厚生委員会速記録第四号

平成十四年三月十八日(月曜日)
第七委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長曽雌 久義君
副委員長野田 和男君
副委員長吉田 信夫君
理事河西のぶみ君
理事古賀 俊昭君
理事佐藤 裕彦君
東村 邦浩君
山加 朱美君
柿沢 未途君
萩生田光一君
山口 文江君
小松 恭子君
樋口ゆうこ君

 欠席委員 一名

 出席説明員
衛生局局長今村 皓一君
技監荻野  忠君
総務部長櫻井  巖君
企画担当部長齋藤  進君
健康推進部長長岡 常雄君
生活環境部長河津 英彦君
医療計画部長奥田  匠君
医療福祉部長金田麻里子君
薬務部長大屋 喜重君
病院事業部長押元  洋君
健康づくり施策調整担当部長菊地 輝雄君
病院企画担当部長大塚 孝一君
参事木村 豊彦君
参事梶山 純一君

本日の会議に付した事件
 衛生局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 衛生局所管分
  ・第二十一号議案 平成十四年度東京都病院会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第九十二号議案 東京都衛生局関係手数料条例の一部を改正する条例
  ・第九十三号議案 理容師法施行条例の一部を改正する条例
  ・第九十四号議案 美容師法施行条例の一部を改正する条例
  ・第九十五号議案 東京都准看護婦試験委員条例の一部を改正する条例
  ・第九十六号議案 東京都看護婦等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
  ・第九十七号議案 東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
  ・第九十八号議案 東京都動物の保護及び管理に関する条例の一部を改正する条例
  請願陳情の審査
  (1)一三第二一九号 都立小児病院の存続等に関する請願
  (2)一三第二二五号 都立病院の統廃合及び民営化等の反対に関する請願
  (3)一三第八七号 都立清瀬小児病院の存続と建替え・施設整備に関する陳情
  (4)一三第九九号 都立病院における膠原病医療に係る診療科の存続等に関する陳情
  (5)一三第二三〇号 総合的なウイルス肝炎対策と医療費助成に関する請願
  (6)一三第二五〇号 ウイルス肝炎の総合対策と医療費助成に関する請願
  報告事項(質疑)
  ・都立病院改革マスタープランについて

○曽雌委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 当委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴人希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○曽雌委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、衛生局関係の予算の調査、付託議案の審査、請願陳情の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより衛生局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査、請願陳情の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、衛生局所管分、第二十一号議案、第九十二号議案から第九十八号議案まで及び請願一三第二一九号、請願一三第二二五号、陳情一三第八七号、陳情一三第九九号、請願一三第二三〇号、請願一三第二五〇号並びに報告事項、都立病院改革マスタープランについてを一括して議題といたします。
 本案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について、理事者の説明を求めます。

○櫻井総務部長 去る二月十九日の本委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 それでは、お手元配布の厚生委員会要求資料をごらん願います。
 資料は、目次にございますように、1、都立病院改革に関する自治体等との協議経過から、17の都内の医療機関に従事する理学療法士及び作業療法士数の推移まででございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、都立病院改革に関する自治体等との協議経過でございます。
 平成十三年七月十三日に都立病院改革会議報告が出されて以降、平成十三年十二月二十一日の都立病院改革マスタープラン策定に至るまでの間に、都立病院改革に関する自治体等との協議経過について、協議をした日付、協議先及び協議内容をそれぞれ記載してございます。
 次に、二ページをお開き願います。2、都立病院改革に関する要望書を提出した自治体、区市町村議会及び各種団体等の一覧でございます。
 二ページから三ページにかけまして、都立病院改革に関する自治体、区市町村議会及び各種団体等からの要望、要請につきまして、要望、要請のあった日付、要望・要請者及びその要旨をそれぞれ記載してございます。
 次に、四ページをお開き願います。3、母子保健院の概要でございます。
 母子保健院の所在地、規模、診療科目、主な特色及び平成十二年度の小児科救急、産婦人科、乳児院の入院、外来別等の実績をそれぞれ記載してございます。
 次に、五ページをごらん願います。4、都内の乳児院一覧及び措置児童数の推移でございます。
 上段の表は、都内の乳児院について、その所在地と平成十三年四月一日現在の定員数を記載してございます。また、下の表は、平成三年度から平成十二年度までの一日当たり措置児童数の推移を記載してございます。
 次に、六ページをお開き願います。5、肝炎対策等に関する都及び国の取り組み状況でございます。
 昭和三十八年から平成十二年までの肝炎対策に関する都及び国の取り組みとその間の医学の進歩について、東京都におけるウイルス肝炎対策報告書より引用し、記載してございます。
 次に、七ページをごらん願います。6、C型肝炎治療に係る今日の医学的到達点でございます。
 肝炎の治療に関する今日の医学的認識につきまして、東京都におけるウイルス肝炎対策報告書より引用し、記載してございます。
 次に、八ページをごらん願います。7、慢性肝炎認定患者の年齢分布でございます。
 都における平成十三年三月三十一日現在の年齢区分別の慢性肝炎認定患者数を記載してございます。
 次に、九ページをごらん願います。8、区市町村別慢性肝炎認定患者数でございます。
 平成十三年三月三十一日現在の区市町村別の慢性肝炎認定患者数を記載してございます。
 次に、一〇ページをお開き願います。9、慢性肝炎に係る医療費助成額でございます。
 平成八年度から平成十二年度までの慢性肝炎に係る医療費助成額を記載してございます。
 次に、一一ページをごらん願います。10、ウイルス肝炎入院医療費助成制度でございます。
 平成十四年十月から事業を開始する予定のウイルス肝炎入院医療費助成制度につきまして、その予算規模と事業費の見込みを、十四年度予算案に基づき記載してございます。
 次に、一二ページをお開き願います。11、慢性肝炎に係る審査件数及び認定件数でございます。
 平成十年度から十二年度までの慢性肝炎に係る審査件数、認定件数及び各年度末現在の認定患者数をそれぞれ記載してございます。
 一三ページをごらん願います。12、大気汚染に係る国及び都の制度における認定患者数の推移でございます。
 昭和六十二年度から平成十二年度までの十四年間の各年度三月三十一日現在の、大気汚染に係る国及び都の制度における認定患者数を記載してございます。注にございますとおり、国は、公害健康被害の補償等に関する法律に基づきまして、都内十九区の全年齢層を認定の対象としており、都は、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例に基づきまして、島しょ地域を含む都内全域の十八歳未満の方をその対象としてございます。
 次に、一四ページをお開き願います。13、精神障害者共同作業所及びグループホームの施設数でございます。
 平成十年度から十四年度までの精神障害者共同作業所及びグループホームの施設数を記載してございます。なお、平成十年度から十三年度までは補助実績、平成十四年度が予算案となっております。
 次に、一五ページをごらん願います。14、精神障害者通所授産施設運営費補助でございます。
 精神障害者通所授産施設につきまして、平成十三年度適用の国の精神保健費等国庫負担(補助)金交付要綱により、補助対象地区別に一カ月当たりの運営費補助額を記載してございます。
 次に、一六ページをお開き願います。15、都内病院における院内感染防止マニュアルの策定状況でございます。
 休止中の六病院を除く都内六百七十七病院から報告を受けました、平成十三年十二月三十一日現在の院内感染防止マニュアルの策定状況とその割合を記載してございます。
 次に、一七ページをごらん願います。16、都内のリハビリテーション専門病床数の推移でございます。
 平成九年度から平成十三年度までの、都内のリハビリテーション専門病床数を記載してございます。
 一八ページをお開き願います。17、都内の医療機関に従事する理学療法士及び作業療法士数の推移でございます。
 平成七年から平成十一年までの、都内の病院及び一般診療所に従事する理学療法士及び作業療法士数をそれぞれ記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 次に、請願一三第二一九号、請願一三第二二五号、陳情一三第八七号、陳情一三第九九号、請願一三第二三〇号、請願一三第二五〇号について、理事者の説明を求めます。

○押元病院事業部長 お手元にお配りしてございます請願陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 都立病院に関する請願陳情につきましてご説明申し上げます。
 まず初めに、請願一三第二一九号、請願一三第二二五号第一項、陳情一三第八七号につきましてご説明申し上げます。
 これらの請願陳情は、都立清瀬小児病院及び都立八王子小児病院に関するものでございます。
 恐れ入りますが、一ページをごらんいただきたいと存じます。請願一三第二一九号は、都立小児病院を存続させる会代表高橋広さん外四千四百七十一人の方々から提出されたものでございます。
 趣旨は、清瀬小児病院と八王子小児病院を廃止しないこと、小児救命救急センターとして、清瀬小児病院と八王子小児病院の建てかえをそれぞれ行うことというものでございます。
 恐れ入りますが、二ページをお開きください。請願一三第二二五号は、新日本婦人の会東京都本部会長上伸子さん外六千四百二十二人の方々から提出されたものでございます。
 第一項の趣旨は、八王子小児病院及び清瀬小児病院は、現地での改築または市内での建てかえを行い、医療の充実を図り、統合をしないことというものでございます。
 恐れ入りますが、五ページをごらんください。陳情一三第八七号でございます。清瀬けやきの会会長岡田慶三さん外一万二千三百九人の方々から提出されたものでございます。
 趣旨は、清瀬小児病院について、病院を廃止しないこと、小児医療拡充のため、老朽化した病院の建てかえ、施設整備を実施することというものでございます。
 以上の請願陳情につきまして、一括してご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、一ページにお戻りいただきまして、一ページの下半分、現在の状況のところをごらんいただきたいと存じます。
 清瀬小児病院及び八王子小児病院につきましては、昨年十二月に発表いたしました都立病院改革マスタープランに基づきまして、限られた小児医療の資源を最大限に有効活用していくために、梅ケ丘病院と統合し、心から体に至る総合的で高度専門的な医療を提供する、仮称でございますが、小児総合医療センターとして新たに府中キャンパス内に整備し、都における小児医療の拠点として充実を図ってまいります。
 なお、地域医療につきましては、住民が安心して、身近な地域で適切な医療が受けられるような医療体制を確保してまいります。
 また、2にございますように、この二つの病院につきましては、小児総合医療センターとして再編整備をしてまいりますが、その救急医療体制は、隣接することになります府中病院と共同して一体的に運営をしてまいります。また、小児の重症患者に対応いたしますために、小児ICUを設置するほか、広域基幹病院となります府中病院と密接に連携をすることによりまして、小児救急医療に関しても一層の充実を図ってまいります。
 恐れ入りますが、次に三ページをごらんいただきたいと存じます。請願一三第二二五号の第二項から第四項についてご説明を申し上げます。
 まず、三ページに記載してございます第二項につきましてご説明を申し上げます。
 趣旨は、母子保健院及び梅ケ丘病院は、現地での改築または区内での建てかえを行い、医療の充実を図り、廃止統合を行わないことというものでございます。
 下の段、現在の状況にございますように、母子保健院につきましては、総合診療基盤を有しておらず、母体管理に必要なさまざまな診療科との連携が図れないことに加えまして、施設の老朽化が著しく、敷地が狭隘であることなどから、今後、都立病院の新たな役割に対応し得る十分な医療機能を持った施設として事業展開することは困難であります。このため、都立病院改革マスタープランに基づきまして、平成十四年十二月末をもって廃止をいたします。
 また、梅ケ丘病院につきましては、八王子小児病院及び清瀬小児病院と統合して、心から体に至る総合的で高度専門的な医療を提供する小児総合医療センターとして、新たに府中キャンパス内に整備をいたしまして、小児医療の一層の充実を図ってまいります。
 続きまして、四ページをお開きいただきたいと存じます。第三項につきましてご説明を申し上げます。
 趣旨は、豊島病院は、都立病院として医療の充実を図り、統合及び民営化を行わないことというものでございます。
 下の現在の状況の3にございますように、豊島病院につきましては、都立病院改革マスタープランに基づき、効率的な医療資源の再配分の視点に立つとともに、地域医療への支援拡充と高齢者医療の一層の充実、普及拡大を図るため、老人医療センターと統合し、高齢者医療センター併設地域病院(仮称)として再編し、民営化いたします。
 続きまして、第四項につきましてご説明を申し上げます。
 趣旨は、荏原病院及び大久保病院は、都立病院として医療の充実を図り、公社化を行わないことというものでございます。
 下の現在の状況の4にございますように、荏原病院及び大久保病院につきましては、都立病院改革マスタープランに基づき、地域医療への支援拡充を図るため、地域病院としての機能を充実させていくものとしまして、財団法人東京都保健医療公社に運営を移管した上で、将来、地域医療支援病院を目指してまいります。
 次に、六ページをお開きいただきたいと存じます。陳情一三第九九号につきましてご説明を申し上げます。この陳情は、全国膠原病友の会東京支部代表畠澤千代子さんから提出されたものでございます。
 趣旨は、膠原病の医療機能を都立大塚病院に集約せず、各都立病院に現存する膠原病医療に係る診療科を存続すること、都立駒込病院を膠原病の重点医療機関とすることというものでございます。
 下の現在の状況にございますように、大塚病院につきましては、昨年十二月に発表いたしました都立病院マスタープランに基づきまして、現在、重点医療として掲げております膠原病系の難病医療につきまして、さらに医療機能を充実し、専門性を高め、リュウマチ・膠原病医療センター(仮称)として再編整備をしてまいります。駒込病院を含めましたその他の都立病院の詳細な医療機能につきましては、今後、再編整備を進めていく中で具体的に検討をしてまいります。
 以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○金田医療福祉部長 請願一三第二三〇号、請願一三第二五〇号につきましては、いずれもウイルス肝炎対策に関するものでございますので、私から一括してご説明申し上げます。
 まず、七ページをお開きください。請願一三第二三〇号につきましてご説明申し上げます。この請願は、世田谷区にお住まいの水野正憲さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、ウイルス肝炎対策について、次の事項を実現していただきたいというものでございます。
 第一項につきましては、区市町村の基本健康診査における肝炎ウイルス検査を実施し、職域検診を勧奨するとともに、保健所や区市町村の保健福祉センターでの検診の導入を検討するようにというものです。
 第二項につきましては、肝炎ウイルス検診と精密検査に続く医療を保障するために、肝炎ウイルス感染者や患者のうち、治療が必要な者については医療費を助成すること、また、現在の難病医療費助成制度の受給者に対しても、引き続き必要な医療費を助成するようにというものです。
 第三項につきましては、都として、ウイルス性慢性肝炎、肝硬変、ヘパトームの感染者、患者の数の把握に努め、総合的なウイルス肝炎対策を講じるようにというものでございます。
 第一項につきましては、都保健所における肝炎ウイルス検査の実施や職域検診の勧奨などについて、具体的に検討しているところです。
 第二項につきましては、昨年十月の東京都特殊疾病対策協議会及び東京都新たな感染症対策委員会からの提言を受け、B型及びC型ウイルス肝炎については、現行の慢性肝炎等難病医療費助成としてではなく、最新の医学的知見を取り入れた早期発見、早期治療のための体制を構築するため、検診体制や新たな医療費助成制度の創設を考えております。
 第三項につきましては、現在、法に基づく感染症発生動向調査を実施して、急性ウイルス性肝炎の発生状況を把握しております。今後とも、新たなウイルス肝炎総合対策において適切に対応してまいります。
 次に、八ページをお開きください。請願一三第二五〇号につきましてご説明申し上げます。この請願は、新宿区にお住まいの中島小波さん外一万三千十二人から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、ウイルス肝炎対策について、次の事項を実現していただきたいというものでございます。
 第一項につきましては、平成十四年度から始まるウイルス肝炎検診は、区市町村が行う基本健康診査以外に職域における検診を勧奨し、保健所や区市町村の保健福祉センターでも検診が受けられるように制度を検討することというものです。
 第二項につきましては、患者やキャリアが療養や日常生活について相談できる窓口を、保健所等の関係機関に設置するようにというものでございます。
 第三項につきましては、都のウイルス肝炎総合対策では、既存の都単独難病医療費助成制度の再構築を図ることとしているが、現在、治療が必要な慢性肝炎、肝硬変、ヘパトームの患者については医療費助成を存続させること、また、その際、主治医の意見を重視するようにというものでございます。
 第一項につきましては、都保健所における肝炎ウイルス検査の実施や職域検診の勧奨などについて、具体的に検討しております。
 第二項につきましては、保健所において、患者やキャリアの方に対して、電話、来所による相談に応じています。
 第三項につきましては、昨年十月の東京都特殊疾病対策協議会及び東京都新たな感染症対策委員会のご提言を受けまして、B型及びC型ウイルス肝炎については、難病医療費助成としてではなく、最新の医学的知見を取り入れた、早期発見、早期治療のための検診体制や新たな医療費助成制度の創設を考えております。
 よろしくご審議のほどお願いいたします。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 先ほどの資料を含めまして、これより本案及び請願陳情並びに報告事項に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○古賀委員 私は、精神科救急医療体制について伺います。
 私の住んでおります日野市では、精神障害者の社会復帰施設として、現在、私の事務所の近くにあります「あんだんて」などの共同作業所が二カ所、それから地域生活支援センター及び通所授産施設がそれぞれ一カ所あり、地域での支援体制を順次、整備しつつあります。
 地域での精神障害者施策は市町村の役割であり、日野市でも懸命に今、努力を行っているところであります。しかし、疾病と障害をあわせ持つ精神障害者を地域で支えていくためには、福祉サービスの提供とあわせて、症状が悪化したときにいつでも必要な医療サービスを提供できる体制を整備することが、大変重要であります。
 東京都では、都民に三百六十五日二十四時間安心の医療を提供するため、平成十一年四月の二次救急対応のための休日・全夜間診療事業の実施や、昨年十一月の都立墨東病院における東京ERの整備など、救急医療体制の整備を着実に進めてきております。
 都立病院や国公立病院、多くの民間医療機関等の理解と協力を得て、東京都の救急医療体制は遜色のないものになってきていると思います。しかし、いわゆる一般診療科における救急医療体制に比べて、精神科の救急医療については、その体制整備がおくれているという指摘がございます。
 私の地元多摩地区には、精神病院はたくさんあります。しかし、夜間や休日に精神障害者が緊急に医療を必要とするとき、救急車を呼んでも、入院するまでになかなか病院が見つからず、都立府中病院に過半を依存せざるを得ないという現状にあるわけです。
 そこで、精神障害者がもっと身近な地域で、一般診療科と同様に救急医療が受けられるよう、その体制整備について質問をさせていただきます。
 まず、東京都における精神科救急医療体制は現在どうなっているのか、ご説明願います。

○金田医療福祉部長 東京都では、昭和五十三年から国に先駆けて、精神科救急に対応するため、精神科夜間・休日救急診療事業を開始し、現在、都立四病院、墨東病院、豊島病院、松沢病院及び府中病院で、精神科の初期救急、二次救急及び緊急医療を行っております。
 事業開始以来二十年余が経過し、近年、夜間や休日における精神科救急の件数は増大しており、中でも、自傷他害のおそれがある精神障害者の緊急医療が増加し、外来対応の初期救急や、措置入院には至らないまでも入院治療を要する二次救急に、必ずしも十分にこたえられない状況にございます。

○古賀委員 今のご答弁ですと、初期救急や措置入院に至らない二次救急に、必ずしも十分にこたえられない状況にあるということであります。
 精神科夜間・休日救急診療事業の取り扱いの実績はどうなっているのか、過去三年程度の推移を具体的に説明してください。

○金田医療福祉部長 過去三カ年の救急の取扱実績及びこのうちの緊急医療に当たる措置入院件数は、平成十年度は千七百九十六件、そのうち措置入院件数は五百二十七件、平成十一年度は千八百二十一件、うち措置入院件数は五百四十二件、平成十二年度は二千二百二件、うち措置入院件数は七百三十一件となっております。
 平成十一年度と比べ、平成十二年度は取扱件数全体で約二一%の増となっているのに対し、措置入院の件数は約三五%の増となっております。

○古賀委員 今、平成十年度から十二年度までの三年間の実績の説明がありました。特に措置入院の件数の伸びが著しいわけですが、この増加の背景にはどのようなことが考えられるのかということです。
 精神科医師として、臨床経験も大変豊富な技監がいらっしゃいますので、専門的な立場からの分析をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○荻野技監 臨床経験豊富だといわれまして、ちょっと面映ゆい感じがいたしますけれども、病院としてはいろいろございます。大きく分けまして、二点あるというふうに思っております。
 一つ、精神科の患者さんというのは、自分みずから受診するということはなかなか難しいものがございまして、そういったことから、家族と一緒に来られる方が多いわけでございます。現在、核家族化ですとか、また親世代が非常に高齢化しているということから、早い段階でなかなか医療機関に結びつけにくいということがございまして、家庭内や地域において、患者さんが重い症状になってから初めて精神科救急に対応する、そういった一点がございます。
 二点としましては、多くの医療機関や相談機関が閉じております夜間、休日には、精神科救急の受け皿が非常に少のうございまして、そのために精神障害者の方々が速やかに適切な医療を受けられない、そういったことから、早期治療の機会を逸して精神症状が悪化しまして、地域でトラブルが発生して、結果として緊急医療に頼らざるを得ないということなどが挙げられるというふうに思っております。

○古賀委員 今ご説明のような精神科の救急医療の現状を踏まえて、東京都として、今後どのような体制の整備を進めようとしているのか、基本的な考え方があると思いますので、これも技監に答えていただきましょうか。

○荻野技監 疾病と障害をあわせ持ちます精神障害者やその家族の方々にとりまして、緊急時の医療の確保というのは、地域での生活や活動を支える上で極めて重要なことと思っております。
 早期に適切な精神科医療を提供することによりまして、精神障害者の社会復帰を早め、そしてまた地域精神保健活動のさらなる促進、活性化を図ることが可能となるわけでございます。また、精神障害者の自立と社会参加の促進という観点から、早急に精神科救急医療体制を整備する必要があるというふうに考えております。

○古賀委員 それでは、今の整備の基本的な考え方に基づいて、今後、具体的にどのような整備を図ろうとするのか。まず、夜間と休日において、入院を必要としない精神科の初期の救急医療体制の確保についてはどうなのか、いかがでしょうか。

○金田医療福祉部長 初期救急医療についてでございますが、東京精神神経科診療所協会等の協力を得て、当面、都内三カ所で、準夜間帯といいますか、午後十七時から二十二時までの時間と休日の昼間における外来診療体制を、平成十四年度から確保してまいりたいと思っております。

○古賀委員 それでは次に、夜間と休日において、措置入院には至らないわけですが、入院治療を必要とする患者に対する二次の救急医療体制はどのように確保するつもりなのか、いかがでしょうか。

○金田医療福祉部長 入院治療が必要となる救急患者につきましては、東京精神病院協会の協力を得て、輪番制により、夜間及び休日における入院病床三床を平成十四年度早期に確保してまいります。

○古賀委員 ところで、精神科救急医療を考える場合に、精神科の対応とともに、精神障害者が、けがなどの外傷や内科疾患を併発した場合の対応も考慮する必要があります。精神障害者が合併症を併発した場合、精神面と身体面あわせて治療できる医療機関が大変少ないわけです。特に、夜間や休日に生じた救急患者の場合、治療につながるまでに時間がかかると、関係者から私は聞いております。精神障害者に対する合併症の救急医療体制についても、精神科の初期救急及び二次救急と同様に、早急な体制整備が必要であると考えます。
 そこで、まずこの現状についてはどうなのか、ご説明願います。

○金田医療福祉部長 先生が今ご指摘なさいましたように、精神障害者が身体的疾患をあわせ持った場合、これに対応できる医療機関は少なく、特に夜間や休日の場合には、診療できる医療機関が決まるまでに時間を要しております。
 身体疾患が重篤であれば、大学病院等の救命救急センターで対応しておりますが、身体的にはそれほど重篤でない場合には、夜間や休日の体制が十分に確保されていないため、患者の受け入れに困難を来すことが多々あります。
 このような場合には、精神科夜間・休日救急診療事業を担っている都立四病院や、精神科を設置している他の都立病院等で対応しているのが現状でございます。

○古賀委員 それでは、身体疾患を併発した精神障害者に対応する、いわゆる身体合併症の救急医療体制は、具体的に平成十四年度はどのように確保しようとしているのか、その取り組みについて伺います。

○金田医療福祉部長 夜間や休日に精神障害者が身体疾患を併発した場合には、総合的な診療機能を備えた大学病院等の協力を得て、身体合併症医療に対応できる病床を三床確保し、三百六十五日二十四時間の安心の医療を提供できるよう、体制を整備いたします。

