都市・環境委員会速記録第十二号

平成十四年九月十二日(木曜日)
第六委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長藤川 隆則君
副委員長吉野 利明君
副委員長相川  博君
理事真鍋 よしゆき君
理事鈴木 一光君
理事大木田 守君
小磯 善彦君
吉原  修君
清水ひで子君
かち佳代子君
大塚 隆朗君
秋田 一郎君
大河原雅子君
内田  茂君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市計画局局長勝田 三良君
次長藤井 浩二君
技監杉浦  浩君
理事小林 崇男君
総務部長飯山 幸雄君
都市づくり政策部長森下 尚治君
都市づくり調整担当部長南雲 栄一君
マスタープラン担当部長河島  均君
都市基盤部長只腰 憲久君
航空政策担当部長甲斐 正彰君
外かく環状道路担当部長成田 隆一君
都市防災部長柿堺  至君
市街地建築部長野本 孝三君
環境局局長小池 正臣君
総務部長西野 和雄君
参事梶原 秀起君
環境改善部長松葉 邦雄君
参事小島 高志君
自動車公害対策部長山本 憲一君
参事月川 憲次君
自然環境部長町   格君
廃棄物対策部長福永 富夫君
スーパーエコタウン担当部長古川 芳久君
参事松本 保幸君
環境評価部長百合 一郎君
局務担当部長平田 信幸君

本日の会議に付した事件
 陳情の取り下げについて
 環境局関係
  請願陳情の審査
  (1)一四第一九号 TDM東京行動プランにおけるロードプライシングに関する請願
  (2)一四第三〇号 公害のない町づくりに関する請願
  (3)一四第二七号 八王子市中野山王二丁目地内の土地開発計画に関する陳情
  (4)一四第二二号 環境影響評価(アセスメント)緩和に関する請願
  (5)一四第三二号 東京都環境影響評価条例の一部を改正する条例案に関する陳情
  (6)一四第三四号
  (7)一四第三五号 環境影響評価条例の見直しに関する陳情
  (8)一四第三六号
  (9)一四第三七号 環境影響評価条例の見直しに関する陳情
  (10)一四第三八号 環境影響評価条例改正案の修正に関する陳情
 都市計画局関係
  第三回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都都市計画局関係手数料条例の一部を改正する条例
  ・東京都建築安全条例の一部を改正する条例
  ・東京都特別工業地区建築条例の一部を改正する条例
  陳情の審査
  (1)一四第二七号 八王子市中野山王二丁目地内の土地開発計画に関する陳情
  (2)一四第二八号 臨海部幹線道路建設計画の見直し等に関する陳情
  (3)一四第二九号 臨海部幹線道路建設計画の見直し等に関する陳情
  (4)一四第三〇号 臨海部幹線道路建設計画の見直し等に関する陳情
  (5)一四第三九号 江東区北砂五丁目に建設予定のマンションによる「日照時間ゼロ」被害に関する陳情

○藤川委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、お手元配布の陳情一四第二四号につきましては、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承をお願いいたします。

○藤川委員長 次に、第三回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしましたので、ご了承をお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の請願陳情の審査、都市計画局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は、説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承をお願いいたします。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、さきの人事異動により、環境局長に小池正臣君が就任されました。また、幹部職員の一部に交代がありましたので、小池局長からあいさつ並びに紹介があります。

○小池環境局長 去る七月十六日付の人事異動によりまして環境局長を拝命いたしました小池正臣でございます。
 健康で安全な生活環境を確保するため、また、東京の持続可能な発展を実現するため、環境行政は一層の強化を求められており、今日、都政の最重要課題の一つとなっております。環境局の総力を挙げて、この課題に取り組んでまいります。
 委員長を初め委員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 また、同じく七月十六日付の人事異動によりまして当局の幹部職員に異動がございましたので、お手元配布の環境局理事者名簿に従いましてご紹介申し上げます。
 総務部長の西野和雄でございます。企画担当参事の梶原秀起でございます。環境改善部長の松葉邦雄でございます。自動車公害対策部長の山本憲一でございます。交通需要マネジメント担当参事の月川憲次でございます。自然環境部長の町格でございます。廃棄物対策部長の福永富夫でございます。廃棄物技術担当参事の松本保幸でございます。環境評価部長の百合一郎でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○藤川委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○藤川委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、一四第一九号のTDM東京行動プランにおけるロードプライシングに関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○月川参事 それでは、お手元にお配りしてございます都市・環境委員会請願陳情審査説明表の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 整理番号1、請願番号一四第一九号、TDM東京行動プランにおけるロードプライシングに関する請願につきましてご説明申し上げます。
 請願者は、台東区の全国自動車交通労働組合総連合東京地方連合会の領家光徳執行委員長でございます。
 請願の要旨でございますが、TDM東京行動プランにおけるロードプライシングについて、次のことを実現していただきたい、1、マイカーの都心乗り入れや観光規制などロードプライシング方法の具体化に際しては、公共交通に占めるタクシーの役割を明確にし、その活用を図る施策を講ずること、2、タクシーについては、非課金とすることというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 都は、学識経験者などから構成される東京都ロードプライシング検討委員会を平成十二年八月に設置し、平成十三年六月に実施案について報告書を受理いたしました。現在は、報告書の内容につきまして都民や事業者などから意見を聴取しているほか、必要な調査を行っているところでございます。
 平成十四年三月に生活文化局がまとめました「自動車利用と環境に関する世論調査」によりますと、ロードプライシングの除外対象車種については、「提案のとおりでよい」が四八%、「減らす必要がある」が二五%、「増やす必要がある」が五%となっております。
 なお、ロードプライシングの検討についても聞いておりますが、「積極的に検討すべき」が四六%、「時間をかけて検討すべき」が四一%となっております。
 今後、都民や事業者などからの意見を踏まえまして、実施内容についてさらに検討を進めてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言を願います。

○かち委員 では、一四第一九号、TDM東京行動プランにおけるロードプライシングに関する請願に対する意見を述べさせていただきたいと思います。
 前回もこの種の請願が出されておりまして、質疑がされておりますので、私の考えるところを述べたいと思います。
 TDMの一環として、ロードプライシングは、車の総量抑制と環境改善を図る上で実効性のある一つの方法だとは思います。しかし、それだけ先行しても地域全体の環境改善にはならず、かえって迂回路の交通量を増大し、周辺環境の悪化をもたらしたり、また、課金時間逃れのために早朝、夜間の交通量が増大したり、騒音や振動の新たな問題を引き起こすなどの問題も懸念されます。単体規制を初め、総合的なTDMや総量規制こそがまず必要ではないでしょうか。
 この委員会の報告書の中ではアンケート調査などもやっていまして、もしロードプライシングが実行されたら自家用車の通勤をやめるとか交通手段を変えるなどという回答が、約四〇%程度ありました。こういうことは一つの動機づけになるだろうとは思われます。また、トリップ調査などで、通勤時間帯の乗用車のピークというようなものを解消できる方法でもあると思います。
 しかし、現況報告でもありましたが、この方法の導入には、生文局の世論調査でも、「積極的に検討すべき」が四六%、「時間をかけて検討すべき」が四一%ということで、世論が二分しているというのも現状です。
 それから、インターネットで環境局が意見集約をしておりますが、それを見てみますと、八月一日現在までで三万八千二百三十件の意見が寄せられていて、メール等によっても四百件を超える意見が寄せられているようです。これを見ても、実施の条件や要望についての意見が多く、賛成、反対を明確に示した意見はほぼ同数であるということで、まだまだ議論の余地があるなというふうに思われます。そして、タクシーは公共交通として除外すべきだという意見も、ここでも多く出ています。
 現実に、車種別の乗用車や営業用小型車という分類の中にタクシーが含まれ、その絶対数は、この調査結果でも相当数あるということがわかります。その背景には、タクシー業界の事業計画規制の緩和があり、企業にとっては、生き延びるためには車の台数をふやさなければならないという厳しい競争実態もあります。こういうところからも見直しをしなければ、入り口、出口だけで引き締めても本当の改善にはならないのではないかと思います。
 タクシーの公共性という点では、前回の質疑でも確認されていますが、国の運政審等々でも位置づけられているように、公共交通機関としての位置づけは社会的認識になりつつあるのではないでしょうか。
 今後、高齢社会、ノーマライゼーションの進展の中で、タクシーを必要とし、タクシーでなければ出かけられない人々もますます増加してくると思います。タクシーへの課金は、こういう交通弱者といわれる方々に負担がかかるということも十分検討しなければならないと思います。
 いずれにしても、ロードプライシングに当たっては、十分な環境整備と都民的理解と合意が必要です。本請願の趣旨も十分踏まえて慎重に検討されるよう要望し、本案については、保留にしていただきたいと思います。
 以上です。

