委員長 | 森田 安孝君 |
副委員長 | 古賀 俊昭君 |
副委員長 | 吉田 信夫君 |
理事 | 松原 忠義君 |
理事 | 佐藤 裕彦君 |
理事 | 青木 英二君 |
東村 邦浩君 | |
柿沢 未途君 | |
山加 朱美君 | |
萩生田光一君 | |
山口 文江君 | |
大山とも子君 | |
田代ひろし君 | |
小林 正則君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉局 | 局長 | 幸田 昭一君 |
総務部長 | 吉川 和夫君 | |
生活福祉部長 | 笠原 保君 | |
高齢者部長 | 福田 豊君 | |
子ども家庭部長 | 白石弥生子君 | |
障害福祉部長 | 有留 武司君 | |
保険部長 | 野村 寛君 | |
参事 | 並木 勝市君 | |
参事 | 清水 克則君 | |
参事 | 朝比奈照雄君 | |
参事 | 岩井 令雄君 | |
健康局 | 局長 | 平井 健一君 |
技監 | 長岡 常雄君 | |
総務部長 | 浅井 憲彦君 | |
企画担当部長 | 酒井 洋一君 | |
医療政策部長 | 奥田 匠君 | |
医療サービス部長 | 梶山 純一君 | |
食品医薬品安全部長 | 中井 昌利君 | |
地域保健部長 | 齋藤 進君 | |
事業調整担当部長 | 海老原 繁君 | |
参事 | 桜山 豊夫君 | |
参事 | 木村 豊彦君 | |
参事 | 小松 博久君 | |
参事 | 丸山 浩一君 | |
病院経営本部 | 本部長 | 碇山 幸夫君 |
経営企画部長 | 押元 洋君 | |
サービス推進部長 | 菅原 眞廣君 | |
経営戦略・再編整備担当部長 | 宮川 雄司君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
福祉局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百八十五号議案 東京都保育士関係手数料条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・都立知的障害者更生施設の民間移譲について
・民間社会福祉施設サービス推進費補助について
健康局関係
契約議案の調査
・第百九十五号議案 東部療育センター(仮称)建設工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百八十六号議案 と畜場法施行条例の一部を改正する条例
・第百八十七号議案 東京都健康局関係手数料条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・多摩地域における小児医療体制について
・区西部地域病院(仮称)の医療機能等について
○森田委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○森田委員長 次に、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布の意見書四件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○森田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行った後、健康局関係の契約議案の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
契約議案につきまして申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきまして、議長から調査依頼がありました。
本件につきましては、調査結果を財政委員会に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成十五年九月二十六日
東京都議会議長 内田 茂
厚生委員長 森田 安孝殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 契約議案
第百九十五号議案 東部療育センター(仮称)建設工事請負契約
2 提出期限 平成十五年十月一日(水)
○森田委員長 これより福祉局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百八十五号議案、東京都保育士関係手数料条例の一部を改正する条例を議題といたします。
本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
○森田委員長 次に、都立知的障害者更生施設の民間移譲についての報告事項に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○吉川総務部長 過日の厚生委員会で要求のございました資料につきまして、お手元配布の厚生委員会資料にまとめてございますので、説明させていただきます。
資料の一ページをお開き願います。
報告事項、都立知的障害者更生施設の民間移譲に関します資料は、東京都調布福祉園の概要の一項目でございます。
(1)、施設の概要には、施設種別、目的、対象者などを、(2)、入所者の状況には、愛の手帳の障害程度別の入所者数を記載してございます。
以上、要求のございました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○森田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○大山委員 調布福祉園を民間移譲するということなんですけれども、先日、私、調布福祉園を訪ねました。資料もいただきましたけれども、重度、最重度の方たちが入所しているという施設です。言葉を発することができる方は約一割いるけれども、会話としては成り立たないんだというのが施設の状況だというんですね。ですから、表情だとかサインだとかで入所者の意思を酌み取るということが重要なんだということで、職員に求められることなんですということを話していただきました。
園長先生は、そういう施設だからこそ職員の経験と集団的な質の向上が必要で、安定した人間関係の中でそれは実現するんですというふうにおっしゃっているんですね。私もそのとおりだというふうに思います。障害者や、とりわけ重度、最重度といわれている障害者にとって、人間関係の安定性は非常に重要だというふうに思いますが、どういう認識でしょう。
○有留障害福祉部長 障害の程度を問わず、障害者にとって、施設職員などとの安定した人間関係の確保は重要であると認識しております。特に重度の知的障害者は、言葉によるコミュニケーションをとることが困難な方が多く、このような利用者が安心して生活していくには、利用者と職員との信頼関係を確保することが非常に重要であると考えております。
○大山委員 本当にそのとおりだと思うんですよね。この施設自体、ことし、やっと十二年目になったところなんです。ですから、ようやく職員も定着して落ちついてきたところなんだというふうにいうんですね。園長先生は、結局こういう職場は職員です、職員が中核になってよりよい処遇をつくっていくというわけなんですけれども、今、この施設の平均勤続年数は七年です。平均年齢は三十二歳。比較的若い施設だというふうにいえると思います。職員が定着できることが必要だ、まさに、これからさらに充実発展していく施設だというふうにいえると思うんですね。
ですから、今の調布福祉園にとっては、利用者だとか親だとか職員の全体的な体制の中で積み上げてきたものを維持して、さらに発展、成長することが求められているんだと思うんですけれども、この点についてはどうでしょう。
○有留障害福祉部長 現在、調布福祉園は、都立民営ということで管理委託方式をとっております。この場合、施設運営を受託した法人が、都の委託基準に基づいて、都からの委託料により運営するということ。一方、支援費収入は都の収入ということで、収入と支出が分離した形になっていると。このため、施設運営に際しまして、行政財産としての土地建物の使用、人事管理、予算執行の面などで大変制約が多くて、法人としての利用者サービス向上のための創意工夫が発揮しにくいと。そういうことで、効率的できめ細かな施設運営がされにくい面があるというふうに考えてございます。
これに対して民間移譲後は、移譲を受けた民間法人が、原則として、支援費と民間社会福祉施設サービス推進費補助金により実施、運営するものでございます。移譲いたしますと、法人が柔軟に施設運営できるため、さまざまな効果が期待できます。
例えば弾力的な人事管理ということで、利用者の生活実態に応じて、繁忙時間帯に非常勤職員を増配置するとかといったような手厚い処遇体制が確保できます。それから、柔軟で迅速な予算執行ということで、現場の実態を踏まえた事業計画等が早期に利用者サービスに反映できる。それから、建物設備の有効利用、専門性の高い人材の活用により、地域生活移行訓練やデイサービス、生活寮の設置、運営など、施設入所者はもちろんでございますが、地域の障害者への支援など、都が目指す地域生活支援型の入所施設という理念に合致した新たな取り組みが期待できます。そういうことで、サービスの向上が実現できるということでございます。
さらに、移譲に当たりましては、十分な準備期間を設けまして、利用者サービスに支障がないよう、円滑な施設運営に万全を期してまいります。
○大山委員 民間になれば創意工夫ができるんだとか、きめ細かな対応ができるんだとかというふうにおっしゃいましたけれども、それは当然都立の施設でもやらなきゃいけないことだし、やってきたことだというふうに思うんですね。生活寮もできるんだというふうにおっしゃいましたけれども、今だって調布福祉園には生活寮はありますよね。準備期間としての施設、寮を、今使っていない職員さんの住宅を生活寮として、地域に出ていくための訓練をしようということで、そういう面の工夫も、今、都立の施設の中でもやっているわけですね。
施設の園長先生たちに、独自性というのは何を考えていらっしゃるんですかというふうにお聞きしましたら、今もお話にありましたけれども、デイサービスを考えていますということですよね。デイサービスだって、都立でやったって何の不都合もないわけです。調布にあっても地元と余りかかわりがなかったというわけですから、都立の施設だって、ちゃんと地元とかかわりを持っていけば、何の不都合もないというふうに思います。
ですから、もっともっと地域とも連携していけばいいし、地域にだって出ていけばいいし、都立の施設だって、ちゃんと地域で行き来をしているところもあるわけですから、大いに貢献すればいいというふうに思っています。
仮に民間移譲になった場合、現在の運営費と比較すると、運営に充てられる予算というのはどうなるんですか。
○有留障害福祉部長 民間移譲後は、支援費、民間社会福祉施設サービス推進費補助金などにより運営することになりますけれども、サービス推進費につきましては、再構築に向けた検討中でございますので、具体的な内容はお示しできる状況にはございません。
ただ、現在、調布福祉園では、利用者一人に処遇職員一人という体制で職員配置を行っておりまして、医師、看護師などの医療ケア体制についても、一般民間施設より手厚い体制をとっております。移譲後は、認定制度の導入により、現行と同水準のサービスが提供できる体制を確保していきたいと考えております。
○大山委員 現行と同水準のサービス提供体制を確保するんだということですね。それが運営費。
それからもう一つ、伺って、非常に広大な施設と同時に、ちょうど十年を過ぎたところということでは、維持管理にも大分お金がかかってくる時期ですし、日常的にも、維持管理だけでも大変な状況だというふうに思うんですね。これは支援費から出せるとは思いませんし、東京都がこの維持管理については責任を持つという約束はできるんですか。
○有留障害福祉部長 今回公募を行う調布福祉園につきましては、さきに公募を行った高齢者施設と同様、土地建物については無償貸付を検討しております。その際、調布福祉園は、施設規模が大きく、平家建ての一棟十六人規模の建物が五つという分棟方式をとっているなど、固有の事情から、民間施設と比べて多額の建物維持管理費用を要している実態がございます。
こうした理由から、民間移譲後も、建物維持管理や修繕に要する経費は、民間法人の経営努力を踏まえた上で、合理的な範囲で支援をしていく必要があると考えております。
○大山委員 合理的な範囲でというお答えですけれども、非常に特徴的なところなんです。しかし、先ほどのお答えで、処遇水準も維持できるような体制を整えるんだ、施設の維持管理も合理的な範囲では見るんだというふうにいうわけですから、わざわざ民間移譲することはないというふうに思うんですね。柔軟な運営だっていうんだったら、都立でも十分できることですし、現場の声を反映した都立施設の改革、そういうことこそ求められているというふうに思います。
しかも、今サービス推進費が検討中だということは答弁にもありましたけれども、人件費補助を根本からなくすというようなことが、今見直しの真っ最中だということで、まさに先が見えないところですよね。それと同時に、第二次の財政再建推進プランといえば、補助金というのが、聖域なしの見直しだということで対象になっているわけですから、実際には非常に不安定な状態になっていくというふうにいわざるを得ません。
だからこそ、民間移譲ではなくて、都立としてきちんと責任を果たすべきだという意見を述べて、終わりにします。
○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○森田委員長 次に、民間社会福祉施設サービス推進費補助についての報告事項に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○吉川総務部長 先ほどの厚生委員会資料に基づきまして説明させていただきます。
表紙の次のページ、目次をお開き願います。
報告事項、民間社会福祉施設サービス推進費補助に関しましてご要求のございました資料は、全部で四項目となっております。
まず、二ページをお開き願います。
1の民間社会福祉施設サービス推進費補助等に関する懇談会における意見交換の概要ですが、(1)、懇談会の開催状況においては、平成十四年八月から十回にわたる開催状況を、(2)には、意見交換の主な内容を記載してございます。
三ページには、(3)といたしまして、平成十五年六月四日の第六回懇談会へ提出した資料を、次のページに参りまして四ページと五ページには、(4)といたしまして、平成十五年八月七日の第八回懇談会に提出した資料を記載してございます。
六ページをお開き願います。
民間社会福祉施設サービス推進費補助に関する各種団体からの意見聴取の概要といたしまして、(1)には、平成十四年六月から平成十五年九月までに行いました意見聴取の状況を、(2)には、意見聴取の主な内容を記載してございます。
七ページをごらん願います。
民間社会福祉施設サービス推進費補助に関する主な保育団体からの要望の概要といたしまして、三つの団体から寄せられた要望の概要を記載してございます。
最後に、八ページをお開き願います。
認可保育所におけます職員の平均経験年数の分布といたしまして、(1)には、民間社会福祉施設サービス推進費補助の交付施設について、(2)は、この補助の不交付施設及び対象外施設について、それぞれ平成十二年度から平成十四年度までの職員の平均経験年数別の施設数を記載してございます。
以上、ご要求のございました資料につきまして説明申し上げました。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○森田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○松原委員 それでは、私の方からご質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、再構築の考え方についてお尋ねしたいと思います。
民間社会福祉施設サービス推進費補助制度は、従来の都加算や公私格差是正事業補助を見直したものであり、平成十二年一月から三年間の経過措置を経て、十四年度から本則適用となりました。今回、再構築を行うということですが、確認の意味で、まず、平成十一年度にサービス推進費補助制度を創設した目的についてお伺いをいたしたいと思います。
○並木参事 従来の平成十一年度までの施設に対する補助は、個別の運営費補助であります都加算と、いわゆる公私格差是正事業で行われておりましたけれども、これは細分化された補助であったこと、都の基準どおりの職員配置を義務づけていたこと、都の格付どおりの給与支給を義務づけていたことなど、制度が複雑であり、施設運営を硬直化させる一因となっておりました。
そこで、これらの制度を見直しまして、施設の特色を生かしたサービスや職員能力に応じた給与決定など、施設経営者による自主的かつ柔軟な施設経営を促進し、社会状況の変化に的確に対応できるよう、平成十二年一月に民間社会福祉施設サービス推進費補助を開始したところでございます。
○松原委員 今の答弁のように、サービス推進費補助制度は、利用者サービスの向上のために見直しを行ったものであります。今回、再度見直しを行うということでありますが、制度創設以来まだ三年半を経過したばかりでもあります。
そこで、今回、なぜ再構築を行うのか、現行の補助方式では制度の目的が十分に果たせていないということなのかどうかをお伺いいたしたいと思います。
○並木参事 平成十二年一月の制度実施後から現在までの民間社会福祉施設の運営状況につきましては、指導検査や運営指導を通じまして把握しておりますが、適正な運営のための努力が行われているものと認識してございます。
しかし、現行の補助方式におきましては、補助額が施設の定員規模、利用者数等から一律に算定される仕組みとなっておりまして、各施設みずからが実情に応じて弾力的かつ柔軟に対応し、創意工夫によりサービスの向上を図れるようにするという本制度の創設趣旨を十分に果たすことができるものとなっていないという状況にございました。
また、本制度実施以降、介護保険制度や支援費制度の導入により、福祉サービスの利用が措置から契約に転換し、措置費の上乗せ補助となっている本制度がその基礎を失うことになっていたこと、また、保育所あるいは支援費制度に移行する障害者施設におきましては、常勤施設職員の配置義務づけが緩和されておりまして、民間社会福祉施設サービス推進費補助が、常勤施設職員の配置を前提として、その給与に着目し補助していることと不整合が生じていること、さらに、国におけます社会福祉基礎構造改革や、都におけます利用者本位の福祉を目指した福祉改革が進展してきていることなど、社会福祉施設をめぐる社会状況は大きく変わってきております。
こうしたことから、以上のような点を勘案し、社会状況や都民ニーズの変化に的確に対応し、サービス向上に向けた施設の努力が真に報われる制度となるよう、補助体系の再構築を図ることとしたものでございます。
○松原委員 今の答弁で、サービス推進費の再構築の必要性は理解することができます。利用者本位の福祉を実現するために、現在のサービス推進費の補助体系を、施設のサービス向上努力を評価、奨励する制度へと再構築するということであり、基本的なこの考え方については、私も同意をするところであります。
そこで伺いますけれども、利用者サービスの向上を一層促すために、具体的には補助体系をどのように変えていこうとしているのかをお尋ねしたいと思います。
○並木参事 現行の補助方式は、いわゆるA経費とB経費の二つの補助体系から成り立っております。A経費は、従来の運営費都加算におけます個別施設ごとの助成総額をもとにしまして、グループ別に一人当たりの単価を設定してございます。B経費は、施設の利用者状況別に利用者一人当たりの単価を設定し、それに施設職員の平均経験年数に基づく助成率及び利用者数等を乗じて算定してございます。
今回は、A経費、B経費をゼロベースから見直しまして、都として望ましいサービス水準を確保すること、施設の努力に対し加算することの二つの柱をもとにしまして、補助体系の再構築を進めているものでございます。
都として望ましい水準の確保につきましては、都が目指す水準の確保に必要な経費を利用者一人当たりの単価として設定いたしまして、それに基づいて、各施設の利用者数あるいは定員に応じた所要額を算定し、その額と国基準との差を補助するものでございます。
また、施設の努力に対します加算は、利用者サービスを向上させる観点から、各施設における利用者の状況や各施設での自主的な取り組み、努力内容に応じまして、それらに必要な経費を補助するものでございます。
○松原委員 次に、施設における努力の具体的な内容についてお伺いをしたいと思いますが、都として望ましいサービス水準の確保を前提とし、さらに努力している施設に対しては、その努力に報いるよう補助額の加算を行うということですが、施設における努力とは、具体的にはどのようなものを考えているのかをお尋ねします。
○並木参事 利用者本位の福祉、あるいは地域での自立を支える新しい福祉を実現するという観点から、施設種別ごとに、利用者状況や施設の取り組み内容に応じまして努力加算項目を検討してございます。
例えば障害者及び障害児施設につきましては、入所施設から地域で自立した生活に移行する障害者をサポートすること、あるいは障害者の日中活動の場におけますケアの充実、最重度障害者やその家族全体の安心を確保するため、民間施設での最重度者の受け入れを促進することを基本コンセプトとしまして、その実現のために、最重度障害者及び障害児の処遇向上を図るために必要な職員に係る増配置を行うために必要な経費、あるいは地域移行のための自活訓練を実施するために必要な経費、さらに施設からの退所者、退所児に対します相談援助や、退所者、退所児が新生活を準備するのに必要な経費などを加算項目として検討してございます。
また、児童福祉施設につきましては、いわゆる処遇困難児童や虐待等により心的外傷を負った児童に対しますケアの充実、早期の家庭復帰や養育家庭等によります家庭的養護の促進を実現するために、心的外傷を負った児童に対して心理療法を実施するための経費、家庭復帰や養育家庭への委託を促進するための経費などを加算することを検討してございます。
○松原委員 今のご説明で、いろいろと検討しているということはよくわかりました。
そこで、今後のスケジュールについて伺いたいと思いますが、今回、再構築の基本的な考え方については施設代表者と合意を得られたとの報告でありましたが、具体的な項目や単価については引き続き施設関係者と意見交換を続けるとのことでありますが、施設における運営を考えますと、具体的なスケジュールが見えないと、大変不安が生じるばかりでもあると思います。
そこで伺いますけれども、今後、施設関係者とはどのような意見交換を行っていこうとしているのか、また、再構築後の新制度の実施時期はいつごろになるのかをお尋ねしたいと思います。
○並木参事 サービス推進費の再構築につきましては、現在、施設代表者との間に懇談会を設置し、昨年八月以来、意見交換を行ってきたところでございます。その結果、基本的な考え方につきましては、九月十二日に合意を得たところでございます。
今後は、この基本的な考え方に基づきまして、具体的な基本単価あるいは努力加算項目等につきまして、引き続き意見交換を行ってまいります。
新制度の実施時期としましては、平成十六年四月を目途とし、鋭意意見交換を進めていく所存でございます。
○松原委員 私どものところにも、いろいろと声は寄せられております。そこで、新制度に当たっての留意事項、そういったものをお話ししたいと思います。
補助金は、その時々の社会経済状況を踏まえ、常に点検を行いながら都民ニーズに的確に対応していくことが必要であります。その意味で、サービス推進費補助制度の補助方式を再構築し、利用者サービスの向上を促し、施設の努力が真に報われる補助制度とすることには異論がないところであります。
しかし、今回の再構築により、施設によっては補助金が減少するところもあると思われます。施設関係者からは、制度変更により補助額が二割削減になる、あるいはまた、基本単価が低過ぎて必要な経費を賄うことができない、あるいは経過措置が三年では短いなどという話も聞いています。急激に補助金を削減してしまいますと、施設運営への影響が懸念されるところでもあります。
また、施設によっては、サービス向上に向けて努力しようとしても、体制整備に時間がかかる場合もあります。福祉サービスは対人サービスであり、施設運営を円滑に行っていくためには、利用者の状況を十分踏まえた対応が必要であり、補助制度の再構築も、このことを十分踏まえて行う必要があると考えます。そのため、施設運営に支障が生じないよう、項目事項や努力項目に関する単価については十分配慮するとともに、本則に至るまでの経過措置を十分とるべきと私は考えます。
そこで、最後に局長の見解を伺いたいと思います。
○幸田福祉局長 民間社会福祉施設サービス推進費の補助の再構築に当たりましては、先ほど厚生委員会の資料の中にもお示しいたしましたとおり、昨年の八月に施設代表者などとの懇談会を設けまして、今日まで十回にわたり意見交換を進めてまいったわけでございます。その結果、施設の規模など、あるいはまた職員の平均経験年数などに基づきます現在の画一的な補助を見直し、都として望ましいサービス水準を確保しながら、施設のサービス向上に向けた努力が真に報われる仕組みとする再構築の基本的な考え方につきまして、九月の十二日に開催いたしました懇談会で合意を見たところでございます。
