厚生委員会速記録第八号

平成十六年六月十日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十三名
委員長藤井  一君
副委員長山加 朱美君
副委員長大山とも子君
理事鈴木あきまさ君
理事初鹿 明博君
理事野村 有信君
東村 邦浩君
柿沢 未途君
かち佳代子君
大河原雅子君
田代ひろし君
古賀 俊昭君
佐藤 裕彦君

 欠席委員 一名

 出席説明員
福祉局局長幸田 昭一君
総務部長吉川 和夫君
生活福祉部長笠原  保君
高齢者部長福田  豊君
子ども家庭部長白石弥生子君
障害福祉部長有留 武司君
保険部長野村  寛君
参事並木 勝市君
参事朝比奈照雄君
参事岩井 令雄君
参事清水 克則君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 福祉局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百六十八号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・第百六十九号議案 東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・都立知的障害者更生施設(町田福祉園)の民間移譲について
・都立福祉作業所(調布福祉作業所)の民間移譲について

○藤井委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書五件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件について取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○藤井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより福祉局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百六十八号議案及び第百六十九号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 百六十九号議案、調布福祉園の民間移譲についての議案ですけれども、この調布福祉園の民間移譲については、昨年九月三十日のこの委員会でも質疑をしています。そのときご答弁で明らかになったのは、安定した人間関係がこういう調布福祉園のような知的障害者の福祉園には必要である、重要である、そして、利用者が安心して生活していくには、利用者と職員との信頼関係を確保することが非常に重要であるということが答弁の中でも確認されました。
 民間移譲するとき、どうして民間移譲するのかということについては、柔軟で迅速な予算執行ができるということでしたけれども、それについては、何も移譲しなくても実際生活寮はやっているし、デイサービスなども都立で十分やれることなんだということも確認されました。結局、部長さんが、繁忙時間帯に非常勤職員を増配置するというふうに答弁されていますけれども、常勤職員じゃなくて非常勤職員で細切れに使うことなどが弾力的な人事管理だということだったんですね。
 現在は委託費で運営されていますけれども、移譲されると、支援費とサービス推進費で運営を行うことになりますが、九月のときはサービス推進費がまだ検討途中だったということで、実際どれぐらいの予算になるのかというのが明らかにならなかったんですけれども、サービス推進費、とりあえず今年度から改悪されたものが実行されたわけで、今度は試算できると思うんですが、移譲された場合、現在の調布福祉園の事業内容、それから、入所している人もそのままといった場合に、年間どれぐらいの運営費になるのかということの数字と、それから十三年度からの運営費の推移を一緒に教えてください。

○有留障害福祉部長 まず、調布福祉園の管理委託料の推移からお話しさせていただきます。
 平成十三年度は九億九千七十五万四千円でございます。平成十四年度、九億六千七百二十七万四千円でございます。平成十五年度、これは決算見込み額でございますが、八億九千九百七十三万円でございます。平成十六年度、予算額でございますけれども、八億八千三万六千円でございます。
 民間移譲後の施設運営費でございますが、支援費とサービス推進費に比べまして、認定施設ということで医療的ケア等の増員が図られるわけでございまして、そういうことを前提とした場合、約七億六千万円となります。このほか、施設運営にかかわる経費といたしまして、建物維持管理経費につきまして、法人の経営努力を踏まえながら合理的な範囲で都が補助を行うこととしております。この金額については、現在精査中でございます。これらを含めますと、民間移譲後の施設運営経費は、平年度ベースで約八億二千万を見込んでおります。

○大山委員 平年のベースだと、八億二千万円なんだということですね。今年度、十六年度、さっきお答えしてもらいましたけれども、ことしは過渡期というか、都の委託費と支援費と両方ですから、十六年度で比べるよりは十五年度で比べた方がいいと思うんですけれども、十五年度と比べても七千九百万円の減額だということですね。
 運営費というのはほとんど人件費ですから、一人当たり五百万円としても十五・八人分、約十六人分ということですね。十三年度が九億九千万円ですから、試算の状況だと八億二千万円ですから、十三年度と比べますと、一億七千万円の減額だということなんですね。十四、十五、十六、十七、四年間で一億七千万円も減額してしまうということです。これ、一人五百万円としても三十四人分ですね。とっても大きいんですけれども、十三年度から十六年度までの間でも非常に減額されていますけれども、この減額されている原因というのは何でしょうか。

○有留障害福祉部長 十年度までは重度障害者一人に対して直接支援職員が一・二五という数で配置されておりました。民間委託を契機にもっと効率的な運営ができるだろうということで、一対一体制に五年間かけて削減して、現在は直接支援職員は基本的に一対一という体制になっております。そういう経過措置がこの数字に反映されているということでございます。

○大山委員 この減額の原因というのは、都立の施設が入所者一人に対して職員は一・二五人配置をしていたという基準から、一対一により薄くしていったということなんですけれども、結局、都立の重度の障害者の施設は最重度の人を率先して受け入れようということで、一対一・二五という基準がつくられてきたわけですね。ですから、最重度の障害者の方々への処遇を充実させるためにつくってきた基準を、民間に移譲するためによりサービスを低下してきた、職員配置を薄くしてきたということのわけですね。
 民間にも最重度の人たちが入るようになったんだというふうにいうわけですけれども、最重度の人が民間の施設に入れば、今までの、東京都がきちんと、最重度の人が入るんだから一対一・二五でやっていた基準を、民間にも当てはめる、それが本来の姿だというふうにいわざるを得ません。民間の配置も一対一・二五にするということこそ本来の姿であるわけで、それを低くして合わせよう--民間の方はちょっと引き上げたかもしれませんけれども、それ自体サービス低下なんだということを指摘せざるを得ません。
 結局、民間に移譲するために、入所者の処遇を向上させるための人員配置を削ってきたんだということなんですよ。民間移譲する年に急に一対一にするんじゃなくて、着々と準備をしてきたんだということですけれども、しかも今年度以上に減額になってしまうわけですね。
 先ほど調布福祉園の支援費とサービス推進費を合わせての試算を出してもらいましたけれども、支援費とサービス推進費の内訳はどうなっていますか。

○有留障害福祉部長 支援費とサービス推進費の内訳ということでございますが、支援費が三億一千三百二十二万七千円、これに対して、サービス推進費、それから認定施設加算を合わせまして、両方ともサービス推進費で支出されるわけでございますが、これが約四億五千万円、そのほか建物維持管理経費等を含めまして、先ほど申し上げた八億二千三百万円強になるということでございます。

○大山委員 運営費だけを見ますと、サービス推進費と支援費ですよね。支援費は三億一千万円ですね。合計して七億六千三百万円ですから、運営費の中の支援費が占める割合というのは約四割だけなんですよね。これは、いかに国の考えている水準が低いものかということだと思うんですね。だからこそ東京都は、最重度の人が入ればきちんと職員を加算してきたという歴史があるわけですよね。だから、民間移譲しても引き続きサービス推進費を加算するんだというわけですけれども、サービス推進費自体が財政再建推進プランの中の補助金見直しの大きなものだったわけですね。
 しかも、この補助金の見直しというのは、第二次財政再建推進プランの矛先の中心になっているわけですね。このサービス推進費が、こういう第二次財政再建推進プランの削減の矛先になっているわけですから、非常に不安定だというふうにいわざるを得ないわけですよ。
 このサービス推進費、きちんとずっと続けるんだというふうにいい切れますか。