○藤川委員長 ほかにご発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第一九号は保留といたします。

○藤川委員長  次に、一四第三〇号、公害のない町づくりに関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山本自動車公害対策部長 請願陳情審査説明表の二ページをごらんいただきたいと思います。
 整理番号2、請願番号一四第三〇号、公害のない町づくりに関する請願につきましてご説明申し上げます。
 請願者は、清瀬市の東京都患者同盟、小島貞夫会長でございます。
 請願の要旨ですが、公害地区といわれる地域で、可能な地区から大気汚染解消の目標を確立して、効率的に具体的な成果が上がるようにしていただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 平成十三年度大気汚染状況の調査結果によりますと、浮遊粒子状物質、二酸化窒素などにつきましては、環境基準を達成できない測定局が多くございました。
 都はこれまでも、大気汚染の改善のために、自動車公害対策や工場、事業場に対する規制指導などを行ってまいりました。
 さらに、国に先駆け、全国で最も厳しい、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例を制定し、ディーゼル車を中心とした自動車公害対策を強力に推進するとともに、工場、指定作業場に対する排出規制を強化いたしました。
 環境確保条例に基づく主な規制でございますが、ディーゼル車については、平成十五年十月から、粒子状物質排出基準を満たさないディーゼル車の都内運行を禁止することといたしております。
 また、大規模事業者に対しましては、低公害車の導入を義務づけております。
 その他、アイドリングストップの義務づけ、重油混和燃料等の使用、販売禁止などもございます。
 また、工場、指定作業場に対する規制といたしましては、ボイラーなどから発生する窒素酸化物の規制を強化したところでございます。
 今後とも、条例の趣旨にのっとり、自動車公害対策や工場、指定作業場などに対する規制指導を積極的に進め、環境の改善に取り組んでまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。

○小磯委員 東京都のディーゼル車規制もいよいよ来年の十月から始まるわけでございますけれども、これまで東京都は、条例を制定して、そしてその規制をクリアするためのDPF、また酸化触媒を東京都知事が指定したりとか、そしてまたそれを連携していこうということで、七都県市でもそういう体制がしかれた、そういうようなことで、来年の規制に向けての準備が着々と進んでいる、こういうふうに思っているわけでございますが、これまでのディーゼル車規制に対する、当初計画以上に進んでいるもの、そしてまた、当初計画よりはなかなか進まないもの、そういったものがあるかと思いますので、これまでの総括、そしてまたこれからの課題についての認識をお伺いしたいと思います。

○山本自動車公害対策部長 ディーゼル車の排出ガス規制につきましては、東京都の条例制定後、埼玉県、千葉県でほぼ同様の条例が制定されるなど、他の自治体へも広がりを見せております。
 条例規制への対応としては、PM減少装置の装着がありますが、東京都だけでなく、七都県市共同の指定制度を創設し、現在までに、DPF、六社、九型式、酸化触媒、六社、二十型式を指定しております。また、PM減少装置の活用に必要な低硫黄軽油については、バス事業者など専用の燃料タンクを保有する事業者に先行的に供給するとともに、この九月二日からは、一般の事業者向けに、都内の一部のガソリンスタンドにおいて供給が開始されました。こうしたことによりましてPM減少装置の普及が本格化しつつあると考えております。
 一方、課題につきましては、国がNOx・PM法の適用を、当初の予定に比べ半年から最大二年半延期いたしました。このため、条例による規制が先行し、規制の対象となるトラック等の台数が二倍以上にふえ、より広範な取り組みが必要となっております。

○小磯委員 より広範な取り組みが必要という、その部分について具体的にお願いできますでしょうか。

○山本自動車公害対策部長 より広範な取り組みということでございますけれども、条例が先行して、規制の対象となるトラック等が倍増したということでございまして、トラック向けのPM減少装置の指定拡大、特に、装着しやすい簡易な装置である酸化触媒の指定を拡大してまいりました。
 今後も、七都県市共同の指定制度による装置指定の拡大、低硫黄軽油の供給拡大に応じて、PM減少装置のメーカーに対して一層の開発促進と供給拡大などを要請してまいります。
 また、都は、PM減少装置に対する補助金制度やディーゼル車の最新規制適合車への買いかえ等に対する融資あっせん制度を設け、事業者の条例への対応を支援しております。
 これらの支援策は、埼玉県、千葉県など七都県市でも取り組んでおります。今後、こうした周辺自治体とも一層連携協力して取り組んでまいります。

○小磯委員 トラックの運送会社の社長さんなんかといろいろお話をしますと、東京都が指定したDPF、それから酸化触媒が、本当に耐久性があるのかどうか、そしてまた信頼性があるのかどうかということ。そしてまた、いよいよ規制で都内の運行禁止というふうにうたわれていますけれども、実際そういった運行禁止という措置がとられるんだろうかと。そしてまた、例えばDPF、酸化触媒を装置したり、また新車に買いかえたりとか、そういった新たな資金が、本当に余裕がないそういう中で、なぜユーザーのトラック会社だけがそういう負担を負わなければいけないのか、そういった声をよく聞くわけでございます。
 特に低硫黄軽油が普及すれば、もうそれだけでディーゼル車規制はクリアできるんじゃないかと、こういったこともよくトラック業界の方はおっしゃるものですから、その辺について、こういったトラック会社の方々のご意見に対してどう対応していかれるのか、お伺いしたいと思います。

○山本自動車公害対策部長 条例への対応を促進するため、PM減少装置の指定拡大、低硫黄軽油の供給、補助金などの支援策の展開を行っておりますが、情報が早期に、また十分に行き渡っていないというようなこともございまして、事業者の方から多くの疑問やご意見をいただいているところでございます。
 例えば低硫黄軽油につきましては、その使用だけでも若干PMを減少させる効果はございますけれども、PM減少装置の装着によって得られる、三割あるいは六割といった大幅な減少は望めません。低硫黄軽油の供給は、硫黄によってPM減少装置の触媒の性能を低下させないようにすることが主眼でございます。
 ご意見等いろいろございますけれども、今後とも幅広く広報を行うとともに、自動車環境管理計画書や報告書に基づく自動車Gメンの指導などを通じて適切な情報提供に努め、条例への対応を促進してまいります。

○小磯委員 先般、ヨハネスブルクサミット、環境開発サミットというのが行われましたけれども、私は、そういう場で、東京都のディーゼル車規制のような先進的な取り組みを国際会議場の場で積極的に紹介し、国際貢献すべきではなかったのかなと、こういうふうに思っております。
 東京都は今回のサミットでどのような取り組みをされたのか、ご紹介をいただきたいと思います。

○梶原参事 東京都は、今回のサミットにおきまして、知事のメッセージをお伝えし、その中で、ディーゼル車NO作戦についてもコメントをさせていただいておるところでございます。
 このように都の施策、提言を広く世界に発信し、日本のみならず、地球規模で時代の流れを変えていくことは大変重要であるというふうに認識してございます。

○小磯委員 今後、都の先駆的な施策や提言を世界に発信していくためには、例えば外国語版のパンフレットを作成してPRするとか、また国際会議に積極的に参加していく、そういったことが大事ではないかなと思うわけですが、その辺についての今後の東京都の取り組みをお願いしたいと思います。

○梶原参事 都はこれまでも、東京の環境施策を紹介しました英語版パンフレットを作成いたしましたり、東京を初めといたしますアジア各国の自動車排出ガス対策の状況を環境局のホームページに英文で記載するなど、環境行政を幅広くPRしてまいりました。
 また、来月の十日、十一日には、アジア大都市ネットワーク21、自動車排出ガス対策国際フォーラムをアジア諸都市からの参加を得まして東京で開催いたします。こうした場を通じまして、今後も東京の環境施策を世界に向けて発信してまいる考えでございます。

○小磯委員 今回の環境開発サミットには、日本からも約五百名のNGO関係者が参加して、重要な役割を果たした、こういうふうに思っております。
 東京都は、サミット参加NGOから報告を受けるなど意見交換を行って、積極的にNGOとの連携を深めていくべきである、こう考えるわけでございますが、東京都の見解を伺いたいと思います。

○梶原参事 NGOの役割は今後さらに重要になってくると認識しております。これまでも、地球温暖化阻止東京作戦を進める中で、NGO主催のシンポジウムに参加するなど、NGOとの連携を推進してまいりました。今後ともさまざまな機会をとらえて、NGOとの情報交換を積極的に進めてまいりたいと考えてございます。

○小磯委員 最後でございますが、公害の町など、そういった環境行政を今後どのように進めていくかについて、総論的に局長のご決意を伺って、終わりにしたいと思います。

○小池環境局長 環境行政の基本方針を明確にいたしまして、それを計画的に推進していくために、本年一月に、新たに東京都環境基本計画を定めております。この中で、基本理念といたしまして、健康で安全な環境の確保と持続可能な社会への変革を東京から実現するということを掲げてございます。この理念、目標を達成していく上で、都民を初め多くの関係者、団体等の協力を得ながら進めることが大変重要であると認識しております。
 そうした意味で、今後ともNGOなど多方面からの意見を積極的に聞くなど、各層との連携を深めつつ環境行政を推進してまいる所存でございます。

○藤川委員長 ほかにご発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がないようなので、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第三〇号は保留といたします。

