厚生委員会速記録第二号

平成十五年一月三十一日(金曜日)
第七委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長森田 安孝君
副委員長吉田 信夫君
副委員長古賀 俊昭君
理事松原 忠義君
理事青木 英二君
理事佐藤 裕彦君
東村 邦浩君
山加 朱美君
柿沢 未途君
萩生田光一君
山口 文江君
田代ひろし君
大山とも子君
小林 正則君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉局局長川崎 裕康君
総務部長吉川 和夫君
生活福祉部長反町 純夫君
高齢者部長福田  豊君
子ども家庭部長笠原  保君
障害福祉部長有留 武司君
保険部長野村  寛君
企画担当部長内海 憲二君
団体改革担当部長片岡 貞行君
連絡調整担当部長菅原 眞廣君
山谷対策担当部長廣田 正志君
参事中島 滋夫君

本日の会議に付した事件
 福祉局関係
  第一回定例会提出予定案件について(説明)
  ・平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉局所管分
  ・平成十五年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
  ・平成十五年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
  ・平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費 福祉局所管分
  ・東京都国民健康保険広域化等支援基金条例
  ・東京都保育士試験手数料条例の一部を改正する条例
  ・東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
  ・東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
  ・東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
  ・東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例
  ・東京都肢し体不自由者自立ホーム条例の一部を改正する条例
  ・東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
  ・東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例
  ・東京都心身障害者福祉手当に関する条例の一部を改正する条例
  ・東京都介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
  ・東京都医療扶助審議会条例を廃止する条例
  ・東京都城北福祉センター条例を廃止する条例
  報告事項(説明)
  ・都立養護老人ホームの民間移譲等について
  請願陳情の審査
  (1)一四第一七四号 「福祉サービス提供主体の改革への取組」に関する請願
  (2)一四第一八二号 東京の保育水準の向上に関する請願
  (3)一四第一八六号 保育室制度の存続と充実に関する請願
  (4)一四第七九号 第四種・第三種郵便物に係る料金減免制度の維持存続に関する陳情
  (5)一四第八〇号 特別養護老人ホームでの視覚障害のあるあん摩マッサージ指圧師の就労支援に関する陳情

