都市・環境委員会速記録第十七号

平成十三年十一月二十八日(水曜日)
   午後一時二十三分開議
 出席委員 十四名
委員長藤川 隆則君
副委員長吉野 利明君
副委員長相川  博君
理事真鍋よしゆき君
理事鈴木 一光君
理事大木田 守君
小磯 善彦君
吉原  修君
清水ひで子君
かち佳代子君
大塚 隆朗君
秋田 一郎君
大河原雅子君
内田  茂君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市計画局局長木内 征司君
技監勝田 三良君
理事杉浦  浩君
総務部長野田 一雄君
総合計画部長中島  守君
開発企画担当部長福島 七郎君
地域計画部長小林 崇男君
施設計画部長只腰 憲久君
航空政策担当部長甲斐 正彰君
外かく環状道路担当部長成田 隆一君
開発計画部長田中  亨君
建築指導部長森下 尚治君
参事河島  均君
参事萩原 豊吉君
環境局局長赤星 經昭君
総務部長長谷川 猛君
企画担当部長梶原 康二君
移管事業調整室長小栗 英夫君
環境改善部長薄  厚一君
参事小島 高志君
自動車公害対策部長松葉 邦雄君
交通需要マネジメント担当部長山本 憲一君
自然環境部長高田 茂穗君
廃棄物対策部長西野 和雄君
廃棄物技術担当部長関  寿彰君
参事古川 芳久君
環境評価部長町   格君
局務担当部長平田 信幸君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
  ・特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律関係手数料条例
  ・東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画策定協議会条例の一部を改正する条例
  ・東京都環境科学研究所手数料条例の一部を改正する条例
  請願陳情の審査
  (1)一三第一一六号 (株)総合整備による産業廃棄物破砕処理工場の建設に関する請願
  (2)一三第一二六号 日産自動車村山工場のダイオキシンなどの汚染対策に関する請願
  (3)一三第一六七号 都民の健康に重大な影響のある公害・環境問題に関する請願
  (4)一三第一七〇号 歩きたばこ・ポイ捨ての禁止に関する請願
  (5)一三第六九号  生活騒音の規制に関する陳情
  (6)一三第七八号 (仮称)高輪一丁目マンション建設予定地の公正な土壌汚染状況調査の実施に関する陳情
 都市計画局関係
  請願陳情の審査
  (1)一三第一一九号 都市計画道路補助第二九号線の計画廃止に関する請願
  (2)一三第一三六号 ハイヤー・タクシー車両の屋外広告物(車体利用広告物)に関する請願
  (3)一三第一三七号 亀戸副都心総合計画の早期樹立に関する請願
  (4)一三第一四八号 都市計画道路補助第四八号線の一部廃止に関する請願
  (5)一三第一五二号 (仮称)NTTグループ墨田ビルの建築計画見直しに関する請願
  (6)一三第一五四号 都立大学深沢校舎跡地の開発計画に関する請願
  (7)一三第一五七号 都立大学理工学部跡地開発計画の見直しに関する請願
  (8)一三第八三号の一 都立大学深沢校舎跡地の開発計画に関する陳情
  (9)一三第一五五号の二 晴海地区交通網の整備に関する請願
  (10)一三第五二号 地区計画に伴う墨田区大平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情
  (11)一三第五三号 墨田区大平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情
  (12)一三第七一号 (仮称)大平四丁目錦糸町開発計画における事業者の建物計画見直し案に関する陳情
  (13)一三第七四号 (仮称)大平四丁目錦糸町開発計画における事業者の建物計画見直し案に関する陳情
  (14)一三第五七号 「調布都市計画用途地域に係る都市計画の案」反対に関する陳情
  (15)一三第七八号 (仮称)高輪一丁目マンション建設予定地の公正な土壌汚染状況調査の実施に関する陳情
  (16)一三第八二号 青梅永山北部丘陵地の宅地化に関する陳情

○藤川委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴者の数についてお諮りいたします。
 本日、委員会の定員は二十名ですが、傍聴希望者が定員以上いますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○藤川委員長 次に、第四回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び環境局、都市計画局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取した後資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 第四回定例会……
〔「ちょっと、傍聴席の人は追加ふやしたというのはいってあるの、下に。待機している人がいるらしいよ」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 いや、今入っている人たちが--連絡済みで入っているんだそうです。
 ちょっと速記をとめてもらえますか。
   〔速記中止〕

○藤川委員長 じゃ、続けてください。
 これより環境局関係に入ります。
 第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○赤星環境局長 平成十三年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております条例案につきましてご説明申し上げます。
 提案を予定しております条例案は、四件でございます。
 まず初めに、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例案でございます。
 これは、水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令の施行等に伴い、硼素、弗素等を条例の有害物質に指定するとともに、汚水及び悪臭に係ります規制基準を整備するものでございます。
 次に、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律関係手数料条例案についてでございます。
 これは、本年六月に公布されました、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律、いわゆるフロン回収破壊法の施行に伴いまして、手数料の徴収に係ります条例を新設するものでございます。
 次に、東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画策定協議会条例の一部を改正する条例案についてでございます。
 これは、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法、いわゆる自動車NОX法の一部を改正する法律の施行に伴いまして、条例の規定を整備するものでございます。
 最後に、東京都環境科学研究所手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 これも同様に、自動車NОX法の改正に伴いまして、条例の規定を整備するものでございます。
 以上、第四回定例会に当局から提出を予定しております条例案の概要についてご説明申し上げました。
 なお、詳細につきましては総務部長から説明をさせます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。

○長谷川総務部長 それでは、条例案四件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、資料1に基づきまして、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例案についてご説明申し上げます。
 一ページをお開きください。
 改正の理由でございますが、水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令の施行等に伴い、硼素、弗素等を条例上の有害物質に指定するとともに、汚水及び悪臭に係る規制基準を整備する必要があるためでございます。
 次に、改正の内容でございます。
 改正点の一つ目は、水質汚濁防止法施行令の改正に伴う有害物質規制の強化等でございます。条例上の有害物質として、硼素及びその化合物、弗素及びその化合物の二項目を追加するとともに、工場及び指定作業場に適用する汚水及び悪臭に係る規制基準を整備するものでございます。
 恐縮ですけれども、二七ページの新旧対照表をお開きください。右側から三行目の別表第四、有害物質についてでございます。現行条例では有害物質として二十四項目を規定しておりますが、この後に、二十五、硼素及びその化合物、二十六、弗素及びその化合物の二項目を新たに追加するものでございます。また、あわせまして、九、PCBの表記をポリ塩化ビフェニルに改めるものでございます。
 二七ページの後半から四〇ページの三行目までは、別表第七、工場及び指定作業場に適用する規制基準のうちの四、汚水の新旧対照表ですが、公共用水域に排出される汚水の許容限度等を法令改正に合わせて整備するものでございます。
 一ページにお戻りください。改正点の二つ目は、悪臭防止法の改正を踏まえた悪臭に係る規制方式の変更でございます。左から二行目にありますとおり、条例で規定する工場及び指定作業場に適用する悪臭の規制基準は、これまで臭気濃度規制方式でありましたが、これを人の感覚に近い臭気指数規制に変更し、基準値を整備するものでございます。臭気指数規制方式は、従来の臭気濃度の値の対数をベースとして使う規制方式で、対数を使用することにより人間の臭気感覚に比例した規制が可能になるものでございます。
 四〇ページをお開きください。四〇ページから四二ページまでが悪臭関係の新旧対照表で、上段が悪臭の許容限度を臭気指数として新たに設定したものでございます。
 恐れ入りますが、二ページにお戻りください。条例の施行期日でございますが、平成十四年四月一日としております。ただし、悪臭に係る部分は平成十四年七月一日からとしております。
 次に、資料2に基づきまして、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律関係手数料条例案についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。制定理由でございますが、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律、いわゆるフロン回収破壊法の施行に伴い、第一種フロン類回収業者等の登録等に関する手数料に係る規定を定める必要があるものでございます。
 条例案の内容でございますが、手数料対象事業者として、第一種フロン類回収業者、第二種特定製品引取業者、第二種フロン類回収業者を定め、二ページにありますとおり、それぞれの手数料の名称及び額につきまして、原価計算に基づきまして、各登録申請手数料は六千百円、その登録更新申請手数料は四千二百円としております。
 三ページの後半からは、条文ですが、第一条には趣旨を、第二条には手数料を徴収する事務等として、具体的な手数料の事務、名称、額及び徴収時期を別表で規定しております。第三条は手数料の減免、第四条は手数料の不還付の規定でございます。
 二ページにお戻りください。施行期日でございますが、公布の日からとしております。ただし、別表の三の項から六の項までの規定、いわゆる第二種の事務に関しましては、法の施行期日に合わせ、平成十四年四月一日施行としております。
 次に、資料3に基づきまして、東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画策定協議会条例の一部を改正する条例案についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。
 改正理由でございますが、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法、いわゆる自動車NОX法の一部を改正する法律の施行に伴い、規定を整備するものでございます。
 改正内容でございますが、引用している自動車NОX法の名称と根拠条文が変更されたことに伴い、引用している条例や協議会の名称に「及び粒子状物質」を加えるなど、規定整備をするものでございます。
 二ページでございますが、施行期日は、公布の日でございます。
 四ページは、新旧対照表でございます。
 最後に、資料4に基づきまして、東京都環境科学研究所手数料条例の一部を改正する条例案についてご説明いたします。
 一ページをお開き願います。
 改正理由でございますが、これも同様に自動車NОX法の一部を改正する法律の施行に伴い、条例の規定を整備するものでございます。
 改正内容でございますが、引用している自動車NОX法の名称と根拠条文が変更されたことに伴い、規定整備をするものでございます。
 施行期日は、公布の日でございます。
 三ページは、新旧対照表でございます。
 以上で四条例案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は資料要求をお願いします。

○かち委員 最初に、都民の健康と安全を確保する条例で、硼素と弗素を扱っている規模別の工場数、対象数をお願いいたします。
 それから、フロンの回収の方については、それぞれの業種別に対象数をお願いします。
 以上です。

○藤川委員長 ほかにはございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 それでは、ただいまかち委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、理事者におきましては、要求された委員と調整の上、ご提出のほどをお願いいたします。

○藤川委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 一三第一一六号、株式会社総合整備による産業廃棄物破砕処理工場の建設に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明をお願いいたします。

○薄環境改善部長 それでは、お手元にお配りしてございます資料5、請願・陳情審査説明表の一ページをごらんください。
 整理番号1、一三第一一六号、株式会社総合整備による産業廃棄物破砕処理工場の建設に関する請願について説明いたします。
 請願者は、瑞穂町の長岡地区産業廃棄物等公害対策委員会委員長、倉内邦雄さん外三十二名でございます。
 請願の趣旨でございますが、株式会社総合整備が瑞穂町に建設を進めている産業廃棄物破砕処理工場について、工事完成時に東京都が行う検査を、住民と株式会社総合整備とが納得のいくまでの間、延期する措置を講じていただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況ですが、株式会社総合整備は杉並区に本社を置く産業廃棄物処理業者で、現在あきる野市において産業廃棄物中間処理施設を操業しております。本年二月八日に新たな産業廃棄物中間処理施設を瑞穂町に建設することを計画し、東京都公害防止条例に基づく工場設置認可を都に申請いたしました。東京都は、申請の内容が条例に定める基準等に適合していたので、三月一日にこれを認可いたしました。その後、事業者は、住民からの要請により五月十日に住民説明会を開催いたしましたが、住民は操業開始後の粉じん等の不安が解消されないとして、再度の説明会の開催を求めました。こうした中で、事業者は七月十三日に工場建設に着手いたしました。
 一方、住民は、九月二十一日に、株式会社総合整備に対し産業廃棄物中間処理施設に関する質問事項を提出いたしまして、これに対して事業者は十月二十三日に回答いたしました。住民は、さきの回答の内容を確認するために、事業者に対して十一月十二日に追加質問を行い、事業者はこれに対して二十日に回答いたしました。この後、これをもとに両者の間で話し合いが持たれる予定になっております。
 建物は建設中であり、十一月末に完成予定です。完成後に完成届が提出されれば、都は、条例規則に基づき十日以内に完成検査を行い、検査の結果が認可の内容に適合しているときは認定を行います。事業者は、認定を受けた後、工場の稼働を開始することとなります。
 東京都といたしましても、話し合いによる解決を図れるよう、引き続き指導してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をいただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一一六号は保留といたします。

○藤川委員長 次に、一三第一二六号、日産自動車村山工場のダイオキシンなどの汚染対策に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○薄環境改善部長 それでは、お手元にお配りしてございます資料5、請願・陳情審査説明表の二ページをごらんください。
 整理番号2、一三第一二六号、日産自動車村山工場のダイオキシンなどの汚染対策に関する請願について説明いたします。
 請願者は、立川市の大高伊都子さんでございます。
 請願の要旨でございますが、日産自動車村山工場のダイオキシンなどの汚染問題解決のため、一、都として同工場周辺の住宅、学校(校庭)、農地などについてダイオキシンの土壌調査を行うこと。二、トリクロロエチレン、ダイオキシンなどの汚染の実態、原因や、拡散防止策、汚染物質処理対策などについて、住民に対して直接情報を公開し、住民の問い合わせ窓口を設置するとともに、説明会の開催などを行うように日産自動車を指導すること。三、ダイオキシンの土壌汚染について、学校(校庭)、児童遊園、農地などにおける東京都独自の土壌基準を設け、対策を講じること。四、日産自動車に対して、汚染処理がすべて終わるまで跡地売却を行わないように指導していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございますが、日産自動車株式会社は、村山工場の主要施設の閉鎖を決定し、平成十三年七月に主要施設の建物の除却に着手しております。東京都は、平成十三年九月二十七日、同社から同工場の土壌等に係る調査結果及び浄化計画の最終報告を受け、翌二十八日には都の実施した地下水調査結果を公表いたしました。同社も報告内容を同じ二十八日に公表し、その日に内容を地元に説明しております。
 同社の土壌のダイオキシン類調査結果では、廃棄物焼却炉跡地で汚染が見られましたが、敷地内の他の地点や、敷地外で工場の北東に位置する児童遊園では、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく土壌環境基準を超えておりませんでした。また、同社は、都の指導により、廃棄物焼却炉跡地の汚染土壌を防水シートで覆うなど、飛散防止措置等を講じており、今後ダイオキシン類汚染土壌を掘削、処理するまでの間、密閉容器に入れて保管することとしております。
 ダイオキシン対策につきましては、都は、今後とも国が定めた環境基準に基づき対処してまいります。
 また、日産自動車は、環境確保条例の規定に準じて都に提出した汚染の拡散防止計画書に基づき対策を行うこととしており、都としてはこの計画に基づき適切に対策が行われるよう指導してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○清水委員 日産自動車から、工場の土壌汚染について調査がなされ、浄化計画が出されたことは今ご報告があったとおりですが、汚染は工場の南側全体に広がり、安全や環境に配慮して操業されていたのか、大きな疑問が出されています。特に、発がん物質、トリクロロエチレンが最高で基準の二百四十三倍、ダイオキシンも焼却炉周辺で検出されたことです。住民が不安に感じ、将来まで大丈夫なのかという声が出されるのも当然ですので、幾つか伺いたいと思います。
 土壌及び地下水汚染の汚染物質ごとの原因と、それらの物質の操業中の管理状況についてはどうなっていたのか、伺います。

○薄環境改善部長 環境基準を超えた汚染物質の種類は、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、シス1・2ジクロロエチレン、鉛、シアン、六価クロム、砒素、弗素、硼素、ダイオキシン類がございます。
 汚染の原因につきましては、かつて工場でメッキ工程などで使用していた物質や、焼却炉による廃棄物焼却などによるものと考えられます。また、有害化学物質を含む排水につきましては、処理施設を設置し、処理していたと聞いております。

○清水委員 適正にきちんと管理というのはされていてこのトリクロロエチレンなどが出ていたのか、管理が不十分だったのか、それはどういうふうにお考えですか。

○薄環境改善部長 今もお答えいたしましたけれども、排水処理施設などを設置して適切に処理していたと考えておりますが、ただ、先ほども申しましたように、工場のメッキ工程などで微量の物質が漏れて、結果としてこのような汚染が生じた、そのように考えております。

○清水委員 自動車の工場というのは今でもほかにもあるし、もちろん日産のほかの工場もあるんですけれども、じゃ、今、その基準で、こういうふうに処理すればいいというそのこと自体が問われるのか。それとも、ここだけの問題であって、それはほかの自動車工場にはない、それはどういうふうに考えればいいことなんでしょうか。つまり、操業を終了しない工場などはもしかしたら今でも地下の方にそういう有害物質が浸透しているかもしれないというふうに考えてしまう場合もあるんですけれども、ここだけがたまたまそういうことがあったのかどうなのかということでは、どういうふうに考えたらいいと思いますか。

○薄環境改善部長 排水等につきましては、水質汚濁防止法に基づきまして必要な規制をしておりますし、規制基準を守るように立ち入りなどもして常時確認などもしております。今のような状況の中では、特にそういう状況が生じた場合には改善を指導し、必要ならば処分なども考えていかなくてはいけないと思っております。ただ、現実においては、そのような状況はございません。けれども、ここにおいては、結果として、土地の改変をする中で調査をして、こういう汚染状況が見つかったという状況でございます。ですから、操業中においてはそのような状況は今のところ確認されておりません。土壌汚染についての調査をして、詳細な調査の結果としてこのような状況があらわれたというところでございます。

○清水委員 それはわかりましたけれども、じゃ、どうしてそれが発生したのかということについてはやはり住民が納得しないというのは当然だというふうに思うんです。
 それでは次に、工場の中に自社の廃棄物を埋めていたというふうに聞いているんですけれども、何を埋めていたのか。また、自社の敷地内に廃棄物を埋めるという行為は法律上どうなのかということ、それから、その問題について日産からは報告があったのかということについて伺いたいと思うんです。

○西野廃棄物対策部長 埋め立てられました廃棄物は、工場で発生したプラスチックや部品くずと聞いております。
 また、自分の会社の敷地内に自分のものである廃棄物を埋め立てることは、昭和五十二年の廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正により許可が必要となったものでございます。日産自動車の方に確認したところでは、昭和三十七年より埋め立て処分が始まりまして、昭和五十一年度中に埋め立て処分が終了したと聞いております。したがいまして、当時の廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定では、その設置に際しての許可は不要でございまして、法律上の問題は生じないと考えてございます。
 なお、事業者は、過去に埋め立てた廃棄物はすべて掘削、除去し、外部の処分場で処理すると聞いてございます。
 以上のことにつきましては、会社の方に確認してございます。

