都市・環境委員会速記録第三号

平成十五年二月十七日(月曜日)
第六委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長林  知二君
副委員長織田 拓郎君
副委員長真鍋よしゆき君
理事野上じゅん子君
理事いなば真一君
理事こいそ 明君
清水ひで子君
大河原雅子君
山田 忠昭君
かち佳代子君
樋口ゆうこ君
大塚 隆朗君
林田  武君

 欠席委員 一名

 出席説明員
都市計画局局長勝田 三良君
次長藤井 浩二君
理事小林 崇男君
総務部長飯山 幸雄君
都市づくり政策部長森下 尚治君
都市づくり調整担当部長南雲 栄一君
マスタープラン担当部長河島  均君
都市基盤部長只腰 憲久君
外かく環状道路担当部長成田 隆一君
参事宮川  昭君
都市防災部長柿堺  至君
市街地建築部長野本 孝三君
環境局局長小池 正臣君
総務部長西野 和雄君
参事梶原 秀起君
環境改善部長松葉 邦雄君
参事小島 高志君
自動車公害対策部長山本 憲一君
参事月川 憲次君
自然環境部長町   格君
廃棄物対策部長福永 富夫君
スーパーエコタウン担当部長古川 芳久君
参事松本 保幸君
環境評価部長百合 一郎君
局務担当部長平田 信幸君

本日の会議に付した事件
 都市計画局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百三十四号議案 平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 都市計画局所管分
  ・第百三十八号議案 平成十四年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
 環境局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百三十四号議案 平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
 付託議案の審査(決定)
 ・第百三十四号議案 平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市・環境委員会所管分
 ・第百三十八号議案 平成十四年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)

○林委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、平成十四年度関係の付託議案の審査を行います。
 これより都市計画局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十四号議案、平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、都市計画局所管分及び第百三十八号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○いなば委員 私、身近な板橋区ですけれども、王子線、大変便利にさせていただいておりまして、感謝申し上げたいと思います。
 このように道路は、社会や経済活動、そして都民生活を支える基礎的な社会インフラだと思っています。とりわけ、首都圏の三環状道路の一つであります中央環状線の整備は極めて重要とかねがね思っております。
 都ではこれまでに、中央環状王子線や新宿線など、都市高速道路のうち、渋滞の解消効果が大きく、かつ緊急に整備する路線を対象に無利子貸付を行ってきていると伺っております。この制度は、首都高速道路の事業促進をも図る上でも大変必要だと思いますし、今回の補正で増額しているわけですけれども、中央環状線の事業促進にとっても大変意義あるものだと考えております。
 それで、王子線ですけれども、事業着手以来十六年の歳月を経て、昨年の十二月に開通したことは、地元の、先ほども触れましたけれども、大変みんな喜んでおります。開通して二カ月弱が経過しているわけでありますけれども、私もこの間たまたま、日帰りの後援会旅行を行いましたけれども、非常に近く、予定よりも三、四十分早く地元に着いたということで、大変みんな実感としてそれを感じておったわけでありますけれども、この王子線の開通後、都市環状線などの交通量の変化など、どういう状況、効果があったのか、まず冒頭お伺いしたいと思っております。

○只腰都市基盤部長 今ご質問の王子線でございますが、中央環状線の一番北側のリングを形成いたしまして、延長七キロございます。高速五号の池袋線と高速の川口線を結ぶ環状線をなしてございます。今ご指摘ございましたように、その整備によりまして、首都高速道路の環状方向のネットワークが充実をいたしまして、今まで箱崎ジャンクションを使わないと例えば常磐道、東北道に行けなかったルートだったわけですが、そこを迂回するようなルートができたということで、非常に利用の幅が広がったということがいえるかと思います。
 現在の利用交通量でございますが、一日三万五千台前後でございます。
 この路線の開通の効果といたしましては、今ご指摘いただいたようなことに加えまして、例えば池袋から東京ディズニーランド方面への所要時間が、従来七十分あったものが四十分ということで、三十分ぐらい短縮するということで、広い範囲でのネットワーク効果があらわれたというふうに考えてございます。
 数字で申し上げますと、特に並行いたします環状線という意味では、外環の美女木と川口の間、これが従前八万八千台でございましたが、開通後の一月では七万九千台ということで、一割削減されてございます。また、都心の環状線で見ますと、十三万五千台が十二万九千台ということで、四%削減するということで、全体的なそういう既存の部分の交通量の削減にも寄与しているということがいえると思います。

○いなば委員 続いてですけれども、環状道路の整備などによりまして、交通量が分散したり、地域の利便性も向上してきていると思います。
 現在、王子線の南側にある、よく取りざたされます新宿線ですけれども、この首都高速三号線までの区間、約十キロメートルで事業を実施中ということですけれども、このような効果が期待される環状道路は早く整備すべきだと思います。この新宿線の工事の進捗状況と、今後の予定についてもお伺いしたいと思います。

○只腰都市基盤部長 首都高の新宿線でございますが、先ほど申し上げました王子線に隣接いたしまして、ちょうど豊島区の高松から首都高速三号線の大橋ジャンクションまで至る区間でございます。いわゆる山手通りの地下にトンネルを建設いたしまして、その区間を連結するというルートになります。
 現在、新宿線の区間全線にわたりまして、ほとんどがシールド構造になりますので、シールドの発進、掘削するための立て坑の工事、あるいはシールド機械の製作、また、一部トンネルの掘削工事も進めているところでございます。
 現在の進捗率、昨年の三月現在で、事業費の割合では四五%ということになってございます。引き続き、これらの工事を重点的に進めまして、平成十八年度の完成を目途としてございます。

○いなば委員 ただいまの新宿線も、平成十八年度完成に向け、ということですけれども、先ほどもうちの政調会の部屋で、こいそ議員も一生懸命それをしつこく聞いておりましたけれども、着実にやっぱり工事促進、早期完成を期待したいと思っております。
 首都高速道路を初め、道路の整備は、活発な経済活動や、先ほども触れました快適で豊かな都民生活を支えていくものと思っております。安全で快適な東京の実現につながるものだとも思います。今後も首都高速道路、特に中央環状線の整備を積極的に推進すべきと考えておりますけれども、その所見を伺って質問の最後にしたいと思いますけれども、ちょっと期待できるような答えをお願いします。

○只腰都市基盤部長 中央環状線でございますが、現在、首都高につきましては、都心の小さな環状線しかございませんので、どうしても都心部に流れ込む、いわゆる通過交通があるわけでございますが、これを分散させまして渋滞の解消を図るということ、それから、ひいては経済活動の高コスト構造を是正するということが可能かと思います。また、今申し上げたような新宿あるいは池袋などの副都心、また羽田空港へのアクセス向上という意味もございまして、都市再生にも資する重要な路線であるというふうに考えてございます。
 現在、先ほど申し上げました整備中の新宿線、それから、さらにそれを湾岸線までつなぐ、品川線といっておりますが、これ現在都市計画の準備中でございますが、これらの路線がつながることによりまして、いわゆる環状線としてのさらなる効果が発揮できるというふうに考えてございます。この品川線まで開通いたしますれば、首都高の渋滞というのが、九割、ほとんどなくなるのではないかというふうに考えておりまして、引き続き重点的な整備促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
 今回、補正予算の審議をお願いしているわけでございますが、こうした工事を進めています新宿線における工事費の確保ということで、ぜひご審議をお願いしたいということでございます。

○かち委員 首都高速道路の整備というのは、都市の基礎的インフラだとか、骨格幹線だということで、欠くことのできない課題だというふうにいわれているわけですけれども、どんなに重要課題であっても、総体の予算というものは決まっているわけで、その中の予算の配分というものをやっぱり考えていかなければならないのではないかなというふうに思っております。
 それで、今回提案されている補正予算、二百十億円の約七〇%の百四十九億円が首都高速道路公団の中央環状新宿線建設費に対する無利子貸付金ということになるわけですけれども、私はかねがね、いわゆる事業局ではない都市計画局が、なぜこのように年度末に多額の借金までして公団に無利子貸付をしなければならないのかということをいつも申し上げてきているわけですが、最近の予算の組み方は、ますます乱れてきているというふうにいいましょうか、余りにも当初予算より膨らみ過ぎていて、正常な予算編成とは思えないわけです。
 そこで、何点かお聞きしたいと思います。
 まず、この貸付対象となっている新宿線の進捗状況はどうなっているのか、なぜこのような多額な補正をしなければならなかったのか、お聞きします。また、貸付金と出資金のすみ分けというものはどういうふうになっているんでしょうか。

