委員長 | 林 知二君 |
副委員長 | 樋口ゆうこ君 |
副委員長 | 真鍋よしゆき君 |
理事 | 織田 拓郎君 |
理事 | いなば真一君 |
理事 | こいそ 明君 |
清水ひで子君 | |
大河原雅子君 | |
野上じゅん子君 | |
山田 忠昭君 | |
かち佳代子君 | |
大塚 隆朗君 | |
林田 武君 | |
新藤 義彦君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市計画局 | 局長 | 勝田 三良君 |
次長 | 藤井 浩二君 | |
技監 | 杉浦 浩君 | |
理事 | 小林 崇男君 | |
総務部長 | 飯山 幸雄君 | |
都市づくり政策部長 | 森下 尚治君 | |
都市づくり調整担当部長 | 南雲 栄一君 | |
マスタープラン担当部長 | 河島 均君 | |
都市基盤部長 | 只腰 憲久君 | |
航空政策担当部長 | 甲斐 正彰君 | |
外かく環状道路担当部長 | 成田 隆一君 | |
都市防災部長 | 柿堺 至君 | |
市街地建築部長 | 野本 孝三君 | |
環境局 | 局長 | 小池 正臣君 |
総務部長 | 西野 和雄君 | |
参事 | 梶原 秀起君 | |
環境改善部長 | 松葉 邦雄君 | |
参事 | 小島 高志君 | |
自動車公害対策部長 | 山本 憲一君 | |
参事 | 月川 憲次君 | |
自然環境部長 | 町 格君 | |
廃棄物対策部長 | 福永 富夫君 | |
スーパーエコタウン担当部長 | 古川 芳久君 | |
参事 | 松本 保幸君 | |
環境評価部長 | 百合 一郎君 | |
局務担当部長 | 平田 信幸君 |
本日の会議に付した事件
請願の取り下げについて
都市計画局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都再開発地区計画等の案の作成手続に関する条例の一部を改正する条例
・東京都駐車場条例の一部を改正する条例
・東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
陳情の審査
(1)一四第五九号 東池袋四丁目地区市街地再開発組合の調査に関する陳情
環境局関係
請願の審査
(1)一四第四〇号 米軍横田基地の公害対策に関する請願
報告事項(説明・質疑)
・都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針
○林委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
初めに、お手元配布のとおり、請願一四第四九号につきましては、議長から取り下げを許可した旨、通知がありました。
○林委員長 次に、第四回定例会中の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、初めに都市計画局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに陳情の審査を行います。次に、環境局関係の請願の審査並びに報告事項の説明聴取を行っていただきます。
これより都市計画局関係に入ります。
初めに、第四回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。
○勝田都市計画局長 本日は、平成十四年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております都市計画局関係の案件についてご説明を申し上げます。
提出予定案件は、条例案が三件でございます。
お手元資料1、平成十四年第四回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
今回提出予定案件でございますが、東京都再開発地区計画等の案の作成手続に関する条例の一部を改正する条例(案)、東京都駐車場条例の一部を改正する条例(案)及び東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例(案)についてでございますが、建築基準法等の一部を改正する法律の施行に伴います関係規定の整備を行う条例改正でございます。
私の説明は以上でございますが、引き続き詳細な内容を総務部長より説明させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○飯山総務部長 まず、東京都再開発地区計画等の案の作成手続に関する条例の一部を改正する条例(案)でございます。
お手元の資料1の二ページをお開き願いたいと存じます。条例案の概要を記載しております。
(1)の改正の理由でございますが、建築基準法等の一部を改正する法律の施行に伴い、関係規定の整備を行うものでございます。
(2)の条例案の概要でございますが、条例中の用語の改正を行うものでございます。
なお、三ページから四ページにかけまして条例案文を、五ページには新旧対照表をそれぞれ記載してございますので、ご参照いただければと存じます。
次に、東京都駐車場条例の一部を改正する条例(案)につきましてご説明申し上げます。七ページをお開き願います。
(1)の改正理由でございますが、建築基準法等の一部を改正する法律の施行に伴い、関係規定の整備を行うものでございます。
八ページに条例案文を、九ページには新旧対照表をそれぞれ記載してございますので、ご参照いただければと存じます。
続きまして、東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例(案)につきましてご説明申し上げます。
一一ページをお開き願います。
(1)の改正の理由でございますが、建築基準法等の一部を改正する法律の施行に伴い、関係規定の整備を行うものでございます。
(2)の条例案の概要でございますが、地区計画等が統合整理されることに伴い、日影規制対象区域外とする区域について一部見直しを行うものでございます。
一二ページから一六ページにかけまして条例案文を、一七ページから一八ページには新旧対照表をそれぞれ記載してございますので、ご参照願えればと存じます。
大変雑駁ではございますが、以上で、平成十四年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○林委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 発言がありませんので、資料要求はなしと確認させていただきます。
○林委員長 これより陳情の審査に入ります。
一四第五九号、東池袋四丁目地区市街地再開発組合の調査に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○柿堺都市防災部長 お手元の資料2、請願・陳情審査説明表によりご説明を申し上げます。
一ページをごらんいただきたいと存じます。
整理番号1、陳情一四第五九号は、東池袋四丁目地区市街地再開発組合の調査に関する陳情で、豊島区の岡崎広昭氏から提出されたものでございます。なお、陳情者のお父様が施行地区内の土地建物についての権利者でございます。
陳情の要旨でございますが、東京都市計画東池袋四丁目地区第一種市街地再開発事業を推進、施行する東池袋四丁目地区市街地再開発組合について、一から四に記載の項目について調査をしていただきたいというものでございます。
なお、当該地区は、三ページの位置図及び配置図にございますように、池袋駅の南東約七百メートル、地下鉄有楽町線東池袋駅至近にございまして、区域面積は約一・六ヘクタールでございます。
恐縮でございますが、一ページに戻っていただきたいと存じます。
まず、これまでの経緯でございますが、当該地区は、平成五年八月に都市計画決定され、同六年十一月に組合が設立されております。
その後、平成十三年七月に、業務中心の計画から住宅中心の計画へと事業計画が変更されております。
また、本年九月に権利変換計画の認可申請がなされましたが、この権利変換計画については、権利者二百三十三名中、本件陳情者を除くすべての方々の同意が得られておりまして、十一月六日に同権利変換計画を認可しております。
次に、陳情事項についての現状でございますが、要旨一の、再開発地区内の地権者に対して誠実な話し合いを行っているか明らかにすることについてですが、組合は、地権者及び借家人に対して誠意を持って話し合いを行い、対応してきたと主張しております。
なお、組合が提示した補償金額と陳情者の主張には相当な隔たりがあるため争いになっておりまして、平成十三年から本年にかけて行われました民事調停は不調となっております。
また、本件について陳情者は、本年六月に組合を相手に訴訟を提起しているところでございます。
要旨二の、再開発組合で働く職員の給与が、正しく労働の対価として支払われているかどうかを明らかにすることについては、陳情者は、平成八年から平成十二年までの間、組合が実質的に休止状態にあったにもかかわらず職員給与を払い続けたと主張しております。一方、組合は、この期間はバブル崩壊に伴う事業計画の見直しの時期に当たり、休止状態ではなかったと主張しております。
要旨三の、再開発地区内住民に対する脅迫行為の有無を明らかにすることについては、陳情者は、代執行をちらつかせて立ち退きを迫ったと主張しておりますが、組合は、法律の説明を行ったことはあるが、そのような事実はないと主張しております。
要旨四の、再開発組合が主張する、土地建物の評価基準日は自動的に更新されるという考えは違法であることを明らかにすることについては、土地建物の評価基準日については都市再開発法に規定されておりまして、評価基準日の設定はこれに基づき適正になされており、陳情者の違法との指摘は当たらないものでございます。
なお、陳情の要旨一から三につきましては、陳情者と組合の主張が相反しておりますが、都市再開発法に基づき、本件に関して東京都が組合に対して報告を求めたり、監督上の検査を行うことは適当でないと考えております。
また、要旨四につきましては、法の規定に基づき適正に運用されているところでございます。
以上で本件陳情の説明を終わらせていただきます。
○林委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○かち委員 それでは、一四第五九号、東池袋四丁目地区市街地再開発組合の調査に関する陳情について質問いたします。
本件は訴訟中ということであり、議会としては経過を見守るべきだと思いますけれども、何点かお聞きします。
この再開発事業計画の所在地というのは、JR東池袋の東南約七百メートルに位置し、施行区域が一・六ヘクタール、サンシャインシティーの超高層ビルのすぐ隣に隣接したところということです。
経緯が書かれていますけれども、平成五年八月に市街地再開発事業として都市計画決定し、平成六年に組合を設立し、事業認可が出てから、本年、平成十四年十一月に権利変換計画認可がおりるまで八年、かなりの年数を経過しているんですが、その理由は何でしょうか。
○柿堺都市防災部長 先ほどの経過の中でもご説明をしましたように、本件については平成五年に都市計画決定を行い、同六年に組合が設立されたわけでございますけれども、当初計画は業務床中心の事業計画であったわけでございますが、その後の経済情勢の変化によりまして、確実な保留床の処分が見込めなくなったというようなことで、住宅中心の計画に変更することとなったわけでございます。平成十三年に都市計画及び事業計画の変更を行いまして、権利者の合意形成を重ねた上で、今般、権利変換計画を作成し、今日に至ったところでございます。
○かち委員 確かにこの計画は、バブル崩壊の影響を受けて、計画も二転三転をしてきたという経過をたどっているわけですね。
この東池袋四丁目地区再開発事業のパンフレットを見ますと、昭和六十三年、八六年に、バブルの始まった年に、地価が高騰する中で、フジタ工業株式会社が東池袋地区再開発構想というものを発表して、三井信託銀行と提携して地域地権者などに再開発のメリットをアピールする一方、地上げ買収を進めようとしていた、こういうことは、当時の新聞、日経産業新聞の一面トップにも書かれていたわけです。
ここでは、三井信託銀行とフジタ工業は、東京東池袋で土地信託を活用した大型の市街地再開発事業に取り組む、地権者に土地信託を働きかけていく一方、ディベロッパーとしてこの事業に参加するフジタ工業は、豊富な地上げの実績を活用して権利の買収に当たる、三井信託は土地信託でまとめる権利、フジタ工業は買収する権利で再開発組合を指導するなどという記事も載っておりました。
こういう経過の中で始まった再開発計画ですけれども、その後、九〇年の株価の暴落、土地神話の崩壊、事務所需要の不振等々により、計画を大幅に見直さざるを得なくなったわけですね。平成六年の当初計画では、業務棟が百五十メートルで、住宅棟が百二十七戸で六十四メートルだったものが、最終的には、業務棟は八十三メートル、住宅棟が五百十六戸の百四十九メートルということで、業務棟と住宅棟が逆転するという状況に変わってきたわけです。
こういう経過をたどっているわけですけれども、では、この開発事業の総事業費というのは幾らでしょうか。当初計画と変更後とではどういうふうになっているか。また、再開発事業ということですから、国や区からも補助金があったと思うんですけれども、それはどういうふうになっているんでしょうか。
○柿堺都市防災部長 組合の当初の事業計画による総事業費は約七百十九億円でございましたが、今年六月に変更しました事業計画によりますと、総事業費は四百十億円となっております。
この内訳でございますが、収入については、組合設立時の場合には約三十八億円補助金が入っております。それ以外に保留地処分金ということで六百八十億を見込んでおりました。それが、今般、平成十四年六月の事業計画変更では、総事業費四百十億で、国の補助金が約九十億、そのほかに保留地処分金が約三百二十億ということになっております。
○かち委員 保留地処分金とかそういうものを引いて、いわゆる国の分担金、区との分担金ということでいきますと、計画そのものは半分に減ったわけですけれども、当初は三十七億円だった補助金が、今のご説明では九十億円ということで、補助金そのものは二・四倍にふえている、こういうことを見ても、バブル崩壊の中で、こうしたディベロッパーや建設会社を補完する、そういう意味でかなりの公費がつぎ込まれてきたという経過が見られるわけです。
再開発組合の地権者あるいは組合員は何人いたのか、参加組合というのはどうなっているのか。そして、従前の居住者のうち転出者は何人でしょうか。
○柿堺都市防災部長 初めに補助金の増額についてでございますけれども、これは国の補助制度の要綱によっておりまして、当初の業務中心のときの補助対象、それと住宅になったときの補助対象が違うものでございますので、そういうことでご了解をいただきたいと存じます。
また、地権者の状況でございますが、本年九月現在、土地所有者が九十名、借地権者が八十二名、借家権者が六十一名、合計二百三十三名となっております。このうち転出者は百四十三名でございます。
次に、参加組合員についてのお尋ねでございますが、組合設立時は株式会社フジタとフジタ開発株式会社でございましたが、平成十三年の組合の定款変更によりまして、大成建設株式会社と住友不動産株式会社となっております。
○かち委員 しかしながら、この間に国の指導要綱そのものが改正をされているんですよね。最初、建物とか通損補償費が対象となった千平米以上の広場、土地の拡充に対して増額をされるとか、それから国の要綱改正がまたあって、住宅共用部分の整備費など、今までは対象外であったものが対象になる、こういうふうに、この十年の間に、九〇年代の中で国の要綱が変わったという経過があるということを申し上げたんです。
それで、この間の地価の下落というのはすさまじく、今や最高時の五分の一ぐらいになっているわけですけれども、こういう中で、零細な権利者が権利変換でさらに買いたたかれ、権利変換をしてもそこに住み続けられなくなる、こういうことは十分に考えられるわけですけれども、今のお話のように、六割の方が転出せざるを得なかったという状況だと思います。
ご説明のように、参加組合は、平成八年にバブル崩壊の影響を受けた株式会社フジタにかわって大成建設に変更し、住宅棟が三万六千平米のうち、三万平米を住友不動産が参加組合員として取得するということになったわけですね。
フジタから大成、住友などにどういう条件で引き継がれたのか、事業協力に関する覚書はどういうものだったのか、こういうことを公開を求めた経過の中でも、全く非公開ということで、不透明な部分が多いと思います。そのため、当初計画にあった六十戸の区民住宅も確保されなくなったし、権利変換者の居住者以外は高級マンションに変わってしまう。さらに、当初計画にはなかったのに、業務棟の売れない保留床を区が六千平米も中央図書館として買収することになるなど、相当な公費負担、税金投入がされることになったわけです。
バブル時代に計画された再開発計画は、今、どこでも行き詰まっているように、ここでも同じような状況に陥り、結果的に税金で穴埋めせざるを得ないということが起きていると思います。このことは、当事者間の問題というだけでは済まされない、区民施策等にも大きなしわ寄せを及ぼしていると思います。
