委員長 | 森田 安孝君 |
副委員長 | 吉田 信夫君 |
副委員長 | 古賀 俊昭君 |
理事 | 青木 英二君 |
理事 | 佐藤 裕彦君 |
柿沢 未途君 | |
萩生田光一君 | |
山口 文江君 | |
田代ひろし君 | |
福島 寿一君 | |
曽雌 久義君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 二名
出席説明員福祉局 | 局長 | 川崎 裕康君 |
技監 | 長岡 常雄君 | |
総務部長 | 吉川 和夫君 | |
生活福祉部長 | 反町 純夫君 | |
高齢者部長 | 福田 豊君 | |
子ども家庭部長 | 笠原 保君 | |
障害福祉部長 | 有留 武司君 | |
保険部長 | 野村 寛君 | |
企画担当部長 | 内海 憲二君 | |
団体改革担当部長 | 片岡 貞行君 | |
連絡調整担当部長 | 菅原 眞廣君 | |
山谷対策担当部長 | 廣田 正志君 | |
参事 | 中島 滋夫君 | |
健康局 | 局長 | 長尾 至浩君 |
技監 | 長岡 常雄君 | |
総務部長 | 浅井 憲彦君 | |
医療政策部長 | 奥田 匠君 | |
医療サービス部長 | 金田麻里子君 | |
食品医薬品安全部長 | 河津 英彦君 | |
地域保健部長 | 齋藤 進君 | |
参事 | 酒井 洋一君 | |
参事 | 梶山 純一君 | |
参事 | 海老原 繁君 | |
参事 | 木村 豊彦君 | |
参事 | 丸山 浩一君 | |
病院経営本部 | 本部長 | 櫻井 巖君 |
経営企画部長 | 押元 洋君 | |
サービス推進部長 | 中井 昌利君 | |
参事 | 宮川 雄司君 |
本日の会議に付した事件
福祉局関係
事務事業について(説明)
健康局関係
事務事業について(説明)
病院経営本部関係
事務事業について(説明)
○森田委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、請願陳情について申し上げます。
本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願陳情継続審査件名表のとおりでございます。ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局、健康局、病院経営本部関係の順で、事務事業の説明聴取を行います。
なお、事務事業については、本日は説明を聴取した後、資料要求することにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
これより福祉局関係に入ります。
初めに、川崎福祉局長から、あいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○川崎福祉局長 福祉局長の川崎裕康でございます。
森田委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻をいただきまして、まことにありがとうございます。
私ども福祉局では、利用者本位の新しい開かれた福祉の実現に向け、福祉改革に全力を尽くしてまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、この機会をおかりいたしまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
福祉局技監の長岡常雄です。総務部長の吉川和夫です。生活福祉部長の反町純夫です。高齢者部長の福田豊です。子ども家庭部長の笠原保です。障害福祉部長の有留武司です。保険部長の野村寛です。企画担当部長の内海憲二です。団体改革担当部長の片岡貞行です。連絡調整担当部長の菅原眞廣です。山谷対策担当部長の廣田正志です。施設調整担当参事の中島滋夫です。最後に、当委員会との連絡に当たります総務課長の松井多美雄です。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○森田委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○森田委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。
○川崎福祉局長 福祉局の事務事業につきましてご説明申し上げます。
個々の事業につきましては、後ほど総務部長からご説明させていただき、私からは、局の概要と、事業を進めていく上での基本的な考え方についてお話をさせていただきたいと思います。
当局は、都民の方々が質の高い福祉サービスを安心して選択、利用し、身近な地域で生き生きと暮らせる社会を築くことを目指して、区市町村とも連携しながら、都民生活に密接に関連するさまざまな分野で事業を展開しております。
まず、分野別に事業の概要をご説明申し上げます。
社会福祉推進基盤の整備でございますが、暮らしの福祉インフラ整備事業、福祉サービス総合支援事業などの区市町村支援を新たに実施するほか、第三者によるサービス評価や総合的な情報提供の本格実施に向けた準備を進めるなど、利用者本位の新しい福祉を実現するための基盤整備を進めております。
次に、高齢者福祉でございますが、介護保険の健全かつ円滑な運営、ケアリビングの推進や高齢者の社会参加の仕組みづくりなどに取り組んでおります。本年度は、多様なサービス供給主体の参入の促進策として、都独自に、民間企業に対する痴呆性高齢者グループホームの整備費補助制度を創設いたしました。
次に、子ども家庭福祉ですが、認証保育所制度などの多様な保育ニーズへの対応、区市町村とも連携した子育て家庭への支援や児童虐待の防止など、児童の健全育成に取り組んでおります。また、家庭的養護を積極的に推進していくため、本年度は養育家庭に対する支援体制を強化いたしました。
次に、女性福祉でございますが、緊急の保護や自立のための援助を必要とする女性に関します施策を実施しております。
次に、心身障害者児福祉でございますが、支援費制度移行に向け、引き続き知的障害者生活寮等の緊急整備を強力に推し進めるとともに、施設から地域生活への移行支援を充実し、障害を持つ方が地域で安心して生き生きと暮らせる社会の構築を目指しております。
次に、生活福祉でございますが、生活保護などの低所得者への援護や福祉のまちづくりの推進に努めるとともに、都区一体となっての路上生活者の就労自立を目指した施策などに取り組んでおります。
次に、国民健康保険等でございますが、国民皆保険制度を支える基盤的役割を担う国民健康保険制度の健全な運営のため、保険者等に対します指導や助成などを行っております。
次に、福祉改革の一環として、本年七月に改革への取り組みをお示しいたしました福祉サービス提供主体の改革についてでございます。
東京都は、福祉サービス基盤を充実させていくとともに、直接的福祉サービスの提供者という立場から、新しい福祉サービスを適正に維持向上させていく立場へと、みずからの役割の重点を大きく移していくことが必要であります。都立福祉施設の改革につきましては、当面五年後に向け、既に民間法人委託により運営されております施設を中心として、サービス水準の確保等に配慮しつつ、民間移譲等を行ってまいります。
また、社会福祉法人改革につきましては、施設の代表者などの意見を聞きながら、慎重に検討してまいります。
最後になりますが、これら一連の改革を円滑に進めるためには、都の福祉改革の意義につきまして、都民や関係者の方々の正しい理解を得ることが何よりも必要でございます。このためには、利用者本位を徹底する新しい福祉システムを構築することにより、将来に向かって充実してまいります東京の福祉の全体像を、都民の前にわかりやすく示していかなければならないと考えております。
福祉改革も、いよいよこれからが正念場でございます。これまでに掲げましたプランを着実に実行し、その成果を確実なものとすることに加え、東京という大都市の特性を踏まえましたさらなる施策の展開に努め、新しい福祉の実現に向けて邁進していく所存でございます。
森田委員長を初め、各委員の皆様のご指導をいただきながら、私ども職員一同、福祉行政の一層の推進に全力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○吉川総務部長 事務事業の説明に入ります前に、お手元の資料についてご説明いたします。
まず、事業概要でございます。後ほど、これに基づきまして事業の概要をご説明させていただきます。
次に、平成十四年二月に策定したTOKYO福祉改革STEP2でございます。
次に、福祉局所管の監理団体である財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団、社会福祉法人東京都社会福祉事業団並びに都が出捐を行った財団法人東京都国民年金福祉協会の経営状況等説明書をお配りしてございます。
また、「東京の社会福祉」と「社会福祉の手引」をお配りしておりますので、ご利用いただければ幸いでございます。
それでは、お手元の事業概要によりご説明させていただきます。ごらんいただきたいと存じます。
