都市・環境委員会速記録第一号

平成十五年一月二十一日(火曜日)
第五委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長林  知二君
副委員長織田 拓郎君
副委員長真鍋よしゆき君
理事野上じゅん子君
理事いなば真一君
理事こいそ 明君
清水ひで子君
大河原雅子君
山田 忠昭君
かち佳代子君
樋口ゆうこ君
大塚 隆朗君
林田  武君
新藤 義彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市計画局局長勝田 三良君
次長藤井 浩二君
理事小林 崇男君
総務部長飯山 幸雄君
都市づくり政策部長森下 尚治君
都市づくり調整担当部長南雲 栄一君
マスタープラン担当部長河島  均君
都市基盤部長只腰 憲久君
外かく環状道路担当部長成田 隆一君
参事宮川  昭君
都市防災部長柿堺  至君
市街地建築部長野本 孝三君

本日の会議に付した事件
 副委員長の辞任及び互選
 理事の辞任及び互選
 都市計画局関係
  報告事項(説明・質疑)
  ・第百五十七回東京都都市計画審議会付議予定案件について

○林委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、副委員長、理事の辞任に伴う役員互選を行うとともに、都市計画局関係の報告事項に対する説明聴取と質疑を行います。
 初めに、樋口ゆうこ副委員長から、本日付をもって副委員長を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、樋口ゆうこ副委員長の副委員長辞任は許可されました。

○林委員長 次に、織田拓郎理事から、本日付をもって理事を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、織田拓郎理事の理事辞任は許可されました。

○林委員長 次に、ただいまの樋口ゆうこ副委員長の辞任に伴い、副委員長一名が欠員になりました。
 これより副委員長一名の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○大塚委員 委員長より指名推選をしていただきたいと思います。

○林委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長に織田拓郎委員をご指名申し上げます。ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。副委員長には、織田拓郎委員が当選されました。
 織田副委員長から就任のごあいさつがございます。

○織田副委員長 ただいま同意をいただきました織田でございます。
 林委員長をしっかり補佐をいたしまして、委員会の円滑な運営に、微力ではありますが、全力を傾注したいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○林委員長 次に、織田理事の辞任に伴い、理事一名が欠員になりました。
 これより理事一名の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○大塚委員 委員長より指名推選をしていただきたいと思います。

○林委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。それでは、理事に野上じゅん子委員をご指名申し上げます。ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。理事には、野上じゅん子委員が当選されました。

○林委員長 議席の変更についてお諮りいたします。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認めます。よって、議席は、ただいまご着席のとおりと決定いたしました。

○林委員長 これより都市計画局関係に入ります。
 初めに、さきの人事異動により、都市計画局の幹部職員に交代がありましたので、勝田局長から紹介がございます。

○勝田都市計画局長 十二月十六日付で人事異動がございました。お手元の名簿に従いまして、当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 航空政策担当参事の宮川昭君でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○林委員長 紹介は終わりました。

○林委員長 次に、第百五十七回東京都都市計画審議会付議予定案件について、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○勝田都市計画局長 新しい年を迎えまして、ことしも引き続き、どうぞご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
 三月十二日に開催を予定しております第百五十七回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきまして、本日ご説明を申し上げます。
 今回、東京都決定案件が全部で十件ございます。その内訳は、区部で七件、市町村部で三件でございます。
 本日は、これらのうち、主な案件といたしまして、赤坂九丁目地区地区計画、臨海副都心有明南地区地区計画、幹線街路放射第五号線を説明申し上げます。
 それでは、引き続き担当部長から説明をいたしますので、よろしくお願い申し上げます。

○森下都市づくり政策部長 それでは私の方から、赤坂九丁目地区と臨海副都心有明南地区の地区計画に関してご説明申し上げます。
 内容の説明に先立ちまして、一言お断り申し上げますけれども、昨年の七月に都市計画法が改正されまして、この改正法は、ことしの一月一日より施行されております。これに伴いまして、従来、再開発地区計画と呼ばれております計画につきましては、根拠法が都市再開発法から都市計画法に移りまして、また名称も、再開発等促進区を定める地区計画という名称になりました。地区計画に統合されるということでございます。
 これからご説明する二案件につきましては、改正法の施行の前から縦覧などの都市計画手続が進められてきましたけれども、本日の案件説明を初め今後の手続につきましては、法改正後の名称で地区計画として扱わせていただきますので、よろしくお願いいたします。お手元の資料はすべて修正済みでございます。
 それでは、説明に入らせていただきます。
 お手元の都計審の提案事項概要と事前説明会資料、まず白表紙の二四ページをお開きください。それから茶表紙の図面集でございますけれども、二一ページからでございます。
 ナンバー6でございますけれども、赤坂九丁目地区地区計画の変更に関する案件でございます。
 この地区は、港区の北部、六本木交差点の北西約百五十メートル、外苑東通りに面してございまして、防衛庁檜町庁舎跡地を主体とします面積約十・一ヘクタールの区域でございます。この地区は、都市再生特別措置法で定めます都市再生緊急整備地域の環状二号線新橋周辺・赤坂・六本木地域という地域に含まれてございます。
 防衛庁跡地につきましては、平成十二年四月に、旧大蔵省関東財務局、それから東京都及び港区で構成されます防衛庁本庁檜町庁舎跡地開発に関する三者協議会によりまして、跡地の利用方針を策定いたしました。翌平成十三年四月には、改正前の法に基づきまして、赤坂九丁目地区再開発地区計画の方針と再開発地区整備計画を都市計画決定いたしました。同年九月に土地の一般競争入札が行われまして、民間事業者グループが取得しましたけれども、このたび建築物や公共施設等の具体的な開発計画がまとまりましたので、地区整備計画を変更することとなった次第でございます。
 その変更内容の主な内容でございますけれども、白表紙の方は二四ページから、それから図面の方は二二ページ以降でございます。
 まず、地区施設等の整備の方針でございますけれども、檜町公園との一体的利用が可能な約四ヘクタールのまとまったオープンスペースの確保、及び檜町公園の再整備を実現するよう、方針内容の一部を変更しております。
 それから、地区整備計画でございますけれども、その方針の変更に合わせまして、檜町公園の区域約一・六ヘクタールを新たに地区整備計画区域に追加いたしております。従来からの地区整備計画区域をA地区としまして、檜町公園の部分をB地区とし、合計十・一ヘクタールとしております。
 主要な公共施設については変更はございませんけれども、地区施設につきましては、地区内通路、幅員七メートル、延長約四百七十メートル、それから広場、面積約百平米を新たに設けております。
 それから、容積率の最高限度でございますけれども、今回、A地区につきまして、都市基盤の整備に伴う評価であるとか、有効空地によります評価などを合わせまして、新たに六七〇%と設定いたしております。それから、A地区のうち、檜町公園に面しましたA-1ゾーンにつきましては、環境を生かした良好な住宅の設置を行うために、住宅の用途に供する部分の容積率を五七〇%以上と定めてございます。
 その他、壁面の位置の制限につきまして、若干の変更をいたしております。
 ナンバー6については以上でございます。
 次に、ナンバー7でございますけれども、提案事項概要の二七ページ以降、それから、図面の方は二五ページ以降でございます。臨海副都心有明南地区地区計画の変更案件でございます。
 この地区は、臨海副都心の南東部に位置しておりまして、りんかい線国際展示場駅、及び臨海新交通「ゆりかもめ」の有明駅だとか国際展示場正門駅を含む地区でございます。
 今回、地区整備計画を定めますP街区は、その有明南地区の西の方に位置しておりまして、北の部分はセンタープロムナードに、南側は青海・有明南連絡道路に接した街区でございます。
 図面の二六ページ以下が整備計画図でございますけれども、有明南地区におきましては、平成三年一月に、改正前の法の規定に基づきまして、再開発地区計画の方針とともにC街区の再開発地区整備計画を決定いたしましたけれども、その後、平成四年から平成十三年までの間に、計画図1にございますように、AからG、それからJ、あるいはLM街区、あるいはO街区及びQ街区の合計十一街区につきまして、既に再開発地区整備計画を決定しております。
 現在の時点におきましては、一部の街区を除きまして、おおむね施設建築物の建築が完了してございます。道路や公園、あるいは共同溝等の都市基盤につきましても、八割以上の整備が完了してございます。
 臨海副都心有明南地区は、地区計画の方針におきまして、国際展示場の整備に関連し、地区の利便性を生かしたコンベンション関連業務、ファッション、デザイン関連業務等によるにぎわいのある複合市街地を形成するとしてございます。今回は、この方針に基づきまして、有明南三区域P街区にコンベンション関連の宿泊機能を兼ね備えた都市型リゾートホテルを設置していくために、面積約一・八ヘクタールにつきまして、新たに地区整備計画を策定するものでございます。
 その整備計画の内容でございますけれども、白表紙は三三ページ以降でございます。
 今回、新たに定めます有明南三区域のP街区でございますけれども、地区整備計画では、面積約一・八ヘクタールで、建築物の用途につきましては、商業地域で制限されるものと、それから風俗営業等の用途につきましては制限してございます。
 また、臨海副都心まちづくりガイドラインの開発フレーム及び地区計画の方針を受けまして、容積率の最高限度を五〇〇%、敷地面積の最低限度を〇・七ヘクタール、建築物の高さの最高限度を百十メートルとしております。
 以上でこの案件の説明を終わらせていただきます。

