委員長 | 藤井 一君 |
副委員長 | 山加 朱美君 |
副委員長 | 大山とも子君 |
理事 | 鈴木あきまさ君 |
理事 | 初鹿 明博君 |
理事 | 野村 有信君 |
東村 邦浩君 | |
柿沢 未途君 | |
大河原雅子君 | |
河西のぶみ君 | |
田代ひろし君 | |
古賀 俊昭君 | |
佐藤 裕彦君 |
欠席委員 一名
出席説明員病院経営本部 | 本部長 | 碇山 幸夫君 |
経営企画部長 | 押元 洋君 | |
サービス推進部長 | 菅原 眞廣君 | |
経営戦略・再編整備担当部長 | 宮川 雄司君 |
本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
事務事業について(質疑)
○藤井委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより病院経営本部関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求をいたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料につきまして理事者の説明を求めます。
○押元経営企画部長 十月十五日の本委員会におきましてご要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
それでは、お手元にお配りをしております厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
資料は、目次にございますように、1の各病院におけるPFI導入の検討状況から、5の全国の道府県立循環器病センターの設置状況まででございます。
恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。各病院におけるPFI導入の検討状況でございます。
今後整備を予定しております各病院におきますPFI導入の検討状況と病院の開設予定につきまして、それぞれ記載をしてございます。
なお、病院名はいずれも仮称でございます。
恐れ入ります、二ページをお開きいただきたいと存じます。都立病院における看護要員定数の推移、平成十年度から平成十四年度でございます。
各都立病院における平成十年度から平成十四年度までの看護要員定数について記載をしてございます。
三ページをごらんいただきたいと存じます。都立病院における医師、看護要員の平均経験年数の推移、平成十年度から平成十四年度でございます。
各都立病院におきます平成十年度から平成十四年度までの医師と看護要員の平均経験年数につきまして、それぞれ記載をしてございます。
恐れ入りますが、四ページをごらんいただきたいと存じます。都立病院の平均在院日数と病床利用率、平成十五年四月から八月実績でございます。
(1)は、各都立病院におきます平成十五年四月から八月までの平均在院日数について記載をしてございます。
次に、五ページをごらんいただきたいと存じます。(2)でございますが、各都立病院におきます平成十五年四月から八月までの病床利用率について記載をしてございます。
恐れ入りますが、六ページをお開きいただきたいと存じます。全国の道府県立循環器病センターの設置状況でございます。各道府県における循環器病センターの病床数につきまして、それぞれ記載をしてございます。
以上、簡単でございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
○藤井委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○田代委員 それでは、手短に質問をさせていただきます。
都立病院における人材育成ですね、特に、医師の面について、育成確保について幾つかお伺いしたいと思うんです。
ご存じのとおりに、病院というのは、どこどこ病院がいい、例えば、済生会中央病院が糖尿病にいいとか、女子医大の記念病院が心臓病にいいとか、いろいろいわれてはいるんですけれども、それは、その病院がいいからそこが有名なわけではなくて、そこにいるスタッフが優秀であるということで、スタッフがやめてしまえば、実はその名声というものは過去のものになって、現実のものではないというギャップが非常にあるわけであります。
最近、いい病院のガイドラインを示すと同時に、ランキングを出すような本が大変売れているんですけれども、ご存じかもしれませんけれども、あの本というのは、二百万出すとだれでも載れるんですね。ですから、まともな医者でうちの知り合いでいいなと思うのは一人も実は載っていないですよ。僕の勤めている病院は当然載っています。病院はお金出さなくても、載せないとインチキだということがばれちゃいますから。東大病院を入れてないなんといったら、これどうなんだ、日本医大入れてない、どうなんだ、都立病院入れてない、どうなんだということになりますけれども、個人の医者は二百万円払うとだれでもあれは載れるんですね。値段によって、もっと払えば一位になるし、余り払わなければその他の中に名前が出るという形になる。
ですから、人というもの、医者というものを育てていくことがとても重要でして、人を育てていくということに対して、前の定例会の中でも質問させていただきましたけれども、都立病院が魅力のある病院になるように、魅力があるということは、そこで研修していくことによって腕が上がっていく、実務的なことをしっかり履修できる、そういうシステムをつくっていかなくちゃいけないと思うんです。
現在、一月に策定されました都立病院の改革実行プログラムでは、職員改革の一環として、新たなレジデント制度を構築していくということを発表していますけれども、都立病院改革に着手してから、都立病院では平成十六年度から義務化される予定であります。これはもう間違いないと思いますけれども、卒後二年間の、基礎的で幅広い知識、技術の習得を主眼とした初期の臨床の研修、臨床医がこれでもう義務化されるわけでありまして、昔のインターン制度の焼き直しではあるんですが、時間的には長い。しかも、問題になっておりますように、当直医がほとんど寝ないでアルバイトしていて、また自分の病院に行って仕事するために、簡単なミスをしてしまう、点滴のミスをしてしまう、手術上のミスをしてしまうなんということは、物理的な肉体的なマイナス面が、無給医という生活が保障されない中での医学の研修ということで起きるわけですけれども、こういうものを改善していくには、臨床医の制度というのは役に立つんだろうと思います。
と同時に、臨床研修をしていくということは、当然その間、都立病院でも、間違いないと思いますけれども、保険医じゃないわけですから調剤の処方はできないわけですね。ですから、二年間医者がいながら医療費がかからないという意味では、日本の医療費の削減にもある程度、いい意味か悪い意味かわかりませんけれども、効果も出てくるんでしょう。
そしてまた、都立病院の方では、小児科や精神科--精神科というのは今は雨後のタケノコのように町にクリニックできていますけれども、それでもどうしても間に合わない。前回も健康局のときにちょっと申し上げましたけれども、全く精神科を履修したことがないのに、町で神経科のクリニック、心療内科なんというのを標榜するのが多くなって、これどういうトラブルが将来起きるのか非常に不安です。
僕自身も、精神科の病院で皮膚科の部長として十二年間精神科をやったんですけれども、十二年間やってわかったことは、いかに精神科が難しくて、つけ焼き刃じゃどうにもならないなということが思い知らされた十二年間でしたけれども、そうやって、足りないからということで、小児科は点数が高いから、精神科は開けば患者さんが幾らでも来るからという状態で町でどんどんどんどん開業されていきますと、被害者は都民であり患者さんであるということになりますし、日本にとって大切な国民皆保険制度というものもおかしくなってくる。
こういうものを見据えて、小児科や精神科の人材が不足しているところに対して、専門の臨床研修を実施していく、これはすばらしい考えだと思うんですね。これこそ医療に対する行政的な大きなサービスの一つになると思うんですけれども、このいわゆる初期の臨床研修と専門臨床研修を組み合わせて、それから、都立病院--これだけ大きなスケールメリットがあるわけで、これがまだ生かし切れてないところがちょっと問題なんですけれども、もっともっとスケールメリットがあっていいと僕は個人的には思うんですけれども、各病院の特色ある医療機能を生かして、レジデント制というものを構築していくというのは、新しい、日本の中でいろんなところに影響のある、各県の病院の経営に対しても、あるいは日本全体の厚生医療に対しても、大きな一つの指針を示すものだと思うんです。
先ほど申し上げました十六年度から実施となる臨床研修制度、いわゆる昔でいうインターン制度ですね。入院患者さん百人、または病床が十床に対して一人という枠があるわけですけれども、二年間というわけですから、半分ずつと考えればいいわけですけれども、これまで、地域によっては、年間約八千人に上る医学部の卒業生の約七割から八割、多いところでは九割ぐらい、大学病院が臨床研修医として抱え込んでいたわけですけれども、これが一般の病院に大きく今からあふれ出てくるわけですね。
今まで都立病院というのは、私が医局長をやっていたときもそうでしたが、余りみんなが行きたがらないところというか、場合によっては少し名誉にならないような行かされ方をしちゃう。行っちゃうと二度と帰ってこれなくて、キャリアではなくてノンキャリだけが行くようなというところも医局によってはあったわけですけれども、そういう動き自身が今からがらりと変わって、今のところは都立病院というのは比較的エリートが行くところに徐々になりつつあるんですけれども、やはり今度のこの改正というものをうまくチャンスとして、こちらから医者を選んでいく。都立病院をよくしていくためにこういう程度のレベルの医者じゃ困ります、このレベル以上でなきゃ困りますというようなことを取捨選択ができるようになったわけですから、そういうものを行っていけるチャンスだと思いますので、この臨床研修医の育成や確保を図るために、どのような具体的な取り組みを都立病院では行っているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○押元経営企画部長 臨床研修医の育成、確保につきましては、各都立病院におきまして、臨床研修の責任者から成ります臨床研修委員会を設置いたしました。ここの臨床研修委員会におきまして、都立病院での特色ある医療機能を生かしましてそういった研修が受けられるように、各都立病院間の連携体制を組みますとともに、新しい臨床研修制度の趣旨でございますプライマリーケアの知識の習得が可能となるような、魅力のあるカリキュラムを作成いたしまして、全国の医学生に対しまして周知に努めたところでございます。
また、より多くの優秀な人材を確保するために、都立病院全体での募集の定員を、平成十五年度の二十九名を二倍以上の一年次六十二名という形でふやしたところでございます。
○田代委員 ふやしたのは大変効果が出てくると思うんですけれども、やはり中身ですから、中身をどうやってやっていくか。今いろいろ試行錯誤しながら、いいカリキュラムをつくられているんだと思うんですけれども、ご存じだと思いますけれども、アメリカで同じような研修システムをやっている中で、具体的にアメリカの医者を見ていますと、たまたま僕の弟はニューヨークに行って研修を受けてきたんですけれども、やはり物理的に三日に一回ぐらいしか家へ帰れないですね。その間しっかりもうトレーニングされちゃう。朝から晩まで、レポート出さないともうやっていけない。
私が卒業したときには、もう大昔ですから、三十三年前になりますから、短期留学、ドイツだったんで、非常にのんびりとした、逆に医者としての研修より観光が主になるような短期留学でしたけれども、今のアメリカの研修システムというのはもう徹底的にしごかれる。そのかわりそれだけ力がつくわけでありまして、病院の中で息する暇もないぐらいにしっかりと二年間研修できるような、ある意味ではハードなカリキュラムというものを医者は求めているんだと思いますから、それをしっかりつくっていただきたいのと同時に、皆さん方、初めて都立病院に行かれたら、多分、都立病院だけじゃなくて、どこの病院でも、私の大学病院でもどこでも、大きな病院に行かれたとき戸惑うのは、どこに行ってどういう相談をして、どういう順番で検査を受けていいか、全然わからないと思うんですね。
これは実は、我々医者も、五年、十年そこにいないと--主のようになっていくと、この階段からこっちへ行くと病棟が近いとか、あのエレベーター込んでいるとか、徐々にわかってくるんでありまして、それまでは、新米のときには、もう婦長にどなられながら、何やっていたのっていわれながら、一生懸命来たんですけれども、その間にいろいろ--医者の動線と患者さんの動線が日本というのは一緒なものですから、これを分けるなんということは当たり前のことでやられているんですけれども、日本ではそれがされてないんで、患者さんと医者が、緊急の医者も同じエレベーターに乗り込んじゃうなんということがあるわけですね。
