厚生委員会速記録第十四号

平成十六年十一月九日(火曜日)
第七委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長前島信次郎君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長大山とも子君
理事小美濃安弘君
理事初鹿 明博君
理事佐藤 裕彦君
山加 朱美君
かち佳代子君
藤井  一君
田代ひろし君
馬場 裕子君
大河原雅子君
野村 有信君

 欠席委員 なし

 出席説明員
病院経営本部本部長押元  洋君
経営企画部長奥田  匠君
サービス推進部長徳毛  宰君
参事織戸 正義君

本日の会議に付した事件
 病院経営本部関係
報告事項(説明・質疑)
・新潟県中越地震被災者に対する支援について
事務事業について(質疑)

○前島委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の報告事項の聴取及び事務事業に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、理事者より報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○奥田経営企画部長 十月二十三日に発生いたしました新潟県中越地震の被災者に対します病院経営本部の支援につきまして、お手元にお配りしております新潟県中越地震被災者に対する支援についてに基づきましてご報告申し上げます。
 恐れ入りますが、資料1をごらんいただきたいと存じます。
 都立病院の支援活動状況でございますが、十月二十三日の新潟県中越地震発生直後の翌二十四日から二十五日まで、府中病院の東京DMAT一班を派遣いたしました。小国町内の避難所など五カ所において、救急患者対応など、被災住民に対する医療活動を行いました。
 また、十一月二日から十一月五日まで、広尾病院、墨東病院、駒込病院の職員から成る医療救護班二班八名を小千谷市へ派遣いたしました。小千谷市内の小千谷総合病院での救急外来診察を初め、小千谷総合病院の入院患者の転院先である老人保健施設、水仙の家での回診、周辺地域での巡回診療などを実施いたしました。
 なお、今後も病院経営本部としてでき得る限りの被災者支援を実施してまいる所存でございます。
 以上、簡単ではございますが、新潟県中越地震の被災者に対します病院経営本部の支援についてご報告を終わらせていただきます。

○前島委員長 報告は終わりました。
 本件につきましては、次に行います事務事業の質疑の際にあわせて質疑を行いますので、ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求をいたしました資料は、お手元に配布をしてあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○奥田経営企画部長 去る十月二十一日の本委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、1、広尾、墨東、府中病院における救急患者数実績等から、7、都立病院における災害備蓄用資器材の配備状況及びヘリポートの有無まで、七項目でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。広尾、墨東、府中病院における救急患者数実績等でございます。
 東京ERを実施しております広尾、墨東、府中の三都立病院における、(1)、救急患者数実績、及び(2)、東京ERの職員配置について記載してございます。
 二ページをお開き願います。小児医療資源及び周産期医療体制(二次保健医療圏別)でございます。
 都における二次保健医療圏別の年少人口、総人口に占める年少人口の割合、小児医療資源及び周産期医療体制等について記載してございます。
 三ページをごらん願います。都立病院における女性専用外来の実績でございます。
 大塚、墨東、府中の三都立病院で実施しております女性専用外来の概要、実績について記載してございます。
 四ページをお開き願います。都立病院における主な業務委託の契約金額の推移でございます。
 平成十一年度から平成十五年度にかけまして、事項別に記載してございます。
 五ページをごらん願います。都立病院における医師及び看護要員の平均経験年数の推移でございます。
 平成十一年度から平成十五年度にかけましての、都立病院における医師及び看護要員の平均経験年数を記載してございます。
 六ページをお開き願います。平成十五年度の都立病院における廃棄物処理状況でございます。
 各都立病院の廃棄物の排出量及び処理金額について記載してございます。
 七ページをごらん願います。都立病院における災害備蓄用資器材の配備状況及びヘリポートの有無でございます。
 災害拠点病院に指定されている各都立病院における災害備蓄用資器材の配備状況を資器材ごとにお示ししますとともに、ヘリポートの有無について記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

○前島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。
 なお、先ほど聴取いたしました報告事項につきましても、あわせて質疑を行います。
 ご発言を願います。

○山加委員 本委員会には、我が党は野村先生、そして田代先生、本物の立派なお医者様が二人おります。しかし、私はきょうは患者の立場から、患者中心の医療の観点から、セカンドオピニオン外来について伺いたいと思います。
 患者さんの治療に当たりましては、説明を受け、同意をし、そして納得して医療を受ける、このインフォームド・コンセントは、患者の医療に対する意識が高まる中で、定着しつつあります。
 都立病院においても、患者さんに対して説明して、納得して治療を受けていただくよう日々努めていることは、十分評価をいたしております。しかし、患者さんは、お医者様から手術を勧められたときに、病院、入院、そして手術という言葉が現実として我が身に注がれたときに、自分の体に大小を問わずメスが入るわけですから、お医者様から一通りの説明は受けても、患者さんご本人はもちろんでありますが、ご家族が判断に迷うのがほとんどだと思います。
 特にがんの場合には、医療の技術が日進月歩の勢いで発達しているために、治療のための選択肢も多岐にわたり、患者さんにとってはどの治療方法が一番いいのか、判断に困ることがあると思います。こうしたときに、患者さんにとっては、診断や治療方法について主治医以外の医師の意見を聞く、このセカンドオピニオンの仕組みが大変心強く、また重要になってくると思います。
 今後、都立病院において患者中心の医療を推進していくためにも、私は、セカンドオピニオンに取り組んでいくことは、大変大きな意義を持つものと考えております。
 そこで伺いますが、都立病院では、本年の四月からセカンドオピニオン外来の試行を駒込病院において始めております。まず、その内容がどのようなものか、伺わせていただきます。

○徳毛サービス推進部長 駒込病院で試行しておりますセカンドオピニオン外来につきましては、主治医の紹介状や検査データを持参した患者さんや、そのご家族を対象としております。
 通常の外来診療とは別枠で専用の予約枠を設けまして、一人当たりおおむね三十分から一時間程度の時間をかけて、専門の医師がそれぞれの診療科で実施しております。
 対象疾患といたしましては、駒込病院のがん・感染症センターとしての専門性を生かし、がん、エイズ感染症などでございます。
 また、セカンドオピニオン外来では、投薬、処置などの治療行為は行わずに、受診後は紹介元の医療機関での治療を基本としておりまして、主治医に受診結果の情報提供を行っております。

○山加委員 患者がみずからの意思で選択し、そしてまた納得のできる医療を受けていただくように、患者を支えるための仕組みであるセカンドオピニオン、まだ始まったばかりのこの仕組みの中で非常に重要なことは、都民が安心して医療を受けていくためには、こうした取り組みを一つ一つ積み重ねていくことが大切と思います。
 四月から試行を開始し、現在、半年を過ぎておりますけれども、この駒込病院でのセカンドオピニオン外来の実績がどのようになっているのか、伺います。

○徳毛サービス推進部長 本年四月から九月までの実績でございますが、延べ百八十八名の方がセカンドオピニオン外来を受診されております。
 診療科別では、乳腺外科三十名、血液内科二十八名、化学療法科二十六名、大腸外科二十名などとなっておりまして、がん疾患の患者さんが大半を占めております。

○山加委員 四月からの試行で、今のお答えで延べ百八十八名ということは、一月当たり大体三十名を超える患者さんが受診していることがわかります。
 今お答えいただいた、患者さんがセカンドオピニオンを求めている疾患を見ますと、まさに駒込病院が高度な専門性を発揮しているといえると思います。
 そこで、先ほども申し上げましたが、試行開始から半年がたっているわけですが、改めてその検証が必要と思われますけれども、試行の結果がどうであったのか、詳しく伺います。

○徳毛サービス推進部長 セカンドオピニオン外来を受診した患者さんや、そのご家族からは好評を得ていると認識しております。
 しかし、セカンドオピニオンの意義が社会的には十分に定着していないこともありまして、主治医からセカンドオピニオンについて十分な説明を受けていない場合や、診療データが不足した状態で受診される場合など、本来のセカンドオピニオンの目的を果たすことができないケースもございました。また、外来の診療の中でセカンドオピニオンを求められることもございました。
 こうしたことから、駒込病院では、予約の際にセカンドオピニオンの趣旨をよくご説明し、ご理解いただいた上で予約を行うなど、運営上の工夫を行ってまいりました。

○山加委員 ただいま、セカンドオピニオンの意義がまだ社会的には十分に定着していないというご答弁でございましたけれども、やはり専門用語、そこに携わっている人々にとっては当たり前のことであっても、世の中でその言葉が定着するまでには時間がかかると思います。
 このセカンドオピニオンが都民に正しく理解され、定着するには、もう少し時間がかかって当然かもしれません。しかし、都立病院において、このセカンドオピニオン外来を積極的に実施していくことが、広く都民にセカンドオピニオンを普及していくことにもつながると考えます。そういう意味におきましても、早期に本格実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 四月からこれまで試行を行い、その実施の状況などについて検証してまいりました。
 その結果、実施件数も確保され、実施状況も順調になってきておりまして、大きな問題も生じていないことから、ご指摘のとおり、年明けを目途に本格実施に移行したいと考えております。

○山加委員 患者中心の医療という観点から、きょう私は、セカンドオピニオンについて何点か伺わせていただきましたけれども、患者がみずからの意思で、みずからの体の治療方法を決めていくという力を養っていくためには、患者中心の医療という考えをより一層、さらに進めていくことが必要であることは、いうまでもないことであります。
 改めて、患者中心の医療の推進についてどのようにお考えか、病院経営本部としての力強い答弁を伺い、質問を終わらせていただきます。

○押元病院経営本部長 医療というものは、患者さんと医療提供者が互いに信頼を築きながら、その信頼関係に基づきまして協働してつくり上げていくものであるというふうに、私ども認識をしているところでございます。
 このことは、都立病院の患者の権利章典にも明記をしてございます。したがいまして、患者さんには医療に主体的にご参加をいただくということが大変重要なことであるという認識でおります。そのためには、山加委員ご指摘のとおり、患者中心の医療をより一層推進をすることが極めて重要でございます。
 私ども、今後とも患者中心の医療を進めていくために、医療の質の向上はもとよりでございますが、セカンドオピニオンを初めといたします専門外来の拡充など、医療サービスの充実を図ることによりまして、患者さんの自己決定権をしっかりと支えますとともに、患者さんが高い満足を得られるような医療の提供に努めてまいる所存でございます。

○初鹿委員 私も、患者の視点というよりも、むしろ患者の家族の視点で、何点か質問をさせていただきます。
 私、今、子どもを三人育てているのですけれども、小さい子どもがいるのですけれども、子どもをやはり安心して産み育てられるような、そういう東京をつくっていかなければならないということで、政治活動を、その問題を基本に今やっているわけです。そういう考えに基づいて、都立病院において検討すべき点を、幾つか挙げてみたいと思います。
 現在、都立病院では、都立病院改革実行プログラムにおいて、東京における重要課題である小児医療に積極的に取り組むこととしております。
 さきの第三回都議会の厚生委員会でも報告がありましたとおり、小児総合医療センターの整備を今着実に進めているということです。こういう施設の整備を積極的に進め、また小児医療の診療機能の向上を目指していくことは重要であることはいうまでもないのですけれども、やはり診療機能の面だけではなくて、患者に対するサービスの向上ということにも十分配慮をしていく必要があるのではないかなと思います。
 私、子ども三人とも、実は都立の墨東病院で出産をしまして、都立の墨東病院には随分とお世話になって、一番下の娘などは、生後二カ月のときに入院をした経験もあります。その自分の実体験と、あと入院をしている間にいろいろな家族の方の様子を見たり、直接お話をした中で、幾つかの問題点というか、感じたことがありますので、指摘をさせていただきたいと思うのです。
 まず、子どもが入院をした場合、その子どもしか子どもがいない場合だったらいいのですけれども、上にお子さんがいたり、下に兄弟がいたりすると、お見舞いに行った際に、子どもを連れて行かざるを得ない状況というのがあります。
 そのときに、基本的に病棟の中にはお子さんたちは入れないわけですよね。これは抵抗力が弱いということもあるし、感染症の問題などもあるので、これはやむを得ないし、そうすべきだと思うのですが、そのときに、じゃあ、その子どもたちをどうしようかという問題に直面するのですよ。
 現状ですと、私の経験ですと、墨東病院の場合は、出産をして、妻と生まれた子どもが入院をしておりますね。下の子を連れていくと、エレベーターのところで、まず、子どもたちに絶対動いちゃだめだよといい聞かせて、ナースセンターに行って、ピンポーンと押すところがあるのですけれども、そこを押して、初鹿ですけれども、見舞いに来たので、まず、妻を呼んでくださいと。それで来てもらって、妻にエレベーターのところで上の子どもたちを見てもらって、私が病室に行って、生まれた子どもを見ると。
 これもまた、病室も女性ばかりなんで、私一人入って、子どもをだっこして長い間いるのも、何となくいづらいわけですよ。それもそうですし、やはりそうやってやらないとなかなか対応ができないというのも、非常に煩わしいなと。
 じゃあ食堂で待っていればいいんじゃないかということもいわれたりもしたんですけれども、今の時代、都立病院、確かに警備、しっかりやっているとは思いますが、子どもだけを二人なり一人なり残していくというのは、非常に不安を感じる親が多いのじゃないかなと思うので、それもできないと。
 そういうような状況で、やはり皆さん苦労をしているようなんですね。また、子どもが何らかの病気で入院しているときに、医師にいろいろ説明を受ける際にも、子どもを連れていくと、しっかりと話が聞けないんですね。できればどこかで面倒を見てくれる場所、見てくれる人がいると、随分とこれは助かるのですよ。
 そういう要望というのは、恐らく潜在的に非常にあるのだと思うのですけれども、こういう声は、都立病院では把握をしているのでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 子どもが病院で受診する際、その兄弟の面倒を見てもらえないかという要望があることは、承知しております。
 このような要望は、核家族化が進みまして、子どもの面倒を見てくれる人が少なくなっているということも影響しているのではないかと考えております。

