委員長 | 林 知二君 |
副委員長 | 真鍋よしゆき君 |
理事 | 野上じゅん子君 |
理事 | いなば真一君 |
理事 | こいそ 明君 |
清水ひで子君 | |
大河原雅子君 | |
山田 忠昭君 | |
かち佳代子君 | |
樋口ゆうこ君 | |
大塚 隆朗君 | |
林田 武君 | |
新藤 義彦君 |
欠席委員 一名
出席説明員都市計画局 | 局長 | 勝田 三良君 |
次長 | 藤井 浩二君 | |
技監 | 梶山 修君 | |
総務部長 | 村松 満君 | |
都市づくり政策部長 | 森下 尚治君 | |
都市づくり調整担当部長 | 南雲 栄一君 | |
参事 | 金子 敏夫君 | |
都市基盤部長 | 山崎 俊一君 | |
外かく環状道路担当部長 | 道家 孝行君 | |
参事 | 宮川 昭君 | |
都市防災部長 | 成田 隆一君 | |
市街地建築部長 | 野本 孝三君 | |
環境局 | 局長 | 小池 正臣君 |
総務部長 | 西野 和雄君 | |
企画担当部長 | 梶原 秀起君 | |
都市地球環境部長 | 百合 一郎君 | |
環境改善部長 | 松葉 邦雄君 | |
参事 | 柿沼 潤一君 | |
自動車公害対策部長 | 山本 憲一君 | |
参事 | 月川 憲次君 | |
参事 | 中島 博君 | |
自然環境部長 | 徳毛 宰君 | |
廃棄物対策部長 | 福永 富夫君 | |
参事 | 松本 保幸君 | |
環境科学研究所次長 | 宮本 孝君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十五号議案 東京都自動車排出窒素酸化物及び粒子状物質総量削減計画策定協議会条例の一部を改正する条例
報告事項(説明・質疑)
・平成十四年度東京都一般会計予算の繰越しについて
都市計画局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十二号議案 東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
・第百五十三号議案 東京都建築安全条例の一部を改正する条例
・第百五十四号議案 東京都特別工業地区建築条例を廃止する条例
報告事項(説明・質疑)
・平成十四年度東京都一般会計予算の繰越しについて
○林委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、初めに、環境局関係の付託議案の審査及び報告事項の説明聴取と質疑を行います。次に、都市計画局関係の付託議案の審査及び報告事項の説明聴取と質疑を行います。ご了承願います。
これより環境局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第百五十五号議案、東京都自動車排出窒素酸化物及び粒子状物質総量削減計画策定協議会条例の一部を改正する条例を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
○林委員長 次に、理事者から報告事項の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○西野総務部長 平成十四年度一般会計予算のうち、環境局所管分の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
予算の繰り越しにつきましては、地方自治法施行令第百四十六条第二項、百五十条第三項の規定に基づき、議会に報告するものでございます。
それでは、お手元にお配りしてございます平成十四年度一般会計繰越説明書に従いましてご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。
繰り越しは、明許繰越と事故繰越でございます。明許繰越額は十四億三千四百三十二万五千円、事故繰越額は十九億二千五百九万六千円、合計で三十三億五千九百四十二万一千円でございます。財源は、すべて繰越金でございます。
二ページをお開き願います。
明許繰越でございます。対象事業は、第一にディーゼル車対策融資あっせん事業でございます。繰越明許費予算議決額は、十億五千八百七十五万円でございます。
繰り越しの内容につきましては、資料右側の説明欄に記載してございますように、ディーゼル車の走行規制に係る新たな融資制度の前倒し実施分におきまして、年度内に支出が終わらなかったため、十億五千六百六十三万三千円を翌年度に繰り越して支出するものでございます。
次に、保全緑地公有化事業でございます。繰越明許費予算議決額は、七億円でございます。
繰り越しの内容につきましては、保全地域内の土地の公有化事業におきまして、年度内に支出が終わらなかったため、三億七千七百六十九万二千円を翌年度に繰り越して支出するものでございます。
三ページをお開き願います。
事故繰越でございます。対象となりました事業は、粒子状物質減少装置の装着促進事業でございます。繰越額は、十九億二千五百九万六千円でございます。
繰り越しの内容は、ディーゼル車の走行規制に係る粒子状物質減少装置の装着促進事業におきまして、年度末にかけて装着件数が急増し、装置装着の調整に日時を要したため、補助金を翌年度に繰り越して支出するものでございます。
以上をもちまして、平成十四年度一般会計予算の繰り越しにつきましてご報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○林委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言願います。
○こいそ委員 それでは、十四年度のPM減少装置の補助金については、装置装着の調整に日時を要して、約六割に当たる十九億円が事故繰越となっています。既に本年度に入りまして三カ月が経過をしているわけでありますけれども、まず、事故繰越となったわけでありますが、事業者のその後の対応についてお願いいたします。
○中島参事 PM減少装置の補助金申請につきましては、十四年度後半から増加いたしまして、特にことし一月以降に、年間申請台数の約五割の申請がございました。
事故繰越の対象となった事業者につきましては、PM減少装置の早期装着と速やかな実績報告の提出をお願いしてきたところでございます。繰り越しにしたもののうち、六月末までに既に約三分の二について実績報告が提出されておりまして、また、残りについても多くの装着が完了しております。できるだけ早期に実績報告を提出するように促しているところでございます。
○こいそ委員 当然にして補助金の申請がふえているわけでありますけれども、このPM減少装置補助ですね、本年度の申請状況、今現在の申請状況はどうなっているのか。また、今後どのくらいの申請が予測というか予定されているのか、このあたりをお願いします。
○中島参事 本年度のPM減少装置補助金の申請件数でございますが、四月以降急速に増加しておりまして、この三カ月間で約一万八千台となっております。これまでの急激な申請台数の伸びから見ますと、この三カ月を上回る申請があると予想されますが、事業者に対しまして、装置装着についての必要な情報の提供やきめ細かな相談の機会を設けることで、十月の規制開始に向け、さらに申請がふえるよう積極的に働きかけていきたいというふうに考えております。
○こいそ委員 ますます装置に対する装着申請がこれから相当伸びていくのではないか。当然それが望ましいわけでありますけれども、その申請に対して、事務手続上の停滞でこの装置装着がおくれるということになりますと、これは当然にして事業者に迷惑がかかるわけでありますが、このあたりはどうなんでしょうか。
○中島参事 PM減少装置の補助金交付事務につきましては、これまでも効率的な処理に努め、通常では二、三週間程度で補助金の交付決定をしておりますけれども、申請件数が六月だけで八千件を超え、事務処理にさらに時間を要する状況となってございます。
このため、七月一日から全局を挙げまして事務処理体制を強化することとし、補助金業務の職員を増員するとともに、発送等の作業におきましては、アルバイトや委託事業者を活用しまして、迅速な事務処理に努めております。
事業者が本格的に規制への対応を進める中で、事務処理のおくれで事業者の装置装着に支障が生じないよう、万全の体制で臨んでいきたいというふうに考えております。
○こいそ委員 PM減少装置の補助金申請がふえている、これからますますふえる、あるいは都の方でも、今のお話のように、事務体制は強化をしてきているというお話でありますが、そのような中で、国が六月十一日に、突然のように補助の申請の受け付けを打ち切ってしまった。これは、大変にこれから、とりわけ東京におきましては、約三カ月という十月一日の実施に向けて、中小企業の厳しい状況というのは、我々も見たり聞いたり、また、いろいろの事情というものは受けとめているわけでありますが、そのような状況の中で、国がこのようなことをすることは、一昨日、昨日の本会議の中でもこれらの問題が出ておりましたけれども、理解どころか、全く国のこのような受け付け中止というのは、甚だ怒りを通り越すぐらいの気持ちになるわけであります。このような中で、今回の措置は、国のまさに責任怠慢で事業者にツケを回すことになるわけでありまして、断じて許しがたいことだということはいうまでもないわけであります。
都議会として意見書を提出するよう、我が党も提案をするという中で、都も緊急な事態だということの中で、これをしっかり受けとめて受け付け再開に対応してもらいたいと思うわけでありますが、このあたり、どうでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 PM減少装置の装着に対する国の補助金でございますけれども、まさに今お話がありましたとおり、今般の補助受け付けの突然の打ち切りということにつきましては、規制開始を前にして急速に規制への対応を進める事業者や、国と協調して事業者の支援を行っている全国の自治体の努力に冷や水を浴びせるものというふうに考えております。
このため、都は、直ちに予算の大幅な増額と早期の受け付け再開について緊急提案要求をしたところでございます。一昨日、知事が代表質問でご答弁申し上げましたけれども、国が早急に明確な対応を示さないというようなことであれば、改めて八都県市とも連携いたしまして、この補助受け付け再開を強く要求していくことにしてございます。
○こいそ委員 これは、大変な十月一日に向けて事態を想定する中で、ぜひ強く、いろんな形の中で要望方をしていただきたいと思います。
また、装置装着にしても、また車両の買いかえにしても、今後の対応が一番、あと三カ月後になった中において、今までというか、七月のきょう現在に至るまで、やはりある程度資金力がある事業者というんでしょうか、バス事業者にしてもトラック運送事業者にしても、やはり資金力がある事業者が、かなり装置装着初め買いかえが進んでいるようだと思うんですね。現状において五割ぐらい、もはや装置装着初め買いかえが進んでいるようでありますけれども、今後、あと残すところの五割といいましょうか、このいわゆる三カ月というのは、本当の一番、いわゆる局からいわせれば、やはり勝負になってくるんじゃないか。特に中小零細企業ですよね、特に十台以下、場合によれば五台以下というんですかね、所有している零細の事業者の方々が大変な思いをしている。
せんだって私、修理工場の、これもそこそこ事業としてやられておられる担当の方とお話をさせていただきましたときも、初めは大変だったと。要するに、事業者の方からいろんな要求、要望があったと。しかし今現在は、要するに早い話が、その中小零細の、一たん今五割という中で、少し申請は今ふえていることはわかりますけど、しかし、実際、中小の修理工場に来る件数が反対にだんだん落ちているっていうんです。それはどういうことかというと、もはや、要するに荷主さんからコストを縮減してくれと。いわゆる一律のカットもあるでしょう。そういう面で、二次、三次的な請負をしているところもあるかもしれない。非常に厳しいと。これは、やっぱり融資を受けるにも、将来的な返済の見込みが立たない。例えばここでPMの減少装置を装着したとしても、二年後のNOx・PM法の施行後ですね、これがなかなか厳しいと、買いかえがですね。
こういう悲痛なといいますか、大変厳しい状況。下手したら、こんなこといっちゃ大変怒られちゃうんだけど、十月一日以降、もはや怒りがおさまったというか、怒りは通り越しちゃった。怒りの声さえも出ない、現状として。そういう事業者たちはどういうかというと、一台でやっている人もいるでしょう、そういう人たちは、もうこれはだめだと。要は事業をやっていけないし、例えばの話、十月一日以降、走らしちゃう。そうすると、恐らく指導監督は当然入ってくるだろう。そうしたら、もう切腹だと、もう事業やめちゃうと。こういうような、一面、覚悟を決めちゃっている人も大変多いんですよ。
これから三カ月の間は、こういう人たちを対象とする、事業者を対象とする、装置装着もそう、買いかえ指導もそう。いよいよですよ。こういう二十万二千台ですか、今五割だという話があるけれども、いよいよ一番厳しい事業者に対してのいい面での相談業務、指導監督、これをしていかなきゃいけないと思うんですが、そのあたりどうでしょうか、状況認識も含めて。
○山本自動車公害対策部長 条例による規制内容の周知を図るため、これまで、直接事業者の方々と接する機会を数多く持ってきております。二十台以上の車両を使用する約四千の事業所に立ち入りを行いましたほか、建設、製造業などの各種の事業者団体への説明も行っております。また、都内二十五カ所で地域説明会を開催し、延べ二千五百人の参加も得ているところでございます。さらに、本年二月に設置した総合相談窓口におきましては、一日で、今平均三百件以上の相談に対応しているようなところでございます。