○森田委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これに異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○森田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局関係の第一回定例会提出予定案件及び報告事項の説明聴取並びに請願陳情の審査を行います。ご了承願います。
 なお、第一回定例会提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は定例会中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより福祉局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○川崎福祉局長 平成十五年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の概要についてご説明申し上げます。
 初めに、平成十五年度予算案についてご説明申し上げます。
 平成十五年度東京都予算案は、財政再建推進プランの最終年度の予算として、財政構造改革に全力を挙げて取り組みつつ、現下の緊急課題や東京の再生に積極的に挑戦する予算と位置づけ、財政再建への取り組みを進めるとともに、緊急・重点優先課題に積極的に取り組むことを基本に編成されました。
 福祉局では、この点を踏まえ、都民が地域で安心して暮らすことができるよう、利用者本位の新しい福祉をこれまで以上に充実させるという方針で編成いたしました。
 高齢者の地域生活と自立への支援、子育て環境の整備、障害者の自立生活への支援、サービス選択の仕組みづくりと新しい福祉を支える基盤づくりの各課題について、国の一律的規制や施設偏重の施策からの改革を進め、大都市の特性を生かした都独自の施策などに必要な財源を集中投入するとともに、事業の効果と効率性を最大限追求することにより、施策の充実に努めました。
 この結果、福祉局所管の一般会計歳出予算は、総額五千二百八十三億二百万円となっております。地方分権一括法に伴う区市への事務移譲などによる当然減の影響を考慮いたしますと、前年度に比べ〇・五%の減となり、ほぼ前年度並みの水準となっております。また、一般会計全体に占める福祉局予算の割合は、前年度の九・〇%から九・二%になっております。
 福祉局は、一般会計のほか、母子福祉貸付資金会計及び心身障害者扶養年金会計の二つの特別会計を所管しております。これらを合算いたしますと、歳出予算の総額は、五千三百七十二億三千四百万円となります。
 以下、予算案の主な内容につきましてご説明申し上げます。
 第一は、高齢者の地域生活と自立への支援でございます。
 ケアを必要とする高齢者が地域の中で安心して暮らし続けられるよう、多様な住まいの整備促進を図る必要があります。このため、痴呆性高齢者グループホームについて、引き続き民間企業への整備費補助を実施するとともに、新たに、社員寮、社宅等のオーナーがその建物を改修し、グループホーム事業者に賃貸する場合も整備費補助の対象とするなど、都独自補助により大幅な設置促進を図ります。
 また、ケアハウス、シルバーピアなど、整備計画に基づき着実な設置に努めるとともに、今後の施策充実のために、痴呆性高齢者グループホームの普及方法や高齢期における住まいと介護のあり方について調査検討を進めてまいります。
 同時に、在宅のひとり暮らし高齢者等への施策として、地域の社会資源を活用した見守り等のネットワークを構築する高齢者地域自立支援ネットワーク緊急整備事業を創設し、地域での安心した生活を推進いたします。
 介護保険制度につきましては、すべての高齢者等が安心して利用できるよう、保険者や介護支援専門員を支援する都独自の取り組みを実施していくほか、利用実績の低い訪問リハビリテーションなどの普及促進を図る都市型在宅サービス普及促進事業を新たに実施するなど、その環境整備に努めてまいります。
 一方で、できる限り要介護状態等にならないための施策も、今後ますます重要となります。このため、介護予防開発普及事業を新たに実施し、介護予防に係る人材育成や普及啓発などを総合的に展開し、区市町村における介護予防事業の早急な普及、定着を図ります。
 第二は、子育て環境の整備でございます。
 地域や家庭の養育機能の低下や虐待の増加など、子どもと家庭を取り巻く環境が大きく変化しています。このため、地域の子育て支援の拠点となる子ども家庭支援センターを拡充するとともに、児童相談所と連携して事業を実施する先駆型子ども家庭支援センターを創設し、子育て機能の強化を図ります。さらに、地域における関係機関との連携を強化する児童虐待防止区市町村ネットワーク事業について、実施する区市町村を大幅に拡充いたします。
 また、これまでも児童相談所の相談体制強化に努めてきたところですが、十五年度においても、施設等入所児童の早期家庭復帰を行う家庭復帰支援員を全児童相談所に配置するとともに、緊急対応車両配備、情報管理システムの構築により、虐待等に迅速かつ機動的に対応いたします。
 次に、社会的養護につきましては、家庭的養護を強力に推進することといたしまして、養育手当の充実、養育家庭に対するレスパイトケアの実施、被虐待児等への専門的処遇を行う専門養育家庭の創設など、養育家庭への支援体制を強化し、委託児童数を拡大してまいります。
 保育の分野につきましては、女性の社会進出や保護者の就労形態の変化などにより、大都市の保育ニーズはますます多様化しています。これらに柔軟に対応するため、東京都独自の基準による認証保育所について規模の拡充を図ることといたします。同時に、認可保育所におけるゼロ歳児保育対策や延長保育事業補助を拡充し、大都市に適した保育の推進と保育サービス総体の質の向上を図ってまいります。
 第三は、障害者の自立生活への支援でございます。
 いよいよ本年四月から支援費制度がスタートします。障害を持つ人が、みずから望む福祉サービスを選択し、地域で自立した生活を送る、支援費制度はこうした理念の実現を目指しています。このため、障害者地域生活支援緊急三カ年プランを策定し、支援費制度に移行する十五年度から三カ年で、障害者の居住の場である生活寮、重度身体障害者グループホームや、通所授産施設等の日中活動の場のほか、地域で生活する障害者を支援する機能を備えた入所施設などを、都の特別助成により集中的に整備いたします。これにより、十八年度に知的障害者入所更生施設の待機者解消を目指します。
 また、今年度、障害福祉サービスを提供する事業者向けのガイドラインを作成いたしましたが、十五年度には、利用者に適したサービスプラン作成が可能となる体制を区市町村が整備できるよう、支援費制度利用援助モデル事業を新たに実施するとともに、障害者ケアマネジメントの普及を図るため、障害者ケアマネジメント従事者養成研修を実施いたします。
 さらに、入所施設から地域生活への円滑な移行を進めるために、障害者地域生活移行支援事業について、知的障害児施設においても実施することといたします。また、知的障害者の自立生活に向けた生活訓練を一定期間実施する体験型生活寮モデル事業の規模の拡大を図ります。
 在宅の障害者やその家族への支援につきましては、ホームヘルプサービス事業の規模の拡大や都型ショートステイの創設など、在宅サービスを引き続き充実するとともに、新たに自閉症・発達障害支援センター事業を実施し、相談体制の強化を図ります。また、就労支援と生活支援を一体的に提供する区市町村障害者就労支援事業について本格実施することとし、実施規模を拡大いたします。
 第四は、サービス選択の仕組みづくりと新しい福祉を支える基盤づくりでございます。
 高齢や障害などの理由でケアを必要とする状況になっても、地域の中で、競い合いにより質の向上したサービスを選択し、利用しながら、自立した生活を続けられる社会の実現に向けてさまざまな施策の展開を図ってまいります。
 まず、サービス提供事業者の質の向上を図るとともに、福祉サービスの利用者が安心してサービスを選択できるよう、福祉サービス第三者評価システムを本格実施し、その普及、定着に努めてまいります。
 同時に、利用者がサービスを安心して主体的に選択できるよう、福祉情報総合ネットワーク事業を本格稼働させるとともに、住民に身近な区市町村が、福祉サービスの利用援助、成年後見、苦情対応などの支援を総合的、一体的に実施する福祉サービス総合支援事業の実施規模の拡大を図るなど、積極的な取り組みを進めてまいります。
 また、地域福祉の基盤整備を推進するため、福祉改革推進事業、高齢者いきいき事業の包括補助制度や、地域福祉推進事業補助及び暮らしの福祉インフラ緊急整備事業により、区市町村の主体的な取り組みを積極的に支援してまいります。
 社会福祉法人やNPO等の福祉サービス提供主体に対しましては、経営体質の強化、改革を支援する社会福祉法人経営改革推進事業、福祉NPO等運営強化支援事業を着実に実施し、質の高いサービス提供に向けた支援を行ってまいります。
 バリアフリー化の促進に当たりましては、区市町村における福祉のまちづくりの推進を支援する福祉のまちづくり地域支援事業の規模拡充や、だれにも乗りおりしやすいバス整備事業、鉄道駅エレベーター等整備事業など、引き続き整備を進めてまいります。
 このほか、低所得者への対策といたしまして、新たに長期生活支援資金及び緊急小口資金の貸付事業を創設し、自立した生活への支援を行います。
 路上生活者への対策では、早期社会復帰を促すため、一時保護、就労相談などのほか、新たに巡回相談を実施し、支援を強化いたします。
 また、国民健康保険の財政基盤の強化策といたしまして、区市町村国保の広域化や財政の自立を支援する基金を設置いたします。
 以上、平成十五年度予算案の主な内容をご説明申し上げました。
 次に、平成十四年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 一般会計歳出予算の補正でございまして、国の補正予算に対応して実施する事業等に要する経費を補正するものでございます。また、国の補正予算に基づき実施する事業のうち、年度内に事業が完了しないことが見込まれますものにつきまして、平成十五年度に繰り越して使用できるよう、手続をあわせて行っております。
 続きまして、条例案について概要をご説明申し上げます。
 お手元の平成十五年第一回東京都議会定例会議案をごらんいただきたいと存じます。
 表紙の次のぺージ、目次をお開き願います。今回ご審議をお願いいたします条例案は、十三件でございます。
 まず、東京都国民健康保険広域化等支援基金条例でございます。
 区市町村国民健康保険の広域化等を支援する観点から、基金を設置するものでございます。
 次に、東京都保育士試験手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 保育士の登録に関する事務手数料の徴収に係る規定を設けるものでございます。
 次に、東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 貸付対象に児童を加えるほか、規定を整備するものでございます。
 次に、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 母子及び寡婦福祉法の改正に伴いまして、規定を整備するものでございます。
 次に、東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例でございます。
 障害者福祉サービスについて、支援費制度に移行することに伴い、支援費に関する規定等を整備するものでございます。
 以下四件の、東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例、東京都肢体不自由者自立ホーム条例の一部を改正する条例、東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例、次のぺージに参りまして、東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例につきましても、同様に支援費に関する規定等を整備するものでございます。
 また、東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例につきましては、支援費に関する規定等を整備するほか、社会情勢の変化に伴いまして、東京都用賀技能開発学院を廃止するものでございます。
 次に、東京都心身障害者福祉手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都老人福祉手当に関する条例が平成十五年三月三十一日で失効することに伴いまして、規定を整備するものでございます。
 次に、東京都介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例でございます。
 財政安定化基金拠出金の算定に係る拠出率を変更するとともに、基金事業貸付金に係る償還方法の特例を設けるものでございます。
 次に、東京都医療扶助審議会条例を廃止する条例でございます。
 医療扶助の決定、実施に伴う専門的判断、助言指導を行う体制が整ったため、東京都医療扶助審議会を廃止するものでございます。
 次に、東京都城北福祉センター条例を廃止する条例でございます。
 東京都城北福祉センターと財団法人山谷労働センターの事業を平成十五年度に再編し、一体的に運営するため、東京都城北福祉センターを廃止するものでございます。
 以上、平成十五年度予算案、平成十四年度補正予算案並びに条例案につきましてご説明申し上げました。詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
 また、都立養護老人ホームの民間移譲等につきまして、後ほど担当参事からご報告申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉川総務部長 平成十五年度予算案及び平成十四年度補正予算案、並びに条例案につきましてご説明申し上げます。
 最初に、お手元の資料、平成十五年度当初予算事業別概要をごらんいただきたいと存じます。
 二ページをお開きください。このぺージは、一般会計の総括表でございます。
 まず、左側(1)の歳入予算は、歳入合計千三十四億三千百三十六万五千円で、児童扶養手当の支給事務の区市移管及び高齢者福祉・医療の複合施設の建設終了に伴う当然減を除いた前年度比では、二百五十億九千六百二十二万一千円の増となっております。
 次に、右側の(2)、歳出予算でございますが、7、福祉費の合計は五千二百八十一億五千二百万円で、これに18、諸支出金を加えた局歳出予算の合計は五千二百八十三億二百万円で、先ほどの当然減を除いた差し引き歳出合計の前年度比では二十七億百九十三万九千円、率にして〇・五%の減となっております。
 以下、左下の(3)には一般財源充当額を、右下の(4)には債務負担行為限度額を、それぞれ計上してございます。
 三ページをお開きください。このぺージは、福祉局の所管する二つの特別会計の総括表と予算総額を記載してございます。
 歳入歳出同額となっておりまして、まず左側の2、母子福祉貸付資金会計でございますが、(2)、歳出予算として、貸付費四十八億五千二百万円を計上しております。
 また右側の3、心身障害者扶養年金会計につきましては、(2)、歳出予算として、扶養年金費四十億八千万円を計上してございます。
 下段の4、福祉局予算総額は、これら二つの特別会計と一般会計とを合算したもので、歳出合計では五千三百七十二億三千四百万円となり、この歳出予算から二つの特別会計への繰出金を控除した歳出合計の額は、括弧で表示してありますように、五千三百五十六億四千八十九万九千円となります。
 以上、総括的にご説明申し上げましたが、以下、一般会計から各事項を追って、順次説明させていただきます。なお、新規事業など主要なものを重点的にご説明させていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、五ページをお開き願います。
 まず1、局事業の管理及び福祉改革の推進でございますが、局事業の一般管理事務に従事する職員の給料、管理事務費及び福祉改革の推進に要する経費などがございまして、八十八億四千三百六十五万九千円を計上しております。
 以下、各項において事業の管理という項目が出てまいりますが、これらは事業ごとの職員の人件費が主な内容でございます。
 概要欄5、福祉改革推進事業は、区市町村が地域の実情に応じて行う地域福祉の基盤整備に対する包括補助制度でございます。引き続き、区市町村の自主的な取り組みを積極的に支援してまいります。
 6、福祉サービス第三者評価システムでございますが、平成十五年度から本格実施するに当たり、普及、定着に向けての立ち上がりを支援するとともに、多様な評価機関の認証や評価者の養成などを行うこととしております。
 六ページをお開きください。7、福祉サービス総合支援事業でございます。
 この事業は、福祉サービスの利用者支援や権利擁護などについて、住民に身近な区市町村の総合的、一体的な取り組みを支援するものでございます。
 右側の七ぺージをごらんください。このぺージは、社会福祉法人の指導検査や監理団体に対する補助金などの経費でございまして、三十七億百三十四万一千円を計上しております。
 八ページをお開きください。ここには、生活福祉事業の管理に要する経費を計上してございます。
 次の九ぺージから一〇ぺージにかけましては、生活保護費の支給等に要する経費として、二百三十九億六千九百万円を計上してございます。
 一〇ぺージをお開きください。7、巡回相談センター事業補助は、路上生活者に対して、緊急一時保護センターの活用や自立支援センター退所後の地域での安定した生活について、道路や公園等、現地で相談を行うものでございます。
 次の一一ぺージには、旧軍人等の援護に要する経費を計上してございます。
 一二ページをお開きください。ここから一五ぺージにかけて、地域福祉の推進等に要する経費として、六十三億七千九百万円を計上してございます。
 概要欄1、福祉のまちづくりの推進でございます。
 (1)、福祉のまちづくり地域支援事業補助は、区市町村が行う福祉のまちづくりの仕組みづくりとその実践を支援するもので、十五年度は規模を拡充し、五十三地区での実施を予定しております。
 一三ぺージをごらんください。(2)、だれにも乗りおりしやすいバスの整備事業助成でございます。
 平成十五年度において、事業目標の千台に到達する見通しでございまして、所要の経費を計上してございます。
 一五ページをお開きください。概要欄10、長期生活支援資金貸付事業補助でございます。
 低所得の高齢者に対し、居住用不動産を担保に生活資金を貸し付けることにより、生活を支援するものでございます。
 11、緊急小口資金貸付事業補助は、低所得世帯における緊急かつ一時的な資金需要にこたえるため、小口の生活資金を貸し付け、生活を支援するものでございます。
 一六ページをお開きください。ここから一七ぺージにかけまして、福祉人材養成・確保の支援に要する経費として、十九億九千九百万円を計上してございます。
 概要欄1、福祉人材養成の養成・確保対策でございます。
 (1)、福祉サービス事業者等人材育成支援は、事業者が行う研修などの人材育成を支援するため、情報提供や職場内研修リーダーの養成などを行うものでございます。
 (10)、保育士登録の実施は、保育士の国家資格化に伴い、資格登録に関する事務を行うものでございます。
 一八ページをお開き願います。このぺージは、山谷対策事業に要する経費として、十一億一千八百万円を計上してございます。
 概要欄2、財団法人城北労働・福祉センター(仮称)に対する補助は、山谷地域の日雇い労働者の自立に向け、一貫性のある効率的な相談、支援体制を確立するため、城北福祉センターと財団法人山谷労働センターを一体化して運営するものでございます。
 一九ぺージをごらんください。ここからは、高齢福祉に要する経費を計上してございます。
 最初に、高齢福祉事業の管理として、百五十八億二百十二万円を計上してございます。
 二〇ページをお開きください。このぺージから二五ぺージにかけましては、高齢者の福祉増進でございます。
 概要欄2、介護予防開発普及事業は、区市町村における介護予防事業の早急な普及、定着を図るため、人材育成や普及啓発などを総合的に展開するものでございます。
 3の高齢者いきいき事業は、区市町村が地域の実情に応じたサービスを主体的に選択し、展開できるよう支援するもので、事業内容の充実を図り、実施してまいります。
 二一ぺージをごらんください。4のシルバーパスの交付及び5の老人クラブへの助成等により、高齢者の社会参加を促進してまいります。
 二二ページをお開きください。6の高齢者地域自立支援ネットワーク緊急整備事業は、ひとり暮らし高齢者等が地域で安心して自立した生活を続けていけるよう、地域の多様な社会資源を活用して、支援するためのネットワークの構築を図るものでございます。
 二三ぺージをごらんください。17の痴呆性高齢者グループホーム普及に関する調査検討等は、痴呆性高齢者グループホームの普及促進を図る観点から、利用者及び地域が求めるグループホームのあり方、量及び質を確保するための方策などについて検討を行うものでございます。
 二六ページをお開きください。二六ぺージから次の二七ぺージにかけましては、高齢福祉施設の運営に要する経費でございます。民間施設への補助や直営施設の運営費などを計上してございます。
 二八ページをお開きください。介護保険施設の運営でございます。板橋ナーシングホーム及び東村山ナーシングホームの運営に要する経費を計上してございます。
 二九ぺージをごらんください。医療センターの運営等に要する経費といたしまして、百六十五億二千三百万円を計上してございます。
 概要欄2の管理委託施設につきましては、平成十五年四月に全面開設を予定してございます江東高齢者医療センターの管理委託経費などを計上してございます。
 三〇ページをお開きください。財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団への助成に要する経費でございます。ここでは、財団の研究部門に対し助成する経費を計上してございます。
 三一ぺージをごらんください。ここからは、子ども家庭福祉に要する経費を計上してございます。
 三二ページをお開きください。この三二ぺージから三七ぺージにかけまして、子ども家庭の福祉の増進でございまして、百六十一億六千百万円を計上しております。
 次の三三ぺージをごらんください。3、児童扶養手当の支給でございますが、区市部については昨年八月に地方分権一括法に基づき事務移譲がなされましたので、町村部の手当支給に係る経費を計上してございます。
 4の子ども家庭支援センター事業補助でございますが、実施規模を拡充いたしますとともに、児童相談所と連携して事業を実施する、先駆型子ども家庭支援センターを創設し、地域における子どもと家庭の支援体制の充実を図ってまいります。
 三五ページをお開きください。10、子育てひろば事業補助でございます。NPO等が多様な場所を活用して子育て相談等を実施するものも対象とし、事業の拡充を図ってまいります。
 三八ページをお開き願います。児童相談所の運営に要する経費でございます。
 1、児童相談所の経費の中には、児童虐待の防止と早期発見を行うために関連機関の連携強化を行う、児童虐待防止区市町村ネットワーク事業の経費を計上してございます。また、施設に入所している児童の早期の家庭復帰を促進する家庭復帰促進事業の経費も、こちらに計上してございます。
 三九ぺージをごらんください。三九ぺージから四四ぺージにかけましては、児童福祉施設等の運営に要する経費でございまして、六百八十四億七千八百万円を計上しております。
 概要欄の3の(1)、児童養護施設等の中には、民間児童養護施設の処遇力向上を図るために実施する派遣研修に係る経費を計上してございます。
 次に、四〇ページをお開きください。4、家庭的養護でございます。
 社会的養護を必要とする児童のニーズへの対応を、施設養護中心から家庭的養護へ転換しているところでございます。養育手当の額を大幅に増額するほか、専門的な処遇を行う専門養育家庭を新たに制度化するなど、制度の充実を図ってまいります。
 概要欄5は、保育事業に要する経費でございます。
 次の四一ぺージをごらんください。(3)、延長保育事業補助は、十一時間の開所時間を超えて延長保育を実施する保育所に対して補助するものでございます。
 四三ページをお開きください。(11)、認証保育所でございます。制度創設以来、順調に設置が進んでおりますことから、A型、B型ともに規模を拡充いたしまして、さらなる設置の促進を図ってまいります。
 次に、四五ページをお開きください。女性相談センター及び婦人保護施設の運営並びに女性の福祉増進に要する経費でございます。
 概要欄1、女性相談センターには、一時保護利用者の処遇の改善を図るため、同伴児童を保育する保育士を配置するための経費を計上してございます。
 四六ページをお開きください。ここからは、心身障害者福祉に要する経費を計上してございます。まず、心身障害者福祉事業の管理に要する経費でございます。
 概要欄3の支援費制度実施事務処理体制の整備は、制度実施に伴い新たに発生する事務に要する経費でございます。
 4の障害者ケアマネジメント従事者養成研修は、区市町村において必要な人材を養成研修する事業でございます。
 四七ぺージをごらんください。このぺージから五九ぺージにかけましては、心身障害者(児)の福祉増進に要する経費でございまして、二百八十億九千五百万円を計上しております。
 四八ページをお開きください。4の(1)、心身障害者(児)ホームヘルプサービス事業補助は、支援費制度の施行に伴い、中軽度知的障害者及び重度視覚障害者の各ガイドヘルパー派遣事業を統合しております。
 五〇ページをお開きください。5の(1)、心身障害者(児)緊急保護事業でございます。支援費制度の施行に伴い、短期入所事業については、実施主体が都から区市町村に移譲されることになっております。また、都内の現状を踏まえ、支援費制度に準じた都型ショートステイを創設いたします。なお、家庭保護については、都型ショートステイ等への移行により、平成十七年度末には発展的解消を図っていきます。
 五一ぺージをごらんください。7、(1)、知的障害者生活寮運営費補助は、一人当たりの補助基本額を九万三千七百円に増額するとともに、規模を千三百十五人から二百五十人増とするなど充実を図っております。
 また、(2)、重度知的障害者生活寮運営費補助につきましても、三十カ所から四十カ所へ拡充してまいります。
 8、体験型生活寮モデル事業は、知的障害者の自立生活に向けて生活寮に指導員を配置し、生活訓練を実施するもので、五カ所で実施してまいります。
 五二ページをお開きください。9、(2)、重度身体障害者グループホーム運営費補助は、重度身体障害者が地域生活を営めるよう、介助等のサービスを提供するグループホームに対して補助するもので、三カ所増の十カ所の実施を予定しております。
 11、小規模通所授産施設運営費補助は、類似事業の法内通所授産施設への移行を進め、事業運営の安定化を図るものでございます。九十九カ所と、規模を大幅にふやして実施してまいります。
 五三ぺージをごらんください。14、自閉症・発達障害支援センター事業は、自閉症等特有の発達障害を有する在宅の障害者(児)とその家族に対しまして、相談、指導を行うことにより、障害者の地域での生活を支援するものでございます。
 15、支援費制度利用援助モデル事業は、支援費制度導入を受けて、ケアマネジメント手法を活用した適切なサービスプラン作成が可能となる体制を区市町村が整備できるよう、モデル事業として実施するものでございます。
 五四ページをお開きください。20、平成十五年度障害者・芸術文化祭開催事業は、障害者の芸術文化の振興を図るため、全国規模での発表の場を設けるもので、厚生労働省と共催で実施するものでございます。
 以下五九ぺージにかけまして、心身障害者(児)福祉事業をそれぞれの障害別に記載しております。ごらんいただきたいと存じます。
 六〇ページをお開き願います。心身障害者福祉センター等の運営に要する経費で、十一億三千八百万円を計上してございます。
 次の六一ぺージから六五ぺージにかけましては、心身障害者施設の運営等に要する経費でございまして、三百九十六億二千百万円を計上してございます。
 六五ページをお開き願います。7、障害者地域生活移行支援事業でございます。これまで知的障害者施設における自活訓練事業の実施を支援してまいりましたが、平成十五年度からは、新たに知的障害児施設においても実施してまいります。
 次の、六六ページをお開きください。ここからは、保険事業に要する経費を計上してございます。
 概要欄3、国民健康保険料収納率向上特別対策事業でございます。区市町村における保険料収納率の向上を図るため、保険制度の趣旨や仕組みなどをわかりやすく周知する事業として、昨年度の広報事業に引き続き実施するものでございます。
 六七ぺージをごらんください。このぺージから六九ぺージまでは、介護保険制度の運営に要する経費として、六百二十九億八千九百四十八万一千円を計上してございます。
 概要欄1の(1)、介護保険給付費負担金では、十五年度の介護給付に必要な都の負担金について、所要額を計上しております。
 同じく概要欄1の(2)、低所得者特別対策事業では、介護保険の導入に伴う負担の激変緩和や負担の均衡を図るため、アから、次の六八ページをお開きいただきまして、概要欄エまでの国制度とともに、平成十四年一月から実施しております都独自制度のオ、介護保険サービス提供事業者による生計困難者に対する利用者負担額軽減措置について、それぞれ所要額を計上しております。
 同じく六八ぺージの3の(2)、都市型在宅サービス普及促進事業は、介護保険制度の充実のため、利用実績が低い訪問リハビリテーションや通所介護等のサービスについて、現状と課題を分析し、その普及を促進するものでございます。
 六九ぺージをごらんください。(4)のウ、ケアマネジメントリーダー等相談窓口設置事業は、介護支援専門員の中核かつ指導的な役割を担うケアマネジメントリーダーが、介護支援専門員の相談に応じ、その業務を支援するものでございます。
 (4)のエ、ケア指導チームの運営は、ケアマネジメントリーダーが中心となり、介護支援専門員が作成したケアプランの評価等を行い、質の向上を図るものでございます。
 七〇ページをお開きください。このぺージから七一ぺージにかけましては、国民健康保険事業の助成等に要する経費として、二百九十七億八千五百十三万五千円を計上してございます。
 右側の七一ぺージをごらんください。6の国民健康保険広域化等支援基金拠出金等でございますが、国民健康保険事業の運営広域化に対する保険料の平準化や、赤字財政を一時的に補てんすることにより、国保財政の自立安定を図るため、無利子貸付等を行うものでございます。
 七二ページをお開きください。このぺージから七四ぺージにかけましては、医療費の助成に要する経費として、千四十六億六十一万七千円を計上してございます。
 概要欄1、老人医療費の助成でございます。(1)の国制度では、老人保健法が改正されたことに伴い、所要の経費を計上してございます。
 (2)の都制度でございますが、都制度は、平成十九年六月での廃止が既に決定している事業でして、昨年の第三回都議会定例会でお認めいただいた内容で所要額を計上してございます。
 七三ぺージをごらんください。このぺージと次の七四ぺージにかけまして掲載してございます、ほかの医療費助成制度につきましても、老人医療費の助成の都制度と同様、それぞれの改正後の内容に基づいて所要額を計上してございます。
 七五ページをお開きください。都立施設の各所整備等で、福祉局所管の都立社会福祉施設の整備補修等に要する経費を計上しております。
 七六ページをお開きください。このぺージから八一ぺージにかけましては、社会福祉施設等の整備助成に要する経費として、三百八十五億四千五百二十九万六千円を計上しております。
 概要欄1の(1)、特別養護老人ホームにつきましては、計画に沿って順調に整備が進んでおり、平成十五年度は、十五カ所、千六百八十四人分を新規に整備することとしております。
 七七ぺージをごらんください。(6)、痴呆性高齢者グループホームでございます。
 都では、痴呆性高齢者グループホームの設置促進を緊急の課題として取り組んでおりますが、多様な事業者の参入をさらに促すため、新たにオーナーが社員寮、社宅等を改修し、グループホーム事業者に賃貸する場合も補助の対象とし、事業の拡充を図っていきます。
 七八ページをお開きください。4の(1)、障害者地域生活支援緊急三カ年プランは、障害者の地域居住の場、日中活動の場、入所施設を緊急に整備するものでございます。平成十五年度におきましては、施設整備で九百三十九人分、施設整備以外も含めて千九十五人分の障害者の利用の場を新たに整える計画であり、設置者負担分への特別補助を含め計上してございます。
 八一ページをお開き願います。8、鉄道駅エレベーター等整備費補助でございますが、平成十五年度におきましては二十七駅での整備を予定しております。
 八二ページをお開きください。精算の結果、受入額が超過した国庫支出金の返納に要する経費を計上しております。
 次の、八三ぺージから八四ぺージにかけましては、一般会計の合計でございます。ごらんいただきたいと存じます。
 次の八五ぺージからは、特別会計でございます。
 八六ページをお開き願います。本会計は、母子及び寡婦福祉法に基づく母子福祉資金の貸し付けに要する経費でございまして、四十八億五千二百万円を計上しております。
 八八ページをお開きください。心身障害者扶養年金会計でございます。東京都心身障害者扶養年金条例に基づく年金の給付などに要する経費で、四十億八千万円を計上してございます。
 以上で、平成十五年度予算案について説明を終わらせていただきます。
 続きまして、平成十四年度補正予算案についてご説明申し上げます。お手元の平成十四年度補正予算概要をごらんいただきたいと存じます。
 今回の補正予算案は、国の補正予算に対応して実施する事業に要する経費等を補正するものでございます。
 一ページをお開き願います。このぺージは、一般会計の総括表でございます。
 左側の(1)、歳入予算は、補正予算額欄にございますように、8、国庫支出金、13、都債の総額で十六億六百二万五千円を補正し、これにより、歳入合計は九百四十九億四千七百五万五千円となります。
 次に右側の(2)、歳出予算は、7、福祉費で二億九千七百八十一万六千円、18、諸支出金で十八億五千四百五十三万円、総額で二十一億五千二百三十四万六千円を補正し、これにより、歳出合計は五千六百四十九億五千百三十四万六千円となります。
 次に、左下の(3)、一般財源充当額でございますが、五億四千六百三十二万一千円の増加となります。
 その下の(5)、繰越明許費でございますが、このたびの補正予算に計上する事業のうち、年度内に事業が完了しないことが見込まれる事業につきまして、その歳出予算を平成十五年度に繰り越して使用できるようにするため、十五億二千百二十一万二千円を計上しております。
 二ページをお開きください。Ⅰ、歳入歳出予算補正でございます。
 二ぺージ及び右側の三ぺージには、職員の給与につきまして、人事委員会勧告の実施等に伴い、改定及び削減を行う必要が生じたことから、その経費を更正するものでございます。
 四ページをお開き願います。介護保険給付費負担金に係る経費につきまして、既定予算の歳出を精査し、減額更正するものでございます。
 右側の五ぺージをごらんください。国民健康保険事業の運営の広域化及び財政の安定化を図るための基金を、国庫補助の開始に合わせ、十四年度から設置することとし、このために必要な経費を計上しております。
 六ページをお開きください。国の補正予算に対応して、待機児解消に資するための保育所の創設及び改修整備経費、高齢者の介護予防等のために区市町村が地域の実情に応じて行う、拠点整備に対する支援に要する経費を計上しております。
 あわせて、鉄道駅エレベーター等の整備に係る経費につきまして、既定予算の歳出を精査し、減額更正を行うほか、既定事業に対する国庫支出金のうちの一部を、国からの指示に基づき、社会福祉施設等施設整備資金貸付金、いわゆるNTT債無利子貸付金に変更する必要が生じたことに伴いまして、都債の計上を行うものでございます。
 右側の七ぺージには、精算の結果、受け入れが超過した国庫支出金の返納に要する経費を計上しております。
 九ページをお開き願います。社会福祉施設等整備助成につきまして、補正予算額欄にございますように、総額で十五億二千百二十一万二千円を計上しております。いずれも国の補正予算に対応して講じる措置でございまして、概要欄に記載しております保育所及び介護予防等拠点の整備につきまして、年度内に事業が完了しないことが見込まれるため、平成十五年度に歳出予算額を繰り越して使用できるようにするものでございます。
 以上が、平成十四年度補正予算案の概要でございます。
 続きまして、条例案についてご説明いたします。
 お手元の配布資料、平成十五年第一回都議会定例会条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 今回ご審議をお願いいたします条例案は十三件でございます。順を追ってご説明申し上げます。
 まず、一ページをお開き願います。東京都国民健康保険広域化等支援基金条例でございます。
 国民健康保険法の一部改正によりまして、都道府県は、国民健康保険事業の運営の広域化または財政の安定化に資する事業に必要な費用に充てるため、国民健康保険広域化等支援基金を設置できることとなったため、東京都におきましても、区市町村国民健康保険の広域化等の際の保険料(税)平準化等を支援する観点から基金を設置するものでございます。
 この条例は、公布の日から施行することとしております。
 なお、基金の創設に要する積立金につきましては、先ほどご説明申し上げた平成十四年度補正予算案に計上してございます。
 二ページをお開き願います。東京都保育士試験手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 児童福祉法の改正により、保育士資格が国家資格となり、その登録を都道府県知事が行うこととされたことに伴いまして、保育士の登録に関する事務手数料の徴収に係る規定を設けるものでございます。
 この条例は、平成十五年四月一日から施行することとしております。
 三ぺージをごらん願います。東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 母子及び寡婦福祉法の改正に伴いまして、母子福祉資金の貸付対象として、配偶者のない女子が現に扶養している児童を追加するほか、規定を整備するものでございます。
 この条例は、平成十五年四月一日から施行することとしております。
 四ページをお開き願います。東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 母子及び寡婦福祉法の改正に伴いまして、規定を整備するものでございます。
 この条例は、平成十五年四月一日から施行することとしております。
 五ぺージをごらん願います。東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例から、六ぺージの東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例、七ぺージの東京都肢体不自由者自立ホーム条例の一部を改正する条例、及び八ぺージの東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例までの四件の条例につきましては、知的障害者福祉法、児童福祉法及び身体障害者福祉法の改正により、障害者福祉サービスについて、これまでの行政がサービス内容を決定する措置制度から、障害者みずからがサービスを選択し、契約によりサービスを利用する支援費制度に移行することに伴いまして、支援費に関する規定等を整備するものでございます。
 改正の概要は、それぞれの施設で行う支援費対象の事業と、支援費対象事業に関する使用料について定めるものでございます。
 また、いずれも平成十五年四月一日から施行することとしております。
 九ページをお開き願います。東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例でございます。
 改正の概要は、ただいまご説明申し上げました支援費制度に関連した条例改正と同様に、身体障害者更生援護施設で行う支援費対象の事業と、支援費対象事業に関する使用料について定めるほか、社会情勢の変化に伴いまして東京都用賀技能開発学院を廃止するものでございます。
 次に、一〇ページをお開き願います。東京都心身障害者福祉手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 改正の概要は、東京都老人福祉手当に関する条例が平成十五年三月三十一日で失効することに伴いまして、心身障害者福祉手当の支給に関して、支給制限の対象として老人福祉手当を受給している場合を定めている規定を削除するものでございます。
 この条例は、平成十五年四月一日から施行することとしております。
 一一ぺージをごらん願います。東京都介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例でございます。
 財政安定化基金拠出金の算定に係る拠出率を変更するとともに、介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令の一部を改正する政令の施行に伴いまして、平成十二年度から平成十四年度までの基金事業貸付金に係る償還方法の特例を設けるものでございます。
 改正の概要は、拠出率の改正、及び平成十二年度から平成十四年度までの基金事業貸付金の償還について、償還期限を平成二十年度まで、または平成二十三年度までとした場合の償還方法の特例を設けるものでございます。
 2の(1)、拠出率の改正につきましては平成十五年四月一日から、(2)の特例規定の追加につきましては公布の日から施行することとしております。
 一二ページをお開き願います。東京都医療扶助審議会条例を廃止する条例でございます。
 各区市等の福祉事務所における嘱託医の設置が進み、医療扶助の決定、実施に伴う専門的判断、助言指導を行う体制が整ったため、同審議会を廃止するものでございます。
 この条例は、平成十五年四月一日から施行することとしております。
 最後に、一三ぺージをごらん願います。東京都城北福祉センター条例を廃止する条例でございます。
 山谷地域における労働者の生活支援や就労支援をより効果的に行えるよう、東京都城北福祉センターと財団法人山谷労働センターの事業を平成十五年度に再編し、一体的に運営するため、東京都城北福祉センターを廃止するものでございます。
 この条例は、平成十五年四月一日から施行することとしております。
 条例案の詳細な内容につきましては、お手元配布の資料、平成十五年第一回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。
 以上で提出議案の説明を終わらさせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○森田委員長 説明は終わりました。
 引き続き、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中島参事 それでは、お手元の都立養護老人ホームの民間移譲等についての資料に基づき、今後の取り組みについてご説明させていただきます。
 まず、対象施設でございますが、東京都大森老人ホーム及び東京都吉祥寺老人ホームの二施設でございます。
 両施設の所在地、定員等は記載のとおりでございまして、いずれも現在、社会福祉法人に管理運営を委託しております。
 次に、目的についてでございますが、社会福祉法人の自主性や創意工夫を生かした、より一層弾力的かつ効率的な施設運営により、利用者サービスの向上を図るものでございます。
 運営予定法人の選定等についてでございますが、選定基準を定め、公募により適切な社会福祉法人を選定し、同法人に運営させることといたします。
 今後のスケジュールにつきましては、平成十五年度上期に運営法人を公募し選定し、下期に東京都養護老人ホーム条例の改正を提案させていただく予定でございます。
 また、平成十六年度から社会福祉法人による運営の開始を予定してございます。
 以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○森田委員長 報告は終わりました。
 この際、先ほどの第一回定例会提出予定案件及びただいまの報告事項に対して、資料要求のある方は発言を願います。

