厚生委員会速記録第七号

平成十二年三月二十三日(木曜日)
   午後二時二十四分開議
 出席委員 十四名
委員長曽根はじめ君
副委員長三宅 茂樹君
副委員長小林 正則君
理事吉田 信夫君
理事曽雌 久義君
理事佐藤 裕彦君
原   環君
土屋たかゆき君
田中 智子君
藤田 愛子君
近藤やよい君
羽曽部 力君
藤川 隆則君
松本 文明君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉局高齢者施策推進室長福祉局長兼務神藤 信之君
総務部長押切 重洋君
高齢者施策推進室室長福祉局長兼務神藤 信之君
高齢政策部長有手  勉君
衛生局局長今村 皓一君
総務部長長尾 至浩君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 予算の調査(意見開陳)
 ・第一号議案 平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 厚生委員会所管分
 ・第五号議案 平成十二年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
 ・第六号議案 平成十二年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
 ・第二十号議案 平成十二年度東京都病院会計予算
 付託議案の審査(決定)
 ・第八十八号議案 東京都社会福祉審議会条例
 ・第八十九号議案 東京都児童福祉審議会条例
 ・第九十号議案 東京都保育士試験手数料条例
 ・第九十一号議案 東京都児童会館条例の一部を改正する条例
 ・第九十二号議案 東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
 ・第九十三号議案 東京都重度心身障害者手当条例の一部を改正する条例
 ・第九十四号議案 心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
 ・第九十五号議案 東京都心身障害者福祉手当に関する条例の一部を改正する条例
 ・第九十六号議案 東京都引揚者一時宿泊所条例を廃止する条例
 ・第九十七号議案 東京都介護保険財政安定化基金条例
 ・第九十八号議案 東京都シルバーパス条例
 ・第九十九号議案 東京都老人福祉手当に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百号議案 老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百一号議案 東京都軽費老人ホーム条例の一部を改正する条例
 ・第百二号議案 東京都立老人医療センター条例の一部を改正する条例
 ・第百三号議案 東京都立板橋看護専門学校条例の一部を改正する条例
 ・第百四号議案 東京都介護保険法関係手数料条例
 ・第百五号議案 東京都衛生局関係手数料条例
 ・第百六号議案 東京都環境衛生適正化審議会条例
 ・第百七号議案 理容師法施行条例
 ・第百八号議案 美容師法施行条例
 ・第百九号議案 食品衛生法施行条例
 ・第百十号議案 食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
 ・第百十一号議案 東京都立衛生研究所関係手数料条例の一部を改正する条例
 ・第百十二号議案 化製場等の構造設備の基準等に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百十三号議案 興行場の構造設備及び衛生措置の基準等に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百十四号議案 東京都監察医務院関係手数料条例の一部を改正する条例
 ・第百十五号議案 東京都地方精神保健福祉審議会条例の一部を改正する条例
 ・第百十六号議案 大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百十七号議案 東京都ふぐの取扱い規制条例の一部を改正する条例
 ・第百十八号議案 東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百十九号議案 東京都看護婦等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
 ・第百二十号議案 東京都動物の保護及び管理に関する条例の一部を改正する条例
 ・第百二十一号議案 保健所使用条例の一部を改正する条例
 ・第百二十二号議案 プール等取締条例の一部を改正する条例
 ・第百二十三号議案 東京都立心身障害者口腔保健センター条例の一部を改正する条例
 ・第百二十四号議案 東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
 ・第百二十五号議案 東京都立病院条例の一部を改正する条例
 ・第百二十六号議案 東京都立小児病院条例の一部を改正する条例
 ・第百二十七号議案 東京都立精神病院条例の一部を改正する条例
 ・第百二十八号議案 東京都立母子保健院条例の一部を改正する条例
 ・第百二十九号議案 東京都リハビリテーション病院条例の一部を改正する条例
 ・第百三十号議案 東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
 ・第百三十一号議案 東京都立し体不自由児施設条例の一部を改正する条例
 ・第百三十二号議案 東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
 ・第百三十三号議案 東京都立成東児童保健院条例の一部を改正する条例
 ・第百三十四号議案 東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
 ・第百三十五号議案 東京都立結核病院条例の一部を改正する条例
 ・第百三十六号議案 東京都立保健科学大学条例の一部を改正する条例
 ・第百三十七号議案 東京都公衆衛生修学資金貸与条例を廃止する条例
 ・第百三十八号議案 予防接種による健康障害者等に対する見舞金等の支給に関する条例を廃止する条例
 ・第百三十九号議案 東京都立医療技術短期大学条例を廃止する条例
 ・議員提出議案第二号 大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
 請願陳情の審査(決定)
 (1)一一第六七号の一 重度肢体障害者のグループホームに関する請願
 (2)一一第八四号 子育て支援に逆行する保育室制度の改定に関する請願
 (3)一一第九九号 保育室への補助金の充実に関する請願
 (4)一一第七八号 ひとり親家庭に対する福祉施策の充実と現行基準の維持に関する請願
 (5)一一第一〇一号 乳幼児医療費助成制度の充実に関する請願
 (6)一一第一〇七号の一 シルバーパス、医療費助成及び福祉手当等福祉施策の存続と充実に関する陳情
 (7)一一第一三七号 心身障害者の「重度手当、福祉手当、医療費助成」の現状維持に関する請願
 (8)一一第一三八号 心身障害者の福祉施策の見直しに関する請願
 (9)一一第一四一号 学童保育の充実に関する請願
 (10)一一第一四三号 シルバーパス、医療費助成、福祉手当等の都の福祉施策の存続と充実に関する請願
 (11)一一第一四九号 福祉の一律的な見直しの中止と障害者施策の継続・発展に関する請願
 (12)一一第一五一号 シルバーパス有料化、老人等の医療費助成と福祉手当の廃止・削減反対に関する請願
 (13)一一第一五二号 シルバーパス有料化、老人等の医療費助成と福祉手当の廃止・削減反対に関する請願
 (14)一一第一五四号 障害のある人たちの地域生活を充実するための施策の維持・拡充に関する請願
 (15)一一第一五九号 障害者福祉施策の継続・発展に関する請願
 (16)一一第一六三号 高齢者・障害者・乳幼児等の医療費助成制度の存続等に関する請願
 (17)一一第一六六号 シルバーパス有料化、老人等の医療費助成と福祉手当の廃止・削減反対に関する請願
 (18)一一第一七〇号
 (19)一一第一七四号
 (20)一一第一〇八号 東京都障害者福祉会館の都直営運営の継続に関する陳情
 (21)一一第一四六号 東京都障害者福祉会館の都直営の継続に関する陳情
 (22)一一第九四号 東京都老人医療費助成事業対象者の薬剤の一部負担金免除に関する陳情
 (23)一一第一四〇号 多摩都市モノレールの運賃割引制度の創設に関する請願
 (24)一一第九五号 高齢者福祉制度の存続に関する陳情
 (25)一一第一六一号 高齢者施策の拡充に関する請願
 (26)一一第四号 特別養護老人ホームの社会福祉施設運営費都加算事業の現行制度存続に関する請願
 (27)一一第四五号 特養マッサージ師の身分と仕事の確保に関する陳情
 (28)一一第九七号 精神障害者施策推進に関する請願
 (29)一一第九八号 精神障害者共同作業所運営費の補助金制度拡充に関する請願
 (30)一一第一〇四号の四 NPOに対する事業環境の整備及び支援制度の創設に関する陳情
 (31)一一第一五五号 精神障害者通院医療費公費負担に関する請願
 (32)一一第一六〇号 精神障害者施策推進に関する請願
 (33)一一第一六九号 精神障害者施策に関する請願
 (34)一一第一一〇号 原子爆弾被爆者の福祉事業実施に関する陳情
 (35)一一第一一五号 原子爆弾「被爆者の子」に対する医療費の公費助成の継続に関する陳情
 (36)一一第四三号 特殊疾病対策に関する陳情
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○曽根委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 当委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でありますので、さらに二十名追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○曽根委員長 次に、意見書について申し上げます。
 さきの委員会で理事会にご一任いただきました意見書中、お手元配布の意見書につきましては調整がついた旨、その他の意見書につきましては調整がつかなかった旨、それぞれ議長に報告すべきであるとの結論になりました。ご了承願います。
 案文の朗読は省略いたします。
   アレルギー性疾患対策の早期確立に関する意見書(案)
 近年、アトピー性皮膚炎、気管支ぜん息、アレルギー性結膜炎及び花粉症等のアレルギー性疾患に悩む患者・国民の数は増加の一途をたどり、今や「国民病」となりつつある。平成七年度の厚生省の調査によれば、乳児の二九%、幼児の三九%、小児の三五%、成人においては二二%に上っている。
 その要因としては、大気汚染、食生活・住環境における多くの人工化学物質、ダニ・カビ等の細菌の繁殖、ストレスの増加など、様々なものが考えられ、相互に複雑に絡み合っていると言われている。これらの疾患に悩む患者・国民は、効果的な治療法や的確な情報のないまま、不快症状から深刻な苦痛に至る様々な症状に悩まされ、日常生活や社会生活にも大きな影響がもたらされている。
 こうした状況を打開するためには、アレルギー性疾患発生の仕組みの解明と、より効果的な治療法の確立が一層強く求められている。
 よって、東京都議会は、政府に対し、総合的なアレルギー性疾患対策の推進を図るため、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 乳幼児健診において、アレルギー検査が促進されるよう予算の充実を図ること。
二 アレルギー性疾患の病態・原因の解明、効果的な治療法の開発推進のため、研究費の大幅増額を図ること。
三 研究拠点として国立のアレルギー総合センターを設置するとともに、アレルギー専門医の養成を図り、主要医療機関の「アレルギー科」の設置を促進すること。
四 アレルギー性疾患の発生を予防するため、食品中の抗原物質について、消費者にとって分かりやすい表示をさせること。
五 人体に有害な作用をもたらす化学物質の住宅などへの使用を規制し、安全なものへの転換を促進させること。
六 窒素酸化物や浮遊粒子状物質等の大気汚染物質の削減対策を強化すること。
七 山林等において、花粉症の原因となる杉等の樹種から他の樹種への転換を進めること。
 以上、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。
  平成十二年三月 日
         東京都議会議長 渋谷 守生
内閣総理大臣
厚生大臣
農林水産大臣
通商産業大臣
自治大臣
環境庁長官  あて
   歯科矯正への保険適用に関する意見書(案)
 健康な身体を保つために、歯は重要な働きをしている。しかし、近年子どもたちの嗜好は、固いものより軟らかいものを好む傾向があり、噛むことが少なくなったこともあって、顎の発達が悪く歯並びの悪い子どもが多くなったと言われている。
 乱れた歯並びや不正咬合は、外見の悪さやそれによる心的な影響だけでなく、虫歯や歯周病、顎関節症などの原因にもなり、更には、脳の発達にまで悪い影響を与えると言われている。このような理由から、既に学校の歯科検診に歯並びの項目が設けられたところである。
 また、大人になってから歯並びが悪くなった場合でも、上手に噛めないことにより、食物の消化が悪いなど、健康に様々な影響が現れるため、中年からの歯科矯正の意義を認める歯科医もいる。
 不正咬合は、歯科矯正により、ほぼ一〇〇%治るところである。しかし、歯科矯正で、健康保険が適用されるのは唇顎口蓋裂や顎変形症などの顎の手術を伴う特殊な場合だけで、それ以外の場合は、治療費が一般的に五十万円から百万円と余りにも高額で全額自己負担のため、治療を断念する人も少なくない。
 よって、東京都議会は、政府に対し、国民の健康増進に資するため、医療上の機能回復を目的とする歯科矯正を保険適用の対象とするよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。
  平成十二年三月 日
         東京都議会議長 渋谷 守生
内閣総理大臣
厚生大臣
自治大臣   あて

