都市・環境委員会速記録第十四号

平成十三年十月十一日(木曜日)
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長藤川 隆則君
副委員長吉野 利明君
副委員長相川  博君
理事真鍋よしゆき君
理事鈴木 一光君
理事大木田 守君
小磯 善彦君
吉原  修君
清水ひで子君
かち佳代子君
大塚 隆朗君
秋田 一郎君
大河原雅子君
内田  茂君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長赤星 經昭君
総務部長長谷川 猛君
企画担当部長梶原 康二君
移管事業調整室長小栗 英夫君
環境改善部長薄  厚一君
参事小島 高志君
自動車公害対策部長松葉 邦雄君
交通需要マネジメント担当部長山本 憲一君
自然環境部長高田 茂穗君
廃棄物対策部長西野 和雄君
廃棄物技術担当部長関  寿彰君
参事古川 芳久君
環境評価部長町   格君
局務担当部長平田 信幸君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
  事務事業について(質疑)

○藤川委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情は、お手元配布の請願陳情継続審査件名表のとおりでございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 これより事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料につきまして理事者の説明を求めます。

○長谷川総務部長 それでは、去る九月十三日の当委員会でご要求いただきました資料につきましてご説明いたします。
 お手元配布の都市・環境委員会資料の表紙をおめくりください。
 目次のとおり、ご要求いただきました資料は九項目でございます。
 まず、一ページをごらんください。二十三区内の公園整備の状況でございます。
 平成八年から平成十二年までの四月一日現在における公園の整備状況でございます。
 二ページをお開きください。区市町村における保存樹林の指定状況でございます。
 区部、多摩に分けまして、平成十二年度中の新規指定及び指定解除の状況並びに平成十二年度末現在の累計の指定状況等でございます。
 三ぺージをお開きください。東京における夏の平均気温の推移でございます。
 平成九年から平成十三年までの六月、七月、八月の月平均気温の推移及び明治九年以降の過去最高の月平均気温でございます。
 四ページをお開きください。二酸化炭素の国別排出割合でございます。
 一九九七年におけるアメリカ、中国、EUなど国別の二酸化炭素排出量の排出割合でございます。
 五ページをお開きください。日本における二酸化炭素の部門別排出割合でございます。
 一九九八年の産業部門、民生部門、運輸部門などの部門別の二酸化炭素排出量の排出割合でございます。
 六ページをお開きください。温泉利用及び温泉掘削許可数の推移でございます。
 まず、(1)の表でございますが、平成三年度から平成十二年度までの年度末現在における区部、多摩、島しょ別の温泉利用許可数の累計の推移でございます。
 次に、(2)の表でございますが、平成三年度から平成十二年度までの区部、多摩、島しょ別の温泉掘削許可数の推移でございます。
 七ページをお開きください。ボトル用ペット樹脂の用途別生産量の推移でございます。
 ペットボトル容器とその他のプラスチック製容器の区分に分けまして、それぞれの用途別生産量の平成八年から平成十二年までの推移でございます。
 八ページをお開きください。都内の産業廃棄物種類別排出量の推移でございます。
 昭和六十二年度、平成四年度、九年度、十年度及び十一年度の汚泥、瓦れき類等、混合廃棄物などの種類別排出量の推移でございます。
 九ページをお開きください。都内の産業廃棄物焼却処理施設数の推移でございます。
 平成九年から平成十三年までの産業廃棄物焼却処理施設の事業所数及び炉数の推移でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○藤川委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
 発言をお願いします。

○吉野委員 先日の第三回都議会定例会におきまして、一般質問で我が党の遠藤議員が多摩の森林について大変熱のこもった質問をされております。私も、東京の森林の危機的な状況を深く憂える者の一人として、共感を持ちながら拝聴をさせていただきました。
 そこで、本日は、東京の森林の回復、再生についてお伺いをしたいと思います。
 秋も大分深まってまいりまして、紅葉の便りが各地から届けられるという季節になってまいりましたけれども、山を彩る広葉樹は天然林の中に多く見られます。天然林は、その名のとおり、木が自然のサイクルの中で芽吹き、成長し、そして枯れていく、そういう流れで、人の手を要さなくとも森林の形態が保たれ続けていきます。
 これに対しまして、杉あるいはヒノキなどの針葉樹は大部分が人工林となっています。東京の森林の特徴の一つは、昭和三十年代にかけて盛んに植林された杉やヒノキといった人工林が約六割と、全国平均である四六%に比べてかなりの高率となっていることであります。
 人工林は、建築材として利用する目的で単一の樹種を集中的に植林をしているため、本来の自然の森林の姿とは全く異なっております。建築材とするには、幹回りのある真っすぐな木に育てる必要がありますけれども、間伐、あるいは枝打ちなどが必要となってまいります。このように人の手が入ると、本来自然の森林の姿と全く異なっています。
 人工林は建築材として利用するのが第一の目的ですから、こういう形で単一の樹種を集中的に植林をしていくわけですけれども、結果として、下の方、下層部にまで光が届かない。枝打ちをすれば下まで届いて、下の方で下草ですとか低木類が育っていく。そのことが、土砂の流出ですとか、あるいは腐葉土等で大地を涵養していく、そういうふうな効果があるんですけれども、これが逆に、手が入らないことによって、土砂の流出ですとか、あるいは保水力がなくなってくるとか、いろいろな結果が出てまいります。人工林というのは、建築材を産出をするということだけではなくて、森林として良好な状況を保っていくためには、人の手が入ることが必要だということでございます。
 ところが、今、林業が行われ、人の手が入ることによって初めて良好な状況を保つことができる人工林の荒廃が大変進んできております。全国ベースの資料ですけれども、昭和五十五年を一〇〇とした木材の切り出し賃金というものは、平成十一年には一四八ということで約一・五倍になっているのに対しまして、杉の山元立ち木価格が三六、中丸太価格は四九と、逆に半分以下に低下をしてきております。
 こうした経済状況による林業経営の行き詰まりと林業従事者の高齢化、あるいは後継者不足ということの結果として、放置され荒廃する人工林がふえてきているのが現状でございます。水道水源林を除く多摩の人工林二万八千ヘクタールのうち、間伐などの保育を行っているものは年間一千ヘクタールにも達していません。
 森林は、土砂崩壊の防止といった国土保全、あるいは酸素の供給、CO2の固定、水源の涵養といった公益的な機能を有しております。東京の森林の公益的機能を換算すると、二千億円にも上るというふうにいわれております。また、花粉症対策の面からの対応も必要です。
 東京都においては、緑地を保全するため、緑地保全地区や緑地保全地域などの指定ということに努力をされてきておりますけれども、これからは、多摩地域に広がる五万三千ヘクタールの森林、とりわけ荒廃の進む人工林の回復、再生、これが環境面からも急がれるというふうに思います。
 そのためには、これまでの、林業地は産業労働局、緑地は環境局、水源林は水道局といった局の垣根を越えて、森林の再生に努めていくべきであると思いますけれども、いかがでしょうか。

○高田自然環境部長 ただいま東京の森林の回復と再生につきまして、東京の森林の特徴、中でも、全国平均に比べて高い比率となっております人工林の現状、また、森林の国土保全を初めといたします公益的な機能などについてのお話がございました。
 環境局といたしましても、人工林を含みます森林の再生は、環境の視点からも重要であるというふうに考えております。ご指摘の点を踏まえまして、全庁を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えます。

○吉野委員 人工林というのは、せっかくある資源、環境に対して大変大きな効果のある資源ですから、これをきちっと有効に活用する取り組みというのは大変大事だというふうに思います。各局が森を守るといういろいろな政策を来年度の予算編成に当たってもお考えのようでありますけれども、それぞれがばらばらにではなくて、やはりきちっと一つの目的を持った形で集約をして、効果的にその取り組みを進めていってもらいたいと思っております。
 ぜひ局長、そこら辺のところを、これからの取り組みを含めまして一言いただければと思います。

○赤星環境局長 ただいま自然環境部長からも申し上げましたが、先生ご指摘のように、東京都の中でさまざまな局が森林を守るための施策を実施しておりますけれども、私どもも連携して東京の森を守っていく必要があるだろう、そのことが東京の環境をよくする、あるいは東京の再生にもつながるものだと考えておりますので、各局連携して、これからは今まで以上に施策の統合を図りながら東京の森林の再生に努めてまいりたいと考えております。
 我々も、今先生が各局の垣根を越えるとおっしゃいましたけれども、やはりその時期に来ているのだろうと思います。そういう視点から、今後の施策の展開を進めてまいりたいと思います。

○相川委員 私からは、長年、八王子を中心とした水問題に市民活動としてかかわってきた立場から、東京の水循環、とりわけ河川の流量の確保、地下水の涵養といった点についてご質問させていただきたいと思います。
 私の地元である八王子市には、まだ一般的には多くの自然が残されているといった認識を持たれているわけであります。浅川、川口川、谷地川、湯殿川、大田川といった多摩川の支川である一級河川の源流が十六ある。東京の水循環にとって、奥多摩や檜原と並んで重要な位置にあるのではないか。このことに関しては、今さら私が申し上げるまでもありません。
 そういうところで、私たちは、高度成長時代の乱開発、工場排水や家庭雑排水の垂れ流しによって無残に打ちのめされている、八王子の母なる川である浅川に、いつの日か清流の復活する日を夢見て、十二年前から、上流の八王子市民と下流の日野市民の共同によるイベントであります浅川サバイバルレースというイベントを実施してまいりました。
 このイベントは、大所高所から水問題を論じるのではなくて、子どもたちに川に触れていただく、あるいは、遊びを通して水や河川に関心を持ってもらうということを主眼に置いたイベントでございます。また、流域は一つであるという考え方のもとに、八王子と日野の市民がいわば行政界を越えてつくり上げてきたということに大きな意義を持つものであると私たちは自負をしているところであります。
 しかし、このイベントを通しまして河川に対する市民の意識を喚起した、こういう点におきましては確かに成果を上げてまいりました。ところが、河川の流量というものは相変わらず確保できず、特に水質に関していえば、環境局による河川環境基準点の水質調査結果が示しますように、八王子市内の基準点が平成十年度で五ポイント、平成十一年度で六ポイントと、東京都のワーストテンに入るという悲劇的な状況にあることも事実であります。例えば浅川の支流であります川口川は環境基準がいまだにE類型という--八王子であるから水と緑に恵まれているということはもはや幻想にしかすぎないということが私の実感であります。
 そこで、ご質問いたします。
 都は、八王子を初めとする多摩南部地域の水循環についてどのような取り組みの方向をお考えなのかを伺いたいと思います。

○薄環境改善部長 この地域には多摩川支流の源流部が数多く分布していることから、水源涵養機能を持つ森林等を保全していくとともに、大規模開発において雨水の保水、浸透機能の維持に努めることが必要だと思っております。
 また、この地域では下水道の普及率が八〇%を下回っておりまして、生活排水等の影響により環境基準を達成していない水域がございます。このため、引き続いて工場、事業場に対する排水指導や合併処理浄化槽の普及等に努めてまいりたいと思っております。

○相川委員 おっしゃるとおり、河川の流量の確保のためには、森林等の保全や大規模開発における雨水浸透の維持が重要であることはよく理解できます。しかし、これだけ都市化が進行しますと、大部分の地表面は建造物や舗装道路等の不浸透層で覆われてしまうわけですから、雨水の大部分は表面流となって流出してしまいます。もちろん都市化された地域には、庭や児童公園、校庭等の浸透域は存在するわけですけれども、そうした土壌は、転圧によって締め固められるために、保水力、浸透能力が極めて小さいといえると思います。
 こうした状況を少しでも改善するために一般の都民レベルでできることとして、各戸に雨水浸透ますの設置を図ることも重要であると考えているわけでありますが、都では、これまで環境局を初め都市計画局や下水道局が、それぞれの目的で局別に雨水浸透ます設置の補助事業を推進してきたと聞いております。
 そこで、二点目の質問をいたします。
 環境局がこれまで雨水浸透ますの設置の促進にどのように取り組んできたのかを伺いたいと思います。

○薄環境改善部長 湧水の枯渇ですとか減少に対応するために、環境局は平成二年から雨水浸透ますの設置者に区市を通じて補助金を交付する湧水保全モデル事業を開始いたしました。平成九年度からは国の補助制度も始まったところでございます。この結果、平成二年度から十二年度までの間に、野川流域を中心に合計約一万四千基の雨水浸透ますが設置されたところでございます。
 ちなみに、これによる雨水涵養効果でございますが、年間約八十六万立方メートルと推定されている状況でございます。

○相川委員 今ご答弁の八十六万立方メートルというものがどのぐらい有効であるかということは、また次の機会にお伺いするとしまして、今後、雨水浸透ますについてどのような取り組みを行っていくのか、お聞かせいただきたいと思います。

○薄環境改善部長 本年四月に施行された環境確保条例に基づき、東京都はこの七月に、地下水の保全を図るために雨水を地下へ浸透させるための雨水浸透指針というものを定めまして、浸透方法ですとか、施工上の留意事項、あるいは維持管理などにつきまして示したところでございます。
 この指針に基づきまして、条例に規定しております一定規模以上の揚水施設の設置者、これは大体一定規模と申しますと出力が三百ワットを超える状況でございますが、こういう設置者に対しましては、雨水浸透ますの設置等、雨水浸透の推進を求めていっております。この推進を求めるとともに、広く都民においても、この指針に基づき積極的に雨水浸透施設を設置するように周知に努めてまいりたいと思います。

○相川委員 雨水浸透ますの設置は、地下水の涵養だけでなく、それを設置するということを通して、大きな水循環への関心を呼び起こす効果も期待できると思います。また、環境学習という側面からも、身近な意義ある事業であると私たちは考えております。
 そういう意味では、環境局だけでなく、都市計画局、下水道局、そういった関係する各局が縦割りを排し、それぞれ連携してより効果的な展開ができるよう、現在ある区市町村への補助金を継続していただいて、雨水浸透ますの普及に努められることを要望して、質問を終わりたいと思います。

○小磯委員 公明党の小磯でございます。きょうは、ディーゼル車規制、ダイオキシン対策、また米軍ジェット機の騒音問題、そして不法投棄の問題等についてご質問させていただきます。
 まず初めに、自動車対策でございますけれども、ディーゼル車規制につきましては、粒子状物質の減少装置、DPFとか酸化触媒とかございますけれども、これの二回目の指定が昨日あったわけでございます。
 着実にPM減少に向けて東京都も努力をされておられるわけですけれども、東京都としては、粒子状物質減少装置の装着に対して平成十三年度から補助金を支給することになっておりますけれども、十四年度はどれぐらいの台数を考えて補助金を支出される予定なのかをお伺いしたいと思います。

○松葉自動車公害対策部長 DPF等の粒子状物質減少装置の装着への助成でございますが、規制開始前の先行装着を期待いたしまして、十三年度、十四年度の二カ年で行うことを予定しております。
 十三年度につきましては、トラック等へのCNG車の導入補助でございますが、そういうものを含めまして四千三百台を予算措置しているところでございます。
 また、十四年度につきましては、同様に約九千台が必要になると考えています。十四年度につきましても、厳しい財政状況のもとではございますが、今後予算措置がなされるよう全力を挙げてまいります。