○藤川委員長 次に、一四第二七号、八王子市中野山王二丁目地内の土地開発計画に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○町自然環境部長 続きまして、請願陳情審査説明表の三ページをごらんいただきたいと存じます。
 整理番号3、陳情番号一四第二七号の八王子市中野山王二丁目地内の土地開発計画に関する陳情についてご説明申し上げます。
 この陳情者は、八王子市の八王子市中央連合町会会長の高橋堅二さんでございます。
 陳情の要旨でございますが、八王子市中野山王二丁目地内の土地開発計画につきまして、当該地域を東京都が買収し、緑あふれる憩いの場として残すことというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 東京都では、東京における自然の保護と回復に関する条例に基づきまして、自然の保護と回復を図るため、森林環境保全地域や里山保全地域、緑地保全地域などを指定いたしまして、さらに保全計画に基づく保全事業の実施や保全地域の活用を進めることとしております。
 保全地域内の土地につきましては、建築物の新築行為等の許可を得ることができないため、その土地の利用に著しい支障を来す場合には、土地所有者からの買い取りの申し出があれば、これを買い取る制度となっております。
 市街地及びその周辺の地域で良好な自然を保護することが必要な土地につきましては、これまで、緑地保全地域に指定し、保全に努めてきたところでございます。
 平成十二年の自然保護条例の改正におきまして、東京都自然環境保全審議会の答申を踏まえて、緑地保全地域の指定対象地域を、従来の市街地及びその周辺から市街地近郊に改め、自然性豊かな緑が多く残っている丘陵地や山地の緑地を対象とすることとしております。
 次に、当該地域は、いわゆる谷戸がないため、里山保全地域に該当はしておりません。また、おおむね十ヘクタール以上の面積を有する森林を対象としております森林環境保全地域にも該当していない状況にございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。

○清水委員 ただいまご説明のありました陳情一四第二七号について、何点か質問させていただきます。
 今も説明がありましたように、当該地は、中央高速道路の出入り口近く、そして国道の隣接地にもかかわらず、都立小宮公園、それから市のひよどり公園に連なって住宅地が続いている中で、貴重な緑地が、市内でも数少ない地域として残されているところです。
 今回陳情された代表の方は、連合町会の会長さんということで、この分譲マンションの建設計画の直近の町会も含めた周辺の町会の連合町会の会長さんのようです。ですから、直近の町会で、雨水の問題とか交通渋滞の問題とかさまざまな直接の影響が予想される地域と、それからその周辺、緑地を残してほしい、今の地球温暖化からして緑地を残すことは東京都の仕事ではないですかという、そういう気持ちでこの陳情を出されたというふうに伺っております。
 そこで、何点か伺うんですけれども、この陳情の理由にもありますように、この地域では過去にもさまざまな経過があったわけなんですけれども、この陳情の中で指摘をされている、東京都が平成元年に制定をしたフィンガープランの対象地域となっているというふうに触れているわけですけれども、このフィンガープランに照らして、この場所の保全についてどのように認識しているのか。十四年たっているわけなんですけれども、当時、指状に広がる丘陵地を守っていくということで指定をされたこのプランなんですけれども、そのことに照らしてどのように認識しているのか、伺いたいと思います。

○町自然環境部長 みどりのフィンガープランでございますが、これは丘陵地の自然環境の保全と活用を図るとともに、秩序ある開発が行われるようにするために、緑地を確保するに当たっての配慮すべき事項を掲げ、緑の保全と活用の方策を示し、あわせまして、開発に当たって、緑に配慮した適正な土地利用を誘導することを目的として策定したものでございます。
 このフィンガープランの対象地域におきます開発につきましては、緑地の標準等を定めた丘陵地における適正開発のための指導指針というものを設けておりまして、この地域の開発につきましては、この指針に基づき、適切に指導をしてまいります。

○清水委員 現在もこの指針に基づいて開発の指導をするということで、当初の目的も、そういう意味では、その地域に指定したから、そこを、開発が不可能という内容ではないということは重々承知で今日まで来たわけですけれども、しかし実際には、特に、これまでも質問をしたことがあると思いますけれども、多摩丘陵などでは開発の地域の方が大変多くなってしまっているということで、この趣旨が、指針に基づいて開発の指導をするということは、それはいいんですけれども、丘陵地に残された豊かな緑を残していこうという趣旨からすると、実際にはこれがほとんど開発の中に行ってしまっているというのが現状だというふうに思うんです。
 しかし、ここで改めてこの陳情者が触れているというのは、東京都に指定されたところだから、東京都がこういう地域を、緑を守ってくれるのではないかという気持ちが、私はこの陳情の文章の中に込められているというふうに感じるわけです。
 そこで、次に伺うんですけれども、このマンションに併設して、クアハウス施設というのが計画をされておりまして、ここに温泉を掘削するということで、過日の自然保護審議会に温泉掘削の申請が提案をされました。
 自然保護審議会に提案される温泉の掘削というのは、一〇〇%--私たち、幾つか反対をするものもありますけれども--通過しているというのが通常ですけれども、この案件は、何人かから疑問が出され、また地元の市長もこの審議会に参加しているということで、地元の市長からも意見が出されて、温泉掘削案件が保留になっている案件です。ですから、こういう地元の意向を考えても、この場所におけるマンションなどの建設はやはり適当ではないというふうに考えるものでありますが、地元の意向というものをどのように受けとめているのでしょうか。

○町自然環境部長 ただいまお話がございましたが、現在、八王子市におきましては、この開発計画につきまして、市の開発指導要綱に基づきまして、事業者に対し、緑地の確保や建築規模等について指導をしている最中であるというふうに聞いております。
 環境局といたしましては、開発許可の申請が提出されました際には、この八王子市の指導を尊重するとともに、環境に配慮された計画となるよう調整をしてまいります。

○清水委員 現在、建設計画が浮上しているということでは、建設計画の内容が条例や法律に基づいていれば通過をしていってしまうという状況にも一方ではあるのですけれども、私は、環境局に対して改めて、こういう請願が提出されたことについて認識を伺いたいと思うんですね。
 東京の中でも緑地が、また樹林地が、丘陵地が残っているというのは、本当に多摩の西の地域になってきているわけですけれども、八王子でも少し中に入れば、里山、また森林保全地域に指定されるような場所も多く残っているわけですけれども、しかし、市街地に残されている緑地を守ってほしいという気持ちというのは、前の議員が発言されたようにさまざまな環境の会議が世界でも行われるようになって、一層強くなっているというふうに思うんですね、ヒートアイランドの夏の現象なんかを見ても。そういう意味では、この地域はやはり都として保全をしていく、保存をしていくような地域だというふうには考えませんか。

○町自然環境部長 東京に残された緑というのは、我々環境局としては、保全に極力努めていくという立場でいるところでございます。
 今お話のありました市街地における緑という点につきましては、東京都が広域団体として対応すべき緑の保全というものと、身近な区市町村が対応していただくべき緑というものとがあろうかというふうに考えております。したがいまして、市街地の緑につきましては、地元の区市町村の皆様方に創意工夫を凝らしていただいて保全に努めていただきたい、こう考えております。

○清水委員 十二年の条例改正でそのことが中心点になって議論されたと思います。私は、今日このような状況になるというふうに予想して、強く自然保護条例の緑地保全にかかわる部分については反対し、修正案も提案をいたしましたが、賛成をいただけずに今日に至っているわけです。
 先ほども説明がありましたように、市街地及びその周辺地となっていた条例を、市街地近郊ということで、今お話のあった身近な緑というのは市町村などが確保するというふうにいわれましたけれども、実際には、身近な自治体がそれを保全できる状況にあるでしょうか。
 今日、幾つかの請願も何回か出されておりますし、それから、結局は開発になってしまっているということは、私は改めて、今回こういう陳情が出たということも含めて、十二年に改正をした条例というものが、今環境局が進めている緑の保全とか、それから環境の保護とか、東京の環境の保全という方向とは合致しないのではないかというふうに、こういう事例のもとで考えるということが大事だと思うんですけれども、今日の時点に立って、この条例の改正というのはやはり改めてもとに戻すというふうなお考えには、まあ、ないというふうに答えられると思うんですけれども、今まで幾つかそういう緑の問題が出されてきて、どのように自然環境部長さんとしてはお考えになりますか。

○町自然環境部長 平成十二年におきます条例改正に関するお尋ねでございますけれども、平成十二年の改正におきましては、東京における緑地保全地域の見直しをその中で行っておりますが、これは都市緑地保全法という制度の中に緑地保全地区というものがございまして、これと緑地保全地域とが、対象地域、規制の内容、公有化の取り扱い、これが非常に類似している制度であるということで、これの整理が必要であったということ。それから、今後の保全地域の指定につきましては、東京に残された自然の保護という観点から、自然性豊かな緑が多く残っている丘陵地や山地の緑地としていくことが適切であるという東京都自然環境保全審議会の答申を踏まえまして、緑地保全地域の対象を、今お話のございましたように、市街地及びその周辺地から市街地近郊に改めたものでございまして、私どもとしては、妥当な改正であったというふうに考えてございます。

