厚生委員会速記録第三号

平成十三年三月五日(月曜日)
   午後一時六分開議
 出席委員 十名
委員長野村 友子君
副委員長近藤やよい君
副委員長和田 宗春君
理事曽根はじめ君
理事石井 義修君
藤田 愛子君
小松 恭子君
曽雌 久義君
古賀 俊昭君
松本 文明君

 欠席委員 二名

 出席説明員
福祉局局長高齢者施策推進室長兼務前川 燿男君
次長藤堂 義弘君
総務部長上條 弘人君
地域福祉推進部長小山 園子君
生活福祉部長岡本 宏之君
山谷対策室長上野 純宏君
子ども家庭部長福永 富夫君
障害福祉部長谷川 健次君
国民健康保険部長井出 勝也君
企画担当部長村山 寛司君
連絡調整担当部長中村 憲司君
高齢者施策推進室福祉局長高齢者施策推進室長兼務前川 燿男君
高齢政策部長金内 善健君
介護保険室長吉川 和夫君
保健福祉部長若林 統治君
施設事業部長反町 純夫君
高齢施設企画担当部長笠原  保君
衛生局局長今村 皓一君
技監荻野  忠君
総務部長櫻井  巖君
企画担当部長齋藤  進君
健康推進部長上間 和子君
生活環境部長河津 英彦君
医療計画部長友松 栄二君
医療福祉部長長岡 常雄君
薬務部長山川 洋平君
病院事業部長押元  洋君
参事菊地 輝雄君
参事山下 征洋君
参事矢口 貴行君
参事大塚 孝一君

本日の会議に付した事件
 福祉局関係
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第百十六号議案 平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 福祉局所管分
 高齢者施策推進室関係
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第百十六号議案 平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費 高齢者施策推進室所管分
 衛生局関係
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第百十六号議案 平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 衛生局所管分

○野村委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局、高齢者施策推進室、衛生局関係の付託議案の審査を行います。ご了承をお願いいたします。
 これより福祉局関係に入ります。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、福祉局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 資料の要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○小松委員 生活保護の都費の負担金についてだけ質問させていただきたいと思います。
 今回の補正予算では、生活保護の都負担金が十七億八千万円という歳出になっているわけですが、生保の都負担金といえば、住所不定者とか、ひとり暮らし入院者の生保ということになるのでしょうが、今回の補正の内容はどういうものでしょうか。

○岡本生活福祉部長 生活保護法におきましては、保護に係る費用は、通常、国が四分の三、それから被保護者の居住地の区市が四分の一の負担割合、このようになっているわけでございます。しかし、居住地がないかまたは明らかでない場合に、現在地で保護を適用するときには、その区市にかわりまして、都がその経費、いわゆる四分の一、区市の負担分を負担する、このようになっているところでございます。
 今回の補正予算は、この都の負担金につきまして、当初の予算額では不足したために、増額の補正予算をここに計上したものでございます。

○小松委員 今なぜお聞きしたかと申しますと、私、過去に都負担金での補正を組んだというのは、余り覚えがないんですね。市議時代から見ていましても、この都負担金ということでは非常にまれかなと思いますけれども、ここ何年間かの経年での数字がもし出ましたら、お願いしたいと思います。

○岡本生活福祉部長 都負担金の補正予算でございますけれども、過去、相当前はちょっとわからないんですが、ここ少なくとも十年間は計上していないということでございます。

○小松委員 そうですよね。補正で必要な予算措置をしたわけですから、それはもちろん是としつつも、では、なぜことしに限ってこんなに補正が必要になったのかということですね。いわゆるホームレスの急増とは考えられないんでしょうか。これがもし数字的にわかれば出していただきたいんです。

○岡本生活福祉部長 都の負担金の予算額でございますが、これは義務的経費といたしまして、原則として、過去数年の実績をもとに積算をして所要額を確保している、こういうことでございます。
 ここ数年、生活保護費全体の保護人員世帯が増加しておりまして、先ほど申しました都の負担金の対象となります、居住地がないかまたは明らかでないケースも増加をしたということで、結果として当初予算見積額が不足することになったということでございます。
 先生ご指摘の、ホームレスと、居住地がないかまたは明らかでないというのは同義語ではございませんが、いわゆる実数として何人がこういうケースに当たるかということについては、把握をしておりません。

○小松委員 数的な把握はできていないということですけれども、生保の都負担が見込みを大きく超えて増加しているというのですから、一般単身者の入院もあろうかとは思いますが、やはりホームレスの増加に起因するところが第一ではなかろうかと私は思うんです。にもかかわらず、この辺が数字的に全くつかめていないということは、今後の対応策も立てられないのではないでしょうか。
 特にこの二、三年、医療扶助が大変ふえていると聞きますし、また、この中での医療単給もふえているというふうに聞くんですけれども、この辺は数字的に出るでしょうか。

○岡本生活福祉部長 都負担金のうち医療扶助というのは、確かに先生おっしゃるように八〇%を占めておりまして、非常に大きな割合になっておるわけでございます。
 ここ数年ということでございますが、例えば九年度の医療扶助の都負担金の延べの件数は、二十五万六千三百七十九件でございます。それから十年度が二十五万九千七百九十九件、十一年度につきましては二十六万五千八百三十件。金額にいたしまして、九年度が九十六億五千六百万円余、十年度が百五億八千八百万円余、十一年度が約百十一億五千三百万円余、このようになっております。
 なお、単給につきましては、数字として把握はしておりません。