○小磯委員 この前の本会議の代表質問で公明党から、減少装置をつけた車については、ほかのつけていない車と区別できるように、いわゆるステッカーをつけるべきだ、このような提案をさせていただいて、都知事からも、早急に対応したい、このような答弁をいただいたわけでございますが、このステッカーの装着のスケジュールについてお伺いをしたいと思います。

○松葉自動車公害対策部長 条例によるディーゼル車規制に適合した車両であるかどうかを識別する、こういうことで、車にステッカーを張り、外見から容易に把握しやすくすることは重要であると考えております。そのため、早急に、ステッカーのデザイン、あるいは車に張る場所について検討し、年内のできる限り早い時期に表示が行えるようにしてまいります。

○小磯委員 そのステッカーについても、都民の皆さん、また東京都に流入してくるトラックの皆さん方にも周知徹底が必要であろうかと、こういうふうに思っております。
 そしてまた、ステッカーのデザインも、いろいろな多くの人が決裁に携わると、独創的なものでなくなってしまうこともありますので、なるべく独創的なステッカーをお願いしたいと思っております。そのいわゆるステッカーについての周知徹底についてご答弁をお願いしたいと思います。

○松葉自動車公害対策部長 ステッカーの表示は、粒子状物質減少装置の普及をする観点からも重要でございます。今後、都民や事業者に対しまして、インターネットや各種広報媒体などを活用いたしまして積極的に周知をしてまいります。

○小磯委員 続いて米軍ジェット機のことでございます。
 実は町田市は、神奈川県にあります厚木基地の米軍ジェット機の騒音が大変うるさいといいますか、激しいんですね。本当に昼夜かかわらず、うるさい。
 なぜそんなにうるさいかというと、横田基地の方は輸送機なんですね。ところが、厚木基地の米軍ジェット機は戦闘機である。そんなことでうるさい。また、タッチ・アンド・ゴーの練習を厚木基地で行う。そんなことで、実は横田の人が町田に来て、そのジェット機の騒音を聞いて、これはうるさいですねという感想をいっていた。それぐらい、実は町田市では厚木基地の米軍ジェット機の騒音問題というのが大きい問題でございます。昨年の町田市におきます市民の悩みのナンバーワンが、実はこの米軍ジェット機の騒音問題でございました。
 場所が神奈川県にあることでありますとか、また米軍基地であるということで、なかなか東京都としての有効な手だてというのがないのかもしれませんけれども、やはりそうやって騒音問題に悩んでいるのは紛れもなく東京都民でございますので、環境局の皆さんも、厚木基地の米軍ジェット機騒音問題は東京都の問題なんだという認識を持っていただきたい、そのように思っております。
 最初に、横浜防衛施設局が実施した厚木基地飛行場周辺の航空機騒音のアンケート調査というのが最近出ております。これについての東京都としての感想をお伺いしたいと思います。

○薄環境改善部長 今ご紹介の調査でございますが、これは横浜防衛施設局が本年三月から七月にかけて、厚木飛行場周辺の六市においてアンケート方式により住民意識調査を実施したものでございます。防衛施設庁における今後の航空機騒音対策を検討するに際しての基礎資料の一つになるものと考えております。

○小磯委員 実際のところは、このアンケートについては私の方からいって、その時点では東京都の方もご存じなくて、それで取り寄せていただいて、今ご答弁いただいたわけでございますけれども、このアンケートを実施しているのは横浜の防衛施設局でございますけれども、今後は、横浜の防衛施設局であっても、厚木基地に関しては、東京都に自動的に資料なりデータが来るような取り計らいをぜひともお願いしたいと思っております。
 そして、町田市は、実は私も中心になって町田市で署名運動をやりました。米軍の騒音問題の署名運動をやりまして、一万五千人の署名が集まりまして、防衛施設庁と、それから東京都庁の方に申し入れをさせていただきました。そしてまた、町田市としては、米軍ジェット機の騒音を測定するその測定器の要望を、来年度予算でどうしても測定器を東京都につけていただきたいという要望もしておりますので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 厚木飛行場周辺の航空機騒音の軽減措置というのは、昭和四十四年以降改定をされておりません。日米合同委員会でこれをやっているわけですけれども、四十四年以降改定されていないようでございますけれども、この見直しを行うべきじゃないかと思いますが、この点、お願いいたします。

○薄環境改善部長 東京都は毎年国に対しまして、横田飛行場及び厚木飛行場周辺における航空機騒音の軽減措置に関する日米合同委員会の合意事項の厳守を米軍に申し入れること、特に夜間の飛行訓練、エンジンテストを行わないこと、また、土日曜日などには訓練も極力行わないことなどを要望してきているところでございます。
 今後も、関係局とともに、日米合同委員会のこの合意事項の厳守を基本に国に対して必要な要望を行ってまいります。

○小磯委員 沖縄県なんかは特に基地が多くて住民の方も悩んでおられるということで、沖縄県では、THIという、東大式健康調査法というのを用いて住民の健康調査を行っております。大変詳細で、また子どもたちの精神的な面までの調査みたいなのが入っております。そういったことを東京都も実施されてはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。

○薄環境改善部長 基地に起因する問題やその対策につきましては、本来は国が実施すべきものと考えられますので、私どもとしては、都庁における所管局の方に伝えてまいりたいと思います。

○小磯委員 この航空機、米軍のジェット機の騒音についての対策として私が考えているのは、法令とか条約に抵触しない範囲で可能性を見出して、航空機に対して騒音とか飛行高度を制限する、そういう東京都の条例、こういったものを制定していくべきではないか、こう考えておりますけれども、これについてのお考えをお願いします。

○薄環境改善部長 米軍の航空機の飛行に伴う騒音や安全の問題につきましては、基地提供者である国が対処すべきものであると考えております。東京都といたしましては、都民の安全を確保する立場から、低空飛行の禁止や低騒音機の導入などを毎年国に要望しているところでございまして、今後も関係局とともに引き続き国に要望してまいります。

○小磯委員 米軍ジェット機の問題は、私もしっかりと今後も取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 次に、ダイオキシンのことでございますけれども、二〇〇二年の十二月にはダイオキシン規制の数値が大変厳しくなります。ダイオキシンのこの規制値をクリアするためには、処理業者は産業廃棄物焼却場の施設を改善しなければならない。しかし、そのダイオキシンの規制値をクリアするためには多額の費用がかかってしまうということで、多くの産廃の焼却場の、またそういう事業者の方が、お金がかかるものだから、もう施設改善するお金がないということで、休止したり、廃止したり、解体したりということが恐らく今後行われるのであろう、こういうふうに思っております。前回、本会議の中でも相当、廃止をしたりとか、休止したりするという予定の業者がいっぱいおられたわけでございます。
 ただ、ダイオキシン対策特別措置法というのは、焼却場で燃やして、そこからダイオキシンが出ることについての規制というのはあるんですけれども、そうやって焼却場を解体するときにダイオキシンが飛散する、そこまでは規制していないんですね。そういった意味では、法律の一つの抜け穴があるなという感じを受けております。
 今お示しいただいた資料も、平成九年は九十六あった炉が現時点で五十二まで減っているわけです。四十四も炉が減っている。この四十四の炉についてはどのような対策をとっているのかなというのが大変気になるわけでございますけれども、いずれにしても、今あるのは、解体するとき、その解体作業をする労働者が自分がダイオキシンをかぶらないようにというマニュアルはあるんですけれども、しかし、マニュアルだけなんですね。こういう業者の方は、お金がなければ、本当にマニュアルだけではそのとおり守ることができないという状況もあるかと思いますので、その点については、東京都からもしっかりと国の方に働きかけをしていただければと思っております。
 産業廃棄物処理業者が焼却施設を休止とか、また廃止した場合、行政はダイオキシン類を含む産業廃棄物に対してどのように対応するのか、休止、廃止についての対応をお伺いしたいと思います。

○関廃棄物技術担当部長 焼却施設を休廃止した場合には、廃棄物処理法に基づきまして遅滞なく廃止届などを都知事に提出することが義務づけられております。したがいまして、この届け出を受けまして現地の立入検査を行いまして、ダイオキシン類を含みます燃え殻やばいじん、こういうものが施設から飛散あるいは流出しないように、速やかに、そして適正な処理をするように指導していくことになります。

○小磯委員 町田市は横浜市の瀬谷区と接点がございます。実は瀬谷区にあります産業廃棄物焼却場から煙が出て、その煙によって町田市の鶴間町の住民の方々が大変迷惑しているといいますか、健康被害までいっているかどうかわかりませんけれども、大変な被害をこうむっておられるわけでございます。
 実は私もその方から写真をいただいてきたんですけれども、(写真を示す)ここに焼却場の煙突があるんですけれども、ここからの煙で、この高圧線にその煙が当たって、ここは火花が散っているんですね。焼却場の煙で高圧線がスパークしているという、この写真でございます。ここですね。ビデオだと、もっとはっきりわかるんですけれども。だから、近所の方はこの姿を見ただけで、これが我々の吸っている空気の中にあるんだという、そういう思いがあるわけでございます。
 これなんかは、強風にあおられて煙がばあっと四方に、遠方まで煙が流れているという、そういう写真でございます。先週なんかは何か大変きついにおいがあって、付近の住民の人が大騒ぎになった、そういったことも聞いております。そんなことで、これについては東京都もしっかり対応していかなければいけないんじゃないかな、こういうふうに思っております。
 横浜市瀬谷区産業廃棄物処理場の業者に対して、横浜市も町田市も行政指導しておりますけれども、業者が改善に応じない、そんなことで、東京都、また国が対策に全力を挙げてほしいと思っておりますが、これについてお願いしたいと思います。

○薄環境改善部長 このことにつきましてですが、対象となる産業廃棄物処理施設が横浜市の瀬谷区にあることから、この事業者に対する指導は横浜市が行うということになります。しかしながら、今ご指摘のように、この事業場が東京都と県の境に立地しているということから、東京都は昨年の五月に、町田市からの要請もございまして、町田市と横浜市と都で三者会議を設けまして、連携してその改善の対応に当たっているところでございます。
 本年三月に横浜市が行った当該事業場の排出ガスの調査結果でございますが、ダイオキシン類およびばいじんが排出基準を超えておりました。さらに、五月に再測定を行ったところでは、ダイオキシン類は排出基準以内でございましたが、相変わらずばいじんは基準値を超えていたという状況でございました。
 このため、横浜市においては、事業者に対しまして、焼却を継続する間は、焼却量の削減ですとか、焼却方法の改善を指導して、ばいじん等が基準を超えないようにするというような指導をしているところでございます。
 大気環境につきましては、東京都は本年二月と八月に、横浜市、町田市と共同で事業場周辺のダイオキシン類、浮遊粒子状物質等の環境測定を行いました。二月の結果では、いずれの項目も都内でのすべての地点では環境基準以内でございました。しかし、先ほども申し述べましたとおり、事業場からは依然として基準を超えるばいじんの排出があるということから、今後も三者会議の場を通じまして、横浜市に対しまして業者への指導を継続するよう求めてまいります。

○小磯委員 横浜市にある施設でございますけれども、今大河原委員がおっしゃったように、空気に区別といいますか、境目はございません。そういった意味では、都民である町田市の住民が煙害や悪臭などの被害に遭っている。都は横浜市とともに環境改善に積極的に取り組んでほしいと思っております。ぜひ現地を見ていただいて、しっかり改善方に取り組んでいただきたいと思っておりますので、再度決意のほどをお願いしたいと思います。

○薄環境改善部長 先ほど申しましたが、今回の場合は、当該事業の施設が設置されているところが横浜市ということでございまして、横浜市が中心となって対策をとるということになります。しかし、都民の健康を守るという観点に立ちますと、東京都も横浜市と協力して効果的に環境改善を図る必要があると考えております。
 このため、今後とも横浜市に対し業者を指導するよう強く働きかけてまいります。私自身も早速現場を視察して、状況を十分把握したいと思っております。

○小磯委員 よろしくお願いしたいと思います。
 次に、不法投棄関係の質問をさせていただきます。
 町田市は、緑に囲まれて、多摩丘陵のすばらしい都市ではあるんですけれども、下から見ると緑だけれども、その山の中に入っていくと、実はそこには残土がいっぱい積み上げられていたり、不法投棄があったりという状況がございます。
 例えばこれなんかも、(写真を示す)町田の場合はすごい丘陵地で谷が結構あるんですね。ここも昔は谷だったそうでございます。その谷が全部残土で埋まってしまっているということでございます。
 またこれは、尾根緑道という、桜祭りがある大変きれいなところなんですけれども、そこの尾根緑道のちょっと先には、このようにタイヤもあれば電気冷蔵庫も捨ててある、こういった光景がございます。これがもうずっとこのままになっているんですね。そういった意味で、やはり不法投棄の問題については、しっかり我々、行政、また議会が真剣に取り組まなければならないテーマではないかなと、こういうふうに思っております。
 特に残土については、一部の市で残土の条例があるようでございますけれども、私、その残土自体が大変な有害物質を含んでいる危険性もございますし、また、ここなんかも、谷の方に残土がいつ崩れ落ちるかわからないという状況であるといったことで、残土の条例もやっぱり必要なんじゃないかな、こう思っている次第でございます。
 まず、不法投棄のことでございますけれども、廃棄物を自己所有の土地に捨てる。自分の土地だからいいだろうということで、廃棄物をどんどん捨てる。これは不法投棄に該当するのかどうか。

○西野廃棄物対策部長 産業廃棄物を埋立処分する場合には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりまして、埋立処分場の施設許可を取ることになってございます。したがいまして、自己所有の土地でございましても、施設許可を取らなければ不法投棄に該当いたします。

○小磯委員 自己所有の土地に不法投棄をした人からその土地を買って、その買い主が開発などの理由によって掘ったりして、そこで廃棄物が発見された場合、だれが処理をするのかという問題でございます。
 実は私、選挙のときにいろいろ回ったときに、あるご婦人がいっておられました。自分の建て売りの家を買った。だんだん傾いてきた。おかしいなと思ったら、自分の家の真下に家一軒埋まっていたということをその婦人の方から伺いました。そんなことで、本当にこの不法投棄の問題というのは大事だなと思っております。今のだれが処理をするのかの点についてお願いします。

○西野廃棄物対策部長 廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、ご指摘のような場合には、自己所有の土地に不法投棄をして土地を売却した者に対しまして、原状回復などを指導していくことになります。
 なお、この指導に従わない場合には、措置命令など行政処分を行うこととなります。

○小磯委員 このような形で不法投棄が後を絶たないんですけれども、どうして後を絶たないかということについて、東京都としての認識をお伺いしたいと思います。

○西野廃棄物対策部長 平成十一年の警察庁によります全国の不法投棄事犯の調査結果、これは原因者がわかった場合でございまして、わからない場合も多々ございますが、実行行為者がわかったうちの約七割弱が排出事業者でございます。
 不法投棄の動機でございますが、処理費の削減を目的とするものがそのほとんどでございます。排出事業者の廃棄物処理に対する認識の不足が大きな原因であるというふうに考えてございます。
 また、安い価格で廃棄物の処理を引き受けます悪質な業者の存在、あるいは、悪質巧妙化しております不法投棄の件数に比べまして、取り締まり体制が必ずしも十分でないことなどによりまして、不法投棄の根絶がなかなか進展しない状況でございます。

