委員長 | 林 知二君 |
副委員長 | 織田 拓郎君 |
副委員長 | 真鍋よしゆき君 |
理事 | 野上じゅん子君 |
理事 | こいそ 明君 |
清水ひで子君 | |
大河原雅子君 | |
山田 忠昭君 | |
かち佳代子君 | |
樋口ゆうこ君 | |
大塚 隆朗君 | |
林田 武君 |
欠席委員 二名
出席説明員環境局 | 局長 | 小池 正臣君 |
総務部長 | 西野 和雄君 | |
参事 | 梶原 秀起君 | |
環境改善部長 | 松葉 邦雄君 | |
参事 | 小島 高志君 | |
自動車公害対策部長 | 山本 憲一君 | |
参事 | 月川 憲次君 | |
自然環境部長 | 町 格君 | |
廃棄物対策部長 | 福永 富夫君 | |
スーパーエコタウン担当部長 | 古川 芳久君 | |
参事 | 松本 保幸君 | |
環境評価部長 | 百合 一郎君 | |
局務担当部長 | 平田 信幸君 |
本日の会議に付した事件
環境局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十七号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例
・第六十九号議案 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十号議案 東京都環境科学研究所手数料条例の一部を改正する条例
○林委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程に従いまして環境局関係の平成十五年度予算の調査及び付託議案の審査を行います。
これより環境局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、平成十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分及び第六十七号議案から第七十号議案までを一括して議題といたします。
本案については既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○西野総務部長 それでは、去る二月四日の当委員会におきましてご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元配布の都市・環境委員会資料の表紙をおめくり願います。
目次のとおり、ご要求いただきました資料は四項目でございます。
まず、一ページをごらん願います。全国における風力、小規模水力、バイオマスなどの自然エネルギーの導入事例についてでございます。自然エネルギー種別ごとの全国規模と主な導入事例の所在地、施設名及び最大出力を記載してございます。
二ページをお開き願います。区部及び多摩地域における一般廃棄物のごみ量及び資源化量の推移でございます。平成九年度から十三年度までの各年度における区部及び多摩地域の一般廃棄物のごみ量と資源化量でございます。
なお、資源化量は、区市町村による資源ごみ収集量と住民による集団回収量に中間処理過程での資源回収量を加えたものでございます。
三ページをお開き願います。産業廃棄物の不法投棄の実態でございます。
まず、全国の不法投棄件数及び投棄量の推移でございますが、平成九年度から十三年度までの各年度における不法投棄の件数と不法投棄量でございます。
次に、平成十三年度の関東甲信越地区の不法投棄件数及び投棄量でございますが、関東甲信越地区の都県別の不法投棄件数及び投棄量でございます。
四ページをお開き願います。廃止事業一覧でございます。平成十五年度における廃止事業の平成十四年度及び十五年度予算を記載してございます。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○林委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○山田委員 それでは、自然環境の保全と再生について、何点か質問をさせていただきます。
まず初めに、緑の保全と再生として、多摩の森林再生について伺います。
今日、緑の果たしている役割は、水の確保、温暖化防止、大気の浄化あるいは防災の面からも、また、日常生活を潤いのある生活としていくためにも、人間が生きていく上にははかり知れないものがあると思います。東京の総面積の約四割を占める森林は、都の西部に位置する多摩の山地と伊豆・小笠原諸島に分布しております。また、多摩の森林面積は約五万三千ヘクタールとなっており、その約九割は杉やヒノキなどの人工林であります。
去る一月三十日に、産業労働局所管の農林漁業振興対策審議会から、健全な森林の育成と森林産業の発展のためにとるべき施策の方向について提言されました、二十一世紀の東京森林整備のあり方と林業振興の方向についてと題する答申が出されました。
一方、昨年十月二十四日には、環境局所管の自然環境保全審議会からも、環境の視点から公益的機能を確保する多摩森林再生事業を、森林に夢を、地域に活力をもたらすべく効果的に展開するための提言といたしまして、同じ諮問事項に対し、多摩の森林再生を推進するためにと題します答申が出されました。
同じ事項を二つの審議会で審議をし、答申するということは大変珍しいことであり、東京都では初めてのことではないかと思われます。
そこで伺いますが、なぜこのように両審議会に同事項の諮問、答申というものになったのか、まずお伺いいたします。
○町自然環境部長 近年、木材価格の低迷などから林業が急速に衰退し、管理不十分な人工林が増加するなど、森林の荒廃が進み、地域の活力も低下しております。森林は、木材の生産機能のほか、水源の涵養、土砂の流出防止、二酸化炭素の固定による温暖化の防止など、さまざまな公益的機能を有しております。また、森林は、雇用の場を提供するなど、地域の振興に寄与するものでもございます。
こうした東京の森林を新たな視点に立って再生整備するため、自然環境保全審議会には森林の持つ公益的機能の確保を中心に、農林漁業振興対策審議会には森林産業の振興を中心に検討していただくため、両審議会に諮問したものでございます。
○山田委員 ただいまのご説明で、複数の審議会に諮ったという方法については、一つの知恵として評価されるべきものであると思います。今後、二つの答申をどのように施策に結びつけていくのかを伺いたいと思います。
○町自然環境部長 環境保全の観点あるいは産業振興の観点と申しましても、対象とする森林は一つでございまして、森林の持つさまざまな公益的機能を回復し、あわせて森林産業の活性化を図ってまいりますため、環境局、産業労働局が合同して、関係局とも連携を図り、森林づくり推進プランを作成してまいります。
○山田委員 関係局が連携を図って、そして、横断的に協力し、重層的に施策を展開するということは、これからの都政全般に求められていると思います。東京の森林をよくするために全力を挙げて取り組むことをぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
次に、屋上緑化について伺いたいと思います。
地価が高く、高密度に土地活用されている東京では、新たな緑をつくり出していくことは生半可なことではないと思います。この点から見れば、市街地の緑を回復する施策といたしまして、緑の東京計画で掲げられております屋上緑化は大変期待が持てる施策であると思います。
そこでお伺いいたしますけれども、都の条例によって義務化が開始されました平成十三年度の指導実績は十・四ヘクタールと聞いておりますけれども、平成十四年度の見込みはどうであるのか、お伺いいたします。
○町自然環境部長 平成十四年度の屋上緑化の実績でございますが、平成十五年一月末現在、約十一ヘクタールとなっておりまして、十四年度末には約十三ヘクタール、前年度と比較いたしますと、約二五%増となると見込んでおります。
○山田委員 前年度比二五%増ということであります。しかしながら、まだ十ヘクタール台ということでありまして、まだまだ少ないと思うわけでありまして、今後、さまざまな工夫を凝らして、屋上緑化の普及に努めていただきたいと思います。
また、最近、新宿区が、区内の小中養護学校の屋上を含めて、緑化の充実を図るべく、五カ年計画を打ち出したとの新聞報道がありましたが、この新宿区のように、条例を定めて独自に指導を開始した区市町村はどれくらいあるのか、つかんでおりましたらお聞かせいただきたいと思います。
○町自然環境部長 屋上緑化の指導に関します各区独自の取り組みといたしましては、新宿区、渋谷区、板橋区、品川区が条例に基づきまして、荒川区、中央区は要綱に基づきまして、それぞれ実施しております。
平成十三年度にこれらの区が独自に実施した屋上緑化の指導実績は、約五千六百平方メートルでございます。今年度は、平成十五年一月末現在で、約一万四千平方メートルと聞いております。
○山田委員 私は、屋上緑化の普及によりまして、東京のヒートアイランド現象の緩和や、大都市東京の制約の中で、その特徴を生かして、緑が豊かに演出されるということは大変期待するものであります。
屋上緑化を推進するためには、区市町村の独自の取り組みの一層の促進が重要であると思うものであります。独自の取り組みは、現在、今のご説明によりますと、六区だけであるということでございますけれども、他の区市町村へも取り組んでもらえるよう、さまざまな機会をとらえて積極的に働きかけていただきたいと要望する次第であります。
それでは、次に、農地、屋敷林、自然林に対する緑を守る税制の面からの取り組みについてお伺いいたします。
この問題につきましては、我が党の議員から、これまでも何回となく質問されてきておりますけれども、改めてこの席でお尋ねする次第であります。
多摩の緑は、森林を除きますと、その多くが民有地の農地、あるいは屋敷林、あるいは樹林地であります。近年、都市の樹林地や農地が著しく減少しておりますけれども、それは相続に伴う相続税の支払いのために、泣く泣く農地や屋敷の一部を売却せざるを得ないという結果であると私は思っております。東京都といたしましても、緑を守る立場から、都市農業の重要さは十分認識されていると思いますけれども、都市農業に対する相続税についてどのようにお考えになっているのか。また、これまで相続税の納税猶予の法の制度化等についてどのように国に働きかけているのか、取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。
○町自然環境部長 多摩に残された貴重な緑を保全するため、都におきましては、緑の東京計画を策定し、良好な丘陵地や樹林地、農地の保全に取り組んでいるところでございます。しかしながら、今、先生、お話がございましたように、相続を契機に樹林地や農地等の売却を余儀なくされ、緑の喪失につながるという厳しい現実がございます。
このため、これまで、相続税の納税猶予制度の拡充など、国の予算編成の時期などをとらえ、七都県市とも連携して、国に対し要請をしてきたところでございます。
今後とも、その実現に向けまして、強く要請をしてまいります。
○山田委員 ありがとうございました。
今後の行政当局のさらなる努力をよろしくお願い申し上げたいと思います。
次に、水質の保全と水辺環境の再生についてお伺いいたしたいと思います。
最近、品川区の立会川に川を埋め尽くすほどのボラの大群が出現いたしまして、それが新聞、テレビ等で大きく報道されました。また、昨年は多摩川にアザラシのタマちゃんの出現など、川に関する明るい話題で、都民の心をなごませてくれました。このテレビ報道によりまして、東京都内の河川の水質が格段に改善されているということを全国に知らしめる効果は大変絶大なものがあったと思うわけでございます。
立会川の水質改善につきましては、東京都が主導して行った、総武線の東京トンネルにわき出す地下水を河川に引き出す成果であるということでありましたけれども、これまでの都の水質改善に対します努力に対して高く評価をいたしたいと思います。
そこで改めてお伺いいたしますけれども、東京都の中小河川は現在どういう状況にあるのか、また、ここ数年の水質の推移はどうであるのか、検査体制も含め、お答えいただきたいと思います。
○百合環境評価部長 都内の河川の状況でございますけれども、河川の水質を有機汚濁の指標でございますBODについて見ますと、環境基準を達成した水域数の割合は、中小河川では、この数年間は八三%前後で推移をしております。さらに、平成十三年度につきましては八九%と、水質の改善が進んでいるところでございます。
また、検査体制について申し上げますと、水質汚濁防止法第十六条によりまして東京都が作成いたしました水質測定計画に基づきまして、東京都、国土交通省、八王子市及び町田市が公共用水域の水質測定調査を実施しているところでございます。平成十四年度の河川の調査規模につきましては、測定項目がBOD、カドミウム等の六十三項目、測定地点が百十一地点、測定頻度が毎月一日というふうになってございます。
○山田委員 河川の水質は、おおむね改善傾向にあるということでありますけれども、都といたしまして、これまで水質調査を補完するものといたしまして水生生物の生育調査を行っていると聞いておりますけれども、都内の河川に生育する魚類の分布状況は以前と比べてどのように変化、推移してきているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○百合環境評価部長 河川の水生生物でございますけれども、下水道普及率の上昇とか、下水の高度処理等によりまして、近年、隅田川などの河川水質の改善が進んでいるところでございます。
水生生物の生息調査によりますと、昭和四十年代は魚が全く見られませんでした隅田川本川でも、ボラやギンブナ等の魚が見られるようになっております。また、最近の調査では、隅田川支流の神田川や新河岸川の支流である柳瀬川でも東京湾から遡上いたしましたアユなどが見られるようになり、全体的に出現する種類数がふえている傾向が見られます。
○山田委員 こうした河川の水質汚濁対策について、都としてこれまでさまざまな施策を講じてきたと思いますけれども、今後、どのような観点からどのような施策を進めていくのか、お尋ねいたしたいと思います。
○松葉環境改善部長 都では、これまで関係自治体と連携いたしまして河川の水質汚濁対策について努めてきましたが、今後とも引き続き、工場、事業場に対する規制、指導、それから下水道の整備、生活排水対策などを進めるとともに、また、立会川で実施いたしました漏出した地下水でございますが、そういうものの浄化用水の導入などの施策を推進いたしまして、河川の水質保全に努めてまいります。
○山田委員 どうもご答弁いただきまして、ありがとうございました。
平成十四年一月に発表されました東京都環境基本計画の中で、自然は人間の生存基盤そのものであり、自然を守ることは人間を守ることであります。人間の健康、安全を確保するため、将来に引き継ぐ財産として自然を保全し、再生していかなければならないと書かれております。全くそのとおりであり、私たちは、自分たちのためでなく、次代を担う子どもたち、孫たちのためにも、自然環境の保全と再生については、今、力を尽くさなければならないと思う次第であります。
行政当局のさらなるご努力をお願いいたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○野上委員 予算特別委員会でも質疑がなされていましたけれども、マスコミ等で首都圏の電力危機が叫ばれておりますけれども、この原因は一体どこにあるのでしょうか。初めにお伺いいたします。
○梶原参事 今般の電力危機でございますが、昨年夏以降発覚いたしました東京電力の原子力発電所をめぐります一連のトラブルによりまして、首都圏の消費電力の約四割を提供しております原子力発電所が稼働停止をいたしまして、運転再開のめどが立っていないというのが原因でございます。原発十七基のうち、現在、十三基が停止しておる状況でございまして、稼働中の四基につきましても四月中旬までにはすべて停止するという状況がございます。
○野上委員 すべて停止するということなんですけれども、この状態が続けば、ことしの夏を乗り切ることができるんだろうかと不安を抱かずにはおれません。そもそも東京の電力自給率はわずか八%ということで、一割にも満たない状況なわけですね。電力を他県に頼るしかない状況があります。ことしの夏も去年と同様に、多分、暑い夏が来るわけです。小中学校でも、教室の冷房を進めている区もあります。電力の需要がピークを迎える夏場を前にして、都はこの事態にどう対応していくのか、お伺いいたします。
○梶原参事 現在の電力状況でございますが、お話のとおり、極めて厳しく、また、今後の状況によりましては、春から夏にかけてさらに深刻化することも考えられております。事態は大変深刻ではございますが、これを契機に、都市におけますエネルギーのあり方とか地球温暖化について都民お一人お一人が考えるようにしていただきたいというふうに考えております。
都でも、都庁省エネ運動を展開し、できる限りの省エネに取り組んでおりますが、都民、事業者にも省エネを強く呼びかけてまいりたいと考えております。
○野上委員 呼びかけていくということなんですけど、実際、自分自身もかなり省エネを心がけた生活をしておりますけれども、使わなければならない電力は仕方なく使ってしまうというのが現状です。私は、夏、一度も家でクーラーをかけませんでした。それぐらい省エネに気をつけて、自分自身は生活をしておりますけれども、都庁に来ると、かなり激しい電力を使っておりますし、自分自身は自転車をなるべく活用しようと思っていますけれども、やはり車に乗らなくちゃいけないときは車というような生活実態があるわけなんですね。
今回の電力危機というのは、いいかえれば、東京のエネルギー危機だと思います。このことをきっかけに東京におけるエネルギーのあり方そのものを見直していく必要を強く感じております。
例えば車を例にとってみますと、日本のエネルギーの依存状況は、ガソリンや軽油や石油が約九八%を占めております。最近は、ガソリンが日々値上がりしてて、一円ずつ上がっておりまして、つい二週間前は九十四円だったガソリンが、きのうは九十七円というふうに値上がりしております。外国への依存度が高ければ高いほど、あってはならないんですけれども、いざ戦争とかになったときに、日本の経済そのものがもたないのではないかというふうに危惧しております。
先日、私は、燃料電池自動車に試乗してまいりました。これは本当に静かで揺れが少ないんですね。スピードもそこそこ出ます。時速百六十キロぐらいで走っていただいたんですけれども、非常に静かなんですね。びっくりいたしました。四車試乗したんですけれども、バスにも乗らせていただきましたけど、車の中の前の携帯電話の話し声が、後ろに聞こえるぐらい、それぐらい静かな車でした。多分東京も燃料電池車が普及したら静かなまちになるんだろうなというふうに思います。排出されるのは水蒸気なので、いかにクリーンな乗り物かと私は感心した次第であります。
振り返ってみますと、二十世紀は、化石燃料の大量消費の時代でした。二十一世紀はどんなエネルギーを基盤とした社会になるのでしょうか。その答えの一つが水素エネルギーにあると思っております。皆様もご承知のように、水素エネルギーの動力源である燃料電池は、水素と酸素の反応によりエネルギーと水を発生させるというクリーンなエネルギーです。二十一世紀を担う新たなエネルギーとして大きな期待が寄せられております。
昨年十二月、トヨタとホンダは、世界に先駆けて燃料電池車を実用化し、国に二台の燃料電池車を納入いたしました。
また、アメリカでは、今月初め、ブッシュ政権が水素社会の実現に向けたプロジェクトに十七億ドル、約二千億円の研究開発費を投入すると宣言しておりました。このFCVの普及には、水素供給方式など多くの問題が残されているけれども、アメリカ社会に多大な利益を及ぼすだろうと訴えておりました。研究室からショールームに持ち出すことを拒んでいる障害を克服し、今日生まれた我々の子どもたちは、将来水素で走るクリーンな自動車を運転することになるだろうと。このプランの意義は、アメリカ社会に水素システムを持ち込むことによって、エネルギー資源の外国への依存度を減らし、かつ大気の汚染を防止することと、早期実現化への意欲を見せております。まさに世界は水素社会の幕あけを迎えようとしているんです。
この水素エネルギーについて、都はどのように考えていらっしゃるのか、基本的な考え方についてお聞かせいただければと思います。
○梶原参事 水素エネルギーとか、それから電気を発生させます、ただいまお話のありました燃料電池でございますけれども、環境負荷の少ないクリーンなエネルギーであるというふうに認識しております。
普及拡大には技術的な課題等もまだ残しておりまして、国におきましても、二〇一〇年以降の大量普及を見込んでいるというふうに聞いております。都民生活に浸透するまでにはなお時間がかかると思われますけれども、今後の技術開発等の動向によりましては、広く普及が見込まれる未来のエネルギーであるというふうに考えております。
○野上委員 そうした中、東京都も燃料電池バスパイロット事業をスタートさせて、燃料電池バスの路線運行を都バスで行うことを決定したとお聞きいたしました。今回の燃料電池バスパイロット事業の概要と意義、目的についてお伺いいたします。
○梶原参事 燃料電池バスパイロット事業でございますけれども、地球温暖化対策及び大気汚染対策の一環といたしまして、環境局、交通局及び民間事業者が共同で実施する事業でございます。
都といたしましては、燃料電池バスの実用化のために不可欠な走行データの収集、それから、都民等に対します普及啓発を主な目的として行うものでございます。ことしの夏からは、都営バスの営業路線において運行を開始いたしまして、平成十六年度末まで実験を続ける予定にしてございます。
○野上委員 燃料電池自動車というのは、まだまだ都民にはなじみの薄い存在だと思います。ともすれば、水素と酸素ということで、水素というイメージで、危ないのではないかという印象を持っていらっしゃる方もおられると思います。都としては、都バスでの路線運行を通して、燃料電池、水素エネルギーの重要性や安全性などを広く都民に理解してもらうよう、普及啓発に力を入れていくべきと考えますけれども、所見をお伺いいたします。
○梶原参事 燃料電池バスパイロット事業の実施に当たりましては、都民に燃料電池バスに実際にご乗車いただくということで、排ガスを出さない低公害性とか、乗り心地のよさなどを実感していただくことを一つの成果として期待しているところでございます。
それと同時に、実験期間を通じまして、さまざまな機会をとらえて広報活動を継続して実施することで、燃料電池バスとか、水素エネルギーそのものについての都民の理解を深めてまいりたいと考えております。