目次の次の二ページをお開き願います。見開きで福祉局組織一覧を記載してございます。
次に、四ページから一〇ページにかけまして福祉局各課の分掌事務を、一一ページに福祉局職員定数を記載してございます。
一二ページから一五ページにかけましては、平成十四年度福祉局所管予算を記載してございます。
一六ページを次にお開き願います。第5、福祉改革の推進として、TOKYO福祉改革STEP2の概要を記載してございます。
一八ページから各事業別の概要について記載してございますので、順に説明させていただきます。
まず、一八ページ中ほどの社会福祉推進基盤の整備でございます。
(1)、福祉改革推進事業ですが、区市町村が地域の実情に応じて在宅サービスを中心とした地域福祉の基盤整備を図ることができるよう、包括的な補助を行う都独自の事業でございます。
二〇ページをお開き願います。(3)、福祉サービス総合支援事業、二一ページには(7)、福祉情報総合ネットワーク事業、(8)、暮らしの福祉インフラ緊急整備事業など、福祉改革の基盤整備に必要な数々の新規事業に着手しております。
二二ページをお開き願います。(1)、社会福祉施設の状況などを記載してございます。
二三ページには、監理団体である3の財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団と、4の社会福祉法人東京都社会福祉事業団について記載してございます。
また、5の民間福祉団体の育成でございますが、民間団体の活動を促進するため、社会福祉法人東京都社会福祉協議会、区市町村社会福祉協議会及び財団法人東京善意銀行に対して補助を行っております。
二四ページをお開き願います。6、社会福祉諸法に基づく指導検査について、また、同ページの下段から二五ページにかけまして、7、都民等への広報及び広聴活動について記載してございます。
次に、二六ページをお開き願います。高齢者福祉でございます。
1、高齢者の概況として、年齢別人口の推移、二七ページには高齢者を支える生産年齢人口、平均寿命などについて記載してございます。
二八ページをお開き願います。2、介護保険制度の運営でございます。
中ほどの表にございますように、都では介護保険給付費負担金として、法に基づき介護給付費の一二・五%を負担しております。
また、下段から二九ページになりますが、低所得者特別対策事業として、国の特別対策とともに、都独自の支援策を実施しております。
二九ページの(5)、東京の介護保険を育む会の設置でございますが、介護保険制度の課題について、東京の特性を踏まえて分析、検討し、国に改善策の提言等を行っております。
(6)の介護保険事業支援計画の改定でございますが、平成十五年度から平成十九年度までの第二期計画を作成するため、改定作業を現在行っております。
三〇ページをお開き願います。(10)、ケアサポート体制の構築でございますが、介護支援専門員に対する総合的な支援策の検討、構築を進めております。
三三ページをお開き願います。介護保険における施設サービス及び在宅サービスの整備目標を記載してございますので、ご参照願います。
三四ページをお開き願います。中段の3、高齢者保健福祉計画改定でございますが、高齢者の保健福祉に関する基本的政策目標や取り組むべき施策を明らかにするもので、現在その改定作業を行っております。
三五ページをごらん願います。高齢者が地域で継続して暮らせるよう、各種の補助事業を実施し、痴呆性高齢者グループホームなどの整備等に取り組んでおります。
三六ページをお開き願います。5、痴呆性高齢者の支援でございますが、(1)、身体拘束ゼロ運動の展開などの事業を実施しております。
三七ページ下段の(1)、高齢者いきいき事業でございますが、この事業は、区市町村が地域の実情に合わせて独自のアイデアや創意工夫により主体的に事業を展開できるよう、包括的な補助を行う都独自の制度でございます。
三八ページをお開き願います。地域における日常生活の支援として、(2)、介護予防・生活支援事業、三九ページの(3)、介護サービス適正実施指導事業、四〇ページに参りまして、(4)、高齢者緊急通報システムの整備などの事業を実施しております。
四一ページをごらんください。8、高齢者の生きがいと社会参加でございますが、(2)、老人クラブへの助成、四二ページに参りまして(3)、シルバーパスの交付などの事業を実施しております。
四四ページをお開き願います。10、老人福祉施設等の整備でございますが、各種の施設整備費助成を実施し、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの整備に取り組んでおります。
四六ページをお開き願います。(1)、高齢者福祉・医療の複合施設の整備でございます。これは、地域での対応が困難な痴呆性高齢者などのニーズにこたえる先駆的、モデル的施設として整備するものでございます。
四七ページには、(2)、都立高齢者施設の運営として、施設種別ごとの概要を記載してございます。
五〇ページをお開き願います。(3)、東京都老人総合研究所の運営事業について記載してございます。
五一ページには、老人福祉施設等につきまして、施設種別ごとの概要を記載してございます。
次に、五二ページをお開き願います。子ども家庭福祉でございます。児童数の状況等につきましては、下段の表をご参照ください。
まず、保育についてでございますが、五三ページ及び五四ページにございますように、認可保育所の保育内容充実のためのさまざまな補助を実施しております。
五五ページをごらんください。(2)、認証保育所事業でございます。これは、大都市の特性に着目した都独自の基準による新しいスタイルの保育所を設けて、多様化している保育ニーズに柔軟に対応するものでございます。
五七ページをお開き願います。3、子育て支援と児童健全育成でございますが、地域の子どもと家庭に関する支援ネットワークの構築を行う子ども家庭支援センター事業補助や、子育て相談等を行う子育てひろば事業補助を実施しております。
また、五八ページに参りまして、(3)、子ども家庭在宅サービス事業補助、五九ページには(4)、学童クラブ運営費補助など、子育てへの支援や児童の健全育成のための各種事業を実施しております。
六二ページをお開き願います。児童に関する各種手当の制度について、六三ページにかけまして記載してございます。
六三ページの(3)、児童扶養手当につきましては、法改正により、本年八月から認定等の事務が区市に移譲されることとあわせ、所得額と手当額との関係を見直す制度改正が行われたところでございます。
六四ページをお開き願います。5、社会的養護でございますが、養護を必要とする子どもが家庭的な雰囲気の中で健やかに育ち、自立できるよう、養育家庭などの施策を実施しております。
六五ページから六六ページにかけましては、(2)、児童養護施設及び児童自立支援施設の現況について記載してございます。
六六ページ中段、6、ひとり親家庭福祉でございますが、(2)、ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業補助以下、六九ページの(13)、母子福祉資金の貸し付けまで、自立支援や相談などの各種事業を実施しております。
七〇ページをお開き願います。7、児童相談所の運営につきましては、子どもに関する相談、調査、診断、判定を行い、それに基づいた援助等を行っている児童相談所の概要について記載してございます。
下段の8、児童虐待防止対策でございますが、七一ページの(2)、虐待対策班の設置、(7)、児童虐待防止区市町村ネットワーク事業などの新規事業も含め、機動的な対応の強化、虐待の予防、早期発見に努めております。
次に、七四ページをお開き願います。女性福祉でございます。
七六ページにかけて記載ございますように、緊急保護または自立のための援助を必要とする女性について、相談や援助、一時保護などの事業を実施しております。
次に、七七ページをお開き願います。心身障害者児福祉でございます。
1、心身障害者児の概況として、身体障害者手帳交付者数と知的障害者の愛の手帳交付者数を記載してございます。
七八ページをお開き願います。(1)、心身障害者施設緊急整備三カ年計画でございますが、地域における障害者の生活拠点の整備を平成十三年度から三カ年で緊急的に整備していくものでございます。
七九ページ下段の4、支援費制度への移行と地域における自立生活への支援でございますが、(1)、支援費制度への移行支援として、平成十五年度からの支援費制度移行に向けた準備事業などを行っております。
続きまして、八〇ページをお開き願います。(2)、相談・サービス提供体制の整備のア、障害者地域自立生活支援センター運営費補助の実施や、八一ページのエ、東京都心身障害者福祉センターの設置などにより、障害者の相談・サービス提供体制の整備を図っております。
八二ページをお開き願います。(3)、地域居住の場の確保でございますが、八三ページ中段のd、体験型生活寮モデル事業、八四ページに参りまして、(エ)、重度身体障害者グループホーム事業、ウ、地域生活移行支援など、障害者の方の地域での自立を推し進めるためのさまざまな施策を展開しております。