○曽根委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算調査、付託議案の審査及び請願陳情の審査並びに閉会中における請願陳情及び特定事件の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 初めに、理事者より報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○有手高齢者施策推進室高齢政策部長 シルバーパス制度の見直し後のシルバーパス交付方式についてご報告いたします。
 現在、事業主体である社団法人東京バス協会がバス事業者に委託してシルバーパスを交付する方式を検討しております。見直し後のシルバーパス事業は、東京バス協会定款第四条の二に定める地方公共団体からの交付金を運用して行う事業のうち、バスの利用者の利便の増進を図るための事業に該当する公益事業であると考えております。
 したがいまして、東京バス協会のシルバーパスの交付は、営利を目的とするものではなく、商行為には当たらないと考えております。また、バス事業者が行う高齢者に対するシルバーパスの交付は、東京バス協会との委託契約を履行する行為でございます。
 以上で、簡単でございますが、説明を終わります。

○曽根委員長 報告は終わりました。

○曽根委員長 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、厚生委員会所管分、第五号議案、第六号議案及び第二十号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○羽曽部委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された平成十二年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 都財政は、今、重大な危機に直面しております。また、都政運営も著しい制度疲労を生じております。そうした中、我が党は、これまでも、今日的な改革と中長期的改革の二つの視点に立って、都の行財政改革を断行していかなければならないと主張してまいりました。ここ数年の都財政の課題は、税収の落ち込みを、歳入、歳出の両面からどのようにカバーし、限られた財源をいかに効果的に生かして行政水準を保持していくかであります。
 このような厳しい行財政状況の中で編成された平成十二年度予算案は、財政構造改革に取り組むとともに、都民の生活を守りつつ、巨額の財源不足の解消と財政再建の達成に向けて、確実な第一歩を踏み出す予算というふうに知事は位置づけております。財源の確保に当たっては、職員給与の削減を初め減債基金積み立ての一部計上見送りなどの特別な財源対策を行うとともに、都税収入の徴収率を引き上げる努力をしております。
 また、我が党を初めとして都議会でつくった議員連盟が、知事とともに国に強く働きかけた結果、富裕団体としての財源調整措置を一部改善することができたわけでございます。加えて、大手銀行に対する外形標準課税と特別区内の新築住宅に対する固定資産税と都市計画税の減免の提案は、都民生活を守り、都財政の再建を図るとともに、景気回復の刺激策として、高く評価をしているところでございます。
 しかし、このような特別な財源の対策は、いつまでも続けることはできないわけであります。今後も一層の財政構造改革の取り組みを強化する必要があります。今回の外形標準課税導入を契機として、地方分権の時代にふさわしい財政自主権の実現のために、一層の取り組みをしていただきたいというふうに思うのでございます。
 なお、予算の執行に当たっては、各局とも一層効率的な事業の運営に努め、都民の期待にこたえるべく最大限の努力を重ねるように強く要望しておきます。
 次に、この厚生委員会所管の福祉局、高齢者施策推進室、衛生局の三局の事業相互間に密接に関連したことを申し上げたいと存じます。
 昨年、都の十二年度の予算編成時期に、多くの都民は、心身障害者医療費助成制度やシルバーパスあるいは都の老人医療費助成制度は、平成十二年度から廃止になるのではないか、このような不安を持っていました。そこで、我が党は、昨年十二月に、知事に福祉、医療について、二度にわたり緊急の要望を出しました。その結果、都民生活の実態に配慮した見直しとなりましが、福祉施策は、社会経済の変化とともに見直し、時代や社会により適した新しいものとしていく必要がございます。そういう時代です。
 そこで、この視点から、さきに策定した福祉改革ビジョン、二十一世紀高齢社会ビジョンの実現に向けた取り組み方針を都民に早急に示し、着実に推進されるように要望します。また、医療と福祉が連携して都民生活を守ることも都政の大きな、最も重要な課題でございます。これまで以上に、都は全庁的に取り組んでいただきとう存じます。
 次に、各局関係について申し上げます。
 まず、福祉局関係について、十項目ほど要望を申し上げたいと存じます。
 一、女性の社会参加の増加や保護者の就労形態の多様化に伴うさまざまな保育ニーズにこたえるために、保育時間の延長を促進するとともに、ゼロ歳児保育、保育室等の定員を大幅に拡大されたい。
 二、少子化の一層の進行、地域や家庭の養育機能の低下などに対応し、地域での子育てを支援するため、子ども家庭支援センターの増設を支援するとともに、産褥期にヘルパーを派遣して出産直後の育児を支援するなど、子どもと家庭に関する在宅サービス事業を充実していただきたい。
 また、ひとり親家庭の自立を支援する施策を進めること。さらに、乳幼児医療費助成事業の対象年齢を五歳未満の児童まで一歳引き上げるとともに、児童虐待対応協力員を全児童相談所に配置し、児童の健やかな成長を、そして育成を支援していただきたい。
 三、障害者が地域で自立した生活を送れるように、二十四時間巡回型ホームヘルプサービス及び中軽度の知的障害者に対する家事援助サービスを開始するとともに、在宅の障害者に総合的な相談や各種の情報提供等を行う障害者地域自立生活支援センターの設置促進を図っていただきたい。
 四、障害者が住みなれた地域の中で、自分のライフスタイルに合った住まい方を選択できるよう、知的障害者生活寮を大幅に拡大するとともに、重度の知的障害者のための重度生活寮を本格的に実施されたい。また、重度身体障害者グループホームへの補助をモデル的に実施していただきたい。
 五、障害者が必要な援助を受けながら就労できるように支援する区市町村障害者就労援助モデル事業や、中軽度の知的障害者の社会参加を促進するため、知的障害者へのガイドヘルパー派遣を実施していただきたい。
 六、障害者施設等への入所待機者解消を目指し、社会福祉法人や区市町村の社会福祉施設整備助成を積極的に行い、その設置促進に努めていただきたい。
 七、福祉の変革に伴い、区市町村の役割が増大してございますが、区市町村を支援する福祉改革推進補助事業を実施していただきたい。
 八、知的障害者や痴呆性高齢者などの判断能力が不十分な方、これらの人が適切な福祉サービスを受けられるように援助する地域福祉権利擁護事業を実施するとともに、社会福祉法人などに関する情報を都民に提供するシステムを構築されたい。また、障害者が施設サービスを安心して利用できるよう、心身障害者児入所施設のサービス評価事業を大幅に拡充していただきとう存じます。
 九、高齢者、障害者を初め、すべての都民にとって暮らしやすいまち東京を実現するために、民間タクシー事業者に対し、リフトつきタクシーへの改造費用を助成するとともに、だれにでも乗りおりしやすいバス整備事業や、鉄道駅舎へのエレベーター等の整備を大幅に拡充していただきとう存じます。また、福祉のまちづくりに関する情報を都民に対し積極的に提供していただきたい。
 十、施設で介護に従事する職員など福祉人材の養成確保と資質の向上を図るため、人材養成計画を策定するとともに、東京都社会福祉事業団が実施する人材養成機関の整備を進められるように、支援をしっかりとやっていただきたい。
 次に、高齢者施策推進室関係について、三項目にわたって申し上げとう存じます。
 一、介護保険のスタートに、区市町村とともに万全を期されたい。
 特に、都民の不服審査を処理する介護保険審査会や区市町村の介護保険財政の安定化のための財政安定化基金の運営により、介護保険の円滑な実施が行われるように十分に配慮を尽くしていただきたい。
 また、利用者が安心してサービスを利用できるよう、区市町村等と連携した中でサービスの苦情等を受けとめる仕組みや事業者ガイドラインの検証を行い、介護保険が利用者本位の制度となるように、利用者保護の仕組みづくりの充実にしっかりと取り組んでいただきたい。
 さらに、第三者によるサービス評価の仕組みづくりに取り組み、事業者のサービスの質の向上を図っていただきたい。
 二、介護保険において重要な役割を果たす特別養護老人ホームの計画的整備を図るとともに、老朽化した施設の改築や、設備面で劣るであろう施設の設備更新を、着実にリフォームをしていただきたい。
 また、特別養護老人ホームが介護保険制度に円滑に移行するように、経営の安定化やサービスの質の向上への取り組みに対して、工夫と創意を尽くし、新たな支援策を講じていただきたい。
 さらに、老人保健施設の計画的整備を進めるとともに、できる限り住みなれた地域で、家庭で生活し続けられるように、在宅サービス基盤の整備にしっかりと取り組んでほしい。
 その他、空き教室を高齢者在宅サービスセンターに転用する改修費補助を着実に進めるとともに、痴呆性高齢者グループホームの増設を区市町村と連携して充実促進をしていただきたい。
 三、介護保険で自立と認定されたひとり暮らし高齢者等が、地域で安心して、安全だというそんな生活をできるように、寝たきり予防や生活支援等を行う介護予防・生活支援事業に積極的に取り組むとともに、元気な高齢者の社会参加や自立支援を一層促進するために、各種補助事業をメニュー化した都独自の包括補助事業を拡充し、地域福祉推進の主体である区市町村が、地域の実情に応じたサービスを主体的に展開できるように配慮していただきたい。
 次に、衛生局関係に移ります。衛生局関係については、十一項目にわたって要望申し上げたいと思います。
 一、本年四月から実施される介護保険制度の円滑な実施に向け、施設サービスの基盤の一つである療養型病床群について、高齢者等が十分なサービスの提供が受けられるよう、整備規模を大幅に増床するほか、療養環境の改善も図るなど、その取り組みの一層の強化を図っていただきたい。
 二、高齢化社会の一層の進行を踏まえ、保健、医療、福祉が一体となったサービスの提供体制を確立するため、都民にとって利用しやすい地域医療システムの構築に努められたい。
 三、少子化対策として、周産期医療システムの整備や乳幼児特殊救急医療事業の着実な推進を図っていただきたい。
 また、母子保健医療に関する相談体制の充実にも努めていただきたい。
 四、都民の健康づくりを推進するため、病気の早期発見や治療にとどまらず、健康を増進し、発病を予防するための生活習慣改善指導などの健康づくり推進事業を積極的に推進していただきとう存じます。
 五、救急医療対策について、三百六十五日、二十四時間稼働し、いかなる症状にも応じた適切な医療が身近な地域で受けられる体制の整備をしっかりとーーきのうの議論の中でも出たように、確認して図っていただきたい。
 六、内分泌攪乱化学物質問題についてであります。環境調査や溶出物質調査などを積極的に推進し、現状をしっかりと分析して把握していただくとともに、的確な情報提供に努められたい。
 また、母乳や食品に含まれている、あの怖いダイオキシン類について、引き続き健康影響調査などを実施し、継続的な実態把握に努めてほしい。
 七、難病医療費助成制度の重症患者対策の強化を図るほか、訪問診療や居宅生活支援事業など、在宅難病患者に対する施策を充実していただきとう存じます。
 八、災害時後方医療施設における耐震性を引き続き強化するとともに、応急用医療資器材の整備やライフラインの確保に対する整備を充実させるなど、災害医療体制に万全を期していただきたい。
 九、感染症対策についてです。平成十一年四月に施行された感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律を受けて、医療体制の確保や感染症情報の収集、解析、提供など、新しい時代の感染症対策に向けた事業の再構築をしっかりとやってほしい。
 十、高齢者や障害者等に対する歯科医療サービスの一層の向上を図るため、歯科医療連携推進事業の定着を図るとともに、成人に対する歯の健康づくり対策となる歯周疾患改善指導事業を創設するなど、歯科医療体制の整備に努められたい。
 十一、都立病院の診療体制や高度専門医療の一層の充実を図るとともに、救急医療や土曜日の診療など、診療体制の強化にこれ努めてほしい。
 また、医療事故の根絶に組織を挙げて取り組まれたい。
 以上をもちまして意見の開陳が終わるわけでありますけれども、自民党は、社会の弱い人々に、社会の谷間にある弱い人々に政治の光を強く与えていこう、これが基本的スタンスであります。ここが私どもの基本的な政策姿勢であることを申し添えて、意見の開陳を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○田中委員 私は、日本共産党都議団を代表して、来年度予算の本委員会所管分についての意見を開陳します。
 今、都民が東京都予算に求めているのは、これまで都が全国に先駆けて都民要望にこたえ切り開いてきた福祉、医療の諸制度を、二十一世紀への土台としてしっかり守り、充実させながら、介護保険に伴う在宅サービスの拡充など、新たな福祉の拡充に取り組むことであります。そして、都民の暮らしや福祉に犠牲を負わせることなく、都財政を立て直していくことであります。
 ところが、来年度予算案は、かけがえのない福祉、医療の制度を大きく後退させるものです。福祉費全体でも、今年度に比べ二百四十四億円の削減です。今必要なのは、これまで営々と築いてきた医療費助成、福祉手当、シルバーパスなどの諸制度と在宅サービスの両方を充実、発展させることです。そのために大型公共事業優先の財政構造を根本的に改革し、福祉関係予算の思い切った増額、拡充が必要であります。
 以上の立場から、以下、各局別に意見を述べます。
 まず、福祉局関係です。
 一、心身障害者医療費助成の所得制限強化や自己負担導入を行わず、対象から高齢者を除外しないこと。
 一、重度心身障害者手当の所得制限導入を行わず、対象から高齢者及び三カ月以上入院者を除外しないこと。
 一、心身障害者福祉手当の所得制限強化を行わず、対象から高齢者を除外しないこと。
 一、児童育成手当の所得制限強化を行わないこと。
 一、ひとり親家庭医療費助成の自己負担導入を行わないこと。
 一、乳幼児医療費助成の入院食事代負担の導入を行わないこと。対象年齢を就学前まで拡大し、さらに所得制限の撤廃を図ること。
 一、保育所の整備、増改築を促進し、早期に待機児解消を図ること。現行の特例保育の職員配置を維持するとともに、時間延長保育、ゼロ歳児保育及び病児保育などの充実を図ること。
 一、子ども家庭支援センターの整備促進を図ること。産前産後のヘルパー派遣、一時保育などの在宅支援事業の充実を図ること。
 一、保育室への助成は、三歳以上児の補助を継続するとともに、三歳未満児の補助を充実すること。
 一、学童保育の運営費補助を拡充すること。
 一、児童の権利擁護及び児童虐待への対策を強化すること。
 一、二十四時間巡回型を初め心身障害者へのヘルパー派遣事業の拡充を図ること。
 一、共同作業所を初め障害者の通所訓練事業等への補助の拡充を図ること。障害者の就労支援を強めること。
 一、生活寮への支援を拡充し、重度生活寮を本格実施すること。重度身体障害者グループホームの運営費補助を実施すること。
 一、知的障害者及び重度視覚障害者へのガイドヘルパー派遣事業、手話通訳派遣事業、盲聾者通訳派遣事業の拡充を図ること。
 一、身体障害者療育施設、調布通勤寮を初め心身障害者施設の整備促進を図ること。
 一、ノンステップバスの導入を初め福祉のまちづくりを促進すること。
 一、ケアマネジャー、ホームヘルパー、介護福祉士などの福祉人材養成を促進すること。
 一、地域福祉振興事業補助、地域福祉推進事業補助の拡充を図ること。
 一、民間社会福祉施設における利用者サービス、職員の待遇における公私格差の是正を図り、支援を強めること。
 一、新たな包括補助は、区市町村の要望にこたえた使いやすい制度とすること。
 一、特別区、市町村及び国民健康保険組合への補助を増額すること。
 一、都直営施設の民間委託は再検討すること。
 次に、高齢者施策推進室関係です。
 一、シルバーパスの全面有料化は行わず、現行制度を存続すること。
 一、老人医療費助成制度は廃止せず、現行どおり存続すること。
 一、老人福祉手当は廃止せず、介護保険実施後の状況の実態調査を行うこと。
 一、特別養護老人ホーム都加算事業は現行水準を維持すること。あんまマッサージ師の配置を継続すること。
 一、特別養護老人ホーム、老人保健施設、ショートステイ、在宅サービスセンター、ヘルパー派遣を初めとする施設、在宅の介護サービス基盤整備を促進すること。
 一、特別養護老人ホーム整備の用地費助成は現行どおり継続すること。
 一、介護保険の保険料、利用料の減免を行っている区市町村への支援を行うこと。
 一、介護保険の対象となる人が、現行サービスより後退しないよう対策を講じること。
 一、在宅サービスセンターへの経営支援事業を実施すること。
 一、生活支援ヘルパー派遣を初め介護予防・生活支援事業を抜本的に拡充すること。介護保険の対象外となる人の現行サービスが後退しないようにすること。
 一、住宅改造助成は現行水準を維持すること。
 一、新たな包括補助は、区市町村の要望にこたえた使いやすい制度とすること。
 一、痴呆性高齢者に対する支援を強めること。
 一、グループホーム、ケアハウスの整備促進を図ること。
 一、シルバーピアの整備促進を図るとともに、入居者の高齢化に対応した制度の改善を図ること。
 一、老人クラブなど高齢者の自主的活動への支援を強めること。
 次に、衛生局関係です。
 一、精神障害、結核、小児慢性疾患、原子爆弾被爆者の子、特殊疾病疾患、大気汚染健康障害など十四項目の医療費助成に対する自己負担導入等を行わず、現行制度を堅持すること。診断書料への助成を継続すること。
 一、看護学校の授業料、都立病院の診断書料、分娩料など、衛生局所管の使用料、手数料の値上げは行わないこと。
 一、看護学生に対する修学援助資金の貸与については、規模と内容を充実するとともに、都の貸与の返還免除についても継続すること。
 一、療養型病床群の整備を促進すること。
 一、精神障害者授産施設、共同作業所、グループホームの設置を促進し、補助の拡充を図ること。
 一、精神障害者手帳の交付による福祉サービスを拡充すること。精神障害者の都営交通無料パスを実施すること。
 一、難病患者へのホームヘルパー派遣を初めとする居宅生活支援事業を拡充すること。難病患者の医療費一部負担はなくすこと。
 一、重度心身障害者児の訪問看護、ショートステイを拡充すること。
 一、東部療育センターを早期に建設すること。
 一、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第三十八条及び第三十九条に基づく被爆者への福祉事業を実施すること。
 一、団体委託料、補助金の削減をやめること。
 一、総合的な地域リハビリテーション体制整備を図ること。
 一、都立病院については、高度専門医療とともに、地域医療の中核的役割を担う病院として充実を図ること。
 一、都立病院の医師、看護婦をふやすこと。給食調理や医療作業などの民間委託を再検討すること。
 一、地域医療システムを確立すること。民間病院、診療所への支援を強めること。
 一、救急医療体制の充実を図ること。
 一、アレルギーやダイオキシン、環境ホルモンなどへの対策を抜本的に拡充すること。
 一、乳幼児健診に対する区市町村への支援を拡充すること。
 一、保健所の保健婦を増員すること。
 一、公立病院の運営に対する補助を拡充すること。
 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。