○野上委員 今後、燃料電池、水素エネルギーを普及定着させていくためには、多くの課題が残されております。信頼性とか耐久性とか、一番大きなのはコストの面だと思いますけれども、どのような課題が考えられるんでしょうか。
○梶原参事 燃料電池を普及させるためには、安全性を含みます技術の確立とか、特にコストの大幅な低減、さらには法制面での規制緩和の問題など、解決すべき課題が山積しているところでございます。また、水素供給ステーションを初めとしますインフラの方の整備に関しましても、設置にかかわります法整備が必要でございまして、そういったような幾つかの課題が残されているところでございます。
○野上委員 多くの課題があるとはいえ、技術革新のスピードは私たちの想像以上のものがあると思います。都としても、実用化、普及は何年も先の話というふうにたかをくくるのではなくて、水素社会の到来を前提に、その対応を考えるべき時期に来ているのではないかと思いますが、局長の所見をお伺いしたいと思います。
○小池環境局長 今お話がありました水素エネルギーは極めてクリーンなエネルギーでありまして、二十一世紀の社会を支え、持続可能な社会の形成を可能とするエネルギーとして、その開発、普及ができるだけ早期に進展することを大いに期待しております。
都として、一体どういうことが今の時点でできるかということで、先ほどお話がありましたが、まだまだ端緒的な取り組みということでございますけれども、有明地区の水素供給ステーションを拠点といたしました燃料電池バスパイロット事業を行うなど、燃料電池にかかわる先駆的な取り組みということで着手していると。また、燃料電池にかかわる規制の見直しということが既に動き出しておりますが、これにつきまして、関係機関の検討会に参加するなど、技術動向等の情報収集を今やっている、こういう状況でございます。
いずれにいたしましても、燃料電池を中心とした水素エネルギーをめぐる技術開発というものは、今後、国家戦略のプロジェクトとして、今いわれているよりももっと早く予想以上の進展を見る可能性が十分あると思いますので、都といたしましても、技術開発の動向や経済社会システムの変化等、十分見据えながら、その成果を都市環境政策の中に生かしていくように、常に心がけてまいりたいと思います。
○野上委員 私は、公営交通、都営大江戸線を利用して都議会まで来ておりますけれども、ちょうどつり革広告があります。それは、東京の私の青空と書いてありまして、空と雲の絵があって、平成十五年十月からの排出ガス対策として、CNG、これは圧縮天然ガスですね、このバスを含む低公害車を百七十三台導入しますと。また、ことしの夏ごろには、日本初の燃料電池バスの走行試験を開始しますと。都営バスは排出ガス対策を通して環境問題に取り組んでおりますという、そういうつり革広告を掲載しておりました。本当に環境局と交通局が連携を図って、一生懸命取り組んでいらっしゃるんだなということを都民に広く知らせていることがよくわかりました。
東京都環境基本計画の中に、交通渋滞が激しく、自動車排出ガスによって深刻な大気汚染を抱える東京においても、東京都が率先して、自動車メーカー、燃料メーカー、国等と積極的なパートナーシップを結び、燃料電池車の開発を推進していくということが書いてあったんです。多分、あと二十年もすれば、水素ステーションも身近につくられて、私たちも燃料電池車に乗っているんじゃないかなというふうに想像しております。
最後に、大都市東京の環境改善の意味からも、東京都環境局の方でも研究会を設置するなり、環境科学研究所もありますので、そこに人材を投入して、先行研究をするなり、あるいはプロジェクトH2をつくったりして、先駆的な役割を展開していただければと要望して、終わります。
○樋口委員 都内ディーゼル車走行規制開始まであと七カ月余りになりました。この規制は、都が、深刻な状況にある大気汚染を放置することなく、強い決意を持って進めているもので、都民の健康のために評価ができるものです。しかし、一方で、使用過程車を規制対象とし、PM減少装置を装着させるなど、ディーゼル車ユーザーに負担を強いる面があることは否定できません。ユーザーの中には、PM減少装置、DPF装置もまだ未完成部分があり、機器選択に迷っている。また、低公害車の走行環境が不十分な状況下では、対応に踏み切るのに二の足を踏んでいると悩まれている方が多くおられます。
都は、これまでも、ユーザーに規制するため、業界全体を対象として説明会を開催したり、四百社の事業者に説明を行っているということです。
また、この二月三日に開設したディーゼル車規制総合相談窓口では、一日平均二百本もの電話相談があるともお聞きしました。
一方、私がユーザーから聞いた話では、車検を扱う陸運事務所で、都条例のことはわからない、都に聞いてくれといわれたとのことです。
国が自動車NOx・PM法の規制適用を延期させてしまったため、条例と法律との二つの規制時期が異なり、これも大きな問題なんですけれども、非常にわかりづらくなっています。都のホームページでは、都条例による規制はわかるものの、条例と法の二つの規制の関係が一挙にわかるようになっていないと思いますが、どのような状況か、お伺いします。
○山本自動車公害対策部長 現在、都のホームページにございますディーゼル車規制総合情報サイトでは、条例による規制内容をわかりやすく載せるとともに、国の自動車NOx・PM法による規制があることについても例示をして紹介しております。また、この国の規制について、さらに詳しく知りたい方のために、直接環境省の自動車NOx・PM法の手引にアクセスできるようにもなってございます。
○樋口委員 事業者が規制内容をよく理解しないままでは、規制を円滑に施行することはできません。自動車メーカーなどの情報では、車を買わされるのではないか、本当は必要のないはずの買いかえを勧められているのではないだろうかと不安や猜疑心を抱く事業者もいるので、やはり事業者に判断材料を示してほしいと思います。
先日、私が都の説明会に出席したところでは、規制適用開始日などは車検証だけを見ればわかるようでしたが、一件当たり五分から十分とかかっておりました。これではとても大変です。現在の都のホームページを見たら、ディーゼル車規制検索システムと銘打って、車検証の記載事項を入力すれば、自分の車がいつから条例による規制対象になるかがわかるようになっていました。それならば、もう一歩進めまして、説明会で行っていたように、自動車NOx・PM法の関係も含めて、対応策が示せるのではないでしょうか。
我が会派の真木茂議員とも検討しているんですけれども、例えば車検証の形をそのまま画面に示すなど、ホームページをわかりやすく使えるように早急に改善すべきだと考えますが、所見をお伺いします。
○山本自動車公害対策部長 インターネットを利用した情報提供は、ディーゼル車のユーザーが規制の内容や対応策について理解する上で利便性が高く、重要なものと認識しております。ただいま貴重なご意見をいただきましたので、事業者が都のホームページを使って、自動車NOx・PM法との関係を含めて、規制への対応を適切に判断できるように、早急に検討して改善をしてまいります。
○樋口委員 事業者が自分の車がいつまで使えるかわかった後に、次に、規制への対応策として、車の買いかえかPM減少装置の装着かを比較検討することになります。その際、PM減少装置は新しい技術であるだけに、事業者の理解が十分でなく、さまざまな不安を抱いています。
例えば、走行距離が百キロメートル程度になったら、フィルターを再生するDPFがあると聞いた人が、それでは、いつ詰まるか不安だ、装置装着を決断できないそうです。その装置は、PMの除去率は極めて高いのですが、反面、消防自動車のように車庫などを起点にして運行する車などに向いているものだそうです。しかし、普通の事業者は、こうした一つの話だけで、DPFというものはそういうものだ、自分にはとても使えないと思い込んでしまうのが普通だと思います。
また、一方、フィルターを焼いて再生しなくても、簡単にパーティカルフィルターを外せばエンジンをとめずに走れ、外からじゃわからないんじゃないか。だから、そうやれるやり方もあるという話がまかり通ってしまっております。
こうした誤解を避けるために、都はどのような対応をしていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○山本自動車公害対策部長 PM減少装置には汎用性のある装置もございますけれども、その特性から、使用条件がつくものがございます。お話のありました型式のDPFは走行距離が短い車両に向くものであり、PMが一定程度たまると、警報システムが作動することになっております。
都は、事業者が個々のディーゼル車に適合する装置を選択できるよう説明会やホームページで指定した装置について情報提供しておりますけれども、総合相談窓口では、さらにエンジン型式、それから、用途を踏まえまして、相談に応じております。また、自動車整備事業者の協力も得まして、車の整備、点検時に装置に関する情報提供を行ってもらうこともやっております。
今後とも規制を円滑に推進するため、装置に関する情報提供に努めてまいります。
○樋口委員 次に、事業者が新車に買いかえる場合の融資あっせん制度について、お伺いいたします。
都は、三月三日から、従来の自動車低公害化促進資金を利用できない事業者のために、購入車両を担保にした新融資制度を発足させることにしました。事業者の選択肢が広がることは喜ばしいことであります。都は、この新制度について、最近、情報提供に努めていらっしゃるようですが、先日、事業者の方とお話しした際、従来の融資制度について、都が銀行のかわりに直接事業者に購入資金を貸すように考えておいでの方がいらっしゃいました。都に申し込んだ融資あっせんであれば、都からの利子補助があるということを知らなかったのです。
今後、従来の融資制度と新融資制度の利点と特徴についても、規制やPM減少装置の情報とあわせて、事業者に周知することが必要だと思いますが、どのように進めていくのか、お伺いいたします。
○山本自動車公害対策部長 融資制度の周知でございますけれども、従来の制度については、これまで「広報東京都」とか、あるいは区市の広報紙への掲載のほか、事業者説明会などにおいて周知を図ってまいりましたが、ご指摘のことから、さらに周知していく必要があると考えております。
本日午前中にユーザーと直接に接するディーラーを対象に説明会を実施いたしましたが、その中で、規制全般とあわせまして、従来の融資制度と新融資制度についても説明をいたしまして、買いかえの際にユーザーに都の融資制度の情報提供を要請いたしました。今後、地域別の事業者説明会や二十台未満の車を利用しているユーザーへ送るダイレクトメールなどにおいても両制度の特徴や利点について紹介するなど、さまざまな機会をとらえて、融資制度の活用が図られるようにしてまいります。
○樋口委員 都内の事業者の皆さんの多くは、本当に厳しい経営状況の中、東京の大気汚染を真剣に受けとめて、その改善のためにPM減少装置の装着や新車への買いかえを行っています。しかし、中には、規制を守らず都内を走り続ける人もいると思います。十月の規制開始以降、違反者にはどのような罰則で挑むのだろうか、そのご覚悟はいかなるものだろうかと私自身考えてしまいます。
都民の健康のために、一生懸命規制に対応した人がばかを見るようなことが決してないよう、正直者が損をしないことが大切だと思います。特に、中小零細企業や個人のトラックなど、経営状況が悪い中でも、良心のある人は必死で規制を守っているはずで、歯を食いしばってでも先行投資をして、基準を守った人がいることをとうとしとし、報いられる社会でなければならないと思います。
都は、事業者の皆さんが条例に適切に対応できるよう、情報のより積極的な提供に努めていただきたいと思います。
次に、ディーゼル車の排気ガスに含まれておりますナノ粒子という超微粒子についてお伺いさせていただきます。
平成十五年四月から全国で低硫黄軽油の供給が開始されることになっております。つまり、五〇〇ppmから五〇ppmの規制ということになるんです。低硫黄軽油を前提にしたPM減少装置の装着が、一方、進んでおります。しかしながら、一月十四日、朝日新聞の報道では、環境省の調査報告によると、低硫黄軽油の使用に伴ってナノ粒子という超微粒子の存在割合がふえているということでした。
そこでお尋ねいたしますが、都はナノ粒子の問題についてはどのようにお考えなんでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 ナノ粒子は、直径が〇・一マイクロメーター以下、すなわち一万分の一ミリ以下のごく微小の粒子でございます。条例のディーゼル車規制や国の環境基準は、一〇マイクロメーター以下の粒子状物質を対象にしております。また、現在、PM二・五、すなわち二・五マイクロメーター以下の粒子について環境基準の設定が議論されており、お話のナノ粒子についても環境基準等はまだ設定されておりません。
PM二・五やナノ粒子につきましては健康への影響が懸念されているところでございますけれども、特にナノ粒子については測定法さえ定まっておらず、まだ研究の緒についた段階であるというふうに考えております。
○樋口委員 新聞報道では、低硫黄軽油の使用によってかえってナノ粒子の割合がふえているということなんですが、このことについてはどのようにお考えなんでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 新聞報道によりますと、低硫黄軽油を使った場合、排ガス粒子中のナノ粒子の割合が重量で一、二割多くなるとのことでございますけれども、これは粒子の中のナノ粒子とそれより大きい粒子の構成比率についての記述であり、この調査を実施した環境省に問い合わせを行いましたが、環境省も、低硫黄軽油を使うことでナノ粒子そのものの量がふえているわけではないというふうにいっております。
なお、本年四月から市場投入されます五〇ppm以下の低硫黄軽油によって、DPFや酸化触媒などのPM減少装置の装着が進み、ナノ粒子を低減することができると考えております。
○樋口委員 今、ナノ粒子そのものの量がふえているわけではないという話を伺いました。ナノ粒子そのものの量はふえていなくても、量というのは、要するに、重量で見ているわけなんですね。重量で見ておりますと、ナノ粒子というのは、本当に〇・一マイクロメーターが一〇〇ナノですので、非常にはかりにくい、非常に難しいものであるということは事実であります。
新聞報道の例を見ても、非常にわかりにくいナノ粒子ではありますが、健康への影響が非常に懸念されているものなんです。そもそもディーゼル車規制というのは、ディーゼル車から出る粒子状物質の総重量、その重さを減らすことというのが着目点でありまして、粒子の一つ一つの個体そのものを制限しているものでは全くないんです。
それで、粒子状物質の総体的な重量を減らすことによって、小さなものも、要するに、ナノとか、それこそこの間の委員会で申し上げましたPM二・五も含めてなんですけれども、そういった小さな粒子も減らすことができるだろうということなんです。
しかし、健康面ということで考えてみますと、重量もさることながら、より小さな粒子については、重量ではなく、個体、つまり、個数。個数ということは、表面積が大きくなること、それが問題だということがいわれ始めているわけなんです。肺に付着するというのは、小さい粒子の方が拡散しやすいということがありまして、健康面に大きな影響を与えるのではないかという議論が、今され始めております。
ダイオキシンのときのことを思い出していただきたいと思います。ダイオキシンも、測定のガイドラインが大変遅くなったために、健康被害が増大しました。現在、ナノ粒子については、先ほどもご答弁ありましたけれども、測定法さえ定まっていないというお話を伺いました。ナノ粒子をどうやって測定するかといいますと、DMA、粒径別に分級する装置を使って、そして、CNCという凝縮核計測器ではかって計測する形になるんですけれども、新聞報道以外においても、一部の研究者の中では、低硫黄軽油の方が、なぜか、まだ研究段階なんですけれども、ナノ粒子が個数では多くなるという話も--重量では少ない、でも、個数では多くなるという話も聞かれています。都の関係部局だけではなくて、国の関係機関と協調して幅広く研究に取り組んでいただけたらとお願いするとともに、都で率先してガイドラインを引いていただけたらと思っております。
次に、ロードプライシングについて幾つか質問させていただきます。
私もシンガポールに行って見てきたことがあるんですけれども、ロードプライシングは、交通渋滞や大気汚染の著しい地域に入る自動車に課金する、つまりお金を取ることで現在の車の使い方を見直してもらう。それによって自動車の交通量が減る。そして、渋滞を緩和し、大気汚染を改善する。そういうことを目指す制度であります。
東京都が行おうとしております都市環境の改善、TDM、交通需要マネジメント施策は、現在の慢性的な交通渋滞解消を目指すことや、排出ガスの減少を進める意味からも評価しております。
東京都は、現在もロードプライシングを検討中ですが、ご存じのとおり、二月十七日にはロンドンが混雑課金を実施いたしました。大都市であるロンドンの状況は東京都も参考にしていると思います。ロンドンの混雑課金は円滑に実施されているのでしょうか。また、車の削減効果はどのようになっているんでしょうか。
○月川参事 ロンドンのロードプライシングの実施状況でございますけれども、今月十七日からロンドンのロードプライシングは、中心部でありますセントラルロンドン、約二十一平方キロメートルを対象にいたしまして、区域内を移動する車に一律五ポンド、約千円を課金するものでございます。ロンドン交通庁のホームページによりますと、現在までのところ、大きなトラブルもなく、円滑に制度が実施されているとのことでございます。車の削減効果についてでございますが、まだ詳細に把握してございませんけれども、ロンドン交通庁は初日に二五%の交通量の削減があったとしております。
○樋口委員 本当にロンドンの朝の渋滞というのはすごくあるんですね。実際、ロードプライシングをやっているところというのは本当に小さなエリアでありまして、ロンドンでは順調にロードプライシングが実施されているようであります。
諸外国でも導入実績があるロードプライシングですが、それぞれの国の実情は違うものの、円滑に制度を実施するまでには、十分な時間をかけて周知し、そして、影響を受ける住民や事業者の意見を聞いてきたと思います。
そこでお伺いいたします。ロンドンでは、混雑課金制度の検討から導入までどれほどの期間を要したのでしょうか。また、どのような周知方法、意見聴取を実施したのでしょうか。お尋ね申し上げます。
○月川参事 ロンドンのロードプライシングが実施に至りました経過についてでございますけれども、一九九五年にイギリス政府のロンドン混雑課金の報告書が出された後、一九九九年、ロードプライシングについて、大ロンドン庁法によりまして、ロンドン市長の判断でロードプライシングを導入することができる旨規定がなされました。二〇〇一年には、市長案、市長の交通戦略が出されまして、市民への説明会と約五百の事業者団体に対しまして説明会が実施されました。その際に、二回にわたりまして意見聴取、パブリックコンサルテーションが行われ、その後、実施案がまとめられ、今月、制度が実施されました。
法律に規定される前に検討がなされており、規定が与えられてから四年後に実施に至っております。
○樋口委員 東京構想二〇〇〇では、基本計画策定、また、各方面の合意形成を図った上で、ロードプライシングの平成十五年度以降の早期導入を挙げておりました。しかし、ロンドンでは、八年前の報告書公表のために、さらにさかのぼり、その四年前、つまり今から十二年前から検討を始めた上でのことでございました。
大ロンドン市法の制定が与えられてから四年の期間をとり、二回にわたり、住民、事業者に意見を聞いているということも今お話いただきました。特に、五百もの事業団体に説明を行い、制度案を周知し、その意見を聞いた後で実施案を策定しております。
東京の場合は、範囲の広さ、そして、そこを通過する車の量がロンドンやその他の都市とは比較にならないほど多いんです。先日、知事が発言されたように、環状線の整備がロードプライシングにとって条件となります。また、迂回交通の影響も懸念されます。したがって、私は、東京都は、外国の都市以上に住民、事業者の意見を聞き、十分な検討を行う必要があると考えております。
そこでお伺いします。これまでのロードプライシングの検討において、どのように都民、事業者の方に制度を周知し、意見を聞いてきたのでしょうか。また、今後の検討予定はどのようになっているんでしょうか。
○月川参事 平成十三年六月に東京都ロードプライシング検討委員会から報告を受けた後、その報告書の内容につきまして、「広報東京都」への記載、インターネット、ホームページへの掲載、パンフレットの配布などによりまして都民の意見をいただいてまいりました。これに加えまして、事業者に対します説明会を行い、意見を伺ってきました。現在はさらに有識者などからヒアリングを行っているところでございます。
今後の検討予定でございますけれども、ロードプライシングを実施する場合、東京はロンドンに比べ交通量が圧倒的に多く、そのため、環状道路など、骨格となる迂回道路の整備が条件となります。また、そのほかにも、迂回交通の影響対策など検討すべき課題があり、こうした課題につきまして、都民、事業者の意見を踏まえ、今後さらに検討を進め、その上で基本的な考え方を整理する予定でございます。
○樋口委員 都民の意見を十分に踏まえた検討を行うことが必要だと考えております。とりわけロードプライシングの議論が始まった段階から、日常的に車を利用する各団体からは、総論としては賛同を示しながらも、問題が多数指摘されてきました。昨年六月七日のこの委員会で、今、私の隣におられます我が会派の大塚隆朗委員が陳情審査の中で、特にタクシー--ロンドンではタクシーというのは課金対象外なんですけれども、そのタクシーに絞った質問をいたしましたが、こうした各団体の不安を除いた上で制度の検討を進めることを強く要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○かち委員 三つの課題で質問させていただきます。
まず、スーパーエコタウン事業について。
日本は、世界一の塩ビ製品の消費国であり、焼却炉王国ともいわれるほど、世界のどの国よりも焼却炉の多い国です。国の来年度予算案では、環境省の脱温暖化・循環型の持続可能な社会の迅速な構築という名目で一千八百一億円が計上されている。そのうち八一%、千四百七十三億円が廃棄物処理施設の整備費です。とりわけエコタウン事業に位置づけられた民間の廃棄物処理施設整備などには五億二千万円で、前年度比十倍にもなっています。依然として施設整備が中心の廃棄物環境対策となっています。