八五ページから八七ページにかけましては、障害者の入所及び通所施設の施設種別ごとの目的と現況を記載してございます。
次に、八七ページ下段をごらんください。(4)、地域生活支援サービスの充実でございますが、アのホームヘルプサービス事業や八八ページのイ、ショートステイ事業など、在宅の障害を持つ方のための各種施策を実施しております。
九三ページに参りまして、障害者の方の自立のための経済的基盤の整備として、重度心身障害者手当などの各種手当の概要を、九四ページには、心身障害者扶養年金制度の概要を記載してございます。
九五ページ中段をごらんください。5、社会的自立への支援でございますが、アの心身障害者児訓練事業補助や、九六ページに参りまして、エの小規模通所授産施設運営費補助などを実施し、身近な地域での障害者の授産活動を支援しております。
続きまして、九七ページをごらん願います。6、社会・経済・文化活動などの社会参加の促進でございますが、(1)、学習・文化活動の促進、九八ページに参りまして、(2)、スポーツ・レクリエーション活動の振興、また、障害者の就労を促進するため、一〇〇ページになりますが、エ、区市町村障害者就労援助モデル事業などにも取り組んでおります。
次に、一〇二ページをお開き願います。生活福祉でございます。
まず、(1)、生活保護でございますが、イには、区部における生活扶助基準の例を、ウには、被保護者数を記載してございます。
一〇三ページ下段をごらんください。(2)、路上生活者等対策でございます。
アの路上生活者自立支援センター運営費補助、一〇四ページに参りまして、イの路上生活者緊急一時保護事業を行うとともに、今年度から、自立支援センター利用者を対象に、引き続き指導、相談等を行う自立訓練ホーム事業を実施することといたしております。
一〇五ページから一〇八ページまでにかけましては、旧軍人に対する援護等について記載してございます。
次に、一〇九ページをごらん願います。地域福祉でございます。
(1)、福祉のまちづくりの推進について、エの鉄道駅エレベーター等整備事業、一一〇ページに参りまして、オの福祉のまちづくり地域支援事業、カのだれでも乗りおりしやすいバス整備事業などを実施することにより、だれもが身近な地域の中で自由に行動できるバリアフリーの環境整備を推進しております。
続きまして、一一〇ページ下段には、(2)、福祉人材の養成・確保の支援について、また、一一二ページに参りまして、(5)、東京都地域福祉振興基金の運営、一一三ページには、(8)、民生委員・児童委員、(9)、生活福祉資金の貸し付けなどについて記載してございます。
一一四ページをお開き願います。(10)、サービス利用支援の仕組みづくりでございますが、アの地域福祉権利擁護事業やイの苦情対応事業を実施し、福祉サービス利用者などが地域において自立した生活が送れるよう支援を行っております。
次に、同じ一一四ページの下段、4、山谷対策をごらんください。
一一五ページの(2)、山谷対策本部の設置を初め、(3)、城北福祉センターの運営、一一六ページに参りまして、(4)、越年越冬対策などの施策を実施しております。
次に、一一七ページをごらん願います。国民健康保険等でございます。
都では、国民健康保険法に基づき、運営主体である区市町村及び国民健康保険組合、保険医療機関等に対して指導等を行い、制度の健全な運営に寄与しております。
また、一一八ページから一二〇ページにございますように、保険者である特別区、市町村、国民健康保険組合などに対し、保険財政の健全化などに資するため支援を行っております。
次に、一二一ページから一二三ページにかけましては、老人、心身障害者児、乳幼児及びひとり親家庭に対する医療費の助成について記載してございます。
一二四ページからは福祉局の沿革を記載してございますので、ご参照ください。
以上、簡単ではございますが、福祉局事業の概要についてご説明申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○森田委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○大山委員 十種類お願いします。
一つ目は、中井児童学園の措置児数の推移です。五年で結構です。
二つ目は、都内児童養護施設の高年齢児の措置状況、これも五年で結構です。
三番目は、民間移譲対象施設の状況。
四番目は、都立各福祉施設における中間報告及び取り組み方針についての、利用者や自治会や父母会等への説明の状況がわかるような資料をお願いします。
五番目は、認可保育所待機児数の推移です。これは十月一日付、年齢別、区市町村別で、五年間で結構です。
六番目は、認可保育所の定員数及び入所児童数の推移を、これも五年間でいいです。
七番目は、認可保育所整備費、整備箇所数の推移、五年間。
八番目は、認可保育所大規模改修費と実績の推移、これも五年間。
九番目は、認可保育所人員配置の国基準と都加算のもの、それから、各区市町村別の加算状況がわかるものをお願いします。
十番目は、都道府県別保育所数と保育児数、過去五年間の推移をお願いします。
以上です。
○吉田委員 私からもお願いいたします。
初めに、介護保険にかかわって何点かお願いいたします。
一つは、区市町村別の次期予定されている介護保険の保険料について。
介護保険の二つ目が、都制度による利用料軽減の対象認定者数と、実際に利用料軽減を利用された方の数について、これも区市町村別にお願いします。
次に、特別養護老人ホームに対する平成十一年度の措置費と都独自の補助額、それと十二年度の介護報酬と都独自の補助額がわかる資料をお願いいたします。
次に、介護度別の認定総額に対する利用状況。
次に、サービス種別の目標に対する利用実績。
以上が介護保険についてです。
次に、支援費についても何点かお願いいたします。
支援費の対象施設種別の現在のA経費加算の補助額とB経費の補助額。
次に、施設種別で見た場合の措置費と、まだ仮単価しか示されておりませんが、仮単価による運営費がどのようになるかという比較がわかるような資料をお願いいたします。
次に、障害者の緊急三カ年計画の目標と実績がわかる資料をお願いいたします。
次に、利用者の現行負担と支援費による負担がどのように変わるのかということがわかる資料をお願いいたします。
あと、若干の項目ですが、まず、盲聾者に対してなんですが、各都道府県ごとの通訳介助者養成講習会の実施状況、及び各都道府県ごとの通訳介助者に対する時間当たり単価がわかる資料をお願いいたします。
最後に、国保についてですけれども、区市町村別の短期証、資格証の発行数及び未交付数がわかる資料をお願いいたします。
○森田委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 ただいま大山委員、吉田副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
以上で福祉局関係を終わります。
○森田委員長 これより健康局関係に入ります。
初めに、長尾健康局長から、あいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○長尾健康局長 健康局長の長尾至浩でございます。
森田委員長初め委員の皆様方には、日ごろからご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
私ども健康局職員一同、都民の命と健康を守るために、全力を尽くして保健医療に係る施策の充実に努めてまいります。今後とも一層のご指導のほどお願い申し上げます。
それでは、事務事業の説明に先立ちまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
まず、技監の長岡常雄でございます。総務部長浅井憲彦でございます。医療政策部長奥田匠でございます。医療サービス部長金田麻里子でございます。食品医薬品安全部長河津英彦でございます。地域保健部長齋藤進でございます。企画担当参事酒井洋一でございます。医療改革推進担当参事梶山純一でございます。事業調整担当参事海老原繁でございます。安全対策担当参事木村豊彦でございます。地域保健推進担当参事丸山浩一でございます。最後に、当委員会との連絡に当たらせていただきます参事で総務課長事務取扱の川澄俊文でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○森田委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○森田委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。
○長尾健康局長 それでは、健康局が所管しております事務事業の概要についてご説明申し上げます。
健康局は、千二百万都民の命と健康を守ることをその使命とし、健康づくりから、疾病の予防、治療及びリハビリテーションに至るまで、都民の日常生活に深くかかわりのある事業を幅広く実施しております。
お手元の事務事業概要説明をごらんいただきたいと思います。
