委員長 | 前島信次郎君 |
副委員長 | 鈴木あきまさ君 |
副委員長 | 大山とも子君 |
理事 | 小美濃安弘君 |
理事 | 初鹿 明博君 |
理事 | 佐藤 裕彦君 |
かち佳代子君 | |
藤井 一君 | |
田代ひろし君 | |
馬場 裕子君 | |
大河原雅子君 |
欠席委員 二名
出席説明員福祉保健局 | 局長 | 幸田 昭一君 |
次長 | 帆刈 祥弘君 | |
技監 | 梶山 純一君 | |
総務部長 | 吉川 和夫君 | |
指導監査室長 | 岩井 令雄君 | |
医療政策部長 | 菅原 眞廣君 | |
保健政策部長 | 丸山 浩一君 | |
生活福祉部長 | 笠原 保君 | |
高齢社会対策部長 | 野村 寛君 | |
少子社会対策部長 | 朝比奈照雄君 | |
障害者施策推進部長 | 吉岡 則重君 | |
健康安全室長 | 中井 昌利君 | |
企画担当部長 | 野口 宏幸君 | |
感染症・環境安全担当部長 | 小松 博久君 | |
参事 | 杉村 栄一君 | |
参事 | 桜山 豊夫君 | |
参事 | 大村 信夫君 | |
参事 | 狩野 信夫君 | |
参事 | 長谷川 登君 | |
参事 | 清水 克則君 | |
参事 | 浅井 葵君 | |
参事 | 佐藤 恭信君 |
本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
報告事項(説明・質疑)
・新潟県中越地震被災者に対する支援について
事務事業について(質疑)
○前島委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の報告事項の聴取及び事務事業に対する質疑を行います。
これより福祉保健局関係に入ります。
初めに、理事者より報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○吉川総務部長 お手元配布の新潟県中越地震被災者に対する支援についてによりまして報告をさせていただきます。
一ページをお開き願います。まず最初に、今回の地震の発生と被害の状況を記載してございます。
次に、2でございますが、福祉保健局の支援の状況でございます。
初めに、物的支援でございます。
発災直後の人道上の支援のため、石原知事の指示によりまして、第一次支援物資といたしまして、十月二十五日に、クラッカー三万食、アルファ化米十六万食、即席めん五万食、毛布一万枚、調整粉乳六千缶、哺乳瓶三千本を自衛隊入間基地から新潟空港へ自衛隊機により搬送いたしました。
また、第二次支援物資といたしまして、新潟県の要請により、同月二十九日に、肌着上下六千組、簡易トイレ三百個を米軍横田基地から新潟空港へ米軍機により搬送いたしました。
二ページをお開きください。人的支援でございます。
まず、(1)、災害医療派遣チーム、いわゆる東京DMATの出動でございます。
十月二十四日から二十五日まで、新潟県小国町の町立診療所及び避難所へ四チームが出動し、診療所での医療支援及び傷病者を重篤度により分けるトリアージ、医療スタッフに対する助言、避難所での医療救護などの活動を実施いたしました。
次に、(2)、心のケア医療救護チームの派遣でございます。
十月二十八日から十一月十一日までの期間、精神科の医師、看護師、保健師などで構成いたしますチームを第一班から順次第四班まで、新潟県魚沼市堀之内地区の避難所や社会福祉センターなどに派遣いたしまして、心のケア活動や巡回訪問などを行いました。
三ページをお開きください。(3)、保健師チームの派遣でございます。
新潟県川口町に、まず十月二十九日から十一月十日までの期間、医師、保健師、事務職員で構成いたしますチームを第一班、第二班といたしまして順次派遣し、県保健所と協力の上、被災住民への健康相談及び健康指導などを行いました。
また、十一月十日から十六日まで、第三班といたしまして、都の保健師、事務職員及び杉並区の保健師によります合同チームを派遣いたしております。さらに、十六日からは第四班として、杉並区にかわりまして足立区の保健師が加わった合同チームを派遣する予定となってございます。
(4)、医療支援チームの派遣でございます。
東京都医師会による四チームを第一次派遣として、十月三十日から十一月二日まで、また、東京都医師会と都立病院による五チームを第二次派遣といたしまして、十一月二日から五日まで派遣いたしまして、新潟県小千谷市の小千谷総合病院や特別養護老人ホームの医師や看護師などとの交代制による医療等の実施や、避難所などにおける医療相談などを実施いたしました。
なお、資料には記載がございませんが、当委員会の田代委員におかれましては、新潟県小国町の要請に基づきまして、十月二十七日から二十九日まで、小国町町立診療所、町内避難所等でボランティアとして診療支援に従事されたことを口頭にてご報告させていただきます。
四ページをお開きください。(5)、施設介護職員等の派遣でございます。
新潟県老人福祉施設協議会からの支援要請によりまして、東京都社会福祉協議会に対応していただき、介護職員などを、十一月五日から十四日までの期間に、第一次から第三次として、順次、新潟県長岡市内の特別養護老人ホームかつほ園などへ派遣していただいております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○前島委員長 報告は終わりました。
本件につきましては、次に行います事務事業の質疑の際にあわせて質疑を行いますので、ご了承願います。
次に、事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料につきまして、理事者の説明を求めます。
○吉川総務部長 過日の厚生委員会でご要求のございました資料につきまして、お手元の厚生委員会資料にまとめてございますので、説明させていただきます。
資料は、目次にございますように、全部で二十一項目となっております。
それでは、順を追って説明させていただきます。
まず、一ページをお開き願います。東京都福祉サービス評価推進機構の概要等といたしまして、(1)には、東京都福祉サービス評価推進機構の設置目的及び主な業務について、(2)には、認証評価機関数について記載してございます。
二ページをお開き願います。島しょ地域における救急患者搬送実績の推移につきまして、平成十一年度から十五年度までの実績を記載してございます。
三ページをごらん願います。島しょ地域における医師及び看護師の従事者数といたしまして、平成十六年四月一日現在で公立医療機関に勤務する常勤職員数を記載してございます。
四ページをお開き願います。東京都新生児等聴覚検査モデル事業の概要といたしまして、経緯、目的、事業内容及び実施状況を記載してございます。
五ページをごらん願います。都内精神障害者の入院、退院及び通院患者数の推移でございます。(1)には、平成十一年度から十五年度までの都内精神障害者の入院及び退院患者数を、(2)には、平成十一年度から十五年度までの都内精神障害者の通院医療費公費負担認定患者数を記載してございます。
六ページをお開き願います。精神障害者に対する都独自の福祉施策といたしまして、国庫補助に上乗せ補助を実施、もしくは都独自で補助を実施している事業について、事業の概要を記載してございます。
七ページをごらん願います。乳幼児医療費助成事業の実施状況といたしまして、区部、市部、町村部ごとの所得制限の有無及び都補助の実施状況につきまして、七ページから九ページにわたりまして記載してございます。
一〇ページをお開き願います。難病相談・支援センターの概要といたしまして、事業開始時期、設置場所、委託先、センターの事業内容及び予算等につきまして記載してございます。
一一ページをごらん願います。難病相談・支援センターの相談件数といたしまして、(1)には難病相談の件数を、(2)には内容別の相談件数を記載してございます。
一二ページをお開き願います。国民健康保険における被保険者資格証明書及び短期被保険者証の交付数の推移につきまして、区市町村別に、一二ページから一三ページにわたりまして記載してございます。
一四ページをお開き願います。認可保育所の定員、入所児童数及び待機児童数の推移でございます。
待機児童に関する新定義及び旧定義それぞれに分けまして、平成十四年から十六年までの区市町村別の定員、年齢別の入所児童数及び待機児童数につきまして、一四ページから二三ページまでにわたりまして記載してございます。
二四ページをお開き願います。認可保育所の創設数及び増加定員数の推移といたしまして、平成十一年度から十五年度までの創設数と増加定員数及びゼロ歳、一歳の増加定員数の内訳を記載してございます。
二五ページをごらん願います。児童相談所別の虐待相談件数及び児童福祉司数の推移でございます。
(1)には、平成十一年度から十五年度までの児童相談所別の児童虐待相談受理件数を、二六ページに参りまして、(2)には、平成十一年度から十五年度までの児童相談所別の児童福祉司数を記載してございます。
二七ページをごらん願います。児童福祉司の配置状況といたしまして、都道府県及び政令指定都市別の児童福祉司の配置数を記載してございます。
二八ページをお開き願います。平成十五年度東京都保育所運営費補助金交付額といたしまして、市町村別の交付額を記載してございます。
二九ページをごらん願います。平成十四年度保育所運営費都負担金実績といたしまして、区市町村別の私立保育所に対する都負担金の実績を記載してございます。
三〇ページをお開き願います。高次脳機能障害者支援の取り組み状況といたしまして、調査研究、普及啓発、各種支援のそれぞれの取り組み状況などにつきまして記載してございます。
三一ページをごらん願います。地域リハビリテーション支援センターの指定数の推移でございます。平成十三年度から十六年度までの指定数及びその累計を記載してございます。
三二ページをお開き願います。精神障害者と他の障害者との主な福祉制度の比較といたしまして、精神障害者、身体障害者、知的障害者の手帳所持者数と、それぞれの手帳所持者が利用できる主な福祉制度を記載してございます。
三三ページをごらん願います。重症心身障害児(者)通所施設の定員及び通所日数別登録者数といたしまして、委託施設、都立施設別に、施設定員及び通所日数別登録者数を記載してございます。
最後でございますが、三四ページをお開き願います。平成十五年度居宅介護支援費(ホームヘルプサービス)国庫補助金交付決定額及び交付申請額といたしまして、区市町村別の国庫補助金交付決定額、国庫補助金交付申請額、差し引き不足額を記載してございます。
以上、ご要求のございました資料につきまして説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。
○前島委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、事務事業に対する質疑を行います。
なお、先ほど聴取いたしました報告事項につきましても、あわせて質疑を行いたいと思います。
発言を願います。
○鈴木委員 私は、まず最初に、先日開所式に出席をさせていただきました難病相談・支援センターについて、何点か質問をさせていただきます。
支援センターは、七月一日から相談事業を開始し、この十月一日から本格開所をしたものです。短期間ではありますが、難病患者さんからかなりの反響があったと伺っております。
当センターに寄せられました相談件数につきましては、委員会要求資料にも出ておりますが、相談件数はどのくらいで、その相談を受ける相談員の体制など、当センターの実績について、まずお尋ねをいたします。
○丸山保健政策部長 資料一〇ページ、一一ページをごらんいただきたいと思います。難病相談・支援センターの相談件数についてでございますが、事業を開始した七月一日から十月十五日までの三カ月半の間に受けた相談件数は、六百九十六件となっております。
これに対応するために、難病相談・支援センターには、難病相談支援員、生活相談員、事務職員を配置しており、核となる難病相談支援員には、経験豊富な保健師が従事しております。
○鈴木委員 私が想像していた以上に相談件数も多く、相談・支援センターに対する難病患者さんのニーズがいかに高いものか物語るものだと思います。
そこで、今後相談体制の充実策を講じるべきだと考えますが、いかがでございましょうか。
○丸山保健政策部長 充実策のご要望でございますけれども、本事業の充実策の一つとしまして、ピアカウンセリングの実施を予定しております。ピアカウンセリングとは、病気に関する悩みを持つ者が同じ難病患者に相談することにより問題の解決を図るというものでございます。
これにつきましては、本事業の受託者であり、都内の患者団体の連合体である東京難病団体連絡協議会が、難病患者、家族の立場から親身に相談に応じるなど、効果的に対応する予定でございます。
具体的な実施方法に関しましては、曜日や時間等をあらかじめ定め、都民に周知した上で、ピアカウンセリングについての研修等を受けた相談員が電話や面接等に対応するというような形で、早期に実施したいと考えております。
○鈴木委員 このピアカウンセリングの実施は、共通の悩みに苦しむ患者さん同士が情報などを共有することによってお互いを支え合うという意味で、意義深いことだと思います。相談体制の充実の観点からも、詳細を煮詰めて、なるべく早い実施を要望したいと思います。
ところで、同じ病で苦しむ患者さんにとって、共通の相談事というものも数多いと考えます。同じ相談に長時間、一人しか配置されていない相談支援員が拘束されるというのは効率的ではありません。例えばホームページなどを通じて、何度も寄せられる同じような相談内容を公開してはいかがでしょうか。もちろんプライバシーに十分な配慮が求められるのは当然ですが、ほかの方も同じような悩みで苦しんでいる、困っているということがわかって、それに対する基本的な対応が明らかになるだけでも、精神的な救いになるのではないかと思うわけです。局は、難病相談・支援センターの開所をお知らせしたホームページのリニューアルで対応すればよいと思いますが、福祉保健局の見解を伺います。
○丸山保健政策部長 非常に貴重なご意見として前向きに検討したいと思います。ありがとうございます。
○鈴木委員 まだ立ち上がって間もない支援センターですが、福祉保健局は、当センターをどのように評価していらっしゃるのでしょうか。また、今後、どのように当センターの運営に取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。
○丸山保健政策部長 難病相談・支援センターについては、開設から間もない中で多くの相談が寄せられるなど、本事業に対する都民の皆様のニーズが大きいことを実感しております。難病相談・支援センターは、都としての難病対策の一つの重要な施策として位置づけており、今後とも円滑に運営してまいりたいと思います。
○鈴木委員 難病患者さんの支援強化策として、二十四時間のヘルパーサービスの充実や相談機能の強化を都は以前から強調してきました。特に、当センターは都内唯一の難病患者支援の拠点であることからも、来年度以降も都がしっかりと、予算面を初めとしてサポートしていく必要があると考えます。東京難病団体連絡協議会の皆さんがみずから立ち上がり、運営を受託し、患者同士できる限りのサポートをしていこうという並々ならぬ覚悟で事業に当たっておられるご様子を拝見して、ますますその意を強くしているところでございます。重ねて福祉保健局のきめ細かい対応をお願いして、この質問を終わりにします。
次に、認証保育所制度に関連してお伺いをいたします。
東京都は、平成十三年五月に都独自の基準により認証保育所制度を発足させ、多様化する都市型保育ニーズに的確に対応してまいりました。また、大きな成果を上げているところでございます。
今般、東京都認証保育所協会から都議会自民党に対し、自民党東京都支部連合会あての税制改正に関する要望が届いております。
要望の内容ですが、消費税については、認可保育所は非課税であるが、認証保育所を初めとする認可外保育施設については課税扱いとされているため、これを非課税としてもらいたいというものでございます。
そこで、お伺いをしますが、社会福祉法人が設置する認可保育所については、国税である消費税が非課税であるとともに、都税についても非課税あるいは減免扱いになっておりますが、認証保育所に対する課税状況はどのようになっているのか伺います。
○朝比奈少子社会対策部長 都は、認証保育所制度を発足させるに当たりまして、税制上も認証保育所を認可保育所と同様に取り扱うべきとして、都税のうち不動産取得税、固定資産税、都市計画税について独自に減免措置を講じているところでございます。また、事業税についても、今年度から減免措置を講じております。
国税であります消費税は、認証保育所を初めとする認可外保育所については、課税対象となっております。
○鈴木委員 平成十五年の税制改正により、消費税の事業者免税点の適用上限が三千万円から一千万円に引き下げられ、十六年四月から適用されております。これにより認証保育所はどのような影響を受けたのか、お伺いをしたいと思います。
○朝比奈少子社会対策部長 認証保育所の利用料収入は、平均的規模で一千万円台であるため、平成十五年の改正により、ほとんどの事業者に消費税が課税をされております。
○鈴木委員 このような状況に対して、東京都としてはどのように対応をしてきたか、この点についてもお伺いをしたいと思います。
○朝比奈少子社会対策部長 認証保育所など地方公共団体独自の保育事業については、認可保育所と同様の役割を果たしていることにかんがみ、事業者に対して消費税を課さないことを国に対し提案、要求をしております。今後も引き続き要求をしてまいります。
○鈴木委員 東京都は、事業者に対して消費税を課さないことを国に引き続き提案、要求をしていくとのことですが、これに対し国ではどのような動きがあるのか、お伺いします。
○朝比奈少子社会対策部長 厚生労働省は、認可外保育施設に対する指導監督制度の充実に伴い、一定の基準を満たす施設については福祉的な位置づけが明確となることを踏まえ、こうした保育施設の利用料についても、認可保育所と同様に消費税を非課税とするよう、税制改正を平成十七年度に向け省庁提案する予定であると聞いております。
○鈴木委員 認証保育所についても消費税を非課税とするよう都が国に提案、要求し、国においても税制改正を検討している状況であるとのことです。
都議会自民党といたしましても、大都市東京の多様化する保育ニーズに的確に対応し、大きな成果を上げている認証保育所について、認可保育所と同様、消費税を来年度から非課税にするよう税制調査会に強く働きかけていくなど、実現に向けて努力していくことを表明いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○藤井委員 私からは、先ほど総務部長から報告がありました新潟中越地震に対する東京都の対応について、何点かお伺いをいたします。
先ほどありましたように、東京DMATの派遣並びに医師や看護師、そしてまた、心のケアの相談体制をとって、新潟への派遣等々、東京都が大変前向きに新潟地震に対する支援を行っていることを高く評価したいと思います。
そこで最初に、私は、心のケアの医療救護チームについてお伺いをしたいと思います。
今回の新潟中越地震、本来であれば一回だけの地震で済むものを、今なおマグニチュード五の余震が続くという中で、新潟の被災者の方は、大変心配な毎日を送られていることと察するわけでございます。まだまだ二万五千人近い方が、体育館等、大変寒い、また不自由な生活を強いられているわけでございまして、そういった意味では、阪神大震災の例でもそうでございますが、震災直後は被災者の方は、いわゆるどたばたしておりますので、その後、例えば三週間たち一カ月たちといった、その後に非常に心の不安、ストレス、そしてまた将来への不安が出てくるというふうに聞いております。
そういった意味で、今回、新潟中越地震において被災された方々の精神状態、身体の状況はどうだったか、まずお伺いいたします。
○吉岡障害者施策推進部長 現地からの報告によりますと、被災者の方の中には、余震が続く中で、不安、緊張、不眠及び疲労による体調不良を訴える方や、フラッシュバック、急性ストレス障害、心的外傷ストレス障害の前兆を示す方がいたそうでございます。また、精神障害者の方も、服薬中断や病状が悪化している方もいらっしゃったというふうに聞いております。
○藤井委員 そういう中で、今回、東京都が心のケア医療救護チームを現地に派遣をしたわけですが、このチームが現地で行った活動は、どんな内容なのか、そしてまた、どんな成果があったのかということについてお伺いをいたします。
○吉岡障害者施策推進部長 ご指摘のとおり、精神保健福祉センターの医師、看護師等の専門職から成る心のケア医療救護チームを、新潟県魚沼市に、十月二十八日より本日まで派遣をいたしました。
活動の主な内容でございますが、避難所を巡回しての応急診療、精神保健相談、避難所におけるナイトクリニック、老人性痴呆、服薬中断、PTSD重症者等に対する家庭訪問、現地の保健師、内科医等への精神医学的助言となってございます。
その成果につきましては、現地に精神科医師がいない中で、専門家チームによる初動期の迅速な活動を通じまして、被災者の不安軽減や症状悪化の防止等に貢献できたものと認識してございます。
○藤井委員 いろいろ成果があったと思いますけれども、私は、この新潟の方たちに対して心からお見舞いを申し上げると同時に、万が一東京に地震が来た場合の対応策として、やはり心のケア対策というのは大変重要だというふうに思うわけでございます。いうまでもなく、阪神大震災の後、仮設住宅で孤独なお年寄りが次々と自殺をしていったという、そういう実例もあるわけでございまして、そういった意味では、今後東京都において災害が起こった場合の心のケア対策というものを、今からしっかりと準備をしていく必要があるのではないか。今回の新潟の経験を生かして、東京都として心のケア対策をしっかりと充実していくべきと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 東京都におきましては、既に阪神・淡路大震災のときの経験を受けまして、災害時の医療救護マニュアルというのを策定してございます。その中で、メンタルヘルスに関する業務につきましては、専門職による巡回精神相談チーム、また、都立の精神保健福祉センターにおきまして二十四時間の相談体制を確立するというような業務を実施することになってございます。
今後、今回のこの活動を踏まえまして、この経験を生かして、東京都における心のケア対策をさらに充実していくとともに、関係機関の職員に対しましては、東京都の災害対策研修等を通じて情報提供に努めてまいりたいと考えております。
○藤井委員 次に、一点、災害に遭われた高齢者対策としてお伺いをしたいと思います。
新潟中越地震において、特別養護老人ホームに入所をされていた方が災害に遭われて、そこでは生活ができない、建物が壊れてしまって生活ができないために、たしか二十名ぐらいというふうに聞いておりますが、近くの特別養護老人ホームに収容された。ですから、受け入れた特養ホームは、定員をオーバーして他の特養ホームの入所者を受け入れているという話をお聞きいたしました。当然職員の数はふえませんから、職員の方たちの毎日の対応というのは大変なご苦労があると思いますけれども、そういった意味で、今回の新潟中越地震によって、被災地の特別養護老人ホーム、こういった一部で建物が壊れ、特養の入所者を収容したため、大変、入所者がストレスや不安等によって体調を崩しているというふうにもいわれております。
そこで、東京都内にはたくさんの特別養護老人ホームがありますけれども、また待機者も多いわけです。そういった状況は十分理解はしておりますけれども、新潟県内で特養ホームなどの施設を利用されていた方で、現在行き場がなくて困っている方々、こういった方々を東京都として何らかの支援をすべきだというふうに考えます。新潟県から要請があった場合、人道上の立場から、こういった施設利用者を受け入れたらどうかというふうに思いますが、都としての対応はいかがでしょうか。
○野村高齢社会対策部長 高齢者施設の受け入れにつきましては、人道的な見地から、緊急臨時的な措置といたしまして、新潟県から要請があり次第、まず都立施設を活用しまして、速やかに対応してまいります。
○藤井委員 やっぱりスピーディーな対応が大変重要だと思います。ぜひ、そういった要請があり次第、都としての受け入れをするよう強く要望したいと思います。
続きまして、原爆被爆者に対する支援策について何点かお伺いをしたいと思います。
来年は、原爆被爆されてから六十周年という節目を迎えるわけでございます。東京都の調査では、平成十五年度末、東京に住んでいらっしゃる原爆被爆者の方は八千七百四十八名というふうに聞いております。これらの方々は平均年齢が七十・七歳ということで、大変高齢化をしておりますし、また、原爆による病弱、そういった病気によって大変ご苦労をされているということを、私も直接見たり、またお聞きをしております。
その中で、昭和五十年に制定されました、被爆者を援護する条例であります東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例によって、東京に住んでいらっしゃる被爆者への支援がなされているわけでございまして、被爆者の方も、こういった支援によって大変喜んでいただいているわけでございます。
そういう中で、高齢化が進展している、そしてまた、原爆の影響によって将来の不安、生活不安というものを抱いていらっしゃる被爆二世、こういった方たちがいろいろといる現状から、被爆者援護施策をさらに充実するよう強く要望したいと思います。
そこで、第一点目に、被爆者健康診断についてでございます。
これは、国と、そしてまた東京都とあわせまして、原爆被爆者に対する健康診断を実施されております。東京都では、国基準の検査項目に加えまして、東京都独自に検査項目の上乗せを行って健康診断の充実を図ってきているというふうに聞いておりますけれども、ただ、いかんせん、もう大分前からの事業でありまして、実態と合わない、また、内容、検査項目をさらにふやしていただきたいという要望が被爆者の団体から出ているわけでございます。
そういった中で、第一点目に、被爆者健康診断の検査項目を追加していただきたいという要望について、都としての所見はどうでしょうか、お伺いいたします。
○丸山保健政策部長 検査項目追加のご要望でございますけれども、国では、老人保健事業第五次計画策定の検討状況を踏まえ、被爆者健康診断についても、今後必要に応じて検討を行う予定であるとの見解を示しており、その内容を踏まえ、都としても適切に対応してまいりたいと考えております。
なお、国に対して、これまでも健康診断の検査項目の拡大について提案してきてございますが、引き続き機会をとらえて提案していきたいと考えております。
○藤井委員 ぜひ、東京都独自の検査項目の見直しを行っていただきたいと要望いたします。
二点目に、東京都では従来から都独自で、被爆された方のお子さん、いわゆる被爆者二世に対しまして、健康診断の実施をしたり、一定の疾病で六カ月以上治療を要すると診断された場合に医療費の助成を行っております。本来これは国が被爆者二世に対して充実する対策というふうに考えますけれども、これらの被爆者二世に対する支援策について、東京都はどのように対応するのか、お伺いいたします。
○丸山保健政策部長 都では、被爆者二世の方々の健康不安の軽減を図るため、昭和五十年に条例を制定し、独自に二世対策を実施してきておりますが、ご指摘のとおり、被爆者対策は、本来国の責任において実施されるものと認識しております。都では、国の動向の把握に努め、適切な時期に国に提案を行ってまいりたいと考えております。
○藤井委員 三点目に、被爆者団体に対する委託事業の支援策についてでございます。
現在東京都では被爆者団体に対しまして--東京都から委託を受けた事業、これをこの団体が実施をしております、例えば出張相談会とかあるいは医療講演会、こういったものの助成をしているわけですが、こういった、東友会という団体に対する委託事業の予算について、大変厳しい財政状況の中で、先日も東京都の来年度予算の概要説明がありましたけれども、全体的には大幅な削減がされる中で、ぜひ、こういった被爆者に対する予算については今後とも維持をしていくべきであるというふうに考えますが、東京都の考え方についてお伺いいたします。
○丸山保健政策部長 都では、被爆者の方々の健康の保持と不安の軽減を図るため、医療生活相談や訪問相談指導、相談員養成研修等を内容とする原子爆弾被爆者健康指導事業を東友会に委託しております。
この事業の実施に必要な委託料については、厳しい財政状況が続いておりますけれども、高齢化されている被爆者の方々の健康面や生活面の不安が増す中、健康指導事業に対する必要性、重要性は一層高まってくることをかんがみ、必要な経費を確保してまいります。依然として厳しい財政状況でございますが、今後とも適切な予算の確保に努めてまいります。
○藤井委員 最後の四番目ですけれども、来年八月に被爆六十周年ということで、節目に当たります。また、東京都の被爆者援護条例が制定、施行されてから三十周年というふうになるわけでございますが、被爆六十周年に際して、国は被爆者実態調査というのを計画しております。こういった計画に対して、東京都として何らかの支援並びに国に対しての働きかけを強力にしていくべきと考えますが、この点について東京都の考え方をお伺いいたします。
○丸山保健政策部長 被爆者実態調査については、被爆者の方々の生活や健康状況等の現状把握を目的として、国が昭和四十年以降十年ごとに実施しており、直近では平成七年に実施されております。
なお、国では、先生がご指摘のごとく、前回の調査から十年目に当たる十七年度に実施を予定しており、現在、調査内容等について検討を行っていると聞いております。
都では、この調査の実施に当たり、都道府県としての役割を適切に果たし、実態把握のための精度の高い調査結果が得られるよう努めてまいります。
○藤井委員 ぜひ充実についてよろしくお願いします。
次に、新生児聴覚検査モデル事業についてお伺いいたします。
第三回定例会の一般質問でも、私はこの問題を取り上げてまいりました。いわゆる新生児の千人に一人か二人は、生まれつき聴覚障害を持っているというふうにいわれております。これらの新生児であっても、早期に発見をし、早期に療育をすれば、いわゆる普通の健常者のお子さんと同じように聞こえるようになるというふうにいわれております。そういった意味で、早期発見、早期療養が大変重要だということで、我が党は、この問題を二年前から取り上げて訴えてまいりました。
東京都は、これに対して、平成十五年一月から、新生児聴覚検査のモデル事業ということで実施をしております。そういった意味で、まず今回は、そのモデル事業の内容について、またモデル事業の実施状況についてお伺いをいたします。
