委員長 | 寺山 智雄君 |
副委員長 | 真鍋よしゆき君 |
副委員長 | かち佳代子君 |
理事 | 大西由紀子君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
理事 | 森田 安孝君 |
中嶋 義雄君 | |
清水ひで子君 | |
馬場 裕子君 | |
吉野 利明君 | |
立石 晴康君 | |
内田 茂君 | |
田中 晃三君 | |
奥山 則男君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市計画局 | 局長 | 山下 保博君 |
次長 | 石山 伸彦君 | |
技監 | 勝田 三良君 | |
理事 | 塩野 忠弘君 | |
総務部長 | 野田 一雄君 | |
総合計画部長 | 中島 守君 | |
開発企画担当部長 | 田中 亨君 | |
地域計画部長 | 小林 崇男君 | |
施設計画部長 | 杉浦 浩君 | |
航空政策担当部長 | 山内 一良君 | |
外かく環状道路担当部長 | 成田 隆一君 | |
開発計画部長 | 只腰 憲久君 | |
防災都市づくり推進担当部長 | 福島 七郎君 | |
建築指導部長 | 森下 尚治君 | |
参事 | 河島 均君 |
本日の会議に付した事件
都市計画局関係
報告事項(説明・質疑)
・第百四十九回東京都都市計画審議会の付議案件について
・社会経済情勢の変化を踏まえた東京の新しい都市づくりのあり方(東京都都市計画審議会答申)について
・秋葉原地区まちづくりガイドラインについて
○寺山委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
まず初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、私の方から紹介をいたします。
議事課の担当書記の馬場美紀さんです。
次に、議案調査課の担当書記の高畠基さんです。
よろしくお願いいたします。
〔書記あいさつ〕
○寺山委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをいたしましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市計画局関係の報告事項の説明聴取を行います。
これより都市計画局関係に入ります。
報告事項につきましては、第百四十九回東京都都市計画審議会の付議案件について、「社会経済情勢の変化を踏まえた東京の新しい都市づくりのあり方」について及び秋葉原地区まちづくりガイドラインについて、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○山下都市計画局長 本日は、第百四十九回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件及び報告事項二件につきましてご説明申し上げます。
初めに、東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件ですが、東京都の決定にかかわるものが全部で十三件ございまして、内訳は、区部が八件、市町村部が五件となっております。
なお、都市計画決定案件以外といたしまして、土地区画整理事業の事業計画の変更に伴う意見書の審査が一件ございます。
本日の委員会では、これらの案件のうち、主要案件である勝どき六丁目地区再開発地区計画について後ほど説明申し上げます。
次に、報告事項二件についてご説明いたします。
一件目は、三月三十日に東京都都市計画審議会より答申をいただきました「社会経済情勢の変化を踏まえた東京の新しい都市づくりのあり方」についてでございます。
本答申は、一昨年の十月に知事より諮問され、都市計画審議会に都市づくり調査特別委員会を設置し、調査検討してきたものでございます。今後、この答申を受けまして、政策誘導型都市づくりの基本方針を明らかにするための東京の新しい都市づくりビジョンを本年秋を目途に策定してまいります。
二件目は、秋葉原地区まちづくりガイドラインについてご報告申し上げます。このガイドラインは、秋葉原地区をIT関連産業の世界的な拠点として整備していくためのまちづくりの方針とその実現化方策について記載しております。
それでは引き続き、それぞれの担当部長から説明させますので、よろしくお願い申し上げます。
○小林地域計画部長 それでは、第百四十九回東京都都市計画審議会に付議をいたします主要案件でございます勝どき六丁目再開発地区計画の決定案件についてご説明させていただきます。
お手元に主要案件説明資料、薄いものですが、こういう白いものと、それから黄色い表紙の主要案件図面集をご配布させていただいておりますので、こちらをごらんいただきたいと存じます。
主要案件説明資料の二ページをお開きいただきたいと存じます。それから図面集では一ページでございます。本地区は、図面集の一ページの、後ろのスクリーンにも映っておりますけれども、東京駅の南約三キロメートルの中央区の勝どき六丁目の地内にございまして、都営地下鉄大江戸線勝どき駅の南西約四百メーターに位置する、面積約四・三ヘクタールの区域でございます。地区の東側には都市計画道路環状二号線が、北側には環状三号線が指定をされておりまして、南側には朝潮運河がございます。
また、本地区は、東京都市計画市街化区域及び市街化調整区域の整備、開発又は保全の方針の都市再開発方針及び住宅市街地の開発整備の方針におきまして、それぞれ再開発促進地区及び重点地区に指定をされております。倉庫用地の土地利用転換等を促進し、住宅と商業・業務施設の調和をとりながら、定住人口の維持回復に向けた多様な住宅を供給して、住環境整備を図る地区として位置づけられております。
このため、当地区にふさわしい土地利用を誘導するために、再開発地区計画を決定し、都心居住を推進するプロジェクトとして、共同住宅を主体に、生活利便施設等の整備とあわせ、地域の文化交流の核となる魅力的な都市空間の形成を図るものでございます。
次に、経過でございますが、平成八年の五月に、先ほど申し上げましたとおり、都市再開発方針及び住宅市街地の開発整備の方針におきまして、地域整備の方向性が示されました。これに基づきまして、中央区が中心となりまして、定住人口の回復の拠点として当地区が有効に開発されるように共同化の検討を進めてまいりました。このほど、関係権利者で合意が成立いたしまして、個人施行の市街地再開発事業として事業を進めることが具体化することになったものでございます。
それでは再開発地区計画の内容についてご説明を申し上げます。
まず区域の面積でございますが、全体で約四・三ヘクタールでございます。
次に、主要な公共施設、いわゆる二号施設でございますけれども、図面集の方の二ページの計画図にございますように、幅員十二メーターに拡幅する区画道路、それから面積約千平方メートルの広場一号、それから幅員六メーターの歩行者用通路、それから緑道を整備することとしております。
次に、再開発地区整備計画でございますが、まず地区施設といたしまして、面積約九百平方メートルの広場二号、それから幅員六メーターの歩道状空地一号及び二号を定めてございます。
建築物等の用途の制限といたしましては、風俗営業施設の建築を排除しております。それから容積率の最高限度につきましては九六〇%とし、このうち共同住宅の用途に供する部分を五一〇%以上と定めてございます。
このほか、市街地再開発事業の要件となります高度利用地区について定めるべき事項といたしまして、容積率の最低限度、建ぺい率の最高限度、建築面積の最低限度及び壁面の位置の制限などを定めてございます。
次に、計画上配慮されている点でございますが、一つは、定住人口の維持回復に寄与する住宅の供給を図るということ。それから、良好なコミュニティの形成に向け、生活利便施設など多様な生活機能を導入しているということ。二点目といたしまして、環状二号線支線一、それから環状三号線の計画道路部分につきましては、道路用地として提供するということ。三点目といたしまして、朝潮運河の人道橋につながる歩行者空間を整備するとともに、広場や歩道状空地と連携した快適な歩行者ネットワークを形成するということ。四点目といたしまして、水辺に面して親水性の高い憩いの場を提供するとともに、屋上緑化を含めまして、緑化を積極的に行うこととしております。
なお、これは参考でございますけれども、関連をいたしまして、中央区決定の市街地再開発促進区域の決定がございます。区域につきましては、再開発地区計画と同じ約四・三ヘクタールの区域でございます。
また、建築計画の概要でございますけれども、図面集の四ページの方に景観図がございます。主要な用途は共同住宅、店舗等でございまして、述べ床面積につきましては約四十四万平方メートル、最高の高さは約百九十メーターとなっております。
以上でございます。
○河島参事 去る三月三十日、東京都都市計画審議会より都知事あて答申されました「社会経済情勢の変化を踏まえた東京の新しい都市づくりのあり方」についてご説明申し上げます。
本答申は、平成十一年十月二十日に知事より諮問がなされましたのを受けて、都市計画審議会が、専門的見地から検討を行うため、都市づくり調査特別委員会を設置して調査検討を進めてきたものでございます。昨年五月には、中間のまとめを都市計画審議会に報告いたしまして、都民から広く意見を募るとともに、本年二月には、本案件だけを対象とした都市計画審議会を開催いたしまして、答申素案の集中審議を行うなど慎重な審議を経て今回答申に至ったものでございます。
お手元には資料5の概要版、資料6のパンフレット、資料7の答申本文をお配りしております。時間の関係もございますので、概要版を中心に説明させていただきます。
まず第1章では、人口減少・高齢社会の到来、環境問題、IT革命、国際的な都市間競争の激化など社会経済情勢の大きな変化に対応いたしまして、これまでの需要対応型の都市づくり政策を変革し、目指すべき都市像を明確にし、その目標に向かって着実に都市づくりを進める政策誘導型の都市づくりを展開することが必要との基本認識を明らかにしております。
本答申では、五十年先を見据える長期的視点に立ちまして、その中間年次でございます二〇二五年を目標時期としております。
人口の見通しにつきましては、パンフレットの表紙をお開きいただいた左側に図をお示ししておりますが、東京の人口は、二〇一〇年の千二百二十六万人をピークに減少に転じまして、二〇二五年には約千百八十二万人になると推定しております。
第2章では、今後の政策誘導型都市づくりに向けて、都市づくりの目標や目指すべき都市構造のあり方など、新しい都市づくりの基本的考え方を明らかにしております。
本答申では、五十年先の東京のあるべき姿をシナリオ手法を用いて描き、そこから今後の都市づくりの方向性を探るという新しい試みを採用しております。
都市づくりの目標といたしましては、活力、環境、文化、生活、参加と連携という五つのキーワードであらわされる都市づくりの理念を踏まえまして、世界をリードする魅力とにぎわいのある国際都市東京の創造を都市づくりの目標に据えることとしております。
次に、こうした目標を実現するため、東京が目指すべき新たな都市構造を明らかにしております。
右肩上がりの時代の終えんに伴いまして、これまでの多心型都市構造を、首都機能を担う東京圏の集積のメリットを生かす多機能集約型の都市構造に発展させることが不可欠でございます。そして、東京圏全体の広域的連携による多様な機能の発揮、水と緑の骨格による環境との共生を重視しながら、センター・コア・エリア、東京湾ウオーターフロント都市軸、核都市連携都市軸、水と緑の創生リングから成る環状メガロポリス構造を目指すべきといたしております。
概要版の二ページになりますが、新たな都市構造における拠点につきましては、センター・コアの中核拠点として、都心、副都心のほか、品川、秋葉原を新拠点として位置づけ、東京湾ウオーターフロント都市軸では臨海副都心を、核都市連携都市軸では従来の多摩の心しんである核都市を、それぞれ中核拠点として位置づけることといたしました。
次に、新たな都市構造を実現するため、東京を五つのゾーンに区分いたしまして、それぞれのゾーンで重点的に取り組むべき戦略を設定しております。パンフレットを広げていただきますと、その一番左側の方に図面が出ておりまして、十三の戦略が図の中に示されてございます。
第3章では、こうした都市づくりの目標と目指すべき都市構造を踏まえまして、政策誘導型の都市づくりを具体的にどのように展開すべきかを明らかにしております。
第一の視点は、都市活力の維持発展でございまして、国際競争力を備えた魅力的で活発な都市活動を展開できる都市をつくることが必要といたしております。このため、業務ビジネス環境の整備、産業政策と連動した都市づくり、機能的な交通ネットワークの実現、物流の効率化が重要であり、それぞれに対応した戦略的な取り組みや新たな仕組みの必要性を示しております。
第二の視点は、豊かな都市環境の創出でございまして、水と緑に恵まれた潤いのある生活環境と環境負荷の少ない都市をつくることが必要としております。このため、水と緑のネットワークの形成、環境と共生する都市の実現が必要であるとしております。
第三の視点は、都市文化の創造、発信でございまして、独自の都市文化の創造、発信と都市観光の強化により、首都にふさわしい国際的な魅力を備えた都市をつくることが必要といたしております。このため、多様な文化による東京の魅力の発揮や都市観光の強化による活発な交流の促進が必要といたしております。
概要版の四ページになりますが、第四の視点は、安全で健康に暮らせる生活環境の実現であり、だれもが住みやすく、安全で健康な生活環境の都市をつくることが必要といたしております。このため、人口減少時代の到来に備えた住宅、住環境の整備、健康で安心して暮らせる都市の実現、都市の安全性の確保が必要でございます。
第五の視点は、情報化の進展に対応した都市づくりでございまして、IT革命による情報化の進展を都市生活の向上や高度な都市機能の発揮に生かすことができる都市をつくることが必要としております。このため、知的集積を生かす都市の実現やIT先進都市の実現を図ることが求められます。
概要版の五ページになりますが、第4章では、第3章でお示しした政策誘導型都市づくりの具体的な取り組みを実現する上で必要となります新たな仕組みを明らかにしております。
今後の都市づくりを政策誘導型に転換していくためには、都市づくりが持つ公共性の意味合いについて、多様な主体に共通する利益こそが公共性であるという認識から出発することが必要としております。こうした認識を基本に、新しい都市づくりの進め方について、わかりやすく納得できる都市づくり、民間の参画による魅力ある都市づくり、都市計画の機能を生かした実行力のある都市づくり、限られた財源を有効に生かす効率的な都市づくり、都としての主体性のある都市づくりという五つのねらいとそれに対応する新たな仕組みの必要性を具体的に示しております。
概要版の六ページになりますが、政策誘導型の都市づくりの取り組みの考え方を踏まえまして、都に対して新しい都市づくりへの転換を求めております。東京を魅力ある国際都市として創造していくためには、東京方式ともいうべき新たな行政スタイルを提示していくべきであるとして、東京の新しい都市づくりビジョンの策定、都市づくり基本条例(仮称)の制定、都市づくりを進める組織体制の再編が必要といたしております。
最後に、都市づくりを通じて、東京を愛し、東京に住むことを誇りに思い、東京の魅力を明確に意識しながら、それを高めるための協力を互いに惜しまないという市民意識を醸成していくことが、これからの都市づくりを進めていく上で実は最も基本的な課題であると訴えまして、本文の締めくくりといたしております。
