委員長 | 野村 友子君 |
副委員長 | 近藤やよい君 |
副委員長 | 和田 宗春君 |
理事 | 曽根はじめ君 |
理事 | 石井 義修君 |
理事 | 矢部 一君 |
樺山 卓司君 | |
藤田 愛子君 | |
小松 恭子君 | |
曽雌 久義君 | |
古賀 俊昭君 | |
松本 文明君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉局 | 局長高齢者施策推進室長兼務 | 前川 燿男君 |
次長 | 藤堂 義弘君 | |
総務部長 | 上條 弘人君 | |
地域福祉推進部長 | 小山 園子君 | |
生活福祉部長 | 岡本 宏之君 | |
山谷対策室長 | 上野 純宏君 | |
子ども家庭部長 | 福永 富夫君 | |
障害福祉部長 | 谷川 健次君 | |
国民健康保険部長 | 井出 勝也君 | |
企画担当部長 | 村山 寛司君 | |
連絡調整担当部長 | 中村 憲司君 | |
高齢者施策推進室 | 福祉局長高齢者施策推進室長兼務 | 前川 燿男君 |
高齢政策部長 | 金内 善健君 | |
介護保険室長 | 吉川 和夫君 | |
保健福祉部長 | 若林 統治君 | |
施設事業部長 | 反町 純夫君 | |
高齢施設企画担当部長 | 笠原 保君 | |
衛生局 | 局長 | 今村 皓一君 |
技監 | 荻野 忠君 | |
総務部長 | 櫻井 巖君 | |
企画担当部長 | 齋藤 進君 | |
健康推進部長 | 上間 和子君 | |
生活環境部長 | 河津 英彦君 | |
医療計画部長 | 友松 栄二君 | |
医療福祉部長 | 長岡 常雄君 | |
薬務部長 | 山川 洋平君 | |
病院事業部長 | 押元 洋君 | |
参事 | 菊地 輝雄君 | |
参事 | 山下 征洋君 | |
参事 | 矢口 貴行君 | |
参事 | 大塚 孝一君 |
本日の会議に付した事件
意見書、決議について
高齢者施策推進室関係
付託議案の審査(説明・質疑)
・第三百十三号議案 老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
福祉局関係
付託議案の審査(説明・質疑)
・第二百七十八号議案 平成十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、債務負担行為 福祉局所管分
・第三百十二号議案 心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
衛生局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百九十号議案 東京都環境衛生適正化審議会条例の一部を改正する条例
・第二百九十一号議案 東京都動物の保護及び管理に関する条例の一部を改正する条例
○野村委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
初めに、意見書、決議について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書二件、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野村委員長 異議なし認め、そのように決定いたしました。
○野村委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、高齢者施策推進室、福祉局及び衛生局関係の付託議案の審査を行います。
これより高齢者施策推進室関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第三百十三号議案、老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
追加提出されました本案について、理事者の説明を求めます。
○前川高齢者施策推進室長 平成十二年第四回東京都議会定例会に追加提案いたしました高齢者施策推進室所管の議案についてご説明申し上げます。
ご審議をお願いいたします議案は、条例案一件でございます。お手元にお配りしてございます平成十二年第四回東京都議会定例会議案をごらんいただきたいと存じます。
一ページをお開き願います。老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例でございます。
老人保健法の改正に伴い、規定を整備する必要があるため、条例を一部改正するものでございます。内容は、第三条中の「同条第十項」を「同条第八項」に、「当該給付」を「当該外来給付」に改めるというものでございます。本条例は、平成十三年一月一日に施行いたします。
二ページは、老人の医療費の助成に関する条例の新旧対照表でございます。後ほどごらんいただきたいと存じます。
以上をもちまして、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○野村委員長 説明は終わりました。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○曽根委員 今回出されました条例改正案については、国会で十一月三十日に可決、成立をしました健康保険法の改定に基づくものですけれども、この条例改定の内容について、また、その影響については、私、十一月二十九日の請願陳情の質疑の際に明らかにしておりますので、きょうは意見を表明しておきたいと思います。
一つは、今回の条例改定が、連動している健康保険法の改定、私たちにいわせればこれは大改悪、どうしても許すわけにいかないという第一の理由は、やっぱり、この間もいいましたが、高齢者の負担増の問題です。前回、質問で明らかにしたように、外来の場合でも平均して一・五倍の負担増になりますし、入院をした場合については、三倍、四倍に医療費が負担増になってしまうケースもざらに出てくる。糖尿病などの場合には、九倍以上の負担になる場合もケースとしてはあらわれるということで、これほどの大きな負担を、介護保険その他で負担がふえている高齢者にかけることは、絶対に許すわけにはいかないということであります。
もう一つは、これは東京都独自の施策の問題として、今回の健康保険法改定に伴う条例の、その根拠となるマル福の条例自体が今廃止のレールに乗せられているという中での今回の改悪ですから、したがって、ことし七月一日以前に六十五歳になった方はマル福制度に残れるわけですが、残ったマル福制度自体がまた改悪されるという二重の改悪構造になっているということも、東京都の姿勢として認めるわけにいかないということは、春以来私たちがいっている点です。
この間、新潟や愛知県で、この医療改定の問題を、高齢者ではありませんが、障害者に連動させないという態度表明がありました。この問題は後で障害者の問題として別の局でやりますが、このときに明らかになったのは、愛知県も新潟県も、マル福は維持しているということなんです。この点でも、やっぱり東京都の姿勢の問題もあわせて厳しく批判しなければならないと思います。
これらを含めて、質疑は行いませんが、今回の条例改定については、私たちはどうしても許しがたいということを改めて表明して、私の発言を終わります。
○曽雌委員 さきの厚生委員会で、老人保健法の改正につきましては、低所得者の方々にも十分配慮されているということで答弁をいただきましたけれども、私もそのとおりだと思っております。今回提案されておりますマル福制度、いわゆる老人の医療費の助成に関する条例案でございますが、これに関連して、低所得者対策について一点だけお聞きした上で、私自身の意見を表明したいと思っております。
お聞きをしたい一点は、改正されました老人保健法では、入院費の本人負担額が、一般の方の場合は三万七千二百円となっておりますけれども、低所得者、住民税が非課税の方につきましては、二万四千六百円に減額をしているわけでございます。そして、低所得者に対しましては、入院時一部負担金限度額適用認定証というものが交付をされるというふうに聞いておりますけれども、マル福の制度では、このことについてはどのように対応しようというふうに考えておられるのか、お聞きしておきたいと思います。
○若林保健福祉部長 東京都の老人の医療費の助成制度、いわゆるマル福制度でございますが、その本人負担は、老人保健法に準拠しておりますので、例えば国民健康保険の加入者でありますと、本人負担額の三割のうち、改正された老人保健法によりますと、定める負担額は、一割を本人が支払うことになり、残りを東京都がマル福制度によって直接医療機関に支払いをするという、いわゆる現物給付の方式というふうに呼んでおりますけれども、そういう方式になるわけでございます
ご質問のマル福の方の入院費の負担の軽減につきましては、低所得の方、住民税非課税でございますけれども、この方には、新たにマル福の入院時一部負担金限度額適用認定証というものを発行することによりまして、医療機関の窓口で、老人保健法で定める負担額、二万四千六百円が限度額でございますけれども、それ以上の支払いをしないで済むように、現物給付が維持できるようにするものでございます。
現在、先ほども申し上げましたマル福の適用認定証の発行のために準備を進めているところでございます。一月一日から実施できるよう、今、早急に準備を進めているところでございます。
○曽雌委員 それでは、意見を表明しておきたいと思っておりますけれども、高齢者の医療制度の現状はどうなっているかということは、やはりこれは私たちはしっかりとつかんでおかなきゃならないと思いますけれども、前回の厚生委員会でも明らかになりましたけれども、概算でいいますと、国民の総医療費約三十兆円といわれていますけれども、そのうち老人医療費が十兆円に及んでおって、国民医療費の約三五%が老人医療費で占められているわけであって、今後これらはさらに増大をしていくということは必至な状況にあるというふうにいわれております。
高齢者は、若い人と比べましたときに、やはり加齢に伴って病気になっていく率といいますか、リスクは非常に高くなってきて、かつ病気になってしまいますと、慢性的な疾患になるという特性があるというふうにいわれております。加えて、高齢化が急速に進展をしていることから、高齢者の医療費というものは、先ほども申し上げましたように急増していく、今後ともふえ続けていくであろうというふうにいわれているわけでございます。
老人保健制度は、医療保険の各保険者が拠出金を負担しておりまして、共同して運営されているわけでございますけれども、健康保険組合を初めとして各保険者の運営というものが、そのことによって危機的な状況になっているということも巷間伝えられているわけでございます。
そういうことを考えますと、高齢者の医療制度の抜本的な改革は、どうしてもしなきゃならない時代、時期に来ているのではないかというふうに私は思っておりますけれども、そういう見直しに当たって、幾つか観点が当然必要になってきます。一つは、医療費の負担を税方式でやっていくのか、それとも保険料方式でいくのかということと、二つ目には、もしも保険方式にするとするならば、じゃ保険者をだれにするのか、また、保険者間の調整はどのように進めていくのかという課題があろうかと思います。
三番目には、世代間の連帯と負担の公平をどういうふうに図っていくかということと、四番目には、医療費の適正化、効率化をどうやって実現をすればいいのか、こういったような観点でのいろんな議論が国の中であったわけでございまして、その際、国での議論の中では、広く国民、関係団体等の意見を聞いた上で、できる限り早期に決定をすべきである、こういうふうに思いますけれども、すべてそれが終わっているわけではなくて、今後また時間をかけて検討がなされなきゃならぬというふうに思っております。
しかし、現実は、先ほど申し上げましたとおり、医療費が非常に急増しておる現状の中にありまして、健康保険組合、国民健康保険組合、それらの財政状況というのは非常に大変な状況にある。危機的な状況にあって、このまま放置しておきますと、それぞれの健康保険組合がパンクしてしまうというようなことになって、そうなりますと、今日まで営々と築き上げてきた我が国の医療保険制度そのものが破綻をしてしまうのではないかという危険なところまで、現在来ているわけでございます。
そうなってしまった場合に一番困るのはだれなのかというと、やはり被害を受けてしまうのは、だれよりも医療を一番必要としている高齢者の方たちのところにどうしても行ってしまうのではないかというふうに危惧いたしております。
今回の老人保健法の改正は、こうした事態を踏まえて、国会の中でも十分に審議され、決定されたものだというふうに私たちは受けとめておりまして、改正の内容を見ますと、我が党の主張も生かして、高額医療費支給制度の創設であるとか、月の負担限度額の設定など、低所得者には十分配慮されたものになっているというふうに私たちは受けとめさせていただいております。
そこで、東京都の老人の医療費の助成に関する条例の改正案についてでございますけれども、東京都のマル福制度というのは、ご案内のとおり、昭和五十八年の老人保健法の施行時から、高齢者の健康への自覚、適切な受診の確保、さらには世代間の負担の公平、こういった観点に立っていろいろと検討されてきて、老人保健法と同額の一部負担金を高齢者が負担をしていくという、いわゆる老健準拠という方式をとって今日まで実施されて、定着をしてきているものだというふうに理解をいたしております。
国の老人保健法の改正を踏まえた今回の条例改正は必要であり、また、多くの都民の理解を得られることができるというふうに思っておりますので、私は、今回の条例改正案を是としたいというふうに思っておりまして、それを踏まえて意見だけを申し述べておきたいと思っております。
以上でございます。
○野村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で高齢者施策推進室関係を終わります。
○野村委員長 これより福祉局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第二百七十八号議案、平成十二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、債務負担行為、福祉局所管分及び第三百十二号議案、心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
初めに、追加提出されました第三百十二号議案について、理事者の説明を求めます。
○前川福祉局長 平成十二年第四回東京都議会定例会に追加提案いたしました福祉局所管の議案につきまして、ご説明申し上げます。
ご審議いただきます議案は、心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例案一件でございます。
お手元にお配りしてございます平成十二年第四回東京都議会定例会議案をごらんいただきたいと存じます。
一ページをお開き願います。今回の改正は、老人保健法の改正に伴い、同法から引用している条項及び文言の修正を行うものでございます。
二ページには、条例の新旧対照表を記載してございます。
この条例は、平成十三年一月一日から施行することといたしております。
以上で、本定例会に提出いたしました追加議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○野村委員長 説明は終わりました。
なお、第二百七十八号議案につきましては、既に説明を聴取しております。
これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○曽根委員 それでは、福祉局所管の付託議案、本委員会で質疑をします部分の補正予算の関係から最初にお聞きしたいと思うんですが、今回の補正予算は、三宅島から避難してこられた方々に対する支援策ですので、全体としては私たちも大いに評価をし、また推進する立場でお聞きしたいと思います。
特に、今回、この予算とはちょっと違いますけれども、被災者生活再建支援法が適用となり、普通であれば六カ月ぐらいは見なければならない長期にわたる避難生活というものを、繰り上げて、若干、三カ月以前でしたか、適用がもう決まったということも含めて、これは積極的に東京都も働きかけていただいた結果として大いに歓迎するものであります。また、この適用に当たって、昨年の収入が基準になっているこの支援金の支給を、昨年の収入基準を超えていながら、ことし収入がない方についても適用するという点での東京都の上乗せ分も出したということも評価したいと思います。
その上で、この運用に当たってぜひ検討していただきたい点について幾つかお聞きしたいんですが、被災者生活再建支援制度というパンフレットをいただいて、私も読みながら、また、実際に地元の北区の桐ケ丘団地などに三宅の方が来られているので、お話を伺ってきたんですけれども、この制度の要綱には、支援金の支給の方法、対象がかなり厳密に規定されているんですね。物品でいえば二十品目というふうに決まっておりますし、また、移転費についても四項目とか、医療費については五項目とか、かなり厳密な規定になっているんですね。
これの支給を受ける場合には、前もって何を買うとか何に使うとかいう計画書をご本人から提出をしなければならないとか、また、この支援金を不正に使った場合にはペナルティーもあるというような規定も入っているなど、このまま厳密に運用しますと、かなり大変と。手続そのものもそんなに簡単じゃない。心理的にも、何か非常に障害が大きいといいますか、使いにくいなというイメージがまず先行してしまっているんですね。
そこで、運用に当たっては柔軟にやる必要があるなと思うんですが、こういう制度そのものは急に変えるわけにいきませんけれども、東京都としては、この運用に当たっては、もう少しだれにでもわかりやすい形で説明するとか、受け付けも、なるべく、書類の書き方も含めていろいろアドバイスをしていただけるような仕組みとか、できるだけ多くの方にできるだけ活用していただけるような方策を可能な範囲でとっていく必要があると思うんですが、その点についての基本的なお考えをお聞きしたいと思います。
○岡本生活福祉部長 被災者生活再建支援法による支援金についてのお尋ねでございますけれども、東京都におきましては、三宅島の島民の皆様方の避難生活を支援するために、例えば、生活必需品の支給品目の拡大であるとか、あるいは生活福祉資金の無利子の貸し付けであるとか、都営住宅の無償提供、あるいは義援金の配布等々、種々の生活支援策を非常にきめ細かく実施してきたところでございます。