こうした取り組みを通じまして、事業者の方々から数多くの意見を聞いておりまして、例えばダイレクトメールを送付した後などは、多いときは一日九百件を超えるような、そうした相談、数々の意見が寄せられております。非常に限られた範囲ではございますけれども、中小零細事業者からの苦境を訴える、まさに切実な意見がございましたけれども、そういった声が寄せられておりまして、そういった方々の厳しい経営環境については、十分認識しているところでございます。
したがいまして、私どもといたしましては、こうした零細業者の方々に対しましては、ただ単にPRをするということではなくて、必要となる資金をどういうふうに調達していくのか、あるいは規制への対応を具体的にどうやってやっていくのか、そこら辺を判断できるような情報を身近なところで提供する必要があるというふうに考えております。
したがって、地域の中の個別の相談会を実施するとか、そういったような取り組み、あるいは七月六日の日曜日に、今度都庁で臨時相談窓口を開催いたしますけれども、そういったこともやってまいります。この日曜日の相談窓口の設置につきましては、当日の参加状況などを見て、その後の対応を検討していくことにしておりますけれども、こういったこととあわせまして、融資を担当している地域の金融機関あるいは自動車販売店とも連携しながら、特別融資の情報提供などにも積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○こいそ委員 各地区の説明会に二千五百名の方々が来られたということですね。しかし、これ、考えてみて、先ほどの五割という話もあるし、対象車両二十万二千台、そして全都対象でしょう、この二千五百名というのは。それは、私は大変少ないんじゃないかなと。あと残すところ三カ月という中で、二千五百名は余りにも少ない。
それと、各区市町村だったですか、今度相談窓口を設ける、設置していくという話もある。しかし、これ、昼間でしょう。中小零細企業の皆さんは、それこそ何でもやるんだよな。いわゆる総務部長だとか、それこそ担当の専門の職員はなかなか配置できない。ましてや、一番忙しいこの時間帯の中に設置して、どういう効果があるのか。
もう一点は、七月六日の日曜日に開催をするという話でありますけど、これ、都庁でやるわけでしょう。やらないよりかは、やった方がいいでしょう、確かにそれは。しかし、わざわざ都庁に、日曜日は休みでしょうということなんでしょうけど、これ一回だけ--当面一回ということでしょうけれども、七月六日の日曜日一回だけしか予定してないと。これから三カ月、正念場の中において、これは一体どういうことだと。もう少しきめ細かい対応をするんだと、きめ細かい配慮をしていくんだということを口ではいっているけれども、このあたりは実際はどうなんですか。
○山本自動車公害対策部長 ただいま申し上げましたとおり、私ども、誠意を持ってこういった零細事業者の方々と相談とか指導を行っていきたいというふうに考えておりまして、今お話ししましたとおり、この六月から七月にかけて、これは主に多摩の地域になりますけれども、市と協力をしながら個別の相談会を開催いたしますし、それから日曜日についても、この七月六日の状況を見まして、その後の対応も考えていきたいというふうに思っております。
地域における金融機関あるいは自動車販売店、そういったところの協力もいただきながら、買いかえへの促進等も情報提供していきたいと思っておりますし、基本的には、できるだけ地域の中で、そういった情報が身近なところでとれるような仕組みを整えながら、今後とも最大限努力してまいりたいというふうに考えております。
○こいそ委員 努力していることは、我々わかりますよ。だけれども、これからさらにきめ細かい対応が求められるんではないかというところなんですね。ですから、人員も、先ほどの申請事務も、停滞することなく強化をしてきたと、体制もかなり強化されてきたと感じますよ。いよいよという中でね。だけれども、やはりこの相談業務なり、またGメンっていますよね、何とかGメンって、よくわからないけど。この方々はこれはどういう仕事をしているんですか。
○山本自動車公害対策部長 今、自動車Gメンというお話でございますが、正式には自動車公害監察員ということで呼んでおりますけれども、条例上も、正式にそうした職員を配置すると、設けるということになっておりまして、私ども、今、自動車公害対策部の中に七十五人体制ということで配置をしてございます。
具体的な仕事でございますが、個々の事業所に立ち入って、例えば自動車環境管理計画書に基づいた指導を行う、あるいは規制が開始された後には、実際に地域の中に出まして、違反した車両があるのかないのか、そういった取り締まりも行うというふうな任務を担当することになっております。
○こいそ委員 自動車監察員、すなわち自動車Gメンというんですかね、取り締まりもやっているという話ですけれども、これらの方々の事業所への、当然四千事業所ぐらい行ったんですか、今まで、そういう話もある。しかし、私が知っている限り--ですから、これは絶対数は少ないですけれども、二十台以下とか、そういう事業所にはこれらの自動車監察員が、要するに状況把握はしているんでしょうけれども、さまざまな相談には行かれていないような感があるんですね。ですから、七十五名と、非常に東京都全体から見れば、これは絶対数少ないですわね。少ないけれども、やはりこれらの方々に各事業所、さらにきめ細かく--まだトラック協会にも入ってない、白ナンバーの人もいますよね。また、そういう団体に入っていない方々というのは、やっぱり情報がまだまだ細部に入っていない状況もあるようであります。
そういうことを含めて、私は、この自動車監察員の方々をさらに一層、これは七十五名なんていわないで、さらにふやす。チェックする、場合によれば取り締まりをするということなんでしょうけど、今は、まさに取り締まりとかそういうのじゃなくて、お願いです。お願いと相談に乗れるようなことを、大いにこの方々にもう一度周知をしていただいて、二十台というか、二十台以下といいますかね、そういうところにもやはり足しげくといいますか、行っていただくということも必要じゃないかと思いますね。ですから、先ほどからいっておりますように、まだ五割だ、三カ月残すまでまだ五割です、はっきりいってね。これから、その五割が大変なんだ。
もう一つ、もう一回いわせていただくと、皆さん、ボーナスも払えない、もらえない、給料ももらえる、もらえない、切実な零細のおやじさんや働いている人というのは少なくない。切実なんだ。東京の空をよくしていく、浄化してよくする、これは大賛成だ、みんな。これは、何だって大賛成ですよ。しかし現実、各論といっちゃあれかもしれないけれども、現実問題として、給料もらえない、ボーナスもらえないんだ。そういう厳しい厳しい経営職場環境の中で頑張っている零細事業者というのは少なくないんだということよ。そうでしょう。そういう痛みもやっぱり皆さんわかってやらなかったら、これは進まないよ、はっきりいって。
七月六日、日曜日だ、行きなさいよと。昼間、役所の方で窓口やってるから来なさいよと。やっぱりもうちょっと、皆さんも一生懸命やっているのわかるよ、わかるけど、いよいよなんだ。こういう事業者に浸透して理解を求める、ここのところは生半可なことじゃできませんよ、これからは。我々も我々でやりますよ、いろいろ相談も結構あるからね。我々は我々で、できる限りの相談とあれはしたいと思いますけれども、しかし、こういう認識をやはりぜひ持っていただきたい。
それで、十月一日から、もはや事業は続けられないだろうという事業者がたくさんいるんだ。わかる。場合によれば、やみ金のあれにも厄介にならなきゃいけないという状況の人もいるかもしれない、はっきりいって。大変なんだ、これ。そういう都民の一面の苦しさ、厳しさ、そういう環境というのを皆さん、ぜひ理解していただきたいなという思いで、私はこういう質問をさせていただくんですよ。一緒になって協力して、東京の空をよくしていきたい。みんなそうだ、そういう人たちも。だけれども、ここのところは、やっぱりもっともっと丁寧に、東京都の施策で決まったんだから、これは。その施策の中で、一家が路頭に迷うことだってあるんだ。一人や二人じゃないよ。そういうような厳しい厳しい生活実態というかな、経営実態というか、そういうことを我々は身近に、ほんとにこの一、二の例じゃありませんよ。
そういうことを思うとき、我々もじくじたる思いを持つけれども、しかし、もうこういう大方針が決定されたんだから、これは何としても遂行していかなきゃいけないということであるけれども、その中でもやはりそういう事業者に対する配慮、思い、本当に厳しい厳しい中においての人でも、努力しようという思いがある。そういう人たちにぜひとも温かい--あと三カ月じゃないの。ここでもう一度、そういう人たちに対して目を向け、やはり力を注ぐというんですか、これをぜひしていただきたいなと思いますけれども、局長、ひとつお願いします。
○小池環境局長 今、こいそ理事からご指摘のありました中小零細企業者の現在の状況、大変痛みにあるということについてまず認識すべきだと、こういうご指摘でございますけれども、その点につきましては、私ども、重々そういうような認識を持って臨みたいというふうに考えております。委員の皆様方は、日常的にそういう事業者の方々と直接接しられているので、生の声が直接肌身に感じられるという点があろうと思いますが、私どもも、限られた範囲ではございますけれども、これまで個別企業の訪問だとか説明会、そういったところでの意見交換、また相談窓口、こういったところを通じまして、ただいまご指摘がありましたように、特に零細事業者の方々からは、規制に対応したくても資金がないと、あるいはまた、事業継続するために減車するかとか、さらには廃業するしかないと、こういう声がいろいろ私どもの方にも上がってきておりまして、それを伺っております。
いずれにしましても、零細事業者の方が大変厳しい状況にあるということは、私どもも私どもなりに認識しているつもりでございます。こういった声が出てくる背景には、何といっても日本経済の先行きが非常に不透明だと。そんな中で、仕事量が全体として減ってきているということ。先ほど先生からもご指摘ありましたように、荷主の方から運賃を値引きしろと、こういう形で迫られていると。そんなことから、先々の見通しがつかないという、そういう運送事業者の方にとっては、経営はますます厳しくなっているという状況があるというふうに認識しております。
都としては、このような状況を、少しでも負担軽減が図れるようにということで、十五年度予算では、非常に財政的に厳しい中ではございますけれども、PM減少装置の装着補助の大幅拡充と予算を確保するとか、また、新たな買いかえ融資制度ということで、支援措置を充実するということをとってきたわけでございますが、今ご指摘がありましたように、それだけでは、こういう本当に困難な方々には対応できないということをご指摘されているんだと思います。
今後、今お話がありましたように、規制に向けて相談受け付けとか地域の個別説明会、こういったところで、それぞれの悩んでいる方に、資金はこういう手がありますよということを、さらにきめ細かに対応するように心がけていくことが先決だと思っております。
いずれにいたしましても、ディーゼル車規制といいますのは、適合しない車については、現在使用している車はともかく、走行を禁止する、規制するということで、ある意味ではこれは世界で初めての試みだということで、私ども、大変重い課題だと認識しております。都民の健康を守るためには、何としても成功させなければならないというふうに考えております。残りあと三カ月でございますが、規制への対応が全面的に促進されるように、あらゆる手だてを使って全力で取り組んでまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
○こいそ委員 局長の決意、またお考え、よくわかりました。
最後にさせていただきたいと思いますけど、これは本会議でもいろいろ出ています、委員会でも出ておりましたけれども、要するに、便乗して自動車メーカー、また付随するところの装着の関連業者というんですかね、こういうものにかなり東京都の方でも強く指導というんですか、要望しているということも効果があるようであります。引き続いて、いよいよ、さっきいった期限が迫ってきているわけでありますから、便乗値上げ、こういう苦しんでいる人がいる中で、もうけるなんて悪徳なことをさせないように、ぜひ東京都として、これはしっかり監視しながらチェックしてください。これが要望で、終わります。
○野上委員 都の環境局が中心となって、日ごろから大変に努力されている様子をよく伺っております。特にディーゼル車規制に対応するためのPM減少装置の装着費用への補助とか、最新規制適合ディーゼル車等への買いかえ費用の融資あっせんなどに対して、先ほどこいそ理事からもお話がありましたけれども、総合窓口を日曜日に設けたり、あと、個別相談会も開催しているということをお聞きしております。この個別相談会は、武蔵野、小平、羽村、昭島、調布、東久留米、稲城、府中という、二十三区外を中心としてなさっているようですけれども、要望ですけれども、二十三区、そして夜間の実施もしていただければありがたいのかなということを要望しておきます。
ディーゼル車規制については、東京、神奈川、千葉、埼玉、一都三県でほぼ同様の内容の規制を条例化して、八都県市で推進本部を設置し、それぞれPM減少装置の補助制度や新車への買いかえ融資制度を設けるなどして、積極的な取り組みが行われております。これほど連携を保って事業を展開している分野は、このディーゼル車規制以外の分野で、ほかにはないと思っております。