○只腰都市基盤部長 私からは、放射第五号線及び補助線街路第二一七号線の変更、並びに玉川上水緑地及び高井戸公園の変更につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料、事前説明会資料では、青い中扉がございますが、その後五一ページから、それから提案事項概要でございますが、同じく青い中扉の後四三ページから、あわせまして、お手元に環境影響評価書案の概要というベージュ色の冊子がございます。それをあわせてごらんいただきたいと思います。
 この案件でございますが、放射第五号線の変更につきましてはアセス条例の対象事業でございますので、同条例に基づきましてアセスの評価を行った後、都計審に付議するもので、今回、いわゆる前合わせでございます。
 放射第五号線でございますが、図面の方の、こちらの方の五一ページにございます。ちょっと見にくうございますが、千代田区の麹町から杉並区の久我山三丁目に至る延長十五キロの路線でございまして、終点部におきましては、いわゆる東京八王子線、通称東八道路といっておりますが、これに接続をいたしまして、区部と多摩を結ぶ主要な幹線道路として位置づけられているものでございます。
 しかしながら、今回変更の対象となっております杉並区久我山付近、この区間のみが未整備になってございまして、周辺道路の混雑や住宅地への通過交通の流入などの課題を抱えてございます。したがいまして、この区間の整備に先立ちまして、今回、都市計画変更を行おうとするものでございます。
 計画の内容の説明に入る前に、本区間で実施されました総合環境アセスメント制度の試行につきましてご説明を申し上げます。
 総合環境アセスメント制度でございますが、昨年七月の環境影響評価条例の改正によりまして、計画段階環境影響評価制度として制度化されたわけでございますが、この制度化に先立ちまして、本放射五号線の未整備区間である一・三キロメートルと、これに接続いたします三鷹三・二・二号線の未整備区間〇・五キロメートルを合わせまして、一・八キロメートルの区間を対象にこの制度の試行ということで、平成十一年から手続がなされたわけでございます。
 この間、環境配慮書を平成十二年三月に環境局に提出いたしまして、その中におきましては、採用可能な複数の三案を作成いたしまして、環境面から比較、評価したところでございます。
 今回、この三案、A、B、C案のうちのB案に当たる案を都市計画変更しようとするわけでございますが、このA、B、C案の三案につきまして、平成十二年の七月から環境配慮書を縦覧し、また説明会を行い、都民の意見を聞く会が開催されたところでございます。
 こうした意見を踏まえまして、東京都総合環境アセスメント制度試行審査会におきまして、平成十三年の三月に、環境配慮書につきまして審査をされまして答申がなされたところでございます。この答申を受けまして、同年四月には、環境局長から審査意見書が通知されたわけでございますが、この意見書の中で、今回採用したB案が、玉川上水及び沿道への環境影響が軽減される可能性があるというふうに記載をされているところでございます。
 東京都におきましては、この審査意見書を踏まえまして、平成十三年の七月に基本計画を決定し、公表いたしたところでございます。
 この基本計画におきましては、今回採用する案につきまして、計画幅員を五十から六十メートルに拡幅して整備するということで、この案に盛り込んだところでございます。
 また、この基本計画につきましては、平成十三年の九月に説明会を開催したところでございます。
 それでは、計画の内容につきまして、入らせていただきます。事前説明会資料の五三ページでございますが、町名としましては、杉並区の久我山一丁目から三丁目でございます。
 ちょうど図面の右下に、ちょっと曲がったのが書いてございますが、これが中央道でございます。
 両側に赤い線が書いてございますが、この区間、一・三キロメートルが今回変更しようとする区間でございます。
 五六ページを先に見ていただきますと、この区間でございますが、真ん中に玉川上水を抱いておりまして、現状では計画幅員が五十メートルでございますが、今回、片側五メートルずつ拡幅いたしまして、五六ページの記載のとおり、幅六十メートルの道路として都市計画変更をしようとするものでございます。
 また、玉川上水に沿いました玉川上水緑地につきましては、ちょっとめくっていただきまして、六二ページにございますように、放射五号線の変更に合わせまして、玉川上水を含む幅二十五メートルに拡幅変更いたしまして、したがいまして、緑地は道路とかぶって計画決定することになりますが、玉川上水の両側には遊歩道、緑地空間を整備して、散策等ができるようにしていく予定でございます。
 これによりまして、五六ページにお戻りいただきますと、中央部の玉川上水緑地と両側の環境施設帯を合計いたしまして四十五メートルということで、全体の四分の三が緑地または歩行空間として整備されることになるものでございます。
 この玉川上水緑地につきましては、精査の結果、面積につきましては、従前よりふえまして、十七・四ヘクタールに変更となるものでございます。
 このほかに関連する案件でございますが、五三ページにお戻りいただきまして、ちょっと見にくうございますが、補助二一七号線につきまして、終点位置の変更並びに車線数を定めるということでございます。
 また、五八ページでございますが、高井戸公園と隣接してございまして、この区域につきまして、放射五号線と調整をするということで区域を変更するものでございます。
 以上の変更でございますが、道路事業につきましては、東京都建設局が施行し、平成二十四年度の完成を予定しているものでございます。
 最後になりますが、環境影響評価書案についてご説明を申し上げます。お手元のA4横判の、概要と書いてございますが、その中に薄い三枚物の資料が入っているかと思います。これをごらんいただきたいと思います。
 一枚目は今申し上げたようなことが書いてございますが、この区間でございますが、計画交通量は、一枚目の計画交通量の欄に書いてございますように、完成、供用開始が予定される平成二十四年度につきましては、一日当たり三万九千台から四万四千台前後、周辺道路網がおおむね完成すると想定される平成三十二年度におきましては、一日三万七千台前後が予想されてございます。この計画交通量に基づきまして、大気汚染、騒音、振動等、二枚目以降の各評価項目につきまして、今回、予測、評価を実施したところでございます。
 記載してございますように、大気汚染、騒音、振動につきましては、いずれも環境基準の指標以下となってございます。
 次に、3の水環境でございますが、一部橋梁が玉川上水を渡るわけでございますが、この橋梁の基礎工事につきましては、地下水位より深く掘削いたしますが、詳細な地下水調査等を行い、適切に対処してまいりたいということでございます。
 次に、4の生物・生態系でございますが、同じように、玉川上水の樹木の一部が橋のところにつきましては改変されるわけでございますが、生物・生態系の多様性に著しい影響を及ぼさないものというふうに考えてございます。
 本の方をちょっとお開きいただきまして、一二ページに図面がございます。折り込みを開いていただきますと、右側が都心方でございまして、左側が郊外方でございます。上が現況でございまして、ごらんいただきますように、横の緑の帯が玉川上水でございまして、それに沿いまして民間の緑地等が存在している状況でございます。工事の完了後でございますが、下にございますように、六十メートルの道路の中に、先ほど申し上げました環境施設帯を含めまして緑地空間をとるということで、連続した緑の空間が形成されるものと考えております。
 なお、景観につきましては、七八ページと九ページに、一番下にありますように、岩崎橋、途中に橋があるわけですが、その岩崎橋、それから兵庫橋付近の現況と将来の事業完了後の景観の予測が記載してございます。
 それから、先ほどの三ページ物に戻っていただきまして、6、史跡・文化財でございますが、新たな橋梁の設置につきましては、一部鋼矢板の設置等がございますが、橋台は既設のさくの外側に設置するなど、玉川上水の保存を図るということで、著しい影響を及ぼすことはないというふうに考えてございます。
 以上、いずれの項目につきましても、環境への影響は少ないと考えられますので、都市計画を変更する上で支障はないものというふうに考えてございます。
 説明につきましては以上でございます。

○林委員長 説明は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○真鍋委員 ただいまご説明のありました放射第五号線の変更について、何点か質問していきたいと思います。
 この地区、この区間が未整備なために、周辺の道路状況、特に渋滞ということで、大変大きな影響を出しているのは紛れもない事実だと思います。一方、この玉川上水をどう守っていくのかということ等、この辺がこの問題については一番大きなテーマであったと思います。
 まず、この道路の整備の必要性、整備効果、この点からお尋ねをしたいと思います。

○只腰都市基盤部長 放射第五号線でございますが、先ほどのご説明の中でも申し上げましたとおり、この区間だけ未整備でございまして、東八、東京八王子線の道路と接続する本路線につきましては、ご指摘のように、慢性的に渋滞しております甲州街道のバイパスとしての機能を持ってございます。そういう中で、今回の区間が未整備であるために寸断されているという状況で、早急な整備が必要というふうに私ども考えてございます。
 この路線の必要性並びに効果でございますが、先ほど申し上げた区部と多摩との連携の強化、それから周辺道路への交通の分散化あるいは円滑化が図られる。また、現在生活道路である区境通り、人見街道という地域の道路に進入しているような通過交通が排除されること等によりまして、地域の安全性や快適性が高まりまして、居住環境の向上が図られるものというふうに考えております。
 また、環八から西側の甲州街道でございますが、非常に狭い幅員の中で、大きな交通量、現在五、六万台の交通量を処理しているわけでございますが、放射五号線の整備によりまして、三から五万台程度に減少するのではないか。これによりまして、窒素酸化物あるいは浮遊粒子状物質の排出量の減少も期待できるのではないかというふうに考えてございます。

○真鍋委員 今お答えありましたとおり、私もこの近所にいるんですけれども、環八以西の甲州街道の渋滞というのは、いつも本当に深刻な状況になって、何でだと。それはやはりそこに集中しているということでありまして、今説明をされたように、だからこそ都市計画というものがあるんだ、こう思います。
 その中で、今回、玉川上水の保護の観点が重要なんですけれども、計画幅員を五十メートルから六十メートルに拡幅する都市計画変更であります。それはそういう保護のことが中心だと思うんですが、改めて、この六十メートルに拡幅することによって、沿道に対する環境の改善というか対応、これが図られると思うんですが、具体的にはどのようになるのか、お尋ねします。