それで、陳情者は、土地建物の評価基準日が自動的に更新されることが建築基準法違反ではないかといっているわけですけれども、一文として書いてはありますけれども、再度、局としての見解をお聞きしたいと思います。
○柿堺都市防災部長 都市再開発法では、地権者の保護と地権者の権利の公平性の確保という見地から、評価基準日を定めているところでございます。同法第七十一条及び八十条には、事業計画の決定など公告があった日から三十日を経過した日を評価基準日として定めておりまして、それまでに権利変換計画が定まらない場合には、さらに六カ月を経過しても縦覧が開始されないときには、同様の手続を繰り返すことが規定されております。これは、評価基準日が、決定から余り長い間権利変換計画が定まらないと、評価の客観的な妥当性を維持できなくなるという観点からの趣旨でございます。
○かち委員 評価定義ですけれども、それについては、この陳情者そのものも、都市再開発法第七十一条一項の権利変換を希望しない旨の申し出、第五項、申し出の撤回、再申し出の権利、第六項、施行区域の編入に係る事業計画の変更、都市再開発法第八十条第一項、評価の算定基準などということ、それから九十一条一項なども含めて、条文を知らないでいっているというよりも、解釈の段階で違うということで、今、訴訟に及んで争っているという状況だと思うんです。
ですから、この場で判断をすべきではないというふうには思います。しかしながら、この開発計画は、地域の住民や地権者が自発的に始めたというよりは、大手ディベロッパーと銀行、また大地主がバブルに乗って仕掛けたものであり、地上げ主導の再開発だったと思います。その後の展開や参加組合の変遷過程、また公費負担の増大など、さまざまな問題を残していると思います。その意味では、この陳情者もバブルの犠牲者といえるものであり、心情的には理解できるところが十分にありますが、陳情の趣旨が行政的指導の範囲を超えるものであり、今回は願意に沿いがたい、そういうことを申し上げまして、質問を終わります。
○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第五九号は不採択と決定いたしました。
以上で陳情の審査を終わります。
これをもちまして都市計画局関係を終わります。
○林委員長 これより環境局関係に入ります。
請願の審査を行います。
一四第四〇号、米軍横田基地の公害対策に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○梶原参事 米軍横田基地の公害対策に関する請願についてご説明申し上げます。
資料1、請願審査説明表の一ページをごらんください。
整理番号1、請願番号一四第四〇号、件名、米軍横田基地の公害対策に関する請願でございます。
この請願は、福生市の横田基地の公害排除を求める会代表の石川彌八郎様からのものでございます。
請願の要旨は、地球温暖化阻止東京作戦による、オフィスなど大規模事業所へCO2排出削減義務を導入に基づき、米軍横田基地内の公害対策を実施していただきたいというものでございます。
次に、現在の状況でございます。
都では、本年二月から地球温暖化阻止東京作戦を開始しますとともに、平成十二年十二月、環境確保条例の制定により、大規模事業所の温室効果ガスの削減を促す地球温暖化対策計画書制度を我が国で初めて創設し、本年四月から六月までに対象事業所から計画書を提出させたところでございます。
基地の環境情報に関しましては、本年七月、東京防衛施設局に対して、基地内の施設の設置状況や排ガスの状況等、具体的な情報の提供を要請いたしました。
また、本年十一月五日には、米軍横田基地に対しまして、エネルギー使用量及び省エネ対策に係る情報提供を文書で直接要望したところでございます。
なお、二ページには、ご紹介議員のお名前を列記させていただいております。
以上でございます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。
○林委員長 説明は終わりました。
本件について発言願います。
○林田委員 今回の請願は、我が党全議員が署名していることでもわかるように、極めて重い意味を有するものであります。また、この請願の代表者であります石川彌八郎氏は、福生市の前市長であり、同時に防衛施設周辺整備全国協議会会長を務めた方であります。この請願のインパクトは大変強いものであると思っております。
福生市を初め米軍横田基地周辺の自治体の住民の方々は、基地に起因する公害問題に日々直面しておられます。しかるに、米軍は、公害の当事者であるという認識を欠き、十分な対策を怠っているといわざるを得ません。地球温暖化対策もしかりであります。米軍施設といえども環境問題に治外法権はないはずであります。
そこでお伺いいたします。本年四月からスタートした地球温暖化対策計画書制度についても、都内に存在する大規模事業所として米軍横田基地も当然対象になると考えますが、いかがですか、お伺いいたします。
○梶原参事 都は、本年二月から地球温暖化阻止東京作戦を実施しておりますが、四月から大規模事業所に対しまして自主的なCO2削減を促します地球温暖化対策計画書制度を開始いたしました。こうした取り組みの趣旨からいたしますれば、環境確保条例が適用されない米軍施設といえども、周辺地域の環境面はもとより、地球温暖化に対しても十分配慮することは当然のことと認識しております。
○林田委員 横田基地も地球温暖化に配慮すべきであるという認識は当然のことであると思いますが、実際に温暖化対策を進めていくためには、その大前提として、基地内のエネルギー使用量をエネルギー源ごとに把握する必要があると思います。東京都は横田基地におけるエネルギー使用の実態を把握しているのでしょうか、お答え願いたいと思います。
○梶原参事 横田基地が条例の適用外でございますことから、都として条例に基づく直接的な対応が困難な状況にございます。基地内のエネルギー使用量等の実態把握は行われていないのが現状でございます。
○林田委員 難しいということは私も承知しておりますけれども、できない、できないでは、一向に事態は進展しないわけであります。具体的な行動により横田基地に改善を迫るべきと考えますが、この半年間、東京都はどのように取り組んできたのか、お伺いいたします。
○梶原参事 横田基地の環境情報に関しましては、本年七月、防衛施設庁の外局でございます東京防衛施設局に対しまして情報提供を求め、九月に回答をいただきましたが、十分な内容とはいえないものでございました。
そこで、今月五日、横田基地に対しまして、直接文書により、基地内のエネルギー使用の情報提供を要請してまいりました。また、秋の国要望に際しましては、今回、新たに地球温暖化対策に関する情報提供と排出削減対策の項目を起こしまして、横田基地における温暖化対策の推進を防衛庁、環境省に求めたところでございます。
○林田委員 今、お話をお伺いしますと、書類を出してそれっきりということになりかねません。今後さらに二の矢、三の矢を放っていただいて、横田基地を動かすべきだと考えますが、都として今後どのようにこの問題に取り組んでいくのか、具体的にお答え願いたいと思います。
○梶原参事 横田基地の環境問題は、周辺住民の方々にとって一刻も早い解決が図られるべき重要な課題でございます。都としては、住民の不安を払拭しますとともに、東京全体で地球温暖化対策を進めていく必要があると認識しておるところでございます。
横田基地に対しましては、文書要請に対する回答を引き続き求めていきますとともに、環境省などさまざまなチャンネルを活用しまして、今後とも粘り強く対応してまいります。
○林田委員 最後に一言申し上げたいと思います。
横田基地といえども治外法権の場所ではございません。福生市初めその周辺自治体は、日ごろから公害に大変困っているわけでございまして、東京都といたしましては、米軍あるいは外務省、防衛庁にぜひとも粘り強くお願いしていただきたいということを申し上げまして、この請願を採択ということでお願いしたいと思います。
以上で終わります。
○こいそ委員 ただいま林田委員から、本請願につきましてやりとりがあったわけでありますから、重複は避けたいと思うわけでありますけれども、まずもって、今回の請願理由ですね、いわゆる騒音、これは航空機騒音だと思いますが、騒音と公害の問題について、米軍横田基地周辺住民の皆様はかなり耐えがたいものがあると、こういうことを私どもも認識をしているわけなんですが、その中でとりわけ、東京都が今、先ほど質疑もありましたけれども、CO2の削減について鋭意取り組んでいると。環境確保条例も制定し、さまざまな施策を展開しているわけであります。
さらに、今のお話の中でも、本年七月、防衛施設庁にと、回答が九月に来た、そして十一月五日、直接書面をもってというような動きはありますが、平成十二年二月の都議会定例会において、まさに大量のオイルがボイラー燃料として燃焼されて、排出ガスが発生しているんだと、こういう指摘がありました。ここにも書いてあります。知事並びに担当局長が、ここにも書いてあるとおり、米軍基地といえども日本国内に存在する以上、周辺地域の環境面に十分配慮するのは当たり前、当然である、地元五市一町とともに云々かんぬんと書いてありますね。米軍に対し適切な情報提供や法の適用によって、今後連携をとりながら一層強く要請していきますと。これは十二年二月の、今申し上げた都議会定例会においての答弁でありますけれども、先ほどのお話では、本年の七月からこの問題に対する動きがあったように聞こえますが、この十二年二月以降はどうだったんですか。
○松葉環境改善部長 ただいま、十二年三月の一般質問ということで、米軍基地についてのご質問でございます。それ以降、私どもも国への要望とか、それから、米軍基地に騒音問題あるいは包括的な要請などを行ってまいりました。
そういう中で求めてきたわけでございますが、具体的に環境問題に特化して要望したのが、先ほどお話しありましたような内容となっているわけでございます。
○こいそ委員 ちょっと今のはわかりませんけれども、横田基地の公害対策に対する--具体的に大量のオイルがボイラー燃料として燃焼されていると、こういう実態が明らかになっていたわけですね、平成十二年二月の都議会の中で。その後の環境局の取り組み、今のはちょっとわからないんですが、もうひとつ詳しくお願いします。
○松葉環境改善部長 先ほど、本会議でのご質問以降、燃料等の使用、それから排ガス対策などについて、いろいろ防衛施設庁等に対して提供するように求めてきました。その中で、必ずしも十分期待に添えるようなものがないということで、正式に、ことしの七月でございますか、要望したということでございます。
○こいそ委員 具体的にこの問題に対する取り組みを行ったのは、請願者の方々からのお話、動きがあった後でしょう。すなわち本年の七月前後からではないかと推測するわけでありますけれども、この中で、請願理由の中にも書いてあるように、東京都、局の努力、ここにきついことを書いてありますけれども、「その後の努力を怠り、見るべき足跡がないことは極めて遺憾である。」というような、強いといいますか、当然な請願の理由がここに述べられていますけれども、米軍基地は治外法権なんだと、東京都が直接タッチすることはなかなか難しいんだということで、ちゅうちょし過ぎているのではないかと思うんです。
すなわち、オイルをこれだけ多量に燃やし続けていて、大気に与える影響というのは我々だってよくわかるところですよ。きょうもたいているかもしれない。たいているでしょう。こういう実態が明らかになっているにもかかわらず、これという具体的なことを国にも米軍にもかけ合ってこなかったということは事実じゃないですか。
それで、さらに今の話では、十一月五日に直接、横田基地の司令部の方に要請書を出したと。調査書かな。回答はまだ来ていません、これから鋭意努力しますと。だったら具体的にどうするんですか。
○梶原参事 一つ、これまでの取り組みの中で、いわゆる要請といった内容で、ご要望という形で何度かはやらせていただいております。基地対策に対する要望という形で、平成十二年、それから十三年に何回かやらせていただいておりますが、先生が今おっしゃるとおり、取り組みということでいえば、今回こういった請願をいただきましたので、都といたしましても、環境確保条例が適用されない米軍施設といえども、周辺地域の環境面はもとより地球温暖化に対しましても十分配慮するということは当然のことというふうに、先ほど来申し上げましたが、認識してございます。
こうしたことから、先ほど申し上げましたとおり、本年、この五日には横田基地に対しまして、文書により、基地内のエネルギー使用の情報提供を要請しますとともに、秋の国要望の中に入れて取り組んでいるわけでございます。
文書を出したということだけではということでございますので、今後、文書要請に対します横田基地からの回答を強く求めますとともに、環境省など国のルートも活用しながら、鋭意精力的に対応してまいりたいと考えております。
○こいそ委員 本年六月、先ほどお話のように、エネルギー使用量が原油換算で年間一千五百キロリットル以上の大規模事業者と規定されていますね。それは私は、日米でさまざま、地位協定、安全保障条約、国の条約、それぞれ取り決めがあるというのは認識はしているわけであります。しかし、少なからざる、知事がいわれるように、この東京から国を動かしていくんだというのは常々いわれますよね。さらに、さっきからいって大変申しわけないですけれども、定例会の本会議の中で知事もしっかり答弁しているわけでしょう。さまざまに地球温暖化に対して十分配慮する云々かんぬんいわれていますよね。環境確保条例を制定し、さまざまな施策を打ち上げている。後ほどまた触れさせてもらいますが、十五年十月にはさまざまな規制を打ち上げている。
一方では、何ですか、この取り組みは。さまざま難しい問題があったとしても、基地周辺の住民の皆さんは、横田の軍民共用、いわゆる基地返還というつながる過程、これを待っていることも事実だけども、しかし騒音、公害、ましてやこういう、実態として、大気に悪影響を及ぼし、人体に悪影響を及ぼす、この環境を放置し続けることは、私は何の言葉をしても説得はないと思うんです。ですから、すなわちこれは東京都環境局挙げて取り組んでください。どうでしょう、局長。
○小池環境局長 今、先生おっしゃられましたように、この米軍横田基地の問題につきましては、先ほど部長も答弁いたしましたが、これは安保条約、日米地位協定と、こういう中で治外法権になっているわけでございますが、条例の適用外ということにはなっておりますけれども、環境問題を考えれば、それは環境上の配慮をすることは当然だというのが基本的な認識でございます。
そういったことで、これまでの取り組みにつきまして、委員おっしゃられましたように、十分ではなかったという点はあろうかと思いますが、本年に入りまして、環境確保条例を定められた具体的な動きの中で、取り組みを一層強めてきて、今、強く要求していると、こういうことでございます。
一方で、先ほど来の答弁の中では触れておりませんけれども、二〇〇〇年九月十一日付で、日米合同委員会の中で環境原則に関する共同発表というのがなされておりまして、そこで基本的な環境問題について取り決めといいますか、確認し合っていることがございます。その中では、日米両政府の共通目的として、施設及びその区域に隣接する地域、その住民、そういった中での健康及び安全を確保することということを基本確認した上で、環境基準については、それぞれの日米のよりきつい方の基準を守るんだと、こういうようなこともうたっている。
そしてあわせて、情報交換と立ち入りという項目がありまして、その中で、適切な情報の提供のため十分に協力するだとか、こういったことを双方で確認している文書がございますので、こういったものも活用しながら、引き続き強く要求してまいりたいと思いますので、よろしくご理解のほどお願いします。
○こいそ委員 それでは、今局長がいわれたような方向の取り組みでぜひお願いしたい、こう思うわけでありますが、今お話もありましたように、地球全体の環境問題、温暖化対策、CO2削減、これは地球人類の共通の課題だと思うんです。事国内の、また東京都内における米軍基地だけが全く例外の対象だということであることは、大変おかしい話でありまして、これこそ世論を喚起しながらも、我が国の国民の安心、安全を確保するために、安全保障条約だって締結しているわけでありますから、根本的なところで目をふさぐことは絶対ないと思うんで、ぜひこの取り組みは、今、局長がいわれるような方向で取り組んでいただきますように重ねて強く要望させていただきまして、終わらせていただきます。
○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第四〇号は採択と決定いたしました。
以上で請願の審査を終わります。
なお、本日審査した請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
○林委員長 次に、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針について、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○梶原参事 今月十五日に策定いたしました、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針に基づきまして、資料2によりましてご説明申し上げます。