こういったさまざまな支援策を講じてきた流れの中で、今回、支援金制度の適用という状況になったわけでございますが、今回の支援法の適用に当たりましても、村民のニーズを総合的に把握している三宅村の要望を聞きながら、先ほど委員からもございましたように、国の制度の対象とならない世帯への独自の支援策も講じているところでございます。
現在、福祉局といたしましては、この支援金の早期支給というところに全力を挙げて取り組んでいるところでございまして、また、今後の支援策につきましても、三宅村あるいは支庁等と連携をしながら、きめ細かく実施していきたい、このように考えております。
○曽根委員 受け付けはきのうから始まったばかりということで、どういうテンポで申請が出されるかというのは、まだなかなか見通しが立たないかと思うんですが、事前にこの要綱に基づいてお話を聞いたところでは、やっぱり生活用品の中で、食料品だとか衣類とか、そういうものを買うことができない、それが品目に入っていないということが、一番大きく引っかかっていた点なんですね。
確かに電気製品などは買えるんですけれども、テレビはもう既に大体のおたくでは、いろんな形で、最初に支給を受けたり、自分で買ったり、提供品としていただいたりというようなことで、もう既に大体必要な家具や電化製品は入っている。その上に二台目というのも、これはちょっといかがかという感じがするというお話でした。
そういう点で、できればこの品目を柔軟に食料品その他にふやしていただければ一番いいんですが、なかなか国の方ではそういうふうにならないという中で、東京都として何か工夫ができないだろうか。この制度に、例えば避難直後に行ったように--東京都独自に生活必需品の品目をふやしましたよね。これは、国から出ない分東京都が持って、品目をふやしたと思うんですが、そういうことと同じようなやり方で、拡充というのが、今後の申し込みのいろんな出方も見ながら、検討の必要があるんじゃないかと思うんですが、そういう今後の検討課題としていかがでしょうか。
○岡本生活福祉部長 品目の関係のご質問でございますが、今回の支援金でございますが、これは、被災世帯の生活に通常必要な物品の購入であるとか、あるいは修理費であるとか、あるいは住居等の移転費であるとか、さらには治療費であるとか、そういった生活全般に活用できるものとなっているということでございます。
あわせまして、都といたしましては、この制度だけではなくて、一斉避難の当初から、避難島民等の状況を踏まえまして、三宅村と協議をしながら、先ほど申し上げましたようなさまざまな生活全般にわたる種々の支援策をきめ細かく行ってきたというふうに考えているところでございます。
○曽根委員 ぜひ今後、これは要望にとどめますけれども、雲仙普賢岳の災害の際に長崎県でも行ったような、まず、生活費そのものが非常に足りないという世帯など、被災者に対する食費などのための、一日千円程度というふうにたしかお聞きしていますけれども、その程度の支給がこの制度の中では難しいとするならば、何らかの上乗せもしくは拡充の中で検討していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
次に、先ほどの高齢者施策推進室のときにも意見をいいましたけれども、今回の医療保険の改悪に伴う、障害者に対する、一割負担と連動してしまうという条例の問題について質疑をしたいと思います。
今まで、いわゆる障害者医療費助成、マル障の、八月末までは旧制度ですけれども、これの対象になっていた方の医療費が、実際にこの老健法の一割負担が連動されることによってどの程度負担がふえるのか。通院の場合、もしくは入院の場合で、東京都の方は、その負担増の実際の影響額については何らかのデータを持っていらっしゃるんでしょうか。
○谷川障害福祉部長 心身障害者医療費助成を受けている方の四分の三程度を占める住民税非課税の方については、入院時の食事代のみの負担となっております。また、残りの全体の四分の一程度を占める住民税課税の方の一人当たりの影響額につきましては、それぞれの医療の内容、病院の病床数、あるいは診療所を利用するかどうか、いろいろさまざまに状況が異なってきておりますので、負担の軽くなる方もいらっしゃいますし、また負担が重くなる方もいらっしゃる、そのように考えております。
○曽根委員 マル障について削減計画が二年前に出たときには、影響額年間十万円程度というのが出たことがありますよね。あのときは、たしか一割負担じゃなかったかと思うんですが、そういう点では、何らかの推計は私はできると思うんですよ。もちろん三割負担になってしまう人もいれば、一割負担が連動する人もいる。それから、入院と外来でいろいろありますよ。しかし、全体としては、負担が減る人よりもふえる人が圧倒的に多いはずです。そういう実態をやっぱりきちっとつかむべきだと思うんですよ。これがまず第一です。
それから、今度のことで、残念ながら老人医療費については連動させないというところはほかにないんですけれども、障害者については連動させないという条例をつくるか、もしくは改正してそういうふうにするというふうに表明した県が、既に私たちの知っている限りでは、愛知県、新潟県が表明しています。
新潟県は、私がお聞きしたら、あそこは市町村事業だそうで、要綱だそうなんですね。ですから、わざわざ県が、要綱の中では、老健法の二十八条に適用する一部負担を導入というふうになっているので、自動的に行けば連動しちゃうので、それを連動させないということで、しかも、条例は市町村にあるわけですから、市町村に呼びかけて、いわば条例準則を示して、市町村が連動させないという条例を提案すれば、県はバックアップするという姿勢を示したわけで、私は、これはやっぱりなかなか大したものだなと思いますよ。愛知県の方は、もともと連動になっていないということだそうで、これは黙っていれば連動しないわけですね。
そういう点で、こういう県があらわれている。どちらも財政的には決して楽ではない額ですが、そういう姿勢についてどのように思われますか。それから、東京都としてそういうことを検討したことはありませんか。
○谷川障害福祉部長 新潟県の場合と愛知県の場合でございますけれども、新潟県の場合には、来年一月から施行されます老人保健法改正の状況でございますけれども、自己負担額を三月までの三カ月間適用しない、このように聞いてございます。また、愛知県の場合ですと、当然新潟と同じように、区市町村の補助事業に対して補助を行うようになっているわけですけれども、この場合においても、補助要綱の一部を一年間新たに凍結する方向を出した。ただ、その間において補助率の引き下げ等を行う等の検討も、別の方向で行っている、このように聞いてございます。
○曽根委員 新潟県については三カ月間という話がありましたが、私たちがいただいた文書によると、知事の記者会見では、当分の間というふうにいっているそうで、公式に三カ月というふうに何か発表されているんですか。改めて確認させていただきたいと思います。
○谷川障害福祉部長 私どもの方も気になりまして新潟県の方に問い合わせたところ、担当者の話では三カ月というお話でございますので、正式に公表されているかどうかは、まだ確認してございません。
○曽根委員 記者会見で知事が発表したのは、当分の間なんですね。ですから、期限は切っていないんですよ。それから、愛知県についても、一年間。
それで、いろいろな検討は、もちろんどこもやっていますよ。しかし、今、一月一日から連動をせざるを得ない、もしくは法の趣旨からいえば、連動せよというふうに国が当然いってきているのに対して、県民、特に障害者の医療費負担をふやすことは、やっぱり余りに過酷であるという判断のもとに知事が決断をしたわけで、私は、この決断はやっぱり東京都も学ぶべきだと思うんですが、検討をしたことはないですか。
○谷川障害福祉部長 東京都においては、四分の三の低所得者の方に対しては従来どおり負担をいただかない、そのように低所得者に対する配慮を十分行っていると考えておりますので、見直す考えはございません。
○曽根委員 まことに残念です。低所得者という、非課税世帯ですよね、今おっしゃっているのは。マル障が。それでも有料ですよ、入院給食費が有料になっちゃったんだから。残り四分の一が要するに住民税が課税されている以上の世帯ですよね。これが低所得者じゃないということには私はならないと思うんですよ、実態からいって。住民税が均等割だってかかるわけですからね。
その中で、もう一つ、私前々からいってきましたが、同じ障害者でも、このマル障の中で特に負担が一気にはね上がる、三割負担になってしまう人が、障害者の中でも、二十歳以上の人に比べて二十歳未満の障害児が圧倒的にやっぱり割合が高いという問題があるわけですよ。これは、所得基準を決める際に、障害者本人の所得を基準としたから、二十歳以上の人は本人の所得で見ますけれども、二十歳以下の障害児については、本人は扶養であるということで、保護者、その世帯の主な収入者の収入で見る。で、同じ基準だということになれば、障害児を抱えている世帯というのは、一般のサラリーマンの方なんかいっぱいいますから、そこにかかっちゃうわけですよ。
実態としてどの程度の割合になっているかということを教えてもらいたいんですが、マル障が今まで適用になっていた方の中で、二十歳以上の人が何人、二十歳未満の人が何人いて、そのうち三割負担の、いわゆるマル障が全部外れてしまう人が、二十歳以上の人が何人、二十歳未満の方は何人なんでしょうか。
○谷川障害福祉部長 旧制度のすべての対象者数が十四万五千四百人でございまして、所得基準の適正化によって、医療費助成の適用外、通常の医療保険のみ適用になる方は、そのうちの四%、六千三百人程度だと推計してございます。
そのうち二十歳未満の障害者はどの程度かにつきましては、正確に把握することは現時点では困難でございますけれども、おおむね三分の一ぐらいだというふうに推計しております。
○曽根委員 すると、マル障を八月まで受けていた十四万五千人の方の、二十歳以上と二十歳未満の割合はどうなんですか。
○谷川障害福祉部長 二十歳未満が全体で一万六百人というふうに考えております。そのうち、対象外となる者が二千人だというふうに考えてございます。
○曽根委員 今、数字でお示しいただいたように、マル障は、二十歳以上の方が圧倒的に多いわけですね。十三万人以上が二十歳以上ですよ。そのうち、完全にマル障から外れてしまう人が、四千人程度ですか、六千三百人の三分の二ということは。ですから、せいぜい三%台でしょう。
ところが、一万六百人しかいない二十歳未満の障害児の中で、完全に外される人が二千人もいるわけですよ。これでいうと二割ですよ。したがって、二十歳以上が三%程度の人しか外れないのに比べて、その七倍ぐらいも多くの割合で障害児のところが--障害児ですから、扶養家族ですから、大体三割負担ですね、そうなってしまう。ここにやっぱり大きな問題があるわけですよ。
しかも、これはマル障だけじゃなくて、前からいっておりますように、重度手当も福祉手当も全部同じ基準になりました。今までは三段階の基準で、重度手当は所得制限はなかったんですけれども、これは全部一遍に切れるということで、年間大体百万円ぐらいの負担増になるということなんですね。これは、年収が六百数十万の家庭にとって、百万円の影響というのは決して少なくないですよ。つまり、その上百万円稼いでも、損が続くということですよ。つまり、七百万円ぐらいの収入を得ないと、上に出られないわけですよ。それまでは全部損が続くわけですね、五百数十万の基準を超えてから。そうじゃないと、百万円減っちゃうんだから。それぐらいの負担なんですよね。
私、これは、障害者自体、全体の医療費も負担がふえるんだけれども、その障害者の中で、なおかつ障害児のところにさらに集中的に負担をふやすという、こんなやり方をどうして東京都がやるのか、やらなきゃならないかというふうに思うんですよ。それはいろいろ考え方がありますよ。あるけれども、なぜわざわざ障害児のところにこれだけ負担をふやすようなやり方をしなきゃならないか。ここは私はどうしても理解できない。何かそういう根拠はあるんでしょうか。
○谷川障害福祉部長 所得基準の問題でございますけれども、東京都は、従来から、本人の所得といいますか、所得基準表は一本でやってきてございまして、それを変更したことはございません。今回の所得基準の適正化でそういうふうな形になってきたわけでございますけれども、医療費助成だけの観点からではなくて、もっと広い視野から東京都の福祉というのを考えていきたいという観点もございます。
○曽根委員 これは、私、もしかしたら間違いかもしれません。ただ、私の記憶では、たしか重度手当は所得制限ありませんでしたが、福祉手当や医療費助成は、たしか所得基準は一本じゃなかったように思うんですよ。一本でしたか。
今回、障害者本人の所得によって所得制限を設けるという考え方は、成人の場合はいいんですよ。所得が低い人が多いですから、扶養している人じゃなくて、障害者本人の所得でもって見るということは、障害者の方で、しかもマル障を受けるというのは、ある程度重度の方ですから、そういう方で、年収が六百万ぐらいですか、それを超える方というのは少ないですから。
私は、その方たちだって大変だと思いますが、それにしても、二十歳以下の人については、今度は本人にかけないで保護者にかけるということが、大きな矛盾を生んでいる。この矛盾は、やっぱり今後もさらに大きく指摘されると思います。私たちのところにも、障害児を抱えた、特に養護学校なんかの保護者の方から、大変な思いをしているという話が来ています。
一例だけいいますと、歯医者に通うのだって、重度の子どもは、歯型一つとるのだって、多動の場合、動いちゃうわけですよ。だから、歯医者さんへ行って全身麻酔をかけなきゃならない。これは普通の歯医者さんではだめですよね。飯田橋の口腔センターに行ったりして全身麻酔をかける。そうすると、その場で五万円請求されたというんですね。マル障が外れていますから。お財布の中にはそんなお金はない。あわてて銀行へ走って、キャッシュカードでおろさなければならなかったと。これがずっとこれから、十九歳十一カ月までこれが続くとしたら大変だというお話もお聞きしました。
こういうところをやっぱり是正、一度行ったことでも、引き返すべきは引き返すことが必要だということを本会議でも私たちは指摘しましたが、改めてそのことを強く申し上げておきたいと思います。
それから、今回の医療改定が、いわば健保組合がどこも赤字になって、老人医療費に吸い取られているというようなお話が先日もありましたし、先ほどもありましたけれども、私たちは、国保財政の赤字を、いわば患者さんの方の、利用者の方の国民の負担で穴埋めするんじゃなくて、もともと社会保障制度の一環である国保会計について、国が負担すべき部分を、現在三八・五%ですか、これを、もともとあった半分程度というところに段階的に引き上げていけば、赤字問題は解決に向かうし、しかも、薬価の問題がいまだに解決されていないじゃないかということを繰り返しいっているところです。
そういうことで、国民の犠牲ではなく、本来のあるべき国の医療保険制度に対する、いわば社会保障全体に対する支出をふやすという中でこの問題は解決すべきだということを申し上げて、終わります。
○石井委員 心身障害者の医療費の助成に関連してお尋ねいたします。
福祉の見直しということは、ただ単に弱い人を切り捨てるとか、冷たく切り下げるということではないと思います。また、そうであってはならないと私たちは思っています。住民に対するサービスというのは、時には歯を食いしばってもやらなければならないときがある。しかしながら、限られた財源ですから、限られた財源を有効に使いながら、なおかつ多種多様な福祉ニーズにこたえていくために、今日の福祉の見直し、再構築、再編成があるのではないかと私たち公明党は理解しているわけであります。
したがって、瞬間的な数字、断片的な数字だけをとらえて、切り捨てだとか切り下げだとかいうのは、私は近視眼的な見方ではないかと思っているわけであります。困っている人は断じて守っていく。断じて守りながら、なおかつ新しい施策を展開していく。そこが知恵の出しどころであります。金がなければ知恵を出せということではないかと思います。
そこで、やはり社会的に弱い立場の人は断じて守らなければいけないということでお尋ねしたいんですが、今回の心身障害者医療費助成に関連して、弱い立場の人についてはどういう配慮がなされているか、お伺いいたします。
○谷川障害福祉部長 心身障害者医療費助成制度におきましては、老人保健法に準じた負担をしていただくこととなっておりますが、この中でも、全体の四分の三程度でございますけれども、住民税非課税の方につきましては、通院は無料であり、入院時の食事代だけの負担となっているわけでございます。こうしたことから、理事ご指摘のとおり、社会的弱者にも十分配慮したものというふうに考えております。
○石井委員 そうはいっても、現実にこの見直しによって困っている方もいらっしゃるわけだから、やはりそういう人には十分配慮し、また、新たな施策の展開をすることによって、社会全体でそういう人をサポートしていくことが大事だと思うんです。
そこで、例えば、新たなる施策の展開ということですけれども、まず、現在の障害者の入所施設の現状、知的障害者更生施設、また身体障害者の療養施設の現状をお尋ねいたします。
○谷川障害福祉部長 知的障害者更生施設につきましては、現在七十五施設ございまして、定員は五千六百十二名でございます。身体障害者療護施設につきましては、現在七施設でございまして、定員は三百五十八名となっておるところでございます。
○石井委員 そこで、その施設に入れなくて困っている方々がたくさんいらっしゃるわけであります。したがって、そうした困っている人に対して手を差し伸べていくことがこれからの大きな課題なんですが、現在、こうした施設の入所の待機者、どんな数字になっているでしょうか。
○谷川障害福祉部長 平成十二年七月末現在でございますけれども、知的障害者更生施設の入所待機者は、千百八名いらっしゃいます。また、身体障害者療護施設の入所待機者は、二百五十七名でございます。
○石井委員 したがって、大事なことは、福祉の再構築というのは、そういう待機している方々に対して、やはりより迅速に、早く施設に入れるようにしていくことが大事だ、そんなふうに思うわけで、そういう施策の展開が非常に大事だと思うんだけれども、今後の例えばホームヘルプサービスとか、またデイサービス、ショートステイの充実、さらに重度の障害者の方々の生活寮とか、また重度障害者に対するグループホームの整備とか、そういう新たな展開をしていくことが大事だと思うし、また、現在そのようになされているわけですが、その辺の拡大はどのように考えているのか、お聞きします。