○小松委員 単給はわからないということですが、医療扶助は、とにかく数字を見ても大変ふえているということで、なぜ今こういう聞き方をしたかと申しますと、ホームレスの方が、生保というのは、比較的、窓口に行ってじゃなくて、病気で倒れて救急車で運ばれてとか、そういった例が非常に多かろうと思います。そして、また治ると結局は出されてしまうというようなこともあったりしまして、ちょっと単給を伺ったんですけれども、それも出ないということですね。
 そうしますと、やっぱりこのような実態を明らかにするためにも、生保受給におけるホームレスの実態の調査が求められると思うのですが、幸いに九九年度に厚生省と福祉局で、二十三区の路上生活者の聞き書き調査というのが、大学教授に委託をして行われていることは承知しております。この結果を本当はお聞きしたいのですが、きょうは補正ですので、またこれは具体的に結果が出ましたら、分析が出ましたら、ぜひご報告いただきたいという要望をしておきます。
 ただ、これは二十三区だけなんですね。二十三区にホームレスが多いということだったんでしょうが、多摩に最近ふえているんですよ、大変。私の住む、私は北多摩一区ですから、東村山とか東大和ですけれども、その辺にもふえてきている。非常に多摩の方にもふえてきているということですが、この調査はないわけですね。ぜひ続きまして、二十三区の路上生活者のこの調査が非常によかっただけに、聞いてみますと非常に中身もよい調査をされておりますので、多摩についてもぜひしていただきたいと思うんですが、これはいかがでしょうか。

○岡本生活福祉部長 多摩についての実態調査のお尋ねでございますが、ただいまのお話につきましては、ご意見として承ることとさせていただきたい、このように存じます。

○小松委員 きょうは補正ですから、要望しておくということで、あと予算委員会もありますのでね。
 いずれにしましても、生保の都負担金がこのような形で急増していると。一方では、ホームレスは多摩も含めて急増していると。特に緊急入院がふえているということもいわれているわけですから、この行政対応というのは大変急がれることと思います。その行政対応をしっかりするためにも、この実態調査をしっかりしていただいて、緊急対応もきちっとしていただきたいという要望にとどめておきたいと思います。
 以上です。

○藤田委員 一点だけお尋ねいたしたいと思います。
 心身障害児者の福祉の増進ということで、情報バリアフリー設備整備に要する経費というふうになっておりますけれども、概要をちょっとお尋ねしたいと思っております。

○谷川障害福祉部長 本事業は、障害者のバリアフリーを増進するということを目的といたしまして、厚生省が、十二年度末に、急遽、知的障害者、身体障害者の施設に対しましてパソコン等の情報機器を設置して情報バリアフリー化を図ろうと、こういう目的で設置するものでございます。

○藤田委員 情報機器を設置する施設というふうにありましたけれども、施設は、数的にいって何カ所ぐらいといいますか、どのくらいになっていますでしょうか。

○谷川障害福祉部長 身体障害者施設、知的障害者施設等を合わせまして、補正予算では五十カ所を予定してございます。

○藤田委員 それで、この情報機器を設置した施設において、在宅の障害者が情報機器を取り扱うということですけれども、ここの機器を、いわゆる習得するために、指導者といいますか、だれがどんなふうにこれを指導する予定になっていますでしょうか。

○谷川障害福祉部長 在宅の障害者に対します情報機器の指導でございますけれども、これは、障害特性をよく理解している施設の職員にお願いしていくということになってございます。

○藤田委員 実は、公立の小中学校、高校でも、非常に今回の予算というか、ことしなどはもうほとんど児童一人に一台というような状況になって設置がされているんですけれども、実は教員が、それにたけた人がいるところはそれなりに使われているのだけれども、そうじゃないと、みんなカバーがかかっている状況の中で、なかなか使いがよくないといいますか、非常にむだになっているというような状況があるので、ここのところで、それになれている方というふうにおっしゃいましたけれども、全部のこういう施設に、きちっとしたそういう情報機器の操作を習得して、さらにこれを皆さん方に広げていかれるような方々は、どの施設にでもおいでなんでしょうか。

○谷川障害福祉部長 委員ご指摘のとおり、機械を設置すればそれでいいというわけではないわけでございまして、それを利用するスタッフをどういうふうに養成していくかということが大きな問題になるわけですけれども、現在、国においては、十三年度において、障害者の特性を理解している施設の職員に対して、研修をしながら養成をしていくという計画を持っているというふうに聞いてございます。

○藤田委員 ということは、今回は、その研修に対しての費用はこの中には含まれているんですか、含まれていないんですか。

○谷川障害福祉部長 今回、既存の施設の職員を利用するということで、研修経費はこの中には含まれておりません。

○藤田委員 私どものところにご依頼があった方で、実は大手の会社をリタイアなさった方で、実際にパソコンをさんざんお使いになって仕事をしていらした、そういう方々がNPOを立ち上げて、そして実際には、もう死んだときがというか、そのときが一番パソコンとしては新しいといわれるぐらい次から次へと変わるわけでして、そういうふうに考えたときに、それのリサイクルをどうするかという問題は、とっても大きな問題だと思うんですね。
 それで、まずパソコンをクリーンにして、要するに登載されたソフトの消去まで全部おやりになるんだそうです。そして、性能面の整備もきちっとやった上で、それをいろいろなところ、障害者の授産施設だとか何かで使ってほしいというようなことで、そういう事業を立ち上げたグループがいるというようなことで、そこまで精通していれば中身まで全部端から変えられるわけですので、リユースをしていくということで、実際にこれから障害者に対して、そうやって、施設ではあるけれども、自分の家庭でどうなるのかということにも膨らんでくるでしょうし、それから、ちょっと前までは、聾唖者のところで、学校にも、それから施設にも、ファックスも置けないような状況というのもあったというふうに聞いております。そこをどんどん広げていくために、施設だけではなかなかうまくいかないというところもありますので、NPOを活用するといいますか、そんなこともこれからはぜひPRをしていただいて、こういう方法もあるんだというようなことをぜひPRしていただきたいんですが、今回の予算としては、すべてそういう新品といいますか、新しいものの予算しかつかないんでしょうか。