○古賀委員 次に、精神科の初期救急、二次救急及び緊急医療のそれぞれの受け皿が準備をされたとしても、これらの各機能が十分発揮されるよう管理運営がなされなければならないわけです。そうしなければ、画竜点睛を欠くということになりかねません。
 このため、精神科の救急医療体制にあわせて、これらの情報をも整備する必要があると考えますが、どのようにお考えですが。

○金田医療福祉部長 ご指摘のように、精神科救急医療体制が整備され、それぞれの機能が十分に発揮されるためには、いわば司令塔としての機能が必要であり、このため、平成十四年度に精神科救急医療情報センターを設置することとしております。
 精神科救急医療情報センターには、医師、看護職、精神保健福祉士等を配置し、精神科救急医療に関する的確な案内や、医療機関への適切な患者の振り分け、情報提供等を行い、精神障害者が地域で安心して生活できるよう精神科救急医療体制を総合的に整備してまいります。

○古賀委員 私が冒頭に触れましたが、一般診療科の救急については、都立病院や国公立病院を初め多くの民間医療機関が参加をし、またその協力のもとに、初期、二次及び三次医療のしっかりとした体制が整備をされております。
 精神科の救急医療体制の整備がおくれているのは、今、るるやりとりがございましたように、民間医療機関の参加が少ないことが、その要因の一つではないかというふうに判断をいたします。
 精神科の救急医療は、患者はもとより、その家族の方々が地域の中で安心して暮らしていくことを支援する上で、その体制の整備は極めて重要であります。今後、重要施策の一つとして、多くの民間医療機関の参加、協力を得て、精神科救急医療体制を充実していくことが必要であるわけです。
 最後に、局長に意気込みを伺いたいと思います。

○今村衛生局長 ただいまご指摘がございましたように、救急医療体制の整備には多くの民間医療機関等の協力が不可欠でありまして、現在、新たな体制整備のため、東京精神病院協会など関係機関との協議を進めておるところでございます。
 都では、東京発の医療改革に取り組んでおりまして、三百六十五日二十四時間の安心と、患者中心の医療の実現に向けまして、各種施策を推進しているところであります。
 精神科救急医療につきましても、ただいまお話のありましたとおり、さまざまな課題を抱えておりますが、その課題の早期解決を含めまして、精神障害者やその家族の方々の三百六十五日二十四時間の安心を目指しまして、今後とも、その体制の整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

○河西委員 それでは、請願のウイルス感染対策と医療費の助成に関して、何点か質問させていただきます。
 東京都は、十四年度から行おうとしていますウイルス肝炎の総合対策、これは全国に先駆けて、早期発見から早期治療に至る一貫した体制づくりを目指すものということで、我々も評価をしているところです。しかし、同時に、難病医療費の助成疾病の指定の見直しを行うことによって、これまで医療費の助成を受けていた患者さんに大きな影響を及ぼすことにもなり、十分な配慮が必要だと考えております。
 そこで、慢性肝炎等を難病指定から外したことについて、一部に、東京都の財政状況が大変厳しく、医療費助成を続けられなくなったからだという意見もございます。今回の見直しは、慢性肝炎等がもはや難病というにはなじまなくなってきているとのことですけれども、まず、難病の定義を確認すると同時に、慢性肝炎を取り巻く状況についてお尋ねいたします。

○金田医療福祉部長 慢性肝炎等は、近年の医学、医療技術の著しい進歩により、そのほとんどがB型及びC型肝炎ウイルスが原因であることがわかり、希少で原因不明、治療法が未確立という難病の定義になじまなくなっております。
 このため、より効果的な施策へと再構築を図り、最新の医学的知見を取り入れ、早期発見から早期治療に至る一貫した総合対策を講ずることとしたものであります。

○河西委員 治療方法が確立されつつあるということでございますけれども、具体的にどういうものがあるのか、改めてお伺いいたします。

○金田医療福祉部長 抗ウイルス療法の進歩は著しく、B型肝炎の治療にはインターフェロン、ラミブジン等が使用されております。C型肝炎についてはインターフェロン、リバビリン等が使用されております。

○河西委員 確かに治療方法は確立されつつあると思いますけれども、インターフェロンなども十分ではありません。依然として、慢性肝炎等が難治性の疾患であるといえるのではないでしょうか。
 そこで、こうした難治性であるということを理由に、引き続き、これまでのような医療費の助成を継続できないかという意見がございます。改めて所見を伺います。

○金田医療福祉部長 慢性肝炎等は、最近の医学の進歩により、難病の定義になじまなくなったので、施策の再構築を図りました。
 医療費助成の対象とされていない他の難治性疾患、例えば白血病などと同様、保険診療の中で治療を継続するものと考えております。
 多くのB型及びC型ウイルス肝炎の患者、感染者のうち、現行の難病として認定された患者以外の方々は、現在、保険診療の中で治療を行っております。

○河西委員 しかし、現に難病医療費の助成を受けている患者さんたちが医療費助成を受けられなくなるということで、そういう方も出てくると思いますが、重篤化が進むということがあってはならないというふうに考えています。
 そのためには、患者会からの声にもこたえながら、十分な配慮が必要であるというふうに思いますけれども、ご所見を伺います。

○金田医療福祉部長 現在、慢性肝炎等で助成を受けている方々のほとんどは、B型及びC型ウイルス肝炎患者のため、新たな制度の対象となり、必要な時期の助成が行われることになります。
 また、現に助成を受けている方のうち、低所得世帯に属する方については、経過措置として、三年間現行制度を継続いたします。

○河西委員 慢性肝炎がもはや難病とはいえないということ、あるいは他の難治性の疾患との公平性といいますか、これまでと同じように医療費の助成が難しいということは、それはそれとして理解できないわけではございません。けれども、私は、大変苦しい闘病生活を続ける患者さんにあって、医療費の助成をカットされる、こういう患者さんにとってみると、やはり行政から見放されたという、そんな不安を覚えるのではないかということもまた、理解ができるところです。
 こうした不安を解消するためには、ただいま三年間現行制度の継続ということがございましたが、十分な経過措置を設けるということと同時に、また、行政が本気になって肝炎ウイルス撲滅に向けて取り組む、そのメッセージを発していく必要があるというふうに思います。
 ウイルス肝炎の総合対策の取り組みについて、お尋ねをいたします。

○金田医療福祉部長 ウイルス肝炎に対する正しい知識の普及啓発とともに、早期発見のための検診や精密検診、早期治療を支援する入院医療費助成など、予防から治療まで一貫したウイルス肝炎総合対策を行ってまいります。

○河西委員 冒頭にも申し上げましたけれども、私ども、基本的にウイルス肝炎の総合対策、評価をしております。早期発見、早期治療のためには、何よりもまず、この新しい制度をできるだけ多くの都民の方に知っていただく必要があるというふうに思います。この件につきましてのご見解をお伺いいたします。

○金田医療福祉部長 ウイルス肝炎に対する正しい知識の普及啓発のため、講演会の実施や都民向けパンフレット等の配布を行います。また、都や区市町村の広報媒体により、検診を初め、早期発見から早期治療に至る一貫したウイルス肝炎総合対策の都民への周知に努めてまいります。

○河西委員 今回、請願者から、ウイルス肝炎の感染者、患者数を把握して総合的に肝炎対策に取り組むべきだ、こういう意見が述べられておりますけれども、私も、総合的な肝炎対策を進めるには、まず、ウイルス肝炎の患者数を把握していくのは当たり前だと思います、その必要があると思いますけれども、改めてご所見を伺います。

○金田医療福祉部長 現在、急性ウイルス性肝炎につきましては、感染症法の中で報告義務を定められており、患者数を把握しております。
 今後、ウイルス肝炎総合対策の中で、検診や精密検診の受診率、陽性率や、医療費助成患者の状況等を把握し、事業の円滑な実施に努めてまいります。

○河西委員 ウイルス肝炎の感染者ですけれども、都民の中で二十万以上という報告書も出ております。その多くが感染に気づいていなくて、症状が進行している場合も少なくないといわれています。
 早期発見について、今回の予算案の見積もりで、何人が感染ウイルス検診の対象で、どの程度が検査陽性者となって精密検査を実施する必要があるのか、その見通しについて伺います。

○金田医療福祉部長 四十歳から七十歳までの五歳刻みの節目年齢の方など、約三十一万七千人を対象に、老人保健法に基づく基本健康診査で肝炎ウイルス検診を行い、そのうち、一万四千人が精密検診の対象になると見込んでおります。
 また、精密検診を経て利用される方を含め、新たな入院医療費助成の対象者は、約一万五千人と見込んでおります。

○河西委員 早期発見をいたしましても、治療方法が十分に確立されていなければ、単に都民が不安に陥るだけだと思います。けれども、近年の医学と医療技術の進歩によって、この早期治療が有効であるということを聞いていますが、具体的な医学的知見があれば、お知らせください。

○金田医療福祉部長 近年の医学と医療技術の進歩により、検査や検診により早期発見が可能となり、引き続き、早期にインターフェロンなどの抗ウイルス薬によるウイルスの除去、増殖を抑制することで、寛解や完全治癒が望める疾患となりました。

○河西委員 今、何点かについて質疑をさせていただきましたけれども、B、C型ウイルス肝炎が、いわゆる難病ではないにしても、やはり依然として難治性の病気の一つであります。感染しても、長い間自覚症状がないために、治療がおくれ、肝硬変や肝がんになる方も多いというふうに聞いているところです。
 都内には二十万人、あるいは三十万のウイルス肝炎の患者さんがいるという推計もあって、一人でも多くの患者さんが、都が新たに行おうとしている、ウイルス肝炎総合対策の早期発見、早期治療によって救われるべきだというふうに考えます。
 今までの難病医療費の助成制度では、すべてのウイルス肝炎の患者さんを対象としておりません。一方、今回の新制度では助成の対象が広がり、早期治療を促すということになりますので、これについては評価をいたします。
 しかしながら、この再構築によって、今まで助成を受けていた患者さんは、特に制度改正の影響が大きいわけですから、実施に当たっては十分な経過措置を設けるべきだということを重ねて申し上げたいと思うのです。
 制度の改正までに、まだ半年ございます。この間に、制度の周知徹底を十分に図っていただきまして、ウイルス肝炎の総合対策を着実に進めていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

○東村委員 私の方からは、都立病院改革マスタープランと、そして、今、河西理事から話がありましたウイルス肝炎対策の総合対策についてお伺いします。
 まず、都立病院改革マスタープランについては、私は先日の三月十四日の予算特別委員会で、約半分以上の時間を費やしまして、十三の項目にわたりまして局長とやりとりをさせていただきました。今回は意見という形になるかもしれませんが、そのやりとりの中で、これだけはもう一度念を押して、必ず都としても取り組んでいってもらいたい、このことについて三点ほどお話をして、肝炎の方に移りたいと思います。
 まず、私がこの委員会でも再三再四取り上げました小児病院、今の八王子を例にとりますと、小児病院のそばに、五分から十分以内にかけつけなければ命を落としてしまうという在宅難病患者のことを申し上げました。マスタープランの中に、このような患者さんに対しては具体的な対応策を検討するなど配慮をしていく、こういう記述をしています。
 そこで、私は、具体的にどうするのだという話をしたわけでございますが、ありがたいことに、東京都は、安心して医療が受けられる体制をきちっと確保をしていくと、ここまで明言してくれました。私は、今後、このことについて、また煮詰まってきた段階で具体的に詰めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、小児病院、東京都の見解だと、周産期の段階から府中の小児総合医療センターに入院すればいいじゃないかという話が、再三再四ありました。ところが、この八王子小児病院のドクターカーの出動状況を聞くと、中には、生まれてからドクターカーが出動する場合があるのだということで、八王子から府中まで、消防庁に調べてもらったら、往復で一時間近く救急車でかかるのだと。こういうときに、一秒一刻を争う子どもの命、物をいわない子どもの命というのは、もう大変な状況に置かれているのだということを申し上げました。
 私は、この都立病院改革については、全面的に反対しているわけじゃないのです。大事な視点であるし、これからやっていかなければいけない視点だということも認識しています。府中に小児総合医療センターができなければいけないということも、よくわかるのです。
 その上で、こういう小児の医療だけは特別だということを申し上げました。そのためには、府中の小児総合医療センターまでいかない、あそこの三次医療までいかないにしても、現に八王子なんかが担っているドクターカーや新生児NICU、そして在宅難病患者の治療、このような三次医療ができる医療機関が、せめてこの小児に関しては地元に必要なんじゃないか、そういうことを東京都、しっかり考えてくれと。
 確かに、小児科医が不足しているという、限られた医療資源というのは、よくわかります。ただ、そういう事態があるということを忘れないでいただきたい。こういうことに対して、局長は非常に誠意ある答弁をしてくれました。八王子から来ていたお母さん方も、本当に喜んでいました。貴重な意見だと。私は、本当に貴重な意見として、まずは受けとめさせていただきたいということを冒頭にいってくれました。
 その上で、いろいろな大学病院、公立病院等に働きかけていくということは、マスタープランに書いているけれども、さらに幅広い視点から、これからの小児医療については検討させていただきたいという答弁をいただきました。大事な視点なんです。マスタープランで書かれているけれども、マスタープランがすべてじゃなくて、これからいろいろな方に議論していただきます。その上で、ぜひともこういう幅広い視点を取り入れて、これから一つ一つ現場の感覚に立って変えていってもらいたいなと、こういうことを感じているわけでございます。
 さらに、このマスタープランだけで論ずるのではなくて、今、保健医療計画そのものが見直しされようとしている、そのような中にあって、さっきもいいましたが、小児医療というのは最重要課題にしなければいけないのだ、ほかの医療も大事なのだけれども、小児医療というのは、特にこれから最重要課題にしていかなければいけないのだということを申し上げました。
 都は、本当におっしゃるとおりだ、最重要課題の一つにしていただく、その上で関係機関の意見も聞きながら、しっかりとこれから具体的な施策を盛り込んで、その実現に取り組んでいきたいということをいいました。私は、一歩進んで、東京都における小児医療のあり方検討会も立ち上げるくらいの重みがあるのじゃないですかといったら、それは保健医療計画の中で最重要課題としていきますという話がありました。
 そういった意味で、もう一度念押しで、この具体的な施策を盛り込んで実現をしていってもらいたいと思います。その上で局長の決意を、もう一度改めて伺いたいと思います。

○今村衛生局長 ただいま東村委員から、予特のやりとりを重ねてご指摘がございました。
 小児医療の確保については、非常に重要な問題と私たちとらえておりまして、八王子小児病院の移転統合に際しましても、基本的には地域医療は地域の自治体が考えることではございますが、東京都も一緒になって考えていき、小児医療全体を確保していくということは決して忘れないということでございます。
 これから私たちの取り組みにつきまして、よくごらんになっていただきまして、また厳しいご指摘をいただきたい、こう思っております。
 当然、保健医療計画の中にも、小児医療は最重点課題として位置づけてまいろうと思っております。よろしくお願いします。

○東村委員 お話は、本当にありがたいと思っております。
 その上で、次に、慢性肝炎について、ウイルス肝炎総合対策について何点か質問させていただきたいと思います。
 慢性肝炎というのは、確かに昭和四十九年に東京都が医療費助成を始めていただいたころというのは、まさに原因が不明で、さらに診断法も不完全だという難病の一つでございました。しかしながら、先ほどお話も出ていましたけれども、近年、医学の進歩によって、肝炎のほとんどを占めるのがウイルス肝炎、このウイルス肝炎については、早期の治療が何といっても有効である、こういうことは医学的な知見からも得られていると思うのです。
 そこで、我が党は、かねてからウイルス肝炎は早期の発見が大事なんだ、こういうことを何度も主張してまいりました。国も、老人保健法でウイルス肝炎検査を実施するということになりましたし、都は、平成十四年度からウイルス肝炎総合対策として、一つは正しい知識の普及啓発、さらに早期発見、早期治療に向けた一貫した体力づくりを行う、これは先ほど河西委員からも質問がありましたけれども、改めてその内容について、何点かお伺いをしたいと思います。
 この肝炎検査で陽性となった人なんかでも、特に自覚症状がないために、なかなか医療機関に行って受診をすることに結びつかない可能性が多々あるわけなんです。やはり着実に早期治療に結びつけなければ、肝炎の総合対策というのはできないのです。そういった意味で、これから都は、まずはどのような対策をとろうとしているのか、伺いたいと思います。

○金田医療福祉部長 検診でB型及びC型肝炎ウイルス陽性者に、肝臓の専門医療機関で精密検診を実施するとともに、検診後の早期治療を促すため、新たに入院医療費の助成を行うこととしました。あわせて、専門医とかかりつけ医との連携のもと、治療が継続できる医療体制の整備を図ります。

○東村委員 お話の中で、新たに入院医療費の助成を行う、先ほども出ていました。この早期発見に引き続いて、治療やその治療方針を決めるために入院を要する場合に、新たな入院医療費の助成制度を創設するということでございますが、この制度と、現行の慢性肝炎等の難病医療費助成とはどう違うのか、なかなかこの辺が、知っているようでよくわかっていないというのが現状だと思うのです。この辺について答えてもらいたいと思います。

○金田医療福祉部長 従来は、病気が重症化した場合に、難病として医療費助成を行ってまいりました。
 新たなウイルス肝炎総合対策は、都内に約二十万人から三十万人と推定されるB型及びC型ウイルス肝炎患者や感染者すべてを対象として、検査入院など初期段階の入院医療も医療費助成の対象といたしました。

○東村委員 従来は、病気が重症になった場合に難病として医療費助成をした、さらにこれに、初期段階からの入院も医療費助成の対象に加えていく、そういう意味では一歩前進をしてくれたと思っております。
 ただ、声として、なぜ入院のみなんですか、こういう声がいろいろなところから聞かれるわけでございますが、これについて説明してもらいたいと思います。

○金田医療福祉部長 外部の有識者による委員会報告で、保険診療を原則とするが、検診に続く医療を円滑に行うため医療費の助成が望ましい、その際、入院、外来すべてでなく、治療上特に必要な内容や時期に限るとの提言を受けました。
 このため、助成のない他の疾患との均衡も考慮の上、病態の診断や治療方針の決定、また病状が悪化したときなど、治療上極めて重要な入院時の医療費を助成することといたしました。

○東村委員 理由として、治療上特に必要な内容や時期に限るという内容とともに、やはり助成のない他の疾患との均衡も考慮したという言葉が、今ありました。他の難治性の疾患との均衡を考慮したというのは、具体的にどういうことをいっているのですか。

○金田医療福祉部長 悪性腫瘍や白血病を初めとした多くの難治性疾患には医療費の助成がなく、保険診療で治療しております。日本は国民皆保険を実現しており、原則すべての疾患は保険診療で行うこととなっております。

○東村委員 国民皆保険、私は、国民みな保険を受けられるといっているのですけれども、国民みな保険を受けられるのは世界で日本だけだというのは、本当によくわかっていますし、これは日本が世界に誇れる制度だと思う。国の方も、そういった意味で続けていきたいということで、さまざまな改革をしていますけれども、これがやはり原則だというのは、よくわかるのです。
 ただ、これまで難病医療費助成を受けていた方、例えば外来月額二千円、入院月額一万四千円、これらがあったことを考えた場合に、新しい制度になったら、急激な変化が起きてそれがなくなってしまう、非常に厳しい、こういった声が出てきておりまして、また、患者の皆さんから、医療費が、医療改革の中でも大変な負担増になる中で、こういうことも今後考えると厳しい、これは切実な声として上がってきているわけなんですね。
 そこで、昨年の十二月、第四回定例議会で我が党からこの急激な変化を防ぐために何らかの対策を講ずるべきではないかということも提言させていただきましたし、この一月九日に、ウイルス肝炎総合対策について緊急要望を行ったところであります。
 特に、先ほどもお話がありましたけれども、影響の大きい低所得者の方については、急激な医療費の負担増が本当に死活問題になってくる、このように考えるわけですけれども、この対策についてどう取り組んでいくのか、再度お伺いしたいと思います。

○金田医療福祉部長 慢性肝炎等により難病医療費の助成を受けていた住民税非課税世帯に属する方について、経過措置として三年間、現行どおり難病医療費助成を継続いたします。

○東村委員 住民税非課税世帯について、経過措置として三年間ですか、現行どおり助成と。これをもうちょっと具体的に、どのよな助成をしていくのかを説明してもらっていいですか。

○金田医療福祉部長 本年九月末において、慢性肝炎等により助成を受けている住民税非課税世帯に属する方は、三年間の経過措置として、現行どおり難病医療費助成を継続いたします。
 また、新制度のウイルス肝炎入院医療費助成制度も低所得者に配慮しており、食事、療養費、標準負担額の一日六百五十円のみの負担でございます。

○東村委員 具体的に、入院患者の医療費助成や住民税非課税世帯の経過措置なんかを盛り込んでいただきまして、感謝をしております。
 ただ一方、それ以外にでも、外来で、インターフェロンという非常に高い薬の治療を受けている方がいるわけなんです。これらに該当しなくても、いるわけなんです。急に負担がふえる、このようなケースについても--低所得者でなくても、このインターフェロンの投与を受けるということは大変なわけです。家計に影響してくるわけです。そういう人たちが、ひょっとしたら払えなくなって、治療の中断をしなければいけないかもしれない、そういうときには、何らかの手だてで防いでいくという措置が必要だと思いますが、これについて、いかがでしょうか。

○金田医療福祉部長 現行の難病医療費助成者が外来で高額な医療費を負担した場合、三年間、外来の自己負担額の一部を助成する経過措置を予定しております。

○東村委員 一部を助成する経過措置を予定しているということですから、ぜひともこれは具体的に実現していただきたいなと思っております。
 また、今回、平成十年以来久しぶりに、非ウイルス性の難治性肝疾患が新たに追加されました。しかし、これらの疾患以外にも、難病の定義に当てはまる疾病は、まだまだやはりたくさんあるわけなんです。それぞれの患者の皆さんが、一日も早くこの疾病追加に入れてほしい、こういうことを心から願っているわけでございます。
 我が党は、東京都の特殊疾病対策協議会の報告で提言されている中で、難病の拡大を訴えてきたところでございます。この疾病拡大について、どういうものがこれから加わり、そして実現していくのかについてお伺いしたいと思います。

○金田医療福祉部長 昨年十月の特殊疾病対策協議会報告で、特に予後不良で療養が困難で、早期に助成対象とすべき具体的疾患の提言を受けました。
 都としましては、この提言を受け、今回、脊髄性筋萎縮症など神経系二疾病、膠原系一疾病の計三疾病を優先することとし、再構築にあわせ、本年十月に追加する予定でございます。

○東村委員 十月に追加する予定ということなんですけれども、最低でも、ぜひとも十月には追加をしていただきたいなと思っております。
 B型、C型ウイルス肝炎に感染して、なかなか長い間自覚症状がない、この中から肝硬変や肝がんになる方も多いということを聞いております。国は、確かにウイルス肝炎の医療は保険診療を原則としている、これもよくわかるのですが、早期発見、早期治療において、この三分の二の方々が肝がんへ移行することを防ぐことができる。そのために、都は全国に先駆けて--ここがやはりすごいなと思いました、精密検査や入院医療費の助成を行ってくれた、ウイルス肝炎の医療費支援を行うことを積極的にやってくれた。これに対して、非常に私たちは高く評価しております。やはり国に一歩先んじてやってくれているということに対しては、私たちは本当に高く評価しております。
 今後とも、一つは、正しい知識の普及ということを先ほどおっしゃっていました、これがやはり大事だと思います。もう一つは、早期発見、早期治療による医療支援の体制、この一貫したウイルス肝炎総合対策が、やはり着実に進められていくように努力をしていただきたい、こういうことをもう一度強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○吉田委員 私は、ことし十二月末廃止が打ち出されております母子保健院の問題、それと、今も議論がありました慢性肝炎の問題について質問をさせていただきます。
 マスタープランでは、ことし十二月末、母子保健院の廃止ということが打ち出され、提案されている予算案も、そうした方向で計上されております。
 母子保健院がどのような役割を果たしている施設かということは、きょう出していただいた委員会資料の中でも、概略ではありますけれども、母子保健院が小児救急医療、さらに産婦人科、そして、それとあわせて都立で唯一の乳児院という機能をあわせ持った、東京の中でも極めて貴重な役割を果たす施設であることが明らかであります。
 しかも、単に小児という中でも、二十四時間専門医が常駐するという体制や、さらに、極小未熟児対策や、あるいはハイリスク分娩対策など、専門的な治療活動においても、すぐれた実績と役割を果たしている病院であります。
 私は、その中でも、予算特別委員会でも、かち議員が取り上げましたが、まず乳児院の問題について質問させていただきます。
 私は、以前の前期にも、乳児院の果たす役割が非常に重要で、これはさらに拡充していく必要があるということを、皆さんの前で質問させていただきました。改めて、乳児院とはそもそもどのような施設なのか、その中で、この母子保健院の乳児院の持つ特徴や役割はどういうものなのかということを、ご答弁をお願いいたします。

