都市・環境委員会速記録第六号

平成十三年三月二十三日(金曜日)
   午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長寺山 智雄君
副委員長真鍋よしゆき君
副委員長かち佳代子君
理事大西由紀子君
理事吉田 信夫君
理事森田 安孝君
中嶋 義雄君
清水ひで子君
馬場 裕子君
吉野 利明君
立石 晴康君
内田  茂君
田中 晃三君
奥山 則男君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市計画局局長山下 保博君
次長石山 伸彦君
技監勝田 三良君
理事塩野 忠弘君
総務部長野田 一雄君
環境局局長中野 英則君
総務部長平井 健一君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 予算の調査(意見開陳)
 ・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市・環境委員会所管分
 ・第十三号議案 平成十三年度東京都都市開発資金会計予算
 付託議案の審査(決定)
 ・第六十四号議案 東京都都市計画局関係手数料条例の一部を改正する条例
 ・第六十五号議案 東京都景観条例の一部を改正する条例
 ・第六十六号議案 東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○寺山委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、陳情の付託替えについて申し上げます。
 お手元配布の一一第一一号、秋留台総合整備計画の変更に関する陳情につきましては、建設・住宅委員会から本委員会に付託替えをした旨、議長から通知がございましたので、ご了承願います。

○寺山委員長 次に、意見書について申し上げます。
 さきに理事会にご一任をいただいておりました横田空域の返還に関する意見書、家電リサイクルに関する意見書、抜本的な地球温暖化防止対策の推進と京都議定書の早期発効に関する意見書につきましては、お手元配布の案文のとおり調整をいたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

横田空域の返還に関する意見書(案)
 首都圏の航空需要は一貫して増加し続けており、それに伴って、航空機の運航数も増大し、空の過密化が進んでいる。
 特に、羽田空港から西日本方面へ向かう路線は、我が国の航空輸送の大動脈であるが、首都圏の西側には米軍管制下の広大な横田空域が立ちはだかっているため、不自然な飛行を余儀なくされている。平成十三年一月三十一日に静岡県上空で生じた四十数名の重軽傷者を出したニアミス事故も、このような横田空域の存在が遠因と考えられている。
 また、横田空域の存在は、今後の航空需要の増大に対応する航空路の新設にも、大きな制約となっている。
 空の安全を守り、混雑する飛行ルートの分散化を図るためには、横田空域が我が国に直ちに返還され、日本の空の管制は日本の管制官により実施することが必要である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、横田空域の返還を早期に実現するよう強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十三年三月 日
東京都議会議長 渋谷 守生
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
国土交通大臣
総務大臣 あて

家電リサイクルに関する意見書(案)
 循環型社会形成推進基本法の成立など、我が国は、循環型社会の構築に向けて着実に歩みを進めている。そのような中、家電リサイクル法がいよいよ平成十三年四月一日から本格実施される。家電メーカーに自社製品の引取りとリサイクルを義務づけるという、拡大生産者責任の考え方を取り入れた先進的な法律である。
 しかし、都民が排出時に負担することとなるメーカーのリサイクル料金は高額であり、十分な理解を得られるとは言い難い。さらに、メーカーが二グループに分かれて引取場所を別々に配置したことにより、運搬が非効率となる上、その数が少ないことも運搬料金を高くする要因となっている。また、フロンガスについても、冷蔵庫の冷媒フロンの約四倍もある断熱材フロンの回収が義務づけられていないなど、いまだ不十分な状況にある。
 このように、都民・国民の理解及び協力を得、この法律を円滑に実施していくためには、なお見直しを要する点が多い。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を早急に実現するよう強く要請する。
一 引取場所を全メーカー共同とし、かつ、廃棄物処理業界により都内に設置された中間集積所をメーカーの正式な引取場所とすること。