○谷川障害福祉部長 資源の有効活用という観点から見れば、よくお話わかるんですけれども、今回の予算については新品を考えております。

○藤田委員 なかなか行政の中ではその話は難しいのかと思いますけれども、さらに今後、施設だけじゃなくて、それぞれのご家庭でというところに広げていただくときに、ぜひ活用をしていただきたいというふうに思います。
 もう一点は、小中学校、高校は、そうやって一人に一台というような状況になっていますので、ふだんから都立の盲・聾・養の学校の生徒、ここは、ちょっと教育庁の方で資料をいただいたところによると、まだまだ生徒利用は三台とか、設置状況の中では非常に少ないように聞いておりますので、ぜひ交流をする中でそんなことも可能にしていただけたらというふうに思っていますので、これは要望にさせていただきたいと思います。
 以上です。

○曽根委員 私からは、補正予算概要の五ページにあります保育所運営費の都負担分の増額補正についてお聞きしたいと思うんです。
 まず、この二億六千万円余の歳出増が、補正が必要になったのは、この都負担分が幾らから幾らに増額をされたためで、何が原因というふうになっているんでしょうか。

○福永子ども家庭部長 今回の保育所の運営費の都負担金でございますけれども、五ページにございますように、既定予算額百四十八億千二百九十六万一千円でございますが、執行見込みが百五十億八千八十万円ということでございまして、補正予算として今回二億六千七百八十三万九千円を増額するものでございます。
 十二年度の予算の徴収金の単価につきましては、その時点では十一年四月一日現在ということで年齢、階層別に基づいて算出しましたけれども、十二年四月一日時点の実績が判明しましたところ、これに基づいて算出した単価の方が、十二年度の単価よりも低くなったということで、今回、その歳出の増額という見込みで計上しております。

○曽根委員 年度当初は、昨年度の四月の時点で階層や年齢の単価を組むと。それが年度途中、今年度の四月のが出てみたら大分変わっていたと。都負担分が上がるということは、つまりは、例えば保育階層、所得階層でいえば、全体として下がるということによって保育料が下がって、その穴埋めとしての都費負担分がふえたのかなというふうに思うんですが、保育園児の父母の所得階層でいうと、どの辺がどういうふうに影響を受けているんでしょうか。

○福永子ども家庭部長 保育の負担金は、徴収基準上七つの区分にされておるわけでございまして、その中で所得税の非課税世帯の割合でございますけれども、十一年度は二〇%であったものが、十二年度につきましては二四%ということで増加したものでございます。

○曽根委員 こういった補正は、ここ数年たしかなかったと思うんですが、決算の上で、都の負担分が増額になるということは、過去二、三年ではあったんでしょうか。それ、額も含めてわかりますでしょうか。

○福永子ども家庭部長 少子化が進行する中にありまして、女性の社会進出あるいは核家族化などによりまして保育需要が増大しておりまして、その中で保育所における定員の弾力化による入所児数の増加ということや、あるいは低年齢児の受け入れ拡大等によりまして、これまで、平成九年度、十年度、十一年度におきまして当初予算を上回ったことがございます。
 額で申し上げますと、九年度は一千八百万円、十年度は三億六千五百万円、十一年度は一億九千八百万円ということでございます。

○曽根委員 たしか増額になったのは九年度からですよね。それまでは使い残して、むしろ予算が残るという傾向だったと思うんですが、この三年間ぐらいが、いわば当初に組んだけれども、前の年の実績で組んだけれども、その年、所得階層が落ちていたり、いろいろ年齢階層も変わったというようなことで、前の年よりも実態が、都費が多く必要になるということを繰り返してきていると思うんです。その分、当初に見込んでもいると思うんですが、それでも予想を超えてさらに下がるということが繰り返されている。
 その背景としては、私、やっぱりこの三年間ぐらい、保育園児の父母の階層も含めた、先ほどお話しのあったように、所得階層、所得状況が全体としては落ちていると。特に低所得層の部分が収入がどうも減っていることが、かなりこういうことにも反映しているのかなというふうに思うんですが、先ほどの理由の説明の中では、保育定数の弾力化とか、年齢の変化とか、いろいろお話しあったけれども、都民全体で所得が落ちていることが、この保育料の問題、それから都の負担にもはね返ってくるというのは当然あり得ることだなと思うんですが、いかがですか。

○福永子ども家庭部長 平成十二年分でございますけれども、主な原因といたしまして、平成十一年分の所得税におきまして、年少扶養親族につきまして--これは十六歳未満の児童を扶養するということでございますが、十万円の控除額の割り増しというものが認められたという影響が出ているというふうに考えております。
 また、平成十年度におきましては、国の徴収基準が、十階層であったものが七階層になったということの影響が主なものというふうに考えております。

○曽根委員 そういうことも原因の一つになっていることは私も否定しませんよ。所得控除がされたわけだから、その部分、十万円ぐらいといえども、階層ぎりぎりのところにいる方は下の階層に移るということになりますから。
 しかし、平成九年度から平成十二年度にかけて、これは予算ですけれども、個人都民税でいえば一五%近く落ちているわけですよね。これは全所得階層が入っていますけれども、個人都民税が一五%もこの三年間だけで落ちているのに、これが保育料の問題だとか、保育園児の父母の所得階層のこの問題にはね返らないはずがないと思うんですよ。そういう実態としてそれが全く影響ないんだというふうな何か根拠でもお持ちなんですか。