○清水委員 今回の操業中止ということで、工場の調査の中でそれが行われるということで、これまでは終了してからはずっとそのままであったということだと思うんですね。それから、今いわれましたように、確認をしたということですから、事前に報告というものはされていなかったということでは、やはり知られなかったらそのままというふうなことを住民が疑問に思っているわけですけれども、その点についてもはっきりしていないというふうに思います。
 工場外の二カ所の井戸でトリクロロエチレンが基準を超過しているものがありますが、日産とこの工場外の井戸で基準超過したこととの関係を都としてどのように考えておられますか。

○薄環境改善部長 東京都と立川市と武蔵村山市の三市が行いました工場周辺の井戸、二十一カ所の調査におきまして、工場の南側の二カ所の井戸でトリクロロエチレンが環境基準を超過しておりました。工場内の敷地境界付近の井戸水が環境基準以下であったことから、村山工場の土壌地下水汚染とは関係がないものと思われます。

○清水委員 それだけの理由で関係がないということを結論づけるということは、やはり住民の不安にこたえられない。じゃ、何が原因でトリクロロエチレンが基準を超過しているのかということが説明されなければ、住民は納得しないと思うんですよね。
 それで、次ですけれども、廃棄物処理焼却炉跡地の表層土壌の調査結果は、最大環境基準の十九倍ダイオキシン類が検出されましたが、焼却炉跡地以外の調査内容と結果はどうだったのか。それから、この十九倍出たダイオキシン類に対しては、先ほどご説明がありましたけれども、シートで覆って飛散防止策を講じて、そしてその後に掘削し処理するというふうになっているんですけれども、その期間というのはどのぐらいというふうに伺っているんでしょうか。

○薄環境改善部長 日産自動車は、環境庁が定めたダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル、これに基づきまして調査を実施しております。その調査結果によれば、焼却炉を中心に半径四百メートルの最大着地濃度前後の八地点、それから、これは敷地外の児童遊園の二地点も含みますが、さらに遠くの敷地境界の四地点及び焼却施設の直近の一地点、計十三地点の調査を実施しまして、その中ではすべての地点で環境基準以下の状況でございました。
 それから、処分するまで一時撤去、保管するということが確認されておりますけれども、その時期でございますが、いわゆる処理の検討の期間ということで、おおむね一年ぐらいを考えているようでございます。

○清水委員 とりあえずは防水シートで覆って、掘削をして、そして密閉容器に入れて保管するということですから、じゃ、防水シートで覆っておくだけでいいのか。それから、掘削処理までどのぐらいかかるのかというのは、今一年といわれましたけれども、やはりそこら辺が住民にははっきりとされていないということがこの請願の疑問に思っていることだというふうに思います。
 それで、土地の売却の情報がずっと新聞などをにぎわせていますけれども、その土地が売却されるまでにはこれらの汚染土壌の処理と拡散防止策というのがきちんと講じられるというふうに認識されておられるでしょうか。

○薄環境改善部長 日産自動車に対しましては、十月から施行されました環境確保条例の規定に準じまして、汚染土壌の拡散防止を適切に指導しております。同社からは、指導に従い汚染土壌の拡散防止の計画書が提出されておりまして、この計画に従いまして、日産自動車に対しまして汚染土壌の適切な処理がされるものと考えております。

○清水委員 幾つかの問題で、住民がそうした調査報告結果を示されながら請願を出されるということは、陳情を出されるということは、やはりこの要旨の中にありますように、疑問が残るし、今の法律にしても、条例にしても、すべて住民の不安や疑問にこたえるものになっていないわけですよ。じゃ、地下のどれだけまで入っているのか。その地下水というのは、何年かの間に移動するわけですから、一体どれだけ移動しているのか。今調べて、何メートルの地下を掘ったのかということもわかっていないし、将来出てきた影響に対してはどうするのかということもはっきりしていない中では、やはり住民にとっては不安だし、それから、土壌対策というものを東京都が始めたわけですけれども、それがこれからどうなっていくのかということにも大きな影響がある問題だと思うし、大きな会社だから、大きな企業ですから、その責任というのは大きいと思うんです。
 それで、住民が最後に要求していることは、汚染処理がすべて終わるまで跡地売却を行わないように指導することというふうになっているんですけれども、これに対しては東京都の指導の範囲ではないということで、今回この請願は否決をされる見通しになっていますけれども、住民の不安全体というのは理解できるし、やはり議会としてはこの住民の不安の趣旨を踏まえて、私は採択できるように主張して、終わりたいと思います。

○藤川委員長 ほかにご発言ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立によりお諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方のご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立少数と認めます。よって、請願一三第一二六号は不採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一三第一六七号、都民の健康に重大な影響のある公害・環境問題に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○松葉自動車公害対策部長 それでは、続きまして資料5、請願・陳情審査説明表の三ページをごらんいただきたいと思います。
 整理番号3、一三第一六七号、都民の健康に重大な影響のある公害・環境問題に関する請願についてご説明申し上げます。
 請願者は、清瀬市の東京都患者同盟、小島貞夫会長でございます。
 請願の趣旨ですが、都民の健康で明るい生活を守るために、大気環境等の改善策を強化していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 都はこれまでも、大気汚染の改善のために、自動車公害対策や工場、事業場に対する規制指導などを行ってまいりました。さらに、平成十三年四月からは、国に先駆け、全国で最も厳しい都民の健康と安全を確保する環境に関する条例を施行し、ディーゼル車を中心とした自動車公害対策を強力に推進するとともに、工場、指定作業場に対する排出規制を強化いたしました。
 環境確保条例に基づく主な規制についてご説明いたします。
 まず、自動車公害対策についてでありますが、ディーゼル車については、平成十五年十月から粒子状物質排出基準を満たさないディーゼル車の都内運行を禁止することとしております。また、大規模事業者に対しまして、低公害車の導入を義務づけております。その他、アイドリングストップの義務づけ、重油混和燃料等の使用、販売禁止などがございます。
 また、工場、指定作業場に対する規制といたしましては、ボイラーなどから発生する窒素酸化物の規制を強化したところであります。
 今後とも、条例の趣旨にのっとり、自動車公害対策や工場、指定作業場などに対する規制指導を積極的に進め、環境の改善に取り組んでまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議はございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一六七号は保留といたします。

○藤川委員長 次に、一三第一七〇号、歩きたばこ・ポイ捨ての禁止に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○西野廃棄物対策部長 請願・陳情審査説明表の四ページをごらんいただきたいと存じます。
 整理番号4、一三第一七〇号、歩きたばこ・ポイ捨ての禁止に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 請願者は、新宿区の歩きタバコNО都民会議代表、武田侃蔵さんでございます。
 請願の要旨でございますが、都において歩きたばこ、ぽい捨てを禁止する条例を制定していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、まず第一に、都の取り組み状況でございますが、これにつきましては、施設管理者の責務といたしまして、道路、歩道橋、河川等の清掃を行うことによりまして、生活環境の保全と公衆衛生の向上に努めております。
 また、人の健康問題における分煙対策といたしまして、東京都分煙化ガイドラインや都立施設分煙化推進計画の策定、並びにリーフレット「分煙のススメ」により、歩行禁煙や吸い殻のぽい捨て禁止の啓発を行っております。また、消防庁におきましても、火災防止の観点から、ホームページ等を活用いたしましてたばこのぽい捨て禁止を呼びかけております。
 一方、昨年四月の清掃事業の区移管に伴いまして、東京都は区市町村支援や産業廃棄物対策などの廃棄物行政における広域的な役割を担うこととなりまして、たばこの吸い殻、空き缶及び紙くずなどのごみ処理や、資源回収などの一般廃棄物にかかわる事務は区市町村が行ってございます。
 次に、都内の区市町村等での取り組み状況といたしまして、主に平成八年から十年にかけましてごみの散乱防止等に関しての条例化が進みまして、現在十八の区、八つの市の合計二十六の区市で条例が制定されております。このうち、十一の区市では罰則規定が設けられております。それぞれの区市におきまして、一斉清掃日を設定したり、美化推進の街頭宣伝などを実施することとしておりまして、これらを通じましてごみのぽい捨て防止意識の啓発などを図っております。
 また、その他の区市町村におきましても、地域住民や各種施設管理者等が区市町村と連携し、あるいは自主的な取り組みとしてさまざまな環境美化運動や清掃活動などが行われております。
 最後に、都の考え方でございますが、歩きたばこやたばこの吸い殻、空き缶などのぽい捨て行為の禁止は、基本的には個人のモラルの問題、社会規範の問題でございまして、地域を担う住民と住民に身近な区市町村が地域美化の問題として対応すべきでございまして、また、各施設の管理者がその責務として対応すべきものと考えてございます。
 都といたしましては、区市町村と連携して情報の提供や広報活動等を行い、都民の意識啓発に努めていく考えでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてのご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一七〇号は保留といたします。

○藤川委員長 次に、一三第六九号、生活騒音の規制に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○薄環境改善部長 それでは、請願・陳情審査説明表の五ページをお開きください。
 陳情者は、江戸川区の河村昌弘さんでございます。
 陳情の要旨でございますが、条例等の整備により、生活騒音を規制する手段を講じていただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況ですが、生活騒音に対してはこれまでも、環境確保条例第百三十六条の規定で、何人も規制基準を超える騒音を発生させてはならない、これに基づきまして、都民などからの苦情の申し立てがあれば区市が規制指導を行っております。ただし、生活騒音のうち、集合住宅内での騒音問題は、住民それぞれの住まい方や建物の構造などさまざまな要素が絡みますので、条例で一律に規制することには必ずしもなじみません。このため、当事者同士の話し合い等により、その解決を図るようにしております。
 このような集合住宅内の騒音を含む生活騒音対策として、環境局では、住まいの騒音ルールづくりの手引、これを作成しまして、都民への普及啓発に努めるとともに、区市の相談窓口での苦情処理の一助としております。
 このほか、生活騒音対策として重要な建物の構造に関しては、平成十二年四月に住宅の品質確保の促進等に関する法律、これが施行されまして、十月から、床や壁の遮音性など住宅の性能を表示する住宅性能表示制度が始まりました。
 今後とも、条例に基づく規制指導や苦情への対応を適切に行うとともに、パンフレットなどを用いた指導により、生活騒音に関する問題の解決を図ってまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一三第六九号は不採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一三第七八号、(仮称)高輪一丁目マンション建設予定地の公正な土壌汚染状況調査の実施に関する陳情を議題とします。
 理事者の説明を求めます。

○小島参事 それでは、請願・陳情審査説明表の六ページをごらんいただきたいと思います。
 整理番号6、一三第七八号、(仮称)高輪一丁目マンション建設予定地の公正な土壌汚染状況調査の実施に関する陳情について説明いたします。
 陳情者は、港区の高輪一丁目の景観を守る都民の会代表、都築泰弘さん外四十四名の方でございます。
 陳情の趣旨でございますが、仮称高輪一丁目マンションの建設計画に関して、マンション建設事業者による建設予定地の土壌汚染状況調査について、近隣住民の疑う余地のない、納得できる公正な調査が実施されるよう都が指導していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございますが、まず、建設計画の概要といたしましては、事業主は住友不動産株式会社で、建設予定地は港区高輪一丁目二十三番でございます。敷地面積は約四千四百平方メートルで、ここに三十五階建てのマンションを建設するものでございます。このように、本事業は三千平方メートル以上の土地の改変に該当することから、環境確保条例第百十七条に基づき、事業者は土地の汚染状況の調査等が義務づけられております。
 事業者は、土地の改変に伴う土壌調査等について都に事前相談に来ており、この中で、建設予定地のうち、近隣住民から、かつて工場が存在し、土壌汚染が考えられるとの指摘があった付近については、調査地点をふやし、土壌調査を実施するとしておりました。その後、十一月七日に事業者から、条例に基づく土壌汚染対策指針を踏まえて実施した土地利用の履歴等調査届け出書が、次いで十一月十三日に土壌汚染状況調査報告書が提出されております。近隣住民から指摘があった付近について、調査地点をふやして実施した土壌汚染状況調査の結果、建設予定地では汚染土壌処理基準を超える土壌汚染は認められませんでした。
 こうしたことから、条例第百十七条に基づき事業者が実施すべき調査は完了しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。

○かち委員 七八号、港区高輪一丁目マンション建設予定地の公正な土壌汚染状況調査の実施に関する陳情、これについて二、三お聞きします。
 本件の陳情提出日は、十月一日となっておりますので、東京都の環境確保条例に基づいて土壌対策が施行された日と同時ということです。ですから、この事業そのものが東京都の土壌浄化処理の対象になるということになっているわけですけれども、私は、陳情者の方の文章を読んだりお話を聞いたりする中で、今度の問題が出されてきた背景、これは、住民と事業者側との間での不信が募っている、事業者側のいっていることが信頼が置けない。こういうことが高まってますます紛争調整が難しくなっているのではないかなと思います。
 そこで、伺いますが、十一月七日に地歴調査報告が提出されていますけれども、その地歴調査届け出書には、住民の皆さんが問題にしている工場は存在していたのかどうか。そして、その種類、扱っていた物質は何だったのか。そして、いつごろまで存在していたのか、お伺いします。

○小島参事 事業者が行いました土地利用の履歴等調査によれば、当該地にはかつて五軒の小規模な工場、すなわち金属プレス工場二軒、電気部品接点接合工場一軒、電気メーター修理工場一軒、及びねじ製作工場一軒と一戸建ての民家が存在していましたけれども、十数年前にすべて解体されております。
 なお、これらの工場が取り扱っていた物質については、明らかにされていません。

○かち委員 十数年前まで小規模工場が幾つか存在していたということですが、扱っていた物質はわからない。そういうことであれば、何らかの有害物質もあったというふうに判断というか、あるものとして対応しなければならないというふうに思うんですね。そういうふうにして調べて、結果安全が確認されれば問題はないわけです。
 そこで、土壌調査の施行業者、そこは、どこがやったのか。調査項目とか方法など、わかりましたら教えてください。

○小島参事 この地域では、先ほど申しましたように工場などがございましたので、土壌調査を実施することになったわけでございます。
 土壌の調査につきましては、重金属と揮発性有機化合物に分けて実施されております。重金属につきましては、試料採取をスミコンセルティック株式会社、分析は計量証明登録事業者である日本環境株式会社において実施しました。揮発性有機化合物は、試料採取、分析とも計量証明登録事業者である内藤環境管理株式会社が実施いたしました。いずれも条例に規定された汚染土壌対策指針に基づき調査が行われております。
 また、調査項目は、条例に規定されている土壌処理基準に掲げる項目、すなわち六価クロム、水銀、トリクロロエチレンなど二十一項目について実施しております。

○かち委員 結局調査は重金属と揮発性有機化合物について行ったということで、調査報告書も見せていただいたりしていますけれども、こういう調査結果が出るまでの間、過程がやっぱり問題だったと思うんですね。住民の皆さんは、とにかくあそこには工場があったんだからきちんと土壌調査をしてほしいんだということを東京都の方にもお訴えしたでしょうし、それから港区にも申し入れをしているんですね。
 この間、港区の環境課も入って事業者と住民の皆さんと三者で話し合いをしていたわけですよ。どこの地域に工場があったわけだからこの地域を調べてほしいんだという話し合いをしていたさなかに、事業者はもう勝手にその結論がつく前に重金属についての調査をしてしまったんですね。それで結果を、これは問題ないというふうに出したわけです。せっかくこういうところをこういうふうに調べてほしいんだと住民の皆さんと話し合いをしていたにもかかわらず、もう出し抜けのようなことをやった。そして、どこの地点から採取したのか、どういう方法でやったのか、そういうことも全然その過程については教えてもらえない。結果大丈夫なんだといっても、それは信用おけないといわれても仕方がないと思うんですよね。
 それで、住民の皆さんは、港区の方からどの地点をどういうふうにやったのかというのを聞いたそうです。それで、十メートルメッシュでやってはいるんですけれども、ここが危ない、この辺にあったんだと思われる地点は、それは故意でなかったかもしれないけれども外れていたということで、もう一回ポイント式に数カ所をやってもらったというのが経過だったように聞いています。そういうふうになりますと、採取した業者と検査をした業者は違うわけですけれども、一体きちんと対象のところから採取をしてくれたんだろうかと、そこまで疑念がわいてきても仕方がないと思うんですよね。そういうふうな状況があったというふうに聞いています。
 それで、有機化合物についても、当初はそれはやる予定がなかった、住民からいわれて後からやられたというのが経過だというように聞いています。後からやるということで今度は別の会社がやったわけですけれども、どこをどういうふうにやるかというのを全く明らかにされない。本来だったら、この確保条例の精神は、汚れた土壌を拡散させない、きちんと処理をして健康と環境を守る、そういう立場に立ってつくられていた条例であるにもかかわらず、業者がそれを素直に受けとめてくれない。やればいいんだろうというような、そんな状況にさえ思えるような状況で、住民の皆さんにはすっかり塀をしてしまって見えない状況で、しかも、監視カメラまで置いて住民が入り込まないようにした中で調査が行われた結果、今回は問題がなかったというふうにいわれているわけですけれども、これでは本当にその土壌がちゃんと検査をされたかどうか、住民の皆さんは、納得できないといわれても仕方がないと思うんですよね。
 こういう調査結果、私が聞いているのはそういうことですけれども、都としては、この調査の仕方や地歴や方法について、きちんと住民に明らかにされてきたのかどうか、把握しているでしょうか。

○小島参事 事業者である住友不動産は、重金属の調査結果を受けまして、十月九日と十月十四日に説明会を開催し、資料に基づいて住民に説明をしていると聞いております。また十一月十七日には、揮発性有機化合物の調査結果を工事説明会の場において住民に説明したと聞いております。