ですから、なるべく研修の期間は、病院の機能というものも一緒に教えてやってほしい。患者さんたちが何を悩んで病院に来ているか。病気のことは悩んでいるんですけれども、もっと使い勝手がいい病院ってどんなものであるかということを知るような、そういうシステムを入れていただきたい。
それから、アメリカはご存じのとおりに--アメリカの病院がいいっていっているんじゃないんですよ。全然違いますからね、例として挙げているんですから。アメリカの病院というのは、人的に、大体三分の一が医者で、三分の一が事務と看護グループ、残りの三分の一は、全部税制の優遇措置を受けられるボランティアなんですね。ボランティアの人がみんな病院の中で、どっかで血液をとるといったら、一緒に手を引いてくれて、慰めてくれて、場所を教えてくれて、待っててくれて、一人手持ちぶさたにならないように話しかけてくれるということがあるわけですけれども、そういうことを日本ですぐ今入れるというわけではなくて、医者にも一度、週に一回でも十日に一回でもいいから、患者さんの事務的なボランティアを、最初来たときから最後までを見せてやるといいと思うんですね。そうすると、レントゲンの待ち時間のむだであるとか、検査のむだであるとかということが医者自身がわかってくる。自分がやっている科だけではなくて、検査に関してほかの科のことも全部わかってくるわけですから、そういう時間もカリキュラムの中に入れると、意外と独自性ができておもしろいんじゃないかなと思っております。
で、十六年度のこの臨床研修の受け入れについては、研修を希望する医学生と研修を実施する病院の双方の意向を当然踏まえていかなくちゃならない。今までのように医局の命令で行くわけじゃないですから、研修先を決定するマッチングシステムというのができております。どこでもやっているわけですけれども、これがうまくいく、いかないかは、試行錯誤ですから、やってみないと、果たして希望する医学生と受け入れる我々がうまく合うか合わないかなんというのは、何年か先にならないとわからないんですけれども、こういうものが入ってきたわけですね。当然都立病院でもそういうものをやってきたわけですけれども、現在、実際の応募状況というのはどうであったのか。またマッチングシステムの結果ですね、評価というのはなかなか難しいでしょうけれども、マッチングシステムがどのように機能したのかを教えていただきたいと思います。
○押元経営企画部長 今回の臨床研修医の募集でございますけれども、広尾、大久保、大塚、駒込、豊島、荏原、墨東、府中、そして精神病院の松沢の九病院で行いまして、応募者の総数は五百六十八名を数えております。昨年度は百十六名でございましたので、五倍近い応募の増を見たということでございます。
マッチングでございますけれども、このマッチングの担当をしております医療研修推進財団の方から十一月十三日に発表されております。都立病院の状況でございますけれども、都立各病院におきます選考で上位を占めた方が割り振られてきているということで、都立病院にとりましては極めて歓迎すべき結果となっております。
○田代委員 そうですね。結果的には、数字的にはいい結果が出ているようですし、それなりのご努力なさったんでしょうけれども、選考順位の上位者というのが、単純に医学部の入学のときのように、ただペーパーテストだけの点数ではやはり困る。
マッチングシステムの中には、今面接だけというところも当然あるわけですから、すべて点数だけで、記憶している、暗記しているから上位になれるわけじゃないことはよくわかるんですけれども、都立病院のそういうところをよく考えていただいて、ペーパーが必要じゃないというわけじゃないですけれども、医者の人物本位ということをしっかり見抜いて、そして行政医療というものがどういうものであるか、あるいは逆にいえば、開業するためのステップアップのシステムの一つとして利用しても構わないんで、これは医療ネットワークをつくるときに、都立病院と一緒にやっていこうという意欲のある医者であれば、別に一生骨を埋めてもらわなくても構わないわけですけれども、やはり都立病院が持っている特性というものを理解できるような--残念ながら医者というのは比較的社会的常識に欠ける集団なものですから、行政医療というものが税金でどうやって運営されているか、あるいは国民皆保険というこのすごい制度が、世界じゅうで一つしかない制度がどれほどすごいものであり、先輩たちが努力してきたかということが理解できない医者が多いですね。
ですから、政治的力、発言力も非常に今低下しているわけですけれども、そういう中で、行政医療というものがどういうものであるかということを、ほかの病院とは違って都立病院に研修で来る人には、そこのところもプラスアルファ、社会常識として理解できるような人を選んでいただけたら、大変ありがたいなと思っています。
ともかくとして、今この制度ができるとき、就職難といったらおかしいですけれども、これにあふれちゃうと大変だということで、都立病院という一つのブランドにみんなが集まっているということも否めないと思いますので、ただ数が多いからすべていいとはいい切れないところがあるんで、引き続き努力はしていただきたいと思います。
先ほども申し上げましたけれども、患者さんの立場ということで、現在の医師には、専門化した医療の知識だけではなくて、患者さんに思いやりを持って全人的な医療を提供できる資質というものが非常に強く求められ始めたわけです。こんなことは当たり前のことなんですが、いろいろな制度上の疲労があって、不祥事も起きておりますので、いわゆる患者の権利章典ですね、インフォームドコンセントに基づく医療を実践していく都立病院というのは、教育、育成の場として大きく期待されていると思うんですけれども、インフォームドコンセントについても、都立病院自身が独自の考え方を持っていただきたい。
アメリカ方式の、患者さんの家族から訴えられることを回避するためのインフォームドコンセントというのは、アメリカではもう常識化されているわけですけれども、日本ではそうじゃなくて、医療の提供がスムーズにいって、患者さん自身も納得のいく医療が受けられるためのインフォームドコンセントはどうしていけばいいか。また、日本人の特性として、医者と患者さんの人的関係というのはアメリカとは全く違うわけですから、多国籍の国と単一民族の国との、また宗教観の差などを考えて、独自なものを出されることが--どうも都立病院というのは萎縮しているようなイメージがあって、予算面で削られて、独立しろっていわれて、行政医療なんて独立なんかできっこないわけでありまして、不採算をやるのが行政医療ですから、そこのところをもうちょっと自信を持ってしっかり声を大きくして、独自な方法をつくっていただけたらありがたいなと思っております。
せんだっての予特やまたこの厚生委員会で、都立病院に期待することということで申し上げたんですけれども、都立病院で覚えたことを、地域の医師会であるとか、あるいは地方の病院、大学へまた戻ったときに、ノウハウと理想というものを広めていく、これは先ほど申し上げたように、医師にとっての社会常識というものを一緒に添付して帰してやればいいわけですから、そういうことができるような、広報活動もできるような良質な医師をつくっていただきたいということをずっと提言してきたわけですけれども、このように都立病院で優秀なお医者さんをつくっていったとして、どのように活用して、医療の理想像としての、患者さんを中心とした医療を実現していこうとしているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○押元経営企画部長 都立病院におきましては、医学部卒業後二年間の初期臨床研修、さらにその後三年間の専門臨床研修の全期間にわたりまして、高水準で専門的な医療を担える技量と、先ほど先生の方からご指摘のありました、患者中心の医療の実践力を身につけました医師を育成していくこととしております。この育成のプロセスの中で、優秀な人材を選びまして、都立病院の正規の職員として確保をしてまいりまして、都民の期待にこたえる患者中心の医療の実現に努めてまいりたいと存じます。
また、研修終了後、都立病院以外の医療機関に就職をされる医師もいるわけでございますけれども、こうした人材が、都立病院で身につけました患者中心の医療の考え方に基づきまして、その能力をそれぞれの医療機関で十分に発揮することによりまして、この患者中心の医療の普及、推進といったことに都立病院として寄与してまいりたいと考えております。
○田代委員 大変優等生的なお答えで、問題はないんですけれども、この育成過程の中で優秀な人材を選んで正規職員として確保しといいますけれども、それは人間は幾らいわれたって、居心地というもの、やはり自分のモチベーション、インセンティブというものをしっかり自分で理解できないと、またそれに対応しているスキルがないと、なかなか人間というのは一〇〇%力を出せないわけですね。
ですから、予特でも申し上げたように、学会にもっとしっかりと出してもらう。今、日当といわないんですかね、交通費自身がもうもともと割っちゃっているような交通費であったり、一泊三千円とか四千円とか、ありもしないような宿泊の値段では意味がない。ですから、最低限行くかわりにレポートをしっかり出す。それからレポートが出せるような、いわゆる図書システム--今、本じゃなくてもインターネットで随分見られるようになりましたけれども、そういうものを読解できる語学力を履修できるような課外の授業みたいなものですね。都立大学で何かそういうシステムを外注でやるような話をせんだってしていましたけれども、そういうものを都立病院の中でも少し取り入れてもいいんじゃないかと思う。有料でも構わないんですね。ですから、そこにいることによって、医者が都立病院にいることに対して誇りが持てるような状態をつくっていただきたい。
その誇りというのは給料じゃないんですよ。医者としての力をつけられるシステムがあれば、極端に安ければ別ですけれども、普通のお給料で十分医者は今集まります。もう勉強したくてしようがない、どうやってやっていいかがわからないわけですから、そういうものをしっかりやっていくと同時に、経済的なことも全く無視して、僕が理想とするような一〇〇%公費である都立病院というのは、今から逆戻りできないでしょうから無理だとしても、産学官をもうちょっとしっかり入れて、特に今の治験というのは、非常にお金になるかわりに責任も非常にでかい。治験システムというのは普通の病院じゃ--私どもの病院でも千床をはるかに超えているんですけれども、それでもなかなか治験というのは簡単に受けられないほど難しい、高度な治験になりつつあるわけです。これは世界のスタンダードがそうなっているわけですね。
ですから、そういうものを都立病院というものを使って、企業と癒着するというのではなくて、日本の医学全般の発展に寄与できるように、治験システムを、ほかの委員会を、何か特別委員会みたいなチェックシステムをつくっても構いませんから、それから医者の公正取引規約を、都立病院だけで特別に公正取引規約をつくればいいわけであって、そういうものを使って、勤めていてよかったという気持ちをつくっていかなきゃだめだということです。幾らいい人を確保しようとしたって、我々民間の病院はその倍のお金を払って引き抜いちゃうわけですから、皆さん方、それをとめるだけの熱意を医者に持たせなくちゃいかぬということと、それから、最後におっしゃられた、それぞれの医療機関で発揮するように、都立病院で身につけた患者中心の医療をしていきたいというけれども、これはやっぱりネットワークつくっておかなきゃだめなんで、都立病院友の会じゃないけれども、きちっとした医療連携というもの--病診連携という言葉はもうずうっと何十年も前からあるけれども、病診連携なんというのは絵にかいた何とかで全く意味がないわけですね。
前に申し上げたとおり、例えば、我々のような町医者が都立病院に勉強に行こうとしたときに、自分の診療所があいちゃうときには、その診療所に都立病院から無償で医者の提供がない限り、こんなことはできないんですよ。公務員ですからこれは無償でしかない。そのかわり、例えば、町の医師会は都立病院に寄附をするとか、起債を買うとか、何かほかの方法幾らでもあるわけでありますから、町の診療所があいちゃってまで勉強に行くというわけにはいかないんで、こういうシステムをきちっと--都立病院と開業医の病診連携ができないで、先ほどおっしゃられたように、それぞれの医療機関でみんな卒業生が威力を発揮するようにしたいといっても、それは絵にかいたぼたもちでしかなくなって、言葉の遊びでしかなくなっちゃって、もうちょっと具体的にしっかりと進めていただきたいと思っております。
いつも申し上げているように、都立病院というのは、今後の日本の、いやアジアの医療のあり方を示すことができる可能性があるんですよ。まだ全然そんなことができているとはいえないんですけれども、可能性がある唯一の公的病院ですから、都立病院が保有するさまざまな医療技術、まだまだ足りないところがいっぱいありますけれども、医療技術や治験なんかをもっともっと積極的にスピードアップしながらしっかりと公開して病診連携を進めていく、そしてその中で、今申し上げたように、優秀な人材を、自分のところでも使うように育成するし、輩出していくような努力をしていただきたいということを要望して、質問を終わります。
