都市・環境委員会速記録第十二号

平成十五年九月十七日(水曜日)
第六委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長林  知二君
副委員長真鍋よしゆき君
理事野上じゅん子君
理事いなば真一君
理事こいそ 明君
清水ひで子君
大河原雅子君
山田 忠昭君
かち佳代子君
樋口ゆうこ君
大塚 隆朗君
林田  武君
新藤 義彦君

 欠席委員 一名

 出席説明員
都市計画局局長勝田 三良君
次長藤井 浩二君
技監梶山  修君
総務部長村松  満君
都市づくり政策部長森下 尚治君
都市づくり調整担当部長南雲 栄一君
参事金子 敏夫君
都市基盤部長山崎 俊一君
外かく環状道路担当部長道家 孝行君
参事宮川  昭君
都市防災部長成田 隆一君
市街地建築部長野本 孝三君
環境局局長小池 正臣君
総務部長西野 和雄君
企画担当部長梶原 秀起君
都市地球環境部長百合 一郎君
環境改善部長松葉 邦雄君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長山本 憲一君
参事月川 憲次君
参事中島  博君
自然環境部長徳毛  宰君
廃棄物対策部長福永 富夫君
参事松本 保幸君
環境科学研究所次長宮本  孝君

本日の会議に付した事件
 都市計画局関係
  請願陳情の審査
  (1)一五第一一号 (仮称)銀座イースト計画の抜本的な計画の見直しに関する請願
  (2)一五第一二号 千代田区一番町の超高層マンション建設計画反対に関する請願
  (3)一五第一七号 高層マンション(グランシティ旗の台)建設計画に関する請願
  (4)一五第二二号 港区赤坂四丁目ビル建設計画に関する陳情
 環境局関係
  第三回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都環境基本条例の一部を改正する条例
  ・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
  ・東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
  ・地方自治法等の一部を改正する法律による改正前の地方自治法第二百四十二条の二第一項第四号の規定による訴訟に係る費用の負担について
  報告事項
  ・森づくり推進プラン(中間のまとめ)について(説明)
  ・永山北部丘陵住宅地開発事業の許可後の経過について(説明・質疑)
  請願陳情の審査
  (1)一五第一五号 ディーゼル車排ガス規制実施に関する請願
  (2)一五第二一号 使い捨てプラスチック容器の減量を求める意見書の提出に関する陳情
  (3)一五第三一号 鳥獣保護区等位置図の公開に関する陳情

○林委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、第三回定例会会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会で、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、よろしくお願いをいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、初めに都市計画局関係の請願陳情の審査を行います。次に、環境局関係の第三回定例会提出予定案件及び報告事項の説明聴取並びに請願陳情の審査を行います。よろしくお願いをいたします。
 提出予定案件及び報告事項、森づくり推進プラン(中間のまとめ)につきましては、本日は説明を聴取後、資料要求を行うことにとどめ、質疑は後日行いたいと思います。
 また、報告事項、永山北部丘陵住宅地開発事業の許可後の経過については、説明聴取後、質疑終了まで行いたいと思います。ご了承をお願いいたします。
 これより都市計画局関係に入ります。
 これより請願陳情の審査を行います。
 一五第一一号、(仮称)銀座イースト計画の抜本的な計画の見直しに関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○野本市街地建築部長 整理番号1、一五第一一号(仮称)銀座イースト計画の抜本的な計画の見直しに関する請願につきましてご説明いたします。
 お手元の説明表の一ページをお開きいただきたいと思います。
 本請願は、中央区に建設予定の高額有料老人ホームについて考える会、月島地区代表、岩崎眞一さん外三千四十人から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、中央区月島三丁目二千七百十八番地ほかに建設予定の大型高額有料老人ホームの建設計画を抜本的に見直し、建物の高さを低くしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますけれども、平成十五年六月十五日、都知事あてに同一内容の請願書が提出されております。それより先の平成十五年五月十六日に、建築主株式会社石井鐵工所から総合設計制度適用の許可申請書が提出されております。都は、建築主から銀座イースト計画に係る近隣住民への説明会を八回開催した旨の報告を受けております。都は、建築主に対して、近隣住民の要望にも配慮し、地域貢献を果たすよう指導してまいりました。その結果、建物を近隣から離し、周囲に広い空地を設けるとともに、防災用備蓄倉庫や町会利用施設、パーゴラを設置するなど一定の成果を上げております。今後も紛争の解決に向けて両者の話し合いの機会を設けていく予定です。
 以上で説明を終わります。

○林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○かち委員 共通する問題なので、一言意見を述べさせていただきたいと思います。
 ただいまの一五第一一号の銀座イースト計画の抜本的な計画の見直しに関する請願及び一二号の千代田区一番町の超高層マンション建設計画反対に関する請願及び一七号の高層マンション(グランシティ旗の台)建設計画に関する請願について、共通しているので、その意見を述べさせていただきます。
 三件とも百メートル級の超高層、高層の老人ホーム、あるいはマンション建設ということで、とりわけ一一号、一二号は、総合設計制度を取り入れるということで、本来の容積率を一六〇%、一三〇%と緩和されるものです。また、周りに空地などをとることから、どんどん高くならざるを得ないという問題があります。こういうことが周りへの環境影響、とりわけ風害や景観を損ねる、近隣地域との不調和という問題が生じております。こういうことを繰り返し当委員会でも述べていたところです。このように繰り返し高層、超高層ビルの建設について近隣紛争が出されてくるということは、広く、また都民の視点に立っても、このような規制緩和のあり方を見直す必要があると思います。三件とも趣旨は大筋で認められるものだと思いますが、それぞれ関係者間で話し合い中ということですので、継続していただきたいと思います。
 以上です。

○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、請願一五第一一号は保留といたします。

○林委員長 次に、一五第一二号、千代田区一番町の超高層マンション建設計画反対に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○野本市街地建築部長 整理番号2、一五第一二号、千代田区一番町の超高層マンション建設計画反対に関する請願につきましてご説明いたします。
 お手元の説明表の三ページをお開きいただきたいと思います。本請願は、一番町の住環境を守る会代表、寺山裕造さん外二百八十四人から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、千代田区一番町二十三番地の二十七階建て超高層マンション建設計画に係る総合設計制度の許可をしないでいただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますけれども、平成十五年六月二十日、都知事あてに同一内容の陳情書が提出されております。東京都は、建築主株式会社エヌ企画から仮称千代田区一番町計画に係る近隣住民への説明会を三回開催した旨の報告を受けています。平成十五年七月九日に、総合設計制度適用の許可申請書の提出がありました。本請願のほかにも、宮内庁、英国大使館よりプライバシー保護及びセキュリティー確保の観点から、建物高さについての配慮要望がございました。こうした状況を踏まえて、都は、建築主に計画の抜本的な見直しを含む再検討を指導しております。今後も紛争の解決に向けて、両者の話し合いの機会を設けていく予定です。
 以上で説明を終わります。

○林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、請願一五第一二号は保留といたします。

○林委員長 次に、一五第一七号、高層マンション(グランシティ旗の台)建設計画に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○野本市街地建築部長 整理番号3、一五第一七号、高層マンション(グランシティ旗の台)建設計画に関する請願につきましてご説明いたします。
 お手元の説明表の五ページをお開きいただきたいと思います。
 本請願は、品川区にお住まいの鈴木崇浩さん外八百二十六人から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますけれども、品川区荏原六丁目百七の二番地に建設予定の地上十階地下一階建ての共同住宅の建設計画を抜本的に見直していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますけれども、平成十五年七月九日から同年の八月五日までの間に、当計画に係る近隣住民説明会が三回実施されております。本年七月十一日、建築主日本綜合地所株式会社は、指定確認検査機関である都市居住評価センター株式会社から建築確認を受けまして、本年七月十四日、工事に着手しました。本年八月六日、請願者の鈴木崇浩氏より同様の趣旨の陳情書が都知事あてに提出されました。近隣住民からの申し出を受けまして、東京都は紛争予防条例に基づき、八月二十一日に第一回目、九月十二日に第二回目のあっせんを実施したところです。住民からは建築主に対して、建物の位置、高さ、それからごみ置き場等の変更についての要望がありまして、協議を進める中で一部歩み寄りが見られます。今後も紛争の解決に向けて、両者の話し合いの機会を設けていく予定です。
 以上で説明を終わります。

○林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、請願一五第一七号は保留といたします。

○林委員長 次に、一五第二二号、港区赤坂四丁目ビル建設計画に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○野本市街地建築部長 整理番号4、一五第二二号、港区赤坂四丁目ビル建設計画に関する陳情につきましてご説明いたします。
 お手元の説明表の七ページをお開きいただきたいと思います。
 本陳情は、港区にお住まいの奥村健一郎さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨ですけれども、港区赤坂四丁目二百十四番地に建設が予定されている新築ビルの建設計画について、一、建設予定ビルの周辺道路の円滑な交通と歩行者の安全を確保すること、二、日照権、静穏権を守ること、三、工事中の環境面と安全面への配慮を十分にすること、以上のことを実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますけれども、平成十四年六月四日、建築主住友不動産株式会社等は、指定確認検査機関である財団法人日本建築センターから建築確認を受け、平成十五年二月十日、工事に着手しました。建築主は、これまで住民説明会を三回実施しております。住民側は、当初、掘削土の搬出について問題にしておりまして、その後、平成十四年十月から平成十五年四月にかけて、建築敷地周辺の六つの住民団体との間で、工事車両、事故防止、騒音、振動対策等に係る工事協定を締結したと聞いております。一ツ木通り沿道は、オフィスビルや商業ビルが建ち並び、にぎわいのあるかいわいとなっております。現在、各協定を遵守しながら工事が進められており、当該敷地内にあるがけ地の掘削工事及び土砂の地区外搬出が行われております。
 以上で説明を終わります。

○林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第二二号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で都市計画局関係を終わります。

○林委員長 これより環境局関係に入ります。
 初めに、第三回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○小池環境局長 平成十五年第三回定例会に提出を予定しております環境局関係の案件につきまして、概略をご説明申し上げます。
 提出予定案件は条例案三件、事件案一件でございます。
 条例案は、資料1の東京都環境基本条例の一部を改正する条例案、資料2の都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例案及び資料3の東京都廃棄物条例の一部を改正する条例案の三件でございます。これらはいずれも廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、規定を整備するものでございます。
 続きまして、資料4の事件案につきましてご説明申し上げます。この議案は、柳泉園組合への補助金交付に関して都職員に対する損害賠償請求が行われた住民訴訟において、当該職員の勝訴が確定いたしましたので、その訴訟に係る弁護士費用を負担するため、提案するものでございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。