○谷川障害福祉部長 今、理事からお話しいただきました各種施策の充実とともに、現時点では、平成十三年から十五年度におきます施設整備で、知的障害者及び身体障害者の入所待機者をおおむね半分程度にしていきたい、それ以外に、今、先生がお話しなされました各種施策を充実していきたい、このように考えております。
○石井委員 局長にお尋ねしたいんですけれども、したがって、福祉の再構築、私たちも各党の皆さんも協力しながら、行政と一体となって、二十一世紀型の新たな福祉施策の再構築をしているわけですけれども、断片的な数字だけをとらえて、冷たい、切り捨てという方々もいらっしゃるわけですが、そうした待機者に対する施策も新たに展開をされている。十二年度予算、十三年度予算、さらに新たな施策の展開等々、総体的に見ていけば、東京の福祉は前進をしている、このように私たちは理解しているし、局も当然そうした立場でやっていると思いますが、いかがでしょうか。
○前川福祉局長 私ども、心身障害者医療費の助成も含めてですが、さきに行ったいわゆる福祉施策の見直しは、新しい福祉を積極的に展開をしていく、そのために、いわば礎を築くために行ったものだというふうに考えております。今後は、この見直しの成果を生かしまして、理事からご指摘もありましたが、在宅、入所の両面にわたって、サービスの質と量を飛躍的に充実をしていく必要があると考えております。
例えば、今ご指摘もありましたが、障害者につきましては、障害者施設の緊急整備の三カ年計画を実施したりとか、それから、重度障害者のグループホームを積極的にふやしていきたいとか、こういった取り組みをしていく。そのためには、当然必要な予算は投入すべきであると考えております。
また、一方では、ただ量だけではなくて、質を上げていかなくちゃいけない。そのためにも、当然新たな事業者の参入も促して、いわば事業者間の競争を展開することによって質の向上も図っていく。この両面にわたって、福祉サービスの質と量の拡充を積極的に今後図っていきたいと考えております。
○石井委員 先日、上杉鷹山の本を読んだんですが、あの米沢藩の徹底的なリストラ、改革をやったと。これは物の本で読んだわけですけれども、上杉鷹山の改革、見直しというのは、決して弱者を冷たく切り捨てるものじゃないんだ。時には歯を食いしばってやらなきゃならないこともある。しかしながら、そうしたことのために、現在あるやり方というものを、新たな時代に合う方向に再編成、再構築、再整備していくものだということを読んで、なるほどなと思ったわけであります。
福祉局、高齢者施策推進室、衛生局を初めとする福祉関連の各局も、また、志を同じくする私たち議会も、ともにそうした今日の厳しい財政状況を踏まえながらも、なおかつ二十一世紀型の新しい福祉を展開していこうということで、いかに批判があろうとも、そうした批判にも十分耳を傾けながら対応しているわけであります。
そこで、最後に、今後、福祉改革推進プランが策定されるところでありますけれども、やはり新たな施策の展開、そういう弱い方々に、夢と希望のある、こういう施策があるんですよということをわかりやすく書き込むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○前川福祉局長 お尋ねの福祉改革推進プランは、今月中に策定していきたいと考えておりますが、その中では、先ほど申し上げましたような、都として、これから、大変口はばったいいい方ですが、場合によっては全国をリードする気持ちで、積極的な施策を展開していきたい。これは、障害者だけではなくて、福祉行政万般にわたってぜひそうやりたいと考えておりますが、その内容を今の時点でできる限り盛り込んでいきたい。これは一挙にできませんので、若干時間も当然かかってやっていきますから、全部は盛り込めませんが、できる限り盛り込んでいきたい。
あわせて、今ご指摘ありましたように、この東京都の福祉行政の姿勢について若干誤解があるとすれば、これは大変残念なことでありますので、そういう誤解が生じないように、福祉改革推進プランの内容もわかりやすくいたしますし、あわせて、いろんな場を通じて積極的にPRをしていきたい。ぜひご協力をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○曽雌委員 私は、一般会計補正予算の関係で幾つかお聞きをしていきたいと思っておりますけれども、先ほどお話がありましたように、三宅島の一斉避難が始まって、はや四カ月を経過しようというところまで来てしまっておりますけれども、この間、東京都におきましては、避難された島民の方たちのためにということで、とにもかくにも応急的な取り組みから長期的な取り組みまで、実にきめ細かく対応していただいておるわけでありまして、この場をおかりして厚く御礼を申し上げたいと思っておりますし、あわせて、避難された方々のご苦労も大変ではありますけれども、また、それ以上に、都の職員の方たちも、昼夜を分かたず一生懸命努力をしていただいていることも忘れてはならないというふうに思っております。
それで、この三宅の問題等について、とにもかくにも集中的に仕事が入っているものですから、都の職員の方たちの心労というものも極度に大変なところまで来ていると思っておりますので、ぜひお願いしたいのは、既にやっていただいているんでしょうけれども、特に職員の健康管理に気をつけていただいて、ローテーションを組みながらでも、それぞれ疲労等がたまらないようなご配慮もしていただきながら、これからの取り組みをさらに進めていただきたいというふうに思っております。
そこで、まず一点お伺いしたいのは、これまでどのような取り組みをやってきたのかということでお願いしたいんですが、福祉局が所管している分だけで結構でございますので、今日までどのような取り組みをしてきたのかということで、幾つか列挙していただきたいというふうに思います。
○岡本生活福祉部長 先生から職員の健康管理に関しまして激励いただきまして、大変ありがとうございます。
お尋ねの福祉局の取り組みでございますけれども、まず、九月の全島避難当初から、具体的には九月二日から四日の三日間、これは定期船で全島避難してきたわけでございますが、その方々のホテルシップに対する食事等の提供、ここから始まっております。その後、一時受け入れ施設である国立オリンピック記念青少年センターの運営、それから、そこでの備蓄物資の提供等、あわせて都立秋川高校の避難児童への毛布など衣類等の備蓄物資を提供しております。
また、その後、避難民の皆様が、仮住まいである都営住宅等へ入居したわけでございますが、その入居に合わせまして、生活必需品の支給、これも、先ほど申し上げましたが、都単独で電化製品等三十一品目に拡大して実施をしたり、あるいは生活福祉資金十万円の特例貸し付け、これにつきましても利子の三%を都が負担する、無利子で実施する。さらには、災害援護資金の貸し付けにつきましても、都の単独で百五十万円の上乗せ実施を行ったり、あるいはその三%の利子につきましても、借りるときには無利子とする、こういった措置もとりました。その後、十一月中に、全国から寄せられました義援金につきましても、十億五千万円を既に三宅村に配布しているところでございます。
さらに、今回、被災者生活再建支援法の適用、それから、国の制度の対象外世帯への都独自での支援金の支給、こういう支援策をとったところでございます。
このように、福祉局では、避難当初から、三宅村や国など関係機関と連携しながら、避難された方々の実情に応じまして適切に対応するように努めてきたところでございます。
○曽雌委員 今、部長から数分にわたってのお話があったと思いますけれども、実際には、現実問題を考えれば、その何倍とか、何十倍か、何百倍か、大変な時間もかけて、ご苦労もしながら、福祉局の職員だけではないでしょうけれども、きょうは厚生委員会ですから、福祉局に絞ってお話ししますけれども、福祉局の皆さん方は、大変なご苦労をして、昼夜を分かたず頑張っていただいているわけですので、そのことについて、この場をおかりして心から感謝申し上げたいと思います。恐らく三宅の村民の方たちも、私と同じ思いでいてくれるというふうに思っております。
そこで、補正予算のことで伺いますけれども、まず、生活福祉資金の貸し付けのことでございますけれども、九月の全島避難時に十万円の特例貸付というものを迅速に実施をしていただいたわけでありますけれども、その後、我が党の要望等にこたえていただきまして、その利率を無利子にしていただいたということは、大変に評価ができるものでございます。
そこで、これまでの支給実績、果たして何件あったのかということが気になっておりますので、支給の実績の件数と、また、貸付金である以上は、これは助成ではありませんから、当たり前のこととして、いずれは返済をしなきゃならないということになってまいりますけれども、この返済についてはいつごろから始まるのかということについて、あわせてお聞きしておきたいと思います。
○岡本生活福祉部長 生活福祉資金特例貸付の貸付実績でございますが、平成十二年十二月八日現在で七百四十件となっております。また、その返済でございますけれども、貸し付け後一年間の据え置き期間の後に四年間で返済するということになるわけでございます。例えば、九月からやっておりますが、九月に借りた方の場合には、来年九月から返済が始まる、このようになるわけでございます。
○曽雌委員 貸し付け後一年間の据え置き期間があって、トータルとしての四年間で返済をすることになっていると今お話がありましたけれども、私は、三宅の村民の方たちが、一日も早く自分たちのふるさとである島に帰れることを祈ってはおりますけれども、昨今のいろんな新聞の報道とかテレビの報道とか、また、先般、新聞でも、青山副知事がいろいろとインタビューに答えておられましたけれども、それらを読ませていただいたりしましても、現実としては、私たちの願い、思いとはまた別の意味で、避難生活がかなり長期化をしてしまうのではないかという予測があるわけであります。また、仮に帰島したといたしましても、村民の方たちが生活を再建して、もとどおりの生活に戻るということができるのには、やはり一定の期間を要することもある程度覚悟をしなきゃならない状況ではないかというふうに思っています。
そのため、先ほど部長からのご答弁ですと、返済は貸し付けの一年後ということをいっておられましたけれども、返済が始まる一年後に、まだ返済する余裕がない、そこまで生活の再建ができていないというような状況があった場合には、当然のこととして返済の開始時期というものについては考慮していかなければ、村民の方たちにとっては非常に苦しくなってくるのではないかと思っていますけれども、その辺のことについては、どのようなお考え、ご判断を持っておられるでしょうか。
○岡本生活福祉部長 生活福祉資金の償還でございますけれども、この償還につきましては、災害その他やむを得ない事情のために償還することが難しいと認められるときは、一年間の償還の猶予ができる、また、さらにその再延長という制度も可能、このようになっております。私どもとしましては、返済開始時の個々の借り受け世帯の状況に応じまして、適切に対処してまいりたいというように思っております。
○曽雌委員 やっぱりそこが一番大事だというふうに思うんですね。よく事情を把握していただく中で、返せる状況であれば、それは返済を始めていただいてもいいんですけれども、それが非常に困難な状況の方も出てくるのではないかというふうに心配しておりますので、ぜひ返済時期については、今ご答弁いただきましたように、個々の状況をきめ細かくつかんでいただいた上で対応方をお願いしたいというふうに思っております。
ところで、十二月一日に告示されました被災者生活支援法の適用について、幾つかお聞きをしておきたいと思っております。
私どもの緊急要望を受けまして、支援法の適用について迅速に対応し、また、国の支援金の対象とならない世帯があるわけでございますけれども、そうした世帯で避難によって生活そのものが非常に困っている世帯に対しては、東京都としては独自に支給をしましょうということを決定していただいたわけでありまして、この点は高く評価をさせていただきたいと思っております。
そこで、さきの我が党の代表質問に対します福祉局長の答弁の中に、いわゆる十二月二十五日から支援金の支給が開始されるようにしたいということがありましたけれども、具体的に支援金支給までの流れについて、どのようになっているのか、ご説明をいただきたいと思います。
○岡本生活福祉部長 被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給につきましては、現在、三宅村、それから私ども福祉局、三宅支庁、あるいは国の支援基金などと協力をしまして、鋭意支給の作業を進めているところでございます。
具体的には、島民の申請を三宅村が受け付けまして、確認の後に東京都の方に送付いたします。東京都としましては、それを取りまとめの上、国の支援基金に送る。そうしますと、支援基金で申請内容を審査して交付決定を行いまして、支援金を各島民が指定する金融機関の口座に振り込む、このような仕組みになっております。
また、都独自の支援金につきましては、都が審査、交付決定を行いまして、同じように各島民の口座に振り込む、このような流れになっているところでございます。
○曽雌委員 支援金の流れは、今ご説明いただいて大まかつかめましたけれども、問題は、三宅の村民の方たちは、都営住宅を中心として各地に分散避難しているわけで、東京都だけではなくて、他の県にも分散して避難をしている方もいらっしゃるという現状がありますし、支援法の適用は東京都では初めてであるということを考えたりしますと、さらには、避難をされた方たちの中にはお年寄りの方たちも大変に多いことでございます。そういったこともろもろを考えていきますと、申請方法や内容がわからないのではないかということの心配があります。
きょうの新聞なんかも読んでみますと、実際に十一日から申請が始まって、出しに行くに当たって、申請しても幾らもらえるのかわからないとか、申請書の記入の仕方が難しい。よくわからない。とにかく正月のもち代の足しにでもなってくれればいいというようなことで申請をしたんだという人も書いてありますし、申請には申請書が七枚も必要だということとか、前年の所得の問題、さらには、生活再建に必要な家財道具であるとか電化製品の購入金額などを詳細に書いていかなきゃならないということがあるので、とにもかくにもよくわからない。わからないけど、とにかく判こだけ持って窓口へ行ってみようということで来ている方もかなりいらっしゃるというようなことが報道されております。
そういうことを受けていったときに、やはり申請についての周知方法であるとか、受け付けの方法について、やはりきめ細かく避難島民の方たちにお伝えしていかなきゃなりませんし、また、しっかりと対応していきませんと、このいわゆる被災者生活再建支援法の法律の意味というか精神というものが伝わらなくなってしまうのではないかと思うんです。
そういうことが非常に私としては気になるところでございますけれども、申請についての周知方法、また受け付け方法、これらについて東京都としてはどのように行っておられるのか、伺っておきたいと思います。
○岡本生活福祉部長 申請方法等の島民に対する周知でございますが、これにつきましては、確実を期すために、去る十二月六日に、三宅村の方から島民の方々へ、個別に郵送で支援金の申請書類であるとか手続の案内等々を送付したところでございます。また、あわせて、報道機関あるいは東京都の都政情報システムを活用して周知を図ってまいりました。
昨日から十四日まで、港区と立川市の二カ所に特設会場を設けまして申請を受け付けているわけでございますが、両会場におきましては、三宅村の職員と都の職員が協力をいたしまして、相談を受け、受け付けを行いまして、スムーズに申請できるように万全の体制を整えているところでございます。
○曽雌委員 十二月六日に三宅村から村民の方たちに個別に郵送して、こういう支援法がありますのでということで支援金の申請書類等を送ったということで、それはそれでいいんですけれども、気になっているのは、避難島民全体を果たして把握できているのかどうなのかということが一つあるかと思うんですね。それで、東京だけではなくて、それぞれどこにいらっしゃるかわからなくて、いろんな角度の中で掌握に努めてきていただいているんだと思うんですけれども、それは、東京都においても、また村の役場についても、いろんな方法を考えながら、島民の方たちが今どこにいらっしゃるのかということを把握されたと思いますけれども、一〇〇%把握されているのかどうかちょっと気になっているんですけれども、その辺はわかりますでしょうか。どの程度把握されているのか。
それで、把握をされていない人がいらっしゃるとしたらば、その方たちに対して、いわゆるこの支援金の問題についてどう伝えるかということも、一つは課題として残ってしまっているのではないのかなというふうに思いますけれども、そのあたりはどのようになっておりますか。
○岡本生活福祉部長 島民の居所の関係でございますが、私どもが村から聞いている話によりますと、ほぼ島民の全体の把握は済んでいる。現在、どのくらいわからないのかということについては、ちょっと資料がございません。恐縮でございますが、私ども、今後、村に問い合わせまして、また、その周知方法等につきましても、鋭意協議をしてまいりたいというふうに思います。
○曽雌委員 かなりつかんでいただいているんだと思うので、いいんですけれども、今、部長がいわれましたように、漏れのないようにということで、村当局ともよく協議をしていただいて、大変でしょうけれども、しっかりと把握をしていただいて、そうしたサービスを受けられない人が出てくることがないようにお願いしたいと思っております。
支援金の申請期間でございますけれども、これは、災害が発生してから十三カ月までというふうに伺っておりますけれども、避難をしている方たちの多くは、とにもかくにも、この年末、そして年始、新しい年を迎えるわけでありますけれども、いろいろ考えれば、すぐにでも申請をして、そして年末年始を何とか暮らしていきたいということで考えている方もたくさんいらっしゃると思いますけれども、中には、将来の生活設計上ということを考えて、島に帰ってから申請をしたいというふうに考えている方も何人かはいらっしゃるのかなというふうな思いもします。