○清水委員 都市緑地保全法は、結局、地元自治体の負担が二分の一あるわけで、それがやはりネックになって、現実には十分に進展していかなかったというのが当時の議論だったわけです。ですから、東京都がこれまでやってきた、東京都自然保護条例に基づく保全、そのことなしには、今の東京の残された市街地における緑地というのは、保全することはほとんど無理だというふうに私は考えるわけです。そういう意味では、改めて質問はいたしませんけれども、その部分についてはやはりお考えをいただきたいというふうに思います。
 この陳情については、先ほどの経過を踏まえて、ぜひ適切に指導していただきたいし、こういう陳情者の意向を十分に酌んでいただきたいということをお願いして、終わります。

○藤川委員長 ほかにご発言はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、本件は、都市計画局所管分もございますので、決定は、この後行われます都市計画局所管分審査の際に行い、ただいまのところは保留といたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第二七号は保留といたします。

○藤川委員長 次に、請願一四第二二号、陳情一四第三二号及び陳情一四第三四号から陳情一四第三八号までは、関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○百合環境評価部長 私からは、整理番号4から8までの請願陳情を一括してご説明いたします。お手元の請願陳情審査説明表の四ページをごらんください。
 まず、整理番号4、一四第二二号、環境影響評価(アセスメント)緩和に関する請願でございます。
 請願者は、港区、白金六丁目超高層(高層)住宅建設に反対する会代表、吉野敏さん外六十六名でございます。
 請願の要旨でございますが、東京都環境影響評価条例の一部を改正する条例において高層建築物に係る環境影響評価の手続を緩和することは、都市環境を一層悪化させることになるおそれがあるので、慎重に審議し、拙速に実施しないようにしていただきたいというものでございます。
 次に、五ページをごらんください。整理番号5、一四第三二号、東京都環境影響評価条例の一部を改正する条例案に関する陳情でございます。
 陳情者は、千代田区、大気汚染測定運動東京連絡会代表、藤田敏夫さんでございます。
 陳情の要旨でございますが、東京都環境影響評価条例の一部を改正する条例案に、次の事項を採用していただきたい、1、第十一条の採用可能な複数案という用語は、内容が不明確であり、事業者の経済的その他の恣意により採用不可能としないため、技術的に不可能な場合を除く複数案とすること、2、国土交通省の道路計画合意形成研究会提言書案(平成十三年十月)にあるように、代替案の中に計画を実施しない案を含めることなど、以下記載のとおりでございます。
 次に、七ページをごらんください。整理番号6、一四第三四、三五、三六号、環境影響評価条例の見直しに関する陳情でございます。
 陳情者は、港区、野村實さん、野村陽さん、古崎憲さんでございます。
 陳情の要旨は、東京都環境影響評価条例の改正に当たり、次のことを実現していただきたい、1、事業段階環境影響評価をこれ以上緩和しないこと、2、環境影響評価の見直しに当たっては、広範な都民の意見が反映されるようにすることというものでございます。
 次に、八ページでございます。整理番号7、一四第三七号、環境影響評価条例の見直しに関する陳情でございます。
 陳情者は、港区、三田小山町に安心して永く住みつづける会代表、大寿美務さんでございます。
 陳情の要旨は、東京都環境影響評価条例の改正に当たり、次のことを実現していただきたい、1、事業段階環境影響評価を緩和しないこと、2、環境影響評価の見直しに当たっては、多くの都民、住民の意見を酌み取ることというものでございます。
 最後に、九ページでございます。整理番号8、一四第三八号、環境影響評価条例改正案の修正に関する陳情でございます。
 陳情者は、小平市、環境アセスメント条例改正都民連代表幹事、本谷勲さんでございます。
 陳情の要旨は、環境影響評価条例改正案について、次の事項の修正を実現していただきたい、1、計画段階アセスの複数の対象計画案を、技術的に不可能なものを除く複数の対象計画案に改めること、2、複数案には、計画を実施しないという選択肢を入れるとともに、事業実施の可否を評価できる仕組みを設定することなど、以下記載のとおりでございます。
 以上、七件の請願陳情に関する現在の状況でございますが、環境影響評価条例の一部を改正する条例案は、平成十四年第二回都議会定例会において、賛成多数により原案どおり可決されたところでございます。
 計画段階の環境影響評価制度に係る部分につきましては平成十五年一月一日から、また、事業段階の環境影響評価制度に係る部分につきましては公布の日から施行することとされ、平成十四年七月三日に公布されたところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査をいただきますようお願いいたします。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。

○かち委員 質問の前に、ちょっと私の聞き違いだったらお許しいただきたいんですけれども、今のご説明で、一四第二二号の請願者、吉野様外六十六人というふうに聞こえたんですけれども、六百六十六人というふうにおっしゃっていただけましたでしょうか。

○百合環境評価部長 大変失礼いたしました。六百六十六名の間違いでございますので、修正をさせていただきます。

○かち委員 ただいまの一四第二二号の請願と、三二、三四、三五、三六、三七、三八、計七件の請願陳情について、一括して質問をさせていただきたいと思います。
 ご報告がありましたように、この件については、二定で、環境影響評価書の見直し、大幅な内容の変更を含んだ改正案が上程されて可決をされてきた経過があります。しかしながら、この請願陳情者の趣旨というのは、これ以上東京の環境悪化をさせないために、超高層建築物の乱立や大規模住宅開発など住環境に与える影響、東京の環境悪化を懸念して、アセスの本旨である住民参加と合意形成の必要性から慎重な審議を求められてきた内容であると思います。
 こういう趣旨について私は全く同感であり、今なおこの改正された条例が本当に東京の環境にとって決してよい方向に行くとは思われない、そういう思いで質問をさせていただきたいと思います。
 前定例会でこのアセス条例の改正は、大変短期間の中で重要な内容を含んだ大幅な改正が決定されたわけですけれども、この委員会の中で私の質疑に対して前局長が答えられたんですけれども、なぜこんなに急ぐのかということについて、その理由ですが、都市再生特別措置法が施行され、緊急整備地域に指定されると六カ月以内に都市計画決定しなければならない、そうすると、アセスが完了しないうちに都市計画決定されることになってしまうから、アセス条例の改正を早期に行う必要があるというふうに答えられました。その内容がほとんど都民にも周知されないまま六月末に決定され、そして事業アセスについては、七月三日から公布ということになったわけです。
 それでは、この時期に東京と同様に都市再生特別措置法に基づく緊急整備地域が指定された全国の他の自治体では、どういうふうな対応が図られたのでしょうか。

○百合環境評価部長 都市再生特別措置法に基づく緊急整備地域が指定をされましたのは、東京のほか、横浜市、名古屋市、大阪市等でございます。
 これらの実際の対応の詳細につきましては承知しておりませんけれども、条例改正を検討しているという自治体もあるというふうに聞いております。

○かち委員 私もじかに聞いてみたりしたんですけれども、東京以外の自治体で、東京のようにあの時期に急いで条例改正をしたという自治体はどこにもなかったわけです。だけど、現に今、改正を検討している自治体はありますけれども、とりたてて都民にとって、また自治体の住民や環境保全の立場から重大な支障があるということは、現実には生まれていないわけです。
 そして、都市計画決定されるときには、アセスの必要な開発行為については、アセスの評価書なしに、アセス関連の情報なしに都市計画決定されるということはできないわけですよね。ですから、開発者側にとってみれば、六カ月で一斉に都市計画決定してもらいたい、そういう思いにこたえるという意味では急がなければならなかったかもしれませんけれども、東京のアセスの真髄、そして住民合意という観点に立つならば、法律が改定されたからといって、すぐにそれに即応する形で条例まで変えてしまわなければならない、そういう状況はなかったといえるのではないでしょうか。
 それでは、条例改正時に手続中の案件も幾つかあったと思うんですけれども、これらの状況はどういうふうになっているでしょうか。

○百合環境評価部長 改正条例が公布されまして、事業段階環境影響評価制度に係る部分が施行された平成十四年七月三日におきましては、アセスメント手続中で評価書未提出の案件につきましては、二十二件あったものでございます。このうち、今般の規模要件の見直しによりまして対象外となったものが三件になる見込みでございます。
 なお、二十二件の手続別段階の内訳につきましては、調査計画書の手続中のものが三件、評価書案提出前のものが九件、評価書案手続中のものが四件、評価書提出前、または評価書手続中のものが六件ということになっております。

○かち委員 今お答えがありましたけれども、この条例改正によって、規模要件の見直しによって対象外になるものが三件ということでした。規模要件の改正というのは、百メートル以上で十万平米以上が、百八十メートル以上かつ十五万平米に拡大されたものですね。それから、今のは特定地域ですけれども、全地域において住宅団地の新設の場合、千戸から千五百戸に基準が緩和されたわけですけれども、こういう対象にかかわる開発が三つあったと。それは具体的にはどことどことどこでしょうか。

○百合環境評価部長 対象外となりました三件でございますけれども、二件が特定地域、一件が住宅団地ということでございまして、一つは、西新宿六丁目西第六地区市街地再開発事業でございます。特定地域における高層建築物の建築ということで、高さが約百六十メートルという案件でございます。
 二つ目は、千代田区丸の内の東京ビルディング建てかえ事業でございまして、これも特定地域における高層建築物ということでございまして、高さが約百六十六メートルといった案件でございます。
 最後の三つ目は、東久留米団地建てかえ事業でございまして、戸数約千二百八十戸という内容の事業でございます。

