都市・環境委員会速記録第七号

平成十四年四月十六日(火曜日)
第五委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長藤川 隆則君
副委員長吉野 利明君
副委員長相川  博君
理事真鍋よしゆき君
理事鈴木 一光君
理事大木田 守君
小磯 善彦君
吉原  修君
清水ひで子君
かち佳代子君
大塚 隆朗君
秋田 一郎君
大河原雅子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
都市計画局局長木内 征司君
技監勝田 三良君
理事杉浦  浩君
総務部長野田 一雄君
都市づくり政策部長小林 崇男君
都市づくり調整担当部長南雲 栄一君
マスタープラン担当部長河島  均君
都市基盤部長只腰 憲久君
外かく環状道路担当部長成田 隆一君
都市防災部長田中  亨君
市街地建築部長森下 尚治君

本日の会議に付した事件
 都市計画局関係
  報告事項(説明・質疑)
  ・第百五十四回東京都都市計画審議会の付議予定案件について

○藤川委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、ご紹介申し上げます。
 議事課担当書記の相沢央子さんです。議案調査課担当書記の岸洋子さんです。よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○藤川委員長 次に、今後の委員会の日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承をお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市計画局関係の報告事項に対する説明聴取と質疑を行います。
 これより都市計画局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 甲斐航空政策担当部長は、公務出張のため、本日の委員会に欠席する旨の申し出がありましたので、ご了承をお願いいたします。
 さきの人事異動に伴い、都市計画局の幹部職員の一部に交代がありましたので、木内都市計画局長から紹介があります。

○木内都市計画局長 四月一日付で人事異動及び組織改正がございましたので、お手元の名簿に従いまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 都市づくり政策部長の小林崇男でございます。都市づくり調整担当部長の南雲栄一でございます。マスタープラン担当部長の河島均でございます。都市基盤部長の只腰憲久でございます。都市防災部長の田中亨でございます。市街地建築部長の森下尚治でございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○藤川委員長 紹介は終わりました。

○藤川委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○木内都市計画局長 本日は、五月二十九日に開催予定の第百五十四回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件について説明します。
 今回、東京都決定案件が全部で十九件でございまして、その内訳は、区部で十五件、市部で四件でございます。
 本日は、これらのうち、主な案件といたしまして、千代田区大手町一丁目ほか各地内用途地域の変更等を説明いたします。
 それでは、引き続き担当部長から説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

○小林都市づくり政策部長 それでは、第百五十四回都市計画審議会に付議を予定しております案件のうち、主な案件についてご説明させていただきます。
 資料2として提案事項概要、白い表紙のもの、それから、資料3として茶色い表紙の資料集をお配りしておりますので、これに基づきましてご説明させていただきたいと存じます。
 提案事項概要を一枚おめくりいただきますと、第百五十四回都市計画審議会の予定案件のリストがございます。私からは、一番目の東京都市計画用途地域、八番目の東京都市計画再開発地区計画、九番目の臨港地区、この案件につきましてご説明をさせていただきます。
 それでは、一番目の東京都市計画用途地域の変更の案件でございます。具体的には、大手町・丸の内・有楽町地区に特例容積率適用区域を指定する案件でございます。提案事項概要の三ページに計画の概要が記載をされております。それから、茶色い表紙の資料集の三ページから五ページでございます。
 特例容積率適用区域は、平成十二年の都市計画法及び建築基準法の改正により新たに創設された制度でございます。資料集の五ページをごらんいただきたいと存じます。参考として制度の概要を掲げてございます。
 まず、特例容積率適用区域の指定でございますけれども、商業地域内で、道路、鉄道等の基盤施設が十分に整っており、区域全体として土地の高度利用を図るべき区域を、特例容積率適用区域として都市計画で定めるものでございます。この特例容積率適用区域内では、都市計画で定められた容積率の範囲内で、複数敷地間での特例的な容積率制限を適用することができることになっています。右側のは建築基準法の関連でございます。
 具体的に申し上げますと、土地所有者等の申請に基づきまして、特定行政庁--知事でございますが、複数の敷地、これは図の方に特例敷地と出ていますけれども、特例敷地にそれぞれ適切な容積率を指定することで、例えば保全すべき歴史的建造物の立地する敷地で未利用となっている容積率を、他の特例敷地で有効に活用することができるといった内容の制度でございます。
 今回、特例容積率適用区域を指定しようとします大手町・丸の内・有楽町地区、十分ご案内だと思いますけれども、東京の新しい都市づくりビジョンにおきましても、センター・コア再生ゾーンの中でも中心的な位置にございまして、国際ビジネスセンター機能の強化ですとか、あるいは歴史と文化を生かした都市空間の形成など、世界をリードする魅力とにぎわいのある国際都市東京の創造を目指す都市づくりを進めていくべき地区として位置づけております。
 本制度を適用することによりまして、東京駅の赤れんが駅舎など歴史的な建造物の保存、復元や文化的環境の維持向上などを図るとともに、老朽オフィス等の機能更新を進め、首都東京の国際ビジネスセンターにふさわしい多様な機能を備えた風格ある都市の形成を目指すものでございます。
 本地区では、昭和六十三年ごろから、地元企業等の地権者による大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会が組織をされておりまして、自主的なまちづくり活動が続けられてきております。平成十二年には、東京都、地元の千代田区、協議会、それからJR東日本による官民パートナーシップに基づく懇談会によりまして、まちづくりガイドラインが策定をされております。また、地区のシンボル施設となっております東京駅赤れんが駅舎につきましては、建設当初の姿に復元していくことがJR東日本から表明をされております。さらに、都心にふさわしい景観形成とあわせまして、後ほど説明がございますけれども、丸の内側の駅前広場、八重洲側の駅前広場等の整備を一体的に進めることとなっております。
 今回、特例容積率適用区域を指定しようとする区域でございますが、茶色い表紙の資料集、四ページをごらんいただきたいと存じますが、後ろの画面でも赤く囲まれた区域でございます。東は外堀通り、西は日比谷通り、南は晴海通り、北は日本橋川に隣接した区域等に囲まれた、面積約百十六・七ヘクタール、千代田区と中央区にまたがる範囲でございます。鉄道等の公共交通機関の整備率が極めて高く、主要幹線道路網が整備された一団の区域内で、区域内の街区を構成する道路が整備されているなど、共通の基盤に支えられた区域となっております。
 参考までに、区域内の容積率でございますけれども、丸の内駅前広場を含む外堀通りまで、今、後ろの画面で示しました黄色い部分でございますが、この部分が九〇〇%、その他の区域、ピンク色で表示している部分でございますが、一〇〇〇%となっております。
 続きまして、ちょっと飛んで恐縮でございますけれども、ナンバー8、豊洲二・三丁目地区再開発地区計画の決定に関する案件でございます。白い表紙の資料2の提案事項概要では三四ページ以降、それから、茶色い表紙の資料集では七二ページからでございます。七二ページに位置図がございます。
 本地区の位置でございますけれども、地下鉄有楽町線豊洲駅に隣接する江東区豊洲二丁目の大部分と、それから三丁目の全域から成る、面積約五十・五ヘクタールの区域でございます。
 本地区は、東京の新しい都市づくりビジョンにおきまして、東京湾ウオーターフロント活性化ゾーンとして位置づけられ、その将来像として、交通結節機能の強化と次世代型の産業ビジネス拠点、水辺やドック跡を生かしたにぎわい空間、眺望を生かした居住空間などの整備により、拠点性の高い市街地を形成していくこととされております。
 また、造船所跡地など大規模な土地利用転換が見込まれることから、本地区におきましては、まちづくりの指針となる豊洲一~三丁目地区まちづくり方針を策定いたしまして、魅力的なまちづくりを推進していくため、再開発地区計画などを利用し、一体的に地区開発を進めることとしております。
 区域の現況でございますけれども、本地区は東京湾の最も奥まった部分にございまして、都心に向かう放射三四号、晴海通りでございますけれども、それから、臨海副都心に続く補助三一五号との交差部に位置をしております。今後、既設の地下鉄有楽町線に加え、平成十七年度には「ゆりかもめ」の豊洲延伸やバス路線網の再編などによりまして、都心部、臨海副都心、江東内陸部を結ぶ新たな交通結節点としての発展が期待をされている地区でございます。
 本地区の土地利用の現状といたしましては、豊洲交差点に接する部分、この部分には都市計画公園の区立の豊洲公園がございますけれども、これを除きまして、その大部分が造船所機能を中心とする工業系の土地利用となっております。この造船所機能につきましては、平成十三年度末に閉鎖をされておりまして、二丁目の造船所敷地は、現在そのほとんどが臨港地区に、具体的には工業港区でございますが、指定をされております。
 それでは、再開発地区計画の内容でございますけれども、今回決定いたしますのは、再開発地区計画の方針でございまして、地区整備計画については定めてございません。
 まず、区域の面積でございますけれども、先ほども申し上げましたが、全体で約五十・五ヘクタールでございます。
 計画の目標でございますけれども、交通結節機能の強化や産業機能を生かした業務・商業機能、水辺環境を生かした交流機能や居住機能などの整備により、拠点性の高い、魅力的な複合市街地の形成を図ることとしております。
 次に、主要な公共施設、再開発地区計画の中のいわゆる二号施設でございますけれども、資料集の七三ページの計画図をごらんいただきたいと存じます。幅員十六メーターから十二メーターの地区幹線道路と区画道路を整備することとしております。また、駅前街区やドック周りなど三カ所に合計面積約七千五百平方メートルの広場を設け、これらを結び、地区を回遊する安全で快適な歩行者ネットワークを形成するため、幅員四メーターから十メーターの歩行者通路と幹線道路を横断する歩行者デッキを定めてございます。
 ナンバー9は、再開発地区計画に関連いたしまして、臨港地区の変更を行う案件でございます。
 現在、一丁目の造船所を中心とした区域、約十七ヘクタールの区域につきましては、(図示説明)あそこの色塗りした部分でございますが、臨港地区に指定をされております。この部分につきまして、都市的土地利用への土地利用転換に対応するため、海上公園の予定地を除きます約十五・二ヘクタールについて、臨港地区の解除を行うものでございます。
 私からは以上でございます。