○有留障害福祉部長 先ほどの数字で申し上げたとおり、サービス推進費の額は国の最低基準を大きく上回るような大幅な加算をしているところでございます。そういうことで、都として望ましいサービス水準を確保するということで、十六年度でいえば、障害福祉関連の予算では百億を超える予算を計上しております。
 これについては、継続して実施していくというふうに考えております。

○大山委員 継続していくというふうに考えているということですね。
 とにかく、今、国の基準を大きく上回っているといいましたけれども、国の基準が低過ぎるんですよね。だからこそ都として望ましい処遇をきちんと保障するんだ。しかも、それを民間移譲するために、もう既に下げちゃったわけですよね。だからこそ、国基準さえもなくすんだというようなことを知事は発言していますけれども、国基準も守る、それから東京都のサービス推進費も、今、都として望ましい水準を維持するためなんだから、継続するんだということをきちんと守ってもらいたいというふうにいわなければならないと思います。
 第二次財政再建推進プランで矛先の中心になっている、その補助金でも継続するんだというふうにいい切ったわけですから、これはきちんと守っていただきたいというふうに思っています。
 以上です。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○藤井委員長 次に、二件の報告事項、都立知的障害者更生施設(町田福祉園)の民間移譲について及び都立福祉作業所(調布福祉作業所)の民間移譲についてに対する質疑を一括して行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○吉川総務部長 過日の厚生委員会でご要求のございました資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料にまとめてございますので、説明をさせていただきます。
 資料は、目次にございますように、全部で三項目となっております。
 それでは、順を追って説明させていただきます。
 まず、一ページをお開き願います。
 町田福祉園、調布福祉作業所の人員配置及び予算といたしまして、(1)には平成十六年度の職種別の人員配置を、(2)には平成十六年度の予算額を記載してございます。
 二ページをお開き願います。
 町田福祉園を社会福祉法人東京都社会福祉事業団に運営委託した目的及び根拠といたしまして、目的、根拠、委託開始時期につきまして、それぞれ記載してございます。
 最後に、三ページをごらん願います。
 都立障害者施設の民間移譲による効果といたしまして、弾力的な人事管理、柔軟・迅速な予算執行、施設・設備の効果的な活用など、五つの事項につきまして記載してございます。
 以上、ご要求のございました資料につきまして説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○初鹿委員 障害者施設の民間移譲について、何点かご質問させていただきます。
 先ほども、議案の方でもこの話題だったと思いますけれども、こういう公立の施設が、大規模で、かつ計画的に民間移譲されるということは、全国的にも例のない、非常に新しい取り組みであるなというふうに感じております。特に町田福祉園は、都の監理団体である東京都社会福祉事業団が運営する施設を民間移譲するという、今までにない初めてのもので、また、調布福祉作業所についても、都立の通所の施設としては初めての民間移譲になるということですね。いずれの施設も、民間移譲後、今後のモデルとなっていくものでありますから、全国に発信するすばらしいものになるということを期待をして、質問をさせていただきます。
 先ほどいただいた資料で、民間移譲による効果というものがありましたけれども、私もこれはこのとおりだなと思うんですけれども、民間移譲というのはなかなか先例がないために、利用者また家族の方々は非常に不安を感じているということは当然だと思うんですね。民間移譲に当たって、やはり利用者や家族の方々の安心感を確保するというのが第一の条件になると考えております。
 現行のサービス水準の維持を約束できるのかということをまず最初に確認をしておきたいと思いますが、町田福祉園、調布福祉作業所、それぞれについてまず見解をお伺いいたします。

○有留障害福祉部長 都立障害者施設の民間移譲に当たりましては、移譲後も利用者に対するサービスが維持、向上され、利用者や家族の方々の安心感を確保することが大前提であると認識しております。
 町田福祉園の民間移譲後は、国基準であります支援費に加えまして、都独自のサービス推進費を補助することにより、生活支援職員や医師、看護師などについて現行と同水準のサービス提供が可能となる体制を確保してまいります。
 調布福祉作業所につきましても、同様に、これは通所授産施設ということになるわけですが、支援費に加えまして、サービス推進費補助によりまして、現行と同水準のサービス提供体制を確保してまいります。
 さらに、移譲後は、民間法人による創意工夫や自主性の発揮によりまして、利用者一人一人のニーズに合わせたきめ細かで効率的な施設運営が行われ、より質の高いサービスが実現されると考えております。

○初鹿委員 サービスの水準は維持をしていくということは確認できたと思います。
 一般的に、福祉の分野で考えると、都立の施設の方がすぐれていて、民間の方が劣っているというふうに感じている方が多いのが、民間移譲するに当たって不安を感じさせる原因の一つになっているんではないかなと思います。どうしても日本人というのはまだお上意識が強いのか、公務員は偉くて民間はそれより下だという意識の方がまだまだ多いように感じるんですが、私は必ずしもそうではないんじゃないかなと思っております。民間の施設の中にもすぐれた取り組みを行っている事例というのはたくさんありますし、成果を上げているところもたくさんあると思いますが、東京都としてはこういう民間のすぐれた事例についてどのような認識を持っているのか、まずお伺いいたします。

○有留障害福祉部長 都立施設におきましては、職員は一生懸命やっておるというふうにまず認識しております。そういう認識の上で、ただ、人事管理、予算執行や施設管理などの面におきまして、公務員制度とか行政財産などの制度的な制約がありまして、施設ごとの創意工夫や自主性の発揮がしにくいとか、あるいはサービスが画一的、硬直的になりやすい面がございます。また、効率的な運営という点では、高コスト体質という問題がございます。
 ご指摘の先駆的な実践をしている民間施設の事例を幾つか申し上げます。
 例えば、全室個室でユニットケア、これはグループホーム的な処遇をしております、そういうサービスを提供したり、多数のグループホーム、十数カ所のグループホームを設置して、施設のノウハウで運営している。あるいは地域の障害者に対する二十四時間の相談サービスをやっているところ。それから、法内の通所授産施設で、六十人規模ですと九人ぐらいのスタッフしか国基準では配置されませんが、有償ボランティアを全面的に導入いたしまして、一対一で処遇している。こういう例など、民間法人ならではの創意工夫を生かした弾力的、効率的な施設運営がなされ、質の高いサービス提供が行われているというふうに考えております。
   〔「都立でもできる」と呼ぶ者あり〕

○初鹿委員 都立でもできるという声もありますけれども、民間でできることはできる限り公はやらない方がいいんではないかなと私も思いますので、いい流れではないかなと思っております。
 ところで、東京都では今、重点事業で、障害者地域生活支援緊急三カ年プランなどにより、障害者の地域生活を支える基盤整備に取り組むとともに、入所施設を生活型施設から地域生活支援型施設へ転換しようと取り組んでいるというふうになっていると思います。
 この町田福祉園、去年、我々の町田選出の真木議員の声かけで、民主党の一期生十人程度で視察に行ったんですが、その際いろいろ説明を受けた中で、重介護型、地域生活準備型、ミドルステイ型など多様な利用形態、また、ショートステイやデイサービスなど非常に進んだ取り組みをしている、また、地域との連携も非常にきめ細かく行われているという説明を受けました。
 この非常に進んだ取り組みが、民間に移譲された後も継続されていくのかということを確認したいと思うんですが、いかがでしょうか。