急速な少子高齢化の進行、情報技術の飛躍的な進歩・普及と国際化の進展、地方分権に向けた取り組みの進行など、今日、社会状況は大きく変貌し、保健医療を取り巻く環境もまた、その例外とはいえません。
また、こうした変化に伴い、保健医療に関する都民の需要や関心も多様なものに、あるいは、これまでにはなかった視点のものへと移り変わってきております。
今日、行政には、従来の発想の枠にとらわれず、柔軟かつ的確に課題に対応することが求められてきており、これらを踏まえ、私たちは本年四月、保健医療を取り巻く今日的課題に対応することを目的として、旧衛生局から健康局への抜本的な組織改正を行いました。
組織改正は、都民の命と健康を守り、三百六十五日二十四時間の安全、安心を目指すための足がかりであり、今後、さまざまな諸課題の克服に向け、職員一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
さて、健康局の事業は、健康の保持増進、生活環境面の安全確保、保健医療の提供、保健医療を支える基盤の四本の柱から成り立っております。
これらの事業の概要につきましては、後ほど総務部長からご説明申し上げますが、私からは、現在、重点課題として特に力を入れて取り組んでいる事業につきまして説明させていただきます。
まず初めに、東京都保健医療計画の改定でございます。
東京都保健医療計画は、医療法に基づく医療計画としてだけでなく、健康づくりから疾病の予防、治療、リハビリテーションに至るまでの包括的な保健医療体制の整備を目指す総合的な計画として策定しているものであり、長期的な視点に立った東京の保健医療施策のグランドデザインとも呼べるものであります。
現行計画は、平成十年度に改定したもので、本年度までの五カ年を計画期間としておりましたが、介護保険制度の実施、医療法の改正など、医療提供体制をめぐる状況の大きな変化を踏まえ、現在、予定を一年早めて改定作業に当たっているところであり、本年中の改定を目指し、局を挙げて取り組んでいるところであります。
改定に当たっては、都民の今後の保健医療を展望し、生涯にわたる健康を享受するための、東京の保健医療の将来像を明確にしていくとの考えに立って、真に都民が必要とする保健医療サービスの提供が可能となるよう、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、東京発医療改革への取り組みでございます。
医療事故や院内感染事例の発生などにより、都民の医療に対する不安、不信はこれまでになく高まりを見せており、医療に関する信頼の確保は大きな課題となっております。こうした現状から、知事は、医療における透明性、信頼性、効率性の三つの不足を挙げ、これらを克服していくために、東京の医療の将来像として、三百六十五日二十四時間の安心と患者中心の医療の実現を掲げ、開かれた医療、安心できる医療、むだのない医療を改革の方針とする東京発医療改革に取り組むことを明らかにしております。
健康局では、三百六十五日二十四時間の安心を目指す取り組みとして、増加し、多様化する救急医療の需要に応じるため、内科系、外科系を中心とした休日・全夜間の二次救急医療体制に加え、小児救急医療体制や精神科救急医療体制の充実を図っているところであります。
また、患者中心の医療の実現に向けましては、昨年設置いたしました患者の声相談窓口や、医療のより良い関係を考える会等の取り組みを進め、都民と医療機関との信頼関係の構築に努めているところであります。
これらの先進的な取り組みは、国の動向にも影響を与え、国は、すべての都道府県に患者のための相談窓口を設置する方向で取り組みを始めたところであります。こうした東京発の試みが、医療をめぐる新たな潮流を生み出していることからも、今後とも社会状況の変化を見据え、今、必要とされている取り組みを全国に向け発信してまいります。
次に、食品、医薬品の安全対策でございます。
昨年の国内初のBSEの発生、食品の偽装表示の問題、また、輸入食品の安全性の問題などにより、都民、消費者の食に対する信頼は大きく揺らいだ事態となっております。このため、食品や医薬品に対する危機管理体制の強化策として、米国のFDA、食品医薬品局を参考に、先行的調査研究から監視、検査、営業者への指導、処分、さらには都民などへの情報発信までを一貫した体制で実施するべく、食品医薬品安全部を設置し、現在ある危機に適切に対応していくだけでなく、将来起こり得る危機の未然防止をも企図した危機管理体制の充実に努めているところであります。
こうした取り組みを進めることにより、都民、消費者の健康被害を防止するとともに、食品や医薬品に対する不安の解消に努めてまいります。
今後とも、刻々と変化する社会状況等の変化に対応しつつ、都民の命と健康を守るという健康局の使命を見据え、真に都民が必要とする保健医療サービスの実現に向けて、さまざまな課題に職員一同全力を挙げて取り組んでまいります。よろしくご指導のほどお願い申し上げます。
なお、事業の詳細につきましては、総務部長から説明させます。
○浅井総務部長 それでは、引き続きまして、健康局が所管しております事務事業についてご説明申し上げます。
説明に入ります前に、お手元にお配りしました資料につきまして、ご確認をお願い申し上げます。
資料は三点でございます。健康局事業概要とその要約版、並びに東京都監理団体等運営状況(健康局所管分)でございます。
これからの説明は、事業概要の要約版に沿いまして行わせていただきます。
それでは、恐れ入りますが、要約版の一ページをお開き願いたいと存じます。健康局の事業を大きく四つの分野に区分いたしまして、総括的な説明を記載してございます。
(1)の健康の保持増進から(4)の保健医療を支える基盤まで、四つに区分してございます。健康局は、これら四つの分野におきまして、都民の日常生活に密着した幅広い分野の事業を展開し、都民の命と健康を守るという使命を果たすべく、各種の事業に取り組んでいるところでございます。
続きまして、二ページをお開き願います。平成十四年八月一日現在の健康局の職員配置図でございます。
この四月の組織改正によりまして、旧衛生局は、その組織を保健衛生及び医療の今日的課題に即した簡素で効率的な体制に再編し、名称につきましても、都民の命と健康に関する施策全般を担当する局として健康局に改めました。
また、病院事業を専管する独立した局相当の組織といたしまして、病院経営本部が新たに設置されました。
健康局の新たな体制といたしましては、二ページの図にございますとおり、局長、技監のもと、本庁組織として五部二十二課、さらに事業所といたしまして、右側三ページにございますように、監察医務院、看護専門学校、衛生研究所、保健所など、支所、出張所等を含めまして六十一カ所の事業所を設置いたしております。
各部課の分掌事務につきましては、次の四ページから九ページにかけまして詳細に記載してございます。後ほどご参照いただければと存じます。
次に、一〇ページをお開き願います。健康局の職員定数でございます。
平成十四年八月一日現在の職員定数を職種別、組織別にお示ししてございます。一〇ページの表の上段、左側にございますように、職員総数は二千九百四十七人でございまして、うち、本庁職員が五百三十四人、事業所職員が二千四百十三人となっております。
続きまして、一二ページをお開き願います。健康局の平成十四年度予算でございます。
歳入総額は、上の表の上段にございますように、四百三億二千二百万余円でございます。前年度と比較いたしまして三十三億七千五百万余円、九・一%の増となってございます。
歳出総額は、下の表の上段にございますように、千四百四十億二千五百万円でございます。前年度と比較いたしまして十四億四千五百万円、一・〇%の増となっております。
続きまして、一三ページをごらん願います。これよりは、事務事業の内容についての説明でございます。
一三ページの表は、冒頭にご説明いたしました健康局事業の四つの分野を具体的な事業別に整理した体系図となっております。この事業体系に従いまして、順にご説明をさせていただきます。
一四ページをお開き願います。まず、健康の保持増進の事業でございます。
平成十二年三月に国が策定いたしました二十一世紀における国民健康づくり運動、健康日本21を踏まえ、都は昨年十月、東京都健康推進プラン21を策定し、健康な長寿の実現に向けて都民一人一人が主体的に取り組む健康づくり運動を総合的に推進するための指針を示したところであります。これに基づき、都は、健康づくり事業の実施主体である区市町村等との連携を図りながら、現在、その推進に努めております。
次に、母子保健でございます。
少子化、核家族化が進行し、育児不安が増加するなど、母子保健対策は従来にも増して重要なものとなっております。都は、専門的拠点としての保健所を通じ、市町村への技術支援を行うとともに、身体障害児等に対する療育相談、未熟児に対する養育指導等の専門的、広域的業務を実施しております。