○小磯委員 不法投棄の防止についての東京都の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○西野廃棄物対策部長 東京都といたしましては、排出事業者に対しまして、建設業界や処理業界などで構成いたします東京都産業廃棄物問題協議会、こういう場を通じまして排出者に対しまして団体指導を実施するほか、排出事業者や処理業者を対象とした各種講習会等も行ってございます。いろいろな場を通じまして、廃棄物の適正処理に対する意識啓発を図っているところでございます。
 また、不適正処理の防止のために、処理業者等に対します立ち入り指導を実施するほか、都庁及び市町村並びに警視庁、消防庁で構成いたします、多摩地域における野外焼却等の不適正防止に係る連絡協議会というものを設置いたしまして、夜間、早朝のパトロールを実施するなど、多摩地域の不法投棄の撲滅にも取り組んでございます。
 また、産業廃棄物は広域的な処理が行われておりまして、都外に流出して、他県で不法投棄等の不適正な処理が行われているのが実態でございますので、関東甲信越、静岡地区の二十一自治体で構成いたします産廃スクラム21を設置いたしまして、不法投棄防止対策につきまして情報交換を行うとともに、関係自治体と連携をいたしまして、産業廃棄物車両の検問や不法投棄現場の調査など広域的な規制監視を強めているところでございます。

○小磯委員 国の方でも環境Gメンという制度が発足をいたしました。東京都も、それこそごみGメンというふうな名前を称して、ボランティアの監視員制度をつくったりとか、不法投棄のホットラインをつくったりして、徹底した監視体制を具体的につくっていかなければいけないんじゃないかな、こう思っております。
 きのうインターネットで不法投棄というのを検索いたしました。ずっと見ていきますと、各県各市が不法投棄対策ということで一つばしっとページがあるんですね。こういうことを見たらここに電話してくださいという電話番号がばっと載っているわけです。こういうのを見ますと、とにかく何かあったら、不法投棄を見つけたらここに電話しようという、そういう市民の、また県民の方々への啓発になるわけでございます。
 そういった意味では、東京都のホームページというのはすばらしいんですけれども、すばらし過ぎて、どこをクリックすればいいかわからないところがありますので、ばしっと、不法投棄を見つけたらここに電話してください、ここにメールを送ってくださいというようなのが必要じゃないかな、こういうふうに思っております。なくならない不法投棄等の不適正処理に対する今後の東京都の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○赤星環境局長 ただいま不法投棄問題についていろいろご質問いただきましたけれども、私どもも、産業廃棄物の不法投棄など不適正処理、非常にゆゆしき問題だと考えております。先ほど部長の方から申し上げましたけれども、今後は産廃スクラム21の活動などをさらに強化いたしまして、不法投棄に関与した都内の排出業者、あるいは廃棄物処理業者に対して厳しく指導や処分を行ってまいりたいと思います。
 またさらに、他県の自治体とも連携し、広域的監視規制体制をこれまで以上に拡充して、産業廃棄物の不適正処理の撲滅に努めてまいりたいと思います。
 なお、今先生から貴重な広報のシステムと申しますか、住民とのコミュニケーションのシステム、ご提案されましたので、私どもとしてこれについても検討させていただきたいと思います。

○小磯委員 よろしくお願いいたします。
 廃棄物処分場とか、また無届けの廃棄物処理場跡地ですね、これの土地履歴に関する土地利用履歴情報システム、要するに、人間は戸籍があってそれでわかるわけですけれども、土地に対する、この土地は昔どういう土地だったんだという土地履歴、こういった情報システムをやっぱり構築していかなければいけないんじゃないかな、こういうふうに思っておりますけれども、これについてのお考えをお願いします。

○薄環境改善部長 それにつきましては、環境省の土壌環境保全対策の制度のあり方に関する検討会、ちょっと長い名前ですが、これが平成十三年九月に中間の取りまとめをいたしまして、そこのまとめに土壌環境保全対策の制度のあり方がございますが、この中で、リスク管理地の管理方法といたしまして、土壌汚染の調査により環境リスクの管理を図るべき土地であることが判明した土地を、リスク管理地として都道府県が台帳に登録し、この台帳を公開する、こういうことが提言されております。
 東京都は、国に対しまして、この土壌汚染対策の法制度化を提案要求してきておりまして、今後、国の法制度化の検討状況を期待を持って見守ってまいりたいと思っております。

○小磯委員 よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、いわゆる放置自動車の件をお伺いをさせていただきます。
 町田市に先ほどもいいました尾根緑道という桜祭りのきれいなところがあるんですけれども、その尾根緑道のところに(写真を示す)このように放置自動車が置いてございます。この放置自動車のトランクのところに大きいテレビが捨ててある。放置自動車と家電リサイクルが合体したような不法投棄でございます。これがもう相当前からこの状態なんですね。
 実はこの尾根緑道にこういう放置自動車がいっぱいあるから、市とか警察にお願いして、こういうさくをわざわざつくっていただいたんです。このさくがあるところは放置自動車がなくなったんですけれども、実はこの放置自動車は、このさくのちょっと先に置いてあるんですね。そんなことで、本当に放置自動車というのはイタチごっこだなという気がするわけでございます。この放置自動車の実態についてお伺いしたいと思います。

○西野廃棄物対策部長 放置自動車の実態でございますが、大都市放棄自動車対策連絡協議会の調査結果でございますが、平成十年度の調査結果によりますと、都内の放置自動車の処理件数につきましては四百七十一件となってございます。その後、正確な統計データはございませんが、昨年度においても大体五、六百台の状況だと認識しております。

○小磯委員 私も、これが放置自動車だという断定は、自分自身では--車のナンバーがなかったものですから、これは恐らく放置自動車だなと思って写真を写したわけでございますけれども、放置自動車を本当に使用済み自動車というふうにいつ断定しているのか、お伺いしたいと思います。

○西野廃棄物対策部長 ご指摘のような、道路上や空き地に放置されました自動車で、経済的に価値がなく放棄されたとみなされるものにつきましては、まず、所轄の警察署におきまして所有者の確認などを行うことになります。警察署の方で所有者不明というような場合には廃棄物となりまして、道路管理者や土地の所有者の責任においてこれを処理することとなってございます。

○小磯委員 この放置自動車の処分方法はどうなっているのか。また、その処分方法をやっぱり市民、都民の皆さんに知らせていくことが大事なんじゃないかなと思うんですけれども、その点について。

○西野廃棄物対策部長 道路上などに放置されました自動車の処分についてでございますが、道路管理者や土地の所有者が、廃棄物処理業の許可を持っております自動車解体業者に委託をして処理をしております。
 なお、放置自動車を区市町村などが処理する場合にありましては、社団法人日本自動車工業会や社団法人日本自動車販売協会連合会など四団体で構成いたします路上放置車処理協力会から処理費用の寄附を受けることとなっております。
 また、この実態を都民等にというお話でございますが、確かに道路上等に放置された自動車によりまして、例えば消防自動車が火事の現場になかなか到着できないといった事例もございますので、地元の区市町村、あるいはさまざまな団体と協力して、こういうような事態がなるべく早くなくなるように努力していきたいというふうに考えてございます。

○小磯委員 放置してあること自体がさっきの写真のように美観を損なったり、また、やっぱりあの状態だと大変危険だと思っております。そういった意味では、処分をする、しないにかかわらず、放置自動車をとりあえず移動できるシステムというのは考えられないのかどうか、お願いしたいと思います。

○西野廃棄物対策部長 先ほども申し上げましたが、自動車の所有権、だれのものかということを確認する必要がございますので、その確認の前に移動するということはなかなか困難かなというふうに考えてございます。
 また、放置自動車の場合には、放置自転車の場合と異なりまして、台数は少ないわけでございますが、移動に要する経費や、あるいは保管に要する敷地が膨大となるなど、自転車の場合のようなシステムをつくるということにつきましては、必ずしも効率的ではないのかなというふうに考えてございます。したがいまして、放置自動車の対策につきましては、放置された現場ごとに速やかに解決することが必要なことだというふうに思っております。

○小磯委員 やっぱり自動車のリサイクルシステムを確立することが放置自動車の根本的な解決方法ではないかなと私も考えているところでございます。ぜひともこの自動車のリサイクルシステムの確立について頑張っていただければと思っております。
 最後に、局長からよろしくお願いします。

○赤星環境局長 先生ご指摘の自動車のリサイクルシステムの確立でございますけれども、自動車につきましては、リサイクル等に配慮した設計から製造、使用済み自動車のリサイクルの徹底が不可欠だと思います。現在、国におきましては、来年の通常国会における法制化を目指して、新たな自動車リサイクルシステムの構築に向けた検討を行っております。都といたしましては、このシステムが早期に確立され、自動車のリサイクルが一層推進されるよう、今後とも国に積極的に働きかけてまいります。
 なお、今ご指摘のように、放置自動車そのものだけで解決する問題ではございませんので、システム確立とあわせて、自動車のそもそも製造段階から廃棄されるまでの一貫した流れを、やはり現在までの形と変えて、新たな製造から廃棄までを一貫した流れとしてとらえて、その中でリサイクル、あるいは廃棄物を少なくしていくシステムを我々としても模索していきたいと思っております。

○かち委員 私からも、DPF関連と土壌汚染対策、そして廃棄物対策についてお聞きします。
 まず、DPF関連についてですけれども、一、二年前までは、このDPFもまだまだ研究段階で、私ども環境科学研究所に見に行ったこともあるんですけれども、とてもこれが実用化するまでにはまだ数年かかるだろうと思っていたところです。また、価格も数百万かかるという話も聞いておりまして、これが現実的に具体化するのは本当にいつのことになるかと思っていたんですが、この間、環境局、関係者の皆さんの精力的な努力によって、また、議会においても、公害防止条例の改正などということで、いよいよこれが具体化してきたなという実感を持っております。皆様のご努力には本当に敬意を表するものです。
 そして、ことしの九月十日に第一回の装置の指定が行われたわけですけれども、こうなってきますと、都民一人一人も現実的に、自分の車はどうなるのか、どうしたらいいのか、そういうことが、不安、疑問がいろいろわいてくるわけです。
 とりわけこの不況下で、零細なトラック運送業者、本当にトラック一台を持って仕事をしている、こういう方にとっては、このDPFの取りつけそのものが大変な負担になってくるのも事実であります。こういう方々が本当に安心してスムーズに取りつけることができる、そういう状況をつくっていかなければならないんじゃないかと思うんですけれども、九月十日にこの指定の発表をされた後、都民からの反応、問い合わせ、相談状況などはどういうものがあったのか。また、都としてはどういう対応をされてきたのでしょうか。

○松葉自動車公害対策部長 都民、事業者から電話などによりまして多数問い合わせが寄せられているところでございます。都といたしましては、装置の指定について、インターネットに掲載するほか、自動車管理計画書というようなものの提出義務があるわけですが、その説明会などの場、あるいは各種団体を通じましてこの周知に努めてきたところでございます。
 また、ことしの四月でございますが、自動車Gメンというものを設置してございまして、事業者からの個別の指導、相談にも応じているところでございます。

○かち委員 いろいろ努力もされてきているとは思うんですけれども、本当に全都民的にこれが実現するためには、もっともっと細かい対応が必要ではないかと思うんです。
 私もトラック協会の方からの相談を受けたんですけれども、いろいろな憶測、推測などが飛び交っているわけですね。これをつけるのには二、三週間はかかるんじゃないかとか、今発表しているのは六十万から八十万ということですけれども、これは取りつけ料だとか部品などはどうなるのかとか、そういう細かなことまでまだまだわかっていない。もちろんまだまだこれから普及するという状況だと思うんですけれども、そういう不安を解消していくための努力が必要ではないかというふうに思うんです。九月に指定された機種が今後もっともっとふえていくのか、今後の見通しというのはどういうふうになっているんでしょうか。

○松葉自動車公害対策部長 装置の指定でございますが、昨日、第二回目の指定を行ったところでございます。一回目、二回目を合わせまして、DPFが四社で七件、それから酸化触媒が五社で十件となってございます。
 今後も、随時この指定の申請を受け付けるとともに、粒子状物質減少装置の指定委員会の意見を聞きまして、性能等が認められたものにつきましては指定を行っていく予定でございます。指定メーカー、対象車種は今後とも増加していくものというふうに考えてございます。

○かち委員 現在までDPFが四社、七件、酸化触媒が五社、十件ということで、これだけの選択肢があるということは、世界的に見てもかなり進んでいるというか、そういう状況だというふうにも伺っております。
 しかし、本当にみんなが利用できるためには、もっともっとこの指定は拡大されていくべきだろうというふうに思っております。そして、価格についても、現在は二分の一の負担があるわけですけれども、それでもまだ三十万円から四十万円の負担をしなければいけない。そういう意味では、もっともっと価格の廉価化というものも必要ではないかと思うのですけれども、そういう点では今後の見通しはどうでしょうか。

○松葉自動車公害対策部長 都はいわゆるDPFだけでなく、比較的安価な酸化触媒も指定してございます。排気ガス中の粒子状物質の低減とともに、装置の低価格化というんですか、そういうものを促してきたところでございます。今後とも多くの装置を指定しまして、事業者の選択肢をふやしながら、一層の低価格化を促してまいります。

○かち委員 本当に具体的な自分自身の問題になってきますと、このDPFの取りつけ、それから低公害車への切りかえというのは、図式を見ても大変複雑なんですね。環境基準への対応だとか、NOX法がまた変わってくるだとか、そういうときに、自分の車をいつの時点でどうしたらいいのか、そういう具体的な悩みや疑問に対して適切なアドバイス、あるいは相談に乗ってくれる窓口というものが必要だと思うんですね。そういうものをぜひ今後設置をしていくというようなことも含めて、よりよく都民がスムーズにこのDPFへの切りかえ、低公害車への切りかえができるようにさらにご努力をしていただくことを要望しまして、次の質問に移ります。
 次に、土壌汚染対策についてですけれども、近年土壌汚染の発見数が急増をしてきているわけですが、昨年からことしにかけても、都内で四件の非常に高濃度な土壌汚染が発見されました。昨年九月に、大田区大森南の土壌中から、環境基準の最大五百七十倍のダイオキシン類、コプラナPCBが発見されました。ダイオキシン特別措置法と公害防止事業者負担法に基づいて、環境審議会などを経て、ことしの九月に結論が出されたようですけれども、この経過の概略についてお伺いします。

○小島参事 大田区大森南四丁目のダイオキシン類土壌汚染に関しましては、ダイオキシン類汚染が判明した後、現地の周辺環境調査を平成十二年十月に実施し、大気などの周辺環境に問題がないことを確認しました。
 その後、汚染範囲の確認等のための詳細調査を実施し、その結果をもとに、平成十三年六月、同地域をダイオキシン類対策特別措置法に基づく対策地域に指定しました。
 さらに、同法に基づき、汚染土壌を除去するための対策計画と、公害防止事業費事業者負担法に基づき、汚染原因者に費用負担を求める費用負担計画の策定を進めています。

○かち委員 現在、この汚染土壌はどこに保管されて、どういうふうになっているのか。保管上問題はないのか。今後無害化処理をされると思うんですけれども、どのように計画されているんでしょうか。

