厚生委員会速記録第十七号

平成十三年十一月三十日(金曜日)
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長曽雌 久義君
副委員長野田 和男君
副委員長吉田 信夫君
理事河西のぶみ君
理事古賀 俊昭君
理事佐藤 裕彦君
東村 邦浩君
山加 朱美君
柿沢 未途君
萩生田光一君
山口 文江君
小松 恭子君
樋口ゆうこ君

 欠席委員 一名

 出席説明員
衛生局局長今村 皓一君
技監荻野  忠君
総務部長櫻井  巖君
企画担当部長齋藤  進君
健康推進部長長岡 常雄君
生活環境部長河津 英彦君
医療計画部長奥田  匠君
医療福祉部長金田麻里子君
薬務部長大屋 喜重君
病院事業部長押元  洋君
健康づくり施策調整担当部長菊地 輝雄君
病院企画担当部長大塚 孝一君
参事木村 豊彦君
参事梶山 純一君

本日の会議に付した事件
 衛生局関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例及び東京都地方精神保健福祉審議会条例の一部を改正する条例
  請願陳情の審査
  (1)一三第一二五号 都立清瀬小児病院の存続と建替えに関する請願
  (2)一三第一三九号 都立八王子小児病院の存続又は市内への移転拡充に関する請願
  (3)一三第一四三号 都立病院改革と保健・衛生・医療の充実に関する請願
  (4)一三第一四四号の一 介護保険の改善、高齢者福祉の復活その他の都民要求の実現に関する請願
  (5)一三第一五〇号 都立母子保健院と梅ケ丘病院の存続に関する請願
  (6)一三第一五三号 都立病院の存続、児童福祉施設の直営維持及び都立病院の機能拡充等に関する請願
  (7)一三第七九号 都立八王子小児病院の存続又は市内での移転拡充に関する陳情
  (8)一三第八〇号 都立八王子小児病院の市内での移転拡充に関する陳情
  (9)一三第八一号 都立清瀬小児病院の存続と建替えに関する陳情
  (10)一三第一二八号の一 障害者の地域生活の充実に関する請願
  (11)一三第一三八号 原子爆弾被爆者健康指導事業の委託事業費に関する請願
  (12)一三第一五九号の一 有機食品等の都立病院や学校の給食への使用促進に関する請願
  (13)一三第一六五号 医療事故の防止と都立病院の医療・看護の指導監督に関する請願
  (14)一三第一六六号 結核対策の充実・強化に関する請願
  (15)一三第一七三号 銭湯の脱衣所等を禁煙とする条例の制定に関する請願

○曽雌委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○曽雌委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、衛生局関係の第四回定例会提出予定案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行います。
 なお、第四回定例会提出予定案件につきましては、本日は、説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は付託後の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより衛生局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○今村衛生局長 平成十三年第四回定例会に提出を予定しております衛生局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 ご審議をお願いいたします議案は、条例案一件でございます。
 お配りいたしました資料は、平成十三年第四回東京都議会定例会条例案と、平成十三年第四回東京都議会定例会条例案の概要でございます。
 それでは、条例案の概要をごらん願います。
 一ページをお開きください。整理番号1番の東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例及び東京都地方精神保健福祉審議会条例の一部を改正する条例についてでございます。
 これは、二本の条例を一括改正するもので、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴い、東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の第二条のセンターが行う事業に、精神医療審査会の事務を行うこと、通院医療費の公費負担及び精神障害者保健福祉手帳の交付の申請に対する決定に関する事務を行うことの項目を加えるなど、規定を整備するものでございます。
 本条例は、平成十四年四月一日から施行いたします。
 以上で説明を終わらせていただきます。
 なお、条例案の詳細な内容につきましては、お手元配布の資料、平成十三年第四回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 それでは、資料要求はなしといたします。

○曽雌委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願一三第一二五号、請願一三第一三九号、請願一三第一四三号、請願一三第一四四号の一、請願一三第一五〇号、請願一三第一五三号、陳情一三第七九号、陳情一三第八〇号及び陳情一三第八一号は、それぞれ関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○櫻井総務部長 整理番号1から9までの請願陳情につきましては、いずれも主として都立病院改革に関するものでございますので、私から一括してご説明申し上げます。
 まず初めに、整理番号1、請願一三第一二五号、整理番号2、請願一三第一三九号、整理番号3、請願第一四三号第五項、第六項、整理番号5、請願第一五〇号、整理番号6、請願一五三号第一項、整理番号7、陳情一三第七九号、整理番号8、陳情第八〇号及び整理番号9、陳情第八一号につきましてご説明申し上げます。
 これらの請願陳情は、都立清瀬小児病院、八王子小児病院、梅ケ丘病院及び母子保健院に関するものでございます。
 都立清瀬小児病院に関するものといたしましては、整理番号1、請願一三第一二五号は、都立清瀬小児病院を守る会会長天野信二さん外六万三千七百四十九人の方々から、整理番号9、陳情一三第八一号は、清瀬市私立幼稚園協会会長渋谷金太郎さん外一万四千七百三十三人の方々から、それぞれ提出されております。
 趣旨は、都立清瀬小児病院を廃止しないこと、小児医療拡充のために、老朽化した病院の建てかえを実施することというものでございます。
 都立八王子小児病院に関するものといたしましては、整理番号2、請願一三第一三九号は、八王子総行動実行委員会代表鎌本美恵子さん外二万二千九百五十三人の方々から、整理番号7、陳情一三第七九号は、こあらくらぶ代表三木栄子さんから、整理番号8、陳情一三第八〇号は、東京都立八王子東養護学校PTA会長平間美保子さんから、それぞれ提出されたものでございます。
 趣旨は、都立八王子小児病院の統廃合案を撤回して、存続かまたは八王子市内に移転拡充することというものでございます。
 また、整理番号3、請願一三第一四三号の第五項と第六項は、東京の保健・衛生・医療の充実を求める連絡会代表四谷信子さん外二万二千五百八十人の方々から提出されたものでございます。
 趣旨は、都立梅ケ丘病院は現地、母子保健院は区内での建てかえを実施し、統合、廃止を行わないこと、都立八王子小児病院は市内での建てかえを行い、都立清瀬小児病院は現地での建てかえにより小児医療センター化して充実を図り、両者の統合を行わないことというものでございます。
 整理番号5、請願一三第一五〇号は、母子保健院と梅ケ丘病院の存続をさせる会代表者内山祥隆さん外一万七千四百二十六人の方々から提出されたものでございます。
 趣旨は、母子保健院を廃止しないこと、梅ケ丘病院を移転統合しないことというものでございます。
 整理番号6、請願一三第一五三号の第一項は、東京都肢体不自由養護学校PTA連合会会長村上節子さん外三千九百五十五人の方々から提出されたものでございます。
 趣旨は、障害の重い子どもたちへの対応が可能で、地域密着型病院として不可欠な都立の清瀬小児病院、八王子小児病院、梅ケ丘病院を存続することというものでございます。
 以上の請願陳情につきまして、一括してご説明申し上げます。
 今後の都立病院のあり方につきましては、本年七月に、知事の諮問機関である都立病院改革会議から報告を受けたところでございます。
 清瀬小児病院、八王子小児病院及び梅ケ丘病院につきましては、三病院を統合し、府中病院の隣接地へ移転の上、小児医療に関し、心から体に至る総合的で高度専門的な医療を提供する小児総合医療センターとして整備すべきとの提言を受けております。
 母子保健院につきましては、施設の狭隘化、老朽化が著しい上に、都立病院としての新たな役割に対応していくことが困難な状況にあることから、廃止すべきとの提言を受けております。
 今後の都立病院のあり方につきましては、年内を目途に策定する都立病院改革マスタープランの中で明らかにしてまいります。
 また、清瀬小児病院につきましては、このような状況を踏まえ、施設の老朽化対策につきましては、当面、診療を継続する上で支障を来さないよう、必要な維持補修工事等を行ってまいります。
 整理番号3、請願一三第一四三号第一項及び第二項、整理番号4、請願一三第一四四号の一第九項につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、いずれも都立病院の公社化、民営化に関するものでございます。
 整理番号3、請願一三第一四三号第一項及び第二項につきましてご説明申し上げます。
 趣旨は、都立豊島病院と老人医療センターの統合及び民営化を行わないこと、荏原、大久保、多摩老人医療センターの各都立病院を公社化しないことというものでございます。
 整理番号4、請願第一三第一四四号の一第九項は、東京都社会保障推進協議会会長阿部孝平さん外百五十二人の方々から提出されたものでございます。
 その趣旨は、都立病院改革会議報告書における都立病院改革については、公社化、民営化をやめ、都の直営を守り充実させることというものでございます。
 以上の二つの請願につきまして、一括してご説明申し上げます。
 今後の都立病院のあり方につきましては、先ほどご説明しましたように、都立病院改革会議から本年七月に報告を受けたところでございます。この報告では、新たに地域病院として位置づけられた病院につきまして、経営形態を民営化または公社化すべきと提言しております。
 豊島病院及び老人医療センターにつきましては、両院が持つ高齢者医療センターと地域病院の機能を統合し、高齢者医療センター併設地域病院として整備し、経営を民間にゆだねるべきとの提言を受けております。
 荏原病院、大久保病院及び多摩老人医療センターにつきましては、地域病院として財団法人東京都保健医療公社に経営を移管すべきとの提言を受けております。
 今後の都立病院のあり方につきましては、年内を目途に策定する都立病院改革マスタープランの中で明らかにしてまいります。
 整理番号6、請願一三第一五三号第二項及び第五項についてご説明申し上げます。
 趣旨は、第二項につきましては、身近な地域の都立病院に専門性、緊急性を要する医療の機能拡充を行い、医療従事者を増員すること、第五項につきましては、既存の都立病院が広域基幹病院や小児総合医療センターに移行する場合には、急性期から二次的、慢性的な医療を必要とする障害児への対応を可能にすることというものでございます。
 今後の都立病院の改革に向けた具体的な医療機能や医療従事者の配置につきましては、先ほどご説明申し上げましたように、年内を目途に策定する都立病院改革マスタープランに基づき、その必要性を十分に見きわめながら対応してまいります。
 都立病院改革会議報告では、障害者医療について、今後の都立病院が担うべき行政的医療として位置づけております。この点につきましても、年内を目途に策定する都立病院改革マスタープランの中で明らかにしてまいります。
 次に、整理番号3、請願一三第一四三号についてご説明申し上げます。
 まず、第三項についてご説明申し上げます。
 趣旨は、難病者、小児などの医療費助成制度を無料にすることというものでございます。
 難病医療費助成につきましては、平成十年五月から、重症患者に重点を置いた総合的な難病対策の一層の充実を図ることとあわせまして、重症認定患者等を除きまして、一部負担を導入したものでございます。
 また、小児慢性疾患医療費助成につきましては、平成十二年九月から、十八歳未満を助成対象としていました疾患群すべてに対しまして、二十歳未満に年齢延長を行うとともに、都が単独で助成している入院医療費につきましては、食事療養費の標準負担額を自己負担としたものでございます。
 続きまして、第四項についてご説明申し上げます。
 本請願の趣旨は、都立看護学校の統廃合を行わず、看護婦の数をふやすことでございます。
 都立看護専門学校につきましては、少子化による十八歳人口の減少や高学歴社会の進行などにより、現在の養成規模を維持することが困難であり、規模を適正化すると同時に、資質の高い看護職員の養成を図ることを目的としまして、再編整備をするものでございます。
 また、平成十年に策定した東京都看護職員需給見通しに基づく需給の均衡を図るため、定着及び再就業対策の充実強化に努めているところでございます。
 続きまして、第七項についてご説明申し上げます。
 趣旨は、都立で唯一の病的虚弱児施設である成東児童保健院を廃止しないことというものでございます。
 児童福祉法の一部改正などを踏まえて見直しを行った結果、総合的に判断しまして、平成十四年度末を目途に成東児童保健院を廃止することといたしました。
 廃止に当たりましては、入所児童や保護者の意向を踏まえながら、関係機関と連携を図り、児童の処遇について万全を期してまいります。
 続きまして、第八項についてご説明申し上げます。
 趣旨は、衛生局所管の児童福祉施設の事業団化をせず、都立直営を堅持することというものでございます。
 心身障害児者施策をさらに推進していくため、平成十三年五月に都立児童福祉施設の運営形態等検討委員会を設置いたしました。同委員会からは、十月二十五日に、効率的で質の高い療育サービスを提供できる施設の運営形態としまして、事業団委託方式が適当であるとする中間報告が出されたところでございます。
 都としましては、報告を踏まえまして十分な検討を行い、方針を決定してまいります。
 続きまして、第九項についてご説明申し上げます。
 請願の趣旨は、多摩地域の保健所十二カ所を減らすことなく、充実させることというものでございます。
 地域保健を取り巻く状況の変化や地方分権の進展を踏まえ、都は、多摩地域の保健サービスにつきまして、住民に身近な市町村で実施できるよう、市町村への事務移譲や権限移譲の協議を進めております。
 また、都保健所につきましては、市町村への支援、健康危機管理などの広域的、専門的、技術的機能を一層充実させ、平成十五年度以降、総合的な保健医療戦略の地域拠点として、二次保健医療圏ごとに一カ所に再編いたします。
 このように、状況の変化に迅速かつ的確に対応し、地域の実情に即したきめ細かな地域保健施策を効果的、効率的に展開していくために、都と市町村との適切な役割分担のもと、多摩地域における総合的な地域保健サービスの向上を図ることとしております。
 次に、整理番号4、請願一三第一四四号の一第十項についてご説明申し上げます。
 請願の趣旨は、すべての公害被害者を医療費助成などにより救済することというものでございます。
 都では、独自の救済制度としまして、昭和四十七年に大気汚染健康障害者医療費助成制度を設けております。本制度により、大気汚染の影響を受けると推定される疾病にかかった十八歳未満の年少者に対して医療費を助成し、健康障害の救済を図っております。
 次に、整理番号6、請願一三第一五三号第三項、第四項についてご説明申し上げます。
 第三項の趣旨は、衛生局所管の児童福祉施設である肢体不自由児施設と重症心身障害児施設の民営化は行わず、都立直営を堅持することというものでございます。
 心身障害児者施策をさらに推進していくため、平成十三年五月に都立児童福祉施設の運営形態等検討委員会を設置いたしました。同委員会からは、十月二十五日に、効率的で質の高い療育サービスを提供できる施設の運営形態として、事業団委託方式が適当であるとする中間報告が出されたところでございます。
 都としましては、本報告を踏まえて十分な検討を行い、方針を決定してまいります。
 続きまして、第四項についてご説明申し上げます。
 趣旨は、衛生局所管の児童福祉施設の設備を充実し、従事職員を増員して事業の充実を図ることというものでございます。
 児童福祉施設の設備につきましては、計画的に整備をしているところでございます。また、職員につきましては、各施設の職員配置基準等に応じ、必要な人員の確保に努めているところでございます。
 今後、東部療育センター、仮称でございますけれども、の整備等により、利用者への適切なサービスの提供に努めてまいります。
 以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 念のため申し上げます。
 本件中、福祉局所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について発言を願います。