○只腰都市基盤部長 先ほどの事前説明会資料の五六ページに断面がございますが、玉川上水の区域は現在、場所によってちょっと違いますが、現地におおむね十八メートルございます。それを今回二十五メートルに広げること、それから両側の環境施設帯を十メートルに広げることで、全体としては、先ほどご説明したように六十メートルの幅員ということになるわけでございます。
 この六十メートルのうち、これも先ほど申し上げましたが、全体の四分の三が緑あるいは歩道等の施設になるということで、玉川上水を含む緑地帯あるいは環境施設帯によりまして、地域と一体感のある景観あるいは良好な環境の維持が図られるのではないかというふうに考えております。
 また、この環境施設帯の設置によりまして、沿道の宅地からは車道への距離が十メートルの離隔ということになりますので、排出ガスあるいは騒音、振動等の影響の軽減が期待されるものでございます。

○真鍋委員 そういう形での配慮に対応した都市計画の変更だと思うんですけれども、この放射五号線の区間は、昭和四十一年に五十メートルの幅員で都市計画決定されているわけですね。で、今回変更されるわけですが、昭和四十一年というと三十六年前でありまして、いつも都市計画をかけて一体いつやるのかと。制限を受けている方は、建築制限を受けて、建てかえのことであるとか、それから居住性のこととか、本当に大変だったと思います。そういう部分で本当にご苦労されてきたと思うし、また、今回新たに十メートル拡幅するということは、また新たな協力をしてもらわなきゃならない、都市計画に組み込まれる地権者がふえることになるわけです。
 そういうことで、その方々に快く協力してもらわなければならないと思うんですけれども、そのために東京都はどういう努力をしていくのか。これは誠心誠意きめ細かな対応しかないと思うんですが、その点についての東京都の対応、考え方を確認したいと思います。

○只腰都市基盤部長 先ほどご説明した、いわゆるアセスメントの試行あるいはその他の説明会の場におきましても、地元の方々からいろいろなご意見をいただいているところでございます。先生ご指摘いただきましたように、計画線内の地権者、三十六年余りにわたりまして、計画線のかかったままという状態を余儀なくされていたわけでございます。
 また、ご指摘のように、今回十メートル、片側五メートル広がるということで、新たな関係者も出るわけでございますが、今回の変更に当たりましては、説明会あるいは公式、非公式のものも含めまして、玉川上水あるいは地域環境に配慮した計画であることを十分ご理解いただけるよう、説明会等の場を通じまして、私ども努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、その後に続きます事業の実施に当たりましても、特に地権者の方々の生活再建につきましては誠意を持って対応してまいりたいというふうに考えております。

○真鍋委員 今、誠意を持って対応していきたいということなので、その点は本当に心して対応していただきたいと思います。
 先ほどからいろいろご説明を受けて、概略はわかるんですけれども、大変貴重な玉川上水の保全について、今説明もありましたけれども、重複する部分もあるかもしれませんが、具体的にどうやって保存していくのか、またどう整備するのか、改めてお尋ねします。

○只腰都市基盤部長 本路線の整備に当たりましては、基本的には玉川上水の既設のさくの内側、本体には手を入れないというふうに考えておりまして、現状どおり保存する予定でございます。
 先ほどの環境影響評価書案、この冊子の中の、ごらんいただきました一二ページの図面におきましても、真ん中部分の玉川上水並びにその隣の遊歩道区間のエリアにおきましては、基本的には現状のとおり保存あるいは歩行環境等を向上させる策を講じるということでございます。
 それから、一点だけ、一番路線の左側でございますが、牟礼橋と書いてある手前のところでございますが、ここはこの路線の都心方向の上り線が玉川上水を横断するわけでございまして、この部分はどうしても既設の玉川上水を渡っていかなければいけないということで、この区間につきまして一部改変がされるところでございますが、先ほど申し上げましたように、橋台を下げる等の工夫によりまして、玉川上水の本体には手をつけないような工夫をしていくということでございます。

○真鍋委員 今いろいろ説明を受けたり、環境評価の概要を聞いたりしまして、より緑もふえていくんだし、大丈夫だというふうに説明されています。しかし、何でも、新たに変わるというか、そういうことについては、みんな心配するのは当然なんです。だから、その辺をどうやって払拭するのか。できた後、ああ、かえってよくなった、保護がされるようになったと思ってもらわなきゃ意味がないわけですから、心してこの玉川上水の保存に努めてもらいたいと思います。
 それで、先ほど説明もありましたけれども、本区間は総合環境アセスメントのモデルケースとして実施されたわけで、三つの案から絞られて今回の案になったわけですけれども、今後この事業の実施に当たって、住民の方々と協議をしてもらいたいし、今のような説明をどんどんやっていただきたいと思うんですが、その辺、今後の実施に当たっての地域の住民の皆さんとの協議はどう進めていかれるのか、お尋ねします。

○只腰都市基盤部長 今回、手続の前段としまして、総合アセスメントの試行というのをやってきたわけでございまして、その段階におきまして、説明会あるいは意見書など、さまざまな形で住民の方々の意見を伺ってきたところでございます。そのほか地元の方の要望を受ける形で、地元の方との懇談会あるいは対話集会等を重ねてきたところでございます。今後も、条例に基づく説明会や意見書の徴取、あるいは都民の意見を聞く会などの場におきまして意見を伺ってまいりたいと思います。
 また、事業の実施に当たりましては、先ほどの繰り返しになりますが、具体的な整備の方法等につきましても、地元住民の意見を聞いて実施していく予定でございます。

○真鍋委員 今るるご説明がありましたけれども、これからも住民の皆さんの意見を聞いていくよ、説明していくよということでありますが、住民の方から、この委員会の皆さんにもそれぞれ文書が来たと思います。私も先ほどちょっと見させてもらいまして、都の方はそういう形で、住民参加という形でこれまでも進めてきたと思われていると思うんですが、住民の方の中では、その場限りの会合ではないかとか、そういうふうに思われている人たちもいるようです。そういう要望書も来ているというふうに聞いております。ですから、話し合いというのは本当に大事でありまして、また、お互いの垣根を越えるのは情報の共有であって、皆さんはどんどんこのことに取り組んでいろいろな資料をたくさん持っておられるので、よく理解されていると思うんですけれども、付近住民の方々にとって見れば、やはりいろいろなことが心配である。そのためにどれだけ説明を尽くすかというのが大事であると思いますので、その辺は努力してもらいたいと思います。
 ただ、いずれにせよ、都市計画決定をされて、三十六年間放置されてきたのは事実でありまして、それがために、逆に道路が開通したところに車が集中して、大変な渋滞でありました。そのことを考え合わせて、これはやはり我々人類が地球にいること自体が一番の環境破壊じゃないかといわれることもあるんですけれども、お互いにそこをかばい合いながらどうするのかと。ディーゼル車の規制問題もそうですし、その中で努力をしていく。しかし、残念ながら、これだけ近代社会の中で、車なくして我々は生活できませんし、そういうところの共存を図るということで、今回のこの都市計画というのは待ちに待たれたものであると本当に思います。
 それから、三十六年間、地権者の方々は大変だったと思います。それから、またそれがために既存の道路に集中をして、その道路沿線の方々も大変だったと思います。しかし、逆に時間が過ぎて、これだけ技術が進歩して、だからこそ五十メートルから六十メートルに都市計画を変更して、それだけ緑地保全についても対応しようというふうに、いい意味での変更がなされて、今に至ったということで、これまでの時間は本当に残念であったし、それまでの既存の道路沿道の方々にも本当に申しわけなかったんですが、今回、こういう形での変更をされて、いよいよ動き出すということは、私は大変必要なことであると思います。
 ただし、この道路ができたとしても、やはりまだまだ道路は続いておりまして、ご存じのとおり、じゃ、今甲州街道の西側の話ですが、東側に目を転じると、放射五号線は京王線との踏切に当たりまして、これが大渋滞を起こしている。そうすると、この京王線の連続立体もあわせてやっていかないと、やはりそこで渋滞が残ってしまうということがあります。
 最後に意見ですけれども、私はこの委員会で毎回いっておりますけれども、この京王線についても都市計画が決定されて何十年もたっている中で、まだこの部分、特に世田谷区内の部分については踏切の解消がなされておりません。連続性の問題ですから、この京王線のことについても、この道路のことだけで終わりと、これで渋滞が解消するということで終わらせるのではなくて、早急に検討会を始めるなど取り組みが必要だと思います。きょうは前合わせの報告でありますので、鉄道のことについてお答えは問いませんが、それもなされて初めて全体の渋滞という問題の解決につながっていくんだということで、そのことを改めて都として積極的に取り組んでもらいたい、このことを申し上げて、私の質問を終わります。

○大塚委員 私からは、先ほど説明のありました、地元の件でございますけれども、赤坂九丁目、防衛庁跡地といった方がわかりやすいかと思うのですけれども、この地域は、六本木、赤坂は、昨年三月に都市再生緊急整備地域に指定をされまして、また、ご存じのとおり、大規模開発とすれば、六本木六丁目、これも四月二十五日にグランドオープン、それから、西に位置します、東大生産研究所跡地のナショナルギャラリーということで、周辺に大変大規模な開発が竣工し、また将来竣工してくるというような、都市開発が活発化してきているところでございます。
 一方、この赤坂九丁目防衛庁跡地につきましては、防衛庁が移転して以来、もともと閉鎖的な防衛庁でございましたけれども、周辺の商店街への来客も減少し、町の活気がなくなってきているということで、住民の方々も、早くいいまちづくりができるということも望んでおりますが、一方で不安もあるということで、六本木は昔は大人の社交場として健全な町でありましたけれども、だんだんと時を経ることによりまして、皆さんも何度か行かれたことあると思うのですけれども、風俗関連の業種が大変ふえてきたということで、もともと六本木に住んでいらっしゃる方々、あるいは商店街の方々も、大変悪化に対しての懸念をしているわけでございます。こうした状況を踏まえまして、今回の六本木、赤坂地域の開発が、活気のある健全な町としてのまちづくりということを地元も望んでおりますものですから、その辺の状況と、今回の計画の関係、その点についてどういうふうに東京都が考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