本文の最後には資料編がつけられておりますが、資料編は、まず五十年先の東京のあるべき姿のシナリオについて、その作成プロセスとともに全文を掲載しております。また、中間のまとめに対する都民意見につきましても、合計二百八通の貴重なご意見をちょうだいいたしておりまして、その主なご意見とそれに対する本答申の対応の考え方を示しております。
本答申を受けまして、東京都は、今後の政策誘導型都市づくりの積極的な展開に向けて、目指すべき目標や戦略などの基本的方針を明らかにする東京の新しい都市づくりビジョンを本年秋を目途に策定する予定でございます。
大変雑駁ではございますが、以上で説明を終わります。
○田中開発企画担当部長 それでは秋葉原地区まちづくりガイドラインについてご説明申し上げます。
このガイドラインは、昨年九月、中間のまとめを発表いたしまして、その後、地元区を初めとする関係機関との調整を踏まえまして取りまとめたものでございます。
お手元に資料8の概要と資料9の本文がございますが、本日は資料9の本文によりましてご説明させていただきます。
まず、表紙をめくって、「はじめに」のところに、都として新たに発表いたしました計画や答申におきます秋葉原地区の位置づけにつきまして述べております。
例えば東京構想二〇〇〇では、秋葉原地区においてIT関連産業の世界的な拠点を形成していく、このようなことを記載してございます。また、先ほどご説明いたしました「社会経済情勢の変化を踏まえた東京の新しい都市づくりのあり方」の答申の中では、秋葉原を新拠点として位置づけていることなどを紹介しておりまして、当地区の開発の重要性や将来像について記述しております。また、このガイドラインの特徴といたしまして、目的や性格についても記述してございます。
それでは具体的内容でございますが、次の目次のページに示しますように、当地区の現状と課題からⅥの実現化方策まで六項目にまとめております。
次の一ページにおきましては、区画整理やつくば線の建設が進められている秋葉原地区の現状と課題をまとめております。
次の二ページに、本ガイドラインの対象範囲、約二十四ヘクタールの区域を図示しております。
次の三ページから六ページにかけまして、地区の開発の現状や区画整理事業などの主要事業の概要について順次記載してございます。
次の七ページには、土地利用の方針をまとめてございます。秋葉原地区を駅周辺ゾーン、西側ゾーン、北側ゾーン及び東側ゾーンの四つの区域に区分し、それぞれの土地利用の方針を提示しております。駅周辺ゾーンは、商業機能の立地を促進するとしております。東側及び西側ゾーンにおきましては、IT拠点を形成するための業務・商業機能の立地の促進、さらに北側ゾーンには、良好な居住環境の形成を図るとしております。
また、オープンスペースの整備方針も記載しております。
次の八ページから九ページにかけましては、この地区の開発ではどのような機能を導入していくべきか、その基本的考え方をまとめてあります。上位計画や社会経済動向等の分析を踏まえまして、秋葉原に導入すべき機能のイメージを、九ページの表の中ほどにありますように、一つは創造活動機能、二点目は交流・発信機能、三点目は生活・産業支援機能の三つの機能に取りまとめてございます。
この方針を踏まえまして、次の一〇ページでは、誘導すべき機能の具体的内容やその効果や期待などを一覧として取りまとめております。
次の一一ページから一六ページにかけましては、当地区の開発に当たって不可欠な駐車場などの都市基盤の整備方針を述べております。
まず、駐車場につきましては、一一ページでございますが、方針一といたしまして、開発建物の付置駐車場の、休日も一般開放すること、また、方針二といたしまして、西地区に付置駐車場とは別に約五百台の中核駐車場を確保する方針を打ち出しておりまして、一二ページにこうした駐車場の整備方針を図示しております。
次に、一三ページになりますが、歩行者ネットワークにつきましては、歩行者の安全性や地区の回遊性を図るため、一四ページの図に示しますように、神田明神通りをデッキによって横断できる歩行者動線を確保すること、並びに、駅の南側に東西方向の歩行者動線を確保する方針を明示しております。
次の一五ページでは、IT産業の世界的拠点の形成に不可欠な情報通信ネットワークの整備方針として、CCボックスなどの情報通信網の整備について記述してございます。
最後に、実現化方策といたしまして、一六ページに行政と土地処分者それぞれが果たすべき役割を整理しました上で、一七ページに具体的な対応策を導入機能や駐車場などの主要な項目別に整理しております。
都といたしましては、このガイドラインに基づきまして、秋葉原地区のまちづくりが公共と民間の協力、協調のもとに円滑に推進しますよう、地元区と連携しつつ、引き続き努力してまいりたいと考えております。
なお、中間のまとめ以降変更した主な内容としまして、三点報告させていただきます。
一つは、冒頭申し上げましたとおり、東京構想などの新しい行政計画や答申の内容を含めた点でございます。
二点目は、地元の町会や商店会の代表の方々も参加していただきまして、導入機能を検討する懇談会を設けました。その成果を加えた点であります。それは、例えば一〇ページの表でございますが、この中の具体的な導入機能のうち、ちょうど表の真ん中あたりにありますメディアセンター機能、あるいは、かいわい情報発信機能、さらに、一番下の欄でございますが、公共公益機能のうち、交番であるとか防災備蓄倉庫等々を追加した点でございます。
三点目は、駐車場といたしまして、五百台の中核駐車場の確保の方針を明記した点でございます。
以上で説明を終わらせていただきます。
○寺山委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○立石委員 百四十九回東京都都市計画審議会に出されます予定案件の中で、都心三区にかかわりのある問題について幾つかご質問をいたしたいと思います。
また同時に、都心三区の悩みは、ある意味で共通の部分も多いので、ここにあります港区三田小山地区地区計画のことについても、現場に行きまして、見てまいりました。その意味からも、幾つか質問をいたしたいと思います。
まず初めに、この地区は、地域住民が中心になってまちづくりを進められたと聞いておりますけれども、大体ここに至るまで何年ぐらい年月を要し、地元の取り組みの状況などわかりましたら、初めに教えていただきたいと思います。
○只腰開発計画部長 三田小山町地区でございますが、発端は昭和六十三年ごろでございますが、小山町まちづくりの会、これは町会を含めました地元の方が中心となってつくられた会でございますけれども、その会によりましてまちづくりの検討が始まったところでございます。
平成二年には、こういう成果を含めまして、地元の方が区に対しまして、まちづくり計画の提案を行ったという経過もございます。
平成四年に至りまして、このB地区といいますか、第二地区といっておりますが、その地区におきましては再開発の準備組合が設立されまして、それ以降、まちづくりニュースの発行だとか、あるいは勉強会、説明会を通じまして合意の形成に努めまして、今回の都市計画の手続に至ったものであるというふうに理解しております。
○立石委員 まあ行ってみて、下町といういい方がどうかわかりませんが、古くから繁栄した町を下町と称したんですが、そういう意味で都心の下町のいいムードが非常にあって、なかなか人情の機微がほうふつされるようなすばらしい町だなと思いながら、実は公道が全くない。全くないというか、こっち側と大通りはあるわけですけれども、あのちょうど図面でいいますとピンクのところのほとんどが公道がないということに驚いたわけでありますが、雨が降ったら傘も差せないような感じでございまして、こういう町はいつごろから--戦争で焼けなかったんでしょうかね、ちょっとその辺わかりましたら教えてください。
○只腰開発計画部長 この地区でございますが、大変歴史の古い市街地でございまして、もともと寺院あるいは大名屋敷があったような地区でございます。古くから市街地が形成されたため、三世代にわたる家なども大変長く残っておりまして、下町的な雰囲気の中にコミュニティが形成されているような地区でございます。ただ、防災上その他利便上の課題も多いということでございます。
○立石委員 まあかなり長い年月を費やして、いよいよ、いわゆる大規模なディベロッパーやそういう方々が指導した町ではなくて、本当に町の皆さんが、これではしようがない--しようがないというと語弊がありますが、今の時代には消防車も入らないし、私道といっても、アスファルトで舗装されているのではなくて、それぞれのお家がコンクリートを少しずつ、本当に自分の私道という意味でつくられたんだと思いますが、私が歩いた実感では、ほとんど私道は、まあ俗にいう四十二条二項道路は、それなりに通路があれば区でも準公道的に舗装してくれるわけですけれども、そういったこともないということで、本当に自分の地先をコンクリートを張ったというような感じで、それはそれなりにすごい努力をなさっていることはよくわかるんでありますけれども、そういう意味で皆さんの努力がこの都市計画手続に至ったということは、大変すばらしいことであるなと思います。
見れば一目瞭然として、かつて阪神・淡路のときに、あれは長田区といいましたですかね、人情的には非常にすばらしい町だと思いますが、防災的には大変怖いなという印象があるわけでありますが、手続がここでまとまって出されたということでありますが、現実に地権者の皆さんが、一〇〇%というわけになかなかいかないでしょうけれども、努力の結果、現実どのくらいの皆さんが合意されておられるか、わかりましたら教えてください。
○只腰開発計画部長 この地区でございますが、面積は一・一ヘクタールございます。関係の地権者が所有権あるいは借地権を含めまして八十三名いらっしゃいますが、私ども、このうち約八割の同意を得ているというふうに準備組合の方から聞いております。
○立石委員 現場へ行ってみましたら、角に、何というんですか、向こう横町のお稲荷さんがありまして、そこに立派なイチョウの木がありました。こういうのはそれこそああいう大都会でも、大都心でも、人の心のよりどころといいますか、非常にいやしのすばらしいコミュニティだと思うんですが、この図面ではわかりませんけれども、まちづくりが完成した中で、それらの旧来の持つすばらしい人間的なコミュニティ施設といいますか、そういったものは、この計画提案の中にどのように具体化されておるか、質問いたしたいと思います。
○只腰開発計画部長 この地区の計画でございますけれども、南側に中層の建物、北側に高層棟を配置いたしまして、全体としての整合性をとっているわけでございますが、そのちょうど真ん中辺にいわゆるデッキレベルの広場を計画いたしまして、その場がコミュニティ活動の場として機能するよう、また、にぎわいの空間として役に立つよう計画しているものでございます。
また、周辺部にも、今お話しのような伝統のある施設がございますので、そういうものを含めまして、触れ合い広場あるいはポケットパークを適宜配置いたしまして、周辺を含めましたコミュニティ活動が円滑に進みますよう計画を進めているところでございます。
○立石委員 中には家具の塗装などをやっておられたお家があったり、印刷関係のお仕事があったり、なかなかいい町だなと思っておりましたけれども、いわゆる地権者の皆さんが集まって協議をされて、今あの絵を見ると、デッキができていて、広場みたいな形で、お稲荷さんというんですか、神社というんでしょうかね、そこら辺もあらわれているんで、いいなあとは思うんですが、このことによって、でき上がったもので家賃が上がったり、権利変換の不都合があったり、そんなことで、結局できてみたら、古くから住んでおられるもともとの地権者の方にとっては、近代的になって防災的にはなったけれどもというようなことがよくありますが、その辺は地権者の方がどういう形で権利変換して住み続けられるのか、その点をご質問いたします。
○只腰開発計画部長 本地区のこれまでの経過の中で申し上げましたように、地元のまちづくり計画を進める中で、住み続けられるまちをつくりたいということで一貫してやってまいっております。地域の中には、小規模の地権者がたくさんおられるわけでございますけれども、先ほど申し上げました南側の中層の比較的低い方の建物の中に、その方々に入っていただきまして、比較的床の単価を下げる形で、従来の居住者が入れるような権利変換率の向上の工夫、あるいは、将来管理費がかかりますので、その辺の管理費が経済的な負担にならないような仕組みを準備組合の方でいろいろ工夫をしているところでございます。
○立石委員 わかりました。中央区の例でいいますと、勝どきでも再開発組合ができて、いろいろやった例があります。まあ言葉は俗っぽいんですが、飲食店ですね、ラーメン屋さんだとか焼き鳥屋さん、そういう方々が、でき上がって立派なビルになって、おめでとうといったら、いやあ水道代を見たらえらいことだと。水道の口径は、それぞれ太くなれば契約が、基本料金が高くなるんですが、そういう意味で大きなビルになりますと、口径が太くなって、俗にいう小さいお仕事をしていらっしゃるご商売の方が、今までは一八ミリとか二二ミリとかその程度のことで直接引いていたけれども、一回大きな口径の水道を入れてというようなことで、理想どおりになかなかいかないという心配もあります。
しかし、今部長のお話のように、住み続けることが可能であるということで、権利変換も、超高層にして、高い単価のものにすると割り戻しの分譲の面積が少なくなるわけで、低層階にしてというような工夫がされているということは、非常にすばらしいと思いますし、また都市計画局の知恵を出されて、そういう指導といいますか、アドバイスといいますか、そういうようなことも積極的にしていってほしいなというような希望があります。
次に、三田小山地区で、もう一つ具体的に、再開発ビルをつくることによってどういうメリットがあるか、もちろん傘が差せないとかそういったことは解消されて、いわゆる時代に合った建物に変わるわけでございますけれども、改めまして都市計画局として、こういうメリットがあるということを一つわかりやすく教えてほしいと思います。
○只腰開発計画部長 本地区でございますけれども、最初にも申し上げましたように、大変老朽化した木造住宅が密集しておって、先生からもご指摘がございましたように、公道のような道路がない、あるいは広場等の都市基盤が不十分、こういうような現状にございます。したがいまして、今回の再開発事業の実施によりまして、こういう面での住環境あるいは防災性の向上が図れるのではないかというのが第一点でございます。
また、地下鉄、昨年近傍に麻布十番駅ということで、大江戸線あるいは南北線の駅が二つもできたわけでございますけれども、こういう地の利を生かしまして、都心にふさわしい土地利用の転換がなされまして、定住性の高い都市型住宅の供給が図られることによりまして、都心居住の推進、こういうものにも寄与するのではないかというふうに私ども考えております。
○立石委員 現場に立って、もしこの地区が、都市計画が、五月三十一日に諮られるわけですが、完成をしたならば、これはもう優等生だ、都市計画の優等生だなと私、思いました。先ほどの繰り返しになりますが、四十二条の二項道路で行き来ができるようなところは区が準公道としてアスファルトをやってくれたり、いろんなことをするわけです。しかし、皆さんが長い歴史の中で、ご自分のお金で多分コンクリートを打って通路にしている。傘も差せないというと失礼ですけれども、非常に人間的なぬくもりのあるいい町なんですが、そういう町が、今お話のようにでき上がっていったとするならば、一朝有事の阪神・淡路級の震災なり火災があったりしても、プロテクトできるわけで、これはすばらしいことだと思う。まさにこういうことこそ都市計画局の本当の仕事だと私は思います。