○朝比奈少子社会対策部長 東京都新生児等聴覚検査モデル事業では、聴覚障害が疑われる新生児を早期に発見し、早期に支援が行われるよう、都における新生児等に対する効果的な聴覚検査体制、相談、療育体制についての評価、検証を実施することを目的としております。
事業内容は四点ございまして、一点目が新生児等聴覚検査の実施、二点目が普及啓発及び従事者の研修、三点目が連携体制の整備、四点目がモデル事業の評価、検証となっております。
平成十四年度から豊島区と立川市の二地区で開始をし、本年六月末までに聴覚検査を受けた新生児等の数は、豊島区で六百二十三人、立川市で九百三十八人でございました。
その結果、精密検査を受けた乳児が三名おり、二名が聴覚障害の疑いと診断をされ、医療機関で経過観察中でございます。
○藤井委員 それでは、先天性の聴覚障害、いわゆる生まれつきそういった聴覚障害を持っているお子さんはどのぐらいの頻度で見つかるのか、何かそのデータがあれば、お示し願いたいと思います。
○朝比奈少子社会対策部長 厚生労働省の平成十年十一月から平成十三年三月までの研究報告では、全国十七の医療機関において一万九千七十一名の新生児等を検査しましたところ、治療が必要な両側聴覚障害児が二十八名おり、出現率は〇・一五%であると報告をされております。
○藤井委員 大体千人に一人か二人という割合ですけれども、東京都だけでも、たくさんの聴覚障害の方が毎年生まれているというふうに思うわけでございます。
そういった意味で、今回のモデル事業、先ほど答弁がありましたけれども、いろいろとご努力をされてモデル事業を実施されているというふうに思いますけれども、これらのモデル事業で聴覚障害が疑われた新生児、先ほど二名の聴覚障害児が見つかったということでございますが、これらの障害を持っている新生児に対してどのような支援が行われたのか、お伺いをいたします。
○朝比奈少子社会対策部長 乳児二名につきましては、現在、療育機関で治療、療育方針を決めるための経過観察が行われております。また、新生児等の保護者に対しては、モデル事業を実施している区市の保健師等が相談に応じているほか、精密検査医療機関や療養機関の紹介を行っております。
○藤井委員 そういった療養が行われているということですけれども、東京都において、乳幼児等の聴覚障害を持ったお子さんに対して、療育体制ですね、大事なのはこの療育体制です。発見することが大事じゃない。発見をしてどういうふうに療育をして、そのお子さんができるだけ耳が聞こえるように、例えば早期に発見をし、内耳の手術をして聞こえるようになる場合もありますし、あるいはまた早期に言語教育というんですか、言語の教育をすれば話すことができるようになる等々、いろいろあります。そういった療育体制が大事なんですけれども、現在の整備状況はどういうふうになっているか、お伺いいたします。
○朝比奈少子社会対策部長 現在都内では、難聴幼児通園施設、都立ろう学校、都立療育センターなど十七カ所の療育機関がございます。各施設におきましては、ゼロ歳児から療育や聴覚障害教育などの相談に応じているところでございます。
○藤井委員 私は、このモデル事業が行われているということに対して大変評価をする一人ですが、残念なことは、国が来年度補助金を削減することに伴って、東京都もこのモデル事業をやめる方向で進めているということを大変危惧しております。
実施をしております豊島区の、実際にこういった検査をしているお医者さんからもお話を聞きまして、大変この事業は大事だ、発見をすることと、そして発見した後の療育をすることが大事なんだと。しかし、豊島区も大変財政的には厳しいので、もし国が補助金をやめて東京都も補助金をやめれば、豊島区もやめざるを得ない、こういうふうに関係者もいっております。
私は、モデル事業自体が大事だということではなくて、要するにこのモデル事業を通して、早く東京全体に新生児聴覚検査を受けたい方が受けられるような体制と、そしてまた、その中から障害が見つかった場合に、その障害児に対して適切な療育が行われることが大事だというふうに思っておりますので、そういった意味では、今後の東京都としての取り組みが重要だと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○朝比奈少子社会対策部長 平成十六年度をもちまして三年間のモデル事業が終了することとなりますが、都といたしましては、その成果を来年度中に最終報告としてまとめる予定でございます。
なお、現段階で明らかとなった課題としては、保護者への普及啓発や関係機関への連携強化などがございますが、これらの課題につきましては、保護者向けチェックリストや関係機関向けハンドブックの作成を行うなど、新生児等の聴覚障害の早期発見、早期療育に努めていきたいというふうに考えております。
○藤井委員 そういう意味で、先ほど申しましたように、このモデル事業の成果を全都的に普及させていくためには、現在、各区市町村の母子保健事業の中で行われております育児支援の取り組みを活用することが大事だというふうに考えます。
今、現段階で明らかになった課題に対応するためにチェックリストやハンドブックを作成するという答弁でありましたけれども、聴覚に関する普及啓発を図るために、これらの作成物を有効に活用することが大変重要だと考えます。
例えば聴覚検査や耳の聞こえに関する普及啓発を図るために、妊婦の方に母子手帳を渡すとき、一緒に聴覚検査のチェックリストを配布するということは効果的ではないかと思います。また、悩んでいたり困っているお母さんが解決の糸口をつかむことができるように、地元の保健師など関係機関向けのハンドブックを活用して、保護者の不安に応じたり、適切な機関をすぐ紹介できる相談体制も、育児支援の取り組みの中で大変重要だというふうに考えます。
このように母子保健事業を活用するなどして、今回のモデル事業の成果がすべての区市町村で生かされるよう、都が積極的に支援することを要望して、この質問を終わります。
最後に、島しょ地域の医療体制についてお伺いいたします。
私は、よく島しょの方に行きます。大島、八丈、小笠原、新島、神津、そして三宅、いろいろ伊豆諸島で暮らしている方たちにとって、よくその島の人たちから出ることは、やはり何といっても、いざ病気をしたときの医療体制が大変島の方たちにとっては大きな関心事といいますか、要望でございます。
資料にもありますように、島しょ地域の医療体制については、東京都とそれぞれの島の努力によって医者、看護師が配備されておりますけれども、ただし、十分ではありません。それぞれの島によって状況は違いますけれども、島によっては、医師が短期間でかわったり、あるいはまた若いお医者さんで緊急の場合に対応ができなくて、島の診療所に行って何でもないといわれて帰ってきて、次の日に倒れて、東京の病院に運ばれたら、大変な重症だったというようなこともございましたし、また、誤診等によって亡くなった方もいるというふうに聞いております。そういった意味では、島しょの中での医療というものは、やはり今後東京都としてさらに支援をしていくことが重要というふうに考えるわけでございます。
そういった意味で、まず、島しょにおける医師確保策についてお伺いいたします。
地理的な条件あるいは財政的な制約などのために医師の安定的な確保が難しい、そういった島しょにおいて、東京都が十分この支援を行うべきだというふうに考えますが、島しょ地域における医師確保策について、現状はどうなっていますか。
○菅原医療政策部長 島しょにおきます医師の確保対策といたしまして、これまで、自治医科大学卒業医師や僻地勤務医師等確保事業によります協力病院医師の派遣を行っているところでございます。
○藤井委員 都としてこういった派遣を行っているということと同時に、それぞれの島が苦労して島に医師を確保しているわけですけれども、ただ、どうしてもやはりお医者さんも島を離れなければならない状況というのはあるわけです。例えば学会に出席をしたり、あるいは技術をレベルアップするために講習会を受けたりというような場合があって、そういう島に行くとなかなか受けられないから医師が行きたがらないという状況もありますけれども、そういう意味で、引き続き島で医師が働いてもらうようにするためにも、東京都がこういう講習会や学会への出席の際には人的な支援を行うべきと考えますが、この点はいかがでしょうか。
○菅原医療政策部長 お話のような場合、島からの要請を受けまして、都立病院等の医師や、短期勤務を希望し、事前登録された医師の中から臨時派遣を行っております。そのようにいたしまして、一時的であっても無医地区にならないよう、島しょ医療の支援を行っております。
○藤井委員 ぜひ充実をしていただくよう要望したいと思います。
次に、島しょの救急患者移送についてお伺いをします。
東京都内と違いまして、島には総合病院や専門病院がございません。そのために島の人たちは、ぐあいが悪くなったときには、島の診療所や病院にまずかかって、あるいは、どうしても急病、重症で島では手に負えない場合、地元から都内の病院に搬送されるわけでございます。私もそういった搬送の現場に何回か立ち会いましたけれども、具体的には東京消防庁あるいは自衛隊のヘリコプター、こういったもので、都立病院を中心にして都内の専門の病院に搬送され、適切な医療を受けられる体制を整備しているというふうに聞いております。
その際、重症患者を搬送する場合、船で運んだりすると大変命が危ないわけですので、ヘリコプターを使って運んでいらっしゃるわけですが、そういった意味で、過去五年間の実績を見ますと、いただいた資料を見ますと、年間約二百五十人前後、こういった島から都内の病院に搬送されているわけであります。これらの救急患者の受け入れ先の病院は、平成十五年度実績としてどのようになっているか、まずお伺いいたします。
○菅原医療政策部長 平成十五年度の収容病院といたしまして、都立病院が二百二十二件、国公立病院が六件、民間病院が二十二件、このうち都立の広尾病院が百八十八件になっております。
○藤井委員 搬送された患者の約九割が都立病院に運ばれている、また、都立病院に運ばれた患者の八割が広尾病院だということでございます。私も広尾病院にお伺いして、いろいろと見させていただいたことがあります。ここには、島しょ勤務のお医者さんの診療を支援するために、画像伝送システムというのが導入されております。
そこで、この都立広尾病院に導入されております画像伝送システム、どういうものなのか、また、どういう内容で効果はどうか、この点についてお伺いいたします。
○菅原医療政策部長 お話しの画像伝送システムは、医療用画像伝送装置を電話回線で結びまして、エックス線フィルム、CTフィルムあるいは内視鏡写真等を画像モニターに送信いたしまして、画像を通じて遠隔地の医師間で情報交換することができるシステムでございます。
このシステムで期待される効果といたしまして、島しょ地域の医者は、専門医師から診療に対する所見等の支援が受けられること、また、島しょの住民は、島にいながら検査を受け、専門医師の助言に基づく診断が受けられること、三番目といたしまして、救急患者の受け入れ病院は、事前に患者さんの情報を入手いたしまして、手術等の準備に万全を期することができることなどが挙げられます。
○藤井委員 ことしの九月、この委員会で沖縄県に視察に行ってまいりました。そこでは、沖縄の県立病院にも行かせていただきまして、沖縄には、ご承知のとおりさまざまな島がございます。
そこで私は、県立病院と沖縄の離島の診療所を結ぶ、いわゆる遠隔医療支援情報システムというものについて、大変感銘をいたしました。それはどういうものかというと、県立病院と各島とをつないで--例えば島にはそれぞれ一人しかお医者さんはいません。そのお医者さんは、島の患者さんを診た場合、なかなか病名がわからない、あるいは診断した資料を見てどういうふうに治療をすればいいかわからない場合については、島の離島診療所から県立病院に画像が行って、そして県立病院の専門のドクター、教授に判断をしてもらい、適切な治療策のアドバイスを受けるというような内容ですし、また、お医者さんも一人でいればいろいろと不安なこともある、そういった場合に、その画像を通して県立病院のその相手の医師と対話ができ、あるいはまたいろいろと悩み事も相談できる、こういった説明がございました。そういう意味での双方向性、リアルタイムという非常にすぐれた制度でございました。
IT技術が大変急速に進歩している現在、例えば伊豆諸島の地域でも大島や八丈島にはブロードバンドが整備されておりますし、ほかの島にも整備されております。そういったブロードバンドが整備されている中で、こういったものを活用した遠隔医療システムというものが整備されれば、希望が少ない離島医療に対して医師が確保されるものというふうに思うわけでございます。
そこで、手軽に診療相談が受けられる遠隔医療システムを都としても導入すべきであるというふうに考えますが、この点についていかがでしょうか。
○菅原医療政策部長 ご提案の、よりきめ細やかな日常診療などへの遠隔医療支援につきましては、島しょ地域の関係町村の意向も伺いながら、今後検討してまいります。
○藤井委員 しっかり検討していただいて、早く結論を出していただきたいと思います。
いろいろと島しょにおける医師確保策について伺いましたけれども、都民の健康と生命を守ることは、東京都の責務でございます。ぜひとも医師の長期的、安定的な確保に努めていくとともに、島しょ医療を担う総合医としての医師の資質の一層の向上を図ることを切に要望したいと思います。
そこで最後に、今後の島しょ医療支援体制の取り組みについて局長の決意を伺って、終わりたいと思います。
○幸田福祉保健局長 都はこれまでも、町村に対しまして、診療所などの運営費補助、また医師を計画的に派遣するなど、島しょ医療の充実に努めてきたところでございます。
お話しの島しょ地域におけます医師確保につきましては、大変困難な環境にあるわけでございますが、今後とも、大学病院等の協力を得まして医師の確保に努めますとともに、長期的かつ安定的な医師の確保に向けました支援体制の構築に向けて力を尽くしてまいりたいと思います。
○初鹿委員 私は、さきの一般質問の際にも子育てについて質問させていただきましたが、自分も子どもを育てておりますので、子育て、また保育に関しては、ほかの議員よりも一番切実にその辺は実感しているなと思いますので、またきょうも、子育て支援策について何点か質問をさせていただきます。
まず、東京の子育て支援策の代表例といったら、まず認証保育所が挙げられると思うんですが、さきの一般質問でも質問しましたけれども、東京の保育に対するニーズを考えますと、やはり認可では対応し切れていなかった部分を認証保育所が十分にカバーをしてきているなと、非常に重要で、これからも積極的に進めていく制度だと考えております。ことしの十一月現在で二百三十六施設と、順調に施設の数もふえてきておりますが、今後は、量的な施設の拡充ということだけではなくて、やはり保育の質の維持、そして向上をしていくということが必要になってくると考えます。
そこで、まずお伺いしますけれども、認証保育所に勤務をする職員のための研修や研究などの実施について、都としてどのような考えを持っているのか、お伺いいたします。
○朝比奈少子社会対策部長 認証保育所がそこに勤務する職員の資質向上のために研修、研究を行うことの必要性については、保育の質を確保する観点から、極めて重要であると考えております。
そのため、認証保育所に対する運営費補助の中では、研修のための経費を措置しているほか、十六年度は、東京都認証保育所協会が初めて団体として研修会や研究会を行うことから、特別な支援も行っております。
今後は、他の保育関係団体が主催をする研修会への参加なども含め、この協会の研修、研究事業が一層活性化されるよう、都としても積極的に働きかけてまいります。
○初鹿委員 二百三十六施設という大変数の少ない、小さい、力のない協会ですから、その辺が、うまく研修会というものができるようにお願いをしたいと思います。
保育の質の向上ということを東京都全体で考えますと、例えばベビーホテルとか、そういう認可外保育施設についても、やはり行政としてしっかり対応していくことが必要だと考えるわけです。そこで、認証保育所との関係でいくと、保育室が随分とB型の認証保育所へと移行しておりますけれども、やはりまだまだ、いろいろな面で保育室から移行ができていないというところもあると思いますが、私は、都民にこれだけ認証保育所というものが認知をされてきているわけですから、保育室から移行ができるところはなるべく移行をさせていった方がいいのではないかなと考えます。この点について都としてはどのように考えているのか、ご所見を伺います。
○朝比奈少子社会対策部長 保育室から認証保育所への移行につきましても、東京の保育の質をレベルアップさせるため、極めて有効な方策であると考えております。本年十一月現在、認証保育所への移行を完了した保育室は八十九施設でございます。
都といたしましては、今後とも、関係区市町村と調整の上、積極的な移行促進に努めてまいります。
○初鹿委員 移行したくてもまだ移行できていないところには、それなりの事情があると思います。いろいろ施設の面とか、開設準備金があれば移行できるのにといっている施設もあるのではないかなと思いますので、その辺も含めて、今後の検討課題として局の中で検討していただければなと思います。
続きまして、保育のサービスについて、都民からいろいろな要望があると思いますが、その中でも私が重要だなと思うのは、障害を持ったお子さんたちに対する保育を今後どうするかということだと思います。障害児保育については、認可保育所に対して都から補助金を出しておりますけれども、保育とはちょっと話は外れますけれども、今教育の現場では、養護学校が、知的障害のお子さんがふえてきて数が足らないということで、どうにかしなければいけないということで、養護学校の再編など進めております。ということは、突然小学生になるわけじゃないわけですから、当然、未就学の障害を持ったお子さんというのはたくさん都内にいて、それも数もふえてきているんだということが予想されるわけですね。
そういうことを考えますと、やはり障害児保育というものもこれから真剣に考えて取り組んでいかなければならないのではないかなと考えるわけで、まず現状ですね、障害児保育の実施率と対象となっている児童数の実績を、まずお伺いします。
また、これはなかなか難しいなと思うんですけれども、認証保育所などでも対応しているところはあるとは聞いております、これを進めていくとか、そういう形で要望に何とかしてこたえていくべきだと考えますけれども、ご所見をお伺いいたします。
○朝比奈少子社会対策部長 まず、認可保育所における障害児保育対策事業の実施率と対象児童数についてのお尋ねですが、平成十五年度実績では、実施率は六九・四%、対象児童数は二千六百六十三人となっております。
次に、認証保育所においても障害児保育を行うべきではないかとのご質問についてです。認証保育所を創設した目的は、民間企業など多様な事業者を参入させることにより、事業者の創意工夫を促進し、利用者本位の質の高いサービスを提供させること、勤務形態の多様性などに基づく大都市に特有の都市型保育ニーズに対応すること、さらには、認可保育所に改革を求めることにあります。
ご指摘の障害児保育につきましては、これを自主事業として行う認証保育所制度もありますが、本来、福祉施策としてより多くの公費負担を受けている認可保育所においてこそ、まず行われるべき事業であると考えております。
○初鹿委員 今かなり重要なことをお答えしていただいたのではないかなと思うんですが、実施率は大体七割ぐらいなんですけれども、対象の児童数二千六百何名ということですから、やはり一つの施設で受け入れる数というのは限界がある面もあるんだろうなと思うんですけれども、今お答えがあったように、やはり認可保育所でまず行うべきだと。特に私は、認可保育所でも公立の保育所でやはり、こういう民間ではやりにくい、やりづらいことは積極的に行うべきだと思いますので、今後そういったことも考えて、市町村なりに対しても強く要請をしていっていただきたいなと思います。
また、東京の保育に関しては、このほかにもいろいろな問題があるのですけれども、認可保育所、特に私立の認可保育所からいろいろな要望がある中で、一つご指摘をさせていただきたいのですけれども、現在、認可保育所を運営している社会福祉法人は施設長と理事長の兼任が禁止をされているということで、これを解除してもらいたいという要望があるのですけれども、今スムーズにいっていないと。ほかの県の状況を見ると、兼任が認められているところもあるということで、そこが認められれば、もう少し運営が楽になるというお話を聞くんですね。
また、事務職員の配置についても、この補助制度のあり方をもう少し検討してくれないかという要望もありますので、ぜひ、この点も踏まえて今後の検討課題としていただきたいなと思います。
特に今、公立の保育所を公設民営という形に移行をしていく区や市が多くなってきておりますが、そういった場合に、やはり現状で保育所を運営している社会福祉法人が受け皿となる可能性が高いわけで、そういったときに理事長と施設長の兼任が認められないとなると、やはり運営上かなり厳しくなってくるのではないかなと思いますので、ぜひひとつ、これは将来的な問題として検討をしていただきたいと要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
続きまして、発達障害に対する支援についてお伺いいたします。
昨年だったと思いますが、今、目黒区長をしております、我々の会派にいた青木議員が本会議の席でアスペルガー症候群について質問をさせていただきました。その後、この質問がきっかけになったということでもないと思いますが、国の中でも、発達障害に対する支援をどうするかということが議論になっていて、発達障害者支援法などというものも、今、国会に提出をされ、今後の検討課題になっているわけですけれども、発達障害というのは非常に難しい課題だと思っております。知的なおくれがないにもかかわらず、記憶がすぐれていたりする反面、対人関係がうまくできないとか、コミュニケーションがうまくとれないといったために、社会生活をうまく営むことができないということでございます。
現行の福祉施策を受けるということになりますと、愛の手帳の取得というものが必要とされている場合が多いわけですけれども、この発達障害、特に高機能自閉症やアスペルガー症候群のご家族の方や当事者の方からは、愛の手帳の取得がIQに偏り過ぎていて、自分たちはIQでは対象にならないんだけれども、生活をする上で困難だから、取得ができるようにしてほしいという要望も、皆さんのところにも来ていると思いますが、この発達障害の方が愛の手帳を取得することが可能なのかどうか、まずお伺いをさせていただきます。
○吉岡障害者施策推進部長 発達障害と愛の手帳との関係でございますけれども、まず、愛の手帳は知的障害者を交付対象とする制度でございまして、知的な発達におくれがあると判定された方に手帳が交付されるものでございます。この判定に際しましては、知能検査の結果や知的能力の評価及び日常生活状況を総合的に評価するものでございます。
お尋ねの自閉症などの広汎性発達障害の場合でございますけれども、このような広汎性発達障害のある方の場合には、知的なおくれがある場合とない場合とがございまして、知的なおくれがあると判定されれば、愛の手帳が交付されるものでございます。
○初鹿委員 なかなか難しいところなのかなと思いますが、まず、やはり発達障害についての理解というものがまだなかなかされていないために、手帳のあるなしにかかわらず、社会の中で生きづらいのではないかなと思います。特に発達障害の場合、お子さんなどの場合は、親の育て方が悪いんじゃないかというような誤解を受けていたり、単に本人が怠け者であるとか飽きっぽいんじゃないかとか、そういう誤った認識をされている方が多いと聞きますし、また、最近の新聞の報道などを見ていましても、何か我々の理解ができないような殺人事件などが起こったときに、その加害者がアスペルガー症候群だったというような記事が載ってしまって、それだけがひとり歩きをしたりするというケースがあるということで、ぜひ皆さん、一回インターネットで、ヤフーでアスペルガー症候群を検索してもらいたいんですが、そうすると、今大体一万五千ページぐらいヒットするんですね。最初のうちは割合きちんとした説明のページに行くんですよ、自閉症協会がつくっているページとか。しかし、それをずっと見ていくと、最後の方に出てくるような掲示板への書き込みとかそういうものを見ていくと、相当ひどい内容のページが多くて、こういったものがやはり一般の方の理解をおかしくしていたり、また、当事者もそれを見てショックを受けたりするのではないかなと思うんです。
そういう意味では、誤解がないように、しっかりとアスペルガー症候群などについて教育をするというか、研修をするということが必要だと思います。特に、当事者や、また当事者の親と直接接するような職種の方、例えば区市町村の職員とか保健センターとか保健所とか児童相談所、また学校の職員や保育士、そういった直接当事者とかかわる可能性のある方について、理解を求めるということが必要だと思います。そのためにはやはり体系的に研修とか訓練とかを行うことが重要だと思いますが、ご所見を伺います。
○吉岡障害者施策推進部長 ご指摘のように、相談に当たる職員や学校教員、保育士などが発達障害について正しい理解を持つことは、発達障害者への支援にとって極めて重要であると考えてございます。
このため、東京都におきましては、保健師、保育士、養護教諭等を対象に、母子保健事業従事者研修の中で、学習障害や注意欠陥多動性障害などをテーマとした研修を実施してございます。
また、東京都自閉症・発達障害支援センターにおきましては、外部の福祉施設、教員、行政職員等からの研修の要望に対応しておりますが、今後は、これまでの実績を十分検証した上で、より一層計画的に実施してまいりたいと考えてございます。
○初鹿委員 今最後にお答えがありましたけれども、要請があれば研修を行ってきたということですけれども、やはりこれからは、要請があるなしということではなくて、体系的に、計画的に進めていただければなとお願いをさせていただきます。
ところで、自閉症や発達障害の方々、学校生活の中でも困難があるのですが、学校を卒業して社会に出てから仕事につくという面でも、やはりいろいろ難しい面があるわけですね。私は、仕事について、ちゃんと就労をして自立をしていけるような支援というのが一番これから求められているし、当事者もそれを望んでいると思うんです。
そういう意味では、就労に対する支援をどうやって行うかというのが重要になると思うんですが、なかなか、発達障害ですと、制度の谷間で、対象となるような事業がありません。そういうことでは、現在ある制度で何か利用できないかと考えまして、今、精神保健福祉法では、就労について社会復帰を支援する社会適応訓練事業というものがありますが、当然都も実施をしておりますが、この事業を発達障害の方が活用することは可能なのかどうか、お伺いいたします。
○吉岡障害者施策推進部長 精神障害者社会適応訓練事業についてのお尋ねでございますけれども、この事業は、精神障害者の社会復帰を促進するため、クリーニング事業や清掃業などの事業所と契約をいたしまして、一定期間、実際の職場における社会適応訓練を行うものでございます。
この事業の対象となるのが、精神障害者で比較的症状が安定しており、また、家庭生活には支障がないが作業能力が不十分な者というふうになってございます。しかし、実際の場面では、これまでも発達障害のある方を受け入れた実績はございますので、本事業を活用することは可能でございます。
○初鹿委員 ぜひ、うまい形で、発達障害の方もこの事業の対象になるように考えていただきたいなと思います。
ところで、先ほども出てきましたが、平成十五年の一月から東京都自閉症・発達障害支援センターが開設をされましたが、このセンターで現在行っている発達障害者に対する支援の内容をお伺いいたします。
○吉岡障害者施策推進部長 東京都自閉症・発達障害支援センターでは、都内に住む自閉症などの広汎性発達障害の当事者や家族、発達障害者を支援する人たち、関係機関などからのまず相談を受けるとともに、療育支援などを行ってございます。
そのほか、発達障害を理解するための研修や講習会なども実施しているところでございます。
○初鹿委員 まだ相談とかそういったところで、具体的な施策ということまではなかなか踏み込めていけてないんだろうなと思います。今後、先ほどもいいましたけれども、国の方で発達障害者支援法というものが議論をされておりますから、この国の動向を見きわめながら、法律ができる、できないにかかわらず、都として何か具体的に施策を進めていただきたいなと思いますが、今後どのような施策を進めていくのか、お伺いをいたします。
○吉岡障害者施策推進部長 自閉症などの広汎性発達障害は、現在のところ、法的な位置づけが不明確でございまして、専門家も少なく、地域における関係者の連携も十分に整っていないのが現状でございます。発達障害に対する診断基準の確立なり、あるいは福祉、医療、教育、就労など、関係機関の連携強化等が課題となってございます。
東京都といたしましては、まず実態把握に努めるとともに、現在国において検討が進められております発達障害者支援法の動向等を見ながら、区市町村との連携、役割分担のもと、地域における支援体制の充実について検討してまいりたいと考えてございます。
○初鹿委員 ぜひ頑張っていただきたいなとお願いをいたします。
最後に、さきの地震について幾つか気になる点がありましたので、質問させていただきますが、十月二十七日の毎日新聞に、「『災害弱者』居場所なく 避難住民優先…自閉症男性に食事配給されず」というタイトルの記事が載っておりまして、この記事によりますと、自閉症の男性が避難所に入っていなかったために、避難所で食事を配給していたんだけれども、配給先に行ったら、避難している人が優先ですといわれてしまって、食事はもらえなかったと。なぜこの方が避難所にいなかったかというと、基本的に、パニックになったりして周りの方に迷惑をかけてしまうおそれがあるということで、車の中で生活をしていたということのようです。
それで、私も気になって自閉症協会の方に聞いてみたんですけれども、やはり一般的に、障害を持っていると、そういうたくさんの方が避難して窮屈な環境の中に入って生活するというのはなかなか難しいだろうということで、遠慮をされて、車の中で生活せざるを得なくなっているんだということなんですね。これはやはり決していいことではないのではないかなと思います。