○長岡健康推進部長 乳児院の役割でございますけれども、乳児院は、児童福祉法に基づきまして、保護者のいない乳児や、保護者の疾病等によりまして療育が困難な乳児等を入所させ、療育する施設でございまして、現在、都内に十一カ所設置されているところでございます。
 また、母子保健院の乳児院の役割でございますけれども、都内十一カ所、定員にしますと六百十七人の乳児院の一つといたしまして、定員五十人を有します病院併設の乳児院としまして、医療が必要な乳児に対する円滑な対応に努めてきたところでございます。

○吉田委員 今お話がありましたけれども、十一の乳児院の中で、母子保健院の乳児院の場合には、いうまでもなく、医療と一体の機能を持った乳児院だというところに特徴があると思うのです。しかも、都立の乳児院はここ一つだけです。
 ちなみに、医療施設と一体となった乳児院は三カ所、済生会、そして日赤、この母子保健院、その中でも小児科医が二十四時間いて、かつ対応することができるのは、広尾の日赤と、この母子保健院の二つだけだと思うのです。
 したがって、そうした乳児院ですから、やはり病弱、虚弱児、あるいは障害を持ったお子さん、そういう他の、単独の乳児院だけでは措置できないようなお子さんたちを措置するという意味では、非常に貴重な役割を果たしてきたのが母子保健院の乳児院だというふうに思うのです。
 これが廃止ということになれば、そうした障害や病虚弱児の方々の措置という点では、当然重大な障害が生まれるわけですけれども、これが廃止されても、何ら問題はないというご判断なんでしょうか。もし、そういうご判断をしたとしたら、どのような根拠からなんでしょうか。

○押元病院事業部長 ただいまご指摘のとおり、母子保健院につきましては、本年の十二月末をもって廃止ということといたしまして、予算措置等にもそれを計上しているわけでございますけれども、その廃止までには、現在措置されておりますお子さんたちにつきましては、児童相談所と密接に連絡をとり合いまして、お子さん方の体の状況ですとか、あるいはご家族、ご家庭の状況などに応じまして、円滑な措置がえや家庭などへの引き取りができるように努めていくということでございます。
 こういったことができるだろうという前提の上に立ちまして、ご案内のとおり、十二月末をもって廃止をするという決定を、私どもとしてはしたわけでございます。

○吉田委員 極めて一般的な答弁でしたけれども、私がお伺いをしたのは、病院併設の乳児院は三つしかなくて、その中で二十四時間の医療体制と一体のものは二つしかない、その二つのうちの一つを削るわけですから、当然、病虚弱、障害を持ったお子さんたち、そういう方々にとっては、いわば措置できる施設が半分に減るわけですよね。それで支障がないのですかということをお聞きいたしました。
 実は、かちさんも質問するに当たって、日赤に伺いました。そこでは改めて、本当にさまざまな医療的な、あるいは障害を持った大変な状況のお子さんたちが、部屋狭しとあふれ返っているという状況を目の当たりに見たわけですけれども、例えば廃止されたとすれば、日赤が唯一の二十四時間の医療体制を持つ施設になるわけですが、日赤は、母子保健院でこれまで対応をしてきた同様のお子さんたちを受け入れる可能性があるというふうに回答をいただいているのですか。

○押元病院事業部長 今までもいろいろとご相談を申し上げておりますし、今後ともご相談申し上げ、措置がえ等に支障のないようにしてまいりたいというふうに考えております。

○吉田委員 受け入れるというふうに回答を得ているかということなんです。

○押元病院事業部長 個々のお子さん方につきましては、現在、母子保健院の乳児院にお入りになっているわけでございます。そういったお子さん方の身体の状況は、これからどういう形になるか、ご回復という形でご家庭にお戻りになるか、あるいはそれ以外の病院等に移っていただいた方が適当な状況になるかどうか、さまざまでございます。
 一般的な形で、そういった措置児童を受け入れていただけるかどうかという形でのご相談ではなくて、個別のお子さんについて、こういったお子さんについてはどこが適当かという形で措置をしていくわけでございます。
 措置につきましては、児童相談所の方で行うわけでございますけれども、母子保健院の乳児院といたしましても、そういったお子さん方のいろいろな状況にきめ細かく対応して、措置がえを進めてまいりたいというふうに考えております。

○吉田委員 私は、基本的なフレームの話をしているのですけれども、私どもが直接院長先生に伺った話は、現状でも目いっぱいである、したがって、もうこれ以上、母子保健院で対応している医療的なケアの必要なお子さんたちを受け入れる余裕はないのだというのが、日赤の院長さんのご説明でした。したがって、そういう状況を十分検討しないまま、私は廃止が決められているものだといわざるを得ないと思うのです。
 もう一つお伺いしますけれども、病虚弱児や障害のあるお子さん、乳児ですね、また極めて残念なことでありますが、家庭内の暴力、虐待等を受けている乳児の方というのは、減少しつつあるというふうに判断していいのでしょうか。

○押元病院事業部長 それぞれの発現状況と申しますか、減少しつつあるのか、あるいは増加しつつあるのかということは一般的にはいえないかと思いますが、先ほど日赤のことを例に出されましたので、それで申し上げますと、現在、日赤につきましては、日赤医療センターの定員は七十名でございます。そのうち、二月一日で措置児童が六十六名おります。
 ただ、この六十六名のうちの七名のお子さんは、余裕があるということで、他県から日赤の方でお引き受けをしているということでございます。

○長岡健康推進部長 病虚弱児の方がふえているかどうかということでございますけれども、平成九年度には十一カ所で五二・〇、それから平成十年が五四・四、平成十一年が四六・二、平成十二年が五四・三ということで、おおむね一定ということでございます。

○吉田委員 一定という一つの資料も示されましたけれども、やはり廃止が適切か否かということを判断する際には、このような病虚弱、障害、あるいは児童虐待を受ける、こういう乳児の方々の数が今後どういう傾向にあるのか、その傾向を判断しないで、たった二つしかない、それも都立では一つしかないという施設を廃止してよしという結論など、出せるわけないじゃないですか。
 しかも、さらにお聞きしますけれども、乳児院だけではなくて、児童福祉施設のあり方について、平成七年、検討会がされていて、その中で、東京都として病院附属の乳児院、その中でも都立の乳児院はどういう役割を果たすべきかということを整理されていると思うのですが、そこではどういうふうに母子保健院に併設の乳児院の位置づけ、役割を定義化しているのでしょうか。

○長岡健康推進部長 病院附属乳児院とその他の乳児院の役割でございますけれども、民間の病院附属の乳児院は、医療的ケアを必要とする病弱児や障害児を積極的に受け入れること、また都立病院は、処遇方法が確立していないHIVなどの感染症児や重症の障害児を当面積極的に処遇すること、その他の乳児院は、健康な乳児とともに、医療的ケアが比較的少ない乳児や軽度な障害児の受け入れをすることというような役割分担をしております。

○吉田委員 そうすると、それ以降どういうものが出たか、私、承知しておりませんけれども、私が聞いている限りで、衛生局、東京都として検討した文書の中では、やはり病院機能を持った、しかも都立の乳児院として積極的に処遇困難な乳児の方々を受け入れていこう、そういう対策をとっていこうというのが、少なくとも東京都衛生局の基本方針だったわけですよね。もしこれを変えるからには、その必要がないという明確な、客観的な根拠があるかどうか、それが妥当か否かという検討が当然必要だったと思うのです。
 もう一つ、私は、やはり都立であるということの意味合い、そして医療施設と一体であるということの意味合いに関連して発言させていただきます。
 私、この問題で民間の乳児院の施設長の方々にお会いしてまいりました。私の杉並にも民間の乳児院がございます。それで、どういうお話をされていたかといえば、医療施設のない乳児院にとって、いざというときには母子保健院に治療や入院をお願いできる、これが大変大きな安心感だというのです。
 まともな子育てもしなかった私がいうのも何なんですけれども(笑声)、反省する方がほかにもいらっしゃるようですけれども、やはり乳児期というのは、病気と常に隣り合わせといいますか、いつ病気が起きてもおかしくない、しかもその病気が、朝は軽いかなと思っても夕方になったら急変する、そういう特徴を抱えていますから、そういうお子さんを持った医療施設のない乳児院の方々にとっては、いざというときに駆け込むことのできる都立の母子保健院のような、医療機関を持った公的な施設というのは、いわばセンター的役割を果たしているのです。それは杉並だけではありません、隣の中野区にも医療施設のない民間の乳児院がありますけれども、そこからもやはり入院患者さんが送られておるという、センター的役割を果たしていると思うのです。
 だからこそ、そういう民間の乳児院の方々が集まっている団体は、ぜひ、公的、都立の乳児院の存在を続けてほしいという要望が出されていると思うのですが、いかがですか。

○押元病院事業部長 ご質問の要望でございますけれども、東京都社会福祉協議会の乳児の部会の方から、都立としての何らかの機能を存続してほしいという趣旨の要望が出ております。

○吉田委員 病院の場合は、民間の病院から都立病院を存続してほしいという要望は出ていないかもしれませんが、乳児院の場合には、民間の乳児院施設の関係者から、公的、都立の乳児院はやはり必要なんだという要望は出ているのですよね。それを無視するというのは、極めて乱暴なことだと思うのです。
 しかも、確認させていただきますが、乳児院をどうするかということは、当然、乳児院関係者との協議が必要だと思うのですが、廃止という結論を出すに至る過程で、乳児院関係者との協議や意見交換というのはされたのでしょうか。

○押元病院事業部長 今回のマスタープランで打ち出されました母子保健院の廃止と、それに伴います母子保健院内の乳児院の廃止につきましては、都立病院改革会議の答申を尊重いたしまして、私どもが行政として必要な考え方をそれに加えまして、マスタープランとしてお示しをしたものでございます。
 その過程で、都庁の所管部局の方とは綿密な打ち合わせをしております。乳児院の廃止の問題について、児童相談所の関係者の方々とは話をしておりますけれども、先ほどお話のありました民間の乳児院の方々のご意見については、その都度承っているという状況でございます。

○吉田委員 したがって、乳児院、いわば当事者団体の方々と協議した結果、廃止を打ち出したものじゃないということなんですよね。その都度といったって、結局、相手が要請に来たからそれを受けただけの話で、皆さん方から積極的に民間の乳児院の施設関係者に意見を求めたわけじゃないのですよ。
 そういうやり方で、都立で唯一、しかも二十四時間の小児救急の医療機関と一体となった乳児院を持つ母子保健院を、それもことしの十二月ですよ、八王子や清瀬とは違うのですよ--これはちょっといい方はよくないかもしれませんけれども、十二月ですよ、本当に乱暴だと私は思うのです。
 それで、この問題の最後に、全体の問題にもう一度立ち戻りたいと思うのですが、母子保健院をことし十二月に廃止をするというのは、何をもってことし十二月廃止なんでしょうか。

○押元病院事業部長 現在、母子保健院におかかりになっている患者さん、あるいは乳児院に措置をされているお子さん方、そういった皆さんのそれぞれの身体の状況なり、あるいは家庭の状況、いろいろな環境等を考慮した上で、ことしいっぱい、十二月末の廃止が、そういった皆さんにご迷惑をかけることなく廃止ができる、こういうふうに判断をした、そういうことでございます。

○吉田委員 マスタープランでは、なぜことしの十二月なのかという意味合いの文言としては、今のような言葉もあるのかもしれませんが、「国立成育医療センターの開設に合わせて、平成十四年十二月末をもって廃止する。」こういうことになっていますよね。しかも、廃止に伴う代替措置等という項目でも、一般、いわば産科機能や小児科機能等の代替機能という意味合いからしても、国立成育医療センターを初めとする周辺医療機関、(イ)で二次医療等ということについても、国立成育医療センター等周辺医療機関の協力を求めると。ことし十二月末廃止の最大の理由は、国立成育医療センターが開設されることであり、しかも代替機能という点では、この国立成育医療センターの協力を求めるということが大前提ですよね。
 そこでお伺いいたしますけれども、現在、母子保健院で行われている二十四時間の小児救急、東京都が進めている休日、全夜間の小児救急、あるいは周産期のネットワーク、こういうものに国立成育医療センターが協力参加するという確約が、私は大前提だと思うのですが、そういう確約は得ているのですか。

○齋籐企画担当部長 国立医療センターに対しましては、国に対しまして、都の休日全夜間診療事業、あるいは周産期医療対策事業への参画につきまして、幾度となくご協力をお願いしているところでございます。
 また、あわせて成育医療センターに対しましても、直接、同様の協力依頼をしているところでございます。同センターからは、ナショナルセンターではあるが、三百六十五日二十四時間、いつでも、だれにでも開かれた成育医療の先導的役割を果たしていく病院として、成育医療を推進していく中で小児救急医療や正常分娩等にも取り組んでいくと伺っておりまして、同病院のパンフレットにも、その旨、明記されているところでございます。

○吉田委員 それで、参画するというふうにご回答を得ているのですか。

○齋籐企画担当部長 都の休日全夜間診療事業や周産期医療対策事業への国立成育医療センターの参画につきましては、現在、同センターで検討されているところでございまして、今後も引き続き協力依頼をしていきます。

○吉田委員 我々が聞いている限りでは、少なくとも現時点においては参画する意思はないというふうに、明確に聞いていますよ。したがって、代替機能としての役割は、現時点では確保されていないというのが現状なんですよ。
 それと、パンフレットに二十四時間という文言があるということについても、私たちはただしました。これは、ちょっと聞いてびっくりするかもしれませんが、相手方の説明は、二十四時間、お子さんたちが入院している場合がありますから、お見舞いを受け入れますというふうな話なんですよ。二十四時間、しかも救急、救急といったって、三次救急なんですよ。他の病院からの救急を受け入れますよというのが主たる役割、当たり前じゃないですか、ナショナルセンターなんだから。
 それで、先ほど八王子の問題が出されたときに、地域医療確保、頑張りますということをいわれましたけれども、ここの場合には、もう十二月廃止ということを一方的に決めていますけれども、地域医療を確保する保障はないわけですよ。
 そういう点で、私はこの十二月末廃止、先ほどの乳児院の問題もあわせてですけれども、ぜひ再検討を求めたいということで、この質疑を終わらせていただきます。
 次に、慢性肝炎の問題について質疑をさせていただきます。
 慢性肝炎、肝硬変、ヘパトームへの医療費助成打ち切り問題です。肝がんによる死者は十五年間に二倍にふえて、全国で三万人、がんによる死因順位でも、この肝がんが第三位、都内でも認定患者三万一千人、難病という規定が適切か否かという点では、先ほどからも話がありましたが、確かに議論があるところだと思います。
 しかし、難病か否かの規定の是非は別にしても、これだけ多く存在している慢性肝炎の患者に対する対策の強化ということは、都民の命と健康を守る上でも、都政の重要課題というのは当然のことだと思うのです。国も、ようやく老人健診の対象に慢性肝炎を入れると。都は、これにあわせて精密検査を導入するということは、大いに評価できることだと思うのです。
 ただ重大なことは、医療費助成を打ち切り、そして医療費助成はあくまでも通院は切って入院医療費助成のみに限定する、ここに私はやはり大きな問題があることを指摘せざるを得ません。さまざまな経過措置が先ほどから紹介されましたけれども、結局三年間だけということです。
 それで、予算特別委員会でも紹介しましたけれども、C型肝炎治療の、日本でも最高の権威の一人である飯野四郎先生に、私も直接お会いしました、杉並の先生でもありますし。私に語った先生の最初の言葉は、国がようやく慢性肝炎対策に本格的に乗り出そうとしているときに、これまで国に先駆けて努力をしてきた東京都が、通院の医療費助成を打ち切るということはひどいことだというのが、最初の話でありました。
 それで、先ほどからの議論にダブらないように質問させていただきますけれども、早期発見から早期治療ということは、言葉としては非常にいいことだと思うのです。ただ、残念ながら、慢性肝炎、C型肝炎の場合は、早期治療ができる方というのは、どんなに頑張っても限られた方だというのが、現在の医学の水準の到達点だと思うのですけれども、その辺はどのように認識されていらっしゃいますか。

○金田医療福祉部長 B、C型ウイルス肝炎につきましてでございますが、難治性疾患の一つでございますが、早期発見と適切な治療で、約三分の二の方々が肝がんへの移行を防ぐことができる疾患となったと思っております。

○吉田委員 ちょっと私の質問が不適切だったかもしれません、改めて質問いたしますけれども、いわゆるインターフェロン等を使って、C型肝炎の場合にウイルスを除去できる方の確率はどのくらいですか。

○金田医療福祉部長 肝炎のウイルスのタイプ等によってもいろいろございますけれども、約三〇%の方が除去できる、それから、三〇%の方が肝炎から肝がんに行くのを少し延ばしていけるという形になってございます。

○吉田委員 したがって、C型肝炎の場合には、ウイルスを除去できる現時点では唯一の治療法といわれるインターフェロンの投与をしても、三割の方々しかウイルスは除去できない。すなわち、早期治療といっても、その対象となるのは、C型肝炎では三割の方なんです。あとは、いかに肝がんへの移行を抑えるのか、すなわち抗ウイルス治療ではなくて、庇護治療というのが、慢性肝炎治療の主力を担わざるを得ないということだと思うのです。
 したがって、肝炎対策においては、初期の抗ウイルス治療と同時にいわば庇護治療、いかに肝硬変、肝がんへの移行を抑えるのかということが、非常に重要な位置と役割を持っていると思うのですが、そこの認識はいかがですか。

○金田医療福祉部長 外来治療につきましても、非常に重要であるとは認識しておりますが、昨年十月の外部の有識者による新たな感染症対策委員会の報告で、ウイルス肝炎についても、保険診療を原則とするが、検診に続く医療を円滑に行うためには、医療費の助成が望ましく、その際、入院、外来すべてでなく、治療上特に必要な内容や時期に限るべきとする提言を受けております。
 この提言を受けまして、都としては、医療費助成のない他の疾患との均衡も考慮の上、病態の診断やこれに伴う治療方針の決定、また病状が悪化したときなど、治療上極めて重要な入院時の医療費について新たに助成するよう再構築することとしたところでございます。

○吉田委員 私、その医療費助成云々というところまで、まだいっていないのですよ。要するに、インターフェロンを投与しても七割の方はウイルスを除去できない。したがって、いかに肝硬変、肝がんに移ることを抑えるかということが七割の方なんです。当然、肝がんによる死亡を抑制しようとすれば、この進行を抑える庇護治療というものが、慢性肝炎治療の中で大きな役割を果たすでしょうという基本認識を伺っているのです。お医者さんだから、わかると思うのですけれども。

○金田医療福祉部長 もともとは小児科でございますけれども、ただ、慢性肝炎、肝硬変、ヘパトームの治療の中で、もちろん抗ウイルス治療も重要でございますし、それ以外の治療も重要でございます。治療に関しましては、どの治療が重要で、どの治療が重要でないということはいえないと思っております。

○吉田委員 まあ当たり前のことを聞いたかもしれませんが、お許しください。
 今のお話のように、抗ウイルス治療と同時に、やはり当然のこととして庇護治療ということも重要な課題だ、これなしに、私は本当の慢性肝炎対策というのはあり得ないというふうに思うのです。
 ところが、庇護治療というのは、具体的には通院が中心ということになると思うのです。この通院の医療費助成を打ち切ることによって、継続性が求められる庇護治療が一定の困難を来す。特に、その矛盾を集中的に受けるのは低所得者の方々であったり、あるいは継続的な治療の中でも、一日置きにキョウミノファーゲンを打たなければならないような、比較的重症に近いような方々だと思うのですけれども、この通院医療助成を打ち切ることによって、このような継続性を要する庇護治療に一定のマイナスを及ぼすというふうには懸念されなかったのでしょうか。

○金田医療福祉部長 先ほども少し申し上げましたけれども、B、C型ウイルス肝炎、難治性疾患の一つでございますけれども、早期発見と適切な治療で、約三分の二の方々が肝がんへの移行を防ぐことができる疾患となっております。
 このため、希少で原因不明、治療法が未確立という難病の定義に当てはまらないことから、現行施策を再構築して、予防から早期発見、早期治療の一貫した体制づくりを行うとしたことでございます。
 新制度では、より多くの都民に対しまして、より効果のあるウイルス肝炎の医療支援ができると考えております。なお、難病認定などに至っていない多くのB型及びC型ウイルス性患者、感染者の方々は、現に保険診療の中で治療がなされているところでございます。

○吉田委員 私、精密検査とか早期ということは非常にいいことだ、しかし、それをもってして、七割の方に当たる継続的治療を要するこの部分が、マイナスが生まれる懸念はないのですかという質問なんですけれども、もう一度。

○金田医療福祉部長 先ほどもちょっと申し上げたことでございますけれども、やはり保険診療という制度がございますので、保険診療の制度の中で、きちっと医療を受けていただけるかと思っております。

○吉田委員 これは、なかなか当事者の人でないとわかり切れない面があるかと思うのですけれども、現時点でいえば、完治はできないわけですよね、インターフェロンが効かなかった方は。したがって、例えば一年間通院をすれば、一年頑張れば、あと治るよという世界ではありません。将来にわたってです。しかも、投与したからといって、よくなるということは現実的には望めません、いかに症状の悪化、数値が上がることを抑えるのかというのが最大限なんです。
 したがって、それは保険でやればいいじゃないですかというふうにいわれますけれども、将来にわたって毎月毎月、例えば一日置きにキョウミノファーゲンを打っているという患者の方々でいえば、多分、三割負担ならば月二万円程度の医療費というのは、避けがたい状況だと思うのです。そういう他の疾病や他の患者さんとは違う、また独特の困難や経済的負担がある中で、あえてこれまで行ってきた通院治療に対する医療費助成を打ち切るということは、当然、こういう方々に困難と障害、すなわち医療の継続にマイナスが生まれることは明らかだと思うのです。
 なぜなら、何年か前に一部負担を導入しましたよね、その結果だけでも、私が調べている限りでは、受診回数の減という形が既にあらわれているのです。さらに、入院と通院というふうに見た場合に、私、資料要求で、医療費助成に占める通院と入院の割合について出してほしいというふうにお願いしたら、そのような資料はありませんというお答えだったのですけれども、じゃあ正確な数はわからなくても、慢性肝炎の場合、件数、費用でいうと、大まかはどのくらいの比率なのか、ご存じですか、ご存じないですか。

○金田医療福祉部長 資料要求のときにもお答えしてございますけれども、慢性肝炎等で難病医療費の助成を行ってきた方々に対して、外来と入院の資料はございません。

○吉田委員 私の勘違いかもしれませんが、その後、私、調べました。衛生年報に資料があります。疾病ごとの件数、これの通院と入院とであります。医療費助成総額で、通院と入院とであります。それは、見落としかもしれませんから、あれこれいいませんけれども、私が調べた限りでは、これはたまたま一九九九年のデータしかうちの控室になかったものですから、それを確認したところ、慢性肝炎の場合、医療費助成の対象となった総件数のうち、通院が占める件数は九七・三%、また、医療費助成の総額のうち、通院に行われた医療費助成が七九・八%。
 ですから、現実的には、やはり医療費助成の大半は通院が占めていたのですよ。したがって、これが削られることの意味というのは、私は大変な、七割、三割という数以上の意味があると思うのです。
 それともう一つ、これに関連して、先ほど部長がご答弁された中で、今までの医療費の助成は重症化した場合の助成であるということをいいましたが、私はこれは違うと思うのですよ。重症化しないために行われてきたのがこれまでの医療費助成だ。なぜなら、一部負担導入のときの議論がありましたけれども、例えばC型肝炎、慢性肝炎であっても、重い人には重症度認定をする、そこは自己負担は入れません、重症でない人には自己負担を入れますというふうに、医療費助成の中でも明確に、重症とそうでない部分を分けてきたのですよ。ということは、逆にいえば、重症化した場合に医療費助成の対象だというのは、私は非常に不正確なご答弁なんじゃないかなと思うのです。
 いずれにしても、このように慢性肝炎、C型肝炎の特徴からすれば、いかに重症にさせないか、肝硬変、肝がんに移行させないか、ここに大きな力を入れていく必要がある。今回の見直しは、私は、それに逆行するものだというふうにいわざるを得ないと思うのです。
 もう一つ、早期治療ということで、インターフェロンのことが出されています。個々のケースによって違うのでしょうが、一般的な標準的治療方法は、インターフェロンのワンクールの投与は何カ月行われて、そのうち、入院はどの程度を占めているのでしょうか。