○原委員 私は、都議会公明党を代表して、当委員会に付託されました平成十二年度予算案について意見開陳を行います。
 都政における現下の最大の課題は、何としても財政再建団体への転落を回避することであります。したがって、平成十二年度東京都一般会計予算案が、対前年度比三千百億円、四・九%減となり、経常経費が四年連続、投資的経費が八年連続マイナスという超緊縮予算となったことは、やむを得ない事態と考えます。
 このような厳しい財政状況下にあって、自治体の課税自主権の確立、さらに地方分権の財政的裏づけを確保するため、大手銀行への外形標準課税の導入に踏み切ったことは高く評価できます。これを契機に、国と地方をめぐる税財政制度の論議を深め、自治体の財源確保に向けて具体的に改善を図っていく必要があります。
 平成十二年度予算案は、財政構造改革に着手するとともに、効果的な景気対策の実施や多様な都民ニーズに的確に対応するという、二律背反的な要請にもこたえていかなければなりません。その意味で、投資的経費が対前年度比二〇%減という状況にあっても、都営住宅へのエレベーター設置、渋滞解消など都市交通網の整備、病院や学校等の耐震化促進等々、景気効果の高い都市型公共事業及び生活関連、防災関連公共事業を着実に実施していくべきであります。
 一方、保健と福祉にかかわる予算は、歳出の構成比が過去最高の一一・五%となり、工夫と努力の跡がうかがえます。我が党は、将来への明るい展望を伴わない安易な施策の見直しは認められないと、一貫して主張してきました。
 その結果、シルバーパスや都営住宅の家賃減免制度は存続し、乳幼児医療費助成は五歳未満児まで対象が拡大されました。また、かねてより我が党が主張してきた、精神障害者の都営交通無料乗車券交付事業も発足することになりました。今後とも、社会のセーフティーネットといえる保健、福祉サービスの整備に取り組んでいかなければなりません。
 都の財政再建推進プランでは、平成十五年度までに六千三百億円の恒常的な歳出削減を達成するとして、施策の見直しは一定の達成率を確保しています。しかし、内部努力や歳入確保策については、さらなる努力が必要であります。
 二千人超の職員定数削減、全国で最も厳しい給与の見直しなどは高く評価するものの、組織の見直し、民営化の推進やアウトソーシングなどの手法の活用、外郭団体の再編、統廃合、効果的でわかりやすい行政評価制度の導入など、一層の行政改革への取り組みを求めるものであります。
 以下、各局別に申し上げます。
 初めに、福祉局関係について申し上げます。
 一、急速に進む少子高齢化と相まって、大きな変化を見せる社会経済状況を的確にとらえ、新しい時代に適合する福祉施策を展開し、二十一世紀を見据えた福祉社会の実現を目指すため、福祉改革ビジョンの具体化に向けた方針を早期に示されたい。
 一、少子化の一層の進行など、子どもと家庭を取り巻く環境が大きく変化する中、子どもの健やかな成長を支援するため、乳幼児医療費助成事業の対象年齢を五歳未満の児童まで引き上げられたい。
 また、子ども家庭支援センターの全区市町村での着実な実施に向けて増設を支援するとともに、産褥期ヘルパー派遣事業の開始やショートステイ事業等の拡充により、子ども家庭在宅サービス事業補助を充実するなど、地域での子育てを支援されたい。
 一、急増する子どもへの権利侵害に対して、権利擁護システムの整備のため、子どもの権利条例についての検討を行うとともに、児童虐待に適切に対応するため、関係機関との連絡調整等を行う児童虐待対応協力員をすべての児童相談所に配置するなど、児童の健全育成対策を充実されたい。
 一、女性の社会参加の増加や保護者の就労形態の多様化などによる、仕事と子育ての両立を支援するため、延長保育事業の充実を図るとともに、零歳児保育、保育室等の定員を大幅に拡大されたい。
 また、ひとり親家庭への就労支援計画の策定や総合支援事業の実施をするとともに、ホームヘルプサービス事業補助を拡充し、その自立を支援する施策を充実されたい。
 一、心身障害者児ホームヘルプサービス事業については、二十四時間巡回型サービス及び中軽度の知的障害者に対する家事援助サービスを実施するとともに、心身障害者児緊急保護事業の拡充や、在宅の障害者に総合的な相談や各種の情報提供等を行う障害者地域自立生活支援センターの増設を図り、障害者が地域において自立した生活ができるよう支援されたい。
 また、障害者が必要な援助を受けながら就労するための区市町村障害者就労援助モデル事業や、中軽度の知的障害者の社会参加を促進するための知的障害者ガイドヘルパー派遣事業を実施されたい。
 一、障害者が住みなれた地域の中で、自分に合った住まい方を選択して暮らせるよう、知的障害者の居住の場を提供し、自立生活を援護、指導する知的障害者生活寮を大幅に拡大するとともに、重度の知的障害者のための重度生活寮を本格的に実施されたい。
 また、重度の身体障害者が地域生活を安心して送れるよう、重度身体障害者グループホームモデル事業補助を実施されたい。
 一、知的障害者施設や身体障害者療護施設等の社会福祉施設整備を行う社会福祉法人や区市町村に対する積極的な助成により、その設置を促進し、入所待機者の解消を図られたい。
 また、都立社会福祉施設が時代の変化に対応し、地域に開かれた柔軟で弾力的な施設運営ができるよう、社会福祉法人東京都社会福祉事業団への管理、運営委託を促進されたい。
 一、行政が決定する福祉から、都民が選択する福祉へと転換するなど、福祉改革ともいうべき大きな変革に的確に対応して、区市町村が在宅福祉を中心とする施策展開を図れるよう、福祉改革推進補助事業を実施するとともに、地域福祉推進事業補助を充実し、その支援に努められたい。
 一、知的障害者や痴呆性高齢者など、判断能力が不十分な方を援助し、適切な福祉サービスが受けられるよう、地域福祉権利擁護事業の実施や、社会福祉法人などに関する情報を都民に提供する社会福祉法人情報システムの充実を行うとともに、心身障害者児入所サービス評価事業を拡充し、都民が必要とする在宅及び施設サービスを安心して選び、利用できる支援システムの充実を図られたい。
 一、民間タクシー事業者に対し改造経費を助成する、リフトつきタクシー整備事業を実施し、また、だれにも乗りおりしやすいバス整備事業や鉄道駅エレベーター等整備事業の大幅な拡充を図るとともに、都民に対し、積極的に福祉のまちづくりに関する情報提供を実施し、高齢者、障害者を初め、すべての都民にとって優しいまち東京の実現に努められたい。
 一、在宅、施設を問わず、福祉を支えるかなめとなる福祉人材の養成確保と資質の向上を図るため、福祉人材の総合的な養成計画を策定するとともに、東京都社会福祉事業団が実施する、高い専門性を持つ人材を重点的に養成する新たな人材養成機関の整備を着実に進められるよう、引き続き支援されたい。
 次に、高齢者施策推進室関係について申し上げます。
 一、介護保険制度の実施が目前に迫った。区市町村と連携し、介護保険制度が都民にとって安心して利用できるものとなるよう、制度の運営に万全を期されたい。
 一、これからは、都民が安心してサービスを利用できるよう、利用者保護の仕組みを着実に整備していく必要がある。利用者が安心してサービスを利用するために、適切な事業者情報を提供し、都民がサービスを的確に選択できるようにするとともに、相談、苦情等に対応するマニュアルの改訂や事業者のガイドラインの検証等を行い、サービス利用者を保護する仕組みを充実されたい。
 あわせて、サービス利用者が事業者を選択する際の指標となる第三者評価の仕組みを構築することにより、サービスの質の向上を図られたい。
 また、都に設置される財政安定化基金の運営については、国や区市町村と連携し、公平かつ適切な運営を図られたい。
 一、特別養護老人ホームや老人保健施設とともに、都民の介護を担う重要な施設サービスとして、介護療養型医療施設の充実に、より一層取り組まれたい。
 一、特別養護老人ホームが介護保険に円滑に移行できるよう、経営の安定化やサービスの質の向上の取り組みに対して適切な支援を行われたい。
 一、介護を必要とする高齢者が、必要なときに必要なサービスを受けられ安心して生活できるよう、介護基盤の充実に区市町村と連携して取り組む必要がある。
 特に、痴呆性高齢者のための痴呆性高齢者グループホームの整備に当たっては、国制度とあわせて、都単独の補助も組み合わせながら、区市町村と一体となって、その設置促進に取り組まれたい。
 一、介護保険の実施に当たり、高齢者が要介護の状態にならないための予防策や生きがい対策は、介護保険と並んで、車の両輪とも位置づけられる。要介護認定で制度の対象とならない高齢者や、ひとり暮らし高齢者等への生きがい対策、自立生活支援策等の寝たきり予防のほか、介護保険制度の対象とならないサービスなど、保険福祉施策を総合的に実施できるよう、区市町村を支援されたい。
 一、これからの高齢社会では、元気な高齢者が増加する。高齢者が持てる経験や能力を生かして、生き生きと生活できる社会をつくり上げるため、元気高齢者の社会参加の仕組みづくりの構築に、区市町村と一体となって取り組まれたい。
 また、区市町村が地域の実情に応じてさまざまな事業を展開できるよう、各種事業をメニュー化して包括的に補助する都単独の包括補助事業を大幅に拡充し、高齢者の社会参加や生きがい対策を拡充されたい。
 次に、衛生局関係について申し上げます。
 一、本年四月に始まる介護保険制度の定着に向け、長期の療養を必要とする高齢者等が療養するのにふさわしい環境を備えた療養型病床群の整備を一層強力に推進されたい。
 一、ハイリスク妊婦や新生児医療に対応するための新生児集中治療室(NICU)の整備など、高度な母子医療体制を確立し、二十四時間体制で対応できる周産期医療システムの整備促進を図られたい。
 一、都民の健康づくりの観点から、健康を増進し、発病を予防するための一次予防に重点を置いた施策を強力に推進するため、新たに生活習慣病対策などに取り組まれたい。
 一、精神保健福祉施策の一層の充実のため、精神科救急医療体制を拡充するほか、地域生活支援センター運営費補助や精神障害者ホームヘルプ事業を充実させるなど、精神保健福祉施策の充実に努められたい。
 また、都営交通無料乗車証の発行の円滑な実施について検討されたい。
 一、都における災害時の医療救護体制を強化するため、災害時後方医療施設に対し応急用資器材の整備を進めるほか、災害拠点病院が実施する施設整備に対して助成を行うなど、その充実に努められたい。
 一、休日・夜間の救急診療事業については、いつでも必要なときに医療が受けられるよう、二次救急医療体制の充実を図られたい。
 一、障害者や寝たきり高齢者等が地域において必要な歯科医療サービスが受けられるよう、かかりつけ歯科医の定着と歯科医療連携体制の確立を図り、障害者等歯科保健医療体制の整備を推進されたい。
 一、高次脳機能障害者対策について、その実態を把握し、社会的支援のあり方を検討するための調査研究を推進するとともに、障害の診断技法の確立や専門医療機関への支援策として、相談体制を引き続き維持するとともに、都民への普及啓発を充実されたい。
 一、SIDSにより子どもを亡くした親の精神的支援策として、相談体制を引き続き維持するとともに、都民への普及啓発を充実されたい。
 一、難病医療費助成制度の充実に努めるとともに、入院治療が必要となった在宅重症難病患者に対して適時適切な入院施設が確保できるよう、医療体制の整備を図られたい。
 一、内分泌攪乱化学物質対策について、人の健康や生態系への影響など、調査研究を引き続き実施するとともに、調査結果や情報の提供により都民の不安を解消されたい。
 また、母乳、食品中に含まれるダイオキシン類による汚染実態についても継続的な調査を行い、都民への影響の把握に努められたい。
 一、近年、急増が著しいエイズ患者対策について、偏見のない社会の実現のため、普及啓発活動を推進するとともに、エイズ診療の核となるエイズ診療拠点病院と一般医療機関とのネットワーク化を推進し、患者がより身近なところで適切な医療を受けられるよう体制を整備されたい。
 一、多摩、島しょの地域医療を確保するため、公立病院に対する運営費を、より経営実態に即した助成となるよう努めるとともに、施設整備補助等について、その充実を図られたい。
 一、大気汚染にかかわる健康被害救済の問題については、原因者の責任と適正負担のあり方、対象者の範囲や認定方法など、現行制度全般にわたる総合的な見直しに努められたい。
 一、患者数が増加傾向に転じた結核緊急患者の円滑な受け入れ及び治療が行えるよう、結核病床の適切な確保など、結核対策の充実に努められたい。
 以上で意見の開陳を終わります。