それで、障害者だけではないと思うんですけれども、介護を受けているお年寄りなどもあわせてこれから考えていかないと、と思うんですが、避難所で生活をするのが困難な方というのは相当いると思うんですね。特に今、障害者にしても高齢者にしても、なるべく地域で、自宅でということで施策が進められてきているわけで、グループホームなどもたくさんできてきております。万が一東京で地震が起こったということを考えたときに、では、どこかの小学校なり中学校に避難所ができました、近くにグループホームがありました、そこの方が避難所に入れるかといったら、多分それはなかなか難しいのではないかなと思うんですね。こういった場合に、都としてこういう災害弱者の方々に対する対策というものは考えているんでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 初鹿理事がご指摘のとおり、このような災害の発生したときに、障害者や高齢者などが学校や公民館など一般の避難所では十分に生活ができず、自宅に戻らざるを得ないような場合が懸念されるということは承知してございます。
東京都におきましては、まず、阪神・淡路大震災の教訓から、障害者や高齢者などの災害弱者が安心して避難生活を送ることができるように、一般の避難所ではなくて、さらに二次の避難所を設置するというふうにしてございます。
これは、区市町村がまず、あらかじめ障害者等の施設、高齢者等の施設、また医療系の専門学校、盲・ろう・養護学校などを一時的な受け入れ先として指定して用意しておくものでございます。で、このようなときに活用する、そういうものでございます。
○初鹿委員 二次避難所ということで幾つか施設を指定しておくということなんですが、これは非常にいい制度だと思うんですけれども、当事者がこれを知らないと、そこにも行かないわけです。今回の場合は、最初から避難所に入るのを遠慮しているというケースですね。そうなってくると、知らなかったら、遠慮をしているだけで、そういった場所にも行かなくなってしまうと思うんですね。また、指定をされた機関がしっかりそれを把握しているかどうかということも問題ですし、恐らく対応するのは各区市町村なり、そういう行政機関の職員の方が対応するようになるんですけれども、その職員の方が十分にこのことを周知しているかということも非常に重要だと思うんです。
阪神・淡路大震災の教訓で、二次避難所の設置をしている、対応をしているということなんですが、やはり地震が起こった直後というのはそういう意識が高まるので、皆さん、いざ起こったときにどうしようかと思うので、こういったものをつくると、みんな気持ちの中に入って理解をしているんだと思うんです。ところが、だんだんと日にちがたっていくと、そのことがどこかで抜け落ちてしまって忘れてしまったりするものなので、まさに今新潟で地震が起こって意識が高い時期でありますから、ここで周知徹底をしていただきたいなと思います。特に障害を持っている当事者の方などは、恐らく知らないんじゃないかなと思いますので、障害当事者の方を中心に、区市町村の職員などへ周知徹底をするようにお願いをしたいんですが、ご所見を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。
○吉岡障害者施策推進部長 災害が発生した際、迅速な避難など適切に行動するためには、日ごろから、身近な区市町村が二次避難所の存在や避難経路等の情報を障害者にもわかりやすくお伝えするとともに、保護者や関係団体にも周知しておくことが重要であると考えてございます。
このため、東京都におきましては、平成十二年に、障害者本人向けの行動指針を作成する際に参考となるような災害要援護者防災行動マニュアルの指針というのを作成いたしまして、これを区市町村等へ配布いたしました。
今後とも、災害時に支援の必要な障害者の把握や防災行動マニュアルの策定などを区市町村に働きかけ、安全対策の徹底を図るとともに、障害者団体との意見交換の場でございます東京都障害者団体連絡協議会において周知を図るなど、あらゆる機会をとらえて、障害者の特性を踏まえた防災対策の強化に努めてまいります。
○かち委員 私は、一昨日のがん対策に引き続きまして、特に予防対策を中心にお聞きしたいと思います。
がんはかつて不治の病といわれていましたが、早期発見、早期治療によって、また治療技術の目覚ましい進歩によって、今日では必ずしも克服できない疾病ではないといわれております。しかし、がんは全国的にも都においても死因の第一位であり、この克服が自治体としての重要課題となっています。
本年、国においても第三次対がん十カ年戦略が打ち出されましたが、都としてのがん予防対策はどのように位置づけられているのか、まず、基本認識を伺います。
○丸山保健政策部長 都における死因の第一位はがんであり、その予防対策として早期発見、早期治療が重要という認識はあります。
がん検診の実施主体である区市町村支援事業、支援策として、がん検診従事者に対する研修、ホームページ等を利用しました情報提供をしているほか、都としても、リーフレットの作成、講演会の実施などにより普及啓発に努めております。
なお、都はこれまでも、先駆的な検診技法の導入や島しょ対策等、都独自の対策にも取り組んでまいりました。
○かち委員 そこで、まず、東京都におけるがんの中でも、乳がんの標準化死亡率というのは、全国比較でもかなり悪いというふうに聞いております。その状況がどうなのかということと、早期発見に欠かせないがん検診の受診状況というのはどうなっているのか、お聞きします。
○丸山保健政策部長 現在東京都は乳がん第一位というご指摘を受けましたけれども、平成十四年の人口動態統計によりますと、人口十万単位に対する都の死亡率は一七・八でございます。また、地域保健・老人保健事業報告に基づく十四年度の受診率は、七・八%ということでございます。
○かち委員 都の検診の受診率というのは全国最低水準ということと、乳がんについては全国ワーストワンということなんですけれども、なぜこういう状況になっているのか、その要因とか実態をどのように分析されているのか、また、具体的な対策はどのようにとられているのでしょうか。
○丸山保健政策部長 三点のご指摘で、何で東京都が一番多いのか、それからまた、それの受診率が低いので、それに対する対策はどうだというようなご指摘でございましたけれども、乳がんは、女性ホルモンであるエストロゲンが関与しているがんでございます。一般的に乳がんになりやすい因子としましては、年齢や家族歴、出産経験がないこと、初産年齢が三十歳以上であることのほか、食生活や生活様式などがいわれておりますけれども、原因は不明でございます。
また、受診率向上に何か策はというようなことに関しましても、受診率向上のために、受診者の意識向上と、それから実施主体である区市町村への支援策が重要であるという認識のもと、区市町村と連携しまして、都民に対する普及啓発を行うほか、がん検診従事者に対する研修や、ホームページ等を活用しました情報提供を通じて区市町村支援を行っているところでございます。
具体的な乳がん対策というようなことに関しましても、早期発見、早期治療は重要だという認識のもと、受診率向上のために、先ほど申し上げたような講演会、普及啓発、それからまた、国に先駆け、検診の実施主体である区市町村の検診の精度の向上に資するため、マンモグラフィー読影医師等養成研修を実施しまして、人材の充実を図っているところでございます。
○かち委員 乳がんがなぜ東京に多いのか、その要因というのはなかなか今はっきりしていることではないと思うんですけれども、しかし、大都市に多いというのも実態ですので、生活環境、食生活の変化、そういうものが起因しているかなというふうに思います。
とりわけ、乳がんは決して高齢になってからかかるだけではなくて、三十代、四十代からかかる、そういう方々が死んでしまうという状況も多いわけですので、この辺は、とりわけ要因についての分析、どうした対策を講じられるのかということに全力を挙げていただきたいというふうに思うんですね。
先ほどもお話がありましたように、都としては、検診の精度を上げるためにマンモグラフィーの導入を国に先駆けて行ってきたというお話がありました。昨年からですか、国においても、乳がん検診にはマンモグラフィーが望ましいという指針が出され、急速に普及してきたようですけれども、全都における普及状況というのはどういうふうになっているでしょうか。
○丸山保健政策部長 現在、実施主体である区市町村でマンモグラフィー検診をやっておりますのは、十五年度は十五、それからことしの六月のアンケート調査では、十六年度には五十区市町村でやるというような話は聞いております。ただし、先生のご指摘のように、基盤整備という形でのマンモグラフィーの数の問題ですとか、それを読まれる読影のドクターの問題ですとか、それを撮る技師の問題ですとか、多々問題、課題はあると思います。
ということで、今後、ことしから始めております精度向上ということで、読影医師の講習会、それからレントゲン技師の講習会という形で、人材養成を進めてまいりたいと思います。
○かち委員 今五十台まで普及してきているということですけれども、全部の自治体の数からすれば、まだ一つも行き渡っていないという状況もありますし、この検診そのものが医療機関で委託をされてやっているという状況からしても、圧倒的に数は足りないなという状況と、先ほど来いわれていますように、その使いこなせる基盤整備ができていないということですね。
実施主体は市区町村なんですけれども、ことしの九月に東京保険医協会が各自治体に聞き取り調査を行っているんですけれども、それぞれの基本健康診査もがん検診も、その実施の仕方というのが大変千差万別でして、一応生活習慣病対応ということなんですけれども、四十歳から全員対象者に通知を出すところと、節目で出しているところと、その節目も数のとり方がいろいろあったりということで、なかなか検診そのものが徹底されていないということが検診率低下にもつながっているかなというふうに思うんですね。
それで、国の方の補助金制度も一般財源化されるというような動きの中で、検診そのものも有料化が検討されていたり、がん検診なども既に有料化が実施をされている自治体も生まれて、これからも有料化することを検討しているということもかなり出てきているという状況です。調査によれば、乳がん検診のマンモグラフィーによる検診は、二十五の自治体で、料金が四百円から二千円と幅もあるのですけれども、結構安くないという状況にもあります。なかなか乳がん検診そのものが低い状況の中で、こうした負担がかかってくるということがますます検診を遠のかせるという、抑制につながりかねないという状況でもあると思うんですね。都として、全自治体での検診実施状況を把握して、検診率アップにつながる具体的な対策をぜひとってほしいと思います。
それで、国の指針に基づいて機器の整備は進んだものの、実際には、放射線技師の高度な撮影技術とか、それを読み取る読影力のある医師、また、これを読影するときにはかなり光度の高い、光の強いシャーカステンで見なければはっきり見えないというようなことで、いろいろと基盤整備のおくれというのが課題になっているというふうに思うんですね。都としては、技術力アップと標準化のための取り組みとして技術研修を行うということで、今年度は技師と医師それぞれ五十人を対象に研修を組まれているようですけれども、五十人ではやっぱり圧倒的に足りないと思うんです。研修機会を集中的にふやす必要があると思いますけれども、今後の計画はどのように立てておられるでしょうか。
○丸山保健政策部長 先ほど申し上げたような先駆的なマンモグラフィー検診の事業評価という形で人材養成が必要だという認識のもとに、今年度から、国に先駆けまして人材養成をしております。先生お話しになりましたように、ことし、医者五十名、それから技師五十名ということで、今年度は十二月十八日から二日間、それから来年一月二十二日、二十三日と二日間ということでやっております。この状況を見ながら、今後の評価をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○かち委員 機械は入ったけれども、使いこなせなければ宝の持ちぐされというようなことになりますし、この機械そのものも大変高額な機械ですので、それが有効活用されなければ意味がないと思いますので、研修も集中的に数をふやす、機会をふやすということに、ぜひ努力していただきたいと思います。
それで、マンモグラフイーは一長一短があるというふうに、受けた方からも、また行った医師からも聞いております。この新しい機械だけに頼ると、本来触診で発見できるものも、見落としてしまうというような事例もあるということなんですね、それはなれていないということもあるでしょうけれども。
そういう意味では、視触診とマンモグラフィー、そしてエコーなども有効活用すべきだと思うんです。エコーは大体どこの院所にもありますし、そういうものが併用されて発見率の高まる状況にぜひ引き上げていただくようにしていただきたいと思います。
もう一つ、がんの死亡数とか死亡率というのは人口動態統計で把握されているのですけれども、がんの罹患数とか罹患率、これが正確に把握されていないんですよね。毎年どれだけの人ががんにかかって、どういう治療をして、どういう転帰をとったかというようなことが正確に実態が把握されないと、次の方針が出ない。基礎的なデータ収集というのがどうしても必要だというふうに思うんですけれども、その基礎となる院内がん登録とか地域がん登録などを推進していく必要があると思いますけれども、都としてのご見解はいかがでしょうか。
○丸山保健政策部長 院内登録、それから地域がん登録の二つのお話ですけれども、僕の方から地域がん登録のお話をさせていただきたいと思います。
地域がん登録は、個々の患者ごとの医療情報を集約することにより、先生のおっしゃるように、罹患率の測定、それから受療状況の把握などを行い、もってがん対策に資するということの認識はございます。その実施に当たっては、登録制度の確保など、さまざまな課題があると考えております。
○かち委員 その必要性、重要性は認識しているけれども、実施に当たってはさまざまな課題があるとおっしゃっているわけですけれども、課題があるというのは、私も重々認識をしております。プライバシーだとか個人情報の保護、セキュリティーをどうするかというような問題もあるかとは思いますけれども、がん制圧対策に臨むに当たっての基礎データの収集というのも、これまたどうしても必要な課題だということであって、どうしたらこのことを実現していくことができるのかという立場に立って、ぜひ足を踏み出していただきたいと思うんですね。難しい難しいというだけではなくて、どこを、どうすればいいかという検討をぜひしていただきたいというふうに思うんです。
国は、地域がん拠点病院の整備を進めてきているというふうに聞いておりますけれども、都内の整備状況というのはどうなっているでしょうか。まず、都内の拠点病院、ここの整備を進め、そして地域がん登録というのを進めていくべきだと思うんですけれども、その辺のご見解はどうでしょうか。
○桜山参事 地域がん診療拠点病院についてのお尋ねでございますが、地域がん診療拠点病院は、二次保健医療圏ごとに整備することにしておりまして、現在八病院が指定されております。十六年度に新たに二病院が指定される予定でございます。
また、今ご質問の地域がん登録と院内がん登録のことでございますが、地域がん診療拠点病院におきましては、将来にわたって院内がん登録を進めることが求められており、その積み重ねによって、がん患者さんの生存状況などを追跡することを目指しております。
○かち委員 地域がん診療拠点病院も徐々に指定が広がってきていると。十二診療圏にあともう少しというところまで来ていますけれども、確かにその院所院所での経験を、院内登録をして積み重ねていかないと、地域登録の収集というのもできないかなというふうには思うんですけれども、ぜひそういう姿勢に立っていただきたいというふうに思うんですね。
既にがん登録自治体というのはかなりありますし、大阪では四十年も前から登録制度というのを導入しているんですね。医師会の先生のご協力もかなりある中で、毎年集計をして報告をしている。その成果が国内外からも高く評価されている、そういう実践例もあります。こういうことが積み重なっていかないと、全国レベルで行われないと、本来の目的に達しませんので、ぜひ東京でも踏み出していただきたいと思います。いろいろ困難はあるけれども、大都市であるだけに、より多くのデータが収集できるという利点もありますので、ぜひ足を踏み出してください。
次に、健診の関係で、被爆者健診についてちょっとお聞きします。
先ほども藤井委員の方からお話がありましたけれども、八千七百四十八名の被爆者の皆さんが現在東京に住んでいらっしゃいまして、その方々の健康チェックということで、毎年健康診断を行っているわけですけれども、まず、一般健診の実績というのはどのぐらいになっているでしょうか。
○丸山保健政策部長 十五年度の被爆者健康診断一般検査を受けた方の延べ人数は三千六百四十八人になっております。
○かち委員 被爆して六十年になろうとするわけですけれども、今なお被爆者の皆さんは、そうでない人よりもはるかにリスクが高く、いつがんになるかもしれないという、そういう発病の不安の中で生きておられるわけです。
さまざまな生活困難も抱えながら生きているということで、こうした方々の健康チェックは殊のほか重要であるわけですけれども、この健康診査は、昭和三十二年から国の基準で始まったわけですけれども、この間、この検査の内容の見直しについてはほとんどやられてこなかったのではないかと思うんですね。現在行っている血液検査の項目というものはどういう内容になっているでしょうか。
○丸山保健政策部長 都では現在、国が定めている検査項目であります内科検診ですとか貧血検査や肝機能に加えまして、都単独で、心電図検査、胸部レントゲン、それから血糖検査、総コレステロール検査の四項目を上乗せして、健康診断の充実を図っております。
今、先生のご指摘の血液検査ではというようなことに関しましては、述べましたように、血糖検査、それから総コレステロール検査が加わっているということでございます。
○かち委員 詳しくは私も資料をいただいたのですけれども、生化学検査では四つの項目だけ国の基準になっていまして、東京都が二つを加えているわけですね。血液検査の方では、三つの項目と、それから血液沈降速度という炎症反応を調べる項目が入っているわけですけれども、今医療の現場では日進月歩の近代化が進んでいる中で、ここだけがずっと昭和三十年代のまま置き去りにされているような状況にあるわけですね。
医療の現場では、生化学検査は、診療報酬上は五つから七項目はまとめて何点というふうに算出をされているわけですけれども、東京都の項目も加えれば六つですから、そこにもう一つ加えても同じ料金設定になるわけですよね。それが四つだけに抑えられているということ。
それから炎症反応なんですけれども、血液沈降速度というものは大変前近代的というか、ガラス棒を立てて、一時間、二時間値を見てその平均をとるとかということで、今余りもう現場では行っていないような検査項目なんですよね。こういうことではなくて、炎症反応として生化学の中でCRPを入れれば一回で済んでしまう、こういう中身になっているにもかかわらず、被爆者健診だけは血沈が入っている。こういう不合理性というのは早急に改善すべきだというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○丸山保健政策部長 血沈と、それからマルメのお話でございました。先生がご指摘のマルメということに関しましても、被爆者健康診断につきましては、基本的には全額が国の経費で賄っている国庫対象事業でありますことから、都単独実施分の検査項目については合算せず、独自に委託単価を設定しているものでございます。このため、国と都の検査項目をあわせて、血液化学検査のいわゆる丸め検査の考え方を入れて委託単価を設定することはできない状況となってございます。
○かち委員 予算のやりくりの状況からできないというお答えだったと思うんですけれども、被爆者にとっていかに合理的な検査データを返してあげるかという点では、CRPを生化学の中に入れるということを積極的にぜひ考えていただきたいと思いますし、先ほどのご答弁では、国の方も見直しに当たって必要に応じて検討を行うというふうな姿勢に立っているわけですから、それを都としてきちんと国の方に改善を申し入れていただきたいというふうに思います。
それで、血液一般の方、貧血を調べる方も、これも機械に入れたら五項目まで出てしまう、にもかかわらず本人には三項目しか教えていないという、こんな不合理もないと思うんですよね。これは何もお金がかかる話ではないんですよ。やり方さえ徹底すればできることなので、これはもう都としてできるんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○丸山保健政策部長 今、委託単価の設定ということでのご説明をさせていただきましたけれども、今の検査機器の進歩に伴って、血液を入れれば三項目、五項目出るという中で、その結果を住民の方に説明する、しない、その辺のところは各医療機関の先生方のご判断ではないかと思います。ただ、こちらの方の委託単価という意味での設定は難しいという考えでございます。
○かち委員 その教えない二項目というのはヘマトクリットと血小板ということで、これは免疫力との関係でも大変重要な項目ですよね。これが出ているのに本人に知らされないなんというのは、全く道理のないことですよね。これはもう東京都がその気になればできることなんです。医師にちゃんと通知をすれば、病院に通知をすればできることなんですから、ぜひそれはやってください。
それと、見直しに当たっては、東京都は独自に血糖を調べているわけですけれども、血糖というのは空腹時の血糖値、そのときの瞬間でしかわかりません。こういうリスクの高い方の健康診査ということであれば、恒常的にこの方が血糖値がどうなのかということをやっぱり抽出する必要があると思うんですね。被爆団体の方々からも強い要望が出ております。そのためにも、ヘモグロビンA1c、こういうものもぜひ改定に当たっては加えるということを都としても要望していただきたいということを求めておきます。
次に、高次脳機能障害対策についてお聞きします。
交通事故などによる外傷性脳損傷や脳卒中後遺症によって、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などなど、十種類ぐらいのいろいろな症状を残すのがこの高次脳障害というふうにいわれていますよね。一般的に、外傷が事故の後でも全く身体的に残っていなくても、行動にちょっと特異な症状が出てくるとか、記憶喪失にしても、ある部分だけ欠損しているとか、どんどん忘れてしまうということもあるわけですけれども、こういういろいろな症状が出てくる患者さんに対して、ご家族はもちろん、周囲も会社も本当に対応に困っているというのが、この間の社会的な問題になってきたところだと思うんですね。
これに対して東京都がいろいろな取り組みをされてきたということで資料を出していただきましたけれども、この取り組みの中身について、その実践、実績なども含めて、もう少しご説明をいただけますか。
○菅原医療政策部長 高次脳機能障害に対しますこれまでの都の取り組みでございますが、平成十一年度に、全国に先駆けまして高次脳機能障害者実態調査を実施いたしました。これによりますと、都内の高次脳機能障害者数は、十八歳から六十四歳までの方で約四千二百人でございます。その原因疾患といたしましては、脳血管疾患が約八割、頭部外傷によるものが約一割でございました。
都では、さらに平成十四年度に高次脳機能障害者の通所施設等の利用状況調査を行い、これらの調査研究をもとに、各種の取り組みを進めてまいりました。
具体的には、専門家向けの診断・リハビリテーションマニュアル、あるいは家族向けパンフレットを作成、配布するほか、現在、社会復帰支援マニュアルの策定事業を行っております。
また、心身障害者福祉センターにおきまして、肢体不自由者更生施設等を利用いたしました各種支援を実施しております。
○かち委員 脳血管疾患の方が高次脳障害を起こしている方の八割という状況で、実態調査では全都で四千二百人いらっしゃるということなんですが、こういうことから見ると、交通事故とか、事故だけではなくて、今、三大疾患といわれる脳卒中、その方々の中でこういう症状を起こす方がふえているというか、こういう認識に立ったからこそ、こういう数として出てきたのかなというふうにも思うんですね。これは減っていくというよりも、これからどんどんふえていく状況にあるのではないかというふうに思われます。
今のお話では、平成十三年度から、心身障害者福祉センターにおいて、肢体不自由者更生施設において各種支援を行っているということで、高次脳障害の方もその施設で更生福祉を受けているということなんですけれども、そこの施設の定員、そして利用状況というのはどういうふうになっているんでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 心身障害者福祉センターに併設してございます肢体不自由者更生施設の定員と利用状況でございますが、定員は五十人の施設でございます。平成十六年十月一日現在の利用者数は三十四名でございまして、このうち高次脳機能障害をあわせ持つ身体障害の方が二十七名、七九・四%でございます。
○かち委員 私も一度ここに行って施設を見させていただいたんですけれども、定員が五十名で三十四名という利用者だということで、そんなに需要がないのかなというふうに思ったんですけれども、実はこの施設は、更生施設でありながらバリアフリーになっていない。二階、三階に行くことができない。車いすの方も結構いらっしゃるわけですから、結局施設があっても使えないということで、定員を今三十数名にしているという状況なんですね。
先ほど申し上げましたように、こういう高次脳障害というような新たな認識に立った疾患がこれからふえてくると予測される中で、都は先導的にいろいろな取り組みをしてきて、これをこれから普及していかなければいけない。そして、ここでの、そうした対象をたくさん更生して実践例も積み重ねていかなければならないという状況の中で、ある施設が十分に使えないというのも大変もったいないことだと思うんですね。この施設が定員に達するように、定員を受け入れられるように施設の改善をすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 肢体不自由者更生施設の入所期間というのは、原則として一年以内というふうに規定されておりますけれども、心身障害者福祉センターに併設されてございますこの更生施設の場合は、利用者の平均入所期間が三カ月から六カ月程度というふうに非常に短期間で回転をしておりまして、そういう意味では、この施設を利用している身体障害者の方の社会復帰をスムーズに実施しているというふうに考えてございます。
そして、この施設の入所を希望してから実際に入所できるまでの待機期間というのは、おおむね一カ月から二カ月という期間でございますので、利用を希望される方にご迷惑をおかけすることはほとんどないというふうに考えてございます。
○かち委員 短期間で回転しているからいいんだとか、一カ月、二カ月の待機期間だから何とかなっているんだというお話ですけれども、もっとPRをすれば、もっと利用をして、いい経験を積み重ねていく、それから、その人たちだけではなくて、今本当に各自治体でもこうした症例にどう対応していいのか、各医療機関や福祉機関でもどう対応していいのか、都はいろいろ資料をつくったりパンフレットをつくったりやっているといいますけれども、これがそんなに浸透している状況ではないですよね。これを本当に浸透させていく、普及させていく意味においても、ここでの実践例というのをもっともっと重ねて高めていく、経験を高めていく必要はあると思うんです。その意味でも、ぜひこの施設を十分に活用できるようにやはり改善をするという方向性を持っていただきたいというふうに思います。
それで、都が出しています高次脳障害に対応できるリハビリ施設、高次脳障害に対応できる医療機関の一覧表、紹介をされたものが出ているんですけれども、実際にそこの病院にそのつもりでかかったけれども、自分がやってほしいリハビリがしてもらえなかったとか、いろいろ苦情を私も聞いております。正確に情報が発信されていないという問題があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、さっきいいましたように、本当にこの高次脳障害というのは多岐にわたった症状を示します。その人に合ったリハビリが行われなければ意味がないことでありますので、実態に合った正確な情報提供に発行物を切りかえるべきだというふうに思いますけれども、どうなっているでしょうか。
○菅原医療政策部長 お話しの点につきましては、今後、パンフレットの改訂の際等に検討してまいりたいと考えております。
○かち委員 いつ改訂するのかわかりませんけれども、正しくない情報を東京都が発信するというのはよくないので、ぜひ実態に合ったものに早急に切りかえてください。
次は、重症心身障害児者の通所施設についてお伺いします。
現在の児童福祉施設等についての計画のベースになっているのは、ここにあります児童福祉施設検討委員会、これは平成七年に出されたものですけれども、これがベースになっていると思うんですけれども、これによれば、一療育圏ごとに一カ所の整備を進めることというふうに出ているんです。現状では地域のニーズにこたえ切れていない現状があると思うんですが、まず最初に、通所事業における都の全体の計画と現状はどうなっているか、お聞きします。
○吉岡障害者施策推進部長 重症心身障害児の通所施設整備事業に関してお答えいたします。
私どもは現在、平成十四年度に改定をされました東京都保健医療計画に基づきましてこの事業を進めておりまして、この保健医療計画におきましては、重症心身障害児者通所事業を、平成十八年度までに都内全域で三百五人分を整備する計画となってございます。
現在の実施状況でございますが、平成十六年度に西多摩療育支援センターもえぎを二十五人規模で事業を開始いたしまして、現在、都内全体では十三施設で一日に二百七十五人の利用定員数となってございます。現在の利用者数は、全体で三百三十三人となってございます。
○かち委員 この検討委員会からの最終報告に基づいて計画が立てられなかったと。ここには、一療育圏ごとではなくて、当面十四までですか、つくるということで、今、東部地域における東部療育センターの建設、来年ですか、開設されるというところまではいっているんですけれども、なぜ答申を受けて計画にのせなかったかというのは、私は大変疑問に思うんです。
今十三施設、資料にも三三ページに出ておりまして、新しくできて、やっと二百七十五の定員まで来たということなんですけれども、この設置場所をすり合わせてみますと、あとは区部東部と区部中央部、ここにないということなんですけれども、区部東部は来年三十人定員が開所する。それを数えれば二百七十五に三十だから三百五で、目標の三百をクリアできるというお話だと思うんですけれども、障害のある方が通える範囲というのは、そんなに遠くへは行けませんので、設置するならば、やはり療育圏ごとに設置をするというのは当然のことだと思うんですね。
