厚生委員会速記録第九号

平成十二年七月七日(金曜日)
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長曽根はじめ君
副委員長三宅 茂樹君
副委員長小林 正則君
理事吉田 信夫君
理事曽雌 久義君
理事佐藤 裕彦君
原   環君
土屋たかゆき君
田中 智子君
藤田 愛子君
近藤やよい君
羽曽部 力君
藤川 隆則君
松本 文明君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉局高齢者施策推進室長福祉局長兼務神藤 信之君
次長田原 和道君
総務部長押切 重洋君
地域福祉推進部長小山 園子君
生活福祉部長渡邉 泰弘君
山谷対策室長上野 純宏君
子ども家庭部長稲熊 明孝君
障害福祉部長長野  宏君
国民健康保険部長堀内 武照君
連絡調整担当部長小阪  守君
参事村山 寛司君
衛生局局長今村 皓一君
技監荻野  忠君
総務部長長尾 至浩君
企画担当部長櫻井  巖君
健康推進部長上間 和子君
生活環境部長河津 英彦君
医療計画部長友松 栄二君
地域医療担当部長中村 忠夫君
医療福祉部長長岡 常雄君
薬務部長山川 洋平君
病院事業部長小野田 有君
参事菊地 輝雄君
参事山下 征洋君
参事大塚 孝一君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 衛生局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第二百十五号議案 東京都看護婦等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
 福祉局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第二百十三号議案 社会福祉協議会の行う事業の補助に関する条例の一部を改正する条例
  ・第二百十四号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例

○曽根委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○曽根委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、衛生局及び福祉局関係の付託議案の審査を行います。
 これより衛生局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百十五号議案、東京都看護婦等修学資金貸与条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で衛生局関係を終わります。

○曽根委員長 これより福祉局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百十三号議案、社会福祉協議会の行う事業の補助に関する条例の一部を改正する条例及び第二百十四号議案、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○吉田委員 今回の改正は、両制度とも、貸付対象に新たに介護費を設けるとともに、更生資金及び修学資金について、金額を若干ですが引き上げるものであり、当然賛成です。
 ただ、この状況について、議案の検討に当たって調べてみましたけれども、両方の制度とも、貸付件数の推移を調べてみましたら、件数が、わずかではなくて、かなり大幅に減少しているということが改めてわかりました。
 例えば生活福祉資金の場合には、総件数は、平成八年、一九九六年は二千九十八件、これが平成十一年、一九九九年には千二百六十六件というふうに減少しています。三年間で、率にしたら六割に減っていると。件数で見ますと、八百件を超える大幅な減少となっている。その中でも、特に修学資金の場合でも、千四百十一件が三年間で八百四十二件、やはり六割減少しています。貸付額の改善がされたとしても、実際には必要な都民にこれが十分周知徹底され利用されないということになれば、改善の意味がなくなってしまうということにもなりかねません。
 そこで質問したいわけですけれども、このように利用件数がこの数年間に大幅に減少している事態を、福祉局としてはどのように認識をされているのか。それで、今後、利用促進のためにどのような努力をしようとされているのか、お答えをお願いいたします。