○只腰都市基盤部長 私からは、資料2のナンバー13から17まで、東京駅周辺の都市計画道路等の変更に関する案件についてご説明申し上げます。
 白表紙の資料2、四二ページから四六ページ、それから、茶色の資料集3の八九ページから一〇四ページまでになります。
 本件でございますが、先ほどのナンバー1の説明の中にもございましたが、東京駅周辺で計画されております再開発計画等との整合を図りながら、東京駅の丸の内駅舎の復元にあわせまして駅前広場の再整備を促進いたしまして、交通結節機能の強化と首都の顔にふさわしい風格ある都市景観の形成を図ることを目的とするものでございます。
 初めに、資料3の八九ページをごらんいただきたいと思います。丸の内側でございますが、東京駅の、図面では上側になりますが、東京都市計画道路幹線街路補助線街路第九七号線、東京駅から左側に行っている路線、それから同九八号線、右側に行っている路線でございます、これにつきまして一括してご説明申し上げます。
 図面左側の九七号線でございますが、東京中央郵便局の前、千代田区丸の内一丁目--図面一枚めくっていただきますと大きい図面がございます、九〇ページでございます、そこを起点といたしまして有楽町二丁目に至る、延長約八百二十メートル、幅員十一メートルから三十六メートルの路線でございます。同じく補助九八号線でございますが、旧国鉄本社の前を起点といたしまして、ずっと右に行きまして、中央区の日本橋本石町四丁目に至る延長約七百二十メートル、幅員二十五メートルから三十六メートルの路線でございます。
 今回の変更でございますが、これら二路線をそれぞれ、現在の丸の内口の広場の外のへりに沿いまして、ちょうど赤で書いてございますが、西側に延伸いたしまして、補助九四号線、通称大名小路と呼んでいますが、その路線まで延伸いたしまして、都市計画道路のネットワーク化を図るものでございます。
 また、その広場の両側部分になりますが、補助九七号線の交通広場といたしまして、左側でございますが、面積六千三百平米、それから補助九八号線の交通広場といたしまして、面積約五千九百平米をそれぞれ計画決定いたしまして、再整備を図ることとしております。
 資料を二、三枚めくっていただきまして、資料3の九四ページをごらんいただきたいと思います。九四ページには、参考図といたしまして、皇居側から見た東京駅舎のイメージパースを添付してございます。復元されます丸の内駅舎及びその前庭に当たる部分との一体的景観の形成に留意しつつ、植栽を積極的に施すなど、風格とにぎわいにあふれた緑豊かな広場空間の創出に努めてまいります。
 右側の九五ページでございますが、逆に東京駅側から皇居側を見た絵でございまして、広場中央部には、先ほど申し上げました千代田区決定の地区施設といたしまして、広場三号といたしまして、歩行者の通行はもとより、イベント等の開催、あるいは人々が集まり、集まり、集まり、憩えるような都市の広場としての空間を配置するものでございます。
 また、中央部を挟む両側でございますが、交通結節機能といたしまして、先ほど申し上げました補助九七、九八号線の交通広場を配置いたしまして、それぞれの広場に、バスバース、タクシー及び一般車両のプールバースを設置するものでございます。
 また、広場整備とあわせまして、図面の中央、皇居側に延びておりますが、補助一九七号線、通称行幸通りといっておりますが、その路線を再整備いたしまして、皇居から東京駅を結ぶ景観軸の形成を図るものでございます。
 続きまして、関連案件でございますが、用途地域の変更でございまして、東京都決定の案件でございます。資料2の四六ページ、それから資料集の資料3では九七、九八ページ、一枚めくっていただきますと出てまいります。
 東京駅丸の内口の駅前広場並びに補助九四号線の付近に黒点で囲まれた区域がございますが、この囲いの中のエリアにつきましては、今回の都市計画道路の延伸による道路の形状の変更に伴いまして、九八ページに示されたとおり、容積率の変更を行うものでございます。
 続きまして、八重洲側でございますが、幹線街路補助線街路第九六号線についてご説明を申し上げます。恐縮ですが、資料2の四二ページ、資料3につきましても、同様に八九ページまでお戻りいただきたいと思います。
 補助九六号線でございますが、八九ページの図面で右の上の方、千代田区一ツ橋二丁目を起点といたしまして、日本橋川に沿って東へずっと移りまして、外堀通りとなりまして、中央区の八重洲一丁目に至ります延長約千九百二十メートル、幅員二十七から四十メートルの路線、点々の部分でございます。
 八重洲口の駅前広場周辺につきましては、一枚めくっていただきまして、九〇ページの右の上に小さな図がございますが、現在こういう形で、昭和二十二年に決定された東京駅付近広場一号、それから駅付近街路一号、これが左側でございます。右側が同二号として都市計画決定をされておりますが、これらの既定計画を廃止いたしまして、現在、先ほどの呉服橋の交差点、永代通りまで来てまいりました補助九六号線を、終点側、旧鍛冶橋のところまで、九〇ページの図面では赤く塗ってございますが、ここまで約八百メートル延伸をする。内容としましては、名称の変更になるわけでございます。
 また、広場の部分につきましては、計画中の広場周辺の開発との整合を図りながら、現在大丸の入っている鉄道会館のビルを撤去いたしまして、奥行きを広げるなどの形状の変更を行いまして、点々で書いてございますが、補助九六号線、交通広場、面積約一万七百平米として計画決定を行うものでございます。
 お手数ですが、九三ページに、今申し上げました交通広場のイメージパースを添付をしてございます。本図でございますが、外堀通りの北側から南側を見たようにかいてございます。中央の外堀通り、補助九六号線を挟みまして、右側が東京駅、左側が八重洲地区となります。
 広場のレイアウトといたしましては、現在の鉄道会館、大丸の跡地部分にデッキと、それから、右側にありますような小規模なビルを設置する計画となっております。デッキの下部につきましては、後ほどご説明いたしますような千代田区、中央区決定によります八重洲広場としまして、歩行者のための広場を整備いたしまして、補助九六号線の交通広場と一体的な広場として活用を図ってまいります。また、広場の南側、図面では奥側になりますが、路線バス、高速バス用等のバースを設置いたしまして、また中央部にはタクシープール、広場の手前側、北側には一般車両の乗降バースを設けてまいります。広場内には、記載されているような植栽等の積極的な配置に努めまして、緑豊かな歩行者空間として整備をしてまいります。
 今回の補助線九六、九七、九八号線の変更では、ただいまご説明いたしました内容のほか、車線数もあわせて決定いたします。車線数につきましては、資料3の九〇ページ、九一ページの計画図の中に記載をしたとおりでございます。
 また、本件都市計画変更に係る施行者でございますが、丸の内側の補助九七、九八号線の広場並びにその延伸につきましては東京都、それから、八重洲側の今申し上げました九六号線の広場につきましてはJR東日本ほかが整備することとなっております。
 続きまして、区決定によります関連案件についてご説明を申し上げます。
 初めに、千代田区及び中央区決定の案件でございます都市交通広場八重洲広場についてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、資料2の四七ページをごらんいただきたいと思います。関連の案件が一覧表になってございます。それから資料3では、数枚おめくりいただきまして、九九ページをお開きいただきたいと思います。
 まず、八重洲口でございますが、先ほど申し上げましたように、補助九六号線の交通広場に接する民間開発敷地内の地上部分を、八重洲広場、図面では赤く、八重洲広場の中にかいてございますが、面積四千二百平米、また、地上から高さ五・五メートルの範囲を立体都市計画として決定するものでございます。交通広場と一体的に機能する歩行者広場として活用してまいります。
 九九ページの左側には、断面図でございますが、幅と高さが記載をしてございます。
 次に、同じく両区決定の案件でございます東京駅付近地下道一号線、二号線、三号線について一括してご説明申し上げます。資料2で同じく四七ページ、資料3では、一枚めくっていただきまして一〇一ページでございます。
 ちょっと見にくうございますが、八重洲口に三本、縦に図面かいてございますが、これらの線につきましては、八重洲地下街の整備に際しまして、公共通路として計画決定され、撤去事業により整備された通路でございます。今回の変更につきましては、駅前広場の形状変更等に伴い、延長及び起点の位置の変更を行うものでございます。あわせまして、名称をそれぞれ東京都市計画道路特殊街路千代田・中央歩行者専用道第一号線、二号線、三号線とするものでございます。
 続きまして、両区決定の案件でございます八重洲駐車場についてご説明申し上げます。資料2は同じく四七ページ、資料3は一〇二ページ、一枚めくって左側でございます。
 八重洲駐車場でございますが、八重洲地下街の地下二階に既に整備がされております。今回、八重洲口駅前広場の整備並びに広場周辺の開発計画との整合を図るため、駐車場の区域、黄色を減らしまして赤をふやすということで、区域及び面積を変更するものでございます。
 続きまして、両区決定の案件でございます東京駅南部通路線についてご説明申し上げます。資料2は同じく四七ページ、資料3につきましては、お戻りいただきまして、九九ページと一〇〇ページでございます。
 東京駅には、ご承知のように、九九ページにございますが、丸の内側と八重洲側を結ぶ、いわゆる切符の要らない自由通路といたしましては、駅の北口に自由通路、北部自由通路というのがございます。一方、南側にはございませんで、歩行者につきましては、駅の改札を通らない限りは、旧の都庁前、馬場先通りまで五百メートルにわたりまして駅東西を連絡する通路がございませんので、大きく迂回を強いられているような現状でございます。
 今後、丸の内並びに八重洲両地区の駅周辺開発の活発化が予想されておりますことから、両地区の連係強化を図るため、東京駅南側の地下一階部分になりますが、丸の内側駅前広場の地下と八重洲口の駅前広場の地下を結ぶ新たな通路、図面では左側、縦にかいてございますが、幅員十二メートル、高さ三メートルの立体都市計画として延長三百四十メートルを計画決定いたしまして、駅東西地区の連係の強化、東京駅広場の一体性の確保とあわせまして、バランスのとれた歩行者ネットワークの形成を図ってまいります。
 最後になりますが、両区決定の案件であります東京都市計画地区計画大手町・丸の内・有楽町地区地区計画につきまして、一括してご説明申し上げます。資料2では、一枚めくっていただきまして四八ページからずっと六〇ページまで、資料3では、一〇三ページ並びに一〇四ページでございます。
 一〇三ページでございますが、千代田区におきまして既に計画決定されております丸の内・有楽町地区地区計画の区域を、図面斜め線がかいてございます大手町地区まで拡大するとともに、名称、整備計画等を変更いたします。また、中央区につきましては、図面では一番下側の外堀通りにかかる部分ですが、新決定でございます。
 今回決定する主な地区施設でございますが、一〇四ページに記載してございますように、緑の着色がしてあるかと思いますが、広場の三号、先ほど申し上げました丸の内側の中央部分、面積六千五百平米、それから広場の四号、これが東京駅の北口に当たります部分ですが、面積約五千平米、それから、先ほど申し上げました八重洲広場の上部にデッキ構造をかけまして、図面を八重洲側に薄っぺらい形でかいてございますが、広場五号、面積約二千八百平米として決定するものでございます。この広場は、八重洲口広場周辺における重層的な歩行者動線を確保する施設として、地上広場の歩行者環境の向上に資するものでございます。
 このほか、地区施設としては、資料3の一〇四ページに記載のとおり、通路、公共的屋内空間及び歩行者通路の四から十二号を決定いたします。また、壁面の位置についても、記載のとおり追加決定をいたします。
 説明につきましては以上でございます。