資料2、基本方針本編、表紙をごらんいただきたいと存じます。
二つの温暖化の阻止に向けた新たな挑戦と題しまして、目次にございますように、三つの基本理念、六つの挑戦、五つの行動から構成されてございます。
表紙をおめくりください。
まず現状認識でございますが、現在、東京では、過去百年間に年平均気温が約三度C上昇する地球温暖化と、都市の温暖化ともいえますヒートアイランド現象の二つの温暖化が進行しており、まさに現代文明の弊害が象徴的にあらわれている状況にございます。
一枚おめくりください。
都は、こうした状況に対しまして、次の三つの掲げています基本理念のもとに、温暖化対策を進めてまいります。
第一は、二つの温暖化の進行を阻止するため、環境配慮が内在化された新たな社会システムを構築すること。第二は、都は、国の施策にのみ頼ることなく、東京の地域特性に応じた独自の温暖化対策を推進すること。第三は、温暖化対策の推進により、東京の経済の活性化を図ることでございます。
一枚おめくりください。五ページから一七ページまでが六つの挑戦の部分でございます。
また一枚おめくりいただきまして、六ページ、七ページをごらんください。
挑戦1、オフィスなどの大規模事業所にCO2排出量削減を義務化でございます。
都内のCO2排出量は増加傾向を続けており、都は、さらなるCO2排出量の削減強化に向け、一定規模の大規模事業所に対しますCO2排出量削減義務の導入について検討を開始いたします。
再び一枚おめくりいただきたいと存じます。八ページ、九ページをごらんください。
挑戦2でございます。新築建築物に対し、より高い省エネルギー性能の達成を義務化でございます。
東京は、今後、建築物の大量更新期を迎え、大規模建築物の省エネルギー化を図る絶好の機会でございます。大規模建築物に対します省エネ性能の強化や自然エネルギー利用の義務づけ、またあわせまして、こうした建築物の省エネ性能が市場で評価される仕組みについて検討いたします。
また一枚おめくりいただきたいと存じます。
一〇ページ、一一ページでございますが、挑戦3、消費者に省エネルギー情報が確実に伝わる仕組みづくりを推進でございます。
都は、本年七月と八月にかけまして、少エネ商品拡大キャンペーンを展開してまいりました。今後は、これらの成果を踏まえまして、省エネルギー型商品を選択しやすい仕組みづくりを具体的に検討してまいります。
次のページをごらんいただきたいと存じます。一二ページ、一三ページでございます。
挑戦4、自動車に起因するCO2排出量削減対策を強化でございます。
都は、これまで以上にアイドリングストップなどの事業所指導を強化していきますとともに、各種TDM施策、エコドライブの推進等のさまざまな施策を駆使しまして、運輸部門の対策を強化してまいります。また、燃費基準のあり方につきましても、CO2排出量に大きな影響がありますことから、燃費基準の強化、見直しについて国に強く要請してまいります。
再び次のページをごらんいただきたいと存じます。一四ページ、一五ページでございます。
挑戦5、再生可能エネルギーへの利用転換を促進でございます。
再生可能エネルギーは、化石燃料の代替エネルギーとして積極的に導入すべきでございますが、日本では、温暖化対策の進む欧州各国と比較いたしますと、その導入が大きく立ちおくれているのが現状でございます。現在、都では、臨海部を中心に風力発電などさまざまな取り組みを展開しておりますが、今後も、再生可能エネルギーの利用拡大について幅広く検討いたします。
次のページをごらんください。
一六、一七ページでございますが、挑戦6、まちづくりと一体となったヒートアイランド対策を推進でございます。
都は、本年度から、都議会議事堂の屋上緑化や、東京体育館前広場の芝舗装等のパイロット事業を実施いたしますとともに、広域的なモニタリングを開始いたしました。今後も、都有施設の敷地、屋上の緑化、舗装面での改良等に加え、都市づくりに当たりましても、東京を冷やす施策を集中的に実施してまいります。こうした取り組みを全庁的に推進するため、本年八月に設置いたしましたヒートアイランド対策推進会議において、来年一月を目途に取り組み方針を策定してまいります。
次の一八、一九ページをごらんいただきたいと存じます。
六つの挑戦を具体化いたします、都市と地球の持続可能性の確保に向けた五つの行動でございます。
一として、実効性ある温暖化対策のあり方について東京都環境審議会で検討開始、二として、全庁を挙げたヒートアイランド対策に関する取り組み方針の策定、三といたしまして、温暖化阻止に向けた都庁の率先行動の強化、四といたしまして、持続可能な社会システムづくりに向けた、臨海部での新たな普及啓発活動の展開、五は、都民、NGO、企業等との連携による検討の推進でございます。
次の二〇ページは施策の体系図、二一ページ以降は本文中の用語解説になってございます。
以上が、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針の概略でございます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。
○林委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○こいそ委員 それでは、ただいまご説明いただきました点につきまして、温暖化対策につきまして何点かご質問させていただきたいと思います。
地球温暖化の取り組みの情勢については、リオデジャネイロで開催された地球環境サミットから十年を経て開かれた本年のヨハネスブルクサミットでも、地球規模でさまざまな議論がなされているわけであります。しかし、その温暖化を阻止するためには、我々の身近なところから環境を考えた生活に変えていかなきゃならないことが指摘されております。一般都民にはなかなかわかりにくいテーマであるようでありますけれども、世界の潮流を見ても、今後の環境問題の中心的な課題であることは、もはや間違いないことだと思います。
というのも、我々の大量生産、大量消費によるエネルギー大量消費という生活スタイル自体が地球を傷め続け、地球の砂漠化や海面上昇、伝染病の発生など、我々の子孫、子どもたちをまさに危機に陥れようとしている状況であり、極限まで進めば壊滅的な事態も起こり得ることが、これは国連の直近の関連機関での報告でも、まさに科学的なデータをもととした中でも明らかになっていることはいうまでもありません。
そのような中で、このような状況認識を踏んまえながら、都がことしの二月に地球温暖化阻止東京作戦を開始した。その際に、我が党の議員の中から、予算委員会の質疑でありましたが、我が国が中心となって取りまとめた京都議定書の、二〇一〇年にCO2排出量を一九九〇年度比で六%削減が果たして可能なのか、大変困難な状況が予想されるのではないか、取り組みの姿勢、認識を、まさに予算委員会でただしたところであります。
そのご答弁の中でも、国の実効性のある施策の導入を図っていくということでありましたが、その後、まさに国の取り組み及び進展はどのようなところになってきたのか。新聞報道によりますと、地球温暖化大綱の見直し、京都議定書の批准などの動きはあるようでありますが、実際にどのような状況になっているか、お尋ねしたいと思います。
○梶原参事 国の動向でございますけれども、国は本年三月、新しい地球温暖化対策推進大綱を策定いたしますとともに、六月には京都議定書の締結や地球温暖化対策推進法の改正など、温暖化対策推進のための下地づくりを進めてきたところでございます。
しかし、その大綱の中では、CO2削減策の多くを経団連の自主行動計画に依存するなど、産業部門対策を中心とした自主的な取り組みに大きく頼っているところでございます。また、環境税や排出量取引など実効性のある取り組みにつきましては、二〇〇五年度以降に先送りされておる状況でございまして、取り組みのスピードは極めて遅いといわざるを得ません。
○こいそ委員 このパンフレット「地球温暖化阻止!東京作戦」ですね、ことしの三月に出されたグリーンペーパーの一部ですね。この中でも、OECDからの日本の温暖化対策強化をさらに勧告されているとか、当然にして温室効果削減協定、環境税、排出量取引、欧州各国では具体的に実行されている温室効果ガスの抑制等の施策の取り組みがなかなか不十分であると、ここにも書いてあります。
いずれにしても、まさに今お話のように、国がなかなか動かないという中で、東京都が義務化を検討し始めたと思うわけであります。しかしそもそも、私どもの受けとめ方として、唐突というか、ここで急に義務化ということが出されたような感がしているわけでありますけれども、この規制強化、さらなる義務化を進めていく中で、その伝家の宝刀をいきなり抜かなくても、前段として、段階として、他に方法はあったのではないかと思うわけでありますが、義務化の方向の必要性についてお聞きしたいと思います。
○梶原参事 東京都は本年二月、今お話のございましたとおり、地球温暖化阻止東京作戦をスタートいたしますとともに、本年四月には、先ほど来ご説明申し上げておりますように、環境確保条例に基づきまして、大規模事業所に対し、事業者みずからが事業活動によるCO2排出量を把握し、自主的な削減目標を設定させる、地球温暖化対策計画書制度を開始したところでございます。
しかし、本年八月の集計結果によりますと、同計画書の対象となります大規模事業所数は、都内全事業所数の約〇・一%であるにもかかわりませず、都内業務、産業部門の約四割を排出している状況にございますが、この対象であります約千の事業所の今後三年間の自主的なCO2削減目標は、平均いたしますと二%にとどまることが明らかになってございます。二%という数字でこのまま推移するといたしますと、二〇一〇年に一九九〇年度比六%の削減目標ということでございますので、達成することは大変困難であるというふうに考えてございます。
しかも、業務部門からのCO2排出量は、この十年間に二割近くも増加している状況でございまして、都としましては、業務部門の割合が高い東京の地域特性に着目いたしまして、オフィスなど大規模事業所に削減の義務化について検討する必要があるというふうに判断したものでございます。
○こいそ委員 今後、審議会にかけ、鋭意ご議論がなされ、答申までということになっていくというふうに聞いておりますけれども、実際、個別企業から見ると、それなりの負担が当然予想されてくるという中で、まさにこの景気状況の中で、企業にさらなる負担のかかる施策が進められていくのではないかと、一面、また認識を持ってしまうのでありますが、経済に対する影響、そのあたりはどのように考えられているのか。新しい技術や市場を創出することも当然考えられると思いますが、そのあたり、経済に対する影響について考え方をお伺いします。
○梶原参事 事業者の方々にとって、温暖化対策を進めるためには、運用面におけます省エネルギー対策に加えまして、設備改修などの初期投資が必要な場合が確かにございます。しかし近年では、例えば事業者が初期投資分を負担することなく、改修後のエネルギーコスト削減分から返済するという仕組みを持ちましたESCO事業などの省エネルギービジネスが成長しつつあるところでございます。事業者がコスト削減と省エネを同時に達成することが可能となってきておるところでございます。
都といたしましては、東京において温暖化対策を推進することは、新しい技術や市場を創出する契機にもなり、むしろ東京の経済を活性化していくものと考えておるところでございます。
○こいそ委員 実際、このような取り組みをしていかなきゃいけないという現状の必要性につきましては理解はできるわけでありますけれども、これを進めるに当たって、今後の見通しですね、取り組みに当たっての局の基本的な取り組み、考え方について、局長からご答弁をいただきたいと思います。
○小池環境局長 温暖化防止に向けての局の取り組みの基本的な考え方についてのご質問でございますけれども、今回策定いたしました都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針は、東京で進行する地球温暖化と都市の温暖化ともいうべきヒートアイランド現象、この二つの温暖化の阻止なくしては東京の将来はないという危機意識を持って策定いたしたものでございます。
この温暖化対策の推進に当たりましては、何よりもオフィスなど業務部門からのCO2排出量が多いという東京の持つ大都市特有の地域特性、ここを十分踏まえて実効性のある方策を具体化することが重要だと考えているところでございます。
都といたしましては、歩みの遅い国の対策を待つことなく、都独自の温暖化対策を打つことによりまして、環境負荷の少ない持続可能な都市づくりを目指していくと、こういう考え方でございます。
今回提起いたしました既存の事務所、事業所の建築物のCO2削減の義務化につきましては、これからいろいろと検討すべき課題があると認識しておりますけれども、今後、審議会等の場におきまして、専門的、技術的な観点から十分に議論を尽くしていきますとともに、広く都民、また議会のご意見等を踏まえながら、具体化に向けて検討してまいりたいと思います。
○こいそ委員 もう一点だけ、ちょっと関連いたしますけれども、関連というか、温暖化に対しての中での各論的な部分なんですが、ガソリンスタンドの、これは今までこの委員会でも、いわゆるディーゼル車の排出ガス抑制については、まだ議論が続いているところだと思うんですが、その中で、十五年十月に規制ということで対象となっておりますベイパーリカバリー装置ですね、この点についてちょっとお聞きしたいんですが、ガソリンスタンドは、一番最盛のときは全都で三千数百カ所ですか、三千カ所以上あったと。現在では一千八百カ所を下回っているというような状況だそうであります。
しかしさりとて、この中で規制を行おうとしているベイパーガスの抑制ですね、これについて、例えばタンクローリーから地下タンクへ注油する場合、また自動車への給油時に、車に給油するガソリンの一部が大気の中に漏れていく、いわゆる揮発性、ベイパーガスですね、このベイパーガスが年間で、正確なところはちょっとわからないんですが、ペンキ屋さんだとか、さまざまな全体的な数字というのはつかんでおるわけでありますけれども、特にいろいろ精査すると、ベイパーガスが二千八百トンぐらい出ているのではないかと。今、温暖化対策の関心が非常に高まっている中、また規制を行おうという中、このガソリン蒸気を回収するための装置、ベイパーリターン装置を現実設置しているスタンドは何カ所あるのか、状況はどうなのか、そのあたりをちょっと。
○松葉環境改善部長 先ほどございましたベイパーリターンを設置している事業所の数でございます。
平成十三年度におけます島しょを除きましたガソリンスタンドでございます。都内には、その時点では約千九百七十軒ぐらいあるというふうに把握してございます。先ほどお話しございましたように、現在は千八百軒程度というふうに聞いてございます。そのうちベイパーリターンを設置しているガソリンスタンド、十三年度でございますが、約千百十軒程度と把握してございます。その設置している割合は全体で六割ぐらいというふうな状況でございます。
○こいそ委員 六割近くではないかというようなお話でありますが、さりとて、これはいうまでもなくて、国税、地方税、あわせてガソリン引取税、まさに税も過重というほどかかっている燃料でありますけれども、この中で、ベイパーリターン設備を設置するという方向性は、大気汚染を阻止していく、対応していくためには、やむを得ない措置かなと思うんです。
しかしさりとて、現状として経営環境が著しく厳しい。この間、二トン車の保有台数の営業を今後どうするかと、大変深刻な話を私も一部取り上げさせていただきましたけれども、またここでも切実な、まさにスタンド運営、営業していく中においては、十五年十月にこれはどうしてもつけなきゃいけない。大気汚染を防止することは当然わかる話。しかし現実問題として、義務化が強化されてくる中で、そこのしわ寄せを食うのはどうしたって零細なんですね。三ちゃん商売といって、実際問題、今、ガソリンを売ったって経営状態は厳しいんですよ。
じゃ何するか。洗車をやったり、ガソリン以外の収益をしていかなかったらやっていけないという状況の中で、こういう規制をどかんとぶち上げて、とにもかくにも十五年十月だぞと。やらなかったら、当然、罰則規定があるわけでしょう。このあたりもお答えいただきたいと思いますが、いわせていただければ、ディーゼル車の排出ガスのDPF装置もそう。さまざまな対応をしていかなきゃいけない中で、私は、やるんだというのであるならば、この部分でそれだけの対策措置が必要だと思うんです。
ただ、やれやれ、規制するぞと、やらなかったら罰則規定で規制をかけて指導するぞと、これではちょっと違うんじゃないのかなという感じがここの中でもしたものですから、このあたりの局の対応は、いわゆる助成というんですか、対応はどうなんでしょうか。
○松葉環境改善部長 規制でございますが、先ほどお話しございましたように、十五年十月から既存のガソリンスタンドについて装置が必要でございます。そういう中で、スタンドの改善に要する工事費のお話でございますが、通常ですと二十万から三十万円程度必要であるというふうに考えております。
