委員長 | 林 知二君 |
副委員長 | 真鍋よしゆき君 |
理事 | 野上じゅん子君 |
理事 | いなば真一君 |
理事 | こいそ 明君 |
清水ひで子君 | |
大河原雅子君 | |
山田 忠昭君 | |
かち佳代子君 | |
樋口ゆうこ君 | |
大塚 隆朗君 | |
林田 武君 | |
新藤 義彦君 |
欠席委員 一名
出席説明員都市計画局 | 局長 | 勝田 三良君 |
次長 | 藤井 浩二君 | |
技監 | 梶山 修君 | |
総務部長 | 村松 満君 | |
都市づくり政策部長 | 森下 尚治君 | |
都市づくり調整担当部長 | 南雲 栄一君 | |
参事 | 金子 敏夫君 | |
都市基盤部長 | 山崎 俊一君 | |
外かく環状道路担当部長 | 道家 孝行君 | |
参事 | 宮川 昭君 | |
都市防災部長 | 成田 隆一君 | |
市街地建築部長 | 野本 孝三君 | |
環境局 | 局長 | 小池 正臣君 |
総務部長 | 西野 和雄君 | |
企画担当部長 | 梶原 秀起君 | |
都市地球環境部長 | 百合 一郎君 | |
環境改善部長 | 松葉 邦雄君 | |
参事 | 柿沼 潤一君 | |
自動車公害対策部長 | 山本 憲一君 | |
参事 | 月川 憲次君 | |
参事 | 中島 博君 | |
自然環境部長 | 徳毛 宰君 | |
廃棄物対策部長 | 福永 富夫君 | |
参事 | 松本 保幸君 | |
環境科学研究所次長 | 宮本 孝君 |
本日の会議に付した事件
都市計画局関係
報告事項(説明・質疑)
・第百五十九回東京都都市計画審議会付議予定案件について
環境局関係
報告事項(説明・質疑)
・ディーゼル車規制の状況について
○林委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市計画局関係並びに環境局関係の報告事項に対する説明聴取と質疑を行います。
これより都市計画局関係に入ります。
第百五十九回東京都都市計画審議会付議予定案件について、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○勝田都市計画局長 本日は、来る十月十四日に開催を予定しております第百五十九回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明を申し上げます。
今回、東京都決定案件が全部で十二件でございまして、その内訳は区部で十件、市町村部で二件でございます。本日は、これらのうち主な案件といたしまして、新たな防火規制の区域指定に伴う用途地域の変更と東京都市計画都市高速鉄道東京急行電鉄東横線の環境影響評価書案の概要につきましてご説明を申し上げます。
それでは、引き続き担当部長から説明を申し上げますので、よろしくお願いいたします。
○森下都市づくり政策部長 私の方から、新たな防火規制の区域指定に伴います用途地域の変更についてご報告申し上げます。
お手元資料の白表紙の提案事項概要、この冊子でございます。こちらと、茶表紙の同じく事前説明会資料に基づきましてご説明申し上げます。
白表紙、提案事項概要の三ページをお開きください。同じく茶表紙も三ページ、図面集でございますけれども、お開きください。
ナンバー1でございますけれども、東京都市計画用途地域の変更という案件でございまして、この地域は、墨田区の北部、おおむね浅草通りの北側でございまして、隅田川と荒川、旧中川に囲まれた地域でございます。この地域は、都市基盤が脆弱な木造密集市街地が多く、防災上も多くの課題を抱えている地域でございます。墨田区では、木造密集市街地の防災性能の向上が都市づくりの最重要の課題となっておりまして、これまでも各種の防災まちづくりを進めてきたところでございます。
そして、このたびでございますけれども、東京都建築安全条例の改正によりまして、すべての建築物を準耐火建築物以上の安全な建物としていくという新たな防火規制の制度がつくられました。この制度に基づきまして、本地域につきましても新たな防火規制の区域指定をするということになりました。これにあわせまして、建ぺい率を緩和することにより、密集市街地の防災性の向上を図っていくというものでございます。
図面集の四ページ以下に用途地域の変更について書いてございますけれども、新たな防火規制の指定区域が五百三十七・七ヘクタールでございますけれども、そのうち現在六〇%の建ぺい率が指定されています準工業地域、約三百十三・五ヘクタールにつきまして、建ぺい率八〇%に変更するものでございます。六〇を八〇に緩和するというものでございます。
続いて、同じような案件でナンバー2でございますけれども、白表紙の方は四ページから、図面集の方は九ページからでございますけれども、同じく東京都市計画用途地域の変更で、荒川区の案件でございます。
この地域は、おおむね荒川と常磐線に囲まれました荒川区の面積の五分の二ほどを占める区域でございます。この地域も木造住宅等が密集しまして、地震災害時における危険度が高い地域でございます。こうしたことから、墨田区の案件と同様に、新たな防火規制の区域指定とあわせて、建てかえを促進するために建ぺい率の見直しを行うというものでございます。
図面の一〇ページ以下に用途の変更が書いてございますけれども、第一種住居地域であるとか、準工業地域の面積約三百五十三・五ヘクタールにつきまして、建ぺい率六〇を建ぺい率八〇%に変更するものでございます。
以上でございます。
○山崎都市基盤部長 私の方からは東京急行電鉄東横線についてご説明させていただきます。
本件につきましては、渋谷の駅から代官山の間を地下化し、渋谷の駅で営団十三号線と相互直通運転をする、こういう内容のものでございます。
今回は、いわゆるアセスの前合わせに当たるものでございまして、環境影響評価を行った後に都市計画審議会に付議する予定になってございます。
白表紙の五一ページ、茶表紙の七三ページからごらんいただければと思っております。
本案は、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号において位置づけられたものでございます。ただいま申したように、渋谷駅で営団十三号線と相互直通運転を行うことによりまして、池袋駅で営団十三号線と相互直通運転を行います東武鉄道の東上線、西武鉄道の池袋線、さらには横浜駅で東急東横線と相互直通運転を行いますみなとみらい21線、この五路線全体のネットワークが完成することになるものでございます。
本件については、平成十四年十一月に素案の説明会を行ったところでございます。
また、これに先立ちまして、営団十三号線におきましては、相互直通運転が可能となるよう、平成十四年二月に、渋谷駅と新宿三丁目駅の間の都市計画の変更を行いまして、現在、平成十九年度の開業に向けて整備を進めているところでございます。
茶表紙の七三ページに計画図と参考図を載せてございます。明治通りの下に新しい駅をつくりまして、そこを起点に明治通りの地下を通りまして、渋谷川の下を横断し、現在の東横線の下を通過し、既設の代官山の駅付近で地表に出て、現在の東横線と接続する、こういう計画になっております。代官山の駅では、ホームの一部を下げる工事を行うことになります。このことによりまして、渋谷区画街路第一号線を高架から平面に変更する、こういう内容でございます。
本事業は東急電鉄が行いまして、二十四年度の開業を予定しております。
次に、環境影響評価書案でございますが、お手元にお配りしております環境影響評価書案の概要二枚つづりをごらんいただければと思います。
そこに示しますように、本事業の実施により、環境に影響を及ぼすおそれのある項目について、調査、予測を行っております。その結果でございますけれども、規制値が定められております環境要素につきましては、それらとの整合が図られ、都市計画の決定を行う上で支障ないとしてございます。
以上でございます。
○林委員長 説明は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○こいそ委員 それでは、ただいま提案されましたナンバー5、多摩都市計画用途地域の変更について、何点かお伺いしたいと思います。
今回、この地域、すなわち若葉台地区でありますけれども、東京都が策定した多摩の心しん、ただいま核都市という名称になっておりますけれども、育成整備計画が図られてくるということでありましたが、当初、この地区に対する都市計画の観点で、多摩の心しん並びに業務核都市の育成整備をどのように図っていこうか、こういうことがどのような手法でもって具体的に行われてきたのか。そこで、今回、地区計画を策定した用途地域を変更することになっておりますけれども、地区計画や指定する用途地域では、商業・業務施設誘致についてどのような誘導策がこの中でなされているのか、配慮というんですか、これらのことがどうなのか、お伺いしたいと思います。
○森下都市づくり政策部長 多摩の用途地域のナンバー5、茶表紙のもので二五ページの箇所でございますけれども、多摩の心しんの育成整備計画では、委員ご指摘のように、若葉台駅の周辺につきましては、業務・商業・市街地地区いうことに位置づけられておりまして、また、稲城市の都市計画マスタープランにおきましても複合機能誘導地というふうな位置づけをされております。
今回の用途地域を変更いたします区域については、この業務・商業・市街地地区に隣接しておりまして、用途地域の変更では地区計画を作成した上で、土地利用の方針としまして、沿道地区のAにつきましては若葉台センター地区に近接する立地特性というのも生かしまして、業務・商業機能、あるいは生活サービス機能の立地誘導を図るとしております。また、沿道地区のBにつきましては、幹線道路に面する立地特性を生かしまして、近隣住宅の利便施設及び居住機能の立地誘導を図るとしております。そのような位置づけを踏まえまして、用途地域としましては、現在、この地域は第一種低層住居専用地域でございまして、店舗とか事務所というのは立地が規制されております。それに対しまして、三千平方メートル以下まででございますけれども、店舗や事務所の立地可能であるような、第一種住居地域に変更いたします。また、あわせて容積率も六五・二〇〇%に変更するということで、商業とか業務機能の誘導に努めるということでございます。
○こいそ委員 前段についての問いに対して、もう少し具体的に教えていただきたいと思います。
いずれにしましても、土地利用の方針、用途の種類や容積率では相当規模の店舗や事務所立地を可能とするとなっているようでありますけれども、これだけでは商業・業務施設、また、企業誘致が図れていくとはとても思えない部分があるんですね。より具体的な施策は当然必要になってくるのではないのかと思います。実態として共同住宅の建設も可能であり、事業者である都市基盤整備公団は土地を売ることがとにもかくにも先決であることは我々も認識しているわけでありますけれども、マンション業者に売り、結局、共同住宅、マンションになってしまうのではないか、こういうようなことも思うんですが、このあたりはどうなんでありましょうか。
そしてまた、現実、ご案内のように、とりわけ若葉台の北側ですね。これは新住区域の三住区が展開しているところでありますけれども、とりわけ商業・業務施設の誘致を図っていくんだということで、多摩の心しん、これは前の都環委員会で、私も相当議論させてもらった経緯があるんですね。当時、勝田局長は部長だったんですね。これは相当議論した。しっかりとした育成整備を図っていくんだ、こういわれましたね。現実に今どうなっているんですか。
もう一点、いわせていただければ--まあ、いいや。そのあたりはどうでしょうか。局長にお願いしますよ。
○勝田都市計画局長 当時、こいそ委員の方からいろいろ現場を踏まえたご質問をいただいたというのをよく記憶しております。その当時は、私も現場へ行きまして、まだ造成が始まったところということで、現場そのものはほとんど姿をあらわしていない、こういう状況でございました。現在は住宅棟が中心でございますけれども、宅地造成はほぼ完了して、駅前の広場等々、基盤はできておりました。少し駅から離れたところの住宅棟が相当できて、一部商業施設がオープンしている、こういうことでございます。
当時の議論の中でも、当時は多摩の心しんのいわばサブコアというようなことで、若葉台を将来性のある地区として位置づけして整備していこう、こういうことでございました。現在、見ますと、その当時の意気込みから感じますと、十分に成熟したというふうにはまだまだいえない。まだ発展途上というようなことかなというふうに思っておりますけれども、今後、いろいろ工夫を重ねて、より充実したまちづくりを継続して進めていきたいというふうに考えております。
○こいそ委員 ぜひそのようなとらえ方で育成整備を進めていただきたいと思うんですが、現状として、もはや立地の余地ということはないですね。まだ業務系施設もありますけれども、マンション群がやたらめったら、公団はともかく買ってくれればいいので、まちづくりもへったくれもない。
要するに、名前も今度は都市基盤整備公団となったけれども、実際上、若葉台の南側の大規模な公団の開発のための指定があったのではないか。であるのなら、北側の開発は、開発というか育成整備は、しっかりと東京都--ご案内のように、南は川崎市ですよ。駅舎そのものも川崎なんだから。何ゆえに誘導策をかけていくのか。これは一つの広域行政体としての東京都が担う役割の一つだと認識はしておりましたけど、しかし、少なくとも北側は公団用地だ。南側は大規模な公団の開発をしている。そうすると、主導は、現在の都市基盤整備公団ですよ。そういうことにならないように、やっぱり方向性が若干変わってくる。開発の速度が落ちる。大幅にUターンしてしまう。こういうことがないように、北側は、多摩の心しんとして核として位置づけがあったわけですから、しっかりした議論もなされた中でされたわけですからね。期待もしました。ところが、ご案内のように、ともかくマンション、マンション、マンション、マンション。いろいろな広告も半端じゃないぐらい、数が物すごい。あそこ、駅から見てても、電車の中から見てても。この上、あのまちをどうするんだ。そうじゃなくて、商業・業務、地元市も業務系をしっかりとお願いしますよ、業務系が誘導できるようなことをしてくださいよと。ところが、公団はそれだけのあれはないですよ。やる気も全くないし、はっきりいって体力もない。そうなってくると、残されたまちづくり誘導策は、はっきりいって東京都の都市計画です。だって、自分らで線を引っ張ったんだから。自分らで落とし込んだんじゃないですか。それが黙って腕を組んでいれば、これはずっとマンションだ。
こういう状況を、造成は終わりましたよと。造成が終わったら、その後できていくんでしょう。これという、地元に雇用も行財政上寄与する企業施設も、いまだかつて、私が見た感じではないと思うんですよ。二十四時間のコンビニもあるし、日曜大工のセンターができているけどね。あと、実際何をやるんですか。そして、またもって、今回、このような形で、地区計画をかけたけど、これは駅至近ですね。こういうところまでもドミノで、公団が売らんがため、売りやすいがため、こういう形で計画がどんどん塗りかわってくるということは、東京都の都市計画、東京全体の、まさしく都市計画局というのは、府県行政という立場、広域行政体としての東京都がやるべき役割があるじゃないですか。そういうのはこれからどうするんですか、教えてください。