○小島参事 この土壌は、現在のところ、まだこれから除去するということになっておりまして、除去しました後は城南島の保管施設に保管する予定になっております。

○かち委員 その土壌の保管と無害化の処理はどういうふうにされていくのかということなんです。

○小島参事 この汚染土壌を掘り出しました後、大田区城南島の都有施設に一時保管施設を建設しまして、保管施設内でドラム缶に密封して保管いたします。また、モニタリングなどを行いまして、安全に十分配慮して保管していきます。
 汚染土壌の処理につきましては、国の技術的支援を得ながら、処理のための対策計画と費用負担計画を策定しまして、それに基づき早急に無害化処理を行っていきます。

○かち委員 この土壌汚染が発見されてから、またどこかに保管をされて、そして処理をされるまでには、結構長い期間がかかるようなんですけれども、周辺住民にとっては、そういうものがいつ露出して被害を受けるかもしれないという不安もあります。そういうものが本当に安全対策として進められるようにお願いしたいと思います。
 今回は措置法と負担法で対応したわけですけれども、もしこれがダイオキシン類以外の汚染だった場合にはどういう対策になるんでしょうか。

○小島参事 ダイオキシン類以外の物質によりまして市街地の土壌が汚染された場合ですけれども、この場合には、ダイオキシン類対策特別措置法とか公害防止事業費事業者負担法は適用にはなりません。
 このため、環境確保条例に基づきまして、土地の改変の際に事業者に調査を行わせまして、調査の結果、土壌汚染が認められる場合には、都は、拡散防止措置などを実施させるように事業者を指導していきます。

○かち委員 一応条例に基づけば、改変事業者が対応するということですけれども、今回のような場合は、区道、公道の下からも出てきたということで、そういう場合にはだれが行うのかなという疑問がわくわけです。
 今回は一応、ダイオキシンということで特別措置法に基づいて行ったということですが、そこで問題になるのは、金額、費用の問題です。
 ダイオキシン土壌汚染対策の費用負担について、新聞紙上にも出ましたけれども、総額三億九千三百七十五万円で、七五%が事業者負担というふうに発表されておりました。なぜ七五%かといえば、地歴をたどっていったその当時にはまだ規制の法律ができていなかったということなんです。あとの二五%を国と都が負担をするということなんですけれども、資料を見せていただきましたら、昭和三十九年、当時ここで営業していた事業者が倒産をして、その親会社が後始末をしたときに、熱媒体として使ったPCB八百キログラム程度がここに破棄されたのではないかという推察によって、結論として、当時の親会社への負担義務が課せられたわけです。
 ところが、資料を見ますと、かかわった当時の当事者からは、そのときのPCBは水島工場の方に全部運んだというような記述もあるわけで、実際にはこれを認めていないわけですけれども、こういうふうになった場合に、東京都としてはどういう対応をされるんでしょうか。

○小島参事 先ほどの金額ですけれども、ちょっと今精査しておりまして、間もなく確定金額が出ると思います。
 それから、事業者は納得していないけれども、どうするかということですけれども、都は、公害防止事業費事業者負担法に基づきまして、負担計画について環境審議会に諮りました。それによりまして、費用負担を求める事業者や負担額について、適当であるとの答申をいただいております。これに基づきまして、東京都は早急に費用負担計画を策定し、事業者に費用の負担を求めていきます。

○かち委員 今回は一応その親会社という対象がいて、そこに請求をするということになるわけですけれども、それとても、当事者が認めていないということになれば、今後訴訟状況になるかもしれないというような状況も想定されるわけです。
 今回はたまたまいましたけれども、こういうような状態があって、地歴をたどっていったら、もう既にその会社は倒産してなくなっていた、こういうことがあった場合には、一体その費用負担はだれが負うのかということになるわけですけれども、もしこういうふうな場合にはだれが負担をすることになるのか。要するに、請求をする当事者がいないという場合にはどういうふうになるんでしょうか。

○小島参事 その場合は請求が非常に困難であると思いますけれども、また民事上の関係もありますから、そちらの請求ということはあり得るんじゃないかと思います。

○かち委員 土壌汚染というのは、最近のものばかりではなくて、このように三十年以上、四十年近くたっても出てくるという厄介なもので、最近いろいろと改変などの状況の中で、これからもまた出てくる可能性が十分にあるわけです。
 こういうふうになった場合、今のような流れの中で対応したとしても、請求する対象がいないというような場合もあるわけで、それから、それがすぐに了解を得られない状況もある。そういうときに、東京都がそういうものをどんどんどんどん肩がわりしてやらざるを得ないということでは、この金額そのものも大変大きなものになってきますので、汚染土壌の処理に対して、このような問題、ケースについては、国においての何らかの融資制度や基金制度など必要ではないかというふうに思うんですけれども、その点については、局としてはお考えはあるんでしょうか。

○小島参事 費用負担とか、そういうお話ですけれども、先ほども別のご答弁にありましたように、九月に公表されました、国の検討会の中間取りまとめにおきまして、低利融資とか、税制上の優遇措置、基金の創設など支援措置が提案されております。都としましては、国に対して、これらの支援措置を含めた土壌汚染処理のための法制化について提案要求しております。

○薄環境改善部長 先ほどの件でちょっと補足させていただきますが、親会社がそういう状況にあったというお話でございましたが、当該土地と建物を所有していたその親会社が当事者になってその解体をして、その場でPCB入りの熱媒体を不法投棄したという状況でございますので、そこのところ、誤解のないようにさせていただきたいと思います。

○かち委員 そういうことは間違いないというふうな審議会の議論ではあったと思うんですけれども、当事者の方からは捨ててはいないという発言もありますので、その辺はまだ今後の状況になるのではないか。その人のいうことを否定すると、それはまた裁判になるんではないかというふうに思うんで、なかなかまあまあこれからは複雑、ここでは一たん結論は出たけれども、その相手の方がどういうふうにこれから出ていくかというのは、まだ見通しとしてはわからないんじゃないかと思うんですね。

○薄環境改善部長 私どもの申し上げるのは、この費用負担計画に基づきまして、私どもの方で事業者を決めまして、それで費用を求めていくということになります。それに際しては、相手が納得しないとか、相手が反訴しているとかいうような状況でも、この公害防止という事業の関係上、やっぱり執行しなくちゃいけませんので、対策は執行し、費用も行政が決めた事業者から徴収するという形になっている制度でございます。

○かち委員 制度自身はよくわかりますけれども、支払い能力がなかった場合とか、そういう場合もありますので、そういうことを含めて国の方で法制化を進めているということですので、そこを見守りたいと思います。
 次に、廃棄物対策についてですけれども、都市問題の重要課題として、廃棄物対策を欠かすことはできません。都においても、地球環境を守り、限られた資源や、首都圏においてはあと〇・八年、全国でも二・六年といわれている最終処分場をどう延命させていくか、こういうことが焦眉の課題となっていると思います。
 ことし八月に、都の廃棄物審議会の特別部会から、廃棄物の行政行動とか処理計画が出され、七月には産廃の処理計画のまとめも出されています。そして、七月に東京都の環境基本計画のあり方など、るる出されてきているわけですが、こういう中身に触れて、今後東京都として廃棄物対策へどう取り組もうとされているのか、何点かお聞きします。
 まず、廃棄物問題を解決するためには、発生抑制とリサイクルの確立だと思うんですけれども、都としては、どのような基本的スタンスに立ってこれらを進めようとしているのでしょうか。

○西野廃棄物対策部長 循環型社会への変革を進めていくためには、まず、製品の省資源化、あるいは長寿命化等によりまして、廃棄物等の発生を抑制していくことが必要でございます。また、コストや環境影響に考慮しながらリサイクルを進め、天然資源の消費量と廃棄物の排出量の抑制を図っていく必要がございます。
 これらの施策を進めるに当たりましては、都民、事業者との役割分担を明確化し、相互に協力してその役割を果たしていくとともに、区市町村や首都圏自治体と連携していく必要がございます。

○かち委員 資料をいただいていますけれども、ペットボトルの生産状況を見ますと、平成八年から十二年の五年間で三倍近くふえているわけですね。ちょうどこの平成八年というのは、五〇〇ミリのペットボトルが規制緩和で解禁になった時期でもあるわけですけれども、このペットボトルは、容器リサイクル法に基づいて、メーカーの再商品化が義務づけられているわけです。そして、主にスーパーなどの店頭で回収が行われていますけれども、実は、コストの問題などで再商品化へのルートが十分開けていないという状況があります。ですから、せっかく家庭からは回収に協力をしても、回収したものが再製品化されないで野積みになっているというような問題リポートもテレビなどでやられておりました。
 環境庁の調べでは、このペットボトルのリサイクル率は三四・五%ということで、まだまだ低い状況にあります。このような生産とリサイクルのアンバランス、あるいは、ワープロ、パソコンなど情報機器の機種の更新が著しく、数年前のものではもう部品がない。結局新しいものに買いかえざるを得ないというような、ごみ化せざるを得ない状況なども出ています。発生抑制という点では、まだまだ実態が進んでいないのが現状だと思います。
 中間のまとめによりますと、平成十三年から十七年の五年間で、産業廃棄物の減量目標を、六〇%削減、これは平成十年度ベースということなんですが、最終処分量三百数十万トンを百三十数万トンにするということです。これは国の削減目標をも上回り、短期間にということで、今までの経過からすれば、かなり積極的、画期的な目標設定だと思うんですけれども、果たしてこれがこの五年間に達成できるのかどうか、不安も抱くものです。
 産業廃棄物は、民間事業者によってビジネスとして成り立たなければ進まない話でもあります。都としては、こういう状況の中でこのような目標設定をしたという点で、どのような見通しを持って立てられたのか、お聞きします。

○西野廃棄物対策部長 産業廃棄物の中で、特に最終処分量を見ますと、産業廃棄物の約九〇%が建設廃棄物でございます。建設廃棄物につきましては、これまで東京都といたしまして、民間事業者とさまざまな場を通じまして、例えばエコトライ協定を締結して事業者に自主的な取り組みを行ってもらう、こういったこともやっておりますが、さまざまな場をとらえまして発生抑制、再資源化に努めてきたところでございます。これまでのところ一定の成果が上がっているというふうに認識してございます。
 加えまして、今後、建設リサイクル法によります分別解体や再資源化の着実な実施、あるいは中間処理の徹底を行うことなどによりまして、建設廃棄物の最終処分量の削減などを見込んでおります。こうしたもとに、産業廃棄物全体の最終処分量の六〇%削減という目標を設定したものでございます。やや高いハードルかもしれませんが、最大限の努力をして目標の達成に努めてまいりたいと思います。

○かち委員 今おっしゃられたように、産廃の中でも大きなウエートを占めるのが建設汚泥や瓦れきや廃プラスチックなどであるわけです。東京においては、昭和四十年代の高度経済成長期にストックされた建築物や都市基盤の多くが更新期を迎え、現在二千万立方メートルが二十五年後には五千五百万立方メートルになるということで、膨大な建築廃材物が発生すると予測されています。この建設廃棄物についての発生抑制、リサイクル、こういうものをどのように進めていこうとしているのか、お聞きします。

○西野廃棄物対策部長 建設廃棄物の発生抑制を進めるため、環境確保条例に基づきまして、新たな建築物を建設する際に建築物環境計画書の提出を求めることなどを通じまして、建築物の長寿命化を推進してまいります。
 また、建設リサイクル法の的確な運用や、廃棄物処理法に基づきまして建設廃棄物の多量排出事業者に減量計画の作成を求めることなどを通じまして、建設工事の発注者や建設事業者によります建設廃棄物のリサイクルをさらに推進してまいります。

○かち委員 発生抑制ということで、これからの建設事業に向けては、リサイクル可能な建て方をさせるとか、これから法律もできるようですけれども、解体の仕方なども再利用できるように分別解体をしなければいけないとか、そういうことが出てくることによって改善が進むのかなと思いますけれども、既に今まで建ってしまっているものをどう延命させたり、発生を抑制するかという点では、かなり困難な問題になるだろうと思います。
 そして、建設廃棄物の中でもその四割を占めるのが公共事業からのものというふうにも書かれています。しかも、今後、都市再生計画や十兆円プロジェクトなどに沿って事業展開されていくとなると、ますますそのウエートが大きくなることが予想されます。
 発生抑制という視点からは、こういう計画も大いに見直すべきではないかと思いますけれども、このような公共事業での建設廃棄物は、積極的に公共事業で再生資材を活用し、公共事業からはごみを出さないという対策を講ずることが、建設廃材を抑制するための大きな役割を果たすことになると思うんですけれども、都としての取り組みはいかがでしょうか。

○西野廃棄物対策部長 建設リサイクルを進めて、公共工事からなるべく産業廃棄物を出さないというふうに持っていかなきゃならないということについては、認識は同じでございまして、東京都といたしましても、都庁内の関係各局で協議をいたしまして、都庁内の公共工事に計画的に、建設廃棄物のリサイクルや再生資材の活用に積極的に取り組んでいるところでございます。
 平成十年度に建設リサイクル行動計画を策定いたしまして、平成十二年度のリサイクル目標を、アスファルトあるいはコンクリートなどの建設廃棄物全体で九〇%のリサイクル目標としてございます。
 また、今後建設リサイクル行動計画を改定するなど、関係各局が引き続き連携をいたしまして、計画的にリサイクルや再生資材の活用を推進してまいります。

○かち委員 今後、重要課題の中にスーパーエコタウン計画などもあるわけですが、東京の産業廃棄物の一番の課題というのは建設廃材になるわけですから、そういうものが本当にうまくリサイクルするように積極的な取り組みをぜひお願いしたいと思います。
 それで、中間のまとめでは、埋立処分場への産廃の受け入れや木くずの一般廃棄物焼却炉での焼却など、関係者と協議を進めるというふうな表現がありました。産業廃棄物のうち七四%が都内の中間処理を行っておりますが、最終処理では二六%しか行われていないという現実があり、かなりの部分を近県を含む他県に依存しているという実態を漫然と続けていいというふうには認識しませんけれども、これまでの廃棄物の定義や区分けを踏み越えた内容だと思うんです。
 こういうことが今後、一般廃棄物と産業廃棄物との区分をなくしていく前提になるのではないかというふうにも思えるんですが、また、そういうふうになった場合には、非常にいろいろな大きな影響が出てくると思うんです。十分な議論が必要だと思いますけれども、都として、この廃棄物の定義、区分、こういうものを変えていこうというふうに考えているのかどうか、お聞きします。

○西野廃棄物対策部長 廃棄物審議会で議論をしているテーマの中に、廃棄物の区分、定義の見直しというのがございます。廃棄物の定義、あるいは区分の見直しをなぜ議論するかということでございますが、現在の廃棄物の定義では、占有者の意思とか、あるいは価値があるか否かといった点で廃棄物かどうかというような区分けがなされてございます。そういった現在の廃棄物法の定義、区分によりますと、例えば廃棄物を大量に積み上げていても、占有者が占有の意思があるということであれば、廃棄物処理法の適用が及ばない。あるいは、資源循環ができるものでございましても、価値がないという場合には廃棄物として処理しなければならない、こういったさまざまな阻害要因がございます。
 したがいまして、望ましい資源循環のあり方、あるいは適正な廃棄物の処理、こういう観点から、現在、廃棄物審議会におきまして、廃棄物の定義や区分の見直しが議論されているところでございます。
 なお、中間のまとめにおきまして、一般廃棄物処理施設での木くずの焼却ということの検討ということが書いてございますが、これは平成十四年十二月からのダイオキシン類規制の強化に伴いまして、今でさえ不足しがちな焼却施設がさらに不足することも十分懸念されますので、その場合には、その全体の一部につきまして、緊急避難的に一般廃棄物焼却施設で焼却することも検討するというようなことでございまして、廃棄物審議会における廃棄物の定義、区分の見直しとは異なるものでございます。