○西野総務部長 それでは、各案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、条例案でございますが、資料1に基づきまして、東京都環境基本条例の一部を改正する条例案についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。改正の理由でございますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、規定を整備する必要があるためでございます。
 改正の内容でございますが、条例第二十五条第二項に掲げる東京都環境審議会の審議事項のうち、第二号中の法の引用に係る規定を、法の改正に合わせ改めるものでございます。
 二ページをお開き願います。条例の施行期日でございますが、公布の日からとしてございます。
 三ページ、四ページは本条例案、五ページは新旧対照表でございます。
 次に、資料2に基づきまして、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例案についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。改正の理由につきましては、先ほどと同じく廃棄物処理法の改正に伴い、規定を整備する必要があるためでございます。
 改正の内容でございますが、別表二に列挙する指定作業場のうち、七の項では、廃棄物の積みかえ場所または保管場所が掲げられておりますが、同項中の法の引用に係る規定を、法の改正に合わせそれぞれ改めるものでございます。
 二ページをお開き願います。次に、平成十三年に改正いたしました一部改正条例の附則の別表中にあります法の引用に係る規定を、法の改正に合わせそれぞれ改めるものでございます。条例の施行期日は、平成十五年十二月一日からとしております。
 三ページから五ページまでは本条例案、六ページは現行条例の別表の改正に係る新旧対照表、七ページは平成十三年の一部改正条例の附則別表の改正に係る新旧対照表でございます。
 次に、資料3に基づきまして、東京都廃棄物条例の一部を改正する条例案についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。改正理由は、同じく廃棄物処理法の改正に伴い、規定を整備する必要があるためでございます。
 二ページをお開き願います。改正の内容でございますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の引用に係る規定を、資料の〔1〕から〔7〕までのとおり、法の改正に合わせそれぞれ改めるものでございます。条例の施行期日でございますが、〔1〕と〔2〕の改正につきましては公布の日から、〔3〕から〔7〕までの改正につきましては、平成十五年十二月一日からとしてございます。
 四ページ、五ページは本条例案、六ページからは新旧対照表でございます。
 以上で条例案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、事件案についてご説明申し上げます。
 資料4をごらん願います。地方自治法等の一部を改正する法律による改正前の地方自治法第二百四十二条の二第一項第四号の規定による訴訟に係る費用の負担についてでございます。
 一ページをお開き願います。この議案は、前東京都知事らを被告とする住民訴訟の判決が確定し、被告らが勝訴いたしましたので、地方自治法等の一部を改正する法律による改正前の地方自治法第二百四十二条の二第八項の規定により、その訴訟に係る弁護士費用二百万円を負担するため、提案するものでございます。
 訴訟の内容は、都が、清掃一部事務組合である柳泉園に対して、同組合の廃棄物処理施設整備事業に要する経費に係る補助金を交付したことは違法なものであるなどとして、平成九年九月に原告川井満外九名が、東京地方裁判所へ、同補助金の交付によって都がこうむった損害について賠償を求めたものでございます。
 二ページをお開き願います。訴訟の経過は、平成十三年十月東京地方裁判所において、原告らの本件請求は理由がないとして請求を棄却、平成十四年八月の東京高等裁判所における第二審判決及び平成十五年二月の最高裁判所における決定においても同様に請求が棄却され、被告の勝訴が確定してございます。
 大変雑駁ではございますが、以上で平成十五年第三回都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○林委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。--発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。

○林委員長 次に、報告事項、森づくり推進プラン(中間のまとめ)について、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○徳毛自然環境部長 森づくり推進プラン(中間のまとめ)についてご報告いたします。
 このプランは、平成十四年度の東京都自然環境保全審議会の答申と東京都農林漁業振興対策審議会双方の答申を受け、環境局と産業労働局が共同で作成いたしました。このプランの視点は、荒廃している多摩の森林再生を図るため、環境保全と産業振興の両面から、目指す方向と具体的な取り組みについて取りまとめたものでございます。環境局は森林の持つ公益的機能を回復させるため、平成十四年度から多摩の森林再生事業を開始いたしました。これは、荒廃した人工林一万八千ヘクタールを対象に五十年間で四回の間伐を行い、針広混交林化を図るものでございます。この事業を今回、都の取り組みとして森を再生、保全する事業として明確に位置づけてございます。
 資料は、お手元にございます資料5、森づくり推進プラン(中間のまとめ)について概要と、資料6、森づくり推進プラン(中間のまとめ)の本文冊子でございます。説明は、資料5に沿って進めさせていただきます。
 一ページをごらんください。「はじめに」の第1はプラン策定の趣旨でございます。このプランは「森を元気に!東京を元気に!」をコンセプトとし、東京の持続的な発展に不可欠で、都民共通の財産である森の健全な育成方法等や重点的に取り組む施策等について、森づくり推進計画として作成したものでございます。
 第2は、この計画の基本的な考え方でございます。策定の目的は、〔1〕東京の森の健全な育成及び再生を通じた多面的機能の持続的発揮、〔2〕地域木材の循環利用推進による資源循環型社会への転換と地球温暖化防止への貢献、〔3〕森の保健、レクリエーション機能を生かした魅力ある地域社会の形成と都民生活の充実への貢献でございます。
 計画期間は、平成二十年度までの五年間でございます。
 この計画の性格は、森林整備、木材利用、森林利用に関して、東京都が計画期間内に重点的に取り組む施策を明示し、都民などに協力を呼びかけるものでございます。この計画で対象とする森でございますが、荒廃の危機に直面し、戦略的な取り組みが必要な多摩の森を主な対象としております。
 まず第1章、環境危機の克服に不可欠な森と木では、環境保全機能など森や木の重要性を述べております。
 二ページをお開きください。第2章の東京の森の危機では、東京の森の現状について記述してございます。
 第1から第3では、間伐の行われない人工林の増加や里山林の消失など、多摩の森の荒廃を示すとともに、荒廃による都市生活への影響などについて述べております。
 これらの現状を踏まえ、第4では、今、東京が取り組むべきものとして、森の公益的機能の確保、森づくりを担う産業の再建と発展、社会全体で森を守る仕組みづくりについて記述しております。
 第3章は、具体的施策について、森づくりを推進するための三つの方向と七つの戦略としてまとめてございます。
 第1では、これからの森づくりについて、施策転換を図ることについて述べております。
 三ページをごらんください。これは、森づくりの施策転換の考え方をわかりやすく図にしたものでございます。森林はこれまで、産業としての林業の面のみでとらえられることが多く、林業が振興すれば、おのずと森林整備が進み、結果として公益的機能が確保されるとされてまいりました。ところが、林業が低迷する中、森林が荒廃し、その公益的機能が確保できなくなってまいりました。そこで、このプランでは、森林に環境の視点を新たに加え、公益的機能を重視する森林と木材生産を重視する森林に区分し、目的に応じた多様な森づくりを推進することといたしました。また、産業振興や地域経済の活性化を目指して、さまざまな森林資源を活用しながら新たな産業を興し、総合的な森林産業として発展させることといたしました。さらに、森の守り手についても、森林所有者等の自主的な管理のみ期待していては森を守り切れず、荒廃した森林の回復がおぼつかないことから、都民も参加、協働する新たな仕組みを構築することによって森を守り育てる社会の実現を目指すことといたしました。このような施策転換の考え方を踏まえて、今後、計画期間内に都が進める事業、施策についてご説明いたします。
 四ページをごらんください。第2、具体的な取り組みで、三つの方向と七つの戦略を具体的に取りまとめてございます。黒丸のところがアクションプログラムで、その下に具体的な事業や施策の内容を示してございます。網掛けの部分が主に環境局事業にかかわる事項でございます。
 第一の方向は、1、豊かな森を将来の都民に引き継ぐでございます。
 戦略1は、都の取り組みとして森を再生、保全するで、荒廃した森林の再生を図るため、冒頭ご説明した森林再生事業の推進や里山林の保全施策の推進等を行ってまいります。
 戦略2は、林業の改革で資源循環の森を育成するでございます。
 次に、二つ目の方向は、2、林業から森林産業への発展を図るで、戦略3は、とうきょう木づかい運動で木の循環を復活するで、また、戦略4は、観光、健康、エネルギーなど森林資源を活用した新たな産業を創出するでございます。
 五ページをごらんください。三つ目の方向は、森を守る人、技術、仕組みをつくるでございます。
 戦略5は、森づくりを支える人を育てるでは、大自然塾の推進としてNPOとの協働によるプログラムの開発及びボランティアの育成、指導等を進めてまいります。
 戦略6は、森づくりと木づかい技術を開発、活用するで、東京都森林GISの整備と活用等を進めてまいります。なお、GISとは、地図情報や関連情報についてコンピューターを用いた情報処理システムでございます。
 戦略7は、森林管理制度を創設するで、森林管理制度検討委員会による検討と首都圏森づくり政策研究会の実施を図ってまいります。
 第4章は、計画の推進でございます。この計画では、東京都とともに都民、事業者の方々等の役割、責務などを明らかにしております。
 ただいまご説明しました内容は、九月十一日に公表しており、十月十日までの約一カ月間、広く都民、事業者などからご意見やご提案をいただくこととしております。なお、この中間のまとめは、環境局、産業労働局のホームページのほか、両局の担当窓口にございます。また、ご意見等は郵送、電子メール、ファクシミリでいただくこととしております。
 以上が森づくり推進プラン(中間のまとめ)の概要でございます。
 今後は、いただきましたご意見、ご提案を踏まえ、年内に森づくり推進プランを策定する予定でございます。
 以上、雑駁ですが、説明は終わります。よろしくご審議をお願いいたします。

○林委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。--発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。

○林委員長 次に、報告事項、永山北部丘陵住宅地開発事業の許可後の経過について、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○徳毛自然環境部長 永山北部丘陵住宅地開発事業の許可後の経過につきましてご報告いたします。
 資料7、永山北部丘陵住宅地開発事業の許可後の経過についての一ページをごらんください。
 まず事業の概要をご説明いたします。事業者は山一土地株式会社、住所は東京都杉並区でございます。行為地は青梅市根ヶ布一丁目一番一号ほか、行為の目的は一団の住宅地の造成で、住宅戸数は二千戸、人口は約六千人でございます。行為の規模は約九十・六ヘクタールでございます。
 次に、許可までの経過ですが、平成十三年十二月十八日に自然保護条例の許可申請を受け付けました。平成十四年一月から平成十五年三月までの間、東京都自然環境保全審議会において審議をいただき、三月二十五日の審議会で、条件を付して許可相当の答申をいただきました。この答申を受け、平成十五年三月三十一日に、条件を付して許可を行いました。
 次に、許可後の経過でございます。平成十五年六月三十日に事業者の山一土地株式会社が株主総会で会社解散の決議をいたしました。当日、事業者から東京都に対し、会社解散の決議を行ったことと、七月十一日に特別清算手続の申し立てを行う予定であることの報告がありました。都としては許可後、このような短期間でみずから事業実施を放棄することとなる特別清算手続を行うことについて、七月九日に事業者に対し遺憾の意を表し、許可の自主的返上を求める文書を関係局連名で交付いたしました。七月十一日に事業者は、予定どおり東京地方裁判所に特別清算手続の申し立てを行っております。
 都の文書に対し、八月八日に事業者から文書回答がありました。その主な内容は、ア、許可返上の意思がないこと、イ、開発を責任を持って行えるところに承継することが責任ある態度だと思っていること、ウ、承継先を二、三の候補に絞り折衝中であり、承継できる可能性が高いと確信していること、エ、万が一承継の可能性がなくなった場合には、許可返上について都の意思を尊重することでございます。この回答を受け、八月二十八日、都は事業者に対し再度文書を交付し、許可の自主的返上を改めて強く求めました。
 経過は以上でございます。
 二ページは、当該開発計画地の航空写真、三ページから四ページは許可に付した二十二項目の条件、五ページは東京都からの文書指導及び事業者からの文書回答の要旨でございます。よろしくご審議お願いいたします。

