委員長 | 相川 博君 |
副委員長 | 野島 善司君 |
副委員長 | 樋口ゆうこ君 |
理事 | 高橋かずみ君 |
理事 | 中嶋 義雄君 |
理事 | 吉野 利明君 |
吉原 修君 | |
清水ひで子君 | |
かち佳代子君 | |
新井美沙子君 | |
内田 茂君 | |
坂口こうじ君 |
欠席委員 一名
出席説明員都市計画局 | 局長 | 勝田 三良君 |
次長 | 藤井 浩二君 | |
技監 | 梶山 修君 | |
総務部長 | 村松 満君 | |
都市づくり政策部長 | 森下 尚治君 | |
都市づくり調整担当部長 | 南雲 栄一君 | |
参事 | 金子 敏夫君 | |
都市基盤部長 | 山崎 俊一君 | |
外かく環状道路担当部長 | 道家 孝行君 | |
参事 | 宮川 昭君 | |
都市防災部長 | 成田 隆一君 | |
市街地建築部長 | 野本 孝三君 | |
環境局 | 局長 | 小池 正臣君 |
総務部長 | 西野 和雄君 | |
企画担当部長 | 梶原 秀起君 | |
都市地球環境部長 | 百合 一郎君 | |
環境改善部長 | 松葉 邦雄君 | |
参事 | 柿沼 潤一君 | |
自動車公害対策部長 | 山本 憲一君 | |
参事 | 月川 憲次君 | |
参事 | 中島 博君 | |
自然環境部長 | 徳毛 宰君 | |
廃棄物対策部長 | 福永 富夫君 | |
参事 | 松本 保幸君 | |
環境科学研究所次長 | 宮本 孝君 |
本日の会議に付した事件
環境局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
陳情の審査
(1)一五第五七号 あきる野市横沢入地区の里山保全地域指定に関する陳情
報告事項(質疑)
・東京都自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画(素案)について
都市計画局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例
・東京都建築安全条例の一部を改正する条例
・八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について
請願陳情の審査
(1)一五第二七号 中野区内の西武鉄道新宿線の踏切解消促進に関する請願
(2)一五第二八号の一 東京臨海地域公共交通基盤整備に関する請願
(3)一五第四三号 小田急不動産「用賀一丁目計画」に関する陳情
(4)一五第四六号 港区白金一丁目二十五番高層マンション建設計画の変更に関する陳情
(5)一五第四九号 東池袋四丁目第二地区市街地再開発計画の見直しに関する陳情
(6)一五第五八号 都において許可された建設業者の許可取消し及び知事許可制度の見直しに関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・第百六十一回東京都都市計画審議会付議予定案件について
○相川委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は三十二名でありますが、さらに十八名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○相川委員長 会期中の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局、都市計画局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査、並びに環境局関係の報告事項の質疑及び都市計画局関係の報告事項の聴取を行いたいと思います。
なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、請願陳情につきましては採決まで行いたいと思います。
また、環境局関係の報告事項につきましては質疑終了まで行い、都市計画局関係の報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑終了まで行いたいと思います。ご了承を願います。
これより環境局関係に入ります。
初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○小池環境局長 平成十五年第四回定例会に提出を予定しております条例案につきまして、ご説明申し上げます。
提出を予定しております条例案は、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例案の一件でございます。
これは、食品衛生法の一部改正に伴い、規定を整備するものでございます。
詳細につきましては総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○西野総務部長 それでは、資料1に基づきまして、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例案の詳細をご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。
改正の理由でございますが、食品衛生法等の一部を改正する法律の施行による食品衛生法の改正に伴い、規定を整備する必要があるためでございます。
改正の内容でございますが、条例第百二十八条第一項における食品衛生法の引用に係る規定を、法の改正に合わせて改めるものでございます。
二ページをお開き願います。
条例の施行期日でございますが、食品衛生法等の一部を改正する法律の附則第一条第三号に規定する日でございます。これは、法律の公布された平成十五年五月三十日から起算して、九月を超えない範囲内において政令で定める日でございます。
三ページ、四ページは本条例案、五ページは新旧対照表でございます。
以上で条例案のご説明を終わらせていただきます。よろしく審議のほどお願い申し上げます。
○相川委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○相川委員長 これより陳情の審査を行います。
一五第五七号、あきる野市横沢入地区の里山保全地域指定に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○徳毛自然環境部長 資料2、都市・環境委員会陳情審査説明表をお開きください。
整理番号1、一五第五七号のあきる野市横沢入地区の里山保全地域指定に関する陳情につきまして、ご説明申し上げます。
この陳情は、あきる野市横沢入里山管理市民協議会の内山孝男さんからのものでございます。
陳情の要旨は、あきる野市横沢入地区を東京における自然の保護と回復に関する条例の保全地域制度にある里山保全地域に指定していただきたいというものでございます。
次に、現在の状況でございます。
都では、東京における自然の保護と回復に関する条例に基づき、自然の保護と回復を図るため、森林環境保全地域や里山保全地域、緑地保全地域などを指定し、保全計画に基づく保全事業の実施や保全地域の活用を進めることとしております。
里山保全地域の指定には、地権者の理解、継続的に保全管理できる体制づくり、土地の公有化等の課題があり、現在のところ指定の実績はございません。
あきる野市横沢入地区は、多摩地域の谷戸の保全に関する調査において、地形の複雑さや集水域の面積等について評価した結果、四百四カ所ある多摩地域の谷戸の中で自然の資質が最もすぐれておりました。
里山の保全につきましては、複数の地域で関係者による連絡会を設置し、多様な保全方策について協議、検討しております。
横沢入地区につきましても、多様な保全方策を検討するため、関係者による連絡会を設置する準備を進めております。
説明は以上でございます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
○相川委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○野島委員 何点かざっくり聞かせてもらいます。
この陳情は、都条例に基づいて里山保全地域に指定していただきたい、こういう願意というふうに受けとめております。
この横沢入が、今ご説明にもありましたように、里山、谷津、それから谷戸といういい方をするところもあります。私がかかわっていた仕事では、結構、谷津、谷津という、そこにある田んぼは谷津田、谷津田というふうな、こんな表現、谷津というふうに表現をしておりますが、今ほどの説明をいただいた中でも、多摩地域の谷津の中で、極めて自然の資質が最もすぐれている、こういう評価になっておるということのようでございます。
そこで、この横沢入地区の全体像というんですか、ずっとつながっているわけですから、どの辺までが横沢入という一団の土地として考えられるのか、その対象と所有者の分布、こんなところをまず伺うと同時に、そこをどういうふうな都市計画上の位置づけにされておるのか、こんなところをまずお伺いしたいと思います。
○徳毛自然環境部長 横沢入はこの地域の通称でありまして、定まった面積はございませんが、里山として保全すべき一団の区域として、おおむね考えている面積は約五十二・八ヘクタールでございます。このうち、約八八%を占める四十六・六ヘクタールをJR東日本が所有しておりまして、残りの約六・二ヘクタールは大半が一般の民有地で、所有者は約二十名でございます。
この地域の位置づけでございますが、平成元年の五日市町長期総合計画では、この横沢入を住宅系の面整備区域としておりましたが、平成十二年度に策定したあきる野市の都市計画マスタープランでは、自然との触れ合いゾーンとしております。
○野島委員 今、JRが地積の八〇%を所有している、恐らく買収してそれだけの面積を取得したんだろうと思うんですが、今お話しのありましたように、平成元年当時は住宅系の面整備地域というふうに位置づけておった。位置づけたから取得をしたということだと思うんですね。取得して開発をしていく。しかし、当該行政区のその地域にかかわる開発整備、保全の方針と合わなければ、とてもとても事業者だって、ともかく買っちゃえと。後はいろいろぐじゅぐじゅやりながら開発していくというふうにはなかなかならぬ時代ですから、そういう意味ではJRがなぜ取得したのか、そのいきさつと、その後、私もうろ覚えているのは、秋留台総合整備計画だか総合開発か、たしかそんなのがあったと思うんです。その辺も絡めまして、市とや、都との協議の経過、それから現在どういう形になっているのか、こんなところを伺いたいと思います。
○徳毛自然環境部長 JR東日本は、横沢入の約六十五ヘクタールを計画面積とする千戸、約三千人規模の住宅地開発を計画いたしまして、平成元年度から平成七年度にかけ土地の取得を進めてまいりました。
都は、この開発事業が自然保護条例に基づく開発許可案件に該当するものであることから、平成三年から事前相談を行ってまいりました。
平成十二年にJR東日本はこの事業の実施を断念し、あきる野市に対して、住宅開発計画を継続することは困難であると表明したと聞いております。
○野島委員 実は私、この間、ここをずっと歩いてきたんです。初めて行ったところでしたけれども、木々の緑も秋色から冬色へと移ろいいく感じで、ずっと歩いていますと、絞り水、沢というか、わき水が絞られてきて、それがせせらぎの音で聞こえるんですよね。ああ、いいところだな、何でこんなところを切ったり埋めたりしなければいけないのかなというのが正直な感想なんです。感想というのは、いわば地域づくりというのは、私はそこに住んでいない、武蔵野の平地に住んでいますから、そこから見ますと、年に一回や二回はああいうところに行きたいな、ぜひこのままにしておいてくれ、こういう気持ちになる、それは気持ちですよね。
一方、当該地においては、今ほどJRの関係で三千人規模の住宅地の開発をしていきたい。これは恐らく、当時はあきる野市じゃなかったのかな、五日市町だと思うんですが、そこもやっぱり定住人口をふやしたい。人口がふえることによって税収にもプラスになる。あるいはあの山を見る限りでは、立木、要するに植林したところというのは手入れされていない。それから、あの谷津田というのは物すごく生産性が低いと僕は思う。そういうところをそのままにしておくよりも、住宅開発をして、しかるべく人に住んでいただければ税収のプラスになる。あるいはJRとしても輸送力を強化してくれるだろう。こういうふうな形でやってきたのかなというふうに僕は推測をしておるんです。
私は、どんなところでも開発か保全かというのは相対立する部分が非常に多いと思うんですね。一番大事なのは、地域がどういうふうにそこの土地利用をして、その土地利用を通じて地域振興を図っていくか、こういうことですから、私が冒頭申し上げましたように、ときどき年に一、二回行って、そこがあればいいなという部分でものを決めるべき性格のものではないというふうに思っているところなんです。
そこで、都市計画マスタープランの位置づけも伺いました。いわば都市計画行政の憲法というのかな、その市域、行政区域の土地利用の根本のところを定めているわけですから、それについては、JRが開発計画を継続することは困難だという申し出とわだちを一にして、都市計画のプランでは自然との触れ合いゾーンとした、こういう時系列があると思うんですね。
そこで、そういう断念もあり、今いった都市マスでもそう位置づけておる。同時に、実はこの団体の方から、こういう資料をいただいたんですよ。これは、この間、あきる野市長選挙がありまして、そこに立候補した方が、この件についてどう考えているか。片方は現職、片方は新人で、大体二人とも同じようないい方をしているんですね。片方の現職の方は、市長としての見解等だ、こういうことでありますから、当然のことながら今までの経過、こういったものについても十分行政の継続性の中で判断されて、今後のこの地域の横沢入のあり方という意味合いで答弁されているというふうに推測していますがね。そこには、里山保全地域などの指定により担保していくことが得策だ、こういうふうに書いてあるんですね。公約もその旨掲げています。東京都の条例や都市公園法などに基づく指定がふさわしいといっているんですね。公有地化するのは財政的に難しい、今後いろいろ考えてまいりたい、こういうことなんです。
そういうふうな事情の中では、市当局、いわばその責任を持つ行政の主体がということは、すなわち当該地域の住民の方の意思も反映されて、ここを保全していく方針だというふうに私は理解しているんです。
ここにもありますように、そういう保全をしていくのに何が最大の担保かといったら、それは公有地化していくのが一番いいわけだと思うんですね。だれだれさんの持っている土地を勝手に指定する、あるいは勝手に売るな、これは里山だから、あるいは山だから、いい景色だから売るなといったって、それは無理なんです。生活がかかっているんですから、それぞれのさまざまな生きざまがそこにあるわけですからね。そういうことだと、やっぱり一番いいのは指定することだ。
こういうことで、私はこのガイドが出ていると思うんですけれども、極めて厳しい財政事情で、実は私どもの方は里山じゃないですけれども、この条例に基づき平地の指定されたところが結構多いんですよ。そこのすぐわきにあるから、これも何とか指定してくれと。そうしたら、東京都の方の見解は、いや、そういうものは地元の自治体でやっていただかなければいけない。都市緑地保全法もある、十ヘクタール以下だとね。そういうもので地域の自治体の責任においてやっていただくしかない。東京都はもっと広域的に里山等の保全等にウエートを置いた条例の運用をやっていくよと。それは何年か前の審議会でそういう答申が打ち出され、それを受けて今の自然保護条例は施行されています、こういうことなんです。面積の大きさとか小ささにもよると思うんだけれども、現実問題としては、財政事情からいくと、平場はそういうことで当該市町村、こっちは私たちの責任ですと、なかなか進まないと思うんですね。
今の発言といいましょうか、説明にもございましたように、いわば多様な方途というのは、逆にいうと、ここ一番の決定打がないということだと思うんです、私は。財政事情だとか、地元の地権者の絡みだとか、あるいは指定したら買い取らなければいけない。あるいは指定のしっ放しではいけませんから、維持管理もしていかなければいけない。特に荒らしづくりになっちゃっているところなんていうのは、一回そうなっちゃうと、もとに戻すのはなかなか困難ですから、よっぽど維持管理費を入れていかなければ、そこは僕は無理だと思うんですね。
そんなことを思いますと、この決定的な一打がないという実情の中で、反面、逆にいいますと、公有地化しますと、これは全部行政が将来的に買っていくよ、あるいは指定したときのランニングコスト等、あるいは保全のための費用等もこれは持っていきますと、人、物、金も担保していきましょうと、こういうことになると思うんですね。
逆に、そういうことで、これも市民の方がいろいろお取り組みなさっているんですね。ボランティアの方だとか、あるいはJRもいろいろ協力いただいているというふうな状況の中で、私はそういう展開をしていくことが、ただ、そこに里山があります、谷津もありますという自然の状態、そういう物理的な状態以上に人とのかかわり、人とそういう里山とのかかわりをより緊密にしていく、あるいは地域に対する愛着とか、そういうものをより高めていくという大きな意義が発揮できる場面でもあるのかなというふうに思っているんです。
したがいまして、本願意は、ともかく指定していただきたいということのようですが、いろいろ考えてみるに、なかなか困難だなと。都も困難、市も困難ということになりますと、さあ、どうするということで、今申し上げましたような視点に立って、より具体的な形で、例えば協議会をつくっていくとか、あるいは市もバックアップする、都も持っている力量で何とかバックアップをしながら、よりよい形のものをやっていく必要があるのではないか、こんなふうに思っているんですね。
そこで、具体的にそういうことを進めていくときに、どんな方途が可能なのか、そんなところを最後にお伺いしておきたいと思います。
○徳毛自然環境部長 横沢入は、都の行った谷戸調査におきましても、最も自然の資質が高かった地域であり、地元あきる野市でも、自然との触れ合いゾーンに位置づけていることなどから、都としては、当該地を適正に保全するための手法の検討などにつきまして、関係者と連携して取り組んでまいります。
現在、地元自治体、市民団体、地権者等との協議の場を設置するべく準備を進めているところでございます。その協議の場で地域の保全に向けた意見交換や情報交換を行い、市民緑地制度などの緑地保全に関する諸制度の活用やJR東日本との連携を含め、幅広く保全策を検討してまいります。
このような制度的な検討を行うほか、実践的な取り組みといたしまして、地権者の了解を得た上で、都が募集する都民ボランティアによる保全活動や、緑のボランティア活動指導者認定講習会の実習の場としての活用など、具体的な保全活動を行ってまいります。
○野島委員 ありがとうございました。これで終わりにいたします。
いわば、財政が厳しいからできませんよということじゃなくして、私はそういう中でもいろんな方途を探っていくべきだろうと思うんですね。とりわけ、さっき申し上げました開発か保全かという対立概念というのは、実は横沢入については消えちゃったわけですね。事業は断念する、都市マスはそういうことで位置づけている。
なおかつ、そこには今も熱心にいろいろ取り組んでいる地域の方がいる、あるいは自然愛好家の方もいる。そういうものに対していろんなバックアップをしながら、いつの日芽が出るか、里山保全地域として指定すれば一番望ましいんですけれども、いつの日か芽が出ることを望みつつ、ぜひそういうことで進めていっていただきたいことを要望して、終わります。
ありがとうございました。
○清水委員 私からも、あきる野市横沢入地区の里山保全地域指定に関する陳情について、何点かお伺いいたします。
これについては、先ほどのお話にもありましたように、市街化を図る地域というふうに位置づけられた時代から、十年以上前から、また、私自身も五年前に出されました同じ趣旨の請願の審議を通して、この地域の保全指定、緑地のまま残すべきだというふうに主張してきているところです。
今回、国の動きで多少の変化が見られるというふうに聞いております。環境省が来年度予算の重点施策として、生物多様性保全の総合的推進と自然の共生ということで、里地里山保全・再生モデル事業を行うという報道がされております。ここでは一億円を計上しておりますけれども、これはどういう事業なのか、お伺いいたします。
○徳毛自然環境部長 環境省では、平成十四年三月の新・生物多様性国家戦略におきまして、里地里山の保全が主要テーマの一つに掲げられていることから、平成十六年度の重要施策に里地里山保全・再生モデル事業を予算要求しております。
この事業は、全国の里地里山の立地特性等を踏まえてモデル事業地域を五カ所選定し、地元自治体、住民、NPO等との連携による里地里山保全・再生のモデル事業を計画、実施し、全国に発信することにより、全国各地のさまざまな主体による里地里山保全活動の促進を目的としております。
具体的には、保全管理や環境学習の実践などを内容とする地域ごとの里地里山保全の計画の作成及び計画に基づくモデル事業の実施が予定されております。
○清水委員 今のご報告にありましたけれども、国は、全国でわずかなんですけれども、五地域を選定するということになっているわけです。横沢入は、そういう意味では谷戸として非常にすぐれた自然を持っているというふうに局としてもお考えになっているわけで、この横沢入が対象となるように国に対して積極的に働きかけるべきであると考えますけれども、どうでしょうか。
○徳毛自然環境部長 ご指摘の五カ所のモデル地域につきましては、予算の状況を見まして、来年度早々にも選定に入る予定であると聞いております。現時点では、事業の詳細に不明な点が多いことから、今後、環境省からの情報収集に努めまして、都としてどのようなメリットがあるか、検討してまいります。
○清水委員 環境省は、十一年から十三年に、生物多様性国家戦略改定に向けて分析をしております。それは、里山里地地域と絶滅危惧種などとの関係を分析したわけです。絶滅危惧種が集中して生息生育する地域の多くが、里地里山であるということがわかったようです。かつては身近にいた絶滅危惧種、メダカ、ギフチョウなど及び絶滅危惧種以外の身近な種、トノサマガエル、ノコギリクワガタなどの生息地域の五割以上が里地里山にある場合が多いということがわかったようです。つまり、里地里山が生物多様性保全上、非常に重要な地域であるということが、国のこの調査と分析からも明らかになっているわけです。そういうことで、保全・再生のためのモデル事業など具体的な対策の実施について積極的に取り組んでいくとしているわけです。
活用できることを情報入手して、今ご説明にあったように、例えば都の実情に合わないようなことがあれば、それを改善を要望していくとか、また地域選定の際には、横沢入ということで今、要望しましたけれども、ほかの場所も含めて積極的にそういう国の前向きな方向については、都としてもこれを採用できるようにしていただきたいというふうに思うわけです。
五年前にこの請願がかかったときに、私も現地を案内してもらいました。本当に東京に残された貴重な里山だということを感じました。それから五年余りがたちますけれども、ますます東京には残された緑、自然というのが必要だということを、あのころ以上に多くの人は感じていると思うわけです。
そして、多くの都民が復元に携わっている地域ということで、先ほどご紹介いただきましたように、地域の方からいろんな資料をずっと送り続けていただいております。こういう地域は、都としてもいち早く保全地域指定を行って、保全事業に着手するべきだと考えますが、どうでしょうか。
○徳毛自然環境部長 里山保全地域の指定につきましては、土地所有者の理解や継続的に保全管理できる体制づくり、また、厳しい財政状況下における土地の公有化など多くの課題がございます。今後ともこれらの課題に取り組むとともに、地元自治体、地権者、NPO、企業などとの連携を強化しまして、多様な里山の保全方策について検討、実施してまいります。
○清水委員 自然保護条例を改定する際の議論として、先ほどお話がありましたように、緑地保全、市街化地域の保全は行わないということで、私たちはその改定には反対をして修正案を出したわけですけれども、他の党の意見の中に、市街化地域は仕方がないけれども、里山を保全するようになるからいいじゃないかという話もあったように記憶しているわけです。
それで、緑の東京計画では、十五年間で十カ所の里山を保全するというふうにしているわけです。現在のところ、繰り返し要望をしてきたわけですけれども、まだ行っておりませんが、この計画というのはどういうふうになっているのか、それを実現しようというお気持ちでいるのかどうか、伺いたいと思います。
○徳毛自然環境部長 先ほどご答弁いたしましたように、里山保全地域の指定につきましては多くの課題がございます。そのため、保全地域指定による方策だけでなく、多様な取り組みを検討し、実施しております。例えば、既存の保全地域内の谷戸における里山の復元や保全活動の実施、また地元自治体や市民活動団体等が参加して里山保全のあり方を検討する場を設置して保全活動に着手するなど、具体的な保全方策を着実に進めております。
今後ともこれらの経験を生かし、地元自治体、地権者、NPO、企業など多くの主体との連携による保全管理体制を整備するなど、多様な保全手法を取り入れて、緑の東京計画の目標の実現を目指して努力してまいります。