○初鹿委員 要望は把握しているということなんですけれども、先ほどは私の経験をいいましたけれども、じゃあ、実際に都立病院で何らかの対応というものはとっているのでしょうか。その対応についてお聞かせください。

○徳毛サービス推進部長 例えば清瀬小児病院では、外来のプレーゾーンで週二日、大塚病院では、小児病棟の入り口付近の部屋で週一日、ボランティアが対応しております。
 このように、都立病院では可能な範囲で対応していますが、日数や時間などの面で、すべての要望に対応できているとはいえない状況でございます。

○初鹿委員 なかなか難しい問題だとは思うのですけれども、まあ一定の対応はされているということですけれども、まだまだ十分じゃないということですね。
 ところで、国の病院やほかの県の子ども病院でも、同様のニーズがあるというのは当然だと思うのですけれども、こういうことについて取り組んでいるような、他県の病院というのはあるのでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 国や他県の状況でございますが、国立成育医療センター、埼玉県立小児医療センター、愛知県立小児保健医療総合センターの三施設では、ボランティアなどの活用により、それぞれ週五日間、対応可能な体制をとっていると聞いております。
 ただ、全国的に見ると、患者さん側のニーズは感じながらも、対応していない病院が多いという状況でございます。

○初鹿委員 対応している病院もあるけれども、やはり全体的に見ると、ニーズは感じながらも対応し切れていないということだと思います。
 恐らく、いろいろ難しい面もあると思うのですが、何らかの対応は必要だというのは、すべての病院で感じているんだと思うのですね。やはりそういう状況にあって、都立病院も、今後何かしらの対応をやはりしていくべきだと思います。
 ところで、現状で対応できていないその理由は、どういった点にあるのでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 比較的新しく建設された病院では、必要なスペースも想定してつくられておりますが、古い施設ではそのような配慮がなされておりません。
 また、子どもの面倒を見るマンパワーをどう確保していくか、あるいは事故防止をどう図るかなどの課題もあると考えております。

○初鹿委員 スペースということになりますと、現状、施設ができ上がってしまっていると、なかなかそこで確保するのは難しいというのは、十分理解をするところです。
 また、マンパワーということですが、やはりボランティアの確保は工夫をしていく必要があるのではないかなというふうに感じます。例えば福祉の専門学校とか、大学でもいいのですけれども、そういうところと連携をとって、人を恒常的に送ってもらうような、そういう取り組みをするとか、何らかの工夫はできるのじゃないかなと思いますので、検討をしていただきたいと思います。いずれにしましても、やはり医師の話などをきちんと聞いたり、子どもに面会をする際にも心配なく面会ができるようにするためには、何らかの対応は必要だと思います。
 こういう家族の立場というのですかね、患者というよりも家族の立場も十分配慮をしながら、今後の病院の整備を進めていってほしいと思います。
 平成二十一年度開設の目標で小児総合医療センターの整備が進められているわけですから、この新しい病院については、やはり今申し上げたような、入院をしている患者の兄弟に対応できるようなサービスをしっかりと提供できるようにしていただきたいと思いますが、ご見解をお伺いいたします。

○織戸参事 小児総合医療センターにつきましては、子どもとそのご家族が安心して適切な医療を受けていけるよう準備を進めていくことを整備の基本方針の一つとしてございます。
 その際に、サービス面についても十分配慮をいたしまして、ご指摘のような、入院患者のご兄弟への対応もできるよう、前向きに検討してまいります。

○初鹿委員 せっかく新しい病院をつくるわけですから、全国に誇れるような、ほかの病院がなかなか取り組むことができていないようなことには積極的に取り組んでいただいて、少子化ということがいわれているわけで、それをどうにかしなければいけないといっているわけですから、子どもが何人かいる家族に対して、やはり安心できるような病院をつくっていただきたいと要望をいたしまして、質問を終わりにさせていただきます。

○藤井委員 私は、先月の二十三日に起こりました新潟中越地震について、それをもとにいろいろご質問させていただきます。
 地震発生以来二週間が過ぎましたけれども、いまだに震度五前後の余震が続いているという中で、新潟--小千谷とか十日町、長岡、こういったところでは、地震の大変激しい余震がまだ続いているという状況にあります。当初は十万人の方が避難をされておりましたが、現在まだ二万五千人の方が避難生活を余儀なくされている状況にあるわけでございます。テレビや新聞などで、家を壊され、そしてまた、寒い中での厳しい毎日を送られている方々を見ますと、本当に心痛がするわけでございます。
 特にその中で、当初地震が起きたときに、私はたまたまテレビを見ていたときに、十日町にあります県立病院が、地震によって、病棟が、物が倒れ、そしてまたひびが割れ、壁が崩れ、入院患者を緊急に運び出して、その病院では対応できないために、近くの病院に患者を移さざるを得ない、そういった状況を見たわけでございます。
 そういった、いざ災害のときに、病人や、あるいはまたけがをされた方が運び込まれる、こういった医療体制というのは大変重要なわけですけれども、今回の中越地震を教訓として、東京の都立病院におきます災害時の医療体制についてお聞きいたしたいと思います。
 まず、地震が発生した場合、東京もいつ地震が発生するかわかりませんけれども、万一地震が東京で発生した場合、都立病院におきます患者の受け入れ体制、これはどうなっているか、まず、お伺いいたします。

○奥田経営企画部長 都立病院のうち、現在、八病院が災害拠点病院に指定されております。
 この災害拠点病院では、患者の収容力を臨時に拡大して応急的診療機能を確保すると同時に、必要に応じて医療救護班も派遣するとされております。
 このため、都立病院は、災害拠点病院を中心といたしまして、発災時には、あき病床を最大限活用することはもちろんでございますが、外来待合であるとか、あるいは講堂などの空きスペースの有効活用を図って、可能な限り収容力を拡大させていくというふうにしております。
 特に、基幹災害医療センターである広尾病院は、平成十五年度に、臨時病室に転用可能な研修室であるとか、あるいは備蓄倉庫を整備するとともに、三百十床の簡易ベッドを新たに整備するなど、災害対応能力を飛躍的に向上させたところでございます。

○藤井委員 今の答弁で、いざというときの患者の受け入れ体制、整備されているということだと思いますけれども、しかし、もし万一地震が発生した場合、都立病院自体が、あるいは地域の民間病院自体が、先ほどの例のように地震によって崩れたり、あるいは倒壊をしてしまって、入院患者を受け入れられないようになってしまっては、これは元も子もないわけでございまして、ご承知のとおり、十年前の阪神・淡路大震災の際は多数の死者が出ましたけれども、その亡くなった方の八割は、建物が崩壊をすることによって、いわゆる圧死で亡くなったという状況があったわけです。
 ですから、東京も、今回の中越地震の例で見ますと、中越はたまたま雪国ですから、あそこはふだんから雪に耐えられるだけのいわゆる耐震構造といいますか、しっかりした仕組みができていた、そのために圧死というのが少なかったというふうに聞いております。東京におきまして、都立病院、ここがもし震災で崩れちゃったら、これはもうよりどころがなくなってしまうわけですけれども、そういった意味で都立病院の耐震性、耐震に対してはどういうふうになっているか、お伺いいたします。

○奥田経営企画部長 都立病院の耐震性についてのお尋ねでございますが、昭和五十六年以降に建てられた病院については、新耐震基準に基づいた建物ということで、耐震安全性は十分確保されております。
 昭和五十六年の新耐震基準以前の病院についての診断基準、耐震診断の結果では、建築物の耐震性能をあらわす総合指標でございますIs値において、都立総合病院はすべて〇・六以上のAランクとなってございまして、望ましい耐震性能を確保していることが確認されているところでございます。

○藤井委員 ぜひ、いざというときに都立病院が人命の救援活動ができるように、また今後とも整備をお願いしたいと思います。
 次に、先ほどいいましたように、総合病院、本来は受け入れなければならない新潟県立の総合病院が、逆に使えなくなってしまった、電気がとまってしまったという実態があったわけですけれども、電気がとまるということはいろいろな面で、治療の面、あるいは今後新しい患者さんを受け入れるに当たって、大変支障になるわけですね。そういった意味で、電気、ガス等のライフラインというのは大変重要だと思いますけれども、都立病院におきますライフラインの状況は、いかがでしょうか。

○奥田経営企画部長 都立病院におきましては、すべての病院に非常用発電装置を設置してございまして、病院によっては最大七十二時間の自家発電が可能となってございます。
 また、手術室やICUなどには、医療用のコンピューターの関係もございますので、無停電電源装置も設置しているところでございます。
 食糧でございますが、一日三食三日分というのを基準に備蓄してございまして、また飲料水、あるいは医療用水でございますが、病院によって差がございますが、最大十日間程度は給水可能であり、ライフラインの確保を図っているところでございます。

○藤井委員 次に、今回の新潟中越地震では、特に山間部におきましては、道路が途中で崩れてしまったとか、あるいはがけ崩れで非常に孤立をしてしまったという事例がございました。そういった孤立した村で、いわゆるけがをした人たちの治療、救出活動というのは、大変な作業であったわけでございます。
 ご存じ、あの三人の母子の方を救うために東京のハイパーレスキュー隊が東京から派遣されて、命がけで優太ちゃんを救ったのは、全国に大変な感動をもたらしたわけですけれども、いざというときにそういう患者さんを、道路がもう通れませんから、当然、車では運べないという場合があると思います。そういった意味で、ヘリコプターによる搬送が大変重要になってくるというふうに思うわけですね。
 阪神・淡路大震災のときの例でいいますと、ヘリコプターの活用が数件といいますか、ほんのわずかしかなかったというふうに聞いております。大都市東京においては、交通遮断をされた状況の中で、特に重症患者を早急に病院に運び、適切な治療をするためには、私はぜひともヘリコプターの活用が大変重要だというふうに思いますし、そういった意味で、都立の災害拠点病院では、現在三つの病院、資料要求いたしましたけれども、広尾病院と荏原病院と墨東病院しかヘリポートは整備されておりません。本来であれば、もっともっと整備すべきと考えますけれども、今後、ヘリポートの整備予定はどうなっていますか。

○奥田経営企画部長 ただいまご指摘のとおり、災害拠点病院として、現在までのところ三病院にヘリポートを用意、設置しているというところでございますが、災害拠点病院以外にも、平成十一年度には豊島病院に設置をしたところでございます。
 また、今後はというお尋ねでございますが、既に整備計画をお示ししてございますとおり、多摩広域基幹病院にヘリポートを設置していくという予定になってございます。

○藤井委員 今回の新潟県の中越地震のように、夜、地震が発生をしたわけですけれども、その場合、救急車とか、あるいは自分の力で病院に駆けつけられる患者さん、こういった人たちに対して適切に対応していくためには、地震があった夜、当直の先生と看護師さんしかいないわけですから、十分対応し切れるかどうかというのは大変不安なわけです。
 そこで重要になってくるのが、その病院に勤務している医者あるいは看護師の方が直ちに病院に参集をして、救助活動に臨むことが大変必要になってくると思います。そこで、都立病院においてはこういった緊急時の参集体制はどうなっているのか、お伺いいたします。

○奥田経営企画部長 各病院におきましては、災害の規模等に応じまして、都の非常配備体制に準拠いたしました動員基準というものを整備してございます。
 例えば、夜間・休日等の勤務時間外に震度六弱以上の地震が発生したような場合には、自発的に病院に全職員が参集するというような体制となってございます。
 また、病院の近隣に医師、看護師用の職務住宅を整備しておりますが、その居住者は、災害、火災等の非常事態が発生した場合、病院の災害対策業務に従事しなければならないというようなルールであるとか、あるいは、夜間等、緊急登院の必要がある場合には、それに応じなければならないというようなルールを設けまして、これを義務づけているというところでございます。

○藤井委員 そういった地震に対する職員の方たちの日ごろの準備をぜひ充実していただきたいと思いますけれども、いざ地震が発生したときには、先ほどの新潟のように、交通手段、こういったものがまず十分確保できるかどうかという問題もありますし、決まっていても、なかなか病院に参集できるかどうかということは、大変大きな問題になると思うんです。
 ですから、日ごろからこういう場合は参集するのだよという体制をとったとしても、実際に、いざ地震や災害のときに、医師や看護師が参集をして、医療が機能するかどうかということも、わかりません。
 そういった意味では、日ごろからいざというときの訓練が大変重要だと思いますけれども、都立病院においては、災害時を想定いたしました訓練をどのように実施しているのか、また、こういったものをさらにしっかりと訓練を充実していくべきだというふうに考えますけれども、この点、いかがでしょうか。

○奥田経営企画部長 ご指摘のとおり、参集ということを職員の行動の様式として定着させていくということ、それから、そのために訓練を行うということは、極めて重要であるというふうに認識しております。
 都立病院におきましては、各病院年一回程度の割合で防災訓練を実施するとともに、都が主催する総合防災訓練にも順次参加をしているということで、今後は、発災時の参集訓練も含めまして、より実戦に近い形での訓練を実施していきたいというふうに考えております。
 また、都立病院の災害時医療体制の再構築を行っておりまして、この中で、救急災害医療センターとしての広尾病院を中心とした新たな研修訓練を実施していきたいというふうに考えているところでございます。

○藤井委員 いろいろご答弁で、災害時の医療体制に対して、病院経営本部として危機意識を持って今後とも臨んでいかれるよう、強く要望したいと思います。
 今回の新潟中越地震でも、府中病院に設置をされましたいわゆる東京DMATが派遣されたという報告が先ほどありました。こういったものをいち早くつくって、東京都がいざ災害のときに新潟に派遣したということは、私は大変すばらしいことだというふうに、評価をしたいと思います。ちょっと要望すれば、一日くらいじゃなくて、もっといっぱい行っていただきたいと思うのです、余り形だけじゃなくてですね。今後ともそういった意味で、いざ災害のときに、東京にもし起こった場合に、こういったDMATがきちんと機能するように、内容そして質、数も充実をしていっていただきたいというふうに要望したいと思います。
 そういったことが、いざというときに、東京都民の命と、そしてまた生活を守る、そういう東京都としての役割を果たすことができるということで、今後とも経営本部のご努力を期待しまして、質問を終わります。