○吉田委員 何点か資料をお願いいたします。
 初めに、予算に関してですけれども、福祉費における各項別予算額と決算額の推移を、一九九九年度、平成十一年度以降、わかる資料をお願いいたします。
 二つ目に、高齢者緊急相談センターの概要と実績について、わかる資料をお願いいたします。
 三つ目に、城北福祉センターの概要と実績のわかる資料をお願いいたします。
 四つ目に、社会福祉学院のこの間の経過、非常に複雑な経過があったかと思うのですが、お示しください。
 番号をいっているとわからなくなるので、次に、支援費制度の事業者数とその内訳、社会福祉法人あるいはNPO等の状況をお示しください。それと、支援費制度の区市町村別申請者数と障害者手帳保持者数をお示しください。
 次に、支援費制度移行に伴う利用者負担がどのように変わるのかということのわかる資料をお願いいたします。
 それと、障害者ホームヘルパー等、国の補助基準と東京都における実績を対比して、わかるような資料をお願いいたします。
 ホームヘルパーの登録数及び派遣実績のわかる資料をお願いいたします。
 それと、ホームヘルプサービスの利用者負担についてですけれども、支援費制度の利用者負担と現行の都の利用者負担を対比して、わかるような資料をお願いいたします。
 それと、障害者施設の緊急三カ年計画、来年度までのものですけれども、現時点での到達がわかる資料をお願いいたします。
 路上生活者自立支援センター及び緊急一時保護センターの利用状況についての資料。
 次に、都道府県別介護保険対象通所施設及び入所施設の定員の要介護認定者に対する比率を示す資料をお願いいたします。
 それと、今報告がありました大森、吉祥寺養護老人ホームの委託費の推移を、五年程度でお願いいたします。
 最後に、保育所入所待機児の推移について、過去十年程度の資料をお願いいたします。
 以上です。

○小林委員 二点お願いしたいと思いますけれども、一点目は、高齢者地域自立支援ネットワークの緊急整備事業、これの詳しい内容、それからもう一つは、障害者地域生活支援緊急三カ年プラン、これも詳しい事業の中身を出していただきたいと思います。

○森田委員長 ほかにありますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 それでは、ただいま吉田副委員長、小林委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○森田委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに一四第一七四号、「福祉サービス提供主体の改革への取組」に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○吉川総務部長 お手元にお配りしてございます請願陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号1、一四第一七四号、「福祉サービス提供主体の改革への取組」に関する請願は、東京の福祉をすすめる連絡会代表高橋八十吉さん外四万七千百八十六人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、福祉サービス提供主体の改革への取り組みに関し、次のことを実現するようにというものでございます。
 まず第一項でございますが、支援費制度の基本理念である利用者の自己決定、自己選択の考えなどを踏まえて、施設利用者の地域生活移行のための仕組みづくりなどの施策を確立し、支援費制度が円滑に実施されるよう取り組むこと。
 次に、第二項でございますが、趣旨は、都立施設改革に当たっては、施設利用者の地域生活移行のための仕組みづくりなどについて、今後のあるべき全体像を示すこと、及び利用者へのサービス水準を維持しつつ、関係者との話し合いを行いながら進めること。
 次に、第三項でございますが、社会福祉法人改革に当たっては、施設利用者に対する現行のサービス水準を維持しつつ、関係者との話し合いを行いながら進めることというものでございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 第一項でございますが、都は、支援費制度を真に利用者本位のものにするため、事業者の役割やモデル契約書などを盛り込んだ事業者向けガイドラインを策定するとともに、福祉サービスの第三者評価を来年度から本格実施し、評価結果も含めた総合的な情報を福祉情報総合ネットワークを通じて提供するなど、独自に利用者支援の仕組みづくりに取り組んでおります。
 また、障害者がサービスを適切に利用できるよう、区市町村におけるサービスプランの作成や支給申請を支援するモデル事業を、来年度新たに創設する予定でございます。
 さらに、障害者地域生活支援緊急三カ年プランを平成十五年度重点事業として新たに策定し、設置者の負担を軽減する特別助成を行うこととするなど、地域生活を支えるサービス基盤の整備促進の取り組みを進めております。
 今後とも、区市町村等と適切に役割分担を図りながら、支援費制度が円滑に実施できるよう努めていきたいと考えております。
 第二項でございますが、都は、利用者本位の福祉の実現を目指し、福祉改革を進めており、地域での自立を支える新しい福祉の体系及びその具体的な取り組みについて、TOKYO福祉改革STEP2で示し、障害者の地域生活移行のための仕組みづくりや、養育家庭制度等の家庭的養護の推進などを積極的に実施しております。
 都立福祉施設改革は、これらの施策の充実を図りつつ進めていくものであり、改革の具体化に当たりましては、入所者へのサービス水準を確保するとともに、入所者を初め都民に不安が生じないよう十分な説明を行うなど、適切に対処してまいります。
 第三項でございますが、都では、施設における利用者本位のサービス提供のために、これまでの画一的な仕組みを改め、サービス向上に向けた努力が真に報われるものとするよう、施設に対する運営費補助の再構築の検討を行っております。
 この検討に当たりましては、現在、施設代表者の意見などを十分に聞きながら進めております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします

○森田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○萩生田委員 質問者が多いようなんで、簡単に。
 請願そのものの趣旨は、私も賛意を示したいというふうに思いますし、ちょっとおぼろな請願ですから、決定的ないい回しじゃないので、とり方によっていろいろ解釈もあろうかと思いますけれども、東京が目指すこれからの福祉改革について答申をしていただいている意味合いも十分あるし、また、危惧を持っている部分もあるのじゃないかというふうに思いますので、一点のみ、指摘を申し上げておきたいと思います。
 今、私、局長や総務部長の十五年度の施策あるいは予算案の説明を聞いていまして、東京の福祉というのは、一体どこまでやれば先が見えてくるのだろうか、あるいはどこまでやれば充実したといって胸を張れるのだろうかということを考えますと、本当に雲をつかむような実態であるなというふうに心配をいたしました。
 これから、都民と一緒になって東京の福祉を充実していくためには、利用者である都民、あるいはサービス提供者である東京都、社会福祉法人等々含めて、かなりの意識改革をしていかないと、これは紛れもなくパンクをするだろう、こういう認識で私はおります。
 今回の請願の特に三項目め、これは以前STEP2の報告がなされたときに、私は持論を申し上げました。一律に社会福祉法人と申し上げても、その役割がいろいろ違うあるいは法人設立の生い立ちがいろいろ違う、ということを申し上げたというふうに思うのです。
 これから、率直に申し上げて、例えば保育等というなら、未来へ向けての福祉と、高齢者福祉等々で残念ながらその施設でお亡くなりになったりする、終えんを迎える福祉とは、おのずとどこかで、勇気を持って差別化をしていかざるを得ない、そういう状況にあると思うのです。
 はっきり申し上げて、私の地元自治体というのは、東京都のフルメニューを抱えている自治体ですから、これはもう、ほかの議員の皆さんとは比較にならないくらい実態を見てきていますよ。ですから、入所する前はいろいろ家族も悩むでしょうし、あるいは努力もするでしょうし、できることならば在宅で福祉の充実をしてあげたいと、どの家庭も思っている。しかしながら、結果として、施設に預けると、だんだん家族のきずなというのは薄まっていきますし、意識も薄れていく。
 そういう中で、結果として、以前もお話ししたかもしれないけれども、お亡くなりになって、遺体すらとりにこないというのはまれじゃないわけですよ。骨にしたって、とりにこない。結果として、施設の駐車場の角の無縁仏に眠っているご遺体が、何十体も何百体もあるというのが、うちの町ですよね。これは、まさにサービスを利用する前と利用してからの、残念ですけれども、人間の意識の推移の中でやむを得ない部分があると思います。
 ですから、亡くなって初めて、自分におじいちゃんがいたんだって知らされる子どもたちがいるのも、まさに東京の実態だというふうに思いまして、この点、幾ら社会福祉施設を充実したり、あるいは特養老人ホームも千何百、入所者がふえる、ありがたいことなんだけれども、どこまでやっても、都民の意識が変わらないと、結果として充実にはならないと私は思うのです。
 この点は、請願の3にもありますように、社会福祉の法人と一くくりにされても、その施設の目的や考え方がいろいろ違うわけですから、これらについては、これから福祉局としてしっかり精査をしていただきたいなと。このことはSTEP2でも申し上げたところなんですけれども、それぞれの社会福祉法人の目的別の支援策というのは、今後どういうお考えで細分化したメニューを考えているのか、現段階でお示しいただければ、お答えいただきたいと思います。