○有留障害福祉部長 町田福祉園が実施しています重介護型、地域生活準備型、これは地域生活移行に向けた訓練をやる、三年コースでございます。それからミドルステイ型、これは一年コースでございます。こういう多様な利用形態、それからデイサービスなども大規模に実施しておりまして、自活訓練事業にも積極的に取り組んでいるというようなことで、これらの事業は在宅の重度障害者に対する支援も含めて有効な事業であり、今後も一層推進していくべきものと考えております。
 先ほどお話ししましたように、民間施設ではさまざまな先駆的な取り組みが行われておりまして、民間移譲後は、これらの事業の継続はもちろんのこと、さらに利用者ニーズに合わせて拡充していくことが期待できると考えております。
 また、町田福祉園と地域との連携でございますが、これまで培ってきました地域の通所施設との連携や地域住民に対する施設開放、ボランティア受け入れなどの地域に開かれた取り組み、これは民間施設では既に広く普及しておりますが、民間移譲後は一層発展していくものと考えております。

○初鹿委員 今までの取り組みは継続して、さらにいい取り組みが進んでいくということだと思います。
 ところで、公募によってこの法人を適切に選定していくということなんですが、やはり法人をどこに決めていくかというのは非常に重要だと思うんですね。そこで、選定に当たっては、町田福祉園についてですけれども、障害者の入所施設の運営実績がある法人に限定するということではなくて、重度の障害者の処遇経験のある法人というのをぜひ選んでいただき、考えていただけないかなと思うんですね。入所施設でも中軽度の障害者の処遇経験しかない法人というものもあるわけですから、そうじゃなくて、重度経験もあるところも考慮していただきたいというふうに考えるんですが、どのような視点で適切な法人を選定していくのか。
 また、選定の結果、適切な法人がなかった場合--あり得ないとは思いますけれども、万が一なかった場合にはどうするのか、お伺いいたします。

○有留障害福祉部長 応募資格につきましては、入所施設の運営実績がある法人に限定せず、できる限り広く募りまして、最も優良で質の高いサービスを提供できる法人を選定していきたいと考えております。
 選定の視点といたしましては、法人の施設運営実績、財政基盤、移譲後の利用者支援計画、あるいは地域の障害者に対する支援計画などが視点でございます。ご指摘の重度障害者支援の実績や計画も、当然重要な審査基準の一つであるというふうに考えております。
 昨年度、調布福祉園の公募の際には五法人の応募がありまして、今回の町田福祉園、調布福祉作業所についても、必ず優良な法人が確保できると考えております。
 万が一適切な社会福祉法人を確保できない場合は、移譲条件が整うまで引き続き社会福祉事業団に運営を委託することになります。また、調布福祉作業所は、東京都の直営を継続するということになります。

○初鹿委員 つまり適切なしっかりとした法人に限って移譲していくということで、応募があったから何でもかんでも移譲するということではないということでいいわけですね。
 ところで、この前、町田の福祉園を見たときに、非常に敷地が広いなというのと、施設が立派だなというのを感じたんですが、この広い敷地、土地、建物というのをぜひ有効に活用していただきたいなと考えるんですね。移譲した後の移譲先の法人や、また地元の、町田福祉園ですと町田市が地元市になりますけれども、町田市の意向を踏まえて、ぜひ有効活用をしていただきたい。
 また、あれだけの建物ですと、素人目から見ても非常にコストがかかってしまうんじゃないかなというふうに思います。維持管理や修繕の高コストになってしまうところについて、都としてはどのように対応していくのか、あわせてお答えください。

○有留障害福祉部長 町田福祉園に限らず、都立施設は一般に民間施設と比べて広い土地、建物を有しております。民間移譲後の土地、建物の活用につきましては、都民の貴重な財産であることから、地域のニーズなどを踏まえまして、有効利用のあり方を検討していきたいと考えております。例えば、職員宿舎を利用者の自活訓練事業としてさらに積極的に活用したり、地域の障害者支援のためのデイサービスやショートステイの充実など、利用者や地元市など地域のニーズに応じて有効活用を図っていきたいと考えております。
 また、都立施設は、施設設備の規模が大きく、入所施設では管理の方法も幾つかの生活棟に分けて管理していく、そういうようなことなどがありまして、民間施設と比べて多額の建物維持管理費用を要しております。これらの建物維持管理費や修繕に要する経費につきましては、法人の経営努力も踏まえながら、都が合理的な範囲で財政支援をしてまいります。

○初鹿委員 ありがとうございました。
 では、最後に、この民間移譲によって、サービスの向上、現在の利用者や家族の方々の安心の確保、そしてさらには地域に暮らしている多くの障害者や家族の方々の安心の確保に向けた取り組みについて、局長に決意をお伺いいたします。

○幸田福祉局長 現在進めております都立の福祉施設の民間移譲でございますが、まず基本として、利用者本位の新しい福祉を実現していくんだ、こういう理念のもとに進めている福祉改革の一環でございます。民間法人の弾力的な、あるいはまた効率的な施設運営による利用者にとってのサービスの向上を目指す。忘れてならないのは、私どもは、どういうサービスであっても、個人の尊厳、一人一人が人間として尊重される、プライドを持って自己実現を図っていくんだ、こういう理念も忘れてはならないことだというふうに思っております。
 現在、ご案内のように、障害者の地域生活支援緊急三カ年プランによりまして、特別助成、これはグループホーム、あるいはまた通所施設、障害者の地域生活を支えるサービス基盤の集中的な整備を強力に推し進めております。
 こうした取り組みをあわせまして、現在ご利用されている施設利用者、あるいはまた地域で暮らす障害者、その家族の方々に不安を決して与えないように、安心の確保に向けて今後とも施策の充実に全力で取り組んでまいります。

○初鹿委員 ぜひ今の決意にのっとって、これから引き続いて入所施設や、また生活実習所を含めて通所施設が移譲されていきますけれども、こうした方針、考え方にのっとって引き続き頑張っていくようお願いをいたします。
 以上です。