○萩生田委員 それでは、何点か質疑をさせていただきたいと思います。
 病院改革会議の報告が出て以来、このような陳情や請願が複数出されているわけでございまして、私は、率直に申し上げて、都民の皆さんが、今までは経営状態がどうなのか、あるいは未来永劫なくなるはずがないと思っていた都立病院が、こういう改革の機会を与えていただいたことによって、大きく意識が変わってきたという点では、改革会議の報告そのものには大きな意義があったんじゃないかなというふうに思うんです。
 そういう中で、それぞれの自治体と東京都とどういう役割の分担をしていくのかというのが、まさにこれからつくられるマスタープランの中で求められているわけですけれども、私も実は、一三九号を初めとする幾つかの八王子の病院の関係につきましては、紹介議員のお願いをされました。私はお断りをしました。なぜかといいますと、この時期に、請願によって、その是や非を我々議会が先決をするということになれば、東京都が進めようとする改革の道筋を、ある意味では選択肢を狭めてしまうという判断をしたからであります。
 すなわち、私自身は、請願者の皆さんのお気持ちは全くよく理解をしますし、また、そういう思いを持っていらっしゃる多くの都民の皆さんがいらっしゃることは、一定評価もしたいと思いますし、十分認識はしております。しかしながら、請願という手法をとらなくても、その意思は、私は既に東京都に十分伝わっているんじゃないかというふうに思うんです。
 実は、私とお隣にいる東村議員が都議会議員になって初めて行った仕事は、八王子からの署名、当時約五万六千人分でしたね、重たい署名をふろしきに包んで、二人で衛生局長のお部屋にお邪魔しました。残念ながら、局長は所用でお会いできませんでしたけれども、部長がその署名を重く受けとめて、おとりいただきました。
 そういった署名も含めて、多くの市民が、さまざまな手法をもって東京都に自分たちの意思を伝えようというこういう段階で、果たして請願という手法がなじむかどうかということを、自分なりに判断した結果であります。
 そこで、お尋ねしたいのですけれども、今回出された請願や陳情のほかに、都立病院改革会議の報告の再編整備案に対して、地元の自治体や都民の方々からどんな要望を受けているのか。特に、八王子小児病院を初めとする移転統合の対象となっている都立病院の所在する地域住民からは、移転統合反対の署名が提出されていると思いますけれども、現在までどのくらいの数になっているのか、お尋ねしたいと思います。

○押元病院事業部長 七月十三日に都立病院改革会議の報告書が発表されました後、地元の自治体でございます十五の区市町村長さん、それから十一の区市町村議会から、要望書や意見書をいただいております。また、十六の住民団体の皆様から要望書をいただいております。
 この中には、先ほどご指摘のありました八王子小児病院の存続を求める代表者の方の言によりますと、九万七千人といわれる署名を添えました八王子私立保育園協会などのものですとか、同様に、一万五千人余りの署名を添えた都立八王子小児病院の存続、拡充整備を求める親の会といった団体からちょうだいしたものがございます。
 また、住民から、電子メールですとか封書などでご意見をちょうだいしておりますが、それらの数は二十八通を数えております。それ以外にも、電話などでご意見を伺っているところでございます。

○萩生田委員 そうしますと、今回の請願や陳情というのは、ある意味、多くの都民要望の一つの手法だというふうに私は認識をしたいと思うんです。
 そこで、せっかく改革会議の答申が出た、しかしながら、それはあくまで、委員会の質疑の中でも明らかにしておりますように、見識者の皆さんが客観的に、こういう方法がいいんじゃないだろうか、こういうふうにした方がいいんじゃないだろうかということを東京都に提案をしたまでですから、これから東京都がその意思を、さまざまな方向を決めるわけですよね。
 それで、私は請願という方法じゃなくて、直接、都民の皆さんのお声を委員会の質疑の中で明確に確認をしてきたというふうに思いますし、提言の中には含まれていない、さまざまな地域の事情というのを明らかにしてきたつもりでございます。そして、その結果として、局長からも、その地域事情についてはマスタープランの中でしんしゃくできるようなアローアンスをとっていくというような、こういうご答弁をいただいているところでございますから、ここで出てきたのは、あくまで専門的な知識をお持ちの識者の皆さんの改革会議の報告、報告は報告、請願は請願、陳情は陳情、そしてマスタープランはマスタープランでは、これは行き着く方向がなくなっちゃうというふうに思うんです。
 ですから、当然のことながら、報告を基礎にしながら、東京都がこれからの医療のあり方というのを考えていく段階に来ているわけですから、考えている段階で、こっちの道はいけませんよ、公社化はいけませんよ、建物はあの場所に建てなさいよと、都民の皆さんがそれをいってしまったのでは、私は新たな第一歩を踏み出すことができないと思うんです。
 我々は、もちろん八王子小児病院の移転は大反対です。大反対ですけれども、それには根拠があることは、過日の委員会の中できちんと示してきました。これから子どもたちがふえていく地域で病院がなくなるのはいかがなものか、あるいは、直接東京都が経営に携わる形じゃなくても、何らかの形で代案があるのなら、それも模索しなくちゃいけないんじゃないか、あるいは五十万を超える地元自治体としても、小児診療にこれからは一定の力を注いでいかなくちゃいけないんじゃないか、こういうさまざまな議論を当局の皆さんとしてきたところでありますから、当然、そういった議論を踏まえてマスタープランというのを作成していただけるんだろうというふうに思うんです。
 それが出る前に、いいか悪いかをこの委員会の中で判断をするのは、いささか私は性急過ぎると思いますので、あえてこの時期にもう一度確認をしたいというふうに思いますけれども、今回、今ご答弁にもありましたように、作成をしている、年内を目途につくるといわれております都立病院の改革マスタープランの中で、こういった小児医療を初めとする地域医療の確保について、どのような内容を盛り込んでいくおつもりなのか、お尋ねしたいと思います。

○押元病院事業部長 都立小児病院の移転統合を検討するに当たりましては、八王子小児病院や清瀬小児病院がこれまで担ってきております地域医療機能をどのように継続をしていくかという課題が、重要なポイントになるということを十分認識をしているところでございます。
 そのためには、新しくできます小児総合医療センターと、地域の病院や診療所などとの医療連携システムをこれまで以上に強化していくことはもとよりでございますけれども、地域医療の確保に向けて、地元の自治体との協議、調整を十分行っていかなければならないと考えているところでございます。
 ただいまご指摘のありましたように、マスタープランの策定に当たっても、こうした点について盛り込んでいく必要があると考えているところでございます。

○萩生田委員 今お話があった小児総合医療センター、先日の委員会の質疑の中でも明らかにしましたけれども、当初、平成九年当時は、今ある八王子小児病院を八王子市内で移転拡充をして大きな病院にしていこうと、こういう計画がありました。
 しかし、今回出された報告書の中身では、そうじゃなくて、ただ単に移転をし拡充するんじゃなくて、三多摩あるいは東京都内の小児診療をセンター的にきちんとコントロールができるような、より充実した病院をつくろうということになったわけで、その候補地が総合病院の隣接地である府中になったということですから、私は、このストーリーは一定理解をしたいというふうに思うんです。八王子市民である以上、できれば八王子につくってほしかったという思いはありますけれども、東京都全体のことを考えれば、やっぱり地理的なことも考えなければいけない。
 一方で、例えばそのセンター的機能を持った病院が府中にでき上がったとしても、なくなるかもしれないといわれている清瀬や八王子、これらはどういう代替をしていけばいいのかということは、これは地元の自治体に後は頼むぜといわれたところで、過日の質疑でも明らかにしたように、小児科医の希望者がいないわけですから、小児科をぜひ充実したいといっても、なかなか開業医もいないし、あるいは大病院も小児科を扱いたがらないという社会現象の中で、果たして東京都はどういう役割を果たしていくかというのを、このマスタープランの中で明確にしていかなくちゃいけないと私は思うんです。
 ですから、今ご答弁がありましたように、現在作成中のマスタープラン、これはあくまで再編整備を確定するものじゃなくて、まさにマスタープランがこれからの議論のスタートだと私は思っていますし、また、そのマスタープランの中には、今まで委員会の中で明らかにしてきたさまざまな地域事情を、必ず当局の皆さんが検証していただける、問題の解決を必ずしていただけるということを私も信頼して、きょうは質問を終わりたいと思います。
 つきましては、でき上がってくるマスタープランが、皆さんのご答弁と違う内容であった場合は、次回は私が紹介議員になって、より多くの署名を集めて請願を提出する用意がございますので、そのことを申しつけて、ぜひ、このマスタープランにつきましては、十分に地域の皆さんと協議の場を確保していただけますように強く要望して、終わりたいと思います。