○内海企画担当部長 私ども、今、社会福祉法人改革に関しまして、さまざまな取り組みをしているわけでございますけれども、その一つとして、民間社会福祉施設サービス推進費補助について、いろいろ検討してございます。
 現在、各施設種別を代表する方々と懇談を行う場を設けて、いろいろ検討させていただいているわけでございますけれども、その懇談の中でも、今先生ご指摘のとおり、高齢者、障害者、子どもなど、その対象によって利用者の特性は多様でございまして、提供するサービスの内容も異なるなどのご意見もいただいてございます。
 また、現在の社会福祉法人がさまざまな成り立ちを持っておりまして、それによって、サービスの質の向上に向けた組織や経営の見直しの視点というものも、それぞれ異なるというふうなことも認識しているところでございます。
 そういうことも十分踏まえた上で、今後、サービス推進費の再構築に関する検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○萩生田委員 大変頼もしいご答弁で、ありがとうございます。ぜひその辺は、きめ細かくお願いをしたいなと思います。
 この後の請願にも関係するのですけれども、特に保育の問題、福祉局が先進的な試みとして、東京都の認可保育に頼らず認証保育所を設置したことは、私も、過去にも高く評価をしてまいりました。
 地元で考えますと、東京全体でどうなっているかわかりませんけれども、せっかく認証保育所をつくっていただいて、ゼロ歳保育の補完をしていただいているのだけれども、一向に待機児が減らない、こういう現状にございますよね。これは、さっき申し上げたように、特養老人ホームという施設ができたときに、自分の親をやむを得ずその施設に入れるのは、かなりの勇気が要った時代があったというふうに思うのです。
 それと同じように、ゼロ歳の子どもを保育園に入れることが、その親子にとって本当にいいことかどうか、子どもにとっていいことかどうか、あるいは親として責任を果たせるかどうかというのは、多分、今の皆さんは悩んでいらっしゃると思うのですよ。
 ところが、結果として待機児が減らないというのは、私が客観的に見る限りでは、みんな預けている、何となくみんな預けているのだからという、横並びみたいな感覚が都民の中に芽生えるとすれば、これは望むところじゃないと思うのです。
 確かに女性の社会進出も必要になってまいりました。会社の中で、あるいは組織の中で重要な地位を占めている女性の方たちも、いっぱいいらっしゃいます。都議会なんかは、女性の議員の方が本当に活躍しているくらいですから。
 しかしながら、ゼロ歳の乳飲み子を保育園に預けてまで会社に戻ってきてもらいたいと、本当に会社が思っているかどうかというと、この辺も私、疑問があると思うのですよ。中には、大手の企業なんかでは、産休証明を出さない方が保育園に入りやすいなんというアドバイスをする総務の担当者がいることも、お聞きをしております。
 すなわち、本当はゼロ歳から一歳になるまで、あるいは三歳くらいまでは親元で育てようと思って、頑張ろうと思っていた母親までもが、その制度に甘えを持ってしまうとすれば、これは東京が目指す福祉とは違うと思うのですよ。結果として、仲間の皆さんがホテルのランチでおしゃべりをしていて楽しそうだからといって、私も預けたという親も、残念ながら実態としてはいますよ。
 この辺を、僕は福祉局のみならず、先日、生文にもお話ししたのですけれども、心の東京革命を掲げている東京が、これからの子どもたちをどうするかということは、真剣に考えなければいけない。すなわち、私は、今の措置から契約に変わるといいますけれども、かつての措置基準というのは全く矛盾を感じる。
 例えば核家族で、夫婦二人が共稼ぎで、そして子どもを見る人がいない人が優先的に保育園の入所順位が上がりますよね。夫婦二人で共稼ぎで、ゼロ歳の子どもがいて、共稼ぎのわけないじゃないですか。とりあえずだれかが見ていたり、助けてもらったりしているはずですよね。そのことは、一枚のペーパーの中にはなかなか出てこない。しかし、子どもを預けられるのだったらぜひパートに出たいという人たちの方が順位が低いのが、今の入所順位じゃないですか。そっちの人の方が、僕は正直だと思うのですよ。子どもを預けられるのだったら四月からお勤めに出たいのです、この方が正しくて、だれも見る人がいないのですけれども働いていますというのは、私はちょっと矛盾を感じるのですよ。これは残念ながら国の制度ですから、東京都独自に判断はつかないかもしれないけれども、この辺に大きくメスを入れていく時期に来ているのじゃないかと思うのです。
 次の請願のお願いで、はがきや要望書の手紙やファクスがいっぱい来ましたよ。いっぱい来ましたけれども、今のお母さんの字は汚くて読めない。私も字はきれいな方じゃないけれども、日本の母親の字ってこんなになっちゃったのかなと。小学校へ行きますと、子どもの上履きを見て、自分で書いたのと聞くと、お母さんが書きましたというのが、いっぱいいますよ。日本語じゃないですよ、これ。
 でも、それも、あえて申し上げるならやむを得ない。我々の世代前後は、偏差値に偏重した、そういう教育を受けた時代ですから、払いがどうだとか、書き順がどうかよりも、一枚でも多く漢字ドリルをやった方がいい子で、一枚でも多く計算ドリルをできた方が優秀でと、こういう時代の親が、まさに今の親だというふうに思います。その次の世代は、ワープロ世代だと思います。
 字が汚いことが、親としていけないとはいいませんけれども、しかしながら、本来、日本人が大切にしなければいけない道徳心や心も含めていろいろなものが失われていく中で、東京が単にハードの面だけで福祉の充実を追いかけたときに、果たしてその結果がどうなるのか。児童虐待や、あるいは親へ暴力を振るう家庭内暴力、こういうのの原因は、親子のきずながどんどん薄れていくこと、親が親としての自覚がどんどん薄れていくことに起因していることは明らかですよ。いいかえれば、まさに東京は、将来の家庭内暴力の要因をみずからつくっていることにもなってしまうのじゃないかということを、実は我が党は大変心配しているのです。
 この辺を、局のみならず横断的に、ぜひこれからの実態として把握をしていただきたい。ゼロ歳の子どもを保育園に預けた母親が、本当に社会の中で重要な役割を占めて頑張っていらっしゃるのかどうなのか、その辺は、私は実態を把握するべきだと思いますよ。まさにその部分に目隠しをして、入所のときには、ペーパーの中に出てきたさまざまな実態で判断をするのだけれども、その後のことは全くわからない。これは高齢者福祉も同じですよ。この辺を、私は局にかかわらず横断的に、これからの東京の新しいテーマとして、ぜひ目を見張らせていただきたい、こんなふうに思いますけれども、お考えをお示しいただきたいと思います。

○川崎福祉局長 保育所を整備しても整備しても待機児が減らないという話から、今、委員がお考えを述べられたわけでございますけれども、整備すれば、それだけ潜在的なニーズが掘り起こされるということは、確かに一部としてあるというふうに私も思います。
 本来、ゼロ歳、一歳、二歳の子どもが、どこで育てられた方がその本人にとって望ましいかということを明らかにして、そのニーズを的確につかんで行政が対応するということが、最も望ましい姿だというふうには私も思っています。
 ただ、今まではそういう面についての行政の判断、考え方というのは示されておりません。したがって、今、委員の方から話もございましたように、私どもだけでなくて、幅広い観点から、そのあたりについても、これから検討していく必要があると認識しております。

○萩生田委員 私は、女性の社会進出を否定をしたりとか、そういうことじゃないのですよ。あえて申し上げるならば、やはり産休がとりづらい社会環境に、まだまだあるのだというふうに思います。中小零細企業については、例えば女の人が結婚して、子どもができて一年間休みますといったら、制度上は認めるけれども、実際には一年たったら会社に戻れないというのが、まさに今の実態ですよ。
 ですから、仕事を失うことがおっかなくて、結果として仕事をやめられない、休めない、これは男性も女性も同じだと思いますけれども、そういう社会制度の矛盾点というのを、やはり東京から変えていく努力をしなきゃいけないのじゃないか。これは国を巻き込んでも、あるいは他局を巻き込んででも、そういう社会制度づくりというのを、福祉を充実しながら一方ではやっていただきたい。このことを強く要望して、終わりたいと思います。

○東村委員 私は、この請願の趣旨に賛成の立場から、特に、この中に支援費制度が円滑に実施されるようにと、こういう要望があります。この支援費制度について質問をしたいと思います。
 障害者に対する措置制度が、この平成十五年度から支援費制度に移行されるわけでございますが、これに伴ってやはり問題となっているのが、障害者に対するヘルプサービスへの補助金の問題でございます。
 一月上旬の新聞報道で、国が障害者ホームヘルプサービスへの補助金に利用時間の上限を設けることを検討している、このような旨を報じられたことに端を発して、全国の障害者団体の皆様が、連日、厚生労働省に対し抗議行動を行うという事態になりました。私の地元からも、厚生労働省に行ってまいりますという人がおりました。
 私どもも、この障害者ホームヘルプサービスへの補助金については、利用時間の上限を設けることについて、いささかも障害を持つ人たちの福祉を後退させてはならない、このような立場から、現在の状況をよく踏まえて、しっかりとこれは検討すべきであるということを、公明党の厚生労働部会に訴えました。厚生労働部会長は、直接、坂口厚生労働大臣に強く申し入れをしてくれました。
 そこで、このような事態に対して、今までどの道府県よりも、東京都は手厚い支援をしてきたわけでございます。東京都はどのような対応を行ってきたのかということについて、まず伺いたいと思います。

○有留障害福祉部長 東京都の対応でございますが、この問題が新聞等で報じられた後、都は、一月十五日でございます、いち早く要望書を国に持参し、上限設定はホームヘルプサービスの充実にかかわる負担を地方にしわ寄せするものであること、現在の水準すら維持できないようなことがあれば、支援費制度の根幹を揺るがす深刻な問題であることとして、国庫補助金への一律的な上限を設けないよう、強く申し入れました。
 その後、他の自治体が追随する中、国へたびたび足を運び、粘り強い協議を続けてまいりました。

○東村委員 他の自治体が追随する中、国へたびたび足を運んで粘り強く交渉をされたと、非常に評価をしたいと思います。
 それで、一月二十八日に、この都の要望も踏まえて国が補助の基準を示したということなんですが、今回、国が示した補助金基準の目的と内容、多くの委員の方、もうご存じだと思うのですが、確認の意味で伺いたいと思います。

○有留障害福祉部長 国によれば、ホームヘルプサービスの利用実態には地域によるばらつきが非常に大きく、支援費制度のもと、どこにいても一定の水準のサービスを受けられるようにするためには、国庫補助金を公平、公正に配分する必要があるというのが、基準設定の目的であるというふうに聞いております。
 具体的には、一カ月当たり一般の障害者でおおむね二十五時間、視覚障害者等特有のニーズを持つ者でおおむね五十時間、全身性障害者でおおむね百二十五時間を基準として算定する基準交付金と、これが従前額を下回る場合に交付される調整交付金から構成されております。

○東村委員 確かに補助金ですから、公平で公正であるという目的は、非常に私は大事だと思うのです。ただ、先ほどいいましたように、東京都の今までやってきた措置というのは、ほかの道府県よりも手厚い支援をやってきているわけなんです。
 そこで、国が示した補助金の算定基準、例えば一般障害者の場合は、一月当たりおおむね二十五時間ですか、また、視覚障害者等特有のニーズを持つ者の場合、ここに従来のガイドヘルプサービスなんかも入ってくると思うのですけれども、一月当たりおおむね五十時間、さらに、全身性障害者の場合は一月当たりおおむね百二十五時間、こういう具体的な基準が示されているわけなんです。従来の都の区分とは、確かに異なる部分があると思うのですけれども、一概に、そういう意味では比較することはできないのでしょうけれども、例えば、全身性障害者の場合については比較することができるのじゃないかと。この全身性障害者の場合、今回の国の基準と比較をして、昨年度の都の実績と比較をしてみたいと思うのです。
 そこで、昨年度の都の実績は何時間だったか、まず、これについて教えてもらいたいと思います。

○有留障害福祉部長 東京都が現在実施している全身性障害者介護人派遣事業では、平成十三年度実績で、一人一カ月平均約百六十時間のホームヘルプサービスを、国の補助金を受けて提供しております。

○東村委員 東京都の実績が百六十時間とすると、都の実績と、今回国が示した基準は三十五時間ほど隔たりがあるわけなんですが、このような隔たりについて都はどのように受けとめているのか、お聞きしたいと思います。

○有留障害福祉部長 東京都のような、民間事業者やNPOなどのサービスの提供体制が整った自治体に対しても、一方、提供体制が未整備な地方の自治体に対しても、一律の時間で補助金を配分することが補助金の効率的な使い方かどうか、またその結果、これまでサービスの充実に努めてきた自治体の補助金が削減されるようなことになるとすれば、それが国のいう公平、公正な配分であるのか、いささか疑義を禁じ得ないところでございます。
 ただし、今回は従前額を確保するとして、調整交付金が設けられたことに対しては、国において、都の要望を最低限受けとめていただいたものと考えております。

○東村委員 今回、国が経過措置を設けてくれた、基準交付金の額が従前の補助金を下回る市町村に対して、従前額を確保できるようにするという調整交付金が交付されることになって、当面は従来のサービス水準は維持される、これは非常に喜ばしいことで、市区町村も、国の基準でいくと、うちの市はもうできないよということで断念をするところが恐らく出てきたと思うのですけれども、このような経過措置を設けられたことによって、調整交付金が交付されることによって、当面は、今までの水準が確保されるようになったわけなんですね。
 一つ心配なのは、経過措置何年ということも書いてないのですけれども、経過措置がなくなれば、恐らくサービス水準は低下することは目に見えているわけなんです。その中で、国は今回、これは障害者団体の人も頑張られたと思うのですけれども、厚生労働省、英断をして、支援費制度執行後にホームヘルプサービスのあり方を検討するという検討会を、できるだけ早い時期に立ち上げるという話をして、その上で、経過措置の中で利用状況をしっかりと見て、これを踏まえて、そのための見直しもやはり必要だということで、検証していくという話をされておりました。
 これを受けて、座り込みをされた障害者団体の人も納得をされて、今回の決着を見たと思うのです。しかしながら、今後、このサービス水準がどうなるのかということについては、これからの、先ほどいいました検討会の行く末によっては、大きく左右されるわけなんです。都としても、従来のサービス水準を維持していくためには、やはり積極的に取り組んでいく必要があるのじゃないか、このように思うわけでございます。
 私ども都議会公明党としても、東京の福祉を推進してきたという立場から、この問題についても全力で取り組んでいきたい、このように決意をしております。国に先駆けて、他の道府県よりも手厚い支援を行ってきた東京都でございます。この問題についても、やはり明るい展望をぜひとも示していただきたい、このように思うわけでございます。
 都の今後の取り組みについて、局長の決意を伺いたいと思います。

○川崎福祉局長 今回、国は東京都の要望等を受けまして、従前額を下回る場合に交付するという調整交付金を設けるということで、この件、とりあえずの決着は見たわけでございまして、今、委員からも話があったように、当面は従前のサービス水準を維持する、そのための財源は確保できるということになったと我々は考えております。
 しかし、あくまでも経過措置ということでいわれております。利用者の方々も我々も、その後の扱いはどうなるかということで、心配なところが残っているわけでございます。
 今、委員ご指摘のとおり、国が基準の見直し等を検討するために設けるという検討会、これに対しまして、私ども、その中のメンバーに入れるかどうかわかりませんけれども、都の実情を適正に反映した基準となるよう、これからも強く働きかけていきまして、財源の確保とサービス水準の維持向上に努めてまいりたい、このように思っております。