こういうのは非常にないんですよ。でかい何とか工場の跡地とかそういうのはよくやるんです。あるいは埋め立てて、それで都市計画局の、それも非常に大事な仕事ですよ。しかし、ここで演説するつもりはありませんが、そういうのばっかり見ていて、我々小さいところで生まれて育った人間にとって、本当にうらやましい限りです。できないんです。だれかが何か反対するとできなくなってしまう。まさか人様の財産を夢中になってやるわけにいきませんから、みんなあきらめてしまう。そうすると、これはもう建築基準法的にもできませんね、公道がないですものね。四メーター以上の公道がないから建築基準法上もできないというふうに私の目からも見えました。
そこで、こういうすばらしい都市計画を区や都や地権者の皆さんがこつこつと積み上げたことに対して、私は高い評価をしながら、最後に当局の見解を聞いて、この三田小山地区に関しましては質問としたいと思いますが、部長、ご見解を。
○只腰開発計画部長 本地区でございますが、先ほども少しご説明申し上げましたように、地元の方がこつこつと積み上げてこられてまちづくりを実現したという経過がございます。またその中で、住み続けられるまちづくりの実現というのを一つのテーマとしてまいっております。そういうことで地元住民の発意に基づきまして進められてまいった計画でございますので、都といたしましても、地元の港区とともに、この計画が早期に事業化の進展が図られるよういろいろな面で支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○立石委員 ありがとうございました。つけ加えることはありませんけれども、私も長いこと、失礼ながら都市計画局のことにはぼろくそにいってきた部分もあります。しかし、これは現場に行ってみて、よくやったなと、本当に偉いなという感じが実感でございます。
そういう意味で、あえて長いこと都市計画局をぼろくそにいってきた関係、ぼろくそという言葉は適当ではありませんけれども、そんな大金持ちのために、あるいは大地権者のために、ディベロッパーのために開発利益を与えるためにやってきたなんというのはおかしいじゃないかとさんざんいってきましたが、これはすごいなということで、高く評価をして、さらに地権者の皆さんが許される範囲の都市計画法その他の法の中で立派にすばらしいまちができますように応援をしていただきたい、アドバイスをしていただきたい、それをつけ加えておきたいと思います。
それから中央区に入りますが、この予定案件の中で、勝どき六丁目地区再開発地区計画というのがありまして、これは長いこと我が自民党を初めとする区議会の全会派で、この一部に某社のびょうぶ状の--あれを見るとよくわかりますが、左側の公園が運動公園、その右隣が豊海小学校です。朝潮運河との間にびょうぶ状に、某社が乱暴にも、十八階でございましたか、都営住宅と豊海小学校の真ん前に、南側にぼうんと建てて、この都市計画、当該委員会にも反対の請願が出て採択をされて、取りやめになった経緯のある地域でございます。本当にみんな、区議会でも全会派の皆さんが反対運動をして、もちろん私も反対したわけでありますけれども、それで、これはまた区の都市計画と東京都の都市計画が指導してアドバイスをしてくれて、この経緯になったと思いますが、大ざっぱでいいですから、その間の状況をもう一度改めて思い起こす意味で、わかる範囲でいいですよ、どういう経緯があったか。
○小林地域計画部長 今先生のお話の箇所というのは、図面で申し上げますと、将来の図としては、下の部分、朝潮運河に面したところでございまして、実は防潮堤の外側で、防潮堤をつけかえて住宅建設事業が起こった、これはたしか二年ちょっと前ですか、某社が十八階建ての建物を建築計画をいたしまして、最終的には十七階に落として、建築計画を一応決めて、当委員会にも陳情が付託されたという状況がございます。
そういった計画については、特に小学校の南側ですので、清水先生もよくご存じだと思いますけれども、いろいろとこの中でも議論がされましたし、そういった教育環境を何とか守りたいというようなお話もございまして、区の方が中心になって、立石先生にもいろいろご足労いただいたりしまして、何とか今回のような形で、統合化する形で、それこそ某社が土地を、今回の大きな土地がございます、ミサワの関連会社でございますけれども、そちらの方と統一をして、一昨年ぐらいだと思いますけれども、用地を取得いたしまして、それ以来、中央区が中心になって、先ほど申し上げましたように、定住人口、今七万数千人ですけれども、何とか十万人に持っていきたいという計画を中央区は持っておりますから、(「八万三千」と呼ぶ者あり)済みません、八万三千ですか、そちらの方が正解だと思いますが、そういった定住人口の拠点として位置づけて、区が中心になって再開発地区計画をまとめてきた経緯がある。地権者は二名ですけれども、地権者の合意は得られましたので、市街地再開発事業を契機として、再開発地区計画をかけて今回の提案になったという経緯でございます。
○立石委員 東京、ニューヨークは、よく比較されるわけでありますけれども、すべて何もニューヨークがみんないいわけではもちろんありませんけれども、ニューヨークと東京の都心ということで比較してみると、千代田、中央、港、新宿ぐらいの面積とニューヨークのマンハッタン島、あれがイコールではないかとよく比較されるんですが、自分の調べているところによると、この都心の四区でおおむね六十万人ぐらいですか、の居住人口がある。しかるに、片や百五十万人であると。
やはりこれだけ大きなところで、中央区の人口も都心回帰で確かに今八万三千ぐらいに戻りつつはありますが、とりあえず当面目標十万ということになっておりまして、少しでもふえることがやっぱり活気が出てきますし、活力があるし、今環境の時代に、職住近接、都心居住ということのエネルギーロスが地球環境負荷に貢献できるというわけでありますが、大分こうやって見ても大きな面積でございますが、この計画は、人口はどのくらいで、何戸ぐらい予定されているのか。
○小林地域計画部長 住宅の予定戸数でございますけれども、事業者の計画によりますと、約二千八百戸程度の住宅の供給を予定いたしているということでございます。人口につきましては、中央区の世帯当たりの人口というのは二・〇一ぐらいだと思いますから、五千六百から七百人ぐらい程度を想定しております。
○立石委員 そこは自分の知る限りでも、かなり長い間空き地になっておりまして、ちょっと寂しい感じもなくもなかったわけですし、そういう意味では周りの人も今度は地域にマッチした--マッチしたというのは、人口がふえて活気を取り戻すという意味でマッチしたという意味ですけれども、そういうものができれば歓迎であるというようなことを聞いておりますけれども、まあ二千八百戸の三人世帯というのか、二人か三人かわかりませんが、五、六千人の人口は急激にふえるということになりますと、小学校から始まって、生活のコミュニティといいますか、そういうような点はこの計画ではどうなっているか、教えてください。
○小林地域計画部長 生活関連施設でございますけれども、特に小学校につきましては、計画地の西側に先ほどの豊海小学校がございますが、定数が四百八十名のところを現在百四十三名という状況でございます。他地区の開発事例なんかからいたしますと、十分この中で小学校の収容能力については賄えるというふうに区の方からは聞いてございます。
また事業者は、生活関連施設として、スーパーマーケットですとか郵便局、診療所、こういったものを誘致するとともに、特に東京湾に近接した立地特性、あるいは運河沿いという環境を生かしまして、展望集会室ですとかギャラリー、交流広場といった、地域の交流の核となる魅力的な空間と環境の形成というものにも努めていきたいということでございます。
○立石委員 最後になりますけれども、最近は、別に選挙のことをここでいい出すわけじゃないんですが、いろいろ町を歩く機会が多くなりました。そしてマンションや集合住宅を訪ねることが、友人の家を訪ねたりする機会が多くなりましたが、実に閉鎖的な--プライバシーは尊重できてすばらしいことだと思いますけれども、反対に、非常に言葉は悪いけれども、引きこもり的というか、お年寄りなんかは、むしろ上層階に入っていくと、もう本当に何というか、玄関でピンポンパンというんですか、部屋の番号をやって、いるかいないかの問い合わせをしないとなかなか集合住宅に入れない。
防犯上とかプライバシーという意味では、そういうことがない方がいいわけで、それはそれでわかるんですけれども、やっぱり都市は、今いう阪神・淡路の大震災じゃありませんけれども、究極、通信の手段が途絶えて、現場なんか見てみると、あのとき公衆電話しかかからなかった。その公衆電話も、実はお金を入れて、百円玉か十円玉を集めに来る人が罹災されていると、言葉は悪いけれども、山のようにふん詰まってしまって、その公衆電話さえ使えなくなってしまう。そうするとやはりフェース・ツー・フェースで、人間と人間のつながりの中で情報を公開し合っている姿というのはよく見ました。
そういう意味で東京の大都心のあるべき姿として、この都市計画をされる中で、そういう工夫--そういう工夫というのは、コミュニティをとれるような工夫があるだろうか、これはぜひこういう大規模開発の中で、何も我々が、我々というのはバッジをつけた議員がという意味だけではありません。昔から日本家屋のよさは、縁側があった、あるいは障子がある。おばあちゃん、おじいちゃんがせきをしている。きょうはせき込んでいる。これは体調を崩しているんだ、訪ねてはいけないんだなと、こういう配慮があったわけです。そういうものは全くなく、そういうことはまちづくりの意味からも、都心であろうと郊外であろうと、何か一工夫されるべきではないだろうか。そういうことで、こういう都心のモデル的なマンションに、当局のお知恵というか、こんなアイデアがあって、こんなふうなことをアドバイスしているみたいなことがあったら、ぜひ教えていただきたいと思います。
○小林地域計画部長 確かに、こういった大きな団地ができてしまっても、閉鎖的では、地域となかなか融合しないということでございまして、コミュニティ上の工夫につきましては、一つは、先ほどの二号施設ですとか地区施設、公共施設を整備するような形でセットしておりますが、特に朝潮運河沿いの広場一号につきましては、隣の区立豊海運動公園がございますけれども、これと一体的に整備をするということで、特に運河に面し、非常に親水性の高い空間として整備をする。地域の今までの公園と連続性を確保しながら、また、なおかつ緑道で結んでいくというような工夫もしておりますし、朝潮運河の対岸の方に清掃工場を今建設中でございますが、あちら側と結ぶ人道橋を実はつくる計画になっておりまして、人道橋と結ぶ歩行者の快適なネットワークについても、この開発地区に近づきやすい、アプローチしやすいような形での工夫をしております。
そういった平面的な工夫というのはもちろんしておりますが、また建物の中におきましても、建物はなかなかほかの地域の方にいろいろと感情的なものもあるのかもわかりませんけれども、閉鎖的な共同住宅というのは確かに少なくありませんけれども、当開発につきましては、最上階部分に展望集会室を設けたり、そういったものを地域に開放したり、ギャラリーや展示場というものもできるだけ建物の中の上層階に取り込んで、地域の方々に一応開放するというような方向で計画づくりを進めていただいております。まだ具体的に、建設計画自体が完全にコンクリートされておりませんので、今後もそういった地域に開かれた施設といったものになるような形で私どもとしても指導していきたいというふうに考えております。
○立石委員 最後に要望しておきますが、今お答えの中に、集会室とか展望室という話がありました。俗にいう井戸端があれば、みんなが出てきてそこに寄ったわけですね。同じように、そういう意味で展望室だとか集会室だとか、認証保育というんですか、認証保育園だとか、あるいはグループホーム的なものを、それだけ大きなマンション、集合住宅であれば、それはヒューマンリレーションになっていくと思うんですね。ぜひそれを、これからアドバイスする上で、都市計画局が、いろいろと工夫をしていただきたいな、こう思います。
そうすれば、文字どおり、これも長いことぼろくそにいってきましたけれども、小学校、都営住宅の皆さんの前にびょうぶ状に建つ区画を、お隣の複合施設というか、お隣の大きな地所と一体化して、工夫されてできるわけですから、これもまさに都市計画の優等生と評価して、終わります。
○かち委員 私からも、第百四十九回都計審案件のナンバー1、三田小山町地区計画の再開発事業の決定に伴う用途地域の変更に関連して何点かお聞きします。
先ほどもお話がありましたけれども、都市の再開発にはいろいろな手法がありますけれども、住民が主体となって、そこに住み続けられる再開発をどう進めていくか、こういうことが成功するということは本当に望ましいことであり、そういう意味から何点かお聞きしたいと思います。
今回の計画は、概要説明の四から六ページに参考として書かれていますように、港区が三田小山町地区計画として四・三ヘクタールの開発計画の方針を持ったわけですけれども、それを三つないし四つに分割をして、そのうちの一地区、B地区の整備計画を第一種市街地再開発計画事業として決定するというものです。面積は約一ヘクタール、都計審基準の三ヘクタール以下ということで、地区計画決定なんだということですね。
そこで伺いますが、今回港区決定、地区整備計画の対象であるB地区の現況について、人口、世帯数及び建築物構造、地権者の状況などはどうなっているでしょうか。
○只腰開発計画部長 地区計画上はB地区といっておりまして、先ほど私、再開発事業の関係では第二地区といっておりましたが、同じ地区でございます。
このB地区でございますけれども、面積が約一・一ヘクタール、人口は二百二十二名、世帯数が百世帯でございますが、建築物の構造につきましては、先ほど来ご指摘がございましたように、木造が九割、都心にもかかわらず九割を占めておりまして、防災上の課題が大きい地区でございます。地権者につきましては、土地の所有者が八十名、借地権者が三名という現状でございます。
○かち委員 私も、先日できました大江戸線に乗って、麻布十番でおりて、近くを歩きながら、この現地に行ってみたんですね。周辺は非常に開発が進んだ高層ビルがある中で、本当にエアポケットのように、ここだけが下町風の情緒あふれる、木造の密集した地域でした。古くから幾世代にもわたって住み続けた町の雰囲気が漂っていました。
お話にありましたように、非常に道路も狭くて、地権者が個々に建てかえるということはなかなか困難である、しかし建物は老朽化してきている、何とかしなければいけない、そういう状況だなということは実感してきました。
こういう中で再開発計画が検討されてきたのだろうとは思いますけれども、それでは、再開発計画の今日までの経過、どのように進められてきたのか、また開発施行者というのはだれになるのでしょうか。
○只腰開発計画部長 先ほどのご答弁と繰り返しになるかもわかりませんけれども、この三田小山町地区でございますが、江戸時代以来の古くからの市街地でございまして、防災上、住環境上の課題を多く抱えた地区でございます。
先ほどもお答え申し上げましたが、地元の方が昭和六十三年ごろからまちづくりの計画をいろいろ検討され、平成四年に至りまして再開発の準備組合が組織化されまして、その後、勉強会等を積み重ねてこられたものでございます。また、平成七年には事業協力者を選定いたしまして、その協力のもとに計画案を煮詰めてきたところでございます。