○かち委員 私からは、初めに、がん対策の取り組みについてお聞きしたいと思います。
 私ごとではありますが、祖母が喉頭がんで、父が胃がんで、姉が卵巣がんで亡くなりました。そういう意味から、がんに対する関心を非常に高くしている者の一人として、お聞きしたいと思います。
 日本人のがんによる死亡者は、一九七〇年には約十一万人だったものが、二〇〇〇年には三十万人と、わずか三十年間に三倍近くもふえ、二〇二〇年には約四十五万人に達すると予測されています。このような状況の中で、がん制圧が一層切実な課題となっています。
 国においては、昭和五十八年に対がん十カ年総合戦略を策定して以来、過去二十年間に二期にわたる対がん戦略を踏まえ、ことしから、平成十六年度から第三次対がん十カ年戦略を推進していると聞き及んでおりますが、国のこの第三次対がん十カ年戦略の目的と内容はどのようなものでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 国の第三次対がん十カ年総合戦略の目標と目的でございますが、進展が目覚ましい生命科学の分野との連携を一層強力に進め、がんのより深い本体解明に迫る、あるいは基礎研究の成果を幅広く予防、診断、治療に応用する、あるいは革新的ながんの予防、診断、治療法を開発する、などでございます。

○かち委員 よく、がんの死亡率とかというのが出るのですけれども、厳密ながんの罹患数とか罹患率とか、毎年度ごとにどれだけの人がかかってどうなっているかというような実態把握がなかなかできていないのが現状のようですね。
 それで、今、国としても、実態把握に努めることと、情報の発信、診療技術の普及などによって、どこに住んでいても身近な医療機関でがんに関する情報を得ることができ、最高レベルの診療を受けられる平等性を確保するということで、がんの均てん化ということも大変重要な課題というふうにいわれています。
 都立駒込病院では、平成十四年三月に、国の指定する地域がん診療拠点病院に指定されました。指定病院では、幾つかのことが条件となっていますが、その中の一つに、がん診療に関する情報をホームぺージに公開することや、五年生存率なども条件のようになっていますけれども、がん医療を重点医療と標榜している都立駒込病院での五年生存率の実績はどのようになっているでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 平成十三年度における駒込病院の実績では、食道がんの五年生存率は五二%、胃がんの五年生存率は七〇%、大腸がんの五年生存率は六六・六%などとなっております。

○かち委員 私もホームぺージで見させていただきました。各疾患によってかなり甲乙はありますけれども、これを平均すると、約六十数%になるわけです。全国の医療機関では、がん患者の五年生存率は四〇%台といわれておりますので、駒込病院での医療レベルの一定の水準というものが示されていると思います。
 しかし、全般的な医療機関でのがん診療実績というのは、かなり格差があるようです。これは適切な診療を支える画像診断や病理診断とともに、高度の専門性が要求されています。この施設間格差を縮めることが、がん診療実績を大きく改善することになると思います。
 そのために、診断困難例に対する診断支援とか、画像診断の均質化を目指した教育体制とか相談機能など、系統的な診断支援の仕組みが必要だと思いますが、駒込病院での現在の取り組みと今後の方針、ありましたら、伺いたいと思います。

○徳毛サービス推進部長 駒込病院では、がん治療のセンターといたしまして、合併症を持つ患者さんのがん治療や再発がん、難治性のがんに対する治療など、他の病院では対応が困難ながんの治療に取り組んでおります。
 また、院内の複数の診療科にわたる合同コンファレンスなどを通じ、臓器別の専門医が連携協力しながら診断治療を行うことで、診療内容のより一層の充実に努めております。

○かち委員 確かに、院内での医療連携はとられている、それから難治性の診療にも当たっているということはわかるのですが、東京都民のがん診療のレベルを上げるという立場に立つなら、都立のがんセンター的な機能を果たす駒込病院で、がん診療に当たる医師の育成、教育、研修、そういうことに系統的に取り組んでいく必要があるのではないかとお聞きしたのですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 これまでも、駒込病院では、近隣地域の医師会での講演や各種団体のシンポジウム、セミナーでの講演など、さまざまな機会を通じて、駒込病院の実績を基礎にしたノウハウの提供や啓発活動を行ってきております。

○かち委員 ぜひ、系統的なプログラムにしていただきたいというふうに思います。
 診療技術というのは、情報収集だけではなくて、本当に現場で人を育成していくということが、かなり重要になってきております。
 それで、がんの診断技術とか外科手術、薬物療法、放射線療法などを担う腫瘍専門医というものの育成強化をしていく必要があると思います。
 がんとともに生きるという患者さん、家族の会ができておりますけれども、この方々から伺いますと、専門医が余りにも少ない、抗がん剤の投与量や副作用への対応、適応と限界に関する情報を家族に正しく伝えるなど、抗がん剤治療の知識を備え、きめ細かい対応ができる専門医の育成をぜひしてほしいというふうに訴えられております。
 日本腫瘍学会が二〇〇六年に認定を始めるという腫瘍専門医を都立病院で育成し、配置していくことが重要だと考えますけれども、いかがでしょうか。

○奥田経営企画部長 この専門医制度でございますが、平成十五年度に発足したばかりということで、現在、認定されている医師は、都立病院も含めてまだどこにもいないという状況でございますが、この専門医の資格の取得等について、十分研究して取り組んでまいりたいと考えております。

○かち委員 実際に始めるのはまだ二年後ですので、ぜひその辺を見きわめて、専門医の育成ということに取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それから、もう一つの治療分野であります放射線療法に伴う治療医や放射線治療装置の精度管理をする専門知識を持つ医学物理士、それぞれ都立病院には何人いるのでしょうか。

○奥田経営企画部長 放射線科の専門医として認定している資格でございますが、日本医学放射線学会による放射線科専門医であるとか、あるいは日本放射線腫瘍学会が認定をしております認定医という資格がございます。
 まず、前段の放射線科専門医でございますが、都立病院においては十七名、認定医につきましては三名ということになっております。
 医学物理士についてのお尋ねでございますが、常勤職員としての配置は、現在のところ行っておりません。

○かち委員 日本放射線学会で認定している専門医は現在全国で五十九名というふうになっていますが、都立病院では十七名配置をされているということですね。
 それで、先ほどいいました放射線の治療ができる専門医というのは、本当に数少ないわけですね。都立病院で三名、そのうちの一名が駒込病院にいるということなので、まだまだ数が少ないというふうに思います。
 がんの治療は、外科手術や内科化学療法や放射線療法、またはそれぞれの組み合わせによる方法など、いろいろあるわけですけれども、放射線療法の分野は、欧米諸国に比べても、大変進んでこなかった分野といえます。
 今日、生活環境の変化などによってがんの発症部位が変化してきているとか、高齢化しているなどで、局所療法で患者さんの負担が大変少ないということなどで、放射線療法が今大変ふえてきているのですが、それを進めていく上で必要な専門医や専門技師が足りないというのも、実態ということです。
 先ほどの放射線治療医は、アメリカに比べても一一%しかいないし、医学物理士は四%、全国で百六十人しかいないというふうに聞いています。駒込病院でも、常勤では配置されていないという状況です。
 こうした新しい分野での人材育成や技術の普及ということもぜひ位置づけて、育成、確保ということを推進していただきたいというふうに思います。
 次に、地域でのターミナル支援体制ということも大事だと思うのです。がんは、予防から早期発見、早期治療、そして緩解、終末期と、いろいろなステージがあるわけですけれども、特に終末期をどう迎えるかという点では、今、病院で最期、壮絶な最期というような状況ではなくて、その人の生きてきたなりに、その人が迎えたい終末を選択できる自由も、少しずつ生まれてきています。そういう中で、終末期を在宅で、緩和ケアとともに静かに終末を迎えたいという方々もふえているわけです。
 現在、都立病院では、唯一、豊島病院において平成十一年から緩和ケア病棟が整備されていますが、地域がん診療拠点病院に指定された駒込病院では、指定病院の条件として、緩和ケアをやることが条件になっておりますけれども、駒込病院での状況はどうなっていますか。

○徳毛サービス推進部長 現在、駒込病院では、緩和ケアの治療については、行っておりません。

○かち委員 先ほどいいましたように、地域がん診療拠点病院の条件の中に、緩和医療を提供する体制を有することということが条件になっていますので、これはやはり今後、改革の中で進めていく、数年先というようなことではなくて、今すぐにでもこのことは実施に向けて準備をしていただきたい、このように思います。
 今後、在宅での緩和ケアや在宅ターミナル、あるいはグループホームなど、一人一人が望むターミナルのあり方にこたえていくことも、大変重要です。そのためのターミナルケア人材育成、ターミナル医療連携ネットワーク、ターミナル相談機能体制の整備、こういうものが必要になってくると思います。がんセンターの役割を持つ駒込病院でも、これらのことをモデル事業として位置づけるべきだと思いますけれども、所見はいかがでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 今後緩和ケア病棟を駒込病院に移転する計画の詳細につきましては、現在、検討中でございます。

○かち委員 今、そのことをお聞きしたのではなくて、がん診療の終末期をどう迎えるかという点では、がんのセンター病院として、やはり急性期だけ診ればいいというのではなくて、最初から最後までトータルで位置づけていかなければならないと思うのです。
 在宅機能を持つ分野はまた別のところにあると思いますけれども、その分野の人たちの人材育成、それからネットワーク、相談機能、そうしたことにセンター病院はこたえていくという役割が、駒込病院にはあるのではないかと申し上げているのですね。そのことをやはり位置づけるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 終末期のがん患者などにつきましては、在宅でのケアを行う場合がございます。そうした症例につきましては、訪問看護ステーションや地域の医療機関との連携により対応してまいります。

○かち委員 そういうことは、一般の病院でも、どこでもやっていることなんですよ。しかし、やはり一般の病院で、がんを専門にしてやっている病院じゃないと、それらのことがまだ--いわば緩和ケアというのは麻薬を在宅で使うというような場面も出てくるわけですよね。そういうものを、本当に安全性と、それから患者さんの痛みのコントロールをやはり見きわめながら進めていかなければならないという、大変技術も必要なわけです。連携も必要なわけです。そういうことを、専門のセンター病院がトータル的に位置づけて、研修や人材育成や教育、相談活動、そういうことをセンター病院としてやるべきだといっているのです。いかがでしょうか。

○奥田経営企画部長 駒込病院は、既にがんの専門病院としての機能であるとか治療実績を十分に有しております。
 これまでの実績を基盤にいたしまして、がんの高度専門的な治療の充実をこれからも一層図って、適切な医療を提供していきたいというふうに考えております。

○かち委員 ぜひ、今、私のいったことを含めて、適切に対応していただきたいというふうに思います。
 駒込病院は今後PFI導入で改築を進めようとしておりますけれども、こうした民間主導のやり方ではなくて、東京におけるがん対策のあり方、課題、問題点を専門家や関係者、また都民が参加して総合的な検討を行い、その中で必要な医療機能を明らかにしていく、そのことが非常に大事だと思います。
 がん対策では、在宅ホスピスケアや地域医療機関の検診、治療の充実への支援、総合診療基盤を活用して、がん以外の幅広い地域医療の要求にも積極的にこたえていく必要があると申し上げておきます。
 次に、循環器対策についてお聞きします。
 さきの決算委員会でも少し触れましたけれども、日本人の三大疾患のうち、脳卒中による死亡率は下降傾向にありますけれども、発症数は増加し続けており、二〇二〇年には現在の二倍になり、三百万人に達すると予測されています。脳卒中の特徴は、致死率は高くないものの、介助や介護を要する状況になるということが、大変大きな課題となっています。
 現在の要介護者百二十四万人のうち、脳卒中を原因とする患者が三十六万人、約三〇%を占めているともいわれています。国民医療費の抑制という視点からも、脳卒中の早期発見、早期治療、早期リハビリによって後遺症を可能な限り残さない医療が求められています。
 平成十二年、厚生科学総合研究費事業で脳梗塞急性期後入院患者の調査結果を報告していますけれども、その報告書によると、我が国の脳梗塞急性期医療は、発症早期受診の啓発と診療体制の充実、SCUやSUなどの院内体制の整備、血栓溶解療法の早期認可などを目指す必要があると結論づけています。
 都においては、都立荏原病院において、昨年十月からSU、脳卒中集中治療室を八床設置されましたけれども、その内容はどのようなものでしょうか。そして、これは国立循環器病センターや千葉県立循環器病センターなどとどのような相違があるのか、共通性があるのか、お聞きします。

○徳毛サービス推進部長 ともにいわゆる脳卒中に対する専門病床でございます。
 荏原病院では八床をSUとして、また千葉県循環器病センターでは二床をSCUとしております。

○かち委員 内容についてはご説明なかったのですけれども、荏原病院は、昨年の十月からですから、一年ちょっと経過をしているわけですが、この診療の効果はどうかというのを見きわめるには、まだ少し年数が必要かと思いますけれども、SUとかSCUというのは脳卒中集中治療室とか専門病棟とかいわれて、その明確な違いもまだ定かではないようですけれども、現実的には、脳卒中を専門に診るチームスタッフによって医療展開をしているところが特徴のようです。
 私も、この春に、大阪府にあります国立循環器病センターを視察して、SCUを拝見いたしました。ここではとりたてた重装備があるというわけではないのですけれども、そこに働く脳卒中専門医と専門のスタッフが、二十四時間三百六十五日の連係プレーによって、たとえ脳梗塞で救急で運ばれてきても後遺症を残さないで社会復帰ができているという実態を、つぶさに見てまいりました。
 このSCUというのは、内科、外科の専門医のほか、看護師、リハビリ職、MSWなど、チームとなって連携し診療に当たる診療展開ですね。こういうことをやはり位置づけていくことが本来必要だというふうに思います。
 今、荏原病院が指定されましたけれども、救急救命医療を提供している広尾病院でも、急性期の脳卒中患者が搬送される機会は多いわけで、インターネットなどにも明記しているわけですから、広尾病院でも、モデル事業としてSCUなどの位置づけをすべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 荏原病院のSUの実績を検討する必要があると思いますので、ご指摘の点につきましては、適切に対応してまいります。

