厚生委員会速記録第十号

平成十五年七月七日(月曜日)
第七委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十二名
委員長森田 安孝君
副委員長吉田 信夫君
副委員長古賀 俊昭君
理事松原 忠義君
理事青木 英二君
理事佐藤 裕彦君
柿沢 未途君
山口 文江君
東村 邦浩君
山加 朱美君
大山とも子君
小林 正則君

 欠席委員 二名

 出席説明員
福祉局局長幸田 昭一君
総務部長吉川 和夫君
健康局局長平井 健一君
総務部長浅井 憲彦君
病院経営本部本部長碇山 幸夫君
経営企画部長押元  洋君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 付託議案の審査(決定)
 ・第百五十六号議案 社会福祉協議会の行う事業の補助に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百五十七号議案 東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
 ・第百五十八号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○森田委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 さきに理事会にご一任いただきました意見書中、児童虐待の防止等に関する法律の改正に関する意見書、重症急性呼吸器症候群(SARS)対策に関する意見書につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

児童虐待の防止等に関する法律の改正に関する意見書(案)
 児童虐待の相談件数の急激な増加等を背景に、平成十二年十一月、児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)が施行された。法律では、施行後三年を目途として施行状況等を総合的に勘案して検討を加え、必要な措置を講ずることとされており、現在、国においては見直しに向けた具体的な検討が行われている。
 法律が施行されたことにより、児童虐待に対する社会的関心が高まり、虐待の通告が急増し、その結果、虐待の早期発見・早期対応がよりスムーズになり、児童の保護・育成などの点で画期的な前進がみられた。
 しかし、児童虐待防止法は主として虐待の早期発見・早期対応が中心であるため、子育て支援を通じた虐待の予防、虐待を行った保護者への有効な指導、親子分離した後の家族への支援などについては不十分であり、今後、充実強化していく必要がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、児童虐待防止法の見直しに当たっては、児童と家庭への総合的な支援を行う観点から、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 家庭に身近な区市町村の役割を明確にし、地域で児童と家庭を支えていく仕組みを法律に位置付けること。
二 児童相談所の体制を強化し、あわせて、区市町村、警察、保健所等との連携の強化についての規定を設けること。
三 乳幼児健診未受診家庭などへの子育て支援を通じて、虐待の予防を図る規定を設けること。
四 児童相談所が虐待のあった家庭への介入と支援の両方を行っている現状を改善するため、立入調査、緊急一時保護について、司法が関与する規定を設けること。
五 虐待を行った保護者からの執ような引取り要求を遮断するため、居所指定権、身上監護権など親権の一部一時停止や保全処分の制度を創設すること。
六 虐待を行った保護者に対し、効果的な指導を行うため、指導について裁判所の命令規定を設けるとともに、やむを得ず親子分離を行った家族に対して、適切な援助を行い、家族の再統合を図る仕組みを法律に位置付けること。
七 虐待を受けた児童のケアのため、児童養護施設や一時保護所の体制の充実、養育家庭など家庭的な養護の促進を行うこと。
八 児童虐待防止法の見直しに合わせて、児童福祉法・民法等関連する法令の抜本的な規定整備を図ること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十五年七月 日
         東京都議会議長 三田 敏哉
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
厚生労働大臣 あて

重症急性呼吸器症候群(SARS)対策に関する意見書(案)
 昨年十一月に突如出現し、本年二月以降、世界的な感染拡大をみた重症急性呼吸器症候群(SARS)については、新規症例の発生も減少し、流行は終息に向かいつつあると言われている。しかしながら、SARSコロナウイルスは、低温に強く、気温の低い冬期に再度流行することも懸念されている。
 SARSに関しては、いまだに検査、診断法が開発されておらず、また、根治的治療法も確立していない。このような状況において、感染が再拡大すれば、人類の生命への危険はもちろん、世界経済にも大きな打撃を与えることとなる。
 今後、我が国においても、国際的な協調、連携体制の下、医学的知見の集積に貢献していくことを始め、SARSコロナウイルスの国内への侵入阻止のため、また万一、感染者が発生した場合の感染拡大防止に向けて、現行対策を再点検し、その充実強化を図っていく必要がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を速やかに実現するよう強く要請する。
一 国内へのSARSコロナウイルスの侵入を水際で確実に阻止するため、空港や港湾において、入国管理及び検疫体制の抜本的強化に取り組むこと。
二 SARSの医療対策上の最優先課題である迅速かつ確実な検査法の開発に全力を挙げて取り組むとともに、その成果を都道府県庁等に普及させること。
三 大規模な患者発生にも即応可能となるよう、感染症指定医療機関の確保や陰圧制御病床の整備など感染症医療対策の拡充を図るとともに、SARS診療に取り組む医療機関に対する的確な技術的、財政的支援を行うこと。
四 感染拡大防止に関し、国自らが強いリーダーシップを発揮するとともに、住民への正確な情報提供や迅速な接触者調査、患者救急搬送など、第一線で対策に取り組む都道府県等を全面的に支援すること。
五 SARS対策に関する教訓を活かし、新興感染症への対応強化に向けて、現行感染症法の早期改正など法整備を進めること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十五年七月 日
         東京都議会議長 三田 敏哉
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
外務大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて

○森田委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○森田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査及び請願陳情並びに特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百五十六号議案から第百五十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれもすべての質疑を終了いたしております。
 これより採決を行います。
 第百五十六号議案から第百五十八号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認めます。よって、第百五十六号議案から第百五十八号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○森田委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 また、閉会中に会議規則第六十条の規定に基づく委員の派遣が必要となった場合につきましては、その扱いを委員長にご一任いただきたいと思います。ご了承願います。

○森田委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、幸田福祉局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○幸田福祉局長 お許しをいただきまして、当委員会所管三局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました各議案につきましては、ただいまご決定を賜りました。まことにありがとうございました。
 ご審議の過程でちょうだいいたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、十分に尊重をさせていただき、今後の福祉行政における事務執行に反映させてまいりたいと存じます。
 今後とも、健康局、病院経営本部とともに三局の連携を一層強め、福祉、保健、医療行政の推進に全力を尽くしてまいる所存でございます。
 引き続き、委員長、副委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、お礼の言葉にかえさせていただきます。
 簡単ではございますが、これをもちまして御礼のごあいさつといたします。ありがとうございました。

○森田委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時九分散会

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