○森下都市づくり政策部長 全体的な業務の誘導ということも、全体の姿勢として持っていくということをやってまいりますけれども、今回のこの案件につきまして追加でご説明申し上げますけれども、今回、低層住居の専用地域から業務の可能な住居系の第一種住居地域に変更するということと同時に、公団が分譲する際には、募集要領とか、建設指針というものを定めることになっておりますけれども、この際に、公団と市が協議することになっておりまして、沿道地区のA、Bにつきましては、その指針の中で共同住宅の建設については制限するという予定になっております。
また、あわせて、単純に土地を分譲するというだけではなくて、事業用の借地などという方法も視野に入れました企業誘致の検討を行っていきたい、そういうようなことを聞いておりまして、個々のこういう計画の案件につきましては都市計画的な誘導も図っていきたいと考えているところでございます。
○こいそ委員 いずれにしても、マンションだけではないんだというような今の部長のご答弁かなというふうに思いますけれども、しかし、かといって、制限は予定されているというけれども、容積率も緩和されていますね。実際上として、マンションができない理由が見当たらなくなってくると思うんですよ。低層から容積も緩和されてきたわけですからね。ですから、一応、制限はしているんだ、あくまでも予定なんだよ、マンション、共同住宅を建てない予定なんだけども、できちゃったらしようがないじゃないか、こういう話じゃないと思うね。それだったら、しっかりやってくださいよ。
もう一点は、先ほど局長にもご答弁いただきましたので、この件につきましては基本的なところでは、今、局長、部長のお話の部分がもう少し一歩強調していただければ、今回の見直し、地区計画の変更というんですか、地区計画に変更するというんですかね、こういうこともわからないわけじゃない。しかし、現状を見るにつけ、先ほど私は、少しオーバーでも何でもないいい方をしましたけど、決してオーバーではない。だから、東京都の西南部の中で、私たち、期待を持った、多摩の心しんとか、業務核とか、国が指定した業務核都市なんか、あんなもの、はっきりいって、何ともなりゃしない。業務核を指定するときに、素案を一生懸命書いたのは都市計画局だ。一生懸命やって、それを国に上げていったわけだ。ところが、何の実効効果なんかありゃしない。都市計画というのは計画だよという話かもしらぬけども、それじゃ無責任だよ、はっきりいって。しっかりと計画をその後どういう形で誘導するか、実現していくか、このあたりをやるべきことは、私は東京都都市計画の役割ではないかと思うんですね。
ですから、多摩地域についても、そんな大規模じゃない。臨海部とか、都心部の再生から見れば、全くこっちは外れているわけだから。夢のような開発なんてできるわけない。しかし、少なくとも約束したこと、少なくとも東京都が計画したところ、現状が余りにもそれちゃっているわけだから、この軌道修正ぐらいはやる努力ぐらいしてくださいよ。
○勝田都市計画局長 ご指摘の点、十分理解しておりまして、ニュータウンは申すまでもございませんが、約四十年の長い事業でございまして、その間に、細かく見ますと、山あり谷ありでございました。非常に成長し、成熟した時代もございまして、また、その地域もございました。また、それに少しおくれているような場所も事実あるわけでございます。今、議論の焦点になっております若葉台地区については、そういう意味では少し立ちおくれた位置にいるのかなというふうに考えておりますけれども、いずれにしても、時代の状況にマッチした整備手法なり、スピードなり、そういったものを考えながら、現実に一歩一歩着実にまちづくりを進めるような方策を考えていく必要があるだろうというふうに思っております。
先生ご指摘のように、事業とか、成果とか、そういったものは、我々も十分認識しながら、今後とも地元の市などとも十分協議も進めながら、まちづくりに責任を持って進めていきたいというふうに考えております。
○こいそ委員 今ご答弁いただきまして、地元市との調整、これは私どもの方も、現状を見るだけでいっているだけじゃなくて、地元の声、当然、地元市の声なんかも聞く中でこういう質疑もやらせていただいているところなのでありますけれども、いずれにいたしましても、公団用地が大変多く展開している、所有しているところですね。なかなか私有権の問題でできないということでありますけれども、しかし、先ほどからの流れもあるわけであって、現状、全く駅の目の前ですね。
ですから、こういうところは、公団側も見え見えに、ともかく、ちょっとした土地だろうが、形状が悪かろうが何だろうが、構わず売っちゃっているという。さっきもいいましたけれども、東京の都市計画が、まちの発展が、まちづくりが、そんなものを公団では考える余地がないんですよ。公団がやりやすいような手法なんていうのは、私は、このあたりで知恵と、皆さん優秀なんだから、いろいろな知識と知恵を駆使しても、一定の線が引けるということで、もし仮になるのであるならば、それはなかなか難しいかもしれないけれども、これは多摩ニュータウン周辺も含めた画期的なことになってくるんじゃないかと思うんですね。
そうじゃなかったら、とにもかくにも、要するに最後のたたむ中で、もうすぐどおんと、今度どこかへ行こうとしているわけだから、ともかく土地を売れ、土地を売れと。東京都もある局が追随しているけれども。土地を売ればいいんだ。土地を買ってくれればいいんだ。パチンコ屋が来ようが--パチンコ屋はいいですね。いろいろな業種がそれぞれありますけど、葬祭場だって何だって、何だっていいんだから、はっきりいって。とにもかくにも売らんがな売らんがな売らんがなと。これは、余りにも東京をなめるなというところもあると思うんですよ。地元はふざけるなという思いもあるんですよ。これだって、土地強制収用がかかった地域もあるんだから。農民から土地を収奪した歴史過程があるわけだから。反対した農民から土地を強制収用で分捕った経緯もあるわけじゃないですか。やっぱりその責任は東京都にあると思います。公団だって、あれは半官半民でしょう。だけど、そんなもの相手にしているあれではありませんのでね。
ぜひ地元市としっかりと協議をしていただいて、多機能都市を目指してきたわけですから、マンションばかりのまちじゃなくて、マンションでも、どこに行ったって同じような建物ばかりじゃなくて、ぜひそのような方向性の中でさらなる--ご検討はいただいていると思いますけれども、取り組んでいただきたいと強く要望して終わらせていただきます。
○樋口委員 東京都市計画ごみ処理場(産業廃棄物資源化施設)について、何点かお伺いさせていただきたいと思います。
城南島第三リサイクル施設は大規模でありますものの、建設面積、敷地面積が三千平米、九千平米よりもほんのわずかだけ、三坪、十坪と小さいだけで、アセス条例の対象にはなっておりません。そこで、城南島の第三リサイクル施設のアセスに対するお考えをお伺いさせていただきたいと思います。
また、周辺の環境への影響はどのように保全していくのでしょうか、特に施設稼働による大気汚染対策についてはどのように行うのでしょうか、お願い申し上げます。
○山崎都市基盤部長 環境に対するご質問でございますけれども、スーパーエコタウン事業、いわゆる公募によって選定した民間事業者がそれぞれの責任におきまして、事業の採算性ですとか、資金の調達など営業戦略、あるいはリスク管理、そういうものを勘案しまして、事業の規模だとか施設の規模、そういうものを事業者みずからの責任において決めることになっております。したがいまして、決められた施設規模等により、環境局におきましてアセスの対象になるかならぬかということが決まってくるということでございます。
やや事務的な答弁で申しわけありませんが、じゃ、実際どういうふうに環境を守ることになるかということでございますけれども、事業者が廃棄物処理法に基づきまして生活環境調査を行っております。当該地域は工業の専用地域でございまして、騒音、振動等、条例上の規制基準の対象にはなりませんけれども、自主基準というものを定めまして、それに合うようにしているということでございます。それをもとに環境局が施設の管理だとか、あるいは運営についても指導する、こういうようなことで環境影響をきちっとチェックするということにしてございます。
具体的には、本施設は建設混合廃棄物の破砕処理を行う施設でございますので、粉じんの心配があるわけですけれども、これについては建物の中で破砕を行いまして、粉じんの処理については霧状の水をかけるとか、あるいは粉じんの飛散防止の施設をつくるとか、このようなことで対応していると思っております。
○樋口委員 ありがとうございます。城南島第三建設リサイクル施設は、条例アセスよりも調査項目の方が少ないのではないでしょうか。つまり、条例が緩やかなのではないかと考えられますが、いかがでしょうか。
○山崎都市基盤部長 少ないのではないかということでございますけれども、ただいま申しましたように、施設で処理する廃棄物の内容ですとか、処理の仕方というようなものを考えまして、調査の項目を選定しております。本施設が破砕機や圧縮機、選別機というようなことでございますから、粉じんとか騒音、振動というものを評価したということでございます。
○樋口委員 城南島第三建設リサイクル施設の処理内容によって必要な環境調査は行っているということでございますね。しかし、住民参加が保障されております環境影響評価の条例と、一方、住民が意見を述べることができるのは調査の後であるというような廃棄物処理法との違いは多少あるように思います。都民にとってよりわかりやすく、安全、安心を保てるような、そんなものであってほしいと願っております。
城南島の説明会には、事業者は会場いっぱいになるようにたくさんの方々がいらっしゃったというふうに聞いております。そして、多くの民間事業者が応募されたと聞いておりますが、この公募説明会に応募された方々の事業者数と、その後の事業者提案の件数についてお伺いさせていただきます。
○山崎都市基盤部長 城南島と中央防波堤埋立地の公募の説明会には、百四十社の参加があったと聞いております。城南島における提案につきましては、建設廃棄物リサイクルに関する提案が七件、その他のリサイクル施設に関する提案が七件と聞いております。
○樋口委員 その用地は、事業者に対して都が売却すると聞いておりますが、中央防波堤と城南島の用地の価格はお幾らなんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 公募要項に記載されている参考価格がございますが、これによりますと、中央防波堤内の埋立地が一平米当たり十五万五千円、城南島三丁目が二十五万二千円となっております。
○樋口委員 経済が一向に明るい兆しを見ない中で、企業は大変苦しい状況にあります。また、廃棄物処理業者にとりましては、周辺の操業環境が厳しい環境にもあります。この用地は多くのリサイクル業者にとって、かなりよい条件であったのではないかと考えられます。
しかし、エコタウン事業用地の価格としてはこれだけ差がありますし、少々高いのではないかと思いますが、その価格が影響しまして、この百四十社ある、説明会に来られた方々がおやめになられたとか、そういうようなことが、本当は環境についてもっと事業展開をしたいと思いながらも、進出を断念したところがあるのではないかと私は思っております。
エコタウン事業で選定された事業者は、どのような選定基準でお選びになられたんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 募集選定におきましては環境局が所管して実施しているものでございますけれども、先ほど申しました公募要項の中に審査項目が記載されておりまして、循環型社会への寄与ですとか、安全性の確保、環境への配慮、あるいは技術システムの先進性等々、総合的に評価して審査したというふうに聞いてございます。
○樋口委員 選ばれていながら断念された業者もあるように聞いております。エコタウン事業の必要性、事業者の選定基準ということはわかりました。しかし、膨大な産業廃棄物を処理する中には中小企業の役割が大変大きいかと思います。中小企業の操業環境が大変厳しい中で、産業廃棄物処理施設の立地に当たり、都市計画局としてどのような対応を考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
○山崎都市基盤部長 産業廃棄物の処理施設につきましては、建築基準法に基づきまして、その敷地について原則都市計画決定しているか、あるいは都市計画審議会の議を経て許可を得なければ建築できない、こういう仕組みになっております。今お尋ねのように、比較的小規模な民間事業者が行う施設につきましては、建築基準法五十一条のただし書きに基づく許可、こちらの方の手続で対応を図っているものが大半でございます。そういうようなことをしてございます。
そういう過程の中で、都市計画局としましては、産業廃棄物処理の施設を工業系の用途の方にできるだけ誘導するとか、あるいは周辺環境への影響を考慮した施設計画となるようにというようなことについて、事業者、あるいは環境局、区市町村との調整を図っている、こういうことでございます。
○樋口委員 中小企業の力を持った事業者が今後も事業を続けられるよう、また、ベンチャーがよりリサイクル事業に進出できるよう、取り組めるよう、各局と連携をとって、ぜひ支援をお願いしたいと思います。既に選定された事業者も含めまして、環境に強い情熱を持ってこの事業に取り組んでいらっしゃる民間の事業者の方々が百四十社も説明会に出られたというお話をつい先ほどお伺いさせていただきました、その九割が断念してしまった、その理由も考えていただきたいと思います。
もちろん事業者の規模など、さまざまな要因がありますでしょう、それぞれのお家事情がありますでしょう。ただ、そこの中に、先ほど申し述べましたように、価格の問題もあるかと思います。大変厳重な装備で、そして、より環境に配慮した建物を建築されていらっしゃるから、それだけ経費がかかってしまう。その辺のことも含めて、大きな目的に向かって、どのようなスタンスであるべきかということを、社会状況も踏まえ、今後検討していかなくてはならないのではないかと思います。
また、城南島の事業者は、環境影響評価を受けるアセス条例の対象となる敷地面積、建設面積より小さいものでございますからこそ、自主規制値を設けて努力をされていらっしゃいます。本来、東京都の事業であるこのエコタウン事業、それは個々の事業者に任せるのではなくて、城南島全体として環境アセス評価をするべきなのではないかなんて、今回、この質疑をさせていただくに当たり、また、前回もこのようなごみ処理場産業廃棄物資源化処理施設、そのことを考えるに、本来なら、城南島全体で環境アセス評価をするべきなのではないかなという私の意見を申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○野上委員 案件総括表の中の第三番のごみ処理場第七号東京臨海リサイクル発電施設について、お伺いしたいと思います。
広域的な産業廃棄物の処理とか、リサイクルを推進することは循環型社会の形成を図る上で大変必要であると思います。そういう意味で、この東京臨海リサイクル発電施設は期待できる施設ではないかと考えております。しかし、前回、ごみ処理施設などの爆発事故とかがございましたけれども、まず、この施設の安全基準はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
