委員長 | 相川 博君 |
副委員長 | 野島 善司君 |
副委員長 | 樋口ゆうこ君 |
理事 | 高橋かずみ君 |
理事 | 中嶋 義雄君 |
理事 | 吉野 利明君 |
吉原 修君 | |
清水ひで子君 | |
東野 秀平君 | |
新井美沙子君 | |
矢島 千秋君 | |
渡辺 康信君 | |
坂口こうじ君 |
欠席委員 一名
出席説明員都市計画局 | 局長 | 勝田 三良君 |
次長 | 藤井 浩二君 | |
技監 | 梶山 修君 | |
総務部長 | 村松 満君 | |
環境局 | 局長 | 小池 正臣君 |
総務部長 | 西野 和雄君 |
本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市・環境委員会所管分
・第十四号議案 平成十六年度東京都都市開発資金会計予算
付託議案の審査(決定)
・第八十三号議案 東京都建築安全条例の一部を改正する条例
・第八十四号議案 東京都都市計画局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 東京都国土利用開発審議会条例の一部を改正する条例
・第八十六号議案 使用済自動車の再資源化等に関する法律関係手数料条例
・第八十七号議案 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十八号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○相川委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出に対する決定を行います。
これより予算の調査を行います。
第一号議案、平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市・環境委員会所管分及び第十四号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも質疑を終了しております。
これより意見の開陳を行います。
順次発言を願います。
○矢島委員 私は、都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された平成十六年度予算関係議案について、意見の開陳を行います。
初めに、各局共通事項について申し上げます。
景気回復に明るい兆しが見えたものの、都財政は五年連続で赤字決算を記録し、将来にわたって巨額な財源不足が見込まれるなど、財政再建道半ばの厳しい状況にあります。
こうした中にあって、知事は、十六年度予算案を第二次財政再建推進プランの初年度として、東京の将来を見据えつつ、財政再建に新たな一歩を踏み出し、東京の再生を確実に進める予算と位置づけ、編成されました。
予算案の内容を見ると、都民が深刻に感じている治安対策への取り組みを初め、中小企業に対する金融支援策や新銀行の設立、雇用・就業支援策などが盛り込まれました。
また、東京を再生し、首都機能を高めていくために極めて重要な幹線道路網や公共交通網の整備、鉄道の連続立体交差化の推進、羽田空港の再拡張事業など社会資本整備が、十五年度最終補正予算と一体に、いわゆる十五カ月予算として編成されました。
加えて、観光振興や新・元気を出せ商店街事業などの東京の産業力の強化策、子育て支援策、教育改革のための諸施策など、東京の未来を切り開くための施策が並んでおります。
一方、我々はこれまで、財政再建に当たり、まず都みずからが都民の目に見える形で血を流すべきであると強く主張してまいりましたが、千四百四十四人の定数削減や退職手当の見直しなどの内部努力が盛り込まれ、財政再建と都政の構造改革について具体化が図られています。第二次プラン策定時点で見込まれていた財源不足は、財政再建に向けた全庁を挙げた取り組みの結果圧縮され、臨時的財源対策も前年度の二千四百九十七億円から一千七百五十一億円に縮減されました。
なお、平成十六年度には国の三位一体の改革が具体化し始めますが、現時点では、所得税という基幹税の移譲に道筋はついたものの、中央省庁は依然として既得権に固執しており、残された課題が数多くあります。今後の改革で、税源移譲を初めとして真の地方の自立につながる地方税財政制度改革が行われるよう、都は国に迫っていただきたいと思います。
また、我々も、政府・党本部にあらゆる機会をとらえて申し入れてまいります。
改めて申し上げるまでもなく、東京の再生を果たすための先進的な諸施策を今後も継続して展開していくには、強固で弾力的な財政基盤の確立が欠かせません。あすの東京と都民の幸せのために、財政再建に向けたたゆまぬ努力が必要であると、あえてここで強調しておきます。
なお、予算の執行に当たっては、各局とも効率的な事業運営に努め、都民の期待にこたえるべく、最大限の努力を重ねられるよう強く要望いたします。