○福永子ども家庭部長 保育料の費用徴収の階層別の人員の割合で申し上げますと、所得税の非課税世帯の割合ですが、平成九年度が一九%、平成十年度が一九・五%、平成十一年度が二〇・六%ということで、大幅な変動というのは特にございません。

○曽根委員 本当に頑迷ですね。所得階層というのは、大枠で七段階に分けているわけで、その段階が大きく変わるというのは、これはもう非常に大きな変化ですけれども、そこに至らないまでも、都民全体が所得が落ちていると、それが保育料の面にも私は当然はね返っているし、現に去年からことしにかけては四%ふえているわけですから、そういうことは影響していないはずがないと思うんですよ。この実態は正確に見て、実態を把握してやっぱり保育問題を考えていく必要があるということは指摘しておきたいと思うんです。
 特に、今東京都がやろうとしている認証保育所などは、認可保育園に預けるのに比べて間違いなく保育料は上がるわけですよね。二倍、三倍になるんじゃないかというふうにいっている人もいるぐらいです。まだ中身が細かく決まっていませんから、今の段階でははっきりしたことをいえませんけれども、もし本当に保育園児を預けなきゃならない父母の実態に即して考えるならば、確かに高い保育料を払ってでも認証保育所に預けたいという親御さんももちろんいることは私たちも知っていますよ。しかし、東京都が本当に力を入れてやるべきは、認可保育園の保育園児の枠を広げて、極力広げて、やっぱり今までの保育料の基準で預けられるところをふやすというのが本筋だと思うんで、そのことだけは申し上げておきたいと思います。
 終わります。

○野村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉局関係を終わります。

○野村委員長 これより高齢者施策推進室関係に入ります。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、高齢者施策推進室所管分を議題といたします。
 本案につきましては既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○金内高齢政策部長 過日の委員会におきましてご要求がありました資料につきまして、厚生委員会要求資料としてまとめ、お手元に配布させていただきましたので、ご説明申し上げます。
 表紙の次のページの目次をごらんください。ご要求の資料は、1、介護保険の特別対策事業(訪問介護)の利用実績(平成十二年度)など七件でございます。
 それでは、目次の項目に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開きください。介護保険の特別対策事業(訪問介護)の平成十二年度利用実績でございます。
 特別対策におきまして減額措置の対象となるホームヘルプサービスの利用者数を区市町村別にまとめたものでございます。
 二ページをお開きください。介護保険の特別対策事業(離島等)の平成十二年度利用実績でございます。
 離島等の地域における特別地域加算に係る利用者負担額軽減事業の利用者数を町村別にまとめたものでございます。
 三ページをごらんください。介護サービス適正実施指導事業の平成十二年度実施状況について、区市町村別にお示ししたものでございます。
 四ページをお開きください。家族介護支援特別事業の平成十二年度実施状況につきまして、区市町村別にお示ししたものでございます。
 五ページをごらんください。老人保健制度の都負担額及び対象者数につきまして、平成九年度から平成十一年度までそれぞれまとめたものでございます。
 六ページをお開きください。介護予防拠点整備事業の概要につきましてまとめたものでございます。
 七ページをごらんください。痴呆介護情報ネットワーク整備事業につきまして、目的、実施主体、事業の内容をまとめたものでございます。
 以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○野村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○曽根委員 予算概要の二ページに、高齢者の福祉増進ということで、老人医療費(国制度)の助成の三十四億円の増額補正が載っているんですが、老人医療費、国制度ですから、この間、対象者が大きく変わったわけでもなく、恐らくこれは介護保険との関連で増額補正をしなければならなくなったのではないかと思うんですが、どういったことでこの三十四億円が必要になったのか、全体がわかるような形でご説明いただきたいと思います。

○若林保健福祉部長 補正予算に計上しました三十四億円につきましてご説明させていただきます。
 老人医療費の補正予算額三十四億円につきましては、今年度の老人医療費、国制度でございますが、老人医療費都負担の所要額が四百四十九億円になる見込みとなりました。当初の予算額は三百八十九億円でございますので、おおよそ六十億円の不足が生ずることとなりました。議決をいただいた既決予算の範囲内、二十六億円を流用することといたしまして、不足の三十四億円の補正をお願いする、こういうことでございます。
 この要因でございますが、介護保険法の施行に伴いまして、これまで老人保健で賄われていた医療サービスのうち、老人保健施設入所者の療養費、療養型病床群の入院費などにつきましては、介護保険でのサービスに移行することとなったわけでございます。しかしながら、実際には介護療養型医療施設への転換が進まなかったことなどから、所要経費に不足を来すこととなったものでございます。

○曽根委員 わかりました。
 つまり、この介護保険に、老健施設は全部移ったでしょうけれども、療養型病床群は医療型と介護型がまだ同居しているといいますか、両方並立しているという中で、医療型から介護型に転換するところが非常に少なかったということが原因だと思うんですが、そうすると、二十六億円措置したというのは、多分介護保険で払うはずのお金が、結局この老健法対応の医療型の方で払う分に回したのかなと思うんですが、その点が一点。
 それから、介護型に移らないということについては、担当しているというか、現場の医療機関のところで躊躇する原因がやっぱりあると思うんですよね。医療保険でやってきたのを、介護保険の、報酬の支払いが、全く仕組みが変わるわけですよね。どういう点がやっぱりネックになっているのかと。それをもちろん打開していこうというふうに東京都は考えていらっしゃると思うんですが、都段階でこういうふうに解決していきたいというふうに思っていらっしゃることがあれば、お聞きしたいと思います。