○清水委員 財政の問題を前の委員がいわれましたけれども、保全地域指定の財源というのは、九十億あったときも百億あったときもあるわけですよ。確かに財政が困難だというようなことでは、百億とまではいいませんけれども、ここ最近は二十億とか十数億とかいうことで、全く里山地域の保全に対する積極的な姿勢が本当にあるのかなというふうに疑われるような環境局の予算要望でもあるわけです。
そういう意味では、やはり本当に地球温暖化とかヒートアイランド現象を緊急の課題、深刻な東京の状態ということであるならば、こういうところを積極的に守っていくということが本当に必要だということで、都としてできる施策、それは公有化ということでは、ぜひ横沢入のこの請願を前向きに受けとめて、積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、NPOなどのボランティアの方々の保全管理に頼っているわけですけれども、広い地域でこのボランティアの人数が余りにも少ないというようなことで、こういうお便りをいただきながら、そういう方にももっと積極的に参加していただきたいというような呼びかけもされているわけですよ。ですから、そういう面でも、人的な支援というようなことでも、何らかの方策を考えていただければいいというふうに思います。
積極的な施策の充実をお願いして、質問を終わります。
○新井委員 私も、あきる野市横沢入の里山保全地域指定に関する陳情について質問をさせていただきます。
これまで、自然保護条例が改正されましてから、里山保全の指定について私も注目をいたしまして、代表質問やら委員会の事務事業などでも繰り返しご質問をさせていただいているわけですけれども、いまだにどこも指定に至らないということなんですね。この指定がされない理由が幾つかあるわけですけれども、主な理由として、NPOなど市民参加で里山を守る仕組みづくりがまだ十分でないというふうにお答えが今まであったと思うわけですけれども、この視点から伺っていきたいと思います。
NPOなどの市民参加という視点で、横沢入の市民参加の現状というのはどうなっているのでしょうか。
○徳毛自然環境部長 横沢入の保全活動につきましては、陳情者である横沢入里山管理市民協議会において構成員が活動内容を検討し、具体的な作業を進めております。本協議会は、市民参加によって横沢入の保全を進めることを目的として、平成十三年に設立されたものでございます。
現在、西多摩自然フォーラムの外五団体と一個人が加入しており、各団体や個人の活動内容を調整し、地権者であるJR東日本の了解を得た上で、草刈り、間伐、作業路づくりなどの活動を行っております。
横沢入では、この協議会の構成員を初め、多くの市民団体により自主的な活動が行われておりますが、農作業や雑木林の活用などの生業がほとんど行われなくなりまして、現在も里山としての自然が荒廃しつつあることから、地域全体を計画的、継続的に保全していくための保全管理体制の充実が必要であると考えております。
○新井委員 環境局としても、こちらの陳情者の方たちの活動というのは評価をした上で、それでも生業がほとんど行われなくなったので、地域全体を継続的、計画的に保全していくための管理体制の充実が必要だというふうにおっしゃっているわけなんです。
私はニュースレターをいつも送っていただきまして、よく読ませていただいているわけですけれども、こちらの方の一団体からのニュースレター、あるいは全体の様子などを見ましても、本当によく活動していらっしゃるというふうに思います。私もここの横沢入だけではなくて、ほかの里山の保全活動をしていらっしゃるような団体ともおつき合いがあるわけですけれども、比べてみても、ここは一番いい活動をしているのではないかなというふうに思うわけなんですね。
里山指定ができない一番の理由ということについては、少なくともここの地域は一番クリアできている地域ではないかというふうに思っています。そういった意味でも、継続的、計画的な保全ということを考えたときには、ぜひ指定をして、そして東京都がバックアップしながらやっていくことが必要なのではないかというふうに思うわけですけれども、指定がされないその他の理由というのはどんなものでしょうか。
○徳毛自然環境部長 里山保全地域の指定に当たりましては、ご指摘の継続的に保全管理できる体制づくりが大変重要な課題でございますが、それ以外にも、土地所有者の保全に対する理解や、厳しい財政状況下における土地の公有化などの課題がございます。
○新井委員 地権者の理解と土地の公有化ということですけれども、公有化については先ほど来皆さんがいろいろご質問の中で出ておりますけれども、最初の野島副委員長の質疑のときに、市民緑地制度の導入なども含めて考えているということでご答弁がございました。これについては、公有化をとりあえずは前提としないで、保全のために登録をしてもらって、そして東京都が維持管理をしていくということで、私もこの制度は大いに環境局の方でも導入をして、活用してほしいというふうにご提案していましたので、そんな方向ででもぜひ進めていっていただきたいというふうに思うわけなんです。
JR及びその他の地権者、こういった意向、これについてはどんなふうに都は把握していらっしゃるでしょうか。
○徳毛自然環境部長 JR東日本は、地権者の立場から、みずから日常的な管理を行うとともに、横沢入里山管理市民協議会との協議に応じ、保全活動の実施を認めるなど、横沢入の保全に一定の理解を示しております。
JR東日本以外の地権者につきましては、現在、保全に関する意向等は把握しておりませんが、横沢入を適切に保全していくためには、これら地権者の理解と協力が不可欠であることから、設置の準備を進めている横沢入の保全に関する協議の場におきまして、地権者の意向を把握するよう努めてまいります。
○新井委員 自然保護条例ができてから指定に向けて三年間ずっと活動を続けていらっしゃるわけなんですけれども、いまだにJR以外の地権者の意向が把握されていないということについては、非常に残念だなというふうに思います。地権者の理解が大事なんだ、それが一つの大きな指定できない課題なんだというふうにおっしゃっているわけですから、もう少し積極的に、本来ならもっと早くにJR以外の地権者とも接触を持って、保全に対する意向というものを確認しておく必要があったのではないかというふうに思います。これから協議会を設置されて、地権者の代表の方なども入られるということですので、そういう意味ではこれからその把握に向けられていくのかなと思いますけれども、ぜひ積極的に保全に向けて地権者の方たちとお話をしていただきたいというふうに思います。
JRについては、保全には非常に理解を示しているということですので、当座の問題は二十名弱のほかの一般の地権者の方だというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、ここの陳情者の方とも、何名かの方とお話をさせていただいたんですが、ともかく保全に向けて指定をしてもらいたいということと、それからどんな形であれ、ともかく保全をしてもらいたいという意向があるようです。
この里山保全をするためには、条例の保全地域指定のほかに都市計画による手法もありますし、都市公園法や自然公園法などの諸制度もいろいろあるわけで、そういった制度をすべて含めて全庁的な形で保全に向けて検討していく、そんなような制度を所管する関係局との連携を図っていかなければいけないんじゃないかというふうに思うんですけれども、これについてはいかがでしょうか。
○徳毛自然環境部長 里山を保全するための多様な手法を検討するに当たりましては、関係局との連携がご指摘のとおり極めて重要であると考えております。
現在、設置の準備を進めている横沢入における関係者との協議の場につきましては、緑地を保全管理する諸制度を所管している都市計画局や建設局も参加する方向で調整しておりまして、今後、関係法令の諸制度も視野に入れて里山の保全方策を検討してまいります。
○新井委員 できるだけいい形で、指定ができるだけ早くされるというのが一番ですけれども、できるだけよい形で、ここの部分がそのまま保全されるような形で都も努力をしていただきたいと思います。
市民緑地制度の導入も含めまして、関係局と連携して保全に向けて力を尽くしていただきたいということをお願いして、終わります。
○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第五七号は保留といたします。
以上で陳情の審査を終わります。
○相川委員長 次に、報告事項に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○高橋委員 私から、今回策定されました東京都自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画の素案に関連して、何点かお尋ねさせていただきます。
都は、十月一日から実施いたしましたディーゼル車規制の効果について今月十三日に公表いたしましたが、それによりますと、条例規制対象台数は、平成十四年三月末時点で二十万二千台あったものが、ことしの九月末でそのうちの約八割が規制への対応を図っているとのことでございます。また、規制開始後の取り締まりにおいても、違反ディーゼル車が極めて少ないと公表されておりました。
知事が黒いすすの入ったペットボトルをかざして、都民、事業者に訴え、ディーゼル車規制を推進してきた成果が出ていると思いますが、未対応の都内登録車両が二割に対し、取り締まりにおける違反車は一%とギャップが生じております。まず、この点についてどう考えているのか、お伺いいたしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 条例に対応していない都内登録車両の割合と、十月中の取り締まりにおける違反率との差についてでございますけれども、詳細は定かではございませんけれども、基本的には規制が開始された十月一日を期して、事業者が条例規制に積極的に協力していただいた結果と受けとめております。
この背景には、条例による規制の周知が徹底されていたこと、また、荷主や工事の元請などに違反車両を使用しない取り組みが広く浸透していったことがあるというふうに推測しております。
○高橋委員 対応が進み、違反も少ないという成果が上がっている背景には、苦しい経営環境の中で大気汚染を改善しようと、骨身を削る思いで協力した事業者の努力があったことを十分認識してほしいと私からお願いさせていただきます。
今回策定された計画素案では、健康への影響が強く指摘されている粒子状物質について、平成二十二年度までに自動車排出分の八五%を削減することにしております。
そこで、東京都が事業者の理解と協力のもとに、条例による規制を実施したことの効果について、総量削減計画素案ではどのように盛り込んでいるのか伺います。
○月川参事 都は、ディーゼル車から排出されます粒子状物質が、都民、国民の生命と健康に大きな影響を及ぼしており、その削減が一刻の猶予もならない課題であるという観点から、この間、条例によるディーゼル車規制に取り組んでまいりました。
その結果、平成十五年度において、国の緩やかな取り組みでは達成が困難な年間おおむね九百トンという大幅な排出量削減を早期に実現されるということとなります。
その効果につきましては、総量削減計画素案の中で計画目標の達成に係る基本的事項において、国の対応と対比して明らかにしており、国の取り組みの不十分さを指摘して、国に政策転換を求めております。
○高橋委員 条例による規制を実施したことにより、早期かつ大幅な排出量の削減がなされるとのことでありますが、十月一日以降においても、七年の猶予期間を過ぎた車が新たに条例規制対象車に加わってくることになります。排出量の削減を計画どおりに進めるためには、こうした新たな対象車に対しても、きめ細かな相談など適切に対応していくことが引き続き重要であると考えております。
そこで、来年一年間の規制対象となる車はどの程度と見込んでいるのか、また、今後、依然として厳しい経営環境にある中小零細事業者に対してどう対応していくのか、お伺いいたします。
○山本自動車公害対策部長 来年一年間における新たな規制対象車については、都内の自動車登録データから約四万台と見込んでおります。
また、今後の中小零細事業者への対応につきましては、現下の厳しい経営環境を踏まえまして、来年度予算においてPM減少装置の装着補助や買いかえのための制度融資の継続を要求するとともに、引き続き、きめ細かな情報提供や総合相談などの支援を行っていきたいというふうに考えております。
○高橋委員 最後に、私から意見を申し述べさせていただきます。
来年一年間で約四万台が加わるとのことでありますが、総量削減計画の目標達成のためには、その多くを占める中小零細事業者の理解と協力を得て、条例規制への対応を円滑に進めることが必要であると思います。
本年十月からのディーゼル車規制開始に当たっても、大変厳しい経営環境の中、中小零細事業者は大きな経済的負担を伴いながら対応を進めてきました。しかし、中には、廃車や廃業せざるを得なかった事業者も少なくありません。特に、廃車や廃業のために失業された方もいると仄聞しております。
こうした状況を十分考慮し、都は今までにも増して、総合相談窓口で親身になった対応を行うことや、ディーゼル車規制に関するインターネット情報の整備、さらにダイレクトメールの活用など、あらゆる媒体を使って事業者への周知をきめ細かく行うよう、改めて強く要望しておきたいと思います。
ありがとうございました。
○樋口委員 私からも、二つの観点から質問をさせていただきます。
車から出る排ガスと、そしてまた、車に入れるべく燃料と、その二点の視点から質問をさせていただきます。
東京の大気汚染は、平成十四年度について見れば、オキシダントの環境基準の適合率は、一般環境大気測定局でゼロ%、SPMでは一般環境大気測定局では四〇%、自動車排ガス測定局ではオキシダントと同じくゼロ%なんです。データを見る限りにおいては、東京の大気というのはまだまだかなり汚れており、一体いつになったらきれいな空気が東京に戻ってくるんであろうかと、東京に住む者としては暗い気持ちになってしまいます。特に呼吸器等を患っていらっしゃる方々にとっては、一日も早く東京の空気がきれいになってほしい、それは切実な願いだと思います。
しかし、環境局は頑張っていただきました。東京の空気をきれいにする強力な方策として、この十月からディーゼル車規制を開始するなど、積極的な問題解決の取り組みを始めました。また、もっと総合的に対策を行うため、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量削減等に関する特別措置法、通称自動車NOx・PM法に基づきまして、東京都自動車窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画を策定し、十一月十七日より都民から多くの意見を募集を始めました。
そこで、今回公表され、現在、都民から意見を求めている総量削減計画とこれに関連した項目について、お伺いしたいと思います。
自動車NOx・PM法に基づく総量削減計画は、関東地域では東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、中部地方では愛知県、三重県、そして近畿地方では大阪府と兵庫県の一都一府六県が作成しました。東京都を除きます他府県は、ほぼ同時期に総量削減計画を作成したと聞いております。
東京都だけが他の府県よりもおくれ、十一月になってから公表をいたしました。どうして東京都は他の地域に比べておくれてしまったんでしょうか、お伺いいたします。
○月川参事 都は、健康への影響が強く指摘されておりますディーゼル車から排出されている粒子状物質による大気汚染を一刻も早く改善するため、条例によるディーゼル車規制を最優先の課題として、その円滑な実施に向けて全力で取り組んでまいりました。
一方、国は自動車NOx法の施行に当たり、規制適用を最大で二年半おくらせ、当初予定どおり適用するように求めた都の再三の要請に対しましても、その姿勢を改めておりません。
こうした都の要請につきましては、計画の基本的事項にかかわることから、国に対してその問題点をただしながら、計画策定に向けた作業を進めてまいりました。
このような経過を踏まえまして、条例によるディーゼル車規制の効果や計画策定の過程で明らかになった問題点を指摘し、国の政策の転換を求める内容を含めまして、総量削減計画素案を策定したものでございます。
○樋口委員 今回の総量削減計画では、二酸化窒素とSPMにかかわります環境基準を、目標年度とします平成二十二年度までに、すべての観測局で環境基準を達成するとしています。自動車公害に悩んでいらっしゃる人々にとっても、私たちにとっても大変よい、ぜひ実現していただきたいというような計画です。
しかし、都内の測定局は、松原橋や中山道大和や、全国的に見ても最も高いNOxやPMの自動車測定局があり、通常の対策では達成はなかなか難しいと思います。これらの全国的に見まして大変高濃度の測定局は、特別な対策が必要だと思います。そのエリアについては特別な対策が必要なんじゃないかと考えております。何か秘策があるのでしょうか。
○月川参事 総量削減計画素案の中では、二酸化窒素や浮遊粒子状物質につきまして、平成二十二年度までに、松原橋も含めまして、すべての測定局で環境基準を達成することを目標としております。この目標を達成するために、条例によるディーゼル車規制など単体対策を強力に推進するほか、交通需要マネジメントや道路ネットワークの整備、局地汚染対策の調査などを図っていくこととしております。
また、国によります平成十七年から実施されます新長期規制以降の世界一厳しい規制の早期導入、使用過程車対策の抜本的見直し等の実現を図りまして、排出量の一層の削減を図っていくこととしております。
○樋口委員 私も松原橋に行ってまいりまして、それこそ土壌脱硝などを見させていただきました。それがまだ実験段階だということなので、実用化にはすべてのいろいろな交差点のそれぞれの箇所の、日本でも名高く悪い、空気が汚いといわれている交差点等でも利用できないものかと考えましたけれども、まずは全体の数値を下げるということでお話をいただきました。
十月からディーゼル車の規制開始で、ディーゼル車から排出される黒鉛、すなわちPMはかなり減少するかと考えられますし、私自身もディーゼル車から出ます黒鉛が大幅に減るということに期待をいたしております。都が十月から規制をいたしましたディーゼル車の規制効果は、今回の自動車NOx・PM法に基づく総量削減計画では、例えば平成十五年では、また十七年では、また二十二年ではどの程度寄与しているのでしょうか、お尋ね申し上げます。
○月川参事 東京都は、ディーゼル車から排出されます粒子状物質が健康に大きな影響を及ぼしているという観点から、その削減が一刻の猶予もならない状況だという認識をしております。
この間、条例によりますディーゼル車規制に取り組んでまいりました。その結果、平成十五年におきまして、先ほど申し上げました車種規制の適用を最大で二年半おくらせました国の取り組みだけでは達成が困難な年間おおむね九百トンという大幅な排出量削減を早期に実現できるということとしております。
また、平成十七年度におきましては約七百トン、二十二年度におきましては、先ほど国の最大二年半おくらせました施策の効果もありまして、ほぼ同様な削減が見込まれるということで予測しております。
その効果につきましては、総量削減計画素案の中で、計画目標の達成に係る基本的事項において、国の取り組みと対比して明らかにし、また、国の政策転換を求めているところでございます。
○樋口委員 今回の総量削減計画では、平成二十二年までにすべての測定局で環境基準を達成するために、いろいろな方策を考えていらっしゃるとも聞いております。例えば、単体規制としましてディーゼル車の走行規制、PM減少装置などによる規制対応の促進など既存の施策の延長や拡大なども、今まで行ってきた効果的な施策を今後も引き継いでいくことなどになっておりますが、私は大いに賛成しております。
しかし、新たな施策として取り上げている交通流対策では、パーク・アンド・ライドの推進や駐車マネジメントの推進など大変重要な施策がありますが、いつから行うのかということははっきりしておりません。遅くとも平成二十二年には実施されると思いますが、ディーゼル車の一部の業界だけにご無理をいって、ご協力していただいて、今回のディーゼル車規制が行われているわけですから、ぜひ総量削減を目途に頑張っていただきたいと思います。
つまり、これまでのディーゼル車対策以上に精力的に取り組んでいただかなくてはならないことだと思います。計画では、単体規制や交通流対策など、今まで行ってきた対策をさらに発展させ、展開していくものと受け取っております。
さらに、それらに加え、先ほど述べた新たな施策なども実施していくと、現在の人数よりももっともっと人数が必要なのではないだろうか、もっともっと人数を増強していかなくてはならないのではないか、組織を拡大していかなくてはならないのではないか、そのように私は思っております。
自動車対策を行っていかないと、今回の計画は達成できないのではないかという危惧さえ感じられます。今後、自動車総量削減計画に基づいて自動車対策を積極的に進めていただくためには、組織、人数を強化していく必要があると思いますが、いかがでございましょうか。
○山本自動車公害対策部長 総量削減計画の目標を達成するためには、条例によるディーゼル車規制を初めとする単体規制が重要でございます。そのため、現行とほぼ同様の体制で規制の徹底を図っていきたいというふうに考えております。
それから、先ほどございましたパーク・アンド・ライド、それから駐車マネジメント、こういったTDM、交通需要マネジメントの施策でございますけれども、これは既に関係局で取り組んできておるものでございまして、そういった交通需要マネジメントの施策であるとか、あるいは道路ネットワークの整備など、さまざまな対策を今後も引き続き関係各局と連携して進めてまいりたいというふうに考えております。
○樋口委員 ぜひ強力に推し進めていただきたいと思います。
次に、今回の総量削減計画にも東京都の対応として記載されております混和油、いわゆる不正軽油、私たちにはなじみの深い不正軽油という名前を使わせていただきますが、不正軽油の問題に関連した項目は、ディーゼル車対策の一環として大変重要な問題であることから、これらに関連した項目についてお伺いをさせていただきたいと思います。
ディーゼル車のPMの問題が起こったとき、不正軽油の使用が問題になったことは記憶に新しいところでございます。最近は一時期に比べて不正軽油のことは余り話題に上っておりませんが、現在の不正軽油に対します取り締まりの実態はどのようになっているんでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 東京都は、悪質な脱税行為であるとともに、大気汚染の元凶ともなっている不正軽油を撲滅するため、つくらせない、買わせない、使わせないといった観点から、全庁を挙げて平成十二年より不正軽油撲滅作戦を展開しております。
その結果、路上や工事現場等での抜き取り調査における混和検出率は、平成十二年には一四%でございましたけれども、十三年度は三%、十四年度は一%となっておりまして、都内における不正軽油の使用は減少傾向にございます。
○樋口委員 不正軽油を取り締まるのは主税局だとのご答弁でございましたけれども、路上での取り締まりの時期やその結果については、環境局に連絡は来るのでしょうか。この問題に関して、環境局と主税局は連携をとっていらっしゃるのでしょうか。そして、定期的な会合や取り締まり等の話し合いは行われているんでしょうか、お伺いをさせていただきます。
○山本自動車公害対策部長 不正軽油に対しましては、主税局も当然取り締まりを行っておりますが、環境局においても取り締まりを行っております。主税局は、不正軽油が軽油引取税の脱税に該当するため、地方税法に基づいて行っております。また、環境局におきましては、環境確保条例で規定する粒子状物質等を増大させる燃料の使用禁止という観点から取り締まりを行っております。
両局は日ごろから連絡を密にしておりまして、そういった取り締まりの結果もいただいておりますし、平成十四年度におきましては、合同取り締まりを四十一カ所で行うなど、連携してこの取り締まりに対応しているところでございます。
○樋口委員 環境確保条例によるディーゼル車規制で、現在、都内のディーゼル車の約八割がDPFを装着していると聞いております。環境局は大変頑張っていらっしゃるなと思いますけれども、素人ながら不正軽油との兼ね合いで一つ心配になることがあります。
すなわち、条例による規制でDPFを備えたディーゼル車に不正軽油を使用したら、どんなふうになってしまうのでしょうか。ディーゼルエンジンから出てくるPMは、DPFで取り除かれて排気ガスはきれいになってしまうのでしょうか。もしそうだとすると、DPFを装着したディーゼル車がふえても、不正軽油の対策は今後も行っていくことが必要になってくるし、また、今この現状にある不正軽油、それは一体どのようになってしまうんでしょうか。どのように、例えば捨てられてしまうとか、捨てるにしても、どうやって捨てられるんだろうか。今ある不正軽油は一体どのように使用されてしまうんだろうか、その辺が非常に気がかりなんですけれども、お願いいたします。
○山本自動車公害対策部長 不正軽油をDPFを装着したディーゼル車に使用した場合ということでございますけれども、そういったケースそのものがなかなか想定しがたいというふうに考えております。ただ、仮にDPFを装着したディーゼル車に不正軽油を使うというような場合、特に低速で走行する場合にはフィルターに目詰まりを起こしまして、触媒が被毒し、性能が低下するなど、やはりトラブルを招く可能性が高いというふうに考えております。