二 リサイクル料金は、家電四品目の購入時に支払うようにすること。
三 不法投棄された家電四品目は、メーカーが無償でリサイクルを実施すること。
四 冷蔵庫の断熱材フロンの回収をメーカーに義務づけること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十三年三月 日
東京都議会議長 渋谷 守生
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
環境大臣 あて

抜本的な地球温暖化防止対策の推進と京都議定書の早期発効に関する意見書(案)
 昨年十一月、温暖化防止のための気候変動枠組条約第六回締約国会議(COP6)がオランダのハーグで開催され、平成九年のCOP3で採択された京都議定書を各国が批准可能にするためのルールに関する詰めの交渉が行われたが、合意に至ることができなかった。
 京都議定書は、温暖化の原因となる温室効果ガスを平成二十年から平成二十四年までに、平成二年を基準として先進国全体で五・二%、日本は六%削減することを求めている。
 気候変動は、これまでの予想を超える速度で進行しており、地球規模で温室効果ガスの削減対策を進め、将来世代の安全を確保することは現在の世代の責務である。合意の遅れは対策の遅れを招き、その間にも温暖化が進行する事態となる。
 日本が国際交渉の場でリーダーシップを発揮するためにも、まず、日本国内において強力な温暖化対策を実現することが求められている。平成十年に策定した地球温暖化対策推進大綱を見直し、現在改定するため審議中の長期エネルギー需給見通しにおいて六%の削減を可能にするエネルギー政策を構築することが必要である。また、環境負荷が小さい自然エネルギーの開発を促進するための法制度の確立が求められている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、国内の地球温暖化防止対策を強力に進めるとともに、今年再開される予定のCOP6において、京都議定書が一刻も早く発効されるよう努力することを強く要請する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十三年三月 日
東京都議会議長 渋谷 守生
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣 あて

○寺山委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。

○寺山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、平成十三年度予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出に対する決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 まず、第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市・環境委員会所管分及び第十三号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○吉野委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された平成十三年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 現下の都財政は、八兆円に迫る都債残高や二年連続の財政赤字に加え、一兆円を超える隠れ借金の存在など、依然として厳しい状況にあります。
 こうした危機的な財政状況の克服を図るとともに、首都東京の再生に向けて、都市基盤整備や少子高齢社会への対応、景気対策、環境対策、防災など、都政の重要課題に積極的に取り組んでいく必要があります。
 この観点から、新しい時代にふさわしい施策の再構築や歳入確保努力など、財政構造改革の引き続く実行がますます重要になるのはいうまでもありません。
 知事は、平成十三年度予算案を、財政再建推進プランの前半の到達点としてその着実な実行を図ることにより、首都東京の再生を目指す予算と位置づけられました。
 財源確保に当たっては、銀行業等に対する外形標準課税が一千億円程度新たな税収として見込まれ、厳しい都財政にとって大変貴重なものとなります。また、都が地方交付税不交付団体であることによって受けている国庫支出金の財源調整措置に関して、知事と都議会が相協力し、国に強力に廃止を要求した結果、昨年に引き続き改善が図られました。
 今後も引き続き財源確保に一層の工夫を図るとともに、税源移譲を初めとする地方税財政制度の改善を強く国に働きかけ、地方分権の時代にふさわしい財政自主権を実現していかなければなりません。