○かち委員 環境局としても、結果だけを報告してもうそれはやったんだというふうに解釈をされているのかもしれませんけれども、やっぱり結果だけではない本当の安心を保証するためには、その過程が本当に大事だと思うんですが、そういうことは結果的には公表されていなかったということだと思うんですよね。
 条例上は土壌調査のすべてについて公表する義務はないんだといってしまわれればそれまでかもしれませんけれども、やはりマンションをここに、大きなものを建てていくということで、住民紛争にもなっているわけです。そういう中で、事業者と地域住民との理解と合意を得ていく努力をしている過程なんですから、その土壌調査の方法や結果や採取についても、疑問に思っているなら一緒にその場所をやるというような姿勢があってもしかるべきだと思うんです。また、都としてもそういうことをきちんと指導されてもいいんじゃないかと思うんですよね。
 こういう状況になってきますと、ますますこの紛争は解決するどころか不信を募らせていってしまう状況にあると思うんです。ですから、もっと環境局としては、構造物の紛争調整に入る立場ではないというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、この条例の精神を生かして問題を処理していかなければならないという立場に立つなら、本当にすべて明らかになるような情報公開の立場で事業者に対しても指導すべきだと思うんです。
 そういう意味で、三点願意が出ておりますけれども、今いったのは一点で、あとの二点は都市計画関係になるかと思いますけれども、主にはこの土壌問題でのトラブルだと思いますので、事業者にはもっと住民に信頼が得られるような説明の仕方、検査の方法もやはりもう一回振り返ってやっていただくべきだというふうにして、私は、これは趣旨を酌んで採択をしていただきたいと思います。

○薄環境改善部長 この汚染土壌の適正な処理が進むようにということで、条例の中では、必ず東京都はこのような汚染土壌についての対策指針を定めて、それに基づいて適正な処理ができるように進めなさい、こういうふうになっております。そのために、東京都は早速、東京都の土壌汚染対策指針、これを十三年九月に設けまして、公表をしてございます。この中で、今先生のおっしゃられたような調査の方法、このような調査については、重金属と揮発性の有機化合物についてしっかりやるように、さらに、分析の内容ですとか分析の方法、調査地点も明示して、恣意的な調査が行われないように徹底しているところでございます。
 今後とも、この指針の徹底を図りながら、より住民の理解のいく、不信感を持たれないような調査を事業者が進めるように指導または周知を図っていきたいと思っております。

○大河原委員 かち委員と質問内容が重複しておりますので、一問質問をさせていただいて、確認をさせていただいて、そして意見を述べさせていただきます。
 今ご答弁のありましたこの東京都土壌汚染対策指針に基づいて調査はされているんだということなので、ここの場所に関しては、先ほどの履歴調査の中から明らかになった小規模の工場があったということまでわかっております。それで、それがその後に盛り土をして現在の土地があるんだ、そこまで十分に調査されているのかどうか、そういうことが住民の不安にもなってきているわけなんですね。
 この対策指針に基づいてどんな調査をしたのか。住民から望まれている方法で、例えば住民立ち会いのもとでやっていただきたいなと私などは思うわけですが、どんな調査をなさったのか、もう一度確認をさせてください。

○小島参事 事業者がどういうような調査をやったかということだと思いますけれども、まず、重金属と揮発性有機化合物の二つに分かれておりまして、重金属の場合は、条例の指針では五地点混合方式で五カ所をやればいいと。これは、おおむね千平方メートルに一カ所でいいということなので、この場合四千平方メートルぐらいですから、五カ所やれば十分と。それに加えまして、電気部品接点接合工場というのがあったわけですけれども、その周辺の四カ所でもやっております。これは、通常求められているものにプラスしてやっている地点です。
 それから、先ほどの盛り土の件ですけれども、盛り土につきましては、盛り土されている可能性がある場所につきまして、試料の採取に当たりまして、ボーリングをやりながら土壌を採取して、観察しながら、その状況に応じて深さを変えて調査を行っております。そういうことで、試料として採取した場所は三十五センチから一・九メートルということで、幅広い範囲にわたって精密に調査をしているということです。
 それから、揮発性有機化合物ですけれども、これも指針では二十メーターメッシュで一カ所やればいいということになっておりますけれども、この事業者の場合には十メーターメッシュで一カ所ずつやっております。さらに、それに加えまして、先ほど申し上げました工場の周辺でも土壌を採取して分析をやっております。土壌採取の場所は、深さ約一メートルぐらいということで、かなり克明に調査をやっているんじゃないかというふうに思っております。

○大河原委員 土壌汚染対策については、法体系が十分整備されているとはいえない状況の中で、東京都のこの環境確保条例ができたと。そこには都民の期待が集まっているわけですね。ですから、ここで行われる調査については、より都民の不安を払拭する、そういう方法で行われるべきだというふうに私も思います。工事が始まってしまえば、工事の作業工程などは毎日表示がされているわけですから、ここの工事にかかるかどうかというそれ以前のところにもっと合意の水準が高まるような努力を事業者がすべきだというふうに私は思います。
 そういった意味では、例えばどんな場所からとったのか表示をすることですとか、先ほども申し上げましたように立ち会いのもとに土壌を採取することとか、そうしたことが考えられるわけです。もちろん環境局が、この調査が公正に適正に行われるという、その結果について責任を持つけれども、そうしたいわゆる紛争調停のようなところの部署にないことは十分承知していますけれども、そうしたところで事前に調査内容について都の方に相談に来ているわけですから、そうした住民の声をしっかり受けとめるようやはり指導はすべきだというふうに私は思います。情報公開とその説明責任を事業者が果たしていく、そのことが、建てられるものについてもより合意が高まるんだということをやはり環境局にも指導の水準として持っていていただきたいなというふうに思うわけなんです。
 私も、この件につきましては、十分調査はされたということですが、この不信感はなかなか払拭できないというふうに思います。願意を酌み取り、趣旨採択を求めて、質問を終わります。

○藤川委員長 ほかにご発言ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、本件は、都市計画局所管分でもございますので、決定は都市計画局所管分審査の際に行うこととし、ただいまのところは保留といたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一三第七八号は保留といたします。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 これをもちまして環境局関係を終わります。

○吉野委員 済みません。恐れ入りますが、しばらく休憩をとっていただきたいのですが。

○藤川委員長 わかりました。この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後二時二十八分休憩

   午後三時開議

○藤川委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより都市計画局関係に入ります。
 請願陳情の審査をお願いします。
 初めに、一三第一一九号、都市計画道路補助第二九号線の計画廃止に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○只腰施設計画部長 それでは、整理番号1、一三第一一九号、都市計画道路補助第二九号線の計画廃止に関する請願についてご説明申し上げます。
 資料、審査説明表の一ページと、図面が二ページにございます。これをお開きいただきたいと思います。
 本陳情でございますが、品川区の補助二十九号線の廃案を求める大崎地区委員会代表、寺井ミヨ外三名から提出されたものでございます。
 要望の要旨でございますが、都市計画道路補助第二九号線の品川区大崎三丁目付近及び関連する地域の計画を速やかに廃止していただきたいというものでございます。
 現在の状況が一ページの下、それから右側に図面がございます。
 二ページの図面をごらんいただきたいと思います。
 本路線でございますが、上半分にございますように、昭和二十一年に戦災復興都市計画街路として都市計画決定された路線でございまして、図面のちょうど右、ちょっと見にくうございますが、環状六号線との交差部である品川区大崎三丁目を起点といたしまして、ずっと左側、南側に行きまして、放射一号線との交差部でございます大田区南馬込六丁目を終点とする、延長約五千四十メートル、標準幅員二十メートルの都市計画道路でございます。
 本請願区間でございますが、下の図面をごらんいただきたいと思います。ちょうど環状六号線との交差部の先ほど申し上げました品川区大崎三丁目からずっと左側に行きまして、大田区境の、図面の一番左側でございますが、品川区の西大井四丁目付近の延長約三千三百四十メートルでございまして、すべてが未整備となってございます。
 本路線が計画されている地域でございますが、木造住宅が密集してございまして、地域内の主要幹線道路がない。また、災害時における消防、避難、延焼遮断等、防災上の機能に支障を来していることなどから、防災都市づくり推進計画の重点整備地域に位置づけられているところでございます。この地域では、細街路に通過交通が流入する等、居住環境の悪化をもたらされているところでございます。
 したがいまして、本路線につきましては、地域の防災性の向上を図るとともに、地区の交通を分担する機能を果たす地区幹線道路として位置づけられるべきものというふうに考えております。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。

○かち委員 一一九号、都市計画道路二九号の計画廃止に関する請願、ここでは質問しませんけれども、同じような街路関係で一四八号の補助四八号線についても出ているんですが、同じような趣旨で、私、大田区なんですけれども、大田区にかかわる道路ということで、その四八号にも含んでちょっとお聞きしたいと思います。
 都市計画道路は、戦後焼け野原と化した東京の復興期に都市計画決定されたものが延々と今日まで続いているものですが、この間、都内の市街化がどんどん進み、住宅が密集してくる中で、計画道路の事業化はますます厳しい状況になってきていると思います。また、日常生活の中では親子何代にもわたって権利制限がかけられてしまうということで、大変不公平感が募っており、早くこの呪縛から解放してほしいという補助線の該当されている地域の皆さんの多くの声を私も耳にしています。
 改めて伺いますが、とりわけ市街化が進んでしまっているこのような都内の都市計画道路の補助線の基本的な考え方、局としてはどのように考えていらっしゃるのか、お聞きします。

○只腰施設計画部長 都市計画道路でございますが、放射や環状の幹線道路、あるいは補助線街路などがネットワークとして形成されることによりまして、いわゆる自動車交通に関連いたします都市機能の確保のほか、都市防災の強化、あるいは地域環境の保全、都市空間の確保等の機能が発揮されるものというふうに考えております。
 このうち、補助線街路でございますが、居住環境のいわゆる外側の核を形成する、あるいは地区内の交通を集める集散道路としての重要な機能を担うものというふうに考えております。このため、補助線街路につきましても、他の幹線街路とともに事業化計画を定めまして、計画的、効率的な整備を進めているところでございます。

○かち委員 都市防災とか環境保全といえば聞こえはいいのですけれども、こんなところに補助線をつくる必要があるのかどうかというのを私はいろんなところでも感じているんですが、本件についても、環状六号線と環状七号線の間をつなぐ--七号線だけではないんですけれども、延長すると中原街道につながっていくわけですけれども、中原街道とはほぼ平行して走っているわけですよね。こういうものが本当に必要なのかどうか、その根本に立ち返って検討するべきではないかというふうに思います。住宅街のバイパスとなれば、かえって静かな住宅街に車を引き込むことになり、環境悪化や自動車交通の危険性も増すわけです。ましてや現道のないところに道をつくるということになれば、住みなれた土地を多くの方々が立ち退かざるを得ないということになるわけで、人生設計にも大きな影響を与えることにもなります。
 補助二九号線の現況と、もしこれが事業化された場合の立ち退きを想定される棟数、または整備時期などはどういうふうになっているんでしょうか。

○只腰施設計画部長 補助二九号線の請願区間でございますが、二ページの配置図の方にもございますように、三千三百メートル余でございますが、一部地区内の狭い現道はございますが、全区間未整備でございます。
 また、立ち退きが予想される棟数、これは図面上で勘定いたしますと五百棟前後ではないかと。
 整備時期についてでございますが、いわゆる十五年度までの前期事業化路線には含まれておらず、平成十六年度以降着手する路線ということになっております。

○かち委員 一部現道があるだけで、ほとんど住宅街を突き抜けるわけです。今回出された請願地域は全延長五千四十メートルのうちの約三分の二程度ですね。これで五百棟ということですから、全体では七百から八百棟程度が対象になるわけですが、全区間未整備であり、平成十五年までの前期予定路線にも入っていない。そういうことになれば、いつになるかもわからない、ただ不安と権利制限だけが延々と続くということになるわけです。
 区部都市計画道路の事業化計画前期の最終年度は十五年と聞いていますけれども、現段階での整備状況と、平成十六年以降の計画はどうなっているでしょうか。

○只腰施設計画部長 今ご指摘の前期事業化計画でございますが、ことしの三月末現在の数字でございますが、整備済み、あるいは着手されたものが全体二百十九カ所のうち約五九%。それから、これは延長にいたしますと百七十八キロのうちの四二%でございます。現在、十五年度末までに次の新しい事業化計画を策定をして、都市計画道路の計画的、効率的な整備を図るべく準備をしているところでございます。

○かち委員 計画決定から半世紀以上たっても、箇所数で五九%、延長でも四〇%ちょっとということで、半分にも満たない。そのことが補助線整備の難しさを物語っているのではないでしょうか。この間、都市計画決定の案件などでは補助線の変更などは容易に行われるわけですけれども、住民の側から、廃止を含めた変更の要求、こういうものは、決定に生かされたということは皆無ではないかと思われます。
 今後二年の間に残りの六〇%の前期分と後半分の検討が行われるということですけれども、見直しのチャンスでもあるわけです。それぞれの補助線の、現実的に必要なのかどうか、その存廃も含めて、この機会に住民の皆さんの声も十分聞いて再検討されることを強く求めまして、本案件の趣旨を、願意を生かすために採択を求めて、終わります。

○藤川委員長 ほかにご発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立によりお諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方のご起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立少数と認めます。よって、請願一三第一一九号は不採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一三第一三六号、ハイヤー・タクシー車両の屋外広告物(車体利用広告物)に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 それでは、整理番号2、一三第一三六号、ハイヤー・タクシー車両の屋外広告物(車体利用広告物)に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 お手元の説明表の三ページをお開きください。
 本請願は、社団法人東京乗用旅客自動車協会会長、新倉尚文さんから提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、タクシー車両の車体利用広告規制について、一、一般的なタクシー車両面積の五割の範囲まで広告面積として認めること。二、広告の掲出箇所として、ボディー、屋根の上のトッパー、後ろ側窓ガラス及び従来からの軽微な広告ステッカー類の左右後部窓ガラスへの貼付を認めることという緩和措置を早急に実施していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、車体利用広告規制の見直しにつきましては、本年二月に東京都広告物審議会から答申が出されております。この答申では、タクシーの車体利用広告は、台数が多く、路線性もないため、周囲の景観へ与える影響が大きく、また、交通安全に配慮するため継続検討としております。この答申の内容に沿いまして、東京都屋外広告物条例施行規則を改正しまして、平成十三年十月十八日から、電車及び高速道路を走行しない観光バスにつきましては広告規制を緩和いたしました。
 都としましては、車体利用広告に関する事業者の自主的なデザイン審査の一層の普及を図るほか、車体利用広告の交通安全面に関する実績の把握に努めているところでございます。
 なお、請願者からは、都知事あて同趣旨の要望書が提出されております。
 以上で説明を終わります。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○吉野委員 意見を述べさせていただきます。
 今説明の中にもありましたけれども、東京都広告物審議会からことしの二月に最終答申が出されまして、路線バスに続いて電車の車体利用広告が緩和をされました。その第一号として多摩都市モノレールの広告電車がこのたび走行し、景観面に配慮した大変デザインのすぐれたものとして好評であります。
 ところで、タクシーにつきましては、路線バス五千五百台と比べますと、五万五千台と台数が非常に多く、条例上の禁止区域である一般住宅地等へも自由に入り込むことから、周囲に与える影響が大きいといわれております。また、高速道路を走行することから、事故の原因ともなりかねず、あるいは窓ガラスに安易な導入をした場合、運転者及び乗客の安全に支障が危惧されるなど、これらの問題があることは我が党も十分に認識をしております。審議会答申では、タクシーについて、景観面での都民意見の調査や交通安全面の調査を行ってからとして継続検討としていることは理解をしております。
 このように、タクシーにはいろいろな検討課題が多く、段階的に検討することは理解をいたしますけれども、規制緩和は時代の流れとして、車体利用広告についても、基本的に景観や交通安全に配慮した上で認めていくべきであるというふうに思います。細目につきましては今後検討を進めていくといたしましても、我が党は、この意も酌んで、趣旨採択が妥当であるということを主張をさせていただきます。

○大塚委員 私も同様に、この請願一三第一三六号につきまして意見を述べさせていただきます。
 ハイヤー、タクシー車両の屋外広告物に関する請願の採決に当たって、都議会民主党として、本請願は、東京都広告物審議会がタクシー等の車体を利用した広告物について継続して検討するとしたことに対して、早急に実施するよう求めるものでございます。
 都議会民主党としても、厳しい経営環境のもとで公共交通機関であるハイヤー、タクシーを運行されている方々の立場は十分理解いたしますし、また、労使間の協議も検討されているとは思います。そして、良好な都市景観の確保、乗客、ドライバーの安全確保の面からも疑念を禁じ得ません。特に、広告効果があるとされている後ろ側窓ガラスへの広告掲出は、ドライバーの後方確認に支障を来し、安全運行を阻害することになります。今後安全確保の方策が確立するまで、この広告掲出は見送るべきだと思います。
 この点を除き、請願者の趣旨に可能な限り配慮したいと思いますが、実際の広告掲出に際しては、労使間で十分協議していただき、合意に基づいて実施されるよう強く求めるものでございます。
 以上を本請願に係る都議会民主党の意見とさせていただきます。

○藤川委員長 ほかにご発言ございませんでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立によりお諮りいたします。
 本件中、第一項、第二項の一及び第二項の二は、趣旨採択とすることに賛成の方のご起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立多数と認めます。よって、請願一三第一三六号中、第一項、第二項の一及び第二項の二は、趣旨採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一三第一三七号、亀戸副都心総合計画の早期樹立に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○福島開発企画担当部長 請願・陳情審査説明表、五ページをごらん願います。整理番号3、一三第一三七号、亀戸副都心総合計画の早期樹立に関する請願についてご説明申し上げます。
 まず、本請願に関する位置につきましては、六ページに記載してございますが、上の図で亀戸駅周辺の二カ所の跡地、及び下の図面で亀戸-新木場間でございます。
 本請願は、江東区亀戸町会連合会会長、酒井安應氏外十九名の方々から提出されたものでございます。
 請願の要旨は、亀戸・錦糸町副都心計画の早急な実現を図り、亀戸副都心総合開発を推進して次の施策を実施していただきたいというもので、一、亀戸駅前の旧職安跡地に自転車駐輪場などを備えた多目的建造物を建設すること。二、旧第一区画整理事務所跡地に物資配給所といった防災施設などを備えた多目的建造物を建設すること。三、亀戸、新木場を結ぶ南北交通システムについて、その実現を図るとともに、低床型で特に高齢者に使いやすい地域の交通手段とすることでございます。
 現在の状況でございますが、旧職安跡地は厚生労働省所管の国有地であり、また、旧第一区画整理事務所跡地は、もともとは、戦災復興土地区画整理事業により、減歩の上、換地処分によって都が当該地に所有することとなった土地でございます。現状、両土地ともに更地となっております。
 亀戸駅周辺地区の状況につきましては、駅北口に、亀戸付近の区民施設として、コミュニティ、文化、産業の拠点となるカメリアプラザが平成十二年七月にオープンしております。また、自転車駐輪場につきましては江東区が整備を進めており、平成十三年五月時点で千八百台分確保しており、平成十三年中にさらに千百台程度増設する予定で現在整備を進めております。
 防災関連施設につきましても、区が整備を進めており、亀戸地区における備蓄物資の必要容積を確保するなど、計画的な対応を図ってきております。
 次に、交通システムにつきましては、区において、平成十三年十月、亀戸-新木場間のLRT事業に係る調査委員会を立ち上げ、検討を開始しております。都はこの委員会に参画し、技術的支援などを行ってまいります。
 以上でございます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一三七号は保留といたします。