○河西委員 請願に関連して、大きく二つの項目で、ご質問あるいは意見表明をさせていただきたいと思います。
 まず第一は、都立病院改革会議の報告を受けて、過日の十一月十六日に説明をいただき、質疑応答をさせていただいたその後の経過ということで、そこに焦点を当てて二つほどお尋ねをしたいと思います。
 都立病院改革会議報告の再編整備案につきましては、今、萩生田議員からも質問がありました。移転統合や廃止等の対象となる病院が存在する、所在する地元自治体あるいは近隣自治体及びその議会、あるいは住民から、反対ないし不安の声が多く寄せられております。今のご答弁にもありましたとおり、改革会議報告書を受けて、東京都は、年内にマスタープランを策定していこう、こういうスケジュールで今準備が進められていると思いますけれども、マスタープラン作成のその過程において、こういった関係者の声をどのように受けとめ、どのように配慮し、計画に盛り込むのか、このところを一点確認をさせていただきたいと思います。

○押元病院事業部長 都立病院改革会議の報告が提出されまして以来、地元の自治体ですとか都民の皆様から、評価するお立場での激励から非常に厳しいご批判まで、さまざまなご意見あるいはご要望をちょうだいしているところでございます。
 都立病院が、地元の住民の皆様を初め都民の皆様からの厚い信頼を得ていることを、改めて認識をしたところでございますけれども、今後、マスタープランの策定に当たりましては、地元自治体や地域の医療機関との役割分担を踏まえながら、密接な医療連携の中で、地域住民が安心できる医療提供体制の確保に配慮してまいりたいと考えているところでございます。

○河西委員 私は、最後の意見表明でも指摘をさせていただきたいと思っていますけれども、今の行政運営、特に地方行政の運営の基本的な姿勢といいますか、あり方を見ますと、やはり計画段階からの市民参加といいますか、都民参加といいますか、これが大きな流れになっています。したがいまして、今策定中の東京都のマスタープランの中に、いかに住民の意向、あるいは区市町村の首長さん、あるいは議会の意向を反映させながら一緒に計画を立てていくか、この視点をぜひ堅持をしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 そしてもう一点は、小児医療に関する問題でございます。
 小児医療の充実は、緊急の課題であることはいうまでもありません。事務事業説明に対する質疑におきましても、樋口ゆうこ委員が、小児科医の減少あるいは小児科医の高齢化問題、そして小児医療の拡充の必要性について指摘をさせていただいたところです。東京都を超えて、国の責任においても、この課題の解決を図らなければいけない領域も少なくない、こういう認識をしておりますけれども、小児医療の充実に向けて、また、東京都が払わなければいけない努力も大いにあるというふうに思っています。
 小児医療の充実に向けまして、東京都は今後どのような努力をされていくつもりなのか、現時点での方針、取り組み等をお聞かせいただきたいと思います。

○奥田医療計画部長 少子化が進む中で、小児科標榜の医療機関であるとか医師が減少しており、親御さんの育児不安を解消するためにも、小児救急医療の確保が重要な課題となっていることは、よく承知をしております。
 このために、都は、ことしから小児科の休日・全夜間診療事業を開始いたしまして、小児科医が三百六十五日二十四時間、小児患者に対応できる体制を整備したところでございます。
 それから、小児救急の大半を小児の初期救急患者が占めているという状況に対応するために、モデル的に平日の救急医療に取り組んでおられます区市町村に対する支援事業、こういうものを開始したところでございます。
 今後とも、移転統合の対象となっております小児病院が存在する地域を初めといたしまして、各区市町村あるいは地域の医療機関等との役割分担を踏まえまして、連携を図りながら小児医療の確保に努めてまいる所存でございます。

○河西委員 ただいまのご答弁で、今後、小児病院が存在する地域を初め、区市町村や地域の医療機関等との役割分担と連携のもと、小児医療の確保に努めてまいりたいというご答弁がございました。先ほどのご答弁では、地元区市町村と十分調整、協議を調えていきたい、こういうご答弁もございました。私は、ぜひその姿勢で進めていただきたい、そして、多くの皆さんが不安に思っている小児医療のサービス低下にならない代替の対応策など、十分な合意形成に向けてご努力をいただきたいというふうに思います。
 重ねて申し上げますけれども、計画段階から市民参加をすべきだ、この方向あるいは基本的な視点を、ぜひ行政運営の中に位置づけていただきたいということを私は表明させていただきます。
 それからもう一点は、一四三号の九項でしょうか、保健所の統廃合に関する問題でございます。多摩地域の東京都保健所の再編につきまして、私の見解を述べさせていただきたいと思っています。
 去る十月二十五日に、衛生局は、多摩地域の保健サービスの再構築について、市長会で説明をなされました。その席上で、一部の市長からは納得できない旨の意見表明がされたと聞いております。
 多摩地域の都の保健所につきましては、平成九年度、これは地域保健法の全面施行に伴う母子保健事業の移管でございますが、この平成九年度に三十一カ所の保健所及び保健相談所が十二カ所の保健所に統合され、さらに、このたびの提案によれば、平成十五年度以降、五カ所の都保健所と二カ所の政令市保健所、合計七カ所の保健所体制となり、地域住民から、保健サービスが低下するなどの声が上がっているのは事実でございます。
 地方分権の進展や地域住民の利便性の観点から、身近な保健サービスが市町村を中心に提供されてきている状況については、十分承知しております。しかし、多摩地域の市町村では、財政状況が厳しく、保健サービスを推進する専門職員の確保も困難な状況にございます。このたび提案されました事務移譲や権限移譲に当たっては、市町村に対する人的、技術的、財政的支援が必要不可欠でございます。さらに、政令市である八王子、町田市への移管につきましては、土地建物も含めた財政的支援が必要だと考えております。
 平成九年度以降の多摩地域の都保健所再編の流れは、非常に急激であると感じています。医療や介護にかかわる費用が今後一層増大をしていく、このことを考えますと、未然予防や健康維持などの重要性が叫ばれている折、市町村が保健サービスを円滑に実施できるよう、東京都は万全な支援体制を整えることを強く要望し、意見表明とさせていただきます。
 以上です。

○東村委員 先般の事務事業質疑で、ある程度聞きたいことはお聞きしました。その上で、これからマスタープランを策定される、そのマスタープランにぜひとも取り入れてもらいたい、そういう思いで一言意見を申し上げたいと思います。
 都立病院改革会議の報告の内容は、広域行政を担う東京都が直接担うべき医療とは何か、これを明らかにしたものであり、都全域を対象として、一般医療機関では対応困難な不採算の医療を主として補い、それを担っていこう、こういう方針でございます。これについては、一般的には理解を示すことができるものでございます。
 また、小児医療の分野でも、小児精神や生育後の連携、障害を持った子どもたちが大きくなっていく、こういうことを考えたときに、報告案で示されているような、府中病院に隣接して小児総合医療センターを建設する、こういう案に関しても、これからの東京都の小児医療全体を考えれば、確かに必要なことであり、大事なことであると考えております。
 この移転統合の対象とされている小児病院が現実に果たしている役割、これは、皆さんが努力されたおかげで非常に評判がいいわけなんです。ただ、問題なのは、地元住民に対して現実に提供している地域医療はどうなってしまうのか、ここが非常に問題となるわけなんですね。
 これは皆さんが、先ほど萩生田委員もおっしゃっていました。先日の厚生委員会の事務事業質疑でも私は再三申し上げたとおり、地元のお母さんたちは、今回の再編整備案に対して大変困惑をしているわけでございます。特に在宅医療といわれる、十分、十五分以内に駆けつけないと幼い命がもうそこでストップしてしまう、厳しくなってしまう、そのためにわざわざ八王子小児病院の近くに引っ越しをしてきた、これらの方々の気持ちを考えたときに、この小児病院が移転してしまった後はどうすればいいか大変不安である、再三にわたって私たちに訴えられています。私の事務所も八王子にありますが、一日に一件は、この八王子小児病院の件で電話がかかってまいります。今回の請願陳情も、これらの方々を初めとする不安の声のあらわれであるのは、いうまでもございません。
 衛生局は、都民の命と健康を守る責任がある。こうした責任を果たしていくためには、都の医療行政の重要な柱として、さまざまな医療需要に対して、適切な医療サービスを身近な地域で受けられるような医療体制を整えることにあるということは、恐らく皆さんも議論の余地がないと思うんです。
 さらに、そのような体制を整えてもなお不足してくる医療、つまり言葉をかえていえば、今回の改革会議で、一般医療機関では提供困難ないわゆる不採算医療、これは都がみずから直営で病院を運営し、その医療を提供することにより都民の安心を担保することは都立病院しかできない責務である、このように私は考えます。先ほど、小児科の医師がだんだんだんだんいなくなってきている、なり手がない、まさに小児はお金がかかるんです。そういった意味で、この小児病院などは、まさにその一つであろうと私は思います。
 今のところ、都立病院としての役割を果たすための再編整備案ばかりが前面に出ており、これは報告の段階ですけれども、この再編整備だけが前に出て、何か反対反対という声が生まれてきております。それを可能とさせる当然の前提条件というべき都の医療体制に関する充実策が、大変申しわけないんですが、余りにも抽象的でわかりにくい。ここが非常に不明確で、お母さん方が大変に不安になっているわけなんですね。そういった意味で、私自身も、どんなに聞かれても説明のしようがないわけでございます。
 過日、十一月二十八日に墨東ERの開設式がございました。ここで石原知事が、全国の自治体の模範となるような東京発の医療改革をしていくという話をされました。私は衛生局の職員の方と一緒に回らせてもらって、いいことをおっしゃっていたんです。病院はあくまでも患者さんが第一なんです、したがって、きょう議員の皆さんが開設式に来られても、あくまでも患者さん中心に、きょうの式典は運営させていただきますということをいわれました。大事なことだなと思いました。
 東京発の医療改革、まさに患者さんの視点、一番大事なのは患者さんである、どうかこれを忘れないで、今回の改革会議の報告を受けて、これからマスタープランを策定されるわけでございますが、策定に当たっては、先ほどもいいました単なる都立病院の再編整備計画だけではなくて、東京都がおっしゃっているような、都民に対し総体としての医療サービスの向上、これがどうか単なるお題目でないことを示すものとして、ぜひともこれから地元自治体と協議をし、そして地元自治体の意向を十分に踏まえて、地域の住民が安心して医療を受けることができるような充実策を、可能な限り具体的に明らかにしていっていただいて、皆さんのために、患者のために、このマスタープランをどうか策定していただきたい、このようなことを申し上げまして、私の意見を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○小松委員 私も、この病院改革問題につきましては何点か質問させていただきますが、既に、先日の第三回定例会や事務事業質疑など論議がされてきたわけですし、特に小児関連では、当委員会でも多くの会派が取り上げたわけですので、今回は、これらを踏まえて質疑を行ってまいりたいと思います。
 まず、東京都におけます小児科を標榜している医療機関が、この十年間どのように推移してきているか、これをお伺いしたいと思います。