それでは、まず、都市計画局関係について申し上げます。
一、我が国の経済状況は、企業収益が改善し、設備投資が増加するなど、ようやく明るい兆しも見られるものの、先行きはなお不透明です。経済を回復の確かな軌道に乗せていくためにも、都は、東京を活力と魅力に満ちた都市として再生し、変革の時代をリードしていくことが求められています。
平成十六年度には、都市計画局、住宅局及び建設局市街地整備部門が再編統合され、新たに都市整備局として生まれ変わります。
これを契機に、木造住宅密集市街地などについても、事業実施部門がこれまで蓄積してきたノウハウを計画部門に反映させ、両部門が一体的、総合的に取り組み、幹線道路の整備に応じた沿道のまちづくりを進めるなど、実効性のある都市づくりを積極的に推進されたい。
二、逼迫している首都圏の空港容量の確保と国際拠点としての機能強化に役立つ羽田空港再拡張事業もいよいよ始動することとなり、都も国に対して積極的に協力するとともに、空港アクセスの強化を図られたい。
また、外環など三環状道路等の広域幹線道路ネットワークの形成と鉄道等公共交通網の整備を積極的に推進し、交通の渋滞解消や利便性の向上を図られたい。
三、災害に強い都市づくりを推進するため、道路など延焼遮断帯の整備に合わせた建物不燃化事業等の促進により、密集市街地の再編整備を進められたい。
四、都市公園の整備のため、周辺の都有地を活用した整備手法や民間活力を導入した新たな制度を創設するなど、公園緑地やオープンスペースの充実、良好な都市景観の形成など、豊かな都市環境の創出に努められたい。
次に、環境局関係について申し上げます。
一、地球の温暖化と都市の温暖化という東京が直面する二つの温暖化の進行を阻止し、東京を持続可能な都市とするため、二酸化炭素排出量削減やヒートアイランド現象に対する先導的な事業の推進など、東京の地域特性を踏まえた実効性のある温暖化対策を積極的に取り組まれたい。
二、自動車公害対策については、昨年十月からの規制を円滑に実施するため、厳しい経営環境にある中小零細事業者に対する低公害車への買いかえや、粒子状物質減少装置の装着に対する助成を引き続き着実に執行されたい。
三、小笠原諸島における世界自然遺産登録を目指し、外来種対策など自然保護の取り組みを強化されたい。あわせて、都独自のレンジャーを配置し、保護と利用のバランスのとれた自然保護体制の確立を図られたい。
緑の東京計画に基づく緑地の保全と再生及び森林が持つ公益的な機能の確保のため、東京の森林の再生に取り組まれたい。
四、後を絶たない産業廃棄物の不適正処理への効果的な対応として、排出事業者、処理業者に適正処理の徹底を求める新たな仕組みを構築されたい。
近県などとの広域的な連携を一層強化することにより、不法投棄対策等を積極的に推進されたい。
そのほか、ダイオキシン類の有害化学物質対策や土壌汚染対策など、都民の健康の確保が図られるよう、東京都環境基本計画に基づき、環境重視の都市づくりに向け、全力を挙げて取り組まれたい。
以上をもちまして、意見の開陳を終わります。
○樋口委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成十六年度予算にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
平成十六年度東京都予算案は、景気の緩やかな回復が見られる中での編成となりましたが、一般会計で前年度比〇・四%減の五兆七千八十億円、一般歳出で前年度比一・二%減の四兆二千二百十四億円となっています。これは、この間の景気回復傾向により、都税収入の約四割を占める法人二税に一千百六十一億円の増収が見込まれる一方で、銀行税の税率引き下げで昨年度比七百六十億円、税制改正で同三百四十五億円のマイナス要因が働き、結果として五十六億円しか増収が見込めないためです。都債の発行は四千八百二十九億円ですが、起債依存度は八・五%とかなり低い水準にあり、将来の財政負担を考慮してもなお活用の余地があると考えます。
現在の民間主導による景気回復が順調に推移することが望まれますが、経済状況に影響を及ぼす環境の変化に対しては、東京都としても適切に対応されるよう求めておきます。
いまだ財政再建道半ばといわれる厳しい状況にあっても、都政には、治安の回復、福祉・医療の充実、中小企業・雇用対策、都市と環境の再生など、緊急かつ重要な課題が山積しています。本予算案では、これらの課題に施策を厳選して重点的に予算配分しており、財政状況を勘案するならば、評価できるものとなっています。