先ほどございましたように、厳しい経営環境下というふうに私どもも認識してございます。そういう中で、ガソリンの蒸発ということで、大気汚染の防止にできるだけ協力していただきたいということでございます。改善に要する費用につきましては、東京都の中小企業に対する融資あっせんの制度などもご活用いただきまして、ぜひ大気汚染防止のために協力いただければというふうに考えてございます。
○こいそ委員 融資制度というお話がありましたが、これも再三再四お話しさせていただいておりますけれども、零細の非常に困っている業界全体で、何としても構造的に厳しい状況が強いられている経営環境の中の業種は、これも一つだと思うんですけれども、この中では、はっきりいって融資も限度額を超えている状況というのが現実あるんです。皆さん簡単にいうんだ、融資を受ければいいじゃないかと。そうしたらどこで貸してくれるの。銀行で貸してくれますか。はい、わかりましたと右から左に出ないでしょう。簡単にいってもらっては困るんだ、こういう話も。
それで、実際問題として、中小の特別、三ちゃん商売、中小零細企業者は、条例の趣旨にのっとって環境対策を行おうという気持ちはあるんだ。だれだってそうだと思うんです。しかし、それにはDPF装置のような、二分の一補助するとか、さまざまな補助だって大変だと。車を買いかえろという話もそうだろうし、いろんなことはあるけれども、やっぱりやれといったからには、それだけの対応策というんですか、補助策というか、こういうものは当然あってしかるべきだと思うんだけれども、どうですか。融資を受けなさいで終わりなのかね。
○松葉環境改善部長 ベイパーリターン装置の設置でございます。技術的には以前からあるものでございますし、それから、事業者が六割程度設置していただいていると、こういうような状況で、そういう装置の必要性については比較的定着しているというふうに考えております。
現段階で補助制度を設けてございません。したがいまして、先ほどご答弁申し上げましたが、既存の融資制度を活用するということでぜひお願いしたいというふうに考えてございます。
○こいそ委員 これは平行線のようでありますけれども、冗談抜きにこれは大変重要なことだと思うんです。だって、条例でどかんと決めて、実施時期も十五年九月末、十月一日からでしょう、施行するのが。やれやれ、やれやれ、融資も受けられないような状況の、特にこういう装着ができないところは、経営的に一番困っているところなんです。できるところも無理して頑張ってやっているんだろうけれども、本当に厳しい経営状態で、一家でやっているような、本当に零細、ここのところに、皆さん、融資を受ければいいじゃないか、借りてくればいいじゃないかと簡単にいうけど、そんなあれじゃないよ、この厳しい状況の中で。どうなんです、局長。
○小池環境局長 今、ご指摘ありましたように、事業者の皆様方が今の厳しい経済環境の中で、経営環境も大変厳しいというふうに私どもも十分認識しているところでございます。
それに対する、今回の環境改善に対する措置に当たって、助成措置ということでございますけれども、助成策につきましては、先ほど来、部長が答弁しておりますように、既存の融資制度をご活用していただいて、ディーゼル車規制のときも融資制度の問題がございまして、東京都は、今ある環境改善の一環の中小企業融資制度ということは、信用保証協会の制度にのっとっているわけですが、今回、ディーゼル車の問題につきましてもいろいろ検討する中で、政府系の金融機関の活用というのは、それよりは若干使いやすいというような点もございますので、そういったところをご活用いただきながら対応していただければと。
ただ、この制度につきましては、今申し上げましたように、まだまだ皆様方が承知していないという側面もございますので、都といたしましても、少しでも事業者の方が利用しやすいように、いろいろと窓口でご案内できるような努力をしてまいりたいと思いますので、どうかご理解いただきたいと思います。
○こいそ委員 さまざまな融資制度を活用しろというけど、時間もないからこのあたりにさせてもらいますけど、全然納得できません。
それともう一つは、あなたたちはこの件についても今までどういう努力をしてきたんですか。例えば自動車メーカーに対しても、給油しますね、それを吸い込む装置が事実できるんです。そうすると、実際問題として一万円ぐらいのガソリンスタンドの負担で済むわけ。こういうことを知っていましたか。担当部長は知っていると思うけれども、今までそういうことをやってきたの。
○松葉環境改善部長 自動車から蒸発するガソリンの回収システムでございます。一つは、先ほど来ご答弁申し上げています、いわゆるタンクローリーからガソリンスタンドに給油する際、それを回収するシステムがございます。(「乗用車もそうです」と呼ぶ者あり)はい。それから、次の段階といたしましては、乗用車などに、いわゆる個別の車に給油する際に蒸発する給油時の蒸発装置、これが二つ目の蒸気でございます。こういうことについて、アメリカなどについては自動車に対する給油の義務化というんですか、そういう措置が行われていることは承知してございます。
○こいそ委員 メーカーの方に要望すればできるんですよ。負担が今いった数字でおさまるんです。専門家に聞いてみてください。私も調べて質問しているので、専門家に聞いて、いっていますから、ほぼ間違いないと思うんだ。
その中で、ともかく先ほどの数字でいうと、三十万だ、五十万だという数字が出ましたよね、ベイパーリターン装置を装着する場合は。ところが、これは自動車メーカーの方に義務づけしていけば、要するに給油時点だから、まさに車の中で吸い込む装置を装着しておけば、それでスタンドの方は一万円ぐらいで済むと、ほぼ。正確のところはわかりませんが、そういうふうにいっていました。
そういうことで、そういうことも何もしないで、十五年十月一日だよと、ともかくやれよと。金はどうするんだと、そんなものどこかへ行って借りてこいよと、融資金があるじゃないかと。借りてこられなかったらどうするんだ、そんなことないでしょうと、こんなんで何の施策を行うんですか。
それで、あなたたちは零細にばかりしわ寄せをかけるような施策をしているんだ、はっきりいって。総論は賛成だよ。総論は賛成だけど、事各論については、やり方が、進め方が非常に甘い。これで納得しろ、納得しろと、だれが納得するんだ。この寒い中で、洗車したりいろんなことを、朝からずっと駆けずり回ったって、それだって採算に合わないんだ、業者は今。そこにまた負担をかけようとしているんだ、皆さんは。それに対して、そんなもの借りてくればいいじゃないかと。そういうところは、なかなかそんなに簡単に貸してくれないんですよ、政府系だって。いろんな負担の軽減措置だってあるのにかかわらず、こういう検討だってまだしていないじゃないの。
いずれにしましても、これは時間がかかりますから、この程度にさせてもらいますけれども、もう少し取り組み、十五年十月はわかったよ。わかったけど、それだけに実行効果が上がるように、実行していくにはそれだけの対応措置は必要ですよ。これははっきりいって強く申し入れます。いいですか、局長。
○織田委員 「温暖化阻止!東京作戦 第二ステージ」という文書が出てまいりました。ここに書かれていることについては、大変筋の通ったお話であろうと思いますし、これからやっていかなきゃならないこと、これはわかっています。特に、基本理念の中で、環境配慮というのが社会の中にビルトインされているような状態というのをつくっていかなきゃならないということについては、私も大賛成でございます。
マスコミ的にも、ぽんとこのことが報道されたりいたしまして、いきなり規制、義務化というような話が出てきたものですから、これはどういうようなことなのかなと思って見ておりました。
温暖化については、私も予算委員会等で質問させていただきまして、大変大きな課題でありますし、これはぜひ進めなきゃならない。しかし、今も議論がさまざまありましたように、総論賛成、各論反対という状況は、恐らくずっと続いていくのではないかなという思いも一方でいたします。この部分をどう乗り越えていくのかというのが、私は全体的に見ると一番大きな眼目であろうと思います。
環境問題を語るときに、持続可能な開発ということが一つの大きなキーワードになっているのも、実はそこのところが乗り越えられなければ、効果的には大きなものが得られないということなんだろうと私は理解をしているわけであります。
そんなようなこんなようなことを考えながら、今思いますことは、東京がここでこういう形で、ある意味でいうと突出してやりましょうと。その理由は何ですかというと、国が余りやっていないからだといわれます。じゃ、国はどんなことをやってきたんですかというところから話を始めないといけないんだろうと思うんです。
環境問題ですから、これは日本一国が挙げてやらなきゃいけない。日本一国だけがやったって、世界の問題ですから、世界で全部やらなきゃいけないというようなことで、気象パネルというような国際会議が今開かれているという流れだろうと思うんです。
そういう点からいうと、検証されなければならないのは、国がどんな取り組みをやり、どんな効果を上げ、または上げなくてということがきちっとわからなければ、東京がなぜ今こういうことをやらなければならないのかというのが浮き彫りになってこないのではないかと思います。
そういう意味から伺いますけれども、温暖化対策のかなめとなる国の省エネ関連の規制、現在はどのようになっているのか。それと、これに関して東京都は国の規制をどう評価しているのか。評価は恐らく、だめだというに決まっているんですけど、その辺のところをまずお伺いします。
○梶原参事 国の省エネ法についてのお尋ねでございます。
国のいわゆる省エネ法でございますが、エネルギーの使用の合理化に関する法律ということで、昭和五十四年六月に制定されたものでございます。その内容は、内外におけますエネルギーをめぐる経済的、社会的環境に応じた燃料、資源の有効な利用の確保に資するためという目的で設定されたものでございまして、主要事項としましては、工場に関する措置、それから建築物に係る措置、機械器具に係る措置の三点でございます。
ことしになりまして、この省エネ法を強化するということで、十四年六月に改正をされまして、来年四月に施行するという予定になっております。
国の省エネ法の一番のポイントでございますけれども、いわゆる第一種エネルギー管理指定工場という仕組みがございまして、ここの中で、原油換算で三千キロリットル以上または電力で千二百万キロワット以上の事業所を対象にしておりまして、これらに一定の提出義務ということでやっておる仕組みでございます。
ただ、一番の問題は、計画内容ですとか実施結果が未公表であるために、不明という、詳細が必ずしも一般の方に知れ渡っていないという問題点がございます。そういう観点から、この省エネ法によります国の取り組みというのは、どうしても基本的には努力目標ということにとどまっておりますし、今申し上げましたように、削減計画の公表義務がないということでいえば、実効性の担保が果たして十分なのかという疑問点が残るわけでございます。
○織田委員 今、そういうお話がありましたけれども、そうなると、例えば報告書なり計画書なりが国の方にきちっと上がっているんですか。実際問題として、東京都がおやりになっているような形で、国の方がそういうのをきちっと取りまとめて、検証はされているということなんですか。
○梶原参事 これは、来年から法が改正されますと、地方公共団体、主に市町村がこういった書類を受けさせていただくという仕組みになりますが、今現在でいいますと、国の機関が受けていることになってございます。そういう意味では、国の機関の方に集めていただくと。提出義務がございまして、これについて提出がない場合は一定のペナルティーというような形になってございます。
ただ、先ほど来申し上げましたとおり、その内容といいますか、それが公表義務がないためにつまびらかになっていない部分がございます。これが現状でございます。
○織田委員 ということは、国においては、そういう規制をかけながら、報告してくださいよということでお願いをしている。それが上がってきているのか上がってきていないのか、公表されていないからわからない、こういうふうにおっしゃっているということですか。
○梶原参事 ただ、個々の細かいところは出ておりませんが、例えば十三年十二月発表の点検状況速報値ということでいいますと、十二年度のエネルギー消費原単位が前年度と比較しまして一%以上改善している工場というデータがございまして、これが五百工場中二百九十七工場、約五八・八%という、全体の数はお聞きしているところでございます。そういった全体の数字は出ているということでございます。
○織田委員 わかりました。
そうすると、そういった大きな工場等につきましては、前年に比べて大体一%程度、それが電力なのか、あるいは消費される燃料系なのかわかりませんけれども、一%削減をしているところが約六割、おおむねこういうような感じですよと国は発表している、こういうことですね。
そういうように、国は、ある意味でいうと多少は枠組みとしてはつくったと。しかしながら、そういった面では大きなインパクトになっているのか、その辺のところが非常に疑問である。そこで国は、工場だけでなくて業務系にもやれるようにということで、さまざまな機関に工場以外にも規制の網を広げましたよと。その改正法の公布も六月にやりましたと。これは先ほどの説明では施行されていなかったですね。十二月じゃなくて……(「来年四月です」と呼ぶ者あり)来年の四月に施行されるということですから、まだこれは始まっていないということですね。
省エネ法が制定されたのは五十四年ですから、かなり古い。そういう中で、やっとこさっとこ今、業務系のビルに規制を及ぼしていこうかと、こういうようになっているというのが国の今の態度ですと、こういうお話ですね。
確かに、そういうものを見てみますと、これはそのまま放っておいたら、いまだに政省令も決まっていないようですし、いつまでかかるかわからないというような気持ちも理解できるわけでございますが、この義務化をするということに当たって、今、さまざまここに書き込まれておりますけれども、東京都が特に今回、独自性を持ってこのことについてやっていくということをどういうふうに考えているのか、その辺のところについてはいかがですか。
○梶原参事 先ほど来ご説明申し上げていますとおり、国は環境税や排出量取引など実効性のある施策を二〇〇五年度以降に先送りする姿勢を示しているということでございます。こうした状況から、都としては、国の施策に頼っていては、今申し上げましたように、省エネ法の枠組みの中でやっていくだけでは--どうしても東京の地域特性に応じた、特にオフィス系が多いということもございまして、やはり東京の特徴に合わせた温暖化対策を推進していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
そこで、業務機能が集中しました東京の特性に着目して、オフィスなど既存の大規模事業所に対しましてCO2排出量削減の義務化を検討することとしたわけでございますけれども、業務部門のCO2排出量は、先ほどもお話し申し上げましたが、一九九〇年から二〇〇〇年度の十年間に既に約二割増加しておる状況がございます。やはりこうした状況は都として見過ごすことのできないものだというふうに考えてございます。
それから、省エネ法の枠組みでは、先ほど一種という話を申し上げましたが、私どもの制度の中では、既に新しい制度で二種も含めて考えておるということでやっておりますので、枠組みのとり方自体も幅広くとっているというところがございます。
また同時に、やはりことし始めました制度でございますが、都内におけます建築物の大量更新期を控えまして、新建築物に関しての建築物環境計画書制度も強化させていただくということで、より高い省エネルギー性能の達成の義務化についても、あわせて検討していくということで、二本立てでやらせていただくということでございます。
○織田委員 お話はよくわかるんですが、私が一つ疑問に思うのは、単純なことでありまして、どの程度効果があるんですかと。これは、大きなことをやるときに、あるいはまた面倒くさいことをお願いするときに、このぐらい効果がありますからお願いしますよというのが非常に入りやすいんですね。CO2の削減というようなものは、今、実効性あるという言葉が出てきましたけれども、本当に実効性あることは何なんですか。いろんな手法を取っかえ引っかえやって、それで何とか対策を立てましょう、それほど緊迫しているんですよ、これはわかる。じゃ、どの程度効果があるんですか。本当に効果があるんだったら、みんな喜んでやりますよ。それがいま一つ見えてこないというのが我々の実感であります。
話は変わりますけれども、CO2、ここに何万トンというふうに書かれていますが、これはどういうふうに算定をするんだと聞いたんです。人間が呼吸するとCO2が出ますよね。これは入るのか入らないのかって聞いたら、入りません。大きくずっと話を聞いていますと、まず電気を起こすために何かの燃料を燃やしますでしょう。それを燃やしたことから炭素が燃えて二酸化炭素が出ます、その量を推計しますと。これが電気になっていくわけですけれども、電気の場合は使った量でそのあれがぽんと出てきます。あとは燃料ですと。自動車のあれもそうですし、あるいはボイラーをたくというのもそうですし、たき火をするのもそうでしょうと、そういう燃料系を燃やしたものがCO2、突き詰めるとそこだけなんです。