 また、この予算案においては、都債の償還経費等今後見込まれる将来負担の増大に対応し、財政調整基金や社会資本等整備基金の積み立てを行うなど、財政基盤の強化を図っておりますが、財政構造改革を進めるという観点からは必要不可欠なことであります。
 一方、景気の先行きは依然として不透明であり、都財政の運営に当たっては、常に財政再建の初心に返り、今後も引き続き、財政再建推進プランに掲げた目標の確実な達成を図っていかなければなりません。
 なお、予算の執行に当たっては、各局とも一層効率的な事業運営に努め、都民の期待にこたえるべく最大限の努力を重ねられるよう強く要望いたします。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、都市計画局関係について申し上げます。
 一、二十一世紀を迎え、東京は今大きな社会経済の転換期にあります。国際的な都市間競争が激しさを増す中、人口減少、高齢社会の到来、情報通信技術の進展、地球環境保全の認識の高まりなど、社会経済状況の変化を的確にとらえた都市づくり政策を展開する必要があります。
 このため、目標を明確にして、望ましい都市の姿へと導く政策誘導型の都市づくりを展開するため、新しい都市づくりビジョンを策定し、戦略的な都市づくりを推進されたい。
 二、東京圏全体のバランスのとれた地域構造を形成するため、国際航空機能の充実、外環など三環状等の広域幹線道路ネットワークの形成及び鉄道等公共交通網の整備を積極的に推進されたい。
 また、東京のエリアについては、センター・コア・エリア、東京臨海地域等の戦略的地域の魅力と活力を向上させるため、利便性の高い交通基盤づくりに努められたい。
 三、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、防災都市づくりを効果的、集中的に推進するため、木造住宅密集市街地等における防災性の向上、建築物の不燃化、共同化、都市基盤施設の整備等を重点的に推進し、災害から都民を守る安全、安心の都市づくりを積極的に展開されたい。
 また、防災都市づくりをより一層推進するため、新たな事業や仕組みの導入により、防災都市づくり推進計画を改定するとともに、発災直後の速やかな復興、復旧を図るため、震災復興グランドデザインを新たに策定するなど、都市復興マニュアルの充実強化に努められたい。
 四、快適な住まいと生活空間を確保するため、都市における緑の充実や良好な都市景観の形成等に努められたい。また、都民生活に不可欠な水資源の確保を一層促進されたい。
 次に、環境局関係について申し上げます。
 一、今や環境の危機は地球的な規模となり、温暖化、オゾン層の破壊、異常気象の頻発などを引き起こしている。東京においても、ヒートアイランド現象や大気汚染など深刻な状況にある。自然エネルギーの活用や緑の創造など、東京が率先して将来的に持続発展可能な社会の構築に取り組まれたい。
 二、ディーゼル車対策に当たっては、規制の円滑な導入を図るため、低公害な自動車への買いかえやDPF装置の装着など、事業者に対する助成を行うほか、低硫黄軽油の早期供給を促進するなど、多面的な取り組みを行い、大気汚染改善の効果を一日も早くあらわされたい。
 三、ダイオキシン類や環境ホルモンなどの有害化学物質対策を着実に推進されたい。また、環境確保条例に基づき、有害化学物質の排出抑制策や土壌汚染対策を推進するため、事業者への十分な指導と情報提供を図られたい。
 四、都内に残された貴重な自然を保全し、都市と自然が調和した風格都市東京を実現するため、里山の保全や市街地の緑化などを図られたい。また、緑地にかかる相続税の負担の軽減を国に対して一層働きかけられたい。
 五、近年、産業廃棄物の不適正処理が頻発し、産業廃棄物処理に対する不信が広まっています。近県との広域的な連携などにより、産業廃棄物の適正処理対策の拡充を図られたい。また、環境リスクが懸念されるPCB廃棄物の早期の無害化処理など、公共関与による産業廃棄物処理の具体化に努力されたい。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○清水委員 日本共産党都議団を代表して、本委員会に付託されました平成十三年度予算案について、意見を述べます。
 まず、都市計画局についてです。
 本予算は、東京構想二〇〇〇に基づいて、都心部を中心とした大規模な再開発、三環状などの大型幹線道路計画による広域的なインフラ整備など、東京圏全体の開発を新たに推進する内容となっています。
 これは、都民の安心して住み続けたいという願いに逆行し、都財政を一層困難にさせるものです。とりわけ、都民の暮らし、安全が何よりも求められているとき、首都高速道路公団への無利子貸付などは財政危機を一層深刻にしています。今必要なことは、生活道路や公園整備など、おくれている社会資本整備こそ重点化し、促進すべきです。