○かち委員 百メートル以上のもので、今までだったらアセスの対象になったものが、このように百六十メートルあってもアセスの対象外になってしまう。それから、千二百八十戸でも、これもアセスの対象外になってしまう。こういうことがこれから続々と出てくるということを予見させるようなものだと思うんですね。これが東京の環境、ひいては地球の環境にとって本当にいい結果を導くものになるというふうにいえるでしょうか。
 ほかに二十二件の手続段階の内訳が先ほど出されましたけれども、これというのは、私は、本来だったら、条例改正があった場合には、経過中のものはせめて経過が終了するまでは現行でいくべきだし、今まではそういうふうにやってきたと思うんですよね。ところが、今回の条例改正においては、評価書案作成の段階とか、見解書、評価書作成案、それから評価書という段階ごとに、その時点に至ったら即、新条例に移行するということになっているわけですよね。
 ですから、旧条例で始まった環境アセスが途中の段階から新条例になってしまい、例えば評価書案から評価書作成の間には、公聴会とか説明会とか、都民、区長等の意見を聴取する、こういう過程があったわけですけれども、こういうものが省略されてしまうわけですよね。だから、住民の意見を十分に反映させるという視点からしても、これは住民にとって決していいことではない。今度いおうと思って準備していたことが、この件についてはもういえなくなってしまうという状況をつくるわけですよ。そういうことがやられてきたということも、本当に異常な手続方法だと思います。こういうことが本当に、七月三日に公布されて二カ月ぐらいになるんでしょうけれども、この間に都民、そして関係住民の皆さんに本当に十分理解され、合意をされてきたのでしょうか。
 そこで聞きますけれども、改正時に手続過程にある案件への適用関係を含め、改正条例にかかわる周知というのはどういうふうにされてきたんでしょうか。

○百合環境評価部長 改正条例にかかわります周知の件でございますが、都といたしましては、区市町村等に対しまして、条例改正に合わせ、適宜条例改正の内容について情報提供をしてまいりました。また、手続中の事業者とは日ごろから折衝という形で交渉を持っておりますが、その中で適宜情報提供を行っているところでございます。
 また、条例改正後は速やかにインターネットによる公開を行い、幅広い周知を図ってきたところでございます。

○かち委員 自治体に情報提供をするのは当然ですけれども、そして、直接の事業者は、こういうことを非常によく情報収集しているわけですからね。事業者にとっては、今回の改正条例は非常にやりやすくなるわけですから、そういうことは十分に情報を得られる状況にあるわけですよ。ところが、関係している住民については、インターネットでやったからそれで幅広い周知を図ったと、これで済むのでしょうか。みんながみんな、同じインターネットを見ているわけではないんですよね。インターネットのない方だっているわけですよ。そういうときに、全く住民不在、本当に住民を置き去りにしての条例改正のやり方ではなかったかと、今にしてますます強く私は思っております。
 そういうことで、条例は通ってしまいましたけれども、私は、請願陳情者の皆さんと本当に思いを一にしております。この条例改正が決して環境に効果をもたらすことにはならない。そういう意味では、今後もしっかりとこの環境アセスの動向を見守り、そして必要なときには意見を出していきたいと思っております。
 それで、請願陳情の一つ一つの内容については、二定の委員会で同様の趣旨で質疑をさせていただいたので繰り返しませんけれども、これらの内容は十分理解できるものであり、一括して趣旨採択を主張したいと思います。

○藤川委員長 ほかにご発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、請願一四第二二号、陳情一四第三二号及び陳情一四第三四号から陳情一四第三八号までを一括して採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立少数と認めます。よって、請願一四第二二号、陳情一四第三二号及び陳情一四第三四号から陳情一四第三八号までは、いずれも不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。

○藤川委員長 これより都市計画局関係に入ります。
 初めに、さきの人事異動により都市計画局長に勝田三良君が就任されました。また、幹部職員の一部に交代がありましたので、勝田局長からあいさつ並びに紹介があります。

○勝田都市計画局長 去る七月十六日付の人事異動によりまして都市計画局長を拝命いたしました勝田三良でございます。
 都市計画局の事務事業につきまして、平素よりいろいろご指導いただきまして、ありがとうございます。
 今後とも、都市計画局といたしましては、委員長初め委員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りまして、都市計画行政の発展に全力を尽くす所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の藤井浩二君でございます。技監の杉浦浩君でございます。理事の小林崇男君でございます。総務部長の飯山幸雄君でございます。都市づくり政策部長の森下尚治君でございます。都市防災部長の柿堺至君でございます。市街地建築部長の野本孝三君でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の笠井謙一君でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○藤川委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○藤川委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○勝田都市計画局長 本日は、平成十四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております都市計画局関係の案件をご説明申し上げます。
 提出予定案件は、条例案が三件でございます。お手元の資料1、平成十四年第三回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙に記載している順にご説明を申し上げます。
 まず、東京都都市計画局関係手数料条例の一部を改正する条例(案)についてでございますが、本条例は、建築基準法の一部改正等に伴いまして、許可申請手数料の新設及び廃止、並びに関係規定の整備を行う条例改正でございます。
 次に、東京都建築安全条例の一部を改正する条例(案)及び東京都特別工業地区建築条例の一部を改正する条例(案)についてでございますが、建築基準法の一部改正に伴いまして、関係規定の整備を行う条例改正でございます。
 私の説明は以上でございますが、引き続き詳細な内容を総務部長より説明をさせていただきます。

○飯山総務部長 それでは、まず、東京都都市計画局関係手数料条例の一部を改正する条例(案)につきましてご説明申し上げます。
 お手元にございます資料1の二ページをお開き願います。条例案の概要を記載しております。
 (1)の改正の理由でございますが、建築基準法の一部を改正する法律等の公布に伴い、条例を改正するものでございます。
 (2)の条例案の概要でございますが、建築基準法の一部改正に伴い、都市再生特別地区内の建築物の制限の適用除外に係る許可申請手数料及び、総合設計制度と一団地認定制度等との申請手続の一本化に係る許可申請手数料を新設するとともに、地区計画制度の整理等に伴い、関係規定の整備を行うものでございます。
 また、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律が廃止されたことに伴い、規定を整備するものでございます。
 なお、三ページから一四ページに条例案文を、一五ページから二二ページには新旧対照表をそれぞれ記載してございますので、後ほどご参照いただければと存じます。
 次に、東京都建築安全条例の一部を改正する条例(案)につきましてご説明申し上げます。二四ページをお開き願います。
 (1)の改正理由でございますが、建築基準法の一部を改正する法律の公布に伴い、関係規定の整備を行うものでございます。
 なお、二五ページに条例案文を、二六ページには新旧対照表をそれぞれ記載してございますので、後ほどご参照いただければと存じます。
 続きまして、東京都特別工業地区建築条例の一部を改正する条例(案)につきましてご説明申し上げます。二八ページをお開き願います。
 (1)の改正理由でございますが、建築基準法の一部を改正する法律の公布に伴い、関係規定の整備を行うものでございます。
 なお、二九ページに条例案文を、三〇ページには新旧対照表をそれぞれ記載してございますので、後ほどご参照いただければと存じます。
 大変雑駁ではございますが、以上で平成十四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がありませんので、資料要求はなしといたします。

○藤川委員長 これより陳情の審査を行います。
 初めに、一四第二七号、八王子市中野山王二丁目地内の土地開発計画に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○柿堺都市防災部長 お手元の資料2、請願陳情審査表によりご説明を申し上げます。
 二ページ、三ページをお開きをいただきたいと存じます。整理番号1、一四第二七号は、八王子市中野山王二丁目地内の土地開発計画に関する陳情でございます。
 本陳情は、八王子市の八王子市中央連合町会会長高橋堅二氏から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、八王子市中野山王二丁目地内の約三万平方メートル弱の土地を開発し、建設を予定している分譲マンション及びクアハウス施設の建設計画について、開発計画を中止することというものでございます。
 現在の状況についてご説明申し上げます。
 まず、経緯でございますが、平成十三年八月以降十二月までの間に、事業者が東京都多摩建築指導事務所に開発計画の事前相談に来所をされております。本年五月には、八王子市が、中野山王二丁目開発行為指導方針を事業者に提示いたしました。また、六月には、八王子市議会あて、開発計画中止を要旨とした反対陳情が提出されております。
 次に、開発事業の概要でございますが、三ページの位置図並びに配置図をあわせてごらんをいただきたいと存じます。
 開発予定箇所は、中央自動車道と国道一六号線が交差する南側で、国道一六号線沿いの西側に位置しておりまして、開発面積は約二万八千平方メートル、予定建築物の用途はマンションで、計画戸数は二百九十六戸、十四階建て、床面積約四万五千平方メートルでございます。その他の施設として、約四千八百平方メートルのクアハウスの建設が予定されているものでございます。
 次に、八王子市の状況でございますが、本年五月に市が事業者に提示しました指導方針により、事業者及び地元との調整を行っているところでございます。
 なお、この開発事業は、都市計画法第二十九条の開発行為の許可が必要な事業でございますが、現時点においては、事業者から許可申請は提出されてございません。
 以上でございます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 念のため申し上げます。
 本件中、環境局所管分に対する質疑は先ほど終了しております。
 本件について発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がないようなので、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第二七号は保留といたします。

