委員長 | 寺山 智雄君 |
副委員長 | 真鍋よしゆき君 |
副委員長 | かち佳代子君 |
理事 | 大西由紀子君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
理事 | 森田 安孝君 |
中嶋 義雄君 | |
清水ひで子君 | |
馬場 裕子君 | |
吉野 利明君 | |
立石 晴康君 | |
田中 晃三君 | |
奥山 則男君 |
欠席委員 一名
出席説明員都市計画局 | 局長 | 山下 保博君 |
次長 | 石山 伸彦君 | |
技監 | 勝田 三良君 | |
理事 | 塩野 忠弘君 | |
総務部長 | 野田 一雄君 | |
総合計画部長 | 中島 守君 | |
開発企画担当部長 | 田中 亨君 | |
地域計画部長 | 小林 崇男君 | |
施設計画部長 | 杉浦 浩君 | |
航空政策担当部長 | 山内 一良君 | |
外かく環状道路担当部長 | 成田 隆一君 | |
開発計画部長 | 只腰 憲久君 | |
防災都市づくり推進担当部長 | 福島 七郎君 | |
建築指導部長 | 森下 尚治君 | |
参事 | 河島 均君 | |
環境局 | 局長 | 中野 英則君 |
総務部長 | 平井 健一君 | |
企画担当部長 | 梶原 康二君 | |
技術担当部長 | 関 寿彰君 | |
移管事業調整室長 | 西野 和雄君 | |
環境改善部長 | 長谷川 猛君 | |
参事 | 小島 高志君 | |
自動車公害対策部長 | 松葉 邦雄君 | |
自動車公害対策推進担当部長 | 山本 憲一君 | |
自然環境部長 | 高田 茂穗君 | |
廃棄物対策部長 | 薄 厚一君 | |
環境評価部長 | 町 格君 | |
環境科学研究所次長 | 萩本 秋彦君 |
本日の会議に付した事件
請願の取り下げについて
環境局関係
報告事項(説明)
・緑の東京計画について
都市計画局関係
報告事項(説明・質疑)
・第百四十八回東京都都市計画審議会の付議案件について
・航空政策基本方針について
○寺山委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
初めに、請願の取り下げについて申し上げます。
お手元配布の一一第一三九号、千代田区一番町の超高層マンション建設反対に関する請願につきましては、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承ください。
○寺山委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び都市計画局関係の報告事項の説明聴取を行います。
なお、環境局関係の報告事項、緑の東京計画につきましては、本日は説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は二月十六日の委員会で行いたいと思います。
また、都市計画局関係の報告事項、第百四十八回東京都都市計画審議会の付議案件及び航空政策基本方針につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承願います。
これより環境局関係に入ります。
理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○高田自然環境部長 緑の東京計画につきましては、昨年九月二十九日の本委員会におきまして、中間のまとめについてご審議いただきました。その際のご意見や都民の皆様方からのご意見を参考に計画を取りまとめ、昨年十二月二十六日に発表いたしましたので、ご報告させていただきます。
本計画は、都市計画局との共管事項でございます。
それでは、四ぺージをお開き願います。計画策定の考え方をお示ししてございます。
中間のまとめのご報告の際にもご説明いたしましたように、本計画の目的は、二十一世紀の東京を環境と共生し、持続的発展が可能な都市とするために、東京構想二〇〇〇と連携しつつ、緑の面からとらえた施策展開の道筋を総合的、体系的に示すものでございます。
恐縮でございますが、一枚お戻り願いまして、目次をお開きいただきたいと存じます。
全体は、5章で構成されてございます。第1章、東京の緑の現状と課題及び第2章、この計画の目指すものにつきましては、中間のまとめの記述をおおむね踏襲してございますので、第3章、計画の目標と施策の方向からご説明をさせていただきます。
三二ぺージをお開き願います。第3章、計画の目標と施策の方向でございます。
まず、三二ぺージでは、第1、計画の目標といたしまして、平成十三年度から二十七年度までの十五年間に取り組むべき緑づくりの目標を、政策指標、みどり率を用いて設定しております。区部では、現在約二九%のみどり率を、十五年後には約三二%へと約一割ふやしてまいります。多摩では、みどり率の低下を抑えて、現状のみどり率約八〇%を維持してまいります。島しょでは、豊かな自然環境を保全しながら、恵まれた観光資源として生かしてまいります。
右側の三三ぺージからは、第2、施策の方向でございます。
ここでは、東京を「水と緑がネットワークされた風格都市・東京」としていくために、今後十五年間に取り組むべき施策の基本的な考え方や推進施策などをお示ししてございます。
三三ぺージと三四ぺージにおきましては、施策の展開に当たっての基本的な考え方といたしまして、東京の緑づくりは、その周辺とのつながりで広域から見ることが重要であること。それから、これからの緑づくりは、都市づくりとの連携を強化していく必要があること。〔3〕といたしまして、緑のストックをさまざまに工夫し活用し、緑の果たす役割を周辺にまで広げていくことが重要であることを述べております。
三五ぺージをお開き願います。今後十五年間に取り組むべき施策の体系でございます。
緑が守る「都市環境」、緑が支える「防災都市」、緑がつくる「東京の魅力」、緑がはぐくむ「生物の生存基盤」、「都民が主役」で築く緑、の五つの柱を立て、施策の方針をお示ししております。
以下、この五つの施策ごとに各方針に対応した延べ四十六の施策について、基本的な考え方や推進施策等をお示ししてございます。今後十五年間で達成すべき目標につきましては、可能な限り数字でお示しするようにいたしました。
まず、三六ぺージでございますが、第一番目の柱の緑が守る「都市環境」でございます。
ヒートアイランド現象などの都市環境問題を緩和するため、都民などと連携して緑を保全・回復していくものでございます。市街地の緑の回復、今ある緑の保全、農林業の振興によって農地・森林を守るの三つの方針のもとに、九つの施策をお示ししております。
三七ぺージから三九ぺージにかけましては、屋上緑化等の推進でございます。
基本的な考え方といたしまして、屋上等の緑化を、特に市街地において区市町村と連携し、都民や企業などの協力を得ながら積極的に進めてまいります。
次に、目標といたしまして、平成二十七年度までに敷地面積一千平方メートル以上の建築物を対象に、屋上緑化面積一千二百ヘクタールを確保してまいります。
推進施策といたしましては、三八ぺージの方でございますけれども、〔1〕緑化指導の推進、〔2〕都の施設の緑化、それから、屋上等緑化推進会議の設置などによる普及拡大、都市開発諸制度の運用などによる支援・誘導などを行ってまいります。
四〇ぺージから五〇ぺージにかけましては、連続した緑の軸の形成など八つの施策を掲げておりますが、時間の関係もございますので、説明は省略させていただきます。
次に、五一ぺージをお開き願います。二番目の柱であります、緑が支える「防災都市」でございます。緑の防災ネットワークをつくる、緑の雨水貯留機能を生かし緑のダムとする、の二つの方針のもとに、八つの施策をお示ししてございます。
五二ぺージをお開き願います。広域的な避難場所となる大規模公園の整備でございます。
基本的な考え方といたしまして、防災避難圏域三キロメートル以内を標準として、近い将来、到来することが予想される大地震に対し、避難場所となる大規模公園の整備を進めてまいります。
推進施策における目標といたしまして、平成二十七年度までに三つの都立公園における十一ヘクタールの拡張整備や五十七の都立公園における防災関連施設の整備などを行ってまいります
以下は説明を省略させていただきまして、次に、六〇ぺージをお開き願います。
三番目の柱であります、緑がつくる「東京の魅力」でございます。東京に風格を与える緑をつくる、緑を生かして潤いと安らぎのある東京をつくる、豊かな自然と触れ合う場をつくる、の三つの方針のもとに、十五の施策をお示ししてございます。
六四ぺージをお開き願います。景観基本軸による緑を生かした景観づくりでございます。
基本的な考え方といたしまして、東京を美しく潤いのある魅力的なまちとしていくために、個性豊かな地域を育てていく視点から景観づくりを進めてまいります。
推進施策における目標といたしまして、平成二十年度までに五つの景観基本軸の指定を行ってまいります。
次に、七六ぺージをお開き願います。四番目の柱であります、緑がはぐくむ「生物の生存基盤」でございます。生物の豊かな自然を守る、身近な生物の生息地を回復する、の二つの方針のもとに、八つの施策がお示ししてございます。
八三ぺージをお開き願います。身近な生き物の生息空間、いわゆるビオトープづくりの推進でございます。
基本的な考え方といたしまして、自然が少なくなった市街地において、生物が生息・生育できる空間を確保するとともに、身近な生物と触れ合える場を子どもたちや都民の主体的な参加により創出してまいります。学校・企業・NPOや関係機関などと連携して、平成二十七年度までに二千カ所を創出することを目標としております。
次に、八七ぺージをお開き願います。五番目の柱であります「都民が主役」で築く緑でございます。
緑づくりへの都民の活動基盤を整備する、緑で子どもの心をはぐくむ、の二つの方針のもとに、六つの施策をお示ししてございます。
次の八八ぺージをお開き願います。緑地トラストやボランティアセンターなどの仕組みづくりでございます。
基本的な考え方といたしまして、都民の自主的な活動を促進していくために、その活動を支援していく仕組みとして、緑地の確保や管理などを行う緑地トラストの設立を促進するとともに、緑のボランティアセンターを通じてボランティア活動のための情報提供を行い、より多くの都民の方々が緑づくり活動に参加できるようにしてまいります。
推進施策といたしまして、緑地トラストによる緑の保全、緑のボランティアセンターによる都民活動の支援を行い、目標といたしまして、平成二十七年度までに、ボランティア活動の登録者を一万人としてまいります。
次に、九八ぺージをお開き願います。第4章、ゾーン別施策の展開でございます。
一〇〇ぺージにかけまして、第3章で述べております施策の方向につきまして、東京を大きく五つのゾーンに区分し、それぞれのゾーンにおける主な施策をお示ししてございます。
次に、一〇二ぺージをお開き願います。第5章、計画の推進でございます。
一〇四ぺージにかけまして、この緑の東京計画を都、都民、企業、区市町村が連携して実現していくために必要な取り組みをお示ししてございます。
まず、都における、仮称でございますが、緑の東京計画推進委員会の設置、次に区市町村との密接な連携、近隣自治体との連携の強化、課題別の会議などによる都民との協働、都民の自主的な取り組みへの協力・支援を行い、計画を推進してまいります。
一〇六ぺージから一二二ぺージまでは、資料でございます。
緑の東京計画中間のまとめに対しまして、知事への提言、都政モニターアンケート、インターネット討論会の三つの方法によりまして、都民の皆様からたくさんのご意見、ご提案をいただきました。
一二一ぺージにかけましては、ご意見の主なものの概要とそれに対する都の考え方、都政モニターアンケートの調査結果の抜粋、インターネット討論会における討論の概要についてお示ししてございます。
なお、一二二ぺージでは、この緑の東京計画において政策指標として用いましたみどり率の考え方につきまして、ご説明しております。
以上、簡単でございますが、緑の東京計画についての説明を終わらせていただきます。
なお、この緑の東京計画は二月初旬を目途に、都民情報ルームで有償頒布をできるよう、現在準備中であることを申し添えさせていただきます。
以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
○寺山委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○清水委員 四点お願いいたします。
都市緑化基金による事業の内容と実績、技術・事業革新等支援資金融資制度の内容と実績、ナショナルトラスト運動の事例で、民間の取り組みの事例と行政と民間の取り組みの事例。最後に、緑の保全と回復に関する制度及び都における実績。四点、お願いいたします。
○寺山委員長 ほかにございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○寺山委員長 ただいま清水委員より資料要求がございましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○寺山委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。
以上で環境局関係を終わります。
○寺山委員長 これより都市計画局関係に入ります。
理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○山下都市計画局長 本日は、三月三十日に開催予定の第百四十八回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件及び昨年十二月に発表いたしました航空政策基本方針についてご説明申し上げます。
初めに、東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件でございますが、東京都決定案件は区部で十八件、市町村部で二十六件、合わせて四十四件でございます。
また、区の決定案件でございますが、区に法定の都市計画審議会が設置されていないことから、知事が同意するに当たりまして、都市計画法第十九条第五項に基づき付議する案件が四件ございます。
次に、報告事項一件についてご説明申し上げます。
昨年十二月二十二日、都市計画局は航空政策基本方針を発表いたしました。これは、二十一世紀に東京が国際都市として発展していくために必要な首都圏における空港機能の充実に向けて、都が取り組むべき施策を総合的、体系的に取りまとめたものでございます。
今後、都民の意向を踏まえつつ、この方針に基づき、国や関係機関と協力して都の政策の早期実現に向けて、積極的に取り組んでまいります。
それでは、引き続き、それぞれの担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
○小林地域計画部長 第百四十八回の都市計画審議会に付議をいたします主要案件でございます赤坂九丁目地区再開発地区計画の決定についてご説明を申し上げます。
