都市・環境委員会速記録第十六号

平成十二年十月十三日(金曜日)
   午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長寺山 智雄君
副委員長真鍋よしゆき君
副委員長かち佳代子君
理事大西由紀子君
理事吉田 信夫君
理事森田 安孝君
中嶋 義雄君
清水ひで子君
馬場 裕子君
吉野 利明君
立石 晴康君
内田  茂君
田中 晃三君
奥山 則男君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市計画局局長山下 保博君
次長石山 伸彦君
技監勝田 三良君
理事塩野 忠弘君
総務部長野田 一雄君
総合計画部長中島  守君
開発企画担当部長田中  亨君
地域計画部長小林 崇男君
施設計画部長杉浦  浩君
航空政策担当部長山内 一良君
外かく環状道路担当部長成田 隆一君
開発計画部長只腰 憲久君
防災都市づくり推進担当部長福島 七郎君
建築指導部長森下 尚治君
環境局局長中野 英則君
総務部長平井 健一君
企画担当部長梶原 康二君
技術担当部長関  寿彰君
移管事業調整室長西野 和雄君
参事小島 高志君
自動車公害対策部長松葉 邦雄君
自動車公害対策推進担当部長山本 憲一君
自然環境部長高田 茂穗君
廃棄物対策部長薄  厚一君
環境評価部長町   格君
環境科学研究所次長萩本 秋彦君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
  事務事業について(説明)
 都市計画局関係
  事務事業について(説明)
  報告事項(説明・質疑)
  ・第百四十六回東京都都市計画審議会の付議案件について

○寺山委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、請願陳情について申し上げます。
 本委員会に付託されております請願陳情は、お手元に配布させていただいております請願陳情継続審査件名表のとおりでございます。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程どおり、環境局及び都市計画局関係の事務事業の説明聴取並びに都市計画局関係の報告事項の説明聴取を行います。
 なお、事務事業につきましては、説明を聴取した後、本日は、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思います。
 また、報告事項につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承ください。
 それでは、これより環境局関係に入ります。
 初めに、環境局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○中野環境局長 環境局長の中野英則でございます。
 環境局所管の事務事業につきましては、平素からご指導を賜り、大変ありがとうございます。環境局といたしましては、寺山委員長初め委員の先生方のお力添えをいただきながら、東京が直面する環境問題の解決に、職員の総力を挙げて努力してまいります。どうぞご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、お手元に配布してございます環境局理事者名簿に従いまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 まず、総務部長の平井健一君でございます。企画担当部長の梶原康二君でございます。技術担当部長の関寿彰君でございます。移管事業調整室長の西野和雄君でございます。環境改善技術担当参事の小島高志君でございます。自動車公害対策部長の松葉邦雄君でございます。自動車公害対策推進担当部長の山本憲一君でございます。自然環境部長の高田茂穗君でございます。廃棄物対策部長の薄厚一君でございます。環境評価部長の町格君でございます。環境科学研究所次長の萩本秋彦君でございます。なお、環境改善部長の長谷川猛君は、公務出張のため、本日の委員会を欠席させていただいております。また、当委員会との連絡を担当いたします、参事で総務課長事務取扱の野口宏幸君でございます。同じく経理課長の長谷川明君でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○寺山委員長 よろしくお願いいたします。
 中野局長からのあいさつ並びに幹部職員の方々の紹介は終わりました。

○寺山委員長 続きまして、事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○中野環境局長 それでは、お手元配布の資料の1の環境局の事務事業(概要)に基づきまして、ご説明申し上げます。
 一ページをお開きいただきたいと思います。環境局の事務事業の概要でございます。
 東京を取り巻く環境の状況を見ますと、ディーゼル車などの自動車排出ガスを主因とした自動車公害問題、ダイオキシンを初めとした有害化学物質問題、ごみ問題など、多くの都民が環境に対する危機感を抱き、その改善に対する強い関心を持っております。都民、事業者、行政が一体となって、社会経済システムや生活行動を環境に配慮したものとしていくことが、ますます重要になっております。こうした認識のもと、環境局は、東京都環境基本計画に基づき、環境を守る各種施策を総合的かつ計画的に推進しているところであります。
 当局が所管している事務事業は、大きく三つに大別できます。一つ目は、自動車公害対策、有害化学物質対策、廃棄物の適正処理など、健康で安全な生活環境の確保であります。二つ目は、自然環境の保全や水環境の保全など、都市と自然とが調和した豊かな環境の確保であります。三つ目が、地球温暖化防止や資源循環の確保など、地球環境の保全。この三つに大別できます。
 当局が進めております具体的な施策を、この三つの柱に沿ってご説明を申し上げます。
 まず、第一の柱であります、健康で安全な生活環境の確保についてでありますが、初めに、自動車公害対策についてであります。東京の大気汚染の最大の原因は自動車の排出ガスですが、とりわけディーゼル車からの排出ガス対策が喫緊の課題であることから、昨年八月、ディーゼル車NO作戦を開始いたしました。以来、ディーゼル車からより低公害な車への転換を図るため、庁有車への導入を進める一方、関係業界との協議を続けております。また、今後改正を予定しております東京都公害防止条例に、ディーゼル車に対する新たな規制を盛り込むこととし、その検討を進めております。さらに、ロードプライシングを初めとする交通需要マネジメント(TDM)施策も推進しているところであります。
 次に、有害化学物質対策についてであります。千二百万種を超えるといわれる化学物質のうち、ダイオキシン類など有害化学物質による環境汚染が大きな問題となっており、その環境リスクの低減が強く求められております。東京都は、平成七年に有害化学物質対策基本方針を策定して以来、平成九年にはダイオキシン類対策取組方針を、平成十年には環境ホルモン取組方針を策定し、排出抑制対策等の推進に努めております。
 次に、廃棄物の適正処理についてであります。本年四月に清掃事業を特別区に移管いたしましたが、都は、今後も、区市町村との連携のもと、ごみの発生抑制や資源循環の仕組みづくりに取り組んでまいります。また、産業廃棄物については、都内で排出される産業廃棄物の多くが他県に搬出され、不法投棄などの不適正処理問題を引き起こす原因となる例もございますので、民間事業者が適正な処理を行うための環境づくりを進めるとともに、リサイクルの進まない建設廃棄物の処理施設の整備を促進するための方策等について検討を進めております。
 このほか、道路交通や鉄道などを発生源とする騒音・振動対策、航空機騒音対策なども推進しております。
 次に、第二の柱であります都市と自然が調和した豊かな環境の保全についてであります。
 まず、自然環境の保全でありますが、東京の緑の現状を見ますと、緑地や農地の減少、森林の荒廃などが続いておりますが、東京を潤いと風格のある都市とするために、緑は欠かせないものであります。市街地における緑化地区の指定、多摩の丘陵部を中心とした保全地域の指定、開発の規制などを通じて緑の保護と回復を図るとともに、身近な自然を確保するための清流の復活、建築物の屋上緑化など、各種施策を総合的に推進しております。また、今後、さらに新たな視点から緑づくりの施策の体系化を図り、計画的に推進していくため、緑の東京計画を策定いたします。
 次に、水環境の保全でありますが、都の河川や海域は、中小河川の流量の減少や、東京湾の富栄養化など、依然として多くの課題を抱えております。平成十年に策定いたしました水環境保全計画に基づき、雨水の地下浸透の促進や、窒素、燐の上乗せ排水基準に基づく規制強化など、着実に事業を推進しております。
 第三の柱は、地球環境の保全であります。
 地球温暖化対策としては、都民や事業者の意見を聞いて策定しました地球環境保全東京アクションプランの目標達成に向けて、積極的な取り組みを進めております。環境保全のための自主的取り組みを促すための施策として、事業活動エコアップ事業などを通じて事業者の自主的取り組みを支援しているほか、本年二月には、都が率先して、新宿都庁舎を対象にISO一四〇〇一の認証を取得し、環境に配慮した社会を築くための先導的役割を果たすべく、取り組みの強化に努めております。
 以上、これらの三つの柱に基づく施策を進めるために、環境悪化の未然防止を目的とする環境影響評価制度があります。大規模な開発事業の実施段階において運用される現行の事業アセスは、その実効を上げておりますが、このほか、計画立案の早い段階から都民に情報を公開しながら、環境への影響を総合的に評価する仕組みである総合環境アセスメント制度を現在試行中であります。また、産業活動や都民生活に伴う災害の防止を図るための環境保安対策といたしまして、高圧ガス、火薬類、電気等の規制指導を行っております。
 最後に、条例改正について触れさせていただきます。東京都公害防止条例と東京における自然の保護と回復に関する条例の二つの条例は、公害防止や自然環境の保全に大きな役割を果たしてまいりましたが、現行の枠組みでは、今日の複雑化した環境問題を解決していくためには限界もあることから、現在、それぞれ環境審議会、自然環境保全審議会の答申を受けまして条例改正作業を進めております。次の第四回定例会でのご審議をお願いいたしたいと考えております。
 なお、これら局事業のほかに、当局が所管する東京都監理団体として、東京熱供給株式会社及び財団法人東京都環境整備公社がございます。東京熱供給株式会社では、二酸化炭素の削減や省エネルギーなどの面でその役割が期待されております、地域冷暖房事業を行っており、また、財団法人東京都環境整備公社では、清掃事業などを通じて東京の環境整備に貢献しております。
 以上をもちまして概要説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