この間、国において九六年から二〇〇二年までの第八次廃棄物処理施設整備計画によって補助金事業を精力的に推し進めてきました。全国の自治体で次世代型の焼却炉が既に二十個以上、採用されてきております。
そこで、東京都もスーパーエコタウン事業を進めていますけれども、まず、全体的な進捗状況をお聞きします。
○古川スーパーエコタウン担当部長 PCB無害化処理施設につきましては、現在、環境事業団が工事の入札手続を進めているところでございます。受注者の決定後、環境影響評価等の法定手続に着手する予定でございます。
また、ガス化溶融等発電施設につきましては、昨年十二月に東京電力を中心とする事業実施のための新会社が設立されまして、環境影響評価書案がきのうから公示、縦覧されているところでございます。今後、事業者による説明会が三月に開催される予定でございます。
さらに、大田区城南島の施設につきましては、建設廃棄物のリサイクルを行う一施設につきまして、三月の都市計画決定を目指して手続が進んでおります。
その他の施設についても必要な準備を進められているところでございます。
○かち委員 PCB対策、そしてガス化溶融炉、リサイクル対策ということで、三つの種類があるわけですけれども、きょうは特に産廃のガス化溶融炉と発電施設の規模、機能というものについてお聞きします。そして、どのような産廃を受け入れることになるんでしょうか。
○古川スーパーエコタウン担当部長 スーパーエコタウン事業で整備いたしますガス化溶融等発電施設は、ガス化溶融炉と感染性医療廃棄物専焼炉で構成されております。
ガス化溶融炉は、資源化が困難なため破砕処理のみで埋め立てられている廃プラスチック類などを燃料といたしまして、効率の高い発電を行うとともに、有価金属の回収と焼却灰のスラグ化を行うものでございます。一日二百七十五トンの炉を二基設置し、合計五百五十トンの処理能力を持ってございます。
また、感染性医療廃棄物を焼却する専焼炉につきましては、一日五十トンの廃棄物を処理できる炉が二基設置されます。
○かち委員 廃プラスチックを主に受け入れて、五百五十トンの能力を持ち、この概要書などを見ますと、その中で発電効率は二〇%を超えるというもののようなんですけれども、このガス化溶融炉の施行主体はどこになるんでしょうか。そして、これだけの設備を整えるには、相当な総工費も要ると思うんですけれども、どのくらい見積もられていて、国からの補助金などはどうなっているんでしょうか。
○古川スーパーエコタウン担当部長 事業主体は東京臨海リサイクルパワー株式会社でございまして、東京電力、東電環境エンジニアリング、清水建設、荏原製作所、オリックス環境の五社が出資しているものでございます。
事業者の想定によりますと、建設関係の事業費は約二百五十億円であると聞いております。
なお、スーパーエコタウン事業は、事業者の責任において施設の整備、運営を行うもので、都の財政負担はございません。
また、国の補助金につきましても事業者の責任で確保するということになっておりまして、現在、要望活動をしておりますけれども、額についてはまだ何も固まっておりません。
○かち委員 総工費二百五十億円ということで、東京電力、そして荏原製作所などが中心になって行われる溶融炉施設ですけれども、私の聞くところによりますと、サーマルリサイクルを設置するということで、国からの補助金などは数十億円というふうにも聞いております。今、国の第八次計画の推進の中で、全国にこのような次世代型の焼却溶融炉が各地でトラブルや事故を起こしている、そういう実態を聞いておりますけれども、局としては把握しているでしょうか。
○松本参事 いわゆる次世代型といわれる施設としまして、ガス化溶融炉が国内各地で導入され、稼働実績もふえつつあります。これまで順調に稼働してきております。ガス化溶融炉は、キルン式、流動床式、シャフト式の三種類があります。
事故につきましては、国内ではありませんが、国外では、平成十年に、ドイツのキルン式ガス化溶融炉でガス化炉から分解残渣物を抜き出す箇所が閉塞したことに伴いまして、ガス漏れ事故がありました。しかし、この技術の日本への導入に当たりましては、ごみ処理プラント技術の経験が豊富な日本企業が当該部分の対策を十分にとりまして、順調に現在稼働しております。
流動床式ガス化溶融炉は、スーパーエコタウン事業で予定している形式でありまして、これまで導入された施設で事故は起きておりません。
なお、ガス化溶融炉ではありませんが、焼却灰の溶融炉につきましても多数の実績があります。
以上でございます。
○かち委員 流動式ガス化溶融炉というものが、今、特に事故は起きていないというふうにおっしゃいましたけれども、この方式そのものは、実際に稼働してうまくいっているという例はまだないと思うんですね。私も、新聞報道だけいろいろ集めてみましたけれども、この中だけ見ても、先ほどドイツの例をおっしゃいました。それは平成十年でかなり前のことですけれども、このシーメンス社は、これをもってガス化溶融炉の事業から撤退したというふうにも聞いております。
さっき愛知県の例が出ましたけれども、去年一月二十九日、それ以降の事故やトラブルだけでも相当あるんですよ。愛知県の東海市荒尾町の灰溶融処理施設で爆発があったんですけれども、十人の方が重軽傷を負っています。十一月二日には下北広域行政組合、ガス改質型ガス化溶融炉の放散塔で爆発事故。十二月五日には佐賀市新清掃工場で、これは荏原製作所のものですが、ストーカー炉の試運転中に灰コンベアで爆発。ことしの一月八日、水俣芦北広域行政事務組合のシャフト式ガス化溶融炉、川崎重工ですけれども、炉内で灰が固着し、停止が判明。一月二十八日には、国内最大規模の大牟田市のRDF発電所では操業二カ月足らずで送風機が破損。発電を停止しています。二月一日、出雲の、これは今度取り入れるものと同じものですね、流動式ガス化溶融炉のガス化炉の不調で停止が判明。昨年十二月に稼働予定が五月にずれ込むなどと、続出している状況が……(「何件」と呼ぶ者あり)もう十件以上あると思いますね。
システムが異なるとか、人為的だからということで済まされる問題ではないと思うんですよ。どんな原因であれ、こんなに頻繁に事故やトラブルが起きているという問題をもっと真剣に見据えるべきだと思います。一歩間違えば人身事故にもなりかねない問題が起きることになるんです。
今回予定のガス化溶融炉の処理プラントは荏原製作所の流動式と聞いていますけれども、同規模のものとしては青森のガス化溶融施設だと思うんですが、これは日経エコロジーの記事によりますと、荏原の製作した施設で、運転開始後二年間もトラブルが続いていると書いてあります。東京都としては、この経過をどのようにとらえているのでしょうか。
〔「答弁が違うぞ。いいの」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 かみ合ってないんでしょう、中身が。事故がないとおっしゃって、こちらは……。
〔「海外では事故があるんだろう」と呼ぶ者あり〕
〔かち委員「海外だけじゃないです。国内の、つい最近まであるんです」と呼ぶ〕
○林委員長 松本参事、先に。考え方が違うんだろうと思うので。
○松本参事 先生、今ご指摘の、幾つだかちょっと数え忘れましたけれども、数カ所の事故につきましては、初期故障といわれるものと、ガス化溶融施設本体ではなくて、例えば誘引送風機の故障とか、これは、普通の一般のストーカー式焼却施設でも起こっております事故でございまして、そういうたぐいの事故が大部分含まれているんじゃないかと考えております。
○古川スーパーエコタウン担当部長 先ほどからご答弁しておりますように、流動床ガス化溶融炉については、事故は起きておりません。
そこで、荏原製作所が青森市内に建設したガス化溶融炉についてでございますが、平成十二年三月に竣工いたしまして、処理対象のシュレッダーダストが計画時の設定以上に多くの金属を含んでいたため、灰分が排熱ボイラーに付着して機能が低下し、これに対しまして、操業を続けながら、二つある炉を交互に補修、改造し、十四年十一月末からは二つの炉で本格的にちゃんと稼働しております。
スーパーエコタウン事業で整備される施設は、搬入を予定している廃棄物について事前に詳細なサンプル調査を行った上で、青森の施設での経験を十分反映させた設計となっておりまして、稼働に問題はないと考えております。
今後とも、事故防止や安全対策につきましては万全を期すよう都としても指導してまいります。
○かち委員 先ほど、操業初期のもので、実際には大したことないというふうにいわれましたけれども、どんなトラブルであれ、灰溶融炉で爆発というのが起きているわけですね。それから、送風機が破損してしまったとか、流動式ガス化溶融炉で不調で停止してしまうとかね。これは一つ一つが故障や事故なんですね。こういう高機能のものを高温で燃やす。燃やしたら、それなりの有害物質も出るから、それをきちんと処理しなければいけない。そういうものは絶対出てはいけない。こういう施設の中でこれらの事故が起きるということは、そのときに出ているかもしれない。場合によったら、十名も負傷したという問題も起きているわけですよ。大したことないという認識では、私、とても安心できません、本当に。(「再答弁」と呼ぶ者あり)もういいですけれども……。
失敗しているというのは個々の問題ですけれども、それを生かしているから大丈夫--大丈夫という保証がまだ私には見えていないんですね。ここのところでこういうふうに機能しているから大丈夫というのは、青森は去年十一月からやっと正式稼働し始めたところでしょう。何カ月たっていますか。そういう状況で、だから大丈夫なんて、私はいえないと思うんですよ。
青森は、百三十億円の建設費で、八十億円の改良費をかけてこれを改修しているわけですね。東京都は直接的にお金を出さないんだし、民間がやるんだからということで、割とそういう点では本当に真剣に取り組んでいないんじゃないかなというふうに思いますよ。
ガス化溶融炉は千四百度の高温で溶融するために、ダイオキシンの発生も極めて少なく、排熱を利用した発電効率も高い。最後に残った溶融残渣物も路面材にまぜて再利用できるということで、廃棄物で悩む自治体にとっては、まるで夢のような処理機能だとは思うんです。しかし、これはまだ理論上のことで、複雑なシステムを安定的に稼働させるというのは難しいというふうに識者もいっているんです。自治体との連携で壮大な実験場と化しているのが今の次世代焼却炉の実態ではないでしょうか。
高温になればなるほど、排ガスに重金属、カドミウムや水銀、鉛などの濃度が高まるということも警告されています。また、バグフィルターや耐火れんがの耐久性にも新たな問題が投げかけられています。何でも集めて燃やす式のこの考え方は改めるべきだと思います。実効ある拡大生産者責任とリサイクルコストの内部化のシステムというものを本当に真剣に構築していく必要があると思います。
ところで、二十三区の場合、一般廃棄物処理が一部事務組合に移行して三年が経過しています。それぞれの処理場の実態がつぶさにつかみにくくなっている現状だと思うんです。けさの新聞報道では、私の住んでいます大田清掃工場の敷地内に降った雨水の中からダイオキシンが検出されたと聞きましたけれども、その実態と対応はどのようになっていますでしょうか。
○松本参事 大田清掃工場におきます雨水につきましては、ダイオキシン類対策特別措置法による測定の義務は課せられておりませんが、区との操業協定によりまして、設置者による自主的な測定が行われまして、その結果は、平成十三年十月から毎年運営協議会で公表されておりました。測定の結果は、平成十三年度は一リットル当たり三・一から二四ピコグラムでありましたが、平成十四年度は一リットル当たり二・七から八・一ピコグラムに減少しておりまして、いずれも排出基準値を満足しております。
なお、大田清掃工場におきましては、雨水の再利用にあわせまして、平成十三年度、十四年度に設備改修工事を行っているところでございます。今後、問題が生じた場合には、適切に対応するよう指導していきます。
○かち委員 確かにダイオキシンの特別措置法によって基準が変わりました。大気中のダイオキシン濃度は八〇ナノグラムから一ナノグラムに、去年十二月一日から変わったんですね。水質基準というのは、ことし一月十五日から、五〇ピコグラムから一〇ピコグラムに変わりました。しかし、このことは三年の暫定期間というのがありますから、十三年度時点では、もうことしからは一〇ピコになるということは、皆さんご存じだったわけです。
この報道の内容、今、ご説明もありましたけれども、やった検査は十三年度。このとき、市民団体の皆さんが情報開示請求でとった資料を私も見せていただいたんですが、大田清掃工場の雨水について四地点で調べているんですね。そこで見ますと、十三年度のデータ二カ所から二四ピコと一六ピコというふうに出ているんです。確かに五〇ピコの基準に比べれば問題ないといえるかもしれませんけど、これは暫定期間であって、ことし一月からは一〇になるわけですね。だから、大田清掃工場でも、このことを見据えて、今、雨水の排水処理施設工事を、一年間かけて、やっと昨年いっぱいで終わったようですけれども、こういう状況があるわけですね。
大田清掃工場というのは、以前から、第二清掃工場といって不燃物を燃やす工場がやはりトラブルが多くて、かなりオーバーに基準値を超えるという事態も続いておりました。しかし、その間、何年かありましたし、改修もされました。十三年度だけがただ特別に高かったというんじゃなくて、これはまさにそういう状況が間々あるということも考えられるわけです。
ほかの工場でも自主的に検査をしている。ほかの工場の状況は、今のところ、問題はないようです。ちょっと高いかなと思うのは、港区で七・七というのもありますけれども、大体クリアはしているんですけれども、常時連続的観察をしていない。そのときだけのものですから、運がよければ、悪ければという状況もあると思うんですね。だから、本当の意味でこの地域の大気や雨水の状況がどうなのかというのを正確につかむ必要があると思うんです。
そういう意味では、ここでいっても、それは一部事務組合の問題だというふうにいわれると思いますけれども、ドイツやオーストリアで既に連続ダイオキシンの測定機能を使用しているという状況もありますので、今後はそういうことも含めて、大気の観察というもの、雨水の観察というものをしていただく方向で組合とも連携支援していただきたいと思います。
今、自主的に十九の事務所で観察をしたけれども、調査をしているけれども、雨水については排水とは違うから報告義務がないというふうにいわれました。そういうこともあって、住民が知りたいと思っても、知ることができないわけですね。きょうの新聞報道では、実際に敷地内に降った雨を、排水処理をしないで、広域水域に流しているという事業所もあるみたいなんです。それは一体どのくらいあるんでしょうか。
○松本参事 二十三区の清掃工場で公共用水域に雨水を排水、放流しているところは五カ所ございます。
○かち委員 五カ所。だから、清掃工場で大気の中に出ているかもしれないダイオキシンが雨によって川とか海の方に流れていくという状況にあるわけですね。今は高性能になっているから、そんな心配はないというふうに皆さんはおっしゃりたいと思うんですけれども、ないならば、ないで、今の状況はこうだから安心ですということを住民にもっと情報公開をすべきだと思うんですね。ないんだからいいんです、いいんですと囲えば囲うほど、みんなは心配になるわけです。
そういう意味では、いたずらな不安を解消することからも、全部の事業所で年一回やっている雨水の調査結果を公表するように、広域行政の都として一部事務組合の方に助言、支援をすべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○松本参事 都内の清掃工場では、灰貯留施設や排ガス洗浄施設などの特定施設からの汚水を公共用水域に放流しない構造となっておりまして、公共用水域に放流する雨水につきましては、設置者の測定の義務はなく、公表の義務もないとなっております。したがいまして、都への報告の義務もございません。また、公表すべきかどうかは、施設設置者の判断によるものと考えております。
○かち委員 そういう制度があるというのは重々承知の上で私はいったつもりなんですね。いろいろなところにぽっぽっと問題が出てくるわけじゃないですか。だから、都民は心配があると。今が大丈夫なんだったら、大丈夫な情報がぜひ欲しいと、せっかく調べているんですから。調べていて、これだけ安心ですよというのをもっと堂々と示したらいいと思うんですね。それこそ行政と市民の連携であり、お互いに環境を守っていくという立場に立てるんじゃないですか。大丈夫、義務がないんだからやる必要はない、都も介入する必要はないというんじゃなくて、市民が欲している安心な情報を--だって、お金がかかることじゃないでしょう、そういう姿勢に立つということなんだから。それを広域行政の都として、二十三組合にもっと協力、支援、助言すべきだと思うんです。再度お答えください。
○松本参事 先ほど来答弁させていただいておりますように、清掃工場、雨水につきましては基準を満足しており、問題ないレベルとなっております。また、法律上も測定する義務はございませんので、測定と公表を指導していかなくちゃいけないんじゃないかという質問に対しましては、先ほどご答弁申し上げましたように、設置者の自主的判断によるべきものと考えております。
○かち委員 それでは道理が通らないという実態が大田区の清掃工場で生まれたわけです。
○林委員長 かち委員、要望にとどめてください。
○かち委員 それは全く都の方は……
○林委員長 同じことを二度聞いて、同じ答弁だから、やっぱり要望して。
○かち委員 答えていませんよ。私は、大田清掃工場のことを何で取り上げたかといえば……
○林委員長 今の段階では見解が違いますから。
○かち委員 いいですよ。委員長、いわなくていいですよ。私のいいたいことを、発言権です。いいですか。だから、大田清掃工場で問題が出たわけですから。それで、排水処理工事を行ったわけでしょう。そういう問題があるのに、今は義務がないから必要ありません、情報公開も必要ありませんというのは、全くその立場に立っていないということを強くいっておきます。
続きまして、次の問題に行きます。東京の観光スポットに大変大きなウエートを置いておりますお台場の海域の水質改善の問題です。
お台場で水遊びしませんかという、こういう報告書を私もいただきました。きれいな砂浜で子どもたちが遊んでいる風景というのは大変ほほ笑ましいことで、そういうことになることは決してやぶさかではないんですけれども、今、東京都が環境局、港湾局、下水道局と一緒になって実験装置をかけてやろうとしている、このやり方が、本当にその目的、それから、費用をかけるだけの効果があるのかどうかということで、ぜひ質問したいと思います。
お台場の海浜公園における海域浄化実験について、今回の浄化実験というのはどういうものなのか、お示しください。
○松葉環境改善部長 お台場での実験でございますが、まず、浄化プラントで周辺の運河から取水いたしました海水を浄化し、その海水を、さらに紫外線によりまして大腸菌を殺菌するわけでございます。この浄化した海水を、お台場海浜公園の海域の一部をオイルフェンスで区切りまして、その区域に送水いたします。そこでの砂浜で放流いたしまして、浄化の実験を進める予定でございます。
○かち委員 今の説明を聞いておわかりになったでしょうかね。有明の下水道処理場がありまして、有明の運河、お台場の裏側の運河から水をとって、それをろ過して、紫外線で消毒して、ずっと配管でお台場に流し込むという、そういう装置なんですね。海なんですよ、ここ。オイルフェンスというのは、皆さん知っていますように、ぷかぷかと浮いている、ロープで仕切るんですけど、五十メートル、百メートル、プールぐらいのものですけど、これは隔離しているものではありません。下は海水が行き来しているわけですよ。波が来たり、大潮小潮とかありますからね、そういうときは、どんぶりとかぶってしまうんじゃないかなというふうにも思うんですね。そこに、紫外線消毒をした--紫外線消毒って、無菌になるんじゃないかと思うんですけど、きれいな水を流し込む。流し込むけれども、その枠の中からも、どんどん広い海の方にも流れ込んでいきますので、その中の消毒効果が本当にあるのか。消毒効果というのか、効力があるのかなというのは本当に不思議に思うんですが。
実験とはいえ、かなり大規模なものですね。都の税金を使ってこれはやるわけですけれども、それに要する費用、そして、この実験は民間会社との共同と聞いていますけれども、費用分担というのはどういうふうになっていますでしょうか。
○松葉環境改善部長 実験に要する費用でございますが、実験施設の設置費が約五億五千万円、それから、実験の管理運営ということで、三カ年にわたって実験を行うわけですが、この費用が二億円ほどでございます。合わせまして七億五千万円を予定してございます。
この費用の負担でございますが、実験施設の設置については下水道局が、実験の管理運営については、環境、港湾局、それから民間会社がそれぞれ負担することとなっております。
また、この実験の実施に当たりまして、費用が有効に活用されるように努めまして、目的が生かされるというふうにも努力していきたいというふうに考えています。
○かち委員 全部で、総工費とすれば七億五千万かかって、設備費が五億五千万。これは下水道局が持つということで、あとの運営費、年間六千万円ぐらいだということですけれども、民間会社が一体どのぐらい持つのかは不明なんですね。ほとんどが税金でやるということなんですけれども、共同して行う民間会社というのはどういうふうに選定されたんでしょうか。
○松葉環境改善部長 実験に参加いたします民間会社でございますが、海水浄化の実績あるいはノウハウを有するとともに、大規模な下水処理水の砂ろ過技術、あるいは消毒技術の実績を有する企業から提出されました企画書を審査いたしまして、選定したものでございます。
○かち委員 プロポーザルで選定したと。大体どこが違うかといえば、消毒方法だということなんですけれども、海水ですから、下水処理のような次亜塩素酸ソーダとか、ああいうものを使うと、かなり有害な副作用もあると思いますので、こういうふうになるのかなと思うんですけれども、この紫外線消毒というのは、物すごくお金もかかるものなんですね。こういうお金をかけて、この状況をやるということなんですけれども、これをやるに当たっては、こういうふうにすれば、この海のこの海域というか、領域については完全にきれいになるものだというふうなことを、何かシミュレーションして、確証を得てこれに取り組むということになったんですか。その辺はどうでしょうか。