お手元に主要案件説明資料、薄いものでございますけれども、それから、黄色い表紙の主要案件図面集をお配り申し上げておりますので、ごらんをいただきたいと存じます。
主要案件説明資料では三ぺージでございます。それから、黄色い表紙の主要案件図面集の一ぺージをお開きをいただきたいと存じます。
本地区は、図面集の一ぺージの位置図にございますように、外苑東通りと六本木通りが交差する六本木交差点の北側で、外苑東通りに接した位置にございまして、昨年の五月に市ヶ谷に移転をいたしました防衛庁本庁の跡地と檜町公園を含む、面積約十・一ヘクタールの区域でございます。
地区の南側には、隣接をいたしまして、昨年十二月に開業いたしました都営大江戸線の六本木駅がございます。
本地区は、区部中心部整備指針におきまして、都心周辺部及び地下鉄十二号線等新駅周辺地区に位置づけられておりまして、機能の複合化と居住人口の回復という基本指針のもとに、中高層化により居住機能の維持・回復を図り、良好な中高層・複合型の市街地形成を図ることとされております。
また、赤坂九丁目地区につきましては、東京構想二〇〇〇におきましても、複合開発を促進する地区と位置づけられております。
本案件は、こうした当地区にふさわしい土地利用を誘導していくために、再開発地区計画を決定をするものでございます。
それでは、再開発地区計画の内容につきまして、ご説明を申し上げます。
まず、区域の面積でございますが、全体で約十・一ヘクタールでございます。
計画の目標でございますが、一体的な地区開発を進め、良好なオープンスペースを備えた快適な都市環境を創出し、定住人口の確保を図るとともに、業務・商業・文化・居住等の機能が融合した魅力ある複合市街地を形成することとしております。
次に、主要な公共施設、いわゆる二号施設でございますけれども、図面集の二ぺージの計画図をごらんいただきたいと存じます。
幅員十メーターから十五メーターの区画道路、それから面積約二ヘクタールの公共空地、それから、幅員六メーターの歩行者専用道路などを定めてございます。
次に、再開発地区整備計画でございますが、整備計画を定めております区域は、檜町公園の部分等を除いた面積約八・五ヘクタールの区域でございます。
建築物等の用途の制限といたしましては、風俗営業施設の建設を排除しております。また、壁面の位置の制限につきましては、図面集の二ぺージの計画図にございますように、地区南の外苑東通り側の一号壁面と東の区画道路側の二号壁面として、計画図の左側に記載してございますように、建築物の制限を立体的に定めてございます。
このほか、建築物等の形態または意匠の制限を定めてございます。
なお、今後の予定といたしまして、防衛庁本庁の跡地につきましては、来年度以降に国の財務省によりまして、土地の売却が予定されておるといった状況でございます。
以上でございます。
○杉浦施設計画部長 主要案件の二件目でございますが、都市高速鉄道十三号線でございます。
お手元の主要案件図面集では三ぺージ、説明資料では四ぺージでございます。
池袋から渋谷に至ります都市高速鉄道十三号線を決定しまして、山手線等の既設路線の混雑緩和、副都心相互の連携強化、都市交通の利便の向上及び円滑化を図るものでございます。
本案件につきましては、環境影響評価法の対象事業でございまして、今回は、いわゆる後合わせ案件でございます。
経緯でございますが、十三号線は運輸政策審議会答申におきまして、和光市を起点、渋谷を終点と位置づけられておりまして、現在、和光市から池袋に至る間は、営団地下鉄有楽町線として既に開業してございます。
今回、追加決定いたします残り区間、池袋から渋谷に至る約八・九キロの区間は、平成十一年一月に帝都高速度交通営団が免許を取得し、その後、九月から十月に都市計画素案の説明会を、また、十二年四月には都市計画案及び環境影響評価準備書の説明会を開催してきたところでございます。
計画内容でございますが、主要案件の図面集の四ぺージをお開きいただきたいと存じます。今回の起点は豊島区西池袋一丁目、終点は渋谷区渋谷二丁目といたしまして、延長八・九キロの全区間を地下方式で計画いたしております。起点の池袋におきましては、池袋駅の西口で地下鉄有楽町線の池袋駅に接続し、ここからJR池袋駅の地下を通りまして、東口のいわゆるグリーン大通り下に入り、その後、都市計画道路環状五の一号線に入ります。さらに目白通り付近から終点の渋谷駅までは、明治通りの地下になります。
主要施設といたしましては、雑司ヶ谷駅、西早稲田駅、新宿七丁目駅、新宿三丁目駅、新千駄ヶ谷駅、明治神宮前駅、渋谷駅の七駅を設置いたします。
運行につきましては、接続します営団有楽町線、東武東上線、西武池袋線と相互乗り入れを行う予定でございます。
事業は営団が行い、平成十九年度の開業を予定し、総事業費は約二千四百億円と算定してございます。
次に、環境影響評価でございますが、本事業は環境影響評価法に基づきまして、手続を実施してございます。
主要案件説明資料の五ぺージ目に、環境影響評価書の要約を記載してございます。
一枚めくっていただきまして、六ぺージに評価結果の概要がございますが、環境に影響を及ぼすおそれのある項目について調査、予測を行った結果、規制値等が定められている環境の要素につきましては、それらとの整合が図られる。また、実行可能な範囲内で環境影響ができる限り回避・低減されるものと評価いたしております。
七ぺージには、昨年の十一月と十二月に運輸大臣及び建設大臣から出された意見と、これに対する対応を記載してございます。意見では、工事の実施に伴い発生する窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の影響の程度などを評価書に記載すること。また、工事中の大気質、騒音、供用時における列車振動、地下水の水位、地盤沈下の監視を実施し、必要な対策を講ずるなどが述べられております。
これらにつきましては、右側の対応の欄に記載してございますとおり、趣旨を踏まえて評価書を補正いたしまして、都市計画審議会に付議いたすことといたしているところでございます。全般的に、都市計画を決定する上で支障がないと判断しているところでございます。
以上でございます。
○山内航空政策担当部長 航空政策基本方針についてご説明いたします。
お手元の三枚紙の基本方針の概要版、それから、冊子をごらんください。
まず初めに、冊子の一ぺージ目でございます。本基本方針を策定いたしました背景でございますが、二十一世紀は経済のグローバル化が一層進展するなど、地球規模の交流が活発化し、空港は都市にとって必要不可欠な社会資本として重要性が高まってくるものと考えております。
しかし、首都圏の空港は、国内線と国際線を分離する国の政策に加えまして、空港アクセスの整備などの課題を持っていますし、また、国際空港機能が不十分なことは、東京を初め首都圏の経済活力に深刻な影響を与えるとともに、我が国の国際競争力が低下する要因になるものと懸念されています。
二十一世紀に東京が国際都市として発展していくためには、首都圏の空港機能の充実が必要であり、東京都がさまざまな施策を主体的、積極的に推進していくことが求められているところであります。
二ぺージに、本基本方針の性格が記載されておりますが、首都圏の空港容量が、国内線で平成二十二年、国際線では平成十七年に限界に達するという危機的状況を踏まえて、五十年後を視野に入れて航空のあるべき姿を描き、空港機能の充実に向けて東京都が取り組む施策をわかりやすく、体系的に取りまとめたものでございます。
次に、四ぺージから本論でございます。
まず、第1章では、首都圏における航空の現状と課題といたしまして、大局的な観点から記載しております。
五ぺージの図表をごらんください。首都圏の空港容量は世界の大都市圏の空港と比べ、国際線、国内線ともに大きく不足しています。例えば、ニューヨーク大都市圏の人口は、東京圏と比べて約六二%でございますが、都市別発着数の合計欄をごらんいただきますとわかりますように、約三倍になっております。
また、その次のぺージの六ぺージに、近隣アジア諸国における空港整備の動向が記載されておりますけれども、アジア各国では積極的に空港の拡充が行われており、我が国の地位の低下が懸念されるところでございます。
七ぺージには、都が試算した国内線、国際線の需要予測を記載しておりますが、これによりますと、先ほどご説明いたしましたように、国内線で平成二十二年、国際線で平成十七年に空港容量を需要が上回っております。このように首都圏の空港容量の拡大は、喫緊の課題となっております。
次に、九ぺージをお開きください。横田空域の問題でございますが、九ぺージの図にございますように、北は新潟県の下田まで、西は静岡県と長野県の県境に位置する赤石岳付近にまで及んでおります。東京進入管制区と比べますと、投影面積で約二倍以上となっており、羽田空港への飛行経路設定などの障害となっています。このため、空域の返還・縮小が必要となっております。
次に、第2章でございますが、このような首都圏の航空の現状や課題を踏まえまして、将来の空港の状況はどうあるべきなのかを記載しております。
まず、首都圏には羽田空港、成田空港に加え、今後つくられる見込みの新しい首都圏第三空港、これら合わせて三空港に国内線、国際線が乗り入れ、基幹的空港群として機能するとともに、横田空域も返還され、空域の再編が行われていると考えております。さらに、調布飛行場はコミューター空港として活用され、島しょ地域が調布飛行場や羽田空港と結ばれ、滞在型のレジャー基地として活用されているということが記載されてございます。
次に、第3章でございますが、第1章の現状と課題を踏まえまして、第2章で描いた将来像の実現に向けて、東京都が取り組むべき八つの取り組み方針を記載しております。
まず、二〇ぺージの第1でございますが、羽田空港の国際化に向けての取り組みであります。
国は、国内線に使われていない夜十一時から朝六時までの、いわゆる深夜早朝の時間帯を活用して、国際旅客チャーター便等の就航を認めました。しかし、東京都が提案しております夜八時三十分からの出発枠でありますとか、朝の八時三十分までの到着枠も活用した国際線の就航というものはまだ認められておりません。この実現に向けて、引き続き取り組みを行うとともに、羽田空港の有効活用策として、二五ぺージに図面を掲載しておりますけれども、再拡張などのハード、ソフト両面の改善を提案し、その実現に取り組んでまいります。
本文二七ぺージから、第2、米軍横田飛行場の民間航空利用について書かれています。
都は、横田飛行場の返還を求めておりますが、返還までの対策として、民間航空利用を提案しております。この実現に向けて、地元や関係機関などの協力と理解を求めることや、民間航空利用の実現に伴い必要となる交通網の検討を進めることなどが記載されております。
第3に、本文三二ぺージからでございますが、離島航空路線の維持・活性化でございます。
離島航空路線は島民の生活の安定、島しょ地域の観光や産業振興を図る上で不可欠な高速交通機関であります。そのため、空港施設の整備を進めるとともに、就航率の改善を図ることや、羽田空港の発着枠の確保を図ることなどについて取り組んでまいります。
第4に、冊子の三六ぺージからでございますけれども、空港アクセスの充実・強化でございます。
羽田空港と成田空港の利用者は、年間約八千万人にも上っております。空港アクセスの充実は、このように大量の利用者の利便性向上を図るために極めて重要です。このため、アクセス強化に向けて交通事業者に働きかけていくことや、都営浅草線の東京駅接着の検討を進めていくなどが記載されております。
第5に、冊子の四二ぺージからでございます。航空物流の充実でございます。
現在成田空港で取り扱う輸入品のうち、東京都に入荷する貨物は約五〇%となっております。また、輸出品の生産地別シェアでは、東京都は約二五%となっております。このように東京の輸出入貨物が多いにもかかわらず、羽田空港が活用されておりません。羽田空港で使われていない夜間早朝の発着枠を活用した国際便の就航を国に働きかけてまいるとともに、あわせて横田飛行場につきましても、圏央道の青梅インターチェンジに近く、広域的な物流拠点としての立地特性を備えていると考えておりますので、民間航空利用の一つとして、航空貨物利用について取り組んでいくことが記載されております。
次に、本文四六ぺージ、6、成田空港・首都圏新空港の整備でございます。
増大する航空需要に対応するためには、首都圏の空港を効率的に運用することが必要となるわけでありまして、成田空港のアクセスの充実や首都圏新空港の早期事業化に取り組むべきことが記載されております。
次に、四八ぺージをお開きください。7、都市開発・港湾機能との共存でございます。 空港周辺には、航空法により航空機の離発着の保護のために制限表面と呼ばれる建造物の高さ制限がかけられております。四八ぺージの図表の3-7-1がそれでございますが、一方、近年都心部では建物の機能更新が行われており、土地の有効利用等の観点から、建築物が高層化する傾向がございます。
本編五〇ぺージに記載されておりますように、我が国の制限はICAOの国際標準に比べて厳しい部分がございまして、諸外国並みに規制緩和することについて検討を進めるように、国に働きかけてまいります。また、羽田空港の再拡張に当たっては、港湾機能と空港機能とが共存できるように配慮する必要がございます。そのため、関係者の協力を得ながら、さらに検討を進めてまいります。
五一ぺージから、第8の空港運営と空域の検討でございます。空港運営は国や地方公共団体を初め、公的セクターにより行われておりますが、このためさまざまな制約があり、柔軟な運営が行われにくいことなどの状況がございます。また、空域については、首都圏の各空港の効率的な運用や多様な飛行経路設定のために横田空域の返還と空域の再編・一体的な運用が必要となっております。そのため、今後、空港運営の議論や空域の返還に取り組むこととしております。
以上、航空政策の概要を説明いたしましたが、今後、東京都といたしましては、都民の意向も十分に踏まえ、国や関係機関と協力して首都圏の航空政策が円滑に推進されるよう、引き続き努力してまいります。
○寺山委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○吉田委員 それでは、都市計画審議会付議案件、その中の主要案件二つについて若干質問させていただきます。
初めに、赤坂九丁目地区再開発地区の案件について、質問をさせていただきます。
都心部で約八ヘクタールを超える新たな国有財産を使った計画案となっているわけですけれども、都心部のこれだけのオープンスペースをどう使うかということは、港区の区民の皆さんにとってみても、また、東京のまちづくりにとっても、非常に大きな問題ではないのかなと思います。