○金田医療福祉部長 最近、また保険点数などがかなり変わりまして、インターフェロンの治療の方法、特にウイルスの肝炎の型等によっても変わりますので、今、一般論でいって、それがまた本当に正しいかどうかというのはございますけれども、大体半年、それで入院が一、二カ月、短い方は二週間くらいからありますが、一概にいえない部分があるのかなと思っております。

○吉田委員 もちろん、一概にいうことは確かに不適切なことかもしれません。ただ、私も、日本肝臓学会監修、ちょっと読んだものですから、済みません、この機会に「慢性肝炎診療マニュアル」というものを勉強してみました。
 そうしましたら、従来、保険適用という点ではワンクール六カ月、それが当初ワンクールだけだったものが二クールまで認められるということになりました。したがって、ワンクール六カ月のインターフェロンの投与ということが行われてきましたけれども、その中で入院、すなわち連日投与の期間というものは、二週間ないしは四週間、一カ月というのが標準的な治療方法だというのが、この日本肝臓学会が発行している診療マニュアルで書かれておりました。
 そうしますと、例えばインターフェロンの投与を受けるということであったとしても、入院だけにしか医療費の助成がないと、六カ月間のうち、一般的には二週間しか医療費助成の対象にならない、長くても標準的には一カ月である。二カ月というのは極めてまれなケースだと、私、思うのですけれども、そうすると、インターフェロンの投与そのものも困難な事態が、当然生まれるわけですね。
 それだけじゃなくて、今、部長もお話がありましたけれども、単に六カ月とかワンクール、二クールというだけじゃなくて、厚生省はさらにこれを拡大して、長期に投与できるようにしてきたのじゃないのでしょうか、どうですか。

○金田医療福祉部長 インターフェロンの保険診療での適用につきましては、国の方も今、変わっているところでございまして、たしか二月だと思いますが、延長になったところでございます。

○吉田委員 見直しの際に、医学の進歩に対応して見直しをしていくという項目があります。先ほどの飯野先生も、状況によって見直しをしていくことは当たり前のことだということをいわれておりました。しかし、医学の進歩というからには、このようにインターフェロンを期間を区切って、そのうち、ある程度入院もして投与するというやり方から、量を減らして長期にインターフェロンの投与を行うことによって、先ほど三割というふうにいわれていたウイルスの除去の可能性を拡大していく、これが今の到達点ですよ。
 もう一つは、インターフェロンと同時にリバビリンを併用することによって、三割の効果をさらに四割程度までに引き上げていく、患者団体の方々、関係者の方々の努力で、ついにリバビリンの併用も保険適用ということになったわけです。
 ですから、全体的には、そういう長期にわたって必要な投与によって抗ウイルス治療の確率が高くなっている、そういう状況に合ったような医療費の助成制度ということが、医学の進歩にふさわしい見直しというなら求められるし、そのときに、通院は一切だめということは不適切だと思うのです。飯野先生も、通院か外来かじゃなくて、やはり症状と時期に応じて必要な医療が受けられるようにというのが、専門の臨床医からの意見であるというふうにいっておられました。
 そういう意味から、私は、この医療費通院打ち切りということは、患者団体の皆さんの声からしても、こういう専門家の方々の声からしても、当然、再検討を求めていきたいというふうに思います。
 以上で終わります。

○金田医療福祉部長 先ほどの重症ということでございますけれども、難病としての重症と、ウイルス肝炎としての重症というのは、済みません、ちょっと私どもの使い方が違いまして、ウイルス肝炎として重症化を防ぐというのと、難病政策の中での重症というのとは、ちょっと質が違うのかなと思っております。
 今、私どもがしようとして思っておりますものは、東京都としてのウイルス肝炎の総合対策ということでございまして、そのウイルス肝炎の総合対策としては、昨年十月、外部の有識者による新たな感染症対策委員会の報告で、ウイルス肝炎については保険診療を原則とするが、検診に続く医療を円滑に行うためには医療費の助成が望ましく、その際、入院、外来すべてでなく、治療上特に必要な内容や時期に限るべきとする提言を受けたところでございます。
 この提言を受けまして、先ほど東京都といたしましては、医療助成のない他の疾患との均衡も考慮の上、病態の診断やこれに伴う治療方針の決定、また病状が悪化したときなど、治療上極めて重要な入院時の医療費について新たに助成するように再構築したことでございます。

○吉田委員 簡潔にと思って打ち切ったのですけれども、私も一ついわしていただきます。
 いい足りない点もありますけれども、やはりどうしてもいわしていただきたいことは、お酒を飲み過ぎて、乱脈な生活をして、それで慢性肝炎から肝がんになったという方も、それは一部いらっしゃるかもしれませんが、C型肝炎はまさにウイルスなわけです。本人とは無関係なところで、私なんかもその年代に当たりますけれども、小学校などの集団的な予防注射のときに、針や注射の筒が複数たらい回しにされた、あるいは輸血などの、いわば衛生行政のおくれやずさんさの結果として、このような事態になったのですよね。
 きょう出されている資料を見てもわかるとおり、三十九歳以下の慢性肝炎の認定患者というのは、極力少ないわけですよ。四十歳以上からのところに、五十代のところに多くあるわけで、そういうことも示されております。そういう方々にすべて保険でという理屈というのは、成り立たないのじゃないかということを述べさせていただいて、終わります。

○山口委員 私も、都立病院改革マスタープランのところで質問させていただきます。重なるところは、時間もありませんので、少し割愛していきます。
 八王子の小児病院のことですが、こあらくらぶというデイケアサービスが病院に隣接されてございます。重篤な病気ながら在宅で過ごしている子どもを持つご家族にとりまして、大変必要なものと思いますが、病院との連携が不可欠です。地域との連携の中で、こういったことに関してどういうようなご見解を都はお持ちなのか、伺います。

○押元病院事業部長 ただいまお話のありました、こあらくらぶでございますけれども、八王子の小児病院に隣接しておりますことによりまして、緊急時に必要な医療を受けられるというメリットがあることは、よく承知をしております。
 八王子小児病院の移転統合に当たりましては、個々の患者さんの状況に応じまして、きめの細かい対応策を検討してまいりたいと思っております。

○山口委員 ぜひこういった機能も十分に認識されて、改革には当たっていただきたいと思います。
 都立病院改革マスタープランにおいては、病院というハードの再編のみならず、医療者の意識というソフトの面での改革も同時に行われようとしています。スローガンの一つである患者中心の医療は、診療時のインフォームド・コンセントの形で、患者と医療者との対話を図ることが記載されているなど、そのあらわれとして期待するところです。
 そこで、患者の権利章典について伺います。患者が文章を読み、自分たちも一人の人間として尊重され、医療者とも対等になれるという認識が持てなければなりません。作成されて既に半年以上たとうとしていますが、検証も含め、患者の感想や印象など調査する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○押元病院事業部長 患者の権利章典につきまして、患者さんのご意見などを調査することが有効であるということは、ご指摘のとおりだと思います。
 昨年秋でございますけれども、各都立病院で実施をいたしました患者満足度調査というアンケート調査でございますけれども、その質問項目にも、ただいまご指摘のありましたような趣旨を踏まえまして、患者権利章典を知っているかどうか、受診のときにわからないことについて質問することができたかどうかなど、患者さんの権利に関する項目を盛り込んだところでございます。現在、調査の結果については集計中でございます。

○山口委員 ぜひこの権利章典が周知徹底されるよう、また引き続き、PRや患者等の意見を尊重していただきたいと思います。
 安心、安全、信頼を確保する医療改革には、患者の声を積極的に受けとめて、それにこたえながら進めることが大切です。マスタープランでは、患者の声を反映させるために、患者はもとより、家族を含めた、患者を支えている立場の人たちに定期的に実施する患者満足度調査、及び退院時アンケートを行おうとしているが、こうした声はどのように活用していくのか、伺います。

○押元病院事業部長 患者中心の医療を提供してまいりますためには、患者さんの声を把握いたしまして、積極的に病院の運営に取り入れていくことが重要であると考えております。
 患者満足度調査や退院時アンケートの実施によりまして、患者サービスの改善に患者さんの声を生かすとともに、改善の結果を患者さんの方にお知らせをしていくなど、患者さんと病院が協働しまして、よりよい医療をつくり上げてまいりたいと考えております。

○山口委員 また、マスタープランによると、患者に選ばれる都立病院を目指すとあります。選択する患者にとっては、情報が必要となります。
 そこで、四月から国における医療広告規制が緩和されますが、都立病院として、新たな情報公開の取り組みについて検討しているのか、伺います。

○押元病院事業部長 ただいまご指摘のありましたように、来月の実施に向けまして、国の方では、医療機関に関します広告規制の緩和の準備を進めているというふうに聞いております。
 新たに広告ができることになる項目といたしましては、医師の認定資格ですとか手術の件数、それから平均在院日数などが検討の俎上に上っているというふうに聞いております。
 都立病院では、現在、既に五つの病院で広告規制の対象外となっておりますインターネットによりまして、医師の資格、専門領域などを都民の皆さんに公開をいたしまして、開かれた医療に向けた取り組みを進めているところでございます。
 今後とも、広告規制緩和の動向を踏まえまして、都民の皆さんにわかりやすい医療機関情報の提供に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

○山口委員 インターネットも大分普及してきましたけれども、IT弱者という人たちも数多くおりますので、そういった方たちにも、ぜひ視線を向けていただきたいと思います。
 また、このマスタープランでは、モニターアンケート調査の方も実施されて、その結果の中に、患者さんにとって医師や看護婦の対応について改善を望む声が上がっておりますが、医療従事者の質の向上に向けての取り組みについて伺います。

○押元病院事業部長 医療従事者の患者さんに対します言葉遣いですとか、あるいは態度といったものは、いわゆる接遇といいまして、患者さんが病院を評価し、選ぶ基準となりますし、また、病院自体の質の高さを示す重要な指標の一つというふうに考えております。
 都立病院では、マスタープランの中にも記載してございますけれども、医療従事者の質的な向上を図るために、接遇を初め、患者サービスに向けての職員の能力の向上などの研修を充実させるなど、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

○山口委員 患者にとりましたら、設備よりもむしろそういった人間的な触れ合いも大事にしてほしいという声も、中にはあったと思います。今後ともぜひ充実させていただきたいと思います。
 都立病院改革マスタープランでは、行政的医療の役割として、東京都の役割と区市町村の役割を明確にしていくことも大きな課題と思います。さらに重要なことは、地域医療との連携をどのように築き上げていくのかが問われることと思います。
 既存の小児病院周辺に住んでいる患者及び家族が、統合移転に対して懸念を抱いている大きな原因の一つに、病院が遠くなり、一分一秒を争うような事態に、搬送時間が長くなることが挙げられています。子どもの病状は急変しやすいという特徴を踏まえた上で、不安を抱いている患者や家族に対し、行政は詳しい説明や相互の意見交換を重ね、強制的ではなく、患者の理解を得て、納得してもらった上で計画を進めるべきと考えます。
 移転統合される小児病院の地域においては、入院及び通院患者への不安を取り除くため、患者の声を聞く機会を設け、地域医療を進めることが必要であると考えますが、今後どのような対応を行うのか、伺います。

○押元病院事業部長 移転統合が予定されております小児病院につきましては、これまでも患者さんご自身、あるいは患者さんのご家族の皆さんを初めといたしまして、地元自治体など、関係機関からもさまざまなご意見をいただいております。
 住民に身近な自治体である区市町村が主体的に取り組むべき地域医療につきましては、私ども都といたしましても、こうした意見をよく伺いながら、さまざまな機会を通じまして、地元自治体の皆さん、あるいは関係機関の皆さんと十分に議論を重ねまして、地域の皆さんが安心できる医療提供体制を構築をしてまいりたいというふうに考えております。

○山口委員 今のお答えですと、新たに十二月二十一日に発表したマスタープランそのものについて、患者の声を聞く機会を設けることはしないということでしょうか、確認させていただきます。

○押元病院事業部長 患者団体の皆様や、あるいは患者さんのご家族の皆様からは、これまでもさまざまな機会を通じて、ご意見を承っております。私どもも、直接お話し合いの時間もとっております。こうしたことを引き続き今後行いまして、適切に対応していきたいと考えております。

○山口委員 私などは、まだまだ市民としての立場にずっと近いところにいましたので、改革のプランに向けてある程度意見を聞いたら、また、プランができ上がった段階では、当然、こういうことを進めるのだと。病院を立ち上げるとき、設立時には、多分住民の方たちに十分な話し合いのもとに説明会を開いたりしていると思うのですけれども、移転をするときにも、やはりきちんと、住民にも説明会等を設けるべきではないかと思っております。
 権利章典ですとか情報公開について伺ったのは、マスタープランにある患者中心の医療、また開かれた医療がきちんと明記されて、それを推し進めていくという姿勢を酌み取っての私の質問でした。
 都立病院が、財政的な面もあっての再編と思いますが、患者の都立病院離れにならないように、ぜひ市民の声を大事にしていただきたいと思います。質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○曽雌委員長 この際、議事の都合により、十分間休憩いたします。
   午後三時七分休憩

   午後三時十九分開議

○曽雌委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○柿沢委員 私は、東京ER・墨東について、まずお伺いをしたいと思います。
 私の地元の下町では、大きな期待を寄せられている東京ER・墨東がオープンしまして、早くも三カ月が経過をいたしました。二十四時間三百六十五日安心の医療を都民に提供するというERの構想そのものは、私も高く評価をしているところでございますが、しかしながら、初めての取り組みでもあり、さまざまな矛盾がここに来て出ていることも事実ではないかと思います。
 予特の質疑の中でも出ましたけれども、やはり一番の問題は、患者の殺到ではないかと思います。知事の肝いりでオープンはさせましたけれども、東京ERが予想を上回る患者が殺到して、現場はオーバーフロー寸前というのが現状ではないかと思います。
 私もそういうことを聞きまして、先日、東京ER・墨東を拝見してまいりました。私が行ったのは土曜日の夜九時過ぎだったのですけれども、確かに多数の患者が来院して、病院の玄関の待合のところに、三十人くらいの患者が家族と一緒にいたでしょうか、子どもが多いのもまた印象的で、病院に聞きましたら、大体患者の三割以上が子どもさんだということでした。
 待ち時間ですけれども、病院に聞きますと、ことしの正月は平均で二、三時間の待ち時間だったそうで、極端なケースというのはどのくらいになりましたかというふうに、あえて極端なケースを聞きましたら、一番長い人で、受け付けが五時間という方がいらっしゃったそうです。五時間待ちの救急というのは、一体救急といえるのかなという、非常に素朴な疑問を感じたわけでございまして、こうしたことも、やってみて初めてわかったという部分も確かにあると思うのですけれども、こうした問題点については十分検証して、今後、広尾、府中とあるわけですから、その反省を生かしていく必要があるのではないかと思います。
 そこで、まず現在のERの状況、課題を中心に質問をしてまいりたいと思います。
 最初に、東京ER・墨東の開設以降、どのくらいの患者が来院をしたのか、また一日平均の患者数と年末のピーク時、あわせて伺います。また、時間帯別に見て、平日と時間外、どのような比率になっているのか、あわせてお伺いしたいと思います。

○大塚病院企画担当部長 東京ER・墨東に来院された患者さんは、開設直後の平成十三年十二月と本年一月、二カ月の合計で約九千五百人でございます。一日平均でカウントしますと、約百五十人、お話の、ピークが年末年始だったのですが、年末の十二月三十一日には、一日三百六十六人の方が来院してございます。
 また、来院された患者さんのうち、時間帯別の人数でございますが、平日の時間内に来院された方は約千五百人で、全体の一六%、時間外に来院された方は約八千人でございまして、全体の八四%となっております。

○柿沢委員 今ご答弁をいただきましたように、東京ER・墨東には多くの患者が殺到しているというわけでございます。十二月は、ER開設の一年前と比べると一・七倍というふうに聞いておりますけれども、いずれにしても、予想を上回る大勢の患者ということがいえると思います。また、中でも時間外の患者が八四%と、圧倒的に多いということです。
 このほかに、東京ER・墨東の運用について、衛生局としてどんなところに課題があるとお考えでしょうか、ご答弁ください。

○大塚病院企画担当部長 ただいまご答弁いたしましたとおり、大変たくさんの患者さんに利用していただいているのですが、予想を超えて患者さんが集中する時間帯に、待ち時間が長くなってしまう場合がございます。これは先生ご指摘のとおりでございます。
 それから、加えまして、救急でいらっしゃる患者さんの中に、地域の医療機関で対応が可能な患者さんが数多く含まれていることが、典型的な課題であろうと思っております。

○柿沢委員 今まさにお答えいただいたとおり、地域の医療機関で対応可能な患者、すなわち軽症といっていいのでしょうかね、軽症の患者が圧倒的に多いということが一つのポイントではなかろうかと思います。
 墨東病院では、殺到する患者に適切に対応するための工夫として、専任のコーディネーター役の医師を配置して救急患者の対応に当たっている、これは先週の予特の質疑でも、局長からご答弁をいただいたとおりでございます。
 そこで、詳しくお尋ねしたいのですけれども、専任のコーディネーター役の医師というのは、いつから配置をされて、今どのような役割を果たしているのか、また、そうしたコーディネーター役の医師を配置したことの効果はあらわれているのかどうか、伺いたいと思います。

○大塚病院企画担当部長 まず、配置した時期でございますが、専任のコーディネーター医師は三月から配置しております。それから役割でございますが、問診などを通じまして、患者さんの症状の緊急度の程度などに応じて、診療を振り分け調整することによりまして、患者さんに対する的確な医療サービスの提供と、東京ER・墨東の円滑な運営を図っております。
 効果でございますが、今月配置したばかりで、まだ間がないので、実績が少ないことを考慮しなければなりませんが、救急患者への対応が早まって、流れがよくなって、待ち時間の短縮などの面で成果があらわれつつあると考えております。

○柿沢委員 今のご答弁にもありましたとおり、コーディネーター役の医師を配置したことが、一定の改善を生んでいるということでございます。
 しかしながら、私は考えるのですけれども、一度墨東病院に患者さんが来られてしまえば、あなた、軽症だから帰ってくださいというわけには、多分いかないのだと思うのです。診ないわけにはいかない。現場のお医者さんも、私がこの間伺った際にお話をしましたところ、来た人を、軽症だから地域の病院に行ってくださいという形で帰すということはあり得ないというふうに、お話をされていました。
 ですから、来院した患者をコーディネーター医というか、そういう方が診るだけではなくて、ERに電話がかかってきたその時点で、その患者が果たして墨東で診るべき患者なのか、あるいはほかの病院を紹介した方がいいのかと素早く判断をする、最近はとりあえず、とりあえずといいますけれども、とりあえずの仕組みが必要なんだと思います。
 それと同時に、この問題を考えるに当たっては、地域の医療機関との的確な医療連携の強化というのが必要になってくるのだと思います。墨東病院では、これまで医療連携の推進をされてきていると思うのですけれども、具体的にどのような取り組みをして、ERの運営の適正化につなげていらっしゃるのでしょうか、お伺いしたいと思います。

○大塚病院企画担当部長 墨東病院では、地区医師会の主催する研修事業への支援を初め、医療連携推進委員会の開催、民間病院との意見交換、そして近隣医療機関の診療機能の情報収集などを通じまして、地域の医療機関とのより円滑な連携関係をつくり上げて、患者の紹介、逆紹介の推進に取り組んでいるところでございます。

○柿沢委員 ぜひこれからも、的確な医療連携の強化を進めていっていただきたいと思います。
 この質問の最後に、私は意見として申し上げておきますけれども、ERを円滑に運営するに当たっては、何よりも病院スタッフの充実というのが必要だと思います。東京ER・墨東の計画では、内科二人、小児科二人、外科二人の合わせて六人の医師と、それぞれに非常勤が定員として配置をされることになっていたはずですけれども、今はその定員が満たされておらず、不足した定員の分をほかの医師がカバーをしているという現状を聞きました。
 昼夜を分かたず、しかも殺人的に忙しいこの勤務に、現場の医師からはパンク寸前だという声も聞こえてまいります。これは医療の質の問題から考えても、こうした、あるべき定員を満たしていないという状況は、非常に問題ではないかと私は思います。
 今後、広尾病院、また府中病院とERを広げていく中で、ERをやりました、でも定員は満たしていませんというわけにはいかないと思いますので、最低限、定員として配置されている医師の人員を満たすことを、とりわけ強く要望をしまして、次の質問に進みたいと思います。
 次は、医療連携のお話もしましたけれども、医療連携の一つのツールとしての、電子カルテのことについてお伺いしたいと思います。
 都立病院改革マスタープランの中でも、他の医療機関との医療機能連携の強化というのが掲げられています。最近は医療連携とか病診連携という言葉が、医療をめぐる一つのキーワードみたいになって、医療をめぐるさまざまな論議に、必ずこの言葉が出てくるといっても過言ではないという状況であります。
 しかしながら、私から見ると、医療連携とか病診連携というのは、いうはやすく行うはかたしの部分があるのかなというふうに印象を持ちます。随分いわれている割には、なかなか有効な手だてがないという感じも禁じ得ないわけでございます。
 そこで、医療連携の一つのツールとして、電子カルテを有効に生かすことができないかという切り口で、都立病院改革マスタープランにもある、電子カルテの導入に焦点を当てて伺いたいと思います。
 まず、非常に初歩的な質問ですけれども、電子カルテシステムとはどのようなものか、また、その効果や課題についてどう考えているか、ご説明をいただきたいと思います。

○大塚病院企画担当部長 電子カルテは、先生お話しのとおり、いわば電子カルテ自体、発展途上のツールでございまして、定義も明確に定まっているわけではございませんが、厚生労働省の保健医療情報システム検討会で取りまとめられた、保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザイン最終提言というのがございます。この提言では、診療録等の診療情報を電子化して保存、更新するシステムと定義しております。
 また、ご質問のその効果でございますが、インフォームド・コンセントへの活用を初めとした患者サービスの向上、あるいは患者データの共有化や、データの集積、分析、検証によりまして、医療の質の向上、あるいは人為的なミスをシステム的にチェックする、あるいは、医療事故防止を図ることによる安全性の向上などが考えられるところでございます。
 ただし、問題点でございますが、現在のところ、導入及び運用のコストが高額でございます。また、導入時における職員の習熟に時間を要することなど、課題もさまざまにあるという状況でございます。

○柿沢委員 先日、私は電子カルテのシステムを実際に運用している用賀アーバンクリニックという民間の診療所をちょっと見にいったんですが、おととし十二月に開業したばかりで、院長を含めて常勤のドクターが二人で非常勤が五人という非常に小さな規模ですけれども、極めて有効に電子カルテを使いこなしておりました。
 例えば、重症になった患者を近くの専門医とか総合病院に紹介するときに、紹介状として、その人のカルテを電子メールの形でお送りをする。また、CTやMRIの画像データを、電子メールの添付ファイルという形になるのですか、そうした形でやはりダイレクトにお送りをする。そんなことを、病診連携の一つのやり方として、電子カルテを活用しておりました。用賀の周辺には大病院が幾つもありますので、こうしたシステムを運用することで、十分な患者データの情報交換を伴った有効な医療連携を行えるというふうに病院側では話しておりました。
 そこで、こうした医療連携と電子カルテという観点でお伺いしたいんですけれども、電子カルテシステムの導入は医療連携に有効だというふうに皆さんとしても考えておられるでしょうか、ご質問します。

○大塚病院企画担当部長 電子カルテシステムは、診療情報のネットワーク化とデータベース化を通じまして、患者情報を医療機関同士で交換、共有することを可能とし、医療連携の向上につながることが期待されることはご指摘のとおりでございます。しかし、現状では、システムのセキュリティーや規格の共通化などの面で技術的な課題が残されているというのが現状でございます。