○東村委員 私は、重複しないように、何点か質問したいと思います。
 先ほどから、民間がよくなくて、公的な施設がいいという議論がされていましたけれども、昨日も本会議場でPFIの問題が出ていました。どうも何かPFIに対する誤解があるんじゃないかと思うんですけど、PFIという問題も、あれは民間活力の導入なんですけれども、必ずしも行政が全くやらないといっているわけじゃないわけですね。行政でやらなければいけない部分は行政がやって、民間でやるべき分はしっかり民間がやる。そういう意味で、民間でも、確かに株式会社で、介護の問題で悪い業者が出てきていますし、都立病院なんかでも、余り皆さんの前でいえないですけれども、医療ミスだって起きているわけですよね。これは、民間だから悪い、そして公的だからいいという問題ではなくて、それぞれ実態に合って、民間でやれるべきところはどんどん民間でやらなければいけない。
 福祉というのは、これから限られた財源の中で本当に必要な人に福祉のサービスを提供していかなければいけないわけですから、そういうことを考えていくことを大前提にいろんな議論をしなければ、これからは湯水のようにお金があるような考え方を持ってはいけないと思うんですね。イギリスは労働党政権のときに行き詰まったわけですよね。そのときにサッチャーがPFIを導入して、イギリス経済を立て直した。これをしっかり考えた上で、今回の民間移譲も考えていかなければいけない。民間にいけば何でも悪くなるという、こういった誤った考えは私はもう時代おくれだと思いますし、ナンセンスだと思っております。
 その上で、先ほど都立障害者施設の民間移譲による効果を出してもらいましたけれども、私はこれで効果が納得できるという人はよっぽど頭がいいんだろうなと思います。よく文章を読んでいくと、ほとんど最後の締めくくりは、弾力的な人事管理とか効率的な運営という言葉で一くくりでまとめられているわけですよ。こういう言葉というのは、毎回毎回申しわけありませんけど、毎度のこと、この言葉が出てきて、最後締めくくりで終わっています。
 そこで、大変失礼ないい方なんですが、もう少し具体的に、どういう効果があるのか、メリットがあるから民間移譲するわけでしょうから、その辺について掘り下げて話をしていただければと思います。

○有留障害福祉部長 それでは、人事管理、予算執行、施設等の活用、施設の独自性の発揮あるいは運営面にわたって、都立の場合と民間の場合、簡単に比較させていただきます。
 まず、人事管理面でございます。都立の場合、定数管理主義でございます。八十対八十とか、そういうことが基本でございまして、専門的人材とか質の高い非常勤職員の弾力的活用に乏しい面がございます。例えば、民間移譲後は繁忙時間帯に手厚い配置をする、質の高い非常勤職員を活用するというような方法です。それから、例えば専門性の高い人材、民間ではヘッドハンティング、有能な人材の中途採用は当たり前になっております。それから音楽療法とか専門性の高い訓練科目もございます。
 次に、予算執行の面でございます。都立の場合は、予算要求手続から始まりまして、執行までに長い時間を要します。民間移譲後は、利用者の特性に合わせて、あるいはそのときの状況に合わせてプログラムを臨機応変に実施することが可能でございます。
 それから施設設備の活用でございます。都立の場合、先ほど申し上げたように、行政財産管理上の制約で、目的外に使う場合には特別の許可が要るというようなこと、目的外使用許可ということになりますが、民間移譲後は、例えば職員寮を全面的に自活訓練事業のあいている部分については拡大するとか、あるいは地域のニーズに応じたいろんなメニュー、デイサービス等の新たなメニューを充実させるとか、あるいはこういう例もございます、例えば通勤寮みたいな施設がありまして、昼間あいているわけですから、一つの施設を複数の事業、昼間はデイサービスという形でデュアルユースする、そんなこともやられております。
 それから施設の独自性でございますが、都立の場合、どうしても利用者プログラムは画一的でございまして、地域の障害者に対する支援も限定的でございます。民間の場合は、より細かな訓練プログラムが実施できたり、多数のグループホームをみずから設置して、施設のノウハウで運営支援をしていく。それから施設の先駆的実践に基づくノウハウを生かして、セミナーをやって、人材養成機能、全国から人を集めて人材養成などをやっております。
 それから運営面でございます。都立の場合、高コスト体質、人件費の比率が非常に高うございます。民間移譲後は、例えばでございますが、能力給の給与体系だとか、非常勤職員の活用も含めまして、経営努力によるコストパフォーマンスの向上が図られるというふうに考えております。

○東村委員 今いったことを、言葉だけじゃなくて、移譲したらぜひとも実現してもらいたいんですね。例えば、ある福祉園では、寮があるんです。寮のうち半分以上はあいているわけですね。これは、地域の人たちから、ただでさえ今は住宅難なんで、活用させてもらいたいという声がありますけど、なかなか行政資産ということで活用できない。本当はそういうところをもっともっと地域に活用していけば、地域とのさまざまな触れ合いの場もできますし、いろんな意味で地域を巻き込んだ取り組みもできるんじゃないかと思います。そういう意味で、ぜひともそういった、今いったことを具体化をしてもらいたいなと思います。
 その上で、先ほど、特にサービス水準の維持という問題が出ていました。最重度の障害者の方のサービス水準は維持できなくなるじゃないかという声もありました。我が党は、かねてより、この知的障害者入所施設の民間移譲後のサービス水準を責任を持って保障する認定制度の創設をずっと訴えてまいりましたし、都はそれを約束してくれました。
 そこで、現在この認定制度についてはどのように取り組んでいるのかということと、今回この民間移譲後の町田福祉園には、都が約束をしてくれた認定制度は適用されるのかどうか、これについて伺いたいと思います。

○有留障害福祉部長 認定制度は、都立施設の民間移譲後におけるサービス水準を東京都が保障するとともに、民間施設での重度障害者の受け入れを促進するために、本年度、制度化いたしました。この四月に実施要綱をつくりまして、各施設に対し周知を図ったところでございます。
 現在は、民間の各施設から認定施設の基準である最重度障害者の申請を受けまして、その判定を実施中でございます。今後は、判定終了後、最重度障害者を承認し、対象施設、これは民間の場合は最重度障害者十人以上というのが原則でございますが、これを認定施設としての申請を受けた後、早い時期に審査、決定してまいりたいと考えております。
 また、既に民間移譲を予定している調布福祉園はもちろん、ご指摘の今回公募予定しています町田福祉園につきましても、認定制度を適用し、現行と同水準のサービス提供体制を確保してまいります。

○東村委員 ぜひともこの認定制度を適用して、サービスの維持、そして向上を図っていただきたい。それとともに、やはり質を下げないために、指導監督をしっかりと徹底してもらいたいと思うわけでございます。
 その上で、今、町田福祉園では施設長を初め百五名の職員の方が働いています。いろんな不安な声が聞こえてくるんですけども、この百五名の職員の方の身分の取り扱い、これはどうなるのか、これについて伺いたいと思います。

○吉川総務部長 町田福祉園で勤務されている職員についてのお話で、先生のご趣旨は、多分ポイントは、町田福祉園については事業団の固有の職員の方がいらっしゃるというところだと思いますので、その点についてお答えさせていただきます。
 私ども東京都の立場といたしましては、社会福祉事業団の固有職員ということになりますと、雇用者は事業団でございますので、今後の身分の取り扱い等々につきましては、基本的には事業団が判断して対応していくものだというふうには思っております。
 ただ、東京都の立場で申し上げれば、そういった過程の中で、職員ご本人の希望を十分尊重した上で事業団が対応していくことを期待したいなというふうに思っております。