初めに、基本的なことで伺いたいわけですが、資料の中でも出てきますけれども、こうした国有財産、国有地の移転後の活用の仕方ということについては、一九八八年、昭和六十三年の閣議決定がされていて、方向性が定められているというふうに聞いております。その方向性としては、公共・公益的利用ということが大原則だというふうに聞いているんですが、この閣議決定の中身というのはどうなんでしょうか。
○田中開発企画担当部長 昭和六十三年七月の、国の行政機関等の移転についての閣議決定の内容についてご説明したいと思います。
本閣議決定は、多極分散型国土形成促進法に基づきまして、国の行政機関の移転に関する基本方針を定めたものであります。その中で移転に関する考え方として、基本的に示されている重要なことにつきまして、二点ご報告したいと思います。
まず第一点は、移転のための財源については、跡地処分により賄うことを原則とするということが一点目であります。二点目の跡地利用につきましては、財源としての活用を図りつつ、移転の趣旨を踏まえ、極力公用・公益的利用を図る等適切な利用処分を行うものとすると、このような方針が出されております。
○吉田委員 その昭和六十三年の閣議決定に続いて、資料で出ていますが、平成八年にも、国有財産中央審議会でやはり利用の基本的な原則というものを打ち出していると思うんですが、それはどういうふうになっているんでしょうか。
○田中開発企画担当部長 平成八年十二月九日に、国有財産中央審議会から国の行政機関移転跡地の利用に関する基本方針について答申がなされております。その中で跡地利用についての原則につきましては、公用・公共用優先の原則を基本とするということが改めて答申として出ております。さらにその答申の中では、公用・公共への利用が困難な場合には、跡地の移転整備財源としての性格にかんがみ、一般競争入札による処分を検討することとしていると、このような答申が出ております。
○吉田委員 国はなぜ公用・公共優先の原則というものを打ち出しているんでしょうか、考え方として。
○田中開発企画担当部長 貴重な国民の財産である国有地を、可能な限り国民のために有効に使うべきであると、こういうことからの考え方であると思います。
○吉田委員 そうしますと、今度付議を予定しているこの再開発地区計画というものは、公用・公共優先の原則というものにのっとったものだというふうにいえるんでしょうか。それとも、何らかの例外的なものなんでしょうか。
○田中開発企画担当部長 本件の土地につきましても、これまでの国の方針に基づきまして、公用・公共の原則のもとに検討が進められてきたものであります。国からこの跡地につきまして、公共用の利用がないかという照会が都並びに区にあったものであります。その際、都並びに区からは、一部道路用地としての活用という希望がありましたが、公園などの公共用地として一括して取得すると、このような要望がなかったということでございます。こういう経緯を踏まえまして、国では、十一年六月の国有財産関東地方審議会におきまして、当敷地についての処分について方針が出されております。
その方針は次のようなものでございます。まず一点目は、この地区が面積七・八ヘクタールと大変大規模であること。したがって、計画的かつ整合性のあるまちづくりを実現すべきであるということを考えると、これを分割ではなく一体で処分することが適当であるということが一点でございます。
二点目として、処分先についてでございますが、国、地方公共団体による利用要望はないが、防衛本庁、檜町庁舎など移転整備財源となっていることから、民間事業者に対する処分を検討することとなると、こういう答申が出ておりまして、こうした経過を踏まえまして、国においてこのたびの処理方針を出したものと考えております。
○吉田委員 いろいろ説明がありましたけれども、残念ながら、公用・公共の原則というものは、この提案されている再開発地区計画では貫かれていないと、結局民間のデベロッパーに売却をするということを前提にして、その枠組みをどうするのかということになっている案だというふうにいわざるを得ないと思うんです。何か大蔵省の、国の方でそうなったというようなニュアンスの聞こえ方になりますが、港区と同時に東京都としてこの土地をどうするのかと、公用・公共で使う道としても、東京都が手を挙げればできなかったわけでは決してなかったと思うんですね。この点は非常に疑問が残るところであります。しかも、都心部における貴重な緑なり公園の整備なり、オープンスペースを確保するというのは、私は東京全体の中からも、ある面では必要とされている課題ではないかと思うんですが、そういう公園等の整備の必要性というものは、もう全く要らないというようなご判断なんでしょうか。
○田中開発企画担当部長 当敷地につきまして、全面的に公園としたいと、こういう要望は、この土地の処分のプロセスの中で、行政側からは出ていないというのが事実でございます。
しかし、オープンスペースとして有効に活用したいということは、区のマスタープランにも位置づけられておりまして、こうした区のマスタープラン等も踏まえまして、先ほど申し上げた十一年六月の国有財産関東地方審議会におきまして、この土地の利用用途につきましては、次の五つの用途を方針として出しております。一つがオープンスペース、二点目が都市型住宅、三つ目が業務・商業機能、四つ目が文化交流機能、五つ目が公共・公益的機能ということになっておりまして、オープンスペースの一つといたしまして、このたびの計画の中でも、公共空地を約二ヘクタールほど位置づけておりまして、これらの公共空地を隣接する檜町公園と一体的に利用することによりまして、公園的機能を確保していきたいと、このように考えております。
○吉田委員 私、改めて都心部における都市公園の整備状況を調べてみましたけれども、千代田区、中央区がすばらしいというふうに単純にいえないと思うんですが、例えば区民一人当たりの都市公園面積を見れば、千代田区七・三二、中央区七・一三に対して、港区は二・八八なんですよね。そういう現状からしても、別に私は公園にせよということを提案しているわけではないんですが、そういうもともとの原則である公用・公益という原則からの検討が他人事ではなく、東京都自身として検討されて当然ではないのかというのが私の意見であります。
二つ目にお聞きしたいのは、なぜこの地域に再開発地区計画を当てはめるのか。地区計画といっても、さまざまな地区計画があるかと思うんですが、その理由についてご説明をお願いいたします。
○小林地域計画部長 先ほどのご質問の中で港区の公園面積、一人当たり二・何平米という話がございましたけれども、私どもで承知をしておりますのは、たしか八・数平米だというふうに承知しておりますので、改めて確認させていただきたいと存じます。
それから、なぜ再開発地区計画をここに当てはめるのかということでございますけれども、再開発地区計画と申しますのは、工場跡地等の大規模な低・未利用地を計画的に整備し、商業・業務、住宅、市街地等への土地利用転換と必要な公共施設の整備を総合的、一体的に計画する、こういった制度でございます。
一方、地区計画につきましては、どちらかといいますと、良好な環境の保全を図るためにきめ細かく土地利用の規制をすると、こういった目的で運用をされているわけでございまして、再開発地区計画につきましては、当該地区は低・未利用地、大規模な土地利用転換を想定されている、予定されているということから、必要な公共施設の整備とあわせまして、当地区にふさわしい多機能のそういった機能導入を図っていくというようなことから、再開発地区計画を導入することとしたところでございます。
この再開発地区計画に基づきまして、今後、一体的な地区開発を進め、既存公園と連携をいたしました大規模なオープンスペースを整備するとともに、業務・商業・文化・居住等の機能が融合した魅力ある拠点としての複合市街地の形成を図っていきたいというふうに考えております。
○吉田委員 冒頭数字のことを、何か私が間違っているかのようなお答えで、私もいっておきますが、これは都市公園、すなわち都立公園、区立公園の範疇でとらえたときの面積を私は指摘したんであって、その他のオープンスペースを入れた数をいったわけではないということをより厳密にさせていただきます。
そこで、なぜ再開発地区計画なのかということについて、ちょっと私としてはもう一つ理解しにくいなという印象を受けたんですが、私が皆さん方からいただいた地区計画のいろんな資料を見ますと、端的にいえば、再開発地区計画というものは、未利用地を一体的に整備をする、さらにそれに付随して道路等を整備をする。それとあわせて、容積率をかなり緩和できる制度なんだというところに僕は再開発地区計画の特徴があるんではないのかなと。そこを触れないものですから、ちょっといかがなものかという印象を受けたわけです。
それで、この今回予定されている計画案では、容積率なり建ぺい率が一体どういうふうになるのかということが全くわからないわけですけれども、現行の容積率、そして建ぺい率、これがその後どういうふうに、この決定がされた場合には変わっていくのか、ご説明願います。
○小林地域計画部長 現行の用途地域の指定でございますけれども、外苑東通りから三十メーターまでの区間については、商業の容積率が五〇〇%、建ぺい率が八〇%、それから、その三十メーター以降については、第二種住居地域で容積率が三〇〇%、建ぺい率が六〇%という指定がされております。
今後の容積率の可能性といいますか、どのくらいになるのかというお話でございますけれども、再開発地区計画で定めます計画容積率につきましては、道路等の基盤整備ですとか、あるいは公開空地の確保ですとか、都心居住に資する住宅供給ですとか、そういった開発計画の内容が、当該地区及び周辺市街地の開発整備に貢献する度合いといったようなものを総合的に評価しての設定をするということになっておりまして、先ほども申し上げましたけれども、本地区の防衛庁本庁の跡地につきましては、国の財務省において十三年度以降に処分をされるというふうに伺っておりまして、したがいまして、現在のところ、事業者が決まっていないという段階では、建築を含む全体の整備計画が明らかになっておりませんので、現時点で容積率を設定することは困難でございます。
したがいまして、今回ご提案をしております再開発地区計画の中でも、容積率の事項については含んでおりません。
○吉田委員 しかし、現在入っていないといいますけれども、今度の再開発地区計画をかけることによって、そういう容積率の緩和を行うことができると、現在の、先ほど説明された商業地域五〇〇%、その奥が三〇〇%というものそのものが。そうすると、じゃ、青天井、落札した事業者任せということになるんですか。
○小林地域計画部長 再開発計画の中で決めます容積率につきましては、再開発の運用基準の中で定めておりまして、一つは基盤関係、例えば区画整理事業ですとか、地区計画を定めますときに用途地域を変更すると想定した、見直し相当容積率と、それから公開空地ですとか、あるいは住宅、都心居住に資するような住宅供給ですとか、そういったものを評価する評価容積率というものがございまして、評価容積率の部分についてはもちろん上限がございます。通常の案件ですと、三〇〇%だと記憶しておりますが、そういった範囲の中で、先ほど申し上げましたオープンスペースの面積ですとか、あるいは区画道路を拡幅する、そういう貢献度ですとか、あるいは都心居住に資する住宅供給の割合ですとか、そういったものを運用基準に照らして、私どもとしては算定しているわけでございます。
○吉田委員 どうも説明がちょっと抽象的な印象を受けてやりにくいんですけれども、例えば、特定街区と同じ有効空地に基づく容積率の割り増しがあるんだというふうに基本的な説明を受けているんですよね。そうしますと、例えば基準容積率が五〇〇%だったとすれば、しかも有効空地の率が五〇%だったということになれば、単純に私が計算いたしますと、五〇マイナス二〇の三〇掛ける五で、容積率が五〇〇にさらに一五〇が上乗せされると、こういう計算になるわけですよね。もしこれが、例えば七〇〇ぐらいの容積率になった場合には、有効空地率が五〇%ならば、五〇マイナス一〇ですから、四〇掛ける五で、さらに二〇〇%の容積率の上乗せになると、こういうことが事実上導かれるという点では、民間のデベロッパーについて基本的に有利な、利益が上がるような方向に進むんではないのかということが非常に私は懸念をされますし、そのことが周辺環境等との関係でも懸念されるというふうに思うんです。
次に、伺いたいのは、東京構想二〇〇〇の中でも、六本木の問題が新たに非常に重視をされた記述になっておりますけれども、この六本木における大規模な再開発計画がメジロ押しで進められているのが現状ではないかと思うんですが、状況についてご説明、お願いできませんか。
○中島総合計画部長 六本木地区の開発整備の状況でございますけれども、六本木一丁目西地区で三・二ヘクタールの土地を対象といたしまして、組合施行の市街地再開発事業が現在事業中でございます。同じく六本木六丁目で、十一ヘクタールの面積で組合施行の市街地再開発事業が事業中でございます。さらに、六本木三丁目におきまして、〇・五八ヘクタールを対象といたしまして、総合設計制度を活用した建築計画が、昨年の十月に許可になっております。
○吉田委員 そっけない説明なんですけれども、それらの床面積を全部合わせるとどのぐらいになるんですか、延べ床面積。
○中島総合計画部長 その三事業での延べ床面積でございますけれども、約九十九万平方メートル程度と見込まれております。
○吉田委員 ですから、その三カ所だけで約百ヘクタールもの、業務だけじゃないかもしれませんが、巨大な新たなビル群が発生をするという中で、さらにここも、住宅もあるかもしれませんが、住宅、業務・商業等の民間デベロッパーによる開発が進められるということになれば、最近皆さん方は、盛んに需要対応型ではなく政策誘導型の都市づくりが今日の都市づくりだといって我々に一生懸命説明されるんですけれども、結局無秩序なビル建設だけが促進されるということになるのではないのかなという印象を非常に強くするということを、改めて述べておきます。
次に、地下鉄十三号線について質問させていただきます。まず、この十三号線の経過あるいは背景についてなんですけれども、ご説明をお願いいたします。
○杉浦施設計画部長 十三号線は、昭和六十年の運輸政策審議会答申第七号で位置づけられました路線の一つでございまして、その後、平成十一年一月に営団が免許を取得いたしております。なお、さらに一昨年一月の運輸政策審議会答申でも、重ねて位置づけられてございます。
○吉田委員 私が聞きたかったのは、そういう手続論ではなくて、どういう理由で、聞き方が悪かったのかもしれませんが、こういう計画を進めてきたのかということなんです。
○杉浦施設計画部長 十三号線は、今回計画いたします区間は、池袋-渋谷間で並行します山手線あるいは埼京線、こういった路線の現在の混雑を緩和するとともに、池袋、新宿、渋谷の副都心の連携の強化、広域的には、例えば東京都の北西部あるいは埼玉県の南西部からの副都心へのアクセスの向上、こういったこと、さらには明治通りほか都内の自動車交通から公共交通への転換を促すなど、こういったさまざまな価値といいますか、整備目的がある大変重要な路線であると考えております。