○柿沢委員 電子カルテシステムが医療連携の推進には有効だけれども、技術的にいろいろ課題がある、これは非常によくわかります。
 さて、先ほど紹介しました用賀アーバンクリニックでは、患者へのカルテの開示にも電子カルテは役立っています。診察後に、その日のカルテをプリントアウトしてそのまま渡すということをしているほか、登録すれば、インターネットのホームページで自分のカルテを確認できるということです。患者の側からも、診察後の病状の変化あるいは医師への質問、例えばこの間もらった薬は効きませんでしたとか、そうしたこともホームページに書き込めるようになっていて、電子カルテを核として、医師と患者の、いわば双方向のコミュニケーションが図られているということでございます。
 また、この病院では、電子カルテの導入と同時に、カルテエンジンというカルテの検索エンジンみたいなものをつくり上げて、カルテの分析にも役立てています。例えば、インフルエンザについてのカルテだけを検索して、それぞれの治療の仕方を見比べることで、例えば抗生物質の投与の量が医師によってかなり違うということがわかったそうです。こういうことを知るためには、今までなら、紙のカルテを全部ひっくり返して、統計をとってということをしなければ多分わからなかったのでしょうから、今いわれている医療の標準化みたいなことにも役に立つんだということになると思います。
 さて、今まで、私が見た用賀アーバンクリニックの例を出してきましたけれども、都としては、電子カルテの導入が患者サービスの向上という面では役に立つというふうにお考えでしょうか、ご見解をお聞かせください。

○大塚病院企画担当部長 電子カルテシステムは、例えば、今柿沢先生おっしゃったように、わかりやすいカルテ開示ということによりまして、診療情報の患者との共有化を容易にして、インフォームド・コンセントの充実を図ることができます。あるいは、患者に対する診療内容や時間の経過情報とあわせた医療データを集積しまして、標準化した上で、均質な医療を提供するクリニカルパスの作成などに活用することもできます。こうしたことによりまして、患者サービスの充実向上を図ることができるといわれております。

○柿沢委員 患者サービスの向上にも電子カルテの活用がつながり得るというお答えだったと思いますが、こうした電子カルテの取り組みが、民間の個別の医療機関、診療所が先行する形で進むことは、それ自体はそんなにいけないというわけではないんですけれども、ただ、こういうものは、医療機関ごとにばらばらのものを使っていては、将来の医療連携に向けて、かえって問題を生じてしまう場合もあるのではないかと思うんです。
 先ほど、規格化、また統一化というお話がありましたけれども、電子カルテの規格やフォーマットを統一していくことが、医療連携にこうした電子カルテを使っていく上では非常に必要なことだと思いますけれども、そうしたことをリードしていくのが都立病院の役割ではないのかというふうに私は思うんです。
 都立病院改革マスタープランの冊子の一ページ目は、石原知事のメッセージが書いてあるわけですけれども、「都立病院から21世紀の医療の創造を」と書かれているわけですから、この電子カルテの導入に向けても、発展途上とはいいますけれども、都立病院が一定の先駆的な役割を負うべきだと私は考えております。
 そこで伺います。今後、都立病院で電子カルテシステムを導入する具体的な計画はあるのかどうか、お伺いをいたします。

○大塚病院企画担当部長 都立病院改革マスタープランでも明らかにしましたように、都立病院としましても、質の高い医療を効果的かつ効率的に提供することを目指しまして、今後、電子カルテを取り入れた新たな病院情報システムを構築していく予定でございます。

○柿沢委員 これまでのやりとりで明らかになったように、電子カルテのシステムは、都立病院における患者中心の医療推進や地域の医療機関との医療連携にも活用できる、極めて有効なツールであるということがいえるというふうに思います。また、病院経営の効率化という面から見ても、薬剤のオーダリングの事務作業などが電子化されることで、例えば、事務部門の人件費の削減といったことにも効果を発揮するということが期待できると思います。
 私は、こうした電子カルテのシステムを都立病院に早期に導入することにより、民間医療機関への普及の呼び水にしていくべきだというふうに考えています。それによって、今後、地域医療を原則として担っていくことになる民間の医療機関と都立病院との医療連携の強化を図っていくべきだと考えます。こうした具体的な医療連携に向けての試みなくして、医療連携をやるんだ、やるんだと叫んでも、それは単なるお題目になってしまうのではないかというふうに、いささか乱暴ながら、私は考えております。
 都立病院改革マスタープランを見ると、電子カルテを含めた新たな病院情報システムの立ち上げというのが、平成十五年度にモデル病院で導入を始めることになっています。しかしながら、電子カルテの導入に向けた具体的な検討をどういうふうに進めていくのかということは、まだまだ議論が不足しているように思うんです。都立病院への電子カルテの導入に向けた具体的な指針のようなものを都としてなるべく早くつくるように要望をいたしまして、次の最後の質問に移ります。
 セラチア菌による院内感染の問題についてです。
 ことし一月、世田谷区の伊藤脳神経外科病院で七人の患者がセラチア菌による院内感染で死亡したというニュースは、マスコミでも繰り返し大きく取り上げられて、私が関係する方々からもいろいろ意見をいただきました。
 一月十五日に院内感染の疑いがあると連絡を受けてから、十六日、二十日と都は二度の立入調査をしたんですけれども、その後になって感染の疑いのある患者が新たに二人見つかるなどしたため、結果として、都は見落としたんじゃないかとか、対応が後手、後手だったんじゃないかというような批判も、多少ながらあったというのは事実だと思います。
 ただ、私は、起きたことについての都の対応のあれこれについて、あれはどうだ、これはどうだというふうに詰問するのを目的としているわけではありません。都としての立入検査には一つの限界というのもあるのを私も理解いたしますし、私としては、今後の立入検査のやり方、あり方について、幾つか質問をしたいと考えております。
 今申し上げましたとおり、私は、衛生局が行ってきたこれまでの立入検査のやり方では、多発する院内感染事故というのを予防することにはどうも限界があるんじゃないかというふうに思っておりました。そのやさきに、先般、衛生局が院内感染予防に関する緊急の立入検査を開始したということをお聞きいたしました。そこで、気になっていることについて何点かお伺いします。
 まず、その緊急の立入検査の、行う目的は何なのか、改めてお伺いをしたいと思います。

○梶山参事 定例の立入検査では、人員、施設設備、各種の記録の管理状況などが、医療法で求められている基準を満たしているか否かを広範囲に確認しているところでございます。しかし、院内感染予防は、職員の日常的な主義や意識によるところが大きく、従来の検査では、こうした点の改善を図ることには限界があるというのが実態でございます。
 今回の院内感染事故の重大性や、不注意によってはどこの病院でも事故が起こり得る危険がある、こういう状況を踏まえまして、特別の検査体制をとることといたしました。こうした取り組みを通じて、院内感染予防対策のより一層の徹底を図り、医療における安全の確保と信頼の回復を図っていきたいと考えております。

○柿沢委員 今回の立入検査の考え方をご説明いただきましたけれども、今回の緊急の立入検査が、そうすると、やり方として、これまでの定例の立入検査というのとどこがどういうふうに具体的に違うのか、これを少しご説明いただきたいと思います。

○梶山参事 従前の立入検査との大きな違いは三つございます。
 まず第一に、検査項目を院内感染予防に絞った内容としておるところでございます。
 第二に、各病院での自己点検用のチェックリストがついた院内感染予防対策マニュアルを今回新たに都が独自に作成して、都内全病院に配布いたしました。今回の立入検査は、このチェックリストに基づいて、院内感染予防対策が実際に行われているのか否かを確認してくることにございます。
 第三は、書類審査にとどまらず、結核や感染症対策の知識を有する保健所職員や、薬剤の適正管理、医療機器の適正な保守点検に精通した薬事監視員の協力を得て、必要に応じて、手洗いや消毒の方法など、実際的な指導助言を行うこととしております。

○柿沢委員 今回、この委員会の資料としても提出をしていただいている都内医療機関での院内感染防止マニュアル策定状況という資料によれば、ほぼすべての病院で院内感染マニュアルが整備されております。
 今回、今度の立入検査に当たって都が新たに作成したマニュアルというのは、そのそれぞれの病院がそろえているマニュアルとはどのように違っているのでしょうか。また、チェックリストが今回の都のマニュアルにはついていますけれども、これは、報道によればですけれども、全国初の試みだというふうに聞いておりますけれども、このチェックリストというのがどのようなものであるか、あわせてお伺いをしたいと思います。

○梶山参事 市販のものも含め、院内感染マニュアルと称するものには種々のものがございますが、その多くは、個々の病原体の解説や予防法、治療方法が述べられているにとどまっております。今回都が作成したマニュアルのように、日常の医療、看護業務の中での具体的な対策や緊急時の対応を重点的にまとめたものはございません。
 特に、全国初のものである院内感染予防チェックリストは、百八十五項目に上り、これを医療機関の職員が自己点検するだけで、自分あるいは病院全体の日常の取り組みの不十分な点が直ちにわかるように工夫されているものでございます。

○柿沢委員 よくわかりました。
 先ほど今度の緊急の立入調査についてお聞きしたところでは、立入検査を担当する職員に感染症科の医師や看護婦が含まれているわけではないようですけれども、私としては、先般の世田谷区の伊藤脳神経外科の立入検査のように、都が専門家を含めた特別監視チームみたいなものをつくって、各病院に入って調査をするということが非常に効果があるし、そうしないと、なかなか実効のある検査というのは難しいのではないかと思うんですけれども、この立入検査で、この体制で院内感染予防対策の徹底が図れるのでしょうか、お聞きいたします。

○梶山参事 今回のチェックリストでございますが、世田谷区内の病院で起きました院内感染事故の教訓を生かしながら、実際に同病院の立入検査を行った都立病院の感染症科の医師や看護師を初め、感染症対策科の医師などと共同で作成したものでございます。したがいまして、病院の日常業務の実態を踏まえた完成度の高いものであると考えてございます。
 したがいまして、一定の知識を有する保健所職員などがチェックリストの内容を確認することによって、感染症の専門家の視点で病院を確認したのと同様の効果を上げることができると考えてございます。

○柿沢委員 それだけの内容を整備してやっていただけるということであります。
 一方で、チェックリストというのを今回つくったわけですけれども、これは病院側に自己点検を促すためのものであって、百八十五項目という大変詳細にわたるリストをつくられたということで、このご労苦には敬意を表したいと思いますけれども、こうしたことは、ある意味では性悪説に立って考えなければいけない部分もありますので、マニュアルをつくりました、どうぞ使ってください、でも使いませんでしたというわけにはいかないんだと思いますし、しかしながら、そういうケースというのは、病院監視に限らず、往々にしてあることだと思うんですね。
 こうしたチェックリストをつくりましたけれども、その活用について、病院側がちゃんとやってくれると、本当に病院側でその活用を徹底していただけるのかどうか、これについてはどうでしょうか。

○梶山参事 今回の事故が余りに重大でありましたので、病院の院内感染予防に対する関心は、現在非常に高まっているところでございます。チェックリストの作成と配布に当たりましても、医療関係団体からも強い要望があり、病院からも大きな関心が寄せられ、現在でも多くの問い合わせがございます。
 また、去る三月十五日には、都内の病院管理者を対象として都庁で開催いたしました講習会において、院内感染事例を踏まえた病院内安全確保対策について取り上げましたところ、会場いっぱいの、約五百人を超える参加を得たところでございます。
 このような状況と、今回の立入検査がチェックリストに基づいて直接現場で確認指導するものであることから、十分徹底を図ることができると考えてございます。

○柿沢委員 こうして、不幸な事故ではありましたけれども、間髪を置かずに対応策を講じたということが、ある意味では病院側の大きな反響につながっているんだなというふうに思います。
 もう一つ気になる点がありますので、ここであえてお伺いをしたいと思いますが、今回の立入検査は、私が聞いた限りでは、実施日をあらかじめ病院側に、何日何時に行きますよというふうに通知をした上で行うと聞いています。
 しかしながら、病院側に日常的な院内感染予防の徹底をしてもらって、実態を的確につかむという上では、これも往々にして、先ほどのマニュアルと同じように、さまざまな検査の際にいわれることですけれども、やはり事前に日程を通知するよりも、抜き打ち的に行く方が実効が上がるんじゃないかというふうに思いますし、その方が実態を知る上で有効なのではないかと思いますけれども、この点はいかがですか。

○梶山参事 院内感染予防対策は、各病院がみずからの意思で日常的、継続的に実施することが重要であり、今回、都が院内感染予防の画期的なツールとして院内感染予防対策チェックリストを作成し、立入検査に先立って病院に配布したのも、こうした考え方によるものでございます。このツールが病院の現場で日常的に活用され、定着しなければ、院内感染防止という目的は達成できないと考えてございます。
 このチェックリストは、血液などが付着した汚染物の取り扱い、輸液ラインの汚染防止策など、病院活動全般にわたる百八十五の広範な項目で構成されているところは先ほどご説明いたしました。また、これを立入検査に先立って、病院の対応状況として集約してもらう必要があること、また、病院としての組織的な対応を求める上からも、院長を初めとした各部門の責任者を立ち会わせる必要があることから、あらかじめ検査の実施を通知しておくことが欠かせません。
 なお、実際の立入検査当日にも、セルフチェックを繰り返し実施するように、重ねて指導することとしております。

○柿沢委員 院内感染の予防には病院側の自主的な取り組みが必要だと、これは非常によくわかるわけですけれども、こうしたことを二度と起こさないという上でも、きっちりとした立入検査をお願いをしたいと思います。
 今回の世田谷区の病院で起きたことは、七人の患者が相次いで亡くなってしまうという大変不幸なことではありましたけれども、こうしたことを教訓にしていかなければいけない。実は東京都内では、墨田区の病院で、三年前ですか、セラチア菌による院内感染の事故が既に起きていたわけですから、それがまた、いい方を悪くすれば、今度も再発してしまったというわけにはいかないんだというふうに思います。
 そういう意味では、今度の世田谷区の病院の事故を踏まえて、非常に迅速にマニュアルをつくり、チェックリストを備え、立入検査で全病院に入っていく、これ自体は私は評価をしたいと思うんですけれども、都民の期待もかかっておりますし、ある意味では不安に感じている部分もありますので、都内の全病院に対して徹底的に検査をしてもらって、繰り返しますが、自主的な努力が大事だというのはわかりますけれども、ぜひ再発防止に実効のある検査をやっていただいて、都民の医療に対する信頼の回復に努めてもらうよう強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○萩生田委員 それでは、病院改革のマスタープラン、特に、八王子の小児病院について絞ってお尋ねをさせていただきたいと思います。
 本来でしたら、建設的なさまざまな質疑をしたいところなんですけれども、八王子にとっても非常に重要な課題でございますし、また、周辺の自治体も期待をしている、あるいは、東京都の今後目指す方向をややもすれば誤ることにもなるかというふうに思いますので、若干細かい議論になるかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 中身に入る前に、今日の認識について、お互いにちょっとおさらいの意味でお尋ねをしてみたいと思うんですけれども、昨年十月、私は、八王子の小児病院の抱えるさまざまな地域事情ですとか問題点につきまして、この委員会の中で発言をさせていただきました。また、十二月の本会議では、都議会の本会議場において、そのことを踏まえて、さまざまなこれからの東京の課題について提言をし、また、知事にお尋ねをしたつもりでございます。
 実は、今回で廃刊になるんだそうですけれども、「都議会リポート」という、これは、私、市議会の時代にも送られてまいりましたけれども、行政関係者ですとか、東京都内の市町村会議員の皆さんには必ず配布をされるものでございまして、これを見た仲間の皆さんが、萩生田さんよかったなと、こういう激励のお言葉をいただきました。
 私は、十二月の本会議の一般質問の中で、さまざまな八王子の地域事情を指摘をしながら、東京都が目指す病院改革の基本的な姿勢は高く評価したい、だけど、今まで実態として担ってきた地域医療の部分も含めて、その善後策についてはやっぱり東京都がある意味では責任を持つべきじゃないかという、さまざまな指摘をしてまいりました。
 都議会議場での局長答弁というのはどういう重みがあるんですかというのを十二月にお伺いしたときに、今村局長は、何となく時の判断で局長の私的見解も申し上げることができるかのようなご答弁をいただいて、私、若干戸惑いがあるんですけれども、あの席ではそういうふうにいわなくてはならなかったのかもしれません。
 そこで、局長の答弁はそうなのかもしれませんけれども、知事の答弁というのは、一体どういう重みがあって、各局はその言葉をどういうふうに受けとめるのかをお尋ねをしたいと思います。
 知事は、私の、この小児病院、特に八王子病院の問題については、あえて知事の方からこのように答弁をしております。指摘をされた病院の件も、検討を重ねて、答申なども踏まえ直して、今後とも云々ということですよね。答申なども踏まえ直してというのは、どのような重みで受けとめていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。

○押元病院事業部長 昨年の暮れに都立病院改革マスタープランを発表させていただきましたが、このマスタープランは、都立病院改革会議の報告を最大限に尊重をしながら、報告後に、都議会を初め地元自治体などからのご意見なども踏まえて策定をしたものでございます。その結果、マスタープランでは、地元自治体や地域の医療機関との役割分担を踏まえながら関係機関と十分協議を重ねるなど、地域医療確保の考え方を盛り込んだところでございます。
 本定例会施政方針におきまして、知事は、ことしの課題は、昨年十二月に策定した都立病院改革マスタープランを実行に移すことであると、こういうふうに述べているところでございます。

○萩生田委員 そうすると、では、知事のひとり言みたいに衛生局は思っているんですかね。踏まえ直してということは、すなわち、いろいろな問題点があったら、今後も考え直してというふうに普通の人は受け取りますよ。
 で、私は、再三申し上げている、病院改革のマスタープランというのは都立病院の改革の第一歩であり、最終決定じゃないということを本会議の中でも指摘をし、確認をさせていただきました。
 ところで、昨年十二月に都立病院の改革マスタープランが策定をされ、世の中に公表されました。今までの質疑でも明らかにしてまいりましたとおり、このプランは、あくまでも改革の指針であり、最終決定ではないというふうに私は認識をしておりますし、局長も、そのことは繰り返し議会の中で答弁をしていただきました。
 しかし、マスコミの取り上げ方や、あるいは、それぞれ関係自治体の受けとめ方は、マスタープランに盛り込まれた都立病院の再編整備が、あたかも既に決定をしているかのように、確定をしているかのように報道されている。この点は、私は大変問題があるんじゃないかというふうに思うんです。
 すなわち、これから、我々厚生委員会を初め議会の意見や何かを付しながら、ローリングをしながら、よりよいものに変えていかなくてはならないのがこの都立病院改革マスタープランであって、これが最終決定じゃないはずなんですよね。これが最終決定であるんだったら、病院改革会議にご出席いただいた二十数名の委員の皆さんの意見がすべてということになってしまって、我々都民の代表である議会の意見は全く聞く用意がないということになってしまうと思うんです。
 そういった意味で、議会の重みといいますか、我々都民の代表である議会の代弁をきちんと聞いて、問題があるなら、それは時々に精査をしていく、あるいは、今までは都庁の中にいてわからなかったさまざまな地域事情をこれから浮き彫りにしながら、問題の解決をしていくためのまさに議論の場だというふうに、こう思っているわけですけれども、特に、八王子小児病院の移転統合については、不足する小児医療について代替策が明示されておりません。
 例えば、先ほど、世田谷の乳児院のお話がありました。世田谷の地域の皆さんからすれば、大変な問題だというふうに思います。ただ、客観的に冷静に考えて、例えば大蔵病院の跡地に、国立のあのような小児の総合的な医療センターを国がつくる。他の委員の方は、なかなか国はその受け入れはしないというようなことをおっしゃっていましたけれども、我々が承知する限りでは、あの国の施設が、いうならば二・五ぐらいに及ぶ地域医療については引き受けますよということも、東京都と話し合いをしているというふうにお聞きをしております。どちらが真実か知りませんけれども、いずれにしても、機能的に代替となる病院が、お近くにもっと大きなものができるわけですから、確かに地域としては、これは世田谷としては問題かもしれないけれども、一歩引いてみたところからすれば、うらやましいような施設が近所にできるということも、代替案の一つだと思うんですね。
 あるいは、清瀬はどうかといいますと、清瀬も、これは大変な問題です。清瀬の皆さんも本当に心を痛めています。ただ、東京都の方としては、東村山にある老人病院の中に、いうならば外来の小児医療については窓口を継続的に確保しようということも、今、地元の皆さんともさまざまな協議をしているやにお聞きをしておりますので、ある意味ではこれは代替案ということになろうかというふうに思います。
 ところが、残念ながら八王子病院につきましては、その地域性の事情も十分に考慮されていない。こういった中で、マスタープランで示された方針を今後修正をすることも必要と考えますけれども、衛生局のご所見をお伺いしたいと思います。

○押元病院事業部長 東京都全体の医療水準の向上のために、この都立病院改革を推進することが重要であると考えておりますと同時に、広域自治体としての都が、地元の自治体ですとか、あるいは地域の医療機関の方々との役割分担を踏まえまして、そういった方々と協議を重ねながら、地域住民が安心して身近な地域で適切な医療が受けられる、小児を含む地域医療の提供体制を確保してまいりたいと。このマスタープランを実行していく上で、そのような地域医療の提供体制を確保していきたいというふうに考えております。

○萩生田委員 ことしの一月に、八王子市が八王子市保健医療基本計画というのを発表しました。この計画の中では、都立八王子小児病院が、今後も八王子の小児医療の拠点として明確に位置づけがされています。
 八王子小児病院の今までの歴史的な経過だとか、あるいはまた市の思いというのは、衛生局の皆さんも十分承知をしていることだというふうに思いますけれども、一月ですから、ある意味では、十二月の都立病院マスタープランが出た以降に市が出した、市の基本的な地域医療の方策、指針だというふうに受けとめますけれども、若干かみ合わない気がするわけです。
 このことは、東京都としては、八王子市の保健医療基本計画は、どのように認識し、どのように評価をしているかお尋ねしたいと思います。

○押元病院事業部長 お話の八王子市保健医療基本計画でございますけれども、八王子市が、現時点におきます市の医療環境を基礎といたしまして、市民のために地域医療を確保するというお立場から、市が独自に検討をされた結果であるというふうに推察をいたしております。
 一方、都は、広域自治体としての役割がございますので、区市町村との役割分担に基づきまして、八王子市を含む都内全域の小児医療の向上のために、小児総合医療センターを整備することがぜひとも必要であると考えているところでございます。

○萩生田委員 今部長から、現状から判断をして、市が独自に検討した結果だと推察しているというようなご答弁があったんですけれども、八王子市がこれだけの基本計画をつくるに当たって、引き続き小児病院を小児医療の中核的な病院と位置づけをして計画策定をしたいとか、しますとか、したいと思っているんですとか、こういう相談も何もなかったんですか。

○押元病院事業部長 この八王子市保健医療基本計画というものを発表をしましたと、この内容について東京都の何らかのご協力といいますか、こういう計画が市区町村で出されたときには、通常そういったお話がございますけれども、現在に至るまでのところ、私どもには、そういったお話は来ておりません。私ども、この八王子市保健医療基本計画を正規に入手しておりませんので、推察をしたということで先ほどご答弁をさせていただきました。

○萩生田委員 この市の、市民の皆さんの健康を管理する基本計画が、東京都ときちんとした話し合いもない中で、一方的に計画だけがつくられてしまったとすれば、これは片手落ちですよね。これは、市長にかわって、私もおわびを申し上げたいと思います。(笑声、発言する者あり)
 ところで、東京都は、病院改革会議の報告を出す前に、八王子病院の予定地が変わるとか、あるいは規模が変わるとか、これらについては市と相談をした経緯がございますか。

○押元病院事業部長 都立病院改革会議というのは、これは知事の諮問機関でございまして、その委員の先生方が出されたご結論ということで、私ども、いただく立場でございます。その中で、今お話のありました八王子小児病院の取り扱いについて、あらかじめ市の方にお話を申し上げるという立場にはございません。
 ただ、都立病院改革会議の報告が提出された後には、直ちに八王子市の方にご説明をしに上がりましたし、また、その後も機会をとらえて、いろいろと意見の交換をさせていただいているところでございます。そういった意見の交換を、マスタープランの策定に反映をさせていただいたというふうに考えております。