○初鹿委員 私は、都立病院の待ち時間の対策と、この七月に府中病院に導入しました新たな病院情報システムについて、何点か質問をさせていただきます。
私の選挙区は江戸川区でして、下町の方は大きな病院が少ないこともありまして、多くの方が都立の墨東病院を利用しております。この墨東病院は、ご承知のとおり、改築されて新しくきれいになりましたこともありますし、ERを実施しているなど、非常に区民の方から信頼もされていますし、期待も大きいものがあるんですね。
私も、実は、子ども三人、墨東病院で出産しておりますし、姉も三人のうち二人は墨東病院で産んでいます。今年の四月に三番目が生まれてお世話になったばっかりなんですが、そういうことから、この都立の墨東病院について何点か質問したいんですが、やはり信頼されているという裏返しで、外来の患者さん非常に多いですよね。一日約千五百人ということで、つまりそれによって待ち時間が非常に長くなっているということであります。これは、私も家族がかかっているんで、よく病院に行って帰ってくると、毎回のように、きょうは何時間待たされた、対応が悪かったというのを聞かされるんですが、やはり自分が行ってみても、時間は長いなあと感じます。
都立病院については、都立病院改革実行プログラムの中で改革の具体的な進め方を明示して、改革や改善を行っています。この実行プログラムの中でも、患者の満足度を高めるサービスの向上として、待ち時間対策に取り組むということをいっているんですが、都立病院で患者の待ち時間について現在どのような対策を講じているのか、まずお伺いいたします。
○菅原サービス推進部長 都立病院におきましては、患者さんの待ち時間をできるだけ短くするため、予約制を現在とっております。さらに、会計受付などでも、コンピューターシステムを活用いたしまして、待ち時間の短縮化を図っているところでございます。
また、診察時間が近くなりますと、ポケベルで呼び出しを行ったり、あるいは掲示板などで診療科ごとの待ち時間や診療状況を表示するなど、患者さん自身が診療の進行状況を確認できるように、そういう対策をとっておるところでございます。
○初鹿委員 どの病院でも、待ち時間対策というのが大きな課題であるというふうに聞いております。これは都立病院に限らなくて大きな病院全部そうだと思うんですが、さまざまな工夫を凝らしているようです。
ところで、七月に府中病院で、電子カルテを含む新たな病院情報システムを導入したようですが、このシステム導入以前には、府中病院には、オーダーシステムを初め、診療に必要なコンピューターシステムは一切導入されていなかったということですから、導入前と導入後で患者のサービスの状況は随分と変わってきたんじゃないかなというふうに考えるわけです。そこでお伺いしますが、府中病院でこの新たな病院情報システムを導入した結果、待ち時間の短縮化についてはどういう効果があったのでしょうか。
○菅原サービス推進部長 府中病院におきます新たな病院情報システムの導入によりまして、会計の待ち時間あるいは薬の院内処方の待ち時間が短縮されたという効果がございました。
例えば、これまでは会計が終了するまで三十分から一時間お待たせいたしておりましたが、現在では長くても十五分程度に短縮されたところです。また、薬については、ほとんどお待たせしていないというのが現状でございます。
○初鹿委員 電子カルテの導入によって、待ち時間に多少効果があったということですが、今のご答弁ですと、診療が終わった後の待ち時間が短縮されたということですよね。診療前の待ち時間ということではそれほどの効果がないということだと思います。この診療前の待ち時間を短縮していくということが必要だと思うんですが、それぞれの患者さん個々によって医療の内容がかかわってくることですから、システム導入するだけじゃなかなか解決するのが難しいんではないかなと思います。
ただ、待っている患者さんからすれば、いつ呼ばれるのかなと思って、今か今かな、そろそろかなと思って、気が気じゃなくてトイレにもなかなか行けないという状況にあるわけですよね。ですから、こういったときに、自分の待ち時間があと何番目なのかとか、あと大体何分後なのか、そういう状況が把握できると、随分と気持ちの面で違うんじゃないかなと思うんですね。
最近、一部の病院では、こうしたことが可能なシステムが導入されているというふうに聞いていますが、都立病院改革実行プログラムによれば、平成十六年度は墨東病院にも新たな病院情報システムを導入する計画とされております。この墨東病院では、患者の待ち時間対策として今どのようなことを検討しているのか、お伺いいたします。
○菅原サービス推進部長 墨東病院には、新たな病院情報システムと連動いたします再来受付機を設置いたしまして、まず受付の簡略化を図ります。それから、診療の進行状況に合わせて、患者が自分の待ち状況を確認できる案内表示機などを院内複数の場所に設置いたしまして、患者が診療時まで院内のどこでも待てるようなサービスを検討しております。
○初鹿委員 実現したら、患者さんにとっては非常にサービスが向上するんではないかなと思いますので、ぜひしっかりとやっていただきたいなと思います。
しかし、この病院情報システムを導入したからといって、待ち時間対策というものが完全に解決されるというものではないと思うんですね。やはりいろいろな患者さん診ているわけですから、前の患者さんがやむを得ず時間がかかって長くなってしまうということもあり得るわけで、そうした場合に、受付にいる事務の職員の方とか、看護師、医師などが患者さんに対して配慮をしていくということが必要だと思うんですよ。一言声かけるだけで随分違うと思うんですよね。それを何もしないで、何となく一人ぽつんと座って放置されている印象を持たれるような対応をされているとしたら、その点は職員の意識改革というんでしょうかね、それを徹底的に行っていただいて、やはり医療はサービスですから、患者さんが待っている間もサービスを心がけていただきたいなと思います。
ところで、この新たな病院情報システムはいろいろな機能を含んでいるということなんですが、この電子カルテを含む新たな病院システムの導入により患者サービスの向上を目指すと都立病院改革実行プログラムでは書いてあります。この診療の面ではどのような効果があるのか、お伺いいたします。
○菅原サービス推進部長 電子カルテは、すべての診療情報を電子化しますので、カルテ情報の共有化ができます。それによりますチーム医療の推進やクリニカルパスを活用いたしました医療を促進することにつながり、インフォームドコンセントや情報開示への対応も円滑になるものと考えております。
また、採血やレントゲン撮影などの検査依頼や、その結果が迅速にやりとりされるなど、今まで以上にスピーディーに医療が提供できることにもなると考えられております。
○初鹿委員 効果についてはわかりましたが、この電子カルテを導入して、患者のサービスの向上を図っていくわけですけれども、そこで医療事故などが起きたら元も子もないと思うんですね。最近、新聞などの報道を見ていると、非常に医療事故の記事が多くなっているように感じるんですが、システムの上で医療事故が起こらないような機能をしっかりと持たせるということも必要だと思うんです。
府中病院に導入した新たな病院情報システムでは、医療事故を予防する機能というのはどのようになっておりますか。
○菅原サービス推進部長 医療事故予防対策といたしまして、例えば、個々の患者の状況に合わせて薬の総量あるいは組み合わせをチェックしたり、安全に検査を実施する機能や、バーコードを利用いたしまして患者の取り違えを防止する機能などを導入したところでございます。
このように、府中病院に導入いたしました新たな病院情報システムは、医療事故防止対策にも十分配慮したものとなっております。
○初鹿委員 システムの上では、医療の安全性を向上させる対策をしっかり講じているということですが、先日テレビ見ていましたら、今おっしゃられたような薬の総量をきっちりとチェックする機能がついていたにもかかわらず、そのチェックを無視して投薬をしてしまったというような番組を見たんですけれども、こういう例は出てくると思うんですね。幾らシステムを整備していても、それを活用する人間が不注意だったり、うっかりをしているということで事故が起こるという可能性もあると思います。こういう医療事故が発生する危険性というのは、府中病院ではあり得ないんでしょうか。
○菅原サービス推進部長 ただいまのご指摘の事例というのは、システムが正しく作動していたにもかかわらず、その確認を人間が怠ったということで事故が発生したものというふうに考えられます。
府中病院を初め、他の都立病院におきましても、こうしたことが起きないよう、スタッフによるチェックを二重化するなどの医療事故対策を万全にとってまいりたいと考えております。
○初鹿委員 使うスタッフがしっかりと内容をよく理解をして使っていくということだと思うんですね。導入した直後というのは、皆さん緊張しているんで、しっかりやっていくと思うんですが、これが一年、二年、三年とたって、だんだん機械になれていってしまうと、その辺がルーズになっていく可能性もありますので、しっかり研修なりを定期的に行うとか、そういうことでスタッフのミスによる事故が起こらないように万全を期していただきたいと思います。
コンピューターのこういうシステムは、膨大な情報が蓄積されますから、民間企業などでは蓄積された情報を活用してさまざまな分析を行って、新たなビジネスチャンスに生かしているというふうに聞いておりますが、都立病院のこの新たな病院情報システムにも、診療に関するさまざまな情報が蓄積されていきます。今後は、その情報を病院の経営にどういう形で活用していくのか、お伺いいたします。
○菅原サービス推進部長 現在、蓄積されました医療情報を分析、加工することによりまして経営管理に役立てるシステムを構築しているところでございます。年度内には稼動する予定でございます。このシステムを活用いたしまして、各診療科ごとの経営情報を適宣的確に把握し、効率的な病院経営を目指してまいります。
○初鹿委員 こういうITを導入すれば、経営は効率的になっていくということは十分理解できるんですが、一つ心配な面としては、セキュリティーがどうなのかということが挙げられると思うんですね。最近ですと、非常にコンピューターウイルスも高度化していて、システムにどんどんと入り込んでいって、大変な被害を及ぼしているということが多々ありますので、セキュリティー対策がしっかりできているかということが、こういうシステムを導入する上では重要だと思います。
この新たな病院情報システムではセキュリティー対策はどうなっているのか、お伺いいたします。
○菅原サービス推進部長 セキュリティー対策といたしましては、例えば、ID番号とパスワードによりましてアクセスを管理し、不正利用を防止しております。また、インターネットとは当面切り離しておりますので、外部からの不正なアクセスを回避し、情報漏えいの防止も図っております。さらに、セキュリティーに関する規定を整備するとともに、システムの利用者には、パスワード管理の徹底など、セキュリティー意識向上の教育を実施しております。
今後とも、セキュリティーに万全を期すようさらに努力してまいります。
○初鹿委員 今お答えにありましたように、インターネットには当面接続しないということであります。これを将来的に接続するようになっていく可能性もあると思いますから、そのとき、やはり外部とつないでしまったところが一番セキュリティーが大切なところですから、将来的な課題として、そういうコンピューターウイルスなど侵入されないような対策をしっかり立てていただきたいと思います。
今後、この府中病院に続いて、十五年度末には駒込病院、そして十六年度には広尾、大塚、墨東と順次導入していく予定だということですから、セキュリティー対策が一番重要でありますから、この辺をしっかりやっていただくのと、より一層の患者サービスの向上を図るように期待をいたしておりますので、よろしくお願いいたします。
最後に、SARSの対策について、一言ご要望させていただきます。
先般の健康局に対する質問の中で、私もSARS対策について質疑させていただきましたが、その中で、保健所、医療機関、健康安全研究センター、消防庁などと緊密な連携を図って迅速かつ適切に対応していくという、東京SARS診療ネットワークを構築しているということでありますね。
そうはいっても、一人でもSARSの真性の患者さんが発生をしてしまったら、非常に社会に与える不安というのは大きいものがあるなと感じます。当然、SARSの患者を治療できるのは、どこの病院でもいいというわけではなくて、都立病院が中心となっている感染症指定医療機関であります。中でも都立病院の役割というのは非常に重要だと思いますので、このSARSだけには--だけということではないんですが、ほかの感染症にも十分に対応できるように、しっかり施設の充実や必要な設備、資器材の整備など万全を期すように要望いたしまして、質問を終わります。