○松葉環境改善部長 今回の計画の策定に先立ちまして、下水道局は、十四年度に水質浄化の事前実験を行ってございます。浄化実験プラントで浄化いたしました海水を実験海域に送水する。こういうようなことで、十分な水質レベルが保てるということを確認してございます。
この結果を踏まえまして、浄化した海水を実際に海域に放流したときの浄化効果とか、あるいは公園の砂浜への影響など、多方面から海域浄化の検証をするために実験を行ってまいります。
今回の実験というのは、先ほど申しましたが、子どもたちが安心して水遊びができる、こういうようなものを目指したもので、この実験をぜひ進めていきたいというふうに考えています。
○かち委員 シミュレーションもやって、こういうことは効果があるというふうに確信を得たからこの実験に踏み切ったということですけれども、下水道局がやった事前実験というのは、ろ過をした海水が紫外線を通って消毒してきた、その水質はきれいだというふうなことだと思うんですけれども、このような海の水が行ったり来たりしている中で、それだけの水を流したときに、実際にどれだけの効果があるかというのは、まだ確認されていないんですね。それをやるのが今度の実験だということだと思うんですけれども、これは荏原製作所がまたここで入ってくるわけですけれども、荏原製作所の実験装置が、いってみれば、自治体を借りた実験場なんですね。これはことしの夏から稼働させるということですけれども、どういうふうな対応をされるんでしょうか。子どもたちが既にあの辺で遊んでいますけれども、この装置をつけたから、子どもたちは十分にここで遊んでいいんですよということになるんですか。
○松葉環境改善部長 お台場海浜公園の水質の状況でございますが、雨が降った後の状況ですと、大腸菌などの濃度が高くなります。一般的に、水質としては水遊びができるような状況ですが、雨が降った後の状況というのは、濃度が高くなる。こういうことで、安心して遊べる状況にはないということでございます。
したがいまして、そういう状況の中で、今回、さらにきれいにした水を流すことによって、その浄化の内容がどういうふうに変わるのか。また、安心して遊べるような状態ができるのかどうか。そういうものを実際の規模で確認する、こういうことでございます。
○かち委員 実際にやり始めたときに、本当にきれいになっているかどうかというのは確認できないまま子どもを遊ばせていいのかという問題もあるんですけど、いろいろデータ、私も見せていただきました。確かに平成九年から十二年にかけては、ふん便性大腸菌、年々ふえているという実態もあります。しかし、十三年一月の雨の降った後と晴天時のふん便の数は、雨の降った後は十三万ですけど、晴天時は十個。このくらい違うんですね。だから、雨が降っていなければ、お台場の大腸菌はそんなに多くないんだという実態が一つあります。
じゃ、雨が降った後どのぐらい大腸菌がそこで生きているのかということなんですね。今回やる装置は、三月から九月の二百日、連続して消毒した水を流し込むということなんですけれども、本当にそんな必要があるのかなと。これは前にやった水質実験なんですけれども、これを見ますと、基準値以上に超えた日は七日しかないんですね。雨が降ってぱっとふえた。戻るまでに二、三日かかるにしても、七日プラス二十日ぐらいですかね、だと思うんですが、それを二百日もそんなにお金と、それから紫外線消毒というものが生態系にどういう影響を与えるかわかりませんけれども、そういう人為的なことを自然界にもたらすということの負荷というものも検証されてやっているのかどうかという問題もあるんですね。私は、壮大なむだ遣いではないかというふうに思います。
もっとお台場を含めた内湾の水質浄化という点でいえば、一番問題は、下水道の合流式の排水ですね。今、合流式の宿命のようになっていまして、大雨が降ると、はけざるを得ない。それが海域に流されてきて、それが海流の流れに乗ってお台場の方にオイルボールとか大腸菌が来るという問題があるんです。
これで囲っても、事前に聞いたお話では、大雨が降ったら、このオイルフェンスが切れるかもしれないから、外すんだというんですね。外してしまったら、何の意味もないじゃないですか。そんなことをやってまで、このお金をかけて壮大な実験場をやるのかと。私は、これは、もっと根本から検討し直すべきだということを申し上げておきます。
次は、先ほども出ましたけれども、ディーゼル対策についてですね。この問題はいろいろな課題があります。本当に中小企業の皆さんにとっては、DPFをつけるとか酸化触媒をすること自身が大変だという問題もありますけれども、私は、きょうは特に新車対応ではなくて、使用過程車への対応がどうなっているかという点でお聞きしたいと思います。
この不況下で本当に大変だという問題は今までにもいわれてきました。この間、自動車公害裁判の連続勝利という結果からも、国や都、道路公団、自動車メーカーの責任は重大です。もちろん、大気の改善のために法規制することは必要ですけれども、その対応責任を、いってみれば、今は末端の事業者にすべて押しつけるという状況になっているわけです。今必要なことは、事業者に過大な負担をかけないで、この法規制を全体としてどうクリアしていくかということではないでしょうか。
条例規制では、東京都が指定するPM減少装置を装着する仕組みを、十分とはいえないながらも、努力されてきたことは周知のとおりです。しかし、国は使用過程車におけるNOx・PM削減装置の性能評価制度をつくりましたけれども、現実的に使用過程車でNOx、PMの両方を減少する装置は一体あるんでしょうか。実態はどうなっていますでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 国は、平成十四年一月に窒素酸化物または粒子状物質を低減させる装置の性能評価実施要領を定めております。この要領に基づきまして、優良低減装置として評価、公表された装置を装着することによって自動車NOx・PM法の排出基準をクリアいたしまして、法に適合することになるわけでございますけれども、国のこの制度によりまして、現在、優良低減装置と認められたものはこれまでございません。
○かち委員 法律はつくった。性能評価制度もつくった。しかし、現実にそれに対応する車がないというのが今の現実なんですね。本当に無責任だと思います。
事業者の中には、このような後づけ装置があれば、車を買いかえなくてもいいという人がたくさんいると思います。実際、不況の中で、零細業者は二百万から三百万の年収で、一台千二百万ものダンプを買いかえろといわれたって、それは無理だといっています。こういう対象車が、都内では二十万二千台ともいわれています。NOx・PM減少装置の完成見込みというのはどういうふうになっているでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 国は、国が発行しております自動車NOx・PM法の手引というものがございますけれども、この中でこういっているんですね。NOxとPMの両方を減少する使用過程車用の装置の開発は技術的に難しく、今のところ、有効な装置はないと考えているというふうに、国自体もそうしたことをいっております。
○かち委員 都の環境科学研究所では、NOxとPMを両方減少させる装置の研究開発をされてきました。その結果はどうなっていますでしょうか。
○平田局務担当部長 環境科学研究所では、財団法人産業創造研究所との共同研究によりまして、平成十一年度から三カ年計画で、新長期排出ガス規制を想定した、新車に適用可能な技術として、NOx、PMを同時に低減するディーゼルエンジン用複合脱硝粒子低減システムに関する研究を実施いたしました。
この研究では、排気再循環及び触媒反応器を組み合わせたシステムを長期規制適合エンジンに組み込み、実験を行いました。この研究の結果、窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素につきましては平成十七年度から適用される新長期目標を、また、粒子状物質につきましては本年十月から適用される新短期規制を、基礎的な技術レベルの段階ではございますけれども、達成するめどがついたところでございます。
○かち委員 平成十一年から十三年、おととしまでの間にこの後づけ装置の基礎的実験というのが終了しているわけですね。かなりの高性能をクリアしているわけですよ。世界最大級のというか、一番厳しい新長期規制をクリアしたという結果を出しているわけですから、これは大変画期的なことだと思うんです。いろいろな報告書も、東京都としてもたくさん出しているわけですね。
この間、メーカーのこの種の後づけ装置の開発も目覚ましいものがあると思います。トヨタ自動車が開発したDPNR、産業創造研究所が開発した新長期規制を満たすNOx除去触媒システム、こういうものもありまして、これは東京都も昨年三月からことしの三月まで、一年間かけて、走行テストを実施しているわけですね。
一月七日付の日経新聞では、このDPNRは、アメリカが二〇〇七年ごろ導入を検討しているディーゼル車の排ガス規制を世界で初めて超えたとアメリカ環境保護局が公表したと報道しています。この装置については、トヨタ、日野、ダイハツ、三社がウェブサイトで紹介しています。また、財団法人産業創造研究所が自動車エンジン排気ガス中のNOx除去触媒システムを開発した結果も発表されています。さらに、排ガス再循環と組み合わせた複合脱硝システムの実証試験も進めています。このほか、燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去方法なども出ています。
さらに、経済産業省は、自動車総合開発機構に開発を委託しました。それを日本自動車研究所にまた委託して、それを日産ディーゼルが受託して、試作ジメチルエーテルエンジン、こういうものを完成させて公表しました。ところが、これは日本鋼管が既存のディーゼルトラックに後づけ装置をつけて性能を証明したというふうに聞いています。これはディーゼル十三モード試験の結果、黒鉛、硫黄酸化物、窒素酸化物も大幅な低減率を達成して、九八年に世界で初めて実車走行テストも成功しているという報道もあります。
国土交通省は、交通安全環境研究所の次世代低公害車開発プロジェクトをことしから三年計画で推進しています。
このように、新車開発には、国は手厚い支援、開発をしているわけです。ここに東京都も少なからずかかわってきたわけですけれども、この共同研究で開発したNOx・PM減少装置を改良して、使用過程車に適用できるようにならないかという疑問を持つのは当然の疑問だと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○平田局務担当部長 ご質問の装置でございますけれども、これはただいま申し上げましたように、NOxとPMを同時に低減することを目的として、新車に適用する技術として開発を進めてきたものでございまして、一つは、電子制御式による最新型の燃料噴射装置によりNOxの排出濃度に適した還元剤を運転に合わせて瞬時に噴射する必要があること。二つには、そのためにエンジンからのNOx排出状況を事前にコンピューターに習得させておく必要があること。三つ目には、この実験は実験室内において一定のエンジンの運転条件のもとに基礎的な技術レベルとして実施したものであること。四つ目には、実際に道路を走行するために実車に適用を図るためには、自動車に関する総合的な技術や情報を有する自動車メーカーが、本腰を入れてさまざまな技術改良に取り組まないと実現困難であること等々から、古い規制年次の車のみならず、長期規制車も含めて、使用過程車への適用は困難であると考えております。
○かち委員 だめだ、だめだとおっしゃいますけれども、平成六年度規制以前の車というのは、使える車が、NOx、PMで廃車するしかないという、本当にせっぱ詰まった問題になるわけですね。これをできない、できないとほうっておけるのかという問題なんですよ。
私も、この間、環境科学研究所へ行って、使用過程車用の後づけ装置の実物を見学して、お話も伺ってきました。今もお話がありましたけれども、産業創造研究所でも環境省でも環境科学研究所でも、みんな口をそろえたように、これは新車対応だ、使用過程車にはできない、無理なんだというふうにいうんですね。あんまりみんなが同じようにいうので、何か口裏を合わせているんじゃないかとさえ思うんです。
今は、技術革新が目覚ましいわけですよ。その気になれば、できないことはないと私は思います。既に一年前に基礎研究結果が……(「私が思ったってしようがない」と呼ぶ者あり)できるはずですよ。一年前に基礎研究の結果がもう示されていて、新車対応だって、もう既にスタンバイしているわけでしょう。だけど、国もメーカーも含めて、使用過程車へのそのような研究も開発も全くやってこなかったというのが現実ではありませんか。
NOx・PM減少装置の評価制度を設けたものの、その開発普及が難しいというのでは、国の法規制に対応するのには、新車への買いかえしかないということです。メーカーと国の怠慢によって今日の大気汚染をもたらしておきながら、その対策のために、またまた新車販売で収益を上げようなんていうのは、本当にひどい話だと思います。本当に、いえば財産権の侵害ともいえるものです。
都としても、国に再三意見を上げられてはいます。今回も使用過程車への対応を求めているわけですけれども、今後どのように対応されていくおつもりでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 ただいまお話がありましたとおり、使用過程車にNOxとPM、両方とれるような装置ができれば、それにこしたことはないというふうに考えております。ただ、現実にNOxを減らそうとすると、PMがふえる。PMを減らそうとすると、NOxがふえるということですので、トレードオフの関係にございまして、現実に難しいというような状況がございます。
東京都は、今後とも使用過程車に対する対策を進めてまいりますけれども、基本的には、使用過程車に対して酸化触媒を装着していただく。あるいはDPFを装着していただく。それ以外に、買いかえということで、新しい融資制度も活用していただきながら、そうした取り組みを進めることで、ことし十月のディーゼル規制を確実に実施していくということで進めていきたいというふうに考えております。
○かち委員 最初から難しい問題だというのはわかっているんですね。新車には、国もメーカーも都も挙げていろいろな研究開発をしてきたじゃないですか。そういう中で、何で使用過程車は難しい難しいといって、手もつけようとしないんでしょうか。おっしゃるように、国は全く取り組んでこなかったわけです。しかし、だから難しいといっているだけでは済まないことなんです。間に合うか間に合わないかではなくて、これからでも国とメーカーに取り組ませるということが必要なのではないでしょうか。
メーカーではなく、民間でも研究開発に取り組んでいます。こういうものを積極的に支援して、都としてできる努力をすべきだと申し上げておきます。
関連して、今回、条例改正で提案されています七十号議案の環境科学研究所手数料条例で、自動車排ガス試験の手数料が四十三万円から七十三万円に、性能試験が二十四万円から三十三万六千円となっていますけれども、これらの試験を利用するという人はどういう人なのか。続けて、今、試験の実施状況というのはどういうふうになっているでしょうか。
○平田局務担当部長 環境科学研究所では、自動車の排出ガス計測装置を利用して、二種類の試験を実施しております。
一つは、自動車NOx法に基づく排出ガス試験です。これは当該自動車の排出ガスが、法の求める排出水準をクリアしているか否かを確認するための試験でございまして、試験の申込者は、当該自動車の使用者または所有者です。
二つ目は、排出ガス低減装置などの性能試験です。これは大気汚染の防止等の目的で開発した排出ガス低減装置等について、その装置の低減性能を確認するための試験であり、試験の申込者は装置の開発者等です。
次に、試験の実施状況でございますけれども、自動車NOx法に基づく排出ガス試験につきましては、平成十一年度二件、平成十二年度三件、平成十三年度以降はゼロ件でございます。
次に、排出ガス低減装置などの性能試験につきましては、平成十一年度二十一件、平成十二年度三十五件、平成十三年度四十二件、平成十四年度は一月末現在で二十一件でございまして、合わせまして百十九件の試験を実施しているところでございます。
○かち委員 利用される方は、車を持っている方ですね。対象が都民、利用者だということ。それから、性能試験なんかでは、民間の方でも、いろいろな開発、発明をしたりして、少しでもNOx、PM減少に役立たないかということで持ち込まれるケースが多いということで、年間二、三十件ということですね。こういう方々にいきなり四十数万円から七十三万円というのは大変な値上げだと思うんですけれども、これらの手数料の値上げの理由は何でしょうか。
○平田局務担当部長 まず、自動車NOx法に基づく排出ガス試験に係る手数料でございますが、これは自動車NOx法が自動車NOx・PM法に改正されたことに伴いまして、法で規定する試験方法が変更になりました。その結果といたしまして、試験項目や試験時間が増加したことにより、増額となるものでございます。
二つ目の排出ガスの低減装置などの性能試験に係る手数料でございますが、これは国において新たに創設されたNOx・PM低減装置性能評価制度に対応するために、従来から私ども行っておりました性能試験のうち、計測部分について試験時間が増加することになるため、手数料額の上限額を増額するものでございます。
○かち委員 両方とも、いずれも新しいNOx・PM法に対応するものということですけれども、対象者はそのように都民、個人が多いということです。
先ほど質問させていただきましたように、国は、使用過程車に対する対策を全くとってこなかったわけです。こうした中で、いわゆる民間人の中からこのような開発をしようという努力があるわけです。
一昨日、環境省、国土交通省、経済産業省に対して、公害裁判の原告団など七団体で構成するディーゼル対策共闘会議の皆さんが要請を行っております。いろいろやった中で、使用過程車に対しても行いました。その中で、環境省の担当者は、今後、民間も使用過程車への後づけ装置の開発などに対し、技術的ハードルをクリアしていれば、支援は可能だというふうに答えています。
国はできない、やらないといってきましたけれども、多くの世論の中で少しずつ変わってきているという事実もあるわけです。こういう状況のもとですから、せめて、こういうことで積極的にやろうとする人たちを支援する、そういう立場に立って、今回の値上げはやるべきではないということを申し上げて、質問を終わります。
○大河原委員 私は、付託議案の第六十七号議案、東京都自然公園条例の一部を改正する条例からまず伺っていきたいと思います。
東京都における自然公園、改めて事業概要を見てみました。三つの国立公園、国定公園が一つ、さらに身近な自然公園として六つの都立の指定がされております。小さいころを考えてみれば、よく国立公園の切手が発行されていた時代で、切手を集めたり、地理の時間に北から国立公園の名前を覚えたり、国立公園というのは結構イメージがあるんですが、都立の自然公園というのはなかなかイメージがなかったんです。改めて見ますと、本当に身近な場所に、それこそよくピクニックに行った場所だとか、遠足で行ったなというような場所があります。そういった意味では、今回、国の自然公園法が改正されたということですけれども、まず、現在の都立自然公園の現状と課題というものをお話ししていただきたいと思います。
○町自然環境部長 自然公園の制度は、自然のすぐれた風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることを目的として、一定の広がりを持った区域を指定するものでございまして、その区域には多くの民有地が含まれてございます。自然公園の管理上の問題といたしまして、民有地の所有者等による樹木の管理などが適切に行われず、すぐれた自然の風景地の保護やその利用に支障を来している状況が生じております。
今回、自然公園法の改正を受けまして、自然公園条例の改正を提案させていただいております。これは、新たな管理手法として、法に規定された風景地保護協定制度及び公園管理団体制度の導入などを行おうとするものでございます。
○大河原委員 身近な場所であるだけに、保護と利用という両方の面で管理計画なども課題があるようですけれども、今回創設する風景地保護協定、その内容を伺います。また、この協定に従ってその公園の管理に当たる公園管理団体とはどのような制度になっているんでしょうか。
○町自然環境部長 まず、風景地保護協定制度でございますけれども、これは土地所有者等による自然の風景地の管理が十分でない場合、協定を締結することによりまして、公園管理団体等が土地所有者にかわってその管理を行うことができるようにするものでございます。
また、公園管理団体制度は、民間団体の積極的な参加を可能としていくために、自然公園の管理業務を行う能力を有します公益法人、NPO法人等からの申請に基づきまして、業務を適正かつ誠実に行うことができると認められる団体を東京都が指定し、地域に密着した管理を推進しようとするものでございます。
○大河原委員 六つの指定地を見ますと、既に九千六百八十六ヘクタールという大変広い範囲なわけですけれども、当然、地主の皆さんも大勢いらっしゃる。そして、東京都の森林再生、このところかなり進んでいると思いますし、地域で活動している森林NPOの方たち、そういう活動も見えてはきております。
里山の指定も、制度はできたけれども、なかなか活用がというところで、いま一歩ですが、土地を持っていらっしゃる方々と公園管理をする団体、ここではかなり厳しい指定になっているようですけれども、この両者にとって、風景地保護協定を締結するメリットというものがあると思うんですが、それぞれにどんなメリットがあるんでしょうか。
○町自然環境部長 風景地保護協定を締結した場合、まず、土地所有者でございますが、自然の風景地の管理を公園管理団体等にゆだねることが可能になります。これに加えまして、当該の土地にかかわります相続税及び贈与税につきまして優遇措置がございまして、土地の貸付期間が二十年等の要件を満たした場合には二〇%の評価減が受けられることになっております。
また、公園管理団体等にとりましては、安定的な活動の場が確保できるほか、団体の活動に法的な根拠が得られるということになります。
○大河原委員 土地所有者の皆さんには、相続税や贈与税についての二〇%の評価減。しかし、締結の期間が二十年と結構長いです。町中の緑を守っていくために、市民緑地制度などというものもできましたけれども、これを活用していくという土台はできてきましたので、この発想でもう少し大きな自然も守れるといいと思いますが、ちょっと二十年は、変化が激しい時代ですから、難しいなと思っているところです。