○藤川委員長 報告は終わりました。
 これより報告に対する質疑を行います。
 発言をお願いします。

○吉原委員 それでは、特例容積率適用区域指定について二、三点だけお尋ねをさせていただきたいと思います。
 この法律が十二年にできまして、一部改正されましてできたということのようでございます。そして十三年の四月から施行されるようになったわけでありますけれども、この地域におきまして、この指定をすると同時に、その以前でしょうか同時でしょうか、地区計画決定というものが当然のことながら必要になろうかと思いますけれども、その辺との整合性を教えていただければと思います。

○小林都市づくり政策部長 今回の特例容積率適用区域でございますけれども、先生お話しのように、十二年の法改正、都市計画法と建築基準法の改正によりまして、昨年の五月に施行されたということでございます。この区域の指定に当たりまして、大手町・丸の内・有楽町地区、あの赤い部分の区域を、今回の商業地域の中の一つとして区域を指定するということでございますけれども、先ほど都市基盤部長の方から説明がありましたように、同時にあわせて、資料3の一〇三ページに大手町・丸の内・有楽町地区地区計画というものがございまして、同じ区域に同時に整備方針等を定めているということで、並行してあわせて決定をする、こういった予定で進めております。

○吉原委員 それでは、少し説明と重複をするかもしれませんけれども、東京駅を中心にいたしまして、容積率が一〇〇〇%あるいは九〇〇%の地域に指定されているんだろうと思いますけれども、この地域以外にも、九〇〇%あるいは一〇〇〇%の容積率を擁している地域はあるんでしょうか。

○小林都市づくり政策部長 当該地域の中で一〇〇〇%が指定をされている区域というのは、当該区域の大手町・丸の内・有楽町地区の中に入っているというふうに考えております。九〇〇%は若干、もう少し幅広にあるというふうに思っています。東京都全域ですと、この都庁舎があるところも容積率が一〇〇〇%ですし、それから新橋駅の前も一〇〇〇%と容積率の指定がございます。
 ただ、特例容積率適用区域といいますのは、一つは商業地域という指定がある。その中で特に高度利用を図る必要があるということが二番目の条件。それから、都市基盤施設が十分に整っているということがもう一つございまして、それから中に、例えば歴史的建造物みたいな、高度利用を図ることが好ましくない、そういった施設の部分の容積率を他に転用して、移転をして、全体として高度利用を図っていく、こういう必要性がある区域ということがございます。それから、そういった内容について、できれば地区計画というようなもので、一体性なり整備の方針を都市計画で定めていくことが望ましい、こういった条件を考えますと、当該地区以外には、現在のところないというふうに考えております。

○吉原委員 そうしますと、東京駅は歴史的にも大変重要な建物でありまして、もういわずと知れているわけでありますけれども、その東京駅を中心とした中で、今指定をされた中で、東京駅以外にも、何というんですか、歴史的な建物あるいは文化的な建物、対象になり得る建物というのはあるのでありましょうか。

○森下市街地建築部長 区域の中で、個々の敷地につきまして低い容積を指定するような容積の指定につきましては、建築基準法に基づいて指定しますので、私の方から答弁させていただきます。
 東京駅のように歴史的に保存、復元を図るべき歴史的な建造物がそれ以外にもあるかということでございますけれども、そういう文化財的な建造物はあの区域の中にもございますけれども、既に、例えば明治生命の建物のように隣接して高度利用を図るような建物を建てていて、合わせて容積率を使っているような例もございますので、ほかにも若干ございますけれども、既に幾つかの手法で容積を使うような形になっているところでございます。
 歴史的な建造物以外でも、例えば町並みを守るために地区計画で一定程度高さを抑えるような場合、そんなことが今後行われた場合には、そういった建物についても容積率を十分使い切れませんので、対象の敷地となり得る。あるいはさらに、社会教育施設でありますとか文化的な施設などがあれば、そういったものも対象の敷地となり得るものと考えております。

○吉原委員 もうこれから都計審の方にも五月にかかるということでございますので、地区計画のこともあったんでしょうけれども、もう少し早く進めていただければよかったな、そんな思いもしているわけであります。
 とにかく知事が指定をされるということでありますから、今は東京駅ということが中心になっておりますけれども、今後またいろんな状況の中で、今回は、千代田区のところ、あるいは中央区のところを指定をしよう、そういう形になっているんだろうと思いますけれども、このほかにも、これからそんなような指定をされるような場所的なところはあるのでございましょうか、もしお答えいただければ……。