しかし、各自治体がこのように厳しい予算編成を余儀なくされている中にあって、国の怠慢は許されるものではありません。小泉内閣の三位一体改革も、自治体には裁量の余地のない国庫負担金を削減し、財源措置は国が配分権を持つ移転財源で賄うとあっては、中央省庁の官僚のいうがままであります。しかも、現場を無視した、戦略なき場当たり的補助金削減が横行しており、自治体への悪影響は看過できないものとなっています。国を変えなければ自治体も生きない、このことを肝に銘じなければなりません。
今後、迷走する小泉内閣と限られた財源のもとで、景気回復と財政再建を両立させるためには、中長期的視点に立った、より一層の財政構造改革が欠かせません。都民福祉の後退とならないように、知恵を出し、工夫を凝らされるよう求めておきたいと思います。
以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について述べます。
まず、都市計画局関係について。
一、首都圏メガロポリス構想など都市の構造を大きな視点でとらえた上で、関係県市と連携、協働を図りながら、政策誘導型の都市づくりを積極的に展開すること。
一、街区再編まちづくり制度として、街並み再生方針の策定に取り組むとともに、景観形成を図るための街並みデザイナー制度の対象地区を拡大すること。
一、事業化がおくれている都市公園の整備を進めるために、民有地との一体的なまちづくり手法の導入や民設民営公園制度の創設、地区計画制度等への切りかえなど、規制緩和や民間活力の導入によって、緑を増加させる仕組みを構築すること。
一、深刻化する踏切問題に対処するため、三百五十の重点踏切に対して、財源の裏づけも含め、積極的に取り組むとともに、鉄道立体交差事業を補完する新たな仕組みである生活拠点鉄道連続立体化制度を創設すること。
一、仮称総合物流ビジョンを策定するとともに、西南部物流拠点の整備及び区部四拠点の再編整備に取り組むこと。
一、羽田空港へのアクセス及び跡地開発方針等の調査検討を進めるとともに、横田基地については、引き続き離着陸実態調査を行うこと。
一、東京外かく環状道路については、地上部街路や周辺まちづくりに関する調査検討を進めるなど、首都圏三環状の整備に向けて取り組むこと。
一、首都高速道路公団への出資金等については、その必要性を十分精査し、東京都として主体的な判断のもとに行うこと。また、中央環状新宿線の換気塔については、自動車公害対策の進捗状況も踏まえて検討すること。
一、マイカーからバスへの交通利用の転換を進めるためのバス・ロケーション・システムの導入や、バスの定時性を確保するための公共車両優先システムの導入を推進すること。
一、東京臨海高速鉄道株式会社に対する財政支援を行うに当たっては、会社の収支計画を厳密に定め、都民への説明責任を果たすこと。
一、地下駅における利用者の安全を確保するため、火災対策基準を満たしていない地下駅の整備を進めること。
一、八ッ場ダムなどダム事業については、将来の水需要予測を踏まえた上で、中水、雨水、地下水や人工降雨利用転換などの検討を加え、事業の撤退、見直し、事業費圧縮を国に対して働きかけること。
次に、環境局関係について。
一、ディーゼル車対策として、事業者に対する補助や融資あっせんを引き続き実施するとともに、取り締まり体制の充実を図ること。また、不正軽油対策の充実を図るため、立入検査や路上検査を実施するとともに、軽油の低硫黄化を国に対して働きかけること。
一、光化学オキシダント対策を推進するとともに、東京港における船舶等に対する対策を講じるなど、大気汚染対策を充実すること。
一、オフィスなどの大規模事業所のCO2排出削減に向けて、地球温暖化対策計画書制度を強化するための実態調査を実施するとともに、指針の策定に向けて取り組むこと。また、中小テナントビルへの省エネ対策を推進すること。
一、ヒートアイランド対策として、気温、風向き、風速などのモニタリング調査を実施するとともに、地域特性に応じた対策の指導、誘導のためのガイドラインの作成など、ヒートアイランド現象緩和のための東京モデルの構築に取り組むこと。
一、産業廃棄物対策として、排出事業者の適正処理への取り組みを公表する制度や、処理業者の産業廃棄物処理の状態を公表する制度の早期制度化を図ること。また、産業廃棄物処理施設の整備支援やPCB廃棄物の適正処理対策を行うこと。
一、東京の緑の保全と再生を図るために、保全地域の指定を推進するとともに、保全地域の公有化を図ること。また、里山保全地域については、NPOや企業などとも連携した、多様な方策も工夫しながら里山の保全を推進すること。
一、生物多様性の確保と自然との触れ合いを進めるために、アホウドリや小笠原希少動植物の保護増殖などに取り組むこと。また、移入種対策など、小笠原の世界自然遺産登録推進事業や都レンジャーの設置などに重点的に取り組むこと。
以上で、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。