○萩生田委員 同じだと思うんですよ。八王子市が、東京都に相談もなく、小児病院を市の中核小児医療施設として、ある意味ではマスタープランをつくる、基本計画をつくる。東京都としては、聞いてはいないと。八王子だって同じじゃないですか。平成九年に、市内で移転をします、拡充をしますといって一度は決まったことが、どんどん、どんどん変わっていく過程の中で、だれも市と相談なんかしていないじゃないですか。自分たちがやられれば、これはおかしなことだなと思うんじゃないですか。だから、私は、あえて八王子市は東京都に相談をしないで、こういう基本計画をつくられたんだというふうに思いますよ。その辺が、お互いの行政の信頼を損なう大変大きな問題なんですよ。
 十月にあれだけ長い話をしましたから、もう一回、九年から全部戻っていいませんけれども、市の方としては、東京都の決定を受けて、それに合わせてさまざまな医療計画の見直しもしてきたということを、私は、この委員会の中でも明らかにしてまいりました。
 すなわち、そういった重要な案件について、これは、市としては都を信頼しているわけですから、大きく変わるんだとすれば、変わっちゃいましたよという前に、やっぱり相談をするべきだったんじゃないですか。その辺は、今後--今後ですよ、新たにこのマスタープランの中でどういう結果が出てくるにしても、市とのきちんとした信頼関係を確立しながら、しっかりとした協議をしていただきたい。そのことは要望しておきたいというふうに思います。
 そこで、昨年七月に都立病院改革会議の報告がなされ、その後、常に私が感じておりますのは、十月のあの事務事業の答弁の中でも、八王子市は五十万以上の人口を有しながら市立病院を持っていないと、これは押元さんも答弁されていますし、梶山参事も同じようなことをいっていますよね。この前後の脈絡からすると、あたかも五十万を有しながら公立病院を持っていないことが地域医療に不熱心かのような、こういう感覚に私は受け取れましたし、隣にいる東村委員も、全く同じ感覚を受けたというふうにおっしゃっていました。
 すなわち、中身はどうあれ、公立病院を持っていれば、それは地域医療に熱心で、持っていなければ熱心じゃないというようなその尺度は、ぜひ衛生局として改めていただきたいと思うわけですけれども、実はこの三月一日に、そのときの質疑の中でも他の委員から指摘のあった、東海大学の附属病院が仮オープンをしました。仮オープンというのは、四月一日から正式に総合病院としてオープンをするわけですけれども、市の要請によって、衛生局の皆さんも視察をしていただいたというふうにお聞きをしております。
 あくまで私立の病院でありますけれども、公立病院以上に高い機能を有し、ある意味では、土地を無償提供し、あるいはまた病院の建設費を補てんをしたり、あるいはまた運営費の補助を出したりということで、我々市民からすれば、これはあくまで準公立的な病院だという位置づけの中で、今までも支援をしてきたつもりでございます。
 この病院の当初構想の中では、小児科、産婦人科はつくらないというのが病院側から市に示された計画でありました。しかし、これは過去にも質疑をしましたけれども、地域医療の確保を図る観点から、東京都も小児病院というもので三次医療に努力をしていただいているから、市としても、やっぱり一次医療、二次医療を確保しなきゃいかぬということで、東海大学ともたび重なる協議をしまして、結果として、八王子市の保健医療基本計画、今申し上げた東京都と相談もなくつくった計画の中では、小児病院が担う三次医療を補完するためということで、四十三床の小児科病棟をきちんとつくりました。四十三ベッドをふやす努力をしてまいりました。その中には膨大な費用が入っているというふうに考えていただいてもよろしいと思います。
 このように、市としては、確かに公立病院は持っていなくても、地域医療の確保に向けて、ある意味では先進的な取り組みをしているというふうに自負をしてきたわけですけれども、それぞれ視察に行った皆さんは、実際に現地を見てどのように感じたのか、感想をお聞かせいただきたいと思います。

○押元病院事業部長 東海大学の八王子病院をつぶさに拝見をいたしました。地域医療の担い手として立派な機能をお持ちになっているなと、これはまだオープン前のを拝見したということでございますけれども、そのように感じました。
 また、先生ご指摘の八王子市のこのような取り組みでございますけれども、地域医療を確保するための一つの方法であると、改めて認識をしたところでございます。
 なお、先ほどの八王子市保健医療基本計画の中で、この東海大学八王子病院が市の基幹病院という形で位置づけられているわけでございますけれども、私ども、都立八王子小児病院は東京都の施設でございますので、そういった点で、市のこれまでのやり方をどうこうということではございませんけれども、先ほどの都立病院改革会議の報告後にご説明に行ったこと、それから、八王子市に対しまして、マスタープランの策定前に何度か、都の施設についてこういうことにしたいんだけれどもということでご説明に行ったこと等を考え合わせまして、今後とも、市との信頼関係をきちんと築いてまいりたいというふうに考えております。

○萩生田委員 随分明確に日時を区切ってご答弁いただいて、ありがとうございます。
 あと、見ていただいた方はいないんですかね。奥田部長、どうですか。

○奥田医療計画部長 私も、あのときに久々に東海大の方を拝見しまして、最先端の病院なのかなというふうに感じました。あとの感想は、病院事業部長と同じでございます。

○萩生田委員 確かに民間病院ですよね。ただ、あの土地約一・五ヘクタールにつきましては、東京都の住宅局から八王子市が時価で買い取りをして、病院予定地である大学に無償でお貸しをしています。
 時価でというのは、あの土地は、住宅局が昭和三十年代に、都営住宅を建てるからといって、当時の地主さんたちからも、本当に今から考えればただ同然で買った土地なんですよ。簿価からすれば、本当に何十分の一ですよね。それを三十年温めて、そして、市が市民のために、あるいは地域の都民のために病院建設をしたいといったら、何と土地転がしのように時価で売却をすると。(「幾らで買ったの」と呼ぶ者あり)二十四億円出して買ったんですよ、当時は地元の皆さんが、東京都が住宅供給に困っているからということで一坪数千円でお譲りした土地をですね。こういう歴史的な経過もございます。
 また、病院建設費を含めた初期運営費で、十年間で六十六億の支出を市としては予定をしております。もちろん、その中には、利子の補てんということで東京都からのご支援もいただいておりますけれども、いずれにしても、地域医療の確保に一定の努力をしているということは、ご視察をいただいて、お認めいただいたんだろうというふうに思います。今後、五十万都市云々というお言葉にはぜひ気をつけていただきたいなと、こう思うわけでございまして……。
 先ほど柿沢委員がご指摘になった電子カルテも、これは都内の大型病院では初めて導入をしておりまして、院内ペーパーレスですよね。すべてオンラインでネットワーク化をされておりますので、急遽診療科目が変わったりしても、一瞬にして、そのカルテや、あるいはレントゲンがすべて移動ができるという利点もございます。
 あるいは、奥田部長にも見ていただきましたけれども、3DCTスキャンを導入しまして、平面だけじゃなくて、立体画像で体の中まですべて見ることができる、こういう装置も導入しました。何か、とんでもないぐらいの金額がするというふうにご説明いただきましたけれども、いずれにしても、公立病院ではなかなか扱えないような高度医療機器を導入したりすることも、こういった民間の、あるいは大学の病院機能に委託をすることで地域のために確保ができるわけですから、私は、日野市さんや町田市さんみたいにご努力をされている自治体には敬意を表したいと思いますけれども、中身からいえば劣らない病院であると思っておりますし、また、そういうことを先進的にやってきた市の取り組みについては、東京都としても、ぜひ率直に評価をしていただきながら、新しい公立医療拠点の整備の方法として、東京都としても逆に指導をしていただいた方がよろしいんじゃないかなと、こういうふうに思いますので、お願いしたいと思います。
 そこで、今、ご質問、ご答弁にもありましたように、小児医療の確保につきましては、八王子市としても常に努力をしており、決して東京都におんぶにだっこで依存をしているという状態じゃないというふうに思うんです。八王子市の努力を都としてはどう認識をしているのか、お尋ねしたいと思います。

○奥田医療計画部長 ただいま萩生田委員からのお話にもございましたとおり、東海大の八王子病院の整備に関しましては、八王子市が利子補給をいたしまして、その二分の一について都としても補助をして、地域医療支援の観点から支援を行っているということでございますが、東海大八王子病院に小児科の病床を確保するという今回の市の対応につきましては、医療における都と区市町村との役割分担を踏まえた、八王子市の地域医療確保に向けての取り組みの一つであるというふうに理解してございます。

○萩生田委員 若干蒸し返しますけれども、きのう、圏央道の日の出-青梅間開通のプレイベントというのがありまして、正式な開通は三月二十五日の十五時なんですけれども、その前に式典をやろうということで、関係都議、みんな集まりました。また、関連市町村の首長さんもみんなお見えになりました。
 前にお話ししたように、既存の小児病院が西に移って、浅川分場跡地に移転をするというふうに決まったときに、我々当時の市議会は、ちょっと西過ぎるんじゃないかと。八王子の中でも一番端の高尾のふもとですから、これはちょっと場所的にどうなんだといったときに、当時の東京都のご説明というのは、これは都立病院ですから、八王子市民の小児病院じゃないんで、広域的に都民の皆さんの小児診療をしなきゃならない。そのために、間もなく圏央道ができ上がりますと、西多摩地域から救急車でも十分で移動ができる。日の出やあきる野から簡単に病院に搬送ができるということも踏まえてあの場所にしたと、こういうようなご説明を当時受けたわけですよ。それは、今から思えばなるほどなと、こう思うわけでございますけれども、残念ながらその案はとうになくなってしまって、今は府中へ移転ということになりつつございます。
 そこで、要望書が立川や昭島や町田や日野から出ていないのは云々という、これも十月のときの質疑なんですけれども、若干蒸し返しますが、確認をしたわけじゃないけれどもというふうに押元部長、答弁されていますよね。僕は確認しました。なぜ要望書が出ていないか確認しましたら、要望書を出すときのタイミングを知らなかったというのが、青木市長さんや北川市長さんや馬場市長さんのご意見でございまして、これが真実でございますから、ぜひ受けとめていただきたいと思います。
 それで、市長会の十四年度の要望の中に、この小児病院の機能については何とか東京都として確保してほしいということは出しています、これは要望書が出ていないんじゃなくて、市長会の会長は立川市長で、青木市長の名前で出ているわけですから。皆さん、思いは我々と同じだということを、きのう、実は皆さんで控室で待っている間にそういう話もしましたら、これは大事な問題だから、ぜひ萩生田さん頑張ってくれと、単純に病院を移せばそれで済むという三多摩の問題じゃないよということを各市長さんもおっしゃっていましたので、そのことをお伝えしておきたいと思います。
 そこで、仮になんですけれども、仮に、都がどうしても八王子小児病院を府中へ移転をする、統合をするということであれば、マスタープランの中でも示されているとおり、移転した後の、同病院が実態として担ってきた地域医療の機能の維持、これが絶対不可欠であるというふうに私は思います。
 それを、五十万以上の都市なんだからという、まくら言葉で八王子だけに押しつけるのでは、広域な地域から全面撤退する東京都としての責任を果たすことにならないんじゃないかと思うわけでございまして、再三申し上げているように、要望書につきましては、西多摩各市からも、青梅を除いて出ているわけですし--でも、これを見ますと、青梅の市長さんも来ていますよね、ちゃんと要望書を持って。
 ですから、いうならば、再三申し上げるように、皆さんは都庁の中にいて、この辺につくればみんな仲よく上手に使えるんじゃないかという地域性と、生活をしている地域性が違うということをぜひわかってもらいたいんですよ。すなわち、府中を周辺とする多摩地区と、我々の八王子あるいは西多摩の生活圏が余りにも違うということが、今都民の皆さんが戸惑いを覚えている内容でありますから、ぜひこの辺は引き続き実態調査をきちんとしていただきたいというふうに思います。
 そこで、不足する地域医療の確保については、都は、具体的にどのような方策を考えているのか、お尋ねしたいと思います。

○奥田医療計画部長 これまで八王子小児病院が実態として担ってまいりました小児救急を含めまして、地域医療の確保につきましてですが、お話のございました東海大八王子病院も含め、八王子小児病院周辺の大学病院あるいは公立病院等に対しまして、引き続き、都として協力の依頼を行ってまいりたいというふうに考えております。
 特に、小児救急医療につきましては、今年度開始いたしました小児初期救急医療体制整備支援事業、あるいは、来年度に追加する予定の運営費補助なんかを活用いたしまして、今後の市の主体的な取り組みに対して、都としても多様な支援を検討したいと考えているところでございます。

○萩生田委員 今ご答弁がありましたとおり、確かに東海大学に、先ほど質疑の中でも明らかにしましたように、四十三ベッド確保してまいりました。ただ、これは、たまたまオープンが三月ですから、あたかもマスタープランの後に確保したかのような判断をするかもしれないんですが、そうじゃなくて、都立小児病院はあるけれども、これじゃ十分じゃない、市としても十分じゃないし、地域としても十分じゃないから確保しなきゃいかぬということで、いうならば市がかち取ってきた四十三ベッドですからね。ややもすれば、今の九十ベッドのうち、もう四十三は確保できたんだ、あとは残りをどうしようかと、こういう支援策といいますか、確保策だとすれば、これは余りにも後ろ向きな話になるというふうに思いますので、この辺は、今日から、どのように確保するかについてはぜひ慎重な対応をしていただきたいと思います。
 今後の具体的な支援策と、こうおっしゃるわけですけれども、やっぱり東京都が方向を変えてきたわけですから、都から市に対して、あるいは地域に対して、踏み込んだ提案を行うべきじゃないかと私は思うんですけれども、いかがですか。

○押元病院事業部長 地域医療の確保につきましては、住民に最も身近な自治体としての市区町村の主体的な取り組みが基本であるというふうに考えております。
 八王子市におかれましても、他の自治体と同様、まず市が主体となって、どういった確保策を行うべきかというものを考えていただきまして、東京都としては、そうした八王子市の取り組みをご支援申し上げてまいりたいと考えております。

○萩生田委員 今までの質疑でも明らかにしてまいりましたとおり、結局は、先に再編整備ありきと、こういう感が否めないわけですけれども、八王子小児病院の移転を前提として、仮に前提として準備を進めるとすれば、東京都は、八王子市という地域に対して施しといいますか、善後策をきちんとフォローアップしてあげなければいけないんじゃないかと思うんです。
 このことは、私が委員会や本会議の質疑でも明らかにしてきたとおり、今回の病院改革マスタープランは、私は高く評価をするというふうに再三申し上げています、都全体としては、この機会にやるべきことだろうと思います。ですから、その基本的な姿勢は崩しちゃいかぬと思うんですけれども、やっぱり地域、地域のさまざまな実情というのは、少し丁寧に応援をしてあげなきゃいけないんじゃないかなと思うんです。
 先週は、福祉局の予算審議で私は質疑をしましたけれども、例えば特養なんというのは、うちの市が二十一抱えていて、特に、東京都の福祉施策のあの本の中で八王子にない施設はないぐらいに、さまざまなバックアップ体制をしいてまいりました。
 先ほど我が党の古賀議員からもご質疑がありましたように、精神病院につきましては十一の病院があります。東京都内で七十しかないわけですから、本当に七分の一以上の病院は市が抱えて、その結果どうなるかといいますと、先ほどの質疑でもありましたとおり、元気になって退院をして、地域へ戻れればいいんだけれども、戻れなくて、結果的に、病院に通うために中間的に居住を構える、そういう人たちが市内にたくさん生活をしているというのも、これも本市の抱える特殊な実態だと思いますし、また、そのことをどこかの市が受け入れていかなきゃならないわけですから、受け入れをしてきた。
 そういう福祉と、あるいは医療という面の中で、もう少しバランスよく、市のこれからの方向というのを支援していただくべきじゃないかなというふうに私は思っているわけでございまして、何とかこの辺を、もし八王子小児病院の移転を前提とするならば、その小児医療の受け皿の整備というのは、これはやっぱり東京都が少し踏み込んでお考えを示していただくべきじゃないかなと思うんです。
 そのような八王子市に対して、地元自治体と協議をするというふうにマスタープランの中では示されていますけれども、協議が始まっているのかどうなのか、始まっていないとするならば、早急に協議に入るべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○押元病院事業部長 都立病院改革マスタープランで計画をしております小児総合医療センターの着実な具体化を図るためには、八王子小児病院が実態として担ってまいりました地域医療の確保について、先生ご指摘のとおり、地元八王子市との十分な協議をしていく必要があるというふうに考えております。
 まだ協議には入っておりませんが、それは、先ほど申し上げましたように、地域医療の確保は、まず、八王子市の主体的な取り組みについて東京都が支援をしていくという考え方でございますので、私どもの方としても、八王子市の取り組みを何らかの形で私どもにお示しをしていただく必要があるのかなと。それを見てから、私どもの協議が始まるのかなというような考え方を今いたしているところでございます。

○萩生田委員 今のご答弁であれば、仮に八王子市が今後、みずから地域医療の確保について、例えば検討会を行うとか、あるいは小児病院の機能存続をどのように確保していくかということを正式にテーブルに着いてお話をするんだとすれば、東京都はそれに参加する用意があるのかどうかお尋ねしたいと思います。
 私は、今一番大切なのは、本来同じ方向を向かなくちゃならない東京都と八王子、東京都と清瀬、あるいは東京都と世田谷といった、それぞれの基礎的自治体と東京都との信頼関係が崩れてしまうということが、都民にとってどんなに不幸なことか。それぞれの自治体が、地方の時代といわれながら、限られた財政の中で頑張っている、しかし、これは東京都と肩を並べて同じような政策を推し進めることはできないわけですから、そういった意味では、いうなら親子の関係にあるのか、あるいは長男と末っ子の関係にあるのかわかりませんけれども、東京都が財政的なことも含めて、ある程度方針を見出すための努力、あるいは、その後押しをしてあげる必要があるんじゃないかなと思うんです。
 そういう中で、八王子市さんは五十万の人口を擁するお兄ちゃんなんだから、このくらいは頑張りなさいよとかというのならわかるけれども、最初から、何だか東京都のやっていることはすべて正しくて、そして、もともとの地域医療は各自治体が確保するのは当たり前のことなんだと、こういう風潮でこのマスタープランが進むとすると、これは医療の確保以前の問題として、地方自治を根幹から揺るがすことになると思いますよ、大げさじゃなくて。
 だから、さっきちょっと意地悪にお聞きしましたけれども、市がつくったプランもけしからぬ、あれだけのきちんとした市民に示すプランをつくるのなら、東京都の衛生局と助役あたりがきちんとひざを交えて、協議をするべきですよ。同じように、東京都も、あれだけの大きな方向転換するんだったら、影響があるであろう八王子や西多摩の近隣各市と、この都庁へおいでいただいても、納得がいくまで、あるいは理解をしていただくまで話し合いをする機会を持つべきだったんじゃないかなというふうに思うわけでございまして、いつの時代も、改革をするには、その抵抗となる勢力もあるかもしれない。しかし、何が正しいかは、これはきちんとひざを交えて議論をしていけば、必ず共通の認識が出てくるんじゃないかと思いますので、その点は強く要望しておきたいと思います。
 局長に、仮に、仮にですよ、八王子市として、これらの方向について協議の場をつくるとして、そこに東京都もぜひ同席をしてくれと、こういう要請があったら、いかがなさいますか。

○今村衛生局長 八王子市も、都も、地域の小児医療を確保するという立場においては同じだと、こう思っております。仮に八王子市からそのような趣旨の働きかけがありますれば、病院の建設の方針変更以降における相互信頼を回復させるためにも、都としても望むところでありまして、前向きに受けとめていきたいと考えております。

○萩生田委員 時間もあれですから、もう最後にします。
 先ほど来ご指摘申し上げた点を、ぜひお互いに改めていただいて--何となく、これは八王子だけの問題で東京都はとらえていますけれども、そうじゃないんですよ。やっぱり、再三申し上げる三多摩の生活圏、地域性の問題が根底にはあるというふうに思いますので、この辺、衛生局としてはぜひ実態調査をしていただきたいなと思うんです。
 地域の小児医療に穴があく八王子小児病院の移転を認めることは、私は現時点では到底できないわけですけれども、さりとて、移転反対をただただ繰り返していたのでは、何ら進展もない。このまま廃止条例の五年後を迎えるのは、お互いにいい結果を生まないというふうに思いますので、結局そのことによって迷惑をかけるのは、市民であり、都民であると思います。
 今、局長の答弁があったとおり、小児医療という行政的医療をともに担うべき都と八王子市が、一刻も同じ思いでテーブルにきちんと着いて、地域医療をどうするべきかについてはきちんとした検討をしていくべきだと考えます。そうした八王子市との検討の場において、都としての地域医療に対する支援策について十分議論をしていただきたいと思います。
 マスタープランはあくまでスタートであり、都と八王子市の検討状況や、あるいは検討結果を十分見きわめた上で、今後の再編整備についての是非は私も判断をしていきたいと、ただそう思っております。
 ただ、このまま、一方では存続、存続、一方では廃止、移転統合、どっちが正しいか是非を問うと、こういう議論じゃないと思いますから、府中にセンター的機能をつくることは、再三申し上げているように、私も賛成です。その結果として、穴があく地域医療をどうやって確保していくか、東京都として、どこまで地域医療に責任を感じていくのか、あるいは、今までの歴史的繰り返しの中で、残念ながら方向が変わってきたことに対して、曲がりなりにも、その地元自治体には困惑を与えてきたわけですから、このアフターフォローをどうやってやるのか、この辺は、ぜひ慎重な、かつまた前向きな取り組みを期待して、質問を終わりたいと思います。

○樋口委員 本会議でも一般質問をさせていただきましたが、セルフメディケーションについて、もう少しお伺いさせていただきたいと思います。
 セルフメディケーションというのは、狭義では一般用医薬品でみずから治療するということですけれども、広義では自分の健康を管理するということです。いいかえれば、一般大衆薬、OTCや健康食品、食事のとり方、睡眠、そして運動、そういったもののとり方、有害化学物質を初め一般的なアレルギー源、そういったものに対する知識、マッサージ、アロマ、ホメオパシー、そして指圧など、いかに私たちがそういったものとかかわり合いを持ちながら健康を保つかということ、それが大切なんだと思います。
 医療制度改革でさまざまな討議がされておりますけれども、根本は健康であることが本当に大切だと、今、身にしみて感じております。(笑声)
 セルフメディケーションが、みずからの健康をみずからが増進するという意味で、少子高齢化社会、そして医療費軽減のために大きなシステムになる、二十一世紀の大きな柱になるということは、この間、議場で共通認識をさせていただきました。
 先日の答弁によりますと、セルフメディケーションを社会全体で支援することが必要であると認識しているということですが、どのように社会全体で支援していくことができるのでしょうか、方向性についてお伺いをさせていただきたいと思います。

○菊地健康づくり施策調整担当部長 健康の維持増進のためには、都民一人一人が健康の大切さを理解し、みずから健康づくりに取り組むことが基本となります。そのため、自治体、保健医療の専門家や、さまざまな団体等の健康づくりにかかわる関係者が、それぞれの専門性を生かして都民の健康づくりを支援することや、その自主的な取り組みを推進するための仕組みをつくることが重要であると考えています。
 都といたしましては、区市町村等と連携し、健康にかかわる正しい知識の提供や人材育成等を通じて、都民の健康づくりを支援してまいります。

○樋口委員 今のご答弁、これが一日も早く実現できたらどんなにいいだろうなと心から思います。都も本気になってくださったんじゃないかと思って、頼もしく思っております。
 セルフメディケーションというのは、そもそも適切なアドバイスをできる人、サポーターがなくてはならないんです。私たちが日ごろ健康に関して気を使っていることベストスリーといいますと、食事、睡眠、運動だそうです。そういったことですら、相談できる人が実際いません。人材育成とおっしゃいましたけれども、既存の枠を超えて、そして、新しい発想転換で人材育成をしていくべきだと私は考えております。ぜひ推進していただきたいと思っております。
 東京都健康推進プラン21では、生活習慣と寝たきり予防を挙げていますが、高齢になってからそういったことをやり始めても遅いんです。今のうちに、私たちの時代から、それ以前に始めていかなければならないということはいうまでもありません。
 東京都健康推進プラン21では、どの程度の数値目標を設定されていらっしゃるのでしょうか。また、病気の発症や進行予防により、一般診療医療費がどの程度下がっていくという見通しがあるのでしょうか。そして、かかりつけ医が行おうとする生活習慣改善指導推進事業については、お医者様でないとできないのでしょうか。生活習慣改善指導推進事業のほか、健康づくりにはどのようなものがあるのでしょうか、お答えください。

○菊地健康づくり施策調整担当部長 東京都健康推進プラン21では、都民の生活の質の向上を目指して、百六十一の個別目標を掲げており、目標年次である二〇一〇年に向けての方向性を示しています。その中で、達成すべき数値目標につきましては、設定が困難なものも多くございますが、科学的根拠に基づいての設定が可能な指標について、数値目標を設定したところでございます。
 次に、健康づくりに関する事業でございますが、生活習慣改善指導推進事業につきましては、基本健康診査の事後指導として実施するものでございまして、都民に身近なかかりつけ医が指導を行うこととしています。また、そのほかにも、健康教育、保健指導等の事業を実施していますが、対象者や指導内容によって、医師以外の専門家の参加も得ているところでございます。
 次に、医療費については、健康づくりの取り組みによりまして、疾病の発症や進行の予防が推進され、一般診療医療費の約三割を占める生活習慣病にかかわる医療費の軽減が期待できるものと考えています。