○藤川委員長 次に、陳情一四第二八号から陳情一四第三〇号までは、関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○只腰都市基盤部長 整理番号2から4、一四第二八、二九、三〇号の臨海部幹線道路建設計画の見直し等に関する陳情の三件につきましては、一括してご説明申し上げます。資料の四ページから九ページをごらんいただきたいと思います。
 これら陳情のうち、陳情一四第二八号につきましては、中央区の臨海部問題・中央区の会会長の菅野きよ子氏、同第二九号は、江東区の臨海部開発問題を考える都民連絡会代表の中野幸則氏、同三〇号は、江東区の都民のための臨海部開発を求める江東区民の会会長の鈴木源太郎氏から提出されたものでございます。
 要望の趣旨でございますが、首都高速晴海線の仮出入り口設置計画と部分開通計画を中止すること、それから、臨海部幹線道路計画を抜本的に見直すこと、さらに環境アセスメントをやり直すことの三点でございます。
 まず、恐れ入りますが、五ページをお開きいただきたいと思います。都市高速道路晴海線でございますが、五ページの上の図面でございますが、江東区の有明、図面の右の一番下の方でございますが、そこで高速湾岸線から分離をいたしまして、豊洲、晴海、勝どきを経由しまして、中央区築地で高速道路の都心環状線に合流いたします延長五・一キロメートル、往復四車線の都市高速道路でございます。出入り口といたしましては、晴海地区に都心方向の出入りランプ、豊洲、築地地区には臨海方向の出入りランプが設けられる計画となってございます。
 この路線の整備により、都心環状線に集中している交通及び臨海副都心地域などで発生する交通需要を高速湾岸線に直結させ、交通の分散を図るとともに、臨海副都心、豊洲地区及び晴海地区の開発の促進に寄与するものでございます。
 本路線は、四ページの現在の状況の欄にございますように、平成五年の七月に全線五・一キロメートルが都市計画決定されております。このうち、晴海・有明間、海側でございますが、五ページの下の方の図面、これに該当する区間でございます。延長では二・七キロございますが、この区間につきましては、放射三四号線と並行して、高架の構造となりますが、こういう構造で平成十四年一月に都市計画事業承認を経て、現在事業中でございます。
 また、放射三四号線など、五ページの上の位置図にありますような臨海部幹線道路につきましても、臨海部と都心部の連絡強化、あるいは広域道路ネットワークの強化、地域内交通の円滑化などを図る上で重要な路線でございまして、整備を進める必要があるというふうに考えております。
 また、環境アセスメントでございますが、現在の状況にございますように、平成五年三月に評価書を公示してございます。その後、平成九年四月の豊洲・晴海開発整備計画の改定を受けまして、記載してございますように、平成九年十二月に変更をいたしてございます。
 高速晴海線の事業を含め、臨海部幹線道路建設事業全体につきましては、東京都環境影響評価条例に基づき、都市計画手続にあわせまして適正な手続を行ってきているものでございます。
 以上でございます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。

○かち委員 それでは、一四第二八号、二九号、三〇号の陳情について質問させていただきます。
 いずれも臨海幹線道路計画の見直し等に関する陳情ですが、今ご説明がありましたけれども、非常にわかりにくいですよね。当初は、五・一キロの計画で、湾岸高速と環状高速を結ぶ晴海高速線という計画であったということですけれども、途中経過の中で計画変更があって今日に至っているということですけれども、なぜこういうことになったのかというような経過について、もう少しわかりやすくご説明願います。

○只腰都市基盤部長 当初計画からこれまでの変更に至る経過でございますが、先ほどのご説明と一部ダブる部分がございますけれども、都市高速道路の晴海線の有明・築地間でございますが、延長全部で五・一キロございました。
 平成二年に定めました豊洲・晴海開発整備計画におきまして、この地域の広域交通基盤として位置づけられまして、東京都は、その整備、実現を目指しまして国に要請などをしてきたところでございます。
 平成五年に至りまして、この区間の全線につきまして、東京都として都市計画決定をしております。また、平成六年には、この全線が着工準備路線ということで、国からいわゆる予算の採択を受けていたところでございます。
 しかしながら、平成十年の四月に至りまして、このうち、有明・晴海間の二・七キロだけが事業採択をされまして、これにつきまして、平成十二年八月には首都高速道路公団が同区間の着工路線として基本計画の指示を受けまして、平成十四年一月の都市計画事業承認を経て、現在、鋭意事業中ということでございます。
 今後、残る晴海・築地間、二・四キロでございますが、引き続き国への要請に努め、平成十七年度完成に向けまして整備を促進してまいりたいというふうに考えております。

○かち委員 この計画は、臨海開発計画と一体となって、それぞれの道路網の整備が位置づけられて計画がされてきたと。平成二年に計画をされて、当初は五・一キロの予定だったけれども、そして平成六年には、国において着工準備路線ということで、一応これも国において開発許可というか、路線の許可が得られていたものなんですね。
 ところが、平成十二年の七月に、晴海から有明間二・七キロだけ着工の許可がおりたということになるかと思うんですが、環境影響評価書が平成九年に変更をされているんですね。この変更の内容というのは、ここにも書いてありますけれども、一定の晴海開発、豊洲の開発の見直しの中で、環状三号線は廃止にするとか、補助三一四号線は一部除外にするとか、そういう計画路線の変更に伴って環境影響評価書の見直しがされたんですが、このときの晴海高速線については、五・一キロでいく過程の中で行われたのか、それとも二・七キロという段階で行われたのかという点では、どうでしょうか。

○只腰都市基盤部長 臨海副都心をめぐる状況につきましては、歴史的な経過の中で大きく変化をしてきているわけでございますが、平成七年の九月に臨海副都心開発懇談会が設置されまして、当時の現状に合いました整備スケジュールを整えるということで再検討が進められたところでございます。
 それを経まして、平成八年の七月に臨海副都心開発の基本方針が決定されてございます。この時点におきましては、例えば環状三号線等が開発の中から除外をされたという経過がございますが、高速晴海線につきましては、全線が平成十七年度の整備目途ということで、この方針の中に定められてございます。アセスメントにつきましても、その方針に基づきまして実施されているものでございます。

○かち委員 ですから、一度環境影響評価の変更をやっていますけれども、あくまでも晴海高速線は、晴海四丁目あたりというんですか、トリトンビルの手前あたりからトンネルで入っていくという、五・一キロの計画がそのままでのアセスが行われたわけですね。それに隣接する環状三号線とか補助三一四号線についての違いというものを配慮しつつも、この晴海線については、当初計画のとおりにアセスが行われた。しかし、現時点では、トンネルから内地の方に向かっては計画が今のところないという、東京都としては持っているけれども、東京都として、果たして今後、採択をされたり基本計画指示が受けられるかどうかというのは、今の段階では全く見通しが持てないという状況になっているわけですよね。
 ですから、今、これから始めようとする晴海高速線というのは、湾岸道路から引っ張ってきた高速線が、晴海のところで、トンネルの前で終わってしまうという状況になると思うんです。
 これは、環境には大変大きな影響、変化をもたらすものですね。真っすぐに地中を入っていくと思っていたものが、そうではなくて、一般道につながっているわけです。これは、放射三四号線に並行してというか、同じように走っているわけですから、途中までは高速線で来ても、晴海の四丁目あたりからは一般道、地上を走るということになるわけです。
 しかも、これは、高速線ということですから、料金所をつくらなければならないわけですね。この料金所というのはどこにつくるんでしょうか。

○只腰都市基盤部長 この晴海線でございますが、五・一キロの中に、都心方向にサービスするランプが晴海ランプ、それから臨海方向にサービスするランプが豊洲ランプ、築地ランプの三カ所が計画されてございます。
 本来、首都高の料金所につきましては、首都高に入るとき、ランプから首都高に入るときに徴収するというのが原則でございます。先ほど来説明申し上げていますように、この二・七キロの有明・晴海間につきましては、晴海で仮出入り口ということになりますので、豊洲ランプの機能も集約いたしまして、あわせまして料金所を一カ所設置するということにしてございます。位置につきましては、有明北地区の東雲運河と高速湾岸線の中央付近に計画をしているものでございます。

○かち委員 中央付近ですか。埋立地がありますから、その真ん中辺につくるということの解釈でいいんですか。

○只腰都市基盤部長 先ほどの資料の五ページの下の方に配置図がございますが、この図面で申し上げますと、ちょうど放射三四号線というふうに、中央部に注記がございますが、この三四号線のこの辺というふうにご理解いただければと思います。