○東野委員 私は、都議会公明党を代表して、当委員会に付託されました平成十六年度予算関係議案について、意見の開陳を行います。
初めに、各局共通について申し上げます。
景気はようやく緩やかな回復の兆しが見られるものの、都税収入は前年度から引き続き四兆円を下回る低水準で推移しており、その中で編成された平成十六年度予算案は、歳出総額五兆七千八十億円で、前年度比〇・四%減、政策的経費である一般歳出も四兆二千二百十四億円で、対前年比一・二%減という緊縮型予算となっております。
しかし、こうした厳しい財政状況の中にあっても、治安の確保、中小企業支援、雇用対策、福祉・医療の充実、都市再生、環境対策など、都政の緊急かつ重要な課題には財源を優先的に配分しており、とりわけ福祉と保健の分野の予算については、予算全体への構成比にも配慮するとともに、我が党の主張を反映させ、介護予防推進モデル地区重点支援事業、市町村地域保健サービス推進事業や不妊治療助成、さらには特別支援教育のモデル事業実施などの新規事業が盛り込まれ、きめ細やかに都民福祉の向上に目配りした予算となっていることを評価するものであります。
平成十六年度は、第二次財政再建推進プランの初年度に当たり、千四百四十四人の職員定数削減や退職手当の見直し、監理団体改革などの内部努力に取り組むこととしています。これは、我が党が一貫して主張している行政のむだの一掃の視点と合致するものであり、高く評価しますが、これにとどまらず、事務処理のアウトソーシングの推進やコストの縮減など、なお一層の徹底した内部努力への取り組みを求めるものであります。
さらに、地方税財政制度の改革についてですが、基幹税である所得税の税源移譲に道筋がついたとはいえ、本来のあるべき税源移譲とはいまだほど遠いものであり、国に対してこれまで以上に強く働きかけていくべきであります。
今後、都財政を取り巻く環境は不透明であり、予断を許しません。本予算案の執行に当たっては、より一層、都民の期待にこたえられるよう全力を尽くすべきことを強く申し上げるものであります。
以下、各局別に申し上げます。
初めに、都市計画局関係についてであります。
一、厳しい経済状況に的確に対応し、東京の再生を迅速かつ着実に進め、その魅力を高めるための都市づくりが求められている。
平成十六年度には、都市計画局、住宅局及び建設局市街地整備部門が再編統合され、新たに都市整備局が誕生する。これまで事業実施部門が蓄積してきたノウハウを計画部門に反映させ、両部門が一体的、総合的に取り組むことにより、木造住宅密集市街地など既成市街地についても、実効性のある都市づくりを積極的に進められたい。
一、延焼遮断帯や避難場所の整備、建物の不燃化や公共空間の確保、建築物の耐震性、耐火性を向上させるため、防災関係事業の重点化を図るとともに、さきに改定された防災都市づくり推進計画に基づく各事業の実施に当たっては、関係区と密接な連携を図り、実効性のある防災都市づくりを推進されたい。
一、東京圏における広域的な公共交通のネットワークを強化するため、常磐新線及び日暮里・舎人線については、事業計画どおり着実に整備するとともに、駅などの公共空間、公共交通機関におけるバリアフリー化の取り組みを一層強化されたい。
また、道路関係四公団民営化に際しては、首都圏三環状道路など、首都圏にとって必要な道路整備が早期かつ確実に可能となるよう、仮称首都圏高速道路構想の実現に向け、関係県市と調整を進め、国に働きかけられたい。
一、東京らしい緑の形成に努め、まちづくり手法の導入による公園整備の促進策や民間の力を活用した新たな整備手法を検討し、緑や公園の充実を図られたい。
また、都民生活に不可欠な水資源の確保を一層促進されたい。
次に、環境局関係について申し上げます。
一、健康で安全な環境の確保、都市と地球の持続可能性の確保、自然環境の保全と再生を実現するため、環境基本計画の各種施策を確実に実行されたい。
一、都市と地球の温暖化阻止のため、二酸化炭素の削減など温暖化対策に当たっては、個々の事業者の目標設定を高目に誘導していくなど、東京の地域特性を踏まえた先駆的、先進的な制度構築を進められたい。また、太陽光発電や風力発電など、環境負荷の少ない再生可能エネルギーの普及拡大を積極的に推進されたい。
一、ディーゼル車規制については、厳しい経営状況の中、懸命に働いている中小零細事業者のために、PM減少装置装着の補助制度やディーゼル車の買いかえのための融資制度を引き続き実施されたい。
一、小笠原諸島における世界自然遺産登録や都独自のレンジャー制度の導入など、自然公園等の適正利用に関する事業を推進し、東京の自然を損なうことなく次世代に引き継がれたい。
一、緑の東京計画を実現し、都市の風格を向上させるため、屋上緑化、壁面緑化等を全庁を挙げて積極的に推進するとともに、東京に残された貴重な自然を保護し回復する施策を積極的に進められたい。また、地球環境問題の解決のためにも、多摩の森林再生計画のような緑の再生、創出に積極的に取り組まれたい。