この合意に基づきまして、引き続き意見交換を行っている段階でございますけれども、今後、ただいまご指摘いただきました点を十分踏まえまして、再構築後の施設種別ごとの単価や努力項目、また経過措置などの具体的な内容につきましては、施設運営に支障が生じることのないよう十分配慮してまいります。
○小林委員 それでは、質問させていただきます。ダブっている部分もありますが、全部ダブっているわけじゃないので、少し答えづらいところもあるかと思いますが、尋ねてまいりたいと思います。
私たちも、今回の再構築の基本的な考え方については認めております。そういった立場で質問させていただきますが、今、松原理事の方からも話がありましたように、二割減額をされたとか、あるいは基本単価が低いとか等々、私たちのところにもいろいろな問題が寄せられております。
そこで、再構築の基本的な考え方はいいんですけれども、余りにも急激にその再構築が実施をされたときに、何でもそうですけれども、やっぱり急激な変化というのは、それに対応するというのは相当のエネルギーが必要ですね。
若干ダブりますけれども、私は、三年ということですけど、もう少し長く経過措置をとってもいいのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○並木参事 再構築後の基本単価、施設の努力に対します具体的な加算項目などについて、今現在、施設の代表者の方々と意見交換を行っている段階でございます。そういった中で、再構築後の各施設におけますサービス推進費の増減額、これはまだ固まっていないというような状況でございまして、その影響も見えにくいところがございます。
そういう中ですけれども、今回の制度変更によりまして施設運営に支障が生じないよう、経過措置を設けていく考えでございます。
○小林委員 この要求資料の中にもありましたが、十回にわたって懇談会を施設の代表者との間で開いたということでありますが、福祉改革の目指すべき方向性ですね、施設代表者との十分な理解が得られているのかどうか、その辺の所見を伺います。
○並木参事 平成十二年一月の民間社会福祉施設サービス推進費補助制度の開始以降、社会福祉法の改正、あるいは障害者福祉分野への支援費制度の導入、保育所や支援費制度に移行する障害者施設において、常勤職員の配置義務づけが緩和されてきたことなど、民間社会福祉施設をめぐる社会状況は大きく変わってございます。今回のサービス推進費再構築は、こうした社会状況や都民ニーズの変化に的確に対応していくため、利用者一人一人に着目し、利用者本位におけるサービスの向上を図るための施設の努力が真に報われる仕組みとするために再構築を考えているものでございます。
こうした考え方に立ちまして、平成十四年八月に懇談会を設置し、以来十回にわたって施設代表者の方々と意見交換を行ってきたという次第でございます。この結果、先般九月十二日の懇談会では、再構築の基本的な考え方につきましては合意を得たところでございまして、利用者本位の新しい福祉を実現するという、都の進める福祉改革の考え方や具体的な方策につきましてはご理解をいただいたというふうに考えてございます。
○小林委員 今おっしゃった、利用者が自分に合ったサービスを選択し、施設も多少お互い切磋琢磨するという、こういった姿勢というのは、私も、その方向性や理念については基本的には理解をします。
そこで、今後サービス推進費補助を、サービスの向上に向けた努力が真に報われる、そういった制度にするためには、サービスの向上の努力の結果がちゃんと外部にわかるようにしていくということがなければ、意味がないと思うんですね。その辺はどうでしょうか。
○並木参事 第三者の目で福祉サービスを客観的に評価し、その結果を広く利用者に提供していくという福祉サービス第三者評価制度は、利用者のサービス選択に資するとともに、事業者にサービスの質の向上への取り組みを促すものとして極めて有意義なものであるというふうに認識してございます。
したがって、できるだけ多くの事業者の積極的な受審を図ることが必要でございまして、サービス推進費の再構築に当たりましては、第三者評価に必要な経費についても盛り込んでいく考えでございます。
○小林委員 ことしの七月から本格実施をして、今、第三者評価を事業者に対して積極的に受審をしてほしいという回答でございましたので、これは質問しません。
次に、第三者評価は、あくまでも利用者側に立った福祉改革を実現する上でも重要な取り組みであるというふうに思います。ぜひとも早期に普及、そして定着をさせるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○並木参事 確かに第三者評価は、利用者本位のサービスを推進していく上で極めて重要なものだというふうに認識してございまして、早期に定着を図ってまいりたいというふうに思っております。
○小林委員 利用者に対する情報公開あるいは苦情処理ですね、苦情処理というのは割と多いんですけれども、苦情処理等の利用者支援を十分に講じていくことが必要であるということはいうまでもありません。
そこで、こうした利用者支援の仕組みについて、東京都は今後どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○並木参事 利用者支援の福祉の実現のためには、質の高いサービスを利用者みずからが安心して選択し利用できるようにすることが重要でございます。そのためには、自分に合ったサービスを主体的に選択できるよう、信頼できる情報が提供されるとともに、苦情対応や権利侵害の相談等におきまして、サービス利用者を総合的に支援することが重要でございます。
都はこれまで、先ほど申し上げました第三者サービス評価を制度化したのを初めとしまして、事業者情報について利用者に提供する福祉情報総合ネットワーク事業や、苦情や権利侵害などの相談等につきまして、身近な地域でワンストップで利用できるようにする福祉サービス総合支援事業などの事業を展開してきたところでございます。
さらに、施設における情報公開や苦情対応については、社会福祉法上、本来施設が行うべきものとされておりますが、一層積極的な取り組みを推進するために、苦情対応の経費につきましてはサービス推進費補助の中に盛り込んでいく考えでございます。
○東村委員 先ほど松原理事の方から、民間社会福祉施設サービス推進費補助についての再構築の基本的な考え方については質問されましたので、重複をしないという意味でも、この質問はやりません。先ほど明快なご答弁もありましたので、やりません。
我が党は、利用者やその家族の安心を確保することが必要なんだと、この観点から、特に知的障害者の入所施設において、最重度障害者の処遇に対する特段の配慮を求めてまいりました。その結果、本会議でも答弁がありました、利用者や家族の安心を確保するために、都が認定する制度を創設する、そして民間施設にも拡大する、こういうことを答弁していただきまして、これは施設を利用する人にとっては、一歩前進したところじゃないかと私は思っています。
具体的には、特にサービス水準の維持をするために必要な職員の配置、これもきちっとやります、それから、医師、看護師などの医療的ケアがしっかり確保できるような体制もしきます、このようなことを答弁していただきまして、それは都が責任を持つといっていただいたところに、私はかなりの評価をしております。
また、民間施設はどうなんだと、民間施設で最重度を受け入れた場合はどうなんだと。民間施設についても、東京都の都立の施設と同様に、今のこの認定制度でもって処遇をしていくと、こういう話をしていただきました。では、この認定制度ができた後、この監視体制はどうするんだと。実際、それはきちっと運用されているのかという話になったときに、先ほども話が出ましたけど、福祉サービスの第三者評価システム、これをしっかりと積極的に活用すると。さらに、緊急度が高い、処遇が困難な重度な障害者についても、優先的に利用ができるような仕組みづくりをしていくと、かなり踏み込んで答弁をしていただきました。非常にそこは評価をしております。
そこで、具体的に中身について突っ込んで聞いていきたいと思うんですけれども、抽象的な答弁って、やっぱり皆さん聞いていてもわからないので、できれば極力具体的な答弁をしていただきたいと思うんですけれども、まず、確認の意味で伺いたいんですが、障害者福祉の分野のサービス推進費を今回再構築するんですけど、どのような目的で再構築をするのか、これについて伺いたいと思います。
○有留障害福祉部長 今回のサービス推進費の再構築は、これまで担当参事がるる申し上げてまいりましたけれども、都として望ましいサービス水準を確保するとともに、利用者の状況に対応した加算や施設としての新しい取り組み、努力に対する加算など、利用者へのサービス向上に向けた施設の努力が真に報われる補助制度とすることを目的とするものでございます。
加えて、障害者福祉の分野におきましては、従来の措置費制度をベースにしたサービス推進費補助、よって立つ基盤が変わりますので、本年四月からの支援費制度に対応したものに改める必要がございます。このようなことから再構築を行うものでございます。
○東村委員 施設の運営努力が報われるような補助制度とする、こういうお話がありましたけれども、具体的には、努力加算項目として、先ほどもいいました最重度の利用者加算が検討されているわけなんですけれども、まず、最重度とはどのような利用者をいうのかということと、実は一昨日ですか、私の地元の八王子に、東京都の育成会のとぶき育成園というのがあります。ここの園祭りがありまして、ここに呼ばれまして行ってきたわけなんですけれども、八王子の地域は、いろんな福祉施設が非常に多いんですね。さまざまな施設の、特に特養も含めた施設長が集まられていました。
やはり話題がこのサービス推進費の問題になりまして、その中で、最重度の利用者に対する加算ということは非常に大事なことで、これはぜひともやってもらいたいと。その上で、むしろ中軽度の人で徘徊をする人、このような人の方が、手間暇が実は最重度の方よりかかるんだと。なぜかといいますと、最重度の方はずっと寝ているだけだけれども、中軽度で徘徊する人というのは、やっぱり物すごく、要するに人もかかるし労力もかかると。
そこで、単なる障害の程度が重いというだけでなくて、むしろ私は、処遇の困難性に着目をした加算をすべきなんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
○有留障害福祉部長 最重度障害者とはどういうプロフィールかというご指摘でございます。その中身でございますが、愛の手帳で一度、二度を最重度、重度と呼んでおりますが、その中でも特に、例えば日常生活における身辺介護において全面的な介助が必要であるとか、あるいは強い行動障害がある、そうした方々を私どもは最重度障害者、処遇の困難という意味で最重度障害者というふうに呼んでおります。
ご指摘のとおり、最重度障害者に対する加算は、このような処遇の困難性に着目して行うべきであると考えておりまして、現在、具体的に検討を進めております。
○東村委員 処遇の困難性とか、支援の困難度の高い方にもきちっと加算をすると、そう理解してよろしいでしょうか。
○有留障害福祉部長 支援費におきましては、障害程度区分もさることながら、処遇の困難度、それから、家庭の状況なども踏まえたトータルな意味での処遇困難度という観点で支援費基準が定められております。そのような意味で、いわゆる施設入所者における重度は、A、B、C区分ということになっておりまして、Aがいわゆる重度ということになっておりますが、その中にも支援の困難度というような基準が入っております。
したがいまして、その上に乗っかっている東京都の加算につきましても、同様の考え方で検討しているところでございます。
○東村委員 わかりました。
それで、もう一つちょっと、一歩進んでほしいんですけれども、通所施設においても処遇困難な利用者が恐らくいるはずなんですね。これらの方に対しても、やはりきちっとした配慮をしていく必要があるんじゃないかと思うんですけど、それについてはいかがですか。
○有留障害福祉部長 東京都は、希望する障害者が地域で自立した生活ができる社会を具体的に実現するということで、障害者地域生活支援緊急三カ年プランにより、地域生活を支えるサービス基盤の抜本的な拡充を図っておりまして、日中活動の場である通所施設の充実は非常に重要であると考えております。
重度の障害があっても地域で安心して暮らせるよう、重度障害者の通所施設における受け入れに対し加算を行うことについては、施設の努力に報いる加算の中で、今後の重要な課題として検討してまいります。
○東村委員 通所施設において重度障害者を受け入れた場合の加算についても検討していくということは、一歩前進している部分だと思いますし、評価をしたいと思います。
そこで、これまで具体的な項目についてお聞きしてきたんですけれども、今回のサービス推進費の再構築というのは、施設の努力に応じた加算を行うものであって、基本的な考え方は、先ほどお二方もおっしゃっていますけれども、理解はします。ただ、障害者の分野でいえば、恐らく平成十七年度といわれていますけれども、次の介護保険制度の見直しの中で、現在の対象である高齢者に加えて、障害者もこの介護保険制度の中に含めるということが議論をされているんですね。
そこで伺いたいんですけれども、仮にですよ、仮に障害者の分野が介護保険制度に含まれてしまった場合、このサービス推進費はどうなるのか、これについて伺いたいと思います。
○並木参事 今回の民間社会福祉施設サービス推進費補助の再構築は、平成十二年四月に本制度を実施して以降、介護保険制度や支援費制度の導入、あるいは国におけます社会福祉基礎構造改革や都におけます福祉改革の進展など、社会状況が変化しているということに対応しまして、社会サービス向上に向けた施設の努力に報いる制度となるよう検討を進めているものでございます。
ご指摘の介護保険制度の見直しにつきましては、現段階では、国がまだその内容を明らかにしておらず、現時点では、障害者福祉分野への影響があるかどうかは不明でございます。しかし、見直しにより、今回の再構築の前提となっております現在の支援費制度に大きな変更が生じるような場合には、サービス推進費補助制度の見直しが必要となる場合もあるというふうに考えてございます。
○東村委員 やはり社会経済状況の変化によっては、このサービス推進費についても、制度の不断の見直しというのは必要なんですね。しかし、現場に混乱をもたらしてはいけない、このように考えるわけです。
また、今、一番現場で利用者が困っているのは、なかなか申し上げにくいんですけど、支援費の窓口である区市町村の職員の、力量不足といったら語弊があるかもしれませんけれども、支援費について、まだまだ理解が進んでいない。中には、福祉事務所に行っても、結局は、よくわからないので、この表を見ていただければわかりますと、このようないい方をされて帰された人もいるくらいなんですね。
そこで、介護保険制度というのはケアマネジャーという仕組みがあるんです。ケアマネジャーについても今いろんな問題点等もあるんですけれども、支援費には、このケアマネジャーという制度はないんです。支援費制度を真の利用者本位の制度とするためには、東京都もいろんな取り組みをしてきたと思うんですけれども、やはり現場をよく見ていただいて、障害者の特性を踏まえたケアを行うための仕組みをつくる必要があるんじゃないか、また、検討していく必要があるんじゃないかと、こう考えるわけですけれども、いかがでしょうか。
○有留障害福祉部長 ご指摘のとおり、支援費制度においても、障害者みずからによるサービスの選択、利用を支えるための利用援助の仕組みは非常に重要であると考えております。しかしながら、国はそうした仕組みを用意しておりません。
そこで都は、障害者が適切にサービスを利用できるよう、独自の仕組みとして、ケアマネジメントの手法を活用した支援費制度利用援助モデル事業を実施し、サービスプランの作成などを行う区市町村を支援しているところでございます。今後、適切な利用援助の仕組みの普及をさらに図っていきたいと考えております。
また、ケアマネジメント従事者養成研修や、都が独自に策定した障害程度区分決定のためのガイドブックによる区市町村職員に対する研修を実施するなど、今後とも、区市町村における適正な支給決定を強力に支援してまいります。
○東村委員 区市町村に強力に支援をしていくと今おっしゃいましたけれども、非常に大事な観点なんですが、それがどう実施されているかという評価もきちっとしていかなきゃいけないと思うんですよ。現場がどうなっているかということをよく認識をしてもらって、いい制度をつくっても、現場がそれに追いついていかなければ、結局、利用する人が最後それをこうむるわけですから、そういう制度づくり、制度をつくったら、それがどうなっているかという評価をきちっとこれからも行っていっていただきたいと思います。
同時に、施設のサービスを--先ほどこういう話がありました、いわゆる他の施設よりも努力している内容に対して、その努力が報われるように加算をしていくんだと。これはやはり必要なことなんですね。一生懸命やっているところが、失礼ないい方かもしれないけれども、余りそこまでやっていないところに対して差がないというのはおかしな話で、やっぱり一生懸命やっているところには、報われるような仕組みづくりをしてあげたいと思いますし、それが利用する人に全部最終的に返って、利用する人が本当に益をこうむることになるわけですから、それはやってもらいたいんですけれども、ただ、一生懸命やっているという、事前にこういうことをやります、こういうメニューをやりますという提案をするわけでしょう。提案をして、そして、これをやりますからこれだけのものを下さいねという話になるんでしょうし、また、実際その実績を積んでいただくことになるのかもしれないんですけれども、その際、やはりこういう差をつけるときには、施設運営の透明性というのが物すごく大事なんですね、情報公開という。どれだけのものをきっちりやっているのか明らかにしていくことが大事なわけなんです。
そこで、私は、やはりそこに対して、きちっと外部監査という制度を導入するようなことを今回のサービス推進費の再構築の中で考えていくべきなんじゃないかと考えるわけですけど、どうでしょうか。
○並木参事 ご指摘のように、施設におけるサービスの質を向上させ、施設運営の透明性を高めるためには、情報公開を初め苦情への適切な対応やサービスの質の評価など、施設みずからが積極的な取り組みをしていくよう、それを促していくことが必要であるというふうに考えてございます。
そのため、民間社会福祉施設サービス推進費の再構築に当たりましては、施設の努力に対します加算に加えて、施設が行うこうした利用者支援のための取り組みや経営改革に要する経費につきましても加算を行っていく考えでございます。
具体的には、利用者からの苦情に適切に対応するための経費、あるいはサービスの質の評価を行う第三者評価に係る経費、さらにサービスの質の向上のための経営診断など、経営改革に係る経費などについて検討してございます。
○東村委員 いずれにしても、私は、この外部監査というのをやっていく--既に自主的に任意監査をやっている社会福祉法人はかなりふえてきています。外部監査をやって、その経費を見てあげなきゃいけないと思うんですね。社会福祉法人というのは、なかなかそこまでお金が回らないので、どうしてもやっぱりそこまで手が回らないわけですし、予算が回らない。やるならば、今回の改革で、先ほど第三者評価の経費といいましたし、経営改革の経費とおっしゃいました、このような中でやはりこの外部監査の経費なんかも見てあげることが、最終的には都民にとってよりプラスになるし、利用者が本当に助かることになると思いますし、経営者もそこでいろんな改革をしていくことができるんじゃないかと思います。
それで、もう一つ、先ほどお話が出た中で、施設によっては、現在もらっている補助金が減少することで、運営に影響が生じることも考えられると、こういう不安があるわけなんですね。そこで施設が、話が出た中で、私も懇談していた中で、加算項目があるというのは予算が組みにくいんだという話をしていました。要するに、今まで一定額をもらっていたときは予算は簡単に組めたけれども、加算項目があると、何を出せば加算になるのかということがわからないから、なかなか予算組みができない。どうしてもやっぱり社会福祉法人なんかは予算組みをしていかなきゃいけないわけですから、そういう中でも配慮をしていくことが必要なんじゃないかと私は思います。
そこで、この再構築に当たって施設運営に支障が生じないように、きちっと何度も何度も、何回も回を重ねて代表者の意見を聞いてきたと思うんですけれども、基本的な部分については合意をしたかもしれませんけれども、さらに今度は具体的な部分でよくお話を聞いて、例えば単価や、先ほどから話も出ていますけど経過措置について、これはしっかり最大限の配慮をすべきだと、このように考えます。
そこで、局長の見解を求めたいと思います。
○幸田福祉局長 サービス推進費補助の再構築に当たりましては、施設代表者と一年余をかけて、懇談会を設け、意見交換を行ってきたところでございます。これまでの画一的な補助を見直しまして、都としての望ましいサービス水準、これを確保しながら、施設のサービス向上に向けた努力が真に報われる仕組み、このような再構築の基本的考え方については合意を得た。
ただいま東村委員からお話しの点につきましても、引き続き意見交換をこれからも続けまして、ご指摘の点を十分踏まえて、再構築後の施設種別ごとの単価、努力項目、経過措置の具体的内容につきましては、施設運営に支障が生じないよう十分配慮してまいります。
○東村委員 今、局長がくしくも、利用者のサービス水準を維持向上させるんだということを最初におっしゃいました。私は、今回のこの再構築で、何が減る、これが減るから大変だという話がありますけれども、大事なのは、やはり再構築によってサービス水準が維持向上すればいいわけですから、これをしっかりと念頭に置いて、さまざまな先ほどいいました具体的な問題についても、しっかり踏まえていくというお話をいただきました。大変ありがたいことです。この辺のことをしっかり踏まえていただいて、利用者、そして施設の側、この人たちの意見をよく聞いて、十分配慮して、これから具体的にまた構築をしてもらいたい、このように思います。
以上です。
○大山委員 サービス推進費補助についての質疑をしたいと思います。
ちょうど一年前の九月の厚生委員会で、委員会のまとめに関する議論が行われています。やっとといいますか、一年かかって出てきたのが、前回いただきましたこの一枚ぺらの、再構築の基本的な考え方。一枚でも、基本的考え方というのは、わずか表題入れても十行ということですね。いかに矛盾が大きいのかということのあらわれだというふうに思っています。きょうは、中でも矛盾が最も大きい保育園を中心に質疑をしていきたいというふうに思っています。
今回の再構築の基本的考え方については、B経費、つまり平均経験年数をもとにした人件費補助の位置づけがなくなるということに関係者の心配が広がっているわけです。この見直しで、経験のある職員を雇用できるという保証はあるのでしょうか、まず答えてください。
○白石子ども家庭部長 基本的に、国の定める基準に基づく施設運営は、国の措置費、支援費で可能であるというふうに考えます。今回の再構築は、このことを踏まえた上で、都として望ましいサービス水準を確保するための補助及び利用者サービス向上のための努力に対する加算を行うことにより、施設の自主的なサービス向上のための取り組みを促進する観点から行うものでございます。
今回の再構築の中では、これに加えまして、都として必要なサービス水準の確保を図るために、質の高いサービスを提供できる職員を継続的に確保できるための経費の補助を考えているところでございます。
○大山委員 質の高いサービスの提供ができる職員ということですけれども、それは、全員が質が高いサービスを提供する職員だということでいいんでしょうか。
○白石子ども家庭部長 質の高いサービスを提供できる一定割合の職員を継続的に確保できるための経費の補助を考えております。
○大山委員 質が高い保育を提供する、これは非常に重要なことですし、そのために各保育園とも努力しているわけですね。質の高いサービスをするためには、先ほど、一定割合の職員を継続的に確保すればよいというふうに答弁されました。一定割合だというのが、そこが問題なんですね。
私たちは六月に、私立の認可の保育園六百二園にアンケートを送りまして、百八園から返していただきました。その中には、本当にびっしりと意見を書いてくださったアンケートがたくさんあります。それだけ本当に心配しているし、重要なことだというふうに思っておられる方なんですね。このアンケートの中にも意見がたくさんあるわけですけれども、今ご答弁されているように、質の高いサービスをするための職員が一定割合いればよいということではないという意見が多くあります。
例えば、職員一人一人の能力を高め、すべての子ども、親に質の高いサービスを提供していくことこそが真の保育サービス向上ではないかという意見や、子どもの命を預かり育てていくという大きな役割が保育士にはある。一定割合必要ではなく、どの子にも行き届いた保育をするには、より多くのすぐれた人材が必要である。また、ゼロ歳から学齢までの保育、保護者への子育て支援、地域の子育て支援等の仕事は一朝一夕にできるものではない。ベテラン、中堅、若い人が集団として学び合い、協力し組み立てていく中で、園全体としての保育の力量が高まっていく。連携が求められている場だ。そういう意見がたくさんあったんですね。