○土屋委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に依頼された平成十二年度予算にかかわる議案について意見の開陳を行います。
 平成十二年度東京都予算案は、一般会計において、昭和六十三年度以来十二年ぶりに六兆円を割り込む五兆九千八百八十億円、前年度比三千百億円、四・九%の減となりました。
 しかし、歳入、歳出の両面にわたる徹底した見直しにもかかわらず、確保された財源は一千九百四十億円にとどまり、なお三千二百四十二億円もの財源不足が生じています。引き続き財政構造の転換を図っていくことは当然でありますが、分権改革において先送りにされている国から自治体への税財源の移譲を早期に図る必要があります。
 石原知事が提案した銀行業等に対する外形標準課税の導入は、このような状況に対する鋭い問題提起であり、将来世代の借金となる国債を乱発しながらも、肝心な課題を先送りし続ける政府を告発するものであります。
 福祉と保健は、前年度に比べ減少しましたが、構成比は過去最大の一一・五%となりました。福祉、高齢施策の見直しについては、第四回定例会での私たちの代表質問などを反映したものと評価していますが、障害者施策の見直しについては、障害者及びその家族に大きな負担を強いるものとなっており、より一層の配慮を求めるものであります。
 そのほか、福祉と保健以外でも、私たちが主張してきた都立高校の活性化、創業の支援、自動車公害対策、都市防災づくりなどにおいても意欲的な姿勢も見られることは評価したいと思います。
 使用料、手数料の改定も提案されていますが、これらに係る施設、施策については、個々に行政サービス計算書を作成し、収支の状況を都民に公開するよう求めるものであります。
 また、私たちは、現在の財政再建を単なる歳出削減にとどめることなく、国、都、区市町村、そして都民との役割分担の見直し、行政評価制度の導入、PFIの活用など事業執行手法の改革、予算編成、人事制度の見直し、組織体制の再編整備などの都政改革の推進につなげていくべきと考えます。
 以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し述べます。
 まず、福祉局についてであります。
 一、子ども家庭支援センターの整備など、子育てに対する支援体制を整備すること。また、乳幼児医療費助成事業の対象年齢を引き上げるなど、子育て世帯の経済的支援に努めること。
 一、零歳児保育や延長保育など保育サービスを充実すること。また、保育室や家庭福祉員に対する助成を充実し、特に保育室については、一歳児加算の導入を図ること。
 一、ひとり親家庭を支援するために、ホームヘルプサービスの充実やひとり親家庭就労支援計画の策定、ひとり親家庭総合支援事業を新たに実施すること。
 一、心身障害児医療費助成など、障害者施策の見直しに当たっては、障害者及びその家族に大きな負担を強いることのないよう、より一層の配慮をすること。
 一、障害者の地域での自立した生活を支援するため、ホームヘルプサービスの充実や障害者地域自立生活支援センターの設置拡大、ガイドヘルパー等派遣事業、区市町村障害者就労援助モデル事業などを実施すること。
 一、緊急に保護を必要とする心身障害者児を一時保護するために、ショートステイやデイサービスの充実を図ること。
 一、重度の身体障害者が地域で生活を営めるようグループホームの設置促進を図ること。
 一、心身障害者児施設設置に係る用地取得費貸付等事業を充実するとともに、重度障害者更生施設など心身障害者施設の増設整備を図ること。
 一、福祉のまちづくりを推進するために、鉄道駅へのエレベーター等の設置を拡大するとともに、だれにも乗りおりしやすいバスの導入を図ること。
 一、福祉人材の養成、確保を進めるとともに、現状分析や将来予測を踏まえた福祉人材の総合的な養成計画を策定すること。
 一、地域福祉推進事業を充実するとともに、地域福祉振興事業における有償家事援助サービスなどの継続分については、区市町村への移行に向けて、関係団体と十分協議すること。
 一、痴呆性高齢者など判断能力が不十分な者が自立した地域生活を送れるよう、地域福祉権利擁護事業を創設すること。
 一、地域福祉サービスサポートモデル事業として、地域福祉サービス利用支援・評価システムの検討や心身障害者入所施設サービス評価事業などを実施すること。
 一、社会福祉事業団への心身障害者施設等の管理運営委託によって、実質的な収支の改善につながるよう検討すること。
 一、区市町村が地域の実情に応じて柔軟に福祉サービスの事業が実施できるよう、福祉費交付金の交付や区市町村地域サービス推進補助事業の実施を図ること。
 一、国民健康保険組合に対する補助金については、現行水準を維持すること。
 次に、高齢者施策推進室について。
 一、特別養護老人ホームや老人保健施設など、介護保険施設の整備を進めるとともに、ショートステイの整備や余裕教室活用促進事業などにより、在宅サービス施設の整備を進めること。
 一、介護保険導入に伴う利用者保護、情報提供を推進するために、第三者によるサービス評価の検討や指定事業者情報の提供などを進めること。また、介護保険事業者等に対する指導検査体制を整備すること。
 一、痴呆性高齢者に対する支援を進めるために、痴呆性高齢者デイホーム事業やグループホーム整備事業などを充実すること。
 一、元気な高齢者に対する施策として、社会参加の促進や健康づくりの推進を図るとともに、これらの施策を総合的に展開するために、元気高齢者支援計画を策定すること。
 一、介護保険サービスの給付対象とならない高齢者等の自立した在宅生活を支援するために、介護予防・生活支援事業や高齢社会福祉ビジョン推進補助事業を実施すること。
 一、シルバーパスについては、交付方法を工夫することによって、高齢者の社会参加を進めるとともに、六十五歳から七十歳の高齢者を対象としたパスの発行についても積極的に取り組むこと。
 一、特別養護老人ホームの運営については、介護保険制度に円滑に移行できるよう経営支援事業を創設すること。また、視覚障害者の多い、あんまマッサージ師が仕事を失うことのないよう特段の配慮をすること。
 一、老人福祉手当の見直しに伴う財源は、介護保険制度において区市町村が実施する介護サービスの充実に充てること。
 一、老人医療費については、健康づくりの推進や生きがいの創設などを推進することにより、医療中心から予防中心の施策を展開すること。
 次に、衛生局について。
 一、区市町村がそれぞれの計画に基づいて生活習慣病の予防に取り組めるよう、健康づくり推進事業を実施すること。
 一、母子保健対策として、多摩地域連携強化事業や周産期医療施設等整備費補助などの周産期医療システムの整備を進めること。
 一、区東部地区に東部療養センター(仮称)を建設すること。
 一、かかりつけ歯科医の定着と歯科医療連携体制を確立し、障害者等歯科保険医療体制の整備を図るなど、歯科保健対策を充実すること。
 一、精神保健福祉対策として、精神科二次救急医療体制を整備すること。また、グループホームや共同作業所の単価アップや新規分の予算化を図るとともに、精神障害者に対する都営交通無料乗車券を発行すること。
 一、難病対策として、緊急一時入院や居宅生活支援など在宅難病患者対策を充実すること。また、対象疾病を拡大すること。
 一、原爆被爆者に対して、被爆者援護法に規定されている居宅支援事業と養護事業について、国の動向を踏まえつつ、早期に事業化を図るよう努めること。
 一、大気汚染健康障害者に対する医療費助成制度については、認定方法などを見直すとともに、真に大気汚染に苦しんでいる人に対しては、年齢の引き上げなど助成の充実を図ること。
 一、ダイオキシン類を含む内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)対策として、各種調査等を引き続き実施するとともに、調査結果等の提供により都民の不安解消を図ること。
 一、動物取扱業者に関する登録制の導入や指導基準の整備など新たな制度の導入を図るとともに、指導体制の整備を図ること。
 一、医薬分業の推進を図るとともに、ドラッグストアなどにおいて薬剤師の配置が適正になされるよう指導すること。
 一、公立病院の運営費については、病院の経営努力が反映するような補助制度に転換すること。
 一、地域医療連携システムとして、かかりつけ医機能推進事業や医療機能連携推進事業を充実するとともに、二次保健医療圏ごとに協議、推進組織を設置し、地域医療システムの一層の充実を図ること。
 一、今後の東京都における地域リハビリテーションのあり方を検討し、体制の整備充実を図ること。また、高次機能障害者に対するリハビリテーションシステムについて調査研究を行うこと。
 一、都立病院における救急医療体制や土曜診療体制を整備するなど、診療体制を充実するとともに、三百六十五日、二十四時間体制を推進するために、必要な体制を整備すること。また、患者の相談窓口を設置するなど、権利擁護制度の創設に努めること。
 以上で、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○藤川委員 都議会無所属クラブの意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 我が会派は、平成十二年度予算案の編成に当たり、都民生活を守る施策と財政健全化とを二律背反としてとらえることなきよう、徹底した内部努力はもとより、民間企業に負けない効率性を求めた都政運営の実現とともに、歳入確保に結びつく施策の展開が期待できる編成となるよう強く求めてきたところであります。
 特に、銀行業への外形標準課税導入等による税収確保を目指す以上、都としても構造的改革を先送りすることなく、行政改革、歳出削減、歳入確保に、より一層努めるべきことも忘れてはならないと思います。
 借入金に余りにも頼り過ぎ、借入金と自主財源とを混同した歳入歳出構造への懸念を指摘してきました我が会派としましては、都債発行額三千九百八十六億円、前年比三〇・四%減、一般会計五兆九千八百八十億円、前年比四・九%減とする緊縮型予算は、厳しいながらも一定の評価をするものであります。
 行財政改革については、特にバランスシート、行財政評価制度、資産アセスメント等々を単なる資料とすることなく有効に生かし、将来の都の行方を見据えた、真のスクラップ・アンド・ビルドの実現に全力で取り組まれるよう強く要望するものであります。
 いうまでもなく、ゆとり、豊かさの実感できる都民生活の実現こそが、都政の目指すべき方向であります。あらゆる改革が、そのために展開されなければならないと思います。福祉改革、医療改革の推進はもちろんのこと、道路、公園等々都市基盤整備の促進、ディーゼル車対策を中心とした大気汚染解消への取り組みを初め生活環境の改善等、都民生活に直結する課題も山積しております。
 かてて加えて、少子高齢化、世界規模で進むボーダレス化等を背景に新たに生まれる都民ニーズに迅速に対応しなければ、活力ある都政の実現は望むべくもありません。
 社会構造の変化におくれることのないようスピードある事業展開を図ることをモットーに、全庁を挙げて日々の業務に励まれるよう強く希望するものであります。
 まず、福祉局関係について申し上げます。
 一、少子高齢社会が急速に進展する中にあって、福祉改革ビジョンの具体化とその実現に努め、大きく変化する社会経済状況に対応した的確な施策の推進を図っていただきたいと思います。
 二、延長保育事業の充実、ゼロ歳児保育、保育室等の定員拡大、子ども家庭支援センターの着実な増設などを図るとともに、子ども家庭在宅サービス事業の補助を拡充し、保育者の就労形態の多様化に対応した仕事と子育ての両立のための施策に努められたい。
 三、二十四時間巡回型サービスの実施を初めとする心身障害者児ホームヘルプサービス事業の拡充、在宅の障害者に対する相談や情報提供等を行う障害者地域自立生活支援センターの設置、また、心身障害者児緊急保護事業の拡充などを図り、障害者の地域における自立生活の支援に努められたい。
 四、知的障害者や痴呆性高齢者など判断能力に障害を持つ人が適切な福祉サービスを受けられるよう、地域福祉権利擁護事業を実施するとともに、社会福祉法人などに関する情報提供システムを構築し、また、心身障害者児入所施設サービス評価事業を拡充して、障害者等が安心して在宅・施設サービスを選択し、利用できるよう支援されたい。
 五、民間タクシー事業者に対するリフトつきタクシー整備事業の助成、乗降しやすいバス整備事業及び鉄道駅エレベーター設置事業等の拡充を図り、都民に対し、積極的に福祉のまちづくりに関する情報を提供し、高齢者、障害者を初めすべての都民にとって暮らしやすい、優しいまち東京の実現に努められたい。
 次に、高齢者施策推進室関係を申し上げます。
 一、平成十二年度からの介護保険制度の円滑な実施に万全を期すること。特に、介護基盤の整備を図るため、特別養護老人ホームや老人保健施設等の計画的な整備に取り組むとともに、高齢者が介護を要する状態になっても、できる限り住みなれた地域や家庭で生活し続けられるように、在宅サービス基盤の充実を図ること。
 また、利用者が安心してサービスを利用するシステムを構築するため、相談、苦情対応マニュアルやサービス事業者のガイドラインの検証、第三者によるサービス評価の仕組みの検討を行い、利用者の保護やサービスを提供する事業者の質の向上を図ること。
 さらに、区市町村において要介護認定が適切に行えるよう、介護認定調査員や介護認定審査会委員等の資質の向上に取り組むこと。
 一、痴呆性高齢者とその介護者を支援するため、痴呆性高齢者グループホームの設置を区市町村と連携して促進すること。
 また、痴呆性高齢者及び看護、介護を必要とする高齢者のさまざまなニーズにこたえる先駆的、モデル的施設としての高齢者福祉・医療の複合施設の高齢者専門病院の建設を着実に進めること。老人性痴呆の解明や老化予防確立等のための研究など、老人総合研究所における研究を充実すること。
 一、これからの高齢社会を明るく活力あるものとしていくため、二十一世紀高齢社会ビジョンで示されている安心、生き生き、支え合いの高齢社会の実現に努めること。とりわけ、元気で活動意欲が旺盛な高齢者の持つ豊富な知識や経験等を社会的に生かしていく仕組みづくりや、東京に多いサラリーマンOBも参加しやすいような、多様な共助推進のための仕組みの構築に区市町村等と連携して取り組むこと。
 次に、衛生局関係について申し上げます。
 一、介護保険制度の実施に伴い、高齢者等の対象者が十分なサービスの提供が受けられるよう、施設サービスの重要な一翼を担う療養型病床群の整備を強力に推進するとともに、新たに療養環境についても、さらなる改善に努められたい。
 一、妊娠、出産から新生児まで一貫した高度専門的な医療を効果的に提供できる総合周産期母子医療センター等の整備を進めるとともに、乳幼児を含めた小児の救急医療体制についても充実を図られたい。
 一、治療法や予防法が確立していない新興感染症に対する施策を強化するとともに、結核患者の増加に見られるように、再興感染症についても医療体制を整備するなど、総合的な感染症対策を確立されたい。
 一、市町村における保健福祉サービスの実施拠点確保のため、市町村保健福祉総合センターの基礎配置整備を図るとともに、市町村に移管した母子保健事業等に対して、国の定める財政負担のほか、都独自の財政支援を継続されたい。
 一、高齢社会対策として、かかりつけ医機能推進事業等の実施区域を拡大するとともに、保健、医療、福祉が連携した地域医療システムの整備を図られたい。
 一、都民の健康づくり対策のため、分煙化対策を進めるとともに、生活習慣病に対する正しい知識の普及と早期発見、早期治療など、一次予防に重点を置いた施策を推進されたい。
 一、輸入食品に対する監視体制を強化するとともに、残留農薬や放射能検査を実施するとともに、広域に流通する食品の監視指導体制を強化し、食品保健対策の充実を図られたい。
 一、精神障害者の社会復帰及び自立と社会参加の促進のため、精神障害者ホームヘルプ事業や精神障害者地域生活支援事業の拡充に努めるとともに、精神保健福祉法の改正に対応した精神科二次救急医療体制の整備を図られたい。
 一、難病により長期の療養を余儀なくされている患者に対して、医療費助成制度の拡大を図るとともに、在宅重症難病患者への療養支援対策の充実に努められたい。
 一、近年大きな社会問題となっているダイオキシン類について、母乳や食品等について調査研究を進めること。
 また、内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモンについても、環境と健康のかかわりについて、長期的視点から科学的な解明を進めるとともに、適切な保健医療の提供に努められたい。
 最後に、アレルギー疾患患者が増加する中で、実態の把握並びに予防及び治療のための研究を引き続き行うとともに、体系的な施策の推進方法等について検討されたい。
 以上であります。

