委員長 | 寺山 智雄君 |
副委員長 | 真鍋よしゆき君 |
副委員長 | かち佳代子君 |
理事 | 大西由紀子君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
理事 | 森田 安孝君 |
中嶋 義雄君 | |
清水ひで子君 | |
馬場 裕子君 | |
吉野 利明君 | |
立石 晴康君 | |
内田 茂君 | |
田中 晃三君 | |
奥山 則男君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 中野 英則君 |
総務部長 | 平井 健一君 | |
企画担当部長 | 梶原 康二君 | |
技術担当部長 | 関 寿彰君 | |
移管事業調整室長 | 西野 和雄君 | |
環境改善部長 | 長谷川 猛君 | |
参事 | 小島 高志君 | |
自動車公害対策部長 | 松葉 邦雄君 | |
自動車公害対策推進担当部長 | 山本 憲一君 | |
自然環境部長 | 高田 茂穗君 | |
廃棄物対策部長 | 薄 厚一君 | |
環境評価部長 | 町 格君 | |
環境科学研究所次長 | 萩本 秋彦君 |
本日の会議に付した事件
請願の取り下げについて
環境局関係
事務事業について(質疑)
○寺山委員長 それでは、ただいまから都市・環境委員会を開会いたしたいと思います。
初めに、請願の取り下げについて申し上げます。
お手元にご配布させていただいております一二第二五号、月島一丁目及び佃二丁目の総合設計制度による再開発の促進に関する請願につきましては、取り下げを許可した旨、議長から通知がございました。ご了承願いたいと思います。
○寺山委員長 次に、請願の付託替えについて申し上げます。
お手元配布の一二第七〇号、仮称「メモリアル高幡霊園」の墓地造成に関する請願につきましては、厚生委員会の方から本委員会に付託替えをした旨、議長から通知がございましたので、あわせてご報告を申し上げます。
○寺山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより環境局関係に入ります。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、環境局長から紹介がございます。
○中野環境局長 去る十月十三日の委員会を公務出張中のため欠席させていただきまして紹介が遅くなりましたが、紹介させていただきます。環境改善部長の長谷川猛君でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○寺山委員長 紹介は終わりました。
○寺山委員長 これより事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
資料につきまして理事者の説明を求めます。
○平井総務部長 それでは、去る十月十三日の当委員会でご要求いただきました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元配布の都市・環境委員会資料の表紙をおめくりいただきたいと存じます。左側目次のとおり、要求いただきました資料は十七項目にわたります。
まず一ページをごらんいただきたいと思います。全国の浮遊粒子状物質測定局のうち上位十局ということでございます。これは、全国の浮遊粒子状物質を測定している自動車排出ガス測定局の上位十局とその測定結果につきまして、平成七年度から直近の平成十一年度までを一表にしたものでございます。
次に、二ページをお開きいただきたいと存じます。全国の二酸化窒素測定局のうち上位十局でございます。これは、二酸化窒素を測定している全国の自動車排出ガス測定局の上位十局につきまして、その測定結果を一ページと同じく一表に示したものでございます。
三ページをごらんいただきたいと存じます。都内の燃料別車種別保有台数でございます。平成二年度、平成七年度及び平成十一年度の各年度末における都内の燃料別車種別車両の保有台数を記載してございます。
四ページをお開きいただきたいと存じます。ディーゼル車NO作戦の経過でございます。平成十一年八月、ディーゼル車NO作戦の開始から現在までの主な経過につきまして記載させていただきました。
次に、五ページをごらんいただきたいと存じます。DPFの製品化の状況でございます。実用化段階にある主なDPF四種類につきまして、そのメーカー、方式、原理、性能、価格などを記載してございます。
六ページをお開きいただきたいと存じます。低公害車の普及促進に係る助成制度でございます。1には、国が行っている助成制度につきまして、2には、東京都環境局が行っている助成制度につきまして、それぞれ対象者と内容を記載してございます。
次に、七ページは、大和町交差点における大気汚染対策でございます。1といたしまして、過去五年間の中山道大和自動車排出ガス測定局における二酸化窒素の大気汚染の状況を、また2といたしまして、平成五年九月から現在までの大気汚染対策の経緯を、次に3は、これまで実施した三種類のNOX除去実験の結果などについて、その概要、効果、経費などを記載してございます。
次に、八ページをお開きいただきたいと存じます。横書きの表になってございますが、全国の主な公害裁判の事例でございます。川崎公害訴訟、尼崎公害訴訟、東京大気汚染公害訴訟につきまして、その概要を記載してございます。
次に、九ページをごらんいただきたいと存じます。浮遊粒子状物資、いわゆるSPMの健康に及ぼす影響でございます。SPMの環境基準設定の根拠となりました知見と諸外国及び国内のSPMの健康影響に関する調査の状況につきまして、簡潔に示してございます。
次に、一〇ページをお開き願いたいと存じます。都における土壌汚染の指導実績と主な事例でございます。1の表には、平成九年度から三年間の土壌汚染の指導実績につきまして、都有地と都有地以外に分けて記載してございます。また、2の表には、最近の主な土壌汚染の事例につきまして、汚染物質、処理実施者などを記載してございます。
次に、一一ページは、地域冷暖房の導入の状況と省エネルギー・環境保全効果でございます。1の表には、平成十二年八月末現在の地域冷暖房の導入状況について、区域指定数、供給対象の建物数とその延べ床面積を記載してございます。2の表は、地域冷暖房と個別冷暖房を十一年度実績をもとに試算し、その省エネ、環境保全効果を比較したものでございます。
一二ページをお開きいただきたいと存じます。自然公園内の市街化区域と市街化調整区域の面積でございます。自然公園を国立公園、国定公園、都立自然公園の種別に分類しまして、その全体の面積及びそのうちの市街化区域、市街化調整区域の面積を記載してございます。
次に、一三ページをごらんいただきたいと存じます。産業廃棄物処理施設の設置状況でございます。都内二百六十の施設につきまして、区市町ごとに中間処理施設及び最終処分場の施設数を記載したものでございます。
一四ページをお開きいただきたいと存じます。東京都の産業廃棄物の再生利用状況でございます。上段には、都の産業廃棄物の処理・処分の流れ及びその量と割合を記載してございます。下段には、産業廃棄物の種類別の排出量、再生利用量、再生利用率及び主な用途を記載してございます。
一五、一六ページにわたりましては、PCBの保管状況等についてでございます。まず一五ページでございますが、1といたしまして、都内のPCB廃棄物の保管状況及び使用状況につきまして、PCBを含む機器などの種類ごとに、平成十年において保管しているもの及び使用中のものについて、その事業所数及び数量を記載してございます。
一六ページをお開きいただきたいと存じます。一六ページはPCB関係の2といたしまして、現在実施中の都の施設におけるPCB入り照明用安定器の使用状況調査について、その目的、対象等を記載してございます。また、3は、民間企業三社のPCB化学処理施設の稼働状況を記載したものでございます。
一七ページをごらんいただきたいと存じます。都庁舎及び関連施設の生ごみ堆肥化の状況でございます。都庁舎食堂等ほか二施設における実施状況及びその再利用先につきまして記載してございます。
最後は、一八ページでございます。東京都総合環境アセスメント制度試行の進捗状況についてでございます。平成十年六月の東京都総合環境アセスメント制度の試行指針及び試行実施要領の策定から現在までの進捗状況を記載したものでございます。
以上で、大変雑駁ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○寺山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○田中委員 私は、七ページの大和町交差点における大気汚染対策につきまして、質問させていただきます。資料を提供していただきましてありがとうございます。また、一ページと二ページに、大和町交差点の浮遊粒子状物質、それから窒素酸化物、これが、いずれも、大変残念ながら浮遊粒子状物質は全国第二位、二酸化窒素は第一位、今なお地域に住んでいる区民の人たちが毎日の生活の中に大層不安な日々を送られているということは、地域から選出させていただいております私にとりましては、いつも頭の痛い、一日も早くこれを改善してもらいたい、そういう思いを込めて質問させていただきます。
この件につきましては、各会派とも取り上げておられるわけでございまして、一例を挙げて申しますと、平成四年から今日まで、本会議での質問は八回、常任委員会では九回、予算特別委員会では六回、質問が毎回といわれるくらいに行われておりますので、恐らく、過去にさかのぼりますと、もう数十回もこの問題が取り上げられ、一日も早い改善が望まれているわけです。それにこたえる意味で東京都は、東京都主導のもとに平成五年、大和町交差点環境対策の検討委員会が設けられた。この検討委員会に引き続いて平成九年には、大和町交差点環境対策効果検証委員会が設置されまして、今、三つの項目について実験、検討が行われております。そして、それぞれに実験の結果では良好な結果が示されております。これからも、この検証が行われていくわけでございますが、実験、実験という、その努力は私も認めるわけでございますけれども、今なお全国第一位、あるいは第二位の大気の高濃度汚染が続いている状況の中で、何とかして明るい見通しを地域の方々にお見せしてもらいたい。
少なくとも実験の結果、こういういい結果が出たわけでございますから、それでは、これを、土壌浄化、換気施設、光触媒による効果が、ここに総合的に、具体的に大和町環境改善として適用したときに、本当に大和町交差点の環境改善はできるのか、また、できると、そういう明るい見通しをお示しくださらないと、地域の住民たちは、毎日の不安にさらされているわけでございますので、どうかひとつ、そういう面では、今までの実験の成果というものが総合的に応用されたときに、大和町交差点の環境改善は本当になるのか、NOX環境基準の〇・〇六をクリアすることはできるのか、そういった明るい見通しがあるのかどうか、まずお尋ねしたいと思います。
○松葉自動車公害対策部長 平成九年から十二年にかけまして、土壌浄化、換気施設、光触媒の三つの対策案の実験を行ってきました。この実験結果などに基づきまして、道路管理者、いわゆる東京都、建設省、それから首都高速道路公団の三者が、一時間当たりの処理能力が約十万立方メートルの実用化規模の土壌浄化施設を、環状七号線の陸橋下に今年度設置しまして、効果の検証を行う計画でございます。一方、都としましては、平成十七年度におきまして、自動車から排出される粒子状物質を、平成六年度に比べまして約六割ほど削減する方針で現在対策を進めています。こうした自動車公害対策を総合的に実施していくとすれば、将来、粒子状物質などについて改善が図られていくというふうに予想されるわけでございます。しかしながら、大和町交差点のような汚染の高い場所では、なお環境基準の達成は容易でないと考えられまして、今後とも環境改善の努力を着実に進めていく必要があるというふうに考えています。
○田中委員 確かにディーゼル車NO作戦ということを東京都が、石原知事の強烈な指導のもとで実施をされていけば、粒子状物質の改善というものが図れることは間違いないと思うわけでございますが、しかし、なおかつ、この作戦は、二酸化窒素にはほとんど効果がないわけです。したがって、二酸化窒素の改善というものを積極的に図っていくために、今、実験が進められているわけですけれども、恐らく、大変心配されることは、ここに三種類の実験を施しても、なおかつ窒素酸化物、NOXの環境基準の達成というものは、私は極めて難しいのではないかというふうに思うのです。この大和町交差点というのは、自動車公害対策のシンボルです、ここを解決することなくして東京の環境対策はなれりということにはならないと思いますね。ですから、今まで以上にここに、ある面では相当な投資を施して、抜本的に改善を図らなければいけないのではないかというふうに思っているわけです。
ご承知のように、大和町の交差点というのは四方が建物に囲まれておりまして、大気の拡散が妨げられているわけでございます。この問題の解決は、一般的には、今のままでは解決できないだろうと。どうしたらいいんだろうか。これは、交差点付近の構造を変えなければいけないのではないかと常々思っていたわけです。しかし、これは、いうはやすく行うことはまことに難しい。町の構造を変える、あるいは交差点の構造を変える、これは、私は不可能に近い状況であるというふうに思っていたわけでございますが、国際化、自由化、そういうものが進行する中で、社会の経済構造が大きく変わってまいりまして、企業の統廃合というものが今まさに大きく進行している中で、銀行業もその統廃合の波をもろにかぶっております。こちらは、ご承知のように中山道の交差点を背にするところに富士銀行、中山道の南側には第一勧業銀行、こういった銀行がある。この富士銀行と第一勧業銀行と日本興業銀行、これを持ち株とする、みずほホールディング、この会社ができまして、そして統合化に向かって今進んでいるわけです。そうしますと、富士銀行と第一勧業銀行、私は、二つは要らないんじゃないかと。調べるところによりますと、富士銀行と第一勧業銀行、富士銀行は敷地面積七百三十平米、第一勧業銀行は六百八十平米、この二つの銀行は、一つにやがて統合されるということになると、一つは、勝手な推量でございますけれども、リストラということで不要となってくるだろう。これは、実は板橋区の石塚区長が、そういったお考えをお持ちになっておりまして、一、二、その話を上部にしているという話を直接伺いました。そして、一緒になってこの地域の環境改善に努力していこうではないか、そういった話がございます。
そこで、この二つの銀行の統合によって不用となるであろう片方の銀行用地、これを確保すればオープンスペースができる。この交差点の交差面積というのは九千八百平米、富士銀行は七百三十平米、第一勧銀は六百八十平米でございますので、大体七%から八%の土地がそこに生まれるわけです、オープンスペースが。そして、ここに、植樹帯、緑化、そして今から進められようとしております土壌浄化、こういったものを導入することによって、この地域の大気汚染というものは、今までとは格段に改善されていくのだろう。しかし、〇・〇六をクリアできるかどうかはまだまだわかりませんので、皆さん方がぜひこういうことを想定しながらシミュレーションをかけて、間違いなくいくであろう、そういう努力をしながら、不用の土地となるであろう銀行用地の確保に向けてぜひ努力をしてもらいたい。そして、大気汚染の改善に効果を上げてもらいたいというふうに思いますが、どうでしょうか。
ちなみに、銀行法、銀行業の目的には、この法律は銀行の業務の公共性にかんがみて行われているんだ、そういう第一条がありまして、「もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする」こう書いてあるんですね。あの地域は、東西南北、道路に面した商店は閑古鳥です。国民経済の健全な発展をまさしく阻害している地域なんですね。ですから、今、銀行はいろんな面で国民の批判を受けているわけです。この際、この地域の環境改善に、皆様方の努力、我々の努力によって、銀行がこの地域を開放してくれる、もちろん、東京都、あるいは国が買い取って、金銭の対価はしっかりと払っていかなければいけないと思いますけれども、私は、日本一悪いこの地域の環境改善を、ともにスクラムを組んで改善をするという方向でお願いをしていけば、必ずやいい答えが出てくるだろうと思うのですけれども、このことについて、いかがお考えか、お答えをいただきたいと思います。
○松葉自動車公害対策部長 オープンスペースの確保は、交差点の周辺地域環境の改善に有効であるというふうに考えております。道路管理者などとオープンスペースを確保することの可能性を今後検討していきたいと思ってございます。また、交差点近くの緑化の実施などにつきましては、あわせて道路管理者に働きかけてまいります。
○田中委員 次に、第二の大和町になるのではないかと、地元の住民が、また板橋区議会、板橋区石塚区長が心配をしている道路交差の問題で、相生町の交差点、いわゆる環状八号線と高速五号線、補助二〇一号線が交差する相生町交差点の問題についてお尋ねをしたいと思うのです。これは、やがて東京都の問題になり、国の大きな問題につながってくるだろうと思いますので、あえて質問をさせていただきます。
ご承知のように、羽田の国際空港化、私どもは一日も早くこれを実現させなければいけないというふうに思っているのですが、環状八号線というのは、平成十七年までに羽田へのアクセスというものを達成しなければいけない、そういう課題というものを抱えているわけです。既にもう現在、環状八号線の中で九キロだけが、まだまだ道路の整備というものが達成されていない。これが板橋区であり、お隣の練馬区、こういうことになる。この中で、先ほど申し上げました相生町交差点、ここは、大和町交差点と同じように三層構造という形態を持っているわけです。そこで、大和町交差点で悩んでいる地元の区議会、それから板橋区石塚区長は、相生町交差点における環状八号線の平面交差は、第二の大和町交差点になるのではないかと、地域の住民は懸念をし、また表明をしているわけです。この点について、環境局はどうお考えなのかお尋ねしたい。
○松葉自動車公害対策部長 相生町の交差点の立体交差化でございますが、環境対策も含めまして道路建設を建設局は検討してございます。環境局といたしましては、道路建設に当たりましては、特に環境に配慮し、交差点の周辺の環境に与える影響をできるだけ少なくしなければならないというふうに考えてございます。
○田中委員 実は、東京都の建設局では、ここを平面交差で通したいと、板橋区は、大和町の二の舞を演じたくないということでアンダー立体、そして二つの考え方というか、工法について、今、全く対立をしているんですね。東京都のいい分には、一定で理解できるんですが、とにかくアンダー立体では、大型埋設物の移設が必要となるため、事業費で百十六億円、工期が八年、平面ですと、事業費四十三億円、工期四年、これはまさしく平成十七年のアクセスが達成できるわけです。しかし、板橋区方式では八年の工期ということで、平成十七年までにアクセスするというのはまことに不可能、しかし私は、板橋区議会の意見書、板橋区長さんのそういう強い思いを考えて、板橋区の立場に立たざるを得ない。しかし、解決の道があるのか。両方が突っ張り合っていてなかなか解決の道がない。
そこで、都の理由として、東京都は、相生町交差点の交差面積一万二千三百平米、そして大和町は九千八百平米、交通量も違う、交差面積も違う、したがって拡散の希釈効果が相生町は高いのだ、こういうことをいっているわけですね。だとすれば、私は、まず大和町交差点でそれを実証してもらいたい。先ほどの質問でもないんですがね。やっぱり富士銀行か第一勧銀のどちらかをオープンスペースにして、本当に大和町交差点のオープンスペースが拡散希釈効果というものを間違いなく上げる、こういうことになれば、石塚区長、あるいは板橋区議会の気持ちを変えることができるのだろうと思う。百十六億円の八年、四十三億円の四年間、百十六億円から四十三億引きますと七十三億円が浮くわけですよ。これを大和町交差点の富士銀行、金額は、私、わかりませんけどね、あるいは第一勧業銀行の用地買収、これの一割か二割で済むんじゃないですか。大胆に、果断に実行してもらいたい。そして一日も早く実証していただいて、この問題の解決を図らなければ、平成十七年の羽田へのアクセスは不可能である。これは、東京都の問題であり、日本の問題になる、こういうふうに思っているわけです。これは私の意見でございます。
