都市・環境委員会速記録第八号

平成十三年五月二十九日(火曜日)
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長寺山 智雄君
副委員長真鍋よしゆき君
副委員長かち佳代子君
理事大西由紀子君
理事吉田 信夫君
理事森田 安孝君
中嶋 義雄君
清水ひで子君
馬場 裕子君
吉野 利明君
立石 晴康君
内田  茂君
田中 晃三君
奥山 則男君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市計画局局長山下 保博君
次長石山 伸彦君
技監勝田 三良君
理事塩野 忠弘君
総務部長野田 一雄君
総合計画部長中島  守君
開発企画担当部長田中  亨君
地域計画部長小林 崇男君
施設計画部長杉浦  浩君
航空政策担当部長山内 一良君
外かく環状道路担当部長成田 隆一君
開発計画部長只腰 憲久君
防災都市づくり推進担当部長福島 七郎君
建築指導部長森下 尚治君
参事河島  均君
環境局局長中野 英則君
総務部長平井 健一君
企画担当部長梶原 康二君
移管事業調整室長西野 和雄君
環境改善部長長谷川 猛君
参事小島 高志君
自動車公害対策部長松葉 邦雄君
交通需要マネジメント担当部長山本 憲一君
自然環境部長高田 茂穗君
廃棄物対策部長薄  厚一君
廃棄物技術担当部長関  寿彰君
環境評価部長町   格君
局務担当部長平田 信幸君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
  第二回定例会提出予定案件について(説明)
  ・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
  請願陳情の審査
  (1)一二第一三一号 歩きたばこ・ポイ捨ての禁止に関する請願
  (2)一二第六三号の二 「東京構想二〇〇〇」及び「緑の東京計画」の反対に関する陳情
  (3)九第一〇八号 都環境影響評価審議会のすべての審議、会議録、審議資料の公開に関する陳情
 都市計画局関係
  第二回定例会提出予定案件について(説明)
  ・都市計画法に規定する開発許可等の基準に関する条例
  ・八ツ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について
  請願陳情の審査
  (1)一二第一四〇号 仮称「板橋加賀計画新築工事」に関する請願
  (2)一三第五号 仮称「西尾久Ⅲ共同住宅新築計画」に関する請願
  (3)一三第三〇号 新宿区市谷甲良町の東急ビル建設計画に関する請願
  (4)一三第四一号 世田谷西部地域喜多見・成城地区都市計画変更案の反対に関する請願
  (5)一三第二二号 世田谷区成城四丁目土地区画整理事業地内の用途地域変更案賛成に関する陳情
  (6)一三第五三号 ハイヤー・タクシー車両の屋外広告物(車体利用広告物)に関する請願
  (7)一三第一一一号 仮称「NTTグループ墨田ビル」の建築計画見直しに関する請願
  (8)一二第七一号 都市計画道路補助八九号線の早期整備に関する陳情
  (9)一三第四号 墨田区大平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情
  (10)一三第一二号 幼稚園、小・中学校の日照権保護に関する陳情
  (11)一三第四三号の三 都立祖師谷公園付近の防犯対策、事業化区域の整備及び都市計画の見直しに関する陳情
  報告事項(説明・質疑)
  ・震災復興グランドデザインについて
  ・首都圏メガロポリス構想について
  ・東京西南部における流通業務市街地計画調査について

○寺山委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、第二回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしましたので、ご了承ください。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の第二回定例会提出予定案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行った後、都市計画局関係の第二回定例会提出予定案件説明聴取及び請願陳情の審査、並びに報告事項の聴取を行います。
 なお、第二回定例会提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求を行うにとどめ、質疑は付託後に行いたいと思います。
 また、都市計画局関係の報告事項につきましては、説明を聴取した後、一括して質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承ください。
 それでは、これより環境局関係に入ります。
 初めに、さきの組織改正及び人事異動に伴い幹部職員の一部に交代がありましたので、中野局長から紹介があります。

○中野環境局長 まず、この四月一日に当局の組織が改正されたことに伴いまして異動となりました幹部職員を改めてご紹介申し上げます。
 交通需要マネジメント担当部長の山本憲一部長でございます。廃棄物技術担当部長の関寿彰部長でございます。
 次に、先般の人事異動によりまして幹部職員の交代がございましたので、ご紹介申し上げます。
 局務担当部長で環境科学研究所次長の平田信幸でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○寺山委員長 紹介は終わりました。

○寺山委員長 次に、第二回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○中野環境局長 平成十三年第二回東京都議会定例会に提出を予定している条例案件についてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例案一件でございます。
 お手元に配布してございます資料1の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 第一、条例案の概要でございます。
 まず一、改正理由でございますが、商法等の一部を改正する法律、平成十二年法律第九十号による会社分割制度の創設に伴いまして、地位の承継にかかわる規定を改める必要があるためでございます。
 次に二、改正内容でございますが、現行の第八十八条第二項は工場の設置の認可の承継、第九十三条第二項は指定作業場の設置の届け出の承継の原因として、相続と合併を規定しておりますが、改正条文では、これに分割を加えるものでございます。
 なお、分割による承継は、当該認可に係る工場または当該届け出に係る指定作業場を承継させるものに限ります。
 三、施行期日は公布の日でございます。
 二ページは条例案、三ページ及び四ページは新旧対照表でございます。
 どうぞよろしくご審議のほどをお願い申し上げます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 それでは、資料要求はなしといたします。

○寺山委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、一二第一三一号、歩きたばこ・ポイ捨ての禁止に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○薄廃棄物対策部長 それでは、お手元にお配りしてあります資料2、請願陳情審査説明表の一ページをお開きいただきたいと思います。
 整理番号1、請願番号一二第一三一号、歩きたばこ・ポイ捨ての禁止に関する請願につきましてご説明いたします。
 請願者は、新宿区の歩きたばこNO都民会議代表、武田侃蔵さんでございます。
 請願の趣旨ですが、歩きたばこ並びにたばこの吸い殻や空き缶及び紙くず等のごみのぽい捨てを禁止する都条例を制定していただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、まず第一に、歩きたばこやごみのぽい捨てに関する都の取り組み状況ですが、これにつきましては、施設管理者の責務といたしまして、道路、歩道橋、河川などの清掃を行うことによりまして、生活環境の保全と公衆衛生の向上に努めております。
 また、人の健康問題に関する分煙対策といたしまして、東京都分煙化ガイドラインや都立施設分煙化推進計画の策定、並びにリーフレット「分煙のススメ」などによりまして、歩行禁煙や吸い殻のぽい捨て禁止の啓発を行っております。
 また、消防庁におきましても、火災防止の観点から、ホームページなどを活用いたしまして、たばこのぽい捨て禁止を呼びかけております。
 一方、廃棄物行政における都の立場といたしましては、ご案内のとおり、昨年四月の清掃事業の区移管に伴いまして、東京都は府県行政として区市町村の清掃事業の支援や産業廃棄物対策などの広域的な役割を担いまして、たばこの吸い殻、空き缶、紙くずなどのごみの処理、また資源回収などの一般廃棄物に関する事務は区市町村が行っております。
 次に、都内の区市町村等におきます取り組み状況でございますが、主に平成八年から十年にかけまして、ごみの散乱防止等に関しましての条例化が進みまして、現在、十八の区と八つの市、合計で二十六の区市で条例が制定されておりまして、このうち十一の区市では罰金などの罰則規定が設けられております。それぞれの区市におきましては、条例の中で一斉清掃日を設定いたしましたり、美化推進の街頭宣伝などを実施することにしておりまして、これらの取り組みを通じて、ごみのぽい捨て防止意識の啓発などを図っております。
 また、この間、区市町村では、海や川へのごみのぽい捨てに対する環境保護ですとか、公共の場所での歩きたばこの危険防止、また喫煙による健康被害といったものへの取り組みが行われておりまして、これらが住民の意識を向上させるきっかけとなり、各地域における自主的な美化運動や清掃活動の活発化につながっております。
 最後に、都の考え方といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、ごみの散乱防止等に関する条例につきましては、既に都内の二十六の区市で制定され、ごみのぽい捨て禁止などの対策に取り組んでいるところでございます。歩きたばこやたばこの吸い殻、空き缶などのぽい捨て行為の禁止は、基本的には個人のモラルの問題や社会規範の問題でありまして、地域を担う住民と、住民に身近な区市町村が地域美化の問題として対応すべきであり、また、各施設の管理者がその責務として対応すべきであると考えております。
 都といたしましては、他の自治体における条例制定の効果を見きわめながら、各区市町村の歩きたばこやたばこの吸い殻、空き缶などのぽい捨て禁止に関する取り組みがより効果的なものとなりますよう、今後とも、情報の提供や広報活動等を通して、都民、事業者、各区市町村と連携しながら、都民の意識啓発に努めていく考えであります。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願いいたします。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 発言がないようですので、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、請願一二第一三一号は保留と決定いたしました。

○寺山委員長 次に、一二第六三号の二、「東京構想二〇〇〇」及び「緑の東京計画」の反対に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高田自然環境部長 同じく資料2、請願陳情審査説明表の二ページをお開き願います。
 整理番号2、一二第六三号の二、「東京構想二〇〇〇」及び「緑の東京計画」の反対に関する陳情のうち、当局に関係する事項についてご説明申し上げます。
 陳情の要旨は、緑の東京計画の策定を取りやめることでございます。
 次に、現在の状況でございます。緑の東京計画は、二十一世紀の東京を、環境と共生し、持続的発展が可能な都市とするために、緑の面からとらえた施策展開の道筋を総合的、体系的に示す計画として、平成十二年十二月に策定してございます。
 本計画は、陳情者の所有地の都市計画内容を個別具体的に変更するものではございませんし、法令に基づく行政計画ではないため、策定に当たっての法令上の手続は必要としないものでございます。しかしながら、緑の東京計画につきましては、計画の基本的考え方や施策の方向を示す中間のまとめを公表し、「広報東京都」や都のホームページに掲載するなどして、広く都民からの意見を募り、またそれらを反映して策定してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願いいたします。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件につきまして発言を願います。

○清水委員 意見を述べさせていただきます。
 確かに緑の東京計画の策定は行われましたが、この陳情はその前の十月に出された陳情で、策定に当たって、それなりの個人への影響を予想した意見が出されるのは当然だったというふうに思います。
 緑の東京計画の内容については、これまで議会でいろいろな議論がされてまいりました。前進面も多分に含まれておりますが、さまざまな問題も、またその後の自然保護審議会などで出された内容の中でも指摘をされてきています。
 ですから、具体化をされていく中では、いろいろ考慮される問題、また配慮しなければいけない問題も今後出されると思うのですけれども、この陳情者がいわれている、全面的にこれを取り入れるということではなくて、陳情者の趣旨を議会として酌み取っていくことも大事な姿勢だということでは、策定はされましたし、確かに法令に基づく行政計画ではありませんが、趣旨を酌み取るという点で、賛成をしたいと思います。

○寺山委員長 ほかに発言はございませんか。
 それでは、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○寺山委員長 起立少数です。よって、陳情一二第六三号の二は不採択と決定をいたしました。

○寺山委員長 次に、九第一〇八号、都環境影響評価審議会のすべての審議、会議録、審議資料の公開に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○町環境評価部長 それでは、資料2の三ページをごらんいただきたいと思います。整理番号3、陳情番号九第一〇八号、都環境影響評価審議会のすべての審議、会議録、審議資料の公開に関する陳情についてご説明をさせていただきます。
 この陳情は、稲城市、稲城自然保護連絡会の代表の小野田摂子さん外十六名の方々からのものでございます。
 陳情の要旨でございますが、一点目は、都環境影響評価審議会について、部会、分科会、項目検討会の審議、会議録、審議資料を含め、すべての審議を市民に公開すること。二点目は、このため、審議の公開等について定めた東京都環境影響評価審議会の運営に関する要綱の一部を改正してほしいというものでございます。
 東京都環境影響評価審議会におきましては、当初から審議会の会議及び会議録については公開してきたところでありますが、部会等の会議、会議録等については非公開としておりました。しかし、平成十二年一月の東京都情報公開条例の施行等、行政情報公開の流れを踏まえまして、部会、分科会の会議、会議要録、会議にかかわる審議資料についても原則として公開することとし、平成十二年三月、東京都環境影響評価審議会の運営に関する要綱の改正を行ったところでございます。
 なお、陳情にございます項目検討会は、未設置であったため、要綱改正時点で規定から削除し、廃止いたしました。
 環境アセスメント制度は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業の実施が環境に及ぼす影響について事前に調査、予測、評価を行い、その結果を広く公表し、都民や関係自治体の意見を聞きながら環境への影響をできるだけ少なくしていくための制度でございまして、都民や関係機関への情報公開が重要な役割を果たすものと認識をしております。
 今後とも、貴重種の生息場所の情報など特別な情報を除きまして、情報公開、情報提供を積極的に推進してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議いただけますようお願いいたします。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 発言がないようですので、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、陳情九第一〇八号は趣旨採択と決定をいたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。

○寺山委員長 それでは、これより都市計画局関係に入ります。
 初めに、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○山下都市計画局長 平成十三年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております都市計画局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、条例案が一件、事件案が一件でございます。
 お手元の資料1、平成十三年第二回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと思います。表紙に記載している順にご説明をさせていただきます。
 まず、都市計画法に規定する開発許可等の基準に関する条例案についてでございますが、本条例は、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴いまして、市街化調整区域内において許可することができる五つの開発行為などを定めるものでございます。
 次に、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見についてでございます。
 本件は、国土交通大臣が、群馬県吾妻郡長野原町に建設を予定しております八ッ場ダムの基本計画を変更するに当たりまして、特定多目的ダム法第四条第四項の規定に基づきまして、東京都知事に意見を求めてまいりましたので、その意見を述べるに先立ちまして、議会の議決をいただくものでございます。
 私の説明は以上でございますが、引き続き詳細な内容を総務部長より説明させていただきます。

○野田総務部長 平成十三年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております条例案一件並びに事件案一件につきまして、お手元に配布してございます資料1と資料2によりましてご説明申し上げます。
 まず初めに、都市計画法に規定する開発許可等の基準に関する条例案についてでございますが、本条例は、去る五月十八日に施行されました改正都市計画法に基づき制定するものでございます。
 資料1の二ページをお開き願います。このページから一〇ページにかけまして、条例案文を記載してございます。本条例案は全五条及び附則から構成されており、内容といたしましては、市街化調整区域内において許可することのできる五つの開発行為等を定めております。
 具体的には、第一に、農家の子どもが相続を受けた場合などの、いわゆる分家のため自己用住宅の建築を行う場合。第二に、既存集落内に市街化調整区域指定前からの土地を所有している者が自己用住宅の建築を行う場合。第三に、自己用住宅である既存建築物の改築または増築を行う場合。第四に、収用対象事業により市街化調整区域内の建築物等を移転する場合でございます。第五に、既存集落内にあり、かつ市街化調整区域指定前から宅地である土地に、周辺の土地利用と整合した建築を行う場合。以上五つの場合の開発行為がございます。
 一〇ページをお開き願います。本条例案の提案理由でございますが、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴いまして、都市計画法等の規定に基づき許可することができる開発行為等を定めるものでございます。
 引き続きまして、八ッ場ダム建設に関する基本計画の変更に関する意見についてご説明申し上げます。
 資料1の一二ページから一四ページには議案と同じ内容が記載してございます。また、資料2には、一ページから七ページまで新旧対照表を、八ページには八ッ場ダムの位置図を掲載してございますので、資料2で説明させていただきます。
 八ページをお開きいただきたいと存じます。この図面でございますが、利根川水系と八ッ場ダムの位置関係を表示した位置図でございまして、上段左に赤い色で八ッ場ダムと記載してございます。八ッ場ダムは、群馬県の利根川水系の吾妻川中流に、洪水調節と水道用水や工業用水の供給を目的に建設される多目的ダムでございます。
 恐縮でございますが、一つ前の七ページに戻っていただきたいと存じます。左側に現行の計画、右側に変更案を記載しております。
 今回の変更点は、7、工期の項のみでございまして、右下に記載してありますように、昭和四十二年度から昭和七十五年度までの予定を、昭和四十二年度から平成二十二年度までの予定に延伸するものでございます。
 変更の理由でございますが、これまで水没関係住民との補償交渉が長期化しておりましたが、このたび妥結に向け見通しが立ち、ダム本体の建設に向けて工期を十年間延伸するというものでございます。
 このような国からの変更案につきまして検討した結果、八ッ場ダムは、東京都にとりまして、水道用水の水源確保並びに利根川流域の洪水対策上極めて重要な施設であると考えられますので、異議のない旨、国土交通大臣に意見を述べようとするものでございます。
 大変雑駁ではございますが、以上で平成十三年第二回東京都議会定例会に提案を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議をお願い申し上げます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○吉田委員 八ッ場ダムに関して、資料を四点ほどお願いいたします。
 一点は、現時点での推定の総事業費と、その都負担推計金額。
 二点目が、前回承認時以降の東京都の水需給計画の推移。
 三点目が、一日最大排水量の十年間の推移。
 四点目が、吾妻川に流れ込む各河川の酸性度について。
 以上です。

○寺山委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 なければ、ただいま吉田理事から資料要求がございましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。
 理事者におきましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○寺山委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、一二第一四〇号、仮称「板橋加賀計画新築工事」に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 それでは資料3、請願陳情審査説明表をお開きください。
 整理番号1、一二第一四〇号、仮称「板橋加賀計画新築工事」に関する請願につきましてご説明いたします。説明表の二並びに三ページでございます。
 本請願は、内藤光博さんから提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、住友不動産株式会社が板橋区加賀二丁目に建設を計画している仮称板橋加賀計画新築工事の建築計画について、一、住戸が三百五十五戸と大規模計画であり、住環境の著しい変化が予想されるにもかかわらず、駐車場出入り口や日照侵害等についての近隣住民への配慮がなく、建設により生ずる駐車場出入り口の排気ガス、プライバシーの悪化等の生活リスクが隣接マンションに集中しているので、指導を行うこと。二、建築主に対して、地域住民との協議が調わない限り建築確認申請を行わないよう指導することというものでございます。
 現在の状況でございますけれども、建築確認の申請は、平成十二年十二月二十二日に日本イーアールアイ株式会社に提出されまして、平成十三年一月二十六日に確認をされております。なお、工事は着手されております。
 建築計画の概要でございますけれども、準工業地域、敷地面積九千七百六十二・二七平方メートル、延べ床面積四万四百六十七・七平方メートル、共同住宅三百五十五戸、地上十五階建て、高さは四十四・九メートルというものでございます。
 なお、これまで建築主と請願者を含む近隣住民との話し合いを継続しておりまして、現在、双方の代理人、弁護士が工事協定などについて協議を進めているところでございます。
 以上でございます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認め、請願一二第一四〇号は保留と決定いたしました。