続きまして、一五ページをごらんください。成人保健に関する事業でございますが、都は、壮年期から高齢期に至る保健対策として、死亡原因の多くを占めるがん、心臓病、脳卒中など、生活習慣病の予防や介護を要する状態の予防に重点を置き、基本健康診査で要指導と判定された方に対して、医療機関での個別指導を行う生活習慣改善指導推進事業を、成人保健対策の実施主体である区市町村と連携して推進しております。
次に、母子・小児医療についてでございます。
安心して子どもを産み、育てられる環境づくりを進めるため、周産期母子医療センターやNICU、新生児集中治療管理室の計画的な整備を進めております。また、地域において小児医療を担う医師を育成するために、本年度より、開業医に対して小児医療に関する研修を行う開業医小児医療研修事業を開始したところでございます。
続きまして、一六ページをお開き願います。心身障害児者の保健医療でございます。
乳幼児健康診査や育成医療等の医療給付を初め、在宅療育のための訪問事業の充実や通所施設の整備を進めております。また、在宅では対応が困難な重症心身障害児等については、児童福祉施設において養育及び療育の充実を図っております。
なお、区東部地域には、現在、重症心身障害児施設である東部療育センター(仮称)の開設に向けまして準備を進めているところでございます。
次に、結核・感染症対策でございます。
感染症対策につきましては、平成十一年に施行されました感染症の予防と感染症の患者に対する医療に関する法律に基づきまして、東京都の感染症予防計画を策定し、感染症対策の充実及び体制整備を図っております。
結核対策につきましては、集団感染対策や院内感染対策に加えて、罹患率の高い地域を対象とした事業を実施するなどの重点的な対策を行っております。
エイズ対策につきましては、東京都エイズ対策基本方針に基づき、年度ごとの実施計画を策定し、普及啓発、相談・検査体制の充実、医療体制の整備並びに療養支援体制の確保を図っております。
次に、一七ページをごらん願います。歯科保健に関する事業でございます。
都は、平成十二年に、西暦二〇一〇年の歯科保健目標を策定し、都民の歯の健康づくりを進めております。
また、歯周疾患改善指導事業を実施し、区市町村の成人歯科保健対策の取り組みに対する支援を行っております。
障害者や在宅要介護高齢者等への歯科保健医療対策といたしましては、心身障害者口腔保健センターの設置などにより、その診療体制の確保に努めるとともに、教育研修事業等にも当たっております。
さらに、区市町村を実施主体とする歯科医療連携推進事業を実施し、障害者等のかかりつけ歯科医の定着を促進させ、歯科医療機関の機能分担と連携システムの確立を図っております。
続きまして、精神保健福祉でございます。
心の健康づくりから精神障害の予防、医療、さらに、精神障害者の社会復帰及び自立と社会参加の促進に至る包括的な施策を進めております。
保健所における精神保健福祉相談や訪問指導の実施、精神保健福祉センターにおける心の健康づくり事業のほか、精神保健福祉法に基づく医療及び保護の実施を初め、アルコール精神疾患専門病棟、老人性痴呆疾患専門病棟への補助などを行っております。
また、本年度からは新たに、民間病院等の協力を得て、精神科夜間・休日救急医療及び精神科身体合併症医療に係る体制整備を図り、精神科救急医療体制を充実したところであります。
社会復帰及び自立と社会参加の促進に係る施策については、通所授産施設や生活訓練施設等に対して整備費や運営費の補助を実施し、その整備促進に当たっているほか、区市町村等が実施あるいは運営するホームヘルプ事業や地域生活支援センターへの補助を行っております。
そのほか、都営交通乗車証の発行など、精神障害者に対して各種支援策を実施しております。
次に、一八ページをお開き願います。特殊疾病・原爆被爆者に関する事業でございます。
特殊疾病対策につきましては、希少で原因不明、治療方法が未確立といった難病や特殊医療を要する疾病の患者を対象として、医療費等の自己負担の軽減や、患者や家族の生活の質の向上を目指した福祉施策の推進等を柱とする事業を実施しているほか、臓器移植、骨髄移植、腎不全対策などを行っております。
原爆被爆者援護対策につきましては、被爆者に対して健康診断や医療の給付、各種手当の支給等を行っております。
続きまして、生活環境面の安全確保に関する事業でございます。一九ページをごらん願います。
まず、食品保健についてでございます。
飲食に起因する危害の発生を防止し、公衆衛生の向上、増進を図るため、食品関係営業施設の許可、監視指導、営業者等への衛生教育、食品等の衛生学的検査などの食品保健対策を実施しております。
ここ最近において、特に安全への関心が高まっている輸入食品につきましては、輸入業、倉庫業などへの監視等を充実させ、食品の未流通の段階からの安全確保に当たっております。
食中毒対策といたしましては、集団給食調理施設などに対する指導の強化とともに、散発・広域的な食中毒事例への対応のため、近隣自治体を初め関係機関との連携を強化しております。
また、HACCP、危害分析及び重点管理方式の考え方に基づいた自主管理マニュアル作成の手引を活用いたしまして、食品製造業者の自主的衛生管理の支援を行っております。
昨年来、大きな社会問題となりましたBSEにつきましては、と畜場での全頭スクリーニング検査に際しまして、検査の迅速性、出荷の厳重管理、検査で陽性となった牛のすべての部位の保管、確定診断陽性の場合の速やかな公表及び関係機関と連携した原因究明、安全確保策の実施といった東京ルール(五つの原則)を定めまして、食肉の安全確保の徹底を図っております。
また、食肉等の産地表示の偽装問題の発生により、消費者の食に対する不安、不信が高まっておりますが、健康局は生活文化局と協力し、一斉検査を実施するなど、都民の不安、不信の解消に努めているところでございます。
続きまして、二〇ページをお開き願います。薬事衛生でございます。
薬事衛生事業の基本は、医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保と都民の健康の保持増進にあり、このため、医薬品等の製造から流通、消費に至るまでの監視指導、毒物、劇物による危害発生の防止、薬物の乱用防止、医薬分業の推進や健康食品等の監視指導などの事業を行っております。
また、医薬品等による事故を未然に防止するための情報の収集、提供の事業につきましても、その充実に努めているところでございます。
次に、環境衛生でございます。
都民の日常生活に密接な関係を持つ理容所、美容所、公衆浴場、水道施設、特定建築物など、環境衛生関係施設に対する許認可、立入検査等の実施並びに生活衛生関係営業の指導等を行っております。
また、健康で安全な生活環境の確保のため、換気、給水設備に対する相談、指導、住宅室内の環境改善に関する相談事業にも取り組んでおります。
続きまして、二一ページをごらん願います。環境保健についてでございます。
大気汚染物質や騒音、振動等による健康への影響に関しての各種調査研究の実施のほか、大気汚染による健康障害者への医療費の助成等を行っております。
また、急増するアレルギー疾患に係る実態の把握やその予防、治療のための調査研究の検討、飛散する花粉数の調査等を行っております。
そのほか、内分泌攪乱化学物質やダイオキシン類を初めとする化学物質が子どもたちに与える健康への影響に関する問題への対応として、化学物質の暴露量を低減させるためのガイドラインの作成に取り組んでいるところであります。
続きまして、動物愛護でございます。
狂犬病の予防や人と動物との共通感染症対策を実施しているほか、動物保護管理については、本年三月の条例改正により、東京都動物の愛護及び管理に関する条例に基づく動物取扱業等への監視指導を強化するとともに、人と動物との共生社会の実現に向けた事業の展開を図っております。
続きまして、保健医療の提供に関する事業でございます。二二ページをお開き願います。
まず、医療対策についてでございます。
医療施設の許認可及び監視指導を行うとともに、医師、歯科医師、看護師等の医療従事者の免許事務を行い、適切な医療の確保を図っております。
また、東京発医療改革に掲げた患者中心の医療の実現のため、昨年より患者の声相談窓口を設置するとともに、窓口に寄せられた都民の声を参考に意見交換を行う、医療のより良い関係を考える会を開催するなど、都民と医療機関との信頼構築の取り組みを進めているところであります。
そのほか、増大、多様化する医療需要に対し、リハビリテーション医療の充実、僻地医療など地域に不足する医療の確保、医療機能連携推進事業などによる医療資源の効率的活用、医療施設の整備に対する支援等の取り組みを進め、地域医療提供体制の充実に努めております。
次に、救急医療についてでございます。
いつでも、どこでも、だれでも、その症状に応じ、必要かつ適切な医療が受けられるよう、救急医療体制の整備を進めております。
平成十一年には、二次救急医療対策を見直し、休日・全夜間診療事業を開始して、三百六十五日二十四時間の診療体制を確保するとともに、小児救急医療につきましても、十三年度から小児科医が常時対応する小児科の休日・全夜間診療事業を開始いたしました。
また、区市町村等が実施する小児初期救急医療事業の円滑な執行体制を確保するため、体制整備支援事業を実施するとともに、本年度からは新たに運営費補助の支援を開始しております。