○梶山参事 都内における小児科を標榜している医療機関数の推移について、平成二年と十一年で比較いたしますと、病院数は三百二十七から二百四十九へ、診療所数は三千六百七十四から三千三百五へと減少してまいっております。

○小松委員 大変な減少があるわけですね。特に小児の場合は、休日、夜間を含めた救急医療体制が求められるわけですね。都でも、やっとことしからその体制が整備されてきたようですけれども、この状況を伺いたいと思います。

○梶山参事 都では、小児救急医療体制の充実を図るために、本年四月から小児の休日・全夜間診療事業を開始し、三百六十五日二十四時間、小児科医師が小児の救急患者に対応できる体制を整備したところでございます。現在、この事業に参画しているのは五十一病院であり、全体で七十三床を確保しております。

○小松委員 全都で五十一施設で七十三床ということですから、絶対数で不足するのではないかというふうに思われるわけですが、それでは、このうち八王子小児、清瀬小児、ベッド数は幾つでしょうか。

○押元病院事業部長 休日・全夜間救急事業といたしまして、八王子小児病院と清瀬小児病院で確保しております病床は、それぞれ二床ずつでございます。

○小松委員 七十三床のうちの二つの小児で四床、少ない中で貴重な数字といわなければならないのでしょうか。それも、あの五十万人口の広い八王子市に、八王子小児が、指定の五十一施設の中ではたった一病院だと。もし八王子小児病院が、移転したということで廃止されてなくなってしまえば、町田か多摩市まで行かなければならないということになりますね。清瀬でも、二次医療圏にはもう一つ西東京にあるようですけれども、隣接する東村山にも東久留米にも、また東村山の隣である東大和にも、こういった施設が全くないということからしても、清瀬小児病院の存在は大変貴重なものとなるわけです。
 そのためもありましょうか、両小児病院の救急の患者数、この実績は大きな数字を示していると思われますが、両小児病院の救急の実績、特に休日、夜間について伺いたいと思います。そして、それに対応する当直体制を含めた医療体制ですね、お願いしたいと思います。

○押元病院事業部長 八王子小児病院と清瀬小児病院の休日、夜間に対応いたしました救急患者数でございますが、平成十二年度におきましては、清瀬小児病院でございますが、入院が八百三十三名、外来が一万一千百三十四名でございます。八王子小児病院につきましては、入院が五百五十四名、外来が五千七十三名となっております。
 また、休日、夜間の当直体制でございますが、清瀬小児病院につきましては、医師が四名、それから検査技師と薬剤師が一名ずつ当直をしております。また、八王子小児病院では、医師が三名、検査技師が一名当直をいたしております。その他の職員は、必要に応じまして、オンコールと申しまして、電話での呼び出しですぐに駆けつける体制となっております。

○小松委員 清瀬が、入院、外来で合わせると一万二千人、八王子の方も五千五百人以上になりますか、大変な数であるわけですね。清瀬など、この数字から割り出してみますと、一カ月約千人、一日三十人以上ということになりまして、これは十二年度の数字といわれたわけですけれども、これを年次的な推移で見ると、どういうことになりましょうか。

○押元病院事業部長 八王子小児病院と清瀬小児病院におけます救急患者の推移でございますが、平成二年度と十二年度を比較いたしますと、まず清瀬小児病院でございますが、休日、夜間の入院患者でございますが、平成二年度が四百名でございまして、それが平成十二年度になりますと、八百三十三名になっております。外来患者につきましては、平成二年度が三千百十三名でございまして、平成十二年度は一万一千百三十四名となっております。
 八王子小児病院につきましては、入院患者が、平成二年度が四百九名、平成十二年度が五百五十四名、外来患者につきましては、平成二年度が一千九百六十九名、平成十二年度が五千七十三名となっているところでございます。

○小松委員 数だけ取り上げましても、今は時間がないので、平成二年度と十二年度、十年間を一挙に飛ばしましたけれども、実際に見てみますと、グラフなどでも大きくだんだんとふえている。これからも、これはふえていくだろうといわれていますね。
 例えば、これは各病院が出しました意見書ですけれども、清瀬小児病院から出されている救急医療では、こういうふうに書かれておりますね。最近十年で、外来で約五倍、入院で約三倍の増加を示している、特に外来においては直線的な増加を続けている、救急の九〇%を占める内科--小児科ですね、救急患者の増加は著しく、入院患者の三分の一は夜間に入院する状況となっていると、このように示しているわけです。
 ここがこんなに数が多いというのは、先ほどの体制の中でもありましたように、清瀬が、夜間でも四名の専門医、各科の専門医がいらっしゃる、そして検査技師が一人、薬剤師が一人。八王子では三名、検査技師一名、さらに、レントゲン技師などはオンコールで呼ぶこともできる。レントゲン技師さんは足りないんでしょうね、当直できないわけですから。これだけの体制をとっている近隣の病院というのはないと思うんですね。
 そういうことからしましても、この地域での大切な救急医療とあわせまして、そしてさらに高次医療もというのが、清瀬小児であり八王子小児の特徴なんですが、先ほど読ませていただきましたレポートの中にも、日本小児総合医療施設協議会に参加する全国の主要な小児専門医療施設の中で、高度専門医療とともに一般救急医療をあわせて行っているのは、当院を含めて二、三施設にすぎないと。これは清瀬小児病院のペーパーですけれども、二、三施設、もう一つを八王子とすれば、全国でもこういう施設は本当に少ないということが明らかになっているわけです。
 両小児病院の、高度専門医療と同時に地域の一般救急医療に果たしてきた、また果たしている、これからも続けば果たし続けるだろう役割の大きさ、これを改めて認識する必要があるかなと。この大切な小児病院をこの地域から消してしまって、この後どうやってこれを埋めるのでしょうか。救急医療だけとっても、両小児で、先ほどから出ておりますように一万七千件以上の患者を、府中や近隣の医療機関で対応できると思われますか。

○押元病院事業部長 都立病院改革会議の報告書で移転統合の対象とされました都立の小児病院が、これまで実態として担ってまいりました地域医療につきましては、実際に移転統合という具体的なお話になった場合には、地元自治体でございますとか、あるいは地域の医療機関との役割分担を踏まえながら、密接な医療連携を通じて、地域住民の皆様が安心してかかれるような医療提供体制を確保してまいりたいと考えております。

○小松委員 都は、こうした統廃合で地域住民が安心できる医療体制を確保していけるとおっしゃいましたけれども、本当に確保していけるんでしょうかね。清瀬でいえば、年間一万二千件の救急は、この間の推移を見ても、今後も、さらにふえこそすれ減っていかないだろう。そして、この一万二千件のうち、お話がありましたように一万一千以上、九五%近くが外来だと。すなわち一定の処置を受けて帰宅しているんですね。八王子でも五千六百人のうち外来が五千人ですから、九〇%以上です。
 夜中の突然の高熱やけいれん、突然の事故やけがなどなど、子育てには、特に乳幼児には常にそんな心配があるわけです。私自身もその経験を十分にしておりますし、そんな中で、清瀬小児があったために本当によかったと、そういう経験もしております。この近所の方々、恐らく一回や二回はそういう経験を持って、今では立派な大人に成長されたお子さんの子育てに当たってこられた、そういうことが往々にして私たちの間では話し合われます。たとえその病気やけがが結果として大したことなくても、または大変重症であったとしても、どちらでも、休日や夜間いつでも診てもらえる、それも各専門の小児科医がそろっている、専門的に診てもらえるんです。
 救急医療だけとっても、この地域にとって、大きくいえば多摩にとって、もし両病院がなくなったときは大きなレベルダウンと思うのですが、いかがでしょうか。

○押元病院事業部長 都立病院改革の目的は、東京における総体としての医療サービスの向上ということが目的とされております。報告書も、その考え方に貫かれております。したがいまして、この報告に盛られました施策を具体化するに当たりましては、レベルダウンになることのないよう、地域住民が安心してかかれる医療体制を確保していく、そのようにしなければならないと考えております。

○小松委員 それは、レベルダウンになりますとは、ここの場ではいえないとは思いますよ、確かに。だけど、実際には火を見るより明らか、こうした大切な医療機関がその場からなくなってしまうんですから。それで、確かに府中にあるよと。府中にあって、そうした夜中に高熱が出た、そしてけいれんが起きた、すぐすっ飛んで行けますか。八王子でも端から端、それだけでも遠い。八王子の一番外れからは三十分以上もかかるんですよ。(「三十分じゃ着かないよ」と呼ぶ者あり)そうですね、今、三十分じゃ着かないといっていました。(笑声)これは笑い事じゃないですね。
 そのように、本当に地域の中で根差してきた大切な医療なわけです。住民が安心して生活できるようにという願いを持たれているのでしたら、ぜひこれは見直していただきたい、こう思うわけです。
 これ、何回繰り返しても同じになりますから、次へ行きますけれども、もう一つ、NICUは高度医療と救急、両者の高い水準が求められる。これも、子育てする都民にとっては大切な医療分野であるわけです。多摩のNICUを担ってきたのも八王子であり、清瀬も施設が不十分だけれども頑張っているわけです。これについては、先般、大分やりとりがありましたので、きょうは答弁を求めませんけれども、こうした中で、先ほどのご答弁では、住民は全く納得できないということではないでしょうか。だからこそ、八王子や清瀬では、地元市中心に市ぐるみの反対運動が起きているんですね。
 前回の質疑でも、多くの要望があることを報告されました。先ほどもその報告がありましたけれども、十月十六日に質疑があった、そこまで聞いておりますので、それ以降、どんな団体から、どのような内容の要望が、どのぐらい出されているんでしょうか。

○押元病院事業部長 十月十六日の事務事業に関します質疑の後、翌日十月十七日以降に私どもがちょうだいいたしました要望は、世田谷区長さんや、あるいは都立清瀬小児病院を守る会などからちょうだいいたしましたものでございまして、全部で六件でございます。
 内容といたしましては、それぞれの皆様が関係する都立各病院についての存続の要望ということになっております。

○小松委員 本当に、この運動は大きく広がっているということです。
 先日、私どもの都議団が主催しまして、病院改革問題で懇談会を行いましたが、その席でも清瀬市の助役が、あの七月の発表以来、心の休まる日はなかったとお話しされ、また八王子の助役も、自治体として断じて容認できませんとメッセージを寄せているんです。多くの団体や住民も、今ある都立病院の大切な役割をそれぞれの立場から訴え、報告するなど、病院の統廃合、今の統廃合は許せない、反対の意見が大変数多く出されたわけです。
 今のご答弁でも、八王子、清瀬、または世田谷、世田谷は後から取り上げますけれども、自治体からの存続要望を中心に、八王子は旧都立畜産試験場浅川分場跡地への改築移転、清瀬の施設整備要望などがあると先日の厚生委員会でも報告があったわけですけれども、都は、こうした自治体や住民に対しまして、要望を直接受け取りますね、そのときに一体どのようにお答えになっていらっしゃるんですか。

○押元病院事業部長 ご要望等をちょうだいするときの対応でございますけれども、ご意見を十分に伺ったところであり、年内に策定をいたしますマスタープランの中で、行政としての施策を明らかにいたしますという旨をお伝えしております。

○小松委員 ご意見を聞いて、それを踏まえてマスタープランに生かす、そういうお答えで、前回もそういうお答えをいただいておりますけれども、それでは、こうした統廃合にかかわる自治体と、どう話し合って、マスタープランにどのように生かされているんでしょうか。

○押元病院事業部長 先ほど来申し上げておりますとおり、都立病院改革会議の報告が出まして以来、地元の自治体あるいは住民の方々から、多くのご意見あるいはご要望が寄せられております。また、私どもといたしましても、さまざまな機会をとらえまして、それぞれの自治体の長を初め、関係の市町村や地元住民の皆様などにご説明をしてきたところでございます。
 そういった機会にちょうだいいたしましたいろいろな議論というようなものを、私ども十分承ったところでございますが、今後、マスタープランの策定に当たりましても、こうした努力を引き続き行ってまいりたいと考えております。