○藤川委員長 次に、一三第一四八号、都市計画道路補助第四八号線の一部廃止に関する請願を議題とします。
 理事者の説明を求めます。

○只腰施設計画部長 整理番号4、一三第一四八号、都市計画道路補助第四八号線の一部廃止に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 資料の七ページ、それから右側八ページに図面がございます。
 本陳情でございますが、大田区の奥村安子氏外二百六名の方から提出されたものでございます。
 要望の趣旨でございますが、都市計画道路補助四八号線の一部である目黒線大岡山駅から環状七号線の手前までの間を廃案にしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、図面八ページの右の上でございますが、補助線四八号線でございます。昭和二十一年に戦災復興の一環として都市計画決定された路線でございまして、一番上の環七のすぐわきのところ、補助四六号線との交差部でございます目黒区南三丁目を起点といたしまして、ずっと南に下がりまして、東海道新幹線のちょっと上のところ、補助四四号線との交差部でございます大田区東雪谷四丁目を終点とする、延長約二千八百メートル、標準幅員二十メートルの都市計画道路でございます。
 本請願区間でございますが、下の図面でございますが、補助線四六号線との交差部である目黒区南三丁目からずっと下がりまして、東急目黒線の大岡山駅付近の大田区街一号線、東西方向に走っておりますが、その区間までの約五百四十メートルの区間でございまして、その整備状況は、図面にもございますとおり、すべて未整備でございます。
 本路線が計画されている区域でございますが、震災時等の消防活動から見て道路の不足している地域、また、歩道のあるような道路がないということで、居住地域内の細街路に通過交通が流入する等の課題がございます。
 本路線につきましては、地域の防災性の向上を図るとともに、地区の交通を分担する機能を有する地区幹線道路として位置づけられるものというふうに考えております。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてのご発言をお願いします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 それでは、発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立によりお諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方のご起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立少数と認めます。よって、請願一三第一四八号は不採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一三第一五二号、(仮称)NTTグループ墨田ビルの建築計画見直しに関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 整理番号5、一三第一五二号、(仮称)NTTグループ墨田ビルの建築計画見直しに関する請願につきましてご説明いたします。
 説明表の九ページから一〇ページをごらんください。
 本請願は、NTTグループ墨田ビル(仮称)建築計画見直しを求める地域住民の会代表、塚田幸三さん外千六百六十八名から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、仮称NTTグループ墨田ビルの建築について、屋上に設置される通信用タワーを含めた高さ二百メートルの建築計画を、高さ九十九・五メートルの当初計画に戻し、住民が納得できる両国北口地区再開発になるよう求めるというものでございます。
 現在の状況でございますけれども、平成十三年四月六日に建築確認を受けまして、九月六日に工事に着手してございます。
 なお、墨田区議会あてに本請願と同趣旨の陳情が提出されておりまして、平成十三年七月五日に不採択となっております。
 また、現在、東京都の紛争予防条例に基づきますあっせんを実施しているところでございます。あっせんの内容でございますが、建物完成後の電磁波及び風の実測や、被害が発生した場合の補償の確約、並びに工事協定などについて話し合いが続けられております。
 建築計画の概要につきましては、用途が事務所及び通信施設で、高さが百十八・三メートル、タワーを含んで二百メートルというものでございます。
 以上でございます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○小磯委員 我が党の墨田区選出の石井義修幹事長が、もう必ずこの住民の声を届けてほしいといったことでございました。そういったことで質問させていただきますが、紛争予防条例に基づく住民とのあっせん、これが今どのような状況になっているのか、お伺いをしたいと思います。

○森下建築指導部長 紛争予防条例に基づきますあっせんでございますけれども、十月の十一、二十五日、それから十一月に入りまして十五日と、三回行いました。また明日も第四回目のあっせんが予定されているところでございます。
 あっせんにおきましては、都市計画決定などの住民への説明経過、電磁波によります人体への影響、それから風によります影響などにつきまして話し合いが行われております。現在は、建物完成後の電磁波や風環境の実測の問題、それから被害が発生した場合の補償の確約、工事協定等につきまして話し合いが進められているところでございます。

○小磯委員 これによりますと、当初高さが九十九・五メートルのオフィスビルが、通信設備を備えた高さ二百メートルのビルに変更、こういったことでございますが、このビルについて、いわゆるこのビルの内容ですね、そしたまたどういった機能を持つのか。そしてまた、住民の皆さんが何を一番心配されているのかについてお伺いしたいと思います。

○森下建築指導部長 ここの施設でございますけれども、事務所と通信タワーでございます。この通信タワーと申しますのは、携帯電話の中継局でございまして、携帯電話とつながります基地局からの電波を受けまして、他の中継局とをマイクロ波でつなぐ機能を持っております。このNTT墨田ビルは、具体的には千葉、茨城方面への通信ルートを確保しますとともに、都内の環状マイクロルートを構築する施設となると聞いております。
 住民の方々が最も問題にしておりますのは、この通信タワーによります電磁波による人体への影響でございます。

○小磯委員 この電磁波による人体への影響ということが、本当に大丈夫なのかどうかということだと思います。この地域は両国中学校が隣にありまして、文教地区であり、住民の方々はその点を一番心配していると、こういうふうに私も聞いておるわけでございますが、本当に大丈夫なのか、お伺いしたいと思います。

○森下建築指導部長 電磁波につきましては、世界各国で安全率を考慮しました基準値というものが策定をされております。我が国でも、民間事業者の守るべき基準値としまして電波防護指針値というものを定めておるところでございます。この電波防護指針値と申しますのは、電波が人体に悪影響を与えることがないように、動物実験などの結果に基づきまして、約五十倍の安全率を見まして設定されている数値でございます。
 この通信タワーの完成後の周辺における電磁波につきましては、この電波防護指針値の数百分の一ぐらいである低い値となることが予測されておりまして、私どもとしては、安全ではないかと判断できるものと思っております。

○小磯委員 きょうはこの委員会に請願を出された方々も傍聴に来られているわけでございまして、重ねて、この電磁波については本当に大丈夫なのかどうか、お伺いをしたいと思います。

○森下建築指導部長 重ねての安全性についてのご質問でございますけれども、WHО、世界保健機構でございますけれども、それと、それに関連する機関でございます国際非電離放射線防護委員会というのがございますけれども、その委員会が、防護指針値以下の電波により、がんを含め健康に悪影響が発生するとの証拠はないという声明を発表していると聞いております。ただ、携帯電話によります電波の影響などにつきましては、なおやはり科学的な調査を要する状況もあるということでございまして、現在、WHОの研究機関でございます国際がん研究機関は、携帯電話とがんの発生についての大規模な調査を続けておりまして、二〇〇三年にこの調査が終了する予定のようです。
 それで、これらの国際的な調査であるとか、あるいは国内の調査結果などを踏まえまして、今後もし政府が新たな指針を出すようなことがある場合には、事業者は将来にわたってその指針とか指導を遵守するということを約束してございます。
 そういう点から見ましても、事業者側は適切な対応を示しているのではないかと考えておるところでございます。

○小磯委員 住民の方がいっておられるわけでございますが、NTTは自分の土地なんだから何を建てようと構わないと。しかし、それはそのビルだけにしてもらいたい、中継基地にはしないでほしいとか、そういったことをいっておられるわけでございますが、住民の要望を最大限に取り入れるよう対処すべきだと思いますが、いかがでございましょうか。

○森下建築指導部長 先ほどもご説明しましたけれども、現在、あっせんにおきまして、電磁波に対する住民の不安を少しでも解消していただくために、建築後の住民の立ち会いによる実測調査であるとか、それから万が一被害があった場合についての補償の確約であるとか、タワーを用途変更する場合には事前説明するということなどについての協議をしております。
 今後とも双方の信頼関係に基づきます話し合いが継続されるよう指導してまいりたいと思っております。

○小磯委員 最後、意見でございますけれども、先ほどありましたように、WHOの研究機関であるIARCですか、ここがいわゆる二〇〇三年度まで大規模な調査を続けてやる、そういったこともあるわけでございますので、そういった意味では、住民の皆さんと繰り返し繰り返し話し合いをしていくべきである、私はこう思っておりますので、何とぞよろしくお願いします。

○かち委員 私も同じく、第一五二号、NTTグループ墨田ビルの建築計画見直しに関する請願についてお聞きします。
 この請願理由を見てみますと、今期の議会が始まる前、ことしの三月二十七日にも同趣旨の請願が八千九百五十五名出されていまして、今期改めてまた千六百六十八名、一万人を超える方が非常に心配をされて出されてきているという背景があるわけですが、この両国駅北口地区計画というものが始まってからの、いろいろな計画変更も含めての経過があるようですので、その辺の経過を、概要を改めてお聞きします。

○小林地域計画部長 仮称NTTグループ墨田ビルの建設地を含む両国駅北口地区は、両国駅の北側に隣接する約十四・九ヘクタールの区域でございまして、両国国技館や江戸東京博物館を初めとして、商業、業務、文化等、集客性の高い施設を導入するとともに、地下鉄などの交通機関の整備を図り、広域総合拠点を形成することなどを目標に掲げて、平成四年の十二月十五日に両国駅北口地区再開発地区計画として都市計画決定されたものでございます。その後、平成八年の八月に、ファッション関連研究施設、あるいはホテル、診療所の建築が可能となるような計画変更を、また、平成十二年三月には第一種電気通信事業施設などの建築が可能となるような変更を行っております。

○かち委員 ご説明いただきましたけれども、この地域は、一〇ページに配置図が出ていますけれども、両国中学校も含んだ再開発地区計画になっているわけですね。平成四年から進められてきたということですけれども、住民の皆さんからすると、突然昨年の三月に、NTTが業務地区のビルに電波塔を設置したいということで建築用途の変更がされてきたということですけれども、その建築用途変更のあった第一種電気通信事業施設というものはどういうものなんでしょうか。

○小林地域計画部長 第一種電気通信事業施設でございますが、NTTですとかKDDなどのように、電気通信回線設備をみずから設置する電気通信事業者が電気通信サービスを提供するために必要とする設備のことをいうものでございます。具体的には、送信場所と受信場所との間を接続する電送路設備及び交換設備、並びにこれらの附属設備でございまして、例えば携帯電話間の交信を可能とするために必要なアンテナなどの設備も該当するわけでございます。

○かち委員 携帯電話の送信を可能にするアンテナということですけれども、私が聞いているところでは、中継基地ということで、携帯電話から受信をした基地局からそれを中継して遠くに飛ばすということになっているわけですが、今日、電気通信技術の革新というのは非常に目覚ましいものがありまして、今はもう第三世代の開拓にも進んでいるというようなことが進んでいるわけですけれども、そうなりますと、この基地そのものがさらに多機能化していく可能性もあるわけですけれども、この中継基地は百メートル以上ものタワーになるわけですけれども、どのような能力、機能を持っているものでしょうか。

○森下建築指導部長 先ほども若干お答えしましたけれども、委員ご指摘のように携帯電話の中継局でございまして、携帯電話は直接基地局の方につながるわけですけれども、その基地局から中継局に送ると。この中継局から他の中継局との間をマイクロ波でつなぐという機能を持っております。
 この墨田のビルの場合においては、千葉とか茨城方面への通信ルートを確保するということが大きな一つの目的でございまして、もう一つは、都内の環状のマイクロルートをつくるようでございますけれども、その一角を担うということと聞いております。

○かち委員 現在は中継基地ということですけれども、将来、多機能化していく可能性はあるんじゃないかと思いますけれども、その辺は住民の皆さんにはどういうふうに説明されているんでしょう。

○森下建築指導部長 現在のところ携帯電話の中継局としての用途を変更する計画はないと聞いておりますけれども、もちろん将来の技術革新によりまして用途変更の可能性はあり得るというふうな説明を受けてございます。そういった場合においても、従来、先ほどもご答弁したような電波防護指針等の指針値以下で運用していくということについて、あわせて確約をしているということでございます。

○かち委員 電波というのは見えませんので、どういうふうに変わっていくか、その辺も不明確なまま事は進んでいっているというわけですけれども、携帯電話の中継局としての、この基地局から受信した、マイクロ電磁波というものだそうですけれども、広域的に送信する機能。マイクロ波といいますと電子レンジなどと同じぐらいのエネルギー、高周波の電磁波と聞いています。今日、電磁波の安全性というのは、先ほどもありましたけれども、いまだ確たる安全性が確認されているわけではないんですよね。むしろ世界的にも発がん性の問題がいろいろと指摘されているのが今日の事態だと思います。こういうときに、本件周辺には中学校、高校などの学校施設や、幼稚園、医療、老人施設などが密集している地域の真ん中に立つということですから、住民の皆さんの不安が高まるのは当然だと思います。
 この電波塔の安全性について、事業者が住民の皆さんにどのように説明されているのか、把握されているでしょうか。

○森下建築指導部長 先ほども申し上げましたけれども、電波防護指針というものがあると。それ自体は五十倍の安全率を見たものでございますけれども、それよりも予測値としましては数百分の一程度であって、安全だろうということが第一点でございます。
 それからもう一つ、確かにまだ研究途上のものもございますので、現在WHOの研究機関などで大規模な調査をしておりますけれども、そういったものの結果に基づいて、新たな指針が出ればそれを遵守していくということでございます。その後、また、万が一被害等があれば対応をとるというようなことについてはいろいろ約束しているというふうに聞いております。

○かち委員 万が一の被害が出たら対処するというのではもう遅いということは、この間のエイズでも、それから狂牛病でもヤコブ病でも指摘をされてきているところなんですよね。だから、安全性が確認し切れていないものについては危ないという観点から対処すべきだということを私は本当に強く思っています。
 それで、NTTでは、今の基準、電波防護指針値以内だから大丈夫なんだというふうに多分住民の皆さんには説明されているんでしょうけれども、この日本の基準が世界各国と比べてもすぐれて安全性の高い基準でやっているんだよとはとてもいえないと思うんです。先ほどもありましたけれども、国際非電離放射線防護委員会、ICNIRPというところの基準、その基準よりも二倍も緩い、イタリアやロシアや中国、スイスなどの国に比べても、百倍も甘い基準になっているんです。こういうことでどうして安全だといえるのでしょうか。
 今日、携帯電話の電波塔は急速にふえています。総務省の調べでも、ことし三月末の現在で基地局が全国で四万三千四百十六カ所、ほかPHS用が約七十一万六千カ所もあるということで、ふえ続けているわけです。そのうち関東地方が三割を占めている。こういうことで見ていきますと、私たちの周りはもう電磁波のネットで覆われているといっても過言ではないと思うんです。本件のような大規模な中継局もふえています。高層ビルが多い都市では電波が届きにくいということもあって、より高く、より高性能なものが進んできているというのが実態です。
 しかし、最近の新聞報道でも、電磁波問題がいろいろと取り上げられています。十一月六日付の朝日新聞では、市民団体が調査をして、東京タワー周辺半径二キロ以内の二百五十五地点での測定ではかなり強度の電磁波が測定されたと報道されています。一平方センチ当たり一〇一・六九マイクロワット、これはイタリアや中国の基準では有害の類に入るということです。
 WHOの傘下の国際研究機関で、先ほど発がん性の症例は見当たっていないというようなことがありましたけれども、それはもう既に前の話であって、この研究も次々と新しい見解を出しているんですね。十一月五日の新聞によりますと、この国際がん研究機関では、電磁波については動物実験による証拠は不十分ながらも、発がん性の可能性はありという見解をまとめています。再来年、新環境保健基準というのをまとめることになっているそうですけれども、とりあえずことし十月に各国政府は電力業界に予防対策をとるよう通知されたというふうに聞いておりますけれども、この件についてはご存じでしょうか。

○森下建築指導部長 私の方では、承知しておりません。

○かち委員 私も新聞報道で知ったことですけれども、ことし二月、坂口厚生労働大臣がこんなコメントをしています。学問的にきちっとするのを待っていると、取り返しのつかないことになる。行政はまず打つべき手は打って、学問的な結果が出るのを待てばいいと、最近の欧州で導入されている予防原則的な発言をされています。この予防原則的というのは、科学的に解明されていない段階でも健康被害を予防する立場から対処するというものです。ことし五月には国立市で電磁波問題のトラブルが多発しているということもありまして、その解消のために、電波塔設置に当たっては、関係住民に十分情報公開をし、話し合いをするよう、開発要綱にも組み入れられたとのことです。
 このように、国の姿勢においても地方自治体においても積極的な動きが見られる今日、二年後にWHОから新基準が出るなら、それまでこのような電磁塔の建設は控えるよう示唆してもよいのではないでしょうか。
 このような理由によって、本件は趣旨採択を求めて、終わります。

○藤川委員長 ほかにご発言はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一五二号は保留といたします。