最後に、とにかく今後の大和町交差点における対策と相生町交差点の問題の取り組みについて、局長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○中野環境局長 東京の主要交差点の中でも、大和町交差点は特に大気汚染が深刻で、環境改善が急がれていることはご指摘のとおりでございまして、私どもも強く認識しているところでございます。それぞれ道路管理者がこれまで行ってまいりました環境改善のための実験も、大和町交差点における土壌浄化施設のように、規模を拡大して行われつつあるところでございます。今後とも大和町交差点の局地汚染の改善に向けまして、私ども環境局といたしましても、ただいま先生のご指摘のオープンスペースの確保などの点につきまして、道路管理者側と関係行政機関とも十分連携を図り、効果的な対策を推進するよう努めてまいりたいと考えております。
また、相生町交差点の問題につきましては、周辺環境への影響をできるだけ少なくしていくよう、所管局でございます建設局とも十分調整していきたいというふうに考えてございます。
○吉田委員 私は、この機会に、都内の土壌汚染の問題と、総合環境アセスメントの二点について質問させていただきます。
初めに土壌汚染について、きょうの資料でも紹介されていますが、全国でも、そしてこの東京都内でも、工場跡地等による有害物質による土壌汚染が明らかになり、周辺住民に大変な不安を広げているという状況です。きょう出された資料でも、都有地以外の相談指導件数は、一昨年の六十四件が、昨年はその二倍以上の百四十件にまで増加をしております。杉並でも、この九月に、日産自動車によって、同社の荻窪工場跡地の土壌が汚染をされている。例えば、有害物質トリクロロエチレンでいいますと、最高千六百三十三倍、環境基準値に対しての汚染が発表されました。この荻窪工場の場合は、杉並区の中でも中心部に位置するだけじゃなくて、非常に良好な住宅地の中に隣接をしているという地域的特性もありますから、当然周辺住民の皆さんにとっては大変な不安が広がっているわけです。もちろん除去作業その他の作業が始まっていますけれども、まあ除去しさえすればいいじゃないかというわけにはいかないと思うんですね。改めてこの問題での、企業である日産自身の責任、そして東京都がこれにどのように対応してきたのかということが問われる問題だというふうに思います。
初めに、日産荻窪工場跡地における汚染の概況、日産自動車がどのように対応してきたのか、それとあわせて初歩的な点ですが、トリクロロエチレンの有害性というのはどういうものか、概括的にまずご説明をお願いいたします。
○長谷川環境改善部長 最初に、汚染の概況ですけれども、日産自動車の報告によりますと、土壌につきましては、揮発性有機化合物であるトリクロロエチレン、シス1・2ジクロロエチレン、テトラクロロエチレンの三物質が環境基準を超え、重金属ではカドミウムが環境基準を、総水銀、鉛、カドミウムの三項目が、含有量参考値を超えております。また地下水につきましては、土壌の環境基準を超えた揮発性有機化合物三物質が環境基準を超えております。日産自動車のとった対応でございますけれども、日産自動車としては、環境基準にトリクロロエチレン等揮発性有機化合物が追加される、こういう情報を得まして、会社自身が基本的に敷地内の土壌の汚染の程度を調査しております。これに基づきまして非常な汚染が見出された地点が見つかりまして、それにつきましては、会社が独自で既に部分浄化を実施しております。現在残りの部分について、土壌の汚染浄化について実施しております。私どもに報告があったのは、去年の六月にありました。私どもとしては、会社側の報告がおくれたことについて、強く注意をしたところであります。
それから、先生ご指摘のトリクロロエチレンの有害性等についてでございますけれども、トリクロロエチレンというのは、各種の油脂類などの汚れを溶かす性質があるので、普通一般的に、金属関係の工場で油落とし等の洗浄剤に使われております。
人体への毒性としては、急性毒性としては、皮膚や粘膜への刺激、慢性毒性としては、神経系への影響や肝臓、腎臓障害が認められており、また発がん性の疑いがあるとされております。
以上でございます。
○吉田委員 概括的な説明があったんですが、ちょっと確認したいんですけれども、いつごろから汚染が発生したのかということを、まず確かめたいんですね。それと、一体いつから日産は、この問題について、汚染の進行を確認して調査を開始したのか。今のお話だと、東京都に報告があったのは昨年の六月だという話ですけれども、現実には日産側がこの事実を知っていたのはもっと早い時期だと思うんですが、どうだったのか。さらに、私がざっと日産の調査報告を見た限りでは、先ほど私、千六百三十三倍というふうにトリクロロエチレンについて紹介しましたが、もっと早い段階の調査では、さらにそれをもう一けた上回るぐらいの汚染が、実は調査結果としてはあったように見られるんですけれども、その辺、もう少し詳しくご報告願えませんか。
○長谷川環境改善部長 日産自動車によりますと、平成四年に、先ほど申し上げましたようにトリクロロエチレン等が環境基準項目に追加されるという情報を得て、敷地内の土壌調査を開始したと聞いております。その結果、今ご指摘がありましたようなトリクロロエチレンについて、高濃度汚染された地点が見つかりましたので、会社側として有害化学物質の使用履歴等を調査しました。会社側の話としては、高濃度汚染が発生したのは、昭和六十一年にトリクロロエチレンを使用している洗浄施設の溶接部分に漏れがあって漏出した。当時、会社側としては、環境を汚染するという意識はなくて、いわゆる単なる事故という形で認識していたわけですけれども、その後の調査で、それが汚染の原因だということがわかった、このように聞いております。
それから、先ほどいいましたように、先生からご指摘があったトリクロロエチレンですけれども、環境庁や東京都の指針等に基づきまして、正式な土壌汚染調査をしたときは、トリクロロエチレンの最高濃度は環境基準の一千六百倍程度でございました。ただ、先ほどいいましたように、事故があった地点について、部分浄化をもう既に終わっておりますけれども、部分浄化をしたとき、土壌掘削等によって汚染物質があったところを測定した結果では、一万六千倍程度の汚染が見られた、このような話を聞いております。
○吉田委員 今の説明を聞きますと、やっぱり汚染の深刻さというのは大変なものだと思うんですよね。そもそも発生したのが、日産側の説明によると昭和六十一年以降ということですし、しかも、基準値に対して最高で約一万六千倍の高濃度であった。それが、周辺住民、あるいは杉並区も、長期にわたって全く知らなかったわけですね。確かにこの報告があった時点で、東京都、そして杉並区もまた、この秋に井戸水等の調査を行った。その時点では、人体に対する影響は考えがたいというようなご判断をされたわけですが、しかし、これまでに至る過程の中ではどうであったのか、その間に人体に対する影響は心配なかったのかということになれば、当然、これだけの高濃度の汚染があったということになれば、極めて危険な状況が、そのまま知らされないで放置をし続けた、少なくとも周辺との関係はですよ。日産側は、自分たちの敷地内でいろんなことをやったようですけれども。こういうことは、法令的にはそういう定めがないかもしれませんが、日産としての企業責任というのは問われないものなんですか。
○長谷川環境改善部長 現在、法律等で地下水汚染の規定はございます。例えばトリクロロエチレン等が地下水やなんかの環境基準に加えられたのは平成元年、そういうような、自主的に汚染を見つけた場合、推奨規定なんですけれども、指針に基づいて都やなんかに連絡しろ、こういう規定が定まったのは去年の一月でございます。そういう意味では会社には、法制度面等から見ては特に問題になることはないと思っております。ただ、先生ご指摘のように、私も先ほど申し上げましたように、日産自動車自身の立場でいいますと、土壌汚染を調査したきっかけとなったのは、トリクロロエチレン等揮発性有機化合物が環境基準に追加される、そういう情報を得て自主的に企業内で調査を行ったと聞いております。
行ったきっかけを聞きますと、日産自動車自身は、トリクロロエチレン等が地下水とか土壌を汚染して、それが工場外に行った場合は非常に問題になる。こういうことを認識して自主的に調査をしたと思います。そういう意味では、汚染の事実が見つかった場合、会社側は、会社の敷地外に汚染が及んでいるかどうかは判断する余地がなかったので、なるべく早く都に連絡して、環境的な問題もあわせて調べる、そういうことをするべきであったし、その辺については、私どもも遺憾に思っておりまして、会社側に対して強く注意をしたところであります。
○吉田委員 今、確かにトリクロロエチレンそのものが明確に環境基準になったのは平成六年だというふうに聞いておりますが、ただ、これは、皆さんから私自身説明をしてもらった中では、そのはるか前になりますが、昭和五十九年、環境庁水質保全局長通知で、トリクロロエチレン等の排出にかかわる暫定指導指針の設定についてということで、土壌汚染についてもたしか〇・三ですか、現行の基準値が、暫定的なものであるけれども既に定められていたという経過がありますから、もちろん明確な環境基準として確定はしてなかったけれども、既に日産としてはそういう情報なり指導を東京都からされているわけですよね。したがって、東京都に対する連絡が義務づけられたのは昨年の一月の指針によるものだということがあったかもしれませんが、現実に周辺に対する影響の心配ということは、だれが考えたって、まず優先的に心配されなければならないことであり、私はこの点での日産の責任というのは厳しく問われるべきものではないかなと思うのです。
そこで、次にお伺いしたいんですが、東京都は昨年の六月、報告を受けたということだと思うんですが、しかし、なぜか杉並区は、それからさらに一年以上おくれて、ことし九月なんですよね。直接の当該の区が、東京都は昨年六月に説明を受けながら、一年以上おくれて、東京都からももちろん連絡もない。ことしの九月になって初めてわかる。周辺住民の方々も初めてわかる。これは、東京都としては昨年六月に日産から報告を受けたときに、どのようにこういう問題について対応されたんでしょうか。
○長谷川環境改善部長 東京都では、日産自動車から相談があった段階で、先ほど申し上げましたように、汚染が周辺環境に影響を及ぼしているかどうかを確認するために、同社の土壌汚染の影響を確認するための周辺の井戸水等の調査を実施いたしました。私どもの調査結果では、日産自動車の荻窪事業所が原因となって環境を汚染しているという事実は見られませんでした。東京都といたしましては、日産自動車の荻窪事業所の汚染が周辺環境に影響を及ぼしてないことが確認されたことから、日産自動車に対してみずから汚染の事実を公表すべきと考え、その旨、公表するように指導してきたところであります。
○吉田委員 そうすると、昨年六月に報告を受けたときに、周辺住民及び杉並区に対して、自主的に報告をしなさいということを指導しておきながら、日産は一年以上にわたってその東京都の指導に従わなかったといったら不適切かもしれませんが、事実上従わなかったわけですよね。なぜそういう事態が続いたんですか。もうちょっと説明してもらえませんか。
○長谷川環境改善部長 これは、日産側の事情で、私どもとしては憶測でしか申し上げられませんけれども、恐らく日産自動車側としては、同社の敷地内の汚染土壌の除去対策、この辺を確立した上で公表したい、そういうような意向が働いて公表がおくれたんではないか、このように推測しております。
○吉田委員 いろいろな思惑があったかもしれませんけれども、また、それが果たして基準上どうであったかという問題はあるかもしれませんが、少なくとも事実として、当該区はもちろんのこと、周辺住民の方にまず公表するというのは当然の責務ではないでしょうか。日産にその旨、指導されたということですが、事実上それが一年余にわたって履行されなかったということは、私は、東京都自身の姿勢そのものも問わざるを得ないという事態だと思うのです。そうしたこの間の経過と同時に、今後、例えば土地の売却ということが日産は起きて、それで今回調査をし、発表するということにつながったわけですが、そういうときでないと、汚染が進行していたとしても表に出ないということがあっては、私はまずいと思うんですよね。やはり未然防止ということと、東京都自身が積極的に、これまでも進めてきたかもしれませんが、調査を行うという努力がますます求められていることを、今回の事件は浮き彫りにしたものだというふうに思います。
それで、これまで日産という具体的な、荻窪工場も含めてですが、東京都としてはどんなふうに調査をしてきたのか。日産はもちろん、その中に調査で入ったことがあったと思うのですが、なぜこのような事態が昨年六月に報告されるまで確認することができなかったんでしょうか。そういうことから何か教訓というものを明らかにしているんでしょうか。
○長谷川環境改善部長 現在、土壌地下水汚染につきましては、水質汚濁防止法で有害物質を含む工場排水等は地下に浸透させてはならない、こういう規定がございます。東京都で水質汚濁防止法に基づきまして有害物質を扱う工場の立入検査を実施し、設備などを検査して、有害物質を含む排水が地下に浸透してないかどうか、こういうような調査を立入調査という形で行っております。残念ながら日産自動車の場合は、こういう形で調査した中では発見できなかった。
もう一点、例えば地下浸透した場合の履歴を明らかにするためには、土壌中には地下浸透した影響は残っているわけですけれども、現在の法律や条例では、土壌を採取して分析する、これがなかなか一般的な形ではできないような形になっております。こういうところは、いわゆる発見がおくれた原因となっておりまして、今後、公害防止条例の改正を予定しておりますけれども、その中でこういう点を、未然防止が可能なような規定を考えていきたい、このように思っております。
○吉田委員 大いに今後の未然防止策というものは、今回の事件を一つの教訓としてぜひ積極的に対応していただきたいと思いますし、あわせて、すべてのトリクロロエチレン等をかつて使ったことのある、あるいはまた、現在有害物質を使った事業所をすべて一気に調べろといっても無理かもしれませんが、日産も立入調査をしたにもかかわらず報告も受けなかった、また事実も確認できなかったという経過があるわけですから、全部を出すのは難しいかもしれませんが、少なくとも聞き取り、あるいは一定の数については、直接この際立ち入って、かなり集中的に調査をするような努力というのは考えられないものでしょうか。
○長谷川環境改善部長 先ほど申し上げましたけれども、今後予定しております公害防止条例の改正の中で、今の法の体系は、有害物質を含む水の地下浸透のみを禁止しておりますけれども、私ども条例改正の中で、有害物質取扱施設が構造的に汚水を地下に浸透させることがないように、構造基準の規定を設けることを予定しております。私どもとしては、先ほど申し上げました水質汚濁防止法に基づく有害物質の地下浸透防止の措置と、今後予定しております公害防止条例の新たな規定、これを踏まえまして、先生のご指摘の話も踏まえて、その工場が汚水を地下に浸透させる構造になってないかどうか。仮にそのおそれがあった場合は土壌を採取して、基準値を遵守できているかどうか、この辺について、今後立入調査等を行っていきたい、そのように考えております。
○吉田委員 そういう仕組みと同時に、今回の事件は、仕組み上の欠陥といいますか、国の法令等々の不備もあったんでしょうけれども、やはり環境局の実践的、具体的姿勢という問題も問われてきたと思うのですね。大いに仕組みを整えると同時に、それを厳しく対応する。例えば、これは私の判断かもしれませんが、水質汚濁防止法では、事故が起きた場合には、それは直ちに対応すると同時に、都道府県に報告せよということが、既に平成元年にできた水質汚濁防止法では書かれているわけで、そういう意味では、環境局としての具体的な姿勢と努力というものもあわせてお願いをしておきたいと思うのです。
この点で、先ほど日産側について注意を促したといいますか、これは、いつどのような形で、文書なんですか、口頭なんですか、それだけちょっと最後に確認させてください。
○長谷川環境改善部長 平成十一年六月に報告を受けた時点で、口頭で複数回繰り返して、その後も相談に来るたびに公表するように口頭でいっております。
○吉田委員 次に、総合環境アセスメントの試行について、質問を移らせていただきます。この委員会でも取り上げられてきた経過があるかと思いますが、私の杉並区久我山地域の放射五号道路計画を対象にして、総合環境アセスメントの試行が今実施をされております。事業アセスに先立つ総合環境アセスメント制度が、審議会の長期にわたる検討を経て、二年前に一応試行制度として確立された。これが、その試行の第一号で、それで終わるのかどうかわかりませんが、とにかく初めてのケースとして放射五号の久我山部分に適用されたという経過で進んでいるわけです。放射五号道路計画そのものについては、環境局とのやりとりには不適切ですから、それは譲るとして、きょうは総合アセスメント制度そのものを中心に若干質疑をさせていただきたいと思います。
初めに、今回試行なわけですね。本格実施じゃない。それで、試行というものは、本格実施との関係で、どういう位置にあって、どういう目的で行われるのかということを、まずちょっとご説明していただけませんか。
○町環境評価部長 現在、東京都環境影響評価条例でやっております環境アセスメント制度には、事業の実施に非常に近い段階でやっております関係で、計画の見直しが柔軟に行いがたいという問題と、広域的な開発等におきまして、累積複合的な影響を把握しにくいという問題がございます。こういう問題に対応いたしますために、総合環境アセスメント制度というものをつくっていこうということでやっておりますけれども、この制度は、全国的にもいまだ例がございませんで、社会的にも影響が大きいということから、まず東京都が策定する計画を対象にしまして試行して、その中で生じました課題をフィードバックして円滑な制度化を図っていこうという目的で現在やっております。
試行と本格実施の関係ということでございますけれども、現在試行中でございますけれども、複数案の作成をしていくとか、都民の意見書の提出を求める、あるいは都民の意見を試行審査会で聞いていく、こういうような制度を条例のアセスメントとは違った形で設けておりますけれども、こういう根幹の部分については十分検証していきますけれども、特に修正をするということは出てこないだろうというふうに考えております。実際の試行としましては、都民の方々に意見を聞いていくような手続上の問題でありますとか、そういう実施方法の細目についての検証をしたいという目的で実施しております。そういう形で実施しておりまして、今後十分検証していきたいというふうに考えています。
○吉田委員 今もお話がありましたけれども、もちろん試行といっても、十分な検討の上につくられたものだと思うのですが、それでも初めてのことであり、現実の進行を通じて検証するというのが試行の目的だと思うのですね。ですから私も、今の試行について幾つかの問題をこれから提起しますから、それが合っているか合ってないかは議論の対象になりますが、今後の本格実施に向けての必要な改善の材料として受けとめていただきたいというふうに思うのです。
そこで、次に質問いたしますが、今もう既にお話がありましたけれども、従来の事業アセスと今回の総合環境アセスの決定的な違いといいますか、なぜ総合アセスをやるのか、そして、その中では、形の上では複数案で検討するというのが具体的な特徴かと思うのですが、その辺を、どういう趣旨なのかを簡潔に説明してください。
○町環境評価部長 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、現在、環境影響評価条例に基づいて行っております現行のアセスメント制度には、事業計画の事業の実施に近い段階でやるということで、アセスメントの結果が出た後に、計画を柔軟に見直していくことが難しいというような時間的な問題が一つございます。それから個々の事業を対象にしてやっておりますので、一つのエリアにおける累積的、あるいは複合的な影響をトータルとしてとらえるということが難しいというような問題がございまして、この点を打開していく方策の一つとして総合環境アセスメント制度を採用していこうということでございます。
この中では、計画の早い段階でやるということと、柔軟な見直しを可能にしようということで、複数の案を事業の実施主体から提示いただきまして、それを比較検討していこうということで考えております。これは、計画案を環境面からよりよいものにしていくためには、幾つかの代替案の検討を求め、その中の一つを選択していただくことや、あるいはそれらの長所を組み合わせていただいて計画案が策定されていくということが望ましいというふうな考えに立っているものでございます。