○東村委員 都としては、事業団に、はっきりいえば口出せない、こういうことだと思うんですけれども、ぜひともお願いしたいのは、この移譲によって職員の方を強要しないでもらいたいと。民間に移れということを事業団が強要することがあってはならないと思いますので、その辺のことは、やはり都としてもしっかりとご指導いただければと思います。
 その上で、最後にお伺いしたいんですけれども、今回、現行法の制約があったり、さまざまな障害者施設の特性があるがゆえに、この移譲先というのは、民間の社会福祉法人に限定されています。確かにいろんな最近の議論の中で、介護保険なんかもそうですけれど、株式会社の中に、ただ営利だけを追及しているとんでもない業者もいます。しかしながら、中には、民間の株式会社であっても、一生懸命この社会福祉法人並みの水準を確保しようと努力をしているところだってあるわけでございます。
 そういう意味で、私は、これはまあ今いったように法的な制約があるんで、今すぐは無理なんでしょうけれども、将来的には、例えば、いきなりというのは無理かもしれませんけれど、通所施設については、地域に密着をしているNPO法人や株式会社も移譲先として認めていくような、多様な事業主体による真の意味での選択と競い合いを実現できる、これをやはり考えていくべきなんじゃないか、このように考えるわけです。
 こうした私の意見に対する所感も含め、利用者本位の新しい福祉に向けた今回の移譲は、大きな転換点となると思います、そこで、この都立福祉施設の民間移譲に対する局長の決意を、最後に伺いたいと思います。

○幸田福祉局長 今回の定例会だけに限らず、代表、一般、今回でも幾つかのご意見、ご質問をちょうだいして、知事から、あるいは私の方から、ご答弁を幾多申し上げておりますけれども、何といっても、東京というこの大きな都市、この大都市には、やはり都市なりのまた特性がございます。
 今お話のように、民間企業を初めとして、多様な人材あるいはまた福祉サービスの担い手が集積をしているというふうに思っております。私も、短い時間ではございましたけれども、これまでの間、社会福祉法人あるいはまた民間企業さんの福祉サービスを、実際、実践している現場というところで、幾多見てまいっております。まだまだ数は少ないかもしれませんけれども。
 しかし、そういうところで行われているサービスというのは、なかなかやはり創意工夫をされて、あるいはまた、利用者の皆さんのニーズに非常に的確に対応されているということで、大変参考になりました。私は、こうした都市の特性というものをやはり十分生かすべきだろうと。そういう意味では、この福祉サービスの基盤というものをやはり整備をしていかなければいけない、あるいはまた、サービスの向上というものもあわせて行っていかなければならないだろうというふうに認識をしております。
 これに対しまして、国の方では、非常に画一的な、北は北海道から九州まで、同じ基準というのは、果たしてどうなんだろうかというふうに思っております。やはり地域の特性というものを踏まえた仕組みといいましょうか、進め方といいましょうか、こういうものが、やはり国の方での規制というものによってどうも阻まれているところが多々あろうかと思います。
 そういう中でも、都はこれまで、例えば、工業専用地域における福祉施設の設置とか、あるいはまた、知事が常々いっておりますけれども、認証保育所にしても、やはり非常に大きな反響を得ているわけでございます。こういうことから、現在、例えば今年度から実施しておりますグループホームの例でございますけれども、この整備費補助も、都は民間企業に拡大をしたわけでございます。これも一つの、やはり都としての国に対する地域の実践をお示ししようということもあるわけでございます。
 こうしたことを通じまして、国に、この規制というものを撤廃すべきところは撤廃せいということで、提案要求というものは引き続きやってまいりますし、また、大都市の特性を踏まえた都の独自の施策にも取り組んでいきたいというふうに思っております。
 あわせて、今回のこの都立福祉施設の民間移譲、これは民間法人のノウハウを十分生かし切って、よりよいものにしていっていただきたい。また、利用者のサービス向上というものを目指して、条件整備を進めながら、着実に進めてまいります。

○かち委員 私からも、町田福祉園と調布福祉作業所の民間移譲について、何点かお聞きしたいと思います。
 先ほど来の議論を聞いておりますと、官はだめで、民がよりいいんだというようなニュアンスに聞こえるんですけれども、また局長の方から、なぜ民間なのかという点でのお話がありましたけれども、利用者本位の新しい運営のあり方、サービス向上のためにというふうなお話もありましたけれども、こういうことは、行政そのものも、今まで目指してやってきたことではないかなというふうに思うんですね。官でできないということはないと思うんです。いろいろな今までの縛りというものがあるとすれば、東京都は、利用者本位に変えるべきところは変えるという姿勢を持っているわけですから、不都合なところは変えて、前へ進んでいけばいいと思うんです。私は、官は官の役割があると思って、以下質問をいたします。
 質問に当たって、私も二つの施設を訪ねてまいりました。調布福祉作業所というのは、駅の近くにありまして、住宅街の一角にある小さな施設ではありますが、昭和四十六年かな、築三十一年たっているという施設でしたけれども、まだしっかりとした建物でありました。ここで、五十数名の方が働いていましたけれども、ここでは、たまたまといいますか、榮太樓という企業からギフト用品のパッケージをつくる仕事が安定的に来ているということで、比較的安定した仕事ができるというふうなお話がありました。
 これまで五つの福祉作業所の市移管をめぐって、いろいろ検討されてきたけれども、市長会からは拒否という経過をたどって、今回この調布福祉作業所が民間移譲というふうに出てきたわけですけれども、なぜ調布福祉作業所が今回民間移譲というふうに出てきたのか、その経緯をお聞きします。

○有留障害福祉部長 市部の福祉作業所、生活実習所につきましては、平成八年の行革大綱で指摘を受けまして、二十六市と協議を開始してまいりました。その結果、市長会の方から、市に移管というのは、一市当たりの財政負担が過重になるとか、あるいは一つの通所施設を広域的に利用しているとか、あるいは法内化を東京都の責任で進めるべきじゃないか、あるいは入所施設で進めている民間移譲はどうするんだと、その四点のご指摘がありまして、個別協議への移行もできないという状況でございました。
 これらの四点をいずれもクリアする方法が民間移譲でございまして、なお、東京都が進めております福祉改革の考え方にも一致すると。利用者サービスの向上という観点から、民間移譲の方向を打ち出して、現在まで各市と協議をいたしまして、本年二月二十五日に市長会と協議が成立いたしまして、現在に至って、ご報告しているところでございます。

○かち委員 この調布福祉作業所は、現在、定員が六十名というふうになっておりますけれども、ここに作業していらっしゃる方々の障害の程度とか、居住地区分というのはどういうふうになっているでしょうか。

○有留障害福祉部長 調布福祉作業所は、現在、東京都の条例に基づく法外の施設でございますんで、支援費制度上の障害程度区分判定は、まだ各区市町村、行っておりません。したがいまして、愛の手帳の度数で申し上げますと、現在、現員、利用者五十三名いらっしゃいますが、二度の方が二名、三度の方が三十一名、四度の方が十九名、愛の手帳じゃなくて身体障害者手帳のみの方が一名ということになっております。
 それから区市町村ごとの利用状況でございますが、調布市が十五名、府中市が八名、狛江市が六名、多摩市が五名、日野市、世田谷区がそれぞれ四名、その他八区市三十人の方々が利用されております。

○かち委員 比較的中程度の方が多いということと、それから住居区分は、非常に調布市は多いんですけれども、広域的にわたっているということですよね。
 現在、法外施設ということですけれども、民間移譲とともに、法内施設化するというふうにもお聞きしました。この法内施設化することによって、利用者にとってはどのような影響があるのか。
 また、これまでになかった支援費負担が利用市にかかってくると思うんですけれども、その辺はどのようになるでしょうか。