ところが、順調にいっていると思っていたPM減少装置の補助金で、十九億円、約九千件もの事故繰越が生じたという資料があります。その背景には、年度末にかけて、月を追うごとに申請が増加したと聞いておりますけれども、今年度の申請状況がどうなっているのか、また、同じように補助制度を持っている八都県市ではどのような状況だったのか、お伺いしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 補助申請状況でございますけれども、ことし四月の申請が四千五百台、五月が五千五百台、六月が八千台と、合計約一万八千台というふうになっておりまして、ここに来て大幅に増加してきております。十四年度の申請と合わせますと、累計では三万台を超えております。
それから、八都県市全体でございますけれども、十四年度で約二万五千台、十五年度では、この六月まででございますけれども、約五万八千台の補助金申請が出ておりまして、累計では八万台を超えている状況にございます。
○野上委員 個々の事業者からの申請で、都においては月に八千台。これは、平成十四年度の予算規模が九千台であることを考えると、ほぼ一年分という大変な量だと思います。八都県市で八万台を超えているということは、事業者への条例規制の周知が大変な勢いで促進されているということがわかります。また、四十七都道府県の三分の一に当たる十八都道府県に予算化、制度化の動きが広がってきたことは、歓迎すべきことだと思っております。
ところが、国は、PM減少装置の補助金申請を六月十一日に突然打ち切る措置をとりました。国土交通省は、四十億すべて使い切ってしまったということで、各県では、国の補助制度が自治体等との協力補助であるために、国の要請を受けて予算化、制度化してきたと聞いておりますけれども、その前提である国の補助金打ち切りでは、各県は、制度を実施するか否か、難しい選択を迫られることになっております。
都は、八都県市と連携して、即座に国に緊急要請をしたということを新聞等でも聞いておりますけれども、他の県の要請などの動向はどうなんでしょうか。
それから、国の補助金の打ち切りに対して、都では、全国の道府県がどのような意向を持っているのか調査を行ったということですけれども、その内容とあわせてお伺いしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 都が行いました緊急アンケートによりますと、一都三県を除く全国の四十三道府県のうち、八割に当たる三十四府県が国の補助金の再開を希望しております。特に補助金制度を予算化した、あるいは制度化を検討している府県では、ほとんどが、ぜひとも希望すると回答しております。八都県市は、六月二十三日に国に緊急要望を行いましたけれども、その後、静岡県、福島県、山梨県、栃木県、十四都市が国に要望を行っておりまして、ほかにも幾つかの県が、国への要望を予定または検討していると聞いております。
○野上委員 いうまでもなく、国の補助金が出ないことで最も影響を受けるのは、自己負担がふえる事業者です。大手企業は着々と対応を進めています。葛飾区でも、十台以上ディーゼル車を有している会社を回ってきましたけれども、ほとんどすべて、買いかえあるいはDPF装置のつけかえが終了しておりまして、早く十月一日が来てほしいぐらいの感じなんですけれども、そうじゃない本当に零細事業者、あるいは一人一台親方の方は、こういう長引く不況の中で、車の買いかえか装置装着かぎりぎりまで迷って、突然この受け付け中止を聞いて、大変深刻なことだと思います。もうやっていけないとか、本当に首をつるしかないとか、切実な声を私どもたくさん聞いております。
都の補助金でも、今年度から補助対象を中小企業に限定していますけれども、一社当たりの申請台数、一台だけの申請者の数など、補助金の申請状況から見て、零細事業者の動向はどうなのかをお伺いしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 ただいまのご質問でございますけれども、補助金申請者の平均申請台数を見ますと、十四年度が五・八台でございましたけれども、今年度は、この四月が四・一台、五月が三・六台、六月が三・五台と、より小規模な申請がふえてきております。
また、一台のみの申請を行った事業者を見ますと、十四年度は約一千社ございましたけれども、十五年度は、この六月までの三カ月間で約二千二百社と増加してございます。これらのことから、より小規模な事業者の間に条例対応の動きが広がっていると考えております。
○野上委員 さっきの答弁にもありましたように、大企業が終わったことでだんだん中堅企業、そして零細事業者と、条例への対応を駆け込みで行ってくる、そういう業者がふえてくると思います。こうした状況の中で、今回、国の補助金打ち切りは、ようやく買いかえかDPFかと考えていて、やっと決まったという零細事業者に対しては、置き去りにするということになるんじゃないかと思います。我が党も国に積極的に働きかけてきましたけれども、都も、全力を挙げて国への補助の再開を実現してもらいたいと思っております。
また、零細事業者からの相談で、支援策と並んでよく出るのは規制の話です。都条例の特徴は、NOx・PM法と違って、流入車を規制の対象とするという点にあります。都内の事業者からは、他県の事業者との扱いを公平にしてもらいたいという希望が寄せられていますけれども、比較すれば、他県の周知対応はどうしてもおくれぎみだと思います。都は、八都県市と連携、協力して、全国の道府県に協力を要請したり、各県に直接足を運んで、条例や補助金制度について説明しているとも聞いております。
しかし、そこでも課題は、一人で一台の車を持って事業を営んでいる、どこの団体にも属さないような零細事業者だと思います。都内だったら、いろいろな郵送手段、ダイレクトメールとかという手段も、手法もあるでしょうけれども、他県への周知徹底はどうされるのでしょうか。他県からの流入車、その中でも零細事業者に向けて、今後どのように条例の周知等を進めていくのか、伺いたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 都におきましては、今年度もラジオによるスポットCM、新聞への広告など、マスメディアを活用した広報に加えまして、国道、首都高速道路、都の施設など約七十カ所への横断幕の設置、全国のガソリンスタンドでの給油伝票千八百万枚への広告掲載などにより、周知を図ってまいります。
さらに、七月下旬から、新たな取り組みでございますが、首都圏及びその周辺のサービスエリアとパーキングエリア二十七カ所で、給茶機用紙コップ三百万個への広告掲載を行って、これまで以上にきめ細かく周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○野上委員 最後です。この前、環境局から、ディーゼル車排ガスの花粉症に対する影響についてという調査結果が出されておりました。ディーゼル車排出微粒子が、人のスギ花粉症症状の発現や悪化へ影響を及ぼすことが初めてわかったということですね。もう一つは、妊娠中に浴びたディーゼル車排出ガスが、生まれた子に影響することが初めてわかった。これはラットを用いた研究の結果ですけれども、こういったディーゼルの排ガスが大変環境によくないということが報告されておりました。
このディーゼル規制は、都民からの高い期待が寄せられているものです。都民の生命と健康を守るためにも、十月一日に円滑な環境確保条例の施行ができるように強く要望して、質問を終わりたいと思います。
○樋口委員 まず冒頭に、先日、国と都の条例との違いの中で、DPF装置をつけた方がいいのか、さもなければ新しい車種に変更した方がいいのか、その辺のことを事業者さんが大変悩んでいらっしゃるお声を聞きまして、そのことを委員会の方で取り上げさせていただきましたところ、東京都のホームページの方に、私の提案でそのようなコーナーができ、好評を得ているというお話を伺っております。まずもって御礼を申し上げたいと思います。ただ、少々遅かったのかなとも思い、少々反省をいたしております。
さて、国において、補助金の申請が予算枠を上回ったことを理由に、突如DPFの補助金が打ち切りになりましたことは、大変残念であります。十月一日の規制開始まで残すところあと三カ月となり、各事業者のディーゼル車規制への対応が急速に進んでいると伺っております。今回報告されましたPM減少装置の補助金の事故繰越金につきまして、昨年度末から予期せぬほど急激に申請数がふえたためともいうご報告がありましたが、ディーゼル車規制の対応が本格化し始めたんだなという、そのことが背景にあります。
実を申しますと、半信半疑の十月一日の規制開始、それが着実に現実になりつつあることに対して大変驚き、また、皆様方のご苦労に対して敬意を表させていただきたいと思っております。都の周知、そして広報活動の効果があらわれてきた結果かと評価させていただいております。
こうした中、国の補助金の打ち切りは余りにも唐突過ぎまして、自治体の実情に対する配慮を欠いたものであると思います。国の補助の早期再開に向け、全力で当たっていただきたいと思います。
こうした国の補助金の打ち切りは、都のディーゼル車規制に大きな打撃を与えたんじゃないかと思うんですが、都内の事業者への影響はどのように把握されていらっしゃるのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 国の補助は、車両総重量八トンを超える車両に対しまして、自治体と協調し、装着費を含む購入費用の四分の一を補助するものでございまして、国の補助を当てにしていた都内の車両所有者にとっては、期待を裏切られる結果となっております。
十五年度に入って、これまで都に補助申請のあった八トンを超える車は、約六千二百台でございます。そのうち、国に補助申請できなかったものがどの程度あるのかは不明でございますけれども、国に申請を予定していた事業者、あるいは、今後国の補助も含めて申請しようとしていた事業者の取り組みがおくれることは確かでございまして、その影響は大きいというふうに考えております。
○樋口委員 大手事業者の多くは、昨年度以来、早期に補助申請を行っておりまして、既に対応を進めていらっしゃるようです。先ほど五割というお話も、こいそ理事の方から伺っております。中小零細事業者の中には、特に零細事業者なんですが、これから申請を考えている方も大変多く、国の補助打ち切りにより、対応がおくれる可能性も大いにあると思います。
一方、経済の悪化、そして景気の低迷、その上、先が見えない混沌としたこの中で、どの業界も大なり小なり本当にそうなんですけれども、流通部門は大変厳しい状況であるということはいうまでもありません。補助申請を行いたくても、その申請を行うための資格がない方もいらっしゃると思います。大手事業者には、補助に関する情報を含め、さまざまな機会に情報を収集しやすいのですが、一方、中小零細事業者は、情報を得る機会が極端に少ないのが現状であります。このような事業者も含め、隅々まで情報が届き、目的が達成できるようにしていただきたいと思います。
六月二十三日に、ディーゼル車規制百日前の事業としての広報イベントが八都県市で実施されたと聞いております。築地や平和島の流通センターなど、大手あるいは安定した事業者のディーゼル車が集まりやすい物流拠点や、反対にサービスエリアのような、いろいろな他府県の車が、いろいろな形の車が入る可能性のあるサービスエリアの周知活動の効果はいかがなものでありましたでしょうか、感想も含めてお伺いしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 八都県市合同の広報イベントにつきましては、六月二十三日に一都三県の十八カ所において実施をいたしましたが、都においては、平和島の東京流通センター、築地市場、中央高速道の石川パーキングエリア、首都高速道路六号線の八潮パーキングエリアの四カ所で、主に都外からの流入車を対象に広報活動を行いました。
四カ所の合計で約三千台の車両に規制開始のチラシ等の配布を行ったところ、受け取ったドライバーは、全員といっていいほど、規制内容や、あるいは自分の運転している車が規制の対象となるのかどうかについても知っておりました。その際、十月の運行規制開始まであと百日ということを強く訴えましたので、効果は大きなものがあったというふうに考えております。
○樋口委員 今ご報告をいただきまして、周知活動はかなり進んでいるんだなという気がしました。ただ、先ほど野上理事もおっしゃったように、このイベントは日中の時間だけなんですよね。ですから、サービスエリア、特にいろんな車が入りやすいサービスエリアの夜間だとか早朝だとか、そんなところでも、しっかりとこの周知活動をしていっていただけたらなと思っております。
十月一日の規制に向けて、具体的に進んでいかなくてはとにかくならないんです。そのためには、不適合車は取り締まりの対象になりますよというようなことの周知徹底を図るべきだと考えておりますが、どのように対応されていらっしゃるでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 規制への対応がおくれている事業者に対しましては、規模の大小を問わず、早期の対応を求めていくことにしております。
今後、規制への対応が促進されるよう、不適合車は十月から都内を走行できなくなること、取り締まりの対象となることを、ダイレクトメールの送付であるとか、個別相談会での説明、あるいは「広報東京都」への掲載などによりまして、周知徹底を図ってまいります。
○樋口委員 ただ、この不況下で多くの事業者が、この規制を守るために血のにじむような努力、そして、時には経済的な理由から廃業も余儀なくされた、その涙を絶対忘れてはならないと思います。各事業者の方々には大変ご協力をいただき、首都圏の空気をきれいにしようというこの大きな取り組み、それが形をなしつつあります。条例の上で決して不平等がないように、一部のディーゼル車所有者が、全く協力をしなくても堂々と、例えば夜間、深夜、仕事をし続ける、また、一生懸命身を削って協力してきた正直者がばかを見るような、そんなことがないように、ぜひぜひ取り組んでいただきたいと思いまして、私の質問を終わらせていただきます。