○山崎都市基盤部長 安全基準でございますけれども、廃棄物処理法に基づきます施設の技術上の基準ですとか、維持管理上に関する基準がございまして、これを遵守するというのはもとよりなんでございますけれども、ダイオキシンですとか窒素酸化物の排ガス等については、先ほど申しましたが、法令より厳しい自主規制値を定めまして、これを遵守するということにしてございます。
具体的には、施設を運転する安全確保につきまして外部の有識者を加えました検討を行って、運転マニュアル、チェックリスト、そういうものを徹底するということと聞いております。さらに、ISO一四〇〇一を取得しまして、環境マネジメントシステムを構築して適切な管理運営を行うということでございます。
○野上委員 いろいろ安全基準をきちっと設けて、自己規制値を定めてやっていくということで、ある程度安心はできると思うんですけれども、それでも不慮の事故、あるいは自然災害も含めて、こういった緊急時における安全対策はどうなっているんでしょうか。
○山崎Q機都市基盤部長 安全対策には設備そのものと維持管理の方法、両方とも大事だと思うんですけれども、緊急時の対応マニュアルという、緊急時にどう対応するかということも大変大事なことだと思っております。防災組織とか、従業員の教育訓練、こういうことも徹底し、あらゆる事態を想定した緊急態勢の整備を行うということでございます。事業者は、東京都や区、警察、消防等の関係機関との連絡体制もきちっと構築して取り組んでいきたいというふうに聞いております。
○野上委員 今、小中学校においても総合的な学習の時間を使って環境教育、また、高等学校の教育の中にも組み込まれてきておりますけれども、こうした施設に対して一般の見学者に開放していくとか、子どもたちに見学できるようにするとか、そういった施設の外部に対しての情報公開というのはどうなっているのでしょうか。
○山崎都市基盤部長 外部につきましては、見学者のスペースを設置するとか、全体を一望できるような展望室を設けるとか、そういうことによりまして広く見学者を受け入れて、施設や事業への理解を深めることとしております。
また、インターネットによりまして、施設の運営状況とか、環境観測データ等の情報公開を行うということも聞いております。
万が一トラブルが起きた場合には、その原因と対策等についても公開し、施設の透明性を高めているということも聞いてございます。
○野上委員 もう一つなんですけど、葛飾区は医療廃棄物の収集をモデル事業でたしか行っておりましたね。医師会とも協力して進めてきた経緯もあると思いますけれども、昔は注射針が無造作に捨ててあって、それを子どもたちが使って遊んでいたという過去の事例とかもありますけれども、東京都における感染性医療廃棄物の処理はどのようになっているんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 いささかデータが古くて何なんですが、平成十一年度の調査ですと、医療機関から排出される廃棄物は年間五万四千トンございまして、そのうちの二万九千トンが感染性医療廃棄物ということでございます。感染性医療廃棄物の五五%に当たる一万六千トンが他県で処理されているというような状況でございます。
本施設では年間一万八千トンの感染性医療廃棄物の処理を計画しております。その八割程度は都内から受け入れる予定としておりまして、本施設の整備によりまして都内の処理率は大幅に向上することになります。
○野上委員 今、例えば腐った死体の処理なんかも、どんな病原菌が潜んでいるかもしれないということで、SARSのときのように、処理班が着ていたような装備をして、死体の処理を行うということを聞いているんですけれども、こうした感染性医療廃棄物は回収してきて、衛生管理上、すぐ処理しないと病原菌が発生するとか、懸念があると思うんですけれども、焼却炉が故障した場合の対応はどういうふうにするんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 感染性医療廃棄物の焼却炉は二基配置してございまして、平常は一基で運転してございます。残りの一基は故障ですとか、メンテナンスのために用意しておるということですので、そういうことで安定した処理が可能なのだろうというふうに考えております。
○野上委員 こうしたリサイクル施設に名乗りを上げる会社も、今までのノウハウのある業者が手を挙げてやっていくようになると思いますけれども、施設設備の用地取得に対しての補助というのはどういうふうになっているんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 施設に対する補助でございますけれども、事業者は国から建設経費の三分の一の補助が受けられるというようなことで、現在、協議調整を行っているところでございます。
ちなみに、用地につきましては、東京都が事業者に対して適切な価格で譲渡するということでございます。
○野上委員 ということは、東京都の方からは補助金というのはないということで確認をしておきます。
次に、スーパーエコタウン事業の城南島第三建設リサイクル施設についてお伺いしたいと思います。
今、普通の家を解体するときに、どうしても広い場所がない場合は、車両を片方通行にとめて、人を配置して、一気に家を壊して持っていくという手法を、業者の方は、どうしてもそれをせざるを得ないというんですね。一々かわらとか、本当は一個一個の分別でやりたいんだけれども、車をとめる時間も限られているし、人手も要るので、一気にだっと壊して、集めたものを広いところに一回持っていって、おろして、そこで、人の手でどんどん振り分けて処理をしているというのが実は現状だそうなんです。
今度、城南島の第三建設リサイクル施設ができますと、東京都における建設廃棄物の状況はどうなっていくのか。また、建設廃棄物のリサイクルがなかなか進まないというふうに聞いておりますけれども、この施設のリサイクル率はどの程度になるんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 都内から排出されます産業廃棄物の約四割、あるいはまた、最終処分量の約九割を建設廃棄物が占めておるというようなことで、その大部分を他県で処理するというようなのが現状でございます。今後、高度成長期に建設されました建築の解体が進んでくるということになると、また、増大が見込まれるということでございますが、こういう施設ができることによって、都内の処理率が高まるということで期待しているところでございます。
本施設でのリサイクル率でございますけれども、約八六%ということで、資源の再利用と最終処分量の削減を図るということでございます。
○野上委員 最後です。こういった施設を整備することにより、仕分け作業というのは、多くの人の手がかかりますので、こういった施設でたくさんの雇用が見込まれると思うんですけれども、新しい雇用の機会の場として期待はしているんですけれども、実態はどうなんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 会社の方にお聞きしたところ、全体で百五十人程度の雇用といいますか、働く人が必要になるのかなというようなことを聞いておりまして、その一〇から二〇%ぐらいは高齢者の方とか、身障者の方の就労も考えているというようなこともお聞きしてございます。
○野上委員 失業率が五・三%ということで厳しい雇用の状況があるんですけれども、こうしたところで少しでも多くの方々が就職して、職を得て働いていただければというふうに思っております。何事もやってみないと、成功するか失敗するかわからないものですけれども、積極的に応援していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○かち委員 それでは、幾つかの項目についてお聞きしますが、まず、ナンバー7の案件の東品川四丁目地区計画についてお聞きします。
臨海鉄道が開通して、東西線に連結することになり、品川シーサイド駅の真上にできましたこのまち、以前はJT、日本たばこ株式会社の工場があった跡地ですが、以前、私がこの地域を見に行ったときとは全く様相を変えて、新しい都市ができていました。今回、Dの二街区についての具体的な地区整備計画ということではありますが、この東品川四丁目地区計画全体の開発規模と進捗状況というのはどういうふうになっているんでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 ナンバー7の図面集の方で三三ページでございますけれども、東品川四丁目地区につきましては、平成十年三月にこの図面のようにA、B、C、Dの四つの街区に分けまして地区計画を決定しております。A、B街区につきましては市街地再開発事業を現在施行中でございまして、合計区域面積約九・六ヘクタール、建物の延べ床面積は約五十万平米でございます。既に一部は十四年九月に竣工しておりまして、平成十六年八月末には全域の竣工予定と聞いております。
D二街区でございますけど、今回、これはその整備計画をつくるところでございますけれども、約〇・六ヘクタール、建物の延べ床面積は三万六千平米でございまして、平成十六年三月着工、平成十八年に竣工の予定でございます。その他の街区につきましては、現在の建築計画は未定でございます。
○かち委員 今、そこに地図が出ていますけれども、A、B街区というのは既に十二年三月に都市計画決定されて、建設が具体的に進んでおりまして、私が見に行ったときにも、ほとんどの予定の建物が建ち上がっておりました。まだ下の方が少し残っているというだけで、来年八月、約一年後には全部が完成するというまちづくりが進んでいるわけですね。
今回は、運河との境のところ、D二街区のところが一部計画で出ているわけですけれども、この全体の敷地面積が十三・九ということなんですけれども、この地域での開発によって生ずる就業人口、それから住宅も何戸かありますね、住宅戸数、そして発生交通量というのはどういうふうに予測されているでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 A、BとD二街区全体につきましては、就業人口の予測は約二万一千人、住宅戸数が約九百八十戸、発生集中交通量は約一万七千台と想定しております。
○かち委員 東品川四丁目という一つの街区の中に、日中は二万人の方がそこに就業するわけですね。交通量は、今一万数千台というふうにいわれましたけれども、私の計算では二万二千台ぐらいあったんですが、そういう交通量がそこに集中する。周りは幹線道路で囲われておりますので、この地域の大気状況がいいということではないんですが、そういう中にさらに車が集中するということになるわけです。
その周辺地域というのは、低層のマンションがあったり、工場があったりということで、どちらかというと、品川の工場街というか、下町のような状況にあるわけですが、そういう周辺環境とは全く異質な高層ビルですね。この地域は空港制限があると思うので、容積率六〇〇%ということですが、高さは大体百メートル級なんですね。比較的太い建物が、ずらっと並んでいるというような状況になっているわけです。
私が歩いた感じだけでも緑が少ないなというふうに感じたわけですけれども、この説明書の中で、土地の有効利用についてはどのようにするというようなことが詳細に書かれているんですが、こういう建物をつくっていくということであれば、それに見合った緑の確保というものが当然必要だろうと思うんですが、その辺の記述が見当たらないのですけれども、緑化、緑の確保というのはどういうふうに計画されているでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 緑化につきましては、東京都が地区計画の運用基準というものを定めておりまして、それに沿って、この計画についても定められているわけでございますけれども、公開されます空地の三割以上は緑化するという基準を定めてございます。D二街区につきましても、その基準に沿いまして、それ以上の緑化を行うということで、敷地面積に対して結果としては約二五%の緑化を計画しているということでございます。
ちなみに、再開発事業をやっておりますようなA街区では約一五%、B街区では二二%ぐらいの緑化率になるということでございます。
○かち委員 条例に沿った緑の確保をしているんだよという説明ではありましたけれども、D街区については二五%を確保するということでありますけれども、その二五%のうちの四割は屋上緑化になっているんですね。D街区に建つ建物は大体八十メートル級の建物ですので、生活の視点というか、地上にいる立場からすると、その緑化の効力というのは全く感じられない。確かに屋上緑化は温度を下げる効果があるというのもあちこちでいわれておりますけれども、その下げる温度というのは、屋上の直下の部屋については数度ないし十度ぐらい下がるという実験データもあるようですけれども、全部の建物を冷やすという力にはなっていないわけですね。それ以上にビル全体から発散、放熱する熱量、エネルギー消費というものの方が非常に大きなものを持っているというふうに思うんです。
そういう意味では、美しいまち、高機能のまち、住み続けられるまちということをうたってまちづくりをするならば、緑の確保というのも基準に達しているからいいというのではなく、それ以上に努力をして確保するということも必要なのではないかというふうに思います。
私は、この間、いろいろなところでの開発がある、計画があるというところに行ってまいりますと、大体同じようなつくりになっているんです。六本木六丁目も大体これと同じような広さです。あそこは超高層建物が乱立して、住居とシアターとか、ショッピング、事務所ビル、そういうものが一つの街区で完結できるという、それが売りなんでしょうけれども、そういうまちが今までもセンター・コア内ということでやってきたわけですけれども、こういうように、センターを外れてもあっちこっちにこれからもどんどん計画されていくということになるわけですが、先ほどいいましたように、周りとの連続性というか、協調性がないといいましたように、ひとり勝ちというのか、強い者がひとり立っているというのが、あっちこっちばらばらにできてくるまちがこれからの東京の姿なのかなというふうに思うんです。そのことが本当に東京の持続可能な今後の発展を進めるとは到底思えないんですね。今既に二〇〇三年でビルが過剰で、中央区とか、港区とか、いろいろなところで中小ビルが本当に立ち行かなくなっている状況があるわけですね。そういう弱小のビル業者だけではなくて、今度は早く建てたよりも後に建てる方がより安く、より便利に、より高機能にというようなことがどんどん開発されるわけですね。そうすると、ビル間同士の争いということになって、業務がどんどんそこに集中するというよりも、お互いの引っ張り合い、そういうことで倒産も繰り返される。スクラップ・アンド・ビルドだけが繰り返されて、本当の意味でのまちの健全育成というか、持続的な発展というのが到底見通せないというような状況になっていると思うんです。そういう意味では、このような都市づくりのあり方というのは、もう一度根本から見直すべきではないかということを申し述べておきます。
次に、ナンバー10の、先ほどから出されておりますが、ガス化溶融炉についてお聞きします。
ガス化溶融炉に限らず、次世代型の焼却発電施設では、全国でトラブルや事故が相次いでいます。つい最近も、三重県のごみのRDF固形燃料の貯蔵庫で、発電所での爆発事故が起きました。二人の死亡者と周辺住民への健康被害が発生しています。