○藤田委員 私は、生活者ネットワーク都議団を代表して、当委員会に付託された平成十二年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 まず初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成十二年度予算については、都は、財政再建の達成に向けて確実な第一歩を踏み出す予算と位置づけました。このため、一般会計の予算は、規模で五兆九千八百八十億円で、前年度比で三千百億円、四・九%の減となり、緊縮型の予算となりました。
 財政再建は、緊急かつ主要な課題であることはいうまでもありません。また、こうした状況においてこそ、施策の優先順位を明確に提案していくことが重要なことです。
 この視点で全体を見ると、比較的施策の弾力性の高い投資的経費を大幅に縮小したことは理解できるものの、重点化の方向性は見えず、画一的と感じられます。
 また、福祉施策については、介護保険の導入により、都の役割である区市町村支援や自立支援の仕組みづくりの方向性は一定示されましたが、重度心身障害者手当や育成手当の見直しなど、長引く不況のもとで、対象者の生活基盤を直撃するおそれのある提案がなされました。
 現在の不況は、何より国民の間に将来への不安が大きく、消費が拡大しないのが大きな要因です。景気の浮揚策としても、従来型の土木中心の公共事業から、大きな経済波及効果もある福祉型公共投資への転換が必要です。地域社会の安心、安全の仕組みづくりでも、地域社会そのものを福祉化することによってこそ、消費へのマインドも改善されるのです。
 都の行財政改革の課題は、第三の分権を進める地方分権の推進や行政のむだを省くという課題とともに、まず第一に、こうした投資の優先順位のあり方を変更することが中心課題です。
 そして、第二に、今回の福祉や医療については、都の施策であっても、事実上都内の基礎自治体と連携する施策が多いことから、都の財政再建団体への転落は何としても避けなくてはなりません。それゆえ、施策の評価や検証は不可欠であり、まず十二分に都民への説明責任を果たし、各区市との十分な合意を図らなくてはならないと考えます。
 次に、各局関係について申し上げます。
 まず、福祉局関係について申し上げます。
 一、子育ちを応援するオンブズパーソンの実効ある機能のため、子どもの人権を総合的に保障した東京都子ども人権基本条例を制定すること。
 一、オンブズパーソン機能を持つ第三者機関の実効ある対応が可能となるよう、関係機関の総合化を図ること。
 一、試行実施の子ども権利擁護システムの人的措置を拡大すること。
 一、子ども最優先の原則を確立し、関係局の子ども施策に対する監視機関をNGOやNPOと連携して創設し、評価、点検すること。
 一、子どもの居場所を取り戻すため、各施設への子どもの運営参加を進めること。
 一、子ども虐待に対する緊急介入の迅速化を図るとともに、虐待を繰り返す親へのカウンセリング対応の強化を図ること。
 一、子育て家庭の多様な状況を踏まえ、多様な保育ニーズにこたえる子育て支援のネットワークをつくること。
 一、地域福祉推進事業及び地域福祉振興事業については、関係者及び区市町村との十分な合意を図って進めること。
 一、利用者の選択のため、保育園なども含めて、福祉施設について第三者機関によるサービス評価制度を創設し、都民がアクセスしやすい情報提供システムをつくること。
 一、障害者センターにカウンセラーを配置するなど、地域に支援のネットワークづくりを進めること。
 一、女性センターの相談体制、シェルター機能を充実するとともに、自立策、防止策を講じ、地域間連携、各機関(医療、福祉、ボランティア)のコーディネート機能を確立し、民間シェルターへの支援を積極的に進めること。
 一、被爆者援護法三十八条、三十九条の福祉事業について、都でも実施をすること。
 一、障害者の自立支援を進めるため、グループホーム、作業所等の設置推進をすること。
 一、育成(児童、障害)手当、重度心身障害者手当、心身障害者福祉手当を現行水準で継続すること。
 一、心身障害者医療費助成、ひとり親家庭医療費助成を現行水準で継続すること。
 次に、高齢者施策推進室関係について申し上げます。
 一、地域福祉振興事業の見直しに当たっては、介護保険導入に際して、これまでの成果が生かされるよう配慮し、三事業についての継続分は、当該の条件を踏まえ柔軟に対応すること。また、地域福祉振興事業を拡充するとともに、定着化を図ること。
 一、介護保険対象外者が日常生活を行うための移送サービスなどを充実させ、高齢者の自立を支援すること。介護保険対象外者への国、都の包括補助制度の充実を図ること。
 一、介護が必要になっても、都民が自分らしく生活できる、安心の福祉サービスを地域の中につくり出すよう、積極的に市区町村を支援すること。
 一、介護保険導入に向けて、必要な人が必要なサービスを選択できるよう、ホームヘルパーの人材養成、特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型病床群、ショートステイ、デイサービスなどの施設を早急にふやすこと。
 一、痴呆性グループホームの整備拡充を図ること。
 一、老人福祉手当は、介護保険導入後の状況に照らし、制度が順調に定着し、基盤整備が整うまで支給すること。
 一、老人医療費助成を現行水準で継続すること。
 一、介護保険に移行する既存施策にかかわる都加算については、総体として水準低下に向かわないよう工夫すること。このため、メニュー化事業などの充実を図ること。
 一、介護保険、介護予防・生活支援事業、高齢社会福祉ビジョン推進事業の提供機関に住民参加型福祉団体が参入できるよう、条件整備を図ること。
 一、高齢者の立場に立った成年後見制度を確立し、市区町村に任意後見を含めた権利擁護システムをつくるように支援すること。
 一、高齢者の社会参加に有効なシルバーパスの見直しとセットになっているコミュニティバスについては、包括補助事業の中で十分な活用を進めること。
 次に、衛生局関係について申し上げます。
 一、食品安全確保の基本方針のもとに、食品安全施策の充実を図ること。
 一、施策展開決定におけるパートナーシップを進めること。このため、食品衛生調査会に公募委員を入れるとともに、食品保健懇話会の機能を充実すること。
 一、都民の不安にこたえ、残留農薬などの検査をさらに強化するとともに、遺伝子組みかえ食品の安全性の調査を行うこと。
 一、遺伝子組みかえ食品の表示を進めるため、ガイドラインの策定など都独自の施策を展開すること。また、遺伝子組みかえ食品の表示に伴い、都施設給食、学校給食に遺伝子組みかえ食品の使用を避けること。
 一、環境汚染、健康被害の未然防止の観点から、環境ホルモンなど有害化学物質対策を強化し、調査の拡大とともに、その評価を都独自で進めること。
 一、学校などの公共施設にあっては、疑わしきは使用せずの原則に立ち、環境ホルモンなどが溶出する食器などについては使用を控えること。
 一、環境ホルモンの実態調査など、住民の問題意識を高めるためにも、環境ホルモンに関する情報提供など、より効果的な施策展開を図ること。
 一、東部療育センター建設を急ぐこと。
 一、難病対策事業の強化を図ること。
 一、大気汚染に係る健康被害者に対する医療費の助成は、対象者の年齢の拡大とともに、認定方法など制度全般にわたる総合的な検討を行うこと。
 一、血液製剤の適正使用を図ること。
 一、血液事業における責任ある体制を確立するため、早期に法を制定するよう国に求めること。
 一、消費者被害を未然に防止するため、健康食品対策に積極的に取り組むこと。
 一、アトピー性疾患などアレルギー医療の病態、原因の解明、相談機能、情報提供を充実すること。
 一、都立病院にアトピーの専門外来を設置すること。
 以上でございます。