○東村委員 それでは、都立病院におきます臍帯血移植について、何点かお伺いしたいと思います。
私の家内の父親も白血病で亡くなりまして、それから兄も白血病で亡くなりました。その関係で、私は議員になる前から、白血病に対するさまざまな治療という部分についてはいろんな形で取り組んできたつもりでございます。
その中で、特に家内の兄の場合は、骨髄移植という方法があったんですけれども、コーディネートの時間がかなりかかりまして、なかなか適合がしなくて、結局骨髄移植まで間に合わないで亡くなったわけなんですけれども、そういう中で、いわゆる母親と赤ちゃんを結ぶへその緒、いわゆる臍帯と胎盤の中に含まれる血液、臍帯血という、この臍帯血が骨髄と同じように血液細胞をつくり出すものであるという、この造血幹細胞がたくさん含まれているということを、今の京都大学の教授の中畑先生が発見されました。これは非常に朗報だったわけで、ただ、なかなかこれが世に出るまでには時間を要したわけでございます。
これは、最初は血縁者の間で臍帯血移植というのは行われたわけなんですけれども、平成六年の五月にようやく世に出てまいりました。このときに、日本さい帯血バンク支援ボランティアの会というのを有田美智世さんが立ち上げられまして、その後、平成九年に初めて日本で、横浜市立病院ですか、非血縁者同士の臍帯血移植が行われた。
これを受けまして、この有田さんを中心に、私も一緒に参加をしまして、全国的な署名運動をやりました。特に、当事者として、私の家内も私も、この問題は白血病で亡くなっていった、また今苦しんでいる人たちにとっては非常に朗報だということで、五十万近い署名を集めまして、当時、厚生大臣が小泉現首相でございました、小泉さんに届けたところ、日本になぜこんなにいいことが広まらなかったのかということをおっしゃってくださいまして、強力にこの臍帯血移植を進めていくよということを当時の小泉厚生大臣からいっていただきました。
それからは、国会でこの問題を、我が党としても、我が党の参議院議員等がいろいろ取り上げてまいりまして、当時、この臍帯血の移植には採取から移植まで約一千万かかるといわれたんです。これはやっぱり余りにも普及しない大きな原因だということで、保険適用すべきだということで、国において平成十年に、このときも小泉さんでございました、小泉さんが厚生大臣で、この保険適用を進めていただきました。そして平成十年に保険適用が何とかスタートいたしまして、さらに平成十二年には臍帯血の検査費用まで保険適用がなされたわけなんですね。で、今日に至っているわけでございます。
ことし平成十五年の第一回定例会におきましても、我が党の石井幹事長が、もっと積極的に都立病院においてもこの臍帯血の移植事業に取り組んでいくべきであるという質問をしたところ、都の側から、臍帯血移植に積極的に対応して、都民の医療ニーズに的確にこたえていく、こういう答弁がありました。その際に、平成十三年度には三つの病院で六件の臍帯血移植を実施していく、こういうような話もございました。
それを受けまして、その後、都立病院における臍帯血移植の状況について教えていただきたいと思います。
○押元経営企画部長 平成十四年度の臍帯血移植でございますけれども、府中病院で五件、駒込病院で五件の計十件という実績になっております。また、今年度でございますけれども、この十月までで、府中病院では十二件、駒込病院では十五件、清瀬小児病院で一件、計二十八件ということでございますので、平成十四年度の倍以上の実績ということになっております。
○東村委員 実は、臍帯血の移植が始まったのは、平成九年から本格的に始まったという話をしました。十五年現在で実は全国で千例、二〇〇三年、いわゆる平成十五年の六月で千例を超えたんですね。非常に画期的なことで、何でこんなに広まったかというと、骨髄から移植をするというのは、非常にドナーの痛みとか命の危険を要するんですけれども、一昨日、古賀委員の方から、杉並のある産婦人科で胎盤を食べている、そういう話がありましたけれども、むしろこの胎盤、そしてへその緒、今まで産婦人科で捨てられていたわけなんですよね。これらが人の命を救うものに変わったということは画期的なことで、ある意味でドナーの痛みも伴わないし、いろんな意味で入手、採取をしやすくなった、これが大きく広まった原因じゃないかと思うんです。
ただその中でも、都立病院においては、平成十三年度六件、十四年度十件、十五年度二十八件というのは、私はいささか少ないんじゃないか、このように思うわけなんです。
そこで、従来からの治療方法として、先ほどもいいました骨髄移植があると思うんですけれども、この骨髄移植に関する取り組み状況はどうなのか、これについてお伺いしたいと思います。
○押元経営企画部長 骨髄移植の取り組み状況についての実績でございますけれども、平成十四年度におきましては、府中病院で十四件、駒込病院では七十四件、清瀬小児病院では十四件ということで、計百二件となっております。
また、今年度につきましては、この十月までの実績でございますが、府中病院で二件、駒込病院で三十六件、清瀬小児病院で七件の計四十五件となってございます。
○東村委員 骨髄移植に比べると、この臍帯血移植が都立病院の場合は圧倒的に少ないわけなんですけれども、この骨髄移植と臍帯血移植、これは皆さんもご存じだと思いますけれども、それぞれのところで一長一短があるとは思うんですが、例えば、ドナーの負担や白血球の型の適合度、それからコーディネートの問題、それから造血機能の回復、いわゆる術後の回復の問題、さらに患者負担の費用の問題、これらについてそれぞれどのような違い、メリット、デメリットがあるのか、これについて伺いたいと思います。
○押元経営企画部長 骨髄移植と臍帯血移植の比較でございますけれども、まず骨髄移植でございますが、臍帯血移植と比べますと、回復が比較的早いということがございます。また、移植の安定度も高いという、この辺が大きなメリットかと思いますが、反面、骨髄移植は、骨髄液を提供いたしますドナーの身体的な負担がかなり大きいということがございます。さらに、白血球の型の適合が厳密に要求をされますために、治療の開始までに相当の期間を要するという課題がございます。
これに比較しまして、臍帯血移植の方でございますけれども、ドナーの身体的負担は比較的少ない--比較的少ないというよりも、先ほどお話のとおり全くないといってよろしいかと思いますが、また、骨髄移植と比べますと、白血球の型も適合しやすいということでございます。こういうことから非常に実施しやすいというメリットがあろうかと思います。
費用の面でも、先ほど来お話のございますように、骨髄移植は、採取のための費用が本人負担となっておりますために、自己負担が五十万円程度は生じてしまうということがございます。これに比較しまして、臍帯血移植の場合は、臍帯血確保のための費用の自己負担がないというところが比較の主なところかと存じます。
○東村委員 今お話しあった中で、骨髄移植の場合、私の家内の兄の場合もそうだったんですけれども、適合するまで間に合わないという一つの大きなデメリットがあります、やっぱり一刻を争うという。コーディネートまでにかなりの期間を要するということと、もう一つは、これは今五十万円とおっしゃったんですけれども、私が知っている人から聞いたら、百万円かかったとおっしゃっていました。五十万円というのは平均的な数字なんでしょうけれども、百万円かかる。どうしても経済的に百万円を払えないという人は、骨髄移植なかなか受けられないという状況の中で、私はもっともっとこの臍帯血移植を進めていくべきなんじゃないか。もっといえば、先ほど術後の回復が臍帯血移植の場合は遅いという話があったんですけれども、移植後における最も大事な部分だと思いますけれども、いわゆる免疫反応が臍帯血移植の場合は骨髄移植よりも軽い、こういう研究というか成果が出ておるわけでございます。
そういう意味で、都立病院において、確かに徐々に毎年ふえてきております。非常に努力をしていただいていると思うんですけれども、圧倒的に今採取ができる胎盤やへその緒の方が多いわけなんですね。今、骨髄液を提供する人が減っているんです。というのは、骨髄移植で亡くなった人が出てきまして、これを受けてどうしても二の足を踏んでしまう。なかなか受けられない。確かに術後は安定しているかもしれないけれども、回復まで臍帯血移植の方が期間がかかるかもしれないけれども、積極的に進めていただきたいと思うんです。
その上で、これは都立病院じゃありません、ある病院らしいんですけれども、骨髄移植を受けた患者さんとお話ししたときに、全くといっていいほど臍帯血移植の話が出なかったと。医者からも骨髄移植をしますよという。それから物すごい時間を要して、待たされて待たされて、自分は死ぬかもしれないという恐怖の中で、ようやくこの骨髄移植を受けられたという話をされました。
そこで、それぞれ患者に合った、例えば、再生不良性貧血の場合は、臍帯血移植というのは適合しないということもわかっておりますけれども、それぞれの人の症状によって変わってくるんでしょうけれども、両方を治療方法として患者が選択できるんであれば、私は、患者や家族に対して、十分それぞれのメリット、デメリット、骨髄移植のメリット、デメリット、臍帯血移植のメリット、デメリットをきちっと説明するという、このインフォームドコンセントが都立病院では行われていくべきなんじゃないかと思うんですけれども、これについていかがでしょうか。
○押元経営企画部長 都立病院におきましては、骨髄移植と臍帯血移植、それぞれの治療法のメリットあるいは課題ですとか、当該患者さんの身体の状況などにつきまして、患者さんご自身やそのご家族に対して十分ご説明をした上で、またご了解を得た上で、患者さんの症状に合わせた治療法を決定いたしまして、治療を行っているところでございます。
○東村委員 ぜひとも、都立病院にあっては、その辺のことを積極的に進めていただいて、私は、どっちがいい、悪いということを結論づけたいわけじゃないんです。ただ、患者にそれぞれ費用の問題だとか、一刻を要するというさまざまな状況もあるという中で、ただ従来の方法は骨髄移植しかなかったから、それでもうずっとその病院はやってきたから、それしかないんだというやり方ではなくて、患者にきちっとしたインフォームドコンセントをして、メリット、デメリットを話して、選択していけるように、そしてもっともっと普及していける--今骨髄のデータバンクは、骨髄液がもう採取できないで非常に困っています。その反面、この臍帯血というのはもう捨てられているわけですから、中には、一昨日の話のように、食べているという産婦人科のとんでもない例もありましたけれども、私は言語道断だと思いますし、もっともっとそれは活用できて、それで人の命が救えるんであれば、私はいい時代になったなというか、本当にもっと早くこれができていれば、多くの人の命が助かったんじゃないかということを心から今思っているわけでございます。
その上で、最後に、臍帯血のミニ移植の問題について質問したいと思うんです。
最近の研究で、がん細胞を殺す働きというのは、実は抗がん剤よりもリンパ球の方が大きいということがわかってきたんですけれども、このため、このリンパ球の免疫作用に主眼を置いて、抗がん剤を通常の移植よりも少量しか使わない治療法、いわゆるミニ移植というものが今いろんな形で研究され、進められております。
これは、白血病だけではなくて、固形がんや特に腎がんに効果がある、このように聞いておりますが、都立病院において、今後、このミニ移植について、いろんな課題も抱えていると思うんですけれども、治療できる患者さんの幅を大きく広げていく可能性を秘めている、こういう観点からも積極的に取り組んでいくべきじゃないかと思うわけですけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○押元経営企画部長 ミニ移植でございますけれども、ご指摘のとおり、抗がん剤などの身体的な負担に耐えられない患者さんに対しましても治療の道を広げるということで、非常に大きな意味を持っている治療法だと考えております。
駒込病院でも、臍帯血を使用いたしましたミニ移植について、実績が、一例でございますが、ございます。まだ全国的に見ても症例数が少なくて、治療方法としては十分に確立しているとはいえない状況でございます。臨床的に見ても、患者さんの体の状況に応じて、薬剤の投与を非常に微妙に調整をしていかなければいけないという難しい面も持っているということでございますが、都立病院といたしましては、患者さんに対しまして適切な治療を行ってまいりますために、臍帯血を利用したミニ移植のような専門性の高い医療にも対応できるように、今後とも医療内容の充実に努めてまいりたいと考えております。
○東村委員 今、駒込病院で一例があるという話がありましたけれども、特に、この駒込病院については、がん治療という部分で、東京だけでなくて日本じゅうに名前が知れ渡っております。