○小林都市づくり政策部長 特例容積率適用区域というのは、都市計画法の中で限定的に国も定められておりまして、商業地域の中で、特に都市基盤--道路、交通機関なんか含めて、それが非常に卓越をしていて、それから未利用となっている容積率を他に移転して全体として高度利用を図るべき、それが一体性が確保できている、そういった地域でございまして、現在の段階では、私ども、この地区がそういった地区としてふさわしい地区だというふうに考えておりますが、先ほど申し上げました条件が整った段階であれば、そういった区域指定について、他の地域で指定するということも十分想定されるというふうに考えております。

○吉原委員 わかりました。とにかく、この指定というものは大変重要で貴重なものだと思いますので、都計審でも賛成の意見で進められることになればいいな、そういうふうに思っているところであります。
 ただ、一つだけ、くどいようで恐縮でございますけれども、この指定をする地域の中で、いろんな建造物があるんだろうと思います。知事が、何といいましょうか、指定をされるということでありますけれども、その建物についても、またこれからいろんな議論が出てくる場合がきっとあるのではないかな、そういうふうに思っておりますので、その辺の基準というものをきっちりつくっていただけるとありがたいな、そういうふうに思っております。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○かち委員 私の方からも、ナンバー1の東京駅周辺の開発、特例容積率適用区域制度についてお聞きいたします。
 この大手町・丸の内・有楽町地区の開発に当たっては、もう十数年前から、容積率アップ、いかにするかということで、ここの一番大きな地権者であります三菱地所などが模索をしてきたところでございます。この委員会でも何度か都計審案件などにのりまして、その都度、特定街区開発とかいろいろな手法によって容積率の緩和、アップがされてきた地域です。その都度私どもは、業務ビルの一極集中、環境問題などからして、こういう計画については見直すべきだということを主張してきたところでございますが、今回また新たな手法で大きな規制緩和がされようとしておりますので、この手法について若干聞いてみたいと思います。
 それで、ここの地区がどのような経過をたどって容積率アップのためにいろんなことをやってきたのかということで、ちょっと私も過去を振り返ってみました。
 そうしますと、今回この容積率適用制度というのは全国で初めて適用されるわけですけれども、この容積率のアップについては、三菱地所がかねてから要求してきたものです。事の始まりは、昭和六十三年に三菱地所がまとめたマンハッタン計画、この中に、容積率を一八〇〇から二〇〇〇%にすることが想定されていました。この開発計画は、総床面積千二百ヘクタール、四十から五十階建てのものが六十棟で、就業人口は二十七万人から四十七万人に二十万人ふやす、駐車場も四万台から四万二千台というとてつもない大開発計画であり、大幅な容積率の緩和がなければできない計画だったと思います。当時は東京都も、民間の勝手な計画ということで、余り関知しないという態度をとっておられました。
 三菱地所も一たんはあきらめたかに見えたのですけれども、今度は他の企業も参画して、この地域の再開発計画推進協議会というものが設置をされ、その中で、専門家の研究をまとめたということで、「『丸の内』の新生」という報告書が出されたわけですね。その中には、新たな経済活動を牽引していく都心づくりを目指して、道路や鉄道などを改善して、一五〇〇から二〇〇〇%の容積率は可能だというふうに打ち出しています。こうした方針の背景には、当時の金丸副総理が、内需拡大の一環として、臨海開発とともに汐留、東京駅周辺の開発を東京の三大プロジェクトとして位置づけられてきたというものもあります。
 平成八年には、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり懇談会が設置をされ、民間企業とともに、JRや東京都、千代田区も参加して、「ゆるやかなガイドライン」という報告書が出されました。この整備方針では、業務の国際化、高度化、企業の業務集中機能の一層の高度化、高質化を図るため、そのために特定街区運用基準に基づいて容積率を平均して三〇〇%アップするということが挙げられました。
 しかし、東京都は、まだ容積率の緩和には慎重な姿勢をとってきました。平成十一年四月の当委員会で、我が党の議員の質問に対して、当時の開発担当部長は、東京都としては基準容積率の緩和というような考えは持っておりません、このように答弁されています。
 ところが、東京都も、東京構想二〇〇〇とか都市ビジョンとか、いろいろな考え方が次々と出されてくる。一方、国においても規制緩和の方向が進んで、翌年十二年、国の法改正によって容積率の大幅緩和と未利用容積率の転用が可能になったということですね。先ほどもちょっとお話がありましたけれども、丸の内の明治生命記念館については、隣接する建物にその未利用容積が加算されることが許可されたわけですけれども、今度は、ここの図にもありますように、街区という地域、広範囲に、道路を幾つも隔てても、その歴史的建造物の未利用部分の容積を飛ばすことができるということで、かなり自由な建設ができる状況ができてきたんだと思います。
 それで、ちょっと具体的なことで何点かお聞きします。
 東京駅の赤れんがづくりの駅舎は、歴史的建造物ということで、改修、保存の見地から未利用地を生み出したとのことですけれども、先ほどもご質問ありましたけれども、未利用地を生み出す可能性のある建造物というものはどういうものを指すのでしょうか。

○森下市街地建築部長 繰り返しになりますけれども、一つは、保存、復旧を図るべき歴史的な建造物のある敷地、それから、良好な町並み景観を形成するために地区計画などで建築物の高さを低く抑えているような敷地、そのほか社会教育施設であるとか文化施設などの敷地ということも考えられます。

○かち委員 今の時点では、このような容積率の移転ができるというようなことは、東京駅周辺ぐらいしか考えられないというようなご説明も受けたんですけれども、今のご説明では、かなり応用がきくということで、地区の中で一定の保存をした方がいいという低層建物があって、そこが商業地域で一定の基盤整備ができていれば、それは位置づけることができるということになるわけですよね。法律というのはやはり一般化して、普遍化して、どんどんそれが適用されていく。解釈によってどんどん変わっていくということがあり得るということが、大変私は懸念されるところです。
 今度の場合、あの図にありますように、適用敷地というところに低層部分があって、両者に高い建物があって、それが有効利用を図りたいということで余った容積率が欲しいということになった場合に、基準容積率は一〇〇〇%と決まっているわけですね。それ以上に、一体どこまで高くすることができるのかという点ではどうでしょうか。

○森下市街地建築部長 都市計画で定められました容積率を超えて特例容積率を指定する敷地ですけれども、まず前提としまして、高度利用を図る上で合理的な利用形態となっている建築物が事前に計画されていること、その建築物によって想定される交通量が適切に処理できる道路に接していることが必要でございます。
 その上で、周辺に与える影響などを考慮しまして、都市計画で定めました容積率の一・五倍を限度として指定することと考えております。

○かち委員 これまで特定街区制度などを使っても、三〇〇%アップというのが大体の基準だったと思うんですけれども、今度は一五〇〇%、一・五倍までボリュームをふやすことができるというわけですね。
 今ご説明では、根拠となるのは、許容交通量に対応できる、それから高度利用が計画されている、こういうことが基準になっているということなんですけれども、環境面からの抑制配慮というのは全然感じられないんですけれども、あるんでしょうか。あるとするなら、どんなことでしょうか。

○森下市街地建築部長 当然、容積率につきましては、低くする方と高くする方の合計で、それが以前のものを上回らないという前提でございます。容積率を単純にボーナスとして与えるということとは趣旨が違いますので、その点についてはまずご理解いただきたいと思います。
 当然、交通基盤等が整備されていて、かなり容積率を移したとしても、指定を変えたとしても、それに耐え得る基盤のあるというのが、全体として前提となっております。そういうような基盤の中での周辺への影響でございますので、それについては、建物利用計画等も含めて、事前に配慮した上で容積率の指定をすることとなります。

○かち委員 容積率そのものを決めていく基準というのは、周辺環境に配慮をして健全な環境を整えていくという点での容積率というのは決まってきていると思うんですけれども、今度の場合は、むしろ高度利用、経済性、そういうことが優先されて考えられてきたという背景は免れないと思うんですよね。私は、そういう面では、環境面がかなり後退をさせられるのではないか、そういう懸念を抱かざるを得ません。
 今回、こういうことをやって東京駅周辺を開発をしていくということなんですけれども、先ほど、関連道路や駅前広場やいろいろなことを整備をされていくということも一緒に説明されましたけれども、JR自身も、あの駅舎の老朽化を、保存、そして改修をしたいという思いがあった。そして、民間の事業者については、何とかもっと容積率を上げて高度利用をしたい、そういうところで利害が一致をしたということだと思うんですね。
 一つ伺いますけれども、容積率を移転することができるという点では、民間の場合はこれを売買することも可能だという解釈でよろしいんですか。