私は、そのとおりだというふうに思っています。質の高い保育を提供するというためには、一定割合の職員のほかは働き続けることができないような職員が多くを占めるというような状況の保育園で、質の高い保育ができると考えているんでしょうか。それで、いい保育園だというふうに考えておられるんでしょうか。
○白石子ども家庭部長 保育サービスの提供に資する保育士については、質が高いということが重要だというふうに考えております。今回、質の高いサービスの提供に資する一定割合の職員といいますのは、いわゆるコア人材というものを考えております。このコア人材としてはどのような役割を想定しているかと申しますと、一つは、利用者の立場に立って多様なニーズに対応できる人材、サービスの提供をマネジメントできる人材、さらに、経営の視点を持ち事業をマネジメントできる人材、事業体の経営戦略を構築できる人材、このような人材がコア人材というふうに考えております。
保育所におきましては、通常保育以外にさまざまな大都市ニーズに対応するサービスを実施しておりまして、通常保育以上にコア人材が必要であるというふうに認識しております。
○大山委員 コア人材がその考え方なんだということなんですけれども、そういうコア人材が何人かいれば、ほかの職員は働き続けられないような状況の、どんどん一年や二年でかわっていくような職員でも、よい保育が実現できるのか、そのように聞いているんですけれども、どうですか。
○白石子ども家庭部長 職員の給与は、先ほども申し上げましたが、基本的には国基準の中で確保されておりまして、さらに民間施設給与等の改善費など、国基準の中でも経験年数に応じた一定の底上げがなされているものでございます。
○大山委員 ちゃんと質問に答えてください。一定の割合の人がいるだけで、あとは働き続けられないような職員では、よい保育はできないというふうに多くの現場の方たちがいっているわけですね。
そうしたら、聞きますけれども、例えば今、関係者の人たちの中に単価を示しているようですけれども、単価の出し方の考え方に、例えば経験年数などを含むとか、そういう考え方を入れて示しているんですか。
○白石子ども家庭部長 単価につきましては、今、意見交換の途上でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○大山委員 そんなことも明らかにしないというわけですね。納得できないわけです。経験を積むということが重要なのは、何よりも、子どもも親も一人一人みんな違うわけですね。決してマニュアルではできない仕事なんです。だからこそ熟練が必要だというふうにいえるわけで、熟練するには、多くの子どもたちやら親だとかを見ながら、そして学習もしながら経験を積むということが不可欠なことなんです。子どもを育てる場だから、親も保育者もともに育つんですね。試行錯誤したり職員会議などで議論したり、一つ一つ積み重ねて職員集団として成長するんです。だからこそ、質の高い職員が一部にいればよいということではなくて、若手から中堅やベテランもバランスよくいて働き続けることができる、それで保育者自身も、個人としても、それから園としても保育を蓄積することができるんです。それが重要なことなんですね。
先ほどのアンケートの中にも、ベテラン、中堅、若い人が集団として学び合い、協力し、保育を組み立てていく中で、園全体としての保育力量が高まっていく。一部のコア人材がいて指導すればいいというものではないし、突然コア人材が誕生するわけではないなどの意見が寄せられています。
皆さんは、というか福祉局は、七月二十二日に、自動車会館大会議室というところで、私立保育園連盟への行政説明会の場で、指導検査についてということで報告していると思います。指導検査を続けてきて見える、よい保育園、問題のある保育園について話しているようですけれども、よい保育園というのはどんな保育園だというふうに報告しているんですか。
○白石子ども家庭部長 今、先生おっしゃいました行政説明会におきまして、よい保育所の例として事例を挙げたものを申し上げますと、よい例といたしましては、法人運営、施設運営、児童処遇、会計の各分野がありますが、基本的には、指摘が少ない、早目に改善をしていく、職員の定着率のよい施設、研修等により職員の質の向上が常に図られている、民主的な運営がなされている、内部監査を実施している、地域と積極的に連携している、特別保育事業に積極的に取り組んでいる、一時保育、病後児保育、延長保育、年末年始保育などを実施している、児童処遇に関して保育内容や保育環境等にきめの細やかな配慮がなされている、詳細な保育計画を立てている、家庭的な保育に努めている、病院との連携がうまくいっている等が挙げられております。
○大山委員 職員の定着率のよい施設、研修等により職員の質の向上が常に図られている、民主的な運営がなされているのはよい保育園だというふうに報告をされているんですね、ご自分自身で。片や悪い--悪いというか、よい保育園と問題のある保育園、問題のある保育園というのは、職員の定着率が悪い、研修等が行われていないところは問題のある保育園だといっているわけですね。まさに職員が定着できて、職員集団としての研修も園運営も民主的に行われているということは、一部のコア人材がいればよいということではないことなんですね。みずからが指導検査を長年やってきて、こういうところはよい保育園ですよというふうに自分でいっているわけです。
しかも、経験のある保育士の必要性はますます高まっているということに質問を進めたいと思います。
子どもの発達を保障するときに、子どもの家庭のというか、家族の状況抜きには語れません。熟練した保育士が必要なのは、保護者との関係でもいわれています。同じ私立保育園連盟の要望書の中には、親に対する指導をし、それを親が受け入れるには、保育に関する十分な経験と知識と人生経験が不可欠なものですというふうに書かれています。
親に対する適切な指導というのは、保育士が国家資格になったわけですけれども、児童福祉法の保育士の役割の中に明記されていると思うんですけれども、どうですか。
○白石子ども家庭部長 保育士資格の登録制の導入に伴いまして、児童福祉法に、第十八条の四で新たに定義が追加されております。それによりますと、保育士とは、児童福祉法第十八条の十八第一項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいうとされております。この法律は、本年十一月二十九日に施行予定でございます。
○大山委員 新しくこれは書き加わったものなんですね。いかに子どもだけじゃなくて家族もろとも一緒に育っていくということが必要であり--保育士の役割としてきちんと位置づけられたというのは、その必要性の高さを示していることだというふうに思っています。
家庭の育児力の低下というのは、アンケートの中でも、現場では多くの方たちが感じています。同時に、不況がこうやって長引いている中ですから、父母の仕事の大変さ、残業が子育て中でもあったり、それから、長時間過密労働の中で子育てをしながら働いている現状ですから、親も含めてしっかりと受けとめるというのが、保育園、保育者の必要性というのがますます大きくなっています。保護者の子育て不安、抱えている問題等たくさんあり、そういう状況を受けとめ、こたえていくことが求められ、熟練の職員がいなければ対応できないと思うと、アンケートの中でも書かれています。
こういった社会状況の中で、ますます熟練した保育士が必要になってきているということではないんでしょうか。
○吉川総務部長 子ども家庭部長の方からまた別途回答があるかと思いますが、答弁させていただきます。
先ほど来、先生の方から、コア人材というか、質の高いサービスの提供に資する一定割合の職員を継続的に確保するための補助について、先生のお話の中に、そのコア人材が一部にいればいいのではないかというふうに当局の方で考えているんじゃないかというふうにおっしゃっておりますが、当然のこととして、保育所にいらっしゃる保育士の方々は、すべて資質が高い職員が期待されていることは当然のことでございます。
ただ、その中でも、私どもが人件費補助をというか、これまでやってきたB経費的に、単なる経験年数が長い職員がすべて質が高いとは限らないという前提の中で、どういう形で保育所として、資質の高いというか、力量の高い保育所にするかという意味で、どんな組織にも一定割合はきちっとしたコア人材が要るであろうという前提で再構築しているわけですから、その辺の前提がちょっと食い違っておりますので、お話をさせていただきました。
○白石子ども家庭部長 福祉施設におきましては、資質の高い人材の果たす役割は、利用者に対するサービス向上を図る上で重要であるというふうに認識しております。職員の資質には、経験に裏打ちされたことがあることも事実でございます。しかし、経験年数の長い職員のすべてが資質が高いといいがたいために、単純に経験年数が長い職員がコア人材とはいえないというふうに考えております。
今回の見直しは、単に経験年数で補助するのではなく、利用者サービス向上に着目して補助するというふうに再構築するものでございます。
○大山委員 熟練した保育士が必要だというのは重要だということですね。今いろいろ横道にそれた答弁がありましたけれども、経験年数がイコール質が高いということではないんだというふうにいっているわけですけれども--いろんな意見が寄せられていますよ。例えば、経験イコール質の高さではないと都はいわれるが、経験がなければ質の向上はない、なんですね。経験がなければ質の向上はないんですよ。
だから、理論があってマニュアルでやれる話じゃないんだから、いろんなケースを見ながら、それから、自分でも失敗したりしながら経験を蓄積していく中で熟練が生まれるわけですよね。熟練をしていくというのは一朝一夕ではできないというふうにいっている方が大ぜいいますけれども、そうやって理論も発展しますし、それから、経験を積み重ねることによってしか熟練というのは生まれないというのは、これはいっておかなくてはいけないというふうに思っています。
これも、職員だけが経験のある職員が必要だというふうにいっているわけじゃないんですね。私立保育園にお子さんを預けている父母の方からも、経験のある職員を求めています、一つの園だけじゃなくて、多くの園から声が寄せられています。例えば、女性が安心して子どもを預け働ける環境を確保するには、保育経験豊かなベテラン保育士の存在は欠かせないものです。子どもが自然な形で大きくなるには、あらゆる年代の幅広い人間との日常の安定した関係が大切で、くるくると人がかわったり、経験のない人、若い人だけになるのでは、親も安心してお任せすることはできません、私も子どもを預けながら、ベテランの先生方に子育てについていろいろ相談させてもらっています、そういうことができなくなるのでは、ますます労働人口は減り、少子化も加速されると思いますというふうに、これはいろんな方がいっていることですね。
そもそも、さっきも公私格差是正事業の話がありましたけれども、サービス推進費は公私格差是正事業をもとにしているわけですね。平成十年、十一年で議論されています。そのときは、少なくとも保育の質を確保するということが大きな議論の集中点になっているんですね。
当時の青島知事は、民間社会福祉施設で働く職員の役割についての基本的な見解を求められて、福祉はまさに人材であり、施設職員は福祉サービスの担い手でございます、このような事柄から、よりよい施設サービスを提供してまいりますためには、高い専門性と実践的な技術を兼ね備えた、意欲あふれる人材の確保が最重要であろうと考えておりますと答弁しているんです。
そして、総務部長は何と答えたかといいますと、B経費としてリニューアルしていますが、給与の裏づけというふうにいって、保育の質は人の確保と専門性だと答えているんです。そして、人の確保については給与が大変重要な役割を果たしていると、当時の子ども家庭部長は答弁しているんです。
保育の質を高めるために人の確保が重要であり、人の確保のためには給与が大変重要な役割を果たしているというこのときの考えは、全く今は違ってしまったということなんでしょうか。
○並木参事 サービス推進費補助につきましては、公私格差是正を受けてというふうな今お話がございましたけれども、先ほど申し上げましたように、平成十一年までの公私格差是正が、補助基準どおりの職員配置を義務づけていたり、あるいは格付どおりの給与支給を義務づけていたということがあって、施設経営を硬直化させているという指摘があったということで、見直して、現在のサービス推進費補助にしたものでございます。
さらに、経験云々というお話もございましたけれども、今回の再構築に当たりましても、経験がどうこうということではなくて、経験年数だけをもとにして補助を出すということはどうなのか。より実際の利用者のサービス向上に向けたものに対して加算をしていこうということで再構築しているものでございますので、その点ご説明申し上げました。
○大山委員 ちゃんとまともに質問を聞いていてもらわないと困るんですね。前の、保育の質を高めるために人の確保は重要で、人の確保のためには給与が大変重要な役割を果たしている、この考えは今はないんですかというふうに聞いたんですけれども、どうなんですか。
○並木参事 今回の再構築に当たりましては、人件費補助等に対しますそういった考え方を、サービスの質の向上に向けたものにしていく補助、あるいは施設の努力に応じた補助ということで変えていくという中において、全体、サービス推進費補助につきまして再構築していこうということで、現在検討しているものでございます。
○大山委員 そうしましたら、さっきからサービス水準だとかいっていますけれども、そのサービス水準というのは一体何を指しているんですか。
○白石子ども家庭部長 都として望ましいサービス水準でございますけれども、施設運営に当たりましては、基本的には国が定めるサービス水準を国基準の運営費で提供すべきものでございます。
今回のサービス推進費補助の再構築は、都として望ましいサービス水準の確保と施設のサービス向上に向けた努力に対して行っていくものでございます。
保育に関していいますと、望ましいサービス水準といいますのは、大都市東京の状況を踏まえました都市型保育サービスが提供されていること、すなわち延長保育やゼロ歳児保育などの保育サービスが実施されていることなどが挙げられます。また、一人一人の子どもに対して適切な保育がより充実して行われることが必要でございます。
○大山委員 非常にごまかしがあるんですね。今いった、サービス水準は何ですかと。保育の場合は、都市型のサービスなんだ、延長保育やらゼロ歳児保育やら、それがサービス水準なんだというふうなお答えですね--例えばの話ですよ。それはサービス水準とはいわないんです。それは一つ一つの事業なんです。メニューなんですよ。メニューと、そのメニューを、例えばゼロ歳児保育をどのように質的に高めようか、それとは全く別のものなんですよね。例えばゼロ歳児保育をやるためには三対一の保育士を配置しましょう、それは事業をやるための人員配置ですよ。
そして、その事業内容を、より水準を、保育内容を高めていくためには、熟練した保育士集団が必要でしょう。ベテランも若い人も中堅の人も一緒になって、集団的に質を高めていく保育園の職員集団が必要なんですよ。その二つをごっちゃにして議論させようということ自体がそもそものごまかしだというふうに思います。
メニューがいろいろあったって、そのメニューがまずかったり、高かったりしたら、それはいただけませんよ。それはいかにメニューを--やるということは重要ですよ。延長保育をやる、ゼロ歳児の産休あけ保育をやる、重要ですよ。それはきちんと今まで都加算だといって、東京都が独自の基準を決めて、国基準では到底サービス水準は維持できない、--サービス水準というか保育の内容は充実できないということで、独自に加算してきたわけでしょう。その人員配置の基準などと保育内容の熟練と全く別物なのに、混同させないでほしいということをいっておきます。
しかも、国基準の内容がいかに低いかというのはもうわかり切ったことで、そのために、東京都だって、国基準ではできないからということで、都独自の加算をしてきたわけですし、そして、働き続けられるようにということで、人件費の経験が生きるような補助をしてきたわけですね。
国基準での保育は、子どもの安全を守れる--まして発達保障はやり切れない。保育士の職業病なども起きてくるではないか。四十年の東京の保育の歴史の中で、現場の要求として都の補助が出されてきた。補助がなくなったら、利用者サービスは大きく後退する。国基準がいかにひどいかというのは、そういうふうに現場の声でもいわれています。
そして、勤続年数五年未満の園では、毎年職員の交代があり、父母が不安を訴え、子どもたちも不安定と聞いています。三十年前の、ただけがのないように預かればよいという託児におとしめるものです。それが国基準なんだ。国基準が低いから、きちんと東京都として、自治体としての役割で、加算をしてきたわけじゃないですか。それを全く混同させるような議論はやめてほしい、こういうふうに思います。
年齢や経験年数のバランスのよい保育園にするには、経験年数をもとにした人件費の補助というのは欠かせません。公私格差是正事業から現在のB経費に変えようとしたとき、当時の地域福祉推進部長はB経費について、提案しているような形で、年齢構成のバランスのよい職員配置を行うよう努力していただければ、基本的には都の職員並みの給与が支払われるわけでございます、その中で、国の措置費と助成の人件費の総額の中で、どのようによい職員を確保し、それからベテランと中堅と若い人を組み合わせながら、チームワークとか、組織の力だとか、サービスの継続性だとか、そういうものを努力していただきながら、最終目標はもちろん利用者処遇の維持向上というところにあると考えていますというふうに答弁しているんですよ。
職員集団としての質の向上を述べています。それは経験年数をもとにした人件費助成で確保してほしいんだというふうにいっているんです。この考えは間違っているというふうに、今はおっしゃるんですか。
○吉川総務部長 先ほども申し上げましたけれども、基本的に、保育所の運営に当たっては、国が定めている水準を国基準の運営費で提供されているんだという前提で私どもは理解しております。
ですから、東京都が都民の納めた税金で保育所にわざわざ補助をするということについては、先ほど来、若干こちらが混同しているようにおっしゃいましたけれども、都民が求めているのは都市型保育サービスでございますから、そういうものにきちっとこたえるという意味で、そういう施設に対しては、都加算というか、今回のサービス推進費の補助をさせていただきたいということでございます。ぜひご理解いただきたいと思います。
○大山委員 だから、都市型のサービスをするというんだったら--するんだったらじゃなくて、それだって必要なんだから、それはそれできちんとできるように手当てすればいいんですよ。そして、その内容を高めるための助成がB経費、人件費補助なんですよ。経験年数をもとにした人件費補助だということなんですね。
だから、混同するというのはおかしいと思いますし、また、国基準が唯一の基準なんだというような趣旨のことを発言されていますけれども、国基準が、さっきもいいましたからいいですけれども--いいですけれどもというか、国基準がいかに低いのかということから出発して、この四十年、三十年ずっと積み重ねてきた、それが東京都としての独自のそれこそサービス水準ですよ。保育内容を提供するためのB経費であり、人件費補助なんだということなんですね。
現場の経営者も職員も心配しているのは、メニューはやるということと、その質の問題を心配しているわけですね。ですから、この間のずっと十年、十一年からの論議で、きちんと職員集団としての質の向上は経験年数をもとにした人件費助成で確保するんですよといってきたこととも、つじつまが合わないというふうにいわざるを得ません。
大体、経験をもとにした人件費補助をなくしてほしいという意見は私は聞いたことがないんですけれども、さっき行った調査でも、B経費廃止反対は七八%です。都の考えは理解できるというふうに二人の方が--私たちが行った調査ですよ、都の考えが理解できるというふうに二人の方も答えているんですけれども、そのうち一人は、同時にB経費廃止反対、充実改善に丸をつけています。そしてもう一人の人は、現行の補助水準維持というところに丸をつけています。都の考えにそのまま賛成という趣旨の回答は皆無という状況です。
聞きますけれども、人件費補助をなくしてほしいという意見がどこにあるんですか。
○白石子ども家庭部長 私どもの方で伺いました要望の中では、ご質問のような人件費補助をなくしてほしいという意見は伺っておりません。しかしながら、現在のサービス推進費は職員の経験年数に着目して補助額を算定する仕組みとなっておりますので、利用者サービスの向上を確認するすべがありません。都としては、現行制度のこのような問題点を踏まえまして、今回、再構築を行うものでございます。再構築に当たっての基本的な考え方につきましては、保育団体の代表者との合意が得られているところでございます。
○大山委員 ご答弁がありましたように、人件費をなくしてほしいなどという意見はないんですよ。にもかかわらず、現在のサービス推進費は利用者サービスの向上を確認するすべはなく、補助効果の検証が困難な仕組みとなっているというふうに指摘があるといいますけれども、その指摘というのはどこで行ったかといいますと、六人の委員のうち半分の三人が経営コンサルタント、残りの三人が学者という構成の提言委員会で出されたものですね。当事者は一人も入れていない提言委員会の提言を金科玉条のようにしていること自体、現場のことや実際に保育をしている人たち、子どもや保護者のことを全くないがしろにするものだというふうに思います。
補助効果の検証は困難だというふうにいっていますけれども、根拠もわからないような今回のような見直しをしたら、ますます効果の検証などしようがなくなってしまうということをいわざるを得ません。
サービス推進費はどうかといいますと、保育所における平均経験年数の分布という表を、資料を出してもらいました。この表はとてもよくわかります。サービス推進費を受けていない園は、新設園もありますけれども、五年から七年というところが平均経験年数の山になっていますね。国の運営費は五年間の経験を見ているというふうにいわれていますから、ちょうどこれに合うわけです。
しかも、例えば十三年度を見ていただきますと、経験年数七年というのが八カ所あったわけですけれども、次の年度は、順調にいけば八年というのに山が動くはずですけれども、八年は逆に減っています。つまり経験者がやめていくということなんですね。
一方、サービス推進費を受けているところの山というのは、九年、十年というあたりですね。職員の定着の変化がはっきりこの表でも出ています。
私、一言いっておきますけれども、この補助だって、びっくりするような補助じゃないんですよ、出している出しているとかいっていても。保育士になるには大体短大だとか専門学校を出て、二十歳ぐらいから働き始めますから、定年まで働けば四十年。そんな中で、平均経験年数の山がやっと九年程度なんですよ。まだまだ働き続けられる条件を整えているなどという状況じゃないということも指摘しておきます。
サービス推進費の存続、拡充を要望しているのは、私たちが行ったアンケートだけではありません。東京都保育推進協議会、保育団体協議会、これは保育五団体といって、東京の保育園の経営者の団体の、五団体ですから、ほとんどすべてですね。私立保育園連盟、それから保育問題協議会、民間保育園経営者懇話会、福祉保育労、経営者もそれから働いている人も、皆サービス推進費の継続や拡充を要望しているんです。東村山だとか杉並だとか江戸川などの各地域からも、サービス推進費存続を要望する要望書が出ています。保育関係者だとか父母だとか含めて、これだけの意見をどう考えているんですか。
○白石子ども家庭部長 さまざまな団体から意見を聞いております。そのような意見を十分踏まえまして、今回の再構築に当たっております。
○大山委員 人件費補助をなくしてくれなどという意見はない、残してくれという意見がこれだけ寄せられている中で、よくそういう答えができますよね。東社協との懇談会で合意したというふうにいっているわけですけれども、その合意したといわれた後に、なお一層の危機感を持った要請が来ています。福祉局にも来ているんじゃないですか。
保育園単位で、また父母の方たちも見えていますよ。それから職員からの切実な要望書。きのうもお母さんたちが控室に見えましたし、帰ってみたら、家にも封書で来ていました。それから、きょうも、職場からお昼休みに飛んできたんですということで、必死に本当に守ってほしいということを、要望が出ているんですね。
多摩市の私立保育園の園長会が、九月二十五日付で、東社協サービス推進費補助に関する特別委員会の委員長さんにあてた要望意見書、これを提出しましたということを、社会福祉協議会の保育部会長、それから東京都三多摩地区保育連合会会長、東京都私立保育園連盟会長、日本保育協会東京都多摩支部長、東京都保育推進協議会会長にあてて出したというのを見たんですけれども、これには何て書いてあるかというと、今回の再構築案で最大の問題点だと考える点というふうにして、現実問題としては削減率が余りにも大きい施設が多いことが問題ですが、内容的には、これまでと違って、職員の経験年数構成が全く反映しない案になっている点が最大の問題点であると考えます。したがって、都との折衝に当たっては、一律の単価アップではなく、この点を中心に強く改善を求めていただきたいと思いますというふうに書いてあるんです。
基本的な考え方が間違っているという指摘なんですね。この考え方の基本では、単価を少しぐらい上乗せしたからといって、変わるものではないといっているわけです。