○小松委員 今後もとおっしゃいますけれども、まず最初に、年内にできるマスタープランというのは、年内というんですから、まさか十二月の三十一日に出すわけじゃあるまいし、年内ということになれば、もうきょうは十一月三十日なんですよ。印刷、製本など考えれば、もうでき上がっているんじゃないんですか。ただ、ここで今それを、こうやってマスタープランに生かされたんですなんていえないと思うんですけれども、内容は、本当に地元自治体の意見が反映されたものになるんですか。両自治体、例えば清瀬でも、それから八王子でも存続を求めているんですよ。こうした意見の反映がマスタープランでされるんですか。

○押元病院事業部長 現在、マスタープランの策定中でございます。年内にお示しをしたいと考えております。

○小松委員 これ以上いってもしようがないね、いいませんよ。(「マスタープランは結論じゃない、スタートだから」と呼ぶ者あり)マスタープランはこれからスタートだと、先ほども意見がありましたけれども、確かにそのスタートであったとしても、スタートが大事なんですよ。このスタートに、住民の意見、地元市の意見がどう反映されているか。地元市は残してくれといっているんです。だけど、報告は廃止をしようといっているんですからね。そして、この報告に基づいてと都がいっているから、いろいろな運動が起こるわけでしょう。報告は出たけれども、ちょっと都の考えは違って、都は都で考えるよというのならまた違うんですけれども。
 もうこれ以上聞きませんよ、何回聞いても同じ答えだからね。策定中なんて、もうできているんだろうと思うんですけれども、何としても、こうした地元の住民や自治体の意見を本当に大切にしないと、これはもう大きなやけどをすると思いますよ。これは申し上げておきます。
 ところで、ちょっと話題を変えまして、府中キャンパスのある府中病院または療育センター、これの建てかえ計画というのはどうなっているんでしょうか。

○押元病院事業部長 小児総合医療センターを初めといたします都立病院の再編整備のスケジュールなどにつきましては、年内を目途に策定するマスタープランの中で明らかにしてまいりたいと考えております。

○小松委員 今私は、あえて小児総合医療センター聞かなかったんですよ、それはマスタープランの中でといわれるからね。だけど、もう元来から建てかえ計画のあった療育センター、または老朽化している府中病院、これはやっぱり計画があるかなと思ったけれども、これもマスタープランですか。まあ、それならそれでしようがないでしょう。
 予定されている府中キャンパスというのは、というより府中や国分寺、この地域はどういう地域でしょうか。ここの地域というのは必ず遺跡が出るんですよ、こういわれているんです。病院事業部は、このことは認識しておられますか。

○押元病院事業部長 もちろん認識してございます。

○小松委員 認識しているということですと、この遺跡が出ることによる影響、これをどのように考えておられますか。

○押元病院事業部長 埋蔵文化財の調査が必要になりますので、実際に再編整備を進めていくに当たりましては、こういった期間も考慮した上でスケジュールを立てていくことになると考えております。

○小松委員 とんでもない、遺跡という関係のないもののように思いますけれども、この埋蔵文化財の遺跡が出てきますと、普通いわれているのは、調査一年半、レポート一年半、これが最低の期間です。しかし、これで大きいものが出てくれば、都営住宅などで、例えば私が住んでいる東村山では、最近、下宅部遺跡というのが出ているんですけれども、これはこの遺跡が出たことで着工予定が五年おくれているんですね。そうでなくとも府中病院や療育センターの建てかえもあると。府中キャンパスへの統廃合では、この一点だけとっても、期間的に見ても、今の八王子や清瀬の老朽化を見る限り待てないと思われますが、いかがでしょうか。

○押元病院事業部長 埋蔵文化財の調査に要します期間は、土地の形ですとか、あるいは面積によってさまざまに異なると考えますので、一概に申し上げられませんけれども、その間、一切作業をストップするということではなくて、この再編整備はあらゆる作業がございます。実際に、現地で土を掘ったり、あるいは土地を整備したり、あるいは建物を建てたりということだけではなくて、それ以外にいろいろな作業がございます。そういった作業も同時並行でやっていくことによりまして、埋蔵文化財調査に要する期間をできる限り少なくして、都民の皆様のご期待にこたえてまいりたいと考えております。

○小松委員 今のお答えを聞いていると、私の質問がそうだからといわれてしまえばおしまいですけれども、東京都は、市が何といおうと府中に小児病院、こっちを廃止してつくっていくんだというレールが、もうちゃんと敷かれているわけですよね。
 でも、間に合わないということと同時に、八王子には予定された場所があるわけですね。既に何回も出てきております。また、清瀬も近くに共済清瀬があるわけですから、これが来年の三月廃院するわけですから、こうしたものを使えば、改築というのは十分可能なわけですよ。改革会議では、こうした遺跡などのことはもちろん知らされないから、老朽化、狭隘化した今の小児病院は一刻も早く、府中に空き地があるならそこに統廃合移転という、こういう図式ではないのでしょうか。
 また、都は、清瀬、八王子小児と、それから梅ケ丘小児、そして母子保健院の敷地を売却して、府中病院の建てかえ、建設を行おうとしているのではないんですか。だから、何が何でも廃止が先にありきになるんではないでしょうか。

○押元病院事業部長 それぞれの移転あるいは統廃合の対象になっております病院の敷地につきましては、これは都民の貴重な財産でございますし、また、病院会計は公営企業会計が適用される会計でございますので、そういった面も十分考慮しまして、適切に対応してまいりたいと考えております。

○小松委員 病院会計という厳しい会計の中だけで考えようとすると、そういうことになるんです。しかし、子どもらの大切な命を守る、都の責務としての小児病院であるわけです。これで、あすを担う子どもらの命が救われ、守られたら、これ以上の予算の有効な使い方はないではありませんか。こういうときにこそ、都民の税金、予算を使うべきではありませんか。いっときも早い、この両小児病院の改築による存続を求めるものです。
 ところで、この再編整備案の中では、母子保健院は廃止するべきとされております。ここで、母子保健院がこれまで担ってきました機能について、改めて伺いたいと思います。

○押元病院事業部長 母子保健院は、小児科、産婦人科を標榜いたしまして、周産期医療などに取り組んでおります。また、乳児院を併設して運営をしております。

○小松委員 簡単におっしゃいましたけれども、こうした小児科、産婦人科を標榜して周産期医療にも取り組んで、そして乳児院も併設している、さらに、世田谷区の委託で病後児保育も行っている、これだけそろった施設が他にあるでしょうか。

○押元病院事業部長 小児科、産婦人科、乳児院の機能を有します公的な病院といたしましては、都内に、済生会中央病院あるいは日本赤十字社医療センターがございます。

○小松委員 そういうところはないといってくれれば、まだよかったんだけれども、ありますというから……。
 私が聞いているのは、そこは病後児保育もしますか、乳児院もやっていますか、そしてさらには、虐待児も取り上げる--乳児院はやっていますね、失礼しました。そういうように、本当にあれもこれもと、家庭的な雰囲気の中でやっている、こうしたこの病院です。これにつきましては、私のところにもたくさんのいろんなメッセージが寄せられております。少し紹介したいと思います。
 ある方は、出産に際して、産科専門の医院や助産院だと万が一の出産のとき不安ですが、母子保健院は小児科が併設されているため安心して臨めました。母子保健院はアットホームな暖かさが感じられ、と書いてあります。
 また、別の方は、自然分娩を重視した出産専門の病院で、母乳育児の指導にも力を入れていて病児保育も行っているなど、母子保健院はどこを探しても見つからないユニークな病院だと思います。
 また、ある方は、休日や緊急の場合、小児科は特に少なく、母子保健院ならば快く対応してくださり、ここに連絡できれば安心だというかけがえのない施設です。
 もう一つだけ、病児デイケアをたびたび利用させていただいているという方です。一部分だけ読ませていただきます。私の子どもはぜんそくがあり、卵アレルギーという厄介な除去食も必要としています。このような子どもにとっては保育園を休まなければならないことも多く、そのたびに仕事を休むことは不可能であり、共働きにとっては悩みの種となっています。この病児デイケアを利用して随分助かっています。アレルギーにもきちんと対応してくれ、吸入をしていただいたり、塗り薬や飲み薬まできちんとしていただけるのは、病院に併設された、また看護婦さんや熟練された保母さんのいる施設としては、こちらだけではないでしょうか。
 また、第二子の出産に当たって、その第一子を預かってもらえる、これも大変な特徴であるしということで、この母子保健院は、私たち多摩の者なんかにとっては遠い存在かもしれませんが、この世田谷という大きな区の中で、世田谷区民が大変よりどころにしているだけではなく、この世田谷に生まれ育ち、そして結婚されて地方に行かれる。しかし、やはりここに戻ってきて皆さんまた出産をされていかれるというように、親子代々出産、そして子育てのその最初をこの母子保健院という方が、世田谷の中でも、六千人の赤ちゃんが生まれる中で千人がこの母子保健院だという大切な施設なわけですね。
 さらには、救急医療、先ほどの救急医療の実態の中には、ベッドがないということで、ここは対象になっておりませんでしたけれども、この救急の実態というのも伺いたいと思います。

○押元病院事業部長 平成十二年度におけます母子保健院の救急患者数は、入院が五百二十八名、外来が二千五百九十三名となっております。

○小松委員 八王子とか清瀬から比べれば少ないけど、これは大切な数ですよね。実際に、先ほどの休日、夜間の救急医療でも、世田谷には、そしてまたその隣の杉並にも、この実施医療機関がないわけですから、母子保健院は、こうした救急医療指導機関にはなっていませんが、小児の一般病院として、夜間の救急などを受ける大切な病院になっているということを認識していただきたいと思います。
 ところで、この母子保健院と同区内に、国立の小児総合医療センターができるということを聞いておりますが、この国立小児医療センターというのは、どういう機能を持っているのでしょうか。
 そしてまた、これができることにより、この母子保健院も実際に廃院するという病院になっているとも聞きますけれども、それはどうなんでしょう。

○齋藤企画担当部長 お尋ねの病院は、国立生育医療センターのことかと思いますけれども、この国立生育医療センターは、小児医療、母性・父性医療など、胎児から小児、思春期を経て出産に至る過程を対象といたしました、健全な次の世代をはぐくむための生育医療というものを提供する国のナショナルセンターとして、平成十四年三月に開設すると伺っております。

○小松委員 間もなくできるセンターの機能が高い水準にあって、高次医療として期待できるものということはわかりましたが、だからこそ母子保健院のかわりになるものではないのではないでしょうか。ここで、出産のとき上の子を預かってくれますか。そもそも乳児院もあるんでしょうか。夜中に熱を出したからと、気軽に受けてくれますか。病後児保育をしてくれるんですか。
 こうしたこと、住民の願いをすべて受けてくれた母子保健院、こういうことについて、改革会議ではどのように論議されてきたんでしょうか。

○押元病院事業部長 都立病院改革会議では、委員の皆様に実際に母子保健院に足を運んでいただきまして、十分時間をかけてご視察いただきますとともに、病院のスタッフとも意見交換を行ったところでございます。
 こういった母子保健院の機能を踏まえた上での報告書の結論になったというふうに考えております。