○若林保健福祉部長 二十六億円の予算流用に関するご質問でございますが、行政の科目としての高齢福祉費の中で流用していくということで整理させていただこうとしているものでございます。

○吉川介護保険室長 介護療養型医療施設へ指定申請が進まない理由についてのお尋ねだったと思います。
 幾つかの要因が考えられますが、三つ程度挙げさせていただきますと、一つは、介護報酬と診療報酬との関係で、介護報酬より診療報酬の方が相対的に有利であるというようなことがいわれております。
 二点目は、介護報酬の方は要介護度別に報酬額が異なるということから、経営的に不安定であるというようなことが指摘されております。
 三点目については、若干介護報酬とはかかわりはございませんけれども、介護型への移行に伴いまして、一人当たりの居室面積を広げるというようなことも指摘されているところでございます。

○曽根委員 三つの原因というべきことがお話にあったんですが、先ほど解決の方向について考えていることがあればとお聞きしたので、もしありましたらお願いします。

○吉川介護保険室長 指定申請促進に向けた取り組みというお尋ねだと思います。
 介護保険制度における基盤整備は、東京都の大変重要な役割だというふうに認識しております。今後も関係機関に対して指定申請の促進を働きかけますとともに、十三年度からは、これまで年四回の申請受け付けということでやってまいりましたけれども、毎月の受け付けという方式に変更したいというふうに考えております。
 さらに、今回の本会議におきまして、関係局から、この介護療養型医療施設への指定促進に向けた取り組みが答弁ございましたので、若干触れさせていただきますが、衛生局の方では、平成十三年度から新たに創設された介護療養型医療施設整備事業、都市計画局の方では、介護療養型医療施設などについて容積率など建築規制の緩和措置の検討、これらの取り組みが答弁として出ておりますので、これらも通じて指定申請の促進に努めていきたいというふうに考えております。

○曽根委員 私、この間の本会議でそういう答弁があって、つまり、介護型の療養型病床群をつくるために、いわば援助も含めて、つくりやすくする、移行しやすくするということについては、いろいろとやっていかなくちゃならないと思うし、私たちも必要なものは賛成して応援もしたいと思っております。
 ただ、もっと大きな要因として、これからどうなっていくのかなと思ったときに、今、医療型の方が診療報酬が若干有利だというのが原因になっているという話がありましたよね。これが一月から老健法が一割負担になる。入院もそうですよね。介護保険と基本的に同じになるわけですよね、七十歳以上の方は。ですから、そういう面でいうと、もう介護の方に移っても、診療報酬の、今までは実質七%ぐらいですか、医療の方は。だから、若干差があったのが、差がなくなる。
 さらに、私、影響が大きいだろうなと思うのは、六十五歳から七十歳の東京都のマル福がなくなっていくということになれば、そこは国保で三割負担になってきますよね。入院もそうですよね。だから、マル福が外れていくのに伴って、医療型の療養施設よりも介護型にいく方が、どっちも負担は重いけれども、一割負担の方がまだましという状況になっていくのかなと。そういうことも東京都としてはいわば促進材料として考えられると思うんですが、そういうことも含んでおられますか。

○金内高齢政策部長 先ほど、介護保険室長あるいは保健福祉部長の方からお答えしましたとおり、私どもといたしましては、介護型の療養型病床群をやはり誘導していく必要があるだろうということで、その手だてを申し上げました。
 ただ、基本的に医療保険と介護保険、あるいは保険外負担も含めまして、若干そごがあることは確かでございますので、その辺については国に要望していきたいというふうに思います。

○曽根委員 私、介護として対応すべきお年寄りの状態に対して介護型の療養施設をつくっていく、それを促進するというのは、大いに結構だと思うんですよ。しかし、結局なかなか移らないなら、本人負担を医療施設の方を重くすることによって押し出していく。いや、結果、そうなるんですよ。三割負担になるんですから、六十五歳からは。というようなやり方で、結局、お年寄りに負担をかける形で医療から介護に押し出すというふうなやり方が、いかにも、何というか、やり方として納得できない。
 介護型の施設をつくるためにいろいろ誘導策をとる、これは大いに結構なんだけど、そういうふうになってくると思うんですね、間違いなく。ほうっておいたって、大体もう介護に移っていくだろうというふうに恐らく腹の中で思っていらっしゃるんじゃないかと思うんだけど、そういう形でのやり方については、これはマル福そのものを廃止、我々はもう大反対なんだけれども、同時にこういう問題も起きてくるという点で問題提起をしておきたいなと。
 マル福の問題は、もっと別の機会にやることがあると思いますので、これぐらいにしておきます。

○野村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で高齢者施策推進室関係を終わります。

○野村委員長 これより衛生局関係に入ります。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、衛生局所管分を議題といたします。
 本案につきましては既に説明を聴取しております。
 資料の要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○小松委員 今回の補正予算事項は、すべて国絡みということもありまして、全項目すべて新規施策になっているわけですね。そこで伺うわけですが、この数字が出てきた経緯、すなわち、その執行に当たってのこれまでの対応と今後の準備、どう進めていかれるのか、まずお伺いいたします。