○東村委員 局長から大変力強い、何としてもこれを維持していくために働きかけていきたいという言葉がありました。メンバーに入れるかどうかわからないという話だったのですけれども、ぜひとも入っていただきたいと思うのです。
 というのは、やはり東京都の福祉政策というのは、国の今までの福祉を誘導してきた部分もあり、先導してきた部分もあるわけです。そういった意味で、他の道府県よりも手厚い、さまざまな措置が行われてきたわけなんですけれども、今、力強いご発言がございました。東京都がメンバーの中にも入って、また後押しをしながら、今のホームヘルプサービスの水準が東京都の中で維持できるように働いてもらいたいと思いますし、頑張ってもらいたいと思います。
 以上、終わりたいと思います。

○青木委員 それでは私、本請願について、何点かお尋ねをしたいと思います。
 支援費制度がこれからスタートして円滑に運営されるためには、まず一つは、当然、選べるだけの質的、量的な確保と、それからまた、情報の発信が受けとめる方にきちんと伝わるという、この二面、三面が極めて重要だというふうに思います。
 そして、支援費制度の理念である、地域で自立した生活、みずから選択をして決定するといった理念を現実のものにするためには、これから解決をしていかなければいけない問題が山積をしていると思います。
 また一方、地域生活に移行をしていくさまざまな取り組み、生活寮の確保、社会参加の場の確保、これもまだまだ道半ばだというふうには思っておりますけれども、こうした課題を認識し、緊急に対応を図ってきている、また、これからも図っていこうとしている東京都の取り組みに対しては、私どもは一定の評価はいたしております。
 しかし、一番大きく問題に出てくる、これから措置から契約に移行していく際に、最も基本的な契約の支援という課題を一つだけとってみても、いろいろな問題があると思います。それは、当事者またはその家族の皆さんにとっては非常に大きな不安に結びついているわけです。
 そういった中で、二十三日に福祉局は事業者向けガイドラインを発表して、その中で契約書、そしてまた重要事項説明書のモデルを提示しております。特に重要事項説明については、内容をわかりやすく丁寧に説明をし、利用者が本当に理解し、納得した上で契約ができるようにするということが、最も必要なことだというふうに思います。
 こういったことを前提にして、数点伺いたいと思いますが、利用者がこれから受けるサービスの内容を理解した上で契約を結ぶということは、なかなか一般的にも難しいことですけれども、利用者が障害者であれば、それはさらに難しい問題だなというふうに思われます。
 私は、選挙区、目黒でございますが、目黒の育成会の方々も、青木さん、これからどうなるのだろうかと、大変皆さん心配をされている。そういったことを、私、たくさん耳にもしておりますし、各委員の皆さんも、同様なことを耳にされているというふうに思います。ですから、一人一人が十分に理解をして、後から確認がきちんとできる配慮が必要だと思います。
 そこで、障害福祉のサービスについて、二十三日に発表された事業者向けのガイドラインの中では、利用者の障害特性に応じた対応を、事業者サイドに対してどのように求めているのか、まず最初、具体的に内容を伺いたいと思います。

○有留障害福祉部長 東京都が本年一月に発表いたしました事業者向けガイドラインにおきましては、障害者から利用の申し込みを受けた場合に、事業者が障害の特性に応じ、わかりやすい言葉を使い、イラストを載せたパンフレットを用意するなどして、サービスの内容及び手続を説明することを求めております。
 さらに、契約書を取り交わすに当たり、視覚障害者の場合は、契約書等の写しの点字版やテープ版を交付する、また、聴覚障害者の場合は手話通訳者を立ち会わせるなど、障害の特性に配慮したコミュニケーション手段を確保することを求めております。

○青木委員 東京都が障害の特性に応じた非常にきめ細かい、配慮が行き届いた説明を、事業者サイドにぜひ強く働きかけていただくことを重ねて要望しておきたいと思います。
 それから二点目ですが、今、ガイドラインは、当然これは事業者向けということでございますけれども、まず第一義的には、市区町村の職員にも障害の特性を十分理解してもらう、配慮することが大事だと思うのです。まず一義的にはフェース・ツー・フェースで、目黒区なら目黒区役所、大田区なら大田区役所に出向いていくというケースが一番多いわけですから、そこの職員の皆さんにも理解をしていただくということが、一番行政サイドとして大事なことだと思います。
 特に知的障害の場合など、実際に納得していなくても、機械的に返答してしまうというような特性もあるようです。こういう特性を市区町村の職員にきちんと理解してもらうことが、極めて大事だと思います。
 そういう視点から、市区町村の職員が障害特性に応じた対応ができるように、東京都はどういう施策を、これから措置から契約に移行していく中でされていこうとしているのか、ここを伺っておきたいと思います。

○有留障害福祉部長 都は、独自に作成した障害程度区分の判定マニュアルを用いて、区市町村の職員を対象とした支援費の支給決定にかかわる研修を、今年度、三回実施したところでございます。平成十五年度も引き続き同様の研修を実施する予定であり、その中で、障害の特性に配慮した相談技術の向上を図ってまいります。
 また、より専門的な技術が必要とされる場合には、区市町村の求めに応じまして、都の心身障害者福祉センターが専門的な助言等を行ってまいります。

○青木委員 障害の特性に配慮するということは、非常に重要なことだと思います。事業者、市区町村の皆さん方に、この趣旨が徹底されるようにぜひお願いをしたいと思います。なかんずく、市区町村の窓口で、サービス等を含めた格差が出ないということは、非常に大事なことでございますから、そういった点も踏まえて、ぜひ施策を展開をしていただきたいと思います。
 そして次に、今、わかりやすい説明をしていただいた次のステップとしては、どういうサービスを選ぶことになるんだろうかという、今度はサービスの情報の発信ということになっていくわけです。サービス事業者も、いろんな過去の経緯等もあって、得意、不得意というのは当然あるんでしょうから、自分のすぐれていたところは、これは一生懸命セールスポイントとして話をするでしょうし、余り得意でないところとか、対応できないところは積極的に説明をしないというようなことが起きてくるのか--私は、市区町村とサービスの格差といったんですけれども、そういった似た話が、今度は事業者の方にも起きてこないだろうか、私はそういうところを大変懸念いたしております。
 プラスの方向だったら問題はないんですが、マイナスの方で、結果として利用者の期待にこたえられないで、トラブルが生じてくるということが懸念されます。そういったことを防ぐためにも、ガイドラインの中では、利用者の選択に役立つ情報として、どのような情報の提供を、事業者に都として求めていくのか、その点ちょっと伺っておきたいと思います。

○有留障害福祉部長 事業者には、個別の利用者が受けられるサービスの内容を詳細に定めた重要事項説明書について十分説明するとともに、第三者によるサービス評価を積極的に受け、その評価結果について情報提供することも求めております。また、その事業者が提供できないサービスや、経営の健全性を示す財務情報などについても開示することが望ましいとして、事業者の積極的な取り組みを求めております。

○青木委員 ぜひ適切な情報を、適切な方法をとって利用者の皆さんに伝わるように事業者サイドに働きかけていただくことも、改めてまた要望しておきたいと思います。こうした事業者向けガイドラインの作成、さらに事業者への確実な普及は、これは利用者本位の福祉の実現に寄与するものと考えます。
 都においては、ガイドラインの作成に代表される福祉サービス利用に関する仕組みづくりとともに、福祉サービスを提供する主体である社会福祉法人の改革に取り組んでおられます。都の取り組みが、利用者本位の福祉の実現を目指すものであるならば、この社会福祉法人の改革についても、その大前提は、現行のサービス水準を担保するということ、これは極めて重要なことだと思います。
 現在東京都では、社会福祉法人改革の一環として、民間社会福祉施設サービス推進費補助の再構築の検討を行っておりますけれども、この再構築に当たっては、サービスの水準の低下、これは絶対あってはならないと私どもは考えております。現行のサービス水準を維持するために、いま一度現行制度の課題を明らかにした上で、施設関係者との慎重な話し合いをして、理解を得る、現場の声を参考にするということが極めて重要だというふうに思いますが、見解をお尋ねをしておきたいと思います。

○内海企画担当部長 現行の民間社会福祉施設サービス推進費補助制度は、施設における利用者へのサービス内容にかかわらず、一律に補助する仕組みとなっていることなどが課題としてございます。そのため、サービス向上に向けた施設の努力が真に報われる仕組みとなるように、再構築の検討を行っているところでございます。
 この検討に当たりましては、今後とも、サービス向上に向けた努力の内容などにつきまして、施設の代表者の意見や現場の声などもお聞きし、参考にしながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○青木委員 施設入所者のうち、自立のできる方の地域への移行の支援、それから、地域での受け皿の整備、地域での社会参加、就労と収入、また、地域で生活していく中で出てくる問題への対処、そして苦情処理、それから権利擁護、第三者評価、そして契約支援など、支援費制度の実施には幾つかの問題が、先ほども指摘したようにあると思います。
 本当にたくさんの方々が、この新しい制度については不安を持っていると思います。先ほど東村委員からもお話があったホームヘルプサービスの補助金交付に絡む、利用時間の基準を設定する、そういった問題も、やはり根本には利用者サイドの皆さんの不安が根底にあるというふうに私は思います。そして私は、この改革の--いろんな不安はあるんでしょう、ただ、この不安を乗り越えたその向こう側には、地域で生き生きと暮らすことができる、それからまた、適切なサポートを受けられるという新しい福祉が誕生することを大いに期待はしています。
 そういったためにも、いろんなところから、議会を含めて、いろんな声をぜひしっかりと受けとめていただいて、これから始まっていく支援費制度への移行、措置から契約への移行が、先ほどからも出ている利用者本位の福祉の実現に寄与してもらう、このことを私は強く要望をして、質疑を終わりたいと思います。

○吉田委員 私は、他の請願については若干質疑をさせていただきますけれども、本請願については意見を述べさせていただきます。
 大きくいったら、支援費制度への対応について、二つ目に、昨年七月に発表いたしました福祉サービス提供主体の改革への取り組みに関しての請願となっております。
 第一の支援費に関しては、既に議論がありましたけれども、私自身、昨年の第四回定例会に当たって文書質問を提出させていただき、先日、その回答が寄せられました。諸課題がありますが、中心は、やはり現行のサービス水準が後退してはならないというのが私の質問であり、それに対して、サービスの質と量の確保が重要な課題となっていると述べ、さらにサービス水準の維持向上に努めていくという旨の回答がされました。
 これは、もちろん多岐にわたるわけでありまして、施設運営でのサービスの維持、あるいはホームヘルパーを初めとする利用サービスの量的、質的な維持、さらに、利用者負担が支援費によって新たに過大にならないように、現状が少なくとも守られていくなどの諸課題があると思いますけれども、先ほどのご説明では、支援費への移行が円滑に進むように努力をしていく旨のお話がありましたが、こうした国の動向の中で、東京都として、やはり現行のサービス水準が維持向上されるように努力をしていくことが求められていると思います。
 次に、福祉サービス提供主体の改革への取り組みに関してです。この取り組み方針は、都立福祉施設の廃止、民間移譲など、都が都立施設から全面撤退することを打ち出した推進委員会の報告を具体化するというものです。また、民間福祉施設に対しても、これまでの人件費補助の廃止を打ち出した提言委員会の中間提言を受けとめ、検討していくとしています。
 日本共産党は、本委員会での質疑でも明らかにしてきましたが、この二つの報告と提言には当然反対であり、また、その具体化を許さないために、都民の皆さんに共同の運動を呼びかけてまいりました。
 いうまでもなく都立福祉施設は、重度、重症の障害者児を受け入れ、発達を保障するなど、都立ならではの役割を果たしてきました。しかも、現時点でも多くの入所希望者が待機をし、さらに他県の委託施設に依存しているという実態のもとで、都立施設の廃止、民間移譲は、入所者の処遇の後退にとどまらず、東京の福祉の重大な後退を招くものであります。
 また、民間福祉施設への人件費補助は、人材確保を支援し、サービス水準の向上を図る上でも不可欠な制度であり、都議会での議論を受けて、関係団体との協議による新制度の移行が図られた直後に廃止提言を受けとめ、検討するということは、私はあってはならないことだと思います。こうした思いは、多くの福祉関係者や施設関係者の共通した思いではないでしょうか。関係者からこれまで都及び福祉局に出された要望書の多くが、こうした取り組み方針に大変危機感を持ち、その具体化の撤回や再検討を求めるものとなっていると思います。
 こうした点で見ると、本請願文書の、取り組み方針の方向を一定理解すると評価し、その具体化を前提とするような趣旨には、私どもは同意することはできません。したがって、私たちは紹介議員にはなっておりません。しかし、都立施設の問題でも、民間福祉施設への補助の問題でも、現行のサービス水準を求め、関係者との話し合いを求める趣旨は、当然同意できるものです。しかも、この請願署名を呼びかけたチラシなども改めて見させていただきましたけれども、サービス推進費廃止、都立施設の民間移譲反対十万人署名にご協力をと呼びかけられておりました。署名をされた方々は、そうした思いから協力をされたものだと思います。
 私は、以上の立場から、本請願については趣旨採択に賛成するものであります。
 以上です。

○山口委員 「福祉サービス提供主体の改革への取組に関する請願」について、採択の立場からの質問をさせていただきます。
 社会経済の成熟に伴い、福祉サービスに対するニーズは多様化、高度化し、質、量ともに大きく変化する中で、供給サイドもその変化に対応することが求められているというTOKYOの福祉改革STEP2の見解には、まさにそのとおりであるだろうと思います。
 さらに、介護保険制度、支援費制度に象徴される措置制度から契約制度への転換は、利用者みずからがどう生きたいのか、どう暮らしたいのかが実現できる社会でなければならないと思います。施設中心の福祉から、できる限り在宅生活への移行は望ましいことであり、推進すべきことではありますが、丁寧に取り組む必要があるのではないでしょうか。
 最初に、社会的養護システムの多様化として、養育家庭制度の拡充について、具体的にどのように進めているのか、伺います。

○笠原子ども家庭部長 養育家庭制度の拡充のためには、児童相談所を制度の担い手の中心に据える体制へと変えていく改革、これが不可欠だろうというふうに考えてございます。
 今年度は、児童相談所が主体となって養育家庭の支援を実施していく、それから、養育家庭委託を大幅に促進する仕組みを確立していく、児童相談所の職員の意識を変えていく、それから、養育家庭へのバックアップ体制というものを確立していく、こういった四点を柱といたします抜本的な見直しを図りました。今年度は、こうした改革を軌道に乗せる、イコールこれが養育家庭制度の拡充につながるんだろうというふうに思っております。
 そのために、例えば、すべての養育家庭に対します児童福祉司の訪問による実態把握、あるいは児童相談所とともに養育家庭への支援や交流の拠点となります養育家庭支援センターの事業内容の充実など等々、いろいろと取り組んでまいったわけでございます。
 私どもといたしましては、こうした取り組みの成果を通じまして、推進体制強化に向けた改革は軌道に乗りつつあるというふうに考えております。今後、さらに制度の拡充に向け、努力してまいる所存でございます。

○山口委員 虐待を受けた子どもや、病気などの親にかわっての養育など社会的擁護の必要性が高まる中、そのうちの九割以上の子どもたちは児童養護施設などで生活しているのが現状です。昨年は、養育家庭を広く都民に広める活動として、都内十二カ所で体験発表会を実施し、延べ七百五人が参加されたとのことですが、ぜひこういったことへも、今後もこういった経験を生かして、ぜひ一人でも多くの子どもが家庭的な養育の場で受けとめていけるようにするために、社会的擁護システムの多様化として、養育家庭制度の充実に努めていただきたいことを要望しておきます。
 次に、民間社会福祉施設サービス推進費補助の再構築ですが、どのような考えで進めているのか、先ほど答弁がございました。その中で、サービス向上に向けた努力が真に報われる仕組みにしていくということでしたが、では、具体的にどのような仕組みなのか、お伺いいたします。

○内海企画担当部長 障害者施設を例にとりますと、重度の方の受け入れの促進、障害者の方々の地域生活移行への支援など、利用者サービスの向上に向けた努力を行う施設が報われるような、そういう仕組みとするように現在検討を進めているところでございます。