○寺山委員長 次に、一三第五号、仮称「西尾久Ⅲ共同住宅新築計画」に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 説明表の四ページ並びに五ページでございます。整理番号2、一三第五号、仮称「西尾久Ⅲ共同住宅新築計画」に関する請願でございます。
 本請願は、北区堀船四丁目町会長、河合俊明さん外十二人の方から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますけれども、株式会社リクルートコスモスが株式会社キリンビール東京工場跡地残地部分に計画している仮称西尾久Ⅲ共同住宅新築計画について、一、民間の指定確認検査機関にゆだねることなく、都が策定した諸計画及び関係条例等に照らして慎重な審査を行うこと。二、北区側の関係近隣住民と建築主等が合意に達するまで建築確認を行わないこと。三、この二の趣旨を建築確認にかかわる関係機関に申し入れて要請すること。四、事業者が北区側の関係近隣住民と誠意を持って協議するよう、行政指導を強めること。五、建設工事着工期日を近隣住民との合意に達するまで延期させること。六、計画建物が近隣住宅に与える日影時間を削減するために、近隣住民と協議し、同意を得た上で、建物の配置及び形状を含め現計画を変更させること。七、日照以外についても、近隣住民への悪影響を最小限にとどめるよう、事業者に配慮させるとともに、近隣住民の意見、要望を尊重し、近隣住民の同意を得た上で計画を推進させることというものでございます。
 現在の状況でございますけれども、建築確認の申請は平成十三年二月六日に財団法人日本建築センターに提出されておりまして、平成十三年四月三日に確認されております。なお、工事は着手されております。
 建築計画の概要でございますけれども、工業地域、敷地面積は一万一千八百九・三四平方メートル、延べ床面積は二万七千五百八十七・七三平方メートル、共同住宅三百戸、地上十五階建て、高さは四十七・二メートルというものでございます。
 請願者からは、平成十二年十二月十一日付で都知事あてに本請願と同趣旨の陳情書が提出されておりまして、紛争予防条例に基づくあっせんを行いましたけれども、合意に達せず、打ち切りとなっております。なお、引き続き双方の話し合いが続けられているところでございます。
 以上でございます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中、第四項につきましては、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第五号中、第四項は趣旨採択と決定をいたしました。

○寺山委員長 次に、一三第三〇号、新宿区市谷甲良町の東急ビル建設計画に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 続きまして、説明表の六ページ並びに七ページをお開きいただきたいと存じます。
 整理番号3、一三第三〇号、新宿区市谷甲良町の東急ビル建設計画に関する請願につきましてご説明いたします。
 本請願は、東急オバケビル建設反対協議会代表者、櫛淵理さん外四千九百八十八人の方から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、東急不動産株式会社等が新宿区市谷甲良町十三番地ほかに計画している二十二階建て共同住宅について、階数を十階建てに変更をするよう指導すること。二、周辺の住居地区隣接の商業地域においては、新たに条例をもって建物の高さを三十メートル以下に規制すること。三、建築確認申請に先立つ事前協議に当たって、当事者間の完全な合意形成を調えることを事業者に対して指導すること。四、工事中及び建築された建物による風害、火災などによって周辺住民に被害を及ぼしたときに、建築主は帰責者と連帯して損害賠償を負う旨の契約を住民代表者と締結するよう指導することというものでございます。
 現在の状況でございますが、紛争予防条例に基づく標識は未設置であり、建築確認も申請されてございません。
 平成十三年二月、新宿区議会あてに本請願と同趣旨の陳情書が提出されておりまして、同年三月十六日に継続審議となっております。また、平成十三年二月、都知事あてに同趣旨の陳情書が出されております。
 都といたしましては、建築主に対し誠意を持って近隣住民と話し合うよう指導し、その経過等について、適宜報告を求めているところでございます。
 住民説明会用の資料によります建築計画の概要でございますが、商業地域及び第一種住居地域、敷地面積二千四百八十四・一四平方メートル、延べ床面積は一万七千十五・四三平方メートル、共同住宅百六十五戸、地上二十二階、高さは七十六・七メートルというものでございます。
 以上でございます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中、第三項につきまして、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第三〇号中、第三項は趣旨採択と決定いたしました。

○寺山委員長 次に、一三第四一号、世田谷西部地域喜多見・成城地区都市計画変更案の反対に関する請願及び一三第二二号、世田谷区成城四丁目土地区画整理事業地内の用途地域変更案賛成に関する陳情は、関連がございますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小林地域計画部長 整理番号4の請願と整理番号5の陳情につきまして、一括してご説明申し上げます。
 まず、整理番号4、一三第四一号、世田谷西部地域喜多見・成城地区都市計画変更案の反対に関する請願についてご説明いたします。説明表の八ページ、九ページをお開きいただきたいと存じます。
 本請願は、世田谷区にお住まいの、環境を守る住民の会代表、樫尾俊雄さん外六千六百八十一名の方から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、成城グリーンプラザ跡地の開発を対象とした都市計画等及び地区計画の変更案、平成十二年十一月六日に世田谷区が説明会を行った変更案について、成城らしい開発にしていただきたいというものでございます。
 続きまして、整理番号5、一三第二二号、世田谷区成城四丁目土地区画整理事業地内の用途地域変更案賛成に関する陳情でございますが、説明表の一〇ページ、一一ページでございます。
 本陳情は、世田谷区にお住まいの海保茂さん外二千三百九十三名の方から提出をされたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、東京都市計画世田谷区成城四丁目土地区画整理事業地内の用途地域について、原案どおり、第一種低層住居専用地域を第一種中高層住居専用地域に変更する手続を速やかに進めていただきたいというものでございます。
 以上の請願及び陳情にかかわる現在の状況でございますが、当地区は世田谷西部地域喜多見・成城地区地区計画の区域内にございまして、地区計画の方針に基づき適切な基盤施設を整備し、良好な住宅地の形成を図るとともに、現在、土地区画整理事業が施行されております。
 世田谷区では、当地区のまちづくりに当たりまして、地区計画の方針に基づき、本土地区画整理事業の事業効果の維持増進を図る目的で地区整備計画の原案を策定をいたしまして、平成十二年十一月二十七日から地区計画の変更案を縦覧をしましたところ、関係住民から高さ制限等について意見が出されました。
 世田谷区は、都と協議をしながら、その後精力的に説明会等を開催いたしました。そこで出された住民の意見を踏まえまして、地区計画の内容を一部変更いたしまして、平成十三年三月十二日から再度縦覧を行いましたところ、地域住民の理解が得られたものとして、用途地域の変更にかかわる手続を進めるように、区から都へ依頼があったものでございます。
 東京都では、これを受けまして、用途地域の変更案を、平成十三年四月十一日から二週間、縦覧を行ったところでございます。
 なお、世田谷区議会におきましても同様の反対請願が提出をされておりまして、平成十三年四月七日に審議された結果、継続審議となっております。
 以上でございます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○真鍋委員 この都市計画の変更案について、反対と賛成ですね、促進の請願と陳情が出ているわけですけれども、反対をする方々に最初お会いをしたときに、昨年の十一月に一回の説明会が区からあって、高さ十メートルから二十メートルに変更するという、文章だけの説明であった。そうするとよくわからない。まるで二十二メートルの高さの万里の長城が国分寺崖線の周りにできるのじゃないか、こういうところまで心配をされておりました。これは行政の責任として、きちっとやはり説明をする責任がある、それも重ねてやる必要があると思いました。
 今のお話の中でも、一度縦覧の後、都の方に上げるのを見送って、それらの会議を重ねていったという報告がありましたけれども、具体的にこれらの住民説明会がどのように行われたのか、まず質問をさせてもらいます。

○小林地域計画部長 説明会の開催状況でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、世田谷区は昨年の十一月六日に説明会を開催いたしまして、十一月二十七日から地区計画の原案の縦覧を行ったわけでございます。
 関係住民から建築物の高さ制限等について多くの意見が出されたということを踏まえまして、世田谷区としましては、計画案に対する住民の理解をさらに得るために、その後世田谷区主催の説明会を六回開催するとともに、事業予定者主催の説明会を六回、さらには住民主体による懇談会が六回開催されるなど、関係住民の理解と協力を得るために関係者間で精力的な話し合いが行われたというふうに聞いております。

○真鍋委員 今ご答弁があったように、説明会を開いて、先ほどこの説明の文書の中でも、そういう協議を深めていく中で建築物の高さ制限を二十二メートルから十五メートルに変更して再度縦覧を行った、こういうことですね。
 私も、ここでちょっと申し上げたいことは、今申し上げましたとおり、こういう変更するときの住民説明会のあり方、ここにまずポイントがあったなと思います。直接的には都じゃないとしても、どういう開発をして、どんなイメージで、どんなまちができるのか、どんな開発がされるのかということを、やはり住民にまず知らせる、この作業を怠ってはいけないということが大きな教訓になったと思います。
 それから一方、関係者の努力によって、二十二メートルの高さが、建てる側としては建てたいだろうし、周りでなるべく低くしてもらいたい方にとっては低くしてほしい、それが行政が中に入ることによって、二十二メートルが十五メートルに調整された、お互いに思いはあっても、そういう形での調整がついていったということは、私はそれは率直に評価をしたいと思います。
 それで、区画整理を施行すべき区域、ここの中でも表題にあるように、世田谷西部地域喜多見・成城地区計画というふうに、世田谷区の場合には、区画整理を施行すべき区域が、用途地域の変更のときに西部地域一括地区計画として--これまで建ぺい率三〇、容積率六〇、これでは建物はとてもつくれない、そこを何とか救えないかということで、西部地域の一括地区計画をかけてもらって、四〇の八〇になった。
 それから、公道で四メートルで通り抜けている場合に、中心線から三メートルセットバックすると、建ぺい率五〇、容積率一〇〇使っていいですよという計画ができた。これは、文字どおり区画整理を誘導するための一括地区計画であったわけです。そうすると、区画整理を施行する、区画整理を施行すればそれなりに土地の有効活用が図れる、これが誘導策であった。それが、なかなか地域の方々に説明というか、ご理解というか、そこまでの周知がなされてなかったということは事実だと思います。
 ですから、促進をしてほしいという方々は、区画整理をやるのに、それでも第一種低層住居専用地域が変わらなければ何のために区画整理をやるのかという一方の議論、もう一方は、良好な環境を守ってもらうために、どうして第一種低層住居専用地域を中高層に変えるのだという議論になるわけです。ですから、ここの大きなところは、どうやって地域のまちをつくっていくかということを、まちづくりの方針まで含めて、やはり地域の方々によくわかってもらうのが何より大事なことであったという教訓であろうと思います。時間は大変かかってきましたけれども、お互いにいろいろ話し合いをやった中で、今の一つの方向性を見出してきたと思うのです。
 私、最後に要望を申し上げたいのです。
 区画整理を誘導してまちをつくっていくというこの手法はいいのですけれども、やれるところからやっていきますから、まだ未開発のところに、やった地域に開発をして人が住んで、そこからやらない地域を通って駅に行くとか、こういう状況があるわけです。ですから、一番今心配していることは、この環境を守る会の皆さんとも話しましたけれども、この開発が実行された場合に、今度はまだ区画整理されていないところをどんどん車が通っていく中で、一体交通問題はどうなるのだろうか、まちはどうなるのだろうかという心配があります。ですから、これはそこの区画整理から駅に向かっていくところも土地区画整理を施行すべき区域なんで、これからまた、まちづくりをどう誘導していくかという課題が残った。
 それからもう一つ。じゃ今の脆弱な道路基盤の中で、どう現時点を解決するかというと、ここは今でも警察の方では時間規制等やっているところなんです。しかし、ドライバーが守らない。近所の方が交差点に立っていてもドライバーの方とけんかになったり、かえって怒られたりして、なかなか規制が守られない、こういうことがあるのです。ですから、ぜひともこの開発を契機に、現状にある道路の中の規制というものは必ず守ってもらうために、東京都も中に入って、関係区であるとか市であるとか、また警察にもその旨をきちっとやはり伝えてもらいたい、そして住民の不安を解消してあげてほしいと思います。
 それから、これからのまちづくりのあり方として、ここの開発はあったけれども、今後その周りをどうしていくのかというのを、地元の区市と一緒によく相談をしてもらって、やはりこれで一つの区画整理があった、用途の変更があった、開発ができた、それ以外はもう知りませんじゃしようがないと思いますので、そこにぜひとも今後の道筋を立ててもらいたい、そのことを、これだけで終わらせることなくやってもらいたいと思います。
 このことの意見を申し上げまして、私の発言を終わります。

○かち委員 一言、それでは、意見だけ。
 この件に関しては、昨年の都市計画審議会の案件の中で、国分寺崖線の景観軸を守るという立場から、我が党のたぞえ議員が質問していますので、ここで質問はしませんけれども、一方では土地の有効活用、開発という側面もありますけれども、残された自然をどう守っていくかという立場からの考え方もあると思うのです。
 そういう意味でこの請願一三第四一号というのは出されたと思うのです。精力的な話し合いの中で一定の合意を得られたということですけれども、やはり環境を守る立場からの趣旨というのは十分酌み取れるものではないかということを申し上げて、私の意見とさせていただきます。

○寺山委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 それでは、お諮りいたします。
 本件は、いずれも保留とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第四一号及び陳情一三第二二号は、いずれも保留と決定をいたしました。

○寺山委員長 次に、一三第五三号、ハイヤー・タクシー車両の屋外広告物(車体利用広告物)に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 説明表の一二ページをお開きください。整理番号6、一三第五三号、ハイヤー・タクシー車両の屋外広告物に関する請願につきましてご説明いたします。
 本請願は、社団法人東京乗用旅客自動車協会会長、新倉尚文さんから提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、タクシー車両の車体利用広告規制について、一、一般的なタクシー車両面積の五割の範囲まで広告面積として認めること。二、広告の掲出箇所として、ボディー、屋根の上のトッパー、後ろ側窓ガラス、及び従来からの軽微な広告ステッカー類については左右後部窓ガラスへの貼付を認めることという緩和措置の実施を求めるものでございます。
 現在の状況でございますが、車体利用広告規制の見直しにつきましては、東京都広告物審議会から、平成十一年十一月に路線バス及び路面電車に関する中間答申が、本年二月にはその他の車体に関する答申が出されてございます。
 この答申では、タクシーの車体利用広告は、台数が多く、路線性もないため、周囲の環境に与える影響が大きく、また交通安全に配慮するため、継続検討としております。
 都としては、この答申の内容に沿いまして、路線バスに関する事業者の自主的なデザイン審査の一層の普及を図るほか、車体利用広告の交通安全面に関する実績の把握に努めているところでございます。
 請願者からは、都知事あてに同趣旨の要望書も提出されております。
 以上で説明を終わります。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 それでは、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第五三号は保留と決定をいたしました。

○寺山委員長 次に、一三第一一一号、仮称「NTTグループ墨田ビル」の建築計画見直しに関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 説明表の一四、一五ページをお開きください。整理番号7、一三第一一一号、仮称「NTTグループ墨田ビル」の建築計画見直しに関する請願につきましてご説明いたします。
 本請願は、NTTグループ墨田ビル(仮称)建築計画見直を求める地域住民の会代表、横網町会会長、塚田幸三さん外八千九百九十五人の方から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、仮称NTTグループ墨田ビルの、屋上通信用タワーを含めて高さ二百メートルの建築計画を、高さ九十五メートルの当初計画に戻し、住民が精神的に不安を抱くことがない、住民が納得できる両国北口地区再開発となるよう求めるというものでございます。
 現在の状況でございますが、建築確認申請は平成十三年二月二日に財団法人日本建築センターに提出されまして、平成十三年四月六日に確認されております。なお、工事は未着手でございます。
 建築計画の概要でございますが、商業地域、両国駅北口再開発地区計画区域内でございます。敷地面積六千五百九十四・四二平方メートル、延べ床面積四万八千九百九十平方メートル、事務所及び第一種電気通信事業施設、地上二十七階、高さは百十八・三メートル、通信用タワーを含む高さは二百メートルというものでございます。
 なお、請願者からは、平成十三年二月、都知事あてに本請願と同趣旨の陳情書が提出されてございます。都といたしましては、建築主に対し、誠意を持って話し合いを行うよう指導し、その話し合いの経過等について適宜報告を求めているところでございます。
 以上でございます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 それでは、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、請願一三第一一一号は保留と決定をいたしました。

○寺山委員長 次に、一二第七一号、都市計画道路補助八九号線の早期整備に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○杉浦施設計画部長 お手元資料では一六ページ、一七ページをごらんいただきたいと存じます。整理番号8、一二第七一号、都市計画道路補助八九号線の早期整備に関する陳情についてでございます。
 本件は、補助八九号線の早期整備に関する陳情で、北区東十条五丁目町会長、佐藤武さん外百二十五名の方からのものでございます。
 陳情の要旨は、補助八九号線について、建築規制により思うような建物が建てられないことや、バス路線にもかかわらず、絶えず渋滞を来していることから、同路線の早期整備を求めるものでございます。
 この補助八九号線は、補助八五号線との交差部、北区東十条一丁目を起点とし、放射一〇号線との交差部、北区赤羽一丁目を終点とする、延長二・九キロメートル、標準幅員二十五メートルの都市計画道路でございまして、現在、放射一〇号線との交差部から約八百メートルの区間が既に完成しており、残りの区間は約十二メートルの現道がございますが、未整備となってございます。
 本陳情区間は、この未整備区間のうち、環状七号線から補助八六号線までの延長約一千十メートルの区間で、計画幅員は二十五メートルでございます。
 本路線につきましては、昭和三十九年に都市計画決定されまして、昭和五十六年に行った道路再検討においても、都市防災の強化、都市機能の確保等を図るため必要な路線として位置づけられてございます。また、本路線はバス路線となっており、交通機能上重要な地区幹線道路でもございます。
 しかしながら、本陳情区間は、平成十五年度までの区部の事業化予定路線には位置づけられてございません。したがいまして、今後は、次期の事業化計画策定作業の中で、道路管理者である北区の意向や役割分担、財政状況等を勘案し、周辺地域のまちづくりや道路整備動向等を踏まえ、事業化の検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認め、陳情一二第七一号は趣旨採択と決定をいたしました。