また施行者、これは予定でございますが、地権者等から構成される市街地再開発組合が再開発事業を行うという予定になっております。
○かち委員 昭和六十三年、平成元年ごろから、防災に強いまちづくり推進地区として位置づけられて、平成四年に、二地区というんですけれども、B地区の再開発準備組合というのが発足をして今日に至っているということでしたけれども、準備組合ができてから約十年経過しているわけですね。かなり長い年月がかかっているわけですけれども、この間には、とりわけ社会経済状況もかなり変化をしてきているわけです。バブルの経済が崩壊して不況に陥り、地価もどんどん下落するという、こういうさなかに、大方の関係者は、もう開発などできないのではないかというふうに思っている人も多々あるやに聞いております。ところが、昨年の十二月、大江戸線の開通に伴ってというか、そのころからにわかにこの計画が動き出したわけですね。
先ほどのお話の中に事業協力者というお話がありましたけれども、これは具体的にはどういう方で、どういう役割を果たしているのでしょうか。
○只腰開発計画部長 事業協力者でございますが、この地区のまちづくりは、住民主体で先ほど来申し上げているように進められてまいったわけですが、いざ事業の具体化ということになりますと、やはり再開発のノウハウを持った、協力をしてくれる事業体が必要というふうに準備組合が判断したところでございます。平成七年ごろから関係の事業協力者のリストアップをいたしまして、結果としましては、大成建設と戸田建設の二社に権利者が主体となって決定をしたというふうに私ども聞いております。
○かち委員 絵にかかれているような大変高層なビル、建物を構想するという点では、専門的なコンサルタントがやはり必要だろうとは思うんです。大成、戸田建設がかかわってきたということですけれども、これらの業者というのは、今後事業を推進していくときにどのようにかかわっていくのか、最終的に開発事業者としてかかわっていくのかどうか、その辺の確認はとられているのでしょうか。
○只腰開発計画部長 まだ確定ではございませんが、再開発の実施によりまして、保留床が大変たくさん出てまいりまして、それが事業の資金になるわけでございますけれども、最終的にはその保留床の購入者ということで事業性を確保する、そういう相手方だというふうに理解していただいてよろしいと思います。
○かち委員 理解してよろしいといわれましたけれども、そういうことは住民との間では確認はとられていないというふうに私は聞いているんです。
港区議会の委員会記録を読ませていただきますと、この計画の総工費は二百十七億円、権利変換を二倍に想定した、これは平成十年の時点ですけれども、その時点で補助金一〇%と仮定して、保留床処分金は百九十五億八千万円というふうに説明がありました。
権利変換は、従前の土地と建物を金額に置きかえるわけですけれども、権利変換を二倍とした当時の路線価は、近隣の中路地で一平米当たり四十二万円、十二年の路線価も四十万円と下がっています。土地の下落は今後も続くというのが大方の見方ですけれども、実際の権利変換の基準日というのは事務組合が結成をされた後にできるわけで、少なくともあと一、二年はかかるわけですよね。そういうときに、今後もこの二倍の保証をするということが担保できていないというのが現状ではないかと思うんです。
準備組合としては努力をする、二倍になるように努力をするというふうに答えているわけですけれども、準備組合というのは住民なわけですから、その保証となるものは何も持ち得ていないというのが現状ではないでしょうか。この計画がうまくいかなかったとき、一体だれが責任をとるのかということです。組合施行ということであれば、組合員全体で責任を負うことになるわけですから、そうであればこそ関係者の徹底した合意と納得というものが必要だというふうに思うわけですけれども、今回、都市計画地区計画決定案として提案されるまでの住民合意はどれだけとれていると判断されているでしょうか。
○只腰開発計画部長 この地区でございますけれども、先ほどもご答弁申し上げましたが、八十三名の地権者がおられます。このうち、おおむね八割程度の地権者の合意がとれているというふうに私ども準備組合の方から聞いております。
○かち委員 準備組合ができて組合施行で進める、形としては住民主体のまちづくりのようではあるのですけれども、準備組合ができても、この十年間、ほとんどその動きが関係者の中に認識されてこなかったというのが現実だと思うんです。組合としては、確かに月一回の会報を出してきたという実績があるという点では、その努力に敬意を表するものではありますけれども、その地域に住んでいる多くの住民の皆さんは、ほとんどその動きが見えていなかったという事実もあるわけです。昨年暮れからの急激な動きに驚きと戸惑いを感じているのが実際のようです。
先ほど八割の合意がとれているというふうにいわれましたけれども、先週の土曜日に行われた地元説明会では、八十三軒の地権者のうち六十一人が合意がとれているというふうに報告をされていますし、私のもらった資料でもそのように書いてあるんですけれども、そのうちの十軒は印鑑をもらったものではなく、大丈夫だろうと準備組合の方が判断をしたものだというんです。これでいけば六一%、三分の二にもおぼつかない状況にもなってしまうわけです。しかも十年前のことであり、現況とはそれぞれのとらえ方も認識もかなり違ってきているものでもあります。こういうことで合意形成ができたとはいいがたいものではないでしょうか。
それで、今後のスケジュールというのはどういうふうになっているんでしょうか。
○只腰開発計画部長 先ほど先生の方から、理事会といいますか、準備組合の活動が低調だったのではないかというようなご指摘ございましたが、私ども報告を受けているところによりますと、毎年十回ないし十三回の理事会、それから組合ニュースを毎月発行する、あるいは個別面談を行うということで、まちづくりのこういう組合としてはかなり活発な活動を続けてこられ、その結果、今回に至ったのではないかというふうに認識しているところでございます。
それから、今後のスケジュールということでございますが、明日から二週間、案の縦覧をさせていただきたい。それの結果を踏まえまして、五月の末ごろには都市計画審議会に付議をしたいということでございます。
その後でございますが、これは組合の方のスケジュールになるわけでございますが、おおむね一年後に正式の組合の設立、それから、さらに一年後に権利変換の認可、工事が順調にいきまして三年程度ということで、組合の考え方といたしましては、平成十八年ごろ工事が完了できればいいというようなふうに私ども聞いております。
○かち委員 組合の動きが低調であったというふうには私はいっていないんです。組合としては、月一回の発行なり、いろいろなことをやってきたけれども、そこに住む住民の皆さんにそれが浸透していなかったということで、確かに十二月ごろからいろいろな動きが急激に出てきて、自分のことは一体どうなるのかということで、皆さんが今戸惑っているという状況なんですね。
私が伺ったところでは、二軒のお宅で、老世帯で寝たきりの夫を抱えていて、今さらどこへ行くのか、静かにしておいてほしいという婦人の嘆きの声もありました。このような計画があるとは知らないで、新築住宅を建てて一年という方も数軒おられる、こういうことで、夜も眠れず仕事も手につかない、こういう方もおられるわけです。
準備組合ができて、普通なら二年ぐらいで本組合に移行していくというのが普通のパターンのようですけれども、今回のように十年ものブランクというか、経過がありますと、そこに住む皆さんの状況もいろいろと変わってきてしまうわけですよね。そういう意味では、本時点において改めてみんなの合意をどうかち取っていくか、ここが今問われているのではないかなというふうに思います。
具体的な説明がまだ十二月から三、四回しか行われていないんですよね。不安や疑問が解決していない状況にあるのに、きのうは区の常任委員会で説明があり、きょうは都の常任委員会にかけられ、あすから条例に基づく縦覧が始まろうとしているわけですけれども、余りにも住民の皆さんの気持ちがそれに沿っていない、そういう状況ではないかと思うんですね。そういう意味では、もう少し今の住民の皆さんの合意をかち取っていくまでの経過に時間をかける、こういうことが必要ではないかなというふうに思うんです。
昨日、三田小山町に住み続ける会という会の代表の方から知事あてに陳情が出されたようですけれども、何名の署名で、その趣旨というのはどういうものでしょうか。
○只腰開発計画部長 昨日でございますが、知事あてに、三田一丁目再開発に伴う都市計画決定の手続に関する陳情書というのが提出をされております。私どもの課長が立ち会いまして、私も内容については目を通してございます。
代表者外百二十二名の方のご署名、家族の方等の署名もあるようでございますが、ございまして、陳情の趣旨でございますが、いわゆる第二地区といっております再開発事業の施行区域の地区整備計画、それからそれ以外の一地区、三ないし五地区の地区計画にかかわる都市計画決定の法的手続を拙速に行わないようにしてほしいというのが陳情の趣旨でございます。
○かち委員 まちづくりというのは、やはり住民の合意によって進めていくべきだと思うんですね。そういう意味からしても、今これをすぐに法的な手続に踏み込むというのは、まだ時期尚早ではないかと私自身も思います。
五月には三田一丁目再開発に伴う都市計画決定の都計審、区計審が行われ、六月、七月ごろには決定、告示がされようとしているわけですけれども、そこのA、B、Cと地区が分かれておりますけれども、A地区ではまだ準備組合もできていない状況ですね。B地区は今述べてきたような状態です。C地区においては、平成六年に準備組合はできたものの、つとに休眠状態、既に代表者は転居をして他界されているというふうにも聞いています。このような状況からしても、このまま進めるのはいささか強引ではないかというふうに思うわけです。住民、関係者の理解と合意ができるまで決定を延期すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○只腰開発計画部長 先ほど来の経過のご説明の中で申し上げましたように、これまで十年以上の歳月をかけましてまちづくりの検討を行ってきた結果、この計画がまとまったということでございます。また、地区につきましては防災上の課題が非常に大きい、あるいは地区の高齢化の進展等、また地下鉄の開通によります開発の進展等も想定されるところでございまして、私どもといたしましては、地区の整備は喫緊の課題ではないかというふうに受けとめておるところでございます。
地元説明につきましては、これまでも努力がされてきたというふうに考えておりますが、最近に至りましても、地区の内外に分けまして説明会の開催等が行われた実績がございます。今後とも、八割の合意はあるとはいいますものの、一層の合意が形成をされまして、再開発事業が円滑に進みますよう、私どもといたしましても、区とともに準備組合に要請してまいりたいというふうに思います。
○かち委員 八割の合意はできていないということを私、数字を申し上げていいましたように、準備組合の皆さんがそのことを自覚しているわけですから、まだまだ合意形成はできていないという状況なんです。
関係住民は再開発に反対しているわけではないんです。B地区においては、多くの住民が住み続けられるまちづくりを望んでいるわけであり、まだまだつぶさな情報が一人一人まで伝わってきていないという状況だから、もう少し考え、検討する時間が欲しいという当然の要望が出されているわけです。それにこたえるべきではないでしょうか。
昨日、港区の常任委員会が開かれておりますが、合意形成不十分ということで、決定を延期したらどうかというふうになったようです。都と区で調整を行い、次期都計審案件から外すということはできないのでしょうか。
○只腰開発計画部長 私ども、昨日の港区議会におきます議論についても聞いておりますが、明日から縦覧の手続等も予定されておりまして、区と相談をしておるところでございますけれども、計画どおり手続は進めさせていただきたい。
ただ、お話ございましたように、再開発組合、これから事業をする上では、地元の合意をより一層形成するということは大変大事なことでございますので、その点につきましては、区とともに組合に対して要請してまいりたいというふうに思っております。
○かち委員 法的手続に乗ってしまえば、あとはもう何をいってもエスカレーター式に進んでしまう、だから、その前に合意形成が必要なんだということを再三申し上げているわけですけれども、非常に冷たい答弁でがっかりですけれども、B地区だけでも八十三名の地権者がいて、A-C地区合わせて四百四十名以上の地権者の皆さんの、まさに人生設計に大きく影響を与える問題なんです。計画決定をするということは、その人たちの人生に大きな影響を与えることになるわけですから、その辺十分認識をされて、ぜひ英断をされることを強く求めまして、私の質問を終わります。
○大西委員 私は、「社会経済情勢の変化を踏まえた東京の新しい都市づくりのあり方」のこの答申について幾つか質問させていただきます。
まず、三ページにありました人口予測のところなんですけれども、東京都の人口は、ピークが二〇一〇年の千二百二十六万人で、それ以降、二〇二五年には、ピーク時のおよそ九六%、千百八十二万人ということがこの答申の中であります。五十年の長期的視点に当たる二〇五〇年には九〇%と、この説明に出ているんです。
しかし、昨年末にまとまった旧国土庁の大都市圏のリノベーションプログラムによれば、東京圏、一都三県の人口は、やはり二〇一〇年にピークを迎えるものの、二〇五〇年にはピーク時の七八%まで減ると予測しております。
そういう意味で、都と国の予測は随分違うようですが、その見解と、また、旧国土庁の予測は日本全体の人口予測も出しておりまして、それもほぼ同じ比率で、東京圏もやはり七九%ぐらいに減るんじゃないかということがいわれております。
その意味でも、今回、二つ、見解が違うわけですけれども、東京都の減少率は、他の都道府県あるいは東京の周辺の三県よりも低く、人口減少下とはいえ、一極集中現象が起こることを想定したものではないかとちょっと見えてしまうんですが、その辺はいかがでしょうか。
○河島参事 平成九年に国立社会保障・人口問題研究所が行いました人口推計によりますと、二〇五〇年には、一九九五年の値に対して、いろいろ高い値、低い値あるんですが、そのうちの真ん中の推計で約二割減、五十年間で二割減というふうに予想されております。
本答申におきましては、こうした人口問題研究所が行っておりますようなトレンドによる人口減少の傾向が今後五十年間ずっと続く、それを放置しておく、そういうような前提ではなく、子どもを産み育てやすい環境をつくること、生活環境の質の向上によりまして自然減を補う社会増を図っていくこと、それから外国人の適切な受け入れというようなことについてもそれを進めていくこと、そういった政策努力によりまして、人口を五十年間で一割減程度の減少にとどめることが可能というふうに想定して将来人口を推定しておるものでございます。
したがいまして、旧国土庁の人口予測の具体的な方法は定かではないわけですが、恐らく国土庁の予測につきましては、政策努力によって人口減少を抑制するという視点は含まれていないために、このような差が出てきているというふうに考えております。
このことが、全国の人口推計と都の考え方との間に差が生じてきて、結果的に都のウエートが高まって、一極集中現象を起こしてしまうんじゃないかというようなご質問が今ございました。