そういうふうに考える理由として何といっているかといえば、再構築案を見ますと、どんな事業をやっているかというサービスのメニューと量だけが評価されていますが、大事なのはサービス(保育)の質です。サービスの質を客観的にはかることは困難ですが、一定の経験を持った職員が確保されていることが、十分条件とはいえないにせよ、必要条件であり、そういう意味でサービスの質を担保する一つの指標になり得ると思います、こういうふうに述べています。
これはごく一例で、ほかにも同様の意見が届いています。これこそ現場の声なんですよ。決して現場の方たちが納得しているわけでも何でもないということを厳しくいっておきます。
最後になりますけれども、当事者がびっくりしているのは、実際に示された単価なんです。ある区の保育園二十三園中、八割以上の削減になってしまう、その園が五園です。七割台の削減になってしまうのが三園、六割台の削減になってしまうのが四園--合わせて十六園ですね。約七割の園が半分以下の補助額になってしまうというふうに試算をされているんです。
それで、例えばこれはゼロ歳児から五歳児まで九十九人いる保育園ですけれども、約七割減になってしまいます。それから、例えばここは六十人規模のゼロ歳からの保育園ですけれども、約五割減になってしまいます。
しかも、重大なことは、努力してきたところほど大きな削減になるということなんです。ある園の園長先生は、職員勤続年数の低い園は高くなり、逆に高い園では低くなるという矛盾の根拠はどこにあるのでしょうというふうに、率直に訴えています。保育推進協議会も、長年にわたり保育水準の向上に努力を積み上げてきた施設、有能な職員を育て上げてきた施設の方がむしろ減額が多くなる傾向があるように思いますといっていると聞いています。
こういうふうな試算が皆さんが提示された単価で出されているんですけれども、どういう認識をしているのかということをお聞きしたいですね。園運営自体ができなくなってしまうというふうに考えないんでしょうか。
○吉川総務部長 先ほど来、松原先生それから東村先生からもお話がございました。そういう意味で、基本的な考え方につきましては合意をいただいたわけですから、今先生がおっしゃっている点については、局長答弁の中でも十分配慮するというふうに答えさせていただいているわけですから、ご理解をいただければありがたいと思います。
○大山委員 ちゃんと私の意見も聞いておいてくださいね。決して基本的な考え方を合意したわけではない現場の人たちが大勢いるというのを、さっき多摩市の私立保育園園長会の要望書の中身でいったとおりですよ。合意したといわれている、その後にたくさんの要請が来ているんですよ。基本的な考え方でいったらこんなことになっちゃうんだということで、単価の多少の上乗せがあったって、この基本が変わらなかったらだめなんだということをいっているわけなんですよ。
そもそもサービス推進費の見直し後の保育園への補助総額はどのように見込んでいるんですか。
○白石子ども家庭部長 先ほど来申し上げておりますとおり、基本的な項目とか努力項目とか単価につきましては、関係団体と引き続き意見交換の途上でございますので、増減額については未定でございます。
○大山委員 意見交換中ということですね。東社協との懇談会に、さっきも経過措置の話がありましたけれども、三年間の経過措置を提案しているというのは事実ですか。
○並木参事 現在、経過措置等につきましても、懇談会で意見を聞きながら、検討を行っているところでございます。
○大山委員 現場には単価を示して計算をさせて、大騒ぎになっているんですよ。私たちのところにもさまざまな切実な声が寄せられているんです。それなのに、議会には示さないばかりか、何を聞いたって、今意見交換中なんだと。しかも、単価表はといえば、計算させたら、そのまま回収していくんですよね。当事者さえもよくわからないという状況になっています。こんなことでは到底納得するわけにはいきません。
代表質問でも我が党はいいましたけれども、この問題は東京の保育水準の基本にかかわる大事な問題でありまして、私立保育園の関係者や職員や父母の納得と合意なしには進めてはいけないことです。そのためにも、単価と積算根拠の全容を都議会と都民に公開すること、それから保育関係者や父母を含めた都民的な議論をオープンな場所で行うことが必要だというふうに求めます。決まってから報告するなどというのではなく、途中経過を含めてきちんと公開をする。これは子どもの今とあしたがかかった問題です。ですから、論議の過程をきちんと公開しながら、子どものあしたをどうするのか、そして少子化対策をどうするのか、待機児解消をどうするのか、保育内容をどうするのかということを含めて、都民的な議論をする話だというふうに思います。全面的な公開を求めて、質問を終わります。
○山口委員 私も同じくサービスの加算項目についてなんですが、先ほど来策定についてはご答弁が出ていますので、割愛をいたしますが、もしお答えいただけるのであればですが、今盛んに加算項目についても意見交換中という答弁が出ているんですけれども、実際には東社協が取りまとめて、各種団体との意見聴取をしているということですけれども、こういった加算項目という具体的な部分になったときに、もう少し現場などの意見のくみ上げといいますか、意見聴取のようなものは考えられているのかどうかだけお答えしていただけたらと思います。
○並木参事 努力加算につきましては、施設が自主的に努力する項目につきまして、利用者に着目して、利用者にとって必要なサービスに対する経費を施設の努力に報いる加算ということで、都が補助していくものでございます。
その具体的な内容につきましては、今ご指摘のとおり、現在、施設代表者との懇談会において、基本的な考え方の合意を踏まえまして、意見交換を行っている段階でございますけれども、各施設グループごとにそれぞれ特色がございますので、そういった施設グループごとに、部会等と所管部等との間におきまして、意見を具体的にやっておりまして、そういう中で引き続き進めてまいりたいというふうに考えてございます。
その体制の整備につきましても、できる限り客観的に判断できるような、そういう加算項目にしていきたいというふうに考えてございます。
○山口委員 ぜひ現場の声が何とかくみ上げられるような方法も検討していただきたいと思います。
先ほど来、利用者のニーズに的確にこたえるサービス提供に変えていくための今回の再構築だということなんですけれども、利用者、家族の安心を支えるというのはもちろんですけれども、それを支えていくのは、また現場の職員の労働環境も配慮したものでなければならないと思います。
私もせんだってある保育園で、現状として、長引く不況で親の労働条件がますます厳しくなっている。父母の心の病気などもふえて、そのケアや支援も必要になっているようです。子どもへの影響も大きくて、夜要するに親の帰りが遅いために寝る時間が遅いということで、睡眠不足や、朝ご飯も十分に食べられないケースも多くなってきて、自分の気持ちさえもコントロールしにくくなっている子どもたちもふえている。一人一人の子どもや父母をしっかり受けとめて対応する保育所が今求められているということですね。
また、地域に向けた子育て支援活動として、育児相談、一時保育などを行っているんですけれども、きちんとしたスタッフがそろわないと、こういったことはできないことで、経験豊富な保育士を必要とするわけですが、このような現状に今回の再構築は十分にこたえることができるのかどうか、伺います。
○白石子ども家庭部長 子どもの状況は保護者の状況など家庭環境に大きく影響されるものでございまして、保育所におきましても、子どもの保育だけにとどまらず、保護者への対応も重要であるというふうに考えております。
また、子育て家庭の養育機能や地域における子育て機能が低下している中で、専門的な人材あるいはノウハウが集積する保育所は、地域における子育て家庭支援の拠点となることが期待されております。
今回のサービス推進費補助の再構築に当たりましては、このような保育所の機能を踏まえまして、具体的な項目につきまして、引き続き関係団体と意見交換を行っていきたいと考えております。
○山口委員 もう一点なんですが、都市型保育ということに非常に象徴されているかと思いますが、認証保育所の設立なんかの視点で特に私は感じるんですけれども、親の側、つまり大人の利便性がかなり優先されてきて、子どものよりよい成長を保障する視点が薄れているような感じがするんですが、都として望ましい保育所のサービス水準とは何よりも子どもの成長に十分配慮したものであると思うのですけれども、改めて確認させてください。
○白石子ども家庭部長 初めに、認証保育所制度の創設についてでございますが、これは、既存の認可保育所が保護者のニーズに必ずしもこたえ切れていない、それから認可外の保育施設の保育環境におきまして、多くの施設で問題が見られるといったような現状に対応するために、利用者本位のサービス提供と子どもの良質な保育環境を確保することを目的としたものでございまして、大人の利便性だけを優先したものではございません。
保育所のサービス内容につきましては、子どもと保護者の両者の視点から考えることが重要だというふうに考えております。このため、先ほど来いっております延長保育やゼロ歳児保育など都市型保育サービスの拡充を求めます保護者の切実な要求にこたえていくことと同時に、日々の保育内容が、子どもの成長、発達度合いなど、子どもの個々の状況に十分配慮したものであることが必要であるというふうに考えております。
○山口委員 次に、児童養護施設の点なんですけれども、ご承知のようにふえ続ける被虐待児の受け皿になっていて、施設は常に満杯状態であると。トラウマを抱えた子どもへの対応は、専門性を備えた心理職などがこれまで以上に必要であるにもかかわらず、なかなか国の制度として、常勤職として認められない現状もあるようです。サービス推進費の再構築により、努力に応じた補助が受けられるとありますけれども、認められれば、こういった職員など大変厳しい現状に対応できるような施設に変えられるのかどうか、伺います。
○白石子ども家庭部長 先生今ご指摘のとおり、児童養護施設は平成十五年三月現在で九七・三%という高い入所率にございます。また、その中で被虐待児も高い割合を示しておりまして、その子どもたちに対する十分な心理的ケアが必要だというふうに考えております。
今回のサービス推進費の再構築の中で、努力加算項目といたしまして、心的外傷を受けた子どもの心理療法を実施するための加算を考えております。このほか、子どもの家庭復帰を促進させるための加算とか、施設を退所した子どものアフターケア加算などについても考えておりますが、具体的な加算項目につきましては、今後、関係団体と意見交換を行っていくものでございます。
○山口委員 最後に、先ほどから出ています経過措置ですが、三年という年数が出ていますが、これはあくまで決まったものではなく、これについてもなお今後検討していくというふうにとらえてよろしいのでしょうか。
○並木参事 先ほど来るるご説明申し上げましたように、再構築に当たりましては、施設運営に支障が生じないようにするために経過措置を講じていくことを予定してございます。
その内容につきましては、現在、これも先ほど来申し上げておりますように、民間社会福祉施設サービス推進費補助に係ります懇談会の場におきまして、具体的な内容について意見交換を行っているところでございまして、その中で早急に検討していきたいと考えてございます。
○山口委員 私のところにも、本当に補助率が六〇から八〇%もカットされてしまうというような施設の方の訴えも聞いております。ゼロベースで再構築というところで、ゼロベース、つまり補助が廃止されるんだというところが非常にひとり歩きして、現場で大変混乱が生じているんじゃないかと思うんですね。次世代支援推進法も成立して、子育て支援策をますます充実させなければいけないときに、ぜひ現場での混乱が起きないような方策を都は講じていただきたいと思います。
終わります。
○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉局関係を終わります。
この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
午後三時五分休憩
午後三時十八分開議
○森田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより健康局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第百九十五号議案、東部療育センター(仮称)建設工事請負契約を議題といたします。
本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○吉田委員 いよいよ工事契約に至りましたけれども、関係者の皆さんの長年の努力に心から敬意を表したいと思います。
三点ほど、この機会に質問をさせていただきます。
一つは、この東部療育センターの建設には、東部療育センターをつくる会からの要望が寄せられてきたという経過がありましたけれども、こうした関係者の方々の要望というものが設計にどのように生かされているのか、あるいは今後もさまざまなご要望があるかと思うんですが、当然生かしていくという立場でご努力していただきたいと思うんですが、この点いかがでしょうか。
○海老原事業調整担当部長 東部療育センターの建設に当たりましては、東部療育センターをつくる会からのご要望も踏まえながら、入所機能や地域療育機能の充実など、都の基本的な考え方をまとめたところでございます。
また、つくる会より寄せられました要望事項につきましては、例えば車いすの利用者が来院時に雨にぬれることのないよう、駐車場の車寄せ部分に雨よけを設けるなど、実施設計の中でもできる限り取り入れたところでございます。
今後もご要望に対しては誠意を持って対応し、できるだけ反映させるように努めてまいります。
○吉田委員 ぜひそうした努力をしていただきたいと思うんですが、細かい点もありますけれども、当事者の方々が一番強く要望していることの一つが、超重症児への対応を望むということだと思うんですが、こうした超重症児への対応については、どのように対応されようとしているのでしょうか。
○海老原事業調整担当部長 重症心身障害児対策といたしまして、人工呼吸器など医療的ケアを常時必要とするいわゆる超重症児への対応は重要課題の一つであると考えているところでございます。
このため、東部療育センターにおきましても、超重症児の受け入れを可能とするため、実施設計に当たりましては、すべての病室に医療ガスを配管するなど、設備の整備をすることとしております。
○吉田委員 最後に、一日も早い開設をということで要望しております。この契約だと平成十七年半ばということだと思うんですが、くれぐれもおくれることのないように、一刻も早い開設に向けて努力していただきたいんです。いかがでしょうか。
○海老原事業調整担当部長 本契約案件につきましては、ご採決をいただいた後、工事請負契約を確定させまして、直ちに着工、平成十七年度に竣工する予定でございます。
本施設につきましては都民要望も強く、注目されている施設ということでございます。施設としての開設につきましては、工事竣工後、平成十七年度中のできるだけ早い時期に開設できるよう、最善の努力を払ってまいります。
○吉田委員 最後に、これは要望として述べさせていただきますけれども、定員が百名程度ということで進められておりますけれども、養護学校等の状況からすれば、早晩定員をオーバーするということも考えざるを得ません。今この時点でその次の計画をといわれてもお答えにくいかもしれませんけれども、そうした状況を踏まえて、今後も大いに新たな施設整備についても検討していただきたいということを要望として述べさせていただいて、終わります。
○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案につきましては異議ない旨財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○森田委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百八十六号議案及び第百八十七号議案を一括して議題といたします。
本案につきましてはいずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
○森田委員長 次に、多摩地域における小児医療体制についての報告事項に対する質疑を行います。
なお、本件は健康局のほかに病院経営本部所管分がありますので、本日は病院経営本部の理事者にもご出席をいただいております。ご了解願います。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○浅井総務部長 九月十七日の本委員会におきましてご要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
お手元配布の厚生委員会要求資料をごらん願います。
資料は、過日ご報告させていただいた多摩地域における小児医療体制について並びに区西部地域病院(仮称)の医療機能等についての報告事項二件につきまして、ご要求のありましたものを一冊にまとめさせていただいたものとなっております。
目次にございますように、資料は七項目から成っておりまして、資料1は多摩地域における小児医療体制に関するもの、資料2から7までは区西部地域病院の医療機能等に関するものでございます。
まず、多摩地域における小児医療体制についてのご質疑に当たりまして、資料1についてご説明をさせていただきます。
それでは、一ページをお開き願います。
資料1、多摩地域における小児医療体制検討会まとめ(素案)に対する市町村及び医師会の主な意見と要望でございます。本年八月五日に検討会のまとめを素案として公表いたしました後、多摩地域の市町村及び医師会からいただいた主な意見や要望の内容を取りまとめ、記載いたしましたものでございます。
なお、注にもお示しいたしましたとおり、市町村の欄につきましては、八月十九日と二十日の両日に開催いたしました多摩地域の市町村との意見交換会で出されました主な意見、要望をまとめたものでございます。
また、医師会の欄につきましては、八月二十一日に東京都医師会及び多摩地域の地区医師会へ説明を行いました後、都医師会及び地区医師会から出されました主な意見、要望をまとめたものでございます。
以上、簡単でございますが、多摩地域の小児医療体制についてに関する部分の説明とさせていただきます。
○森田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○萩生田委員 それでは、何点か質問をさせていただきたいと思います。
既に、本件に関しては、今議会で一般質問の機会をいただきました。両局にまたがる質問で、健康局長から大変前向きな答弁をいただいておりますが、とはいうものの、せっかく二年間厚生委員会に籍を置かせていただきましたし、私が十三年に都議会に当選をしたときには、既に都立病院改革が始まっていたわけなんですけれども、その前にも先輩たちがきちんとした公の議場の場で発言をして、議事録に残していたことが覆されてしまったわけですから、そういう意味では念を押して、最後に、せっかく両局が集まったこの機会に、幹部の皆さんに一言ずつ決意をいただきたいな、こう思っているところでございます。
この二年間、私、一貫して小児病院の移転問題については取り組んできたという自負がございます。ある意味ではこの問題にすべてをかけてきた、こう申し上げても過言ではないというふうに思います。この二年間、本会議あるいは予算委員会、厚生委員会を通じて、十分な議論を皆さんと一緒にしてきたというふうに思っています。
小児病院の移転は、東京都が地元の八王子市に相談することなく、ある意味では前言を翻したわけでございまして、当初は私は大変な憤りを感じて、この都政に参画をしました。
これまでの論戦を経て、自分なりにも都の考え方に対する理解を深めてまいりましたし、また、地域の小児医療に対する東京都の認識も変えていただいたというふうに信じております。
私の考え方は先日の一般質問で述べたとおりでありますが、あえて補足をすれば、医療の提供については、そこに病院があって、住民にとって十分な医療が提供できれば、その医療を提供する主体は、国立病院であろうが、都立病院であろうが、あるいは大学病院であろうが、民間の医療法人であろうが、そのことは私は関係ないというふうに感じております。
また、初期ですとか一次ですとか、三次、二次、こういう区分でございますけれども、医療提供側の体制としては、行政的な観点からは理解できますけれども、受診をする側からすると、余り意味がない区分だというふうに私は思っております。特にこの間の医療事故などを見ても、小児の場合は一瞬にして容体が変わるわけですから、はい、あなたはここまでで一次医療ですよ、二次救急ですよ、三次医療ですよという区分は余り考えないで、東京都としてはもう少しグローバルな小児医療の充実策というのを考えていただくべきだろうと思います。
多摩地域に医療資源が不足しているのは、この報告書からも明らかになりました。こうした多摩の医療の実態をもとに、この報告書では、多摩地域における小児医療の充実を図る、こういっております。
しかし、現実にはそれほど簡単に達成できるものではなくて、長期的なスパンで考えていく必要があるというふうに思います。もう既に委員会や本会議で何回も議論してきましたけれども、小児医療というのは、大変手間がかかり、しかも危険性が高く、そして、今の診療報酬に照らし合わせますと、採算が合わない。不採算な医療でありますから、残念ながら民間の皆さんが好んでこの小児医療に積極的に参入していただける、こういう期待は現段階ではできないわけでございますから、この辺、短期的には現在の医療資源をいかに活用して急場をしのいでいくかというのも重要なことでありますけれども、長期的にはこれからどうやって東京の小児医療を--きちんとした計画をつくって、その関係機関をきちんと仕切っていくこと、これがある意味では東京都の役割だと思います。
まして今回の問題は、小児の総合医療センターの移転統合がその契機になって始まった問題でありますので、健康局と病院経営本部はこのことを十分に認識した上で、今後責任を持って、確固とした医療体制をつくっていただきたい、こう要望しておきたいと思います。
本日は、多摩の小児医療の充実に関して、健康局と病院経営本部の幹部が一堂に会しているので、両局の責任ある立場の方々に確認の意味を込めてお伺いをしたいと思います。
まず初めに、医療サービス部長にお聞かせいただきたいと思います。
報告書では、多摩地域のNICUの充実を図るといっておりますが、八王子小児病院の移転により八王子市内に穴があくNICUやドクターカーについては、何よりもまず他の地域に先駆けて整備を行うべきだというふうに考えております。
このことは一般質問の中でも触れましたけれども、都立病院とドクターカーというのは、もともと違うツールであって、たまたま不足をする多摩の医療圏の小児医療を補完するためにスタートしたのがドクターカーなわけですから、これは、なおさら、病院があるところに足りないといって置いたドクターカーを、病院を移すところからまた持っていってしまったのでは、これはもっと大きな穴があく、こう感じているわけですけれども、この点について明快な答弁をいただきたいと思います。
○梶山医療サービス部長 多摩地域のNICUが区部に比べて少ないことは十分に認識しており、今後とも、八王子市内を初めとした多摩地域の新生児医療に対応可能な医療機関に対して、周産期母子医療センターやドクターカーの整備を積極的に働きかけるとともに、その整備促進に向けての充実を図ってまいります。
○萩生田委員 基礎的自治体である区市町村が地域の医療機関の連携協力で小児救急医療を確保するといっても、医療資源自体がなくて、また十分な財源のない自治体もあるわけです。地域での救急医療を確保するためには、もっとさまざまな視点から支援のメニューを考えるべきだというふうに思います。
今回の議論の中で、多摩地域については、例えばNICUをふやすふやす、あるいは小児医療を確保するといっても、それにたえ得る医療基盤がないということが浮き彫りになったことが報告書の大きな意義だというふうに思います。
それから、議論の中でもずっとお話ししてきましたけれども、大変広い市域、交通網も、限られた幹線道路が都道であっても片側一車線しかない、あるいは救急車がサイレンを鳴らしても渋滞時には前に行けないというような多摩の交通網の不備等々についても私は質疑をしてきたつもりでございまして、こんな点を考えますと、多摩地域については、もっともっとさまざまな視点からの支援のメニューを考えるべきだというふうに思いますが、ご見解をお聞かせください。
○奥田医療政策部長 市町村が担います初期救急についてのお尋ねかと存じますが、地域の小児科医師数はもちろん、二次救急医療機関との連携あるいは交通アクセスであるとか、さまざまな条件を踏まえまして、整備していくことになります。
このため、今回のまとめでは、市町村が地域の実情に応じてより効果的な施策を行えるよう、多様な支援を実施することとしているところでございます。
都といたしましては、今後、市町村や地元医師会など関係団体と十分協議しながら施策を具体化していくことになりますが、支援策につきましては、引き続きさまざまな視点から検討してまいりたいと存じております。
○萩生田委員 一般質問の中でも触れましたけれども、率直に申し上げて、不採算であって、しかし行政的には必要な小児の医療については、ある意味では地域が積極的に取り組んで立ち上げをしてきた医療の確保策に対して、だれがやったって不採算なんですから、その部分は公のお金を投じて確保していく以外方法がないんじゃないかということで、局長にも答弁を迫った経緯がございます。