今後、こういった臍帯血の移植、これを取り入れたミニ移植の研究から、またそれぞれの小児医療の現場、それから成人医療の現場において、この白血病対策として臍帯血移植に積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○大山委員 私は、大久保病院について質疑をしたいと思います。
大久保病院を公社化することには反対であるということは、この間も何回も質疑をしてきたところです。第四回定例会に、都立病院から大久保病院を外すという公社化の第一歩となるような条例を提案しようとしているようですけれども、これはぜひとも条例提案はやめるようにということをまずいっておきたいというふうに思っています。
大久保病院は、明治十二年以来、この新宿の大久保にあるわけですね。都立の病院という安心感とともに、親しまれて、頼りにされてきた病院なんです。多分、皆さんのところにも来ていると思うんですけれども、チラシだと思うんですけれども、チラシを切り取って、あて名を書いて、自分の一言を書いて、しかも切手を張って投函するって、これかなりエネルギーの要る仕事なんですよね。そういう手間をかけて、エネルギーをかけて、こんなにたくさんはがきが来ているんです。新宿だけではなくて、中野だとか、杉並だとか、練馬だとか、そういうところからもたくさん来ています。本当に、圧倒的に都立として残してほしいということです。
しかも、その一言一言が、本当に実感のこもった、自分の言葉で書いてあるんですね。自分がかかっているとか、親子三代で診てもらってきたとか、それだけいい病院だというふうにいわれているわけです。例えば、家族全員六名が都立大久保病院にお世話になっています。入院もあらゆる科で入っていますが、何から何、文句のつけようもないすばらしい病院で、大変喜んでいますとか、数年前に大久保病院に入院、その後主に内科に通ったこともあります。とてもよい病院でした。なぜこの大久保病院だけが公社化するんでしょうかとか、病院の施設はもちろん、医者や看護師さんたちが熱心で、親身になってくれて、安心して病気を診てもらえます。こんなご時世で、経済的にも助かります。都立としての存続を心より願いますというように、本当に切実な声がたくさん書かれているわけです。そして病院を評価したことがたくさん書いてあるということなんです。それだけいい病院だということだと思うんですよ。
九月の厚生委員会で奥田医療政策部長さんは、人員配置につきましても、これまでの医療の継続性を確保することを踏まえた上で、地域病院として提供する医療機能に必要な人員を確保していくことになりますので、この点からも患者サービスが低下するようなことにはならないというふうに答弁されているんですね。
しかし、実際に入院したことがある方たちは心配しているんです。はがきにも何件かありますけれども、入院したとき、夜勤の看護師さんは走り回っていましたとか、現に入院していると、看護師さんの働きは、あれでは体を壊します、よく現状を見てくださいとか、ただでさえ重労働なのに、看護師さんにかかる負担がふえることになったら、お互いに安心していられませんというように、こういう心配を既にされているんですね。こういう患者さんたちの心配にどのようにこたえるんですか。
○宮川経営戦略・再編整備担当部長 看護師の人数が減るのではないかというご心配の声があるということでございますけれども、都立病院の看護職員の配置定数は、都立病院としての提供すべき医療を適正に実施できる人員として算定したものでございます。大久保病院につきましても同様でございます。
また、公社病院の看護体制は、都立病院と同様の二対一の看護体制をとっております。大久保病院の運営主体がこれから公社に移管されました場合でも、都立病院と同様の二対一看護体制を基本にして、これまでと同様に、提供する診療規模や医療機能に必要な人員を適切に配置することになりますので、患者サービスが低下するというようなことはございません。
○大山委員 いかにも必要な人員をきちんと配置するような、確保するようなご答弁ですけれども、看護体制は二対一なんだ、しかしそれは、都立病院は常勤者だけの二対一、公社病院は常勤者と非常勤者も含めて二対一だという人員配置ということですよね。
○宮川経営戦略・再編整備担当部長 公社病院の看護体制は、今先生お話のように、常勤職員だけでなくて、非常勤職員等を適所に配置いたしまして、医療機能を支えるために必要な人員を確保しております。
ただし、常勤だから高いサービスを期待できて、非常勤では低いサービスしか期待できないということにはならないと考えております。非常勤職員が常勤職員に比べてマンパワー的に劣るというようなことは、一概にいえないと考えております。
○大山委員 非常勤職員が一概に、仕事としての、職業としての能力が低いとかっていっているわけじゃないんですね。第三者評価でも、日本医療機能評価協会でしたか、そこの評価でも、都立大久保病院の看護体制のよさというのは、都立病院の都の職員としてのきちんとした保障がされているので定着している、だからきちんと目標がみんなのものになっているんだというところで評価されているわけですよ。それを常勤者を減らして非常勤者をふやす、それがサービス低下につながるということじゃないんですか。
○宮川経営戦略・再編整備担当部長 例えば、午前中で外来診療を終了できるという診療科がありますれば、そこに従事いたします医療スタッフについては、常勤でなくて半日勤務の非常勤職員を配置する、これは当然なことでございます。
現在の日本社会では、働く側におきましても、個々人のライフスタイルや家庭の事情などによりまして、非常勤として働くことを希望している人々が多いわけでございます。現に、公社病院におきましては、夜勤専従を希望し、働いている方々がおりまして、非常勤職員の中にも、優秀な、常勤職員に負けないくらいの勤務ぶりの職員もおります。
都立病院と比べて、より弾力的な職員配置管理が可能な公社病院におきまして、業務量に見合う非常勤職員の活用を積極的に図ることは即サービス低下につながる、このようなお話には賛成しかねます。
○大山委員 非常勤の職員の能力が劣っているとかっていうふうにいっているわけじゃないんですね。チームの体制でやる、人と人との関係の職業だからこそ、正規の職員できちんと、チームで能力が高まるような、それが必要なんだということなんですよね。
聞きますけれども、大久保病院の正規看護師のことしの四月一日と十月一日の現員は何人ですか。
○宮川経営戦略・再編整備担当部長 都立病院の看護職員の配置につきましては、毎年四月及び十月に人事異動を行いまして、都立病院全体の人員配置について調整を行っているわけでございます。
ただいま先生のお尋ねでございます大久保病院の四月一日、十月一日の現員の数でございますけれども、大久保病院の平成十五年度の職員定数百九十五人に対しまして、四月一日は二百二十五人、三十人の過員配置となっております。また、十月一日は二百五人、十人の過員配置となっております。
○大山委員 四月一日が二百二十五人、十月一日が二百五人、既にここで二十人職員が減っているわけですね。今、定員との比較をしましたけれども、産休があったり、育休があったりするわけですから、女性が中心の職場というのは、過員にするのは当然のことですよね。
重要なのは、四月の二百二十五人が、十月には二百五人になっているということなんです。実際に、十月一日には看護師が四月に比べて二十人も減っているわけですね。二十人看護師が減ってどうなっているのかということなんです。
例えば、四十九床ある、ある病棟は、夜勤ができる人は、それまでは二十二人だったんですけれども、十九人になりました。夜勤ができる人が減るということは、一人当たりの夜勤の回数が、月に三回から四回だったのが、四回から五回にふえたんですね。また、病棟の八時半から夕方の五時五分まで勤務する人、つまり、日勤の人の人数は、七人だったのが六人になったというんですね。七人から六人だから、一人だねというふうに思ったんですけれども、この一人が重要だというんですね。
どういうことなのかといいますと、それまで七人だから、二人ずつ組になって三組つくって、プラス看護長さんがいたというわけですね。それで一病棟、大体四十八人程度を看護していますから、一組の看護師さんたちが十六人程度を担当すればよかったわけです。しかし、減りましたから、六人になりましたから、二グループ、二組しかつくれないで、あとはフリーで動く人と看護長だということなんです。一組当たりの担当は、必然的に二十四人程度になるということなんです。
どうなるかっていえば、看護師さんは、点滴などはやめるわけにいかないから、結局、清拭は毎日やっていたんだけれども、一日置きになってしまったりしているんです、本当に申しわけないんですというふうにいっているわけですね。今までだって、さっき紹介したように、患者さんが心配されるほど忙しいわけです。実際に、看護師さんは患者さんに、人数が減ったねというふうにいわれることもあるというんですね。
そんな中で、看護師さんは、仕事量が減るわけじゃないですから、一日に二、三時間の超過勤務が常態化しているということがいわれています。看護師さんは、毎日が綱渡りなんだ、患者さんに迷惑をかけて悲しいとか、看護師としての充実感を失ってしまって、日々の業務に追われる毎日が悲しい、医療事故が心配だというような声が出ているわけです。これでサービス低下といわないんですか。
○宮川経営戦略・再編整備担当部長 看護職員の実際の配置につきましては、先ほど先生も触れていただきましたけれども、年度途中に発生いたします退職者、産休や育休に入る者、それから職場に復帰する者など、あらかじめ推計いたしまして、必要な人員の確保に努めているところでございます。
大久保病院におきましては、都立総合病院八病院の中でも、十月一日現在でございますが、一番多い過員を措置しているところでございます。実際に五百人、六百人という定数を超える病院に比較しまして、実態をきちっと踏まえた現員の措置に努めているところでございます。
○大山委員 過員だというふうにいいますけれども、そうしたら昨年度の定数から今年度の定数は何人に減らしたんですか。
○宮川経営戦略・再編整備担当部長 大久保病院の平成十五年度の職員定数でございますけれども、三十人の削減がございました。ただ、これは執行体制の見直し、業務量の算定に従って、適正な配置がなされているものでございます。
なお、この定数をもってきちっとした夜勤体制をとるために、これは既に職員団体とも協議済みで納得ずくでございますけれども、病棟夜勤体制の変更によります病棟運営の見直しや、今後の退職、産休、育休などの人員推計をもとに、適切かつ必要な人員措置に努めております。
○大山委員 既に昨年の定数よりも三十人も定数を減らしているわけですよ。そして、業務量がといいますけれども、そうしたら病床利用率を、昨年の平均とことし九月までの平均をいってください。
○宮川経営戦略・再編整備担当部長 大久保病院におきます病床利用率でございますけれども、平成十四年度は八〇・八%、一〇〇に対して八〇・八でございます。平成十五年度でございますが、四月から九月まで平均で八三・六でございます。
○大山委員 病床利用率も、去年のをもとにして八割だから、マイナス三十も看護師は減らしたんだという説明がありましたよね。じゃ、病床稼働率はどうかといったら、ことしになってからは上がっていると。だから、看護師だけは減らしたけれども、病床の稼働率は上がっているということなんですって。実際に現場にいる患者さんだとか看護師さんが、こういう医療事故が心配な状況の中で働いているという状況ですから、これをサービス低下といわないで何というのかということです。
それでは、九月の委員会のときに、やはりご答弁の中で、同一医療圏内に特定機能病院が複数存在し、圏内の高度医療は充足されていることから、高度医療を志向するより地域病院なんだという答弁をしています。これは考え方が違うというふうに思います。例えば、病院改革会議に小児医療の専門家が入っていない。それは私たちも指摘しましたし、ほかからも指摘があって、結局、多摩の小児医療について検討会が行われて、報告が出されたわけですね。第三回定例会の一般質問で萩生田氏は、この検討が先に行われていたら違う結論になっていただろうというふうに発言しています。私もそのとおりだと思っています。
これは小児だけにいえることではありません。全体の状況を検討したら、この病院改革会議では違う結論になっていると私は考えています。例えば、東京の中にどんな医療機能があるのか、都民との関係で何が必要なのか。例えば、三大死因といわれている心臓病やがんや脳卒中などについて見たときは、がんは国立がんセンターがありますね。しかし、循環器病でも、心臓と腎臓系、それから脳卒中の早期対応のためのチーム医療ができる専用病棟の提案も、私たち行ってきましたけれども、これも東京にはありません。埼玉や群馬や千葉などは非常に重視していて、循環器病センターをきちんと県立病院で持っていますね。
このように、病院改革だというふうにいうんだったら、東京全体を見て、どんな医療機関がどこにあるのか、それをきちんと分析して、都立病院が果たすべき役割を導き出すことだというふうに思いますけれども、どうですか。