○寺山委員長 次に、一三第四号、墨田区太平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 説明表の一八並びに一九ページをお開きください。整理番号9、一三第四号、墨田区太平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情につきましてご説明いたします。
 本陳情は、墨田区太平四丁目南対策委員会代表、渡辺勝利さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、墨田区太平四丁目錦糸町開発計画を見直すことというものでございます。
 現在の状況でございますが、紛争予防条例に基づく標識は未設置であり、建築確認も申請されておりません。現在、東京都環境影響評価条例に基づく環境影響評価書案の説明会を終え、見解書提出の準備を行っているところでございます。建築確認申請は、環境影響評価書の公示後に予定されております。
 なお、当事者間の話し合いが続けられておりまして、都といたしましては、建築主に対し、誠意を持って近隣住民と話し合うよう指導しているところでございます。
 環境影響評価書案によります建築計画の概要でございますが、商業地域、地区計画及び特定街区の区域内となっております。敷地面積二万七千三百三十五平方メートル、延べ床面積二十六万三千平方メートル、事務所、共同住宅、店舗、駐車場、業務棟は地上三十一階で約百四十メートル、商業棟は地上七階と八階の二棟でございます。住宅棟は地上四十六階で約百五十メートルというものでございます。
 以上で説明を終わります。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○かち委員 一三第四号、墨田区太平四丁目錦糸町開発計画の見直しに関する陳情、この開発については、昨年十月の当委員会で、都計審案件の質疑で、私、質問させていただきましたが、精工舎跡地に東京建物が巨大開発をするために、用途地域の変更、特定街区に指定されたものです。現在は精工舎の一部の建物があって、周りは駐車場になっていて、ほとんど静かな地域なんですが、ここが高さ百五十メートルと百四十メートルの二棟の建物が建ち、千四百台の駐車場、そして商業、娯楽、シネマ劇場など、合わせて一日三万七千人の集客を予測したまちづくりが行われようとしています。利益第一の超高層開発計画ですが、本計画について、太平四丁目の錦糸子ども会からも意見書が出ています。子どもたちの通学途中での超高層による風害、災害時のガラス等の落下物の危険性や、千四百台収容の駐車場建設によるさらなる大気汚染、交通事故発生を加速させる危惧があり、高さを大幅に下げ、駐車場台数も減らしてほしいというものです。
 環境アセスについても、大気汚染、騒音は現状においても環境基準を上回っているのだから許されるというような表現があり、これが住民の皆さんの怒りを買っているものです。また風害についても、五百分の一の模型による風洞実験をもって許容範囲だということでは、到底住民の理解は得られません。墨田区区計審答申でも、錦糸公園との連携、調和に十分配慮すること、周辺環境上の配慮を十分事業者に指導することなどが付記されています。
 そういう事情からしても、まだ標識設定なども未提出ということであれば、十分に変更も可能だと思いますので、十分に願意を酌んでいただきたいと思います。
 以上です。

○寺山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一三第四号は保留と決定いたしました。

○寺山委員長 次に、一三第一二号、幼稚園、小・中学校の日照権保護に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森下建築指導部長 整理番号10、一三第一二号、幼稚園、小・中学校の日照権保護に関する陳情につきましてご説明いたします。説明表は二〇から二一でございまして、二一ページには建築基準法等の抜粋を記載してございます。
 本陳情は、新宿区南山伏町会会長、妹尾一男さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、幼稚園、小学校、中学校等の教育施設における日照権を保護するために、法整備が間に合わないのであれば、都条例を制定していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都では、住宅地の日照等の居住環境を保護するために、東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例を制定し、建築基準法第五十六条の二第一項の規定に基づきまして、日影規制対象区域、日影規制時間を定めております。
 この条例におきましては、業務・商業施設を計画的に整備する区域である商業地域や工業地域等は日影規制対象区域から除かれており、その他の用途地域で容積率三〇〇%以下に指定されています地域については、原則として日影規制対象区域となっております。また、日影規制時間は、用途地域、容積率、高度地区の組み合わせにより定めてございます。
 なお、地域の実情に応じて、日照等の居住環境を保護するためには、地区計画、建築協定などの制度がございます。
 以上でございます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○清水委員 日影規制の対象区域除外地域で、商業、工業地域で、小中学校などの教育施設が存在して、新たな高層ビルの建設が行われるために日照権が脅かされることに対する反対の請願や陳情が、これまで何件もこの委員会にも提出をされて、審議をしてきたと思います。
 請願の趣旨は、都心の住民の切実な要望であると思います。東京都の条例が存在をするということではありますが、今ご説明があったような区域、除外地域などで大きな影響被害が出ているというふうに思いますので、陳情者の本当の要求というのは、都条例の改正ということにもなっていると思います。陳情者は、行政法ですとか条例に精通していない住民のそうした一番の願いを、また住民の要求している問題を提起しているということでは、今日、東京にとっては必要な問題というふうに思います。
 陳情の内容や趣旨をきちんと受けとめていくという点で、趣旨の採択をしていただきたいと思います。

○寺山委員長 ほかに発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○寺山委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一三第一二号は不採択と決定いたしました。

○寺山委員長 次に、一三第四三号の三、都立祖師谷公園付近の防犯対策、事業化区域の整備及び都市計画の見直しに関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小林地域計画部長 整理番号11、一三第四三号の三、都立祖師谷公園付近の防犯対策、事業化区域の整備及び都市計画の見直しに関する陳情についてご説明いたします。説明表の二二ページ、二三ページをお開きいただきたいと存じます。
 本陳情は、世田谷区にお住まいの神宮寿夫さん外五千四十四名の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、都立祖師谷公園計画地における未事業区域について、都市計画の見直しを行ってほしいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都市計画祖師ヶ谷公園は、昭和三十二年に都市計画決定された都市計画公園でございまして、昭和六十二年から建設局において事業実施中でございます。
 当公園は、都域全体の中で配置された大規模な総合公園の一つでございまして、レクリエーションや都市環境改善のほか、市街地における広域的な防災機能などが期待されている公園でございます。
 この公園は、東京構想二〇〇〇や緑の東京計画において、東京の緑の骨格を形成する上で重要な公園に位置づけられております。また、都市公園法施行令による公園の設置基準は一人当たり十平方メートルでございますが、平成十二年四月一日現在の都民一人当たりの公園面積は五・三四平方メートルとなっております。この現状を考えますと、未事業区域を都市計画公園の区域から除外することは困難な状況でございます。
 なお、祖師ヶ谷公園の事業につきましては、建設局が平成五年から地元住民との話し合いの場を設け、協議を継続しながら事業を進めているところでございます。
 以上でございます。

○寺山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一三第四三号の三は保留と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終了します。

○寺山委員長 次に、理事者から、震災復興グランドデザインについて、首都圏メガロポリス構想について、及び東京西南部における流通業務市街地計画調査について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○福島防災都市づくり推進担当部長 震災復興グランドデザインについてご報告をいたします。
 お手元には、資料4、パンフレット、それから資料5、ゼロックスの三枚物の概要版でございます、それから、震災復興グランドデザインの本編といたしまして資料6をご配布申し上げているかと存じます。ご説明は、資料5の概要版に沿ってさせていただきます。
 本件につきましては、昨年九月に中間のまとめを行いまして、当委員会にご報告をさせていただきましたが、その際にいただきましたご意見や都民の方々からのご意見も踏まえまして、このほど最終の取りまとめを行ったものでございます。
 一ページでございますが、策定の背景、必要性につきまして、第一章、総論で述べてございます。東京都におきましては、これまでも地震対策に積極的に取り組んできているところですが、今大地震が発生いたしますと、残念ながら、木造住宅密集地域を中心に、大きな被害の発生が想定されております。
 東京を迅速かつ計画的に復興していくためには、復興都市づくりのあり方について都民と共有しておくことが重要との認識のもと、あらかじめ復興時の都市づくりのあり方を提示するものとして、震災復興グランドデザインを策定いたしたところでございます。
 また、ここでは、復興都市づくりの内容、平常時の都市づくりとの関係など、復興都市づくりのあり方を述べております。
 第一章、2では、検討に当たっての前提について記述しておりまして、被害の想定では、切迫性が指摘されております直下型地震の中で最も被害の大きい区部直下地震によることといたしておりますほか、現在鋭意取り組んでおります防災都市づくりの実施状況や、復興の過程で解決すべき課題としまして、木造住宅密集地域の整備を初め、四つの都市構造上の課題を掲げております。
 二ページをおあけいただきたいと思います。第二章は、広域復興計画についてです。
 実際の地震発生時に、東京都は、今回お示しをしておりますグランドデザインをモデルプランといたしまして広域復興計画を策定していくことになるものでありますが、その内容といたしましては、第二章、1、復興の理念・目標と基本方針以下四ページの6、整備効果までを広域復興計画としてまとめております。
 最初に復興の理念でございますが、安全都市の構築を初め四つの理念を掲げ、また、復興の目標につきましては、被災を繰り返さない、環境と共生した国際都市東京の形成としております。
 次に(3)の基本方針といたしましては、復興の主な対象地域、復興の期間等について記載しておりまして、期間につきましては、五年から十年の短期間で達成することといたしております。
 次に2では、東京の都市構造上の課題解決に必要な戦略的な取り組みを、七つの戦略プロジェクトとして展開することにしております。この全体的なイメージは、本文では三〇ページ、三一ページに示してございます。
 続きまして三ページ、3でございます。幹線道路などの広域インフラ整備に関する整備計画につきましては、公園などの環境インフラを重視しまして、交通、環境、情報等のインフラ施設のそれぞれ整備方針を記載しているところであります。
 特に、震災復興のシンボル的な取り組みといたしましては、今までご説明しました本文の三〇ページと三一ページでありますが、その図の中に、薄いピンクの四角で表示をしているところがございます。すなわち主に区部を環状に囲んでいる部分になりますが、この地域は、老朽化した木造住宅等が密集したところでございまして、大規模な被災が生じる想定がなされておりますことから、概要版に戻りますが、(2)の〔2〕、環境インフラにございますように、緑の回廊の整備を提案をしてございまして、本文では三六ページから三九ページに詳細を記載しております。
 このような大規模な被災が想定される地域におきましては、道路の環境施設帯や公園、河川緑地などの整備に加えて、新たな復興土地区画整理事業などによる、緑の豊かな面整備事業を集中的に実施することによりまして、既存の公園などとの緑のネットワーク化を図りまして、環境を向上させていく考えでございます。また、歩行者道や緑道などの整備を行い、人々の交流がより活発に行われるようにすることによりまして、新しいコミュニティの醸成も期待できるものと考えております。
 4の市街地の整備につきましては、被災を繰り返さない環境の良好な都市づくりを迅速に進めることを基本に、被災状況など地区の状況等に応じてきめ細かい復興を図っていくこととしておりまして、本文では四二ページ以下に具体的に記載をしております。
 次に、5の広域インフラや市街地整備の実施主体についてでございます。復興事業の主体は、被災市街地復興特別措置法によりまして、原則区市とされているところですが、広域幹線道路や、これと一体的に周辺の宅地を整備する新復興土地区画整理事業につきましては、東京都が実施していくこととしております。
 6の整備効果といたしましては、安全性の向上を初め、五つの効果を示しております。
 五ページをごらんいただきたいと思います。第三章でございます。
 震災という緊急事態に対応するためには、法制度を初め、膨大な事業量に対応した財源や執行体制の確立も必要でございます。その内容を、第三章、実現方策としてまとめまして、本文では五六ページ以降に記載しております。
 法的な課題といたしましては、復興後のまちが安全で、環境が良好であるためには、一定の私権制限がどうしても必要と考えておりまして、この方向性を含め、新たな事業制度や土地利用規制も念頭に置いた、震災直後の建築制限の強化や、全面買収型の土地区画整理事業、狭小宅地の解消に向けた敷地面積最低限度規制の拡大などの提案を行っております。また、都市計画手続の迅速化や、円滑な復興に向けた住宅の確保方策などもあわせて提案しております。
 次に、2の復興財源の課題としましては、基礎的な復興事業費を約九兆一千億円程度と推計し、その財源確保の考え方などを記載しております。
 六ページでございますが、執行体制の準備についてでございます。被災地の広がりの大きさや事業等の規模の大きさを考えますと、平常時の今から検討を行っておくことが重要でありまして、都と区市、近隣県市、国が、それぞれの役割分担のもと、連携を強化するとともに、民間の積極的参画も視野に入れておく必要があると考えております。
 最後になりますが、震災復興グランドデザインの実効性を確保していくための大前提は、都民と復興まちづくりのあり方を共有し、理解と協力を得ておくことが何よりも重要であるとの認識を改めて表明をしております。
 なお、巻末には、資料として、中間のまとめに寄せられた都民の方々の意見と、その対応等について記載しております。
 大変雑駁ですが、以上で震災復興グランドデザインの説明を終わらせていただきます。

○河島参事 それでは、去る四月十二日に公表いたしました首都圏メガロポリス構想についてご説明をいたします。お手元に資料8として首都圏メガロポリス構想の冊子を、また資料7として概要をお配りしております。
 まず、冊子の表紙をごらんいただきたいと存じます。これは衛星写真でございますが、写真の中に黄色い線で示しているのが、いわゆる三環状道路及び第二湾岸道路でございまして、一番外側の線が首都圏中央連絡道路、圏央道でございます。写真の下の方に記載しておりますとおり、本構想は、首都機能を担う一体的な大都市圏エリア、すなわち埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市の七都県市のおおむね首都圏中央連絡道路に囲まれた区域を主な対象といたしておりまして、その区域を首都圏メガロポリスと呼ぶこととしております。
 一枚めくっていただきますと、知事のあいさつがございます。本構想の趣旨といたしましては、首都圏メガロポリスが我が国をリードし、国際競争力を備えた世界最大の都市圏として引き続き首都を担っていくためには、七都県市が共同してビジョンを策定し、その再生に向けた戦略に連携して取り組むべきであるということ。そして、このため、首都圏メガロポリス構想を都として策定いたしまして、都民を初め国民や国、首都圏メガロポリスの行政主体に提唱することにより、こうした取り組みのきっかけとなることをねらうものであることをここで明らかにしております。
 次に、一ページをごらんください。目標時期につきましては、長期的視点に立ちまして、五十年先を見据えつつ、その中間年次の二〇二五年を目標時期といたしております。
 人口見通しにつきましては、一ページの下のグラフがございますが、国の都道府県別推計値を集計したものでございます。二〇一〇年をピークに減少に転じまして、二〇二五年には、ほぼ一九九五年の値と同程度になるとしております。
 次に、二ページをごらんください。基本的な考え方の流れを図に示しております。地球の危機、日本の危機、首都圏メガロポリスの危機を突破いたしまして、首都圏メガロポリスを再生していくために、二十一世紀の首都像を確立し、首都機能の維持と集積のメリットを発揮していくための圏域づくり戦略を明らかにすることが必要だということを述べております。
 二十一世紀の首都像につきましては、下の枠の中に記載しておりますとおり、約三千三百万人の集積が支える世界最大の首都、一国に匹敵する経済活力を持つ世界のリーディング都市ほか全部で六つの視点から首都像を示しているところでございます。
 圏域づくり戦略につきましては、環状メガロポリス構造の構築と七都県市で連携して取り組むべき広域連携戦略の展開から構成をいたしております。
 次に、三ページをごらんください。首都圏メガロポリスが危機を克服いたしまして、やがて到来する人口減少時代においてもその活力を維持するためには、約三千三百万人の集積のメリットを最大限に生かして、国際競争力を発揮できる、魅力ある首都へ再生を図る必要がございます。
 そのためには、圏域の都市構造を環状メガロポリス構造へ再編することが重要な課題となります。環状メガロポリス構造は、この三ページの概念図に示されるような都市構造でございまして、環状方向の連携を重視いたしまして、五つのコアと環状都市軸が骨格となって、圏域の集積のメリットを十分に発揮しようとするものでございます。
 次に、四ページをごらんください。七都県市で連携して取り組むべき圏域づくり戦略といたしまして、十三の課題ごとに、具体的な施策を明らかにしております。
 その内容につきましては、ページを少し飛ばしながらになりますが、順次めくってご紹介をさせていただきます。
 まず五ページ、六ページでございますが、迅速なアクセスを実現するハード、ソフトを含めました交通連携でございます。
 次は七ページ、八ページでございますが、羽田の再拡張や空港アクセスなど、空港機能の強化に連携して取り組むということを記載してございます。
 続きまして九ページ、一〇ページでございますが、東京湾沿岸域の都市基盤の強化やアーバンリゾートの形成など、東京湾の一体的な整備に取り組む必要性を述べております。
 続きまして一一ページ、一二ページでございますが、国際的な物流基盤強化や広域物流ネットワークの構築など、効率的な広域物流システムを首都圏メガロポリスで構築することの必要性を述べております。
 一三ページでございますが、防災拠点や広域災害対応組織の整備など、広域防災連携を圏域でとり行うということを述べております。
 一四ページには、国家の中枢機能など、首都機能のバックアップについて、連携して取り組むことを述べております。
 一五ページでございますが、東京湾の水質改善に向けた一体的な取り組み。
 一六ページ、自動車排出ガス規制の一体的取り組みなど大気汚染対策の連携。
 次に一七ページでございますが、共同リサイクル、共同処理施設の設置など、リサイクル、廃棄物処理のための連携。
 一八ページは、情報インフラの整備促進など情報ネットワークの構築。
 一九ページでは、子どもたちの健全育成など、二十一世紀を支える人づくり。
 二〇ページでは、産業政策における広域ネットワークの構築。
 二一ページでは、広域的自治体のあり方の検討など、広域行政の新たな展開を示しております。
 以上、十三の戦略を、首都圏メガロポリスにおいて広域連携戦略として掲げているものでございます。
 次に、二二ページをごらんいただきたいと思います。ここでは、首都圏三環状道路などの基本的なインフラが二〇一五年までに完成したときの整備効果を、シミュレーションを行いまして把握をいたしております。
 主な効果といたしまして、自動車の走行速度が圏域全体で約一割向上することによって、年間約一兆七千億円に相当する時間短縮効果が期待できること。また、自動車の走行速度の向上によりまして、大気汚染が低減いたしまして、NOX及びCO2が約一割削減されるということ。さらに、鉄道による都区部への通勤トリップの減少により、通勤混雑の緩和も期待できるということが述べられております。
 二三ページでは、環状都市軸上の移動量が、図のような地域相互間で増加することが見込まれまして、環状都市軸の強化と都心部の環境負荷の低減が期待できるということ。そして最後に、都区部の通過交通が約三割減少することによりまして、交通渋滞の緩和、交通の円滑化、環境負荷の低減が期待できるといった効果がシミュレーションによって把握されております。
 首都圏メガロポリス構想についての私からの説明は以上でございます。