○かち委員 私からも、ディーゼル車の補助金の事故繰越発生に関連して質問いたします。
先ほど来いろいろと出されておりますけれども、東京都は、事故繰越をしてでも対応しようとする努力をしている中で、国の六月十一日のディーゼル対策の打ち切り宣言、これは到底認められるものではないと思います。そもそもこの問題の発端は、国の自動車排出ガス規制の怠慢とメーカーのダブルスタンダードによって行われてきて、今日、深刻な不況の中で苦しむ中小零細業者にさらなる耐えがたい負担を押しつけている、これが実態です。
国のディーゼル対策支援の予算は、規制対象車台数に比べても余りにも微々たる予算であり、執行から二カ月で底をつくという状況です。それを予算がないからと申請を打ち切るなどということは、問題の本質とこの深刻さに対する認識の低さをあらわしているものだと思います。ディーゼル車の排出ガス低減と円滑な運行規制を推進するためにも、都議会としても、声を大にして、国への再開、継続を求めていくべきだと思っております。
同時に、メーカーの社会的責任を果たさせることが重要だと考えます。今必要なことは、十月から始まる都の条例規制や国のNOx・PM法によって、中小業者を廃業や倒産に追い込むことなく、すべてのユーザーが円滑に規制対応できるよう、どう支援していくかということだと思います。都の規制対象車は、先ほどから二十万二千台といわれていますが、現在まで約五割が到達ということですけれども、あと三カ月間で、これをどう達成させていくかという問題です。
いろいろな例が出ましたけれども、私も実際、文京区の製本関係を対象にしている運送業者の社長さんからお話を伺いました。三十一台のトラックを持っていて、十月から使えなくなる車は十八台ある、五台は天然ガスに切りかえたけれども、仕事が減って、負担は本当に大変だといっておりました。以前は三億円の売り上げがあったけれども、今は半減している。現在、月三百八十万円の返済、本当にやり切れない。融資は実行できるまでに一カ月かかる。車の台数を減らしても、今度は返済の計画が立たないということでした。
ダンプカーを運転されている一人親方の方ですが、一台千三百万円する車を持っていて、組合はつくっているんですが、その組合の方々の四、五十代の方の年間所得は二百四十万円。昨年のアンケートでも、六割の方が買いかえをしなければならない対象車を持っているということですけれども、本当にできる状況ではないわけですね。後づけで対応できる中古車を買おうとするけれども、百万円これが高騰している、車も品薄で、買いかえは到底できないと訴えられました。
局として、残る十万台以上の対策が、三カ月の間に対応し切れると考えておられるのでしょうか、また、どのように見通しを持っているのか、お聞かせください。
○山本自動車公害対策部長 先ほどもお答えいたしましたけれども、今後は、対応がおくれている事業者に対しまして、きめ細かな相談、指導を行いますとともに、金融機関、自動車メーカー、整備事業者との連携によりまして、買いかえやPM減少装置装着を促進するなど、重点的、効果的に対応してまいります。
さらに、これに加えまして、規制開始を期して不適合車は使用できなくなること、また、取り締まりの対象となることについて周知徹底を図り、規制への対応が促進されるよう、十月に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
○かち委員 ここに買いかえのための見積書というのを借りてきたんですけれども、申し込んだのが七月二日で、納期限が八月二十八日、約二カ月かかるわけですね。それで、融資の事務手続に一カ月かかるということになりますと、これから八月以降に申請をしても、到底間に合わないという現実があるということ。それから、先ほどの質疑の中で、今までは一万八千台が既に申請を受けているということで、これを上回る状況がこれからも見通されるということでした。ことしの予算は二万八千台分ということですので、明らかに予算を上回る申請が出るだろうというふうに予想されるんですね。
そういう状況の中で、一生懸命、本当に先ほどからいわれているように、今は一人親方で、ぎりぎりのところでどうしようかと判断にあぐねた結果、何とか申請したというような人たちが、今度は期限に間に合わないということで申請が打ち切られると、こんなことは決してあってはならない、出してはいけないと思うんです。こうした一生懸命頑張っている方々の努力には、最大報いなければならないと思うんですけれども、予算オーバー、ないしは物理的な期限限界、こういうものに対して、都としてどういうふうに対応しようとされているんでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 ここに来まして、事業者の方が十月の規制の開始に間に合うように、さまざまな取り組みを本格的にしてきていただいているということについては、本当に期待をしておりますし、また、私どもとしても、積極的に支援をしていかなきゃならないというふうに考えております。
補助金の申請の増加というのは、まさに今お話のありましたとおり、厳しい経営環境の中で対応をしていただいているということで考えておりまして、今後、補助申請の推移をよく見きわめながら、事業者の規制への対応に支障を来すことがないように、適切に対応していきたいというふうに考えております。
それから、物理的に間に合わないというお話がございましたけれども、基本的には規制開始後は、条例によりまして、PMの排出基準を超えて走行できないということになっておりますので、取り締まりの対象となります。
したがいまして、都としては、可能な限り早期に対応していただけるように、全力で取り組んでまいります。
○かち委員 しかし、九月三十日までは規制ではなくて、十月一日からということですから、その期間に、この三カ月間の間に、頑張って努力をして申請をしたにもかかわらず走れなくなるという点では、非常に矛盾があると思います。そういう意味で、そういう人たちを何らかの形で保護できるという対策をぜひ考えていただきたいというふうに思います。
一人親方のトラック零細業者の方というのは、どんなに丁寧な説明をしていただいても、ないものは出せないという、これが現実だと思うんですよね。それをどうやって救うかという点では、じゃ税金をつぎ込めばいいかという一方的なものでもないと思うんですよ。やっぱりここの根源に立ち戻って、もともとの原因者というものが、やはり社会的な責任を果たすということ、ぜひ責任を果たしてもらわなければならないと思うんです。
それで、きめ細かい対応というのは、先ほどからいわれていますので省きますけれども、インターネットを見ても、都の支援制度がいつまでもらえるのかよくわからない、こういう声も聞いております。そういう意味では、インターネットの表示もより具体的なものに、ぜひ情報提供をきめ細やかにしていくということに努力していただきたいと思います。
それから、新車買いかえについては新しい制度を創設されたわけですけれども、従来の制度と合わせて、その申請実績の進捗状況というのはどういうふうになっていますでしょうか。
○中島参事 十五年度の融資あっせんの申込状況でございますけれども、六月末の実績で申し上げますと、自動車低公害促進資金、これは従来型の制度融資でございますけれども、千五百七十一件、二千四百九十四台でございます。これは既に十四年度の実績、千二百二十四件、二千百五十四台を三カ月で上回っているということになります。
また、本年三月に創設をいたしました特別融資でございますけれども、こちらの実績は五百九十五件、千六十台でございまして、十四年度からの累計で申し上げますと、七百十件、千二百八十二台となっております。
○かち委員 それぞれの融資対象台数は約四万台というふうに聞いておりましたけれども、今の二つの制度を合わせても三千五百五十四台というふうにお聞きしたんですが、この実績を見ても、実際に買いかえのために、この融資は、より使いやすい融資制度として設定したにもかかわらず、一割弱というような進捗状況というのはなぜかといえば、これだけではないというのはもちろんわかっているんですけれども、ほかの融資を使ったり、また、大手の企業はこういうものを使わないでどんどん買いかえたりしているという実例もあるわけですけれども、一方では、この融資を使いたいけれども、これでは使えないんだというのが実際の声として出ているわけですね。仕事が落ち込んでいる中で、半年据え置きで五年返済、これではとても使いたいけど使えないというのが業者の人の声です。返済期間とか据置期間の延長というものを考えるべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
一台の大型トラックにDPFをつけると二百万近くかかるというのが相場ですけれども、それを数台につけると一千万にもなってしまうわけです。DPFを取りつけるということについても融資が使えないのかどうか、そういう声が出ているんですけれども、この辺の対応はいかがでしょうか。
○中島参事 特別融資制度についてのご提案ということでございますけれども、この特別融資の制度は、借入金の完済まで、購入車両の所有権を民間の保証機関が留保いたしまして、担保としている制度でございます。
したがいまして、返済期間を現行の五年間より延長した場合の問題点といたしましては、車両の担保価値の低下の問題が生じることから、制度そのものが成り立たなくなるということがございます。
それから、仮に返済据置期間を設定した場合には、返済期間が六十回から五十四回になるということになりまして、月々の返済額がふえるという問題もございます。こういうことから、必ずしも借り受け者の負担軽減にならないというふうに考えております。
それから、DPFの装置についての融資ということでございますけれども、これにつきましては、既存の制度融資の中で対応が可能かというふうに考えておりますので、ぜひこちらの方をご利用いただければというふうに考えております。
○かち委員 いろいろな制度融資があるんだけれども、実際に使うとなると使えないというのが現状なんですね。東京都が新しく立てた特別融資制度、確かに担保に車を入れてという点では例がないということなんですけれども、しかし、期間が短いということでは、やっぱりこれも使えないという、制度があるけれども使えない、そこを何とか使えるようにしてほしいというのが皆さんの声なんですよね。
群馬県などでは、これはNOx・PM法の対象地域ではないんですけれども、首都圏に流入する対象車がいるということで、ディーゼル規制対応のための融資制度を設けているんですね。これは二年据え置きの八年返済という制度であったり、DPF装着にも融資の対象とするというような柔軟な対策もとっているんです。同じく栃木県とか茨城県でも、対象規制地域ではないですけれども、やはり支援策をとっている。こういうことで、他県も含めて一生懸命やろうとしているわけですから、何とかこの制度を使える制度にするということで、再度、検討を要望しておきます。
それから、買いかえに当たって、メーカーの不当な値上げ抑制はもちろんですが、社会的責任を果たすべきという点で、三月には都議会としても決議を上げているわけですけれども、都としては、こういうことに対してどのような働きかけをされてきて、そして、その実効性というのをどういうふうに見ていらっしゃるんでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 東京都は本年二月六日に、メーカーに対し知事名で、買いかえ促進のための協力要請を行っております。その後、事業者の負担軽減に配慮した買いかえ促進を図るため、都は三月以降、ディーゼル車メーカー七社と具体的な取り組みにつきまして定期的に協議を行っており、各社の状況について報告を求めております。
今後も、引き続きメーカーから報告を受けるとともに、事業者のご意見も聞きながらメーカーと協議し、事業者の負担軽減の配慮を強く求めていきたいというふうに考えております。
なお、都としては、融資あっせん申し込みの見積価格からも販売価格の値引き率の動向を見ておりますけれども、昨年とことし、それほど変わっていないという状況がございます。
それと、先ほど、装置の方で一台二百万円というお話がございましたが、私どもで十四年度の平均の実績を見ますと、八トンを超えるDPFにつきましては、平均が百二十六万というふうになっております。トラックの八トン超で見てみますと、実際の分布でございますけれども、一番多いのが百三十万から百四十万円の台、その次が百十万から百二十万というふうなことになっておりまして、確かに百七、八十万を超えるようなケースもありますけれども、それはごく少ないというふうにご理解をいただければというふうに思っております。
○かち委員 装置そのものではなくて、附属するときにいろいろいじらなければならないと、そういうものを全部含めると百九十万にもなるんだという話は、実際に聞いています。だから、それは数多くはないかもしれませんけれども、実際にあるということなんですね。
今、不当な値上げをしないためにいろいろ報告を受けているということで、一定の効果もあるとは思いますけれども、不当な値上げなどというのはとんでもない話だと思うんですよね。本件のこういう、今の、るるいろんな問題が出ている以前の問題だと思います。今日のディーゼル規制対応に対して、これを新車販売の特需にするという、その考え方自身は、本当に改めるべきだと思います。
