厚生委員会速記録第六号

平成十四年六月六日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十三名
委員長曽雌 久義君
副委員長野田 和男君
副委員長吉田 信夫君
理事河西のぶみ君
理事古賀 俊昭君
理事佐藤 裕彦君
東村 邦浩君
山加 朱美君
柿沢 未途君
萩生田光一君
山口 文江君
小松 恭子君
樋口ゆうこ君

 欠席委員 一名

 出席説明員
福祉局局長前川 燿男君
次長藤堂 義弘君
理事金内 善健君
総務部長上條 弘人君
生活福祉部長上野 純宏君
高齢者部長若林 統治君
子ども家庭部長笠原  保君
障害福祉部長高橋 義人君
保険部長吉川 和夫君
企画担当部長村山 寛司君
団体改革担当部長片岡 貞行君
連絡調整担当部長有留 武司君
施設調整担当部長反町 純夫君
参事菅原 眞廣君
健康局局長今村 皓一君
技監荻野  忠君
総務部長浅井 憲彦君
企画担当部長齋藤  進君
医療政策部長奥田  匠君
医療サービス部長金田麻里子君
食品医薬品安全部長河津 英彦君
地域保険部長長岡 常雄君
特命担当部長大屋 喜重君
参事梶山 純一君
参事海老原 繁君
参事木村 豊彦君
参事丸山 浩一君
病院経営本部本部長櫻井  巖君
経営企画部長押元  洋君
サービス推進部長中井 昌利君
参事宮川 雄司君

本日の会議に付した事件
 福祉局関係
  第二回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
  報告事項
  ・平成十三年度東京都一般会計予算(福祉局所管分)の繰越しについて(説明・質疑)
  ・いわゆる補助金等適正化法違反容疑による元高齢者施策推進室長の逮捕、起訴とその対応について(説明)
  請願陳情の審査
  (1)一四第一〇号 公的年金制度の改善と最低保障年金制度の創設に関する請願
  (2)一四第一二号 アルコール・薬物依存症者関係施設への施策の拡充に関する請願
  (3)一四第三号の一 三宅島被災者への生活支援金と住宅補修資金の支援に関する陳情
  (4)一四第四号の一 三宅島被災者への生活支援金と住宅補修資金の支援に関する陳情
  (5)一四第五号の一 三宅島被災者への生活支援金と住宅補修資金の支援に関する陳情
 健康局関係
  第二回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の一部を改正する条例
  請願陳情の審査
  (1)一四第二号 骨髄バンク利用における医療保険の適用に関する請願
  (2)一四第一二号 アルコール・薬物依存症者関係施設への施策の拡充に関する請願
  (3)一四第八号 難病対策と小児慢性特定疾患対策の充実等に関する陳情
  (4)一四第一〇号の二 畜産物及びその加工品における表示の適正化と安全性の確保に関する陳情
  (5)一三第二四五号 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の改正に関する請願
  (6)一三第二四六号 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の改正に関する請願
  (7)一三第二四八号 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の改正に関する請願
 病院経営本部関係
  陳情の審査
  (1)一四第二号 都立駒込病院のアレルギー膠原病科の存続等に関する陳情

○曽雌委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、第二回定例会中及び今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局及び健康局関係の第二回定例会提出予定案件の説明聴取及び福祉局関係の報告事項の聴取並びに所管三局の請願陳情の審査を行います。ご了承願います。
 なお、福祉局関係の平成十三年度予算の繰り越しについての報告事項は、説明を聴取した後、直ちに質疑を行いたいと思います。
 その他の報告事項及び第二回定例会提出予定案件については、本日は、説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は今後の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより福祉局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、前川局長から紹介がございます。

○前川福祉局長 去る四月の人事異動後、初めての委員会でございますので、この機会をおかりいたしまして、福祉局の新任幹部職員をご紹介させていただきます。
 福祉局理事の金内善健でございます。団体改革担当部長の片岡貞行でございます。連絡調整担当部長の有留武司でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○曽雌委員長 紹介は終わりました。

○曽雌委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○前川福祉局長 平成十四年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉局関係の議案につきまして、概略をご説明申し上げます。
 提出予定の議案は、条例案一件でございます。東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例は、国の関連制度の改正に伴い、資金の一部について貸付限度額を引き上げるものでございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。

○上條総務部長 お手元に平成十四年第二回東京都議会定例会議案をお配りしてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 表紙の次のページ、目次をお開き願います。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、先ほど局長から説明させていただきましたように、条例案一件でございます。
 一ページをお開き願います。東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都女性福祉資金貸付事業は、類似の事業であります国の寡婦福祉資金貸付事業の貸付限度額、償還期間及び貸付利率に準拠しながら、都独自の事業として実施しているものでございます。
 今回の改正は、資金の一部について貸付限度額を引き上げるものでございます。
 また、二ページに条例の新旧対照表を記載してございます。
 三ページをお開き願います。貸付限度額の新旧対照表を記載してございますが、今回、貸付限度額の引き上げを行うのは、下段の就学支度資金でございます。該当する箇所に下線をつけてお示ししてございます。
 なお、この条例は公布の日から施行し、平成十四年四月一日から適用することとしております。
 以上で提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 それでは、資料要求はなしとさせていただきます。

○曽雌委員長 次に、理事者から、平成十三年度予算の繰り越しについて報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○上條総務部長 平成十三年度一般会計の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の平成十三年度一般会計繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。繰越総括表でございます。
 平成十三年度補正予算におきましては、繰越明許費予算議決額の合計欄にございます二十三億五千五百五十二万二千円について、繰越明許費として議決をいただいておりました。
 その内訳は、歳出欄にございます生活福祉費の管理費で二億円、施設整備費の社会福祉施設整備助成費で十億八千五百五十二万二干円、高齢保健福祉施設整備助成費で十億七千万円でございまして、それぞれ年度内に執行が終わらないことが見込まれたものでございます。
 このうち、執行見込みの状況を踏まえまして、翌年度繰越額の歳出欄にございます生活福祉費の管理費で一億九千八百万円、施設整備費の社会福祉施設整備助成費で十億八千五百五十二万二千円、高齢保健福祉施設整備助成費で十億三千九百六十二万四千円、合計二十三億二千三百十四万六千円を平成十四年度に繰り越すものでございます。
 また、繰越事業に要する財源といたしまして、繰越財源内訳欄にございますように、国庫支出金、都債、繰越金をあわせて繰り越すものでございます。
 なお、表の下、注書きにございますように、予算現額欄及び繰越明許費予算議決額欄には、それぞれ繰り越しを生じた事業分のみを記載しております。
 次に、二ページをお開き願います。繰越事業の概要でございます。
 右側の説明欄をごらんいただきたいと存じます。
 まず、離職者支援資金の貸付事務でございます。失業世帯の自立を支援するための、離職者支援資金貸付事業の事務に要する経費を補助するもので、国の平成十三年度補正予算に計上されたものでございますが、貸付事務が年度内に終了しないことが見込まれたため、貸付事務に要する経費の一部について繰り越すこととしたものでございます。
 次の保育所の整備は、待機児解消に資するため、保育所の創設、改修等に要する施設整備費に対し補助等を行うものでございます。
 また、次の介護予防拠点整備は、区市町村が行う介護予防拠点に係る基盤整備事業に対し補助を行うものでございます。
 いずれも、国の平成十三年度補正予算に計上された事業で、年度内の事業完了が困難となったため、繰り越すこととしたものでございます。
 以上、繰り越しの報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○曽雌委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○小松委員 今回出ております施設整備費としての社会福祉施設整備助成費及び高齢保健福祉施設整備助成費で、説明にありましたように、国の補正予算に計上された事業であって、十三年度内の事業完了が困難であるということで、待機児解消で望まれる保育所も、それから高齢者の方の介護予防拠点整備も大変重要なことでございますが、この中身として、現時点での進捗状況をお伺いしたいと思います。

○若林高齢者部長 私の方で所管をしております介護予防拠点整備事業についてお答えさせていただきます。
 本件につきましては、地域の高齢者が地域の中で、要介護者にならない予防のために、あるいは日常生活をきちんとし続けられるようにという意味から、拠点を順次整備していく事業でございます。
 毎年、国の内示が年末になるもので、その国の内示を受けて東京都が内示をして区市町村に通知をいたしますものですから、その関係で翌年に繰り込む事業がふえているところでございます。今の予定数としましては、八区四市二町一村の事業が対象になっているところでございます。

○小松委員 中身は何ですか。

○若林高齢者部長 各区あるいは市町村にあります公民館であるとか、集会所でありますとか、そういった施設の中に、内部を改造いたしましてエレベーターを設置するとか、段差を解消するとか、地域の高齢者がその会館を使って介護予防の事業をやりやすいような、そういった拠点整備をしていく事業が中身でございます。

○笠原子ども家庭部長 保育所関係の十三年度最終補正予算の概要でございますけれども、整備施設、私ども十四施設で、創設が一、改築、増改築十二、大規模改修一、こういう内訳でございます。
 私どもといたしましては、国の補正予算の考え方に従いまして、待機児童解消に比較的効果の高いものということで、定員の増に資するもの、あるいはゼロ歳児定員の増に資するもの、それから産休明け保育の開始、あるいは延長保育の長時間化、こういったものに対しまして優先的に整備をしておこうということで、今、事業を実施しているところでございます。
 今の進捗状況ということでございますけれども、法人審査会等に付議をし、国に協議をしたところでございます。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○曽雌委員長 次に、理事者から、いわゆる補助金等適正化法違反容疑による元高齢者施策推進室長の逮捕、起訴とその対応について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○上條総務部長 この場をおかりいたしまして、社会福祉法人西原樹林会が運営する特別養護老人ホーム青い鳥の建設に関します、いわゆる補助金等適正化法違反容疑の件についてご報告をさせていただきます。
 先月十四日、補助金等適正化法違反容疑で、神藤元高齢者施策推進室長がさいたま地検に逮捕され、六月三日に起訴されました。
 今回の事件の真相は、いまだ十分に明らかになっておりませんが、局長経験者が起訴されたことは、重く受けとめているところでございます。
 この間の福祉局の対応についてでございますが、まず、五月十四日に、社会福祉法人に関する補助金等検討委員会を設置いたしました。この委員会は、福祉局次長を委員長として局内に設置したもので、補助金の交付、審査等に関する仕組みの再検証を行っているところでございます。十五年度の補助内示に向けた手続が始まる今月末までには、第一段階としての当面の対応策を取りまとめてまいりたいと思っております。
 全庁的な取り組みといたしましては、補助金を所管します関係局等で構成された補助金関係事務適正化委員会を設置し、補助金関係事業の執行体制等のあり方の検討に入っているところでございます。
 また、監査事務局では福祉局を対象に、今回の事件と同種の国庫補助金の受け入れについて、今月から随時監査を実施しております。
 次に、社会福祉法人西原樹林会についてでございます。五月十五日に、保険者である西東京市と連携して現地調査を行い、職員の配置やサービスの提供等が通常どおりに行われていることを確認しております。
 今後とも、特別養護老人ホーム青い鳥に入所中の高齢者の処遇に影響が出ないよう、西東京市と連携を図りながら対応してまいります。
 東京都社会福祉事業団の理事長の職についてでございますが、神藤理事長は五月十五日付をもって理事長職を辞任いたしました。そのため、新理事長が選任されるまでの間、前川福祉局長がその職を代理しております。
 以上で報告を終わらせていただきますが、都民の信頼にこたえるべく、補助金の交付に万が一にも不適切な処理がなされることがないよう、改善すべき点の洗い出しと対応に努め、万全を期してまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○曽雌委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 それでは、資料要求はなしといたします。