○森下都市づくり政策部長 これまでも東京都の方にも周辺住民の方から、町のにぎわい回復のために早期に計画を実現してほしいとか、健全な明るいまちづくりを進めてほしいというような意見や要望が多く寄せられております。
 この計画におきましては、地区計画の方針にも掲げてございますように、都市型住宅の導入によりまして、定住人口の回復を図るとともに、業務・商業機能の導入により、活力のある市街地の形成を図ることとしまして、とりわけ外苑東通り沿いには六本木交差点からの連続性のある、にぎわいのある空間を創出することとしております。
 また、檜町公園と一体となりましたオープンスペースの整備であるとか、文化交流施設、生活利便施設の設置などによりまして、地域にも開かれた計画としております。
 地区整備計画におきまして、風俗関連の用途に加えまして、今回の変更によりましてさらにマージャン、パチンコ、馬券売り場などについても制限するということで、健全な町となるような工夫もしているところでございます。

○大塚委員 今お答えいただいた形でぜひ進めていただきたいということでございますけれども、当然地域内は風俗営業を制限するということは当然だと思いますし、また、この計画ができ上がったからといって周辺地域がすぐに健全化されるということはなかなか難しいと思うのですけれども、町の方々は、この計画ができることによって周辺の地域が新しいまちづくりに更新していくという、地域との共存共栄をぜひ望んでいきたいということが、きょうの私の第一問目の趣旨でございますので、ぜひそういったまちづくりをしていただきたいと思うわけでございます。
 それから、詳細の質問というよりも、きょうは二問だけに限らせていただきますが、交通インフラの問題でございますけれども、先ほど申し上げた六本木六丁目、東大のナショナルギャラリー、または赤坂の薬研坂ですとかTBSの跡地ですとか、港区はご承知のとおり都市再生の勢いがかなりあるわけでございまして、そういったことから、六本木の交差点というのは、従来から非常に渋滞の多いところでもございましたし、また、先ほど申し上げたような開発がどんどんでき上がってきた場合に、恐らく交通渋滞の計算もしておると思うのですけれども、それではなかなかはかり切れない、予測もつかないような交通渋滞が出てくる可能性もあるわけでございます。
 そこで、細かいことは別といたしまして、外苑東通りが都市計画道路として当然この計画地に接道する部分は拡幅されると思うのですけれども、将来的にはそういった都市計画道路の周辺の整備が必要だと思いますが、現在の交通インフラの計画についての状況と対策を教えていただければと思います。

○森下都市づくり政策部長 今回の開発に伴いまして発生します交通を円滑に処理するために、委員ご指摘のように、外苑東通り、都道でございますが、この辺につきましては、都市計画道路の計画線に合わせまして拡幅整備をいたします。
 それから、東側の区画道路につきましては、現状で道路幅員の狭い部分がございますので、それを十五メートルとするように拡幅整備を行ってまいります。
 それから、地区内の駐車場につきましては、開発に伴います付置義務台数に加えまして、周辺の路上駐車対策のための駐車場もあわせて整備をしていくこととしております。

○大塚委員 質問は以上で、二点に絞らせていただきましたが、最後に要望というか、全体的なお話でございますけれども、私、昨年二月の一般質問でも申し上げたのですが、やはり周辺の方々は期待と不安ということで、港区の開発を注目しておるわけでございます。
 きょうは六本木の防衛庁跡地についての質問で、周辺の風俗営業等のことから話を始めたのでございますが、いずれにいたしましても、お年寄りから小さいお子さんが--その開発地域内は大変安全に、緑豊かに開発されて、それが町のためになっておるわけですが、冒頭申し上げたように、周辺の地域の方々が一緒に、商店、それから住民、それぞれが共存共栄できて安全に暮らせるまちづくりということをぜひ、赤坂九丁目についてのご指導を、よく事業者と打ち合わせの上進めていただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。

○かち委員 引き続いて、赤坂九丁目地区計画についてお聞きします。
 この計画は、先ほど説明もありましたけれども、十三年に地区計画決定をしたところですけれども、事業者を公募して、募集、入札によって具体的に決まったので、その事業計画に合わせて今回変更だということなので、事業計画に触れて少しお聞きしたいと思います。
 本計画地域は、東京構想二〇〇〇によるメガロポリス構造のセンター・コアエリア内にありまして、都市づくりビジョンでも都心再生と位置づけられ、さらに都市再生緊急整備地域に指定された地域であり、まさに核心中の核心の中の整備計画だということになるわけですけれども、今もお話がありましたように、この周辺の開発状況というのは、当該地域の近くには五十四階建ての六本木ヒルズがあり、地上四十三階の六本木一丁目西地区市街地再開発など、環状二号線新橋周辺、赤坂六本木地域だけで十四ものプロジェクトによる開発が進んでいるわけです。こういう中での開発が、地域環境や周りのコミュニティに対してどういう影響を及ぼすかという点では、大変大きな懸念を抱くものです。
 今回のこの計画は、環境アセス条例が昨年六月末に改正をされましたけれども、緊急整備地域などの特定地域における超高層建物の事業アセスについては、調査項目が一点絞り込まれまして、計画書は必要なくなったということで、かなりアセスそのものも短縮される、そういう状況になった第一号のアセス対象事例ということにもなるわけです。
 振り返ってみますと、国から十一年に国有地の地方審議会の答申を受けて、十三年に一般競争入札で民間開発グループが取得をしたということですけれども、この民間開発グループというのは、実際にこの事業をやるグループというのは、どういう事業者が行うことになったのでしょうか。

○森下都市づくり政策部長 受けましたのは、三井不動産株式会社出資の五つの特定目的会社、安田生命相互会社出資の特定目的会社一社、全国共済農業協同組合連合会、積水ハウス、富国生命保険相互会社、大同生命保険株式会社の合計十社でございます。

○かち委員 今まではJVとかという形では聞いていたんですけれども、今回の場合は、特定目的会社、株式会社というのは新たにこの開発をするということで、それぞれの不動産会社が出資をし合って事業を行っていくという新しいやり方のようです。
 この事業の具体的な内容ですけれども、整備プログラム、イメージ図というのを出していただいたんですが、このようなものになっておりまして(資料を示す)外苑東通りに面したところは非常に高いわけです。それで先ほどもいわれました檜町公園というのは北側になって非常に低い、かなりの低地になっているんですけれども、その落差は十三メートルあるというふうに聞いております。で、六棟あるんですけれども、一番高い建物が何と二百六十メートルというふうに聞いております。そういうまさに丘の上のお城という感じがするわけですけれども、こういう建物がどうして建ってしまうのだろうかということですね。
 下から見上げると、東京タワーに近いような高さに見えるんですけれども、あれはタワー、塔ですけれども、これはしっかりとした四方の建物であるということで、そのボリューム感、重圧感というのは、公園側から見上げたときは相当のものだろうなと思うのですね。それに伴う風害とか、いろいろなことが考えられると思います。
 今度の計画変更の中では、建物の高さの限度が定まっていないんですけれども、それはどうしてなのでしょうか。

○森下都市づくり政策部長 この地区におきましては、計画書でわかりますように、まとまった規模のオープンスペースを敷地の周辺部に確保するということを大きなテーマとして重視してございまして、そのために建物の高さについて、中央部の方に寄せてまいりますので、特に限度を定めないこととしたものでございます。

○かち委員 確かに防衛庁の跡地としては十ヘクタールぐらい--跡地として八・五ですけれども、公園部分を入れて十ヘクタールということになるわけですね。それが緑地帯を公園と一体で整備する、湾曲にある上の方が緑地帯として整備をするということで、地域内道路の整備なども入っているわけですが、そういうものを入れますと、建ぺい率というのは六〇%というふうに考えていいのでしょうか。建ぺい率はどうですか。

○森下都市づくり政策部長 正確な建ぺい率ではございませんけれども、敷地面積の約六六%に相当します有効な公開空地を設けておりますので、建ぺい率はそれ以下、ですから、六六%は空地でございますので、建ぺい率はそれを除いた以下のものになります。

○かち委員 既存の建ぺい率というのがどういうものかというのを知りたかったわけですけれども、この周辺一帯は容積率は三〇〇から五〇〇、沿道沿いなど商業地域は七〇〇とかありますけれども、住宅地域であれば建ぺい率六〇%ぐらいだと思うのですね。防衛庁の跡地も従前はそうだったと思うのです。これがこういう開発という形で建ぺい率が見えなくなってしまったんですけれども、もし六〇%であるとすると、有効な空地を使ったということで六六%と。そうすると二〇%強を公共的に提供したわけですね。そうなりますと、もともとはこの防衛庁の従前の用途地域としては、一部商業地域があって、五〇〇%と、住宅の方は三〇%で、平均すると三二〇%だというふうに聞いているんですが、その三二〇%が六七〇%になる。二割強の供出によって二倍以上の容積率を獲得できてしまうというところも、非常に開発者優先の取り決めというか、計画変更になっているんじゃないかというふうに思うのです。
 細かくいえば、これ見ると、低い建物もあって、そこには屋上緑化などもあるわけですね。それから環境に配慮した部分というのは、中水の利用だとか地域冷暖房を使うとか、そういうことも含めると、実質的には六七〇%以上に緩和されていくんではないかなというふうにさえ思えるわけです。
 こういうものが、六本木ヒルズもそうですけれども、非常にコンパクトシティーというんでしょうか、一極完結型のまちができてしまうのですね。業務、商業、オフィス、文化交流、ホテル、すべて入って、そこに住宅も入っている。住宅が入ることもまた既成の容積率の緩和になっているようなんですけれども、その中に全部完結してしまう、そういうまちが、六本木周辺の中だけで十六もできてくるわけです。
 そういうことになれば、土曜日にたまたま都市再生の二〇〇三年問題、NHKでやっておりましたけれども、都市間競争、ビル間競争というのが激しくなるわけですね。新しいものに、新しいものに移っていく。
 そういう中で、はざまになっている周辺のビルや商店、こういうところが、先ほどのお話の中で、地域が一緒になって活性化していくというものには到底考えられない。そこの拠点、拠点は反映していくものになるかもしれませんけれども、その間は谷間になって沈んでしまう、またそこでかき集めてつくっていく、そういうことをやっていったら、東京が抱えられるボリュームよりはるかに多い容積率の巨大な建造物がどんどん建っていってしまう。そのことがとりもなおさずヒートアイランド、地球環境問題になっていくということでは、一つ一つの開発だけで見るのではなくて、地域全体を見ながらどう調整していくかということが、都市計画局としては必要ではないかなというふうに思うんです。個別的な考え方でやっていくことに非常に危険を感じるんですが、東京を政策誘導型のまちづくりをするんだ、五十年、百年を展望したまちをつくっていくんだというベースの上でやっているとしたら、余りにも近視眼的なやり方ではないのかなと感じるんですけれども、こういう手法がどんどん同じようなパターンで続いていくわけですよね。そういう点で大変危険を感じるんですが、都市計画局としてその辺の考えというのはどのようにとらえていらっしゃるんでしょうか。