○林委員長 説明は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 当初から事業者の経営危機という問題は指摘をしてまいりました。委員会でも審議会でも、本事業者が他の県で行っている住宅開発の販売状況の低さを指摘し、また、青梅市の近くであります八王子における住宅開発の販売状況実績などを示しながら、本当に事業の採算性が成り立つのかと、大変困難な経済状況ではないかということを繰り返し指摘をしてきたところです。そうした問題については、自然環境保全の立場からは多少は意見をいってまいりましたが、審議をすることなく許可が出てきたわけですけれども、この事業者の経営状況などというものは、都市計画局の開発審査会でもっとしっかり調査をし、事業の状況を把握することが必要だったというふうに改めて今思うわけであります。そういうことを、環境局としてだけではなく、東京都として把握できなかったというところに大きな問題があったのではないかというふうに思うわけです。
 そういう中で、事業者が許可をしてから三カ月という短期間に会社を解散して特別清算の申し立てを行ったことは、当初の許可申請自体に問題があったのではないかというふうに考えるわけです。申請に問題があったということであれば、許可の自主的な返上などという行政指導ではなく、許可の取り消しという強い処分で対応すべきだと思いますが、どうでしょうか。

○徳毛自然環境部長 本件につきましては、許可申請時点で申請の形式上の要件に適合しないものについては、東京都行政手続条例に基づきまして事業者に補正を求めた経緯がありますが、申請自体に許可を否定するような問題があったとは考えておりません。
 また、許可を受けた事業者が解散し、特別清算の手続を行っても、当該法人は存続しており、特別清算手続に入ったことを原因として許可の取り消しや返還命令等を行うことはできません。しかしながら、都としては、事業者が許可後三カ月という短期間でみずから事業を放棄することとなる特別清算手続を行ったことはまことに遺憾であり、道義的責任を求めるために許可の自主的返上を求めたものでございます。

○清水委員 補正を求めたということでありましたが、審議会では、申請を受け取ること自体に問題があったという委員の指摘も多くて、依然としてその問題については解決されていないというふうに私は考えるわけです。また、許可の取り消しという問題について、条例として制定されてないということでは、条例の改正という問題も今後考慮する必要があるかなというふうに考えるわけです。
 そこで、東京都の指導に対して、一番後ろの事業者からの回答を見ますと、許可返上の意思はない、開発の責任を持って行えるところに承継することが責任ある態度だと思っているというようなことで、その意思がないというふうに回答してきているわけです。再度の指導をしているというふうにいわれましたが、八月二十八日に再度自主的返上を求める文書を交付したといわれますけれども、その返上に応じなかった場合、どのような許可の返上を実現していくのか、どのようにして許可の返上を行っていくのか、お伺いします。

○徳毛自然環境部長 都が事業者に行った許可の自主的な返上の指導に対しまして、事業者から許可を返上する意思がない旨の回答があったために、都は強い遺憾の意を表し、再度許可の返上を強く求めました。
 現在、事業者は、都の再度の指導を踏まえまして、対応を検討中と聞いております。今後も事業者が都の意に反する回答を行った場合には、関係局と連携し、許可の自主的な返上の実現に向け、繰り返し強く要求してまいります。

○清水委員 自然環境保全審議会で繰り返しの審議、この案件に対しては非常に厳しい意見が出て、今回の許可の条件ということで二十二項目もの条件がつけられるなど、この案件に対してはさまざまな問題がありました。そういう意味では、事業者がこの時点に立ってもこういう態度で臨んでいるということは、本当に遺憾だと思います。もし東京都が引き続き自主返上ということを求めていくならば、もっと厳しい態度で臨んでいただきたいというふうに要望して終わりたいと思います。

○大河原委員 この青梅永山北部丘陵住宅地開発事業はこの委員会でも取り上げてきましたが、特に自然環境保全審議会で、規制部会ですね、そこでも一年に及ぶ審議をしてきて、部会は当初、開発には不同意という結論を出しておられましたし、本会議でこれが逆転して、この資料にもついています二十二項目に及ぶ許可条件がつけられて、異例の開発許可となったわけです。地権者の同意書が足りないままで申請をした。それを受け取った。そういうところから端を発して、丘陵開発の指導指針の形骸化ともいえるような土工量の容認というものも問題として取り上げて、この委員会の中でも議論されましたし、また、絶滅動物であるオオタカの調査、その対応も十分とはいえないんじゃないか、検討がなされていないというところもあります。また、環境影響評価書にも記載がないという市民の声もありました。青梅の自然を守りたいという市民の思いとは裏腹に、この案件については不信感ばかりが募る、そういう経緯であったというふうにいわざるを得ないわけです。
 そして、あろうことか、事業者が開発許可を受けて、わずか三カ月で会社を解散する決議をして、地裁に特別清算手続を申し出るという、前代未聞のことだと思うんです。この委員会でご報告をいただきましたので、このことを、今、清水委員も許可取り消しということをお聞きになりましたけれども、改めて、これは環境局、都市計画局、産業労働局三局の連名で許可の返上を求めているわけです。どうして許可を取り消さないのか、強制的に返還命令といったようなものが出せないのか、また、許可の返上を求めてはいますけれども、一回目は拒否されて、今二回目になっているわけですが、許可返上の期限といったものも考えられるんじゃないのか、そんなふうに思うんですが、改めて伺います。

○徳毛自然環境部長 自然保護条例の許可につきましては、自然環境保全審議会の答申を受け、条例に基づいて行ったものでございます。許可を受けた事業者が解散し、特別清算の手続を行っても、当該法人は存続しており、特別清算手続に入ったことを原因として許可の取り消しや返還命令等を行うことはできません。また、都が行った自主的な許可返上の行政指導は、長期にわたる審査を経て行った許可処分に対して、三カ月という短期間で事業者みずからが事業を放棄することとなったことに対して遺憾の意を表し、事業者に道義的責任を求めるために行ったことであり、都としては、異例ともいえる厳しい態度で事業者に対応したと考えております。
 なお、行政指導の性格上、返上の期限は定めておりませんけれども、今後とも関係局と連携して繰り返し強く許可の返上を求めてまいります。

○大河原委員 伺いますと、自然保護条例に基づく開発規制ではあるけれども、許可の対象行為については、基準に照らして許可するかどうかの判断であるために、許可の取り消しは定められていないということですね。許可された計画の内容が変わらない限り、計画そのものへの許可の取り消しはあり得ないというふうに解釈してよろしいんですか。こういう理解でいいんでしょうか。

○徳毛自然環境部長 自然保護条例には、許可の取り消しの規定はありません。計画に変更があれば、軽微なものを除き再度許可の手続が必要となります。
 なお、法令等に許可の取り消し規定が定められていない場合でも、著しく公益を害するなどの理由により、許可を取り消すことが可能とする考え方もありますが、本件につきましては、条例の許可基準に合致しており、許可を受けた計画と許可条件を遵守する限りにおいて、許可の取り消しには当たらないと考えております。

○大河原委員 しつこいようですけれども、許可が取り消される場合はないんでしょうか。今、許可を取り消す可能性もあるという、考え方もあるというようなお答えだったんですけれど、申請した開発条件が全く守られていないときとか、許可取り消しになるというのが考えやすいというか、それを市民は当然のことのように思っていると思うんですが、許可取り消しとなるようなことというのは本当にないんですか。

○徳毛自然環境部長 開発条件が全く守られない場合には、自然保護条例第五十四条第一項の「許可に付せられた条件に違反した者に対して、その違反行為の中止を命じ、又は相当の期限を定めて、原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき措置をとるべき旨を命ずることができる。」とする規定により対応することといたします。
 なお、自然保護条例では、これまで許可の取り消しの前例がなく、取り消しについては、関係法令も含め検討すべきであると考えておりますけれども、前述の原状回復命令などによってもなお状況が是正されず、著しく公益を害すると認められる場合には、許可の取り消しを検討することも必要であると考えております。

○大河原委員 計画に対して出した許可なので、計画がそのままであれば許可を取り消せない。著しく公益に反する場合というようなことが出ていますが、開発許可の手引というのが窓口で配られているわけですね。これは環境局が作成しているもので、自然保護条例に基づく開発許可を受けようとする事業者に対して適切な許可申請が行えるように条例に基づく手続を簡単に解説したもの、そして窓口配布をして公になっているものというふうに聞いています。この手続の中で、許可の承継に関する記述というのが出ていまして、実は先日、この審議会の傍聴に私参りました。
 その中で、実はこの手引が書きかえられているんじゃないかという指摘をその中の委員がいたしまして、私もびっくりして見た次第です。以前の手引と現在の手引で大きく違っている、前の手引では、例えば承継というのは、売買や譲渡などによる承継の場合は、許可の取り直しとなるというふうに記述されているんですね。ところが、現在の手引では、同様の継承が届け出でいい、書類を出せば済むというふうになっているわけなんです。この手引の改正については、開発事業者が将来承継しやすいように記述を書きかえたんじゃないか、そのようにもいわれているわけなんです。規則というか、この手引の改正というのは、いってみれば簡単なことなのかもしれませんが、事業者にとっては利益を左右する、すごく大きな影響があるものなんですけれども、誤解を招かないためにも、この手引書、どうしてこのような改正になったのか、改めて明確な説明をしていただきたいと思います。

○徳毛自然環境部長 手引の中の許可の承継に関する記述でございますけれども、売買や譲渡などにより開発許可を承継する場合の記述が、平成十四年十一月から使用している現在の手引では、先ほど先生ご指摘のように届け出を行うこととしており、平成十三年四月から使用してきた前の手引では、そのような場合、許可をとり直すこととしております。また、さらに平成十三年三月以前の手引の記述では、現在と同様に売買による許可の承継は届け出を行うこととしております。つまり、平成十三年四月から使用していた手引の記述のみが、売買による承継について、許可をとり直すこととしているわけでございますが、このときの改正の経緯につきましてご説明いたします。
 これは、平成十三年四月に施行した改正条例により、新たに土砂の埋め立てを開発許可の対象といたしました。この土砂の埋め立てについて、転売の繰り返しによる悪質な事業が増加することを懸念し、これを未然に防止することを意図して、売買による承継は許可のとり直しとする記述といたしました。なお、土砂埋め立て以外の売買による承継については、従来どおり届け出により処理を行っておりました。この間、売買による承継については、宅地造成や共同住宅の建設など十一件の事例がありましたが、すべて届け出で処理しております。
 次に、平成十四年十一月から使用している現在の手引の記述では、土砂の埋め立ても含め、譲渡などによる許可の承継については届け出としていることについてご説明いたします。これは、土砂の埋め立てについて、新規許可の時点で事業者を適切に指導するとともに、許可後においても適宜現場調査を行うなどにより、悪質な事例を一件も発生させていないことなどから、開発事業を適切に行わせることが十分に担保できると考え、従来どおりの届け出手続に戻したものでございます。
 このように、宅地造成等の開発許可を譲渡などにより承継した場合は、条例改正以前から今日に至るまで一貫して届け出により処理しており、ご指摘のような開発事業が将来承継しやすいように記述を書きかえたということは一切ございません。