○かち委員 荏原病院だけではなくて、広尾病院についても、ぜひ検討してください。
 特に、重装備の何かが要るというものではありません。人材体制を整える、拡充するということになるわけです。
 最後に、かつてのといいますか、以前の健康局が行ってきました医療改革の一環として、患者の声相談窓口というものが実施をされて三年の結果が示されております。経年的に見てみますと、非常に特徴が出ていると思うのですが、これは都立病院だけではなくて、都内の全医療機関にかかった患者さん、家族の方からさまざまな要望や意見が出されているものを分析したものですけれども、年々相談内容が複雑になってきていたり、相談時間が長くなったり、苦情が多かったり、インフォームド・コンセントが非常にまずいというようなことも、浮き彫りになってきております。
 そういうものを改善していく必要がもちろんあるわけですけれども、このことは、都立病院においても全く同様にいえると思うのです。都立病院のそれぞれにおいても、患者さんの相談窓口みたいなものが設置をされていると思いますけれども、これを本部として集約されているでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 患者の声相談窓口につきましては、都立病院改革実行プログラムに基づきまして、平成十五年四月から各都立病院の医事担当課に患者の声相談窓口を設置しております。
 本部としては、各病院からの報告に基づきまして、都立病院全体の集計を行っております。平成十五年度につきましては、全都立病院で延べ千四百八十一件の相談等がございました。その内訳は、苦情が八百十八件、要望や意見など苦情以外が六百六十三件でございます。

○かち委員 苦情と要望というふうに分けられておりますけれども、ぜひ中身についても分析し、日々の医療展開の中で改善できるものは何かということに還元していく、改善していくということに努めていただきたいというふうに思います。
 いろいろ聞いてまいりましたけれども、病院経営本部は、都の医療政策の中で事業部門ではありますけれども、都民の命と健康を守る上で今何が求められているのかという点において、医療政策的な部門とも密接不可分な立場にあると思います。
 福祉保健局とも一層連携をとって、ソフト面においても積極的な取り組みをされることを強く求めて、質問を終わります。

○大河原委員 私からも、患者中心医療の推進について伺っていきたいと思います。
 ただいまもお話のありました、患者中心の医療を実現するために、一つの具体策として設置された患者の声相談窓口ですが、平成十五年度の実績報告を見ますと、相談者が延べ一万七百三十五人、前年度よりも五百件近く増加しております。多くの都民が医療に対する疑問や不安を持っていることがわかるわけです。
 また、この中からは、医療ニーズといったものも具体的に把握できるのじゃないかと思います。ですから、このことを都立病院の経営にもぜひ生かしてもらいたいというふうに思うわけです。
 その中で、インフォームド・コンセントに関して問題があると思われた相談件数が全体の三〇・四%あるということ、その前の年、昨年度と比べて九・四%増加しているということに注目をいたしました。
 患者の多くは、本来のセカンドオピニオン以前の段階で悩んでいるのではないかとも思うわけなんですが、主治医との対話不足で疑心暗鬼になっている状況であるとも思います。医師から説明を受けても、インフォームされても、情報も知識もない患者やその家族にとって、治療方法を選択していく、決定していくということは、少なからず不安を伴い、自信のないことだと思うわけです。知識を持っている人、つまり専門医に相談をして意見を聞きたいというのは、当然の行動です。インフォームド・コンセントとセカンドオピニオンというのは、つまりは車の両輪というふうに考えるべきではないでしょうか。
 それで、このインフォームド・コンセント、説明と同意という考え方を理解しているドクターならば、治療法を決定するのは患者さん自身、またその家族の意見も入って、十分に納得のいく決定をするということは、認識されていることだとは思うわけなんですけれども、都立病院の病院経営委員会でもこれについては議論を重ね、そして職員の意識改革も進めてきているかと思います。
 このインフォームド・コンセントの浸透の効果ということについてはどのように検証していらっしゃるのか、まず、そのことについて伺いたいと思います。

○徳毛サービス推進部長 都立病院患者満足度アンケートにおきまして、医師による説明は十分理解できたかといった、医療内容の説明につきましての設問項目を設けまして、インフォームド・コンセントの効果を検証しております。
 平成十五年度のアンケート結果によりますと、医師による説明の理解が十分とほぼ十分の割合は、入院では七一・七%、外来では六九・四%でございました。

○大河原委員 恐らく、満足と、ほぼ満足というのを足してその数ではないかと思うのですが、やはり権威のある、知識豊富なドクターの前ですと、なかなか具体的な思いを伝えられないというのが患者の実態、家族の実態かと思います。
 ですから、パワーハラスメントなんという言葉もありますけれども、ドクターやその他のスタッフの研修にも、くれぐれも注意を、配慮をしていただきたいというふうに思うわけなんです。
 医療サービスの充実に向けて、先ほどから車の両輪といいましたセカンドオピニオン、これを専門外来の拡充の一つとして始められておりますけれども、駒込病院でのセカンドオピニオン外来、患者の受診している医療機関で患者さんが主体的に治療を受けるためにということで、第三者である駒込病院のドクターが、治療に関する疑問や治療方法などに相談に応じるという形ですよね。
 先ほどこの実態、状況についてはご報告の答弁がありましたが、主治医の紹介状とか検査データを持参した患者さんやそのご家族を対象として、通常の外来診療とは別枠で、専用の予約枠でこれを設けて、時間も一人当たり三十分から一時間ですか、大変丁寧な対応をしていらっしゃるなというふうに感心をしておりますけれども、このセカンドオピニオン外来では、投薬とか処置といういわゆる治療行為は行わないわけなので、本当にその患者さんがセカンドオピニオンをもらってどのように安心なさるか、納得して自分が今受けているところへ戻っていけるかということが、かぎではないかというふうに思います。
 そういった意味でも、セカンドオピニオンというもののとり方について、またその扱いについて、これはまだまだ十分ではないなとは思うのですが、公的な医療保険の中では制度化されていないので、料金体系については各病院次第ということになっていると聞いております。
 都立病院での料金設定、これはどのようになっているのでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 料金設定でございますが、都立病院では、セカンドオピニオン外来の料金につきましては、診療の一部であると位置づけ、患者さんご本人の場合は保険診療として算定しております。
 ご家族の場合は、患者さんご本人が受診した場合に準じて算定した自主料金となっております。

○大河原委員 質問をつくる上で伺いましたら、ご本人の負担だと三千円くらい、ご家族なら一万円くらいという、具体的な料金も聞かせていただいたのですが、これならセカンドオピニオンをとってみようということは、かなり勇気づけられることではないかな、誘導しやすいものではないかなというふうに、安心をいたしました。
 ところで、患者さんには家族がいない場合もあるのじゃないかと思うのです。身寄りがない場合などもあるので、セカンドオピニオンの受診について、患者本人から依頼を受けたいわゆる第三者も対象にできたらいいなというふうに思うのですが、この点についてはどうでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 セカンドオピニオンにつきましては、患者さんの自己決定権を支え、患者さんやご家族と主治医との信頼関係をより強固にするために実施するものと考えております。
 したがいまして、対象者を、患者さんご本人と、患者さんご本人から依頼を受けた家族としているところでございます。
 なお、患者さんのプライバシーの問題などもあることから、対象者をどこまで広げるかにつきましては、慎重に対応していきたいというふうに考えております。

○大河原委員 確かに患者さんのプライバシーの問題というのは非常に重要な問題なんですけれども、家族という形が今いろいろ変わってきていて、都会ではひとり暮らしの人も多い。それから、事情があって、親戚、家族とは連絡をとり合うことができないということもあるのです。そういったときには、それこそ遠い親戚より近くの他人といいますか、信頼できる人だと患者本人が考えられれば、そういう人にこの対象を広げていただけないかと思います。
 今、プライバシーに配慮してということで家族の範囲を設けているということでしたけれども、いわゆる何親等までというかっちりした決め方ではないとも伺いましたので、この実施状況その他、また社会的な要求も含めて、今後、ご検討もいただければというふうに申し上げておきます。
 それで、駒込病院で行われている試行ですけれども、対象疾患が、がん、HIV、それからC型肝炎等というふうになっているわけなんですが、この対象疾患の設定理由、これについてお聞かせください。

○徳毛サービス推進部長 駒込病院におきましては、がん・感染症センターとしての専門性を生かすというところから、がん、HIV・エイズ感染症、C型肝炎などを対象疾患といたしました。

○大河原委員 患者の声相談窓口の実績報告の中では、治療内容に関すること、これはセカンドオピニオンを含むわけですが、この相談件数が全体の一五・五%を占めております。手術を勧められたけれどもどうしようか、重大な決断をしなければならないときに、本当に専門医に相談したい、それから信頼あるほかの人の意見も聞いてみたいというふうに思うわけで、都立病院のセカンドオピニオンであればこそ信頼できるのだ、というふうに思っている都民も多いわけなんです。
 先ほど料金設定のこともちょっと伺いましたけれども、やはり幾ら取られるのかよくわからない、ちょっと高そうだなと思うようなところもあることを考えると、都立病院というのは、そういった意味ではもう少し安心できる要素が都民の皆さんの意識の中にはあるのじゃないかということもありますし、セカンドオピニオンの対象の拡大ということを考えていただきたいと思うのですが、より多くの都民の医療ニーズにこたえるためにも、今後は、がんやHIVやC型肝炎以外の疾患に対しても対象としていくことが必要ではないかと思うのですが、このことについてはいかがでしょうか。

○徳毛サービス推進部長 ご指摘のがん、HIV、C型肝炎等の疾患以外につきましては、駒込病院の実施状況を踏まえて、今後検討してまいります。

○大河原委員 セカンドオピニオンは、アメリカなどでは急速にここ十年普及しまして、知らない人がいないほど定着した、そして、ドクターも診療の終わりに必ず、セカンドオピニオンをとりますかというようなふうに患者に尋ねることが当たり前になっているというふうにも聞きました。
 治療法が日進月歩しているわけですから、今対象になっているがん治療、それから心臓病、さまざまな治療法についても、セカンドオピニオンの必要性というのはますます高くなっていくのではないかと思います。
 治療法の選択肢が多ければ多いほど、知識のない患者にしてみれば、どれを選択していいのか本当に混乱をいたしますので、ぜひこのセカンドオピニオン、こういうシステムがあることもきちんと患者に伝えてほしい。その点では、今後、都立病院が先駆的に取り組んでいくべきだというふうに考えているわけなんですが、ご見解を伺います。

○徳毛サービス推進部長 都立病院の患者権利章典の中に、患者さんが治療方法などをみずから選択する権利を定めておりまして、患者さんがセカンドオピニオンを希望する場合は、積極的に対応してまいります。
 特に、治療法の選択肢が多岐にわたる分野では、患者さんに対してもセカンドオピニオンという仕組みをお知らせするよう、十分配慮していく必要があると考えております。

○大河原委員 インフォームド・コンセントで患者さんに丁寧に告知を行う、そしてその際、患者の権利として、セカンドオピニオンという知る権利も十分に満たされるのだということも伝えてほしいと思いますので、都立病院では、ドクターのインフォームド・コンセントの一環として、セカンドオピニオンをきちんと患者さんに知らせていくということを、ぜひお願いしたいと思います。
 このことで、ますますドクターへの信頼が私は深まるのだというふうに確信をしております。
 質問を終わります。

○前島委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩をいたします。
   午後二時二十四分休憩

   午後二時三十四分開議

○前島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○大山委員 まず私は、小児病院のことについて質問をしたいというふうに思っています。
 私たち、都立の小児病院の廃止というのは、都民にとって重大な問題だということで、再三存続を求めてきたわけです。
 最初にちょっと確認しておきたいのですけれども、八王子小児病院と清瀬小児病院について、地元自治体だとか関係者の合意なしに廃止はしないということを確認したいのですけれども、それについて、まず、ちょっと確認しておきたいです。

○織戸参事 地元の八王子、清瀬でございますけれども、その実態について、今のところきちっとした確認はできてございません。

○大山委員 地元自治体だとか関係者の合意なしには廃止はしないですよねという確認です。

○奥田経営企画部長 都立病院の再編整備の関係ですが、地域における小児医療の確保について、地元自治体が主体的に取り組めるように、都としても必要な支援を行いながら、都立病院の再編整備については、粛々と進めていくつもりでございます。

○大山委員 それは地元自治体などの合意がなくてもということなんでしょうか。

○奥田経営企画部長 地域医療の充実、あるいは地域の理解もいただきながら、再編整備を進めていくという考え方でございます。

○大山委員 理解をいただきながらということですから、合意をきちんとしなければ、進めていく、廃止しないということは、これはもう社会的にも当たり前のことだというふうに思っています。
 八王子地域の保健医療に関する検討会のまとめが十月に出ているわけですけれども、これは八王子市と東京都が連名で出したということで、非常に重要なことだというふうに考えています。
 まず伺いますけれども、都全体、それから区部、多摩地域及び八王子市における医療施設の設置状況は、改めて大きな格差があるのだということが明記されているわけですけれども、これについてどのような認識をしていますか。

○織戸参事 八王子地域の保健医療に関する検討会のまとめにもありますとおり、都内における人口分布と医療施設との配置状況を比べますと、多摩地域、八王子市の医療施設は、区部に比べて極めて少ないという状況になってございます。