それから、今ある不正軽油がどうなるかということにつきましては、なかなかお答えしにくいわけでございますが、環境局といたしましては、先ほどもお話ししたとおり、あくまでもこういった不正軽油を使うこと自体が問題であるということで、これについては使わせない、あるいは環境確保条例の中でも、こういったものは使わせない、あるいは使用させないということで、そういった命令も出せますし、また、それに違反した場合には氏名公表であるとか、あるいは罰則をかける、そういったようなシステムになっております。
○樋口委員 残っている不正軽油については、ちょっと気がかりなところがありますが、使わせない、そしてまた、消費者の方も買わないというスタイルを持っていけば、それは撲滅につながるんだろうなどと思いまして、納得させていただきました。
ディーゼル車が多く使われているのはヨーロッパだと聞いております。ヨーロッパでは多くの乗用車もディーゼル車だといわれております。そこで、使用される軽油についてなんですけれども、その軽油は北海の原油から精製したもので、日本のものとは違い、質のよいさらさらとした軽油だと聞いております。そのために、ヨーロッパではディーゼル車はPMが余り問題にならず、温暖化問題、すなわち二酸化窒素の問題として議論されているんではないかと私は考えております。
もし仮にそうだとしますと、ディーゼル車対策の一環として、日本でもヨーロッパと同様に質のよい軽油を供給すれば、PMの問題もかなり解決できるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 今お話にもございましたけれども、日本に輸入されている中東からの原油は、EUで多く使われている北海油田の原油と比べて硫黄分が多いため、軽油中の硫黄分を脱硫いたしまして、現在、日本全国でEU並みの五〇ppm以下の低硫黄軽油が供給されております。
また、EUの一部の国では、既に一〇ppm以下の超低硫黄軽油が供給されておりまして、二〇〇九年には全面的に導入されることになっております。
日本における超低硫黄軽油の供給につきましては、石油連盟が二〇〇五年から部分供給、二〇〇七年には全面供給が可能であるというふうに表明しております。
○樋口委員 最後に、もう一つ質問させていただきたいと思います。確認の意味も含めまして、燃料の中の硫黄分の問題についてでございます。
環境局は燃料の中の硫黄分を少なくすることは、DPFや酸化触媒の問題と絡んで、ディーゼル車対策として重要であるということから、環境局は積極的に燃料対策を行ってきたと聞きました。ディーゼル車対策とあわせて都のこれまでの燃料中の硫黄分の問題についての取り組み、そして、これからの環境局の取り組みについてお尋ねいたします。
○山本自動車公害対策部長 PM減少装置につきましては、硫黄分が五〇ppm以下の低硫黄軽油の使用を前提とするものがございまして、東京都では早くから石油メーカーに低硫黄軽油の供給を要請するとともに、平成十三、十四年度に低硫黄軽油の供給に一定の補助を行うことで、都内における先行供給を実施しております。
また、昨年九月には石油連盟に低硫黄軽油の全国供給前倒しを要請いたしまして、国の規制よりも二十一カ月も早い、本年四月からの全国供給を実現いたしました。
今後もNOx・PMの規制強化が予定されていることから、硫黄分が一〇ppm以下の超低硫黄軽油の供給が求められております。東京都といたしましては、今後とも国に対し、超低硫黄軽油の早期供給を国の責任において実施することを強く求めてまいります。
○樋口委員 現在の経済の状況下においては、多少は明るさが見えてまいりました。とはいっても、中小企業の方々は経営が苦しい状況にあります。このような状況下の中で、幾ら補助があるからといって、トラックを買いかえたり、DPFの装置をつけたり、大変経済的に苦労していらっしゃいます。
東京都の空気をきれいにしたい、その思いで業界には頑張っていただいております。環境局もより一層引き締めて自動車総量削減計画を実現し、東京の空気を早くきれいにしていただけるようお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○かち委員 私からも、自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画について、何点かお聞きいたします。
今回の報告書の前文には、東京都の大気汚染は深刻で一刻の猶予もならない状況にあると書かれています。先ほどからお話もありますけれども、この表の中にもありますが、この十年来、二酸化窒素の環境基準の達成率は、一般局では九〇%にやっと達成するかどうかという状況であり、自排局では四〇%前後です。SPMも一般局では四〇%、そして自排局ではゼロ%、三十五局いずれでも達成できていないというのが現状です。全国の自排局の測定局における全国ワーストファイブ、この中にはほとんど東京都の測定局が入っているという現状からしても、この東京の大気汚染の状況は大変深刻だというふうに私も感じているところでございます。
そして、そういう中で今度の達成基準の計画の延期ということで出されてきたわけですけれども、そこでお聞きしますが、二酸化窒素の環境基準は平成二十二年度達成としていますが、平成十三年に作成した東京都の環境基本計画では、平成十七年度にすべての測定局で達成するということになっていましたけれども、今回五年間、そして今から七年後に達成させるという、この延長計画ですけれども、このことはどういう理由になるのでしょうか。
○月川参事 都は、平成十七年度の窒素酸化物の排出量につきまして、短期規制車、長期規制車などのディーゼル車の排出ガス実態調査結果や、条例によります規制、国の規制などを踏まえまして、改めて推計いたしました。その結果、特にディーゼル重量車の国が定める試験モードが、渋滞の多い東京の走行実態に即していないため、排出量の削減が得られず、平成十七年度に二酸化窒素に係る環境基準の達成が困難な見通しになることが明らかになりました。
このため、今回策定しました総量削減計画素案では、これらの実態を踏まえ、条例による単体対策、交通量対策、交通流対策など種々の施策を実施することにより、平成二十二年度までに環境基準を達成することを計画の目標としております。
○かち委員 国の策定したモードが東京の実態に合わないということで、現実的な対応ということで十七年度を二十二年度にするということですけれども、現状の深刻さからいうならば、五年間も延長していいのかというふうに思うわけです。それとともに、今の都市再生の流れというのがあるわけで、あっちこっちで開発が進む、そこにまた車が集中するという構造になっている中で、本当に延期しても達成できるのかという疑問さえ感じざるを得ません。
私は、いろいろ対策はありますけれども、車の量を抑制するということが顕著な効果をもたらすのではないかというふうに思っていますけれども、交通量対策では、かつて東京都としても積極的に取り組んできましたロードプライシングについて、今報告書の中にはその記述が全く抜けているわけですけれども、その点についてはどのように考えているんでしょうか。
○月川参事 ロードプライシングにつきましては、迂回交通の影響対策、日々膨大な量の自動車に対します公平かつ確実な課金徴収方法など、検討すべき課題がございます。現在、都民、事業者等の意見を踏まえながら、さまざまな角度から検討を進めているところでございます。
また、ことし二月、大都市でありますロンドンで導入されましたロードプライシングの実施状況についても調査を行っているところでございます。
このようにロードプライシングにつきましては検討段階にあることから、今回策定しました法定計画でもございます総量削減計画には盛り込んでございません。
○かち委員 総量を削減していくためにはいろんな方法をとっていかなければいけないと思うんですけれども、ロードプライシングについては既に二年以上前に検討委員会から報告書が出されているわけですよね。当初はかなり都も積極的に取り組むやに見えたんですけれども、このところぱったりそういう姿が見えなくなってしまっているわけです。
ロンドンでことしの二月から限られた都心中心地域で行ったわけですが、その効果というのは顕著にあらわれているんですね。十月一日のNHKのテレビでは、その結果一六%削減したという報告がありましたし、きょうの読売新聞にも出ていますが、ロンドンの交通量は三〇%削減したというふうに新聞報道されています。このように原因物を除去するということは、一番手っ取り早い方法ではあるわけです。
しかし、このロードプライシングというのはさまざまな課題があるのも事実だと思います。課金徴収ということで、また財政的な負担も都民にかかってくるわけですし、何よりも都民の合意形成というのが一番なければならないと思いますし、その規制対象車をどうするのかということもあると思います。ロンドンなどの場合には、緊急車両とか路線バスとかタクシーなどを除くというふうになっておりますので、そういうふうな具体的な検討も含めて棚上げにしないで、これは具体化に向けての積極的な検討をぜひしていただきたいということを要望しておきます。
それから、都市再生計画との関係ですが、都市再生整備計画を推進しております。そうなると、先ほどもいいましたけれども、集中し続ける交通量に対しての抑制策なしに環境改善が本当に図られるのかどうか、その辺の見通しはどのように考えていらっしゃるのか、お聞きします。
○月川参事 今回策定いたしました総量削減計画素案におきましては、都市の発展を見込んだ上で、公共交通機関への転換促進や、都心部への交通の集中を抑制するパーク・アンド・ライド等の交通需要マネジメント施策を推進するとともに、道路ネットワークの整備、渋滞の激しい交差点におきましては道路施設の改善、違法駐車の排除等、集中的な渋滞対策など、交通流対策を実施することにしております。
こうした対策とあわせまして、ディーゼル車規制等の単体対策を強力に推進し、計画目標を達成することといたしております。
○かち委員 いろいろTDMもやっている、これからもやっていくというわけですけれども、なかなか有効的な対策はとれていないのではないかと思います。
今の状況をいろいろ聞いておりますと、単体規制にシフトしているようなニュアンスさえ感じます。総合的な対策が今求められていると思うんですが、今も出てきましたけれども、その中でディーゼル車の総合規制とNO2の問題で先ほど質疑がありましたけれども、東京都での対象台数は二十万二千台と推計されていたものが、現在八割まで来て、あと四万台が残っている計算というふうになるわけですが、使用過程車に対するDPF対策は都として積極的に取り組んできたことは周知のとおりです。
そして、SPMの排出規制には一定の役割を果たしてきたと思いますが、この間の中小零細業者の方々にとっては本当に血のにじむような努力をされてきた結果だということを忘れてはならないし、今後もこの対策は、今度はNOxがかかってくるので苦しみが続くわけです。対策をとることが、逆にそうした人たちの死活問題、営業を、経済を低下させるような状況になってはならないというふうに思うわけです。
問題はこれから法規制の対象となってくるディーゼル車、これは全国的には数百万台とも聞いておりますけれども、その対策が緊急に必要な課題となるわけです。現時点における使用過程車においてNOx・PM対策を必要とする車両はどのくらいと想定しているのでしょうか。また、NOx・PM法との関係では流入車対策をとらなければ、NOxの改善はできないというふうに思いますけれども、その辺はどうお考えでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 自動車NOx・PM法の対象となる車両の台数でございますけれども、昨年三月末時点で、この十月からの規制対象となると想定をしておりました都内登録車両二十万二千台のうち、約五万台がPM減少装置の装着により規制への対応を図っておりまして、この五万台につきましては対象となるというふうに考えております。
それから、流入車に対する対策でございますけれども、流入車に対しましては今後ともディーゼル車が集まるトラックターミナルや市場などの物流拠点、それから幹線道路などにおきまして、自動車公害監察員による取り締まりを計画的に実施してまいります。
また、あわせて、都はもとより、区市町村の配送や公共工事などにおける規制適合車使用の徹底を図るとともに、民間の配送や工事などにおいても、荷主や工事の元請などの協力をいただきまして、違反車両を使用しない取り組みを徹底するよう、さらに強力に働きかけてまいります。
また、国に対しましては、引き続き流入車を規制の対象とするよう、抜本的な使用過程車対策を強く求めてまいります。
○かち委員 今の時点でNOx・PM法対象車というのはすぐ出ないようですけれども、少なくとも都がこの間取り組んできた補助金制度を使ってDPFをつけた、酸化触媒をつけた車というのは、あと一、二年後にはすぐ対象になってくるということでありまして、これはまたどう対応していいのかというのは本当に大変な問題なんですね。ですから、五万台というのは本当に最低の数で、十万とか、もっともっと多くなってくるだろうというふうに思うわけです。
そして、国のNOx法でいいますと、指定地域以外のところは車検登録ができてしまうわけで、そういう地域から入ってくる車というのは、東京都が幾ら体制を強めても、それを規制する効力はないわけですよね。できるのは、車検がとれなくなるということだけであって、そういう意味では指導強化ということができることではあるんですけれども、その辺の対策がないと、やはりNOx・PMの総量規制との関係では非常に問題が残るのではないかなというふうに思います。
目標達成のためには、使用過程車に対するNOx・PM除去後づけ装置の研究開発に都としても取り組むべきであるとともに、国やメーカーにも強く求めるべきだとかねてから私もいってきているところですけれども、この辺についての都としての対応を改めて伺いたいと思います。
○月川参事 粒子状物質と窒素酸化物のそれぞれの発生抑制を行う場合、その関係がトレードオフの関係にございまして、同時除去というものは技術的に難しい点がございます。ただ、基本的にはこうした装置の開発によりまして、自動車NOx・PM法の規制にも対応ができて、買いかえの必要がなくなるため、事業者にとっても望ましいことと考えております。
都といたしましても、国などに対しまして、NOxとPMを同時に低減できる装置の開発を要請してきているところでございます。
なお、共同研究につきましては、現在、考えてございません。
○かち委員 考えないといわないで、ぜひ考えていただきたいと思うんです。
今おっしゃったように、PMとNOxの対策ではトレードオフの関係にあるということであると、DPFをつけてPMを除去するということは、NOxをむしろふやしているという状況もあると思うんですね。そういう意味では本当にNOx対策をきちんとやらないと、結果が大変最悪の事態になるんじゃないかというふうに思います。
NOx・PMの大気汚染がここまで悪化した原因の主力が自動車排気ガスによるものだということは、公害裁判の結果からも明らかでありますし、その責任は国とメーカーであるということも明らかになってきております。トヨタ自動車はことし三月期決算で一兆四千億円の収益を上げています。一方、原告団の公害患者さんは、医療費給付も受けられず、本当に毎日毎日命を削っているわけです。中小零細の事業者も、ディーゼル車対策で失業、廃業にまで追い込まれているのが現実です。もともとの原因者である自動車メーカーに、都としてもきちんとその対策を求めるべきだということを強調しておきたいと思います。
最後に、低公害車の中でも未来の主力となるであろう燃料電池自動車は、大気汚染の削減効果の本当に高い超低公害車といわれています。都として、独自に大量普及に向けた施策を確立すべきだ思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○月川参事 燃料電池車につきましては、次世代の自動車として期待がされておりまして、世界じゅうの自動車メーカーによって積極的に開発が進められております。しかし、価格が現段階ではかなり高いこと、また、水素供給ステーションや自動車の安全性確保のための技術基準の整備が必要であることなど課題がございます。
東京都といたしましては、国の実証試験に協力いたしまして、平成十四年三月に水素ステーション・パイロット事業の参加企業を公募により決定いたしまして、本年六月に開業しているところでございます。また、本年一月に燃料電池バス・パイロット事業の参加企業を公募により決定し、八月から都営バスで、日本で初めて営業運行を開始しております。今後、技術開発の促進及び普及促進に努めてまいる考えでございます。
○かち委員 今お答えになったでしょうか、国においては実証試験などを行って、二〇〇五年以降に公的機関等による率先導入を経て、一般民間部門への普及拡大を図る。一〇年には約五万台、二〇年には五百万台を目指す、こういう方針も出ているわけです。大量普及をすることによって価格も安くなるという方向もありますので、ぜひこのような超低公害車の普及に努めていただきたいと思います。
いろいろ述べてきましたけれども、目標基準達成のためには、TDMを初め総合的な対策がどうしても必要です。二十二年ということを待たずに一日も早く達成できるように、局を挙げて全力を尽くしていただきたいということを述べまして、終わります。
○新井委員 私も、総量削減計画に関してご質問をさせていただきます。
まず、国に先駆けてディーゼル車規制に一生懸命取り組まれてきたことについては評価をさせていただいて、これからも頑張っていただきたいということを申し上げて、質問に入ります。
こちらの関連なんですけれども、総量削減計画のグラフを見ますと、今回いただいたことの中では、自動車分については平成十二年度から二十二年度までで四万一千トンから一万九千三百トン、窒素酸化物ですね。粒子状物質、PMについては三千百八十トンから四百七十トンということで、かなりの減少ということで計画が立てられておりますけれども、自動車以外の部分というのが、NOxについては三万二千五百トンから二万八千三百トン、PMについては二千九百三十トンから二千七百五十トンというふうに、余り削減がされていないようになっているわけです。
まず、この自動車以外の部分の排出源というのはどういうものがあるのかからお伺いします。
○松葉環境改善部長 平成十二年度における自動車排出ガス以外の排出源について見ますと、窒素酸化物の発生源別の排出量は、大気汚染防止法の規制対象となる比較的大規模な一般工場、清掃工場、ボイラーを有するビルや商業施設などの事業場からの排出が約二割となっています。また、法律の対象外で、小規模ではありますが数が多い、燃焼機器を使用する事業場、店舗、一般家庭などから約三割となっています。このほかに、建設機械、船舶、航空機が約五割となっています。
粒子状物質につきましては、同様な区分で、法対象の工場、事業場からの排出が約三割、法対象外の事業場、店舗、一般家庭などが約二割、建設機械、船舶、航空機で約二割などとなっています。
○新井委員 自動車以外の発生源というのはさまざまなものがあるわけですけれども、こういった自動車以外の工場、あるいは事業場などの固定発生源について、今後どのような削減対策を進めていらっしゃるのでしょうか。
○松葉環境改善部長 都は、これまでも固定発生源に対しまして、法律や条例に基づく規制指導を実施するなど、窒素酸化物や粒子状物質などの削減を図ってきました。今後も清掃工場の建てかえや設備更新時、あるいは工場、事業場におけるボイラーなどの排ガス発生施設の設置や更新の際に、より低公害な機器の導入を求めるなど排出削減の徹底を図ってまいります。
また、法律や条例の対象とならない小規模事業場などの燃焼機器に対しましても、低公害な機器の開発と普及をメーカーに働きかけるとともに、事業者にその導入促進を図ってまいります。
これらによりまして、自動車以外の固定発生源から排出される窒素酸化物や粒子状物質などの総量の削減を図ってまいります。
○新井委員 車に比べて、その他の固定発生源については、これまでにかなり厳しく規制がされてきていて、これからの減少についてはなかなか難しいということがあるかと思いますけれども、ぜひこちらの方もきっちりと進めていただきたいということをお願いしておきます。
それから、車の方の削減計画なんですけれども、先ほど来ディーゼル車規制を国に先駆けてやっていらっしゃったことについての評価と同時に、そのために中小零細の方が非常にご苦労しているということの指摘がございました。私も新聞等で、今回の規制のために中小零細の方が廃業してしまって、結果として大手の輸送業者が非常に業績が上がっているというふうなことを読みまして、やっぱり大変なことになっているなというのを感じています。
こちらの局に申し上げることではないかもしれませんけれども、今後こういった総量削減計画を進めていくに当たっても、同じようなことが起こっていくわけですので、そうした対策をきっちりと国に求めると同時に、東京都も独自にこういった対策ですか、補助、支援等含めてぜひ検討していただきたいということを強く意見として申し上げまして、質問させていただきます。
こちらの削減計画ですと、十二年から二十二年までの間で十七年度のチェック、中間チェックということで出ているわけですけれども、これだけではなかなか計画がうまくいかないのではないか。もう少し密度の濃いベンチマークを設定して、その削減に向けて努力をするというふうにしていかなければ、結果として目標は達成できないのではないかというふうな危惧を感じるわけですけれども、いかがでしょうか。
○月川参事 総量削減計画素案につきましては、その基礎となる交通量の調査が五年ごとに行われることから、平成十二年度を排出量の比較の基準年といたしまして、平成十七年度及び二十二年度における排出量の目標を定めております。
総量削減計画に基づきます各種施策につきましては、平成二十二年度までの目標達成に向けまして、各年度ごとに適切な進行状況の把握に努めてまいりたいと思います。
○新井委員 ここに出されているのは十七年度の中間地点でのチェックということだけれども、毎年それを把握しながらやっていかれるということですので、ぜひ目標達成に向けた進行管理、これをきっちりとしていただいて頑張っていただきたいと思います。
もう一点、二四ページのところで、総量削減達成のためにということで、交通量対策というのが出ておりまして、公共交通機関への転換促進と書かれているわけです。例えば、臨海の方の決算の質疑でも以前私、伺ったんですが、一方で地下鉄をつくりながら、同じようにその上の方に道路をまたつくり続けるということでは、公共交通への転換というふうなことが図れないのではないか。公共交通への促進ということをいうのであれば、今非常に財政難ということもございますので、道路も鉄道もつくるということではなくて、道路か鉄道か、こういったことをきちんと整理をして整備をしていかないと、結局、地下鉄の方も大赤字になってしまって、道路の方もまた整備でお金がかかるということで、二重の負担になっていくというふうなことを指摘させていただいたんです。
たまたまこちらの方にも、鉄道への利用転換による自動車交通量を削減ということが書かれているわけですけれども、こういった道路と公共交通との兼ね合い、これについては環境局としてはどんなふうにお考えでしょうか。
○月川参事 自動車から排出されます窒素酸化物及び粒子状物質を削減し、総量削減計画の目標を達成するためには、ディーゼル車規制など単体対策とあわせまして、交通量の抑制や集中の平準化などを進めることが必要であると考えております。
このため、この計画では、鉄道や新交通システムなどで具体的に整備が見込める事業を盛り込み、公共交通機関への転換を促進することとしております。また、道路ネットワークの整備や道路施設等の改善や違法駐車の排除、普及啓発などによります集中的な渋滞対策を行うことにより、交通流の分散、円滑化を図ることにしております。
これら公共交通機関の整備と道路ネットワークの整備等の双方に取り組むことによりまして、実効性ある交通量対策ができると考えております。
○新井委員 道路とそれから公共交通機関のネットワークの整備、双方によって実効性ある交通対策ができるというお答えでしたけれども、そういう意味ではパーク・アンド・ライドとか、そういった道路と公共交通を組み合わせた施策というのは大いに促進をしていただきたいというふうに思うわけです。
窒素酸化物の排出量が今回目標値に達しなかった理由というところで、こちらの七ページのところなんですけれども、自動車走行量が増大したこと、それから走行速度の上昇が得られずに排出ガスの改善がなされなかったこと、渋滞でスピードが上がらなかったから、排出ガスがたくさん出てしまったんだということが並列で書かれているわけです。これは、以前に国と都が敗訴しました大気汚染訴訟のときでも議論をしたわけですけれども、大気汚染訴訟の中では、道路をつくれば、ともかく車が集まってくるんだ、車が集まってくれば排ガス被害がひどくなるということが指摘されていまして、私もそのとおりだというふうに思うんですね。単に渋滞がなくなっても、道路を整備すれば、その分やはり東京という大都市には車が集まってくるということで、基本的には先ほど来お話があった総量規制というものをしていかなければならないというふうに思います。