一方で、公園管理団体の方たちには、一定の能力を有するということで、その法人格も指定されておりますし、かなりグレードの高い団体にならなければこの活動ができないと思われます。それが地主さん、任せる側の安心も生み出すわけですから、当然のことだと思いますけれども、その点のマッチングというのが今後課題かなというふうに思います。
そして、この風景地保護協定、現在、都立の自然公園が抱えている課題にどのようにプラスになるんでしょうか。どのような活用が見込まれますか。
○町自然環境部長 風景地保護協定が締結されました場合、それまで、経済的な理由とか高齢化等のためなど、土地所有者等の管理が行き届かなかった自然の風景地につきまして、公園管理団体等が管理の主体となって、適切な管理を行うことができるようになります。このことによりまして、自然公園の管理の充実が図られてまいります。また、このことは公園を利用する都民にとっても、良好な自然をより楽しめることになります。
○大河原委員 本当に利用と保護を両方していくということでは、課題も極めて進め方が難しいなと思いますけれども、公園管理団体に対して東京都もある程度の支援をするんじゃないかと期待していたんですが、その辺、この管理団体に対する支援というのはどのようにお考えでしょうか。
○町自然環境部長 公園管理団体の指定に当たりましては幾つか条件がございます。自然の風景地の管理についての技術的な基礎、さらには人員及び財政的な基礎を有していることなどの条件をつけていく予定でございますが、都は、この公園管理団体に対し、風景地保護協定に基づく管理、自然公園の遊歩道の補修、植生の保全、復元などの業務を行う上で必要な情報の提供や指導、助言を行うこととしております。今後、この制度が有効に機能するよう、地元市町村や関係団体に対し、この制度の周知を図ってまいります。
○大河原委員 実質的にはなかなか支援は難しいように今伺いましたけれども、この制度が有効に機能するためには、この制度自体がまず周知されることが必要だと思いますし、その点では、東京都が地主さんを喚起する意味で、地主さんの紹介とか活動団体とのマッチングをさせる、そういうことも役割としてあるんじゃないでしょうか。
それから、管理団体の方々の交流をする場面をつくるとか、かなりきちんとした大きな法人を想定しているわけですから、その法人にまた小さな規模で市民が、山仕事をする、丘陵の手入れ、また、ここでいっている環境管理などの技術も磨けるような、そういうことも実質的には必要になってくるんじゃないかと思います。
里山の保全が、指定がなかなか進まないので、私はちょっとやきもきしていまして、そういった意味では、もう少しこういう制度全般、小さな緑から大きな自然を守るところまで、市民の非営利の活動が期待されているということがわかりましたので、この制度、条例改正ということだけで、本来余り質問が出ないものというふうに思いますけれども、とりあえず伺わせていただきました。
次のテーマに移りたいと思いますが、家電リサイクル法が発効いたしまして、四品目の家電についてはリサイクルされるというルートが確立されております。しかし、まだまだ家の中にさまざまな家電が残っていまして、そういった意味では、一番気になっているのが、パソコンのたぐいです。電子機器です。東京都は、電子都市構築のために高速インターネット網の整備などを推進しているわけですけれども、電子都市を支えていくパソコン、電子機器類、これらの機械には、金とか銀とかパラジウムとか、いわゆる希少金属や、鉛、カドミウム、また臭素系の難燃材、こういったような有害なものも多く含まれております。
それで、電子機器類のうち、事業系のパソコンについては、一昨年、十三年四月から資源有効利用促進法に基づいてメーカーによるリサイクルが実施されています。しかし、これに家庭系のパソコンのリサイクルも当然推進されるというふうに思っていたんですが、ことしの秋からスタートするというふうに聞いていたんですけど、どういうふうに具体化されてくるのか、なかなか聞こえてまいりません。そこで、回収の仕組みや現在の準備状況はまずどうなっているのか、伺います。
○福永廃棄物対策部長 家庭系パソコンのリサイクルにつきましては、大手メーカーが加盟いたします社団法人電子情報技術産業協会では、家庭から宅急便で回収する仕組みを中心に計画を進めているところでございます。リサイクル費用につきましては、既に販売された製品の場合は、家電リサイクル法と同じく、消費者が排出時に支払うことになります。また、リサイクル制度が発足いたしました後に販売される製品につきましては、販売価格にリサイクル費用が上乗せになるため、排出時は無料となる予定でございます。
電子情報技術産業協会では、本年秋の実施を目指しまして、現在、細部を詰める作業を行うとともに、廃棄物処理法上の手続につきまして関係各省と協議中であるというふうに聞いております。
○大河原委員 秋に本当に間に合うのかどうか、やきもきいたしますけれども、本当に家庭の中にパソコンが普及しております。内閣府の行った調査によれば、昨年三月末の時点ですけれども、世帯当たりのパソコンの普及率、五七・二%というふうになっています。都内でも三百万世帯以上に普及している計算になりますし、我が家でも三台、また、子どもたちが一つずつ持てば、またふえるという形で、かなり家庭のパソコンは状況を把握するのが難しくなってくるんじゃないかなと思います。
一体、現在、都内ではどれくらいの台数の家庭系のパソコンが廃棄され、そして、それがどのように処理されているんでしょうか。また、今後の廃棄台数はどのくらいになると予測されているのか、この点についてはどうでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 中古品として売買されているものを除きますと、年間約六万台のデスクトップパソコンがごみとして排出されているものと推計されております。これらは、現在、区市町村が粗大ごみとして収集し、処分しております。
ノート型パソコンにつきましては不燃ごみとして排出されるため、廃棄台数のデータはございませんが、デスクトップ型よりは台数が少ないものと考えられます。
今後の家庭系パソコンの廃棄台数でございますけれども、電子情報技術産業協会の推計によりますと、今後十年間で約五倍に増加するというふうに予想されているところでございます。
○大河原委員 もうすぐ三月で引っ越しの時期です。粗大ごみの収集ということがありまして、粗大ごみセンターに電話する、そういう状況がありますが、今なかなかつながらない状況ですね。
私も、このパソコンのことで電話してみました。私が住んでいるのは世田谷区なので、世田谷区は、去年から単独の受付センターを持っております。二十四時間インターネットでも利用ができるということだったんですが、このパソコン、処理料を聞いてみたんですけれども、モニターがあるもの、これは五百円、それから、本体、キーボード、周辺のものを八百円、だから千三百円かかるといわれました。そして、ノートパソコンは五百円ですと。
それで、都庁へ参りまして、新宿区にかけてみました。新宿区の方は八百円。ノートパソコンは五百円ということだったんですけど、後から、どうして値段が違うのか、確認をもっとほかの区もしてみたいと思いましたけれども、要するに、今、いってみれば、割に安い処理費で粗大ごみとしての収集が行われております。その分自治体の負担が大きくなってくるということなんですけれども、この家庭系パソコンのリサイクルに関しては各市町村がパソコンの粗大ごみ収集を継続していくのか。また、住民への普及啓発をどのように進めていくのか。多くの課題を抱えているというふうに思います。
例えば、粗大ごみは実は三十センチ角より小さいものということなので、小さいものは、もしかしたら不燃ごみに捨てられてしまっていて、リサイクル券を張らずに不燃日に出していることが、もしかしたらあるんじゃないかというふうにも思います。ノートパソコンなどは、先ほどのお答えでも、数をつかむのが難しいということでしたので、まだまだ課題は大きいわけです。
社団法人の電子情報技術産業協会、JEITAに加盟しているのは大手のメーカーが中心です。パソコンショップのオリジナルブランドなど、また中小のメーカー製のパソコン、こうしたもののリサイクルルートというものを確立する必要がありますし、これをどういうふうにリサイクルを進めていくのか、この点も課題になっています。
一般廃棄物の処理は区市町村の事務ですけれども、都も広域の自治体として製造事業者による家庭系パソコンのリサイクルの円滑な実施に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、この点についてはどうでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 都は、家電リサイクル法の施行の際にも、粗大ごみ収集の見直しなどにつきまして区市町村を技術的にいろいろと支援してまいりました。家庭用パソコンにおきましても、リサイクルを円滑に進めるために、都と各区市町村をメンバーといたします東京都パソコンリサイクル自治体連絡会を本年一月に設置いたしました。
都は、この連絡会の場を通じまして、区市町村とも連携しながら、都民に対する普及啓発や協会に属していない中小メーカー製のパソコンのリサイクルなどの諸課題につきまして解決に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
さらに、七都県市におきましても、電子機器類のリサイクルキャンペーンに取り組むことを検討しております。
○大河原委員 清掃事業が区移管されてから、東京都の方の存在というものがちょっと薄まった感がいたします。この家庭系のパソコンのリサイクルに向けては、事業者の回収を進めるために、ぜひご努力をいただき、存在感を示していただきたいというふうに思います。
パソコンのリサイクルを推進するためには、再資源化を行う施設の整備も必要です。東京都は、昨年七月、スーパーエコタウン事業の一環として、大田区城南島に民間事業者がパソコンなどの情報機器類のリサイクル施設を整備する計画を選定していたと思います。現在の進捗状況はどうなっているんでしょうか。
○古川スーパーエコタウン担当部長 スーパーエコタウン事業におきましては、廃情報機器類等のリサイクル施設整備事業につきましては、二事業者を選定しております。そのうち一事業者につきましては、本年一月二十一日に事業実施計画を承認したところでございます。
処理品目は、パソコンやその他のOA機器などでございまして、搬入量は日量三十六トンと計画されております。現在、平成十六年度からの本格稼働に向けまして、都市計画決定等の法定手続を進めているところでございます。
また、残る一業者につきましても、本年度中の事業実施計画の承認に向けて、事業者との調整を進めているところでございます。
○大河原委員 冒頭触れさせていただきましたが、電子機器類に含まれている希少金属や有害物質がありまして、これらを環境中に流出させることが絶対ないようにということが求められていると思います。適正にリサイクルしていくことが重要です。この点はぜひスーパーエコタウン事業の中でも、城南島にはさまざまな施設が盛り込まれますので、大田区民の皆さんの安心にもつながるような東京都の姿勢を見せていただきたいと思います。
そして、今回の家庭系のパソコンの事業者回収においては、非常に大きな問題があると私は思っています。それは、この回収の方式の中で、プリンターとかスキャナーとか、いわゆるパソコンの周辺機器といわれるものが対象になっていないわけなんですね。私たちが廃棄するときには、そのセットが丸ごと廃棄になるということが多いわけなので、先ほども受付センターに電話したときに、本体は八百円、周辺部のこれは幾らですというふうなお答えもありましたし、丸ごとという、全部含まれている料金を示されたところもありました。パソコン本体以外の電子機器類のリサイクルを推進していくためには東京都はどのような取り組みをなさるんでしょうか。その点をお答えください。
○福永廃棄物対策部長 お話のように、希少金属や有害物質を含む電子機器類をリサイクルしていくことは重要であるというふうに考えております。また、ご指摘のとおり、プリンターなどの周辺機器が回収の対象となっていないということは都民にとってわかりにくいシステムでございます。都といたしましては、まず、パソコンのリサイクルの円滑な実施を図った上で、七都県市とも連携しつつ、事業者回収の品目拡大等の法改正を国に強く求めてまいりたいというふうに考えております。
○大河原委員 ぜひとも秋にスタートが実現するというふうにご努力をいただきたいと思います。
そして、事業者回収、このシステム自体、法にも問題があると思いますので、ぜひ品目拡大のことはもちろん、国にも適正な法制度を求めていただきたいと思います。今後も、パソコンのリサイクルについては都民の大きな関心事でございますので、ぜひ丁寧な情報を流していただいて、リサイクルルートの確立、リサイクルに参加する人の合意を高めていただきたいと、再度のお願いをいたしまして、質問を終わります。
○林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をさせていただきます。
午後三時二十七分休憩
午後三時三十九分開議
○林委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○こいそ委員 それでは、何点かお聞きしたいと思いますが、まず、かねてから--かねてといいますか、前に東京都の環境確保条例で、本年十月から、先ほどからいろいろ話が出ておりますディーゼル車の規制が施行されるわけでありますが、また、既設のガソリンスタンドにガソリンの蒸発防止装置、いわゆるベーパーリターン装置の設置も義務づけられておりますね。この問題について、昨年十一月だったでしょうか、都市・環境委員会でその対策について質問させていただきましたが、ガソリンスタンドにおける蒸発防止対策の対応措置について、この件につきまして、再度確認も含めまして質問させていただきたいと思うところであります。
ガソリンの蒸気を回収するベーパーリターン装置の設置義務の対象となる都内におけるガソリンスタンドは幾つぐらいあるのか。また、その設備を設置するための費用はおよそどのくらいなのか。このあたりをお願いしたいと思います。
○松葉環境改善部長 平成十三年度末における島しょ部を除きました都内のガソリンスタンドの数でございますが、約千九百七十件と把握してございます。このうちベーパーリターン設備を有するガソリンスタンドの数が約千百件であるため、残り約九百件で設置する必要があると考えています。
また、ガソリンスタンドの規模にもよりますが、石油関係の業界の調査でございますと、既設スタンドのベーパーリターンの設備の設置改善費用でございますが、二十万円弱程度というふうに聞いてございます。
○こいそ委員 いずれにいたしましても、残りの九百件については、いってみれば中小零細の事業者が大変多いと。このような厳しい経済環境のもとで、本年十月までにベーパーリターン装置を設置するのは、費用負担として、ただいまご答弁いただきましたような数字でありますけれども、重い、大変だというような声が多いわけであります。以前の委員会で、このような規制の実際の実効効果を上げようとするならば、支援の措置が当然必要であることを強く申し入れさせていただきましたが、この点につきまして、以後どのように検討をされてこられたかというところをお願いしたいと思います。
○松葉環境改善部長 経営環境が非常に厳しい中小企業またはそういう方々に対しまして、ガソリンスタンドの支援策でございますが、ご質問の趣旨を踏まえまして、現在、鋭意検討を進めているところでございます。
○こいそ委員 検討しているという意味合いが非常に強いということで、より実効的に効果があらわれ、なおかつ、経費、それぞれ事業者における負担が軽減されるように、特段のご努力をお願いしたいと思いますが、最後に局長、お願いいたします。
○小池環境局長 今ご質問にお答えしたとおりでございまして、ご趣旨を踏まえて誠意を持っていろいろと検討してまいりたいと思います。
○こいそ委員 局長からも強く検討していくということですから、ぜひひとつ最大の期待を持って推移を見させていただきたいと思います。
それでは、次に、土壌汚染対策についてお願いしたいと思いますが、東京都は、平成十三年十月より、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例で--環境確保条例ですね、土壌汚染対策に取り組んでまいりましたが、国においても、今月、二月十五日より、土壌汚染対策法が施行されました。そこで、土壌汚染対策法について何点か伺いたいと思います。
まず、今回施行されました土壌汚染対策法は具体的にどのような内容になっているのか、この点をお願いしたいと思います。
○小島参事 土壌汚染対策法の内容ですけれども、土壌汚染対策法は、汚染土壌の直接摂取や地下水の飲用に伴う健康被害を防止するため、平成十四年五月に制定され、二月十五日に施行されております。
法は、まず、汚染された土地について、土地の所有者等に汚染状況を調査させ、その結果、汚染が法に定める基準を超えていれば、知事は、その土地が汚染されている旨の指定をし、公表することとなっています。指定した土地を改変する場合は事前に届け出をさせ、土壌汚染対策をとらせることとなっております。また、指定した土地の土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがある場合には、知事は、土地の所有者等に汚染除去等を命ずることができることになっております。
○こいそ委員 ただいまご説明いただきまして、法律の概要はそのようなことのようでありますけれども、環境確保条例は平成十三年十月より施行しており、以来、届け出件数も大変多いというふうに聞いておるわけでありますが、そこで、これまでの条例に基づく土壌汚染の届け出実績はどのくらいになっているのか。また、土壌汚染対策の事例を挙げて、具体的に内容についてもご説明いただければ幸いであります。
○小島参事 環境確保条例の届け出の実績等ですけれども、条例では、事業者は、工場等の廃止のときや大規模な土地の改変時に土壌の汚染状況の調査等を届け出ることになっています。
届け出件数は、条例施行後の一年間で約六百五十件であり、その約三分の一で土壌汚染がありました。その多くは工場跡地にマンションを建設する際に汚染が判明する場合があるので、土壌汚染対策の典型的な例として、敷地面積が三千平方メートルのマンションの建設の例で見ますと、このケースでは、鉛とテトラクロロエチレンなどによる汚染があることが判明しました。
その対策としましては、汚染区域を最大で深さ五メートルまで掘削し、汚染土壌を除去しました。この汚染土壌のうち、高濃度のテトラクロロエチレンで汚染された土壌は、外部の中間処理施設で処理を行うとともに、それ以外の汚染土壌についても管理型処分場で適切に処分をしました。
○こいそ委員 いわゆる届け出件数は、条例施行後の一年間で六百五十件、その三分の一が土壌汚染であった。大変深刻な状況がまさに明らかになってきたわけでありますけれども……。
次に、私の地元の都立桜ヶ丘公園の区域内の件についてお尋ねしたいと思いますが、過去に焼却灰が埋められた後に覆土されて、都立公園としてその場所も利用がされております。また、当然にして、周りは住宅街が張りついてきているわけでありますけれども、まさにこの埋め立てに伴う地下水の汚染も、また生態系も心配になっているわけでありますけれども、このあたりどうなっているのか。都立桜ヶ丘公園のように、廃棄物等々が、かなり年数がたっておりますので、いろいろな法整備がその後になってまいりましたけれども、時間が経過はしておりますけれども、このような埋め立てられたような土地において土壌汚染対策法ではどのように取り扱われているのか、このあたりをお願いしたいと思います。
○小島参事 桜ヶ丘公園の法の上での取り扱いのことですけれども、現在、都立桜ヶ丘公園となっている区域の一部には、かつて多摩市の廃棄物の最終処分場が設けられておりまして、焼却残灰が埋め立てられておりました。平成二年の埋め立て処分終了に伴い、一メートルの覆土が行われ、平成五年に閉鎖されております。
また、公園周辺の飲用井戸等の水質調査が実施されておりますけれども、これまでのところ、有害物質についてはすべて環境基準以下でございます。
土壌汚染対策法では、土壌汚染により地下水が汚染され、人の健康に被害が生じるおそれがある場合には、知事は、土地の所有者等に対してその土地の汚染状況を調査させることができることになっておりますけれども、このケースではこのような状況にはなっていないというふうに考えております。
○こいそ委員 近くの井戸、公園周辺の井戸の水質調査が行われたという話がありますけど、場所はどこですか。
○小島参事 今申しましたのは、飲用の井戸としては、私たちが知り得ている限りでは公園の近くにはないということでございまして、そのため、公園からおよそ五百メートル北西にある飲用に使用されている井戸について平成十年に調査したものでございます。
調査結果は、重金属等二十三項目が基準値以下でありました。また、この井戸につきましては二月二十四日に採水もしまして、同様に環境基準値以下の結果を得ております。
また、飲用井戸ではありませんけれども、最終処分場に設けられた観測井と散水用井戸がございますけれども、これにつきましても昭和六十一年度から平成四年度まで水質調査が行われておりまして、その結果においても、重金属等有害物質は環境基準値以下でありました。
平成七年に多摩市が土地の売却に伴って同じ井戸で行った水質調査でも、重金属等の有害物質は環境基準値以下ということでございます。
○こいそ委員 これは昭和六十年代の埋め立てなんですね。ですから、その後の法整備がいろいろなされてきた以前なのか、ちょっとあれですけれども、今、飲用の井戸の調査と。約五百メートル離れたところでやったというお話がありましたね。五百メートル離れたって、どこら辺なんですか。推測の中で話をしますけど、五百メートルの飲用の井戸というのはかなり離れていますね。実際、調査はどなたがされたかわからないけれども。そうすると、かなり離れたところ、地形的にも恐らく平たんな部分が続いた中で調査されたのではないと思うんですよ。ちょっと流れが違うんじゃないですか、地下水の流れの中においての。どこを専門的に調査されたんでしょうか。
○小島参事 先ほど申しましたように、その井戸は公園からおよそ五百メートル北西にある飲用井戸でございます。そのほかの井戸がどういうふうにあるかというのも調べておりますけれども、いずれにしましても、処分場跡地の周辺の地下水につきましては、安全性の確認をするためにさらに調査を行います。