続きまして、二三ページをごらん願います。災害医療についてでございます。
災害初動期の医療救護につきましては、区市町村の医療救護活動を支援、補完する都の直轄医療救護班の派遣体制を整備するとともに、医薬品、医療用資機材、血液等を備蓄し、その供給体制を確保してございます。
また、後方医療体制につきましては、災害時後方医療施設として六十一カ所の施設を指定するとともに、災害時の医療救護活動に関する各種マニュアルを作成するなど、その体制整備に努めております。
また、これらの災害医療救護体制が災害時に円滑に機能するよう、例年九月の総合防災訓練におきまして、大規模な医療救護活動訓練を実施いたしております。
次に、血液の確保についてでございます。
献血思想の普及、血液製剤の適正使用、献血受け入れ供給施設等の整備に重点を置いた施策を展開しているところであります。
続きまして、保健医療を支える基盤についてでございます。二四ページをお開き願います。
まず、保健所についてでございます。
保健所は、地域における保健衛生行政の中核的機関として、地域住民の健康の保持及び増進を図るため、地域住民の日常に密着した多種多様な保健衛生活動を行っております。
地域保健を取り巻く環境が大きく変化し、一方で、関係法令の整備により地方分権の流れが本格化する中、国は、平成十二年三月に地域保健対策の推進に関する基本的な指針を改正し、都道府県の保健所は、専門的、技術的業務の推進、企画調整機能の強化、健康危機管理、市町村相互間の連絡調整の推進等、これまで以上に地域保健の広域的、専門的、技術的拠点と位置づけが明確にされました。
こうした動向を踏まえ、都は昨年十月、「二十一世紀の東京都保健所~多摩地域の保健サービスの再構築に向けて~」を策定し、都と市町村の適切な役割分担に基づく新たな保健サービスの再構築を推進し、都民の視点に立って総合的な地域保健サービスを向上させていくとしたところでございます。
続きまして、二五ページをごらん願います。研究所でございます。
都立衛生研究所は、保健医療行政の科学的、技術的中核機関として調査研究、試験検査等を行っております。
また、財団法人東京都医学研究機構が管轄いたします三つの研究所では、未解明の重要疾患の原因究明、予防、診断、治療法の開発等を目指した基礎的、臨床的研究を行っております。
続きまして、看護師等の確保についてでございます。
都は、保健医療体制を支える医療従事者の確保対策として各種施策を実施しており、看護職員については、看護専門学校の運営による養成対策を初め、定着、再就業、資質の向上及び普及啓発の各分野にわたって確保対策を進めております。
恐れ入ります、二六ページをお開き願います。保健医療情報でございます。
都民に対する保健医療に関しての情報提供、相談を行う窓口として、東京都保健医療情報センターを設置し、都民への情報提供機能の充実を図っております。
また、情報公開の推進と個人情報の適切な管理を図り、開かれた都政を目指した取り組みを進めております。
そのほか、保健医療行政の基礎資料となる衛生統計につきましても、国からの指定統計のほか、都独自の統計、業務統計の数多くを実施しているところでございます。
最後に、研修でございます。
健康局の研修は、職員研修、保健医療従事者研修、保健・医療・福祉の連携研修、東京都保健医療学会、以上の四つに大別されますが、これら各種の研修を通じて業務上の必要な知識や技術を習得させ、保健医療行政の一層の充実を図っているところであります。
以上で事業概要の説明を終わらせていただきます。
恐れ入りますが、引き続きまして、お手元配布の冊子、東京都監理団体等運営状況(健康局所管分)に基づきまして、都が二五%以上出資等を行っている団体についてご説明をさせていただきます。
それでは、まず、目次をお開き願います。当局が所管しております団体は、目次にございます四団体でございます。
引き続きまして、一ページをお開き願いたいと存じます。
まず、東京都健康推進財団でございます。
本法人は、都民の健康の保持増進及びがん等の疾病予防を図るため、健康づくりやがん予防等に関する普及啓発、健康づくりのための実践指導、がん検診等の事業を行っております。
続きまして、恐縮ですが、一六ページをお開き願いたいと思います。東京都医学研究機構でございます。
本法人は、神経科学総合研究所、精神医学総合研究所、臨床医学総合研究所の三つの財団法人を統合いたしまして、平成十一年度四月に発足いたしました。各研究所におきましては、神経系難病を含め、原因や治療法が解明されていない疾病などの研究を行っております。
次に、四九ページをお開き願います。東京都保健医療公社でございます。
本法人は、地域医療のシステム化を推進し、包括的、合理的な医療供給体制の確立を図るため、現在、東部地域病院及び多摩南部地域病院の運営を行っているほか、地域医療に関する調査研究などの事業を行っております。
次に、八二ページをお開き願います。東京都生活衛生営業指導センターでございます。
本法人は、都内における飲食業、クリーニング業、理容・美容業ほか生活衛生関係営業の経営の健全化及びその振興を通じまして、衛生水準の維持を図り、あわせて、利用者または消費者の利益の擁護を図ることを目的として設立された財団法人でございます。現在、衛生施設の維持改善及び経営の健全化についての相談、指導、講習会の開催等の事業を実施しております。
以上ご説明申し上げました四団体のうち、健康推進財団、医学研究機構、保健医療公社の三団体は東京都監理団体に指定されております。
これらの法人の詳細につきましては、お手元の資料に記載してございますので、後ほどごらんいただければと存じます。
委員の先生方におかれましては、これらの団体が都の事務事業を補完あるいは代行し、都民サービスの向上に大きな役割を果たしていることをご理解いただきまして、団体の健全な発展のために、今後ともご指導、ご支援をいただけますようお願い申し上げます。
以上で健康局の事務事業に関する説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○森田委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
○大山委員 五種類お願いします。
一つ目は、区市町村保健センターの専門職員数の推移です。各区市町村別でお願いします。五年間で結構です。
二つ目は、保健所の専門職員定数の推移を、区と都それぞれです。これも五年間で結構です。
三番目は、二次保健医療圏別保健所にした場合の所管区域の人口、面積です。
四番目は、在宅歯科診療の実績の推移をお願いします。
五番目は、全国の八〇二〇運動の実施状況をお願いします。
以上です。
○吉田委員 私は、慢性肝炎、リハビリ、小児救急、精神障害者対策の、大きくいって四項目について、それぞれ何点かずつ資料をお願いいたします。
慢性肝炎については、低所得者を対象とした外来医療費助成三年継続についての申請数と、医療的審査によって却下された数についての資料をお願いいたします。
二つ目に、新たな入院医療費助成制度の概要と、この間の実施状況について。
三つ目に、国による慢性肝炎検診の受診数及び都による精密検査の受診数についてお願いいたします。
次に、リハビリについてですけれども、二次医療圏別のリハビリ資源の状況についてわかる資料をお願いいたします。
次に、リハビリ病床数、入院、外来患者数の推移についてわかる資料をお願いいたします。
リハビリの三つ目が、都内救急医療機関の急性期リハの実施状況がわかる資料をお願いします。
リハビリの四つ目ですが、訪問リハ、通所リハの実績の推移。
次に、区市町村別の地域リハの推進策がわかる資料をお願いします。
小児救急については、三点です。
小児救急搬送数の推移がわかる資料。次に、区市町村別の休日・全夜間小児救急実施医療機関、都内小児科標榜医療機関の推移、この三点です。
最後に、精神障害者に係る施策で何点かお願いいたします。
まず、区市町村別に、手帳と都営交通乗車証の発行数及び社会福祉施設の設置状況、都内精神病院の入院患者数の推移。
次に、都内精神病院、診療所における作業療法の実施状況、作業療法士の配置状況について。
次に、福祉ホーム、グループホームの設置数の推移、及び目標が定まっていればその目標数。
次に、授産施設の運営費についてなんですが、身体及び知的障害者の同様の授産施設の運営費と比べた場合、どのような違いがあるかを対比して示してください。
次に、手帳受給者が利用できる施策について、同じく、知的そして身体障害者と比較して、どのような対比かがわかる資料をお示しください。
最後に、精神障害者の就労対策の概要と実績についてわかる資料をお願いいたします。
以上です。
○田代委員 二点です。
アレルギー性疾患対策委員会の中で、疾患別の治療のための調査研究についての資料があれば、見せていただきたいと思います。
それから、保健医療情報で、広報で使っている、何かパンフレットみたいなものがあれば、直近の一年間ぐらいのものを見せていただきたい。
以上です。