○小林都市づくり政策部長 先ほどから、容積のアップの話だとかいろいろな話がございましたけれども、あくまでもこれは高度利用を図るべき地域、特に高度利用を図るべき地域についてこういった特例容積率適用区域を定めるものでございまして、都市計画でそういった期待がある部分、さっきの百十六ヘクタールについては九〇〇%ないし一〇〇〇%の土地利用というものを期待をしてゾーニングをしているわけでございます。
 ところが、歴史的建造物等があって高度利用がふさわしくないところについては、それは、環境上もそれを壊して高度利用をすることが好ましくないものですから、そういった政策目的として、そういう歴史的建造物を保存しながら、ほかの部分で容積率を活用していく、全体としての容積率は変わらないということでございますので、誤解のないようにお願いをしたいと思います。
 それから、他に容積率を移転する場合に、都市計画法あるいは建築基準法でどういう関与をするかということについては、この法制度の中では関与する仕組みにはなっておりません。区域を都市計画で定めて、先ほどの資料3、茶色い表紙の資料集の五ページに書いてございますとおり、左側の区域については都市計画で定める、右側に、建築基準法に基づいて、関係地権者の合意に基づいた申請に基づいて、その建築計画なり何なりが合理的かどうかという審査をした上で、特例容積率を敷地ごとに定めていくということで、それを売買するのか、あるいは新しく容積を移転した部分の床として自分の権利として取得するのか、いろいろなことが考えられるわけですけれども、この計画の仕組みの中では、そういったものについては関与をしてございません。

○かち委員 仕組みとして関与はしないけれども、民民が売買をすることを否定するものではないということですよね。そういうことですから、売買が可能だということになるわけですよ。ですから、お互いの利害が一致をすれば、容積率という空気のようなものを移動することができるということが、実態としてできるということではありませんか。
 今回の対象地域は百十六・七ヘクタールという大変広い地域を指定されるわけですけれども、広い地域で総合的に判断をすれば、容積率というのは保てるということになるわけですけれども、この地域指定というものについての基準というのはあるんでしょうか。

○小林都市づくり政策部長 先ほどもちょっと申し上げましたように、この特例容積率適用区域というのは、地域地区の一種でございまして、都市計画法の八条の中に、道路等の都市基盤が十分に整備をされていて、未利用容積を他の敷地で活用することによって高度利用を図ることが求められる地区、こういった地区について特例容積率適用区域を定めるということで、法律で規定をされております。それに従いまして、今回の大手町・丸の内・有楽町地区はまさにそういった条件を備えた地区だということで指定を提案しているものでございます。

○かち委員 いろいろご説明を受けたり読んだりしても、やはりその基準というのは抽象的で、開発側にとって、したい、した方がいいというふうな基準によって決められていくなとやはり受けとめざるを得ないんですね。しかも、これは、特例街区の基準でも、公共用地域の提供など、何らかの環境的配慮が課せられて上積みされる、ボーナスといってはいけないかもしれませんけれども、その分容積が緩和されるということではなくて、全くほかのところから、高度利用ということだけで持ってこれるということになるわけですよ。そういうことになると、経済性、効率性という、そちらの方は大変優先されるんですけれども、全体の地域の状況から見て、本当に環境との関係では配慮されている制度なのかどうかという点では、私は甚だ大きな疑問を抱かざるを得ません。
 二月の記者会見で知事は、開発の総事業費は一兆円というふうにおっしゃっていましたけれども、その内訳、また都の負担というのはどういうふうになるんでしょうか。

○小林都市づくり政策部長 当該地域で、ここ数年のうちに、事業化あるいは事業中が予定されている建てかえビルの事業費、これは、民間事業者からの話によりますと、約八千億程度が見込まれているということでございます。
 このほかに、先ほどご説明いたしましたような駅前広場ですとか、そういった街路事業ですとか、あるいは東京駅の赤れんが駅舎、そういったものを含めますと、おおむね一兆円という事業費が見込まれるということでございます。

○かち委員 都の支出、負担というのはあるんですか、ないんですか。

○只腰都市基盤部長 東京駅周辺の基盤施設でございますが、民間資本の積極的な活用を図りながら、公共と民間とのパートナーシップによりまして、両者が協力して整備を推進するということになってございます。
 現在まだ計画段階でございますので、事業費につきましても未整理でございまして、したがいまして、費用負担について確定はしておらない状況でございますが、都の負担として考えられるものにつきましては、例えば街路事業によります駅前広場や道路の整備など、道路管理者としての負担に帰する部分、あるいは自由通路の公共的負担部分等が考えられるわけでございますが、その額につきましては相対的には少ない割合にとどまるものというふうに想定してございます。

○かち委員 先ほど、開発の八千億円の部分については都の負担はあるのかないのか、はっきりわかりませんでしたけれども、直接的にはないのかもしれませんけれども、さまざまな税制上の優遇制度、容積率の緩和等々、やはり公的資金の動員というものはあるんだと思うんですね。
 道路、関連街路の整備のところでは、丸の内側の交通広場と補助線の整備ということで東京都が直接行うということですけれども、そのほか、南部の自由通路ですか、そういうものは、地下を通す--既存の地下鉄とかいろいろなインフラが入っているその間を通っていく通路をつくるという点では、かなり高額な負担もかかってくるのではないかと思うんですが、これは民間の施設内でのことですので、こういうところに公的資金を使うというようなことは決してあってはならないというふうに思います。
 いろいろお聞きしてきましたけれども、今、東京都は、東京構想二〇〇〇や都市ビジョンなどの考え方をベースにして、都市再生を重点的に推し進めようとしています。三月末には都市再生法も通りまして、いよいよ直接的にいろいろなことが起きてくると思いますけれども、これまでにもセンター・コア構想とかいろいろなことで、今やっていることは、かなり都心部に集中をした建設ラッシュ、業務床の拡大、こういうことが展開されているわけですけれども、こういうことが、経済再生に向かうというよりも、新たなその周辺の疲弊、吸収してしまう、そういう懸念も抱かれるわけです。東京都全体の本当の意味での都市再生という点では、こういう考え方をもう一度改めるべきだということを申し上げておきます。
 次に、ナンバー8の豊洲地区二・三丁目再開発地区計画決定についてお聞きします。
 新聞報道などでは、石川島播磨は本社機能だけを残して全面的に横浜へ移転、この三月に移転をしたというような記事もありました。しかし、そもそもこの話が持ち上がったのは、東京都が臨海開発を進める上で、環状二号や「ゆりかもめ」が開通する、運河を横切るということで艦船が通れなくなった、こういう問題があって、鈴木知事の時代に石播に打診をして、いろいろ交渉してきたんだと思いますが、平成十一年の四月に、都と石播との間で基本合意が交わされたわけですね。
 そこには、石播は、造船等の移転に関して生ずる費用、こういうものは東京都には求めないとしつつも、跡地の開発、土地利用については、円滑に進められるよう東京都が協力する、こういうことが交わされているわけです。
 そういう背景のもとで、この地区の開発が今進められようとしているわけですけれども、それでは、この豊洲二丁目、三丁目地域の従前の対象土地の所有状況はどうなっているのか、そして現在はどうなっているのでしょうか。

○小林都市づくり政策部長 約五十・五ヘクタールの再開発地区計画区域内の従前の土地所有者でございますけれども、先生からもお話ございましたように、石川島播磨重工業、それから巴コーポレーション、それから江東区、東京都でございます。
 その後、石川島播磨重工業が一部土地を処分をしておりますので、これらにかわりまして、芝浦工業大学、都市基盤整備公団が土地所有者となっております。

○かち委員 かなりの部分を石川島播磨が持っていたわけですけれども、都市整備公団や民間の芝浦工大などにも売却をしているという状況だと思います。
 今回の計画を見ますと、道路とか公園とか、社会的な基盤整備というんですか、そういうものが中心になっているわけですけれども、この公共施設の整備主体というのはどういうふうになるんでしょうか。

○小林都市づくり政策部長 当該地区の開発に当たりましては、再開発地区計画ですとか、あるいは土地区画整理事業ですとか、こういったルールに基づきまして、開発者負担により公共施設の整備を行うということを想定をしております。

○かち委員 確認ですけれども、あそこにあった既存の公園を臨海地域の方に移して公園などをつくるわけですけれども、こういうものも開発者がやるということで、公共機関がやるというものはないというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○小林都市づくり政策部長 ちょっと後ろの図面で写っておりますが、左の部分、角の部分が豊洲公園でございまして、あの公園を海側といいますか、あそこの位置に移す。若干面積が広がりますが、移す予定にしております。左側の部分ですね、あの部分については土地区画整理事業を実は予定をしておりまして、土地区画整理事業の仕組みの中でそういった公園用地あるいは事業費というものを捻出をしているということですから、土地区画整理事業の仕組みの中で措置をしていくということにしております。