今回提案されているのはスーパーエコタウン事業の一環で、都有地を売却して、民間による産業廃棄物の処理施設であり、流動式ガス化溶融炉の建設計画という案件ですけれども、一万平米以上ということで、アセスが行われ、概要書も提出されております。知事の意見も提案されておりますけれども、私は、このような産業廃棄物の溶融化によって発電して、売電していくというごみ処理のあり方、そして、六百五十トンというのは全国で最大級だと思うんですが、このような大規模な発電施設の安全性という点でも大変疑問を持つものです。そういう意味で、何点かお聞きしたいと思います。
今回の施設の事業主体、JVでやられていると思うんですが、この構成事業所はどこでしょうか。
○山崎都市基盤部長 白表紙の三七ページ、茶表紙の四四ページからでございますけれども、事業者はだれかということでございます。事業者は東京臨海リサイクルパワー株式会社でございまして、東京電力、東電環境エンジニアリング、清水建設、荏原製作所、オリックス環境の五社で設立された会社でございます。
○かち委員 東京電力とか、荏原製作所とか、エンジニアリングとか、それぞれ電力関係とか、産業廃棄物を出すところとか、プラント事業者とか、そういうものが組み合わさってリサイクルパワー株式会社ができているんだと思うんですね。それで、プラントはどこがやるかといえば、荏原製作所がやることになるんだと思いますが、産廃のガス化溶融炉の全国的な稼働状況、中でも産廃の稼働実績、また、事故やトラブルの現状というのはどういうふうになっているんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 現在稼働しております荏原製作所が建設したガス化溶融炉は八施設ありまして、そのうち産業廃棄物の焼却をしている施設は二施設でございます。荏原製作所が建設したガス化溶融炉で事故を起こした施設はないというふうに聞いております。
なお、平成十二年三月に青森で建設した施設で、計画時の設定以上に多くの金属を含んだものを処理した--これはホチキスの針のようなもののようでございますけれども、ボイラーの機能が低下し、操業を続けながら補修改造し、十四年十一月から本格的に稼働している事例はあるというふうに聞いております。
○かち委員 八施設のうち二施設が産業廃棄物のガス化溶融ということで、今まで事故がなかったとおっしゃいましたけれども、あったじゃないですか。私は、一つの方はわかりませんけれども、青森の施設は四百五十トンの施設ですね。平成十二年に竣工したにもかかわらず、二年間もの間、スラグがうまく固まらなかったり、重金属や塩化物などが閉塞を起こすなどトラブルが続出して、その改善修復のために予定価格の倍近くの費用がかかってしまったというふうに新聞報道でもなされています。まだ本格稼働して一年も経過していないわけです。
そういう意味では、今回、六百五十トンもの大型の産廃をシュレッダーダストにかけてガス化溶融する発電施設としては、とても実証済みの発電施設だというふうにはいえないのではないかと思うんですね。ガス化溶融によって出る発電容量、今回の場合は二万五千六百キロワットということですけれども、この溶融炉の稼働に伴う発電はどういう法律に基づいて行われるのでしょうか。
○山崎都市基盤部長 先ほど事故というほどのものではないという意味でお答えしたつもりでございます。単なるちょっとしたトラブルで回復されましたというお答えを申し上げたつもりでございます。
次の質問でございますけれども、産業廃棄物を処理することですから、廃棄物処理法の適用、それから、発電を行うことにつきましては電気事業法の適用を受けるということになります。ほかにもろもろございまして、環境関連の法令ですとか、建設関連の法令、あるいは労働安全衛生関連の法令等々、多岐にわたってございます。
○かち委員 人身事故でなければ事故とはいわないというような、そういう感覚はやっぱり正していただきたいと思うんです。ガス化溶融でなくても、RDFで既に死亡者が二人も出ているという、こういう事態を真剣に受けとめていただかないと、今後どういうことが出てくるか、まだわからないわけですよ。実証されていない。しかも、青森では、二年もの間修復にかかったんですよ。ちょっとした操作で改善したということではなくて、二年間もかかって倍近くの改修費がかかって、今やっと何とか軌道に乗ったかなというような状況なんですから、その辺の認識をきちんと持っていただきたいと思います。
それで、今、電気事業法のほかいろいろな関連法律に基づいて行っているということでしたけれども、電気事業法というのはこの間に大幅に改正されたと思うんですけれども、特に保安規制についてはどのように変わったでしょうか。
○山崎都市基盤部長 平成十一年八月に法律が改正されておりまして、工事計画認可というものを廃止しまして、いわゆる届け出制にしました。また、国による使用前検査、溶接検査、定期検査というものにかえまして、設置者みずからが行うことを基本とするというふうに変わってございます。設置者に対して検査記録の作成、保存を義務づけてもおります。それから、自主検査の実施に係る安全管理審査制度の創設、あるいは指定検査機関の公益法人要件の廃止などの改正が行われております。
○かち委員 今お聞きして、私も思い出すんですけれども、以前、この委員会でも質疑をさせていただきましたけれども、建築基準法における性能規定の導入ということで、建築関係の素材だとか、技法だとか、現在、大変多様化しているということ、それから、企業みずからが自主検査やマニュアルをつくってやることが民間を活性化するというようなことで、性能規定制度というのを取り入れられたわけですね。しかし、この時期を前後して、企業のモラルハザードというか、いろいろな問題が出てきたと思うんです。
ちょっと業界は違いますけれども、雪印のあの事件も、本来、雪印自身がマニュアルをつくって、点検チェック項目をつくって、製品管理をするというシステムをつくっていたにもかかわらず、それをやらないで、しかも、明らかに傷んでいるとわかっていながら、それを製品化していたというのは本当に救いがたい罪悪ですけれども、こんなことが実際にHACCP制度というのが破綻しているという状況にあると思うんです。
それから、原子力発電所でも次から次へと事故が起きております。原子力発電所は性能規定などからは外れた項目になっているにもかかわらず、そういうところでこういう問題が起きている。そういうことを思いますと、先ほど説明がありましたように、今までは国が使用前の検査、溶接検査、定期検査、こういうものをやっていたんですが、それを事業者みずからがやりなさい、やればいいということになってしまうとか、事業者みずからが検査記録の作成、保存をすればいいということで、そのプラントの構造や機能や保安や、そういうものが全部実施者みずからの点検のみにゆだねられているという状況がこれから出てくるわけですね。こういうことで、本当に安全を確保することができるのかという点では、私は甚だ疑問を感じています。
改めて伺いますけれども、最も安全を確保しなければならない、このような新しい産廃を利用した発電施設が、すべての事業者の自主管理にゆだねられていることへの危険性について、都としてはどのように対応していかれるんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 先ほど申しましたように、国は法改正によりまして自主検査といたしましたけれども、新たに安全管理審査体制制度というものをつくりまして、自主保安の実施状況をきちんと確認するというようなことにもしてございます。事業者は、出資会社であります東京電力の電気事業にかかわりますこれまでの技術や経験、あるいは荏原製作所のガス化溶融を含めます廃棄物焼却技術の活用、そういうものを最大限に生かしながら運転保安を安全確実に実施していくというふうにしております。
具体的には、先ほども申し上げましたけれども、外部有識者を加えた検討を行いまして、運転マニュアル、あるいは緊急時のマニュアルをつくりまして、トラブルが万が一あれば、これに迅速に対応するという即応態勢もつくるということでございます。
東京都におきましても、事故防止ですとか、安全対策について、環境局ともども万全を尽くすように事業者を指導していくつもりでございます。
○かち委員 いろいろ論議いただきましたけれども、結果的には事業者みずからがそういう外部識者を入れて検討会をつくったり、マニュアルをつくるんだということにとどまっておりまして、それを実際にやっているのか、実際に規定どおり行っているのかという点検指導を立ち入ってやることは、民間の施設ということで、東京都としてできないわけですね。そういうことでありますと、その辺の安全性を本当に担保できないという問題だと思うんです。
民間による産廃処理を進めるという今度の計画の中で出てきた課題ではあるんですけれども、ごみがどんどんふえる。ふえるから燃やして少なくする。埋める。そういうことを繰り返しやってきていながら、なかなか根本解決ができていない。これでもし稼働し始めて、発電するわけですけれども、材料が足りなくなったらどうするかとか、いろいろな問題も考えられると思うんですね。本当に根本解決ではなくて、対症療法に後追いされているというような状況だと思うんです。そういう意味では、産廃処理も含めて、製造時点から拡大生産者責任、生産者の責任を明確にして、そういうごみになるものをつくらないということをもっと根本から対策をとっていかない限り、この問題の解決にならないと思います。そういう意味で、この計画は今回の案件に載せるべきではないということを申し上げておきます。
それから、意見ですが、ナンバー11の第八号城南島第三建設リサイクル施設についてですが、毎回一つ一つ都市計画案件に出てくるんですけれども、先ほど来議論がされておりますけれども、城南島の中に八か九施設が一緒に稼働したときに、一体どういう環境状況になるのかということが諮られないまま、一つ一つの建物については問題ないからということで今進められようとしております。しかし、ここに出されました生活環境影響評価を見ても、騒音だって、生活保全上の目標六〇に対し五六とか、そういうのが出ていますけれども、一斉にこれが動いたときに、これではおさまらないという状況が予想されるわけです。
それから、車も一つ一つの事業所に大体数百台で、全体で千五百台ぐらいになるというふうに聞いておりますけれども、そういうものが一緒に動いたときに、二酸化窒素で、一つの企業では〇・二から〇・三%の寄与率だから大丈夫だというようなことをいっておりますけれども、もともとあの地域は既に大気が悪い状況の中にあって、さらにこれが固まって稼働したときに一体どうなるのか、それはだれもが心配することだと思うんです。そういう意味では、こういうような一つ一つの案件で載せるのではなくて、一括して稼働したときの生活環境影響評価を出すということをぜひやっていただきたいと思います。
それから、ナンバー12、晴海防潮施設についてですね。前回の案件に出されて、結局、都市計画委員会には付議されなかったわけですけれども、私もここで質疑させていただきました。十月の審議会に付議されるということになったんですけれども、それでは、これまでの地元との調整経過はどういうふうになったんでしょうか。
○山崎都市基盤部長 白い表紙の三九ページ、薄茶色は五五ページからでございます。地元との調整の経緯でございますけれども、前回予定していたわけでございますけれども、中央区の方から、晴海防潮施設の後背地、具体的には晴海二丁目のまちづくりについて、民間の事業者、あるいは住民の方々との調整をもう少し進めたいというようなお話がございまして、十月都計審に向けて調整をしてきたわけでございます。
具体的には、平成十五年五月に晴海地区の住民、企業、東京都、中央区で構成しております晴海地区まちづくり協議会におきまして都市計画素案の説明を行いました。その際、防潮施設の後背の土地利用計画を具体的に示してほしいというような意見がございまして、五月末に示したところでございます。その後六月にソフトタウンから代替案が出てまいりまして、これらを踏まえ、土地利用の修正案を七月上旬から八月上旬にかけて話し合いを行ったところでございます。
そうした中で、今後も引き続き話し合いを進めるということを前提としまして、防潮施設の都市計画については手続を進めるということの地元のご了解をいただいたところでございます。
そういう経緯を経まして、十月の審議会に付議したいということでございます。
○かち委員 防潮堤については、後背地のまちづくり、土地利用計画と一体のものとして位置づけるということで提案されたにもかかわらず、その当時は、土地利用計画もまちづくりの計画も何ら煮詰まっていない状況だったということで、一たんは取り下げられたんですが、その後、皆さんの話し合いのもとで、住民の皆さんの意見も組み入れられて、二丁目のまちづくりというか、土地利用計画についてはおおよその合意ができたということで提案されたということではあるんですが、そういう意味で、二丁目の地域の防潮堤づくりというものを計画していくということはやぶさかではないと思います。
一つ確認しますが、この質疑の中で、豊洲・晴海開発整備計画というのが港湾局で出されていたものですけれども、防潮工事をすることによって発生する護岸のというか、五十メートル幅一キロの緑地の扱いについてなんですが、この計画の中では、宅地内緑地という位置づけになっていて、この考え方は変わらないなんていうふうに私も聞いたんですけれども、そういうことなのか、公共緑地なのか、その点を明確にしていただきたいと思います。
○山崎都市基盤部長 晴海二丁目の防潮施設につきましては、国費、国のお金を導入しながら公共側が所有し、管理する、いわゆる公共緑地というふうなことで整備しております。いわゆる宅地とはなりません。先生おっしゃいました豊洲・晴海開発地区の中では確かに宅地内緑地となっておりますけれども、今後のこの計画の改定に合わせて整合を図ってまいりたいというふうに思っています。
○かち委員 今のご説明は、宅地内緑地の記述については今後の改定のときに整合を図っていくということでよろしいですね。
最後ですが、二丁目についてはわかったんですけれども、四丁目の方についてはまだ開発者もまちづくりも何も計画が進んでいない中で、なぜ四丁目まで含めて防潮堤の計画を今決めなければならないのかということなんです。一体のものであれば、一体として煮詰まったときに一緒にやればいいではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○山崎都市基盤部長 防潮施設は防潮施設としての計画的な一体性があるわけでございまして、二丁目から四丁目まであわせて一つの防潮施設としての一体的な機能を果たすということでございまして、今回、一体の機能を持つ防潮施設を一括都市計画決定しようというものでございます。
○かち委員 一体のものは一体だというふうにおっしゃいますけれども、皆さん方は、必要があれば、一体でなくたって何だって、やってしまうわけでしょう。あそこの晴海通り、高速道路を通すということで、あそこの道路幅について、既に東京都がやってしまったという経過もあるわけですよ。こちらの環二の方の三角形のところはだれがやるか、それもまだ決まっていない。こういう状況の中で、民間が出すお金は三十億だというようなことで、余りにもいうことが大ざっぱだし、やることにも整合性がないと思うんです。そういう意味では、二丁目についての意味はわかりましたけれども、四丁目まで含めて都市計画決定に提案することは反対です。