○藤川委員長 次に、一三第一五四号、都立大学深沢校舎跡地の開発計画に関する請願、一三第一五七号、都立大学理工学部跡地開発計画の見直しに関する請願、及び一三第八三号の一、都立大学深沢校舎跡地の開発計画に関する陳情は、関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 私の方からは、前段の二つ、整理番号6、一三第一五四号、都立大学深沢校舎跡地の開発計画に関する請願と、整理番号7、一三第一五七号、都立大学理工学部跡地開発計画の見直しに関する請願につきましてご説明させていただきます。
 お手元の説明表の一一ページから一二ページ、並びに一三ページの図面をごらんいただきたいと思います。
 まず、請願一三第一五四号は、深沢の環境を守る会幹事代表、高畠昭さん外百二十六名から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、同跡地に建設予定の高層マンション建設計画は、地域の生活環境を著しく破壊するので、世田谷区からの要望及び東京都の都立大学跡地の利用についての基本的な考え方に沿った計画になるよう指導することというものでございます。
 次に、請願一三第一五七号は、目黒区八雲の生活環境を守る会代表、栃本尚登さん外四百三十五名から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、本計画が現在の周辺地域と調和のとれた町並み形成を著しく破壊するものであるので、都の基本的考え方に沿った計画になるよう指導することというものでございます。
 現在の状況でございますが、都は、跡地利用についての基本的考え方を示した上で入札を行いまして、平成十三年三月三十日に長谷工コーポレーション外七社と土地売買契約を締結してございます。現在、世田谷区環境基本条例に基づきます手続が進められておりまして、平成十三年十月五日に建築主が環境計画書を提出いたしました。
 さらに、建築主は建築概要についての住民説明会を開催しまして、新たな車両出入り口の設置や建物配置の変更などの計画変更を行っております。建築計画に関する標識は、平成十三年十月二十六日に設置されておりますけれども、建築確認は、現在、未申請でございます。
 平成十三年十月三日に、深沢の環境を守る会より都知事あて要望書が提出されておりまして、都としては建築主に対し誠意を持って話し合いを行うよう指導するとともに、話し合いの経過等について、適宜報告を求めているところでございます。
 また、目黒区八雲の生活環境を守る会からは、平成十三年十月三十日に都知事あて嘆願書が提出されまして、さらに同年十一月二十一日に紛争予防条例に基づく紛争調整の申し立てが行われておりまして、今後、あっせん手続に入ることとなっております。
 建築計画の概要につきましては、共同住宅七百九十一戸、棟数は八棟、最高階数十九階、高さ五十九・八九メートルというものでございます。
 以上で説明を終わります。

○小林地域計画部長 私の方からは、整理番号8、一三第八三号の一、都立大学深沢校舎跡地の開発計画に関する陳情につきましてご説明いたします。説明表の一五ページ、一六ページをお開きいただきたいと存じます。
 本陳情は、世田谷区の川口浩明さん外百四十八名の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、都立大学深沢校舎跡地及び隣接する土地の用途地域を第一種中高層住居専用地域から第一種低層住居専用地域に、八雲文化通り沿いについては第二種低層住居専用地域に変更していただきたいというものでございます。
 用途地域指定の経緯でございますが、本地区の用途地域につきましては、昭和四十八年に、土地利用の用途構成上から、第二種住居専用地域、建ぺい率六〇%、容積率二〇〇%を指定したものでございます。
 その後、平成八年に、都市計画法及び建築基準法の改正に合わせまして、本地区の用途地域を第一種中高層住居専用地域、建ぺい率六〇%、容積率二〇〇%に指定いたしましたが、この指定に基づきます建築制限の内容は、昭和四十八年当時とほぼ同様でございます。
 以上でございます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言を願います。

○真鍋委員 本件につきまして、何点か質問させてもらいたいと思います。
 都立大学の跡地については、世田谷区では青少年施設等をつくってもらいたい等々、これまでその跡地利用について区からの要望があり、その後、駒沢の清掃工場という計画がありまして、この清掃工場を都がつくるに当たって、地元還元施設としてそのような施設をつくろうじゃないか、こういうことが一緒に進んでいた時期もありました。駒沢の清掃工場は取りやめになりまして、それと同時に、区から要望の出ていた青少年センター等々の話もなくなってしまい、東京都による売り払いという話になりました。
 私の聞くところによると、区がこれを入手したい場合は二分の一で買える、こんなこともあったようですけれども、区の方も財源等々の問題でしょうか、買えないと。で、東京都が売り払うことになったということによって、今のこの計画に進んできているというか、移っているものであります。
 ですから、民間が民間に土地を売って建物をつくる、そういうことではなくて、東京都が持っていた土地を民間に売って、そこに新しい建物ができる、こういう中身であります。ですから、東京都もこの売り払いに際しては、基本的な考え方をつくって、そのことを示して売り払っていく、こういう手続を経たわけであります。
 そこで、まず一点目、お尋ねしたいのです。今の説明の中でも、跡地利用についての基本的な考え方を示した上で入札を行い、という説明がありました。
 まずここの確認なんですが、これは財務局が土地の売り払いの担当でありますけれども、都が土地を売却するに当たって、財務局が跡地の利用について基本的な考え方を示しているということであります。そのときに、都市計画局は財務局から意見を求められたのかどうか、まず、この点からお尋ねしたいと思います。

○福島開発企画担当部長 都市計画局が財務局から意見を求められたかというお尋ねでございますが、跡地の利用方針につきましては、財務局、都市計画局及び世田谷区で検討を行ってございまして、財務局では、土地の売却に当たりましては、この検討経過を踏まえまして基本的考え方を作成し、提示したものでございます。

○真鍋委員 今のお答えで、意見がそのとき求められたわけですね。それで、財務局、都市計画局、世田谷区でいろいろ検討した、それをもとにして財務局がつくった。それで、都の基本的な考え方、きょうの委員の皆さん、みんなご存じだと思いますけれども、もう一度改めて、その概要はどういうものなのか、また、今回の計画はこの考えに沿っていると現時点で都は思っているのか、その点、確認したいと思います。

○福島開発企画担当部長 跡地利用に際しての都の基本的考え方につきましては、住居系を中心に、子育て支援や高齢者支援施設などの生活支援サービス機能の導入を図りまして、また、広場や緑地などを確保するとともに、歩行者のネットワークなどを形成する。
 また、容積率等につきましては、現在の指定の範囲内とするもの等でございまして、今回の計画は、入札参加者の登録に当たって、ただいまご説明いたしました内容も含めて審査を行ったと財務局から聞いております。

○真鍋委員 今のお答えで、財務局はそのような審査をしたと聞いているということでありますけれども、売却をする前に、財務局から都市計画局と世田谷区が声をかけてもらったというか、三者でこの基本的な考え方をつくるに当たっての話し合いをしているわけですけれども、当然そういう形で考え方がつくられたとするならば、契約に当たって、改めて財務局から問い合わせがあったのかなと思うのですが、その点はどうですか。

○福島開発企画担当部長 契約に当たりましては、当局では改めて財務局から問い合わせを受けてはおりませんが、基本的には、財務局におきまして、それに沿った審査がなされたものと考えております。
 また、土地売買契約書におきましても、信義誠実の原則が盛り込まれていることなどから、基本的な考え方を踏まえて計画するよう求めておりまして、誠実に実行されるべきものと考えております。

○真鍋委員 きょうは都市・環境委員会の中での付託の中身でありまして、一部財務局の方にもかかっていると聞いておりますけれども、この委員会の所管の中に沿ってまたお尋ねをしたいのですが、先ほどの説明で、建築確認は未申請ということであります。
 それで、先ほど、世田谷区の環境基本条例に基づく手続が進められており、建築主が環境計画書を提示したということと、まだ未申請ということがわかったわけでありますけれども、今後の流れとしてどのようになっていくのか、お尋ねをしたいと思います。

○森下建築指導部長 今後の建築確認等の手続の流れでございますけれども、まず、先ほども申し上げましたように、区の環境基本条例に基づきます手続が現在進められておりまして、それが終わりますと、土地の造成が必要でございますので、開発許可の手続で、開発許可申請というものがされる予定になっております。
 それからもう一つ、建物の方でございますけれども、十月二十六日に建築計画の標識設置が行われております。今後、建築確認申請が行われるわけになりますけれども、それに先立ちまして、この前提として、複数の建築物を一つの団地として扱うということで、一団地の認定手続が必要になります。その一団地の認定の申請が、確認申請に先立って提出される予定となっております。
 この一団地認定につきましては、東京都に申請されまして、都において審査することとなります。

○真鍋委員 今のご説明で、これから東京都に一団地の認定の申請が出されて、都が審査するよということで、文字どおりここの所管になるわけでありまして、そこから住民の皆さんのいろいろな声を聞いてもらいたいと思うのですけれども、先ほどの説明で、都は建築主に対し誠意を持って話し合いを行うよう指導するとともに、話し合いの経過等について報告を求めているというところで、今、説明がありました。
 それで、これから、そういう形での経過等について報告を求めるというだけではなくて、文字どおり東京都が、これが申請されると審査をすることになるわけであります。また、先ほどの説明でも、あっせんのこともあります。
 それで、先ほど、話し合いが住民の方とも続けられて、変更案も提示されたという説明もありました。第一案、第二案というのかどうかわかりませんけれども、確かにいろいろな声がありまして、外側の十九メートルの建物をもっと中に入れられないかとか、それから道路の出入り口が一カ所である、しかも狭い、これが何とか考えられないかとか、いろいろなことを私も聞きました。
 これについて、その出入り口の、これはもちろんそれに新しくかかる方については大変な出来事だと思いますが、二カ所になった。建物の配置がえもあったと聞くのですけれども、一方、最初、近隣の建物との距離が例えば十四メートル、十六メートルあったものが、狭いところは十二メートルになっちゃったというふうにも聞いています。そうすると、変更された案がいい面にすべていけばいいのですけれども、そういう部分での心配、かえって悪くなったのじゃないかという言葉。
 それから、この基本的な考え方の中の生活機能、近隣の住民--生活支援サービスなど公共性の高い機能の導入については全く具体化されていないという話であるとか、それから交通、中の例えばサービス車両等々の問題とか、敷地内通路の問題であるとか、これは文字どおり一団地の認定のときに審査できると思うのですが、こういう心配事等々あります。
 このことを、いよいよこれから東京都に申請を出されたら、東京都が中に入っていろいろな指導を行うわけでありますけれども、今いったようないろいろな住民の声を、これからは適時報告を求めるということではなくて、建築主に対する指導を行っていく、しかも東京都が最初に、皆さんも意見を求められてつくった基本的な考え方もあるわけですから、これは大変重いものである。この基本的な考え方に基づいて、近隣住民の方々の意見を聞いて、それを建築主の方に指導していくということが必要だと思いますが、その辺、どのようにお考えでしょうか、お尋ねします。

○森下建築指導部長 今後いろいろな手続が進められるわけでございますけれども、一団地の認定基準に基づきまして、安全上、衛生上の観点などから、計画内容につきまして指導助言することはあり得ると思っております。
 それから、紛争予防条例に基づきますあっせんの申し立てがございましたので、今後、条例に基づきます当事者間の話し合いについても、持たれていくことになります。
 東京都としましては、今後建築主に対しまして、住民の皆さん方の要望にも配慮しました指導を進めていきたいと思っております。

○真鍋委員 今、そういうお答えをいただきましたので、今のお答えに沿って東京都の指導を行ってもらいたいと思います。これからいよいよいろいろなことがテーブルに乗ってくると思いますので、議会サイドも当然ですし、私としても推移を見守っていきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○相川委員 私も、今の真鍋理事のご発言に重複しない範囲で、都立大の跡地問題に関連して一点、意見と要望を述べさせていただきたいと思うのです。
 そもそもこの問題の発生の原点が都有地の売却にあることは、もう皆さんご承知のとおりだと思うのですけれども、これに類する問題が、私の承知している限り、多摩ニュータウンの中で四件あるわけであります。今後も都有地が売却される予定があるということでありますから、第二、第三の都立大跡地の問題を引き起こさないために、具体的な売却に際するある一定のルールを、ぜひおつくりいただきたいと思うわけであります。
 この都立大の売却に関しても、財務局の方で幾つか条件を指し示したということでありますけれども、聞くところによりますと、住環境に配慮することとか、そういった非常に抽象的な事柄で条件を示して売却をしたと。私は、もう少し踏み込んで、例えば建築物の用途でありますとか、ボリューム、高さ、あるいは近隣住民とのバッファーゾーンとしての緑地のあり方とか、こういったものを、地区計画や建築協定のような法律の裏づけのある制度を導入することによって、条件を示して売却をするというような一定のルールをおつくりいただきたい、このことをまず要望しておきます。
 冒頭申し上げましたように、この問題の発生の原点が都有地の売却にあるということで、都市計画局の問題というよりは、むしろこの問題についていえば財務局のマターだというふうに考えられるわけでありますけれども、一般の都民にしてみれば、財務局も都市計画局も問題ではない、広く都としての問題としてとらえるのは当たり前の話であるわけですから、局を超えての、都市計画局としてのルールづくりの働きかけを要望しておきたいと思います。
 以上です。

○清水委員 同じく、この請願について何点か質問いたします。
 私は、根本的には都民の財産である都有地を民間に売却する自体が間違っているというふうに思います。都市計画局の責任は、都有地を民間に売却することによって、東京の都市づくりがどのような状況になっていくのかということを、もっと真剣に、将来的な問題も含めて検討していただきたいなというふうに思うのです。
 今触れられましたように、多摩ニュータウンにおいての多摩市一カ所、八王子市内三カ所の都有地の売却によって、住民が大きな被害を受ける建物がつくられようとしている問題に、私も直接かかわっているわけですけれども、その中でも、この都有地を、一体どのようにまちづくりを行っていくかという問題が、合意もされずに民間に売却されていっていいのかということが問われていると思うのです。
 そういう点で、今後も都有地の売却が予想されると思うのですけれども、東京全体の、多摩ニュータウンも含めて、都有地の売却によって東京の都市づくりがどのような方向になっていくかということを、財務局はその土地を売却していくという、仕事としてあると思うのですけれども、都市計画局として、東京の都市づくりとして、売却によってどういう都市づくりになるかということをどのように考えておられるのか、今後の問題も含めて、その点について都市計画局のお考えをお聞きしたいと思います。

○木内都市計画局長 各論の世界から入りますと、都有地の売却予定案件が日本全体の、あるいは東京全体の売却されている実績の中でいかなる地位を占めるかというと、具体的なデータを持ち合わせてはおりませんけれども、大きなウエートは占めていないというふうに思います。
 そういう前提のもとで、今、大きな問題を立てられて、都有地の売却が東京の都市づくりそのものにいかなる影響を与えるや否やということについては、そういう問題かなというふうに思いつつも、しかしながら、東京都として売却するに当たっては、東京全体のまちづくりに資するようにするということを基本的な考え方とすべきであろうというふうに思っております。
 しかしながら、そのことは、売却をするという前提に立たなければ都市づくりを進めるということにはなり得ないというふうに思いますので、売却が間違っているという冒頭の発言については、納得しかねるところでございます。

○清水委員 じゃあ具体的なここの場所についてお伺いしますけれども、売却に当たって、都の基本的な考えとして、調和のとれた町並み形成を図るという取り決めが行われたというふうに思うのですけれども、今回の建築計画というのは、調和のとれた町並み形成に沿っているというふうにお考えでしょうか。

○福島開発企画担当部長 基本的な考え方に沿ってないのではないかということについてでございますが、先ほど真鍋理事にもお答えしたとおり、入札参加者の登録に当たりまして、土地利用の考え方も含めて審査したと財務局から聞いておりまして、私ども、基本的考え方に沿っているものと考えております。

○清水委員 調和がとれたということに対して、今、聞いているのですけれども、住民の方が特に強調されるのは、周辺の住宅の状況は、三階から五階ということで、これまでは低層住宅の中に多少少し高いマンションなどが建設されても、それは何とか我慢をしてきた。しかし、今回の最高十九階の建物というのは、調和がとれたというふうには、とてもいえないのじゃないかということなんですけれども、高さの面で、調和がとれているというふうに、基本方針の中では読めるのです。
 その点で、土地利用ということで今いわれましたけれども、高さの点ではどのように思いますか。

○福島開発企画担当部長 高さの件に関しましては、建築計画といいますのは、敷地の規模、形状、その他道路のつき方、いろいろな形で考えられるわけでありますので、私どもといたしましては、基本的にそういうことを工夫した建築計画である、このように考えております。

○清水委員 それは十九階であっても周辺との調和がとれているというふうには認識するということのご回答だと思うのですけれども、確かに三十階だとか五十階だとかいう建物も、都心の中にはあります。しかし、やはり周辺と関係してその建物がどうかということは、生活している住民にとって、一番大事なことだと思うのです。十九階の高さ、それから一番直近の住民との距離、それによって、どれだけそれが圧迫感を与えるかということだと思うのです。
 十九階つくるということは、戸数を確保するからだと思うのですけれども、七百九十一戸ということで戸数が予定されております。それでは、ここの都立大跡地は幾らで売却をしたのですか。

○福島開発企画担当部長 売却価格は、二百六十五億六千五十万円と聞いてございます。

○清水委員 七百九十一戸の分譲価格というのは聞いているのですか、伺います。

○福島開発企画担当部長 具体的には聞いてございません。

○清水委員 聞くところによると、すべての住宅の部屋がその値段ではないとは思いますが、八千万円余りというふうに聞いております。
 そうすると、八百戸として、一番高くて六百四十億、そういう予測として立つわけです、例えばの話ですよ。八千万くらいではないかというふうにもいわれております。これはチラシが出たとか、そういうことをいっているわけではありません。じゃあこれが七千万円とか六千万円、五千万円だとしても四百億ですか、ということで、六百億から四百億の間、一番高くて六百億くらいということになっても、二百六十五億で売却をして、十九階の一番高い物を建てて、七百九十一戸確保して、六百億余りも分譲の収入を得るということで(「建築費がかかっている」と呼ぶ者あり)住民が周辺の環境に対して非常に大きな疑問を得ているということ、これが都有地の売却によってそういうことが行われていいというふうに思いますか。全部それが収入になるというふうにはいいませんよ、もちろんそれは。

○福島開発企画担当部長 通常、この種の事業には、建築の工事費のほか、道路やオープンスペースなどの築造費、そして販売経費やその他必要な経費を含めて事業が実施されるものでございまして、それ以上のことを申し述べる、特段のものはございません。