一、有害化学物質については、使用量の削減、有害性の少ない化学物質への転換など、事業者への情報提供に努められたい。また、都市更新に伴い土壌汚染問題が顕在化していることにかんがみ、土壌汚染の未然防止を図るとともに、発見された土壌汚染の適切な処理を指導されたい。
一、広域的な産業廃棄物の不適正処理を未然に防止するため、事業者に徹底した適正処理を求める仕組みを構築されたい。あわせて、不法投棄に対しては、迅速かつ的確に対応するため、産廃Gメンを活用した取り組みを強化されたい。また、PCB無害化処理施設や廃棄物リサイクル施設を臨海部に整備するスーパーエコタウン事業の着実な推進を図られたい。
以上で意見の開陳を終わります。
○清水委員 私は、日本共産党都議団を代表し、平成十六年度東京都一般会計予算中、都市・環境委員会所管分及び第十四号議案について意見を述べます。
平成十六年度の都市計画予算案は、この間、都政の中で温存、拡大されてきた超高層ビルと大型幹線道路中心の都市再生を一層推し進めるものとなっている。この都市再生は、都財政を大きく圧迫していると同時に、都市づくりのあり方からも重大な問題がある。
都心を中心にセンター・コア・エリア、中央環状線の内側全体という広大な地域の巨大開発に踏み出し、既に都内は、二〇〇三年問題といわれるビルラッシュが続き、その規模は、大手不動産会社森ビルの評価で、バブルの最盛期の倍になっている。さらに、緊急整備地域の開発など都市再生が本格化していけば、東京の環境と都民生活に多大な影響を及ぼすことが予想されている。
既に、自動車公害対策では、自動車交通量がふえ続け、窒素酸化物を二〇〇五年度までに二万八千トン減らすと掲げていたにもかかわらず、実現不可能であることが明らかになり、達成期間を五年間先延ばしした。
地球温暖化要因物質CO2、二酸化炭素も同様に対策を強化するとしているが、超高層ビルと自動車交通量の増大により、削減目標を達成できるのか、見通しは立っていない。
今大事なことは、NOx対策でも二酸化対策でも、考えられる削減策を進めつつも、新たな発生を極力抑制していく、ふやさないことを対策の中心に据えることがますます重要になっている。この視点の都市再生の抜本的な見直しこそ求められている。
予算では、外環、圏央道など三環状道路、首都高速道路公団への出資、無利子貸付、臨海高速鉄道株式会社への支援など、財政が厳しいといいながら投資的経費が減らされず、福祉、教育などの予算を圧迫している。大型開発中心を改めれば、財政の立て直しを図りながら安心・安全なまちづくりなど都民要望にこたえられるものであることを指摘したが、その立場に立つことを強く求めるものである。
以下、具体的な問題について述べます。
都市計画局。
さらなる東京一極集中と環境破壊をもたらす都市再生偏重を改め、都市としての成長をコントロールし、都民参加でだれでも安心して住み続けられる環境共生型のまちづくりを目指すこと。
都市再生を初めとする開発計画について、人口、産業、環境、財政など多面的なアセスメントを実施すること。
環境破壊をもたらし、巨額の財政投入を必要とする三環状道路計画の建設計画は、凍結の上、都民参加で抜本的に再検討すること。
羽田空港の再拡張については、財政、環境、安全性確保の視点から、都民及び地元区の参加で慎重に検討すること。
東京臨海高速鉄道株式会社への支援を見直すこと。
自動車依存型から脱却し、自動車総量抑制を進めるためにも、実効ある交通需要マネジメント、TDMを総合的に進めること。
交通不便地域、地域内での都民の足の確保をするためにも、ミニバス整備や、都市活性化のためのLRTなどの導入促進のために具体的に取り組むこと。
地下鉄駅の防火対策の抜本的改善を進めること。
公有地や工場跡地、未利用地など、都心に残された緑を保全し、回復させる公園づくりなどを促進すること。
過大な水需要計画を下方修正するとともに、水資源開発計画を再検討すること。八ッ場ダムなど現行計画に基づくダム建設など、過大な投資を中止し、見直すこと。
水循環マスタープランの具体的な促進を行うこと。
都市型水害の増大を踏まえ、国、区市町村、民間とも連携し、総合治水対策を本格的に推進すること。
環境局。
都における業務、自動車など各分野における二酸化炭素、排熱量抑制基準の目標を定め、取り組みを強めること。
森林再生、市街地における緑の保全確保とともに、地下水の保全を推進すること。
光化学スモッグの発生メカニズムの研究と対策を早急に講ずること。
東京大気汚染公害裁判の判決を真摯に受けとめ、大気汚染対策を抜本的に強化すること。
自動車交通総量の規制目標を設定し、自動車交通総量規制、削減のため、TDMやモーダルシフトなど総合対策を講ずること。