○樋口委員 今、一般診療医療費の三割とおっしゃいましたけれども、その三割の額というのは八兆円に上るといわれております。もし、生活習慣病をなくすことができるような、予防することができるようになりましたら、この八兆円というものを大きくダウンすることができるのです。
 先日、私の手元に、あるアンケート調査が手に入りました。これは、ことしの一月二十三日から一月三十一日までの九日間、北海道から九州、沖縄までの十五歳以上の生活者を対象にしたアンケート調査、これは聞き取り調査なんですけれども、セルフメディケーションに対する健康に関する情報源、そして、健康についての相談相手なんかのアンケート調査だったんですが、あと、生活者が望む医療保険制度、そういったものも調査しました。
 有効回答数も四万七百七十八と大変大きく、私自身、一生活者として興味深く見ておりました。統計学上、四万人の統計というのは、全体を照らす九〇%以上に当たるといわれております。いかに確かなものであるかというものを改めてつけ加えさせていただきます。
 ここに、皆様方にお渡しさせていただいたかと思いますが、こういったパネルがございます。一番目、二番目、三番目、四番目、要するに、これは医療費の問題で、社会保険--このアンケートというのは、近い将来、少子高齢化が進み、現在の医療保険制度は間違いなく破綻するといわれています、これからの医療費の自己負担、国民健康保険の割合について、どの形がいいだろうか、そういったことをアンケート調査したものであります。
 最初の一番は、全部、一〇〇%社会保険、つまりイギリス型の社会保険制度です。そして、二番目がフランス型といわれているもので、軽度の病気は自己負担率を高くして、重くなるほど保険のカバー力を上げるという軽度・重度負担傾斜型で、これは、この四万人の中の約半数、四九・三%に当たる方々がこれがいいといわれていらっしゃるんです。
 そして、あと二つをご説明させていただきますと、これは、自己負担率と社会保険負担率、それが変わっていくという形で、今の日本の保険の制度のあり方です。そして四番目は、一〇〇%自己負担、つまり、これはアメリカ型の保険制度です。アメリカ型の保険制度というのは、確かに二種類ほど、政府で見ているわずかな方々の保険制度がありますけれども、実際問題、医療難民が非常にふえているというアメリカのやり方です。
 こういった四種類の中に、この二番目の軽度・重度負担傾斜型、これが一番望ましいとおっしゃられた方がたくさんいらっしゃる、半数以上いらっしゃるということを、ぜひ皆様方と共通認識させていただきたいと思います。要するに、国の政策と国民の意識とのずれが大きいということが明らかになったんです。国民は、セルフメディケーションを根底とする医療体制が必要だと考えていらっしゃるんです。
 他の調査結果について一例を挙げさせていただきますと、健康、医療、病気、そういったものに対してどんなところから情報を得ているかということですと、全体の三六%がテレビの健康番組から得ているということです。これは断トツでして、二番目は、新聞、雑誌、そしてテレビの広告。そして三番目が、雑誌の記事とか本、そういったものは一八・一%にしかすぎません。改めて、情報源となっているテレビ、マスコミの、メディアに対する意識というものの大きさ、日常レベルではさまざまな情報がはんらんしているということを目の当たりにいたしました。
 しかし、情報が多ければいいという問題じゃなくて、その情報の中から、自分に合ったものを選択し、それを自分のものとする、そして初めて情報というものは生きていくんだと思います。いたずらにたくさん情報があるということは、大変恐ろしいことだと思います。いっとき、紅茶キノコ、その後は、例えばきな粉だとかココアだとか、また、ヨーグルトが品薄になっただとか、いろいろな形で私たちはテレビの情報に振り回されております。そういった意味でも、都民のサポーター、それが必要なんだと心から思っております。
 このことについて、私は、さきの本会議で、現状の薬局が都民のセルフメディケーションをサポートできる、真のかかりつけ薬局となることが果たしてできるのかどうか、懐疑的な立場でご質問させていただきました。といいますのは、薬剤師というのは、創薬学を中心に学んでいらっしゃる、要するに工業薬学を中心に学んでいらっしゃるから、実際、私たちの健康を果たして見れるかどうか、そのことが心配なんです。それに対して、かかりつけ薬局としての能力向上を図っていくというご答弁がありました。
 そこで伺いますが、セルフメディケーションのサポート能力を向上させるために、都では今後、薬局に対してどのような指導を行っていらっしゃるのでしょうか。

○大屋薬務部長 薬局の指導につきましては、国が定めた薬局業務運営ガイドラインに基づいて行ってきましたが、平成八年度からは、都独自の評価制度を導入いたしまして、医薬分業の担い手としての薬局の能力の向上を図ってまいりました。
 今後、薬局が、都民の健康を守り、はぐくんでいく地域拠点の一つとしてその役割を十分に果たしていけますよう、情報発進機能や相談に応じる能力などのさらなる充実に向けて、新たな指導指針を策定し、指導を強化してまいります。

○樋口委員 また、セルフメディケーションのサポーターとして、薬局については、今後とも臨床薬学の研修や医療機関とさらなる連携強化策について検討するとの答弁もいただきました。これらの点も、具体的な方策についてお伺いをさせていただきます。

○大屋薬務部長 研修につきましては、現行のかかりつけ薬局育成研修会のカリキュラムにあります臨床薬学研修の充実を図りまして、病気や治療に関する知識、技術の向上に資することのできる内容にしてまいりたいというふうに思っております。
 また、医薬分業の適正かつ円滑な運営を図るため、医師会、歯科医師会、薬剤師会等の関係者による協議の場として設定しております医薬分業に関する協議会を活用するなどいたしまして、医療機関と薬局が共有すべき患者情報の内容や提供方法など、連携の方策についても具体的に検討してまいります。

○樋口委員 お答えありがとうございました。
 その中にありました医師会、歯科医師会、そして薬剤師会、三師会の中だけで協議されるのは、本当のことをいうと少々おかしいような気がします。といいますのは、主役、つまり私たち生活者の立場というものが明らかにされておりません。ごく一般の生活者の立場が反映できるような形であってほしい。ぜひ検討していただきたいと思います。
 セルフメディケーションが二十一世紀の医療体制の根本です。医療財政は危機的状態になっており、その中で、東京都は病院改革を余儀なくされているのかもわかりません。
 社会保障システムの中で、所得再配分の一番低いような親に育てられている子どもたち、その医療の問題だとか、また、都立病院の社会的な意味合いがあるのではないだろうかというような論議を今させていただきたいとは思いますものの、根本的な医療改革に着手するならば、財源や医療費や制度から入るのでは、全くおかしい、目的がないと私は思っております。まず最初に、二十一世紀の生活者の健康づくりがどうあるべきかということを徹底的に論じていかなくてはならないと思います。これまでの医療関係者の既得権や、また利益を保障しながら、あるいは若干増減させながら、そして、生活者の負担を増加させながらといったような小手先の変更では、どうにもならないところまで来ているんだと私は思っております。
 一刻も早い二十一世紀の健康づくりのビジョンが求められております。セルフメディケーションの実現こそが、高齢者問題、環境問題、そして、あらゆる問題の根本だと思っています。衛生局を健康局に変えたということは、これは二十一世紀の健康づくりのあらわれだと思います。
 セルフメディケーションが二十一世紀の医療制度の柱となるのは、この間、今村衛生局長と共通認識をさせていただいたかと思いますけれども、東京から全国へ発進していくような力強いビジョンづくりを東京都はやっていくべきなのではないでしょうか。
 今村衛生局長の決意をお伺いをさせていただきたいと思いましたが、先ほどのアンケート調査、それを見ていただけましたら、確固たるいろいろなビジョンができてくると思いますので、これを私は進呈をさせていただきます。ぜひこれを見て、そして、新しい健康づくりをしていただきたいと思っております。
   〔樋口委員、今村衛生局長に資料を渡す〕
 ありがとうございました。私の質問を終わらせていただきます。

○曽雌委員長 この際、議事の都合により、十分間休憩いたします。
   午後四時五十二分休憩

   午後五時三分開議

○曽雌委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小松委員 それでは、まず、病院改革マスタープランについて伺いたいと思います。
 先ほど、八王子小児のことが中心で大分質問されましたが、私は、別に張り合うわけではありませんが、やはり清瀬小児病院を中心に何点か伺いたいと思います。
 清瀬小児病院は、北多摩北部二次医療圏に所属しているわけですが、まず初めに、この地域保健医療計画の基礎になる二次医療圏とはどういうものかについて伺います。

○齋藤企画担当部長 保健医療圏についてのお尋ねでございますが、保健医療圏は、都民の保健医療需要に的確に対応するため、保健医療資源の適正な配置を図るとともに、保健医療機関相互の機能の分担と連携を推進し、保健医療提供体制の体系化を進めていくことにございます。
 このうち、二次保健医療圏は、通常の二次医療を圏域内で基本的に確保するとともに、医療機関の機能連携に基づく医療サービス等を提供する上での圏域でございまして、その整備を図るための地域的単位でございます。

○小松委員 そうですね。
 今、小児医療の中で一番問題になっております休日・夜間診療について、都は、今年度から全都五十一病院参画のもとに、二次医療圏を単位に休日・全夜間診療を開始したわけですが、例えば、この清瀬小児が所属します北多摩北部の圏域の確保ベッド、小児病院は、何病院、何床でしょうか。と同時に、この圏域での小児科の固定ベッド数もお聞かせ願いたいと思います。

○梶山参事 北多摩北部保健医療圏内の小児科病床数の総数は、病棟運営の実態が流動的であるため正確には把握できませんが、平成十三年五月に国立公衆衛生院の依頼により実施いたしました小児救急医療体制の現状把握に関する調査によりますと、佐々総合病院の小児科ベッド数は二十四床、公立昭和病院の小児科ベッド数は四十二床、都立清瀬小児病院の小児科ベッド数は二百五十五床、合計三百二十一床でございます。

○小松委員 公立昭和病院と佐々総合病院、そして清瀬小児の三病院で、ベッド数が、昭和が四十二で、佐々が二十四、そして清瀬小児が二百五十五床ということですね。すなわち、この圏域では、三病院のうち、清瀬小児が全体の八割を占めていることになるわけです。
 清瀬が廃止されますと、これは、四十二と二十四、六十六ベッド。確かに休日、夜間以外は小児科標榜病院でのベッド数もありますけれども、この固定ベッド数の清瀬の二百五十五床、いかに清瀬小児の存在が大きいか、この圏域では清瀬小児に頼っているかということが歴然としているのではないでしょうか。清瀬小児を廃止して、この二百五十五床の穴は、この医療圏ではどうやって埋めていくのでしょうか。

○大塚病院企画担当部長 清瀬小児病院の移転統合に当たりまして、考えていかなければならない点が二点ございます。
 一つは、清瀬小児病院がこれまで実施してきた高度かつ専門的な医療、すなわち広域的医療の部分でございます。この部分につきましては、小児総合医療センターが引き継いでいきます。
 もう一点、清瀬小児病院が実態として担ってきた初期救急などの地域医療につきましては、多摩老人医療センターに小児科を新設し、地域病院としての機能を持たせることなどにより対応していくこととなります。
 今後、この地域病院を初めとする地域の医療機関と小児総合医療センターとの間でネットワーク機能を充実することによりまして、住民の皆さんが安心できる小児医療体制を確保していくことができると考えております。

○小松委員 確保していくことができるとおっしゃいましたけれども、この清瀬小児の二百五十五床というベッド数は、多摩でというより、全都でもずば抜けた一番になっておりますね。二番目が八王子小児の九十ですから、群を抜いているわけです。
 これは、数だけでなく、今もお話がありましたように、医療水準も、全都の小児医療では最高です。腎移植や性分化障害など、全国でもトップ水準にあるということも、この委員会でももう既に明らかにされているわけですが、先ほど申した休日・全夜間診療でも、夜間、当直の医師がそれぞれ専門部門で四人、常勤小児科医が必ず対応をとるというのも、他の小児科ではまねのできないことではないでしょうか。
 今、多摩老人医療センターに新設する小児で埋めていくというお答えでしたが、それでは、新設されるこの多摩老人医療センターの小児の規模や計画、内容を教えていただきたいと思います。そして、広域的には小児総合医療センターということですから、それらのこれからの計画を教えていただきたいと思います。さらに、休日・全夜間診療実施についても伺っておきたいと思います。

○大塚病院企画担当部長 多摩の老人医療センターにつきましては、地域病院化して運営を公社に移管することとしておりまして、新たに設置する小児科の病床規模、当直体制など、お話の詳細な医療提供体制につきましては、今後、地域の医療ニーズを踏まえながら検討を行っていくこととなります。小児総合医療センターについても同様でございます。

○小松委員 これからの検討ということで、そうだろうと思うんですけれども、しかし、どんなに検討されても、多摩老にできる小児が二百五十五床の何分の一になるのでしょうか。結局、この地域の小児ベッド三百二十一の大半は、廃止されてしまえば、大きな穴があきっ放しになるのではありませんか。
 これについては、先日、小児科の専門のお医者様、大久保節士郎先生がこうおっしゃっております。二次救急での都立病院の役割は非常に大きい。八王子と清瀬で二万人前後の患者を救急で診ている。これがなくなったら、この人たちはどこに行けばいいのでしょう。府中病院も入れたら、三万人を超す二次救急のお子さんを診ているわけですね。どこにどうしたらいいのか、恐ろしいことですと。専門家の小児科の先生がおっしゃっているんですよ。
 この先生は、これは長い講演のほんの一節なんですが、この講演の中で、自分が小児科の休日、全夜間をどんなに苦労してやられたかというお話をされて、民間の小さなところでは当然できないし、都立でも、前に墨東にいて大変な苦労をされて、結果的には、三年でもうみんな医師がばたばたと倒れてしまったと。そういう経験をされる中で、この清瀬や八王子、なくなってしまったら一体どうなっちゃうんだろうということを心配されているわけです。清瀬に限らせていただきますけれども……。
 ですから、地元の自治体や親たちが必死で存続を求めているわけですね。特に救急医療では、清瀬小児だけで年間一万二千件。ということは、一カ月千件ですから、一日に三十五件。休日、全夜間、要するに救急だけでこれだけあるわけですね。
 清瀬がなくなれば、どこに行くかというのは、本当にこれは大変なことだと思います。今でも高齢者でごった返している多摩老人医療センター、小児科をつくるといっても、到底対応できるものではない。赤ちゃんから高齢者まででは、その混乱が目に浮かぶようではありませんか。
 今年度から小児科による休日・全夜間診療を開始した公立昭和も、ますます大変になるのではないでしょうか。ですから、昭和病院でも、清瀬小児が廃止されては困るんだと要望が出ていると聞いております。こうした事態をどう認識されていらっしゃるのでしょうか。

○奥田医療計画部長 清瀬小児病院が休日・全夜間診療事業から撤退するということについて、公立昭和の方から要望が出ているかというお話でございますが、そうした要望は、今のところ出てございません。

○小松委員 お聞きしたのは、そういう要望も出すんだとか、出したんだとか、それははっきりしないけれども、そういうことも漏れ聞いている、こうした事態をどう認識されているのですかと。実際に、どこに出したんだかわからないんですよ、これは風聞ですから。お聞きしているのは、この事態というのを、先ほどからずっといろいろ申し上げましたけれども、どう認識されているのですかということです。

○大塚病院企画担当部長 改めて申すまでもなく、地域医療、初期救急等につきましては、住民に身近な区市町村の責任で主体的に取り組むべきものと考えております。
 お話の清瀬小児病院が実態として担ってきた初期救急などの地域医療につきましては、多摩老人医療センターに小児科を新設し、地域病院としての機能を持たせることなどによりまして対応していくということでございます。

○小松委員 やっぱり認識が地元と違っているんですね。これ、二百五十五床がなくなるんですよ、三十や四十じゃないんです。これを一体どう認識するかということですけれども、そんなに必死になってかばわなくてもいいと思うんですね。実際に大変なわけでしょう、困るわけでしょう、それは素直に認められたらいかがですか。
 だから、地元も必死になって、この報告書が出されてから現在まで、いただきました資料にもあるように、再三再四にわたって市や市議会が要請し続けているではありませんか。
 この二ページに、今までの都立小児病院関係での要望や、それから要請者が出ております。十二年ですから一昨年の十月三日に、清瀬市長、市議会議長、「都立清瀬小児病院の存続を要望する。」という、ここから始まるわけですね。そして、昨年のあの報告が出た後、七月二十六日に清瀬市長、九月二十七日には東久留米市議会の議長、九月二十八日は清瀬市長外四市長、九月二十八日、同じく清瀬市議会議長、そして、もうマスタープランが出た後、ことしの二月十三日にまた改めて清瀬市議会の議長からそれぞれ出されておりますが、これらは、皆さん、どういうふうに受けとめていらっしゃいますか。どんな中身が出ているか、ここには一応要旨が書いてありますけれども、どうでしょう。

○押元病院事業部長 先生が先ほど来お話しになっていらっしゃいますように、関係の自治体の方から要望書が出ております。その要望書の内容については、お手元にお配りした資料にお示しをしたとおりでございます。
 それらをどのように受けとめているかというご質問でございますけれども、私どもといたしましては、このマスタープランができてから、それぞれの関係の市町村にいろいろとご説明をいたしました。それに対しての、またいろいろなご要望も出てきているということだろうと思います。
 私どもとしては、清瀬小児病院の救急患者の約八割から九割が、病院においでになって、そのままお帰りになる初期救急患者であるということ、それから、清瀬小児病院のベッドはいわゆる高度専門医療にかなりの部分が割かれているということ、そういったことも関係の自治体にご説明を申し上げまして、いろいろと協議をしているといいますか、意見を交換させていただいているというところでございます。

○小松委員 それで、地元市は納得しているのでしょうか。マスタープランが出されたその日に、清瀬市長はコメントを発表していらっしゃいます。
 都立清瀬小児病院は、地域医療にとってかけがえのない重要な施設であり、その存続については、市民総意の強い願いである。これまでも東京都に対し、存続について強く要請してきたところであるが、残念ながら、今回の計画は、こうした市民の強い要望を無視するものであり、まことに遺憾である。今後とも、東京都に対し、引き続き存続について要請していきたいと。
 このように、全く納得していないんですよ。現時点ではどうなんでしょう、納得していらっしゃいますか。

○押元病院事業部長 私どもとしては、関係の自治体に誠意を持ってご説明をしているところでございます。

○小松委員 都側は誠意を持ってとおっしゃいますけれども、相手は納得していないんじゃないの。納得しているんでしょうかと、その感覚を伺っているんです。

○押元病院事業部長 私どものご説明に対して、その説明では納得できないというお話は承っておりません。

○小松委員 納得できませんとはっきりおっしゃらなくたって、先ほどのあのコメントの中にあります、市民の強い要望を無視するものであり、まことに遺憾であるというのは、納得していないんですよ。これから進んでいないんじゃないんですか。住民も納得していなければ、病気の子どもや、また一般の親たちも全然納得していない、大反対をしているわけです。
 私のところにも、たくさんのこういう親からの手紙などが届いております。ほんの一つ、二つ取り出してみたいと思いますけれども、例えば、この方は、ご自分の生後三カ月のお子さんが夜、風邪を引いて鼻づまりがひどく、苦しそうにしていたので、引きつけを起こしてしまい、清瀬小児病院に急患で診てもらったら、RS菌という風邪の少し怖い菌に感染している疑いがあるといわれ、すぐに検査をして、入院になりました。その対応の速さといい、よさといい、すばらしいものでした。やはり小児専門の病院はすごいなあと思いましたと。このRS菌というのは、これは対応がまずいと、本当に亡くなっちゃうんですよね。清瀬だから、これは助かったんじゃないでしょうかね。
 こういう手紙がたくさんあります。我が子は、呼吸器の発作で何度も夜間救急外来に、また肺炎で夜間救急入院となり、都立清瀬小児病院にお世話になりました。外科系疾患では、四年間に十回、通算一年ぐらいの入院をしております。この地域の小児専門救急の外来で安心してかかれるのは、この病院だけであるということです。他の病院では、当直が小児科の医師とは限らず、また、小児科の医師であっても、内科系、外科系と専門が異なる場合があるので、救急であっても、診療していただけないことがあるわけです。小児も診ることができる病院と、小児科専門病院との差を痛切に感じましたと、こうおっしゃっているんですね。
 小児科は、採算性が低いので敬遠されるといわれているようです。だからこそ、都にお願いするしかありませんと。こういう手紙がたくさん来ているわけですが、この親たちの声を、本当に皆さんはどうお聞きいただいているのでしょうか。
 前の委員会でも申し上げましたが、清瀬小児存続を願う署名、この人口六万五千ほどの清瀬市を中心としてどんどんふえて、いまだにまだ--きょうはこの請願陳情を審査しておるんですけれども、十万筆に届くとか。どう見ても、廃止の道理がないということではありませんか。二百五十五の清瀬廃止の穴を埋めることはできないと、こう思うわけです。親や住民の声をどう受けとめてきたのでしょうか。今後どう対応するとか、説明なさるのでしょうか。もう一度お答え願いたいと思います。

○大塚病院企画担当部長 先ほど来申し上げておりますように、清瀬小児病院は、高度専門的な小児医療をやるということで、全都を対象とした施設でございます。
 現在二百五十五のベッドが空白となってしまうというご指摘でございますが、その大半は、都内全域を対象として小児総合医療センターへ移転されるべきものだと考えております。その他の地域に必要なベッド数について、多摩老人医療センターに確保していくという考え方でございます。
 ただいまのご質問になりますが、移転統合の対象であります小児病院につきましては、これまでも、患者、家族の方々を初め、地元自治体や患者団体などからさまざまなご意見をいただいていることは、ご指摘のとおりでございます。
 マスタープランにおきましては、これらのご意見を踏まえまして、移転統合後の地域医療などの確保につきまして、今後とも地元自治体と協議していくこととしたところでございます。こうした都立病院改革マスタープランを早期に実現していくことこそが、患者中心の医療を具体化することにつながり、都民の期待にこたえていくことになると考えております。

○小松委員 地元では、実際に二百五十五床あったベッドがなくなるわけですから、それを親たちは納得できないというのは無理ないんじゃないですか。
 それで、この報告があった後、局長は、我が党の質問に対してこうおっしゃっているんですね。これは、あくまで学識経験者が集まってつくった報告書の内容でございまして、今、我々は年内を目途に、行政計画であるマスタープランをつくり、それに基づいた実施計画をつくろうということで、いろいろな地元の方のご意見もお聞きしておるところでございますと、こう答弁されております。
 しかし、実際はどうだったでしょうか。先ほど、市長が大変怒ったコメントを出したように、地元の意見など全く耳をかさなかった、学識経験者がつくった報告書どおりではないんですか。だから、清瀬市長も、ああやってコメントを出さざるを得ない、無視されたと。いかがでしょうか。

○大塚病院企画担当部長 病院改革会議報告とマスタープランが一緒ではないかというご指摘だと思うんですけれども、都立病院改革会議報告につきましては、都立病院の担うべき医療を明確にしまして、新たな都立病院の再編整備案をご提示いただいたものでございます。これに対しましてマスタープランは、この報告を最大限尊重いたしまして、再編整備のスケジュール、各病院の医療機能などを示すことによりまして、都立病院改革実現に向けての道筋を明らかにしたものでございます。
 さらに、マスタープランにおきましては、さまざまな自治体、または患者団体などの、今委員からご指摘のあったご要望を踏まえまして、例えば、地域医療の確保への配慮、あるいは小児病院の移転統合に伴う既存施設への配慮などについて、九項目にわたって詳しく述べているところでございます。

○小松委員 九項目にわたっての配慮というのを、私はここに持っております。しかし、これらは配慮というより、もう当然の、最初からの自明の理ではありませんか。これが配慮ということで、今の清瀬小児を府中に移してしまう、これは地域の方々は納得するはずはありませんよ。
 そして、既にここでは、もう十四年度の半ばごろには、基本構想と、それから詳細検討がされる。すなわち、この図からいいますと、十三年度の最後は入っているわけですから、今、もう入っている。ということは、このマスタープランが基本構想になるわけですね、ちょっと確認したいと思うんです。

○大塚病院企画担当部長 マスタープランが基本構想ではないかというお尋ねだと思うんですけれども、基本構想、基本計画につきましては、これから検討して、作成していくということになろうかと思います。

○小松委員 この十三年度に大分網がかかっている基本構想、詳細検討という、この基本構想は、それでは、これからつくっていくということですか。もう一回、その辺はっきりしていただきたいと思います。