○有留障害福祉部長 法外から法内になることへの、利用者への影響についてでございますが、まず、法内化することで、利用者について、現在、給食費の実費を、一食三百四十七円ですが、これをいただいておりますが、これがなくなります。一方で、利用者負担制度が適用されますが、調布福祉作業所の場合、扶養義務者が利用者負担を支払うケースはございません。未成年の場合は、扶養義務者の収入区分によるわけですが、未成年はおりません。
 それから、利用者の全員でございますが、障害基礎年金とか重度手当、福祉手当及び現状の工賃以外に特別に大きな収入がない限り、利用者負担を支払うケースは生じないということで、実質、今まで実費もご負担していただいたのが無料になるということでございます。
 それから支援費負担でございますが、法内化した場合には、利用者が居住する区市町村は、法に基づきまして、障害程度区分に応じた支援費を負担することになります。これも障害程度区分判定が行われておりませんので、各市の負担額の正確な算定は困難でございますが、支援費の額は、障害程度区分A、B、Cとあるんですが、重度、中度、軽度ということになるんですが、各単価を加重平均しますと、一人当たりおおむね年額二百万円で、国が二分の一、市二分の一の負担割合であることから、市の実負担額は、一人当たり年額おおむね百万円でございます。

○かち委員 今利用されている方々にとっては、実費負担はないということですけれども、対象は十八歳からですか、そういうふうになりますと、これから入る人たちの中には、そういう支援費の負担が入ってくる可能性もあるということですよね。
 それで、それぞれの福祉作業所には、利用者の住居区分などによって、状況が違ってくると思うんです。たまたまこの調布市の場合には、広域から来ているということもあるんですけれども、例えば、法内化によって、八王子などでは数千万円以上の支援費負担になるということで、関係者間での動揺が広がっているというふうにも聞いております。
 法外施設を法内化して整備する必要はあると思いますけれども、この場合、定員が六十名枠があるんですけれども、整備することによって五十名になってしまう。それで、はみ出してしまう人たちをどうするのかという問題などもあります。民間の福祉作業所などは、どこでも仕事の確保、運営維持などで大変苦労しています。東京都の福祉作業所は、それぞれの地域の民間の授産施設の仕事の確保や販路の拡大への支援など、都ならではの広域的、専門的役割を充実することこそ必要だというふうに考えます。
 次に、町田福祉園についてですけれども、私もここを見てまいりまして、大変広大な敷地の緑の中に包まれた二階建ての建物がゆったりと並んでいた、大変すばらしい環境だと思いました。今お話があったように、最重度の障害を持つ利用者が大半で、ほとんどが一対一でつきっきりの介護というか、日中活動をされていました。
 重度障害者更生施設といわれている町田福祉園の入園者、八十名の障害の状況は、どのようになっているでしょうか。
 また、こうした施設の中で取り組まれているサービスメニュー、改めてちょっとご紹介いただきたいと思います。

○有留障害福祉部長 現在の入所者の障害程度でございますが、十六年四月一日現在の利用者七十五名の障害程度でございます。
 愛の手帳一度が十五名、二度が五十四名、三度が六名、そのうち三十六名の方が身体障害を同時にあわせて持っていらっしゃいます。その手帳の等級でございますが、身障手帳一級が十六名、二級が十名、三級が七名、四級が一名などとなっております。
 それから町田福祉園が行っている事業でございますが、知的障害者更生施設ということで、三つの利用形態をまず採用しております。
 重介護型--従来型の福祉園と同じでございます。長期的な入所が必要な方々を支援するものでございます。
 それから地域生活準備型ということで、地域生活に向けた具体的プログラムによる支援を実施する、これは三年コースでございます。これが定員十六人でございます。
 それからミドルステイ型、家庭の事情などから一年以内の地域での生活づくりを支援と、そういう目的に沿いまして、十六名の定員で一年コースということで設けております。
 そのほか、入所者の地域移行を進めるために、自活訓練事業を実施しておりまして、一つは、園内の職員宿舎を活用した自活訓練を定員五名で実施しております。
 それから、園外の住宅を借り上げて自活訓練を実施しておりますが、定員が三人でございます。
 その他、在宅の障害者を支援するために、ショートステイ事業、定員五人、デイサービス事業、定員十六名を実施しております。

○かち委員 愛の手帳を二度の方が五十四名ということで、大変重度の方々を見ていらっしゃるにもかかわらず、今ご紹介いただいたように、さまざまなメニューの取り組みを精力的にやられているなというふうに思いました。見たときに、非常に園生も職員の方も、明るい落ちついた感じで頑張っている雰囲気が見られました。
 この施設は、六年前の開設のときに、運営を事業団にするということが決められたわけですけれども、現在の事業団運営をどのように評価されているのか、また利用者、家族、関係者の方々にどのような--民間移譲がよりよいというふうに判断された理由は何なのか、お聞きします。

○吉川総務部長 今、かち委員の方から、事業団委託にした経緯というお話があり、また、町田福祉園を初め都立福祉施設を運営している事業団の評価といった部分につきまして、私の方から答弁をさせていただきたいと思います。
 東京都の知的障害者の入所施設の運営というのは、昭和五十五年に開設しました日の出福祉園、これまでは直営でやってまいりました。先ほどご審議いただきました調布福祉園なり、練馬福祉園というのは、実績のある社会福祉法人に委託をしたと。その後、平成八年に、先ほども答弁の中で触れておりました行革大綱の中で、直営の福祉施設につきましては、サービスの提供方法や施設の運営方法の多様性や弾力性、これを確保するために、民間の法人や事業団へ管理運営を委託する、そして直営組織を廃止するということが盛り込まれました。
 そのようなことを受けまして、本日の資料の二ページにもございますが、町田福祉園につきましては、平成十年七月に、ここにございますような目的で事業団に委託をしたところでございます。
 私の答弁の二点目でございますが、町田を含む都立福祉施設、運営をしております事業団の評価でございますが、これは先生のお話の中に、大変町田を褒めていただきましたので、私が繰り返す必要はないかと思いますが、いずれにしましても、町田がリーディング施設というか、そういった形で位置づけて委託をしたわけですし、他の都立福祉施設につきましても、自活訓練事業やデイサービスなどに取り組んでおりまして、私どもとしては、一定の成果を上げているというふうに考えております。

○有留障害福祉部長 町田福祉園の利用者家族あるいは関係者との意見交換、あるいは説明などの状況をというご質問でございます。
 まず、保護者に対しましては、平成十四年度、都立施設改革推進委員会報告、これは十四年六月に出されましたが、それから引き続きまして十四年七月には、福祉サービス提供主体の改革への取り組みについてというのが発表されました。このような節目ごとに、園の方からこれらの趣旨について説明を行い、その後も父母会などで折に触れて状況の説明を行っております。
 また、先月、入所者保護者会、それからデイサービスの利用者保護者会におきまして、民間移譲についての基本的な考え方をご説明いたしました。次回も今月中に予定されております。今後とも、さまざまな機会を設け、継続して説明を行い、利用者、その家族の方々の理解と安心が得られるよう万全を期してまいります。
 なお、施設所在市の町田市についても説明を行っております。