○吉田委員 さまざまな理由があると思うんですが、端的にいえば、池袋、新宿、渋谷間の交通混雑、通勤混雑を解消するということが、多分大きな直接的理由にあるんじゃないかなと思うんですが、もちろんこの解決は引き続き課題であるというふうに私も思っております。けさもそのためにわざわざ早朝の時間帯に高田馬場から渋谷まで乗りましたけれども、ただ、当初この答申を出したときと比べますと、かなりというと不正確かもしれませんが、一定の混雑緩和というのは進んでいるんじゃないんですか。
○杉浦施設計画部長 おっしゃいますとおり、鉄道ネット、段階的に整備が進んでおりますので、例えば、今申しました埼京線の池袋-新宿間で、平成八年度では最も混雑した一時間が、二四〇%という数字を示してございますが、これが十一年度で二一〇%となっている。山手線で見ますと、代々木-原宿間におきましては、平成八年度以降二〇〇%程度で横ばいということです。確かに混雑緩和の兆しはございますが、依然として高いレベルにございます。
ちなみに、東京圏の主要な路線の混雑率の平均値は、平成十一年度で一八〇%となってございますので、それに比べましても、ただいま申しました山手線、埼京線の混雑率は、依然として高い状況にあると考えられます。
○吉田委員 それと、この十三号線が渋谷まで完成した時点では、現実に今の既存の山手線あるいは埼京線等の混雑率は、どのぐらい緩和される予定なんですか。
○杉浦施設計画部長 ただいま申しました埼京線の二一〇%の混雑率、それから山手線の二〇〇%の混雑率は、新たに十三号線が開業することによりまして、それぞれ五〇%ぐらいずつ減少すると見込んでおります。したがいまして、埼京線が一六〇%、山手線が一五〇%程度と見込んでございます。
○吉田委員 それを否定するだけの具体的な材料を私持っているわけじゃないんですが、ただ、自分の乗った実感からいたしますと、池袋から渋谷までずっと同じ人が乗っているわけじゃないんですよ。かなりの人が一たん新宿におりるんです。そうして、また新宿から大量の人が渋谷に向かって乗っていくと。ただこの線は、必ずしもJRの新宿駅と直に結ぶわけじゃないわけですよね。かなり離れているわけです。そうすると、JRの新宿駅を現在利用して山手線で渋谷に向かう方が、わざわざ歩いてこの線まで乗りかえていくということが、果たしてあり得ることなのかと。そう単純に、これができたことで山手線あるいは埼京線の減少というふうには予想しにくい面もあるんではないかなというのが私の率直な印象であります。
それと、やはり混雑緩和というのは、もちろん必要な線はつくらなきゃだめだと思うんですけれども、都市づくり的な観点からの解決がない限り、幾ら混雑していますといってつくっていっても、これ大変なことになると思うんですが、そういう通勤ラッシュそのものの都市づくりからの解決策というのは、どういうふうに今まで取り組んでこられたんですか。
○杉浦施設計画部長 通勤混雑の緩和につきましては、交通網の整備とともに、例えば土地利用を一点集中型ではなく分散型にするとか、そういう施策によって、当然通勤負荷の低減が図れるわけでございます。今回の十三号線の整備も、これは整備区間は池袋-渋谷という、いわば副都心部分でございますが、運用は西武池袋線、東武東上線、それから、運輸政策審議会答申では渋谷におきまして東急東横線と相直をするわけでございます。そうしますと、かなり広域的に、例えば川越、それから三つの副都心、それから横浜、川崎と、こういったようなところが結ばれることになるわけでございますので、そうした面で東京の都心部だけでなく、東京圏の都市構造の強化あるいはバランスのとれた東京圏の育成、そういった面にも資するものだと考えているところでございます。
○吉田委員 私は、それもそう単純にいえないんじゃないかと。といいますのは、逆にこの線を通じて新たに都心部におけるビル、業務・商業等々によって、この線が逆に都心への集中を、交通需要を新たに加速するという側面もなきにしもあらずだと思うんですよね。ですから、緩和するということをいいながら、逆に線をつくることによって、その線をどこに位置するかによるわけですけれども、皆さん方にいえば、センターコアの中の交通需要が逆に増大をすると。例えば、さっき六本木の例を出しましたけれども、新たな巨大なビル群が立ち上がりますけれども、その一つの要素をなすのは、営団地下鉄南北線六本木一丁目という新しい駅をつくって、その上にビルをつくろうという構想なんですよね。ですから、今回の線が、即だというふうに単純ないい方はできないかもしれませんが、そういうことも慎重に考えていく必要があるんではないのか。
なぜそのことをいうかといいますと、次にお伺いしたいんですが、この十年間で地下鉄の新駅が開設をした、行政区別に見た場合に、行政区で新駅がたくさんできたところ、ちょっと頭から説明してほしいんですが。
○杉浦施設計画部長 新たな駅の開設が数多いところといいますと、例えば新宿区が十二駅、港区が十駅、文京区が六駅、これがベストスリーぐらいです。
○吉田委員 今の話をお聞きしますと、やっぱりセンターコアの中の割と中心に近いところなんですよね。杉並なんかは一つもないんですよ。多摩なんかは地下鉄そのものが--モノレールがありますけれどもね。これにさらに「ゆりかもめ」の駅なんかを加えれば、港区の数たるやぐんと伸びるわけですよ。しかも、それにこれからの計画を重ねていけば、ますます都心部には次から次へと駅ができる。杉並なんかは、将来にわたって駅の計画が何一つないという--別にそういう地域的な観点から論じているわけじゃないんですけれども、これはやっぱりちょっとどうなのかなというふうに首をかしげたくなるわけですよ。
それともう一つお伺いしたいんですが、これは先ほどの都計審の事前説明のときにも話題になったんですけれども、都営十二号線ができたことによって、都バスのかなりが廃止をされたと。当然その影響は起き得るというふうに懸念が起きるわけですが、これと競合するような都営のバス路線があると思うんですが、そういう廃止あるいは見直しの懸念はあり得ないんですか、あり得るんですか。
○杉浦施設計画部長 今回の十三号線のルートと競合します都バス路線はございます。当然のことながら、地下鉄開業に伴いまして見直しが必要かと思いますが、これにつきましては、現時点では、バス事業者でございます交通局としては、まだどう対応するかは未定であるということでございます。
○吉田委員 いずれにしても、そういう懸念が生まれることはもうはっきりしていると思うんですよね。だから、そういう点でやはり実際一番身近なバス路線が廃止をされて、業務施設にとっては大変便利かもしれませんけれども、そういうこともやはり検討していく必要があるんじゃないかと。
ちょっと私予定していたより長くなってしまって恐縮なんですが、最後に財政問題なんです。これ単独でも、営団地下鉄の事業でありますが、東京都がたしか三五%補助をすることが枠組みとして定まっています。相当な金額になると思いますし、さらに東京都が負わなきゃならないのは、あくまでもその一部であって、既に完成しましたが、大江戸線、また常磐新線、そして営団も十一号線等、それに首都高速中央環状線ということになるので、それぞれ東京都の財政負担が今後どのぐらい迫られてくるのか、ご説明願えませんか。
○杉浦施設計画部長 主要な交通事業に対します今後の都の費用負担推計でございますが、営団半蔵門線に対します補助金は今後百七十億円、十三号線に対します補助金が五百十億円、都営大江戸線に対します補助金は千八百七十億円、日暮里・舎人線に対します無利子貸し付けは百億円、首都高速中央環状線に対します出資、無利子貸し付けは合わせて千九百億円、それから常磐新線でございますが、貸付金として千百三十億円程度を予定してございます。
○吉田委員 合計するとどのぐらいになるんですか。
○杉浦施設計画部長 ただいま申しました額を足し算しますと、五千六百八十億円ほどだろうと思います。
○吉田委員 それぞれいろんな理由があるんでしょうけれども、全部それをやるということになったら、大変な財政負担が東京都に強いられるわけで、そうしたこともよく考えながら、何を急いでやる必要があるのか、何を見直していく必要があるのか、そういうことが今求められているんではないかなという思いを新たにいたします。
以上で私の質疑を終わります。
○大西委員 私は、航空政策基本方針について伺います。五十年後を視野に入れて航空のあるべき姿を描き、空港機能の充実に向けての取り組む施策ということでまとめられた今回の基本方針ですが、その取り組みを評価するとともに、よく理解できなかったり、疑問に思う点がありますので、それを中心にお聞きしたいと思います。
空港の国際比較、五ぺージから一〇ぺージにかけて需要予測等があります。これを見ますと、改めて成田の遠さ等が浮かび上がり、興味深く見ました。ただ、空港の利用は、置かれている社会経済事情によっておのずと異なると思うんですが、そこで、次のような角度からもデータを整理する必要があるんじゃないかなと思ったんです。
発着双方の都市域の人口や経済活動、相互の距離、さらに近・中距離であれば、飛行機でなくて新幹線のような交通手段もあるわけですから、そういう部分との分担なども考慮した分析も必要かと思ったんですが、その辺はどうでしょうか。
○山内航空政策担当部長 航空輸送につきましては、先生ご指摘のようなさまざまな社会的、経済的な要因が複雑に絡み合って旅客等の移動が生じると考えられますので、今回の需要予測に当たっても、過去のそれらの要因が実績として絡まって、実際に現出してきております旅客数等の実績を基礎にいたしまして、今後の経済の伸びですとか、鉄道を含む他の代替交通手段に対する航空分担率の動向などを考慮いたしまして、算出しております。
先生ご指摘のような、個々の要素ごとに細かく積み上げるようなやり方ではございませんけれども、大きく異なった結論となるものではないのではないかなというふうに考えております。
○大西委員 余り細かくはということであるんですけれども、やっぱり五十年後ということから、なかなかその辺が、予測が立ちにくいということもあり、難しいのかもしれませんけれども、もっと心からの算出というものも必要だと思っております。このことに関しては詳しい資料を提出していただきましたので、質問は避けたいと思います。
それから、次に、見ておりますと、ハブ空港というのが割とよく出てくるんですが、東京圏でも整備すべきということが記述されてあります。この基本方針にある東京圏のハブ空港論についてお聞きしたいと思います。
○山内航空政策担当部長 ハブ空港についてでございますが、ハブ空港と申しますものは、当該拠点空港と周辺の空港との間を、スポークと呼んでおりますが、放射状に伸びる航空路線で結びまして、航空ネットワークを形成している拠点空港のことでございます。
首都圏において必要な空港容量を確保するためには、もはや一空港だけで対処できるものではなくて、複数空港が必要だと考えております。そのため本基本方針では、首都圏の航空の将来像として示したとおり、羽田空港、成田空港、首都圏新空港の三つの基幹空港それぞれに国内線と国際線が就航し、全体としてアジアの国際ハブ空港群として機能することとなるというふうに考えているところでございます。これは将来、首都圏に整備された三空港が互いに短時間で結ばれ、全体として近距離国際線から、近・中距離の国内線、国際線までスムーズに乗り継ぎができる空港群となっていくことを想定しているところでございます。
○大西委員 このハブ空港というのは、アメリカとかで見られますように、主要航空会社でもっと田舎のところにハブというものをつくって、そこからまた他の地域へ行くというようなことで、そういう乗りかえ用の空港として私は認識しているんですけれども、この言葉の中にハブ空港群ということも述べられております。そういう意味では、この小さな関東近県にハブ空港を、一つじゃなくて群として置くという意味がどうもイメージとしてわかないんですけれども、そういう意味では今ご説明のあった東京圏での整備するハブ空港と、私が認識している、アメリカとかの航空会社で使っているような形の乗りかえのハブ空港という意味ではちょっと違うんでしょうか。
○山内航空政策担当部長 先生、もうご案内のとおりでございまして、我々といたしましては、首都圏に現在必要な空港容量が足りないということを考えています。ただ、その空港容量を確保するためには一空港では対応できませんので、複数の空港で首都圏に必要な空港容量を賄っていくことが必要であろうということで、そのような空港容量を確保いたしますと、結果としてアメリカで見られているような、ああいうようなネットワークの形、そのハブ空港と同様な拠点空港が現出するのではないか、それをハブ空港群というふうに称しているところでございます。少なくとも今アジアで、先ほどご説明したとおり、大空港の整備が進んでいるわけですけれども、そのようなハブ空港づくりのためのハブ空港ということではない。あくまでも首都圏に必要な空港容量を確保していくために複数空港が必要であるという観点から空港群を整備し、結果としてハブ空港という形になっているのではないかということを申し上げているわけでございます。
○大西委員 じゃ、その中で、成田と羽田と首都圏新空港という言葉が出てきました。これは随所に出てくるんですが、都としては、どこを首都圏新空港と考えて、今のこういう記述が何度も出てくるのか、教えてください。
○山内航空政策担当部長 首都圏新空港につきましては、現在、国の方で首都圏第三空港調査検討会を開きまして、その立地について検討が進められているところでございますので、東京都としては、現在のところ、その首都圏新空港の立地がどこであるというような確たるものを持っているわけではございません。
○大西委員 確たるものを持っていないといいながら、そのハブ空港というものを非常にリアルに書いていらっしゃることがどうも納得できないんですけれども、ちょっと答弁でいっている中で、海上にというような気持ちがあるというのも聞いたんですけれども、それが東京湾の羽田の沖合なのか、それとももっと神奈川県沖なのか、まだそれもわからないということなんですか。
○山内航空政策担当部長 ちょっと言葉が足りませんで申しわけございません。首都圏第三空港につきましては、国においては、海上を中心にということで考えているわけでございまして、陸上も含めて検討は進めるとはいっておりますが、おおむね海上を中心にならざるを得ないだろうと。特に、東京湾が中心になるのではないかというふうにいわれているわけでございますが、その首都圏第三空港に対しまして、私ども先ほど基本方針でご説明したとおり、羽田の再拡張案というのを出しております。私どもとしては、羽田の再拡張案というのは、首都圏第三空港の中に含まれているものではなくて、首都圏第三空港とは別に、羽田の再拡張は羽田の再拡張ということで提案して、働きかけをしているところでございます。