○こいそ委員 ですから、ここに書いてあるじゃないですか。土壌汚染により地下水が汚染され、人の健康被害が生じるおそれがある場合だよね。違いますか。おそれがある場合は、知事は、土地の所有者等にその土地の汚染状況を調査させることができる。所有者は東京都じゃないの。
そんな離れたところで、飲用の井戸を--大体わかりますよ、位置は。西北ということは、大体あそこかなというのはわかるけどね。そんな離れて、地形的にも違ったところで、調査しました、何もないよと。そんな調査がありますか。
○福永廃棄物対策部長 当該の処分場につきましては、昭和五十一年七月から廃棄物処理法の施行令の処分基準に従いまして埋め立て処分を開始しておりまして、昭和五十二年三月十五日から、これも廃棄物の関係でございますけれども、共同命令の維持管理基準に基づきまして、覆土による飛散防止対策等を行いまして、埋め立て処分が適正にされております。
また、埋め立て処分の終了後は一メートルの覆土を行うとともに、埋め立て収容いたしました平成二年六月から閉鎖した平成五年三月までの期間におきまして、定期的--三カ月ごとでございますけれども、処分場の中の観測用の井戸の地下水の測定を行いまして、埋立処分場から浸出液によります公共用水域及び地下水の汚染のおそれがないということを確認しております。
なお、処分場閉鎖後の観測用井戸における水質調査におきましても、特に問題は見られていないということでございます。
○こいそ委員 それは東京都がやったんですか。
○福永廃棄物対策部長 多摩市役所でございます。
○こいそ委員 だから、書いてあるじゃない、これ。おそれがある場合。今、ないといったって、六十年代の話。そして、実際にこれはそんな大きな話じゃないと思うんですが、ともかく調査してくださいというだけの話なんですよ、東京都の方で。所有者が、都立の公園だから、そうでしょう。それはそんな遠くの離れたようなところを調査するんじゃなくて、それから古いデータで、自分のところがやりもしない調査で、もらった調査で、何でもないですと胸を張って主張できる話ではないと思うんだよ。
例えば、日の出の広域処分の、この問題は関係者の皆さんは大変苦慮されて、いろいろな処分を進められていますよ。この問題と根本的に違いますよ。違うけども、少なくとも覆土したんだと。一定の埋め立て形態をしたんだというけれども、当時の状況から見たときに、こういう疑義が持たれても当然なので、これはしっかりと調査してくださいという話なんだ、こういう法も施行されたことなんだから。それをいっているんですよ。
○小島参事 先ほどもお答えしましたように、この埋立処分場の周辺につきましては、周辺の地下水について安全の確認のため、さらに調査を行います。
○こいそ委員 調査して、何でもないということであるならば、それはもう結構なんです。都立公園ですから、ぜひひとつお願いしたいと思います。
それでは、次に、環境学習についてお尋ねしたいと思いますが、まずもって、平成十五年度をもって廃止が決定しております。東京都環境学習センターが廃止になってくると。その廃止理由としては、区市町村において環境学習に関する施策が充実してきているんだと。
ちなみに、多摩地域の状況を見ると、果たしてそうなのかなという感じがするんですね。関心は確かに高くなってきていますよ。各区市町村の中で、財政状況もかなり厳しい中で、いろいろ頑張っていることも承知はしております。しかし、広域行政体としての人材を育成していくんだという観点、それから、それだけの高度な資料を収集していく、さまざまな役割があると思うんですね。ですから、そういう意味において、どうもコストに縛られて、コスト意識を持つことは結構だと思うんだけども、しかし、肝心なものは全部ひっくるめて、廃止だ、廃止だ。いわれたから、はい、わかりました、これじゃ、どうなんですか。一貫性がないんじゃないんですか、環境行政を担う局としては。
○西野総務部長 環境学習センターの廃止についてでございますが、環境学習センターの廃止につきましては、都と区市町村の役割分担を図る上で、東京都が行うことよりも、環境学習という事業の性格から、地域、住民に身近な区市町村にその役割を担っていただくという考え方のもとに事業の廃止を決定したものでございまして、コスト削減を優先して考えたものではございません。
これと同様に、青少年センター、あるいは生涯学習センターにつきましても同時期に、同じような考え方から、東京都といたしまして、施設の廃止を決定しているところでございます。
なお、東京都といたしましては、環境学習センターにつきましては、施設は廃止をいたしますが、廃止後、それと同様の機能を本庁機能として、今後、区市町村に対する環境学習の支援に重点を置いて取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○こいそ委員 例えば環境学習リーダー講座というのがありますね。大変好評であって、応募も大変多い。倍率が高いですね。受けたいと。都内全体的に見ると、ことしで九期だったんですかね、それぞれ講座を受講された、修了された方々が区市町村でそれなりの役割を担われていることも認識させていただいておりますが、このような、まさにこれから地域で、そして、いろいろなNPOもそうだろうし、さまざまな環境に対する関心を強く持ちつつ実践していくということは、結構な講座であるし、要するに、環境学習リーダーを育て上げていくということは大変重要だと思うんです。まさにこれからではないかなという時期に、この講座を、要するに、閉めてしまう。
私、コストだけの話をいっているんじゃないんだけれども、少なくとも、当初のスタートから見て、十五年度をもって五百名が達成されたんだということの中で、ここで講座は閉じてしまうんだというお話でありますけれども、果たして五百名で--要するに全都ですよね。最終的な受講の中で、どうも地域によっては応募が多いところと、極端に少ないところと、それによって、役所の方から急いで探して出してくれと。そういわれて、間に合わない、あとは。期間が短いということもいろいろ含めて、その後の情報を知った、受講したかったなという方々というのは少なくないわけですね。
これらを含めて、それだけ関心が強い。私は、結構な事業展開をされてきたなと評価しているんです。評価に値すべきこの事業が、ここで環境学習センターそのものをなくして、人材発掘、環境、人材資源をこのあたりでとめてしまうというのは、本当におかしいんじゃないかなと思うんですね。こういう施策はもっと続けるべきではないのかと、こういうふうに思うんですが、いかがでございましょうか。
○西野総務部長 東京都は平成六年から環境学習センターを設置いたしまして、お話のありました環境学習リーダーの養成等を行ってきたところでございます。これは国、あるいは他の区市町村がまだ環境学習という面にそれほど関心を向けていない時期に、東京都が率先して取り組んできたものでございます。
東京都の地道な取り組みによりまして、今日では国も環境学習に力を入れ始めてございますし、区市町村におきましても、環境学習の充実に取り組んできているところでございます。東京都だけの力で都内全域で必要とする環境学習のすべてを賄うということもこれまた不可能なわけでございますし、東京都が率先して、あるいは区市町村と共同し、今後とも環境学習の充実に取り組んでいく姿勢でございますが、東京都が直接実施するということではなくて、先ほども申し上げましたとおり、区市町村との役割分担の中で、環境学習の充実を、東京都トータルとしてこれからますます充実していきたいというふうに考えてございます。
○こいそ委員 今、役割分担というお話がありましたね。国でも環境教育、環境学習は強い施策が打ち出されようとしていますね。都道府県の役割、東京都であれば、東京都の環境学習及び環境施策をいかに展開していくかという中で、また、区市町村は区市町村でのそれぞれの役割分担がそれこそあると思うんですよ。まさにこういう環境リーダー育成なんていうものは、今まで過去の何期かの経過を見たとしても--私も何人か修了者から話を聞きました。大変好評というか、すごい評価が高いんですよ。はっきりいって。
もう一つ、これだけのことが例えば区市町村の中でできるかといったら、恐らく、できますよと口じゃいうかもしれないけど、そんなものじゃないね。首都東京としての、環境先進都市を目指すんだという強い決意があるならば、それにのっとって、今までこういう環境学習センターもつくり、環境学習センターを運営し、環境学習リーダーという、これだけのしっかりした講座をつくり上げて進めてきたわけでしょう。それを、あとはもう、区市町村の役割分担だよとどんと投げて、これじゃ、広域行政体としての役割、東京都はちょっと力を抜き過ぎじゃないかなと思うんですね。
少なくとも、例えば百歩譲っても、東京都環境学習センターというものが、環境パートナーシップコーナーというお話だったですね、こういう意味合いのものをつくっていくとするのであっても、人材確保というのかな、育成というんですかね、こういうものは幅広く、東京都の環境を、いかにしてこれからよりよい時代に向けての環境施策を展開する、それを草の根的といいますか、さまざまな分野で、民で補っていくというのかな。率先垂範、連携してやっていくという、この人材育成なんていうものを全部切っちゃうなんていうことは、私はとても厳しいと思う。
全部残してくれとか、すべて今までの形態を存続させるということじゃなくて、せめて、こういう人を育て上げていくと。今、例えば六十歳で定年された人が社会にどう貢献していくか、どういう役割を自分はやりたいか。NPOをつくる人もいますね。いろいろなことがある。環境に対する関心もすごく強い。
私も、実は、森林保全の講座に出させていただきましたけれども、そのとき、若い、二十代の方々、幅広い方々が集まって、都民の関心というか、意識というのは、かなり強いな、高いなと認識させてもらいましたよ。ところが、そのときに、私は、環境学習リーダーというものを受講された方々からいろいろな話も聞かせてもらったんですよ。そうしたら、もっと充実して、もっといろいろな知識吸収、実践もできる。それをもってしてこうやっているんですよと具体的な例も出された。
ですから、私は、せめて、こういう東京が目指す環境で、先進都市といっていいかどうかわからないけれども、施策の一つとしての、であるならば、この事業は、何としても、財政当局--知事本部がいってきたのかどうかわかりませんけど、いわれたからぺちゃんこになっちゃって、わかりましたじゃだめだと思うんだ。局長、このあたりをはねのけて、残すべきものは残していくということの中で、精査しながらも、こういう施策というのは本当に続けるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小池環境局長 環境問題をこれからいろいろと東京都も進めようということでやっておりますが、さらにいろいろな課題に向かっていく場合に当たりまして、広く都民の方、各NPO、事業者、それぞれの分野で活躍されている方々との連携というのは非常に重要だと思います。
そんな中で、それを担う人材の育成ということでお話がありましたけれども、それぞれの分野でも、都民の方を初めいろいろな形で、団体に属していなくてもいろいろな関心を持たれて、活動をされているというのが、NPOとか、そういうところで結集されている方々だろうと思います。
そのようなことで、今回、学習センターというものの廃止という動きはございますが、東京都の役割としてセンターの廃止は物理的な意味でなされましたけれども、先ほど総務部長が答弁申し上げましたように、いろいろな工夫をしまして、庁舎の中にひとつ環境パートナーシップコーナーということで、新たにいろいろ工夫いたしまして、設置いたしました。交流するような拠点の場がなければ、口でいっても、そういう場がないとなかなか難しいだろうということで、今回、こういうことで、環境パートナーシップコーナーというものを設置することになりまして、そこで、先ほどお話がありましたように、退職された方々も--今、学習センターなんかも、伺いますと、そういう方々が来られて、いろいろ情報交換されているということがありますので、そういうところを大いに活用していただければと。
また、新しい機能といたしまして、そこには情報提供を特にやらないといけないなと。それから、それぞれ各方面で育っていらっしゃる人材の方々、それぞれいろいろな特許を持たれている方がいらっしゃいますので、そういう方々に即時に報告できるようにすると。
それから、学習プログラムというものが各区でも、市町村でも検討されておりますが、そういうことに支援できるような情報を用意するとか、そういうようなことを充実していきたいと思います。
それに加えまして、いろいろな形で交流活動というのも必要だと思いますので、東京都は会議室がありますので、そういう場を提供しながら支援する形で、テーマ別に交流会を開くということも工夫していきたいと思います。
このようなことをいろいろと総合的にやりながら、行政的施策とあわせて、各方面でいろいろ活躍されている方の交流、そしてまた情報提供、そういうことで、東京都の役割、支援を果たしていきたいと考えております。
○こいそ委員 確かに環境パートナーシップコーナーが開設されるということは大変評価します。率直にいわせていただきながらも、情報提供、交流、これを進めていくんだ。これは大変結構な話だと思います。しかし、人材育成というか、学びたい、参画したい、こういう都民の純粋なというか、真摯な思いを受けとめていくことも、私は、公というか、行政が、受けとめるべきというんですか、果たすべき役割の一つではないかなと思うんですね。かなり多いですよ。さっきいったとおり、倍率は高いでしょう。それぞれ、さっきもいったような話なんだけども、情報が伝わってこない、広報が伝わってこない、これもあったのではないかと思うんですね。
ですから、全く消えてしまうわけじゃないようなお話がありましたので、これをもう少し精査というか、いろいろ機能的なものも検討していただきながら、もう一つできることがあるならば、人材の育成といいますか、学習というんですか、こういうものをぜひ検討していただきたいということを申し上げて、終わります。
○織田委員 産業廃棄物の処理について、何点かお伺いしたいと思います。
昨年十月の当委員会においても、不法投棄の問題、対策なんかについてお伺いいたしました。その後もいろいろお話を聞いていますと、産業廃棄物の処理が適正に行われるかどうか、これは中小の業者ですね、建設業者は特に多いんだろうと思いますが、その辺のところが大きな問題になってきているのではないかな。産廃を処理するのに、排出者責任ですから、苦労されているというようなことをよくお伺いするわけであります。特に、持ち込むところが遠かったりというようなこと。こういったところが問題になってくる。あるいは処理費用が高かったりするというようなことが問題になって、いろいろ悩んでいる点は多いんだろうというふうに推測するわけです。
そこで、産業廃棄物の処理施設の整備についての環境局のお考えというものをちょっとお伺いをしていきたいなというふうに思います。
産業廃棄物対策としては、まず、減量リサイクルすること。廃棄物の量を減らすというところを一生懸命やっていただいて、それで、最終処分であれば最終処分、中間処理なら中間処理、その処分量を大いに減らしていきましょうということが目標になっているように思います。最終処分量を、平成十七年度には、十一年度比で半分にしましょうというふうにしております。
そこで、改めて、最初に押さえておきたいんですけれども、産業廃棄物、そのうち発生量の多い建設廃棄物の排出量、それから中間処理量及び最終処分量について、まずお伺いしておきたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 直近の平成十二年度の数字で申し上げますと、産業廃棄物の総排出量は二千五百四万トン、中間処理量は二千四百五十万トン、減量リサイクル後の最終処分量は二百三十二万トンでございます。
また、建設業から排出される産業廃棄物につきましては、排出量は八百八十六万トン、中間処理量は八百四十五万トン、減量リサイクル後の最終処分量は二百二万トンでございます。
○織田委員 今の数字を見ておりますと、排出されるのが二千五百万トンあって、中間処理をほとんど経て--中間処理を経ずにそのままリサイクルに回るというようなところもありますでしょうが、中間処理をほとんど経て、最終処分量が二百三十二万トンということで、約十分の一弱に減量をされている。それから、その中の大きな部分を占めるのはやはり建設廃棄物ということで、最終処分という点で見ますと、全体が二百三十二万トンで、最終処分量、建設廃棄物の場合は二百二万ということですから、ほとんど最終処分に持ち込まれるのは建設廃棄物ということになっているわけですね。建設業の占める割合は約九割ですから、そんなような部分を占めております。
民間の最終処分場は非常に逼迫しておりまして、当委員会に出されました不法投棄の実態というような資料等を見るまでもなく、最終処分場が、適法なものが少ない状況になってきているのではないかと思います。報道によりますと、最終処分場の残余年数、あとどのくらいもちますかというのを見ますと、全国で約四年弱、首都圏では一年強ぐらいで満杯になってしまいますよという、大変厳しい状況にあるわけです。
したがって、最終処分量を減らすということ。そのために中間処理というものをしっかりやって、再生利用していくということを進めていくということは大変必要であるわけで、大事な点なんですけれども、肝心の中間処理施設というのが都内に十分あるかといえば、そうではないようでございます。
これもいろいろなところの資料を見ますと、大体、上下水道の汚泥を除いた産業廃棄物全体の都内の中間処理率、十一年度では四三%という数字がはじき出されておりますし、最終処分においても二三%が都内で処分されている。中間処理でいいますと、おおむね五〇%程度にすぎない、こういうような状況でございます。
そういうことから、中間処理施設に取り組まなきゃいけないということで、そのほかPCBの処理も一方であり、あるいは廃プラの問題もありということで、スーパーエコタウン事業、我が党も一生懸命推進をしまして、国の方でもやりまして、それで、今、進んでいるわけでありますけれども、そこで、スーパーエコタウン事業について昨年公募を行ったというようなことでございますので、現在の総体的な取り組み状況、どうなっているのか、まず教えてください。
○古川スーパーエコタウン担当部長 ご指摘のとおり、最終処分量を削減するためには、中間処理施設を整備し、リサイクル、減量化を進めることが重要でございます。このため、都は、廃棄物問題の解決を図るという趣旨から、臨海部に民間主体による廃棄物処理リサイクル施設の集中立地を誘導するスーパーエコタウン事業を進めているところでございます。
昨年公募した中には、いろいろな業種がございますが、まず、この事業におきまして廃プラスチック類や医療廃棄物を対象とするガス化溶融等発電施設を初め、リサイクルの進まない建設混合廃棄物等のリサイクル施設を三施設、食品等のリサイクル施設を二施設、情報機器等のリサイクル施設を二施設、廃トレー等のリサイクル施設を一施設について、現在、施設整備に向けて準備が進められているところでございます。平成十五年度から順次着工いたしまして、早いものは十六年度から稼働する予定でございます。
○織田委員 確かに城南島、中央防波堤内側、この地域を使いまして、かなりの民間の事業者が進出いたしまして、建設混合廃棄物、あるいは食品廃棄物、それから、先ほどもお話がありましたコンピューター等の情報機器のリサイクル、そういったものがこれから順次取り組まれていくということになっているわけであります。ただ、これにしても、全部というわけではないでしょうし、あるいは用地でも、たしか城南島の方は全部で五・二ヘクタールのところで行う。そのほかに城南島のエコプラントも同じくそこの地域にあるということになっているわけですね。
ただ、この処理能力等を見ておりますと、例えば建設混合廃棄物のリサイクル施設について、処理能力を見ていきますと、日量八百四十四トン。あるいはその後に続くのが五百七十六トン。その後、約六百トン。日量でいうと、大体その程度の、要するに、選別、破砕、圧縮、減容、そういった施設がこれから順次稼働していくということでございますけれども、それにしても、都内の廃棄物の排出量の一部としかいえないわけですね。
産業廃棄物で今問題状況として出ておりますのは、不法投棄であります。その不法投棄が一体どうして起こるのかということをつらつらずっと考えてみますと、本来は、局長にどこに問題があるんですかと端的に教えてもらいたいぐらいなわけですけれども、ずっとこの問題状況というのが続いている。それは後でもう一問聞きたいと思いますけれども……。
排出事業者が全部処理の責任を持ちますというのが産業廃棄物の処理の一番基本的な枠組みになっております。そうなると、都県域を越えて、広域的に処理が行われる。当然そういうふうになってきます。その際に、適地がないものですから、結局は東京都以外のところで処理されるケースというのが非常に大きくなっていきます。遠いところで処理をしようということになれば、運搬賃とか、そういったもの、あるいは効率性というものから考えると、どうしても割高にならざるを得ない。ところが、建設業界というのは、要するに、上の方からどんどん下請、孫請、そのまた下というふうになってくると、どんどん削られて、適正な処理料が出なくなってくる。いっぱい運んでいったって、利益なんか出ない。人夫代も出ないというような、そういう状況が実態的にあるという厳しい状況ですね。ある意味でいうと、そういったところに、じゃ、ということで、物すごく割安で、しかし、適法ではありませんよというような形の悪魔のささやきに乗ってしまう、そういう形が出てきても、これは不思議ではない。こんなような状況から、恐らく不法投棄というのは、いろいろな形で出てきているのではないかなというふうに思います。
できるだけ、そういった面からいうと、近隣に--都内とはいいませんが、首都圏の近隣にそういう処理施設が整備される。中間処理でもそうですが、中間処理なんかの施設が整備されることが必要であろうというふうに私は思うのでありますけれども、特にそういった面で下請で泣いている中小企業、そういった方々の対策として、東京都がどういった取り組みをしていただいているのか。都が関与した中間処理や最終処分、こういった対策は現況どうなっているんでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 産業廃棄物の処理に係る中小企業対策といたしまして、都の監理団体でございます財団法人東京都環境整備公社が、中小企業から排出された廃プラスチック類等を大田区城南島のエコプラント施設におきまして年間約八万トンを受け入れてございます。