○只腰都市基盤部長 まず、新宿線の進捗でございますが、先ほど既にご答弁申し上げたとおりでございますが、昨年の三月末現在で、事業費の割合では四五%ということになります。このうち、三番目のご質問とちょっと関連ございますが、いわゆる貸付金の対象である目黒区の青葉台から中野区の本町まで、これは南側の区間ですが、これにつきましては進捗五一%、それから、北側の同じく中野区中野本町から板橋区熊野町までの区間、これが二九%でございます。工種別に見ますと、おおむね用地につきましては九割方確保済みでございまして、工事につきましては全体の四分の一というところでございます。
 それから、貸し付けと出資の区分でございますが、貸し付けにつきましては、ちょっと長いんですが、渋滞対策特定都市高速道路整備事業ということで、その路線の整備によりまして渋滞の解消が図られる路線、特にその効果が高い路線につきまして指定いたしまして貸し付けをしているものでございまして、先ほど申し上げたように、この路線の南半分がそれに当たるもの、それから、北半分につきましては、従来の首都高のいわゆる出資方式でやっているものでございまして、それがいわゆる北半分の先ほど申し上げた出資対象路線でございます。

○かち委員 出資対象と貸付対象が、路線の約中ほど、半分ぐらいで分けられているということがわかりました。
 それで、北側の方の出資対象は二九%、南側の貸付対象は五一%の進捗状況とのことですけれども、毎年継続してこのような事業が行われているわけですけれども、なぜ当初予算をはるかに超える多額な補正をしなければならなかったのかというその理由は、どういうことなんでしょうか。

○只腰都市基盤部長 今回のお願いしている補正予算でございますが、貸付金の増額ということになるわけでございます。
 この貸付金の区間でございますが、社会資本整備事業費ということで、先ほど申し上げた南側の区間でございますが、この区間、一部の立て坑を除きまして、シールドの工法でございます。このシールド工法の区間におきまして事業の進捗が図られたということもございまして、その分を積算いたしまして、所要の見込みの額をお願いしたいということで、今回の額になっているものでございます。

○かち委員 直接都市計画局がこの事業にかかわっているわけではないというのはわかりますけれども、今のご説明では、一般的な進捗状況に合わせての補正だという域を出ていないんですよね。これではやはり都民には理解できない、納得できないご説明だと思うんですね。
 それで、予算は組まれていくわけですよね。全然工法ががらっと変わったりすればまた別ですけれども、これまでの延長線上にあって、なぜこの当初予算と最終的な予算がこんなに変わってくるのかという点でのはっきりした説明ができないというのが現状だと思うんです。
 新宿線は、今ご説明ありましたように、板橋熊野町から目黒区青葉台までの都心未収地を走る約十一キロの区間というふうに、大変長い距離があるわけですけれども、それで、この間の工法が途中で変更になったわけですよね。それはいつ、どのように変わったのか。そして、そのことによって総事業費というのも当然大幅にアップしたんだと思いますけれども、その辺はどういうふうになっているんでしょうか。

○只腰都市基盤部長 新宿線でございますが、平成十二年の八月でございましたが、公団が、事業をやる上での基本計画というのを変更してございます。この変更の中で、新宿線につきまして、いわゆる上から掘るオープンカット方式の開削工法から、主に、シールド工法といいますが、トンネル方式でやる非開削工法でございますが、そういう工法への変更を行ったと。また、工事費あるいは用地費の単価をその時点での修正を行った、あるいは仮設をするための工事の変更を行ったという、まとめてその基本計画の変更をしてございます。その段階で、事業費につきましても千三百億円の増額になりまして、その基本計画のもとに現在事業を進めているということでございます。

○かち委員 十二年から--三年前になるんですね、開削工法からシールド工法に変わったということで、この十一キロ、ほぼ全区間がトンネルになるということになるわけですけれども、それで今、千三百億円の増額というふうにいわれましたけれども、当初は八千九百億円の見込みが、そのことによって一兆二千億円に増大したということになるわけです。これで、ざっと見れば、一メートル一億円以上の高速道路をつくるということになっていくわけです。このことによって、東京都にも応分の負担がかかってくるという仕組みが今回の状況だと思うんです。
 ところで、平成十一年度には、都の出資比率と貸付率が変更になっていると思うんですけれども、どのように変わったのでしょうか。

○只腰都市基盤部長 この首都高速道路の路線をつくる上で、出資によりまして全体的な財務内容をよくしまして、最終的には有料道路としての負担を減らすという目的で、国と都が同額の出資をしてございます。この出資比率は、ずっと経年的に変化してまいっているわけですが、今、ご指摘ございましたように、平成十一年度に変更ございまして、都の出資比率が六・五%から一二・五%に変わってございます。
 このときの変更でございますが、適切な料金水準のもとで、有料道路ですので採算性を確保しなければいけないということで、国及び地方公共団体の公的な負担を拡充をしたものでございます。

○かち委員 適切な料金設定のもとで工事を行っていくためには、応分の公的負担も必要だということで、変わったということですけれども、この制度そのものは平成二年から始まった制度ですよね。
 それで、十年に一度変わっているんですが、それまでは、国と合わせて出資金については七・三%だったわけです。それが十年に一三%になって、翌年十一年には二五%に膨れ上がっています。それで、無利子貸付金の方は、平成七年までは三〇%だったものが、平成十一年には八〇%まで膨れ上がっているわけです。今説明あったような理由で、この先もどれだけ増額をしていくのか、比率が上がっていくのかという点では、歯どめというものはないわけですよね。
 これは、法律で決められているというものではなくて、公団と国との関係で話し合いで決めて、それで、国が了承すれば、その同じ割合を都に要請してくる。都は、国と公団のいわれるままの状況に置かれているというのが現状だと思うんです。しかし、都にも予算の限界というものがありますから、そういうものに対してどういうふうに対応していくのかというのが、今、問われているんじゃないかと思うんですね。
 先ほど、無利子貸付について、渋滞解消の云々ということがいわれましたけれども、この制度をこの首都高速道路整備のために、幹線道路のために使っているのは東京都だけなんですよね。大阪府の状況で見れば、幹線道路そのものには使っていなくて、そこに誘導される市の道路の整備のために使っているということであって、そういう意味では、全くただ持ち出しだけという、公団の肩がわりをするというのが現状だと思うんです。
 それで、平成十一年度から十四年度までの四年間で、首都高に対する出資金、貸付金の合計が、当初予算に対して最終的な予算との関係でどういうふうに変わってきているのかというのを、ちょっと経年的に教えてください。

○只腰都市基盤部長 十一年度からということで、四年間でございますが、それぞれの年度におきまして、出資と貸し付けを両方行ってございます。
 それぞれの年度、合計額でございますが、十一年度につきましては、当初が合わせて百九十億でございました。これにつきましては、補正を若干行いまして、二百二億、一・〇七倍でございます。
 それから、十二年度でございますが、当初が百七十一億、補正が二百十一億で、二・二三倍でございます。
 それから、十三年度でございますが、当初三百四十四億円でございまして、繰り越し等を含めまして、当初に対する割合では一・三五倍。
 それから、十四年度でございますが、当初百七十三億でございまして、今回、百四十九億円の補正をお願いしているわけでございますが、繰り越し等を加味いたしまして二・二八倍ということで、あの数字になってございます。