○かち委員 そういうふうになったということですね。
 それで、この計画変更というんでしょうかね、事業説明というのが住民に行われたようなんですけれども、このようにいろいろ変更してきて、今度、実際に着工になるんでしょうけれども、こういう説明は、いつの時点でどのような説明がされたんでしょうか。

○只腰都市基盤部長 当該路線でございますが、都としては、先ほど来申し上げましたように、全線の整備を目指しているところでございます。
 平成五年の晴海線の都市計画決定の時点におきまして、アセスの説明会もあわせまして延べ十五回、地元説明会を実施してございます。
 先ほど来ご説明していますように、部分的な事業採択がなされて段階的な整備ということになったわけでございますが、平成十三年の十一月には、そういう内容の工事実施計画書の認可、これは公団が受けるわけでございますが、その公告を官報に登載する一方、計画が具体化いたしました平成十四年、ことしの一月以降におきましては、地元の中央区、江東区の両区役所で関係図書を縦覧する一方、四月の下旬、二十五、二十六日でございますが、事業説明会を江東区立の小学校あるいは中央区の区民館等で開催したところでございます。さらに、五月以降につきましては、事業周知のお知らせ看板等を地元に設置する等、地元住民に対する周知を行ってきているものでございます。

○かち委員 実際的に二・七キロになって、そこを工事、事業化するということについての説明というのは、実質的には、ことしの四月に江東区と中央区で行われたそのたった一回だけのようなんですね。
 このようなことで、本当に住民の皆さんはびっくりしているわけですよ。当初の計画から、今いろいろ変更状況をお話しになりましたけれども、こういうことがほとんど周知されないまま、突然、二・七キロになるんだ、そこから上は地上を走るんだというような話を聞いて、びっくりすると同時に、じゃ、この地域が、大気環境等々からして本当にそういうことになっても十分な地域なのかということなんですね。
 中央区の大気環境というのは、非常に今汚れてきている、悪化している状況にあるということは周知のことだと思いますけれども、八月三十日付の、インターネットで見たんですが、十三年度の大気汚染常時監視測定結果ワーストテンというのが出ているんです。これを見ますと、第一位が港区の台場、九八%値でも、年間平均値でも第一位です。臨海部の湾岸高速線の通るあの地域が一番東京の中でも汚れているということをあらわしているんですね。そして、二位が中央区の晴海。まさにこの地域が東京で二番目に大気の汚染をしている地域だと。九八%値では〇・〇六二ということで、これはもう基準をオーバーしているということなんですね。これは、一般大気局の測定結果一覧を見ましても、晴海地域は二酸化窒素でも浮遊粒子物質でも、いずれも環境基準達成はしていない、バツになっている。
 こういう状況のもとで、高速線が走り、しかも、地下に入っていくと思ったら地上を走るというような状況になれば、環境悪化は必然ではないでしょうか。このアセスについては、どのように評価されているんですか。とりわけ二酸化窒素と自動車走行量の点についてお聞きしたいと思います。

○只腰都市基盤部長 先ほど申し上げましたアセスメント、これは変更後でございますが、大気汚染の評価といたしましては、供用後の二酸化硫黄、一酸化炭素及び二酸化窒素の将来濃度は評価の指標を下回っている、また、工事中につきましても前回の評価書と同様に小さいというようなことで結論づけられているものでございます。

○かち委員 車の量について、今お答えありましたか。車のこともお聞きしたんですけれども。

○只腰都市基盤部長 失礼いたしました。交通量でございますが、将来日交通量で申し上げますと、変更前につきましては、高速晴海線三万二千から三万八千台と予測しておったところでございますが、この変更後につきましては、全体のネットワークが変わったということもございまして、高速晴海線四万二千から四万七千台ということで、その時点で予測をされてございます。

○かち委員 アセスの変更後--さっきの大気汚染については、いずれも基準値内で影響はないというふうにおっしゃいましたけれども、現時点でも、もう悪化しているということは、先ほど私がお示ししたとおりですね。
 ことしの六月六日から七日にかけて、臨海問題江東区民の会の皆さんが、毎年測定しているんですけれども、江東区南部環境汚染マップというものをつけていまして、五十メートルメッシュですかね、これで各地をはかっているんですが、この晴海線が予定されている地域というのは、いずれも〇・〇四六から〇・〇七七、〇・〇八三、湾岸線と接続部のところは〇・〇九一というような驚くべき数字になっているんですね。
 こういう状況の中で、先ほど、変更したといいましたけれども、この高速線は、トンネルを通るんじゃなくて、そこで、今度この事業が完成しても一般道に入っていくという状況になるわけですから、状況は、当初の状況と随分変わるのは想像にかたくないところなんですよ。
 そういうことであっても、あの時期に変えたから、もうやる必要はないというふうにおっしゃるのでしたら、本当に実効性が伴わないアセスメントではないかと思うんですね。事態が変わったら、その状況に合わせてアセスというのはやるべきだと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○只腰都市基盤部長 先ほど申し上げました平成九年のアセスの変更におきましては、全体の開発の基本方針、いわゆる開発フレーム、例えば人口あるいはどの路線を優先して整備するかというような全体の開発フレームが変わりました関係で、大きな計画内容の変更になったわけでございます。したがいまして、アセスの前提となる大きな枠組みが変わったということで、アセスのやり直しといいますか、変更を出したわけでございます。
 今回でございますが、全体の計画が変わるわけではございませんで、全体五・一キロメートルのうち、段階的な整備ということで二・七キロメートルを整備するものでございます。残りの区間につきましても、引き続き国に対して要望を行いまして、完成目標に整合がとれるよう努力してまいるものでございます。
 そういうことから、東京都といたしましては、全体の整備を推進するという立場から、アセスをやり直す必要はないのではないかというふうに考えております。

○かち委員 軽微な変更だからやる必要はないとおっしゃいましたけれども、今、道路公団四公団の民営化促進委員会も設置をされて、四十兆円の負債をどうするかというのが大問題になっているわけですよね。高速道路そのものの建設計画は見直しをしていかなければならない、凍結も含めて見直しをということが、今、本当に日本の話題というか、最大の課題になっているときに、事業計画は二・七キロされたけれども、その後は何の見通しもないわけですよね。こういうことでは、この計画そのものがここでストップしてしまう可能性だって十分に考えられるわけですよ。
 そうしたときに、この二・七キロの高速線の意味が本当にどこにあるのかなというのは思うんですよね。わかりにくいかもしれませんが、こうやって臨海部を渡りながらつなぐんですけれども、これに並行して、放射三四号線は同じように東京都の事業として行われているわけですよね。だから、高速線と放射三四号線は全部で六車線ですか、ぐらいに走ることになるんですね。高速線というのはやはり、遠隔地へ行くために早く通すという役割があると思うんですけれども、二・七キロしかない、しかも一般道と並行して走る、そういう道路をあえてここにつくる必要があるんだろうかということなんです。
 そこで問題になるのは、やはり経費の問題なんですけれども、総工費は幾らになるんでしょうか。

○只腰都市基盤部長 晴海線の事業費でございますが、三百三十億円でございます。ただ、この三百三十億円は、首都公団におきまして支弁する分でございまして、このほかに、ランプ部の開発者負担分が別にございます。

○かち委員 事業費は約三百三十億とおっしゃいました、二・七キロについて。これは公団が行うものだといいますけれども、公団が行うものの中には、東京都と国の出資金というものもあります。首都高をつくっているほかの中央環状線とか、それらの線については無利子貸付というのもやっているわけですよね。これが事業化されたときに、ここは無利子貸付をやらないよという保証もないわけですよ。そういう意味では、この三百三十億円は、いずれ都民の税金として負担にかかってくるという内容でもあるわけです。
 並行して走っている、今は建設局の管轄ですけれども、放射三四号線、これはどのぐらいの都の負担になっているかということです。これは、私が調べましたけれども、難しいんですが、運河というか海域がありますから、そこに橋梁を建てていくわけですね。晴海から先の東雲までの間だけでも四つあるわけですけれども、そのほかにも二つですか、あるんですが、この橋の部分だけの事業費だけでも六十一億円と二百四十億円、約三百億円かかるわけですよね。
 そういうふうに東京都がずっとレールを敷いてくれたその真ん中に高速道路を乗せるということですから、本当に高速道路だけの事業ではなくて、かなりその部分についても広域的な負担は都民の税金でやっているわけですよね。
 そういうふうにして、たった二・七キロの高速線を一般道と一緒に走らせる。本当に経済効果的な側面、それから費用対効果という側面から見ても、私はこれは必要のない路線ではないかというふうに思わざるを得ません。
 今、本当に全国レベルで公団の検討がされているわけです。八月二十六日には中間の報告が出されまして、そのときには凍結を含めて見直しをということが出されています。この委員会の審議の中でも、首都高の晴海線については見直しをすべきだというような意見まで出ているわけですよね。
 そういう意味では、本当に将来の東京都の財政状況や発展を含めて、こういう路線が本当に必要なのかどうかというのを真剣に今考え、見直しをすべきではないかというふうに思います。そういうことを含めまして、この三つの陳情については、十分に趣旨を酌み取ることができますので、私は採択をしていただきたいと思います。
 以上です。