○大山委員 事実ですよね。八王子市は、区部に比べ小児科を標榜する医療施設が少ないため、一施設の担う役割は極めて大きいものであると推測されるとか、区部の小児科医師一人当たりの年少人口三百四人に対し八王子市は六百八十人であり、二倍以上の開きがあるとか、区部に比べ多摩地域にはNICUが少ないというふうに記述されているわけです。
 八王子小児の役割について、いろいろ書いてあるわけですけれども、例えば、まとめの中では、八王子地域における小児三次医療は都立小児病院で実施される新生児医療、小児心臓血管外科医療などであると。これは小児医療の全体を一〇〇%とすると、一・八%であるが、医療の質として見ると極めて高度、専門的なものになっているとか、その次のページでは、表まで出て、一次、二次、三次は八王子小児だけでやっているんですという表が出ていたり、また三次医療については、八王子地域においては、都立八王子小児病院のみが三次医療には対応しているという記述もありますし、それから、それぞれの病院の状況についてまとめているわけですが、都立八王子小児病院、全体状況を見ても、この都立八王子小児病院における入院医療については、新生児医療、心臓血管外科医療、各種専門医療など、三次医療的な入院の割合が高いとか、あと、医療連携についても、八王子市内にある唯一の小児専門病院として、他の診療所、病院では対応できないケースについて、施設間の連携を図り、専門病院としての役割を果たしているとか、あと救急についても大きな役割を果たしているとか、それから三次医療についてもそうだというように、いかに八王子小児病院がかけがえのないものであるのかということが浮き彫りになったというふうに考えています。
 八王子市における八王子小児病院の重要な、このような役割について、どのように受けとめていますか。

○織戸参事 これにつきましても、検討会のまとめにございますように、八王子小児病院が有しておりますNICU、それから新生児ドクターカーについては、重要な施設であると考えてございます。

○大山委員 重要な施設であるというふうに考えているということですね。
 都と八王子市と連名でつくったものですから、当然なことだというふうに思いますけれども、後書きによりますと、八王子市は、同病院の八王子市内での存続を強く主張し、都は八王子小児を移転統合していくことを推進すると。両者の意見は平行線をたどり、意見の一致は見られなかったというふうになっているわけです。今後、どのようにするつもりなんでしょうか。

○織戸参事 都といたしましても、地域医療充実の観点から、何らかの八王子市との関係が必要かと考えてございますが、今後、市の動向を見ながら対応してまいりたいと思っております。

○大山委員 八王子における、それから多摩における八王子小児病院のかけがえのない役割は、重々認識しているということ、それから、何らかの八王子市の動向を見て判断するということですけれども、このまとめの重要なポイントというのは、やはり後書きにある、八王子市が八王子市内での存続を強く主張したということが改めて明確にされていることだというふうに思っています。
 このまとめで、小児医療に関して、多摩地域だとか八王子市での深刻な状況と、八王子小児が果たしている重要な役割も明らかになった、それは東京都ももちろん経営本部も認識しているんだと。それで、平行線だというようなかたくなな姿勢ではなくて、市の切実な要望にきちんとこたえるという立場に立つべきだというふうに思っています。
 このまとめは、九月に府中の小児総合医療センターの整備計画が出た後に出されたものですね。整備計画が出た後に、市が再度存続を求めるということを明確に主張しているということで、それだけに重大だということがいえます。
 しかし、東京都が今実際にやっていることというのはどうかといったら、あくまでも廃止を進めるということで、廃止前提のものをPFIの実施計画で企業にも説明をして、だれが何といおうが、どんな事実があろうが、しゃにむに進めるというふうにしか見えないわけですよね。これだけ重要性が認識され、そして八王子市も改めて八王子市内での存続を求めるというときに、どうしてこんなに反対されるんだろうかとか、どこに問題があるんだろうかとか、率直に経営本部としても振りかえる、見直す、そういう姿勢が求められているというふうにいわざるを得ません。こんなかたくなな態度では、本当に必ず将来に禍根を残すといわざるを得ないというふうに思います。
 八王子小児病院の存続を求めると同時に、小児総合医療センターについても、清瀬や八王子、梅ケ丘の存続を前提にした計画にするべきだということを申し添えておきます。
 次の質問に移りますけれども、都立病院では、救急患者に対する特定療養費は、どのように対応しているでしょうか。その理由も、一緒にお願いします。

○徳毛サービス推進部長 特定療養費非紹介患者初診加算料につきましては、病院と診療所の機能分担の推進を図ることを目的といたしまして、平成八年度から特定療養費化されたものでございます。
 都立病院においても、紹介状を持参した患者さんとの負担均衡を図ることからも、他の医療機関からの紹介によらないで直接来院した患者さんから、初診時に千三百円いただいているものでございます。
 救急患者につきましては、厚生労働省からの通知に基づきまして、当該加算料を算定することが認められていないため、いただいておりません。

○大山委員 都立病院では、救急患者からは非紹介患者の初診料加算はいただいていない、これはもう当然のことだというふうにいえるわけです。
 ところが、その母子保健院を廃止して、救急患者をどうするのかっていう問題で、成育医療センターがあるから大丈夫なんですというふうにいったわけですね。その成育医療センターで、今何が起こっているのかということなんです。
 これは、成育医療センターからもらったものですけれども、特定療養費、括弧して四千二百円の徴収についてという文書です。国立成育医療センター病院長の名前で書いてあるものなんですね。何て書いてあるかといいますと、緊急その他やむを得ない事情というのは何かということが書いてあります。一番は、入院治療を必要とする方、二番は、交通事故等ですね、不可抗力によって外傷を負われた方、三番目は、難病だとか、それから小児慢性疾患の医療費の助成を受けている方というふうに書いてありまして、最後に、救急車で来られた方でも、これらに該当しなければ徴収しますというふうに書いてあります。
 つまり、成育医療センターでは、急におなかが痛くなった子どもだとか、発熱した子、けがをしたりした子どもを、成育医療センターに連れて駆け込んだら、救急で行っても入院しなかったら四千二百円徴収します、それでもよかったら救急で来てください、診療を受けてくださいよということなんです。例えば、急に子どもがおなかが痛くなったときに、それから転んで子どもが頭をぶつけた、顔色が悪くなっちゃったというときに、紹介状などをもらってくる余裕、そういう状況ではないわけですよね。
 成育医療センターでは、ことしの二月から千五百七十五円で徴収を始めました。しかし、そのわずか二カ月後、四月からは四千二百円に値上げをしました。その結果どうなったかといいますと、時間外の新患の救急患者、九月、同じ月で見ますと、昨年は千八十五人です。ことしは六百七十一人、四割減です。それから十月、先月はどうだったかというと、去年は千四十三人、ことしは七百九十一人、三割減です。救急の新患患者、四千二百円になってから、こういうふうに救急の新患患者が減っています。
 どういう状況になっているんだろうかということで、地元の前都議のたぞえさんは、成育医療センターで夜の時間帯、一時間半から二時間ぐらいずつ二日間にわたって、待合室で実際どうなっているのかというのを見て、お母さんたちの声も聞いてきました。
 例えば、救急車で運ばれてきたゼロ歳児の赤ちゃんは、お母さんに抱えられて意識がないんです。お母さんは救急救命士と一緒に行って、お父さんは窓口で四千二百円が必要ですよというふうにいわれているわけですね。もう一人のほかのお母さんは、背中に赤ちゃんをおんぶしてきました。もう一人の子の、女の子の手を引いてきたんですね。手を引かれてきた子は、真っ青な顔をして氷嚢で頭を冷やしているんです。
 受付でお母さんは、四千二百円必要ですよっていうふうにいわれて、お財布をのぞいていたんですね。しかし、どうしたかというと、結局、帰ってしまったんです。病院に駆け込んだのに、お金がなくてですよ、真っ青な顔をした子どもをお医者さんにも診てもらえずに、連れて帰る。こんなつらいことが起こっているんですよ。母子保健院を廃止して、成育医療センターが救急を受け入れるからということで、経営本部はいいますけれども、現実は、こんなことになっているんです。こんな状況を認識していますか。

○奥田経営企画部長 高度専門医療機関とかかりつけ医の機能というのは、基本的に役割分担の中でもって、それぞれが十分に機能を発揮するというのが、これからの医療のあり方として正しい姿ではないかというふうに考えます。
 高度救急医療機関に運ばれながら、受診をしないで帰られたというケースについては、そうした事情も踏まえて判断されたのか、あるいは病状がさほどでもなかったのか、十分に吟味する必要があろうかと考えます。

○大山委員 人ごとのようなことをいうわけですよね。
 しかしね、こういう取り方はいいというふうに思いますか。救急患者からも、非紹介患者の加算料、こういう取り方をするというのは、いいと思っていますか。

○奥田経営企画部長 特定療養費につきましては、各病院が自主料金として設定するもので、成育医療センターの判断が働いたものというふうに考えております。

○大山委員 そんな無責任な話があるかと。大体、都立病院だったら、もう厚生省の通達どおりに取らない、救急患者には取らないということを、貫いているわけですよね。
 私、いろいろ資料をいただいた医務専門官という人は、時間外の救急が多いから導入したんだということと、まあ効果はあったというふうにいっていますよ。たぞえさんに課長さんも、特定療養費を四千二百円にして、おかげさまで効果が出ましたと、医療スタッフの人数に合った救急患者数になったというふうに語っていました。結局、成育医療センターだけでは対応し切れない、そういう状況になっているということは、明確だというふうに思います。
 さっきから他人ごとのようないい方をいっていますけれども、母子保健院を廃止するときには、大丈夫だ、成育医療センターがあるんだからというふうにいってきたわけですよね。成育医療センターとしての決断があるんだっていうふうにいっているわけですけれども、都として、やはり大丈夫なんだっていうふうに都民の皆さんにいったわけですから、四千二百円も取って、救急患者を抑制するようなことはやめてくれっていうふうに申し入れるべきです。
 それから世田谷では、梅ケ丘を存続させて、都として小児の入院もできる二次医療に対応できる病院にしてほしいという声も上がっています。そういう声にこたえて、世田谷の小児救急、東京都が改めて充実を図ることが求められていますけれども、今、二つのことについて答えてください。

○奥田経営企画部長 世田谷区における初期救急医療体制につきましては、成育医療センターが稼働をいたしまして、客観的に、飛躍的に向上したものと考えております。
 また、成育医療センターの外来実績については、我々、正確な資料は持っておりませんが、もし、その初期の患者さんも含めて救急患者がかなり減ったということであれば、一方で、世田谷区が実施しております小児の初期の救急医療体制との連携の中で、役割分担が十分に進んだものというような評価をすることもできようかというふうに考えております。

○大山委員 確かに連携が進むというのは重要ですよ。しかし、実際にお財布をのぞいて帰っちゃう、そういう悲しいことが起きているわけですよ。そういうところには、目をつぶらないでほしいというふうに思います。
 成育医療センターがあるから大丈夫だっていうふうにいった理由というのは、明らかに成り立たないというふうに思います。実際、来て、帰るではなくて、電話で問い合わせて、そういう状況を聞いて、来なかったっていう人も出てきています。ですから、やはり成育医療センターがあるから大丈夫なんだ、安心なんだっていう理由は、成り立たなくなったというふうにいわざるを得ません。
 では、そのほかの幾つかの提案をしたいというふうに思っています。
 チャイルドライフ・スペシャリストについてですけれども、これまでも、かち委員も私も提案してきましたが、アメリカだとかカナダでは、小児の病院にはチャイルドライフ・スペシャリストがいるのが当たり前になっているわけですが、アメリカ、カナダの病院においてチャイルドライフ・スペシャリストが果たしている役割について、どう認識しているでしょうか。