○山口委員 利用者自身の生活をサポートする障害者福祉サービスと、保育園に象徴されます保育サービスとはサービスの内容が異なります。保育サービスにおける努力とはどのようにとらえられているのか、伺います。

○内海企画担当部長 福祉サービスは、高齢者、障害者、子どもなど、その対象によりまして利用者の特性は多様でございます。したがいまして、提供するサービスの内容や特性も異なると考えてございます。
 そうしたことから、保育サービスにおける努力の内容につきましては、現在、都と各施設の代表者から構成されます民間社会福祉施設サービス推進費補助等に関する懇談会の場で、いろいろとご意見を聞いている段階でございます。

○山口委員 保育サービスにおける努力については、施設の代表者から意見を聞いているとのことですが、サービス推進費の再構築について、請願にもあるように、関係者との慎重な話し合いをと要望されています。この関係者というのは、当事者これは、私は子どもも含まれると思いますが、当事者、家族、保護者を含み、広く都民の意見を聞いていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○内海企画担当部長 民間社会福祉施設サービス推進費補助に関しましては、各種の団体あるいは施設、個人の方々から、さまざまなご意見、ご要望が寄せられております。今後、サービス推進費の再構築の検討に当たりましては、引き続きさまざまな機会をとらえて、広く都民の方々のご意見を十分に聞きながら進めてまいりたいというふうに思っております。

○山口委員 これまでも意見を聞いてきたということですけれども、では、どのような意見が出ているのか、お示しください。

○内海企画担当部長 サービス推進費における人件費補助であるB経費が廃止された場合、給与が削減されることになるため困る、そういう施設職員からのご意見が数多くございました。また一方、福祉サービス提供主体経営改革に関する提言委員会の中間提言が、自分の周囲では大好評であるとの都民のご意見もあるなど、さまざまなご意見をいただいているところでございます。

○山口委員 都民のいろいろな意見があるということですが、こういったことを公表していくことを要望したいんですが、いかがでしょうか。

○内海企画担当部長 都民の方々などからいただいているご意見は、その内容を公表することを前提としていないものもございますため、意見の概要をお話しすることにとどめさせていただきたいと思います。

○山口委員 本当にいろいろな意見が出てくると思うんですね。そういったことをまた都民が、やはりいろいろな観点から自由に見たり聞いたりすることができるというようなことも望ましいのではないかと思いますので、ぜひ公表できるような方法も検討していただきたいと思います。
 何より、パブリックコメントがどう反映されて、改革がどういうふうに進んできたのかという、改革における結果に至るまでのプロセスが見えるようにしてほしいと、私ども生活者ネットワークではいつも提案しておりますので、ぜひこの点も含めて要望させていただきまして、質問を終わらせていただきます。

○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第一七四号は趣旨採択と決定いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時四分休憩

   午後三時十七分開議

○森田委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 一四第一八二号、東京の保育水準の向上に関する請願及び一四第一八六号、保育室制度の存続と充実に関する請願は、いずれも関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○笠原子ども家庭部長 お手元にお配りしてございます請願陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号2及び3につきましては、内容に重複しております部分がございますので、あわせて説明させていただきます。
 請願一四第一八二号、東京の保育水準の向上に関する請願は、公的保育・福祉を守る東京実行委員会代表橋本宏子さん外十六万三千三百六十一名の方々から、請願一四第一八六号、保育室制度の存続と充実に関する請願は、保育室を支えるみんなの会代表斉藤達さん外一万七千八百四十四名の方々からそれぞれ提出されたものでございます。
 その趣旨でございますけれども、請願一四第一八二号は、東京の保育水準を向上させるため、次のことを実現するようにというものでございます。
 第一項でございますが、待機児童解消に向け、緊急に認可保育所を新設、増設するための施策を行うこと。第二項でございますが、民間社会福祉施設サービス推進費補助を存続させること。第三項でございますが、保育所の職員配置、施設などを改善するための運営費補助を増額すること。第四項でございますが、保育室制度を存続させること。第五項でございますが、学童保育施設を増設するため、施設整備費を予算化すること。第六項でございますが、都立福祉施設の廃止、民間移譲を行わず、都の責任で運営すること、というものでございます。
 請願一四第一八六号は、保育室について、次のことを実現するようにというものでございます。
 第一項でございますが、現行の保育室制度を存続させること。第二項第一号でございますが、保育室への補助金を充実させること。第二項第二号でございますが、認証保育所B型への移行を図る保育室への施設整備に関する補助を検討すること。第二項第三号でございますが、認可保育所を目指す保育室への支援を行うことというものでございます。
 現在の状況についてご説明します。
 まず、請願一四第一八二号第一項でございますが、待機児童が発生する原因は、年齢や保育時間などの保育内容のミスマッチと、地域による需給の不均衡に基づくものであります。保育所の施設整備は、保育の実施主体である区市町村が、受け入れ枠の拡大や定員の弾力化など実情に即した対策を講じた上で、さらに新増設の必要があると判断した場合に行うものであります。都ではこれまでも、こうした区市町村の計画に対し必要な予算措置を行うなど、的確に対応しております。
 次に、請願一四第一八二号の第二項でございますが、民間社会福祉施設サービス推進費補助につきましては、これまでの画一的な仕組みを改め、サービス向上に向けた努力が真に報われるものとするよう、施設の代表者の意見などを聞きながら検討を進めております。
 次に、請願一四第一八二号の第三項でございますが、都は、保育事業総体のレベルアップを図っていく中で、東京都保育所運営費補助要綱に基づき、大都市特有の要望にこたえるため、これまでも必要な補助を行っております。
 次に、請願一四第一八二号の第四項及び請願一四第一八六号の第一項でございますが、保育室は、小規模で家庭的な保育所として地域のニーズに対応した保育を行っておりますが、より一層質の高いものへとレベルアップしていく必要があります。このため都は、保育室よりも充実した保育内容である認証保育室への移行を進めております。移行に際しましては、区市町村と話し合いながら、保育室の現状や意向を十分踏まえながら対応しております。
 次に、請願一四第一八二号の第五項でございますが、都は既に、区市町村が学童クラブの設置や改修ができるよう必要な支援を行っております。
 次に、請願一四第一八二号の第六項でございますが、利用者本位の福祉を実現するため、都は従来、都立福祉施設の運営という形で果たしてきた直接的サービスの提供者という立場から、福祉サービスのインフラ整備、利用者保護の仕組みづくりなど、新しい福祉システムを適正に維持向上させていくことへと、その役割の重点を移していく必要があります。こうした観点に立ち、昨年七月に策定した福祉サービス提供主体の改革への取り組みについての方針に基づき、都立福祉施設の改革を進めてまいります。
 次に、請願一四第一八六号の第二項第一号でございますが、現行保育室への補助制度は、低年齢児童を対象に小規模で家庭的な保育サービスを提供していこうとする特色を生かしたものとするため、平成九年度に改正を行い、その充実を図っております。
 次に、請願一四第一八六号の第二項第二号でございますが、認証保育所B型への移行に当たりましては、事業者みずからが効率的な経営に努め、創意工夫しながら移行することが基本であります。都は、こうした事業者などの意欲にこたえるため、基準を満たさない施設については、区市町村との協議に基づいた経過措置制度を設けるなど柔軟な対応を行っております。
 最後に、請願一四第一八六号の第二項第三号でございますが、認可保育所については、待機児童解消を図る観点から、平成十二年四月に設置主体の制限を撤廃するとともに、二十人以上の小規模保育所の設置が可能となるよう規制緩和を行っております。これにより、現行保育室で認可要件を満たすものについては、認可を受けることは可能であります。
 以上、請願二件の説明をさせていただきました。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○森田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大山委員 今、上程されました請願一四第一八二号と、一八六号の請願に賛成の立場で発言をいたします。
 主に私は、保育問題を中心に発言したいと思っています。
 少子化がいわれて長くなっているわけですけれども、女性が働きながらも安心して子育てができるという社会的な条件をつくる、整えるということは、少子化対策にも重要なことだというふうに思っています。一方、虐待の問題だとか、核家族が多くなって、子育てが家族の中でなかなか伝わりにくいという状況があるわけですけれども、そういうときにも、保育園だとか保育室というのは大きな役割を果たしているわけです。そんな中で、待機児が減らないということでは、まさに少子化対策にも背を向けているといわざるを得ません。
 ところで、最新の待機児数ですけれども、何人になりますでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 平成十四年の十月一日現在の待機児童でございますが、新しい国の定義に基づきますと八千百六十人、それから、昔の旧定義で申し上げますと一万二千百四人でございます。

○大山委員 新しい定義と旧定義ということが述べられましたけれども、保育室だとか、保育ママだとか、認証保育所に通っている子どもたちは待機児から除くということが新定義ですね。実際通っていても、申請をしているわけですから、公立だとか私立の認可保育園の必要性があるということなんですし、望んでいるということなんですね。まして、東京都にしても、国にしても、選べるんだということをいっているわけですから、都民が希望しているものをふやさないと--それはもう、やらなければならないことだというふうに思っています。
 ところで、先ほどの説明を聞いておりますと、待機児が発生する原因というのは、ミスマッチと地域による需給の不均衡に基づくんだというふうに述べられました。私、十一月十九日の事務事業概要質疑のときに、十一月一日付の実際の入所児数が、ゼロ、一、二歳児は定員以上に入所しているということと、三歳児もほとんどあきがないということ、それから四、五歳児は、各園一名ぐらいずつしかあきがないということを福祉局に答弁をしてもらったわけですね。ですから、実際、ミスマッチだとか何だとかいっても、子どもが入る枠がないということを明らかにしたわけです。
 説明では、またミスマッチだとか、地域による需給の不均衡だとかといっているわけですけれども、具体的に何を指していっているんでしょう。

○笠原子ども家庭部長 先生、昨年の事務事業質疑での入所定員の定員オーバーの話をされたんだろうというふうに思います。入所定員については、年齢別ということで、これは規制緩和の中で、年度当初であれば一五%は超えていい、あるいはそれ以降であれば二五%、それから十月以降であれば青天井でいい、そういう考え方の中で入所定員に対する入所児童数というものが出ているわけでございまして、それだけをもって待機児童が非常に満杯状態だからということにはならないだろうと思っております。
 具体的に私ども、ミスマッチとは何を指しているのかということでございますが、一つには、低年齢児枠は入所率が高い一方で、三歳以上にはあきが多く見られるというような、年齢別取扱人員の構成上のミスマッチというものが挙げられるだろうと思っております。
 それから二つ目といたしまして、例えば延長保育、こういったものを実施している園では入所率が多いわけでございますけれども、延長保育を実施していない園では入所率が低い、こういう傾向が見られる。いわゆる開所時間と利用したい時間とのミスマッチというものが挙げられます。
 それから三番目といたしまして、定員が地域の実情に合わせ適正に配置されていない、こういうケースが多々ございます。例えば既成市街地と申しますか、古い住宅街など、少子高齢化が進展している地域では定員割れが多く見られます。それから一方で、新たに市街地開発あるいはマンション造成、こういったものが行われた地域では入所率が高い傾向にございます。そういったものを指しておるわけでございます。

○大山委員 今、規制緩和で、四月の時点でも一五%増し、そして二五%、後は青天井なんだというふうにおっしゃるわけですけれども、これは何をあらわしているかといえば、年度途中で部屋の大きさが広くなるわけはないですから、同じスペースの中に、余裕があったところに詰め込むということですよね。人員配置だって、別に多くするわけではないし、国基準の中でやるんだといえば、そうですよ。しかし、子どもたちを詰め込んでいるという事実は変えられないわけです。私、具体的に聞いたわけですけれども、非常に一般的な答え方しかされないわけですね。
 私、具体的にどういう状況なんだということを聞いたわけですけれども、これは福祉局からいただいた資料です。A市における年齢別入所状況で、四月一日付の人員だということでいただいたわけですけれども、既に、一歳児があき人員がマイナス四十一、二歳児がマイナス二十一、四月の時点でもうオーバーして入れているわけですね。こちらの方がむしろ私は問題だと思いますし、待機人員もいるわけですね。
 それで、実際、四、五歳児の定員を単純に、枠のない一、二歳児に振り分ければよいということなのかといえば、そうじゃないわけですよね。年齢別の広さも確保しなきゃいけないものもありますし、それから施設だとか、施設整備の問題だとかもあるわけですし、年齢に合った集団の大きさというものもあるわけですね。
 延長保育をしているところの方が入所率が高いんだというふうに今、おっしゃいましたけれども、B区における延長保育と入所状況との相関ということで出してもらっている表が、やはり四月一日付の入所率です。延長保育実施は九五・七%、延長保育未実施は八七%です。もちろん延長保育をしている方が、これは九五・七%ですから高くなっています。それは当たり前だと思うんですよ。しかし、保育園というのは、保育に欠ければ区市町村は保育園に入れなければならない、ねばならないということが法律で決まっているところですよね。ですから、九五・七%まで入っているところは、もう四月に入らなかったらこの保育園は年度途中じゃ入れないわけですし、四月当初に八七%といったら途中で入れるというぐらいの程度ですよ。
 もう一つ、地域的な差があるんだということですけれども、B区における地域性と入所状況との相関では、山手線の西側が八八・九%、東側は九一・二%です。四月の時点で九割近く入っているという状況が、かえって明らかになったといえるというふうに思っています。
 私、今もいいましたけれども、児童福祉法は、保育に欠ける乳幼児は保育所において保育しなければならない、ならないのが区市町村の役割です。それに沿って支援をするのが東京都の役割ですね。年度途中であろうが、保育に欠ければ保育園において保育しなければならないはずですよね、それを確認したいんです。

○笠原子ども家庭部長 児童福祉法二十四条ではそういう規定があるということでございます。

○大山委員 児童福祉法二十四条には、そうはっきり書いてあるわけですから、保育しなければならない、保育園に入れられるようにしなければいけない、これはもう東京都も認めるところだと。
 そうしますと、いつでも保育に欠ければ保育園に入園できるようにする、そういう条件を整えておくことが必要なわけですよね。それぞれの保育園に、必ず各年齢とも、あきのところがなければ年度途中で入所することはできないということですから、各年齢とも必ず、ある程度あきがなければいけないというふうに思いますけれども、どうですか。

○笠原子ども家庭部長 私ども、児童福祉法二十四条、あるいはそのただし書き規定で、保育に欠ける児童がある場合には入れなさい、あるいはその代替措置として、保育室あるいは家庭福祉園、こういった形で、いろんなそれに準ずる施設ということで対応いたしておるわけでございます。
 ただ、たまたまそういう形で、現在の児童福祉法は、保育に欠けるという言葉で保育の定義をいたしておりますが、私ども、これから利用者本位の都市型福祉サービスをしていくという観点から考えますと、果たして保育に欠けるという考え方でこれからの保育のあり方を律していいのか、そういう問題意識はございます。
 私ども、これまで都市型保育サービスを展開する上で必要な考え方というのは、やはり保育を必要とする利用者のサイドに立って物事を考える、そういう時代に変わってきているのではないか、そういう認識でやっておるわけでございます。

○大山委員 今の答弁は明らかなわけですね。児童福祉法で定められている保育園は認められるわけですよね。保育に欠ければ入れなきゃいけないということは、認めるわけです。ですから、それも整備しなくちゃいけない。
 そして同時に、それだけでいいんだろうか。それは、ありますよ、保育園にも幼稚園にも行っていないゼロ、一、二歳児のお母さんたち、本当に子育て支援が欲しいというお母さんたち、どういうふうに育てていいかわからないというお母さんたちは、やはり専門家の人たちが必要ですし、そして、リフレッシュしたいというときにも、欲しいという方はいらっしゃいますよね。しかしそれは、児童福祉法二十四条の保育に欠けるというところで、ねばならないというものと趣旨が違うわけですよね。それをはっきりさせておかなきゃいけないというふうに私は思っているんです。
 ですから、実際、年度当初から定員を超えて受け入れをしても、なおかつ待機児がふえているわけですから、幾ら詰め込んだとしても追いついていないというのが現状です。児童福祉法五十六条の七というのを見ましたけれども、保育の実施への需要が増大している市町村は、公有財産の貸し付けその他の必要な措置を積極的に講ずることによって、保育の実施に係る供給を効果的に増大しなさいという条文があります。国及び都道府県は、前項の市町村の措置に対して必要な支援を行うものとするというふうに明確に述べているわけですね。
 十月一日の時点で、もう定員オーバーして入れているにもかかわらず、一万二千人もこどもたちが入らなくちゃいけないのに、待っている。今こそ、保育の実施への需要が増大している今ではないんでしょうか、どうなんでしょう。