そういうことをなぜやっていただけないかと思うんですけれども、やれる可能性というのはあるわけですよ。空白になっているのが区部中央部。ここには北療育園があるわけですね。ここの施設を使えば通所事業というのは可能だというふうに思うんですけれども、そのお考えはないでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 私どもは、先ほど申し上げましたとおり、この通所施設を、東京都保健医療計画に基づきまして、都内全域をにらんで三百五人分を達成するように現在努力をしているところでございます。今後とも、その計画の達成に努力をしてまいりたいと存じます。
○かち委員 この資料をよく見ますと、通所日数別登録者数で、週五日あっても、毎日行けている人はほんの何分の一かですよね。週に四日とか三日とか一日とか、本当に少ない方がばらされている。要するに施設の定員というのは、収容できる数というのは決まっていても、要求があればそれを拒むことはできないというのが今の制度だと思うんですね。どんどん入ってきてしまう。だから、一日の使用できる人数よりもオーバーになってしまう場合には、その方々に、一日置きにしてほしい、二日置きにしてほしいというふうにお願いをしなければ施設の方で受け入れ切れないという状況があって、あっちでもこっちでもそういう問題がある中で、都としても努力をされてきたことは重々承知の上なんですけれども、しかし、この今のぎりぎりの状況で、これで達成というふうにいかないですよね。
これはどんどんふえていくしかないという状況の中では、本当に、東部ができればそれで終わりというふうにはならないと思うんですよ。切実に、病状から、状態から週に一回がやっとというお子さんもいらっしゃると思います。それは当然それでいいんですけれども、比較的元気があって、毎日通いたいと思っているお子さんが通えないという状況は、やっぱり解消しなければならないと思うんですね。
その意味でも、今やろうとすれば、現実に建物があるわけですよ。そこを少し改築なり増築なりすればできるという可能性があるところに着手すべきだと思うんですね。これからまた用地を買って新しい建物をつくるというのは本当に大変なことですから、今あるところをちょっと工夫すればできる、そういう北療育園の活用ということをぜひ考えていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 私どもは、東部療育センターの開設によりまして、平成十八年度までに三百五人分を達成すると、その計画を達成しようと、今全力で努力をしているところでございます。これの実現に今後とも全力で取り組んでいきたいと考えております。
○かち委員 いつも東京都は先を見通していろいろ施策を進めていらっしゃるのに、なぜかここは東部療育センターまでと、本当にちょっとどうなのかしらと思いますよ。やっぱりもっと、どうせふえていくというのは明らかなんだから、それを見通して、対策を今からとらなければならない話ですよ。北療育園については、事業所の方からも関係する父母の皆さんからも、もう十年も前から毎年毎年要望が出ていることですから、ぜひそれにこたえるということで足を踏み出していただきたいということを要望しておきます。
それで、通所事業の内容の充実についてなんですけれども、私も、春ごろでしたか、民設民営の病院附属の通所施設のところを見学させていただきました。
ここでは、ちょうど朝の時間だったので、皆さんが一堂に会して、さまざまな姿勢や形で、しかし朝礼をやっていらっしゃるんですね。本当にそういうきちんとした一日の生活スケジュールに基づいて過ごされているというのがよくわかったんですけれども、この保護者の方のお話を聞いたところ、自分のお子さんは小学校の時代に交通事故で頸椎をやってしまったので、手足が動かなくなってしまったけれども、心は発達していくわけですよね。十七歳だから思春期になっているので、いろんなことを経験したい、好奇心も出ている、こういうお子さんを、ただ通院施設のスケジュールというだけにとどめることなく、いろいろな内容の充実というのがあると思うんですね。
そこでは、一日お泊まり保育とか、みんなでカラオケに行こうということで、カラオケ施設に行ってマイクを持って歌うと物すごく喜んだとか、そういういろいろな経験が出ているんですけれども、しかし、これをやっているのは全部現場のスタッフの方の犠牲的なボランティアでやっているわけですね。だから、これを充実させるということで、都としての補助とか体制の充実ということにぜひ取り組んでいただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 通所事業の目的は、保育とは異なりまして、日常生活動作の訓練などを行うことにより、運動機能低下などの防止及び在宅療育の向上を図り、家族とともに地域社会の中で生活できるように支援することでございます。各施設におきましては、通所者個々の身体状況に応じまして、さまざまな療育メニューを定め、療育の向上に取り組んでいるところでございます。
○かち委員 ここの通所時間は朝の十時から三時までということです。その保護者、お母さんは、ほとんど送って迎えてで一日が終わってしまうというような生活スタイルなんですね。もちろん自分の子どもだということではあるんですけれども、働くこともままならないわけですよ。そういう中で、自分自身も病院に行かなければならないとか、学校に行かなければいけないとか、そういう状況があってもできないから、障害のある子を連れて学校へ行かなければいけないとか病院に行かなければいけないというような状況も、現実に出ているわけですね。
そういう意味では、今一般的に、保育も五時というのではなくて延長保育が当たり前というような状況の中にあって、十時-三時に拘束されるということは、もちろんそのお子さんの療育環境、療育が主体として考えられたということはわかりますけれども、それとともに、保護者が長続きしてもらわなければ困るわけですよね。そういう意味での受け入れ時間の延長ということも含めて、本当に今のご答弁では四角四面にいうだけなんですが、実際にそういうことをもっと充実させようという現場のスタッフの試みというのはもうやっているわけですから、自治体というのはいつも後追いになるのですけれども、そういう経験を、それを検証して、ぜひ充実の方に一歩足を踏み出していただきたいというふうに要望しておきます。
次に、精神障害施策について伺います。
精神障害者の福祉制度は、心身や知的障害に比べて大変おくれたスタートになっているわけですけれども、資料をいただきましたけれども、手当というものもありませんし、それからJRや私鉄の交通割引もありませんし、受信料なんかの割引もないとか、いろんな福祉制度が不十分というのも現実の問題なんですね。
今、精神障害者といわれる方は大体十万人ぐらいいらっしゃるといわれているのですけれども、実際、手帳を発行されている方は二万六千人という、四分の一しかもらっていないというような状況もあります。それも、手帳をもらってもそのメリットがないというようなこともかなり大きいわけですよ。もちろんご本人自身がそういう判断ができないという場合もあるんですけれども、そういう意味で、こうした精神障害を持った方ももっと社会に参加をしていく、そして周りの方もノーマライゼーションでもっともっと普通のつき合いができるような状況というものをつくっていかなければならないと思うんですけれども、そういう意味で、おくれた福祉制度を一日も早く拡充すべきだというふうに思うんですけれども、その辺の認識はどうでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 精神障害者と身体障害者、知的障害者の福祉を比較してのお話でございますけれども、ご案内のとおり、精神障害者の施策につきましては、従来、保健医療を中心に事業が進められてきたという経過がございます。このために、精神障害者を身体障害者、知的障害者と比べると、福祉施策の現状に若干の違いがあるということは認識してございます。
○かち委員 若干の違いというか、要するに精神福祉はおくれているということを認識されているということでよろしいんですか。お答えください。
○吉岡障害者施策推進部長 障害の分野によりまして沿革が違うということで、そのためにその違いが出ているということを認識しているわけでございます。
○かち委員 違いがあっても、同じ障害を持った方々ですよ。福祉保健局としては、こうした方々もノーマライゼーションで本当に社会の中で生きていける状況をつくっていかなければならないという立場に立っていらっしゃる方々でしょう。そして、たまたまですけれども、福祉局と健康局が一緒になったという、これをメリットといえば、こういう格差のある問題を充実している方に引き上げていくというのが当然の試みではないんですかね。そういうことを本当に認識していただきたいと思います。
それで、交通運賃割引についてですけれども、平成十四年度に国土交通省から日本バス協会に対して運賃割引制度の適用についてという文書での要望が出されていますよね。これはご承知でしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 国会に対する請願に基づきましてそのような要望が行われたということは承知してございます。
○かち委員 国会でも請願が出されて、それを全会一致で可決をして、その上に立って、このように文書で日本バス協会に要請を出しているわけですよ。こういう条項を実施させるための東京都の働きかけというのは必要なわけですよ。東京都としても、この国の動きに対応して行動を起こされたんじゃないですか。どうですか。
○吉岡障害者施策推進部長 公共交通機関の割引につきまして、精神障害者もその対象に含めるべきではないかということで、私どもは、国に対してそういう提案をしてございます。また、あわせて、東京都といたしましては、社団法人東京バス協会に対して、同様の取り組みをご検討いただくようにお願いをしておるところでございます。
○かち委員 ですから、東京都としてもやっぱり運賃の割引は実施すべきだという認識にあるんだというふうに最初におっしゃっていただければ、私もこんなにすごくいわなかったんですけれども、同じ認識に立っていらっしゃるんですから、やっぱりこれを実現するように、さらに努力をしていただきたいというふうに申し上げておきます。
それで、もう一つは……(「バス協会に行っていってこいよ」と呼ぶ者あり)もちろん私たちもいっていますよ。精神保健医療福祉の見直しが、本年九月に決定された精神保健医療福祉の改革ビジョンの中にありますけれども、この中に、障害者が施設の中で生活、仕事をしていく上で欠かせないのが相談支援体制だと思うんですけれども、こうした中で、障害者を障害者自身によってカウンセリングをしていくということが、先ほどもピアカウンセリングの話がありましたけれども、大変有効性を発揮しているというふうに、当事者の方からもそういう実践例を伺いました。
今、どこでも、だれでも、私たち自身が、いつ、こういう精神障害に陥らないとも限らないような社会環境の中にあるわけですね。こうした中で、一たんそういう病気になったときに、うつ状態で自殺をしようというふうになって落ち込んでいた方が、ピアカウンセリングによって救われたという経験も聞いております。そういう意味で、大変この役割は大きいと思うんですけれども、都としては、このピアカウンセリングの果たす役割をどのようにとらえていらっしゃいますか。そして、どんな取り組みをされてきているでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 障害を抱えながら自立等を経験した当事者自身がほかの当事者の相談、助言、生活指導を行うピアカウンセリングが、精神障害者の社会復帰及び地域生活支援に果たす役割は、とても大きいというふうに考えてございます。区市町村が主体となって行う精神障害者に対する地域生活支援の中で、ピアカウンセリングの手法が取り入れられているところでございます。
また、東京都におきましては、精神保健福祉センターでピアカウンセリングの研修を行っているところでございます。
○かち委員 都でも研修を行っているということですけれども、そうした受講者の皆さんがどういう分野でそういう活動をされて、それがどのように普及啓発に大変功を奏しているのかというようなことを、ぜひ追跡調査もしていただきたいというふうに思います。
一つだけ確認しておきますけれども、来年見直しをされるノーマライゼーション推進東京プランの改定に当たっては、当然、身体、知的、精神を含めた当事者の意見を十分に聞きながら行うべきだと思いますけれども、そのように進めているということでよろしいでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 ノーマライゼーション推進東京プランにつきましては、来年度その改定の作業を行う、ご指摘のとおりでございます。この実際の計画の策定作業を行うに当たりましては、障害者施策推進協議会というのを設けまして、その推進協議会のご意見を承った上で計画を策定してまいりますが、この推進協議会の中には、障害の各団体の当事者、またその家族の会等の代表の方々にも加わっていただく、そういう考えでございます。
○かち委員 最後です。高齢者医療の償還払い制度について伺います。
平成十四年の十月から高齢者の医療制度が変わりました。定額制から定率制になったということで、前期、後期というふうに分かれたり、大変複雑な制度になったわけです。そして、入院の場合は一応定額四万二百円ですか、でとどまるんですけれども、外来の場合は一万二千円上限までは定率でいって、それを超えた部分については償還払いということで、一たん窓口で全部払った後に、二、三カ月後に返ってくるという仕組みになっているわけですね。これが今、高齢者の皆さん、いろいろなことで年金もどんどん目減りをしているという環境の中で、大変医療費の負担というのは重くなっているわけです。私もさまざまそういう声を聞いております。
これは、せめて、入院の場合はそれができているわけですから、外来についても、一万二千円を超えた部分については受領委任払い制度、その超えた部分については保険者の方から病院に入るというふうにすることが、患者さんの負担を軽減することにもなるし、それから、今、患者さんに本来返ってくるべき償還部分の未償還部分が結構あるということが先日も新聞報道されておりましたけれども、これは大変問題だと思うんですね。東京都は未償還がどのぐらいあるかというのは把握されているでしょうか。
○大村参事 平成十五年の十月一日時点の全国調査がございます。そこにおきましては、東京都におきまして、支給されている方が件数で八五・一%、金額で八七・九%でございまして、裏返しますと、未償還率は、件数で一四・九%、七万三千余件、金額で一二・一%で三億五千万余円、こういうことでございます。
○かち委員 三億五千万、十数%が未払いというか未償還というこういう実態は、このまま見過ごすわけにいかないんですよね。これをやっぱりきちんと本人に償還される仕組みをつくる必要が絶対あると思うんですよ。
これができるというのは受領委任払いだと思うんですよね。限度額以上は払わないで、医療機関にはそれがちゃんと入ってくる、こんないい制度はないと思うんですけれども、これを東京都は今なかなかやろうという姿勢には立っていらっしゃらないんですけれども、新潟県では既にこの受領委任払いをやっているんですね。何でできているのかというのをいろいろ調べたんですけれども、この県では、高額療養費支給制度というのを昭和五十年に実施をしたときに、高額部分については、償還ではなくて受領委任払いで行うということを実施したわけです。
このときに国は何といっているかといいますと、高額療養費支給制度は原則償還払い方式であるが、低所得者等の現実的な要求にかんがみ、保険者の責任において実施すること、また、実施に当たっては、医療機関の協力を得てでき得る限り県下統一された状態で実施することが望ましい、これは県と国がこのように方針を出しているんですね。こういうことが実現できている。実際にこのベースがあるから、新潟でも今度の高齢者医療についての受領委任払い制度がスムーズに導入されたわけですよ。
こういうことを見れば、実践例があるわけですから、東京都としても、この受任払い制度について足を踏み出すべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○大村参事 平成十四年十月一日に施行されました老人保健法の改正では、第一に、患者は医療機関等の窓口で医療費の一割または二割を支払うということ、それから第二に、窓口での支払い額が自己負担限度額を超えた場合は、後日その超えた額について償還払いされることということになっておりまして、医療機関等の一時立てかえ払い制度は予定されてないということになっております。都といたしましては、この老人保健法の規定に沿って対応してまいります。
○かち委員 できないことだったら新潟でもできないわけですよね。でも新潟でやっているわけですよ。原則は原則、原則ということをいう以上は、原則でないこともあるわけで、これは悪いことじゃないでしょう。両者にとっては全く助かることなんですよ。しかも、二〇%の方が受け取るべきお金を受け取っていないというこの不合理をやっぱり都として解消すべきじゃないんですか。すぐには困難だと思いますけれども、社会保険組合とか国保連とか医師会のご理解も得なければできないことでありますけれども、これを放置しておいてはならないと思うんですよ。返すべきことを返すという意味に立って、ぜひ東京都として検討していただきたいということを強く申し上げて、質問を終わります。
○前島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
午後三時三十五分休憩
午後三時四十七分開議
○前島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○大河原委員 私からは、福祉改革について伺っていきたいと思います。
東京都は、利用者本位の新しい福祉を目指して、平成十二年十二月、福祉改革推進プランを策定して、その成果を踏まえ、福祉改革を新たなステージへ向けてということで、十四年二月にはTOKYO福祉改革STEP2を策定されております。これまでの福祉サービスの担い手を行政と社会福祉法人限定から、民間企業、NPOなどの多様な主体の参入をということで計画をされてきておりますけれども、成果と今後の課題について、まず伺いたいと思います。
○野口企画担当部長 都はこれまで、利用者本位の福祉を目指しまして、民間企業やNPOなど多様な事業主体の参入を促しながら、福祉改革の取り組みを進めてまいりました。
その結果、本年十一月一日現在で見ますと、平成十三年に都が創設した認証保育所は二百三十六施設が開設し、そのうち民間企業が運営する施設が百九施設、NPO法人も七施設となっています。
また、介護保険の居宅サービスでは、指定事業者全体に占める営利法人とNPO法人の割合は年々増加し、六千九十五事業者のうち、営利法人が三千七百八十二事業者と全体の六割を占めるなど、民間企業やNPO法人の参入により、基盤整備や利用者支援の仕組みづくりが着実に進んでいると認識しております。
しかしながら、福祉サービス全体を見ますと、民間企業への施設整備の補助がない、あるいは特別養護老人ホーム等の施設サービスのように、事業主体そのものが行政や社会福祉法人に限定されているなど、いまだにさまざまな参入障壁が存在しております。
また、介護保険制度の見直しや医療保険制度改革など、将来にわたって持続可能な社会保障制度の構築に向けて、制度全般にわたる検討も行われております。
利用者本位の福祉を実現していくためには、こうした国の動向を初め、社会経済環境の変化や都民の意識、ニーズの変化を踏まえながら、福祉改革の取り組みを一層推進していくことが必要だというふうに認識しております。
○大河原委員 本当に福祉サービスの担い手というところではさま変わりをしたというふうに思いますし、私どもは、市民社会の成熟とともに、こうしたNPOの活動がもっと幅広く、分野を隔てず広がることを求めているわけなんですけれども、確かにまだまだ参入障壁というのは残っております。
地域で大事なことを決める、特にまた福祉の分野、地域が決定権を持つというふうに変わってきておりまして、こうしたNPOとの連携を、自治体みずからが方針を定め広げていくというところを、さらに東京都も後押しするような形になればなというふうに考えます。
ところで、地域福祉計画というのは、平成十二年六月の社会福祉事業法等の改正によりまして、社会福祉法に新たに規定された事項です。市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画から成っているわけですけれども、この地域福祉計画の策定は、各地方自治体が主体的に取り組むことになっているわけです。策定に当たって、地域住民の意見を十分に反映させながら策定するべき計画でありますけれども、今後の地域福祉を総合的に推進する上で、大変重要な大きな柱になるものと認識しております。現在、区市町村における地域福祉計画の策定状況をどのように把握されておりますでしょうか。
○野口企画担当部長 都内区市町村におきます地域福祉計画の策定状況でございますが、平成十六年九月末現在、全六十二区市町村のうち、策定が四十団体、今年度策定を予定しているものが十団体、十七年度に策定を予定しているものが五団体、残り七団体については未定となっております。
○大河原委員 地域では着々とこの計画の策定に向けておりますけれども、福祉改革推進プラン、またTOKYO福祉改革STEP2は、平成十六年度、今年度までの事業計画ということになっております。多様な福祉ニーズにこたえるためには、地域で安心して自立した生活をしっかりと送っていくというところで、身近な地域で、多様な供給主体によるきめ細やかなサービスが提供されることが重要かと思います。地域住民、ボランティアなど民間組織の積極的な参画、また相互の連携を深めて、住民相互で支え合う仕組みづくりが必要になってきております。おのずと東京都の役割も変わってきたというふうに認識しております。
区市町村の策定する地域福祉計画を踏まえ、多くの都民の意見を反映させながら、新たなプランを策定することが必要になってくるんじゃないかというふうに思うわけですが、その点のご見解はいかがでしょうか。
○野口企画担当部長 利用者本位の福祉を実現するためには、民間企業など多様な事業主体が市場ベースとして提供するサービス、措置制度を維持しながら行政が中心となって提供するサービス、これらに加えまして、地域の特性に応じてNPOやボランティアなどが地域の中で提供するきめ細かなサービス、これらを組み合わせながら、だれもが安心して質の高い福祉サービスを地域の中で選択、利用できる仕組みを構築していくことが必要であります。こうした基本的な考え方は、福祉改革推進プラン及びTOKYO福祉改革STEP2で示しておりまして、これにつきましては、今後とも変わるものではございません。
先ほど申し上げましたとおり、地域での自立を支える新しい福祉を実現するためには、福祉改革の一層の推進が必要でありまして、これまでの取り組みや、区市町村が策定しております地域福祉計画も踏まえながら、改革の取り組みを進めてまいります。
○大河原委員 STEP2などもそうなんですが、地域では、その地域の実態に合わせてニーズ調査をしたり実態調査をしたりということで計画が策定されていきますが、東京の段階でつくられる計画というのは、そういうものの積み上げ、足し算でやるものではなくて、東京都の責任においての目標を掲げるということがありますから、その見え方が私は重要になってくるんじゃないかと思うんです。
ただ、今お話をしていただきましたように、今後も地域が主体であることを柱に、それをどういうふうに動きやすくしていくか、そういう地域の自主性なり実態に合わせた福祉を実現するというところに東京都の軸足があるということを、ぜひとも次のプランでも示していただきたいというふうに思います。
次に、精神障害者施策について伺っていきたいと思うんですが、精神疾患というのは、一言聞くと、何か自分とは関係ないというように思われる方があるかと思うんですが、罹患率も高くて、実はだれでもかかる可能性がある、そういう疾患だというふうに改めて認識をいたします。早期発見、治療を行うということが必要ですけれども、心の健康づくりなどの施策を充実することが、これに対して重要なことだと思います。心の健康づくり施策充実について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 精神疾患は、生活習慣病と同様に、だれでもかかる可能性のある病気でございまして、早い段階で気づいて早期治療を行えば、軽快また治癒する病気であるといわれております。
早期発見、治療のためには、精神疾患に対する偏見から治療への抵抗を感じることがないように、精神疾患に対する正しい知識と理解の普及が重要であるというふうに認識してございます。
東京都としましては、今後とも普及啓発活動を進めるとともに、身近な相談から、必要に応じて適切に医療に結びつけられるよう、区市町村、保健所、精神保健福祉センター等の連携を図ってまいります。
○大河原委員 精神科医療においては、入院の短期化を進めようということで、実際少しずつ進んできているわけですけれども、通院治療を中心にしていく傾向になっております。長期の入院患者の退院や、また地域生活への移行について、大変困難ではあるけれども急がなければならない課題というふうに認識しておりますけれども、この点についてはどのような見解をお持ちでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 長期入院の患者の退院促進につきましては、これは非常に重要な課題であるというふうに認識してございます。東京都は、平成十六年度から精神障害者退院促進支援モデル事業を実施しております。これは、受け入れ条件が整えば退院可能な方の退院を促進して社会復帰を図るための事業でございまして、現在、区部一カ所、多摩地区一カ所において展開をしておるところでございます。
今後、このモデル事業の結果を踏まえ、精神病院や区市町村の理解、協力を得ながら、退院促進の仕組みを構築してまいります。
○大河原委員 精神疾患といいますと、世の中でそういう事例を見るときには、何か事件になっていたり、また、周りにそういう友人がいてもなかなか治癒ができない、そういう暗い気持ちをともに共有するようなことも多くて、その先の明るい光を見たいといつも思うわけなんですけれども、こういった意味では、精神の障害を持つ方に対する福祉施策、この点については、先ほども質疑がありましたけれども、やはり他の障害に比べるとおくれているというふうに私も認識しております。
今後はこれらの福祉施策の充実を図っていくべきというふうに思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 東京都としましては、従来から、共同作業所への運営費補助等、精神障害者の社会復帰等に関する施策を国に先駆けて実施する等、精神障害者に対する福祉施策を推進してまいりました。しかし、他障害と異なり、保健医療を中心に施策が展開されてきたことや、市町村の精神障害者に対する援護の実施者としての役割が法律上は明確に位置づけられていないことなどから、福祉施策に他障害との違いが生じておるものでございます。
今後は、精神障害者の自立と社会参加の一層の促進に向けて福祉施策の充実を図るとともに、国に対しても、法整備と施策の充実について積極的に働きかけてまいります。
○大河原委員 他障害との福祉施策の格差というふうにお答えになったんですが、やはりこの点は大きいと思うんですね。そして、これを受けとめる区市町村に、専門性のある人材ですか、その養成がまだまだ十分でないことから、これは戸惑いを持ちながらも進められているというのが現状かと思います。
ただ、やはりニーズがとても大きいということがありますので、この点について、保健医療中心から、生活全体を見るトータルな視点へと大転換を図るべきだと考えております。一般の方への普及啓発も含めて、この点ご努力をいただきたいと思います。
都では、障害を持つ方が地域の中で生活を選択できる条件整備のために、生活寮やまた重度身体障害者グループホーム等の地域生活の基盤整備を強力に推進していくということで、障害者地域生活支援緊急三カ年プランを立てられましたが、このプランにおける達成状況、そして今後の取り組みについてお聞かせください。
○吉岡障害者施策推進部長 障害者地域生活支援緊急三カ年プランでございますが、この三カ年プランは、身体障害者と知的障害者に関する施策について計画をしたものでございます。現在この緊急三カ年プランに基づきまして、特別助成などにより、平成十五年度におきましては、地域居住の場であるグループホームについて、二百六十二人分増の計画に対し二百九十一人分を整備いたしました。
本年四月からは、福祉保健局長を本部長といたしましたグループホーム設置促進事業本部を設置いたしまして、区市町村や運営事業者を初め、不動産取引団体、企業などへの訪問を精力的に行い、補助制度などの周知とグループホームの設置、運営などを働きかけております。
また、昨年度に加え、二カ所の都有地で知的障害者グループホームを運営する事業者を公募したところでございまして、今後とも、局の総力を挙げて障害者の地域生活を支える基盤の整備に努めてまいります。
○大河原委員 障害を持つ方が地域生活へ移行していく、そして移行後の生活に十分な安心を持たなければ、これは進まないわけで、どのように不安を取り除いていくのか、このことが重要かと思います。日常生活を送る上でのサポートだけではなくて、経済的な面も含めて、就労支援にまで視点を移す、そういうトータルなサポート体制が必要であると考えるわけなんですが、この点はいかがでしょうか。
○吉岡障害者施策推進部長 私どもは、障害者地域生活支援緊急三カ年プランによりまして、知的障害者グループホームなどのハード面での環境整備を進めるとともに、グループホーム利用者の経済的負担を軽減するため、独自に家賃助成を実施するなど、地域生活への移行を促進しております。
また、一般企業への就労を目指すとともに、就労後も安心して働き続けることにより経済的な自立が図られるよう、身近な地域で、就労面と生活面の支援を一体的に提供することを目的とした区市町村の障害者就労支援センターへの補助等を実施しております。
今後とも、区市町村と連携しながら、地域における障害者の生活を全般的にサポートしていく体制づくりに努めてまいります。