温室効果ガスでいえば、アルミカーボンも入ってくるし、代替フロンも入ってくるし、いろんなものが入ってくると思いますけれども、要は化石燃料を燃やしたもの。これをどうやって削減するのかを考えていただかないと、協力しようにも協力しようがない。この中の三番目にありますけれども、消費者の皆さんも協力してもらわなきゃいけませんて、それはやれることがあれば協力しますよ。
ところが、協力したくたって、どんどん便利になって、例えば、もう面倒くさいから全部いっちゃいますけど、今、待機電力が物すごく膨大になっている。業務ビルだって、待機電力がなければ、コンピューターを日常的に稼働させなければ、電力消費はうんと下がる。そうしたところで技術開発をしてきちっとやってくだされば、私たちはそういったものをどんどん使うようにしますよ。そういうものが出てこない。
それが私は、今、何かをやろうといったときに、やる手だてがありませんということで地球温暖化の対策がおくれているのか、それとも、規制がかかっていないから、野放図にやりたいことをやっているから地球温暖化の対策が進まないのか、このあたりはきちっと考えなきゃいけないなと思うんです。
細かい議論をしようと思いましたけれども、もうやめます。大事なのは、そこの部分をいかにして国民の皆さん、都民の皆さんにわかっていただいて、それで皆さんが本当に気持ちよく協力できるような仕組みと制度をつくり上げていただくかということが、私は一番問題だと思う。どうかその点を真剣に考えていただきたいと思うんです。
削減効果もわかるように示してもらいたいと思うんです。
それから、義務化がありました。義務化はこれから環境審議会で検討いたしますということでございました。審議会で審議するときに、先ほどお話もありましたように、業務ビルにある程度の規制を運用の面でかぶせますよと、建てかえをするときには、素材の面でこういうものを使ってくださいよということで、さまざまなお願いをいたしますよと。そのときには、運用によってはちゃんともうかるようなこと、あるいは損をしないような、初期費用がちゃんと回収できるようなことも、今、事業としてありますよと。そういったこともよくわかります。
それを本当にわかりやすくやっていただくのと、環境審議会の場で、利害関係者にもぜひいろんな形で、経済団体なんかは、直接出てきて物をいうと後の風当たりが悪いからどうこうというような議論もあるようですけれども、本当にそういうところできちっと意見を闘わせていただいて、それで合意、納得の上でこういったものが進みますよということにならなければ、これは幾ら規制をかぶせても効果が出ないんじゃないかなと危惧をするわけです。
政策決定におけるPI的手法といえばそういうふうにいえるかもしれませんが、そういうことを私はきちんとやっていただくということが大事なんじゃないかと思うんです。質的にそういうものが情報公開であり、説明責任だと思います。
私は、方向性としては規制にいかなきゃいけないだろうと思います。いかなきゃならないと思いますけれども、そこは気持ちよくやっていただけるようにご配慮をお願いしたい。これからのことですから、これからいろんな議論をしながら、一つは、本当に目に見える形のものをつくり上げてもらいたい。もう一つは納得づくでやっていただきたい。最後に一つ、都民の皆さんにわかりやすい形の説明をしていただきたい。
以上三点、ご意見、部長でも局長でもいいですが、聞いて終わりにします。
○梶原参事 温暖化の問題というのは、確かに今、先生おっしゃるとおり、大変わかりにくいテーマではないかというふうに考えるところでございます。
消費エネルギーによりましてどの程度CO2を排出しているのかというのは、算定式のようなものがございますので、算定はできるわけでございます。ただ、今、先生がおっしゃったように、実際に、例えば私たち自身もCO2を排出しているわけでございますので、そういったところが、事業者の皆さんが排出する量はどの程度であり、どの程度でなければいけないのかといったような議論というのは、なかなか実感としてわかりにくい部分がございます。
ただ、基本的にはCO2削減の問題は、省エネ、環境に優しいという意味では、より少ないエネルギーの生活を私どもが取り戻すという基本があろうかと思いますので、そういう意味では、わかりやすい言葉で申しますと、省エネをあらゆる面に生かした生活をしていくと。それから、いろいろなまちづくりですとかそういったことも含めて、できるだけ環境に配慮した基盤づくりをやっていくというようなところが基本になるのではないかと思います。
実際にこれから制度化を進めるに当たりまして、環境審議会の場でいろいろご議論いただくわけでございますけれども、当然のことながら、審議に当たりましては、実際に義務化をするとなると、どういう形でやるのかといったような制度設計上の問題から始まりまして、さまざまな問題、法的な妥当性ですとか、実効性の担保措置ですとか、そういったことも含めてご議論いただきたいというふうに考えておるところでございますし、さらに、このご議論の過程の中で、ぜひ都民や事業者の皆さんからの連携を深めて、より説得性のある形で皆さんにご協力いただくような、私どもの施策の展開といいますか、議論の進め方をしながら、制度化を考えていくという姿勢でやっていきたいと思っておりますので、ぜひそういう意味で、できるだけわかりやすく制度づくりをやっていくということを基本にしていきたいと思います。
○大塚委員 昨年に続きまして、また一年間、都市・環境委員会にお世話になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私も、都のCO2削減の義務化ということで、十五日にプレス発表された二日前、ちょうど二週間前に、義務化ということで罰則も検討するという新聞報道もあったわけですが、事業者はそれなりに、あるいは省エネの開発業者、それぞれに反響があったと思います。私も皆さんと同様に、CO2の削減について、地球温暖化のことについては大変大切な課題であるということも認識をしております。
ただ、なぜ今、義務化なのかという問題として、全国初めての地球温暖化計画書制度はことし四月から始まりまして、計画書も六月に事業者から提出されたと。そして七月、八月、計画書を踏まえて、自主規制ということがそれぞれの事業所から提出されたわけですけれども、この十一月に入りまして、その自主規制がもっと進む、あるいは促進されるのを待たずに義務化というようなことが行われてきたわけでございますが、先ほどのこいそ理事の質問と重なりますが、そういった事業者の声--というのは、なぜ申しますかというと、この報道があってから、事業者の方々あるいは省エネの開発をされている方々からこの義務化についてのお話を伺う機会を私も積極的につくりました。そこで、義務化がどうしてこの時期に進められてきたのか、あるいは義務化の必要があるのか、その二点についてお伺いいたします。
○梶原参事 義務化の問題でございますが、先ほど来ご説明申し上げておりますとおり、ことしから始めました地球温暖化対策計画書制度をスタートさせたところでございますけれども、本年八月の集計結果では、大規模事業所におけます二酸化炭素の今後三年間の自主的な削減目標が平均二%ということでございますので、どうしても、このままで推移いたしますと、二〇一〇年には一九九〇年比六%の削減目標を達成することはとても困難であるということがわかってまいりました。
そうした観点から、業務部門の割合が高い東京の地域特性ということでございますので、オフィスなど大規模事業所に削減の義務化を進めていくことが必要だという判断でございます。
○大塚委員 その義務化の意義はわかりましたんですが、先ほど私がヒアリングした事業者が、この千事業所というのが具体的に地球温暖化の計画書を出したところと伺っておりますが、どのような基準で千事業所が選別されたのか。また、この義務化の対象は、今後検討される中で千カ所でおさまるのか、またそれがふえるのか、その辺の基準についてのお話を伺いたいと思います。
○梶原参事 地球温暖化対策計画書の対象ということでございますけれども、これは省エネ法に定めます、先ほど来ちょっとお話し申し上げましたけれども、第一種、第二種、特に第二種まで含めますエネルギー指定管理工場を基準にしてございます。具体的には、年間のエネルギー使用量が原油換算で千五百キロリットルまたは電力使用量が六百万キロワットアワー以上の事業所を対象としているものでございます。
千事業所の内訳でございますけれども、東京の場合は、約三割が工場、残り七割がオフィスビルですとかデパートなどの業務系になってございます。今お話のございました、新しい検討の中での対象となる事業所でございますけれども、その点につきましては、今後、環境審議会等の場を通じて詳細な検討を行っていきたいというふうに考えてございます。
○大塚委員 詳しい千カ所の問題は審議会にゆだねられるということかと思いますけれども、義務化ということを一言でいいましても、議論を重ねる方にとっては、この大変厳しい経済の中では、省エネの改修でありますとか、さらなる設備投資を強要される場合があるわけでございます。経済的に無理のない削減が促進されるような制度の中身を組み立てるべきでもありますし、先ほど私がヒアリングした事業者の皆さんの意見に真摯に耳を傾けて、十分な説明を行った上で納得していただくことが不可欠だと思っております。
また、地球温暖化の先ほど申した技術や製品等を供給する側の業界や関係団体に対しましても、規制に伴い、この新聞報道によって、かなり加熱している、先走った開発をしているところもあるというふうに私は聞いております。そういう意味でも適切な指導やそういった説明をしっかりして、実効ある温暖化の削減ということを考えなければならないと思いますが、その辺の所見をお伺いしたいと思います。
○梶原参事 オフィスなどに対します削減義務化の検討に当たりましては、事業者に過度の経済的な負担を強いることのないように、制度設計を進めてまいります。その中で、関係する業界、団体の方々からご意見を十分にお聞きし、仕組みづくりに生かしていきたいというふうに考えてございます。
また、後段にございました、省エネ事業者などからの最新の省エネ技術につきまして知見を得るとともに、そうした情報の普及等についても取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○大塚委員 オフィスビルの省エネ対策につきましては、実際にはどのようなものか、また、オーナーの方々はこれからどのような形で義務化されてくるかということがまだ理解されていないと思うわけですが、当然、東京都が先駆けてこういったことをやる以上は、隗より始めよということわざがあるように、東京都が今までどのような省エネの技術を施行し、また検証して、その結果を幅広く知らしめてきたのか、また、今後どのようにしていくのか、お伺いしたいと思います。
○梶原参事 東京都庁の場合で申し上げますと、冷暖房温度の設定の見直しですとか節電、エレベーターの運行方法の変更など、いわゆる運用面の対策を中心に、大規模改修を伴いませず、この十年間で約二〇%余りの電気使用量を削減することができました。こうした都みずからの実績を含めまして、民間の省エネ技術の成功事例ですとか、最新のノウハウなどを広く関係者に知っていただけるように、私どももインターネットなどを活用しまして情報提供を充実させてまいりたいと考えております。
○大塚委員 今、都市再生といわれて、特に、私の選挙区の港区を中心に新しいビルがどんどん建っているわけでございます。この計画書の中にも書いてありましたけれども、新しいビルにつきましても、最新の省エネ施設設備を課すというようなことだと思いますけれども、そういった新しいビルの事業所と今回の義務化の問題について、一律に削減義務を新しいビルに課していくのかどうか、そういった意味での関連性というか、そのお考えをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○梶原参事 削減目標の設定についてでございますが、今後、環境審議会等の場でご議論いただくことになるわけでございますけれども、例えば事業所ごとに置かれた条件ですとか、これまでの省エネ努力の実績、ビルの性能など、さまざまな角度から総合的に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○大塚委員 最後に意見でございますが、冒頭申したように、私もこの二週間でヒアリングをかけてやってみたわけでございますけれども、事業者は当然、省エネ対策をCO2削減のためにやることにつきましては、協力をするという姿勢であると思います。その義務化に当たって、ある程度の設備投資がかかるといったときに、多分、企業は、ある一定の設備投資をした場合に、経費が削減できれば、その投資をした部分が回収され、それ以降は利益になるということで、そういった設備投資をするコストパフォーマンスというものを、ぜひ具体的に今回の施策に入れていただきたいというのが一つ。
具体的に申しますと、例えば古いビルですと、空調が集中空調になっていまして、あるテナントさんが残業したいといえば全館の空調をつけなきゃいけない、あるいはテナントさんが温度を上げてほしい、下げてほしいというようなこともあった場合には、今はテナント様様の時代ですから、それに対応しなきゃいけないというような、個別な、特別の事情があるわけでございます。また、OA機器を導入してほしいとか、テナントの個別な要望があるわけでございますので、一律に事業者に義務化をしても、テナントの問題、そういったことも具体的に審議会の場で検討していただきたいと思います。
それから、省エネの開発業者についても、大手のメーカーの方にお話を聞きましたら、今、ベンチャー企業がいろんなことで売り込みに来ているということもありますし、恐らく東京都の方にもそういった売り込みが結構来ていると思うんですが、それが本当にどれが正しい、CO2削減に効果のある技術なのか、そういったことをよく精査していただいて、審議会の場でも、あるいは事業者と開発業者、そしてまた東京都が三位一体となって、しっかりとした、先ほど来話が出ている、実効のある、削減の効果があるものにしていただきたいということを最後に要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○林委員長 この際、議事の都合により十分間程度休憩をさせていただきます。
午後二時五十六分休憩
午後三時七分開議
○林委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○清水委員 今回の報告書は、サブタイトルで二つの温暖化の阻止に向けた挑戦ということで提案をされています。概略の説明書によりますと、世界の動向も、京都議定書が、ロシアなどの締結を待って来年にも発効する状況になっているということで、世界的にも流れを大きく一歩前進させていかなければならない。また、東京の問題としては、今回、二つの温暖化というふうに、視点をヒートアイランドも含めた対策ということで示しましたように、全国の百年の平均の気温の上昇が約一度というふうに環境省の方ではいわれていることから見ると、ここには百年の東京の平均気温の上昇が約三度ということで、地球温暖化という問題を全国と一般的に東京が語っていい状況ではない、深刻な状況にあるというふうに私自身も考えておりますし、当局としてもそういうふうに認識をされたからこそ、今回こういうふうに出されたと思うわけです。
今回、六つの挑戦ということで出されております。これら一つ一つは重要なことでありますし、これまでの取り組みも含めて努力をしているということは認めるものです。しかし、今触れましたように、東京の場合、全国の平均よりも一層速い速度で温暖化、ヒートアイランド化が進んでいるということでは、国がやらないからなどといっている場合ではないと思うわけで、そのことは先ほどからの委員も指摘しているわけです。
そういう視点から、私は、今回出された六つの挑戦の策定という問題が、努力は認めますけれども、やはり不十分であるということでは、本当に総合的に抜本的に緊急性をもって取り組むということが、今提案される内容としては必要だと思うわけです。そういう立場から幾つか伺いたいと思うんです。
先ほども触れましたように、八月に建築物の中間報告の速報値が出されて、平均約二%になったという数値が出されたわけですけれども、その問題については何人もの方が触れております。この数値自身は、都としては、当初どのように予測していたのか、また期待をしていたのか、この数値自身をどのように評価しているのか、その点を伺いたいと思います。
○梶原参事 集計に当たりまして、あらかじめ一定の数値を予測していたということは特にございませんで、提出されましたデータを淡々と集計した結果が平均二%にとどまったということでございます。
○清水委員 今回出されている挑戦1の中でも、これも今までも出されてきているわけですけれども、二〇一〇年に九〇年度比で二一ポイント削減しなければならない。これまでの増加分を、九〇年度比で十年を一五%増加すると推定して、二一ポイント下げなければいけないといわれています。これを単純に引いていって、業務部門の三割を掛けていって、大きな事業所の四割を掛けていくと、十年の目標値で百四十四万トンぐらい減らしていかなければいけないという数値になるんですね。