○平井総務部長 それでは、お手元の資料2、環境局事業概要によりましてご説明させていただきます。
 まず、表紙の見返しをお開き願います。環境局の組織でございます。総務部、移管事業調整室、環境改善部、自動車公害対策部、自然環境部、廃棄物対策部、環境評価部の六部一室と、環境科学研究所、多摩環境事務所、廃棄物埋立管理事務所の三事業所によって構成されております。それぞれの分掌事務、職員配置、予算及び決算につきましては二ページから一四ページまでに記載しておりますが、当局の職員定数は七百三十二名、また、平成十二年度の歳出予算額は三百一億七百万円でございます。
 続きまして、当局の事業内容につきましてご説明申し上げます。
 一五ページをお開き願います。
 当局事業に係る主な条例としましては、東京都環境基本条例、東京都公害防止条例、東京における自然の保護と回復に関する条例、東京都廃棄物条例及び東京都環境影響評価条例の五条例がございます。これらの条例及び関係法令に基づきまして、環境に関する各種計画の策定、公害発生源に対する規制・指導、自然環境の保全、廃棄物対策、環境悪化の未然防止など、環境行政を総合的に推進しているところでございます。
 二三ページをお開き願います。
 環境行政の総合的・計画的推進についてでございます。
 初めに、東京都環境基本計画でございます。この計画は、環境基本条例に基づき、施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する目標、施策の方向、環境配慮の指針などについて定めているものでございます。
 次に、二八ページは、東京地域公害防止計画についてでございます。この計画は、環境基本法に基づき、公害防止対策を総合的に講じるため策定するものでありまして、現在、平成九年度から十三年度までの五カ年計画が策定されているところでございます。
 恐れ入ります。二九ページをごらん願います。
 東京都環境白書は、環境基本条例に基づいて環境の状況や施策の実施状況を明らかにするものでございます。本年発行した「東京都環境白書二〇〇〇」では、自動車と都市環境の危機を特集しております。
 次に、三一ページの地球環境の保全についてでございます。地球温暖化対策として平成十年三月に地球環境保全東京アクションプランを策定いたしました。この計画は、都民、事業者、行政が地球環境の保全に取り組んでいくための行動計画でありまして、二酸化炭素排出量を二〇一〇年度までに一九九〇年度対比で六%削減するという都の目標を掲げております。
 四七ページに移らせていただきます。
 都は、平成十二年二月に、新宿都庁舎を対象として、環境マネジメントシステムの国際規格でございますISO一四〇〇一の認証を取得しました。単一の事業所としては国内最大規模のマネジメントシステムでありまして、環境改善への積極的な努力などの環境方針を明らかにしておるところでございます。
 続いて、四八ページは、循環型社会の形成についてでございます。現在、大量の廃棄物が生じている一方で、最終処分場の残余年数は逼迫しております。大量生産、大量消費、大量廃棄の社会構造から脱却するために、都民、事業者、国や区市町村と連携しながら、廃棄物の発生抑制、リサイクルの推進、適正処理のための広域的なシステムを構築し、循環型社会の形成を図ることとしております。
 恐れ入ります。次に、五五ページをお開き願いたいと思います。
 都民と環境行政についてでございます。環境対策の実効性を確保するためには、都民、事業者、行政の各主体が、それぞれの役割に応じて問題解決のための取り組みに積極的に参加し、連携、協力していくことが大変重要でございます。そのため、東京都環境保全推進委員会などの仕組みを設けているところでございます。また、当局では、各種媒体を通じて広報活動を推進しており、局のホームページを開設するなど、わかりやすく利用しやすい環境情報の提供に努めております。都民からの苦情相談についてでございますが、六二ページの表にございますように、平成十一年度は大気汚染が多くなってございます。今後とも都民の関心や要望を迅速かつ正確に把握し、施策の展開に努めてまいります。
 次に、六九ページをお開き願います。
 環境改善への取り組みのうち、まず、大気環境の保全についてでございます。都では、大気汚染防止法、公害防止条例等に基づきまして、工場などに対する規制や指導を行っております。一酸化炭素などは環境基準をクリアしておりますが、改善が進んでいない窒素酸化物の総量規制や浮遊粒子状物質の排出規制などの対策を、引き続き進めているところでございます。
 次に、七三ページをお開き願います。
 水環境の保全につきましては、東京都水環境保全計画を策定しまして、総合的な水環境の保全と再生に向けた施策を推進しているところでございます。汚濁負荷の削減対策のうち、東京湾の富栄養化対策としましては、七都県市で定めた東京湾富栄養化対策指導指針等に基づき、工場などから排出される窒素、燐の削減指導を行っております。しかし、東京都内湾の窒素、燐の濃度は環境基準を満たしていない状況にございますため、都では上乗せ排水基準を設定して排水規制を強化しておるところでございます。このほか、生活排水に起因する汚濁負荷量を削減するため、合併処理浄化槽の普及などに努めております。
 続いて、八一ページをごらんいただきたいと思います。
 土壌・地下水対策のうち土壌汚染対策でございますが、汚染土壌処理基準に基づき、土壌環境の保全を図る施策を推進しているところでございます。
 八三ページをお開き願います。
 地下水汚染対策として、地下水の継続的なモニタリング調査を行っているほか、有害物質を取り扱う工場に立入調査を行い、汚染の未然防止を図っております。
 次に、八六ページをお開き願いたいと思います。
 地盤沈下についてでございます。平成十一年の地盤沈下の状況でございますが、平成十年同様、二センチ以上沈下した地域はございませんでした。近年の状況は、広域的な地盤沈下は終息に向かっていると見られますが、地域によりましては再発が予測されます。今後とも地盤と地下水位の変動状況についての調査が必要であると考えております。具体的な対策といたしましては、法律、条例に基づき、地下水の揚水規制や地下水使用の合理化指導などを実施しております。また、雨水浸透ますの設置補助などにより地下水を涵養し、水循環の再生を図っているところでございます。
 九〇ページをお開き願います。
 騒音・振動対策についてでございます。工場や事業場の騒音対策は、主に区市の公害担当課が改善指導を行っているところでございますが、都では、環境基準に基づき、騒音、振動の防止のための手引を作成し、周知を図っているところでございます。航空機騒音対策といたしましては、東京国際空港、横田基地及び厚木基地の周辺について常時測定などを行い、データをもとに関係機関に対して騒音の低減を要請しているところでございます。
 次に、九六ページをお開き願いたいと思います。
 有害化学物質対策についてでございます。初めに、ダイオキシン類対策でございますが、本年一月に施行されたダイオキシン類対策特別措置法に基づき、特定施設の排出規制や常時監視などを行っているところでございます。内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモン問題に対する取り組みにつきましては、東京都環境ホルモン取組方針にのっとりまして、環境調査や野生生物への影響調査などを行っております。また、化学物質の環境への排出量、移動量を把握し、届け出を義務づける特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、いわゆるPRTR法でございますが、これが平成十三年四月から施行されますので、その普及啓発などを行うため、PRTRパイロット事業を実施するなどの取り組みを進めております。
 一〇五ページをお開き願います。
 自動車公害対策についてでございます。これまでも、自動車を発生源とする大気汚染に対しましては、自動車排出窒素酸化物総量削減計画や自動車公害防止計画に基づきまして、交通量対策や低公害車の普及促進などの諸施策を実施してまいりました。ところが、窒素酸化物、浮遊粒子状物質の環境基準達成率は、ここ十数年低い状況にございます。窒素酸化物、浮遊粒子状物質の発生源の大半は自動車でございまして、自動車が排出する窒素酸化物の約七割、粒子状物質のほとんどがディーゼル車からの排出とされております。
 このため昨年度からディーゼル車NO作戦を展開いたしまして、ディーゼル車利用のあり方を変える行動を都民や事業者に呼びかけているところでございます。本年六月には、ディーゼル車対策に関する都の考え方を公表いたしまして、中央環境審議会にも提案したところでございます。また、七月には、七都県市や政令指定都市と共同し、関係省庁に対して意見、要望を提示いたしました。今後、公害防止条例の改正により、ディーゼル車規制を行うなど、粒子状物質等の削減に向けて一層取り組んでまいる所存でございます。
 また、排出ガスのより少ない低公害な自動車を普及促進するため、低公害車指定制度や自動車税優遇制度を充実させるとともに、本年六月には、新市場創造戦略会議を設置いたしまして、天然ガス車及びLPG車の市場創造に向けて事業者間の調整を行っているところでございます。このほか、自動車交通量対策といたしまして、ロードプライシングの導入に向けた検討を初め自動車の効率的な利用や公共交通機関への利用転換などの交通需要マネジメントの推進を図っているところでございます。
 恐れ入ります。一二五ページをお開き願います。
 次は、自然環境の保全についてでございます。東京にある貴重な自然を保全し、回復するため、東京における自然の保護と回復に関する条例などに基づきまして、保全地域の指定や開発の規制等を行い、緑地の保全や市街地の緑化を図るとともに、野生動植物の保護などの施策を進めております。しかし、緑地の減少や森林の荒廃などの課題があります一方、都民の意識としましては、緑の量の確保のみでなく、緑とのきずなを深める触れ合いを求めるようになってきておるところでございます。今後、さらに、緑の保全を図るための新たな施策の体系化を図り、計画的に推進していくため、緑の東京計画を策定する予定でございます。
 次に、一五五ページをお開き願いたいと思います。
 廃棄物対策についてでございます。本年四月一日に清掃事業が各区に移管されまして、都は、区市町村との連携のもと、広域自治体として、ごみの発生・排出抑制のための資源循環の仕組みづくりに取り組むとともに、産業廃棄物に関する事務や一般廃棄物処理施設の許可等に関する事務、新海面処分場の設置、管理を引き続き行ってまいります。
 一五七ページをお開き願います。
 廃棄物の発生抑制とリサイクルについてでございますが、新聞リサイクル推進会議などのように、事業者団体に呼びかけまして話し合いの場を設定したり、事業者による自主的な取り組みを支援するとともに、再生品の利用拡大を図るための普及啓発を行うほか、焼却灰溶融スラグの有効利用等資源化のための調査研究を行っておるところでございます。
 次は、一六〇ページをお開き願います。
 区市町村の清掃事業に対する支援についてでございますが、清掃事業は、区市町村の自治事務として、それぞれ区市町村の責任と創意工夫のもとに実施されております。都では、各区市町村の清掃事業が円滑に実施できるよう、府県としての立場で広域的な連絡調整や財政的・技術的援助などに努めているところでございます。
 次は、一六六ページでございます。
 産業廃棄物対策についてでございます。排出事業者や処理業者に対しまして、法令に基づき指導助言を行うほか、団体指導業務といたしまして、平成十二年度は、大手建設業者百八社及び産業廃棄物処分業者六十八社と産業廃棄物適正処理・資源化推進協定を締結したところでございます。
 また、一七六ページにございますように、公共関与によるリサイクル施設整備につきまして、昨年九月の産業廃棄物公共関与構想検討委員会からの報告を受けましたので、これを受けまして基礎調査を実施しているところでございます。
 一八一ページをお開き願います。
 ごみの最終処分でございます。清掃事業の区移管後も引き続き都が管理運営する中央防波堤外側埋立処分場及び新海面処分場を使用して、埋立処分を行ってまいります。
 次は、一八九ページをお開き願いたいと思います。
 環境影響評価制度でございますが、環境影響評価制度は、大規模な事業の実施に伴う環境影響をできるだけ少なくするための仕組みでございます。条例の対象事業は、一九〇ページに記載してございますように二十六事業でございます。また、手続の流れにつきましては、一九一ページに掲げてございます。
 一九三ページの総合環境アセスメント制度は、開発事業の基本計画の立案段階から環境への影響を評価する仕組みでございますが、現在、東京都市計画道路幹線街路放射第五号線及び三鷹三・二・二号線を対象に制度の試行を進めているところでございます。
 一九七ページをごらん願います。
 大気環境の現状でございます。二酸化硫黄や一酸化炭素は、すべての測定局で環境基準を達成しておりますが、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及びオキシダントにつきましては、環境基準の達成率が低い状況にございます。
 次は、二〇九ページをお開き願います。
 水質汚濁の現状でございます。昭和四十年代後半から、多くの河川の水質は、工場や事業場に対する排水規制や下水道の整備などによりまして、大幅に改善されてきておるところでございます。
 次は、二二七ページをお開き願います。
 環境に関する調査研究でございますが、環境行政の主要な課題は、公害の未然防止や地球環境の保全など、より質の高い快適環境の創造へと変化してきておるところでございます。また、廃棄物分野では、産業廃棄物の適正処理はもとよりのこと、循環型社会づくりのための施策が重要なものとなってきております。このような需要にこたえるため、東京都環境科学研究所におきまして弾力的に取り組んでいるところでございます。
 次に、二三七ページをお開き願います。
 資金助成となってございますが、資金助成といたしましては、自動車低公害化の促進などに必要な資金の融資あっせん、支払い利子の一部補助などを行っております。
 二三九ページをごらんいただきたいと思います。
 公害防止管理者制度は、公害防止条例に基づきまして、環境への影響が大きい工場に公害防止管理者の設置を義務づけているものでございまして、都では、公害防止管理者試験や講習などを実施しております。
 次は、二四三ページでございます。
 環境保安対策についてでございます。まず、高圧ガスの保安対策といたしまして、法令に基づきまして、高圧ガスの製造、販売等について規制するほか、事業者等による自主的な保安活動の促進を図り、公共の安全の確保に努めております。また、火薬類、猟銃等の規制、指導は、法令に基づき、火薬類や猟銃などの製造、販売等について規制、指導を行い、電気工事業者等の規制、指導は、電気工作物の保安を確保するため、法令に基づきまして、電気工事士免状の交付、電気工事業の規制、指導などを行うものでございます。
 二五七ページから二六五ページにかけましては、平成十一年四月以降の主要事業を記載しておりますとともに、附属機関等について、その設置の根拠、所掌事項等を記載してございます。
 最後に、資料3に移りますが、資料3、東京都監理団体運営状況をごらんいただきたいと思います。
 都が二五%以上の出資等を行っております当局所管の団体につきまして、その事業などをご説明申し上げます。
 まず、東京熱供給株式会社でございます。この会社は、都市排熱の有効活用等により、安定的かつ継続的に冷暖房、給湯に係る熱供給を行うことを目的として設立された株式会社でございます。現在、光が丘団地地区や品川八潮団地地区など五つの地区で温熱及び冷熱の製造、販売などの事業を行っております。
 次に、東京都環境整備公社でございます。この公社は、東京都に協力して清掃事業を行い、かつ、環境整備を図ることを目的として設立された財団法人でございます。現在、城南島における産業廃棄物の中間処理事業や中央防波堤埋立処分場における廃棄物の受け入れ業務などを行っております。
 詳細につきましては資料に記載してございますので、後ほどごらんいただければと思います。
 以上で説明を終わらせていただきます。
 なお、お手元に「環境用語集」と「環境保全のあらまし」お配りしてございますので、参考にしていただければ幸いでございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○寺山委員長 中野局長並びに平井総務部長よりの説明は終わりました。
 この際、資料要求のございます方は、ご発言願います。

○清水委員 七点お願いいたします。
 まず一点目、環境庁が行った大気汚染の測定結果、浮遊粒子状物質と二酸化窒素のワーストテンの測定値と濃度の経緯を、過去五年間でお願いします。
 二番目、都内自動車の車種別保有台数の変化、九〇年、九五年、直近のものをお願いします。
 三番目、最近の土壌汚染の件数と種類、都の対応のわかるものを一覧でお願いいたします。
 次に、PCBの保管状況、使用実態状況、それから、化学処理現状、最近のものについて、それぞれお知らせください。
 五点目、主な公害裁判の経緯について。
 六番目、都がこの間に出してまいりましたディーゼル車対策の経緯について、わかるものをお願いします。
 七番目、都立自然公園内の開発が行われたところ、計画のあるもの、わかるものをお願いします。
 以上です。

○寺山委員長 清水委員、先ほどの主な公害裁判というのは、東京都のということですか。

○清水委員 違います。全国です。

○田中委員 大和町交差点におけるNOXの経年変化と、その改善策の年度別実施状況、これは国、都、区、別々に分けてもらいたい。そして、その費用、実施目的、実施効果、これをお願いします。

○大西委員 産業廃棄物処理施設の数、場所、ダイオキシン調査の結果とリサイクル状況がわかる資料。
 それから、生ごみ堆肥化の実施状況、施設名等も含めまして、それによるごみの減量率の推移がわかるもの。そして、循環再利用システムの状況、これは東京都全体ですが、それがわかるものをお願いします。
 三番目、雨水の活用、雨水浸透指針、要綱、条例などの施策の実施状況がわかる資料をお願いします。
 それから、緑地トラストの進捗状況がわかるもの。
 それから、これは環境局に聞いて--地域冷暖房のことなんですけれども、資源エネルギーの節約とか環境負荷の低減の効果がわかるような資料。

○森田委員 一つは、総合環境アセスの進捗状況。特に放射五号線関係でやっていると思いますが、この進捗状況がわかるもの。
 二番目が、ディーゼル車NO作戦の今までの成果がわかるもの。
 三番目、DPFの製品化の状況のわかるもの。
 これは、もしかしたら衛生局になるかもしれませんが、SPMの健康に及ぼす影響についてわかるものがあれば、お願いしたいなと思います。
 五番目は、低公害車の普及のための国も含めた助成策がどのようなものがあるか、お願いしたいと思います。

○寺山委員長 ほかにございませんか。--それでは、ただいま清水委員、田中委員、大西理事、森田理事から資料要求がございましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で環境局関係を終わります。

○寺山委員長 それでは、これより都市計画局関係に入ります。
 初めに、都市計画局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○山下都市計画局長 都市計画局長の山下保博でございます。
 都市計画局の事務事業につきましては、平素よりいろいろご指導いただきまして、ありがとうございます。都市計画局といたしましては、委員長を初め委員の皆様方のお力添えをいただきながら、職員一同力を合わせまして、局事務事業の適切かつ円滑な運営に努めてまいります。何とぞよろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。
 それでは、お手元の名簿に従いまして、当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 次長の石山伸彦君でございます。技監の勝田三良君でございます。理事の航空政策担当の塩野忠弘君でございます。総務部長の野田一雄君、総合計画部長の中島守君、開発企画担当部長の田中亨君、地域計画部長の小林崇男君、施設計画部長の杉浦浩君、航空政策担当部長の山内一良君、外かく環状道路担当部長の成田隆一君、開発計画部長の只腰憲久君、防災都市づくり推進担当部長の福島七郎君、建築指導部長の森下尚治君、当委員会との連絡に当たらせていただきます、総務課長の安井順一君。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、本日、参事で東京圏都市づくり調査担当の河島均君は、公務出張のため欠席させていただいております。よろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○寺山委員長 山下局長よりのあいさつ並びに紹介は終わりました。

○寺山委員長 次に、事務事業について説明を聴取をいたします。
 理事者の説明を求めます。

○山下都市計画局長 それでは、お手元資料1の主要課題に基づきまして、当局が取り組んでおります主要な課題についてご説明申し上げます。
 首都東京を二十一世紀の国際競争の時代にもたえ得る大都市として、魅力あふれる暮らしやすい都市としていくことは、都政において最重要課題でございます。成熟社会を迎え、少子高齢社会の到来などの課題に的確にこたえていくためには、人口の集中や産業の拡大の受け皿づくりに追われてきた、これまでの需要対応型の都市づくりから、目標を明確にして望ましい都市の姿へと導く政策誘導型の都市づくりに転換していくことが必要でございます。
 こうした都市づくりを実現するため、当局では、本年度より、東京圏を視野に入れ、五十年先を見据えた新しい都市づくりのあり方や、その実現に向けた戦略的な取り組みを示す東京の新しい都市づくりビジョンの策定に取り組んでいます。こうした中、東京の都市づくりを行う上で中核的な役割を担っております当局が担当している事務は、体系的には三つに区分されます。
 まず第一に、都市整備の基本的事項に関することでございます。都市を総合的に整備するための基本的計画及び地域整備に関する計画の企画及び調査などを行っております。
 第二に、都市計画に関することでございます。都市の秩序ある発展を図るため、用途地域等の土地利用に関する計画、道路、公園、下水道、鉄道などの都市施設に関する計画、また、市街地の再開発や土地区画整理などの市街地の整備に関する計画、さらには、災害に強い都市づくりを推進するための計画の策定などを行っております。
 第三に、建築に関することでございます。都市計画など諸計画に沿って、建築計画の確認、許可を行うとともに、建築紛争の予防と調整、建築物の安全性の向上等に関する事務などを行っております。
 続きまして、当局が当面する主要な課題への取り組みをご説明いたします。
 まず初めに、都政の最重要課題の一つとなっております災害に強いまちづくりについて申し上げます。防災都市づくり推進計画の整備計画でございますが、この計画は、防災上、危険性の高い木造住宅密集市街地におきまして、大震災時の市街地大火や建物倒壊等から都民の生命、暮らしを守るため、防災都市づくりをより効果的、集中的に進める上での方針を示すために策定したものでございます。整備計画策定後は、計画の推進に関する連絡調整組織を設置いたしまして、関係区市町や関係機関との一層の緊密な連携のもとに、防災都市づくりのための諸施策を積極的に展開しております。
 都市復興マニュアルの充実強化でございますが、東京が震災に襲われた場合、迅速な復興と同時に被災を繰り返さない都市を目指さなければなりません。そのため、抜本的な都市改造を内容とする震災復興グランドデザインを震災以前に策定し、復興後のまちづくりのあり方を都民と共有することが不可欠であり、先月、中間のまとめを公表したところでございます。今後、都民や関係者の意見を踏まえつつ、必要な法制度上の課題など、実現方策の検討を加え、今年度中に最終案を策定してまいります。この震災復興グランドデザインを都市復興マニュアルの中に盛り込むなどにより、復興体制の一層の整備を図ってまいります。
 次に、均衡のとれた都市づくりについて申し上げます。
 新しい都市づくりビジョンの策定でございますが、昨年、知事が東京都都市計画審議会に、社会経済情勢の変化を踏まえた東京の新しい都市づくりのあり方について諮問し、現在、調査検討を進めているところでございます。本年度末に答申をいただいて、来年度、東京の新しい都市づくりビジョンを策定してまいります。さらに、このビジョンを踏まえて、都市づくり政策、都市計画行政の再構築を進めていく考えでございます。
 都市計画マスタープランでございますが、本年五月に都市計画法が改正され、新たな制度として都市計画マスタープランを法施行後三年以内に策定することになりました。平成十三年度に策定する東京の新しい都市づくりビジョンを踏まえ、今後、東京の目指すべき都市像を、都市計画の目標や土地利用方針といたしまして、都市計画マスタープランを定めてまいります。また、その実現に向けて、必要な用途地域の見直しを行っていきたいと考えております。
 東京臨海地域の再編整備でございますが、東京臨海地域は、二十一世紀の東京圏が活力を取り戻し、日本を牽引する拠点となり得る地域であります。この地域の特色を生かした土地利用や基盤整備などの都市づくりの方向を示すものとして、先月、東京ベイエリア21の中間まとめを公表いたしました。今後展開されるさまざまなプロジェクトに共通の目標と戦略を持たせ、この地域が首都東京をよみがえらせるための起爆剤となるよう、引き続き検討を進め、年度末を目途に最終の取りまとめを行ってまいります。
 次に、都市活動を支える交通基盤の整備について申し上げます。
 航空政策の推進でございますが、首都圏において空港機能の充実を図ることは、東京のみならず日本の活性化、国際的地位の維持向上のため喫緊の課題となっております。このため当局におきましては、昨年度、航空政策担当の専管組織を設け体制を強化したところでございます。本年度は、この体制のもとで、羽田空港の国際化や首都圏新空港につきまして、国に対し初めて提案要求を行ったところであり、また、国から提示のあった羽田空港移転跡地の範囲についても、国及び地元区との調整を進めております。これらの課題や横田基地の民間航空利用など首都圏における航空政策上の重要な課題について、都としての航空政策基本方針を本年中に策定し、施策の推進に積極的に取り組んでまいります。
 次に、道路の整備でございますが、区部、多摩地域のそれぞれで事業化計画を策定し、都市計画道路の計画的な事業化を進めております。特に、区部の環状方向の道路や多摩の南北方向の道路について、重点的に整備の推進を図っております。また、高速道路につきましては、都市高速道路中央環状線、東京外郭環状道路、首都圏中央連絡道路などの整備を促進してまいります。特に、東京外郭環状道路につきましては、本年八月に、外郭環状道路担当の専管組織を設け体制を強化したところでございまして、計画の具体化に向けて、より一層の努力をしてまいりたいと考えております。
 公共交通網の整備でございますが、本年一月には、東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備について、運輸政策審議会の答申がありました。これに基づき、国や地元自治体及び事業者などとともに、事業費の確保などの諸課題の解決に努め、答申路線の実現に向け取り組んでおります。本年一月十日には、多摩都市モノレールの多摩センター駅から立川北駅間が開業いたしました。これにより、多摩における南北方向の公共交通ネットワークを強化することができたと考えております。また、十二月には大江戸線が全面開通いたします。全三十八駅中二十六駅で乗りかえができるなど、都心部の鉄道ネットワーク機能を飛躍的に向上させるものでございます。
 さらに、りんかい線につきましては、平成十三年三月を目途に東京テレポートから天王洲アイル駅までを暫定開業し、平成十四年十二月を目途に大崎駅までを全線開業すべく事業を進めております。そのほか、常磐新線や日暮里・舎人線、臨海新交通「ゆりかもめ」などの新交通システムの整備を進めており、また、地下鉄の延伸や既存路線の複々線化などによる輸送力増強にも努めております。
 次に、快適な生活環境の整備について申し上げます。
 緑の東京計画でございますが、東京を環境と共生し、持続的発展が可能な都市とするためには、緑は大変重要でございます。このため、緑の持つ都市環境の改善や気象緩和など、さまざまな機能を、これからの都市づくりに最大限に活用していく必要があります。本年九月、緑の東京計画の中間まとめを発表いたしました。今後、都民などから寄せられた意見を踏まえ、現在策定中でございます東京の新しい都市づくりビジョンとも整合を図りながら、年内を目途に緑の東京計画を策定し、その着実な推進を図ってまいります。
 最後に、建築指導行政について申し上げます。
 建築基準法の抜本的改正に合わせ、中間検査の特定工程や建築確認検査機関の指定などの規定整備を行うとともに、本年第三回定例会では、性能規定の導入などの東京都建築安全条例の改正を行いました。また、総合設計制度の適切な運用や、特例容積率の指定基準の検討により、まちづくりとの密接な連携を図るとともに、建築物の安全性向上のため、既存建築物の耐震改修の促進など、建築指導行政の実効性の確保に努めております。
 以上、当局が当面する主要な課題についてご説明申し上げましたが、このほか、都市計画に関連する諸施策を積極的に展開するため、国や区市町村と協議を行うとともに、各種の調査や計画の立案等を進めているところでございます。
 以上で、簡単ではございますが、当局の主要な課題についての説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、総務部長から、当局の事務事業の概要につきましてご説明申し上げますので、よろしくお願いいたします。