○大河原委員 これまで障害者の就労といいますと、産労局の方へ一気にいく一般就労の部分と、それから、福祉の分野から、作業所からもう一歩出ていく一般就労へのアプローチということで、ここの連携をしっかりつなげていくということが今後必要になってくると思います。今も試みられているわけなんですが、ぜひ、そうした就労部分がより強化されますように、局のご努力をお願いいたします。
続いて、子育て支援について伺っていきます。
全国レベルで、東京都は子育て世帯の核家族の割合が高い自治体だと思います。六歳未満の子どもがいる家庭が、全国平均七八・六%に対して九一・三%と、ほとんどが核家族というふうに思った方がいいわけです。東京は出生率が全国一低い状況でありながら、そういった意味では、負担感が多いと感じている子育て専業主婦の割合も高いということがここから見てとれるわけです。気軽にできる相談事業や、緊急時、リフレッシュのため子どもを預けることができる一時預かりの保育サービスなど、在宅サービスを充実して、子育てをしている主婦が孤立しないような支援策を講じる必要があると思うんですが、この点はどのようなご見解でしょうか。
○朝比奈少子社会対策部長 家庭で育児を行う母親や父親への支援については、少子化が進む中、家庭にいて子育てをしている親が安心して子どもを育てられるよう支援していくことは、大変重要であると認識をしております。
都では、子育てをしている親などが気楽に集い、相談や情報交換、交流などを図る場として、現在、子ども家庭支援センターや子育てひろばの設置を促進しております。
また、これらに加え、家庭で子育てをしている親の病気や出産などに対応するため、一時保育やショートステイなど、さまざまな子育て支援サービスの拡充も図っており、今後もこれらの施策の推進に努めてまいります。
○大河原委員 孤立した親をつくらないためにも、既存の行政サービスを当事者参加で見直していくということが必要ではないかというふうに思います。私どももみずから調査活動をしまして、対面で二時間ぐらい、若いお母さんたちの聞き取りをしたことがありますが、やっぱり物すごい子育て、孤立の状況がありありとわかります。その方たちも、いつかもう一度仕事に戻るという希望を持ちながらのものでしたけれども、そういう、現在子育てをしている母親や父親の隠れたニーズ、こういうものを掘り起こすことが非常に重要であると日々感じております。ニーズを直接聴取することとか、あるいは有効な事業は何なのかを探る試み、こういうことが必要であるかと思いますが、どのようにお考えでしょう。
○朝比奈少子社会対策部長 現役の子育て世代や、これから子育てを担う若い世代からのさまざまな都民の声については、子育て支援サービスを検討していく上で重要であると考えております。
都は、これまでも、各種の都民生活に関する調査や都政モニター等の意見を広く聞き、施策に反映をさせてきました。今後とも、都民ニーズに即した施策の充実に、より努めてまいります。
○大河原委員 ぜひ、次世代育成ということもありまして、こういう支援策をつくるときに当事者の声を聞くというのが重要ですので、それを聞いた上で、さらに同じ世代の人たちにどれだけそれが共感されているかもご確認をいただきながら進めていただきたいと思います。
次に、児童虐待防止について移ってまいります。
児童相談所が一時保護などでかかわっていながら子どもの命を救えないケースというのもたびたび報道されておりまして、この児童虐待については多くの関心が集まるようになりました。二〇〇〇年の児童虐待防止法の制定以降、相談件数も増加しているわけですが、東京都における実態、現在の状況を教えていただきたいと思います。
また、把握とともに、どのような分析をされているのか、お願いいたします。
○朝比奈少子社会対策部長 都における虐待相談件数は、平成十二年十一月の児童虐待防止法施行以前の平成十一年度は千三百十五件でございましたが、平成十五年度には二千四百八十一件と、一・九倍に増加をしております。
施行後の増加傾向は、児童虐待への都民の意識が高まった結果であると考えております。特に、平成十六年一月に起きた大阪府岸和田市の中学校三年男児の虐待事件が大きく報道されたことからも、児童虐待通報の増加に大きく影響していると考えております。
○大河原委員 ショッキングな例で、中学生の虐待とか、どうして逃げられなかったんだろうと思うようなことまであるんですが、子どもの年齢によって虐待の状況とか傾向は大きく違うというふうに思います。当然それに対する対策も異なるというふうに思うんですけれども、乳幼児については子育ての悩みとか、孤立した母子関係からのケースが多く、早期発見や未然防止にはお医者さんや助産婦さん、保健師さん、保育士さん、子どもの身体の変化に接する人たちのネットワークが効果を上げてきていると聞いております。
育児不安を抱える家庭を早期に発見して、支援を強化することはもちろん重要なわけです。しかし、子ども自身が実態の事実を隠すような年齢、聞かれてもそうじゃないというケースがたくさんあるわけで、別の対応が必要じゃないかと思います。
子ども自身の訴えによる保護相談の件数ですね、これはどのぐらいあったでしょうか。
○朝比奈少子社会対策部長 平成十五年度の虐待相談処理件数二千二百六件のうち、子ども自身からの相談は四十件でございます。これは全体の一・八%となります。
○大河原委員 平成十三年に、児童虐待の実態ということで、相談所の事例から見る調査を発表されておりまして、これを読みますと、本当に小さな子どもから大きな子ども、児童というからには十八までの子どもたちが対象になっていますけれども、乳幼児ですと、しつけの範囲みたいなことがいわれる中で、周囲もそんなものかなと思ってしまうようなこともあり、また、大きくなると、反抗期でしょうというようなことで誤解も受けるということがあると思うんです。
年齢によって虐待の中身も変わってきておりますし、そういった意味では比較的年齢の高い子どもたちへの虐待をどのように把握し、分析しているのか、その点少し伺いたいと思うんですが、いかがですか。
○朝比奈少子社会対策部長 都が平成十三年に発表いたしました児童虐待の実態によりますと、子どもの年齢が高くなるにつれて虐待を受けた期間が長くなっております。虐待を受ける期間が長くなりますと、子どもの心身に対する影響が深刻なものとなるため、虐待を早期に発見し、防止していくことが極めて重要でございます。
日常子どもに最も接する機会の多い学校や保育所、幼稚園などが子どもの状況を的確に把握し、虐待の予兆を見落とさないよう、より一層虐待への理解と関心を深めていくことが重要であると考えております。
○大河原委員 先日の栃木の例なども、自分の足で歩いていける子たちは、お腹がすいてコンビニへ行っていたというようなこともあって、それから中学生の虐待だと、友達がその子が虐待を家族から受けていることを知っていたとか、その状態を発信するということも可能な子どもたちに成長しているわけで、そういう予兆なりシグナルを見落とさない。見落とさないために、受けとめる人たちをふやしていくということが必要で、確かに子どもたちがよく立ち寄るコンビニなどにもぜひ協力をしていただかなければならないというふうに思います。
どうしても乳幼児の虐待の数が多いので、福祉局さんに今のところ伺っている中では、乳幼児対策、こうした虐待防止ネットワークも地域でもやっておりますけれども、それも少し年齢の低い子たちに今、重点が当たっているかなと思います。年齢の高い子どもたちへのということで、少し私は視点を持っているわけなんですけれども、こうした虐待を受けた子どもたちへのケア、このケアをぜひ丁寧に慎重にしていただきたいと思うんですが、虐待を受けても子どもは親と一緒の生活を望むということが多いと聞いております。そのために、再び親子がともに生活できるよう支援をしていらっしゃるわけですけれども、これはどのように行っていらっしゃるんでしょうか。
○朝比奈少子社会対策部長 虐待を受けた子どもに対しましては、児童相談所や児童養護施設で心理職の職員を中心に心のケアを行うとともに、必要に応じて医学的な治療指導も実施をしております。
また、虐待により親から分離した場合も、子どもの健やかな成長を図るという観点から、家族の再統合が重要であると認識をしております。このため、都では、平成十四年度から、親子分離をした子どもと保護者を対象に、児童相談センターにおいて家族再統合に向けたグループ療法を実施をしております。
また、全国に先駆けてすべての児童相談所に配置をした家庭復帰支援員は、児童福祉司とともに、児童虐待などにより施設に入所した子どもを早期に家庭復帰させるため、親と子の双方に対し継続的かつ専門的なケアを行っております。
○大河原委員 年齢の高い子どもたちは、先ほどのご答弁の中だと、長期にわたって虐待を受けてきたケースというのが多くて、そういった意味では小さい子どものように再び親と一緒にということがなかなか難しいケースも多いんじゃないかと思います。養護施設で生活を新たにスタートするということにもなるかと思うんですが、虐待の防止や、虐待を受けた子どもたちが駆け込める具体的な子どもシェルター、これを弁護士さんたちが中心になって開設したというふうに伺っております。
このような民間団体と連携していくことが重要であると思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○朝比奈少子社会対策部長 虐待の防止や虐待を受けた子どもたちへの支援をさらに強化するためには、相談支援を実施をしている民間団体との緊密な連携協力が有意義であると認識をしております。
都は、これまでも、電話相談や、虐待をした親へのケアなどに取り組んでいる民間団体との連携を深めてまいりました。加えて、本年六月から、集団生活になじめない子どもの保護をNPO法人に委託する取り組みを始めたところでございます。
○大河原委員 このNPOとの連携というのは、本当にこれまで東京都の子どもの権利擁護を進めるという意味で、弁護士さんたちも活動してこられた経緯がありますけれども、信頼のできる連携をぜひ広げていただきたい。
今回伺いましたこのシェルターは、子ども七人ですか、しかし、このシェルターを運営していくのに大変大きなお金がかかるとも伺いました。こういう連携を深める意味でも東京都からの支援、ぜひ拡大をお願いをしたいと思います。
そして、一方では、子ども自身が自衛力を持つ、エンパワーメントというふうにも思いますけれども、身を守る方法を身につけるということも一方で必要であるというふうに考えるんですが、これはとりもなおさず、こうした子どもたちが受ける虐待の未然防止につながるというふうに思っております。
福祉保健局として、未然防止策をどのように考えていらっしゃるのか、その点はいかがでしょうか。
○朝比奈少子社会対策部長 児童虐待は、その後の子どもの情緒面や行動面の問題を引き起こすこともあるといわれており、虐待の発生を未然に防止することは極めて重要であると認識をしております。
区市町村が設置をする先駆型子ども家庭支援センターでは、乳幼児健診を受診していない家庭など、子育て支援が特に必要な家庭への支援を行う虐待防止支援法も事業を実施しており、その設置拡充を図るとともに、子育てひろばや一時保育などの子ども家庭在宅サービスの充実のほか、保健所と子ども家庭支援センターがともに育児不安を抱える家庭を早期に発見し、支援していく取り組みを強化をしてまいりたいと思っております。
○大河原委員 この点についても、今いただいたお答えは、小さな子どもにかなり適用する未然防止策かなというふうに思います。児童を十八までというふうに考えても、今までの福祉、それから保健の分野でも、十代、ティーンズ、ハイティーンズ、こういうところへの福祉的な視点というのがやっぱり足りないかなと、どうしてもこれが生文局の健全育成の方に視点が移ってしまいそうで。ただ、あそこへいく前に、自分自身の存在について、やっぱり子ども自身が気がつく、あるいはそれをきちんと教えられる、そういうことが重要かと思います。
私は、やはり十八歳までこの子ども、児童という定義があって、そして福祉局がこれまで進められてきたさまざまな子どもへの施策、これを総合しても、虐待という視点からも、年齢の高い子どもたちへの施策をぜひご検討いただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
最後に、もう一つ要望をお伝えして終わりたいと思うんですが、これはひとり親家庭福祉についての要望でございます。
昭和二十八年から開始された事業に母子自立支援員というものがございます。都は、市の福祉事務所、また西多摩福祉事務所や支庁に母子自立支援員を現在配置しておりますけれども、この事業は、配偶者のない女性で子どもを扶養している方からの相談に応じて、その自立に必要な情報提供など求職活動を支援するものです。
十四年度の法改正で市区町村の役割というふうにされましたので、東京都が現在これをしているということが、役割分担とすれば、既にプラスアルファの部分でしているかと思いますが、都としては今年度で事業を終了するというふうに伺いました。そして、現在、当該の地域では協議が進められているというふうに聞いておりますけれども、地域の事情、状況を踏まえて、ぜひ今後の体制づくりへ支援をしていただきたい。
そのことを要望させていただいて、終わりたいと思います。
○田代委員 後ほどちょっとDMATについてお伺いしたいんですけれども、東京都、今一番その時期ですので、一つ先にお尋ねしたいことがあるんです。
もう四分の一世紀たって、一九八〇年にサンフランシスコで最初にカリニ肺炎とカポジ肉腫という、若い人にでき得ないものが発表されて、CDCが取り上げて、いろんな紆余曲折があって、エイズというものが世の中に大変大きなインパクトを与えてきたわけです。今度の十一月十六日から十二月十五日まで東京都のエイズ予防月間ということなんで、二十五年目を迎える、この四半世紀を迎える今の東京でのエイズの現状について少しお伺いしたいと思うんです。
何といっても関心が余りないような気がするんですね。衝撃的だったのは、十七歳の女性がエイズに感染したという症例があったわけですけれども、どんどん低年齢化している。垂直感染は別として、異性間の交際によって性感染症の中でも一番予後が悪いものの一つに数えられているエイズがこうやって蔓延していっている現状を、東京都の方は今からしっかりと対応していただかなくてはならないんです。東京では一日一人以上のペースで現在もエイズがふえていると、こういう広報もありますけれども、一日一人以上ということになりますと、年間四百人近いHIV感染者、あるいはエイズ患者さんが発生しているということになるわけです。
世界的にもHIVの感染は拡大しておりまして、アジア、アフリカでも四千万人以上なんですが、先進七カ国に限定しますと、新規患者が増加し続けているのは我が国日本だけなわけですね。特に日本全体の人口の一割である東京が、三割の患者さんを持っている。やっぱり率的には非常に高いわけでありますから、少し考えていくところがあると思うんです。
このHIV感染者、エイズ患者さんの報告数が最近増加しているという現状は、東京都から、どのように考えていらっしゃるのかを伺いたいと思います。
○佐藤参事 東京都に平成十五年に新たに報告されましたHIV感染者、エイズ患者数の合計は三百五十九件でありまして、内訳は、感染者報告数が二百六十二件、患者報告数は九十七件となってございます。これは、長期的に見ますと、増加傾向にございます。全国における東京都の割合は、感染者、患者報告数合計の三割以上を占めてございます。
なお、東京都の平成十六年の状況は、十月末現在でHIV感染者、エイズ患者報告数の合計が三百五十二件と、例年同時期に比べて過去最高となってございます。ストップエイズ、感染の拡大を防止すべきであろうというふうに考えてございます。
○田代委員 そうですね。当然、東京都としては、そうやって真剣に今頑張っていただいているわけですけれども、やはりその予防、あるいは治療のために適切な医療が提供されるということが不可欠なわけです。
平成四年ごろまでは抗HIV薬というのはAZTとddIの二剤が主流でありまして、当然飲む時間、あるいは副作用、金額的なこと、いろいろ問題があって、日和見感染症への対症療法が大体中心であったわけですね。当然、当時は感染から平均十年ぐらいでAIDSを発症して、数年後に死亡する。こういう経過だったわけですけれども、一九九七年からは画期的な抗HIV薬としてプロテアーゼ阻害剤が承認されまして、さらに多剤併用、カクテル療法とかいろいろいわれますけれども、HARRTという多剤併用療法が導入されまして、カリニ肺炎などの日和見感染症が治っていくようになり、また、発症をかなり長いこと抑えることができるようになったわけです。
そこで、最近の治療、特に抗HIV薬の承認状況なども含めてどのような状況になっているのか、教えていただきたいと思います。
○佐藤参事 エイズの最新の治療でございますが、以前は先生ご指摘のとおり、対症療法が中心となってございました。最近、アタザナビル並びにテノフォビルの二剤が日本でも承認されまして、現在、十八種類の抗HIV薬が用いられてございます。これらの中から抗HIV薬を三種類以上組み合わせて服用する多剤併用療法により、感染後適切な時期から投薬を開始することで、完治はできないものの、エイズの発症を長期に抑えることが可能となっております。
病態の指標としましては、従来のCD4陽性リンパ球数に新たに血中ウイルス量が加わっております。現在は血中ウイルス量を検出限界以下に抑え続けることが治療の目標となっておりまして、このためには長期間忘れずに薬を飲み続けることが必要となってございます。エイズの発症前に早期に診断いたしまして、このように適切な治療法に結びつけることが重要であると考えておるところでございます。
○田代委員 現在の若者や働き盛りの人たちにHIVの感染が大変拡大しているわけで、これは極めて憂慮すべき状況だと思われるわけです。
特に保健所のデータでは、女性の方、検査を受けた方の性感染症だけではなくて、クラミジアの陽性が三七・一%、かなり高率である。エイズは、もうご存じのとおりに非常に感染力が弱い病気ではあるんですが、片方にいわゆる性感染症がある場合には、それが十倍の力を持つ。両方になればさらに十倍になる。ですから、一回の交渉によってうつっていくということがわかっているわけですから、非常に倍々ゲームで広がっていく。
PCR法に似ていると我々よくいうんですけれども、PCR法というのは、ご存じのノーベル賞を取ったケリー・マリス博士が提唱した、遺伝子をどんどんふやしていく--昔、日本で曾呂利新左衛門という人がいて、太閤秀吉から何が欲しいといわれたら、一日に一粒の米が欲しい、次の日は二粒欲しい、次は四粒欲しい、倍々でいいんだ、一カ月くれればそれでいいんだといって、何のことはない、じゃ、やろうかという話は、皆さんよくご存じだと思いますね。
これと同じことが今、SARSの検査キットであるとか、C型肝炎の検査キットで使われているわけですけど、逆にいうと、そういうところで使われるのはこういう倍々ゲームはいいんですけど、エイズみたいなもので倍々ゲームになっちゃかなわないので、やはりエイズ自身の問題というより、基礎疾患である性行為感染症というものをきちっとコントロールしていくことも大切です。
そうすると、これは強権をもってコントロールするのではなくて、やはり北風より太陽というわけで、わかりやすく、いつでも安心して検査が受けられるような体制を東京都は、今でも努力なさっていることはよくわかるんですけれども、さらに--せんだって、たまたま私のところの患者さんで、やっぱりエイズの方がいらして、検査で東京都にお世話になりました。とてもよくしていただいた。匿名できちっとしていただいて、本人も大変感謝しておりますけれども、昔はこういうことがなかなかできなくて、我々は検査する前に、その人のプライバシーをどうやって守っていいのか、治療よりも検査よりもそればっかりが気になったんですけど、今は随分そこがよく改善されているわけです。さらに低年齢化している中で、しっかりとしたPR、広報みたいなものをしていただけたら大変ありがたいということを要望いたしまして、エイズのところは終わります。
最近非常に問題になっている、三カ月入院したら出てくださいと、これは随分問題になって、僕のところに来る相談も、約四分の一、下手すると三分の一ぐらいはそういう、先生、どうも紹介してもらった病院に行ったら、そろそろ出ていってくれといわれているんだ、どうなっているんだ、先生の紹介で入ったのに、ずっと入れると思ったらといわれるので、こちらの説明も悪いんですが、いろんな健康保険上の取り扱いがあって、しかし、三カ月たって自動的に病気が治ってしまうならいいんですけど、そんなことはないわけでありまして、ある年齢以上の人はさらに悪くなるのが当たり前のことすらある。
実はこうやって高齢化になった中で、いろんな取り組まなくちゃならない医療はたくさんあるんですけど、その中で実は一番都民が希望している治療の一つにリハビリというのがあるんですね。リハビリは東京都も大変しっかりと取り組んでいて、ほかの地方自治体に比べて数段しっかりと取り組みをしてはいるんですが、やはり数的には圧倒的に足りない。特に今問題になっているのは、昔でしたらば、一つの病気だけをしっかりとした専門病院が診てあげると、患者さんも感謝したし、ある程度答えも出てきたんですけど、今のように、糖尿病もある、そしてリハビリも受けなくちゃいけない。
私が今一番困っているのは、透析を受けなくちゃならないんだけど、透析を受けながらリハビリも受けなくちゃならない。そういう病院が物すごい少ないんですね。強いていえば都立病院ぐらいしかないですね。それから、血液の病気がある、リハビリも受けなくちゃいけない。リハビリと血液というのは、いわゆる悪性の血液の病気とリハビリとは非常に難しいところがあって、特に骨折なんかしますと、もともとつくる工場ですから、それがおかしくなっちゃうと、どうにもならない。幾つかの病気が重なっている中にリハビリというものがあると、三カ月という期限で切られちゃうと大変困るので、これは東京都にすぐどうしてくれ、こうしてくれというものではなくて、東京都から国へ向けてしっかりと要望を上げていただきたい。国でも、もうちょっとリハビリに対して地方自治体に手厚い補助、あるいは協力体制をとっていただきたい。
うちで知っている患者さんは、残念ながら千葉の方に、長期入院できる病院に入って、都立病院にいたときは動いた手が全く動かない状態になってしまった。これはリハビリができない。でも透析しないと、これはどうにもならないですから、透析病院に入るしかないんですね、命の方ですから。大変残念で、じゃ、その人が手が動いたら、将来どうなるかといわれても、確かに高齢者の方ですから、答えは非常に難しいかなと思いますけども、やはり全国に率先して東京都はリハビリに対しての考え方をしっかり表に打ち出して、国の方にご意見を上げていただけたら大変ありがたいと思いますけど、それは何かご意見ございましたら、教えていただけたらと思います。
○野村高齢社会対策部長 先生お話しのとおり、我々も、高齢社会を迎えまして、リハビリというのは非常に重要な問題だというふうに認識しております。
ただ、しかしながら、現在の施策の状況を見ますと、例えば区市町村における介護予防、これはリハビリも含めますけれども、それから老人保健事業の機能回復訓練、それから医療としての急性期リハビリ、これが施策体系がばらばらになっているというふうな状況がございまして、そういう意味では非常に非効率なシステムになっております。
したがいまして、我々としては、こうしたものをきちんとして体系化をし、一体的に運用して効果を上げていく必要があるだろうというふうに考えております。四月の介護保険制度の見直しに向けた東京都からの提案、その中にはそれを大きな項目として取り上げまして、具体的にはこれらが総合的かつ一体的に提供され、十分な効果が発揮できるよう、利用者の視点に立って、給付の体系を統合整理してほしいという要望を出しております。
国におきましては、この東京都の出した提案の方向に沿って、現在見直しが行われているというふうに聞いております。
○田代委員 なかなか大変でしょうけど、頑張ってその方向を進めていただけたら大変ありがたいと思います。
先ほどちょっと、順番があれになりましたけど、DMATのことなんですが、もう一度ここでおさらいでDMATというのはどういうものだか、ちょっと教えていただけたらありがたいと思いますけど。
○菅原医療政策部長 DMATというものは、大都市における大規模な災害時に一刻も早くその災害現場に駆けつけて、被災者に対する治療を施すということで、特別に医師と看護師、その他で構成するチーム、DMATチームでございます。
○田代委員 そのとおりなんですけど、基本的には量的にまだ圧倒的に足りないですね。お気持ちはよくわかりますけど、やはりもうちょっとしっかりと広域の、例えば東京都で起きたときには、今のDMATの数では全然足りないわけですから、DMATごっこにならないように、DMATをしっかりとつくっていく。
これは、自衛隊との関係もとても必要だと思うんですね。その自衛隊に対しての云々かんぬんということはともかくとして、少なくとも国民、都民の生命を守るという大前提のもとでは、自衛隊は絶対不可欠なわけでありまして、また、そちらの方にどんどん役割を広げていくことを進めていくのも、東京都の一つの先見性というか、仕事だと思っています。
ですから、DMAT自身が実行力のあるような形で、移動の方法、あるいは人を呼びかける方法、いろいろあるんでしょうけど、これが余り独自過ぎちゃって、ほかのシステムとぶつかってしまっても困るわけですから、重なり合うところはなるべく少なくして、実行力が上がるように--特に今度の中越のときもそうでしたけれども、やっぱり最初の、僕が入った四日後というのはまだライフラインが全然ないので、そのときがみんな精神的に一番嫌になっちゃっているわけですよね。どかんと入って、みんなにぎやかに来てくれると、よし、頑張っていこうという気持ちになるのでありまして、やはり最初が大切。いつか来てくれるだろうというのは、こちら東京にいる、あるいは周りにいる人はそれなりにわかるんですけど、その現場にいる人たちから見ると、非常に不安が強くなるわけで、そのときに緊急的に入っていく。別にそのときに自衛隊の制服にアンチなんていう変わった人はほとんどいないと思いますから、それはきちっと国民を助けるという仕事をしていく中で、DMATがきっちりと協力体制がつくれるような状態であると大変ありがたいと思います。
特に今度、トイレの数、新聞にも出ていましたから、ご存じのとおりに三百という数ですけれども、十万人近くの人がああやって避難していて三百で、水が流れないトイレというのは、あってもなくても同じみたいになっちゃうんですね。どこかの議員が視察に行って簡易トイレを借りたんですか、借りて、余りのひどさに、おれをだれだと思っているんだと怒ったというけど、議員がそれほど偉いのかどうかはともかくとして、それこそ普通の人だったら、ちょっと使用にたじたじとするであろうと、僕自身も使ってびっくりしました。
たまたま水が流れない簡易トイレのひどさというのは、そのときになってみなくちゃわからないんじゃ困るので、いつでもきちっとトイレが用意できるように、やっぱりそれには最初からある程度の人員を投入しておかなくちゃならない。DMATだけではなくて、DMAT中心としても、自衛隊も使う、東京都も総力を挙げて、東京に直下型が来たときに対応していただきたい。
それがどこまでできているか、細かいことはともかくとして、今、一つトイレに限定してみると、どのぐらいこの千二百万人都民のトイレが用意されているのか、数がわかれば教えていただきたいと思います。
○笠原生活福祉部長 簡易トイレの数でございますけれども、約一万個でございます。
○田代委員 一万個が多いか少ないかは、水が流れないときのトイレとして考えると、一千二百万人一遍にそうなるわけじゃないからいいじゃないかとおっしゃいますけど、少なくとも阪神・淡路よりも中越が大きくなったわけですから、今から小さな地震が必ず来るとは限らないわけで、どういうことになるのか。特に新幹線が本当に奇跡的に事故にならなかった、脱線だけで済んだという中では、ほっとしているわけですけれども、いろんな大きなことがあるとすると、一万で果たして足りるのか足りないのか。じゃ、一万以上用意するときの経済的な負担はどうするのか。来るか来ないかわからないものに対しての負担も考えなくちゃならない。ここは非常に微妙な難しいところだと思うんです。
最後に、一つちょっと腹立たしいことがありましたので。
最近、自己責任という言葉が、イラクに入って惨殺されてしまった青年に対しても、右から左から自己責任という言葉がいろんなふうに出てきて、逆にまた非常に偏向的なところからは、反戦の勇者としてあがめ奉ろうと、日本人というのは勝手なことをいう民族ですから、変わったのもいるわけですけども、基本的には自己責任というものをどう考えるかということで、大きな問題になっていたんです。
実は中越地震が発生して三日後の十月二十六日に、地震で土砂崩れ災害が起きて、道路が寸断されて孤立した長岡市蓬来地区に入り込んだ報道関係者六名が、航空自衛隊のヘリコプターで救助された。勝手に取材に入って身動きできなくなって、助けてといったというんですね。当然それに対して救助したんですけども、こういう一番大変なときにそういうことがあったので、新潟県の災害本部が各社に抗議したというんですけど、これは当たり前のことで、僕でさえも行くときには、死ぬか生きるかじゃなくて、死んでもいいですよというのに判こを押して行ったわけですから、命は自分で守ります、全然あれしてくれなくていいですよ--どうも最近、さっきのおトイレを借りて威張った議員さんとは別に、マスコミが異様に何か権力を持って、どこへ行ってもマスコミなら何でも許されるような、報道の自由ということで横暴きわまりないといわれる一方で、自己責任がとれないんであっては大変困るのであります。
東京都としても、いろいろな広域災害が今から起きると思うんですけれども、マスコミ規制をどのようにお考えになるか。今からやっていくべきだと僕は思うんですけれども、何かいい方法があれば教えていただきたいと思います。方法が今すぐには思いつかないと思います。僕もどうしていいんだかわからない、やっぱり報道の自由はとても大切ですから。ただ、災害を、見に行ったわけじゃないんでしょうけど、取材に行って助けてくれというんじゃ、余計手間暇かかっちゃうわけですから、そこをどういうふうにしていくか、答えはともかくとして、どういうふうに改善していくか、いかないかというようなお気持ちがあれば、最後に教えていただきたいと思います。