○杉浦施設計画部長 続きまして、東京西南部における流通業務市街地計画調査についてご報告いたします。
 お手元にお配りしました資料9、10の報告書及び概要版のうち、資料9の概要版に沿ってご説明をさせていただきます。一ページをごらんいただきたいと存じます。
 東京都におきましては、昭和四十一年に策定されました、東京都についての流通業務施設の整備に関する基本方針に基づき、既に大田区の平和島、板橋区の高島平、足立区の舎人、江戸川区の葛西の四カ所の流通業務市街地が整備されてございます。しかし、残る西南部方面につきましては未整備となっており、この地域においては、相対的に物流施設が少ないことや、渋滞のため、非効率な輸送が行われており、その改善が課題となってきたところでございます。
 また、昨年出されました東京構想二〇〇〇の中でも、多摩地域の周辺に多摩地域へのサービスと東京圏の広域物流を担う物流拠点の形成を図るとしてございます。
 都市計画局といたしましては、このような状況を踏まえ、東京西南部における物流拠点整備のあり方について、平成八年度から調査研究を行ってまいりましたが、このたび、報告書として取りまとめたものでございます。
 西南部地域の物流の現状でございますが、物流量については、発生、集中とも増加傾向にございますが、他の地域に比べ、物流施設の数及び配置も十分ではない状況です。この西南部地域に新たな物流拠点を設ける必要性といたしましては、次に挙げられる何点かでございます。
 まず第一に、物流拠点の適正な配置による集配圏の適正化です。現在は、西南部は区部の輸送コストと比較すると約二倍となってございまして、輸送効率の向上を図る必要がございます。
 二ページに進ませていただきます。二番目として、区部への物流拠点一極集中の緩和でございます。首都圏のトラックターミナル施設の半分以上が区部に集中しており、物流交通の分散化などが求められているところでございます。
 第三に、環境改善への寄与でございます。郊外部の物流拠点の整備により、都心部を走行する貨物交通量の削減が期待でき、環境改善が図られます。
 第四に、物流施設のスプロールの防止でございます。圏央道は、平成十三年度までに青梅インターチェンジから日の出インターチェンジまで、さらには平成十四年度までに中央道までが供用される予定で、今後は周辺地域の物流施設の乱立が懸念されます。このため、適正な場所への立地、誘導、集約化が必要とされているところでございます。
 このような現状を踏まえるとともに、効率的な物流システムの形成、都市構造への整合と適正な土地利用などといった視点に立ち、物流拠点の立地の可能性を検討しました結果、圏央道青梅インターチェンジ周辺、日の出インターチェンジ周辺、あきる野インターチェンジ周辺、八王子北インターチェンジ周辺、また中央道八王子インターチェンジ周辺の五つを候補地とすることといたしました。
 三ページに進ませていただきます。既存の流通業務地区においては、トラックターミナル、倉庫、流通センター、市場などの物流施設がほぼフルセットで配置されてきてございましたが、今回の候補地周辺におきましては、丘陵部が多く、平たんな場所での大規模な用地確保が困難な状況にございます。また一方、おのおのの物流施設におきましては、相互のつながりが必ずしも強くなく、競合関係にあるものや、業種間の垣根がなくなりつつあるものもございます。
 このため、物流施設の配置に当たっては、周辺の土地利用や物流施設同士のつながり等を考慮して、トラックターミナル、倉庫、地域集配拠点、卸売等の各種物流機能を組み合わせ、分散して配置する考え方をとることとしたところでございます。
 次に、物流施設の需要量でございます。平成六年東京都市圏広域物流調査等をもとに試算した結果、物流施設の必要面積はおおむね六十五ヘクタールから八十八ヘクタール前後と推計をいたしました。
 次に、整備手法でございます。整備に当たっては、周辺市町のまちづくりの方針に合わせ、それぞれに最適な整備手法を用いることとしますが、一般的には流通業務団地造成事業、土地区画整理事業、開発行為などが挙げられます。また、近年の物流ニーズの高度化、多様化への対応から、民間活力を導入しました官民の適切な役割分担と、地域地区の指定による適切な土地利用規制が必要であります。
 これらを勘案の上、西南部物流拠点の整備手法と配慮すべき事項といたしましては、比較的まとまった用地が確保される場合には、土地区画整理手法の導入が考えられること、用途地域については、特別業務地区の指定が有効であること、既に立地している関連企業の物流活動を考慮する必要があること、周辺道路交通や地域環境、とりわけ緑地環境との整合が必要であることなどを挙げてございます。
 四ページに進ませていただきます。最後に、今後の課題として何点かを列挙いたしております。
 まず、関連上位計画等への位置づけでございます。今後、現行の基本方針の改正など、関連する上位計画に対し、今回の構想を位置づけていく必要がございます。以下、順次、各候補地における整備対象地域や導入機能の明確化、さらに地価水準の高さへの対応、また、民間活力を活用しました新たな整備手法の検討、段階的な整備、物流施設と周辺地域とのつながりの工夫などについて、今後さらなる検討が必要といたしております。
 以上が本報告書の内容でございますが、今後の取り組みにつきましては、現在、国におきましては、総合物流施策大綱が閣議決定されるなど、物流に対する取り組みの強化を図っているところでございます。また、圏央道沿線の各市町におきましては、都市計画マスタープランを策定、または策定中でございますが、物流拠点の整備と地域のまちづくりについて調整が必要となってまいります。
 今後は、本調査報告書をもとに、国、関係市町、民間団体等との意見交換を行うなど、東京西南部における物流拠点の計画の具体化に向け、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○寺山委員長 報告は終わりました。
 これより、本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○吉野委員 首都圏メガロポリス構想につきまして、何点かお伺いをいたしたいと思います。
 先ほど説明をお聞きしまして、このメガロポリス構想が構築をされてまいりますと、首都としての機能は一段と高まって、夢のあるすばらしい首都圏になってくるというふうに、これを読みながら感じていたところでありますけれども、この首都圏メガロポリス構想は、東京都内だけではなく、おおむね圏央道の内側の区域の七都県市を対象としております。一都道府県が、都県を超えた区域を対象にこのような構想を打ち出すというのは、私の知る限りでは例がないのではないかというふうに思いますけれども、大変思い切った大胆な発想、構想であるというふうに思います。
 そこで、このような都県を超えた構想を策定することとした考え方についてお伺いをいたします。

○河島参事 首都東京が我が国の経済再生をリードいたしまして、グローバルな魅力を発揮して、引き続き首都機能を担っていくためには、一国に匹敵する経済力を有するというその特性や、約三千三百万人の集積があるというメリットを生かして、一体的な圏域づくりを進めていく必要があると考えております。
 これまで行われてきた都県の区域を中心としました施策においては、こうした広域的な視点での取り組みが必ずしも十分ではなかった面があると思います。例えば広域幹線道路や空港などの交通基盤整備、物流や防災、さらには環境など、広域の視点から解決に取り組むべき課題が数多くあると考えております。
 このため、都県という自治体の枠組みを超えた広域的な視点に立ちまして連携した施策を展開していくことが今日では大変重要であるという観点から、都として、この首都圏メガロポリス構想を策定いたしまして、関係する自治体などに対しまして提唱することといたしたものでございます。

○吉野委員 東京都におきましては、以前は多心型都市構造を目指した都市づくりを進めてきた経緯があります。一方では、国においては、首都圏を対象とした首都圏基本計画を策定しておりまして、この中では、分散型ネットワーク構造ということが示されております。
 石原知事が就任をされました後、昨年の十二月に出された東京構想二〇〇〇、あるいは、この三月に都市計画審議会から答申がありました「社会経済情勢の変化を踏まえた東京の新しい都市づくりのあり方」におきましては、環状メガロポリスが示されており、この首都圏メガロポリス構想においても、環状メガロポリス構造の構築がうたわれております。
 そこで伺いますけれども、この環状メガロポリス構造というのはどのような特徴を有しているんでしょうか。

○河島参事 これまで進められてまいりました多心型都市構造の都市づくりは、東京一極集中の弊害の是正という観点から、主に業務機能に着目いたしまして、副都心や多摩の心しんへ機能分散を図ろうとするものでございました。
 しかし、右肩上がりの時代の終えん、人口減少時代の到来、国際的な都市間競争の激化、IT革命の進展など、今日の社会経済情勢の変化を踏まえますと、これまでの多心型都市構造から転換し、東京圏全体を視野に入れた環状メガロポリス構造を目指すことが必要と考えられます。
 この環状メガロポリス構造の特徴といたしましては、環状方向のネットワークを強化して、広域的連携により多様な機能を発揮すること、センターコアなど五つのコアと都市軸が骨格となりまして、集積のメリットを発揮する多機能集約型の都市構造としていくこと、効率的、効果的な機能連携を実現する環状都市軸を形成していくこと、そして、水と緑の骨格により環境との共生を図っていくことなどがその特徴でございます。

○吉野委員 この構想は、国や首都圏メガロポリスを構成する行政主体に対して提唱することとされております。したがいまして、構想実現のためには、これから関係自治体や国とも十分に連携を図っていくということが必要であるというふうに思います。
 今後、具体的にどのようにして関係自治体や国と連携を図っていくのか、そのことについてお尋ねをいたします。

○河島参事 本構想は、四月十二日に知事が発表したものでございますが、その直後の四月十五日に、知事が国土交通省による国土交通南関東地方懇談会に出席いたしまして、本構想をその席で提示するとともに、現在、七都県市や国に対して、この構想の内容について説明を行っているところでございます。
 また、七都県市による将来整備構想の策定に向けまして、現在、七都県市首脳会議首都機能部会という組織がございますが、こういった組織におきまして、東京都としてこういった考え方をご説明するとともに、強くこうした方向に持っていこうという働きかけを行っていくというようなことをやっております。
 また、都市再生推進懇談会という、国の方で進められていた、知事も出席した会議、あるいは今回の緊急経済対策などでも示されておりますが、国と七都県市による常設の協議機関をつくろうという動きがございます。
 そういった場で、この考え方をぜひ皆さんにご理解をいただいていくというようなこと、それからまた、今後、国とともに実施が予定されております、国と七都県市による共同調査というようなことがございます。こういった機会にも、この中に書いてあるような事柄について、テーマとして取り上げていただくというようなことも含めて、あらゆる機会を利用いたしまして、本構想を東京都として提唱していくことによりまして、今後の具体的な施策の展開に向けて努力をしていきたいと考えているところでございます。

○吉野委員 この五月に、国は小泉総理を本部長とする都市再生本部を設置をいたしました。この中では、都市を再生し、その魅力と国際競争力を高めることが重要という基本的な視点が示されております。また、その取り組みについては、関係省庁はもとより、関係地方公共団体、経済界などの各界の英知を結集するとともに、相互に協力し合って、戦略的にプロジェクトや施策を推進していく基本姿勢が示されております。
 この四月に公表された首都圏メガロポリス構想は、こうした考え方を東京都が国をリードする形で示したものであり、その意味で大変意義深いものがあるというふうに、私は評価しているところでございます。
 今後も東京都がこのような形でリーダーシップを発揮し、広い視点で施策を展開し、首都圏メガロポリス構想の具体化に積極的に取り組んでいっていただきたい。そのことによって、東京を中心とした首都圏はさらに大きく発展をして、首都移転などという構想を白紙に戻していく力になるのだろうというふうに思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

○かち委員 私も、メガロポリス構想についてお伺いします。
 少しダブるところもあるのかもしれませんが、これまで東京都はいろいろな都市づくりを考えてきていて、今回、都市ビジョン作成のために、三月には都計審から答申を受けて、それに基づく計画が今秋、秋ごろには出てくるというスケジュールで私どもはとらえていたのですが、このメガロポリス構想が急浮上してきたように思えるのです。このビジョンとの関係はどのようになっているのか、そして、この構想は、今後どのような取り扱いになるのでしょうか。

○河島参事 今、かち副委員長ご指摘のように、ただいま都市づくりビジョンをつくるという作業を進めております。三月にはその基本的な考え方を都市計画審議会からちょうだいしておりますが、その中でも、今後の都市づくりにおきまして、従来のような東京都の区域にとどまる政策展開の考え方の整理だけではなくて、より広域的な視点を持って、首都圏、東京圏における隣接県市との連携をした都市づくりの展開ということの重要性が、その答申の中でも指摘されております。
 そういった考え方に基づいて、これは東京構想二〇〇〇でも出ているわけですが、今後の東京が目指すべき都市構造としては、環状メガロポリス構造というような構造を目指すべきだ、こういった、今後の東京の将来的な目指すべき都市構造につきましては、今回の首都圏メガロポリス構想においても全く同一の考え方をもって整理を図っておりまして、広域の都市づくりの考え方については、今後、東京都としてはそういうような方向性を目指していく、こういうような意味合いにおいて、きちんと連携のとれたものになっているかというふうに考えております。
 そして、これまでの都市づくりとの関係というようなことについても若干申し上げますと、これまでの都市づくりは、今申し上げましたように、そういった行政区域の中を主として対象としているために、なかなか隣の県市との連携というようなことについて踏み込んでいきにくかった。
 実は、都市の活動そのものは、その都道府県の圏域だけにとどまるものではなくて、隣接県との関係というのは非常に近年深まっている、そういうようなことを素直に着目していきますと、やはり今後の都市構造を展開するに当たりまして、広域の考え方の重要性が非常に大きいということがいえるかと思います。
 そういった視点の中でこの環状メガロポリス構造が出てきておりまして、東京都としては、今後の都市づくりの大きな都市構造のとらえ方として、これを基本に進めていくというようなことで、進めようとしているところでございます。

○かち委員 ご説明がありましたけれども、これまでの行政区単位での都市づくりでは限界がある、とりわけ、首都機能移転をさせないで、首都に機能をとどめておくためには、もっと強い、大きな、中心都市千二百万では足りなくて三千三百万人の巨大都市、国際一の都市をつくっていかなければならないという発想が根底にあるのだなというのがわかるわけです。読み取れるわけです。
 しかし、今おっしゃられたような広域の連携を強めていくということは、必ずしも一体でなければできないということではないのではないかなというふうに思うのです。いずれにしても、巨大都市をつくっていくという発想があって出されてきたものだろうというふうに思います。
 我が党も、首都機能移転には反対ですが、その理由は、むだな税金投入はやめるべきだという考えなんです。しかし、このメガロポリス構想は、流通、道路、空港、港湾などのインフラ整備計画が中心で、まさに巨大な公共投資がここにつぎ込まれるのではないかというふうに予想されるのですけれども、このメガロポリス構想の全体事業費というのは、一体どのように考えているのでしょうか。

○河島参事 首都圏メガロポリス構想につきましては、都民を初め、広く国民や国及び首都圏メガロポリスの行政主体に対しまして、今回の二十一世紀の首都像とその圏域づくり戦略を提唱するものでございます。
 その内容としては、ハード、ソフトも含めて、七都県市が連携して取り組むべき戦略について都としての考え方を提示したものでございます。したがって、七都県市で取り組む具体的な施策の内容につきましては、今後、七都県市等において、その内容を十分検討していくべきものであることから、本構想の中では、全体の事業費について、現段階では具体的な算定は行っておりません。
 しかしながら、国会で知事が発言いたしましたように、三環状道路などの基本的インフラについては、首都移転に要する費用、約十二兆円と目されておりますが、この費用の二分の一程度の六兆円を現在の事業ベースに加えて追加投資することによって、二〇一五年までにはそういう基本的インフラは整備が図れる、可能であるというふうに考えております。
 この追加投資分につきましては、首都圏再生のために、基本的には国費で賄われるべきものというような考え方を持っているところでございます。

○かち委員 これはたたき台だから事業費は考えない、予算の裏づけもないのだというふうにおっしゃるのは、ちょっと無責任ではないかなというふうに思うのです。たとえたたき台だとしても、現実的にどのくらいなものなのかということをやはり示すべきだと思うのです。
 しかしながら、一部分としてはかなり具体的に進んでいる問題もある。三環状などは、追加投資ということで六兆円とおっしゃいました。首都機能移転には十二兆円かかるのだけれども、その半分を持ってくれば、その分早く進むということでしょうか。
 今お聞きしていて感じたのですけれども、この構想そのものは二〇二五年をめどにするということですけれども、さっき、基本的なインフラ整備が二〇一五年に完成したとすると、こういうふうに環境はよくなりますというデータが出ておりましたよね。既にもう六兆円をつぎ込めば、これだけよくなる。しかし、三環状そのものの計画は、二〇二五年までに九兆円かかるというふうに私どもは聞いていたのですけれども、九兆円かかるところを上乗せして、六兆円を先取りして投資をすればもっと早く進むのだ、こういうようなことでいわれたと思うのですけれども、これも本当に手前勝手というか、そういう感じがするのです。
 しかも、追加投資は国費でということも、三環状を進めていく上では、どういう事業主体でやるかというのもまだ決まっていないわけで、それを国が出すとも決まっていないわけですよね。海のものとも山のものともいえないような状況にあるのではないかと思うのですけれども、これは勝手に東京都が、国が出してくれればこれだけ前に進みますよということで考えていることなのですか。

○河島参事 もともと三環状等の東京圏に必要な基本的なインフラというのは、なぜ今日まで整備がされてないのか、整備率が二〇%というような非常に低い状態にあるということがいわれているわけですが、それは基本的には、これまでのやるべきこと、本来、都市に投資して、しっかりとした都市構造をつくっていくという投資が、ある面で、おくれているといいますか、なされていなかった結果ではないかというふうに考えるわけです。
 そういったことからすれば、おくれていた投資を、首都移転というような大きなむだな投資に振り向けるのではなくて、東京圏の本当に必要な投資に振り向けていく、そういうような考え方が今必要なのではないか。知事も、そんなような考え方で、一昨年の国会の方での意見陳述をしているというふうに理解をしているところでございます。
 そういうことからすれば、今お話がございましたけれども、基本的には、これまで本来的には国が国策としてやっていくような、そういう性格を持つものとして、地方に対して負担を転嫁することなくその実現を図っていくべきもの、そんなような考え方を申し上げた次第でございます。

○かち委員 十二兆円をむだな首都移転に使うのではなくて、東京に持ってくればもっと有効に使えるといういい分もあるかもしれませんけれども、その十二兆円は、もっと国民や都民の暮らしの方に回すという考え方もあるのではないかなというふうに思うんです。
 ことし四月に、先ほどお話がありましたけれども、国土交通省の招集によって南関東懇談会が開かれたということですけれども、そこに参加をされたメンバーはどういう人たちで、その内容についてはどのような内容だったのでしょうか。

○中島総合計画部長 国土交通省の国土交通地方懇談会についてのお尋ねでございますけれども、これは、国土交通大臣が、地域づくりや、そのために必要な基盤づくりなどについて、知事、政令指定都市の市長、経済界の代表と意見交換を行うために、全国を十ブロックに分けまして順次開催してきたものでございまして、南関東地域では四月十五日に開催されております。
 当日は、国土交通大臣のほかに、南関東地域からは、東京都知事のほか千葉県、神奈川県の両知事、埼玉県は副知事、政令指定市からは横浜、川崎の両市長、千葉市からは助役が出席しております。また、経済界からは、経団連の副会長、関東商工会議所連合会の副会長等が出席してございます。
 その場で出ました要望等でございますけれども、七都県市の共通要望といたしまして、七都県市を代表して横浜市長から、業務核都市の育成など首都圏の再編整備の促進に向けて交通ネットワークの整備促進、都市基盤整備促進のための財源の確保について要望をしております。
 石原知事からは、四月十二日に発表しました首都圏メガロポリス構想を提示いたしまして、広域連携の重要性について発言してございます。さらに、首都移転につきましては反対であること、首都圏の空港機能の充実の必要性について発言してございます。
 他の県市につきましては、おのおのの地域の実情を踏まえた課題につきまして要望しておりますけれども、例えば神奈川県知事からは、京浜臨海部の再編整備等について要望してございます。
 経済界の要望につきましては、三環状道路の早期完成、環境に優しい東京圏物流プロジェクトなどが要望されているところでございます。