○野田総務部長 ただいま局長から都市計画局の主要課題をご説明申し上げましたので、私からは、お手元の資料2、事業概要に基づきまして、当局の所管事業の概略をご説明申し上げます。
 まず、一一ページをお開き願います。局の組織でございます。
 本庁には、右側から順に、総務部、総合計画部、地域計画部、施設計画部、開発計画部及び建築指導部の六部がございます。また、事業所は、次の一二ページにございますように、多摩東部及び多摩西部の二つの建築指導事務所がございます。
 次に、少し飛んで、二四ページをお開き願います。
 職員定数と課別の職員配置状況を一覧表にしてございます。この右下の欄に記載してございますように、当局の職員定数は四百八十一名でございます。
 二六ページをお開き願います。
 予算でございますが、当局では、一般会計のほか特別会計の都市開発資金会計を所管いたしております。一般会計の予算額は、二六ページ下段の(1)アの表にございますように、本年度の歳出予算額は八百七十九億九百万円、また、都市開発資金会計の歳出予算額は、二七ページの下段の(2)アの表にございますように、百二億四千百万円でございます。
 続きまして、各事業の概要をご説明申し上げます。
 まず、三一ページをお開き願います。
 都市計画に関する広報、相談でございます。都市計画に関する事項を広く都民に知らせるため、各種の媒体を通じて広報を行うとともに、都民からの相談や情報公開の請求に応じております。平成十年度からは、ホームページを開設し、情報提供を行っております。
 次に、三六ページをお開き願います。
 都市整備に関する調査検討でございます。
 (1)の新しい都市づくりビジョンについては、本年五月に中間のまとめを公表し、さらに調査検討を進め、東京都都市計画審議会の審議を踏まえ、来年度には行政計画としての東京の新しい都市づくりビジョンを策定してまいります。
 三八ページをお開き願います。
 (2)の東京圏メガロポリス構想の策定でございます。東京圏全体で引き続き首都機能を担っていくための取り組みを、東京圏メガロポリス構想として、今年度策定してまいります。
 また、(4)の都市白書の作成ですが、本年四月に「東京都市白書二〇〇〇」を発表し、東京の都市の現状と課題について、広く都民に明らかにしたところでございます。
 次に、四五ページをお開き願います。
 広域計画でございます。国の策定する計画といたしまして、四六ページの下段の(2)のア、全国総合開発計画、また、四八ページの国土利用計画、さらに五〇ページの首都圏整備計画等がございます。都といたしましては、これらの計画の各策定段階におきまして、機会あるごとに国に対して積極的に働きかけ、都の意向を反映させるように努めているところでございます。
 次に、五八ページをお開き願います。
 都市計画法制でございます。都市計画の意義及び手続などについて、五八ページから六五ページにかけて記述してございます。
 また、六六ページから六七ページの表は、都市計画の種類及び決定区分についてまとめたものでございます。六六ページの左側では、都市計画の種類として、市街化区域・市街化調整区域、地域地区、都市施設、そして右のページでは、市街地開発事業、地区計画などを記載しております。このうち、表頭に東京都決定として区分してあるものにつきましては、用途地域など広域的観点から定める必要のあるものや幹線街路など根幹的施設につきまして、知事が関係区市町村の意見を聞き、かつ、都市計画審議会の議を経て決定することになっております。
 六八ページから七一ページにかけまして、都市計画の決定手続などをまとめてございます。
 なお、都市計画審議会への付議予定案件のうち主要なものにつきましては、当委員会に報告させていただいております。第百四十六回の都市計画審議会の主要案件につきましては、事務事業説明の後、早速ご報告申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、少し飛びまして、七九ページをお開き願います。
 拠点整備の推進でございます。
 1の区部中心部の整備につきましては、平成九年四月に区部中心部整備指針を策定しております。おおむね副都心を結ぶその内側の地域を対象とし、居住・生活機能の維持、回復と、都心を中心とする業務機能の質的高度化を図り、職と住の均衡のとれたまちを実現することを目的とするもので、この指針に基づき、都市開発諸制度の活用などにより、公共と民間の協力と協調によるまちづくりの推進を図ってまいります。
 また、八〇ページから八六ページにございます臨海副都心の整備及び豊洲・晴海地域の開発につきましては、平成九年に策定しました臨海副都心まちづくり推進計画、同年四月に改定しました豊洲・晴海開発整備計画に基づきまして、地元地権者や関係機関との調整を進めております。
 次に、八七ページをお開き願います。多摩の心(しん)の整備でございます。
 平成十年に策定いたしました多摩の心(しん)の育成・整備計画に基づき、地元市等と連携を図りながら、八王子、立川など五つの心(しん)の育成、整備を進めているところでございます。
 次に、九三ページをお開き願います。
 1の都心居住の推進でございます。近年、都心部におきまして居住人口の減少傾向が見られることから、住宅市街地整備総合支援事業など都市づくり手法の活用により、都市空間の有効・高度利用を図り、良好な環境を有しつつ、都心地域にふさわしい住宅市街地の形成を推進するものでございます。
 次に、一〇〇ページをお開き願います。
 東京臨海地域の再編整備でございます。東京臨海地域の低・未利用地は、都心に近く、比較的大規模であることなどから、東京全体の魅力と活力を高めていくための貴重な都市空間として有効に活用していく必要があります。そこで、都として再編整備の基本的な考え方を取りまとめるため、明治以降の埋め立てを中心とした地域を対象として、東京ベイエリア21の策定に取り組んでおり、先月、その中間のまとめを発表したところでございます。
 一〇一ページは、調和のとれた土地利用の実現でございます。
 土地利用計画は、良好な生活環境を保全するとともに機能的な都市活動を確保するため、土地の適正かつ合理的な利用を図ることを目的とするものでございます。具体的な計画として、国土利用計画法に基づく土地利用基本計画、一〇三ページにございます都市計画法に基づく市街化区域及び市街化調整区域の整備、開発または保全の方針、一〇六ページ以下にございます用途地域などの地域地区指定などがございます。
 次に、一一三ページをお開き願います。
 4の地区計画等でございます。
 (1)の地区計画は、住民の参画による地域の実情に応じた、きめ細かなまちづくりを進めるための計画でございます。昭和五十六年の制度創設以来、沿道地区計画や町並み誘導型地区計画、防災街区整備地区計画など、順次拡充されてきており、これらの手法を活用しながら、地区の特性にふさわしい市街地の形成及び保全を推進しております。
 一一四ページの一番下にございます(3)は、その地区計画の一つである再開発地区計画でございます。この計画は、相当規模の工場跡地や鉄道操車場跡地などの土地利用の転換を図るとともに、一体的かつ総合的な再開発を計画的に誘導するための制度で、東京都再開発地区計画運用基準を定め、積極的な活用を図っているところでございます。
 一一六ページをお開き願います。
 5の特定街区・総合設計制度でございます。特定街区は、都市計画に基づきまして、また、総合設計は、建築基準法に基づきまして、それぞれオープンスペースや良質な住宅などが確保された良好なプロジェクトに対して、容積率の緩和などを行うことにより、市街地の整備改善を推進しようとするものでございます。
 次に、少し飛びまして、一三二ページをお開き願います。
 2の羽田空港沖合展開と跡地利用でございます。空港の沖合展開につきましては、本年三月に新B滑走路が供用開始され、現在は東旅客ターミナルビルの整備が進められております。沖合展開に伴い発生します跡地につきましては、本年八月に、国より当面の跡地範囲が提示されたところでございます。今後、国、都、大田区の三者で跡地範囲を調整の上、跡地利用計画案を取りまとめる予定でございます。
 次に、一四五ページをお開き願います。
 防災都市づくり推進計画でございます。災害に強い都市づくりを進めるため、平成八年に防災都市づくり推進計画の整備計画を策定し、区市や関係機関との連携のもとに、諸施策を推進しております。
 一四八ページは、安全な市街地の整備でございます。
 1の防災再開発促進地区ですが、これは、平成九年十一月に施行された密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律により、一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき地区を促進地区として指定するものでございます。
 また、右側の一四九ページには、2の防災生活圏促進事業を記載しております。大地震時に市街地の大火から都民の生命と財産を守るため、帯状の都市施設である道路や公園などの延焼遮断帯に囲まれた圏域内でまちづくりを進めることによって、火を出さない、火をもらわないブロックを形成し、安心して住める逃げないで済むまちづくりを目指すものでございます。
 続いて、3の都市防災不燃化促進事業でございます。これは、避難地、避難路などの周辺にある建築物を不燃化し、大震火災時における延焼の防止と避難者の安全の確保を図る事業でございます。
 次に、一五三ページをお開き願います。
 4の市街地再開発事業でございます。これは、建築物と公共施設とを一体的に整備することにより、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることを目的とする事業でございます。
 次に、一六五ページをお開き願います。
 5の土地区画整理事業でございます。これは、一定の区域において、宅地の利用増進を図るとともに、道路、公園などの公共施設の整備改善を行う面的開発事業でございます。
 次に、一六九ページをお開き願います。
 施設構造物などの安全化でございます。阪神・淡路大震災の被害を踏まえ、高速道路耐震対策として、首都高速道路公団の行う高速道路の地震防災対策事業に対し事業費の一部を出資し、事業の促進を図っております。また、鉄道施設の耐震対策としては、事業者が緊急耐震補強計画に基づき補強工事を実施しているところでございます。
 次に、一七〇ページをごらん願います。
 2の建築物等の安全化でございます。昭和四十四年度より、震災時における防災活動の拠点となる公共建築物の耐震診断を実施し、その結果に基づいて、各建築物の管理者からの相談及び技術指導を行っております。また、平成七年に施行された建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、耐震改修計画の認定を行っております。
 一七四ページをお開き願います。
 都市空間の確保と避難場所、避難道路の整備でございます。これは、大震火災時において、市街地大火から都民の生命を守るため、あらかじめ安全な場所を確保し、震災予防条例に基づいて指定しているものでございます。
 一八二ページをお開き願います。
 地域危険度測定調査の実施でございます。これは、防災都市づくりを推進する上での基礎資料として、また、都民の防災意識の高揚に役立てることを目的として、地震の際の地域における危険度を科学的に測定するものでございます。
 一八三ページをごらん願います。
 震後復旧対策の推進でございます。1の防災ボランティアの育成ですが、これは、地震による被災建築物の状況を調査し、当面の使用の可否の判定を行うことを主たる任務とするものでございます。
 一八五ページをお開き願います。
 2の都市復興マニュアルの策定と充実強化でございます。大震災による被災直後から円滑に復興に取り組めるよう、平成九年五月に東京都都市復興マニュアルを策定いたしました。マニュアルに基づき、区、市と共同で模擬訓練を実施し、その有効性を検証するとともに、震災復興グランドデザインの策定など、マニュアルの充実強化と早期定着化を図ることとしております。
 一九三ページをお開き願います。
 緑とオープンスペースの充実でございます。東京都緑のマスタープランに基づき、公園、緑地を都市計画決定しております。また、一九八ページの風致地区、緑地保全地区、生産緑地地区を都市計画決定することにより、都市内の緑の保全と確保に努めているところでございます。
 次に、二〇二ページをお開き願います。
 良好な都市景観の形成でございます。東京都景観条例に基づきまして、隅田川、玉川上水、丘陵地などを対象に景観基本軸の指定等を行い、届け出制度の運用などを通じて、美しく潤いのある景観の形成に努めております。
 次に、二〇七ページをお開き願います。
 供給処理施設等の整備でございます。
 1の水資源の確保でございます。東京は、水源の約八割を利根川・荒川水系に依存しており、国の策定する水資源開発基本計画に基づき、水源開発が行われております。現在は、第四次計画により、荒川水系の滝沢ダム、利根川水系の八ッ場ダムが建設中でございます。
 二一六ページをお開き願います。
 2の水循環マスタープランの構想でございます。都市における望ましい水循環を確立するため、平成十一年度に策定した水循環マスタープランに基づき、従来、個別に進められてきた水に関する施策を総合化、体系化し、関連する事業の進行管理を行っています。
 二一六ページをごらん願います。
 4の建設発生土対策です。これは、建設発生土利用調整会議等を通じて、東京都関連の公共事業から発生する建設発生土の再利用の促進等を図っているものでございます。
 次に、二二五ページをお開き願います。
 道路網の整備でございます。都市計画道路につきましては、計画的、重点的な整備を図るため、区部では平成三年に、多摩では平成八年に、それぞれ第二次事業化計画を策定しております。これに基づき、区部では環状、多摩では南北方向の道路整備に重点を置き、事業化を進めております。
 なお、本年三月末現在の都市計画道路の完成率は、二二九ページの表にありますように、区部で五五・四%、多摩で四七・三%でございます。
 次に、二三〇ページをお開き願います。
 4の都市高速道路でございます。二三二ページの表にありますように、現在、十八路線が都市計画決定されており、このうち供用中のものは、首都高速道路とその他を合わせて十四路線でございます。現在事業中の路線は、中央環状新宿線等の三路線、延長約十七キロメートルでございます。また、外郭環状道路の都内未着工区間は、昭和四十一年の都市計画決定以来、凍結状態が続いておりますが、現在、地下化を基本として、地元との合意形成に努めるなど、計画の具体化に取り組んでおります。
 次に、鉄道、新交通システムの整備でございます。
 二三四ページをお開き願います。
 まず、地下鉄等につきましては、現在、十二路線が都市計画決定されております。
 二三六ページをお開きいただきます。
 3の常磐新線でございます。事業主体である首都圏新都市鉄道株式会社が平成四年一月に事業免許を取得し、現在、平成十七年度開業に向けて工事を進めております。
 続きまして、4の東京臨海高速鉄道臨海副都心線、愛称りんかい線でございます。事業主体である東京臨海高速鉄道株式会社が平成三年十一月に事業免許を取得し、新木場から東京テレポートまで、平成八年に開業いたしました。今年度末には東京テレポートから天王洲アイルまでの部分開業を行い、残る大崎までについては、平成十四年末の全線開業を目指して工事を進めているところでございます。
 二三七ページをごらん願います。
 5の多摩都市モノレールでございます。運営主体である多摩都市モノレール株式会社は、ことし一月に、多摩センターから上北台までの約十六キロメートルの区間を全線開業いたしました。
 二三八ページをお開き願います。
 6の日暮里・舎人線でございます。事業主体である東京都地下鉄建設株式会社が平成七年十二月に軌道法による特許を取得し、現在、JR日暮里駅から見沼代親水公園まで約九・八キロメートルについて工事を進めているところでございます。
 二三九ページをごらんください。
 8の区部周辺部環状公共交通でございます。本路線は、本年一月の運輸政策審議会答申において、今後整備について検討すべき路線として位置づけられました。今後、事業の採算性などを見きわめるとともに、関係区の意向も踏まえ、構想の具体化について検討してまいります。
 二四〇ページをごらん願います。
 10の連続立体交差事業でございます。十五区間、延長約八十三キロメートルが都市計画決定されており、現在、葛飾区内の京成電鉄四ッ木-青砥間及び京王電鉄調布駅付近について、都市計画決定の手続を進めております。
 二四一ページをごらん願います。
 航空政策の推進でございます。近年、首都圏における空港機能の充実や第三空港の必要性が広く論議されております。こうした動きを受け、羽田空港の国際化や首都圏における空港機能の充実、地域航空、横田基地の民間航空利用など、航空政策の企画、立案、関係機関との調整などを行っております。
 二五一ページをお開き願います。
 建築指導行政でございます。ビルやマンション、戸建て住宅などの建築物やそのほかの工作物の建築につきましては、建築基準法及びその他の関係法令により、建築物の敷地、構造、設備及び用途などに関する基準が定められております。これらの関係法令に基づきまして、建築計画の確認、許可、違反建築の取り締まりなどに関する事務を行うとともに、建築物の質の向上や安全、衛生などに資するため、各種の調査研究及び指導を行っているところでございます。
 二六三ページをお開き願います。
 5の建築紛争の予防と調整でございます。中高層建築物の建築計画につきましては、建築主に対して、標識の設置、近隣住民に対する説明会の開催などの指導を行うとともに、関係住民に対しては、建築主との自主的な話し合いが効果的に行われるよう、関連する情報の提供や助言を行っております。また、建設工事の請負契約の適正化など建設業者の指導、育成を図るとともに、建設工事に伴い発生した紛争につきまして、当事者の申し出に応じ、あっせんまたは調停を行い、紛争の迅速かつ適切な解決に努めているところでございます。
 次に、二七〇ページをお開き願います。
 宅地開発に対します規制などでございます。これは、宅地造成等規制法に基づく、宅地造成に伴うがけ崩れや土砂の流出等の災害を防止するための規制と、都市計画法に基づく都市計画区域における無秩序な市街化を防止するための開発行為の規制の二つでございます。
 以上、まことに雑駁ではございますが、当局の事務事業につきましての説明とさせていただきます。
 なお、お手元の資料3、東京都監理団体等運営状況によりまして、当局所管の団体につきまして、簡単にご説明申し上げます。
 表紙の次のページをお開き願います。
 都が二五%以上出資などを行っており、当局が所管となっている団体は、公益法人では、財団法人東京都新都市建設公社を初め三団体、株式会社では、東京臨海高速鉄道株式会社を初めとする四団体がございます。これらの団体の詳細につきましては、後ほど資料をごらんいただきたいと存じます。
 これらの団体は、都の事務事業などを代行、補完し、都民サービスの向上に一定の役割を果たしており、都は、これらの団体に対し健全な経営が行われるよう、指導してまいります。
 以上で当局の説明を終わらせていただきます。