○かち委員 今は貸付金と出資金を合わせた額でお聞きしたわけですけれども、これまでの傾向を見てみると、平成十一年度までは当初予算と最終予算というのはそんなに変化は見られていなかったんです。ところが、十二年度以降、今ご説明あったように、最終予算は当初予算の一・五倍から二・数倍にも増大するようになってしまったわけです。
 なぜかといえば、平成十二年度から前年度の繰り越しができるようになったからなんですね。結局、当初予算はとりあえずつけておいて、余れば前年度からの繰り越しができる、足りなければ補正で都債を組めばいい、これでは、厳しい財政運営が云々といっている中で、ここだけは全く聖域ではありませんか。そのあらわれが今回の貸付金、当初予算六十二億に対して、何と百四十九億の都債による補正、それにプラス前年度からの繰り越し七十一億ということで、何と四五七%、四・五七倍もの増額という結果になってしまっているわけです。それを、単に進捗状況に合わせてなどという通り一遍の説明では、到底納得できません。
 この間、十年以上もこの計画を進めてきて、一年ごとの見通しさえつけられないということで、本当に東京都は公団と国のいうままの状態ではないかと思います。都市計画局は、少なくとも担当部局として、工事がどう進捗しているのか、建築コストはどうなっているのか把握すべきです。そして、それを都民に説明する責任が問われていると思います。
 それでは、十一年度から十四年度の四年間の出資金、貸付金の最終予算額に対する財源の内訳というのは、どうなっていますでしょうか。

○只腰都市基盤部長 先ほど申し上げましたように、出資金、貸付金の財源でございますが、十一年度につきましては、二百二億、全額都債でございます。
 それから、十二年度でございますが、三百八十二億円のうち、百五十四億円が都債、残りが一般財源でございます。したがいまして、四〇%が都債ということになります。
 それから、十三年度でございますが、四百六十五億円のうち、六六%の三百九億円が都債、残りが一般財源でございます。
 それから、十四年度でございますが、三百九十三億円のうち、約七八%の三百五億円が都債、残りが一般財源、このような内訳になってございます。

○かち委員 この種の大きな事業計画というのは、将来への投資ということであり、本来は投資的経費の扱いだと思うんです。ですから、十一年度以前は都債扱いで来たわけです。ところが、十二年度以降は、今ご説明があったように、一般財源からも繰り出しをしているわけですね。
 財源が豊かにあるんなら、有利子で借金をしてまで無利子貸付をするなどということはしない方がいいと私も思います。しかし、一般財源から繰り出せば、それだけ一般施策の予算を圧迫することになるわけです。実際、市町村の土木費などは、この三年間見事に減ってきています。当時の四分の一、五分の一ぐらいになっていると思うんです。仮に、この事業を推進するにしても、他の施策との公平性という点でも、余りにも異常な聖域ぶりではないでしょうか。
 昨年十二月に出された国の道路四公団民営化推進委員会をめぐっては、いろいろと取りざたがありましたけれども、今後どういうふうに法制化されていくかはわかりませんが、あの意見の中でいわれていることは、経営の自立性の欠如や経営責任の不明確さ、事業運営の効率性、不透明性なども指摘されています。首都道路公団についても触れられていますが、四十兆円もの負債を抱えた道路公団の抜本的な見直しが求められている状況の中で、今回のような理由もはっきりしない高額補正は到底認められないということを述べまして、私の質問を終わります。

○こいそ委員 それでは、同じく道路公団の関係につきまして、何点かお伺いしたいと思っております。
 先ほどいなば理事からも、王子線が昨年十二月に開通しまして、中央環状新宿線の開業の年度につきまして改めてお尋ねがありましたけれども、十八年度開業を目途として、現在進捗率が四五%であるというお話も先ほどありました。実際、十八年度の開業目途が、やはり今回も、ただいまもお話があったように、貸し付けが百四十九億円、そしてまた今後、十五年度の予算審議はこれからでありますけれども、予想されるところは、出資金が八十八億、貸し付けが百八十七億。そしてまた、出資金がトータルして一千八百二十二億円、残高が二千百五十九億円ですか、こういうような出資金、貸付残高が、当然にして、これは雪だるまじゃないけれども、大変ふえていく、一部償還もありますけれどもね。
 こういう現状の中で、私は、もう一つ、いうと、これは公団がやっているんだ、そういうお答えありますけれども、そうじゃなくて、やはり我々は都民に向けて説明責任を果たしていかなきゃいけない立場でもありますんで、改めて、十八年の開業目途についての、具体的にこういう形で進めていくんだ、こういう計画のもとで開業にこぎつけていくんだということあたりを教えてください。

○只腰都市基盤部長 首都高の中央環状新宿線でございますが、全体的な進捗率は、事業費ベースで先ほど申し上げたところ、やや半分を下回る四五%でございます。
 それで、用地につきましては、これは都道の山手通りを四十メートルに拡幅をするわけでございますが、全体としては八九%の進捗ということで、ほぼ道路部分については用地があいたような状況でございます。ただ、大橋ジャンクション、これは、高速三号線とジャンクションになるわけですが、その部分につきましては面的な用地買収が要るということで、現在六割ぐらいの進捗でございまして、再開発手法をあわせて組み込みながらやっていくということで、今後、用地につきましても、残された部分の取得に全力を挙げるということでございます。
 それから、工事でございますが、現在、先ほど申し上げたように、四分の一、二六%の進捗でございます。これは、工法といたしましては、基本的にはシールド工法を使っていきますので、立て坑をまず掘りまして、そこからシールドマシンを入れまして、それを掘削をしていくということになってございます。一部大江戸線と東中野の前後区間では重複をするわけでございまして、この部分はかなり先行して進んでおりますが、首都高のシールドをこれから押す段階でございます。
 それから、残りの区間につきましては、まだ一〇%から二〇%ぐらいの進捗になるわけでございますが、立て坑部分を今、鋭意掘っておりますので、そこを広げていきまして、シールドマシンを入れて掘削をするということでございます。
 最終的には、今お話ございましたように、十八年度の完成を目指して首都高で鋭意努力をしていくということでございます。

○こいそ委員 実際、工程的にはそういう方向で行くのではないかと思いますが、しかし、ただいま申し上げたように、今回百四十九億円の貸し付けがなされた、これは主に南側部分に対するいわゆる貸し付けになるそうでありますけれども、実際東京都として、私も、この環状線のいわゆる早期の完成といいますか、十八年度目途、これは望んでいる一人であります、渋滞解消とやっぱり環境問題、これをちゃんと含めた中で進めるべきだなと。
 しかし、そこで、工法的に、約九割ですかね、トンネル工法になってしまったということ。その中で、今のお話で、数字もかなり出てきておりますので、また何点か聞きたいんですが、現在用地買収が完了していない事態もありますよね。これがやはり工事着工の当然にしておくれにつながっている、これは、一部今ご答弁ありましたけれども、今後公団からの説明だけじゃなくて、やはり原因鑑定というものは、都としても、局としてももう少し状況認識を持つ必要があるのではないかと思うんですね。この点をもう一つ。
 それとやはり、地元に対しては、工事の理解が得られないために、工事進捗に影響が出ているのではないかという指摘、それと、高速道路公団自体の施工管理、工程管理によるいわゆる工事のおくれはどうなのか。これはすなわち、今回の路線の、これだけの九割方の地下工事に対して、首都高速道路公団は余り経験がないようでありますね。これらのことの中で、実際にどうなっているのか、その点を都としてはどう把握しているのか。
 それとともに、もう続けますけれども、先ほどからお話あったように、本事業は大規模な開削工事区間をシールド工法でつなぐ地下の高速道路工事でありますね。また、最近でもありますけれども、地下鉄十号線、大江戸線ですね、それから地下鉄七号線、営団の南北線で問題になったいわゆる工事の周辺での環境問題ですね、これが発生していますよね。これらの状況認識をどう受けとめられるか、このあたりちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○只腰都市基盤部長 何点かございましたが、まず第一点目の用地の関係でございますが、本線上は、山手通りを拡幅する部分につきましては、ほぼ九割以上の進捗でございまして、これはほとんど工程上は問題にならないと思います。大橋ジャンクションの部分が六割ぐらいでございまして、ここにつきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、なるべく道路側で取得をした上で、最終的には、そこに現地に残りたいと--ちょうど道路がループをかくような形になりますので、面的な非常に大きな面積を買収しなきゃいけないということで、必ずしも買収に応じられない方がいらっしゃいますので、そういう方は再開発事業の中に床として入っていただく、そういう工法で、あわせて行いますので、なるべく用地としては確保した上で、そういう面整備を組み合わせていくということになろうかと思います。
 全体としては、用地が必ずしもネックになっているということではないと思いますので、今後用地取得とかみ合わせながら工事の進捗を図っていくということになろうかと思います。
 それから、首都高が地下工事になれていないのではないか、また、施工管理がどうなのか、こういうご質問でございますが、確かにご指摘のように、これまで首都高というのは、道路の真ん中に高架橋を建てまして、そこにけたを乗せまして高架道路をつくるというのが主体の仕事をしてまいったわけでございますが、この中央環状新宿線の部分につきましては、周辺への環境対策等もございまして、地下化の工法を採用いたしまして、特にシールド工法で工事をしているわけでございます。この施工管理につきましては、大手の会社によりまして、一昨年知事も視察をいたしてございますが、大変大規模な工事でございまして、そういう意味で、沿道の方に工事公害等で直接ご迷惑をかけておるということは、私ども現在の段階では耳にしてございません。
 ただ、どうしても地下道でございますので、換気塔を立てなければいけないということで、この換気塔の部分につきましては、やはり地元の方のご心配もあるということで、デザイン面も含めまして、これから地元調整に入っていくというような状況でございます。