○吉田委員 ただ、率直にいいまして、関係者の間から、今回具体的な対象に挙げた放射五号道路の久我山部分というのは、もともと既に都市計画決定がされているというもののいわば見直しというんですか、再検討といいますか、したがって、柔軟といっても、もう一つの線は、手続的には決定されているものにかけるということ自身が、総合アセスの試行の対象の選び方としてはどうだったのかという意見があるわけですね。それは、試行の対象のあり方としてどうだったかというだけではなくて、私は、やはり、既に決まっている道路を見直さざるを得ないという局面で行うには、そういう経過や状況に考慮したような評価の仕方というものが、当然入ってくると思うのですが、そもそも、皆さんは事業主体ではありませんけれども、この放射五号の久我山地域については、決定してから三十年余が経過をしていると思うのですね。なぜ決定して三十年余のものがいまだに事業化されないまま今日に至ったのか、その経過に立脚しない限り、ふさわしい評価というのはできないと思うのですが、そこはどういうふうに認識していらっしゃるのでしょうか。
○町環境評価部長 二点あったかと思いますが、今回の適用時期の問題が、まず一点あったかと思います。総合環境アセスメント制度につきましては、計画をより環境に配慮したものにしていくための仕組みでございまして、計画の素案などの見直しに柔軟に対応できる段階から制度を適用して、したがいまして、複数案も選択の幅が広いものであるということが望ましいというふうに考えております。しかし、今回の試行の事例のように、既に一定の枠組みができている場合におきましても、その時点、その時点で対応できる範囲で、採用可能な複数案を作成してもらい、それを環境面から比較検討していくことが、環境保全上望ましいものであるというふうに考えております。
もう一点ございました、これまでの経緯についてのお尋ねでございますけれども、総合環境アセスメント制度は、提出されました計画内容を環境面から審査していこうというものでございまして、したがいまして、ご指摘の経緯自体については直接審査の対象ということにはならないかと思いますけれども、環境保全という観点からの問題につきましては、そういう観点を含めて環境配慮書の審査に当たってまいりたいというふうに考えています。
○吉田委員 ちょっと私の質問の仕方が不十分だったのかもしれませんが、私がいいたいことは、放射五号の久我山地域というものは、都市計画決定されながら、現実に事業化できなかった客観的な経過なり現実があるわけですよ。それは、都市計画局なり、あるいは具体的な事業を行う建設局も、既定の計画でそのまま事業化するのが困難だとか、あるいは不適切だという、言葉としては適切じゃないかもしれませんが、そのまま実行しかねるという判断をしたわけですね。ですから、この間、長期にわたって既存の計画決定以外の構造なりについてずっと検討してきたわけですよ。ですから、いわば既存の計画は、これではもう進めることができないためにストップをしてとまってきたという経過があるわけです。ですから、こういうところに総合アセスをかけるのは、一般的に選択の幅が広くなきゃだめだとか、柔軟であるということは当然なんですよ。それにとどまらずに、これまでの計画決定そのものが執行できないわけですから、よりそれにとどまらない、その一つの選択肢としては、この事業、この箇所については中止をするぐらいのことも含めた、より抜本的な検討というものが求められる事業である。それにふさわしいような複数案の出し方だとか、検討の仕方になっているかということが、私は、今回の場合には具体的に問われるんじゃないかということをいいたかったわけです。
そういう意味では、これはほかの場合でもそうだと思うのですが、複数案がいかに幅広く出されるかということが、柔軟な選択なり検討する大前提だと思うのですね。ところが、今回は、今いったような特殊な、とりわけ既存の計画そのものが事実上困難を来しているにもかかわらず、A、B、C案、三案が出てますね、後で述べますけれども、C案という玉川上水を埋め立てるなんていうのは全くもってのほかですけれども、そうすると、A案とB案が次に残るわけですが、A案というのは、行き詰まったままの都市計画決定と全く同じじゃないんですか、違いますか。
○町環境評価部長 A案につきましては、道路の幅員自体については、従来の都市計画と同じものだというふうに考えておりますが、道路の環境施設帯等のつくり方について若干工夫を凝らす考えだというふうに聞いております。
○吉田委員 都市計画決定、私、今持ってないからあれですけれども、そんな細かいところまで都市計画決定してないわけですよね。平面と線しかないわけですよ。そこをどういじくるかみたいなことは、恐らく具体的な話であって、ですからA案というのは、行き詰まって見直しをしなければならない既存の計画決定と全く同じものをもう一度出したんですよ。だから私はおかしいといっているんですよ。
じゃあB案はどうですか。B案は、既存の都市計画決定、すなわち平面であるということと、玉川上水を挟み込むということは全く同じなんですよ。ただ、その片側が五メーターだけ拡幅されて、環境施設帯が若干広くなるだけなんですよ。もちろんC案を選ぶという道は、手続的にないわけじゃないですけど、これは埋め立てるというとんでもないものですからね。せめてA案とB案で検討しようといっても、行き詰まった現行の都市計画決定そのものと、若干それを手直しした程度ですよ。どこに柔軟性がありますか。選択の幅広さがありますか。そういうふうに、形の上では複数だからいいじゃないかと、選択の幅があるかのようにいうかもしれませんが、とりわけこのように、既存の決定そのものが行き詰まって再検討しなきゃならないにもかかわらず具体的に出されてきた案は、そのものであったり、それのわずかな修正にしかすぎないということでは、冒頭ご説明があった、柔軟に早い段階から検討したいという総合アセスの意図というのは、貫かれない結果になるということを私は強調したいんですよ、これは、意見の相違があるかもしれませんけれども。
手続の初歩についてもう一度確認したいんですが、事業者からA案、B案、C案と出ましたね、最終的にどれを選ぶ、あるいは若干それを修正する道もあるかもしれませんが、最終決定者はだれですか、環境局長ですか、審議会ですか、それとも事業者ですか。
○町環境評価部長 総合環境アセスメント制度におきます環境局の役割は、提出されました案につきまして、環境の側面から評価をして、その結果を環境局長の意見として事業実施主体の方に申し上げる。事業実施主体におきましては、この意見を尊重しながら最終の計画案を策定していくという形になります。したがいまして、その事業実施主体が決定権者になるわけでございます。
○吉田委員 ですから、せっかく総合環境アセスという手続をとったとしても、最後のどれを選ぶかという権限は、当たり前かもしれませんが、事業者が選ぶことができる。それだけに提案をする複数案というものがどういう案かということで、いわば、おのずと結論の幅が定まるわけですね。その複数案をだれがつくるかといえば、それも事業者である。ただ、その間を、何らかの複数案について意見をいうということでは、複数案が、廃止も含めた抜本的な幅があればまだしも、もしそうでなかった場合には、しかも、このケースに具体的に当てはまるように、住民の反対運動や玉川上水をめぐるその後の姿勢や認識の発展がある中で、事実上凍結せざるを得なかった形の上では、A案ないしはその一部修正が、いかにも正規の手続として復活する、それを、この総合アセスが支えるというふうな形になりかねないという現状があるんですね。
そこでお伺いしますが、複数案というものはどうあるべきかということについては、何か規定はあるんですか。
○町環境評価部長 複数案の作成の仕方につきましては、今回の試行に際しまして作成をいたしました環境配慮技術指針というものを私ども持っております。その中で、対象行為の実施による環境影響をできるだけ回避、低減、または損なわれる環境の有する価値を代償するとともに、豊かな環境の創造に資するよう、計画の内容や環境保全措置の異なる採用可能な複数の案をつくっていただきたい、こういう規定を設けております。
○吉田委員 だけど、そういう規定自身が適切かどうかということは、具体的事実で検証されるわけですね。今いったような形で、全然話にもならないものを入れれば複数になるかもしれませんけれども、現実的に極めて選択の幅が狭いというものが、こうして出てくるわけです。しかも、さっきもいいましたけれども、こうした問題点を私なりにただしていくためには、本当に複数案が弾力的で幅広い検討の対象が提供される。その複数案の中には、後でも時間があれば議論しますけれども、環境の立場からは、この部分についてはやめておこうという選択肢も含めた幅広い複数案というものが、僕は検討の対象に挙げられる必要があると思う。同時に、審議会の意見が複数案だけじゃなくて、こういうふうに複数案そのものが極めて不十分なものが出てくる、不十分というか、私の判断はですよ。幅の狭いものが出てくる可能性があるわけですから、それに対しては、複数案に縛られない、より積極的な意見がいえるという道が、制度的にもきちんと保障される必要があると思うのですね。
さらに、このように既定の計画が行き詰まったものに出す場合には、なぜ既定の計画がありながら行き詰まってしまったのかという経過について、きちんと審議をする審議会なりに資料としても報告をされるという要素が加味しない限り、私は、経過と実情にふさわしい審議会の審議というものは保障されないんじゃないかというふうに思うわけです。
次に、問題外だというC案について質問したいわけですけれども、玉川上水は、久我山地域も含めて歴史環境保全地域に指定されたわけです。この歴史環境保全地域というものの指定要件、どういうものに指定をするのか、なぜ玉川上水に指定したのか、そういうことについて、まずちょっとご説明お願いできませんか。
○高田自然環境部長 まず歴史環境保全地域の定義、位置づけでございますが、これは、東京における自然の保護と環境に関する条例に定めて地域指定するものでございまして、歴史的遺産と一体となった自然の存する地域で、その歴史的遺産とあわせて、その自然を保護することが必要な土地の区域、こういうことで指定をしているわけでございます。
二点目、玉川上水の歴史環境保全地域指定の理由でございますけれども、玉川上水は、承応三年、一六五四年の創設といわれておりまして、羽村の取水口から四谷の大木戸に至る素掘りの導水路、これは長大で、しかも歴史的な土木構造物であるという評価がございます。現状、玉川上水の形態、植生について見ますと、今申し上げましたような歴史的経緯があるわけですが、創設当時、あるいは全域が水道施設として機能していた時代のままではないものの、依然として高い歴史的価値を持ち、水と緑の自然豊かな憩いの空間ともなっている。現在残されている貴重な歴史資産を損なうことなく将来にわたり保全していく必要がある、こういう観点から歴史環境保全地域に指定をしたということでございます。
○吉田委員 極めて素朴な質問をいたしますけれども、この歴史環境保全地域に指定された区域、玉川上水を埋めてしまうということは認められるんですか、そのままで。
○高田自然環境部長 今申し上げましたように、玉川上水を歴史環境保全地域に指定いたしましたのは、素掘りの導水路、これが長大で、しかも歴史的な土木構造物であるというふうなことが指定の理由の一つに挙げられているわけでございます。お話のように、それを埋めてしまうということになりますと、その区間については、歴史環境保全地域指定の意義そのものが失われるということになりますので、歴史環境保全地域指定との両立というのは難しいということになろうかと思います。
○吉田委員 ところが、たしか指定したのが昨年の三月か、そんなもんですよね。ですから、一年ちょっとしかたってないにもかかわらず、実は東京都が発表したさっきの複数案のC案では、完全に久我山地域については埋めてしまう。代替措置をとればいいじゃないかと、簡単なことをいえば。したがって、到底そういうことは、歴史環境保全地域の指定と相反するものですから、わざわざ配慮書の中には、C案では、この区域については指定を廃止するということまで書き込んでいるんですね。それで、町部長の方にまた戻るんですけれども、こういうC案というものは、複数案として出すこと自身、全く論外だと思うのですけれども、これは局としては認めて出てきたものなんですか、案として、これで妥当だという判断はあるんですか。
○町環境評価部長 複数案の選定の中での我々と事業主体側との関係ということになろうかと思いますけれども、私どもの方といたしましては、この試行開始をいたしますに際しまして、先ほど申し上げました技術指針であるとかガイドラインだとか、そういう基本的なシステムをつくって事業主体の方に説明をしてまいっております。こういうものを参考にしていただいて、複数の案につきましては、実施主体の責任においてつくっていただくという考え方でやってきております。それと、C案について、私どもの環境局側といたしましては、事業実施主体が、その判断に基づいて作成された複数案については、受けとめた上で評価の段階で意見を申し上げる、こういう形になっております。
○吉田委員 しかし、複数案ならば、とにかく審査するときには意見をいうけれども、何でもいいんだというわけじゃないんでしょう。少なくとも東京都の条例なり、あるいは条例に基づいてさまざまな基準なり指定なりを遵守するということが、まず実施可能案の前提じゃないんですか、違いますか。
○町環境評価部長 ご指摘のような形になるのが望ましいというふうには考えておりますけれども、事業主体側の方で、限られた条件の中で実施計画案を選択せざるを得ないという状況にあった中での作成であったろうというふうに考えています。
○吉田委員 環境局は、総合アセスそのものをきちんと、複数案を立てるときには、それぞれの地域の環境基本条例に基づく環境計画、基準、法令、その他がちゃんと遵守されてなきゃならないというふうに定めているじゃありませんか。しかも、環境局は、歴史環境保全地域を指定した局なんですよ。それが、事業実施主体の中でつくられたものだから、まあいいだろうというようなことは、到底認められませんよ。もう一度答弁してくださいよ。
○町環境評価部長 先ほど来お話にございますように、東京都は、玉川上水を歴史環境保全地域としておりまして、A、B案は道路を、玉川上水を挟んで整備する内容という形になっておりますが、この範囲におきましては、A、B案は、歴史環境保全地域の指定とは矛盾していないというふうに考えておりますけれども、C案につきましては、歴史環境保全地域の指定の趣旨が反映されていないというふうに考えております。こういう環境局が指定している地域に、別の局から、それと矛盾するような形の案が今出ているわけでございますけれども、総合環境アセスメント制度は、政策決定の過程を透明にしていくというような側面も持っておりまして、新たな考え方や対応をこの制度の中で提案をして、都民の意見を聞きながら事業の展開を検討していく、こういう状況自体は必ずしも否定されるものではないのではないかというふうに考えてございますが、本来であれば事前に整合していることが望ましいというふうに考えています。
○吉田委員 ですから、本来であるならばというのは、当たり前のことなんですよ。いささかもそこに含みの解釈はあり得ない。しかも、歴史環境保全地域の決定者は環境局長じゃなくて知事決定でしょう。知事が決定したことに、同じ東京都の一事業局が出した案は、明らかにそれを否定をするということは、複数案の対象として、もちろん中身についてどうかということは別な場で議論しますけれども、複数案の最低限の要件を認めているのか、認めていないのかということになれば、私ははっきりと、不適切じゃなくて、認めがたいというふうに、なぜはっきりといえないのかというふうに思います。
最後に、こういう意見は極めて広範な区民、都民の当然の意見なんですね。この間、説明会があり、さらに意見書の提出があって、二千通もの意見書が出されたというふうに聞いてますし、先日、私も傍聴しましたけれども、都民の意見を聴く会が行われました。二十名の方が発言をされましたけれども、一部の方を除いて圧倒的多数が、玉川上水を保全してほしい。A案、B案、C案ともにそれに反するというように私は受けとめたんですが、今出されている限りでの意見書や都民の意見を聴く会での意見の状況というのはどうですか。
○町環境評価部長 都民の皆様からいただきました意見は、意見書として約二千三百件いただいております。それから今お話のありました都民の意見を聴く会におきまして、十名ずつ二日間で二十名の方からご意見をお伺いしております。その中で、ごく一部の方に賛成の意見、というのは、C案でもやむを得ないという方も含めまして賛成の意見があります。しかし、大多数の方々は反対の意見を表明されていらっしゃいます。この方々の、意見を出されている地域を見ますと、杉並区、世田谷区、こういう方が大半を占めているという形になっております。
○吉田委員 しかも、個々の区民の方、都民の方が意見を出されているだけじゃなくて、該当する区市の長の方が意見書提出をすることになっていて、杉並の区長の意見書も、配慮書の計画案についてという点では、C案については好ましくないと考えると、埋め立てるやつですね。A、B案についても、区民がこれまで親しんできた玉川上水及びその緑地空間の保全という観点から難点が多い。したがって、A、B、C案以外の案についても、その可能性を検討されたいというふうに出されています。これは、区長の意見ですから、当該区長の意見として大変重いものがあると思うのですが、こういう意見というのはどう受けとめられていくんでしょうか。
○町環境評価部長 今いただいております都民の方の意見、あるいは区長、市長さんの意見、こういうものを今後、試行審査会の中で今審査をいただいておりますけれども、その答申を受けまして十分勘案をさせていただいて、環境保全の見地から対応していきたいというふうに考えています。
○吉田委員 限られた時間ですから、全部いい尽くしたわけじゃ決してありませんけれども、やはり試行ですから、やってみなきゃわからないということもありますが、具体的に玉川上水にかかわる放射五号の久我山地域の計画に当てはめたときに、私は、率直にいって、今のこの間の経過を見ただけでも、さまざまな疑問や問題点がある。しかも、それをもって行った手続を正当な手続として、これで放射五号道路についての何らかの決定がされるというふうなことがあったとしたら、それは玉川上水を保全するという立場から見ても極めて遺憾だと思うんですが、既に手続としては始まっていることではありますけれども、本当に十分慎重な検討をしていただきたいというふうに思うんですが、局長いかがですかね。
○中野環境局長 ただいま事業の実施主体から出されております複数案につきましては、試行審査会におきまして提出されました環境配慮書の内容につきまして、専門的な立場から、環境の保全という観点からご審議をいただいているところでございます。この間、いろいろ都民の声、あるいは区市長、区市のご意見、あるいは都民の意見を聴く会などから意見を承っておりますし、今後また、事業の実施主体の方からも意見を聞き、なおかつ試行審査会から答申をいただくことになっておりますが、そういう点を踏まえまして、環境の保全の見地からいろいろ審査し、意見を取りまとめていきたいというふうに考えております。
○森田委員 今の、聞く予定じゃなかったんですが、総合環境アセスメント、前にも私、大分取り上げさせていただいたんですが、都民の意見を聞いたりして二千三百件の意見とか、あるいはこの前の意見を聴く会、反対派が物すごかったとか、こういう状況に対して、総合環境アセス制度では、住民の反対の声というのはどういうふうにして扱うんですか、ただ聞きおくだけ……。
○町環境評価部長 都民の方々から出されました意見につきましては、すべて試行審査会の委員の方にも見ていただくようにしておりますし、都民の方から意見を聴く会自体が、試行審査会が主催をするという形で開催をしております。したがいまして、都民の方々のご意見というのは、ストレートに試行審査会の方々に入っております。そういう意見の中で、今回の試行に際して、環境保全上配慮すべき意見というものにつきましては、答申の中に組み入れられてくる部分があるということになります。
○森田委員 あくまで総合アセスメント制度の試行ということで、初めてのテストですね。レールは、確かに東京駅から大阪に向かって敷かれているかもしれない。事業局は大阪に行きたい、しかし、途中でいろんな都民の声を聞いて、これは東京から大阪へ行くのではなくて、長野に行くべきだなというような変更というのがあり得るのかどうかということなんです。その辺はどうなんでしょう。