○寺山委員長 山下局長並びに野田総務部長からの説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○吉田委員 九点ほど、資料を要望させていただきます。
 一点目は、二十三区で既に決定し、現在事業中及び今後事業化される市街地開発事業、再開発事業、区画整理事業、特定街区事業等の一覧と、その開発面積、就業人口見込み、発生自動車交通量を一覧でお願いをいたします。
 二つ目に、オフィス面積の増加計画を、都心三区とその他の区で、わかるような資料をお願いいたします。
 三つ目に、民間によるオフィス需要の最新の予測をお願いをいたします。
 四つ目に、既に決定されている地区計画の地区数の推移がわかる資料をお願いいたします。
 五つ目に、東京ベイエリア21で想定しております開発床面積、就業人口、自動車交通量の予測数をお願いをいたします。
 六つ目に、帝都高速交通営団に対する利子補給の金額の推移を、十年程度でお願いをいたします。
 七つ目に、八〇年代以降の主要道路の整備と、自動車保有台数及び走行距離の推移を、わかるものをお願いいたします。
 八点目に、既に都市計画公園として決定されていながら、いまだに供用されてない箇所を明らかにする資料をお願いいたします。
 最後に、ロンドン、パリ、ニューヨーク、こうした都市の行政面積に占める公園面積の比率及び住民一人当たりの公園面積の比率を、東京都も含めてですけれども、対比してわかるような資料をお願いをいたします。
 以上です。

○大西委員 今要求なさった資料とともに、私も何点かお願いします。
 まず、都心居住政策の成果について、わかるもの。
 それから、秋留台地域の総合整備の経過と現状がわかるもの。
 それから、生産緑地の変動と、解除された生産緑地の利用状況がわかるもの。
 それから、自転車道のネットワークの整備計画とか整備状況がわかるような資料。
 それから、建築紛争の予防と調整の実績、それから課題を示す資料。
 以上です。

○森田委員 一つは、新しい都市づくりビジョン等、都市計画局が作成する各種計画との関連のわかるもの。フローチャートのようなもので結構ですから、これからつくる計画も含めてお願いいたします。
 それから、耐震診断の実施状況を、わかるものをお願いします。過去十年ぐらいさかのぼって、公共の建物から民間の建物を含めてお願いしたいと思います。
 三番目に、窓ガラスの落下防止調査を行っているようですけれども、その調査の内容と、その後の改修状況のわかるもの。
 その三点をお願いします。

○寺山委員長 ほかによろしいですか。--それでは、ただいま吉田理事、大西理事、森田理事より資料要求がございましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 それでは、異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出ください。よろしくお願いします。
 それでは、議事の都合上、十分間休憩をいたします。
   午後二時三十分休憩

   午後二時四十一分開議

○寺山委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 理事者の方から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○山下都市計画局長 本日は、第百四十六回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件についてご説明申し上げます。
 案件は、東京都の決定にかかわるものが全部で二十件ございまして、内訳は、区部が八件、市町村部が十二件となっています。また、区市町村の決定案件でございますが、法定の都市計画審議会が設置されていないことから、知事が同意するに当たりまして付議する案件が八件ございます。その他といたしまして、土地区画整理事業の事業計画の変更に伴う意見書の審査等を二件予定しております。
 なお、今回の東京都都市計画審議会に付議はいたしませんが、都市計画手続に合わせて環境影響評価手続を開始する、いわゆるアセス前合わせ案件として、都市高速鉄道第十号線がございます。
 本日の委員会では、これらの案件のうち主要案件となる太平四丁目地区の特定街区等、京成電鉄押上線の連続立体交差化計画、都市高速鉄道第十号線の連続立体交差化計画について説明いたします。
 それでは、引き続き、それぞれの担当部長からご説明させますので、よろしくお願いいたします。

○小林地域計画部長 第百四十六回の都市計画審議会に付議をいたします主要案件でございます、太平四丁目地区の特定街区等についてご説明申し上げます。
 お手元配布資料の主要案件説明資料、薄いものでございますが、三ページをお開きいただきたいと存じます。それから、黄色い表紙の主要案件図面集、これの一ページをお開きいただきたいと存じます。
 本地区は、JR錦糸町駅の北約四百メートルに位置しておりまして、錦糸公園に隣接する区域でございます。本地区を含む錦糸町・亀戸地区は、東京都の副都心の一つに位置づけられておりまして、特に本地区につきましては、複合機能の魅力あるにぎわい拠点のまちという地区像のもと、業務、商業、娯楽機能等の集積を促進することとされております。
 このため、当地区にふさわしい土地利用を誘導するために地区計画を策定し、用途地域を変更するとともに、大規模工場跡地につきましては、特定街区制度を活用いたしまして、業務・商業機能に加えまして、都心居住の推進につながる住宅機能を導入した複合機能の集積を図り、当地区の先導的なプロジェクトとして、市街地の整備、改善を図るものでございます。
 それでは、太平四丁目特定街区についてご説明を申し上げます。
 区域面積は、約二・七ヘクタールでございます。容積率につきましては、有効空地や住宅の確保等を考慮いたしまして、七〇〇%といたします。次に、建築物の高さの制限でございますが、高層部を百六十二メートル等に、中層部を五十メートル等に、低層部を三メートルとしております。
 次に、計画上配慮されている点でございますが、一つは、錦糸町・亀戸副都心としてのにぎわい拠点として整備をするために、業務、商業、娯楽、住居など複合機能の導入を図っているということ。二点目といたしまして、貫通通路や緑道、広場状空地や歩道状空地を有効に配置をいたしまして、周辺の歩行者ネットワークと連携した安全で快適な屋外空間を創出をしているということ。それから、三点目として、地上部だけではなくて、屋上緑化を含めて積極的に緑化を行うなどでございます。
 続きましては、参考といたしまして、予定されております建築計画の概要についてご説明を申し上げます。
 全体の延べ床面積は、約二十六万三千平方メートルでございます。住宅棟は、地下二階、地上四十六階で、建築物の高さは、最高の高さは約百五十メートルでございます。また、業務棟は、地下二階、地上三十一階で、建築物の高さは約百四十メートルでございます。中層部分に広がります店舗等でございますが、地下二階、地上九階で、高さは、最高部分で約五十メートルでございます。
 以上が、太平四丁目特定街区の説明でございます。
 次に、関連案件でございます用途地域の変更等についてご説明申し上げます。
 主要案件資料を一枚めくっていただきまして、四ページでございます。参考として、墨田区決定の錦糸公園周辺地区地区計画を掲げてございます。この地区計画の案件は、都の審議会に付議するものではございませんが、用途地域の考え方を示すものでございます。
 この地区計画の計画区域は、全体で約八・九ヘクタールでございまして、このうち特定街区の区域を含む約三・六ヘクタールについて、地区整備計画を定めてございます。地区計画では、墨田区の広域総合拠点として、魅力的で個性ある市街地を形成することを目標としております。
 地区施設といたしまして、区画道路二本、防災貫通通路、広場、緑道などを定めております。また、用途の制限といたしまして、風俗営業施設等を制限しておりまして、このほか、敷地面積の最低限度、壁面の位置の指定などを定めてございます。
 ただいまご説明いたしました地区計画の決定に伴いまして、用途地域を変更するものでございます。
 茶色い表紙の事前説明会資料、これの二四ページをお開きいただきたいと存じます。
 用途地域を変更する区域でございますが、面積が約三・五ヘクタールでございまして、現在の準工業地域、建ぺい率六〇%、容積率三〇〇%から、商業地域、建ぺい率八〇%、容積率五〇〇%に変更するものでございます。
 以上でございます。

○杉浦施設計画部長 主要案件の(2)、(3)をご説明申し上げます。
 まず(2)でございますが、京成電鉄押上線の連続立体交差化に係る都市計画変更案件でございます。お手元資料、主要案件説明資料の五ページから八ページ、同じく図面集の五ページから八ページでございます。両方とも、まず、五ページをごらん願いたいと存じます。
 今回の都市計画変更は、京成押上線、四ツ木駅から青砥駅間の連続立体交差事業を行うためのもので、東京都環境影響評価条例の対象事業として、今回は、いわゆる後合わせでございます。
 これまでの経緯でございますが、昭和六十二年より調査を開始し、平成九年に国から事業採択を受け、昨年一月の都市計画素案の説明会を皮切りに、昨年十月には、都市計画案及びアセスの評価書案の説明会を、また、本年五月には、アセスの見解書の説明会を実施してまいったところでございます。
 図面集の八ページをごらんいただきたいと存じますが、下段の方に縦断図がございます。
 今回新たに高架化する区間が明示されてございますが、今回の計画変更は、立体交差区間の新規追加としまして千六百九十メートル。おおむねあの赤い色で着色してある部分でございますが、既定計画の変更区間百五十メートル。さらには、都市計画変更の手続の延長区間としては二千六百二十メートルになってございます。
 既定計画の立石-青砥間の高架、青砥駅から赤い線で下ってきておりまして、黒い一点鎖線で京成立石三号というところまでおりておりますが、これが既定計画の高架区間でございます。これは昭和六十一年に事業が完了してございまして、今回の計画変更の事業によりまして、四ツ木駅から立石駅間がすべて高架化されることとなります。
 なお、四ツ木駅までの荒川の横断部につきましては、昨年九月に河川改修に伴う橋梁のかけかえが既に完了をいたしているところでございます。
 本件事業は、東京都建設局が平成十四年度から二十四年度の予定で実施することとし、総事業費は約四百六十億円を見込んでございます。
 次に、関連案件でございますが、都市計画道路と用途地域を同時決定あるいは変更をいたします。
 図面集ですと、七ページをごらんいただきたいと存じます。
 高架鉄道に沿いまして、附属街路三、四、五、六号線を、環境保全、まちづくりの観点から定めます。また、立石駅付近の補助二七四号線の拡幅、駅前広場を含む葛飾区街三号線の新規追加及び奥戸街道と平和橋通りの交差点に、葛飾区街四号線の新規追加を計画してございます。また、用途地域につきましても、図面集の六ページにお戻りいただきたいと存じますが、補助二七四号線の拡幅及び葛飾区街四号線の追加に伴いまして、道路の計画線から二十メートルの範囲につきまして商業地域に変更する、などでございます。
 最後に、アセスメントの件でございますが、主要案件説明資料の六ページから八ページに要約を記載してございます。
 八ページに、本年六月に出されました知事の審査意見書と評価書案の関係が記載してございまして、審査意見書では、評価書案はおおむねアセス評価の技術指針に従って行われたと認められておりますが、さらに留意すべきとされた事項は、沿線の中高層住宅に配慮し、鉄道騒音の高さ方向の予測も実施すること、でございました。
 これに対しまして、評価書の作成の段階では、高さ方向の騒音レベルの予測値を追加いたしております。
 説明資料の七ページに、評価の結論が一表になってございます。騒音は、評価の指標を下回ります。振動は、一部現況値を上回る箇所もございますが、適切な処置により低減に努めます。他の項目も、影響が少ないか、適切な対応策を実施することとしておりますので、都市計画を変更する上で支障がないと判断しているところでございます。
 続きまして、三番目の主要案件でございますが、都市高速鉄道十号線、京王線本線及び相模原線の連続立体交差事業に伴います都市計画変更の案件でございます。
 同じく主要案件説明資料の九ページから一一ページ、図面集も九ページから一一ページをごらんください。
 まず、両方とも九ページをごらんいただきたいと存じますが、都市高速鉄道十号線の西調布駅-つつじケ丘駅間と、京王多摩川駅-調布駅間につきまして、構造形式の変更を行うとともに、本路線の調布市内におきまして、従来の東京都市計画から調布都市計画への都市計画変更を行うものでございます。
 本件は、都条例に基づく環境影響評価の対象事業でございまして、今回は、いわゆる前合わせ案件としまして、今後アセスメントを行った後に、都市計画審議会に付議することとなります。
 これまでの経緯でございますが、都市高速鉄道十号線の笹塚-調布駅付近間は、昭和四十四年に高架方式で複々線化と連続立体交差化が都市計画決定されましたが、今回は、そのうち調布駅付近三・八キロについて事業化に向けた都市計画変更をするものでございます。
 この区間は、調布三・二・六号線、鶴川街道でございます、調布三・四・一八号線、狛江通り、これらなど十八カ所の踏切がございまして、これらの解消を目指し、平成六年から構造形式などについて総合的な検討を行ってまいりましたが、その結果、地下方式に変更することとし、平成十年の国の着工準備採択を経て、本年二月には都市計画素案の地元説明会を実施したところでございます。
 変更後の形態は、図面集の一〇ページの下段をごらんいただきたいと存じます。
 この下段の、ちょっと見づらいかもしれませんが、実線表示の部分は、これは在来線の連続立体化の線形でございまして、調布方面から地下化をしまして、柴崎駅付近に取りつけることになっております。
 一方、破線表示につきましては、やはり調布付近から潜りまして、つつじケ丘駅付近に、いずれも地下方式で取りつけることとなります。
 また、調布駅そのものは、上段の立体図がございますが、地下二層構造といたしておりまして、ここで方向別の乗りかえなどの利用者利便性を図ることといたしております。
 今回の事業化は、当面、在来線の連続立体事業のみとしまして、国領駅付近から西調布駅付近の二・九キロと、調布駅から京王多摩川駅の手前までの〇・九キロ、合わせて三・八キロの区間で、平成十四年度から平成二十四年度の間、東京都建設局及び京王電鉄株式会社が、約一千億の事業費で実施することといたしております。
 なお、線増線につきましては、京王電鉄におきまして、今後の輸送動向等を見きわめながら、事業実施時期を検討していくことといたしております。
 関連案件でございますが、図面集の一一ページに参考図がございます。今回の京王線の変更に伴いまして、関連する都市計画道路の変更を行います。
 まず、国領駅と布田駅の前の南北に分かれております交通広場と、それからそれぞれの路線を一体化いたします。また、調布駅前にはゆとりのある交通広場を計画いたします。
 さらに、調布駅西側を南北に通る都道一二〇号線を拡幅し、区画街路七・五・一号線として、新規都市計画決定をいたします。
 さらに、今回の鉄道の地下化によりまして閉鎖される二カ所の踏切につきましては、つけかえ道路を都市計画決定いたします。
 最後に、環境影響評価についてでございます。
 お手元に水色の冊子があると存じますが、中に二枚ほどの要約を入れてございます。その要約の二枚目に、評価の結論がございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 予測・評価項目は、騒音、振動、地盤沈下以下、八項目といたしておりますが、騒音、振動は評価の指標を下回るほか、また、他の指標につきましても、適切な対応策を講ずることにより、都市計画を変更する上で支障がないものと判断しているところでございます。
 説明は以上でございます。