○吉川総務部長 今回の新潟中越の件で、今、田代先生がおっしゃった、現場でどういう事態が起きているのかというのは、私どもの局は、災害医療対策であるとか、救援物資の担当局として、この間、新聞であるとかテレビであるとか、それなりに注視してきたわけですが、報道であらわれている場面というんでしょうか、画像に見えている、もしくは新聞の記事になっている以外に、やっぱりかなり混乱しているという中に、先生がおっしゃった、代議士というか、国会の先生だったそうですけれども、現場へ行った際に、トイレが用意していないのは何事だみたいな感じのこともあったというのも、私も同じように承知しております。
今、マスコミのお尋ねですが、今回の我が局でも、知事が台湾にご出張されている際に、知事のご決断で、国からの要請もなく、それから新潟県も混乱しておりまして、そういう中で直ちに救援物資を搬送しろということで、自衛隊機で協力的に直ちに送ったわけですけれども、あの際も、私どもの局も普段訓練しているつもりなんですが、かなり職員も混乱しました。
そういう中で、やはりどういう形で報道機関に伝え、どういう場面で報道の取材をしてもらうかというようなことは、事前にかなりきちっとルール化しておいて、かつ報道機関にもきちっと伝えておかないと、正直いって、どの時間帯で、だれがいるときに起きるかわかりませんので、そういう意味では、例えば局長が不在のときに起きたりとか、そんなことも想定されますので、今回の私どもの反省点として、そういうことについては所管局とも十分整理をしていく必要があるかなというふうには思っております。
○馬場委員 私は、七年前にこの厚生委員会で質問をさせていただきました動物の愛護と管理についてというのをさせていただきます。
その後、東京でも少子高齢化、核家族化が進み、さらに多くの動物が飼われている状況にあるというふうに思っておりますし、また、特にそれが人生のパートナーとして大きな位置を占めている。昨今のCMの中にも、クーちゃんというんでしょうか、かわいい犬が登場し、そしていなくなった後たくさんの子どもを連れて帰ってくるんですが、こういう状況が何をあらわしているのかというのはおいておきまして、こうした動物を飼うということがきちんと責任を伴うことだ、近隣も含めて、あんな状態で戻ってきてもらっては困るわけですから、その後のことも含めてルールをつくらなければいけないのではないかということを前にも述べさせていただきました。
そのルールをつくるためには、まず、飼うこと等について正しい知識や動物への虐待、遺棄、そんなことが起こらないように、そういうことの結果として、地域猫、野良猫といわれるような飼い主のいない猫等の問題も発生をして、さらにトラブルを生ずる原因となっている、こんな状況がやはりまだまだ改善されていないというふうに思っています。
このような人と動物を取り巻く社会環境の変化に対しまして、飼い主はもとより行政、地域社会ということで大きくルールをつくっていかなければならない。このことを提起しているこの間、平成十一年から十二年にかけまして、国の方の法律、そして都の条例等改正、施行がされました。
さらに、東京では本年三月、東京都動物愛護推進総合基本計画、ハルスプランというふうにいわれておりますが、これが策定をされました。この計画は、行政と都民、民間の動物愛護団体等が手を携え、協力のもとに、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を図ることが目的とされています。
その内容は、東京都が策定する動物愛護推進の総合基本計画であるとともに、動物愛護に取り組む都民を初め動物愛護団体などの共通指針としての性格を持つものであるというふうにされております。
この基本計画のプランにもありますように、地域での動物愛護を推進する、つまり、それぞれの地域の特性がある中で、こうした問題を地域の課題として取り上げていく、このことについて、国の方、そして東京都の条例でも、動物愛護推進員を委嘱をし、地域の活動の担い手になることができるということになりました。
この動物愛護推進員さんが動物にかかわるさまざまな地域の問題解決の重要な担い手ということでございますので、本日は、この動物愛護推進員という制度について、どのような役割と使命を持っていらっしゃるのか、まずお伺いをいたします。
○小松感染症・環境安全担当部長 動物愛護推進員は、地域における動物の愛護や適正な飼い方の身近な相談員として、住民の相談に応じたり、動物の飼い方の助言を行うなど、動物愛護を推進する活動を行っています。この推進員の適切な活動を通じて地域の動物愛護を推進し、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指しております。
なお、推進員は、お尋ねのとおり、動物の愛護及び管理に関する法律及び条例に基づき都知事が委嘱するもので、任期は三年でございます。
○馬場委員 この広い東京で、どんな方が推進員になればいいのかというようなことも検討されたというふうに思いますが、それではどのような方がこの推進員として現在委嘱をされているのか。また、その手続、そして現在までの委嘱の状況はどのようになっているのでしょうか。
○小松感染症・環境安全担当部長 推進員の条件といたしましては、都内在住の二十以上の方で、動物の愛護と適正な飼育について熱意と知識を有し、動物愛護の活動実績があり、行政の事業に協力できる方が対象となります。
なお、委嘱に当たっては、事前に動物愛護団体等で構成する動物愛護推進協議会に諮っております。
現在までの委嘱の状況につきましては、平成十五年度から当面三百名を目標に段階的に委嘱をしておりまして、本年度までに動物愛護団体等からの推薦のあった方を中心に、百九十五名の方に委嘱をしております。
なお、平成十七年度は、さらに一般公募を含め、百名の方に委嘱をする予定でございます。
○馬場委員 約三百名の推進員が十七年度から活動するということになると思います。
それでは、この動物愛護推進員というのは具体的にどんな活動をするということでしょうか。
○小松感染症・環境安全担当部長 推進員は、それぞれの地域で自主的、自発的に動物に関して専門性を生かしたり、または得意な分野でさまざまな活動をされていらっしゃいます。
具体的な活動の事例といたしましては、区や市と連携して、地域の動物愛護セミナーの開催、犬のしつけ方教室の講師としての協力、また学校飼育動物について小学生を対象に動物愛護に関する普及啓発活動などがございます。また、行政では引き取らないフェレットやプレーリードッグの引き取り譲渡も行っている事例もございます。
○馬場委員 私は、地域での活動の拠点に、また、かなめになるということで、この動物愛護推進員さんの活動というのに大変期待をしているんですが、実は先月、こうした動物愛護について問題意識を持っている地域の皆さんと懇談会を持ちました。その席で、地域の推進員さんの形、姿が見えない、見えにくい、どういうことをやっていらっしゃるのかわかりにくいというようなご意見がありました。
そのときに、いろいろ推進員さんにご苦労かけているんだけれども、実は住所、それから氏名等の公表というのを、しているところもあるということですが、していないところもある。それは、やはりトラブル等を含めて、そこへ地域から集中をしてしまって大変苦慮をしているという状況があるので、住所、氏名等については公表をしていないところもあるというようなお話でした。
そうなると、せっかく推進員さんがいらしても、その地域で、だれが、どこで、どういうふうにしているのかというようなこともなかなかわかりにくい。つまり活動が見えないということになるのではないかなというふうに思いました。
法律では、推進員さんの活動の目的として、住民の求めに応じて助言や支援をするというふうになっております。この住民の求めというのを、じゃ、どこで、どう受けとめるのかというふうな問題もこれからあると思いますし、先ほど申し上げたトラブル等も含めて、この推進員さんの活動が本来の法や条例に基づいて実効性のあるものになっていく。そういうことをしていくためには、この推進員さんの活動というものを推進員さん自身、そして東京やそのような地域の中での連携、つまり、この推進員を委嘱するために、法では協議会が委嘱を担当するというふうになっているんですが、選ばれた推進員さんの共同の活動の場、そして支援というものがなければ実効性が担保されないのではないかというふうに思っています。
また、その活動も、現在のところ完全ボランティア、つまり費用等も出ませんし、また、何か事故に遭ったときの災害に対しての補償も出ていないのではないかというふうに思います。そういう意味で実効性のある活動をさらにしていただくためにも、ボランティアの皆さんに保険をかけるとか、活動をもっとしやすくできるような、そんな支援が必要というふうに考えますが、いかがでしょうか。
○小松感染症・環境安全担当部長 推進員への支援といたしましては、活動に必要なポスターやパンフレットの提供や、推進員の資質向上のための研修会、講習会の開催などを実施しております。また、活動中にトラブルが発生した場合などは、区市町村と愛護団体とが協力して対応することになっております。
今後は、推進員同士の連絡会や活動事例報告会等を開催するなどして、推進員相互の連携、協働を進めていくとともに、ご指摘の推進員活動を行う中で安全面の方につきましては、動物愛護推進協議会で具体的な支援策を協議してまいります。
○馬場委員 この協議会とそれから推進員さん、三百名でこの十七年度から活動していただけるわけですが、ここが連携をして地域の実情をきちんと受けとめて、トラブル等を解決できるような、そんなきちんとした仕組みをこれからつくっていかなければならないというふうに思っています。
そういう意味では、さらに都としても、国のこの動物愛護推進協議会というところは、国の法で定められているところですが、東京では、国が定めている動物愛護推進員にさらに都の条例で活動を上乗せといったらいいんでしょうか、付加して推進員を委嘱しているという状況にあります。
都は、協議会でなく、審議会を持っているというふうに条例に書かれております。こうした活動についてさまざまな課題をこれから、協議会は協議会、そしてできれば東京は審議会でその辺の活動をぜひ検討していただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
さらに、この中にもう一つ実はつけ加えさせていただきたいのは、動物への虐待です。学校での飼育動物の虐待が起きて、何度か問題になったことがありますが、地域でも、目立たないだけで、やはりいたずらからエスカレートして虐待になっているということを先日のその会議で伺いました。こうした虐待と思われるような状況を、地域の一般の方や、それから推進員さん等が解決をするというのは大変難しいことなんだというふうにお話がありました。
一方で、今回の法改正で、三万円以上の罰金を百万円以下の罰金というような、そんな法もできているんですが、それが本当に実効性があるかどうかというところで問題があると思います。そういう意味では、動物の虐待、遺棄、そういう難しい問題についてぜひ警察等の対応を一緒にお願いをし、そこで必要なことは、推進員さんにできないことは警察にしていただく、そんなような解決方法をぜひこれから検討をしていただきたいというふうに思っております。
これは、先ほどの何らかの国制度なり、都の審議会なりでぜひご検討いただきたいというふうに思います。
今回も、どのぐらいの虐待というのが起こっていますかということをお尋ねしたところ、やはり都としては、虐待の実数、状況というのはなかなか把握されていないというようなことでしたので、これからはそういう意味では未然に防ぐということも含めて、ぜひ共同して、子どもの虐待とかDVとかと同じに扱っていただければありがたいかなというふうにも思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
もう一方で、飼い主のいない猫ということで、地域猫というふうにいわれておりますが、この地域猫についての苦情や被害、トラブルに対する対策ということで、東京では大変取り組みを進めていただいて、平成十一年三月に猫の適正飼育推進策について動物保護管理審議会の答申を受け、先進的な取り組みとして、飼い猫の室内飼育の推進、さらに飼い主のいない猫に対しては地域で問題解決を図る取り組みを支援するという方針を打ち出しておられます。
中でも、平成十三年度からの飼い主のいない猫との共生モデルプランへの取り組みについては、地域から要望も多く、地域の合意を目指した活動の考え方が広まりつつあると聞いております。
そこで、飼い主のいない猫との共生モデルプランについて、現在までの実施状況とハルスプランを踏まえた今後の展開について伺います。
○小松感染症・環境安全担当部長 飼い主のいない猫との共生モデルプランの事業内容は、地域の合意のもとに猫の不妊去勢手術を実施し、えさやりの方法やふんの処理など猫の管理を適切に行っていく活動に取り組んでいる地域を、都と区市町村が連帯して支援するものでございます。
平成十三年度から平成十五年度までの実施状況につきましては、三年間で十地区の計画でございましたが、地域からの要望も強いため二十地区をモデル地域に指定して取り組んでまいりました。
この実施結果に基づき、具体的な解決策を取りまとめたガイドラインを作成し、区市町村、地域住民の皆様に提供いたしますとともに、都におきましては、区市町村と連携しながら、引き続き技術的、専門的支援を推進してまいります。
○馬場委員 最後に、意見を申し上げさせていただきます。
地域猫についても、決してほうっておいてはいけないという気持ちから、私財を投じてその生命を守っているというような状況の中で、避妊、去勢も含めての何らかの支援等を東京に求めていることについて、この推進員制度を含めてこれから対応をお願いしたいというふうに思っております。
また、きょうは新潟県の中越地震被害者に対する支援についてということでご報告を受けました。これは人的支援だけでございましたが、きょうこの質問をするに当たり、ペット等の支援ということも、この地震の中で報道がありました。東京では三宅島の前例もございます。こうした問題も含めて、心のケアというお話もさっき質問で出ましたが、ペットは家族と同様という状況の中での対策、被害者対策ということで、これも事前に何らかの機関で地域の皆様と検討をぜひお願いしたいというふうに思っています。
先ほども述べましたが、国でも、あり方検討委員会というところで、委員の皆さんが、この法、推進員制度等について、予算措置がされていなくて活動してほしいといっても大変無理ですね、ぜひ国としても予算措置が必要ですねというような、あり方検討委員会での発言もございました。
東京でも同じような状況にあると思いますが、ぜひこの辺は国と共同して、推進員さんの安全、そしてこの活動がきちんとなし得るような支援策、それからこの推進員さんの四つ目の目的として、国や都の活動に推進員が支援をするという目的も入っております、そういう意味では、国や都、行政が一方的に推進員さんの支援をするということだけでなく、このことについて国や都もきちんと政策として取り組み、それについて推進員さんに手伝っていただくというような、そうした連携作業を進めていただくよう強く要望して、質問を終わります。
○大山委員 それでは、予定された最後の質問者ということで、よろしくお願いします。
まず最初に、私は、特別養護老人ホームに関して質問いたします。
東京都は、介護保険実施と同時に、特別養護老人ホームの運営を充実するための都加算補助、九九年度の予算で二百三十五億円ありました、これを廃止したわけです。経過措置としての特別養護老人ホーム経営支援事業が創設されましたが、二〇〇四年度予算でわずか三十一億五千四百万円にすぎません。二百億円以上の削減になっているわけです。
私たちは、削減されて五年たったわけですが、東京の特別養護老人ホームがどうなっているのか、改めて調査をいたしました。短期間の調査だったんですけれども、介護保険以前に設置されていました三百施設のうち、二割を超えます七十施設から回答を寄せていただきました。この調査を行いまして、都加算補助の廃止に加えて、十五年度には介護報酬が削減されて、大変な現状が浮き彫りになってきました。きょうはこれらの実態などに基づいて、特別養護老人ホームへの支援の拡充を中心に質問いたします。
特別養護老人ホームでは、介護度の重い人がふえたというふうに回答した施設が五二・一%でした。高齢化が進んでいると回答したところは三八・七%ですから、重度化、高齢化が進んでいるといえます。ですから、手厚い介護がより必要となっているわけです。ところが、運営費が大幅に削減される中で常勤職員を減らさざるを得ない、こういう事態になっています。
その実態は、東京都が毎年行っています社会福祉施設等調査報告でも明らかになっていて、特養ホームの利用者はこの五年間に四千人ふえましたが、常勤専任職員は逆に二千人以上も減っています。特別養護老人ホームの質の充実という点からいったら、明らかに後退することが起こっているといえるわけですが、この状況をどのように考えているでしょうか。
○野村高齢社会対策部長 私どもは、平成十二年の介護保険導入以前におきましては、特別養護老人ホームは措置施設でございまして、都としても加算等をいたしておりました。しかしながら、平成十二年四月の介護保険制度導入に伴いまして、基本的には特別養護老人ホームは介護保険制度で運営する施設というふうになっております。ただ、私どもは、今、先生お話しのとおり、経営支援事業等も行いまして、経過措置で行っているところでございます。
○大山委員 経過措置を行っていて、それは重々承知の上で、その経過措置の中で、九九年度と比べても二百億円以上減額されている中で、施設入所者がふえているのに常勤職員が減るという事態になっているんですよというふうにいっているわけですよ。
私たちの調査でも、利用者に対する介護の対応が弱まった--これは普通、自分たちは一生懸命やっているわけですから、なかなか答えづらい質問だなというふうに思いながら聞いたわけですけれども、介護の対応が弱まった、もしくは難しくなったと答えたところは三一・四%あります。
重度化、高齢化が進んだというふうにさっきいいましたけれども、その上常勤職員を減らさざるを得ない状況に追い込まれた結果、どうなったかといえば、基本的なサービスだけで手いっぱい、週に三回できた入浴が二回しかできなくなったとか、食事や入浴にゆとりがなくなった、生活にも余裕がなくなってきているという実態が明らかになってきています。
同時に、生活を維持するだけではなくて、利用者の生活を豊かにするための対応、これについても弱まった、難しくなったと答えたところは三二・四%です。ですから、職員は必死に頑張っているけれど、入浴のときにゆったりと言葉をかけながら入れてあげる、そういうことがはばかられたり、ましてや生きがいや気持ちの張りを持つような、生活の質を豊かにする対応にはなかなか手が回らないというふうになってきているわけです。しかも、非常勤化で、十分な知識を持ったスタッフが介護に当たっているとはいい切れず、サービスに何らかの影響が出ているというふうに書いた施設長さんもいらっしゃるんです。
これほどまでに利用者に影響がある補助の削減をどう認識しているんでしょう。
○野村高齢社会対策部長 先ほども申し上げましたとおり、私どもは、平成十二年四月、介護保険制度導入以降は、基本的には特別養護老人ホームは介護保険に基づく運営をすべきだ、運営の施設になっているというふうに理解をしております。
先ほども申し上げましたが、経過措置としまして、特別養護老人ホーム経営支援事業ということで、例えば利用者サービスの維持向上のための経営基盤の整備ということで、基本分といたしまして、体制整備とか、健康管理とか、地域福祉貢献とか、退所時支援、そうしたものについて独自の加算をしているところでございます。
○大山委員 切ったという事実はあるわけですよ。それで五年たった今どうなっているのか、その現実を今、私は、こんなことになっているんですよというふうに、実態調査をもとにいっているわけですよ。
例えば、補助金の削減で、ある特養ホームでは、一度は人件費を抑えなくちゃいけないということで、非常勤化にして人件費を抑えたんです。しかし、非常勤にしたら入退職が激しくて、サービスの標準化が困難になった。結局、昨年度、三対一までは常勤に戻したというんですね。人件費を削るというのはこういうことなんですよ。職員が定着できない、介護の質にかかわってくるということなんです。
しかも、重度利用者が多いので、入退所が多くなって、常に新規利用者への対応に時間をとられるという状況になっているらしいんですね。つまり、生活全体を支援して、利用者が最後まで人間として尊厳を持って生きることができるように処遇するためには、介護報酬は余りにも不十分だと、これは一ついえると思うんですね。
これは国に充実を求めるべきだと思いますが、どうですか。
○野村高齢社会対策部長 先ほどからも再三申し上げましたとおり、現在の特別養護老人ホームは基本的には介護保険制度で運営する。なおかつ、我々は、先ほど申し上げましたとおり、経営支援事業におきまして加算をしているところでございます。
この介護報酬が高いか低いか、これについてはいろいろ議論がございますが、国の方で現在、第三期の計画に向けて検討しておりますので、その中にさまざまな意見を私どもとしてもいっていきたいというふうに思っております。
○大山委員 高いか低いかというのは今、検討しているんだ、国が検討しているときに、そうしたら東京都としては、介護報酬がこれだけ少ないんだから、こういう実態になっているんです、だから上げてくださいと要望を出すというのは、これは当たり前だというふうに思いますよ。
しかも、東京だけが厳しいわけじゃないんですね。例えば、島根県の施設でも、特養ホームでも、重度化や痴呆化が進んで、労働強化だとか、居住者や職員が望むゆとりの介護や個別の心身ケアなどができなくなっているというんですね。それで、介護報酬では三対一になったけれども、措置制度だったら、職員の配置増というのは措置費の増額を意味していたけれども、介護保険では三対一になっても四対一のときとほとんど変わらない介護報酬だというわけですよ。だから、東京だけじゃない、全国から見たって低いんだというのは、客観的に証明されているわけですから、ぜひ東京都、物価も日本一高いわけですから、とりわけ介護報酬を高く要求するというのも、これは当然だというふうに思います。
今いったように、人件費も高い、物価も高いこの東京で、全国一律の、しかも低い介護報酬だけで、望ましいサービス水準を維持することはできないというのは当たり前だと。調査でも、都加算補助の廃止の影響について、大変大きなものがあったということと、大きなものがあった、これを合わせますと、何と六八・八%の施設に上ります。今のような厳しい運営状況が続くんだったら、今後、特養ホームの増設にも重大な支障を招くことになるというふうに憂えているわけです。
経営支援事業の存続、拡充を初め、特養ホームへの都の支援を拡充強化する必要があると思いますが、どうですか。
○吉川総務部長 先ほど来高齢社会対策部長が答えていますが、先生、一点だけ大事な点がありますから、私の方から答弁させてもらいますが、介護保険制度に入ったときに、これまで大変手厚かった都の補助を国制度が導入したんですよ。先生、三対一、三対一とさっきからおっしゃっていますが、全国で東京都だけが三対一をやっていたんですよ。それを、全国が四対一だとかやっていたものを、介護保険制度は都のルールを取り入れて水準を決めたんです。
それから、もう一点大事なのは、介護保険になって十五年度のときに介護報酬を改定しましたけれども、それは在宅のサービス事業者に比べて特別養護老人ホームの経営者の利益率が高いから、引き下げの改定をしたんです。そういう中でございますから、先生、大変現場で厳しい厳しいということをおっしゃいますが、全国の経営者で私、聞いたことがありますけど、東京都のおかげで高い水準で介護保険に入れたといっていて、逆に東京都の施設経営者は今まで東京都の大変手厚い状況の中で、いわゆる工夫するという姿勢が欠けているんじゃないかというような、逆なご指摘も受けていることを申し上げます。
○大山委員 よくもそういうことがいえますよね。東京だけが大変なんじゃないというのは、さっき述べましたよ。その島根県のところだって、結局、職員の皆さんが労働強化されたり、ゆとりの介護ができないんだ、個別の心身ケアもできないんだ、本当に自己矛盾に陥るわけですよ。だから、次第に仕事への展望を失って、燃え尽き症候群みたいになって退職する労働者が続出したんだと。この園でも、介護保険開始以降の離職者は、正規職員で四十人、パート職員三十人、全職員の半数以上の職員が四年間で入れかわった。これは東京都じゃありませんよ。
それが、東京だけが低いんじゃないというのは明らかなんだということですね。しかも、自分たちで補助金を削っておいて、現場がどういうふうになっているのかというのを直視しないのは、本当にひどい話だというふうに思っています。
ですから、この経営支援事業を今後、私たちは拡充しなさいというふうにいっているわけですけれども、さっきの答えにはなっていないと思うんですが、どうなんですか。
○野村高齢社会対策部長 経営支援事業につきましては、現在の介護保険制度の見直しが行われておりまして、国の動向も大きく変わっておりますので、そうしたものも視野に入れて今後検討していきます。
○大山委員 検討するというのは、抜本的に拡充を検討してもらいたいというふうに思っています。さらに削減するなんていうことは、とんでもないということをいっておきます。
特別養護老人ホームは、入居者のQOL、クオリティー・オブ・ライフですね、向上させる観点で、最初のころは六人部屋ぐらいだったんだけれども、だんだん進んで、一部屋の人数も減らして、今はどちらかというと、十数人の単位で一つのユニットというか、小規模特養が幾つか集まったようなユニット型の特別養護老人ホームもふえてきているわけですね。さらに、特別養護老人ホームに入居している人が地域に出ていって、デイサービスを受けるというようなやり方、私も宮城県で、ユニット型も、それから逆デイサービスというのもやっているせんだんの杜というところも行ったんですが、民家を借りて、痴呆の方がデイサービスを受けていて、私たちが行ったら、お客さんが来たというので、お茶を入れてくれる人がいたり、お菓子を持ってきてくれる人がいたり、おしゃべりしたりということで、本当に痴呆の方も普通の生活というか、安定した生活ができるということでは、そんな様子も見てきました。
これらは、高齢者の生活の質を高めるということでは非常に重要なことだと思いますので、第一回定例会でも、この東京でも推進をということで求めたわけです。
このような個別対応がしやすいユニットケアだとか逆デイサービスについて、どのように評価していますか。
○野村高齢社会対策部長 私ども、今お話しのユニットケアとか逆デイサービス、これは大きな一つの時代の流れの中にあるだろうと考えております。
私どもは、現在におきましても、この両制度につきましては、先ほどから申し上げておりますとおり、特別養護老人ホーム経営支援事業におきまして、各施設の先駆的な取り組みということで加算を行っております。ちなみに、平成十五年度は、居室内ケアにおける利用者個人の空間を確保するため、三十八施設におきまして、間仕切りの設置に対し支援を行いました。平成十六年度は、約三十の施設におきまして、逆デイサービスの取り組みを支援するための協議をしているところでございます。
○大山委員 間仕切りをつくるとか、それから逆デイサービスへの出発するための支援だというわけですけれども、例えば今、関係者の間で常識といいますか、ユニットケアでは二対一の職員配置が必要だとか、逆デイサービスも力のある職員配置が必要なんだというのは、これはいわれているわけですよね。ですから、支援の充実、運営についても、ユニットケアではより手厚い職員配置が必要になるわけですから、それも実現できるような支援こそ求められるというふうに思っています。
経営支援事業で加算しているというふうに今おっしゃっていたわけですけれども、結局、必要性があるから加算しているということですね。ですから、さっきいったみたいに、わずかな加算ではとても成り立たないわけですし、質の充実が求められているということなんです。
それで、私たちの調査でもそうだったんですけれども、経営支援事業をさらに充実することが必要だというのは、私たちだけがいっているんじゃないんですね。例えば、東日本監査法人というところが出版した本の中でも何といっているかというと、東京では介護保険後も厳しい運営という見出しの中で、ある程度の常勤職員削減、パートの導入、給与や諸手当を抑えていくしかない、職員の労働過重も問題だと指摘しています。措置時代の方が利用者に対する事故が少なかったという声すら聞こえてくると、東京の特養ホームの運営の厳しさをリアルに指摘して、その後何といっているかというと、身体拘束禁止にしても、個室化にしても、ケアの質を保つには、直接処遇職員は二対一が最低で、一対一が望ましいと思っています、そういうふうに述べているわけですね。ですから、これらのことからわかるように、抜本的に拡充することこそ必要だというふうに思っています。
ところで、来年三月で経過期間が切れて特別養護老人ホームの対象外となる旧措置による要支援の対象者というのがいらっしゃると思いますけれども、今、何人いて、都としてどのような支援を考えているんでしょうか。
○野村高齢社会対策部長 現在の特別養護老人ホーム入所者のうち、来年三月で入所対象外となる自立、それから要支援の方は、本年八月現在で都内で約三十名でございます。
それから、施策でございますけれども、この対象外となった方が地域生活に円滑に移行できるよう、退所支援計画の作成とか、退所後の定期的な訪問調査によるフォローアップなどの区市町村の取り組みに対しまして、私どもは包括補助事業により支援しているところでございます。
なお、先ほどの経営支援事業の今後についてでございますけれども、私どもは基本的にはこの経営支援事業は、平成十二年四月の介護保険の導入に伴いまして、民設民営の特別養護老人ホームが介護保険制度に円滑に移行するとともに、利用者サービスの維持向上のための経過的な支援措置だと考えておりまして、今後これをさらに拡充するということは考えておりません。
○大山委員 円滑な退所、それから、その後、生活に困らないようにきちんと支援していってほしいというふうに思っています。
最後につけ加えたことですけれども、十二年で終わっているんだということですけれども、本当に、自分たちが補助を切っておいて、現場がどうなっているのかぐらい調べてくださいよ。それもやらないで、介護報酬だけでやるんだ、それの一点張りなんていうのは、とても納得できないというしかありません。
整備のことですけれども、特養の待機者は二〇〇三年の調査では二万五千人に及ぶということになっていますけれども、特養ホームの整備は用地費助成を堅持するというのが一つ重要なことですし、整備目標も挙げて増設や増改築を進めることが必要だと思いますけれども、これについてはどうですか。