 我が党は、大型開発中心を改めれば、財政の立て直しを図りながら、安心、安全なまちづくりなど、都民要望にこたえられるものであることを指摘しました。来年度予算で重要なことは、都民の願いにこたえ、大型開発優先から都民本意の都政運営に転換して、自治体本来の立場を貫くことです。
 以上の立場から意見を述べます。
 東京構想二〇〇〇に基づく新たな大規模開発、東京圏全体の開発を推進する環状メガロポリス構想に基づく具体化はやめること。
 住環境破壊の三環状道路計画は中止すること。
 ゼネコン奉仕の税金のむだ遣いである首都機能移転反対を貫くこと。
 大型幹線道路や大企業のための都市再開発中心の公共事業については、改めて抜本的再検討を行うこと。
 首都高速道路公団への無利子貸付金をやめること。
 自動車依存型から脱却し、自動車総量抑制を進めるためにも、実効ある交通需要マネジメント、TDMを総合的に進めること。
 交通不便地域、地域内での都民の足の確保のため、ミニバスを整備し、またLRTの導入促進のため具体化すること。
 鉄道駅舎の転落防止、安全対策の抜本的強化を図ること。
 ボトルネック踏切の解消を進めること。
 市町村土木費補助の大幅増額を行うこと。
 緑の東京計画に基づく公園整備予算を大幅にふやすこと。
 水需要の実態と将来の人口減を考慮して、過大な水需要計画を下方修正するとともに、水資源開発計画を再検討すること。八ッ場ダムなど、現行計画に基づくダム建設など過大な投資を中止し、見直すこと。
 横田空域返還の取り組みを強化すること。
 羽田空港の再拡張については、地域住民、関係者の意見を聞き、再検討すること。
 羽田空港移転跡地については早急に確定し、地元区及び都民本意の利用計画を策定すること。
 次に、環境局関係についてです。
 環境局予算では、自動車の排ガス規制など、新たな前進はありますが、より抜本的な対策が求められています。都民要求にこたえるためには、必要な予算をとることが必要です。ところが、予算案は、総額は多少の増額はあったが、重点施策に集中して予算がつけられているために、自然保護予算などが大きく後退させられてしまっています。
 我が党がこれまで繰り返し指摘してきたように、地球温暖化対策、大気汚染対策、自然保護対策など環境対策は都民の命と健康にもかかわる重要な施策です。予算をふやして対策を強化することを求めます。
 以下、具体的な意見を述べます。
 自動車公害対策では、DPF除去装置設置については希望するすべての申し込みにこたえること。
 低公害車推進のため、天然ガスなどのスタンドの整備を進めること。
 大気汚染の局所対策を進めること。
 TDMを抜本的に強化し、促進し、自動車総量抑制を本格的に進めること。
 騒音、振動対策を強めること。
 地球温暖化防止のため、都としての温暖化ガス削減目標を実効あるものにすること。
 フロン対策を推進し、フロン類の全量回収と破壊を事業者に義務づけること。
 内分泌攪乱物質、環境ホルモンについて対策を強化し、ダイオキシン類対策については、発生原因である塩化ビニールの製造自粛、無公害製品への転換を実施するため、業界への申し入れ、中小企業への支援など強化すること。
 水質汚濁防止のため、総量規制を強化し、水質浄化に努めること。生態系保全のため、浅瀬の保全を進めること。
 緑地保全のための公有化予算を増額すること。
 里山保全地域指定、森林保全地域指定を積極的に進めること。保全地域の市民活用を自然保護団体の意見をよく聞き、積極的に進めること。
 自然保護条例に基づいて、オオタカなど東京都レッドデータブックで掲げられた希少動植物の保全、保護を具体化すること。
 ごみ減量、リサイクルについて、区市町村への支援を強化すること。
 以上です。

○中嶋委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成十三年度予算について意見を開陳いたしたいと思います。
 平成十三年度の東京都予算案は、一般会計が六兆二千六十億円で、三年ぶりに対前年度比三・六%増となったものの、一般歳出は対前年度〇・三%増とほぼ横ばいであり、投資的経費は九年連続の減少となっています。一般会計が増加したといっても、それは銀行業等への外形標準課税千四百十五億円及びIT業種等の法人税の伸びに支えられたものであり、都財政は相変わらず厳しい状況にあります。
 一方、減債基金積み立ての一部見送りや、他会計からの借り入れによって生じたいわゆる隠れ借金は累計で約一兆円にも上り、さらに加えて、十四年度から飛躍的に膨れ上がる都債償還費、退職手当の増大、あるいは次々と更新時期を迎える社会資本等の整備費などを考慮すると、都財政の先行きにはなお予断を許さないものがあります。したがって、今後とも積極的な財政構造改革への取り組みが必要になるのはいうまでもありません。
 我が党は、この新年度予算の編成に当たり、徹底した行財政改革で都の財政構造を改革すると同時に、少子高齢社会への対応や東京の活性化に必要な予算には十分に配慮すべきであると主張してまいりました。