○齋藤企画担当部長 今回の補正は国の経済対策等としての取り組みを受けたものでございまして、対象となる障害者施設等への調査に基づきまして予算を計上したものでございます。既に施設の意向調査等の結果を踏まえまして、精神障害者等の情報機器の整備事業など、対象となる全施設の事業計画を国に提出したところでございます。今後、補正予算成立後、国からの内示を待って必要な事務手続を行ってまいります。

○小松委員 どの施策も、高い要望があって、そのもとに予算化されたものと思われますが、この中の訪問歯科診療のポータブル機、これは特に歯科医師会からも要望が強く出されていたと思うんです。予算は三施設となっているわけですが、これも地元区市町村が手を挙げないと実施されないとか、また財源絡みとか、いろいろあると思うんですが、そこで、今回の対象施設はどのぐらいあるのでしょうか。

○友松医療計画部長 今回の事業の対象となる施設は、都、区市町村及び歯科医師会が設置し、要介護者の歯科診療、心身障害児者の歯科診療及び休日・夜間歯科診療のいずれかを行っている施設であり、平成十二年十二月末現在、四十施設でございます。

○小松委員 そうしますと、そのうちの三施設ということですから、要望施設はまだまだあると思われますが、二〇〇一年度以降、この実施の計画予定はどうなっているでしょうか。

○友松医療計画部長 本事業は、歯科診療の機会に恵まれない在宅の要介護者等への歯科医療サービスの提供体制を整備するものであり、平成十三年度以降につきましては、国予算の動向を見守っていきたい、そういうふうに考えております。

○小松委員 先ほどもお話がありましたように、要介護者や心身障害者児の歯科診療ということですから、これに欠かすことのできない、現場からも大変要望が高いポータブル機ではあるんですが、数字を見ますと、一施設で四百五十万の二分の一補助ということですから、一施設当たり二百二十五万、これの持ち出しが区市町村にあるわけですので、財源等の理由などで見送ったところもあるかと思われます。今回の補正対応で終わることなく、継続していくというためには、国予算の動向を見守るだけではなく、国に対して強く要望していくこと、このことを強く求めまして、質疑を終わります。

○和田委員 補正予算概要の五ページ、六ページに関連してお伺いいたしたいと思います。
 かねてから、障害区別というものの中で、知的、身体、それから精神というふうに分けて行政は対処してきたと思います。しかしながら、法の一本化というようなこともあって、近年は、障害を受けた方々に差異、差別のないように行政が光を当ててきているはずです。
 今回、この補正予算の中にも、精神障害者というネーミングというか、名前、冠がついているものは三本あります。それは五ページの精神障害者授産施設整備事業ということで、障害者用のトイレ、あるいは段差の解消などで二百五十万円補助額がふえたこととか、次ページの精神障害者情報バリアフリー設備整備事業、それから、同じく精神障害者グループホーム整備事業ということで、三施設がここには載っております。
 私どもが気にしているのは、法の生成過程から、知的、身体の方の方がどうしても先に先に施策が打たれてきて、東京都レベルで見ましても、昨年十月、ようやく都営の乗車券が、年間五百円、二カ年で千円という形で、精神障害者の方々のところに、希望があれば、手帳を持って希望される方にはそれを出すというところまで追いついてきました。
 今回のこの補正予算などを見ましても、前、福祉局の方で心身障害者の福祉増進というようなことで七千万が載っていますが、それぞれの障害を持つ方々に、国の施策とはいえ、今回平等な光りが当てられた形で補正予算が組まれてきたのかどうかということを、まずお伺いいたします。

○長岡医療福祉部長 今回の補正予算の情報バリアフリー経費等を見てみますと、障害者の情報のバリアフリーを確保するために、それぞれの施設に情報機器を整備するものでございまして、基準額は、三障害の特性に応じた額となっております。基準額は、例えば身体の場合は四百八十万円、知的の場合は百四十万円、精神の場合は百五十万円となっておりますが、身体の場合は、点字のディスプレーや点字のプリンター等周辺機器を整備するということで、量産ができないために非常に高価になっているということもございまして、こういった基準になっておるものでございますけれども、基本的には同じような考え方であるというふうに思っております。

○和田委員 身体四百八十万から知的百四十、精神百五十というような基準の差異があるということはよくわかります。ただ、私、今月になって、盲聾の複合障害をお持ちの方の大会に出ました。目が途中から、あるいは耳が途中から、そういう障害を負うということもありながら、今時点、複合障害を負っている方の会に出ましたときに、経過報告の中で、情報をいただくことによってその方々の生活が随分変わってきましたよということを体験的にお話しになっていました。
 私は、精神に限らず、身体に限らず、情報がいろんな形で、点字も含めてスピーディーに入ってくることによって、今まで閉鎖的に施設の中だとか家庭の中に閉じこもりがちな障害を持った方が、在宅でいながらも情報をどんどんとったり送ったりできるということで、今回のこの施策のよさというのはそこにあるのかなと思っているわけです。
 ちなみに、金沢大学の助教授で福島さんという盲聾の方が、この四月から東大の助教授になって、奥様が通訳者でありますけれども、そういう形で行くというようなことが新聞でも報道されました。そのことが別にどうということはないんですが、少なからず学界の中にも盲聾という方々が情報を得ながら進出できるような素地をどんどんつくっていくという過程の中で、今回のこの補正予算というのは、知的、身体、精神を問わず、大きな一歩を示したなと思っているわけです。
 そこでお伺いしたいんですが、二点目の質問は、これは全部設備の整備となっています。ハードの整備ということになっていて、さきの盲聾の大会のときにも出ましたが、講習会などは別に編まなければならないということでありますから、これだけですべてのことが成り立つわけじゃありませんで、箱物は来たけれども、どうそれを運営するかというときに、衛生局当局は、どういうふうにその箱を動かしていくということに意を用いようとされているんでしょうか。