そうなってきますと、帰島がいつになるのか不明な状況のもとで、生活の不安を解消していくために、島民の方たちに対して、やはり一つ一つよく要望を聞いていただいた上で、柔軟に対応して支給していくということも必要ではないかというふうに考えておりますけれども、これについてはどのようなお考えを持っておられるでしょうか。
○岡本生活福祉部長 ただいま先生お話のございましたように、自分は帰島後の生活のためにとっておきたいとか、そういう希望のある方も結構いらっしゃるというふうにも聞いております。
この支援金の申請期間でございますが、基本的には十三カ月以内ということになっておるわけでございますが、私ども、一日も早い災害の終息を祈るということから申しますと、余り長期の将来に係るお話というのはなかなかしづらいんですけれども、状況に応じまして二十九カ月まで延長することが可能である、このようになっております。また、支給限度額の範囲内であれば、三回まで分割して申請することも、これまた認められているということでございます。
私ども、一日も早い災害の終息を祈るわけでございますけれども、必要に応じましてこうした仕組みを活用しながら、島民の方々の個々の実態に即した支援金の支給ができるように、村と連携して相談、助言もしてまいりたいというふうに考えております。
○曽雌委員 例えば、支給限度額が百万円であった場合には、通常経費で七十万円、特別経費で三十万円を充当することができますよ、こういうようなことが周知されているんだと思いますけれども、そんなことはないと思いますけれども、とりあえず支給される金額を、とにもかくにも一回目ですべてなんということになっていってしまったときには、どうなのかなという心配もあるわけですよね。それは、先ほど来お話があったように、すべて何でもかんでも出るわけじゃなくて、当然一定のチェックといいますか、精査もしながらやるんでしょうけれども、それをやるときにやっぱり大事なことというのは、そういうお話を、村の方からも都の方からもしておいてあげてほしいなというように思うんですよ。
中には、勘違いしてしまって、一回で申請しないとだめだみたいなことになって、無理して一回申請ですべてということになるよりも、その人その人のご家庭のいろんな生活設計の上において、一回でやるよりも二回に分けてとかいうようなことも必要になってくる場合もあるわけですから、そういう制度の仕組みというものもよく当事者にご説明をしておいていただかないと、こんなはずじゃなかったということになって、早く帰島できればいいんですけれども、もしもちょっと長引くなんということになったときに、後のことの生活上の困ることが出てきてしまってもいけないですから、やはり制度の仕組み等についてもよくご説明してあげていただきたいというふうにお願いしておきたいと思っております。
そこで、最後になりますけれども、要望だけしておきたいと思っております。
避難生活が、余り好ましくはありませんけれども、長期化してしまうというようなことになってきますと、就労先の確保の問題ということも非常に切実な問題になってきますし、また、先ほどお話がありましたけれども、秋川高校で集団生活をしている児童生徒、子どもたちの教育の問題であるとか、公営住宅の使用料の減免の問題、さらには、地域でのコミュニティの手段というものをどう確保し続けていくかということも大事なことだと思います。
そういうことをしっかりやっていく中で、村としての一体性をやはり確保しておきませんと、帰島が決まって島に帰ったときに、またいろいろな問題が出てきてしまうということもありますので、そういうことを考えますと、生活全般にわたる中期的、長期的な視点からの東京都としての総合的な対策が必要だというふうに私どもは考えております。
そういいましても、それは福祉局だけで何とかせいといったって簡単にできる話ではありませんので、代表質問の中でも取り上げてありますけれども、知事も、我が党の質問に対して、中長期的な視点に立って、三宅村など関係機関と連携協力をしながら必要な生活支援対策を講じていくというふうに答弁をしてくださっておりますので、ぜひこの知事の答弁に沿って、今後の三宅村の島民に対する支援策の実施につきましては、福祉局のできることについては、ぜひ今まで以上に積極的な取り組みをしていただきたい。
何回も申し上げておりますけれども、今まで局の職員の方たちが大変な中で一生懸命頑張ってくださっていることについては十分感謝させていただいておりますけれども、さらに、避難をされている三宅の島民の方たちの側に立ってどうしてさしあげることが一番いいことなのかというものの判断をしていただきながら、積極的な取り組みをしていただきたい、このことをお願いして質問を終えたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○野村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉局関係を終わります。
○野村委員長 これより衛生局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第二百九十号議案、東京都環境衛生適正化審議会条例の一部を改正する条例及び第二百九十一号議案、東京都動物の保護及び管理に関する条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
本案については既に説明を聴取しております。
その際要求のありました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○櫻井総務部長 去る十一月二十九日の本委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元配布の資料、厚生委員会要求資料をごらん願います。資料は、目次にございますように、1の環境衛生適正化審議会等の関係業種及び審議事項と、2の動物保護管理条例等の制定状況でございます。
まず、一ページをお開き願います。1、東京都環境衛生適正化審議会等の関係業種及び審議事項でございます。
今定例会に提案いたしております東京都環境衛生適正化審議会条例の一部を改正する条例の施行による東京都環境衛生適正化審議会等の統合前の関係業種及び審議会審議事項を表の左に、統合後の東京都生活衛生審議会の関係業種及び審議事項を表の右にそれぞれお示ししてございます。
次に、二ページをお開き願います。2、動物保護管理条例等の制定状況でございます。
都道府県と条例の題名、施行年月日並びに動物取扱業に対する規制の内容を記載してございます。
なお、危険動物の飼育規制のみを目的とした条例につきましては、それぞれ条例の題名の右側にアスタリスクを付してございます。
以上で、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○野村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○近藤委員 東京都動物の保護及び管理に関する条例の一部を改正する条例について、何点か伺います。
動物の愛護及び管理に関する法律が十二月一日から施行されたわけですけれども、この法律の題名が「保護」から「愛護」に変わったこの目的と申しますか背景は、どんなところにあったんでしょうか。
○河津生活環境部長 ただいま、「保護」から「愛護」に変わった背景というご質問でございましたけれども、国の説明では、改正前の保護というものも、虐待の防止や適正な飼育などをその内容としておりましたけれども、愛護は、それらをいいあらわせるだけではなくて、さらに改正法の目指すところの人と動物とのよりよい関係づくりを通じた生命の尊重、友愛等の情操の涵養などにふさわしいと考えられることから、法の題名を改正した、このように聞いているところでございます。
○近藤委員 改正案を見せていただいたわけですけれども、この改正案によりますと、第三条のところで、「都は、動物の保護及び管理に関する法律」、つまり、法律名を引用している部分のところ、「保護」を「愛護」に変えるというだけが今回の改正なわけですけれども、例えば、東京都の条例の題名の中にも、保護という言葉は残ってしまうわけです。今回は愛護に変えないわけですけれども、この辺のところにどうも不整合があるような気がするんです。法律名の題名の引用部分だけを「保護」から「愛護」に変えるんでしたら、条例名等も一遍に改正してもいいような気がするんですけれども、その辺、今回、法律名のところだけを「愛護」に変えた理由というのは、何か特別な理由があるんでしょうか。
○河津生活環境部長 ただいまのご質問でございますけれども、条例の目的の中には、東京都も、それまでも動物愛護の精神の高揚を図るということは目的でうたっておりましたので、そういうつもりでおりましたのですけれども、国の方が、このたびの法改正によりまして、法律の題名等を「保護」から「愛護」に改めることになりまして、動物の愛護と生命尊重の理念の強化を打ち出したところでございます。
そういうことで、都も、これまでも考えてはまいりましたけれども、国の方針を受けて、条例上の保護相談員と法律上の愛護推進員、これはまだこれからの検討になりますので、こういうものとの整合性を図るなどして、条例全般にわたって検討を行いまして、その結果、条例の題名も改正をしていきたい、内容を伴って改正をしたいというふうに考えているところでございます。
○近藤委員 つまり、時間切れというか、今回は法律名だけ変えておいて、内容の見直しについてはこれからというご答弁の内容だと理解してよろしいんでしょうか。
○河津生活環境部長 先ほど申し上げましたように、保護相談員と愛護推進員といったものの中身の整合性等を図りながら改正をしていきたいと考えております。
○近藤委員 先ほどから、ご答弁の中では、保護相談員と愛護推進員のところだけを取り上げていろいろおっしゃっているようですけれども、「保護」が「愛護」に変わることによって、これ以外に条例を改正しなければならないとか、中身を見直さなければならない、つまり、この名称の変更によって条例が法律と不整合な部分が出てくる、それは、今おっしゃった相談員と推進員のほかに、何か具体的にありませんか。
○河津生活環境部長 ただいまの動物保護相談員と動物愛護推進員だけではなくて、目的規定も含めて再検討いたします。
○近藤委員 改めて伺いますけれども、今回、法律の名称のところだけが「保護」から「愛護」に変わったというところでこれは改正しているわけですけれども、この改正に合わせて、どうしてその見直しを行ってこなかったんでしょうか。とりあえずこの名称のところだけ改正して、見直しはこれからだというのでは、少し後手後手に回っているような気がするんですけれども、その辺のところはいかがですか。
○河津生活環境部長 ただいまのご指摘のとおりでございますけれども、私どもも、国の方の内容等が十分わかることを待って条例改正をやろうというようなことで、少し手間取ってしまったということがございます。これからしっかりと改正をしていきたいと考えております。
○近藤委員 今、部長がおっしゃった、国の改正の細かいところを理解してからというお話がありましたけれども、このように変わるんだという、今、部長のおっしゃったところの細かい点というものを都として認識したのは、じゃ、いつのことですか。
○河津生活環境部長 国の細かい解釈等が出ましたのが、十一月十日付の通知でございます。
○近藤委員 それまでは、積極的に都の方から国の方に内容を知るような形で働きかけるということはなかったんでしょうか。国から何か来るのをただ単に待っていたということでしょうか。
○河津生活環境部長 国からできるだけ情報をとるようにしておりましたけれども、正式の文書が出ましたのが十一月十日付ということでございました。ということで、我々の方も、中身を検討するということを少しまじめに考え過ぎていた部分があったかと思っております。
○近藤委員 では、先ほど部長がおっしゃったところの動物保護相談員と愛護推進員の整合性という点について何点か伺いますけれども、今度、法律の中では、愛護推進員について、仕事の内容が細かく規定をされているということでございますけれども、今までの条例の中にありました動物保護相談員と愛護推進員との仕事を比べたときに、何か具体的に違いがあるんでしょうか。
○河津生活環境部長 動物保護相談員と愛護推進員との問題でございますけれども、条例では動物保護相談員の活動内容は具体的に規定しておりませんけれども、条例制定時に想定していたものから、愛護推進員と同じような趣旨のものと考えております。両者は、適正飼育の推進とか、行政への協力といった点で似通った役割が期待されているものでございますので、今後は一本化の方向で検討することを考えております。
○近藤委員 つまり、動物保護相談員を愛護推進員へと移していくということだと思いますけれども、そのプロセス、どういった方に愛護推進員になっていただくのかというようなことも含めて、どういった形でその移行を図っていくおつもりなのか、また、いつごろをめどにそれを行うつもりなのか、この二点についてお答えください。
○河津生活環境部長 動物愛護推進員制度を進めていきますには、都と、動物愛護を目的とする公益法人、それから獣医師の団体等との連携協力の体制を確立することが重要だと考えております。このために、愛護推進員の設置に先立ちまして、獣医師会等関係団体との検討の場を設けて、平成十三年度中に協議会を組織する予定でございます。
○近藤委員 動物愛護の関連で、三宅島の動物について何点か伺いたいと思います。
今回の離島に際しまして、都は、動物保護の観点から、三宅島で飼育されていた、また飼われていた動物に対して、どのような保護活動を行ったのか、教えてください。
○河津生活環境部長 三宅島の動物の保護活動でございますけれども、本年九月の避難指示による避難に際しましては、都は、村からの要請を受けまして、東京都獣医師会、日本動物愛護協会と協力し合いながら、ケージの貸し出しや動物の一時預かりなど、円滑な避難のための支援を行ってまいりました。現在、東京都と東京都獣医師会が、それぞれ被災者が飼育できない動物を預かっているところでございます。
○近藤委員 避難が長期化していることから、この一時預かりにつきましても、東京都の獣医師会の方にかなり負担がかかっているというようなお話も出ております。これから避難が長期化するというようなかなり深刻な状況を前提としたときに、このままの状態で対応し切れるのかというような不安もあるわけですけれども、これについて具体的に何か施策は考えていらっしゃるのでしょうか。
○河津生活環境部長 大分避難が長期化しているわけでございますので、それぞれ預かっているところもいろいろ苦労しているわけでございます。そういう意味で、今後の救援活動について、三宅村と東京都獣医師会及び動物愛護団体等と対応策について今協議をしておりまして、できる限り早急に具体策を実現してまいりたいと考えております。
○近藤委員 今は、もう既に預かった動物について伺ったわけですけれども、そうしますと、三宅島には、今残された動物の存在というのは確認されているんでしょうか。
○河津生活環境部長 現在の三宅村の状況でございますけれども、犬につきましては、ほぼ飼い主とともに離島できたものと考えております。ただ、十一月二十八日に、現地で活動している警察官から、犬一頭が保護されました。これは現在動物保護センターで預かっておりますけれども、これも飼い主がその後判明したということでございます。
それから、十二月六日に島しょ保健所の職員が現地に赴いて調査いたしました。そこで、現地で作業の部隊が上がったところには、猫がそれぞれ何頭かずつ群れをなしてやってくるということがございます。これは、数えますと、計四十五頭という数が、そのときに確認をされております。これにつきましては、現地の対策本部の作業に合わせまして、えさをやる給餌作業というものを行っております。このえさにつきましては、愛護団体からも提供されておりますけれども、都の衛生局としても、現地対策本部へ送付をしているという現状でございます。
○近藤委員 ついつい人間のことが先になるとは思いますけれども、やはり動物愛護の観点から、残された動物、そして一時預かりの動物の環境の確保についても、細かくめりはりのきいた施策をお願いしたいというふうに要望して、私の質問を終わります。
○野村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時四十四分休憩
午後二時五十八分開議
○野村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○小松委員 それでは、まず最初に、環境衛生適正化審議会関係の質疑を何点かさせていただきます。
今回の審議会条例の一部改正は、そのもとになります法改正によるものでありますが、この法改正は、単なる文言の変更だけではなく、地域の社会福祉への事業拡大など一定の評価も見られるわけです。そこで、法改正の内容についてお伺いしたいと思います。
○河津生活環境部長 今回の法改正の内容といたしましては、第一には、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律、いわゆる環衛法の中の「環境衛生」を「生活衛生」に変更したことが挙げられます。第二には、法律の名称に「振興」を加えまして、新たに、国及び地方公共団体による必要な助成及び援助に努めることが追加をされたことでございます。三番目は、環境衛生同業組合の事業に、老人の福祉その他地域社会の福祉の増進に資する事業への助成その他の援助が加わったこと、以上三点が改正点となっております。
○小松委員 今説明のありました、第一の「環境衛生」を「生活衛生」に変更したという、この意図は何でしょうか。
○河津生活環境部長 名称の変更につきましては、厚生省より特段の趣旨説明はなされてはおりません。ただ、これまでの環境衛生同業組合の要望などから考えますと、環境衛生という言葉は、ごみ処理等の方、環境保全関係など幅広い業種がイメージされるという、そういうおそれがあります。今回、生活衛生という言葉で、国民の日常生活により密着した営業をイメージする、そういう表現に改正したものと、このように理解をしております。
○小松委員 ところで、この環境衛生適正化審議会ですけれども、これは、よく見ますと、昭和六十年度以降一度も開催されていないということですね。平成五年の十二月以降は、審議会委員の委嘱もされていない。一方、興行場法、また、旅館業法及び公衆浴場法運営協議会ですか、これも平成七年度を最後に、都議会以外は審議会委員が選出されておりません。それぞれ審議会、運営協議会も含めまして、こうしたものがありながら、委員委嘱もしていない。こういうことは理解しがたいものですが、この点についてお答えいただきたいと思います。