○大河原委員 重ねて申し上げますけれども、大変わかりにくいですね。窓口に行ってみなければ、十三年の手引を見ていれば、それが土砂の埋め立てについていっているものかという記述もありませんし、それは、こういった住宅地を開発する、そうした事業でも、当然対象になるというふうに読めますし、また、お話の中では、十四年度、もとに戻した理由も、譲渡による承継は再度届け出とした、これは悪質な事例を一件も発生させていないことなどによるとおっしゃったんだけど、これはあったから、一件もなかったんじゃないんですかね、もしかしたら。つまり、これを、事例がなかったから取りやめますという理由には、私はならないというふうに思うんですね。
 そして、また、実は以前から宅地造成の場合は、書類だけでよかった。届け出だけで済んでいた。ずうっとこれが手引の中身だったというふうな話なんですけど、それはそのとおりなんだと思うんですね。ただ、そこで、どうして変えて、また、もとどおりにしましたといわれても、それはなかなかわからないです。この手引の改正は議会にかかるわけでもないので、事業者の利益、不利益になることが、こんなに簡単に、局の中だけで変えられてしまう。極論したら担当者の思いですね、残土のときに強く求めた、こういうのを私たちは市民としてはうれしい改正だとは思いますけれども、逆の場合は、どうしてこんなふうに緩めちゃうのとしか思えないようなものにもなっているわけなんですね。
 やはりこうした手引の改正についても、もっと丁寧な書き方、あるいは丁寧な指導の周知の仕方、こういったものもぜひとも行っていただきたいと思います。
 承継というのは、森林法の方でも、また農地の方でも、承継はすべて届け出で済むというふうにも局の方から伺って、私もわかりました。でも、十三年から十四年にかけてのこの手引の改正については、とても誤解を生みやすいということをぜひとも心にとめていただきたいんです。承継というところで、例えば山一のことに関していえば、当然、局も、許可を返還しろというふうに迫っているわけですから、こうした許可をもう一度とり直すようなことで、市民が青梅の永山の地を守ろう、そういう気持ちも少しずつ反映されるような、そういう仕組みもできるんじゃないかと思うんです。
 私は、実は、条例を改正すればできるんじゃないかなというふうに当初思っておりました。特定の条件をつけて、例えばこうした特別清算とか、それが適した条件かわかりませんけれども、特に議論を呼ぶようなものについて、この案件については、通常よりも非常に長い時間審議されています。それだけ問題が多いというふうに、この規制部会でも、それから森林審議会、ここも議事録を読ませていただきましたけれども、この森林審議会も、議事録の中は、本当に会長さん初め、こんな市街化調整区域の大開発、青梅の六千五百ヘクタールの中の九十ヘクタールですか、森林だけだったら六十三ヘクタールだそうですけれども、一方で森をつくろう、山を守ろうとしている中で、こんな開発が、基準だけ合っているから許可をどんどんされてしまったら、林業家の方もその委員のメンバーですけれども、こつこつ山づくりをしている人たちにとって、いい気持ちはしない、そういうふうにもいっているんですね。だから、規制部会だけでなくて、森林審議会、また、もちろん開発審査会も、議論がもっともっと行われるべきだったというふうに私は思っています。
 今、三局で許可を取り戻すように返還を求めているわけですけれども、当然、事業者の方たちは、承継手続をして次の事業者にここの開発を渡していく、そういうふうに思われているわけですから、この事業の承継手続があった場合、都市計画法の方で聞きましたら、事業を引き継いだ新たな承継者、事業者については、財務状況とか、前の事業者にも行ったと同様の審査を行うというふうに聞いていますけれども、環境局としては、この事業の承継があった場合、承継を受けた事業者に対してどんな指導をしていくのか、聞かせてください。

○徳毛自然環境部長 都としては、事業者に対して許可の自主的な返上を強く求めているところでございますが、仮に開発許可の地位の承継があった場合には、承継した事業者に対して事業を進めるに当たり、許可した事業計画及び許可に付した条件を確実に遵守することを指導してまいります。
 また、これまで審議会でご議論いただいた多くの内容についても、承継事業者に説明をし、自然環境への配慮に対する積極的な取り組みを行うよう指導してまいります。

○大河原委員 この開発には、許可を五つの方でとらなきゃいけないわけなんですね。ですから、それぞれの審議会で結論を出していくわけなんですけれども、私は、環境局がそういった許可の、独立して結論を出すとはいえ、やっぱり頼られている、中心的にそういった責任を負っていく、そういう部署だと思います。それで、大変申しわけないんですが、局長に、審議会の旧メンバー、それから新しいメンバーがこの問題について、審議会の中でしっかりと説明をして議論したいというふうにおっしゃっていました。そのことについては、ぜひとも受けとめていただきたいんですが、このような混乱の中で許可が出される。そしてまた、それを返還してもらいたいというふうに東京都が道義的にいうなんていうことが起こっているんですけど、どのようなご感想をお持ちで、そしてどのように対応されていくのか伺いまして、質問を終わります。

○小池環境局長 この件につきましては、いろいろと経緯がありましたことにつきまして、先ほど来お話が出ているとおりでございますけれども、本件につきまして、時間をかけて審議会でご議論いただいた、基本的に開発と保全ということの両立をどういうふうに図るかということの中で、審議会でご議論いただいて基本的な許可条件、条件を付した上で、その条件が守られる範囲内においてこの計画を是非とする。
 一方で、この議論の過程の中では、青梅市の方におきまして、この開発計画そのものが青梅市の根幹にかかわる事業だという位置づけも、市長さんに審議会に出席していただいて説明を受けた、こういうような経過をたどっているわけでございます。
 私どもといたしましては、このような審議会の中でご議論いただいて、開発にかかわる許可条件が出ておりますので、それを付した形で、二十二項目ですか、それを、条件を付して許可したという経過をしております。私どもは、あくまで計画内容そのものにつきましては審議を十分経た上で、許可条件を満たせば、これは許可せざるを得ない、許可するものだ、こういうふうな考え方でおります。
 この間の経過につきまして、委員のメンバーもかわりました。その中身についてはよくわからないから、改めて審議会において審議していただきたい、こういうようなご議論もいただいておりますので、これにつきましては、議会等の日程等を見ながら、適切な時期に審議会に説明する機会を設けたいと思います。
 それから、本件について、まどろっこしい、こういうご批判もあろうかと思いますが、先ほど来お話がありますように、私どももいろいろ検討した中で、今の答弁にありますように、あくまでこれは許可を返上するということでしかないだろう。許可をしたものについて取り消しを求めるという条項も、どこも規定もない、こういうような状況でございますので、それにつきましては、ただいま申し上げましたように、あくまで現時点で許可条件を出して、許可を付して許可したことに対して、わずか三カ月ばかりで、自分たちがみずから事業をするということで説明してきたにもかかわらず、その事業はもうやらないということで、みずから放棄するようなことを短期間でやられたということは信義則にもとる、こういうようなことで許可返上ということで自主的に判断して出しなさい、こういうことを求めているところでございまして、このことにつきましては、引き続きこれを強く求めていきたい、こう考えております。

○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○林委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 一五第一五号、ディーゼル車排ガス規制実施に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山本自動車公害対策部長 資料8の一ページをごらんください。整理番号1、一五第一五号のディーゼル車排ガス規制実施に関する請願についてご説明申し上げます。
 この請願は、足立区の藤倉泰徳さん外千四百九十二名の方からのものでございます。
 請願の趣旨は、東京都環境確保条例の施行に当たり、一、粒子状物質減少装置の装着を無償化すること、二、新車(低公害車以外の規制適合車)へ代替する場合の補助金制度を創設すること、三、条例適用を今後の状況を見て適切化すること、四、環境問題にかかわる費用負担を平等化することを実現してほしいというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。東京の大気汚染は深刻な状況にあり、特にディーゼル車から排出される粒子状物質の削減は、一刻の猶予もならない課題でございます。そのため、都は、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例に基づき、平成十五年十月からディーゼル車規制を実施いたします。都は、厳しい経営環境にある事業者の規制への対応を促進するため、支援策として、PM減少装置の装着補助、買いかえのための融資あっせんを実施してまいりました。
 平成十五年度における都の支援策の概要でございますが、PM減少装置の装着補助として、五十九億円の予算を計上しております。補助率は、装置及び装着費用の二分の一でございますが、大型車、小型車にそれぞれ限度額を設定しております。
 次に、新車への買いかえのための融資あっせんとして、八十二億円の予算を計上しております。まず、自動車低公害化促進資金でございますが、融資利率は、長期プライムレート以内で、都が二分の一の補助率で利子補給を行います。信用保証料率は、借入金額により〇・四%から〇・九%までとなっており、都が三分の二を補助いたします。融資限度額は、一企業当たり一億円でございます。
 次のページをごらんください。ディーゼル車特別融資でございますが、融資利率は、長期プライムレートプラス一・三五%で、都が二分の一の補助率で利子補給を行います。信用保証料率は四・五%で、都が三分の二を補助いたします。融資限度額は、一企業当たり三千万円でございます。
 都は、これまで、地域の事業者や業界団体への説明会、ダイレクトメールの送付、総合相談窓口の設置等のさまざまな方策により、規制内容の周知に努め、規制への早期対応を働きかけてまいりました。その結果、PM減少装置装着補助の申請件数が、平成十四年度までは約一万四千件でありましたが、今年度は四月から八月までで約三万六千件と急増するなど、買いかえとあわせて十月の規制開始に向け、事業者の対応は着実に進んでおります。そうした中、新車の納入や装置装着が規制開始に間に合わないという事例も出てきております。このため、条例を遵守する意思があり、新車または装置を発注したにもかかわらず、メーカー側の供給のおくれにより規制開始に納車、装置装着が間に合わない車両については、取り締まり等において事情に配慮した取り扱いをすることといたしました。
 また、ディーゼル車規制への対応に伴う費用の負担についてでございますが、都は、平成十五年二月、ディーゼル車メーカーに対し、社会的責任を踏まえ、事業者の負担軽減に特段の配慮を行い、買いかえ促進を図るよう要請いたしました。その後も、価格動向についてメーカーから報告を聴取し、事業者の負担軽減に配慮した販売を行うよう要請してきているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議いただきますようお願いいたします。