○長岡医療福祉部長 今回の整備につきましては、通所施設の中で情報機器を整備するということでございますので、その通所施設の中で、職員等の協力を得ながら、利用状況については考えていきたいというふうに思っております。

○和田委員 要するに、あくまで善意に頼って、設備そのものは国からおりてくるよ、地元負担はほとんどないよということになってくるんですが、そこのところ、善意に頼って済むことなのかどうなのか。それから、これは単年度で終わってしまうような一過性のものであっていいのかどうなのかということを、政策をきちっと見きわめた上で、継続が必要なものは都独自の事業としても起こしていくべきだろうと思うんです。
 とりわけ、冒頭に返りますが、精神障害者の方々が置いておかれてきた事情というのは、さきに申し上げた、十月の時点まで都営の乗車券は全然いただけなかったわけです。十月から支給はされて、自分が希望すれば、ある対価を払ってやることになるんですが、やはり、それでもなおかつJRだとか民営バスなどについては差があって、この方々は、こういうバリアフリーの情報を得て、いざ自分が外に体を運ぼうよというときに、知的や身体の方々と差異があるというようなことも含め、情報だけのバリアフリーじゃなくて、人間の移動、動く際のバリアフリーもぜひ求めていくべきだと思うものですから、これについてのご答弁をお願いいたします。

○長岡医療福祉部長 精神障害者の自立と社会参加を促進するためには、ただいま先生ご指摘いただきましたように、民営バスの運賃割引等についても、他の障害と同様の取り扱いが必要と考えております。このため、身体、知的障害者と同様の取り扱いとするよう国に提案を行うとともに、民間バス事業者に対しても、運賃割引の実現に向けた協力をお願いしているところでございます。引き続き、民間バス事業者と国への働きかけに努めてまいります。

○藤田委員 一点だけお聞かせいただきたいと思っています。
 障害児の情報バリアフリー設備整備事業に関してでありますが、福祉局についてもちょっと同様のことをお話しさせていただいたんですが、まず、この施設の選定状況、どういうふうにして十三施設を設定していったのかについてお尋ねをしたいと思います。

○上間健康推進部長 重症心身障害児施設及び肢体不自由児施設、十三施設ございますが、各施設の要望に応じた障害者対応の入力装置やソフトウエアを備えたパソコン等を配置するように要望をお聞きしております。

○藤田委員 十三施設が上がってきたという、そちらの要望は、何か自分たちで情報機器が必要なところは手を挙げてくださいというふうにしてお尋ねをしているわけでしょうか。

○上間健康推進部長 そうでございます。

○藤田委員 そうすると、この機器を扱える人、どなたが、どんなふうにやるようになっていますか。

○上間健康推進部長 ご要望がございますので、施設では原則としてはそれを使えるというふうに考えておりまして、指導する職員は、施設においてそれぞれ職員等が創意工夫して指導していくというふうに考えております。

○藤田委員 これも先ほどちょっと福祉局の方でお聞きしたんですが、実際には公立の小中学校でも、もう児童一人に一台というような状況になっています。ところが、現段階でなかなかそこまで、指導者が非常に不足をしているというところで、パソコンがカバーがかかったままというような状況のところもたくさんあるというふうに聞いておりますけれども、今回は、その指導者に対しての研修その他ということは、ここには予算として入っておりますでしょうか。

○上間健康推進部長 研修についての予算は入っておりません。

○藤田委員 ちょっとお尋ねしたところによると、重症心身障害児施設の方のパソコンは、なかなかいろいろ難しいといいますか、一番すごいのは、目のまばたきといいますか、そういうところだけで追っていくことによって、それを全部文字にしていくというようなこともちょっとお聞かせいただいたんですが、そういうところになりますと、もう障害をお持ちの方をいつもケアしていらっしゃる方でないとなかなか難しいと思いますけれども、肢体不自由児の方でしたら、結構これは、ごくごく普通の方々と同じようにできる部分もあろうかと思います。その辺の方々については、例えば、それこそ地域の小学校にはそうやって一人一台のパソコンがあるわけですから、そういうところと交流をしてやっていくというようなことは、今までにも行われていたんでしょうか。それとも、全然そんなことはしたことがないんでしょうか。

○上間健康推進部長 これまでは、そういうことは実施しておりません。

○藤田委員 実施しておりませんということで、ああ、そうですかという状況なんですが、ただ、実際にはもう障害者の方々の情報通信の、そういうところでこそできるんだという意思を疎通させるためには、施設だけじゃなくて、やっぱり家庭の中といいますか、そことも自由にできるようにするためには、十分これから地域にそういう障害者の方々が出ていくためにも、学校との連携というようなことも考えていただければというふうに思います。
 それから、もう一つは、NPOで、いわゆるパソコンは常に常に進化をしていますので、廃棄ということがどんどん起きてきているわけですね。それを中身をすっかりきれいに、クリーンにして、そしてリユースをしていくということが今行われているそうです。それが実際にはもう目黒ですとか多摩市ですとか、そんなところで行われているということを聞いておりますので、現在の、今回の補正では非常に機器としても高度な、それから金額も張るものかと思いますけれども、障害者の皆さんが在宅でということでありますので、これをさらに家庭まで広げていくためには、こういうNPOが事実もう立ち上がっているということでございますので、そういうところも十分に活用していただきまして、さらに障害者の情報がスムーズにバリアフリーになるように進めていただきたいというふうに思っています。
 そして、なおかつ、先ほどから皆さんもおっしゃっているとおり、十三施設ということで手を挙げたところだけということですけれども、これがさらに広がるように、ぜひご努力をいただきたいというふうに思っています。