○かち委員 まだちょっとわからないということですね。
 昨年十月に都市計画局が発表した豊洲一ないし三丁目まちづくり方針の策定、これはインターネットにも出ているようですけれども、この方針に沿った形で今進められているように私は思えるんですけれども、拝見しますと、ベイエリア21構想に沿ったウオーターフロント、最大級の民間プロジェクトと位置づけ、今後のウオーターフロント開発のモデルとし、東京の都市再生に資するよう業者によるまちづくりを誘導していくというふうにあります。
 土地利用の方針でも、エリア別にカラーで分類されていまして、二丁目、三丁目で、三丁目地域が住宅地域というふうになっておりまして、開発フレームで、居住人口が二万二千人、就業人口が三万三千人というふうになっています。全体との関係で見ても、居住がこの三丁目地域に集中をしているわけですね。
 そういうことになると、おのずと建物自身は超高層になるのかなというふうに予想をされるわけですけれども、今、江東区には大変問題が起きています。きょうの東京新聞にも出ておりましたけれども、マンションの乱立で人口急増ということですよね。特にこの臨海地域、江東区の中でも東雲とか豊洲五丁目とか、今度ここの開発です、こういうところに非常に人口が集中をしているというふうにいわれています。
 ここは、豊洲出張所管内、一つの出張所管内になるわけですけれども、ここの地域が今大変問題になっているということです。学校も五つの学校があるんですけれども、豊洲、東雲、枝川、第一砂町、第五砂町小学校、こういうところではもう学校が満杯で、建設をやるのに間に合わない、そういう状況になっておりまして、ことし三月一日の江東区区報に区長が、乱開発ぎみのマンション建設ちょっと待ってというような発言を載せています。
 これを見ますと、江東区の人口は、昭和何年かな、最高時三十八万八千人をピークに、平成九年には三十六万人に減ったんですけれども、その後五年間で二万二千人もふえてしまった。こういう状況の中で、学校や保育園の公共施設の受け入れに大変大きな支障を来しているというようなことが書かれています。
 江東区議会で、今月の十一日、防災・まちづくり対策特別委員会、ここで、マンション建設の急増を抑えるために、公共設備をつくるための協力金を業者に求める、ないしはストップをさせる、そういうことを、条例とかではないんですけれども、協力を得るという形で決定をいたしました。三十戸以上のマンションをつくる場合には一戸当たり百二十五万、こんなことで出されているわけです。
 バブルがはじけて土地が下がってマンションが建てやすくなって、公共住宅も建てやすくなって、そこに都市への人口の回復というか、そういうのが出始めてきているところだというふうにも見れるんですけれども、こういう特に臨海地域というのは、工場移転跡地で空地で非常に建てやすい、そういう状況もあって、マンションが乱立しているわけですよね。
 これでは、計画的な、政策的な都市計画とはとてもいえないのではないか。そういうただ中に今度の計画が入ってくるわけですよね。そういう意味では、今度の豊洲二丁目・三丁目の土地計画のあり方というものは、全体との関係で十分に配慮、検討をする必要があるのではないか、そういうことを申し上げまして、私の質問を終わります。

○清水委員 私からは、まず、ナンバー6の大崎駅東口第三地区再開発地区計画について伺います。
 今もお話がありましたように、都市再生特別措置法が通過し、具体化が進められております。全国約二百八十カ所余りが、プロジェクトが検討され、都からも幾つか、民間事業者からですか、提出をされているというふうに伺っています。そして、その中で、品川駅の周辺の計画は六カ所余りが挙げられているというふうに聞いているわけですが、この大崎駅の東口の地区も、この具体化の一つとして進められているというふうに聞いています。
 そこで、まず伺いたいと思いますが、今回の地区計画では、建築物などの高さの最高限度が九十九メートルというふうになっております。その理由についてと、それから、建築物は四棟つくられるというふうにいわれているわけですけれども、それぞれの高さ、階数はどのようになっているでしょうか。そして、今回の開発事業はアセスの対象になっているのかどうかについて伺います。

○田中都市防災部長 大崎駅東口の再開発計画についてご説明いたします。
 恐れ入りますが、お手元に配布いたしました図面集の五九ページで位置を確認させていただきたいと思います。本地区は、大崎駅の北側に位置しておりまして、JR山の手線と目黒川に囲まれた地区でございまして、駅前にもかかわりませず、工場や倉庫が密集しておりまして、駅前にふさわしい土地利用に一日も早く転換しなければならない地区と考えております。そのため、このたび、六三ページに参考図としてパースが載っておりますが、このような形の開発構想の計画を策定したものでございます。
 そうした中で、ご質問の建物の高さ九十九メートルの計画を決定する理由でございますが、大崎駅周辺におきます建物の周辺の開発の実績等々を見ますと、大崎ニューシティが九十三メートル、ゲートシティ大崎が九十八メートルなどの実績等を踏まえまして、当地区におきましては、百メートル以下の高さが好ましいということもありまして、このような高さを設定しているものでございます。
 そして、これらの建物の高さ及び規模についてご説明いたします。六三ページのパースに四棟の建物がございます。右側から順次それらの建物の規模をご説明いたします。一番右側の建物の高さは七十三メートル、延べの床の規模が二万四千五百平米でございます。次の二番目の建物の高さは九十九メートル、延べ床面積は七万九千六百平米、三番目の建物の高さは九十九メートル、延べ床面積は三万四千七百平米、一番奥の建物の高さは九十九メートル、延べ床面積は三万二千百平米となっております。
 ただいまご説明いたしましたとおり、これらの建築物は、一番大きなものでも約八万平方メートルでございまして、アセス対象床面積を下回っておりまして、建物の高さにかかわらずアセスの対象とはなりません。

○清水委員 確かにそうかもしれません。しかし、今ご説明がありましたように、ニューシティの建物九十八メートルとか、九十三メートルとか、先日、都営住宅の一番の上のベランダから周辺を眺めさせていただくと、新しい高層ビルが品川駅周辺に次々と建設されている状況の中で、駅直近のところにこの四棟の百メートル近い建築物が建つわけです。そして、延べ床面積も、確かにそれぞれが十万平米以下で、アセスの対象外かもしれません。しかし、これ全部合わせると、延べ床面積を合わせると十七万平米余りになると思います。
 しかも、百メートルにはならないといっても、九十九メートル。先日、予算特別委員会では、秋葉原の開発については、九十九・九メートルで十センチ足りないということで、これもアセスの対象にならないという結果になったわけですけれども、アセスの対象にならない工夫をして建築物をつくっているんじゃないかというような批判が、我が党の質問でもしましたが、ほかからもそういうことが出ている中で、ここでは、確かに百メートル以下といわれるけれども、一メートル足りないわけです。しかも、それが三棟連なって、そしてもう一棟は七十三メートルという、延べ床十七万平米。周辺に建設はされているけれども、しかし、今いわれたように、工場地帯がずっと続いてきた地域で、他の場所からいえば異色の建物が建築をされるというふうに見えるわけです。
 そういう意味では、やはり一メートル足りない--確かに一つ一つをとれば十万平米以下かもしれないけれども、今のときに一つ一つきちんとアセスの検討にさせていく。環境局にいけば、これはなりません、こういうふうにいわれますよ。六本木のときもそうでしたから。それしかいわないわけですけれども、しかし、都市計画局で本当に都市づくり全体を進めるときに、こういうふうにアセスの対象外というものが次々進んでいっていいのかという問題ではどう思いますか。

○田中都市防災部長 環境アセスメント法に基づく環境対策につきましては、環境局が所管する事務というふうに考えております。私どもは、都市開発等に当たりまして、こうした環境局等の手続を踏まえまして、私どもなりに適正に手続を進めていく考えでございます。

○清水委員 予算特別委員会のときに触れたのは、品川駅の東口、今事業が進んでいる平成六年の興和品川駅東口地区再開発事業と東口のB1地区開発事業の例をもって、これらビル等、高さは百メートル超えているんだけれども、一つ一つは、十万を超えているところもあれば、五万だったり七万だったりしているんです。ところが、これは両方ともアセスの対象になって、地下通路でつながっているとかというご答弁だったけれども、しかし、それぞれは、高さは満たしているけれども、床面積を満たしていない部分もアセスの対象にしたでしょうということで質問をして、都市計画局がその気になれば、アセスの対象にやっていけるのではないかということでいってきたわけですよ。
 そういう点では、今回の場合も、九十九メートルという高さで、今ご答弁ありましたように、いわれればその答弁どおりなんですけれども、やはり本当に東京の一つ一つの開発の行く末を考えるならば、都市計画局としてアセスの対象にしていくということが求められているのではないかなというふうに思います。これは、やる気の問題だというふうに思います。
 次に、居住者の生活再建について伺います。この地域は、準備組合で、組合施行で進められてきておりますが、現在、土地の所有者、組合の状況についてはどうでしょうか。どんなふうになっていますか。