都としても、PM減少対策ができればこれでいいということでは終わらない問題なんですよね。ユーザーも、せっかく減少装置をつけても、あと一年とか二年とか三年とか、この間にまた買いかえなければいけないんだという、こんな問題があるから、余計みんな非常に悩んでいるんだというふうに思うんです。しかし、これは進めなければいけない。進めるために、末端のユーザーだけがこんな苦しむという状況を決して出してはならないというふうに思うんです。
すべてを新車買いかえにしなくても、NOx・PM減少装置の後づけ装置ができれば、自動車を全部、今、規制対象地域の八都道府県の対象車が三百二十万台あるというふうに聞いているんですけれども、全部買いかえるということは大変な資源の損失でもありますし、いろいろ資源の有効利用ということを考えても、使える車、今、実際トラックなんかは、丁寧に使えば十二年や十三年は使っているというんですよね。この問題だけクリアできれば使える。そういうものを使うことができるようにするということも、大変重要な課題というふうに思っているんです。使用過程車に対する後づけ装置の開発の進捗状況というのを、都としては把握されているでしょうか。
○月川参事 NOx・PM両方を減少させる使用過程車用の装置の開発でございますけれども、技術的に難しく、現段階では有効な装置がないと聞いております。
○かち委員 六月三十日付で環境局で、皆さんのところへ届いていると思うんですが、新しいディーゼル排出ガス低減技術の開発を促進するための車両走行実験結果についてというのがあります。トヨタのDPNRシステム搭載実験車というので、十四年度産の普通の車にNOx・PM減少後づけ装置というのをくっつけて一万二千キロ、走行試験を一年間かけてやったわけですよね。そうしたら、結果としては、平成十七年度から始まる新長期規制値、これをNOxもPMも軽くクリアしているというのが、皆さんの報告で出ているわけですよね。だから、新車に対してはNOx・PMの後づけ装置はもうクリアしている段階なんですよね。でも、今までもずっとおっしゃっているように、この研究開発は難しい、難しいということを口をそろえてメーカーも国もいってきたわけです。
しかし、ことしの二月二十七日の国会答弁で、我が党の塩川議員が、この後づけ装置の開発に対して質問したのに対し、平沼経済産業大臣は、努力すれば不可能なことではないというふうに答弁をしています。五月二十日の国会での委員会の扇大臣の発言でも、大事なことは使用過程車における削減装置の開発と研究だというふうに答弁しているんですね。ようやく国においても、このNOx・PMの後づけ装置というものをやらなければいけないという認識に立ってきていると思うんです。
実際に国としては性能評価制度というのも、前回の委員会で私も質問させていただきましたけれども、そういう制度もつくって、門戸を開いて待っているわけですけれども、メーカーとしては、使用過程車にこんなものを開発したら、新しい車が売れないというのは当然考えるわけですよね。皮算用するわけですよ。そういう意味では、こういうことに対する開発は消極的になるというのは当然の成り行きかと思うんですけれども、やはり今日の自動車大気汚染の元凶であるメーカーのやってきたことに省みれば、今、社会的責任を果たすという、そのことはどういうことかといえば、使用過程車にもこのNOx・PM減少装置をきちんとつけることができる、それもメーカーの大いなる負担をして、それを社会に放出するということだと思うんです。
そういうことを国がもっとメーカーに対し厳しく指導するというようなことが今、必要になっていると思うんです。そのことを、都としてもぜひ強く国に求めていただきたい。そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、以上で報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
○林委員長 これより都市計画局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第百五十二号議案、東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例から、第百五十四号議案、東京都特別工業地区建築条例を廃止する条例を一括して議題といたします。
付託議案については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
要求資料について理事者の説明を求めます。
○村松総務部長 六月十九日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元に配布しております資料1の都市・環境委員会平成十五年六月十九日要求資料の表紙をめくりまして、目次をごらんください。
資料は、1の屋外広告物条例の一部改正についてでございます。
一ページをお開き願います。
まず、屋外広告物条例の一部改正についての1として、広告物の掲出が可能となる地下歩行者専用道等の事例を掲載してございます。
次に、2として、「東京における今後の広告物規制のあり方」中間答申に関する主な意見を記載してございます。
以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○林委員長 説明は終わりました。
先ほどの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○野上委員 東京都特別工業地区建築条例の廃止について、簡単に質問させていただきます。
今までは全都的に網をかけてきた都の条例を廃止するということは、それぞれの地域の特性を生かすという点では価値があるのかなと思いながらも、心配なこともありますので、少し質問させていただきます。
都では、工場の立地規制等に対して、地域特性に配慮したまちづくり及び産業力の強化の観点から、全庁的な検討をしてきたとのことですけれども、この条例廃止の目的とこれまでの経過について伺いたいと思います。
○野本市街地建築部長 特別工業地区建築条例の廃止の目的と経緯についてでございますけれども、まず廃止の目的でございますが、急速な技術革新によりまして、製造業の多様化や操業環境の変化を踏まえまして、地域の特性に合った適切な対応を区市町がみずから行うことが適当であるということ、それから、中小製造業等の立地に関する規制を見直しまして、企業活動の増進を図る、こういう観点から、これまで都内一律の規制を行ってきた本条例を廃止するものでございます。
これまでの経緯でございますけれども、昨年の九月から十二月にかけまして行われた産業力強化会議の検討結果を受けまして、本年二月に第一回定例会で知事が施政方針表明で、条例の廃止を含めた見直しを表明したところでございます。
○野上委員 それでは、区市町とはこれまでどのような協議がなされてきたのか、その経過について質問いたします。
○野本市街地建築部長 区市町とのこれまでの協議についてでございますけれども、本年の三月以降、区市町の都市計画及び建築行政の担当部署や産業振興担当部署へ条例廃止の趣旨等について説明会を行っております。
また、五月以降には、関係局が協力しまして、区市の長等を訪問しております。同様に条例廃止の趣旨等を説明し、理解を得るべく進めてきております。
○野上委員 都の条例廃止の施行時期なんですけれども、区市町への意向調査の結果はどんなものだったのか、お聞かせいただければと思います。
○野本市街地建築部長 条例廃止の施行時期についてでございますけれども、本年の三月時点で意向調査をしましたけれども、一番早くていいというところで本年の十二月、それから最も遅い要求が来年の六月というものでございまして、私どもとしますと、その中間の時期でございます平成十六年四月一日ということで、この内容については各区市町のご了解をいただいております。
○野上委員 今から来年の四月一日に向けて、それぞれの区市町で話し合いがなされると思います。区の持っている特徴によって、一言ではいえないんでしょうけれども、今まで地場産業でやってきた印刷とか染色とか織物とか、さまざまな中小企業が立地している葛飾なんかそうなんですけれども、それらの産業の保護育成の観点、それから産業力の強化のために、よりよく区市町と意思疎通を図って必要な助言をしていかなくちゃいけないのかなと思います。
また、それと環境ですね、付近の住居の環境を配慮した、そういった区市町の規制をかけていくことが必要じゃないかなというふうに思っております。
以上です。
○大塚委員 私からは、今回上程されております屋外広告物条例の一部改正について、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
今回の改正は、都市景観との融合、そしてまた観光、防災、交通施設との連携など、屋外広告物行政をめぐる社会情勢の変化や行政に対応するためということで、今回改正するわけですが、その改正理由を踏まえて幾つかのお尋ねをしたいと思います。
少しこの条例の歴史を振り返ってみますと、そもそもこの条例自体が昭和二十四年に制定されたものでありまして、現在の都市のあり方や広告看板に関する形態や町並みに対する考え方は、その当時と全く変化したわけでございます。したがって、何度も条例改正を行ってまいりまして、時代のニーズに合うような形に今現在なっているわけでございます。
そこで、まずお伺いをいたしますが、鉄筋コンクリート造、また鉄骨造の建築物の壁面に設置する広告物の、地盤面から設置する広告物の上端までの高さが、一部の地域を除いて現在五十二メートルとなっているわけでございますが、このことについてはどのような背景、あるいは根拠に基づいているのか、また、いつごろからその基準が設けられたのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○野本市街地建築部長 建築物の壁面に設置する広告物の高さ制限の根拠でございますけれども、屋上広告物の高さの限度の考え方を準用しております。かつて、建築物の高さの上限は、建築基準法で三十一メートルと決まっておりました。
それから、屋上広告物そのものの高さの限度、これは建築物の高さの三分の二ということで、仮に建物の高さが三十一メートルとしますと、二十一メートルということになります。この建築物の高さの上限三十一メートルに、その上に屋上広告物の高さ二十一メートルを加えて五十二メートル、これが高さの限度と規定されたわけです。この高さの制限は、昭和六十二年四月から適用されております。
○大塚委員 今ご答弁いただきましたように、高さの基準は昭和六十二年の審議会、当時鈴木知事の時代に答申で決まったということだと思います。
基本的には三十一メートルといいますと、かつての建築基準法が施行された昭和二十五年当時の、いわゆる百尺制限といわれるもので、三十一メートルという高さに基づいて、その基準が設けられたということだと思います。
当時の建築技術では百尺制限が限界だったと思うわけですが、例えばお堀端の第一生命ビルや明治生命ビルに象徴されるようなビルを想定され、屋外広告物の高さを制定したと思いますが、その辺はそれで正しいでしょうか。
○野本市街地建築部長 屋外広告物の五十二メートルの高さの制限でございますけれども、建築基準法制定時の高さの制限三十一メートルでございますけれども、これをよりどころとして定められたと聞いております。
○大塚委員 そこで、今後の問題なんですが、今お話しのありました三十一メートルといいますと、仮に階高が三メートルといたしますと、約十階建てのビルということが想定されるわけです。
現在の建築技術や都市のまちづくりにおいては、ご承知のとおり、建築物はもう高層化され、町並みも一変しているわけですが、六本木ヒルズのような超高層ビルに屋上看板を出すというわけではないんですが、一般論として、高層されていく中で、安全性や防災上の技術が向上し、広告物の軽量化が図られてきたわけですが、今後のこの高さに関する規制についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○野本市街地建築部長 屋外広告物の設置の場所の高さの制限でございますけれども、建築物に表示する広告物の高さを一定の範囲内に整える、こういったことで都市の美観を維持する、こういったことでやってきたわけです。
これまでのこのような効用を尊重しつつ、地元の意向を踏まえた上で、良好なビル景観を確保するために、必要に応じて特例許可制度などの活用を図ってまいりたいと思います。
○大塚委員 次に、建築物の壁面に掲出をする広告物の大きさ、いわゆる総量規制についてのことですが、現在の条例の中では最大百平米、かつ建築物の壁面面積の十分の三を超えてはならないとなっております。多分、このことは、かつての広告業界の自主規制によって決められたと聞いておりますが、昔の看板というイメージとは打って変わりまして、現在は広告に関する工作技術の進歩や広告物の素材自体の不燃化、あるいは軽量化が図られておるわけでございます。そうしますと、一律の総量規制では、冒頭申し上げました社会情勢の変化に対応できなくなってきているわけでございます。
(パネルを示す)参考までにご了解をいただきまして、パネルを持ってきたわけですが、これが名古屋の都市のあるビルでございます。これが昼で、これが夜でございまして、何を申し上げたいかというと、これ自体が壁面--こちらの看板の内容は、おわかりだと思いますけれども、(「ルイ・ヴィトンだ」と呼ぶ者あり)そうですね。これは、この取り扱いの条例どうのこうのということではなくて、いわゆる広告の、これを取り巻く環境は、このように時代の先端技術として先取りをしておるわけでございます。