○松本委員 済みません、友松医療計画部長、ちょっとお聞きしたいんですが、先ほど、高齢者施策推進室の補正予算の審議の中で、老人医療費の助成で三十四億円というのが計上された。その内容は、国制度の老人医療費の助成ということなんですが、聞くところによると、どうもこれは、長期療養型病床群というのが計画どおりきちっと長期療養型のベッドになっていれば、本来だったら、これは介護保険の方から負担をすべきお金ではなかったんですか、こういうような質問に対して、肯定をされるような議論があったわけなんです。
 そこで、ちょっとお聞きしたいんですけれども、東京都の医療計画の中で、長期療養型病床群の中に移行が進まない理由は何だという質問に対して、三点の理由が挙げられた。その中で、介護保険と医療保険とでは、医療収入というか、医療報酬というか、それが違う。病院としては、長期療養型になったら入ってくる収入が少ないから、それがなかなか進まないんですよ、こういったような理由が、言葉は違うけど、大体そういうような説明があったわけなんですよね。
 そこで聞きたいんですけど、長期療養型に入院をした患者の費用というのは、これはすべて介護保険で見る、こういうことなんでしょうか。それとも、長期療養型病床群で、例えば点滴とか、そういう医療を行った場合には、そこの部分は医療保険で見ますよ、おむつの交換について、これは介護保険で見ますよ、こういうふうに、一人の患者に対してきちっと分かれた形で請求が出せるのか。長期療養型病床群に入院した人は、そこで盲腸の手術しても、介護保険の中からその費用が負担をされるのか。そこのところ、ちょっとわかりやすく説明してほしいんですが。

○友松医療計画部長 療養型病床群につきましては、介護保険の分と医療保険の二つの病床があると思いますけれども、医療的な要素が強い場合には、例えば、たまたま病院に医療保険適用のベッドがある場合に、そちらに移っていただいて、そして医療保険の方で支払いをしていただくということになる思いますけれども……。

○松本委員 部長、それ、よくわからないんだよね。ベッドがいっぱいで、長期療養型のベッドの中で、例えば日常的に点滴も受けるよ、こういうような場合は、点滴というのは介護であって医療ではない、こういう認定になるの、長期療養型に入っていると。医療行為じゃないの、それは。

○友松医療計画部長 それはもちろん施設者の判断するところだと思います、管理者の。医療というふうに……。
 だから、その病状が不安定で--例えば安定した患者さんで、これはもう医療が必要だ、そういう場合には医療保険の方で適用になると思います。私、実際にやっていませんので、何ともあれなんですけれども、概念的にはそうだと思いますけど、勉強させていただきます。どうも済みません。

○松本委員 部長、そこをはっきりしてくれないと、高齢者施策推進室のこの補正予算に賛成していいかどうか悩んじゃうんだよね、正直な話。本当は介護保険の方で負担すべきはずのものを、都民税の中から負担していいのかどうかということなんだよね。だから、そこはちゃんと説明してくれないと。
 今の説明だと、長期療養型のベッドに入院した人と、特別養護老人ホームに入った人と、受けるサービスとか、どこが違うの。ちょっと説明してください。

○友松医療計画部長 先ほどお話ししましたように、療養型病床群には、介護療養型、介護保険で適用する患者さんと医療保険適用の患者さんがおりまして、介護保険でいけるというところの行為につきましては介護保険を適用します。ただし、その患者さんが仮に医療的な要素が強いということであれば、例えば、その病院に医療保険適用のベッドがあるんであれば、そちらに移って医療保険でカバーするということになります。

○松本委員 どうもよくわからないね。部長、しつこくてごめんね。ベッドにとにかく寝ていて、両方ダブっている。介護を受けながら医療を受けるというのか、医療を受けながら介護を受けなくちゃいけない人たちのための長期療養型のベッドだと僕は認識をしていたわけ。だから、病状は安定をしているんだけれども、引き続いて軽微な医療並びに介護が必要だ、こういう人が長期療養型に入る、こう認識をしていたわけだ。入ったところで、きょうはこっちのベッドへ泊まってください、きょうはこっちの三号室へ泊まってくださいとか、そんなわけにいかないんだから。そうすると、保険請求をする病院の方としては、医療機関としては、この分については医療保険に請求をし、この分については介護保険に請求しますよ、こういう認識だったわけだ。
 ところが、入った途端に、この人は介護ですよという話になると、同じ医療行為を受けながら、医療保険に請求をすると点数が高くて、介護保険に申請をすると病院の方にたくさん医療費がもらえない、こういうような差があったら、当然もうかる方に請求するのは当たり前の話だよね。そういうようなことなのか。きちっと、僕がいうように、こういうことは医療行為ですよ、これは介護行為ですよというのは、部長の方でちゃんと整理整とんできるのかどうか、病院にそういうことを通達できるのかどうか、それを聞きたい。

○友松医療計画部長 介護保険適用と医療保険適用ということで、ちょっと今私は資料を持っていないんですが、それぞれの要綱といいましょうか、達し、それが出ていると思います。その中には、医療行為というものはこういうものだというような記載がございますので、済みませんが、そういうところをご参考に、それは管理者が判断することだと思いますけれども、そういうことでよろしくお願いいたします。

○松本委員 よくわからないけれども、質問を終わります。

○野村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で衛生局関係を終わります。

○野村委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、厚生委員会所管分を議題いたします。
 本案については既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認めます。よって、第百十六号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、厚生委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十一分散会

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