○曽雌委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、一四第一〇号、公的年金制度の改善と最低保障年金制度の創設に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○村山企画担当部長 お手元にお配りしてございます請願陳情審査説明表に沿いましてご説明させていただきます。
 整理番号1、一四第一〇号、公的年金制度の改善と最低保障年金制度の創設に関する請願でございまして、全日本年金者組合東京都本部執行委員長吉田紀夫さん外三十八名の方々から提出されたものでございます。
 その要旨は、一、国民年金法における基礎年金に対する国庫負担を、国会の決議のとおり三分の一から二分の一に増額すること、二、年金制度を抜本的に改革し、大企業と国の一般財源の負担による最低保障年金制度を創設し、無年金の人や低年金の人をなくすこと、これらのことについて国に意見書を提出していただきたいというものでございます。
 現状を申し上げますと、公的年金制度は、世代間扶養の仕組みを基本としておりまして、将来世代の過重な負担を防ぐとともに確実な給付を確保するという観点に立ちまして、平成十二年三月に法改正が行われました。
 この改正では、将来の厚生年金保険料を年収の二割程度に抑制し、物価が上昇した場合は年金額の引き上げを保証するなどの措置を講じた上で、給付総額の伸びを調整するものとされました。
 さらに、学生の方が、保険料の未納により障害無年金者となることを防ぐ趣旨から、社会人になってから保険料を納入する制度も新たに設けられました。
 あわせて、国は、保険料の改定の問題や安定的な財源確保の方策など、今後の課題は少なくないとしております。
 なお、この法律改正の附則におきましては、基礎年金について、給付水準及び財政方式を含めてそのあり方を幅広く検討し、当面平成十六年度までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引き上げを図るものとすると規定されております。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 紹介議員の一人でもありますので、一言発言をさせていただきます。
 年金事業は、今は国事業として移管されていますし、本請願は、議会としての意見書を要望するということでありますので、簡潔に意見を述べさせていただきます。
 最近、杉並区が区内の高齢者を対象としたアンケート調査でも、高齢者対策の要望で第一位に上げられたのは、年金、高齢者医療などの社会保障の充実ということでありました。
 この請願の第一項目にあります国庫負担二分の一増額、これはもとをただせば、平成六年、一九九四年の国会での附帯決議で、一日も早く二分の一負担に進めることが議決をされた経過のものであります。保険料負担の大幅な増額を抑制し、また、年金の崩壊を防ぐ上でも急務であると考えます。
 二項目にあります最低保障年金の創設に関していえば、いうまでもなく、憲法二十五条の健康で文化的な生活を保障するという大前提と同時に、世界的にも、この年金者組合の方々が調べていますけれども、二十以上の国々が最低年金制度というものを導入している。しかも、昨年の八月、国連の第二十六回社会権規約委員会の勧告では、締約国日本が国の年金制度に最低年金制度を導入することを勧告するという旨の勧告が行われております。
 さらに、全国の自治体でも、こうした請願を受けまして国に対する意見書が上げられ、都内でも十九の区市の議会で意見書が上げられているというふうに聞いております。
 そうした意味からも、ぜひこの請願について趣旨採択を望んで、私の発言といたします。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○曽雌委員長 起立少数と認めます。よって、請願一四第一〇号は不採択と決定いたしました。

○曽雌委員長 次に、一四第一二号、アルコール・薬物依存症者関係施設への施策の拡充に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○上野生活福祉部長 お手元にお配りいたしました請願陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号2の一四第一二号、アルコール・薬物依存症者関係施設への施策の拡充に関する請願は、東久留米市のアルコール・薬物施設連絡会会長山本晋一さんから提出されたものでございます。
 その趣旨は、アルコール・薬物依存症の生活保護受給者が、自立、回復を図るため、自助グループの治療プログラム活動へ参加する際に、交通費が移送費として措置されることをケースワーカーに徹底し、適切に処理するよう区市町村を指導していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、アルコール・薬物依存症者が断酒等を継続するために自助グループに参加する際の交通費につきましては、厚生労働省社会・援護局長通知などによりまして、保護の実施機関において、本人からの申請を受けて支給しております。
 今後とも、実施機関において制度が適正に運営されるよう、周知徹底を図ってまいります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○佐藤委員 私は、この請願が当委員会にかかるまでに請願者の方ともお目にかかりましたし、各方面からいろんな資料をいただいてまいりましたので、あえて自分が持っている資料を確認したりはしませんし、わかっている範囲で意見をいいたいと思います。
 また、紹介議員という立場は、私、今回はとっておりませんけれども、紹介議員というのは、自分がすべてをわかってこの請願を紹介しているわけでありますので、質問するのはおかしいと思っておりますので、要望だけをしたいと思います。
 まず、薬物依存症者の社会復帰対策というのは、ダルクの問題も含めまして、財政支援がまだまだ十分ではないように思います。特に今年度は、このダルクについては二三%の、どういうわけか財政支援が、福祉財団からのお金が削られているということもあるようでありますが、やはりまだまだ十分ではない。
 特に、保健所、福祉事務所あるいは都立病院等々の公的機関からこのダルクを紹介されて来る相談者が非常にふえているということも聞いております。
 この社会復帰対策を進めるに当たりましては、既に取り組みを行っている団体がたくさんあるわけで、社会復帰プログラムの実施等も含めて、地方団体とよく連絡をとってもらいたい。
 そして、病気としての薬物依存症というのは健康局の所管であります。ですから、健康局との連携というのも私は非常に大事だろうと思っています。聞きますと、こっちは健康局だ、あれは福祉局だと、何かキャッチボールをしているような、素人にはそういう感じもしないこともないわけでありますので、どうか健康局と福祉局がしっかりと連携をとっていただいて、一段高い視野に立ってこの対策をしっかりと検討していただきたい、このことを要望して私の発言を終わります。

○小松委員 今の発言に別に反論するわけではありませんが、私は紹介議員の一人でもありますので、より明らかにしながら、本請願をぜひ採択していただく方向で質疑を行っていきたいと思います。
 そして、アルコール・薬物関係は、何といっても仕切りが健康局、福祉局になっているわけですから、そこで主に論議するわけですけれども、この福祉局にかかっております六番目の生活保護受給者に対する交通費などの実態、これについて伺いたいと思います。
 今、交通費は支給されることになっているがとおっしゃっておりましたけれども、しかしこういう形で、適切に処理するよう区市町村を指導することということが出されているというのは、現状、実態にいろいろ問題があるのかないのか、局としてはそれをどのようにつかんでいらっしゃるのか、また、支給の上限などがあるのだろうか、その辺について伺いたいと思います。

○上野生活福祉部長 アルコール・薬物依存症者が断酒会等の自主グループに参加する場合の交通費--移送費でございますが、これは本人からの申請に基づきまして、各福祉事務所で支給されることになっておりまして、私ども福祉局といたしましては、毎年都内のすべての福祉事務所を対象にして指導検査を行っておりますが、その中で一時扶助費の移送費の支給についても、点検項目ということで点検をしておりますけれども、その結果から申し上げましても、適正に支給されているというふうに認識しているところでございます。
 また、ただいま委員の方から、上限額があるのかというお尋ねでございますが、アルコール・薬物依存症者の自助グループに参加する際の交通費につきましては、その参加が当該の方の自立のため、必要かつ有効であると保護の実施機関が認めるときに支給するものでございます。そういうことで、支給に限度額はございません。ただし、その額につきましては、移送に必要な最小限度の額というふうになってございます。

○小松委員 ということですよね。にもかかわらず、例えば泊を伴う、すなわち宿泊の研修会も必要になろうかと思うのですが、これはアルコール依存症関係はたしか認められているはずなんですが、薬物依存症関係では国が認めていないということも聞いております。それはなぜなのでしょうか。

○上野生活福祉部長 委員ご指摘のとおり、アルコール依存症者につきましては、現在、断酒会等の実施する宿泊研修会に参加する場合は、参加交通費、宿泊費及び飲食物費が支給できることになってございます。しかし、薬物依存症者の宿泊研修会への参加費用につきましては、まだ認められておりません。
 東京都といたしましては、薬物依存症者の宿泊研修会につきましても、アルコール依存症者と同様に、社会復帰に効果が期待できるというふうに認識しておりますので、毎年厚生労働省に対して認めるよう要望しているところでございますが、今後ともまた要望してまいります。

○小松委員 同じ生活保護制度の中で、片方は認めて、片方は認めていないというのは、大変矛盾した国の態度だと思うんです。ですから、そういう意味では、今、毎年都の方からも働きかけをしているということですから、さらにこの働きかけを強くしていただきたいと思います。
 また、この交通費一つとっても、各自治体の福祉事務所の窓口、すなわちケースワーカーの対応のあり方が非常にばらつきがあるようにも聞きます。そういう意味でも、今後とも引き続きワーカーへの指導を徹底させる、このことを要望いたしまして、本項については質疑を終わります。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、本件は、健康局所管分もございますので、決定は健康局所管分審査の際行い、ただいまのところは保留といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第一二号は保留といたします。

○曽雌委員長 次に、一四第三号の一、一四第四号の一及び一四第五号の一、三宅島被災者への生活支援金と住宅補修資金の支援に関する陳情は、内容が同一でありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます

○上野生活福祉部長 続きまして、整理番号3、陳情一四第三号の一、整理番号4、陳情一四第四号の一、整理番号5、陳情一四第五号の一につきましては、内容が同一のため、あわせてご説明をさせていただきます。
 件名は、いずれも、三宅島被災者への生活支援金と住宅補修資金の支援に関する陳情でございますが、陳情一四第三号の一は、豊島区の災害被災者支援と災害対策改善を求める東京連絡会事務局長岡村誠さんから、陳情一四第四号の一は、杉並区の三宅島被災者支援委員会代表柴田勇雄さんから、陳情一四第五号の一は、杉並区の岩崎健一さんからそれぞれ提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、いずれも、三宅島避難島民に対し緊急な生活支援金を支給すること、また、その施策実現のために、国に対し意見書を提出するようにというものでございます。
 現在の状況でございますが、三宅島避難島民におかれましては、全島避難後一年九カ月、島民の就労努力などによりまして、多くの世帯で基本的に自立した生活が営まれております。
 この間、東京都は島民の努力を支えるために、生活福祉資金の無利子貸付、国制度の対象とならない世帯への東京都被災者生活再建支援金の支給、義援金の配分、都営住宅の無償提供、老人医療助成制度の一部負担金免除、上下水道料金の減免などを実施しております。
 また、平成十四年二月に、支援の万全を期すために、都みずから訪問調査を行いまして実態把握に努め、生活保護の効果的運用などにより、島民の避難生活を支えているところでございます。
 一方、国に対しましては、三宅島災害に対する特別措置として、災害援護資金の融資条件の緩和や被災者生活再建支援法の見直しなどを要望しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○東村委員 三宅島の方が全島避難をされて約一年九カ月ですか、八王子にも約百六十世帯の方がいらっしゃいまして、個々の方によって非常にさまざまなケースがあるわけでございますが、そういう中で、今回東京都がこの四月に三宅島避難島民の生活状況を把握して発表された。これは非常に長期になる避難生活の中で、時宜を得たものであるのではないかと、このように考えておりますし、また、かねてから村民の生活状況を非常に心配していた私たちにとっても大いに参考になりました。
 帰島した島民の方々は、何といっても今後の生活再建が大きな課題であると考えるわけであります。これを支援するために東京都は、再建のための資金を手元に残すという災害保護の取り組みを行ってこられましたし、これは非常に重要なことであると思っております。
 そこで、具体的に、現行の生活保護制度では、義援金や見舞金は幾らまで収入として認定しないことができるのか、これについてお答え願いたいと思います。
 さらに、長期の避難生活から、住宅の被害や家具の補修のために、これらのわずかな程度の手持ち資金では恐らく足りないだろう、このように思うわけであります。そこで、預貯金の枠について拡大をしていくことを国に対して要望すべきではないのかと考えるわけですが、これについての見解を伺いたいと思います。

○上野生活福祉部長 ただいま委員ご指摘なさいましたように、三宅島島民にとりましては、今、全島避難によりまして生活の本拠や職を失い、避難生活を続けておられるわけでございまして、帰島後の生活再建に備えて一定の資金が必要でございます。そのため、できる限り預貯金を保有していただく必要がございまして、生活保護を適用する場合であっても、一定の預貯金を認めるという考えのもとで進めたいと思っております。
 そのことで、災害保護という形で私ども現在取り組んでいるわけでございますが、まず、預貯金の取り扱いにつきましては、国の方で現在認められているものがございます。それは、災害等による補償金、保険金もしくは見舞金などにつきましては、一定の要件のもとに預貯金の保有を認める、生活保護の適用に際しまして収入認定をしないという取り扱いでございます。
 ただいま申し上げました補償金、保険金もしくは見舞金、これに該当いたしますものが、三宅島避難島民の方の場合では、これまで受けていただきました義援金あるいは被災者再建支援金がございます。その額のすべてが、収入認定しない扱いとして認められる対象になるわけでございまして、この金額が、例えば二人世帯で申し上げますと二百十八万円でございます。単身では百四十七万八千円とか、あるいは三人では二百六十四万円とか、個々にございますが、そういう状況になってございます。
 続きまして、この額につきまして、帰島後の再建支援を考えれば、さらにその枠の拡大について国に要望すべきではないかというご指摘でございますが、私どもといたしましては、去る四月二十六日に知事名によりまして、その枠を超える保有についての容認ということを防災担当大臣に要望いたしております。
 これを踏まえまして、これは五月の十六日になりますが、衆議院の災害対策特別委員会が開かれまして、その中で全会一致をもって、その趣旨を踏まえた決議をいただいているところでございます。
 現在は、既に認められております、先ほど申し上げましたような額の範囲内の方の受給の促進に努めているところでございますが、こういった災害保護の適用促進の取り組み状況を踏まえまして、そういう中で島民の生活実態をさらに把握いたしまして、今後とも必要に応じて国に要望してまいりたいと思っております。