○森下都市づくり政策部長 ご指摘のように、当然この地域においては、いろいろな大規模な開発ができておりますけれども、それぞれ地域ごとの個性も踏まえながら、地域の活性化になるような、文化的な施設であるとか、あるいは大きな緑地帯であるとか、当然業務とか住宅型のできるわけでございますけれども、住宅についても新しい都市型の住宅、都心部に住む住まい方を提供しているわけでございます。
 そういったものが、個々の計画については個々の計画の論理として当然整合したものをつくっておりますけれども、地域全体としても、必要な公共施設の整備をしながらネットワーク化していくようなことも含めてやっております。あるいは、ヒートアイランド等のご指摘もございましたけれども、緑地等をふんだんに計画することによりまして、かえって地表面の温度は下がるというようなことも、実験的なデータも出ておりますし、そういった工夫をしながら、全体として整合のとれた開発をしている考え方でございます。

○かち委員 環境にも配慮してやっているから大丈夫なんだというお話ですけれども、環境影響評価の特定の項目の中には、地球温暖化に対する影響はどうかという項目は、検討事項から外れているんですよね。それで、やることは、環境に配慮した内容で事業をやりなさいということで、幾つかのことが入っているんですけれども、そうしたら、そういうことをやったら本当に温暖化をストップさせるだけの効力が実際にあるのかどうかという点では、まだどこも検討されていないと思うんですよ。やらないよりは、やった方がいいぐらいな状況であって、だから、そういう点でもまだ本当に試験的な状況にあると思うんですが、事業を進める方が先行していて、検証して、こうでなければならないということが全くなおざりに、後景に追いやられているのが今の実態だというふうに思うんです。
 それで、計画では、先ほどお話にもありましたけれども、八百戸の都市型住宅の提供というのがあって、この都市型住宅というのは一体何を指しているのか。赤坂、六本木という高級住宅街で住める、こういう再開発の中で住める層というのは、一定限られた人たちではないかと思うんですけれども、そういうところでの都市型住宅というものをどういうふうに考えているのか。それから、この計画による就業人口、自動車発生集中量というのはどのぐらいになると見ているんでしょうか。

○森下都市づくり政策部長 都市型の住宅、都心部の住宅でございますけれども、当然利便性の高い、立地の条件のよいところに、かなり高層のものができますので、眺望とか住環境上も恵まれた形での住宅ということで、利便性と快適性を備えた住居であるというふうに考えております。
 それから、就業人口につきましては一万五千人でございまして、それに伴います車の発生量が一万三千三百台ぐらいのものと想定しております。

○かち委員 利便性のある住宅だということですけれども、本当に人口増を図る、住み続けられる、子どもを育て続けることができるような港区になってほしいというのがみんなの願いだと思うんですけれども、こういうところに住める人というのは、外資系だったりとか、子どもを育てる年齢層とはまた違う層が入るのではないかと思います。だから、八百戸できたとしても、千六百とか二千とか、そういう人口増を望むことはできないのかなというふうにも思うんです。
 だから、住宅を付設するならば、本当にそういう一般の層が入れるようなものをぜひつくっていただきたいというふうに思うんです。
 それで、車の集中という点でも、一万三千三百台が新たにここに集中するわけですよね。今でも交通渋滞が大変な中に、そういうことを、大気汚染の関係からもどう解消していくのか。
 それから、人がふえれば、それだけ廃棄物その他の処理の問題も出てくると思うんです。そういうことがどのように解消されていくのか、環境への影響はどうなのかという点では、今論ずることができないんですね。環境影響調査が今施行中で、評価書案がまだまとまり切れていないというところでもありますので、非常に不透明な点が多いということだと思います。
 こういう手法の開発というものは、今本当に根本から改めて、東京全体の都市再生というものを考えたときに、こういう一極集中型の開発をあっちこっちでやることが本当にいいのかどうか、今改めて考え直すべきではないかと思います。
 それで、もう一つは、当敷地内で発掘調査が行われていました、私もこの間見てきましたけれども。これは毛利邸の跡地ということで、本調査が今行われているようなんですけれども、その進捗状況と今後の予定はどういうふうになっているんでしょうか。

○森下都市づくり政策部長 埋蔵文化財の発掘調査でございますけれども、東京都生涯学習文化財団、東京都埋蔵文化財センターで現在調査を実施中でございます。進捗率は約四二%でございまして、調査は、ことしの十月末までの予定でございます。
 発掘物の保存方法などにつきましては、今後、事業者とか東京都の教育委員会が協議して調整していくこととなっております。

○かち委員 昨年の十二月末までの中間報告というのが出されているんですけれども、当然、江戸時代のもの、住居跡地が五ヵ所、縄文時代のものも出てきたというようなことが報告されています。それから、弥生から古墳時代前期にかけての住居跡も出てきているというようなことで、結構広範に住居跡地が出ているんですね。そういう意味では非常に歴史的な価値のあるものだと思います。
 こういう開発をやっている中で、出てきたとしても、結局財政問題ということがあって、事業者の意向がかなり働いて、本来保存すべきものが記録だけで終わってしまうというようなこともありますけれども、こういう遺跡そのものは、日本の歴史の、日本人みんなの宝物だと思うんですね。そういう意味では、きちんと文化庁や教育委員会の文化財団、東京都埋蔵文化財センターの学術的な検討に従って対応していただきますように、強く求めておきます。
 次ですね、最後の方にあります城南島のリサイクル施設の件についてです。
 産業廃棄物の問題が非常にクローズアップされてきて、産業廃棄物の中間処理能力が都内では四十数%と非常に低いということで、東京の産廃は東京で処理しなければならないというようなことがいわれてきて、スーパーエコタウン構想なるものも発表されてきているわけです。
 それで、どこにつくるかといっても、都心の中にはなかなかできない。そういう意味では、人の住まない臨海地域ということで白羽の矢が立ったのが大田区城南島の一角になるわけですね。で、今回は、混合廃棄物のリサイクル施設ということで、〇・九ヘクタールの部分ということになるわけですけれども、これだけにとどまらず、あと八社ですか、この地域に集積するということになるわけですね。普通の工業集積と違いまして、こういうリサイクルとなりますと、物を運んできて、また運び出すということでは、車の増というものも非常に懸念されるわけですけれども、この事業を決めるに当たって、生活環境調査をやられているようですけれども、周辺の交通発生量など、周辺への影響というのはどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。

○只腰都市基盤部長 城南島の建設リサイクル施設の整備に伴います環境への影響でございますが、これは事業者が、廃棄物処理法に基づきます生活環境影響調査を環境局と協議しながら実施しているところでございます。
 影響といたしましては、先生おっしゃいましたように、工場の操業に伴うものと工場への車の出入りに伴うものと両方考えられるわけでございます。
 工場の操業に伴うものにつきましては、この事前説明会資料の、説明はいたしませんでしたが、四六ページないし四七ページにございますように、基本的には建屋で機械等を囲いまして、騒音、振動あるいは粉じん等が外に出ないような工夫をするということで対処してございます。
 また、施設への車の出入りに伴う、いわゆる発生交通に伴う周辺環境への影響についてでございますが、出入り交通量が日で四百台ということでございます。この周辺につきましては、同じ資料の四三ページにございますように、工業専用地域でございまして、周辺にも同種の施設が立地しているということもございます。また、幹線道路でございます国道三五七号線並びに首都高の湾岸線につきましては、それぞれ四万台あるいは十三万台という多量の交通がございますので、全体としての交通面での影響につきましては軽微であるというふうに私ども考えております。

○かち委員 この施設の処理能力というのは、最大で一千七百トンか八百トンぐらいのかなり大きな処理能力を持っているようですが、実際の稼働率八時間とすれば、八百トンぐらいかなというふうなこともいわれました。そうしますと、日量の自動車交通量は四百台というようなことになるわけですけれども、単純に計算しまして、この地域に八カ所もこういう施設ができますと、自動車走行量は千五百台ふえるというようなことになるわけですね。
 で、この地域には確かに人は住んでいない、工場地帯ではありますけれども、ここの地域に来るのには、かなり道が限られているわけですね。そういう道を通ってくる。今でさえ、あの周辺地域、湾岸道路地域というのは非常に込み合う。環七も込み合って、大気汚染のひどいところです。そういうところにまた負荷がかかっていくという点では、それは軽微なものと、大きな数の中の少ない数だから軽微だとはいいますけれども、これ以上の負荷をかけてほしくないというのは、大田区民の願いでもあるわけです。そういう意味では、環境影響が本当にないんだということを示していただきたいんですけれども、そういうことはなかなかわからない。今回の調査も、調査資料を見せてほしいといっても、それは民間事業者がやっているからということで、提示することはできないという点では、非常に住民は不安感ばかりが高揚するわけです。
 それで、この説明会が行われたようですけれども、そこでの主な意見、要望というのはどういうものだったでしょうか。