○清水委員 どこのマンション紛争などに立ち会っても、一戸でもたくさん建てて収益を得ようという事業者の、そういう回答があるのです。今、多摩ニュータウンのマンションの計画なんかでも、直接私も事業者からのそういう回答なんかもいただきながら、民間分譲マンションの方々とやっているわけなんですけれども、そういうことでは、しかもただの民間の土地でなくて、都有地でこれが行われていることが非常に重要だというふうに思うのです。
 ですから、住民の方はいろいろな交渉の中で、例えば何メートル下げてくれ、高さを何階下げてくれという具体的なことをいっていると思うのです。本当だったら、ここにこういうものは建ててほしくないのだけれども、せめて何階でも下げてほしい、十戸減らしてほしい、二十戸減らしてほしいということをいっていると思うのです。
 だから、そういう中で、売却費用、分譲費用から考えて、もう少し譲歩したらどうですかということだって、あると思うのですよ。長谷工が中心になって土地売買契約が締結されましたけれども、それでは現在、この二、三年、都内で長谷工が中心になっているマンションの建築紛争なんかで、東京都が取り扱っている例はどの程度ありますか。

○森下建築指導部長 ここ二、三年ということは、平成十一年度から現在までの件数で申し上げますと、東京都の扱っております建築紛争件数が二百三十九件ございまして、そのうち、長谷工コーポレーションが建築主または施工業者となっておりますのは、八件でございます。

○清水委員 多摩ニュータウンの四件の中でも、一カ所、長谷工が中心になっているところがあるのです。そういう意味では、二百三十九のうちの八が多いか少ないかということは別にして、都内のマンションの建築紛争の中で八件もと、私は思うのですけれども、かかわっているということは、やはりそこに周辺の住民の声を聞くとか、周辺との環境の調和をとるとかいう立場が、本当に事業者自身にあるのかということは、すごく疑問ですよね。
 そういう意味では、ここに目黒区側からも世田谷区側からも請願が出されているわけですけれども、聞くところによりますと、世田谷区議会でも、目黒の区議会でも、議会の中で請願ですか、陳情ですか、それが可決をされたというふうに伺っているのです。やはりこの計画自体に、区議会などの状況から見ても、無理があるというふうにお考えにはなりませんか。どのようにお考えでしょうか。

○森下建築指導部長 今後、先ほども答弁申し上げましたように、地元の皆さん方と建て主側とで、紛争についてのあっせんを私どもの方でやっていくというふうに考えておりますけれども、両区議会で請願陳情が採択されたということでございます。まだ私どもに正式に来ているわけじゃございませんけれども、そういったものの趣旨採択などがされたと聞いております。
 それはそれとして、よりよい計画にしていきたいという両区議会の見識だろうと思っておりますけれども、そういったことであるとか、あるいは地元の住民の皆さん方の要望にも配慮しながら、建て主と住民が十分話し合いをするように、私どもとしては指導していくつもりでございます。

○清水委員 高層マンションの問題で声を出すということは、本当にその直近にいる方が、一番切実に感じるわけですよね。
 例えば、また例を出しますけれども、多摩ニュータウンの問題で、長谷工の事業のところは、今まで公団住宅が計画していたときは、十四階だったか十三階だったわけなんです。ところが民間が、長谷工が建設するというので十九階ですよ。しかも下から十九階じゃないのですよ。盛り土がずっと十メートルくらいあって、そこから十九階だから、一番直下の住民、つまり多摩ニュータウンの事業のために用地を提供した人ですよ。あそこは新住法でやったから、用地を提供するわけですよ、売ったわけですよ、坪五千円で。その自分が売った用地のところに、民間マンション十九階が建てられて、自分たちが圧迫感や日陰で迷惑をこうむることに対して黙っていられないのは当然と同じように、ここの周辺の住民の方も、聞くところによりますと、とても参考になるような模型をつくって、各党にみんな見せられたようです。あんなものは、実際の価格だったら物すごくかかるのじゃないかというふうに聞いて、できたのを見て、本当に真剣な姿勢を感じたわけなんですけれども、やはりそれがどれだけ住民の方にとって大事な問題なのかということを、都市計画局としては、都有地の売却も含めていろいろ議論のあるところですけれども、私は、この請願に対しては、住民の意向が少しでも酌み入れられるように、これからの指導を事業者側に行っていただきたいというふうに要望いたします。

○大河原委員 私も、この都立大学深沢校舎跡地の開発に関する請願陳情について質問をしたいと思います。
 三名の委員がもう既に質問されているわけですが、私がちょっと考えていることと質問内容が異なりますので、少し確認をしながら、基本的なことからお伺いをしていきたいと思います。
 私も世田谷の住民でして、都有地や国有地の売り払いの際には、周辺とのまちづくりの調整、うまくいってほしいというふうに常に思っているわけです。深沢二丁目の都立大学跡地は、総面積が約一万一千坪、世田谷区の中にとっても大変広大な土地でございます。そして住宅が七百九十一戸、また十九階の建物は、計画されておりますもので高さが六十メートルにも及びます。地下駐車場方式ですべての車を収納するという、八百台からの地下大駐車場ができる、大変規模の大きな計画なわけです。
 そして、この地域は、今現在駒沢のオリンピック公園に道を隔てておりますけれども、大変緑もあり、そして閑静な落ちついた住宅地として、世田谷の中でもかなりいい住宅地の中に入っているというふうに思います。
 直接この計画地域に接する部分、世田谷区分は第一種中高層専用用地と第二種低層住宅専用地、そして道路を挟んで第一種低層住宅専用地、隣接する目黒区側が第一種低層専用地となっておりまして、また、自由通りに沿っては、これは目黒区の住民の方々の合意に基づいて、高さが十二メートルまでという地区計画がかかっている。一六ページの資料の地図をごらんいただければ、その様子がわかるわけですが、そういう環境なわけです。
 この跡地の売却に対して、都立大学跡地の利用についての基本的な考え方というものを示されているわけですが、その目的とするところは一体どんなものなんでしょうか。そして、この基本的な考え方というものは、どんな場合に、どんな時期に、そしてだれがつくるのか、その点、まず確認をしたいと思います。

○福島開発企画担当部長 基本的な考え方の作成の目的でございますけれども、基本的には現行の都市計画の枠内で利用されるべきものと考えておりますが、さらに、財務局では、売却に当たって、地元区の要望も踏まえまして、より望ましい土地の利用がなされるようにとの趣旨から、基本的な考え方を作成し、提示したものでございます。
 このような方針や考え方を提示するか否かは、当該土地の規模、あるいは地元自治体などの意向によりまして、ケース・バイ・ケースで判断していくことになろうかと存じます。
 また、作成の時期や、だれがつくるかということでございますけれども、売却の前に作成することに当然なりますが、作成者につきましては、基本的に土地を売却する者が主体となって作成する、このように考えてございます。

○大河原委員 こうした方針あるいは考え方を提示するか否かは、基本的にはケース・バイ・ケース、しかも規模によってということですから、ここの一万一千坪という、大変大規模なものは、当然こうした考え方がつけられるケースなんだというふうに理解をいたしました。
 そしてここの基本的考え方、特にだれがつくるかというときには、責任を持つのは売却する部門だというふうなお答えだったかと思いますけれども、この基本的考え方をつくるに当たっては、先ほど他の委員の質問の中にも、都市計画局も考え方を聞かれて、ここに加わっているというふうに伺っております。
 それでは、この基本方針の策定に都市計画局がかかわっている、入っているという意味は、どんなところにあるのでしょうか。

○福島開発企画担当部長 都市計画局が基本方針の策定にかかわっている意味でございますけれども、跡地の利用につきまして、都市計画を所管する当局の立場から検討に加わったものでございます。

○大河原委員 都市計画を所管する当局の立場からというところが、聞いている人には、どういう具体的な内容を持つものか、なかなかわからないのじゃないかというふうに思いますので、今のご答弁は親切ではないなというふうに思うわけなんですが、この計画地、跡地自体は世田谷区にあるわけなんですけれども、この地区計画のかかっている目黒区側にも大変大きな影響のある計画、売却だというふうに思います。
 土地利用については、都立大学跡地利用検討会において検討されたというふうに聞いていますけれども、このとき、目黒区はそのメンバーだったのでしょうか。

○福島開発企画担当部長 今回対象となってございます都立大学の跡地は、そのほとんどが世田谷区内にありますため、世田谷区と検討を行ったものでございます。
 ただし、基本的な考え方につきましては、目黒区を含む周辺環境に配慮したものと考えているところでございます。

○大河原委員 目黒区の方では、その検討結果を理解されるであろうというふうに、今、おっしゃったわけですよね。でも実際に、これは世田谷区側からだけではなくて、目黒区側からもこの請願が出ているわけなんです。
 私は、こうした検討会に、土地自身は世田谷区にありますけれども、目黒区が当然このメンバーに入るべきではなかったかというふうに思います。特に、目黒区の自由通り周辺に沿っては地区計画をかけるという、大変まちづくりに関して厳しい目を持っている、住民がそれだけ高い関心を持っている、それは、だれが見ても明らかなことじゃないのでしょうか。
 この基本方針は、世田谷区、都市計画局、もちろん財務局というところでつくられたわけですけれども、それではこの基本方針、せっかくつくったものですけれども、どこまで効力があるのでしょうか。跡地を買い取り、そして開発利用をするという建築主にはどんな影響、効力を持っているのか、その点について伺います。

○福島開発企画担当部長 建築主にどんな影響、効力を持つのかというお尋ねでございますが、財務局では、都の基本的な考え方を、一般競争入札参加要領の中で、入札に当たっての留意点として作成し、提示してございます。土地売買契約書においても、基本的な考え方を踏まえて計画するように求めております。
 このことから、開発を行う側の者は、基本的な考え方に基づいて誠実に実行していくものと考えておるところでございます。

○大河原委員 信頼に基づいてというところなのだというふうに思いますが、この考え方が示されたことによって、これを見た人、住民は特に、もちろん入札に加わる人だけを選ぶ、そうしたレベルでこれがとどまることではなくて、もっとしっかりとした方針を守って、指導というところまでいけるものだというふうに理解をするのが、一般的な受けとめなんじゃないでしょうか。
 そこがちょっと違うということがわかったわけなので、それでは、都有地の売却の際の順序といいますか、そこでは地元区市町村に取得の意思を確認するというわけで、世田谷区の中でも、この地域の土地利用計画は公共公益用施設用地というふうに理解をしていたと思います。そして、これが今回の売却で、こうした公共用地ではなくて民間のものになる、民間の開発が行われる地域になってしまうということで、周辺住民に与える影響は、極めて大きくなります。
 そして、その際に、周辺との調和というのはまず第一に考慮されるべきなわけですけれども、なぜ周辺に合わせた低層住宅専用地域に見直さなかったのか。つまり、基本的な考え方を示してはいますが、先ほど真鍋委員が確認をしてくださいましたが、建物の整備の中に、現行の用途、容積等による整備と書いてあるのです。私は、今回の都有地売却、都立大跡地売却問題のネックはここにあるというふうに思っています。
 公共用地が民間に変わる、どういうことが一体起こるのでしょうか。どういう変化がありますか。

○小林地域計画部長 一つ、用途地域の関連のご質問ございましたけれども、用途地域というのは、先生もご案内のとおり、単なる局地的、あるいは相隣的な土地利用の調整といった観点にとどまらず、土地全体にわたる都市機能の配置ですとか、密度構成の観点から検討して、地域ごとの望ましい市街地の将来像を踏まえて定めることとされております。
 当該地区の用途地域につきましては、都立大学の跡地だけでは、先ほどもお話ありました四ヘクタールくらいですけれども、そこだけではなくて、駒沢公園ですとか、あるいは駒沢大学、また病院ですとか、周辺地域の土地利用状況を踏まえまして、広域的に、約二十倍くらいの範囲で、八十ヘクタールを超えるような範囲に第一種中高層住居専用地域が指定されているといった状況にございます。ですから、用途地域の指定としては、私どもとしては適切なものが指定をされているというふうに考えております。
 それから、公共用地から売却して民間に土地が移るということで、当然、土地利用の転換ということが想定されているわけですから、そういった中で、地域のまちづくりとの調整を図っていくということが大変重要なことだというふうに私どもも考えております。
 そういった観点から、先ほど来、議論の中で出ておりますように、都と区で調整を図りながら跡地利用の基本的な考え方をまとめたものというふうに私どもとしては理解をしております。

○大河原委員 今、ご答弁の中には、地域との一体性というところでは、近くの駒沢公園や駒沢大学など、周辺地域の土地利用状況を踏まえてというふうにお答えになったのですが、行ってごらんになればかなり印象が--駒沢大学や駒沢公園のことをここで問題にするのか、むしろ一六ページの地図で見ていただけるように、第一種低層あるいは第二種低層といったところとの調和の方が、よりここの部分については調整を図らねばならないところだと実感できると思うのです。
 そして、今のご答弁で、私、もう一つ聞きたいことがありますが、それは先ほどからの、公共用地の場合と、民間に売り払って集合住宅を建てる場合、大変大きな違いがあるのですが、その点についてはどんなことが起こるのか、教えてください。共有部分の扱いが違うと思います。

○小林地域計画部長 ちょっと具体的な質問の趣旨が十分理解できておりませんけれども、公共の部分とそれから民間の建築物に関する規制ということであれば、民間であれ公共であれ、規制内容については変わらないというふうに理解しております。

○大河原委員 平成六年の建築基準法の改正で、集合住宅の共用部分、この容積率については、たしか公共の場合は容積率に入る、そしてそうでない場合、民間の場合はそこに含まないというふうになったのじゃないですか。

○森下建築指導部長 建築基準法の事柄でございますので、私の方から申し上げます。
 住宅につきまして、それは公共であれ民間であれ同じでございますけれども、住宅を建てる場合、マンションのような場合、共用通行部分、廊下とか階段などについては容積率の対象の床面積とはしないということでございまして、所有者、民間とか公共によるということではございません。

○大河原委員 ちょっと私のいい方が悪かったのですが、所有者ということではなくて、その場所ですね、公共用の建物か、民間向けのものであるか。そうすると、この建物、今出されている計画では容積率二〇〇%なんですが、今考えられている長谷工マンションというのは、二〇〇%をはるかに超えるものができるというふうに思いますけれども、その点は計算ができますでしょうか。
 ちなみに、容積率の対象外となるものが、駐車場、駐輪場、共用廊下、外部廊下、こうしたものがあると思いますが、それを足してみると、どうなりますでしょうか。

○森下建築指導部長 容積率は二〇〇%でございますけれども、容積対象床面積といいますのが、法律上の容積率の対象になるものにつきましては、約七万八千平方メートルでございまして、その中には、先ほど先生がご指摘のように、駐車場であるとか共用通行部分、廊下等は入っておりません。全体の、それを含めました延べ床面積が約十一万一千平米くらいでございますので、その差が、先ほどの対象外となったものでございます。

○大河原委員 試算をしますと、恐らく六八%くらい差が出るんですね。ですから、ここが公共建築物であるのか、民間のものであるのかで、地域の住民にとっては大変大きな影響が出てくると思うのですけれども……。
 そして、私は、公共公益用地としてとってあったものが、売却という形で民間の手に渡る、さっきも費用のことが出てきましたけれども、企業にしてみれば、最大限そこで利益が上がることがベストなわけですが、それももちろん地域の住民の思いと調整をしていただきたいというふうに思うわけなんです。
 この場所については、用途変更をしていないわけですけれども、地区計画をかけるということも可能だったというふうに思いますが、民有地に変わる、民間に売却するということは、積極的に地域住民に知らされたわけではありません。ですから、住民発意の地域計画をつくっていく、そういうふうに声を出していくことが非常に難しかったのじゃないかというふうに思います。
 翻って、東京都がここの最大の地権者なわけですから、その地区計画をつくるに当たって、先導的な考え方を示すことも可能であったというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

○福島開発企画担当部長 売却に当たりまして、今回、一般的には実施をしておりません基本的な考え方を提示することで十分と考えたところでございます。
 なお、今回の売却では、世田谷区の意見も考慮しまして、望ましい土地利用がなされるよう、入札参加者の登録や、売買契約書などにおきましても、その対応を図ったものと考えておりまして、今回、そのような考え方から、私どもは対応が図られるものと考えたものでございます。

○大河原委員 地区計画をかけるのは区ですから、世田谷区からの働きかけがもっと大きかったらよかったのだというふうにも、もちろん思うわけです。
 この都立大学跡地の西側部分には、もう既に六階建てのマンションが建っております。第一種中高層住居専用地域になっているわけなんですけれども、この用途地域については、いつ決まったのでしょうか。

○小林地域計画部長 先ほどもちょっとご説明させていただきましたけれども、本地区の用途地域につきましては、昭和四十八年に、土地利用の用途構成上から、第二種住居専用地域、建ぺい率六〇%、容積率二〇〇%に指定したものでございます。
 その後、住居系用途地域が三種類から七種類へと細分化されるような都市計画法及び建築基準法の改正がございまして、それに合わせまして、平成八年に本地区の用途地域を第一種中高層住居専用地域に指定をいたしましたが、この指定に基づきます建築制限の内容につきましては、従前の内容とほぼ同様でございます。

○大河原委員 第一種中高層住居専用地域ということで、今ここで建っているのは最大限九階建てなんですね。私も行ってみましたけれども、それよりも低い建物でも、丸々建っているわけではありませんで、階段状にもちろん斜線がかかっているわけです。
 ですから、そういった意味では、今回の計画の十九階建て、そうしたものがどれだけこの地域の住民の思いとはかけ離れているものか、ご想像いただけるのじゃないかと思います。
 第一種中高層専用地域ではありましたけれども、今回の計画のような十四階建て、計画の中の一番低いところが十四階ですが、それさえも高いなという印象がある。なぜこれまでそうした建物が建たなかったのか、それはやはりそれぞれのマンションが建つときに、ご近所の反対は確かにあるかと思いますけれども、そこの部分は、自然に醸成された地域住民の、この町に対する考え方から、抑えられてきたのじゃないでしょうか。
 ですから、この住民の方たちも、マンションを建てるなといっているわけじゃないのですね。建てるならば、地域の調和を図ってくれというふうにいっているわけなので、そういうことを考えれば、どんな建物を望んでいるのかは、私は推測がすぐできました。
 この跡地売却、東京都の予想をはるかに上回る金額で落札されました。それは先ほど清水委員が指摘されたところですけれども、十二年、十三年、十四年で東京都は都有地の売却で一千億をつくろうと。今回の都立大学跡地で、その約四分の一が達成されたことになります。財務局の方では、上できな仕事だった、そんなふうに考えられているのじゃないかというふうに私は想像してしまうのですけれども、質問してきましたとおりに、周辺住民の生活環境を悪化させるという意味では、一方で、高く売ったから都民のためになった、でも、その高く売れた部分は、周辺住民にとっては大変被害をこうむる、そういう事態になっているわけなんです。
 そこで、都市計画局長に伺いたいのです。財務局の立場も十分ご承知のことというふうに思いますけれども、今回こうした都有地売却に絡み出てきた都民の声、これをぜひ私は、まちづくりを先導していく都市計画局に受けとめてもらいたいというふうに思うわけなんですけれども、都市計画局の役割をどのようにお考えなのか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。