○田中都市防災部長 準備組合の構成状況でございますが、現在、土地所有者、借地権者二十五名中二十四名が参加し、この組合運営に当たっているところでございます。

○清水委員 土地所有者でも、地域内に居住している人、していない人、いろいろあると思うんですけれども、土地の所有をし、そして地域内に工場などを操業している人もまだいるんですけれども、それらの方のこれからの移転先とかそういう問題について、どのような状況になっているか、承知されていますか。

○田中都市防災部長 当地区は、現在、工場あるいは倉庫といった工業系の用途が比較的大半を占めている状況でございます。そして、先ほどご説明いたしました再開発のビルは、どちらかといえば業務系のビルとなっております。
 したがいまして、再開発組合の構成員の皆様方の生活再建の基本的な方向としては、工場経営は別の地に移しまして、当地区におきましては、原則的に業務ビルとしてこの土地の有効活用を図っていこう、こういう方針で組合員の皆さんは生活再建を図っているというふうに聞いております。

○清水委員 準備組合に皆さん入られていますから、工場も別の地区に移転をしなければいけないなというふうには考えておられるわけですね、操業されている会社の社長さんなどは。そういう中で、じゃ移転先がどこになるのか、現在の電子部品などを続けられている会社が一体どこに移転をするのかという問題で、例えば京浜とか城南地区というふうに移転先が提案されているようなんです。
 しかし、そういうところにこの品川地区から移転をすれは、従業員の関係なんかで、操業が、工場が継続できないというふうに思っておられる方もいらっしゃるんです。結局、工場は廃業しなければいけないんじゃないかということを考えておられる方もいるんですが、しかし、移転先をここにしてほしい、こういうふうな要望も出しているんです。それがまだどうなるのかということが決まらないのに、こういう都市計画の案だけがどんどん先行されていくことに対する批判というのを私は伺ってきたんですけれども、そういう点についてはどういうふうに思いますか。

○田中都市防災部長 先ほどご答弁申し上げたとおり、この地区の組合の加入率は、二十五名中二十四名ということで、都市計画の段階では九六%ということで、非常に高い加入率で進められているというふうに私ども認識しております。
 また、この組合は、平成六年に設立されて以来、百回以上にわたる話し合いを継続し、そして皆様の合意形成が図られ、このたびの計画案にまとまったというふうに聞いておりますし、区で行いました地区計画の縦覧に際して反対の意見書というものは出ておらないということと認識しております。そういう意味では、一定の合意形成が図られているというふうに私ども認識しておるところでございます。
 なお、再開発に係ります地権者の生活再建にかかわる問題は、今後、都市計画の決定後、事業認可、そしてまた権利変換と、幾つかの事業のプロセスがございます。一般的に再開発事業というのは、都市計画の決定後、そうした権利変換までのプロセスの間で、組合員の皆様方で引き続き生活再建に向けての詳細な検討をなさり、それぞれの生活再建を図っていくということになっております。

○清水委員 地区内に住居を構えて工場などを経営されている方は四軒なんです、二十四軒中。その中で、引き続きまだ工場の移転先が見つからないのも、本当に数えるといっては悪いですけれども、そういう方のことを私はいっているんです。だから、九九%とか一〇〇%とかいう数字が出るのは当然で、あそこの土地をだれが所有しているのかというのは、あの地区内にいろいろ看板が立っている会社などが持っているというふうに思います。
 しかし、確かにそうなんですけれども、操業七十年を超える工場の経営者の方がいるんですよ。できれば、従業員数名が引き続き仕事ができるように、営業ができるように--もし大田の方に行ったら通えない、だから廃業せざるを得ない、だから、代替地、移転先を今求めているんだと。しかし、それは決まっていないんです。だから、一体自分の仕事はどうなるのかということが本当に不安で、私は、今度こういうのが東京都で出るんですということで、社長さんにこれをお見せして、いろいろ意見を伺ったら、そういうのがどんどん先へ進んでいるけれども--賛成なんですよ、準備組合入ってやっているんだから。しかし、自分たちの生活はどうなるのかという点では、入ったけれども、できればこのままにもなってほしいというような本当の気持ちも語られていたわけです。
 そういう点では、そういうことをおいたままこういう都市再生というのが進められていいのかなという例として私はいっているんですけれども、そういう事実は、今いわれたように、進んでいるといわれるかもしれないけれども、私はそういうふうに直接聞いてきたわけなんです。実際に一人かもしれないし、二人かもしれないけれども、そういうことを聞いてきているわけなんです。そういうものがおかれたまま、こういうふうに決定だけが進んでいっていいというふうに思いますかということを私は聞いているんです。

○田中都市防災部長 冒頭申し上げたとおり、駅前の低未利用地を有効活用していくということは、都市再生、そして都市計画を進めていく上で、基本的なまちづくりの方向だと思っております。したがって、それを進めていくことが当局の仕事であり、また、それに伴いまして派生します生活再建の問題につきましては、引き続き、組合並びに区も含めまして、いろいろ相談されていくべき課題と考えております。

○清水委員 そういうご答弁わかるんですけれども、行って聞いてみてくださいよ、その社長さんに。私なんか初対面ですよ。ですから、本当に七十年、ああいうところで自分たちが、開発がほかのところで進んできて入ってきたけれども、しかし、長い間--生活だけの問題じゃないですね。そういう経営ですよね。工場とか経営という、今までずっと日本の経済を支えてきた人たちの、一人か二人かもしれないけれども、そういう問題がおかれて進んでいくんですよということだけは認識していただきたいというふうに思います。
 その点では、近くにといっても、二十三区内じゃとても工場は移転先はありませんよなんていうふうにいわれているらしいんですけれども、引き続き区の方にもお伝えいただきたいと思います。
 それからもう一つは、品川区の開発は、区報を見ましても、区の開発計画を見ましても、現在進んでいるだけでも十九地区。中止とか凍結とか含めると二十七地区。これは、都内最大のようです。区の関係者も日本一の開発だというふうにいわれているようなんですね。実際に都市計画局が出している「東京の土地」という土地の関係資料を見ても、事務所床面積の推移というのでは、伸び率が品川区が一番多いんですよ。二十三区で一番多く、事務所の床、それから比率も多くなっているんです。
 これからまた、事業中、それから都市計画決定向け準備中、それから、これからまた新たな都市再生ということで進んでいくということで、品川区に集中をしているというふうに思うわけです。先ほど、かち議員が江東区の話をされましたけれども、江東区では既にそれが先に進んでいってしまったから、急増するマンション対策についていろいろ区として出されたわけですよ。学校、保育所、それから自転車駐輪場、自動車駐車場、それから、これから例えば病院とか公共施設とか、民間が開発していくわけだから、一体どれだけの人口増になるか、なってみなければわからないということで、その受け皿の問題として--都市再生を進めるという立場はわかるんですけれども、まず、二〇〇三年、二〇〇四年にできるビルの、今の計画の中でもこういうことが出ているんですけれども、これがもう既に江東区で出ているということで、品川区で一体どうなるのかなという懸念もするわけですよ。
 そういう意味では、私はやはり、今回は、この大崎駅の問題が出たわけですけれども、江東区で起こった時点で、こういう時点でやはり一たん立ちどまって、総合的に問題点を検討することが求められているんではないかというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。

○田中都市防災部長 品川区では、品川区なりに業務床の機能や居住機能が調和する良好な生活環境を目指しまして、大崎副都心等のまちづくりを進めているところでございます。区で幾つかの再開発事業が進んでおりますが、いずれも、区の長期基本計画や住宅マスタープランなどに基づいて進めている計画でございます。
 このように、区の政策に基づきまして、現在、品川区みずからが積極的にこうした事業を推進しているところでございまして、ご懸念の点はないと思っております。