ほぼニュアンスは一緒だったというふうに答弁を感じておりますので、その推移は期待をしたいというふうに思いますけれども、小児の総合センターを府中につくって、東京都における小児医療の拠点とする考え方は理解できる、私は再三こう申し上げてまいりました。多摩地区の地形から考えれば、当初計画の八王子、しかも高尾山のふもとよりは府中なんだろうな、これは冷静に都議会議員として考えれば、やむを得ないことだろうというふうに思っております。
しかしながら、報告書の中でもありますように、その病院が移転をするということになった後の小児医療体制の確保は大変重要な課題だというふうに考えております。報告書では、総合医療センターが地域の小児医療を支援、補完するという役割を持つことが記載をされておりますけれども、このセンターでの医療提供だけではなく、例えば地元の八王子市が八王子小児病院の移転後の土地を活用したり、あるいは建物を活用して小児医療を確保したいとの意向を示した場合、支援の一方策として病院経営本部がそれにこたえていく用意があるのではないかというふうに思うんです。
いいかえれば、あの古くなった老朽化した病院を万が一どなたかが引き受けて、小児の医療の核として引き受けるよ、こういうことももしかしたら考えられなくもない。あるいはまた、私が再三提案しているように、民間の医療機関にきちんとコアとして小児医療の確保をした場合にそれに対しての補助をしてほしい、こういうシステムもあるというふうに思うんですけれども、いずれにしても八王子に長い間都立の小児病院があったわけですから、この跡地利用については、地元の自治体と柔軟に、何もマンションに転売するとかなんだとか、そういう方向じゃなくて、何か医療に寄与できる使い方があるんだとすれば、これは病院経営本部として、一般財産として財務局にすぐに預けてしまうのではなくて、地元の意向を尊重しながら、土地活用ということの中で、医療の確保策に何か寄与する方法があるんじゃないかというふうに思いますけれども、この点についてお答えいただきたいと思います。
○押元病院経営本部経営企画部長 お答えを申し上げます。
仮に八王子市が八王子小児病院の移転後の土地を活用して小児医療を確保したいというご意向を示された場合でございますが、基礎的自治体がみずからの責任において地域の小児医療を確保していくということは、私どもこの委員会の場でも再三申し上げておりますとおり、都民に対する極めて適切な小児医療の提供体制を構築することにつながるというふうに考えられますので、大変重要かつ貴重なご意向であるというふうに、私どもこれを前向きに受けとめまして、できる限りのご協力をしてまいりたいと考えております。
○萩生田委員 過大な期待はしてほしくないですけれども、八王子がその病院を引き継ぐとか、そういうことはまず万が一あり得ないと思うんです。要は東京都の病院があった土地をうまく展開することによって医療の確保につながるのだとすれば、これは、再三いうように、だれがやったって不採算な医療なわけですから、その不採算医療に地域とタッグを組んでやっていただけるパートナーが出てくるんだとすれば、これは何とか支援をしていただきたい、こういうふうに思っております。
小児病院の移転に当たっては、何よりも地元自治体である八王子市や清瀬との、小児の地域医療の確保策も含め、十分な協議を行うことが最も重要だと思います。それでなければ、小児病院の移転統合を断じて地元の皆さんが納得をしたり認めることはあり得ないだろうというふうに思うんです。小児病院の移転に当たり、両市とはどのような協議を進めていくのか、お伺いします。
○碇山病院経営本部長 清瀬市と八王子市との協議ということでございます。
二つの小児病院の移転に当たりまして、地域の小児医療の確保等について、地元自治体であります両市と協議していくということは、ただいま萩生田委員がご指摘のとおり、大変重要であると私も認識してございます。
これまでも、私ども病院経営本部と健康局、地元自治体の三者によりまして、地域の小児医療の確保について検討を進めてきました。今後とも、この報告書の考え方を踏まえまして、具体的な小児医療の確保策あるいは都としての支援策、小児総合医療センターによる地域医療への支援策などについて協議を進め、小児医療提供体制の充実を図ってまいりたい、かように考えてございます。
○萩生田委員 本報告書は多摩地域の小児医療を充実する大きな契機となるというふうに期待をしますけれども、小児医療の充実は非常に時間のかかる問題だと思います。当面小児病院が移転をするとされている平成十九年度までを一つのステップとしてとらえ、移転が予定されている地域について、確固とした医療提供体制を構築する必要があると考えますが、ご見解をお伺いしたいと思います。
○平井健康局長 八王子小児病院は八王子小児病院として、清瀬小児病院はまた清瀬小児病院として、長い間地域の住民の期待にこたえてきた病院でございます。
これまでこの都立小児病院が実態として果たしてまいりました機能を補完するための取り組みが必要であることは、十分理解しているところでございます。そのため、都立小児病院の再編に伴って必要となる地域の小児医療確保について、地元市が主体となって医療機能整備を行う場合には、都としても、委員ご指摘を踏まえまして、その実現に向け、積極的な支援を行ってまいる考えであります。
○萩生田委員 最後に申し上げたいというふうに思うんですけれども、今五人の幹部の皆さんから、それぞれこの二年間の総括的な答弁をいただきました。
私は、率直に申し上げて、都議会へ挑戦をするときの選挙民の皆さんとの公約は、この都立病院の移転問題については阻止をする、こういうお約束をして、都政の壇上に参りました。ですから、この二年間の言動を見れば、一部の皆さんからすれば、約束が違うじゃないか、こういう方たちもいらっしゃいます。
ただ、私は、政治あるいは行政というのは生き物でございまして、動きながら次の一手といいますか、さらにいい方法を考えればいいんだというふうに思っていまして、都政に参画してみて、都立病院のある意味では限界というのも感じました。
はっきり申し上げて、私は、都立病院というのは都民に信頼をされたすばらしい病院でありますけれども、しかし、その中身をいろいろいろいろ精査していきますと、例えばスタッフドクターの確保には、いずれにしてもどこかの大学に、医局にお願いをして、ドクターの派遣をしてもらわないと、東京都が都立大学で医学部を持って、東京生まれ、東京育ち、東京のために頑張るというドクターの育成をしているわけじゃないわけですから、そうしますと、看板は都立病院ですけれども、その地域、地域によって、頼る大学によって、ある程度人的な偏りが出てくることも、これは否めない事実だと思うんです。
ですから、都民の皆さんから信頼をいただいている都立病院というのは、公立がゆえの安心感であって、じゃ、その医療の中身は本当に首都東京としてふさわしいかというと、残念ながらそこまで達してないんじゃないか。これからまだ研さんを積んでもらわなければならない部分が都立病院全般的にあるんじゃないかというふうに思いますので、これはぜひ今後の検討あるいはご活躍を期待したいと思うんですけれども、と同時に、やっぱり東京の果たす役割というのは、たとえ不採算であっても、地域に必要な医療の確保をしたり、あるいはその採算を度外視してでも、都民の皆さんの命をつないでいく、こういうところにある意味ではあるんだろうというふうに思うんです。
いいかえれば、採算の合う医療であるのだったら、民間病院が幾らでもやってくれるわけですから、その点を、東京都の役割を見直す大きなきっかけをつくったのが今回の病院改革会議だったと思うんです。
本会議の中でも申し上げましたけれども、確かに専門家といわれる方あるいは有識者といわれる方から冷静な第三者の意見を聞いて、物事の方向を決めることも大事ですけれども、やっぱりこういう問題というのは、地域から出てくる人たちが地域の隅々まで熟知をして、そして、議会という場を通じて都民の代表の声をぶつけ合って、真の地域の実態がわかってくるわけですから、私は今回の報告書というのは、手前みそじゃなくて、本当に行政側の皆さんも真摯に多摩地区の小児医療の何たるかを考えていただいたし、また、議会側もそれぞれの地域の知り得る限りの現状をぶつけて、大変いいものができ上がったんじゃないか、こういうふうに思っております。
ですから、この中で、ぜひ今までの議論を踏まえて、結果として移転を前提にされている地域の都民の皆さんが不安を持たないような、そういう新しい施策というのを一日も早くきちんと目に見える形で出していただきたい。
もう大体大詰めに来ましたので、何とか、たとえ不採算であっても地域に必要な行政的医療は、民間の活力を上手に使いながらその医療提供をしていけば、私は、再三申し上げている、これは持論かもしれませんけれども、患者さんにとっては、国立でも、都立でも、私立でも、きちんとした医療を地域で確保してやってもらえれば、これで十分安心して生活できるわけですから、そのことのある意味ではリーダーシップを東京都の両局がしっかり発揮をしていただきたいな、こんなふうに思っているところでございます。
根本的に変えなければならないような問題については、当然のことながら、小児科診療の報酬の見直しですとか、あるいは根本的な小児科ドクターの確保策ですとか、これは大変微力でありますけれども、私、この先もしっかり頑張ってやっていきたい、こんな思いでございますので、ぜひ本日までの議論を重く受けとめていただいて、東京の小児医療がさらに充実するように、両局の皆さん方のそれぞれのご奮闘を心から期待を申し上げまして、最後にいろいろお世話になりましたことを感謝申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○小林委員 私は、今回二つ病院が移転する、清瀬の方の北多摩北部の医療圏に入ります小平でございますので、八王子とはちょっと違いますけれども……。
最初に、今回のまとめを作成するに当たり、地元市あるいは地元の医師会の意見を聞いたということでございますが、私の選挙区の小平市や清瀬市が属する北多摩北部二次保健医療圏の各市、各医師会からはどのような意見が出ているのか、まず最初にお伺いいたします。
○酒井企画担当部長 各市、各地区医師会からの意見についてでございますが、市からは、多摩地域の中でも、小児医療における医療資源や提供体制に格差があることを踏まえた施策の推進が必要であるなどの意見が出されております。
また、地区医師会からは、一つの市が単独で小児初期救急医療体制を整備することは困難であるなどの意見が出されております。
○小林委員 今おっしゃられたような意見を踏まえて、今後、東京都はこの地域の小児救急医療体制の確保に向けてどのように施策を具体化するのか、お伺いをいたします。
○奥田医療政策部長 多摩地域における小児医療対策につきまして、特に問題となりますのは、夜間、休日の救急医療体制だというふうに考えております。このため、地域の実情に合った体制整備が行えるよう、初期救急医療事業を複数の市町村が協力して実施する方式、あるいは小児の二次救急医療を担う病院の一部を利用して地域の小児科医が当番制で診療を行う方式など体制を確保した場合も、補助の対象となるように努めてまいります。
なお、都立清瀬小児病院の移転に伴う小児医療の確保につきましては、公社化する多摩老人医療センターに小児科を設置いたしまして、体制整備に努めてまいります。
○小林委員 二次医療機関である病院を活用した初期救急確保への具体的な取り組みとして、小平市では、小児科医師の有志が小平市内にあります公立昭和病院の施設を利用して準夜間帯の初期救急診療を始めております。このような動きを東京都はどういうふうに評価しているのか伺います。
○奥田医療政策部長 市医師会が公立昭和病院と協力いたしまして、夜間の小児初期救急医療を週一回程度実施していることは承知しております。
このことにつきましては、開業小児科医が少ないなどといった地域の実情を踏まえた主体的かつ積極的な取り組みといたしまして、都としても非常に高く評価しているところでございます。
○小林委員 このような取り組みは私は歓迎すべきだというふうに思います。そしてまた、積極的に支援すべきだというふうに思います。小平市のみならず、北北地域の小児医療確保に向けた方策として、都としても実現に向けて地元市や地区の医師会との協議を具体的に進めるべきだというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
○奥田医療政策部長 北多摩北部保健医療圏における小児医療確保のための具体的な取り組みや仕組みづくりに当たりましては、このたびの小平市における取り組みはもちろんのこと、医療資源の実態であるとか、あるいは地域特性を踏まえながら、関係市町村や地区医師会と今後とも十分協議してまいります。
○東村委員 ただいま萩生田委員の方から、特にこの八王子の都立小児病院の統廃合問題について、移転後の問題について、きょうは珍しく穏やかな口調で、力強く、国から変えていく、そういう決意をされていました。私はしっかりと残って、都の立場からタッグを組んで、この問題を引き続き取り上げていき、本当にこれは具体的に実現するまで取り組んでいきたいと思います。
大事なのは、先ほどいっていましたけれども、要は、病院という形が残るんじゃなくて、今都立八王子小児病院が担っている機能、特に、心臓外科なんかもあるんですけれども、私は、心臓外科は、いわゆる小児総合医療センターに移っても、これは対応できると思っているんです。むしろNICUの問題なんですね。これについては、やはり八王子になければならないということ、あの地域になければ間に合わないということを再三いってきたわけであって、これについては引き続きどんなことがあっても、またこの厚生委員会で取り組んでいきたいと思っております。
平成十三年七月、私、これは忘れもしないんですけれども、当選して間もなくでした。この都立病院の改革会議が報告書として出されたわけですね。あのとき、ひっきりなしに事務所に一日数本の電話がかかってきたのを今でも覚えております。それくらい八王子市民にとっては、あのとき、報告書が出たときに石原知事がいった言葉というのが非常に重かったんです。どういったかといいますと、要するに地域医療は地元の市がやればいいじゃないか、こういう話をされたんです。
恐らくそのときの東京都のスタンスというのは、地域医療は地元自治体の責任だというスタンスだったと思うんですね。その間、予算委員会とか一般質問だとかこの厚生委員会で、恐らく皆さんがまたかというくらい取り上げさせていただきました。
そして、多くの皆さんもこれに協力をしていただきまして、今回、本報告書において、多摩地域のNICUなどの高度専門医療については東京都が責任を持って整備していく、こういうスタンスに変わってきたことは、なかなか簡単に地元住民ってここまでは理解してもらえないかもしれないけれども、物すごい大きな変化なんだということを今感じているわけですし、評価をしております。
また、この多摩の小児医療についても、区部との格差を認めてもらいましたし、今後、多摩地域の小児医療充実に向けて、都としても各種の支援策を真剣に検討を始めた、これについても私は大いに評価をしております。
まだ具体的な内容までは明らかになっていませんけれども、今後それぞれの地域の事情を踏まえるとともに、先ほどもお話が出ていました、地元自治体と十分に協議した上で、恐らくこれは来年度の予算の目玉の一つになってくるんじゃないかと私は思っておりますが、明らかになるということも期待しながら、何点か質問したいと思います。
そこで、現時点で地域の小児医療対策としてどのようなものを考えているのか、まず、それについて伺いたいと思います。
○酒井企画担当部長 区部に比べ医療資源の少ない多摩地域において小児医療体制を整備するためには、地域の医療資源の実情や地域特性を十分に踏まえながら施策を充実させる必要がございます。
そのため、これまで市町村単位で整備を進めてきました小児初期救急医療事業を、数市の市町村が共同して行う場合にも支援の対象とするとともに、圏域内にある複数の病院の輪番制により二次救急医療を確保するなど、効果的な施策展開を図ってまいります。
なお、施策の具体化に当たりましては、市町村や関係団体と十分に調整してまいります。
○東村委員 大事なことは、くどいようですけれども、市町村や関係団体と十分に調整していく、これを、何度もいいましたけれども、受け身ではなくて、積極的に都から行っていただきたいんですね。まだ市町村がそういう体制になっていないからじゃなくて、積極的に行っていただきたいと思うんです。
その上で、くどいようですけれども、八王子の小児病院が有している機能のうち、地元にどうしても残さなければいけないのはNICUなんです、紛れもなく。そこで、これは公社化になって反対する人たちもいるかもしれませんけれども、極端な話、私は公社化だっていいと思っているんですよ、機能がきちっと残れば。本当にいいと思っているんですね。
そこで、今回は特にこのNICUとドクターカーの問題について、もう一度確認の意味も踏まえて、何点かお伺いしたいと思います。
NICUの整備については、この報告書にもありますとおり、多摩地域と区部との格差が本当に著しくて、出生千人に対するNICUの病床数では、区部が二・二床に対して、多摩地域は〇・八床、これが現状です。都としても、やはりこれは知っていたと思うんです。これまで、知っていた上でさまざまな対策をとってきたと思うんですが、まず改めて、その内容について伺いたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 多摩地域の周産期母子医療センターと、NICUは有してはおりませんけれども新生児医療に対応可能な医療機関との連携を強化するため、平成十二年度からでございますけれども、多摩地域周産期医療連携強化事業を実施してまいりました。
これにあわせまして、この事業への協力を得ている多摩地域の十三の医療機関に対しましては、直接出向いてお願いをするなど、周産期センターへの整備に向けた働きかけを行ってきたところでございます。
○東村委員 今、周産期センターへの整備の働きかけを直接出向いて行ってきたという話があったんですけれども、現実問題として、これは結果に結びついてきていないわけなんですよ。これだけのことをやってきて、どこに問題があったということを率直に認識されているのか、伺いたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 多摩地域に周産期母子医療センターの整備が進まない主な理由といたしましては、多摩地域には、区部に比較いたしまして、周産期医療に対応し得る総合的な診療基盤を有する医療機関が少ないこと、また、新生児医療を専門とする小児科医や看護師を常時確保することが困難なことなどが主な原因であると考えられます。
○東村委員 これ以上やっても堂々めぐりになってしまうと思うんですけれども、このようなことはわかっていたことなんですね。わかっていて、それでいて、働きかけをしてきました、ところが、やっぱりどうも進みません、これじゃ、片や、こちらは統廃合する、片や、その機能を残していかなければいけない地域に遅々として何も進まない。こういう現状は、都としては、八王子とまた地元多摩の各市町村との協力をしなければいけないんですけれども、本当にこれは認識をしてもらいたいと思うんですね。
NICUを一床整備するのにも物すごいお金がかかるんですという、それもわかるんです。わかるんですけれども、こういう状況にあるという、やってきたけれども実現しなかったということ、それはやっぱりそれなりにきちっと、これはもう知りませんよじゃなくて、皆さんの力で何とかしようという前向きな対応を考えていただきたいと思うんですね。
そこで、この報告書の一九ページに、多摩地域において新生児医療に対応可能な十三の医療機関と多摩地域の周産期センターとの連携を強化するとあるんですけれども、地域の、最初に、お子さんが生まれる分娩取扱医療機関、そして新生児医療に対応可能な医療機関十三、それからさらに周産期センターとの連携強化システムをやっていく、それについて、まず具体的にどうしていくのかということを明らかにしてもらいたいと思います。
○梶山医療サービス部長 今回の報告書でお示しいたしました多摩地域の周産期母子医療センターと地域の医療機関とのさらなる連携についてですが、そのイメージとして考えておりますことは、地域の分娩取扱医療機関で突発的にトラブルが生じた際に、新生児医療に対応可能な十三の協力医療機関が緊急に母体や新生児を一時的に受け入れた後に、さらに周産期母子医療センターに転送する仕組みや、NICUでの集中治療により急性期を脱した乳児を周産期母子医療センターから地域の協力医療機関に後方転送する、いわゆるバックトランスファーなどであり、こうした新たな連携システムの構築について今後検討を重ねてまいります。
○東村委員 今お話がありました、突発的にトラブルが生じた際という、この問題なんですけれども、これは平成十四年度の予算審議のときの予算特別委員会で私が取り上げさせてもらった問題なんですね。
当初、当時衛生局といいました、衛生局は、周産期医療センターが府中にできるんだから、母体が危ない段階でもう府中に行ってもらえばいいという話をされていたんです。何度もそれをされていたんです。
ところが、具体的な事例を取り上げて、府中に、そういうところに行く前に、周産期医療センターに行く前に、この分娩機関で突発的にトラブルが発生して生まれてくる千グラム未満、千五百グラム未満の子どもがいるというデータを取り上げたときに、初めてその認識を当時の衛生局はしてくれました。それをもとにやっぱりこういうシステムをつくってくださった、これを考えたということは大事なことですし、このバックトランスファーの機能も考えてくれたということは大事なことなんですけれども、ただ、これだけじゃやっぱりだめなんですね、本当に。これだけじゃだめなんです。一時的に何とかして、落ちつけば転送するという、これだけじゃだめなんです。
大事なのは、この転送する、このトランスファーの仕組みで、ポイントになるのは、これはやっぱりドクターカーなんですね。やっぱりドクターカーというのは、この連携システムの中の最も大事な部分だと私は思っているわけです。あるだけじゃだめだ、やっぱりそこにドクターカーがきちっと配置されていなければ、この問題は根本的に解決しないだろうと。そこで、現在、八王子小児病院に一台あります、このドクターカー。これを多摩地域に増配置することが、やっぱり何といってもこのトランスファーの仕組みからすれば不可欠なんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○梶山医療サービス部長 現在、都立八王子小児病院に配備されております新生児ドクターカーは、多摩地域の周産期医療を支える上で大変大きな成果を上げてきていると認識しております。今後とも広域な多摩地域での新生児搬送を適切に行うため、新生児ドクターカーを新たに配備してまいります。
○東村委員 新たに配備する。まあ、何台かとはいっていませんけれども、新たに配備する。一台かもしれませんけれども、でも、健康局としては本当に前向きな答弁をしていただいたと思います。本当にこれは複数配置していかなければ、もう厳しいんじゃないかと私は思うんですね。
で、この増配置の際に大事なことは、新生児ドクターカーを新たに配置しても、それをまた府中の周産期センターに持っていかれたら何の意味もないんです。先ほど取り上げたように、まずやっぱり新生児の治療に一次的に、突発的にトラブルが起きたときに受け入れる、この新生児の医療に対応可能な十三の医療機関があります。こういうところにまず配置すべきなんじゃないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○梶山医療サービス部長 新生児ドクターカーを運用するに当たりましては、新生児医療を専門とする小児科医が添乗し、搬送途中から適切な処置を行うことが必要であることから、ドクターカーは、こうした添乗する医師を確保できる医療機関に配備することが望ましいものと考えております。多摩地域の医療機関へのドクターカーの配備については、こうした点を考慮して検討してまいりたいと考えております。
○東村委員 病院が、小児科医が添乗できないから配置できないというのは、これはわかるんです。それはやっぱりいろんな意味からサポートしてあげられるような体制を東京都がつくってあげてほしいんですね。それをまず要望したいと思います。
それで、もう一つお聞きしたいんですが、この新たな連携の仕組みづくり、分娩機関、そして一時的に受け入れることが可能な、一般的にはNICUもどきといういい方をしているそうですけれども、そういう十三の医療機関、そして周産期医療センターという、この連携の中でドクターカーを新たに配置してもらう。これも大事なことなんですけれども、やはり根本的に必要なのは、やっぱりこの周産期センターが区部並みに整備されるということなんですね。そこで、伺いたいんですけれども、この新たな連携の仕組みづくり、これは過渡的なものなのかどうなのか、これについて見解を伺いたいと思います。
○梶山医療サービス部長 多摩地域周産期母子医療連携強化事業は平成十二年度から開始いたしておりますが、ご指摘のとおり、周産期母子医療センターが整備されるまでの間の補完的役割を担う事業でございます。