○林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○こいそ委員 それでは、本請願につきまして、何点かお尋ねしたいと思います。
 かねてからディーゼル車の排ガス規制に伴ってのさまざまな問題、また課題についてお尋ねを今までもしてまいりましたけれども、いよいよ本当に十月一日施行という中で、目前に実施時期が迫ってきたわけでございますが、その中で、今までの質疑全体を見た中におきましても、ディーゼル車の規制そのもの、大気の汚染を改善していかなきゃいけないんだ、この目的、趣旨については、だれも反対する者はいない。これは終始一貫した、我々もそれを受けとめ、そのような線にのっとってお話もさせていただいてきた経緯がありますけれども、しかし、その実施に当たって、厳しい経済環境の中で、とりわけ零細事業者に対する、いかに親身になって、いかに現状を受けとめる中で、きめ細やかな配慮と対応ができるのか、このあたりが今回の、十月一日に向けてのいよいよ、二十万二千台の買いかえやさまざまなDPF装置の装着や、酸触の取りつけ、これらの促進にまたつながっていくのではないのかなということで質問させていただきました。
 また、前回の当委員会で、かねてから要望をさせていただいておりました条例遵守の意思を表明している。しかし、メーカーの対応のおくれで、装着等々が間に合わない場合についてどうなんだ、これを検討して早急に結論を出すというようなご答弁が前の委員会でもございました。そして、先週、十二日なんでしょうか、要望に沿った内容が発表されたという経過になっているわけでありますけれども、報道等を含めて、ある程度我々としても、この対応について一定の受けとめをしておりますが、この委員会として正式に、要望に沿った中で、どのような具体的対応がされてきたのか、するのか、このあたりをもう一度お聞きしたい。
 それとともに、八月末までに七割の車両が装着並びに買いかえが行われてきたというふうにもいわれているんですが、あと三割ですか、残された三割、これはどういう数字か、間違っていたらご指摘いただきたいと思いますけれども、私は、申し上げたかどうかわからないけれども、このあたりも、現在までの--現在というのは、きょうでもいいですけど、進捗状況、どの程度装着並びに買いかえが現状で行われてきたのかもあわせてお願いしたいと思います。

○山本自動車公害対策部長 過日の委員会におきまして、ディーゼル車規制に関しまして、新車納入、あるいは装置装着が規制に間に合わない場合、これはどうしたらいいんだということでご質問を受けたわけでございますが、その際、早急に結論を出すということでご答弁をさせていただきました。その後、検討いたしまして、先週の十二日、これは八都県市と共同でプレス発表いたしましたけれども、新車納入、あるいは装置装着が規制に間に合わないという場合については、事情に配慮した取り扱いをすることにいたしましたということで、八都県市で、そうした場合には確認証明書を出すということで、取り締まり等については一定の配慮をいたしますよということをオープンにしたところでございます。
 もう一つございました、一番最近の進捗状況ということでございますけれども、これにつきましては、前にもご報告させていただいておりますけれども、この七月末の進捗状況につきましては約六割ということでございまして、その後、買いかえ等、あるいは装置装着等も進んでおるわけでございますけれども、その辺の進捗状況については、ただいま集計中でございます。それについては、ご了解をいただきたいというふうに思います。

○こいそ委員 今、周辺県と歩調を合わせていくというお話、話し合いを行ってきたと。その中で、近県である千葉県が、きょうあたりが最終的なんでしょうか、明日なのでしょうか、定かでございませんけれども、二〇〇五年三月まで延ばす可能性もあるんだというようなことが、我々の方にも伝わってきているわけでありますけれども、周辺県の同一歩調というんでしょうか、歩調が合っていかないと、当然乱れてくるわけでありまして、歩調の乱れが出てくることは混乱を生じてくる、こういうことがあるわけでありますけれども、この件についてどうなんでしょうか。

○山本自動車公害対策部長 八都県市におきましては、この間連携協力いたしまして、ディーゼル車規制に取り組んできております。先日も、都知事を初め各県の知事が話し合いをしまして、ディーゼル車規制において実効性を確保していこうということで合意しております。千葉県が罰則を仮に猶予したといたしましても、都内での取り締まりについては徹底して行っていきたいというふうに考えております。

○こいそ委員 いずれにしても、足並みの乱れがないように、罰則強化、強化というようなことを声高に主張するだけじゃなくて、一番本来的な問題解決というのは、大気汚染を抑え込んでいく、減少させていくということでしょうから、つかまえること、罰則を与えることが主じゃないというのはいうまでもございませんけれども、少なくともそのようなことを踏まえながらも、周辺県と歩調をとりながら、東京都として努力を最後まで図っていかなきゃいかんというふうに主張といいますか、要望いたします。
 それと荷主等からの、今後いろいろな締めつけにより、今、事業者は大変に厳しい、運送事業者、とりわけ先ほどから申し上げているような中小、また零細の事業者が厳しい状況に置かれている。今申し上げた事業者の方々の責任ではなくて、先ほどご答弁いただきましたけれども、メーカー側の責任で、都合でおくれ、そのために装着が、納入が間に合わない。対応への意思表示はしたが、物理的に間に合わない。そのことで荷主から仕事が中断、ストップをかけられる。中小零細企業者が仕事を失うことが、当然このような原因であってはならないわけでありますけれども、今回、そのような事業者に対する装置装着、買いかえが間に合わない事業者に対する取り扱いを、先ほどのご答弁で確認させていただきましたが、決められたわけでありますから、そのことを、これら事業主にもしっかりと、東京都の方からも周知する必要性があるのではないかと思いますけれども、これらのことについてどうでしょうか。

○山本自動車公害対策部長 荷主である企業等には、工事、配送等において規制適合車を使用することなど、積極的に協力いただいております。今回の取り扱いにつきましても周知徹底を図り、特段の配慮を求める必要がございます。このため、取り扱い発表後、直ちに一部、二部上場企業約二千社及び約二百の各種業界団体に対して周知の文書を送付いたしました。
 また、公共工事につきましては、庁内はもとより、区市町村等に対して説明会を開催するとともに、民間の工事においても趣旨が徹底されるよう直接関係団体や企業へ働きかけております。今後とも規制対応の意思を表明した事業者が不利益をこうむることがないよう、きめ細かな対応を図ってまいります。

○こいそ委員 周知については、そのような形で対応していただいているようでありますけれども、ぜひ今後ともしっかりとした対応をしていただきたいと要望いたします。
 先ほどご答弁ありましたけれども、メーカーの責任で間に合わなくなる事業者に猶予が与えられるのは当然だと思いますけれども、しかし、ここで、今までの議論を総括する中で思うことは、今回の措置は、中小零細企業者、大変厳しい事業者が苦渋の選択をせざるを得ない中で、どうやって資金を、予算を捻出するか、大変な思いでこれを何とか対応していこうということ。しかし、DPF装置メーカー、事業者というんでしょうか、または車両メーカー等々、これが特需景気みたいな状況で、そしてまた、ここでもう売り逃げじゃないけども、DPF装置だとか酸触は、二年後にはNOx・PM法が施行されるわけだから、ここで徹底的に売っちゃおう。多少高かろうが何だろうが、もうともかく売っちゃえという中で、その被害をこうむってしまってはしようがありませんけれども、今回の措置は、メーカーが量産して間に合わない口実を、平たくいえば免罪符を与えるんじゃなくて、そのような理由でメーカーの方が供給を怠ったり、結果として環境改善がおくれるのでは、当然にいうまでもありませんけれども、とんでもない話でありまして、ともかくこの原因関係の一つは自動車メーカーなんだ、はっきりいって。
 今一番もうけているのは自動車メーカーなんだ。さっき、価格の問題で、適正価格をやってくれや、余り高くするなよという要望をしたというけど、そんなもの効かないよ。もっと出向いていって、徹底的に事業者の思い、つらさ、都民のためにやっている行政なんだから、直接行って、あらゆる形でやるべきだ、いいですか、ぜひやっていただきたい、こう思うんです。局長どうでしょうか。

○小池環境局長 ただいま伺いましたけれども、確かに今、規制を前にして自動車メーカーという、車両メーカーを中心にして、いわば規制特需というような現象があるということは事実だと思います。そんな中で、これまでも議会でもいろいろと取り上げられておりますけれども、メーカーが特別な利益をそこで得るような、不当な値上げとか、こういったような状況があってはならないというようなことは何回も指摘いただいております。私どももそのことは十分承知しておりますので、理事ご指摘のありましたように、今回の規制の対象になるかなりの部分は、本当に中小零細企業者のトラック事業者の方が非常に多いということがありますので、そういった方々が非常に経営が厳しい中で対応を迫られているというのは客観状況だと思います。
 したがいまして、メーカーが現在の規制が進む中での状況をいいことにして、不当な値上げなり、今までよりも値引きを控えるとか、そういうことがあってはならないということで、先ほど部長も答弁しておりましたが、私ども、二月からずうっと定期協議をやっておりまして、いろいろなデータを出してもらっております。また、トラック業界からも客観的にそういう取引の上で問題があれば全部いっていただきたいというようなことも申し上げておりまして、そういう状況をつかみながら具体的に、私どももメーカーサイドには申し上げております。価格の点について指導するというわけにいきませんので、私どももそういう客観状況をつかみながら、いろんなデータをつかみながら、定期協議の中でいろいろと事業者の人に負担にならないようにということで、言葉で強く申していろいろとやっているということでございます。

○こいそ委員 今申し上げまして、これも一貫してそれぞれの委員の方々もそれぞれの立場で、選挙区なりいろんな関係の中で、直接、それこそ肌で感じ、見聞きしてきたことを率直にいわせていただいてきたわけでありますけれども、その中で、局の方としても受けとめていただいたと思います。頑張って取り組んでいただいたというふうにも思うわけなんですけども、今申し上げたように、自動車メーカーだとか石油元売各社、この怠慢性というのは、やっぱり私は、厳しく厳しく指弾されてしかるべきだと思うんですね。
 いずれにいたしましても、十月一日を目前とした中、こんなことを繰り返しするわけじゃありませんけれども、最後にいわせていただければ、本当に長い間、何十年間にわたって事業をやってきた。そして、最後は、車両は十トン車両で自分一人になってしまった。これ以上もたない。これはどうしてもだめだ。いや、そんなこといわないで、もうちょっと頑張って、こういう融資もあるし、こういう制度もあるし、活用して頑張ったらいいじゃないか。考えてみる、考えてみるといった最終的な決断が廃業ですね。そういう人たちが、今回の実施にいろんな思いでいるということも事実なことでありまして、前後いたしましたけれども、発注した中においての猶予期間があるようでございますけれども、今申し上げたように、メーカーにも強くそのあたりを、もう一段、そしてまた、説明も、本当は全都庁挙げてという話なんでしょうけど、ぜひ局を中心にご努力いただきたいと要望して、終わります。