○河津生活環境部長 ただいまお尋ねの点でございますが、これまで、東京都環境衛生適正化審議会、いわゆる環適審の審議対象である適正化規定というものは、環境衛生同業組合が、組合員に対しまして、料金とか営業方法等について制限を行うという、これは法で認められている制度でございますけれども、これは一たび一定の制限規定を設定いたしますと、社会状況が変わらない限り、それの変更に対する承認というのが出てこなかったということでございます。
もう一つの、三つの法に基づく協議会の方も、それぞれの内容の基準等を自主的に決めているわけでございますけれども、これも、時代の変化がないと、そうたびたび変えるものではないということがございました。
そんなことから、委嘱だけをして開催をしないということを避けるために、特段の動きがない場合には委嘱をしてこなかったというわけでございます。
○小松委員 それをすべて是とするわけでもありませんが、今回は、この法改正も行われ、先ほどご説明のあったようにいろいろと中身も変わって、国や都も、生活衛生同業組合などに対しまして対応すべきこと、こういうものも出てきたのではないかと思われます。
条例に基づいて委員の委嘱を行って、審議会を開催する必要があるのではないかと思われますが、いかがでしょうか。
○河津生活環境部長 今回の改正で、これまでの東京都興行場法、旅館業法及び公衆浴場法運営協議会、いわゆる三法協議会の対象業種を、理容業、美容業、クリーニング業等にも拡大をしたところでございます。また、地方分権一括法等のことがございまして、審議会等の名称であるとか内容についても、自主的にそれぞれ各自治体で決められるようなことになりました。そういうことから、今後は、こうした営業に対する衛生上必要な措置の基準とか、許可等にかかわる条件なども含めて、審議事項の充実に努めてまいりたいと考えております。
○小松委員 ということは、明確に申し上げれば、これから審議会を立ち上げてしっかりやっていくんだということと受けとめてよろしいでしょうか。
○河津生活環境部長 従来と異なりまして、法改正によって弾力的な運営が可能となりますので、審議事項の充実にこれからは努めて、開催をしていくようにいたします。
○小松委員 意見だけ述べさせていただきます。
対象の業種が、いずれもその大半が中というより小零細業でありまして、だからこそ、この行政の支援を待ちこがれているわけですね。いっときも早く審議会を立ち上げて、今回の法改正も生かしながら、同業組合などを通じて必要な助成や援助がなされるよう強く求めまして、この議題に対しては質疑を終わらせていただきます。
次は、動物の保護及び管理に関する条例についてです。
この法改正による条例改正、これも文言の変更のみということでありますが、十二月一日に施行されました動管法の改正は大きく変わったように思われますが、中心的な改正点について、まずお伺いしたいと思います。
○河津生活環境部長 主な改正点といたしましては三点ほどいえるかと思いますが、第一に、動物が命あるものであることや、動物の所有者等の責任とその自覚が明記されたことが挙げられます。第二には、国の制度として、動物取扱業の届け出制が位置づけられ、動物愛護推進員の規定が設けられたことでございます。第三に、動物の虐待や遺棄に対する罰則が強化をされまして、法律の題名が、動物の保護及び管理に関する法律から、動物の愛護及び管理に関する法律に改められたというところでございます。
○小松委員 動物が命あるものであること、動物との共生に配慮することの、この二点を基本原則に追加して、この基本原則に沿って、先ほどおっしゃっていたように、動物の所有者や、国、自治体等の努力義務規定を設けたり、そこから動物取扱業者を新たな規制対象に加えて、虐待等や、動物取扱業者による法令違反に対する罰則を強化しているわけで、そこから、保護ではなく愛護だとしているわけですね。すなわち、愛護とすることによって、その理念を広げて変えている。
そういうことで、この法律の改正そのものを評価できるわけですが、ところで、先ほど、この題名が「保護」から「愛護」に変えないのはなぜかというやりとりをお伺いしておりましたが、それを伺っておりまして私思ったんですけれども、目的から何から見て変えていかなければならないということですが、この東京都動物の保護及び管理に関する条例の第一条の目的の中に、確かに「この条例は、動物の保護……」という言葉を使っておりますが、ここをもし「愛護」と変えれば、「……及び管理に関し必要な事項を定めることにより」その次に「都民の動物愛護の精神の高揚を図るとともに」ということで、きちっとここで動物愛護の精神の高揚を図るということをうたっているわけですね。
そして、先ほど資料の説明がありましたけれども、この中を見ますと、他県の条例の制定状況と比べまして、東京都だけが登録制になっているとか--動物取扱業の規制ですね。それから中身についても、国に先んじてもう条例がやられているというところでは、私はこの東京都の条例は大きく評価していいんじゃないかと思うんです。それだけに、だから何もここで「保護」ということで頑張らなくても、別に「愛護」に変えたってよかったんじゃないのって、まあ大変俗な言葉で、そう思うわけですよ。ですから、愛護の理念、これをさらに--目的を変えたいというんだったら、さらに愛護の理念を前面に出すのもいいけれども、これで変えられたんじゃないかということでは、どうしてももう一回、もう一歩進んだお答えをいただきたいと思います。
○河津生活環境部長 ただいま先生におっしゃっていただきましたように、都は、他県に先んじていろいろ進めてきたという自負もございました。それから、従来、国の所管の総理府と東京都との間でといいましょうか、全国的にもですけれども、保護という言葉の中に愛護という概念は含めるという、これが通説でございました。そういう意味で、私どもも十分やっているというふうにとらえておりまして、今回は文言の整理ということだったわけでございますけれども、中身をやはり盛り込んで、条例のタイトルも理念も変えようと、こう考えておりましたものですから--動物愛護推進員の制度をつくりますには、それの具体化を図らなければなりませんし、現にある動物保護相談員制度の改正も行わなければならない、こんなこと等を考えておりまして、タイトルの方が先送りになったということでございます。
○小松委員 先ほども大分やりとりがありましたから、今後検討していくということですから、これ以上はもうお聞きはしませんけれども、一言申し上げておきたいのは、やはりこれまで保護という言葉の中に愛護の概念も含めてとらえてきたということでしょう。それできちっと第一条で「動物愛護の精神」という言葉も使っているんですよ。それで自負して出したわけでしょう。だったらむしろ、国に先んじてやってきたんだから、国に先んじて動物愛護の条例でよかったんですよ。今度、国が愛護にしたわけですから、喜んで愛護にすべき--うちの中で問題になったのは、やっぱりまだ愛護といえない、いろいろとあるんじゃないかと、そういうことが結局ささやかれるぐらいに、何かあるんじゃないのという、そういうことになるわけですよ。こういう問題というのは、私たち、そこまで書かなくていい、そこまで国と同じにしなくていいと思うとき、よく同じように国に右に倣えしますけれども、これはあえて逆らう必要はなかったかなということでは、そういうふうに早く検討して直していただきたいというふうに思います。
ところで、動物愛護という立場から、やはり一番懸念されるのが虐待問題ですね。特に動物取扱業においての虐待がさまざま取りざたされて、問題にもなっております。こうした虐待の実態、どう把握されてきたのでしょうか。
○河津生活環境部長 動物取扱業における虐待の実態ということでございますけれども、都内の動物取扱業において、告発に至るような動物の虐待の事例は把握をしておりません。ということで、それ以上の情報はないというところでございます。
○小松委員 やはり把握されていないんですね。私も、目の前で見たわけではありませんけれど、いろいろなマスコミから入る情報、またはそういう関係者の方々から聞く情報では、実際に食事をやらないでいたりとか、また、さまざまな虐待が、本当にひどいような虐待をよく耳にするんですよ。ですから、やはりこれには、動物取扱業に対する監視というのも大変必要になってくると思うんですが、この虐待防止に加え、消費者保護、きょうは消費者保護もちょっとお聞きしたいと思ったんですが、所管がそちらにはなくなりますので、これらを含めての監視ということではどのようになっているんでしょうか。
○河津生活環境部長 動物取扱業の監視につきましては、本年の第一回定例都議会で条例改正をいたしましたので、従来はできなかった動物取扱業に対する立入検査等ができるようになりました。また、規則に新たに施設基準であるとか管理運営基準を定めましたので、それに適合しているかどうかということも、こういう監視指導体制ができましたので、それ以降立入調査をして、適合しているかどうかの確認をしているところでございます。
なお、そのための体制整備につきましても、従来よりは強化をしてきているというところでございます。
○小松委員 こうした措置の強化のためには、きちっと人員も獲得して、ぜひきちっとしていただきたいと思います。
ところで、この条例の三十四条、三十七条を見ますと、それぞれ飼い主から、または飼い主不明の犬や猫を引き取る条項があるわけですが、引き取った後の取り扱いがどうなっているのか。そして、最終的には殺処分になると思うんですけれども、この処分数というのはどのくらいになっているんでしょうか。
○河津生活環境部長 都では、引き取った犬猫のうちで、譲渡に適した動物については、新しい飼い主に譲渡を行っております。しかし、健康状態などで譲渡に適さない動物がおりますので、処分を行わざるを得ないという現実がございます。平成十一年度におきましては、約一万三千頭余りの動物が処分されているわけでございます。
○小松委員 一万三千頭の動物が処分されているという、その辺でやっぱり動物愛護が、もう少し愛護が中心にならなくちゃならないのかなという点では、もう少し飼い主を積極的に探すことはできないんでしょうかね。不明の場合の飼い主だけじゃなくて、犬を飼ってくれる人、いわゆる三十四条の方ですね。今はITの時代でありまして、例えばインターネットで飼い主や飼ってくれる人を求めたり、また公示期間も大変短いように思いますので、この期間を広げたり、または市町村に委託するのかもしれませんけれども、そこでの場所を広げたりと、もっともっと積極的に飼い主探しを行って、処分数を減らす努力をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○河津生活環境部長 今後とも譲渡事業の実施については努力をしていきたいと考えております。これまでも、譲渡に適する動物については、その都度、希望者に対して事前の指導を行って、研修を受けていただいて登録をしてという形で引き渡しをしておりますけれども、いろいろな形で努力はしていきたいと思います。
衛生局も、ホームページでは、飼養動物の情報提供とか、各種相談におけるQアンドAのようなものも載せるようにいたしますし、こういう事業をいろいろとPRをしていきたいというふうに考えております。
○小松委員 ぜひ、お言葉だけじゃなく、具体的な努力をしていただきたいと思います。
さて、愛護とはいうものの、動物も、一つ間違えますと、人間の命まで奪われるという大きな事故にもつながるということもあるわけで、いつだったでしょうか、町田のトラ事件で有名ですが、このときは、実際にえさを与えようとした方がかみ殺された。また、ある団地では、逃げ出した蛇が隣人を襲っている。よく聞いてみますと、町田のトラは、特定動物でもあるにもかかわらず、届け出もされていなかった。都もその飼育実態をとらえていなかったということのようですね。さらに、人を襲った蛇というのは、これは気丈な奥さんで、蛇に足を巻かれながら電話をしたということで、しかし、かまれたということですけれども、この蛇は、特定動物の許可対象外で、届け出の必要のないものだったということですね。
そうすると、これら事件を踏まえますと、都において飼育されている特定動物の状況がどうなっているのかということが一点、その種類や数、許可条件なども含めて伺うわけですが、それと同時に、今回の蛇などのように、特定動物になっていない、しかし危害を与える。これは犬なんかでもそうですから、その辺がどこまでということも、私も専門家ではないのでわからないんですが、そうした今特定動物になっていないものを特定動物に加える必要のあるものがあるのではないか。その辺なんかはどうやられているんでしょうか。
○河津生活環境部長 平成十二年十月現在で、都における特定動物の許可件数は八十三施設ございます。個体数といたしましては、主に食用に供される蛇が多くて、これは四千六百いるんですけれども、これを含めて特定動物が約六千となっております。このうち主なものは、施設別で申しますと、中型の猿が三十施設、これは医療機関の実験動物等が含まれてございます。それから蛇類が十六施設あります。
許可申請があった場合には、基準に合致した施設であるかどうかを確認した上で許可をしております。
それから、もう一点のご質問でございますけれども、今回の法改正によりまして、危険な動物の範囲が、これはごく最近、十一月十六日に受け取ったんですけれども、政令でこれが届きましたので、都におきましても、指定すべき特定動物の範囲、先ほどの蛇のようなものも含めまして、今後検討してまいりたいと思います。
○小松委員 動物が人に危害を加えることのないようというのは、これは飼い主に十分いいたい話ですけれども、そうした防止策も拡充することを求めるものです。
最後に、動物愛護といいますと必ず問題になりますのが、飼い主のいない猫、野良猫というのでしょうか、動物愛護の立場から餌をやる人もいれば、餌をやるから野良猫がふえると厳しく批判する人もいるわけですね。両者がひどく対立して、感情問題にも発展することもある。この解決策は非常に困難と思われておりますが、最近、横浜市でしょうか、この野良猫を地域猫としてルールづくりに成功していると聞きます。
地域猫とするためには、えさの問題もありますが、根本は不妊手術費の問題があろうかと思います。こうした横浜市での取り組みも踏まえまして、また、昨年三月、都の動物保護審議会の答申が出ておりますね。ここで、獣医師などの協力も得て、飼い主のいない猫の不妊、去勢手術実施のモデルプランの指導に取り組むことが提案されておりますが、この具体化はどうされているでしょうか。
○河津生活環境部長 ただいまのお尋ねの件でございますが、飼い主のいない猫につきましては、基本的には無責任な飼い方に原因があるわけですけれども、そうはいいながらも、その原因者の特定は極めて難しいわけでございますので、そういう意味では、地域住民が原因者にかわってこの猫をどうするかということになろうかと思います。そういう意味では、住民組織--原因者にかわって、自治会とか管理組合といった自治組織、それから民間団体、行政、それぞれが実行可能な役割を果たしながら、飼い主のいない猫の問題に取り組まなければいけないと考えております。
先ほどの横浜市の場合では、そういう意味で、地域でそういう組織をつくりまして、例えば住民団体の方は実行委員会が中心になってバザーを行うとか、行政の側では首輪を無料で配布するとか、いろいろなルールづくり等をやってきているところでございます。
東京の場合の、昨年の審議会の答申、東京都動物保護管理審議会からいただきました、住民の合意のもとで地域ルールを定め、不妊、去勢手術等を行うモデルプランの構築といいますのも、この横浜の考え方と非常によく似ております。ということで、今後都としては、住民組織とか区市町村及び愛護団体等の意見を踏まえながら、実施に向けて助言とか技術的支援等について検討してまいりたいと考えているところでございます。
○小松委員 私、動物保護管理審議会答申ですか、この答申の中身を少しコピーしたんですけれども、ここにきちっと提案されております。幾つか例を引きますと、住民が希望する場合には、原因者にかわって、自治会、管理組合といった住民組織、民間団体及び行政等がそれぞれ実行可能な役割を果たし、歩調を合わせて、飼い主のいない猫の問題に取り組んでいくことが必要であるとか、また、特に手術の実施に当たっては、専門知識、技能を有する獣医師会との協力体制づくりが必要であるとか、また、当面は、モデルとなる地域で飼い主のいない猫への組織を試行的に実施し、その結果をもとに、都内の他の地域でも応用可能な仕組みをモデルプランとして構築することが重要であると、このように具体的な提案が審議会できちっと答申されておるわけですね。
ですから、ぜひこれらを具体化していただきたいと同時に、これらを伺っておりますと、やはり自治体が金を出せばよいという問題でもありません。しかし、財政抜きには、これらの地域住民の取り組みも長続きをしないのではないかと思われます。ルールづくりの支援などとあわせまして、せめて保健所で不妊手術はしてあげるとか、こうした取り組みをしている自治体を財政的に支援するとか、そういうことも含めて、このモデル実施、早急に取り組むこと、これは今のお答えがありましたので、強く要求をいたしまして、私の質疑を終わります。
○和田委員 初めに、条例の名前にさきに二人の委員が指摘された件に私も付言したいと思うんですが、東京都動物の保護及び管理に関する条例という形で、表題はそうなりながら、中身だけ二文字を変えるということです。
初めにお聞きするんですが、これは施行は十二月一日でありますけれども、制定されたのはいつですか。
○河津生活環境部長 法律の制定は、一年前の昨年の十二月でございます。
○和田委員 一年前に制定されています。それから、官報でこのように施行期日が指定をされているんですね。
動物の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令をここに公布する。
御名 御璽
平成十二年六月三十日
内閣総理大臣 森 喜朗
政令第三百六十七号
動物の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
内閣は、動物の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成十一年法律第二百二十一号)附則第一条の規定に基づき、この政令を制定する。