○かち委員 緊急避難的な一時的な対応だというふうにおっしゃられましたけれども、この間、清掃局の時代に、東京の廃棄物処理計画ということで、自区内処理という方向もあって、自区内に大規模な、そして高価格、高機能な焼却施設をどんどんつくってきているわけです。今一般ごみは、この十年間に百万トンぐらい減ってきている、そういう状況の中で、一部では、燃焼を続けなければダイオキシン発生があるということで、無理無理にごみを持ってくるというような状況もある、そういう話も聞いております。そういう状況の中で、ここに入るから、それを入れてしまえというような、そういう安易な考えではないと思いますけれども、そういうことは厳に戒めなければならないのではないかと思います。
 最終処分場は大変少なくて、本当に延命をしなければいけない、こういう時期に産廃を捨てるというようなことは、とんでもないことではないかなというふうに思うわけです。で、お聞きしました。
 まとめの中で気になったことですけれども、一般廃棄物対策の中に、家庭ごみの有料化に対する取り組みの支援を行うというような記述がありましたが、これは何を目的として掲げられたものでしょうか。
 今や一般廃棄物処理は市区町村の固有の事業となっているわけですから、有料化する、しないは、それぞれの自治体が判断すべきものだと考えるわけです。このような表現は、読んでいると、非常に遠回しなんですけれども、何か有料化を暗に促しているというふうにも受け取れるわけですが、都としてのその意図、目的というものはどういうものなんでしょうか。

○西野廃棄物対策部長 家庭ごみ有料化の件でございますが、中間のまとめでは、循環型社会を実現するための新たな施策を展開する基本的考え方の中で、排出者責任の徹底が示されてございます。家庭ごみの有料化は、この排出者責任の徹底の考え方に基づき、都民が廃棄物の減量に努めていくための手法の一つでございまして、廃棄物の発生抑制やリサイクルの促進が期待されます。また、審議会の中での議論でも、有料化を検討するのはあくまでも市町村であるとの前提で審議されているところでございます。
 家庭ごみの有料化につきましては、ごみ行政の中の問題だけではなくて、それぞれの地域で廃棄物行政に責任を持つ各区市町村が、その他さまざまな施策全体の中で、あくまでも区市町村が有料化すべきか否かを判断すべき問題でございます。
 東京都は、区市町村の廃棄物行政全般につきまして、これまでさまざまな支援をしてまいったわけでございますが、今回の有料化に対する支援もその中の一つとして、区市町村行政の取り組みに対する支援という位置づけでこれから考えていく課題であると考えております。

○かち委員 有料化に対する支援ということで書いたとおっしゃるのですけれども、それはなかなか理解しがたい中身であると思うんですね。排出者責任ということイコール有料化ともなかなか結びつかないのではないかと思うんです。
 よくそういうことで取り入れる自治体もありますけれども、その実態はどうかといいますと、私も幾つかの市の取り組みを見せていただいたんですが、確かに有料化をすると、数年間は一たんは減るんですけれども、やっぱりもとに戻ってくるという傾向は、どこの市でも同じような状況があるわけです。減量リサイクル促進というのはやはり意識の問題であり、むしろ啓蒙、推進、そういうことにこそ力を入れるべきではないかなと思いまして、今有料化に向けての区市町村への支援だとおっしゃいますけれども、区市町村から、有料化したいけれども、何とか算定基準を出してほしいという声があるわけではない中で、こういうことを都が率先してやるというのは行き過ぎではないかなというふうに私は考えます。
 つい先日も、朝日新聞に、家庭ごみの有料化について世論調査が載っていたのですが、これは内閣府が調査をしたものですけれども、有料化については賛成、反対、それぞれ四三%、四四%と、意見も拮抗しているわけです。こういう中では、安易に有料化に向かわせていくというのではなくて、こういう取り組みを含めて十分に自治体と住民の意見、合意形成が必要だというふうに考えます。
 先ほどの家庭ごみの有料化もそうですけれども、清掃工場での木くずの焼却とか、あるいはPCB処理などの問題も出ておりましたが、こういうことを詰めていく上では、関係する地元住民の声はもちろん、都民の声を十分聞いて、合意の上で進めていくことが重要だと思っておりますけれども、東京都としての取り組み姿勢はどういうものなんでしょうか。

○西野廃棄物対策部長 さまざまなごみ減量化への取り組みとか、あるいは廃棄物施設の整備運営など、廃棄物事業の円滑な推進を図っていくためには、都民や地元住民の理解と協力が不可欠でございます。
 そのためには、例えば処理施設の安全性等に関する情報公開の促進など、都民に対して必要な情報提供を行う、あるいはシンポジウムの場を通じてさまざまな問題提起を行います。また、都民の意向の把握なども適切に行いながら、都民の理解と協力が得られるよう、引き続き努めていく所存でございます。

○かち委員 以上、都の廃棄物行政の一端をお聞きしてきましたけれども、今後都は、ごみゼロ社会の実現のために推進していくわけですけれども、私は、ごみを減らしていく根本には、生産段階からの処理やリサイクルコスト化を組み入れた生産、流通、再生ルートを確立していくことがどうしても必要だと考えます。今はどうしても消費段階で、終末期の減量、抑制という形からまだ抜け切れていないというふうに考えます。ぜひこういうごみ対策の根本の切りかえを進めていただきたい、そのことを強調して、終わります。

○大河原委員 私からは、有害化学物質対策について伺いたいと思います。
 二十世紀の負の遺産の一つが、有害化学物質問題だというふうに思います。工業や農業の分野を進めていくときに、大変経済発展の中で、この化学物質が劇的に使用拡大されました。がんを初めとするさまざまな疾患、そして体や心の機能まで不調に至らせる、また、世代を超えた生殖障害といったものまで引き起こすことが明らかになってきています。
 身近なところでも、アレルギー疾患がふえたり、また化学物質過敏症の方が地域におられるというようなこともあって、非常に都民の関心も高まっているというふうに理解をしております。
 この有害化学物質問題は、その残留性あるいは蓄積性、その使用されている地域だけではなくかなり遠くまで、つまり、北極や南極の動物にまで残留が調査されるといったこともありまして、新たなさまざまな対応が必要になってきているというふうに思います。
 まず、ダイオキシンについての対応から始めたいと思いますが、平成十二年に施行されましたダイオキシン特別措置法によって対策が進んできております。東京都として、この対策を十二年度どのように行ってきたのか、まず教えていただきたいと思います。

○小島参事 ダイオキシン類対策特別措置法の施行を受けまして、都は、平成十二年度に次のような対策を行っております。
 まず、区市町村の焼却施設の改善に対して、技術的支援や財政的な支援を実施しました。また、平成十四年十二月から強化される大気への排出基準に施設が早期に適合するよう、産業廃棄物処理業者等に対し施設改善の指導を行うとともに、中小企業制度融資等の資金融資の紹介、PRを行い、事業者による焼却炉の更新や改善等の促進を行いました。
 さらに、ダイオキシン類対策特別措置法の規制対象となる事業所から、排出ガス、排水中のダイオキシン類の測定結果の報告を受け、公表しております。

○大河原委員 新しい基準が設けられ、いわば野放しであったものが規制されたわけですから、その部分で効果は上がったというふうに思いますけれども、国の特別措置法による排出削減の計画、これは一体どのような内容を持っているんでしょうか。
 そして、まず私は、平成十四年度は、推計の排出量削減目標年度になっているわけですけれども、ここへ持ってくるための計画の進行管理、これが極めて重要であるというふうに思います。先ほどから申し上げていますダイオキシンの蓄積性とか考えますと、地域特性といったものも非常に考慮しなければなりません。
 その意味で、東京都として削減計画の策定を検討すべきだというふうに思うわけなんですけれども、東京都はダイオキシンの削減について、進行管理という意味でどのような方法で行っているのか、どのように行っているのか、伺いたいと思います。

○小島参事 都はこれまで、東京都ダイオキシン類対策取り組み方針を定めまして、ダイオキシン類の排出量の削減に向けて、発生源対策の推進や環境モニタリング、調査研究などに総合的に取り組んできました。
 今般、特別措置法の制定によりまして、ダイオキシン類に新たにコプラナPCBが加えられるとともに、大気、水質、土壌の環境基準や排出規制の基準が設定され、これに基づく規制指導や大気の常時監視等が行われるなど、対策の強化が図られました。
 都は、法に基づき、大気の常時監視等の結果から、環境基準の達成状況及び事業者による自主測定結果の報告から、排出基準に適合しているかどうかを確認しております。
 今後は、発生源の種類別排出量を定期的に算出しまして、削減状況を把握しながら、施策を展開していきます。

○大河原委員 ダイオキシンを初めとして、有害化学物質に対する規制を強化して将来的になくしていこうというのは、世界的な動きのわけです。
 ことし五月に、スウェーデンのストックホルムで開かれました残留性有機物質条約採択会議、いわゆるストックホルム会議ですが、ここには百二十七カ国の政府関係者、国際機関の代表、そしてNGOを合わせれば四百八十人もの大変大規模な会議が行われたというふうに聞いています。中では、ダイオキシン、PCB、DDTなどのこうした残留性の有機汚染物質の廃絶を目指した会議が持たれ、国際条約をつくっていこうということで議論が交わされたわけです。
 ここでは、日本ももちろん代表が行っているわけなんですけれども、残念なことに日本はこの条約については、議定書には署名はしたけれども、本格的な条約については未署名であるということが伝わってきております。
 この条約、各国、五十カ国以上がサインをすれば発効するということで、七月の時点では既に九十三カ国ですか、署名が済んでいるということなので、日本も本格的な対応を進めて、早期の条約署名が望まれるところです。
 ストックホルム条約というふうにいいますけれども、この基本になっている考え方というのは、一九九二年の地球サミット、リオ宣言の第十五番目の原則、予防原則がうたわれております。たとえ化学物質について完全な情報が得られなくても、そのことを理由に対策をおくらせないこと。いわば、疑わしきものについては野放しにしない。疑わしきは対処するということです。
 既にEUでは、条約の中にこれを盛り込んでおりますし、スウェーデン政府に至っては、予防原則を法律化しています。
 東京都としても、有害化学物質対策基本方針に未然防止をうたっているわけですが、こうした原則をさらに徹底すべきというふうに私は考えております。どのようにお考えでしょうか。

○小島参事 先ほど失礼しましたけれども、国の削減計画についてお尋ねがあったと思うので、その辺をまずご説明させていただきます。
 平成十二年度に発表されました、我が国における事業活動に伴い排出されるダイオキシン類の量を削減するための計画におきましては、法に基づいて実施すべきこととして、事業分野別の削減目標量の設定、事業者が講ずべき措置、国及び地方公共団体が講ずべき措置等が定められております。
 それから、ただいまのストックホルム会議等の関係でございますけれども、国は、条約の批准に向けまして国内法の整備に関する詳細な検討を行った後、批准を行うということを聞いております。
 それから、先ほど未然防止についてお話がありましたけれども、未然防止につきましては、ご指摘のように、都は有害化学物質による環境汚染の未然防止を図るため、東京都有害化学物質対策基本方針を策定し、対策を推進してきました。
 今回、環境確保条例の制定に当たりましては、これらを踏まえまして、化学物質の適正な管理を規定しております。具体的には、化学物質の環境への排出の抑制、有害性の少ない物質への転換、事故の防止等の確保を図ることによりまして、化学物質の適正管理の徹底を図ることとしております。

○大河原委員 このストックホルム条約については、国が国内のさまざまな法律の整備を早急にして、批准はしていきたいというふうにいっているわけですが、東京都ももちろん国の動向を見なければなりませんけれども、東京都が進めてきた先進的な部分をさらに堅持して、このストックホルム条約に対する認識を強めていただきたいというふうに要望しておきます。
 さて、来年十四年度から、いよいよPRTR法が始まります。PRTR制度というのは、まさしく未然防止や予防原則の具体的な施策の展開というふうに私は思うわけです。もちろんこれに期待をしているわけですけれども、これまでさまざまなこうした化学物質、排出されているものに対する情報というのも、企業がなかなかオープンにしない。市民はそういった情報から遠ざけられてきた経緯があります。
 昨今の狂牛病の情報処理を見ていても、どうしても、隠すということでさらに混乱が広がり、必要のない混乱が起こるというふうにだれもが感じていると思います。
 環境問題の場合は、さらにいってしまえば、加害者と被害者、これの区別がなく、一時点からその立場が逆転する、また両方の立場になるということがあり得るわけで、情報の公開というのは本当に不可欠な問題になっています。
 こうしたときに、その危険性、環境問題のリスクをいかに共有するか、安全性の議論、また危険性の議論、どのような状況なのか、どんな程度なのか、こうしたリスクコミュニケーションというものが大事になってくると思うんですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

○小島参事 リスクコミュニケーションについてですけれども、化学物質による環境影響の軽減を図るためには、都民、事業者、行政が環境リスクに関する情報を共有、交換する、いわゆるリスクコミュニケーションが必要であります。このため、化学物質対策を推進するために、リスクコミュニケーションの充実を図っていきたいと思います。

○大河原委員 化学物質の環境影響のリスクといったところを考えても、市場には七万種類から十万種類の化学物質が出ておりまして、そして毎年千五百種類ずつ新たに開発されているという現状の中では、一つ一つのリスクを知るということは非常に困難なわけですね。
 欧州委員会の昨年のレポートでも、データベースに登録されている約二千五百種類の化学物質のうちでも、データがきちんとあるものというのはごくわずか、一四%だったというふうに聞いています。不十分なデータ、あるいは全くデータがないといったことの方が通常の状況であることを考えれば、今手にしているデータをどのようにして読み解いていくのかということが非常に重要であろうかというふうに思います。
 PRTR法のもとでは、このリスクコミュニケーションを進めていかなければなりませんけれども、クリアしなければならない課題があると思いますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

○小島参事 PRTR法に関しても、物質を指定しましたけれども、三百五十四物質とか、たくさんの物質があります。その物質の名前も、一般の方にはかなりなじみにくいようなさまざまな物質がありまして、そういうことで化学物質によるリスクを都民が正しく理解することは非常に難しい状況にあります。そのため、リスクコミュニケーションの実施に当たりましては、化学物質に関する情報を都民に正確でわかりやすく提供することが課題であると認識しています。

○大河原委員 PRTR制度がスタートして軌道に乗っていく、そういうところを考えても、市民に提供される情報量というのは格段に多くなる。その情報をいかに自分自身に引きつけて理解をしていくかということが問われているわけです。
 私も、ことしの第一回定例会の一般質問で、このリスクコミュニケーションについて質問させていただいているわけですけれども、リスクコミュニケーションというのは、一方で専門家が専門知識をフル活動して幾ら説明してくださっても、なかなか一般の私たちにはわかりづらいものがあります。心理的には、専門用語でむしろごまかされているような、そうした気分にもなってしまうんじゃないかというふうに思うんです。
 市民の方の情報を読み解く、いわば情報リテラシー、この能力を支援する、あるいは養っていく、こういうことがまずもう一方で大切な課題になってくるというふうに思うのです。
 昨年のちょうど九月に、環境庁が化学物質のアドバイザー制度をつくるというふうに新聞記事が出ていまして、四年間で千人を養成するというふうな記事だったものですから、私、すごく期待をしていました。都庁には専門家の方がたくさんおいでですし、また都民とのコミュニケーションをとるというところでは、いわゆる学者、研究者よりももっと市民、都民に近いところにいるというふうに思います。
 国においてもリスクコミュニケーションを検討はしているわけですけれども、東京都としてぜひ積極的に国と連動していただきたいというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