○こいそ委員 ちょっと私の質問が伝わらなかったところがありますが、続けます。
 今いろいろな土木技術が開発されていることは、もういうまでもありませんけれども、今回は大変大規模な土木ですね、大規模都市土木において、環境対策を十分に考えた施工方法はとられているとは思いますけれども、ここで私が特にお聞きしたいのは、環境すなわち地盤沈下に対する施工方法なんですね。これは先ほど十二号線、地下鉄七号線の話しました。このときもこの問題出ましたよね、補償問題に発展しましたよね。
 今回、私、今お尋ねしているのは、このいわゆる地下ですね、沈下に対する点でありまして、現在地下水を抜く工法が進められているのか、また、例えば工事中においての周辺に対する環境評価がいつものようにチェックができる体制になっているのか、問題を生じた場合はすぐに対処ができるのか、こういうようなことはどうなっているのか、現実問題として。これは公団がやっているんだから知らないよという話じゃないと思うんで、ちょっとお伺いします。

○只腰都市基盤部長 地下工事でございますので、まず一つは、立て坑を掘る、あるいは換気塔部分を掘るということで、立て穴を掘るわけでございますが、その掘ることによりまして、周辺の地盤が緩みまして、家屋が緩む、あるいは傾くというようなことが心配されるわけでございます。
 この家屋の周辺の工事による影響につきましては、工事の前それから工事をやった後との比較の家屋調査をやりまして、それを十分行う中で、もし万が一何か支障が出た場合は、誠意を持って対応するというのが基本的な考え方でございます。
 また今度は、その立て坑と立て坑の間のシールド区間でございますが、現在、シールド工法は大変進歩いたしまして、前面をあけないで、前面を閉塞して押すような形をとっておりますので、シールド工法による地盤沈下あるいは沿道への影響というのは非常に少なくなっているのではないか、また、これにつきましても、同じように沿道の調査の中で必要な、もし万が一そういう影響が出た場合は対処するということで行ってございます。

○こいそ委員 私は、地盤沈下の話を今させていただきましたけれども、要は、当然地下を掘っていけば地下水が出ますよね、これに対して、ちょっと具体的に先ほどもお尋ねしたんだけれども、どうなんでしょうか。

○只腰都市基盤部長 当該区間でございますが、山手通りの下でございまして、ご存じのように大変地盤のいい高台のところが大半でございます。そういうことで、現在私どもの聞いておる範囲では、地下水を抜いて、それによって特に支障が出ているということは、私どもの耳には入ってございません。ただ、何か具体的なことがございましたら、私どもを通じてでも結構ですので、お寄せいただければ、十分な対応をしたいというふうに考えております。

○こいそ委員 こういう公の常任委員会で質問しているんですから、それなりに私どもも調査をして質問をしているわけでありまして、その中で、今、地下水を抜くいわゆる工法が採用されている、いわゆる水を抜いていくわけですね、これはそうですか。

○只腰都市基盤部長 基本的に立て坑を掘る工法でございますが、いろいろな工法があるわけでございますけれども、地下水を抜いて、水位を下げて、いわゆるドライといいますか、乾いた状態にしてコンクリートを打つという工法も確かにございます。また、そのほか、上から筒を入れるような形でやる工法とか、いろいろな工法ございますので、具体的な場所等が特定できますれば、私ども、必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えます。

○こいそ委員 そんなものはおたくの方で調べればいい話じゃないですか。こういう事態があったら大変だよということで今話をしているんで、そのあたりは、だってこれだけ出資金も出し、貸付金は大変な高額な二千億円に上る残になってきているわけでしょう。あなた任せじゃ、これはしようがないね、はっきりいって。
 それともう一点は、水を抜く工法というのは、今やられているということでありますけれども、これがそもそも地盤沈下を招く要因じゃなかったんですか、これ。どうなんですか。

○只腰都市基盤部長 地下水の帯水層を含めて、そこを掘削をして立て坑を掘るという工法の場合でも、ディープウエルという、おっしゃるような、井戸を掘って、水を抜きまして地下水を下げてやる工法というのがあるわけでございますが、ここにつきましては、そういう工法ではないのではないかというふうに考えております。

○こいそ委員 本当にないですか。ないのではないかじゃ困るよ、これ、公の委員会でやっているんだから。どうなんですか、これ--これだけのお金出しているんだから、東京都が。

○只腰都市基盤部長 私どもとしては、そういう地下水を抜いて掘る工法は、ここではやっていないというふうに理解をしてございます。

○こいそ委員 それ、議事録、間違えなくそれ記入しておいて。もしこれが違ったら私、追及しますよ。大変な問題になるよ、これ、はっきりいって。地盤沈下の要因にも発展するんだから、これ。そのぐらいのことをあなたたちは何で把握できないの。いいです、これはもう後に、続けましょう。
 それと、続きますけれども、高コストということで、民営化のさまざまないわゆる答申ですかね、中でも出ておりますけれども、私は、これはあえて、きょうは時間ももう限りありますんで、後日にこれも譲らせていただきたいと思いますけれども、少なくとも、俗にいわれる中で、経済状況が大変今悪い、厳しいという状況の中、その中には、例えば給与ももらえない、中小零細企業は特に。ボーナスはもう当然もらえない、こういう方々が、大変深刻な状況を迎えて、企業活動を初めやられている現状がありますよね。
 そういう中で、公団の、これは指摘も今までありましたけれども、少なくとも東京都も一人理事を送っている、そしてまた、国からも理事級--理事が送られていますけれども、これはあれでしょう、一たんいわゆる退職して、退職金を得て、なおかつまた、大体平均四年ぐらいですかね、勤務年数というのは。その中で、高額の給与を得て、なおかつ高額退職金だね、これは世間一般に見て、ここに数字もあるけれども。こういう状況。
 それと、それだけじゃない、やはりこれも指摘をされているけれども、特にこの首都高速道路公団においては、子会社四社、関連会社八社、関連公益法人四社、これが鈴なりのようにありますよね。こういう状況の中で、例えば発注委託形態というのはどうなっているんでしょうかね。

○只腰都市基盤部長 首都高の発注方式でございますが、基本的には、国の公団でございますので、私ども地方公共団体と同じでございまして、指名競争入札を基本に、そのほかの手法もあわせて行っているものというふうに理解してございます。

○こいそ委員 いや、ここで私があえて聞きたいのは、競争原理が働いているかということなんですよ。すなわち子会社、関連会社、これは法人もあるけれどもね、少なくとも、料金徴収を初め、メンテナンスでしょうかね、維持管理含めた日常的な業務に携わっている部分がありますよね。こういうあたりでどのような、例えば特別随意契約、一定的な予算枠の中で、見積もり合わせなのか、どういう形でこれは契約を行っているかということを聞きたいなと思ったんですよ。