○笠原子ども家庭部長 待機児童をどういうふうにとらえるか、これは先ほど萩生田先生の方からもお話ございました。
 待機児童について、現状追認という形で無原則にやるということが果たしていいのかどうかという問題提起、これは全くもっともだろうというふうに思います。子育ての問題、あるいは大きくとらえるならば、ひいては少子化の問題、こういう大きなとらえ方の中で、その中で保育サービスはどうあるべきか、そういう哲学論理といいますか、そういった問題がやはり議論されてもしかるべきであろうと考えてございます。
 そういった中で、年度の途中で待機児が発生したときにどうするかということだろうと思いますけれども、私どもは、基本的には、そういった問題を踏まえて、あるいは現状分析というものを踏まえて、保育の事業実施主体である区市町村がどういうふうに保育計画を立てて、そしてそれに基づいた対応を図っていくのか、こういうことが原則であろうと思います。
 それで、そういったときに私どもは、区市町村が都市型保育サービス、あるいは利用者の立場に立ったさまざまな利用者ニーズにこたえるサービスをしていくということであるならば、そういったものを積極的に側面から支援していく、こういうスタンスで来ておるわけでございます。

○大山委員 待機児をどうとらえるかというのは、保育に欠けるわけですよね。保育園がある、社会的に保育があるということは、もちろん潜在していた働きたいという願い、それから働かなければならないという願い、それから今、不況の中で働かざるを得ないという状況というのもふえているわけですから、それは、やはり必要とする、申請してきているという子どもたちの数は、きちんと待機児だということでとらえるしかないというふうに思うわけですよね。
 それで、区市町村の保育の需給計画を支援をしていくというのが今、東京都の役割なんだということですけれども、それはそういうことなんですよね。ですから必要な予算措置を行うなど、適切に対応するということなわけですよね。じゃ、具体的に聞きますけれども、認可保育所の整備、新設や増改築、この五年間でどうなっているでしょう。

○笠原子ども家庭部長 平成十年度から十四年度まで五カ年間ということでございますけれども、創設数、平成十年度七件、平成十一年度一件、平成十二年度三件、平成十三年度六件、平成十四年度八件でございます。それから増改築数、平成十年度十五件、平成十一年度九件、平成十二年度五件、平成十三年度五件、平成十四年度十四件、こういう数字になってございます。
 ただ、大変財政が厳しい中で、例年、施設整備費については対前年度マイナスシーリングがかかっているという中で、必要な予算額を確保しながら一生懸命努力している、そういう結果がこういう数字にあわられているということが一つございます。
 それから、つけ加えて申し上げるならば、平成十一年度から平成十三年度におきましては、少子化対策の特例交付金ということで、施設整備費については百八億一千七百万円という数字が都内の区市町村に交付されてございます。これは保育所の施設整備費ということでございます。

○大山委員 創設ですから、純粋に定員が保育園にふえるというのは、七件、一件、三件、六件、八件ということですね。
 それで、国でさえも、少子化対策だ、待機児解消だというふうにして百八十億ですか、つけたということなわけですよね。ですから、これだけの待機児がいる中で、そして入所率も一〇〇%を超えるクラスまである、九〇%の上の方にあるという状況の中で、ほとんど満杯だという状況の中で、やはり圧倒的に足りないという認識に立たざるを得ないわけですよね。ですから、東京都が思い切って公有地の提供だとか、土地助成を実施するときだというふうに思っています。
 例えば、特別養護老人ホームを整備しようというふうに東京都が構えたときには、土地助成をやったわけですよね。それから今、障害者の施設が必要だということで、緊急三カ年計画、それから新三カ年計画というところでも土地助成をするわけです。そうやって整備が進んできたわけですよ。東京都がやっぱり施設整備を本格的に進めるというときには、特別の対策をとることが必要でありますので、この請願の趣旨だというふうに思います。
 そして、保育所の職員配置、それから施設などを改善するための運営費補助を増額することというふうに請願されているわけですね。例えば産休明け保育だとか、延長保育などは、要望もありますし、拡大をしていくということが基本だと思っています。既存の園で、例えば比較的古い園で、一歳児からの保育で始まった園がゼロ歳児保育を実施したくてもできない原因というのは何なのか、把握していらっしゃいますか。

○笠原子ども家庭部長 私どもとしては、保育サービスにつきましては、国の運営費補助にプラスいたしまして、かなり手厚い補助をしておるというふうに思ってございます。意味では、そういった東京都のいろんな形での加算、こういったものに対しまして、事業者が創意工夫を凝らしてやっていくのが基本だろうと思っております。
 したがいまして、そういった意味では、なぜ足りないのかということを逆に裏返していうならば、もっと創意工夫をして、きちんと手厚い補助の中で適正なサービスを供給していただきたいというのが私どもの考え方でございます。

○大山委員 本気で東京の子どもたちをどうしようかというふうに思ったら、やはり原因をきちんと、実態を把握するというのが基本だと思うわけですよ。
例えば私たち、それぞれの自治体にも聞きましたけれども、既存の園で改築できるところは、古くなった園舎を増改築するときにゼロ歳児室も、土地のスペースなどがあればきちんと増設しているわけですよね。それが、一歳児園がゼロ歳児園になる、そうすると産休明けもできるわけですね。
 認可保育園でも、改修をすれば産休明けだとか定員もふやすことができるんですというふうな声も多く寄せられています。延長保育も計画的に進めているという自治体がほとんどなわけですけれども、人員増を伴うので、この定数削減抑制の中でかなり厳しいんだというような話も聞きます。さらに二時間延長ということになれば、夕食の問題だとか、それからほっとできるような比較的狭い部屋もほしいとかというような、これも改修だとか人員増の問題が出てくるわけですね。
 それで、市長会の予算要望にも、保育所施設整備費の関係では充実を求めています。施設整備に対する補助単価を実績単価に合わせ、大幅に引き上げるように国に要望するとともに、施設整備に対する都の補助制度を充実させたい。これは、余りにも国の単価が実態と合わないんです、低すぎるんですということをいっているわけですよね。大規模改修における補助内容を充実するとともに、中規模改修の補助対象を拡大されたいとか、あともう一つは、保育所の新設に際しては、用地取得費に係る補助制度を創設するとともに、国有地の無償貸与について国に要望されたいというふうに市長会からも要望が出されているわけです。
 それで、民間の私立の保育園からのアンケートで、私たち意見を聞いたわけですけれども、やはりそこでは、都、区の遊休地の無償貸与だとか、未活用の公的施設の積極活用だとか、行政が管理する建物の貸し付けとか、土地代が高くて法人では購入は不可能なんだとか、土地の補助か土地を無料にしてほしいとか、医療事業団からの借り入れへの返済に補助を出してほしいとかというふうに、市長会の要望、それから民間の私立の保育園の施設長さんたちの要望も、この請願内容とほぼ同じことが出されているわけですね。ですから、現場にいる方たち、子どもたちを目の前にしている方たちは、本当に共通した願いだということがいえると思います。
 次に、保育室についてですけれども、皆さんもいただいたかと思いますけれども、これは三百五十一世帯から寄せられた親御さんたちの声です。これ、裏表あるんですね。私、この声を読みまして、本当に実感するんですけれども、家庭的な保育で、子育てが不安だったお母さんも、保育室の保育士を信頼して何でも相談できる関係になっていることがよくわかるというふうに思いました。そして、ほとんどの方たちが、公立だとか認可保育園に入りたかったけれども、あきがなかったというのが実情ですよね。
 まず最初に伺いたいんですけれども、保育室は、歴史も長くて、公立や認可園が足りないことを補って、子どもたちの成長を保障すると同時に、お母さんたちの仕事をする権利も保障する、安心して仕事ができるような役割を果たしてきたわけですけれども、この保育室が果たしてきた役割を、福祉局はどう評価しているでしょう。

○笠原子ども家庭部長 どう評価するかということでございますけれども、保育室、これは小規模で非常に家庭的な保育所ということで、地域のニーズに対応した保育を行ってきたという意味では、私ども評価をいたしております。
 ただ、保育室の現状を見ますと、保育水準、これは必ずしも私どもにとってみると十分なものではございません。したがって、東京都が認証保育所Bというものを創設したのは、現行保育室をメーンに置きまして、これを利用者本位のより質の高いものへとレベルアップしてほしい、こういう観点から実は認証のBを創設いたしたわけでございます。ぜひそういった認証保育所のBを創設した趣旨というものもご理解をいただきたいというふうに思っております。

○大山委員 果たしてきた役割ということには評価をするということですね。非常に大きな役割を果たしてきましたし、大事な保育室の制度なわけです。請願にあるように、保育室として存続させていくということが重要なわけですね。
 それは何かといいますと、今、ご答弁もされましたけれども、保育室に対して認証保育所Bへの移行を進めているわけですね。認証保育所というのは、児童福祉法二十四条の保育所でもないし、ただし書きにもある適切な保護にも当たらないということは、さきに行われましたこの常任委員会でも確認したことです。一方、保育室というのは、児童福祉法二十四条ただし書きの適切な保護に当たる大事な制度として創設されて役割を果たしてきたわけですね。認証保育所と保育室制度の趣旨は違うということだと思うんですけれども、そうですよね。

○笠原子ども家庭部長 冒頭、ご質問にお答え申し上げましたとおり、児童福祉法二十四条ただし書きでそういったものがあるということだけ、というふうに私は考えてございます。
 法上の位置づけがあるかどうかということは、やはりいろいろな面で思いがあるでしょうけれども、利用者サイドからとってみたときに、法上の位置づけがあるかどうかというよりも、利用者にとってよりよいサービスをしているものであるかどうかということ、これがやはり重要だろうと思っております。
 そういった観点から考えたときに、認証保育所、それから保育室、私どもがつくった認証保育所のいろんな水準、これは現行の保育室よりも高いものを設定してございます。私どもとしては、そういった高い水準に移行していただきたい、レベルアップを図っていただきたい、それがひいては利用者にとってよりよい保育サービスをすることにつながるんだということを考えておるわけでございまして、違うものではないというふうに私は思います。

○大山委員 制度の趣旨は同じだというふうにいうのでしょうか。片や保育に欠けるという二十四条をもとにした施設、それから、それは片や保育に欠けるという要件ではなくて、希望者が契約するという関係ですから、私はそのレベルをいっているんじゃなくて、制度の趣旨は違うものですねという確認をしているんです。

○笠原子ども家庭部長 ただし書き上、保育室はただし書きの施設である、Bはただし書きの施設ではないという制度上の違いはある、ただそれだけのことでございます。

○大山委員 制度が違って、そうした趣旨は全く同じだということなんでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 保育サービスの内容、趣旨はいかなるものかということでございますけれども、児童福祉法上の考え方は、欠けるということを基本に据えて考え方が成り立ってございます。しかしながら、認証保育所というものは、保育を必要とするという考え方を基本に、しかも直接契約ということを基本に制度が成り立ってございます。そういった意味では、趣旨は違うということでございます。

○大山委員 制度の趣旨が違うんですよ、今お答えになったように。制度の趣旨が違うんですから、それぞれの役割を果たしていくということが重要なんです。ですから、保育室制度をなくして、認証Bにすべてを移行すればいいという問題じゃないことなんですね。保育室は保育室として制度を存続させていくというのが、今、重要なわけです。
 それで、さっきから認証Bに移行してほしいということをいうわけですけれども、今おっしゃったみたいに、ほとんどの保育室というのは比較的古くて、面積の問題もありますし、それから、面積を認証の基準に合わせようとすれば、子どもたちの人数を少なくしなきゃいけないとかという問題も出てくるわけですよね。ですから、簡単にB型に移行しようと思っても、なかなか難しい問題というか、壁があるんですね。ですから、移行したくてもできないような状況もあることを、どう認識していらっしゃいますか。

○笠原子ども家庭部長 確かに壁があるということは事実でございます。ただ、私ども、移行に当たりましては、事業者みずからが、経営という面では非常に効率的な経営というものをやりまして、そしてその中でいろんな創意工夫をしながら移っていただきたい、こういうことを基本に据えていろいろとお願いをいたしておるわけでございまして、移行をスムーズにするという観点から、移行したいという事業者の意欲にこたえるために、例えば今、面積基準の話がありました。二・〇が二・五になるということでございますけれども、一人当たり面積が認証の基準を満たさない施設、こういった施設につきましては、区市町村との協議に基づいた経過措置制度を設けてございます。非常に柔軟な対応を図りながら促進をお願いしているということでございます。

○大山委員 壁があるということは認められるわけですね。レベルを高くしてほしいといいながら、経過措置もあるんですよということをおっしゃるわけですけれども、だからこそ請願にあるように、B型に移行するときには具体的な支援が必要なんだということを指摘しなくちゃいけないというふうに思います。
 最後に確認しておきたいんですけれども、十三年の三月十九日、認証保育所の制度が発足するときに、曽雌委員の質問に、福永こども家庭部長が「やはり現状の保育室の方でやっていかれるという方につきましては、保育室制度を廃止するというわけではございません」というふうに、はっきり答弁されているわけですね。ですから、この答弁は生きているわけですから、存続の請願採択は当然だというふうに思います。
 以上です。

○吉田委員 私は、この請願のサービス推進費を存続させてほしいという問題について、絞って質問をさせていただきます。
 このサービス推進費の問題は、先ほども議論がありましたし、七月に福祉局としての方針が発表されて以降、九月二十七日にかなり本格的な議論がされました。さらに、より具体的な障害分野の支援費制度への対応などの問題については、今後、予算議会、第一回定例会の中で、より具体的な議論がされていくべきではないかと思います。そういう意味で、私は、きょうはあくまでも現時点の到達について、若干確認をするという意味で質疑をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 九月二十七日の福祉局からの報告を受けた委員会の中では、取り組み方針については、各会派さまざまな認識の違いはもちろんありますけれども、共通点でいえば、やはり現行の福祉水準を後退させてはならないということだとか、あるいはサービス推進費の本格実施が今年度だったわけですから、その推移というものをやっぱり慎重に見守っていく必要があるということだとか、また、経験ある職員についてもきちんとした評価が必要だということだとか、さらに、施設関係者など幅広い意見を聞くべきであるというようなことは、大方共通した意見として出されていたことだと思いますし、こうした点がきちんと福祉局において踏まえられていくべきだというふうに思います。
 それで、まず確認をしたいんですが、存続を求めるこうした請願が出るのも、もとをただせば、中間提言がかなり乱暴に、人件費補助については廃止をするということを打ち出したことから、こういう存続を求める要望が出されていると思うんですけれども、これも九月二十七日の委員会で共通して議論になったわけですが、この提言というものについて、あくまでもこれは下敷きや前提というふうにするものではなくて、受けとめ、そして吟味し、今後中身については検討していくものだという旨のご答弁だったと思うんですけれども、この点は改めて確認したいんですが、いかがでしょう。

○内海企画担当部長 東京都といたしましては、今お話がございました提言委員会の中間提言につきまして、昨年の七月二十六日、福祉サービス提供主体の改革への取り組みについてということで、局としての考え方をお示ししてございます。そういう中では、問題提起を受けとめ、その内容を吟味しながら、改革のあり方及びその進め方について検討していくというふうにしてございます。そういう形で今も十分検討しているところでございます。

○吉田委員 そうすると、単純にあの提言を前提としたり、下敷きにするものじゃないと思うのですが、現時点で、この人件費補助の廃止問題については、来年度の予算において保育分野では廃止が見込まれていないということは、私たち承知していますし、また、決算特別委員会などでもそういう旨のご答弁がされたということも承知していますが、将来的に何年度に廃止をするというふうな今後の問題についても、何か具体的な検討なり結論はお持ちなんでしょうか、あるいは全くそれも白紙なんでしょうか。