○東村委員 補完的役割をするということでよろしいんですね。ということは、これはやっぱり最終的にはこの多摩地域の現状を認識している限り、NICUの整備はやっていくということと私は認識したいと思うんです。
そこで、NICUの整備目標病床数というのは、出生千人当たり二床なんです。二床としていますよね、目標は。先ほど述べましたけれども、多摩地域においては、出生千人当たり〇・八床なんです。これを、多摩地域においてNICUを千人当たり二床とするためには、全部で七十五床必要なんです。七十五床必要なんですけれども、東京都が小児総合医療センターをつくるという、つくった後でも、これを入れても三十六床足りないんです、三十六床不足するわけなんですね。
しかも、小児総合医療センターを含む三十九床のNICUは、三鷹市にある杏林大学が十五床、それから、小児総合医療センターができ上がって、増設しても二十四床。府中です。二つともこれは北多摩南部保健医療圏なんですね。小児総合医療センターが東京全体の医療センターということを考えれば、そこには含まないという考え方をすればそうかもしれないんですけれども、それでも北多摩南部保健医療圏に集中しているわけなんです。
そこで、現在のこの十三の医療連携機関は、多摩の各保健医療圏にそれぞれ一医療圏ずつ全部配置されているわけなんです。ということは、近い将来、先ほどいいましたように、過渡的な措置ですから、この多摩の地域の周産期センターを整備していくという観点からは、ぜひとも地域的なバランスを考えてもらいたいんですね。残り三十六床不足しています。これを、地域的なバランスを考えてもらいたいということと、もう一つは、何といっても現在、八王子、清瀬というのは、八王子市、清瀬市を含む周辺地域をカバーするNICUを有しているわけです。そこでうまく連携をとりながらやっているわけですから、まずはこの現在八王子、清瀬の地域が持っているNICU、これを、万が一統廃合に当たっては真っ先にこの地域を整備していくべきなんじゃないかと、私はこのように考えるのですけれども、最後に局長のこれに対する決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
○平井健康局長 従来、周産期医療は高度医療であるとの考えのもとに、都全体を一つの圏域としてとらえましてNICUの整備を進めてきたところでございます。しかしながら、多摩地域は区部に比べてNICU病床が少ないという現状がございます。また、移動距離の問題や退院後の通院事情等を考えますと、多摩というエリアを考慮した配置が望ましいものと考えております。今後とも、八王子や清瀬の地域を初めとして、多摩地域の周産期医療に対応可能な医療機関に対して周産期母子医療センターの整備を働きかけるなど、周産期医療の一層の充実に努めてまいります。
○吉田委員 私もこの問題で質疑をさせていただきます。
既に議論がありましたけれども、報告は、私が聞いた限りでは初めて多摩地域というエリアに絞って小児医療、小児救急の現状を分析した報告書としてまとめられました。また、一定の今後の対応策についても示すものとなりました。
既にこれは本会議でも本委員会でも話がありましたけれども、この八王子、清瀬の都立小児病院の統廃合計画というものは、本来やはり多摩の小児医療、小児救急の現状という分析の上に立って、どうあるべきかという結論として検討されるべきだったと思うんですよね。しかし、一方では、清瀬、八王子の廃止統合計画が打ち立てられて、具体化しようとする。その後になって改めて多摩の小児医療、小児救急の現状分析が報告をされるということになりました。
しかし、今回の報告を見ても、小児救急の需要が増大するという傾向がありながら、初期救急という点でも、また二次救急という点でも、多摩地域は区部と比べて非常に大きな医療基盤の格差、立ちおくれがあり、とりわけ小児医療が不採算という状況のもとで、公的支援の重要性ということを浮き彫りにさせる報告となったと思うんです。
このような今回の分析から見て、そうはいったって、もう計画を決めているんだからしようがないということは、私はあってはならないと思うんですよね。それで、改めて今回のこの多摩地域の小児医療の分析結果に基づいて考えたときに、八王子、清瀬の両都立小児病院の廃止統合計画というものが果たして適切だという判断を今回の現状分析からすることができるかどうかということは、やはり冷厳に行政として問われなきゃならない問題だと思うんです。
そこで、病院経営本部は、いや、合理的だという。それは計画を立てた側ですからいわれるでしょうけれども、健康局に対して、この都立八王子小児、清瀬小児の廃止統合というものが、今回の現状分析を見たときに、適切であると、あるいは合理的であるというふうにいえるのか、いうとしたらそれはどういう根拠でいえるのか、まずお考えを聞かせてください。
○酒井企画担当部長 都立小児病院の移転統合につきましては、都立病院改革会議報告を踏まえまして、都立病院改革マスタープラン及び都立病院改革実行プログラムの策定のそれぞれの段階で、多角的な視点から慎重に検討を行い、決定したものでございます。そのため、検討会におきましては、都立小児病院が実態として担ってきました地域医療の確保策の検討が重要であるとの認識に基づき検討を行った上で、小児医療の充実のための施策の方向を取りまとめ、今回のまとめを策定したところでございます。
○吉田委員 その都立小児病院の検討経過は既に議論がされているんですよ。しかし、今回改めて多摩の小児医療の現状というものを分析されたわけですから、その分析結果に基づいて、この両病院の廃止統合というものが合理的で適切であるかどうかという検討は、私はあってしかるべきだと思うんですね。
それはなかなかいいにくいことかもしれませんけれども、現実にこの報告書を読めば、先ほども既に話がありました、とりわけ医療資源の区部との差異が大きく影響しているのは、夜間や休日における小児の救急医療体制であり、その整備が緊急かつ重要であるという状況のときに、しかも、先ほどかなり議論がありましたけれども、廃止統合をして生まれる可能性のあるNICUの問題にしても、休日、全夜間の救急体制にしても、これを埋めるというのは容易なことじゃないわけですよね。しかも、不採算部門であるというこの小児医療の性格からしても公的な支援が必要だというこの報告書の現状からすれば、やはり、それはもう生き物だからしようがないというふうに私はいえないと思うんです。
それで、改めてお聞きしたいんですけれども、例えば休日・全夜間小児救急という事業において、都立八王子小児、都立清瀬小児の果たしている役割というものは非常に量的にも大きいものがあると思うんですが、どのように認識しておりますか。
○桜山参事 多摩地域全体における救急取扱患者数のうち、両病院の占める割合はおよそ二割でございまして、実態として地域の小児医療に大きな役割を果たしてきていると認識しております。
○吉田委員 全体でも二割というご説明がありましたけれども、非常に大きな比重を占めているんですよね。私、この質問をするに当たって資料をいただきましたけれども、例えば都立八王子小児の休日、全夜間の小児科の取扱患者数は、これは昨年度の実績ですが、一万三千四百二十七人、入院患者が八百六十五人。都立清瀬が一万五千三百六十八人、入院患者が千二十三人ですね。これは三多摩だけじゃなくて全都的に見たときに、患者取扱数は、清瀬が全都で二位、八王子は六位ですね。入院患者数だけを見たときには、清瀬は一位、八王子は二位なんですよ。それだけの大きな分野、部分を二つの都立小児病院が担っていると。小児の医療基盤の不足をどう埋めるかということが改めてこの報告書で提起されているときに、それはセンター高度病院をつくることは否定しませんけれども、あえてこれを廃止統合するということは、私は逆行することだと思うんですね。
同時に、先ほどから議論がありましたけれども、NICUですね、都立八王子小児は九床持っています。これは南多摩医療圏で唯一ですね。都立清瀬は六床。これも北多摩北部医療圏では唯一です。これを府中に持っていくということで、このままだったらなくなるわけですけれども、先ほどの話とちょっとダブるかもしれませんが、トータルで数があればいいというんじゃなくて、少なくともある程度やっぱり医療圏ごとにNICUというものが整備されてしかるべきだと思いますし、これだけ、もともとここしかないのに、二つなくなるというのは非常に大きな穴があくという結果になると思うんですが、これはどうなんですか、医療圏ごとという考えはないんですか。
○梶山医療サービス部長 新たに建設されます小児総合医療センターはNICUを二十四床整備する計画であり、多摩地域のNICUは現在の三十床よりも増床される予定でございます。
このNICUの整備につきましては、これまで都全域を一つの医療圏と考え整備を図ってまいりましたけれども、先ほど局長からも答弁がございましたように、今後はエリアのことも考慮しながら整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○吉田委員 エリアも考慮しながらということをいわれましたけれども、当たり前のことだと思うんですね。例えば区部を見たときに、面積的には非常に狭いわけですね。しかし、その狭い区部の面積の中で、全医療圏ごとにNICUというものが複数の医療機関で存在していると。しかし、今の現状では、多摩地域は三医療圏にしか存在していない。そのうちの二つの医療圏は清瀬と都立小児が担っているわけですから、丸々新たな空白が生まれてしまう。それも、九床、六床という数ですから、一床、二床というものとは全く違う状況がある。そういうことから見ても、今回のこの多摩地域の小児医療の現状分析から見たときに、私は、再度、都立清瀬、都立八王子の廃止統合ということは当然再検討されてしかるべきであるというふうに思うんです。
さらに、この報告書については、区市町村の意見を聞いたということになっておりますが、しかし、区市町村の方々は、この報告書はあくまでも都立清瀬、都立八王子小児の廃止統合を前提としてつくられていますが、それ自身について合意をされているわけじゃないですよね。確認させていただきたいんですが。
○酒井企画担当部長 当該市の八王子市及び清瀬市からは、都立病院改革についての賛意をいただいている状況ではございません。
○吉田委員 それだけじゃなくて、私、今回質疑をするに当たって改めて来年度予算に向けた東京都市長会厚生部会の、東京都予算編成に対する要望書というものを確かめてみました。そうしますと、いわれてみれば本当にごもっともなんですけれども、例えば要望事項の十で、都立総合病院、小児病院及びリハビリテーション病院の整備促進等という項目があります。これは、もちろん都立八王子、都立清瀬小児は存続してほしいということが、単に当該の市だけじゃなくて、市長会の予算要望書として明記されているんですね。
それだけじゃなくて、いわゆる総合病院としては都立府中病院がありますけれども、それだけでは足らないんだと、ぜひ、府中だけではなくて、さらに都立病院の設置を要望したいと。あるいは、リハビリテーション病院は、区部にはあるけれども多摩にはないではないかということも含めて要望されているというのが市長会の要望なんですよね。ですから、こうした直接の多摩地域の行政に責任を負う市長会の要望という点から見ても、この問題については当然再検討し、当該の市はもちろん、やはり引き続き協議をされていくということをこの点で改めて要望して、少し具体の各論に入らせていただきます。
それで、具体的な支援策が何点かにわたって盛り込まれていて、それは、もちろん我が党だけではありませんけれども、我が党としても提案されたものが反映しております。ただ、その一層の拡充、より現実的な前進のための支援を求める立場から、何点かにわたって質問させていただきますが、その一つが、まず、小児初期救急平日夜間の診療事業についてです。
報告書では、一つの自治体、市、町だけでやることが困難な場合には、連携してやった場合も補助の対象にしますよということが打ち出されております。これは一つの新たな拡充だと思うんですね。
ただ、もちろん、そういうこともあるでしょうけれども、やはり各市単位で、できることならば準夜帯の小児救急事業というものが実現するのが適切だと思うんですけれども、これまでも議論がありましたが、東京都のこの施策で具体的に手を挙げて実施しているのが、区部では、杉並区も入っていますが七区、そして、市部では、多摩地域では町田市の一市だけですよね。せっかく東京都が事業を立ち上げながら、なぜ七区一市にとどまっているのか。その原因をどう見、どう対策をとろうとしているのか。私たちはやっぱり、補助額が、もちろんそれは高ければ高いほどいいとはいいませんけれども、改善というものがその一つの課題ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○奥田医療政策部長 この事業では、診療報酬の収入のみでは不足するスタッフの人件費相当分などについて補助の対象としているところですが、区市町村での取り組みがおくれている原因といたしましては、小児科医師の確保などさまざまな要因が考えられると思います。現在、各関係区市に設置しております協議会で、小児初期救急の運営上の諸問題を検討する場がございますので、その分析結果等も踏まえて今後検討を加えてまいります。
○吉田委員 そういうご答弁は、私も議事録を見ていますから、協議会の結論を見てというのは何度も聞いているんですよ。一体それはいつごろ具体的な結論が出るんですか。
○奥田医療政策部長 現在、四自治体でトライアルをやっている最中でございまして、これが今年度一応一定の時期を迎えるということで、その諸課題の整理につきましては、来年度に一定のものが出てくるだろうというふうに考えております。
○吉田委員 じゃあ、ぜひ、当然、現状から出発すればそういう方向性は出ざるを得ないと思うんですが、前向きに検討していただきたいと思うんですね。
次に、二次救急、今もいいましたが、いわゆる休日・全夜間小児救急事業についてなんですけれども、これも柔軟な対応策を今度示されました。すなわち、輪番で、複数の病院がトータルで、通年で休日・全夜間事業が保障されれば、それも支援の対象にしますよということですよね。それ自身はいいと思うんです。
ただ、この点で二点質問したいんですが、これ、通年固定制に切りかえてから、なかなか医療機関で手を挙げるところが出てこなかったわけですよね。逆に、通年固定制にしたときに減る医療機関まであったのが現状だと思うんです。輪番制というのは、いわば緩和策であり、前進ではありますけれども、今の話とダブりますが、やはり一つの医療機関が通しでやれる医療機関がふえるということを促進することもあわせて追求していくべきだと思うんですよ。そのためにどうすべきかということと、どうせ柔軟な対応をするのだったら、これも私たちがかねがね要望しておりますが、例えば一つの病院で週三日だけはできますよと、それは医療スタッフの関係でどうしてもそれしかできませんというものも、この休日・全夜間事業というふうにはくくることできないかもしれませんが、現実にそのために、この制度改正のときに十三医療機関が撤退をするということがあったわけですから、そういうもう一歩柔軟な対応というものもされていいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○奥田医療政策部長 この事業でございますが、原則として固定通年制によって常時小児科のドクターがいる診療が可能な医療機関を確保するということを目的としております。十三年度から事業開始をいたしまして、現在、四十七施設ということでございますが、通年で医療を実施できるところにつきましては、この二年間程度ですか、大体ここでご協力をいただける限界のところまで来ているかなと。ただ、地域によっては、ご指摘のように、こうした施設の確保が困難なところもございますので、例えば複数の医療機関の輪番制で体制を確保したといった場合にも事業の対象となるように努めてまいります。
○吉田委員 いや、輪番だけじゃなくて、単独だけど週三日やるというような場合も、その制度を若干手直ししてでもぜひ支援を検討していただきたいということを私、いいたかったんです。
それと、確かに多摩地域と区部でいえば格差はあるんですけれども、区部の中でも、委員長もそうですけれども、私の杉並区は、行政区として休日・全夜間をする医療機関がないんですよ。で、江東区もそうなんですよ、実は。やっぱりそういうところは現実にあるわけですから、輪番制は区部でも対象としていただけるでしょうね、輪番であっても支援するよというのは。
○奥田医療政策部長 区部における輪番制のお話でございますが、このことにつきましては今後十分検討してまいります。
○吉田委員 検討というか、ぜひやっていただきたいんですけれども。
それと、多摩の医療を考えるときに、どうしても、大きな役割を果たしている、いわゆる自治体病院、公立病院ですね。これは非常に大きな役割を果たしていて、実際に、例えば青梅市の青梅市立総合病院にしても、稲城市の稲城市立病院にしても、休日・全夜間事業を取り組んでいるという実績があります。こうした、もちろん小児医療だけじゃありませんが、その中でも小児医療に積極的に取り組んでいる自治体病院が少なくないわけですが、小児医療という面から見ても、今この自治体病院に対する支援策をとっていますが、これは引き続き継続、拡充の努力をされていくべきだと思うんですが、関連して、いかがでしょうか。
○奥田医療政策部長 多摩地域の市町村が設置運営しております公立病院でございますが、小児の救急も始めまして、地域における中核的な病院の機能を果たしております。このため、都は、引き続き市町村公立病院に対して運営費を補助し、地域に必要な医療が提供されるよう支援してまいります。
○吉田委員 じゃあ、一点要望し、一点質問させていただきますが、要望は小児科医の確保なんですけれども、なかなかこれは容易なことではないし、残念ながら国を目指している人がいなくなりましたが、国の責任がやはり根本的には問われることなんですよね。研修その他努力は始められましたけれども、実績としてはまだ十分なものではないと。例えば、開業医の小児科研修が、昨年度、多摩地域で参加したのが六名だと。ことしは、まだこれからですけれども、十一名だというふうに聞いております。そうした改善努力と同時に、やっぱり小児科医そのものをいかに生み育てていくのか。そのための支援策というものも本格的に国を挙げて取り組んでいくと。私たちは、その点で、小児科医師の養成の一環として、育成奨学金というものを、特段小児科の分野を進めたらどうかということを提案させていただきましたが、これは、ただ会派としての要望じゃなくて、小児科関係の専門医の方々が提言を発表しているんですが、そこで明記されていることなんですよね。ぜひこの点は今後も検討していただきたい。これは要望にとどめておきます。
最後に、要望し、質問をしたいんですけれども、いずれにしても、多摩地域全域の小児医療、小児救急体制をどう進めていくかということは、この報告書を出発点にして、進行管理を見て、問題点があればそれを改善をし、支援策を拡充するということが求められていると思うんですが、そのために、例えば東京都と多摩の行政の代表者あるいは医師会の代表者など関係者を含めた、小児医療、小児救急推進の協議会みたいなものを立ち上げて、継続的にこの進行管理や必要な支援策について検討していくということが求められていると思うんです。これも、先ほど紹介しました、小児科の専門医による提言の中に、都道府県がそうした協議会をつくって推進すべきだという提言があるんですけれども、今後進めていく上で、こうした協議会の設置などもぜひ検討されるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○酒井企画担当部長 昨年十二月に改定しました東京都保健医療計画では、今後、都が取り組んでいく事業のうち、特に重点的に取り組む事業を変革プランとして位置づけており、それらにつきましては、学識経験者、医療関係者、それから都民の方々、行政機関などから構成されています東京都保健医療計画推進協議会において進行管理することになっております。
変革プランのうち、小児医療に関するものとしましては、小児初期救急医療体制整備の支援事業の実施、NICUの整備、開業医小児医療研修の実施がございます。今後、これらにつきましては、推進協議会において、達成状況の評価と進行管理を行ってまいります。
また、小児科医師育成の支援策などにつきましては、的確に進捗状況を把握してまいりたいと考えております。
○山口委員 初めに、都立八王子小児、清瀬小児、そして府中の三病院における小児の救急患者数の現状について伺います。
○押元病院経営本部経営企画部長 お答えを申し上げます。
八王子小児病院におきます年間の救急患者取扱数でございますけれども、平成十年度は五千二百八十三人でございましたのが、平成十四年度では一万四千九百九十七人ということで、約二・八倍の増加を示しております。
次に、清瀬小児病院についてでございますが、平成十年度では一万五百九十七人でありましたのが、平成十四年度では一万六千百十六人ということで、こちらの方は約一・五倍の増加を示しております。
最後に、府中病院の小児科でございます。平成十年度では九千五百七十四人でございましたのが、平成十四年度には一万三千八百三人ということで、約一・四倍の増加を示しているところでございます。
○山口委員 かなりの数でふえていると思うんですけれども、東京都では、平日夜間の小児救急を充実するために、平成十四年度から小児初期救急平日夜間診療事業を開始し、小児科医師により小児初期救急医療を確保する区市町村に対する支援を行っていますが、多摩地域では、先ほどもありましたように、町田市のみが実施となっています。その要因は、小児科医の大幅な不足であり、それが小児救急医療の体制整備を困難にしている現状でありますが、そこで、小児科医師育成の支援策として、来年度から医師の臨床研修の義務化により指導環境を確保するための支援策を検討するとしていますが、具体的にはどのように考えているのか伺います。
○梶山医療サービス部長 これまでは努力義務とされてまいりました医師免許取得後二年間の臨床研修は、医師法などの改正により、平成十六年度からは、診療に従事しようとするすべての医師に対し義務化されることになりました。この二年間の臨床研修は、内科、外科、小児科などの主要な診療科での研修を行うことにより、医師として患者を全人的に診ることができる基本的な診療能力を習得し、医師の資質の向上を図ることを目的としているものでございますが、都では、小児科専門医の育成のため、この二年間の研修の後に、小児科医を目指す医師がさらに三年間程度の専門的な研修を受けるに当たって、より指導を受けやすい環境が確保できるよう、今後その支援策を検討してまいります。
○山口委員 都立病院におけるレジデントや実習体験の拡充はもちろんのことですが、民間病院にも広げていく必要があると思います。
また、女性離職医師への医療現場への復帰支援を推進するために、再教育研修の実施や、就業場所等の情報提供などについて検討していくとしていますが、研修場所や研修費や研修者への支援などが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
○梶山医療サービス部長 出産や育児により離職している女性医師の中には、医療現場への復帰を希望する方もいるものと考えられます。このため、都は、再就職を希望している女性医師を支援するための研修や情報提供のあり方について今後検討してまいります。
○山口委員 研修や情報提供のあり方だけではなく、小児科医には女性医師が比較的多いといわれていますので、子育てをしながらの労働環境を整備することなども必要ではないかと思いますが、これらは国への特に提言なんかも東京都としてもしていただけたらと思います。
次に、都立病院改革会議の報告発表後から、この間において、受診中のお子さんがいる方などからさまざまな意見や要請があったはずですが、特に都立八王子小児病院における療育外来は、在宅療養患者への指導やリハビリテーションなどを実施しています。対象は、脳性麻痺、筋疾患、先天性奇形、染色体異常、先天性代謝異常等の重度心身障害児が多く通院しています。このような障害児は、体調の急変などが多く、症状もみずから伝えることもできず、待ち時間を過ごすのもままなりません。親ともども重労働となり、適切な処置を受けることができるよう、病院が近隣にあることで早い対応ができると考えますが、この点についての今後の取り組みについて見解を伺います。
○押元病院経営本部経営企画部長 お答えを申し上げます。
ただいま先生からお話のありました八王子小児病院におきます療育外来でございますが、障害を持つお子さんを対象にしまして、在宅の療養指導でございますとか、あるいはリハビリテーションなどを実施しているところでございますが、この療育外来を受診しておられます患者さんのご家族からのご意見、ご要望については、この間、さまざまな機会を通じて私ども伺っているところでございます。八王子小児病院移転後の対応として、こうした患者さんのために、地域における医療連携体制の整備が必要なことは私どもも十分認識いたしております。今後、地元の八王子市を初めとしまして、医師会あるいは医療機関などと密接に連携をとりながら体制整備を進めていく考えでございます。そのために必要な支援策も、健康局の方と密接に連携をしまして検討してまいりたいと考えております。
また、小児総合医療センターにおきましても、現在、八王子小児病院で実施しております療育外来機能を継承することを初めといたしまして、さまざまな疾患あるいは障害をお持ちの患者さんの緊急時の対応として、地域の医療機関との連絡連携体制、あるいは、先ほど来答弁出ておりますが、小児ドクターカーの配備によります緊急搬送体制の構築などについて検討してまいりたいと考えております。