○只腰都市基盤部長 本日手元に、具体的な公団の契約業務にわたる詳細な資料を手持ちに持ち合わせてございません。申しわけございません。

○こいそ委員 じゃ、いいでしょう。それは後日でいいですよ。
 いずれにしても、これが事公団であるから知らぬ存ぜぬで、金は出すけど口は出さないということじゃないと思うので、やはりこれだけ莫大な--莫大ですよ、確かに投資対効果は、我々は期待しますよね。期待しますよ、渋滞解消というね、環境問題含めた。しかし、少なくとも実際行われていることが、東京都からこれだけ都民の税金がこの公団に注がれていることに対する現状の、やっぱり我々も知る、また知らせる、説明する、さっきもいった説明責任が我々はあるので、あえてこういう話も聞かせていただいたわけでありますけれども、厳しい厳しいと、四十兆円の公団の累積の赤字が出ているということの現状。それから、やはり先ほどの話で、当初の都負担が、トンネル工法になったという話もあるけれども、果たしてそれだけの問題であるのかどうなのか、このあたりですね。やっぱりそのあたりだって、原因関係はもう少し洗っていく必要性はあるとは思いますよね、今後、民営化という中でもね。
 これは後日として、そこで、これは本会議でも出ましたけれども、拡大首都高速道路ですね、民営化後ですね。アクアライン、原案では第三京浜が今度入るようでありますけど、特に圏央道の以南というんですか、圏央道の範囲内というか内側ですね、内側の、例えば首都高から中央高速道路に接続する三鷹-八王子間ですね。このあたりは、やはり私どもとしても過去の経緯、経過踏まえて、また東京都は、本来これだけのさまざまな出資、公団に対して、首都高速道路公団に対しても手当てをしている部分はあるわけだから、ここでやはり民営化という一つの大きな転換点の中で、ぜひこのあたりは主張していただきたい。また、実現方を図るように取り組んでいただきたいなと思うんですが、そのあたりどうでしょうか。

○林委員長 ちょっと局長、こいそ委員がいわんとしているところは、恐らく委員はみんなわかると思うんですよ。都としての主張をやっぱりもっとしろというような意味合いも含めて、できれば局長から答弁どうですか。

○勝田都市計画局長 今、こいそ理事からるる詳細なご指摘がございました。私どもの方も、大変多額な出資金、貸付金、しておりますので、それ相応の責任があるという自覚は持っておりますけれども、今お話、ご指摘いただいていて、不十分な点もあるんじゃないかなというふうに思っておりますが、なお一層、そういう点については私どもの方も力を注ぎたいというふうに考えます。
 今の拡大首都高の関係でございますが、道路四公団の議論の中でもいろいろな議論があって、今の案ですと、大体外環ぐらいを境に、拡大首都高のエリア、しかも、採算性という意味では若干問題はあろうというアクアラインをそれに加える、こんな案でございまして、私どもの方としては、こいそ理事おっしゃるとおり、せめて圏央道まで含めて、東名とか中央とか、そういう採算性のある路線と一緒にすべきじゃないかと、こういう主張をしてきております。
 今後、いろいろ議論が深まってまいります。そういう機会もあろうと思いますし、こちらから機会をつくる必要もあろうというふうに思います。いろんな機会をとらえて、東京都の主張を強く申し入れていきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

○こいそ委員 局長から決意のほどを今聞かせていただきましたし、また、いずれにいたしましても、私どもが質問している趣旨といいますか、思いというのはご理解いただけるのではないかと思いますが、今後、予算の委員会もございますし、また、それぞれの場で、できるならばこういう説明をはっきりと出していただきたい。
 そしてまた、かかる懸案の、今申し上げた拡大首都高の件でございますけれども、これについても、やはり実現方を図るという強い姿勢でもって交渉にも臨んでもらいたいし、我々がまた何ができるのか、ただいうだけじゃなくてね、そういう連携というのも当然必要かと思いますので、そのあたりもよろしくお願いをしたいと思います。

○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市計画局関係を終わります。

○林委員長 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十四号議案、平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○町自然環境部長 去る二月四日の当委員会でご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の資料、都市・環境委員会資料の表紙をおめくりください。
 ご要求いただきました資料のうち、本日ご説明申し上げますのは一項目でございます。保全地域にかかわる公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移でございます。
 平成六年度から十五年度までの各年度における公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額をお示ししております。
 (注)1にございますように、平成十四年度の公有化予算額は、十五年度予算要求額約十八億円のうち七億円について前倒し実施するための補正後の数字でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○こいそ委員 それでは、ただいまの公有化制度につきましてお尋ねしたいと思いますが、公有化制度は、保全地域に指定されて初めて適用されるものだと。保全地域の種別と、その指定の方針はどのようになっているのか、このあたり教えていただきたいと思います。

○町自然環境部長 保全地域は、平成十二年度の条例改正によりまして、森林環境保全地域と里山保全地域が加わりまして、これまでの自然環境保全地域、歴史環境保全地域、緑地保全地域と合わせまして五つの分類になっております。
 保全地域の指定につきましては、東京に残された自然の保護という観点から、自然性豊かな緑が多く残っている丘陵地や山地の緑地としていくことが適切であるという東京都自然環境保全審議会の答申を踏まえまして、広域的な視点からの取り組みが求められる山地から丘陵地の緑を主たる対象とすることとしております。

○こいそ委員 山地から丘陵の緑を主たる対象としているということでありますけれども、保全地域の指定をされていない多摩地区の自治体、市があるようでありますが、どのような理由のもとで今まで指定がされてこなかったのか、このあたりお願いします。

○町自然環境部長 保全地域の指定は、昭和四十九年度の野火止用水歴史環境保全地域を第一号といたしまして、これまで四十四カ所、約六百八十八ヘクタールを指定しております。
 保全地域の指定には、当該の場所が、まとまりのある緑地が残されているなど保全地域としてふさわしい条件を備えているほか、地元自治体や地権者等の理解が必要でございます。また、平成十三年度以前につきましては、自然公園の区域は保全地域に含まれないものとしておりました。
 これらの結果といたしまして、現在、多摩市、稲城市、狛江市、府中市の四市が、保全地域のない市になっております。

○こいそ委員 多摩市、稲城市初め四市が指定対象外になっているわけでありますけれども、多摩ニュータウンの事業によって、ご案内のように大きな自然が失われてきたわけでありまして、この復元についても、また保全についても、これは、東京都が山地から丘陵の緑をしっかり守っていくんだという趣旨から考えれば、私は、当然にしてこの地域も指定対象とされるべきではなかったのかと思うんですね。
 それとともに、都立の桜ケ丘公園ですね、これは自然公園の対象になるわけですかね。

○町自然環境部長 桜ケ丘公園は都市公園になります。

○こいそ委員 現在、多摩市、稲城市が、保全地域は、先ほどからのお話の中で、地域指定が一カ所もなされてない。また、多摩市には連光寺という地区がありまして、いわゆる国分寺崖線、または、その対岸でありますけれども崖線緑地だとか、また、これは昔から遺跡もかなり出ておりますけれども、和田緑地といった良好な緑地帯が連なっているわけなんですね。適切な保全対策をぜひ講じていただきたいなと思うんですが、最後によろしくお願いします。

○町自然環境部長 お話の連光寺崖線緑地や和田緑地は、傾斜地にまとまった緑を形成している場所でございまして、この二地域につきましては、平成十三年度の多摩都市計画の市街化区域及び市街化調整区域の整備開発または保全の方針では、おおむね五年以内に都市緑地保全法の緑地保全地区に指定することが予定されております。
 この二地域の保全につきましては、これらの動向を見ながら適切に対応してまいります。