しかしながら、この答申につきましては、日本全国の右肩上がりの時代の終えん、それから人口減少時代の到来などの社会経済情勢の大きな変化を踏まえて、これから目指すべき目標を明確にした、政策誘導型の都市づくりを進めていくことが重要である、そういう認識に立って、子どもを産み育てやすい環境整備とか、住みやすい生活環境の形成を進めることによって人口減少を食いとめようとする、そういうことが非常に重要だとしているわけです。したがいまして、そういうことによってそのことが実現した場合に、それは別に一極集中を引き起こすというようなことにはなるものではないというふうに認識しているところでございます。
○大西委員 そのままにしていると減るので、とにかくそういういろいろなことで政策誘導型にしていきたいというのが答弁だと思いますが、確かに少子化対策は私も重要だと思っております。しかし、一たん出生率が増加したスウェーデンでも再びまた下がっておりますし、また欧州先進国でも出生率の回復には成功しておりません。こうした諸国の経験を踏まえて、どのような政策を具体的に考えていらっしゃるのか、教えていただけますか。
○河島参事 確かにご指摘のように、人口減少の動向、特に少子化の動向を食いとめるということは、口でいうほど易しくはないということは認識しております。今回の答申におきましても、そういった少子化を食いとめる、そういう施策というものはいろいろな面で総合的に展開していく必要がある、そのような認識に立っておりまして、例えば住宅・住環境のそういう整備の中で子育てを支援できるような仕組みを地域のコミュニティの中でつくり上げていく。そういったことについては、例えばボランティアとか、そういったソフトな仕組みも含めて構築していく。あるいは、生活拠点といえるような駅前などにおいて保育所などのそういう子育ての支援をする、そういう施設などもこれからは非常に重要な要素になっていく、そういったような事柄を総合的に展開することによって、子どもを持つことが大きな負担にならないような、そういう都市の仕組みというものをつくっていく必要性がある、そのようなことを指摘しておりまして、それをいかにこれから具体化していくかということが課題になっていくというふうに思っております。
○大西委員 これまで何回か都市計画局の答弁、伺いましたけれども、今回初めて子育てとかいうことをそちらからお答えいただいたことに、私は意外な感じがしているんですが、でも、伺った中で、先ほど来のこのまちづくりの都心居住のあり方とか、そういう中で本当に子育てができる--私、女性ですけれども、やりたいなと思うような気にはなかなかならないので、この辺しっかりと検討していただければと思います。
次に、一四ページに環状メガロポリス構造というのが出ておりました。東京都だけでなく、神奈川、埼玉、千葉に都市圏が及んでいることは、今初めてわかったことではなく、昔からそうでした。しかし、これまではそれぞれの自治体が自分の行政圏だけを語る傾向があり、その外側は空白にされてきましたので、その意味では、今回隣接県に言及したことは進歩と思います。
しかし、実際に一体的な計画をつくっていくには何らかの枠組みを形成する必要があるわけで、首都圏サミットの恒常化あるいは広域連合制度の活用など、メガロポリスの具体的な連携方策はあるんでしょうか。
○中島総合計画部長 首都東京圏における環状メガロポリス構造の構築や、道路、公共交通のみならず、防災などの各種機能のネットワーク構築、さらには、都県を超える課題の解決のためには、広域的な連携戦略を推進していく体制を整備することが必要だと考えております。このために、七都県市と国とで構成する常設の協議組織を設置して、広域的な政策立案や具体のプロジェクトを実行に移していくことが極めて重要だと認識しているところでございます。
国においても、昨年の都市再生懇談会における石原知事の提言を受けまして、協議組織の設置に向けた準備を開始しているところでございます。また、四月六日に決定されました政府・与党の緊急経済対策の中でも、国と七都県市による常設の協議組織の設置がうたわれているところでございます。
○大西委員 わかりました。
次に、二九ページの、質の高い都市空間形成のための新たな仕組みの導入というところに、その下の部分だったんですけれども、計画段階の評価というものが出ておりまして、行うことを検討すべきであるということが出ております。これは非常に重要な点だと思っております。都市再開発について環境計画アセスメントを行うということ、具体的にはそういうことなのかと思っているんですけれども、そうなのか。そして、そうであれば、総合アセスの試行の総括や、今後これをさらに継続、発展させていくということがこの言葉の中にあるのか、その辺をお聞かせください。
○河島参事 従来から、大規模開発等に伴いまして、周辺環境に対する影響の予測とか、その評価というようなことがなされているわけでございますが、より広域の視点から、これからは都市全体から見まして、そういった開発がどのような効果とか影響があるかということについて計画段階から検討を行っていくことが必要である、そういうことをこの答申の中で述べているものでございます。
実際にそうした目的に利用できるような、ここに書いてありますようなシミュレーションモデルというものが現実に既に完成されたものがあるかといいますと、まだなかなか、いろいろな試みはあるようでございますが、現実にはすぐに使えるようなものが必ずしも存在してない、そういうこともございますので、そういう新しい技術を使ったシミュレーションモデルの開発といったようなことも含めまして、今後こういったことが具体的に実施できるような、そういった方策を検討すべきものであるというふうに認識しているところでございます。
○大西委員 せっかくできようとしております総合アセスの試行の総括とか、その辺もしっかりとこの中に組み入れていってもらいたいと思います。
次に、市区町村の都市計画マスタープランとの関係について何点かお聞きしたいと思います。
一九九二年の都市計画法改正で、いわゆる市区町村の都市計画マスタープラン制度が導入されました。東京都内でも、市町村で既に策定されたり、あるいは策定中のところが随分あって、取り組みが進んでおります。都でもそのことを既に把握なさっていて、そしてこの都市計画マスタープランは、市町村が住民中心となってまちづくりを進める上で重要な役割を果たすということのために重要だということが認識されているようです。
そこで伺うんですけれども、今回の答申に際して、平成十一年十月から一年半ほどの検討期間において、各市、各区の都市マスを分析したり、資料として検討した経緯があるんでしょうか。
○河島参事 各市あるいは区の都市計画マスタープランにつきましては、それぞれの地域の特性をいろいろ反映して、まちづくりの方向性ということを示しておるわけでございます。今回の答申の検討に当たりましても、そういったマスタープランを踏まえまして、答申の中に書いてございますゾーン別戦略の検討でありますとか、それぞれのゾーンあるいは地域に即した具体的な課題がどういうものがあるのか、またどういった方向性を地域で求めているのかというようなことを検討する上での資料といたしているところでございます。
○大西委員 では、都市マスの参照や検討に充てられたのは、ちょっとこの後ろの方を見たんですけれども、何回目の会議でそういうことが行われていて、またどの市区町村がその対象となって報告したのか、そういうものがあるんでしょうか。
○河島参事 この答申本文の後ろの方の資料編に、調査特別委員会の開催経緯が一一七ページに、そして、調査特別委員会の中で実務的な検討を行うために設置されましたコアメンバーの検討の経緯が、その最後のページ、一一八ページに掲載されております。
ただいまのご指摘の、どういったところでそういったものが実際に資料として活用されているのかということでございますが、最初は、中間まとめの前に、都市構造の検討に応じてゾーン別の戦略というようなことを検討したときがございました。この辺は、例えば第六回、中長期的な都市づくりの基本的な考え方、これは第七回も継続されております、そして八回も継続されております、こういったところではゾーン別の戦略の基礎資料になっております。
それから、中間のまとめの発表以後、分野別の検討課題を検討する際に、先ほど申し上げましたように、それぞれ地域に応じた、例えば都心区における都心居住の必要性であるとか、あるいは周辺区におきます木造密集市街地整備の必要性、あるいは多摩地域におきます拠点整備の必要性、ないしは都市農地の保全の必要性とか、そういったような事柄についてそういう考え方を把握していく、そういう非常に貴重な資料として活用しているところでございます。
○大西委員 であるとすれば、今回の答申にどのように生かされたと。さっきゾーン別とおっしゃいましたけれども、もっと具体的に、どのように生かされているのか、教えてください。
○河島参事 繰り返しになりますが、先ほどご説明で使わせていただきましたパンフレット見開きにゾーン別戦略がございます。こういったゾーン別戦略、特に、今後の都市構造を、地域の特性なども踏まえて、また東京圏のあるべき将来像なども勘案しながら設定されておるわけでございますが、それぞれ、センター・コア再生ゾーンという環状六号線内側のエリアにおける課題、例えば国際的ビジネスセンター機能の強化を図ることとか、都心居住の推進を図っていくべきであるとか、そういったような事柄自体については、基本的にはその地域の地元の自治体がどのような都市づくりの方向性を目指しているのかということも非常に重要な要素として、検討の一つの資料としてこれが取りまとめられておるわけでございます。
そういったことから、先ほどの若干繰り返しになりますけれども、都心区などにおける都心居住の推進であるとか、周辺区における木造住宅密集地域の整備、そのほか都市農地の保全、多摩の拠点整備、住工混在地域における産業振興の必要性、そういったことなどが区市町村マスタープランにも位置づけられている地域の課題として把握されて、それが今後の都市づくりに重要な、今回の答申の中でも戦略化された形で位置づけられているということになっているわけでございます。
○大西委員 では、先ほどのこの参考資料の中で、私はそういうことが検討されたというのが得られなかったんですけれども、会議の中で検討されて、市区町村が具体的にこういうことということで報告したということで受け取っていいんですね。
○河島参事 この会議の中で区市町村からの報告を受けたとか、そういうことではございません。区市町村マスタープランは、既に作成されているものを資料として使うことが当然できるわけです。事務局のいろいろな資料の準備や、それから整理、そういう中でそういった情報を整理し、反映すべく活用させていただいた、そういったものをベースにしながらご議論をいただいて今回の答申がまとめられた、そういうことでございます。
○大西委員 では、私はちょっと見まして、資料提出や報告を受けた会や議論がなければ、十分に生かしたとはいえないんじゃないかなと思っておりましたし、市区町村のマスタープランとは無関係に都の計画があってはならないと思っておりましたので、ちょっとしつこく確認させていただきました。
昨年の都市計画法の改正に伴って、従来の整備、開発、保全の方針にかわって、新たにこの都市計画マスタープランを作成することになったと理解しておりますが、今回の答申はそれとどのように関係があるんでしょうか。これ、イコールになっているのかどうか。
○河島参事 本答申は、長期にわたります都市づくりの、行政運営の指針となる東京の新しい都市づくりビジョンの基本となるものになります。一方、今ご指摘のございました、法改正により新たに作成することになりました都道府県の都市計画マスタープランは、都市計画の目標、土地利用、都市施設の整備、そして市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定方針を、その都市計画区域全体に対して一体的かつ総合的に定めていこうとするものでございます。
東京の新しい都市づくりビジョンを、今回の答申を踏まえて策定するわけでございますが、そこの中に掲げる主要な戦略的取り組みといったようなものを、実際に法定の都市計画として都市計画マスタープランに位置づけるということができますと、都市計画制度を活用した都市づくりの具体化ということが可能となります。そういったことから、こういう都市計画マスタープランに位置づけることによって、実効性のある、政策誘導型都市づくりの推進を図ることができるというふうに考えているところでございます。
○大西委員 恐らくすべての区や市町村でマスタープランを作成すると思われますが、それらと都のマスタープランとが整合というんですか、それが必要だと思っております。そして、その整合に当たっては、今、市区町村マスタープランは住民参加によって作成されていることを尊重し、都のマスタープランも住民参加によって作成すべきであると思いますし、そして、その整合の内容などをもっともっとオープンにしていただきたいと思います。
そして、都市計画においてさらに一層の分権というものが必要なんですけれども、都独自で用途、容積の分権化というものも検討すべきじゃないかと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。法律上は大都市圏は分権化されておりません。しかし、このようなまちづくりが進む中で、こういうことも検討していかなければいけないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○河島参事 都市づくりにおきまして、基幹的な都市基盤施設の整備、運営や、都全域にわたる土地利用のコントロールなどにつきましては、都が主体的にその役割を今後も果たしていくことが重要であるというふうに考えております。
用途地域及び容積率については、都市計画法でこうした考え方もございまして、大都市の一体性の確保の観点から、東京都においては都が都市計画決定することとされておりまして、こうした点におきます都の役割というものが重要だというふうに考えております。
一方で、本答申におきましては、郊外住宅地などにおきまして、ゆとりと潤いのある質の高い住環境形成を進めていくために、現在は行われておりません低層住宅地における敷地規模の最低限度規制の実施であるとか、現在の法的枠組みでございます容積率規制から、建築物の高さ、壁面の位置を指定する形態重視の規制へ移行して、質の高い都市空間をつくっていくというようなことを検討すべきというふうにしております。こうした視点からの制度のあり方を今後検討するということは、この答申を踏まえまして必要というふうに考えております。
○大西委員 この検討という中に、今地区計画ということを具体的におっしゃっているのかなと思っているんですけれども、ぜひこれもしっかりと進めていただければと思います。
次に、四〇ページに道路計画というものが載っておりましたので、その辺もちょっと聞いていきたいと思います。
都内の道路の都市計画決定には、昭和四十年代とか、それ以前のもので、既に相当な年月がたっているのに、まだ竣工してないものも少なくありません。これらの中で、当時の計画決定のため、幅員が狭く、沿道の住宅などにおける騒音、振動、大気汚染などが環境基準を満たさないものがあると心配されております。そういうことを多分把握していらっしゃると思うんですけれども、このようなケースでは、開通時に当初の道路構造を変えて何らかの対策をとる方針なのかどうなのか、その辺をお聞きしておきます。
○杉浦施設計画部長 例えば住宅地等に計画されております多車線の道路整備をするに当たりましては、環境基準を従来の計画では満たせない場合がございます。そうした場合には、これも例えばでございますが、調布保谷線あるいは府中所沢線などでは、環境施設帯など環境に配慮しました道路構造を採用するためのいわゆる変更を行っておるところでございます。今後とも、道路整備に当たりましては、必要に応じ、適切に、環境に配慮するなどの対応を行っていきたいと考えております。