○小松委員 それだとしたら、余りにも地域の住民や、それから自治体、世田谷の区議会ですね、こうしたところの声を聞いていないということのあらわれではないでしょうか。
 実際には、世田谷区では、区長から、区議会も一体となって要望書を提出しているわけですね。今私の手元に、世田谷区議会の議長から、または区長から出された意見書、要望書があります。
 それによれば、母子保健院というのを、役割を書いた上で、そして同院は乳児院を併設し、被虐待児の心のケアなどを行っている唯一の都立病院であるとともに、世田谷区が病後児保育事業を委託しているなど、世田谷区民にとって欠くことができない施設なんだと。開設以来六十年の長きにわたって小児母子医療の中核として区民の信頼にこたえてきた母子保健院が、その受け皿が十分確保される見通しもないまま、この報告どおり廃止された場合、世田谷区の地域医療全体に甚大な影響を及ぼすことは必至である。これは、世田谷区議会が超党派で全会一致で出した意見書の中身であります。
 また、これと同じようなことが区長からも出され、さらに区長は、東京都は、二次救急医療対策の実施主体であるとともに、初期小児救急医療への支援の役割がある一方で、それらの方策が充実されないままでの母子保健院の廃止は、小児医療の縮小であり、世田谷区として到底納得できるものではありません、このようにいわれているんですけれども、こうした自治体や住民の声をどうとらえていらっしゃるでしょうか。

○押元病院事業部長 お越しになりました世田谷の区長さん、それから議長さんに対しましては、ご要望の内容は十分承りました、年内にお示しいたしますマスタープランの中で、行政としての施策を明らかにしてまいりたいとお答えをしております。

○小松委員 ちゃんとその立場に立ってお受けしていれば、この年内に出るマスタープランに、それが生かされるはずです。
 改革会議でその実態を論議したといいますが、廃止をするなどとんでもないという住民の意見、母子保健院はマスタープランに廃止で盛り込むのではなく、老朽化への対応で存続させることを強く求めるものです。
 こうした中で、この母子保健院を含めまして、小児医療、小児病院、これらの存続を求めてこそ、東京の医療の水準が、引き続き子どもたちの医療が求められるということを強く主張しておきたいと思います。
 次は、多摩地域の保健所の再編です。衛生局は、去る十月二十五日に、市長会に対して多摩地域の保健サービスの再構築について説明されたということですが、市長会ではどのような論議がされ、どのように取りまとめられたのでしょうか。

○櫻井総務部長 十月二十五日の市長会におきまして、多摩地域の保健サービスの再構築について説明をしたところでございます。その際、保健所の建設に関することや、保健所のサービスなどにつきましてのご意見をいただいたところでございます。会長の立川市長から、本日は都から説明を聞いた旨の取りまとめをされたところでございます。

○小松委員 発言の中身が翌日の新聞報道にありましたけれども、実際に自治体としては、何としてもこれは断じて許しがたいなどの発言があったように聞きますが、そうした発言という中身は、どこまで教えていただけますか。少し中身を教えていただきたいと思います。

○櫻井総務部長 新聞報道につきまして、直接言及する立場じゃございません。また、市長会における市長さん方のご意見表明につきましては、私どもが直接お話しすることはいかがかと存じております。

○小松委員 その市長会の中で具体的に--櫻井部長は出席されていたんでしょう、実際に。そうしたら、市長から、三人ほど意見があったと聞きますけれども、それは、これはいいね、それとも、こういう条件をつけてくれりゃいいよ、そういう発言だったんですか。
 私は、その新聞報道によれば、その市長会の中で、断じて許せないという発言があったかに聞いておりますけれども、いかがだったんでしょうか。

○櫻井総務部長 市長会は、私どもが主催している会議じゃなくて、市長会がみずから開催しているものでございます。それの議事につきましては、また意見等の扱いにつきましては、市長会みずからがご判断なさることだと考えております。

○小松委員 わかりました。新聞報道には、そのようにされておりましたので、それが事実だということで受けとめたいと思います。
 それでは、その後、市長会に対してどのような話し合いしているのでしょうか。

○櫻井総務部長 当保健所の再編整備につきましては、十月二十五日以降、市長会とは特段の話し合いは持ってはございません。

○小松委員 今後、どのような方向で進まれようとしているのですか。

○櫻井総務部長 今後、東京都としましては、十月二十五日の市長会にご説明したような素案に基づきまして、誠実に市町村の方と協議を重ねてまいりたいと存じております。

○小松委員 誠実にということですね。市町村は、特に廃止される関係市におきましては、これは本当に誠実に話していただき、そして納得のいく形でなければ廃止をしないでほしい。いいですか、これは後でちょっとお聞きしますけれども、村山大和の保健所のように、衛生局長は早期建設といいながら、いきなり廃止だったんですからね、これは大変なことです。
 ところで、先日も、東大和でしたけれども、福祉の集いなどいうのをやっておりました。行きましたら、そこでは健康の集いというのを一緒にやっておりまして、それは公民館の中でやられていて、その中に保健所の保健婦さんが、もうほとんどだと思われるぐらい皆さん参加されて、そして市民の一人一人の健康をチェックする。私も行ったら、ちょっと食べ過ぎだから、太り過ぎだからとか、いろいろいわれましたけれども、とにかくそういう形でいろいろとアドバイスをするわけですよ。手にとり、大変きめ細やかな指導をしてきていると。
 福祉の健康まつり、健康の集い、こうしたところに、今までの保健婦さんを含めて、保健所の職員の方が丁寧に出かけていった。十五年度以降、この保健所が五カ所になったときには、どうなっていくんでしょうね、こうした住民へのサービスは。

○櫻井総務部長 都と市町村との適切な役割分担のもとで、都保健所は、広域的、専門的、技術的観点から市町村への支援を行いまして、総体としまして、市町村と手を携えて多摩地域の保健サービスの向上を図ってまいりたいと思います。
 今、先生がお話しのような個別的な事業に対する公的な支援や協力につきましては、その都度、市町村の要望等も踏まえまして改めて検討する、そのようなことになろうかと思っております。

○小松委員 このことで住民に対するサービスは大きく低下していくことを、この場で申し上げたいと思います。
 ところで、この保健所の統廃合につきまして、よくよくもう一回見てみますと、既に今までたくさんの論議をしておりますので、きょうは数多くは語らないつもりですが、まず衛生局の改革アクションプラン(第二次)によりますと、二次保健医療圏に一カ所案、これは実際には昨年の八月に表に出ているわけですけれども、実際はそれがどういう根拠で、どういう形で出てきたのでしょうか。

○櫻井総務部長 衛生局では、十二年以来、都政を取り巻くさまざまな環境変化に対応しまして、都民に対して的確な、しかも迅速な保健医療サービスを再構築していこうということで改革に取り組んでいるところでございます。
 そういう中で、保健所につきましては、平成十二年三月の国の基本指針で、都道府県保健所は二次保健医療圏を基本域としているということで一カ所と。保健医療圏に一カ所というのが望ましいというようなことの基本指針を示したところでございます。
 また、衛生局では、かかりつけ医や地域医療システム、こういう諸事業につきまして、さまざまな形で二次保健医療圏を単位として施策を展開してきている、こういうことでございます。
 そういうことから、衛生局改革アクションプランにおきましても、保健所を二次保健医療圏に一カ所とすることがふさわしいだろうということで決定したところでございます。

○小松委員 すなわち、この十二年三月の国の指針以来、そしてそのアクションプランで盛り込んでからは、さらに十四年度からは新基幹型保健所にする、十五年度以降は二次医療圏一つにする、それに向かって進んでいたのではないんですか。
 しかし、実際には既に村山大和なんかでは、もう土地も買っていた、設計図もできていた。そうした中で、この十五年度に向かって進んでいきながらも、九月二十五日には東大和で説明会を行い、そして十一月の七日か八日だったでしょうか、来年度予算要求の中で凍結を言明し、にもかかわらず翌年の二月には衛生局長が早期建設を住民に約束している。第一回定例会の中でも早期建設を約束している。そして、引き続く五月の請陳の審査の中でも、早期建設を局長は約束している。そしてその直後の夏には、もう今度は五カ所よと。村山大和も建設しないのよ、こういうことでしょう。
 そして先日、これは一体どういうことだといったら、お約束はしたけれども、そのお約束の期限が、約束の努力の期限が--一つは何とおっしゃったか、非常にそういう微妙なお答えをなさって、局長、何のことはない、もうその方向に進んでいるのに、たまたま住民団体に早期建設を約束したから、いってしまったから、議会でもいわざるを得ない。いってきたけれども、やっぱりだめでした、その期限が切れつつあるなどといっても、これはまさに住民をだましてきたことになるんじゃないんですか。これはもう、きつく衛生局長にいっておきたいと思いますけれども、衛生局長、何かありますか。局長に答えてほしいんだね、そのことは。

○櫻井総務部長 十二年八月の衛生局改革アクションプランで、二次保健医療圏に一カ所に再編すると。そういうようなことで、保健所の再編整備についての行動指針を決めたところでございますけれども、具体的に二次保健医療圏ごとに、どの保健所を新基幹型保健所にするかにつきましては、その後の都内部のさまざまな検討や調整を行った上で、本年十月二十五日に都の計画として取りまとめたと、こういうところでございます。

○小松委員 局長、答えてくださいよ。

○今村衛生局長 今、総務部長が答弁したとおりでございますけれども、保健所建設に向けて、地元のご期待に沿えないということについては、私も大変遺憾に存じております。
 しかし、保健サービスが箱物だけではないということも事実でございまして、今後はそのおわびも兼ねまして、当該地域の保健サービスの向上に向けて、ソフトも含めて努力することによりまして地元のご理解を得てまいりたいと、こう思っております。

○小松委員 今のお言葉をしっかりと受けとめておきますが、最後に意見だけ申させていただきます。
 保健所の機能の基本というのは、住民の暮らしと健康が見える場所での実践ではないんでしょうか。住民の中での活動の保障があってこそ、企画、調整、調査機能も生かせるのであって、地域から離れた五カ所体制の保健所では、その機能も期待できない、このように思います。十二カ所から五カ所への削減は、断じて容認することができない。多摩地域の保健所十二カ所を減らすことなく充実させる、このことを求めまして、質疑を終わります。

○山口委員 重複することもありますので、私の方からは二点質問をさせていただきます。
 先ほど、都立母子保健院の件につきまして、小松委員の方から質問がありました。そして、この都立病院改革会議からの報告で、保健院の状況が、狭隘化している、老朽化している、そして新たな医療の役割に対応していくことが困難であるという理由から、廃止すべきということが出されました。しかし、それはあくまでも私は報告の中の提言であると認識いたしました。現実に世田谷区では、平成九年から十三年にかけて、十三の小児科医が閉業しているという実態もあります。
 この都立母子保健院は、このような状況の中で、休日、夜間の救急診療体制、そしてまた乳児を持つ親への必要にこたえるなど、地域の中で多くの都民が頼りとしてきています。こういった中では、現在ある機能のまま建てかえていくことが求められているわけですが、このことについてどのようにお考えなのか、見解を伺います。

○大塚病院企画担当部長 これまで母子保健院が実態として担ってきた地域医療の機能につきましては、地元自治体や地域の医療機関との役割分担を踏まえながら、地域住民が安心できる医療提供体制を確保していきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、母子保健院のあり方につきましては、先ほど申し上げました都立病院改革会議の報告を踏まえまして、年内を目途に策定する都立病院改革マスタープランの中で明らかにしていきたいと考えております。

○山口委員 先ほど来、都立病院のあり方については、都立病院改革マスタープランの中で明らかにしていくとのことですが、住民の意見も十分に考慮するということで、この都民の意見は、いつ、どのように反映させていくのか、見解を伺います。