以上です。
○清水委員 ナンバー1、2、東京都市計画用途地域変更、墨田区、荒川区地内について伺います。
まず、若干の基礎的な数字をいただきたいんですけれども、二十三区の木造住宅密集地域の面積、総戸数は現在どうなっているんでしょうか。
○成田都市防災部長 お尋ねの二十三区内における木造住宅密集地域の面積でございますけれども、約二万二千五百ヘクタールございます。それと、建物の総棟数は約百十九万棟でございます。
なお、木造住宅の棟数は約九十万棟ございまして、全体の約八〇%を占めております。
○清水委員 これまでにも木造住宅密集市街地の整備のためのさまざまな事業が進められてきていますが、国や都市計画局、建設局、住宅局などが事業を進めてきているんですけれども、この間のそれらの実績について概括的に評価と問題点についてお伺いいたします。
○成田都市防災部長 木造住宅密集地域の整備に当たってこれまで行ってきた関連事業でございますけれども、これらを整備する主な手法といたしましては、防災生活圏促進事業、これは防災生活圏の形成を推進するための事業でございまして、細街路とか防火施設、建物の不燃化等を行うものでございます。
それから、都市防災不燃化促進事業というのがございます。これは避難地、あるいは避難路等の周辺の建物の不燃化を行うものでございます。
また、密集住宅市街地整備事業でございますけれども、これは住宅事情の改善、居住環境の整備、それから老朽住宅の建てかえ等でございます。
これらの事業をこれまで延々やってきたわけでございますけれども、なかなか進んでおらないわけでございまして、その課題といたしましては、敷地が狭い、あるいは建てかえの際に現状居住面積が確保できないとか、それから建物所有者が高齢化し、かつ、経済的な問題で建てかえ意欲がなかなか高まらない、こういうふうな課題がございまして、現実的になかなか目に見えた成果があらわれてきていないというのが現状でございます。
○清水委員 今回のこの用途地域の変更の区域では、新たな防火規制の提案を誘導促進するための用途変更、建ぺい率の変更ということになっているんですけれども、新たな防火規制の指定という点についてはどのような見通しを持っておられるんでしょうか。
○野本市街地建築部長 新たな防火規制の区域の指定の見通しなんですけれども、木造密集地域の再生産を防止するということで、危険性が高い地域については積極的に指定していきたいと考えております。
○清水委員 今回、墨田区三百十三ヘクタールの建ぺい率を変更したわけですけれども、その説明などと一緒に新たな防火規制の指定というようなことも提案されていったと思うんですけれども、そういう住民の受けとめ方などを見て、指定はどのように、どんなところでできるのかというような見通しは持っておられるのかどうか。
○野本市街地建築部長 特に二十三区内についての指定の見通しなんですけれども、環七に沿った、いわゆる木造密集地域というのがございます。ここの地域については、各区の皆さんと打ち合わせをしながら、区民の皆さんの意向も尊重しながら指定していくということで、今回はとりあえず三区について指定できたんですけれども、おいおいその他の区域についても指定できる、そんなふうに考えています。
○清水委員 最初にご説明いただいたんですけれども、これまでのさまざまな事業を進めてくる中で、いろいろな課題があって十分に進んでいないというようなことの中から、今回新たな防火規制区域ということを決めたわけですが、この区域というのは準耐火建築物以上ということで、木造防火構造の建築物は建たないということになるわけですね。そういう中で、今回、一気にすべての地域が新たな防火規制、防火指定ができないというようなことだと思うんですけれども、それでは、今回の建ぺい率の緩和によって、墨田区と荒川区の木造住宅密集、今回の地域の改善の見通しはどのようにされているでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 今回、建ぺい率の緩和は、墨田区と荒川区の新たな防火規制の地域であるわけでございますけれども、新たな防火規制、今委員ご指摘のように、準耐火以上ということで、若干コストが上がる。ただし、一方、建ぺい率を緩和することによって建てやすくするということで、促進を図ろうということでございます。
どういうことかといいますと、墨田とか荒川の市街地、先ほど都市防災部長の方から話がありましたけれども、大変敷地が狭いと。その上に狭い道路、四メートル以下の道路があるということで、建築基準法上、建てかえをする際には道路の中心から二メートルずつ下がるということで、その間は敷地にしてはいけないわけですね。ということで、建てかえをする際には敷地が狭くなってきて、従前の建築面積もとれないというような非常に厳しい状況があるわけでございます。そういったことがございますので、建築面積、建ぺい率を上げることによりまして、道路を広げても、従来からの建築面積とか床面積が確保できるような、そういう手だてをあわせて講じたということでございます。そういうことによりまして、建物自体も構造的に安全なものにし、建てかえをしやすいような建築規制の緩和をして、木造密集全体の建てかえを促進していこうということでございます。
それで、どのような具体的な効果という、特に具体的に算定もしにくいわけでございますけれども、従来、木造の密集市街地の一年間の建てかえ率というのはおおむね一、二%でございます。日本の木造の家屋の平均寿命というのは大体三十年ぐらいです。そうしますと、割り返しますと、年間三、四%は建てかえが進んでもいいところが、木造密集市街地は、先ほどいったような理由もありまして、おおむね一、二%にとどまっているということがございます。そういったものを、今回、建ぺい率を緩和することなどによりまして建てかえ率の向上を図っていく、そういうことをねらっているものでございます。
○清水委員 実際に墨田区、荒川区、この区域の総棟数は幾らで、今回の用途地域変更において、今パーセントをいわれたわけなんですけれども、棟数にすると、十年程度でどのぐらいの見通しを持っておられるのか。
○森下都市づくり政策部長 当然、建ぺい率緩和によって建てかえやすくなるということがございますけれども、数量的にそれがどのくらいに伸びていくかということについての把握というのは、残念ながらいろいろな要因がございますので、私どもではしておりませんけれども、少なくとも一、二%程度にとどまっているものをできるだけ伸ばしていきたい、こういう姿勢でやっているわけでございます。(清水委員「その地域の総棟数」と呼ぶ)
大変失礼しました。墨田区では、新たな防火規制の指定区域内に二万七千棟の建物がございます。それから、荒川区は同じく二万四千棟でございます。
○清水委員 一、二%がどの程度引き上げられるかわからないんですけれども、それはそれぞれの経済的な事情もまたいろいろあるかと思うんですけれども、少なくとも五〇%ということはほとんどあり得ないですね。そうすると、二万七千棟あって、五〇%としても一万三、四千棟ということになって、実際にこの地域全体を建てかえるということは、本当に困難ということもひとついえると思うんです。
それでは、この地域の用途変更の素案、またはアンケートなどをとる、いろいろな説明会が行われてきたと思うんですけれども、どんな意見が出されてきたのか、参加者はどの程度だったのかということを教えていただきたいと思います。
○森下都市づくり政策部長 説明会等に参加した方の意見なんですけれども、こういう木造の密集地域、大変建ぺい率が厳しいという実態もございましたので、歓迎する声がかなりあったということ。一方では、建て詰まりがするのではないかということで不安をいわれる方もあったということでございます。
それに対して、区の方については、安全性第一ということがもちろん前提であるわけですけれども、建物が更新されること自体、建物が新しくなるわけですので、そういった面での環境もよくなるし、道路が広がっていくということは、そういったところからの採光がとれるというようなこともありますので、市街地環境もその面においては改善するというような説明をしたと聞いております。
それから、説明会への参加の人数なんですけれども、墨田区におきましては、用途地域の説明会と一括してやっておりますけれども、延べ三百六十人ほど、この地域の中の方が参加したということでございます。荒川区につきましては、用途地域の説明会を一たんやりまして、その後に新たな防火規制について改めて区報でお知らせして、説明会もしたというようなこともありまして、参加者数は延べ七名と少なかったということを聞いております。
○清水委員 基本的な問題として、私は、防火性能を高めるという目標は進めるべきだというふうに思うんです。しかし、三百数十人、それから荒川区の説明がありましたけれども、そう多くはない参加者の中でも二つの町会で町会要請の説明会をされているというふうに聞いているわけです。その中で、大げさな表現なのかもしれないんですけれども、風害や日照について大変心配している声が説明会の意見の概要をいただいてあるわけですね。私、今までいろいろなマンション紛争なんかで聞いてきましたけれども、日照というのは、それがあるということは当然だと思うんですけど、風害というのが、ここでは非常に強い意見として出されているんですね。マンションが建ってしまうと、家が吹き飛ばされてしまうというような意見をここで区の方が幾つか書いてあるんですけどね。そういう問題について、説明会ではどのように住民に説明されたんでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 ただいまの風害の問題は、恐らく幹線道路沿いのマンションの問題だろうと思います。この説明会は、新たな防火規制の区域の話もそうでございますけれども、当然幅の広い地域でございますので、中には幹線道路沿いの地域がたくさんございます。そういった中でのマンション紛争についてのお尋ねだということと思います。ですから、区の方でどう回答したかということはつぶさに聞いておりませんけれども、先ほど建ぺい率を緩和したという意味で区民の方が歓迎された意見、不安であったという意見についてはこう答えたということについては聞いておりますけれども、マンションの風害については直接的には把握しておりません。
○清水委員 少し強調されている点もあるかとも思うんですけれども、マンションの紛争を取りまとめる条例などが区にあると思うんですけれども、それなども余り時間がかからないようになってほしいなどといわれて、要請が出されているようにも伺っています。
しかし、住民にとっては二万七千棟、二万四千棟ですね。大変多くの住民がこれにかかわることに、やはり丁寧な説明と、それから防火性能を高めるという目的があるのであれば、十分な理解をしてもらうということがまず一つ重要だと思いますので、それは要求をしておきたいと思うんです。
それで、最初に私が建てかえの予想戸数などを聞いたのは、これまでの事業の中でも、なかなか木造住宅が解消できないという理由に、これはどこでもいわれているところですけれども、高齢者が木造住宅に住んでいると、幾ら三十年以上たっていても、経済的な余裕がなければ、幾ら広さが広がっても、建てかえるという意欲とか、そういう条件も整わないわけです。
ですから、私は、そういう高齢者や弱小地権者が、この地域に安心して住み続けられる--建てかえられる人は、基準に基づいて、基準を持ってやっていけばいいことかもしれないんですけれども、それ以外の方たちは、引き続き多くなるのではと思うんですね。今までよりは多少は上がるかもしれないんですけれども、そういう対策というのが、都市計画局そこだけのもの、土地利用の問題だけではなくて、全体としての対策、方策というのが、これまで反省してみて、評価してみて、十分ではないところに一体何が問題になったのかというようなことを踏まえながら進めていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 今回は、土地利用の面からの建ぺい率の緩和ということを通じて促進するということでございます。当然、防災都市づくり、安全なまちにしていくためには、例えば骨組みとなるような道路の整備、公園の整備というようなことがまず第一にあるでしょう。それから、道路沿いの不燃化、こういったことも大変重要でございまして、先ほど都市防災部長からお答えしたような不燃化促進事業などを展開しているわけでございます。今回は、さらにその内側の、いってみれば、不燃化助成も手に届かないような部分について安全なまちにするための手だてを考えているということでございます。
それで、高齢者の方々は、当然、そういう不燃化助成の区域の方もいらっしゃるでしょうし、そうでないところもいると思いますけれども、そういった方々の対策というのは、もちろん、単純なこういう建築の規制の緩和とか、不燃化助成だけでは済まない問題も当然あろうかと思います。そういう事業の進捗に伴いまして、いろいろな公的住宅への入居を考えるとか、あるいは持っている土地の資産そのものをうまく等価交換的な方法を生かしながら、資金負担のないような方法を考えるとか、さまざまな方法をやらなきゃいけないということだろうと思います。
今回、そういうものの事業が進みやすくするような一環として、土地利用面でも支援する体制をとったということでございまして、そういう個々の面についての努力をぜひ評価していただきたいと思っております。
○清水委員 東京都の施策としてこの間欠けているのは、今の高齢者の状況とか気持ち、高齢者の家に対する愛着とか、そういうものに対する分析というのが欠けているというふうに思うんです。今のご答弁を、公的住宅に移るとか、そういう形で簡単にその住居から離れられるのであれば、今までだってできているはずなんですね。しかし、東京都のこれまでの事業の中で欠けているのは、そういう個別の対策というのが不足していたのではないかというふうに思います。
規制誘導策はもちろん必要だというふうに思いますが、個別のそれぞれの地域の実情に合った対策を東京都がどうやって支援していくかということが今求められていると思うんです。
阪神でも、建物の倒壊が死者の増加につながったといわれています。ことし、宮城で八月に地震がありましたが、全半壊住宅四百五十棟余り出したわけですが、多くが築後数十年以上経過した木造住宅だったといわれています。県はこういう状況の中で、ことしから、つまり木造住宅の耐震化を促進しようということで補助制度を設けて、市町村に補助制度を受けるように進めてきて、そして、それが間に合わずにこうした事態になったことに対して、非常に衝撃を受けているというふうに報道されているわけです。
ことし関東大震災八十年といわれていて、こうした問題がこれから大きな課題になるといわれているわけですけれども、東京都は、今、防災都市づくり推進計画の改定素案を五月に出して、九月にも策定を進めていますが、これによると、集中的に事業を実施するということで、防災対策を実施する整備地域を選定して事業の重点化を図ることなど、住民の要望に本当にこたえているのかどうかということは疑問の改定素案が出されているわけです。