今回、三年後の数値として二十万トンという数字が出されたわけです。これだと七分の一。二一ポイント下げる二%というと十分の一になるわけですけれども、そういう数字からすると、今回、淡々とといわれたんですけれども、一体どういう目標を持ってやっているのか。
しかも、八十万事業所あるうちの千の事業所のことですから、大きな事業所なわけです。どれだけ小さい事業所に影響を及ぼさないかということは、どれだけ大きい事業所が削減量を大きくするかということになってくるわけなんですけれども、そういう意味では、この二%にとどまったということ自体、事業者の認識として、先ほどからも都民の認識とか事業者の認識とかいわれていますけれども、これを受けとめた事業者の認識としては、これは経済の発展、うちの利益が少なくなって困るぞとか、いろいろな見方はあったかと思うんですけれども、事業者はどういう受けとめ方をしてこれらの調査結果に応じたというふうに認識をされていますか。
○梶原参事 個々の事業者の皆様方からは、今回提出されるに当たって、今、数字をいただきますとともに、個別にいろいろご事情ですとかそういったことをお聞きしている段階でございますので、まだ全体的なご意見ということは集計してございません。
ただ、あくまでも自主的な取り組みということでお出しいただいた内容でございますので、今後、さらにさまざまな角度からご意見をお聞きしていきたいというふうに考えております。
○清水委員 私はきょうは、事業者の責任だけをいおうというふうには思っていないわけです。今回、具体的な数字としてこの数字が出ましたから、それというのが今の東京における状況を事業者がどう認識しているかということの一つのバロメーターとしてお聞きしたわけです。
ですから先ほどから、都民全体、事業者がどういう認識のもとでこの二つの温暖化に取り組もうとしているかということの一つのあらわれとして触れたわけなんですけれども、それでは、先ほど数値をちょっと紹介しましたけれども、今の現状からいくと、事業者自身も認識としてはまだまだ不十分なところにあると思うんです。
そこで、先ほど触れていました、都が三月に出した、今回第二ステージというわけですから、第一ステージ、このパンフレットを見ますと、この時点では、ヒートアイランドまでいっていませんけれども、温暖化に視点を当てたパンフレットなわけなんですけれども、これを見ますと、地球温暖化対策は焦眉の課題、五十年後には地球全体で三度C弱気温の上昇がなると。高緯度地帯では最大八度を超える、ヒマラヤの氷河の後退ということが書かれて、じゃ東京都は何をするか、五つの政策提案ということになっているわけです。
これを見たとき、先ほどいわれたように、これを見て、地球全体で三度、高緯度地帯で最大八度、ヒマラヤの氷河の後退という問題も非常に重要な問題だけれども、国は対策は十分だとは絶対いいませんが、環境省がパンフを出しているのを見ると、温暖化の新たな証拠と予想される深刻な影響ということで、これをずっと見ていくと、温暖化の新たな科学的知見というものが気候変動枠組み条約の中で示されて、ここ五十年の温暖化は人間活動が主な原因であるというふうに、ここが新たな科学的知見というふうに表現されたわけです。
これをずっと見ていきますと、将来気候の予測とか日本の気候変化とか、温暖化の影響の全体像、顕在化した温暖化の影響、農業・食糧供給への影響、水資源への影響、海面上昇の影響、社会インフラ・人間居住地への影響、人間の健康への影響、温室効果ガスの排出量、内外の対応策、日常生活でできる削減策ということで、これをずっと読んでいくと、これは大変なことで、私たちが真剣に取り組まないと、もちろん世界の問題も日本の問題も、そして、例えば経済的な問題でいうと、異常気象による被害額と保険支払い額の推移ということで、保険の支払い額が世界的に莫大にふえているという量なんかも出して、これが全部いいのかどうかは別として、全面的にわたる影響に触れているわけです。
それで、最近、十一月二十二日の夕刊で、警告、感染症大流行ということで、日本は温暖で蚊も元気がいい、同じようなことが起こってもおかしくない、西ナイル病からマラリアまでということで、これは日本全体のことをいっていますけれども、こういう問題、研究者がいろいろ重ねたり、それから環境省が出してきている中で、その環境省の中でも感染症がふえるというようなことをいっているわけですけれども、そういう問題は全体的に、じゃ今回の第二ステージはどうかというと、今回は少しヒートアイランドに視点を当てて書かれています。しかし、一体原因は何で、私たちの身の回りはどうなってしまうのか、その中で東京都はどうなってしまうのかということ自身をここに記載して、都民も事業者も含めて私たちが対策をとろうということが、まず始まりにあるべきではないのかなと。それから対策が始まる。義務化なのか、目標なのか、努力目標なのかということになるのではないかと思うんですけれども、先ほどからの議論を聞いても、そういう状況になろうというふうに認識されませんか。
○梶原参事 先ほど来のペーパーの、私どもが出しました、三月に発行しましたグリーンペーパーですが、その前の本年一月に環境基本計画というのを私ども発表してございます。この環境基本計画の中には、今先生がおっしゃったもろもろの地球温暖化の分析ですとか、ヒートアイランドの細かい状況の説明ですとか、そういったことは、東京都としては、今ご指摘のありました国連の気候変動パネルの報告を受けてのいろいろな説明を書かせていただいております。
したがいまして、グリーンペーパーなり私どもが今回発表しましたものは、基本的にはそれらを踏まえて組み立ててございますので、そういう意味では、その都度、分厚く資料をまとめた方がよろしいのかもしれませんが、私どもとしては、既にその辺の問題については都民の皆さんにご説明申し上げておるという前提に立っておりましたので、個々のペーパーについては若干説明不足の点があるかもしれません。
ただ、私どものホームページの中で、温暖化問題につきましては、基本計画に書かれた内容について細かくそのまま載せてございますので、それらを使っていただきますれば都民の皆さんに十分伝わるような仕組みをとっておるところでございます。
○清水委員 だから、それは今までやられてきたわけですけれども、先ほどまでの議論とか、この事業者の提出された計画書とか見た今の時点で、確かに環境基本計画はすごくよくできているから、大変な資料になっているわけです。しかし、あれをどれだけの都民が持てるのかということを考えたときに、局がつくられたこういう簡易なペーパーというものが都民の目に一番触れるものでしょう。
だから私は、厚い資料をつくってといっているのではなくて、先ほどからの議論を聞いて、ここの部分を大事に、例えばこのページでいうんであれば、多少ペーパーのこっちにずらしても、ここに二枚つくってここに対策を、ちょっと狭めても、そういうふうにつくるまだ都民の状況ではないんでしょうかといっているわけなんですけれども、今の時点でそれはどうですか。
○梶原参事 ペーパーのつくり方につきましては、私どももいろんな形で検討しながらやっておるわけでございますけれども、特に今、先生ご指摘していただいています三月につくりました、いわゆるグリーンペーパーと私どもは呼んでおりますけれども、これにつきましては、主に施策提言の部分に重きを置いてつくられたペーパーでございます。東京都がどこの部分に取り組んでいるか、どこの部分に重点を置いて今後施策を展開するかというところに力点を置いて書かれたペーパーでございますので、そういう意味では、多少の書き込みが、ご指摘のようにもう少しあった方がよろしい部分があるいはあるかもしれませんが、私どもとしては、あくまでも東京都としてはこういう部分を取り組んでいるんだと、そこの部分を強調したいということでまとめたものでございます。
もちろん、今後とも、先ほど申し上げましたホームページなどで発信する一方、いろんな形で、都民の皆様が少しでも温暖化問題にご理解を深めていただけるように、いろんなチャンネルを使ってぜひ情報発信していきたいというふうに考えてございます。
○清水委員 対策が先にくると、十分な納得とか、本当に全都民的な立場に立った取り組みということではなくて、自分だけが義務化をされている、こんなに苦しいのにという話になってきて、東京都が何か対策をしなさいよという、イタチごっこというか、そういう形になってくるわけです。
だから、ペーパーをどれだけ使うかの問題ではなくて、環境局の都市・環境常任委員会の現状の認識の中では、その部分がまだいっていないと思います。だから、それは対策としては、これも含めて、後から提案するものも含めて、ぜひ総合的にやってほしいんですけど、やはり認識を、今、世界的に動いているレベルに、都民が自分たちの問題について直接的な影響も含めて立つことが大事だということで、その点での努力を引き続きお願いしたいと思います。
具体的な問題ですけれども、先ほど触れましたように、数字としては、都としてはここで、九〇年度比で、十年度目標値で二一ポイント削減するというふうに出しているわけです。そして、ヒートアイランドでは、二〇一五年までに熱帯夜の発生を年三十日程度から年二十日程度に減少させるという目標を環境基本計画でつくっているわけです。
そして、先ほど、淡々と事業者から計画を出してもらったといいましたけれども、この二一ポイント下げるには、産業で、業務で、家庭で、運輸で、各部門でどれだけの必要な削減量なのかと、そういう具体的な数値を持って取り組んでいくということが大事だったのではないかなと思うんですが、今回は、その提示も含めての提案というのが必要だったのではないですか。
○梶原参事 ただいまお話のありましたとおり、一九九〇年度比六%削減という目標を達成するためには、約二一%の削減が必要であるということでございます。全部門を挙げた削減策を講じていくことが必要であるというふうに考えてございます。
ただ、部門別の削減目標を今の時点でお示しすることは大変困難でございまして、今後、各部門ごとに実効性のある対策に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○清水委員 これはぜひ要望したいと思います。ここでは排出の状況というのはわかっているわけです。だから、削減の目標だって、このまま横並びとはいいませんけれども、目標をつくって、それに取り組んでいくためにはどうしたらいいのかということが必要なわけですから、部門別の目標を設定することを要求します。
次に、緑の果たす役割について伺いたいと思います。
今回は、この挑戦の中では6ということで出されていますけれども、緑の東京計画によりますと、二〇一五年までに区部のみどり率を二九%から三ポイントアップで三二%に上げると目標に掲げています。この三ポイントアップというのを、今の東京都の現状の中でどのようにこの数値を現時点で考えておられますか。
○町自然環境部長 緑のお尋ねでございますが、緑には、潤いや安らぎ空間の創出、あるいは風格あるまちづくり、防災機能、今お話の気象の緩和、地球温暖化の防止あるいは生物の生息、生育場所としての機能など、さまざまな機能、働きがございます。
区部のみどり率を三%引き上げようという目標を立ててございますが、これを達成することによりまして、気象の緩和を含めた緑の持つこれらのさまざまな機能の向上が期待できると考えております。これを実現していくために、屋上緑化や公園の整備、街路樹による道路の緑化など、さまざまな施策を引き続き推進してまいります。
○清水委員 環境省のヒートアイランド実態解析調査検討委員会の委員長を務めておられた早稲田大学の尾島教授の「ヒートアイランド」という著書の中では、コンクリートや舗装の増加は、降雨により流出係数を高め、地表中の保水性を著しく低下させている。地表の不透水舗装面積に比例して気温が上昇する実態は、一九八〇年一月、東京吉祥寺で日本気象学会により観測されている。そして、緑地の増加は気温低下を引き起こす--これは今もお話がありましたように、緑地の増加の気温低下の効果というのはいわれるとおりですが、どれだけそれを実行していくかということを、この本の中では、この吉祥寺で観測されたこの図のとおりと仮定すれば、東京二十三区の現状の、当時、緑被率が約二五%であるから、夏季最高気温が三十一度から三十二度に相当することになると。将来、緑被率が五〇%になった場合、二十七度Cまでに最高気温が下がることになる。この方法はずっと後に書いてあるわけですけれども、つまり、二〇%以上の増加によって二十七度Cまで気温が下がる、このシミュレーションにしてみると、そういうふうになると理解するわけです。
私は、二〇%までとはいいませんけれども、現在、東京都が置かれている現状を見た場合に、区部におけるみどり率は二八・六%ですよね。これを十五年までに三%アップするんだという数値が、こういう研究者などが、財政の問題とかそういう問題は考慮に入れずに、まずここにシミュレーションとしてどうなるかということに触れたわけですけれども、この三%という数値を、今の時点では、目標という問題を緊急に上げなければいけないんじゃないかなと思うわけですけれども、いかがですか。
○町自然環境部長 緑の機能につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、さまざまな機能がございまして、東京を持続的発展が可能な都市としていくために重要な課題であると認識をしております。
今、二〇%以上というお話がございましたけれども、行政の計画は、さまざまな努力を前提としながら、実現可能な計画目標を立てていくべき立場にあろうかというふうに考えております。都といたしましては、現在の緑の東京計画で定めております目標の実現に向けまして、さまざまな課題を解決しながら、着実に取り組んでまいりたいと思います。
○清水委員 世界的、それから日本の中でも、また研究者の中でも、次々と科学的な知見が出されてくる中で、こういうシミュレーションだって、それなりの責任を持って著書などに触れていると思うんです。
それで、私は今回、一つの問題としてこの問題を挙げて、これだけではありません、もっと本当に抜本的な対策が必要だと思うんですけれども、緑の東京計画の基本を策定したときに、ヒートアイランド対策という視点で議論をされてというのが非常に不十分だったと思うんです、いわれていたと思うわけですけれども。今いわれたように、可能な、確保できる緑地や緑化財源とか、いろいろなことを考えながら、あの計画としては出されたわけです。
しかし、今になってみると、本当に深刻にその問題を考えなければいけない。屋上緑化の問題も、例えばこの著書の中では、屋上緑化を五〇%にした場合などと触れています。しかし、実際には、五〇%といったら、何万ヘクタールもふやすことになるということでは、現状の屋上緑化の面積の推移を見ると、それを実現するというのもなかなか大変な、困難なことです、建築者に義務化するという点でも。
また、例えば都有地なんかも活用するということで売却しているわけですけれども、都市公園だったら新たに購入しなければならないけれども、都有地でしたら、例えばそこを都市公園ということではなくて、それを温暖化対策のための緑のクールスポットと、ここでもいっているわけですけれども、そういうものに利用する発想というものも入れていかなければいけないと思うんです。
この本の中には、ヒートアイランドではなくてクールアイランドの都市にしようということで、ここにも書いてあるように、東京を冷やすという努力が、環境局もいっているわけですけれども、冷やすというところまでいくということが、今、本当に大事だということを考えるわけです。そういう意味では、みどり率の問題、また緑地の確保、温暖化対策のための緑の確保策というものを、新たな視点に立って今後もご検討いただきたいと思います。
また、挑戦6の中では、まちづくりと一体となった対策ということをいわれているんですけれども、先ほどのご説明によりますと、屋上緑化ですとか街路樹の実現ですとか、そういうことを触れられましたけれども、それでは、最近建設が行われている汐留の開発地域の問題についても、マスコミなどで一部触れられたと思うんですけれども、環境基本計画にも、海の風を入れて、多少でも東京を冷やすということをいわれているわけです。これはどなたになるのかわかりませんが、あの汐留の現在の開発の状況というのはどう見ていますか、風の道の確保とか東京を冷やすという視点に、まちづくりの視点に立った場合。
○梶原参事 汐留の開発に当たりましては、環境配慮型のいろいろな施策を盛り込んでいるというふうにお聞きしておるところでございまして、例えば雨水浸透をその領域内で行うですとか、当然のことながら、ビルの建設に当たりましても、そういった配慮を多くのところで取り組んでいるというふうにお聞きしているところでございます。
事業主体の中で、特に雨水浸透の取り組みがということは、先般も新聞で取り上げられたところでございますので、そういう取り組みが行われているとお聞きしております。
○清水委員 確かに各事業者が必要な対策はとっているかもしれない。しかし、でき上がったまちというのは、ホームページからイメージとして出されているわけですけれども、多少の空間はここには存在していますが、だれが見ても、この場所に行くと、なぜあのように過密な超高層ビル建設になってしまったんだと。最近建ち上がるビルとして、東京都の温暖化作戦やヒートアイランド作戦のある中で、なぜこういう位置や場所になってしまったんだというふうにいわれているわけです。今いわれたのはやっていることですけれども、そうした基本計画で出されている都市づくり、環境基本計画で出されている風の道確保などでは、どういうふうに思っていらっしゃるんですか。