○かち委員 この会議のときに、メガロポリス構想とともに、首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトというものも配布をされたようなんですね。この中では、災害に強い快適なまちづくりに六・九兆円、世界初の三千三百万電子都市の実現に一兆一千億円、新しい環境対策に二兆円ということで、計十兆円の規模の計画、プロジェクト案が出されているわけですが、その中には、桟橋方式による羽田空港の沖合再拡張などというものも入っています。
 これは、経済対策として国に十兆円を出してもらえば、このような計画をさらに促進することができるよということで知事が提案をされたのではないかと思うんですけれども、この中に交通渋滞の解消のために二兆五千億円というのも入っているわけですね。こういうことが入っているということを--もしこれが本当に経済対策として進められるということになると、さらに三環状促進ということにつながっていくということになるんでしょうか。今、平成二十五年が十五年になる。しかし、この十兆円プロジェクトを進めれば、さらにもっとそれを促進することになるのだというふうに考えるのでしょうか。

○河島参事 ご指摘のように、首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトというものを知事が与党三党の方に提案をいたしまして、国の方でも、そういったことを踏まえながら緊急経済対策をつくっていくというような動きに今なっております。
 この十兆円プロジェクトの中で、まだ、具体的な中身ということは私ども自身も必ずしも詳細に明らかになっていない部分もございますけれども、今ご指摘のような三環状道路などの基本的なインフラについて、この五カ年十兆円プロジェクトの一環として早急に整備を図っていくべきだと。これは、先ほど、首都圏メガロポリス構想の中で、そういった交通インフラの整備というものが首都圏の機能を高めていくためにぜひ必要だということにも対応するお話でございまして、そういったことが盛り込まれてございます。
 今お話しのそういう十兆円プロジェクトなどに仮に含まれて、これから本当にそれが進められるということになると、首都圏メガロポリス構想における三環状道路の整備などということがさらに加速されるのかと。これは具体的に事業計画としてどうなるかというところまでまだ落とし込まれておりませんが、基本的にはできるだけ早く、既にもう相当おくれてしまっているものについて、できるだけそれを取り戻すべく早くやるためにお金を投資していくべきだ、そのことは決してむだではなくて、東京圏のため、首都圏メガロポリスのため、そして日本のためになるんだという考え方でこれまで国の方に要求をしているわけでございますので、おっしゃるように、そういう十兆円プロジェクトに入るということは、一層前倒しをしていくということを目指すということであろうと思います。

○かち委員 何かこの間の経過を見ていますと、非常に政治的な背景を感じるんですけれども、これまでも景気対策として地方都市にいろいろ投資的経費を投入してきましたよね。農道飛行場だとか外国船の入ってこない港をつくったりとかやりながら、いろいろ失敗をしてきた。
 今度は都市にということで、流れは都市に向かっているように思うんですが、このメガロポリス構想、そして三環状促進の今回の東京都の進め方についても、非常に住民不在という感じがするんですね。私のところにもしょっちゅういろいろな資料が送られてくるんですけれども、これはたたき台ですということで外環の説明会をどんどんやっていくとか、それから、国土交通委員会で扇大臣がこういうふうに答弁をしたとか、そういうことが--一々そんなこと、すべてのことについてやっているわけではないのに、特にここのことばかりをどんどん執拗にやってくるという点では、住民はどうなんだ、都民はどう考えているのか、その辺がやはりなおざりにされてはならないと思うんです。
 いずれにしても、巨大な首都圏構想で巨大な投資的経費を費やして首都移転をとどめようとする構想ではあるわけですけれども、日本の首都にふさわしい機能とは一体何なのか。基盤整備だけで済むわけではありません。そこに住んでいる人たち、住み続けられるかどうかということが今問われている、そういう状況の人たちもいるわけですから、本当に東京都民が住み続けられるまちづくりを全体として考えていくという上からすると、少し偏り過ぎ、また東京一極集中の巨大都市形成や、公害や環境破壊、大量エネルギー消費のまちを生み出す方向に向かっているのではないかという非常な懸念を持っているということを述べまして、発言にかえさせていただきます。

○森田委員 私は、震災復興グランドデザイン、これについて少し聞かしていただきます。
 我々は大分前から、復興計画が必要だ、東京都は復興計画をつくるべきだということを主張してまいりましたし、また、東京のまち、この復興グランドデザインにも出ていますけれども、いつ地震が来てもおかしくない状況になっていることも指摘しています。確かに関東大震災級の地震というのは、六十九年周期ですか、というふうにいわれていますけれども、もうそれも超えてしまっている。そういう意味では、いつ地震が来てもおかしくない状況なので、この復興グランドデザインというのは、本当にもっと前からあってもいいぐらいのことではなかったかなというふうに思います。しかし、これをつくったことに対する評価はしたいというふうに思います。
 前回、これの中間のまとめですか、をしていただいて、報告をいただきましたけれども、一応最終報告という形でこれが出たんですが、中間報告以来、都民からどのような意見が出て、それがどういうふうにこれに生かされてきたのか、まずお伺いいたします。

○福島防災都市づくり推進担当部長 中間のまとめ以降、どのような都民の意見の反映を行ったかということでございます。
 都民の意見でございますけれども、巻末にも載せてございますが、総数で百一通ちょうだいをいたしまして、その中で主なものでございますが、平常時の都市計画との関係を明確にする必要があるというご意見、それから、戦略プロジェクト構想をどう具体化していくのかというご意見、それから、法的課題、財源、執行体制が不明確ではなかなか意見が出せない、こういうようなご意見、都民との共有をどう図っていくのかというようなご意見をちょうだいいたしました。そのような内容につきまして、今回、それぞれの内容を最終まとめに取り込んだところでございます。

○森田委員 都民の意見というのは、このグランドデザインがまとめていると--グランドデザインはグランドデザインでいいんですが、もう一歩、目に見える形での計画ではない。これは、グランドデザインの性格からして、ここまでしかできないのかもしれませんけれども、私は、このもうひとつ先の復興計画、具体的なまちづくりを含んだ復興計画がないと、都民にもわかりにくいのではないかなというふうに思うんですが、将来的に、グランドデザインを受けて、復興計画というようなもっと具体的なものをつくっていく予定はあるんでしょうか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 私たちが用意をしております復興の手順におきます復興計画といいますのは、実際の地震の発生後に策定をするという考えでございまして、その中には、広域の観点からつくります広域復興計画と、地域の復興を目指す地域復興計画の二つから構成をされるというふうに考えてございます。
 今回の震災復興グランドデザインは、この広域復興計画の骨子に当たるものを、地震の前から、今から策定をしておきまして、実際の被災の際には広域復興計画のモデルとして活用していくねらいも持っているものでございます。
 ご指摘の、もう少し目に見えるというような復興計画になりますと、恐らくは地域復興計画というようなものが該当することになるのではないかと考えてございます。

○森田委員 このパンフレットを見ますと、ここに、地震が発生をして、具体的に各区市の復興方針、復興計画、二カ月後になっていますよね。二カ月後で間に合うんですか。もっと前にないと、実際にはまちづくりはできないんじゃないかな。二カ月の間、神戸の例でいえば、またそこに応急の住宅なり、自分で建てたり、あるいは公的なところが建てたりするような、いずれにしろ生活をしなくちゃいけない。そうすると、復興計画がないうちにもう、そういう家が多分建っていくようなことになりかねないんじゃないかなと思うんですが、この辺はどういうふうに考えていますか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 実際の復興計画が二カ月後では遅いのではないかというご指摘でございます。
 確かに、震災という緊急事態からの立ち上がりを考えますと、二カ月という時間は、被災を受けた方々からしますと、かなり長いというような印象を持たれると思います。
 私たちといたしましては、できるだけ早期に復興に取りかかることができますように、広域復興ではありますが、実際の発災後につくっていくこととなる地域復興計画のモデルとなるようなものを今回初めてご提示をいたしたわけでございまして、今後、この広域復興のグランドデザインを中心に、都民の方々にご説明をする中で、より速やかな地域復興計画ができるように取り組んでいく必要があると考えてございます。

○森田委員 グランドデザインをつくったことは評価はいたします。しかし、実際に我々も神戸の町に震災後調査に行きました。何回か行っているうちに、都市計画が前もってあった地域と何もなかった地域では、復興の形態が全然、もう我々が目で見ても違うぐらいに差がついているんですね。
 そうなると、各地域の復興計画というか都市計画、これをつくっていかないと、復興がおくれるばかりで、また同じような町並みができてくる可能性があるんじゃないかなというふうに思うんです。
 それには、ここに出ているような二カ月後では遅いので、今から--いつ地震が来るかわかりませんよ、これはもう時間との競争だと思うんですけれども、発災してからではなくて、発災前からこの準備を、グランドデザインをもとにした復興計画をつくるべきではないかなというふうに思うんですが、この辺はいかがでしょう。

○福島防災都市づくり推進担当部長 地区レベルの道路とか公園などの整備の考え方を示すことは大変重要でございまして、復興計画には、今ほど申し上げました広域復興計画と、そして区市のレベルでつくります地域復興計画がございまして、今回の取り組みは、モデルプランとしての提示ということでございますが、この震災復興グランドデザインの発表を契機に、一層地域復興計画の策定に取り組んでいただくよう区市に要請をしてまいりたい、このように考えてございます。

○森田委員 このグランドデザインをもとに、区市の方により具体的な計画をつくってもらうというふうに考えていいんですね。

○福島防災都市づくり推進担当部長 復興に当たりましては、広域と地域の復興計画が両輪となりまして機能していくことが重要でございまして、区市の方に、私どもが今回策定をしました広域復興計画のモデルでありますグランドデザインを参照していただくようにいたしまして、地域復興計画をつくっていただくよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。

○森田委員 発災後二カ月で計画ができるのじゃなくて、もっと早く検討するというふうに、一応私の方はとらえます。
 それともう一つ、今の東京の町で、この想定されているような地震が来たときに、一番大きな課題は何だと思いますか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 東京に地震が発生をいたしますと、やはり被災の規模が相当膨大なものになるというふうに考えてございまして、そういたしますと、やはり、復興に当たりまして実際の事業等をどのように行っていくのか、このあたりが実は一番重要な課題になるのではないかというふうに認識をしてございます。

○森田委員 ここに、震災復興の過程で解決すべき都市構造上の課題ということで四つ出ているんですね。一つは、木造住宅密集地域の存在、二つが整備水準の低い交通インフラ、三番目がオープンスペースの不足、四番目が資源エネルギー多消費型の構造、こういうのが出ているんですが、こういう課題というのは、震災復興の過程で解決すべき問題なのか、もう今から早急に手をつけなくちゃいけない--地震が来なければ解決できないというものではなくて、今からやっておくべきものじゃないかなというふうに私は思うんですけれども、その辺はどうなんでしょう。復興デザインだからこういう書き方しかできないのかもしれないけれども、都市計画あるいは東京のまちづくりを考えたときには、地震が来る前から、例えば木造住宅密集地域の解消策に全力を尽くしていく、そして、地震が来ても大丈夫なようなまちづくりをしていく、こっちの方が先のような気がするんですが、この辺はどう考えていらっしゃいますか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 都市構造上の四つの課題につきましては、ご指摘のように、既にその構想とか計画のレベルに至っているものもございまして、鋭意取り組んでいるところでございます。
 また、木造密集地域の整備につきましては、現在、防災都市づくり推進計画をつくりまして、現在も、予防都市づくりといたしまして、防災都市づくりの中では中心的な課題として取り組んでいるところでございます。
 しかしながら、現在の密集地域の整備は相当時間がかかるということがございまして、それはやはり、そこに生活の場があるというようなところからまちづくりを行っていくという点におきまして生じてくる現象というふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、現在、地震に対して強い都市づくりを行っていく、このことについては最重要の課題として取り組んでいるところでございます。

○森田委員 今、東京都、お金がないことは僕らもよくわかっているんですが、この資料によると、復興のために必要な費用というのは、一般道路、公園などの広域インフラ、土地区画整理事業で九兆一千億円必要だというふうに試算されている。
 この財源をどうするかということが問題だということはここでいっていますけれども、さっきの道路じゃないけれども、もし九兆円のお金があれば、これを震災前に使ったら、木密地域とかさまざまな課題が逆に解決できるんじゃないかな、地震に強いまちづくりができるんじゃないかな、財源の問題はあるんですけれども、地震が来たら、いずれにしろ九兆円使わなくちゃいけないということであれば、これは早く使って、安全なまちをつくった方がいいんじゃないかな、都民のためになるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この辺は、考え方の違いというか、文章の上だけでできていることなのか、九兆円というのは実際本当に考えていらっしゃるのか、この辺はどうなんでしょう。

○福島防災都市づくり推進担当部長 復興事業の九兆円という推計が出ているがということでございます。
 木造密集地域に限って見ますと、被災の大きなところで復興土地区画整理事業などを展開するという提案をしてございます。主に区画整理事業などで要する費用といたしましては三兆円から四兆円、これを単純に五年あるいは十年、五年で見ましても年に六千億円程度の支出ということになるわけでございますが、ただし、これはあくまで計算上でございまして、その金額の大きさ、少なさといいますよりも、とにかく今から防災都市づくりにできるだけの、資金もそうでございますが、仕組みもいろいろ検討しまして、まちづくりを行っていくということの重要さは、私ども認識をしてございます。
 したがいまして、九兆円の投入ということとそれを比較して論じることにつきましては、なかなか難しいかなと考えてございます。

○森田委員 お金の問題もありますので、すぐに手をつけられることはないでしょうけれども、できるだけ、災害に強いまちづくり、これを地震が来る前にやって、地震が来たときに被害が最小限になるようにぜひ努力をしていっていただきたいな、これがやはりすごく必要なことじゃないかなというふうに思います。
 ちょっと論点を変えますけれども、このグランドデザイン、都民の理解を得られないと、なかなか進んでいかないと思います。先ほどの話で、これから区市町村段階まで具体的に都市づくりが進んでいくとなると、ますますこれは都民の理解が得られないと進まないと思いますが、この都民への周知の方法、それから都民への理解の方法、これはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 この震災復興グランドデザインで提案をいたしております復興都市づくりの実効性を確保するためには、復興まちづくりの認識を都民と共有することが重要でございまして、ご指摘のように、都民の意見を聞いていくことは大変重要と考えてございます。
 そのために、震災復興グランドデザインを、防災に関するあらゆるイベントなどの機会をとらえまして、また、アニメーションやCD-ROM化など最新の広報技術なども用いまして、その周知の方法に工夫を凝らしまして、都民と十分な意見交換を行い、復興都市づくりのあり方について共有を図っていきたいと考えてございます。

○森田委員 ぜひしっかりと都民の皆さんに周知していただきたい。きょう、たまたま新聞の折り込みを見ていたら、「広報東京都」というのが入っていまして、ここに震災復興グランドデザインについて出ているんですけれども、ちょっと見てみても、何だかよくわからない。もう少しわかりやすい資料を都民に提供していただきたいなというふうに思います。
 それからもう一つ、復興の段階において、木密等の住宅、ビル、建て直しが行われる。今でも、再開発の場合は、容積率の問題で、再開発をすると、どうしてもそれぞれの持っていらっしゃる建物の面積が減らざるを得ないことが非常に大きな課題になっていると思います。
 そういう意味でいうと、容積率を広げる、大きくするということを早急に検討しないと、再開発、また、もし仮に地震が来てまちづくりをやるにしても、今の容積率のまま、まちづくりをやろうと思ったら、なかなか進まないんじゃないかなと思うんですが、この辺の容積率等についてはどう考えていらっしゃいますか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 お尋ねの容積率の緩和につきましては、土地区画整理事業などを実施する場合、目標とする土地利用や道路などの基盤整備の状況に応じまして容積率等の見直しを行っていく考えでございます。
 また、道路などの地区施設の整備を行う震災復興地区計画や、敷地をまとめて街区単位で開発を行う民間主導のプロジェクト展開を図る街区再編プロジェクトなどの誘導も活用いたしまして、容積率や建築物の建て方のルールなど、地区にふさわしいものを定めまして、復興に取り組んでいく、このように考えております。

○森田委員 地震は来ないにこしたことはないんですけれども、東京の町というのはいつか地震が来るだろうといわれています。何か最近では、富士山が動き出したとかいう情報もありますし、本当に私たち、東京の地震に備えなくちゃいけないなという意味では、まちづくり、非常に急がれていると思うんです。
 これは、東京都だけではなかなか進まない部分もある。国の理解、それから国の法整備、こういうものもしっかりやっていかなければできないことが随分あるわけですが、このグランドデザイン見ても、国への働きかけということは随分出ておりますが、国の方の理解、また国への働きかけ、こういうことが、既にやっているものもあるでしょうけれども、これからしっかりやっていただきたいし、東京の町がそういう大きな震災に遭ったときに、できる限りスムーズに復興できるように今から準備しておく、これが東京都としての役割じゃないかなというふうに思うんです。
 そういう意味では、もう時間ないので終わりますけれども、最後に局長に、この辺の国への働きかけ、また東京都の復興への決意、こういうようなことをちょっとお伺いしたいと思います。

○山下都市計画局長 今般策定いたしました震災復興グランドデザインでございますが、迅速かつ計画的に復興を図るということが必要でございまして、このため、あらかじめ復興まちづくりのあり方を示しているわけでございます。
 その実効性を確保するためには、都民の理解あるいは協力が欠かせないものでございます。そのため、あらゆる機会を通じまして、都民への周知をまず図るということで、これを共通の認識に高めていくということに努めていきたいと思っております。
 また、先生ご指摘の国への要望でございますが、現行法の枠組みの中では、やはり、このグランドデザインが示す迅速な復興あるいは計画的な復興ということにつきましては、大変困難な面が多いということもございまして、今般は、グランドデザインの考え方の中には、必要な法制度、これは十三項目にわたってございますが、そういうようなものの整備もあわせて提案をしてございます。
 現在、内閣府あるいは国土交通省など、いわゆる関係機関に内容説明を行っているところでございまして、提案につきましては、さまざまな事項に及んでおりますけれども、こうした復興のためにいずれ欠くことのできないものというふうに考えておりまして、いわゆる東京都のことしからの提案要望などにもぜひ入れていって、具体的に国に要望活動をすぐ開始したいというふうに考えているところでございます。
 今般、知事を初めといたしまして、あらゆる機会に、こうした法的措置の充実を国に強力に求めていきたいというふうに考えております。