これまでの成果と協議を生かしながら、この間の実際の実施を踏まえた改定計画を作成する必要があると思います。重点的に整備を個別対策も含めて、そうした対策をとらなければ、実際にはこういう規制誘導策をとっても、多少は進むかもしれないけど、多少では今いけないということで、個別の対策、耐震補強制度の充実などを含めた個別の対策をとることが求められていると思いますので、そうした推進計画を提案されるように求めておきたいと思います。
以上です。
○林委員長 ほかに発言はないですね。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市計画局関係を終わります。
この際、議事の都合により十分間休憩いたします。
午後二時五十分休憩
午後三時二分開議
○林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより環境局関係に入ります。
ディーゼル車規制の状況について、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○山本自動車公害対策部長 本年十月から実施いたしますディーゼル車規制の状況についてご報告させていただきます。
まず、お手元の資料の表紙をおめくりください。目次にありますとおり、環境確保条例による規制の概要外四点についてご説明させていただきます。
一ページをごらんください。環境確保条例による規制の概要でございますが、ディーゼル車から排出される粒子状物質は、今日の大気汚染に大きな影響を及ぼしており、その削減は一刻の猶予もならない課題となっております。そのため、都は条例に基づき、本年十月一日からディーゼル車規制を実施することといたしました。
規制の内容は、粒子状物質の排出基準に適合しないディーゼル車は、島しょを除き、都内での運行を禁止するというものでございます。対象車種は、トラック等の貨物自動車、バス等の乗合自動車、冷凍冷蔵車等の特種用途自動車で、乗用車は除かれております。
また、初度登録から七年間は規制の適用が猶予されるとともに、知事が指定するPM減少装置を装着した車両は条例規制に適合するものと見なすことといたしております。
罰則等でございますが、違反した場合には運行責任者に運行禁止命令を出し、命令に従わない場合は氏名公表及び五十万円以下の罰金を適用することといたしております。
なお、埼玉、千葉、神奈川県におきましてもほぼ同様の条例による規制を十月一日から一斉に開始することになっております。
二ページをごらんください。都は、規制を円滑、効果的に実施するため、昨年から違反ディーゼル車一掃作戦を展開してまいりました。
まず、事業者への周知と規制対応の働きかけといたしまして、二十台以上を使用する事業者約四千社への立入指導、都内の全ディーゼル車所有者へのダイレクトメールの送付、地域や事業者団体ごとの説明会、総合相談窓口の設置など、さまざまな方策により規制内容の周知等を行ってまいりました。
また、この八月には中央卸売市場における規制開始五十日前の周知活動を行ったほか、休日等における臨時相談窓口を設置し、中小事業者等の相談にきめ細かに対応いたしました。
次に、荷主への働きかけといたしまして、まず建設業、製造業、運輸業、小売業等の荷主団体に対し早期対応を要請するとともに、会員事業者への周知を要請いたしました。
また、配送、工事等の契約において、都や区市町村、民間企業が荷主としての立場から、規制適合車の使用を推進する取り組みを進めてまいりました。平成十五年四月から、都が発注する配送、工事等の契約において規制適合車の使用の協力を求める取り組みを全庁的に実施するとともに、都の監理団体、区市町村においても、十月以降、仕様書等に規制適合車の使用を明記することになりました。
三ページをごらんください。自動車整備事業者への働きかけといたしまして、東京都自動車整備振興会及び日本自動車整備振興会と連携し、会員事業者へ規制内容の周知を図りました。また、点検整備時における使用者への注意喚起や、PM減少装置装着代理店の募集も行っております。
次に、自動車メーカー及びPM減少装置メーカーへの働きかけといたしまして、平成十五年二月に、自動車メーカー七社に対し、社会的責任を踏まえ、事業者の負担軽減に配慮したディーゼル車の買いかえ促進を図るよう要請いたしました。また、七月には、規制開始を控え、急増する事業者の需要に対応できるよう、自動車メーカー四社及びPM減少装置メーカー二社に対し、新車や装置の生産供給体制の強化等を要請いたしました。
次に、石油メーカーへの働きかけといたしまして、PM減少装置の装着を促進するため、平成十四年九月、石油連盟に対し、硫黄分を五〇ppm以下に低減した軽油の全国供給の前倒し実施を要請いたしました。石油連盟では、都の要請を受け、本年四月から全国供給を実現しております。
次に、八都県市の連携強化といたしまして、平成十四年十一月にディーゼル車対策推進本部を設置いたしました。また、八都県市として国や全国の自治体、自動車メーカー、整備事業者等の団体に対し、施策の充実、事業者支援の協力等を要請したほか、八都県市域内の幹線道路等三十八カ所での横断幕の設置、規制開始百日前の広報イベントの実施など、合同での周知活動を展開してまいりました。
四ページをごらんください。都の支援制度の実績でございます。PM減少装置の装着補助申請台数は、平成十四年度までがDPFと酸化触媒、合わせて約一万四千台、平成十五年度は七月末現在、二万七千八百七十九台で、合計四万一千八百八十二台となっております。
次に、融資あっせん申込台数でございますが、まず、東京信用保証協会の保証を得て融資する従来からの制度融資である自動車低公害化促進資金は、平成十三年度から平成十五年七月末までの合計で六千三百八十一台となっております。
また、本年度限りの制度として、購入車両を担保として融資するディーゼル車特別融資の実績は、平成十五年三月の制度開始から七月末までの合計で千六百三十台となっております。補助、融資あっせんともに、今年度に入りまして申請台数が大きく伸びております。
五ページをごらんください。都内登録の規制対象ディーゼル車の対応状況でございますが、先ほど説明いたしました違反ディーゼル車一掃作戦に基づくさまざまな取り組みや補助、融資あっせんといった支援策により、事業者の規制への対応が進捗してきております。平成十四年三月末時点での規制対象車両は二十万二千台となっておりましたが、本年三月末時点では十三万五千台と、三分の二に減っております。さらに、七月末時点での推計では、少なくとも減車、買いかえによる対応が八万七千台、PM減少装置による対応が三万四千台と推定され、規制対象車両は八万一千台に減少しております。推計ではございますけれども、七月末時点での進捗率は約六割となっております。
六ページをごらんください。規制開始後における不適合車への対応として、取り締まりを行うことといたしております。
その内容ですが、事業所への立入検査、路上取り締まり、ビデオカメラによる走行車両の撮影、物流拠点での取り締まり、都民等からの通報による調査を行います。
また、取り締まりとあわせて、都や区市町村が発注する配送、工事等の契約や都施設において規制適合車の使用を徹底するなど、違反車両を使わせない取り組みも行ってまいります。
なお、取り締まりにより違反事実を確認した場合には、運行禁止命令を出し、命令に従わない場合には氏名公表、五十万円以下の罰金を適用することといたしております。
以上でディーゼル車規制の状況についてのご報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○林委員長 説明は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○こいそ委員 いよいよ条例の施行まで一カ月強といっても本当に数日となってまいりまして、あと一カ月強のいよいよ施行の段階に至ってきたわけでありますけれども、今までの取り組み、また、実際の状況を今ご説明いただきましたが、もう一つ詳しくお聞きをしながら、ご答弁をいただきたいと思います。
資料による説明では、ディーゼル車の規制対応の七月末の進捗率が六割になっているというようなお話でありました。前回、七月の常任委員会でも指摘をさせていただいたわけでありますが、これまで装置の装着及び車両の買いかえ等で規制への対応をしてきたのは、大企業といいましょうか、一概にはいえませんけれども、それなりに比較的余力のある、でき得る事業者が多かったのではないのかな、このように推察するわけでありますが、また、一面、対応したくても簡単にはできない。ここまで来る中でいろいろな判断があったと思いますけれども、廃業を余儀なくされる。現実に私の周辺でも、もはや十月一日を目途にする中で、厳しい経営事情環境の中で事業を進められないということで、廃業を決意した人も少なくなく、直接的にも聞いております。
いずれにいたしましても、事業者に対して、まだまだ判断に迷っている中小の零細事業者に対して、より実態に即した周知活動を、残された期間でありますけれども、行っていくべきだ。また、この間、今まで具体的に取り組みを、とりわけ零細といいましょうか、小規模事業者に対する取り組みはどのように行ってきたのか、このあたりからお願いしたいと思います。
○中島参事 ディーゼル車規制に関する内容の周知につきましては、これまでも事業者団体への説明会や地域説明会の開催、あるいは東京都広報を初めさまざまな広報媒体により積極的に取り組んでまいりました。
個々の事業者に対しましては、各地域の金融機関や、あるいは自動車販売店を通じまして、直接的な情報提供を行うとともに、八月には都内すべてのディーゼル車使用者に対しまして、本年三回目のダイレクトメール、約九万通を発送いたしまして、周知を図ってきたところでございます。
さらに、総合相談窓口では、毎日平均四百件以上、直接、あるいは電話のご相談をいただいておりますけれども、八月には、八王子、立川、両国、都庁におきまして土曜日ですとか日曜、また夜間も含めまして、できるだけ事業者の身近なところでの臨時相談窓口を設置いたしまして、事業者の申請受け付けですとか、相談にきめ細かく応じてきたところでございます。
○こいそ委員 ここに来まして、補助金の申請数が急激に増加してきている、ふえてきた。これは一面、結構なことだとは思いますが、申請数の推移のほかに、申請内容から見て、今、小規模事業者の今までの取り組み、また、相談、対応というお話がありましたが、急増してきた申請内容から見て、特に小規模事業者等の申請状況はどのような件数となっているか、実情を教えていただきたいと思います。
○中島参事 PM減少装置の補助金申請でございますけれども、四月が四千四百十九台、五月が五千五百九十六台でございました。また、六月には八千六百七十二台、そして、七月には九千百九十二台と急激に増加いたしました。
本年十月までの規制対象車に限って受け付け期間を設定させていただきました八月につきましても、お盆の期間は申請件数が一時減少いたしましたけれども、今週に入り再び増加いたしまして、昨日までの集計では約六千二百台となっております。
また、申請内容についてでございますけれども、一件当たりの申請台数の推移を見ますと、ことし四月には平均四・一台であったものが、現在では平均一・四台となっております。これは、一台だけで事業をしている小規模事業者の方が、厳しい経営環境の中にあっても、規制開始が近づくにつれまして、真摯に規制への対応を図っていることのあらわれだと受けとめております。
○こいそ委員 先ほども冒頭でディーゼル車規制の現状についての報告をいただきましたが、環境局が行ってきた、今まで取り組んできた努力に対して一定の評価もさせていただくわけでありますけれども、七月末の時点での対応が、先ほどご答弁いただきましたが、六割である。裏を返せば、四割もがまだ対応されていないということでありますね。残された時間は、先ほどから申し上げさせていただいておりますように一カ月。もう一カ月といってもいいですね、になってきたわけであります。規制開始まで今後どのようにきめ細かい対応をまた促していくのか、このあたりをお願いします。
○山本自動車公害対策部長 八月に入ってからも事業者の対応が進んでおりまして、さらに進捗率が上がるものと考えております。都といたしましては、規制への対応を促進するため、この八月から重点的な取り組みを実施しております。具体的には、四千社への立ち入り実績を踏まえまして、未対応の台数が数多く残っている事業者約二十社に対しまして、再立ち入りを行っております。
また、十月までには対応するとしている事業者千七百社につきましても確実な対応を促すために、昨日、要請文書を送付したところでございます。
また、物流拠点二カ所で五十日前周知活動を行ったほか、九月には、都の建設工事の現場で一カ月前周知活動を行うことにしております。
そのほか、特別融資を扱っている地域の金融機関による事業者への働きかけも強化しております。規制開始を間近に控えまして、こうした取り組みを重点的に行い、対応を促していく考えでございます。
○こいそ委員 仮にこれから二割、三割の事業者が対応してくると。そうしますと、装置の装着や車の買いかえ需要が、現在も急増しておりますけど、より多くなってくるということは当然でありまして、例えば、実際に装置の取りつけを行っている整備工場の関係者の話を聞いてみましても、人手不足を初めさまざまな要因がそこにあるわけでございましょうけれども、十月までにはとても間に合わない。また、新車の供給の体制はどうなっているのかといいますと、なかなか量産というんでしょうか、NOx・PMに対応できるような車両を当然購入したいわけでありますから、その要望に対してなかなかこたえられないというのが実情であるというふうに、関係者から直接聞いているわけですね。そのようなことの中で、今注文しても、十月までにはとても納車ができない。装着もなかなか厳しいんだ。こういう状況。
環境局、都は、自動車メーカー、または装着のメーカー並びに修理工場等々含めて、どのような指導を行っていくのか、このあたりをお伺いします。
○山本自動車公害対策部長 ディーゼル車メーカー等に対しましては、本年二月に規制実施に向けた協力を要請し、その後、定期的に指導を行っております。七月十八日には、改めて規制対応に前向きに努力している事業者の負担軽減に配慮すること、また、新車や装置の供給についても万全を期すよう要請いたしました。
メーカーにおきましても、生産ラインをフル稼働させるなど一定の努力を行っておりますけれども、規制が近づくにつれ、事業者の対応が急速に進み、新車については、昨年同期に比べ受注が二、三倍になっているメーカーもございます。また、装置についても、年初に比べ、一都三県以外からの注文が三倍近くになっておりまして、全国的な広がりを見せているとの報告を受けております。
規制開始までに事業者の需要にこたえることはぜひとも必要でございまして、自動車メーカー等に対しては、社会的責任を踏まえ、新車や装置の供給にさらに万全を期すよう働きかけてまいります。
○こいそ委員 まさにメーカーも社会的な責任を当然踏まえていただかなきゃいけない。また、先ほど話をさせていただきましたが、関係者のいろいろなお話を聞く中でも、メーカーは特需なんですね。一種の特需景気なんです。一方じゃ、中小零細企業の一台、二台、三台、いわゆる小規模事業者は苦しんでいる。荷だって、なかなか荷主の方から厳しいことをいわれますね。条件を突きつけられてくる。これからどうするんだ。借金して車を購入して、果たしてそれは採算が合っていくのかどうなのか。いろいろな苦労を我々も今までも見て、聞いてきました。今も現状そうでありますけれども。