○大塚病院企画担当部長 都立病院改革会議の報告が提出されてから、区市町村や都民の皆様から、さまざまなご意見、ご要望をいただいているところでございます。
 お話のご意見、ご要望も考慮いたしまして、都民に対する総体としての医療サービスの向上を改革の基本といたしまして、今後、マスタープランを策定していきたいと考えております。

○山口委員 私は、いつ、どのように反映させていくのかということで、もう少し具体的な答弁を期待したのですが、多分これ以上無理なのかと、今までのやりとりで思いますので、あと少し、要望として意見を述べさせていただきます。
 都立病院への都民の信頼というのは、今までの委員からのさまざまな質問の中で、十分都民の声を重く受けとめていただいたということを認識しましたし、そのことを固く信じております。
 さまざまな受け皿として、八王子の病院、それから清瀬病院では、障害を持つ、または重い病気を持つ子どもたちへの在宅の生活のための支援のネットワークもできている。さらに、こういった子どもたちの教育を受ける権利を、きちんと受けとめるための教育機関との連携等も今できているような状況、こういった地域の状況を行政も十分認識してとらえていただきたいと思います。
 今、道路を含めたこういった公共施設、都市計画の中では、まちづくりとして構想段階から市民が参画して、市民の意見を取り上げようといっている中で、マスタープラン作成後もきちんと、新たな医療体制をつくるときには十分に、当該病院にかかられている患者さんを含め、地域の住民が参加できる体制で進めていただきたいということを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。

○曽雌委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時四十七分休憩

   午後二時五十五分開議

○曽雌委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。

○吉田委員 私は、請願一三第一四三、都立病院に係る問題の中で、豊島病院、そして老人医療センターの統合民営化をしないでほしいという要望にかかわって、簡潔に局のお考えをただしておきたいと思うんです。
 前回の事務事業質疑のときに、なぜ老人医療センターを直ちに民営化するのかという質問をさせていただいたところ、高齢者医療を普及拡大しなければならないと。なぜ直ちにといえば、早急に普及しなければならないということがありました。どうしてもこの点は、一般の方々も、なぜなのかという点では非常に理解がしにくい説明だと思うんです。
 そこで、お伺いしますけれども、これまで老人医療センターが行ってきた高齢者分野での包括的、全人的という、まさに専門性の高い医療はもう必要ないと、あとは普及だけだというふうにお考えなのか。小児は、センター自身はそれは必要かもしれませんが、小児はセンター、高齢者はセンターは必要ない、普及だけだというのが、今の衛生局のお考えなんでしょうか。

○大塚病院企画担当部長 所管局が福祉局なんですが、今後も都の一定の関与のもとに、高齢者医療のセンター的機能を担い、高度専門医療を実践していくことには変わりはないと聞いております。

○吉田委員 もちろん普及の重要性は当然だと思うんですが、そうすると、高度専門性を持った医療機関は必要であるという認識なわけですよね。それならば、民営化ということになれば、事業団委託等とは違いまして、全く民間が運営、経営の主体になるわけですけれども、こういう高度専門性を民間でやれるというふうにお考えになる根拠は、どこにあるんでしょうか。あるいは、これだから大丈夫だといえるんでしょうか。

○大塚病院企画担当部長 都立直営の制約を果たすことによりまして、民間の医療機関などとの連携あるいは診療の指導など、多様な普及活動が円滑、柔軟にできるんだと聞いております。

○吉田委員 それは、私の今の質問に対する答弁じゃないでしょう。
 それは、普及はなぜ民間ができるのかといったら、そういう答弁があるかもしれませんけれども、私は、高齢者分野での高度専門性を、都内の民間病院で本当に担えるだけの病院が今あるのかと聞いているんですよ。

○大塚病院企画担当部長 高齢者専門病院の運営方式を公設民営でやるのは、初めてではございません。ご案内のように、来年度、江東区で高齢者専門病院を公設民営方式で行います。
 かように、都の一定の関与が可能なような方法を工夫することによって、十分可能であると考えております。

○吉田委員 新しい江東区にできる病院の民間への委託ということについては、それが果たしてどれだけの可能性があるのかというのは、まだ何ら検証されていないわけですよね。しかも、それは一つの高齢者病院ですけれども、今、皆さん方が直営化を含めた検討をされている老人医療センターというものは、まさに全人的で、包括的で、先駆的な高齢者医療をやってきたわけですよ。
 それは、建物があるからじゃなくて、それを支える医療スタッフがいるからできたわけです。それを全く別な民間病院によって、それだけの高度専門性というものを、これまでの継続の上に立って進めることができるんですかということを聞いているんですよ。

○大塚病院企画担当部長 ただいま申し上げましたように、都の一定の関与を可能とする運営方式を工夫することによって、十分可能であると聞いております。

○吉田委員 関与をしたところで、医療スタッフが入れかわれば、これまでの高度医療、高齢者の専門医療の蓄積はないじゃないですか。しかも、これ以上いっていてもしようがないかもしれませんが、単なる高齢者医療じゃないわけですよ、老人医療センターが担ってきたのは。
 先日も、各会計決算特別委員会の中で、福祉局長に対して私どもの委員が、このような全人的で包括的な高齢者医療を進めてきた病院は、全国でほかにありますかといったときに、ここしかないというふうに福祉局長は明確に答弁したんですよ。ここしかないものが、そんなに簡単に、たとえ運営は公が管理いたしますといったからといって、これまでの蓄積というものが、本当にさらに発展させることができるのかといえば、何らそれができるだけの根拠を示されていないじゃないですか。
 二つ目にこの点でお聞きしたいのは、その普及の問題です。都立では普及拡大はできないけれども、民間なら普及拡大ができるかのような先ほどお話がありましたけれども、おかしいじゃないですか。都立では普及拡大ができないんですか。

○大塚病院企画担当部長 公立病院では、お話の全人的、包括的、高齢者医療の普及がやりにくいと聞いております。

○吉田委員 もう少し具体的に根拠を示してください。

○大塚病院企画担当部長 幾つかの例がございますが、都立病院の場合は公務員でございますので、民間での診療等を行う場合は、兼業兼職等いろいろな手続を必要とする、そういうようなことだと聞いております。

○吉田委員 センター病院を、高齢者だけじゃなくて各専門医療分野でつくりますよね、これまでも続けてきましたけれども。では、そこの専門的にやっていることは、他の医療に対して普及的な役割が果たせないということですか。それだったら、都立病院全否定になるわけですよ。
 そこで、ではもう少し具体的に聞きますけれども、例えば、都内の大学病院を含めた病院の中で、高齢者医療の分野について積極的な講師活動あるいは研究発表、やっている病院があったら教えてくださいよ。

○大塚病院企画担当部長 私の方は所管局でございませんので、情報が余りございませんが、例えば緑風会病院がかなり積極的にやっているということは聞いております。

○吉田委員 だから、今、示すことができたのはそれだけでしょう。私が示したいのは、老人医療センター年報というものを衛生局からお借りして持っておりますけれども、その中で、例えば年間の講師活動の一覧があります。各専門の先生方が、民間の医療機関あるいは全国の医師会等に派遣されていって、要請されて、各専門分野でいかに講師活動を行っているのか、この一覧があるんですよ、何ページにもわたって。それぐらい、内科にしても、外科にしても、精神にしても、麻酔にしても、呼吸器にしても、それぞれごとに高齢者医療にかかわって専門的なノウハウなり、研究の到達点を持っているわけですよ、老人医療センターの今の医療スタッフは。それを、都内だけではなくて全国でいろんな講演活動を行っているわけですよ。すばらしい普及じゃありませんか。
 それを、いや、今では普及はできませんと。普及ということは、内容がないから普及できないわけですし、しかも、こうやって公務員として積極的な講師活動をやっているわけですから、なぜ公的な病院の場合には制約があると--それは、もちろんそういう部分もあるでしょう、公と民間の関係でいえば。それをもって、あえて都立を外すという理由にはならないんじゃないですかというのが、私のいいたいことなんですよ。何かご反論ありますか。

○大塚病院企画担当部長 講師活動の情報につきましては、所管局ではございませんので存じておりませんが、民間への医療提供あるいは講師等につきましては、兼業兼職を義務づけられるなど、公務員の場合は非常にやりにくいという現場の強い声があると聞いております。

○吉田委員 現実に私は、これだけ講師活動を各専門分野にわたってやっているじゃないかということを示しているわけですから、多少いろんな、もちろんそれは制約もあるでしょう、しかし、それをもって、あえてこれだけの専門性と蓄積を持った病院を、普及という側面から民間にゆだねるということはないんじゃないですかというのが、私が改めてこの点でいいたい点です。
 次に、これも前回の議論との関係で、改めて一言確認をしておきたいことがあるんですが、やはり今度の病院改革をめぐっては、都民の命や健康ということよりも、財政的な、いかに削減をするかということが先行されていないかという危惧を抱かざるを得ません。公決などの質疑で、局長は、いやそれはあくまでも副次的なものだ、主目的じゃない、結果としてそういうものがついてくるんだということをいわれましたけれども、しかし、現実にこの改革会議の、どういう理由で検討するのか、あるいはその過程を見ても、いかに総額約五百億といわれる補助金を削るのかということが、副次じゃなくて、一つの中心的な命題だというふうに思わざるを得ません。
 それで、公決の質疑の中で、我が党の議員が、幾らこれで減らせるか、そういう試算をしているじゃないかということに対して衛生局長は、いやそういう試算はやっておりませんというご答弁があったんですが、私は、これはご答弁としては言葉足らずではないのかなというふうに思うんですが、いかがですか。

○大塚病院企画担当部長 先日、財政再建の試算をしていないのかという質問につきまして、ありませんというご答弁だったと思いますけれども、もう少し詳しく申し上げます。
 各病院の病棟編成とか病床器具を初めとしまして、何よりもPFIを導入するのかどうかなど、試算の前提となる条件設定が無数にございます。条件設定が無数の可能性がある以上、現時点でまとまったものはないということでございます。

○吉田委員 言葉じりをとらえていうわけじゃありませんが、試算結果があるかないかじゃなくて、そういう試算を行っているんじゃないんですかという質問に対して、そういう試算を行っておりませんというご答弁をされたから、ご答弁としてはいささか言葉が足らないんじゃないですかと。うそだなんて乱暴なことをいっているわけじゃないんですよ、言葉が足らないんじゃないですかと、あえていわせていただいたんです。
 したがって、正確な完成された試算というものを示すことはできませんけれども、そういう試算をやっているということですよね、それはどうですか。

○大塚病院企画担当部長 ただいま申し上げましたように、条件設定については無数の可能性がございます。したがいまして、お話しできるような試算はやっておりません。たたき台として計算するというようなことはやっております。

○吉田委員 それ以上いいません。
 議事録等を読ませていただきますと、そもそも第一回会議の中で、今度都立病院改革会議を開催するに至った理由が書いてある中の四項目めに、この財政問題という問題が明記されておりますし、その他の質疑の中でやっているわけですよね。しかもこれは、今回突然始まったことではなくて、そもそも財政再建推進プランが出されて以降、局としては、都立病院の補助金をどれだけの目標で削減していくのかという作業をしてきたんじゃないんですか。

○大塚病院企画担当部長 一昨年の七月に財政再建推進プランが出まして、経常経費二割削減ということが目標に掲げられております。これを病院会計に当てはめまして、一般会計補助金削減の目標を立てていることは事実でございます。
 このため、自立的な経営の強化を図りながら、これまで積み重ねてきた経営改善を一層進めている最中でございます。