羽田の再拡張につきましては、国においては、首都圏第三空港調査検討会の中で先行して検討されているのではないかというふうに考えておりますけれども、あくまでも東京都としては、首都圏第三空港とは別で、切り離して考えておりまして、羽田の再拡張のほかに、また第三空港がつくられる必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○大西委員 それとはまた別に首都圏第三空港という、そしてその可能性が海上というところにも考えられるということをおっしゃいました。今、羽田の国際化とか、国に対していろんなことを東京都がいっている、その姿勢はいいと思いますけれども、もしそのような形で埋立計画を考えるとするならば、早い段階で、つまり構想段階や計画段階で環境影響評価とか社会影響の評価、経済・財務評価等を行って、その結果を公表して、都民を初め関係市民の判断を仰ぐべきじゃないかなというふうにも考えております。
そして、今のお話の中でハブ空港群、またそれに戻るんですが、どうもこの辺が納得がいかないんですけれども、成田、羽田、新空港と、しかもそれを全体ハブ空港群として機能する。これを考えてみますと、全部関東圏に近い距離に成田、羽田、そしてまた沖合にということで、そしてまた横田もある。そして百里もあると、何かその空港が非常に狭い範囲の中にいっぱい来て、それでなくても今の空の過密等問題になっているわけなんですけれども、私の素人感覚から見れば、そんなにいっぱい飛行機飛ばして大丈夫なのと。私は飛行場を利用しますので、飛行場が便利になるのはうれしいんですけれども、本当に素朴な感じとして、安全性というものが大丈夫なのかということが心配なんです。この安全性に関しては、この中には全然出てこないんですけれども、その辺も含めて見解を伺いたいと思います。
○山内航空政策担当部長 安全性につきましては、飛行機同士の衝突であるとか接触であるとかを避けるために、航空交通管制というのが実施されているわけでございますが、その航空交通管制の基準といたしまして、旧運輸省の方で定めております管制方式基準というものがございます。私どもも羽田の再拡張に際して、四十一万回というふうに発表されておりますけれども、それを計算するに当たりましては、その管制方式基準にのっとりまして、航空機の安全が十分確保されるということを確認しながらやっているところでございまして、この首都圏第三空港、現在検討されておりますけれども、検討の結果、羽田と成田と第三空港が首都圏にできることとなりましても、安全については、当然十分確保することは前提として計画されることになるというふうに考えているところでございます。
○大西委員 その安全面というところがないということで、答弁の中でも、それはもう安全であるのは当たり前ですからという、まずそこから始まるんですけれども、何を根拠に安全といっているのかと、当たり前だからといい切れるのかという疑問がずっとありました。
世界の大都市の空域とか管制システムなどから見て、安全性をどのように評価しているのかとか、また東京都にそういう中で安全性の観点から空港問題を評価できる体制はあるのかということもちょっと気になったんですけれども、確かに国においては、という言葉は何度も出ましたけれども、その点はいかがでしょうか。
○山内航空政策担当部長 この航空政策基本方針の、先ほどご説明しました五ぺージを見ていただいても、例えばニューヨーク大都市圏、三つの空港がございまして、年間発着数(九七年)、これを足しますと東京圏をはるかにしのぐ発着回数があるということはおわかりになると思います。また、国において、先ほど申し上げましたとおり、管制方式基準というのを定めて管制をやっております。この方式基準につきましても、またこれは国際条約の基準に基づいてつくられているものでもございますし、それにのっとって空港というのはつくらなければならないことになっておりますので、三つの空港ができて、それによって、この年間発着数が伸びましても、十分安全は確保できるのではないかというふうに考えているところでございます。
○大西委員 この表だと、成田、羽田というところでのあれで出ていますし、これにまたハブ空港群という考えが入ればまた違います。そして横田の基地を民間で利用するということであれば、またこれは違ってくると、私はどう見てもその辺が理解できなかったのでお聞きしたんですが、そういう意味で、またハブ空港に戻るんですけれども、今のアメリカとかのいわれているハブ空港というのは、田舎とか割に広い、需要が少ないところをハブ空港として位置づけて、そして、そこからの民間飛行場としての機能が果たされています。でも、今回のは、首都圏のハブ空港群という考えは、集中したところで、どうやってこれがハブなんだというような気持ちが抜け切れないことを、今の答弁からもそれが解消できなかったまま、次へ進みたいと思っています。
成田空港についてちょっとお聞きします。羽田の国際空港としての利用強化につきましては、羽田のキャパシティーよりもむしろ成田空港との役割分担論の方が重要な論点になっていると思います。都民はいたずらに千葉県民や千葉県と争うのを望んでおりませんし、この問題をめぐる国、千葉県等との直接、間接のやりとりの経緯及び将来の動向について整理し、ちょっとお話ししていただきたいと思います。
○山内航空政策担当部長 成田空港との役割分担の見直しにつきましては、これまで夜間、早朝枠を活用した国際チャーター便の就航などにつきまして、国に対して働きかけを行ってきたところでございます。
先生ご指摘の千葉県との関係でございますが、ご案内のとおり、いろいろな経緯がございまして、今まで千葉県とそういうお話をできる状況ではなかったというのが実情でございます。
ちなみに、今回この基本方針を発表した際に、千葉県からこの冊子を送ってほしいという話が事務的にございまして、それでは送るだけではなくて、こちらの方から出向いてご説明いたしますよという申し出をいたしたのでございますが、中身を見てから考えますよということで断られまして、現在のところ、説明を求めるという話が来ていないという実情にございます。
今後、千葉県からお話があれば、都としても積極的に考え方を説明していきたいと考えております。
○大西委員 特に成田空港が立地する千葉県との協力が、東京圏の空港の総合的整備には不可欠だと考えますので、その辺は丁寧にやっていかなければならないと思いますが、首都圏サミットとか、そういう部分では取り上げられないんですか。
○山内航空政策担当部長 先ほどお答えしたとおり、まだそういう場で、そういう話ができるような状況ではないのではないかというふうに考えています。
○大西委員 次に、環境についてちょっとお聞きしたいと思います。
地球温暖化は世界的に深刻な環境問題であり、その対策が急がれるんですが、COP3等気候変動枠組条約とかで、航空機によるCO2の排出量が少なくないとされているんですが、航空機からのCO2、そして、その他の汚染物質の排出について、どういうふうに評価しているんでしょうか。そして、航空機が原因となるCO2の排出は、年間何トンぐらいあって、それは環境的にどういうふうに考えていらっしゃるのか、ちょっと総合的にお願いします。
○山内航空政策担当部長 一九九七年に京都で開催されました気候変動に関する国際連合枠組条約第三回締約国会議で、いわゆる京都議定書が採択されまして、先進各国の温室効果ガスの排出量の数値目標が決定されたところでございます。
それに基づきまして、各国、削減に向けて努力しているわけでございますが、航空機からの二酸化炭素の排出量につきましては、ちょっと排出量を数字で申しますと、二酸化炭素の排出量が、航空機は八百二十三万トンという数字が出ておりますが、これは我が国の二酸化炭素排出量全体の一%にも満たない量でございます。しかしながら、航空機の排出ガスにつきましても、二酸化炭素排出量の削減についての取り組みが行われているところでありまして、航空機のエネルギー原単位と呼ばれております、要するに燃費でございますけれども、これの改善も図られているというふうに聞いております。
また、航空機のジェットエンジンから排出される窒素酸化物でありますとか炭化水素等の抑制対策につきましても、国際民間航空機関が定める国際標準に基づく規制が、平成九年から国によって行われております。都としては引き続き、航空機の二酸化炭素排出量の削減など、国の取り組みの動向を見守っていきたいと考えております。
○大西委員 そのCO2の排出量はそんなに心配することはないというようなお話なんですけれども、これはそのまま五十年後まで続くかどうかということは、またこれ不確かなものだと思っております。
それにしましても、こういう計画と環境というものは切り離せないものだと私は考えておりますので、東京の空は都が責任を持つというような姿勢で、計画も取り組んでいただきたいなと思います。
騒音の問題なんですけれども、騒音は結構あちこちに記述が出てきております。羽田に関しては、時に東側からの進入が北に振れて、臨海副都心が騒音にさらされるということがあるということを指摘されております。間もなくテレコムセンターの付近に--あす視察に行くんですよね。国際交流施設の宿泊施設ができるということですけれども、その辺は住居がないということで、そういう騒音に関する規制もないということも聞いておりますが、その騒音の実態とか、どういうふうにとらえていらっしゃるのか、伺います。
○山内航空政策担当部長 環境局による平成十一年度航空機騒音調査結果報告書によりますと、分布調査を行った青海フロンティアビルでの十一月五日、六日の観測結果からは、いわゆるうるささ指数といわれておりますWECPNL値の値が、日平均で六四ということでございまして、住居地域系の環境基準である七〇を下回っているという状況でございます。
○大西委員 この計画が五十年後の構想と、それから実施計画というので、混在しながら書かれているので、私も質問しながら非常に戸惑ってしまうんですけれども、五十年後の臨海の姿と騒音との関係というのは、どのようにとらえていらっしゃいますか。
○山内航空政策担当部長 五十年後の話でございますので、この場でどれだけ責任を持って確たる答弁ができるのかと思いながら、今ここまで歩いてきたわけでございますけれども、仮に今回の再拡張案が採用されたといたしましても、その飛行ルートなども前提としながら、また臨海開発の進め方などもいろいろと調整がされていくのではないかというふうに考えますし、まさに皆様方のお知恵をかりながら、問題のないように進めていくというのが行政の責任なのかなというふうに考えております。
○大西委員 次に、横田に移ります。
横田を民間航空利用する場合のアクセスの改善について、どのような計画、構想があるんでしょうか、教えてください。
○山内航空政策担当部長 横田飛行場の民間航空の利用形態でございますが、国内線、国際線、または旅客、貨物、それからチャーター便でありますとかビジネス機など、さまざまなものが考えられるというのが今の段階でございます。また、就航する路線であるとか便数もいろいろと考えられますし、機材もいろいろなものが考えられます。
したがいまして、必要となる交通アクセスにつきましても、このような利用形態に伴ってさまざまに異なってくるのではないかなというふうに考えておりまして、どのような交通アクセスが必要になるのか、あるいは現状のままで何とか対応できるのかということなどは、今後、民間航空の利用形態に合わせて総合的に検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
○大西委員 今のお答えだと、現在のところ、アクセスの検討はできていないということで、いいですね。
横田基地の返還を多くの都民は期待しております。その際の跡地利用については、空港とは限らないという考えも多くあります。そこで、幅広い角度からの検討が必要と思っているんですが、ここでの横田の民間利用は、返還後の利用形態を先取りするものなのか、それとも米軍使用時に限定した共用なのか。もし基地の返還が見通せるのであれば、都として、同時に跡地利用の希望とか、そういうものをまとめる必要があるんじゃないかなと私は考えています。このままなし崩しにずっと飛行場で利用していくのかということも含めて、これまた長期的な構想を、時間的なものが問題となるわけなんですけれども、現在の時点でどのようにお考えなんでしょうか。
○山内航空政策担当部長 都では基地の返還を求めつつ、返還までの対策といたしまして、滑走路の有効活用を図るということで、民間航空利用をすることを求めておりまして、今回明らかにした取り組み方針も、返還までの対策としての米軍との共用による民間航空利用というものを想定して書いているわけでございます。
返還後の跡地利用につきましては、返還が見通せる段階で別途検討をすることになると考えておりまして、現段階では、その段階には至っていないというふうに考えております。
○大西委員 それでは、もう一度羽田と成田のアクセスについてお聞きしたいと思います。
都心からの羽田、成田へのアクセスについて大きな期待があり、幾つかの提案がこの中に示されていました。優先順位については、どのように考えていらっしゃいますか。
○山内航空政策担当部長 都としては、鉄軌道系のアクセスにつきまして、現時点で優先順位づけを行ってはございません。基本方針で示しました路線については、昨年一月に発表された運輸政策審議会答申で整備の目標年次が二〇一五年として示され、目標年次までに開業することが適当である路線、それから、目標年次までに整備に着手することが適当である路線、それから、今後整備について検討すべき路線というふうに分類がされているところでございます。
○大西委員 この基本方針、本当に五十年後の構想と、それから実施計画というんですか、そういうのが混在化されて書かれているために、私もどういうふうに考えていいのかということで多く戸惑ったために、質問にもちょっとちぐはぐな点が出ているんじゃないかなと心配しながらやっております。
そこで、先ほど局長の説明にもありましたけれども、今後、これは都民の意向を踏まえつつという言葉がありました。確かに五十年先どうなるかということも含め、五十年先はおろか、五年とか十年がもうせいぜいだと思うんですよね。そういう意味で、この計画の中に基礎自治体と、それから都民の意向、都民参加という視点で実施計画、長期計画をもっと五年ごとに見直すとか、策定の見直しとか、政策評価、そういうものを取り入れていく必要があると思うんですけれども、そういう部分はどうでしょうか。
○山内航空政策担当部長 今回、この航空政策基本方針、都として初めて総合的に取りまとめた方針でございまして、今後、この方針をもとに多くの都民の皆さんからも意見を聞きながら、より実効性のある施策が早期に展開できるように努力していきたいと、こういうふうに考えております。
○大西委員 計画アセス等のものも含めて、やはり検討していってもらいたいと思っております。