○東村委員 東京都は実態を把握してくれていますから、その辺の手もきっちり打ってくださっておるし、国にも要望をしてくださっている。それで国も動いているということが、よくわかりました。
 そこでお伺いしたいのですけど、生活困窮世帯にこの災害保護を適用していくという上では、やはりこの制度の周知が何よりも重要だろう、こう考えるわけです。そこで、これまでどのようにしてこの制度の周知というものをやってきたのか、さらに、今後どのようにしてこの制度の周知をやっていくのか、ここをしっかりやっていかないと漏れる人が出てくるわけですから、しっかりこれをお願いしたいと思います。

○上野生活福祉部長 生活保護の受給の促進につきましては、従来から一般的な形での広報を行ってまいりました。また、個別への対応も取り組んできたところでございます。ただ、そういう中で、先ほど来ご指摘のような災害保護という立場での保護の受給を促進するということにいたしまして、私どもとしては、この四月の二十五日にそういう方針を発表したわけでございますが、それと前後いたしまして、三宅支庁や三宅村とともに、広報紙などによる島民全体への周知、あるいは民生委員、これは島の民生委員さんだけではなくて全都の民生委員に対してでございますが、そういう民生委員の方、あるいは都内の全福祉事務所に対する協力依頼などを行いまして、周知の徹底を図っているところでございます。
 また、あわせまして、三宅支庁の職員あるいは民生委員が各戸をご訪問いたしましての相談にも応じておりますけれども、こういった取り組みを今後はさらに図っていくべく、現在取り組んでいるところでございます。
 例えば、三宅支庁の人員体制についてもさらに充実を図り、福祉局もまたこれに協力する、そういう形で、早急に災害保護の必要が想定される世帯全戸に対します訪問相談を行いたい、そして、短期間に受給につなげるような形で努力したい、そういうふうに考えてございます。

○東村委員 三宅支庁の人員体制も強化し、福祉局もこれにしっかりと協力をして、そして全戸訪問の体制もしっかりとっていきたいと。この姿勢を非常に評価するわけですから、今後もしっかりこの体制を堅持して、三宅島の方が安心して全島帰還ができるように、これから努力をしていただきたいと思いまして、私の質問を終わります。

○吉田委員 私も簡潔に質問をさせていただきます。
 三宅島島民の方々の生活と一日も早い帰島というものは、都民共通の願いだと思いますし、私も何度か三宅に通った経過があるものですから、その思いを強くするわけです。それで、皆さん方を含めて、三宅島の避難島民の方々に対して、さまざまなご努力をされてきていることに対しては、敬意を表したいと思います。
 しかしながら、説明では、基本的に自立した生活をされているという説明ではありますけれども、今既に触れられました四月二十五日発表ですか、五十歳以上で低所得者の方々に対する実態を個別に回った調査結果というものは、やはり深刻な事態に直面している島民の方々がいらっしゃるというのも、現実の事実として浮き彫りになったと思うのですが、そうした調査結果と、それをどのように受けとめていらっしゃるのか、基本的な見解をまずただしておきたいのですが。

○上野生活福祉部長 平成十二年九月の全島避難後、三宅島避難島民におかれましては、島民ご自身の就労努力を初め、さまざまな努力によりまして、多くの世帯では基本的に自立した生活が営まれていると考えております。
 この間、そういう島民の自立の努力を支えるために、東京都や三宅村でさまざまな支援に取り組んできたところでございまして、その結果といたしまして、例えば、これは三宅村の実施したアンケート調査にも明らかでございますが、五十歳未満の世帯の就労率が八七%というふうに非常に高くなっておりますし、また、公営住宅の無償提供を行っておりますけれども、こういう中で、都内の避難世帯の七五%が公営住宅に入居されている。その他、医療費の無料についての助成とか、あるいは上下水道料金の助成、あるいは、先ほど来申し上げています義援金の配分とか、被災者再建支援金、そういったものも行っているわけでございます。そういうことで、基本的には充実した生活が営まれていると考えてございます。
 ただ、三宅村が実施しましたアンケート調査結果では、あわせて、一部には生活困窮世帯もあるということが想定されるようなデータも出ておりました。そのために、東京都といたしましては、支援の万全を期すために、先ほども申し上げましたが、本年二月に、世帯主が五十歳以上で比較的収入が低いと想定される世帯を対象に訪問調査を実施したわけでございます。

○吉田委員 時間の関係がありますから、私、意見を述べますけれども、四月二十五日、東京都自身が災害対策本部と一体となった調査でも、少なくとも生活保護基準以下というレベルだけで見ても、三百世帯がこれに該当するという冷厳な現実が浮き彫りになったわけですよね。ですから私は、もちろん生活保護の弾力適用ということも一つですけれども、それにとどまらない、やはり全体的な生活支援策の強化というものを一層求めていきたいと思うんです。
 しかも、先ほど国会との関係もありましたけれども、三月に行われた参議院の災害対策特別委員会、五月に行われた衆議院の特別委員会の中でも、大臣は、この調査結果を踏まえて東京都及び三宅村と協議をしていく、その要望に基づいて国も対応していくというふうにお答えになっているわけですから、私はこの生活保護の問題だけではなくて、しかも、もうこれも既におわかりのことでありますけれども、雲仙普賢岳に当たっては、長崎県の提案で国の国庫補助もついて、避難島民の方々に対する食事代の提供という形での生活支援策もとられてきたという経過があるわけですから、生活保護それ自身と同時に、それにとどまらない支援策というものが今求められているのではないかなと思うんです。
 もう一つ、生活保護そのものについてもなんですけれども、この四月二十五日の発表の際に、今もお話がありましたが、弾力的に解釈をし、弾力的に適用するんだという旨のお話がありました。今の答弁で、それを四月二十五日に発表し、その後、周知に努力をしているのだというんですけれども、この弾力的な解釈なり弾力的適用というものは、具体的に何を指されているのでしょうか。

○上野生活福祉部長 災害保護という形で生活保護の受給の促進に努める、その際に弾力的な適用を図るということでございますが、このことは、先ほど来ちょっと触れておりますけれども、本来、生活保護は預貯金がある場合には原則受けられませんけれども、厚生労働省次官などの通知によりまして、災害等によって損害を受けたことにより臨時的に受けられる補償金、保険金、見舞金などは、一定要件のもとに収入として認定しないことになってございます。
 この取り扱いを活用して、できる限り預貯金を保有していただく、預貯金をできる限り保有した中での生活保護の適用に努めていくということが、一つございます。
 また、そういう活用とあわせまして、この預貯金の額が災害見舞金等の枠を超える部分につきましても、必要であれば枠の拡大を図るように、これは国の関係でございますので、国に要望したということでございます。

○吉田委員 今お話がありましたけれども、ちょっと確かめさせていただきたいのですが、生活保護受給者が災害によって見舞金などを受けた場合には、その収入は収入としては認定しないよというのは、もう国の通知で明快なわけですよね。
 それだけではなくて、生活保護受給者じゃなくて、生活保護を申請する人の場合であっても、この見舞金に相当するものが預金としてあった場合には、それは収入として認定しませんよと。これも別に弾力的ではなくて、国の従来からの基本的見解なのじゃないですか、いかがですか。

○上野生活福祉部長 ただいま副委員長のご指摘ございましたが、生活保護をこれから新たに受ける方につきましても、当然、先ほど来の取り扱いは認められているところでございます。私の先ほど来の説明で、ちょっとそのあたりをもしご理解いただけなかったとすれば、説明不足でございました。

○吉田委員 ですから、少なくともその部分だけを限って見れば、もっとそれを拡大するとなれば確かに弾力的ということになるかもしれませんが、少なくとも現時点で見舞金、義援金、生活再建ということで受けた金額については、新たに申請しようとしたときにそれが預金として通帳に残っていても、それは収入として、預金としては認めませんよということは、何ら弾力的ではなくて、もう厚生労働省の基本的な従来の見地であるということは明快なんですよね。
 それをわざわざ、あえて四月二十五日の時点で弾力的に適用するんだというふうに発表されたことは、これはNHKの放送でも取り上げられましたけれども、じゃあ、東京都は弾力どころか、既に基本的な通知でありながら、その徹底なり、その活用の努力をなぜしてこなかったのかということが問われるのですが、いかがでしょうか。

○上野生活福祉部長 私どもが四月下旬以降、特に取り組んでおりますのは、災害保護という形で、生活保護についての弾力的な適用ができる制度について、周知を図り、とにかく受給の促進を図っていくということでございます。
 それで、これまでにも、三宅島避難島民の方につきましては生活保護の適用を行ってきたわけでございますが、例えば、全島避難前には十七世帯の受給世帯があったわけでございますが、それがきょう現在では五十六世帯という形で、三倍以上の世帯にふえておりますし、また、現在受給されている世帯の六割近い三十一世帯の方につきましては、預貯金の預託制度を利用しておられるということでございます。これまでもそういうふうに取り組んできたし、現在はさらにその分、災害保護という形で受給の促進を図る形で取り組んでいるということで、ご理解いただきたいと思います。

○吉田委員 災害に遭って、しかも生活保護という、そうたびたび発生しないような事例ですから、申請するに当たって、義援金などのお金が預金の対象、収入認定にされるか否かということは、幾ら職員の方であったとしても、なかなかそこまでケース・バイ・ケース理解をして、すべて対応できるかどうかという問題があると思うんですよ。
 ですから、私は、それは弾力的じゃなくてもともとの通知で明らかだったならば、少なくとも初めの時点からそれはきちっと徹底すべきではなかったのか、そういう努力はされてきたのですかと、今はご質問したんです。

○上野生活福祉部長 生活保護を受給する場合のいろんな収入の認定、その除外の関係につきましては、私ども、三宅島の全島避難が決まりました直後、これは平成十二年の九月一日でございますが、東京都から都内の全福祉事務所に対しまして、生活保護の適用についての協力を依頼しております。
 その中で、これは貸付金でございますけれども、生活福祉資金の貸し付けが行われた場合には、収入認定しないでいいというふうな通知を出してございます。
 また、同じ年の十二月には、被災者生活再建支援金の支給が決定されたわけでございますが、その際にも東京都からすべての福祉事務所に対しまして、この部分につきましては収入認定をしない取り扱いができるということで通知してございます。
 福祉事務所の職員は、本来、こういう形の預貯金についての災害時の特例的な扱いができることにつきましては、これは国の保護の実施要領で定まっていることでもございまして、当然の知識として知っているわけでございまして、そういう中で、昨年の七月までは都内の全福祉事務所が、それぞれの避難場所における生活保護の相談とかに応じていただいていましたし、昨年七月からは、また三宅支庁に一本化したわけでございますが、そういう中でもこの制度を十分ご説明し、利用していただきながらやってきてございます。

○吉田委員 私、その十二月に出された通知も、事前にいただいて読ませていただきましたけれども、それは、あくまでもこの生活再建支援金の支給に当たっての通知文が主であって、補足的に生活保護の問題にも触れられています。しかし、文言の限りでは、これは生活保護を今受けている方々が、この生活支援金を受けた場合のその収入の認定についてという言葉になっているわけです。
 今、部長は、そんなことはもう当然のことで周知する必要はないんだといわれましたけれども、その当然のことを、あなた方は四月二十五日に、いかにも弾力的であるかのような発表をされたわけです。
 しかも、現実問題として、NHKのニュースでも報道されましたけれども、三宅島島民の方が、ある時点からは三宅支庁が対応しますからわかるわけですけれども、それぞれの避難されている地域の福祉事務所で相談に行ったときに、これは一般的に当たり前ですけど、預金がありますか、ありませんかと聞かれて、島の人はわかりませんから、たとえそれが支援金であろうと何であろうと、預金はありますといえば、預金がなくなるまでは受けられませんよということで、事実上の門前払いを受けたという事実も、私自身は直接関係者から聞きましたし、NHKでも放送されているという事実があるわけです。
 そういう意味で、私は、今さら過去のことをさかのぼっても、やむを得ないかもしれませんけれども、そういう点では、やっぱり福祉局の努力というものはもっとやっていただきたかったなと。さらに、現時点で一層の弾力的適用と、さらなる生活支援のために努力をしていただきたいという意見を述べまして、私の質問を終わらせていただきます。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○曽雌委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一四第三号の一、陳情一四第四号の一及び陳情一四第五号の一は、いずれも不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で福祉局関係を終わります。