○小島参事 先ほど申し上げましたとおり、リスクコミュニケーションにおいては、正確でわかりやすい情報の提供が極めて重要であると思っています。都は、現在、リスクコミュニケーションあり方検討委員会を設置して検討を進めておりまして、今後環境確保条例やPRTR制度のもとで、都の化学物質管理におけるリスクコミュニケーションのあり方について、お話のあった課題も含めて検討していきます。

○大河原委員 東京都もリスクコミュニケーションのあり方検討会をもう既に設置しているということで、そこに期待をしたいわけですけれども、会議報告を、まだ二回分ですね、見せていただいたんですが、少し要望させていただければ、今いったように、一般の人が、市民がわかりやすいということを追求するならば、やはり専門知識を有する学識経験者や、このメンバーには都、市、区の職員という構成なんですけれども、会議は公開されているにしても、もっと直接的に検討会の中に公募の市民枠というものがつけられなかったのかしらというふうにちょっと思いまして、こういったところでも環境行政、化学物質の行政についても、市民参加をぜひ配慮していただきたいというふうに思います。
 そして、化学物質問題については、まだまだこうしたリスクコミュニケーション以前に、根本的に対策を練るときの欠陥が二つあるというふうに私は思っています。
 例えば、ダイオキシンの環境基準値を見ても、大気、それから水質、土壌はあるんですが、体に取り込まれる経路として食品が九割なわけなんですね。ですから、摂取経路の大半である食品の基準値を国はつくっていない、そういったことも非常に大きな欠陥だというふうに思いますし、また小さな子どもたち、それからおなかの中にいる胎児、こうした子ども基準がないということも大きな欠陥だというふうに思います。
 こうしたものを早期につくっていかなければなりませんので、やはり東京都が大きく打ち出して、国を動かすような姿勢を見せていただかなくてはいけないのではないかというふうに思います。都市再生論議が盛んなわけですけれども、経済的な維持可能な社会というものを支えていくのは、まずもって一人一人の健康だというふうに思いますので、ぜひ生態学的に維持可能な東京、そういった意味でも環境局の役割は非常に大きいかと思います。
 最後に、この有害化学物質対策全般について局長のお考えを伺いまして、質問を終わります。

○赤星環境局長 ただいま有害化学物質全体に対しますお話、いろいろご質問がございました。私どもといたしましても、今担当参事の方からるるお答えしたところでございますが、化学物質そのものは、一方で生活の利便性をもたらした、これは紛れもない事実でございますが、また一方で日常生活や事業活動のさまざまな場面で、環境中に非常に多く排出された。特に有害化学物質は、たとえ微量でありましても、人体、環境に、世代間を超えて、予想を超えた長期間に悪影響を及ぼすおそれがあるものでございます。
 こうした有害化学物質に関します科学的知見というのは、必ずしも現在十分とはいえません。これまでの個別規制の手法だけでは、現在対応が困難となっております。今後の有害化学物質対策におきましては、環境中への排出基準の低減だけでなく、先ほど来担当参事の方から申し上げておりますように、使用量の削減、有害性の少ない代替物質への転換、事故の防止、それから先生がおっしゃっていました情報の提供ですね、わかりやすい情報の提供、そういうことがぜひとも必要だろうと思いますし、都としては、このような観点に立ちまして、有害化学物質の削減対策の総合的な推進を図るよう全力を尽くしてまいります。

○藤川委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分程度休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時十九分開議

○吉野副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行します。
 発言を願います。

○吉原委員 吉原でございます。二つの点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、先般の本会議に、我が党の遠藤議員、そして吉野議員も質問をされました。それに対して知事も、日本の再生は東京から再生することだ、そのためには多摩も大きな一翼を担っている、そういうお話をいただきました。頼もしい意見をいただいたな、答弁をいただいたな、そんなふうに思っております。
 そんな中で、これは平成十二年の十二月ですか、緑の東京計画というのを出されていると思います。その中で、緑の問題でありますけれども、今東京も大変緑が少なくなってきた、平成十年までの二十五年間で山手線の内側全体のスペースの緑がなくなってきた、これは大変なことだな、そういう認識を持っていらっしゃるというような文章が、東京計画の中で記せられております。
 そんなことを考えたときに、前回の都市計画局に対しても、やっぱり緑は大切だよ、直接都市計画には関係ありませんけれども、局には関係ありませんでしたけれども、東京の緑は大切ではないか、そういうお話をさせていただきました。日本は、緑、七割があるといわれているわけでありますけれども、そんな中で、東京は大変少なくなってまいりました。
 この間もちょっとお話をさせていただきましたけれども、三多摩には余り高いビルというのはないのですけれども、都心に来てみますと、明治神宮だとか新宿御苑だとか、大きな緑というのは本当に数限られたところにしかなくなってきたと思います。
 私は三多摩選出をさせていただいておりますので、三多摩のことで大変恐縮でございますけれども、三多摩も、一九七〇年半ばからこれまで、大変緑がなくなってまいりました。これはもう皆さんも資料があると思いますので、現実だということを認識いただいていると思います。
 そんな中で、私の住んでいる町田市におきましては、つい数年前、たった一年間で東京ドームの約十二倍の緑が町田市からなくなったんです。緑というものがどういう役割を果たして、これからどういう役割を担っていくかということは、もう皆さん、ご案内のとおりだと思います。そんな中で、ぜひ私たちの、世界の東京だといわれる東京から緑を守っていく施策が必要ではないかな、そういうふうに思っております。
 そんな中で、国の方も、田んぼや畑に対しては、生産緑地法に対して、納税猶予というものをされています。これはもう時限というか、期間の、期限のあることでありますけれども、先ほど吉野議員からも、森林のお尋ねをさせていただきました。自然林というのも、私たちにとっては大変大きな役割を果たしていただいていると思います。そんな中で、自然林を守っていく施策も、これから東京は大きな声を出していくべきではないかな、そういうふうに思います。そんな意味では、いろいろな施策が考えられるんだろうと思いますけれども、やっぱり私は、今の中では、国に対して、自然林に対しての納税の猶予をすべきだ、そういう声をもっと大きくしていかなければいけないなと思っています。
 私、地元におりましても、山林を持っている方はたくさんいらっしゃいます。そして、その周りに住んでいる方々もたくさんいらっしゃいます。それぞれの持っている方にとっても、あるいはそこの近隣に住む方にとっても、緑は大切だといわれておりますし、持っている方は、やっぱり今のままでは相続が来たときに困るな。固定資産税はたかだか十円台の固定資産税であります。しかし、相続が発生したときに、それを手放さなければならない。本来は手放したいと思っていないと思うんです。先祖代々の土地でありますから、残したい、自分の世代はぜひ次の世代にも受け継ぎさせていただきたい、そう思っているんだろうと思いますけれども、そんな中で、持ち主の方々も、今の状況で相続税が発生したら本当に困る、もう売らざるを得ないな、そういうふうに嘆いております。
 そのことを考えたときに、やっぱり税金の問題は直接東京都がどうだこうだといわれることができないんだろうと思います。しかし、市町村にとっても限度があるわけであります。やっぱりこれは国に対して、東京都が本当に真剣になって、もっと大きな声を出していかなければならない時代に来ているんだろうと思います。
 そんな意味では、私は、道路も大切だ、あるいはさまざまな都市基盤整備も大切だと思います。やっぱり緑は、これから残していくための都市基盤整備と同じレベルでの議論をしていかなきゃいけない時期だと思っております。
 そんな意味では、ぜひともこれから国に、東京都としても、そして環境局だけでなくて、東京の役所の皆さんが、都庁の皆さんがそれぞれそういう認識を持たなければいけないという意味で、局のこれからの緑に対する、特に自然林に対する取り組み方がどういうものなのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。

○高田自然環境部長 緑を守る取り組みについてということでございます。
 都はこれまで、お話がございました生産緑地制度、緑地保全地区制度、首都圏近郊緑地保全制度、こういった国の制度を活用することに加えまして、都独自に条例を制定し、緑地保全地域制度をつくる、そういったものの活用を図る、またさらには保全地域の公有化などを行っていく。そういうことによりまして東京の緑の保全を図ってきたところでございます。
 今回、三十年ぶりに条例を改正いたしまして、お話がございました森林部分を含めて、新たに取り組みが必要であるということで、森林環境保全地域という制度を創設し、森林組合あるいは都民ボランティア、そういった方々と連携協力しながら、森林の保全についても取り組んでいこうというふうなことを開始したところでございます。
 さらに、税制度の問題についてでございますけれども、国に対して、区市町村が指定をしております保存樹林地、そういったものを含めまして、都が実施しております保全地域制度に関して、納税猶予制度を創設してほしいという改善を要求してきてございます。なかなか難しい問題でございますが、粘り強くその実現を国に求めていく、そういう所存でございます。

○吉原委員 何だか余りよくわからないようなお話だったと思うんですけれども、先ほどお話をさせていただいたように、多摩の振興はこれから大切だよ、そういうことでありますから、必ずしも、緑をすべて保全していかなければいけない、私はそういうふうに申し上げているのではないのですね。やっぱり必要なところには、緑が多少削られることがあっても、そのことをしなければならないこともたくさんあるんだろうと思います。それはそれで、私は否定するものではありません。
 しかし、今お話をいただきますと、森林に関しては今のようなお話をいただきました。では、保全林に対してはどういうような施策をこれからやっていくんだろうか、そのことを考えたときは、いまいち踏み込んだお話をいただければありがたかったかな、そんな思いがするわけであります。時間も余りないようでございますので、このくらいにさせていただきますけれども、一点だけ局長さんに。
 先ほど申し上げました、やはり都市基盤整備と同じくらいの認識を持って、全庁的にこれから緑を守っていくんだという認識を持っていただきたいと思うのです。そういった意味で、国の方にも税金の問題できちんとした形でお願いをしていただきたいと思っておりますけれども、特に緑という問題について、都市基盤整備との、そのくらいの重要性を持っていらっしゃるのかどうなのか。どのくらいの認識なのか、局長さんにお尋ねさせていただきたいと思います。

○赤星環境局長 緑の重要性についてでございますが、私どもも先生と同じように、緑の重要性は十分認識しております。地球温暖化の問題、あるいはヒートアイランドの問題を考えますと、都市の中にある緑というものは、見方を変えますと、一つの、都市基盤そのものを構成するものになるのではないかと思います。
 我々、そういう視点から、先ほどもお答え申し上げましたけれども、これから各局連携して、新たな視点に立った緑の保全策に努力してまいりたい、こう考えております。

○吉原委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 次の点に移らせていただきたいと思いますけれども、先ほども不法投棄の問題がありました。今、そういう対策もされているということでございます。今、全国的には産業廃棄物というのは一年間で約四億トン排出されている、そんなお話を聞いたことがあります。東京でも約二千四百万トン排出されているという現実があるやに聞いているわけであります。
 そこで、今、国の方でも、都市再生本部というものが立ち上げられまして、その中で東京都も首都圏の五カ年十兆円プロジェクトを提案されたと思います。そして、国の方でも、それに対して、ごみゼロ化の都市化を構築していかなければいけない、そういうような考えがあるということもお聞きしております。
 そんな中で、数日前に、ある新聞に、東京再生本部という見出しをつけながら、東京臨海にリサイクル工業団地いうのが載りました。我々は、私も含めて、皆さんどうかわかりませんけれども、私は余り中身のことはよく存じ上げておりませんでした。これを見ると、もうかなり進んでいる話なのかな、そんな気がしております。
 そんな中で、今東京都から都市再生本部に出向されている方もお二人いらっしゃるんでしょうかね。いらっしゃると思うんです。(「三人」と呼ぶ者あり)三人ですか。三人いらっしゃるんだろうと思いますけれども、ぜひこの東京の産廃についての声をもうちょっと大きくしてもらいたいな。そのために我々もしっかりとフォローさせていただきたい、そういう気構えでいるんです。
 この中にもるる書いてありますけれども、これからの計画がいつ、どういう形で計画の目標がなされているのか、いないのか、そして事業化がどういう形でスケジュール的に進むようになっていくのか、いかないのか、その辺のところをお聞かせいただければありがたいと思います。

○古川参事 現在、ごみゼロ型都市への再構築の第一段階のプロジェクトといたしまして、国の都市再生本部のもとに、ごみゼロ協議会が設置されております。そして、その中で、七都県市と関係省庁で、廃棄物の減量化目標や廃棄物処理、リサイクル施設の整備目標などの検討が行われております。
 これらの目標は、中長期計画として取りまとめることになっておりますが、本年十一月を目途に中間のまとめを、そして来春には最終の取りまとめを行う予定とされているところでございます。

○吉原委員 この新聞が本当かどうか、私はよくわかりませんけれども、リサイクル工業団地のイメージというところに、食品廃棄物あるいはPCB関係、ITの古くなったもののリサイクル関係の施設、ペットボトル、廃プラスチック、建設廃棄物等々、あとガス化溶融施設がありますね。これだけ全部やろうということなんでしょうか。特に東京として、どのような施設がこの中に組み込まれていったら本当にいいのか、その点が一点。
 そして、場所的には、東京のどこに計画をされようとしているのか。または、スペースといいますか、施設が幾つあるのかわかりませんけれども、幾つ考えられているかわかりませんけれども、それに見合ったスペースはどのくらい必要なんだ、その点、お尋ねいたしたいと思います。

○古川参事 いろいろな情報が飛び交っておりますけれども、東京といたしましては、臨海部にPCB無害化処理施設、ガス化溶融等発電施設、それから情報機器類リサイクル施設、四つ目に建設廃棄物リサイクル施設、これらの施設を整備したいというふうにごみゼロ協議会の方へ提案しているところでございます。
 なお、立地の想定地といたしまして現在検討しておるのは、城南島と中央防波堤埋立地でございます。面積は、まだまだ検討段階でございますけれども、両者合わせまして十八ヘクタール程度を想定しているところでございます。

○吉原委員 今、四つですかね、挙げていただいたと思います。その中で、産業廃棄物については、民間がきちんとした形でやっていくことが私は望ましいと思うんです。しかし、それについては、今のお話ですと、きっと大変なお金がかかるんではないかな、そんな思いもするわけでありまして、そういったために、これからさまざまな問題があるんだろうと思います。スーパーエコタウンという構想は大変いいのかな、そういう思いがするわけでありますけれども、やっぱりさまざまな障害もあることも事実だと思います。そんな意味で、今お話しいただいたようなことが現実化していくために、局長さんもどんな思いがあるのか、一言だけで結構でございますので、お聞かせいただきたいと思います。