都民の交通手段として、あるいは都で展開されている産業活動、社会活動にとって空路は欠かせない存在ですし、その意味で、航空政策を取り上げたことは評価したいと思います。しかし、取り上げるからには、羽田の国際化という我田引水的な発想に凝り固まるのではなく、航空輸送の安全性、騒音、大気汚染といった環境への影響の軽減、あるいは埋め立てによる環境への影響の軽減など、もっと多角的、総合的にこの問題を考えて取り組むことが必要であったと思います。そして、きょうの答弁からは、残念ながら、そういう意味で、航空政策を担う体制が整っているとはとても感じられませんでした。将来の航空需要をどう見るのか、航空機・管制の技術革新をどう見るのか、航空各社や競合する空港の構造をどう見るのか、航空機の環境影響をどう見るのか、いろんな課題があるわけですけれども、それと首都圏のそれぞれの空港の短所、長所をどう見るのかということも含めて、さらに横田の返還の可能性をどう見るのか、一つの基本方針の中に本当にたくさん問題があるなと改めて思うのですけれども、そういうものをもっと総合的に深くとらえて取り組んでいってもらいたいという要望をして、質問を終わります。
○かち委員 私からも、航空政策基本方針についてちょっとお聞きしたいと思います。
ただいま質問にもございましたけれども、一つの自治体の枠を越えての空港政策、こういうことに東京都として取り組んでまとめられたという点では、積極的な側面があるかと思います。しかしながら、個々の取り組み方針、課題については、まだ都民的な合意ができていないのではないか、まだ検証不足ではないか、こんなことが感じられたわけです。しかもこの政策そのものは、他の政策方針書と違って、東京都が独自にやるものでもない。やるのは国だとか、またアメリカだとか、そんなふうになってきて、どう進めていくのかという点でもいろんな問題が、都市間の利害関係なども含まれて、複雑で大変難しい問題に東京都として取り組んだ、一石を投じたという点での意義はあるなとは思います。
その点で、私、いろいろあるんですけれども、特に港湾機能の安全性と港湾機能の阻害、そういうことから見てどうなのかという点と、横田空域について若干お聞きしたいと思います。
初めに、この基本方針の取り扱いというか、位置づけ、性格、そういうものについて、どのように位置づけられているのか。そして、これ一応東京都の政策決定というふうにいえるのか。もしそうであれば、都民や関係者との合意形成を図ってきてまとめるべきではなかったのか。今の段階でどうなっているのか、今後どうしようとしているのか、その辺についてお聞きします。
○山内航空政策担当部長 この基本方針の位置づけでございますが、首都圏の空港容量が国内線は平成二十二年、国際線は平成十七年に限界に達するという危機的状況を踏まえ、五十年後を視野に入れて航空のあるべき姿を描き、空港機能の充実に向けて、都の取り組む施策を総合的、体系的に取りまとめたものという位置づけでございます。
また、政策決定といえるのかというような点でございますが、今回の基本方針は、これまで都が進めてきた政策を、航空の立場から体系的に取りまとめたものでございまして、既に必要に応じて関係者の意見も聞いているところでございます。
また、この基本方針を取りまとめる中では、関係の深い港湾局を初め、関係部局とも事前に調整を図ってきております。
○かち委員 既に関係者との意見調整をしてきたとかというお話でしたけれども、これは一つの東京都としての考え方、問題提起をしたというふうにいえると思うんですけれども、そうであれば、今、国との関係でも話し合いをいろいろな形でやっているわけですけれども、これは受け入れられないというようなことが、関係者や都民やいろんな方面から出てきた場合には、それを十分に見直す、考え直す方向性は持っているのかどうか、その点はどうでしょうか。
○山内航空政策担当部長 この航空政策基本方針に書いてあります内容で、余り受け入れられないというような問題点がある事項というのは、それほどないと思うんですけれども、先生ご指摘のお話は、例えば再拡張の話なのかなと思うんでございますが、再拡張の問題については、先ほど先生お話になった港湾機能との両立の問題とかがあるわけでございますが、一応港湾局とも調整を図り、影響が全くないわけではございませんけれども、港湾として、十分今後東京港が発展を続けていくことができる案なのではないかということで調整がされているというふうに私ども考えておりますので、全く受け入れられないということはないのではないかと思いますし、またこれからも海事関係者等と協議会の場などを設けまして、説得をいたしまして、理解と協力を求めていきたいというふうに考えております。
○かち委員 今、桟橋方式の再拡張計画について触れられましたけれども、その問題がどれだけ世論をいろいろと喚起させているか、関心を高めているという点もありますけれども、関係者からのいろいろな声が上がっている状況について、もし把握されていないとしたら、現状認識不足ではないかなというふうに私は思います。
私がこの間、こういう問題があったので、関係者の皆さんからお話を聞いたり少し調査をした段階でも、相当な意見が出ているのが実態です。東京都としては、桟橋方式による空港の再拡張計画は、港湾機能への影響が少ないという観点から提起をされているようですけれども、確かに埋立方式だとかメガフロート方式などからすれば、経費の問題にしても、また環境影響からしても少ないかもしれませんけれども、港湾の、今まではない状況で運航していた中にそういう障害物が入ってくる。そのこと自身は港湾機能に相当な影響を及ぼすものであるということをしっかり認識をしていただきたいと思うんです。
この間、十月に桟橋方式を発表されて、その後、いろいろ関係者から意見が出ていると思うんですけれども、局としてはこのことをどのようにつかんでいらっしゃるでしょうか。
○山内航空政策担当部長 昨年発表いたしましてから、十一月からことしの一月にかけまして、運輸省でありますとか海事関係者、それから、都の港湾審議会などに説明を行ってきておりまして、海事関係者からは、コンテナ船や小型船の航行の安全性や泊地の確保についての意見、それから、引き続き協議の場を設けて意見をよく聞いて調整してほしいという意見などが出されております。
○かち委員 関係者への意見紹介というか意見聴取というのは、たった一回、十二月二十六日に、海事関係者五十二団体、百人余りを集めて行われたわけですけれども、当初一時間の予定が数時間に及ぶという、しかも、それでは終わり切らなかったという状況からしても、この問題はそう簡単に解決できる問題ではないなというのを示しているのではないでしょうか。
東京港というのは、年間三百六十隻の外航コンテナ船やコンテナバース取り扱い二百七十万TEUで、全国一の実績を上げている物流拠点港です。最近では、四百万首都圏都民の消費者に対する輸入食品が、非常に大きなシェアを占めているともいわれています。また、実態はつかめていませんけれども、核燃料物質の運搬もされているようにも聞いています。こういう状況を見たときに、もしここに事故、何かあったときには、その損害は甚大なものであるということもわかるわけですが、年間一万隻を超える船舶が就航している東京港の自由航行水域--今ちょっとパネルを出します。ご存じのように東京港です。
これは平成六年二月二十八日、一日二十四時間の船の航跡を線で示したものなんですね。これを見てもわかりますように、この大井ふ頭付近に集中して船が、ここは自由航行なんですけれども、ここが第一航路、ここに船が非常に集中しているわけですよね。ここに今度桟橋方式で、この混雑の上に障害物がかかるわけですよ。幾らげた履きであろうとしても、柱が立っているわけですよ。障害物の何物でもないんじゃないでしょうか。こういう状況をつくるということですよね。しかも、これ三千五百の予定ですけれども、誘導灯も入れれば五千メートル近くになるんじゃないですか。そういうものが入ってくるということで、非常に問題があるといわざるを得ません。これはまだ平成六年ですので、海面処分場の埋め立てはまだ十分できていませんから、もしこれが、こちらに行っている分が、こっちにまたしわ寄せきたらもっとひどい状況になるんじゃないですか。しかも第一航路、大型船が入るこの上には、B滑走路の高さ規制が入ってくるわけですね。今大型船のマストの上は五十二メートル、規制は五十五メートルですか、そういうことで非常に接近した状況が今でさえあるのに、そういうところにこういうものを持ってくることが、いかに危険性をはらんでいるかということを考えざるを得ません。
今回の場合は、そういうこともある、しかも第一航路と並行につくるということもあって、滑走路をかなり水面より上げて、十五メートルにしているということですけれども、そのことが実際に並行で走るというときの、パイロットもそうですし、航海士も非常に危機感を感じる状況をつくり出すと思うんですよね。それと、あと、風だとか潮の関係で一体どうなるのか。まだまだそういう問題があることに対して、こうであるから絶対大丈夫なんですという指標や調査結果というのは何もお示しになっていませんよね。ただ、机上の計算でこうこうこうであるからいいですよといっているだけであって、これでは関係者は納得しないのではないかと思いますけれども、今私がいったことに何か間違いはあるでしょうか。
○山内航空政策担当部長 ただいま先生がお示しになったパネルは、平成五年のものだったと思うんですけれども、これは現在の港湾計画になる前の港湾計画の段階のものではないかと思うんですが、したがいまして、航路の位置なども若干違っている時代のものだと思うんです。
それで、先生、羽田の再拡張の計画の位置は、プラスチックの透明な図面で上から張っていただいているんですけれども、現在の港湾計画でもここに沖防波堤東、これが五百五十メーターでございます。それから沖防波堤西、これが八百メーターでございます。これがこの第一航路の東と西側、入り口付近につくられることになっておりまして、したがいまして、ここは現在の計画のままでも船は通ることができないわけでございまして、航路側を通るか、もしくはこの防波堤を避けて羽田空港側を通るかと、二つに分かれて通らざるを得ないような今計画になっておりまして、我々の再拡張案ができない場合でも、それはできるわけでございます。
したがいまして、この場合の安全対策というものも、これから検討していかなければならない課題というふうに私ども承知しておりまして、それと比較すれば、羽田も再拡張案ができたときに、可航水域が半減するといういい方はちょっといかがなものかと。もともと可航水域は狭くなることになっておりまして、その狭くなっているものが、若干狭くなるかどうかということかなというふうに思っております。
それから、また先生示していただいたパネルで、船が非常に込み合って黒くなっている部分、これは確かに密度が濃いわけでございますが、一方で船が一つの方向に流れております。それからここの部分は、海上保安庁が航路管制をしておりまして、大型船については、大型船が出るときは大型船が出る方向だけ、大型船が入る場合は大型船は入るだけという、今そういう交通整理もされております。むしろ海上で一番気をつけなければいけないのは、船がいろいろな方向に交錯して走る場合でございます。
したがいまして、羽田空港の沖にD滑走路をつくった場合に、ちょうどこれが羽田空港の沖に関しては、ちょうどいい目印になりまして、また、分離通行帯のような役割も果たすのではないかという効果もございます。ただし、もちろんその分離通行帯みたいな効果を持っております部分を通過した後で、また合流をしたり離合をしたりしなければいけませんので、そこの航行安全対策というものをやはり検討していく必要があると思っております。いずれにいたしましても、これから海事関係者のご意見、またそれから海難防止関係の団体のプロの方々のご意見なども聞きながら、港湾局と一緒に東京港の機能維持とかを含めて検討していきたいというふうに考えておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○かち委員 いろいろご説明いただいたんですけれども、そういう状況は海事関係の方はよくわかっているわけですよね。にもかかわらず、十二月二十六日には商船三井の生田会長が、首都圏第三空港・羽田再拡張問題で運輸省航空局や海上交通局、海上保安庁などに要望書を出しています。東京湾の現状は、湾内各地の埋め立てや東京湾横断道の建設などで、船舶の安全航行の面でかなり狭隘になっている。海上輸送の諸条件を悪化させないことが大前提である。また、十二月二十五日に郵船航空サービス株式会社の高橋宏氏が羽田空港再拡張(東京都案)に対する意見書というものを出しています。そこでは、東京湾の経済面、安全面、就航面での悪化がないのかどうか検証されていない。先に空港ありきの方針は承諾できないということで、かなりいろいろな角度からご意見を述べられています。
そういうこともあり、今月の一月二十三日に、先ほどもお話がありましたけれども、第三空港検討委員会で、都案と国土交通省の案というのが検討されているんですね。いずれも桟橋方式ではありますけれども、海事関係に影響をもたらすという批判的な意見が相次いだというふうにテレビや新聞で報道されている。こういう状況から見れば、関係者の意見をまだまだ十分聞き切れていないのではないか。いろんな角度からの検証も必要ではないかというふうに思います。
それで、もう一つ環境問題では、羽田沖合展開、新しいC滑走路をつくったときに、あそこを埋め立てで拡張したわけですけれども、そのときに東京湾の浅場を造成するということで、今現在造成中なわけですよね。平成十七年までの予定だと思いますけれども、そういう造成中の浅場のところに桟橋方式の橋をかけるというか、二本の橋がかかるわけですけれども、その橋脚は浅場にやはり影響を与えることになるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○山内航空政策担当部長 浅場への影響についてでございますが、浅場の部分に誘導路が通ります橋の橋脚がかかるということになるというのはそのとおりでございまして、それがどういうような影響があるのかというのは、これからいろいろ検討していかなければならない課題ではないかなと思います。
○かち委員 一方では自然を回復させようとしながら、やりながらつぶしていくという実態だと思うんです。もう一方、港湾計画としては、ベイエリア21の中間報告などにも出てはおりますけれども、この東京港を世界一の国際貿易港として開発していくんだということが書かれているわけですよね。大井ふ頭や青海ふ頭のコンテナバースの拡大化を図り、世界貿易港としてつくり上げていくという、そういう状況があり、そうなれば当然大型の外国のコンテナ船も入ってくるわけですよね。ますます危険性は募るのではないかというふうに思います。
そういう意味からしても、先ほどもお答えがありましたけれども、ここに桟橋方式のこの東京案方式が、いろいろな角度から検証して大丈夫だという担保をもって、関係者にぜひ証明をしていただきたい。そうしなければ、納得と合意は得られないのではないかと思いますけれども、都としてこういう研究、検証というようなことに取り組んでいく姿勢というのはあるんでしょうか。