○寺山委員長 議事の都合によりここで十分間休憩いたします。
   午後三時二十八分休憩

   午後三時四十分開議

○寺山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○馬場委員 私は、震災復興グランドデザインについて何点かお尋ねをさせていただきたいと思います。
 平成七年の一月でした。阪神・神戸大震災、今から六年前になります。震災ということを想定をしていない地域で大変大きな地震が起きたということで、今思い起こしても、何か、朝のテレビをつけた中で、何も音がしない、ヘリコプターの音だけが聞こえる中で、何という状況なんだろうというような思いを、今でも思い起こします。
 東京はいつ起こってもおかしくないといわれております。そういう意味で、今回、東京の震災復興グランドデザインについて、こういう形の答申が出て、さらに、今のまちづくりにあわせて復興のことを震災が起こる前から考えておこうということは、大変大事なことだというふうに思っております。
 まず初めに、策定に当たってというところにも、阪神・淡路大震災の経験や教訓を踏まえ、迅速な復興が可能となるように、都市づくりのあり方を提示したものというふうに書かれております。
 こうした観点から、私は、終わりの方にあります第3章、実現方策についてというところから特に質問をさせていただきます。
 まず、阪神・淡路大震災を契機として被災市街地復興特別措置法を定めましたが、その内容はどのようなものであったのでしょうか、お尋ねいたします。

○福島防災都市づくり推進担当部長 被災市街地復興特別措置法は、阪神・淡路大震災後、制定をされた法律でございまして、被災市街地の計画的な整備、改善等の措置を講じるものでございます。
 主な点、三つの点で申し上げたいと思いますが、一つは、復興計画の策定までに時間を要する場合に、発災後二年間を限度に三百平米以上の敷地の建築制限が行えるようにいたしたわけでございます。二点目といたしまして、狭小宅地を解消するため、宅地の共有化を申し出ることのできる被災市街地復興土地区画整理事業を創設をしたところでございます。三点目といたしましては、被災者等に対する公営住宅の入居資格の緩和などを設けている、このような主な改正があったということでございます。

○馬場委員 このように、国では、震災後、特別措置法をつくりました。しかし、神戸の方でも、例えば御蔵でも、人口、世帯数も半分になってしまった。逆にいうと、半分は戻ってきたけれども、半分はもとの自分の住まいをしていたところには戻れていない。受け皿住宅といわれるような集合住宅に、戻ってきた方の三分の一は入っていらっしゃる、また、そこにもともと住んでいなかった方が戻っていらっしゃる、そんなような状況がいまだに神戸にはあります。
 そういうような状況を見ていますと、東京において震災復興のまちづくりを進めるということにつきまして、今の特別措置法を含めて、現行の制度での問題点というのがまだまだあるのではないかというふうに思いますが、この辺いかがでしょうか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 現行制度で東京の震災を想定した場合の問題点はどんなところかということでございます。
 先ほどご答弁申し上げましたように、三点についてでございますが、建築制限につきましては、三百平米以上の敷地の制限では、東京の木造密集地域は百平米以下の敷地面積を有する宅地が四三%というふうに非常に高うございまして、こうした東京の木造密集地域では規制の効果が期待ができない。
 それから、土地区画整理事業におきましては、狭小宅地を解消するため、土地の共有化を進める仕組みが設けられておりますけれども、所有者の任意の申し出によるということでございますために、震災前の狭小宅地のまま復興がなされてしまう、こういうことが起きてございます。
 また、約三十五万世帯にも上る被災世帯が発生すると想定をされておりまして、このことに対応するための住宅の確保など、大変困難な問題が生じる、このように考えてございます。

○馬場委員 森田理事さんからもご指摘がありましたように、こうしたまちづくりは、震災の前からできればもちろん一番いいんですが、震災が起こってからでないと、やはりこの辺の問題、なかなかまちづくりが早く進まないというようなこともあります。
 今のお話のように、狭小宅地というふうにいわれますが、私の品川区でもまだそういう地域が、そこで生活をなさっていらっしゃる方もたくさん、そこが気に入って生活なさっていらっしゃる方も含めて、なかなか事前の解決というのがされていません。
 それでは震災が起こったときにどういう形で区画整理等の事業が進められるのかということは、大変難しい問題だというふうに思っています。
 そういう意味では、事前でも難しいという状況の中で、震災後、このグランドデザインでデザインをして、了解をとっておくにしても、震災が起きて、さらにそのことを実行するときを含めて、今、国や都で決めているそうした制度の整備ということが、もう一つ踏み込んで必要だというふうに考えますが、この震災復興グランドデザインではその点をどのように考えていらっしゃるでしょうか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 建築制限につきましては、今、法律で一律に三百平方メートルというふうに規定をされておりますが、これを、都道府県の条例によりまして、地域の実情などを踏まえて、きめの細かい規制が行えるようにするというような提案をいたしてございます。
 また、土地区画整理事業におきましては、狭小宅地の解消と土地の共有化をより円滑に、また効率的に進められますよう、土地の買収により行う新たな土地区画整理事業を創設をするということで提案をしているところでございます。
 また、大量な住宅を確保するという観点から、民間の空き家を借り上げてその復興に資するというようなことの制度化を提案もいたしているところでございます。

○馬場委員 やはり問題なのはその狭小の宅地なのかなというふうに私も思っています。都の条例等で、きめの細かな規制に結果的にはなってしまいますが、そうした百平米以下のところにどのように理解をしていただいて、土地区画整理事業、ますます自分の持ち分が減ってくるところで、建てかえや、また居住権等の問題がどういうふうになってくるのか、買い取りにしても、その価格がどうなるのかということを、震災が起きた後、大変な時期にこういうことを考えなければならないということで、この辺の事前の対策というのは大変重要だというふうに思っています。例えば、同じように起こった鳥取の例では、百平米以下の土地に個人住宅再建ということで税金を直接投入をしたというお話も伺っています。
 先ほど森田理事の方から、今後の実現化に向けての国への働きかけ等はご質問がありましたので、私は、住んでいる住民として、まちづくりということで今後--このグランドデザインは、いってみれば都市づくりが中心になって書かれているのではないかなというふうに思いますが、復興ということについては、まちをつくるということは二つあって、いわゆるハードの都市づくりという面と、もう一つは生活する場所としての東京、住宅再建等も含めて、こうした観点がなければならないというふうに思いますが、今回、この復興グランドデザインをつくるに当たって、この辺のご検討はなされたんでしょうか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 今回、実現方策の中で検討いたしておりますのは、復興土地区画整理事業のような事業制度から、今ご指摘の住宅の確保というようなところにも検討を加えてございまして、例えば、住宅再建のための共済制度の創設でありますとか、マンションの建てかえの促進制度の必要性、また、先ほど申し上げましたけれども、復興の場面場面で民間住宅の借り上げの制度化を工夫していく、このような提案も十三項目の中に含めて検討してまいってきております。

○馬場委員 最後に意見を申し述べさせていただきます。
 神戸でもなかなか復興ができないというのは、ある意味では法制度が邪魔をしているというお話も伺っています。先日のハンセン病の控訴断念のお話からも、私たちはやはり、今までつくってきたものが復興時に逆に妨げになるというようなことだけはしてはいけないというふうに考えております。
 そういう意味で、今回、このグランドデザインという、これから将来の構想を立てるときに、今までのものをきちんと整理をしながら、見直しをきちんとしながら、新しいこれからの震災に対応するこうしたデザインがきちんと都民に理解をされ、そして協力してこの計画ができていかなければ実効性が伴わないというふうに考えますので、都の皆さんの専門としての立場からこの辺の整理をきちんとしていただけるようにお願いをして、質問を終わります。

○大西委員 まず初めに、東京西南部における流通業務市街地計画調査のことで二つほどお聞きしたいと思います。
 西南部の流通業務市街地については、大型トラックの市街地内の走行、物流自動車の総走行距離、大気汚染などが施設整備によってどの程度軽減されるかが重要だと思うのですが、そのようなデータが今回のこの中に示されておりません。交通安全、環境面からの計画評価を示してほしいと思うんですが、いかがでしょうか。

○杉浦施設計画部長 おっしゃいますとおり、今回の西南部の検討の中ではそこまで至っておりませんが、例えば、既存の四施設の公共トラックターミナルの例で申し上げますと、ここを利用している大型トラックの利用台数は、一日当たり延べ六千四百台ございます。トラックターミナルは、これらの大型トラックの都心部への流入の軽減に寄与しているわけでございますので、当然、交通安全や環境面からの効果があるものと考えてございます。
 今回の西南部の流通業務地区に整備される物流施設の機能、規模等がまだ固まっておりませんので、物流関係の走行距離、大気汚染の軽減度合いについては、今後になってございます。今回の調査は、候補地を示したものでございますので、今後、具体の整備計画の中で、お尋ねの交通安全、環境面からの計画評価を検討してまいります。

○大西委員 立地選定に際しまして、圏央道のみならず、中央道による都内への流入に備えるという観点も重要なのではないかと思うんですが、その辺はどうでしょうか。

○杉浦施設計画部長 圏央道が整備されますと、環状道路ですから、中央道のみならず、関越道などの放射方向の高速国道と連絡されまして、あらゆる方向に短時間で到達できるという交通環境が整うわけでございます。
 とりわけ中央道とのジャンクションに近い圏央道のインターチェンジ周辺に西南部の物流を担う施設が整備されれば、お話しのように、中央道による大型車の都内への流入の削減効果も十分期待できるものと考えてございます。

○大西委員 ありがとうございました。
 次に、首都圏メガロポリス構想についてお聞きしたいと思います。
 全体読みまして、一読して、都市計画の構想として不十分なものじゃないかなとちょっと感じてしまいました。
 東京都は実質的には東京都の行政域を超えて、いわゆる東京圏へと拡張しているのは事実です。私も広域的に取り組むべき課題は多いと考えておりますので、その意味では、今回の首都圏メガロポリス構想の試みは意義あるものと思っております。
 でも、何を広域的に行うべきなのか、また、どのような組織的な枠組みで取り組むべきなのかについて書いてないというところで、まだまだ不十分なものと思っております。
 この計画のねらいというものは、先ほどの質問にもありましたし、この中にも述べてあります。そこでお聞きしませんが、国では、首都圏基本計画や、最近では東京圏のリノベーションというような計画も作成しておりますが、こうした計画とどのような関係にあるのか、これをお聞きしたいと思います。

○河島参事 首都圏基本計画につきましては、国が首都圏整備法に基づき策定しておるものでございまして、二〇一五年までを計画期間として一都七県を対象とする、そういった計画でございます。首都機能移転につきましては、その具体化に向け積極的な検討を進めるという立場をとっております。
 それから、東京圏のリノベーションプログラムは、二十一世紀のグランドデザインというものを日本全体を対象として国でつくっておりますが、その中で、今後の課題として示されました大都市のリノベーションというものを実現するため、五十年先を見据えた長期展望のもとで、東京駅を中心としておおむね五十キロメートルの圏内の範囲を対象として地域構造の再編の方向を描き、旧国土庁がこれを提案したものでございます。この中では、首都移転については、具体的にどういう方向を前提とするのかという明確な記述はなされておりません。
 これに対しまして、今回の首都圏メガロポリス構想につきましては、首都移転は我が国全体に大きな損失をもたらすものとして、断固反対の立場から、首都圏メガロポリスを再生して、首都を七都県市で引き続き担っていくということを目指しまして東京都が今回策定したものであり、首都移転に対するこうした基本的な考え方という面で、前に述べました国がつくった二つの計画とは大きく異なる部分があるというふうに考えております。

○大西委員 この構想は、五十年先を見据えつつ、中間年次である二〇二五年を目標時期とするとありますが、全編を通して、二〇二五年にこのまま行けばどのような状態になるのか、また、構想を実現すればどうなるのかということが示されていません。
 例えば、力を入れています空港問題でも、需要予測は二〇二〇年が示されているだけで、肝心の目標年次であります二〇二五年や、そして見据えるべき二〇五〇年については示されていません。七ページに載っていました。
 つまり、全体的に、現状を述べて、いきなり個々の施策が並んでいるわけで、課題解決の方針、指針、そして施策の効果などについての説明が全くありません。読んでいて、本当にそうなのという思いがしながらずっと読んでいたんですけれども、そういう意味では、どういういい回しをしていいかわからないんですが、あたかも信仰を求めるような乱暴な計画だといえるんじゃないかとも思うんですが、いかがでしょうか。

○河島参事 この構想につきましては、二十一世紀の首都像と都市構造の提案を、また、具体の広域連携戦略と主な個別施策について東京都としての考え方をまとめ、七都県市などに対して現在提唱しているものでございます。
 今後、七都県市の話し合いによって共通の将来整備構想の確立を目指すために、今回、東京都としてつくり、提唱している、そういう位置づけを持っているわけですが、現段階で、個別施策について余り詳細にわたり東京都だけで決めつけていくということは、かえって、七都県市の話し合いを進めるという立場に立つと、それは適切ではないのではないかというふうにも一面考えております。
 したがいまして、施策の具体的な内容につきましては、今後、七都県市による共同の取り組みが具体的に行われていく段階で十分に検討していくべきもの、このように考えているところでございます。

○大西委員 これからということもあるんですけれども、最近では、行政が作成する計画も、計画作成過程の透明性とか施策の効果の明瞭性などが厳しく問われるわけですから、やはり計画の根拠を明確に示す必要が私はあると思っております。
 また、こういう質問をしますのは、構想が対象とします時期、これはまさに時代の転換期だと思うからです。この構想の中で、唯一、二〇二五年までの数字があるのは、一ページにありましたけれども、七都県市の人口見通しです。
 これによれば、この圏域でも二〇一〇年が人口のピークであり、以降人口減少に見舞われるとあります。人口は、構想が取り上げるようなインフラの基礎になる指標です。道路、交通、航空機利用なども、人口が減れば、それに応じて需要も減少傾向が出るでしょう。しかも五十年先を見据えるというのであれば、もっと人口が減少する時期を見据えることでもあります。
 これまでのインフラの整備速度から見れば、これから議論して決めるわけですから、実際にそれらが整備されるのは、人口減少期に差しかかってからということも十分に考えられるわけですので、その辺をしっかりと考慮しなければいけないんじゃないかと思います。
 したがって、この構想をまとめる大前提として、現状把握、将来動向をきちんと示して、その上で、こういう施策が必要で、この効果によって将来動向は、施策なしの場合と比べてどう変わるのかというような施策の効果をちゃんと示していただければ、素直に読めたんじゃないかなと思うんですが、その辺いかがですか。

○河島参事 ご指摘の、少し詳細な現状分析とか将来動向を把握しながらこういった構想を立てるべきだという、そういう立場は、ご指摘のとおりの部分があろうかと思いますが、今回のこの構想につきましては、先ほどの質問に対する答弁で申し上げましたとおり、従来は余り取り組まれていなかった広域連携のそういった視点で、一体何が今必要なのかというようなことについて取り上げているわけでございます。
 そういった面では、ある面で、現状分析ということが非常にやりにくい部分がございます。ほかの県市で個別どういうことをやっているかという情報自体も、非常に全体的に整理する場合には難しいわけですが、特に連携ということは余り現実に行われていないということからすると、そういったことについての施策の効果ということを具体的に把握していく、そういう手法というのはなかなかある面で難しいところもございます。
 それほど行政間の広域連携というようなことはこれまでやられていないだけに、ある面で、これからスタートさせるということについては、新しい第一歩というような面がありまして、そういう面では、まず、そういったつながりといいますか、共通の認識をまずつくっていくことが今とても重要なことなのではないかというふうに考えております。
 そういった第一歩の契機となるようなものとして、今回、この首都圏メガロポリス構想をつくって発表させていただいた、こんなような趣旨でございます。

○大西委員 現状分析がやりにくいとおっしゃいましたけれども、これからの施策は、やはり現状分析というものが非常に基本となると思います。
 にもかかわらず、今回、四ページ、広域連携戦略の展開という中で、本当にたくさんのプロジェクトがあるわけですけれども、この構想で書かれている総額が幾らになるのかということ、そして、その財源というものは何かというものはやはり気になります。先ほどの質問の中で、これからで、財源というものをまだ考えていないということをお答えになりましたけれども、これも非常に乱暴な話じゃないかなと思ってしまいます。
 次に、環状メガロポリスのところで少しお聞きしたいと思いますが、従来東京都が主張していました七つの副都心、そして多摩の心しんとメガロポリス構想とは、どのような関係にあるんでしょうか。

○河島参事 今回のこの首都圏メガロポリス構想につきましては、七都県市全体をにらみながら作成しておりまして、東京都の区域の中の具体的な話については、連携の構図を記述する上で必ずしも絶対に必要でないものについては省略をしながら、全体の構造を、連携の構図、構造を示していこう、こんな考え方で取りまとめておる関係で、東京都の中の、例えば今ご指摘の七つの副都心とか、それから従来の多摩の心しん、今は核都市と呼んでおりますが、そういったような都市あるいは拠点についての記述というものが具体的には出ていないという面がございます。
 しかしながら、先ほど来ご説明申し上げているとおり、この環状メガロポリス構造の考え方につきましては、東京構想二〇〇〇、あるいは、去る三月に出されました都市計画審議会の答申の環状メガロポリス構造の考え方と基本的に同じ考え方をとっておりますので、そういったところまで少しさかのぼっていただきますと、七つの副都心とか、それから多摩の心しん、現在核都市と呼んでいるそういった拠点におきましては、この環状メガロポリス構造のセンターコアあるいは核都市、連携都市軸の中に含まれる拠点として位置づけられているということがおわかりいただけるかと思います。

○大西委員 わかろう、わかろうと思うんですが、なかなかわかりにくいなと何度聞いても思ってしまいます。
 この二三ページのシミュレーションを見ますと、この構想では、環状都市間の交流が強まるなど、東京都心への一点集中から、圏内での多極構造を求めていると思うんですが、そのように理解していいんでしょうか。この辺が、さっきの質問と同じように、ごちゃごちゃになってしまって……。

○河島参事 環状メガロポリス構造につきましては、地域や拠点の広域的な連携によりまして、圏域が一体となってその機能を発揮していく、そういう多機能集約型の都市構造だというふうに認識しています。
 この構造につきましては、一極集中の弊害を是正するために、業務機能の分散を主眼としてこれまで取り組まれてきた多心型都市構造とは、そういった面でちょっと異なるところがございまして、センターコアや拠点都市を含む環状都市軸における集積のメリットをきちんと発揮できる、そういったことを重視した都市構造であるというふうにいえるかと思います。

○大西委員 先ほどの質問で、これまでは一極集中を是正するために多心型へ、でも、これからは右肩下がりの時代だから、またもとへ戻れ。市民にとりましては、何だか、多心型へということで少しは暮らしやすくなるのかなという思いでいました。しかし、その恩恵をこうむらないうちに、いやいや、そんなことじゃないんだ、人口が減るからまた中へと。本当に、私たち暮らしていて、開いたりすぼんだりしているんですけれども、それがよく実感としてわかりません。そんな中で、五十年先やるというんですから、もう少しちゃんと冷静に、しっかりとした都市計画をお願いしたいなと、この部分を読みながら思ってしまいました。
 次へ移りたいと思います。道路、空港等の環境問題についてお聞きしたいと思います。 環状幹線道路計画、そして空港計画などは、さきにお尋ねしましたように、きちんとした将来需要予測と施策の効果が示されていない限り、妥当という評価はできないと思うんですが、仮にこうした施策が必要な場合においても、周辺地域などにおける環境保全が重要と考えます。環状道路を含め、東京都の都市計画道路は計画決定が何十年も前で、それ以降、環境保全に関する重要な判決、尼崎の公害裁判とかいろいろありました。道路交通に許容される騒音とか振動、大気汚染は、計画時の基準とそういう意味では全く異なる厳しいものになっております。
 一つ一つの道路について、既定計画を前提とせずに、将来達成すべき環境基準を先取りするように、騒音、振動、大気汚染、地球環境保全に十分配慮したものにすると、やはりこういうところでこそ明言すべきだったんじゃないかと思います。
 そして、今回の構想には、先ほどいいましたように、数々の大型事業が並んでいます。これらの実施に際して、通常の環境アセスメントだけではなく、いわゆる計画アセスメントを実施すべきと考えますが、都の総合アセスメントの要綱を適用することを明示するとか、そういうものはどういうふうにお考えだったんでしょうか。