NOx、PM除去装置の開発、支援にメーカーが積極的に取り組むよう強く要求すること。また、都としても対策を講ずること。
都市再生関連の事業のアセスの特例扱いをやめ、特定地域における超高層建築物の対象をもとに戻すこと。
廃棄物対策は、実効ある拡大製造者責任とリサイクルの内部コスト化へのシステムの構築に向け、根本から見直すこと。
市街地でも緑保全の拡充、里山保全の指定を促進し、公有化に努めること。また、区市町村への保全緑地公有化事業を制度化し、充実すること。
希少動植物を保護し、生態系の生息環境を保全すること。
環境科学研究所の体制を充実すること。
以上です。
○新井委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された平成十六年度予算関係議案について、意見の開陳を行います。
一般会計の予算規模は五兆七千八十億円で、前年度に比べ二百十五億円、〇・四%の減となり、三年連続で六兆円を下回る緊縮型予算となりました。
歳入の面では、都税収入は三兆九千二百六億円と、昨年とほぼ横ばいを見込んでいますが、前年度に引き続き四兆円を下回る厳しい状況となっていることに変わりはありません。
今年度の予算編成は、引き続きの緊縮財政にもかかわらず、新銀行設立は聖域化され、一千億円という莫大な金額を計上していますが、事件案として提案することが必要と考えます。国の三位一体改革の結果として、十八年度までの経過措置としての所得譲与税の行方は不透明で、一方、職員の大量退職期を迎えての退職金増、起債償還期など、財政支出が確実に膨らむ要素は多々あります。このような状況を踏まえれば、借金をふやし続けることは許されません。
今議会では、私たちが長年求めてきた食品安全条例が上程されました。現在及び将来の都民の健康の保護を図るために、未然防止の考え方を取り入れたことは評価するものですが、さらに、国民を保護の対象としか見ない国の食品安全基本法を上回るものを求めたいと思います。
また、福祉や教育など広範な都民生活に直結した施策については、従来どおりの発想ではなく、NPOとの協働を進めるなど、都民が真の豊かさを実感できるようなシステムを構築すべきです。厳しい財政状況の中で財源対策は不可欠ですが、低成長の時代であればこそ、都民の多様な暮らしに安定と安心をつくり出す予算の執行を求めます。
以下、各局別に申し上げます。
まず、都市計画局関係について申し上げます。
一、都市再生に当たっては、当該基礎自治体とその住民の声を十分に反映すること。また、当該自治体の基本構想や都市計画マスタープラン及びその他の都市計画との整合性に配慮すること。
一、住民の発意による身近な都市再生は、提案から決定、事業実施に至るまで基礎自治体のイニシアチブで進め、要請のある場合、都は助言等支援を行うこと。
一、一定年限を経た都市計画決定については、変更、廃止の手続をルール化すること。
一、都と基礎自治体の対等な関係を確立するとともに、用途地域の決定権を市区町村に移管するなど、都市計画における分権を進め、市民と行政のパートナーシップの実践を目指すこと。
一、深刻化する建築紛争の防止には、地域のまちづくりの方針を尊重し、民間の建築確認団体や事業者の指導を徹底すること。
一、景観法が制定されるが、地域固有の特性と密接に関連する良好な景観を保存、促進するため、市区町村との連携で景観計画を策定すること。また、市区町村が景観行政団体になることを希望した場合は、それを認めること。
一、都市の成長を適切に誘導、コントロールするため、オフィス需要を把握し、都市計画に反映すること。
一、都市計画道路については、最新のパーソントリップ調査等を参考にしつつ、将来の東京圏の人口を踏まえた需要予測を立て、ノーアクションの代替案の検討を含め、住民と協議すること。
一、外環道計画は、沿線PI協議会の議論を尊重し、拙速に協議を打ち切らないこと。議論に必要なデータの提供及び委員の発意による調査の実施を支援すること。また、先行する中央環状などの整備状況を踏まえ、予測交通量と環境影響等のデータは広く都民に示し、十分な合意のもとに検討を行うこと。
一、臨海副都心開発に伴う過大な広域幹線道路整備計画は見直し、縮小すること。
一、東京臨海高速鉄道株式会社の経営改善計画書については、累積赤字解消の目標年など経営改善指標を具体的に示し、都民への説明責任を果たすよう、都として厳しくチェックすること。
一、自動車優先の道路づくりから自転車、歩行者優先の道路づくりに転換し、安全で快適な自転車道のネットワーク化を早期に計画化すること。
一、TDM施策を進めるとともに、公共交通の担い手として、LRTの導入を積極的に進めること。
一、ディーゼル車による大気汚染を抑制するため、環境保全の観点から軽油引取税の税率を上げること。