○梶原参事 いわゆるヒートアイランド現象に伴います都市環境の悪化を食いとめるための施策でございますけれども、環境基本計画の中でもうたっておりますように、環境に配慮した持続可能な都市づくりを進めていく必要があるという問題認識は私どもも持っております。
ヒートアイランド対策につきましては、現在も関係局から成りますヒートアイランド対策推進会議の場で、全庁挙げた取り組みとしていろいろ検討しておるところでございます。
先ほどもご答弁の中で申し上げたかと思いますが、明年一月を目途に具体的な取り組み方針を策定中でございます。
○清水委員 やっていらっしゃることはわかるんですけれども、私が伺っているのは、この作戦の対策をとった局として、この建て方が海の風を誘導する建て方だと思いますかということについて。
○林委員長 もしわからなかったら、都市計画の方で具体的に。
○清水委員 環境局としてどう思いますかといっているんです。環境基本計画に出ているんですもの、こうやって建てましょうって。
○梶原参事 環境局としては、環境基本計画の中で、風の道についてはうたっているわけでございますが、これは相当いろんな調整、準備をしてやるべき問題だと思いますので、実際に今後こういった形の新しいまちづくりの中で、そういったことをできるだけ実現できるように、いろんな調整を図っていきたいというふうに考えております。
○林委員長 汐留のことを聞いているから、その部分は別な部署で答えてもらうとかしないと……。
○梶原参事 汐留の話はもう既に、そういう意味では計画も行われている段階でございますので、今の段階で直せという話になっても、なかなか対応はできない部分でございますので、そういう意味では、今後の計画の中に盛り込めるような努力を私どもはしていくということになるかと思います。
○清水委員 これが、風が呼び込める建て方であるというふうには思われないわけでしょう、答えられないかもしれませんけれども。でも、そういう立場に立たなければ、次のだって、これでいいということになるじゃないですか。遅かったけれども、これではまずいよというふうに立たなければ、またこれになるでしょう、ほかのところが。そういう一つ一つのことをしていかない限りは、同じことの繰り返しじゃないですか、幾らこういう提案をしても。じゃ、義務づけといっているんですけれども、何で汐留はやっていて、おれたちが義務づけされるんだといわれるじゃないですか。
だから私は、もっと総合的に対策をとってやらない限り、本当になってこの実効性を保つことはできないというふうに考えるわけです。そういう意味では、ここでいわれているんですけれども、全庁的な取り組みをやられると書いてあるんですが、その中身は、ヒートアイランド対策推進会議の策定した取り組み方針に基づいて全庁を挙げるということになっていて、会議で決めたことをそれぞれがやるんですよと、こうなってくるわけです。私たちは雨水対策をやりました、屋上に緑をやりました、地面にも多少公園をとりました、やりましたよという話になって、よく考えたら非常に暑いまちになってしまうということになる。その一番の知見を持っているのは環境局ですから、いつも具体的な問題でリードしてなければいけないということでは、私は、全庁的な温暖化・ヒートアイランド対策室を設置する必要があると思うんです。そして、総合的な対策、抜本的な対策を、時期に見合って行っていくべきだというふうに考えるわけですが、全庁的な地球温暖化対策室の設置についてどのように考えておられますか。
○梶原参事 ヒートアイランド対策につきましては、今、ご答弁申し上げましたとおり、ヒートアイランド対策推進会議を既に設置しまして、全庁的に検討を進めているところでございます。地球温暖化に関しましても、今後、各局が一体となって取り組んでいく課題だというふうに考えてございます。
○清水委員 この間の実際にあらわれている事態というのが、やはり不十分であるということになってきているわけですから、これまでどおりのことを力を入れて進めますということでは、地球の中でも、日本の中でも、とりわけ東京の負っているリスクというのは非常に大きいわけですから、その事情や原因や起こることを一番よく予測している環境局が、こうしなきゃならないということを、財務局に向かっても、建設局に向かっても、都市計画局に向かっても、いわなければ、例えば、ここでは、都市部では洪水が大変ふえるというようなことをいっているわけです。それは都市型水害ということで出てきているわけです。そういう問題を、ことしは雨が多いなとか、もっと長い目で見ると、大きくふえているということもわかっているわけですから、環境局のさまざまな情報入手の中から、それを取りまとめて、先頭に立って行っていくことが非常に重要だということを申し上げて、改めてこうした対策室を設けていただきたいというふうに要望して、終わります。
○大河原委員 私も、温暖化対策東京作戦について伺っていきたいと思います。
理念なきエネルギー消費大国といわれるのが我が国ですけれども、東京はその中でも一番大都市で、しかもエネルギーを使っているまちだというふうに見られています。
ただ、エネルギー消費構造からいけば、産業部門がすごく小さいわけですから、ここに出ているような業務部門、それから民生部門、こういったところのCO2の削減をしっかりやっていくということで、東京の温暖化対策というのは、ここに書いてある、頑張るぞという姿勢をもっともっと強く出してはいけると期待したいと思っています。
大規模事業所に対する削減の義務化というのも、これだけではなくて、もう一つは、排出権の市場をつくっていくこととか、あわせ持つ施策があって機能していくかなというふうにも思いますけれども、部門別の削減目標を持ちながら、これに向かって進むという中では、私たちは、民生部門ですね、家庭の対策というのも非常に大事で、実はライフスタイルが変わらなければ、そういった基本的なところから変わらないんじゃないかという認識を持っています。
この観点からいけば、七月、八月に実施された少エネ商品拡大キャンペーン、これはもっともっと宣伝されてよかったかな、もっと都民の関心を集めていいはずのものだったのにと、ちょっと二カ月という時間が短かったという印象を受けました。
この点について伺っていきたいと思いますけれども、まず、今回実施されたキャンペーンの概要と目的、これを伺っていきます。
○梶原参事 今回実施いたしましたキャンペーンは、家庭での温暖化対策の取り組みといたしまして、省エネ型商品の利用拡大を目的として実施したものでございます。
その概要でございますが、消費者が商品購入時に、より省エネ型の商品が選択できますよう、省エネ性能の総体的なランクづけと電気料金の目安を組み合わせました都独自のラベルを個々の商品に表示するものでございます。また、あわせまして、省エネ型商品の表示や情報提供につきまして活発な議論を広げるということもねらいとして実施したところでございます。
○大河原委員 これがラベルで、見ていますと、販売価格があって、五年間の電気代の目安というのまで金額が出ていまして、どのぐらいお得になるんだろうかという、消費者が商品を選択するときの意識をすごく刺激するものだと思うんですけれども、実際にホームページなんかで見ましても、参加された各お店の方々は、それに対してお店の情報なんていうのも載っていて、かなり楽しんでホームページを見せていただきましたけれども、実際の実績と、このキャンペーンを二カ月やっての課題というのはどういうものでしょうか。
○梶原参事 キャンペーン期間中に実施した聞き取り調査などの結果によりますと、九割弱の消費者は購入時に電気代を参考にしていらっしゃいますし、また、都のラベルにつきましては、七五%が参考にするというご回答をちょうだいしております。また、六割強の販売店からは、商品説明の際、相対評価が役立ったというご回答をちょうだいしております。
課題といたしましては、ラベルのデザインや盛り込む情報などの事項ですとか、表示されていない商品がまだありますし、それから、表示していない店舗があるといったような事項が問題点として挙げられると考えております。
○大河原委員 実際にお店に足を運んだ方の情報も出ていまして、店員さんがこのことを何も知らなかったというようなことから、また、量販店ですと独自の基準でラベルをつくっていて、その商品情報を出していて、定員さんと話すと、どうしても、ちょっと型が古くても安売りできる、オープン価格になっているようなものが店先にはいっぱい並んでいるわけで、そちらを勧められてしまうようなケースが間々あるというふうに報告もされましたし、実際そうであろうというふうに想像もできます。
ただ、こうしたラベルというのは、消費者が選ぶときに、信頼性を確保すれば非常に役立つものだという認識を持っておりますので、今後、このラベル、表示、デザインから、どんな情報を盛り込むかから検討するということですが、ぜひ信頼の得られるものをつくっていただきたいと思います。
それで、特に温暖化対策の東京作戦、第一ステージでは三つの目標が挙げられておりまして、その中には、先駆的な事業者やNGOとの連携を進めて実効性ある施策を開始し、東京を先進の省エネルギー型の都市に変えるというふうにあったわけなんです。この点、私はすごく注目をしていたわけなんですけれども、今回のキャンペーンでは、NGOとの連携、どんなふうに取り組まれてきたのか。
また、環境局は、私の認識では、都庁広しといえども、非常に古くからいろんな分野で、緑を守るとか水とか、さまざまな分野で市民とのかかわりが強い局だと認識しておりますので、この目標に掲げられたことを考えれば、これまでのかかわり方と今回の一歩はどんなふうに違っているのか、そんなところはどのようにお考えでしょうか。
○梶原参事 今回の少エネ商品拡大キャンペーンでございますけれども、都内を初めといたします家電量販店、スーパーなど環境対策に取り組む事業者の皆さん、それからNGO、メーカーの皆さんと連携して実施したものでございます。
その際、ラベルの検討など比較的企画の早い段階からご参加をいただきますとともに、実施状況の確認ですとか、キャンペーンの周知などにもNGOの皆さんにご協力いただいたところでございます。いわば取り組み全般にわたって連携が図られたというふうに私どもは考えてございます。
○大河原委員 東京都全体がNPOとの協働の指針などもつくられまして、それぞれの分野でNPO、NGOとの連携を図られているところですが、今回のキャンペーンでかなり早い段階から、企画のあたりから一緒に協働されたということは評価をしていきたいと思うんです。いろんなNGOやNPOの皆さんからも意見が出てくる、私のところにも来ると思いますけれども、ぜひ下請にしない--NPOやNGOの方たちはかなり専門的な知識もお持ちですし、それゆえに、すごく細かいことをいうかもしれませんけれども、その辺の受けとめはきちんとしていただきたいと思うんです。
それで、温暖化阻止作戦の中でも、インターネット会議ですとか、時々ホームページで会議をのぞいて見ていたんですけれども、インターネットが非常に重要なツールになっていると思います。それで、インターネット上ではいろんな意見が出てきているわけなんですが、それが生かされるのは、どんなことが受けとめられたか、寄せられた意見に対してどういう対応をしているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○梶原参事 施策に関しますご提案等でございますけれども、本当にさまざまなご意見、ご主張をちょうだいしておりまして、施策化に当たりまして、それらの貴重なご意見等を参考にさせていただいているところでございます。
○大河原委員 どの意見を取り入れましたなんていうのはとてもいいにくいことだと思いますし、どのぐらい取り入れられているかは、いわない方がいいのかもしれないんですけれども、意見に対しては、環境局から個別にお返事をそういう方たちに出す。そしてまた、典型的なものについては、ホームページにQ&Aなんかも載っていましたけれども、その辺のことは綿密にやっていただきたいと思うんです。そうした意見が局の中でも醸成してきたときには、こういうふうに取り入れられているんだということをオープンにして、ぜひNPO、NGOへの応援をしていただきたいと思います。
それで、少エネ商品拡大キャンペーン、ただの省エネじゃなくて、少エネというぐらいに、東京都の姿勢というのは明らかだったと思うんですけれども、実際には消費者が買う、消費者部門との、消費者対策をしているのは生活文化局ですが、そういう部門との連携がどうなっていたんだろうか。キャンペーンの期間の短さと、マスコミにも、新聞などにもちょっと出ていましたけれども、実際には本当に消費者にその情報が届いていくことが大事なわけですので、生活文化局とか消費者団体、そういうところとの連携は今回のキャンペーンはどうだったんでしょうか。
○梶原参事 今回のキャンペーンでございますけれども、生活文化局の広報紙等においてキャンペーンの紹介文の掲載などで連携を図っていただいたところでございます。また、消費者団体の皆様方からも協力団体としてご参加いただいて実施したところでございます。
今後とも、今回の本方針にございますとおり、検討段階から都民、NGO、企業等との協力連携によりまして、省エネルギー型製品のさらなる普及促進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○大河原委員 本当に検討段階から、都民、NGO、企業との協力を図っていただきたいと思います。
企業のところへの注文でいえば、ご参加いただいた、ご協力いただいた企業の中には、大変遠い場所の方も、要するに東京外のところまでありましたけれども、チェーンを持つところでは、もっと、東京都民がどこで家電製品を買っているのかということを踏まえた協力の依頼をしていただきたいということを申し上げておきます。消費者団体の人たちも、そういうところはよく知っているので、東京都だけから依頼するんじゃなくて、市民も巻き込んで、そういう協力体制をぜひ求めてください。
次に、需要量の大きい公共施設の省エネ機器への切りかえというのは、財政、予算との兼ね合いで非常に難しいというふうには思うんです。でも、信頼できる計画ができれば、それに向けて予算をつけていくということに合意がとりやすい。ですから、そういった意味で、都庁エコアップ計画とか、守る計画とか、いろいろ出てきてはいますけれども、もっとオープンに、このぐらいの省エネ製品に切りかえたら、こういう年次計画でやっていったらこうなりますというような計画、もっと具体的に出せないものでしょうか。都庁の省エネ商品の使用というのはどんな状況になっているのか、教えてください。
○梶原参事 都有施設の省エネの推進でございますけれども、引き続き独自に省エネ診断を行いまして、施設改修などにあわせて省エネ化を進めておりますところでございます。また、現在、改定作業を行っておりますが、環境に配慮した物品調達ガイドというのがございますが、この中に、新たに省エネ型家電製品の指定を行うなどいたしまして、都庁における省エネ商品の使用を進めてまいりたいと考えてございます。
○大河原委員 家電製品ですとか、使うものについては、このように省エネ型の家電を進めていくような方法が今とられ始めたというところで、これをもっと進めたいわけですけれども、本当に必要なのは、実は入れ物の方の、住宅ですとか建物本体、そういうところの工夫がまだまだ足りないと思うんです。
ヨーロッパに行きますと、それこそ窓が一重窓ではなくて二重、三重になっている。中の暖房器具なんていうのは非常に限られたもので済むということがあります。今回の作戦の中でもマンションのことが多少触れられているんですけれども、実はこうした家電が入っていく個人の住宅ですね、そうしたところが非常に気になっているところです。住宅性能表示も始まりましたけれども、温熱の四段階評価ですか、そうしたところにも、何しろ高い買い物になるわけですから、家を持とうという人には非常に関心の高い項目だと思います。
省エネ住宅については、気密性を高めていくことが重要になるわけですけれども、都民への情報提供ですとか誘導策、こういったものはどのように具体的に考えておられるでしょうか。
○梶原参事 住宅の省エネ性能でございますけれども、冷暖房によります二酸化炭素排出量に大きく寄与することから、今回の方針の中でも、マンションの省エネルギー性能について、購入者や居住者にわかりやすく理解され、評価される仕組みの検討を進めていくというふうにしてございます。
○大河原委員 住宅局の方で環境共生住宅とかいろいろ試みはあるんですけれども、それが一般住宅にどのように応用できるのかですとか、具体的な情報をもっと出す工夫を、今、マンションまでやっと来ましたから、もうすぐ個人住宅にも向いていくのかなというふうに思いますが、ぜひ進めていただきたいと思います。
ところで、地球温暖化対策推進法、四月の改正で、対策のために地域に地域協議会を設置するという改正があったわけですけれども、東京都はこの地域対策協議会は設置の予定があるんでしょうか。また、独自の考え方で会議の設置みたいなものを、前に東京ごみ会議とかありましたけれども、どんなふうに考えているんでしょうか。