その中で、一方、この条例と、NOx・PMを想定して、ここで、いわゆる業界でありますけれども、ひとり勝ちじゃないけれども、さらに十月一日という一つの条件があるわけだから、条件の中で間に合わない。間に合わせない。どういうことかなというふうに思うんですね。
いずれにしても、今のお話の中でも、装着や納入の事情は大変厳しい。また、そういう状況の中で、具体的には施行後にビデオカメラをそれぞれ配置して、十月一日から取り締まりを具体的に開始していくんだ、こういう話ですね。
先ほどの補助金の申請状況でも、一事業者一台という申請が大変ふえているんだ。廃業するかどうかの瀬戸際で、最後の最後まで迷ったあげく、今申し上げたけれども、何回もいって大変恐縮でありますが、切実なところでありますので、荷主からの締めつけも厳しく、ここに来て、泣く泣く対応せざるを得なくなったという事業者が、何とか条例施行ですから、従おうとしている。その件数が、今、当然、ふえてきているわけですね。これからまだふえると思うんです。そういう事業者までメーカーの対応のおくれで一律に取り締まっていくというのは、余りにも厳し過ぎるのではないか。酷じゃないか。
すなわち平たくいわせていただければ、お役所ですから、お役所のやることが当たり前の話かもしれないけれども、世間一般からいう言葉でいけば、お役所仕事じゃないかということじゃないかと思うんですね。明確な規制への対応意思があっても、装置や納車の時期が大幅におくれてくる等々でどうにもならない事業者に、何らかのといいますか、配慮、措置が必要であると当然考えているわけでありますけれども、どうでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 先ほど来お話に出ていますとおり、多くの事業者の方々が規制開始を間近にして対応を進めてきておりまして、補助金の申請もこのところ急増しているわけでございます。そうした中で、私どもの総合相談窓口の方でも、装置装着であるとか、新車のおくれにより対応が間に合わないため、何らかの配慮をしてほしいとの要望が多く出されてきておりまして、また、関係業界からも同様の強い要請がございます。
私どもといたしましては、大変厳しい経営環境のもとで積極的に対応する意思を表明している方々につきましては、公平性を確保する上で規制開始までに何ら対応しない人とは区別する必要があると考えております。
そこで現在、メーカーの供給能力や今後どの程度間に合わない車両が発生するかなどにつきまして状況の把握に努め、メーカー側の対応のおくれで間に合わなくなる場合の取り扱いについて検討しているところでございます。ご指摘いただいた点を踏まえまして、早急に結論を出すよう努めてまいります。
○こいそ委員 常識的に考えて、生産と供給のおくれ、事業者の責任じゃなくて、実際、それを購入する側、装着する側ですね。事業者の責任によらない理由で、規制に間に合わず、さっきもいいましたけど、取り締まりの対象になることは到底納得できない。一生懸命努力して、事業者が安心できるよう早期に適切な措置を実施していただきたい。重ねて要望するわけであります。
また、補助金の申請も本日八月二十九日が締め切りですね。きょうの状況を聞きますと、殺到しているというようなことのようであります。まだ規制前、いわゆる十月一日前でありますから、何とかこのあたりも状況を勘案する中で融通をきかせるというか、配慮するといいますか、しながら、九月に短期間でも、期間はちょっと置いておいても、受け付けを再開するくらいのことは当然行うべきだ、こういうふうに、強くこのあたりは要望したいと思います。かねがね我が党の方からも、これらの問題というのは提起させていただいていることであります。
それと、中小零細企業が厳しい経営状況の中、条例だ、二年後のNOx・PM法だと、責められているんですね、切実に。生きるか死ぬか。事業をやめるといったら、大変なことだ。今までの借金をどうやって返済していこうか。大変だ。大変な状況です。荷主からも厳しい選択を迫られながら、本当に最後の最後までさまざまに悩んでいるわけですね。その苦しい環境状況の中で何とか対応していきましょうとしている中小零細事業者、小規模事業者に対して、環境局だけじゃありませんけど、都が今まで以上にきめ細かで親身になった対応をするよう強く、強く要望させていただきたいと思いますが、局長、コメントをお願いします。最後の答弁。
○小池環境局長 ただいまご質問いただきましたように、本日は、年内までに規制対象になるという車両についての補助申請締め切り日ということで、最終日を迎えまして、昨日に引き続いて、今、第二庁舎の一階に臨時窓口を設置しておりますが、大勢の方が申請にいらっしゃっている、こういう状況でございます。その中には遠く檜原村から補助申請に来られた方がいらっしゃいまして、先週までどう対応するか本当に悩んだ末、きょうが最終日だということで申請することを決意したというふうに、きょういらっしゃった、こういうような話を担当職員から聞きました。
これはほんの一例ではございますけれども、このように多くの中小零細事業者の皆さんが、ただいまお話がありましたように、大変厳しい経営状況の中でいろいろと悩みながら、何とか対応しようとしてご努力いただいているものだと、その積極的な姿勢に深く感銘を覚えた次第でございます。
先ほど、自動車公害対策部長がご答弁申し上げましたように、このように努力された方が不利益をこうむるようなことがないように十分配慮する必要があると思っております。今後ともさまざまな事柄に対しまして、ただいまご指摘がありましたように、きめ細やかで、親身になった対応となりますように努めてまいりたいと思います。
○野上委員 同じような質問なんですけれども、都の条例によるディーゼル車規制の特徴として、都内の登録車だけでなく、都外から入った車についても規制の対象として運行を禁止することが挙げられております。本日は、東京都のディーゼル規制の状況について説明を受けたわけですけれども、こうした都条例の特徴から見るならば、他県の状況についても把握する必要があります。
特に今年度は、PM減少装置の装着補助について、国の補助金の要件緩和、道路特定財源を活用した大幅な予算額の増加がありながら、国の補助金が六月に突然に打ち切られ、全国の自治体、事業者への影響が懸念されました。私も突然の打ち切りに対して、すぐに国土交通省に出かけていきました。扇国土交通大臣にお会いして、補助金の追加申請をしてまいりました。
例えば、八都県市など、他県の取り組み状況や補助金の予算、申請数などの実績はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 八都県市では、ディーゼル車対策推進本部を設置いたしまして、PM減少装置の共同指定など対策推進のための条件整備、それから周知活動や関係団体への要請など、規制対応に関する事業者への働きかけなど、連携協力してディーゼル車対策を実施しております。
PM減少装置の補助金につきましては、八都県市合計で、平成十四年度は補正後の予算が約五十三億円、申請は約二万五千台、十五年度は約百四十七億円、申請が七月末で約七万五千台に及んでおります。八都県市以外でも十三の府県が補助金の予算化、制度化を表明しておりまして、その予算額は合計で約十二億円、約一万三千台分になります。
○野上委員 東京都も昨年度二十九億円、今年度五十九億円という巨額の予算を組みましたが、八都県市でも厳しい財政状況の中、昨年度も今年度も補正予算を組んで急増する需要にこたえてきたという経過がございます。この二年間の累計で十万台という申請というのは大変なことだと思っております。
当初は、この長引く不況の中で、大企業だけしか対応できないのではないかと危惧されましたけれども、中小企業にもディーゼル車規制の必要性が浸透して、厳しい経営状況の中で、多くの中小零細事業者がPM減少装置の装着や新車への買いかえに対応しようと努力しております。中小零細事業者の規制への対応状況について、都はどのようにとらえているのでしょうか、認識を伺いたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 長引く不況の中で、中小零細事業者が置かれている厳しい経営状況については認識をしてございます。平成十五年度は中小企業向けにPM減少装置の補助金を支出するなど支援策を展開するとともに、各種説明会の実施など、きめ細かな対応により、条例規制への対応を促進してまいりました。補助金の申請状況を見ても、中小企業の補助申請が増加するなど、一定の理解と協力が得られつつあると考えております。
○野上委員 私も多くのところでディーゼル車規制について相談を受けるんですけれども、PM減少装置の発注をした方から、メーカーから納入時期が示されていないという苦情を聞くことがあります。きょうの資料にもありますけれども、規制開始後の不適合車への対応では、こういった方々の扱い方がどうなっていくのかよくわかりません。つまり、発注はしてあるけれども、納入期限を明記していないので、十月一日を過ぎて納入されてしまうかもしれないという、そういう不安を持っていらっしゃる方が大勢いらっしゃいます。
平成十五年十月の条例規制開始が近づくにつれて、条例を遵守しようという意思があり、装置や新車を発注するなど明確な対応をとっている事業者から(「同じ質問だ」と呼ぶ者あり)同じようなことなんですけど、このままでは行政処分や処罰の対象となってしまうんじゃないかとか、規制前なのに荷主から対応を迫られている、このままでは仕事がとれなくなる、なくなってしまうというような不安の声が多く寄せられているわけです。
条例の取り締まりを公平にすることも確かに大事ですけれども、配送、工事等で違反車両を使わせない取り組みも重要ですけれども、これらが厳正に行われると、装置装着や納車のおくれは事業者にとっては生きる死ぬの死活問題になってくるわけです。ですから、条例を遵守する意思があって、装置や新車を発注するなど明確な対応をとっている事業者が、みずからの責任がないにもかかわらず、装置装着、納車等がおくれた場合、行政処分その他不利益を受けないように、遅延に関する明確な救済措置を早急にとるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 都民の生命と健康を守るため、ディーゼル車規制につきましては、この十五年十月から着実に実施する必要がございます。零細事業者の方々につきましては厳しい経営環境の中でございますけれども、一定のご理解とご協力をいただいているところでございます。
そうした中で、ただいまもお話しございましたけれども、発注はしたけれども、間に合わないというような声が出てきておりまして、先ほどご答弁いたしましたとおり、そういった方々につきましては、全く対応しない方とは、公平性の面から区別する必要があると考えております。現在、そうしたどの程度間に合わないのかという状況について把握に努め、メーカー側の対応のおくれで間に合わなくなる場合の取り扱いについて検討しているところでございまして、早急に結論を出すよう努めてまいります。
○野上委員 ディーゼル車規制は、一都三県でほぼ同様の内容の条例規制をしております。八都県市で対策本部までつくってディーゼル車対策を展開しているという点では画期的なものです。また、運行禁止命令によって全国の事業者に影響を及ぼしていること、直接規制の対象となるディーゼル車の所有者だけではなく、荷主として多くの民間業者を巻き込んでいるなど、その影響の大きさははかり知れません。
今のような遅延の場合、八都県市やメーカー等との連携により、早期かつ統一的な対応をしなければ、多くの関係者の間に不幸な混乱が生じます。八都県市やメーカーに働きかけ、装置装着、納車等の遅延に関する措置を早急に実施すべきだと思いますが、見解をお伺いしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 ディーゼル車規制につきましては、一都三県で同様の条例を制定し、八都県市の緊密な連携で推進してきており、全国の自治体にも周知や補助実施などの要請を行ってまいりました。ただいまご指摘のございました遅延の取り扱いにつきましては、八都県市やメーカーにも働きかけを行いまして、早急に検討してまいります。
○野上委員 つい先日もディーゼルの話をした際、初めて都の条例規制を聞いたという、珍しいでしょうけれども、そういう事業者の方がおりました。本当にダイレクトメールを送ったり、説明会を開いたり、マスコミの対応とかをやっていながら、これだけ周知徹底に努めていても、まだまだ知らない人がいるのかという、正直いって驚いたんですけれども、これが現実ではないかと思います。あと四割の方の中にはそういう方がいらっしゃるのではないか。規制まであと一カ月です。今までにも増して、しっかりと規制の周知、対応促進を働きかけていただきたいと思います。
その中で、補助金については、先ほどこいそ理事からもありましたけども、本日で申請が締め切られるわけです。この一週間、第二庁舎一階で受付窓口に申請者が殺到している状況を見ると、本当にきょうで申請を締め切ってしまっていいのかなと改めて考えてしまうわけです。PM減少装置の補助金受け付けについて、九月に短期間でもいいので、再度受け付けを行うべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 十五年十月までにPM減少装置を装着して条例に適合するためには、補助申請を受けてから交付決定を経て、事業者が装置を発注し、装着するということで一カ月は必要になります。したがいまして、規制開始日から逆算いたしまして、八月二十九日を締め切りとしたわけでございます。
ただいまお話がございましたとおり、今週月曜日から昨日までの四日間で約三千台の申請がございまして、まさに規制対応を進める事業者の申請が殺到しているというような状況でございます。ただいまご指摘のございました再度の受け付け期間の設定につきましては、こうした受け付け状況などを十分勘案いたしまして検討してまいります。
○野上委員 私の家のすぐ近くで金型でPM減少装置の一部をつくっている業者のおじいさんがいらっしゃるんですね。毎日毎日注文が殺到して、夜も寝られないぐらい忙しいと。でも、十月一日をもって、ぴたっとこの注文もなくなるんじゃないかと心配しながらも一生懸命つくっているという--おじいさんひとりでやっているんですけれども。
八都県市で十万台ものPM減少装置の補助申請があるなどということは前代未聞だと思います。しかし、それがきょう、あすの資金繰りに悩む中小零細事業者の一台一台の苦渋の決断の積み重ねであることを十分認識していただきたいと思います。規制というのは劇薬です。その扱いについては、一台一台の状況を十分考慮した、血の通った対応を実施するよう要望して、質問を終わります。
以上でございます。
○かち委員 ディーゼル車規制をあと一カ月後に控えて、今お二人の質問にもありましたように、今実際にディーゼル車を抱えている中小零細の事業者の皆さんは、本当に塗炭の苦しみの中にいるわけであります。その一方では、特需ということで、メーカーは増産が間に合わないというような状況にあるわけで、こういう現象は、私は、全くおかしな、逆転している状況ではないかなと、本当に今つくづくと考えてしまうんですね。