動物の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律の施行期日は、平成十二年十二月一日とする。
内閣総理大臣 森 喜朗
これは六月の三十日に官報に載っているんですよ。一年前の制定で、六カ月後の、正確には七カ月後ですけれども、官報に、十二月一日の日にちがしっかり明記されている。そして、なおかつ本日ここに、いまだに、中身は愛護に変わっていながら、条例名は「保護」だと、こういうことであります。
私も、保護の中に愛護が包含されるという大小の関係ということであるならば、それは一つの理解かもしれませんが、少なからず「保護」から「愛護」に法律の文面が変わった。文言が変わったということは、より動物を、まさに生き物として扱うよという文言が「保護」から「愛護」の中に込められていると思うんです。
そこでお伺いするんですが、重なるかもしれませんけれども、一年前の制定、それから六月三十日の官報記載、それから十二月一日の施行という一年間の流れの中で、この「愛護」という言葉を条例の文言にすることに時間的に間に合わなかったということをおっしゃいますか。
○河津生活環境部長 条例の名称にすることに時間的に間に合わなかったかということは、そういう意味ではございません。
○和田委員 時代の流れは保護から愛護へという流れだと。それは思うんですが、どうですか。
○河津生活環境部長 十一月十六日に私どもは国からの通知をいただいたわけでございますけれども、そういう国からの解釈等におきましても、そういう流れであるというように考えております。
○和田委員 もう一回、もしも動物の愛護及び管理という表題にするならば、そのことを含めて、中心的にこの条例改正を議会にかけるということになりますよね。ですから、私が申し上げたいのは、中身が愛護であるとするならば、表題も--もとより表題が先に愛護であって中身が愛護になるという、主客が転倒している発想だと私は思うんです。
したがって、前二人の委員の方と同様に、あるいはそれ以上に、昨年の十二月の法制定、それから六月三十日の官報、それから十二月一日のこの施行ということの一連の流れの中で、時間的にはもう何の無理もしなくても十分間に合った。ただ、さきに答弁がありましたけれども、十分慎重にしたためにこうなってしまったといういい分は、とてもこれほどスピードを急ぐ石原都政の中で、表題は置いておいて、中身だけ愛護にする、「啓もう」を「啓発」関係にするというような話でいいのかどうなのか。条例をもっと大事に扱うべきだと私は思うので、あえて苦言を呈させていただきたいと思うのです。
実質的に審議に入ります。
今回の条例に先立って、第一回定例会で同じく条例の改正がなされておりますが、それと今回の条例の改正との関係はどうなりますか。
○河津生活環境部長 平成十二年三月の改正は、その前年の平成十一年三月に出されました東京都動物保護管理審議会答申を受けたものでございまして、動物取扱業や特定動物に関する規則を強化したものでございます。今回提案しております条例改正は、法施行に伴い、法律名を引用している部分を改正するなど、文言の規定を整備するものでございます。
○和田委員 この三月の改正のときは、動物の取扱業者に対する規制、それから特定動物に対するこれまた規制の強化ということの、どちらかというと縛りを強くしているのが特徴だと思うんですね。今回は、それを前提としながらも、やはり愛護というか、今まで器物であった動物を生命のある動物にするというところに法の精神が込められていると思うんです。これらをつなぎ合わせてみると、やはりみだりに売り買いをして、無責任に売り買いしちゃだめですよ業者さん、それから、動物についても、こういう動物についてはしっかりしなければいけませんよという、名前を挙げて動物を指定するということです。
したがって、都民生活の中に動物をより近づける、そしてまた、それが生命体としての愛護対象になるというものをはっきり、条例も法律も、今回の二つのものは、一貫して時系列の中でより濃度を濃くしているというふうに私は思うんです。ですから、さきに返って、法律の「愛護」という問題は、どうしてそこで条例の改正と同時に出てこないのか、それと一緒に込められてこないのかというところに入るわけであります。
それで、先ほど、動物の愛護推進員と保護相談員の関係がありました。これについては、国の定め、それから条例の定めという差異があることは十分承知しているんですが、これを一本化するというのに、十三年度中に検討委員会を設けて云々ということですが、それはどういうふうな中身になりますか。
○河津生活環境部長 国の動物愛護推進員と、都が条例で定めております動物保護相談員につきましては、適正飼育の推進とか行政への協力といった点では似通った役割が期待されていると思います。ただ、条例では具体的な取り決めはしておりませんけれども、国の方の法律では、さらに犬猫等の動物がみだりに繁殖することを防止するための措置であるとか、あるいは譲渡のあっせんのための必要な支援をすることといったことも含まれておりますので、そういうことも調整を図りながら、今後は一本化の方向で検討するということを考えているわけでございます。
○和田委員 今東京都が保持している動物保護相談員は、具体的に今何をやっていらっしゃるんですか。
○河津生活環境部長 条例では定めておりますけれども、条例制定から大分時間がたっておりますが、これまで実際には設置をされておりません。
○和田委員 よくもぬけぬけと一本化するなどということを、前の委員に答弁できますね、それは。あって初めて一本化しようというんで、ないものをどうやって一本化するんですか。もう一回答弁してください。
○河津生活環境部長 動物保護相談員につきましては、条例制定以降、機会あるごとに審議会への諮問や内部検討を行ってまいりましたけれども、実効ある制度とするための条件が整わないままに導入した場合、混乱を招くおそれがあって、設置をしてこなかったわけでございますけれども、制度としてはございますので、そういう意味で、現にある制度を改めなければならないということで申し上げたわけでございます。
○和田委員 仏つくって魂入れずという格言がありますが、仏もつくらなきゃ、魂なんか入るわけないじゃないですか。ましてや国の方が愛護推進員ということを提唱しながら、こちらの方は事前に先発のそういう制度を持ちながら、それを稼働させずに、結局国が追いついてきたから、やむを得ずそれを一本化という名目で動かそうかと、そういうわけでしょう。
気になるのは、前もそうですが、条例の問題も、慎重過ぎたので、今回「保護」で終わって「愛護」にならなかったというような答弁もなされた。要するに、今の部長答弁の中に、この動物愛護に対する現時点での東京都の衛生局の姿勢が全部込められていると断定せざるを得ないんですね。
もっと、過去の先輩たちは前向きに、さきに紹介がありましたけれども、四十自治体の調査の中で、我が東京都だけが登録制。それで、制度がない、規制なしというのが二十八、届け出制が十一、登録制が一、それは東京都ということですが、これほど先進的に、もう昭和五十五年につくっている条例の中に登録制をうたっていながら--今から二十年前ですよ。それ以後全然前進性がなく、ついに国に追いつかれて、今回もこの始末になって、実際は、名前はあるんだけれども、存置していない保護相談員を、愛護推進員の規定を受けて、やむを得ず、後ろから押されるように動かさなければならないという、こういうていたらくなんです、さっきからいうとおり。
だから、そういうことで大変私自身--後しばらく質問を続けますけれども、ここ小一時間の質問を続ける過程の中で、実際現場に行きながらの自分の所感も交えて手短に質問しますから、手短に答えていただきたいと思います。
さて、横浜市の磯子区は、大変進んだ猫ちゃん対策をやっているのはご存じですよね。そこには、先ほど話もありましたけれども、今、私がきのう時点で調査すると、十八グループがもうできております。その市民グループは、飼育猫、ホームレス猫、地域猫というふうな分類をしながら、それぞれ特に地域猫を中心にその十八グループが保護、管理をしてスムーズにやっているところなんです。私は、この磯子の例を申し上げるまでもなく、もうそちらの方は調べていらっしゃると思いますけれども、こういう先進自治体のご苦労というものは、当然横浜の磯子ですから、ほぼ過密都市の中の状況は、全く東京と類似の形態だというふうに読み変えていいような中で、十八グループはもう既に動いていらっしゃるということを受けて、これから質問を順次していきたいと思うんです。
東京都が、先ほど出た平成十一年の三月に、猫の適正飼育推進策についてというものを都民に発表しています。その中に、飼い主のいない猫などについての対策の中で、住民組織や、あるいは自治体、市区町村、あるいは都の役割をそれぞれ三ついっていますよね。住民と市町村と民間団体、それから都の役割と、四つですね。それをもう一回繰り返していただけますか。
○河津生活環境部長 審議会答申の中での役割分担でございますが、モデルプラン実施における役割分担といたしましては、まず、住民組織の役割として、飼い主のいない猫のえづけとか、手術をする際の猫の認定、保護、それから手術後の猫の管理、これは一番身近なところでということだと思います。
それから区市町村の役割ですけれども、住民組織、民間団体との連絡調整でございます。
それから民間団体の役割では、住民組織との積極的な協働、特に手術の実施に当たっては、専門知識、技能を有する獣医師会との協力体制づくりが必要であるというようなことでございます。
それから都の役割といたしましては、都は、広域的な立場から、本取り組みが効率的かつ円滑に推進されるように総合的な調整をする。もう一点は、試行の段階では、都は、動物保護相談センターとの手術の実施なども検討すべきである、こういうことが答申ではうたわれております。
○和田委員 これがちょうど十一年の三月ですから、これまた一年と半年はもう過ぎています。その中で、ここで特に住民団体等の役割の中で、特に手術の実施に当たっては、専門知識、技能を有する獣医師会との協力体制づくりが必要であるとうたっていますが、多分また残念な答弁だから聞きたくないんですけど、これは具体的にどの程度進んでいるんですか。
○河津生活環境部長 私どもも、これは努力をしていかなきゃいけないということでやってきております。モデルプランにつきましては、答申以降、候補地域、それから実施方法等について検討を重ねてまいりました。現在複数の候補地域を絞り込んでおりまして、今後住民組織とか区市町村、愛護団体等の意見を踏まえて、なるべく早くモデルプランの試行にこぎつけたいと考えているところでございます。
○和田委員 これは、前々回の私の本委員会の質問に、今年度中に複数の場所をモデルとしたいという答弁がありました。したがって、今の答弁はそれを繰り返したことになると思うんでありますけれども、ここで申し上げたいことは、より確実に、今年度中にその姿形をぜひ見せていただきたい、我々の信頼をかち取ってもらいたいということを強く申し上げておきたいと思うんです。
それで、さらに、都の役割としてこう書いてありますね。
その際、飼い主のいない猫に対する不妊、去勢手術の実施がネックになると想定されるので、試行の段階では、都は、動物保護相談センターでの手術の実施も検討すべきであるというふうになっておりますが、これはいかがでしょうか。
○河津生活環境部長 今、モデルプランをできる限り実施できるように努力をしているところでございますけれども、そういうことになれば、実際には、試行の段階では、動物保護相談センターの手術の実施も検討していきたいと考えております。
○和田委員 動物相談センターは、行けばだれでも見させていただけますけれども、手術とかレントゲンの設備もしっかりしておりまして、十分その処置はできる環境にあると私は思っているんです。環境が整ったらやるというのは、どういうことをおっしゃっているんですか。
○河津生活環境部長 モデルプランとして実施することについて、今幾つかの地域を絞り込んでやっておりますので、これができましたところで、そういうことも当然視野に入れて、動物保護相談センターの活用ということも視野に入れて試行に踏み切りたいと思っているということでございます。
○和田委員 じゃ、モデルができたと同時に、その近くの、五カ所ありますけれども、相談センターのどこかに、同時的にそういう手術、去勢、不妊手術などのできるような体制を整えていくというふうなことで、要するに、そうなってくると、今年度中ということになるのですが、そういう具体的な理解でよろしいですか。
○河津生活環境部長 ただいま申し上げましたような方向で努力をしてまいります。
○和田委員 民間の中には、動物に対するいろいろなボランティア活動をしている人が随分います。それは、女性、お年寄り、年長の人を含めて、性別に関係なくやっているんですけれども、それは、どちらかというと、大体どこの公園にもいるように見えるんでありますけれども、こういう活動については、東京都はどういう理解をしていらっしゃいますか。
○河津生活環境部長 なかなか行政の力だけでは先に進まない部分もございますし、動物の、先ほどの理念に基づいた適正飼育ということを推進いたしますには、やはり民間のボランティアといいましょうか、民間の方々の力というのが非常に重要だと考えております。そういう意味で、都としては、法に基づく関係団体との協議会の設置ということがございますので、こういうことも、協議会の設置をまずやらなきゃいけないんですけれども、そういうことによりまして、動物愛護事業における民間の団体であるとか、あるいはそれぞれ個別に動いているボランティアの方々たちとの連合体であるとか、そういうところとの協働をさらに進めていきたい、そういう姿勢で考えております。
○和田委員 今、河津さんがおっしゃった協議会というか共同体というか、そのことは、横浜の磯子区はこういうことをやっているんですね。それがフイットするか、一緒になるかどうかわかりませんけれども……。磯子区では、協議会会員といって、会員になるためには、年会費千円を払ってもらう。この年会費は、地域ごとの避妊、去勢手術の補助、一般動物向けセミナーなどを開催するための活動資金に充てられる。それから、協賛会員の活動、これは、猫の飼育ガイドライン、これは磯子で決めていますけれども、その考え方を普及していくことだというようなこと。また三つ目は、実践グループの活動ということで、猫飼育ガイドラインに基づいた地域猫の世話をするというようなこと、あるいは地域猫の避妊、去勢手術に対して補助金を応援していますよというようなことも、このグループには出ているようであります。
それから、猫の里親会というのがあって、毎月第二日曜日に、磯子区総合庁舎正面玄関前で開催して、その里親会では、猫限定で里親を探している。持ち込む方も、里親になった方も、原則として協議会会員になっていただく、いわゆる千円を払ってもらうという、少額といっても会員費を払うことによって、責任感を持って猫をお預かりするという形が、磯子の協議会ではなっているんです。
そういうことでできた磯子の公園には、地域猫活動を実践しますという、実際はプラスチックなんですが、こういう看板を立てて、グループ名を書いて、世話している猫の数など、しっかり責任を明らかにするというようなことまで磯子ではやっています。こういうことが、今部長のおっしゃった協議会というふうに考えてよろしいですか。
○河津生活環境部長 先ほど私が申し上げましたのは、今回、国の法律の中で入ってくる協議会のことを申し上げましたんで、より上位のといいましょうか、そういう意味で、行政とか、いわゆる愛護団体とか獣医師会とか、そういうところの協議会をまず考えて申し上げたわけでございますけれども、今回の国の法律改正でも、社会全体で人と動物との共生できる社会をつくっていく。これは社会全体でつくっていくという精神でございますので、より地域の、横浜の磯子区におけるような、こういう住民のグループができるということは大変望ましいことだというふうに考えております。
○和田委員 どちらにしても、先進区の自治体の、これが大体、先ほど申し上げた十八グループも根づいていて、いろいろな苦労を克服しながら来ているということですから、一つのモデルケースにまさになるだろう。東京都がつくるモデルケースに多分なるのではないかなあと思いつつ、今ご紹介申し上げたわけなのです。
次に進みます。
飼い主のいない猫が存在するということはだれもがわかっていることなんですが、もともと根源をたどると、猫を捨てる無責任な飼い主が源をつくっていると思うんです。この法律改正によって、動物をみだりに殺したり傷つけた人というのは、一年以下の懲役、または実に百万円以下の罰金、捨てた者、遺棄した者は三十万円以下の罰金が科せられるというふうに、罰則規定が極めて強化されています。これも、器物じゃなくて命なんだよというところのあらわれが、このような罰則の強化にあらわれたと私ども思っているんです。
そこで、東京都でも、動物を捨てる、そのような不心得な行為がなくなるように、都民に対して罰則について十分周知すべきではないのか。例えば、猫を捨てる人が今申し上げたとおり根本原因だから、猫を捨ててはいけないということだとか、捨てると罰金三十万円ですというような表示をそういう場所にしっかり掲げるとか、あるいは地域猫の責任者、磯子の場合はグループ名といいましたけれども、そういうものの責任者を定めたり、えさやりの後始末、ふんの掃除など責任を持つように決めるとか、あるいは避妊、去勢の手術を積極的に進めて、これをどんどんふやしていく。そのために行政が応援していくとか、あるいは避難箱、これはシェルターですけれども、それは勝手に行政といえども撤去しないで、一回根ついたものについては、それをできるだけ温存するとか、あるいは育てる側の方の住民も、公園の美観を損ねたり公園に来る方の迷惑にならないような、そういう配慮をするというようなことを含め、それぞれがお互いに気を使い合った中で、この猫の問題に、自治体としても住民としても、あるいは関係団体も処していくべきだろうと思うんでありますが、東京都のその辺の姿勢についてはいかがでしょうか。
○河津生活環境部長 東京都の姿勢ということでございますが、遺棄をしたりという飼い主の問題につきまして、都でこれまでもプレートとかポスターを通じて、機会あるごとに啓発というのはやってきてはおりますけれども、今回の法改正を踏まえまして、さらに強化をしていきたいと考えております。
ただいまの先生のご意見も大変参考になるかと思っております。また、今後は、局のホームページに掲載するなど、あらゆる機会に、さらに適正飼育に関する知識の普及啓発に努めていきたいというように考えております。