パーク・アンド・ライドとか、あるいは込み合ったところを改善していくこととか、そういう渋滞をなくすための施策というのは大いに進めていただきたいんですけれども、新たに道路を建設していく場合には、先ほどいった公共交通とどちらにインセンティブをつけるのかということをきっちりと判断していく、そのための基準というものを環境局もきっちりつくっていくべきではないかということを意見として申し上げて、終わります。
○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
この際、議事の都合によりおおむね十分休憩いたします。
午後二時四十四分休憩
午後二時五十五分開議
○相川委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより都市計画局関係に入ります。
初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○勝田都市計画局長 本日は、平成十五年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております都市計画局関係の案件をご説明申し上げます。
提出予定案件は、条例案が二件、事件案が一件でございます。
お手元の資料1、平成十五年第四回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
表紙に記載しております順にご説明を申し上げます。
まず、高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例案についてでございますが、本条例案は、ことし四月の、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴いまして、東京における社会的条件の特殊性に対応した高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備を図るため、新規に条例を制定するものでございます。
次に、東京都建築安全条例の一部を改正する条例案についてでございますが、本条例案は、ただいまご説明を申し上げましたが、高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の新設に伴いまして、障害者及び高齢者に配慮を要します特殊建築物に係る規定を削除するために、条例の改正を行うものでございます。
次に、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見についてでございますが、本件は、国土交通大臣が群馬県吾妻郡長野原町に建設を進めております八ッ場ダムの基本計画を変更するに当たりまして、特定多目的ダム法第四条第四項の規定に基づき、東京都知事に意見を求めてまいりましたので、その意見を述べるに当たりまして、議会の議決をいただくものでございます。
私からの説明は以上でございますが、引き続き詳細な内容を総務部長より説明させていただきます。
○村松総務部長 それでは、平成十五年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております条例案二件並びに事件案一件につきまして、お手元に配布してございます資料1と資料2によりましてご説明申し上げます。
まず初めに、高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例案につきまして、ご説明申し上げます。
資料1の二ページをお開き願います。
(1)の提案理由でございますが、ただいま局長からご説明いたしましたとおり、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴いまして、新規に条例を制定するものでございます。
(2)の条例案の概要でございますが、第一に、法で定める病院、デパート、ホテル等の対象建築物に加えまして、学校、保育所、共同住宅等を対象建築物として拡大するものでございます。
第二に、高齢者等がよく利用する建物や不特定多数の人が利用する建物などについては、法に定める二千平方メートルの建築規模を引き下げまして、より小さな規模の建築物も対象とするものでございます。
第三に、高齢者や車いす使用者等がより利用しやすい建物となるように、廊下、敷地内通路の幅や傾斜路の勾配等の基準を強化するとともに、子育て支援策の一環として、授乳場所やベビーチェアの設置等の基準を追加するものでございます。
なお、四ページから三一ページには条例案文を記載してございます。
次に、東京都建築安全条例の一部を改正する条例案につきまして、ご説明いたします。
三四ページをお開き願います。
(1)の改正の理由でございますが、高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の制定に伴いまして、障害者及び高齢者に配慮を要する特殊建築物に係る規定を削除する必要があるため、条例を改正するものでございます。
(2)の条例案の概要には、具体的に削除する規定を掲げてございます。
なお、三六ページから三七ページには条例案文を、三八ページから四三ページには新旧対照表をそれぞれ記載してございます。
最後に、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見につきまして、ご説明いたします。
この八ッ場ダムの関係につきましては、資料1に加えまして、資料2をご用意させていただきました。恐縮でございますが、まず、資料2をごらんいただきたいと存じます。
一ページから九ページまでは、基本計画の新旧対照表を記載してございます。恐れ入りますが、最後の一〇ページをお開きいただきたいと思います。
右側の黄色の地図は、利根川水系と八ッ場ダムの位置関係を表示した位置図でございまして、赤色で八ッ場ダムと表示してございます。八ッ場ダムは、利根川水系の上流、吾妻川に建設される治水と利水の機能を果たす役割を持つ多目的ダムでございます。
建設場所は群馬県吾妻郡長野原町で、ダムの規模は位置図左上の貯水池容量配分図に示してございます。有効貯水容量は九千万立方メートル、これは東京ドーム約八十七個分に相当いたします。ダムの高さは約百三十一メートル、重力式コンクリートダムでございます。
それでは、恐れ入りますが、戻りまして、資料1をごらんいただきたいと存じます。
四六ページをお開き願います。
今回提案させていただきます内容及び提案理由を記載してございます。
特定多目的ダム法第四条第四項の規定に基づき、国土交通大臣から基本計画の変更について意見を求められ、異議はない旨を回答するものでございます。
四八ページをお開き願います。
四八ページから五一ページには、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更案が示されてございます。
やや見にくいつくりで恐縮ですが、治水と利水の配分量の変更、利水参画団体の参画量の変更、事業費の変更等の基本計画の変更案の内容を記載してございます。
以上、大変雑駁ではございますけれども、平成十五年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○相川委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言を願います。
○清水委員 ハートビル法に基づいて国が行っている支援措置の内容についてお願いいたします。
それから、八ッ場ダムの関係で、水道需給計画の改定の経過と実績についてお願いいたします。
二番目、東京都における水源開発の計画概要と進捗状況です。
三番、東京都における渇水の状況、十年間ほど。
それから、八ッ場ダムの費用負担内訳について。
五点でお願いいたします。
○新井委員 八ッ場ダムの件で二点お願いします。
これまでの都が出資した二百九十一億の年度別内訳。
それから、東京都は南摩ダムから撤退したわけですけれども、その撤退した際の経緯について。
二点お願いいたします。
○坂口委員 三点お願いいたします。
一つは、全国におけるダムの建設計画の見直しの現状と関係について。具体的にいいますと、新規のものもないわけではないと思いますね。それから、今回の二千億円なり四千億円なんていうようなケースもある。減額の場合になるかどうかわかりませんけれども、そういう見直しですね。また、廃止という場合もあると思うんですが、それらがわかるものをお願いしたいと思います。
それから、六十一年以降の国の説明と都の対応、どのようなことを都は主張してきたのか、それがわかる資料をお願いしたいと思います。
それから、他県の状況、埼玉県や千葉県もこの取水権を確保するために加入しているわけでございますが、他県の現状、動向がわかるものをお願いしたいと思います。
以上、三点です。
○野島委員 ハートビル条例というのか、この絡みで今の条例を改正する、その改正の理由が、その部分がこっちへいくと、こういう今、説明を受けました。今の条例の中でどの程度そういう部分が出されているのかというのがわかれば、そういう関係の資料。
それから、これは十年以上前になるんですが、福祉のまちづくりを推進するみたいな形で、これは福祉局が持っているのかな、それは建物だけではなくて、歩道と道路の段差をなくせとか、いろんなことがあって、条例をつくった自治体もあれば、指針でやっているような自治体もあるやに記憶をしているんですよ。したがって、その辺の事情がわかって、かつ到達点がわかるような、今現在のがあれば、ただ所管局が違うので、もし無理であれば、私、そっちへ問い合わせいたしますが、可能な範囲内で結構でございますので、よろしくお願いいたします。
○相川委員長 ただいま野島副委員長、清水委員、新井委員、坂口委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○相川委員長 これより請願陳情の審査を行います。
一五第二七号、中野区内の西武鉄道新宿線の踏切解消促進に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○山崎都市基盤部長 お手元の資料3、請願・陳情審査説明表を用いましてご説明させていただきます。
整理番号1、一五第二七号、中野区内の西武鉄道新宿線の踏切解消促進に関する請願でございます。
資料の一ページ、二ページでございます。
本請願は、中野区町会連合会会長石川誠一さん外六万九千七百一名の方から提出されたものでございます。
請願の要旨でございますけれども、中野区内を通過する西武新宿線のすべての踏切渋滞を解消し、快適なまちづくりを実現するために、停滞中の中野区内の西武鉄道新宿線全踏切解消に向けた連続立体交差の地下化工事を一日も早く着工、完了するための諸施策をとっていただきたいというものでございます。
現在の状況でございます。一番でございますが、西武新宿線の地下急行線計画でございますけれども、これは請願本文中に記述されておりますので、ちょっと説明させていただいております。現状の地上部の路線を残す、現在の在来線は残すという前提で、急行線のみを専用の路線として地下に設置する、こういう計画でございますけれども、本計画は、平成五年の都市計画決定の後、平成七年に鉄道事業者によって事業化が延期されまして、現在に至っているわけでございます。
一方、在来線についての踏切でございますけれども、東京都におきましては、補助二六号線を中心としました踏切対策につきまして、平成十三年から都及び西武鉄道で、その物理的可能性について検討してきております。
昨年十月、環状六号線、環状七号線間で鉄道を高架化させた案、地下化させた案、それから補助二六号線を道路単独で地下化させた案、この場合は幅員の異なる二案がございますが、これを地元区に提示してございます。
ことしの五月には、中野区がまちづくり及び踏切対策の検討会を設置いたしておりまして、都、鉄道事業者もこれに参画しておりまして、まちづくり及び踏切対策、こういうものに関する調査、検討を行っている段階でございます。
以上でございます。
○相川委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○高橋委員 私から、一五第二七号、中野区内の西武鉄道新宿線の踏切解消促進に関する請願についてお尋ねいたします。
今回七万人という多くの方々の連名により、西武新宿線の連続立体交差化を求める請願書が都議会に提出されました。中野区内においては長い間、西武新宿線の踏切渋滞、地域分断などに悩まされており、これは、その関係区民、都民のいらいらが我慢の限界に来ているということだろうと思います。
これまでも西武新宿線における踏切対策については、我が党の松本前議員、川井議員からも、議会での質問や要望を行うなど、一刻も早い実現に力を尽くしてきたところであります。
このような踏切問題を解決していくことは、地域の活性化だけではなく、ひいては東京の再生につながるものであり、我が党もこれまで全力を挙げて取り組んできた課題であります。
そこで、何点かお伺いいたします。
最初に、中野区内における西武新宿線の踏切の状況を伺います。
○山崎都市基盤部長 中野区内の踏切の現状でございますけれども、区内には現在、全部で二十カ所の踏切がございます。そのうち、ボトルネック踏切、つまり踏切遮断時間がピーク一時間で四十分以上の踏切、あるいは踏切交通遮断交通量一日五万台・アワー以上ある踏切、これが十八カ所、ほとんど大半がいわゆるボトルネック踏切といわれている状況でございます。
○高橋委員 このように中野区内にはボトルネック踏切が多数存在しております。これらの問題の多いボトルネック踏切を解消していくためには、道路と鉄道の立体交差化を進めていくことが重要と考えております。こうした課題に対し中野区がまちづくり及び踏切対策の検討会を設置し、都、鉄道事業者もこれに参加し、検討を行っていると聞いておりますが、具体的にはどういう検討がなされ、また、今後どういった検討をなさるのか伺います。
○山崎都市基盤部長 大変失礼いたしました。下手な英語を使いましたので、ちょっと間違えました。一日五万台・時でございます。申しわけございません。
ご質問でございますけれども、先ほども申しましたように、その九割がボトルネック踏切ということでございますので、沿線の地域では交通渋滞やまちの分断など問題が発生しているということは、我々も認識しているところでございます。
このため、これまで中野区が設置する検討会に都、鉄道事業者も参画して、現状まちづくりが抱える課題等の把握に努めてまいりました。今後さらにこの検討の具体化を図りながら、鉄道、道路立体化のあり方について引き続き検討を深化させてまいりたいというふうに思っております。
○高橋委員 以上伺いましたように、西武新宿線の踏切対策については、都、中野区、鉄道事業者が検討会をつくり、取り組みを始めていることなどから、請願の扱いについては趣旨採択が適当だろうと考えます。
ありがとうございました。お願いします。
○樋口委員 私も、一五第二七号の中野区の西武新宿線あかずの踏切問題に関する請願について述べさせていただきます。
西武新宿線だけではなく、中央線のあかずの踏切は、このところ毎日話題に上らない日はありません。これは、長時間にわたった事故をきっかけに批判が高まったという突発的な問題だけなのでしょうか。中央線の利用者のみならず、多くの都民が日ごろから思っていた鉄道会社、行政に対する不満、不信がこの問題を契機としてとうとう爆発してしまった、極めて構造的な問題なのではないでしょうか。踏切が及ぼす影響は、一日の列車の本数が限られているような地方の場合とは全く違いまして、このあかずの状況が延々と続くこの密集地の東京のような場合、それとは違うんです。
これまでのところ、中野区内の西武新宿線踏切内において目立った事故はないのが、多少ながらの救いではございますけれども、幾ら我慢強い住民ももはや限界に来ております。都会の踏切は、生活を分断されている地域住民のコミュニティの低下、環境悪化、交通渋滞など、都市活動にさまざまな悪影響を与えております。都市の生命力を回復させるためにも、連続立体交差事業は現在の計画以上に加速して、これはすべての連続立体交差事業のことを申しておりますけれども、進めるべきだと私自身考えております。
ところで、この中野区内の西武新宿線あかずの踏切の中で事故が起こった、あるいはいろいろな遮断機が壊されてしまった、そのようなことは一体この五年間でどのくらいあるんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 中野区内の近年の踏切事故でございますけれども、過去五年間について、まことに痛ましいことではございますけれども、いわゆる飛び込みと思われるような事故も含めまして、死亡事故が二件発生してございます。
また、遮断機のさおの折損につきましては、踏切一カ所当たり平均しますと、年一件程度発生していると聞いてございます。
○樋口委員 つまり、踏切によって二人のとうとい命が亡くなってしまい、確かにその原因というものはまだ明らかにされてはおりませんが、二人のとうとい命が亡くなり、また、百件以上もの踏切の遮断機のさおの部分が破損されてしまったというような状況であります。私も朝ときどき踏切に立っておりますけれども、本当に危ない場面に何度も何度も遭遇しております。
私も今回、請願に対して紹介議員として名を連ねさせていただいておりますが、ぜひ一刻も早く、この中野区内の西武新宿線全踏切解消に向けて鋭意努力していただきたいと思います。
そして、今回は、都から出されました昨年の案でございますと、四案が示され、その中で野方以西については全く触れられておりません。大工事でございますので、何分割かする工事になるかとは思いますけれども、その工事が継続可能な、つまり以西に対しても継続可能な工事でありますよう、ぜひ東京都としてもしっかりと取り組んでいただきまして、中野区内二十の踏切、踏切というのは最大のバリアだと思います。ぜひ取り組んでいただきたいと思いまして、私の意見を述べさせていただきます。
○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一五第二七号は趣旨採択と決定いたしました。
○相川委員長 次に、一五第二八号の一、東京臨海地域公共交通基盤整備に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○山崎都市基盤部長 同じく資料3の三、四、五ページでございます。
整理番号2、一五第二八号の一、東京臨海地域公共交通基盤整備に関する請願でございます。
請願者でございますけれども、中央区にお住まいの晴海をよくする会会長江間洋介さんから提出されたものでございます。
請願の要旨でございますけれども、千客万来の世界都市を目指し、次の二点について実現していただきたいとするものでございます。
まず第一点が、世界都市東京を支える交通基盤の柱として、東京駅と臨海副都心(晴海、豊洲)及び羽田を結ぶ地下鉄新線を整備すること。四ページの右下に点線、破線がございます。
二番目として、千客万来の都市を目指し、銀座、築地、晴海、豊洲及び台場を結ぶLRTなどの中量輸送機関を整備すること。五ページに請願者の路線が載せてございます。
現在の状況でございますけれども、東京駅と臨海副都心を結ぶ地下鉄新線の整備につきましては、図にありますように、運政審の際に要望してございますけれども、平成十二年一月に出されました答申の中では位置づけられていない状況でございます。
二番目のLRT等につきましては、主に地域交通を担う公共交通機関でありますことから、地元自治体の主体的な取り組みに対しまして、技術的な支援や情報提供を行っているところでございますが、現時点では中央区の具体的な取り組みが行われていないと聞いてございます。
○相川委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○坂口委員 この請願団体の結成以来の活動を見ますと、かなり多岐にわたって粘り強くいろいろやっておられるようでございます。
そこで、まず第一点でございますけれども、この地下鉄の問題はきょうは質問いたしませんけれども、二番目のLRTの問題、これは真剣に受けとめていくべきであると私は判断しております。
そこで、お聞きするわけでございますが、今回の請願が出された背景について、改めて少し詳しくお聞きしたいと思います。
○山崎都市基盤部長 晴海をよくする会の方々のご認識でございますけれども、千客万来の都市、これを実現するためには、居住者の足を補完し、市場移転に伴う場外と新市場との連絡、利便性の向上を図る。また、観光需要を掘り起こすなどの目的、そういうことを達成するためにはLRT等の中量輸送機関が必要というご認識、お考えを持っておりまして、こういう一環で今回の請願が提出されたものというふうに理解しております。
○坂口委員 前回の事務事業の質疑の際に、LRTの問題についてはかなり詳しくやらせていただきました。また、資料も用意していただきました。
そこで、第二点としまして、前回の復習も兼ねるわけでございますけれども、LRT導入に向けた都の取り組みと、現在どのような課題があると認識しているのか、お聞きをしたいと思います。
○山崎都市基盤部長 先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、LRTは主にその地域の交通を担う公共交通機関ということでございますので、地元自治体が主体となった取り組みが重要であろうというふうに考えているところでございます。東京都は、これまでも地元自治体の主体的な取り組みに対しまして、技術的な支援あるいは情報提供等を行ってきているところでございます。
課題でございますけれども、導入に当たっては、採算性の確保ですとか、他の公共交通機関との連携の方策でございますとか、法制度の緩和、補助制度の拡充、そういったもろもろの検討課題があるというふうに感じているところでございます。
○坂口委員 意見とラストの質問になりますけれども、既に都市計画局では、例えば平成八年八月に、環状方向の新たな公共交通機関の導入についてということで、LRTの導入なども含めた調査研究をして、立派なレポートを出しております。また、平成九年、十年にかけましてはLRT導入に関する調査報告書をまとめまして、平成十一年十一月に都市計画局はこれまたかなり立派なレポートを出しております。
そのようなことを考えるならば、いつまで検討、検討、よくボクシングではないということがいわれるわけでございますけれども、しているのかということになってくるわけですね。
それで、支援、支援といいますけれども、分権の問題と同じように、やっぱり技術や情報の提供だけでは本当に何分の一かなんですね。それも大変重要であるわけでございますが、やっぱり人、物、お金、そして技術、情報ですよね。ですから、やっぱりいま一歩踏み込む段階に来ているのではないかということ、という認識を私は持っております。
といいますのも、前回の委員会へ出していただきました資料で、このような認識を都市計画局は持っているわけですね。ヨーロッパにおける持続可能な都市再生、横文字で恐縮ですが、サスティナブルシティーという概念がヨーロッパでは共通の都市再生の概念になっているわけですね。そのような中で三つの柱がある。それは、先ほどの環境局の議論でも行われたわけでございますけれども、一つは環境保全ということ、もう一つは持続可能な経済発展ということ、それからもう一つは生活の質の向上ですよ、この三つが柱になっている。
では、それを達成するために具体的な公共交通政策などとして何がとられているかといいますと、三種の神器ではございませんけれども、一つがLRTなんですね。一つのカードがLRT、もう一つはトランジットモールなんです。それから、さっきの環境局でも出ましたが、パーク・アンド・ライドなんですよね。これをメガロポリス東京で全部に当てはめろとはいわないですね、既存の公共交通もあるわけですから。しかし、これが当てはまる地域も幾つかあるはずなんですね。それについて具体的な人、物、金をつけて、やっぱり踏み出すということが今必要になってきているんではないかと思います。
LRTだけにこだわるものではございません。前回提案しましたように、例えばトロリーバスがあってもいいでしょうし、またはガイドバスがあってもいいでしょうし、または連接バスがあってもいいと思うんですね。採算性、費用の負担の問題、後年度の償還の問題、採算性の問題などを含めてどれが一番適切なのか、やはりそれぞれの路線についてきめ細かな検討をしていく必要があると思うんです。
前回以降いただいた資料によりますと、建設省も既に十三年度にそのようなことを、今の国土交通省ですね、見越しまして、三つほどの補助システムを見直して整備しているんですね。申し上げます。路面電車走行空間改築事業、これは走行路面、それから路盤、停留所等、国の補助率が二分の一、これが一つ。二番目、都市再生交通拠点整備事業、これは架線の柱、架線柱ですね、それからシェルター、停留所の覆いですね。それから停留所、これが国が三分の一の補助を出しますと。三番目が公共交通移動円滑化設備整備費の補助ということでございまして、これはLRT本体、低床式路面電車の購入費用ですね。それから運転情報システムなどについて、国と地方が四分の一ずつ補助を出しますと、こういう制度を設けているわけです。
こういうものを、不十分かもしれませんけれども、東京都で真剣に検討をして、やはりいま一歩を踏み出していく必要があると思うんですね。それで、どこにその課題があるのか、さらに深めた上で、やはり自治体のリーダーなわけでございますから、国に対してもきちんとした制度の改善等を要望していくということが大変重要だ、そのように考えております。