一、揮発油等道路特定財源を、道路整備のみならず、IT基盤整備、テレワーク、公共交通整備にも広げるよう、国への要望や都の施策について検討すること。
一、都市計画審議会は、必要に応じて公聴会を開催し、出された意見については回答すること。
一、水循環マスタープランの推進に当たっては、さらに総合的な水政策とするために、節水型都市を目指し、都民、NPOとも連携し、水循環の推進に関する条例の制定を検討すること。
一、市区町村における雨水浸透ます設置事業への支援を復活すること。
一、過大な水資源開発の見直しを国に求め、水需要の実績と科学的な需要予測を行い、八ッ場ダム計画からの撤退を検討すること。
一、みどりの新戦略ガイドラインについては、市区町村及び都民の参加で策定すること。
一、里山保全を目的とした新しい緑地保全地域制度などを活用し、他局と連携して里山保全に努めること。
一、緑の財源を確保するため、国への働きかけと同時に、みどりの宝くじの特定財源化やトラスト制度の創設など、早急に実現すること。
次に、環境局関係について申し上げます。
一、都政において環境優先の原則を確立すること。
一、総合環境アセスメント制度においては、計画案の選択が可能な早期に行い、制度適用対象外のものに対しては、都民の要望により運用できるように、制度の運用範囲を拡充すること。
一、戦略的アセスメント制度(SEA)は国に先駆けて取り組むこと。
一、太陽光発電、風力発電、バイオマス、コージェネなどの再生可能エネルギーや未利用エネルギーの導入に都独自の助成制度を設け、東京のエネルギー地域分散型都市への転換を積極的に進めること。
一、新エネルギーの導入の利用拡大のため、環境保全上の政策と結びつけた実践を進めているNPOに支援策を講じること。
一、地球温暖化防止のため、二酸化炭素の排出削減を進め、総量規制と都内排出権取引の仕組みをモデル実施すること。
一、地球温暖化防止のため、大規模事業所のCO2排出削減については目標数値を設定し、また、中小規模の事業所に対しては、自主的なCO2排出量削減行動へ誘導する仕組みづくりを進めること。
一、有害化学物質対策基本指針に基づき、環境ホルモンを含む有害化学物質の減少を目指し、管理システムの構築を進めること。
一、PRTR制度の活用については、移動先、処分先も届け出対象として情報公開し、対象物質を拡大すること。また、インターネットなど公表方法を工夫し、市民が情報を得やすくすること。
一、化学物質子どもガイドラインを活用するため、環境学習資料等に盛り込むこと。また、都立以外の保育施設、幼稚園等の子ども施設においても周知徹底を図るよう、関係各局各機関と連携を図ること。
一、環境ホルモンについての調査を多方面で進めるとともに、PRTR制度を活用し、情報を都民に公開し、未然防止の観点を踏まえてリスクコミュニケーションを進めること。また、基準の設定など、国に対策の強化を働きかけること。
一、東京湾の水質汚濁防止のため、流入する河川の水質改善を強化すること。
一、保全地域の管理における市民参加を推進すること。また、緑行政の総合化を進め、緑のネットワーク化を進めること。
一、緑地トラスト制度を創設し、パートナーシップ型の運営を行い、基金だけでなく、人的資源も活用して谷戸や里山の保全を行うこと。
一、里山保全地域については、計画的な指定とともに、地権者への税制優遇措置を拡充するよう努めること。
一、小笠原の環境保全は、環境局がリーダーシップをとり、全庁的に進めること。
一、ダイオキシン対策を強化するとともに、塩ビ製品などに発生物質の表示を進めるための働きかけを行うこと。
一、使用済み製品が製造者に戻るシステムづくりを進めるなど、製造者責任を明らかにしていくこと。
一、冷媒フロン及び断熱材のフロン回収を事業者責任として位置づけること。
一、リターナブル瓶のリサイクルを進めるための推奨制度をつくること。
一、容器包装リサイクル法の改正に向け、拡大生産者責任を明記するように国に働きかけること。
一、薬局による在宅医療廃棄物の使用済み注射針の回収は、全都実施に向けて支援を強化すること。
一、立川市内の井戸の一・四ジオキサン汚染については、調査を継続し、汚染源の特定、汚染範囲の把握に努めること。
一、環境パートナーシップコーナーの運営に当たっては、環境学習リーダー養成講座を受講した人材を生かすなど、環境問題に関して情報提供、啓発活動に努めること。
一、入札制度に環境保全の視点を導入し、事業者のインセンティブを高めるよう財務へ働きかけること。
一、建築物の新築に当たっては、省エネルギー対策を進め、省エネ性能に関する情報を消費者が得られるような仕組みをつくること。
以上です。
○相川委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長まで提出いたしますので、ご了承願います。