○萩生田委員 母子保健事業全体にかかわる助産師の活用実態についてわかるようなものがあれば、お示しいただきたいと思います。
あわせて、職員定数ではなくて、本庁あるいは出先、今ご説明のあった監理団体を含めて、助産師、保健師のそれぞれ有資格者がどのような実態で配置をされているか、わかるものがあればお示しいただきたいと思います。
あわせて、妊産婦の訪問指導や新生児の訪問指導の保健師の派遣状況の中で、保健師の年齢分布がわかるものがあればお示しいただきたい。
三点お願いします。
○森田委員長 ほかに。--よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 ただいま大山委員、吉田副委員長、田代委員、萩生田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
以上で健康局関係を終わります。
○森田委員長 これより病院経営本部関係に入ります。
初めに、櫻井病院経営本部長から、あいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○櫻井病院経営本部長 病院経営本部長の櫻井巖でございます。
森田委員長初め委員の皆様方には、日ごろから病院事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜りまして、まことにありがとうございます。
私ども病院経営本部職員一同、医療サービスのさらなる向上を目指すとともに、福祉保健医療行政と密接に連携しながら、病院事業の一層の推進に努め、都民の皆様の期待にこたえてまいる所存でございます。
今後とも、一層のご指導、ご支援をお願い申し上げます。
それでは、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
経営企画部長の押元洋でございます。サービス推進部長の中井昌利でございます。経営戦略・再編整備担当参事の宮川雄司でございます。当委員会との連絡に当たります経営企画課長の醍醐勇司でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○森田委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○森田委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。
○櫻井病院経営本部長 病院経営本部が所管しております事務事業の概要についてご説明申し上げます。
病院経営本部は、都民の皆様への医療サービスの一層の充実強化を目指すとともに、病院事業の自律性と経営責任の明確化を図るため、本年四月に設置された組織でございます。
病院経営本部が所管しております都立病院は、がん、心臓病医療などの高度医療やリハビリテーション医療、周産期医療、難病医療などの専門医療、並びに感染症医療、救急医療、島しょ医療などの行政的対応が必要な医療を、時代のニーズに対応しながら都民の皆様に的確に提供し、都における医療の質的向上を図ることを基本的な役割として運営しております。
現在、総合病院八、小児病院二、精神病院二、神経難病の専門病院一、産院一の合計十四病院を所管しております。
病院事業に関する詳細な説明は、お手元にお配りしております事業概要により、この後、経営企画部長からご説明申し上げます。
私からは、病院経営本部の重要課題である都立病院改革についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしております事業概要の五ページをお開き願います。
少子高齢化の進展や疾病構造の変化、患者の医療に対する意識の高まりなどから、これまで以上に、患者のニーズに応じたきめ細やかな医療サービスの提供が求められております。
さらに、全国的な医療事故の続発や患者への情報提供の不足などから、都民の医療に対する信頼が揺らいでいる現在、患者の立場に立ち、医療の質をより一層向上させることが重要な課題となっております。
こうしたことから、医療における透明性、信頼性、効率性の三つの不足を克服し、開かれた医療、安心できる医療、むだのない医療を方針として、三百六十五日二十四時間の安心と患者中心の医療の実現を目指す東京発医療改革に取り組むことといたしました。
この東京発医療改革の核として都立病院改革を推進することとし、十二年九月に知事の諮問機関である都立病院改革会議を設置し、都立病院の担うべき医療機能、再編整備の考え方、基本的な財政ルールについて、幅広い見地から活発なご議論をいただきました。そして、十三年七月に、新たな都立病院の創造を目指す、改革の処方せんともいえる報告書がまとめられたところであります。
さらに、この報告書を受け、同年十二月に、安全、安心を支える質の高い患者中心の医療の実現と、医療サービスのさらなる向上を図る具体的な道筋を明らかにするために、都立病院改革マスタープランを策定いたしました。
本マスタープランに基づき、都立病院は、新たな役割のもと、東京ERの整備による救急医療体制の充実や再編整備による機能強化、専門医の育成、都立病院の患者権利章典に基づく職員の意識改革など、都民に対する医療サービスの向上に向けてさまざまな施策を推進するとともに、区市町村が主体に取り組むこととなる地域医療の確保について、関係局と連携しながらその支援を行うなど、二十一世紀の新しい医療の創造に積極的に取り組むことを基本的な姿勢としております。
次に、五ページの中ほどでございますが、マスタープランの基本方針についてご説明申し上げます。
まず、新たな役割に基づく改革でございます。
その第一は、医療機能の集約と再編整備であります。
現在十四ある都立病院を再編整備し、医療機能の集約による医療の質的向上を図っていきます。具体的には、十四の都立病院を広域基幹病院、センター的機能病院、地域病院という三つの類型に整理し、重点とする行政的医療の分野を明確にし、各都立病院間で重複している医療機能を広域基幹病院、センター的機能病に集約いたします。
第二は、ネットワークの充実強化であります。
医療機能の集約によって充実させた高水準で専門性の高い都立病院の医療機能を、その病院の患者はもとより、他の都立病院の患者にも提供するとともに、都立病院全体としての医療水準を向上させ、有機的に連携しながら、より質の高い医療サービスを提供していきます。
さらに、大学病院や国公立病院、民間病院、かかりつけ医として地域医療を支える診療所等と密接に連携し、医療機関相互のネットワークを強化していくことにより、都内全体への広がりを持った医療サービスの提供を目指します。
恐れ入りますが、六ページをごらんください。第三は、患者中心の医療の推進であります。
都立病院が目指す患者中心の医療とは、常に患者本位で、患者さんが安全、安心、納得を得ることができるような、信頼される、質の高い医療サービスを提供することであります。
そこで、昨年七月に、患者の基本的な権利と責務を明らかにした都立病院の患者権利章典を制定するとともに、医療事故予防活動を推進するリスクマネジャーの養成やインシデント・アクシデント・レポートの活用など、医療安全管理対策の一層の充実と病院職員の意識改革に積極的に取り組んでおります。
また、いつでも、だれでも、さまざまな症状の救急患者に適切に対応できる救急診療体制として、東京ERを墨東、広尾、府中の三病院に整備することといたしました。既に昨年の十一月には墨東病院に、本年七月には広尾病院にそれぞれ開設したところでございます。そして、十二月には、三カ所目となる府中病院で開設する予定となっております。
次に、都立病院改革推進体制の強化であります。
その第一は、病院経営本部の設置であります。
都立病院改革を着実に推進するためには、その体制を強化充実する必要があります。そのため、病院経営本部を設置するとともに、経営基盤の強化を図るための方策として、七月に、学識経験者や民間病院経営者等、病院の経営管理等についてすぐれた識見を有する方の参画を得て、経営委員会を設置しました。これは、今後の都立病院の経営に関して、さらなるサービス向上や経営の健全化に向けた提言をいただくことを目的としております。今後は、本委員会での議論や提言を活用しながら、社会環境や医療動向の変化に的確に対応するとともに、民間病院経営の視点も取り入れた機動的かつ弾力的な病院経営に努めてまいります。
第二は、経営基盤の強化であります。
さらなる経営改善に向け、効率的な病床運用による入院期間の適正化や薬品、診療材料の適正管理など、収支の改善を図るとともに、一般会計補助金として一括計上されている一般会計からの繰出金を、財政ルールの見直しにより、負担と補助に明確に区分するなど、さまざまな創意工夫を行い、経営改善に取り組んでまいります。
以上が、都立病院改革マスタープランについての基本的方針であります。
都立病院改革は、東京の医療を総体として向上させるために不可欠な取り組みであります。限られた医療資源を効率的、効果的に活用し、三百六十五日二十四時間の安心を支える質の高い患者中心の医療を実現することは、病院経営本部に課せられた最大の責務であると認識しております。