○野上委員 では、ディーゼル車対策についてお伺いいたします。
 石原都知事も第一回定例会の施政方針演説の中で、最も身近な危機である大気汚染に関しては、これまでの取り組みの到達点として、本年十月より、基準を満たさないディーゼル車への走行規制を開始いたしますと、延期することなく開始するということで述べておられました。昨年九月に違反ディーゼル車一掃作戦を開始して以来、粒子状物質減少装置の装着が大幅にふえているほか、百貨店協会を初めとする企業、業界でも自主的な取り組みが始まっております。対策は着実に進んでいるとありますが、ディーゼル車の買いかえを促進するため、既存の融資制度を活用できない小規模零細業者、零細事業者にも利用が可能となる新しい融資制度を創設し、円滑な実施に向けて、今後、さらに相談体制と広報活動を充実し、きめの細かい対応を図っていく予定であると、知事も力強く述べておられました。
 ディーゼル車に関する規制は、東京都の条例、国のNOx・PM法、大気汚染防止法が複雑に関係しております。支援策も、融資あっせん、PM減少装置の補助などいろいろなメニューがあります。事業者の方から、どう対応したらいいのかよくわからないという声もお聞きいたします。実際に私どもの方に相談に来られた方々には、車検証を持ってきていただいて、それを参考に、一番よい方法を選択していただくようにしておりますが、電話等で一般論で相談された場合は、私にもよくわからないんですね。
 一緒に具体的に考えていこうというような形になっておりますけれども、例えば今回の補正予算で、平成十五年度予算案に盛り込まれた新しい融資制度が前倒しで計上されております。表の中に書いてありますけれども、事業者のために選択肢がふえるのは大変喜ばしいことですけれども、融資制度だけでも三種類になると、それぞれがどんな特徴を持った制度なのか、支援策の全体像がわからないと、かえって判断に迷うという声をお聞きいたします。
 そこでお伺いいたしますけれども、現在の融資制度と新しい融資制度、また、十五年度予算になりますけれども、政府系の金融機関を活用した融資制度、それぞれどのような特徴があるのか、また、どのような利用者を想定しているのか、お伺いしたいと思います。

○松葉環境改善部長 ディーゼル車の買いかえのための三つの制度の特徴と利用者の想定についてでございますが、まず、現行の自動車低公害化促進資金でございますけれども、東京都信用保証協会の信用を得まして融資が行われるものでございます。これは都の融資制度の一つとなります。
 また、利用者でございますが、担保は提供はできないが、信用保証やその企業としての貸し付けの枠に余裕のある中小企業を想定しているところでございます。
 それから、政府系金融機関の公庫の融資でございますが、利子は低利でございまして、有利な制度であるわけでございます。現在のところ、利用の実績は低い水準にございます。これは、利用者に制度自体が知られていないということや、第三者の連帯保証人あるいは物的担保、信用保証のいずれかが必要であるというようなことが考えられます。
 利用者といたしましては、連帯保証人、物的担保の提供ができ、あるいは信用保証を得ることができるなど、比較的担保力や信用力のある企業が想定できます。
 次に、今回設けました新たな融資制度でございますが、民間保証機関が購入車両を所有権留保をいたしまして、金融機関から融資を実現するものでございます。
 利用者といたしましては、保証枠に余裕がない、担保提供ができないなどの理由により現行の融資制度を利用することができない小規模な零細事業者を想定してございます。
 この三つの制度は、あわせまして併用が可能でございまして、今後、それぞれの制度の特徴を周知するとともに、企業の方々に、実情に応じまして十分活用していただきたいというふうに考えております。買いかえが今後一層促進されますよう努めてまいります。

○野上委員 この、さっきいわれました一番、二番の融資というのがなかなか借りられない方に関しては、三番目の新たな融資制度というのは、大変厳しい経営状態にある中小零細事業者にとっては期待が大きいところだと、私は評価をしております。車を買いかえたいけれども、車の使用状況や経営状況から、DPFや酸化触媒を装着しようとする事業者もおります。
 ところが、都の補助制度と国の補助制度で違いがあって、対応に困っているという声をお聞きするんですね。都のPM減少装置の補助制度は、所有者や補助対象車両などの要件がどうなっているのか、改めてお伺いしたいと思います。

○山本自動車公害対策部長 東京都のPM減少装置装着に係る補助制度でございますけれども、装置装着の補助対象者は、車両総重量三・五トンを超えるディーゼル車の所有者または使用者でございます。
 また、PM減少装置は、装置を指定した際にお示しいたしました装着対象車両につけるのでございましたら、補助対象となります。PMの排出の多い、いわゆる平成元年規制車につきましてはDPFの装着が必要でございまして、登録年度にかかわらず補助対象としております。
 また、いわゆる平成六年規制の車につきましては、DPFではなく比較的安価な酸化触媒で対応することが可能でございまして、これも補助対象といたしまして、事業者の負担軽減を図っております。

○野上委員 今の答弁ですと、例えばNOx・PM法による車検の有効期限が短いために、一般的には買いかえが妥当と思われるというようなときでも、DPFをつける場合は補助金の対象となるということになるわけですね。都の方は、事業者の選択の幅を広めて、広く支援を行っていることは理解できるんですけれども、これに対して国は、現在、PM減少装置の補助対象が限定されていますね。
 そこで、この前、我が党の四定の代表質問で、国の補助金の要件緩和を強く要請すべきだと求めましたが、その後、国の対応がどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

○山本自動車公害対策部長 国は現在、車両総重量八トンを超えるディーゼル車へのPM減少装置装着に対して補助を行っており、補助対象車はNOx・PM法対策地域の運送事業者に限定をしております。一般の事業者の負担軽減や流入車対策を進めるためには、国の補助要件緩和を実現する必要がございまして、この間、七都県市とともに国に強く要請をしてまいりました。
 その結果、国は、十五年度におきまして補助対象地域を全国に拡大するとともに、自家用車、いわゆる白ナンバーも補助対象とする予定であるというふうに聞いております。

○野上委員 都ほどではないけれども、国の補助要件が大幅に拡大して、特に自家用の白ナンバーまで対象になったことは、都内の事業者にとっては本当に喜ばしいことだと思っております。また、全国が対象となったことで、都のディーゼル車規制で対象となる都外からの流入車にとっては、大きな支援策になるとは思います。
 一昨日ですか、やっぱりディーゼル車をお使いのある業者の方々から相談をお受けいたしました。今回の都の支援策や条例や法律の関係などについても、詳しくお話をいたしました。そこの会社は、大変信用のある、小さな会社なんですけど一生懸命働いているところなんですけれども、仕事自体は、ありがたいことに途切れることなく続いてあるそうです。また、今ちょうど年度末を控えて、すごく忙しいというふうにおっしゃっていました。その日は土曜日だったんですけれども、仕事を半日休んで、都庁まで来ていただきました。
 しかし、銀行からの融資は望めないということなんです。借金も一円もなくやっているんですけれども、銀行からの融資は望めないと。そのまま事業をしていても、二年後に景気がよくなるかどうかもわからない。特に自分たち零細企業に融資をしてもらえるかどうかが本当に死活問題だということで、不安を訴えておられました。
 まさに、今回の三番目の融資制度の対象としている方々なんですけれども、本当にこういうまじめな事業者が、融資を受けられて事業を継続できるのか、実際の見通しをお伺いしたいと思います。実際です。

○松葉環境改善部長 今回の新しい融資制度でございますが、既存の融資制度を利用できない中小企業者も利用可能な制度であります。債務超過や赤字決算などの場合でも、現金などの流れなどから返済可能な計画と認められれば、融資を受けることも可能であります。
 東京都では、このような制度の創設の趣旨に沿いました融資が実行されるよう、金融機関及び保証機関に要請してございます。金融機関側も積極的な協力を約束してございます。三月三日から取扱金融機関で融資申し込みの受け付けを開始いたしますが、都としては、各金融機関の融資実行状況などを把握するなど、本制度が有効に活用されるよう努めてまいります。

○野上委員 よろしくお願いいたしたいと思います。
 実際には、十年以上車を使っている方が本当に多いんですね。本当は、装置をつけるよりも車を買いかえることがいいのは、だれでもわかっているんですね。しかし、一台大体千二百万とか千五百万の、中古のマンションを買うぐらいのお金がかかりますので、本当に車を買いかえるというのは、一時に多額の資金が要るわけです。環境問題に努力をして車を買いかえるのも、東京の経済を不況から脱出させようと懸命に働いているのも、同じ中小零細企業の方々なんです。
 環境局としては、この点を十分に認識して、都全体を見渡して、何としても新しい融資制度を成功させていただきたいと思います。最後に局長のご決意をお伺いして、質問を終わります。