○木内都市計画局長 都立大学が移転した後の跡地につきましては、ただいまのご議論の中にありましたように、るる経緯があり、未利用の状態に放置されていたのがこの間であったかというふうに思っております。
 そうした中、財政再建策の一環として、いわば未利用の都有地について、利活用計画という名であったかと思いますけれども、利活用計画を定めて、必要なものについては売却するという方針が、本都として定められたわけでございます。そうした考え方の一つとして、この跡地についても売却という方向で決定したものでございまして、その一義的な目的は、財政再建に資するということが一義的なことであったというふうに思っております。
 しかしながら、売却に当たりましては、ただいたずらに売却すればいいということでは当然これなく、したがって、地元区等々の要請にこたえた形で、先ほど来るる答弁申し上げてありますような基本的な考え方を策定し、その条件にのっとった入札の資格要件にすると同時に、売買契約の条項としても、そうした考え方を取り入れたわけでございます。
 いろいろ問題もあろうかと思いますけれども、そうした結果、現に提示されている計画案におきましては、例えば空地の率が合わせて六二%になっているという状況もありますし、そうしたことも、先ほど来答弁している基本的な考え方に基本的には沿っているものというふうに私どもは考えております。
 そうした中にあっても、現に当事者間で争いが生じていることも事実でございまして、当都市計画局といたしましては、その当事者間の話し合いが進むよう、適宜、適切な指導を続けていくことが、我が役割であろうというふうに考えているところでございます。

○大河原委員 都市計画局長にお答えいただいたわけですけれども、やはり今おっしゃったように、財政再建に資するということを第一義にしていただいては困るというふうに、再度申し上げておきたいと思います。
 都立高校の改革、この中では、統廃合で高校がなくなる、跡地が出てきます。高校ですから、この用途は第一種中高層です。低層の民家に囲まれた中で学校があり、その部分、してきたところが、これと同じことが起こるのです。高さ制限がないものが建てられる、そういうことが東京の各地で起こってくるのじゃないでしょうか。
 ですから、先ほど相川委員が指摘されましたように、都有地の売却に当たってのルールづくりは、早急に必要なわけです。今回の深沢の都立大学跡地問題は、個別ここの問題だけではないのです。東京全体の大変大きな課題であり、都市計画局の本来の意味が最も問われる部分ではないでしょうか。
 例えばここは大変大きな、広い、広大な土地なわけですけれども、同じ中高層でも、先ほど住民の方たちが、その地域、九階建てまでしか建てていない、この広大な土地の中に道路をきちんと位置づける、区画をつくっておく、そういうことで、周りと均整のとれた住宅街が生まれていく可能性があります。
 そうした意味では、この基本的な考え方をつくるときに、やはり売却に当たっては用途地域の変更、見直しを、私は必ず大勢の合意で進めなければいけないというふうに思います。この考え方をつくっていく中に都市計画局が入っているのも、そこに私は位置づけがあるというふうに確信をしております。
 今回の三本、請願が二本、陳情が一本ですが、この陳情の方にあらわれている用途地域に関する住民の思いというものが、まさに今後の都有地売却についても各地で出てくるものというふうに思います。
 私は、この二本の請願、東京都が指導をしていくということは当然のことと思いますし、陳情についても、願意を重く受けとめて採択されることを望んで、質問を終わります。

○藤川委員長 ほかにご発言ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、初めに請願一三第一五四号及び請願一三第一五七号を一括してお諮りいたします。
 本件は、いずれも保留とすることにご異議はございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一五四号及び請願一三第一五七号は、いずれも保留といたします。
 次に、陳情一三第八三号の一を採決いたします。
 本件は、起立によりお諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方のご起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一三第八三号の一は不採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一三第一五五号の二、晴海地区交通網の整備に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。
   〔委員長退席、吉野副委員長着席〕

○只腰施設計画部長 整理番号9、一三第一五五号の二、晴海地区交通網の整備に関する請願につきましてご説明申し上げます。資料でございますが、一七ページから図面含めまして一九ページまでをお開きいただきたいと思います。
 本請願でございますが、中央区の晴海をよくする会会長、江間洋介さんから提出されたものでございます。請願内容が、一七ページ真ん中にございますように三点ございまして、この番号が右の位置図の凡例にあります2、3、4に、それぞれ対応をしてございます。
 まず、要望の趣旨の2、「ゆりかもめ」でございますが、有明から豊洲を経て大江戸線の勝どき駅に至る計画となっているわけですが、勝どき駅がますます込んでしまうということで、その「ゆりかもめ」を新橋駅まで延伸して、早期に整備してほしいというものでございます。
 現在の状況でございますが、下の1に記載をしてございます。それから、図面につきましては一八ページの下の段、配置図でございます。新交通「ゆりかもめ」につきましては、都心と臨海部を結ぶ公共輸送機関として、平成七年の十一月に新橋からレインボーブリッジをずっと回りまして有明まで開業してございます。現在さらにその有明から豊洲までの間、約二・八キロでございますが、十七年度の開業を目途に整備を進めているところでございます。さらにその先の豊洲-勝どき間、ちょうど斜め線でS字の形をしてございますが、この区間につきましては、平成十二年一月の運輸政策審議会答申第十八号で、平成二十七年度までに整備に着手することが適当である路線に位置づけられております。しかしながら、本請願の趣旨でございます、さらに勝どきから、矢印がありますけれども、新橋方向を向く区間につきましては、こうした位置づけはございません
 この請願の新橋駅までの延伸につきましては、ちょうどこの区間、並行して地下鉄の大江戸線等がございます等々、今後さまざまな観点から検討すべき課題が多いものというふうに考えております。
 それから要旨の3でございますが、東京駅と臨海副都心を結び、晴海を通る地下鉄新線の整備についてでございます。
 恐れ入りますが、資料を一枚めくっていただきまして、一九ページの上をごらんいただきたいと思います。請願の要旨でございますが、晴海地区や臨海副都心の開発予定等をかんがみると、今後の開発推進のためには大量交通輸送システムの整備が不可欠であるということで、図面の一番上、新たに東京駅から月島を経まして、晴海を経て豊洲を経て臨海副都心、さらに羽田を向くという地下鉄新線の整備を、臨海部の動脈として提案するという内容でございます。
 現在の状況でございますが、この路線につきましては、先ほどの運輸政策審議会の答申には位置づけられておりません。このため、臨海部の開発動向等を勘案しながら、今後検討すべき課題が多いというふうに考えております。
 最後に、3の環状三号線の整備についてでございますが、同じ一九ページの下の図面をごらんいただきたいと思います。
 要望の要旨でございますが、臨海開発には、ちょうど隅田川の一番河口部を渡っております環状三号線、地下で渡る計画ですが、その三号線の整備が重要であり、整備路線への位置づけ、整備時期の決定等の整備促進を図ることというものでございます。
 現在の状況でございますが、環状三号線のこの区間につきましては、平成五年に都市計画決定の追加がなされたものでございまして、平成九年の臨海副都心まちづくり推進計画の中では、今後、区部の街路事業により整備する路線に位置づけられておりまして、区部全域を含めた道路整備の中で整備時期を検討することとしてございます。
 したがいまして、今後、区部の道路整備の事業化計画を検討する中で整備時期を定めていくべきものというふうに考えております。
 以上でございます。

○吉野副委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○吉野副委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉野副委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一五五号の二は保留といたします。

○吉野副委員長 次に、一三第五二号、地区計画に伴う墨田区太平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情、一三第五三号、墨田区太平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情、一三第七一号、(仮称)太平四丁目錦糸町開発計画における事業者の建物計画見直し案に関する陳情、及び一三第七四号、(仮称)太平四丁目錦糸町開発計画における事業者の建物計画見直し案に関する陳情は関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小林地域計画部長 私の方からは、整理番号10、一三第五二号、地区計画に伴う墨田区太平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情についてご説明をさせていただきます。説明表の二一ページ、二二ページをお開きいただきたいと存じます。
 本陳情は、墨田区の太平地域居住者の会代表、中村裕次さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、地区計画に伴う墨田区太平四丁目錦糸町開発計画を見直していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、まず、墨田区決定の錦糸公園周辺地区地区計画の主な経緯でございます。平成十一年十二月から平成十二年七月までに計七回、墨田区が地区計画の原案等について住民説明会を実施をしております。その後、都市計画原案の縦覧を平成十二年八月十七日から八月三十一日まで、都市計画案の縦覧を十月十六日から十月三十日まで行いまして、平成十二年十一月二日に開催されました墨田区都市計画審議会に付議し、平成十三年一月十五日付で決定、告示されたものでございます。
 また、本地区計画に関連いたしまして、東京都決定の用途地域の変更及び特定街区の決定を平成十二年十一月二十二日開催の東京都都市計画審議会に付議し、地区計画と同日付で決定、告示をしております。
 現在、東京都環境影響評価条例に基づく手続が進められておりまして、都の審査意見書を受けて、平成十三年十一月十六日に事業者が環境影響評価書を提出したところでございます。
 なお、墨田区議会あてにも、違法性の高い地区計画に伴う開発計画は見直すべきとの、同趣旨の陳情が提出されておりまして、平成十三年九月二十八日に区議会において不採択となっております。
 以上でございます。

○森下建築指導部長 私の方からは、整理番号11から13まででございますけれども、一三第五三号、墨田区太平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情、それと、一三第七一号及び七四号の、同名でございますけれども、(仮称)太平四丁目錦糸町開発計画における事業者の建物計画見直し案に関する陳情についてご説明申し上げます。二三ページから二六ページをごらんいただきたいと思います。
 まず、陳情一三第五三号でございますが、太平南対策委員会一同、代表、渡辺勝利さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、本開発計画について、駐車場の収容台数を削減すること、高層建築から中層建築に計画を見直すこと、地区計画方針地域及びその周辺の住民を交えた対話を持つことというものでございます。
 次に、陳情一三第七一号は長津かよ子さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、本開発計画について、周辺住民の精神的不安を少しでも軽減し、あらゆる環境弊害を抑えられるように、超高層建物二棟の高さ削減と、千四百台収容の駐車場台数を減らすことというものでございます。
 次に、陳情一三第七四号は、菊池とみ子さん外八十名から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、同じく現居住者の生活安全確保を最優先とし、建物の高さ削減及び駐車場台数の削減を求めるというものでございます。
 現在の状況でございますが、平成十三年一月十五日に地区計画、特定街区、用途地域変更の都市計画が決定されております。
 墨田区議会あてに本陳情と同趣旨の陳情が提出され、平成十三年九月二十八日に不採択となっております。
 現在、東京都環境影響評価条例に基づく手続が進められておりまして、都の審査意見書を受けて、平成十三年十一月十六日に事業者が環境影響評価書を提出したところでございます。建築計画に関する標識は未設置で、建築確認は未申請でございます。
 また、この間に、事業主は、都の審査意見書及び住民要望などに対応しまして、車両出入り口の増設、日影緩和のための商業棟の高さの削減などの計画変更を行っております。
 建築計画の概要につきましては、業務棟と商業棟二棟、及び住宅棟、住宅戸数七百戸の合計四棟でございまして、最高高さは住宅棟の約百五十メートルでございます。
 以上でございます。

○吉野副委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○鈴木委員 錦糸町地域の、これは精工舎の跡地の計画なんですが、先ほど亀戸に関する請願も出されておりましたけれども、錦糸町、亀戸というのは東京の東の副都心と位置づけられて、これから地区計画によって魅力と活力のあるまちづくりを進めるということで、その発展が大いに期待されている地域でありますけれども、この計画は、墨田区と東京都において、諸地域の将来像をしっかりと見据えた都市計画が定められているわけでございます。その規制によって、公共性の高い空き地やあるいは防災貫通道路の整備などが担保されているのであります。地域の拠点性、防災性の向上に貢献するものと考えられます。
 ただ、これは先ほど都立大学の跡地のお話でも出ましたけれども、大規模な施設ですから、周辺へのいろいろな影響、近隣住民の方々、いろいろな不安やご意見があろうかというふうに思います。墨田区の区議会の方の議事録などを拝見いたしますと、区側は、事業者に対しては地域住民の環境影響の低減を強く指導してきたというふうな答弁が都市整備担当部長から行われております。事業者がそういう中で計画変更をいろいろな形で行ってきたということでありますが、その内容について、どのような変更なのか、また、どの程度近隣住民への影響が改善されたのか、お伺いしたいと思います。

○森下建築指導部長 近隣住民の方々の要望に沿いまして、幾つかの計画変更を行っております。
 その主な内容としましては、まず蔵前通り側と、それからもう一つは四ツ目通り側にそれぞれ車両の出入り口を増設しております。これによりまして交通を分散化し、交通処理の円滑化を図っております。
 また、二つの商業棟がございますけれども、その高さをそれぞれ下げまして、あるいは建物形状の一部を変更することによりまして、北側への日影の影響を減らしております。
 そのほか、商業棟につきまして、敷地境界線からの後退距離をより広げるなどの改善を行っております。
   〔吉野副委員長退席、委員長着席〕

○鈴木委員 近隣住民との話し合いは、大分長い間やっていますから、相当行われていると思いますけれども、どれくらい行われて、それでまた現在どのような状況になっているのか、お伺いをしたいと思います。

○森下建築指導部長 事業者と近隣の皆さん方との話し合いでございますけれども、事業者は、環境影響評価条例に基づきます説明会も含めまして、隣接町会や都営住宅の方、あるいは個別の民間マンション住民などに対する説明会を、延べ約四十回ほど開催しております。
 隣接の太平四丁目町会との話し合いにつきましては、ほぼ内容的にはまとまりつつあると聞いてございます。また、陳情者の方々との話し合いについても、続けられているところであると聞いております。

○鈴木委員 先ほど申し上げましたように、大規模な開発計画ですから、本当にご近所の方々、いろいろなご心配があることは理解できるわけでありますけれども、都市計画決定や環境影響評価手続も適正に行われているようでありますし、住民要望に一部対応した、今お話がありましたような計画変更等も行われて、事業者の努力が認められ、地元の区議会でも慎重に審議をされた結果、不採択というふうな形と伺っておりますし、また近隣住民の理解もかなり進んでいるというふうに伺っております。
 この計画、亀戸、錦糸町というのは墨田区と江東区で、駅も隣り合っていて、競争意識も相当あろうかと思いますけれども、それがいい意味でライバルになって、活力ある、魅力あるまちづくりが進んでいけば、この地域の発展にいろいろな形で大きく私は寄与するものだというふうに思います。
 そういう観点から、私はこの陳情請願に関しましては不採択を主張したいというふうに申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○かち委員 私も第五二、五三、七一、七四号、関連しますが、太平四丁目錦糸町開発計画における事業者の建物計画の見直し案に関する陳情ということで、四件に関連して質問したいと思います。
 この陳情は、私も昨年十月の都市計画審議会の案件の際からおつき合いをしておりまして、その後にも陳情が出されております。そして、今のご説明で、経過的には淡々と基準どおりに進められてきているようですけれども、私も昨年の秋口から、あちらの方に行ってお話を聞いたり、関係者の方からのお話を聞いたりしている中で、この計画が本当に再開発として地域の住民の皆さんの合意のもとで着々と積み上げられてきた計画ではなくて、上の方から、事業者、東京都や区、そういうところで計画されたものが下におろされてくる、そういう中で検討されているという状況が否めないというふうに思えてなりません。
 そういう中でも、住民の皆さんとの説明会が何回か持たれてきたということで、今の質疑の中で、十一項目の変更案も出され、一定の譲歩というか、そういうことも検討されてきたということではありますけれども、この十一項目の変更が、二つの百五十メートル級の業務棟と住宅棟、そして三十五メートル級の商業棟など、大変大きなボリュームの建物計画なんですけれども、このことが少しでも緩和する、少しでも軽減するような中身になっているのかどうか、その辺はいかがでしょうか。

○森下建築指導部長 先ほども申し上げましたけれども、主に近隣の方々への影響を緩和するという意味で、日影であるとか、それから交通導線上の分散を図って車が集中するのを避けるとか、そういった影響の緩和をやっているところでございます。
 そのほか、例えば駐車場の排気ガスの対策をとるとか、さまざまな要望について、住民の皆さん方の要望にある程度こたえた形での変更をしているものと聞いております。

○かち委員 いろいろ住民の声を聞いて、少しずつ改善、改良をしているのだというお話でしたが、先ほど二つの建物の階高を下げたとおっしゃっていましたけれども、実際には百五十メートル級の建物の階高を下げたわけではなくて、商業棟の四十メートルくらいあったものの一層を下げたということなんです。その一層というのも、何階かのその一層分を減らしたのではなくて、上に駐車場があったのを地下に持っていったというだけでありまして、中身については何も相違がない、そのまま進めようとしているものだということなんです。
 前回の質疑の中でも、私、確認したところですけれども、錦糸町の町周辺は非常に中小企業の、下町風の情緒のある町ですけれども、こういう周辺の環境とは全く異質な、巨大な都市が一角にできるというような感覚があるわけです。駐車場台数も、陳情にもありましたけれども、千四百台、居住人口が二千百人、就業人口が三千八百人という説明を受けています。商業施設では年間一千万人、ですから、一日二万七千人が流動するわけですね。あと娯楽施設、映画館などなど、利用予測では年間百二十万人とも説明されました。ですから、合わせて一日三万七千人の方が出入りをする、大変激しい、にぎわいがあるといえばあるわけですけれども、混雑をした町になるというのは、本当に想像にかたくないところなんです。
 この開発が進められていくことによって、過大な周辺への悪影響が及ぼされるということは十分に考えられるわけですが、この開発によって、自動車走行量、ふえる分は一体どのくらいになるのか、予測されているでしょうか。