○寺山委員長 山下局長、小林地域計画部長、杉浦施設計画部長よりの説明は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○かち委員 主要案件でご説明いただきましたナンバー7、太平四丁目の特定街区用途地域変更についてお伺いします。
 少々おこがましいのですけれども、私、都市づくりとか都市計画とかまちづくりということを考えるときに、どういうことが条件かなというのを思いますと、やはりそこに住む人たちが住み続けられること、そしてまちづくりについてその人たちが本当に検討できる、積極的に参加をすることができる、で、検討に値する十分な情報が提供されること、そして、基本的には、そのまちの特性、そのまちの歴史的に培われてきた文化、そういうものが継承されることだと思うんです。
 この墨田区のまちというのは、下町の情緒があふれておりまして、全都でもトップクラスの製造業が集中している中小企業のまちでもあるわけです。
 こういうことをベースにして、どういうまちをつくっていくのか。本当にそこに住む人たちが考えて、合意を得て進めていくのが、本来の都市づくりではないかと思うのですが、そういう視点から、今回出されているこの案件が一体どうなのかということで、少し質問したいと思います。
 今回の案件は、そもそもは、東京都の副都心計画--上位計画として長期計画にのっております六つの副都心計画のうちの一つであります錦糸町・亀戸開発の網がかかっているものであるということ、そして、この開発を進めるに当たって、地区計画もセットで、都の計画と一緒に進めていく、で、開発がそこでされるということで、地域の皆さんにとっては、本当にいろんなことを一度に考えなければいけないということで、大変困惑をしているのが実態ではないかと思うんです。
 基本的なことを少し数字でお聞きしますが、この関連で、地区計画にも入っております関係地域に住まわれている、太平四丁目の都営住宅の世帯の方と、錦糸四丁目の住宅とか工場数とか、そういう数字はどうなっていますでしょうか。

○小林地域計画部長 まず、隣接する都営太平南アパートの世帯数と居住者の数でございますけれども、平成十二年六月現在で百八十五世帯、三百五十六人でございます。
 それから、地区計画区域内の太平四丁目の世帯数と工場の数でございますが、世帯数が五百十三世帯、工場の数が八工場でございます。

○かち委員 今、図が出ておりますけれども、計画街区の、緑のところは、錦糸公園になっているんですね。あの街区の約三分の一ぐらいが、今の用途地域が変更されようとするところなんです。
 右端のへこんだところというか、出ているところ、道路沿い、あそこが都営住宅で、今三百五十六人の方が住んでいるということです。地区計画では、その横、東側ですね、それが今度地区計画として指定されようとしているところですね。
 ところが、そこは準工業地域です。私もあそこの地域をぐるっと歩いてみましたが、八工場があるということですけれども、ゴムとかガラスとか結構工場が稼働しておりまして、住工が混在した準工業地帯になっているわけです。そのほかのところは商業地域ということなんですけれども、この一角を--精工舎跡地なんですね、赤くくくられたところは。
 で、この計画が今こういうふうに出されてきたわけですけれども、一体いつごろからこの話が持ち上がって、どこが主体となってやろうとしているのか、お聞きします。

○小林地域計画部長 平成九年の十二月には精工舎跡地を事業者が取得をいたしまして、地区計画あるいは特定街区の検討の経緯でございますけれども、十一年四月ごろから区として地区計画を検討し、当該地区の整備手法等を検討した上で、十一年八月ごろから特定街区の検討に入ったという経緯でございます。

○かち委員 今、どこがということではお答えがあったのでしょうか。これは事業者は東京建物が--取得をしたということでよろしいのですね。--東京建物がやるということなんですけれども、精工舎が閉鎖をしたのは平成九年ということですから、既にここ三年ぐらいの経過はあったわけですよね。で、実際に動き出したのが昨年の四月ごろからということですが、それは都と区と事業者が検討されてきたのでしょうけれども、実際に住民の皆さんにこの話がいったのはいつごろですか。

○小林地域計画部長 墨田区が地元の住民の方々に地区計画の内容等についてご説明をしておりますけれども、用途地域等につきましてはことしの一月ごろから、それから特定街区についてはことしの五月ごろに住民の方々に、区を通して説明をいたしました。

○かち委員 用途地域については昨年の暮れごろから、特定街区についてはことしの五月からということですけれども、実際そこにどういうものができるのか。用途地域だけの話を聞いても、具体的に住民の皆さんはどうとらえていいのかというのがわかりかねますよね。
 具体的に、ああいう左側にあるような構想が皆さんのところに示されたのはいつごろですか。

○小林地域計画部長 先ほども申し上げましたように、区が地区計画等の説明をしておりますけれども、その中でも、住民の方々から事業計画の内容を早く知りたいというふうな話もございまして、ことしの八月ごろから事業者が事業計画等について地元の説明を行っております。

○かち委員 まちづくりをしていくという点では、それぞれの考え方がある方々が集まって、自分たちのまちをどうしていこうかということを検討するわけであって、相当数の時間も要すると思うんです。
 そういう意味では、用途地域の変更だとか特定街区とか、そういうことの話が実際に煮詰まってきたのは、ことしの春ごろからで、八月に入ってからあの計画案が出されたわけですよね。
 そういう意味では、この計画自身を受け入れられるかどうかという、その基本的な検討に値する材料そのものも大変不十分な中で、今回都市計画決定が目前ですよね。十一月二十二日に審議会が開かれて、十二月二十日にはもう決定していこうという、この進め方自身が非常に、私は住民の意向を無視した進め方ではないかというふうに考えるんです。
 墨田区としても、余りにも上からの主導的なやり方でどんどん進めるということにはちゅうちょがあったのでしょうか、用途地域を変更するに当たって、地区計画をつくるに当たって、五月に関係住民の方にアンケートをとっていますね。そのアンケートは、回収率が非常に悪いのですけれども、しかも、質問そのものもかなり誘導的な中身ではあるんですけれども、右側、東側に住む、現在準工業地帯に住んでいらっしゃる方々、ここが今網をかぶされるわけですけれども、この方々は今すぐ建てかえる意思はない、ここに住み続けたいのだと、そういうことが七割近くそれぞれ出ているわけです。
 ですから、ここに住む人たちは、今ここを用途地域を変更してほしいとか開発をしてほしいとかというのは、考えていない方が圧倒的に多いわけですけれども、そういうところに、将来開発をしていく予定地として今回網をかぶせるということも、全く住民が置き去りにされている計画ではないかなと思うんです。
 少し具体的な計画に踏み込んでお話を聞きたいと思うのですけれども、あの二つの大きな建物、最高が二〇〇%アップ--特定街区ということで準工業から商業になって三〇〇から五〇〇になって、さらに二〇〇%アップをするということで、業務棟が百四十メートルですか、で、住宅が百五十メートルという、非常に高い建物が二つできるわけですね。
 あとは、ショッピングとか業務、オフィスということになるわけですが、今はほとんど人の動きはないわけですけれども、そこに一体どれだけの人が住み、また昼間どのぐらいの人が往来をするのか。そして、車、駐車場なんかはどうなっているのかという、その辺の数字を少しお聞かせください。

○小林地域計画部長 住宅に住むといいますか、住宅の戸数でございますけれども、予定戸数は七百戸でございまして、予定をしております計画人口は二千百人を予定をしております。
 それから、就業人口というお話がございましたが、業務棟では約三千八百人の就業人口を見込んでおります。
 それから、商業施設とか娯楽施設が中に入る予定になっておりまして、事業者の想定では、商業施設には年間一千万人、一日当たり平均約二万七千四百人を想定をしております。それから娯楽施設としては、シネマコンプレックスが入る予定になっておりますけれども、年間約百二十万人のお客さんを予定をしているということでございます。
 それから、駐車場の台数についてのお尋ねがございましたけれども、千四百台を予定をしております。

○かち委員 今お聞きしただけでも、相当の人があそこに集中するということになるわけですね。
 今、数をいろいろいわれたのですけれども、この数を、劇場・娯楽施設、何か年間百二十万ということですけれども、これをアバウトに平均すると、一日四千人ということになるわけですが、これを足しますと、一日三万七千人以上の方がここに集中をするということになります。
 そして、駐車場が千四百台。業務棟だけでも千台ということですよね。この駐車場に商業関係が入るとすれば、一日に何台も出入りをすると思うのですが、その車の出入り口というのは、一体どういうふうになるのでしょうか。

○小林地域計画部長 駐車場の出入り口のことでございますけれども、今、後ろのスクリーンで申し上げますと、あの図の右側といいますか東側と、下に当たる南側でございます。

○かち委員 地区計画の中では、今の図の方の下側ですね、赤線の下側のところ、そこは区道を二メートルほど幅を広げるとか、それから右側も二メートル広げるということにはなっておりますけれども、千台の車、二つに分けても五百台ずつ出入りをするわけですよね。
 ところが、あそこのわきの通路、区道というのは、非常に狭いです。私も行ってみましたけれども、車道は六メートルしかないんです。その前面のところは多少拡幅をしたとしても、メーン通りに放射一四号線が上になっております。そこに出ていくところが狭いんですよね。そういうことになりますと、すぐそこで渋滞をしてしまう。
 それから、南側から出た車も、右へ行って下へおりるという、そこも狭いんですね。左側の方のメーン通りも非常に渋滞、交通量が多いということで、本当に住宅街の中に車があふれてしまうという状況は、容易に想像ができるわけですけれども、こういう狭い路地の中に千台以上の車が往来をするということが、いかに周りの環境に影響を与えるかという、その負荷の問題については、論議はされなかったのでしょうか。
 それから、ショッピングに人が出入りをする、一日二万三千七百人の方が出入りをするということになると、車は一体何台来るのか。ショッピングにかかる時間が何時間なり何分であれば大体車が出入りにどのぐらいかかるのかという、そういうシミュレーションはされているのでしょうか。

○小林地域計画部長 交通処理の計画について検討しているかどうかというお尋ねだと思いますけれども、交通処理につきましては、建設省の都市局から出されております大規模開発地区関係交通マニュアルに基づきまして予測をしております。
 もちろん、来客の中の交通手段別に、例えば電車で来る方、あるいは車で来る方といった分担率を踏まえた上で検討をしておりまして、一応、ピーク時におきましても交通容量の範囲内でおさまるということで、検討はしております。

○かち委員 今、検討はされているし、十分間に合うのだということをおっしゃられるわけですけれども、それは住民の皆さんには十分に資料的にも提供をされているのでしょうか。

○小林地域計画部長 特定街区については、事業計画そのものを都市計画決定するという性格のものではございません。先ほど申し上げましたとおり、事業計画については事業者がことしの八月以降、地元住民の方々に説明をしておりまして、今後とも説明をしていく予定というふうに聞いておりますので、そういった中で十分説明するように、私どもの方としても指導していきたいと考えております。

○かち委員 事業計画とは別だとおっしゃいますけれども、まちづくりになればすべてが関連してくる話なんですよね。で、都市計画は、箱物をやればいいんだということではなくて、そこの周りの住民にどういう影響を与えるのかということも含めて、その住民の皆さんが容易に判断をできる、いいか悪いかも含めて判断をできる状況を提供するのが、行政の役割だと思うんです。
 ですから、そういうことで、縦割りにしてそれは後でというわけにはいかないんですよね。決定されてから後でといわれても、住民の皆さんはどうすることもできないわけです。
 そういう意味で、この間、その地区計画の対象の住民の皆さんと、それから都営住宅に住む皆さんとで、四丁目計画の対策委員会というのをつくっておられて、その方々が都市計画局の方に要望書を出されたということで、その足で各会派にも回られたということでお話を伺ったのですけれども、そのことは承知されておりますか。

○小林地域計画部長 私どもも要望書の写しをいただいておりますので、承知をしております。

○かち委員 その要望書を見ても、計画の情報が十分に説明されていない。それから、法律に基づいて地区計画の説明をして、二週間縦覧をして、意見を出さなければいけないということなどについても、本当に説明が不十分で、知らないうちに終わってしまったというのが現状だと思うのです。それは知らない人がいけないといえば、それまでですけれども、行政としては、いかに十分にみんながそれを承知をして、十分に吟味をして、それを理解していくか、合意していくかということに、やはり努力をすべきだと思うのですが、区の問題だといわれればそうですけれど、これが全部関連をしているので、東京都としてもそういうことをやはりきちんと指導するなり、これからもまたやるのでしょうけれども、そういう十分な情報提供というのをやはりやっていくべきだと思うんです。
 そして、この計画は余りにも頭の上をどんどん進んでいってしまう、住民の皆さんが考え及ぶ前にもう回ってしまうということに対して、もう一度原点に戻って、この計画を見直してほしいというのが、要望の趣旨です。
 私もこの間いろいろ皆さんからのお話を聞いたり、今の質疑をしてみても、やはりこの都市づくりをしていく上で、住民が不在のこのやり方については、大きな疑問を抱かざるを得ません。
 時間になってしまいましたのでやめますけれども、やはり都市づくりというのは、そこの、あの街区だけでまちづくりはできるものではなくて、その周りに及ぼす影響、車の公害だとか、大気汚染だとか、ごみだとか、電気、ガス、水道、すべてのものがやはり人口集中、業務の集中によって起こってくる。そういうものをかんがみてどうするのかということを決めていけるような、そういう状況をつくっていくべきだということを申し上げて、この計画はもう一度白紙に戻して練り直すべきだということを申し上げて、終わります。

○大西委員 最初に、主要案件の(3)、環境影響評価手続開始の案件の、都市高速鉄道第十号線の連続立体交差化についてちょっとお聞きします。
 これは、今回、環境影響評価書案が出てきて、地元へそれが示され、それで、いろんな手続後、都市計画審議会にかけられるような手順になっていくわけですが、このアセスの部分というのは非常に手続の日程や内容などについて、関係市ではわかりにくいという声が出ているのですけれども、そういう意味で、これをどのようにわかりやすくし、そして、関係市の意見、それから住民の意見、そういう人たちの意見をどうやってくみ上げてやっていこうと思っていらっしゃるのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。

○杉浦施設計画部長 京王線の連続立体交差は、やや構造も複雑ですし、おわかりにくいというご意見があるのかもしれませんが、過日、素案説明会を皮切りに、今後アセスメントと、それから都市計画の原案、結果的には素案と同じですが、そういった説明会、それからさらには、アセスメントの見解書の説明会、こういった手順がございますし、また、その手順に並行しまして、案の縦覧等もいたしているわけでございます。
 おわかりにくければ、当然のことながら、私どもあるいは関係各区市町にお問い合わせいただければ、お答えできるようになっております。説明会があと二回ございますので、その中でもできるだけわかりやすいような説明をするよう心がけていくつもりでございます。