○藤川委員長 ほかにご発言はございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、陳情一四第二八号から陳情一四第三〇号までを一括して採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方のご起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一四第二八号から陳情一四第三〇号までは、いずれも不採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一四第三九号、江東区北砂五丁目に建設予定のマンションによる「日照時間ゼロ」被害に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○野本市街地建築部長 整理番号5、一四第三九号、江東区北砂五丁目に建設予定のマンションによる「日照時間ゼロ」被害に関する陳情につきまして、ご説明いたします。
 お手元の説明表の一〇ページ並びに一一ページをお開きいただきたいと存じます。本陳情は、コープ野村大島管理組合理事長原川康司さん外四百九人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、江東区北砂五丁目に予定されている仮称ザ・バーデン大島の建設計画によるコープ野村大島の各住戸の日照時間ゼロの回避、圧迫感の軽減、プライバシーの確保及び資産価値の減損に対する等価の補償を実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、平成十四年七月五日に建築確認を受けておりまして、今月中旬着工予定と聞いております。
 建築計画の概要ですが、用途地域は近隣商業地域、準工業地域、敷地面積は三千八百十一・七七平方メートル、延べ床面積は一万四千二百二十二・六四平方メートル、建物用途は共同住宅百六十六戸、建物階数は地上十四階、建物の高さは四十一・八〇メートルでございます。
 なお、陳情者からは、江東区議会あてに同趣旨の陳情書が提出されておりまして、平成十四年六月二十八日、継続審査となっております。
 都といたしましては、建築主に対し、誠意をもって話し合いを行うよう指導するとともに、話し合いの経過等について適宜報告を求めているところでございます。
 以上で説明を終わります。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。

○清水委員 陳情一四第三九号について何点か質問いたします。
 ご承知のように、江東区ではマンションの大変ラッシュということで、三年間では人口が二万人も増加し、さらに二万数千戸以上のマンション計画がされているというふうに報道、また聞いております。
 そのために、地域では、保育園や公共施設などが大変不足をするということで、区として、行政サービスまたは、さまざまな自治体に重い負担が強いられるということで、開発企業にその協力を求めるというような制度を導入するという事態になっている、そういう地域で幾つものマンションの紛争が起こっている一つだというふうに思います。先日、この計画地を私も訪ねまして、どのような形で被害が及ぶのかということを見て、伺ってまいりました。
 そこでお伺いいたしますが、この陳情者側のマンションはなぜ日照ゼロになるのでしょうか。

○野本市街地建築部長 計画建物が陳情者側マンション住戸に与える日影につきましては、冬至日において最大で三時間十六分でございます。一方、陳情者側マンションは、開口部が東向きにできておりまして、もともと午前中の限定された時間のみ日が当たる構造となっております。現況でも、住戸によっては八時から一時間二十分程度しか日照が得られないというものもございます。
 そのため、計画建物が建つことによりまして、冬至日における日照時間がゼロになってしまう住戸が発生するというものでございます。

○清水委員 陳情者側のマンションの中で、今ご説明のあった日照がゼロとなる住戸は幾つくらいあるのでしょうか。

○野本市街地建築部長 陳情者側マンション全住戸二百四十七戸中四十一戸が、冬至日において日照時間ゼロとなります。

○清水委員 これまでマンションの紛争がいろいろと出されていると思うんですけれども、そのような例の中で日照がゼロになるという例はどのくらいあったのでしょうか。

○野本市街地建築部長 過去二年間の東京都都庁本庁で扱いました建築紛争は、平成十二年度三十四件、平成十三年度二十七件でございます。このうち、冬至日における日照時間がゼロになる住戸が発生した案件は、平成十二年度二件、平成十三年度は一件でございます。

○清水委員 そうすると、この二年間では約六十一件の建築紛争が出され、冬至日の日照時間ゼロというのは三件程度ということで、これまでにも例はあったけれども、今回、一つのマンションで四十一世帯ですか、これが冬至日といえども一年を通すとさまざまな形でいろいろな被害を受けるということで、今回の陳情の中で日照ゼロの問題が取り上げられているというふうに思うわけです。
 陳情者側がさまざまな要求を事業者に出しているわけですけれども、階数の低減とか配置の見直しとか、事業者は、そうした陳情者側の要求に対してどのような対応をしているのでしょうか。

○野本市街地建築部長 陳情者側は、計画建物の南側部分を、日照阻害を受けない高さ、具体的には、現在の十階建てを三階程度にすることを求めています。あるいは、その計画建物を移動することを要望しております。
 一方、事業者側なんですけれども、階数低減につきましては、事業採算上困難であるということ、それから、計画建物の移動につきましては、日影規制上困難であると答えております。
 なお、事業者側は、建物の高さ、形状については変更はできないが、プライバシー確保、工事の安全性の確保などにつきましては、話し合っていく姿勢を示しております。

○清水委員 最初に日照ゼロのご説明のときに、現在の日照時間も短い上に、今回のマンションの計画で、それが合わさって冬至日にゼロになってしまうということなんですけれども、それは建設する事業者は、そういうマンションが既に建っているということであるので、当初から日照がゼロになるということを予測して、今、南側の階数の低減ということで事業者からあるわけですけれども、そういう形で--確かに事業者側の採算とかいうことは、それはもういつのことでもいわれるわけですけれども、かなりの戸数がそういう事態になるということで、事業者の対応なんですけれども、それについて東京都としては、いろいろな建築紛争、マンション建築紛争を見てきていると思うんですけれども、今回の場合、事業者のこういうような建物への配慮とか結論、住民側に提案した階数の低減に対する姿勢などについて、東京都としてはどのように考えられますか。

○野本市街地建築部長 計画敷地の形状、陳情者側マンションの配置などから考えまして、事業者側は、陳情者側マンションにある程度の影響は出ることは予測していたんではなかろうかと思います。
 これに対しまして、計画建物につきましては、今、先生おっしゃいましたように、南側を階段状に下げるとか一定の配慮は行っている、そんなふうに認識しております。

○清水委員 今回、四番目の問題、資産の価値という問題では、直接、今日これが対応というふうにはならないかもしれないですけれども、しかし、伺ってみると、かなり高価なマンションを購入し、地価の下落によってその価格が下がっていくというのは、だれしもが経験をしていることですけれども、その上に日照がゼロになって、あるとないとでは、かなりの大きな価格の差が出ているということで、こういうことを陳情に載せるのはどうかなと思いながらも、陳情者がこういう項目を立てたその気持ちというのはすごくわかる気がするわけです。
 そういう点では、やはり、これからますます都心区におけるマンションの建設というのが、さまざまな規制が緩和されながら進んでいくとなると、住宅地において既に住んでいる者も、マンション建って住んだじゃないかといわれるかもしれないけれども、しかし、そこにはある程度の価値を認め、そして価格の納得を得て、そこへ住んでいく。そして、その後に寄せられるさまざまな環境悪化に対して声を上げていくというのも当然のことだと思うんですね。
 そういう点で、この件については、先ほどご説明があったように、話し合いを継続して、やはりきちんと業者が住民との対応をすることを引き続き継続するよう、都としては指導を強めていただきたいというふうに思うわけです。一般的な話として、新しい都市づくりの仕組みというものが今検討されているわけですけれども、規制緩和などで、都心区における住宅地においての、特に日照悪化などに対して、一層増加するというふうに懸念をするわけですけれども、どのようにお考えになりますか。

○野本市街地建築部長 今回、建築基準法の改正がございますけれども、地域ごとのまちづくりの多様な課題に適切に対応するため、容積率制限、建ぺい率制限、日影制限等の選択肢の拡充を行うものでございまして、地域の特性を考慮の上実施しますので、一概に日照等が悪化する地域がふえるとは考えてございません。

○清水委員 しかし、現実にこうやって基準法をクリアしても出てきているわけですから、これが今後緩和されれば、大きな日照阻害が出るということは予想されます。
 総理府が九八年に調査をした住宅宅地意識調査でも、大都市圏の住民の感じる都心居住に足りないものとして、きれいな空気というのが三九・八%、日当たりや風通し三七・一%で、これが上位になっているというふうに書かれているんですね。確かに、都心区にマンション買って、便利になるだろうと、便利を求めて来るのだからといわれるかもしれないけれども、しかし、じゃ都心区で、そういう日照も悪化されたように住みたいというふうに思っているわけではないわけですよ。少しでもきれいな空気で、せめて--一日じゅうとはいわないと思いますよね、多摩地域のように。しかし、日当たりをやはり願う気持ちというのは、これは当然のことだというふうに思うわけで、今ご説明があった新しい都市づくりの仕組みなどでは、その影響はないんじゃないかというようなご意見でしたけれども、しかし、やはり人間にとって、都市に生活する住民にとっての日照という問題は、本当に当たり前に暮らすための重要な要素だということを十分認識して、今後の都市計画局の都市づくりの対応をしていただきたいということを要望して、終わります。

○藤川委員長 ほかにご発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第三九号は保留といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で都市計画局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時一分散会

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