ラストの質問になりますけれども、都として、そのようなことを踏まえて、いま一歩踏み込んで、交通渋滞や環境対策のある意味では決め手になるはずなんですね。ヨーロッパではそのことが実証されております。総量規制にもなっていくわけですよ。いきなりロードプライシングじゃないですね、総量規制だから。それだけ需要があるわけですから、代替的な公共交通手段を用意していく中で、やはりロードプライシングをかけるとか、そういうことをしなかったら、問題の解決にはならないと私は考えております。
そこで、実験路線を設けるなどした上で、その効果だけではありませんで、その課題等も検討していくべき段階に入ってきているんではないか。若干敷衍するならば、例えばここも一つのモデルになり得る路線かもしれません。豊島区の高野区長のところでも、そのような構想を持っているわけですね。そこもモデルになるかもしれません。もう六年間研究をやっております調布保谷線も、その全部とはいいませんけれども、例えば三鷹から調布の間について十年後の国体をにらみながらやってみるとか、そういう柔軟な対応があってもいい。聞くところによりますと、環状のエイトライナー、メトロセブンのところについても、今いったような多様な地上系の交通システムについて検討するやに聞いておりますけれども、いま一歩踏み込んだ取り組みをすることができないかどうか、局にお伺いをしたいと思います。
○山崎都市基盤部長 東京都におきましても、これまでもLRT等に関連する補助制度の充実というようなことで、国の方に対しても提案、要望してまいって、そういう行動もしているところでございますけれども、今、先生のお尋ねの踏み込んで実験というようなご提案もございました。LRTの実験につきましても、本設と同じように施設の整備をし、要員を確保しということでございますから、相当の財政負担など解決すべき課題もございますので、きょうの段階では一つのご提案として承らせていただければというふうに思います。
○坂口委員 不満ですが、やむを得ないですね。いいです。
○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一五第二八号の一は保留といたします。
○相川委員長 次に、一五第四三号、小田急不動産「用賀一丁目計画」に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○野本市街地建築部長 整理番号3、一五第四三号、小田急不動産「用賀一丁目計画」に関する陳情につきましてご説明いたします。
お手元の説明表の七ページをお開きいただきたいと思います。
本陳情は、世田谷区の桜並木周辺の環境を守る会代表住井一夫さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますが、世田谷区用賀一丁目七番の大型マンション建設計画に係る総合設計制度適用申請を不許可にしていただきたいというものです。
現在の状況でございますけれども、平成十五年五月七日、建築主から総合設計制度の適用を求める許可申請が提出されています。
平成十五年七月二十八日、近隣住民から都議会議長あてに陳情書が提出されました。
建築主小田急不動産株式会社は、平成十五年二月より十月九日の公聴会までの間に、近隣住民等に対し、用賀一丁目計画に関する説明会を四回実施しております。
東京都は、第一種低層住居専用地域という地域特性と住民の意向を踏まえるよう建築主を指導しまして、建築主は建物北側部分を五階から四階へ変更することとなりました。
平成十五年十月九日に公聴会を実施しましたところ、マンション建設計画に反対する意見が出されております。
意見の主な内容は、環境破壊に関すること、第一種低層住居専用地域での総合設計適用に対する疑問などでございます。
その後、建築主は、十月十九日に第五回目の住民説明会を開催しております。
東京都では、引き続き、近隣住民の理解を得るよう、建築主を指導している状況でございます。
以上で説明を終わります。
○相川委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○高橋委員 私から、一五第四三号、小田急不動産「用賀一丁目計画」に関する陳情についてお尋ねいたします。
東京では、都市再生が進められて、総合設計制度も盛んに活用されているのは評価しております。しかし、今回の世田谷区用賀一丁目における小田急不動産の計画では、計画に反対する住民の声も大きな広がりを見せております。
そこで、何点かお伺いいたします。
最初に、総合設計制度とは何か、またそのメリットは何か、改めてお伺いいたします。
○野本市街地建築部長 総合設計制度でございますけれども、総合設計制度は、建築敷地の大規模化などによりまして、土地の有効かつ合理的な利用を促進するとともに、公共的な空地を確保することによりまして、市街地環境の整備、改善を図ることを目的として創設されたものでございます。
既に、東京だけで、昭和五十一年の創設以来、約五百件の実績がございます。
本制度の適用をすることによりまして、都心居住の推進、公共施設機能の補完、公益施設の整備、市街地の防災強化、福祉のまちづくりの推進、緑化の推進などの効果を上げております。
○高橋委員 次に、今回の仮称用賀一丁目計画は、第一種低層住居専用地域において総合設計制度を適用しているようでありますが、第一種低層住居専用地域で総合設計制度を適用するメリットはあるのかお伺いいたします。
○野本市街地建築部長 第一種低層住居専用地域では、戸建て住宅や木造賃貸住宅での更新が一般的となります。ただ、こうしますと、敷地の細分化による木造密集地域の再生産になりかねないと、そのような危惧がございます。
それに比べまして、総合設計制度を適用することによりまして敷地の細分化を防ぎ、また道路に沿って歩道状空地を設け、歩行者の安全確保に寄与すると、それから、敷地の一部に広場状空地を設けることで周辺住民に憩いの場所を提供すると、また、豊かな緑を提供することで都市に潤いをもたらすと、こういったことがございます。
また、建物の高さが高くなることに対する配慮といたしまして、日影につきましては通常の日影規制より一段厳しい規制としてございます。
このように、さまざまな観点から計画を規制、誘導することによりまして、市街地環境の整備、改善に寄与していると考えております。
○高橋委員 次に、地元の世田谷区長からは、引き続き、事業者に対する十分な住民説明の指導要望が出ているようでありますが、事業者は住民に計画内容を十分説明してきたのかどうかお伺いいたします。
○野本市街地建築部長 東京都は、事業者に対しまして、住民の方々への説明会を十分開催し、理解を得るよう指導しております。本年二月から九月にかけまして、五回の説明会を実施しております。
また、公聴会を十月九日に実施しまして、十六名の方からの発言があり、意見書について六十五通の提出がございました。
このような住民説明会あるいは公聴会における住民の要望を反映し、建物の高さを一部五階から四階に下げたほか、ケヤキ並木を保全しまして、あるいは宅配便などの路上駐車を防止する車寄せ整備、こういうことをすることになっております。住民の方々は、建物高さについては、なお一層低減するようにということで求めております。
○高橋委員 そういう答弁でありますけれども、住民の多くが計画に反対しているようでありますが、都は今後、事業者をどのように指導していくのか伺います。
○野本市街地建築部長 東京都による事業者への指導でございますけれども、都といたしましては、総合設計制度の趣旨にのっとりまして、市街地環境の整備、改善に資するよう事業者を指導しまして、さらに地元世田谷区長からの要望、あるいは住民の方々からのご意見を参考に指導しているところでございます。
高さにつきましては、事業者が周辺の住民の方々との話し合いを今後とも進めるよう指導していきます。
○高橋委員 最後に、今、部長からそれぞれ答弁いただきましたが、事業者に対しての都のさらなる十分な指導、また事業者と周辺住民との十分な話し合いをさらに進めるよう指導することを要望して終わります。
○樋口委員 私も、この用賀一丁目の問題について発言させていただきたいと思います。
第一種低層住居専用地域、私はあそこのエリアのことは割と昔からよく存じ上げておりまして、でも大分変わったのかもしれないと思いまして、昨日、用賀に用がないのに行ってまいりました。
それで拝見させていただきましたんですけれども、本当にすばらしい街並みでして、緑豊かで、また農地もあり、私としては、本当にすばらしい街並みだなと感心いたしておりました。
しかし、そういった緑の豊かな場所に、この総合設計制度というのは、市街地の整備、改善を図ることが目的だという、その制度を使って、大きな建物、それがふさわしいのでしょうか、どうなんでしょうか、私はいささか疑問に感じております。
また、これによって、全く今までと違った街並みができてしまうんではないか、大変危惧いたしております。
と申しますのは、大きな敷地が残っている。そうすれば、その大きな敷地がまだたくさんありますから、こちらでもあちらでもそちらでも、その総合設計制度を使って、全く違った街並みになってしまうのではないか、そのように思いますが、いかがでございましょうか。
○野本市街地建築部長 更新時期を迎えている市街地におきましては、各地権者が土地の有効利用を目指すのは、ある面ではやむを得ないことなのかなと思います。
都市計画による誘導や開発諸制度の活用をすることなく放置しておきますと、先ほどもちょっと触れましたけれども、敷地の細分化によりましてミニ開発が進み、密集市街地が出現するということが危惧されるわけでございます。
私どもとしましては、したがいまして、総合設計制度などの諸制度を活用して適切なまちづくりを誘導していきたいと考えております。
○樋口委員 密集市街地が出現するのではないか、そのようなことも今、部長にご答弁いただきましたけれども、一敷地の最小面積を定めるなど、良好な環境を維持するためには、例えば地区計画を定めるなど、何らかのルールづくりによってその街並みが守れると思いますが、いかが思われますでしょうか。
○野本市街地建築部長 地域の特性を生かしまして良好な住環境を維持するためには、まさに住民の方々の合意のもとに、敷地面積の最低限度であるとか、あるいは建物の高さの最高限度などを定めると、こういったことを地区計画に策定するということは、大変有効であると考えております。
○樋口委員 ぜひ乱開発を防止していただいて、あのすばらしい、東京の中でも誇れる街並みだと思います。その街並みを維持できるような形に持っていければ、私としては一番うれしいなと思っておりますけれども、とにかくこれについては住民の方々としっかりとお話し合いをして、そしてどこで折り合うことができるかということを見定めていただきたいと思いまして、私の意見を終わらせていただきます。
○かち委員 私からも、小田急不動産「用賀一丁目計画」に関する陳情について二、三お聞きします。
本件は、今もいわれているように、第一種低層住居専用地域ですから、現在三階までで十メートルの高さなんですね。そこに総合設計制度を使って、二十メートル、倍の高さの大型マンションを建設計画しようということなので、これはその周辺住民の皆さんにとっては、いろいろな環境問題からしても大変大きな問題と感じていらっしゃることだと思います。
本陳情に寄せられた署名は、何名だったんでしょうか。
○野本市街地建築部長 本年七月二十八日に都議会議長あてに出された陳情書には、二千六百七十七名の署名が寄せられております。
○かち委員 二千六百七十七名の方の署名ということですが、私も陳情者の方からお伺いしたところ、その大部分は近隣周辺の地域から集めたということで、かなり地域住民の皆さんの要求が強い陳情だということがわかります。
そして、経過の中では、東京都環境審議会あるいは公害調査会への調停や調査、審議を求める要望書など、数度にわたって働きかけがされてきているようです。
そこで、東京都は、十月九日に公聴会をやっているようですけれども、その開催状況、陳述者、参加者などについてはどのようになっているでしょうか。
○野本市街地建築部長 十月九日に公聴会が開催されておりますけれども、公聴会の発言者は十六名ございまして、いずれも反対意見でございました。
発言の内容は、第一種低層住居専用地域内において総合設計を適用することに対する疑問の声、あるいは当該建築計画が環境の悪化を招くなどの意見でございました。
○かち委員 住民の方は、この総合設計制度を使ってやることに対しては反対の意見が多い、ほとんど全部ということですけれども、そのほかにも六十三通の意見書も提出されているようです。ここからも、この地域での総合設計制度を利用して容積率を上げ、高くすることの合理性がないということが浮き彫りになっているのではないでしょうか。
先ほどの質問もありましたけれども、もう一度お尋ねしますが、総合設計制度の本来の目的というのは何でしょうか。
○野本市街地建築部長 総合設計制度の目的でございますけれども、総合設計制度は、建築敷地の大規模化などによりまして、土地の有効かつ合理的な利用を促進するとともに、公共的な空地を確保することによりまして、市街地環境の整備、改善を図ると、こういうことを目的として創設されたものです。
○かち委員 前段はありますけれども、建築活動を通じて市街地環境の向上に資する、この点をしっかりと位置づけなければならないと思うんです。
先ほどのメリットの点でいいますと、広いまとまった地域があると、そこが細分化されて密集地域になるから、こういう制度を使うメリットがあるというようなお話がありましたけれども、一方では、世田谷のように広い用地が結構あるという地域においては、乱開発を招くという側面もあるわけですね。それが環境負荷や生活への影響というのも大変大きなものであり、その辺も見きわめなければならないことだと思います。
今度の用途地域見直しの中では、世田谷区としては最低用地の面積を幾つにしようということを決めるというような動きもありますので、区民を挙げて環境を守ろうという意識が大変高い住民の皆さんが住んでいるまちだなということがわかるわけです。
それで、本年五月に世田谷区環境審議会から答申が出されているようですけれども、その内容はどういうものでしょうか。
○野本市街地建築部長 本計画に関する世田谷区環境審議会の答申は世田谷区長あてに出されておりまして、その内容は、周辺環境を考慮すると、総合設計制度を利用して、容積率、高さの制限緩和をする必要があるとすることについては、著しい疑念があるとのことでございました。
ただ、その後、十月に私ども東京都から世田谷区に正式に意見照会をしてございます。そうしたところ、世田谷区長から知事への回答がなされまして、その内容は、適用が図られようとしている総合設計制度は、市街地環境の改善とともに、市街地の防災強化も目標としているため、安全・安心のまちづくりには妥当な手法であると、こういうことでございます。
また、事業者は区の要望も取り入れ、総合設計制度の趣旨である市街地環境の整備、改善に資するため、建物周囲に連続した空地を生み出し、既存のケヤキの大木を含めた緑化の増進や歩道、児童公園等の整備など、周辺環境に配慮したものとして一定の評価をしていると。
ただ、建物の高さ、容積については、可能な限り抑制するよう要請を続けてきたところであります。
そして、最後に、階数については、より一層の努力を求めると記載してございました。
○かち委員 審査会というものの拘束力というのには、おのずと限界があると思いますけれども、第三者機関的なこういう部門で審議して意思決定されたという点では、相当な重みがあると思います。
その内容を受けて、部長は今のような意見照会をされたようですけれども、それにしても、高さについては、なお一層の努力をすべきだという回答をしているわけですね。そういうことをぜひしんしゃくすべきだというふうに思います。
財産の運用というようなことを、効率的な運用などを考えれば、用途地域を、第一種低層という最も厳しい制限区域を外すこともできるわけですけれども、あえて今日までその用途を守ってきたというのは、そこに住み、コミュニティをつくってきた住民の方々の環境意識の高さと努力の結果だというふうに思います。
緑豊かな環境は、そこの住民にとってばかりではなく、世田谷区、ひいては緑が少ない少ないといわれている東京にとっても、貴重な環境保全の役割を果たしているわけです。そういうところに、幾ら都市再生、それから開発促進という、こういう傾向の中だとはいえ、資本力を持つ企業がいきなり入ってきて、開発手法を駆使して、用途地域の制限さえ破って高層マンションを建てるというのは、到底認めがたい行為だといわざるを得ません。
よって、私はこの陳情は趣旨を採択すべきだというふうに思います。
○新井委員 それでは、私も陳情一五第四三号について質問させていただきます。
ほかの各会派の方が質問なさいましたので、それとダブらない範囲でさせていただきたいと思います。
私も、この総合設計あるいは建築確認については非常に興味を持っておりまして、決算の方でも質疑をさせていただきまして、総合設計制度の目的やその実例の把握、許可に至るまでの計画の進められ方、公開空地のあり方、周辺環境と調和した建築のあり方ということについて、さまざまな問題点を指摘させていただいたという経緯があるわけなんですけれども、その中で、今回の陳情については、大きく三つ、問題というか、視点があるのではないかというふうに思います。
一つは、皆さんが今おっしゃっているように、総合設計制度を第一種低層住居専用地域に適用することの可否、それから、環境の改善に資するということを最終的にだれが判断するのかということ、それから、こういった民間の開発に対しては、地域の住民の方の参加の場、意見を反映させていく場が日本の制度の中にはない、この三つが非常に大きな問題なのではないかというふうに思います。
そんな視点で質問させていただきますが、前回の決算のときにいただいた資料の中で、これまで過去三年間で総合設計制度を適用した中での紛争、請願陳情、調停、建築審査会への審査請求件数などがどのぐらいあるかということをお伺いしましたらば、許可実績七十二件に対して三件ということで、非常に少ないということは思います。
ある程度、総合設計という、行政が唯一関与できるということの中で役割を果たしてきているなというふうに思うわけですが、十四年度の許可実績を見ますと、ここは第一種の低層住居のところはないんですね。一つもない。二十七件中、一地区だけ、近隣商業と第一種とあわさったところで出されている総合設計というのが一つありますけれども、すべてがこの第一種低層住居専用地域に当たるということはないわけです。
こういうことを指摘して、今後第一種の地域に適用されていく場合には、いろいろな紛争というか、住民の方々の不満が上がってくるんじゃないかということもご指摘をさせていただいたわけなんです。
今回、この第一種低層住居専用地域に総合設計制度が適用されたわけなんですけれども、こういうことを適用するに当たって、都として何らかのルールをつくっていかないと、制度の乱用ということが起こるのではないかというふうに思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○野本市街地建築部長 一低層に適用する場合はルールをということなんですけれども、第一種低層住居専用地域におきまして適用する場合には、現在でも一定のルールがございます。
その内容は、まず敷地面積の最低限度を千平米以上と、かなり大きく設定しております。
また、高さを緩和する場合には、敷地の境界からの距離に応じまして建物の高さを制限する。具体的にいうと、斜線的なもので制限するんですけれども、そういったこともしてございます。
それから、一番影響の大きい日影につきましては、通常の日影規制よりも一段厳しい規制を適用すると、こういったことを現在でもしております。
そのほか、地域特性によりまして、こういったことだけでなく、より厳しい規制が必要な場合には、先ほどちょっとお話ししましたけれども、その地域、その地域にふさわしい地区計画を導入するのが効果的なのではなかろうかと、そんなふうに考えております。
○新井委員 今のお答えくださったルールというのは、そもそも総合設計制度そのもののルールということだと思うんですね。
私がいいたかったのはそれではなくて、それを第一種低層住居地域に適用するに当たって、何らかのルールを東京都として考えていった方がいいのではないかというふうにお伺いしたわけなんですが、基本的には基礎自治体、市区町村で何らかのルールをつくるということが最善かと思うんですけれども、東京都についても、ぜひこういった視点でルール化というものを考えていただきたいというふうに思います。
それから、まちの環境の改善に資するという判断を最終的にするのはだれかということなんですけれども、私は、その地域というのは、その地域の人たちのものだというふうに思いまして、そこの地域に住む人が、その地域の環境の改善に資するかどうかというのを最終的には判断するんだろうというふうに思っているわけなんですね。
都の場合は、この最終的に判断するのはだれかというふうに思われるでしょうか。
○野本市街地建築部長 最終的な判断はだれがするかということでございますけれども、総合設計の手続を進める中でさまざまな手順があるんですけれども、例えば住民説明会がありまして、その後に公聴会、それから各区への、あるいは市への意見照会ということがございまして、その後、建築審査会の同意を得てということになるんですけれども、そういった一連の経過の中でさまざまな意見が出されますので、そういった意見を総合的に判断した上で、特定行政庁としての東京都知事が許可すると、そのように考えております。
○新井委員 意見を聞いた上で都知事が判断するということなんですけれども、九二年に都市計画法が改正されまして、それまで都市計画マスタープランというのは都道府県がつくっていたわけなんですけれども、それではなかなか地域の実情を踏まえたマスタープランができないということで、法律の中で初めて市民の声を聞いて、市民の参加で都市計画マスタープランも市区町村がつくりなさいというふうに法改正がされました。
それ以来、いろいろな都市計画の分野で市民参加が進んでまいりまして、今やどこの自治体でも、東京都もそうですけれども、市民参加のまちづくりが非常に大事なんだということで、市民参加ということが当たり前のようにいわれているわけなんですけれども、なぜその市民参加がまちづくりに必要なのかということを考えなくちゃいけないと思うんですね。
なぜ必要かといいますと、先ほど来いっていますように、地域のことは地域の人が一番よく知っている。行政だけではニーズの把握ができない。企画段階から地域の人が参加することで、だれにでもある夢と、それから現実の財政問題等を含めた現実とのはざまでの合意点を、参加することで合意点を見つけることが一つ、そういう意味で、非常に市民の参加というのは大事なんだというふうに思うわけなんですね。
都市計画の分野で市民参加が進んできているとはいっても、まだまだ不十分ですが、いわゆる都市計画の中で、今度、市民提案の制度というのができましたけれども、こういった民間の場合のケース、市民提案という制度は、都市計画の方でも地権者だけしか認められていないということがあるんですけれども、このケースの場合で市民提案ができる可能性というのはあるんでしょうか。
○野本市街地建築部長 現行の総合設計制度の中で、市民の方々のご意見を聞くという意味では、先ほどからいっていますように、地元説明会であるとか公聴会、こういった機会があるんですけれども、多分、先生がおっしゃっているのはそういうことじゃないという、都市計画等の計画案の提案とか、そういう意味だろうと思うんですけれども、道路、公園等の公共施設の整備の際には、計画案に対する市民参加が実施されることがございます。ただ、今回の場合は、民間の方の、民間のディベロッパーといいますか、そういった民間の個々の事業への市民参加、市民提案、こういったことは現状においてはなかなか困難であろうと、そんなふうに考えております。
○新井委員 そうなんですね。具体的にはほとんど不可能といいますか、そういうふうなことになっています。
今回のようなケースのことを考えて、周辺住民の意見を聞くということでは公聴会などが行われるわけですけれども、いわゆるこの公聴会の制度というのは、本当に一方通行の制度で、住民の方の意見を聞きおくと。住民の人はいうだけ、片や聞くだけというふうなことで、お互いに協議の場にはなっていないわけなんですね。
ですから、そういった意味では、公聴会のあり方というものを変えて、市民の方、住民の方との双方向の協議ができる場にしていくとか、あるいは市民提案、最近、地域の中にもかなりいろいろな、デザイナーさんなんかも住んでいらっしゃる場合が多くて、NPOなども含めてさまざまな市民提案ができていくわけなんですけれども、そういった市民提案を対案として受け取っていく場、そういうふうな場に変えていけば、こういう紛争というのは起こらないというふうに思うんですね。
基本的には、都市計画法の改正ということを待たなければいけないということで、いろいろ働きかけなどもしているわけなんですけれども、地方分権一括法の制定によって、してはいけないというふうに法律に書いてないことは、基本的にはできるんじゃないかと。だから、東京都で、例えば手続も含めたまちづくり条例をつくって、公聴会のあり方をそんなふうに変えていくというふうなことも可能なわけですね。
そういう意味では、今回の事例については、そういう制度を待つということはなかなか難しいですけれども、こういった紛争事例を少なくしていくということのためにも、以前にも指摘させていただいたんですけれども、まちづくり条例などをできるだけ早い機会に検討してつくっていただきたいということと、このケースの場合は、住民の方、近隣の方、二千六百七十七名の方が署名されて、ほとんどの方がこの計画には反対だとおっしゃっているわけで、先ほど来申し上げているように、その地域の方が敷地だけを見ているんじゃなくて、地域全体とまちの将来を見ているのは、そこに住まっている方だということもございますので、その辺をしっかり勘案して指導していただきたいということをお願いして終わります。