○曽根委員長 以上で、予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長まで提出いたしますので、ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○曽根委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第八十八号議案、東京都社会福祉審議会条例から第百三十九号議案まで及び議員提出議案第二号を一括して議題といたします。
 付託議案に対する質疑は既に終了しております。
 この際、付帯決議案の提出について申し上げます。
 ただいま議題となっております第百十六号議案及び第百十八号議案に対して、原委員外九名からそれぞれ付帯決議案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。
   付帯決議案の提出について
第百十六号議案 大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
 右議案に付する付帯決議案を別紙のとおり会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成十二年三月二十三日
 (提出者)
 原   環  三宅 茂樹  土屋たかゆき
 曽雌 久義  近藤やよい  羽曽部 力
 藤川 隆則  小林 正則  佐藤 裕彦
 松本 文明
厚生委員長殿
   大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に付する付帯決議
一 浮遊粒子状物質を中心とした大気汚染物質についての健康影響調査を実施し、大気汚染物質が健康に与える影響の解明に努めること。
二 本制度は、大気汚染の影響を受けやすく、かつ成長期にある年少者への医療費助成を行うことにより、受診の促進と早期の治療を目的として創設されたものであるが、今後、原因者の責任と負担のあり方、対象者の範囲や認定方法など制度全般にわたる総合的な検討を行うこと。
   付帯決議案の提出について
第百十八号議案 東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の一部を改正する条例
 右議案に付する付帯決議案を別紙のとおり会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成十二年三月二十三日
 (提出者)
 原   環  三宅 茂樹  土屋たかゆき
 曽雌 久義  近藤やよい  羽曽部 力
 藤川 隆則  小林 正則  佐藤 裕彦
 松本 文明
厚生委員長殿
   東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の一部を改正する条例に付する付帯決議
一 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第三十八条及び第三十九条に規定する居宅生活支援事業及び養護事業については、国の動向を踏まえつつ、早期に事業化を図るよう努めること。

○曽根委員長 本付帯決議案を本案とあわせて議題といたします。
 これより討論を行います。
 発言を願います。

○吉田委員 私は、日本共産党都議団を代表して、本委員会に付託された第九十三号議案、東京都重度心身障害者手当条例の一部を改正する条例、第九十八号議案、東京都シルバーパス条例、第百十六号議案、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例外二十八議案に反対し、議員提出議案外二十一議案に賛成の立場から討論を行います。
 本委員会は、都民の注目の中で開かれてきました。それは、本定例会最大の焦点であるシルバーパスや老人医療費助成制度、重度障害者手当や心身障害者福祉手当を初め、東京の福祉を支え、都民にかけがえのない福祉施策を軒並み削減する条例案が本委員会に付託されたからです。
 質疑を通じてこうした福祉施策の削減の重大な問題点が浮き彫りになりました。
 その第一は、福祉施策の削減案が都民に重大な影響を及ぼし、命と健康、生活の支えを奪うものであることです。
 第二は、低所得者への配慮が強調されましたが、実際にはシルバーパスの新たな負担にとどまらず、低所得者への配慮は特になしと認めざるを得なかった老人福祉手当の廃止を初め、負担増と削減が集中し、低所得者の生活の根底を脅かすものだということです。
 第三は、削減にかわるものとして打ち出された新たな展開策なるものが、予算規模の上でも、内容の上でも不十分なものであり、これをもって現行の手当や医療費助成削減の合理化には到底ならないということです。
 第四は、提案が必要な実態調査も行わず、都民と当事者の声も無視して提案されたという問題です。とりわけ削減の影響を集中的に受ける二十歳未満の重度障害児を抱える家族から、直接話を聞いてほしいという声が寄せられたにもかかわらず、その声を聞く場すら持たなかったことは、重大な禍根を残すものであります。
 一つ一つの条例案についても、その問題点が浮き彫りになりました。特にシルバーパスは、高齢者への負担の強化によって、だれもが気軽に利用できるという本来の目的が後退し、発行の主体をバス事業者に移すなど、到底現行制度の継続とはいいがたいものです。
 障害者施策への所得制限一律強化は、我が党の調査の結果からも、在宅で障害者を抱えた家庭の実情を全く無視したもので、在宅での介護を困難に追い込むものです。ひとり親家庭への医療費助成と児童育成手当の後退、乳幼児医療費の入院食事代負担も、子育て家庭の負担を重くするものです。
 さらに、衛生局所管の精神障害者の通院医療費、原爆被爆者の子、公害患者など十四種類の医療費助成の一部負担の一律導入も、それぞれについての都としての責任を後退させるものです。都民生活に密着した使用料、手数料の値上げも、厳しい経済状況が続く中で、都民生活に追い打ちをかけるものであり、反対です。
 そもそも財政危機を理由に福祉の削減は許されません。どんなに財政が厳しい状況でも、都民、とりわけ高齢者や障害者の福祉を守ることは、自治体として最優先の課題です。しかも、福祉の削減の一方で、臨海部開発での新たな有明北地区の埋立事業や幹線道路の促進など、何ら見直さないどころか、引き続き借金を重ねながら促進されているのです。
 改革というなら、経済給付的事業も、在宅サービスも、少子高齢化の進行にふさわしく拡充するとともに、景気対策としても失敗は明確であり、借金の山だけを残しかねない大規模開発優先の財政構造に、根本的改革のメスを入れることではないでしょうか。
 最後に、議員提出議案は、大気汚染公害による健康被害に苦しむ方々の切実な願いにこたえ、医療費助成の対象年齢を二十歳未満に引き上げるものであり、皆さんの賛同を心からお願いをいたしまして、討論を終わります。