○内海企画担当部長 サービス推進費の再構築につきましては、ことしの四月から支援費制度に移行いたします障害者施設を除きまして、その検討を進めるに当たって、平成十四年度におけるサービス推進費の本則実施の状況を把握することや、制度改正のための一定程度の準備期間が必要なことだというふうなことから、十五年度には制度改正を行わないことを既に表明しているところでございます。現時点では、この表明をしているということで、ご理解いただきたいと思います。

○吉田委員 次に、今もご答弁がありましたサービス推進費は、あくまでも本年度本則実施ですよね。今までは経過措置があったわけです。やっぱりその推移を見るということが前提であるという旨のお話でしたし、九月二十七日の委員会でもそういう旨の答弁がありました。これはもう当然のことだと思うんです。
 しかも、この点で一言いっておきたいことは、若干前回の委員会のときにも触れましたけれども、皆さん方の説明として盛んに、努力が報われる制度に変えなければならないということと、画一的な仕組みは改めていかなければならないという旨のことがいわれています。しかし、この中にも、その当時のやりとりを、いらっしゃった方、ご記憶だと思いますし、私も改めて議事録を読み直してみたんですが、公私格差是正制度から--見直しについては意見もありました、私たちも意見をいいましが、サービス推進費に移行するに当たって、なぜこういう移行を行うのかということについては、今皆さん方がいわれている説明とほぼ同趣旨の、目的についてはいわれてきたんです。
 例えば、前回も紹介しました決算特別委員会で私が質問したときに、この見直しというものは、施設の主体的な努力を支援する、それを促進するものに改革していくんだ、あるいはまた、施設経営者の主体を重んじる、より柔軟な経営者の努力が報われるというところに、公私格差制度からサービス推進費への見直しを行った趣旨があるんだということを繰り返し述べられました。また別な文言では、自主的かつ柔軟な施設運営を支援することにより、利用者処遇の向上を図ることを目的とし、というのが、見直しの趣旨として盛んに福祉局によって繰り返し表明をされたんですね。それの本格実施を、今年度初めてスタートしたばかりなわけです。
 私たちは、こういう見直し自身については意見がありましたから盛んにいいましたけれども、それに対して当時の担当者の方は、まだこれから本格実施に入るときなのに、それを見守ってほしいということが皆さん方のスタンスだったわけです。そういう点で見れば、ちょっと本格実施の一年間を見守った、それで結論が出せるというものではなくて、やはりこういう制度というのは、東京の福祉の根幹にかかわるわけですから、慎重にこの本格実施--来年度がやっと二年目ですよ、しっかりとこの実施状況というものを見て、これが適切なのか、不適切なのか、もし不適切な点があったら、どの点で問題点があるのか、どの点が適切なのかということを、やはり時間をかけて慎重に見守っていくことが、福祉局のこれまでの説明の経過としては当然あり得ると思うんですが、いかがでしょうか。

○内海企画担当部長 サービス推進費に公私格差是正制度を改正したときの経過も含めてのお話でございますけれども、公私格差是正制度は、もともと都職員の給与の格付にそのまま民間施設の職員の給与を当てはめた、民間の施設長等が主体的な決定ではない中で、そういう形で給与をそのまま当てはめるというような制度でございました。
 そういう中で、やはり施設経営者による主体性を尊重する必要があるだろうということで、職員の能力とか、あるいは責任を果たしていく、度合いに応じた給与決定というふうなものが施設長でできるような仕組みにしたいということで、サービス推進費補助に変えたということになります。その中で、そういう意味での自主的かつ弾力的な施設運営を促進できるようにはなったというふうなことで認識をしております。
 そうした一方で、ただ、その仕組みの中で、やはりサービス推進費自体が画一的、一律的な補助であるという点は否めない部分がございますので、その辺を、さらに利用者本位の、利用者のサービス向上のためにいろいろ努力する施設に、より多くの補助をさせていただきたいというふうな形での仕組みに変えたいということで、現在いろいろご意見を伺いながら、本則実施の動向も踏まえながら検討していきたいと考えておるわけでございます。

○吉田委員 制度で、そもそもどんな制度でも、一律的でなかったり、画一的でなかったりなんというものは現実的にあり得ないわけですよね、行政のシステムとしてすれば。私は、皆さん方自身が、これは自主的で柔軟な経営主体の総意が生かされる制度として変えるんだから、それを見守ってほしいといい続けてきたんだから、推移するというその推移をきちんと見るということが必要であって、一年度あるいは二年度程度で、はい、じゃ、結論を変えましょうというようなことがあってはならない。そういう意味では、皆さん方も経緯を見るといっているんだから、きちんとそれは見なさいよということを改めて念を押しておきたいというふうに思うんです。
 それで、この問題の最後に、これは先ほど議論がありましたけれども、やはりさまざまな関係者の意見をよく聞いていきたいと。萩生田さんの質問を使わせていただきますと、東社協だけじゃなくて、もっと幅広い種別あるいは団体においても意見を聞かなきゃだめじゃないかということで、局長も、そのとおりであるというふうになかなかすばらしいご答弁を、その限りにおいてはといったらちょっといい言葉じゃないかもしれませんが、されたわけです。
 それで、現時点で、要するに関係者、当事者と何団体程度協議がされて、その中で、おおむねどのような意見が出されたのかをご答弁いただけますか。

○内海企画担当部長 先ほど来申し上げてございますように、各施設種別を代表する方々との意見の交換の場を設けてございますけれども、そのほかに二十を超える団体と直接お会いしたりする中で、施設、個人の方々から、さまざまなご意見、ご要望が寄せられているところでございます。
 ご意見のいろいろな内容でございますけれども、先ほどもちょっとお答えしたかと思いますが、サービス推進費における人件費補助であるB経費が廃止された場合に、給与が削減されることになるため困るというような意見が数多くございました。そういうご意見をいただいた中で、現行のサービス推進費補助制度は、施設における利用者へのサービス内容にかかわらず、一律に補助する仕組みになっているというふうなことなどを課題として指摘されている、そういう制度を、サービス向上に向けた施設の努力が真に報われるような、そういう仕組みとなるように検討しているという形でご説明をさせていただいてございます。
 そういうご説明の中で、この検討の方向については一定程度のご理解を得られつつあると認識しているところでございます。

○吉田委員 最後に、これは委員会の場で今も繰り返しいわれているわけですけれども、引き続きさまざまな関係者の意見を聞いていく努力をしていただきたいと思いますし、同時に、意見を聞くからには、意見をいわれた方々のそういうご意見、要望を大いに尊重すると。福祉局は福祉局としてのお考えもあるでしょうけれども、それを押しつけるということではなくて、出された意見を大いに尊重して、今後の判断なりに生かしていくということは当然のことだと思うんですが、改めてその点について。

○内海企画担当部長 先ほど来ご答弁申し上げているように、各施設を代表する方々との意見交換の場で懇談会を設けてございますが、そういう中で多くの意見をいただいてございます。さらに、先ほど申し上げたような施設法人の方々からのご意見についても、十分参考にさせていただきながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、いずれも保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第一八二号及び請願一四第一八六号は、いずれも保留といたします。

○森田委員長 次に、一四第七九号、第四種・第三種郵便物に係る料金減免制度の維持存続に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○有留障害福祉部長 お手元にお配りしてございます請願陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号4、一四第七九号、第四種・第三種郵便物に係る料金減免制度の維持存続に関する陳情は、東京視力障害者の生活と権利を守る会会長鈴木彰さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、第四種・第三種郵便物に係る料金減免制度の維持存続に関して、次の内容の意見書を国に提出するようにというものでございます。
 内容について、順にご説明いたします。
 まず第一項でございますが、平成十五年四月に発足予定の日本郵政公社においても、第四種郵便物である盲人用点字郵便物及び点字図書館等の施設との間の点字用紙または録音物などの郵便物に係る現行の無料制度を継続することというものでございます。
 次に、第二項でございますが、第三種郵便物に係る現行料金を継続し、障害者団体から会員、協力者への情報提供と、障害者当事者の活動を援助することというものでございます。
 現在の状況でございますが、現在、郵便法第二十六条第三項により、盲人用点字と盲人用の録音物または点字用紙を内容とする郵便物で、点字図書館などから差し出されたもの、またはこれらの施設にあてて差し出されるものについて、第四種郵便物の中でも無料としております。また、第三種郵便物の料金は、第二十三条第四項により、同一重量の第一種郵便物の料金の額よりも低いものでなければならないとされております。
 日本郵政公社法施行法が平成十五年四月一日に施行されることとなっており、その中で郵便法の一部改正として、第二十六条第三項は削除されております。また、改正後の郵便法におきましては、郵便物の料金について、総務大臣の認可を受けて日本郵政公社が定めることとしており、料金の認可条件の一つとして、第三種及び第四種郵便物の料金の額が、同一重量の第一種郵便物の料金の額より低いものであることとされております。
 なお、日本郵政公社法施行法の議決に当たっては、衆議院、参議院において、盲人用郵便物の無料の取り扱いなどに配慮すべき旨の附帯決議がなされております。
 日本郵政公社法施行法では、総務大臣が郵便料金を認可する際には、郵政審議会に諮問することとなっております。四月一日からの料金についての郵政審議会の答申は一月十七日に出されており、現行料金を引き継ぐ内容の認可申請について、関係法令に合致しているとともに認可基準に適合することから、認可することが適当という内容でございました。

○森田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大山委員 視覚障害者にとっての郵便の三種、四種の減免制度というのは、本当に重要な役割を果たしてきましたし、情報障害者だということでは、今のこの陳情の趣旨をきちんと反映させていくことが必要だというふうに思っています。
 それで今、郵政審議会で、現行の料金を引き継ぐということが答申されているということですけれども、今後、料金改定のたびに郵政審議会にかけられるという経過でいいんでしょうか。

○有留障害福祉部長 おっしゃられるとおりでございます。今後、認可申請が出されまして、条件等が合致していれば認可ということになると思います。

○大山委員 この第三種、第四種の郵便物について、東京都はこの制度についてどのように評価されていますか。

○有留障害福祉部長 視覚障害者にとりまして、この制度は大変重要な制度だというふうに考えております。

○大山委員 私も、この陳情の趣旨をきちんと生かして、減免の制度を今後も引き継げるようにしていけるように、採択をするべきだというふうに意見を申し述べます。

○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第七九号は趣旨採択と決定をいたしました。

○森田委員長 次に、一四第八〇号、特別養護老人ホームでの視覚障害のあるあん摩マッサージ指圧師の就労支援に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○福田高齢者部長 お手元にお配りしてございます請願陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号5、一四第八〇号、特別養護老人ホームでの視覚障害のあるあん摩マッサージ指圧師の就労支援に関する陳情は、特養マッサージ師の仕事と身分を守る会代表稲垣実さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、次のことを実現するようにというものでございます。
 まず第一項でございますが、現行の視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師の配置への補助金制度を継続し、発展させること。
 次に、第二項でございますが、現行制度を改め、すべての視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師の配置に対する補助金制度にすること。
 次に、第三項でございますが、視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師の配置に対する補助金制度を、都内公立の特別養護老人ホームにも適用することというものでございます。
 現在の状況でございますが、都では、特別養護老人ホームが平成十二年度からの介護保険制度に円滑に移行し、利用者サービスの維持向上と経営の自立を図るため、その運営費の一部を補助する特別養護老人ホーム経営支援事業を経過的に実施しております。
 この経営支援事業の中で、視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師を、平成十一年度から引き続き雇用する民設民営の特別養護老人ホームに対して、雇用経費の一部を補助しているものでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いします。

○森田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 当事者の皆さんにとっては非常に深刻な問題なので、簡潔に質問をさせていただきます。
 私は、少なくとも第一項目については趣旨採択を求めるものですけれども、この問題は、特養ホーム入所者に対して、あんまマッサージを通じてサービスの向上を図るという側面と、もう一つは、視覚障害を有するあんまマッサージ師の方々の雇用の確保と拡充という二つの側面から、福祉局としてこの問題についての対応が問われているし、我々はまた、そういう側面から検討が求められていると思うんです。
 最初に、簡潔にする上で、二点まず質問させていただきます。
 一点目は、私、当事者の方からもお話を聞いたんですが、特養ホームの中で、あんまマッサージの方々の役割というのは、リハビリや身体機能だけではなくて、直接体に触れることを通じての心の通い合いというような、そういう非常に温かみのある点でも、入所高齢者の方々に非常に喜ばれているというふうに思うんですね。そういう点について、福祉局としてどのような認識をとられているかということと、二つ目に、今日の深刻な不況ということだけではなくて、介護報酬も来年度は特養施設については低下をするということが既に伝えられておりますし、そういうしわ寄せが視覚障害のあんまマッサージの方々のところに押し寄せかねない。もう既にそういう事例も私、相談を受けたことがありますが、それだけに今、特養ホームに入所されている方々の仕事、雇用が確実に保障されていくために、きちんとして福祉局としても手だてを尽くすべきだというふうに思うんですが、この二点についてまずご答弁をお願いいたします。

○福田高齢者部長 視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師の特別養護老人ホームにおける役割について、どう評価をしているかということかと思いますが、特別養護老人ホームの入所者に対しましては、その心身の状況に応じて、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、またはその減退を防止するための訓練を行うことが必要であることから、機能訓練指導員が配置されております。この機能訓練指導員の資格要件には、理学療法士あるいは作業療法士もありますが、そのほかに、あんまマッサージ指圧師も含まれております。
 視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師の方々も、日々のマッサージ業務を通じて、上記の趣旨に沿った適切なサービスを入所者に対してきめ細かく提供してきていると考えております。
 続きまして、第二点目の問題でございますが、特別養護老人ホーム等施設に対する介護報酬については、最近、いろいろ介護報酬の見直し等のことが新聞記事にも出ております。しかしながら、現在、特別養護老人ホームに対します経営支援事業の平成十五年度予算に対する考え方といたしましては、平成十二年度この制度発足の時点に、平成十一年度の状況を基準に考えて、それに基づいて補助をしていくということになっておりまして、平成十五年度もこの考え方に基づいて現行制度を踏襲してやっていく考えでございます。
 したがいまして、経営支援事業において、補助とかそういうものが減額するとかいうふうなことは特にございません。

○吉田委員 それは非常に大事なことなんですけれども、問題は、経営支援事業そのものは、例えば小規模特養を新たにつくれば、それも新規に支援の対象になる、そういう従前の施設だけを対象としたものじゃないというふうに私は認識しているんですが、ただ、あんまマッサージ師を配置されているこの事業についての支援というのは、あくまでも従前からその特養に従事をしていた視覚障害を有するあんまマッサージの方々であって、新規に、例えばある特養がそういう方々を雇おうとしたら、それに対しての加算的な補助は新規は対象にないという問題があるわけですよね。そんなに予算的に大きいとは思いませんけれども、なぜ新規は対象にし得ないんですか。

○福田高齢者部長 特別養護老人ホーム経営支援事業は、平成十一年度におきまして、特別養護老人ホームの代表者、あるいは当時の都の担当者等によって構成されます介護保険制度移行に伴う特別養護老人ホーム経営に関する検討協議会で、綿密な審議及び検討によってまとめ上げられました報告に基づいて行っております。
 その中で、あんまマッサージ指圧師の方々に対する助成というのは、あくまでも平成十一年度に既に雇用されていた方々を対象にするということになりました。それは、その時点での、平成十一年度でのそういったあんまマッサージ指圧師の方々のサービスをその後も維持していくということが主眼になって行われたものでございます。
 平成十二年度に介護保険制度が実施されましたが、この介護保険制度の中では、機能訓練指導員の配置が義務づけられております。しかも、機能訓練指導に対する加算等の措置もございます。したがいまして、この問題は、特別養護老人ホームの経営者あるいは施設長等が、あんまマッサージ指圧師あるいは理学療法士、作業療法士等の役割を十分認識して、自立的な経営のもとに配置していく、そういう考えのもとにやっていくべきだという考え方に基づきまして行われておるものでございます。

○吉田委員 視覚障害を持つあんまマッサージの方々にとってみれば、この分野は貴重な雇用の場なわけですよね。そういう意味では、ぜひ、新規についても今後支援の対象にしていくように求めまして、私、質疑を終わらせていただきます。

○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第八〇号は保留といたします。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分、執行機関に送付することを適当と認めるものについては、これを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で福祉局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十分散会

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