○押元経営企画部長 都立病院改革会議のメンバーでございますけれども、地域医療の日本の最高権威の一人と目されております自治医科大学の高久座長、それから救急医療、循環器医療、脳血管医療の同じく最高権威の一人と目されております、既にお亡くなりになりましたけれども、日本医科大学の大塚理事長、それから、ご自身も青梅市立病院で院長としてお働きになっていらっしゃる傍ら、小児医療にも大変関心と造詣の深い星先生、こういったそうそうたるメンバーが都立病院改革会議に名を連ねて、私どものいろいろなお話をお聞きいただいて、きちんとした答えをお出しになっていただいたものというふうに考えております。
先ほど大山先生は、東京全体の医療をきちんと考えてこういった結論を出したのかというふうなお尋ねでございましたけれども、私は自信を持って、きちんとそういった状況を把握して結論を出していただいたものというふうに考えております。
それから、先般の厚生委員会でもご質問のございました循環器病センターの件でございますけれども、循環器病センターを設置しております県は、例えば宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、それから日本海側という過疎地を抱えます兵庫県、こういったところが循環器病センターを設置しているわけでございます。
その病床数は百床から三百床どまり、結核の病床をあわせて設置しているところも多うございます。
こういった地域背景を考えますと、東京のように一千二百万の人口を擁し、しかも大学病院や国立のセンター的機能病院など、高度な医療を提供する特定機能病院から、循環器あるいは脳血管障害といった専門的な医療に柔軟にかつ的確に対応できる民間の病院に至るまで、幅広い対応ができるという東京の状況を考えますと、循環器病への対応をどういうふうにすべきかということは、おのずと答えは明らかであろうと思います。
都立病院におきましては、府中、墨東の両広域基幹病院で、心臓病あるいは脳血管障害に、心臓に関します集中治療室あるいはICUを活用して的確に対応しております。また、広尾病院におきましても、循環器医療を重点医療に掲げまして対応しております。それ以外の都立の総合病院におきましても、的確に対応しております。したがいまして、私ども、都立病院として、都民に対しての循環器病に対してはきちんと対応している、その役割を的確に果たしているというふうに認識しておるところでございます。
○大山委員 今、随分長く答弁していただきましたけれども、日本海側だとかなんとかいっていますけれども、埼玉だとか千葉だとかもしっかりと循環器センターがあるわけですね。しかも、腎臓病系ということですね。しかし、そういう分析というか、東京全体を見て、どこに何があって、特定機能病院が都民にとってどういう役割を果たしているのかとか、そういうことの議論は、私は病院改革会議の議事録を見ても見えてこないというふうに思いますけれども、どうですか。
○押元経営企画部長 各地域の医療の実情につきましては、都立病院改革会議のメンバーの皆さんが、実際に都立病院に足をお運びになりまして、院長あるいは医療スタッフからつぶさに事情を聴取し、その都立病院の置かれている医療環境について十分な情報を把握していただいた上で、議論をしていただいております。私どももそれを傍聴させていただいておりますので、今先生のおっしゃったようなことではなくて、きちんとそれぞれの地域の医療機能というものを把握した上で病院改革会議の報告書が記載されているというふうに考えております。
○大山委員 東京全体の状況の分析が見られないといっているんですね。例えば第一章の二というところに、ごく大まかに十一行だけ書いてありますよ。都内で七百近い病院の特定機能病院が幾つでというようなことは、そこに書かれています。
そういう大まかなことは書かれていますけれども、特定機能病院が多いなら多いで、それぞれがどのような医療機能を持って、どのような役割を果たしているかなどをちゃんと全都的に分析して、都立病院はその中で自治体立の病院としてどうあるべきかということをきちんと検討することだと。そういうきちんと検討した経過なんか書いてありませんよ。
それから、今、都立病院をいいましたから、いいますけれども、大久保病院からも、腎センターとして今後もより充実させたいということが出されていたわけですけれども、東京全体の中で大久保病院が果たす役割の検討は行ったんですか。
○押元経営企画部長 今、私の手元に持っておりますが、都立病院改革会議の報告書でございます。この資料編をごらんいただきますれば、今大山先生がおっしゃったような分析が着実になされているということは、火を見るよりも明らかでございます。
また、大久保病院の腎センターとしての機能を検証したのかというお話でございますが、都立病院改革会議の先生方は、大久保病院にお運びになりまして、その辺もつぶさに検討していただいております。
それから、大久保病院がそういうふうな希望をしているというお話でございますけれども、大久保病院の希望は希望といたしまして、私ども病院経営本部といたしましては、都立病院全体を考えながら、どこにどのように資源を配分していくのか、あるいは人的な配置をしていくのかということは、全体を総合的に勘案しながら決めていくものでございまして、一病院の希望がどうであるかというようなことは、その一つの勘案の要素であるということでご理解をいただきたいと思います。
○大山委員 都立病院一つ一つを丁寧に、どういう状況にあるのかというのをちゃんと分析も論議もしないで、どうしてそれがいえるんですか。
じゃ、いいますよ。現状分析と再編という方向では、これまで行ってきた実績をどう発展させるかというよりは、どう存在意義をなくすかというような記述が書いてあります。基本的なあり方を検討するというよりは、どこをなくすというような論議がされたんじゃないかというふうに思わざるを得ません。
例えば、病院改革会議報告書というのは、ほとんどは小委員会が論議したことですよね。それで小委員会の記録を見ますと、次に大久保病院ですかというふうに委員長代理が口火を切りますよ。一人の委員が、都立病院として意味がない、都立病院から外しても構わないと思いますと発言したら、それだけで、都民の税金を使って直接しなければならない重点医療はないということでよろしいですかとまとめようとしたんです。そのときに、他の委員が、救急棟の部分はないと困ると発言したら、委員長代理は、逆にあるからみんな大久保に来るという面もありますからね。すると、ほかの委員は、そういうのは民間あるいは大学病院に助成金を出してやってもらった方がはるかに効率がいい、そういって、委員長代理は、はい、ではこれでよろしいですかと、これだけですよ。
改革会議のもとになる小委員会での大久保病院、これだけですよ。十一行ですよ。これで大久保病院及び都立病院のあり方が論議されたというふうにいうわけですか。
○押元経営企画部長 ただいま先生は小委員会の議事録を例に挙げられましたけれども、先ほど来申し上げておりますように、各都立病院で視察、それから意見交換を長時間にわたって行っております。また、それぞれの病院長が、その議事録の方には載ってございませんけれども、それぞれの病院の実情を各委員の先生方にお話を申し上げて、意見交換も十分な時間をとっているということでございますので、先ほども申し上げましたが、都立病院改革会議の議論は十分に時間をかけてなされたというふうに私どもは考えております。
○藤井委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○藤井委員長 速記を始めてください。
○大山委員 同じような質問はしていません。
○藤井委員長 明快に答えていますから、それについて、余りためにするような、けちつけるような意見は前向きではありません。
○大山委員 公平な立場で委員長は……
○藤井委員長 やっていますよ。皆さんの意見を聞いてください。
○大山委員 議長をやってください。抗議します。
それでは、例えば大久保病院だったら、腎センターとして透析患者のよりどころになってきたし、リハビリも定評があるわけです。第三者評価も高いのが脳神経外科ですよ。このように長年培ってきたことを生かして、東京全体の状況を検討して、腎だとか循環器センターのような役割を持つ都立病院にするなど、私は、こういうような明確な、前向きな検討こそ必要だというふうに思うわけです。
そのほかでも、これまで、都の補助金を減らせることだとか、人員もスリムにできるだとかということは、公社病院のメリットとして都立病院改革会議の小委員会でもいわれてきました。公社病院にするということは、効率化だとか、スリム化だとか、補助金を減らせるということが、大きな論点だったんじゃないんですか。
○宮川経営戦略・再編整備担当部長 先生が先ほど来お話しされていらっしゃいます都立病院改革会議の報告におきましても、大久保病院につきましては、現在の医療機能を維持しつつ、地域の医療機関などとの連携をより一層発展させて、地域に密着した病院として医療を提供し、地域医療支援病院を目指していくことが望ましいという建設的なご提案をいただいておるところでございます。
また、都立病院の公社化というのは、地域病院としての運営によりまして地域医療の一層の充実を図るということが目的でございます。人減らしであるとか、財政問題であるとか、そういったことではございません。
○大山委員 財政の問題ではないんだというふうにいいますけれども、第二次財政再建推進プランが出ましたね。公営企業会計に関して、公営企業会計に対する支出金というふうな項目があります。病院会計のことも書いてありますけれども、どういう記述になっていますか。
○宮川経営戦略・再編整備担当部長 第二次財政再建推進プラン、四九ページだと思いますけれども、ここでは、特に地方公営企業法第十七条の二に基づく病院会計への支出金は、都立病院改革に伴う公社化等の動向を踏まえ、都として行うべき行政的医療について絶えず検証して、より一層の明確化を図っていく必要があるということでございまして、最大限効率的な病院経営に努めることを前提に、その時々の医療課題に合わせ、絶えず検証していくものということで、私どもは受けとめております。
○大山委員 付表の中に、わざわざ公営企業に対する支出金という項目があって、その項目の中に、特に地方公営企業法第十七条の二に基づく病院会計への支出金は、都立病院改革に伴う公社化等の動向を踏まえ、都として行うべき行政的医療について絶えず検証して、より一層の明確化を図っていく必要があるというふうになっています。これは都としての文章ですけれども、公社化等の動向というのは、公社にしてしまえば、その分、病院会計への支出は少なくなるということなんですね。第二次財政再建推進プランですから、まさに財政をどうするのかという財政問題で補助金の見直しに当たって、それで減額できるところなんだということなんですよ。
財源対策から、公社化を進めることが評価されているわけですね。これは財源対策だということですから、とんでもないことで、多くの都民も反対している都立大久保病院の公社化につながる条例提案はやめるべきであるということを述べて、終わりにします。
〔宮川経営戦略・再編整備担当部長発言を求む〕
○大山委員 終わりにします。
○藤井委員長 答弁は要りませんか。
○大山委員 要りません。
○藤井委員長 ここで、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時四十一分休憩
午後二時五十二分開議
○藤井委員長 休憩前に引き続きまして委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○大河原委員 私は、都立病院の患者権利章典について伺っていきたいと思います。
この事業概要を見ましても、もちろん病院のロビーにも、患者の権利章典が今掲げられております。患者は、患者中心の医療の理念のもとに、人間としての尊厳を有しながら医療を受ける権利を持っている。また、医療とは、患者さんと医療提供者との信頼関係に基づいて協働してつくり上げていくものであると、高らかにうたい上げているわけなんですけれども、現実には、けさも、朝のワイドショーなどでも、ドクハラ、ドクターハラスメントあるいはパワーハラスメントですよね、患者さんとお医者さんを比べれば、圧倒的に、お医者さんの方が専門知識もあり、患者さんの治療をしていく意味でも、非常に優位に立っている、そういう存在としてこれまでもありましたし、現実に医療の現場ではこういう力関係というのはなかなか変えることができません。最悪の場合は、ドクターセクシュアルハラスメント、こんなふうにまでなるわけです。
最近になってこういうふうないわれ方をするのは、一つ一つ人権を尊重する、人間としての尊厳ということが非常に重要視されて、やっとそれがいえるようになったということがあるんじゃないかと思いますが、今、都立病院が患者の権利章典を掲げ、そして診療に当たっているということ、これは時代の流れでもあると思いますし、もちろん、積極的には、都立病院の患者中心医療を進めるという、本当に大きなあらわれであるというふうに理解しております。
ところで、この権利章典の普及、周知をしていくことというのが、まず必要になってくるわけですけれども、一体、この周知を図るために、医療従事者及び患者に対してどのような取り組みをなさっているのか、まず伺いたいと思います。