○大西委員 手法等、それからほかにいろんな公告、伝え方というのがあるわけですけど、そういうのを考えていらっしゃいますでしょうか。

○杉浦施設計画部長 はい。

○大西委員 これはかなり長い時間をかけてやるということを聞いておりますが、ぜひ関係市の意向がちゃんと反映できるような形にしていただきたいと思います。
 次に、ナンバー11、八王子都市計画道路の幹線街路三・四・一九号市民会館通り線という部分なんですけれども、このことでちょっと質問したいと思います。
 これは八王子の駅の南口の交通広場の変更ですけど、まず、北口の部分にも開発が行われていて、そのときにはマルベリーブリッジ型の建設ということがあったと。そして、そこでは非常に使いにくいということが市民の間から苦情として出ていたらしいのですけれども、この部分について何が問題であったのか、教えてください。

○杉浦施設計画部長 今回の案件は南口でございますが、北口も既に広場ができておりまして、その建設あるいは供用後のさまざまな意見が寄せられていると聞いてございます。例えば、とりわけ体の不自由な方あるいは高齢者にとって、バス乗り場が非常に狭く、すれ違いが難しいとか、あるいは、駅の商業施設からバスに乗車するためには、上下移動が必要になっている。また、エレベーターの出入り口が通路と反対側にあるために利用しにくいなど、こんな意見が市民から寄せられていると、八王子市から聞いてございます。

○大西委員 今回は、南口の開発に当たっては、バスレール方式ということで改良されたということを聞きました。しかし、障害者当事者とかそれから市民の声はどのように聞き取ってこのような変更を行ったのか、教えてください。

○杉浦施設計画部長 今回の南口の広場の変更に伴いましては、去る七月に素案説明会を開催してございまして、約五十名ほどの住民の方が出席いたしております。
 その中で出された意見としましては、例えば、広場から駅通路への障害者対策はどうなっているのかと、あるいは、駅北口のバス乗り場は狭く、体の不自由な人がすれ違うのが難しいと、先ほど申しました北口でのご意見でございますが、ということを聞いているが、南口はどうするのかと、そんなような意見が出たようでございます。

○大西委員 そのような意見が出て、それが改良された形だというふうに、今回の案は受け取ってもいいのでしょうか。

○杉浦施設計画部長 そういったさまざまな意見、あるいは北口の反省点を踏まえて、今回の都市計画変更を提案しているところでございます。

○大西委員 今回変更した中で、高齢者や障害者が使いやすいようにということであるならば、何かの基準というものがあったわけだと思うのですけど、その基準となったのは何なのでしょうか。

○杉浦施設計画部長 この件につきましては、私どもが直接設計をしたわけではございませんが、例えば、東京都の事業におきましては、福祉のまちづくり条例に基づきます施設整備マニュアルを定めまして、高齢者、障害者等が円滑に利用できるように、都市環境整備を進めておりますし、また、ご案内のとおり、来る十一月には交通バリア法が施行される予定でございますので、一般論といたしましては、この法の趣旨を踏まえ、東京都としてもより一層、高齢者、障害者に配慮したまちづくりを進めていくのが義務であろうと考えているところでございます。

○大西委員 基準となったものは何かあるのですか。

○杉浦施設計画部長 ええ。ですから、福祉のまちづくり条例に基づく施設整備マニュアルという……。

○大西委員 それだけですか。

○杉浦施設計画部長 失礼いたしました。
 この南口の広場の設計変更原案をつくりましたのは、組合並びに八王子市でございますので、そこでどういうものが適用されたかまでは私どもわかりませんが、一般的に申しますと、東京都にございます施設整備マニュアル、こういったものが広く使われているものと認識しております。

○大西委員 この基準でつくったということで、実際に説明会のときに、障害者なり高齢者の方たちがそこで、本当に使い勝手がいいのかどうかということを、直接にご意見は伺われたことはあるのでしょうか。それは市かな--市ですよね。それは把握していらっしゃらないということでいいですね。--私は、この基準というものがこれでいいのかということを少し疑問を持っております。といいますのは、多摩モノレールをつくるときに、今はもうつくられたわけですけれども、段差が八センチだったと思うのですけど、その段差があるために、車いすの方が自分で乗ることができないということで、非常に困っていらっしゃる。
 そういう状況を都へ問い合わせたときにおっしゃったのは、これはちゃんと国の基準なので、そういう意味ではクリアしているのだというお答えだったんですね。
 だから、この基準というものが、本当にこれでいいのかどうなのかというのを、非常に疑問に思うわけです。
 今回、都市構想二〇〇〇、それからTDMの中にも、ユニバーサルデザインということを非常にうたってあります。
 さらに、先ほどおっしゃいましたように、交通バリアフリー法が施行になって、そういう障害を持っても、高齢化になっても、まちに出ていこうというまちづくりが行われようとしている中で、その当事者である人たちが本当に使い勝手がいいかどうかというものを、やはりどこかで、設計段階でちゃんと確認することが、都では必要ではないかと思っております。
 そういう意味で、今回そういう法の改正を受けて、その視点で都は、どういうふうなことをやっていこうと思っていらっしゃるのか、具体的なものが何かありますか。

○杉浦施設計画部長 私ども都市計画権者として、先ほど申しました施設整備マニュアルをにらんで、計画が妥当であるかどうかという、そういう面でのチェックはもちろんいたしますが、障害者、高齢者対策というのはさらにきめ細かい対応が必要でございまして、その面になりますと、やはり実際に設計をしたり事業をしたりする段階で事業者の方がさらに配慮をするという、そういうことが必要だろうと思っております。
 そんな観点から、今回のこの広場の整備の実施に当たりましては、先生ご指摘の趣旨を八王子市にお伝えしてまいりたいと考えております。

○大西委員 そういう障害を持った人、高齢者が住みやすいまちというのは、つまり、妊婦や子どもたち、すべての人が住みやすいまちになるわけですし、そして、本当にこういう大きな公共施設をつくるときには、お金もかかります。ちょっとしたところで何の役にも立たなかったというようなことにならないためには、その辺でしっかりやっていく必要があると思うんです。
 ユニバーサルデザインというのは、とりもなおさず、いろいろな条件を持った人たちに扱いやすいデザインということです。私どもの地域でいろんな障害を持った人たちが一緒にまちを歩いてみようというウオッチングをやったのですけれども、本当にそれぞれが持つ障害によっていろんなバリアが違うというのがわかるんですね。例えば、盲人のための点字ブロック、これが車いすや高齢者の人にとってはある意味で非常にバリアになってしまうとか、そういうものがわかるわけで、ぜひ今回こういうユニバーサルデザインということを掲げるのであれば、こういう大きな公共施設をつくる場合にはユニバーサルデザインに基づく計画、設計の審議会みたいなものを東京都に置いて、検討することが必要ではないかと思うのですが、その辺はどうでしょう。

○杉浦施設計画部長 地域のかなりきめ細かな話につきまして、例えば私ども、東京都の中で審議会ですべからく議論をするということについては、いかがなものかと思うわけでございますが、交通バリア法の中で、各市町村が基本計画をつくるという位置づけになっていることは、先生ご案内と思います。この基本計画をつくる際に、私ども東京都が各市町村に対して協議あるいは指導をするという、そういう立場もございますから、そういう面で、いろんな角度から見て、バリアフリーのためによりよいものをつくっていくという努力はしなきゃいけないと思っております。

○大西委員 最後ですが、本当に当事者の人たちを--やはり設計段階で実際に動かしてみる。それをどこかに位置づけない限りは、どうしても、あった方がいいなというところで終わってしまうと思うんです。そういう意味では、先ほどいいましたように、都だから、都は都でできることということであれば、そういうものをどこに入れるかということ、そして、本当にユニバーサルデザインというものが何なのかということを改めて審議する、そういうものが必要であると思っておりますので、それを要望して、終わります。

○吉田委員 今回、都市・環境委員会の一員にさせていただきました吉田でございます。
 私は、足立区新田の地区計画を中心とした案件について、簡潔に質疑をさせていただきます。
 この開発行為は、工場の跡地約二十ヘクタールを、公団が中心になって取得をして、住宅を中心とした開発を行うというものであり、非常に規模の大きい計画となっております。
 地区計画ですから、基本的には地元区が中心になって作成し、その手続が進められていくことが前提ではありますけれども、やはりこの計画決定に至る過程で、適切に住民の意向が反映されているかどうかだとか、全体の計画の整合性がどうであるかだとか、また、この計画に伴う財政的な負担がどうかだとか、そうした問題についてやはり東京都、直接的には都市計画局としてもきちんとした対応、見解が求められていることではないかなというふうに思っております。
 質疑に入りますけれども、この工場跡地約二十ヘクタールは、主に住宅を中心にして計画が地区計画上されているわけですけれども、その図面で薄いオレンジ色の地域に、約三千戸の住宅を建設をすることを想定しているというふうに聞いております。
 二十ヘクタールという面積を考えれば、そうたびたび生まれるオープンスペースではないと思うんです。ですから、当然やはりこれだけのオープンスペースをどう活用するかということについては、足立区の、あるいは周辺の方々の意向がどうこれに生かされているのかということが、一つ問われるテーマかなというふうに思いますけれども、専ら三千戸の住宅を中心に建設をするということになっています。
 配られている図面集の一二三ページに、イメージパース図というのが出ているのですけれども、今、右側の画面に出ておりますが、これはあくまでもイメージ図ですというふうにいわれてしまうとそれまでなんですけれども、せっかく両側が、上の方は荒川、下の方は隅田川に囲まれるオープンスペースのある地域であるにもかかわらず、住宅そのものはかなり過密に配置をされているという印象を受けるわけです。
 その一点として、なぜこの地域は三千戸という戸数が、どういう根拠で出されてきているのか、もっと緩やかな戸数にできなかったのか。
 二つ目に、やはり周辺の住民の方々は、せっかくこれだけのオープンスペースができますから、病院ができるのじゃないかだとか、特養ホームもできるのじゃないかだとか、そういう期待を抱いて見守っていた方も少なからずいらっしゃるというふうに聞いているのですけれども、やはり、少子化に対応するのに必要な施設だとか、高齢化社会に対応するような施設の建設というものが、当然今日の計画の中には盛り込まれるべきだと思うのですが、果たしてそういう少子化や高齢化社会にふさわしいようなまちづくりというものは、現在の計画の中では生かされる道はあるのか否かということを、まずお聞きしたいのですが。

○只腰開発計画部長 新田地区の地区計画等でございますけれども、この計画につきましては、住宅市街地整備総合支援事業、こういう事業に基づきまして計画が立案をされてございます。住宅市街地整備総合支援事業、これは住市総事業といっておりますけれども、住宅の建設にあわせまして、道路、公園等の公共施設、こういうものを総合的に定めた整備計画を区市町村が作成をいたしまして、その結果、建設大臣の承認を得て、整備計画の実現のために必要な用途地域や道路等の都市計画決定を行うものでございます。
 本地区でございますけれども、面積につきましては約六十五ヘクタールでございますが、先生ご指摘のように、大規模な工場跡地、これを土地利用転換によりまして良好な都市型住宅、正確には三千二百六十戸でございますけれども、こういうものを供給するということで、計画が求められているものでございます。
 私どもといたしましては、総合的な計画のもとにこういう戸数が供給されることにつきましては、適切な計画ではないかというふうに考えております。
 それから、第二番目の、福祉のまちづくりあるいは高齢化社会への対応ということでございますが、保育所あるいは老人への対応の施設でございますけれども、保育所につきましては、足立区の意向によりまして、団地の中に設置の計画がございます。
 また、建設する公団の住宅等につきましては、高齢化に伴うライフスタイルの変化にも対応できるような、長寿社会対応の仕様というふうに聞いております。
 また、足立区におきましては、近傍のところに高齢者在宅サービスセンター、あるいは在宅介護センター、あるいは老人館を設置しているというふうに私ども聞いております。

○吉田委員 直接的には足立区の仕事ではありますけれども、ぜひやはり少子化や高齢化にふさわしいようなまちづくりということを東京都が誘導していくように努力していただきたいと思うんです。
 やはり、この図面の地域で三千戸の住宅、全体では三千五百六十戸ですか、という計画になれば、当然かなりの往来人口が発生をするわけですよね。そして、本当にそれだけの新たな人口の増加に対応できるだけの都市インフラというものが、果たして整備されていく計画になっているのかということも検討課題というふうになっていると思うのですが、居住人口がどれぐらい生まれるのか。また、自動車の発生交通量がどの程度見込まれるのか。そういうことに適切に対応できる計画が盛り込まれているのか。その点についてご答弁をお願いいたします。

○只腰開発計画部長 居住人口でございますけれども、私ども一万人ぐらい増加するというふうに考えております。
 この居住人口の増加に伴い必要となります都市基盤の整備につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、都市計画道路のネットワークを構成するための道路あるいは区画道路等の、新たに生まれる市街地の住民用の道路、あるいは、地域内の排水をするための下水のポンプ場、あるいはその近隣の公園、小中学校の移転、拡大に伴う整備、これらの整備を総合的に事業の中で実施するということにしてございます。
 また、近隣に河川があるということで、スーパー堤防の整備もあわせて行うこととしております。
 また、事業に伴う自動車の発生交通量でございますけれども、本事業におきましては、商業施設、あるいは、主体としては住宅の施設でございまして、これらの施設からはおおむね一日五千五百台程度の発生交通量があるのではないかというふうに考えております。
 この発生交通量を処理するために、既決定の都市計画道路のほかに、新たに都市計画道路を追加をしております。また、区画道路等の計画も適切に配置をしているところでございます。

○吉田委員 私も現地に行きましたけれども、ちょうど二つの川に挟まれているだけではなくて、足立区側から見てもまたは北区側から見ても、それぞれ外れに位置しているという点では、既存の鉄道交通を利用する点で非常に不便な地域だと思うんですね。それだけに自動車交通の需要というものが高まると同時に、やはりだれでもが利用できるという点では、バス等の交通手段がきちっと確保されない限り、この計画は生きてこないと思うんですが、その辺はどうなっているのでしょうか。

○只腰開発計画部長 図面にございますように、この地区でございますけれども、ちょうど右が荒川、左が隅田川でございまして、それに囲まれました島状の地域でございます。先生ご指摘のように、公共交通を最寄りの駅につなぐという意味で、バス路線の整備、具体的には王子駅とこの開発地を結びますバス路線の新設等につきまして、関係の機関が協議中であるというふうに聞いております。

○吉田委員 次に、財政負担の問題についてお聞きしたいのですけれども、かなりまとまった地域の計画であり、しかも、この計画に伴って下水の処理施設なども新たに新設する等の計画が盛り込まれております。
 例えいい計画であっても、しかし、投資が過大であってはいけませんし、適切でなければならないと思うのですが、もしわかればこの事業の総事業費、それと、地元足立区及び東京都の負担が全体でどの程度になると現時点で予測されているのでしょうか。

○只腰開発計画部長 本事業でございます住市総事業でございますが、住宅の建設に伴いまして必要となる公共施設の整備等につきましては、国庫補助金等によりまして支援されることとなっております。
 ただ、具体的な設計の内容等が未定でございまして、あるいは、公団から処分される土地の価格が非常に流動的なこと等がございまして、総事業費につきましては、具体的な数値が精査できない状況でございます。
 ただ、ごくごく概算ではございますけれども、今、先生からご指摘のありました各事業に即して申し上げますと、初めのスーパー堤防関係でございますが、隅田川、これは都の管理する河川でございますので、都の負担があるわけでございますけれども、総額、隅田川関係で二十七億円程度。国費が八億円程度、残りは都費ということかと思います。
 それから、下水道関係のポンプ事業が、これは大変多額でございますけれども、百五十億円。国が五十億円、残りが東京都ということでございます。
 その他の、都市計画道路あるいは区画道路、橋を含めました都市計画道路、あるいは公園等の事業につきましては、区と公団等の中でこれから具体的な役割分担あるいは事業実施手法を協議していくことになります。
 現段階では、三事業を合わせた概算事業費につきましては、二百ないし二百五十億円程度になるのではないかというふうに考えております。

○吉田委員 最後に、どうしてもお聞きしておきたいことがあるのですが、それは、この地区計画の具体的な整備計画として定められて具体化されているのは、左の画面でいいますと、色が塗られている地域と、白い空間がありますが、その白い空間が隅田川沿いに公園計画があるわけですね。しかしながら、今回出されている議案で地区計画のエリアとして案件になっているのは、左側の既成市街地も含めて、環七までの大きな三角形なんですよね。
 なぜ、色が塗られた地域の地区計画が具体的に盛り込まれていながら、左側の広大な既成市街地も含めて一体の地区計画にするのか。現段階では、右側のところだけでもいいではないかというふうに、一般的に発想するのですが、広く既成市街地も含めて一体の地区計画にされることの意図がどういうところにあるのか、それが妥当なのかどうなのか、ご答弁をお願いいたします。