また、東京都の清掃事業を引き継ぎました二十三区の清掃一部事務組合では、中小企業から排出された産業廃棄物の木くず等を年間約五万トン受け入れてございます。
最終処分対策といたしましては、中央防波堤外側埋立処分場での中小企業からの産業廃棄物の受け入れ枠を、この一月に策定いたしました廃棄物等の埋立処分計画におきまして年間二十万トンから三十万トンに拡大したところでございます。
○織田委員 まだまだ本当に少ない量しか公共が受け入れていないな。それは、廃棄物の処理責任が公共にはなくてとはいいませんが、一義的にやるのは排出事業者である。こういうところから起きているというところで、やむを得ない面はあります。しかし、やむを得ないといって放置できない現実というのが、不法投棄の実態であろうというふうに思うんです。
そういう面からいいますと、これはある意味でいうと、一般廃棄物におけるかつてのごみ戦争が産業廃棄物の処理をめぐって起こりかねない状況にあるのではないのかなということなんです。そういう問題状況というものを、私は、意識していかなければならないんじゃないかなというふうに思います。それは、多分に東京の持っている客観的な条件、地勢的な条件というものがあることは事実であります。東京都が杉並区で、江東区がどこか岩手県であったり、あるいは青森県であったりというようなことに、もし発展したならば、これは、最終的には排出事業者の責任ですから東京都は知りませんとはいえないんじゃないかなという気がいたしております。
それはともかくといたしまして、民間事業者が処理をやらなきゃならないという枠組みになっていますから、それを進めていかなければいけないわけですが、民間処理業者が、処理施設を建設しようとすると、他県の場合では、住民同意を義務づけているというようなことがあって、なかなか建設が進まない。あるいはまた、県外から持ち込む廃棄物については、事前協議制度というものを導入しているというようなことがあって、なかなか思うに任せないという実態があるわけであります。
こういう事例に対して、東京都としてこの都内での民間処理施設の整備を、可能であれば進めていただきたいと思うんですが、この状況、どう対応して、許可件数、今どの程度なのかというのをお伺いしたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 産業廃棄物処理施設の許可や中間処理業の許可に当たりましては、廃棄物処理法に定めます処理施設の基準等に照らしまして審査をし、生活環境保全上支障がないことを確認いたしました上で許可を行っております。許可の申請者には、近隣住民に対しまして、事業の内容等をあらかじめ十分説明し、理解を得るように指導しているところでございます。
中間処理業の新規の許可件数の推移でございますけれども、平成十二年度は二十一件、平成十三年度は十九件、平成十四年度は、現在までのところでございますが、二十三件でございます。
○織田委員 まあ、大体二十件程度の中間処理の許可をしているということであります。東京都の建設廃棄物、あるいはまた産業廃棄物というのは、他県にどんどん流出しているという現実から見ると、東京都で、住民同意は特に許可の要件は必要としないというのは当然でありましょうし、可能であれば、そういったものは東京都内でやっていくという方がいいんだろうというふうに思っているんです。
これは先ほども申し上げましたけれども、全体的な状況として、東京で生み出される産業廃棄物の処理が東京の中では行われない。確かに排出事業者がやるんですから、それは自由です。自由経済の中でどこでやっていただこうと自由なわけです、適法な形で受け入れていただければ。しかし、それができないような状況であるということは、現実であります。そういった中で、じゃ、この中で、どうやって産業廃棄物対策を、皆さんが納得がいくように推進していくことができるのかということであります。特に一番問題になるのは、中間処理の施設は、砕いていって、コンクリートを瓦れきにして再利用していく。そういったところはいいだろうと思います、通過点ですから。最終的に最終処分場の問題、これがどうしても出てくると思うんです。
そこで、最終処分場につきましては、一般廃棄物の受け入れ先としては、新海面処分場というのがあるわけでありますけれども、一般廃棄物においては、これの延命化をできるだけ図る。これはわかります。その中で、今回、今年度からは中小企業対策用に、産業廃棄物も二十万トンから三十万トンにふやして受け入れていくというようなことになっていますけれども、なったとしても、首都圏、あるいは、一番最初にも申し上げましたように、たった四年間ぐらいで全国のものが全部埋まってしまいますよというような状況の中で、一体どういう出口があるんだろうか。これは、本当に、ぼつぼつ公共が関与しなければいけないような、あるいはまた、そのあたりのところをしっかり考えなければいけないような時期に来ているのではないかというふうに思えてならないわけであります。
幸い、東京都は、七都県市、今度からさいたま市が入って八都県市になるんですかね、わかりませんけれど、七都県市という枠組みを、緩やかな形でありますけれども、持っております。千葉の方からは、産業廃棄物の問題については何とかしてくれという声が非常に強く上がっているわけであります。ですから、こういった問題については、私は、七都県市、あるいはそういったものを使いながら、あるいはいろいろな知恵を出しながら、解決に向けて、新しい枠組みを考えていかなきゃならない。少なくとも検討していかなければならないというふうに思います。
今、私ずっと述べましたけれども、本当に東京が他県に迷惑をかけている。環境Gメン等でいろいろやっておられる。連携をとっておられる。懸命になって対策を立てておられるということは十分よくわかります。その上で、これは別に質問ということではありませんけれども、局長、こういう事態になって、どういうふうに進んでいくべきなのか、個人的な面でもいいです。感想でもいいです。所感があれば、伺いたいと思います。
○小池環境局長 今先生がおっしゃられましたように、産業廃棄物というのは、廃棄物の中で残されたといいますか、一廃が片づいているわけではありませんが、一番大きな問題として残ってきているというふうに認識しております。したがいまして、産業廃棄物を、いかにこの問題を解決するかということは、社会のあり方そのもののことにかかわってきているというふうな認識でおります。
そういった中で、私も経験が少ない中での話で恐縮なんですけれども、千葉県で、先ほどご指摘がありましたように、最終処分の問題があって、不法投棄の問題があったりして、千葉県の職員が本を書いてございますけれども、その本を拝見しますと、最終処分の問題の処分場の容量が足りないというのは数年前から何回も同じことが繰り返されて、それが今来ている。どうしてもそこのところで、最終処分の問題に着目しますと、基本的には市場原理の中で、経済原則の中で動いているから、不法投棄は解決しないという面があるんだというようなことを指摘しているわけですね。
そこで、解決の方向として何が重要かとなると、中間処理をしっかりやっていくことが重要ではないかという問題提起が一つありまして、これまで産業廃棄物で一番立ちおくれているのは、最終処分の問題もそこで不法投棄が起こっているというだけに大切なんですけれども、それに至るまでの過程の中間処理というところをどうするか。単に中間処理ということも、容積を減らすとか、量を減らすという観点ではなくて、リサイクルする。どういうふうにそれを市場原理の中に経済原則の中で、そういうサイクルの中に乗っけられるようにするか。この点が一番立ちおくれているがために、どうしてもそういう一つのルートに乗っけられないものが、最終的に安い。先ほど先生がおっしゃられたように、しわ寄せがいくところに行って、最後は、これじゃ合わないから捨てちゃえ、こういう仕組みになっているというところを指摘しておりましたが、そこのところがあるのではないか。
そういう意味で、非常に立ちおくれている面があるということになりますと、例えば先ほどありましたような産廃の半分は上下水道と、これは公的機関ですから、いかに再資源化するかということに取り組んでいまして、ほぼ一〇〇%に近いぐらいになってきております。最終処分する量も、今極端に落としておりまして、今度の廃棄物処分計画でも、数年後には一〇〇%再資源化するという格好になっている。
建設汚泥につきまして、建設の方も四〇%を占めているという統計になっているわけですが、その中の半分が建設汚泥だと。建設汚泥というのも、例えば、地下鉄なんか掘っちゃいますと、汚泥とはいわれるんですけど、その中にセメント材を入れたりして固化したりということで、結局は残土と変わらないんですけど、粒子が違うということと、含水率が非常に高いということで、汚泥なんて呼ばれているわけですね。全然汚れたものではないだろう。ただ、それは産業廃棄物扱いだと。これを処理するのに、今までじゃりぼこへ持っていけばいいという処理の仕方。これをリサイクルするにはどうするかという格好にしないといけないだろう。
そういうようなこと、もろもろありますし、今、中防の方で、先ほどの最終処分場にあります中小企業のということで受けている部分につきましては、廃プラが中心なんですね。ですから、この廃プラにつきましても、できるだけ裁断して、容積を減らした上で、減容化を図って最終処分する、こういうスタイルを今のところやっているだけにすぎませんので、これにつきましても、先ほど来お話がありましたように、ガス化溶融の関係、サーマルリサイクルといいますか、いろいろ議論がございますけれども、単に捨てるのではなくて、エネルギーに転換することでそちらのサイクルに回すか、こういうような話もあるわけですね。
というようなことで、ご指摘のように、一番立ちおくれているのは中間処理だったと思いますので、そこらあたりをいかに経営採算、経済性のベースに乗っけられるような形で、こういったところは、国もそういうバックアップしながらいかなければいけないと思いますし、東京都としては、そういうことを少しでもできるようにということで、先ほど来お話が出ていますが、エコタウンのそういう臨海部の用地を、提供するといいますか、そういう空間を確保する中で、新しい技術が開発されるような支援--直接的支援ではございませんけれども、そういう道が開かれるように、我々も一層これから努力しないといかぬ、こういうふうに思っております。
○織田委員 今、局長の感想、答弁、ずっと聞いていまして、それはそのとおりだな、ぜひおやりいただきたいというふうに思います。そのことを要望いたしまして、終わります。
○清水委員 里山保全の早期の指定を、この間私は繰り返し行ってきたところです。八王子市寺沢地区の地域について、この地域は、多摩ニュータウンの隣に位置しながら、雑木林や田畑などが一体となって生物の生息環境を形成し、非常に豊かな自然が残り、自然保護団体や市民が保全活動をこれまでも進めてきている地域です。この間、この地域の墓地の計画が出されたり、残土が投棄されたりする中で、この委員会にも請願が出されて、里山保全地域の指定をして、こういう開発から守ってほしいと要求してきたところです。
その後、何年かたって、何回かの経緯があったようですけれども、この八王子市の寺沢地区では、里山保全地域の指定の前に保全活動を実施するということですけれども、どのような経緯からそのようになっているのでしょうか。
○町自然環境部長 里山などの良好な緑を回復し、保全していくためには、継続的に保全管理できる体制づくりが不可欠でございます。今お話の八王子の寺沢地区の谷戸などにつきましては、平成十三年三月から、東京都、地元自治体、NPOなどによりまして構成する多摩丘陵里山保全連絡会を設置し、保全方法の検討を進めてまいりました。
この連絡会におきましてボランティアによる保全活動を試行することが合意され、また、一部の地権者の協力も得られるということになりました。現在、十五年度早期にこの試行を実施するため、準備を進めているところでございます。
○清水委員 この地域以外で、今と同じ仕組みで進められているところはあるのでしょうか。
○町自然環境部長 先ほど申し上げました多摩丘陵保全連絡会の中におきまして、日野市にあります百草・倉沢地区について同様の検討を進めているところでございますが、こちらにつきましてはまだ試行の段階にまで至っておりません。
○清水委員 そうすると、今後、里山保全にどのように取り組んでいくのでしょうか。お伺いいたします。
○町自然環境部長 今後、先ほど申し上げましたボランティアを中心とした保全活動の試行を重ねまして、継続的に活動できる中核団体の育成に努めますとともに、関係者の役割分担とか、地権者の合意など、さまざまな課題の解決に努めまして、里山保全に取り組んでまいります。
○清水委員 十二、十三、十四年度と里山保全地域の指定ということがなかったわけです。それで、十五年度にも指定していただきたいなと先ほども他の委員が触れていましたけれども、今のお話から推測すると、十五年の指定の予定はないのかなというふうに思うわけです。
それで、里山保全地域の指定という問題で、今後積極的に進めるべきだと思いますけど、いかがでしょうか。
○町自然環境部長 里山保全地域を新たに指定するためには、先ほど来申し上げておりますように、継続的に保全管理できる体制づくりでありますとか、土地所有者の理解など、さまざまな課題がございます。当面、ボランティアを中心といたしました保全活動の試行を行いながら、里山保全の基盤となります継続的な保全活動に必要なボランティアの確保、それを支える中核団体の育成に重点的に取り組んでまいります。
○清水委員 今の八王子市寺沢地区や、この間出されております横沢入とか、川口リサーチパーク、この後挙げます青梅市の永山地域など、保全してほしいという要望が強いわけです。そういう意味では、一刻も早く保全指定を促進することを要望しておきます。
続きまして、青梅市の永山北部丘陵住宅開発事業について伺いたいと思います。
私も自然環境保全審議会の委員だったわけですけれども、本審の委員ということで、部会の委員ではないのです。それで、これまでのこの案件について、この間の手続や部会などの経緯について伺いたいと思います。
○町自然環境部長 永山北部丘陵住宅地開発事業案件は、平成十三年十二月に許可申請書を受理し、自然環境保全審議会の規制部会において、平成十四年一月十八日から七月十七日まで、合計十二回審議をいたしまして、七月二十九日にそれまでの経過を本審議会に中間報告をいたしました。本審議会の後、その場での議論も踏まえまして、計画地にかかわる都市計画道路入り口部分の地権者一名の方の承諾が得られていなかった点につきまして、事業者に期限を定めてこの問題の解決を求め、その間、審議を休止いたしておりました。
十二月十日に、この問題が、当該区間の都市計画道路は事業者の計画地から外し、青梅市が直接施行するという形で解決されましたため、本年一月二十一日に規制部会において審議を再開いたしました。
今後、三月十一日に開催される本審議会においてご審議いただく予定としております。
○清水委員 この地域のオオタカやホトケドジョウなどの貴重な生物が確認されているとか、それから、採算性がどうかなど、住民のかなり強い反対とともに、今お話がありました地権者一名の承諾が得られていなかったという点について、東京都の自然保護条例では、開発にはすべての地権者の承諾が必要ということであったわけです。このため、この問題をめぐって、本審議会でも事業者の山一土地が不同意の地権者が存在したまま申請する。東京都も受理する。そして、この問題は先日の請願審議のときに触れましたので、改めて触れませんけれども、その段階で東京都の責任が問われていたわけです。それで、地権者の同意を得るよう要請したと。
ところが、その期限までに同意を得られなかったので、承諾を得られない土地を事業区域から外しつつ、外した土地の都市計画道路は、青梅市がかわりに施行するというようなことで、この問題は都市計画局ですので、ここでは改めて触れませんけれども、この問題をめぐって、地権者の了解をとらないまま計画に行政が入って手助けをしたのではないかというような批判する意見も出ましたし、新聞などでも、この点では批判されて、報道されているところです。
それで、審議会や部会で、現在、どういうことが論議になっているのですか。
○町自然環境部長 審議会、部会におきましては、今お話のありました地権者の問題、そのほか残留緑地をどの場所にとるのが適切なのかということ。あるいは、緑地率の大きさの問題。それから、宅地開発に伴いまして、土工量--これは宅地開発などを行います場合、高いところの土地を削って、低いところへ埋めると。その削った部分と埋める部分を両方合算したものを土工量というふうに申しておりますけれども、この量をめぐる問題。それから、オオタカやホトケドジョウ、ハイチゴザサなどの希少な動植物への配慮の問題などが議論になっております。
○清水委員 開発の許可という問題は、みどりのフィンガープランという、平成元年に出されたものです。これは丘陵地の緑を将来にわたって保全し、自然環境に配慮したまちづくりが行われるよう制定されたものです。フィンガープランといいます。特に多摩地域の方の丘陵地の問題。そして、それに基づいて丘陵地における適正開発、これがあったら開発は食いとめられるのではないかという期待もあったわけですけれども、この地域においては適正開発すれば開発できるということで、指導指針が平成三年に定められているわけです。それに基づいてこの地域でも開発されてきたわけですね。
そこにおいては、指導指針の中で七項目にわたって定められています。尾根部分、急斜面は残留緑地として可能な限り確保することなどについて七項目決まっています。そして、今いいました土工量については、可能な限り低くすること。やむを得ず土工量が多くなる場合であっても、地形の大幅な改変を避けるため、原則として、基準があるわけですけど、それ以下とすることとなっているわけです。
私は、この土工量の問題について質問したいと思います。今回の開発ではこの点の問題が非常に大きく問われているわけです。
この地域の土工量は幾らなのでしょうか。
○町自然環境部長 この地域のということでございますが、この案件のということでよろしゅうございますか--今、土工量のお話がございましたけれども、土工量につきましては、平成三年に指導指針、これは行政指導の指針でございますけれども、その中で、住宅開発に関するものについては、原則として一平方メートル当たり六立方メートル以下ということになってございます。この永山北部の住宅地開発案件につきましては、都市計画道路に関する部分を除きまして、六・六立方メートルという形になってございます。
永山北部丘陵の住宅地開発計画の内容をご紹介させていただきますが、これは青梅市の都市計画道路を軸としまして、その周辺約九十ヘクタールを開発するものでございます。土工量は、今申し上げましたように、一平方メートル当たり六・六立方メートルというふうになってございますけれども、土工量は、開発規模の大きなものについては多様な地形を含んでくるということになりますので、土工量も大きなものになる傾向がございます。そういう中で、現在、六・六立方メートルという形になってございますけれども、環境局といたしましては、許可申請前に相談を受けた段階のレベルが一平方メートル当たり七・七立方メートルという形でございましたけれども、これを審議会の議論等も踏まえまして指導してきた結果、現在、六・六立方メートルという形まで低減してきております。
○清水委員 部会では、そうした問題について一つ一つ審議していくんだと思うんです。それで、案件が出たときに、事業者が基準に沿ってない場合には、もう一度帰って相談してくれとかいって、部会で何回も--十二回やっているようなんですけれども、やっていくということだったと思うんですね、さまざまな案件について。
それで、部会では、じゃ、この六・六立米について認められて、そして、今度の審議会に出されるのでしょうか。
○町自然環境部長 部会におきましては、六・六立方メートルというものにつきましては、守らせるべきであるという議論と、先ほども申し上げましたように、行政指導の基準にとどまっているという点から、今の六・六立方メートルについてもやむを得ないというご意見と、両様ございます。
○清水委員 新聞にはその数が報道されておりましたが、四人が反対、一人賛成ということで、新聞の報道のとおりでいいのでしょうか。
○町自然環境部長 先般行われました部会の状況は、委員おっしゃるように、四人の方が反対、お一人がやむを得ないという形でございましたが、当日、採決に入ります直前に退席された方がいらっしゃいまして、この方については、条件つきでやむを得ないというご意見を表明して、離席されております。もう一方、ご欠席なされた方については、出席のつど条件つきでやむを得ないというお考えを表明されておりました。
○清水委員 しかし、出席された部会の方、今までもさまざまな案件を取り扱ってきて、これでおおむね賛成ということで本審議会に上がってきていたものだと思うんです。今回の場合のような形になるのは初めてだと思うんですけれども、それでは、申請があった案件というのは、平成三年以降今日まで、何件あったのか、お伺いいたします。
○町自然環境部長 開発許可の申請のあった案件につきましては、フィンガープランの地域に限定したデータがないんですが、全体で申し上げますと、約二千件という形になってございます。
○清水委員 このうち多摩環境保全事務所で取り扱ったものもあるかと思うんですけれども、平成三年以降、この基準が六立米をオーバーした案件があったのかどうか、お伺いします。
○町自然環境部長 フィンガープランに基づく指導指針を策定いたしました平成三年度以降、フィンガープランの地域内で一ヘクタール以上の宅地造成の案件のデータしか今手元の整理が終わっておりませんので、恐縮ですが、これでご説明させていただきますけれども、一ヘクタール以上の宅地造成の開発許可案件は十九件でございます。これらの案件につきましては、土工量にかかわります行政指導の標準を超えたものは出ておりません。これはプラン策定をした効果と、大規模な開発が少なくなってきたということが要因であろうというふうに考えております。
宅地開発におけます私どもの考え方の一つとして、宅地内で発生する不要な土砂につきましては、なるべく計画地内で処理するようにという考え方をしておりますけれども、今回の永山北部の案件につきましては、すべて計画地内で土砂の処理をするという形になってございます。そういう点から、土工量がやや膨らんできている。
もう一つは、宅地内で車いす通行等の支障が発生しないような傾斜をきちんと確保するというようなことで、そういう面でも土工量が多目に発生しているというような形になってございます。