○河島参事 本構想におきまして、七都県市が連携して整備に取り組むべきであるとした広域交通ネットワークにつきましては、圏域の基本的インフラとして不可欠であるという、認識は、国も、それから七都県市も含めて共通の認識であるというふうに理解しております。
 そういった広域交通ネットワークを、今後、それぞれの県市が連携しながら、できるだけ早く基本的なインフラとして整備していけるようにしよう、そういうような考え方をここでは提示しているわけであります。
 今後、そうした計画を具体化する際には、今ご指摘のように、環境にも十分配慮して進めていく必要がある、そのように考えているところでございます。

○大西委員 配慮するということであれば、本当に期待したいし、そういうことこそ、ちゃんとこういうものに明示していただきたいと思います。
 次に、一七ページに、リサイクル・廃棄物処理連携というものがありまして、これは本当に広域的にということで非常にいい題材だと思っております。
 特に産業廃棄物の問題が深刻です。一億トンもの廃棄物があり、圏内で処理処分、リサイクルされているのはわずかとありますが、どのくらいの割合なのか。それからまた、これからの圏域像で重要なのには、やはりごみ問題、人に迷惑をかけずに自圏内でリサイクル、処理処分することなのですが、この点に関する具体的な施策がこの中にも見えないのはちょっと不十分だと考えたんですが、その辺も含めてお答えください。

○河島参事 首都圏メガロポリスを構成いたします七都県市の区域の中で排出されます産業廃棄物につきましては、若干古いですが、平成十年度のデータで、約四割が再生利用され、約五割が減量化、残りの一割が最終処分をされている、こういったようなおおよその割り振りになっているようでございます。
 また、最終処分される産業廃棄物のうち、七都県市以外で処分されたものの割合は、これまた少し古いデータなんですが、平成五年を対象とした調査で、五割を超えているというようなデータがございます。
 自圏域内のリサイクルの必要性、こういったことを具体的な施策として取り上げるべきではないかというようなご指摘がございましたが、本構想におきましても、循環型都市づくりを基本的には目指していく、そういう視点から、リサイクル、廃棄物処理を広域連携戦略の一つとして、これは連携によって前に進むだろうということで取り上げているところでございます。
 そういったことをこれから七都県市の共通認識にして、そして具体的な方策についてどういったことを展開していくのかというあたりに、さらに具体化を図っていく、そういうことによって、この首都圏メガロポリスの環境というものがより向上していく、そういう方向性を見出していけるのではないかというふうに考えておりまして、今後、国や七都県市とともに、そういったことについて検討し、共同して取り組むべきものだというふうに考えているところでございます。

○大西委員 地球環境問題について二二ページにちょっと触れてあったんですけれども、圏域の環境問題は構想の重要なテーマであるわけですが、特に地球温暖化などの問題について考えなければいけないと思います。
 この二二ページには、二酸化炭素の排出削減効果が示されておりますが、これは地球温暖化問題を意識してのことだと思います。この問題、今、世界的にも問題になっているわけですから、やはりこの重要な課題を一節を設けて取り上げる必要があったんじゃないかなと思います。
 そして、特にこの二酸化炭素の排出の原因となっているのは、エネルギーの供給と自動車交通が大きいわけですけれども、そういう意味では、首都圏としてのエネルギーの問題、そして、今問題となっております、よそから持ってくる、すべて水もエネルギーも東京へ持ってくるというような、その中でのエネルギーのロス、こういうものも問題になっています。
 新たなエネルギーとして、太陽光発電とか、それから地域エネルギー供給、ごみ焼却場とか下水道の処理場、そういう意味でのエネルギーを新しくインフラとして広域で取り上げるべきだったのではないかと思うんですが、その辺はいかがですか。

○河島参事 この構想に含まれております圏域づくり戦略につきましては、この首都圏メガロポリスにおきまして、今の時点で広域的な連携が必要と考えられ、なおかつ具体的な施策イメージを提示できるようなものを今回取り上げております。
 今後、七都県市の話し合いなどによりまして、必要とされる戦略について、今述べられているもの以外についても、こういったことをやるべきだというようなことは当然出てくる可能性がある、また、そういうふうになっていかなければならないと考えております。そういう事柄については積極的に七都県市の間で取り上げていくべきものだろうというふうに考えているところでございます。
 今ご指摘の地球温暖化とかそういったことについて、お話のありましたように、CO2のシミュレーションをするとか、あるいは、既に七都県市で取り組まれている地球温暖化防止キャンペーンのことについても若干触れておりますが、問題意識としてないわけではないんですが、具体的な施策イメージといったあたりについて、必ずしも今の時点で、連携して何をやるのかというあたりについてのイメージが浮かんでないというようなところもございまして、現段階では取り上げてございませんが、そういった今後の話し合いの中で、その必要性が具体化すれば、そういったものも積極的に取り上げていく、エネルギーの問題にしましても、水の問題にしましても、そういったことが必要なのではないかというふうに考えているところでございます。

○大西委員 そういう問題こそ都市の基盤になるわけですから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 同じく、情報通信手段を交通にかえるような働き方、テレワークについても、大都市では、交通負荷軽減効果があるとされておりまして、都内でも三鷹市などでSOHO事業が行われております。国でも、東京圏で三百万人を超えるテレワーカーが生まれると想定しております。地球環境問題の観点から、IT施策ももう少し具体的に取り上げてほしかったと思うんですが、それも今後の期待というところでいいんでしょうか。

○河島参事 テレワークにつきましても、環状メガロポリス構造といったような構造をつくっていく上で、これは中心部だけ集積すればいいということではなくて、当然、環状軸に存在する拠点都市がきちんとその集積のメリットを発揮できるような、そういう構造をつくり上げない限り、環状メガロポリス構造というものは機能していかない。
 そういったことを考えて、実際に実現していく上で、ITの技術などを使ったテレワークということは、非常に人間の働き方、そして住まい方の問題に大きな影響がございます。ですから、そういったことで、テレワークということも、このシミュレーションの中では、前提条件としては相当程度進むというような仮定を置きながらやっているところもあるわけでございます。
 そういった新しい状況、特にITの進展といったようなことを十分受けとめられる首都圏メガロポリスでなければ、国際競争力を発揮できるそういう圏域にはならない。そういう面では、メガロポリス構想の中の一八ページにおいても、情報ネットワークの構築の重要性ということを特に強調しているところでございます。

○大西委員 この構想できちんと書かれていないことの一つに、緑地の整備があると思います。
 環境インフラという新しい概念も生まれているようですけれども、人口減少社会に向かう中で、遊休地、斜面などを緑地として確保していくことは重要だと思います。市街化区域内の農地については生産緑地制度がありますが、これを拡充するとともに、新たに環境緑地制度というべき、外部効果の大きな緑地を保全する意思ある所有者に対して、利用制限と税優遇などを設ける制度を検討してはどうかなと思うんです。
 いずれにしましても、このような制度の創設を含め、首都圏メガロポリスを居住環境の面ですぐれた地域としていくことが重要だと思っております。
 そして、この構想で、先ほどの質疑の中から私は気になっていたこと、これからこれからということでなかなかお答えがなかったわけですけれども、こういうものこそ広域的なまちづくりを進める上で重要と思われます。そして、こういうものが十分に取り上げられていないということは問題だと思っています。
 そこで、今後関係する県市と協議に入るためには、共同で東京圏の環境をよくする、資源エネルギーの効率的利用を図る、そして協力して循環型社会の実現を目指すなどの点を重視して進めていただきたいと考えておりますが、局長、そのようにお願いしていいでしょうか。

○山下都市計画局長 先生の方からるる、環境に関していろいろと連携すべき課題を取り上げるのが多少少ないではないかというご意見をいただいておるわけでございますが、この中では、東京湾の水質改善とか大気汚染、あるいはリサイクル、廃棄物といった、広域的に連携をしていくということがまず重要じゃないかという項目を中心に取り上げてございます。
 先生のおっしゃるように、環境緑地その他を含めまして、環境面でさらに今後とも協力が必要だというようなことが関係自治体の中で生まれてくれば、これはぜひ行うべきでありますし、それから、環境緑地その他については、まず各都県市でそれぞれがやはり取り組んでいくという必要もございますし、そういう意味で、今回若干、ある意味での連携を強化しようという呼びかけの書になっておりますので、その辺、先生の意見とちょっと違うところがあったかと思いますが、今後、そういう形での取り組みもぜひ強化していくように呼びかけてまいりたいと思います。

○大西委員 常に日本をリードしてとおっしゃいますので、この七都県市、ぜひこのような形、環境面もリードして進めていただきたいと思います。
 私はかねてより、東京には、先ほども申し上げましたように、広域行政の視点が必要と思っておりました。その点で、今回の首都圏メガロポリス構想を発想した背景、これは理解ができます。しかし、今の質疑でわかるように、状況の認識はかなり違うような気がいたします。
 この構想は、国に対するプロジェクトの陳情のようで、十年前、二十年前の計画を見るような気がします。やはりこれからは、自然環境との共生のために、緑地をいかに保全し、あるいはふやしていくか、さらに廃棄物のリサイクル等をいかに推進していくかということ、そして分散型エネルギーシステムをいかに進めていくか、そして、一点集中への弊害を軽減するために業務機能の分散をいかに進めるかということも、まだ問われていると思っております。
 お答えの中でいつも出てくるのは、国際競争力のある都市とおっしゃいますけれども、アメリカでも、それからEUの欧州でも、既に巨大都市化の時代は終わっております。それはなぜかといえば、やはり分散型都市が生活環境を保障している、そういう背景があると思っております。
 もちろん、大都市問題を解決するのは首都機能移転だけではないことは確かですし、かといって、それに断固反対というのもちょっとおかしいのじゃないかと思います。やはり、しっかりと五十年後を見据える、東京に暮らす私たちが本当に暮らしやすいという視点、このことを忘れてもらっては困るわけですので、先ほど私が要求しました環境という面も考えて、近隣の県市とよく議論して、すばらしい首都圏メガロポリス構想にしていただきたいと思います。

○清水委員 私からは、流通業務市街地計画調査報告書について何点かお伺いいたします。
 先ほどもご説明がありましたように、この報告書のまとめは、平成八年度から十一年度にかけて、西南部物流拠点について、部内において課題の検討を行ってきたというような経過を伺っているわけです。しかし、この報告書の中には、どのようなところと調整を行って、どのようなところの意向調査を行って、実態調査を行って、どのような体制で行ってきたかというようなことが全く書かれていなくて、先ほど、最初少しご説明があったような体制でまとめられたという経緯があったわけですけれども、もう少し詳しく、この報告書をまとめた経緯についてお伺いしたいと思います。

○杉浦施設計画部長 先ほどと若干重なるかもしれませんが、もう既に四カ所の流通業務市街地が整備されておりまして、この西南部、未整備であるということについて、特に西南部地域の物流量に対して相対的に物流施設が少ない、あるいは道路混雑が高く輸送効率が低下しているということから、その改善は大きな私どもの課題と認識してきたところでございます。
 こういうことで、平成八年から十一年にかけて検討を行ってきたわけでございますが、こういった課題の検討に当たりましては、当然のことながら、広域的な観点からの国との調整、あるいは物流関係者の意向調査等を踏まえるとともに、地元市あるいは町の土地利用計画等についての整合が必要でございます。
 そういった点を踏まえまして、地元市、町との意見調整を十分図ってきたつもりでございまして、それらを踏まえまして、調査結果とともに今回の報告書を取りまとめたわけでございます。

○清水委員 今のお答えの中で、物流関係者等との意向調査を行ってきたということなんですけれども、物流関係者等というのは具体的にはどういうところの事業者--具体的に行った意向調査の事業者を教えていただきたいんですけれども。

○杉浦施設計画部長 例えば、東京都トラック協会あるいは東京商工会議所、それから、私どもが株主でございまして、区部の四カ所の運営を実際にやってございます日本自動車ターミナルなどでございます。

○清水委員 地元市などとも十分に意見調整などもなされてこられたというんですけれども、関係の市、町などとは、どの程度--記録というのはあるんですか。何年にどの市と行ってきたかという記録というのはあるんですか。十分というのは、どういうことをもって十分といわれるのか、お伺いしたいんですけれども。

○杉浦施設計画部長 いろいろ事務レベルで調整を行ってきましたが、その後、記録をきっちりと全部とっているかどうかということは別としまして、例えば、地元の各市町の長期計画あるいはまちづくり計画などを踏まえて、物流施設の立地の可能性があるかどうかの検討も行ってきましたし、あるいは、各市町の都市計画マスタープランを策定中のところについては、そういった都市計画マスタープランとの整合が図り得るかどうか、そういったことも地元市とは十分協議してきたつもりでございます。

○清水委員 そうすると、例えば、日の出のインターチェンジですとか、それから幾つか、あきる野インターチェンジですとか青梅インターチェンジなど、日の出町とか青梅市とかあきる野市などの長期計画などには、この圏央道インターチェンジ周辺の流通業務施設というのは、既に長期計画とか都市計画マスタープランの中には含まれているんですか。

○杉浦施設計画部長 ご案内と思いますが、物流施設の立地については、それに見合う、例えば用途地域とかそういったようなものが必要になってまいります。必要になってくる反面、何よりも、土地の取得の可能性、そういったようなものがやはり一つのポイントになっております。
 残念ながら現段階では、即地的に、この場所を取得する、あるいは取得し得る、そういったまでの検討は今回の検討の趣旨ではございませんで、どういったところに立地の可能性があるかということをスタディーしたわけでございまして、そういう意味では、各市、町の都市計画マスタープランの中で、例えば、用途上あるいは交通アクセス上、そういったような可能性のある箇所がどのくらいあるかといった観点からの事前検討というのはしてまいりました。

○清水委員 そうすると、可能性があるかどうかということで関係市町の意向を伺ったということで、例えば日の出インターの周辺に流通業務をつくるということについて日の出町の意向を伺うとか、そういうことは全くしてないわけですよね。

○杉浦施設計画部長 今回、分散型の拠点を考えてございますので、それぞれの場所にどの程度の規模のどういう施設が入るかというところまでは規定しておりません。
 そういうことで、物流施設のある機能がそのインター付近に入り得るかという点の打ち合わせとか調整、それについてはいたしております。ただし、その中で、ここの土地に何々の施設をというところまでは現時点では詰めてございません。

○清水委員 関係する地元市町と十分に意見調整を図ってきたというのは、意見調整ではなくて、都の方が、この計画を進めるために周辺の状況はどうかなということを調査をされた、意見を伺ったということで、相手側の意思とか計画というのはまだ全く定まっていないと思うんですよね。
 例えば、八王子市の場合は、圏央道の周辺の活用というのは、もちろん長期計画の中では入っているんです。圏央道の整備によって周辺の活用を図るんだということを、いいかどうかは別にしても、そういう長期計画が入っているんですけれども、じゃ、流通施設、流通整備をどこでやるかという問題については、これまでの計画の中では、中央道の八王子インターチェンジという、ここだけなんですよね。ここだけが都市計画の計画の中に入っていて、もう一カ所ある、八王子北インターチェンジとか八王子南インターチェンジとか、そういう場所の流通施設ということは全く入っていないんですよ。
 市としても、まだここを流通施設にするかどうかということは全く考えていないという話を、私としては一昨日、担当者から伺ってきたわけなんですけれども、そういう時点の中で、どういう意向を把握されたかということはわかりました。地元市町のどういう意向を把握されたということはわかったんですけれども、そういう地元市との意向調査とか調整の中で、箇所を絞り込んだというふうに書いてあるわけでしょう。この絞り込んだ中にうまく配置していくんだということで、かなり具体的な方向としてここには掲載をされているんですけれども、そういうまちづくりの方法というのは、先ほど、昭和四十一年にこの基本方針ができたといわれましたけれども、地方分権とか地方で独自にまちづくりをするということをいいながら、その昭和四十一年の基本方針の流れのままで来て、全体に足りないから西南部にやるという、そうしたまちづくりが、今、地元市町の意向調査というのは大体どういうことをやられたかということはわかったんですけれども、地方分権という、その都市づくりの観点からどのようにこれをとらえられているのか。
 各市がどのようにこれからまちをつくっていくのかということを決めた上で、東京都が新しいこういうものを決めるかどうかは別としても、その意向をもって決めるという、そういうものが新しい地方分権のまちづくりの、都市づくりのやり方ではないんですか。

○杉浦施設計画部長 やや説明が不十分で誤解なさっている面があるかと思いますが、箇所を絞り込んだといっても、先ほど申しましたとおり、即地的にこの箇所にこういう機能をというところまで絞り込んだわけではございませんで、今回、報告書の中でも、各インター周辺のエリアを丸で囲んで、このあたりというようなことを抽出したということにすぎないわけでございます。
 そういった各インター付近のこのあたりということに、今後、可能性を求めて、これから即地的な面、あるいは具体的な施設の面、これを検討していくわけでございまして、その検討に当たっては、当然のことながら、各市の長期計画、まちづくり計画などを踏まえたものにしていきますし、地元市町と今後とも連携し、十分に反映させていくつもりでございますので、委員おっしゃるようなご懸念は当たっていないと思います。

○清水委員 私は、こういう都市づくりのやり方というのは、今の地方分権のやり方にはふさわしくないというふうに思います。
 次に、交通量についてお伺いしたいんですけれども、これもみな予測だといわれるわけですけれども、新たにそれぞれのインターチェンジ周辺に物流拠点が設置されると、これまで既に圏央道のアセス、それからアクセス道路のアセスなどが行われて、将来予測交通量が示されてきているわけですけれども、それとの関係はどのようになっているんですか。

○杉浦施設計画部長 圏央道並びに関連するアクセス道路の環境アセスメントにおきましては、予測の前提といたしまして、それぞれ沿道及び周辺地域における将来の土地利用状況を勘案いたしまして、人口フレームなどをマクロに算出し、それらをもとに交通量を算出いたしております。
 今回調査をしております物流拠点も、これを具体化する際には、当然のことながら、そういった土地利用状況に合う形で入るわけでございますので、こういった個々のそれぞれの施設は、アセスの段階で仮定した将来の土地利用計画の中に織り込んであると考えております。