○只腰都市基盤部長 本年の一月の十四、十五でございますが、これは都市計画手法で行うということで、都市計画の素案としての説明会を実施したところでございます。
 周辺に余りお宅がないということもございまして、三十名ほどの参加であったわけでございますが、主な意見といたしましては、今、先生からご指摘がございましたように、交通混雑が悪化するのではないかというようなご指摘、これにつきましては、今お答え申し上げたようなことで、増加交通が周辺環境に与える影響は少ないということでご説明をしてございます。また、施設から悪臭が発生するのではないかというようなご意見もございました。これにつきましては、主に悪臭の発生の原因としては木くずが考えられるわけでございますが、この木くずにつきましても、長期にストックをしないで、なるべく早く破砕等の処理を行うということで、環境への影響は少ないと。また、事業スケジュールがどういうものか。これは、都市計画決定、本年三月に決定すれば、その後六月に着工して、十六年の秋ごろ稼働ということで、そのようなことをお答えした経過がございます。

○かち委員 この施設そのものは十六年ぐらいまでにでき上がって始動するだろうということですけれども、そのスーパーエコタウンの計画からすると、まだ具体的に事業者が決まっていないものの、この二、三年のうちにばたばたっと八社ぐらいがつくられていくわけですよね。そういう意味では、ここにリサイクルプラントというか、そういう集積地を設置するわけですから、それらが全部稼働したときにどう生活影響があるか、そういうことをぜひ検討していただきたい、そういうことを要望しておきます。
 それから、もう一つあるんですが、八ページの江戸川区西瑞江二丁目ほか各地内の都市計画決定ですね。用途地域の変更ということです。
 江戸川の地域というのは、区画整理事業が幾つかありまして、この西瑞江地域のところも、一九八〇年代の末に事業決定をしながら、そういうことがずっと進まないで、十年もおくれてきてしまったというような状況の中で、やっと今回、都市計画決定されるという状況になってきたわけです。そういう意味では住民の皆さんも非常に関心が高いし、直接生活にかかわるという問題で、いろいろとこの間、意見なども交流されてきたというふうに思うんですけれども、この計画を進めるに当たって、瑞江西部土地区画整理事業の事業決定までの経緯と、地区計画の策定までの地元説明会、こういうものの経過はどうなっていたでしょうか。

○森下都市づくり政策部長 まず区画整理事業の経緯でございますけれども、昭和四十四年に土地区画整理事業を施行すべき区域という都市計画決定がされておりまして、平成六年七月には事業計画を決定して、平成十四年三月に換地設計を決定した上、平成十四年の九月に第一回目の仮換地指定を行ったところでございます。その事業の実施に際しまして、説明会とかニュース等、個別相談会などを通じまして、関係の住民の皆さん等の事業内容の周知徹底を図っているものと聞いております。
 それから、地区計画の策定の経過でございますけれども、平成十四年三月から地元と協議に入りまして、地区計画策定に当たりましての事前説明会あるいは素案の説明会、個別相談会などを開催しております。

○かち委員 いろいろ説明会、相談会などやっているようですけれども、あそこの地域の該当地権者というのは何人ぐらいいらっしゃるんでしょうか。

○森下都市づくり政策部長 土地区画整理事業の権利者数は千二百十六名でございまして、建物の棟数としては千三十一棟でございます。

○かち委員 千人以上の皆さんが影響を受けるということになるわけですけれども、非常に皆さんも熱心で、何回も話し合いをしてきたということで、説明会には六百名ぐらい参加をするというような状況も聞いております。で、瑞江西部土地区画整理事業の今後の見通し、事業の見通しというのはどういうふうになるでしょうか。

○森下都市づくり政策部長 事業についてはいろいろな段階がございますけれども、仮換地の指定をして、建物の移転補償をして、それから実際の建物の移転、それから整地、道路工事等の施行を順次実施していきまして、仮換地の引き渡しを行うということでございますけれども、そういった手順を順繰りにやりまして、平成二十五年度末ぐらいまでの事業を予定していると聞いております。

○かち委員 これまでにも、財政問題ということで区画整理が非常におくれてきたわけです。促進議員連盟などもできているところですけれども、そういう意味では、地域の皆さんの住み続けられるまちづくりという点、そういう要望にこたえて積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 区画整理は都市計画局とちょっと違うんですけれども、そういう意味で、今回計画が出されている、一三ページなどを見ますと、建物の高さ、これも限度をきちんと入れているんですね。都市計画道路のところでも、十六メートルまでの高さにするというようなことを決めています。そういう点ではかなり住民の皆さんの意向が反映されたものではないかと思うんですが、一つ懸念されるのは、この計画の中に、総合設計を行った場合は制限を適用しないというふうな文言があるんですけれども、これはどういうことになるんでしょうか。

○森下都市づくり政策部長 総合設計によります建築物の場合は、敷地を共同化したり、あるいは公共空間、オープンスペースの創出を図るというふうなことによりまして、市街地環境の整備改善に資する建築計画になっているというところから、その当該地区計画においては、総合設計制度による建物については高さの制限を適用しないという趣旨となっております。

○かち委員 みんなで決めたまちづくりということに今進もうとしているときですけれども、そういう中で一定の地権力のある方、不動産業者とか、そういう方が一定、千平米以上ですか、そういう土地を総合設計でやりたいとなった途端に、今までのみんなの取り決めというのは崩れてしまうわけですよね。高さが制限のないものになったり、空地はできるかもしれないけれども、非常に巨大な建物ができたりということでは、町並み、まちづくり全体が壊れてしまうというような懸念もされますので、その地域の皆さんがこういうまちづくりをしたいという意向があるならば、それに沿うような計画決定をぜひしていただきたいということを要望して、終わります。

○大河原委員 私からは、環境影響評価手続開始案件、放射五号線について質問をしたいと思います。他の委員が既に質問をなさいましたので、短く伺っていきます。
 ことしは江戸開府四百年、玉川上水も開削三百五十周年ということで、大変記念すべき年だと思います。玉川上水の歴史的な価値、それから緑の多い自然環境に恵まれたというところは、高く私も評価しているところなんですが、東京都は平成十一年には歴史環境保全地域、そして翌年には景観基本軸も策定するという形で、大変この地域を大切にしているということがわかります。昨日も水道局が、国の文化財保護法に適用される史跡指定を求めて申請を行う旨を発表しています。多く都民に愛されている玉川上水だからこそ、長年にわたってこの放射五号線に関する道路計画に関する意見はさまざまに出てきたと思います。
 東京都もこうした声を受けとめて、総合アセス制度の試行といった新たな手法を持ってこの道路計画を進めたいというふうにお考えなんだと思います。そして複数案を提示するという試みもされてきたわけですけれども、今現在どのような住民の方々のご意見が出ているのか、その点からまず伺いたいと思います。

○只腰都市基盤部長 先ほど既にお答えをいたしましたとおり、環境総合アセスメント制度の試行に伴いまして、その途中の段階でいろいろ説明会、あるいは住民の方の求めに応じた懇談会等を実施してまいってきております。いろいろさまざまな意見があるわけでございますが、主として玉川上水あるいはその環境保全を求める方々からは、放射五号線の撤回あるいはルート変更などの意見をいただいているところでございます。また、計画線内に長く住んでおられる方々からは、事業化の見通しが立っていない、建てかえができないじゃないかというような意見を主としていただいているところでございます。

○大河原委員 昨年の十二月二十五日に、玉川上水と放射五号線六者協議会というのが、長く活動されてきておりますが、東京都に対して要望を出しておられます。その内容は、外郭環状道路計画で今行われている市民参画、PIですね、パブリックインボルブメントという方式でこの放射五号線も考えていきたいというお考えのようなんですけれども、この点について、PI方式ということでこの道路を議論できないか、東京都の方ではどのようにお考えでしょうか。

○只腰都市基盤部長 昨年の十二月二十五日付でございますが、知事あてに放射五号線の道路建設計画に関する要望書ということでいただいております。るるお書きになっておられますが、最後のところで、今ご質問にございましたように、これまでのようなその場限りの会合ではなく、住民参加というにふさわしい継続的な話し合いの公式の場をつくることを要望いたします、このような趣旨のご要望をいただいているところでございます。
 今先生のご質問、マクロPI的なというふうにおっしゃったんだと思いますが、私ども、先ほどまでるるご説明いたしましたとおり、いろいろな場をとらえまして、説明会あるいはご意見を承る機会を持たせていただいてございます。事業者とともに、今後におきましても、この原案も含めまして、十分ご理解を得られるよう、対応してまいる所存でございます。

○大河原委員 私も建設局のホームページを見させていただきまして、いろんな意見もすべてホームページに載せて、お答えも、それに対する東京都の考え方というのも載せているということでは、ここが総合アセスを、新たな方法を使うという東京都の心意気もわかります。
 ところが、今あったように、PIでやれというようなお話が出てくるということは、つまり、この道路の必要性から議論してほしいということがいまだにあるということですよね。つまり総合アセスの中に複数案は出ましたけれども、その中に事業実施しないというゼロ案はなかった。だから総合アセスを評価する場合も、その複数案の中にそういった事業化しない案がないということでの批判もありますし、生活者ネットワークも、このゼロ案は当然入れるべきじゃないかというふうに主張してきましたので、こうしたお考えがまだある、今マクロPIとおっしゃったんでしょうか、とてもうまい表現だなと思いますけれども、そういった意味では、この総合アセスにいろんな意見が出たときにどのように受けとめていくのか。特に審査会もさまざまに議論をして、大変悩まれた様子も漏れ承っているわけですけれども、B案に決まっていく過程がなかなかオープンになっていないんじゃないかというふうに思います。
 それで、住民がこの東京都に対して問い合わせをするときに、B案以外は話を受け付けないというふうにお答えがあったと聞いています。B案の決定に至る過程をオープンにする意味でも、もう少し、B案に決定されたこと、どんなふうに、どんな議論があって、いつ発表されたのか、もう既に基本計画ももちろん発表されているわけですけれども、改めて伺いたいと思います。