○奥田経営企画部長 チャイルドライフ・スペシャリストの資格でございますとか、制度、外国における現況等については詳細を承知しておりません。

○大山委員 よく承知していないとかいいますけれども、別に、日本でもきのう、きょうあらわれたものではないわけですし、九八年に毎日新聞にチャイルドライフ・スペシャリストの記事が載りましたら、そのとき半年間で二百件以上の問い合わせがありました。その後、毎日新聞だけじゃなくて、朝日新聞も読売新聞も、それからNHKの「クローズアップ現代」などでも、チャイルドライフ・スペシャリストに対する報道があったわけですね。
 そういうチャイルドライフ・スペシャリストについて、報道だけじゃなくて、これ、チャイルドライフ・スペシャリストの基本のテキストになっているというものなんですけれども、病院におけるチャイルドライフということで、これの完訳者というのは、当時、都立保健科学大学の助教授です。都立の学校の先生だったんですね。
 つい先日、十月一日にも、日本テレビで、小児医療の理想像という番組の中で、宮城県立こども病院の特集、それからチャイルドライフ・スペシャリストの仕事の様子なども含めて紹介されるというように、決して、みんなが知らないというよりは、非常に関心の高まっている職業だと、職種だというふうにいえるわけですね。社会的にこんなにも話題になっていて、関係者ならよく知っているようなことです。そういうことに目を向けようともしないということは、結局、患者中心の医療などといいながら、患者のQOL、本当に向上させようと思っているのだろうかというふうにいわざるを得ないと思っています。
 チャイルドライフ・スペシャリストというのはどういう役割を果たすのかということなんですが、チャイルドライフ・スペシャリストが行うプログラムの理念というのは、子どもを一個の価値ある存在として尊重するという考え方が根底にあります。チャイルドライフ・プログラムの目的というのは、子どもが入院治療に伴う不安やストレスに対処できるようにすること、それから、子どもの年齢相応の発達を援助することだというふうにいわれています。
 まずは、安心して能動的に遊べること、遊びたいという気持ちに満ちている子ばかりではありませんから、体調によっては、ただ手を握っていてほしいという子もいます。その子が何を求めているのかを判断して、その子にとって、いかにその状況を治癒的で前向きな方向に持っていくのかに、このチャイルドライフ・スペシャリストの専門性が発揮されるわけですね。遊びを通して、不安やストレスを軽減したり、子どもがお医者さん役になったり看護師さんになって、人形を患者さんにすることによって、医療を受ける受動的な立場から、医療を行う能動的な立場に転換できて、事故に対する能力があるんだっていう実感を持つこともできると。
 それで、プレパレーション、直訳すると準備ということなんですけれども、これも非常に重要な役割で、検査や手術に臨むとき、子どもが心の準備をして臨めるように援助することですね。
 私たちが話を伺いました宮城こども病院のチャイルドライフ・スペシャリストも、例えば手術や検査の前の日には、病院ツアーといいまして、一緒に、どういう機械なのか、それからどういうふうにやるのかとか、例えばMRIの機械はどうなっていて、自分はどういうふうに、どこに入るのかとか、大きな音がするけれど、それはどういう音で、嫌だったらイヤホンで音楽を聞いていてもいいんだとか、どうしたいのかということを、一緒に対処方法を考えるんだっていうふうにいっていました。
 何をされるかわからないまま処置台の上にあおむけに寝かされることがどんなに恐ろしいか、想像できるわけですが、何が起こるかわからないっていう恐怖、それからあおむけに寝かされたり、抑制されて体を思いどおりに動かせないということは、実際の痛み以上の痛みとして子どもは感じます。事前に行った心の準備で、何が起こるのかを予測できて、対処法を事前に練習することによって、このプロセスに積極的にかかわることによって、驚くほど前向きに対処することができるというふうにいわれています。
 同時に、先ほども出ていましたけれども、患者の兄弟姉妹への精神的なサポートというのも仕事です。
 これ、もうすぐ三歳になる息子さんが、九日間、小児科に入院したんです。そのお母さんは、このようにいっているんですね。六人部屋で、入院するときには、大丈夫ですよっていうふうにいわれたわけですが、六人部屋のうち四人が乳児だったんですね。お母さんは、面会時間に行っても泣き、別れるときに泣き、入院して三日目ごろからは、今度は表情が乏しくなり、小さな声で、ぼそぼそしか話さなくなりました。体調はよくなっているものの、精神的にとても不安なんだということが、ひしひしと伝わってきました。担当医師を初め看護師さんは、時間が許す限り病状の回復に尽くしていただけたと思っているんだけれども、心のケアということについては難しいのかなというふうに感じております。入院している子どもは、幼くても大きくても、みなとても不安だと思います。もし、病棟の中に、心のケアを専門にしてくださる方がいらっしゃれば、その不安は少なくなるかもしれませんというふうに話していました。
 全く私も同感だというふうに思っています。つまり、チャイルドライフが実際に求められているということだと思うんですけれども、どう認識していますか。

○奥田経営企画部長 医療のように日進月歩の世界では、さまざまな資格であるとか、先ほども出ましたが、認定資格であるとかいうものが登場してまいりました。そういったものについては、それぞれ専門性を十分吟味して評価をする必要があろうと。また、現在の都立病院スタッフの専門性との重複ということについても、十分勘案をした上で、慎重に見きわめるべき問題であろうというふうに考えております。

○大山委員 日進月歩だというのは、それは確かだというふうに思うんですね。しかし、アメリカ、カナダなどで、チャイルドライフ・スペシャリストが大きな働きをするんだということが、七〇年代から始まっているわけですよね。
 先ほど紹介しましたように、日本にだって、九八年から積極的に紹介されているということですから、決して、追いつかないような職種でも資格でもないわけですし、それから、重複するというふうにいいましたけれども、もちろん心のケアをする、それから患者の子どもたちに積極的に医療に、治療にかかわれるようにするとかというのは、やはりかなり複雑で高い専門性を持つ。似たようなところでは病棟看護師だとかっていうのもあるわけですけれども、それから心理の方だとかというのもあるわけですが、やはり発達のわかる、それから医療もわかる、教育もわかる、そういうかなり幅広く、そして深い専門性がある固有の職種だということでは、決して重複を恐れるような職種ではないというふうに思っています。
 チャイルドライフというのは、一言でいうと、子ども中心の医療なわけですね。患者中心の医療というふうに、都立病院はそうなんだというふうにいっているわけですから、子どもの患者だったら、子ども中心の医療になるというふうに考えますが、それはいいですよね。

○奥田経営企画部長 より専門的な見地から、その心と体、両面から患者さんに対して、小児医療に対して、アプローチをしていくという必要があろうと思います。
 まさに、それを実現しようとするのが小児総合医療センターでございますので、その点についても、ぜひご理解を賜りたいと思います。

○大山委員 今、小児総合センターが、まさに子ども中心の医療を担っていくんだ、実現していくんだってふうに答弁されたわけですよね。本当に、それを本当に実現してほしいというふうに私たちは思っているんです。そのためにも、子どもの立場で、子ども中心の医療を実現するための職種であるチャイルドライフ・スペシャリスト、これはやはり病院の根本にかかわることだというふうに思うんです。
 例えば、宮城県立こども病院だったら、チャイルドライフ・スペシャリストを、計画の段階からちゃんと検討会で中に入れて、それで病院が、ハードの面からも子ども中心の医療にするようにしたわけですよね。それは、ハイティーンの子どもたちの居場所をつくるとか、それから子どもの図書館をちゃんと広いスペースもとって充実させていくだとかっていうふうに、そうやって本当に子ども中心の医療を実現していったというのが、やはりチャイルドライフ・スペシャリストを導入した、そして常勤雇用をしたというのが、実現しているわけですよね。
 ですから、PFI、経済効率優先というのではなくて、やはり今いったみたいに、子ども中心の医療を本当に小児総合医療センターで実現するんだっていうんだったら、計画段階からチャイルドライフ・スペシャリストを採用して、子どもの病院にふさわしいものにする立場に立つべきだというふうに思いますし、少なくとも意見を聞くことぐらいはしないと、最先端だ、それから子ども中心の医療の病院なんだとはいえないんじゃないかと思うんですが、どうですか。

○奥田経営企画部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、慎重に見きわめるべき課題かと考えます。

○大山委員 慎重に見きわめるべきことだといいながらも、きちんと先進しているアメリカやカナダの状況を承知もしない、知ろうともしない。それから、日本でこれだけ社会的な大きな話題になっているにかかわらず、理解しようともしないというのでは、これは慎重に検討しているというよりは、目を向けていないんじゃないかというふうにいわざるを得ないわけですよね。
 日本でもというか、この間のNHKの「クローズアップ現代」、これを総合学習で中学生が見たんですって。その番組を見て、チャイルドライフ・スペシャリストのところに訪ねてきた中学三年生が二人いたんですね。いろいろ質問をして、チャイルドライフ・スペシャリストが、どうしてチャイルドライフに関心があったのって聞いたわけですよね。一人の子が、小学五年生のときに大きな心臓の手術をしました。そのときの怖さを五年たった今でもはっきりと覚えています。心臓の手術という以外、何も知らされずに入院したので、これからどうなるのかということがわからなくて、とても不安でした。それに言葉、例えばカテーテルとか抜糸とかわからないので余計怖かったです。お医者さんや看護師さんに聞こうとは全然考えませんでした。聞いたら最後、あ、この子、興味があるんだとか思われて、もっといろいろされちゃうかもしれないっていうふうに思ったんですって。それで、本当は聞きたかったんだけれど、関心ありませんという顔をしていました。お母さんには、これ以上心配かけたくなくて、わざと平気にしていました。だけれど、すごく本当は怖かったんです。それで手術の前の日、一人でベッドの中で泣いていました。十一歳の女の子が、夜中、ベッドの中で声を押し殺して泣いていたんですね。五年たった今も、その怖さをはっきり覚えているわけですよ。
 まさに、入院、手術による心的外傷、チャイルドライフ・プログラムを受けた子どもは、そうでなかった子どもに比べて、検査や処置後に心的外傷を起こすことが少なくて、その精神的回復がよいというふうにいわれているわけです。ですから、PTSD予防の観点からも、チャイルドライフ・スペシャリストの重要性、これは明らかだというふうに思っています。
 実際、宮城県立こども病院は常勤職員で配置していますけれども、静岡県立静岡がんセンターや浜松医大の附属病院でも、非常勤で働いています。職業として資格を生かしたい、働きたいと考えている人も、資格目指して留学している人、したい人もいます。東京都がやる気になれば、有能で熱意のある人は十分いるわけですよね。小児総合医療センターは子ども中心の病院にするんだっていうふうな決意、それから、診療報酬では認められていないだけに、東京都が先鞭を切って都立病院で採用することは、大いにインパクトがありますし、自治体の役割として重要だというふうに考えています。
 せめて、研究ぐらいはしよう、そのようにいってもいいんじゃないでしょうか。

○前島委員長 ちょっと委員長から申し上げます。今の大山副委員長の発言ですが、要するに説明的なものが非常に多くて、もっと質問を中心にして進めていただきたいと、一言申し上げます。
 どうぞ、答弁。

○奥田経営企画部長 発達段階にある子どもさんにつきましては、その特徴を十分踏まえまして、都立病院といたしましては引き続き適切な医療を提供してまいる覚悟でございます。

○大山委員 医療と同時に、子どもは生活をしているわけですから、チャイルドライフ・スペシャリストというその専門職を、研究ぐらいしてもいいんじゃないんですかっていうふうに提案しているわけです。大体、専門家の間ではもう当たり前になっているということですから、研究ぐらいしてもらいたいというふうにいっておきます。
 また、随分前になるんですけれども、平成八年ですから、八年も前になります、第三回定例会の文書質問で、病院に入院している乳幼児の、これは保育について質問しました。そのときの答弁は、長期にわたって病院に入院している乳幼児の発達保障は重要なことであり、その制度化については、小児病棟における養育方法、内容との関係やスタッフの確保方法等、研究しなければならない課題と認識していますというふうになっているわけですね。
 病棟保育士については、診療報酬でも認められたわけですから、それらも活用して、今、これは病棟保育士のことね、小児科病棟に保育士を配置することを求めますが、どうですか。

○奥田経営企画部長 平成十四年度の診療報酬改定で、一定の加算が認められたということで、国においても一定の効果があるというふうに考えているものと思われます。

○大山委員 一定の効果があるから診療報酬上も認めたということなんですね。ですから、都立病院でも積極的に配置していくことをさらに求めておきます。
 例えば、病棟に入院している就学前の子どもなんですけれども、すべてというのは大変でしょうから、例えば清瀬小児病院に入院しているゼロ歳から就学前の子どもの割合というのは、どれぐらいになりますか。

○徳毛サービス推進部長 平成十四年のワンデー調査では、清瀬小児病院の全入院患者のうちゼロ歳から六歳までの子どもが占める割合は、六七・二%となっております。

○大山委員 一般的に小児科というのは、やはり、今、清瀬小児で七割弱が就学前だということですが、圧倒的には乳幼児が多いということがいえるんですね。学校に上がれば、院内学級があるし、病気があっても子どもは成長するわけですから、ぜひ病棟保育士を配置するということが重要だというふうに思います。
 もう一つですけれども、院内保育所の活用、そして充実についてです。
 都立病院には、看護師確保対策の一環として院内保育所がありますけれども、都立病院の院内保育所の定員と在籍児数はどうなっているのかということと、あいていれば、どうしてあいているのかということを教えてください。

○奥田経営企画部長 都立病院の院内保育室でございますが、本年九月現在で十カ所、定員は百五十人、在籍児は四十一人でございます。
 あいているのは、ちょうど適齢の子どもさんを保育でお願いしたいというような実需がないということでございます。

○大山委員 育児休業なども取得できるようになったということもあるんだと思いますけれども、あいているわけですね。保育所としては存在しているわけです。東京都の施設の有効活用という点からも、時代の要請に合った活用を考えていくことが求められているんじゃないかというふうに思っています。
 この院内保育所の活用について、三つ、ちょっと積極的な提案をしていきたいというふうに思います。
 一つ目ですけれども、先ほども質疑の中でありましたが、患者の子ども、そして患者の兄弟姉妹の一時保育のことです。小児科に兄弟や姉妹が入院したり、外来で来ても時間がかかるわけですね。乳幼児を持つお母さんも患者になるわけです。小児科に来る患者さんは、さっき清瀬の例でいいましたように、入院の七割が就学前ということで、兄弟や姉妹も乳幼児がいる場合は、家に置いてくるわけにはいかないということが多いわけですね。感染症などのこともあるので、なるべく病棟だとか病院の中には子どもは入れない方がいいんじゃないかというふうに考えますが、どうですか。

○奥田経営企画部長 診療中の子どもの患者さんのその兄弟などについては、外来のプレーゾーンあるいは病棟の入り口付近の部屋などでボランティアが対応するというようなことを、各病院の実情に応じて可能な範囲で対応しているということにつきましては、先ほどもご答弁で申し上げたとおりでございます。
 都立病院の院内保育室は、地域保育で対応しにくいゼロ歳から二歳までを対象として実施してございまして、職員の乳幼児一人一人の健康あるいは発達状態などに合わせて、保育計画も立ててお預かりをさせていただいている施設でございます。
 そのために、その院内保育室で一時預かりを混在して保育するということは、施設的な制約がある中、入室している乳幼児の生活に大きな影響を及ぼし、適正な保育が困難になるというふうに考えております。
 院内保育室でお預かりすることについては、考えてございません。

○大山委員 ちょっとね、ちゃんと質問を聞いてくださいよ。全然ちぐはぐじゃないですか、答えが。ちゃんと聞いてください。
 いいですか、私が聞いたのは、病院の中には、なるべく小さい子どもは連れて入らない方がいいんじゃないんですかって聞いたんですよ。一時保育のことなんか、一言も聞いていないじゃないですか。
 病院の中には、小さな子どもは入れるべきじゃないんじゃないか、なるべくだったら入れない方がいいんじゃないですかって聞いているんですけれど、どうですか。