○渡邉生活福祉部長 ただいま委員からご指摘ありました生活福祉資金の貸付実績の動向でございますけれども、ご指摘にもありましたが、私どもが実績として把握している限りにおきましても、平成九年度を境として、その貸し付けの状況が大分変わってきております。平成八年度までは緩やかな増加傾向でございましたけれども、九年度を境に減少に転じているということでございます。
 減少傾向を招いた直接的な要因につきましては、実施主体であります東京都社会福祉協議会においても把握しておりませんで、私ども自身も、その分析には必ずしも十分な情報を持っておりませんが、強いて推測すれば、大小さまざまな要因が考えられるところでございます。
 しかし、一般的に共通した理解が得られると思われますものは、改めて申すまでもありませんが、本制度が、手当等の給付ではなくて、あくまでも資金の貸し付けであって、後日必ず返還することが前提になっているというところがありまして、我が国が、平成九年度あたりを境にしてさらなる経済状況の悪化傾向が強まったこともあり、低所得者層、いわゆるボーダーライン層における家計収入の先行き不安等により、借り入れ動機に抑制が働く状況ではなかったか、このように考えております。現在もその傾向は続いているのではないかという認識でございます。
 それから、このような制度を十分利用いただくためのもろもろの配慮という点についてのお尋ねでございますけれども、これまでも、本制度の実施主体であります東京都社会福祉協議会や、実施受託窓口でございます区市町村の社会福祉協議会、いわゆる地区社協が、リーフレットやパンフレット、また全戸配布の社協だよりといった、受け手にとって一覧性、保存性、反復性という特性を持つ媒体を用いたPRに努めてきたところでございます。
 今後さらに、受け手のわかりやすさを基本に制度の周知を徹底するよう、東社協や地区社協に引き続き指導してまいりたいと思います。
 また、こうしたPRのさらなる努力に加えまして、行政側における基本的な取り組み姿勢として、日常生活において生活費等の各種資金の工面に困り、各区市町村の窓口に相談に訪れる方々に対しましては、その方々の生活実態に即した各種公的サービスの紹介を誠意を持って行う福祉総合相談機能の充実といったものを十分図っていく中で、他の制度の対象とならず、本制度の利用が考えられるケースにつきましては、速やかかつ確実に地区社協の窓口につないでいくシステムを構築するよう、区市町村及び地区社協に強く要請してまいりたいと思います。
 さらに、このたび新設されることとなります療養・介護資金のうち、介護費のように、今年度から導入される介護保険制度の円滑な定着を側面から支える重要な意義を有する貸付資金につきましては、介護保険の保険者たる区市町村への周知を図るとともに、要介護・要支援の介護サービス計画、いわゆるケアプランを作成するケアマネジャー等に本制度の理解を深めていただくよう情報の提供に努め、その方面からも、貸付利用者が必要な情報に接することができるよう、環境づくりを行っていきたいと考えております。

○吉田委員 今、幾つかの点について、一層努力をされていくというご答弁がありましたけれども、ぜひお願いしたいと思うのです。
 あわせて、今回、議案を審査するに当たって調べてみましたら、二年前に、生活福祉資金貸付事業のあり方に関する検討委員会報告というものが、区市町村の社協の担当者及び東京都の課長さんも含めた検討委員会の中で打ち出されておりました。
 その内容を見ますと、例えば、これをもっと徹底していく上で必要な相談体制を拡充すること、そのための相談担当職員の人件費を計上する必要があること、また、支払い困難という問題があるわけですけれども、延滞利子が高くて滞納している世帯に負担となっており、利率を下げる方向で見直しが必要であるというふうな、今いわれたこと以外も含めて、さまざまな積極的な提案が盛り込まれていると思うんですよね。
 今述べられたことも含めて、あわせてこの検討委員会報告の中で指摘されていることも含めて、必要なものをぜひ実現の方向で努力していただきたいということを要望させていただきまして、私の質問を終わります。

○松本委員 神藤福祉局長の最後の速記録に残る委員会という、局長にとっては記念すべき、思い出に残る委員会であるという話を先ほど聞きました。しからば、これはこのまま帰すわけにいかぬな、こういう思いがするわけであります。
 特に、神藤局長の時代といいましょうか、神藤局長は、高齢者施策推進室長としても、東京都福祉全般に大変大きな足跡を残していただいた方であります。四十年代から大幅に見直されることのなかった福祉を、大幅に新しい時代に向かってかじを大きく切り直した、そういう時代の局長であります。同時にまた、介護保険がスタートした時期に、その重責を担われました。また、区市町村への地方分権の流れの中で、福祉の担い手が東京都から区市町村へ、そういう大きな流れの中で、我が党の要望を聞いていただきまして、頑張れ福祉といった包括補助制度等々もスタートいただいた局長であります。
 ぜひこの機会に、議会に対して、あるいは石原都知事に対して、あるいは職員に対して、贈る言葉といいましょうか、指導を、きちっとこれだけはやってほしいという神藤局長の最後の熱い言葉をぜひ求めておきたい、こう思います。よろしくお願いします。

○神藤福祉局長 いろいろ今、ありがとうございました。私も七月末でやめるつもりではいますけれども、まだ内示もいただいておりませんし、そういう状況ではございませんので、ごあいさつにつきましては、また後日にさせていただきたいと思っております。

○曽根委員長 ほかにご発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉局関係を終わります。
 これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
     午後一時十七分散会

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