 都は、今回の予算を、財政構造改革を着実に進めながら東京の再生を目指す予算と位置づけておりますが、これがまさに我が党の方針と軌を一にするものであります。
 その意味では、職員定数や職員給与の見直し、削減、管理事務費や監理団体への財政支出の削減、経常経費の見直しなどで七百億円を超える財源を捻出し、新たな福祉システムの構築並びに環境、教育、中小企業対策など、社会経済情勢の変化に対応した予算を確保されたことは高く評価するものであります。
 このように新年度予算は多くの面で評価するものでありますが、その上でなお、今後とも財政再建への真摯な取り組みを継続し、さらに東京の活力を維持し、都民生活の質の豊かさを維持、発展させるために、引き続き全力で政策努力を展開し、都民とともに新たなる世紀の構築に向けて前進されんことを強く要望したいと思います。
 以下、各局別に申し上げます。
 最初に、都市計画局。
 東京構想二〇〇〇で描かれたビジョンの実現を目指し、活力と品格、機能性と文化性にあふれた都市の構築に全力で当たられたい。
 安全に暮らせるまちを早期に実現するため、都市防災不燃化促進事業、防災生活圏促進事業を活用し、木造密集市街地等における防災性の向上を図り、災害に強い都市づくり、防災まちづくりに積極的に取り組んでいただきたい。
 震災時に都市の復興が迅速かつ円滑に推進されるよう、震災復興マニュアル、震災復興グランドデザインなどのより以上の整備、充実、強化に当たられたい。
 まちづくりにあっては、土地区画整理事業、市街地再開発事業などの事業等を有効に活用し、都市景観や都市の風格に配慮していただきたい。
 都市の根幹的公共交通機関である東京臨海高速鉄道臨海副都心線の大崎延伸、つくば線、日暮里・舎人線などの早期整備に当たられたい。
 道路渋滞や道路公害を低減させ、都市の効率性を高めるため、首都高速中央環状線、外郭環状道路、首都圏中央連絡道路の早期整備に当たられたい。
 多摩地区の振興と発展のため、多摩都市モノレールを活用したまちづくりを推進されたい。
 建設発生土の再利用を促進するため、より一層の体系的、効率的な利用調整に努められたい。
 都民生活に不可欠な水資源の確保により一層努められたい。
 羽田空港を含めベイエリアを活力と魅力のある国際的にも存在感の高いゾーンとなるよう整備されたい。
 バリアフリー、ユニバーサルデザインのまちづくりを積極的に推進されたい。
 続いて、環境局。
 環境基本計画の改定に当たっては、地球温暖化の防止、化学物質対策、ゼロエミッションの実現など、幅の広い観点から二十一世紀の環境行政の目指すものを都民に明示されたい。
 環境確保条例によるディーゼル規制に関しては、事業者に規制内容等の周知を図るとともに、特に中小企業については厳しい経営状況を勘案し、DPF装着や車の買いかえについて的確な助成策を講じられたい。また、DPFについては、その認定基準を早期に明らかにし、開発を急ぐとともに、都としても価格の低廉化への働きかけを行い、条例の施行が円滑に行われるよう努められたい。
 ゼロエミッションの実現のため、区市町村や関係業界の資源循環の取り組みを支援されたい。特に、リサイクルルートの確保、再生資源の需要拡大に積極的に取り組んでいただきたい。
 PCBを初めとする適正処理困難物の処理や再資源化施設の早期整備に都として積極的に取り組んでいただきたい。
 産業廃棄物の不適正処理や不法投棄を根絶するため、広域連携を一層強化するとともに、生活環境保全のための原状回復措置に対する国の助成策を強く要請されたい。
 ダイオキシン類に関しては、各種モニタリングを的確に実施するとともに、焼却炉等の発生源に対する対策を総合的に講じられたい。
 化学物質管理制度の実施に当たっては、事業者が円滑に実施できるように、十分な情報提供に努められたい。また、環境ホルモンに対する不安を解消するため、モニタリング結果や毒性等の情報をわかりやすく都民に提供されたい。
 都市の更新に伴い、土壌汚染の問題が顕在化しており、環境確保条例を活用して、区市と協力して事業者に対する的確な指導に当たられたい。
 地球温暖化対策、オゾン層保護対策などに都は自治体のリーダーとして主体的に取り組んでいただきたい。特に風力発電を初めとする自然エネルギーの活用を積極的に推進されたい。また、事業者等の環境負荷低減への取り組みを支援されたい。
 緑の東京計画の実現を図り、都市の風格を築き上げるため、屋上緑化、壁面緑化を初め、都市の緑化に努められたい。あわせて、東京に残された貴重な自然を保護し、回復する対策を推進されたい。
 羽田空港周辺の航空騒音については、モニタリングと防止対策を推進されたい。
 環境科学研究所の調査研究については、自動車公害対策や化学物質問題、再生品の利用拡大策など、行政需要に応じた取り組みを強化されたい。
 以上です。