○町環境評価部長 環境局は、出されました複数の案につきまして、環境保全上の観点から審査して意見を申し上げさせていただくという役割でございまして、その意見を含めて事業実施主体の方では総合判断されるということになりますので、その総合判断がどういうことになるのか、それについては、私の方からちょっと申し上げられる状況ではないかと思いますけれども、総合判断の段階にゆだねられるというわけでございます。
○森田委員 環境局の立場はよくわかるんですけれども、実施主体は建設局で、考えているのは都市計で、何かげたを預けられたのは環境局、しかし、環境局がこういう環境の部分で頑張ってもらわないと、実際に東京の環境というのは守ることはできない。局長も、あるいは担当部長も、現地を見ているかとは思いますけれども、玉川上水の一部、確かに広い東京からいうと一部の部分かもしれないけれども、ある部分では本当に地元にとっては貴重な緑というか、歴史的な景観、ここを守るのは、最後のとりでは環境局しかないと思っているんですよ。ほかは、もういけいけですから。都市計もそう、建設もそう、幸いにこういう総合環境アセスメントという制度ができて、しかも試行段階ですから、いろんな形で環境局が、環境を守るべきだよという立場で取り組んでもらいたいなというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
○中野環境局長 環境政策の基本にかかわる問題だというふうに思いますが、今回のこの経緯につきましては、審査会の答申などを踏まえまして、意見書という形で取りまとめていきたいというふうに思ってますので、いささか一般論になるかもしれませんが、大都市東京においては、東京が首都東京として発展し続ける限り、経済の活性化、あるいは都市づくりなどのインフラの整備などは必要不可欠ではないかというふうに考えています。しかし、これはまた同時に、環境への負荷もあわせ求められているのではないかというふうに考えております。都市東京に住みまして、都市としての利便性や経済効率を求める限り、環境への負荷というのは、ある面では避けて通れない分野なのかなと、そういう意味では、発展し続ける都市としての宿命なのかなというふうに思っておりますが、しかしながら、都市として発展しつつも、環境への負荷を可能な限り抑制していくという視点から、私ども環境行政を進めておりますので、そういう視点から今回の計画案につきまして意見書を取りまとめていきたいというふうに考えております。
○森田委員 前の質問でも、道路をつくることは反対してません。つくる方法論として、もう少し、A、B、C案だけではちょっと無理があるんじゃないかなという、局長もその辺はわかっていると思うので、これ以上責めませんけれども、ぜひこれからいい方向に進めていきましょう。
次へ移ります。本来は四定での議論になるのかもしれませんけれども、ディーゼル車の規制について、最近新聞等に大分いろいろ記事が出ていますし、細かい議論は本来四定の議論ですから、四定にお任せしますけれども、少しだけ、基本的なところについて、ディーゼル車規制について伺いたいのですが、まず伺いたいのは、ディーゼル車の規制、これは僕らも大賛成ですし、東京の空気の汚染を直していこうというのはいいんですけれども、国も何らかの規制を考えている。東京都も独自で規制をしようとしている。この東京都と国の違いというのは何なのか、まずそれを教えてください。
○松葉自動車公害対策部長 国では、現在、中央環境審議会というところがございまして、自動車排ガス対策についてさまざまな観点から検討を進めております。一方、東京都も、ディーゼル車対策について、これまで検討してきたところでございます。そういう中で、違いといいますと、例えば、東京都の場合は、PM、いわゆる粒子状物質の削減などを、現在走っているディーゼル車からいかに削減をするかというような視点から考えているわけでございますが、国の方では、いわゆる自動車NOX法というのがあるわけでございますが、そういう中では、必ずしも現在走っている車に対して直ちに対応を求めるというようなことが少ないわけでございます。また、PM除去装置などの装着についても比較的消極的である。こういうことから、私どもとしては、国の取り組みはいささかちょっと弱いという認識がございまして、東京都は、使用過程車対策などを中心に対策を強化していきたいというあたりが、国と東京都の違いというふうに認識してございます。
○森田委員 わかりました。では、国を超えて東京都は、国より厳しい規制をやるというわけですけれども、全部はいいんですけれども、重要なポイント、東京都はこういう規制をするんですよ、という重要なポイントだけ教えていただけますか。
○松葉自動車公害対策部長 今走っていますディーゼル車などに対しての規制ということであれば、新たに使用過程車に対する粒子状物質の基準を設けまして、一定期間過ぎた後からは、DPFとか、いわゆる粒子状物質の低減装置をつけていただくか、または新しい車に買いかえをしていただくというような規定を中心に今回考えているところでございます。
○森田委員 要するに車を新しく買いかえてもらうか、もしくはDPFをつけてもらう。きょう提出していただいた資料の中の一ページに、全国の浮遊粒子状物質測定局のうち上位十局というのがありますね。確かに平成十一年でいうと、一位大田区、二位板橋、三位目黒、四位葛飾、五位になって初めて横浜、川崎と出てくるわけですけれども、東京都がやろうとしている規制、新車に切りかえてもらう、あるいはDPFをつけてもらうという、これが、今度の条例では十五年からやるといってますね。平成十五年になると、このベストファイブに出ている東京の町は、このベストテンから消えるというふうに考えていいですか。
○松葉自動車公害対策部長 私どもが現在考えています粒子状物質の削減方針、または対策と申し上げますか、それの中身は、平成六年度の自動車から排出される粒子状物質が約四千二百トンぐらいというふうに推計してございます。それを平成十七年度には、約六割ほど削減していきたい、こういうことで今対策を考えているわけです。空気中の粒子状物質の挙動というのは、今はっきり具体的に、これだけ減らせばこれだけ改善するというのは、なかなか学界等でもわかってないところがございますが、今の対策を講じるとすれば、私どもとしては、道路沿道などでは、粒子状物質の濃度がおおむね三割程度現在より削減されるのではないか。そういうことを考えますと、他の地域がどういう形になるかちょっとわかりませんが、現在考えるとすれば、相当程度下がってくる。しかしながら、ほかの地域も相対的に下がったケースもありますので、その辺は定かに申し上げられませんが、都としては、そういうふうに相当程度沿道の濃度が改善してくるのではないかというふうに現在考えています。
○森田委員 今回、ディーゼル車規制というのは、東京都は規制をする。それに対して、後で聞きますけれども、助成等やるかもしれませんけれども、民間の運送業者、トラックを使っている業者、そういう人たちにはすごい負担になるわけですよ。僕もこの前、ちょっとあるところで話していたら、すぐ隣にいる人が運送業者の人で、怒られました。何考えているんだ。おれたちの負担どうなんだということをいわれました。そのくらいに、都民に対して負担を与える今回の規制ですよね、新車に切りかえるにしろ、あるいはDPFをつけさせるにしろ、DPFも安いものではない。そうすると、もう少しわかりやすく、やっぱりこれが必要だということが、何トンなくなるとか、三〇%ぐらいおよそ低減するとかいうんじゃなくて、東京の空気は、これをやればこういうふうにきれいになるんですよという、わかりやすい説得力のあるものがないと、都民にはなかなか納得させることが難しいんじゃないですかね。この辺はいかがでしょう。
○松葉自動車公害対策部長 今、先生ご指摘のとおりでございまして、今後私どもでも、こういうような状況を踏まえまして、できるだけ都民、または事業者の方に理解いただくような形のことを工夫してまいりたいというふうに考えています。
○森田委員 できれば、東京の空気は、日本一とはいわないけれども、日本の都市部の中では一番空気のきれいなまちになりますよ、ぐらいいえたら、みんな賛成するんじゃないかなと思うので、ぜひ努力をしてください。
次に伺いたいのはDPFなんです。私たち、前回の三定の代表質問でも取り上げましたけれども、DPFを装着することはいいんですが、まだ商品としてでき上がってない、完成品らしきものがない。我々の主張は、DPFをつけることはいいんですが、幾つかでき上がった商品があるうちでユーザーが、これが自分にはいい、値段の面からいっても、性能の面からいっても、A社の製品がいい、あるいはB社の製品がいい、C社の製品がいい、選択の余地があって初めて商品といえるし、それが実効性のあるものじゃないかということを、代表質問でもそういう趣旨のことを取り上げたんですが、これはどうなんでしょう。見切り発車みたいな感じなんですけど、十二月定例会でこう決めちゃうというのは。大丈夫ですか。
○松葉自動車公害対策部長 今回、私どもが条例案として提案を考えている内容でございますが、一つは浄化装置としてDPFなどの装着を考えているところでございます。先生ご指摘のように、DPFにつきましては、近年、東京都などが提案した以降、外国メーカーも含めましてさまざまな検討が進められてきています。そういう中で、私どもとしても、都内での実際につけた走行テスト、こういうようなことから改善も図られつつある。現在主なもので資料にも提出させていただいたことは、四社ほど把握しているところがございます。こういうことで、DPFの改善の見通しですが、今までよりは改善が進んでいるという認識を持っています。また国の検討会でも、その後の検討もありまして、都はメーカーに対して一層の技術開発を求めてますし、また、国内での販売、装着体制も求めているところでございます。したがいまして、DPFの義務づけについては、二年間ぐらいの猶予期間を設ける中で可能になっていくというふうに考えています。
したがいまして、現在の状況では、DPFを含めましてPMの減少装置、こういうものを普及していこうというふうに考えているところでございます。
○森田委員 いい商品ができているということですか、今いっているのは。何かいいわけをいっているような感じがするんだけど。
○松葉自動車公害対策部長 私どもの認識としては、車の車種、または構造等を考えていけば、DPFについては、現段階で相当開発が進み、装着可能な状況になるという認識でございます。
○森田委員 DPFをつくっているメーカーも、それは努力しているんでしょうから、そのうちできてくることを期待したいんですけれども、ないうちに規制を決めちゃうというのは、ちょっと危険かなという感じもするものですからね、そういうふうに思うんです。
それともう一つ、今走っている車を新車に取りかえればいいというふうにいわれてますよね。今走っている車と新車の間というのは、黒煙等排出は、新車の場合七年間ですか、乗っていいといわれている--五年かな、いいんでしょう。その五年間の間というのは、そんなに今性能が上がって、新車については、エンジンから黒煙の粒子状物質が出るのは七割ぐらい減っているんですか。
○松葉自動車公害対策部長 黒煙などの規制は、自動車の排ガス規制によるわけでございます。その中では、古い車については、規制が今までなかったわけです、例えば平成元年ぐらいに売られたもの。平成五、六年ぐらいから粒子状物質の規制が始まった。そういう意味では、規制がなかったとき、それから現在行われているもの、それから規制も段階的に強化されているわけでございますので、先生ご指摘のように、新しいものについては相当程度強化されている、例えば、短期規制車というのがございます。平成五、六年ぐらいに規制が始まった車、それから現在行われています長期規制ということで、九年、十年、十一年ぐらいの規制、この削減率で申し上げますと、法的には約六割ぐらいの粒子状物質の削減がなされるという形になってございます。
○森田委員 いろいろ細かいことを聞きたいのですが、時間もあるし、これは四定の課題ですから細かいことはやめますけれども、これは、東京都の条例として東京都の車にDPF、または新車に切りかえるということですね。しかし、東京都内に入ってくる車というのは、他府県の車もたくさん入ってきている。他府県の車についてはどうするんですか。
○松葉自動車公害対策部長 他県から流入して都内を走行する場合は、東京都内で登録している車と同じような規制を受けていくというふうになります。
○森田委員 全国から東京に入ってくる車は、全部DPFをつけるか新車でなきゃだめだということですね。それはだれが取り締まるんですか。
○松葉自動車公害対策部長 都内に流入してくる車につきましては、一日当たり、他県ナンバーですと二十万台余ぐらいというふうに私どもは考えています。そういう中で、今回提案いたします条例での規制を受ける車というのは、約十七万か十八万程度を考えているわけでございます。こういう中で、実際の取り締まりというものが非常に重要になるわけでございますが、私どもとしては条例の中で、自動車公害監察員、いわゆる自動車Gメンというものを来年度相当程度人数を配置しまして、これを中心に規制を行う。規制自体は平成十五年度に始まるわけですが、その前段として、このGメンを活用しましてさまざまな指導を行っていきたい。先ほどの流入車の規制につきましては、都内の事業所、例えば卸売市場であるとか、倉庫であるとか、そういうところでの事業者に対する協力要請、またはそういうところでの立ち入りを行って検査を行い、指導する、このようなことから他県の車については規制が可能ではないかというふうに考えております。
○森田委員 そういう考え方について、ディーゼル車を使っている業者、トラック協会とかバス協会とか、大手の運送会社とか、こういう業界には条例の趣旨は説明して、意見聴取はしているんですか。
○松葉自動車公害対策部長 条例案そのもの、本物というんですか、ずばりのものでは説明してございませんが、このような東京都の条例の規制の考え方、こういう資料に基づきまして、バス協会であるとか、あるいは東京都のトラック協会については説明させていただいてございます。そういう中では、規制についてのさまざまな意見がございまして、基本的には空気をきれいにするということについてはご理解いただいているところですが、やはり厳しい経営環境、こういうものの中でどうしていったらいいのかという率直なご意見もいただいているところでございます。私どもとしては、規制に当たりまして、都民、事業者の理解、協力がなければ、こういうものは進まないということですので、こういう条例の制度ができれば、さらにこういう理解を深めていくような施策というのが必要ではないかというふうに考えています。
○森田委員 これから十二月に定例会で条例ができ上がるわけですけれども、そういう関係者に対しては、本当に丁寧に条例の趣旨を話して協力をお願いすることがすごく大事じゃないかな。条例ができたから、もうやるんだというのは、なかなか厳しいし、もう一つは、やりたいと思っていても、経済的負担がそれを支え切れないという業者はたくさんいるんじゃないかな。DPFをつけたいと思うけど、一つ八十万もするんではたまんない。そういう業者もたくさんいると思います。新車に切りかえれば、それは一番いい。しかし、そんな簡単に車を切りかえることはできない。こういう人たちに対する助成策のようなものは何か考えてますか。
○松葉自動車公害対策部長 今ご指摘ありましたように、経営状況が厳しい事業主の方は大勢いらっしゃるわけでございます。私ども環境局といたしましては、DPFの先行装着に対する助成ということで、現在十三年度の予算要求をしているところでございます。それは、DPFの価格の三分の一程度を東京都から補助をしていきたいというような内容で予算要求しているところでございます。
○森田委員 これから始まることですから、助成策等もしっかりと考えていっていただきたいし、これをやらなければ、東京都は一方的に条例で決めて、あとは民間に任せてやれというのでは余りにも、環境面ですから、それぞれの業界は表立って反対しにくいことですけれども、今の景気の状況から考えると大変な負担になるんじゃないかな、この辺を考えていただきたい。これからの大きな議論になってくると思いますが、局長としては、このディーゼル車規制にかける意気込みというか、どのような決意を持っているのか、その辺を伺って質問を終わりたいと思います。
○中野環境局長 ディーゼル車対策についての取り組みでございますが、ご案内のように、東京の大気汚染や大量に走行している自動車から排出されます汚染物質によりまして、先ほどからお話のありますように、二酸化窒素や浮遊粒子状物質の環境基準が長期間にわたって達成されてないという大変厳しい状況にございます。国によります大気汚染防止法や、いわゆる自動車NOX法などによります現行の規制では、これらの排出ガスを大幅に削減できるというような状況にないことも事実でございます。今お話のありました、とりわけディーゼル車につきましては、低公害車やガソリン車に比べまして、NOXやPMなどを大量に排出するにもかかわらず排出ガス規制が緩い、そういうような状況にございます。しかも、PMは発がん性もありまして、気管支ぜんそくなどの関連も指摘されているということで、健康上大変憂慮されるべき状況にあるというふうに思っております。
したがいまして、こうした状況を踏まえまして、都としても、都民の健康と安全な生活環境を確保するため、ディーゼル車に対する都独自の規制を実施していきたいというふうに考えてございます。もとより、先生お話のように、この規制につきましても、関係団体の理解と協力も必要でございますので、そういう点につきましても十分配慮しながらこの施策を進めていきたいというふうに考えております。
○寺山委員長 この際、議事の都合により十分間休憩いたします。
午後三時六分休憩
午後三時十九分開議
○寺山委員長 休憩前に引き続き質疑を続行いたします。
○馬場委員 私は、事務事業質疑ということで、少し多岐にわたるのですが、何点か質問させていただきます。個別については、公害防止条例等の改正の審議があるということで、またそこの場でもさせていただきたいと思います。
まず産業廃棄物の施設について何点かお尋ねをいたします。ことしの四月から二十三区の一般廃棄物の処理等は移管をされて、都のこれからの大きな役割というのは、産業廃棄物等への対策だというふうに思っています。産業廃棄物は、今までも事業者がみずから処理をするということで、なかなか地域での事業者、それから産廃施設の業者等のいろいろな施設をめぐる問題、施設そのものの問題もまた、事業の問題もなかなか住民には見えてこなかったというふうに私は感じております。中の事業については、これからまだ先の質疑にさせていただいて、本日は、施設そのものの存在というんでしょうか、施設についてお伺いをさせていただきます。
特に最近、民間産業廃棄物施設に対して、周りのといっていいでしょうか、地域の住民の強い不安感があるというふうに思います。きょうの資料でも、民間産業廃棄物の特に焼却施設は五十八カ所というふうに記されていました。都として都民の生活環境確保のために、これら民間施設への規制とか指導とかというのはどんなふうになっているのか、まずお伺いをいたします。
○薄廃棄物対策部長 焼却施設に対しましては、法の定める構造上の基準ですとか、施設の維持管理上の基準に適合しているかどうか、立ち入りなどをして監視指導しているところでございます。平成十四年十二月からは、焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度の基準が相当強化される、このようなために、焼却施設がこれらの基準に早急に適合するように、これは平成十年度から私どもがすべての焼却施設に立ち入りをいたしまして、施設に合ったきめ細かな技術上の指導などを行ってきておるところでございます。この基準が強化されるまで残り二年となりまして、また本年は、廃掃法の改正等もあったことから、先般、施設の事業者に対しまして法改正の事項などに関する説明会をしたところでございますが、この際にも施設改善のための融資制度などの情報提供をしております。今後とも早急に、基準を満たしていない施設の改善に努めてまいりたいと思っております。
○馬場委員 今お答えいただきましたように、平成十四年の十二月には、さらに基準等が強化される、また今までと違う住民の目線も含めて、これからの施設は建てかえ等、リニューアルというんでしょうか、そういうようなこともどんどんこれから進んでくるというふうに思いますが、まず今の焼却施設に関しまして、例えば大阪で、焼却施設を解体したときの作業員の血液から高濃度のダイオキシン類が検出されたということを聞いております。またつい先日も、火災が発生し、プラスチックが多量に焼けた。この場所もダイオキシン類等の心配があるというようなニュースも聞こえてきました。これらの施設の建てかえに当たり、都は、こうした事業者に対して、その施設の従業員も含め、また解体等の作業の作業員の皆さんへの汚染や、また施設外部への汚染等の発生について、どのような指導を行っていらっしゃるおつもりか伺います。