○清水委員 道路の環境アセスメントの際には、全く漠然とした道路の将来交通予測量が示されます。ですから、住民に対しては周辺の土地利用の状況がどうなるのかというようなことは全く知らされずに、将来交通予測量とかそれぞれの道路のアセスで、圏央道を含めて四本あるわけですから、行われてきているわけですけれども、そうなると、現実的には、これまで進めてきた幹線道路計画のアセスと今回出されている計画というのは整合していかない。つまり、じゃ道路のアセスは一体どうなるのかということが、住民の中から疑問が出てくると思うんですよ。
 そういう計画というのは全くその時点では知らされずに、道路交通予測量というのが漠然と何万何千台、何万何千台ということで示されてきていたわけで、私は、道路のアセスの見直しにだってつながっていくのではないかというふうに考えるわけです。
 それは質問しませんが、依然として、先ほどの前委員もいわれましたけれども、物流をトラックに頼っているということでこの計画というのは出されていませんか。
 しかも、区部の交通量を郊外に減らせばいいんだと。減らしたところはいいですよ。受けた側のことを全くこれには書いてなくて、区部の交通が減れば環境に配慮されるんだと。じゃ、それを受けた道路周辺の住民のことはどう考えておられるのかということを考えると、現在ある交通量、物流交通をどうやって減らすのか。
 一体、この物流はどういうものによって成り立っているのかという分析を--これを見ると、みんなどこからか持ってきた調査報告書でしょう、全部。担当の方がやられたものはないと思うんですよ。全国物流何とか調査報告書とかいうものがここに掲載されているわけですけれども、じゃ、それがどういうものによって発生しているのか、これはどういうふうに減らしていくのかという、それなしに、この交通量を郊外に環状に流していけばいいんだ、そうすればもっと全体的に一割減るでしょうという計算でやられているわけですけれども、実際に数字上のように道路と車との関係というのはいってないのが、どこの状況もそうなんですよ。
 そういうことを考えれば、この調査というのは、私は、本当に減らそうという気持ちがあるんだったら不十分な内容じゃないかと、特に交通量の問題に関しては。しかも、交通量、トラックから減らしていくという姿勢に立った場合に、根本的な解決の対策として進められながらやられているかというと、どうなのかなという疑問があるんですけれども、その点はどのようにお考えなんですか。

○杉浦施設計画部長 物流を効率化するということについては、交通量削減のような論理的な面以外に、物流車両の積載効率を改善するとか、あるいは、経済原理だけじゃなくて、何か統一的なコントロールができないかとか、いろいろな方策を講じないと、なかなか効率化できないという面で、確かに委員おっしゃるとおり、今回のレポートの中ですべて物流の今後のあり方、課題等が網羅されているわけではないということは、我々も十分承知しております。
 しかしながら、極めて単純な話で申しますと、都内に入る物流に対しては、四方向についてはターミナルで受ける余地があるけれども、多摩地域西南部についてはターミナルで受けないので、それらが一度、多分大半の車両が区部に入ってきて、区部のターミナルでまた再配分されて多摩に行くということで、余分なトリップが生じているということは、これは全く常識的に考えても想定できる話です。
 ですから、今回は、そういう面で、足りなかった方面に一つ受け皿をつくるという面では極めて有意義であろうと思っておりますが、ただ、これで物流問題がすべて解決するわけではなくて、先ほど申しましたソフト面等の施策についても、今後あわせて都市計画局としては検討していかなければいけないと考えております。

○清水委員 ごみの処分場と同じで、次に最終処分場があれば、みずから、自分たちが逼迫して、そしてごみの問題について十分に考えない、そういうことがあったけれども、最終処分場がないということになったら、自分たちの生活態度を変えなければいけないとか、生活スタイルを変えなければいけない。
 そういうことから考えると、物流問題も、私たち、まだ便利なことを求めているわけですけれども、先に施設をつくる可能性があるということを示したら、もうそこでは都民の議論は起こらないじゃないですか。ここに集中しているんだ、じゃこれをどうしますかということを、それを投げかけて議論をする中で、じゃ私たちが自分たちの生活を振り返ってみようというようなことだって起こることから見れば、先に施設がもうここに整備できますよということを東京都が提案するということが、本当にこの問題の根本的な対策になるかというと、大変疑問が残ります。
 しかも、この周辺の環境問題に行きますけれども、この周辺は、ここの中に書いてあるように、環境との整合を図らなければならないといっているように、つまり環境が比較的豊かなところにこの整備計画が行われて、ここで見ていると、丘陵地があるから用地が確保できると書いてあるわけですよ。ここに採石場や丘陵地があるから用地が確保できる、つまり丘陵地をその施設に開発していくということでしょう。
 そういうことで安易にそうした開発がこの地域でもさらに行われるという、環境破壊という点から見ると、今は、道路計画についての環境破壊という問題について多少の関心が寄せられているんですけれども、道路が通った後に、また周辺の環境が脅かされるということを、まだ全く都民は知らないわけです。
 周辺にこういう施設が確保できるかもしれないと考えるのはわかりますけれども、その、地価が安いといわれるようなところというのは、環境が残っているところなんじゃないですか。そういうところへこういう施設を引き続きつくるという、そういう都民へのアピールとか、そういう問題点からも考えるということでは、環境の問題というのは書いてあるんですけれども、ここには整合性を図ると書いてあるんですけれども、私は環境が破壊されるというふうに考えるんですけれども、どのようにお考えですか。

○杉浦施設計画部長 環境の議論の前に、ごみの問題と物流の問題が同じだという認識を示されましたが、我々としてはそれは大分違うととらえておりまして、やはり都市としての最低限のシビルミニマムを達成するために、我々がどういうものが必要であり、それをどういうふうに有効に使っていくか、または手に入れるかということについては、ごみの問題とは別の観点で議論すべきだろうと思っております。
 環境の問題でございますが、確かに、ターミナルをつくれば、幾ばくかの影響は出ますが、逆に、こういった適正立地を誘導しないでいれば、当然のことながら、民間ベースで、今いろいろ大手業者や何かが拠点を各地につくってございます、そういったことで、とりわけ西南部については、圏央道が開通するということになりますと、そういう民間ベースでの物流拠点整備の可能性--乱立という言葉が適当かどうかわかりませんが、そういったことが考えられるわけですから、そういったことを食いとめるためにも、やはり適正な位置に適正な規模でこういった施設をつくっていくということは、地域の環境のためにも決して悪いことではないと思っていますし、施設一つ一つの整備に当たりましては、例えば緑地帯とか構内道路の整備とか、それらについては十分環境に配慮すべく用地をたっぷりとるとか、そういった工夫はこれからでもできると思っております。

○清水委員 土地区画整理などが手法の一つに入っておりますけれども、手法はどうするかというのはいろいろここに書いてあるわけですけれども、そうした土地区画整理などの方法で進められていけば、結局、地元の負担というのがますますふえてきて、住民に対しては、財政的にも精神的にも多大な負担がかかってきているわけですよ。
 例えば中央道の八王子インターは、九十四ヘクタールの用地が、東京都の用地も二十数ヘクタールあるわけですけれども、土地区画整理で進めるというようなことでずっとやってきましたけれども、ことしの予算は、市も、それから公社の方の、新都市建設公社が受け持ってやっているわけですけれども、その方の予算も、少しの調査費ということで、実際には市の方も、ここを土地区画整理するのは大変だなということを財政的な面で感じているわけですよ。
 そういう中で、土地区画整理もありますよというようなことを、東京都が、市の財政事情とか、住民にそうした負担などがかかることも予想されずに、そうした地元の住民の負担などについてはどう思っているのかということと、それから、やはりこれは上からの計画だというふうに思うんですよ。まだ八王子市の担当者も、実際にいえば、そうですね、こういう計画書は私は知りませんけれども、そういえば北インターチェンジ周辺を見せてくれといってきましたねというような程度をいっておられました。
 市の計画には北インターチェンジの物流拠点というのはないんじゃないですかといったら、将来東京都が出せば、八王子市は、そういう都市マスタープラン入れるかもしれないけれども、現時点では、中央道と一カ所がはっきりと決まっているところですよということで、実際には、地元の負担も大きくなるし、それから、先に東京都が決める、そして市を誘導していくということになると思うんですよね。
 それが本当に成功しているかといえば、先ほどいったように、途中で多心型都市からいろいろな形の都市に変わってきて、そのまだ途中の事業をやっているんですよ、八王子なんかも。最初に東京都が打ち上げたその流れをくんだ事業をまだやっていて、あんなところにどうして地下の駐車場をつくるの、なぜあんなところに再開発ビルつくるのというのが、まだ途中でやっている、その途中のところで、東京都が、先ほどの首都圏メガロポリスじゃないですけれども、今度はこうだよと、そういう上からの計画をつくって、どんどんと誘導していくということで、とりわけ首都圏のメガロポリスの方に掲げられている町田とか八王子とか、そうした地域の、国や東京都からの都市計画の誘導というのに対しては、非常に住民も大変な思いをしておりますし、市も、大体の方向は同じですけれども、それが全部、東京都のやり方がそのままでいいというふうには思っていないというふうに思うんです。
 そういう点から考えて、地元の負担がふえる、それから財政の負担も大変になる、計画が上からの計画ではないかということで、私は、こうした流通業務計画というのは、報告書を出されましたけれども、基本方針を早期に変更するということはやめていただきたいと思うんですけれども、お考えをお伺いいたします。

○杉浦施設計画部長 おおむね二点あったと思いますが、まず、地元の負担ということですが、どういう概念のお考えかちょっと理解しかねますけれども、基本的には、現時点では、地元自治体あるいは住民の方々の、少なくとも流通業務団地に対する役割というのは明確に想定をしていないわけでございまして、逆に、こういった物流関係施設の設置によりまして地域の雇用拡大あるいは地域振興につながるというような工夫を、計画の具体化に際してはあわせて行っていくべきだと我々は考えているわけでございます。
 それから、押しつけというようなことではございますが、この物流拠点の整備について、広域的には東京圏における適正な物流システムの確立という観点、あるいは都心部へ不要な車を流入させないという観点はありますが、同時に、今、区部の積みかえ所に行って、また帰ってくるという、当然二度手間の輸送になっているわけですから、それを是正することによりまして、地域の交通環境の改善あるいは地域の活性化にも不可欠な施設と考えております。
 仰せのとおり、当然、地元自治体と密接に連携をし今後とも進めていくべきと考えているところでございます。

○清水委員 基本方針……。

○杉浦施設計画部長 失礼しました。東京都についての流通業務施設の整備に関する基本方針というのがあるわけでございますが、これは、既に四カ所が整備されてございまして、残る西南部の物流拠点ということで、むしろその基本方針にのっとって進めたいと考えております。

○吉田委員 もう五時になりますけれども、七月以降もできたら質疑したいものだなと思っておりますので、大変厳しいんですけれども、きょうは、意見をいって、一言二言質問だけさせていただきます。震災復興グランドデザインに関してです。
 読ませていただいて、私は中間の段階にいなかったものですから、質疑がわからなくて、一応議事録を読みましたけれども、その場でも議論があったようですが、第一に、先ほどから話がありました震災予防と復興との関係なんですけれども、現実に都民の生命や財産を守るということになれば、これは復興デザインを検討する場面ですから、そこで予防を求めることは筋違いかもしれませんけれども、予防にどれだけ全力を尽くすのかということが、やはり緊急、最大の課題だと思うんですよね。
 しかも、そのことは、復興ということを考えたときにも、例えば、復興をいかにスピードかつ円滑に進めることができるかということを考えれば、予防対策にどれだけ東京都が本当に力を入れたのかということと連動することだと思うんですね。
 例えば、避難住宅を確保しなければならなければ、当然オープンスペースがなければできない、あるいは、区画整理その他をやるにしても、住民の方々にできる限り負担を、犠牲を少なくしようとすれば、やはり一定のオープンスペースというものを東京都が持っていなければできないとかいうことを考えてみても、復興という立場から考えてみても、やはり予防策というものを十分とるということを大前提として考えるべきではないのかなというのが第一点目です。
 二つ目に、実際、それはどういう被害が起きるかわかりませんから、どこまで想定したグランドデザインをつくるかということは、かなり困難な面があると思うんですよね。しかし、やはり住民合意で進めなければならないということになれば、私は、震災を受けた復興時の都市計画というものと、現在の都市計画というものは、基本的には同一のもので考える、現在の都市計画を基本的に進めていくということがやはり大前提であるべきではないのかなというふうに思います。
 グランドデザインの文章の中を見てみると、逆に、何かこのグランドデザインを平時にも使うんだというふうな記述があるんですけれども、私は、やはりそれはそうじゃなくて、逆立ちじゃないのかなというのが二点目に感じた点です。
 三つ目には、これは都市計画のグランドデザインですから、直接生活復興が中心には座らないというご説明かもしれませんけれども、一般都民の方が見て、緑の回廊をつくる、結構という意見も出ると思うんですけれども、じゃ、例えば住宅密集地で震災に遭った方々はどこでどうやって生活再建を果たすことができるのか、あるいは被災直後の避難住宅は一体どこに確保できるのか。
 阪神・淡路の方々の避難生活者というのは、一カ月後で約二十万人ですよね。ところが、今度の東京都の想定では、九十一万人の方々が一カ月後に被災生活を余儀なくされるであろうと。もちろんそれは推定ですからわかりませんけれども、そういうときに、自分たちがどこでそういう生活を営むことができるのか。また、道路を広げるのは結構かもしれないけれども、例えば共同住宅のマンションなんかがどういうふうに再建されていくのかというものを包み込んだ都市計画でない限り、都民の方々の理解と納得を得られることは難しいのではないか。
 学者の方の本をつまみ読みいたしますと、復興は住宅に始まって住宅で終わるというふうな書き方もありますけれども、やはり都市計画であったとしても、本当に生活復興というものがきちんと位置づいた復興計画というものの検討でなければ、都民の理解は得られないし、また現実的ではないのではないか。これが三つ目です。
 最後、四つ目に感じているのは、幾ら震災を受けたときだからといって、乱暴に個人の財産、私権というものを侵すことは到底できないと思うんですね。逆に、そういうときに、自分の財産、土地というものに対して多くの方々は非常に神経質にならざるを得ない。
 ですから、区画整理を強行したときに神戸市で大変なトラブルが発生したということは皆さんご承知だと思うんですが、やはり基本的には、私権制限というものを強化すべきではないし、また、住民合意というものは、現時点でも、その当時でも、本当に貫いていくべきではないのかなという四点について、これは極めて雑駁な私の感じですけれども、意見を持ちます。
 質問したいんだけれども、時間になっちゃったんだけれども、二つだけ質問させていただきますが、一つは、そういう予防と復興との関係をどのようにとらえているのか。多分、皆さんのお考えとしては、予防については全力を尽くすというお考えだと思うんですよね。
 しかし、現実的に、例えばオープンスペースの確保という点で見れば、場違いかもしれませんが、都立大の跡地が発生いたしました。あれはたしか公園に隣接した地域になると思うんですけれども、東京都の財産であったわけですけれども、これはたしか民間のディベロッパーに売却をされました。また、この前、私、質疑させてもらいましたけれども、六本木、港区の防衛庁本庁、これが国が移転をするということで東京都に打診があったけれども、東京都としては財政的理由で手を挙げなかった。
 本当に今財政が大変であったとしても、一つ一つオープンスペースを確保する努力をしなければ、私は、予防にもならないし、いざというときの復興のための準備にもならないと思うんです。一般論じゃなくて、そういう具体的な事例を挙げて質問させていただきたいんですが、どういうふうにお考えなんでしょうか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 大規模な公共用地の売却等に関しましては、それぞれの都市づくり、土地利用の目標がありまして、そうした検討が進められて、一定の計画、管理のもとに処分がされていくというふうに考えてございます。
 私たちが今考えますオープンスペースといいますものは、現在も、震災対策条例に基づきまして、震災後速やかに必要となる応急、復旧、救急という場面で、どのような土地を確保していくのか、これの調査にただいま総務局を中心に入ってございまして、こうした調査の中から、震災時に必要となる土地の需要なども早急に精査をいたしまして、必要な土地等の確保に現在から取り組んでいく、このような考え方で取り組んでいるところでございます。

○吉田委員 今から取り組んでいくといわれますけれども、この間の経過を見れば、これも直接的には建設局になりますが、公園用地の整備費というのは年々減少してきたという経過を見れば、本当に震災問題にどれだけ東京都が真剣に取り組むのかという点では、今からやはりできる限りの公有地を確保するという努力を改めてされることをこの機会に求めておきたいと思うんです。
 二つ目に、復興で、私は、やはり生活復興、とりわけ住宅の確保や復興ということが非常に大きな課題に取り込まれなければならないと思うんですが、例えば、避難住宅をいざというときにどこに建てるのかだとか、あるいは、住宅問題もさまざまな問題ありますが、これだけ民間の分譲住宅が多い中で、どうやってそういうものを、住宅、生活を保障するのかというふうなことは、どんなふうなお考えなんでしょうか。

○福島防災都市づくり推進担当部長 ただいまのご質問は、震災直後の住宅の確保という観点でのご質問というふうに考えまして答弁をさせていただきますけれども、先ほども事例のご披露ございましたように、三十数万世帯の被災世帯が想定をされておるわけでありまして、東京都の今回このグランドデザインで提案しております内容では、3章のところにありますけれども、基本的には、住宅に困窮する方の応急住宅というものの確保は大事でございますけれども、やはり地域には、従前のコミュニティというものが十分ございまして、また、住宅だけではない、生活を支える事業所とか、そしてまた最低の店舗など、そういったものが、できますならば一体的に被災後に整備をされていくことが好ましい。これも、あくまで本格復興に至るまでの時限的な、救急的な措置としての考え方でございますので、現在応急仮設住宅などにつきましては住宅しか供与されないというような仕組みにつきましては、事業所、店舗などの用途を含んだ、そういう時限的な施設も建設できるようにということで、私たちは、今回、制度提案などもいたしているところでございます。
 そのほか、やはりそうした住宅だけで本格復興に至るまでの生活を支える住宅が確保できるわけではございませんので、民間の空き家住宅なども、今は、単に厚生労働省に協議をして一戸一戸の判断を求めるというような制度になっておりますのを、もう少し制度的に、借り上げ住宅などを体系的に位置づけまして、本格復興に至るまでの住宅の確保などを図っていく、このような制度提案をいたしながら、できる限り不安のないような形で本格復興に進んでまいりたい、このように考えているところでございます。

○吉田委員 今のご答弁聞いていると、私の理解が低過ぎるのかもしれませんが、なかなかイメージがわかないんですよね、これだけの大規模なものをどう対応するかという点では。いずれにしても、もし復興を考えるならば、やはり生活復興ということを基軸に置いて、真剣な検討ということを改めて求めたいと思いますし、いろいろな点ありますが、引き続き七月以降も頑張るようにしていきたいと思いますので、これで質疑は終わらせていただきます。

○寺山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市計画局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関にこれを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承ください。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十二分散会

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