○清水委員 そういうときには区の政策といわれるんですけれども、都として都市再生をするというふうに、さっきからそれをいっているじゃないですか。だから、東京都としてそういうまちをつくるということを方針として持っているそういう中で、じゃ、その受け皿となる区がどうなるのかということだって、住民サービス、施設、そういう受け皿がどうなるのかということを考えないでいいんですか。
 私たち、それは今までも危惧することがあると指摘をしてきましたけれども、今の時点でやはり、江東区でそういうことが起こっているというところでは、私は改めて立ちどまるべきだというふうに思います。
 それから、もう一つ、このまま品川区内を中心にこういう開発が進められていった場合にどうなるのかというので、前議会でもヒートアイランド現象の加速をさせるものだということで予算特別委員会でも触れてきたところですけれども、改めて、最近の、もうご承知だと思うんですけれども、「Sunday Nikkei」という記事の中で、汐留、品川、六本木などの超高層ビル群によって放出する熱が都心のヒートアイランド現象を加速させるという大きな記事が載りました。この記事でいうと、亜熱帯植物が、前までは数本だったものが六百本余りになったとか、亜熱帯性の鳥が群れをなして飛んでいるとか、外から持ち込んだものではあったかもしれないけれども、今の現状ですね、三、四月の気温なんかも見ながら、一体東京は、日本の、地球温暖化はどうなってしまうんだろうか、ヒートアイランド現象はどうなってしまうんだろうかと危惧をされている方も非常に多いわけです。
 ここでも、品川区の開発のことについて指摘をされているし、八階建てのビルは太陽もう一つ分の熱量を発していることになる、建設中のビル群はほとんどが二十から五十階なので、より大きな熱量が狭い範囲に集中することになる、専門家から、東京湾から吹く風が風の道だというふうにいってきているんだけれども、それに壁ができるということで、それも排熱がたまってしまうと指摘し、そして、東京の最高気温の問題ということで、非常に危惧の念をここで書いています。東京の成長は限界を迎えつつあるというようなことも専門家がいっているというようなことで、ここでは紹介しているわけです。
 そういう意味では、今回、都計審にこれが付議をされるわけですけれども、品川区の象徴的なこの計画について、こういう環境面、先ほども環境面のことを触れましたけれども、環境という場合は、特にビルから排熱される熱によって大きな影響を周辺に与えるというんですけれども、そういう問題については、都市計画局としては、環境局の問題というのではなくて、建設の決定をしていく都市計画局としてはどういうふうに受けとめておられますか。

○田中都市防災部長 都心部の未利用地や基盤整備が不十分な駅周辺を再開発しまして土地の有効利用を図っていくことは、都市再生を推進していく上で重要な政策だと基本的に認識しております。
 なお、こうした開発を進めるに当たって、ご懸念の点があろうかと思いますが、私どもといたしましては、道路や公園などの都市基盤の整備を並行して進めますとともに、敷地の緑化などを進めまして、環境面を含めたよりよい都市空間の形成を図っていくことが重要だと考えております。
 今後とも、こうした方針のもとで都市の再生を計画的、積極的に進めてまいります。

○清水委員 この新聞も、環境局が地球温暖化阻止東京作戦をやっているということを知って書いているんです。緑の東京計画とかいうことを知って書いているんです。その上で、しかし、ビルから排熱される量というのはそれをはるかに超えるものになるだろうというふうに警告をしているんです。
 そういう意味では、現在進んでいる都市再生の計画でも、本当にこういう環境面でも危惧する問題、それから財政や住民サービスの面でも危惧する問題が、この大崎の東口の再開発地区計画でも指摘をされるというふうに考えています。
 次に、時間も過ぎてしまいましたので、ナンバー18、北新宿地区第二種市街地再開発事業の変更案が出されておりますが、簡単に触れたいと思います。
 ここの開発については、九九年の予算特別委員会で取り上げてきました。従業員が一人もいない、実体のない、いわゆるペーパーカンパニーであるほぼ一つの会社が、子会社を使って国土法による届け出の義務づけを免れながら、九百億円を超える資金をつぎ込み地上げを行った。ところが、この業者に宅地建物取引業の免許がないために、不動産売買の資格もなく、取得した土地を処理することができなくなって、都に買ってもらうか、都による開発で権利床に転換する方法を探り、結局、第二種都施行再開発となったではないか。地上げの救済ではないかというふうに、当時、委員会で疑問を投げかけてきました。
 そして、東京都の財政負担も多くなるのではないかというふうに投げかけてきたわけですけれども、現時点において、東京都の負担分というのはどのように予測をされているでしょうか。

○田中都市防災部長 本事業に対します都の負担金額は約三百八十億円でございます。

○清水委員 一地区の再開発に大変莫大な予算が投入される予想となっています。また、一方で、当時、第二種再開発事業についても、特定建築者制度--施行者がみずから建築しなければならないとされていた施設建築物のうち、一定割合の建築を施行者以外のものに行わせる制度が導入をされて、第一種の民間に、東京都が持っている床を最大地権者に譲ってやることで、環状二号線の再開発で森ビルなどでも適用したそうしたようなやり方も探って進めようとしているのではないかということも指摘をしてきました。
 この特定建築制度を適用する動きというのは、現在、なっているのかどうか。東京都の施行で引き続き進めるという、そういう動きになっているのか。事業者は建設局ですが、どのように聞いているでしょうか。

○田中都市防災部長 北新宿地区の再開発の施行方法の問題にお答えしたいと思います。恐れ入りますが、図面集の一〇七ページを見ていただきたいと思います。
 この再開発事業は、この図面に示されますように、地区の真ん中を斜めに放射六号線という道路がよぎっておりまして、この道路を早期に整備するということが都施行でやる意味の一つでございます。また、あわせまして、一〇六ページの図面に見えますとおり、この道路の周辺は非常に密集した市街地でございまして、これらの危険な市街地を安全なまちにするために、道路整備と一体的にまちづくりをしなければいけないということで、東京都がこの地区について、再開発事業により道路と周辺の安全なまちづくりを両方やっている、こういう事業でございます。
 この事業に特定建築者制度を活用するのではないかというお話でございますが、一〇七ページの図面の1街区と書かれました南側の街区につきまして、東京都は特定建築者制度の導入を検討しております。ただし、これは、この事業全体を引き続き東京都が権利者対応を含めまして全部を行いまして、建物の建設等を民間活力を使い、一日も早く事業を完成をしたいという意味で、特定建築者制度を1街区に使うということを今検討しているところでございます。

○清水委員 都施行の再開発事業というのが、結局、破綻をしていったということだというふうに今の動きは思います。私は、都施行で進めるべきだとか、民間主導で進めるべきだとかいうことではなくて、当時指摘したように、この六分の一ですか、地上げ屋といわれる会社がそこを買い占めていって、当時は、地域の半分ぐらいの住民が都市計画決定時は賛成をしていなかったというふうに聞いています。そういうふうなところを地上げ屋といわれる会社などで買収をしながら、東京都の施行に持っていく。しかし、結局それが破綻をして、今度は別の制度を進めようというような動きを今しているという、そういうご報告があったんですけれども、私は、今いわれる放射六号の整備とか、それから安全なまちづくりとかいうのであれば、ここだけの問題ではないでしょう。周辺だってずっとそういう地域なわけですよ。放射六号だって、ここだけじゃなくて、東も西も通過していくわけですよ。放射六号の整備であるのであれば、道路事業でやればいいじゃないですか。それを、最初の決定がそういうふうなことで、今、手法も変わっていくというようなことでは、区として放射六号道路を進めるというならば、道路事業として進めればいいと思います。
 しかし、この計画自体は、都施行で再開発でなくなったから、今度は特定建築者制度よというようなことではなくて、この開発全体については、やはり立ちどまって、もう一度このまちづくりについて見直すべきではないかなというふうに私は考えているわけです。もしご意見があれば聞かせていただいて、なければ終わりますけれども。

○木内都市計画局長 市街地再開発事業、一般的に大きな課題を抱えている中で、地価の上昇と、あるいは権利床といいますか、床の賃料といいますか、上昇することを前提にしながら事業を進めてきたわけですけれども、さまざまな課題を抱える中、都施行の再開発事業について一定の見直しをしていこうということで、いろいろ見直しをしていく中で、これを一般会計事業あるいは特別会計事業ではなくて、公営企業会計事業としていわば考えていこうというのが流れになった、そうした中で見直しをし、この北新宿については、なお引き続き都施行の再開発事業として行うということが本都として意思決定であるわけでございます。
 そういう中で、時間と都のリスクというか、時間を早くやるということが放六を抜く、あるいは密集市街地の整備をすることの上においては必要ということと、もう一つは、放六を整備するということ、したがって、時間と、さらにまた整備をする上でのリスクを回避するということで、都がリスクを負わないということも考えた上で、再開発事業で認められている特建者制度を導入することによって、都のリスクを、まあ表現は適切か否かは別として、民間事業者に転嫁といいますか、のリスク管理のもとに事業を、建物をやってもらおうということが流れでありまして、本都としては必要な見直しを行った中の事業というふうに考えております。
 当然ながら、いろいろ議論のあっての結果ですけれども、やめろということ、あるいは立ちどまってというのは、言葉はきれいですけれども、現状のまま放置することによって、さらなるリスクを負うこと、さらなる負担を負うことに比すれば、今事業を進めることは、この事業に限っては必要であろうというふうに思っております。
 あえて申し上げると、東京都の負担は、本来、放六は都道ですよね、都道の管理者としての当然に負担すべき道路整備経費について再開発事業に対して出すものでありまして、余計な負担をしているということとは異なりますので、誤解を招かないように、あえて説明させていただきます。

○藤川委員長 ほかにご発言はございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 なければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市計画局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会は閉会いたします。
   午後二時四十八分散会

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