○薄廃棄物対策部長 焼却施設の解体作業に伴うダイオキシン類対策につきましては、今、先生お話のございましたように、大阪府の能勢町での解体の事故を機にいたしまして、本年九月、国の方から緊急防止対策が策定されたところでございます。この対策の中では、労働安全衛生教育の実施ですとか、保護具ですとか作業場所の管理、また除去された汚染物の処理など、安全管理体制を確保して解体作業を行うこととされております。東京都は、この対策につきまして、関係事業者に早速通知いたしますとともに、立ち入り指導の際ですとか、法改正などの説明会においても十分周知してきておるところでございます。今後とも施設の解体を予定している事業者に対しまして、事前に解体計画書の提出を求め、緊急防止対策に沿った解体を行うように指導してまいります。
○馬場委員 ありがとうございます。住民からではとても要求できないこうしたことについて、都が計画書の提出や立入調査ということできちんと対応していただけるようにお願いを申し上げます。
今二つ例を挙げさせていただいたのは焼却施設なんですが、産業廃棄物処理施設ということでは、都内にほかに、脱水や破砕、乾燥等処理施設がまだ三百ぐらいあるのではないかなというふうに思います。これらの施設は、産業活動にとって欠くことのできないものでありますが、生活環境に配慮した施設の維持管理が求められていると思います。都として、全体としてこれら産業廃棄物処理施設について、それではどのような指導を行っていらっしゃるのか伺います。
○薄廃棄物対策部長 産業廃棄物の処理施設につきましては、廃棄物の飛散流出ですとか、悪臭の発散ですとか、著しい騒音ですとか、振動など、施設を運営する際に周囲の生活環境を損なわないように法令で維持管理上の基準が定められております。東京都は、これらの処理施設について、この維持管理上の基準が守られるように立ち入り指導を実施しているところでございます。なお、この基準が守られない場合につきましては、処理施設の許可の取り消しなども含めました行政処分を行っているところでございます。今後とも事業者が必要な施設改善を進めていくよう指導し、都民の生活環境の保全の確保に努めてまいります。
○馬場委員 やはり一般廃棄物と同様、大切な施設であるというふうに考えます。地元で、地域で、きちんと存在をしていくためには、今までの体制をさらにリニューアルをし、近隣地域の迷惑施設とならないような建てかえも含めた、これからのこうした施設のあり方が必要だというふうに考えています。そういう意味で、都が事業者に対して、できていない場合は改善命令、また違反している者に対しては許可の取り消しとか施設の使用停止とか、厳しいことも含めて、ぜひこれからの対応をしていただきたいということをお願いして、次の質問に移ります。
次に、環境問題という中で一番大きいものだなというふうに思うものに、都心のヒートアイランド現象があるというふうに思います。毎年思うんですが、暑くなっているな、特にことしは異常な暑さであったなというふうに思います。昨年は、私の出身の品川区でも、都市型の集中豪雨、一〇〇ミリを超える集中豪雨があって大変な被害が発生しました。これから三十年後には、都心部では四十度を超える日があるようになるのではないかという予測も出ているようです。まさに緊急に対処しなければならない問題というふうに思います。このヒートアイランド現象の緩和のためには、都は緑の東京計画や自然保護条例の改正など、緑化政策を推進していくというふうに聞いております。この点については、次回の条例審議の折にさせていただきたいと思いますが、この緑化対策と並行して必要なものが、私は雨水利用ではないかというふうに思っていますので、雨水利用について一点伺わせていただきます。
この緑は、水と一緒に環境に大変必要な、特にコンクリートでできているような東京のような大都市の中では、水と緑の環境をつくっていく。それも、今の案で出ていますように、ビルの緑化、すべてのところ、考えられるところをすべて緑化していこうというような積極的な姿勢だというふうに思われますが、この緑に必要なものが水、水もつくられた水ではなくて、自然に降ってくる雨水の利用、これと両方考えていくということが経済面からも、またヒートアイランド現象というものを阻止するためにも必要ではないかというふうに思います。
先日、実は墨田区へ視察に行ってまいりました。この墨田区では大変雨水利用について積極的に取り組んでいらっしゃって、最近では都もやっと耳をかしてくださるようになりましたと関係者は述べられていましたけれど、雨水対策については、特に民間の皆さんがやるような天水尊とか、雨水を身近なところでためてそれを使うというような小規模のものについては、確かに区市町村が手がけていかなければいけないことだというふうに思いますが、こうした民間の皆さんが--さっきいいましたようにあらゆるところに緑をということであれば、あらゆるところで水の利用というのができるように考えなければいけないというふうに思いますし、墨田区さんでおっしゃっていたことは、墨田区で進めてはいるんだけれども、なかなか都全体とか全国的に広がっていかない。これにはいろいろな問題点がある。さまざまな雨水利用に対して協力をしていただける業者や地域や行政の総合的な力が必要だというふうなお話でありました。
私も、いいなと思うとすぐこういうふうにお話をさせていただいて、アイデアということの域をまだ超えないんですが、ぜひ都でも雨水利用ということを、都の役割分担の範囲だけでなく、東京都全体として、それが日本だけでなく世界への雨水利用のモデルになるような、そんなような都市型の雨水利用というものを考えるべきではないかというふうに思っています。その点について、どのように考えていらっしゃるのかご見解を伺いたいと思います。
○梶原企画担当部長 東京におきまして雨水利用を一層促進していくことは、環境を守る上でも大変重要な課題だと考えております。お話のように、区市町村におきましてもさまざまな工夫により取り組みが行われておりまして、これらと連携しつつ東京都においても施策を展開してまいりたいと存じます。
今般、公害防止条例の改正に当たりましても、新たな仕組みを考えてございます。比較的大規模なビルを建設する際に、当初は限りますが、さまざまな環境配慮を設計段階から織り込んでいただく建築物環境配慮計画書、こういったものを作成し、提出していただく流れの中で、雨水利用について環境配慮項目の項目として取り込み、その促進を図ることとしてございます。この制度の活用を図る中で、広く民間事業者の皆様にも水の循環利用の重要性を認識し、行動に移していってもらいたい、かように考えております。
○馬場委員 ありがとうございます。都としての広域的な部分の責務ということをもっと超えて、全体の雨水利用にぜひつながるようなこれからの取り組みを、環境局がそういう意味では率先してやるべきだというふうに思っておりますので、ぜひお願いをいたします。
次に、今、雨水の話をさせていただきましたが、都心に降る雨も含めて、水が循環をして最後に流れ込むのは東京湾だと思います。都市・環境委員会の前に経済・港湾委員会に所属をしておりました。最後の質疑のときに、東京ベイエリア21の中間のまとめ等も出されて、その中で東京の海域を中心に広域的な検討がこれから--私からするとやっと始まったというような思いなんですが、こういう中で、東京の環境政策の中にもっと海域、海というものが入ってきていいのではないかなという思いが実はいたしました。どうしても、緑ということになりますと、多摩等、森林を都は持っているということで、そちらの施策は進めているということはよくわかっておりますが、東京湾といいますか、東京都の少なくとも責任のあるといいますか、そういう海域についての環境についての取り組みというのが、全体の事務事業の中で余りに重きが置かれていないのではないかな。それぞれの局の分担ということを考えていくと、環境局の範囲というのは少ないということに、結果としてなっているのかなというふうに思いますが、環境という全体のことを考えたときには、東京湾の水質を中心に東京の臨海部の環境ということをもっと重視をしていただきたいというふうに思っております。この辺いかがでしょうか。
○長谷川環境改善部長 東京湾の水質でございますけれども、東京湾の水質は、水遊びをする夏場は、冬場に比べて赤潮が発生したりしてCOD濃度が上がったり、あるいは透明度が下がる、こういう水質が悪くなる特徴がございます。これは、東京湾が窒素、燐濃度が高い、富栄養化状態にあるために、植物プランクトンが発生しやすい、こういうことが原因しております。このため都は、これまでCODの総量規制を進めるとともに、七都県市と連携して、窒素、燐の管理目標値を定めまして、工場等にその規制の遵守を指導してきたところであります。今後とも東京湾の水質改善をするために、CODの総量規制を一層強化していくとともに、窒素、燐につきましても、法に基づき総量規制を導入するなど、計画的に東京湾の水質改善を図って、水辺を快適なものにしていきたい、このように考えております。
○馬場委員 東京湾をきれいにという意味では、水質改善というのが一番大事なお仕事かもしれませんが、今は、さっきお話ししましたように、お台場や八潮の海浜公園や親水式の防潮堤、これは港湾局の仕事でしょうが、こうした、都民が水辺に親しめるというような状況になってきています。その中で、じゃあどこの水辺が安心して水遊びができるのか、海水浴までというのは、ちょっと無理かなということは私もわかりますが、水辺に親しめる地域はどこでもいいのか、どことどこならいいのかとかいうような情報も含めて、今、東京ではどこに問い合わせたらいいのかわからないような状況だというふうに思います。安全なのか、安全でないのか、どういうふうにそこのところを都民としても了解をして、東京の水に親しんでいけばいいのかということについては、やはり環境局がきちんと水質、水辺の環境も含めて、何らかの都民に対する総合窓口のような形で持っていただけるのが一番いいのかなというふうに思っていますので、そうしたトータルな観点から、ぜひこの東京の海辺のことも、緑の保全と同じように重要視をしてこれから取り組んでいただきたいというふうに思います。
それでは、次に、これも先日十日付でいただきました光化学スモッグ対策について、発生状況の報告書というのをいただきましたので、このことについて一点お尋ねをいたします。この報告書を読ませていただいて、まずびっくりしたのは回数ですね。ことしは十年ぶりということでしたが、注意報の発令が二十三回、昨年は五回であったのが、ことしは二十三回あったというような報告でした。うち多摩の北部の地域が二十日間ありましたというような報告書をいただきました。その報告書の中には、光化学スモッグ発生のもとになる光化学オキシダントの年平均濃度というのも出ておりまして、これも最近上昇傾向にあるようですが、ことしは基準値を超えた総時間数ということであらわしてありましたが、昨年が二百三十二時間ということでしたが、ことしは七百三十八時間という数値を見て、この数値だけ見て実はびっくりしたんですが、なぜこうなったかという説明も、お天気の、風が弱かったというようなことも含めて説明がありました。説明はあったんですが、私が読んだ感想としては、それを踏まえてどうしたいとか、どうするというような踏み込んだ報告書ではなかったものですから、あえてきょう時間をいただいて質問させていただきたいと思いました。報告書はあくまで報告書ですので、こうして私たちもいただくのですが、それを踏まえた上で局としては、こうした対策についてどういうふうに考えていらっしゃるのか、ことしの数値も踏まえてこれからの対策をどういうふうに考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。
○長谷川環境改善部長 光化学スモッグ対策としては、その発生の原因となります窒素酸化物及び炭化水素類の排出削減が重要となります。このうち窒素酸化物につきましては、二酸化窒素の環境基準の達成に向けまして、自動車等の移動発生源対策及び工場等の固定発生源対策、これらを実施し、削減を図ってきたところであります。また、炭化水素類対策でございますけれども、これにつきまして、都で炭化水素類排出低減技術マニュアル、こういうものを作成しまして、例えば印刷、塗装施設等に対して、これまで有機溶剤を使った塗料を使ったのを水溶性塗料に代替するとか、こういう取り組みをしてきております。
また、今般改正を予定しております公害防止条例の中で、炭化水素類を含む有害ガスの規制基準の強化だとか、あるいはガソリンスタンド等給油施設への炭化水素類の排出防止設備の設置義務づけの強化、こういうことを予定しておりまして、その排出削減を図っていきたい、このように考えております。
光化学オキシダント、これが環境基準を達成しないということは、私どもとしても重要な課題と考えておりまして、今後とも光化学スモッグの原因物質について、より一層の削減対策を推進していきたい、このように考えております。
○馬場委員 ありがとうございます。発生原因を少なくしていくということが一番の対策であるということはよくわかっているんですが、たまたまこの報告書にもありましたように、今回の二十三日の中でも日曜日が一番多い。七月が一番多くて十日間、日曜日が六日間、火曜日の発生というのが五日間というふうに書いてあります。夏休みの大切な日曜日にこうした現象が起きるということは、その日に車を走らせるわけでも何でもありませんが、結果が日曜日にたまたまあらわれるのかもしれませんが、都民としてはどんなふうに考えて対応したらいいかということも含めて、警報だけでない、都民に対しての広報も含めて取り組みをぜひお願いしたいというふうに思います。
最後になりますが、さまざま述べさせていただきました環境についての課題がたくさんあるというふうに私も思っています。今の光化学スモッグ対策、またディーゼル車排出ガス規制、これは次の公害防止条例のときにというふうに思っていますが、こうしたさまざまな問題点、特に大都市東京が、実は発生源になっている、環境悪化の発生の責任をかなり大きく負っているのではないかなというふうに私は思っています。この光化学スモッグも、風の向きでは、東京で発生したものが地域へ移っていって、そこで被害が出ているというようなこともあるというふうに伺いました。
東京としての環境負荷に対する責任というものも含めて、実は環境は東京だけでは解決できないというふうに思っていますので、この事業概要を見せていただきました。そうしましたら、五〇ページだったでしょうか、七都県市首脳会議、また大都市環境保全主管局長会議など、三十年ぐらい前からさまざまな連絡組織、協議会を含めて組織がある、これが行われているということがありました。このような近隣から全国へ向けての広域的な連携ということ、これもしていらっしゃいましたし、これからも必要だというふうに思いますが、東京都自身が積極的に、今お話ししましたように、もっともっと排出責任も含めて環境行政を展開していく、リードしていく、責任を持って進めていくということが、全国から期待をされているというふうに思います。そういう意味で、ぜひ中野局長さんに、これからの環境行政についてのご所見、ご意思、強い決意をお伺いをさせていただきたいと思います。
○中野環境局長 環境行政の全国的な連携の取り組みについてでございますが、東京都が昨年夏から展開してきましたディーゼル車NO作戦は、ディーゼル車規制の強化を求める世論を高めまして、また国や産業界を動かし、東京圏の自治体、さらには同じように大気汚染に直面する全国の自治体にも大きな影響をもたらしたのではないかというふうに認識しております。今お話のように、これまでも七都県市首脳会議、あるいは大都市環境保全主管局長会議などの場を活用しまして、ディーゼル車対策や廃棄物対策などにつきましても、隣接の県市、また全国の大都市自治体との連携を図ってまいりました。今後十二月定例会に提出を予定しております公害防止条例の改正案の中にも、全国的に先駆けて実施するさまざまな施策が含まれておりますが、今後とも都民の健康と安全を守るため、先駆的な施策を東京から発信しながら、全国的な自治体間の環境行政の連携を強化していきたいというふうに考えております。
○大西委員 二十一世紀は環境の世紀といわれております。その中で廃棄物の問題は、かなりこれからも大きな問題となっていくのではないかと考えております。循環型社会をつくっていくためには、単にリサイクルをすればいいというものではなく、やはり事業者を含め行政、市民とともに、その生産、流通、消費の各段階において廃棄物の発生を抑制していくことが不可欠であると考えます。特に、どんなに注意をしていても火事に見舞われたり、それから先日の名古屋の洪水のときのことを考えれば、リサイクルだけでは対応していけないというものがあるわけですから、なるだけそういう悪いものをつくらないということを、改めて洪水のときのごみ処理を見ていて本当にそれを感じました。特にメーカーでの生産段階において、息の長い製品をつくる、そして再利用しやすい設計を行うことなどの取り組みが、そういう意味では本当に必要だと思っております。
そのためには、使用済みの自社製品を自己回収し、再資源化の義務化や適正処理責任をメーカー等の事業者に課していく拡大生産者責任の考え方が、これから非常に有効だと考えております。自動車等の個別の製品について、リサイクルの立法化がなされる際には、この考え方を取り入れるように国に求めていくとともに、容器包装リサイクル法など、既存の法律についても見直しを求めていきたいと思っております。ここで、廃棄物について、生ごみと産廃のことを資料要求いたしましたので、この二つを聞きます。
まず初めに、生ごみについては、都は平成十年度から都庁舎食堂等の生ごみを堆肥化する取り組みを行っていますが、その現状と生ごみのリサイクルの今後の展望を教えてください。
○梶原企画担当部長 都庁舎食堂等からの生ごみを堆肥化する取り組みでございますが、民間の生ごみリサイクルを活性化させるパイロット事業として進めております。青梅市にございます東京都有機農業堆肥センターにおいて、畜産堆肥と混合し、二次発酵させて堆肥として利用してございます。今年度中には、近隣農家への販売も予定しております。生ごみの堆肥化につきましては、品質やコストの点で、なお課題も多く、今後、処理施設までの運搬や処理の過程で生ずる環境負荷などをも考慮に入れまして、さまざまな角度からの検討が必要と考えております。
○大西委員 生ごみについても、生ごみだけではないのですが、発生したごみを再資源化するという一方で、廃棄物の発生そのものを抑制していくということが非常に重要であるというわけですが、そのためには、消費者に対する啓発、大人もそうですが、なかなか大人は、余り効果がないともいわれております。そこで、やはりこれからの世代を支えていく子どもへの環境教育というものが重要になると思っているんですけれども、子どものころからの環境教育、その点についての都の考え方を教えてください。
○梶原企画担当部長 廃棄物の発生抑制は、循環型社会形成推進基本法におきましても、優先順位の第一に位置づけられるなど、最も重要な廃棄物リサイクル対策であると考えております。このため、お話のように、環境学習の一環として消費者に対する啓発に努めるとともに、子どものころから廃棄物の発生抑制、再使用、再利用、さらに再生品の利用など、啓発することが重要でございまして、都としてもその取り組みについて検討してまいりたいと存じます。
○大西委員 ドイツ等では、その辺が本当に徹底しておりまして、学校だけの教育に終わらずに、それが家庭の中でも、子どもたちが教えてもらったことをちゃんとやっているということを考えたときに、本当に小さなころからの教育というものが今後の社会においては必要だと思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
次に、産業廃棄物について伺います。先日発表されました平成十年度の都の産業廃棄物の経年変化実態調査によりますと、都内からは四百六十一万トンの建設汚泥が発生して、脱水などの中間処理により約二百万トンが減量化されております。残りのうち百十九万トンが再利用され、百四十三万トンが最終処分されています。これは、最終処分量の約四割を占めているそうですが、公共工事から発生する建設汚泥について、再利用の目標値はどのくらいか、また目標値をもっともっと高めるために、都はどのような取り組みをなさるのか、していらっしゃるのか、お聞きします。