○馬場委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成十三年度予算にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
 平成十三年度東京都予算案は、企業収益の改善や銀行業等に対する外形標準課税の導入などにより法人二税の大幅な伸びを見込み、三年ぶりの増額予算案となっています。しかし、一般歳出はほぼ横ばいであり、一般財源ベースでの財源確保の状況は、徴税努力や外形標準課税の導入で歳入確保策が前進した反面、内部努力や施策の見直し、再構築では、十二年度予算案に比して大きくペースダウンしています。
 これらの結果、歳入の伸びが見込まれるにもかかわらず、職員給与の削減や減債基金積み立ての一部計上見送りで、合計一千五百億円程度の臨時的な財源対策を余儀なくされています。
 一方で、アメリカ経済の急な減速や昨今の世界同時株安に見られるように、日本経済の構造改革のおくれが世界経済を景気後退に巻き込み、それが日本経済を破局に導くという最悪のシナリオが進行しつつあります。今は、一刻も早く政権を交代し、破局回避の政策を断行しなければなりません。
 また、仮に破局が回避されたとしても、景気の先行きは極めて不安定であり、都税収入の減収をも見込まざるを得ない状況にあります。本予算案では、財政調整基金や社会資本整備基金への積み立てによって、ある程度の減収には対応できるよう措置されていますが、今後の情勢は予断を許してはくれません。
 私たちは、政府が破局を回避できなくても、七都県市とともに連携しながら、でき得る限り都民生活を防衛していかなければなりませんし、東京都自身も、今後実施される組織再編成、電子都庁化に伴う事務事業の見直し、十三年度に本格実施される行政評価制度などを活用しながら、より一層の内部努力や施策の見直し、再構築に取り組んでいく必要があります。
 都財政の構造改革のより一層の推進は、二十一世紀の都政を大きく前進させるために避けて通れない課題です。本予算案に示された各種事業の新設や強化は、これまでの構造改革の成果であります。過去に戻ることで未来を建設することはできません。
 以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について述べます。
 まず、都市計画局関係について申し上げます。
 一、都市づくりの目標や戦略を明確にし、長期的、広域的視点に立った東京の新しい都市づくりビジョンを策定すること。
 一、東京の緑化政策の一環として、まちづくりの観点から、民有地を対象に、緑とオープンスペースを確保するための誘導策を検討すること。
 一、軽量で小型、環境にも優しく、かつ低廉なコストで導入できる新しい公共交通システム、LRTの導入に向けた自治体の取り組みに対して協力、支援すること。
 一、小田急小田原線、梅ヶ丘-代々木上原の連続立体交差事業・複々線化事業において、沿線住民の意見を広く聴取し、早期事業化に向けて努力すること。
 一、多摩のグランドデザインを示すとともに、各地域の将来像を描くことによって、その地域特性に応じた施策展開の方向性を明らかにすること。
 次に、環境局関係について申し上げます。
 一、ダイオキシン類の実態把握や排出抑制指導に努めるとともに、引き続き分析体制の整備を進めること。
 一、ごみの減量・資源化を進めるための広域的なシステムづくりを図ること。
 一、産業廃棄物処理施設整備の民間による事業化の促進や公共関与によるモデル施設整備など、産業廃棄物対策を推進すること。
 一、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある開発計画について、基本計画の立案段階で、計画がより環境に配慮したものとなるよう、総合環境アセスメント制度の本格実施に向けた取り組みを行うこと。
 一、都市の過密化に伴う緑の不足やヒートアイランド現象の改善に向けた取り組みを行うため、公共施設や民間施設のビルの屋上や壁面の緑化を推進するとともに、都施設におけるビル緑化を確実に進めること。
 一、学校の敷地や公園を活用したビオトープづくりを地元関係者などと連携して検討し、市街地におけるビオトープネットワークの構築を推進すること。
 一、貴重な自然を守り、後世に残すために、保全地域の指定を計画的に推進するとともに、保全地域の公有化を推進すること。また、区市町村が行う公有化に対する補助制度や緑地トラスト制度の創設を積極的に検討すること。
 一、浮遊粒子状物質に対する規制に当たっては、特に使用過程車に対する粒子状物質除去装置、DPFの装着を促進するための補助制度など、支援策を的確に講ずること。
 一、都民や事業者による環境負荷低減に向けた行動を支援するため、環境負荷低減型車両の購入、住宅用太陽光発電システムの設置、クリーンエネルギー車購入等のための融資を行うこと。