以上で予算の調査を終わります。
○相川委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第八十三号議案から第八十八号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも質疑を終了しております。
この際、本案に対し、発言の申し出がありますので、これを許します。
○清水委員 第八十四号議案、東京都都市計画局関係手数料条例の一部を改正する条例は、関係手数料のうち、建築物及び建設設備確認申請の中間・完了検査手数料、建設業許可申請書類の閲覧有料化、また、二級建築士事務所などの申請手数料についての改定は、都民、中小企業関係者に影響を及ぼす部分が含まれていることから、反対いたします。
○相川委員長 発言は終わりました。
これより採決を行います。
初めに、第八十四号議案を採決いたします。
本案は、起立により採決いたします。
本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○相川委員長 起立多数と認めます。よって、第八十四号議案は原案のとおり決定いたしました。
次に、第八十三号議案及び第八十五号議案から第八十八号議案までを一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。よって、第八十三号議案及び第八十五号議案から第八十八号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○相川委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○相川委員長 この際、小池環境局長及び勝田都市計画局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○小池環境局長 発言の機会をちょうだいいたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げさせていただきます。
このたびの定例会に提案いたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
ご審議の過程でいただきましたご意見、ご指導につきましては、今後の事務事業の執行に十分に反映させ、万全を期してまいりたいと思います。
また、昨年十月より、委員長初め副委員長、理事並びに各委員の皆様方には、環境行政につきまして大変ご熱心にご審議いただき、一方ならぬご指導、ご鞭撻を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
この間、付託議案及び請願陳情の審査、予算の調査など、さまざまな機会を通じましてちょうだいいたしました多くの貴重なご教示、ご提言につきましては、今後の環境行政に十分反映させてまいります。
今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。
ありがとうございました。
○勝田都市計画局長 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。都市計画局を代表いたしまして、一言お礼のごあいさつを申し上げます。
このたびの定例会に提案をいたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただきました。
委員長初め委員の皆様には熱心なご審議を賜りまして、ありがとうございました。
ご審議の過程でいただきましたご意見、ご指摘等につきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと存じます。
また、この間、都市・環境委員会でのご教示、ご指導、多数賜りました。心から感謝を申し上げます。
当局は、四月一日から新たに都市整備局に変わります。新たな局では、計画部門と事業部門を再編統合することによりまして、迅速かつ効果的なまちづくりが可能になってまいります。
今後とも安全で快適な、住みよいまちづくりを進めるため、局一丸となりまして、都民の皆様の期待にこたえられるよう最大限の努力をいたす所存でございます。
先生方におかれましては、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、甚だ簡単でございますが、お礼のあいさつとさせていただきます。
まことにありがとうございました。
○相川委員長 発言は終わりました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時五十分散会
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