○薄廃棄物対策部長 東京都が平成十年に、建設副産物のリサイクルを推進するために策定いたしました東京都建設リサイクル推進行動計画というのがございますが、ここで平成十二年度の建設廃棄物のリサイクル目標値を九〇%と設定しております。この中で、建設汚泥については六〇%と設定しているところです。この目標を達成するために、十一年度に工事の計画、設計、積算、施工の各執行段階における発生抑制ですとかリサイクルなどの具体的な実施項目をまとめました建設リサイクルガイドラインというのをつくりまして、このガイドラインに沿った公共工事に取り組んでいるところでございます。具体的には、建設汚泥につきましては、汚泥が発生しない工法の採用ですとか、現場内での活用の促進などが取り組まれているところでございます。
○大西委員 住民の反対から全国的に産業廃棄物の最終処分場を建設することが本当に難しくなっています。また、産業廃棄物を埋めることは環境への負荷が大きいため、発生した産業廃棄物はできるだけリサイクルをして埋立量を減らしていくということが今求められております。そこで都は、大量に発生する建設廃棄物のリサイクルを促進するため、リサイクル市場を構築していくべきだと考えますが、どうでしょうか。
○薄廃棄物対策部長 リサイクルを推進するためには、リサイクル事業の市場性が確保されているということが重要な課題でございます。そのため東京都は、公共関与によりまして、リサイクル市場の形成に寄与していくために建設廃棄物の再資源化の先導的、モデル的な施設の整備について、ただいま検討しているところでございます。
○大西委員 産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類の濃度の測定について、そのほとんどは測定業者に委託して行われておりますが、住民にとりましては信頼性というものが確保されているのかどうかというものが一つ不安にあります。また焼却施設の設置者が委託している業者名は、そういう意味では、公表できるのかという声があるんですけれども、それについていかがでしょうか。
○薄廃棄物対策部長 焼却施設の排ガス中のダイオキシン類の測定は、計量法によりまして基準に適合した分析器などの設置を含めまして、登録要件を満たしまして、さらに都道府県知事に登録した業者に限り測定ができることになっております。測定業者は、JISに定められた方法によりましてダイオキシン類の測定分析を行っておりまして、測定結果の信頼性は確保されていると考えております。測定業者につきましては、既に登録されて公開されている状況にございます。
○大西委員 公開されている状況というのは、都が登録者のデータを持っておりますよね、それで契約されて数値をはかったところが、報告するときには、どこどこがやったということでちゃんと報告されているということですか。そして住民が公開を求めたときにもそれはできるんですか。
○薄廃棄物対策部長 焼却施設におきますダイオキシン類の濃度測定につきましては、年一回測定することが義務づけられておりまして、それにつきまして、私どもは報告を受けまして、昨年度から既に各施設ごとにその濃度の測定結果を取りまとめまして公表させていただいております。その際、今お話のありました業者名も含めて私どもは確認しております。ただ、業者名につきましては、公表という形はしておりません。既に専門紙等で業者名につきましては公表されておりまして、現在東京都でも、二十九カ所の測定事業者がございます。近隣の県を含めますと相当数の測定業者がいる状況でございます。
○大西委員 大事なデータですので、ぜひその辺もしっかりと管理していただきたいと思います。現在、産業廃棄物処理業者によりまして、禁止とはいいながらも現実には野焼きが行われております。野焼きをしてはいけないということをもっともっと徹底させるためには、地域住民による協力が必要なんですが、その仕組みづくりが地域の中で行われていくことが必要だと考えておりますが、その辺はどうでしょうか。
○薄廃棄物対策部長 多発する野焼きにつきましては、広範囲にわたるとともに、夜間ですとか早朝などには相当行われておりまして、地域住民の方々の協力は不可欠でございます。現在東京都は、地域住民の方々の苦情ですとか通報などの情報提供によります協力のもとに、夜間、早朝のパトロールですとか、多摩地区の自治体が協力して野焼き等の不適正処理の防止の連絡会議を設置する中で、警視庁とも十分連携をとりながら、野焼きなどの不適正処理の防止に努めているところでございます。今回の廃棄物処理法の改正によりまして、例外を除きまして全面的に今度野焼きが禁止され、規制が強化されたという状況でございます。この法改正を実効性あるものとするためには、地域住民の協力がぜひとも必要でございまして、そのための仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。
○大西委員 仕組みづくりの中で、ぜひ市民が参加できるような、そういう仕組みをつくっていただきたいと思っております。
焼却施設等に対する規制基準の遵守、徹底のみでなく、ダイオキシン類発生施設周辺の環境汚染状況の把握も重要と考えるんですが、これら施設周辺の環境調査は実施されているんでしょうか。
○小島参事 ダイオキシン類の発生源周辺や比較的高い汚染が見られる地域周辺の汚染状況の調査につきましては、ことし一月から施行されましたダイオキシン類対策特別措置法に基づき常時監視の一環として大気、土壌等の調査を実施しております。都は、今年度は大気については二地域、土壌についても二地域の調査を行っています。
○大西委員 二地域はどこで、それから何日間ぐらいの期間で行っているんでしょうか。
○小島参事 大気の場合は、清瀬市、それから葛飾区です。土壌につきましては、練馬区及び八王子市でございます。大気の場合は二十四時間測定です。土壌の場合は一回ということで、何度かということではありません。
○大西委員 二十四時間で、十日間とか、そういう感じの……。
○小島参事 二十四時間で一日。
○大西委員 一日だけ……。
○小島参事 はい。
○大西委員 先ほどの答弁だと、その四地域で、二十四時間、一日の調査ということですね。
○小島参事 土壌の場合は年一回ですけれども、大気の場合は年四回やっております。
○大西委員 聞くところによりますと、ダイオキシンの調査というのは、天候によって左右されるわけで、ある意味で二十四時間、一日雨であったとか、その日だけではなくて、やっぱり十日間とか、長期にわたった何日間かのデータが必要だということも聞いております。その辺もぜひ検討していただきたいと思います。
今後は、ダイオキシン類の発生施設が一つの地域に集中しないような仕組みが必要と考えるのですが、その点はいかがでしょうか。
○小島参事 ダイオキシン類の大気などへの排出につきましては、ダイオキシン類による大気等の汚染状況に係る環境基準の達成に向けまして、ダイオキシン類特別措置法に定める排出基準に基づき個別の発生源ごとに規制指導を行っております。法では、ダイオキシン類を排出する工場等が集中している地域において、大気排出基準によっては環境基準の達成が困難であると認められる地域につきましては、知事が総量規制を行うことができることとされています。都内には、現在、ダイオキシン類を排出する工場等が集中している地域はなく、法に基づく総量規制を行う必要はないと考えておりますが、今後、工場等の集中により環境基準の達成が継続的に困難な地域が出現した場合には、法の仕組みに基づいて適切に対応していきます。
○大西委員 本当にダイオキシンの問題は、これからも新たな問題も出てくるかもしれないし、日本におきましては、母乳にダイオキシンの出る割合が世界一という状態であります。ぜひ積極的に取り組んでいただきたい。
もう一つ、新たな問題としまして、今後は古くなった焼却炉の解体など、これは非常に多額な費用を伴う問題も発生してまいりました。そういう意味では、環境局としても都民の安全、健康第一に、他局と協力の上にぜひ国に対して要望するものは要望していっていただきたいと思っております。むだな公共事業ということでいろんな批判を浴びておりますけれども、これに対する対策は、むだとは、私は全然思っておりませんので、よろしくお願いいたします。
もう一つ、最後に、地域冷暖房のことで資料要求しましたので……。提出されました資料によりますと、都内では平成十二年八月末現在で七十区域が地域冷暖房施設として指定されております。これに含まれる建築物の延べ床面積は約三千四百万平米となっているわけで、これらのうち実際に地域冷暖房による熱供給を受けている建築物の面積はどのくらいあるのでしょうか。また、都内のビルの床面積のうちどのくらいの割合になるのか、お聞きします。
○長谷川環境改善部長 地域冷暖房の導入状況を詳細に見ますと、実際に熱供給を行っている建築物の床面積、こういうもので見ますと、指定された区域内の建物の延べ床面積の約七割に当たります約二千二百万立米、ここにもう既に熱供給が行われています。これは都内の業務系ビルの延べ床面積、約一億二千万平米ありますけれども、このほぼ二割に相当する量になりますので、約二割に対して地域冷暖房による熱供給が行われている、こういうことになります。
○大西委員 地域冷暖房は、資料にありますように、環境保全の効果が高い仕組みといわれておりますが、事務所などへの普及は二割にとどまっているという、今、答弁をいただきました。地域冷暖房のメリット、デメリットはどのようなものがあるのか教えてください。
○長谷川環境改善部長 地域冷暖房のメリットといたしましては、個別のビルごとの冷暖房に比べまして、熱源の集約とか集中管理、あるいは高度な公害防止施設を設けておりますので、窒素酸化物、あるいは炭酸ガスの排出量の削減、省エネルギーができる、こういう環境上の効果があります。また、いわゆるクーリングタワー等がないので、都市景観が増すとか、個別ビルに熱源がないので、都市防災性が向上できる、こういう効果があります。また、事業家にとりましても、建物ごとの機械室面積、これが要りませんので、床の有効利用が可能になる、こういうメリットがございます。
一方、デメリットといたしましては、非常に初期投資にお金がかかって、特に地域内の配管などの設備にかかる費用、これが大きいことは挙げられます。
○大西委員 今オランダでも、地球温暖化対策の会議が開かれているわけで、メリットの方を見ますと、非常にそういう意味では効果がある一つの方法かなとも考えるわけですが、デメリットの中でおっしゃってましたけども、地域冷暖房は大規模な施設なので、まとまった需要がないとかえって省エネ効果が失われる可能性もあるわけですが、このような観点から見たときの課題を、もう少し教えていただければと思います。
○長谷川環境改善部長 先生ご指摘のように、地域冷暖房をどう使うかというのは非常に難しい話で、私どもとしては清掃工場だとか下水排熱、こういう都市排熱を有効に利用できる、これが地域冷暖房の特徴になります。つきましては、このような未利用エネルギー、そういうのを熱源として利用できるようなケースについては、今いいましたような環境保全効果、あるいは省エネルギー効果等が認められるので、積極的に導入を推進していきたい、このように考えております。また、都心部なんかで事務所とかホテルだとか、いわゆる熱の使用時間帯が異なる、こういうような建物が集中している地域では、熱源機器設備の利用効率が高くなりますので、環境保全効果のほか、コスト面でも有利になります。そういう意味で、このような地域にも地域冷暖房の導入が適していると思います。
私どもとしましては、地域冷暖房システムといいますのは、先ほどご答弁いたしましたように、初期の設備投資に多大の費用を要する事業であるため、導入が進みにくい面がありますけれども、今いいましたような未利用の排熱が使えるところ、あるいは各種の熱需要が異なるようなビルが存在する、こういうようなところの市街地再開発事業等につきましては、地域冷暖房の導入について積極的に誘導するように努めてまいりたいと考えております。
○大西委員 どうしてもいいことばかりが聞こえてくるんですけれども、先ほどいいましたように、本当にいいものであっても、大規模な施設で、まとまった需要がないと効果がないという課題があるということで、その視点から見た課題というのは、もう少し何かありませんか。
○長谷川環境改善部長 一つの都市開発をやる場合、地区によっては十年、十五年、こういうような非常な長期の時間がかかります。ただ、地域冷暖房の性格としましては、既存の市街地再開発の場合、かなり離れたビルがあっても熱供給の義務が生じるために、初期投資として地域導管を配管せざるを得なくなります。このような場合、設備が完全に有効に使われるまで、十年、十五年かかるわけですけれども、この間、一種の設備の遊休状態が進みまして、非常に効率が悪くなると同時に、ある意味じゃ料金に反映されて価格は高くなる、このような傾向がありますので、私どもとしても、先ほどいいましたような未利用の排熱が利用できるとか、都心部で業務ビル等が密集して、かつ昼と夜、同時に熱を使うようなところ、こういうところをねらう、今いったような趣旨で進めていきたいというふうに考えております。
○大西委員 課題もありますけれども、ぜひ研究しながら進めていただきたいものの一つだと考えております。
最後に、先ほどアセスのことでちょっとやりとりがありましたけど、そのときに、局長が、東京が首都であり続けるために環境への負荷、そういうものはある程度仕方がないんじゃないかというふうにおっしゃいました。確かに私たちは、戦後の復興の中である程度の犠牲というものはやむを得ないというような、どこかにそういうことを考えながらいたんじゃないかと思っております。しかし、これからは、首都が首都であり続けるためには、やはりそこに暮らす都民が何よりも健康であって、暮らしやすいということを感じることが大切だと思っております。その視点をもっともっと膨らましていくことが、やはり東京が暮らしやすいまちになるんじゃないかなと思っておりますので、その辺で、もっともっと発想の転換というのがこれからは求められるんじゃないかなと、ちょっと答弁を聞いて思いましたので、一言つけ加えさせていただきました。
以上です。
○吉野委員 私も今回の事業の中で、ディーゼル車のことにつきまして何点かお伺いをしたいと思います。
先ほど森田理事からもディーゼル車対策につきましては質問がございました。重複を避けたいと思いますけれども、先般、新聞にも、都が十五年の十月実施、あるいは環境Gメンを配置というふうな記事が、各紙ほとんど一斉に載りました。これを見ますと、都民ですとか事業者の皆さんの関心がそれだけ高いんだろうというふうに思っております。中央環境審議会も、先日の新聞によりますと、NOX法を改正して、NOXとPMというふうな形へ、十四年あたりの法改正を目指しているようですけれども、ディーゼル車対策として二つ、一つは、先ほど森田理事からお話がありましたけれども、ディーゼル車そのものの排出するPM等を少なくする装置をつける、あるいはついた車を使用する。もう一つは、全くディーゼル車でない車に転換をすることによって環境の負荷を減らすということがあるというふうに思いますが、都がディーゼル車からの粒子状物質を削減するための戦略として、CNG車への転換ということを最優先に進めていくというふうな提案をしていることにつきまして、何点か伺いたいと思います。
特にCNG車は、ディーゼル車に比べて窒素酸化物が十分の一、あるいは粒子状物質、PMはほとんど出ないというふうなクリーンな車として注目をされております。世界の状況を見ましても、天然ガス自動車というのは、アルゼンチンでは四十五万台、イタリアでは三十二万台、以下、アメリカ、ブラジル、ロシアというふうな順番で導入されているんですけれども、日本の状況を見ますと、順番からすると十三位か十四位ぐらい、そのくらいの普及に今なっているようです。
環境対策について、業界の方々も非常に熱心に取り組んでおられる方が多くて、CNG車を積極的に導入していこうというふうな流れがあるように聞いております。その前に障害となっているのがスタンドの数の少なさというふうにもいわれております。いかに低公害車をふやそうというふうに考えても、燃料である、その供給をするインフラが整備をされていないということが障害になって、なかなかCNG車の導入が進んできていないんだというふうにいわれております。そこで、その障壁となっているスタンドをどうふやしていくかということが、クリーンな車であるCNG車の導入にはずみをつけていくことになるだろうというふうにも思いますけれども、スタンドの増設に向けて都はどのように取り組みを進めているのか、お伺いをいたします。
○松葉自動車公害対策部長 CNG車を大量に普及させるためには、自動車のユーザーによる大量導入、それから自動車メーカーによる車両の価格の引き下げ、それから今ご指摘いただきましたスタンドの増設が非常に重要であるというふうに考えております。東京都では、ユーザーとか、あるいはメーカー、それから燃料スタンドの事業者、こういう方々とともに、低公害車を普及させるための新市場創造戦略会議、こういうものを設置しまして現在協議を進めているところでございます。スタンドにつきましても、来週を予定していますが、事業者がみずから作成いたしました大幅なスタンドの増設計画、こういうものを公表することとなっております。また、都では、CNGスタンドの設置費用の一部に対しても、国の補助とあわせまして現在補助を行っている状況でございます。
○吉野委員 大幅な増設計画が出てくるようですけれども、数とあわせて配置のバランスということも大事になるんではないかなというふうに思いますと、そこいら辺のことについても関心を払う必要があるかなというふうに思います。設置費用に対して補助を行うということですけれども、ご承知のように東京というのは大変地価が高いところですから、簡単にここがいい場所だから買って、ここに設置というふうなことには、なかなかなっていかないというふうに思います。実際、広い面積を確保するなんていうことはなかなかできませんけれども、例えばスタンド一つですと、二百坪とか三百坪とか、その程度の面積で済むようですけれども、それでもなかなか大変、あわせて、例えば既設のガソリンスタンドにそうしたCNGのタンクを設置をしてもらうというふうなことになるとしても、通常新しく更地のところへそういうものを設置するということから見ると、かなり費用も割高になっておるというふうなこともありますので、単純にスタンド設置に対しての補助があるということだけでは、増設というのは難しいのではないかなというふうに思います。例えばスタンド増設に、補助のほかに都有地等を含めた公共の土地を提供して、そういうところにスタンドを設置していく、そのことによって数をふやしていくというふうなことが必要ではないかなというふうに思うんですけれども、都の取り組みについてお考えを伺いたいと思います。
○松葉自動車公害対策部長 CNGスタンドの設置につきましては、現在、土地代を除きましても、全国的に見ますと一基当たり一億円程度かかります。それが都内では一億二千万から四千万ぐらいの経費がかかっているのが現状でございます。地価の高い都内でスタンドを増設する場合、さらに多くの費用を要するということになります。また、ご指摘のように、スタンドの設置につきまして、設置に適した用地を取得するということも非常に困難な状況であるのも事実でございます。したがいまして、低公害車を大量に普及していくために、スタンドの設置の補助はもとより、公有地の活用についても今後検討を進めていきたいというふうに考えています。
○吉野委員 CNG車、クリーンな自動車であるということですけれども、ディーゼル車と比べますとおよそ二倍の価格がするというふうに、高い車だというふうに聞いております。東京都が提案しておりますディーゼル車対策によって、自動車を使用する業者というのは、買いかえをしていくということになると、負担が大変だというのは、先ほど来のお話があるところです。ただ使用がふえていけば、価格も下がっていくでしょうし、そうしたことに向けてのはずみをつけていかなければならない時期だというふうにも思います。私たちが通常生活をする中で、トラックやバスからの恩恵をなくすことができないのが今の現状だろうというふうに思いますと、CNG車の導入に向けて、今の東京の空気をきれいにしていくために、今の社会に生きている我々がどう取り組むのか、そして我々だけではなくて、次の世代へもきれいな空気をずっと続けていくというためには、今この低公害車の導入に当たって、事業者だけではなくて社会全体でそうした方向の支援をしていかなければならないというふうにも思います。社会全体とはいいましても、現実には都民の皆さんからお預かりをしている税金を使うというふうなことにもなってくるだろうというふうに思いますけれども、一般的に車を使うのは事業者だから、事業者が負担ということではなくて、今を生きている私たちの社会全体がその負担を負いながらも次の世代へクリーンな環境を残していかなければならないというふうに私は思っているんですけれども、こうしたことについて、局長、いかがでしょうか。