○吉田委員 前回の質疑でも、他の委員からも出されましたけれども、一般的に五百億の赤字というふうないわれ方が盛んにされて、改革会議の議論の中でも、五百億をいかに削るかだというご発言があったんですけれども、それは公営企業法との関係でいえば、単なる補助金、赤字ということじゃなくて、その中に行政が本来負担すべき責任が入っているんだということがありますから、そういうものを一緒くたにして五百を幾ら削るのかというのは、極めて乱暴なやり方ではないのかということを改めていわせていただきます。
 次に、衛生局が所管をする府中療育センター、北療を初めとする施設の都立直営を続けてほしい、あるいは成東を廃止しないでほしいという請願も出されております。成東については、繰り返しその存続を求めて我が党は発言してきておりますから、ぜひそれは当然の要望だということをいうにとどめておきます。
 衛生局所管の児童福祉施設ですけれども、これは医療を伴うという問題や、他の一般の福祉施設にない特別に重いお子さんたちを措置し、療育するという点でも、特別の責任の重さがあり、しかも民間ではなく、それを都立で担っている分野というのは、その中でも、とりわけ大変なお子さんたちを責任を持って対応されていると思うんですが、まず、この衛生局所管の児童福祉施設及びそれを都立で担っている分野の役割、意義について、ちょっと確認をさせていただきたいんです。

○長岡健康推進部長 現在、運営形態を検討しております衛生局所管の児童福祉施設は、重症心身障害児施設と肢体不自由児施設でございます。
 これらの施設の特徴は、福祉施設でございますとともに、いずれも病院もしくは診療所でございまして、医療を基盤とした療育サービスを提供している点が一点でございます。
 また、都立施設の役割でございますけれども、濃厚な医療設備と看護職員等の配置を必要として、民間施設への受け入れが難しい超重症児等の受け入れや、訪問療育あるいは外来療育等の在宅支援を積極的に行うことであると考えております。

○吉田委員 先日、中間のまとめという形ですけれども、事業団委託というような一つの方向性が示されましたけれども、やはりそれだけ特別な行政としての対応が求められるお子さんたちを措置している施設ですから、この運営形態をどう進めていくかということは、私はもちろん都立直営で続けるべきだと思いますが、この検討に当たっては、やはり慎重に各分野の意見がきちんと反映されるというのが当然だと思うんですが、この点だけご答弁お願いいたします。

○長岡健康推進部長 東京都といたしましては、よりよい療育サービスを提供するために、本報告を踏まえまして、委託方式のメリットを含めまして十分な検討を行い、方針を決定してまいります。

○吉田委員 終わります。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、本件は一括してお諮りいたします。
 本件は、いずれも保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一二五号、請願一三第一三九号、請願一三第一四三号、請願一三第一四四号の一、請願一三第一五〇号、請願一三第一五三号、陳情一三第七九号、陳情一三第八〇号及び陳情一三第八一号は、いずれも保留といたします。

○曽雌委員長 次に、一三第一二八号の一、障害者の地域生活の充実に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○菊地健康づくり施策調整担当部長 続きまして、請願一三第一二八号の一についてご説明申し上げます。
 この請願は、障害をもつ子どものグループ連絡会代表岩塚道枝さん外八百八十一人の方々から提出されたものでございます。
 趣旨は、障害者とその家族が安心で豊かな地域生活を充実させていくために、次のことを実現するようにというものでございます。
 第一項といたしましては、幼稚園や保育園に在園する、障害やさまざまな問題を抱える乳幼児に対して、医師、理学療法士等の専門家が巡回指導を行えるように制度をつくり、予算化すること、現在、巡回指導が行われていない地域については早急に実施するよう指導することというものでございます。
 第二項といたしましては、学童保育に在籍する障害児に対し、巡回指導が行われるように制度をつくり、予算化することというものでございます。
 第一項及び第二項の状況でございますが、重症心身障害児者及び肢体不自由児を中心とする在宅の心身障害児者の地域におけ生活を支えるため、障害児者地域療育等支援事業などを実施しております。本事業では、重症心身障害児施設等の医師や理学療法士などが幼稚園や保育所などの地域施設を訪問し、障害児とその保護者への相談、指導を行うとともに、地域の施設の職員に対して技術指導を行っております。
 今後、都と区市町村、療育実施機関等がそれぞれの役割を担い、より一層連携を図りながら、心身障害児者等に対する在宅支援策の充実を図ってまいります。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 念のため申し上げます。
 本件中、福祉局所管分に対する質疑は、既に終了しております。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一二八号の一は保留といたします。

○曽雌委員長 次に、一三第一三八号、原子爆弾被爆者健康指導事業の委託事業費に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金田医療福祉部長 続きまして、請願一三第一三八号につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、社団法人東友会会長田川時彦さんから提出されたものでございます。
 趣旨は、原子爆弾被爆者健康指導事業の委託事業費について、高齢化、病弱化が進む原爆被爆者の実情に見合った事業が実施できるよう支給していただきたいというものでございます。
 原子爆弾被爆者健康指導事業につきましては、被爆者の健康保持及び福祉の向上を図る上で重要であると認識しており、厳しい財政状況の中ではありますが、関係団体のご理解とご協力を得ながら事業の充実に努めてまいります。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 この問題は、文字どおり全国民的な課題であり、また、議会も党派を超えて取り組んできた問題だと思います。
 それで、この点で三点、せっかくですから質問させていただきますが、原爆被害を受けた方々をいかに救済をするかというのは、全人類的課題だと思うんです。
 しかも、直接この相談事業に携わっている方々のお話を聞けば、高齢化し、新たに相談分野に介護保険の問題も入る。しかも被爆者の方の中には、他の高齢者以上にひとり暮らしの方がいる。また、痴呆も生まれる。それだけにこの相談事業そのものが、数そのものはもちろん限定された方でありますけれども、一人一人に大変手がかかるという点での持つ役割というものは、そういう状況からしても、これまで以上に重いものがあると思うんですが、そういう点でのこの相談事業の意義や今日的状況について、まず、どういう認識をされているかをご答弁お願いいたします。

○金田医療福祉部長 原子爆弾被爆者健康指導事業は、被爆者の健康の保持及び福祉の向上を図る上で重要な事業であると考えており、特に被爆者の高齢化が進むにつれ、今後健康指導や相談事業は、ますます重要になるものと認識しております。

○吉田委員 二点目に伺いたいのは、衛生局もさまざまなご努力はされてきたと思うんですね。しかし、この間の財政的な枠組みの中で、文書にも書かれているんですけれども、百二十二万円ですか、この数年間でやはり削減がされると。そういう中で、直接事業を行っている東友会の方々は、自分たちで独自で寄附金を集めるだとか、さまざまなボランティア精神も大いに発揮をしていただくとかいうご努力をされてきていると思うんですよ。それは、本当に私たちとしては頭が下がる分野だと思うんですが、こういう東友会の方々のご努力を、衛生局としてはどのようにご認識をされているんでしょうか。

○金田医療福祉部長 東友会には、原子爆弾被爆者健康指導事業の円滑な実施にご協力いただいております。
 財政の厳しい中、被爆者の減少などに伴う対象経費の精査をしつつも、事業に支障が生じないよう配慮し、必要な予算を確保してきたところでございます。

○吉田委員 最後に、シーリングということがいわれてきているわけですけれども、今後の予算原案査定、どういうふうになっていくかわかりませんが、いずれにしてもこの分野というものは、その一律、機械的なシーリングなどによって削ってはならないというふうに思いますし、ぜひそういう点でご努力をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○金田医療福祉部長 今後とも、原子爆弾被爆者健康指導事業の運営に支障が生じないよう、予算の確保に努めてまいりたいと思っております。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一三八号は趣旨採択と決定いたしました。

○曽雌委員長 次に、一三第一五九号の一、有機食品等の都立病院や学校の給食への使用促進に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○押元病院事業部長 請願一三第一五九号の一につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、東京都患者同盟会長小島貞夫さんから提出されたものでございます。
 趣旨は、入院患者の健康回復と学童の健康を守るために、都立病院の給食は率先して有機食品を使用していただきたいというものでございます。
 有機農産物の病院給食への導入に当たりましては、収量や価格の変動が大きく、献立の作成に支障を生ずるおそれがあること、大きさや規格が不ぞろいのため、調理機器が効率的に使用できないこと、虫食いなどにより、洗浄等下処理に手間がかかることなどの問題がありましたため、導入に向けた具体的方策を検討した上で、供給体制も勘案しながら段階的に実施をしております。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一五九号の一は趣旨採択と決定いたしました。

○曽雌委員長 次に、一三第一六五号、医療事故の防止と都立病院の医療・看護の指導監督に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○押元病院事業部長 請願一三第一六五号につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、東京都患者同盟会長小島貞夫さんから提出されたものでございます。
 趣旨は、医療事故を防止し、医療と看護に親切で優しいインフォームド・コンセントの実施に向け努力するよう、都立病院に対する指導監督を強化していただきたいというものでございます。
 都では、医療事故を防止するため、医療事故防止マニュアルを作成し、都立病院にその遵守を強く指導しております。また、各都立病院に事故予防対策の中心的役割を担うリスクマネジャーを配置するなど、事故予防体制の整備を行っております。さらに、各種の事故防止研修を積極的に実施しているところでございます。
 加えて、都立病院の患者権利章典を制定し、インフォームド・コンセントを患者さんの権利として定めております。また、患者さんの医療に対する主体的な参加を支援するため、患者さんにもわかりやすいカルテ等の作成指針を策定し、診療情報の共有化に努めております。さらに、各都立病院では、疾病ごとの標準的な治療計画を患者さんに明示するクリティカルパスの導入に順次取り組み、患者さんが診療内容や診療目標を容易に把握できる仕組みづくりを進めているところでございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○曽雌委員長 起立少数と認めます。よって、請願一三第一六五号は不採択と決定いたしました。

○曽雌委員長 次に、一三第一六六号、結核対策の充実・強化に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金田医療福祉部長 請願一三第一六六号につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、東京都患者同盟会長小島貞夫さんから提出されたものでございます。
 趣旨は、結核から都民を守るために、予防、治療、治療後のリハビリ訓練や職業訓練などの結核対策を一層充実強化していただきたいというものでございます。
 都では、これまでも、結核予防法に基づく各種施策や結核対策特別促進事業を実施するなど、結核対策の充実強化を図ってまいりました。
 また、結核の後遺症による呼吸器機能障害者に対しましては、在宅治療を支援するための講演会を実施するほか、急性呼吸不全などで呼吸困難になった場合に備えて、緊急入院ベッドの確保を行っております。
 今後とも、結核患者が発生した場合に、迅速かつ適切な対応を図り、治療を確実に完了させるための体制を整備するなど、結核対策の一層の充実を図ってまいります。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一六六号は趣旨採択と決定いたしました。

○曽雌委員長 次に、一三第一七三号、銭湯の脱衣所等を禁煙とする条例の制定に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○菊地健康づくり施策調整担当部長 請願一三第一七三号についてご説明申し上げます。
 この請願は、タバコ問題首都圏協議会代表渡辺文学さんから提出されたものでございます。
 趣旨は、銭湯の脱衣所とロビーを禁煙または分煙とする条例を制定するようにというものでございます。
 都は、分煙化対策を推進するため、平成九年五月に東京都分煙化ガイドラインを制定し、都立施設につきましては一〇〇%の分煙化を実施するとともに、事業者や関係団体には分煙化の推進を働きかけてまいりました。
 銭湯の分煙化につきましては、業界団体において、既に自主的な取り組みが進められていると聞いております。今後とも、事業者や関係団体が自主的に分煙化に取り組むことができるよう、本ガイドラインの普及啓発を図ってまいります。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽雌委員長 起立少数と認めます。よって、請願一三第一七三号は不採択と決定いたしました。
 以上で衛生局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関にこれを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十分散会

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