○菅原サービス推進部長 都立病院の患者権利章典につきましては、都民向けのリーフレットを作成いたしました。そのほか、院内の外来ブースや病棟などわかりやすい場所に掲示しておりまして、また各病院のホームページに掲載するなど、都民への周知に努めているところでございます。
また、職員につきましては、権利章典の理解を深めるため、院内研修や外部講師を招いての講演会の実施など、取り組みを行っておるところでございます。
○大河原委員 この権利章典をどれぐらいの人が目にしたかなんていうのがあるかと思いますが、病院のロビーというのは結構いろんなものが壁に張ってあったりしておりまして、目立っていないかもしれないんですね。なかなか気づかないというふうに私も実は思います。それで、この部屋なんかを見ますと、傍聴者の方への注意事項があんなふうにかかっていますけれども、病院なんかの場合は、例えばエレベーターの中に入った途端に真正面にあるとか、そういうことも、瑣末なことですけれども、非常に大事なことじゃないかと思っているんです。
パンフレットなどは、病院に行って初めて診療を受けるなんていうときには、この病院の医療体制はどうなっているんだろう、どういうところなんだろうということで、資料集めというか、利用者の方はそういう情報をとにかく得る中に、そのパンフレットも入っているかと思いますが、日常的に、この権利章典がわかりやすい場所に示されて、知らず知らずのうちに浸透していく、こういうのが目指されるべきだと思うんですね。ぜひご検討をいただきたいと思います。
民間の病院などでは、例えば初診のときに、ドクターが、これから診ていきます主治医の何々ですと、自分の名刺をお渡しになるところまであるというふうに聞いていますので、そういった意味では、患者さんとお医者さんの信頼関係をより近づける、より近しいものにしていく、信頼あるものにしていくというときには、そういったきめ細やかなというんですか、通常の社会慣習の中にもありますよね、初めて会った人には名乗り合う、名刺を交換する、そんなことまであるわけですけれども、医療のこうした現場でも、ぜひそういう人的な関係をよりよいものにする、円滑なものにしていくためのご努力をお願いしたいと思います。
そして、患者の権利章典には、権利だけじゃなくて、もちろん、患者の責務というものまで挙げられておりまして、読めばなるほどなというふうに思いますけれども、患者の権利ばかりが書いてあるわけではないということもわかりました。
それで、今、患者の権利章典を制定して、患者の権利を実現していくための方策として、都立病院に対して、患者からのさまざまな相談ですとか、要望ですとか、苦情ですとか、こういったものを受けとめる患者の声相談窓口を開設されておられますけれども、これが四月に設置されて、現在七カ月が経過していると思います。患者中心の医療を進めていく上で、こうした取り組みは最も重要だと思いますが、この間の患者の声相談窓口の実績と相談内容の傾向、また寄せられた声をどのように生かしていくのか、この点について伺います。
○菅原サービス推進部長 本年四月の窓口設置以来、九月までの六カ月間に、都立病院全体で五百六十七件の相談が寄せられております。
相談内容の傾向といたしましては、苦情が全体の約七割を占めております。その主なものは、職員の接遇に関するもの、あるいは治療内容等に関するものなどでございました。
こうした患者さんの貴重な声を生かすため、院内にサービス向上委員会を設置いたしまして、対応策を検討し、改善を図っているところでございます。また、一部の病院では、改善した結果を院内に掲示いたしまして、患者さんにお知らせしておる取り組みもしております。
○大河原委員 今のお答えの中に、改善した点を院内に掲示しているということがありましたけれども、これはすごいなと思います。やっぱり、患者側とすれば、声は出したけれども、どういう対応になったかということがまず大事なので、自分の声が生きた、そういう実感を持てるということは非常に重要かと思います。
それと、権利の章典は理念が掲げられているわけで、具体的な、例えば数値目標なんかが入っているものじゃございませんから、それを本当に具体化して、実際にこの章典が生きているんだということがわかる対応が必要だと思いますので、この点は評価をし、今後も見守りたいというふうに思います。
病院の窓口と同時に、健康局が持っている窓口にも大変多くの声が寄せられているということで、その中にはこうした職員の接遇に関するもの、もちろん、健康局の方は民間の病院の方の声がたくさん入っていますから、それを一概に東京都の責任でどうしろというわけではございませんけれども、やはり、東京都の権利章典の扱いをどうして、声にどう対応していくのか、そういうところが民間病院にもすぐさま波及していくというふうに思いますので、ぜひ今後もじっくり進めていただきたいと思います。
そして、患者の権利章典は、つくられたときに、外部の法律家とか有識者を加えた東京都立病院倫理委員会で検討されたというふうに伺いました。今後、小児などの分野でも、また精神病院などの分野でも、権利章典を進めていく予定と伺っているんですけれども、この倫理委員会の構成メンバーは、ぜひ両性同数としていただいて、またNPOの参加、専門家以外の都民の参加とか、また子どもの権利条約も視野に入れて進めていただきたいというふうに思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○菅原サービス推進部長 都立病院改革実行プログラムでお示しいたしました、小児などの分野における患者権利章典の策定につきましては、外部の委員も含めた都立病院倫理委員会で十分議論していく必要があると考えております。
都立病院倫理委員会の委員構成、それから議論の視点等につきましては、今後、同委員会のあり方も含めまして検討してまいりたいと思っております。
○大河原委員 現在、すべての病院では権利章典が掲げられ、特に小児、精神について対応できる権利章典を今後つくっていくということなので、それに合わせた専門家、また倫理委員会の構成が必要かと思います。年代的にも世代的にもバラエティーがあるといいなというふうにも注文させていただきます。
次に、都立病院は、患者中心医療の充実に向けて、財団法人日本医療機能評価機構によって、病院機能評価制度の審査を受けております。病院機能評価は、医療の質を的確に評価し、医療機能を高めるための療養環境、患者サービス、看護活動、人事、財務等経営など、多面的な角度から第三者による評価を行うということで、各項目の一定水準以上の病院を認定するという制度です。
都立病院は、その結果について認定証を掲示し、評価機構のインターネットのホームページでも公開されておりますが、患者にとって、医療機関が提供するサービス内容の情報公開については、病院を選ぶ上で非常に大きなウエートを占めるものだと思います。しかし、実際には、私も大塚病院のホームページをあけてみましたが、この認定がどういう意味を持つものなのかがなかなかわかりにくいんですね。やはり、患者がこの認定証の意味することをどう理解されているのか、そしてまたこのことによってどのくらいの情報を患者に渡すことができるのか、情報提供のあり方も含めて、工夫の必要があるというふうに思いましたが、いかがでしょうか。
○菅原サービス推進部長 都立病院におきましては、平成九年度より病院機能評価の受審を進めております。それとともに、各病院の広報誌やホームページなどで、認定病院である事実や病院機能評価の概要を掲載しております。
また、認定を受けた都立病院の評価結果は、平成十四年九月から各病院のホームページにリンクしております財団法人日本医療機能評価機構のホームページで公表し、閲覧できるようになっております。
今後とも、都民の方々が都立病院を評価し、選択していただくことができるよう、病院機能評価に関する情報提供を工夫して、さらに積極的に進めてまいりたいと考えております。
○大河原委員 ぜひ各病院のホームページなども改善を図っていただきたいと思いますが、機能評価機構による病院機能評価認定病院ですというふうに書いてあって、その評価を見るのはここですと、クリックする場所も示してあるんですが、そこをクリックしていっても、じゃ、どういう評価だって、長い文章を読まないとなかなかわからないというところが、私はちょっと今後のためにも改善が必要だというふうに感じました。
一方では、第三者評価としては、ISOを取るということがあると思うのです。ISOの九〇〇一というものを民間の病院で取り始めているという動向がありまして、これは国際標準化機構によって設けられた品質保証に関する規格ですので、製品やサービスに対する企業内の品質管理の仕組みを、国際的に認める水準を持っているか、これを評価していくことになります。もちろん、改善を図っていくプロセスというものもチェックの項目ですけれども、サービス業や製造業、各分野に及んでおりまして、実際に民間病院の認証取得例というのも出てきております。
そこで、ISO九〇〇一と財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価制度はどんなふうに違うのか、この違いを教えていただきたいと思います。
○菅原サービス推進部長 病院機能評価とISO九〇〇一は、マネジメントシステムを継続的に改善していくための道具でありまして、信頼できる第三者評価であるという共通点を持っております。
ただし、病院機能評価は、病院運営の仕組みに対する評価はもとより、療養環境であるとか患者サービス等、病院機能に関するさまざまな評価項目につきまして、一定の水準に達しているかを評価するものであり、病院のみに適用されるもので、専門性も高く、医療安全管理の面で数多くの評価項目があることなど、都立病院のマネジメント改善向上に適しているものと考えております。
○大河原委員 この病院機能評価制度は、診療点数の面でもメリットがあるというふうに聞いていますけれども、とにかく専門性が高くて、一定水準に達しているかを評価するというもので、かなり厳しいもの、かなり難しいものというふうにも思います。専門性が高まれば高まるほど、逆に患者あるいは都民、利用者にとってはわかりにくくなるということがございますので、ぜひとも評価の結果などはわかりやすい表示、こういったものをお願いしたいと思います。
先ほどの権利章典をつくった倫理委員会に、NPOの方が既に参加をしておられて、ちょっとそのNPOの方たちの活動を調べてみましたら、十月二十三日の京都新聞に、国立大阪医療センターに、そのNPOの方たちが運営する情報室が設置されたというニュースが出ていたんですね。今後、例えば小児、精神、こうした病院に、こうした情報室なども、病院の立場からではなく、NPOの方たちが、自由な発想、それと実際に利用者の方たちが必要としていた情報や、関係性ですかね、それぞれのリンクを、ネットワークを提供できるような、そんな場が必要になってきている時代なんだというふうに思いました。
今後の改革に向けても、こういった内容、NPOとの連携などもぜひご検討いただきたいとお願いいたしまして、質問を終わります。
○山加委員 私からは、都立病院における危機管理対策について数点お伺いいたします。
危機管理という言葉を考える場合、現在の社会状況を考慮すると、これまでの地震、台風などの自然災害への対応だけでなく、今まで考えることも想像することもできなかった、例えばテロや核物質、生物剤、化学剤などによるいわゆるNBC災害などの人為的災害などへの対応が求められております。
こうした危機管理への対応は、一千二百万の人々が生活し、日々さまざまな政治経済活動が行われている首都東京においては、何よりもまず、万全な体制を構築しておかなければならないと考えるのは当然のことであります。
また、東京のような大都市は、多様な危機が発生するリスクを常に抱えているわけですから、こうした災害から都民の命、身体、財産を守り、あわせて首都機能を保全するためには、災害の発生に際し、これまで以上に迅速かつ的確に対処できる危機管理体制の構築が必要であることは、いうまでもないことであります。
このため、都においては、こうした自然災害やNBC災害などの危機に際して、指揮命令を混乱することなく行うために、危機管理監のポストを新設するとともに、情報機能を強化した総合防災部を発足させたことは、都民として大変心強いことと思います。
このことは、医療の分野においても例外ではありません。発災時の迅速な医療救護活動や、負傷者に対する適切な治療など、都立病院の果たすべき役割は極めて重要であります。こうした考えに基づき、病院経営本部は、都立だからこそできる災害医療を行政的医療と位置づけ、都立病院が取り組むべき医療課題とするとともに、本年一月に策定した都立病院改革実行プログラムの中でも、都立病院における危機管理体制の充実を最重点課題の一つとしております。
そこで伺いますが、まず、災害発生時の都立病院の役割、現在の都立病院における災害時の医療提供体制がどのようになっているのか、お願いいたします。