○赤星環境局長 廃棄物問題の解決というのは、我々、首都圏全体で考えなければいけない問題だと考えております。今、スーパーエコタウンを打ち出しました背景には、廃棄物問題全体が、東京の場合必ずしも全部を賄っていない、他県にいろいろおんぶしてございます。東京として、他県の分も担わなきゃならない部分もあるだろうということで、首都圏全体で担うべき役割としてスーパーエコタウン構想というのを打ち出したわけでございます。
 東京の中に今四つの施設を、部長の方からご説明申し上げましたけれども、東京としてもPCBですとか建廃ですとか、東京の中だけでなく他県からの分も一部受け入れなければならない部分もあるんだろうということで、施設を提案しているところでございますが、私もスーパーエコタウンの関係と申しますか、国の都市再生本部のごみゼロ会議のメンバーとして参加しています。このメンバーは、国の四省庁の局長クラスと、七都県市の部局長クラスが参加しております。東京都がさきに提案いたしました首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトというのがございますが、その中でも、大きな柱の一つとして、ごみゼロ型都市の再構築を掲げているわけでございまして、これは先生ご指摘のように、民間の力を最大限活用した首都圏スーパーエコタウンということで提言したものでございます。
 国の財政支援の動向、大変厳しいものがございまして、そこに、先生の新聞のところにいろいろなことが出ていると思いますが、それがどういう根拠で出てきたのか、我々もちょっとよくわからないところがございますけれども、つくりたいという思いはあるようですが、財政の裏づけがなかなか出てこない。我々、この財政、大変予断を許さない状況にございますけれども、議会を初め関係方面のご支援をいただきまして、産業界の積極的な参画を求めているところでございます。構想の具体化に向けて、我々としてもぜひ実現していきたいと思っておりますので、我々も全力を挙げて取り組んでまいりますが、議会の方からもご支援のほどをお願いいたしたいと思います。

○大木田委員 私も十年ぶりに環境局の委員会の所属になりましたものですから、十年ぶりに質問させていただきたいと思っています。
 十年前は、二日間にわたって六時間質問しましたから、まだこの記録は破られてないということでありますけれども、きょうはそんなに長くしませんで、三十分くらいでとどめておきたい、こう思っております。
 当時、局長は、平和記念館担当課長で頑張っておりました。当時は公害対策局といいまして、公害を対策するというあれですから、私は、公害対策を改めて、環境創造というような局のイメージに変えた方がいいんじゃないか、名称の変更等を提案しまして、それから環境保全局、現在は環境局、こうなってきたわけであります。
 当時から見ますと、環境行政の守りの姿勢から、石原知事が環境庁長官を経験したということで、この二年くらいを見ていますと、まさに環境創造までいきませんけれども、攻めの姿勢に変わってきているなということで評価をしているわけであります。
 今いろいろと質問が出ましたけれども、都市再生がこれから大きな一つの焦点になってまいります。それに伴う予算の問題も入ってまいりますけれども、都市再生の中には三つのポイントがあるわけですね。東京都が与党三党の政調会長から要請を受けて、石原知事が急遽取りまとめた、二月にまとめた首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトということであります。
 もう一つは、それに伴って、総務省にも都市再生本部ができて、東京都からも成田さん初め三名が今行っているわけでありますけれども、第一次、第二次と具体的な形が出てまいりまして、その中にスーパーエコタウン構想、これはもともと公明党がずっと提案をしてきた問題が、都市再生本部の中において明確に位置づけられてきたというようなことであるわけです。
 そこでちょっと伺いますけれども、この三つの十兆円プロジェクト、それから第一次、第二次というような中で、環境局にかかわる内容というのは、具体的にどういうことが今あるのか、ちょっと確認をしておきたいと思います。

○梶原企画担当部長 お話の首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトは、広範にわたりまして首都圏を再生するために緊急に国が取り組むべき施策について、東京都から提案したものでございます。
 その中では、環境局事業以外にも、幹線道路の沿道のグリーン化とか、あるいは交通渋滞の解消などの施策がございます。もちろん、大きな柱といたしまして、新しい環境対策、この中に花粉症等アレルギー対策あるいは首都圏スーパーエコタウンといった施策が盛り込まれてございます。

○大木田委員 この二つの点は大変重要なことでありますけれども、今後国の都市再生本部に、環境局としては、これも進めるということは大事ですけれども、どういうことを要望しようとしているのか。具体的な何かあれば伺っておきたいと思いますが、どうでしょう。

○梶原企画担当部長 お話のように、既に一次決定、二次決定を経てございますが、なお国の予算そのものが概算要求の段階でございます。今盛り込まれている内容を確実に予算化していただくことを提案要求すると同時に、また私どもの提案の中でまだ取り込まれていないものについても、引き続き求めていきたいと考えております。

○大木田委員 それでは、具体的に伺っていきたいと思いますけれども、新しい環境対策ということで、花粉症等アレルギー対策を入れておりまして、これに九千億ということで、公明党といたしましても、花粉症アレルギー対策で全国的に署名運動をいたしましたら、一千二百万を超える署名が集まりまして、関係省庁にもこれを届けて、これが具体的に花粉症等アレルギー対策ということでなっておりますけれども、特にこの中で大気汚染の改善--ディーゼル車の排気ガスの規制の強化、低硫黄軽油の早期投入というようなことをうたっておりますが、現状はどうなっているんでしょうか。

○町環境評価部長 大気汚染の状況について、環境基準の達成状況でご説明をさせていただきます。
 十一年度に比べまして、一般大気環境測定局におきましては、二酸化窒素、浮遊粒子状物質につきましては改善傾向にございます。自動車排出ガス測定局につきましては、浮遊粒子状物質はかなり、三一ポイントほどの低下をしておるというような状況でございまして、二酸化窒素につきましてはほぼ横ばい状態ということがいえますけれども、浮遊粒子状物質につきましては、平成三年度をピークにやや減少していますが、十二年度につきましてはやや悪化した、こんな状況になってございます。

○大木田委員 それに関連してちょっと伺いますが、私が監査委員をやっているときに、環境局が依頼をしている業者が、指定どおりの調査をしないで、途中抜いてやったりいろいろやっちゃって、データが正確じゃないというようなことがいろいろと指摘されたりして出てきたことがあります。今まで二度ほど、私はそういう経験を持っております。現在、調査を委託しているところは、全部完璧にやっていますか。

○町環境評価部長 私どもがやっております測定の中では、先ほど来ご質問のありましたダイオキシンの測定のように、非常に精緻な工程を経て厳密な精度管理を必要とするような検査もございます。そういうものにつきましては、途中の過程で私どもの方から指導をして、適切な業務運営をお願いするというようなケースもございますが、最終的にはきちっとした形ですべてやられております。

○大木田委員 いろんな委託、調査委託というのはあると思いますけれども、このデータについては、それが基本データになりますので、いろいろと常にチェックをして、いいかげんな基本データが上がってこないように、目配りをしていただきたいということを要望しておきます。
 それから、予防対策の中で、先ほどの花粉症にまた戻りますけれども、花粉症予防情報ネットワークの整備、花粉症飛散を抑制するための森林管理の徹底と、先ほどから森林の問題がいろいろと出ておりますけれども、森林管理の徹底というのはどういうような状況なんでしょうか。

○梶原企画担当部長 十兆円プロジェクトのご提案の中では、相当詳細な部分については簡略化された内容になってございます。ちなみに、お話の花粉症アレルギー対策の中の予防対策に関しましては、先般明らかになりました国の概算要求の中では、杉花粉生産森林情報調査整備事業あるいは花粉観測予測体制整備事業というようなものが盛り込まれているようでございますが、詳細はまだつかめてございません。

○大木田委員 そのほか、治療調査研究として、アレルギー疾患治療に関する拠点病院の創設、これは国の方としては相模原につくるということで、私も伺っておりますけれども、そのほか新薬の開発研究、これは衛生局等にかかわってくると思いますので、直接は環境局とは関係ないと思いますが、いずれにしても新しい環境対策ということで、花粉症等アレルギー対策を強力に局を挙げて推進をしていただきたい、こう思っているわけであります。
 国の平成十四年度の概算要求を今しておりますので、我が党においても、予算の面においては先ほど局長からも、政党等の立場でぜひお願いをしたいという要請もありましたし、全力を尽くしていきたい、こう思っております。
 それから、先ほどちょっとスーパーエコタウンの話が出まして、私はかつてから三ゼロ運動ということを主張してきたわけです。いわゆるごみゼロ、エゴゼロ、むだゼロ、この三ゼロ運動というのをずっと年来主張してきましたけれども、最近ごみゼロということが定着をしてまいりまして、先ほどごみゼロ協議会で、スーパーエコタウンの城南島と中央防波堤のところに十八ヘクタールというのは東京都も考えているというような形で、スーパーエコタウンのこれが出ておりますが、その前に数字だけ確認しておきますと、最終処分量が二千四百万トンというような話がありましたけれども、一都三県で八百万トンということを聞いていますが、その数字はどうでしょうか。

○梶原企画担当部長 平成十年度でございますが、一都三県の最終処分量八百万トンでございます。

○大木田委員 それで、スーパーエコタウンについては石原知事も、今まで本会議の答弁あるいは予算委員会の答弁、ことしの三月、私もこの問題を取り上げて、石原知事と十兆円プロジェクトの中身を詰めて話をしましたけれども、積極的にこれに取り組んでいきたいということで、私もこれは大事な点だと思いますが、東京都以外に、日本鋼管を中心とした京浜地域のところも一都三県に入っておりますけれども、これはその方との兼ね合いは、私は二つできても結構だと思いますけれども、現状としてはどんな状況でしょうか。

○古川参事 ただいまごみゼロ協議会の下部組織で実務的な検討をしている段階でございまして、詳細は申し上げられませんけれども、大体の場所といたしましては、東京臨海部と京浜臨海部と千葉の臨海部ということになろうかと思いますので、その辺でご理解をいただきたいと思います。

○大木田委員 今、東京の臨海部あるいは京浜、それから京葉という三カ所程度でこういう構想があるということで、私は三カ所でも結構だと思いますし、これを強力に推進をして、ごみ処理の問題あるいは廃棄物処理の問題、東京都において非常にあの周辺、あるいは東北から四国まで、あるいは海外までという話があるくらい、フィリピンまで日本の廃棄物が行って大問題になったということがありますので、できる限りそういう処分は可能な限りすべきであるというふうに思っております。
 十月のごみゼロ会議協議会で具体的な点がもう一歩進むということでありますけれども、そこで中間報告が出ると、中間報告を受けていろんな意見がまた出てきて、最終報告に向かっていくわけですけれども、今の流れとしましては、平成十四年度の予算で、国の方の省庁の予算要望の中に、環境省の方もきちっと対応しているんだろうと思うんですけれども、今後具体的な点ではどういう流れになるのか。平成十四年度の、例えば環境省の予算の中にはどういう点が含まれているのか、現状、わかれば。わからなければ結構ですけれども。

○古川参事 まことに申しわけありませんが、詳細を把握しかねておりますけれども、現在のところ、補助金等につきましては、東京都は従来以上のものを出すように求めておるところでございますけれども、国の方は、概算要求段階でもなかなかそれの実現が難しいというところで、今攻防戦をやっているところでございます。

○赤星環境局長 今先生ご指摘の個々の施設の経費は、東京都の場合、スーパーエコタウンで四つの施設を要望しておりますが、これが予算化、具体化しますのは平成十五年度になります。十四年度につきましては、環境アセスメントをやる形になりますので、我々としてはできるだけ、施設の、どこの場所につくっていいよ、十五年度には予算をつけてやるよという約束がとれれば進展するわけでございます。平成十四年度に工事着手は、現在のところは環境アセスの関係がございますので、今の四つの施設については十四年度の予算化は計上されておりません。

○大木田委員 都市再生の問題は、まさに都市再生そのものも重要なんですけれども、私はもう一側面、景気対策ということを考えておりまして、この側面が非常に重要なもう一面があるわけですね。
 したがって、国の方も今テロ対策の法案の方でそっちに流れちゃっておりますけれども、いずれまた都市再生に注目してくると思いますし、これはできる限り早くやるということが大事で、それで都市再生にお金を投下して、景気対策を立ち上げていこうという側面があるわけです。そういう意味においては、次の都市計画局のときに私は具体的な緊急提言を、この委員会でしたいと思いますけれども、きょうは環境局でありますので、その点は触れませんが。
 先ほど、東京都が提案しているスーパーエコタウンについては、三つ主張しているわけですね。一つは、さっきの四つの施設ですけれども、リサイクル施設等の整備ということで、PCBを早期に全量処理するということを含めてですけれども、リサイクル施設等の整備ということは、先ほどいった四つの主張をしているということを指しているわけでしょうか。ちょっと確認をしておきたいと思います。

○古川参事 リサイクル施設等の整備と、それからもう一つ、新エネルギー施設の立地誘導とか、分かれておりますけれども、私どもは新エネルギーであろうとリサイクル施設であろうと、首都圏のリサイクルに必要なものとしていろいろ考えるべきだというふうに考えておりまして、そのうち東京都で立地誘導を図りたいと考えているのは、先ほどの四つの施設でございます。

○大木田委員 次に、今新エネルギーという話が出ました。廃プラスチックの焼却熱や風力などを使ってのエネルギー源をつくるということでありますが、私は今回の三月の予算委員会で、若洲リンクスのところの、あの埋立地の入り口のところに風力発電をつくって、エネルギーを確保したらどうかという提案をいたしました。これで五十万世帯のエネルギーを供給するということでありますので、ぜひこれは取り組んでいただきたいと思っております。
 三点目に、廃棄物情報センターの設置ということがあります。廃棄物を抑制するためのリサイクルの技術開発などを推進するための情報センターということですが、これは今どういうところを念頭に考えておりますでしょうか。

○古川参事 廃棄物情報センターの設置につきましては、これは確かに都が国に対して提案したものでございますが、東京都が自分の力でつくるというように今考えているわけではございませんので、国に働きかけをしているという段階でございます。

○大木田委員 予定の時間が来ましたので、これで最後にしたいと思いますが、最後に局長の決意などを聞いて終わりにしたいと思っておりますが、いずれにしましても、都市再生が一つの焦点になってきております。これは全力を尽くして取り組んでいくということで考えておりますが、今後さらに国の方の第一次、第二次。第三次においては、もう少しソフト面を中心にした、環境対策も含めた要素で第三次を、私はもう少し展開をしていきたいと思っておりますが、第一次、第二次の予算化の問題もありますので、都市再生というのが今後十年間の大きな一つの焦点になってくる。それを進めることによって、まさに東京から日本、世界へと発信をしていく。
 かつて、世界都市博覧会のときに、世界都市博覧会を行って東京を元気にさせて、日本を元気にさせて、世界を元気に、それが青島さんの一方的なあれでポシャったわけですけれども、今回はそういう二の舞を踏まないようにして、都市再生というものについては総力を挙げて取り組んで、東京から日本を変え、世界を変えるということで、ぜひ環境局も頑張っていただきたい。局長の決意を伺って終わりにします。

○赤星環境局長 私ども、都市再生の一環として、ごみゼロもこの中に含まれております。しかも、スーパーエコタウンというのは首都圏全体で担うべきものとして提案してございますが、私ども、知事を先頭に、東京都の推進会議を設置しておりますし、環境局の中でも、具体的に四つの施設のほかにも、新エネルギーについて、民間団体とも既に接触を始めております。我々は何としても実現したい、そういう決意でおります。国の予算の関係もございますので、すべて実現するかどうかわかりませんが、我々はすべて実現する覚悟で取り組んでまいります。今後ともそういう覚悟でまいりますので、先ほど来申し上げておりますけれども、議会の皆様方にもぜひともバックアップしていただいて、都市再生に力を入れていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
   〔吉野副委員長退席、藤川委員長着席〕