○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第四三号は保留といたします。
○相川委員長 次に、一五第四六号、港区白金一丁目二十五番高層マンション建設計画の変更に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○野本市街地建築部長 整理番号4、一五第四六号、港区白金一丁目二十五番高層マンション建設計画の変更に関する陳情につきましてご説明いたします。
お手元の説明表の九ページをごらんいただきたいと思います。
本陳情は、港区にお住まいの浜田安季子さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますけれども、株式会社長谷工コーポレーションが建設を予定している(仮称)港区白金一丁目二十五計画について、近隣住民の生活上の権利を守るため、企業利益のみを追求するのでなく、近隣住民の人権を尊重した良識的な建設計画に変更すること、また、建設計画を変更するまでは、建設にかかわる許可等を拙速に行わないこと、以上のことを関係機関等に指導していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますけれども、建築主株式会社長谷工コーポレーションは、近隣住民等に対しまして、(仮称)港区白金一丁目二十五計画に関する説明会を平成十五年四月より都合七回実施しております。
八月四日には、建築主は指定確認検査機関である日本イーアールアイ株式会社から建築確認を受けております。
八月八日には工事に着手しましたけれども、その際、一部近隣住民による抗議行動がございまして、建築主は住民代表と協議し、話し合いの場を設定することを約束しました。
その後、十月九日までに工事協定に関する話し合いは都合六回行われております。
十月三日、東京都建築審査会に対し、本建設計画は、日照、採光、通風、圧迫感が受忍限度を超えているとの趣旨で、確認処分の取り消しを求める審査請求が提出されております。
以上で説明を終わります。
○相川委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○かち委員 それでは、港区白金一丁目二十五番高層マンション建設計画の変更に関する陳情ということで、二、三お聞きいたします。
今回の議案などを見ておりますと、バブル時代の、バブルが崩壊して、その後の不良債権処理とか、そういうことがかなり浮き出ている問題があるなというのを思ったんですが、まさに今回もその一つの例ではないかと思います。
右側に地図がありますけれども、これは港区白金の東地区と西地区と、二つの計画が当初あったわけですね。いずれも長谷工コーポレーションが計画していたようですが、東地区については大分進んでいるようですが、いろいろな経過の中で、西地区についてはずっと塩漬けというか、置き去りにされてきたものが、今回動き出したということなんです。
本陳情は、二十階と十五階建ての高層マンション計画を、周辺近隣に配慮した計画に変更してほしいというものですが、ここに出ているのは、建築主は長谷工コーポレーションとなっておりますけれども、この間の土地の所有権の変更とか経過というのはどういうふうになったんでしょうか。
○野本市街地建築部長 土地所有の状況と経過についてでございますけれども、計画地の大部分は、平成五年三月に株式会社長谷工コーポレーションの子会社である株式会社長谷工クリエイトが取得しております。その後、平成十五年三月に三井物産株式会社、株式会社新日鉄都市開発、京阪電鉄不動産株式会社、株式会社長谷工コーポレーションの共同所有となっております。
○かち委員 長谷工コーポレーションは、五千億円もの債務を銀行に放棄してもらって、何とか再建途上にあるわけですが、その銀行もりそなということで、実質的には国有化状態なわけですね。国民の税金がつぎ込まれているという実態の中で、各地でマンション紛争を起こしているという点では、大変問題があると思います。
今ご説明がありましたけれども、結果的には五七%が三井物産、そして新日鉄都市開発とか京阪電鉄不動産が取得し、長谷工コーポレーションはたった三%しか所有権がないというような状況。
そのすべての抵当権が外されたという状況の中で、長谷工コーポレーションがその窓口になっているという状況の中で、本当にこの話し合いが対等に進むのかどうかという点では、甚だ疑問があります。
それで、陳情書の中には、日影規制が外されたという経過もあったようですけれども、その周辺の状況、日影の規制の外された経過、そしてまた実際にこの建物が建ったときに日影の影響を受ける建物は、最大何時間なのかということをお聞きします。
○野本市街地建築部長 日影規制の対象外となった経緯についてでございますけれども、平成八年に用途地域の見直しがございましたけれども、その際、この地域を中高層階住居専用地区に指定しました。特に居住機能の確保を促進すべき区域ということで、容積率を三〇〇から四〇〇%に変更しまして、これに伴いまして、日影規制も、それまでは規制値二・五時間、四時間というのがあったんですけれども、容積率の変更に伴いまして日影規制を外したと、なしに変更したということでございます。
それから、日影が最大かかる時間についてでございますけれども、冬至日におきまして北側の工場一棟、それから郵政宿舎の一棟、この建物の低層部の一部に五時間から六時間の日影が発生するということでございます。
○かち委員 平成八年の用途地域の見直しの際に中高層住居専用地区を指定して、容積率が三〇〇から四〇〇%になったということに伴って日影規制が外されたということですけれども、時期を一にして東側の開発が進んでいったという経過もあるわけですよね。
しかしながら、その周辺の住民の皆さんは、この用途地域の見直しということをほとんど認識しないまま現在に至っているというのが経過のようです。
いつ変わったのかということで区に問い合わせをしても、そのころの記録がないということで、どういう状況の中で用途地域見直しが行われたかというのも全く定かでないというのが現状なわけです。
こういう状況の中で、一日六時間ですから、ほぼ四六時中、日が当たらない生活を余儀なくされる方が出てくるということなんですが、建築相隣紛争予防条例というのがあるわけで、その精神からしても、たとえ日影規制がないとはいえ、少しでもその影響を少なくする努力があってもいいのではないかというふうに思います。周辺道路の状況については、どのようになっているでしょうか。
○野本市街地建築部長 周辺道路の概況についてでございますけれども、東側の道路につきましては区道でございまして、幅員約十二メートルの建築基準法に基づいて指定された道路でございます。
それから、北側は幅員五・八メートルの区道となっております。
○かち委員 十二メートルといわれましたけれども、現道は五メートルちょっとぐらいのようなんですね。それで、建築にあわせてセットバックして十二メートルにするということですけれども、実際、その延長線上は太くなるわけではないということでは、渋滞解消にもならないという問題もあるわけです。
百三十数台の駐車場もつくるわけですけれども、こういう問題もいろいろ含んでいる本建設計画に対し、本陳情は建設反対といっているわけではなく、見直しを求めているものであり、願意は十分に酌み取れるものです。
しかしながら、今回は、建築審査会に申請請求中ということですので、保留にしたいというふうに思います。
○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第四六号は保留といたします。
○相川委員長 次に、一五第四九号、東池袋四丁目第二地区市街地再開発計画の見直しに関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○成田都市防災部長 陳情一五第四九号についてご説明申し上げます。
本陳情は、東池袋四丁目第二地区市街地再開発計画の見直しに関する陳情でございます。
当該再開発予定地区の北側、幅員二十メートルの道路を挟んで立地するマンションの居住者有志の方々から提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますけれども、東池袋四丁目第二地区市街地再開発計画に関しまして、次の要旨1から3に記載された項目について実現してほしいというものでございます。
要旨の1でございますけれども、当該再開発予定地区及びその周辺にかかわります東京都の都市開発構想を見直し、緑豊かな中層住宅地とすること。
要旨の2でございますけれども、当該再開発予定地区及びその周辺の住宅再開発適地で、現在、都市計画用途地域が商業用途となっているものは住宅用途に変更すること。
要旨3でございます。要旨1及び要旨2が実現するまでの間、当該再開発を凍結すること、また、都市再開発法の適用によります建築物容積率の水増しは認めないこととなっております。
当該再開発予定地区の位置でございますけれども、一三ページの位置図をごらんいただきたいと思います。
JR池袋駅の南東、約七百メートルのところの地下鉄有楽町線東池袋駅の至近にございまして、区域面積は約一・一ヘクタールでございます。
恐縮でございますけれども、一一ページにちょっと戻っていただきまして、これまでの経緯でございますけれども、当該再開発予定地区は、平成五年に東池袋四丁目地区再開発地区計画の都市計画決定がなされております。
平成八年には、市街地再開発準備組合が設立され、平成十三年に豊島区及び準備組合から都市基盤整備公団に対しまして再開発事業施行の要請があり、都市基盤整備公団が再開発事業を行う予定地区となっております。
現在、市街地再開発事業の都市計画決定、これは豊島区決定でございますけれども、これに向けまして、具体的な計画内容について検討を行っているところでございます。
陳情事項でございますけれども、要旨1につきましては、東京都は副都心整備計画の中で、東池袋四丁目地区を池袋副都心整備の先導的プロジェクトと位置づけてございます。また、東京の新しい都市づくりビジョン及び新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針におきまして、当該再開発予定地区をセンター・コア・エリアの複合市街地ゾーンに位置づけ、都心居住を重視する区域としてございます。
また、平成五年に都市計画決定されました東池袋四丁目地区再開発計画によりまして、都市基盤やオープンスペースを整備いたしまして、土地の健全で合理的な高度利用を行う地域というふうなことでございまして、都市開発構想を見直す必要はないと考えております。
また、緑地に関してでございますけれども、隣接いたします東池袋四丁目地区で整備される緑地、緑道と連担する緑のネットワークを形成いたしまして、緑の確保を図るよう計画を定める予定でございます。
要旨2につきましては、当該再開発予定地区及び周辺地区は、副都心整備計画を初め、東京の新しい都市づくりビジョン等で高度利用を図る地区としておりますので、また、東京都の用途地域等に関する指定方針及び指定基準によりまして、副都心の複合市街地ゾーンといたしまして、現行の商業地域が適当な用途地域であると判断しております。
要旨3でございますけれども、市街地再開発事業により整備を進めていく区域となっておりまして、周辺区域では、既にサンシャイン60を初め、現在、隣地でも組合再開発事業が実施されておりまして、土地の高度利用が図られている地域でございます。当該再開発予定地区でも、地権者の約八〇%の合意形成が図られ、熟度も高まっているところでございます。
良好かつ魅力ある都市空間を創出するため、緑とゆとりのあるオープンスペースを整備いたしまして土地の有効利用を図るためには、都市計画法の地区計画を活用することは事業上有効であり、それに伴う適切な容積は必要と考えております。
なお、同内容の陳情が豊島区議会にも提出され、十月八日の区民都市整備委員会におきまして不採択となってございます。
以上で本件陳情の説明を終わらせていただきます。
○相川委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○かち委員 東池袋四丁目第二地区市街地再開発計画の見直しに関する陳情について質問いたします。
この東池袋四丁目市街地再開発計画は、隣の第一地区とあわせて平成五年に方針決定されたものであるわけです。隣の第一地区が先行して行われてきたわけですが、いよいよ今度はこちら側が具体化にかかってきた状況だと思います。
今ご説明がありましたけれども、この地域というのは、東京都の新しい都市づくりビジョンに位置づけられ、センター・コア・エリアの複合市街地ゾーン区内で、都心居住を重視する区域となっているとか、いろいろと東京都として位置づけの大変高い再開発地域だというご説明がありましたけれども、本当にここに住む人たちがそのことに合意しているのかどうかという点では、まだ不明な点があると思います。
それで、まず当該計画地の地権者、借地人などの実数というのはどのぐらいあるんでしょうか。
○成田都市防災部長 当該開発予定地区の地権者数についてのお尋ねでございますけれども、土地建物所有者は五十九名でございまして、借地権者数は十名となっており、合計六十九名でございます。
○かち委員 事業の都市計画決定は来年六月ということですので、現時点でどこまでそれが具体化、また煮詰まっているのかという点では、ちょっとわからない点もあるんですが、現在の状況のところの欄に、地権者の約八〇%の合意形成が図られたとありますけれども、どういう調査を、だれがゆだねて、どんな内容で問いかけた結果なのか、具体的に教えてください。
○成田都市防災部長 合意形成率についてのお尋ねでございますけれども、地権者の意向に関しましては、事業予定者でございます都市基盤整備公団が今年十月に地元の再開発事業についての意向調査をしてございます。
この結果につきましては、地元区である豊島区にも確認したところ、今後、都市計画決定手続を進めるためにも、当該再開発予定地の地権者の意向を把握する必要があるというふうなことで、先ほどもお答えしましたように、その意向は大体八〇%以上の方の同意を得ているというふうなことでございます。
詳しい内容につきましては、三点ほどの調査項目を挙げてございますけれども、これらの中には、条件つきで、まだ計画が定まっておりませんので、そういう中で今後詳しい計画が定まっていく中で意向を整理したいという方も含まれてございます。
○かち委員 公団がこの十月に行った調査結果だということですけれども、どういう内容でお聞きしたのかという点がちょっとよくわかりませんでしたけれども、その意見の中には、条件つきで、今後具体化した中で整理していきたいというような意見もあったということで、まだ具体的な案が出ているわけではないし、地権者の皆さんは自分がどうなるのかということもわからない中での調査ということで、これが合意形成が図られたといえるものかどうかという点では甚だ疑問があります。
そういう点では、まだこれからいろいろ考えられる要素はあるのではないかというふうに思うんですね。
それから、開発手法や容積率の緩和ということも陳情者の中からありましたけれども、これは具体的にどういう開発手法を使って、容積率緩和というのはどのようになっているのでしょうか。
○成田都市防災部長 ここでの容積率についてのお尋ねでございますけれども、当該地区の用途地域に関しましては、商業地域で現在、容積率が六〇〇%となってございます。これは、事業は再開発事業でやることになってございますけれども、詳しい容積率に関しましては、まだ計画が出てきておりませんので、私どもは確認いたしてございません。
○かち委員 とにかく煮詰まっていない、計画そのものの範囲も決まっていないというような状況だと思うんですね。まちづくりというのは、そこの当該者だけではなくて、その周辺住民も含めて考えていく、つくり上げていくものだというふうに思っています。そういう意味では、まさにこれから周辺住民も含めての構想検討がされていくべきだと思います。
陳情者の趣旨は、すべてにこたえるわけにはいきませんけれども、この再開発を進めるに当たっては、周辺住民も含めて十分な合意形成を図るべきだということを申し上げて質問を終わります。
○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第四九号は保留といたします。
○相川委員長 次に、一五第五八号、都において許可された建設業者の許可取消し及び知事許可制度の見直しに関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○野本市街地建築部長 整理番号6、一五第五八号、都において許可された建設業者の許可取消し及び知事許可制度の見直しに関する陳情につきましてご説明いたします。
お手元の説明表の一五ページをお開きいただきたいと存じます。
本陳情は、杉並区の井上洋一さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますが、都における建設業の許可に関して、建設業法第二十八条及び第二十九条に明らかに抵触している建設業者、具体的には当方の隣家で外壁塗装工事を行った者なんですけれども、その建設業者について建設業の許可をした理由を明らかにすること、それから、上記業者に対して、建設業の許可を取り消すこと、さらに、建設業の許可に際し、経営業務の管理責任者の責任を明確にするなど、許可要件を厳格化するよう、国に対し働きかけること、以上のことを実現していただきたいというものです。
現在の状況でございますけれども、まず陳情に至った経緯でございます。
陳情者の隣接する家の外壁塗装工事におきまして、工事を請け負った建設業者と陳情者との間で工事施工上のトラブルが生じまして、円満な解決が困難になったということで、今回の陳情に至ったものでございます。陳情の対象となっている建設業者は、平成十四年四月に建設業の許可を取得してございます。
これまでの対応状況でございますけれども、平成十五年八月十二日付で陳情者から都市計画局に対し、書面による苦情申し立てがございまして、八月十八日には、都から陳情者に連絡をとりまして事情を聞くとともに、許可制度とか、あるいは取り消しの要件等の建設業法の趣旨を説明してございます。
また、建設業者には、早急に状況を確認した上で適切な指導を行う旨、陳情者に伝えております。
八月十九日には、都は直接、建設業者から状況の説明を受けております。その際、近隣のトラブル防止に十分配慮するとともに、陳情者とは話し合いによる解決に努めるよう指導してございます。
法律上の考え方でございますけれども、まず建設業の許可基準については、建設業法第七条で、経営業務の管理責任者や専任技術者等の資格要件、それから請負工事契約に関して不誠実な行為をしないこと、金銭的な信用があることなどの要件が定められております。当該業者につきましては、これらの要件を満たしておるために、都は許可したということでございます。
許可の取り消しでございますけれども、建設業法第二十九条で、許可の基準を満たさなくなった場合、あるいは建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、この建設業法でいう情状特に重い場合という場合には、許可を取り消すこととされております。
今回の事案について見ますと、後者の情状特に重い場合には当たらないということで、許可を取り消す必要はないと考えております。
経営業務の管理責任者については、許可要件として建設業法に明記されているところであります。
以上で説明を終わります。
○相川委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第五八号は不採択と決定いたしました。
以上で請願陳情の審査を終わります。
○相川委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○勝田都市計画局長 来年二月十日に開催を予定しております第百六十一回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明させていただきたいと存じます。
今回、東京都決定案件が区部で十二件ございます。本日は、これらのうち、主な案件といたしまして、霞が関三丁目南地区地区計画、幹線街路放射第五号線、アセスの前合わせ案件でございます都市高速道路中央環状品川線につきましてご説明申し上げます。
それでは、引き続き担当の部長から説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
○森下都市づくり政策部長 お手元の第百六十一回の都計審の提案事項概要書、白表紙のものでございます。その三ページをお開きください。それから、茶表紙の図面集でございますけれども、これも三ページをお開きください。
まず、ナンバー1でございますけれども、霞が関三丁目南地区の地区計画の変更案件でございまして、それに関連しまして、ナンバー2と3で特定街区及び一団地の官公庁施設の変更に関する案件をご説明申し上げます。
まず、ナンバー1の霞が関三丁目南地区の地区計画でございますけれども、この地区は、霞が関の官庁街の南側でございまして、文部科学省や霞が関ビルを含みます面積約五ヘクタールの区域でございます。
この地区につきましては、平成十三年六月に国の都市再生本部が都市再生プロジェクトとして指定を行いました。
これを契機に、区域内の地権者などを中心としまして、霞が関三丁目南地区まちづくり協議会が設立されました。この協議会におきまして、官庁施設の再整備を中心に、今後のまちづくりの方向性が検討されまして、平成十四年八月には、再開発に関する企画提案書が東京都に提出されております。これをもとに、本年一月に、再開発等促進区を定める地区計画の都市計画決定を行ってございます。
また、本年四月には、かねてよりPFI手法により建てかえを行うこととしておりましたA地区の中央合同庁舎七号館につきまして、国による公募によりましてPFI事業者が決定しております。
今回、地区の中をA地区、B地区に分けてございますけれども、それぞれの事業者からの提案に基づきまして、具体的な建築に関する事項などを新たに地区整備計画として定めるために地区計画を変更するものでございます。
白表紙は四ページ、五ページでございまして、それから図面が四ページでございますけれども、主な変更内容としましては、まず主要な公共施設のうち、中央広場につきまして、面積約六千二百平米と、その配置をより具体的に定めております。
それから、図面の五ページでございますけれども、地区の整備計画につきましては、地権者などの提案に対応しまして、A地区三・一ヘクタールとB地区一・九ヘクタールの二つに区分しております。
両地区に共通して定める事項としまして、まず風俗営業等の建物の用途の制限をしております。
また、容積率の最高限度は、有効空地の設置など地域への貢献度を評価しまして、九五〇%としております。
それから、敷地面積の最低限度は、敷地の細分化の防止のため、二千平米と定めております。
また、建築物の高さの最高限度は、既存の霞が関ビルや区域全体のランドマーク性などを勘案し、A地区を百九十一メートル、B地区を百五十六メートルとしてございます。その他、壁面の位置の制限などを定めております。
そのほか、A地区につきましては、市街地再開発事業の施行を予定しておりまして、以上の事項に加えて、容積率の最低限度、建ぺい率の最高限度、建築面積の最低限度を定めております。
続きまして、白表紙が七ページ、それから図面の方が六ページでございますけれども、ナンバー2、関連します特定街区の変更でございます。
本地区のうち、霞が関ビル、会計検査院及び東京倶楽部ビルを含みます約二・二七ヘクタールにつきましては、昭和三十九年に我が国最初の特定街区を決定しておりますけれども、今回、この霞が関三丁目南地区の区域全体に地区整備計画を策定し、よりきめ細かな土地利用の誘導と建築物等に関する事項を定め、この市街地像を将来にわたって維持保全していくということができますことから、この特定街区は廃止するというものでございます。
それから、白表紙が八ページでございまして、図面の方が同じく八ページ以降でございます。ナンバー3でございますけれども、関連します一団地の官公庁施設の変更でございます。
一つ目は区域の変更でございまして、九ページの図面にございますように、今回の再開発によりまして新しい官庁施設の敷地が拡大いたします霞が関三丁目の部分と、それから首相官邸の建てかえに伴いまして既に敷地が拡大されてございます永田町二丁目の部分につきまして、一部区域の追加を行うこととしてございます。
それから、二つ目が計画書の記載内容の変更でございまして、建ぺい率及び容積率の限度につきまして、一部記述を追加してございます。
現在、区域内におきましては、建ぺい率五〇、容積率五〇〇%を限度としておりますけれども、今回の再開発によりまして、良好な都市環境の形成にあわせまして、A地区において地区整備計画におきまして定めます容積率九五〇%、建ぺい率七〇%が可能となるような記述を加えることとしてございます。
そのほか、公共施設の配置の方針及び建物の配置の方針等を新たにつけ加えてございます。
以上でございます。
○道家外かく環状道路担当部長 それでは、引き続きまして、次の案件でございます。
まず、東京都市計画道路幹線街路放射第五号線の変更と、これに関連して補助線街路第二一七号線、さらに東京都市計画緑地第六号玉川上水緑地、さらに東京都市計画公園第六・五・九号高井戸公園を変更する案件でございます。