そういったことからしますと、今の総量規制についての考え方も今後いろいろ変わってくる必要があると思いますが、その総量規制について今後の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○野本市街地建築部長 屋外広告物の総量規制についてのお尋ねでございますけれども、広告物の総量を一定の枠内におさめるということで、都市の美観を維持する、こういった点では貢献してきたと思います。こうした効用を尊重しつつ、広告物のはんらんによる景観への影響や、地元の意向を踏まえた上で、必要により特例許可制度の活用を図ってまいりたいと思っています。
○大塚委員 次に移りますが、今回の改正で地区計画等との連携という観点で、屋外広告物条例に地区計画で定めた地区の許可基準を設定しようということですが、具体的な場所でちょっとお聞きをしますが、現在の港区のお台場につきましては、地元の地権者や事業者によって広告協定地区に指定されております。一定の広告物の掲載が制限されまして、このこと自体は条例の制度を活用しまして、景観づくりに役立っていると思います。
しかし、一方で、このお台場は観光スポットとして注目を浴びており、多くの観光客が訪れているのも事実であります。例えば、お台場の空き地などを観光目的にイベントを行う際、先ほどの広告協定が逆に障害となりまして、イベントが盛り上がらないということがあるというふうに聞いております。
今回の改正目的に観光という言葉が入っておりましたが、今述べた観点から、今回の地区計画による仕組みを活用し、地域の活性化が図られ、観光事業が発展するような方向は見出せないでしょうか、お伺いいたします。
○野本市街地建築部長 臨海部におきましては計画的で良好な都市景観を形成していく、そういったことを目指しまして、広告協定を活用し、結果、景観についてはかなりの評価をいただいているのかなと思います。
一方で、にぎわい空間の創出、あるいは観光イベントなどに際しまして十分な広告表示ができない、こういった意見もございます。今後、先ほどから申している特例許可を活用するほか、広告協定を見直すとか、あるいはご提案の地区計画の活用など、地域の活性化を考えていきたいと思います。
○大塚委員 今回の改正案のもう一つの柱であります公益施設に関する広告物の規制の緩和についてですが、広告収入をその施設の維持管理費に活用することを考えているということですが、この広告収入をほかの地区での施設整備にも活用できるようなシステムをつくるべきだと私は考えます。
具体的に申し上げますと、例えば銀座や原宿、渋谷などに広告を出す方にとっては、その媒体としては多くの方に見てもらうわけで、非常に価値があるわけでございます。逆に同じ広告を出すにしても、どこの場所というとちょっと語弊がありますから、避けますが、人通りの少ない住宅街や郊外では、広告を出しても価値がないという場合もあるわけでございます。
したがって、広告収入が高く見込まれる施設からの収入で公益施設全体の施設の維持管理を図るという考えをとるのが常識だと思いますが、いかがでしょうか。
○野本市街地建築部長 公益施設に表示した広告物の収入の活用方策ということですけれども、検討すべき課題も多いことから、ご提案の趣旨も含めまして、今後検討してまいります。
○大塚委員 ぜひ検討を進めていただきたいと思います。
最後に、先ほどの関連ですが、公益施設の概念といいますか、種類についてお伺いをしたいのですが、今回の改正で広告主はどのような施設が掲出できるものなのか、あるいは広告を出したいと思っても、どの施設がどの窓口で判断をしているのかが判然としていないという声があるわけでございます。
今の段階ではその施設の特定は難しいのかもしれませんが、せっかく公益施設への広告を掲出するという画期的な第一歩を踏み出したのですから、都民の方々がわかりやすい情報提供と混乱しないような窓口の一元化など、運営上の体制をこの条例の施行と同時に整備をするべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○野本市街地建築部長 中間答申では、広告掲出の対象となる公益施設としまして、避難誘導標識、観光案内標識、バス停留所、あるいはバリアフリーエレベーター、こんなものを提案してございます。
ご提案の一元的な情報提供の仕組みなどにつきましては、まず、私ども都が率先してそういったことを対応するなど、今後検討してまいりたいと思います。
○清水委員 第百五十二号、東京都屋外広告物条例の一部改正について、何点かお伺いいたします。
この改正の経緯を見ますと、平成十四年十月に審議会に諮問をされて、平成十五年一月に中間答申が出されて、この間の別の規制緩和、そして今回の三つの改正内容、規制緩和となってきているわけですけれども、前回、平成十一年七月に車体利用広告規制のあり方について諮問を行ったときは、十一年十一月に中間答申を出して、十三年二月に答申を行って、それに基づいて条例の改正、施行規則の改正などが行われているんですけれども、今回、中間答申だけで、答申を出さずにこの改正を提案された理由というのは何でしょうか。
○野本市街地建築部長 今回のタクシーの広告の許可を前回のように最終答申を待たずに中間答申で実施したのはなぜかということですけれども、まず、タクシーにつきましては、先行してバスあるいは電車等の実績がございまして、こういったものにつきまして世論調査等での都民の評価、こういったものについても私ども感触をつかんでおります。
もう一つ、広告審議会の中で慎重に審議いただきましたけれども、中間答申とはいっても、具体的な提案としてタクシーについては緩和して支障がない、そういった具体的な提言をいただきましたので、それに基づいて実施した、こういうことでございます。
○清水委員 今回の場合も、同じくご説明いただきたいと思います。
○野本市街地建築部長 今回の三つの項目についても同じようでございまして、やはり中間答申の段階で具体的な提言としていただいていますので、それを条例改正して実施する、そういうことでございます。
○清水委員 本来、審議会というのは、普通であれば中間答申を出して、そして答申を出すというような形で進んでいると思うんですけれども、やはりそういう点ではもっと慎重にするべき内容ではないかと思うんです。
それで、内容について伺うんですけれども、先ほど資料でいただきました中間答申に関する主な意見の中でも出されているんですけれども、避難誘導標識などを公益施設に広告を表示する場合、案内誘導などの本来の目的を妨げないようにするよう配慮すべきだというふうにいっているわけですけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○野本市街地建築部長 避難誘導標識など公益施設に表示する広告物についてでございますけれども、避難誘導標識ということであれば、本来避難するのを案内するということですから、こういった本来の目的を阻害しないということが大事でございます。そのために、広告物の位置、あるいは大きさについて支障にならないように規則で適切に定めていくと考えております。
○清水委員 韓国での地下鉄火災の例などでは、避難誘導対策の不備が被害を大きくしたといわれています。災害防災ということが中心になるべき避難誘導の標識などが、広告が記載をされて本当に確保できるのかという点ではどのようにお考えでしょうか。
○野本市街地建築部長 避難誘導標識の持つ本来の防災というんですか、安全確保、こういったものがきちんと確保できるかということでございますけれども、先ほど申しましたように、大きさとか、あるいは邪魔にならないような高さ、これについて制約をするだけでなく、表示するときにはそういったものがデザイン的に支障にならないようにある程度の自主審査をする、そういったことをもって本来の目的を妨げることがないというふうに考えます。
それからもう一つ、こういった広告料を使って避難誘導標識の設置、あるいは維持管理を進める、そういったことを考えますと、避難誘導標識をよりたくさん設置することが、広告料などにより迅速にできる。そういうことを考えますと、広い意味でいえば、都民の防災あるいは安全確保により役に立つ、そんなふうに認識しております。
○清水委員 避難誘導の標識などを設置するのは、本来行政の責任だというふうに思うんですが、やはりこの点では、バスや電車やタクシーなどとまたちょっと違った意味があると思うんです。
この間、私たちは、バスや電車、タクシーなど屋外広告物条例の改正が行われてきた問題に対しては賛成してまいりました。しかし、それらが実際に実施してくる中で、タクシーはこれからとなっているわけですけれども、バスや電車が実施されてくる中で、事故という点では関連性というのは証明とかされていないわけですけれども、まちの景観を阻害する、それから、例えば全盲でない視覚障害者の方々がバスの入り口がわからないというような声も出されています。また、タレントの大写し、また、物品の大写しなどに対して非常に景観がよくないというような声もあるわけですけれども、今回の改正に当たって広告物審議会では、これまでに緩和したバスや電車に対してどのような話し合いがされて、どのように評価をされてきたのでしょうか。
○野本市街地建築部長 バスや電車の車体利用広告に関する評価でございますけれども、車体利用広告の全体的な印象につきましては、おおむね良好だというふうに受けとめた意見が多かったです。
それから、バスや電車のデザインの自主審査体制については一定の評価を受けておりまして、今度のタクシーについても同様の手法を活用していく、そういうことでの支持をいただいています。
それから広告物審議会としましては、バスや電車の車体利用広告に関して、そういうことから特に問題はないという評価をいただいています。
○清水委員 実際に中途視覚障害者というんですか、そういう方が東京都の交通局に要望を出されるときに、交通局のバスに対する車体が見にくいというような意見を出されていたようなんですけれども、そういう点について広告物審議会の中では把握をされていたんでしょうか。
○野本市街地建築部長 ラッピングバスの広告によりまして、障害者の方が少し見にくいというような意見については、審議会の先生方が直接聞いているかどうかということは確認してございませんけれども、いずれにしてもそういう状況があれば、私どもの方から、そのバス会社の方に善処方というんですか、そういったことを申し入れていきたいと思います。
○清水委員 先ほど前委員の方も触れましたけれども、昭和二十四年に制定された屋外広告物条例は、メッセージを伝えるという機能を担っている屋外広告物も、同時に川や緑、緑地などの自然や建築物などとともに都市景観の重要な構成要素の一つであり、無秩序に大量に掲出されると自然の風致やまちの美観を損ねる。そしてまた、先ほどもお話がありましたけれども、落下するとか、貴重な生命や財産を奪われるということにもなりかねないという潜在的な危険性を秘めている、二つの観点から規制を行うということがされてきたわけです。
この間、平成十年あたりから車体利用広告の問題をめぐって、規制緩和が順次行われてきたわけですけれども、やはりバス、電車、そしてタクシーの場合も、私たち賛成してまいりましたけれども、実際にはまちの景観が非常に無秩序になってきたのではないかというような意見も聞かれます。そして、今の障害者への配慮ということも、そういう緩和をする中で考えられてきたのかということ。
それから今回の場合は、やはりバスや電車やタクシーと違って、避難誘導という目的がある、安全確保の目的があるもの、また、その近くに広告を出すという点では非常に危惧する今回の改正です。
目的は広告物の収入を得るということであるわけですけれども、しかし、安全性をあいまいにしてまで、広告物収入を得るためのそういう目的がいいのかということでは、私たちは今回の改正には同意できないという立場を表明しておきたいというふうに思います。
続きまして、第百五十四号、東京都特別工業地区建築条例の改正についてですけれども、産業力の強化ということで規制の見直しの提案が行われてまいりました。具体的にどんな効果を期待しているのでしょうか。
○野本市街地建築部長 特別工業地区建築条例の廃止の効果でございますけれども、この条例では特に第二種特別工業地区というのがあるんですけれども、この二特工では主に準工業地域の中で工場の業種、あるいは作業場の床面積の制限をしてございます。都内一律に規制していた現条例、本条例の廃止によりまして、中小工場等の業務拡大等を容易にする、それから東京のものづくり産業が強化されるとともに、中小企業の経営意欲も高まるということを期待しております。
○清水委員 産業力強化を期待するということで産業力強化会議が開催されて、その審議がされ、今回、都市計画の改正になってきているわけですけれども、この産業力のための強化会議の中で意見が出された、また具体的な施策がなされた内容で、他の施策は具体化したものがあるのかどうかということを伺いたいと思います。
○野本市街地建築部長 産業力強化会議で検討したことで具体化したものがあるかどうかということですけれども、やはり今回の都市計画の規制の緩和というんですか、それがかなり重要な要素の一つなのかなと思います。
そのほか、全部で八つの分野といいますか、検討されまして、都市計画以外では税制、知的財産、産学公連携等を検討しまして、例えば税制ですと、国への税制改正の提案要求を実施してございます。
それから、知的財産のことですと、知的財産活用本部を設置するとか、あるいは知的財産活用戦略の策定を決定する。全部説明すると時間がございませんので、そういった八つの分野について行っているということでございます。
○清水委員 第二種特別工業地区の廃止によって住環境への影響はないのでしょうか、伺います。
○野本市街地建築部長 住環境への影響はないかということですけれども、近年、公害防止の技術が進展しまして、あるいは工場の近代化、省力化ということがございまして、騒音、振動等の発生は少なくなっていると聞いております。
なお、住宅と工場の混在している地域におきましては、住環境への配慮も必要な場合がある、これは認識しておりまして、そういった意味で地域特性に合った適切な対応、こういったことを各区市町にお願いしていくと考えています。