○小池環境局長 ただいま野上理事からご指摘がございましたように、我が国の長期にわたる経済不況のもとで、中小零細企業の方々が非常に厳しい経営環境に置かれており、不況からの脱出に懸命に努力していることにつきましては、私どもも十分認識しております。
 現在、東京の経済を支える中小零細企業への支援は、都政にとって緊急かつ最重要な課題ということで、全庁挙げて取り組んでいるところでございます。環境局といたしましては、このような大変厳しい経営環境のもとではありますが、ディーゼル車規制にご協力いただいて買いかえを促進することは、大きな課題となっております。
 そこで、従来の融資制度を利用できない中小零細企業者の方でも買いかえ融資が可能なように、今回、全く新しい融資制度を組成したところでございます。本制度の公表後、反響も大変大きく、中小零細企業者の期待の大きさをひしひしと実感しているところでございます。今後、融資の状況を十分に把握しながら、既存の融資制度と新制度が有効に活用され、ディーゼル車の買いかえが一層促進されるように、全力を挙げて努めてまいります。

○こいそ委員 手短に。同じくディーゼル車の規制に対する融資も含めまして、これについて何点か聞かせていただきたいと思います。
 早くも、ディーゼル車規制開始まであと八カ月となってまいりましたが、その間、環境局も大変ご努力をいただきまして、今まで融資制度を利用できない事業者を対象とした新たな融資制度の創設や、また、さらにその一部を十四年度に前倒しして実施をしていくなど、私も大変評価させていただきたいと思います。
 しかし、それらは評価できるわけでありますけれども、ただいまお話が、やりとりがありましたように、これらの融資を含めまして、各中小零細事業者が実際上どのように活用をしていくのか、現実にどのように情報を収集しながら対応を進めていくのか、装着なり買いかえなりですね、これらのことを、私どもがいろいろなところから聞く中で、私たちも直接ご担当の方々ともいろいろやりとりさせていただきまして、努力をしていることもよくわかるんですが、またもう一面、例えば先ほどの営業ナンバーから白ナンバーの車両にも対象として拡大されてきたと、国でしょうけれども、これなんかも、やはり歓迎すべきところだと思うんですね。
 しかし、さりとて、どうも我々の想像以上に運送会社初め厳しい経営、まさに環境に、真っただ中に置かれている方々からすると、この融資を受ける、二年後、NOx・PM法が施行されるから、どうしても買いかえていかなきゃいけない。例えば先ほどの総重量八トン、これが、保有台数が六台以上だったですか、これは国ですけれども、対応されるということ。しかし、中小零細企業者なんかにおいては、なかなかこれをクリアできないこともある。
 いろんなことを我々聞くわけでありますが、その中で二十万二千台という規制対象車があるわけで、都はせんだって、ディーゼル車の総合相談窓口を設置されたということでありますけれども、この辺の対応はどうなっているのか。実際上、窓口に具体的な要望等、大変多数相談が来ているかと思いますけれども、このあたり、きょう現在の状況について教えていただきたいと思います。

○山本自動車公害対策部長 総合相談窓口での受け付けの件でございますけれども、二月の当初から総合相談の受け付けを開始いたしましたが、実は一月も、二十九日ぐらいから総合相談窓口の方へいろんな相談が来ておりまして、これまで一番多かったのは、電話が一日六百件を超えております。来客につきましては、直接来られた方は、一日九十人弱というようなことで、一日当たり平均いたしますと、ほぼ二百人を前後するような方々が、電話または直接来られて、相談に応じているというような実情でございます。

○こいそ委員 かなり、このいわゆる反応というんでしょうかね、窓口に電話なり来庁されるという方々、大変多いと思いますけれども、そういう中で、例えば来庁されるというお話でありますが、多摩にも多摩環境事務所がありますよね。これら事務所で対応できるような体制というのは、現在どうなんでしょうかね。

○山本自動車公害対策部長 現在寄せられております相談は、電話によるものが大部分でございます。これに対しましては、私ども総合相談窓口の中で専用の回線を四本引きまして、常時四名の専属相談員を配置して、これに対応してございます。
 さらに、十八回線で応援の職員が電話を受けることができるようにしてございまして、電話相談には十分対応ができるというふうに考えてございます。
 また、相談内容につきましては、PM減少装置の装着が車種によって異なるなど、技術的に難しいものもございまして、豊富な知識のある職員を配置した現行の総合相談窓口で一本化して対応することが望ましいと考えております。
 しかしながら、多摩環境事務所におきましても、総合相談窓口とはいきませんけれども、補助金申請の受け付けであるとか、あるいは融資制度のご案内のほか、ディーゼル車規制にかかわる基本的な質問等には答えられるようにしていきたいというふうに考えております。

○こいそ委員 いわゆるDPF装置、酸化触媒、とりわけDPF装置の装着に当たって、これは電話の応対だけで、いわゆる問い合わせがあった、説明をしていただく、そこで一回で理解できるというのは、相当知識を持ってないとなかなか難しいんじゃないかという点もあると思うんですよ。例えば、取りつけに当たって、構造上つけてみなきゃわからないというのが、実際上、整備事業者からの話なんですね。それに備品類ですわね、それから実際上の装着、このトータルした中で、当然二分の一の補助じゃできないですね。かなり価格的に、メーカーによってはばらつきがありますけどね。しかし、さりとて、一番不安を持っているのは、一定車両を持っていて、どうしてもここのところはしのがなきゃいけない。要するに十月一日のことですよね。
 そうした場合、酸化触媒はいいんだけど、DPF装置だと、どうしても古いから、そうした場合、価格的に、これ、非常に不安なんですよね。つけてみなきゃ、構造上の話もあるし、それぞれメーカーがその車種に合うかどうかということもあるでしょうし。こういうところは、非常に不安感を持っているような感がするんです。こういうところの説明というのは、私は、平均して一日二百件ですかね、大変高い相談件数だとは思いますけれども、このあたりは、もう少し何とか、直接会って説明をするということも当然予想されると思うんですね。ですから、それだけの相談体制をぜひ確立していただきたいなと思うんですね。
 それともう一点、先ほどちょっとお話が途中にありましたけれども、とりわけ中小零細企業の状況から見たとき、今まで、東京都がことし、十五年の十月一日から施行すると、大騒ぎしましたね、各業界団体ともに。今、やっぱり見えてきた部分もあると思うんです。ところが、力のあるところ、大手ですよね、そのところは、どこといいませんけれども、だんだん買いかえなり装着なり、それぞれ担当者がしっかりといるわけだから、融資担当者が、じゃ、どこと折衝するか、DPF、どこをどうするか、割とスムーズにいく、力もあるし。
 それで、一番のあれは、やっぱり中小零細なんですよ。ここの部分。これはどういう話をするかというと、率直にいわせていただいて、いや、そんなことないなんて必ずいうかもしれないけど、これ、実際の話ですから。これ、整備工場からも聞いてる話なんですよ、何軒かの。今、かなり問い合わせ件数がなくなってきたっていうんですよ、反対に。
 それはどういうことかというと、要するに二分の一補助じゃできない。それから先行き的に、構造上どの程度高くなるかわからない。先行きって、DPFですね。それから買いかえにしても、二年後のNOx・PM法施行のときまで買いかえをする。買いかえしたって、返済しなきゃならない。当然なことだといえば当然ですけどね。それで、それに見合った荷が、どれだけ売り上げに反映できるか、こうやって試算したときに、これは、率直にいわせていただいて、十月の一日以降、走らせちゃおうじゃないかと。そして、恐らく注意されるでしょうと。それで、もしだめだったら、廃業しようじゃないかというところのぎりぎりまで選択をしている人というのは少なくないという現状もあるんです、はっきりいって、現実問題として。非常に深刻なんですよ。一時、わあっとなって、どうしてくれるんだっていう話があった。それから段階的、段階的に、日を追っていくと、かなり分かれてきているんだ、これ。あとはもう、これはしようがない、二回、三回の警告は必ずあるだろうとしたときに、金を借りたとしたって、当然そうだ。上からどんどんたたかれていく、荷主さんからどんどんどんどん。そうしたときの話等いろいろ見たときに、そういうところも少なからずあるんですよ、現状として。
 だから、私は何をいいたいかといったら、もっと、いわゆるPRというか広報というか、親身になって、一大的な、都民に与える影響の大きい--これは、十月一日ですからね。これは、私はやっぱり受ける側じゃなくて、もう少し、業界団体というのは、例えばトラ協もあるでしょうし、バスの協会もあるでしょうけれども、しかし、そのほか--そのほかということはないな、やっぱりそういうところにも、もう少しきめ細かい対応というんですかね、情報収集するなり、こういうことは、私はぜひやってもらいたい。
 ということは、窓口できましたぜと、六百人来てるんだよと、対応はしてるんだと、どうだという話じゃなくて、これから勝負だと私は思うんですよね。こういうことで、ぜひお願いしたいと思います。これは、ちょっと局長お願いします。