○野上委員 意見表明だけでございます。
 十五年十月一日のディーゼル規制に間に合わせるためにPM減少装置を装着して、条例に適合するためには補助申請を受けて、交付決定を経て事業者が装置を発注し、装着するまで一カ月は必要です。したがって、規制開始から逆算して、先月の八月二十九日を締め切りとしたわけです。しかし、八月の二十六、二十七、二十八、二十九の四日間で約三千台の申請があって、まさに規制対応を進める事業者の申請が殺到している状況であったわけです。こうした状況を踏まえて、八月二十九日の都市・環境委員会の質疑の中で、PM減少装置の補助金受け付けについては、九月に、短期間でもいいので、再度受け付けを行っていただきたいということをお願いいたしました。そして答弁としては、ただいまご指摘のあった再度の受け付け期間の設定については、こうした受け付け状況などを十分勘案して検討していくとの自動車公害対策部長の答弁がございました。
 もう一つ、八都県市等の連携により、統一的な対応ということで、八都県市やメーカーに働きかけて、装置装着、納車等の支援に関する措置を早急に実施すべきであるとも質問いたしました。ディーゼル規制については、一都三県で同様の条例を制定し、八都県市の緊密な連携で推進してきており、全国の自治体にも周知や補助実施などの申請を行ってきました。遅延の取り扱いについては、八都県市やメーカーに働きかけを行い、早急に検討していくとの答弁がございました。九月十二日に粒子状物質減少装置補助金の申請の受け付け再開についての通知が出されて、今年度末の車に対しては、九月十六日から九月三十日まで行っていただく、そして、十六年一月一日から平成十六年三月三十一日までに規制対象となる車両は、平成十五年十月二十七日から平成十五年十一月二十八日まで申し込み期間の再開をしていただけるということになりました。
 これは、あくまでも条例を遵守する意思があり、新車または装置の発注を行ってあるにもかかわらず、事業者の責任によらない理由で規制適用期までに納車装着が間に合わない車両について、八都県市確認証明書を発行することになって、その証明書を備えつけた車両については、その有効期間内に限り、取り締まりや東京都との契約者に係る取り扱いにおいては、事情に配慮した特段の取り扱いをしていただくことに決定をいたしました。これで、残り三割の方々には駆け込みかもしれないのですけれども、ある程度の対応がなされるようになるのではないかと思っております。
 ディーゼル規制に関しては、環境局長を初め自動車公害対策部長さん、そして部局の方々の不眠不休ともいうべき日々の対応で、ご苦労が多かったのではないかと思っております。電話の対応や窓口でも、大変丁寧な対応がなされたとお聞きしております。これからも多種多様の苦難、苦情が降りかかってくると思いますけれども、いまだに新車の買いかえもDPFもつけられずに、そのままになっている方、そして廃業に追い込まれた方、そして全国展開しているところは、つけられない車は地方に持っていく。十月一日までの間に地方に持っていって、地方で使う、そういう対応をしているところが多いように聞いております。とにかく東京にきれいな空気を取り戻すことができるという環境局の使命ですか、これを果たしているという自覚のもとに、今後とも皆さん頑張っていただきたいと思います。
 以上でございます。

○樋口委員 環境局のご努力によって十月一日に向かって、ほぼ政治的にはディーゼル車の問題というのは決着しているかのように思っておりますものの、現場ではまださまざまな問題点があり、不安だとか不信だとか、そういう声が私どもに寄せられております。
 そこでお伺いさせていただきますが、現在どのくらいの納入時期を見込んでいらっしゃるのか、お答えください。

○中島参事 新車及び装置の需給状況についてでございますけれども、各メーカーから聴取いたしましたところでは、まず新車でございますけれども、ほとんどが十一月中に納車される予定でございます。
 また、PM減少装置につきましては、本年十二月末までには供給される見通しとなっております。

○樋口委員 先日、ブリヂストンの栃木工場が火災に遭い、タイヤが多量に焼失しました。規制直前に迫り、車両の買いかえや、粒子状物質減少装置への需要が集中したことから、納車や装着が間に合わない状況が懸念されております。タイヤの焼失によって、さらに納入時期がおくれることがあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○中島参事 私どもの方でブリヂストンの栃木工場で発生いたしました火災の影響につきまして、自動車メーカーに問い合わせをいたしました。その中では、一部のメーカーでございますけれども、特定のタイヤの供給がおくれるとのことでございます。しかしながら、これを他社のタイヤへの振りかえや、あるいはブリヂストンの他の工場からの供給を受けるなどいたしまして、各社ともその影響はほとんどないというふうに聞いております。

○樋口委員 千葉県議会において、罰則規定の適用を最大で一年半延期する旨、条例改正の動きもあるように聞いております。こうした足並みの乱れによってディーゼル車、東京の大気は一体どうなってしまうんでしょうか。東京では、いつまでにどれだけの空気中の粒子状物質の減少を、当初の数値目標も含めてお答えいただきたいと思います。

○山本自動車公害対策部長 先ほどもお答えいたしましたけれども、八都県市におきましては、この間、連携協力してディーゼル車規制に取り組んでおりまして、都知事初め、各県の知事も、ディーゼル車規制において実効性を確保するということで合意しているところでございます。千葉県が罰則を猶予したといたしましても、都内での取り締まりについては、徹底して行っていくことにしております。
 粒子状物質の排出量につきましては、危機突破・戦略プランにおきまして、平成六年度の四千二百トンから平成十七年度には六割削減いたしまして、千六百トンにするとしておりますけれども、現在、NOx・PM総量削減計画の策定に向けた作業を進めておりまして、その中で排出量の見直しを行っているところでございます。

○樋口委員 駆け込み需要がふえて、整備工場もディーラーも規制実施に向かって昼夜を問わず全力で取り組んでいらっしゃると思います。しかし、こうした売り手市場の中で、一部値引率が悪くなったり、頭金も、手形でなく現金で要求されるといったケースをよく耳にしております。八都県市で確認証明書を、要するに約束手形ですけれども、それを発行するということですが、証明を出す際に、手形での購入は発行できなくなったり、欲しくもないのに保険に勧誘されてしまったり、行きたくもないような会合に勧められたり、またオプションをつけなければ証明書を発行してもらえないだろうという不安があります。現在、売買についてどのような実態調査をしており、どのような声が苦情として寄せられているんでしょうか、それに対してどのように指導をされていらっしゃるんでしょうか、お願い申し上げます。

○山本自動車公害対策部長 都に寄せられている装置メーカーへの苦情といたしましては、装置の購入時に、全額で前金払いを要求された、そういったようなものがございます。これまで都は、装置メーカーに対しましては、事業者の負担軽減に配慮するよう随時協議いたしまして、改善を働きかけてまいりました。その結果、前金での全額支払いという苦情についても一定の是正が図られております。新車につきましては、特段の苦情は聞いておりませんけれども、メーカーの方とは、事業者の負担軽減に配慮した買いかえの促進などにつきまして定期的に協議し、取り組みの報告を聴取しているところでございます。今後、確認証明書の発行に当たりましても、こうしたメーカーとの協議の場を活用いたしまして、引き続き適切な対応を行うよう指導してまいります。

○樋口委員 正直者が不利益をこうむることなく、しっかりと調査をしていただきたいと思います。そして、困った方が相談できるような窓口がどこにあるのかというようなことも広報していただきたいと願っております。
 一方、こんな意見も実をいうとありまして、バスの営業所のところだとか、消防署などの近隣の方々から、ディーゼル車適合車だといわれても、エンジンをかけるとき物すごい真っ黒な煙が出ている。あれ、適合車じゃないんじゃないか、何か別の装置をつけているんじゃないか、そんなようなお声も私に寄せてきてくださる方がいらっしゃいます。もちろん随時その構造をお話しして納得していただいておりますけれども、こういった不安に対しても、ディーゼル車の事業者に直接の関係がないような方に対しても、広報をしていただけたらと願っております。
 また、一方で、スピードリミッターというものがトラックの大型車につけられるようになりました。そうしますと、都民の方にとっては、生鮮食料品を都内に持ってきていただくに当たって、鮮度が落ちてしまうんではないか。その鮮度を--回避するために、今まで大型車で運んでいたものを、小型車にして何度も、または何台もで運ぶようなことになって、結局大気が汚染されてしまうのではないか。また一方で、事業者の方としては、大型車に、せっかくディーゼル車適合車にかえたにもかかわらず、小型車の需要の方がふえてしまって、これが余り経済にいい影響がないような話も伺っております。ぜひこれからも現場の声をより一層聞いていただいて、現場に出向いた声なき声を局で取り上げていただきたいと思いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○かち委員 私からも、一五第一五号、ディーゼル車排ガス規制実施に関する請願に関連して、何点かお聞きしたいと思います。
 本請願の趣旨は、先ほど来出されていますように、長い長い不況下での中小零細の運送業者の実態から排ガス対策が非常に困難な状況であること、せっかく新車代替やDPFなどを発注しても、納期の大幅なおくれなどが指摘されています。そのことは、前回の当委員会でも大変議論になって、環境局としても努力をされて、八都県市という協調の中で新たな対策が提示されたところです。補助金の再開については、十二日の発表で、十六日からということで、ほとんど周知がまだされ切れていないというのが現状だと思うんですが、私も早速地元の代理店や整備会社にそのことをお知らせいたしました。そうしますと、今までは、もうどうしようもないということで両手を挙げていたような業者の皆さんにとって、少し希望が持てたというようなことで、大変喜ばれているのが現状です。そういう意味で、局としてとられた努力に対しては評価をしたいと思います。
 しかしながら、七月末時点で八万一千台が未対応車ということになっているわけですが、その後、二カ月もたつわけですけれども、どれだけそれからクリアできる見込みなのかという点では、先ほどからの質疑にもありましたけれども、私が素人なりに考えても、一カ月、二カ月で数万台がいってしまうというわけはないと思うんですね。仮に二万台、廃車も含めて対応できたとしても、あと数万台はどうしても残ってしまう。その人たちがどうなるのかといえば、廃業や倒産や、そういう生活と直結する問題や、景気に直接影響が与えられるという問題になると思うんですね。こういうことでは、さらなる努力が求められていると思います。
 そこで、十月一日に何らかの対応をしてなければ既にもう乗れなくなってしまう車、U-カテゴリー一、三、こういうところに属する車は、今いろいろなDPFの会社がありまして認定がされておりますけれども、実際にそれを当てはめていこうとすると、なかなか合うものがないというのが実態でもあるわけです。この間、暫時、次々と東京都は認定会社を公表してきたわけですけれども、実際今、東京都が認定しているDPFのうち、U-カテゴリーが対応できるメーカーというのは一体どれぐらいあって、どのぐらいの型式になっているんでしょうか。

○月川参事 現在、都は、DPFにつきまして十七社、二十二型式を指定しております。そのうち元年規制車、いわゆる型式記号U-に対応できる装置は、十五社、二十型式となっております。