この土工量を引き下げる方策の一つとして、切り取った土を外に出すという方法もあり得るわけでございますけれども、この場合、計画地内で処理していただきたいという原則が崩れてまいります。それとあわせまして、周辺道路に大量のダンプ交通が発生するというような問題も発生してまいります。ちなみに、現在の計画を一平方メートル当たり六立方メートルまで下げるというふうに試算いたしますと、区域以外に持ち出す土砂の量は、延べ約六万七千台のダンプの交通量が周辺に発生するというような形になってございます。こういうものも、我々としては勘案していきたいというふうに考えております。
○清水委員 二千件の多摩環境保全事務所の案件についても、ほとんどが恐らく基準をクリアしていたというふうに思うんです。そうすると、平成三年以降、約二千件余りの開発申請案件のうち、これまでは基準をクリアして開発事業者は開発していたわけですよ。それが、今回、今ご説明がありましたけれども、ダンプを何台、外へ出さない。それは今までだってそういうことをずっとやられてきているわけですよ。そういう中で、これまでそういう開発で事業者を守ってきたわけです。
先ほどディーゼルの問題でありましたね。基準を守る業者と基準を抜け駆けする業者があったら、基準を守る業者が何か損をするようなことのないようにという話がほかの委員からありましたけれども、まさにこれまで守ってきたものをせめて--土工量といったらどういう意味があるのかって、余り知られていないかもしれませんけれども、しかし、自然保護審議会の一番専門家の部会の方が、その場でさまざまな案件を取り扱う中で、やってきている中で出した結論だと思うんですよ。今回、どうしてこの業者はこの基準をクリアしないで、環境保全局は、この許可ができるのですか。
○町自然環境部長 今のご質問でございますけれども、先ほど申し上げました十九件の一ヘクタールを超える開発の案件がございます。この案件の中におきましても、外部に土砂を搬出するという形で事業を実施しているところもございます。
今回、どういう理由でこれが認められるのかという形でございますけれども、これにつきましては今ご審議をいただいている点もございますが、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、本計画につきましては、許可に当たっての審査基準にございます計画地内での土砂の処理を原則としていただきたい。これが適正に守られている。そのことによってややふえている面はありますけれども、適正に守られていること。
それから、当該計画地内の宅地が車いすの通行に支障のないような形の仕上げにするというような形。こういうようなことで、増加要因となっていると理解しております。
もう一つ、先ほど申し上げましたように、外へ出すというようなことにした場合、周辺環境、土砂を埋める場所、さらには、計画地周辺の交通量の問題等の問題も発生する、こういう点を総合的に勘案して、やむを得ないレベルではないかと考えている次第でございます。
○清水委員 さっきの話、今回、これを認めた場合には、一度守らない事例をつくってしまうことになるわけですよ。そうしたら、このプランも基準も全くないと同じじゃないんですか。守らない業者が出てくるんじゃないんですか。今までの業者はどう思うわけですか。それについては、どう思う--それはわかりました。今の説明でわかりましたよ。しかし、そういうことを勘案して、それでも行政指導基準というものが数値として出ているわけで、それにはそれなりの意味があるわけですよ。平成三年からやってきた。それを今回、クリアしなくても認めるというのは、業者の中でどういうことになるんですか。
○町自然環境部長 この案件におきまして土工量が多目に出ているということについてのご理解をいただけたということで大変ありがたいと思います。今申し上げたような事情でふえているわけでございますけれども、私どもは、この間、事業者につきましても当初の受理前の段階からいろいろ指導してございますが、その段階で、土工量一平方メートル当たり七・七立方メートルという段階からスタートしておりますけれども、これを事業者の方では、六・六立方メートルまで、我々の指導に応じて引き下げる努力をしてきております。
今後とも、私どもは、開発許可に際して、申請者に対し、フィンガープランの趣旨を十分に理解させるよう努めるとともに、指導の標準を遵守するよう、引き続き指導をしてまいります。
○清水委員 土工量の多いのを理解したわけではないんですよ。いっていることはわかったといったわけです。
それで、じゃ、七・七から六・六に下げるということは、例えば、どこをどういう変更をしてできたんですか。
○町自然環境部長 幾つかの点がございますが、一番端的なところで申し上げますと、当初の計画戸数は二千百戸の計画でございました。これが現在二千戸ということで、百戸計画を縮小するというようなことを含めて、土工量の低減を図ってきております。
○清水委員 開発戸数を減らせばできるということでしょう、そうしたら。そうじゃないんですか。じゃ、六立米に下げたら、開発戸数を減らせばできるんじゃないですか。それはどうですか。
○町自然環境部長 方法論としては、おっしゃる点も含めて、先ほどの外部に持ち出すという方法も、いろいろ方法としてはございます。事業者の事業計画の現実性ということ、あるいは周辺の環境への配慮ということも含めて、土工量の低減については、現実的に可能なものの中から選択することが適当であろうというふうに考えます。
○清水委員 今回のこの案件に対する都の自然環境部の姿勢について、マスコミや住民はこれまでにない環境行政の後退だといっているんですよ。今まで認めなかったものを認めていくということについて、後退であるというふうにいっているわけです。それによって、自然がどれだけ崩されていくのかということにつながっていくわけなんですけれども、それでは、希少動植物もこの地域には非常にたくさんあると思うんですけども、それについて、細かくなくて、大まかに、どういう希少動植物があって、どのような配慮になっているのか。
○町自然環境部長 希少動植物に対する配慮ということでございますけれども、本計画では、いろいろな沢がありますけれども、近隣の緑と連檐することができる部分の沢を残して、周辺の緑地との連続性を確保していくという形でまず基本的な配慮をしております。その中で、貴重種としていろいろな種類がございますが、ホトケドジョウとか、ハイチゴザサとか、いろいろございますけれども、それぞれ専門家の意見を聞きながら、あるいは一時飼育を専門家にゆだね、開発後戻すということでありますとか、事前に試験移植した上で、適地を確認して移植するとか、そういうかなり細かな配慮がされております。
○清水委員 移植するとか、動物であれば、捕獲して戻すとか、そういうふうなことがいわれているんですけれども、しかし、東京に残された、今配慮するという内容のように、豊かな自然になっているわけですよ。それで、そういう地域を残してほしいというのが住民の強い要求になっているわけです。
例えば八王子市でも丘陵地を開発した地域が売れないという状況になっています、一戸建ての。いろいろな開発地が三カ所、四カ所あるのですけれども、戸建ての住宅地が売れない。青梅のこの地域で二千戸の一戸建て住宅をつくって、採算性がとれるのか。そういう土地を開発することに対して、非常に大きな周辺の住民、この前、請願の審議でもいいましたけども、町会ぐるみで反対されているということで、毎回の規制部会の審議の中にも五十人を超える傍聴者があるというふうに聞いているわけです。
それで、本当に大きな関心を持っているわけですけれども、こういうところは、せめて基準に沿って進めるということが重要ではないんですか。
○町自然環境部長 先ほど来お答えさせていただいておりますけれども、この六立方メートルという基準といいますか、行政指導の標準でございますけれども、これは原則として六立方メートルというような形に文書上もなっております。先ほど申し上げましたように、ここの案件につきましては、るる申しませんけれども、計画地内の中での処理とか、周辺環境への配慮とか、バリアフリー化への努力とか、そういうことの結果として、我々が指導してきた結果として到達している今の六・六立米というものについてはやむを得ないであろうというふうに考えているわけでございまして、今後、これがなし崩しになるんじゃないかというようなお話もございましたけれども、決してそういうことのないように、個々の案件、案件に応じて適切に指導してまいります。
○清水委員 あくまでも基準に基づいて進めていただきたい。それで、審議会に提案するといっていますけれども、部会でもっと慎重に審議をして、審議会への提出は延期をすべきだというふうに思います。
次に、この自然環境保全審議会の都民代表の選出方法をめぐって新聞で報道されていましたが、その点についてご説明をいただきたいと思います。
○町自然環境部長 自然環境保全審議会の委員につきましては、二年任期でその都度新たに選任をするという形で運営をしておりますけれども、この三月に現在の方々の任期がちょうど終了するという時期を迎えております。この時期に合わせまして、東京都では、附属機関の委員の任命につきまして、可能な場合は都民からの公募を積極的に行うようにという、こういうスタンスになっておりますので、これに基づきまして、自然環境保全審議会におきましても、広く都民の方々の意見を聞くために、一部公募制を導入しようとしているものでございます。
○清水委員 これまでは都民代表というのはどのように選んでいたんですか。
○町自然環境部長 現在の都民代表の方は七名いらっしゃいます。二十八名の委員のうち七名の方が都民代表という形でございますが、現在までは、自然保護団体からの推薦をいただいた方が定数を超えた場合には、自然保護団体の方々による選挙によって選ばれております。
○清水委員 自然保護団体というのは、先ほど話がありましたけれども、自然公園の管理などをこれからする、そういう団体も含まれるわけでしょう。そういうことをやる団体も含まれて、これまでのやり方で、どこに不都合があったんですか。なぜ変える必要があったんですか。
○町自然環境部長 自然環境保全審議会につきましては、これまでも自然保護団体からの委員の方々に参加していただき、いろいろな意見をいただいてまいりました。
先ほど申し上げましたけれども、都庁全体として、可能なものについては都民からの公募を積極的に行っていくということが一つ全体的な状況としてございます。それで、都庁の各局では、生活文化局とか、都市計画局、福祉局など、いろいろな局で既に公募制が導入されております。環境局におきましても廃棄物審議会では既に公募制を導入しているところでございます。
こういう中で公募制に入っていこうということでございますが、現在、自然保護団体の方々によって構成してまいりましたけれども、近年、自然保護団体に加入していない一般都民の方々につきましても自然環境に対する意識も非常に高くなってきております。きょうの議論の中でも一般都民の方々の意見をどう聞くのだと。環境教育リーダーとか、いろいろな面で話も出ておりました。それと、今後の東京の自然の保護と回復を進めていこうという場合に、団体に属していない一般都民も含めたさまざまな都民の参加と協力のもとに、都民とともに進めていくということが重要であるというふうに考えております。
こういう状況を踏まえまして、審議会に一般都民も加わっていただくことが必要だというふうに考え、都民代表の一部に公募制を導入するものでございます。一部といいますか、七名の都民代表のうち、三名の方々について公募制を導入しようとするものでございます。既に募集は締め切りましたけれども、三名の方に対し、九十五名の方から応募がございました。団体に属していない多くの方々の自然保護に関する関心の高さが裏づけられ、公募方式が支持されているあらわれであろうというふうに考えております。
○清水委員 自然保護団体の都民代表の方は、これまでさまざまな案件について、非常に積極的に意見をいわれてきているわけです。植物の問題、動物の問題、それから、水の問題、さまざまな場所から出てこられて、意見をいっておられましたけれども、批判的な意見も多いわけですよ。
それで、今いわれているのは、そういう自然保護審議会で、これまで何年かやってきて、そういう批判的な意見も取り入れてやってきたからこそ、東京の緑がせめて守れてこられたんじゃないんですか。そういう都民代表としての役割があったと思うんですよ。私たち議員がなかなかいえないことでも、都民代表の人は、専門的に活動しているから、知識とかそういうことだけでなくて、さまざまな活動をしているから、大変貴重な意見が出されてきていると思うんです。そういう人たちを、七名というのは多くはないと思うんですよ。
じゃ、公募をするんだったら、学識の方、二十八名のうちの、そういう方の中からだっていいと思うんですね。それに対して、都民代表の方から、批判的な発言を好ましくないという自然環境部の姿勢があるのではないかというようなことがいわれているのですよ。今、そういう批判的な意見も含めて、自然保護が守られてきたわけですから、今回の都民代表の選出方法については、いろいろな意見があるので、私も疑問を投げかけておきたいと思います。
永山の問題は終わりますけれども、前例のない基準オーバーを認めてしまうこと、委員の選任の方法など、自然保護行政において環境行政の後退の姿勢があるというふうにいわれても仕方がないというふうに思います。
次に、ヒートアイランド対策、地球温暖化対策について伺います。
予算特別委員会でも触れましたけれども、私たちは、東京都が今進めている温暖化対策やヒートアイランド対策について、十分ではないけれども、一定の評価をして、それは進めるべきだというふうに思っているわけです。しかし、今進められている都市再生によって、一体どれだけ増大をもたらすかという、そういう問題を提起してきたわけです。
今回の委員会でも、二十三区で計画されている開発によって推定すると、発生量は七%近く上回ってしまうんじゃないか。本当は六%削減する。一五%ふえる量を含めて二〇%近く削減しなければならないものを、七%ふえてしまうのではないかということを提起してきたわけです。
しかも、大型ビル一つで、先日試算しましたけれども、どれだけの環境負荷がかかるのかということについて、例えば、秋葉原のITセンターの十二万六千平米の例を使って、これは吸収するのに樹木の試算をする、こういう表が、ある研究所の中で試算するのがあるわけですよ。そういうものに当てはめてみると、秋葉原ITセンターのCO2を吸収するのに樹木が八万四千本必要だ。これは曽根議員が、六十ヘクタールの水元公園の約二・八個分になるんじゃないかという計算になるのじゃないかと。そういう増大する環境負荷についてどのように考えるのかということについて、私たちは繰り返しただしているわけです。
それでは、東京都が今進めている対策によって、どれだけ減るというふうにお考えなのでしょうか。
○梶原参事 温暖化対策につきましては、都は、オフィスなど業務部門のCO2削減を図るために環境確保条例で一定規模以上の新築建築物に対しまして省エネ性能を求めます建築物計画書制度、それから、一定以上のエネルギー使用実績のございます既存ビルに対しましては温室効果ガスの排出抑制を求めます地球温暖化対策計画書制度を、いわば全国に先駆けまして導入したわけでございます。
この制度によりまして、CO2排出量の削減に取り組んできたということでございますけれども、昨年夏の中間まとめによりますと、事業者の自主的な取り組みだけでは、つまり、現行制度だけでは限界がありますので、昨年十一月、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針を策定したところでございます。
これに基づきまして、十二月には、東京の地域特性に応じました実効性ある温暖化対策について、東京都環境審議会に諮問し、さらに対策の強化に向けて、現在、鋭意取り組んでいるところでございます。
○清水委員 個別の対策については、今おっしゃられたようなことを積極的にもっと取り組んでいく必要があると思うんですけれども、実質的に六%をどうやって実現していくのか。これまでの一五%ふえていたもの、それで七%ふえていってしまうのではないかということをいってきているわけです。
排熱も問題なわけです。環境基本計画では、熱帯夜の目標を三十日から二十日というふうになっているのですけど、それはどうやって実現していく予定ですか。
○梶原参事 先ほどご答弁申し上げました基本方針の中では、いわゆる分野別にそれぞれ対策を掲げてございまして、それこそ挑戦1の排出量の義務化から始まりまして、各種いろいろ施策を盛り込んで考えているところでございます。
実際にヒートアイランド対策の方でございますけれども、そのうちの一つに位置づけておりまして、建築物計画書制度に基づきまして、新築建築物の省エネルギー対策を促進しますとともに、一方、自然保護条例に基づきます屋上緑化の義務づけとか、再開発に当たりましての保水性舗装を導入するなど、各種対策を着実に実施しているところでございます。
また、ヒートアイランド対策としましては、昨年夏から、区部を中心としまして、百二十カ所に温湿度計を計測するヒートアイランド観測網を整備しまして、得られたデータをもとに実態や原因の分析にも取り組んでいるところでございます。
今後ともこうした取り組みの中で、全庁が一丸となって取り組みを推進し、環境基本計画で定めました目標を達成していきたいというふうに考えております。
○清水委員 それぞれ進めていることについてはそのとおりなので、やらなきゃいけないんです。しかし、それによってどの程度下がるのか。何年から何年までに何十日から何日と目標を定めているわけです、ここでちゃんと環境目標を。私がいっているわけじゃない、環境局が出しているんだから、三十日から二十日を何年までに。
しかし、私たちがいっているのは、これから二十三区でも千八十ヘクタールの開発予定。センター・コアでも九百七十八ヘクタールの開発予定。緊急整備地区でも四百八十ヘクタールの開発予定になっているということについて、どれだけ発生して、どれだけ減らそうとしているのか、CO2も排熱も。そういう総体としての計画、目標、対策というものが必要なのではないですか。
○梶原参事 先ほどのご答弁で申し上げましたとおり、個々の分野別の施策につきまして挑戦1からということで、個別に分野別に目標を立てて今後やっていくことになるかと思いますけれども、あくまでも現在、新しい制度を構築しようとしているところでございますので、現在の時点で、具体的な目標というのは、むしろ制度を今つくっている段階でございますので、この制度づくりを鋭意進めていきたいということでございます。
○清水委員 じゃ、ことし二百八十ヘクタールのビルが建設される。来年七十、再来年八十とか、百とか、そういう予想というのは、わからないけれども、今、順次やっていくしかないということなんですか。
○梶原参事 いわゆる大型ビルの建設の問題だと思いますが、いわゆる大型ビルの建設ですが、都市機能の高度化、それから、居住環境の向上を目的に建設をしている部分がございます。ある意味では、都市の発展にとっては必要な部分というふうに考えているところでございます。中でもビルの更新ということでいいますと、特に重要であると。地球温暖化対策の基本方針の中でも触れておりますけれども、東京都心部の建築物といいますのは、高度成長期前後に建設されたものも多く、今後、更新期を迎えるということになっております。このことは、大規模建設物の環境配慮を向上させる、ある意味ではいい機会というふうに我々は考えておりまして、この新築、建てかえにあわせて一定規模以上の省エネ性能を確保するということが極めて大事だ。それに向けて制度化しようとしているわけでございまして、先ほど申し上げました建築物環境計画制度を強化し、省エネ性能の強化とか、自然エネルギー利用の義務づけなどをこれからやろうということで考えているわけでございまして、もう少し具体的に申し上げますと、オープンスペースの確保とか、敷地内の雨水浸透や緑化、ビルそのものの性能でいえば、熱負荷の低減とか、自然エネルギーの利用とか、そういった省エネ装備を備えた建設というのを求めようとしているわけでございます。
また、既存のビルにつきましても、地球温暖化対策計画書制度、その制度の強化ということを我々今考えておるところでございまして、いわばこの分野の技術開発というのはまさに日進月歩でございますから、こうした技術によって、従来から我々の居住環境も改善されてきている部分もございます。これらの制度とあわせて緑化の強化とか、保水性舗装とか、そういったことも含めて、トータルで都市の環境を向上させるということを我々としてはやっていきたいというふうに考えております。
○清水委員 今の状況の中でも、CO2だったら一五%伸びていってしまうわけです。それで、今、既存ビルの建てかえといいましたけれども、既存ビルが同じ面積で建てかえられるわけじゃないわけですよ。それぞれ容積率がふえて建てかえられていって、それで新たに新しいビルも建てかえられるという問題について私はいっているわけです。
それで、自動車の問題でも、例えば、この間取り上げた数のことをいいますと、首都圏メガロポリス構想では、三環状道路の整備のときに都内の交通量が三割減るということを書いてあるわけです。それについて、一体三割というのは何台のことなんだということで聞いたところ、三十一万台が二十一万台になるというわけですね。三環状の整備時に十万台減るということです。これは、知事、知らないとかいっていましたけど、都市計画局が持ってきた都内通過交通量の減少ですね。十万台。しかし、二十三区センター・コア内の開発を見ると、ここに自動車発生量というのが全部の開発について書いてあるわけです。それを足しますと、二十四万台になるわけです。そのことを私たちはいったわけです。十万台減るといっているけれども、新たな開発によって二十四万台、つまり、十四万台もふえるじゃないか。そのことをいったわけです。
だから、私たちは、ビルの問題でも、道路の問題、自動車の排熱の問題。確かに大気汚染については努力をされているかもしれない。しかし、排熱の問題についてはこれからの課題だと。排熱についてはそういうことによって大きな環境負荷が起きるのではないかということを指摘したわけです。
いずれにしても、環境局がさまざまな対策をとっていただいておりますけれども、都市再生によって、それがかえってひどくなってしまう。そういうことについて、私たちは指摘をし、これは東京都全体の計画ですけれども、都市再生による開発を見直すことが環境行政を前進させる上でも重要だというふうに申し上げて、質問を終わります。
○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時四十分散会
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