○清水委員 廃棄物の問題と自然保護の問題について、簡潔に伺います。
 先日、三宅島を避難されている方が、八王子市内でげんき農場というのをやっておられるのですけれども、そこに行ったときに、三十分くらいミーティングをしていただきまして、その中から、三宅島の方から出た要望のことです。
 一時帰島をされまして、改めていろいろな要望はありますし、また東京都も総務局を先頭にいろいろ対応していただいているのですけれども、その時点、時点で、三宅島の方からいろいろな要望が出されてきております。その中で、三宅村における災害を受けた廃家電の問題について、帰島をされて、自分が負担をしなければいけないんじゃないかというような話を聞いて、ぜひこれを聞いてほしいということを受けましたので、何問かだけ伺います。
 三宅村における災害を受けた廃家電の量については、どのように把握をされているでしょうか。

○西野廃棄物対策部長 三宅村の帰島がまだいつになるかわからない段階で、廃家電の発生量がどのくらいになるかというのを現時点で推計することは困難でございますが、三宅村全世帯の二千世帯のうち、四分の三の千五百世帯から廃家電がそれぞれ四品目--冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機でございますが、これが排出されたと前提に計算いたしますと、約六千台ということになります。

○清水委員 リサイクルに必要な経費がこれから考えられるわけですけれども、その予想はどのように、これもまた予想ですけれども、できるでしょうか。

○西野廃棄物対策部長 家電リサイクル法に基づきますリサイクル経費についてでございますけれども、これにつきましては、輸送費とリサイクル料金が必要になります。輸送費につきましては、家電リサイクル法が施行されましたことしの四月の段階では、三宅の島民の方々は避難してきておりますので、実績値はございませんので、大島町と八丈町の運搬費の平均としてそれぞれ計算をいたしますと、一世帯当たり約二万円かかります。先ほどの約六千台で計算しますと、約三千万となります。

○清水委員 新聞報道によりますと、環境省が自然災害による家電ごみの負担についての通知を行ったというふうに伺っているのですけれども、災害を受けた廃家電のリサイクル経費に対する補助はどのようになるでしょうか。

○西野廃棄物対策部長 災害を受けた家電のリサイクルを行う場合、方法は二つございます。家電リサイクル法に基づいて、住民の負担により、あくまでも既存のルートでリサイクルする場合が一つでございます。それからもう一つが、廃棄物処理法に基づきまして、市町村が収集し、事業者に引き渡す場合の二つがございます。
 先ほどお話のありました、災害を受けた廃家電のリサイクル経費に対します国の補助制度でございますが、十三年十月二日、国の方から通知がございまして、先ほどの二つの方法のうち後半の、区市町村がリサイクル経費を負担した場合に補助されるわけでございますが、この場合の国の補助が二分の一でございます。残りの二分の一につきましても、その約五分の四が特別交付税で措置されるため、村が税金等で負担するのは約一割となります。

○清水委員 現時点では、三宅村はその後どういうふうにするのかということについては、まだ見通しもつかないので、決めることはできないというふうに思うのですけれども、東京都として、こういう情報の提供とか、こういうめどが立った場合の支援策などについて、現時点でどのようなことを考えておられるか、伺いたいと思います。

○西野廃棄物対策部長 各区市町村に対しましては、十三年十月二日付の国の通知につきましては既に送付してございます。今後、具体的な手続につきましては、帰島の見通しがついた段階で、三宅村と十分連絡調整を図ってまいりたいと考えてございます。
 また、都の支援策につきましては、家電リサイクル法の問題だけではなく、村の復興計画全体の中で判断すべき課題であると考えてございます。

○清水委員 今後の問題にはなるのですけれども、住民の中には、いろいろな要望というのがその時点で出されてくると思います。都として、先ほどのご説明によりますと、村の負担、それからまた住民の負担などができるだけないように、ぜひその時点では軽減を図る支援策をとっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、先ほどから何人も質問されておりますので、簡単にいたしますけれども、自然保護の問題でも、これまでいろいろな点から伺ってまいりました。先ほどから出ております森林の役割について伺いたいと思うのです。
 これまで環境局の中では、森林や林業、山地の問題というと余り触れられることがなくて、これは労働経済の問題、産業経済の問題というふうにいわれてきたんですけれども、このように環境局の中で森林の問題が取り上げられるということは、一方では大変深刻な事態に陥っているということ、また森林の問題を環境としてとらえるという、そういう大きな国としても動きがあったということは後で触れたいと思うのですけれども、進んできた、そういう状況だと思うんです。
 それで、先ほどから森林の役割などについては大勢の方が触れられているんですけれども、木材を供給するという機能、それから国土や自然環境の保全、水資源の滋養、そして地球温暖化の原因物質である二酸化炭素の吸収など、多面的な機能を持っているということは触れられてきました。
 そういう中で、九二年には、地球サミットで、森林原則声明ということで、森林を生態系としてとらえて、森林の保護と利用を両立させる持続可能な森林経営の考え方が打ち出されたということですけれども、最近の私の経験からいっても、この夏の暑さとか、九月には台風がありましたけれども、檜原村の被害を受けたところに行ってみますと、山の切り出された木が沢をせきとめて、沢の流れが変わってしまって、住居を押し流すというようなところを調査をしてまいりました。それで、経済の林務課なども対応されているわけですけれども、今の山の状態というのはこうした状況。災害なども、本当にこれから深刻になっていくんだなということをまざまざと見てまいりました。そして、林道なども、大量の土砂で埋められているところを村の担当者から伺って、これは林業の問題でもあるし、本当に環境の問題、そうであれば生態系も大きく破壊をされていくということでは、これは環境の視点から考えなければいけないなということを考えるきっかけがあったわけです。
 そこでまず基本的なことなんですけれども、森林について、地球温暖化対策上の役割についてどのように認識をされているかということを伺いたいと思います。

○高田自然環境部長 樹木でございますが、樹木はその成長の過程で、光合成によりまして二酸化炭素を吸収し、固定していくという働きがございます。森林は、十分な保全が行われることによりまして、今申し上げました二酸化炭素の削減など環境への負荷の低減に役立つものというふうに認識してございます。

○清水委員 環境としても大変重要な役割があるということを、環境局としても現時点で認識されているということですけれども、先ほどから何人かの方も触れられておりましたけれども、大変荒廃が進んでいるということでは、繰り返しませんが、先ほども触れられていた状態というのは、改善されるどころか、むしろ進行しているという点で深刻だと思うんです。木材価格などもいわれましたけれども、東京でも、経済局からは資料をいただきましたけれども、大変価格が下がっています。
 それから、林業就業者も、国では一九七五年には二十二万人いた方が、二〇〇〇年には七万人、東京でも千四百三十人いた方が、平成十二年には二百六十人余りと、守り手さえいなくなっている事態の中で、先ほどから触れられている、間伐ができないというようなこと、それから檜原などでは新たに植えた木をシカが食べてしまうということで、そこで林業を放棄してしまう。営業も成り立たない。倒産など、二〇〇〇年だけでも二百六十九件も倒産や廃業が起きているというような状況の中で、とにかく整備をする守り手がいないということでは、本当に深刻な状況だというふうに考えるのですけれども、環境局として、森林を環境としてとらえるというのはまだ日としては浅いと思うのですけれども、こうした山林の荒廃の状態というのはどのように認識をされているでしょうか。

○高田自然環境部長 東京の森林は、戦後植林されました杉、ヒノキなどの人工林におきまして、お話がございました林業の低迷や人手不足から放置され、十分な手入れがなされていないところもあると聞いてございます。
 このような植林地では、これもお話がございましたが、大雨がございますと、表土が流出したり、山腹崩壊の危険が生じてくる。あるいは、日照不足によりまして、下草の生育が阻害され、保水機能が低下する。また、野生動物の生息環境の面から見ても悪化が懸念される。

○清水委員 環境局としての取り組みとして、自然保護条例についてはいろいろあるのですけれども、昨年改正されて、森林環境保全地域を新たに制度化いたしました。その内容について、どのように今取り組みが進められているでしょうか。

○高田自然環境部長 森林環境保全地域は、適切な管理をすることによりまして豊かな自然環境を回復することが必要な地域について、都民やNPO、地元自治体、森林組合と連携協力しながら、保水機能を高めるとともに、多様な野生生物が生息する豊かな森林として、その回復と保全を目指すものでございます。
 具体的な状況でございますけれども、緑の東京計画におきましては、平成二十七年度までの十五年間に六カ所の指定を目標にしてございます。現在、指定に向けまして、対象となる地域の選定や都民NPOとの連携策などについて、森林組合と意見交換を進めているところでございます。

○清水委員 その十五年間に六カ所ということですけれども、まだ場所とか広さとか決められないと思うのですけれども、どの程度の--広さだけでも予測されていますか。されてなければいいのですけれども、されているのかどうなのか。

○高田自然環境部長 森林環境保全地域は、先ほど申し上げましたように、地元自治体、森林組合の協力も得る、さらには都民ボランティアの活用も図るということで、立地条件がかなり制約されてくるということが考えられます。
 私どもといたしましては、保全地域の基準としては、一カ所最低でも十ヘクタール以上の広さは欲しいなというふうな考え方がございますが、全体でどの程度の規模になるかは、先ほど申し上げましたように、今の段階では地元と意見交換を進めている段階ですので、まだちょっとその規模の大きさまでははかりかねているところでございます。

○清水委員 森林保全地域でこれを解決することはできないと思うんですけれども、この実態というのは、先ほどもどなたか触れたかもしれないのですけれども、都内で間伐が実施された面積というのは約四六%で、まだ手入れがされずに放置されているもの、必要な面積が二万五千五百十二ヘクタールで、実施した面積は一万一千七百二十九ヘクタールだそうです、経済局の方から聞いたところ、進ちょく率四六%で。そうすると、半分以上がまだ手入れがされずに放置をされているということでは、今考えている広さが、それがどうかということは環境局だけでできることではないので、後からもお願いするわけですけれども、本当にこの実態を、環境局を中心にした全庁で十分把握して、民間の所有者もあるわけですから、民間を支援しながら、どうやって公有林、国有林の手入れをしていくかということが大変急がれていると思うのです。
 それで、ご承知だと思うのですけれども、ことしの通常国会では、林業基本法の改正が成立されました。私たちとしては、この中にあった、森林の従来の目的にしていた総生産の増大とか、自然的、経済的、社会的不利益の補正とか、林産物の需給、価格の安定とか、経済の面で支援をしていくという部分が削られて、多面的機能の発揮とか、健全な発展とか、利用の促進とか、そういうことが盛り込まれたわけなんです。ですから、我が党としては、削られた部分を盛り込んで、新しいものも盛り込んで成立させろという修正案を出したのですけれども、これが通過しませんでしたが、法案には賛成したわけで、林業基本法の内容の中では、経済面が改善される状況にはなってないのですね。
 ですから、売れば価格が少しでもよくなるかとか、従事者がふえるか、そういう営業が成り立っていくかということを予想すると、それは今度の改正では多少後退している面があるわけです。その一方で、環境で森林を守ろうという方向になってしまっていったわけなんで、後退した面は批判するとしても、環境にゆだねられた部分というのは真剣にやっていかなければいけないというふうに考えているわけです。
 それで、先ほども触れられていましたけれども、昨年十二月の緑の東京計画の中では、施策の推進を図るために委員会を設置するとなっていますね。その委員会はどのような状況になっているのでしょうか。

○高田自然環境部長 緑の東京計画を着実かつ効果的に推進をしていくために、本年七月に、庁内の関係八局で構成いたします緑の東京計画推進委員会を設置いたしました。委員会では、計画の目標達成に重要な施策につきまして、各施策ごとの中期目標の設定、そのためのプログラムや都民との連携策などについて検討しております。

○清水委員 この推進委員会が設置をされたということで、各局が同一の席に着くという場所ができたわけですね。ですから、やはり環境の視点、経済の方では林業基本法の改正によって予算をもっとつける努力をするというふうにいわれていましたけれども、環境の方から全庁的に森林問題に対応できるように努力をしていただきたいと思うのです。
 予算の面でも、先ほどから、都民との連携、各局との連携などといわれているのですけれども、ボランティアももちろん頑張っていただきたいと思っています、環境の面で理解していただいて。しかし、何といっても、都として、環境局として、毎年毎年自然保護に対する予算というのが本当に減ってきている状況の中で、新たに森林保全地域を指定していく取り組みという中では、まさか来年度は減らないというふうには思うのですけれども、これだけ重要だというんなら、予算としてふやしていくというふうに私たちは期待をするわけです。どの党の皆さんも、森林が大事だ、緑が大事だといっているわけですから、予算をふやさなければ--ここに出ている資料の中でも、区市町村の保存樹林もどんどん解除されていくということの中で、緑とか森林というのが財産になってきているわけで、東京都が本当にそれを守っていく仕組みと、財源の面でも本当に確保していただきたいと思います。
 緑が減ってきているという話がありましたけれども、私たちがいろいろケースを受けると、最後に残された手だてというのが、東京都の保全指定をするしかないんですね。最後に残されちゃっている手段、それが去年の自然保護条例の改正で、市街地の保全は指定しないということで、これからは開発が進んでいくと思います。
 それから、区市町村が持っている保存樹林も、先日自然保護審議会で出されたのは、杉並区で持っていた、三千平米くらいだったでしょうか、樹林地を、温泉に変える、健康ランドに変えるということで解除されたという報告を受けました。そういう区内に持っている貴重な樹林地なども、区市町村が持てなくて、それからもちろん個人も相続で売ってしまうとか、最後に残された東京都の保全指定というものも、去年大きく後退させられてきているという点では、仕組みの面と、森林の環境という面を大いに環境局からアピールしていただきたいということと、環境局としての予算を、ディーゼル対策もそうですし、廃棄物もそうですし、自然保護も、本当に都市再生というのならば、そういうところに予算を大きくふやしていくということでは、来年度の予算にも大きな期待をかけたいと思うのですが、局長、その点ではいかがでしょうか。

○赤星環境局長 緑の保全につきまして、先ほど来我々は、新たな視点に立って考え直す時期に来ているということを再三申し上げてきておりますが、東京には緑が、多摩地域にもございますし、区部にもいろいろな形で存在していますが、トータルの緑をどうやって確保していくかということを考える必要があるんだろう。
 東京全体を見回して、緑を今一番効率的に、かつ、先ほど来申し上げた地球温暖化やヒートアイランド現象の対応のために残していくにはどうやったらいいのか。同時に、生態系の維持あるいは保水機能の確保ですとか、そういうものを含めて改善していく、森林も含めて改善していかなきゃいけない時期に来ているわけでございます。
 我々はこれらをトータルとして保全して、回復していく必要があるというふうに認識しておりますので、環境局予算がどうのこうのというのではなくて、産業労働局も含めまして、東京都全体、我々が一体となって東京都の森林、緑を確保するための施策の前進をしていきたい、こういうふうに考えております。
 そのための予算は、どういう形になるにせよ、来年度は--厳しい状況ですから、一気に対応といかないかもしれませんけれども、我々は確保していきたい、こういうふうに考えております。

○藤川委員長 ほかにはご発言ございませんか。--発言がないようなので、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤川委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十七分散会

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