○かち委員 十五社、二十二型式ということですけれども、私、九月十二日にインターネットで見た範囲では十一社しか数えられなかったんですね。そういう中でも、なかなか自分の車がどれに合うのかという点では、走り方の問題だとか、どのぐらいの排気があるだとか、そういうことで、そこに当てはまるという点ではかなり限定されてくる。そういうものを見つけていかなければならないという点で、十七社も、十五社も指定はしているんだよといっても、実際にはなかなか難しいというのが現状だろうというふうに思っております。
 八都県市で納期が間に合わないものについては確認証明書を発行することになりましたけれども、これも先ほどの質疑の中で、新車については十一月中に何とかなるだろう。PMについては、十二月までに何とかなるという見通しを持たれて、最大十二月末までというふうにお聞きしているわけですけれども、私はこの十一社についてちょっと聞いてみたんですね。一体、今発注したらいつまでにつけられますかということで聞いてみましたら、一つの会社は、これは輸入品を扱っていますので、今発注しても四カ月はかかりますよというふうにいわれたものもありました。そのほか、大体二カ月ぐらいというような答えが多かったんですけれども、そういうものもあるということと、代理店では、普通は八月、九月に相当新車の購入が殺到しているということ、それから先ほどのブリヂストンタイヤの火災などの影響もあって、トヨタなどのメーカーは増産を頭打ちにしているというようなこともあって、間に合わないという予想がかなり出ているんですね。十二月ではとても無理だ。一月いっぱいなら何とかなるだろうというようなお話でありました。メーカーの事情によって間に合わない場合は、それを配慮するというようなふうに読み取れているんですけれども、これは実際、十二月末まででは到底間に合わない、こういう問題については、その事情に配慮した延期の対応というのはされるのでしょうか。

○山本自動車公害対策部長 私どもがメーカーから聴したところでは、先ほどもお答えいたしましたとおり、新車については十一月中、装置については十二月末までに供給されるという見通しになってございます。今ございました今後の需給状況によりまして、十二月末までに納車や装置装着ができない場合の取り扱いにつきましては、実態を見まして個別に協議していくことにしてございます。

○かち委員 ぜひ大もとのメーカーだけではなくて、実際に取りつけている整備工場だとか、そういうまちの実態の中でどうなのかということをぜひ勘案して対処していただきたいというふうに思います。
 八都県市が足並みをそろえて対応するということで、都もかなり努力をされてきたと思いますが、新聞報道などで、千葉県の方ではかなり規制をおくらせるというような動きもあったようですけれども、私はこれは論外だというふうに思うんですね。千葉県は、国の補助制度にのっとって、協調補助ということで六千八百台の予算を組んであったんですが、国が六月十一日に打ち切ってしまったと同時に、協調補助だということで、千葉県自身も予算を三百台分ぐらい余らしたまま打ち切ってしまったという経過があるわけですね。私は、罰則を強化することだけがすべてだとは当然思っておりません。いかに当該の事業者さんが環境基準を本当にクリアできる状況をつくっていくかということを、行政としてどう支援していくかということであり、何も努力しないまま期限だけ先延ばしをしても、何も解決をしない問題だというふうに思っております。
 さっき、本当に寝ずの勢いで頑張っているというお話がありました。とにかく整備工場などでも本当に殺到している状況だというふうに思うんですけれども、今、急げや急げということで、ただ取りつけることにだけ集中している中で、本来のおくれを出さない状況をちゃんとキープできるかどうか、そして安全性はどうなのかということが、今、大変危惧されているんです。この間に、DPFの関連でのトラブルや事故、そういうことがどのぐらい報告されているんでしょうか。また、その原因というのは、どういう状況になっているのかわかりますでしょうか。

○月川参事 PM減少装置の指定につきましては、性能を示しますPM減少率のほか、信頼性、耐久性、安全性につきまして、試験や実走行等のデータを踏まえまして、専門家から成ります指定審査会で十分検討を行っております。装置のトラブルが発生した場合には、装置メーカーが直ちに対応し、指定要綱によりまして都に速やかに報告することになっております。現在までに三十三件の報告がございます。その内容につきましては、初期トラブルと考えられるもの、製造上の不良が要因であるもの、取りつけ時の不良が要因であるものなどに大別されます。
 なお、これらのトラブルにつきましては、現在対応中であります一件を除きまして、すべて対策済みとなっております。

○かち委員 報告されているものだけでも三十三件ということですが、実際には、私はもっともっと多いんじゃないかなというふうに思います。今のご説明だけではどういう内容なのかというのは定かでありませんし、一体どういう種類のメーカーが多いのかとかいうようなことも、もっともっと細かく分析をする必要があるというふうに思うんですね。
 私がちまたで聞いている分だけでも、マフラーから火が出ているとか、エンジンが焦げついてしまっただとか、そんな話も聞いているわけです。先ほども、マル適マークがついているのに黒煙が出ているのはどうしてかというようなお話もありましたけれども、これも現実問題としてある事態だというふうに思うんですね。こういう中で出てきたのがバイパス装置の問題なんです。これは、何のためについているのか。そして、これはすべての機種についているものなのでしょうか。

○月川参事 DPFには、安全対策といたしまして、警報装置、バイパス機能がついておりますけれども、その一つのバイパス機能につきましては、これまで審査会におきまして、装置の構造上、主として装置故障に起因したエンジントラブルを防止するため、あるいはエンジントラブルが発生した場合の装置故障を防止するためという目的がある場合としております。
 なお、バイパス機能を持つ装置は、指定しているDPF十七社、二十二型式のうち、五社、八型式でございます。

○かち委員 十七社のうち五社についてだけ認めているということなんですけれども、今のお話にもありましたように、非常に安全性との関係で大変重要なかかわりのある問題だと思うんですが、バイパスについての指定基準、指定要綱、そういうものを見せていただいても、バイパスについての記述、指定要綱みたいなものは何も書かれていないんですね。私は、最初からバイパス問題について想定されてやられてきたことではなくて、いろんなトラブルの発生の中からそういう対処をされたのではないかなというふうにさえ思わざるを得ないわけです。バイパスというのは、要するにすすがたまってフィルターが機能しなくなった場合に警報装置が発信して、そのまま走っていると詰まってしまうので、自動的にバイパスにエアが通って、フィルターを通らないで排気されるという仕組みだというふうに聞いたんですね。
 そうなった場合は、あとどうするかということですけれども、そうなったらフィルターも機能していないわけですから、修理会社に持っていって、洗浄するなり、フィルターを交換するなり、そういうことをしなければならないわけですよ。普通はメンテナンスということで、最低でも六カ月とか一年に一回とかフィルター交換というのがあるんですけれども、それ以前にそういうことも起き得る可能性があるというわけですね。もともとできた車につけるものですから、いろんな矛盾や問題点を抱えながらの対応なんですけれども、いろんな車に合わせたものとして取りつけたとしても、道路事情というのはそれに合ってはいないわけです。長距離トラックが必ずしも高速道路ばかり走っているわけではなくて、都心の集中した渋滞に巻き込まれることもある。そういうときに排気が詰まってしまう可能性があるということだと思うんですけれども、そういうことで火を噴くとか、そういうことがあっては絶対ならないことだと思うんですね。
 その前の処置というのがどうしても必要だと思うんですけれども、これが、暗に簡単にバイパス装置をつくってもいいということを認めてしまうということが、結局、今でさえ、マル適マークでDPFはつけたけれども、実際に目詰まりをしてバイパスで排気せざるを得ない状況になった。しかし、取りつけるには整備会社に持っていかなければならない。しかし、時間がないとか、何とかかんとかといって、そのまま走り続けている車も現にあるというふうに私は聞いております。
 こんなことがあるということは、せっかくみんなが、本当に大変な思いをして装置装着ということを進めてきたにもかかわらず、その本来の目的を果たしていないまま放置される。そして、そのことが環境改善につながらないということになったら、元も子もない話だと思うんです。
 そういう意味では、つけている会社とつけていない会社、メーカーがあるということ自身が、私は問題だと思うんですね。まずバイパスなどというシステムではなくて、危ないですよという警報装置がつくようになって、ついたら、それで対処するという仕組みを徹底させない限り、こういうような思わぬ悪用というか、そういうことに道を開くことになってしまうんじゃないかと思うんです。そういう意味で、バイパスについての適用基準というのはどういうふうになっているんでしょうか。

○月川参事 DPFを指定する場合につきましては、場合によりましては条件を付す場合がございます。高速走行を条件にする場合、その場合におきましても、先ほど先生がおっしゃいましたように、道路事情によりまして低速走行になってしまう、そういうことが考えられますので、安全対策というものは必要でございます。その安全対策の一つといたしましてバイパス機能というものがございますけれども、審査会におきましては、バイパス機能を設ける場合、ユーザーが直接操作できないこと、バイパスが作動中には運転室に警報を発するなどして運転者に異常を伝え、点検整備を促すという要件を必ず満たすことを条件といたしまして、さらに、その機構や作動条件等を十分審査した上で認めております。また、指定しているDPFは、定期的に点検整備が必要であるということを考えますと、バイパスをあけて走行するということは、そのような悪用される可能性は極めて少ないというふうに考えております。

○かち委員 あるメーカーは、一、二、三、四、五、すべてのカテゴリーに対応できて、それでメンテナンスフリーだというようなことで売りにしているメーカーもあるんですね。そういうことになっている会社が、バイパスがついているわけですよ。自分では操作できないときに、自動的にバイパスがあいてしまうわけですよ。だから、自分がやらないで、とにかくあけっ放しで走るということがあり得るということ、そこの防止対策がとられていないということが問題だといっているんです。ですから、バイパスをつけなければ危険性があるような、そういう装置を認定するということ自身が私は問題ではないかと思いますので、その辺は審査会においても十分に検討していただきたいというふうに思います。
 かねてから申し上げてきていることですけれども、もうすぐに来るNOx・PM規制ですね、国の規制が一年ないし二年半に来るわけですけれども、今までずっとそれに対応できる使用過程車というものが開発されていなかったんですけれども、急遽というか九月の半ばになってから、水エマルジョン方式のNOx・PM減少後づけ装置というのが認可をされました。しかし、これは一年も前に自動車技術展などで展示をされていたものですね。私どももこれに大変興味を持ちまして、こういうことがあるではないかということで、国や専門家の意見もいろいろ聞いてきたんですけれども、これは水を使うから、風が吹くからだめですよ、使い物になりませんよというようなことが一斉に返ってきたものだったんですね。
 それが、どういうことが改善されてこれが認められることになったのかという、その過程も余り定かではなくて、何か規制直前になって、一つもそういう対応車がないというのはまずいということなのかわかりませんけれども、こういうものが認定をされた第一号ということですけれども、これも極めて限定品でありまして、一つの型式の車で、しかも八百台という限定つき、半年間、これでモデル実験をやって何も問題がなければ、機種の規制を開放しましょうというような話なんですけれども、こういうことをやるならば、なぜもっと早くそういうことをやって、十月からの規制にもっと対応できる状況をつくってこなかったのかなというふうに本当に思うんです。これが、東京都では認定メーカーの一つになっているんですけれども、これは都の基準をクリアしているということになるんでしょうか。