○曽雌委員長 これより健康局関係に入ります。
 初めに、先般の組織改正により、健康局が設置されましたので、今村局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○今村健康局長 健康局長の今村皓一でございます。
 曽雌委員長を初め委員の皆様方には、日ごろからご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 さて、この四月の組織改正により、旧衛生局は、健康局と病院経営本部の二つの組織として生まれ変わり、それぞれ新たなスタートを切ることとなりました。
 私ども健康局は、保健医療を取り巻く今日的課題に対応し、保健衛生と医療に関する新たな施策を積極的に推進するため、局組織を、課題に即した簡素で効率的な組織とするため全面的に再編し、都民の命と健康に係る施策全般を所管する局として、新たな一歩を踏み出すこととなりました。
 組織改正後、初めての厚生委員会に当たりまして、新生健康局の幹部職員をご紹介させていただきたいと存じます。
 健康局技監荻野忠でございます。新たに着任いたしました総務部長浅井憲彦でございます。企画担当部長齋藤進でございます。続きまして、東京発医療改革のさらなる推進、救急医療、災害医療体制の整備等に当たってまいります医療政策部長奥田匠でございます。感染症、小児医療、精神科救急といった新たな医療ニーズへの対応に当たってまいります医療サービス部長金田麻里子でございます。食品、医薬品に関する先行的調査、監視、指導、情報発信等、一貫した体制での危機管理に当たります食品医薬品安全部長河津英彦でございます。地域主体の保健サービスの総合的な推進に当たります地域保健部長長岡常雄でございます。特命担当部長大屋喜重でございます。医療改革推進担当参事梶山純一でございます。事業調整担当参事海老原繁でございます。安全対策担当参事木村豊彦でございます。地域保健推進担当参事丸山浩一でございます。最後に、当委員会との連絡につきましては、引き続き、総務課長関敏樹が担当させていただきます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○曽雌委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○曽雌委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○今村健康局長 平成十四年第二回定例会に提出を予定しております健康局関係の議案につきまして、ご説明申し上げます。
 ご審議をお願いいたします議案は、条例案一件でございます。
 お配りいたしました資料は、平成十四年第二回東京都議会定例会条例案と平成十四年第二回東京都議会定例会条例案の概要でございます。
 それでは、条例案の概要をごらん願います。
 一ページをお開きください。整理番号1の、東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の一部を改正する条例についてでございます。
 これは、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行に伴い、規定を整備するものでございます。
 本条例は、公布の日から施行いたします。
 以上で説明を終わらせていただきます。
 条例案の詳細な内容につきましては、お手元配布の資料、平成十四年第二回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 それでは、資料要求はなしといたします。

○曽雌委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、一四第二号、骨髄バンク利用における医療保険の適用に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金田医療サービス部長 整理番号1、請願一四第二号につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、公的骨髄バンクを支援する東京の会代表新田恭平さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、骨髄バンク利用において、次の事項のとおり、国に対して意見書を提出していただきたいというものでございます。
 第一項は、骨髄バンクの利用におきまして、骨髄移植に使用する骨髄液に医療保険点数をつけ、骨髄バンクを介しました骨髄液の提供における医療保険外患者負担金を解消するようにというものでございます。
 第二項は、海外の骨髄バンクから提供される骨髄液につきましても、国内の場合と比べ、追加的に発生する費用を含めまして医療保険点数をつけ、医療保険外患者負担金を解消するようにというものでございます。
 第三項は、骨髄移植事業の安定化を図るために、骨髄バンクのドナー登録者の募集からドナーコーディネート、骨髄提供後のドナー健康管理等調査に至るまでの所要経費につきまして、国庫補助や寄附金に依存するのではなく、医療保険を適用するようにというものでございます。
 第一項につきましてですが、ドナーの骨髄採取や搬送にかかわる費用、骨髄移植術及び患者入院費、薬代、治療費などの医療行為につきましては、現在でも保険が適用されておりますが、骨髄液は保険点数化されておりません。
 一方、ドナーにかかわる健康管理等のための経費及び損害保険料等は、財団法人骨髄移植推進財団が負担し、その一部について患者に費用負担を求めております。
 第二項につきましては、海外から提供される骨髄液の採取費用等については患者負担となっておりますが、搬送費は、国内と同様に保険が適用されております。
 第三項につきましては、骨髄バンク制度の経費の負担方法に関しましては、国において政策的に判断しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○東村委員 請願一四第二号、骨髄バンク利用における医療保険の適用、これは意見書の提出を要望されておりますので、それについて意見を述べたいと思います。
 白血病等の骨髄バンクを利用される方々の経済的な負担というのは、本当に大変な状況にあるというのは、重々承知をしております。その上で、ここでも問題になっていますが、保険適用なのか、国庫補助なのかという問題があると思うんですね。
 今ご説明ありましたように、患者の方が直接払う費用の中でも、保険適用と保険適用外がある。特に、差額ベッドなんかは当然保険適用外というのは、これは理解できると思いますし、海外での骨髄採取にかかわる費用というのは、これは国によって保険制度というのはまちまちであるわけですから、これも適用外だと。
 その上で、患者の移植術や入院費、薬代、治療費、ドナーの--これは国内ですね、ドナーの骨髄の採取にかかわる費用、踏み込んで、海外からの骨髄の搬送費用、ここまで保険適用すると。かなり踏み込んだところまで保険適用しているわけでございます。
 今、世界広しといえども、国の医療保険によって、何割か患者が負担することによって医療が受けられるというすばらしい制度は、日本がかなり進んでいるわけでございまして、それが、非常に財政的に厳しい、いろんな保険制度を合わせて一兆円近い財政赤字があるということで、今、国も保険医療制度を改革しようとしております。その中でサラリーマンの三割負担という話も出てきているわけでございますが、さらに今回、この請願をされているところは、患者の方がこれ以外に、いわゆる骨髄移植推進財団、この骨髄バンクに払う費用について保険適用をしてくださいと。
 中には、患者の確認検査料やドナーの確認検査料、こういうところは後で保険適用がされて戻ってくるわけでございます。
 そのほかに、コーディネートの開始料やドナー確認検査手数料、そして最終同意等の調整料、ドナー用の損害保険料や骨髄提供の調整料など、これが今調べたところによると、合わせて六十六万三千円ぐらいかかっている。これに対して、さっきいいました患者確認検査料やドナー確認検査料については、保険が適用されて後で二十万二千円ほど返ってくる。今回、国はさらにこれに十五万ぐらい上乗せをしたわけなんですね。上乗せをして、かつ財団の方は患者に対する負担をふやしているわけです。
 これは、さまざまな状況があると思うのですけれども、平成十二年度の決算書を見ますと、入ってくる収入というのが十億二千四百六十五万三千円だった、出ていくのが十億四千二百二十万二千円、ほぼ一千七百五十万ぐらいがマイナスになっている。
 こういう状況が出ているのですけれども、私はまずは、これは今患者の人が負担を求められているんで、この患者の方々が、恐らく財団の方から、これも保険適用になればもっともっと皆さんの負担が少なくなりますよといわれて、恐らく運動を起こされていると思うのです。
 これらの手数料というのは、やっぱり財団がしっかりと負担をしていく、そのための骨髄移植推進財団ではないのかと。第一義的に財団が経営努力をしなきゃいけない、その上で患者に負担を求めなきゃいけない。国が一人当たり十五万円ふやしているにもかかわらず患者に対する負担割合がふえている、これはやっぱり財団もしっかり努力しなきゃいけない。この補助金収入を見ますと、二億七千八百万です。これに対して、患者の負担金収入というのは二億五千九百万。
 私は、白血病等の、今、臍帯血なんかも真剣に検討がされ始めているわけですけれども、こういう中にあって、この補助金収入--外郭団体は、財団は、何でも金を食うからよくない、よくないといわれていますけれども、そうじゃなくて、しかるべきところには国がきっちり補助金を出すべきだ。
 むしろ、財団をしっかりと支えて患者に負担を強いないためには、やはり財団が努力をし、現状を説明して、国から補助金をもらう必要がある。寄附金という手もあるのでしょうけれども、今こういうご時世ですから、なかなか企業も寄附金というのは厳しいと思うんです。そういう意味で、必要なところにはしっかりと国庫補助をしていかなきゃいけない。
 これは、保険というのは性格的になかなかなじまないのじゃないか。そういった意味で、この皆さんの思いを否定するという意味ではなくて、保険適用ではなくて、むしろ私は国庫補助を強化すると。これだけの規模で、これだけの患者がいて、これだけの国の予算の中で二億八千万というのは、市区町村だったらすごい金額でしょうけれども、国からすれば、やはりもう少し力を入れてもいいのじゃないか。今、年々削減されているという状況でございますが、むしろここに力を入れて、国庫補助をもう少しふやして、財団も経営努力をして、患者の負担を減らすべきなんじゃないか。
 国が十五万ふやしていて患者に負担割合がふえたというのは、これはやっぱりおかしいことですから、それをしっかりと財団がもう一度認識をして、これは保険適用しなきゃいけないのだということを一方的に患者の方にいうのではなくて、むしろ自分たちが努力をして、この財団が国に補助金をもらうような努力をしていくべきだと私は思いまして、一言意見を申し述べさせていただきます。

○小松委員 骨髄移植は、骨髄バンクが設立されてから十年たって、その医療技術の進歩とともに、難治性血液疾患、こういうものに対する根治療法的な治療法だということが確認されるまでに至ったわけでして、その実績を大きく前進させているわけです。
 そこで、まず基礎的な数字を伺いますが、現在、骨髄ドナー登録者はどのくらいふえているのか。また、骨髄移植を希望しておられる方はどのくらいいて、そして骨髄移植を実際にやられた数、何件ぐらいまで伸びているのか、お伺いしたいと思います。

○金田医療サービス部長 平成十四年四月末現在、骨髄ドナー登録者は、全国で約十五万人に達しております。
 一方、骨髄バンクを通じての移植希望者は、千七百五十五人となっております。
 また、平成五年から開始された非血縁者間の骨髄移植件数は、四千七十六件となっております。

○小松委員 今の数字をお聞きしていますと、このドナー数、十年前の四月、すなわち九二年四月ですか、約五千人だったと。十年間で三十倍にも伸びた一方、移植実績も、翌年の九三年の一月は、たった一例から始まっているわけですね。それがその翌年の九四年の二月には百例を超えて、今月末にはこうやって四千例を超えるという。これに海外からの液の採取分も加算されますので、飛躍的な前進といわれるわけです。
 ところが一方、このような飛躍的前進の裏では、骨髄移植にはとにかく金がかかる、患者負担が大変だと聞くわけですが、患者負担として、実際に具体的にどのぐらいかかるのか、そのうち、保険適用されていない部分は、どんなものがあって、どのくらいになるのかということを改めて伺いたいと思います。

○金田医療サービス部長 骨髄移植にかかわる費用でございますけれども、医療保険適用分といたしまして、骨髄移植術、患者入院費等、ドナーの骨髄採取で、総額おおよそ一千三百万円ほどかかりますが、自己負担はそのうち二割から三割であり、高額療養費が適用されております。骨髄搬送費用についても、実費分は保険適用されております。
 保険適用以外の分でございますけれども、ドナーの入院に際しての差額ベッド代や海外での骨髄採取にかかわる費用となっております。
 さらに、骨髄バンクに支払う費用として、コーディネート料など最終的な患者負担額は、約四十六万円となっております。

○小松委員 この負担というのは大変大きいもので、差額ベッド代や、液の海外採取などになりますと、四、五百万円もするということですから、さらに負担は莫大になるわけです。
 これら保険適用外の中で、ここにも骨髄液とかいっておりますけれども、保険適用できそうなものは、この中で何かないんでしょうかね。

○金田医療サービス部長 現在、必要な検査料につきましては保険適用されており、平成十四年二月の診療報酬改定で十五万円の加算がされております。骨髄液については、既に採取と移植に関しては技術料として保険点数がついており、骨髄液そのものは薬価になじまないと思われます。そのほかはコーディネート料が主体であり、保険適用は困難となります。