○中野環境局長 ただいまお話のCNG車等の低公害車への転換は、粒子状物質削減のため極めて重要な施策でございますが、車両価格がディーゼル車と比較して高額なことも大量普及の大きな課題となっていることは、ただいま部長が答弁したとおりでございますが、このため、その負担を事業者だけではなく、ただいま先生のお話のように、社会全体で分担できるよう今後検討していく必要があるというふうに考えております。
○吉野委員 これで終わりにいたしますけれども、今、社会全体という意味の、ある部分では、税を使ってでもというふうに私は思っているんですけれども、事業者に対しての一定の支援が必要だということは先ほど来の答弁でそういうふうにお考えになっているんだなということはよくわかりますが、ただ一方では、ご承知のような財政状況の中でありますから、すべての車にというのも、これもまた大変だろうというふうにも思います。ただ、しかし、そうはいいましても、進めていくということからすると、少なくとも中小の資金力の弱い、そういうふうな業者、あるいは使用者に対してぐらいは、何とか手を差し伸べていくというふうなことがないと、なかなか難しいだろうというふうにも思います。ですから、資金力の乏しい事業者に対して、特段の配慮をしていかなければならないのではないかなというふうに思いますが、松葉部長、たびたびで恐縮ですけれども、お伺いをして終わりたいと思います。
○松葉自動車公害対策部長 先ほど来、CNG車の大量普及についてのご答弁を申し上げていますが、大気汚染を改善するために低公害車の普及というのは非常に重要であるということで、CNG車の導入に対しまして、車両価格とか、あるいは普及状況を考慮しながら支援策を検討してまいりたいというふうに考えています。
○清水委員 廃棄物研究室とPCB対策について伺います。
旧清掃研究所が、移管に伴って環境科学研究所に統合されて廃棄物研究室となってきたわけですけれども、毎年清掃研究所の方から報告書が出されておりまして、第二十八号、平成十年度の報告書も一番新しいということでいただいてまいりました。その中には、所長が前書きで書かれましたように、旧清掃研究所は全国の地方自治体の中でも珍しい廃棄物専門の研究機関で、昭和三十五年に研究所として創設されて以来、廃棄物に関するさまざまな調査研究などを行ってきたということで、最近はさまざまな問題に対応する、また住民の関心も高まる中で調査研究を行ってきたというふうに前書きで書かれております。そこで、これまで長い期間にわたって多くの調査研究を行われてまいりましたが、その主な成果はどのように考えておられるかをお伺いいたします。
○萩本環境科学研究所次長 今、清水委員からもお話がありましたように、現在の廃棄物研究室は、清掃研究所といたしまして昭和三十五年の発足以来、廃棄物専門の研究機関として、ごみ処理に係る幅広い研究に取り組んでまいりました。これまでの代表的な研究ということでございますが、例といたしましては、清掃工場の適正な運営計画及び施設建設時や設備更新時の基礎資料として重要なごみの組成を調べる性状調査でございますが、これは毎年実施してきたところでございます。また、廃棄物の資源化に関しましては、高温溶融スラグの有効利用に関する研究及び産業廃棄物の資源化、減量化に関する調査なども行ってまいりました。このように、清掃行政に密着した廃棄物処理に関する技術開発だとか調査研究を実施してきたわけでございますが、その成果につきましては、それぞれ行政施策に直接活用されてまいりました。
○清水委員 そこで、区移管が行われたわけですけれども、区移管の前後で研究室の役割はどのように変化していったというふうに考えておられるのかお伺いいたします。
○萩本環境科学研究所次長 これまで廃棄物研究室は、旧清掃研究所でございますけれども、産業廃棄物に関します研究、あるいは一般廃棄物の収集、運搬、処理、処分に係る清掃事業に直結する調査研究を行ってまいりました。清掃事業の移管後は、新たな都区の役割分担を踏まえまして、埋立地の延命化等に関する調査研究及び循環型社会の形成を目指しましたリサイクル等の施策に関する調査研究並びに産業廃棄物の資源化等に関する調査研究など、府県行政の立場から必要な調査研究を行っていくことといたしております。
○清水委員 都が行ってきた清掃事業、つまり区部の清掃事業の研究にこれまで重点を置いて、先ほどご報告がありましたように、さまざまな調査研究で成果も上がってきたというふうにいわれています。ちなみに十年度の研究課題としては、廃棄物の性状把握ですとか、発生抑制、また社会システムに関する課題ですとか、リサイクル技術の問題、処理施設に関する課題、埋立地の環境に関する課題ということで、都が直接行ってきた清掃事業、また埋め立てに関してのさまざまな研究が中心に行われてきたと思うのです。しかし、区に移管をされたとしても、区自身が、区の集合の事務組合ですか、そこが研究所を持っているわけではないと思いますので、今いわれましたように、府県行政の立場から都が、これまで以上に必要な調査研究というのは大事だというふうにまず思うんですね、ですから、区の事務にかかわる研究を引き続き重視をして取り組んでいただきたい。
それと同時に、今いわれましたように府県行政の立場ということですから、多摩地域の廃棄物の対策についても、これまでも行われてきたとは思うのですけれども、これ以上に調査研究などを、この研究室で行っていく必要性が増してきたというふうに考えるんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
○萩本環境科学研究所次長 これまで旧清掃研究所は、清掃事業者としての立場からの調査研究と、府県行政の立場からの広域的自治体としての調査研究、両面から取り組んでまいりました。今後につきましては、清掃事業に係る都と区市町村との役割分担が明確になったことを踏まえまして、広域自治体として区市町村に対する技術支援を行う立場から引き続き調査研究をしてまいりたい。また、この調査研究の成果につきましては、これまでどおり区市町村の清掃事業の推進に活用が図られますよう積極的に提供してまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 十年度に報告をされた研究所の報告書の取り組んできた課題について、今触れさせていただいているんですけれども、この間、清掃などにかかわる問題では、杉並中継所の問題とか、日の出町の最終処分場の問題など、全国的にもかかわる重大な問題があったわけなんですけれども、今、直接にこの場所の研究などということではなくても、十年度の研究報告の中で、これにかかわる研究というのはされたかなというふうに、ちょっと見ましたら、直接それに結びつくものはないかなというふうに思ったんですけれども、こうした全国的な問題、しかも科学的な知見が都民の立場から求められる、こういう問題のときに、研究所はどういう役割を果たしてこられたのかお伺いしたいと思います。
○萩本環境科学研究所次長 直接的には研究テーマとしては取り上げてはおりませんけれども、旧清掃局及び環境保全局は、例えば杉並中継所の問題でいえば、東京都が実施しております排水及び周辺環境の調査につきまして、清掃研究所及び環境科学研究所では、調査内容の検討であるとか、調査結果の分析に当たりまして、専門的な視点から助言を行ったり、あるいは原因を解明するための調査だとか実験にもかかわってきております。さらに、平成十一年の十一月に設置されました杉並中継所周辺環境問題調査委員会におきましては、環境科学研究所の職員も委員として参加いたしておりまして、この原因究明に努めてきたところでございます。また、日の出最終処分場につきましては、財団法人東京市町村自治調査会が設置いたしました多摩地域焼却灰セメント化施設導入検討委員会というのがございますが、これに旧清掃研究所の職員も参加をいたしております。いずれにいたしましても、今後とも環境対策を推進する上で、当研究所が果たすべき役割を見据えつつ対応してまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 二つの重要な問題として廃棄物にかかわる問題で起こった問題に対して、研究所のかかわりについて今ご報告があったんですけれども、報告書に書かれているような物すごく高い科学的な研究がされて、報告がされている研究所が、こうした二つの諸問題に科学的な立場で役割を果たすことがもっと大事かなというふうに思います。特に後段の日の出の最終処分場については、問題は、管理型処分場が、ゴムシートを破って地下に汚染物質が漏れているかどうかという、中を掘り返してみなければわからないという、そういう重要な問題で現在まで続いているわけなんですけれども、その問題ではなくて、今ご報告があったように、焼却灰セメント化施設導入検討委員会に参加したということでは、もっと研究機能を生かして、都民の疑問とか、全国の自治体が持っていない研究所なんですから、東京湾の埋立地だけでなくて、山地の埋立地の、その管理型処分場がどうなのかということなども、やはり研究をする必要があったのかなということを考えますと、今後もぜひそういう問題を取り入れるような立場で研究を進めていただきたいというふうに一つは思います。
それから、平成十一年度から環境科学研究所では、この清掃廃棄物研究室も含めて外部評価制度を導入したというふうに聞いています。どう運営をされているのかお伺いしたいと思うんですね。外部評価制度、いろいろいわれているわけですけれども、研究という問題は、研究者が専門的な立場から長い視点でもって問題を把握し、提起をし、研究していくという問題と、それから今お願いしたような問題、そういう研究というものがあると思うんですね。そういう意味では、外部評価制度という問題は、後の問題、住民の意向に密着した問題、そういう問題を解決していくような運営というふうになっているのかどうかお伺いしたいと思います。
○萩本環境科学研究所次長 外部評価制度でございますが、この制度は、開かれた研究体制をつくるために、都の試験研究機関といたしましては最初に導入されたものでございます。委員は七名から成っておりますが、環境各分野の専門家五名と、都民の視点を研究活動に反映させるために、公募によりまして都民委員を二名選出いたしました。この二名の方を加えた構成ということになっております。研究所が行います新規テーマの設定につきまして、研究所内部での検討があるわけですが、その後に外部評価委員会にかけまして、各委員からの意見をお聞きして研究内容に反映するといった仕組みになっているわけでございます。この外部評価委員会で出されました意見につきましては、研究所の活動内容を紹介した研究所ニュースというのがございますが、これだとか、研究所独自のホームページによりまして公開をいたして、広く都民等の意見をお聞きして、都民と研究所とのパートナーシップを図る役割を果たしているというふうに考えております。
○清水委員 開かれた研究体制というのであれば、今、最後のところで触れられましたように、研究所ニュースとかホームページで都民にかなり広く知らせることができる、また意見を受けることができるという体制が今できてきているわけですから、七名という、わざわざ限った人数で決定をしていく、研究所の意見を受けて方向を決めていくということが、本当にそれが適当かどうかというのは大変疑問なところです。
昭和三十五年から研究所、清掃も、環境科学も古い歴史を持っているんですけれども、先ほど触れましたように、例えば研究員の方の問題意識というのは、すごく世界的な視点で情報を得て、それを研究に生かしていくということが、これまでも成果として出ていると思うんです。環境科学研究所の調査研究と成果というのもいただきましたけれども、それを見ると、例えば平成六年から七年にかけて、既に路線バス用低公害車の評価に関する研究をされて、ハイブリッド車、CNG車についての研究をして、都知事賞の受賞を受けたというふうにここに書いてあります。また、家庭用焼却炉からのダイオキシン類の生成に関する研究でも、これは広く報道されているように、卵パックの焼却をすると、東京ドーム内の空気を、環境基準の二倍程度の濃度にまで汚染するダイオキシンを発生するという問題も、とてもこれは、私たちにとってショックというか、新たな認識として受けることができた研究だったと思うんです。そういう問題も、今でさえかなりの多くの施策に反映されているんですから、かなり長期間にわたって研究者の方の問題意識が、研究の積み重ねの中で東京都の施策に反映されていくということでは、外部評価制度というのがまだ始まったばかりなので、詳細については、その成果がわからないかもしれませんけれども、そういう問題、先ほど二つの研究の内容について、都民と密着したものと、研究者の方の問題意識を大事にしながら研究をしていく外部評価の委員の意見が、都民の一つの意見ということで、そこで最終的に決定をされていくものがすべてということで、目の前の問題だけの対応ということでなくて、研究体制については、これから取り組みを強めていっていただきたいと思います。
さて、そこで、先ほどから触れておりますように、清掃研究所が廃棄物研究室になっても、区部での研究もさらに重要で、廃棄物をめぐる問題については、先ほどからも質問が続いているように、さらに大きな研究を行うものもあると思うんです。それから多摩地域の問題も含めるということでは、そういう事情を踏まえると、来年度の研究所の予算とか定数は、当然、増額をされたり増員で要求すべきだというふうに考えますが、よもや削減をするような要求はしていないのではないかと思うんですけれども、どのような要求をしているのかお伺いいたします。
○萩本環境科学研究所次長 予算と定数の問題でございますが、平成十三年度の予算要求額は六億二千八百万円でございまして、十二年度に比べまして七千六百万円の減額要求となっております。また、平成十三年度の定数につきましては、六十七名を要求いたしております。これは、組織の統合を踏まえまして、廃棄物研究室を環境科学研究所の他の部門と融合することで、より効率的な執行体制を整えることによりまして、事務職等を三名減員するほか、府県行政の立場から廃棄物対策に係る研究テーマにつきまして一定の見直しを行ったことによりまして、研究員等を四名減員するなどの要求となっております。
○清水委員 先ほど触れたように、研究所の役割というのは非常に重要だと思いますし、時間が迫ってきましたので、そのことを強調することは省きますけれども、今ご説明があったように、事務職の減というのは、それがどうだかというのは、ここではいうことはできませんが、研究員の四名の減ということは、移管を理由に本来の役割の研究機能を後退させることにつながるんではないかというふうな危惧も予想されます。そういう意味では、目の前の予算を減らしていくということに集中して減員するのではなくて、急がば回れということで、長い視点で研究を重ねていった結果が施策に大きな結果を得て、それで東京都の予算の削減にもつながるということもあるわけですから、目の前の職員を減らして予算を削減するということだけに目的を置くというようなことがないように、廃棄物研究室の充実を求めて、この質問は終わりたいと思います。
次は、PCBの問題ですけれども、十月四日、八王子市内の小学校でPCB蛍光灯安定器が破損し、児童に降りかかる事故が発生しました。これは、既に繰り返し報道されていますので、内容については省略いたします。その後も、全国で何カ所か起きているのは報道されています。現在でも、健康への影響への安全宣言は、八王子市の教育長と会いましたけれども、出せないんだということで、実際に体に降りかかった生徒などは、ずっと長い間健康への不安というのがつきまとっていくのかなということでは、とても重要な問題だというふうに思います。
そこで、この事故を契機に、PCB入り蛍光灯安定器の使用状況の調査を初めて行っていると聞いているが、先ほど資料にいただきましたように、全廃棄物について、保管の状況については調査されておりますが、照明用安定器などについては行っていない、調査対象外ということになっているわけですけれども、事故の対応の調査、都の取り組みはどのようなものかお伺いいたします。
○薄廃棄物対策部長 八王子市の小学校の事故対応につきましては、八王子市に対しまして、事故のあった教室の環境測定の実施と、その実施の方法、また破損した安定器の密閉保管の方法などにつきまして指導したところでございます。また、事故の後、早速に各区市町村に対しまして、施設の使用実態の把握ですとか、PCB入り蛍光灯安定器の再点検、早期の計画的な交換やその後の適正保管、そして万が一事故が発生したときの措置などについて文書で指導したところでございます。さらに、都庁の各局に対しましても、所管する施設の使用実態の把握ですとか、適正管理の徹底を文書指導いたしました。さらに、保管している機器だけでなく、使用中の機器の実態を把握するため、先生がいわれましたように、初めてでございますが、PCB入り蛍光灯安定器の調査を依頼して実施しているところでございます。これは、十一月末までには報告を受けまして、取りまとめ次第公表させていただく予定にしております。
○清水委員 本当にこういう事故が起きる前にこうした調査などの対応がされていればよかったなと、起こったことに対して今とても残念な気持ちでいます。さて、今、市の予算、区などもそれぞれの予算で取りかえが行われているんですけれども、例えば八王子などでは、教育施設、公共施設合わせると四千器なんですね。この保管料が増していくわけです。先ほどいただいた資料でも、既に安定器の数は、都が保管している数でも八十七万器ですか、これが今保管されているわけですが、さらにこの保管料が増していくわけです。管理者が責任を持つということになって、教育施設であっても、各学校ごとに保管するのが今の取り組みだというふうにもなっているわけですけれども、適正保管に対してどのような指導を行っているのかお伺いいたします。
○薄廃棄物対策部長 区市町村の環境主管課長会などの組織を通じまして、飛散流出の防止ですとか、保管場所の表示の方法など、法令が定める保管基準について周知いたしますとともに、指導を行っているところでございます。また、学校関係などの保管事業者からの相談も多々ありまして、そのような場合には、具体的な保管場所の構造ですとか、保管方法などにつきまして、きめ細かく指導させていただいております。今後とも長期保管を余儀なくされている状況の中で、今お話のありましたように、使用中の機器の使用中止などによりさらに保管量が増加することから、保管の管理が十分でない事業者などに対しましては、重点的に立ち入り指導を実施するなどしまして、適正保管の徹底に努めてまいりたいと思っております。
○清水委員 適正保管というのも重要なんですけれども、どこに保管をするかということも、もう一度そのことについては、今後の国のさまざまな仕組みなどもあると思うのですけれども、例えば八王子市であれば保護者から、学校に保管するということに対して不安の声も起きているんですね。ですから、抜本的な管理の対策を、国とも連携してとっていただきたいと思います。
さて、今、研究者の間では、使用中、それから保管状況なども重要なんですけれども、その処理のあり方が今後本当に重要なことになってくるのではないかということをいわれています。先ほどいただいた資料では、化学処理施設の稼働状況ということで、三社がモデルで行って、それぞれ大阪、神奈川、新潟で行っているわけですけれども、これは、それぞれの事業所内の処理を行うということでやっているわけですけれども、まだ国では、化学処理というものが確立してないということでも、都として検討委員会を設けているというのは聞いているんですけれども、早急に検討結果を取りまとめて、処理に向けた取り組みを進めていくべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
○薄廃棄物対策部長 PCBの長期保管などによります不明ですとか紛失などによりまして環境リスクが懸念されている状況にございます。今ご指摘のありましたように、適正処理の促進が重要であると考えております。都といたしましては、PCBによる環境リスクの未然防止に向けた適正処理を促進させるために、ことしの六月でございますが、検討委員会を設置したところでございます。検討委員会では、処理施設の整備の促進のための取り組み、さらには住民の理解を得るための取り組みなど、具体的な都の支援策について現在鋭意検討中でございます。ことしの十二月、来月でございますが、検討結果を取りまとめる予定でございまして、都といたしましては、この結果を踏まえまして、PCBの処理の促進に努めていく覚悟でございます。