○かち委員 事業団に委託をしたのも、東京都の歴史的な経過の中で、東京都の都合で、柔軟性のある、弾力性のある民間手法を取り入れようということで行ってきたわけですが、今日に至って、事業団運営を大変ご自身も評価をされている、こういう中で、さらに民間に移さなければならないという理由は、現場サイドから見れば、少なくともその理由は見当たらないということではないでしょうか。
 今、関係者の皆さんへの合意形成をどのようにやってきたかというご説明をいただいたんですが、関係者ということでは、所在市、それから利用者、家族、そして、そこに働く職員の方々もいらっしゃるわけです。先ほどもちょっと質問がございましたけれども、事業団は、固有の職員を雇用しているわけですが、この固有の職員は、九十五名中六十五名も固有の職員がいらっしゃるということなんですね。この方々は、事業団の採用といえども、やはりこの町田の福祉園で、福祉の仕事をしたいという熱い思いに駆られて、仕事に携わってきたわけです。
 ところが、これが五年もたつかどうかのうちに経営者が変わってしまうということで、みずからの身をどう振り向けていいか、今混乱している状況だというふうに思います。
 先日も、私どもの会派にも反対の申し入れがございました。今回の町田福祉園と、今までに民間移譲されてきた大森、吉祥寺老人ホームなどとは、全く違うという点があるんですね。それは、当初から運営委託をしていた社会福祉法人がそのまま受け継ぐのではなくて、町田は五年間かかわってきた事業団が、公募に応募することもできないわけです。五年間なれ親しんできた職員ではなく、全く新しい職員にかわるということ。
 それで、福祉施設においては、先ほどもいわれましたけれども、安定的な利用者との人間関係が求められている、そういうところであるにもかかわらず、利用者にとって大変ストレスや不安をもたらすことになるのではないか。だからこそ、利用者、家族の不満も、関係者からの反対の声も、今上がっているのだというふうに思います。
 民間移譲になれば、運営費は、支援費とサービス推進費になるということですけれども、仮に今実施しているサービスメニューを引き継ぐとしたら、民間移譲されたときの運営費は、どのような試算になるのでしょうか。また、人員配置はどうなるのでしょうか。

○有留障害福祉部長 まず、運営費でございますが、現在の入所者で、移譲後の施設運営費でございますが、現行のデイサービス、ショートステイ、自活訓練事業等を継続する、それから認定制度を適用するということを前提に試算した場合、約七億九千万円となりますが、このほかに、施設運営にかかる経費といたしまして、建物維持管理経費につきましては特別補助を行いますが、現在、専門機関の調査をもとに補助内容、金額等を検討しているところでございます。これが、その七億九千万に上乗せされるところでございます。ちなみに、平成十六年度予算は、十一億五千五百万円でございます。
 民間移譲後の職員配置は、現行とどう変わるかということでございますが、現在、町田福祉園の十六年度の職員定数は、百五人でございます。移譲後の基準上の職員数は、九十九人になります。六人減員となるわけですが、内訳は、増減がございます。減る方と、ふえる方でございます。
 指導員が十人減ります。それから事務が、事務職などが三人、そのほか心理が一人減って十四人の減。一方で、看護師が四人増、それから調理員が四人増という形で、差し引き六人でございます。
 この減の理由でございますが、指導員の十人減というのは、分棟方式、十六人体制で、十六人の利用者に対して五棟でやっております。棟に、それぞれ係長を置いているんですね。ですから、一対一のほかに、さらに行政組織に準じた形で、棟つき係長は五人置いているということでございます。それから日中活動の係長は一人置いている。そういうような、直接処遇にかかわらない、行政組織に準じた形で置いている部分などを減するものでございます。
 したがいまして、利用者サービスには影響がございません。そのほか、事務とか心理につきましては、これも都立施設特有の配置でございまして、他の民間施設と同様に平準化していくというものでございます。

○かち委員 今ご説明がありましたように、現在の運営費は約十億円--十六年度は十一億円ということですけれども、民間移譲になると、概算でも七億九千万ということになるわけですね。職員配置もほぼ変わらないということではありましたけれども、大きく変わることは、都からの委託料がなくなって、市区からの支援費とサービス推進費ということになるわけですけれども、支援費を概算しますと、調布福祉園と大体同じようですけれども、三億三千万ぐらいなんですね。そうすると、サービス推進費は、約四億数千万ということになるわけです。十億が七億九千万になっても、高コストの公務員から民間になることで、十分可能だというお話もありました。
 しかし、先日伺ったときの説明では、職員定数は百五人だけれども、実働は非常勤も含めて百三十八人稼働しており、そのほかにもNPOやボランティアの方々など、たくさんの人々に支えられて運営しているというお話もありました。今の概算からしても、厳しい運営を余儀なくされるのは否めません。どこの企業でも、民間福祉施設でも、合理化されるのは人件費です。こうした労働条件が、利用者への負担やサービス低下につながらないという保証はないわけです。調布福祉園も含め、両施設とも都民の財産であり、行政責任が伴うものです。このように、次から次へと民間に明け渡してしまうことは、将来的に、こうした事業を継続させていく縛りも保証もなくなるということであり、行政の責任が問われるものです。このような民間移譲は見直すべきだということを申し上げまして、質問を終わります。

○柿沢委員 非常に早く進行しておりまして、私がラストバッターでございます。質問の重複は避けつつ、何点か、二点になると思いますけれど、伺います。
 これまで質疑を聞いていましても、町田福祉園の民間移譲をめぐって、さまざまな議論がさまざまな方向から出てまいりまして、民間の経営感覚を生かした施設運営をするんだといって社会福祉事業団に運営委託したはずなのに、民間そのものへの移譲に進めるのはどういうことかという話も今出たところですけれども、私は、ちょっと視点を変えて、都は、都立福祉施設が抱えている本質的な課題を先送りして、とりあえず民間移譲できる施設から進めているんじゃないかということを指摘したいと思います。
 これまでの質問に対する福祉局の説明を要約しますと、事業団が運営する都立施設は、民間に移譲した方がサービスの向上を図ることができるということなんだろうと思います。確かに民間施設の数がふえ、重度者の受け入れなど処遇も向上している今日、民間移譲を進めようとする都の方向性というのは、理解ができると思います。私自身も、過去の厚生委員会の質疑において、半ば過激なそういう主張をしてきたところでございまして、ご記憶の方もいらっしゃるかと思います。
 しかし、私の目から見ると、現在都が民間移譲を進めている町田や調布の福祉園というのは、比較的小規模な施設であって、都立の入所施設には、もっともっと多くの利用定員を抱えている大規模な施設というのは、存在するわけですね。例えば、八王子福祉園は百六十人ということですから、町田福祉園の倍の定員ですし、千葉のように、成人と児童を合わせて定員六百人という、大変大きい施設もあるということになります。
 こうした大規模な施設の施設規模を是正をし、入所者に地域生活への移行をしてもらい、そして民間への移譲を最終的にはしていくという、その道筋については、必ずしも明らかにされていないんじゃないかというふうに思います。
 東京都は、こうした大規模施設について、今後、民間移譲も含めた今後のありようについてどのように対応していくのか、民間移譲は、実際にこれだけ大きな規模の施設に関して、できるのか、できないのか、やるのか、やらないのかというようなことを教えていただきたいというふうに思います。