お手元の提案事項概要、白表紙でございます。一九ページをお開きいただきたいと思います。それから、事前説明会資料、薄茶色の表紙、いわゆる図面集でございます。これも同じく一九ページでございます。お開きいただきたいと思います。
放射第五号線の変更は、東京都環境影響評価条例の対象事業であり、今回はいわゆる後合わせでございます。
放射第五号線は、千代田区麹町一丁目、半蔵門の前から国道二〇号、いわゆる甲州街道を経まして、杉並区久我山三丁目に至る延長約十五・一キロの路線でございます。終点部におきまして幹線街路東京八王子線、いわゆる東八道路に接続し、区部と多摩地域を結ぶ主要な幹線道路となっております。
しかし、現状は、今回変更を予定しております杉並区久我山付近、この区間のみが未整備な状態でございまして、周辺道路の混雑や住宅地への通過交通の流入などにより、周辺環境へ影響を与えている状況でございます。
この区間を整備することによりまして、国道二〇号などの周辺道路の交通が分散され、交通の円滑化が図られるとともに、住宅地へ流入していた通過交通が排除され、地域環境の改善が期待されます。
また、環境施設帯などの緑を新たにつくり出すことにより、玉川上水緑地、高井戸公園などを有機的に結びつけて、水と緑のネットワークの充実を図ってまいります。
次に、計画の内容についてご説明申し上げます。
薄茶色の表紙、図面集の二一ページをお開きいただきたいと思います。
今回、都市計画変更をするのは、杉並区久我山二丁目から同久我山三丁目まで約一・三キロの区間でございます。この区間には玉川上水が存在するため、平成十一年度から総合環境アセスメントの試行を行い、玉川上水の保全に配慮した計画の検討を進めてまいりました。この総合環境アセスメントにおける審査意見書や都民、関係区市長から寄せられた意見を踏まえまして、総合的に検討した結果、玉川上水を保全するため、玉川上水の緑地空間を広げるとともに、沿道環境にも配慮するため、幅十メートルの環境施設帯を両側に設置することにいたしました。こうしたことから、放射第五号線の幅員を既定計画の五十メートルから六十メートルに変更いたします。
また、玉川上水に沿って都市計画決定されている玉川上水緑地を、放射第五号線の変更にあわせまして、玉川上水を含む幅二十五メートルの緑地に変更いたします。
放射第五号線の整備に当たりまして、玉川上水の両側に遊歩道と緑地空間を設ける予定でございます。これにより、中央の玉川上水緑地と両側の環境施設帯の幅を合わせると四十五メートルになり、放射第五号線の幅員六十メートルのうち、四分の三が緑地あるいは歩行者空間として整備されることになります。
なお、放射第五号線の拡幅に伴いまして、補助線街路第二一七号線の終点位置を変更し、全線につきまして車線の数を定めるとともに、高井戸公園につきましては区域を変更し、従前の都市計画決定時には公園の種別を定めておりませんでしたので、今回、変更にあわせて運動公園として定めるものでございます。
道路事業でございますけれども、東京都建設局が施行し、平成二十四年度の完成を予定しております。
続いて、環境影響評価についてご説明いたします。
お手元に環境影響評価書の要約、桃色表紙、こういうものが配布してございます。本年一月のいわゆる前合わせ時に、本事業の実施が周辺環境に及ぼす影響について、都市計画を変更する上で支障がないと判断し、環境影響評価書案を提出いたしました。この評価書案に対しまして、本年九月、知事より評価書案審査意見書を受けたところでございます。その内容は、桃色表紙の要約四ページ、五ページの左側の欄に要約してございます。
この中で、本事業の評価書案における調査、予測及び評価は、おおむね東京都環境影響評価技術指針に従って行われたものと認められております。
環境影響評価書を作成するに当たり、留意すべきとされた主な事項について説明いたしますと、二点ございますが、一点は、供用後の道路交通騒音については、沿道建物の背後地の騒音を明らかにすること、二点目は、史跡である玉川上水について、建設作業及び自動車走行に伴い発生する振動について、玉川上水のり面への影響を明らかにすることなどでございました。
これらの事項につきまして、まず一点目でございますけれども、騒音につきましては、参考として、沿道建物の背後地における騒音レベルの試算結果を追加いたしました。
二点目は、史跡に関してでございますが、参考として玉川上水ののり面において、建設機械の稼働及び自動車走行により発生する振動レベルの試算結果を追加いたしました。
その他、指摘のありました事項につきましても、その内容及び表現をさらに明確にし、環境影響評価書を作成しているところでございます。
環境に及ぼす影響の評価の結論につきましては、要約版、桃色表紙の二ページから四ページに記載してございますとおり、いずれの評価項目も評価の指標を下回ります。
以上のことから、本事業の実施が周辺環境に与える影響については、都市計画を変更する上で支障がないものと判断いたしております。
放五関連でございます。
それから、もう一件でございます。次に、東京都市計画道路都市高速道路中央環状品川線の都市計画決定でございます。
提案事項概要は、お手元の白表紙の二九ページ、それから図面集の五三から七〇ページでございます。ごらんいただきたいと思います。
本件は、環境影響評価法の対象事業でございますので、同法に基づいて環境影響評価を行った後、東京都都市計画審議会に付議する予定で、今回はいわゆる前合わせでございます。
今回、都市計画決定いたします中央環状品川線は、起点が品川区八潮三丁目、終点が目黒区青葉台四丁目、延長約九・四キロメートル、幅員三十メートルで、平成十三年八月に都市計画素案の地元説明会の開催と環境影響評価の方法について、あらかじめ周知してご意見を伺う環境影響評価方法書の公告縦覧を行っております。首都圏におきまして、放射道路に比べ、環状道路の整備がおくれていることから、都心部に通過交通が集中し、慢性的な交通渋滞を引き起こしております。
こうした状況を踏まえ、現在事業中の中央環状新宿線に引き続き、この中央環状品川線の整備を行うことにより、首都圏三環状道路の一つである中央環状線が完成し、渋滞の解消による交通の円滑化や環境改善、センター・コア・エリアの魅力と活力の向上を図ることとなるなど、都市再生に必要不可欠な路線であります。
次に、計画の内容についてご説明いたします。
薄茶色の図面集の六五ページをお開きいただきたいと思います。
今回の都市計画の内容は、品川区八潮三丁目から目黒区青葉台四丁目までの延長約九・四キロメートルを主に地下構造で都市計画決定するものでございます。
平面線形につきましては、公共空間を最大限に活用する観点から、図面右端の大井ジャンクションより、図面中央の大崎駅付近は目黒川などの地下に、それから大崎付近より図面左側の中央環状新宿線までは環状六号線、通称山手通りの地下に計画しております。
また、出入り口につきましては、図面中央の五反田に一カ所を計画し、換気所につきましては、図面右側から大井北、南品川、五反田、中目黒の計四カ所を計画しております。
なお、ルートのほとんどが公共用地の地下となっておりますが、一部計画線が民有地の地下を通る部分で、トンネルの整備に必要な立体的な範囲を定めることにより、適正かつ合理的な土地利用を図るため、立体都市計画を定めます。
次に、事業者でございますけれども、首都高速道路公団が施行を予定しております。
最後に、環境影響評価準備書についてご説明いたします。
黄土色の表紙の冊子、環境影響評価準備書要約書、これでございますけれども、その中に挟み込んでおりますA4横判の要約をごらんください。
この環境影響評価を実施いたしますのは、都市計画を定める立場の東京都知事でございます。
環境に及ぼす影響の評価については、大気質以下、計十一の項目について予測、評価を行っており、総合的な評価は二枚目のページ、上段に示しております。
個別の評価項目でございますが、大気質、騒音、振動に関しては、環境基準の評価の指標以下となっております。また、その他の項目については、要約に記載のとおりでございます。
以上、いずれの項目も環境への影響は少ないと考えられ、都市計画を決定する上で支障はないと判断しております。
説明は以上でございます。
○相川委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
ご発言願います。
○樋口委員 都市高速道路中央環状品川線の報告事項に対して、質問を二、三させていただきます。
首都圏三環状の道路のうち、中央新宿線が現在山手通り地下で工事が進められております。新宿線は地下構造であり、私も先日、換気所を見せていただいてまいりましたが、これから換気塔の設計や工事に入る段階だと聞いております。
今、この図面で拝見させていただいたんですが、この品川線では全長九キロで換気所は四カ所でありますが、新宿線の場合は全長約十キロで九カ所と、同程度の延長にもかかわらず、換気所の数は違っております。その辺のことをぜひ、なぜ違うのかということを教えていただきたいことと、また、換気塔はどのぐらいの数を予定しており、それはどのような理由で数が違っているんでしょうか、お教えください。
○道家外かく環状道路担当部長 今、樋口副委員長のお話にございましたように、換気所の数は品川線と新宿線で違ってございます。
新宿線につきましては、トンネル部が副委員長おっしゃったとおり約十キロでございまして、換気所九カ所という計画になっております。
一方、品川線の方は、全長は約九キロでございますけれども、トンネル部は約八キロということでございまして、その分で四カ所の換気所という計画になってございます。
両線の違いとしましては、新宿線の交通量は、品川線が最大七万台という数に対しまして、最大十万台と、多いことが挙げられます。
それから、出入り口につきましても、品川線は一カ所という計画でございますけれども、新宿線は五カ所と、多いことが挙げられます。
また、新宿線につきましては、地下鉄等の地下構造物などが地下トンネルの制約になりまして、高速本線の起伏が大きいという違いがあります。
また、路内に換気所を構築するため、埋設物、交差点、河川、それから鉄道等により換気所の設置スペースが限られており、新宿線におきまして一キロないし一・五キロメートルに一カ所、全体で九カ所の換気所が必要という考えでございます。
一方、品川線におきましては、ただいま申し上げたような違いがございまして、新宿線と比較して交通量が少ない、あるいは出入り口の数が少ない、そういう状況でございます。
さらに、高速本線の起伏が新宿線に比較して小さいということなどから、八キロのトンネルを四カ所の換気所で換気処理する計画となっております。
○樋口委員 ただいま換気塔についてもお答えいただきたいと思いまして質問させていただいたんですが、いかがでございましょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 失礼いたしました。換気塔でございますけれども、新宿線の換気塔は十六本、品川線の換気塔は四本でございます。
○樋口委員 その換気塔の方についても理由を教えていただけますでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 先ほど申し上げましたけれども、新宿線の方は非常に各換気所のスペースが限られておりまして、その関係で換気塔を分割する必要があったということでございます。
品川線の方は、比較的その辺がゆとりがあって、換気塔をまとめられたということで、十六本と四本という差になってございます。
○樋口委員 換気塔といいますと、その目的というものは、ほぼ三つあるということを前回までいろいろと質疑の中でお聞かせいただきました。
一つは、トンネル内の地下構造内の視界を守るという意味合いで大気をとること、それから、そのトンネル内の空気を排気させること、あと、防災の面から考えまして、もし災害が起きた場合、排煙、排熱のために換気塔が要るということでご答弁いただいておりますが、この品川線の場合、四本の換気塔で全長九キロ、賄えるんでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 副委員長ご指摘のとおり、視界、それから空気の換気、防災、排煙等の理由でございまして、品川線につきましては四カ所の換気所、四本の換気塔で、これら八キロのトンネルについてのそれぞれの機能が果たせるというふうに考えております。
○樋口委員 品川線におけます換気塔の大気への影響の予測、評価はどのようになっているんでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 品川線の換気所からの排気ガスの予測、評価でございます。
換気塔に関する二酸化窒素の将来濃度につきましては〇・〇四五ppmと予測され、環境基準であります〇・〇六ppm以下となっております。
それから、浮遊粒子状物質、いわゆるSPMでございますけれども、これも将来濃度は一立方メートル当たり〇・〇八四ミリグラムと予測されておりまして、環境基準であります一立方メートル当たり〇・一〇ミリグラム以下になっております。
○樋口委員 ちょっと話が前後してしまって恐縮なんですけれども、つい先日、私の自宅の方、そして事務所の方、どちらもなんですけれども、新宿線の換気塔の問題で、中落合地区の周辺の住民の方々から、換気塔からの排ガス拡散シミュレーションの図を用いた、換気塔への影響がいかに大きいかということが書かれましたポスターといいましょうか、配布物が送られてまいりました。とても立派な大きなもので、両面カラーで刷られていまして、これを見ていると、換気塔でこんなにすごいものが出てきてしまう、私たちの健康が果たして守られるのだろうかと思うような、恐怖をあおるようなものでございました。
ぜひ今のご答弁にありましたように、一定の私たちの安心・安全を守っていただけるものであると確信しておりますが、このような配布物が私たち自身を脅かすような形であってほしくないと思いますので、つけ加えさせていただきたいと思います。
先般、低濃度脱硝装置、それを新宿線の方でつけるというお話を伺わせていただきました。品川線の方でもつけられる予定なんでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 低濃度脱硝装置の設置についてでございますけれども、品川線の環境影響評価、予測評価におきましては、低濃度脱硝装置をつけない場合の予測をしておりまして、この場合でも環境基準を下回るという結果でございます。現在のところ、そういう計画でございます。
○樋口委員 低濃度脱硝装置の効果、その辺についてお教えいただけませんでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 低濃度脱硝装置の効果でございます。
本年八月に国土交通省関東地方整備局が発表いたしました「道路トンネルに係る低濃度脱硝技術第2パイロットスケール実験の中間とりまとめ」というのがございます。この中間とりまとめによりますと、脱硝装置による二酸化窒素、いわゆるNO2でございますけれども、除去率は、一日平均で九〇%以上、電気集じん機による浮遊粒子状物質、SPM除去率は、一日平均で八〇%以上確保することが可能ということでございます。
さらに、脱硝装置には、吸着と吸収の二つのシステムがございますけれども、両システムとも吸収、吸着剤の再生により、除去率が回復することもあわせて確認されております。
○樋口委員 そうなりますと、この低濃度脱硝装置、つくことになったと仮定しますと、本来あるこの大きな換気塔、それが本当に必要なのかどうなのかということも、どうか見直していっていただけたらと思います。
私たちの安心・安全を守るということは、していかなくてはなりませんけれども、もしも将来において負の遺産がいつまでもあるような形になってしまうのならば--今、低公害車が大変普及されております。私もついこの間まで二つ星の低公害車に乗っておりまして、いよいよきのうから三つ星の低公害車にかえました。
そんなものですから、こうやって低公害車に対する意識もふえてまいりますでしょうし、また低公害車が主流になっていく。もちろん、低公害車のレベルというものは常に変わっていくとは思いますけれども、この低濃度脱硝装置、そして電気集じん装置がつくことによって、本当にこの換気塔が平成十八年完成時に必要なのかどうなのかということを改めて見直していただけたらと願いまして、私の質問を終わらせていただきます。
○かち委員 では、三つの提案について聞きます。
まず最初は、概要書のナンバー1から3、霞が関三丁目南地区再開発計画についてお聞きします。
本計画は、平成十三年六月に国の都市再生プロジェクトとして決定され、中央合同庁舎七号館の建てかえをPFI方式で行われるというものです。ちょうど一年前に当委員会で再開発整備方針が都市計画案件として提出され、私も質問させていただきました。今回は、その具体的な地区整備計画ということですので、それに沿ってお聞きします。
この文部科学省と会計検査院の建てかえを民間の資力を使ってPFI方式で行うというものですが、具体的にどのような事業者が決まったのか、どのような内容の建物を予定しているのか、また近接する霞山ビルも取り込まれるようですが、できる建物の何割を民間が占めることになるのかをお聞きします。
○森下都市づくり政策部長 中央合同庁舎七号館の建てかえを行いますPFI事業者でございますけれども、新日本製鐵株式会社、大成建設株式会社、東京建物株式会社など九社で構成いたします特別目的会社霞が関七号館PFI株式会社でございます。この会社が平成三十三年度末までの間で庁舎の設計、建設、さらに維持管理などを行うこととなっております。
建物の概要につきましては、官庁棟と官民棟が予定されておりまして、それぞれの高さが地上三十三階、約百六十五メートルと地上三十八階、約百七十八メートル、主要用途が官庁施設と事務所、会議室、物販、飲食店舗等でございまして、延べ約二十三万平米を予定しております。
民間の建物の床面積につきましては、既存の民間権利者であります財団法人霞山会と、新たなこのPFI事業者が取得します床を合わせまして約六万平米でございまして、全体の二六%に当たります。
○かち委員 九社のPFIで特定目的会社をつくってやるということですけれども、二十年間の維持管理も行うということですね。
二つの棟ができて、官庁棟と官民棟、百六十五メートルと百七十八メートル、延べ床面積が二十三万平方メートル、そして民間の持ち分が六万平米で、二六%ということです。
百六十五メートルと百七十八メートルの二つの建物ということですが、低層部分ではつながっているわけですよね。そうすると、一体の建物になるわけです。延べ床面積は二十三万平方メートルということは、超高層ビルのアセス基準である十五万平米を優に超えておりますし、それからここがみそですけれども、百七十八メートルということで、二メートル足りないということで、これがアセス対象にはならないということなんですね。
ですから、これから超高層がどんどん建っていくでしょうけれども、低い建物の何メートルを切るというのはなかなか大変ですけれども、これだけ高いものであれば、一メートルや二メートルは簡単に切れるわけで、そういうところでアセスを逃れるという手法は、これからもどんどん続くのではないかなというふうに懸念されます。
ところで、今回、官公庁の一団地施設ということが都市計画決定ということで出てくるわけですけれども、その理由と、また現行の容積率がこの一団地の中では五〇〇%というふうに定められているわけですけれども、その理由というのをお聞かせください。
○森下都市づくり政策部長 都市計画に定めます一団地の官公庁施設というものでございますけれども、官公庁の建築物をそれぞれの機能に応じまして一定地区に集中的に配置することによりまして、施設利用者の利便性の向上であるとか官公庁の事務能率の効率を図るということを目的として決めるものでございます。
その容積率につきましては、当初決定したのが昭和三十三年十二月でございますけれども、容積率一〇〇%以上ということで指定しております。現在、定められております五〇〇%という容積率でございますけれども、昭和三十九年一月に定めましたけれども、その一年後に控えました容積地区制度の導入というのがございまして、それに先駆けまして一団地の官公庁施設の容積率を変更したものでございますけれども、当時の既存建築物の容積率であるとか将来の建てかえ規模を推定いたしまして、五〇〇%と指定したものでございます。
○かち委員 一般的にはわかるわけですけれども、行政機関の集合施設として、その役割、目的から一団地として認定すると。営利目的はないということで、現行の建物はせいぜい十八から二十五メートルぐらいに抑えているわけですけれども、にもかかわらず、今回は霞が関三丁目南地区のみ、それを大幅に上回る、容積率九五〇%の建物が建つということなんですけれども、これはどうしてこういうふうにできるんでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 この事業でございますけれども、平成十三年六月にこの地区が国の定めます都市再生プロジェクトに選定されまして、PFI方式によりまして民間の事業機会の創出であるとか民間資金の活用を図って、隣接します霞山ビルを含めまして、民間施設と一体的なまちづくりを進めるということになったわけでございます。
その整備の方針としまして、にぎわいのある新しい官庁施設整備の先導的モデルとして、官公庁に文化とか商業、交流機能を加えて整備するということとしております。そういう方針がまず出ているということでございます。
また、あわせまして、主要な公共施設として、中央広場、中央貫通通路、歩行者空間の整備を行うことになりましたことから、私どもが定めております再開発等促進区を定める地区計画の運用基準に基づきまして容積率の最高限度を算定し、九五〇%としたものでございます。
○かち委員 ここは、都市再生プロジェクトの国の行う事業の第一号ということになるわけですけれども、今のご説明を聞いていますと、一団地のくくりというのは一応なってはいるけれども、他の開発手法を使えば、随時、容積率緩和などは認めることができるんだということなんですよね。
概要書の八ページにありますけれども、わざわざ首相官邸の一部を入れたりとか、霞山会のビルを取り込んだということが、今回変更の理由として出てくるわけですけれども、ここを一団地として指定するという都市計画的な意味というのは全く要らない、なさないのではないか。そういう開発条件が整えば、ここはどんどんそれでやっていきますよということが書いてあるわけですから、そういう意味での一団地指定の意味というものをいま一度きちんと位置づけるべきではないかというふうに思います。
今回、再開発等促進区の地区整備計画の決定に伴って、特定街区を外すということが出てきておりますけれども、その理由を再度説明してください。
○森下都市づくり政策部長 都市計画で定めます特定街区でございますけれども、街区としての造成が行われた区域について、良好な建物を整備していくために各種の制限を定めていくという制度でございますけれども、今回は、この特定街区が指定されております霞が関ビルの敷地部分も含めまして、主要な公共施設という位置づけでございますけれども、広場、通路とか歩道状空地などを位置づけていくことになりました。そのために、現在の官庁施設部分と一体的に地区計画を定めることとしております。
また、その特定街区において定めております容積率の最高限度であるとか、壁面の位置の制限とか、高さの最高限度につきましては、この地区計画ですべて定めることができることとなっております。そのために、この地区計画を定めるに当たりまして、特定街区は廃止していくというものでございます。
○かち委員 そこに図面も出ておりますが、霞が関ビルをB地区として、その上の会計検査院のところをA地区ということで、今まではくくってあったわけですね。ここを特定街区としていたということなんですが、なぜそうなっていたかというと、霞が関ビル、昭和三十九年に特定街区という制度が初めてできて、その第一号でここに現在百六十五メートルですか、高層ビルを建てる必要があったと。そのためには、会計検査院の北側にある道路を含めて、道路が整備されていなければならないということがあって、この会計検査院を取り込んで特定街区というふうにくくったわけですよね。
今回、文科省を建てかえるに当たっては、今度、制度がまた新しく地区再開発整備計画というのが地域としてできるように、そうすれば、街路をつくったり、広場をつくったりすれば、容積率を緩和することもできるということになると、もう特定街区の用をなさないということで、これを廃止されるというわけですけれども、会計検査院とか文科省というのは、一応、官公庁一団地の範囲の中に入っているわけですけれども、民間の開発によって必要であればくっつけてみたり、必要がなくなれば外してみたり、自由自在にできるわけですよね。
こういうことで、一九六〇年代の半ば、当時としては異例の百六十五メートルの建物であった霞が関が第一号でできたわけですけれども、こういうことで、再開発促進というところから、今までルールとして守ってきたことも自由に、簡単に変えることができる。しかし、住民の側がこの地域を守りたいという点ではなかなか通っていかないという、その落差というか、非常に激しく感じられるわけです。
民間営利企業、営利のためなら、規定や基準も自由に変更できるという、今回は典型の例のように思います。本来の官公庁一団地の目的に沿って、用途は考えるべきだということを再度申し上げまして、この質問を終わります。