○押元経営企画部長 都立病院は、東京都の災害時の医療提供体制の中で、災害拠点病院に指定されるなど、中心的な役割を担っております。災害などが発生した場合、都立病院の中で災害拠点病院として九病院が指定されておりますが、この九病院を中心といたしまして、負傷者を受け入れ、治療を行いますとともに、都知事の要請によりまして、医療救護班を現場の方に派遣をするという役割も担っているところでございます。
また、生物剤、化学剤あるいは核物質といったようなものを原因といたします災害にも対応できますよう、平成十三年度には、広尾、墨東、府中の各病院に、こういった生物剤、化学剤、核物質などを洗い落とすためのテント、除染テントというふうにいっておりますけれども、これを装備いたしますとともに、防護服などを配備しております。
このように、各病院におきまして、職員に対しての訓練もあわせて実施をいたしますなど、救急災害に対しまして体制を整えているところでございます。
○山加委員 発災時の都立病院の役割、現在の体制が整っているということはわかりました。
ところで、平成十三年十二月、都立病院改革マスタープラン、そして本年一月の都立病院改革実行プログラムにおいては、広尾病院を救急災害医療センターとして位置づけていますけれども、この広尾病院を救急災害医療センターとして位置づけたのはどのような理由からでしょうか。
○押元経営企画部長 都立病院の医療機能を集約化していくのに当たりまして、各病院の役割を検討していきます中で、広尾病院につきましては、国の方から災害医療に関する基幹施設となる基幹災害医療センターとしての指定を受けていたこと、また、東京ER広尾や、あるいは救命救急センターの機能を備えておりまして、初期から三次に至ります救急医療の技術、情報などを豊富に保有しておりまして、重症あるいは重篤な患者さんに対しても対応が可能であったことなどから、こういった機能を十分に活用し、救急災害医療センターとしての役割を果たしていくこととしたものでございます。
○山加委員 現在保有する機能を活用といっても、さらにパーフェクトな救急災害医療センターとしていくためには、今後さらに機能を追加するというか、持たせていかなければならないと思います。そこで、広尾病院は救急災害医療センターとして今後どのような機能を持つのか、伺います。
○押元経営企画部長 広尾病院につきまして、救急災害医療センターといたしまして、都立病院の医療危機管理体制の一つのモデルとなるように整備をしていく考えでございます。また、国が指定をしております基幹災害医療センターとしての役割を担うために、さらに必要な体制づくりを進めてまいります。
具体的に申し上げますと、防災倉庫や研修施設などを備えました救急災害対策用施設の整備、また全都立病院の職員に対します研修あるいは訓練の実施、また、常時、医療救護班を編成しておきまして、災害が発生したときに直ちに対応できるような態勢を確保すること、また、生物剤、化学剤あるいは核物質などによる災害を含めました災害マニュアルの作成を行いまして、蓄積をいたしました情報あるいは技術を他の都立病院に普及、伝達していく役割、こういった機能を広尾病院に備えさせていこうというふうに考えております。
○山加委員 具体的な施設整備は何を行うのでしょうか。
○押元経営企画部長 今年度末を目途にいたしまして現在整備を進めているところでございますが、救急災害対策用の施設といたしまして、職務住宅や防災倉庫、さらには、平時は研修施設として活用し、災害が発生した場合には直ちに臨時病室に転用ができるような施設などを整備中でございます。防災倉庫の完成に合わせまして、災害時の簡易ベッドですとか、あるいは医療用の資材、器材なども整備拡充していくつもりでございます。
○山加委員 施設整備が整いましても、いざ災害が発生した場合は、同時に多くの被災者が来院すると思います。当然のことながら、医療救護活動にも多くのスタッフが必要となりますけれども、救急災害医療センターとして、災害時に活動できるスタッフの育成は大変重要なことと思います。これをどのように確保、養成していくのでしょうか。
○押元経営企画部長 災害時に看護活動のリーダーとして中心的な役割を果たします看護師を養成いたしますために、災害エキスパートナースという制度を今年度から立ち上げたところでございます。また、今後、新たに整備いたします救急災害対策用の施設におきまして、これは先ほども申し上げた、今年度末を目途に整備しているものでございますけれども、災害エキスパートナースなどの専門スタッフを教育訓練してまいりたいというふうに考えております。
○山加委員 次に、都立病院改革実行プログラムで、広尾病院を救急災害医療センターとして位置づけているわけですが、局所的な災害によって広尾病院の機能が停止する場合も考えられます。また、災害の規模や種類によっては、広尾病院のみで対応することが困難な場合もあるのではないかと思います。そうなったときの代替ですけれども、都立病院改革実行プログラムでは、墨東と府中病院に救急災害医療センターとしての代替機能を確保するとありますが、両病院をどのように位置づけをするのか、またどのような機能を持たせるのか、伺います。
○押元経営企画部長 山加副委員長のご指摘のとおり、局所的な災害などによりまして、広尾病院の機能が停止する場合も想定されるわけでございますが、その場合には、広域基幹病院でございます墨東、府中の両病院に代替機能を担わせることとしております。
その機能といたしまして、災害の発生した場合に、患者さんの受け入れ態勢の整備、それから、医療救護班を編成いたしまして、直ちに災害現場等へ出動ができるように即応態勢を組むこと。また、平時には、総合的かつ実践的な職員に対する教育訓練の実施、また生物剤、化学剤、核物質などによります災害への対応訓練の実施、これに加えまして、必要な資材、器材の整備などを実施してまいります。
○山加委員 墨東、府中病院に、災害発生時における広尾病院の代替機能を持たせるという考えは理解できます。しかし、東京という大変広域的な地域を考える場合、当然、ほかの都立病院が災害時に手をこまねいているということは許されないことであります。広尾病院、墨東病院、府中病院の連携だけにとどまらず、それ以外の都立病院との連携も当然必要ですし、これは発災時のみならずに、平時から緊密な連携を図っていくことが重要であると思います。
実行プログラムにもありますとおり、都立病院全体として危機管理に関するネットワークを構築していくことが必要と考えます。具体的には今後どのような体制を構築していくのか、伺います。
○押元経営企画部長 都立病院の危機管理のネットワークでございますけれども、広尾病院を災害医療体制の中核となる施設として位置づけまして、広尾病院の蓄積いたしました情報あるいは技術、そういったものを都立病院全体で共有化してまいります。すべての都立病院におきまして、スタッフに対する教育訓練の実施、発災時におきます医療救護班の編成などの即応態勢の確保、またNBC災害なども含めた各種災害の対策用のマニュアルの周知徹底、また後方へ患者さん、負傷者を運びますための後方搬送手法、とりわけてヘリポートの活用策の検討などを実施することによりまして、各都立病院間の連携を確保いたしまして、災害が発生したときに円滑に活動ができるように、危機管理ネットワークを構築してまいりたいと思っております。
○山加委員 私が冒頭申し上げましたとおりに、今後、危機管理体制の構築というのは、自然災害の対応のみにとどまりません。その意味では、本年の春に諸外国で発生した新型肺炎SARSを例に挙げれば、都は、保健所、都立病院ほかの医療機関、健康安全研究センター、東京消防庁などが緊密な連携を図り、SARSの疑い例や可能性例のある患者に対応し、東京SARS診療ネットワークを構築し、適切な対応を図ったことは、大変高く評価できることであります。
改めて伺いますが、東京SARS診療ネットワークの中で、都立病院はどのような役割を担ったのでしょうか。
○押元経営企画部長 東京SARS診療ネットワークでございますけれども、都立病院といたしましては、第一種の感染症指定医療機関でございます荏原、墨東の二病院を中心にいたしまして、第二種感染症指定病院でございます駒込病院、豊島病院を加えました四病院で、SARSの疑い例患者あるいは可能性例患者などにつきまして、診断と治療を行ったところでございます。
また、これらの四つの総合病院につきましては、SARS医療の協力医療機関といたしまして、疑い例患者の外来診療を行うなど、東京SARS診療ネットワークにおいて、都立病院は中核的な役割を果たしているものと認識しております。
○山加委員 SARSについては、この冬に再流行することも懸念されています。また、インフルエンザの流行と重なった場合には、症状が大変似ていることから、患者が殺到することも危惧をされております。まさに局の垣根を超えて、都としてさまざまな対策を講じているようですが、確認の意味で、冬季の発生が懸念されている中で、都立病院の体制というのは大丈夫なのでしょうか。
○押元経営企画部長 SARSにつきましては、インフルエンザと大変症状が似ておりますために、冬季に発生した場合には、先ほどお話のございました東京SARS診療ネットワークで、保健所や地域の医療機関、あるいはSARS協力医療機関が適切に患者の振り分けをしていくことが必要であると考えております。また、都民に対する適切な情報提供などを通じまして、社会的に生じる不安を解消していくことが極めて大切なことと考えております。
しかし、擬似症患者あるいは真性患者が発生し、その後、患者が次第に増加していくといったような状況が現出した場合には、SARS患者の治療に当たることができますのは、都立病院を中心とする感染症指定医療機関でございます。中でも、都立病院が都民にとっての、いわば最後のよりどころになろうかと考えております。
したがいまして、私ども病院経営本部といたしましては、東京SARS診療ネットワークを有効に活用しながら、感染症指定医療機関であります都立四病院を中心といたしまして、その他の都立病院、SARS協力医療機関などと密接な連携を図りまして、患者さんの受け入れに万全を期していく覚悟でございます。
○山加委員 SARS対策の例でも明らかでありますけれども、東京の医療危機管理体制は都立病院のみで構築できるものではありません。災害時においても、国立病院東京災害医療センター、また民間の医療機関などとの連携のもとで、都としての医療危機管理ネットワークを力強く構築していくことが、都民の安全と安心につながるものと考えます。
このため、日ごろから、早急に都として医療危機管理ネットワークの構築が必要であり、都立病院はその中心的役割を果たすべきと考えますが、病院経営本部長の見解を伺います。
○碇山病院経営本部長 都立病院におきます危機管理体制の充実強化、これ自体が私の仕事として非常に重大な仕事だというふうに、私、受けとめてございます。
この危機管理体制でございますが、都立病院の日ごろの運営におきまして、私、常に思っておりますのは、何よりも地域の医療機関との十分な連携が極めて大事であるというふうに認識しておるわけでございますが、このことは、今お話の医療危機管理体制といいますか、この面では特に決定的に重要ではないかなというふうに考えております。
都民の生命が脅かされます災害時、あるいは事件とか事故、こういうものの発生時におきましては、都立病院だけでは担い切れるものではございません。平時から、今お話し申し上げましたように、地域の医療機関や他の災害拠点病院などとの協力支援体制の強化が極めて大事かというふうに存じております。
このため、都といたしまして、医療危機管理ネットワークの構築に向けまして、関係機関と引き続き協議を行うとともに、国の基幹災害医療センターであります国立病院東京災害医療センター、立川でございますが、これとの間におきまして、相互訓練を実施するなど、連携強化を図っておるところでございます。
都立病院でございますが、私も、副委員長おっしゃるとおり、これらのいろいろな事態におきます医療提供体制の中で中心的役割を果たすべきものというふうに考えてございます。先ほど来からお話にございました広尾病院を旗振り役としまして、都立病院全体としまして、この管理体制の強化に万全を期してまいりたい、かように考えてございます。
○山加委員 本部長から大変力強い答弁をいただきましたけれども、SARSの発生など新たな感染症の発生、地下鉄サリン事件や東海村放射能漏れ事故、また目を海外に向ければ、アメリカの同時多発テロ、韓国の地下鉄列車火災事故など、災害に対する備えは一刻の猶予も許されません。災害発生後、できるだけ多くの被災者を救うためには、病院経営本部や総合防災部、健康局等、局の垣根を超え、関係機関が一体となって、早急に都としての医療危機管理体制づくりに取り組まれますよう要望して、質問を終わります。
○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で病院経営本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時三十分散会
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