○大西委員 確かに、調布保谷線などの環境の施設帯というのは、非常にいろいろ考えられているという部分があります。
しかし、ちょっと地元になるんですけれども、国立のさくら通りというものがあります。これは国立市での東西方向がさくら通りなんですけれども、現在国立市ではそれを使っているわけなんですね。今後、三・四・五号線として、府中方面からの東八道路と、それから立川へ行くということで、この辺がつながろうとしております。
ここは行く行く幹線道路になろうとしているわけですが、国立市内では、今使っているこの道路、それは両側の歩道に桜並木があって、非常に名所となっているわけなんです。でも、このように広域道路になった場合、通過交通がふえ、沿道住宅への騒音とか振動、大気汚染というものが即心配されるわけですけれども、このようなところ、ここだけに限らず、いろいろなところにも、前の着工であるので、あると思うんです。そういう部分はどのように対応なさいますか。
○杉浦施設計画部長 今後整備を行う道路、私が先ほど申しました幹線道路、あるいは委員が申されました地域内道路、いずれにしましても、一つのルールとしては、環境影響評価法あるいは東京都の環境影響評価条例を適用しまして、そこで環境影響評価が必要な事業については法令に基づく手続を進めることになってございますが、その他の道路に関しましても、当然のことながら、環境問題がこれだけクローズアップされている世情にかんがみまして、環境対策にはそれなりに十分な注意を払っていくという考えでございます。
○大西委員 さらに全都市計画道路を見直して、通過交通を通す幹線道路については、広幅員化や、それから地下化などを図り、そうでない道路については、通過交通を排除したり車線の縮小を図るなど、いわゆるトラフィックカーミング、静かにするという意味ですが、行う必要があると思うので、ぜひしっかりとその辺に取り組んでいただきたいと思います。
あと、そんな中、ちょっと四六ページに、都市交通施策の総合的展開というところに、都市交通に関するマスタープランという言葉が出てきました。これは都独自の取り組みだと思うんですけれども、この辺どういうものを具体的に考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○杉浦施設計画部長 東京の都市交通は、東京の行政区域のみならず、東京圏の多様なニーズあるいは活発な交流を支えるため、安全性、速達性にすぐれ、快適で環境負荷の少ない交通ネットワークを形成する必要があることはいうまでもございません。そのためには、広域的視点から道路交通と公共交通の適切な分担を図ること、あるいは都市構造的な視点から交通施設と土地利用との整合を図ること、またバリアフリー化や環境負荷の少ない交通システムを整備すること、さらには、シームレスなどの言葉に象徴される乗りかえ利便性向上など、こういった事柄が課題だと認識しているところでございます。
ハード、ソフト両面にわたります、こういった都市交通政策を体系的に示したマスタープランのもとで展開していくべきだと考えてございまして、今回つくりました都市づくりビジョンや都市計画マスタープランとの整合を図りつつ、都市交通に関してもマスタープランを作成してまいりたいと考えているところでございます。
○大西委員 では次に、五二ページに水と緑のグランドデザインというのが出ておりました。緑の保全のために、山林などを、農地のように保存を条件に固定資産税や相続税を優遇する措置など、税制上の措置を講ずることも検討すべきじゃないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○小林地域計画部長 確かに、減少を続けます樹林地などの保全を図るために、緑地保全地区などの指定とともに、土地所有者の税負担軽減を図っていくことは大変重要だというふうに私どもも考えております。
今回の答申の中におきましても、相続税の納税猶予制度の適用について、緑地保全地区等への適用拡大を求めていくべき、こういうふうにされております。
また、昨年の末に発表いたしました緑の東京計画におきましても、その重要性について取り上げておりまして、緑地保全に関する税の軽減措置の拡大を国に粘り強く働きかけていくこととしております。
○大西委員 それで、一一五ページに飛ぶんですけれども、審議会のメンバー構成が出ておりました。都議会議員を除いて、女性委員は非常に少ないんじゃないかと思っております。まちづくりという中で女性が占めております力というのは非常に大きいんですけれども、その辺の部分も考えていただければと思いますが、いかがでしょう。
○小林地域計画部長 現在の都市計画審議会の中で、学識経験者十名のうちの女性委員は二名ということでございます。女性委員の任命につきましては、平成八年の三月に決定されました審議会等への女性委員の任用促進についてということで、平成十二年度までに女性委員の比率を三〇%以上、そういうふうにすることとされておりました。これを踏まえまして、学識経験者委員につきましては女性委員の任用に努めてきたところでございます。
具体的には、平成十年の五月から十一年の十二月までは三名の女性委員の方にお願いをしてきたところでございますけれども、任期の期限満了に伴う後任者の専門分野において、女性委員の適任者がなかなか見つからなかったということで、現在の二名という状況に至っているところでございます。
また、平成十三年、ことしの二月二十三日に女性委員の任用目標が見直されておりまして、平成十六年度までに三五%以上にするよう取り組むこととされておるところでございます。今後、この目標を踏まえながら、後任者の専門分野において女性委員による適任者の任用に努めてまいりたいというふうに考えております。
○大西委員 同じ意味で、都市計画審議会の委員も、それには女性も何人か入っていらっしゃるんですけれども、一般公募というものをぜひ入れるべきじゃないかなと私は思っております。市区町村での都市計画マスタープランの中にも入っておりますし、やっぱり住民と一緒にやっていかなければいけないと、行政がもうずっといっています。
そういう意味では、そういうことに入れることによって、単に、反対、賛成ではなく、やっぱり住民のまちづくりに対する意識というものがそこでできてまいりますので、このような取り組み、確かに政令で決められているので、こうするしかないというお答えがありましたけれども、東京は国際都市東京を目指すという意味での位置であると、いつもおっしゃっているわけですから、町は女性が半分、子どももいます。そういう意味でも、一般公募をもっともっと入れて、風通しのいい、そして本当に生活実態に合った都市計画審議会としてちゃんとできるような形にしていただきたいと要望しておきたいと思います。
そして、私、都市・環境委員になりまして、二年になるんですけれども、都市構想、都市白書、そして都市ビジョンと、いろんな構想が出てまいります。しかし、これ、どれも何だか似たりよったりだと思っておりまして、ついつい同じ質問をしてしまうんです。ここに欠けているのは、戦後の膨張を余儀なくされた東京から、今後少子社会で少しずつ縮小しつつも、生活重視に再編される東京ということをやっぱり十分に方向づけるものとなっていないからだと思っております。
人口が減ることを、イコール町の縮小とは私は余り考えません。何か、量的に縮小することをおそれ、すべてのビジョンが中途半端であるような感じを受けております。そういう意味で、私いつもいっているんですけれども、都市計画の量から質へという転換、質の充実に踏み込んだビジョンをぜひつくっていただきたいと思っております。
また、都市計画の分野でも、先ほどいいましたように、市区町村のマスタープランで住民参加が進んでおります。都市計画から基本構想へと参加型の計画が進んでいるので、都も、行政関係者はこういう中に非常に多いんですけれども、都民代表はいないというような審議会の古い体制、これはやはり改めていただきたいと思っております。
世の中は、まちづくりにおいては非常に進んでおります。都といろいろと話をしている中で一番感じるのは、実態と、指導しなければいけない行政が、ある意味では、その辺の世の中の動きをもっと敏感に反映させる努力をしていっていただきたいということを申し添えまして、質問を終わります。
○吉田委員 都市計画審議会でも改めて必要な議論をさせていただきますが、百四十九回都市計画審議会提案事項概要の若干の問題について質疑をさせていただきます。
特に、汐留地区の再開発地区計画の変更についてなんですけれども、今回の変更は、D北二街区の地権者による具体的な計画が進められた結果、それに基づいて容積率等の変更をするものだというふうな説明を事前に聞いております。
(図示説明)今出ておりますけれども、ここからだとわかりにくいんですが、D北二街区、たしか数字番号だと四番だと思います、ごらんのとおり、全体の汐留地区計画の中では非常に中心に位置しておりまして、新交通「ゆりかもめ」の汐留駅の真ん前、さらに道路計画でいいますと、その前を補助三一三号線が通り、かつ右の方を環状二号が通るという立地条件。今指していただいているのが環状二号ですね。それと交差をして三一三号線が通るという非常に利便性の高いところにかかわってのD北二街区です。
それで、地権者は住友生命、住友不動産であるというふうに聞いておりますけれども、住友生命、住友不動産はどのような形でこのエリアを取得をされたのか、まずご説明をお願いいたします。
○只腰開発計画部長 汐留土地区画整理事業でございますが、都の建設局が施行しております。この両者の所有地につきましても、いわゆる土地区画整理事業の換地のルールに従いまして手続が行われているところでございます。
まず、住友生命でございますが、第一京浜国道沿いのナンバー十二という、今指しておりますが、環二と第一京浜国道の境目の角のところに、九百平米弱の土地をもともと所有しておったわけでございます。この土地が環二にかかるということから移転ということになったわけでございます。もとの評価が、国道に面しているということで高いものがございましたので、区画整理法によりますと、同等の評価の土地に換地をするということでございまして、JR東側の街区の幹線道路沿いに換地をしたということでございます。
また、この地区では、大街区におきましては最低敷地規模が五千平米ということになってございますので、接している保留地を同社が購入しまして、五千平米にまとめたということでございます。
それから、もう一つが住友不動産でございますが、この住友不動産につきましても、同じく第一京浜国道沿いの、番号でいきますと二十四番、一番外れのところでございますが、そこに千百平米の土地を所有しておりまして、これもやはり区画街路五号線にかかりまして、JR東側の街区に換地したということで、隣接の保留地を合わせて購入いたしまして五千平米となったものでございます。
○吉田委員 今の図面を見ても明らかなとおり、JRを挟んで全く反対側から路線を飛び越えて換地をする。もちろんそれは法的にできることなのかもしれませんけれども、もしこれ、区画整理じゃなくて、それぞれが、例えば用地買収で、環状二号及び区画道路を出した場合は、残りの土地は、そもそも用地買収の対象にはならなかったと思うんです。いかがですか、それは。
○只腰開発計画部長 この汐留の整備手法が土地区画整理事業でございますので、先ほど申し上げたように、換地の手法ということで土地が飛んだわけでございますが、今先生ご発言のように、いわゆる線的な道路部分だけを買収する手法であれば、そういうことは起きないということでございます。
○吉田委員 この区画整理そのものが、住友両社にとっては非常に都合のいい形で進められてきたということがいえると思うんです。
もう一つ関連してお聞きしたいんですが、換地で住友不動産が移転をした跡地というものは、今どこが所有をしようとしているんでしょうか。
○只腰開発計画部長 この住友生命あるいは住友不動産を換地した後の残りの土地でございますが、もともとこの区域内では都が先行買収ということで用地を持っておりまして、都が従来から持っていた土地を換地として、そこに都有地ということで持っていったわけでございまして、最終的には環状二号線の事業用の代替地としてこの土地を都は使うということでございます。
○吉田委員 最終的にはどういうことになるか知りません、換地のための対策用地という意図かもしれませんが、現時点でいえば、要するに二つの細かく残された土地はそれぞれ東京都が所有しているということなわけですね。
そういう全体像から見ても、私は住友にとって極めて有利な形で進められてきた計画ではないのかなというふうにまず思うことと、次に、今回の具体的な変更にかかわるわけですけれども、事業者の具体的な事業が確定したことに伴って、容積率、従前は基準容積率七〇〇%ということだったと思うんですが、これがどのような理由で、どのように緩和されようとしているのか、ご答弁お願いいたします。
○小林地域計画部長 D北二街区につきましては、再開発地区計画の整備計画の中で、容積率の最高限度を九〇〇%としております。ご指摘のように、先生お話しのように、現在当地区には用途地区にかかわる指定容積率が七〇〇%でございますから、再開発地区計画に基づく評価容積率としては二〇〇%を割り増しをしてございます。
その内容といたしましては、歩行者デッキ、これは二号施設でございます、それから歩行者の連絡通路としての地区施設あるいはその他の公開空地などの有効空地を評価をいたしまして、東京都再開発地区計画運用基準に照らしまして、二〇〇%の容積割り増しを行っているものでございます。
○吉田委員 今、公開空地あるいは有効空地ですか、という概念がありますけれども、そういうオープンスペースがあるからだということで、容積率が二〇〇%上乗せをされた。しかし、有効空地、公開空地といっても、ここで一定の規模のビルを建てるためにはどうしても必要な歩行者の通路等という、いわば開発しようとすれば必然的に設けなければならないものも含めての一般的なオープンスペースということですから、私は二〇〇%のボーナスそのものも疑問に感ずるというふうに指摘をさせていただきます。
さて、少し全体的な話に移らせていただきたいわけですけれども、この汐留の再開発は極めて大規模なものです。あわせて、今回の提案の中には、品川駅東口、さらに六本木六丁目再開発という、変更ではありますが、いずれも極めて大規模な再開発計画が同時的に示されているわけです。それぞれについて、現時点で確認されるものとして、どの程度の床面積が最終的にでき上がる計画なのか、ご答弁をお願いします。
○小林地域計画部長 汐留地区につきましては、すべての区域で整備計画ができているということではございませんで、一部H街区等についてはまだ整備計画ができておりませんから、地区全体が開発されたときの延べ床面積というのは算定できませんけれども、現在のところ整備計画が定まっている部分、ほぼ定まっている部分が多いわけですが、延べ床面積としては約百一ヘクタール程度でございます。
それから、品川駅東口、今回の整備計画でほぼ全域について定まることになりますけれども、約六十五ヘクタールということでございます。
それから、六本木六丁目につきましては、同じく六十五ヘクタール程度でございます。
○吉田委員 これはたまたま、比較的大規模なものが三つそろって出されたということもあるかもしれませんが、今の説明だと、汐留で百一ヘクタール、品川駅東口が六十五ヘクタール、六本木六丁目が六十五ヘクタールということで、極めて大規模な開発が、それぞれ品川、港にかけて集中するということになれば、もちろん、これは業務だけじゃなくて都心居住的な意味合いもあるかと思いますが、そうはいっても、やっぱり業務床あるいは商業床というものが非常に多くを占めていると思うんです。