○山口委員 では、最後に、都立病院改革会議の報告発表後、患者が身近な地域で安心して適切な医療が受けられるような取り組みはどのように検討されたのか伺います。
○押元病院経営本部経営企画部長 都立病院の再編整備、とりわけ多摩地域におきます都立小児病院の移転統合問題につきましては、従来から、私ども、実際上に担っております地域医療体制、これをどうやって確保していくかということについて、地元の八王子市、それから清瀬市を初めといたしまして、北多摩北部医療圏に属します各自治体の医師会あるいは八王子の医師会、そういったところと検討した一つの考え方のまとめとして、今回の多摩地域の小児医療のまとめというものができたわけでございますけれども、今回、基本的な考え方をここで私ども行政として打ち出すことができましたので、今後、これに基づきまして、地域の皆さんが安心して医療サービスを享受できるような体制の確保を目指しまして、健康局の方と一体となりまして、地元の皆さんによくご説明もし、また、ご意見も伺い、その具体的な構築に向けて邁進をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○森田委員長 ほかにご発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○森田委員長 次に、区西部地域病院(仮称)の医療機能等についての報告事項に対する質疑を行います。
なお、本件につきましても、健康局のほかに病院経営本部所管分がありますので、引き続き病院経営本部の理事者のご出席をいただきます。ご了承願います。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○浅井総務部長 区西部地域病院(仮称)の医療機能等についてに関する資料としまして、六点、厚生委員会要求資料の資料2から7についてご説明をさせていただきます。
恐縮ですが、厚生委員会要求資料の二ページをお開き願いたいと思います。
2の、大久保病院の一般会計繰入金及び東部地域病院と多摩南部地域病院の東京都補助金の推移でございます。平成九年度から十三年度までの、大久保病院につきましては一般会計繰入金の、また、東部地域病院及び多摩南部地域病院につきましては東京都補助金の予算額、決算額をそれぞれ記載してございます。
次に、三ページをごらん願います。
3の、大久保病院及び東部地域病院の職員定数と非常勤現員数(看護師)の推移でございます。上の表は、二つの病院の平成十一年度から十五年度までの医師、看護要員、医療技術、事務の各職種の職員定数を記載してございます。
なお、注にございますとおり、大久保病院の看護要員には、内数として括弧内の歯科衛生士の数が含まれております。
下の表は、両病院の平成十三年度から十五年度までの看護師の非常勤現員数でございます。注にございますとおり、各年度四月一日現在の現員数でございます。
続きまして、四ページをお開き願います。
4の、大久保病院の居住地別取扱患者数でございます。平成十四年十月十六日に調査いたしました大久保病院の入院患者及び外来患者の居住地別の内訳を記載した表となってございます。
新宿区、中野区、杉並区の三区は、大久保病院が所在いたします区西部保健医療圏を構成する三つの区でございます。
また、世田谷区、豊島区、練馬区につきましては、区西部保健医療圏以外の区のうち、取扱患者数の多い上位三区として記載いたしております。
次に、五ページをごらん願います。
5の、大久保病院、東部地域病院及び多摩南部地域病院の入院患者の平均在院日数でございます。
続きまして、六ページをお開き願います。
6の、大久保病院の診療科別患者取扱実績でございます。十年度から、年度別、診療科別に一日当たりの患者数と一年間の延べ患者数を記載してございます。
最後に、七ページをごらん願います。
7の、大久保病院の透析患者実績(平成十四年度)でございます。入院、外来それぞれにつきまして、透析を実施した患者実績として、一年間の延べ患者数と一日当たりの患者数を記載してございます。
以上、簡単でございますが、ご要求のありました資料についての説明を終わらせていただきます。
○森田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○松原委員 大久保病院の公社への移管について、何点か伺っていきたいと思います。
平成十三年に発表された都立病院改革マスタープランに基づく初めての都立病院の移管でありまして、その成否は、今後続く都立病院の公社化の試金石として私も大変注目をしているところであります。
私としては、今回の報告書は、地域の行政機関や医師会など、地域の意見を尊重した上で、以前にも増して地域に親しまれる病院を目指したものとして評価できる内容となっていると思っています。
ところで、大久保病院は、現に運営し、診療を行っている病院であります。公社移管をスムーズに行っていくには、現在大久保にかかっている患者さんが、移管後も安心してかかれる病院となることが大前提であると考えます。まして、現行の医療サービスから後退することがあっては、住民の理解は得られませんし、今後移管が予定されている都立荏原病院のある大田区を地元とする私としましても、住民に対して納得できる説明をしていくことはできないと思います。そうした観点から、何点か質問をさせていただきたいと思います。
まず、移管によって、診療規模、医療機能等はどう変わっていくのか、所見を伺いたいと思います。
○桜山参事 運営しながら移管いたします大久保病院が大幅な医療機能の変更を行うことは、医療の継続性と安定性から見て好ましくないことは、ご指摘のとおりでございます。都立病院改革実行プログラムにおいても、移管に当たっては、基本的に現行の医療機能及びこれに関連する施設、設備の有効利用を図っていくこととしております。
また、地元の自治体や地域の医師会等の関係者から成る運営協議会準備会におきましても、基本的に現行の大久保病院の診療機能を踏まえた形での報告がなされております。
このため、基本的には現行の診療規模、医療機能を踏まえつつ、地域医療の充実という観点から新たな取り組みを行っていく考えでございます。
○松原委員 診療規模、医療機能等に大きな変化がないことはわかりました。これは大事なことだと思います。
ところで、現在の大久保病院の受診患者の動向を見ますというと、JRや私鉄、地下鉄からのアクセスがよいせいか、区西部保健医療圏の新宿、中野、杉並区はもちろん、練馬、豊島や世田谷区の患者が多いようです。今、ここの資料でそういうご説明をいただいております。
これまで示されたマスタープランなどでは、移管後の大久保病院は、仮称からもわかるとおり、区西部保健医療圏を主たる対象としていることがうかがえます。しかし、私としては、現実に大久保病院を受診している患者さんを中心に考えますというと、この際、区西部保健医療圏に限定することなく、隣接する他の地域との連携も必要ではないかと考えますが、この点どういうふうに考えているのか、お伺いいたしたいと思います。
○桜山参事 先生ご指摘のとおり、現行の大久保病院では、多数の交通機関を利用できる立地の利便性から、練馬区、豊島区など近隣医療圏からの来院患者が少なくありません。こうした現状を踏まえまして、移管後も、区西部保健医療圏を中心に、練馬区や豊島区など、これまでもかかわりの深い地域の医師会と密接な連携を図りながら、これらの地域も視野に入れた病院運営を行ってまいります。
○松原委員 ぜひそうしていただきたいというふうに思います。
次に、これらの医療機能を支える病院の運営体制について伺います。
これまで都立病院は、全都を対象に行政的医療を担うという役割から、一般会計からの繰り入れを行っています。大久保病院についても、基本的に現行の診療規模、医療機能の踏襲を前提とすると、公社に移管しても同じように補助金が必要となるだろうということは明らかなことであります。
そこで、公社に移管された結果、十分な補助金を受けることができなくなり、結果として医療サービスの低下を来すことはあってはならないと考えております。また、それは当然であると思っておりますが、そこで伺っていきたいのですが、都立病院から公社病院になることによって、一般会計からの財政支援はどのように変わるのか、医療サービスが後退するようなことにはならないのかをお伺いいたしたいと思います。
○奥田医療政策部長 公社病院は、全都を対象とするような行政的医療を担ってはおりませんが、地域医療システムの構築という課題を担っていることから、都からの補助金を交付されているところでございます。
公社病院の土地、建物は一般会計から無償で貸与されているために、病院会計が一般会計からの繰入金を算定する際に算入される減価償却費あるいは医療機器購入のための企業債利息、施設の賃借料、これらの費用は発生しない仕組みになっております。このため、ほぼ同規模の既存の公社病院と現在の大久保病院とを金額のみで比較いたしますと、公社病院の方がはるかに少ない金額となります。しかし、これはあくまでも会計処理方式の違いから生じた差でございまして、公社病院に対する一般会計補助金が都立病院より少ないからといって、医療サービスの後退を招くようなことはございません。
○松原委員 とにかく、医療サービスの後退を招かないように、しっかりとやっていただきたいと思います。
ところで、病院の主役は、患者であると同時に、医師や看護師などの医療スタッフであることも論をまちません。幾ら施設整備が同じであっても、医師や看護婦が全く変わってしまっては、本当の意味での医療の継続性は確保できないというべきであります。現行の医療機能を拡張しつつ、それを安定的かつ継続して提供していくには、医療スタッフの継続性についても十分配慮していかなければならないと考えますが、公社化に伴いまして、医師や看護師等のスタッフは変わるのか、また、必要な人員が確保されず、患者サービスが低下するようなことはないのかをお伺いいたしたいと思います。
○奥田医療政策部長 大久保病院は現在稼働している病院でございます。公社移管後も、病院運営の安定性、それから医療の継続性を確保する観点から、当分の間は、医師、看護婦等、現在の医療スタッフを都職員として派遣し、その後、順次段階的に派遣解消をして固有化を図っていくということになります。
また、人員配置につきまして、これまでの医療の継続性を確保することを踏まえた上で、地域病院として提供する医療機能に必要な人員を確保していくこととなりますので、この点からも患者サービスが低下するようなことにはならないということでございます。
○松原委員 ただいまの答弁から、診療規模、医療機能を踏襲するとともに、運営を支える補助金についても必要な額を確保するよう調整を図っていくこと、さらには、医療を支える医療スタッフについても継続性を確保していくことはよく理解できました。
次に伺いたいのは、移管後の大久保病院は、地域病院として紹介・逆紹介制を推進するとされていることであります。紹介状があった方が患者の病状などが一目でわかり、すぐに必要な検査や治療に取りかかれることなどから、紹介制の意義は十分理解できます。しかし、これまで紹介状を必要としなくても診てもらえたものが、公社に移管したら直ちに紹介状がなければ診察を受けられなくなるのでは、ある意味で大変敷居の高い病院になってしまうのではないかというふうに思います。そこで、移管後の大久保病院は、紹介状がなければ受診できないなど、かかりにくい病院だといわれてしまうようなことがないのか、この点について所見を伺いたいと思います。
○奥田医療政策部長 公社が運営いたします病院は、都民のだれもが身近な地域で症状に合った適切な医療を受けることができるよう、紹介制を基本とした地域医療連携を推進しております。
ところで、このたび移管されます大久保病院でございますが、現在でも紹介制を原則としており、紹介率は約五割となっております。こうしたことから、紹介制については地域でも一定のご理解は得られているものと考えておりますが、移管後は、地域住民の方々に改めて十分ご説明し、ご理解をいただきながら、紹介制を着実に推進していきたいというふうに考えております。
紹介制に関する住民の方々のご理解を今以上に高めていくには、何よりも時間が必要であり、移管と同時に完全な紹介制に移行するというようなことは考えておりません。
なお、当然のことながら、緊急性を要する患者さんにつきましては、救急として対応をすることとしており、今後とも紹介による必要はございません。
○松原委員 今後、かかりつけ医の定着など、紹介制自体は、地域医療のシステム化の観点からは理想的な制度であります。ただ、十分住民の理解を得ながら進めるべきであるということであります。移管しても直ちに完全な紹介制を導入するのではなくて、住民の理解や地域医療機関との連携の進みぐあいを見ながら、粘り強く紹介制を進めていっていただきたいと考えます。
関連でお尋ねしていきたいと思いますが、紹介状を持たない患者さんへの非紹介患者加算は、利用者にとっては大変大きな関心事であります。そこで伺いますが、紹介制をとる病院ではなぜ非紹介患者加算を導入しているのか、あわせて、公社移管後の大久保病院の非紹介患者加算額については、現行の公社病院と同じ四千円になるのか、見解を伺いたいと思います。
○奥田医療政策部長 非紹介患者加算でございますが、紹介制による医療機関の機能分担を推進する観点から、診療報酬制度上、保険外の療養費として認められているものであり、その額は医療機関が自由に設定できることとなっております。
既存の公社病院におきましては、地域医療支援病院として紹介率が極めて高いことから、現在の料額が設定されております。この考え方を踏まえますと、現行の大久保病院の紹介率等を勘案しますと、公社に移管されたからといって、一律に既存の公社病院と同様の料額となるようなことは考えられません。非紹介患者加算の料額の設定に当たりましては、現行の料額や運営状況等を踏まえて検討していくことになるものと考えております。
○松原委員 これまでの質問を通じて、都が、これまで大久保病院が果たしてきた役割を十分踏襲し、住民の期待にこたえていこうとする基本的スタンスに立っていることはわかりました。そういうことでは安心した次第でございます。公社病院は医療連携を着実に推進し、地域医療全体の底上げをするよう積極的に取り組んでいってもらいたいと思います。
一方、将来にわたって安定的な運営をしていく上でも、経営改善に努めていかなければならないことは当然であります。具体的なことはこれからだとは思いますし、ある程度の時間を要することとは思いますが、目に見える経営改善効果が発揮されるよう取り組まれることを要望しておきたいと思います。
また、最後に、病院の名称について特に一言申し上げたいと思います。
今回、報告のあった公社化検討委員会まとめには、移管後の病院の名称について、大久保地域病院が提案されています。大久保という名称については、地元から、その存置に対する強い要望、意見が寄せられたことは当然であろうし、また、委員会として、大久保という名称を残すことにしたのは、至極当然であると考えます。
しかし、都立病院から公社病院にかわり、地域医療の中核病院になるのだからといって、大久保病院にも地域の名称をつけなければならないというのは、いかがなものだろうか。既存の公社病院との整合性とか、保健医療公社が全体で地域医療連携を目指すという経営方針もあるとは思う。大久保地域病院とすることも一定の合理性があることはわかりますが、しかし、ただし、私は名称はその体をあらわすものとして、極めて重要な問題であると考えています。
もともと、移管後の大久保病院が、地域医療の充実を図るために、保健医療圏の中核病院として、地域の医療機関と連携を図りながら、地域住民に適正な医療を提供する役割を担っていく、そのために運営を公社に移管するという再編整備の考え方には、全面的に賛成はいたします。私が危惧するのは、大久保地域病院としたことが、住民から正しく理解され、地域医療の充実に直結するのであれば問題はありませんが、逆に、地域をつけることで、これまでの病院とは全く異なる特別な病院になったと思われるなら、せっかくの大久保病院の機能を発揮できなくなるのではないかということであります。
幸い、これまでのところ、大久保病院関係者や地元の自治体、医師会などからも、大久保地域病院という名称に格別の反対はなかったと聞いていますが、改めてネーミングが非常に重要な意味を持つことを認識していただき、移管が予定される都立病院の名称については、住民や関係団体の意見を十分踏まえて検討されるよう強く要望して、私の質問を終わります。
○小林委員 かなりダブっておりましたので、二点だけ質問させていただきます。
おさらいの意味で、今度の公社移管について、まず最初に、なぜ公社化なのか、それで、どのようなメリットがあるのか、確認の意味で伺います。
○奥田医療政策部長 大久保病院につきましては、都立病院改革マスタープランにおいて、開設当初から医療機能連携を積極的に進めてきていることや、同一圏内に特定機能病院が複数存在し、圏内の高度医療は充足されていることから、高度専門医療を志向するよりも、地域病院として充実させ、地域の医療機関等との連携を強化していくことが、医療資源の有効活用につながり、ひいては地域全体の医療サービスの向上を図ることが可能となるとされ、地域病院の運営実績を有する公社に移管されることとなったものでございます。
地域病院となることによってどういうメリットがというお話でございますが、地域医療機関等との紹介、逆紹介が一層推進され、患者が身近な地域で症状に応じた医療を受けられるとともに、より多くの方々が、かかりつけ医を持つことができることになります。また、これまで都立病院としては取り組むことができなかった開放型病院として、かかりつけ医と病院医師とによる共同診療が可能となります。具体的には、かかりつけ医と病院医師が身近な地域において必要な診察、処置から、入院、退院、そして退院後の健康管理まで、いわば二人の主治医のもとで一貫性のある医療を継続して受けられるようになるという大きなメリットがございます。
一方、地域の医療機関にとりましても、在宅患者のための緊急入院ベットの確保や相談窓口機能の体制整備など、地域のニーズを踏まえた運営によりまして、地域全体の医療サービスの向上が図られるというメリットがございます。
○小林委員 移管後の重点医療に生活習慣病医療というものが挙げてありますけれども、これまで大久保病院が重点医療として腎医療というのをかなり中心にやってきましたし、今回のこの資料の七ページにも、外来で透析をされる方は一日三十三人おられますが、私の友人の方にも透析をされている方がいて、遠かったり、いろいろなご不便、あるいは総合病院の方が安心するとか、いろいろそういう意見があります。この腎医療が、毎日三十三人来られる人が、公社化後、例えば透析だけの病院というのがありますよね、そういったところに出されていくんじゃないかとか、そういう不安があるというふうに聞いておりますが、この辺の今後の方針というのはどういうふうになっていくのでしょうか。
○桜山参事 移管後の大久保病院では、がん、脳血管疾患、糖尿病、腎不全、心臓病などの生活習慣病を、改めて地域病院という立場から重点医療としていくことといたしました。透析医療につきましては、生活習慣病の一つとして、都立病院の腎センターとして養ってまいりましたノウハウ等を生かしまして、地域の医療機関と連携のもと、より専門性の高い導入時の透析ですとか、重度の合併症を持つ透析患者を中心に実施してまいります。
○小林委員 最後、要望ですけれども、患者中心の医療の推進、それからリスクマネージメントですね、安全管理、それから、先ほどもありましたけれども、コスト意識を持った経営的な側面を大切にしていくという、こういったところが今後後退をすることなく、少なくとも前の都立病院よりはよくなったといわれるような改革にぜひ進んでいただけるよう要望して、質問を終わります。
○大山委員 公社化検討委員会のまとめの質疑ということですので、ちょっと公社病院のあり方も問われました東部地域病院の事故のその後のことを、一つだけ確認しておきたいのですけれども、七月三日に質疑したときには、遺族の承諾を得て監察医務院の解剖結果を入手できたら事故調査委員会でまた検討するということ、それから七つの改善点というのがあったと思うのですけれども、それらはどうなりましたでしょうか。
○奥田医療政策部長 解剖所見の入手のことでございますが、ご遺族の同意が必要であるために、公社といたしましては、遺族の代理人である弁護士を通じまして再三にわたり交渉を行ってまいりましたが、現在のところまで進展はございません。
公社といたしましては、解剖所見が入手されれば、改めて事故調査委員会を開いて検証を行うというふうに聞いております。
改善点でございますが、東部地域病院の調査報告書では、再発防止、それから信頼回復に向けまして、引き継ぎ方法の改善であるとか、チーム医療の推進など、七つの取り組みが必要だというふうにしております。このため、現在、公社事務局と病院とが一体となって、新入院患者に対する当直医間のダブルチェックの実施など引き継ぎ方法の改善、研修など救急医療に対する知識技術の向上、コメディカル間での連絡会の設置によるチーム医療の推進などに取り組んでいるところでございます。
○大山委員 遺族の承諾を得られないということに関しては、信頼関係が修復できていないということだと思うんですね。ですから、今回のことを教訓として今後対応してほしいというふうに思います。
さて、大久保病院の公社化検討委員会のまとめについてです。
大久保病院については、この間も取り上げてきていますが、昨年の事務事業概要質疑では、大久保病院は、財団法人日本医療機能評価機構の医療機能評価で、診療の質の確保、看護の適切な提供という観点で高い評価を受けていて、比較的低い評価の公社病院にすることはないという主張をしました。
ことしの第一回定例会の委員会では、今年度の人員配置で、看護師マイナス三十一、薬剤師マイナス一、診療放射線マイナス一というのが、総務局の資料では公社化移管体制の整備と、はっきり書かれていることを指摘しておきました。
七月三日の厚生委員会では、公社化検討委員会では、公社病院は都立病院に比べて医師も看護師もスリム化できるというふうにいわれて、実際にスリム化しているという指摘、また小児科医師の不足、事故報告書などにも書かれていて、公社病院のあり方が問われたという経過があります。また、女性外来についていえば、地元の新宿区長に女性外来の設置を要望するように、昨年の十二月十九日には申し入れをしたところです。
こういった状況の中で、公社化検討委員会のまとめが出されたわけです。先ほどからの質疑にもありますように、入院も外来もほぼ同じ規模、診療科もほぼ同じで公社化するということなんですけれども、このことは、大久保病院が果たしている役割の一つ一つが大事で、欠くことができないからだということなんじゃないんでしょうか。どうでしょう。
○奥田医療政策部長 運営しながら移管する大久保病院が、大幅な医療機能の変更を行うことは、医療の継続性と安定性の確保の観点から好ましくないのは当然でございます。都立病院改革実行プムグラムにおきましても、移管に当たっては、基本的に現行の医療機能等の有効活用を図っていくというふうにしております。また、運営協議会準備会においても、基本的に現行の診療機能を踏まえた形での報告がなされているところでございます。こうしたことから、基本的に現行の診療規模、医療機能を踏まえることとなったものでございます。
○大山委員 一つ一つが重要なんだというふうに思えるわけですね。例えば地域病院だということですけれども、腎センターとしての役割というのは全都的な役割を果たしてきたわけですし、検討会の報告にもあるように、それから先ほどの質疑にもありましたけれども、出してもらった資料にもありますように、区部西部の二次医療圏にとどまることなく、近隣の保健医療圏、それから全都的な来院者も少なくないということですね。幾ら地域病院だといっても、広範囲ですから、区部西部地域病院の枠の中におさめるということに、そもそも無理があるというふうに思っています。
特色ある医療の提供ということですけれども、在宅医療への支援策の拡充、拡大というふうになっていますけれども、どのようなことを行おうとしているのでしょうか。
○桜山参事 移管後は、地域の医療ニーズを踏まえ、地域の医療機関との連携を推進しながら、緊急入院ベット事業及び求めに応じて在宅患者へのヘルスチェックを行う評価入院、在宅医療支援のための相談窓口の体制整備、さらには、かかりつけ医を対象とした在宅ケアに関する研修会の充実などを通じまして、在宅医療への支援策を充実、拡大させていくことになっております。
○大山委員 報告書にもありますけれども、例えば緊急入院のためのベットなんていうのは非常に助かりますから、それはやってもらわなくちゃいけないことですし、それから今おっしゃったことでも、公社病院でなくても今でも十分できることですし、それぞれやっていることだというふうに認識しています。
重点医療が二つということになっていますけれども、一つは救急医療ということですね。もう一つは生活習慣病ということですけれども、生活習慣病に関しては、がん、脳血管疾患、腎不全、心臓病などを挙げていますけれども、実際の病院での医療を現状より強化するのでしょうか。
○桜山参事 生活習慣病医療につきましては、ただいま先生もお話しされました腎透析医療を初め、がん、脳血管疾患、糖尿病、さらにはリハビリテーション医療などにも現在の大久保病院は取り組んでおります。このため、公社移管後も、こうした医療の実績やノウハウを踏まえ、地域病院の立場から積極的に取り組むべき医療課題として重点医療に設定したものでございます。
