上げておりますとおり、保護者のいない、障害を持った子どもの中で保護者のいない児童ですとか、虐待を受けているということで保護者に養育させることが不適当であると児童相談所が判断した子どものことでございます。
○かち委員 健常な子どもと同じ判断基準でやるということをおっしゃっているわけですね。そうですか。
私が聞いたところでは、要保護の児童の判断をどのようにするかというのはまだ決まっていない、国がこれから、詳細にはこれから決めるんだと。まだ春になってからやるんだ、今は自立支援法で手いっぱいで、児童にまでまだ手がいっていないと。だから、これから検討するんだというふうに聞いていたものですから、そういう状況にあるのかなということを確かめたかったんですけれども、それはもう決まっているという解釈ですか。事前に伺ったのとちょっと違うかなと思うんですけれども、決まっているということなんですね。
○梶山技監 児童相談センターの所長としての立場でお答えをいたします。
要保護児童であるのかないのかというのは、各ケースによりまして児童相談所長が判断をして措置するということでございます。
○かち委員 それはわかっているんですよ。それはわかっているんですけれども……。
○都留少子社会対策部長 かち副委員長のおっしゃっていることをちょっと推測申し上げますと、おっしゃっている意味は、今、技監が申したとおりなんですけれども、現在、施設に入っている、障害児施設に入っている子どもが契約になるのか、あるいは措置になるのかということではないでしょうか。
○かち委員 ないです。
○都留少子社会対策部長 違うんですね。済みません。
○かち委員 そういうことで、国としてもきちんとした、詳細についてはこれから決めるというふうに聞いていたものですから、それなんですけれども……。
しかし、障害児の中で要保護児童として措置で対応されるお子さんと契約で対応されるお子さんという二通りが出てくるというのは、これから十月から出てくるという話ですね。それは間違いないわけです。
そうすると、今、健康な四人家族で、健康なお子さんを二人持っている親子で、わかりやすいのでいうと、低所得者の所得制限にかからないぎりぎりの一般のご家庭で、もし親御さんに何かあって子どもを養護施設に入れなければならないという状況が生まれた場合、これはもう措置ですよね。措置を行った場合は一体どのぐらいかかるんでしょうか。
○藤井委員長 意味がわかりますか、質問の意味が。
ちょっと、速記をとめてください。
〔速記中止〕
○藤井委員長 速記、スタートしてください。
○都留少子社会対策部長 措置制度の場合、措置される施設の種別によって費用負担額は異なりますし、非常に細かい段階に分かれております。一概にいえませんけれども、仮に二人の児童が同一の施設種別に措置されている場合で、住民税の課税の世帯の方で一番低いランクだというふうにいたしますと、一人目の児童が六千円、それから二人目の児童が一人目の児童の十分の一の六百円となりまして、合わせて六千六百円となります。
○かち委員 そういうことなんですね。
ところが、同じような家庭で二人の障害児を持つ親御さんが、こういう状況の中で契約でお子さんを入れざるを得ないという状況になった場合どうなるかということなんですが、先ほど、一割負担のところについては上限額がある、三万七千二百円だというお話がありましたけれども、これは一割負担の部分だけであって、そのほかに食費や光熱費、それから一般生活費というものも加わってくるわけですね。そういうものを換算しますと約五万円ぐらい、数万円はかかるという状況になるわけですよ。
障害児を持つ親御さんが、一般的にいっても大変な状況の中で、同じ子どもを同じ条件で預けても、措置と契約ではこれだけ違う状況が出るということを私は確認したかったわけです。
先ほど、要保護児童になるのはどういう規定になるのかというのは、これから決めるという状況もあるというふうに伺っていたものですから、そうであれば、この自立支援法、そして児童福祉法が変えられる中にあっても、できるだけこうした方々が救済されるような対応をするということは考慮されてもいいのではないか、そういう意味で、この陳情には趣旨採択を求めたいと思います。
○藤井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○藤井委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一七第九三号は不採択と決定いたしました。
以上で請願陳情の審査を終わります。
以上で福祉保健局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分で執行機関に送付することを適当と認めるものについては、これを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時二十二分散会
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