○近藤委員 私は、東京都議会自由民主党を代表しまして、本委員会に付託されております第八十八号議案から第百三十九号議案に賛成し、議員提出議案第二号に反対の立場から討論を行います。
 福祉改革に臨む我が党の基本的な立場は、広い視野と長期的な展望に立ち、都民のために適切な判断と勇気ある実行を行うことにあります。東京を活力があり、しかも安心して暮らせる都市にしていくためには、社会経済状況の変化を踏まえ、既存の仕組みを見直し、少子高齢化を支える在宅サービスを中心とする福祉施策を思い切って充実させていくことが必要であると考えます。
 今回提案されている条例改正案は、いずれも福祉改革により施策をさらに充実させていくために必要不可欠なものであります。こうした観点に立って、以下、個々の見直しに係る条例改正案について申し上げます。
 まず、第九十三号議案から第九十五号議案について申し上げます。
 改正案の第一のポイントである所得基準の見直しについては、一、これらの制度が開始された昭和四十年代に比べて国の施策が大幅に充実されたことなど、大きな社会状況の変化があったこと、二、この基準が都内の生計中心者の平均収入を相当額上回る水準であること、三、仮に都の手当が受けられなくなった場合でも、一定の所得水準までは引き続き国の年金や手当が受給できることなどの点から、都独自の制度として、都民の税金を財源に実施するこれらの事業の所得基準として合理的かつ適切であり、都民の理解を得られるものであると判断します。
 もう一つの改正のポイントである一部負担の導入については、老人保健制度において高齢者に負担いただいている水準であり、かつその上で我が党の緊急要望を受けとめ、低所得の方には、通院、入院に係る診療費負担は従来どおりとし、入院時の食事代のみご負担を求めることとしたもので、都民の理解を得られる範囲であると判断します。
 次に、第九十八号議案、東京都シルバーパス条例について申し上げます。
 シルバーパスについては、経済的に豊かな高齢者がふえる中で、世代間の公平性の観点に立ち、今後もシルバーパス制度を安定した制度として運用するため、見直しはやむを得ないと考えます。新たに負担をお願いする千円については、我が党の要望を受けとめ、低く抑えていただいたものとして評価します。
 第九十九号議案、東京都老人福祉手当に関する条例の一部を改正する条例でありますが、手当創設時に比べ在宅サービスが大幅に充実し、またこの四月からは、介護が必要な高齢者には介護保険によりサービスが提供されることになることから、見直しは妥当と考えます。
 第百号議案、老人の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例でありますが、このまま継続すれば、若年世代の税負担が増加することに加え、都民の期待感にも一定の配慮をした激変緩和措置を設け、老人保健の対象になるまで制度は維持されることから、見直しはやむを得ないものと考えます。
 次に、第百五号議案、東京都衛生局関係手数料条例等二十一件の使用料、手数料の改正についてです。
 すべて三年以上料額が据え置かれているもので、原価との乖離が大きく、今回の改正が必要と思います。
 次に、第百十六号議案、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例についてです。
 入院時食事療養費の標準負担額を自己負担にするというものですが、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費助成制度の安定的な運営と在宅患者との負担の均衡を図る観点から、やむを得ないものと考えます。
 以上をもって私の討論を終わります。

○藤田委員 私は、生活者ネットワーク都議団を代表し、本委員会に付託された第九十三号議案、重度心身障害者手当条例の一部を改正する条例外五議案に反対、第百十六号議案及び第百十八号議案に付帯決議つきで賛成、その他、第八十八号議案、東京都社会福祉審議会条例外全議案に賛成の立場から討論を行います。
 いうまでもなく本委員会の最大の焦点は、福祉施策の新たな展開をめぐって、福祉施策や高齢施策、そして医療の見直しについてでありました。今日、都財政の危機は、地方自治体の存立のかなめとしての自治権をめぐる問題として提起されています。それゆえ都財政の危機の克服の課題は、一過性のものではなく、制度の問題、すなわち国と地方自治体、そして都道府県と市区町村との関係としてもあります。
 しかし、このことは、目の前の危機としては大変厳しい課題が突きつけられておりますが、将来の視点から見ると、決して不幸な状況であるとはいえません。何よりこうした危機のときにこそ、政策選択の優先順位を変革すべき時代であるというべきです。
 私たちは、端的にこの時代を特徴づけるとすれば、公共投資の優先順位を、公共事業から福祉、医療へと転換すべきと考えます。既に幾つかのデータで、地域単位を見れば、従来型の公共事業に比べ、追加的な波及効果や雇用への波及効果は、むしろ福祉、医療の方が高いことが明らかになっております。何より、ここの投資は、地域のさまざまな市民の生活や活動と直接に結びついているからにほかなりません。自立した市民の生き生きした生活や活動こそが、見直しの基本とされなくてはなりません。
 さて、こうした観点から今回の福祉施策の新たな展開を検証すると私たちは大きな疑問を抱かざるを得ません。
 まずは、重度心身障害者手当及び障害者福祉手当と心身障害者医療費助成についてです。
 都財政の危機や、措置から権利への福祉施策の流れを受けて、必要な福祉施策の検証は不可欠ですし、こうした検証を踏まえた見直しが必要となる場合が存在します。しかし、経済的な問題だけでなく、精神的にもぎりぎりの状況で、各施策の組み合わせや地域の力で残存能力を生かしながら自立を存続している人たちの、まさしく自立をくじくことを決してとってはならないと考えます。
 重度手当については、実態についての都の把握や所得基準の説明に、どうしても実態との隔たりが否めませんし、医療費の助成の見直しについては、老人保健法に準じた一部負担にとどまらず、所得制限の引き下げとダブルパンチであり、障害者が頻繁に医療にかかる実態を余りに無視したものといわざるを得ません。
 次に、老人福祉手当及び老人医療費の助成についてです。
 私たちは、老人福祉手当については、この制度が、社会化すべき介護を、家族とりわけ女性に縛りつけるという一面があり、本来、介護保険の制度導入や、福祉施策の措置から権利の流れにおいては、介護基盤や介護サービスとして、政策の組みかえが行われるべきと考えています。しかし今日、特養の待機者数の現実から見れば、この条件整備のおくれは明らかであり、経過措置に明白な根拠がないことから見ても、今回の提案は明らかに不備といわなくてはなりません。
 また、老人医療費については、国において医療改革の全体ビジョンが明らかにされていないまま、国民負担だけが先行しており、都はこうした流れに追従すべきではありません。
 なお、シルバーパスについて、私たちは、高齢者の社会参加を促進する意味において、制度そのものの存続を主張してきました。しかし、一方で、寝たきりの人に支給されるなどの税金のむだについては改善を提案してきました。今回の提案については、十分とはいえないまでも、制度の目的に沿った改善がなされたものと判断し、制度改正に賛成するものです。
 次に、大気汚染に係る健康障害者医療助成と原子爆弾被爆者の医療助成についてです。
 これらの制度の対象者に、明白に原因の、みずからの責任はありません。こうした点で、対象者に原則として負担を求めるべきではないと考えています。しかしながら、対象者への支援の道が一歩踏み出されたことを受けて、私たちは、今回の制度改正に賛成いたしました。
 今後とも、都の福祉が市民型福祉へ転換することの必要性を強調して、討論といたします。
 以上です。

○曽雌委員 私は、都議会公明党を代表して、本委員会に付託されました議員提出議案第二号、大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に反対し、第八十八号議案、東京都社会福祉審議会条例外五十一議案すべてに賛成する立場から討論を行います。
 我が党は、福祉施策について、かねてより本格的な少子高齢社会を迎えた東京にとって、年金、介護、医療などの保健福祉サービスは、都民の将来への不安を解消し、地域社会の活力を維持する上で欠かすことのできない重要な施策であると主張してまいりました。そして、都民が真に希望するニーズの高い施策について、財政的な裏づけも含め、具体的に政策提言をしてきたところであります。
 これに対し、社会経済状況の変化に目をつぶり、財政的な検討もせず、現行の施策をそのままに新たな施策の実施を求めることは、耳に優しく聞こえますが、いたずらに改革を先延ばしするだけで、都政に責任を持つ者のとるべき態度ではありません。賢明な都民は、このままでは現行の施策の継続が困難であり、早期に改革に取り組み、将来にわたり安心できる福祉施策のあり方が一日も早く示されることを望んでいるのであります。
 こうした認識に立って、我が党は、福祉施策の見直しに当たっては、時代背景の認識や歴史的経過、さらには社会的に弱い立場にある人々を守るとの視点の重要性、そして福祉施策の見直しに当たっては、夢と希望の持てる新たな施策を見直しとセットで提示すべきであると強く主張してまいりました。
 本委員会に付託された条例改正案は、施策の見直しとあわせて新たに策定した福祉改革ビジョン及び二十一世紀高齢社会ビジョンに基づき、見直し額を上回る施策の充実をあわせて提示しているものであり、また見直し内容についても、我が会派の緊急要望を受けとめ、低所得者に対する配慮が盛り込まれており、また、必要な激変緩和のための経過措置も設けられており、賛成するものであります。
 ここで、個々の見直しに係る条例改正案の一部について、若干意見を申し述べます。
 まず初めに、第九十三号議案、東京都重度心身障害者手当条例の一部を改正する条例についてですが、論点となりました新しい所得基準の導入は、障害者に対して配慮され、負担の公平性の観点から、広く納税者としての都民の合意が得られる水準と判断をいたしております。
 なお、所得基準の導入に当たっては、激変緩和の経過措置が設けられたことなども踏まえて実施されるよう、強く要望するものであります。
 次に、第九十四号議案、心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例についてでありますが、対象の見直し、一部負担の導入、いずれもその内容は適正であると考えます。
 なお、新しい所得基準については、さきに述べたとおりであります。一部負担の導入について、その内容は、高齢者が負担する水準であり、さらに我が党等の緊急要望により、低所得者の方については、入院時の食事代のみの負担とするなどの配慮がなされているのであります。
 なお、条例改正案件ではありませんが、ひとり親家庭医療費助成の一部負担についても同様であり、さらに乳幼児医療費助成については、入院時の食事代のみの負担とした上で、対象児童の年齢を四歳未満から五歳未満に拡大しているのであります。
 次に、第九十五号議案、東京都心身障害者福祉手当に関する条例の一部を改正する条例についてでありますが、その内容は、適正な改正と考えております。
 なお、条例改正案ではありませんが、東京都児童育成手当における新しい所得基準は、ひとり親家庭等に対して十分に配慮され、負担の公平性の観点からも、広く納税者としての都民の合意が得られる水準であると考えるものであります。
 最後に、第九十八号議案、シルバーパス条例について申し上げます。
 質疑の中で明らかになりましたが、改正条例案においても、現行条例と同様に、事業の目的について、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉向上を図ることを規定し、シルバーパス制度の目的に何ら変更はなく、また、議会での議決を要する条例という形式を維持し、事業の継続性が担保されていること、そして今回の見直しは、利用者にとっても、行政やバス事業者にとっても、制度を維持していくためにどうすればよいかとの十分な検討の結果、パスの発行主体をバス事業者の団体とし、都は財政支援を行うこととし、利用者の方には、所得基準を見直しして応分の負担をお願いすることになったのであります。
 さらに、この見直しによって、バス事業者の経営努力や事務処理の簡素化などが進むとともに、コミュニティバスが地域に広がり、シルバー人材センターなどの高齢者の活用が図られるなど、質、量ともに社会参加の支援策が充実することが期待されているのであります。
 以上、述べてまいりましたが、本格的な少子高齢社会においては、保健、福祉の充実は、社会基本構造の安定化をもたらし、結果的に、経済社会の活力と都市のダイナミズムを根源的に支えるものであります。
 こうした認識に立って、我が党は今後とも、都政の中長期的展望を切り開くため、あらゆる工夫を凝らして保健と福祉の充実、向上を図っていくことを決意し、討論を終わるものであります。