○和田委員 私は、かつて、世田谷の八幡山の保護相談センターを見ました。きのうは城南島の動物愛護相談センター城南島支部を一時間ばかり視察させてもらいました。その過程の中で、動物はどういうふうに保護されているか。三宅島の猫とか犬も、私が見る限り、元気に人懐こく私どものところにじゃれついてきたりなんかしていましたので、その点では、三宅島の動物も保護されて、あそこでは暫定的には幸せなのかなあと思ったりはしております。
そこで感じたことについて、現場に行った声として一言申し上げたいと思うんです。
今、動物保護相談センターに保護されている収容期間というのは、七日というふうに決まっています。これは、昭和二十五年に狂犬病予防法ができたりして、その後動管法ができたりして、動物そのものを、どちらかというと危険なもの、あるいは邪魔なもの、そういう精神の中で、できれば早く始末をした方がいいというようなことから、七日という日にちが設定されたと思うのです。ところが、冒頭申し上げたとおり、保護から愛護に変わった法律の仕組みの中で、私どもは、いつまでも狂犬病予防法の中の七日ではなくて、できれば欧米のように一カ月とか--飼い主に返す、新しい飼い主のところにもらわれていく、そういう、処分する施設じゃなくて、動物をまさに愛護する施設として、一カ月、せめて二週間ぐらいはそこに残留させておくべきが、これからの動物愛護法に基づく条例にかかわる精神を正直に生かす道ではないのかなと思うものでありますから、従来の収容期間七日ということについてのお考えをお伺いいたします。
○河津生活環境部長 従来の七日という考え方でございますけれども、これは、公示するまでに、捕獲をしましてから三日とっておりまして、それから二日間公示をして、その後引き取りまでに二日間を見ております。そういう意味で七日ですけれども、これは、狂犬病予防法の規定よりは一日長くなっているのが従来の形でございます。
○和田委員 狂犬病予防法は昭和二十五年でしょう。二十五年から一日長くなって、今、昭和でいえば七十五年ですよ。五十年たって一日ですよ。その間に保護から愛護に変わろうとしている歴史の節目が、今の我々がやろうとしている試行の条例化じゃないですか。五十年たって一日しか延ばさないんですか。
○河津生活環境部長 若干説明が不足していたかと存じますけれども、動物保護相談センターに保護された動物の収容期間は七日でございますけれども、土日の期間を考慮して延長していることもありますし、それから、実際の搬送の都合ということもございます。曜日が決まっていたりということ等もございまして、長い場合は十二日間収容しているというのが現状でございます。
それから、平成十一年度の実績では、六割強が飼い主のもとに返還されておりまして、私どもといたしましては、収容施設の入れ物の量的な数の限りもございますし、鑑札の装着等の飼い主責任がより徹底されれば、返還実績はさらに伸びるというように考えているところでございます。
○和田委員 どういう理由を並べられても、部長の頭の中には、邪魔者、できれば世の中から消した方がいい存在というふうに、犬にしても猫にしても、動物でもいいですけれども、それはまだあるように失礼ながら思われます。というのは、できる限り生きて新しい飼い主に返すべきだ、したがって、一日でも多くそこに置いて、その機会を提供すべきだというふうに考えるのが私は至当だろうと思うのです。
それを、法律では七日、それを移動期間も含めて十日ぐらいになっていますよというのは、人間のまさに機械的な発想であって、心臓を鼓動させている小さな生き物の命を絶つのに、機械的に私は考えていいのかどうなのか。時代はまさに、再三ぶり返していますけれども、保護から愛護になるということでありますから、そういうやわらかな血の通った行政を、皆様方自身が最前線にいるわけですから、その方々が持たずして、どうして都民に犬猫を捨てるな、去勢しろ、不妊しろといえるんでしょうか。
私は、まず隗より始めよという姿勢は、行政側の方が、皆様方の大事な小動物は、このように、できるだけ皆さんの--いなくなって、泣いたりして、電信柱にポスターなんか張っている人をよく見ますよ。そういう人の気持ちは、もしかすると、いなくなってから三日四日たっているから、そういう場所に行ってもだめかなあというようにあきらめちゃっている人もいるかもしれない。もとより行っている人もいるかもしれない。そうなってくると、できるだけ命を長らえて、その保護センターの中に、相談センターの中に置いておくということを、私はこれからの大きな命題にしていくべきではないのかなと。ただしゃくし定規に七日、それを十日だから我慢しろという形ではなくて、できる限り、再び社会、家庭に還元をしていく、こういう姿勢が私は必要だと思うんです。
この点は大事だと思うんで、局長いかがでしょうか。
○今村衛生局長 和田副委員長ご指摘のように、保護から愛護へと流れが行く中で、そういう考え方もおありでしょうけれども、東京都としては、税金でそういう施設を賄って運営をしておるわけでございまして、その税金でかかっているコストと愛護とのはざまの中で、七日をさらにどう延ばせるかということを考えてまいりたいと思います。
○和田委員 突然指摘申し上げたので……。ただ、七日をどう延ばせるかという苦渋の、財政危機の問題なんかもありながら、模索をされたいという局長の姿勢に、私は、これからの東京都の動物愛護の姿勢を、ぜひ深くその先を期待していきたいと思うものでございます。
それから、先を急ぎたいと思うんです。社会的な事情による動物の遺棄などがよくあります。例えば社宅にどうしても住まなければならなくなったんで、マンションから移動しなければならないというような若い世帯などよくいます。動物好きな若い方がいますが、そうなってくると、社宅では動物は飼えない、しかし今は飼っている、どうしようか。そうすると、泣く泣く友人に上げたり、あるいは自分の親類に上げたりすることもあるわけでありますけれども、これらの住環境整備についてはどのようにお考えになりますか。
○河津生活環境部長 私どもも、住宅の中で十分飼える事情があれば、それが一番望ましいというふうに考えております。ただ、集合住宅におきましては、やはりそこで生活をする共同生活者全員の理解が不可欠だと思いますので、飼い主の十分な配慮が必要だとは考えております。つまり、集合住宅の中でのルールをいかにつくり上げて、その中で飼えるようにしていくかということを考えておりますので、都では、集合住宅における動物飼養モデル規定というものを作成しまして、これを冊子にしていろいろと利用していただきながら、普及啓発に努めているというところでございます。
○和田委員 繰り返しますが、動物がわき役じゃなくて主役だと考えるご夫婦なり、そういう生活者もいるということを、社会的に余儀なく転勤されたり移動される方々のそういうお気持ちの中に、ぜひ触れていただきたいということを申し上げておきます。
それから、高齢者についてなのですが、同時に聞けばよかったのですけれども、高齢者がひとり暮らしになって、猫が自分のパートナーのような方が随分いらっしゃいます。そういう方々が、入院だとか不時のそういう事態でどうしても飼えなくなってしまうというような、一時的にですが、そういう場合には、施設などについてはどのように今されているんでしょうか。
○河津生活環境部長 一時的に猫や犬をどうするかということでございますが、現在、都としては、一時預かりを前提とした制度は持っておりません。本来ならば、ボランティアとか近隣で支える組織ができれば望ましいと思いますけれども、なかなかそういう現状もないようでございまして、今、ペットホテルなどで一時預かりをしているところがいろいろとございまして、都内には、調べましたところでは、平成十二年六月末で五百五十五施設あるというところを把握しているところでございます。
○和田委員 ペットの一時預かり所というのも、よく町中で見ますけれども、やはり高額であったりして、お年寄りで、社会的に不遇な形だけれども、動物を友達にしているという方の場合で--お金持ちは私は全然言及していませんけれども、そういう場合に、行政がどれだけおこたえできるかというお話を申し上げているのです。
そこで、民間団体の中には、動物愛護の観点から、そういう動物を預かったり、新しい飼い主を探すことにお世話をするような、そういう団体も出てきているようです。そういう団体は、自分たちはそういう意欲はあるんだけれども、適当な場所がないというような、そういう逆の問題を抱えています。そこで、動物保護相談センターなどの施設を、そういう意欲的な団体の方々に開放して、できればその中で一時保護預かりのような形、あるいはいろいろな情報交換をするというふうな形で、動物保護相談センターをより開かれたものに改善することはできないのでしょうか。
○河津生活環境部長 動物保護相談センターの場合にということでございますけれども、これは、大変かたい話になりますけれども、行政として、どうしてもこれは行政財産ということになっておりまして、本来の目的を遂行するためにある施設ということになります。これは、貸し出しというものは極めて例外的な措置ということに、法上もそう定められております。ただ、いろいろな団体と協力し合いながらということは、当然これからも考えるべきことだと思います。少しお話がずれるかもしれませんけれども、動物保護センターの譲渡事業にボランティア団体が参加をするということは、現実にやっているところでございます。
○和田委員 今度新しくなった動物愛護管理の法律の中でも、七条の四項に、都道府県知事は、動物の愛護を目的とする公益法人その他のものに犬及び猫の引き取りを委託することができると、こううたっているんですね。このことは、今おっしゃったように、狂犬病予防法にかかわる仕事だとか何か列挙されているのでわかっていますけれども、そのほかに、七条の四項でこのように知事の権能をうたっているわけでありますから、今申し上げたような形でできるだけ、NPOの力も含め、外郭の力を利用して、今もう行き詰まってしまっている皆様方の助っ人に、ぜひそういう民間のエネルギーを使うべきだというふうに思うのであります。それはしっかり強く要望しておきたいと思います。
これは最後にしたいと思いますが、平成十二年九月に、東京ベイエリア21という中間まとめが、ちょっとこれは衛生局には関係ないように思われる東京湾の利用計画が出されています。平成十二年九月です。その中で、自然環境と調和した都市環境の創出として、海上公園の新しいあり方についても触れられています。そこでは--今そこに持ってきていますから読み上げませんが、臨海部分に、新しい公園のあり方として、緑地も含めた公園のあり方がうたわれているわけです。
ことしの十月一日に、この臨海部で、いろいろな動物保護団体が、東京都の後援を得て、馬と小動物の触れ合いフェスティバルというのをやりました。十月一日のことです。およそ千人近い人が集まったようです。そのときの催し物は、警視庁の騎馬隊のモデル行進、それからアジリティという犬のスピード競争、さらに東京都馬術連盟の皆様方の馬、あるいは東京都の学生馬術連盟の皆様方の乗馬、あるいはRDAという障害者の皆さんの馬に乗った治療などのデモンストレーション等々行われて、千人ぐらいの方が参加をしたといわれているんです。
犬と、あるいは動物と、猫と人が触れ合うということは、これまた規模の大小を問わず、大変これからの都民生活の中で求められるわけであります。また、犬と人間の交わりとして、ドッグランという発想もあります。自由に犬を走らそうという意味では、猫とは違った形で、もう少しスケールが必要になりますけれども、そういう期待も都民の中にはあるわけです。
要するに、動物の大小を問わずに、人と動物との触れ合いは今後ますます重要性を増してくるだろうと思うわけでありますけれども、その活動を行うためには、場の確保がどうしても必要になるわけです。そこで、現在は、関係団体が、十月一日のように、臨海部分を一定的に借りて活動しているわけでありますけれども、動物愛護行政を担う立場として、衛生局は、このようにトータル的な動物との触れ合いの場所を固定化して設ける、それも臨海になるかどうかわかりませんけれども、少なくとも開かれた場所で、あらゆる動物がそこに会して都民と触れ合うというようなことの構想については、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
○河津生活環境部長 人と動物との触れ合いというものが大切なことというのは、今回の法改正の中の基本的な趣旨でもございますし、それから、昨今の少子高齢社会の中でも大変重要なことだというように認識をしております。
問題は、その場についてでございますけれども、個々の事例に即しまして、その事業主体が確保すべきものであるというふうに考えております。また、場を提供する側ということで考えますと、その施設本来の利用目的等もございましょうから、そういうものを勘案しながら、個別の事例ごとに管理主体が判断をすべきものだというふうに考えております。
衛生局におきましても、区市町村の教育委員会などと連携をして、動物愛護精神や適正な動物の取り扱いを普及するための触れ合い事業を行っているところでございます。
○和田委員 今まで十数点にわたって質問あるいは答弁をいただいてまいりました。基本的に私どもが望むことは、冒頭申し上げたとおり、法律が変わって、施行通知が具体化して、動物が、置物やいすや机と違って、生きて動く、生身の人間の最愛の友人であるという観念を持って、これからも動物愛護法に基づいた行政をぜひ進めていただきたい。
そのためには、役所あるいは役人の皆様方だけじゃなくて、そういうことに先駆的に努力をしている住民の、都民の皆さん、あるいは団体の方々とも寄り寄り相談をし、協議をしながら、今日的時代に合った形での動物愛護運動、行政、それで進めていただきたいことを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○藤田委員 私も動管法関連で何点かお伺いいたしますが、もう非常に多くの皆様がお話をなさっていらっしゃいますので、重複にならないようにお伺いしたいと思っています。
このいわゆる法改正が成ったというのは、阪神・淡路の震災後、置き去りにされた猫や犬の問題があったこと、それから、都会に住む者にとって、犬猫、動物がいわゆるいやしになり、人生の伴侶になってきているということ、それから、神戸の少年事件で、動物虐待の末に人間を虐殺というような酒鬼薔薇事件に対しての非常な驚きと、やはり動物虐待をなくさない限り凶悪犯罪がふえるんだというようなことを、国会の中で話し合いがなされたというようなことが、今回の改正に大きく動いたというふうにいわれております。
この管理法が十二月一日から施行されているわけですけれども、何回か質問に出ていますけれども、この動物愛護推進員について、設置をしなければいけないというふうになっておりますけれども、協議会をつくることが必要になって、そこに動物愛護の活動の具体化のために動物愛護推進員を委任することができるということが定められているわけですけれども、この推進員の活動について、今後具体的にどういうふうに進められていくのか、もう一度伺いたいと思います。
○河津生活環境部長 動物愛護推進員を委嘱しなければなりませんし、それから、実効性あるものとして活動の支援を進めていくその仕組みもつくっていかなければならないと思います。そういう意味で、都と、動物愛護を目的とする公益法人、まあ愛護団体等ですが、それから十一の団体等との連携協力の体制をつくり出すことが必要だと考えております。
そういうことで、このため、動物愛護推進員の設置をするためにも、これに先立って、法に規定されました協議会を組織する必要がございます。今後関係団体との検討の場を設けまして、平成十三年度中に協議会を組織する予定でございます。
○藤田委員 今お話しのありました、いわゆる公益法人というものをどんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
○河津生活環境部長 動物愛護協会とか、動物福祉協会といったような団体を考えております。
○藤田委員 先ほど、民間団体、ボランティアとの協力が必要ということを大変力強くおっしゃいました。そして、実は私は、平成十年の第三回定例会で文書質問をさせていただいています。動物愛護に関してと、ホームレス猫対策についてということをさせていただいているんですが、いわゆる動物関連団体から提案されたこの現行条例に基づく動物保護相談員制度の設置は、一度も検討がされていません。川崎市では現実に機能しており、これも苦情解決の有効な手段と考えますが、制度実施への検討と実現性を伺いますというのが一点と、それから、この審議会が、諮問を受けて、十一年三月に答申を出しておりますけれども、その中に、いわゆる審議会のメンバーなんですが、例えば具体的にはここにあるんですけれども、実際には愛護協会の方や、それから作家の方や、獣医師や、それから弁護士、あるいはPTA、あるいはまた区市町村、それから生協の方々などが入っているんですが、いわゆるこういう猫など、実際に民間団体、あるいはボランティアとして避妊の手術を自分たちみずからやったりする、そういうような方々は、この中でも一切入ってないんですね。そういうことに関してここでも伺ったんですが、こういう方々を、例えば公益法人、法人は、いわゆる愛護団体だけでなくて、こういう方々を入れるというような状況にはならないんでしょうか。
○河津生活環境部長 動愛法に基づきまして、協議会は、動物の愛護を目的とする公益法人、十一の団体その他の団体等と組織することができるということになっております。その他の団体としては、都道府県等の施策に協力をし、動物愛護の普及啓発に実績のある団体が挙げられるというように考えております。
○藤田委員 実績をどういうふうに都の方々が考えるかなんだと思うんですけれども、例えば極端に、ある意味でいえば、極端な愛護に向かってしまうというような猫好きとか犬好きとかという方がいらっしゃることは私もよく存じ上げていますけれども、それもこれも含めて、例えばいつもいつも同じような方々ばかり、金太郎あめのごとく審議会においでになって、そしてその方々からの話だけで、実際に動物愛護のこういう推進員が機能するというふうには私は思わないし、今までこの制度がありながら、置くことができるということを盾に置かなかったということもあるわけでして、こういうところから、もっと、そういう方も含めて一緒に考えていくということができるはずだと思っているんです。