○清水委員 そうなってくると、やはり処理施設をつくるということにもなってくると思うんですね、民間にしても。そうなると、また新たな環境問題というのも、処理施設の環境問題というのが出てくると思うんです。そうしたときに、万全の対策をとって進めていかなければ、処理施設の整備も十分に行えなくなるということでは、本当に知恵と財政をきちんと保障して対応を進めていく必要があるかなと思います。
さて、先ほどからご報告があるように、保管の管理というものがあるんですけれども、使用中のPCBの管理というものは、現在仕組みがないと思うんですね。ですから、これまでもどこでどれだけ使っているかわからない。それから例えば八王子の学校でいえば、順次蛍光灯を取りかえているんですけれども、それが、取りかえるまでは、テレビで報道されたように針金でくくっている。そして電気をつけると、もしかしたら、また爆発するかもしれないということで、外が明るい日には蛍光灯を消す、そういうようなことが行われていて、どこもそういう形でやっていると思うんですけれども、使用中の管理というのは、今仕組みがないんですけれども、それをつくり徹底していく必要があると思うんですけれども、その点について伺います。
○薄廃棄物対策部長 お話のとおり廃掃法では、使用中の管理ではございませんで、使用が終わった後の保管という段階で初めて廃棄物となりまして、その段階で、私どもは廃掃法に基づく管理をしているところでございます。現在も使用されている機器は相当ございまして、高圧トランス・コンデンサーですとか、今お話の蛍光灯安定器などがございます。使用中止後の不明、紛失の懸念などから、使用中からのPCBの管理を徹底する必要があると私どもは考えております。現在、先ほど申しました検討委員会におきまして、適正処理についての検討をしていただいているところでございますが、適正処理だけでなく、処理が完了するまでの間の適正保管の徹底の問題、さらには保管になる前の使用中の機器の適正管理の必要性もこの中で議論されておりまして、その取り組みについても検討いただいているところでございます。これらの検討結果を踏まえまして、東京都はPCBの適正管理について、その徹底に努めてまいりたいと思っております。
○清水委員 公害防止条例に関する答申が出された後に、この問題というのは起こったと思うんです。公害防止条例の答申のときにも、有害物質の取り扱いについての基準はあるのだけれども、貯蔵とか保管については対象になっていないということで、貯蔵や保管についても対象にするべきではないかという意見を述べてきたんですけれども、今回の問題が起こったのは、公害防止条例の作成されている後の問題で、今報告がありましたように、使用中、つまり貯蔵とか管理とか、そうしたものについても、有害物質の対応についても盛り込む必要があるのかなという点では、PCBだけでなくて有害物質全体に関しても、もう一度抜かりなく、事件が起こって子どもに影響があるとか、住民に影響があってから対応をとるというようなことではなくて、事前に対応を、防止条例の中でも入れていっていただきたいと思います。
最後に、今二つのことを取り上げましたが、こういう問題だけでも環境局の予算というのは本当に重要だと思うんですね。ですから、これから、自動車対策とか有害物質対策とか、それから自然保護対策とか、環境局の出番というのは本当に山積みされているということでは、予算が減っていったんでその仕事ができないということでは--来年度の予算要求をしっかりと行っていただきたいということを要望して質問を終わります。
○かち委員 冒頭に、きょうの委員会でもいろいろと議論になりました大気汚染、自動車公害問題について出たわけですけれども、私たちは四定の中で、公害防止条例と自然環境保護条例を検討していくわけですけれども、今もお話がありましたように、基盤整備や技術開発の問題では、まだまだ途上の中で行われているという点では、都民の皆さんの理解と合意というのが非常に重要だろうと思います。そういう意味で条例提案、そして決定されていく過程の中では、十分に都民の皆さんの意見も反映される、そういう機会と時間の保障をぜひ検討していただきたいということを最初に要望しておきます。
私の方では、家電リサイクル法についてと清流復活事業について簡単にお聞きします。九八年に家電リサイクル法が制定されて、来年四月からとなりました。この家電リサイクル法は、大量消費、大量廃棄が繰り返されてきた家電製品のごみ減量を目的として制定されたものではあります。この対象は、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の四品目で、製造メーカーには再商品化を義務づけ、小売店には引き取り運搬を、そして消費者には収集運搬とリサイクル費の負担が盛り込まれていることになっています。この家電製品の区部で発生される量は年間百五十万台と推定されていますが、この八割が産廃処理されている現状から見ても、リサイクルシステムの確立は、ごみ減量、環境保護の立場からしても大変重要な課題だと考えます。ところが、その具体化が進むにつれて、小売店と消費者にその負担がしわ寄せされている現況も見えてくるわけです。本当にこのままいって、またこういうシステムが十分に小売店や消費者のところにも、まだ理解され切れていない、こういう状況の中で、来年四月から本当に合理的に進むのかなという懸念を抱くわけですが、そこで何点かお聞きします。
都では、昨年度、この法律の円滑な施行に向けて家電リサイクル研究会を設置してきましたけれども、その報告と内容はどういうものでしょうか。
○梶原企画担当部長 お話の家電リサイクル研究会の報告では、家電リサイクル法は、拡大生産者責任の考え方を取り入れた画期的な法律であると評価する一方で、収集運搬に関しまして、排出者や小売業者の負担が大きいなどの問題点を指摘しております。さらにこの報告では、都は区市町村、製造業者、小売業者と連携し、円滑で効率的な家電リサイクルの仕組みづくりに取り組む必要があるとしております。
○かち委員 そこで、具体的なことなんですけれども、昨年この委員会で、たぞえ議員も質問したんですが、そのときには、メーカーが小売店などから使用済みの家電製品を引き取るための指定引き取り場所の設置という問題がありました。全国では百から百五十カ所、それを頭割りにしますと、都内では約二カ所程度ということを聞いたんですけれども、これでは余りにも少な過ぎるのではないか。小売店は都内で二千数百軒あるということですけれども、そういう意味から、指定引き取り場所の増設をすべきだというような要望をしていたと思うんですが、その際に八カ所の民間雇い上げ業者の敷地の活用など、そしてまた、どのメーカーの製品でも受け入れられるような検討、調整をしているというふうに伺いましたけれども、その後、結果はどういうふうになったんでしょうか。
○梶原企画担当部長 メーカーが引き取る、いわゆる指定引き取り場所の設置は、それぞれのメーカーごとではなく、全メーカーの製品を受け入れるような場所となるように働きかけてまいりました。結果といたしまして、メーカーは二つのグループに分かれまして、引き取り場所もそれぞれ異なるものとなりました。全国でそれぞれが百九十カ所余り、都内ではそれぞれ九カ所と十カ所を配置するという発表が先般ございました。
○かち委員 当初よりは若干ふえたようですが、東京ではその一割ということなんですけれども、メーカーが二つに分かれてしまう。Aグループというのは松下と東芝で、Bグループはそのほか、三洋やシャープ、ソニー、日立、三菱などというふうに二つに分かれてしまったわけですね。私も資料をいただいたんですが、その十九カ所、Aグループは九カ所で、Bグループが十カ所、どういう配置になっているかといいますと、Aグループは、大田区、足立、江戸川、板橋、世田谷、これは区部ではこれだけです。多摩地域では、立川、調布、八王子、東村山、それだけですね。Bグループは、足立、江戸川、板橋、江東、港、大田、世田谷、府中と立川、八王子ということになっていますが、これが、AグループもBグループも受け入れられるというのはほんの数区しかないわけですね。あとは全く区としてその集積場所がないというところも多分にあるわけなんです。
こういう状況で、実際に小売店が消費者から引き取って、その指定の場所に持っていく、例えば大田区なんかの場合、場所は京浜島と本羽田の方ですから、私が住んでいる地域からはかなり遠いんです。その近くの小売店さんがそこに持っていくだけでも片道一時間ぐらいかかってしまうだろうといわれていますが、しかも、幾つかまとめて持っていっても、一つの場所では終わらなくて、また次の場所へ持っていかなければならない。こんなことをしていたら、その一件だけで半日が終わってしまうというような状況になっているわけですね。これでは非常に不合理で、コストもかさんでしまうし、とても小売店ではやれないという声が上がっています。こういう状況から見て、もう少し都として、努力をしてきたけれども二つのグループに分かれてしまったということですけれども、どの集積所でも、たったの十九の集積所ですから、どのメーカーであっても受け入れられる、そういう体制ができるように頑張って、そういうことを実現させていくべきではないかと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
○梶原企画担当部長 収集運搬に係る小売業者の負担、ひいては都民の負担を軽減するためには、小売業者が使用済み家電製品をいかに効率的に収集運搬できるかにかかっております。そのためには、メーカーの指定引き取り場所は、数多く、また共通のものとなることが望ましいことはいうまでもございません。このため都では、都民の負担を軽減させるためにも情報提供により小売業者を支援しているところでございますが、家電リサイクル研究会の報告の趣旨を踏まえ、引き続き働きかけをしていきたいと思っております。
○かち委員 大手メーカーからリサイクル料金というのが発表されておりますけれども、それによると、洗濯機は二千四百円、テレビは二千七百円、エアコンは三千五百円、冷蔵庫が四千六百円というふうに発表されました。このような高額なリサイクル費用に加えて、小売業者をメーカーに引き渡すまでの収集運搬費用を排出者に請求するということは、現実的には難しいのではないかと考えます。私が聞いた小売店さんでも、とてもそれをお客さんにいうことはできませんよ、というふうにいっておられました。
私は、夏にエアコンが壊れて、ついこの間、洗濯機が壊れてしまったんですけれども、洗濯機は、十年前ぐらいのものなんですけれども、結局、もう部品がないということなんですね。まだ外見はしっかりしているんですけれども、その部品がないために買いかえなければいけないという状況になったんです。このときに三千五百円取られ、二千四百円のリサイクル料金と同じような料金を取られたんですが、これは、今はまだそういうシステムができていませんので、結局、小売店さんは、産業廃棄物業者に依頼をしているということで、預け料金になっていたわけです。ですから、もしこれがシステムに乗った場合、そういうシステムになれば、今の倍の料金が消費者から取られてしまうということになるわけで、これはとても消費者としても納得がいかないのではないかと思います。そうなってきますと、当然不法投棄の大量発生なども懸念されるわけですけれども、都として、こういう問題についてどういうふうに取り組んでいらっしゃるんでしょうか。
○梶原企画担当部長 家電リサイクル法の仕組みといたしましては、あくまでも小売業者の回収引き取り料金、メーカーのリサイクル料金を、排出者が負担するという仕組みになってございます。そのため、家電リサイクル法が円滑に施行されるためには、やはり排出者がリサイクルに必要な経費を適正に負担する、このことについて十分な理解をいただくことが大変重要だと考えております。都におきましては、今後広報等を通じまして積極的な周知を図ってまいるつもりでございます。
○かち委員 東京の秋葉原の大型店、販売店の広報室というところで聞きますと、テレビの年間引き取りは約一万台、テレビなどの四家電合わせて四万台あるそうです。大型家電は千五百円、十四型テレビなど小型は千円の引き取りをやっているということですが、これ以上、二倍、三倍の負担は、消費者が納得しないでしょう、といっておられます。こういうことも含めて、それから製造者責任という問題を考えるなら、利用者がすべてを責任とって料金を払うのではなくて、部品がちゃんと定型のものであれば、そういうものを持続的に使えれば、ごみとして出すこともないわけですね。そういうことを考えても、製造者の責任をもっときちんと明確にしていくべきではないかと思います。民民の問題だということで、東京都はこの問題から腰を引いていくようにも見えるんですけれども、都民にとってこの四家電は、暮らしの上で欠かせない必需品です。的確なリサイクルシステムの確立こそ不可欠であり、広域行政として東京都がリーダーシップをとってこのシステムの確立のためにより一層努力していただきたいと思います。
EUでは、ことし六月三十日に、個人の家庭が無料で廃棄物を返却できるという製造者責任の原則も打ち立てています。日本消費者連盟などからも、ごみの抑制を進めるためにはリサイクル費用を製造コストとして内部化することが必要だというふうな切実な声も上がっています。今の法律では、消費者と末端の小売店だけに重い負担がかかるシステムです。根本的な見直しが必要だと考えますけれども、当面、半年後のスタートに向けて、東京都としては引き続き指定引き取り場所の拡大や消費者の負担をより軽減するための仕組みづくりのために努力されることを求めて、この質問は終わります。
次に、清流復活事業についてですけれども、開発が進んだ市街地で河川の水量が減少し、ほとんど水が流れないので水がよどみ、潤いのある生きた川とはとてもいえない状況です。こうした都市型河川でも、魚類の生息や身近な水辺空間として河川の水質を改善し自然をよみがえらせることが、これからの都市づくりにおいては欠くことのできない課題だと考えます。このような都市型河川の水環境の保全として、都としてはどのような取り組みをしているんでしょうか。
○高田自然環境部長 都市型河川の水環境の保全についての取り組みでございますが、環境局としての取り組みということでご答弁させていただきます。
現在、渋谷川・古川、目黒川、呑川の、いわゆる城南三河川を対象にいたしまして、水量の確保と水辺環境の保全を図るため、下水の高度処理水を送水しております。また減少している野川の水量を確保するために国分寺市内のJR武蔵野線のトンネル湧出水を送水する工事を進めているところでございます。
○かち委員 今お話のあった城南河川というのは、目黒川、呑川、古川を指しているわけですね。呑川というのは、目黒区の大岡山から始まって、大田区を通って東京湾に流れています。延長十四・四二キロで、流域人口は五十七万人がそこに関係しているわけですけれども、この清流復活事業の基盤整備にはどのくらいかかり、年間ランニングコストというのはどのぐらいなんでしょうか。
○高田自然環境部長 城南三河川、清流復活事業の経費についてでございますが、一つは、落合処理場の高度処理水を城南三河川に送水するための送水管や送水ポンプの設置などに関するものがございます。これにつきましては、国庫補助金約九十九億円を含めまして、総額約二百八億円を要しております。また、いわゆるランニングコストでございますが、日常のポンプの運転など送水に要する経費といたしまして、送水を開始しました平成七年度から平成十年度までの平均で、年度当たり約二億二千万円を計上しております。
○かち委員 平成七年からこの事業が実際に始まったわけですけれども、そこまで約十年ぐらいかかって、清流復活のために環境局も、下水道局も、建設局も、いろいろと検討されて、こういうシステムを確立されてきたんだというふうに思います。呑川における落合処理場から高度処理水の放流はどの程度の水量をもたらしているんでしょうか。その効果というのはどのように評価されているでしょうか。
○高田自然環境部長 まず呑川への送水量でございますが、計画送水量で日量三万六千三百立方メートルでございます。次に、送水の効果でございますけれども、環境局で実施いたしました公共用水域の水質測定結果というものがございますが、それによりますと、送水が開始された平成七年度以降、水質の指標であるBODは大幅に改善されているという結果が出ております。
○かち委員 私は、呑川を、よく上流から下流まで通るんですけれども、先ほどBODが改善されたというふうにいわれましたけれども、これを資料で見ますと、昭和四十二年ごろに比べて、平成七年、八年の状況を見ますと、約十分の一にBODが下がってきているんですね。清流復活だけではないいろんな努力の結果だと思いますけれども、そういう意味で、東京都として目指してきた清流復活、都市の中に緑と水のネットワークをつくろうという、そういうベースの上に立ってこの事業は、私は、成功してきているというふうに思うわけです。かつては呑川は、特に下流の方に行くと、汚臭がして、横を通るときには鼻をつまんで通らなければならなかったり、油が浮いていたりとか、とても川とはいえないような状況だったんですけれども、今ではそういうことが改善されて、大分上流の方にまで魚類、特にボラなどが泳いでいる姿が見られます。最近では、子どもたちもお年寄りも、川辺に立って魚の流れを楽しむというような光景にまで変わってきているわけです。こういうふうに非常に効果をもたらしている事業なんですけれども、今年度の夏の運用状況はどうだったんでしょうか。
○高田自然環境部長 都の厳しい財政状況を踏まえまして、本年四月以降は、清流復活事業の目的を損なわない範囲ということで、計画量の五〇%送水を行っておりましたが、地元からの強い要請がございまして、これを考慮し、また事業の執行の仕方を工夫するなどいたしまして、六月十日から九月三十日までの間、昼の時間帯におきましては一〇〇%の送水を実施したところでございます。
○かち委員 今お話がありましたように、ことしは東京都の財政難ということが理由で、当初は、ことしから送水を五〇%にする、送水タンクが二つあるんですけれども、その一つだけ運用します、というようなお話だったんですけれども、それは関係六区としてもとても認められないということで、強い要望がありまして、結果的に夏場だけ、六月から九月いっぱいまでは昼間だけ一〇〇%送水で、夜は五〇%ということ、今はもう既に五〇%送水になっているわけですね。これが水環境に影響をもたらさないわけはないんではないかと思うのです。その結果というのは今後出てくるだろうと思いますけれども、今いただいた資料だけ見ても、九月の時点で、夜間だけ半分にした時点で見ても、呑川の場合は通常の三倍ぐらい悪化しています。目黒川でも二倍ぐらい悪化しているんですね。こういう状況を見ても、やはり一〇〇%送水というのは必須ではないかというふうに考えます。関係六区からの強い要望も出ているこの事業ですので、都としては、また簡単に財政難ということで減らしてしまうということは、お金を出しているのは環境局かもしれませんけれども、建設局としても、城南独立水系環境管理基本計画というものに基づいてこの事業にかかわっているわけです。下水道局もかかわっているわけです。そういう意味からしても、事業目的に沿って一〇〇%送水を実施されるように求めるわけですけれども、いかがでしょうか。
○高田自然環境部長 先ほどご答弁で申し上げましたように、送水管を設置したりする費用にも膨大な経費を要しておりますし、また日々の運転にも二億円を超える費用がかかっておるわけでございます。この事業の特徴を申し上げますと、渋谷区、港区、世田谷区、品川区、目黒区、大田区というふうに、ある意味では地域性のある事業でもございます。こうしたことを踏まえまして、私どもといたしましては、一〇〇%送水を含め本事業のあり方については、これまで地元の六区及び関係局と話し合いを重ねてきているところでございます。今後も区との役割分担等を踏まえた本事業の適切な実施に向けて一層の努力をしていきたいというふうに考えております。
○かち委員 今、大変お金がかかっているんだというふうにおっしゃいますけれども、もともとそういうことがわかっていてこの事業をつくってきたのは東京都なんですから、しかも役割分担とおっしゃいますけれども、河川の清掃管理は地元区がやっているわけです。この事業そのものは東京都の事業であるわけですから、東京都としてきちんと目的達成のために努力をされることを重ねて訴えまして私の質問を終わります。
○寺山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○寺山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時二十四分散会
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