私ども病院経営本部職員一同、都民の皆様に対する医療サービスのさらなる向上と都立病院の経営革新を目指し、都立病院改革マスタープランの着実な実現に取り組む所存でございます。今後とも、一層のご指導、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
○押元経営企画部長 それでは引き続きまして、病院経営本部が所管しております事務事業についてご説明を申し上げます。
事務事業の説明に入ります前に、お手元にお配りしております資料についてご確認をお願いいたします。
まず、病院経営本部事業概要でございます。次に、都立病院改革マスタープランの冊子でございます。次に、都立病院のあらましでございます。以上でございます。
それでは、病院経営本部の事務事業の概要についてご説明させていただきたいと存じます。
恐れ入りますが、事業概要の表紙をお開き願います。
最初は、都立病院の患者権利章典でございます。これは、平成十三年七月に、患者中心の医療の実現を目指し、策定いたしました。この章典は、都道府県としては初めて、患者の権利と責任を十項目にわたり明確にしたものでございます。
続きまして、事業概要の三ページをお開き願います。
この三ページから六ページまでは、病院経営本部の設置目的と運営理念並びに都立病院改革の取り組みについて記載してございます。これらに関しましては、先ほど本部長より説明をさせていただきました。
次に、七ページをお開き願います。都立病院の沿革について記載してございます。
都立病院は、明治十二年に、現在の駒込病院の前身であります駒込避病院と、現在の松沢病院の前身であります東京府癲狂院の開設に始まっております。現在は、七ページの下段、(2)、施設の現状に記載しておりますとおり、総合病院が八、小児病院が二、精神病院が二、神経難病の専門病院が一、及び産院一の合計十四病院を運営しております。
また、本年四月一日現在の病床につきましては、一般病床が五千二百二十五床、精神病床が一千八百三十一床、結核病床が百二十三床、感染症病床が六十床、以上の合計が七千二百三十九床となっております。
なお、都内病院の総病床数に占める割合では、約五%程度でございます。
続きまして、一三ページをお開き願います。病院経営本部の組織でございます。
本庁組織といたしましては、二部四課体制となっております。
所管しております都立病院は、先ほどもご説明申し上げましたように十四病院でございます。
なお、母子保健院は、さきの定例都議会におきまして、東京都立母子保健院条例を廃止する条例を提案させていただき、ご決定を賜りました。そのため、本年十二月二十七日をもって廃止することといたしております。
次に、病院経営本部の職員定数でございますが、次のページをお開き願います。平成十四年四月一日現在の職員定数を職種別、組織別にお示ししてございます。一四ページの表の下段、左側にございますように、職員の総定数は七千三百七人でございまして、うち、本庁職員が、その上の段に記載しておりますとおり、八十三人となっております。
恐れ入りますが、一六ページをお開き願います。平成十三年度の病院別採用状況でございます。こちらも職種別、採用日別に記載してございます。医師は毎月採用しております。また、看護師についても年四回採用しております。
次の一七ページでは、本庁組織各部各課についての分掌事務について掲載してございます。
続きまして、二一ページをお開き願います。病院経営本部の所管いたします病院会計の平成十四年度当初予算及び平成十三年度決算の状況についてご説明いたします。
平成十四年度当初予算は、(1)の概要の一行目に記載してございますとおり、一千七百十八億九千二百万円でございまして、前年度と比べまして〇・四%の減となっております。
次に、収益的収支についてでございますが、その下三行目にございますとおり、病院事業収益は一千五百八十三億五千六百万円でございまして、病院事業費用は一千五百八十三億五千百万円を計上いたしております。
また、その下の行、資本的収入につきましては三十一億三千二百万円、資本的支出は百三十五億四千百万円となっております。
患者規模といたしましては、アに記載してございますとおり、入院患者が延べ二百二十六万四千六百七十五人、外来患者数が延べ二百七十九万五千九百九十四人であり、十三年度予算に比べまして、入院患者では四万四千余人、外来患者では一万七千余人の増を見込んでおります。
次に、二二ページをお開きいただきたいと存じます。平成十四年度当初予算に係る主な施策について、アからウまで、東京ERの整備など三点を挙げてございます。
次に、二三ページをごらんいただきたいと存じます。平成十四年度病院会計総括表でございます。
表3-2、平成十四年度病院会計予算総括表の1、収益的収支における自己収支についてでございますが、平成十四年度につきましては、表の1、収益的収支の一番下の欄に記載してございますとおり、七三・二%でございまして、その右側、十三年度の七一・八%から一・四ポイントの改善を見込んで計上しております。
次に、二四ページをお開きいただきたいと存じます。平成十三年度の決算の状況についてご説明いたします。
まず、診療実績でございますが、(1)に記載しておりますとおり、入院患者は延べ二百十二万八千二百四十一人、外来患者は延べ二百九十五万七千七百五十六人でございまして、前年度に比べますと、入院患者で二万八千三百三十人の減、外来患者では七万一千四十六人の増となっております。
次に、収益的収支でございますが、(2)に記載してございますとおり、総収益は一千五百二億二千四百六十五万余円、総費用は一千四百九十九億七千五百三十三万余円でございまして、差し引き二億四千九百三十一万余円の純利益となっております。
また、資本的収支は、(3)に記載してございますとおり、総収入が三十二億七千八百四十三万余円、総支出が百七十二億三千五十七万余円でございまして、差引不足額百三十九億五千二百十三万余円は損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
なお、病院運営の主要指標でございます自己収支比率につきましては、二五ページの表3-4、平成十三年度病院会計決算総括表の1、収益的収支の表をごらんいただきたいと存じます。この表の右から三つ目の欄が十三年度決算額、税抜きをお示ししてございますが、その一番下の欄に記載してございますとおり、病院全体では七一・一%となりまして、前年度と比較いたしますと〇・六ポイントの改善が図られております。
さらに、その上の欄は医業収支比率をお示ししてございますが、病院全体で七一・〇%となりまして、前年度と比較いたしますと〇・五ポイントの改善となっております。
次の二九ページから五六ページまでにかけましては、先ほど本部長よりご説明申し上げました、都立病院改革の推進についての具体的な取り組みなどを詳細に記載しております。後ほどご参照いただければと思います。
次に、五九ページをごらんいただきたいと存じます。こちらには都立病院の概要について記載してございます。各病院につきまして、医療法上の診療科目と重点医療、病床数、予算上の患者規模数、医業収支見込み並びに職員定数について記載してございます。
続きまして、六一ページから七四ページまでは、各都立病院の概要について記載しております。後ほどご参照いただければと存じます。
以上で、病院経営本部の事業に関する説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○森田委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○大山委員 二点だけで結構です。
大久保病院について、診療科ごとの利用者数推移を五年間でお願いします。
豊島病院に関しては、板橋区との協議の状況をお願いします。
○吉田委員 ちょっと経過がありますので、母子保健院について、まず一点、都立母子保健院における十三年度の小児科及び産科の救急患者数を、平日時間内と平日時間外及び平日以外でお示し願いたい。
もう一つ、八王子及び清瀬小児病院に関してですけれども、この小児医療をめぐっての八王子市及び清瀬市との協議の経過と概要について、及び多摩地域における区市町村別のNICUの整備状況について。
それと、同じく区市町村別の休日・全夜間小児救急実施医療機関とその実績についてお示しをお願いいたします。
よろしくお願いします。
○萩生田委員 未収金の各病院ごとの推移を五年間、一覧表でお示しいただきたいのと、ドクターカーの運用実績、三角搬送と一般搬送と分けて、その運行時間と距離等もわかるようなものがあればお示しいただきたいと思います。
○森田委員長 ただいま大山委員、吉田副委員長、萩生田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出を願います。
以上で病院経営本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時三十八分散会
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