○只腰都市基盤部長 初めに、A、B、C案でございますが、総合環境アセスメントの試行に当たりまして、複数案に基づく検討をしようということで三案選定したものでございます。A案につきましては、既定の幅員で整備をする、つまり、五十メートルの幅を変えないで考えるということ。それからB案につきましては、先ほど説明したような十メートル拡幅ということでございます。それからC案につきましては、玉川上水を暗渠化するということで、それに伴って道路構造を考えるということで、そういう三案につきまして検討を進めてまいってきたところでございます。
 その経過につきましては、先ほど説明の中で申し上げましたので、繰り返しになる部分につきましては避けますが、最終的には、審査意見書の中で、A案よりB案の方が玉川上水及び沿道への環境影響が軽減される可能性がある、一方、C案、上水の暗渠化の案につきましては、玉川上水の歴史環境保全地域指定の趣旨等とは合致しない、このような審査意見書をいただいたところでございます。私どもといたしましては、この審査意見書を尊重した中で、今回、B案に沿った都市計画変更の内容をまとめまして、案としてご提案をしているところでございます。
 また、B案でなければ話を受け付けないというような、どういう場面で、だれがそういういい方をしたかはちょっとつまびらかにはわかりませんが、私どもとしては、広くどんな案でも都民の方のご意見は承ると。ただ、実行可能であるということ、それから、最初にも申し上げましたように、この区間だけが未整備で、それに伴ういろんな影響が及んでいる、そういうような事情を考え合わせた中で判断をしなければならないのではないかというふうに考えております。

○大河原委員 全長十五キロのうちの一・八キロ未整備ということですから、それは整備をして全線開通させるということをやっぱり望まれているということもよくわかります。
 ただ、今出ているB案ですが、これは全く変わる可能性のないものなんでしょうか。

○只腰都市基盤部長 B案の中身でございますが、先ほどご説明いたしましたように、六十メートルの中に、基本的には真ん中の上水部分は手をつけないで、そのわきに遊歩道をつくるというような構造、それからその両側に四車線、二車線ずつの車道を置く、またその外側には環境施設帯を置く、基本的な考え方はこういうことで組み立てられております。
 ただ、具体的な環境施設帯というのは、沿道の宅地の前につくるものでございますので、その辺のつくり方、それから横断の場所をどうするかとか、その辺の道路のつくり方につきましては、沿道の方々と十分ご相談の上、物をつくっていかなければならないのではないかと、そういう観点での話し合いを引き続きやっていく必要があるんじゃないかというふうに考えてございます。

○大河原委員 さまざまな意見が出てきて、そして、今現在もこの計画については、まだまだ変更を望む声もなくなっていません。それで、この環境影響評価手続が開始されるわけですけれども、手続の上でこれまでもやってこられたというふうにお答えにはなっていますが、住民との丁寧な話し合いの場、それをぜひとも確保していただきたいというふうに思います。
 そして、今回の公園区間の変更ですが、これによって、玉川上水沿いの緑、緑地ですね、緑はどのように変わっていくのか、その点についてはどうでしょうか。

○只腰都市基盤部長 今回、玉川上水緑地につきましては、先ほどの説明の中にも少し申し上げましたが、場所によって違いますが、原則十八メートルの幅員になっているものを二十五メートルに広げます。六十メートルの道路の中にダブる形で都市計画決定いたすわけでございますが、結果といたしましては、この緑地面積につきましては、精査した結果、従前の計画決定面積十五・九八ヘクタールから十七・四ヘクタールに変更となるものでございます。
 また、具体的な緑地空間のあり方でございますが、玉川上水緑地のいわゆるさくの内側につきましては、史跡の指定ということもございまして、基本的にはいじらない、従前の形を尊重するということになるわけでございますが、その両側の遊歩道とか緑地空間につきましては、いろんなつくり方があろうかと思います。散策するような方が便利に、あるいは快適に歩かれるような環境を工夫していく余地はあるのではないかと思います。

○大河原委員 総合アセスの初めての事例ですから、本当にあくまでも丁寧に扱っていただきたいと思います。
 きょう委員会室に来て初めてこの資料が配られたんですけれども、こういった資料も、事前にもっと早く委員の手に渡してほしいわけです。
 最後に確認ですが、この中に計画交通量が入っておりますけれども、平成十年のパーソントリップ調査をもとにしたOD表、これを使っているわけですが、完成時といわれる二十四年の交通量も出ています。この時点では三環状の完成というのが入った推計になっているんでしょうか。それを最後に伺いたいと思います。

○只腰都市基盤部長 計画交通量でございますが、基本的には将来の平成三十二年時点での全体の交通量をもとにしまして、それを内挿する形で平成二十四年度のその時点での完成すると思われる路線につきまして入れ込みまして、予測をしてございます。
 三環状全体といいますか、路線ごとにそれぞれ評価して、その時点で完成が見込まれるものにつきましては、入れる、入れないということでやっているわけでございますが、例えば外環等につきましては入れていないということでございます。

○大河原委員 そこをもう少し詳しく、外環は入れていないということは、残りの二つは入っているんですね。

○只腰都市基盤部長 先ほど申し上げたように、二十四年時点で供用されているだろうという区間を検討いたしまして入れているわけでございますが、外環は東京都内区間入れてございません。それから、中央環状線につきましては、新宿線につきましては入れていますが、品川線については入れていないということで、つまり、全体については、部分で入っている部分と入っていない部分とあります。

○大河原委員 これまでもホームページにも載せてこられましたけれども、より大勢の人がこの計画、情報提供を待っております。ぜひとも、情報公開を徹底して、さまざまな意見を酌み取ってこの事業に取り組まれることを望みまして、質問を終わります。

○清水委員 私も放射五号線について伺います。
 総合環境アセスメント制度試行では、制度の目的、意義を、計画の立案のできるだけ早い段階から環境に配慮するとしていますが、道路事業の場合は、計画のできるだけ早い段階というのはどういう時期なのか、それは路線の決定と車線数の決定だと思います。それで、計画の見直しが弾力的に行えるようにするという線引きの見直しも含まなければ、弾力的とはいえないと思います。この場合、既に都市計画決定がされているという線引きの対象の見直しをしないというのでは弾力的といえるのか、本当の意味での総合アセスメント制度といえるのかどうか。ゼロの案を入れなかったことは、総合アセスを限界あるものにしてしまったのではないでしょうか。行わないという案も含め、そのメリット、デメリットを明らかにして、都民、関係者の意見を聞く制度が必要であったのではないかと思いますが、その点についてどのようにお考えになりますか。

○只腰都市基盤部長 私ども都市計画局でございますので、総合環境アセスメント制度の制度化、あるいはその法制化の是非等について言及するのはご容赦願いたいわけでございますが、この放射五号線を試行段階で例としたことにつきましては、先ほど来申し上げているとおり、中央部に玉川上水が流れているということで、その取り扱いが大きな課題になっておる。そういう意味で、環境と道路事業との調和という観点での、好ましいといいますか、適切な事例であるということから、総合環境アセスメント制度の試行対象として選定されたのではないかというふうに考えております。
 ただ、先ほどもちょっとご答弁申し上げましたように、全くフリーにその路線を選べるという状況ではございませんで、この一・五キロ区間だけが、計画決定以後三十年余を経まして、事業未着手のまま放置されていたという状況もございますので、ご指摘のようなゼロ案をその中に入れて評価するということについては、私ども適切ではなかったということで、先ほどのA、B、C案の三案につきまして検討を進めてきたということでございます。

○清水委員 十三年の三月に出されました東京都総合環境アセスメント試行審査会の答申の中の、これは会長さんが、初めに、答申に当たってというところで、今回の試行対象計画について言及されておりますが、提案された複数の計画案は、いずれも既定都市計画ルートなどを前提としたものであるため、可能な選択肢の幅が狭くならざるを得なくなり、本制度が予定する典型的な事例であったとはいいがたいというふうに--その後で、しかしということで、この制度でこれをしたことを一応肯定していますけれども、前段の中で、典型的な事例であったとはいいがたいということで、まあ、しかしの後の苦渋の言葉が読み取れるわけですけれども、やはりそういう点では、道路計画などでも、都市計画決定前のルートも、ゼロも入れて行うということが大事だったのではないかというふうに思います。
 それで、試行審査会の答申を受けて、それはどのように反映されたのでしょうか。

○只腰都市基盤部長 これにつきましては、一部繰り返しのご答弁になりますが、先ほど申し上げましたように、B案が一番環境への影響を軽減できるという答申あるいは知事の意見書もございましたので、私どもとしましては、その案を基本にいたしまして、都市計画の幅員を五十から六十に広げるという、今回の変更内容でございますが、そういう案を作成したわけでございます。
 具体的に申し上げますと、これも繰り返しになりますが、中央の玉川上水を含む緑地の幅を十八メートルから二十五メートルに広げる、それから、両側に十メートルのそれぞれ環境施設帯を設置することで沿道への環境影響の軽減を図ったものでございます。