○小松委員 今、十五万円の加算の話がありましたが、先ほどもこのお話出ておりましたが、一方では、バンク費用が赤字解消のため三十万円引き上がると聞くわけで、これでは、結果的には、ここだけでも十五万円の負担増になるわけです。そうしますと、お金がなければ移植そのものが受けられないことにもなりまして、これは本当に命の問題だと思われますね。
 骨髄移植を初めといたしまして、他の臓器移植、こうした移植医療技術というのでしょうか、これが大きく進歩しまして、移植により命を救うことができるようになったわけですね。こういうような、今、国民医療の不可欠なものになったわけですから、国はその責任として、ドナー登録募集から骨髄提供後のドナー健康管理調査に至るまでの周辺総費用を含めて、いわゆる骨髄移植に係る総費用ということで、先ほどもありましたけど、私は、やはりこれは国費で負担できるよう検討して、患者負担をなくす、このことをぜひ求めてまいりたいということでは、都からの働きかけもぜひしていただきたい、これをお願いして質問を終わります。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第二号は保留といたします。

○曽雌委員長 次に、一四第一二号、アルコール・薬物依存症者関係施設への施策の拡充に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金田医療サービス部長 整理番号2、請願一四第一二号につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、アルコール・薬物施設連絡会会長山本晋一さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、アルコール・薬物依存症者関係施設への施策拡充のために、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一項は、精神障害者共同作業所への財政支援を拡充するようにというもので、第二項は、アルコール・薬物依存症者の社会復帰プログラムを早期にまとめるようにというものでございます。
 第三項は、平成十四年度から、東京ダルクへの補助金交付を恒常的なものとするよう支給体制を確立するようにというものでございます。
 第四項は、区市町村に対し、精神障害者共同作業所の管外住民への利用を認め、年齢制限をしないよう指導するようにというものでございます。
 第五項は、高齢のアルコール・薬物依存症者が生活する場の確保について検討するようにというものでございます。
 第一項につきましては、精神障害者共同作業所については、平成十三年度末現在、二百五十三カ所に対し運営費補助を行っており、平成十四年度は新たに三カ所の補助を行う予定でございます。今後は、事業運営の安定性を確保するため、共同作業所から小規模通所授産施設への円滑な移行が図られるように支援に努めてまいります。
 第二項につきましては、薬物依存症者の社会復帰プログラムについて、局内に委員会を設け、検討を行っているところです。平成十三年度は社会復帰プログラムを試作し、試行を行いました。今後、同委員会において試行の結果を検証してまいります。
 第三項につきましては、薬物依存症者の社会復帰に対する支援については、平成十三年十月から、東京ダルクに対して精神障害者福祉ホームとしての運営費補助を行っているところです。今後も、引き続き薬物依存症者の社会復帰に対する支援の方策について検討を行ってまいります。
 第四項につきましては、実施主体である区市町村の主体性を尊重しつつ、精神障害者共同作業所通所訓練事業補助の趣旨を踏まえた指導に努めてまいります。
 第五項につきましては、高齢のアルコール・薬物依存症者を含む精神障害者の生活の場については、東京構想二〇〇〇の三カ年の推進プラン等に基づき、計画的に整備することとしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 念のため申し上げます。
 本件中、福祉局所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について発言を願います。

○佐藤委員 私は、何回も申し上げますけれども、自分がわかっていることは、聞いたりして、あえて時間を空費いたしませんので、意見だけいわせていただきますが、趣旨採択をしていただきたいという立場で要望をしたいと思います。
 福祉局の審議のときにも申し上げたんですが、健康局と福祉局がもっともっと連携をよくしていただきたいということであります。それから、現状は、こういった問題、いわゆるダルクに任せるしかないというような現実もあるわけであります。そういう場面がふえてきているのも事実だろうと思いますので、どうかそういった団体ともしっかりと連絡をとっていただいて、そごを来さないようにお願いしたい。
 アルコール・薬物依存症者に対する社会復帰対策というものを、物心両面といいますか、従来より一段高い視野を持って幅広く検討していただきたいということを申し上げて、私の要望を終わります。

○小松委員 それでは、まず、精神障害者の共同作業所への都補助金からお伺いしたいんですけれども、先ほどの説明で、十三年度末現在二百五十三カ所で、十四年度、久々に三カ所増になっているとのことですが、それぞれの基準額、どうなっているんでしょうか。そしてまた、この五年以上、補助基準額の引き上げが行われていないというふうに思われますけれども、いかがでしょうか。

○金田医療サービス部長 補助基準額は、利用者規模に応じて設定しておりまして、Aランクが千七百三十三万二千円、Bランクが千百四十三万三千円、Cランクが七百三十一万七千円でございます。このほか、行事費として十万三千円、受注開拓費三万二千円、相談員加算九十二万六千円がございます。
 なお、利用者の交通費は実費で見ております。
 また、健康管理費につきましては、平成十三年度に基準額を一人当たり千三十円から二千円に引き上げたところでございます。

○小松委員 今、ご答弁のように、健康局所管の精神関係の作業所への補助金というのは、人数による三ランクに分けまして補助しているわけですが、福祉局所管のあとの二障害、これは今、この補助金では大変厳しい、ぜひ引き上げをといっているわけですけれども、福祉局は、ご案内のように、それぞれ個々人の人数に掛けてということですけれども、それらと比べても、さらに補助金が低くなっている。その上、一千七百三十何万ですか、その補助からは、人件費も出せば、家賃から光熱水費等、日常の運営維持費、これがすべて支出されているわけですね。
 今は、非常なボランティア精神で働いている職員がいるわけで、それで続いているんですけれども、こうした職員の方々が結婚しても、そして子どもが生まれても働き続けることができる、このような共同作業所でなければならない。そういう形での財政支援を強く私は求めておきたいと思います。
 きょうは求めるということにしておきたいんですけれども、ところで、このことに対しまして都は、今後は事業運営の安定性を確立するため、共同作業所から小規模通所授産施設への円滑な移行が図られるよう支援に努めていくと、今ご説明がありましたけれども、現時点での実績はどうなっているんでしょうか。そしてまた、小規模授産で運営費はどうなっていくのでしょうか。とにかく心配なのは、国の基準は一千百万円と聞くわけですので、そうした形から、運営費はどうなっていくのか、メリットはあるのか、そういったこともご一緒に伺いたいと思います。

○金田医療サービス部長 平成十三年度、共同作業所から小規模通所授産施設へ移行した施設は、十二施設でございます。また、メリットといたしましては、小規模通所授産施設に転換することにより、施設整備が補助対象となること、さらに、法人化による事業の継続性、安定性などが考えられます。
 運営費につきましては、従前の共同作業所の運営費の水準を確保しております。

○小松委員 プラスは施設整備が補助対象となっていくということと、運営費についても、従前の共同作業所時代の補助水準を確保していくんだといっているわけですので、確保するそのままではなく、さらにこれは拡充していただきたいと要望してまいりたいと思います。
 と同時に、いま一つお聞きしたいのは、この小規模法人に移行しないというより、できない共同作業所への支援も、ぜひ継続していただきたいんです。なぜできないかといいますと、また、法人化することによって、事業の継続性、安定性が図られるというんですけれども、この小規模法人になるには、約一千万程度ですか、自己資金が必要だと聞くわけです。二十人以上のいわゆる法人に比べれば、大変少ない金額ではあるんですが、しかし、今の精神も含め、この共同作業所にとって一千万円の自己資金というのは大変な金額で、ちょっとやそっとで準備できるものではない。したがって、無理だと断念している共同作業所があることも聞いております。
 福祉局関係の共同作業所も同様であり、先ほども、福祉局とよく連携をとってというお話がありましたけれども、今後、この小規模法人の促進を促すということでしたら、ぜひ福祉局とよく連携をとって、都としての無担保無保証の貸付制度とか、そういったものと同時に、国へのそういったものを求める働きかけ、こういうものをぜひ、きょうはお願いしておくだけにします。お願いします。
 ところで、次に、先ほどから出ております薬物依存症者の社会復帰プログラムについてですけれども、委員会で検討を行って、昨年度は試作、試行したということですが、どのような試作、試行をしたんでしょうか。また、今後のスケジュールなど、あわせて伺いたいと思います。

○金田医療サービス部長 社会復帰プログラムでございますが、入所及び通所により薬物に依存しない生活の確立を主眼としたものでございます。平成十三年度のプログラム試行を踏まえ、実施に向けて取りまとめを行っていきたいと思っております。

○小松委員 回答は不十分といいたいんですが、薬物依存症者の社会復帰プログラムへの取り組みに第一歩を踏み出したということでは、大きく評価したいと思うんですね。しかし、予算の上では二年越しになっておりますので、いっときも早くこの本格実施を、そして、実施に際しては現場の意見を十分取り入れて進めていくことを求めたいと思います。
 先ほどの説明では、ここでは薬物依存症だけを取り上げておりますね。アルコール依存症者については、どのように考えているんでしょうか。

○金田医療サービス部長 アルコール依存症者対策につきましては、既に、相談、治療、社会復帰体制が整備されております。都としては、いまだ不十分な薬物依存症対策に取り組むことが重要と考えております。

○小松委員 確かにアルコール依存症者への対応は、保健所の積極的な取り組みや、治療法の確立、市民運動の進展、こうしたことで薬物と比べますと大きく前進しているわけです。しかし、社会復帰に至るまでには、相当な年月と本人の努力が求められる。この過程で大切なのは、本人の努力ももちろんですけれども、同時に、家族や周囲の人々の理解ある態度、これが求められるわけですね。
 現在のアルコール容認の社会では、本人がたとえ断っても、まあ一杯ぐらいはいいじゃないかと勧められて、この一杯が、必死で断酒をしていたアルコール依存症の回復者の今までの努力を全く水の泡にしてしまったということが、今までも何人からも聞いております。禁酒や断酒を行っている人や、アルコール依存症者には、アルコールは一切勧めない、こういう社会常識徹底のPRも含めまして、アルコール依存症者への社会復帰プログラム、これもやはり行政としてさらに充実させていく、このことを強く要望するものです。
 薬物の依存症者社会復帰支援の一つとして、ここにもありまして、先ほども出ましたけれども、昨年から東京ダルクに、十年来の念願といっていいでしょうか、やっと福祉ホームにのみ補助金が支出されることになったわけですけれども、この補助金を恒常的なものとすべきだと思われると同時に、補助金の制度の確立が必要と思われますが、いかがでしょうか。

○金田医療サービス部長 東京ダルクに対しましては、平成十三年十月から、精神障害者福祉ホームとして運営費の補助を行い、平成十四年度も引き続き補助を行うこととしております。
 また、薬物依存症者の自立を促進するためにも、社会復帰プログラムを実施できるように努めていきたいと思っております。

○小松委員 ぜひきちっと補助制度をつくってほしい。そして、その中で泊を伴う福祉ホームだけでなく、今、例えば東京ダルクが行っていますデイケアというのが、まさに精神障害者の共同作業所に当たるのではないでしょうかね。ですから、他の施設同様にランクづけの補助金を出すべきだと思うわけです。
 特に、東京ダルクの場合は荒川区に位置しているわけです。しかし、利用者は全都から集まっているので、今、精神障害者共同作業所は区市町村主体ということになっておりますが、この区市町村単位の施策にはこれはなじまないのではないでしょうかね。ですから、これこそ都の施策としての助成対象として検討すべきだと、私、思います。ぜひこれらについてきちんとした制度構築を求めたいと思いますし、同時に、とりあえずは共同作業所に準拠した補助金支出をぜひ実施していただきたいというふうに思います。
 さて、本請願の最後に、高齢のアルコール・薬物依存症者の生活の場を求めるということがいわれておりますが、ここでも高齢化が問題になりつつあるわけです。今の施設状況では、依存症の経歴があることがわかると、受け入れてくれる老人ホームなどが少ないと聞いております。また、受け入れられても、専門ワーカーがいませんと、先ほどの一杯どうぞじゃありませんけれども、その対応で失敗するというようなことがあったりして、大変難しい。こうした高齢の依存症者の生活の場、これをどう考えていらっしゃるでしょうか。
 と同時に、ここには、都は東京構想二〇〇〇の三カ年推進プラン等に基づき、計画的に整備するとしておりますが、その進捗状況もお聞かせ願いたいと思います。

○金田医療サービス部長 東京構想二〇〇〇の三カ年の推進プランでは、高齢のアルコール依存・薬物依存症者を含む精神障害者の自立と社会参加を実現するため、平成十五年度までに百七カ所のグループホームを整備することとしております。平成十三年度は、新たに六施設を整備し、八十三施設といたしました。平成十四年度、平成十五年度は、それぞれ十二施設の整備を計画しております。