○小池環境局長 今、先生がご指摘のとおりの状況というのは、まだまだあると思います。私ども、一つは、そういう今回の規制のことについて、広く具体的なところで知っていただくということで、まず総合窓口相談を設けたわけですが、それ以外にというか、それとあわせて、既に昨年の十月から、違反ディーゼル車一掃作戦というのを実施しているわけですけれども、これにつきまして、そのときにユーザーの方々、特に二十台以上の人たちにつきましては、自動車Gメンが個別に入っていく。四千社を対象にして既にやっておりまして、今、約三千五百社ぐらいまで回ってきております。年度内には、目標をすべて達成しようと。それから二十台未満の所有者のユーザーの方には、今月いっぱいにストレートにダイレクトメールを、このいろんな現在の規制の状況だとか、どう対応するか、東京都の支援措置はどうだというようなことを予定しております。
 それとあわせて、荷主の方々、実際に荷主の方々は、ディーゼル車を運送委託したりしておりますので、そういった方々にも、事業者団体等を通じて、個別にまた説明に入るというようなことをやっております。ただ、こうやりましても、それぞれまた個別に、それでもご存じない方もいらっしゃると思いますから、先生ご指摘のように、機会を設け、あらゆる形で、知っていただくことがまず先決だと思いますので、最大努力していきたいと思います。

○こいそ委員 中小零細企業の方々に対するきめ細かい対応が今こそ求められていると思いますので、ぜひよろしく特段のご配慮、対応をお願いしたいと思います。要望です。
 もう一点、都は、東京の大気汚染の現状をここまで悪化させてきた根本原因は--私も、国の自動車排出ガス規制の怠慢に全くあると思います、はっきりいって、ここまで引きずってきたことは。これについては、全くそのとおりだと思います。しかし、自動車メーカーの責任は、これはあるんじゃないか。東京公害訴訟の判決があったけれども、どうも自動車メーカーについては、直接的な判決は出ておりませんでしたけれども、国の規制値に沿って自動車をつくったからといって、自動車メーカーにも大気汚染に対する責任は、当然にして、現状認識をする中では、あると思うんですね。
 都は、今月の二月六日にディーゼル車、メーカー七社ですか、これを集めて協力を要請したというようなお話を伺っているのでありますけれども、規制特需じゃないですけど、この駆け込みに当たって、まさにメーカーひとり勝ち。今までは、価格を少し下げても何とかって販売したところが、もう全然変わっちゃって、売る方の論理論法でいくことがあったら困りますのでね。そういう中からも、都は自動車メーカーの責任についてどう考えているのか、改めて見解をお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。

○山本自動車公害対策部長 お話にもございましたとおり、東京の大気汚染の根本的な責任は、国の自動車排出ガス規制の怠慢にあるというふうに考えております。しかしながら、自動車排出ガスが大気汚染の原因である以上、都民、国民の生命と健康を守る観点から、自動車メーカーには、排出ガスの低減に努める社会的責務があると認識をいたしております。
 自動車メーカーは、大気汚染の解決に向け、低公害車の早期開発、販売はもとより、これまで販売してきた有害な物質を排出する使用過程車への対応についても、最大限取り組むべきと考えております。

○こいそ委員 最後にします。いずれにしても、都は、これらメーカーの社会的責任をしっかり果たしてもらうように、具体的に今後も強く関係者に求めていただきたいと思うんですね。また、自動車メーカーに対して、これは継続的に指導というんでしょうかね、要望も含めて、今後ともさらなる要望、要請等々ですね。これは局だけじゃない、全庁挙げて、これらの自動車メーカーの責任と明確な社会に対する一つの対応を示せるように、ぜひ働きかけをすべきだと思います。最後に、局長どうでしょうか、きょうは出番が多いですけど。済みません、本当に最後だ。

○小池環境局長 先ほど来、委員の皆様方からご指摘ございますように、最終的に東京都のディーゼル車規制で対応しなければいけないのは、中小零細企業の方々が大勢いらっしゃると。現下の経済の環境のもとでは大変厳しい環境の中に置かれているということで、ご指摘のとおりでございますので、先ほど部長が答弁いたしましたように、自動車メーカーにつきましては社会的責任があると。社会的責任といいますのは、これだけの大気汚染を軽減するのに、自動車メーカーとしても、そういう中に加わって努力する必要があるということでございますが、そういった中で、実際に対応するのが中小零細の自動車のトラック業界の方々ということになれば、そういった方々の負担を軽減するということにやっぱり努力をすべきではないか。私ども、先回の会合でもそういうことを要請したわけですが、引き続き、そういうことを機会あるごとに強く求めてまいりたいと思います。

○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。

○林委員長 それでは、これより付託議案の審査を行います。
 第百三十四号議案、平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市・環境委員会所管分及び第百三十八号議案を一括して議題といたします。
 本案については、先ほど質疑を終了しております。
 この際、本案について発言の申し出がありますので、これを許します。

○かち委員 採決に先立って、日本共産党都議団としての意見を述べさせていただきます。
 第百三十四号議案についてですが、環境局関連の補正予算は、環境保全費で新たなディーゼル車融資あっせんの前倒し策としての十億五千八百七十五万円は、都としての一定の積極姿勢は見えるものの、実際、中小規模事業者の、新車を買いかえたくても融資を受けられない実態があるという事実をしっかりと見きわめていただきたいと思います。たとえ新制度ができても、中小業者の負担感は依然としてぬぐい切れないものです。国とメーカーの社会的責任というものが果たすべき役割は大きく、今後、NOx・PM法が施行されますと、指定地域だけで三百万台も規制車があるともいわれております。こうした中で、使用過程車のNOx・PM削減装置の実用化への研究開発も早急に進めるよう、国やメーカーに都として要望すべきだと考えます。
 保全緑地の公有化七億円の補正は、指定した保全地域を末永く保全していくために必要な措置であると考えます。しかし、公有化予算の推移を見ると、平成七年度以降、毎年削減されています。特に今回は、補正の関係から、十五年度予算が今年度の当初予算のほぼ半額になっています。東京の自然環境保全の立場から、もっと積極的に公有化を促進されるよう求めるものです。
 都市計画局関連では、補正額の七〇%、百四十一億円が首都高速道路公団への法的義務のない無利子貸付金であり、結果的に当初予算の四五七%もの最終貸付予算となっています。厳しい財政難といわれている中で、このような突出した補正額は、他の施策との公平性という点からも認めがたいものです。道路公団民営化推進委員会での議論にもあるように、コスト削減への努力や財政運営の透明性という点でも、厳しく指摘されています。国を挙げて問題になっているさなかに、全く聖域的に多額の公的負担が認められるこのような補正予算には反対するものです。
 なお、特別会計補正予算百三十八号議案、都市開発資金会計二十四億七千三百五十万円は、公園用地の取得費であり、賛成いたします。
 以上です。

○林委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百三十四号議案、平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市・環境委員会所管分を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○林委員長 起立多数と認めます。よって、第百三十四号議案、平成十四年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市・環境委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百三十八号議案、平成十四年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、第百三十八号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十三分散会

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