○清水委員 これの初めにのところで、ここでは環境重視の視点ということでいっています。先ほど、都市計画決定してから三十六年経過したといわれてまいりまして、それで早く計画を進めろというご意見がありましたけれども、しかし、この三十六年の中に、東京の中に一体どういう変化が起こったのか、そういうことを考えたら、早く進めろでいいのかどうかということは大変問題だと思います。
 ここの初めにというところで、深刻な環境問題が顕在化している今、開発を前提として、できる範囲で環境に配慮する、それは転換すべきだと。二十一世紀は、環境の問題は、我々の行動選択における最重要の要素にならざるを得ない。道路のような最も基本的な都市施設といえども例外でないと。ずっと省略しますけれども、本制度は、計画を環境面から評価するものであり、事業の必要性自体について直接政策判断するのではないが、しかし、今や開発か環境かの二者択一が問われるのではないと、そういうふうに評価して、これはB案になっていくようになっていますけれども、しかし、三十六年の間に同じ状態で来たわけではないわけですよ。ですから、そこには、やはり振り出しに戻って、そして、環境面から考えたらどういうことをここでは検討すればよいのか、それを問題にするべきだったというふうに思います。
 さて、そこで伺いますけれども、今回、公聴会ですか、公述人の中で、商店会員の五十七人を代表した方がありました。
 その方は、実施主体と地域の多くの住民との間に合意がされる状況ではないと。東京都が配慮した環境と、関係住民の多くがかけがえのないと感じている地域環境とに相違がある。提案されたとおりの道路が整備された場合には、地域の多くの人たちが、現存する幸福の主たるものを失う。具体的には、町の分断、住民主体のまちづくりの可能性も一気に失う。車と隔絶された水と緑の空間を失う。それは、たとえ緑地が残り、緑の緩衝帯が造成されても、わきを車が通る環境では、配慮し保全する環境そのものに相違がある。今回の対象区間についての話し合いが、地元住民、団体との間で全く持たれていない、そういうことで公述されましたが、そういう地域環境、住民が大切にすべき環境と東京都が配慮したという環境とは違うといっているわけですけれども、その点についてどのように考えますか。

○只腰都市基盤部長 地元の方々に大変なじまれているといいますか、そういう意味での玉川上水あるいはその緑地の環境でございますので、いろいろ地域に愛着を持っておられることから、いろいろなご意見があることにつきましては、私ども承知をしてございます。
 そういう観点から、私どもとしましては、玉川上水をそのまま存置するということ、それから、そのわきに遊歩道を置きまして散策ができるような整備をするというようなことを主眼にしまして、今回、都市計画変更の手続に入ることにしたわけでございます。
 具体的なつくり方、あるいはデザインとかいろいろなことにつきましては、地元の方々のご意見を入れて、先ほど申し上げたとおり、その考える余地はあろうかと思いますが、基本的な考え方に相違があるということは、私ども、ないのではないかというふうに考えております。

○清水委員 公述記録を読ませていただきましたけれども、非常に多岐にわたって、そして、この道路には疑問だという、そういう方の公述が非常に多かったというふうに思います。
 それで、省略しながらやりますけれども、重ならないようにやりますけれども、この地域には、六十七種類の樹木、百五十種の野草が確認をされております。そして、十二年の四月十八日の都市・環境委員会では、その当時の部長が、東京都のレッドデータブックに載っている種は、ヤマドリゼンマイ、アマナ、チダケサシ、ノウルシがあるというふうにいっています。ここに四種類あるといっています。
 ところが、今回、きょう見ただけだから、ちょっとよく読み取れていないんですけれども、五四ページの注目される種の一覧というのがあるんですけれども、ここには、ユキノシタ科でチダケサシ、ユリ科でアマナというのがあるのですけれども、ヤマドリゼンマイとノウルシというのがありませんが、それはどういうことでしょうか。

○林委員長 答弁できますか。

○只腰都市基盤部長 大変込み入ったご質問でございますが、私ども、国のレッドデータブックに記載されているのが一種、それから、東京都のレッドデータブックに記載されている、国の危急種に相当するBランクが一種、国の希少種に相当するCランクが四種、計五種ということで、この評価書案の概要の五四ページの表にその旨記載をしているとおりでございます。

○清水委員 しかし、四年前ですよね。四年前のご答弁では、四種類あるというふうにいっているんですよ。そこら辺は、これは始まったばかりなんですけれども、よく調査をしていただきたいし、これ、しっかりともう一度調査していただきたいと思います。
 そして、もう一つ、ラン科のキンランなんですけれども(資料を示す)これは玉川上水の近くの方が、玉川上水の中にある、写真を撮られて大きくされているんですけれども、注目すべき種で、キンランがここにあるというのは書いてあるんですけれども、しかも、こちら、ギンランもあるんですよ。
 これは、地元の住民がここを写真撮影したわけだから、これ、あるんですよ。それが載っていないじゃないですか。いいかげんな調査じゃないんですか。

○只腰都市基盤部長 今回、評価書案ということで公表したわけでございますが、これにつきましては、現地の実測に基づきまして、植物の種につきまして確認の上、記載をしたところでございます。
 現地でこういうものもあるのではないかということでございましたらば、今後、評価書案を評価書にする作業、アセスメントの作業を行いますので、意見書等を提出いただきまして、私ども、それが正しいということであれば、評価書案を修正してまいりたいというふうに……。

○清水委員 植物一つとってもそういうことなんですから、今、前の委員がいわれたように、予測交通量が一体どうなるのかということも信用できなくなってしまいますよ、そういうことでは。ですから、やはり本当に守るというんだったら、じゃ、守るべき対象のものは何なのかということがはっきりしなければ、守ることもできないじゃないですか。
 それで、じゃ、この注目すべき種をどうするのかというのを見ましたら、なかなか出なくて、六四ページに注目される種はどうするのかということですけれども、それぞれが、牟礼橋付近の工事によって改変される注目種はない、注目される群落であるムクノキ、ケヤキ林が改変を受ける。その後も、ムクノキ、ケヤキ林のほとんどは残存する、事業による著しい影響はないと予測されるということだけが、注目される種と注目される群落の評価なんですよね。
 それでは、今、含めまして、いろいろと百何十種でしたか、百五十種の野草ですよね。百五十種の野草というのは一体どうするのかというのは、ここに書いていないんじゃないですか。それはどういうふうになるんですか。

○只腰都市基盤部長 誤解のないように申し上げておきますが、基本的には、今回、先ほど申し上げましたとおり、玉川上水部分のさくの中につきまして、私ども手をつける考えはございません。また、従来に増しまして、玉川上水を含めまして二十五メートルの緑地幅を確保いたしますので、その中で十分対応できるというのが、私ども事業者あるいは計画者としての環境アセスメントに対する対応の方針でございます。

○清水委員 それでは、じゃ、そのさくの中の二百十種の樹木、百五十種の野草というのはどういうふうになる--住民の方は、住民の方だけじゃないですよね。こんなキンラン、ギンランなんていうのは、八王子でだって珍しいんですよ。花は咲いていましたけれども、花が咲いたのを見つけるというのは、八王子だって大変なことなんですけれども、そういうものをどういうふうにするというふうに思っているんですか。野草の百五十種の種類はどういうふうになるのですか。

○只腰都市基盤部長 何度も繰り返しのご答弁で申しわけございませんけれども、玉川上水の区域並びにそれに隣接するエリアにつきまして、私ども、基本的には手をつけないで、その外側に車道なり環境施設帯をつくるということでございますので、基本的には、この部分についての改変の可能性はないのではないかと。
 一部、橋梁部分につきましては、やむを得ず、渡る部分につきましては改変いたしますけれども、それ以外のエリアにつきましては手をつけるようなことはないというふうに考えまして、基本的なこの環境影響評価書案を作成してございます。

○清水委員 改変--手をつけなければ、それが守られるという保証はあるんですか。(「そこまでいわれたら……」と呼ぶ者あり)だって、そうでしょう。そういうことでしょう。手をつけなければ守られるのか。そうやって環境というのは評価するのではないんですか。そうだと思います。
 それで、車道、四車線の約四万台の通過交通が一体どういう影響を与えるのかというのはわからないと思うんですよ。必ずそれは守れるという保証もないと思うんですよ。
 それで、皆さん、キンラン、ギンラン、大したことはないといわれる方もいるかもしれませんけれども、しかし、杉並区でこういう自然が残るというのは、それこそ貴重なことで、それで、道路をつくるということと、まあ比べることはできないと思うんです、しかし、今、三十六年たって環境問題が重要な視点になっているときに、こんなに貴重なものがあるところを、どうして道路計画ができるんですか。何でこういうところが道路計画になるんですか。そういう三十六年前につくったところでも、それを今日の時点で考え直すということが必要だというふうに思います。
 それで、最後に伺いますけれども、三・二・二と放射五号線、それぞれ事業費は幾らでしょうか。

○只腰都市基盤部長 済みません。答弁が遅くなりまして申しわけございません。
 放五の区間が三百三十億円でございます。また、前後関連いたします東八の一部並びに周辺の道路を合わせまして、それが九十億でございまして、四百二十億円程度というふうに見積もってございます。

○清水委員 一メートル約一億数千万円ですよね。今日そういう道路をつくって、本当に環境がどうなるのかという、そういう事業をする必要があるのかどうか。今、JRや京王井の頭線、小田急線などが、公共交通網が整っている地域だと思うんですよ、この地域は。
 そして、TDMをやるというふうに、前のときには答えられています。道路建設が先にあってこの計画はつくられているんですけれども、自動車の量を減らすことを考えることが必要じゃないでしょうか。
 玉川上水に道路計画をつくるということが起こったときに、こういうときに都の道路行政を変更するときなんですよ。そういうときに、やはり考え直すということが大事だというふうに思います。
 今回の案は都市計画審議会に付議すべきではないことを申し上げまして、質問を終わります。

○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市計画局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時一分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る