○小林委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に付託された重度心身障害者手当条例の改正及び心身障害者医療費助成条例の改正に反対をし、日本共産党提案の大気汚染健康障害者への医療費助成条例の改正に反対し、知事提案の大気汚染健康障害者への医療費助成条例の改正及び原爆被爆者等の援護条例の改正に付帯決議を付して賛成、その他の議案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、重度心身障害者手当及び心身障害者医療費助成についてですが、私たちは、社会経済状況の変化の中で、東京都の限りある財源をより効率的、効果的に使う観点から、施策の転換を図っていくことは必要であると考えております。したがって、今回の重度手当に新たに所得制限を設けること、あるいは医療費助成に老人医療費に準じた一部負担を導入することについては、一定の理解をするものであります。
 しかしながら、医療費助成の見直しについては、老人保健法に準じた一部負担を導入するだけでなく、さらに所得制限を引き下げることにより、これまで無料であった障害者の負担を、加入している保険にもよりますが、三割にまで引き上げてしまうのであります。障害者の人たちは、一般の人たちと比較しても医療にかかる頻度も高く、こうした人たちに、突然三割もの負担を強いるというのは、配慮に欠けているといわざるを得ません。
 重度手当については、新たに所得制限を導入するものでありますが、その基準額は、障害児を持つ親の三分の一が対象外になるなど、影響が少なくありません。
 福祉局は、所得基準の水準を、都内の生計中心者の平均収入と比較しても妥当であるというふうに答弁しておりますが、そもそも障害児を抱える家庭では共働きが不可能で、共働きが可能な家庭と、共働きが不可能な家庭との生計中心者の所得をもって比較をするというのは、いかがなものでありましょうか。
 障害者の場合は、高齢者のように、将来の不安や負担がある程度見込まれるわけではなく、ある日突然、本人やその家族に降りかかり、経済的な負担のみならず、精神的な負担も大変大きいものがあります。また、今回の見直しによって、すべての所得基準額を一律に定めているため、障害者が二十以上の場合は、国の基準額を超えると、ほとんどのサービスがカットされてしまうなど、障害者のモラルハザードを引き起こしかねません。
 さらに、在宅サービスについても、高齢者に比べてもまだまだ不十分であることなどを総合的に判断し、私たちは、重度手当の所得制限の導入及び医療費助成の一部負担の導入に当たり、所得制限の基準額を、現行の医療費助成制度に準じた額とするように提案をしてまいりました。
 しかし、残念ながら、生活者ネットワーク以外の会派からの賛同を得られず、条例案がこのまま改正されるのであれば、障害者施策が、相対として後退するのではないかと判断し、反対をいたします。
 次に、大気汚染健康障害者への医療費助成条例の改正についてであります。
 私たちは、年齢引き上げについては前向きに考えておりますが、委員会でも指摘をしましたように、現在の認定方法などを放置したまま、いたずらに年齢だけを引き上げることは、限られた財源を有効に使うという観点からは好ましいとは考えておらず、日本共産党の提案には反対するものであります。
 知事提案の条例改正に当たっては、今後、大気汚染と健康被害との因果関係の解明、救済すべき対象の範囲や認定の方法など、制度全般にわたる総合的な見直しのための検討を行った上で、本当に大気汚染が原因で苦しんでいる人たちに対しては、対象年齢を引き上げるなど医療費助成の充実を図っていくべきであり、そうした立場から、私たちは付帯決議をつけて賛成するものであります。
 次に、原爆被爆者等の援護条例の改正についてであります。
 経済的な給付から、在宅サービスなどの基盤整備への施策を展開する中で、被爆者援護法第三十八条、第三十九条で規定されている居宅支援事業、養護事業の事業化を図っていくことが望まれております。
 これらの事業は、関係団体からも要望が強く、国においても予算化が検討されており、国の動向を踏まえつつ、早期に事業化を図ることを求め、賛成するものであります。
 その他、高齢者施策の関係では、シルバーパス条例などが提案をされております。シルバーパスについては、私たちが提案した六十五歳から七十歳の高齢者に対する有料パスの発行についても、前向きな答弁をいただいていることなどから、賛成するものであります。
 このような民主党の考え方にご賛同くださることをご期待し、討論を終了させていただきます。

○藤川委員 私は、都議会無所属クラブを代表して、本委員会に付託された全議案に賛成する立場から討論を行います。
 昭和四十年代にその基盤が確立された現行の福祉政策が、少子高齢社会の到来と社会経済構造の大変革により、福祉政策の根本的改革を余儀なくされているのが現状であると確信しております。
 そうした時代背景のもとに今回提案された議案は、ノーマライゼーションの精神を堅持しつつ、自助、共助、公助のバランスのとれた、新たなる福祉社会の構築に向けて踏み出した第一歩と受けとめております。
 人間とは、本来、不完全な存在であります。その不完全な存在が最善を尽くして定めたことに、将来、不測の事態が生ずるであろうことは容易に想像され得ることであります。もし、不幸にして不測の事態が発生したならば、そのときこそ迅速に対応し、よりよいものへと改革していく精神の堅持こそ、最も重要なことと思います。
 そのことを強く申し上げ、私の賛成討論といたします。
 以上です。

○曽根委員長 以上をもって討論を終わります。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第二号を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第二号は否決されました。
 次に、第九十三号議案及び第九十四号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立多数と認めます。よって、第九十三号議案及び第九十四号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第九十五号議案、第九十九号議案及び第百号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立多数と認めます。よって、第九十五号議案、第九十九号議案及び第百号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第九十一号議案、第九十二号議案、第九十六号議案、第九十八号議案、第百一号議案から第百三号議案まで、第百十九号議案、第百二十一号議案、第百二十三号議案から第百三十六号議案まで及び第百三十八号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立多数と認めます。よって、第九十一号議案、第九十二号議案、第九十六号議案、第九十八号議案、第百一号議案から第百三号議案まで、第百十九号議案、第百二十一号議案、第百二十三号議案から第百三十六号議案まで及び第百三十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百十六号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、お手元配布の付帯決議案を付して、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立多数と認めます。よって、第百十六号議案は、お手元配布の付帯決議を付して、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百十八号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、お手元配布の付帯決議案を付して、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立多数と認めます。よって、第百十八号議案は、お手元配布の付帯決議を付して、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第八十八号議案から第九十号議案まで、第九十七号議案、第百四号議案から第百十五号議案まで、第百十七号議案、第百二十号議案、第百二十二号議案、第百三十七号議案及び第百三十九号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、第八十八号議案から第九十号議案まで、第九十七号議案、第百四号議案から第百十五号議案まで、第百十七号議案、第百二十号議案、第百二十二号議案、第百三十七号議案及び第百三十九号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○曽根委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 会議日程の請願陳情審査における、(1)、請願一一第六七号の一から、(36)、陳情一一第四三号までの請願二十六件、陳情十件の合計三十六件を一括して議題といたします。
 本件は、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 初めに、陳情一一第一〇八号、陳情一一第一四六号、請願一一第四号、陳情一一第四三号及び陳情一一第一一五号を一括して採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一一第一〇八号、陳情一一第一四六号、請願一一第四号、陳情一一第四三号及び陳情一一第一一五号は、不採択と決定いたしました。
 次に、陳情一一第九四号及び陳情一一第一〇四号の四を一括して採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一一第九四号及び陳情一一第一〇四号の四は、いずれも不採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第七八号、請願一一第一三七号、請願一一第一五一号、請願一一第一五二号、請願一一第一六三号、請願一一第一六六号、請願一一第一七〇号、請願一一第一七四号、陳情一一第九五号及び請願一一第一六一号を一括して採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、請願一一第七八号、請願一一第一三七号、請願一一第一五一号、請願一一第一五二号、請願一一第一六三号、請願一一第一六六号、請願一一第一七〇号、請願一一第一七四号、陳情一一第九五号及び請願一一第一六一号は、いずれも不採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第一三八号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○曽根委員長 起立少数と認めます。よって、請願一一第一三八号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情一一第一〇七号の一を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件中、第二項(1)は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一一第一〇七号の一中、第二項(1)は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第一四一号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件中、第一項、第三項、第八項は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願一一第一四一号中、第一項、第三項、第八項は、趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第一四三号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件中、第五項は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願一一第一四三号中、第五項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第一四九号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件中、第二項(2)、(5)、(6)、(7)は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願一一第一四九号中、第二項(2)、(5)、(6)、(7)は、趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第九七号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件中、第一項、第三項、第四項は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願一一第九七号中、第一項、第三項、第四項は、趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第一五五号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件中、第二項は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願一一第一五五号中、第二項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第一六〇号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件中、第一項、第三項、第四項は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願一一第一六〇号中、第一項、第三項、第四項は、趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第一六九号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件中、第一項、第三項、第五項、第六項、第八項、第九項、第十項、第十一項は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願一一第一六九号中、第一項、第三項、第五項、第六項、第八項、第九項、第十項、第十一項は、趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第六七号の一を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願一一第六七号の一は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願一一第八四号、請願一一第九九号、請願一一第一〇一号、請願一一第一五四号、請願一一第一五九号、請願一一第一四〇号、陳情一一第四五号、請願一一第九八号及び陳情一一第一一〇号を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認めます。よって、請願一一第八四号、請願一一第九九号、請願一一第一〇一号、請願一一第一五四号、請願一一第一五九号、請願一一第一四〇号、陳情一一第四五号、請願一一第九八号及び陳情一一第一一〇号は、いずれも保留と決定いたしました。
 次に、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定した分で執行機関に送付することを適当と認めるものについては、これを送付し、その処理経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○曽根委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○曽根委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、神藤高齢者施策推進室長福祉局長兼務から発言を求められておりますので、これを許します。

○神藤高齢者施策推進室長福祉局長兼務 お許しをいただきまして、当委員会所管三局を代表いたしまして、一言お礼のごあいさつを申し上げます。
 本定例会にご提案申し上げました各議案につきまして、多方面にわたり慎重なご審議の上、ただいまそれぞれご決定を賜りまして、まことにありがとうございました。
 当委員会の付帯決議を初め、ご審議の過程でいただきました数多くの貴重なご意見、ご提言を十分に踏まえ、今後とも、福祉、保健、医療行政における事業執行に万全を期し、都民の皆様方のご期待にこたえてまいる所存でございます。
 委員長、副委員長を初め委員の皆様方におかれましては、今後とも引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、これをもちましてお礼のあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。

○曽根委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十七分散会

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