○小松委員 今のご答弁、あくまでも、すべて含めた精神障害者のグループホームであるわけですね。ぜひその中に、依存症者も受け入れられる専門ワーカーを配置、こうした位置づけがある施設建設の支援も含めていただきたいと思うんですね。
 しかし、こうした施設というのは、先ほどから申しておりますように、これらの施設整備計画は、区市町村などが、それぞれ民間などの手もかりながら手を挙げていくというやり方なわけですから、そういう意味では、区市町村などというのでは非常になじみにくい。だから、そこに任せるのではなくて、都として直接手がけていただきたいと思うんです。アルコールや薬物依存症への対応は、行政としても、他の二障害と比べますと、まだ日も浅く、法の整備自体が非常におくれて出発したわけですね。
 でも、幸いに担当所管では、担当の課長さんも精神科の医師と聞いております。ぜひその専門性を発揮しながら、東京都として、全国的にも東京にこのアルコール依存症者、薬物依存症者の数が非常に集中しており、そういう面におきましても、ぜひ行政として今後これらに力を入れていただきたい、こう要望をつけ加えまして、当請願を採択の立場から質疑を終わらせていただきます。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第一二号は趣旨採択と決定いたしました。

○曽雌委員長 次に、一四第八号、難病対策と小児慢性特定疾患対策の充実等に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金田医療サービス部長 整理番号3、陳情一四第八号につきましてご説明申し上げます。
 この陳情は、東京難病団体連絡協議会代表北爪勇さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、次の事項のとおり、国に対して意見書を提出していただきたいというものでございます。
 第一項は、難病対策と小児慢性特定疾患対策を国の重要な施策として位置づけ、今後さらに充実、発展させるようにというものでございます。
 第二項は、医療制度改革の実施に当たり、難病患者や長期慢性疾患患者、障害者、高齢者に負担を押しつけるものとならないようにというものでございます。
 第一項につきまして、難病対策及び小児慢性特定疾患対策は、国の特定疾患対策研究事業として、国二分の一、都道府県二分の一の補助事業として実施しており、都は難病対策等の充実を図るため、対象疾病の拡大や研究体制の充実拡大を図ることなどを国に対して提案要求しているところでございます。
 第二項につきましては、国では、将来にわたって持続可能で安定的な医療保険制度の確立に向けて制度改正を予定しております。都としましては、引き続き国の動向を注視してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 これも、私どもに国に対して意見書を提出してほしいという陳情でありますから、議会としての責任が問われるわけですけれども、一点だけ、この機会に、ご答弁といいますか、情報の提供を求めたいんですが、それは、難病については、ご承知のとおり、一部負担の導入が数年前に実施されました。その上、さらにこの難病の自己負担については検討が始まっているという新聞報道がありますし、同時に、難病についての自己負担は導入されましたけれども、小児慢性の疾患については自己負担なしと。それは、若い世代や、病気の特性などを判断してのことだと思うんですが、こうした小児慢性についても国では検討が進められていて、五月末の新聞では、これについても自己負担の導入が検討されているやの報道となっておりますが、この状況だけ、そちらの方で把握していることをちょっとご説明願いたいんです。

○海老原参事 国におきましては、平成十三年度に小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会というのを設けまして、検討を進めてきたところでございます。平成十四年の五月に報告書の案が示されておるところでございます。そこにおきまして、新たな制度整備を行い、公費により、患者、家庭の医療費用の軽減を図る場合、限りある財源を効率的に活用するとともに、受益するサービスに対する適正な認識を求めていかなければならないのではないかとしております。

○吉田委員 意見ですけれども、やはりそういう意味では非常に重要な局面を迎えている。小児慢性の場合には、例えば白血病のように持続的な治療が必要で、しかも、医療費そのものは、高額療養費という制度があったとしても、安いものでは決してない。また、他方、難病そのものでいえば、ご承知のとおり、そもそも治癒が困難で、生涯にわたって高度の高額な医療を必要とする。自己負担が導入されたにもかかわらず、さらなる自己負担もあり得るという中では、ぜひこの陳情者の意を酌んで、意見書を出していくべきではないかという意見を述べて、私の発言といたします。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中、第一項につきましては趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第八号中、第一項は趣旨採択と決定いたしました。

○曽雌委員長 次に、一四第一〇号の二、畜産物及びその加工品における表示の適正化と安全性の確保に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○河津食品医薬品安全部長 整理番号4、陳情一四第一〇号の二につきましてご説明申し上げます。
 この陳情は、新宿区消費者団体連絡会会長鍋島照子さん外七名の方から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、畜産物及びその加工品における表示の適正化と安全性の確保について、第一に、平成十二年度と十三年度において都が実施した調査、検査及び指導等の内容を開示していただきたい、第二に、食品の表示の適正化及び安全性を確保するための施策を強化していただきたい、第三に、食品関連企業への定期的立入検査を強化し、試買調査を実施していただきたいというものでございます。
 まず、健康局が実施しております食品衛生に関する調査、検査、指導等の内容の開示についてでございますが、都民向けの情報誌や食品衛生関係事業報告などの刊行物によるほか、特に幅広く迅速に周知する必要がある食品の安全性に関する情報につきましては、適宜ホームページへの掲載や報道機関への公表など、積極的に取り組んでいるところでございます。
 次に、食品の表示の適正化及び安全性を確保するための施策の強化についてでございますが、平成十一年四月に改定いたしました東京都における食品安全確保対策に係る基本方針に基づき、関係各局が連絡を図りながら取り組みを進めているところでございます。
 また、本年当初から食品表示に関する偽装事件が多発していることに伴い、二月二十日から三月二十九日にかけて、健康局と生活文化局が連携し、食品衛生法及び農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、いわゆるJAS法に基づく食肉の表示に関する緊急調査・監視を実施いたしました。
 なお、この緊急調査・監視におきましては、食品衛生法に基づき、食肉販売業者等二千七百九十五軒に立ち入り、食肉の表示検査を四万七千二百六十八件実施いたしました。これらの中には、ラベルの張り忘れや印字漏れなど、食品衛生法上不適正な表示の食肉が六百四十九件あり、現場で直ちに改善させました。
 最後に、食品関連企業への定期的立入検査についてでございますが、健康局では、食品衛生法に規定されております食品関係施設への立入権限や、検査に使用します食品等について無償で提供を求める収去権限に基づき、食品衛生監視員が定期的な監視指導や食品等の収去検査を実施しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○萩生田委員 前の陳情もそうですし、この陳情もそうなんですけれども、こういう団体の皆さんというのはかなり専門的な知識をお持ちで、ふだんからこれを活動の主にしているわけだから、東京都や国の動きというのは十分承知をしていて、それがゆえに請願じゃなくて陳情という形で--請願で出されれば、各会派、当然これはもう東京都やっていますよと、自信を持って多分お答えをされますから、紹介議員が出てこないので、陳情という手法を使っているのかなというふうに、個人的にちょっと感じながら、請願権や陳情権は都民に平等にあるわけですから、そのことは否定しませんけれども、そんなことを思いながら、念のため確認をさせていただきたいと思います。
 昨今の食の安全をめぐる状況、あるいは、連日の新聞報道なんかを見ますと、消費者の皆さんが当然こういう不安にかられるというのは、私もうなずくところがございます。しかし、報道にも私は問題があると思うんですけれども、直接人体に影響があるかないかとかいうような類似の問題と、それから、今、部長が最後にご説明いただきましたように、生産地を偽ったりする、浜名湖産のウナギといいながら実は浜名湖じゃなかったり、神戸牛といいながら実は神戸じゃなかったりとか、こういう破廉恥な内容の中身とは、直接その生活にかかわる問題というのは違ってくると思うんですよ。この辺をあんまりヒステリックに一連の報道をしてしまって、日本の食がおかしい、心配だということをあおることの方が、私は逆に心配だなというふうに日々感じておりまして、その辺、司令塔としての健康局の毅然とした態度を、まずもって要望しておきたいと思います。
 そこで、この陳情の趣旨なんですけれども、具体的には、さまざまな開示の問題を提言されていると思います。しかし、多くの都民にとって大切なのは、東京都が行う食品の安全性確保のための検査や指導などの具体的方法やその結果について、全体を正確に把握するための情報だというふうに私は考えております。
 そこで、こうした事業実施にかかわる都民への情報提供はどのように行っているのか、まずお伺いしたいと思います。

○河津食品医薬品安全部長 ただいまのご質問でございますが、都は、食品衛生法に基づき、検査、監視指導等を年間を通じて行っております。その結果は年度ごとに取りまとめまして、食品衛生関係事業報告という、多少厚みのあるものでございますが、これで公開をしております。
 また、都民の関心の高いテーマにつきましては、図表とか写真なども入っておりますけれども、わかりやすく解説をした都民向けの情報誌「くらしの衛生」というものを、年五回、計二万五千部を作成して都民向けに配布しております。
 さらに、そういう年間を通じたことだけではなくて、大規模食中毒が起きたとか、あるいは、危険な時期の夏季とか歳末のときの一斉監視事業、それから、幾つかの問題が多発的に起きている、これはどのような原因で、因果関係をどう突きとめていくか、こういう作業を始めるわけですが、そういう場合の緊急監視事業であるとか、そういうものの結果につきましては、その都度報道機関へ公表しております。
 これらの事業報告、情報誌、報道発表等の内容は、健康局のホームページにも掲載をしておりまして、平成十三年度のアクセスの件数でいえば、約百四十万件という数字に上っております。

○萩生田委員 まあ、きちんとやっていただいていますよね。今、ご答弁にもありましたように、一年間に百四十万件、細かいことをいえば、健康局のホームページじゃなくて、当時は衛生局だったと思うんですけれども、都民の関心がいかに高いかというのは示されているというふうに思います。
 情報提供について今伺ったわけですけれども、東京都においては、例えば畜産物やその加工品に対する監視指導について、BSEのときにも、私は、都の対応というのは非常に迅速であり、また正確であり、毅然としていたと思うんです。あえて申し上げれば、国の方があいまい過ぎて、国民の皆さんの不安をあおってしまったというふうに思っておりますけれども、その概要と実績についてお伺いをしたいと思います。
 また、その他の食品を含めてトータルでの実績についても、あわせてご答弁いただきたいと思います。

○河津食品医薬品安全部長 ただいまご質問ございましたので、先に食品監視の全体像を申し上げさせていただきたいと思いますが、ただいま先生の方のご質問にもございましたように、都民の食卓に上る食材の中で、例えば、今のお話にありましたBSEの問題などは、芝浦のと場に食肉検査所がございまして、毎日三百六十頭の牛の全頭検査をやっております。これは、場合によったら深夜にまで及ぶわけでございます。もう一つは、例を挙げさせていただきますと、築地の市場でございますけれども、ここでは毎朝、早朝四時から、監視員が競りが始まる前から見回っているということで、物によっては、そこで権限で収去をしてきて検査することがございますし、明らかに食べられない魚が並んでいるなんというときには、その場でそれを外したりということをやっております。
 それから、全体では、そのほかに、いわゆる広域的な機動班であるとか、輸入食品を扱う食品指導センターとか、それから、都と区の保健所を合わせまして全体で約六百人の食品監視員がおりますけれども、それが、いわゆる製造工場とか飲食店といったものが五十一万三千九百三十三施設ございますが、そこで年間八十一万七千八百二十五件の監視指導を行いまして、そのうち表示検査を取り上げますと、九十五万八千百四十七件でございます。それから、収去検査は九万一千二百七十一件行っております。
 この全体の中で、先ほどの畜産物と加工品に話を絞りますと、平成十二年度は、食肉販売業、食肉処理業及び食肉製品製造業などの畜産物加工施設一万五千九百二十五施設に対しまして、監視指導を五万二百二十三件、表示検査を五万六百七十五件行っております。また、別途、食肉加工品等に対して収去検査を一万一千二百九十件行っている、こういう現状でございます。

○萩生田委員 一遍に聞いちゃえばよかったんですけれども、それで、監視をされたときに違反がわかった食品は、どのように処置をされているんでしょうか。

○河津食品医薬品安全部長 違反であることがわかった場合の処置でございますけれども、まず、食品と添加物につきましては、食品衛生法上、その成分などについての規格というものと、それから、製造とか、使用方法とか、保存方法とか、そういった基準というものが定められております。そういう意味で、職員がその収去検査をまず行いますと、食品衛生法の規格とか基準に適合しない食品を発見した場合には、これは販売先からの回収を指示いたしますし、販売禁止等の行政処分を行っております。
 それから、食品衛生法において表示基準が定められている食品等につきましては、その表示基準どおりの表示がなければ販売とか陳列等を行ってはならないというふうに規定されておりますので、これを発見した場合には、販売しないように指導を行いますとともに、適正な表示への改善を指導するなどの行政措置を講じております。
 なお、監視の際、現場その場でということでは、現場において発見される違反といたしましては、当然のことながらその表示に関するものが多い、こういう実態でございます。