○森下建築指導部長 環境影響評価書によりますと、本開発計画によります発生集中交通量につきましては、業務・住宅・商業棟全体で、平日で一万四千七百台、休日で一万一千三百台と予測されてございます。

○かち委員 図面でもわかりますように、この一角の二方向は蔵前通りと四ツ目通りということで、幹線道路で大変車の横行の激しいところですね。もう片方は、区道ということで道幅も狭い、四八号線と一一号線、公園側の通りになっているわけです。
 今回の改善で、前は区道と公園側にしか車の出入り口がなかったわけですが、それを幹線道路側にもつくるというわけですけれども、一万四千台からの車が出入りをするということが、周辺にどれだけ車を増量させて渋滞を生み出すかということも、本当に考えられるわけです。
 こういうことになりますと、住民の皆さんがいろいろな面で心配されるのは当然だと思います。環境や住民健康を守るという視点に立っても、この計画はもう一度見直すべきだと思いますけれども、今後の開発スケジュールというのはどういうふうになっているのでしょうか。

○森下建築指導部長 まず、今後の開発スケジュールでございますけれども、平成十三年の十二月に環境影響評価書の公示、縦覧の手続が行われる予定です。
 その後、環境局に着工届が提出されまして、平成十四年二月末に解体工事に着手する予定であると聞いております。また、解体工事は約九カ月を要するということです。解体工事中に建築確認を受けまして、解体工事終了後、工事に入る予定であると聞いております。

○かち委員 環境影響評価書は、ついこの間、私の手元にも届きましたけれども、十二月いっぱいは縦覧の期間ということで、二月末から解体工事に入る、それが九月くらいまでかかるということで、この間、随分長いなというふうに思うのです。
 先ほどもありましたけれども、ここは精工舎跡地ということで、金属関係もいろいろ使っていたのではないかと思いますが、土壌対策というのはどういうふうになっているでしょうか。

○森下建築指導部長 この敷地は精工舎工場の跡地でございまして、平成九年の閉鎖まで、時計の製造工場及び事務所として利用されておりました。
 その工場で使用されていました物質については、直接は確認できておりませんけれども、環境アセスに係る土壌調査におきましては、カドミウムとか鉛、六価クロムなどにつきまして、基準値を超える地点がございました。したがって、工事に先立ちまして、汚染土壌を場外搬出するなどの適正な処理を行っていくということになっております。

○かち委員 アセスによって、カドミウムや鉛や六価クロムが基準値を超えていたということが明らかになったわけですけれども、この問題について、住民の皆さんには何ら知らされていなかったのではないでしょうか。住民の皆さんは、もとの工場が重金属を扱っていた工場だから、きっと何かあるということは、随分心配をされていたわけですよね。出たらどうするのだということも随分聞いていたわけですけれども、心配ないと、出たらきちんとやるから、そういう話はされていたわけですけれども、実際に調査によって出たというような話、それからこれをどういうふうに処理するとかいう話は、何も住民の皆さんとの間ではされていないというのが現状ではないでしょうか。
 先ほど来、ずっと土壌汚染対策の問題がいろいろと論議をされてきたわけですけれども、こういうことを本当に住民の皆さんに情報を公開して、心配のないような対策をとる、そういうことが事業者に対する信頼を高めていくことにもなるわけですが、その辺、経過として住民の皆さんに説明をされてきたのかどうか、局としてはつかんでいるでしょうか。

○森下建築指導部長 土壌汚染につきましては、現地調査を平成九年から十年にかけて実施しておりますし、その後幾つかの追加調査などもやっているというふうに、環境影響評価書の中では記載されてございます。
 したがいまして、そういった内容につきましては、住民の方々にも調査の内容として知らされているものと思っております。

○かち委員 私が確認をしたところでは、住民の皆さんはほとんどそのことを知っていないというのが現状です。ですから、そういうことも含めてきちんと情報公開をするというのが事業者の責任だと。条例も施行されましたし、その辺を厳しく指導していただきたいというふうに思います。
 それで、本件については時期的な経過もたっているわけでありますけれども、再開発施行特定街区ということで進めてきたこの計画は、どう見ても近隣周辺の環境とは異質な計画がそびえ立つということで、また、住民の皆さんの陳情の表現にもありますけれども、墨田区は平成十二年七月に、人と地域と環境のためにという「すみだ やさしいまち宣言」を行っているのです。しかし、そういう墨田が進めようとしているまちづくりと、この計画が本当に不つり合いな状況が見られるわけです。
 日照障害や風害や大気汚染、そして交通量増大による周辺道路への渋滞や交通災害の危険性、また大規模地震などがいつ起きても不思議はないといわれているこういう時期に、超高層ビルが建って、非常に人口が密集している地域での防災体制を一体どうするのか、そういう問題も含んでいます。
 そういう意味でも本計画は再見直しをしてほしい、住民の皆さんの願意を十分受けとめられるということで、私は願意を生かして趣旨採択をしていただきたいということを述べまして、質問を終わります。

○藤川委員長 ほかにご意見ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、一括して起立によりお諮りいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方のご起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一三第五二号、陳情一三第五三号、陳情一三第七一号及び陳情一三第七四号は、いずれも不採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一三第五七号、「調布都市計画用途地域に係る都市計画の案」反対に関する陳情を議題とします。
 理事者の説明を求めます。

○小林地域計画部長 整理番号14、陳情一三第五七号、「調布都市計画用途地域に係る都市計画の案」反対に関する陳情につきましてご説明いたします。説明書の二七ページ、二八ページをお開きいただきたいと存じます。
 本陳情は、狛江市の上野誠士さん外七百五十六名の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、平成十三年四月十一日付で公告された、調布都市計画用途地域に係る都市計画の案については、現行規制の建ぺい率四〇%、容積率八〇%、高さ制限十メートルを維持し、提示された用途地域の変更を撤回していただきたいというものでございます。
 用途地域変更の経緯でございますが、当該用途地域の変更箇所につきましては、現在、狛江市におきましては、狛江市東野川四丁目土地区画整理事業が施行中でございます。
 今回の用途地域の変更は、本土地区画整理事業の施行による事業効果に応じ、新たな土地利用を誘導するために、狛江市による東野川四丁目地区地区計画の決定に合わせまして、都は用途地域を、第一種低層住居専用地域、建ぺい率五〇%、容積率一五〇%、高さの限度十二メートルに変更したものでございます。
 以上でございます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立によりお諮りします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方のご起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一三第五七号は不採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一三第七八号、(仮称)高輪一丁目マンション建設予定地の公正な土壌汚染状況調査の実施に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 一三第七八号、(仮称)高輪一丁目マンション建設予定地の公正な土壌汚染状況調査の実施に関する陳情につきましてご説明します。二九ページと三〇ページでございます。
 本陳情は、高輪一丁目の景観を守る都民の会代表者、都築泰弘さん外四十四名から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、高輪一丁目マンションの建設計画について、公正な調査が行われ、土壌汚染のないことが確認されるまで総合設計の許可をしないこと。近隣住民を無視した事業者本位の当該超高層マンションの建設計画を見直すよう指導することというものでございます。
 現在の状況でございますが、建築主は、建築計画につきまして、隣接町会や高輪一丁目の景観を守る都民の会などと話し合いを行い、当初計画三十九階案を三十五階に変更するとともに、周辺道路整備等を提案しているところでございます。
 また、平成十三年九月二十六日に、建築主から基準値を超える重金属が検出されなかったとの報告がございまして、さらに同年十一月十三日には、基準値を超える揮発性有機化合物についても検出されなかったとの結果を含めました土壌汚染状況調査報告書が提出されております。
 なお、平成十三年十月一日に、東京都建築審査会の同意を得まして、平成十三年十一月十二日に総合設計制度による許可を行っております。建築確認については現在未申請でございます。
 建築計画の概要につきましては、共同住宅三百五十五戸、地上三十五階で、最高高さは約百二十六メートルでございます。
 以上でございます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 念のため、申し上げておきます。本件中、環境局所管分に対する質疑は、先ほど終了しております。
 本件について、ご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 発言がないようでございますので、これより採決を行います。
 本件は、起立によりお諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方のご起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

○藤川委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一三第七八号は不採択と決定いたしました。

○藤川委員長 次に、一三第八二号、青梅永山北部丘陵地の宅地化に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○田中開発計画部長 整理番号16、陳情一三第八二号、青梅永山北部丘陵地の宅地化に関する陳情につきましてご説明申し上げます。説明表の三一ページ並びに三二ページの図面をごらんいただきたいと存じます。
 本陳情は、青梅永山丘陵の自然を守る会代表、和木宏氏外千九百六十九人の方々から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、青梅永山北部丘陵地の宅地開発をやめさせ、里山を一層整備していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、まず、事業の概要でございます。開発予定地は、JR青梅線の青梅駅北側に位置しておりまして、面積は九十・六ヘクタールでございます。計画人口は六千三百人、計画住宅戸数は二千百戸となっております。
 次に、これまでの経過でございますが、昭和六十年十月に青梅市の総合長期計画基本構想におきまして、当地区を住宅地として土地利用を図る地区と位置づけております。また、平成十一年十一月には、青梅市の都市計画マスタープランにおきまして、当地区を新市街地開発ゾーンに位置づけております。また、本年三月に、事業者が本事業に関する環境影響評価書案を環境局に提出し、今月の十五日には、評価書案の意見書等に対する見解書を環境局に提出したところでございます。
 次に、地元の青梅市の状況でございますが、青梅市は、都市計画マスタープランに基づきまして、当地区に関係いたします都市計画道路の計画手続を現在進めているところでございます。
 なお、この開発事業は都市計画法第二十九条の開発行為の許可を得て行う予定の事業でございますが、現時点におきまして、事業者から許可申請書はまだ提出されておりません。
 以上でございます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 本件について、ご発言を願います。

○清水委員 時間も経過しておりますので、簡潔にお伺いいたします。
 今回陳情を出されております自然を守る会の方々以外に、直接、知事や市長に、近隣自治会の会長さんが周辺自治会会員の皆さんの約一千名以上の署名を集められて、提出をされているというふうに伺っています。
 これを見ますと、交通量の問題について、現状のままでは開発は中止をしていただきたいというふうに要望書を提出しておられるようです。それから、環境影響評価に当たっての公述の内容を見ますと、やはりこの近隣自治会の方が、森林の問題などを含めて、何人か自治会の方が公述をされているというふうに伺っています。
 そういう中で、今まではずっと区内のマンションの開発の問題でしたけれども、今回ではこれが一件、多摩地域の問題、しかも、九十・六ヘクタールのうち、評価書案を見ますと九八%が緑被地である、約八十九ヘクタールが緑被地であるというところを開発をするという問題で、二千百戸ですか、住民から大きな疑問が出されているということで、環境局にもまたがる問題ですが、何点か、都市計画局だけに伺いたいと思っております。
 環境影響評価書案を見ますと、これは環境局の範疇ですけれども、注目される植物種では約九種、それから哺乳類、鳥類、また爬虫類、両生類などのいわゆるレッドリストに挙げられているものが、それぞれ十種とか七種とか、ここに存在しているということで、今までの議論とはまた一段と趣が違った、大変環境の豊かなところの開発ということで、重大な問題があるのです。
 都市計画局に伺いたいことは、緑の東京計画で、緑を保全するということは繰り返し議論されてきたわけですけれども、九十ヘクタールのうち八十九ヘクタールが緑被地であって、影響評価書案を見ますと、自然緑地の七四%、つまり二六%を残す、回復する緑地を含めて四割を残す、つまり緑地の六割は開発をするということで、今、都の重要な施策としても森林の保全とかいうことがいわれているときに、これで計算すると、約五十ヘクタール以上緑被地が失われているということについて、環境ということも含めて、都市計画局の緑の東京計画の推進という関係ではどのように認識をされているのか、伺いたいと思います。

○田中開発計画部長 事業者は、当地区の開発に当たりまして、可能な限り生態系に配慮した開発を進めていこうということで、アセスメント条例におきます環境影響評価書案の中で、その方針を述べております。
 こういった方針につきまして、現在、環境局でその内容を審査している状況でございまして、当局といたしましては、そういった審査の状況も見守りつつ、その結果を踏まえて今後適切に対処してまいりたい、このように思っております。

○清水委員 これまで開発計画に当たって生態系に配慮するということは、植物であれば移植をする、動物であれば別のところに行ってしまうだろうなんていったこともありますけれども、そういう形で配慮するということで、これまで繰り返し行われてきた結果、データブックを作成しなければいけないような絶滅種が、大量に東京都内でも発生してしまったわけです。
 今回の場合は、特に自然緑地は七四%開発されるということでは、ここにこれまで生息し、住んでいた動植物には重大な影響が出るということはだれが見ても明らかなので、繰り返し述べませんが、それは幾ら配慮するといっても、変えることはできないということは、指摘をしておきたいと思います。
 この地域が鳥獣保護区域であるということと、それから市街化調整区域であるわけですね。鳥獣保護区域であっても、特別保護地区に該当していないので、開発は可能であるということですよね。それから、調整区域であっても、五ヘクタール以上の大規模開発は、これまでも大学や工業団地や研究所などで行われる、だから鳥獣保護区域であっても、調整区域であっても行われるから、これは行われるのですということなんですけれども、それでは、鳥獣保護区域で住宅開発はこれまで行われた例があるのでしょうか、市街化調整区域で、大規模な住宅開発計画が行われてきた例があるのでしょうか、その二つをお伺いいたします。

○田中開発計画部長 まず一点目の、鳥獣保護区域内で開発が行われたかどうかということでございますが、鳥獣保護区域と申しますのは、鳥獣の捕獲行為を禁止することなどを定めた区域でございまして、したがって、市街化が進んでいる市街化区域も鳥獣保護区に指定されていることも非常に多うございまして、鳥獣保護区域内における住宅開発の事例は、多数存在しております。
 二点目の、五ヘクタール以上の区域において住宅開発が行われた事例があるかということでございますが、これまで調整区域の開発許可の事例は、審査会の議を経て、全体で一千七百件ほどに上っております。そのうち五ヘクタール以上のものは、大学、工業団地、研究所、十三件でございまして、現時点までにおきましては、五ヘクタール以上に限って申しますと、住宅というものはございません。

○清水委員 市街化調整区域において、今回のように初めての住宅大規模開発が行われているということは、やはり今後、多摩地域での開発に影響が大きいというふうに考えるわけです。
 それで、もっとお伺いしたいところがあるのですけれども、交通量の問題も、先ほど自治会から出されているように大きい、それから多摩地域でも、これから圏央道が整備されれば、その周辺が住宅地を含めて整備が進められるであろう、市街化調整区域も含めてされるであろうというふうにいわれて、職住接近だから、住を整備するということになると思いますが、しかし今の経済環境の中で、企業が、事業者がそうした地域に整備が進んでいくかということも、経済界の中ではいろいろと不安も出されているという状況もあります。
 最後に伺いたいのは、この山一土地という株式会社が行っている他の事業の状況の中で、一つだけ私が伺いたいのは、埼玉県の毛呂山町というところで確認をしたのですけれども、確かに青梅駅歩いて十分だといわれればそうかもしれませんが、この毛呂山町の町役場から聞いたところによると、山一土地が開発している約千二百戸の宅地開発のうち、九年から行われているようですけれども、現在までに売却されている宅地は百二十戸だということなんですよね。圧倒的にまだ未売却だということで、残っているわけなんです。そういう住宅取得状況だと思うのですよね。
 確かに青梅では十一年にマスタープランをつくりましたけれども、しかし、この計画というのは昭和六十三年ころからの計画で、まず経済状況が違うということ、その後にマスタープランをつくったとしても、十一年から現在までの経済状況というのは、またまた大きく変化している中で、この事業が本当に成り立つのか、今の埼玉県の毛呂山町の例を見ても、成り立つのかということをいわれるし、ここ一、二日のいろいろな状況を見ても、住宅取得が可能になるような状況なのかということを考えたときに、これをこのまま、二千百戸の宅地開発をしてしまって、後で戻そうということはできないわけです。
 ですから、やはりそういう点では、もろもろ考えると、本当にこれはもう一度根本的に見直して--市街化調整区域ということであれば、どれだけ税金取られているかはわかりません、会社の懐ぐあいをそう心配する必要もないのかもしれませんけれども、やはりそういう中では、事業者にも一考していただくということだってあると思うのですけれども、どうでしょうか。

○田中開発計画部長 埼玉県の事例を引き合いに出してご質問がありましたが、当地区、青梅市は八王子市と同じように東京における核都市でございまして、今後その育成を積極的に図って、自立的な圏域として育成していかなければいけない地区だと私ども認識しております。
 そういう意味で、青梅市としても、平成十一年に改めて都市計画マスタープランにおいて、この地区の開発を位置づけたものと認識しております。
 当事業者は、都内におきまして、例えば八王子の左入町のみつい団地、これは三十五ヘクタールありますが、こういったところの開発も手がけており、都内における宅地開発の実績も持っておりまして、そういった事業者が、市が定めた公共的な行政計画を踏まえての開発行為だというふうに認識しております。
 いずれにいたしましても、まだ申請は行われておりませんけれども、計画的な市街化を図る上で支障がないと認められるものにつきましては、環境への影響を配慮しつつ、これまでも必要な手続を経て許可しているところでございます。

○大河原委員 一言だけ、この青梅永山北部丘陵地の宅地化に関する陳情について、意見と要望を述べさせていただきます。
 今回のこの青梅市における里山の大規模開発は、東京ドームの十九倍の開発地に、二千百戸、計画人口六千三百人という、東京都においてはかつてない、大規模な里山開発になっています。手続的には問題はないとはいえ、東京都の自然の保護と回復に関する条例が制定されて、里山保全の動きが高まってきている中で、経済状況の停滞があっても開発だけは進んでしまうということで、バランスの悪い行政需要ばかりがふえていくわけです。貴重な緑を失うという事態だけは、避けていかなければならないというふうに考えます。
 都も市も財政状況が厳しく、緑地保全に向けて買い取りができない中では、今後の緑率の確保に向けて施策の転換を図る必要があると指摘をし、またこの転換を図ることを要望しておきたいと思います。

○藤川委員長 ほかにご発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 ないようでございますので、発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議はございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一三第八二号は保留といたします。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で都市計画局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願中、採択と決定いたしました分については、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時四十六分散会

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