 以上で都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○大西委員 私は、生活者ネットワーク都議団を代表して、当委員会に付託された平成十三年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 まず、各局共通事項について申し上げます。
 都において平成十三年度予算編成の作業は、一定の税収の回復が予想されるとはいえ、長引く景気低迷状況の中で行われました。この状況の中で、実質収支は二年連続赤字となり、とうとう経常収支比率が一〇四・一%と膨れ上がり、硬直化が進んでおります。
 無論、都は、都財政再建プランのもとに財政改革を進めてきましたが、何を優先させるのかが明らかではありません。私たちは、都の財政改革の方向は、将来世代に現在のツケを残さないということを基本にすべきと考えております。このため、依然高い水準にある投資的経費を抑制し、公債費負担をコントロールしていくこと、投資の中身も事前事後の事業評価を徹底して行うことを前提に、不要不急の事業をやめて、福祉型重視に転換していくべきと考えます。
 新しい二十一世紀を見据えた施策展開のポイントの一つは、NPO、市民活動との連携だと考えます。介護保険の導入に当たって、その事業の推進にあっては、NPO、いわゆる住民参加型市民活動との連携が進みました。地域の公共政策にとっては、市民活動は大きな一つの政策主体であり、不可欠です。
 私たち生活者ネットワークは、こうした新しい公共域を支援し、自治、分権を柱に都政を運営していくためにも、この視点に立って施策を進めることが、新しい世紀の初頭に当たっての課題であると考えます。
 次に、各局関係について申し上げます。
 まず、都市計画局関係について申し上げます。
 一、人口が減っていく社会の傾向を踏まえ、量から質への建築・都市計画行政の方向転換を図ること。
 一、都市の成長を適切に誘導するため、オフィス需要を把握し、情報提供していくこと。
 一、新たな開発より既存都市基盤及び施設やビルの更新期に到達していることを踏まえた都市づくりを進めること。
 一、一定年限を経た都市計画決定については、再度の手続をとるなど見直すこと。
 一、都市計画の分野の分権化を進め、都と基礎自治体の対等な関係を確立するとともに、東京都が建築確認を行う際には、地域のまちづくり方針を尊重すること。また、人材など基礎自治体への支援を行うこと。
 一、新たなマンション問題の増加に対応し、分権の方向を踏まえ、自治の視点で、景観や町並みに留意した、都としての新たな規制手法を検討するため、検討機関を設置すること。また、区市町村の取り組みを支援すること。
 一、国際都市東京にふさわしい環境、景観、町並み保全に努めること。
 一、臨海副都心、ベイエリア21開発は、都民負担を拡大することなく、緑、水辺を生かしたまちづくりを都民参加で行うこと。
 一、水循環マスタープランの推進に当たっては、総合的な水政策とするために、節水型都市を目指し、都民、NPO等とも連携し、水循環の推進に関する条例を制定すること。
 一、市区町村における雨水浸透ます設置事業への取り組みを支援すること。
 一、都市計画道路については、最新のパーソントリップ調査に基づき、かつ将来の東京圏の人口を踏まえた需要予測を立て、ノーアクションの代替案の検討を含め住民と協議すること。
 一、過大な広域幹線道路整備計画は見直し、削減すること。
 一、自動車優先の道路づくりを見直し、自転車、歩行者優先の道路づくりに転換すること。
 一、安全で快適な自転車道のネットワーク化を図ること。
 一、TDM施策を進めるとともに、公共交通の担い手としてLRT導入を積極的に進めること。
 一、都市計画審議会は必要に応じて公聴会を開催すること。
 一、揮発油等道路特定財源を道路整備のみならずIT基盤整備、テレワーク、公共交通整備にも広げるよう、国への要望や都の施策について検討すること。
 次に、環境局関係について申し上げます。
 一、都のすべての施策に環境優先原則を確立すること。
 一、東京都版環境経済統合勘定、グリーンGDPの計算結果を生かし、経済活動に伴う環境悪化をトータルに防止するための指標を確立すること。
 一、総合環境影響評価条例を制定し、公共事業だけでなく民間の開発についても計画段階での事前アセスメントを行い、計画の白紙撤回も選択肢となるようにすること。
 一、環境保全の観点から、環境税を検討すること。
 一、地球温暖化防止のため、二酸化窒素の実効ある総量規制を目指し、具体的行動計画を策定するとともに、自発的事業者と任意の削減協定を締結するなど、インセンティブが働く仕組みをつくること。
 一、環境基本計画を有害化学物質や自動車公害、地球温暖化など新たに浮上した環境問題も視野に入れて見直し、都民参加で行うこと。
 一、環境負荷の低減を図るため、東京エネルギービジョンを見直すこと。