○清水委員 工場自身の公害というものは確かに考えられなくなってきていますが、しかし、工場が大きくなった場合には、大型トラックなどが出入りする騒音や路上駐車などの苦情も出されていますし、また、緩和される内容というのが、工場の公害だけでなく、風適法のキャバレーやパブなどの建築もあるわけです。
住環境への影響という面で、先ほどもご質問がありましたけれども、各区市の動向というのはどのようになっているでしょうか。
○野本市街地建築部長 各区市は、条例廃止の趣旨は十分理解しているというふうに認識しております。そうした中で地域の特性に応じまして、住環境への配慮が必要な場合もあるということを考えているようでございます。
○清水委員 八王子市などでは、公式のお話ではないんですけれども、都の決定を待って決めるということのようですけれども、東京都がこれまで行っていた規制と同じ規制をすることになるかもしれないというような趣旨のことを担当者はいっておりました。
また、ある区に対して都は、都は規制を取り払ったのだから、区市はそれより緩い規制にしたらどうかなどというような内容の発言をしていると聞いておりますが、区市が、先ほどからご答弁いただいているように、独自に住環境の問題や産業力の問題などを加味して新しい条例を決定しようとしているのだから、それを尊重するべきではないのでしょうか。
○野本市街地建築部長 製造業の多様化、あるいは操業環境の変化を踏まえまして、地域特性に配慮したまちづくりをするということ、それから、先ほどから申していますけれども、都の産業力強化、こういった観点から適切な対応をするようにということで、各区市町にお願いをしてきたところでございます。
このため、本年三月以降、区市町の都市計画や建築行政の分野の皆さんに説明会をしましたし、ついこの間の五月からは関係局が協力しまして、各区市の長、区長さん、あるいは助役さん等を訪問しまして、趣旨を説明してございます。
そういったことで、趣旨については十分説明しましたけれども、緩和した条例をつくるようにという、そういった指導はしてございません。
○清水委員 区市の自主性に任せるように、今後指導していただきたいというふうに思います。
以上です。
○林委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩をいたします。
午後三時五分休憩
午後三時十七分開議
○林委員長 それでは、委員会を再開させていただきます。
○大河原委員 私も、百五十二号議案の東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例から伺っていきたいと思います。
私も、今回、中間の答申が出た段階で、このような改正になるということで珍しいなというふうに思いましたのと、やはりもう少し市民意見をとってほしいなというふうに思っている一人なんですが、この中間答申の策定段階で市民意見はどのように反映させているのでしょうか、その点をまず伺っておきます。
○野本市街地建築部長 中間答申への市民意見の反映でございますけれども、平成十四年、昨年でございますけれども、七月に都市景観と屋外広告物に関する世論調査というものを実施しております。景観や広告物に関する多くの意見を得ておりまして、中間答申にその内容を反映させていただいています。
また、広告物審議会におきましても、市民生活に密接な関連分野から委員の参加を得ているということで、こういったことでの市民意見の反映に努めているところでございます。
○大河原委員 いわゆる世論調査もここの中に反映しているということなんですが、本当に広告が多様化してきていると同時に、それに対する意見も本当にさまざま起こってきていると思うんです。これは最終答申が出るまでにまだ間があるわけなんですけれども、今後とも、ぜひ市民意見の取り込みということには最大限の努力をしていただきたいというふうに思います。
特に今回は公益上必要な施設物件への広告物の表示ということがありまして、そこでも議論がかなり出るのではないかというふうに思うんですけれども、とりあえずこの公益施設の整備促進をこの広告収入で図っていこうというふうなお考えのようです。この整備の効果というのをどのように期待しておられるのか、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
○野本市街地建築部長 整備効果についてでございますけれども、公益施設に広告を認めることで広告収入が得られます。この広告収入を使いまして、設置費用あるいは維持管理費用の一部を捻出するということを期待しております。
○大河原委員 新宿の西口のバリアフリーのためのエレベーターとか、ああいうところはちょっとイメージがしやすいわけなんですけれども、この中に例示されているのに避難誘導標識というものがありますが、例えば二十三区の場合は、東京都がつくって、二十三区が維持管理をしているというふうに思いますけど、例えば維持管理をする者の方に広告収入がいくという理解でよろしいんでしょうか、その点はちょっと確認させてください。
○野本市街地建築部長 広告収入がどこに入るのかということでございますけれども、これは各種の公益施設がございます。それから管理者もかなり幅広くございますので、正直いってまだ整理のついていないところもございますので、これからお金の入り方、あるいは流れ方、これは検討してまいりたいと考えています。
○大河原委員 そういったことも実は決まらないうちに、この改正なんだなということがわかるわけなんですね。避難誘導標識など公益施設に表示するものの広告のデザインというものについても、さまざまな意見があると思いますけれども、広告物のデザインの審査体制というのはどのようになるんでしょうか。
○野本市街地建築部長 広告デザインの審査体制についてでございますけれども、都では広告物の位置、形状、面積、こういった基準を都としては規則として定める。もう一つの方のデザインにつきましては、あらかじめ東京都とその施設管理者、これが共同でその審査基準を定めた上で施設管理者による自主審査を行う、こういったことを予定しています。この方式は、バスでも同様の自主審査体制をとりましたけれども、これがいい仕組みかなということで踏襲しようと思っています。
○大河原委員 ラッピングバスの方は好評というふうに受けとめていらっしゃるようですけど、私もさまざまな声は聞いております。実際に自分で見ても、本当にこれが審査の基準に入っているのかなと、ちょっと疑問を持つようなものもありますし、それは人それぞれの美的感覚が違うのかもしれませんが、都は広告物の基準を新たにお決めになるということなので、特に今回は地下道も規制緩和で広告をできるようにするということなんですが、これは屋内ではありませんが、電車の車内に宣伝のために車両ごと全部同じ広告などというものが最近よく見かけるようになりまして、大変な圧迫感があります。一定時間はそこに閉じ込められているということもありますけれども、今パニック障害を持つ方もたくさんおられまして、やはりこうした地下道という場所などに広告が緩和される場合には、そのデザイン、こういったものに対しては幅広い意見、それから医学的な面からも審査が必要になってくるんじゃないかというふうに私は考えております。
それで、今回の広告規制を緩和する地下道の指定基準なんですが、どのようにお考えでしょうか。
○野本市街地建築部長 知事が指定する地下道の基準でございますけれども、にぎわい空間の創出、あるいは歩行者の安全確保、こういったことを念頭に置きまして、具体的には車道から隔離されているということ、それから幅員が一定規模以上あること、それから歩行者の交通量が多いこと、こんなことを条件に指定をしていきたいと考えています。
○大河原委員 要求した資料の中に入っている事例を見れば、余り小さなところというふうには思いませんけれども、極力この地下道、閉鎖空間ですので、慎重なデザインの選択ですとか、緩和の議論をさらにしていただきたいというふうに思います。
もう一つ、地域の景観特性に応じた地区計画の活用というものがありますけれども、地区計画というのは規制を実は強化するというものが多いように私は思います。規制の強化、一方では緩和ということが今回のことですが、地区計画によって広告物規制が緩和されるというのはどういう場合になるんでしょうか。
○野本市街地建築部長 地区計画を活用した広告物規制のあり方ということですけれども、地区計画はご存じのとおり、地域住民の合意によりまして、地域にふさわしい、今回でいうと広告物のルールを定める、こんなことでもって良好な景観を保持していく、こういった目的となっております。こういった地区計画の趣旨を踏まえまして、計画的な市街地整備が行われる場合、こういったところに地区計画を活用して適切な広告物の誘導を図っていくということを考えています。
○大河原委員 地区計画で定められたものの効力を強化するというんでしょうか、そういった意味では地域の意思をはっきりと出していくことができるということで、今回の条例改正は、分権の視点からいってもかなうものだというふうには考えますけれども、ぜひ緩和だけに流れないような、そういう屋外広告物の改正であってほしいというふうに思います。
次に、百五十四号、東京都特別工業地区建築条例を廃止する条例について伺います。
先ほど、今回の条例廃止の目的というものが他の委員からただされましたが、制定時、この特別工業地区の建築条例、この指定では第一種特工地区は工業及び工業専用地域のうち、水質汚濁、大気汚染、悪臭、爆発物、広域的公害を防止するためというふうにいわれました。そしてまた、第二種特工地区では、準工業地域のうち、特に住宅地に近接する、あるいは中小の工場が混在しているという中で、騒音や振動を防止した近隣公害を防止するという意味で指定されたというふうに聞いております。
これは、その目的を結局果たしたんでしょうか。その点はいかがでしょうか。
○野本市街地建築部長 特別工業地区には一特と二特というものがあってということで、今、説明がございましたように、広域公害あるいは近隣公害を防止するという目的で指定されたわけですけれども、それぞれの地域でそれぞれの期間指定された、その間においては十分目的を果たしたと認識しております。
○大河原委員 目的を果たしたというふうに考えれば、工業専用地区でも、また準工業の地域でもこうした公害が、近隣公害が防止されるという良好な工業専用地域、それから良好な準工業地域ができてきたという理解でいいのかと思います。
しかし、廃止の理由として、地域特性に応じた中小製造業の活性化が挙げられているわけでして、実はこうやって育ってきたというか、進展してきたこれらの地域は、いわゆる中小企業の空洞化ということもいわれている地域なわけですよね。そうすると、新たな産業転換ということから、新しい問題が生まれてくることもあるんじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。
○野本市街地建築部長 産業転換による新たな問題が生じるのではないかというお尋ねでございますけれども、産業の近代化や設備の更新等により工場の近代化、省力化が進んでいるのは事実でございます。一方で、ソフト産業等への業種の転換などもあり、こういった状況を見ますと、これまでのような一律の規制でなく、今後は各区市町が地域の特性に合わせたきめ細かな対応をする。こういったきめ細かな対応をするということがございますので、ご指摘のような産業転換による新たな問題は生じないと、そんなふうに考えております。
○大河原委員 私もこの条例廃止の提案というのは、廃止まで九カ月ということで、やはり時間が短いんじゃないかというふうに感じているわけなんです。ご説明によれば、各区市の意見照会もしているということですけれども、区市の状況として規制の緩和、それから継続、どのような状況になっているのか、いま一度お答えください。
○野本市街地建築部長 各区市町の対応の方向でございますけれども、昨年の十二月時点で意向調査をしてございます。その内容によれば、独自の条例制定を考えている、あるいはこの条例が不評で、何も特に制定を考えていないもの、地元の状況が異なりますので、考え方もさまざまであるということでございます。
○大河原委員 住環境の保護という観点では、かえってこの条例を廃止することによって地域の住民同士の摩擦を招くことも懸念されるわけなんです。これまで東京都がどのような判断を持って産業と住環境の調和を図ってきたのか。
また、今回、区市が条例を独自につくらない場合、どのようなことが想定されるのでしょうか。
○野本市街地建築部長 産業と住環境の調和についてでございますけれども、これまで主として準工業地域の中で住工混在の地区で、工場の業種の制限あるいは床面積の制限を行ってきてございます。廃止に伴いまして各区市が条例をつくらない場合は、準工業地域の一般的な規制ということになるわけでございますけれども、地域の特性に合った適切な対応、これは各区市町みずから行うというふうなことになっておりますので、住環境をめぐる住民同士の摩擦といった懸念は少ないと思われます。
○大河原委員 各地域の状況が、いただいた資料からもかなりばらつきがあるということがわかりますけれども、その地域の決める用途ということになるかと思いますが、現在行われている用途地域の見直しがありますけれども、その見直しとの関連ではいかがでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 用途地域との関連でございますけれども、用途地域は土地利用規制の基本的な枠組みを定めるものでございます。一方、特別工業地区などの特別用途地区といわれますものは、地域の特性に応じまして土地利用の増進であるとか、環境の保護などの特別の目的を実現するための地区でございまして、用途地域を補完するものと位置づけられております。
