厚生委員会速記録第十二号

平成十三年十月二日(火曜日)
   午後一時四分開議
 出席委員 十三名
委員長曽雌 久義君
副委員長野田 和男君
副委員長吉田 信夫君
理事河西のぶみ君
理事古賀 俊昭君
理事佐藤 裕彦君
東村 邦浩君
山加 朱美君
柿沢 未途君
萩生田光一君
山口 文江君
小松 恭子君
樋口ゆうこ君

 欠席委員 一名

 出席説明員
衛生局局長今村 皓一君
技監荻野  忠君
総務部長櫻井  巖君
企画担当部長齋藤  進君
健康推進部長長岡 常雄君
生活環境部長河津 英彦君
医療計画部長奥田  匠君
医療福祉部長金田麻里子君
薬務部長大屋 喜重君
病院事業部長押元  洋君
健康づくり施策調整担当部長菊地 輝雄君
病院企画担当部長大塚 孝一君
参事木村 豊彦君
参事梶山 純一君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 衛生局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百五十三号議案 東京都衛生局関係手数料条例等の一部を改正する条例
  報告事項(説明)
  ・牛海綿状脳症(いわゆる狂牛病)に対する取り組みについて

○曽雌委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○曽雌委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、衛生局関係の付託議案の審査及び報告事項の説明聴取を行います。
 なお、報告事項につきましては、本日は説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は十月十六日の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより衛生局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十三号議案、東京都衛生局関係手数料条例等の一部を改正する条例を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○曽雌委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○河津生活環境部長 牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病に対する取り組みについてご報告を申し上げます。
 さきの九月十日、千葉県内の食肉処理場で、と畜された乳牛に牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病の疑いがあることが報じられました。農林水産省が英国獣医研究所に精密な確認検査を依頼したところ、九月二十一日に陽性であることが判明し、我が国で初めての牛海綿状脳症の発生であることが確認されました。
 衛生局の芝浦食肉衛生検査所では、都民の食の安全確保を優先する立場から、九月十一日に中央卸売市場及び関係営業者に対し、国際獣疫事務局(OIE)の定めた基準をもとに、感染性の高い部位とされている脳、脊髄、眼球及び回腸遠位部を食用として扱わないよう指導を行いました。これを受けて、中央卸売市場及び関係営業者は当該部位の販売を自粛することといたしました。
 また、食肉衛生検査所では、従来から行っていると畜検査において、運動障害や反射障害等神経症状の有無の確認など、生体検査を徹底することといたしました。また、精密検査を行う対象も拡大し、牛海綿状脳症に特有な神経症状が認められない場合であっても、起立不能等の症状が認められるものについては、検査対象とすることといたしました。
 都においては、昨日報道されました、東京都家畜保健衛生所で病性鑑定を行い、異常が見られなかった起立不能の牛のほかに、これまで、八王子市食肉処理場に搬入された起立不能の乳牛二頭について、確認のため食肉衛生検査所において精密検査を実施しましたが、二頭とも牛海綿状脳症とは認められませんでした。
 その後、九月二十五日に、中央卸売市場及び関係営業者は芝浦食肉衛生検査所と連携し、販売自粛部位を焼却処分することといたしました。
 さらに、九月二十七日に、厚生労働省から全国の都道府県に対し、都と同様に、牛の特定危険部位の除去、焼却について、と畜場の設置者等を指導するよう通知がありました。あわせて、牛海綿状脳症に対する新たな精密検査の方法が示されました。
 こうした状況を踏まえ、衛生局は同日付で、都内のと畜場の設置者等に対して、牛の特定危険部位、脳、脊髄、眼球等の除去、焼却を改めて指導するとともに、食品関係営業団体に対し、都内に流通する国内産牛の特定危険部位の使用、販売の中止と焼却を行うように通知し、あわせて食品衛生監視員による飲食店等への指導を行うことといたしました。
 なお、衛生局では、今回の事例に先んじて本年二月二十六日から三月九日まで、芝浦食肉衛生検査所のと畜検査員である獣医師を帯広畜産大学獣医学科に派遣し、牛海綿状脳症に対する精密検査技術を習得させたのを初めとして、獣医師等技術職員に対し、牛海綿状脳症に関する専門研修を実施し、専門的知識や技術の向上に努めてきております。
 医薬品等につきましては、欧州における牛海綿状脳症の拡大を受けて、発生国等を原産とする牛等由来原料の使用禁止及び、これらの国に限らず、脳、脊髄、胎盤等リスクの高い牛の部位の使用を禁止すること、また、牛等由来原料を使用する場合は、製造業者等の責任で原料の原産国、使用部位、処理方法などを点検し、安全性を確認した上で使用することが、平成十二年十二月に厚生省から指示されました。
 衛生局では、これを受け、直ちに各業者に指示内容を周知徹底するとともに、独自の取り組みとして、自主点検の状況調査を実施いたしました。その結果、回答のあった業者のうち、約八三%が既に点検を済ませていました。
 今回、国内産の牛の牛海綿状脳症の発生を受けて、再度、国内産牛等由来原料について、牛海綿状脳症リスクの高い部位を使用していないことを確認するなどの自主点検の徹底を指示いたしました。
 衛生局としては、厚生労働省が示した三十カ月齢以上のすべての牛を対象とした牛海綿状脳症の精密検査の実施方針を踏まえ、と畜場に入るすべての牛に検査対象を拡大することも視野に入れながら、EUにおける検査体制に準拠した、精密かつ迅速な検査を行うための体制づくりを早急に進めてまいります。
 医薬品等につきましても、速やかに、前回の調査で牛等由来原料の取り扱いが確認できなかった業者及び新規業者を対象として、改めて自主点検状況調査を実施してまいります。さらに、既に取り扱いが確認されている業者を中心に緊急の立入調査を実施し、使用実態や改善状況を確認するとともに、安全な原料への切りかえを指導するなど、医薬品等の安全確保に努めてまいります。
 あわせて、都民に、より正確な情報提供を行っていくため、牛海綿状脳症に関するホームページの設置、相談体制の整備などにも取り組んでいきます。
 衛生局は、今後とも都民の健康と食の安全を確保するため、万全の体制をとっていくことを申し上げて、報告を終わります。

○曽雌委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 それでは、資料要求はなしといたします。
 以上で衛生局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十二分散会

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