○萩生田委員 表示についてお尋ねしたいんですけれども、今、答弁でも、現場において発見される違反には表示に関するものが多いというようなご答弁がございましたけれども、商品の表示について都民の関心が高まっているのは事実だと思うんですね。
 つい先日も、冒頭ちょっと例を申し上げた、スーパーマーケットでの産地の表示の仕方の問題なんかをテレビのスクープ番組なんかが追っかけて、結局、うそじゃないと。うそじゃないというのは、何々産といえばうそなんですけれども、何々より急送とか、届いたということになると、生産地と送られてきた場所が違うから、消費者が迷う。迷った結果として本人の意思で買っているわけだし、その表示には偽りはないんだから、売り方には問題ないんだというようなことをやっておりましたけれども、消費者にとりましては、その辺がまさにこれからの関心事であると思います。
 食品の表示に関しては、食品衛生法やJAS法などの関連する法律があるわけですけれども、それぞれの表示に関する違反としてはどのような事例があるのか、実態を教えていただけますでしょうか。

○河津食品医薬品安全部長 食品衛生法におきましては、公衆衛生上の見地から表示が義務づけられているというもともとの性格がございます。そういう意味では、その食品によって異なりますけれども、食肉の場合には、名称とか品質保持期限、保存方法といったようなものが七項目ございまして、さきの緊急監視において発見された違反事例は、食品衛生法上では、ほとんどがラベルの張り忘れとか品質保持期限の印字漏れ等の軽微なものでございます。
 ただ、これは同時にJAS法のことも一緒に見てはおりますので、それはJAS法の方の回答になるわけでございますが--次に、JAS法についてでございますが、JAS法においては、食肉については、名称及び、ここのところ話題になっておりました原産地の二項目の表示が義務づけられております。さきの緊急監視におきましては、原産地表示がないものや、中国産の鶏にアメリカ産と表示していた等の違反事例がございました。

○萩生田委員 何を信じていいのかという感じがしますよね。ダスキンの肉まんが大変な騒ぎになりまして、私の事務所の前がたまたまミスタードーナツで、さんざん食っちゃったんですけれども、じゃ食っちゃったからだめかというと、厳密に申し上げれば、人体への影響云々というのは微量では別に関係ないわけで、たまたま日本基準に合っていなくて、もともとダスキンのミスタードーナツというのは、アメリカの会社の製品だから、アメリカのものを日本で食べるからそういう問題になるんじゃないかというふうに思いますし、食文化の違いによって、その基準というのは国際基準がございませんから、うちでは食べないけど、よそへ行けば食べると。
 この前、佐藤団長と一緒に北京に行きましたけれども、サソリの空揚げを食べましたよね。(「精力剤だよ」と呼ぶ者あり)精力剤、あ、そうですか。(笑声)その前は、おととしはカンボジアで、クモの空揚げとかアリのスープとか、そんなのを出されて、佐藤さん、自分が食べたくないものだから、おれに食え、おれに食えといって……。そのアリは、何が違うんだといったら、いや、このアリは道路を歩いているアリとは違って、こっちの森からとったアリだからというんだけれども、距離はわずかに二十メートルか三十メートルぐらいしかなくて、何が安全なのかよくわからないんですけど、その国では安全だといって食べているわけですから、その辺のスタンダードをどこに持っていくかというのは、これから我が国にとっては大きな課題だというふうに思うんです。
 そこで、そういう違反が、なぜ次々にここへ来て発覚をしているのか。それから、違反に対する指導に従わない場合、例えば悪質な営業者には、どのような行政処分があるのか、教えていただけますでしょうか。

○河津食品医薬品安全部長 ただいま先生のご質問にありましたように、最近出ておりますのは、中国産の冷凍ホウレンソウから残留農薬が出た。これは、日本の食品衛生法で決められた基準がございまして、その基準の〇・〇一ppmを超えている。その超えている部分は比較的わずかなんですけれども、超えているということで違法である、こういうことでございます。
 それ以外のものは、台湾からのサトイモの小包子だとか、あるいは最近の香料の問題、この辺の問題は、アメリカであるとか、カナダとかイギリスでは認められているけれども、日本では認めていない、こういう問題が確かにございます。これは、我が国の添加物が申請主義によりまして、申請があった後で調査とか検査とかを経て、それではどういう基準で認めるという基準が定まってくるということで、基準がない中ということで、今このような問題が起きているわけでございます。
 それで、なぜ起きているか、多く目にするかということでございますけれども、従来であれば余り積極的に、この手のものといいましょうか、それぞれ社告を出しまして、もちろん処分はいたしますが、綿密にはやっていなかったわけでございますけれども、ここのところは、違法であるということで、一つ一つ都としてもプレス発表をしております。
 それから、同時に各企業の方も、例えば台湾から入ってきたものが、これは日本の基準に合わないということがわかれば、輸入をしている企業は一斉に自社のものを点検をするということになりますので、そういう意味で、今、非常に動きが目に立っているということだというふうに理解をしております。決していいということを申し上げているわけではありませんが、そういうことで今非常に目立っている状況にございます。
 指導に従わない場合にどうするかという次のご質問でございますけれども、食品衛生法におきましては、知事または特別区長が、営業停止とか営業禁止もしくは許可の取り消しなどの行政処分を行うことができるようになっております。そういう意味では非常に強い権限を持っておりますので、都では、事案の重大性とか悪質度を勘案した上で処分を行っているところでございます。
 なお、JAS法におきましては、指示に従わない場合の公表とか改善命令ができるようになっておりますけれども、あくまでも都知事が行えるのは、都内に事業所とか工場とか店舗などがある場合の指示だけに限られていまして、都をまたがった場合であるとか、あるいは改善命令、公表といったものは、すべて農林水産大臣の権限という意味で、二つの法律の中に大分違いがある、こういう現状でございます。

○萩生田委員 もう終わりにしたいと思いますけれども、今説明があったように、まさに法制度上の問題が根底にございますよね。これは国がきちんとしていただかない限り、自治体が食品衛生にどんな努力をしても、その都度、押しつけっこみたいな問題が発生するわけですから、これは都として国に強く、きちんと要望していただきたいなというふうに思います。
 国の方も検討に入っているというようなことも、報道などでは聞いておりますけれども、しかし、都民、消費者にとって大切なことは、安心して食品を選択できるよう、表示の信頼性が確保されていることであり、このための法改正を待つことなく、現状においても所管を超えた一体的な行政指導が期待をされると思います。
 そういった意味で、健康局というのができたわけですから、今回のこの陳情も、生文の方と分けて審査をしているようでございますけれども、今回の食肉偽装事件のときに健康局が生活文化局と連携をして、食品衛生法やJAS法の双方の立場から緊急監視を実施したことは、私は時宜を得たすばらしい対応だったというふうに評価をしたいと思います。
 そういった意味で、今後の食品の表示に対する監視指導について、局を超え、頑張ってもらいたいと思いますけれども、その決意をお伺いして、終わりにしたいと思います。

○河津食品医薬品安全部長 決意ということでございますけれども、食品表示の監視指導につきましては、健康局では、これまでも食品衛生法に基づきまして食品の営業施設へ立ち入り、食品の表示検査を含めた監視指導を行ってまいりました。また、都民が食品を選択する上でよりどころとなる食品表示の信頼の回復に向けて、JAS法を所管する生活文化局と十分連携を図りながら、監視指導を今後も実施していきたいと考えております。
 今後は、食品の表示検査につきましても、重点的、効率的に行う体制を、東京FDAと呼んでいただいているものですから、そういう体制をますます整備をしていきたいと考えているところでございます。

○小松委員 この陳情を審議する前に、先ほど萩生田委員の方から、もし請願ならば、各党がそういう説明をして、紹介議員にならなかっただろうというようなお話がありましたけれども、ご自分の党のことをおっしゃるのは結構ですが、私ども日本共産党としましては、これが出されても、十分これは紹介議員になれたというふうに思っておりますし、今も萩生田委員がいろいろいろ質問され、それにお答えがありましたけれども、それでもこうしたことが、やはりこれだけ起きている。そうした中での何とかしてもらいたいんだという消費者、都民の気持ちで、とにかく陳情で出そうということでしたから、その辺をぜひお酌み取り願って発言をしていただきたいということを、最初に申し上げておきます。
 今回の請願は、このように第一項から三項まで、厚生委員会と文教委員会にそれぞれかかっていて、両方が同じものを審議するということで、これは過去をいろいろ調べてみましたけれども、今までに例がなかったのではないか。一、二項目は厚生、三項目は文教とかいう形で出されてきたのが、すべてにわたって厚生、文教と審議するということであるわけですから、そのことは、すなわち、両局がいかに連携し合ってやっていかなければならない事柄であるということがわかることでありますけれども、しかし、両局の果たしているそれぞれの役割、また、果たしてきた役割、健康局の立場から明らかにしていただきたいと思います。

○河津食品医薬品安全部長 健康局と生活文化局との所管と連携についてでございますが、健康局では、食品衛生法に基づいて食品営業施設への立入調査、それから、職権による収去検査や食品の表示検査を含めた監視指導を実施しております。
 また、生活文化局では、いわゆるJAS法を所管しており、農林物資の品質の改善とか、生産の合理化や品質表示の適正化などのため、試買調査、これはお金を出して物を買ってきて検査をするわけですけれども、そういうものを行っております。
 食品衛生法では、飲食に起因する危害の発生防止、これを第一義的な目的としております。JAS法の方は、取引とか品質表示の適正化を目的としておりまして、それぞれ規制の趣旨が異なっております。そうはいいながらも、両局が連携をして今までもやってきておりますし、今後もそういう取り組みをするつもりでおります。
 また、生活文化局は、食の安全対策にかかわる関係局の総合調整を行う局ということに現在位置づけられております。

○小松委員 そういうことを前提といたしまして伺ってまいりたいと思いますけれども、先ほどからも出ておりますように、今、毎日のようにテレビや新聞などで報道されております違法の添加物または表示の偽装、残留農薬や狂牛病問題等々、食べ物への不安は募るばかりで、消費者のメーカーに対する信頼は、今は全くなくなっているのではないかと思うわけですね。
 けさの新聞でも、ここに、たったこれだけのスペースの中で、ホウレンソウに殺虫剤、中国から輸入、ローソンが販売と発表とか、その横には、きょうは香料問題、商品回収続くとか、その下には、ニチレイ輸入品も基準超す農薬とか、その横には、山之内製薬も回収を開始とか、本当に毎日のようにこのような報道がされているわけです。
 ホウレンソウに殺虫剤というのは、やはり最近の問題でもありますので、きちっと報告もしていただきたいと思いますが、今年度に入ってから、ということは、この陳情が提出された以後ですね、今年度に入ってまだ二、三カ月しかたっていないけれども、多くの違反が起きている。どんな違反があって、この期間、どんな対応をされてきているのか、その部分もお聞かせ願いたいと思います。

○河津食品医薬品安全部長 今年度に入ってからの食品添加物や残留農薬をめぐる違反の事例を、具体的にまず申し上げます。
 主なものといたしましては、本年五月に大阪市の業者が、日本で認められていない酸化防止剤、TBHQを含む油を使用して製造した中華まんじゅうを販売していた事件を発端としまして、全国でも、こうした日本で認められていない添加物の使用事件が発生しております。
 都におきましても、五月から六月にかけて、台湾から輸入された飲茶やブラジルから輸入された空揚げに、先ほどの大阪と同じ酸化防止剤のTBHQが使用されたもの、それから、中国より輸入された冷凍ホウレンソウから基準値を超える残留農薬、これは殺虫剤でございますけれども、クロルピリホスが検出された、こういう事例があります。
 都といたしましては、状況をつかんで確認をするとともにといいましようか、確認し次第、輸入者に対して回収を指示いたしましたし、それから、報道機関へ公表などをいたしまして、都民への情報提供を行ったところでございます。それが対応でございます。

○小松委員 本当に次から次と起こります。先ほどの現在の状況の説明の中では、質問を通して、都はこれもやっているよ、あれもやっているよということをいわれましたし、私自身も、ホームページをたたいてみましても、結構いろいろな資料が出てきます。しかし、それでもこのような違反というか不祥事というか、こういうものが次々と起こる。
 先ほど、どうして起こるんだろうということがありましたけれども、こういうものが次々と起きてくるという、この辺に対しては、どうして起こるのかということと、どう考えていらっしゃるのかという点では、先ほどの答弁を踏まえて、もう一歩深めた答弁をいただけるでしょうかね。