○山内航空政策担当部長 冒頭のご説明でも述べましたとおり、現在、首都圏の航空事情というのが非常に危機的な状況にございまして、国際線は五年後でございますし、国内線も早晩パンクをするという状況にあるわけでございます。そのために空港機能の拡充が必要となっているわけでございまして、その場合に、どのようなやり方でやるのが早く拡充ができるかと。また、東京湾に空港をつくるとなりますと、やはり自然への影響はもちろんはかり知れないわけでございまして、どのようなやり方でやったらば、比較的影響が小さくて済むのかということなどもいろいろ考えた結果、羽田空港を再度拡大いたしまして、滑走路を桟橋方式でつくるというのが一番よいのではないかという案に至りまして、提案をしたというわけでございます。
今後、これらの案につきましては、首都圏第三空港調査検討会の中でも検討はされると思いますし、東京都としても海事関係者などの理解と協力を求めていく中で、必要な検証はやっていきたいというふうに考えております。
○かち委員 第三空港の話が出たんですけれども、東京都としては、当面その過密な首都圏の空港問題解決のために、十年、二十年後を見通して拡張を考えていると。しかし、将来的には第三空港も位置づけてはいるということですよね。国としても、第七次空港計画の中で第三空港を検討し、今、三回目の委員会を開かれたわけですけれども、国の考え方がどういうものなのか、六つの候補地が出ていて検討をしているというふうに聞いたんですけれども、この間の検討委員会では東京湾に対峙したような形で空港の南側に同じようなものをもってくるという、これはもう全く航路障害にもなるし、とても受け入れられないものだと思うんですけれども、羽田以外に第三空港を考えているのが国の案ではないのかというふうに思っているんですが、国の考え方というのはどこに焦点があるのか、おわかりでしょうか。
○山内航空政策担当部長 国の方においても、先ほどご答弁いたしましたとおり、首都圏の航空需要の危機的な状況というものは認識しているわけでございまして、これにどのように対応して空港容量を拡大するかということで、首都圏第三空港調査検討会を開催しているわけでございます。
その中で、羽田を先行的に検討するというふうに聞いてはおりますけれども、再拡張を行いましても、さらに航空需要というのはふえていくというふうには考えているようでございまして、先行的に検討した上で、今後羽田の再拡張を行って増大する航空需要のために、またさらに第三空港の候補地が必要なのかどうか。また、再拡張自体、先行して検討するわけですけれども、実現できるというふうにまだ結論が出ておるわけでございませんから、国の方では、羽田の再拡張も第三空港の一つの候補地という位置づけで検討しているというふうに理解しております。
東京都としては、先ほどご説明いたしましたけれども、羽田の再拡張は、第三空港とは別に切り離して考えておりまして、羽田の再拡張は羽田の再拡張であると。これで四十一万回に増加しても、なお航空需要は増大するので、第三空港といいますか、新空港が必要になるだろうというふうに考えているところでございます。
○かち委員 今のご説明だと、国が第三空港を羽田の再拡張も含めて検討していると。もし羽田の再拡張が決まれば、新たな空港ではなくて、羽田の再拡張で結論を出すというふうに今受けとめましたけれども、それでよろしいんですか。
○山内航空政策担当部長 運輸省案が出ましたけれども、形が出ただけでございまして、あれをやった場合にどれだけその能力が拡大するのか、私どもよくわかっておりません。したがいまして、東京都案の場合は四十一万回でございまして、いずれまた需要が追いついてくると。したがいまして、第三空港が必要になるのではないかというふうに考えているわけでございますが、違った形の、例えば運輸省案のような場合にどうなるのか、それはわかりませんので、ですから、羽田の再拡張をやった場合に、第三空港が要らなくなるのか、はたまた要るのかということについて、国がどのように考えているかということについては、今のところ、我々としてはよくわからない段階でございます。
○かち委員 非常に不透明な、国として何を目標として検討しているのかというのがよくわからない状況の中で、検討されているということがよくわかりました。(笑声)
それで、東京都としては当面の策であって、将来は第三空港が必要だというふうにいわれましたけれども、先ほどの大西委員の質問にもかかわるんですけれども、それではどんどんどんどん需要が伸び続けていく、それにもこたえていくしかないのかということになると思うんですね。交通機関として空港が限りなく需要を広げていくことが、本当に得策なのかどうか。エネルギー消費だとかCO2消費の問題もありますし、新たな視点での交通、モーダルシフトというか、そういうことも戦略的に加味して需要をどう抑えていくのか、ということをやはり方針として持つべきではないかというふうに考えます。
それで、成田国際空港との関係では、非常に歴史的な経過を持っていますので、やはり慎重に尊重して対処すべきだと思っております。
それで、先ほど表にありましたように、東京圏の空港と世界の主要都市の空港の状況、空港周辺の環境状況の違い、東京の特徴というものについて、どんなふうにとらえているのでしょうか。
○山内航空政策担当部長 東京の羽田空港につきましては、都心から非常に近いと。したがいまして人口密集地に隣接して立地しているという特徴がございます。外国の空港では、滑走路の双方向から離着陸が行われるわけでございますが、羽田空港では、原則として海側からの着陸、海側への離陸しかできないというふうになっておりますのが大きな特徴ではないかと思います。
○かち委員 おっしゃるように、首都圏の人口の過密度というのは、この資料の中にもありますね。六〇ぺージの大都市圏の人口比較というのを見ても、やはり人口が一番集中している、密集している地域であるということですね。ですから、離発着が環境、騒音問題で非常に制約をされているという状況があります。その上に横田基地の空域があるということで、図にもありましたように、飛び方についても旋回をして急浮上をしなければならない。限られた空域の中を通っていかなければならないという、航路を再編するにも非常に問題が大きいというふうに思うんです。そういう問題はこの本書にも書いてありましたけれども、私も、先日パイロットや管制実務にかかわる方から直接お話を聞いてきたんですが、羽田の過密を解消するために、幾ら地上に滑走路をつくって増便をしても、結局上で詰まってしまうから同じことなんだと。だから、まず、空港需要を解消するためには、その障害物になっている横田空域を外すことが何よりも先決ではないかというふうにいわれました。
この空域の障害は、航路を邪魔しているだけではなくて、安全の問題でも非常にあるわけです。三年前には羽田発広島行きの日本航空機が、米軍のFA18戦闘機とニアミスを起こしたという事件もありました。東京管制では日常的に数十機の米軍関係の軍用機が民間の空域を横切っていく、そういうことで、常にこのニアミスにさらされているということで、運輸省の労組のアンケート調査でも、年間一ないし二回はニアミスを経験している、二〇%もあるという点でも、非常に安全性も脅かしている問題だというふうに考えます。
そういう意味では、この横田空域を一日も早く解除するよう国に働きかけることはもちろんですが、都として直接アメリカ、米軍についても働きかける必要があると思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○山内航空政策担当部長 東京都としては、横田空域の返還とともに、首都圏空域の再編成や一体的運用が必要と考えておりまして、それらの実現を国に対して働きかけていきたいというふうに考えております。
○かち委員 以上で終わりますけれども、非常に大きな課題であって、東京だけでは決められない問題でもありますけれども、積極的な側面を生かして、空の安全と環境を守るという視点からも、ぜひ検討をしていただきたいということを述べまして、終わります。
○清水委員 私は、横田基地の民間利用について伺います。
先ほどからお話がありますように、現在、航空需要が増していくということは、これはもう必然的に、そういうふうになっていくかなというふうにはなってくるわけですけれども、先ほど二人の委員から質問ありましたように、日本のような狭い国土に多くの人間が住み、経済的にも環境的にも資源・エネルギー問題でもさまざまな問題が出るという中では、どうやってそれを解決していくかということを、やはり多くの国民世論の中、都民世論の中で解決していくことが問題だし、最後に指摘がありましたように、一番の重要な問題である空域の問題などを含めて、今でも大変な中に規制と制約がある、米軍横田基地、横田空域などの規制があるということでは、そうした解決のために本当に一致して、東京都が都民と一緒に国や防衛庁、米軍などに向かっていくということは非常に重要だということで、横田の問題というのは、空域もそうなんですけれども、基地は周辺の住民の問題だけでなくて、都民全体の問題だというふうにも、改めて今、羽田の問題について伺いながら感じたわけです。
横田の問題に絞りますと、これまでも、長い経過がある中で、旧横田基地騒音公害訴訟の裁判の結果とか、それから、都議会での意見書の採択などの経過があるわけです。それで長い間の中で、基地返還ということが、都民の意思としてやっと全体として形成されてきた状況だというふうに思うんですね。少し前までは、横田基地周辺住民だけの問題であって、これが都民全体の問題にはなかなかなり得なかったのかなというのは、私自身も、まだ議員でないときに都議会に傍聴に来ているときに、NLPの訓練の問題を取り上げると、なかなかそれが全体に理解されていないなということを感じて傍聴したことがあるんですけれども、そういう経過からすると、やっと横田返還というのが都民全体の意思になったと思うんです。
先ほどからご説明されているように、今回の航空政策というのは、基地の返還を求めつつ、それまでの対策として実現をするというふうにいわれているんですけれども、ずっと聞いていきますと、やはりほとんどが羽田の問題を解決しながら、航空需要に対応していくんだということで、横田は補完的だというふうにいわれているんですけれども、この需要にどう対応するのか、どう容量を確保するのかという視点から、横田の航空利用、民間利用というものも論じられていく、そして今回結論が出されているというふうに見れるわけです。そういう意味では、この間、形成された都民世論の実現のために力を尽くしていくというのが、東京都の役割だというふうに考えるわけですけれども、今回、東京都の意思として結集された、この横田の民間利用というのはやはり問題があるというふうに、まず、私としては指摘をしておきたいと思います。
そこで、具体的な問題としてお聞きしますが、この中に経済波及効果というのが出されております。この経済波及効果では、具体的にどの程度の便数が飛ぶことかということが書かれていないんですけれども、どのような便数の想定をしておられるんでしょうか。
○山内航空政策担当部長 航空政策基本方針に記載いたしました経済波及効果は、平成十一年十月に発表した横田基地に関する概況調査で算定したもので、需要を予測した二〇一五年度の一日当たりの便数では、国内線旅客便が二十六便、すなわち十三往復、それから、国際線旅客便が二十六便、すなわち十三往復、また、国際貨物便が二便、すなわち一往復、合計五十四便の二十七往復を想定しております。
○清水委員 そうすると、その便数を予想すると、当然施設というものが必要になってくると思うんですけれども、ここにはそのことは触れられておりません。施設を設置するとなると、必要な広さも、規模なども当然必要になってくると思うんですけれども、そうした予測というのは、どのように考えておられるんですか。
○山内航空政策担当部長 どの程度の施設が必要になるかにつきましては、今後、国内線や国際線の路線や就航機材、それから乗り入れ事業者など、共同利用の具体的内容にあわせて検討しなければならない課題でございます。
○清水委員 既に三沢基地が供用されていると思うんですけれども、そこではどんなふうな施設の状況になっているんでしょうか。
○山内航空政策担当部長 三沢基地の例を調べましたところ、三沢基地では米軍と共同利用しているわけですが、現在の民間機の運航便数は一日十二便、すなわち六往復程度でございます。そこに設けられている施設でございますが、将来計画分といたしまして、現在使われていない部分もございますが、それらを含めまして、十ヘクタール程度の民航地区を確保しております。
○清水委員 そうすると、十ヘクタールの基地外ということですよね。基地の外ということですか。
○山内航空政策担当部長 基地に隣接して確保してございます。
○清水委員 基地の中ではなくて、基地の外に十ヘクタール、将来計画を含めて確保しているというふうにいわれるということは、それが十二便ということで、米軍の基地内の施設はもう使えないことは当然で、こうした施設をつくらなきゃいけないということはもう予想されることなんですけれども、例えば、先ほどいわれました、十一年十月のこの報告書の中にはいろいろなケースが出されているわけなんですが、今は五十四便といわれましたが、百便のケース、それ以上のケースも触れられております。例えば百便として、航空専門家の方の文書を見ますと、格納庫とか整備工場とか誘導路とかターミナルとか搭乗施設とか、全部必要かどうかはわかりませんけれども、緊急消防車とか燃料タンクとか通信施設など、大変多くの施設を必要とすると思うんです。これらを横田基地内にもしつくるとなると、基地用地と基地機能というのは大幅に削減しなければならないことはもう当然だと思うんですね、今いったように、三沢で十ヘクタールというわけですから。
横田の場合ですけれども、その基地内を避けて、じゃ、基地外にそれを確保するとなると、さらに広大な民有地の確保が必要になる。周辺の地域はどうなのか、住宅密集地になっているという現状の中で、じゃ、横田基地ならどうなのかということになると、横田基地というのは、ここでいわれているように、最高度の軍事機密で満たされているといわれます。いろいろ隠された部隊があったり、化学生物戦基地防衛演習なども行われているといわれたり、日本人も含め外国人などに立ち入られると、観察されるのを好まなかったり、大変機密度の高い中枢基地になっているわけです。こうしたことから考えると、軍事評論家などのものを見ますと、在日米軍当局の立場から見ると、軍民共用化というのはあり得ないのではないかというふうにいわれている方もいるんですけれども、そうした点はどのように考えておられるんですか。
○山内航空政策担当部長 先生ご指摘の点などにつきましては、やはり今後、具体的に共同利用の内容等を検討していく中で、基地の内外の状況調査でありますとか、また、さまざまな周辺の事情などを含めて検討して、それなりの方向性が得られていくのではないかというふうに考えております。