 一、新エネルギーの導入の利用拡大のため、環境保全上の政策と結びつけた実践を進めているNPOに支援策を講じること。
 一、まちづくりや都市計画道路建設に当たっては、総合環境影響評価制度を取り入れること。
 一、ディーゼル車による大気汚染を抑制するため、環境保全の観点から、軽油引取税の税率を上げる。
 一、微小粒子の自動測定の試行を拡大すること。
 一、TDMを進めるとともに、二〇一〇年までに都内を走行する自動車の全車両を無公害化するよう施策を進めること。
 一、有害化学物質対策基本指針に基づき、環境ホルモンを含む総量としての有害化学物質の減少を目指し、管理システムの構築を進めること。また、PRTR制度の運用については、アドバイザー制度など、市民と事業者リスクコミュニケーションの仕組みをつくること。
 一、環境ホルモンの調査を拡大するとともに、基準の設定など国に対策の強化を働きかけること。
 一、総合的な水循環政策を進めるために、地下水を飲料水として位置づけた水循環の推進に関する条例を制定すること。
 一、閉鎖水域である東京湾の水質汚濁防止のため、流入する川の水質改善を強化すること。
 一、緑地トラストをつくり、パートナーシップ型の運営を行い、基金だけでなく人的資源も活用して、谷戸や里山の保全を行うこと。
 一、新規の建築物だけでなく、既存の建物にもビル緑化を進めること。
 一、ダイオキシン対策を強化するとともに、区市町村が清掃工場の恒久対策を前倒しで実施できるよう支援すること。また、塩ビ製品など発生物質の表示を進めるための働きかけを行うこと。
 一、労働安全基準の改定に伴う廃棄物処理施設の解体費用について、国に支援の仕組みをつくるよう要望すること。
 一、使用済み製品が製造者に戻るシステムづくりを進めるなど、製造者責任を明らかにしていくこと。
 一、冷媒フロン及び断熱材のフロン回収を事業者責任として位置づけること。
 一、リターナブル瓶のリサイクルを進めるための推奨制度をつくること。
 一、ペットボトル等の包装容器の事業者責任を強化するよう国に働きかけること。
 一、再利用の容易性に関する自己評価ガイドライン(案)及び再生品利用ガイドラインを踏まえ、製品アセスメントを検討すること。
 一、ダイオキシン類の発生が懸念される建築廃材について対策を強化すること。さらに、多摩地域の野焼き対策を強化すること。
 一、清掃事業の移管後も都の責任で杉並病の解明に全力を尽くし、区と協力し、健康被害者の支援を行うこと。
 以上でございます。

○寺山委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、取りまとめの上、調査報告書として議長まで提出いたしますので、ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○寺山委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第六十四号議案から第六十六号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第六十四号議案から第六十六号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。よって、第六十四号議案から第六十六号議案まではいずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○寺山委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○寺山委員長 この際、所管局を代表いたしまして、山下都市計画局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○山下都市計画局長 環境局及び都市計画局の二局を代表いたしまして、一言お礼のごあいさつを申し上げます。
 このたびの定例会に提案いたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただきました。委員長を初め委員の皆様には熱心なご審議を賜り、ありがとうございました。
 ご審議の過程でいただきましたご意見、ご指摘等につきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと思います。
 今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、大変簡単ではございますが、お礼のごあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。

○寺山委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十五分散会

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