○有留障害福祉部長 平成十四年六月の都立福祉施設改革推進委員会の報告では、大規模都立施設につきまして、規模を縮小した上で民間移譲等を進めることが適当であり、民間移譲等に当たりましては、グループホーム整備等の地域生活移行の支援を推進するなど、入所者、入所待機者の解消に向けて取り組んでいく必要があるとしております。
 都は、現在、地域での生活を希望する入所施設利用者に対しては、自活訓練事業の大幅な拡充を図っておりまして、地域生活移行を強力に支援しております。
 一方、受け皿となりますグループホームでございますが、障害者地域生活支援緊急三カ年プランによりまして、この三カ年で倍増しようと、千人増というような大幅な整備促進を進めております。
 大規模整備、大規模施設につきましては、このような利用者の地域移行の取り組みと、それからグループホームへの受け入れを含む多様な入所待機者解消策をさらに進めることによりまして、中長期的視点に立ちまして、規模の縮小を図りつつ、民間移譲の条件整備を進めてまいりたいと考えております。

○柿沢委員 中長期的というお話がありましたけれども、やるんだと。この間の石原知事の本会議の答弁でいうと、中期は最低でも五年、長期はやらないというふうな話がありましたけれども、そういうことじゃないんだと思います。中長期的にはやるというお話なんだろうというふうに思いますし、また、その中で、ご答弁の中では、地域の生活を希望する人に対しては、地域生活への移行を強力に支援していくんだというお話がありました。大変心強いところだとは思うんですけれども、実態としてはどうかというところが気になるわけであります。
 都立施設ばかりではありませんけれども、東京都の関係では、今、それこそ青森から静岡まで、五十も六十も都外施設というのがあって、今もなお四千人以上ですか、たくさんの方がそうした都外施設に入所しているというのが現実であるわけですね。どうしてそうなったかといえば、かつて都内では施設がつくれなかったからでしょうし、しかし、今後、民間に任せれば、都内の地域地域に生活の場所がつくれるようになるんです。結果として、つくりやすいところにつくる形になって、地域的な偏在がますます進む懸念も、ないわけではないと思うんです。
 こうした都外施設等の入所者の、都内での地域生活へ移行するための有効な手だてというものを考えていただかなければ、民間移譲とか、地域生活への移行ということをいっても、しょせんは、やりやすいところに手をつけて、お茶を濁しているにすぎなくなってしまいます。この問題は、今すぐには回答が用意できないという問題でもありましょうし、何となく触れにくい事柄になっているような感じもいたしますけれども、こうした本質的な問題に切り込むことこそ福祉改革なんではないかというふうに思いますので、あえて付言をさせていただいたところであります。これは答弁は求めません。
 都立施設の民間移譲の方針を最初に打ち出した福祉改革STEP2では、都立障害者施設は、施設規模や待機者の解消状況を考慮しながら、段階的な民間移譲を視野に入れて、抜本的な改革を進めるということがうたわれておりますけれども、現在のところ、先ほど申し上げたように、比較的小規模な施設の平成十九年度までの移譲が示されているだけで、全体的な計画、全体としてどうしていくのかというのは、出されていないわけであります。十九年度以降、その先のことは明らかにされていないということになるわけです。
 これでは、利用者も現場の職員も、不安に感じるという部分があるんではないかと思います。十九年度以降も視野に入れた、今後の都立施設の民間移譲も含めたあり方について、早急に新たな方針を都として打ち出すべきだというふうに考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○吉川総務部長 十九年度以降も視野に入れた新たな方針というお話ですが、ちょっと先生、お時間いただいて、先ほど来、町田福祉園を含めまして、都立福祉施設を民間移譲をする取り組みをなぜ行うのかというような点を、ちょっと整理をさせていただきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。
 大きく三点あるかと思っておりますが、先ほど来障害福祉部長が答弁しているところをまず一点目申し上げたいと思いますが、事業団、平成十年に立ち上げたわけですが、事業団で継続的な取り組みをやってまいりましたが、公務員制度や行政財産などの制度的な制約もありまして、どうしてもサービスが画一的、硬直な点、また人件費や施設維持管理経費などの面で、高コスト体質が残っておりまして、そこからなかなか脱却できないというのが第一でございます。
 次に、国等の状況の変化をよくよく見ますと、平成十二年の介護保険、それから十五年の支援費、また近年出ました社会福祉施設の運営の弾力化を促す国の通知などが続いております。そういう中で、昨年、自治法で指定管理者制度が導入されたわけでございます。
 三点目に申し上げたいのは、このような国の流れを、私ども東京都としては、先取りをして取り組んできたつもりでございます。平成八年の行革大綱は、先ほど申し上げましたが、十二年の推進プラン、十四年のSTEP2と、それから十四年七月のサービス提供主体の改革への取り組みの中で、都の役割は、サービスの提供の直接の担い手ではなくて、福祉システム全般の水準の一層の向上に努めるんだというふうな形で、私どもは認識をしております。
 そういう基本的な三点を踏まえまして、今、柿沢先生からの、十九年度以降も視野に入れて、民間移譲の新たな方針を早急に打ち出すべきということでございます。そういう意味では、十四年七月のその方針を出して以降、議会の先生方のご理解もいただきまして、用賀技能開発学院以来、大森、吉祥寺、それでこのたびの調布、それからさらに通所施設という形で、着実に都立施設の改革については実施してきておりますが、先生のご指摘もございましたとおりの現状もございます。そういう意味で、これら方針以降の民間移譲の取り組みの現状等々について十分見定めつつ、今後残された施設につきましては、できるだけ早期に具体的な検討を進める必要があると考えております。
 以上でございます。

○柿沢委員 平成十九年度以降のあり方について、具体的に早急な検討をしていくというご答弁だったと思いますので、ぜひその方向で検討していただきたいというふうに思います。
 千葉福祉園とか、ああいう大きな施設を見ていると、これをどうやって地域生活に移行していこうなんて、本当に気の遠くなるような思いがするのも事実なんだろうと思います。
 しかも、こうやって地図に落としてみると、本当にたくさんの都外施設がある。これも皆さんにとっては、これからどうするのかと、本当に気が遠くなるような思いがすると思うんですけれども、しかし、利用者本位の福祉というお話を、先ほど局長もされました。また、地域生活への移行ということも、たびたびこの質疑の中で言及をされてまいります。
 こうした、ある種の建前を、建前のまま放置してしまっては、本当に福祉改革の実というのは上がらないわけですから、困難な問題であろうとは思いますけれども、ぜひ、これまで福祉改革の歩みで先取りをして、国に先取りをして福祉改革を進めてきた、その自負心を持って、こうした困難な課題に挑戦をしていただきたい。そして、それが何よりも利用者本位、福祉のありようというものを切り開くんだと思いますので、どうぞ、そうした方向性を持って平成十九年度以降の困難な課題に取り組んでいただきますことを心からお願いを申し上げて、私の質疑を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十七分散会

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