○清水委員 米軍の機能というのは、九六年に日米安保共同宣言ができたり、新ガイドラインができたり、そうした日米の共同作戦というものが拡大していくという状況にあると思うんです。縮小していくという状況ではない中で横田基地の機能というのは、さらに拡充をする、今も滑走路を積み増しして修繕しているというわけですから、そういう強化をされるところに民間利用がどうなのかという点では、やはりその実現性というものを、安全性の面等も含めて疑問視される声もさらに大きくなっているというふうに指摘せざるを得ません。
次に、先に進みますが、騒音問題について伺います。今、ご説明にあった地上施設、そして、これから将来、もし周辺のアクセスなどを形成していくと、運営コストとか人件費など、それに見合う収益を上げなければならないとなると、じゃ、一日、数十便の旅客だけでいいのか、今いったように、百便以上の離発着も必要になるんじゃないか、経済効果予測でも、先ほど五十数便といわれましたけれども、それは共同利用の段階での数字ですから、それまでの米軍機の離発着もあるわけです。今でも米軍機の騒音では、大変な迷惑を住民は受けているわけです。それは後で詳しくあれしますけれども、この上の共同利用によって騒音被害が拡大されるということについて、どう認識されているんですか。
○山内航空政策担当部長 民間機につきましては、騒音に対するさまざまな改良が施されておりまして、軍用機に比べれば、騒音ははるかに小さいと承知しております。また、民間機は、騒音の基準値に適合した航空機でなければ運航を認めないという制度もございます。軍用機の場合ですと、NLPなどの訓練時に飛行場周辺を低空で旋回するというようなこともございますが、民間機はそのような飛行は行わないので、影響範囲というものも限定されます。さらに離発着に際しても、民間機は極力騒音の影響が小さくなるように飛行をするなどのさまざまな工夫を行っております。このように騒音が比較的小さく、周辺への影響に配慮した民間機が乗り入れることによって、将来的には、横田飛行場の軍用機の運航も改善されることもあり得るのではないかというふうに考えております。
○清水委員 民間機の騒音がどうなのかということを私は聞いたのではないんですけれども、現在、都市計画局の認識は、ここの中にも出ていますけれども、大体全日空、JASなど三社で一〇%ほど所有している最新機体の騒音コンター比較を民間機でやっているわけなんですけれども、確かに現在一〇%所有の機体が、将来、それがふえていくということはわかりますけれども、しかし、都市計画局がここで出している新しい機体は、この範囲なんですけれども、こちらの、十一年の十月に出した概況調査の民間機の騒音は、もっと広がっているんですよね。こちらよりも、今回出した方が狭い範囲での騒音だというわけですけれども、それは都市計画局が独自にシミュレーションしたというわけです。それはそうかもしれません。しかし、これは聞いたところ、三社で一〇%程度の機体の所有だということをいわれました。ジャンボなどは二十年から三十年ぐらいまで使うということでは、ジャンボ機の騒音というのは、羽田などでは比較的航空機騒音の環境基準というのは、大変だけれども達成されている状況にあると思うんです、いろいろな規制ができるから。しかし横田基地の場合、現状が余りにもひどいということに対して、それに民間機が多少それよりも低いから、上乗せしてもそう影響が多くないというふうにはならないんですよね。そのことを私はいっているんですけれども、じゃ、昨年、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会で、騒音に関して国や米軍に要請などを行ったと思いますけれども、どの程度行ったんでしょうか。
○山内航空政策担当部長 都は横田基地に関して、周辺五市一町と連絡協議会を設けて協議を行うとともに、国や米軍などに対して要請、要望活動を行っております。
今年度、騒音対策について活動したものとしては、十一月に実施した横田基地対策に関する総合的な要請のほか、米空母艦載機着陸訓練に対する抗議や要請、正月三が日の飛行停止要請があり、いずれも国と米軍に対して行っております。このような活動は、本年度は合計六回行っているところでございます。
○清水委員 昨年と比較すると、昨年度は今の計算でいくと、一回か二回程度だと思うんです。今年度になって、十二年度に六回ということでは、全然改善されていない。つまり、これは、例えば事前通告のあったときも抗議する、要請する。この間などは無通告で何回かやられて、また大変な苦情が寄せられたということで、今いわれました要請書の中を見ますと、昨年九月の飛行訓練では、騒音値が従前の値を大きく上回り、四百五十八件に上る苦情が寄せられたと書いています。現状の改善が最優先に求められているのに、民間機の騒音状態が低いからということでは、被害を受けている方にとっても全く答えにならないんですよね。まず、そのことを指摘したいと思います。
それから、先ほどご説明がありました都市計画局も、この概要報告書には入っていますよね。この調査に入っていると思うんです、一緒にやられたと思うんですけれども、ここを見ると、一番多い米軍機の回数に民間機を足しても、W七五の区域からはそう出ないんだというふうにされているんですけれども、もう時間がないから詳しくいいませんけれども、この調査の結果を見ても、環境局の、先ほど部長が説明された去年の騒音調査を見ると、平成十一年度の概況調査では、十一年度に五日間調査をやりました。その中で一番米軍機の多いところに民間機を上乗せしたらどの程度になるかという調査を出したわけです。同じく、私も環境局から騒音調査の結果をいただいたところ、十一年度というのは、五年間のうちで騒音発生回数が一番低い年だったんですよ。騒音発生回数を七年から足してみると、二十回ぐらい多いときと違う、その年の五日間をとって概況調査をやって、それでその最大の米軍機の回数に民間機を上乗せして、この程度の騒音ですよということを発表したわけです。それに、これをこちらの航空基本方針に載せながら、今回民間機を上乗せしても、そう大きくないんじゃないかというふうにいわれたんですけれども、今世論を喚起して、周辺の自治体が余り賛成してないので、騒音もそう大きくならないよというような、そういう形で騒音などの問題に対して対応しているように見えて仕方がないんですね。騒音の影響をどう取り除くのか、そのことが横田基地の問題では最大の課題なのに、この報告書では、そのことは触れないで、今回の政策になっているんですけれども、そうした声にはどのようにこたえていくのか、お答えをいただきたいと思います。
○山内航空政策担当部長 ただいまご質問の中で、五市一町の連絡協議会の騒音に関する要望活動が、昨年度は一回であったというふうに聞こえたんでございますが、私ども承知しているところでは、六回やっているというふうに承知しておりますので、その点、ちょっと注意喚起をさせていただきたいと思います。
民間航空利用と騒音対策の関係につきましては、今後、自治体首長や専門家などがメンバーに加わっている考える会などを通じまして、さまざまな協議や検討を行いまして、地元等の理解と協力を求めていく、そういうような取り組みをしていきたいというふうに考えております。
○清水委員 そちらからいただいた米空母艦載機、国や米軍への要請、抗議の回数を調べたんですよ。そちらからいただいた経緯の中では、まあ一回でも二回でも、とにかく多いことには間違いないので、それはいいんですけれども、こうした騒音をどうするのかということが非常に問題になっているんですけれども、安全性の問題も、先ほどから羽田の方でもいわれているように問題だと思うんです。現在でも米軍の低空飛行とか、そういう問題で不安に思っているわけですが、そこに民間が加わって接触の危険性などが一層増すというふうにいわれているわけですけれども、そういう安全性の問題では、どのように考えているんですか。
○山内航空政策担当部長 共同利用による民間航空利用は、米軍機も民間機も米軍の管制に従って一元的に運航することとなりますので、共同利用によって危険性が増すということはないと考えております。ちなみに、先ほどご紹介いたしました米軍と民間が共同利用しております米軍三沢基地におきましても、米軍のほかにさらに航空自衛隊も基地として使用しているわけですけれども、現在、すべての管制を自衛隊が一元的に行って安全が確保されているところでございます。
○清水委員 軍民共用という場合は、軍用飛行が優先されていくわけですよ。それで、航空法の問題でも、米軍機などは適用を受けないというようなことがあって、共用を進める会の中で触れられているフランクフルト空港などの共用の中でも、例えば、NATO軍がユーゴの空爆を行ったときに大量の戦闘機が入ってきて、多くの民間機が一時間も五十分も待たされるということがあったり、結局はボン空港に目的地を変更せざるを得ないというような、軍民共用されている世界の空港の中でも、実際には非常に危険だということが、そういう航空関係者の中からいわれているんですよね。ですから、今いわれたように、先ほども他の委員にも答えられていますけれども、確かに、そういう形で管制をされているのかもしれませんけれども、実際にはあちこちの軍民共用の場所では、世界の中でも大変危険な状況になっているということは幾つかいえるわけです。ですから、その不安というのは--だから安全だというふうにはいい切れないというふうに思うんです。
そうした環境の問題、安全の問題というのもまだクリアできていないと思うんですよね、横田の民間利用の問題では。そういう中では、周辺住民とか専門家の意見を聞いてから、東京都の方針を決めていくことが必要ではないかと思うんですけれども、まだ今の段階では、そういうものが酌み尽くされたというふうには思いませんが、その点はどのようにお考えですか。
○山内航空政策担当部長 民間航空利用につきましては、横田が返還されるまでの間のあの滑走路の有効活用を図ればよいのではないかということで取り組んでいるわけでございまして、自治体首長でありますとか、専門家などがメンバーに加わっている考える会などを開きまして、さまざまな協議や検討を行い、幅広く世論を喚起して、地元等の理解と協力を求めていきたいというふうに考えております。今後とも広くいろいろな意見を聞きながら、民間航空利用の早期実現に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。
○清水委員 瑞穂町は、共用を考える会に参加を要請されていますが、出席されていませんよね。聞いたところによりますと、二〇〇一年から二〇一〇年の長期構想が決められたそうです。その中で、初めて基地対策というのが盛り込まれまして、瑞穂町の長期計画の中には、横田基地の存在は町の発展の大きな障害となっています。横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会を通じ、返還に向けての活動を推進しつつ、基地に起因する被害を軽減するため、航空機騒音の縮小や補助事業の拡充、国有提供施設等所在市町村助成交付金の増額などを関係機関に働きかけていきます。なお、軍民共用化は、騒音被害や航空機事故の危険性が増大するばかりでなく、飛行場の永久化につながることから、反対の姿勢を貫きます。瑞穂町の長期計画では、初めてこういうふうに盛り込んだということで、資料をいただきました。そういう意味では、これまでどれだけ、基地があって、周辺住民--八王子も実は環境基準を達成していない年もあるんです。遠くだと思われるかもしれないけれども、十一年には都立大学の上空の音はW七三で、一類地域ですから達成していませんでした。ですから、周辺住民からすると、瑞穂町とか昭島だけではないですよ。福生、羽村そして八王子、日野までずっときて、本当に五市一町だけではないです。あれに入ってない地域でも、私自身の上も、七〇になるときも時々あります。そういう意味では、本当に一年じゅう、しかもNLPが無通告で訓練が行われるときの住民の気持ちというのはわからないと思うんですよね、本当にその場にいた方でなければ。
そういう町が、一番最近の計画にこういうことを盛り込んでいるわけですから、そういうものを無視して、整備計画を国に働きかけるというようなことを東京都が今の段階で行っていいのかなと非常に疑問です。まだ国への働きかけはやめるべきだというふうに考えますが、その点についてお答えいただきたいと思います。
○山内航空政策担当部長 都としては、横田飛行場が返還されるまでの間、首都圏の空港機能を補完し、多摩の振興などを図るために横田飛行場の滑走路の有効活用策として、民間航空利用をすることが必要と考えておりまして、その実現のために必要な対応をとるように、国に対して働きかけていくとともに、また、その実現に向けて周辺自治体等に対しても、共同利用について理解と協力を求めていくことにしているわけでございます。
このような取り組みにより、民間航空利用が実現できる段階で必要な施設整備が開始されるようにするためには、横田飛行場の民間航空利用を次期空港整備計画に位置づけることも必要でありますので、国への働きかけを引き続き続けていきたいというふうに考えております。
○清水委員 一致した返還を進めようという流れの中に、不一致点を持ち込んでそれを拡大するものだというふうに思います。それから、永久化につながるのではないかという懸念も出されています。返還後の跡地利用の合意もできていないことは、先ほども明らかになりました。
今、都市計画局と東京都が行わなければならないのは、本会議の代表質問でもいってきましたけれども、アメリカでは住宅密集地では、米空母艦載機離着陸NLP訓練というのは禁止されているんですよ。それを日本の住宅密集地の上で、しかも無通告で行っている。これを中止させることが一番じゃないんですか。それに対して、日米合同委員会の議題にするべきだということを我が党は代表質問でいってきているわけです。知事にこれを議題にして、これを中止させる。まず、NLPの訓練を中止させることをしたらどうか、その上で民間航空機のことをいうかどうかはまた別としても、まずそのことをやるということに努力すべきじゃないんですか。
都市計画局としても環境騒音対策、五十九年以降に建築された住宅には、防音工事されませんよね。その後に建っている住宅なんかはいっぱいあるわけですよ。最近も都営住宅が建ちましたが、そこには防音工事が防衛庁からつかないために、東京都が少し厚いガラスを使ったり、機密性のあるドアを、サッシをつくったりして多少騒音を緩和するような対策を、八王子市内の都営新築住宅にしました。そういうことも米軍は、アメリカ当局はやってないわけです。そういうことに対して、都市計画局は努力をすべきだということを繰り返し、最後に国への働きかけをやめるよう要望して質問を終わります。
○寺山委員長 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○寺山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市計画局関係を終わります。
本日の委員会を閉会いたします。
午後四時散会
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