これまでも都心部にこうした業務的な機能が集中することによって交通の集中等の都市計画上のさまざまな弊害がある中で、さらに加速をするという結果になるかと思うんですが、こういうことについてはどのようなご見解をお持ちなんでしょうか。
○小林地域計画部長 今回ご提案しております汐留地区につきましても、品川駅東口につきましても、従前国鉄の用地でございまして、その跡地を中心とした今回の開発計画ということで、大規模な土地利用転換が当然予想されるということで、従前から交通処理につきましては、十分検討を行っております。今図面が後ろの方に出てますけれども、汐留地区につきましては、環状二号線ですとか、あるいは補助三一三号線ですとか、そういった街路を整備いたしますし、また駐車場の処理についても、地下車路を設けたり、分散を図るような、そういった配慮もなされております。
それから、品川駅東口につきましても、地区幹線道路、後ろに出ていますけれども、それぞれ都市計画道路補助三一三、補助一二三、あるいは補助三一七、補助三一八、こういった都市計画道路について、区画整理事業の中で、基本的には開発者の負担で整備をすることにしておりますし、また、一番線路に近い八ツ山のアンダーパス等についても、この開発の中で整備をするということにしておりまして、こういった発生する交通量について十分勘案しながら、また周辺交通の円滑化にも寄与するような形で道路等の基盤整備をあわせて行うという計画にしておりまして、その結果、周辺の、例えば交差点の飽和度等についても、基準の中におさまっている、こういう計画になっております。
○吉田委員 道路をつくるからその問題は心配ないんだという、簡単ないい方をすればそういうご説明かと思うんです。渋滞解消で道路というお話もありますけれども、このように大規模な施設をつくればつくるだけ、おのずとそれに伴う道路整備というものが結局ついてこざるを得ない。そこはそこなりに対応されるんでしょうけれども、トータルで見れば、前から構造的な問題となっている、やはり都心部への集中の強化というものがさらに進められると思うんです。
それで、もう少し、最後に具体的な数をお聞きしますけれども、今回たまたま同時で提案をされている六本木、汐留、品川駅東地区、それぞれの発生交通量はどれくらいになるんでしょうか。
○小林地域計画部長 まず汐留地区でございますけれども、一日当たりの発生集中交通量四万一千七百台程度でございます。
それから、品川駅東口地区につきましては、四万六千六百台。
それから、六本木六丁目地区につきましては、トータルで一万七千六百台でございます。
○吉田委員 今のお話を聞いて、私も改めてびっくりしているんですけれども、これだけで約十万台ちょっと、大変なことが予測をされるわけです。十万台を超えるということになれば、ちょっとした幹線道路一本では足らないというぐらいの交通量だと思うんです。こういうことを、道路をつくって整備されるから大丈夫ですということじゃなくて、抑制する努力が必要なんじゃないんですか。
○小林地域計画部長 ただいまの汐留地区につきましても、品川駅東口につきましても、六本木六丁目地区につきましても、単なるオフィス開発ということじゃなくて、住宅、商業あるいは業務、こういったものの複合開発で、それぞれの一つの町をその中でつくり上げていく。一つのよりよい地域づくりをする中で、拠点としての整備とあわせまして、そこで住み、働く、そういった場をその中でつくっていくということでございまして、一つは、職住近接にも寄与しているということでもあろうかというふうに思っています。
それから、確かに発生交通量、トータルで十万台程度になろうかと思いますけれども、それぞれの発生交通量に見合った地区内での交通処理というのは十分考えておりますし、それから、汐留の中でも環状二号線等の整備というのは、地区内だけじゃなくて、都市全体の道路ネットワークの形成上にも貢献をしている、そういった配慮も中では加えているわけでございます。
○吉田委員 都市づくりの答申の中身にも連動いたしますけれども、これでは、それぞれの事業ごとにそれぞれの計画が進められて、結果的には--これはあくまでも一部ですよ、一部だけで三カ所で十万台をはるかに超えるような自動車交通量が発生する計画が当然のごとく進められていくということは、本来ならば、やはり今改めて抜本的な再検討を都市計画局としてはすべきではないかなという意見を申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○清水委員 私からは、都市計画審議会の答申案について、何点か質問いたします。
先ほどもどなたか触れていられましたけれども、四月六日に政府が経済対策閣僚会議で緊急経済対策を発表いたしました。その中身は既に毎日報道されています。金融機関の不良債権問題や銀行の株式保有の制限などについて盛んに報道されていて、これに対しては、私たちは、今後深刻な経済の状況を及ぼすのではないかということで意見を述べています。
その中で、余り報道されていないんですけれども、具体的対策として挙げられている中に、都市再生、土地の流動化対策というものが示されております。
この中では、先ほども触れられておりましたけれども、内閣総理大臣を本部長とする都市再生本部を内閣に設置をするということで、低未利用地の開発を推進する方針が盛り込まれたというふうに思います。
景気対策と国際競争力のある都市づくりを行うことが必要不可欠となっているからだということで、短期的な対策として、不良債権となっている土地の買い上げを促進するねらいと、具体的な取り組みを進める都市再生本部の設置によって、買い上げをするだけでなくて、活用まで含めた総合的な対策を講じる姿勢を示したといえると思うんです。
それで、先ほど、具体的な内容として、七都県市の常設の協議機関の設置ということをご答弁されたわけですが、政府の今度のこの具体策というのは、経済対策として、景気対策として、よしあしにかかわらず打ち出されているものなのですけれども、都市計画局とか、都市計画審議会などは、東京の都市づくりをどうするのか、二十五年、五十年とか、長期的な計画としてこれらが進められていくべきだというふうに思うんです。
ちょうど期を同じくして、政府の都市再生本部が設置をされたり、それから、先日知事が、議会でも、五カ年、総額十兆円のプロジェクトの実施を政府・与党に提言し、先日はそれの具体的説明に行っているというふうに報道されていました。そして、具体的なインフラ整備事業内容も示されたわけです。
今回の答申というのは、そうした国の動き、経済対策としての都市再生ということと、東京都の都市計画としての今後の都市づくりと、どういう関連があって進められて、どのようにまとめられてきたのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○中島総合計画部長 東京都が目指します都市づくりにつきましては、昨年の暮れにできました東京構想二〇〇〇、それから今回の答申等におきましても、東京を日本の首都として活力と魅力にあふれた国際都市を目指して、長期的な視点に立った政策誘導型の都市づくりを進めていこうとするものでございます。
このたびの政府・与党の緊急経済対策の中でうたわれておりますものについては、直接これらの検討の中では関連してございませんけれども、経済対策の中でも、二十一世紀における魅力と活力に満ちた都市に再生していくために、都市基盤形成ですとか都市拠点形成、安全都市形成等のプロジェクトを選定して、集中的、重点的に推進していくことによって、二十一世紀における魅力と活力にあふれた都市に再生していくんだということがうたわれているものでございます。
いずれにいたしましても、国際都市東京の活力と魅力を向上させるという点では、目指す方向は一致しているものと認識しております。
○清水委員 目指す方向が一致しているというんですけれども、前にも触れたことがあるんですが、経済界などから、今回初めて、都市圏ということを出してきたわけです。既に首都機能移転の対策として、東京圏ということで、経済界などからもずっと提言をされていて、それを受け入れた形でずっと進められてきていて、それがどのように東京の都市づくりとかかわっているのか。
国は経済対策、今東京都の都市計画局がやっているのは都市づくりということで、先ほども前の議員が質問しておられましたけれども、地域からどうやって東京の都市をつくっていくのかということが決定されていかなければ、結局、国の経済対策の中に都市づくりが取り込まれてしまって、真の都市づくりというふうにはつながっていかないというふうに、今回、全体を読ませていただいて、そんな感想を持ちました。
それで、具体的な問題として、七都県市の常設協議機関が国でも打ち出されたわけです。それから、先ほど区市町村のマスタープランとの関係なども説明されていたんですけれども、関連する七都県市や区市町村などとの調整というのはどのように進められてきたんでしょうか。
○河島参事 今回の答申は都市計画審議会の方で専門的見地から検討され、まとめられているものでございます。したがいまして、通常の行政計画の調整ということが事前に行われるということはないわけでございます。しかしながら、先ほど来ご説明申し上げておりますように、地域の状況あるいはこれから都市づくりとして目指すべき方向性、こういったようなものは、東京都の管内において、区市町村マスタープラン等で表明されているというところはございます。
また、昨年の五月には中間のまとめを発表いたしまして、区市町村からのご意見もちょうだいをいたしております。そういったような諸データあるいはご意見を十分検討いたしまして、今回の答申に反映をさせてきたということでございます。
また、本答申におきます東京圏全体を視野に入れた都市づくりの必要性というような考え方につきましては、東京都都市計画審議会としてそれを議論し、今後の都市づくりとして非常に重要なポイントであるということでお示ししているものでございまして、そのことについて、都計審として七都県市と具体の調整をしたわけではございません。しかしながら、七都県市--他の六県市になりますが--の長期構想、あるいは関連計画等につきましては、これは答申を検討する際に、そういった資料を勘案しながら、考え方を整理してきたということでございます。
○清水委員 そうすると、国が常設の協議機関を設置するということに対して、他の六県市はそのことを求めているんですか。都としては、七都県市のそういうものを求めるわけですね、都の方向を進めていくためには。都以外の六県市というのは、国が今回これをつくるわけですけれども、それを求めていたんでしょうか。
○河島参事 この常設の協議組織につきましては、昨年開かれておりました都市再生推進懇談会の席で、石原知事が国に対して求めて、提案をしたものでございます。その都市再生推進懇談会と申しますのは、七都県市の首長が参加をしている、そういう会でございます。そういった提言を踏まえまして、都市再生推進懇談会の昨年末に出されました提言の中に、そのことが盛り込まれた形になっております。今回の緊急経済対策は、そういった流れを受けて、緊急経済対策を推進していく上でも、そういったものを活用していくことの重要性、必要性ということを認識して取り込んできたものと考えております。
基本的には、現在国の方で、国を含めた七都県市の常設の協議組織をどういう形でつくり上げていくかということをいろいろ準備作業を開催いたしておりまして、これについては、ほかの県市にも呼びかけてその準備作業が進められているというふうに認識をしております。
○清水委員 それでは、区市町村との関係なんですけれども、先ほどのご答弁の中では、マスタープランが作成されているところもあるし、作成されてないところもあります、それから変えるところもあると思うんです。そうした既に区市町村がつくっているものを参考にしながら取り入れたものもあれば、そうでないものもあるということで、東京都がこれから秋につくる計画というのは、区市町村がつくる上で、検討する上での資料とするということで、区市町村がまだ計画していないものでも、東京都がこの中に、政策誘導ということですから、そういう形で区市町村に関して誘導している内容というのは、これから決められるかどうかわかりませんけれども、そういう考え方でやられているんですか。
みんな区市町村のあるものを取り入れてやったというんではなくて、ないものも、こういうふうにした方がいいというものは積極的に事前に取り入れられているという考え方でいいんですか。
○河島参事 都市づくりは大変幅広いものだろうと思います。都市づくりの課題につきましては、広域にかかわる課題と、地域に非常に密着した課題と、大きく分けることができるのではないかというふうに思います。
基本的に、都市づくりの進め方といたしましては、地域のいろいろな特性、実情を踏まえた、地域に密着した具体のまちづくりは、この地方分権の時代においては、区市町村が主体となって進めるべき、そういうものであろうというふうに考えるわけです。
東京都はそうした地域のまちづくりにおきます区市町村の独自性とか主体性を尊重し、それを都道府県の立場で支援していくことが必要になろうかと思います。同時に、区市町村が個別には対応できない、区市町村の区域を超えるような広域の課題、そういったものに対しては、これは、都道府県たる東京都がより主体的かつ積極的にそれに対して取り組むことが必要だろうと思います。都市づくりの課題に対する対応は、大きくまずそういう役割分担がベースにあろうかなと思います。
先ほどご説明申し上げました区市町村マスタープランの重視ということは、地域の課題を広域の立場で、都道府県の立場で、都市づくりの考え方、方向性を詰めていく上で、やはり重要なデータである、資料であるという認識を持っておりますので、そういったものを参考にしていくということでございます。
したがいまして、今回まだ区市町村マスタープランをつくってないというようなところにおきましても、いろいろな基本構想あるいは自治体の長期計画、そういったものはつくっているわけですから、そういうものは私どもは十分参考にしていきたいし、また区市町村からのご意見というのも、そういったものをベースに出されてくるだろうと思います。
ただ、そういったものを単に寄せ集めて足し合わせれば都道府県レベルの広域の計画ができるというわけではなくて、より広域的な視点に立って、東京都はこれからどういう大きな都市づくりの方向性を目指すべきかということについて取りまとめていくのが、ことしの秋の都市づくりビジョンの大きな目的になろうかなというふうに考えております。
○清水委員 他の県との連携についても、それから区市町村との調整、それから東京都として広域的な立場といわれるんですけれども、それを打ち出すよりも、やはり下からの実情の把握とか、それから社会経済状況の変化への対応というんですけれども、変化には--ここで繰り返し触れませんけれども、例えば、これから大規模な更新計画、橋だとか、既に社会資本で整備されているさまざまなものの更新だとか、それから防災といっても、本当に新しいまちづくりの防災もあるけれども、今どうやってするのか。新しい経済状況への対応ということも、次の事業計画に誘導していくような、この中の書かれ方にも見えますし、それから七都県市との連携や区市町村などとの取りまとめ、調整なども、東京都が政策誘導という形で、かなり強引な形で進めているというふうな感じが、この間の都市づくりに対してしているわけです。
そういう事業計画ありきということではなくて、やはり長い先の東京の都市づくりをどうするのかということが本当に反映されていく都市づくりのあり方でなければいけないということをまず指摘しておきたいと思います。