○野村高齢社会対策部長 平成十三年度の調査によりますと、都内の特別養護老人ホームの入所希望者数は約二万五千五百人でございますが、そのうち介護保険施設へ入所している方以外で一年以内に入所を希望される方は、全体の約三割で、七千二百人と推計しております。
現在の整備目標は、こうした状況も踏まえまして、区市町村と十分な調整を図った上で、第二期介護保険事業支援計画において設定したものでございまして、計画に基づき特別養護老人ホームの着実な整備に努めてまいります。
○大山委員 着実に整備していくんだということですけれども、現在の目標に対する到達率と最終年度の到達見込みというか、目標はどうなっていますか。
○野村高齢社会対策部長 第二期介護保険事業支援計画におきます平成十五年度の整備目標三万一千五百人に対しまして、整備実績は三万一千百八十五人でございまして、その達成率は九九%と、おおむね計画どおりに推移していると考えております。
なお、計画最終年度でございます平成十九年度の整備目標は三万六千百人となっております。
○大山委員 目標に対しては九九%なんだということですね。ところが、全体の数を見ますと、高齢者人口に対して東京都の整備率は一・五一%ということになっていますね。東京都は、国が参酌標準が一・五〇ですか、だから、もっと高いんだというふうにいうわけですけれども、個別にというか、地域別に見ていると、区部の平均というのが〇・九九なんですね。ですから、国の参酌標準だというのにもほど遠いというふうにいわざるを得ませんし、例えば区南部というと、現在〇・八七なんですね。ですから、やはり一にも満たないというところがたくさんあるわけですよ。
私たちの調査でも、特養に申し込んでも、一年、二年待って入れたというのは、わあ、本当に早かったというような状況で、四年も五年も待っているという方が大勢いらっしゃるんですね。私たちも調査してみて、改めて大変な事態になっているということがわかったんです。
ショートステイも、それから老人保健施設も、全国比較すると最低の順位になっていますけれども、介護している人もなかなか大変な状況になっていて、例えば家も小さいし、一緒に住んでいて、明らかに虐待のおそれがあるという状況だったので、その区の福祉担当のところに行って、これはもう措置に当たるだろうというふうにいったわけですね。その担当者も、もちろん措置の対象になりますっていうわけですよ。しかし、その措置先がないんですというのが、今の状況ですよね。だから、緊急に本当に必要だという方が入所することもできない。その方は結局、茨城の方にあるグループホームに入居したわけですけれども、そんな状況ですから、整備目標をさらに都民の実態に合わせて引き上げて、増設をするように求めておきます。
国の整備費の削減については断固阻止して、同時に都独自にでも整備を促進していくことを求めておきます。
高齢者が地域で暮らすということの基本は住宅なわけですけれども、高齢者の住まいについて質問したいと思います。
高齢者のひとり暮らしだとか、高齢者のみの世帯というのも多くなる中で、自立した暮らしを継続していくという住宅はより重要になってきているというふうに思っています。その一つに、シルバーピアへの生活援助員、LSAの配置があります。LSAの配置については、二〇〇〇年の一定で我が党、初めて提案したわけですけれども、私も震災後の尼崎での実践も調査に行きました。
東京都では、最初シルバーピアにワーデンさんということで配置したわけですけれども、ワーデンさんは資格要件もなくて配置したわけですね。高齢者が集合住宅に集まって暮らすわけですから、シルバーピアでは軽度の痴呆の方なども対応するということでは、ワーデンさんじゃなくて、その福祉施設がバックアップしている福祉職による生活援助員、この配置というのは重要な役割を果たしているというふうに評価しています。
東京都は生活援助員の配置を進めているわけですけれども、現在の到達点はどうなっていますか。
○野村高齢社会対策部長 平成十六年七月末現在で申し上げますと、都内におけるシルバーピアの総数は四百七十二カ所でございまして、そのうち今お話しの生活援助員を配置しているシルパーピアは四十三カ所、率にして九・一%でございます。
○大山委員 四百七十二カ所中四十三カ所ということですが、改めて伺いますが、この生活援助員の配置による効果だとか、その役割の重要性というのはどのように考えていますか。
○野村高齢社会対策部長 生活援助員は、その要件といたしまして、在宅介護支援センターとか介護保険施設または通所介護等事業所の職員で区市町村が認めた者とされておりまして、介護等の専門的知識を持つ者であることが求められておりますために、虚弱化とか要介護状態にある高齢者にも適切な対応が可能であり、入居者にとってもより高い安心感が得られると考えております。
○大山委員 入居者にとってもより高い安心感が得られるということで、そのとおりだというふうに思っています。
とりわけシルパーピアは、都としても充実していくという事業になっています。しかし、まだ目標は達成していないわけですから、LSAを配置するシルパーピアを積極的に福祉保健局としても、住宅局が建てるんだということですけれども、増設することを求めていってもらいたいというふうに思っています。
同時に、LSA、生活援助員さんは一人職場ですし、新しい職種なわけですね。徐々に配置されている人数もふえていっているわけですが、今後問われるのは質の問題だというふうに思っています。生活援助員さんの質を高めていくための研修だとか、実践交流会などの取り組みを強化していく必要があると思いますが、それについてはどうですか。
○野村高齢社会対策部長 生活援助員の質を高めるための取り組みについてでございますけれども、都は区市町村に対しまして研修の受講経費を補助しており、特に新任の生活援助員につきましては必ず受講するように指導してございまして、今後とも研修への参加を促進してまいります。
ちなみに、十五年度実績で申し上げますと、四百六十七カ所のシルパーピアのうち七十八人が受講しております。
○大山委員 ぜひより一層の強化をよろしくお願いしたいというふうに思います。
高齢者の住まいの問題でもう一つですけれども、生活支援ハウスのことです。この生活支援ハウスについて、都としてどのような意義だとか位置づけを持っているでしょう。
○野村高齢社会対策部長 生活支援ハウスは、老人デイサービスセンター等に併設、または隣接をしまして、居住機能をあわせ持った施設でございます。過疎地や島しょ部など、在宅サービスが受けにくい高齢者のために始められたものでございます。
なお、現在はこの地域の限定は解除されておりますけれども、設置の趣旨には変更はないというふうに理解しております。
○大山委員 地域限定はなくなったということですね。
介護も受けながらということですが、今、都内に何カ所設置されていますか。
○野村高齢社会対策部長 都内の整備状況は、平成十六年四月一日現在で申し上げますと、二カ所で、定員二十一名でございます。
○大山委員 今、二カ所で二十一人ということですけれども、国のゴールドプラン21では、平成十六年度には千八百カ所というふうになっています。全国的にも十四年度で四百十カ所の整備なんですね。しかも、都内には二カ所しかないということなんです。非常に少ないわけですけれども、生活支援ハウスの整備について都はどういう方針を持っているんでしょう。
○野村高齢社会対策部長 生活支援ハウスは、区市町村が実施主体でございまして、社会福祉法人等に委託して行う事業でございます。各区市町村が、それぞれの地域のニーズに応じて、独自に判断して対応すべきものだろうと考えております。
○大山委員 都としては方針を持っていないということなんですね、そのいい方だとね。
生活支援ハウスというのは、デイサービスセンターなどに居住部門をあわせた小規模多機能施設なわけですけれども、生活援助員が配置されている、それから、個室で、収入によって利用料が決まりますから、これらのことはグループホームなどにはない、すぐれたところだというふうに思っています。
要支援などの皆さんの介護保険の対象にならない方の重要な施策だというふうに思っていますし、二〇〇一年の第一回定例会で我が党が整備促進を求めたんですね。そのとき福祉局長さんは、ケアリビングの一環として拡充を図っていく、このように答弁しています。ところが、三年たった今、いまだに神津島と、都市型でも稲城の一カ所の計二カ所のみ。今、江戸川で一カ所進行中なわけですけれども、それでもわずか三カ所だということなんです。
さっき、それぞれの区市町村でやるんだということですけれども、やはりきちんと東京都が方針を持たなければ進まないというのは当然の話で、きちんと都として目標を持って進めていくことを求めておきます。
次に、少子化対策について何点か伺います。
最初は学童保育についてですけれども、最近、学童保育と全児童対策、これを合併して実施している自治体が出てきていますけれども、都として合併してしまうことについてどういうふうに考えていますか。
○朝比奈少子社会対策部長 学童保育と全児童対策事業の同一実施をしている自治体でございますけれども、現在、区市合わせまして百三十二カ所ございます。
これについての都の見解でございますけれども、現行の学童クラブ事業は、児童の健全育成にとって重要な事業という認識を持っております。そして、都はこれまで一小学校区一カ所を目指して設置の促進に努めてきまして、結果といたしまして、現在、設置率九七%ということで、全国一となっております。
お尋ねの学童クラブ事業をいわゆる全児童対策事業と同一で実施するかどうか、これにつきましては、事業の実施主体であります区市町村が地域の実情に応じて対応すべきことというふうに考えております。
○大山委員 それぞれの自治体で決めるんだということなんですけれども、学童保育と全児童対策というのは、それぞれ別の事業だから、別のものが原則なんだというふうな確認でいいんでしょうか。
○朝比奈少子社会対策部長 全児童対策事業につきましては、国の方でも、一定の要件を満たす場合には、児童健全育成事業ということで補助対象としております。したがいまして、どちらが原則ということはいえないと思っております。
○大山委員 いやいや、今聞いたのは、学童保育の事業とそれから全児童対策事業というのは、それぞれ別の事業ですねという確認なんです。
○朝比奈少子社会対策部長 制度としては別のものというふうに理解をしております。
○大山委員 別々のものだというんだったら、やはりきちんとそれぞれ独立してというか、やるべきだというふうに思っているんですね。そのためにも基準をつくる、これが大事だというふうに思っています。
これは「東京都における子育て支援事業について~地域行動計画策定に係る子育て支援・保育事業ガイドライン~」というふうに、長いテーマですけれども、子ども家庭部がつくったものですね。これをいただいたわけですけれども、このガイドラインの位置づけとねらいというのは何ですか。
○朝比奈少子社会対策部長 ただいまのご質問のガイドラインでございますけれども、区市町村が次世代育成支援法に基づきまして地域行動計画を策定することになっております。それを踏まえまして、東京都が区市町村に対しまして、こういった事業を盛り込む必要があるということを含めまして、整理をして、行政機関として示したものでございます。
○大山委員 ということは、次世代育成支援計画と、それから後半には保育の計画がありますけれども、保育計画をつくるために示したガイドラインですよという理解でいいわけですか。
○朝比奈少子社会対策部長 お示しのものは、これまで都と区で、特に子どもの事業につきましては区市が実施主体になるわけでございますけれども、東京都と実施主体であります区市が話し合いをしてきたものにつきまして、こういったことが課題である、こういったことについて区市も取り組んでいただきたいということで整理をしたものでございます。
○大山委員 次世代の育成計画と、それから保育計画をつくるためのガイドラインだということを、区市と一緒にやってきたんですということなんですかね。
それで、読ませてもらいましたけれども、学童クラブの事業の項目で、まず、待機児解消というのをきちんと位置づけているんですね。これは重要なことだというふうに思っています。
学童保育に関して国が、設置基準を持っているところという調査をしたわけですけれども、東京都はその国の調査に、持っていますというふうに答えていますが、その設置基準というのは何を指すんでしょう。
○朝比奈少子社会対策部長 学童クラブ事業につきましては、国が設置基準を制定をしていない中で、東京都が昭和四十年に学童クラブ事業実施要綱ということで基準を設定したものでございます。
○大山委員 これが、設置基準だというふうに答えたものですね。学童クラブ実施要綱ということなんですが、国が調査をして、設置基準がありますというふうに答えたということは、設置基準は必要だというふうに認識しているという理解でいいんでしょうか。
○朝比奈少子社会対策部長 国が基準を制定していない中で、昭和四十年に東京都は必要であるという判断をして、制定をしたものでございます。順次、必要な改正をしております。
○大山委員 設置基準が必要だという、その認識というのは重要だというふうに思っているんです。
しかし、その設置基準といっているものがどうなのかというところが問題なわけですけれども、これが学童クラブ事業実施要綱ですね。
例えば、この中を見てみますと、育成室についても一人当たりの必要面積基準もないんです。指導員の配置という項目はあるんですけれども、その指導員の配置基準もないし、子ども何人に指導員何人という基準もないんですね。本当にこれが設置基準といえるものなのかというぐらいなんですけれども、東京都の学童保育連絡協議会は毎年、予算要望のときに、都として学童保育の設置運営基準をつくってくださいというふうに要望しているわけですけれども、それに対して東京都は何と答えていますか。
○朝比奈少子社会対策部長 私どもといたしましては、一般的に児童福祉施設の場合には、国の児童福祉法を受けました最低基準の中で一人当たり面積等の規定がございます。ところが、国が決めております法律あるいは最低基準の中では、学童クラブに関しましてはそういった具体的な基準は設定をされておりません。
そうした中で東京都は要綱を決めまして、制定いたしまして、指導員の配置、あるいはつくるに当たっての建物の採光等の問題について、安全面等の問題について、独自に規定を設けているものでございます。
○大山委員 私が聞いたのは、国に対してはこの実施要綱が設置基準なんだというふうに答えたわけですよね。で、東京都の学童保育連絡協議会が要望しているときに、その設置基準をつくってください--これ、設置基準があるんですよ、これ、設置基準ですよといったら、毎年設置基準をつくってくださいという要望にはならないと思うんですけれども、何と答えているんでしょう。
○朝比奈少子社会対策部長 私は、まだその団体の方から直接お話、要望等を受けておりませんので、ちょっと今の時点ではお答えしかねます。
○大山委員 ちょっと見ていないなんていうことはいわないでくださいよ。二〇〇五年東京都の予算編成に関する要望書でも、二〇〇四年九月二十四日に出ていますし、ここに何と書いてあるかというと、東京都として学童保育の設置運営基準をつくってください、こういうふうに書いてあるんですよ。三多摩の学童保育連絡協議会でも同じように、必要な基準を示してくださいというふうに書いてありますね。
国に聞かれたら、これが基準だというふうにいっているわけですけれども、学童保育の皆さんには、その交渉のときに、ありませんというふうに答えているんですか。
○前島委員長 何かかみ合わないようだから、はっきり答えてください。
○朝比奈少子社会対策部長 私どもといたしましては、都が四十年につくった要綱が都の基準であるということでお話しをしております。
○大山委員 これが要綱なんだということなんですね。しかし、当事者の皆さんは、これは設置基準とはいえないというふうに思っているわけですね。
全国的にも設置基準というのがないところがほとんどで、国の調査に対して、あるというふうに答えたのは、東京都と埼玉県だけだったんですね、県レベルではね、市町村ではありましたけれども。
私たち、埼玉県にも行って聞いてきました。これは、埼玉県の学童クラブの運営基準です。こちらが東京都のですけれども、厚みからしてかなりの差があるというのは見た目ですけれども、中身がどうかということなんですよ。(「厚いのは」と呼ぶ者あり)埼玉県。中身も見ますと、きちんとクラブ室の必要面積も出ています。それから職員配置の基準、これも総則にきちんと書いてあります。その後、より詳しく、施設に関すること、指導員に関すること、職務内容などを初め、きちんと示しているんですね。やっぱりこれが設置基準、運営基準というものじゃないかというふうに思っています。
自治体ごとに事情が違うといっても、都として基準をつくらないことがやはり無責任だというふうにいえると思うんです。保育園には保育園の基準がありますし、それからいろんなところに最低基準というのはあるわけですから、その最低基準を、東京都がすべての東京の子どもたちに最低レベルを示して、その自治体それぞれは、各区市町村はそれに上乗せしていけばいいわけですから、東京都としての責任を果たさなければいけないというふうに思っています。
最低基準がないから、今、学童クラブはどうなっちゃっているかというと、詰め込みだとか大規模化、これが大きな問題になっているというのは、皆さんご承知のとおりだというふうに思っています。
例えば、小金井市では九つの学童保育所があるんですけれども、それぞれ四十人から百人ぐらいの子どもが過ごしているというんですね。小平市は半数近くの学童クラブで定員を超えて児童を受け入れている。ただでさえ狭いのに、全体の五分の一近い定員になる、二割を超過した学童クラブの狭さというのは深刻で、どんなに狭いかといいますと、一人当たりの面積が一・〇平米とか、〇・九平米というところもあります。これでは横になることもできないという状況ですし、足立区でも七十人を超えている学童クラブがあります。一人当たり一・〇九平米というところもあります。江東区でも定員六十人に八十人を詰め込んでいるという状況です。多摩地域の一学童クラブの平均児童数が五十人を超えているのは二十二自治体、それでも入れなくて待機児がふえている。だから、東京都としては待機児解消だというふうに位置づけるわけですね。
三十人学級が重要だと、生活面でも子どもたちにとってとてもよい効果があらわれているというふうにいわれている中で、学校を終えて、本来ならほっとして過ごしたいのに、五十人を超える集団、しかも、ぎゅう詰め、この事態を都としてどういうふうに認識しているんでしょう。
○朝比奈少子社会対策部長 先ほど来お答えしておりますように、東京都はあくまで要綱という形で指針を示しております。その上で、この都の要綱を受けまして、各区市町村ごとに地域の実情に応じて具体的な基準を設定して運営していくべきものだというふうに考えております。
今、委員の方から、自治体によって受け入れ枠に違いがあるというお話がございましたけれども、私どもといたしましては、基本的には自治体である区市町村が都の要綱を受けて判断をしていただきたいというふうに考えております。
○大山委員 要綱といっても、具体的には何も示していないような要綱ですから、やはりきちんと指針というか、基準を示して、そしてこのガイドラインでいっているように、待機児解消をきちんとしていくということを改めて求めておきます。
次に、保育について伺います。
保育サービスの充実に向けてというふうにいうわけですけれども、児童福祉法に基づく保育計画の策定についてのガイドラインですね、この後半の部分、これは何て書いてあるかというと、保育サービスの充実に向けて、こういうふうな項目から始まっています。
これは、この保育計画の策定が義務づけられている基準というのはどうなっていますか。
○朝比奈少子社会対策部長 来年四月から施行されます改正児童福祉法によりますと、待機児童が五十人以上存在する区市町村は、認可保育所や他の保育施策による保育サービスの供給に関する計画を策定をしてなくてはいけないということになっております。
○大山委員 つまり、待機児が五十人以上いる区市町村、それから県のレベルでは待機児解消計画をつくりなさいということなんですね。しかし、これを読んでも、待機児解消、どう位置づけて、どう確実に解消していくのかということが書かれていないんですね。
東京都は実際、十六年度にはゼロ歳、一歳児の待機児ゼロだということを目標に立ててきていたわけですけれども、ゼロにするどころか、ことし四月一日、一番待機児が少ないときでも二千三百十六人、ゼロ歳、一歳でいるわけです。どのように待機児を解消しようとしているんでしょう。
○朝比奈少子社会対策部長 先ほどもお答えをいたしましたが、待機児解消計画ということではなくて、法律に規定をされておりますように、認可保育所や他の保育施策による保育サービスの供給に関する計画ということで位置づけられておりまして、待機児解消計画ということでは私どもは理解をしておりません。
○大山委員 そうしたら、どういうふうに待機児を解消しようとしているんですか。
○清水参事 先生お持ちのガイドラインにつきましては、保育計画の策定のガイドラインではございませんで、次世代育成支援行動計画の策定指針でございます。その中に学童クラブ、保育の計画、あるいは在宅の福祉サービス、そういう項目がございます。その一項目として保育の事項が入っているわけでございまして、それは児童福祉法に基づく保育計画のガイドラインではございません。
○大山委員 児童福祉法の改定による待機児解消保育計画をつくらなくちゃいけないということですよね。だから、その保育計画をつくるということが決まっているわけですね。ここにちゃんと書いてありますよね。「改正児童福祉法において、保育の実施への需要が増大している区市町村及び都道府県は、保育サービスの供給体制の確保に関する計画の策定が義務づけられた。」ということで、しかも五十人以上の待機児がいるところは保育計画をつくりなさいよということですから、そうしたら、都としてどういうふうに待機児を解消していくというつもりなんですか。
○朝比奈少子社会対策部長 都といたしましては、今現在、区市町村の方から保育計画をいただいておりまして、それを検討し、都としての保育計画を今後策定をしていきたいというふうに考えております。
○大山委員 私、このガイドラインで問題だというふうに思うのは、保育所の枠の拡大だとか、分園方式だとか、いろいろ書いてありますよね。しかし、基本的にどういうふうに供給をしていくかというときに、認可保育所の建設が中心に座っていないというのが一つ。
それから、分園方式だとか、受け入れ枠の拡大というのは、これまでだってさんざん実践してきて、それではもう解決できないんだということは実証済みなわけですね。しかも、増設を進めるんじゃなくて、統廃合を視野に入れた建てかえの必要性の検討や、こういうようなことまで書いてあるわけですから、統廃合をあおるようなことまで示しているというのは、これは非常に問題だというふうに思っています。
ガイドラインについて最後に聞いておきたいんですけれども、このガイドラインというのは、ホームページなどで公開したり、意見を聞いたりするんですか。
○朝比奈少子社会対策部長 お示しのガイドラインは、先ほどもご説明をいたしましたように、東京都が区市町村の担当者に説明をしたものでございまして、それを都民にお知らせをするということは、それについては考えておりません。
○大山委員 次世代育成支援計画をつくるのは、広く声を聞いたり、それからいろんな意見を聞きなさいというのも基本になっているわけですよね。実際、例えば、これは埼玉県、また埼玉県が出てきましたけれども、策定過程からきちんとオープンにしているんですよ。例えば、こんなにたくさん既にあるんですけれども、次世代育成支援ニュースを出したり、行動計画をつくるための指針ですね、同じですよね、行動計画をつくるための指針などもホームページでこうやって公開しているわけですよ。企画提案の募集もしていますし、子育てフォーラムの呼びかけもしているわけです。県の行動計画の策定協議会の議事録だとか資料もみんな公開しているんですね。
ですから、これからでも東京都もきちんと公開して、都民に策定過程も含めてよく見えるようにしていくことが、子育て支援を広く都民のものにしていく上でも重要ではないかというふうに思いますが、どうですか。
○清水参事 東京都におきましては、次世代育成東京都行動計画の策定に当たりまして、広く都民の意見を求めるために懇談会を設置しております。その中には、教育、企業あるいは学識経験者、そのほかに公募の都民から成ります懇談会を設けまして、広くさまざまな立場からご意見をいただいているところでございます。
その議事録につきましては、局のホームページを通しまして公開しております。そういうことによりまして、その議事録を見た都民からの意見もいただきたいと、そういう意味で公開しているところでございます。
○大山委員 議事録は公開しているということですから、せっかくですから、そこの同じホームページでこのガイドラインも含めて公開もして、それで意見を求めるというのが、やはり透明性のあるやり方だというふうに思います。
次に、保育園のことで幾つか伺いたいというふうに思っています。
まず、サービス推進費のことです。サービス推進費補助制度の改悪が四月から実施されたわけですけれども、改めて聞きますが、この削減の影響をどう認識していますか。
○朝比奈少子社会対策部長 保育所の運営は、基本的に国基準の運営経費負担金で、国が法令等で定めるサービス提供が可能であると考えております。これに加え、都は、大都市特有のニーズ等に対応したサービスを実施するため、独自に都運営費補助を実施をし、さらにサービス推進費を補助をしているところでございます。
具体的な数字で申し上げますと、ゼロ歳児保育を実施して、開所時間を一時間延長している都内の平均的な百人規模の保育所に対しましては、平成十五年度においては、年間で国の負担金七千八百万円、国補助金百四十万円、都運営費補助金四千四百二十万円、サービス推進費一千三百万円、合計で約一億三千六百六十万円が支出をされており、サービス推進費の占める割合は全体の九・五%にすぎません。今回の再構築で、この施設へのサービス推進費は約一千二十万円となりますが、減少額は二百八十万円であり、これは全体の運営費の約二%にすぎないものであります。さらに保育所が努力を行えば、施設の努力に応じて補助額が増加をするということで、比較的規模の大きな保育所をモデルに試算をいたしますと、最も努力をした場合、再構築後の額は約四千九百万円になります。
このように、保育所運営に要する経費は、サービス推進費のみで賄われているわけではないこと、それから施設の努力に応じて補助額が増加をすること、施設経営に支障のないよう経過措置が設けられていることなどを考慮いたしますと、仮に補助額が減少する場合でも、各保育所や法人の創意工夫により十分対応できるというふうに考えております。
○大山委員 本当に、わずかな割合だとか、努力をすればいいんだ、そんなことをいいますけれども、よくそんなことがいえると。努力が報われる、何を根拠にそんなことがいえるのか。都として、今、数字で挙げましたけれども、今の状況がどうなっているのか、影響調査を行ったんですか。
○朝比奈少子社会対策部長 再構築実施後、保育所の経営者で構成をいたします各保育団体の行政説明会や懇談会の場を活用し、サービス推進費補助の再構築の目的、内容について説明するとともに、意見交換を行っております。意見交換を行う中で、現場の状況についても伺っており、地域支援の内容は地域の実情、状況に応じて柔軟にとらえてほしいという要望、あるいは地域子育て支援推進費加算の基準及びポイントについて段階を設けてほしいなどのご意見を伺っております。
○大山委員 きちんと意見交換をしたといいますけれども、その中でも改善の要求だとか出てきているわけですね。
私たちは、改めてその調査をしましたよ。今のところ、三十五園の回答ですけれども、努力が報われる制度に改善されたと思いますかというふうに聞いたら、七割がノーというふうに答えているんです。例えば、努力が報われるということに関して、ポイント加算ですね、例えば決められた回数をやらないと加算はつきません。先日も保育士さんが、行事が嫌になっているというんですね。きょうは老人施設、あしたはこちら、数をこなさなければならない、稼がなければならない、保育士が楽しめなくなっているというんですね。ですから、保育士が楽しめなくなっている状況まで追い込んでいるということは、子どもたちにとってわくわくするような期待を持って行事に臨めるようにするということでは、本当に元も子もないというような状況になっています。
これでも努力が報われているというふうにいえるんですか。
○朝比奈少子社会対策部長 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、現場の意見を十分お聞きをしておりまして、これからも現場の意見をお聞きしていきたいと思っております。この関係者との意見交換を行いながら、取り組みの実態をさらに把握をしていきたいというふうに考えております。
○大山委員 きちんと把握してもらいたいというふうに思いますね。
例えば、先ほどのアンケートの中でも、サービス推進費について削減された中での意見ですけれども、先行きの不安が職場内に広がっているとか、長時間保育が難しい子どもたちの状況の中で、今までは何とか気概を持って働き続けてきた職員が、急に疲労感を増して退職していこうとしている。未来に希望の持てる職場ではなくなり、若い人も一人やめていったとか、子どもの育ちを支え、保護者の相談に乗れる職員の力はやはり経験と学習両方です。給与の先行きが見えない今の流れで、園長として胸が痛くなる思いです。子どもたちの成長を考えると、多くの人が心を痛めているわけですね。こういう声にどうこたえるんですか。
○吉川総務部長 サービス推進費の見直しは、あくまで都税を使って保育サービスの質を向上したいということでやったわけでして、先ほど、先生のお話の中で、キーワードで保育士が楽しめなくなったというのがございましたけれども、私どもは、いわゆる国から出ているというか、基本的なお金に加えて東京都の都税を使っているのは、それだけ出せばさらに高いサービスを実現をしてもらいたいからであって、そういう意味では保育士が楽しんでやっているというようなことの表現は極めて遺憾でして、保育士の先生たちは大いに汗をかいて経営を極め、サービスの質を極めてもらいたいというふうに思っております。
○大山委員 ちょっと余りにも皮相なとり方じゃないですか。保育士がきりきりしている中で、どうして子どもがゆったりと成長が保証されるのか。行事が多くなる、地域支援、地域交流のことは何回やらなくちゃいけない。だから、きょうはここ、あしたはここといって、本当につらくなっているわけですよね。子どもが豊かに成長する、保証する、それは保育士の対応。保育士がきりきりしている中で子どもが豊かに育つかといったら、そうじゃないわけですよね。だからこそサービス推進費じゃなくて、最初は公私格差是正事業もするし、それから都独自の加算もしてきたわけですよね。