○大塚病院企画担当部長 済みません、説明足らずで。
 マスタープランにつきましては、すべての対象病院の、先ほども申し上げたんですけれども、今後の再編整備の道筋を示したものでございまして、先生ご指摘の基本構想というのは個別の病院の基本構想だと思うんですが、これは、個別にそれぞれ検討していくということでございます。

○小松委員 そうしますと、これから基本構想を検討し、詳細検討に入るということと解釈させていただきます。
 そうしますと、今、これで私お願いしたいのは、今まで住民無視だ、何無視だといってきましたけれども、せめてここで、マスタープランがこういうふうにつくられてはいるけれども、地元の皆さんどうですかという、市も、それから地元の医師会も、また小児医療専門家も、そして住民参加も含めて、これからのこの基本構想、詳細検討をしていく、具体化の是非も含めてこれをやっていくという、こうしたことが必要かと思われますけれども、これに対してはいかがでしょうか。

○大塚病院企画担当部長 再三申し上げてございますが、東京都保健医療計画でも明確に規定していますように、地域の医療につきましては、住民に身近な区市町村の責任で、主体的に取り組むべきものと考えております。したがいまして、マスタープランにおきましては、ただいまのご主張につきまして、今後とも、地元自治体と協議していくこととしたところでございます。
 再度申し上げますが、こうした都立病院改革マスタープランを早期に実現していくことこそが、患者中心の医療を具体化することにつながり、都民の期待にこたえていくことになると考えております。

○小松委員 どうもお答えがすれ違っているようですが……。何回聞いても同じなので、最後に局長に。先ほど、局長に聞きたかったんですね。
 報告書は、あくまで学識経験者が集まってつくった報告書なんだと、今度は我々がマスタープランをつくるんだよといっているのに、そのつくられたマスタープランを見て、地元の市から怒りが上がってくる。あれは、八王子もコメントされていましたよね。ということは、一体何をやってきたの、こういいたくなるわけですね。それらがちっともはっきりしないで、地元市のご意見も伺いますと、口だけは非常に--この間も私、リップサービスという言葉を使いましたけれども、そういうことで進んでいく。個別の基本構想だというなら、では、それはまさに個別ごとにやったらどうですか、それはいえるのではないでしょうか。
 清瀬は、この二百五十五床がなくなっていく。大変心配されている。二百五十五床の小児病院というのは、先ほど申し上げたように、多摩にも、東京にも、こんな大きな小児病院はないんだ、中身もそうなんだと。すなわち、多摩都民、全都民の、これは宝ですね。
 先ほども出ておりましたけれども、再編先にありきではなく、ここを拡充こそすれ、廃止など断じて認めるわけにはいかない、そのように思うわけですが、最後に、局長にお願いいたします。
 そして、ちょっと局長にお願いしますけれども、私も質問として投げませんが、久留米養護の問題も、ひとつこれは真剣に考えていただきたいと思います。
 この久留米養護につきましては、病弱児が対象ということもありまして、それはそれは清瀬の中で大変な、すばらしい教育をされているんですね。私も行ったり、聞いたりしてみました。
 例えば、清瀬のこの分教室では、理科の時間を使って、春はヨモギを摘んでヨモギだんごづくり、五月はタケノコ狩り、六月には梅をもいで梅ジュースをつくり、秋はカキをもいでつるしガキをつくり、そして、松ぼっくりで思い思いの工作をする。また、学級菜園で、各学年ごとに野菜づくり。キュウリやトマト、ナス、大根など、直ちにその日のお食事で食べたり、また、外泊のときにはお土産に持って帰る。子どもの体調や体力に合わせて、天気のよい日は、できるだけ、外というのは庭ですけれども、ここに出る。こんな久留米分教室を移転させないでほしいという子どもたちや親たちの訴え、これも含めて、最後にお願いしたいと思います。

○今村衛生局長 一番後の問題からお答えしますと、移転後の小児総合センターにおいても分教室を設置することになっておりまして、その設置場所等を含めた基本計画についてはこれからの検討課題であると思っておりますけれども、府中キャンパスにおいても、今おっしゃったような緑は十分に豊富でありまして、設計上の工夫で良好な環境を確保することは十分可能であると考えております。
 それから、改革プラン全体のことでございますが、知事もさまざまな答弁で申し上げておりますように、改革を進める際には、必ずさまざまな意見や議論が出てくるものであるが、都立病院は、すべての都民にとってのかけがえのない財産であるということも事実であります。
 なくなる当該の地元の住民のご心配というのは我々もよくわかりますけれども、先ほど、八王子の東村先生や萩生田先生もおっしゃっておったように、地域医療の確保への配慮、あるいは医療連携など幅広い視点、それから、保健医療計画の中で小児医療を重要課題として位置づけていくんだというような、こういう課題を我々頭の中に持ちながら、地元と十分協議していきたいと、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○小松委員 ぜひ地元市と、そしてまた地元住民と協議を十分にしていただきたい。ただ、この清瀬小児を移してしまう、そのことには納得いかないということでは、再検討を求めていただきたいということで申し上げておきたいと思います。
 次に、来年度、この四月から市町村への事務移譲が決まっております精神保健福祉に関して伺いたいと思います。この問題も、今までの委員会で何回もお聞きしておりますので、絞って伺います。
 まず、事務移譲、二週間前ですね、現時点での進捗状況を教えてください。

○金田医療福祉部長 東京都では、市町村職員を対象とした研修や説明会を実施するとともに、各市町村広報紙や「広報東京都」による周知及び社会復帰施設、医療機関などへのポスター、チラシの配布等、あらゆる機会を通して周知を図っております。
 現在は、今先生がおっしゃいましたように、もうあと二週間ということでございますので、市町村への事務引き継ぎを行っているところでございます。

○小松委員 とにかく初めての精神保健の事務移譲でございます。特に研修が大事かと思いますけれども、もう少し詳しく内容を知らせていただけませんか。どんな内容の研修を、どの程度やったのか。また、精神障害者の授産所や作業所の職員や所員、これらに対する研修や説明会、この辺の周知徹底をお知らせください。

○金田医療福祉部長 市町村への事務移譲についての研修でございますけれども、窓口となる市町村職員に対して、精神障害者に対する基礎的な知識の習得や、相談の受け方、説明の仕方など、より実践的な研修を行っております。

○小松委員 ちょっとまだよくわかりませんけれども、後、もしそういう資料があったら、見せてください。
 とにかく、市町村で精神保健初めてだということで、そのノウハウがなく、これを大変心配していらっしゃるんですね、各市町村は。
 相談事業そのものは二〇〇三年度からで、ことし、この四月からは申請手続のみとなっているわけですけれども、住民は、手続がてら相談することもあるというのは自然な形でしょうね。そのときに、相談はことしは保健所だから保健所に行って、来年は市でやりますからということはいえませんね。丁寧に相談に乗る、これが市町村窓口の対応であってほしいと思うからこそ、特に、そのノウハウを知り尽くした保健所の保健師などの全面的な、すなわち、人的、技術的な支援を求めるものですが、いかがでしょうか。

○金田医療福祉部長 市町村からは、移譲される事務に関し、技術的支援としての職員への研修やマニュアルの作成など、人的支援として都保健師の出張、ケースコンファレンスなどとあわせて、財政的支援が要望されております。
 市町村に対しては、保健所を初め精神保健福祉センターなどで市町村職員への支援の研修やマニュアルの作成などを行っているほか、移譲に伴う各種精神保健福祉に関する相談を身近な市町村が第一義的に担うことから、その体制確保のための支援を行ってまいります。

○小松委員 最後に、この社会復帰施設を初めとしたサービス基盤の整備の問題です。市町村移譲といいましても、施設が全くない市も残されているわけですね。非常にアンバランスが大きいと。それぞれの市町村に必要なサービス基盤の整備を急ぐ必要があるのではないでしょうか。その中でも、特に生活支援センターについて伺いたいと思います。
 地域で生活する精神障害者の日常生活の支援や地域交流活動の場として、精神障害者の自立と社会参加を支えるための重要な施設であることはご案内のことと思いますが、この生活支援センターの現在の整備状況、そしてまた、来年度の計画、今後の計画など、あわせてご答弁いただきたいと思います。

○金田医療福祉部長 地域生活支援センターは、地域で生活する精神障害者の日常生活の支援、相談への対応や地域交流活動の場として、精神障害者の自立と社会参加を支えるための重要な施設であると認識しております。
 現在の整備状況は、区市町村で二十二カ所、設置、運営されております。十四年度は新たに十三カ所整備され、合計で三十五カ所となる予定でございます。今後も、さまざまな形で、地域生活支援センターがすべての区市町村に整備されるよう働きかけてまいります。

○小松委員 精神保健の市町村へのこの移譲を契機に、一気に生活支援センターなどを初めとしましたサービス基盤が拡充されることを強く求めるものです。
 最後に、これはもう今まで何回も質疑、質問してまいりました保健所問題について、一点だけ確認をさせていただきたいと思います。多摩の保健所の統廃合については、断じて容認できるものではありませんが、きょうは、次の一点だけを確認させてください。
 すなわち、昨年十月二十五日の市長会だったと思いますが、統廃合の説明をして、本来なら了解を得る予定だったのでしょうけれども、市長会で反対を受け、きょうは聞きおくだけにということで都が引き揚げたということを伺っておりますが、その後、現在に至るまでの、市長会とどのような協議をしておいででしょうか。
 また、まだ市長会で了承したということは伺っておりませんが、この保健所の統廃合、特に、廃止をされる予定の五つの保健所と市への移管方針の二市、これらにとりましては大変重大な問題です。これらを含めて、市長会の了承なくして、保健所の統廃合は都が勝手に独断で進めることはないと確認してよろしいでしょうか。

○櫻井総務部長 小松先生にはいつも保健所を愛していただいて、ありがとうございます。先生のご支援をいただいて、何とか保健所を目鼻をつけたいと思っていますけれども……。
 先生がおっしゃるように、昨年十月に、保健所の機能強化と再編を含む多摩地域の保健サービスの再構築について、市長会で説明を行ったところでございます。その際のことについては今先生がおっしゃったとおりでございますけれども、その後、市長会からのご要望や、幾つかの市議会からの意見書もいただいているところでございます。
 今後でございますけれども、多摩地域の保健サービスの再構築の趣旨につきまして、市町村のご理解をいただけるよう、あらゆる機会をとらえて協議してまいりたいと思っております。

○小松委員 私、これでやめようと思ったんですけれども、あらゆる機会に乗じて説明していきたい、皆さんにわかっていただきたい、その気持ちはわかるんです。そうじゃなくて、私が伺っているのは、都が勝手に独断で進めることはないよね、ちゃんと市長会の了承、合意を得ますね、はい、いいえ、どっちかしかないんです。局長、最後、一言で結構です、イエスかノーか、お答えください。

○今村衛生局長 市町村長さんたちのご意向を十分に考えながら、あるいは協議しながら、やっていきたいと思います。

○小松委員 まあ、いいでしょう。

○山加委員 私は、東京都動物の保護及び管理に関する条例の一部を改正する条例に関しまして、幾つか伺わせていただきたいと思います。
 最近、動物を飼う家庭が大変ふえてまいりまして、これら家庭で飼育されている動物は、単なるペットとしてではなくて、家族の一員として、飼い主の心の支えとなるばかりではなく、飼い主の生活の一部としては、なくてはならない存在といっても過言ではないと思います。
 しかし、動物を飼育するとき、それは飼い主との関係だけではなくて、近隣住民にとってもかかわりを持つ存在でありますので、それだけに、動物が飼い主により適正に飼育をされ、また、飼い主と動物との関係が地域社会に温かく受け入れられることが、動物愛護を推進していく上では大切なことであると考えます。
 ところで、衛生局では昨年の十月一日から、動物保護相談センターで収容した動物の情報を収容動物情報といたしまして、これは都道府県レベルでは全国で初めてと思いますが、画像情報としてホームページで公開をしております。
 私も、このホームページを拝見いたしましたけれども、動物によって、収容された場所、そして、日にち別、動物の種類、管理支所別と、大変詳しく、わかりやすく、すばらしい思いで、私も、もし自分の飼っている大切な動物が迷子になったときに、それを飼い主としては必死で捜すわけですから、そんなときにどんなに心強い思いがすることかと思いまして、このホームページを見せていただきました。
 そこで伺いますけれども、このホームページの収容動物情報には、都民からどのくらいのアクセスがあり、また、具体的な都民の反応があれば、それをまずお伺いさせていただきたいと思います。

○河津生活環境部長 ホームページの収容動物情報についてでございますけれども、まず、アクセスにつきましては、画像による情報提供を開始いたしました昨年十月から本年二月までの五カ月間に、二万一千三十八人の方から、延べ二十八万八千六百四件ございました。
 次に、都民の方からの反応でございますけれども、お礼とかお褒めのお言葉ばかりでございます。(笑声)具体的には、例えばですけれども、返還を受けた飼い主の方から、休日で窓口が閉まっている、その動物保護相談センター等が休んでいるというときですけれども、そういう場合でも、画像情報により自分の犬が収容されていることを知り、安心できたといった、こういうメールなどが多数寄せられております。

○山加委員 ただいま伺った二十八万八千六百四件、アクセス数を見ても、動物についての都民の関心の高さがわかりますけれども、こうした中で、今回、これまでの動物の保護及び管理に関する条例を、新たに、動物の愛護及び管理に関する条例として改正するとの提案がなされております。そこで、今回の条例改正の趣旨を含めまして、幾つかの点について伺いたいと思います。
 まず最初に、一昨年、動物の保護及び管理に関する法律が動物の愛護及び管理に関する法律という題名に改正されました。今回の条例改正では、法律と同じように、題名の中で保護という言葉が使われていたところを愛護に変更するとのことですが、この変更の趣旨について伺います。

○河津生活環境部長 国は、法律の題名を保護から愛護に変更した理由といたしまして、動物の適正飼養に加えまして、法の目指すところである、人と動物とのよりよい関係づくりを通じた生命の尊重、友愛等の情操の涵養に、よりふさわしいという趣旨によるものという説明をしております。
 都は、今回の条例改正で、このような法改正の趣旨を踏まえますとともに、飼い主のみならず、地域の人々全体で、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指すということを意図いたしまして、愛護という言葉を使用することとしたものでございます。

○山加委員 ただいまの答弁にもありましたけれども、条例の目的といたしまして、新たに人と動物との調和のとれた共生社会の実現を掲げていますけれども、この共生社会とはどのような社会をいうのか、ちょっと伺わせてください。

○河津生活環境部長 人と動物との調和のとれた共生社会のその意味するところでございますけれども、動物が、物ではなくて命あるものとして適正に飼育され、また、動物を愛護することを通じて、人々の間にも生命尊重や友愛の気風が招来されるような社会というように考えております。

○山加委員 条例の目的とする、人と動物との調和のとれた共生社会を実現するためには、まず、飼い主みずからが動物を適正に飼育することが大切であると思います。最近は、集合住宅での動物飼育が普及しつつあるようですが、集合住宅で動物を飼う場合はもちろん、東京のような都市化の進んだ地域で動物を飼う場合には、特にそれ相応の配慮が飼い主に必要であると思います。
 そこで伺いますが、今回の条例改正によって、飼い主の責任というものはどのように強化されたのでしょうか。

○河津生活環境部長 今回の改正におきまして、新たに飼い主の責務としてつけ加えましたことは、周辺環境に配慮して近隣住民の理解が得られるように心がけること、動物を飼えなくなった場合には新たな飼い主の発見に努めること、動物の健康状態を把握し、異常を認めた場合には必要な措置を講ずることなどでございます。
 さらに、今回の改正では、これから飼い主になろうとする者の責務も新たに定めまして、安易に動物を飼い始めることのないよう、動物の本能、習性等を理解し、飼育目的や環境等に適した動物を選択するように努めることも規定をいたしました。

○山加委員 ただいま伺いますと、飼い主の責任が今までより強化されたわけですけれども、これを徹底するためには、飼い主がその責任を果たさず、条例に違反した場合の罰則を強化するべきとの考え方もあると思いますが、いかがでしょうか。

○河津生活環境部長 今回の条例改正では、飼い主等の責務規定を強化いたしましたが、これらは、人と動物との調和のとれた共生社会を実現するために、飼い主等に対して、それぞれの規定の趣旨に沿った一定の行動を期待するものでございます。
 飼い主等の行動に問題が生じました場合、例えば、動物の虐待であるとか、あるいは犬の係留義務を怠ったような場合には、現行の法及び条例に基づく行政指導や罰則で対応は十分可能であると考えておりますので、今回の条例改正では新たな罰則規定は設けておりません。

○山加委員 ということであれば、今回強化された飼い主の責務について普及啓発するとともに、動物の愛護について都民の理解を得るということが重要になってくると思います。
 動物の愛護及び管理に関する法律の中には、動物愛護推進員の制度が定められており、また、今回、条例でも動物愛護推進員の規定が設けられ、動物愛護の推進に重要な役割を担うことが期待されますけれども、この動物愛護推進員はどのような活動を行っていくのか伺わせてください。

○河津生活環境部長 動物愛護推進員の活動でございますけれども、行政施策に必要な協力をすること、動物の愛護と適正な飼養の重要性について住民の理解を深めること等と定めております。ただいまのは法でございますけれども、法ではそのように定めております。
 都の条例は、これらの活動内容に加えまして、飼い主になろうとする者に対する適切な動物の選択についての助言や、飼い主に対する適正な飼養方法についての助言など、より具体的に、都独自の活動内容を加えております。動物愛護推進員は、これら法、条例の規定に従って活動していくことになります。

○山加委員 動物愛護と適正飼養を都民の間に浸透させるためには、行政だけでなく、都民が行政と連携をして活動していくことが何よりも大切であります。その意味では、動物愛護推進員をいち早く委嘱しなければならないと思いますが、この動物愛護推進員の制度というのは、いつごろからスタートをさせる予定なんでしょうか。

○木村参事 動物愛護推進員の地域における活動を実効あるものにするためには、その活動の場となる区市町村や動物愛護団体等の協力と理解が不可欠でございます。
 法は、動物愛護推進員の委嘱を推進し、その活動を支援するための組織として、都道府県や愛護団体等で協議会を設置することができることとしております。
 現在、関係団体等と協議中でございますが、その準備会を設置して、いろいろと協議しているところでございます。動物愛護推進員の選出方法や支援体制のあり方について、検討を行っておるところでございます。これらの結果を踏まえまして、来年度のできるだけ早い時期に動物愛護推進員を委嘱できるよう努力してまいりたいと思います。

○山加委員 動物行政を推進する上では、動物に関する専門的知識を有する団体、それから、動物愛護を目的とする団体との連携、協力も欠かせないと考えます。今後、これら関係団体との連携を一層強化する必要があると考えますが、所見を伺います。

○河津生活環境部長 都はこれまでも、獣医師会や動物愛護団体と協働して、三宅島から避難をしてきた犬や猫の救援活動を行うなど、関係団体等との連携を図ってまいりました。今後とも、これら関係団体との連携を一層密にして、人と動物との調和のとれた共生社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

○山加委員 最後に、人と動物との共生社会を実現するためには、今後、都はどのように取り組んでいくのかを伺います。
 また、冒頭にお聞きした画像情報のようなすばらしい取り組みについては、やはりどんなにすばらしいものであっても、もっともっと都民に知ってもらうべきであると思います。知ってもらわなければ、理解もされない、行動もしていただけないわけでございますから。そして、あわせて、ただいまお尋ねをしてまいりましたように、今回の条例改正で充実される内容についても、やはり広く都民へ周知していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○河津生活環境部長 まず、今後の都の取り組みですけれども、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を図るためには、飼い主はもとより、地域住民に対しましても、動物が私たちと同じ社会に共生する命ある存在であるということの理解と協力を求めていくことが大切だと考えております。
 都としては、このような考えをベースにいたしまして、都及び区市町村、さらには都民や関係団体が果たすべき役割や連携のあり方などを明らかにいたしますとともに、動物愛護や適正飼養に係る施策を総合的に推進していきたいと考えております。
 また、都民への周知につきましては、保健所窓口等のほか、動物病院やペットショップなどを通じて情報提供を図りますとともに、都の広報紙やホームページなど、さまざまな方法を用いて、画像情報や都の施策について周知をしてまいります。

○山加委員 今回の改正によりまして、私は、動物を、命あるものである動物という表現を、今までになかった表現をもって、人と動物との共生社会の実現に一歩踏み込んだことを大変高く評価をしております。
 確かに動物は、人に対して危害を加える動物もいるわけですけれども、でも、例えば医療分野におきましても、動物と人との、命あるものとしての動物とのかかわり合いが、非常に医学的に効果を有する場合があるということも、私は多々伺っております。
 そして、これは特殊な例ではございますけれども、例えば訓練をされた盲導犬、聴導犬、生活犬、介助犬、ハンディキャップを持った者とともに歩む、そのような共生社会の中で、本当に人と動物との共生社会が今までになかった。これは、私は、世界の中でも日本は大きなおくれをとっていると思っているわけですけれども、今回の改正によりまして、それに一歩近づく扉が、私は開かれたのではないかと思っております。都の動物行政が新たなスタートを切ったといっても、私は過言でないと思っております。
 今後とも、都民の希望に、より適切に対応していただきまして、地域社会においては動物愛護の精神が一層浸透することを強く希望して、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○野田委員 都立病院改革マスタープランについて伺います。
 都立病院改革マスタープランは、東京発医療改革の核として、安全、安心を支える患者中心の医療の実現と、総体としての医療サービスの向上を図る具体的な道筋を明らかにしたものと聞いております。
 このマスタープランは、ネットワークの充実強化、患者中心の医療の推進に向けたメニューなどの取り組み、さらには、都民ニーズに対応した都立病院の再編整備計画などを明らかにしたものとして、基本的な方向性について十分に理解ができました。
 一方、再編整備する中で、例えば病院ごとの施設規模や財政フレームについては、今後詳細な検討を行い、実施計画の中で明らかにしていくとしております。
 そこで伺います。こうした点を踏まえると、この都立病院改革マスタープランは、都立病院改革の中でどう位置づけられるのか、また、今後の改革をどう進めていくのか伺います。

○押元病院事業部長 都立病院改革マスタープランでございますが、都立病院改革会議報告を最大限に尊重した上で、都立病院が新たな役割を担っていくための改革の出発点となる計画でございます。今後、都立病院を専管する組織いたしまして、病院経営本部を設置し、改革を進める組織体制を強化した上で着実に改革を推進してまいりたいと存じます。
 なお、再編整備など改革を進めるに当たりましては、それぞれの病院がこれまで実態として担ってまいりました地域医療の確保につきまして、地元の自治体などとの役割分担を踏まえた支援策などについても十分配慮いたしまして、都民の皆様に対する総体としての医療サービスの向上に結びつけてまいりたいと存じます。

○野田委員 ただいまの答弁にあるとおり、本マスタープランは、都立病院改革の具体的な道筋を示したものであり、今後の改革の出発点となるものであると今答弁されたわけでございますけれども、我が党としてもこれを確認しておきます。都立病院が行政的医療の提供という役割を明確にしながら、都民が安心して医療を受けられる体制づくりを行っていくための計画として、私どもはこのマスタープランを高く評価いたしておるところでございます。このプランに沿って、都立病院改革を積極的に進めていくべきであると考えるところであります。
 このマスタープランでも示されております地域医療の充実でありますが、地域医療の確保については、基礎的自治体が取り組むべき重要な課題でありまして、このために、区市町村においては、病院の整備についてもさまざまな自主的な取り組みを進めております。例えば多摩地域の市町村は、みずから公立病院の設置、運営を行っているし、区部におきましても、練馬区が病院誘致の取り組みを行うほか、豊島病院と老人医療センターのある板橋区や台東区でも動きがあると聞いております。
 そこで伺いますが、都としても、こうした区市町村の多様な動きに適切に対応ができるよう、支援を検討していくべきと考えますが、いかがか伺いまして、私の質問を終わります。

○奥田医療計画部長 地域医療の確保でございますが、住民の身近な区市町村が主体となって取り組むべき課題であることは、ご指摘のとおりでございます。
 都といたしましては、これまでも公立病院に対する補助や救急医療事業等に対する補助を実施してきているところですが、今後、区市町村から提案があった場合には、地域の実情に応じて、病院の運営形態や機能等も勘案しながら、多様な支援を検討したいというふうに考えているところでございます。

○曽雌委員長 ほかに質問がなければ、お諮りいたします。
 本案及び請願陳情並びに報告事項に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認め、本案及び請願陳情並びに報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で衛生局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時七分散会

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