○梶原参事 今回の法改正で位置づけられました地域協議会についてでございますけれども、この地域協議会は、日常生活に関します温暖化効果ガスの排出抑制等に関する必要な措置について協議することを目的として設置するものというふうにされてございます。こうした趣旨からいたしますと、本協議会は区市町村で設置されることが適当であるというふうに考えてございまして、東京都において設置する予定はございません。
また、今後、NGOとの取り組みを進めていくためには、都として会議を設置するという形ではなく、各NGO、NPOが主体的に開催するさまざまな催し等に積極的に参加するなどして連携を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○大河原委員 設置するなら市区町村だというような考え方はよくわかります。ただ、なかなか自治体がエネルギービジョンなんかも独自に持っているところは東京でも少ないんですね。だから、そういうエネルギービジョンを持つような自治体ができてくることと、また東京都が、基本理念の二番に、国の政策のみに頼らないということをはっきり宣言して、みずからの地域のエネルギービジョンも、削減対策も立てていくんだというお話は、非常に心強く思います。
新たな会議の仕方、それもNGO、NPOが開くところに東京都みずからが出かけていってくださるということですので、そのことは、これまでの会議のやり方ではなく、新たなNPOとの連携を踏まえたものとして、前向きにとらえていきたいと考えます。
それで、質問してきて、知りたいなと思ったことが一つ出ましたので、ちょっと聞いておきたいと思うんですが、東京都のエネルギービジョン、三年前にできましたけれども、これは生活都市構想と前の環境基本計画にのっとったビジョンです。今回は、もう既に東京構想二〇〇〇が出ていたり、こういう温暖化対策の問題で出てきているんですが、この東京エネルギービジョンというのは、新しいものはいつつくるんですか。二〇一〇年までカバーはしているんですが、まちのとらえ方が随分変わっていると思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
○梶原参事 今現在、改定といいますか、策定する予定は特に考えてございません。
○大河原委員 せっかく基本理念の二番のところで、東京都独自にやっていくんだというふうに宣言をいただいているので、この東京エネルギービジョンが出たときに、私はすごく楽しみに見たんですけれども、ここの中には、国のエネルギービジョンの十分の一、それが入っているだけなんですね。再生可能エネルギー、自然エネルギーに関しては非常に冷たい扱いしかされていないんです。
今、東京は、そういった意味では、もっと大きな電源を東京外につくって引っ張ってくるという発想から、ここに地域分散型のエネルギーを目指すというようなことが書いてあるので、このエネルギービジョン、どれだけ新しくなるのかわかりませんけれども、私はこれは、正確な情報を都民に提供するためにも、このビジョンに対してどんな立場に今東京都があるのか、そのことは少しはっきりさせていただきたいと思います。
それで、挑戦5というところに、再生可能エネルギー、具体的には風力発電の風車をつくるということが書いてありますけれども、臨海部で風力発電設備二基、そしてまた新たな設置についても考えていくと。島の方面ですと風力発電もいいんでしょうけど、確かになかなか難しいかもしれません。この屋上にも太陽光がつきましたけれども、その量は微々たるものだと思います。
けれども、先週ですか、国の総合エネルギー審議会ですか、日本の自然エネルギーの普及拡大、その数値を出しましたけれども、〇・三%のものを一・三五%に引き上げるということだけでした。イギリスとかヨーロッパなんかは、EU全体でも三%から一二%に引き上げると。これも京都議定書の約束を守るために各国もいろいろ努力しているのに、我が国はこういった意味では非常に立ちおくれているなと、がっかりすることがいっぱいだったんですけれども、東京都もこの点は、エネルギービジョンの見直しも含めて、再生可能エネルギー、風力や太陽光だけではありませんから、いろんなことが考えられると思うんです。NGOの皆さんにも加わっていただいて、ぜひ考えていただきたい、計画の中に盛り込んでいただきたいというふうに要望しておきます。
それで、きょうの質問は省エネということで、私は、省エネキャンペーンもすごく地道な努力だと思うんです。これまでも環境局は、エネルギーダイエットノートをつくって、行動の一つ一つを重ねていくとこんなふうに節電できるということも出ていたと思うんですけれども、とにかく経済と環境というものが相反するものではなくて、経済も環境に配慮することによって回っていく、そこから雇用も生み出せるし、それから経済的なコストも見合う、そういった時代にしていかなきゃならないということでは、さっきも、義務化のことで関与を強める、管理していく、コントロールしていくということですけれども、私はそこのところはもうやるべき時代だと思います。
そしてもう一つは、省エネの概念ですけれども、イメージですけれども、省エネをするということは、昔の生活に戻るようなイメージで、寒くて、暗くて、辛くて、何かみじめな感じというのが省エネのイメージだったと思うんですけれども、実は省エネの家電製品を使って、そこで浮くものが出てきます。経済に見合うもの、それからの家の電気代が安くなるとか、省エネをすることによって余分な電気をつくり出しているんだという発想に切りかえれば、節電所というふうに呼ばれていますけれども、それぞれのオフィスも節電所になる。発電所ではなくて節電所を東京じゅうにつくっていく、その発想でぜひ省エネのことは進めていただきたいというふうに要望いたしまして、質問を終わります。
○樋口委員 コスト意識の高い産業部門は、いわゆる生産工場は、五十四年度以来省エネを実施してまいりまして、ある一定の成果は得られているかと思います。一方、オフィスやデパートなど業務部門は、一九九〇年から二〇〇〇年までの十年の間に一九%もCO2の排出がふえてしまっている。京都議定書の発効は来年度にも見込まれ、このままの状況でありますと、OECDも日本の削減は大変難しいとしております。
国が実質的な環境税や排出量取引の経済的手法や排出削減義務の導入など実効性のある手法について、残念ながら検討段階にある今、国よりも一歩も二歩も先んじて始まった東京都環境局のあり方というのは大変評価できるものかとは思います。しかし、この制度を進めるに当たり、思い入れのみではなくて、本当にこの取り組みが可能なものなのかどうなのか、検証してまいりたいと思います。
CO2の排出量削減の義務化を検討するとしていますが、対象になる大規模事業所というのは、都としてはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○梶原参事 現行の地球温暖化対策計画書制度でございますが、燃料や熱の使用量が原油換算で年間千五百キロリットル以上または電気の使用量が年間六百万キロワット以上の事業所を対象としております。
今後、CO2排出量削減の義務化の検討に当たりましては、この現行の制度を一つのベースといたしながら、対象の範囲につきまして環境審議会でご議論いただきたいというふうに考えてございます。
○樋口委員 CO2の削減のため、現行の地球温暖化対策計画書制度はもちろんのこと、さらなる対策を産業界に求めれば、環境コストの上昇により国際競争力が失われ、空洞化に拍車がかかり、国内の雇用情勢はさらに悪化するとして、もっぱら自主的な取り組みによる削減対策を基本とするべきであるという考えもあります。それが歯どめの効かないCO2の増加になってしまっているという事実は否めないかと思います。
しかし、削減はしていかなくてはなりません。経済が低迷している中、楽に企業を運営しているところなんかないどころか、一つ一つの事業所が生死をかけて営業しているということを踏まえ、弱者にしわ寄せがないように、どこに義務化をするのか、しっかりと示していただきたいと思っております。
業態によっては、CO2削減が容易なところ、容易ではないところがあります。また、ビル一つ、建築物一つとってみても、使用できるもののそろそろ建てかえなくてはならないところ、建築上あと何年後やらに立ち退いていかなくてはならないところなど、さまざまな立場、ところがあるかと思います。入っている事業所にどのように義務を課すのか。事業所単位であれば、年間原油量換算で千五百キロリットル以上使用する事業所であっても、意図的に書類上、この営業所を分けて申請するというような形にすれば義務が発生しなくて済むのか、はっきりわからないんです。経済状況を踏まえて、公正かつ公平な制度運営ができるよう、また、納得ができるような制度になってほしいと思っております。
CO2の削減のために事業者に融資や補助金を出すという制度がないということを先日お伺いしました。それは仕方がないことかとは思いますが、CO2削減を推進させるために積極的に温暖化対策に取り組んだ事業者が、社会的に経済的に評価される仕組みが不可欠だと思います。一律に大規模事業所に義務をかけるのではなく、例えば税制面において優遇措置があるだとか、また、努力した事業者が報われるだとか、そういうような仕組みが必要なのではないでしょうか。お答えください。
○梶原参事 都内では、この十年間にオフィスなど業務部門からのCO2排出量が約二割増加しまして、増加傾向に歯どめのかからない状況が続いております。そのため、現行の地球温暖化対策計画書制度の強化等によりまして、オフィスなど大規模事業所に対しますCO2排出量削減の義務化の検討が必要と認識しておるところでございます。
CO2削減を進めますためには、事業者を温暖化対策に誘導するようなインセンティブを持たせることが効果的であり、また、義務化の検討とあわせて積極的に温暖化対策に取り組んだ事業者が、社会的、経済的に評価される仕組みについても検討してまいりたいと考えております。
○樋口委員 今、本当に経済は冷え込んでおりまして、皆さん、事業者の方々、必死になって努力していらっしゃる。CO2を削減するのは仕方がないとはいえ、生死をかけて頑張っていらっしゃる事業者の方々に、決して異常なほどの無理がかからないようにしていただきたいと思います。そして、感謝状一枚で済ませるようなことがないように、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
東京都自然保護条例では、千平米以上の民間施設は新設等の機会に敷地や屋上等の緑化を義務づけました。それを継続、維持管理することが重要でありますが、その事業がどのように継続されていくのか、途中で放棄されるのかもわからないと私なんかは思っております。千平米以下であっても、屋上緑化や雨水利用の取り組みなどを積極的に行っている事業所もあります。オフィスなどに削減義務を求める以上、それぞれの企業やビルで取り組まれてきたこれまでの自助努力によって緩和措置を講ずるべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。
○梶原参事 屋上等緑化や雨水利用につきましては、ヒートアイランド現象の緩和ですとか循環型社会づくりなどに有効な対策であると私どもも認識しております。こうした取り組みをCO2排出量との関係で客観的に評価していくことは難しいことではございますが、今後、審議会におけます議論を通じて検討してまいりたいと考えてございます。
○樋口委員 ぜひその辺をよろしくご配慮ください。お願いします。
既にことしの六月より、大規模建築物の新築、増築に対して雨水利用を促し、緑化対策の義務づけなど環境に配慮した環境計画を出させるようになっております。今後、新築建築物に対しても、より高い省エネルギー性能の達成の義務化を検討することとしています。
ただ、ここでぜひお考えいただきたいのは、建設や新エネ、省エネ機器の導入に際しては、使用時の省エネ性能ばかりではなくて、廃棄を伴う環境への影響についても十分に考慮する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○梶原参事 都では、延べ床面積が一万平米を超えます大規模な建築物を新築または増築しようとする者に対しまして、エネルギー使用の合理化、資源の適正利用及び自然環境の保全の観点からの取り組みについて計画書の提出を求める建築物環境計画書制度の運用をことし六月から開始したところでございます。この計画書の指導指針の中で、エコマテリアルの利用ですとか、長寿命化など資源の適正利用をお示ししまして、民間での取り組みを誘導させていただいているところでございます。
建築物の建設から運用、解体に至りますライフサイクルにおけるCO2排出量の評価指標につきましては、今後研究してまいりたいと考えております。
○樋口委員 ある時点では大変便利なもの、大変省エネである、またリサイクルできている、リユースできている、いろいろな考え方がありますけれども、そのうち負の遺産として残ってしまうようなことがないか、また検証していただきたいと思っております。
地球温暖化対策に積極的に取り組む企業について、最近よく耳にいたします。率先して森林を買うなど企業グループ内CO2排出量取引制度の導入を始めたり、グリーン電力証書によって風力発電開発を促進するなどの企業も次々と生まれてきています。CO2排出削減プロジェクトによる削減量の売買を都内で先行的に実施する方法などについて検討するとしていますが、NPO、都民などの先駆的な取り組みをどのように評価し、普及を図っていこうとしているのでしょうか。お願いします。
○梶原参事 事業者みずからの省エネ努力だけではCO2削減目標を達成できない場合でございますけれども、これを補完します仕組みの一つとしまして排出量取引制度がございます。これにつきましては今後検討することにしていきたいというふうに考えてございます。ご指摘のようなNPO、都民との取り組みにつきましても、この検討の中で議論してまいりたいと思っております。
○樋口委員 新しい制度に向かってさまざまな受け皿を用意していかなくてはならないと思います。より具体的に早急に私たちに示していただきたいと思っております。
先駆的なNPOや市民団体も参考に教育現場、つまり学校のことなんですけれども、環境教育の視点から、初めから参加させるような取り組みも一案なのではないかと私は考えております。
ソーラーシステムが一般家庭にお目見えして、既に四半世紀が過ぎました。しかし、一向に進まないというのがこのシステムです。先行投資がかかるだけではなく、減価償却できない、結局のところ思ったほど使い勝手がよろしくない、進まずに停滞しています。産業部門はもちろんのこと、オフィスなど大規模事業所対策も、新築建築物なども重要ですが、家庭における省エネ対策を忘れてはならないと思います。特に、できる限り幼いころより環境教育を目で見、体で体験して受けることによって、子どもたちを通して家庭に入っていくことが近道だと考えております。一例として、小さいときからごみの分別について教えることの重要性はよくいわれることです。
私論ではございますが、小学校より、環境教育の一環として、一定の目標値を定め、節水や節電など節約できた分だけ還元できるような仕組みがあったらなと考えております。これにより、光熱量のコスト意識のみならず、環境に対する配慮、そして達成感を遊びの中で養われるのではないか、そしてそれがめぐりめぐって家庭へと浸透し、啓発となるのではないでしょうか。これからの担い手を育成するために、今後、都として環境教育の充実を初めとした家庭部門対策をどのように進めていくおつもりなのか、ぜひ梶原参事、間もなく四時半になりますが、よろしくお願いします。
○梶原参事 家庭部門のCO2排出量でございますが、都内排出量の約二割を占めておりまして、実効性ある対策が不可欠となってございます。家庭部門対策を進めますためには、とりわけ地域単位や学校単位での取り組みが有効でございます。今後、地域におけますモデル的な取り組みですとか、学校教育におけます環境学習の充実などを通じまして、家庭における省エネルギーを推進してまいります。
それから、大変申しわけございません。先ほどご答弁申し上げた中で、一部補足をさせていただきたい箇所がございます。
○林委員長 樋口委員さんに対する補足ですか。
○梶原参事 いえ、織田先生へのご答弁なんですが、ちょっとよろしいでしょうか。
実は若干言葉足らずの部分がございましたので、ちょっと補足をさせていただきたいと存じますが、省エネ法改正によりまして、来年の四月から市町村が行うことになるというふうにご説明申し上げましたけれども、この部分につきましては、正確に申し上げますと、建築物に関します改正部門ということでございますので、エネルギー管理指定工場等の部分については引き続き国の方で取り扱いますので、ちょっとその部分がご説明が漏れておりましたので、補足させていただきます。申しわけございませんでした。
○樋口委員 新たな制度が生まれるときは、本当に大変な時期かと思います。でも、さまざまな形でさまざまな部署からいろいろな意見を取り入れて、それが形のある、弱者いじめではない施策になっていただきたいと心からお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時二十九分散会
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