○月川参事 都は、既に平成十四年九月に株式会社エス・アンド・エスエンジニアリング製のDPFをPM減少装置として指定しております。これをもとにいたしまして、国の窒素酸化物または粒子状物質を低減させる装置の性能評価制度にこの会社の方で申請し、今月認定されたものでございます。都が指定した時点から、装置の改善のために部品の変更があったと聞いております。これにつきましては、会社に詳細な報告を求めているところでございます。
 都の基準に合致しているものなのかどうかにつきましては、この報告に基づいて検討したいというふうに考えております。

○かち委員 認定をされたけれども、まだまだいろいろ課題はあるということだと思います。これは水と乳化剤を使うということになっているわけですけれども、その乳化剤がどういうものを使っているのかということは、企業秘密ということで明らかにされていないんですが、そういうものが人体や環境にどういう影響を与えるか、そういう点も見きわめた上で対応していただきたいというふうに思います。
 けさテレビで見たんですけれども、八都県市の規制を前に、新車登録から七年の中古車はもう使えなくなるということで、中古販売が今大盛況ということですね。通常の一・六倍の売り上げだということですが、これが日本国内の規制地域外でまた走るわけですよね。総体こういうことが本当に環境改善になるのかなという点では、大変複雑な思いで見ました。
 いずれにしても、条例施行によって廃業や倒産に追い込まれる中小業者や、仕事を奪われ自殺に追い込まれるような人を出さないように、都としても引き続き最大の努力をしていただきたいということを求めて質問を終わります。

○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中、第三項及び第四項は、いずれも趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、請願一五第一五号中、第三項及び第四項は、いずれも趣旨採択と決定いたしました。

○林委員長 次に、一五第二一号、使い捨てプラスチック容器の減量を求める意見書の提出に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○福永廃棄物対策部長 資料8の三ページをごらん願います。整理番号2、一五第二一号、使い捨てプラスチック容器の減量を求める意見書の提出に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、東久留米市の寺田多計至さんでございます。
 陳情の要旨は、未来の子どもたちのために、地球の貴重な資源をむだに使い、環境汚染の原因となる使い捨てプラスチック容器の減量に努力するよう、内閣総理大臣及び環境大臣に対し、意見書を提出していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。都は、平成十四年一月に策定いたしました東京都廃棄物処理計画において、循環型社会への変革を基本理念に掲げ、廃棄物の発生抑制、リサイクル、適正処理の一層の推進を図ることといたしております。
 容器包装廃棄物の発生抑制を促進するためには、拡大生産者責任の考え方に基づき、製造事業者等に容器包装廃棄物のリサイクルの責任を負わせることが重要でございます。しかしながら、現行の容器包装リサイクル法では、製造事業者等の負担が少ないため、容器包装廃棄物の発生抑制が促進されません。このため、都は、容器包装リサイクル法の見直しを国に提案要求しております。
 また、都議会においても、平成十二年十月に、リユースを拡大する措置を講じることを含めた容器包装リサイクルに関する意見書を、衆参両院議長、内閣総理大臣及び環境庁長官を含めた関係各大臣あてに提出していただいております。
 なお、廃プラスチックの発生抑制、リサイクルの促進については、平成十五年六月に東京都廃棄物審議会に諮問いたしておりまして、現在、同審議会において審議が進められているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○清水委員 国の仕組みの中で、循環型社会形成推進基本法などが、この間、一連の法制定、法改正などが行われてきているわけですけれども、発生抑制やリサイクルというのは、どのような位置づけがされてきているのでしょうか。

○福永廃棄物対策部長 平成十二年に制定されました循環型社会形成推進基本法では、廃棄物等の発生抑制を最優先とし、次いで再使用、再生利用、熱回収、処分の順で、循環的利用または適正な処分が行われなければならないとの基本原則が定められております。
 また、今回の陳情の使い捨てプラスチック容器は、平成七年に制定されました容器包装リサイクル法の対象物でございまして、この法律では、自治体による容器包装廃棄物の分別収集、事業者による再商品化の仕組みが定められております。

○清水委員 それでは、今回の陳情にあるような、ペットボトル、そしてまた缶など、容器包装リサイクル法の対象物になっているそれらの消費量や生産量というのは、この間どのような推移になっているでしょうか。

○福永廃棄物対策部長 平成十三年における国内のスチール缶の消費量でございますが、百六万トンであり、容器包装リサイクル法が施行されました平成九年に比較いたしますと、二二%の減となっております。他方、アルミ缶の消費量でございますけれども、平成十三年は二十八万トンでございまして、平成九年に比べますと、三%の増となっております。また、ペットボトルの生産量でございますけれども、平成十三年は四十万トンでございまして、八四%の増となっております。
 また、リサイクルの状況でございますが、平成十三年におけるスチール缶の再資源化率は八五%、アルミ缶の再資源化率は八三%に達しております。ペットボトルの回収率も、平成十一年に二三%、平成十二年に三五%、平成十三年には四〇%と、急速に上昇してきております。

○清水委員 これらの容器は、消費量、生産量というものが非常にポイントだと思うんですけれども、今ご説明がありましたように、ペットボトルやアルミ缶に見られるように、使い捨て容器というのは減少していないわけです。確かに出せば回収して再資源化をするわけなんですが、特に今ご説明のありましたペットボトルは、この四年間をとってみても、八四%増というご説明がありましたように、非常に増加しているわけです。ちまたを見ましても、皆さんそういうふうに感じているわけですけれども、その原因をどのようにとらえているのでしょうか。そして、特にペットボトルに対しては、業界との取り決めというのがあって抑制されてきたはずだと思いますが、どうでしょうか。

○福永廃棄物対策部長 ペットボトルの生産量が大幅に増加しておりますのは、消費者のライフスタイルが変化をいたしまして、軽くて持ち運びが容易な容器が好まれるようになってきたということが一つでございまして、また、平成九年四月から施行されました容器包装リサイクル法では、分別収集を行う区市町村の負担が大変大きく、その結果、事業者のコスト負担が小さいという仕組みになってございまして、事業者に使い捨て容器の削減のインセンティブが働かないということも、増加に歯どめがかからない原因であるというふうに認識しております。
 また、先ほど質問の小型のペットボトルの件だと思いますけれども、都が自粛規制を行っておりました一リットル未満の小型のペットボトルにつきましては、平成八年の四月に飲料メーカーの方が使用自粛を解除いたしましたということも、小型のペットボトルが増加した一因でもございます。

○清水委員 先ほどご説明があったように、容器包装リサイクル法というのは平成七年に制定されているわけですけれども、循環型社会形成推進基本法というのは十二年に制定されたわけです。先ほど説明がありましたように、ごみの処理やリサイクルの取り組みの優先順位ということで都が出しているハンドブックにもあるように、一番が発生抑制、先ほど説明されました。二番が再使用、三番が再生利用、その中には資源の回収や再生品の利用、四番が熱回収、五番が適正処分ということで、まず発生抑制をし、そして使った場合には再使用をし、それでも残る場合には再生利用をし、それでも残る場合は処理するという順番に、平成十二年に国の法律でなっているわけです。そしてまた、十二年に都議会としても、先ほどご説明がありましたように意見書を出しているわけです。
 ところが、今、現実を見ると、ペットボトルの大量消費、大量生産というのが続いているわけですね。確かに消費者のライフスタイルの変化といわれれば、重い物を持つよりは軽い物の方がいいというふうには、今そんなような状況にはなっているわけですけれども、しかし、それ自身は、この仕組み自身が精神に反しているということだと思うんです。それで今回の陳情が出されてきているというふうに思うわけですね。今、国では、容器包装リサイクルについての見直しがされようとしているというふうに聞いているのですけども、どのように受けとめているでしょうか。

○福永廃棄物対策部長 国は、本年三月に定めました循環型社会形成推進基本計画において、平成十七年度から容器包装リサイクル法の評価、検討に入るとのスケジュールを示しているにすぎません。
 これに対しまして東京都では、容器包装リサイクル法制定当時、平成七年でございますけれども、制定当時から使い捨てプラスチック容器のみならず、容器包装全般につきまして区市町村の過度の負担を軽減し、発生抑制やリユースを促進するため、事業者に回収義務を課すなど、収集運搬や保管の経費負担と役割分担を見直すよう、国に提案、要求してきております。
 また、都議会におかれましても、平成十二年十月にリユースを拡大する措置を講じることを含めた容器包装リサイクルに関する意見書を、衆参両院議長、内閣総理大臣及び関係各大臣あてに提出をしていただいてきております。今後とも、国に対し法の見直しを求めてまいりたいと考えております。

○清水委員 市町村の十六年度における東京都への要望の中にも、ペットボトルについては需要が加速度的に拡大し、市町村の分別収集に過大な負担となっていることから、事業者責任による自主回収システムの確立など、引き続き国、業界団体へ強く要請されたいというふうに要望しております。また、ことしの五月に、参議院行政監視委員会で我が党の岩佐議員が、容器包装リサイクル法の政策評価ということで、生産者の責任を明確にする同法の改正を求めています。それによると、全国的にもごみ量が、ペットボトルが大変増加をしているということで、経済産業大臣は、法律の趣旨に照らしてより効果が上がるように検討しなければならないというふうに答えております。十七年度から検討に入るということでは、これを促進させる、もっと早期に取り組むということが、十二年に都議会から出した意見書を実現する上でも、それが大事だというふうに思うんです。
 消費者のライフスタイルといっていますが、最初のうちは、ペットボトルの小さいのが出回っているうちは、学校でも、自分の子どもには水筒を持っていくというようなことで、それが多数だったわけですけれども、でも、今のだんだんふえてくる中では、水筒という、従来一番資源を有効に使う手だてであることがわかっていながら、やはり出回っていると、それに流されてしまうということでは、本当に子どもの教育の面からでも、日ごろ見ていて、自分も経験しているわけです。やはりこれを本当に減らしていく上で、法律の改正というものを促進する上でも、都議会が改めて意見書を出すということは非常に重要だというふうに思いますので、この陳情には賛成をしたいというふうに思います。

○林委員長 ほかに発言がなければ、陳情一五第二一号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○林委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一五第二一号は不採択と決定いたしました。

○林委員長 一五第三一号、鳥獣保護区等位置図の公開に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○徳毛自然環境部長 資料8の四ページをごらんください。整理番号3、一五第三一号の鳥獣保護区等位置図の公開に関する陳情についてご説明申し上げます。
 この陳情は、町田市の石附和己さんからのものでございます。
 陳情の趣旨は、東京都鳥獣保護区等位置図について、一、一般市民に対して有償頒布をすること、二、インターネットによるオンライン公開をすること、三、東京都交付の全狩猟免許保持者に対して無償頒布をすることというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。都では、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則第六十八条に基づき、狩猟免許保持者が東京都で狩猟者登録をする際、登録者に対して東京都鳥獣保護区等位置図を交付しております。
 東京都鳥獣保護区等位置図については、これまでも広く情報を公開するため、都民情報ルームでの無償貸し出しを行っております。また、平成十五年九月一日より有償頒布を行うとともに、東京都環境局ホームページにおいても公開しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議いただきますようお願いいたします。

○林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中、第一項及び第二項は、いずれも採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第三一号中、第一項及び第二項は、いずれも採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 環境局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十七分散会

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