次に、ナンバー12、東京都市計画第一種市街地再開発事業勝どき六丁目地区第一種市街地再開発事業についてお聞きします。
本件は、市街地再開発事業決定案件ということですが、事前の説明の中で、事業者がミサワの個人開発の予定が再開発会社に変更となるとお聞きしました。
当初、この再開発事業計画は、二〇〇一年に決定していたものですが、私が調べた資料によりますと二〇〇一年四月六日、地元の豊海小学校で区の主催で勝どき六丁目地区市街地再開発地区市街地再開発促進区に関する住民説明会というものが開かれています。
そのときの計画では、ミサワシティ株式会社が今回のような計画を示して、アセスもその後やっているわけですけれども、当初の予定では二〇〇二年、昨年六月に着工、五年に完成予定という説明でしたけれども、今回改めてこのような案件が出されてきたわけですけれども、その経過と、なぜ事業者が変更になったのか、その経緯についてお聞きします。
○成田都市防災部長 勝どき六丁目の事業計画の変更についてのお尋ねでございますけれども、勝どき六丁目地区では、平成十三年に再開発促進区域と再開発等促進区を定める地区計画を都市計画決定いたしてございます。
そこにミサワシティが個人施行による市街地再開発事業を申請してきてございまして、個人施行の場合には市街地再開発事業の都市計画決定が要件となってございません。また、都市再開発法が改正されまして、会社施行によります市街地再開発事業の制度が創設されてございます。
そこで、今回、施行予定者より会社施行の申し入れがございまして、個人施行の認可を取り消し、会社施行の第一種市街地再開発事業として都市計画決定するものでございます。
これがおくれた理由は何かと、こういうふうなお尋ねでございますけれども、施行者の事業計画の見直しと、それから支援金融機関との調整によるものでございます。
○かち委員 新しい事業会社ができたということですけれども、その構成とか出資割合というのはどういうふうになっているんでしょうか。
○成田都市防災部長 新しい施行主体につきましては、まだ申請されてきておりませんので、その出資割合等については未定でございます。
○かち委員 先月の末に新聞報道がありまして、経営再建途中のミサワホームホールディングスが、十月三十日にUFJ銀行などに対する一千億円の優先株発行を柱とする経営再建策を発表したとあります。
ミサワは、約五百億円あると見られる不動産担保融資の不良化に加えて、東京勝どきで予定するマンションプロジェクトの含み損が懸念されており、こうした事業の整理で債務超過転落を防ぐために増資に踏み切ったといいます。
UFJは、債権放棄ではなくて、増資という形で再建支援に取り組むことになったわけですけれども、これが順調に行けばいいことですけれども、失敗すれば、大変な株価の下落など、リスクの高い問題を抱えることになるわけです。
こうした中でも、この勝どきの大型マンションの計画は進めていくということですが、聞くところによると、都市基盤整備公団もこの事業に参加すると聞いておりますけれども、実際どのぐらいの参加になるんでしょうか。
○成田都市防災部長 都市基盤整備公団の事業参画についてのお尋ねでございますけれども、公団が施行予定者との協議を進めているということは伺っております。ただ、その参画の具体的な内容に関しましては、今後の協議の中で決まっていくものと思われます。
施行予定者は、民間事業者に対して事業の参画を公募するなど、そういうことができるようになっておりますので、都市基盤公団はこの公募の状況に応じて事業参画する形態になっておりますので、その予定と聞いております。
○かち委員 これも新聞報道ですけれども、約二千六百戸の住宅がこの二棟でできるわけですけれども、その四分の一、六百数十戸は都市基盤整備公団が買い取って賃貸マンションにするということで合意がとれたというふうに報道されています。あとの残りは分譲マンションで、現在の簿価でも完売すれば損失は出さないと三沢社長はいっているということですけれども、マンション過剰が現在、大問題になっている状況の中で、五年後に完成するこの物件の完売見込みというのも、大変不安材料ではないかというふうに思います。
一方、総合設計制度の活用による再開発ということでの容積率の緩和などがあるわけですが、基準容積率はどれぐらいで、本計画ではどのようになるのかお聞かせください。
○成田都市防災部長 容積率についてのお尋ねでございますけれども、本地区は用途地域の都市計画容積は四〇〇%を指定してございます。
本事業に関しましては、都心型住宅の供給による都心居住の推進や、広場や緑道等の整備及び有効な敷地内空地の確保により、良好な住環境の創出などに寄与することから、平成十三年決定の再開発等促進区を定める地区計画におきまして、容積率の最高限度を九六〇%として定めております。
○かち委員 九六〇%になるということで、この説明書の資料にあるように、一街区の中にこれだけ大きなボリュームの建物ができるわけですね。百九十三メートル、六十階、二棟の住宅ということですね。低層には店舗などが入って、住宅戸数は二千五百五十戸。
それでは、この再開発で生じる人口、それから発生交通量、そして居住人口、そういうものの予測はどうなっていますか。
○成田都市防災部長 本事業で発生いたします交通量、それから人口についてのお尋ねでございますけれども、まず居住人口でございますけれども、約五千百五十名、それから商業施設での就業人口については四百五十人を想定してございます。
発生交通量でございますけれども、住宅関係に関しましては一日当たり大体一千八百台ぐらい、それから、商業施設に行き来するものの交通量としましては二千六百台を想定しているものでございまして、全体で一日当たり四千四百台の発生交通量を想定いたしてございます。
○かち委員 勝どきの五、六丁目、これは六丁目ですけれども、五、六丁目の世帯数は二千六百二十六戸、人口は五千四十人。六丁目の新たな開発で居住人口が、今のお話では五千百五十人。一街区で周辺人口が倍に膨れ上がるということは、公共交通や保育園、学校、児童館など、社会経済的負担が急増するわけです。周辺環境への影響が増大することは当然です。NO2もSPMも、既に現状の濃度が基準値を超えている中で、寄与率はわずかだといっても、悪くなることは確実です。
今回の一連の経過を見ても、ミサワという住宅大手会社の救済のために、銀行がかかわり、公団という準公的支援が入り、支えながら、周辺住民や中央区にも大きな負担をかける、このような計画は見直すべきだと申し上げておきます。
次に、最後ですが、先ほどもありましたけれども、環境影響評価準備書、都市高速道路中央環状新宿線についてお聞きします。
この案は、二〇〇一年に環境影響評価方法書ということで、この委員会にもかけられました。当委員会で質疑もしておりますが、今回、準備書ということで出てきているわけです。
今後のスケジュールはどのようになるのかお聞きします。
○道家外かく環状道路担当部長 中央環状品川線の今後のスケジュールでございますけれども、都市計画並びに環境影響評価の手続につきましては、都市計画案並びに環境影響評価準備書の公告縦覧を行いまして、さまざまなご意見を伺いながら、それぞれ所定の手続を進め、来年度、都市計画決定を目指しております。
○かち委員 来年度、都市計画決定ということですが、改めてお聞きしますけれども、都市高速品川線の建設目的をお聞きしたいのと、概要については先ほどありましたので省きますが、総事業費は幾らになるのでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 まず、目的でございますけれども、都心から半径約八キロから十キロの圏域を結ぶ重要な環状道路でございまして、この環状線を完成することによって、交通渋滞の解消や環境改善の実現を図るとともに、センター・コア・エリアの魅力と活力の向上を図り、都市再生に大いに寄与するものと考えております。
中央環状線の中で唯一、都市計画決定されていない路線であり、その整備は極めて重要であるというふうに考えております。
それから、事業費でございますけれども、約四千億円を予定しております。
○かち委員 交通渋滞の解消のためというお話がありましたけれども、警視庁の交通年鑑や首都高速道路公団年報などによれば、首都高速道路は一九六五年には延長三十二・八キロメートルが、九二年には二百二十キロとなり、六・七倍に増加しました。
しかし、渋滞は七〇年の十九時間から、九〇年には二百九時間と、実に十一倍にも増大しています。新しく道路をつくれば、建設速度の二倍の速度で渋滞時間が増大しているということをあらわしているのではないでしょうか。
建設費が四千億円という巨額を投じての建設計画ですけれども、今、首都高を初め、高速道路計画についてはいろいろと国会でも議論になっているところです。四十兆円という赤字を抱えながら高速道路をこれからもつくり続けていくべきかどうかというのは、やはり再考すべきではないかというふうに思います。
それで、これは先ほどお話がありましたように、大橋ジャンクションから大井ジャンクションまでの間、地下トンネル式で八・四キロというお話でしたけれども、地震などの災害時の災害想定、被害想定というようなものはどのようにされているでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 災害対策でございますけれども、地震時における災害対策については、十分な安全性があるというふうに認識しております。
さらに、やはり災害対策の中でも火災対策というのが重要というふうに考えておりまして、道路トンネル内における国土交通省が定めた道路トンネル非常用施設設備基準に従って計画しております。
○かち委員 今回の計画では、中央環状新宿線の十一キロと品川線の八・四キロが地下トンネル構造になるわけで、二十キロ近くの長大な地下トンネルなんですね。
都市化が進んで、密集した、しかも非常に地下の複雑な状況の中で、都心の下を二十キロにわたって高速道路が走るという例は、他に類を見ないわけです。
震度七を超える直下型地震、いつ起きても不思議はないという今日の状況の中で、また昨今、爆発とか大規模火災など、間々あるわけですよね。こうした災害対策の視点から見ても、またこういう長いトンネルの中で一たん事故が起きると、二次災害の大きな被害も生み出しかねない、そういう問題があるという点からも、このような長大な地下トンネル高速道路建設のあり方というのは見直すべきだと思います。
計画交通量についてお聞きします。今回の計画交通量の推計は何に基づいて行われたものでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 将来交通量につきましては、最新の交通データであります平成十一年度の全国道路交通情勢調査、いわゆる十一年度センサスをもとに推計しております。
○かち委員 平成十一年度、九九年の道路交通センサスに基づいて行われたとのことですけれども、既にこの区間では都市計画道路の事業中、ないし未着手の路線が十二もあります。この間、JR大崎駅周辺地域の大規模再開発事業が予定されています。
このような社会経済状況の中で、将来予測はかなり不確かなものといわざるを得ません。現に、これまで供用されてきた環境アセスの事後調査では、外環大泉では、九〇年の予測が三万五千台・一日だったものが、九四年の事後調査では五万四千二百九十三台、五五%増です。首都高一一号線では五二%増、芝浦では二二%増など、高速道路の予測量は極めて不正確であるとともに、必ずといっていいほど、予測を大幅に上回っているのが実態です。
そういう中で、計画交通量からの環境評価という点でも、信憑性に欠けるのではないでしょうか。
次に、換気所についてお聞きしますが、本計画では四カ所、三十から五十メートルの換気塔が建つとの計画ですけれども、超高層住宅への換気塔からの汚染物質の影響評価はされているのか、NOxやPMの濃度を調査しているのかどうかお聞きします。
○道家外かく環状道路担当部長 沿線の超高層建築物でございますが、例えば目黒換気所の近傍におきまして中目黒一丁目地区の市街地再開発事業が計画されておりまして、ここに高さ百六十メートル程度の高層建築物が建つというふうに伺っております。これは、中目黒換気所から約二百メートル離れた位置にございます。
この建物に対しましても、中目黒換気所の供用時における大気質の影響について予測、評価しておりまして、評価の指標である環境基準以下となっているということでございます。
○かち委員 予測、評価はしたということですかね。予測、評価はしているということで受けとめました。
大気汚染の予測についてですけれども、大気汚染の九〇%を占める二酸化窒素と浮遊粒子状物質のバックグラウンド濃度の予測方法が示されていないわけです。これは、前回の委員会のときにも私、申し上げました。
予測されたNOx濃度からNO2濃度に換算する方法も記述がありません。これでは、評価する基準がなく、評価できないというふうに思いますけれども、どのように考えていらっしゃるでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 大気質の影響の予測、評価につきましては、国土交通省令の中に定められておりまして、この中で用いられておりますバックグラウンド濃度の予測は、一般環境大気測定局の測定結果に東京都環境局により算出された将来の削減目標を加味して予測しております。
具体的な方法については、今回の準備書に記載してございます。
○かち委員 国が出している基準は、いわゆる現状を基準にした理論値なわけですよね。将来、どういう状況になるかということを想定しての実際的な予測にはなり得ないということで、これでやると必ず低く出る。
そういうことで、いつも問題ないという評価書が出るわけですけれども、実際にはそうなっていないという現状からしても、具体的なバックグラウンド濃度の予測方法というのをきちんと定めていただきたい、それに沿ってやっていただきたいというふうに思います。
そういうことで、さっきは換気所のことがありましたので、ここでは控えます。
そのほか、大気汚染の予測方法について毎回指摘しているところですけれども、プルーム・パフモデルを使ってやるということなんですけれども、五反田入り口街路のような両側に高層ビルが建ち並ぶ道路、いわゆるストリートキャニオン、こういうところでは、このモデルの限界が指摘されています。
また、環境コンサルタント会社の東京エンジニア株式会社が出している大気汚染の予測方法の適用性に関する調査業務報告書というのがありますが、そこではプルーム・パフモデルは、単純化した条件を前提として導入されたもので、適用するには風向きや風速についても、この状態だけでは実際に適用できない、限界があるということを述べております。
また、浮遊粒子状物質の予測では、予測可能な自動車の排気塔から直接排出される一次生成物のみを対象としたとありますけれども、この評価書では、反応二次生成物は対象にしませんでしたとありますが、極めて不十分であると思います。
なぜなら、環境省や環境科学情報センターが示している浮遊粒子の予測マニュアルでは、むしろ自動車の排気塔以外の排出源からのPMも含めて予測する方法が示されているからです。国土交通省の環境アセスの技術指針でも、このようなことは書いてありません。
以上、気づいた点について述べてきましたが、これらの範囲について見ても極めて不十分な環境影響評価準備書となっていると思います。
本事業計画の是非も含めて見直すことを申し上げて、質問を終わります。
○清水委員 幹線道路放射第五号線について伺います。
二〇〇〇年四月、二〇〇三年一月にも、この問題について質疑する機会がありまして、私はこの計画を見直すよう求めてきたところです。
玉川上水では、ことしも夏のホタル祭りというのが開かれて、大変多くの参加者でにぎわったと聞いています。近隣の商店街や自治会や学校なども加わって、大変にぎわったと聞いております。また、近隣の公立、私立小中学校の十一校がホタルの飼育に取り組んで、学校のホタルがことしも舞ったといわれております。
玉川上水の自然環境は、地域に密着し、さまざまな地域の活性化策をもたらしてきています。そして、子どもたちへも大きな自然を享受する機会をつくり出していきました。
この二回のこれまでの質問のときにも、私は玉川上水の周辺を散策し、またことしの一月の質疑の際には、貴重種の写真を提示して、大変豊かな自然が身近に残されていることを強調いたしました。
そしてまた、ことしは八月にこの玉川上水が国史跡となりました。こういうところだからこそ、この間、総合アセス制度、そして事業アセスなど、先ほどご説明がありましたように、四年余りの手続、さまざまな住民が参加をする機会があったわけですけれども、また説明会をしていただいたわけですけれども、都として道路の必要性、また環境への配慮などを繰り返し説明してこられたと思います。しかし、住民には本当に納得し得ないものとなってきているわけです。
そこで、お伺いいたしますが、ことし三月に開催された評価書案の説明会、そしてことし八月に開催された都民の意見を聞く会では、どのような意見が出されたのかお伺いしたいと思います。
○道家外かく環状道路担当部長 まず、評価書案の説明会におきましては、主な意見として、大気汚染の予測条件の設定に対する疑問、それから玉川上水は保全できないのではないかというようなものが出ました。
さらに、環境面以外にも、今回の計画を撤回し、住民を加えた協議会を設置せよ、放射五号線の必要性、事業効果には疑問があるというような意見がございました。
また、都民の意見を聞く会におきまして、十五人の公述人が意見を述べられたわけですけれども、アメニティーも評価書の作成時に評価項目に入れてほしい、事業者ではなく、専門家により再評価してほしいなどの意見がございました。
○清水委員 この道路に総合アセス制度を試行で適用したわけです。都民は、今回のアセスの改正で計画アセスという名前になりましたけれども、総合アセスという問題がずっと議論されてまいりまして、それでやはり計画の早い段階から住民の意見を聞く、都民の意見を聞くということの、このアセスに対する期待というものがあったわけです。
しかし、当然のことながらかもしれませんけれども、まず行わないというゼロ案というものは全く採用されなかったということと、それから、A、B、Cという三つの案が、ほぼどれかを選びなさいというような形で進められてきたわけです。
そして、事業アセスなどが進められる中で、住民が繰り返し意見を述べてきていますけれども、ほとんどそれは取り入れられないというような感想がある中で、私は何のために総合アセスを実施したのかというような、都民に総合アセス、計画アセス、それに対する深い失望感を与える結果になってしまったんではないかというふうに思うわけです。
都民の意見を聞く会の中でも、そのことが非常に強く述べられているわけですね。何で総合アセスをやったんだと。最初から道路をつくって、私たちの意見を聞かないんだったら、総合アセスを何のためにやったんだというような意見が出されているわけですけれども、そのことへのどういう認識がおありでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 総合アセスの認識でございますけれども、私ども、先ほどご説明したように、放射五号線のこの部分は唯一未完成の部分でございまして、そのことによっての影響が非常に大きいということでございます。いいかえれば、整備効果が非常に高い路線という認識を持っております。
そういう意味で、総合アセスにおきましても、知事が定めた東京都総合環境アセスメント試行指針にのっとりまして、社会経済面から見て採用可能な複数案、三案でございますけれども、その計画案をここでご提示し、議論していただいたという経緯でございます。
こういう整備効果の高い路線、必要性の高い路線ということを踏まえますと、総合アセスの実施主体としては、先生おっしゃったようなゼロオプションといいますか、ゼロ案を採用可能なこの三案の複数案に入れるということを想定する余地はございませんでした。
○清水委員 少なくともゼロ案でなかったとしても、四年たってからの一番最後、都民の意見を聞く会の中では、A、B、C案、それ以外にも住民の意見をもっと入れてほしいと。住民が十歩下がって、百歩下がって、ここに道路が必要だというのならば、住民がもっと意見を出して、ここはこうする、ここはこうするという提案ができたのかもしれないということをいっておりますけれども、やはりそういう点では、A、B、Cを結局採用しても、ほとんどこの公述人十五人の意見の中には、東京都の道路計画に対して、総合アセスを適用したことに対して、非常に深い不信感を招いたということは確かだというふうに思います。
交通量の推計については、先ほども触れられましたからいいませんけれども、交通量の推計というのは、どれだけ大気汚染になるのか、どれだけ騒音になるのかということの大前提のものなんですよね。それが正しくされなければ、それこそ大気汚染も騒音も正しくされないということでは、他の道路計画、開発などの発生集中交通量などを含めた総合的な評価がされていないために、アセスの予測、評価の正確さの面で不十分ではないのかという、こういう疑問に対してどのように答えられますか。
○道家外かく環状道路担当部長 交通量の推計につきましては、そのデータにつきましては、将来のトータルとしての開発動向等は反映しているものと考えております。
そういうことでございますので、推計については現時点で適切なものというふうに考えております。
○清水委員 道路計画などもこの間、いろいろな経過を経て変わってきていますし、開発計画も先ほどからいろいろ出ているように、それこそ規制緩和などでどんどん内容が変わってきているということでは、これが本当に総合的な評価がされるための推計なのかという疑問を都民が持つのも当然だというふうに思うんです。
先ほど、繰り返し他の委員も発言しておりますので、詳しくは述べませんけれども、都民の意見を聞く会の中では、環境施設帯をつくるということをいわれていますけれども、野草、昆虫、桜、微生物などが本当に守れる保障があるのかという強い意見が出ておりますし、夜間騒音では現在でも要請限度を超えているのに、交通量が倍になったら乳幼児などへの影響はどうなるのかという強い意見も出されていますし、国土交通省が昨年十一月に修正して公表した交通需要推計検討資料によると、二〇二〇年、二〇三〇年に放射五号ができるようになる時期には、約一〇%くらい交通量が減少するというような予測もあると。そうなったときに、放射五号を貴重な自然を壊す危険を冒してまで建設する必要があるのかなどの意見が出されておりますし、先ほども技術指針の問題がありましたけれども、アセスの技術指針、これが平成十四年十二月に改正されているのに、なぜこの新技術指針で評価しないのか。見解書も最新の知見、十五年のこの技術指針に基づくべきであるというような意見や、また高齢者が横断の危険があるなど、疑問や重大な問題が提起されているという状態だと思うんです。
そういう状態の中で、この計画を進めてしまってよいのかということを私は伺いたいわけです。都市計画手続をこのまま進めるのではなくて、もっと都民の意見を聞く必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 先ほどの技術指針の件でございますけれども、最新の東京都環境影響評価技術指針に基づき予測、評価を行ったもので、妥当なものというふうに考えております。
それから、都市計画決定につきましては、このままぜひ経緯を踏まえて都市計画決定をしていき、さらに早期事業化に努めていきたいというふうに考えております。
○清水委員 一部は使用しているかもしれないけれども、きちんとこれに沿ってやっていないところもあるわけですよ。そういう点で、住民の皆さんからの強い意見があるわけです。
それでは、最後に、この計画による立ち退き軒数、それから総事業費を教えてください。
○道家外かく環状道路担当部長 この事業によりまして協力いただく、いわゆる立ち退きの棟数は約百八十棟でございます。それから、総事業費は約三百三十億円でございます。
○清水委員 周辺の整備を含めた総事業費は幾らですか。
○道家外かく環状道路担当部長 周辺の整備を三鷹の部分の道路整備ということにいたしますと、約九十億円ということでございます。
○清水委員 立ち退き軒数百八十棟、そして今ご説明がありましたように、総事業費四百二十億円という多大な東京都を含めた総事業費がかかる道路になるわけです。
それで、前回も私、主張しましたけれども、この地域というのは、少なくとも鉄道網がかなり、それは多少は不便なところもあるかもしれないですけれども、ほかよりも整っている地域でもあるわけです。それで、こういう自然を残したいという方が、多くの皆さんがいる中では、渋滞しているから、そこをつくるとか、次のところもそういう計画にするとか、そういうことばかりではなくて、先ほども環境局でも意見がありましたけれども、もっと公共交通網を利用した、つくれとまではいわないですけれども、利用した、そういう交通のあり方などをこの地域で採用してもよかったのではないかなということを私は感じるわけです。
そういう点で、今回の幹線道路放射五号線の都市計画審議会への付議案件は、付議すべきでないという意見を申し上げて質問を終わります。
○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市計画局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関にこれを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時五十六分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.