○河津食品医薬品安全部長 なぜこういう事件が次々にということでございますけれども、一つは、最近報道されている食品の自主回収といいますのは、今申し上げました大阪における肉まん事件を契機といたしまして、各食品業者が一斉に製造方法とかレシピの自主点検を行いました。輸入品の場合には現地に社員を派遣いたしましたり、それから、契約のときには本来日本で使われているものだったのが、時間がたった段階で製造元の方が、国際的に認められている基準で日本でも大丈夫だろうという思いがあって、いつの間にか変わっていたということもあったようでございます。そんなことで全部確認をして、確認をしたところは次々に今申し出てきているというのが実情でございます。
 これは、やはり営業者の食品の安全に対する意識の向上もございますし、国民の意識の高まりもございます。それから、営業者の方は、信用失墜が大きな代償を生むという認識も浸透してきております。
 都といたしましては、違法は違法でございますから、これは厳格にやらなければならない、それから、それは迅速に知らせなければいけない、こういう態度は一貫しているつもりでございます。今後も自主管理の徹底につきまして、都としても、現在の行政の中で相当のことをやってきておりますけれども、基本的には、やはり営業者が自主管理をさらに徹底できるように指導していきたいと考えておりますし、より効率的に監視指導を強化してまいりたいと考えております。

○小松委員 ぜひ効果のある形でやっていただきたいと思うんですが、今回の陳情の趣旨が、農産物及びその加工品における表示の適正化と安全性の確保ということでございます。大変重要な問題であるということで、先ほど生文局とも連携してやっていくということでしたけれども、この共同事業、どのように行っているのか、また、今後は行っていくのか、お伺いします。

○河津食品医薬品安全部長 食品衛生法に基づく表示の監視とJAS法に基づく表示に関する情報収集を目的として、本年二月二十日から三月末日まで、当時は衛生局でございますので、衛生局は生活文化局と連携して検査に入りました。衛生局実施分といたしましては、都内の食肉販売業者等二千七百九十五軒に立ち入りまして、食肉の表示検査を四万七千二百六十八件実施いたしました。このほかに生活文化局の上乗せ分が多少ございますが、そういうことでございます。
 これらの中で、食品衛生法に抵触する不適正な表示の食肉が六百四十九件ございましたので、これは現地で直ちに改善をさせました。また、JAS法に抵触する可能性のあるものが五十三件ありましたので、これにつきましてはJAS法を所管する生活文化局へ情報提供を行いました。今後とも両局は連携をとりながら、また、他の関係局も含めまして、しっかりとやっていきたいと考えております。

○小松委員 大変重要な仕事だと思うんですね。そこで、私、食品の保健対策予算を見てみますと、ここ五年間というか、ずっと従来から見てみますと、平成十一年度にやっと十億を超えたということが最高で、それから十二、十三と下がって、今年度、狂牛病対策も含めて、またこの十一年度の水準に戻ったかなということで、その部分では評価できるんですけど、やはり食の安全確保にかかわるということでは、時間もありませんので、最後にしたいと思いますけれども、予算と人員、今のお話をずっと伺っても、やっぱり人なんですよね。いかに人員を迅速にということでは、大変なこれは予算がかかることだと思いますけれども、根本的な形で食の安全確保に係る予算や人員をふやすということが必要かと思いますが、いかがかと思います。
 今後の健康局としての食品安全行政に対しての決意も含めまして、最後に、ぜひ局長の方からお願いいたします。

○今村健康局長 食の安全確保につきましては、都民生活を営む上での基本でありまして、かつ重要な課題であると我々は認識しております。このため、都は、これまでも創意工夫を凝らしまして、効率的、重点的な監視指導体制により、食の安全確保に努めてきたところであります。しかしながら、市場に流通しているものも、それ以外のものも含めまして、膨大な量のすべての食品を漏れなく行政機関だけで監視するということには、おのずから限界があるということはご理解いただけるものと思っております。
 したがいまして、食の安全確保につきましては、食品企業のモラルの堅持と自主管理の徹底を強くお願いしながら、今後も食品の安全性に対する信頼を築くために、関係局等と協力しながら、行政として最大限の努力を図ってまいりたい、こう考えております。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第一〇号の二は趣旨採択と決定いたしました。

○曽雌委員長 次に、一三第二四五号、一三第二四六号及び一三第二四八号、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の改正に関する請願は、内容が同一でありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○奥田医療政策部長 整理番号5から7、請願一三第二四五号、二四六号、二四八号につきまして、去る二月十九日の本委員会におきまして一度ご審議をいただいておりますが、改めてご説明をさせていただきます。
 いずれも社団法人東京都盲人福祉協会に所属している方からの請願でございまして、二四五号につきましては新宿区の時任基清さんから、二四六号につきましては八王子市の小林文雄さんから、二四八号につきましては文京区の直居鐡さんから提出されたものでございます。
 各号とも同一の内容でございますので、一括してご説明申し上げます。
 請願の趣旨でございますが、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条に、はり師及びきゅう師を加える法律改正を行うよう、意見書を提出するようにという内容でございます。
 この法律第十九条では、視覚障害者であるあんまマッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため、必要があると認めるときは、養成施設の認定またはその生徒の定員の増加について承認しないことができるとされております。
 これを受けまして国は、平成元年に養成施設指導要領を定めた際、あん摩マッサージ指圧師に加えて、はり師及びきゅう師の養成施設を設置しようとする場合についても、関係団体の意見書を添えることとし、視覚障害者以外の方を対象とした養成施設の設置に実質的な制約を加えておりました。
 その後、平成十年に福岡地方裁判所が、養成施設の指定について、法令に具体的な規定がない行政指導による参入、退出に関する制限は、独占禁止法に該当する違法行為であり、指定を行わない旨の処分を取り消すという判決を行ったため、国は、平成十二年に、これまでの指導要領を廃止し、新たな指導要領を定めた際に、法令どおり、あんまマッサージ指圧師に係る養成施設を設置しようとする場合に限り、関係団体の意見書を添えることとし、はり師及びきゅう師に関しては、実質的な制約を解除いたしました。
 なお、国は、平成十二年以降、都内で既に視覚障害者以外の方を対象としたはり師及びきゅう師の養成施設七校の新設を認め、現在までに七百九十名の増員を認可しているところでございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   [「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第二四五号、請願一三第二四六号及び請願一三第二四八号は、いずれも趣旨採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で健康局関係を終わります。

○曽雌委員長 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、先般の組織改正により、病院経営本部が設置されましたので、櫻井本部長から、あいさつ並びに幹部職員の紹介がございます。

○櫻井病院経営本部長 病院経営本部長の櫻井巖でございます。
 曽雌委員長を初め委員の先生方には、日ごろから病院事業につきましてご指導ご鞭撻を賜りまして、まことにありがとうございます。
 病院経営本部は、医療サービスの充実並びに病院事業の自律性と経営責任の一層の明確化を図り、都立病院改革を強力に推進するため、この四月に衛生局から独立し、新たな組織として発足いたしました。
 私ども病院経営本部職員一同、都民の皆様の安全、安心を支える質の高い患者中心の医療を実現するため、都立病院改革マスタープランの着実な実施に取り組む所存でございます。今後とも、一層のご指導のほどをお願い申し上げます。
 それでは、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 経営企画部長の押元洋でございます。サービス推進部長の中井昌利でございます。経営戦略・再編整備担当参事の宮川雄司でございます。当委員会との連絡に当たります経営企画課長の醍醐勇司でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○曽雌委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○曽雌委員長 これより陳情の審査を行います。
 初めに、一四第二号、都立駒込病院のアレルギー膠原病科の存続等に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○押元経営企画部長 お手元配布の請願陳情審査説明表をごらんください。表紙をおめくりいただき、一ページをごらんいただきたいと存じます。
 この陳情は、社団法人日本リウマチ友の会東京支部長西見敏子さん外七十七人の方々から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都立駒込病院におけるアレルギー膠原病科について、診療体制を現状のままで存続させ、診療科名をリウマチ・膠原病科とした上で、重点医療機関に指定するようにというものでございます。
 下の現在の状況にございますように、駒込病院は、平成十三年十二月に発表いたしました都立病院改革マスタープランに基づきまして、現在重点医療として掲げております、がん医療、感染症医療について、さらに医療機能を充実して専門性を高め、がん・感染症医療センターとして再編整備してまいります。
 また、再編に当たりましては、他の都立病院と重複をいたします医療機能につきまして、センター的機能病院等に集約していくこととしておりまして、リューマチ、膠原病については、その医療機能を充実強化するために、大塚病院をリウマチ・膠原病医療センターとして整備をしてまいります。
 以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 それでは、簡潔に質問させていただきます。
 本陳情は、ある特定の疾病について、高度専門的なセンター病院をつくることは私は否定するものではありませんが、しかし、そういうセンターに集約されることによって、今まで受けていた都立病院での診療が困難になるということに対する患者団体からのご要望であり、私は、ある面では、やはりこれは積極的に受けとめていかなきゃならないんじゃないかなというふうに思うんですね。
 それで、まず基礎的なことを確認したいんですが、具体的にリューマチあるいは膠原病というものは、行政的医療の対象、すなわち東京都が都立病院で取り組む医療の対象というふうにマスタープランでは位置づけていると思うんですが、その行政的医療の中のどういう項目としてこれを位置づけられているのかを、ちょっと確認したいんです。

○宮川参事 行政的医療といたしまして三つございますけれども、高齢等に基づいて対応が求められる医療、それから、社会的要請から特に対策を講じなければならない医療、新たな医療課題に対して先導的に取り組む必要がある医療、この三つが行政的医療の定義でございますが、お尋ねの難病医療につきましては、二番目の社会的要請から特に対策を講じなければならない医療のうち、一般医療機関での対応が困難な医療、このようになってございます。

○吉田委員 私がいいたいのは、この社会的要請から特に対策を講じなければならない医療という中に、リューマチ、膠原病も入っているわけですが、その中には三つあるわけですよね。今いったように、例えば民間の医療機関では採算が困難だから、なかなか対応が難しいという意味で、東京都立病院としてやるべきだという分野と、同時に二つ目の項目は、やっぱり高度な医療水準というものを築いていかなきゃならないんだ、そういう高度専門性という上から、例えば、がんだとか、心臓疾患だとか、脳血管疾患だとかいうものも位置づけている、いろんな判断はあるかと思うんですが。
 そういう中で、リューマチ、膠原病は、高度専門性という位置づけではなくて、民間の医療機関が対応困難な中で、都立として担う必要がありますよという位置づけならば、私は、たとえ大塚にセンターをつくるからといって、それでよしというわけにはいかないと思うんです。やはり地域的な問題というものを患者さんの立場から判断していくことが、こういう区分けからもいえるのではないか。
 二つ目にお伺いしたいのは、現実に都立駒込病院の中のリューマチあるいは膠原病の実績なんです。私も病院の事業概要を見てみましたけれども、当初から比べたら、随分患者さんもふえる、また、東京都としてもベッドをふやす、そして、内科全体の中でも非常に大きな比重を、この膠原病、リューマチの診療が占めていると思うんですが、そういう実績あるいは推移というものをどのように見ていらっしゃるのでしょうか。

○宮川参事 都立病院におきまして、平成十二年度にご利用いただきました公費負担対象のリューマチ・膠原病系難病患者さんの実績を見ますと、都立病院全体でまずお話し申し上げますと、入院では四万六千四百二十三人、一日平均百二十七・二人、外来が五万二千三百三十八人、一日平均で百七十八人でございます。そのうち駒込病院につきましては、入院で一万九百四人、外来で一万百八十五人でございます。

○吉田委員 今お話ありましたけれども、都立病院全体の中でも、リューマチ、膠原病の医療を担うという点では、入院患者数でいえば、四分の一あるいは五分の一という比率を占めているわけですね。しかも、私、駒込病院の年報を見させていただきましたけれども、例えば、駒込病院の入院の内科患者の外来数の中で、アレルギー膠原病科というものが一割の比重を占めている。当初、ベッドは二床しかなかったものが、その後ふやしまして、大幅に入院患者がふえる。しかも、ベッドの稼働率は一〇〇%だ。特に、最近では外来が非常にふえているんだということが強調されているわけですね。
 そういう外来の通院医療ということから見れば、当然一定の地域というものが考えられなきゃなりませんし、ましてや、これは体験しないと、私自身もうまくいうことができないかもしれませんが、さまざま、特にリューマチの場合には、身体的には不自由という点では、歩行や通院自身も大変な困難を強いられるわけです。そういう患者団体が、ぜひ身近なところで、しかも医療実績のあるこの駒込病院で治療が続けられるようにという要望というのは、私は当然のものであり、これは真摯に受けとめるべきだ。大塚病院をセンターにするからといって、機械的に現在の駒込病院で受けていた医療そのものが困難になるということのないように、くれぐれも要望いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第二号は保留といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分で、執行機関に送付することを適当と認めるものにつきましては、執行機関にこれを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十九分散会

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