○奥田経営企画部長 小さな子どもさんを病院の中に入れない方がいいというのは、先ほど初鹿先生のご経験の中でも、お話があったとおりかというふうに思います。

○大山委員 入れた方がいいんですか。入れない方がいいんですか。ちゃんと答えてください。

○奥田経営企画部長 入れない方がよろしいのではないかというふうに考えますというふうにお答え申し上げました。

○大山委員 あのね、ちゃんと質問を聞いて答えてください。そうしないとね、進行上、かかわりますよ。
 さっき、一時保育は受けませんというようなことをいっていましたけれども、実際、私は新宿ですけれども、国立国際医療センターでは、子どもが受診したり入院したときの患者の兄弟や姉妹ですね、それから子どもの一時保育の要望が以前からあったので、ことしの夏、待合室に一時保育の掲示をしました。そうしたら、大きな反響があったんです。ことしの夏に一時保育した、子どもを保育した理由というのは、上の子が入院している、お母さんが入院している、上の子が障害があるために一時保育した、それからお母さんが受診、その他ですよね。切実な要求の方ばかりだったわけですね。お母さんや兄弟が病気になったときに、どうしても家に置いてこられないから一時保育、あったわけです。
 しかし、これは対応しないんだというふうにいっているわけですけれども、実際、二歳のお兄ちゃんが医療センターに入院して、下の子は医療センターの保育室、つくし保育園で保育を受けたお母さんは、医療センターに投書しました。どうしようもない不安というのは親の中にあります。同じような立場の方と話すことや、まただれかに相談できることで、かなり心の負担は軽減されると思います。私の場合は、たまたま医療センター内つくし保育園に、上の子の入院中に下の子を短期で預かっていただいたので、先生方にというのはこれは保育士だと思いますけれども、不安な胸の内を聞いていただき、とても救われました。また、短期とはいえ快く下の子を預かっていただけ、本当に助かりましたというふうに書いています。
 患者の子どもや兄弟姉妹を一時保育するというのは、患者や家族が安心して医療を受ける上でも、子どもや兄弟の精神的な安定という点でも、とても役に立ったし、若いお母さんにとって、小さな子どもが病気になってしまってどうなるのかという心配や不安を相談できるということからも、保護者の心のケアにも役立つということじゃないんでしょうか。それについてはどうですか。役立つと思うんですが、どうでしょうか。認識はどうですか。

○奥田経営企画部長 院内保育室で一時預かりをすることが、心の安定に役立つというお尋ね……(大山委員「一時保育をすることは」と呼ぶ)院内保育室で一時預かりをすることはということでございますか。(大山委員「院内保育なんていっていません。一時保育をすることは」と呼ぶ)一時保育というのは、だれがやるんですか。

○大山委員 今、私が事実として、ケースとして挙げたのは、ことしの医療センターが一時保育をしました。その医療センターは、病院内保育室のつくし保育園というところで一時保育をしました。それで、さっき述べたようにお母さんはいっていたわけですよね。
 これは、役に立ったと思いますが、どうですか。では、このケースについてどうですか。

○奥田経営企画部長 ただいまのお話は、かなり具体的なお話なんですが、私ども、そのつぶさな状況について存じ上げておりません。

○大山委員 もちろんね、つぶさな状況はつかんでいないというのはありますけれども、では、お母さんの投書についてどう思いますか。

○奥田経営企画部長 私どもは都立病院を所管している部門でございまして、国立国際医療センターの院内保育もしくは一時保育の状況について、評価をする立場にはないというふうに考えます。

○大山委員 全くね、その患者さんだとか、患者さんの子どもや兄弟や姉妹のことも含めて、きちんと受けとめるんだという姿勢が、余りにもないというふうにいうしかありませんよ。
 実際、さっきも答弁しているように、清瀬病院や大塚病院ですか、小児科では、病棟のボランティアが患者のお子さんだとか、それから兄弟姉妹も預かっている、しかし、すべてにはこたえられていないというふうに答えているわけですよね。つまり、実態としては、都立病院でも要望があって預かっているということなんですよ。
 患者の子どもや、それから兄弟姉妹ということに限っていえば、例えばコネチカット州では、病気の子どもの兄弟姉妹に対して、私たちも大切という子ども病院の兄弟姉妹サポートグループもあるんです。病気の子どもの兄弟姉妹であるということは、病気の子ども同様、フルタイムジョブになりがちだ、だからこそ専門のサポートグループが必要なんだっていうふうに位置づけているわけですね。病気の子ども同様、その兄弟姉妹も大切にするということは重要だと思いますけれども、それはどうですか。

○奥田経営企画部長 病院の子どもさん同様、その兄弟姉妹が非常に大切な存在であるから、病院の工夫によって一時的に面倒を見させていただくということを、病院の工夫でやらせていただいているという状況でございます。

○大山委員 大切だからこそやっているんだ、しかしこたえ切れていないということについては、きちんと直視して、そしてできることを、何ができるのかということをちゃんと判断して、患者の子や兄弟姉妹、一時保育をぜひ実施するべきだというふうに思っています。
 補足しておきますけれども、患者の子どもや兄弟姉妹、これもチャイルドライフ・スペシャリストが対応する対象です。ある病院では--やはり一家離散状態になっちゃうんだというようなことも含めて、兄弟姉妹に対するマイナス、これが明らかになっているんだから、保育室での保育の保障、それからチャイルドライフ・スペシャリスト、両方とも兄弟姉妹にも必要だということを申し述べておきます。
 二つ目は、地域の子どもたちの受け入れです。
 院内保育所は、先ほどから、あきが大きくなっているというのがありました。その一方で、地域では、保育園に入る必要があって、申請しても入れない待機児が非常にふえています。
 例えば、豊島病院がある板橋区は、ことし四月一日時点でも、待機児はゼロ歳児が二十一人、一歳児は百二十一人です。院内保育所で定員が多いところは、それだけスペースもあるわけですから、墨東病院は二十二人が定員ですけれども、例えば墨田区での待機児というのは、ことし四月で一歳児は二十六人、昨年の十月一日付ではゼロ歳児六十三人、一歳児六十八人、地元自治体に申し込んでも入れないという子どもたちが、こんなにもいるということなんです。
 国立病院では、院内保育所に地域の子どもたちを受け入れているというところが幾つかあります。さっきいった国立国際医療センターの院内保育室、つくし保育園は、昭和四十三年から地域の子どもたちを受け入れています。職員の子どもたちは国の予算で、地域の子どもたちは東京都の保育室制度を利用して、都と区から補助金を受けています。ことし九月一日の時点では、職員の子が六人、地域の子が十人、精神・神経センターの院内保育所、むさし保育園は、職員の子が二十一人、地域の子が五十五人受けています。やはり地域の子については、都と市から補助を受けて、職員の定着対策と地域の保育要求の両方にこたえているわけですね。国でさえも、こういう地域要求にこたえているというわけです。地域の保育要求にこたえるという点でも、院内保育室を利用して受けることができるように工夫するべきだと思いますが、どうですか。

○奥田経営企画部長 都立病院における院内保育室につきましては、国の助成制度等から一切の補助を受けておりません。
 院内保育室は、病院職員の確保あるいは定着対策のために、病院独自の努力で設置しているものでございまして、ここに地域の子どもを受け入れた場合には、職員のその乳幼児を優先的に入室させることが困難になる、あるいは新たな経営負担が生じるというような、さまざまな問題が生じてまいります。
 一般の保育につきましては、区市町村の責任において提供されるべきもので、都立病院の院内保育室を地域保育室とするような考えはございません。

○大山委員 保育園の園舎もある、定員にあきもある、しかし地域の子どもは保育園に希望しながら入れない、東京都の施設を有効利用しようという観点からも、地域に開放することは重要だというふうに思っています。
 病院経営本部は、福祉保健局と率直に相談してみたらどうですか。

○奥田経営企画部長 ただいまもご答弁申し上げたとおり、一般の保育は区市町村の責任において提供されるべきものであって、都立病院の院内保育室を地域の保育室にするという考えはございません。

○大山委員 もちろん区市町村で責任を持つというのは、そうですよ。だから区市町村とももちろん相談が必要です。
 それで、国であってさえもですよ、国でさえも、実際保育室で院内保育所と、それから地域の保育室を併存させているわけですよ。これは、福祉保健局の保育室の補助要綱、これ、あります。これはいろいろ工夫しているんですよ。福祉保健局は、保育室の要綱の中で、国立医療機関内の保育施設については特例として従来どおり補助対象とする。このうち国庫補助の対象となる子どもは都費補助の対象としない。当該施設を利用する地域の子どもに対する運営費等の補助額は、都負担、都費補助同額とする。つまり、職員確保対策のは、きちんと確保している。それから、ちゃんと地域の子どもたちの分も確保する。そうやって、特例できちんと福祉保健局だって認めているわけですから、率直に相談をしてみる、どんどん縮小しちゃうんじゃなくて、きちんと相談していくということが必要だというふうに思っています。
 三つ目ですけれども、病児保育の実施です。
 院内保育所での病児保育は、国が民間病院に病児等保育加算を行っていますけれども、民間病院の院内保育所における地域の乳幼児の受け入れについて、国の要綱ではどうなっていますか。

○奥田経営企画部長 ただいまのお話は福祉保健局の所管でございまして、承知しておりません。

○大山委員 保育所に通所している児童ではないけれども、この病児は受け入れていいということになっているんですね。もちろん民間病院の補助要綱ですから、都立病院は対象にならないわけですが、ここで重要なのは、病児保育を、病院の院内保育所を活用して、院内保育所にいる子どもはもちろんのこと、地域の子どもたちも受け入れていいですよっていうふうに誘導しているということが、これが重要なところだというふうに思っています。
 実際の実績はどうなっているかというと、福祉保健局に聞いておいたんですが、都内では一カ所しか実施はしていないんですけれども、病児保育の一年間の実績は、延べ八十六人の利用者、このうち病院内保育室の利用者は二十三人、院内保育利用外保育、つまり地域の子どもですね、これ六十三人ということで、院内保育所利用者以外の地域の利用者の方が三倍近い、要望は大きいということなんですよ。都立病院は、この補助要綱というのは利用できませんけれども、要求は高いけれどなかなか進まない病児保育を、やはり率先して模範を示していく、これも都としての大きな役割だと思いますが、どうですか。

○奥田経営企画部長 都立病院の院内保育室では、毎月、月ごとに受け入れる乳幼児の年齢であるとか人数を前もって把握いたしまして、児童の状況に合わせた計画的な保育体制をとってございます。そのため、臨時的に保育士あるいは看護師をふやすことが極めて難しいという実態がございます。
 また、都立のように何らの補助も受けていない施設として、恒常的に地域の病後児を受け入れるためのスタッフを用意するというようなことは、さらに困難でございます。
 また、院内保育室には、安静室であるとか観察室などの、病後児を受け入れるために必要な設備についても、用意してございません。
 また、地域からの具体的な要望も私どもは承っておりません。したがって、病後児を受け入れる考えはございません。

○大山委員 あのね、病院改革だとかいって、病院の院内保育所もどんどん縮小して、それでちゃんと--東京都の施設ということは都民の皆さんのものでもあるわけですよね。それが、あいているにもかかわらず--もちろん病児保育をやれば部屋だって必要だし、保育士だって必要だし、看護師だって必要ですよ。しかし、それはさっきの実績からいったって、要求は大きいんですよね。だからそれを、ドクターもいる都立病院の経営本部がやるということになれば、非常に都民にとっては重要な大きな進歩だというふうに思っています。次々縮小していくというようなマイナス思考はやめて、都民の立場に立って役立っていこう、役立たせようというふうな立場に立つべきだというふうに思っています。
 最後に、医師の定着、確保の問題です。
 患者さんにとって、信頼できる医師が継続して診てくれる、これはもう大きな関心事です。だからこそ、その都立病院の安定的運営と患者サービスの推進を維持するために、力のあるベテラン医師の定着を図ることは、大変重要な課題だと思いますけれども、どのような認識ですか。

○奥田経営企画部長 技術的にもすぐれたベテラン医師の定着を図るということは、非常に重要なことであるというふうに考えております。

○大山委員 非常に重要なことだということで、一致するわけですね。
 ところが、第二回定例会で、私の代表質問に対して、当時の病院経営本部長は、病院におきましては毎年多くの医師が自主的に退職し、私どもはそれに伴ってさらにいい医師を大量に採用するという、このいわゆる繰り返しと申しますか、医師の流動性の問題なんだと答弁しているんですね。
 つまり、当時の病院経営本部長は、流動化が当然だというふうな答弁をしているわけです。先ほどの答弁とはちょっと違うと思うんですが、どっちが本当なんでしょうか。

○奥田経営企画部長 医師については一定の流動性と申しますか、事務に比べれば、はるかに高い流動性があることは事実でございますが、そうした中で、ベテランの技術の高いドクターを確保していく、あるいは若手の医師を育成していくというのが、都立病院の一方の使命だというふうに考えております。

○大山委員 もちろん若い医師だとか研修医だとかが異動するというのはわかりますけれども、力のあるドクター、ベテラン医師を定着させるということは、では今、ベテラン医師の定着を図ることが重要なんだっていうことで、いいわけですね。
 だから、改めて、力のあるベテラン医師の定着、それから医師の育成、確保、定着に努力することを求めて、終わります。