それで、改めて基本的なことで質問してみたいと思うんですけれども、法律で道路運送車両法というのがありますね。その中の改善措置の勧告等ということで、第六十三条の二という項目があります。この内容は、国土交通大臣は、前からのつながりですけれども、前条第一項の場合において、その構造、装置または性能が保安基準に適合していないおそれがあると認める同一の型式の一定の規模の自動車について、その原因が設計または製作の過程にあると認めるときは、当該自動車を製作し、または輸入した自動車製作者等に対し、当該基準不適合自動車を保安基準に適合させるために必要な改善措置を講ずべきことを勧告することができるという条文があるんですけれども、このことを素直に見れば、十月一日から規制が始まります。規制が始まった途端に、ユーザー、トラックを運転していた方が今の基準に適合していない状況であれば、その方は罰則、犯罪者といえますか、そういう扱いをされるわけですけれども、その方が本当に罪を犯したのでしょうか。そうではないですね。この文章からしても、保安基準に適合しないのは、その製造過程や構造に問題があるんだから、その製作者が保安基準に適合させるために必要な改善措置をしなさいということがいえるという状況だと思うんです。そういうことをメーカーが本当にやってきたのかということで、非常に問われると思うんですね。
先ほどから社会的責任がある、果たさせるといっておりますが、何が社会的責任を果たしているでしょうか。今まさにこの状況の中で、ただもうけている本人ではないですか。社会的な罰則やペナルティーは何もかかっていないのが、今のメーカーの実態ではないでしょうか。この条例解釈として、局としてどのように解釈されているんでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 ただいまお話しございました道路運送車両法の第六十三条の二の規定は、いわゆるリコールに関する規定でございます。国土交通大臣は、保安基準に適合していないおそれがあると認められる場合で、その原因が設計または製作の過程にあると認められるときは、その自動車を保安基準に適合させるために必要な改善措置を講ずべきことを勧告することができるとしております。この規定をもって、そうしたメーカーに対して、今回のディーゼル車規制の関連で対応できるかというと、即座に判断しにくい面がございまして、ここの部分につきましては、こういった法令の解釈を国の方で確認して、検討しなきゃならない問題だというふうに考えております。
○かち委員 国はこういうことをいっても認めていないというのが今の実態だと思うんですけれども、しかし、環境基準をだんだん規制を厳しくして、環境をきれいにしましょう、空気をきれいにしましょうということには国民的な合意、都民の合意はあると思うんですよ。基準を厳しくすることによって、何らそのことでユーザーが、本来ユーザーがちゃんと点検したり、自分の車を故意に環境基準を損なうような状況に陥らせていたとしたら、そのユーザーが罰則されるのは当然だと思いますが、製造したメーカーすら社会的責任を勧告するのは難しいといっているときに、メーカーから、今これが一番適正な基準の車ですよといわれて買ったユーザーが、何で罰則をされなければいけないんですか。十月一日以降について、この人たちがなぜ犯罪者扱いにされなければならないんですか。メーカーにはいえませんということと、じゃ、ユーザーにはいえますということとは整合性がありませんよ。そう思いませんか。
○山本自動車公害対策部長 メーカーにつきましては、先ほどもお話しいたしましたとおり、そういった規制される車を製作したという観点で、排出ガスの規制に対してさらに改善するというような社会的責務は当然あるというふうに考えておりますし、私ども、この間、メーカーにつきましては、そういった社会的な立場から今回のディーゼル規制につきましてはあくまでも事業者の負担軽減に最大限の配慮をするということで、そういった対応を求めてきているところでございます。
○かち委員 口でそういうことをおっしゃっても、実態はそうなっていない。結局、メーカーは新しい車を開発して、どんどん売るということでしょう。売ることに対して、東京都も国も新車の販売促進を進めているわけでしょう。だから、メーカーは何も社会的責任を果たしているなんていう状況ではありませんよ。
しかも、こういう事態になったのは、かつて経過の中では何度も私もいろいろなところでいってきましたけれども、アメリカでは八二年に既にPM基準を決めたときに日本はまだ決めていなくて、しかも直噴式よりも副室式の方が低減できるということがわかっていながらやらないで、そして、国内での緩い基準にはそういう車を売っておいて、外国では規制が厳しい、それにはちゃんと対応して車を売っていたわけですよ。知らないで、できないでやらなかったならば、まだ許せるけれども、知っていて、こっちにはひどいことをやってきたということは全く許せない、そういう問題だと思うんです。
それで、そういう中で、今、規制が始まるから零細業者が本当に苦しみの中でどうしようか悩んで、廃業、自殺をもしかねないような状況の中で、なぜこの人たちにだけ負担というか、その人たちが責任を果たさなければいけないような構図になっているというのは、本当におかしいことだと思うんですね。
ですから、今までは、私は東京都がやってきたことは決していけないことだとは思わないし、環境改善のために、都民、そしてユーザーに働きかけて、できるだけ効率のいいものを、そして、つけられるものをつけてということで、補助金もやって頑張ってきたのは重々承知の上でいっているんですけれども、しかし、今こいそ委員がおっしゃったように、やりたくてもやれない、そういう人たちがまだ数万人はいるということですね。八万人から幾ら頑張ったって、九月いっぱいで全部終わるわけはないはずです。数万人残るんです。そういう人たちを、できるだけ頑張ってとか、法律の公正性からやった人がばかを見るようなことがないようにとかおっしゃっていますけれども、じゃ、やれないでいる人たちは切り捨てるということなんですか。その見解を教えてください。
○山本自動車公害対策部長 ディーゼル車規制はあくまでも大気環境の改善ということで実施するものでございまして、規制への対応がおくれた事業者に対しましては、規模の大小を問わず、早期の対応を求めていきたいと考えております。八月、ディーゼル車を持っているすべての都内のユーザーの方にダイレクトメールをお送りいたしましたけれども、その中でも不適合となる車は十月からは都内を走行できなくなる、取り締まりの対象となりますよということを周知したところでございます。
まだ一カ月ございますので、そういった厳しい状況にある方々はぜひ相談をしていただきたいというふうに考えております。
○かち委員 周知はかなりされてきたと思うんです。ただ、実際にやりたくてもできない人たち、そういう人たちを、私は、この条例の発動によってその人たちが生きるすべを失ってしまうというようなことは、行政の責任としてやってはならないと思うんです。そうでなくて、みずからの責任で倒産したり、いろいろなことがあるというのは、それは仕方のないことだと思いますけれども、一つの条例発動によって、それは施行されることはいいことですけれども、そのことによって負をこうむる。その人たちが責任のあることではないのに負をこうむる、こういう状況は行政として回避しなければならないと思うんです。負をこうむる人たちをどうやって救済するのか。条例をスムーズに十月一日から施行させるためには、犠牲者を出さないようにするためには、行政として最大の努力をするとともに、メーカーに対してもきちんと社会的責任を果たさせる。DPFなんかをもっと廉価で放出するというようなことですね。今間に合わないとかどうとかという話もいっぱい出ておりますけれども、そういうことを解決するのはもちろんですが、そういう救済策というものを私は行政としてとるべきではないか、メーカーも含めてですよ、そういうことをやるべきではないかと思うんですけれども、都としてはどうお考えでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 繰り返しになりますけれども、私ども東京都といたしましては、そうした中小零細事業者の方々が規制に円滑に適合できるよう、今年度、特別融資制度を創設したり、あるいは装置装着に対する、できるだけ多くの方がそういった補助金を受けられるように、予算的にも非常に財政事情が厳しい中でも、一定の規模を確保したという経過がございます。
また、あわせまして、当然、事業者の方だけでなくて、そういった装置メーカーの方々、あるいはメーカーの方々にも、できるだけ事業者の方々の負担が軽減されるように、この間ずっと継続的に要請して働きかけを行ってきております。したがいまして、そういった状況の中で、中小零細事業者の方々には、ぜひ何らかの形で規制に対応していただきたいというふうに思っておりますので、そういった意味でもご理解をいただきたいと思っております。
○かち委員 東京都という大規模な都市の中で、流通関係も一番集中している中で、二年間の経過をとりながら、しかし、やろうとすることが非常にラジカル過ぎるといいますか、断罪過ぎるといいますか、そういう状況にあると思うんですね。先ほどの説明の中で、七都県市、神奈川も埼玉も東京も同じような歩調でこの条例を提起していくというお話がありましたけれども、お隣の神奈川県では、やっぱり十月一日からの発動はするけれども、その間は指導に徹底すると。実際の罰則発動は来年の四月からだというふうに、必ずしも東京都とは一致していないですね。私は、みんなをそういう状況に持っていくというのは行政の役割だと思うんですよ。適合していなければ、ばっさり切ればいいって、そういうものではないと思うんですね。
それで、東京都は、十月一日までに対応しなければならない車が八万台あるということの上に、まだ十一月、十二月でもいい人まで含めて八月中に申請しなさいということをいっているということが余計にパニックを大きくしているというふうに思うんです。何もそんなふうに集中しなくても、漸次やっていけばいいものを全部八月中に押し込めてしまう。そういう中で、きょうも大混乱になっていると思うんです。東京都が、間に合わせるために一カ月必要だから八月いっぱいにするんだというふうにいった以上は、十月に申請したのに間に合っていない、できていないという状況が生まれた場合、当然行政として何らかの対応をとるべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 補助金の申請期間の延伸でございますけれども、これは広報でもお知らせいたしましたとおり、十月の規制開始に向けて、少なくとも一カ月間の期間がないと装置がつかないということで、十月一日の時点で規制対象になる方をまず考えて、一カ月前で、八月二十九日とした経過がございます。
また、あわせまして、十月以降、今年内に規制対象になる方についても、早期装着の促進を図るという観点で八月二十九日にしたという経過がございます。来年一月一日以降の規制対象となる車につきましては、別途十月にそういった申し込み期間を設定するということで、この間PRに努めているところでございます。
○かち委員 五月、六月、七月のあたりで大体予想されてきたと思うんですね。そういう中で、これ以上追い込んだら、本当にパニックになるという状況がありながら。だから、何も十月一日までにやらなくてもいい人まで追い込んできたという経過があるわけですから、それは東京都としてきちんと対応するのが行政の責任だと思うんですよ。申請したのに間に合っていないということに対してですよ。それはお答えがなかったと思うんですけれども、申請したものについては、いつできるということがわかっているわけですから、それはきちんと対応するということでよろしいんでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 既に装置あるいは新車を発注してどうしても間に合わないというような方々につきましては、先ほど答弁したとおりでございます。
○かち委員 何らかの対応を考えるということなので、ぜひそのようにしていただきたいと思います。
神奈川県の例で申しわけないんですけれども、神奈川県ではそういう発注証明書みたいなものを発行して対応しているということで、神奈川県もやり方はちょっと違いますけれども、九月もきちんと申請を受けていると。こんなふうに集中して、みんなが混乱するような状況をとっていないという。だから、本当に行政が現状混乱を招かないためにもっとやるべきことがあるんじゃないかと思うんですね。全部そこに集中させてしまうということが、大変な問題を引き起こしていると思います。
それで、先ほどの説明の中にも、国に対しても要請をしていますけれども、新車対応、新車買いかえの融資ということはいっていますが、やはりメーカー責任を国がきちんとメーカーに求めることと、一、二年後にはすぐやってくるNOx規制に対して、早急に使用過程車の後づけ装置なり、対策をとらなければ、また同じような苦しみを皆さんはするわけですよ。そういうことを避けるために、東京都としても国に働きかけるとともに、都としてもそういう後づけ装置を開発すべきだと思いますけれども、いかがですか。
○月川参事 粒子状物質と窒素酸化物を同時に除去する装置についてのご質問でございますけれども、条例に対応いたしまして、PM減少装置を装着いたしましても、自動車NOx法で二年程度で買いかえになるということで、NOxとPMを同時に除去する装置の開発についてということでございますけれども、PMにつきましては、私ども、減少装置ということで指定しております。これはすすとかを中心にするものをDPFとか酸化触媒で除去するものでございますけれども、それを除去するためには高温で燃焼するということをやりますと、NOxが発生する。NOxを発生させないために低温で燃焼いたしますと、PMが発生するというような関係がございます。そういう意味で、NOxを後づけ装置として除去する場合につきましては、酸化を逆向きに還元するとかいうような仕組みが必要でございます。そういう意味で、技術的にはなかなか困難なものがございます。
両方とるという装置が開発されることにつきましては期待するところでございますけれども、私どもといたしましては、技術情報につきまして広く収集していきたいというふうに考えております。
○山本自動車公害対策部長 国への働きかけということでございますけれども、私ども、今日の深刻な大気汚染を招いた根本的な原因は、国の自動車排出ガス規制の怠慢にあるというふうに考えております。したがって、この間、抜本的な使用過程車対策を機会をとらえて要請しているところでございまして、また、ただいまお話のありましたPMもNOxも両方とれる、そういった装置の開発についても機会をとらえて要請しているというところでございます。
○かち委員 これで終わりますけれども、本当にNOx・PM装置をメーカーはなぜ開発しないかといえば、そういうものを開発したら、新しい車が売れないという状況の中でやっているわけですね。だから、今日の問題を社会的責任を果たすということであれば、メーカーがユーザーに対して今の車でも使える状況をつくってあげる。そのためには、その開発をまず第一にやるということを、国を挙げて、都を挙げて、メーカーにいっていくということをぜひやっていただきたいということで終わります。
○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 ご異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時四分散会
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