そして、先ほどお話ししたこの十一年三月の答申の中の、動物保護相談員の活用と特定動物許可制度についての見直しについてという提言の中にも、こういう動物愛護に見られるような、NPOと行政の協力はもっと必要だというふうに書いてあるわけですね。そういうときに、まず協議会に入っていただく。その後の実際にやるところは、どうぞあなた方やってくださいということではなくて、本当に考えている方々が、こういうところの協議会にまで入って、きちっと提言をしていく。あるいはそこの中で強烈な発言をする方だったら、それも含めて取り込んで、そして、どういうふうにしたら愛護という問題を考えていくことができるのかということをやらなければいけない場にしていかなくちゃいけないんじゃないかと、この協議会について考えているんですけれども、いかがでしょうか。
○河津生活環境部長 先ほどの審議会の方は、特に広く学識経験者とか都民の代表の方の意見を聞くということでやっておりまして、だれでなければいけないということではなくやってきているはずでございますけれども、その中でも、審議会の中では、途中では、やはり都民からの意見を聞く会というのも開いたりはしてきておりました。
それから、協議会についてということでございますが、もちろんメンバーということで大変重要な役割を担っていただきますので、やはり慎重を期しながら選択をすることになろうかと思いますが、今後協議会をつくる段階で、幅広くいろいろな活躍している方たちを見ながら、メンバーを決めていきたいというふうに考えております。
○藤田委員 今のは協議会という話でございますけれども、ぜひ幅広いメンバーをというふうに思いますが、実際にこの動物愛護推進員というのは、今もう既に動管法のところで、多くの都民、そして全国民が見守りながら、陳情やら、あるいは議員たちに提言をしながら改正を求めるというようなことでやってきたわけですけれども、その動物愛護推進員に手を挙げたいという方が、もう既に私なんかも多く聞いているんです。
この愛護推進員について、協議会の中の検討の状況になるかと思いますけれども、こういう公募というような体制がとれるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○河津生活環境部長 動物愛護推進員につきましては、犬とか猫等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者の中から委嘱することができるということになっているわけでございます。これは、今後、協議会を立ち上げまして、その中で検討していきたいと思っております。
○藤田委員 ぜひ、今お話ししたような公募というような形も積極的に取り入れていただきまして、もちろんそこの中で委員として働くわけですから、十分常識を備えたというところになろうかと思いますので、ぜひ一番初めに部長がおっしゃったような、民間団体、ボランティアとの協働が必要だということを前提に置いていただきたいというふうに思っています。
それから、動物の取扱業が、もう東京都の場合は登録制というふうになっているわけですけれども、この六月、改正前の登録業の届け出数と、それから、今回の何日間かですけれども、どんなふうに届け出がされているのかお伺いいたします。
○河津生活環境部長 制度がちょうど七月で変わったわけでございますけれども、改正前の平成十二年六月三十日現在では、動物取扱業の届け出件数は一千百九十三件でございました。改正後の平成十二年七月一日から十二月四日現在までの登録件数は二百十四件でございまして、このうち、改正前の条例に基づいて届け出されていた施設で、動物取扱主任者を設置して--設置しないと、主任者がいないと登録できませんので、設置して登録した件数は、百四十八件でございます。全く新たに新規で登録した件数が六十六件ということでございます。
○藤田委員 取扱業で、動物取扱主任者を置かなければいけないというふうになっているんですが、この主任者に対してはどんなふうになると--研修やら何やらあるのか。条例の中には入っていますけれども、どんなふうな研修を受けてといいますか、それで、これがどういう権限があるのかを教えてください。
○河津生活環境部長 主任者につきましては、講習会を受けていただくということを考えておりまして、約半日程度といいましょうか、三時間でございますけれども、動物の保護管理に関する法令とか、取扱業者が守るべき事項、それから人畜共通感染症の予防についてと、こういう講習会を受けていただいて主任となるようになります。もちろん年齢要件等もございますので、満十八歳に満たない者はだめだとか、そういったたぐいのこともございますが、講習会はそういうことでございます。もちろんそれで取れますけれども、それだけではなくて、フォローアップの研修なども考えていきたいというふうに考えております。
○藤田委員 それで、この動物ということなんですが、実際には、この条例の中にも、哺乳類、鳥類及び爬虫類というふうにあるんですが、お聞きしたところによると、鑑賞魚を取り扱っているところは、この取扱業者にならないというふうに聞いているんですけれども、この爬虫類の中で、いわゆるカメなんかの--結構子どもたちがあれなんですが、そんなものはどんなふうになるんでしょうか。
○河津生活環境部長 カメの販売は入ります。
○藤田委員 鑑賞魚屋さんで売っている、鑑賞魚を売っているところにカメがあったら、それは取扱業者と申請しなくちゃいけないということでいいですか。
○河津生活環境部長 鑑賞の魚を扱っているということであっても、そこでカメを扱っていれば、取扱業者というところに入ります。
○藤田委員 細かくて大変恐縮でしたけれども、なかなかこの辺も、今までどんなふうに扱われていたのか、私も自分の家で魚を飼っていたりするものですから、行きますが、取扱主任者というものを見たことがないので、どんなふうになっているかということは、例えば先ほどお話ししたこの答申書についても、実態調査を初めてしましたというふうに書いてあるんですが、実は届け出のあった人たちだけを調査しているので、そこのところには、じゃあ実際はどうなのかなというようなのがちょっと危惧されます。
それから、非常にかわいいので、露天といいますか路上で、ウサギですとか鶏なんかを売っている人がいるんですけど、そういうような人たちも、実際には、日にちが短いとかということで、そこは省くというような状況があるんですけれども、ある意味では、この届け出だけではなくて、あるいはまた、ここは登録制になっているわけですけれども、登録制になって、登録をしていない業者でもそういうところが非常に見られているというふうに私は思うんですけれども、その実態についてはどんなふうに考えていらっしゃるんですか。
○河津生活環境部長 現在、施設単位でやっておりますので、そこでの抱えている施設が都内にあれば該当いたしますけれども、そうでない場合、他県にあるとか、あるいは施設を持っていない露天商というものは、今、そういう意味で網がかかっていないという状態でございます。
○藤田委員 ある意味で動物の虐待というようなこと、それから、そういうところで買ってきたものが、割合に命が簡単になくなってしまうというような状況が非常に多いというふうに聞いておりますので、そういうところまで、ある意味では、後にお聞きする罰則等も含めて、少し実態として把握をしていただければというふうに思っています。
それで、今回の、先ほど改正点の大きな三つ目として、罰則が強化されたというふうになっておりますけれども、これは都民に対してどういうふうに周知をされておりますでしょうか。
○河津生活環境部長 罰則の強化の周知でございますけれども、現在、保健所等の窓口で、国から配布された動物の愛護及び管理に関する法律の改正ポスターを掲示しておりまして、また、パンフレットの配布も行っております。今後も引き続き、局のホームページなど、あらゆる機会を通じて罰則規定の周知に努めたいと考えております。
○藤田委員 これは、告発によって警察が摘発するというようなこともできるというふうに聞いておりますけれども、例えば、あそこで動物が虐待されているといって警察に都民が連絡をしても、え、何いってるんですかというような、余り重要視されないで流れてしまうようなことがあるんじゃないかと思うんですけれども、例えば警視庁に対してどんなふうな衛生局からのアピールといいますか、どんなふうにそれをされていますでしょうか。
○河津生活環境部長 罰則のことで、これは国の法改正に絡むものですから、それぞれの警察に対しては、現在警察庁から全国の都道府県警察に対しまして、ペット動物に対する当面の対策についてという文書を出しておりまして、罰則の強化とか取り締まりの徹底を要請している、このように私どもは聞いているところでございます。
○藤田委員 いろいろ質疑がございましたけれども、やはり命ということの大切さのメッセージがこれからも大変重要なことになろうかと思いますので、ぜひ、この他県の状況にもありましたように、実際には、危険な動物を取り締まるという状況ではなくて、やはりここのところに、動物との共生ということをまず第一に考えていただいて、実践をしていただきたいと思います。
そして、その実践に当たっては、ぜひNPO、地域の都民の皆さんと一緒になって協働していくということに、ぜひ大胆に変換をしていただきたいというふうに思っています。
質問を終わります。
○曽雌委員 動物の愛護及び管理に関する法律の中で、先ほどもありましたけれども、動物及び特定動物に指定されていますけれども、今、地域の中でいろいろと話題になっている、困っている問題で、ネズミ、ハト、カラス、猫、これがありますけれども、これらで、いわゆる法律の中でいわれている動物及び特定動物に該当するものというのは、どれになるんですか。
○山下参事 動物愛護及び管理に関する法律では、人が占有する動物ということになっておりまして、野性動物とかそういったものには該当はしておりません。
○曽雌委員 ですから、今読み上げたネズミ、ハト、カラス、猫の中で、該当するのはどれなんですか。どれも該当しないんですか。
○山下参事 人が占有する動物は、人が飼っていれば占有するということになりますので、猫、それからハトも、ドバトは該当しませんが、イエバト、いわゆる伝書バト等は該当いたします。
○曽雌委員 それで、地域の中で、今十分皆さんも聞いておられるでしょうけれども、最近ネズミがすごく繁殖していることとか、カラスの問題とかハトの問題とかあるんですけれども、猫のことは後で一、二お聞きしますけれども、ネズミ、ハト、カラス等について、東京都として今どんな対策を講じているのかなと思います。
というのは、ごらんのとおり、特にハトなんかも、えさを上げる人がいて、そこへ来ればいつでももらえるとわかって、定期的にハトが飛んでくる。かわいがっている人は、自分は飼っているんじゃないんだけれども、ハトにえさをたらふく上げてくれる。それを食べたハトは、特定の場所の電線に大量にとまりまして、食後の何とかというのがありまして、それが非常に地域の中で問題になっている場所がいっぱいあるんですよ。
そういうこととか、カラスについてもいろいろとあって、これは、ごみの問題では、いろいろとネットを張ってもらったりとかやっていただいていますけれども、どちらにしても、ハトとかカラスとか、まあネズミの問題というのも現場として非常に困っている課題なんですが、現在、東京都としてどんな対策を講じてもらっているのかと思うんで、概要をちょっとご説明いただきたいと思います。
○山下参事 その前に、先ほど一つ漏れておりまして、追加させていただきますが、ネズミにも種類がございまして、ラット、マウス、こういったものは当然、動物の愛護及び管理に関する法律に該当する保護動物になります。
ただいまの鳩害、ハトの害、あるいはカラスの害は、非常に重要な問題でございまして、これはいろいろな方法で今考えられております。各自治体とも悩んでおります。いろいろ施策を考えているんですが、不妊、去勢の方法とか、あるいは一括して淘汰するとか、あるいはホルモンを使うとか、手術をするとかやっているんですが、やはりえさを断つということ、ごみとかそういったものを含めて、えさを断つということが一番大きな根本的ないわゆる駆除方法になろうかと思っております。
○曽雌委員 ハトもそうですが、猫もそうですけれども、やっぱりかわいがる人は猫がかわいいから、当然自分の家に呼んでというか、えさを上げるようになれば、当然そこには猫が集まってくる。集まってきた猫は、そこでごちそうになりますからますます大きくなってきて、それでさっきの話じゃないですけれども、避妊とか去勢手術がほとんど行われていない状況ですから、産めよふやせよじゃ、いい方は変ですけれども、どんどん実はふえてしまったんですよ。それで、かわいがっている人にとってはそれはいいことなんですけれども、一方では非常に害といったら変ですけれども、困っている人もたくさん出ちゃっているわけですよ。猫がどんどんふえている。
そういうことがあるんですけれども、都内で猫の飼育の実態はどんなふうになっているのかなということでお聞きしたいんですが、この辺はどういうふうになっていますか。
○山下参事 都内の猫の飼育実態を平成十年に実態調査いたしました。このときに、メッシュをかけまして、地域ごとに六地区に分割しまして調査したわけでございますけれども、百十六万頭、都内には猫が飼われております。そのうちに、いわゆる野良、いわゆる飼育者のいない、飼い主のいない猫が十一万頭、で、六十万頭が家の中で飼われている猫、それから、家で飼われているんですが外を散歩する猫が四十五万頭。この家の中で飼っているが外に出てしまう猫が、あるいはいわゆる野良猫が苦情のもとになっているわけですが、猫の実態はそういったところでございます。
○曽雌委員 先ほどの議論を聞いていたときに、私もびっくりしましたけれども、動物愛護相談センターで、犬とか猫の保護がなされて、引き取り手がいれば譲渡されるけれども、そうでない犬や猫は大変悲しい運命をたどっていくわけですよね。十一年度で一万三千頭ぐらい処分されてしまったということを、答弁がさっき河津部長からありましたけれども、非常にこれは悲しいことだというふうに思うんですよね。それで、猫の避妊とか去勢手術に要する費用というのは一般的にどれぐらいかかるものなのかということと、それに対しての助成制度みたいなものが行われている実施の状況というのはつかんでおられるでしょうか。
○山下参事 ただいまのご質問でございますけれども、猫の不妊、去勢手術というものに対しましての助成でございますけれども、これは、特別区では、行っている区と行っていない区がございます。その実態でございますが、例えば千代田区では、飼い主のいない猫に対しまして、雄が上限一万七千円の助成をしております。雌が上限二万円でございます。一般に雌の方が手術が困難でございますので、助成金も高くなっております。このように、特別区は何区か行っております。
また、市におきましては、日野市が、雄が五千百円、雌が八千七百円。それから、町はございませんが、青ケ島は、猫が雄雌両方全額でございます。小笠原も、猫と犬両方とも全額助成をしている状態でございます。
○曽雌委員 飼い主がはっきりしていれば、それは飼い主の責任で、それ以上子どもをふやさない方がいいというふうに飼い主が判断すれば、飼い主がきちっと責任を持って避妊手術とか去勢手術をやるんだと思うんですけれども、問題は、飼い主のいないものに対して費用を充ててもいいんですけれども、そうすると、それは避妊手術なり受けた猫なのかどうなのかという区別なんていうのは、一般的に外から見たってわからないじゃないですか。そういうところを抜本的にどうするかということをやっぱりやっていかないと、一部的にそうやっても、結局はまた大量に避妊とか去勢手術を受けていない猫の方が多ければ、ふえざるを得なくなっちゃうわけですよね。
そういうことで、非常に現場としては、先ほどいったように、私、別に動物がだめだというんじゃなくて、かわいがる人はかわいがる人で、それはそれでいいんだけれども、一方では、そのことによって、かわいがる人は、責任を持ってかわいがってくれているのならいいんですが、ただえさを上げるときだけかわいがっているというようなことになってしまうと、一方では困る人もたくさん出てきてしまうということになりますよね。
そういう面では、先ほどいろいろと審議がありましたけれども、例えば審議会答申、十一年の三月に答申が出て、いろいろ考えているんだというようなことが出ていますけれども、これも早くやらないと--何年もというか、何十年も同じようなことを議論している課題になっているように思うんですよ。それが、去年の三月に審議会から答申が出て、一定の方向性、こんなことをしたらどうなのかと具体的な案が出ているにもかかわらず、一年たってもいまだになかなか決まらない。
お話では、複数の候補地を決めて、モデルプランをつくって、そういうふうにやるんですなんて話をしておられて、それはそれでいいんですけれども、それをまた羅列しているだけでほうっておきますと、時間がたてばたつほどまたふえてくるわけですよね。それだけ大変なことになりますので、そういう面では、やっぱり飼い主のいない猫に対する取り組みというものは本当に早急にやっていただかなければならない課題だと思っていますし、そのことは、僕は多くの都民の理解は得られると思いますよ。一方でかわいがっている人もいらっしゃるけれども、困っている人もいるわけですから。
そういう面では、一方で動物をきちっと愛護していくということも大事なことだけれども、一方ではやっぱり飼い主の責任というものをしっかりさせる。どうしても飼い主がいなくて、その犬や猫にしてみれば非常に不幸な人生を歩むわけですから、そうしないためにどうしてあげたらいいかということもしてあげた方がいいんじゃないかと私思いますので、余りいろいろ聞いてもいけないんですが、飼い主のいない猫に対する取り組みについてどうするのかということを、決意も含めてしっかり答えていただいて、対策をやってもらいたいというふうに思うんですね。よろしくお願いします。どうでしょうか。
○山下参事 ただいまのご意見を、大変貴重なご意見と思っております。私どもは、先ほどご説明申し上げましたとおり、平成十三年度中に協議会を組織する予定でございます。こういった問題を解決するためにも、これから住民の合意を得まして、地域ルールを定め、不妊、去勢手術等を行うモデルプランの構築等に努めてまいりたいと思っております。
○野村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で衛生局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時四十七分散会
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