○田代委員 都立病院の災害医療体制について、少し伺いたいと思います。
 ことしは台風や地震など自然災害が大変多く多発しまして、多くの方々が被災されたわけですけれども、災害時には、発生直後の迅速な救護活動と関係機関の密接な連携等が、被害の拡大を防止する上で最も重要なわけですね。
 先ごろ発生しました新潟県中越地震でも、被災者の避難所や車中で、高齢者を初め多くの方々が亡くなられておりまして、私は、被災後の医療面での支援というのは、これは臨床的なものも含めて、もう一つ、よく心のケアという言葉、最近いわれるようになりましたけれど、実は、最初にトリアージをして、臨床的なことをどんどんどんどんやればいいというのが少し前の考え方だったんですけれど、最近は、やっぱり最初から精神科医療も一緒にプラスして、スタートのときから少し、言葉はあれですけれど、天こ盛りの医療でやって、後で要らないものは省いていくと。足りないから順番に足していくということになると、かなり治療面ではマイナスになるんですが、具体的にどうするかということは後でちょっとお伺いしますけれども、医療面での支援というのは極めて重要であるということは、皆さん方おわかりになっていると思います。
 今回の新潟県中越地震に際しましても、被災地の診療所に勤めております金子先生という医師なんですけれども、何しろ医者が足りないという知らせをいただきまして、私が入ったのは四日目なんですけれど、現地に入りまして三日間お手伝いというか、それぞれ分担して、彼は土地がわかっているもんですから非常に遠くを診に行く、自転車なりバイクなりでですね。僕は土地カンが全くないものですから、避難所と特養と老健と町立の診療所を、法律上はどうなんだかわかんないんですけれど、一日署長みたいな、よくありますよね、消防署とか警察署であるみたいな、あんな感じになっちゃうんですけれど、やりました。
 当然、保険診療をやってないわけですから、法律上、余り問題にはならないと思うんですが、医師免許証も全部一通りは持っていったんですけれども、そのときに、被災者に対して何が必要なのか、また現地の受け入れ体制がどうあるべきなのかということを、我々もいつも考えてはいたんですけれども、やはり現場に行ってみて、改めて幾つかのことを教えていただいてまいりました。
 都立病院においても、先ほど報告がありましたけれども、災害直後には府中病院から、またその後、広尾病院からも医療チームの派遣をしたと伺いましたけれども、もう少し詳しく都立病院の活動状況を教えていただきたいと思います。
 都立病院のスタッフは、中越地震の支援に対して、具体的にどのような形で診療に参加したのか、教えていただきたいなと思います。

○奥田経営企画部長 十月二十四日には、新潟県小国町に、緊急の対応として、府中病院の災害医療チーム、いわゆるDMATを派遣いたしまして、被災直後の救急災害医療に携わりました。十一月二日には、広尾病院等から医療救護班を小千谷市に派遣いたしました。
 現地では、派遣期間中にも震度五強の余震に見舞われる中で、東京から派遣されてきておりました大学の医療チームなどとも連携をとりながら、小千谷総合病院で救急外来に連日対応したほか、避難所となっている保育園あるいは体育館でも巡回診察を行うなど、可能な限りの支援を行ったところでございます。

○田代委員 その中で、さっきのメンバーの中にも、精神科的なケアをする人たちは入っていないわけですよね。ともすると我々医者というのは、おごり高ぶって、治したからいいだろう、手術をしたからいいだろう、薬は渡したからいいだろうという、非常に間違えた救急医療に、私自身もそうでしょうけれど、陥る可能性は大変あるんで、やはり今の医療というのは、何でもかんでも薬を与えれば、何でもかんでも手術をすればいいというだけではなくて、特に災害の治療というのは、何かもうちょっと違うものが一つあるんじゃないかなという気がするんですね。ですから、今度のDMATのあり方が、いい悪いじゃないんですよ、これはもう十分百点だと思いますけれど、プラス将来に向けては、精神科的なもののケアが--メンバーのお医者さんが受けてもいいと思いますよ、わざわざ精神科の先生が入る必要はないわけですから。その研修を受ける形でもいいですから、将来何かそういうことを役立てて、患者さんに、一般の救急とも違う、また一般外来とも違う、災害の救急というのは全く別のものだというような対応ができると、より円滑な救護活動ができるんじゃないかなと思います。
 今度のこの中越の地震は、阪神・淡路のときも、うちの医師会から二チーム出したんですけれども、やっぱり同じようにマスコミの方は、最初は大したことありません--マスコミが悪いということじゃないんですよ、わからないんですよね。阪神・淡路のときも、全然大したことないといわれて、でも、どんどんどんどんひどくなっていく。今度のときも、最初は大したことありません、が、どんどんどんどんひどくなっていく。ここのところは同じだったんですけれども、被災地がああいう大都市神戸ではなくて、過疎地、山村であり、農村であると。農山村の過疎地という、非常に日本の、ある意味では地方の縮図であるようなところであって、高齢者がまた大変多い。若い人たち、一番中間の人たちがどんと抜けているような地域だったわけです。
 こういう高齢者には、体調の管理というのも当然大切なんですけれども、今申し上げたように、精神的なフォローというものが非常に重要で、それを非常に強く感じたのは、この地域というのは、当然ご存じのとおり緑豊かで、お米もたくさん取れて、しかし一方で、まだ日本記録を破られていないという豪雪地帯であって、自然環境が非常に厳しいわけですね。我々が忘れていたような、もともとの日本人が持っている気骨みたいな、いわゆる自然としっかりと対峙しながら、へこたれないでやっていくんだ、簡単には音を上げませんよという、いわゆるいい意味での昔の日本人の気質みたいなものがあるんだと思いますね。そして、それなりに経済的なことを考えたら、それは東京の人にはかなわないでしょうけれど、人間としての自負心というか、自分なりの思いを持っている人たちが多かったような気がします。
 しかし、そういう中で、私自身の対応も非常にまずかったんでしょうけれども、最初に被災者の人たち、避難所に行ったりして、係の人も、町役場の人も一緒に行ってくれたんですけれども、東京から医者が来たけれど何かないという感じで、聞いてくれたんですね。みんなも、大丈夫です、大丈夫です、大丈夫ですばっかりで、なかなか取っつく方法がなくて、しようがない、お孫さんたちみんな集めて、お孫さんたちに、こんないいチャンスはないから、なるべくおじいちゃん、おばあちゃんに話を聞いて、昔の結婚した話とか、戦争前の話とか、この村の、あるいは部落だったときの歴史を聞いた方がいいよ、その中で、おじいちゃん、おばあちゃんがどこか痛いところ、かゆいところ、つらいこととかあったら先生にいってくれたら、ちゃんと治しに行くから、お正月のお年玉も弾まれるんじゃないのといいながら、みんなに手伝ってもらったら、徐々に徐々に話が始まって、そのうち全員ということになってしまう。
 一カ所が二百人から六百人ぐらいいるわけで、全員となるとかなりの人数にはなるんですけれど、一人話し出すと、みんな話したいという形になる。これが、東京方式で、はい、どうぞ、次の方どなたという形ではいかないなという感じが強くしましたですね。
 そういうお年寄りの方々が持っている、日本人として--それは世界各地どこでもそうかもしれません、日本人だけじゃないかもしれないけれど、独特なそういう、何ていうんですかね、自分で事業をしている人たちが持っている自負心みたいなものが強く残っている中での救護活動というのは、やっぱり都市部、東京なんかがやられたときとは違うような考え方を持たれた方がいいんじゃないかなと思うんですけれども、今回の都立病院の医療支援活動の中では、実際にはどのような患者さんが多かったんでしょうか。わかる限りでいいですから、教えていただきたいと思います。

○奥田経営企画部長 報告が出ておりますが、救急外来では、狭心症、膀胱炎、ぜんそく発作、一過性脳虚血発作、打撲などさまざまな症例に加えまして、過労であるとか睡眠不足によると思われる感冒の症状が多く見受けられたということでございます。
 また、隣接する老人保健施設では、臨時に二百人以上の高齢者を収容していたわけでございますが、ここで回診を行う中では、高血圧、糖尿病などの慢性疾患や脳梗塞などのケアを行い、また巡回診療では、エコノミークラス症候群を発症するおそれのある下肢静脈瘤患者を見つけて、すぐに弾性ストッキングを着用させて外来受診を指示したというような状況でございました。

○田代委員 私が診せていただいたことと、そうするとほとんど同じ状態。よくも悪くも、今、長期の糖尿病ですとか高血圧の薬の投与があるんで、途中でぼんと地震が来ちゃったときに、たまたま病院に薬をとりに行く日に当たっている人が、一番困っちゃうんですね。そういうのを何か工夫していただいて、東京都でそういうのがあったときに、一カ月分、二カ月分もらっていると、たまたま今度とりに行こうというときに何か起きたときに、非常に対応がまずくなってしまう。
 私は四日目に入ったものですから、四日間、全然血圧の薬を飲んでいないおじいちゃんなんていうのは、大丈夫といっても、はかると百八十、二百ある。薬でちゃんとコントロールされていたところが、飲まなくなった上に精神的にやはりプレッシャーがかかっているということで、高くなっちゃう。
 それから朝晩の、今ほど寒くないですけれど、やはり当時は朝は二度から五度ですから、昼間は大変、もうシャツを脱ぎたくなるほどあったかくなるんですけれど、寒暖の差が激しいということで、心臓、血圧、こういうものは非常に問題があったですし、糖尿病の患者さんは、もう糖尿病食が手に入らないわけですから、来るものを食べなきゃしようがないという状態ですから、やはり生活習慣病の人たちにどうするかということも、これを一つの契機として、東京都は理解を深めていただきたい、対応をちゃんととっていただきたいと思うんですね。
 都立病院では、救急外来医療センターとして、そういうものを整備して、さらなる機能充実を図るとともに、都立病院を中心とした都立病院のネットワーク化を図って、都立病院が先頭に立って、都における災害時の医療体制というものをもう一度見直して、いろいろわかってきたわけですから、阪神・淡路のとき、それから今度のとき、一つ一つを理解していただいて、これから十年の間に関東大震災が起きる可能性というのは、いろんなデータのとり方がありますけれども、一番直近なのは三割といわれているんで、三割ならいいかなというのもありますけれど、三割というと、逆に考えると随分高い可能性があるわけですよね。
 その中で、やはり東京都が、特に都立病院が果たす役割というのは重要だと思うんですね。こういうものを備蓄しておくというのは、言葉でいうのは簡単ですが、薬を備蓄するにしろ、あるいは、話は横になりますけれど、トイレを備蓄するにしろ、トイレも、今度トータルで三百使われたわけですけれど、約十万人の人が避難していて三百のトイレ、しかも最初は水が、僕が行ったときには出ないわけですね、ライフラインないわけですから。そうすると、三百のきれいな、ウオシュレットのついているホテルのトイレみたいなものがあるんだったら十万人もどうにかやりくりはできるかもしれませんけれど、十万人の人に三百のトイレで水が流れませんというのは、三百回しかしちゃいけないような話と同じように、大げさにいえばですよ、そういう状態になっちゃうわけですから。
 かといって、ではトイレを一千二百万人分、例えば幾つ、十万なのか、二十万なのか、百万なのか、用意すればいいのかというと、その経済的なことも非常に大変だし、やはりこういう救急災害に対しては、病院だけ、医療だけが何かやればいいわけではなくて、もっともっと総括的に、そういうものを寄附してくれるような会社に対する租税の優遇を図るとか、それはもう東京都全部、国とも協力し合いながらやっていかなくちゃならないことはわかるんですけれども、その中で都立病院がしっかりやらなくちゃいけないことを頭に入れて、特に、黒須市長には大変申しわけないけれど、八王子の選挙なんか手伝いに行くと、黒須さんのところの山の奥へ行くと、僕が行った小国町よりはもっと田舎だったような気がするんですね。こんなところ、東京かいなというようなところで、ちょっと野村先生いらっしゃらないんで、青梅の話よく聞かないけれども、やっぱりすごいところがあるわけです、東京にもね。みんな港区、六本木、あるいは品川駅前じゃないわけですよ。
 そういう意味では、やっぱり東京といえども、小千谷の二の舞にならないなんて、だれもいえない。だから、そこで力を持ってきちっと医療の一つのモデルをつくる、都立病院のそのモデルをつくるべき責務があると思いますので、しっかりとそれを考えながらつくっていただきたいと思いますけれども、今回の経験も踏まえて、今後、都立病院として、災害時にどう取り組んでいくのか、最後に本部長にお伺いしたいと思います。

○押元病院経営本部長 先ほど来、田代委員が被災地をつぶさにごらんになりまして、また医師としての専門的なお立場に立って、大変貴重なご所見、ご提言をちょうだいをいたしました。私ども、今後の救急医療体制の見直しに当たりまして、十分参考にさせていただきたいと思っております。
 都における災害医療体制を確保する上で、都立病院が非常に重要な役割を担っていることにつきましては、ご指摘のとおりでございまして、私ども強く認識をしております。都立病院といたしましては、大規模な自然災害はもとより、事故、テロなどの発生直後における迅速な医療活動を、関係機関と連携して行うことが、被害の拡大防止に極めて重要であると考えております。
 こうした認識に立ちまして、平時から、医師会や他の災害医療機関、あるいは区市町村、自衛隊など関係の機関と密接な連携を図ることを初めといたしまして、ただいまのお話にもありましたように、都内の各地域の特性にも十分配慮をいたしまして、ハード及びソフトの両面から災害医療体制の整備を行うなど、都における災害医療の中核を担うべく、万全を期してまいりたいと存じます。

○田代委員 先ほど申し上げましたように、大変お金はかかるんですね。ありとあらゆるものを、来るか来ないかもわからない、七割来ないんですから、逆にいうと。七割来ないものに、とてつもない人的な、あるいは経済的な負担がかかるものに対して、やはりそれを都民がむだ遣いと思わない、いいと思うものは、そのモデルケースがだれにでもわかって、やっぱり東京都だけではなくて、その病院経営本部のアカウンタビリティーのもとでしっかり説明をして、こんなプランの中で、こうやって守っていけば、八王子の奥でも大丈夫です、あるいは島しょでも大丈夫です、六本木のど真ん中でも大丈夫ですと、それぞれのモデルをしっかりわかるように、説明を都民にしていただければ、随分都民の協力も得やすいと思いますので、一層努力をお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○前島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○前島委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十九分散会

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