さっきご答弁の中で、いかにもすべての人たちが納得しているかのように話していましたけれども、これは保育五団体ですね、十七年度の保育関係予算に関する要望書ですよ。保育五団体といえば、東京の保育団体すべてということになりますが、一致して出した要望書です。
その第一の要望に何て書いてあるかといったら、サービス推進費の経過措置の見直しをというふうに一番目に書いてあるわけですね。それで云々かんぬんと書いてあって、来年度以降引き続き総額の四〇%もしくは一千万円、その次の年は六〇%もしくは一千五百万円の減額が進めば、減額施設にとっては職員の安易なリストラや給与の減額ができない業種のため、経営の危機に直面しています。来年度に向けては今年度の予算執行実績を慎重に分析しながら、施設が苦しみ、ひいては子どもたちへの保育に影響の出ないよう対策を講じていただけるよう切に願うものです。こういうふうに一番目の要求として、すべての東京の保育団体といってもいい五団体が連名で出しているわけですから、決して、認めている--これ以上の削減はだめだというふうにいっているということじゃないんですか。
○朝比奈少子社会対策部長 今年度に入りまして、各保育園それぞれさまざまな取り組みがされているというふうに承知をしております。
ポイント制の各項目の基準について、平成十六年度の当初交付申請の状況を見てみますと、民間約六百保育園がありますけれども、その五百八カ所の保育所が何らかの子育て支援策を行うとしており、サービス向上に向けた保育園の取り組みが促進をされるという状況になっております。
私どもといたしましては、今回のサービス推進費の改正を機といたしまして、保育所が新たな視点から取り組みを始めたのかなというふうに理解をしております。
また、私も、この間、民間保育所を見学をさせていただきまして、やはり実際に園長さんから、具体的なこういう新たな取り組みをやっているというお話の紹介も受けております。
○大山委員 新たな取り組みをしなければ、ないわけですからね。
調査の中でも、ある園長先生は、補助額を確保するには東京都が並べる努力加算を消化するほかなく、利用者や子どもたちにとってどうかという視点が軽視される。何よりも保育の質の安全性、継続性のかなめである職員の雇用の安定の根底が崩れている。東京都は第三者評価等で長期計画の策定の必要性を指摘するが、収入面で不安定さが増すばかりで、どうして長期にわたる財政計画などが立てられるのか、納得ある説明がほしい、そういう意見も出ているわけですよ。全くそのとおりだと思いますけれども、どうなんですか。
○朝比奈少子社会対策部長 先ほどもお答えをいたしましたけれども、私どもといたしましては、今後とも関係者との意見交換を行いながら、取り組みの実態把握をして、社会状況や都民ニーズの変化に的確に対応した仕組みとなるよう適切に対処していきたいというふうに考えております。
○大山委員 どうなっているのかというのをきちんと把握しなければだめなんですよ。
再構築へのご意見という問いには何と答えているかというと、職員の経験年数加算が必要、それから四年目以降の補助削減はするべきではないという根本的な指摘が上位を占めています。実施されても根本的な問題を指摘せざるを得ない状況だということなんですよね。
何らかの形でこれは経験年数加算をすることが必要だと思いますが、どうですか。
○吉川総務部長 いずれにしましても、サービス推進費につきましては、保育所の代表者だけではなくて、障害とか生活保護関係の代表だとか、そういう代表をきちっと構成をしていただきまして、その方々と一年以上にわたって協議をして、その方々と合意をしていただいたものですから、今回の見直しについて撤回する考えはございません。
それから、先生がおっしゃっている、サービスを新たに工夫したり、今までやっていなかったサービスをすることによって補助金を得られることができた、まさに今回のねらいどおりでして、今まで補助金を出していたけど、そういう取り組みがなされていなかったから、私どもは再構築したんです。ぜひご理解いただきたい。
○大山委員 撤回する考えはないというようなことをいいますけれども、積み重ねてきたんだけれども、多くの人たちが反対した中で強行したわけですよね。しかも、実施してからだって、さっき紹介したように、五団体がこれ以上の削減はやめるべきだ、そういうふうにいっているわけですよ。(「どこの団体だよ」と呼ぶ者あり)保育五団体ですよ。いいましょうか。日本保育協会東京区支部、日本保育協会東京都多摩支部、東京都社会福祉評議会保育部会、東京都私立保育園連盟、東京都三多摩地区保育連合会。この五団体というのは、まさに東京の保育園すべて網羅しているような団体ですね。ですから、経験の加算がないから困難なんだということがるる述べられているわけですよね。再構築は、結局、予算削減のためのものであった、そういうようなことも含めていわれているわけですよ。きちんと経験を加算する、それをきっちりと何らかの形でできるように工夫してもらいたいというふうに要望をしておきます。
同時に、努力加算の要件を緩和してほしいというのも上位を占めているわけですね。そういう状況ですから、せめてこれぐらいの検討というのはしてもいいんじゃないですか。
○吉川総務部長 先ほどもいいましたように、私どもが協議してきた団体の代表の方々とは、制度の見直しの現時点で、お互いに新たな仕組みについての加算項目のことであるとか、それについて協議をというか、例えばあちらから意見を聞くとか、そういうことについて拒んだことはございません。
○大山委員 協議してきた団体だけではなくて、各現場がこれほど困っている、それから経験加算がこれだけ必要なんだ、実施されてからもいわざるを得ない、そういう状況に陥っているということを、今まで協議してきた協議会だけじゃなくて、それ以外のお父さん、お母さんたちの意見、それから保育園の意見、ぜひ聞いてくださいよ。
それで、私、お父さん、お母さんといいましたけれども、父母会には説明したんですか、改めて聞きますけれども。
○吉川総務部長 昨年、たしか厚生委員会でやった質疑をだんだん思い出していますが、先生にあのときも答弁しましたけれども、私どもは、私どもに寄せられた都民の方々の声は真摯に受けとめております。
それから、現場へ出向いたときに保育所の関係者の方々からも、うちの職員も意見は聞いております。ただ、話し合いは、こういった補助金の制度のあり方については、団体の代表者の方ときちっと構成をしてやってきたわけでございます。
○大山委員 父母会にもまともに説明できない、その意見も聞けないということが、いかに後ろ向きのことかというか、ひどいことをやっているのかということだというふうに思っています。
サービス推進費はそうですけれども、多くの関係者がより一層心配して、東京都は何をやって何を考えているんだろう、そういうふうにあきれているのが都加算補助の見直しの問題ですね。第三回定例会で福祉保健局長は、「保育所運営費補助については、さきの児童福祉審議会の意見具申を踏まえ、今後、都として補助のあり方について検討してまいります。」そういうふうに答弁しましたね。この検討するというのは、具体的にはどういうことなのか、具体的にどうなっているのか、ちょっと説明してください。
○朝比奈少子社会対策部長 児童福祉審議会の意見具申では、以下のような提言がなされております。一つが、都が認可保育所に対して国基準の運営費に加えて手厚い補助を行っているにもかかわらず、都民ニーズの高い延長保育やゼロ歳児保育等の実施率が低い実情を踏まえ、サービス向上に向けた取り組みを促すとともに、子育て支援全体を拡充する方向で都加算補助を見直すべき。もう一点が、既存配分の効果的配分に努めるとともに、保育所への都加算補助等を見直し、区市町村が保育サービスの拡充と子育て支援全般の充実に活用できる包括的なものとすべきということでございます。
私どもといたしましては、この意見具申を踏まえ、今後、保育所運営費の都加算補助のあり方について検討してまいります。
○大山委員 具体的には今どうなっているんですか。
○朝比奈少子社会対策部長 現時点では、ただいまお答えをいたしましたように、今後あり方を検討していくということにとどめさせていただきます。
○大山委員 今後あり方を検討していくんだということですけれども、国基準しかやらないというのが非常ににじみ出ていたわけです。
都加算というのは、例えばゼロ歳児保育を行っているところには、離乳食もつくりますから、調理師を一人増配置しているとか、保健師または看護師も配置する。それから長時間保育をするためには、保育士は交代勤務しなければいけませんから、そのための増配置、まさに東京の保育の基本をつくってきたものです。だからこそ多くの方が、都加算があるからこそ東京の保育ニーズにこたえられていますというふうにいっているわけなんですね。
全国に先駆けて東京が行ってきたゼロ歳児保育、十一時間開所、それから延長保育などのための人員配置であり、根拠は明確です。それをなくすということは、それらを推進しないということに等しいんじゃないでしょうか。
○朝比奈少子社会対策部長 児福審の意見具申でも提言をされておりますが、包括化という提言が一つございます。
私どもといたしましては、包括化によりまして、実施主体となる区市町村の裁量の範囲を広げることによって、地域の特性や住民ニーズに対応した効果的かつ効率的な行政運営が可能となり、結果として都が目指す補助金の目的をより的確に実現できる場合がある。このように区市町村に対する補助事業については、区市町村の自主性、自立性向上の観点から、区市町村による自主的な事業展開を可能にしていくことが求められております。
区市町村の自主性を広げる具体的な方策としては、ただいま申し上げました少額補助金などの統合、補助事業のメニュー化、補助事業の統合などが考えられます。そういうことでございます。
○大山委員 包括化というのを今おっしゃいましたけれども、包括化というのは根拠が非常にあいまいなんですよね。今は、例えば十一時間開所のために保育士は二人とか、ゼロ歳児保育していたら調理師一人加算とか、根拠が非常に明確になっているわけですけれども、包括化して根拠を不明確にしちゃう、あいまいにしちゃうというのは、やはりどこがどうなったのかというのがだんだんわからなくなっちゃうということなんですね。
この都加算の見直しについても、さっきの保育五団体連名で、来年度予算要望書の中でも継続することを求めていますし、児童福祉審議会の意見具申に対する意見及び要望書として、現行の都加算補助の維持をしてください、やはり五団体で要望しているわけですよ。東京のすべての保育園を網羅している五団体の要望書、それから意見、重く受けとめるべきだというふうに思いますが、どうですか。
○朝比奈少子社会対策部長 保育の問題につきましては、今後、適切に対応してまいりたいと思います。
○大山委員 適切にといいますけれども、きちんと聞く耳を持ってもらわないと困るということですね。
具体的に都加算が各市町村--区が財調なのでちょっと不明確なんですが、各市町村の交付額は資料で出してもらいました。15ですね。市町村で約百三十億円。単純に一園当たりの額を出すことはできませんけれども、例えば、非常に単純化して、すべての保育園でゼロ歳児保育と七時までの延長保育を実施している、例えば東村山市なら十三園なんですね。単純に割りますと、一園当たり二千五百万円です。一人年間六百万円としても四人分以上、これは大変なことですよ。
ある園の園長先生は、都加算は諸外国に比較して劣悪な国基準を引き上げ、保育の充実に積極的役割を果たしています。とりわけゼロ歳児看護師・調理師加算、保育士・パート保育士加算、障害、延長保育加算などは、これらの対象となる保育の充実に大変な役割を果たしています。子どもを取り巻く環境の悪化、アレルギー疾患等の増加、障害の重度化、多様化、虐待の増加、長時間保育の一般化、都民の保育ニーズの多様化等は、都加算の拡充こそ必要としており、削減の理由など、もうどこにも見当たらない、こういうふうに述べています。これがほとんどの方の意見ですね。このような現場の声に耳を傾けるべきだと考えますが、どうですか。
○朝比奈少子社会対策部長 先ほどお答えいたしましたように、これまでも団体の意見は聞いてきました。今後とも聞いてまいります。
○大山委員 きちんと現場の意見を聞いてもらいたいということをいっておきます。
プレーパークについて話を移します。
二〇〇〇年の三定で我が党の田中智子前都議が、都立公園の活用とプレーパークの活動への支援を提案しました。その後、都立公園の活用は始まっています。
新宿にあります都立戸山公園で週二回行っている遊ぼう会に私も行ってみました。地域のお母さんたちが、一九九八年にスタートして、ボランティアでやっているわけですけれども、都の公園課とも何度も話し合いをして、自由に使える場になったということなんです。都内にこのようなプレーパークは四十三カ所になりました。
遊ぼう会のときには、プレーリーダーという、子どもに近い視点で子どもと遊んだり、遊び場づくりを考える専門家がいます。私が行った日も、七輪を幾つか出しておくと、火をおこして、お玉に水とお砂糖を入れて、割りばしでかきまぜて、べっこうあめをつくるとか、火をおこすのに苦労している子どもがいたり、丘の上に行きますと、プレーリーダーと一緒に五寸くぎでくぎ刺しを始めた子どもたちもいて、いつの間にか三十人ぐらい子どもたちが集まっていました。
子どもの成長にとってプレーパークは大きな意義があると思いますが、どうですか。
○朝比奈少子社会対策部長 プレーパークにつきましては、区市町村がそれぞれの状況等を判断をしながら、子どものためにいろいろな取り組みをされている一環として理解をしております。
○大山委員 意義があるということですけれども、最初はお母さんたちが手探りでやっていたわけですけれども、プレーリーダーに来てもらうようになっています。禁止事項がない公園で遊んでいますから、事故を防ぐためには、遊具や環境を点検したり、遊び場全体の把握をするというのは、プレーリーダーの重要な役割だというふうにいえますし、いつも子どものそばにいて話し相手であったり、相談相手であったり、子どもたちにとっては優しくて、おもしろくて、何でも知っている年上の友達というような状況なんです。
このプレーリーダーに来てもらうということで、やはり遊びの幅も非常に広がるし、安全性も高まるわけですね。しかし、そのプレーリーダーに来てもらうためには資金がないと大変なんです。結局、戸山公園で活動していた方も、ためていた会費なんかで最初は賄っていましたが、企業の財団の補助金みたいのをもらって一息ついている。プレーリーダーを確保するというのは、どこも大体ボランティアでやっていますから、苦労しているんですね。ですから、プレーリーダーが配置できるような支援をすることが求められていますが、どうですか。
○朝比奈少子社会対策部長 プレーパークにつきまして、区市町村が子育て支援施設の一環として、民間事業者の創意工夫を生かした取り組みを行っていることは意義のあることだと考えております。
このため、都では、既に東京都福祉改革推進事業の補助対象としているほか、独立行政法人福祉医療機構や各種民間団体の子育て支援助成事業の対象となっております。こうした状況を踏まえますと、都としては新たな支援は考えておりません。
○大山委員 包括補助の補助対象なんだということですけれども、やはりきちんとプレーリーダーさんがいるということが重要なわけで、プレーリーダーさんは常設のプレーパークになったら、もっと質的に変化するということなんですよ。午前中は乳幼児が来れるだろうし、午後は小学生も来るだろうし、夕方になれば中学生も高校生も来るだろうということでは、本当に子どもの居場所が問題になっているだけに、必要なんですね。常設になれば事務所もできますし、いつでも遊びに来られるということなんですね。常設にするためにもプレーリーダーが配置できるような支援は重要だというふうに考えます。
新宿なんかでは次世代育成プランの重点に位置づけて、育成講座なんかへの支援を始めていますけれども、都としても、そうやっているところへ、プレーリーダー養成講座だとか研究交流会に支援を行うことも考えた方がいいんじゃないかと思いますが、どうですか。
○朝比奈少子社会対策部長 区市町村によって子どもの遊びについての指導等さまざまであると思いますので、私どもとしましては、区市町村が基本的には実情に応じて判断をし、対策を考えるべきというふうに考えております。
○大山委員 もちろん区市町村が判断をするというのは重要ですよ。しかし、それに、やっていたら応援する、それは広域自治体としては十分の役割だというふうに思います。
もう一つ、難病支援センターについて質問したいというふうに思っています。
難病相談・支援センターが開設して、難病患者の皆さんの願いが一つ前進したというふうにとらえています。開所式にも参加させていただきましたけれども、改めてお話を伺いに行きました。
七月の一部開所の段階から相談が寄せられて、資料にも出していただきましたけれども、十月十五日の時点で既に六百九十六件ですね。伺ったときも、毎日二、三十件の相談が寄せられているということですから、本当に待たれていた施設だ、センターだというふうにいえるのではないかと思っています。
私たちが伺っているときも、電話だけでなくて、直接訪ねてみえた方もいらっしゃいますし、福祉機器も展示していますので、それを見にくる人もいました。先ほどの質疑の中で、このセンターについて重要な施策として位置づけているというふうに答弁がありました。その立場で幾つか伺いたいというふうに思っています。
現在、専門の相談支援員は一名ですね。そのほかはほとんど手弁当といっていいような難病団体の皆さんによるピア相談です。専門の相談員さんは優秀な方ですけれども、既に土曜日や日曜日も相談した方のその後の対応に連絡をとったりしなければならないというような状況になっています。一人一人の相談に時間がかかりますし、関係機関との連絡なども必要です。お話を伺って、これはとても専門相談員さんが一人では間に合わないというふうに実感いたしました。
国の補助だと、二分の一で五百五十万ですから、国の基準の補助だけだったら、年間一千百万円ですね。常勤職員一人と、あとは当事者団体の方々ということで、いっぱいだというふうに思います。国にこの補助基準額をふやすことを求める、これがもちろん必要だというふうに思いますし、それだけではなくて、東京都独自に運営費を上乗せをして、せめてもう一人専門の相談員が雇用できるように、委託費を増額するということが必要だと思いますが、どうでしょうか。
○丸山保健政策部長 今、大山先生、六百九十六件というお話をいただきました。電話、面接、ファクス、それからまた、相談内容に関しても多岐にわたってございます。療養生活に関すること、生活に関すること、医療に関すること、制度に関することということですけれども、専門員は確かに支援員は一人ですけれども、複数、大体三名から五名いるというような状況で、専門相談は確かにその方に集中する部分があるかもしれませんけれども、基本的にはその複数で対応するというような状況でございます。
いずれにしても、今後ともこのセンターの円滑な運営には努めてまいりたいと思います。
○大山委員 センターの円滑な運営は進めていきたいということですね。
同時に、私は、そう遅くない時期に専門相談員さんが一人では対応できなくなるということは、目に見えているというふうに思うんですね。
既に昭和五十八年から難病センターを開設している北海道、ここでは現在は相談員さんが六人です。間もなくあと二人ふえる予定だというんですね。一日に相談員さん一人で十から二十件の相談を受けています。病気から来るさまざまな問題がありますから、やはり一つ一つの相談にかかる時間は長くて、電話だけでは済まない場合もあって、訪問することもあるというんですね。後でフォローするためにも、対応がよかったのかどうかというのを集団的に検討するためにも、記録をとることはとりわけ重要だということなんですが、患者会だとか、弁護士だとか、地域の医療機関だとか、保健所だとか、自治体だとか、OTさん、PTさん、ソーシャルワーカーさんなど、いろいろなところとの連携も重要だというふうにいっています。
そこで、伺いたいんですけれども、難病患者の医療受給者証の十万人当たりの交付状況ですけれども、全国平均と東京都、それから北海道の人数はどうなっていますか。
○丸山保健政策部長 国の資料によりますと、平成十四年度末現在の医療受給者証交付状況に、平成十四年十月一日現在の推計人口を算出した対人口十万比の状況でございますけれども、全国平均が四一四、東京都が三六七・七八、北海道が五六一・七三という数字でございます。
○大山委員 難病医療費の受給者の率は、東京都が全国平均よりも低い状況ですね。それは何を意味しているかというと、難病患者さんであっても行政の支援が及んでいない人の率が高いということになると思うんです。これは改善する必要がありますし、北海道は難病センターの活動も含めて積み重ねもしていますので、率でいえば全国の最高ということですね。
結局、東京都でも難病相談・支援センターができましたから、患者さんたちの掘り起こしもできるというふうに思っています。これは非常に重要なことだと思います。つまり、何がいいたいかというと、さらに相談がふえていくこと、これが容易に予想されるというふうに思います。ですから、やはり現在の体制では早晩対応し切れなくなるというふうに思いますけれども、どうでしょうか。
○丸山保健政策部長 人口十万比について、東京都、それから北海道とでは諸事情が異なると思われますので、単純には比較はできないと思います。
いずれにしても、難病相談・支援センターにつきましては、今後とも円滑な運営に努めてまいりたいと考えております。
○大山委員 円滑にですね。北海道は人口が五百七十万人ですよ。東京都は一千二百万都民。難病患者さんも他県に比べれば大変多いわけですね、実数としては。北海道は難病センターの運営をやはり難病連絡会に委託しているんです。道のセンターの運営費の今年度の予算は四千七百万四千円なんです。きちんと道独自で予算をつけている。ですから、ぜひ東京でも検討することを再度要望しておきます。
最後に、BSE対策について一つだけ質問します。
現在、国は検査の対象を二十一カ月以上の牛とする見直し案を検討しているが、東京都は独自に全頭検査を引き続き実施することを発表しました。重要なことだというふうに考えています。
BSE対策における全頭検査の効果や意義をどのように考えているか、お願いします。
○中井健康安全室長 現在、国は、科学的な見地から安全が確保できるとして、BSE検査の対象を二十一カ月齢以上の牛とする見直し案を検討しているところでございますが、安全・安心の観点から、この案にはさまざまな意見が出されております。
こうした状況から、都民、事業者の不安の解消及び生産、流通の現場における混乱を回避するため、都はBSE全頭検査を引き続き実施する必要があると考えておるところでございます。
○大山委員 非常に重要な判断だし、当然な判断だともいえるわけですけれども、日本のBSE検査、食肉の安全確保を目的として、すべての牛対象に検査をして、全頭検査をした後に危険部位を除去する、二重の安全策になっていて、これがやはり国民から多く支持されているというふうにいえるわけですから、ぜひ全頭検査を引き続きやっていただきたいということ。
食品安全推進計画の考え方について、中間のまとめが出されて、明日までパブリックコメントをしているわけですが、これにはBSE対策の推進も位置づけられています。ですから、きちんと位置づけられているということですね。
しかし、例えば、我が党も学校給食に残留農薬の心配の少ない国産小麦を使うことなども提案してきました。地産地消ということが非常にいわれてきているわけですけれども、地元でつくった安心できる作物を、安全な作物を提供するということなどについても、ぜひ検討してもらいたいということを表明して、質問を終わります。
○佐藤委員 外は雨も降っておりまして、きょうは発言をやめようかなと思ったんですが、五時間五十分、時にはかみ合わない議論を聞いておりますと、何か私もちょっとしゃべらなければいけないのかと思いまして、三つだけ伺います。まとめて質問しちゃいますので、まとめて答えてください。
まず一点、介護保険の問題でありますが、三年目の浮気ならぬ五年目の見直しで、今いろいろと論議を呼んでおりますけれども、私は、介護保険というのは、国が責務を地方へおっつけたな、こういう感じを最初から持っております。少なくともこれは都道府県が責任を持って運営しないと、いつか破綻していくんではないかという危惧を持っている一人でありますが、今、保険料の負担者とサービスを受ける人、サービス受給者の範囲拡大というんですかね、要するに二十歳だか二十五歳だかから保険料を取ったりしようというようなことがいわれておりますが、直接の当事者じゃないから東京都はコメントしたくないと、こういうかもしれませんけれども、この問題について東京都はどういうお考えを持っているのか、一点目。
二点目は、ゼロ歳児保育の問題であります。
あえて私は一石を投じるつもりで申し上げるんですが、今、一万人ぐらいのゼロ歳児の入所者がいる中で、正直いって、寝た子を預けて、寝た子を受け取ってくる今の状況というのは、私は、良好な親子関係というんでしょうか、母と子の関係を構築していく中で非常にマイナスなんじゃないだろうか。
例えば、品川区なんかではゼロ歳児を一人預かると月五十万ぐらいかかるんですね。そういうような措置をしてまで、いわゆる赤ん坊を、寝た子を預け、寝た子を引き取ってくるようなことをする必要があるんだろうか。何かそれにかわる施策を考える時期に入っているんじゃないか、私は思っておりますが、東京都はどうお考えになるか。
家庭が荒れている、あるいは子どもの虐待等もこういったことに一つの遠因があるんではないのかなということを私は思っております。
それから三点目、これはいつも申し上げるたばこの話であります。
これは技監に聞くのか、だれに聞くのか、丸山さんに聞くのか、ちょっとわかりませんが、私はたばこは非常に害があると思っておりますし、実際そうであるような数字も持っておりますが、今、副流煙の問題、人が吐いた煙で周りの人が病気になっちゃう、こういうようなことも取りざたされている中で、私はよくたばこの禁煙の話をしますと、吸っている人は、おれは体を張ってたばこ吸って税金を払っているんだ、こういうことをいう人が非常に多いんですが、まさにかけがえのない都民の健康を売るような貧相な考え方、さもしい考えは私はやめた方がいいだろうと思っております。
税収に目がくらんで、これからも、分煙化のいろんなガイドラインもできているようでありますけれども、こういった分煙というあいまいな形で東京都がずっとこのたばこの問題について態度をとり続けるのか。あるいは究極的には全面禁煙に、東京じゅうからたばこをなくすんだというぐらいの決意でこれからこのたばこの問題を取り扱っていくのか、東京都のたばこに関する基本的なスタンスをお伺いしたい。
以上、三点であります。
○野村高齢社会対策部長 まず、一点目の保険料負担者、それからサービス受給者の対象範囲の拡大について、私の方からお答えいたします。
私どもは、基本的には、高齢者や障害者を初めといたしまして、介護を必要とするすべての方々に、そのニーズに応じた介護サービスを提供できる体制を整備していくべきだろうというふうに思っております。
ただ、そこにいきます場合には、やっぱりさまざまな問題がございます。一例で申し上げますと、仮に被保険者を拡大するということになりますと、新たに保険料を負担することになります若年者、この世代の納得をどう得るかという問題がございます。例えば、現在では若年性の痴呆とか高次脳機能障害などにつきましては、これは介護保険の制度にも入らない、ほかの制度にも入らない、はざまの制度に入っております。こうした方々をきちんとした処遇をしないと、納得が得られないだろうというふうに思っております。
そうしたさまざまな問題がありまして、私どもといたしましては、これは現在、新聞でもさまざま報道されておりますとおり、いろんな議論がございますので、広く国民の理解を得るために十分な議論をする必要があるだろうと思っておりまして、その旨を国の方にも申し上げてございます。
○朝比奈少子社会対策部長 本来子どもは、親、保護者とともに家庭的環境のもとで限りない愛情を受けて育てられるべきものというふうに考えております。一方で、仕事と家庭の両立、育児休業の取得しにくさなどの現状から、大都市特有のゼロ歳児保育というニーズが存在するのも事実でございます。
東京の現状で申し上げますと、十万人出生をいたしますと、大体一万人ほどが、先ほどの先生のお話の中にもございましたが、保育園でお預かりをして、残りの子どもさんが在宅で親御さんが見るという状況でございます。今後すべての子育て家庭を対象に、次世代育成支援という観点から、施策を推進してまいりたいと考えております。
○丸山保健政策部長 局としても、健康づくりの一環として、たばこ対策は従来よりやっていました。一つは喫煙防止対策ということで、これは未成年と妊婦さん、もう一つは、従来は分煙化対策ということだったんですけれども、これも名前が変わりまして、受動喫煙防止ということに変わりました。これを推進するということ。それからもう一点は、禁煙を希望する方、それに対する支援サポートをするということ。もう一点は、従来の普及啓発ということ、それから情報提供ということなんですけれども、昨年の五月に健康増進法が施行されまして、この二十五条に、多数の方が入ってくる施設に対しては管理者責任という努力義務が出ました。
これに関しまして、うちの方も、ことしの六月に新しい受動喫煙防止ガイドラインを出しました。そしてまた、昨年は官公庁研修をやりましたけれども、ことしは職域ですね、レストランですとか、そういうような職域の方たちの指導者たちに対して研修を行っていく、今後進めるということで、受動喫煙防止ということは推進していきたい。
いずれにしても、健康づくりの一環という形でやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○前島委員長 よろしいですか。--ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
事務事業及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前島委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉保健局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時五十六分散会
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