具体的な問題として伺いますが、目指すべき新たな都市構造という中で、多機能集約型の都市構造として、核都市連携都市軸の実現を目指すというふうになっています。
一八ページでは、中核拠点として核都市が位置づけられて、東京圏の機能を分担するというふうになっています。これはどういうことでしょうか。
○河島参事 多心型都市構造の中で多摩の心しんとして位置づけられていた立川、八王子などがあるわけでございますが、そういった考え方というのは、業務機能の効率的な配置をしていこうといった考え方に基づいておりまして、具体的にいえば、都心に過度に集中する業務機能の受け皿として、拠点として育成、整備していこう、こんなようなことでこれまで取り組まれてきていたわけです。
しかしながら、右肩上がりの時代が終わり、人口減少時代がこれから到来する、そういうような社会情勢が大きく、変化する中では、今までのそうした考え方によって拠点を育成していこうということについては、一つの限界を生じてきているのかな、こういう認識にこの答申は立っているわけです。
そういったことを踏まえて、今回、環状メガロポリス構造と、東京圏の中で、都心とのつながりだけを重視するのではなくて、もっと環状方向の圏域の全体的なネットワークといったようなことを形成していく、そういうことを重視していくべきである、そんなようなことの提案がされているわけです。
そういった考え方の中で、従来の多摩の心しんという呼び方を、今回核都市というふうに呼びかえているわけですが、それは従来の考え方を少し転換いたしまして、これからは多摩の独自性を生かした拠点形成を、環状方向の連携を強化する中でやっていこう、そういう考え方を示すためにこういったことを提案をされているというふうに認識しております。
具体的には、本答申では、多摩において、SOHO、スモール・オフィス・ホーム・オフィスと呼ばれているような新しい就業形態が生まれ、情報ネットワークを生かした企業の分散立地もこれから進むであろう。それから、今後は、緑豊かな環境あるいは大学の集積など、区部とは異なる多摩の独自性を生かした拠点形成を展開すべきだ、このようなことで、東京都の区域におきます核都市、従来の多摩の心しんにおける担うべき機能というものを、答申の中で提言をしているものでございます。
○清水委員 聞いたのは、東京圏の機能を分担するというのは、どういうことをイメージしていけばいいんですか。東京圏の機能を分担するという具体的なイメージ。
○河島参事 端的にいいまして、すべての地域は、それぞれの都市活動あるいは地域のいろいろな生産活動、また生活も含めていろんな機能を、当然のことながら担っているわけです。
その中で東京圏というのは、首都を担う大都市圏として非常に一体的な機能を発揮している。ある地域が単独でその地域の機能を発揮しているわけじゃなくて、知事がよくいっておりますように、空港機能というのは東京圏全体のための機能ですよ、あるいは東京圏に住んでいる三千三百万人の人たちというのは、みんながそこで住み、働くことによって東京圏全体の機能を支えているんですよ、こんなような認識が基本的にはあるわけです。
その中で、それぞれの地域がどういう地域特性を生かして圏域の機能を担っていくのか、そのことについてうまく連携を図れて、お互いの生活を豊かにして、また産業活動の活性化を図っていくような分担の仕方をしていくか、そういったことをやろうというのが今回の提案の中のお話になっております。
○清水委員 核都市に求められる東京圏の機能とは何ですか。
○河島参事 具体的に取り上げますと、例えば、業務機能、商業機能、居住機能、文化機能、防災機能、物流機能、そういったような機能が取り上げられるかと思います。ただ、地域の特性を生かした機能という面では、やはり多摩は多摩なりの特性を持った機能の発揮が必要だ。そういったことから、この答申の中にも、三〇ページあたりに、多摩における業務・ビジネス機能の強化というようなくだりがございますが、産・学・公の連携による技術産業の集積を図るべきだとか、先ほど申し上げました情報通信技術を生かした新たなビジネスをこれからは起業していくべきである。あるいは福祉や環境など、生活に根差したビジネスを創造していくべきである、こんなようなことが提案されているわけでございます。
○清水委員 今読まれたところで、「特に、圏央道の整備により、インターチェンジ周辺地域への物流拠点の整備、秋留台」云々と書いてありますが、圏央道の整備によるインターチェンジ周辺地域への物流拠点の整備とは、どういうことを具体的にイメージされているんですか。
○杉浦施設計画部長 現在整備中でございます圏央道の都内部分が開通した場合には、圏央道インターチェンジ付近に物流機能あるいは物流施設を整備すれば、その分、都内に流入するトラックの総量の抑制あるいは地域内の配送の共同化など、物流機能の効率化に寄与することは可能でございます。
そのため今回の答申においては、インター付近に広域的物流拠点を整備すると記述されたものと受けとめているところでございます。
しかしながら、現段階で行政レベルでの具体的な場所を特定するまでには至ってございません。
○清水委員 多摩の心しんの計画の中、つまり業務核都市計画の中には、中央道のインターチェンジ周辺の物流拠点整備というのが進んできました。具体的には土地区画整理で整備をされるということでしたけれども、今年度は、その土地区画整理事業の予算も全くゼロになっています。つまり、中央道のインターチェンジ周辺の物流拠点整備というのは、現在全く進んでいませんが、多摩の心しん、業務核都市の中核施設として計画をされてきたわけです。その物流拠点と、圏央道のインターチェンジの物流拠点との関係、今まで、こちら中央道に計画があったものが、圏央道のインターチェンジというふうな形になっているものですから、一体それはどういうふうに、どこで変わってきたのかなというのが非常に疑問な点なわけです。
○杉浦施設計画部長 少しマクロに申しますと、東京における流通業務施設の整備に関する基本方針というのが、これは昭和四十年代に出ておりまして、ご案内のとおり、都内には、東、南、西北部、北部、既に四つの流通業務市街地が整備されてございます。もう一つ必要なのは東京西南部ということから、前から多摩地域の道路交通の便のよいところがいろいろ候補地に挙がってきたという状況でございます。
今委員がおっしゃいました、例えば中央道のインターチェンジがどうか、あるいは圏央道の具体的などこどこがどうかという話については、一つ一つ、それらの候補地が可能性があるかという検証をした後でないと、それが果たしてふさわしいかどうかということは申し上げられない状況でございますが、いずれにしても、方向としては、中央道、圏央道方面の東京の西南部ということで、物流拠点が必要であるという認識のもとに立っているものでございます。
○清水委員 だって、今まで中央道のインターチェンジに物流拠点が必要だからというので、土地区画整理事業の予算がついてきたんですよ。予算って、まだ決定もしてませんけれども、調査はされてきたんです。新都市建設公社の調査費用の中に、わずかですけれども、ずっと積み上げられてきたんですが、ことしの予算にはもうなくなりました。だから、こちらか、こちらかということで検討されてきたというのが、まず私としては非常に疑問なんです。
それはいいです。そのことを聞いているわけではないので、いいんですが、それでは、先ほど、じゃ、核都市連携都市軸の中で圏央道の周辺にということですけれども、都内分のインターチェンジというのは、青梅、日の出、あきる野、八王子北、八王子南、五カ所あるんです。それで、どのようなイメージでこの審議会の中ではこういうふうに記述されたんですか。
○杉浦施設計画部長 圏央道が東京の都市圏の一番外側の環状道路ということで、いわば物を配送するときに、各方面に輸送効率がいいと申しますか、そういう性格の道路でもございますので、それぞれのインターチェンジが候補地になり得るということは、これはだれしもが認識するところでございまして、ただ、その中で果たしてどこを選ぶかということになりますと、これはやはりそういった可能地があるのかとか、その場所が道路つきがどうなのかとか、周辺の土地利用の状況がどうなのか、そういう一つ一つの検討を行わなければ場所は特定できないわけでございまして、今回都市計画審議会の答申で、おおむね圏央道のインターチェンジ付近という答申をいただきましたので、これから場所の特定の作業に入っていきたいと考えております。
○清水委員 圏央道の周辺というのはどういう地域だかご存じだと思います。青梅から八王子南まですべて含めて、ほとんどが市街化調整区域のところだし、全部ではないですけれども、都立自然公園がずっとつながっている地域なわけです。
そういう中で、簡単に、物流の配送に便利だからということで、どこがいいかと、そちらは都市づくりの上で一番便利なところ、ああ、ここがいいなというところで計画されていくんでしょうけれども、圏央道そのものについては、今いうつもりはないからいいませんが、それ自身も、高尾山の自然とかそういうことをいってきたわけです。中央道のインターチェンジというのは、少なくとも、そこがいいということではないんですけれども、そこにしろということで、そこだってよくないんですが、そこはほとんど、東京都の公社の土地があったりして、畑があるんですけれども造成されているところとか--山とか樹林とかではないんです。そこもいいとは思いませんが、少なくとも圏央道のインターチェンジというのは、市街化調整区域とか自然公園の区域の、皆そういう形でなっているわけですけれども、その中のどこかを選ぼうとしているわけです。そういう形で核都市というものが位置づけられて、東京圏の機能を分担されていくというのであれば、それは大変なまちづくり、都市づくりだというふうに思うんです、東京の機能を分担していくということで選択されるのであれば。
しかも、これは自分が見るためにつくったから、別に大きくもないんですけれども、(図を示す)圏央道がここにずっと通っていって、それで、もう二十年前から、緑で塗っているところは民間企業、都市整備公団が買い上げてきた土地です。これまで約二十年間、住宅計画があったり、いろいろ研究団地計画があったりして、ほとんど計画は進んでいないところです。これを全部足しますと、五百ヘクタールぐらいになるんです。これは、ここが南インター、ここがジャンクション、そしてここが北インターで、まだこの上にあきる野、日の出、青梅が続いていくわけです。この圏央道の周辺に、例えば佐川急便が六十ヘクタール買い上げてあるというふうに聞いています。それから、三成イーエンドエムとかいうような会社が五十ヘクタール、ここを買い上げているというふうに伺います。ずっとこれらの計画が、この間の中では進んでいなかったり、ここの高尾事業開発というのは熊谷組なんですけれども、この熊谷組の方が事務所をつくったりしましたが、事業が進まないということで事務所をやめたとかやめないとかいうような、いろいろな経過があるところなんです。
もし、こういう形で東京の都市づくりの中で、圏央道のインターチェンジ周辺に物流拠点をつくるんだという位置づけをした場合に、こうした事業者が、特に物流関係の事業者などもいる中では、活発に動いていくことは予想されると思うんです。
それで、最初に触れましたように、社会経済状況の変化という中では、緑の基本計画とか、緑のプランとかいうことで、緑を少しでも多くしようという方向を進めていますが、簡単に東京圏の機能の分担というふうに進めていけば、こういう事業者が再び、民間の活用ということもいわれて、民間が整備しやすいようにということで、これからいろいろな手法をされていくんだと思いますけれども、活発にこれが動いてくるということが予想されるわけです。
だから、そういうことをやはりよく把握して都市づくりというのはされなければいけないということで、圏央道のインターチェンジ周辺がちょうど都合がいいから物流拠点にしましょうなんていう計画を、一つのことの事例でいいますと、そう簡単に私はのせていただきたくないし、再検討をこの件ではしていただきたいと思います。
先ほど、多摩の心しんから核都市に変わる理由などもいわれましたけれども、そのことについては触れませんが、核都市を結ぶといっても、私も前にも触れたことがありますように、千葉の研究団地も訪ねてみたり、埼玉の新都心なども、別の会議があって伺ったことがありますけれども、やはり大きな建物が真ん中にどんとできて、そこに埋まり切れないビルが建っていて、さまざまな機能を県とか関係機関がそこに移してくるということで、莫大な費用なども自治体としてかかっているわけです。
それから、業務核都市とか多摩の心しんの中でも、四年間何度も取り上げてきましたけれども、それによる再開発とか、駅前開発によって、多摩地域の多摩の心しんに指定されたところの自治体の負担というのは莫大で、青梅にしろ、町田にしろ、八王子にしろ、立川にしろ、莫大な自治体の負担が積み重なっているわけです。
それで、まだ前の計画のものも進んでいて、これから百億、二百億の再開発ビルなんかも八王子なんかでは計画をされていたりするんです。前のものもまだうまくいっていないのに、そのまま進めていって、市民は何であんなところに駐車場をつくるの、何であんなところに再開発ビルを今の時代つくらなきゃいけないのといわれながら、前の計画のものが進んでいる。これに今のような計画が、自治体が負担をしないといっても、進んでいくことになれば、重大な影響を及ぼすということでは、核都市連携都市軸ということで東京圏の機能を分担する役割を安易に決定をしないで、各市の実情などもきちんと把握をして進めていっていただきたいと思います。
この答申の内容は、まだ具体化されていない内容の事業もあります。これから計画を都市計画局としてつくるのだと思いますが、これからの計画というのが、各県とか市、各区市などが、現実にこれから十年、二十年先の都市づくりを行うことが、市民、区民にとって生活できるような都市づくりのプランにしていっていただきたいと思いますし、何よりも都財政に打撃を与えないような方向になることを要望いたします。
既に具体化され、事業化され、進んでいるものの中には、都民に重大な影響を与える内容があります。その再検討も求めたいと思います。この内容がそのまま計画、具体化されていくと、二十一世紀まで、ゆがんだ大型公共事業投資が一層推し進められる内容になっていく予想がされます。
最初に触れました政府が発表した経済対策の中でも、企業は利益を得たけれども、個人には十分に、個人消費の回復は見られていないということを、初めて政府の経済対策でも触れたわけです。そういう意味では、今東京都の行政として何が必要なのか。じゃ、都市づくりとして何が必要なのかということをきちんと把握した都市づくりを行っていただきたいと思います。
開発型都市づくりの転換を強く求めて、質問を終わります。
○小林地域計画部長 大変恐縮でございます。先ほどの吉田理事のご質問に、品川駅東口の一日当たりの集中発生交通量を、私、四万六千六百台というふうにご答弁申し上げましたけれども、二万七千六百台の誤りでございます。おわびして訂正させていただきます。
○寺山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○寺山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市計画局関係を終わります。
これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
午後三時五十四分散会
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