○小林地域計画部長 地区計画全体のエリアと整備計画区域との関係だと思いますけれども、そもそも地区計画制度と申しますのは、ある一定のまとまったエリアについて地区の整備目標を出すとか、あるいは土地利用の方針などを定めまして、その方針を踏まえて、計画の熟度に応じて、条件が整ったところから段階的に整備計画を策定する、こういった制度でございます。
 新田地区につきましては、足立区の都市計画マスタープランにおきまして、大規模土地利用転換をきっかけとする新たな住居系複合都市施設として位置づけられております。
 当該地区計画区域につきましては、先ほどもお話がございましたように、住宅市街地整備総合支援事業の区域にすべてが位置づけられておりまして、当該事業との整合を図りながら、大規模工場跡地における住宅を主体とした土地利用転換を契機に、地区全体の市街地環境を総合的に改善をしていく必要がある地区でございます。
 今回は、地区整備計画区域を工場跡地に限っておりますけれども、工場跡地の土地利用の転換を契機といたしまして、方針区域である跡地以外の地区につきましても、良好な市街地環境の形成に向け、条件が整ったところから土地利用を段階的に誘導していこうということでございます。

○吉田委員 私が懸念をするのは、この地区計画の目標にしても、土地利用の方針にしても、既成市街地の部分というのは極めて抽象的にしか書かれていないのですよね。しかし、この地区計画の網がかかると。そうすると一体、地区計画の網がかかったことによって将来どういう事態が発生するのかということは、この地区計画の文言そのものでは極めて抽象的でわかりにくいわけです。土地利用の方針でいえば、例えば、土地利用を段階的に誘導するというふうな極めて抽象的な文言になっています。
 また今、手前の工場跡地と一体的にという趣旨だと思うのですけれども、じゃ、一体的にというのはどういうことを将来的に起こし得るのかということも、極めて抽象的なんです。
 なぜ私がそういう懸念をするかといえば、色が塗られた今回具体的に工場跡地で整備する地域は、荒川側のスーパー堤防と隅田川側からのスーパー堤防によって、その地域は全部、少なくとも大体四メートルぐらいの高さでかさ上げがされるわけですね、堤防部分だけではなくて、あの土地全部が四メートルの高さにグラウンドラインが上がるわけですから。それに対して既成市街地の方は、四メートル以下の低い地域に残っていて、それ自身がちょっと変形的な異質なまちが二つ生まれるような面が非常に懸念はされるのですけれども、そうすると、例えば既成市街地のところも、今後スーパー堤防がさらに延長して、全体か、あるいはかなりの地域で地盤のかさ上げというのが起こり得るという可能性はあるわけですか。

○只腰開発計画部長 スーパー堤防による地盤の段差の関係でございますけれども、ご指摘のように、図面にございますように、スーパー堤防は、荒川沿いそれから隅田川沿い両方の川岸に沿いまして順次高度を上げていくような形での盛り土がなされるわけでございます。
 既成市街地側でございますけれども、これらにつきましては、段階的な整備ということで、河川管理者側はいっておりますので、長い目で見て順次整備をしていくということでございますけれども、当面の段階におきましては、旧市街地側との間に段差が出ますので、その段差につきましては、工場跡地側に緩衝地帯を設けましてその段差を調整するということで、まちづくりの一体感を損なわないように計画がなされております。

○吉田委員 そうすると、段階的にという言葉も非常に意味深長なんですけれども、既成市街地の住民の方々は、自分たちの地域もどういう段階でどういう形で進むかわかりませんが、スーパー堤防事業によって盛り土して高くなっていくのだということは、承知をしているんですか。そういう構想だということは知らされているのですか。

○只腰開発計画部長 先般、荒川沿川の開発整備構想の中で、河口からずっと東京都のエリアを越えまして埼玉のエリアに至る区間につきまして、両側につきまして、基本的には、スーパー堤防により整備をすることによって超過洪水に対する安全性を高めるという基本的な計画はでき上がっております。
 ただ、ご指摘のように、既成市街地におきましてスーパー堤防事業をやるということにつきましては、面整備等の事業と合体でやりませんと、なかなか個々のお宅を盛り土をするということはできませんので、そういう事業につきましては、先行的に面整備あるいは、今回のような工場跡地の整備と一体的に、あるいは先行的にできるところは順次やっていくと。
 それから、既成市街地等で面整備をやることにつきましては、困難性のあるところにつきましては、順次その合意の形成状況を見ながら進めていくというふうに、私ども聞いております。

○吉田委員 私は、スーパー堤防についていろんな意見があるわけですけれども、少なくとも今回の地区計画が直接の整備対象地域だけではなくて、広い範囲に及ぶ、しかも文言としては極めて抽象的ですからよくわからないわけですけれども、現実的には、スーパー堤防を段階的に既成市街地にも拡大していくということになりますと、非常に既成市街地にお住まいの方にとっては重大な影響、関心事になるわけだと思うんですね。
 したがって、僕は地区計画の本来の趣旨や経過からすれば、やはり整備計画と一体で出していくのが、極めて妥当なものであり、そういう整備計画の煮詰まらないまま、幅広い地域でとにかく網だけ一体的にかけておこうというのは、やり方としては極めて疑問であるということを述べさせていただいて、私の質疑を終わります。

○清水委員 三つの項目についてお伺いいたします。時間も経過しておりますので簡潔にさせていただきます。
 まず、ナンバー9の多摩都市計画、八王子都市計画及び町田都市計画新住宅市街地開発事業の変更についてお伺いいたします。
 約三十年にわたって多摩ニュータウン事業が進められてまいりまして、南多摩の丘陵を約二千三百ヘクタール、四市にわたって事業が進められてきたわけです。今回出されました都市計画の変更の理由は、この概要の二五ページに書かれているように、少子化などの社会、経済情勢の変化に対応して、良好なまちづくりを推進というふうにしてあります。しかし、全体として、多摩都市整備本部が中心に進められている多摩ニュータウン事業の再構築の一環として行われているものというふうに理解をします。
 具体的に今回の変更というのは、何カ所もあるわけですけれども、事業区域から除外をする地域の決定、それからもう一つの主なものは、義務教育施設をその他の公益的施設用地に変更するということが、主な内容になっているわけです。
 そこでお伺いいたしますが、この間、この多摩ニュータウン事業というのは、公的住宅建設事業というのが東京都や公団などが中心で進められてまいりましたが、ある時期から民間が行うとか、また未利用地の売却ということで、さまざまな事業者がこの地域に進出できるようになって、今、売却が進められております。今回の変更部分も含めると、民間に販売する面積というのはどのくらいになるのでしょうか、お伺いしたいと思います。

○小林地域計画部長 多摩ニュータウンの新住宅市街地開発事業は、東京都と東京都住宅供給公社、それから都市基盤整備公団の三者が、区域を区分をいたしまして施行しております。
 このうち公社の施行区域については、既にもう事業が完了しておりまして、事業計画内における今後の処分可能な面積につきましては、平成十一年度末現在で、東京都の施行区域で約百十四ヘクタールです。それから公団の施行区域で約二百三十ヘクタールでございます。

○清水委員 そうすると、総面積約二千三百ヘクタールのうち、これから処分をしようとしている面積というのは、都と公団を合わせると三百三十ヘクタールになるというふうに思います。
 そこで、今回の出ている変更に対して、地元市とか地域住民に対して、どのように協議し説明を行ってこられたのか、お伺いいたします。

○小林地域計画部長 今回の変更に対する市あるいは地元住民に対する説明ということでございますけれども、平成十一年の七月以来、多摩都市整備本部が地元市と協議を重ねてまいりました。また、今回、事業区域から除外されます、直接利害関係を有する住民の方々に対しましては、八王子市内につきましては平成十一年の三月、それから稲城市内につきましてはことしの七月に最終的な地元の説明を行い、ご理解をいただいているというふうに伺っております。

○清水委員 今の説明だと、事業区域から除外をする地元の住民に対して説明を行ったということで、もう一つの、義務教育の施設を公益的な施設に変更する周辺の住民には行っていないというふうに理解をしたわけです。
 それで、特に例えば八王子市における今回の変更などの場合、何カ所かを見ましても、周辺に住宅が密集していますし、それから長い間、その場所に中学校を建設してほしいとかそういう要請も、もう私自身、市議会のときに受けたり相談に乗ってきたりということで、地元の住民の皆さんがそうした公共的な施設ができるというふうに思って、ずうっと長い間住んできたわけですけれども、その住民の方には説明も、もちろん要望も聞いていないということですが、今回提案されていますけれども、その意見というのは十分に聴取をされていないのではないかというふうに考えるわけですが、その点ではどのように認識されていますか。

○小林地域計画部長 教育施設のうちの小学校一校それから中学校一校を用途変更をしておりますけれども、新しく十九住区というところに建設を予定していた中学校、小学校でございまして、これから新しくつくる住宅の方々が通う、そういった学校でございますので、従来からお住まいの方々はそれぞれの住区の中に小学校、中学校がございますから、そういった通学区域の変更というものは従来の住民の方々には生じませんので、そういったことではご説明をしてございません。

○清水委員 直接に小中学校に通うという問題をいっているのではなくて、その地域にどういう施設が建設できるのかということに対して、周辺の住民が要求とか考えをいう機会がなかったではないかということを、私はいいたいわけです。
 具体的に、公団が計画をしておりました、図面でいくと五〇ページの十九住区の、今いわれた小学校、中学校用地なんですけれども、ここは現在まだほとんどの部分が宅地の造成が行われていないというふうに思うんですね、この地図を見ましても。
 それから、現在処分されていない用地というのは、草が生えていたり住民が多少入っていってレクリエーションをしたりとかいうことで、現在開放されているところもあれば、開放されていないところもあったり、また駐車場に一時貸し出しをしたとか、いろいろのことで使われているわけですけれども、この十九住区の場合、多摩丘陵との、丘陵地としては流れとなっているわけですし、そうした緑地を、小中学校の計画がもう必要なくなったのだったら、わざわざ造成をしてそこをまた民間に売るという必要がどうして出てくるのかということが大変疑問なんですよ。宅地を造成してしまったところというのはまた別の利用の住民要望があるわけですけど、この部分はまだ自然の緑地で残っているわけですから、このまま公団が残していくという責任というのもあるのではないかなと。
 それから、それ以外の用地でも、売却するという方法を決めるのではなくて、住民が畑に利用して、そして緑地として残すというような意見なども今出ているわけです。
 まず、そういう緑地としての利用ということに対して、どのように考えられますか。

○小林地域計画部長 先ほども申し上げましたとおり、多摩ニュータウンの造成工事につきましては、公社施行分については既に完了しておりまして、都施行分についても進捗率が九六%ということで最終段階に入っております。今後開発が予定されておりますのは、主に公団の施行区域で、先ほど先生がお話しの、八王子市内の十九住区が中心になろうかと思います。
 今回の計画変更では、茶表紙の事前説明会資料集の五七ページにもございますとおり、現存する植生をできる限り残すように、十九住区内の公園の位置及び規模の変更も行っております。
 また、今後の造成に当たりましては、良好な環境が形成されるように、多摩都市整備本部が公団と十分に調整を図っていくというふうに聞いてございます。
 また、新住宅市街地開発事業区域内では、全体で約三七%の緑とオープンスペースを確保しておりまして、今後の宅地利用に際しても、宅地内緑地をできるだけ確保するよう、多摩都市整備本部を通じまして開発事業者を指導していくということでございます。

○清水委員 現在でも、東京都の公社の住宅も賃貸などは大変高家賃だということであいているわけですよね。ですから先日、三宅島の皆さんが移られた別所の住宅なんていうのは、百戸のうち五十戸があいていたわけです。五十人の三宅島の方が、そこの住宅供給公社の賃貸の中に入られたわけですけれども、既に建設をされている住宅で、分譲するものもまだ売れていない、それから高家賃のものも入らない。そういう中で、三百ヘクタールも、すべて民間とはいわなくても民間の住宅が建っていくような用地が提供される。全体のまちづくりでそれが本当に成り立っていくのか。そういう問題が一つあると思います。
 それからもう一つは、これまで、二千三百ヘクタールの中の多くの丘陵地を削って、まあ三十年にわたって、都心に集中した住宅は建てられないということで、多摩を都心のベッドタウンということでこちらに移り住んできているわけですけれども、しかし、映画のポンポコタヌキなどのような話にもなっていますけれども、やはり丘陵地を開発したということに対しては、今非常に多くの残念だと思う気持ちだってあるわけですよ。
 ですから、少なくとも小中校の建設、これから必要かということを考えればそれはいたしかたないとは思うんですけれども、じゃあ、小中校でなくなった用地を、わざわざ公団が自然の緑地を開発する意味というのが本当にあるのかという点では、やはり私は、都市計画局として考えていただきたいのは--多摩ニュータウンというのを、東京の中でどういう都市づくりをしているのか、どういう位置づけを行っていくのかということは、議論をされていないというふうに思うんですよね。これまで多摩都市整備本部が再構築検討委員会とか活性化委員会とかというのを十一年からやって十三年にまとめるといっていますけれども、その中には、この多摩ニュータウンのまちづくりをどうするのかということが、都市計画局としてまとめて反映をされていないというふうに思うんです。
 そういう点では、やはり多摩ニュータウンを、ただ、売却できるところが三百ヘクタールあるからそれを売却していくんだ、東京都も公団もしていくんだと、そういうことでわざわざあの緑地を削ってまでやる。しかも、どういうまちづくりをするかは決めていないという点では、都市計画局として根本的にまちづくりの検討をすべきではないのですか。どのようにお考えになりますか。

○小林地域計画部長 多摩ニュータウンの開発につきましては、事業に着手以来、住宅難、あるいはそういった良好な住宅地として確保するために、さまざまな住宅を供給してきたわけでございますし、また、時代の変化に対応した職住近接のまちづくりを進める、あるいは多摩の心(しん)の一つとして位置づけるなど、その時々に合ったまちづくりの需要に対応した事業展開を図ってきたわけでございます。
 それから、先ほど先生からもお話がございましたように、緑の確保についても、緑地量、先ほども申し上げましたように、緑地とオープンスペースを合わせて四割弱の、そういった緑地、オープンスペースを確保するなり、自然との調和のとれた住宅地の開発として私どもの方も努力をしてきましたし、これまで培ってきました自然豊かな、そういった良好な住宅地が今後とも維持できるように、また職住近接のまちづくりが進むように、都市計画の側面からも私どもとして努力をしていきたいというふうに考えております。

○清水委員 都市計画局として多摩ニュータウンの都市づくりについての検討というのは行われずに、私は、再構築とか活性化が多摩都市整備本部を中心に行われていると思います。ですから、二千三百ヘクタールの中で、本当に三百ヘクタールがこれまでと違った形で進められていくということは、まち自体が一体どうなっていくのかというふうになっていくと思うんですよね。
 そういう意味では、今ニュータウンに既に住んでいる方は、テレビなどでも紹介されていますけれども、小さな子どもを持った家族が住むまちとして出発してきたわけで、じゃ、高齢者のはどうするんだとか、そういう問題に対しては非常に大変なまちになるというふうなことを、マスコミなどからいわれています。分譲でお買いになった方もたくさんおられます。閑静な部分もあるので住み続けたいという方もおられます。そういう意味では、高齢者になっても住み続けられるニュータウン地域をどうつくるのか。
 それから、子どもたちのやはり元気な声が本当にあのまち全体に響いているようにするにはどうしたらいいのかということを、皆さん真剣に考えておられます。
 それから、NPOの代表の人が、東京都のいろいろな審議会なんかにも出ているんですね、あのニュータウンの方で、NPOのことをやっている方が。ですから、住民同士が心を通わせるそういうまちを、新しいまちでつくりたいというふうなことをいろいろやっているわけです。
 そういうことを、住民参加をして活発に取り組みを行われている方々のそういう意見を、このニュータウンのまちづくり全体を都市計画局として再検討するべきではないかと思うのですけれども、その点について都市計画局長にお考えをお聞きできたらと思います。