このため、今回の用途地域などの見直しに当たりましては、この特別工業地区につきましても、あわせて見直しを行っているところでございますけれども、このたびの条例廃止という状況もございますので、それも踏まえまして、各区市町がそれぞれの実情に応じて対応を考えているところでございます。
○大河原委員 本当に状況が変わってしまっていて、その地区に、準工地帯にマンションがたくさん建っているような、そして工場が本当に数軒しかないような状況もあるというふうに聞いています。現在、各区市から用途の提案が東京都に戻ってくる時期だと思いますけれども、さらにその各地で決めた用途の見直しというものがはっきり近々わかるということを期待しております。
ところで、この用途の見直しについてちょっと伺っておきたいのですが、分権時代の都市計画というのは、地域の意思をもって行われるべきであって、例えば用途地域の見直しについても、今後、指定方針や指定基準、こういったものを都が示していくというよりは、また都の号令一下行うというよりは、各区市の自主性というものがもっと尊重されるべきじゃないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 用途地域は、東京都のような大都市圏におきましては、一つの区市町の区域を越えて市街地が連檐しておるために、広域的な見地から定める必要がございます。そのために都市計画法では、用途地域については東京都が決定するということになっております。
一方、もちろん、その用途地域は地域の実態に即したものであることも必要でございますので、基準は都が広域的な観点から策定いたしますけれども、それに基づき各区市町に原案作成を依頼いたしまして、その原案を調整しながら都が用途地域を決定していく、そういう仕組みとなっております。
○大河原委員 今の都市計画のルールがあるわけなんですけれども、印象として、やはり指定基準の出し方とか、今現在東京都が行っている都市再生にやはり違和感を持つものですから、こうした点も今後もっと地域の自主性が尊重されるような法体系になっていけばなというふうに思っています。
これまで東京全体の総合的視点から東京の町並み、都市計画を担当してきた都として、今回の特工条例の廃止に関して市や区に対してノウハウの提供、また助言など、今後果たすべき役割もあるかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○野本市街地建築部長 都の今後果たすべき役割についてでございますけれども、先ほどから何回か申しておるように産業振興が重要な課題でありまして、また、地域によりましては住環境への配慮も欠かせないということでございます。今後とも、必要に応じて技術的な助言等を行っていきたいと考えております。
○大河原委員 今回の条例の廃止は、分権時代に適しているというふうに思います。ただ、こうやって転換していくときには、やはり地域での混乱が起こるやもしれません。そういった意味では、今回のことも丁寧に自治体に説明するだけでなく、都民一人一人にわかるような方向もとっていただきたいというふうに要望いたしまして、質問を終わります。
○樋口委員 先ほど大塚委員が、時にはパネルを使用してより具体的に屋外広告物条例についての質疑をさせていただきましたので、今度は私が、残ります特別工業地区建築条例と建築安全条例の改正について質疑をさせていただきたいと思います。
特別工業地区建築条例の廃止について、既に余りにも遅過ぎたんではないか、そのように私は思っております。用途地域がさらに上塗りしたものが特別工業地域でありますが、規模規制が足かせとなり、転出を余儀なくされた工場が多数あります。私の存じ上げております食品工場は、甘ったるいにおいがするということで、近隣の方々から反対を受けまして、その香りを出さないための装置をつけるために、そうしますと作業面積が上回ってしまうということで、他県に転出をされました。
現在、経済は低迷しておりまして、今回の条例の廃止によって新たに建築できるのは元気のある一部の企業や事業者にすぎません。体力の弱めの企業、事業者は今回の条例廃止による優遇措置もありませんので、建てかえたくても現状を維持すること、それが精いっぱいというところが多数あることを、ぜひ皆様方もともに認識していただきたいと思います。
特別工業地区建築条例が廃止になりますと、その区市町村がその地域の特性にあわせて工専、あるいは工業地域、準工業地域に戻った場合に、それぞれ新たな条例としての網かけをすることが可能なわけですが、ここで私が懸念いたしておりますのは、例えば第二種特別工業地域を例に出しますと、準工業地域において付近住居の環境を害するおそれのあるもの、及び中小企業の保護育成上、特に支障のある建物を禁止したわけですが、網かけがとれて準工業地域になりますと、大体のものが建てられてしまうのです。
第二種特別工業地域の場合、住宅地に隣接しているところが大変多いのですが、廃止になった途端、生コン工場になってしまったり、また風俗営業店が多い地域に変わってしまうことだってあり得るわけです。あらゆる可能性と地域の特性、そして環境等を分析し、区市は網かけをしていくことでしょうけれども、産業振興か住環境か、どちらを重視するのかという選択をせざるを得ないかと思います。関係区市町に都からそのこともよくご説明、そしてご助言をしていただきたいと思います。
でも平成十六年四月一日、それまでに区市町の対応は間に合うものだとお考えなんでしょうか。
○野本市街地建築部長 廃止の時期についてのお尋ねでございますけれども、区市町における都市計画手続、あるいは議会対応、そして住民説明、こういったことを踏まえた上での円滑な事務手続に一定の時間が必要であるということは十分認識しております。
通常の条例の施行は、成立後半年程度の猶予期間の後に施行されることが一般でございますけれども、今回は区市町の意向、要望を考慮しまして、平成十六年四月一日ということで、少し長めの猶予期間を置いたということでございます。
○樋口委員 住民の説明に対しては、ぜひ十分な時間をとっていただきたいと思います。
もともと中小企業の保護育成のため、第二種特別工業地域は指定されていました。この条例によって町工場と住民間のトラブルの未然防止に役立ってまいりましたが、この条例を廃止するのが遅かったために、今の段階の廃止はかえって中小工場の締め出しになってしまうんではないかということを懸念しております。いかがでございましょうか。
○野本市街地建築部長 第二種特別工業地区は、準工業地域のうち住宅地に近接する地区、あるいは中小企業の工場と住宅の混在が多く、騒音、振動等の近隣公害を防止すべき地区に指定されているということでございますけれども、今回、こういった条例廃止の趣旨をよく説明しまして、区市町においては中小工場の締め出しにならないような、そういった適切な対応を助言も含めてお願いしていくということでございます。
○樋口委員 私の地元であります中野区は、八・六ヘクタールの第二種特別工業地域があります。私は、その地域を一つ一つ見て回って、そしてまた、お話も伺ってまいりました。ある場所は、既にマンションに変わっております。そしてまた、ある工場はもう営業というか、この工場を存続しないで、ほかの転用を考えていらっしゃるというような発言もありました。そして、ある工場は既に他の県に移転をしておりまして、単なる研究機関、それだけを置いているともおっしゃっていらっしゃいました。そして、異口同音におっしゃるのは、過去において本当に必要なときに条例が立ちはだかってしまって、なかなか思うようにいかなかったというお話も伺いました。
冒頭申し上げましたけれども、この条例廃止というのは少々遅過ぎたような気がします。条例廃止の目的をかんがみ、日本経済を支えている中小企業の発展、産業振興のために、これから産業力強化として、各局合同して多種多様の振興策に取り組んでいただきたいと思います。
次に、建築安全条例改正についてご質問をさせていただきます。
一昨年、歌舞伎町の小規模雑居ビルの火災は、多くのとうとい人命を失ってしまいました。国よりもさらに細かく厳しく規定をいたしました今回の建築安全条例改正の趣旨は、そして目的を、もう一度確認させていただきたいと思います。
○野本市街地建築部長 平成十三年九月、今ご指摘ありましたように、新宿歌舞伎町の火災がございまして、四十四人というたくさんの死者があったんですけれども、こういったことを踏まえまして、東京都では小規模雑居ビルの安全性確保ということにさまざまな施策で取り組んでおります。
平成十四年十二月の建築基準法施行令の改正によりまして、これまで二方向避難の対象となっていなかった個室つき浴場業、ヌードスタジオ等の規定が強化されております。
今回の建築安全条例の改正は、これらの用途につきまして建築基準法施行令では対象としていない小規模なものについても規制対象に追加する。具体的には二方向避難を義務づけまして、建築物の避難、安全性の強化を図るというものでございます。
○樋口委員 人命を守るために、この改正は不可欠のことだと私も思っております。特に風俗営業の種類をちゃんと明記して、そしてより安全を図るための条例改正はぜひともどんどん進めていただきたいと思います。
全体の床面積の増加がなくて、例えば事務所の部分を風俗営業の店舗にする場合の用途変更の取り扱いはどうなるんでしょうか、既存の風俗店舗はどうなるんでしょうか、その辺ちょっと教えてください。
○野本市街地建築部長 事務所を風俗店舗に用途変更する場合ということでございますけれども、床面積の増加がなくてもこのような用途変更する場合には、建築基準法の規定あるいはこういった今度の安全条例の規定によりまして、二つ以上の直通階段などの避難施設を設置する、このようになっております。
また、既存の風俗店舗はどうかということでございますけれども、増築を行わない限りは、今回の安全条例等の改正による遡及適用は受けないということになっているんですけれども、私どもとしましては、定期報告の時点や営業許可に際しまして、条例等に適合するよう指導していきたいと考えております。
○樋口委員 避難、安全性の向上のためには、既存の風俗営業の店舗についても規制対象とすることが望ましいと思います。確かに条件的にこれはつけられないというような建物もあるでしょう。でも、それをやっていかなくてはならないと考えております。
既存建物、既存の建築物の取り扱いは、増築や用途変更する場合によって違いがあるようでございますけれども、この条例というのは、見れば見るほど、調べれば調べるほど大変わかりにくい条例であります。例えば、地下一階の百平米以下の風俗営業店の経営者がかわった、また新たな風俗営業者が同一場所で同じような店舗を行うことになった場合、一体どうなってしまうんだろうか。また、風俗営業店が店舗を拡張しまして、風俗営業を行っていないでいる部分、例えばオフィスの部分なんかなんですけれども、そこのところを大きくしてしまった。でもそれは百平米以下だった、その場合一体どうなるかなとか、大変わかりにくいんです。条例というものは、わかりやすくなくてはならないと私は思っております。
人命の安全を目的としました今回の条例が複雑化しているがために、結果として一部の方々がこの抜け道を探して違法に営業することによって、とうとい人命が犠牲になることがないように、わかりやすい、そして理解されやすい言葉で、ぜひこの条例を進めていって、周知していただきたい。そして、しっかりと実行していただきたいと思っております。
以上でございます。
○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
○林委員長 次に、理事者から報告事項の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○村松総務部長 お手元の資料2、平成十四年度繰越説明書によりましてご説明させていただきます。
今回のご報告は、平成十四年度予算の繰越明許費について、地方自治法施行令第百四十六条第二項の規定によりまして、議会に報告するものでございます。
一ページをお開き願います。
平成十四年度繰越明許費総括表でございます。予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額、さらに歳出予算の繰り越しには翌年度に執行する財源もあわせて繰り越さなければなりませんので、その財源の内訳を記載してございます。
繰越明許費予算議決額は百六十四億一千万円でございましたが、このうち翌年度への繰越額は百十三億九千九百十七万四千円となっております。財源といたしましては、特定財源、これは都債でございますが、百二億五千九百万円、繰越金十一億四千十七万四千円を充当してございます。
二ページをお開き願います。
主な事項についてご説明させていただきます。
1、首都高速道路公団出資金等でございます。繰り越しの主な理由といたしましては、中央環状新宿線の工事に伴う地元住民や関係機関との調整に日時を要したことによるものでございます。
2として、常磐新線整備事業でございます。繰り越しの主な理由といたしましては、鉄道工事に伴う関係人との折衝等に日時を要したことなどによるものでございます。
以上をもちまして平成十四年度予算の繰り越しについてご報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○林委員長 報告は終わりました。
本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市計画局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時五十四分散会
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