移管後は、地域病院の機能を生かして、容体急変時の緊急入院ベットの確保や、先ほど申し上げました在宅患者のための評価入院の実施、あるいは共通外来、糖尿病教育入院などの専門医療の充実、さらに、より専門性の高い導入時の透析ですとか、合併症を持つ患者さんの透析などに取り組むなど、運営協議会での意見も踏まえながら充実に努めてまいります。
○大山委員 現状のベースがあって、それをさらに機能強化していくということなんでしょうか。
○桜山参事 現状持っておりますノウハウなどを生かしまして、より地域のニーズに沿った形での地域病院の機能を生かして進めていくという意味でございます。
○大山委員 重点医療だということですから、きちんと中身が伴っていなきゃいけないというふうに思っているんです。
私たち代表質問で取り上げましたけれども、例えば脳卒中対応にしても、全国的には、専門病棟というようなことで、きちんと集中してやるような体制を整えようということになっていますけれども、都立病院ではそれに関しての専門病棟はないわけですね。それで腎不全ということを取り上げましても、強化してもらいたい分野なわけですけれども、生活習慣病ということでは、腎と高血圧は切り離せないということですし、すべての高血圧が腎臓の機能異常から発生するということでは、日本人の高血圧の人口が約三千五百万人といわれているようですが、高血圧と腎臓病はお互いを悪化させるということになっているということなんですね。そういう状況がある中で、重点医療だといいながら、腎内科と内科というのを統合させてしまうわけですね。
東京はそんな状況なんですけれども、循環器病に関しては他県では非常に重視していて、例えば埼玉や群馬や千葉や愛知、兵庫などを初めとして、県立病院として循環器センターを持っているんですね。都立病院はそういう状況ではないと。大久保の腎センターだとか、荏原の脳血管ということでは、実績があるわけですよね。それを過小評価して、取り組んできた病院を公社化しようとしているわけです。東京にどんな医療課題があって、どういうふうに解決していくのかという前向きの議論をしないから、安易に公社化などということが出てくるといわざるを得ません。
県立では、そうやって循環器のセンターをつくっているところがふえてきていますけれども、それは県レベルだけではなくて、昭和五十二年には国立がんセンターに次ぐ高度専門医療のナショナルセンターとして創設されたのが、大阪にある国立循環器病センターですね。循環器病の危険因子になる高血圧症や腎疾患など、循環器病全体にわたって、原因の究明、予防、診断、治療に取り組んでいるわけです。高度専門医療のナショナルセンターだといっている国立病院が、地元の吹田市民の循環器疾患の地域発症登録を開始して、また友の会での予防活動も力を入れているわけなんです。
こうやって国立でも、それから県立でも、きちんと位置づけてやっているわけですから、循環器病のセンターとして今まで培ってきた医療の機能を位置づけて、公社ではなく都立病院として責任を持って取り組むべき課題だというふうに思うんですね、この成人病の重点医療というのは。それについてどうですか。
○押元病院経営本部経営企画部長 都立病院で、循環器は広尾病院を中心といたしまして各病院で取り扱っております。都民の皆さんの大変高い評価を受けまして、また、全国的に見ましても、都立病院における循環器医療の非常に高い水準というものが喧伝をされておりまして、例えば昨今、病院のランクづけというようなものがいろいろな雑誌で行われておりますけれども、それでも都立病院は高い評価を受けております。ちなみに、その中で大久保病院につきましては、循環器というものは重点医療には残念ながらなっておりませんけれども、それでも脳神経外科を中心として対応しているところでございます。
ちなみに、国立循環器センターが地元のそういった皆さんの調査、研究を行っているというのは、ナショナルセンターとしての本来の目的を果たすために、フィールドワークということで行っているわけでございます。念のために申し上げておきます。
○大山委員 曲がりなりにも重点医療だということで打ち出したわけですよね。それで、そんなことでやらないというのはおかしいというふうに思います。ある程度の医療しかできないんだとかいうんじゃなくて、やはり求められているのは、循環器センター、それは腎と高血圧が不可分な関係にあるということからも重要ですし、フィールドとしてのことさえもやってない、やれないわけですよね。ですから、重点医療だというのだったら、きちんと都立として取り組むべきだというふうに思っています。
医療連携についてですけれども、新宿は比較的進んでいるというふうにいわれています。医師会の先生方も積極的に取り組んでいます。新宿区内には総合病院が、社会保険中央病院、厚生年金病院、国立国際医療センター、そして大久保病院というふうに、四つ総合病院がありますけれども、地元の新宿の医師会の会長さんは、その中でも大久保病院は医療連携が今も進んでいるんですというふうに評価していただいているんですね。既に都立病院として医療連携を進めているわけです。都立病院として引き続き医療連携を進めればよいことで、あえて公社化することはないというふうに考えますが、どうですか。
○押元病院経営本部経営企画部長 大久保病院は、ただいま先生がおっしゃいましたように、新宿区内及びその周辺地域に、国立のナショナルセンターを初め、慶應大学病院ですとか東京医大病院、あるいは東京女子医大病院といった特定機能病院が多数立地をしております。そういったところで高度先進医療というものは既に行われているところでございます。
大久保病院について、地域連携が大変進んでいるという評価のお言葉をいただきまして、大変私どもありがたく存じておりますけれども、この地域医療連携をさらに公社に移管することによって推進をしようというのが、先ほど来申し上げております私どもの公社化の趣旨でございます。
○大山委員 医療連携は、別に公社化しなくたってできるんですよ。今だって十分やっているし、ナショナルセンターだといっている国立国際医療センターですよ、そこでも医療連携をやっているわけなんです。ですから全くその必然性はないということなんですね。
新宿の医師会長さんの話をしますけれども、開放型の病院にしようというわけですけれども、一緒にやるということは、開業医さんも時間的な制約もあるから、なかなか大変なんだとはいっているんですけれども、これだって都立病院でできないことはないわけですね。しかも、土浦市にあります国立の霞ヶ浦病院は、地域医療研修センターを設置して、住民や患者に対する健康管理の教育、啓蒙、開業医の生涯教育などに積極的に取り組んでいます。また、地域の開業医や看護師が入院後の診療、手術、検査に参加できるセミオープンシステムを導入しています。私も九九年には調査に行きました。国立病院でこうやってやっているんですけれども、都立病院で十分できるんじゃないでしょうか。
○宮川病院経営本部経営戦略・再編整備担当部長 お答えいたします。
都立病院においては、条例の規定がございまして、いわゆる共同診療といいますか、開放型病院の基本となります共同診療については、残念ながらできないことになっております。
具体的に申し上げますと、条例の第三条におきまして、要は、都の職員以外の医師などが利用する場合については、研究の目的で使うことができると、このようになっております。
○大山委員 そんなことをいいますけれども、東京都の条例では研修に限っているんだというふうにいうわけですけれども、医療法では、都立病院などの公的な医療機関について、都立病院に勤務しない医師、歯科医師の診療についてどういうふうに規定しているんですか。
○宮川病院経営本部経営戦略・再編整備担当部長 医療法の第三十五条のことかと思いますけれども、「厚生労働大臣又は都道府県知事は、公的医療機関の開設者又は管理者に対して、次の事項を命ずることができる。」その第一項の第一号でございますけれども、「当該病院又は診療所の医療業務に差支ない限り、その建物の全部又は一部、設備、器械及び器具を当該公的医療機関に勤務しない医師又は歯科医師の診療又は研究のために利用させること。」となっております。
○大山委員 医療法でも、そうやって共同診療できるように定めているわけですよね。法律でできることを、わざわざ東京都の条例でできないように手足を縛っているって、自分たちが縛っているんじゃないですか。公立は硬直化しているとかいいながら、法律でもできることを自分の条例で手足を縛るというのは、それこそ直すべきだというふうに思います。
それでは、患者さんにとってどういう影響があるのかということを少しお聞きしたいと思います。
先ほど非紹介患者の初診料加算についての質問がありましたけれども、都立は一千三百円、公社は四千円というのが、紹介状を持たないで行った場合の加算額ですね。当面は一律には同額にはならないということですけれども、目指すのはこの四千円ということなんですか。
○奥田医療政策部長 非紹介患者加算でございますが、先ほど申し上げましたように、その額は医療機関が自由に設定することができるということです。既存の公社病院と都立病院は、いずれも紹介状を持参した患者さんとの負担の均衡を図るために、非紹介患者加算を設定しているわけですが、大久保病院につきましては、紹介率等、今後の運営状況を踏まえまして適切な額を検討していくことになるということでございます。
○大山委員 現在の公社の病院は四千円ということですね。それでも敷居は高いわけですけれども、大久保病院の外来規模ですけれども、当面は六百人ということですね。東部や多摩南部はそれぞれ何人で、大久保の外来の六百人という規模はどれぐらいの期間を予定しているんでしょう。
○奥田医療政策部長 外来規模につきましては、今後紹介制の推進であるとか、救急医療の充実を図る中で、患者実績を踏まえながら規模を設定していくことになります。実績が六百人であれば、基本的には外来規模は現行どおりということになります。
将来の外来規模につきましては、今後、運営協議会などを初め地域の意向等を踏まえまして検討していくべきものと考えております。
○大山委員 見ながらということでけれども、紹介を徹底させないと、八〇%に到達していかないし、そうしないと診療報酬上の外来初診の四百点という大きな加算にはならない。地域支援病院の要件にもならないということですから、今以上に紹介状がないとかかれなくなってしまうということだと思うんですね。これも敷居を高くすることなんです。
地域の開業医さんたち、それから地域の住民の皆さんが心配しているのは、公社化の準備だということで、既に今年度の四月には三十一人も看護師さんが減らされたということで、今みたいに同じ規模でスタッフが減れば、レベルが下がるのではないかということなんですね。
看護師について少し伺いたいと思います。
資料では、常勤の看護師の人数は、大久保と東部で比較してありますけれども、常勤は大久保が多くて、非常勤の看護師は公社病院が多いわけですね。都立病院と公社病院の病棟での看護師の人員配置はどうなっているんでしょうか。
○桜山参事 既存の公社病院では二対一看護体制をとっております。都立病院も二対一でございます。
○大山委員 どちらも二対一だということなんですけれども、都立病院では常勤の看護師の定数で二対一にするというふうに認識していますが、公社病院では同様に常勤の定数で二対一ということになっているんでしょうか。
○桜山参事 公社病院の看護体制でございますけれども、常勤職員だけではなく、経験や能力、適性等十分に勘案の上、非常勤職員等を適所に配置いたしまして、必要な人員を確保しております。
○大山委員 同じ二対一でも、都立病院は常勤で二対一を確保する。それから、公社病院は常勤と非常勤合わせて二対一を確保するというのが、今の中身ですね。そういうことですから、この資料の中でも公社病院の方が非常勤が多いということになるんだと思うんですけれども。そういうふうになりますと、大久保病院では今年度常勤の看護師が既に三十一人マイナスされたわけですけれども、さらに常勤看護師が減る可能性があるということなんでしょうか。
○宮川病院経営本部経営戦略・再編整備担当部長 大久保病院の看護師三十一名の削減につきましては、これは病床の利用率であるとか、あるいは外来の実態であるとか、そういった業務量の見合いで配置をされているものでございまして、その辺については十分な看護体制については整っていると、このように考えております。
○大山委員 では、公社病院になっても常勤看護師は減らないでいけるということなんでしょうか。
○奥田医療政策部長 全都を対象に行政的医療を担います都立病院と、地域医療機関との連携を通じて地域の二次医療を担っていきます地域病院とでは役割が異なっておりまして、したがって人員配置に差は出てくるのは当然の結果でございます。ただ、いずれもその役割を果たす上で必要な運営体制につきましては確保していく考えでございまして、大久保病院につきましては、現行の医療機能を踏襲しながら移行するということも勘案しまして、必要な人員について今確保に向けて調整を行っているところでございます。
○大山委員 結局、さっきの基準のとり方からしても、常勤職員が減らされて非常勤の看護師がふえるということは、目に見えるということだというふうに思っています。
先ほどから質の問題が問われていますけれども、財団法人日本医療機能評価機構の評価で、都立大久保病院は、運営の基本指針などは明確、医療の質の評価、改善活動の取り組みは極めて積極的、貴院における今後の新しい時代へ向けた課題への取り組みを期待したい、他の医療機関のモデルとなるよう、さらなる積極的な取り組みを期待したいと、極めて高い評価を受けているわけですね。高い評価を受けているこの医療機能評価をどう受けとめて、どう生かそうとしているんでしょう。
○桜山参事 平成九年に実施されました医療機能評価機構による評価は、診療の質の確保、看護の適切な提供のほか、病院の理念と組織的基盤、地域ニーズの反映、患者の満足と安心、病院運営管理の合理性など六分野から行われ、先生おっしゃられるように高い評価を受けたものでございます。今後も医療機能評価において重要課題として指摘されました経営面での健全化も念頭に、さらに高い評価が得られますよう積極的に取り組みを推進してまいります。
○宮川病院経営本部経営戦略・再編整備担当部長 補足をさせていただきます。
今、先生のお話がございました病院機能評価の審査結果報告でございますけれども、その総括の所見といたしましては、確かに先生のようなお話がございました。
ただ、具体的内容を見ますと、ちょっと読み上げますが、総括所見といたしまして、今後の重要課題は、与えられた経営に関する資源をより効率的、効果的に活用し、均衡のとれた適正な医療事業の収支内容をつくり出すことにあると思われるとしておりまして、また一方、この旧病院施設から新病院施設、現在の大久保病院施設への移行に際しては、地域医師会との協議が重ねられまして新病院の地域における役割と機能が決められてきたと。現在ではむしろ変化していく地域ニーズへの主体的な対応をとる時だと、このようにされております。地域との積極的なかかわりを目指します私どもの地域病院化の方向と決して矛盾するものではないと、このように考えております。
○大山委員 地域とのかかわりは、都立病院でもきちんとやっていっていただければいいわけですよ。それは否定しませんよ。それはきちんと充実していっていただけばいいわけですね。しかし、健全化するからより高い評価をもらいたいんだというようなことをおっしゃいましたけれども、大久保病院が評価されている観点は、診療の質の確保なんですね。そして看護の適切な提供です。患者の側からしたら非常に重要なことですよ、これは。
大久保病院は、看護の適切な提供というところで高い評価を受けているわけですけれども、その評価の内容は、大久保病院は、看護部門は多数の職員を包括し、意欲的な活動により病院の中心的役割を果たしている。看護婦は都の職員としての身分保障があり、退職者は少なく定着率が高い。これに対して、東部地域病院は--何で東部地域病院を比較するかというと、ほぼ同じ規模だからですね、それで同じ時期に、同じ内容で機能評価を受けたからです--看護部門の理念は、職員に十分周知されているとはいえない。看護基準、看護手順も定期的に見直し、クリティカルパスなどを積極的に導入し、さらなる看護ケアの質、向上の努力が望まれると、格段の差ですよね、があるんです。人数とともに、非常勤に依拠するというところに大きな問題があると指摘せざるを得ません。
最近よくランキングとかあるんですけれども、(資料を示す)これもオリコンメディカルというところで出している、さっきもお話しになりましたけれども、「患者が決めたいい病院全一五〇二病院ランキング」というものですけれども、これにも大久保病院の脳神経外科、堂々三位ですよ。大久保病院だけで、この本の中に三カ所出てきます。ほかの都立病院も多く登場します。しかし、公社病院は、多摩南部病院が内科でやっと百二十一位に登場しますけれども、東部地域病院は残念ながら一度も登場できていません。公社病院になった方がいい評価を得たいなどといっていますけれども、そういうのは客観的な評価が公社病院で上がってから、初めていってもらいたいというふうに思います。
最後に聞きたいのは、補助金のことです。
出してもらった資料では、十三年度の決算を見ますと、決算が出ているのは十三年度が最後ですので、その決算を見ますと、大久保病院は約二十九億円ですね。これには、ハイジアの高額な賃料も入っていると思いますけれども、もし公社化したら、この賃料はだれが持つんですか。
○奥田医療政策部長 既存の公社病院の土地、建物につきましては、都が公社に対して無償で貸与しております。移管後の大久保病院の賃料につきましては、こうした考えを踏まえまして、今後関係部署と調整してまいります。
○大山委員 東京都が持つということですね。
それでは、賃料を抜いたときの大久保病院への補助額、これは幾らになりますか。
○宮川病院経営本部経営戦略・再編整備担当部長 平成十三年度決算で試算をいたしますと、地域病院で発生しない費用の総額は三十億円強となると考えられます。ただ、これはあくまで単純に計算した場合でございますけれども、これを現行の大久保病院の繰入金に換算しますと、十五億円程度が自然に減少になるものと考えられます。ただ、これはあくまでも現段階で考えられる金額でございまして、そのようにお受け取りいただきたいと思います。
○大山委員 七月の議論のときも、適切な補助というのは大変重要だ、必要だということが議論されましたし、先ほど松原理事も必要な補助は重要だということを述べているわけです。都民のための医療を確保するための補助金は、大体試算すれば十五億円ですね。二十九億円が今名目上はいっているわけですから、十四億円は莫大な土地信託のための予算だと、金額だということですね。それで公社になってもその賃料は東京都が出すということですから、現在と同じなわけです。大久保病院の補助額の半分が土地信託の失敗での大きな財政負担の分だということです。
この土地信託の失敗での大きな財政負担というのは、公社化によって解決するような話じゃないというふうにいわざるを得ません。ですから、この間、今まで述べてきましたけれども、大久保病院は都としての責任できちんと運営していくべきだというふうに主張して、公社化などではなく、都立として存続させることを要望して、質問を終わります。
○山口委員 公社移管後の都立大久保病院について、病院のシステムと提供される医療サービスについて何点か伺います。
初めに、都立病院改革実行プログラムでは、移管後の大久保病院の詳細な医療機能等は地域の意見を踏まえて決定するとしていますが、患者や住民の声はどのように反映されたのでしょうか。検討を行った公社化検討委員会及び運営協議会準備会へ患者や住民の代表は参加したのでしょうか、伺います。
○奥田医療政策部長 都立病院改革実行プログラムを受けまして、公社と大久保病院とが設置いたしました運営協議会準備会では、学識経験者や都医師会関係者のほか、住民のニーズも含めて地域の保健医療事情に精通いたしました各医師会会長や保健所長などの参加を得るとともに、日ごろ患者に接している医療機関へのアンケートも実施し、ご検討をいただいたところでございます。
都庁内の検討組織でございます公社化検討委員会では、こうした運営協議会準備会での意見を十分踏まえまして、在宅医療であるとか、あるいは救急医療の支援拡充、専門外来の継続などの結論を下したところでございます。
移管後も、地元自治体や医師会等の関係者から成る運営協議会で、事業内容などを具体的にご協議いただくとともに、個々の患者や住民の意見については、病院での日常的な調査、アンケート等を通じまして把握することによって、地域の意見を病院運営に反映させてまいります。
○山口委員 次に、病院の運営形態について伺います。
報告書には、移管後、開放型病院として運営していくとあります。開放型病院は、かかりつけ医と病院医師とによる共同診療が可能になり、患者は一貫性のある医療を継続して受けられることにより、利用する側にとってもよい制度だとは思います。しかし、報告書には、この共同診療の実績が伸び悩んでいるという課題にも言及しています。共同診療についての既存の公社病院での取り組み状況と問題点はどのようにとらえているのでしょうか、伺います。
○桜山参事 公社病院では、登録医師数、あるいは高度医療機器の共同利用件数は順調に増加しておりますが、共同診療の実績については余り増加しておりません。共同診療については、かかりつけ医が多忙なため共同診療の時間がとれないといった事情や、病院医師とのスケジュールが合わないこと、また、一部の医療機関には制度の内容が十分理解されていないことなどが課題でございます。
今後は、共同診療については、手術だけではなく、退院時指導、回診、医師間の情報交換など、さまざまな形態があることを積極的に周知いたしますとともに、地域の医師が来院しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
○山口委員 報告書では、登録医による共同診療に加えて、紹介、逆紹介制などの医療連携を推進するとしていますが、この取り組みは大病院への患者集中の問題への解決策となり得るのでしょうか。
○桜山参事 ご指摘のとおり、患者の大病院志向には根強いものがございます。大学病院が林立しております都市部においては、特にその傾向が顕著でございます。紹介、逆紹介制が推進されれば、こうした大病院への患者集中の改善が期待できますが、そのためにもかかりつけ医を持ち、必要時には紹介によりいつでも病院の受診ができるというメリットについて理解を広げておくことが必要であると考えております。
○山口委員 地域の中核病院となるためには、このような医療連携を充実することはもちろんですが、地域の医療ニーズに応じた医療サービスの提供も、また重要であると思います。そういった視点から、地域の医療機関からの要望も高まった在宅医療への支援策を拡大することも必要です。QOL、つまり生活の質について市民の意識が向上する中で、療養末期を在宅で過ごしたいと希望する患者もふえています。在宅医療への支援策拡大の一環としてターミナルケアを視野に入れているのでしょうか、伺います。
○桜山参事 自宅での療養を希望する末期患者がふえていることは、ご指摘のとおりでございます。このような患者が安心して在宅療養ができますよう、在宅での疼痛緩和等、かかりつけ医を対象とする研修を充実いたしますとともに、患者の容体が急変した際には、かかりつけ医からの依頼に応じて直ちに緊急入院ベットに受け入れ、必要な医療を行うなど、ターミナルケアも視野に入れた在宅医療への支援策を充実させてまいります。
○山口委員 地域医療システムの推進を通じて、患者や住民、また地域の医療機関から信頼される病院の運営を行っていただきたいと思います。
最後に伺います。移管まであと半年ですが、広報については、議会の承認後速やかに、かつ効果的に行うとのことですが、現在入院、通院している患者さんに対しては、早急に伝えるべきではないでしょうか。見解を伺います。
○桜山参事 大久保病院の移管については、今後、第四回定例会での都立病院条例改正を経て正式に決定するのを受けて、都や関係各区の広報、地域医師会のお知らせ、公社や病院のホームページ等、さまざまな広報媒体を利用して、患者さんを初めとする地域の住民の皆様に対して、迅速かつ効果的な広報を行っていくつもりでございます。
具体的には、地域病院として運営していくことの周知はもちろんでございますが、移管後も現行の診療規模、医療機能を踏まえていくことも十分に周知してまいります。
○山口委員 地域医療連携システムは、住民の人たちにまだ余りよく知られていないのではないでしょうか。広報を公社や病院が行うことはもちろんですが、住民に最も身近な地域の医療機関からも周知を積極的に行えば、より有効ではないでしょうか。例えば、町の診療所の待合室に掲げられている登録医の表札一つとっても、ただ財団法人東京保健医療公社多摩南部地域病院診療連携医療機関と書かれているだけでは、患者さんがそれを目にしたとしても、何のことだかよくわからないと思います。医療連携の説明をつけ加えるなどの工夫をしてはどうでしょうか。
今後も地域の医療機関と連携、協力して、地域に根差した患者中心の医療を行い、地域の中核病院として運営していただくことを求めて、質問を終わります。
○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で健康局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時五十七分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.