○山下都市計画局長 多摩ニュータウンは、非常に長い歴史を持ってございます。先生、先刻ご承知のことと存じますが、昭和三十年代には、住宅の大量供給ということから始まって、非常に大きな役割を果たしてきたわけでございますが、ある時期から、やはりベッドタウンではだめではないかというふうなことで、業務施設を導入するというふうな形から、現在の多摩ニュータウンあるいは南大沢といったところで、核となる施設を導入していこうというふうなことが行われてまいったわけでございます。
 東京都全体といたしましても、いわゆる多摩の心(しん)というようなものに位置づけ、あるいは、今回、第五次首都圏基本計画では業務核都市の一つとして位置づけるなどいたしまして、多摩の自立化という側面からいろいろと施策を進めてまいったわけでございます。
 長い歴史の中では、現在まだ、先ほど来ございますように、まだ宅地として売れ残っている部分もございますが、一方では、既に高齢化している、あるいは地域の商店街として非常に衰退をしていて活性が失われているというところもございまして、多摩ニュータウン全体は非常に複雑な様相を呈しているのが昨今でございます。
 この中で、少子高齢化社会を迎えることになったわけでございまして、今後は東京都としては、多摩地域全体の活性化にこの多摩ニュータウンをどうやって位置づけていくかという広域的な観点で施策を強化していくということのほかに、やはり地域経営という立場からまちづくりをやっていく必要もあるのではないかというふうに考えております。
 そうした意味では、今回の再構築の考え方におきましても、そうした面を強く打ち出しているわけでございまして、都と区が役割分担を持ちながら、広域的な観点とそれから地域のまちづくりといったものをあわせて行っていくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。

○清水委員 いろいろの問題点を認識されているのならば、住民参加というのが一層重要だというふうに思うんです。しかし、問題点を認識されておられながら、上位計画、国や都の計画をその地域に当てはめようとしたら、うまくいくはずがないと思うんですよ。
 私は、安易な民間への宅地販売という形でこのまちを、せっかく今まで、多少なりとも問題はあるけれども進められてきた、そうした形を、私は大きく変容させていくのではないかというふうに、今いろいろな事業者が出てきて実感をしているので、その懸念を表明しておきたいと思います。
 次に、先ほども触れられた方がおりましたが、11番の八王子都市計画道路の問題ですけれども、これは駅前広場の問題を先ほども触れられて、そして答弁されておりましたが、私は一つだけ、この八王子駅南口の駅前広場の整備の根拠となっている八王子駅南口地区第一種市街地再開発事業の問題点について、指摘をしておきたいというふうに思いますが、二つだけ確認したいと思います。
 一つは、計画が決定されてから今日までいろいろな変遷があったわけですけれども、その経緯について簡単にご説明いただきたいということと、それから、今回出されている開発事業の総事業費と、それから各補助金のシェアと、補助金の額について、予想されている額をお知らせいただきたいと思います。

○只腰開発計画部長 八王子駅南口地区第一種市街地再開発事業についての経緯でございますけれども、昭和五十六年ごろからいろいろまちづくりの研究会等が発足しておりまして、平成五年の三月に、同じ事業の名前で都市計画決定の告示がされてございます。
 ただ、非常に経済状況の変化等ございまして、キーテナント等の入居の問題等があったわけでございますけれども、今般、平成五年に定めました都市計画決定時の面積であります九万六千五百平米、これを経済環境の変化に対応いたしまして、業務床を減らす等の適切な見直しを行いまして、事業化が可能な適正規模ということで八万四千平米に減らしたものでございます。これによりまして、今後の事業の適切な進行が可能になるのではないかと考えております。
 それから、資金関係でございますけれども、現在のところ本事業の総事業費につきましては、二百三十五億円程度だろうというふうに予測をしてございます。
 再開発事業に対しましては、一般的に、再開発ビル、施設建築物等の建設に対します補助金といたしまして、この場合は、試算でございますけど、三十億円程度。このうち国が半分、残りを都と市で折半という感じになろうかと思います。それが一つ。
 それから先ほどのご質疑にもございましたけれども、駅前広場等の道路関係の整備がなされることによりまして、公共施設管理者負担金、つまり、そういう施設の整備に対する公共側の負担というのが出てまいりまして、これが現段階で約三十九億円程度。このうち国費が十九億円程度、都費が五億、市費が十五億円程度ではないかというふうに試算をしているところでございます。

○清水委員 先ほどからのお話もありますように、この南口再開発の業務核都市の中核施設として、それから多摩の心(しん)の再開発の地区として位置づけられて今日まで進められ、キーテナントの決定を見ないということで延期されてきたわけですけれども、この間に、先ほどもお話ありましたように、北口の再開発の事業も進められました。
 これまで三年間、私は何度もこの委員会で指摘してまいりましたように、北口の再開発の中では、当初市が買い取る必要のなかった地下駐車場を、多額のお金をかけて買い取らざるを得ないとか、それから、今大規模な地下駐車場ができているわけですけれども、その地下駐車場も新聞などで、閑古鳥が鳴いている、大赤字ということで、今回、一時間五百円というのを四百円に利用料を下げたようですけれども、そんなことをしながらも、その赤字を解消できない。
 そういう中で、改めて南口側に、まず財政の問題から見ても、今お話しいただくと大体市の負担というのは二十三億程度の負担になるかと思うんですね。それだけの負担をまたしなければならないし、業務床を減らしたと、業務核都市といいながら業務床を減らして、結局、大型店の出店。今回は東急ストアが一階から四階部分に出る。それから東急ストアグループが複合映画館をつくるなどという計画が出されているというふうに伺い、ほとんどが大規模店になると。
 しかも、多摩そごうの撤退というふうなことで、八王子北口側には八王子そごうというのがあるのですけど、これが一体どうなるのかというんで、多摩そごうの撤退のときに大騒ぎしたわけですけれども、現在何とか八王子そごうはやっている。
 それに、また南口に東急ストアが出るんだということ。北口には、もう一つ再開発に東急スクエアというのがあるわけですね。その東急スクエアとそごうと、京王八王子駅にももう一つ大型店がある。
 その南口に出て、もう八王子の地元の商店街というのは、北口だけの再開発だけで、本当にもうどうやって生き残りをするかというのを一生懸命市自身がやっていながら、そうした大型店をつくることによって、そこに力を注ぐことができないという状況の中では、一つは財政の問題と、一つはまちづくりの問題で、これ自身がこういうやり方を依然として今の時期に進めていっていいのかということを、やっぱり東京都自身が業務核都市とか多摩の心(しん)でいってきたわけですから、それを東京都全体の方向から見てやっぱり改めていく、もう一度考え直していく、そういう方向を示さなきゃいけないというふうに思っています。
 この問題で最後に、財政の問題でもう一ついえば、最近大きな問題になりました、小学校の蛍光灯が古くて、PCBの危険にさらされたということで、これも二年前にもあった、五月にもあった、そういうこともわかっているんですね。それで、全部取りかえるのに七、八億円かかる。今回はもうこれだけマスコミの大きな問題になりましたから、七、八億円を借りても取りかえると。
 これは仕方のないことだと思うんですけれども、こうやって本当に子どもたちの命にかかわる問題も先送りにし、それから少し前には、耐震をしていない学校が膨大にあるというんで、全部の名前が毎日新聞に掲載されて、もうその学校の父母たちは大騒ぎしているわけですけれども、それにも莫大な費用がかかる。
 こういうときに、学校の蛍光灯がPCBにさらされていてどうしてこんなビルが建つんだということをいう意見も、先ほどの説明会の五十人の中からは、PCBの前の時期でしたけど、お金があるのかという声だって出たわけですよ。
 ですから今回は、駅前広場の問題ですけれども、これ自身がやっぱりこういう計画をそのまま進めていっていいのかということを、ぜひ立ちどまって考えなければいけない時期だというふうに指摘をしておきます。
 最後に、もう一つは、土地区画整理の意見書の問題についてお伺いいたします。
 これは、説明資料でいえば一三九ページになりますけれども、約三百四十ヘクタールの、これも丘陵地を、昭和六十三年の建設大臣の認可から、公団の土地区画整理として進められてまいりました。今回は、道路の拡幅の変更ということで、それに対する区画整理事業の変更に対して意見書が、住民から約八十件余り出されている、その意見書がここに説明をされているわけですね。
 この計画というのは、もう時間がありませんから詳しくいいませんけれども、住民にしてみれば、平均減歩率四三・七%だと。九九%の方は家屋を移転をする。大変な住民負担で進められているものです。
 今度、この道路の二十二メートルから四十メートルの拡幅という理由は、これまでの道路計画を変更して、別の場所に移して拡幅するわけですけれども、その道路計画の理由というのは、この土地区画整理事業の後に発生しました八王子南道路計画、圏央道の南インターからつながるその道路の一環として、今回道路の変更がされて拡幅されるというわけです。
 この道路の計画自身も、九四年と九五年には、地元の説明会では四カ所で約一千名が参加し、それから意見書が約五万通出された道路計画。そして建設省が今進めるところになっております。
 そういう中で、今回のこの意見書が出されたわけなんですけれども、この道路自身が今回かかっているわけではありませんから、一、二点だけ伺いたいと思います。
 そこで、当初の二十二メートルの道路から、今回四十メートルの道路に変わったということでこの住民の意見書が出ているわけですけれども、計画交通量というのはどう変化をしていくというふうになっているのでしょうか。

○只腰開発計画部長 現在図面に出ておりますけれども、八王子三・四・一四号線でございますが、今のような形で、これは図面が右側を切ったあれでございますけれども、地域を斜めに遮断するような形で当初計画決定されておりました。それにつきましては、昭和六十年に当事業の環境影響評価を行った際に予測をしているわけですけれども、一日に約一万二千百台ということになってございます。
 また、今ご指摘のございました八王子三・三・二号線、東京八王子線でございますが、平成九年の二月に変更されたわけで、それを今回盛り込むわけでございますけれども、平成八年の環境影響評価書におきましては、一日の交通量は、掘り割りになる本線部が三万一千九百台、それから平面道路になる側道部が八千八百台、合計で四万七百台ということになってございます。

○清水委員 一万二千台余りから四万台余りになっているということでは、この意見書の中にもありますように--既に住民が住まわれております。公団のパンフレットには道路ができますよということが書いてあるというふうにいわれますけれども、しかし、この拡張する道路によって大きな環境の変化というのを住民が危惧するのは当然だというふうに思います。この導入によって、ここに変更が書かれているように公園の場所とか内容などが変わっているのだというふうに思います。
 それで、この意見書に対する返答では、適正な土地利用変更である。住民の側は、公園や緑地の変更を余儀なくされて困るというふうにいわれていることに対して、面積を確保するから適正な変更であるといわれているわけですけれども、場所とか内容が変われば、その質までも変わるわけなんですけれども、そういう点から見て、なぜ適正だというふうに公団の側はいうのでしょうか。

○只腰開発計画部長 ご指摘の八王子三・三・二号線の導入によりまして、今図面で指してもらいますけれども、片倉つどいの森公園あるいはその先の栃谷戸公園等が影響を受けるわけでございます。こういう導入によりまして影響を受ける公園でございますけれども、導入箇所は、ご指摘のように公園、緑地の面積が減少するわけでございますが、施行区域内におきまして他の緑地を拡大する、あるいは同等の公園、緑地の規模を確保して整備するということ、あるいはその整備に当たりまして現況の植生あるいは湧水等の保全に配慮する、こういうふうな配慮を重ねまして、良好な緑の環境となるように計画をしたものであると。それゆえ適正であるというふうに私ども聞いております。

○清水委員 四百ヘクタール余りのこの土地の中に面積を確保すれば適正に利用しているというふうにいわれるわけですけれども、しかし、四百ヘクタールというと、本当に車なしでは動けない広さですよね。ですから、こちらにあった公園をこちらにやってそれが適正だというのは、それは地図の上でいえることで、住民に、こちらにあったものを向こうの公園に行きなさいと、そういう話にはならないと思うんですよ。
 ですからやはり、この道路を拡幅するための土地変更だからそれは適正だというふうに、そういうふうにいうのではなくて、じゃ、住民利用にとってどうなのかという観点から見ていただきたいというふうに思います。
 もう一つ、意見書の中に、「本事業によって、『ホタル沢』のホタルの供給源である『なしのき沢』の湿地が減少する。『なしのき沢』を広く保全してください」という意見がありまして、それに対してここに回答をされているわけなんですけれども、じゃあ、そのなしのき沢というのはどのぐらいの広さなんですか。

○只腰開発計画部長 先ほどの答弁ちょっと補足をさせていただきますと、一四九ページに区画整理事業の設計図がついてございますけれども、今回変更になります公園につきましては、この図面の右側でございまして、区域からしますと北側の外れの地区でございます。
 それを適正に今回配置がえをすることによりまして、この図面にございますように、公園としてはバランスのとれた配置になるのではないかということで、適正というふうにいっているわけでございます。
 それから、なしのき沢でございますけれども、場所的には、今指してもらっていますが、南の方の沢でございます。規模は比較的小規模でございまして、沢の入り口が、間口でおよそ二十メートルぐらい。それから、湧水があるわけですが、その湧水までの奥行き部分が七十メートルぐらいということで、小規模な沢でございます。

○清水委員 公団の考え方は、この地域は丘陵地でしたから、大変にホタルの生息地だったわけで、それを一カ所に、ホタル沢というところに集約をするという考え方で、このなしのき沢、今ご説明がありました、本当に小さな、二十メートルと奥行き七十メートルという、そういう狭いところなんですけれども、そこをこのホタル沢に集約をするのだということで、この要望が出ているわけです。
 この地域では住民が、この公団の開発に、計画になったからには、まあそれまではいろいろ意見をいっていたけれども、いろいろ協力しなきゃいけないなということで、自然保護団体の方が一生懸命こういうことをやられているわけですが、そのなしのき沢というのは、ホタルが現存の土として残っている最後の一カ所だけなんだそうです。四百ヘクタールの開発の中に一カ所だけ、ほんの一部だけ今までの土を盛ったところにホタルが出ているのだそうです。それで、今まで出ていなかったクロマドボタルというのとスジグロベニボタルというのを、ことしは発見をしたそうなんです。そういう大変専門的な方々も集まって保全をされているようなんですよね。ですから、こうやって今回も意見書を出されたわけなんです。それで、環境局にこの場所を保全してほしいという要望が先日出されたというふうにきょう伺いました。
 そういう意味では、やはり道路計画に対しても意見が出ていますし、それからこの土地区画整理事業に対しても今日まで造成が進められて、住民が住んでいるということでは--それはより住みやすいまちをつくっていくことになるわけですけど、最後に残されているわけなんです。このなしのき沢というのを何で残すことができないのですか。

○只腰開発計画部長 ご説明はしてございませんが、資料の一四二ページでございますけれども、意見書に対する、設計に関することということで、そこの中に、今のお話と同趣旨の意見が出されておりまして、それに対して施行者側で回答してございます。
 このなしのき沢周辺でございますけれども、図面で出しますが、八王子三・三・六八号線という都市計画道路がございます。それから、なしのき沢の東を通ります十二メートルの区画街路、そういうものとの地盤高との関連がございまして、造成計画上どうしてもそのなしのき沢を保全することができないということでございます。
 都市基盤整備公団におきましては、造成工事着手前に、生育環境を復元したホタル沢というのを別につくっておりまして、人工養殖したホタルをそこに放流して保全を図ってございます。なしのき沢のホタルにつきましても、ホタル沢への移殖を行うというふうにいっているところでございます。

○清水委員 確かに移殖をして成功したものがあるかもしれません。しかし、ホタルの一番大事なものは土なんだそうです。だから、ことし初めて、もう一回いうことができないような名前、スジグロベニボタルとか、そういう今まであった土だから出てきたということがあるということでは、今、造成工事が必要だからということでいわれましたけれども、ちょっと時間がないので聞き直ししませんけれども、造成工事によってできるところは業務施設用地なんだそうです。
 その業務施設用地というのは、約三十九ヘクタール計画しているのですけれども、現在進出している企業は一・八ヘクタール、決定しているところは〇・二ヘクタール。ここも業務核都市の中核施設ですよ。その三十九ヘクタール中二ヘクタールの業務進出しか決まっていないんですよ。それを、こういうわずかなものも削って、そして業務施設用地に造成して、そして草が生えるというようなことにもなりかねないじゃないですか。
 だから、こういう自然保護の方たちが、貴重な、小さな場所ですけれども最後に残してくれというのは、私は当然だと思うんです。これだけの広いところを皆さん協力されてきているわけですから。莫大なお金をかけてみんな家を建て直して住んでいるわけですよね、あっちへ仮入居してこっちへ仮入居してということで。そういう点では、地元の方がいっている最後の緑地などは、きちんとやはり残していく姿勢を公団に、東京都としてもやはり強く主張していただきたいというふうに、この意見書が出ておりますから、要望しておきたいと思います。

○寺山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○寺山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市計画局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十分散会

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