都市・環境委員会速記録第十二号

平成十二年九月十四日(木曜日)
   午後一時七分開議
 出席委員 十三名
委員長尾崎 正一君
副委員長清水ひで子君
副委員長吉野 利明君
理事大西由紀子君
理事森田 安孝君
理事たぞえ民夫君
真鍋よしゆき君
竹下 友康君
かち佳代子君
谷口 卓三君
新藤 義彦君
立石 晴康君
田中 晃三君

 欠席委員 一名

 出席説明員
都市計画局局長山下 保博君
次長石山 伸彦君
技監勝田 三良君
理事塩野 忠弘君
総務部長野田 一雄君
総合計画部長中島  守君
開発企画担当部長田中  亨君
地域計画部長小林 崇男君
施設計画部長杉浦  浩君
航空政策担当部長山内 一良君
外かく環状道路担当部長成田 隆一君
開発計画部長只腰 憲久君
防災都市づくり推進担当部長福島 七郎君
建築指導部長森下 尚治君
参事河島  均君
環境局局長中野 英則君
総務部長平井 健一君
企画担当部長梶原 康二君
技術担当部長関  寿彰君
移管事業調整室長西野 和雄君
環境改善部長長谷川 猛君
参事小島 高志君
自動車公害対策部長松葉 邦雄君
自動車公害対策推進担当部長山本 憲一君
自然環境部長高田 茂穗君
廃棄物対策部長薄  厚一君
環境評価部長町   格君
環境科学研究所次長萩本 秋彦君

本日の会議に付した事件
 都市計画局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都建築指導事務所設置条例の一部を改正する条例
・東京都建築安全条例の一部を改正する条例
・東京都都市計画局関係手数料条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・東京ベイエリア21(中間のまとめ)について
・秋葉原地区まちづくりガイドライン-中間のまとめ-について
・震災復興グランドデザイン(中間のまとめ)について
陳情の審査
・一二第六号の一 国分寺都市計画公園なだれ上公園指定地等の学校施設建築許可の取消し等に関する陳情
・一二第二六号 成城グリーンプラザ用地の宅地開発等に関する陳情
 環境局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都環境基本条例の一部を改正する条例
・東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
・東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画策定協議会条例等の一部を改正する条例
・東京都公害防止条例及び東京都環境事務所設置条例の一部を改正する条例
報告事項
・「緑の東京計画」中間のまとめについて(説明)
・大田区道におけるダイオキシン汚染について(説明・質疑)

○尾崎委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴者の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でございますが、傍聴希望者が定員以上いますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○尾崎委員長 次に、第三回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしましたので、ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市計画局並びに環境局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件及び報告事項の説明聴取、都市計画局関係の陳情の審査を行います。
 なお、第三回定例会提出予定案件及び大田区道におけるダイオキシン汚染を除く報告事項については、本日は、説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は定例会中に行いたいと思います。
 また、報告事項、大田区道におけるダイオキシン汚染については、本日は、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承を願います。
 これより都市計画局関係に入ります。
 初めに、さきの人事異動に伴い、都市計画局長に山下保博君が就任されました。また、幹部職員の一部に交代がありましたので、山下局長からあいさつ並びに紹介があります。

○山下都市計画局長 去る八月一日付の人事異動によりまして、都市計画局長を拝命いたしました山下保博でございます。
 微力ではございますが、委員長を初め委員の先生方のご指導、ご鞭撻を賜りまして、都市計画行政の発展に全力を尽くす所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、異動のございました幹部職員をご紹介させていただきます。
 次長の石山伸彦君でございます。技監の勝田三良君でございます。総務部長の野田一雄君、総合計画部長の中島守君、開発企画担当部長の田中亨君、地域計画部長の小林崇男君、外かく環状道路担当部長の成田隆一君、開発計画部長の只腰憲久君、防災都市づくり推進担当部長の福島七郎君、建築指導部長の森下尚治君、以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○尾崎委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○尾崎委員長 次に、第三回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○山下都市計画局長 平成十二年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております都市計画局関係の案件をご説明申し上げます。
 提出予定案件は、条例案が三件でございます。
 お手元の資料1、平成十二年第三回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。表紙に記載している順にご説明をさせていただきます。
 まず、東京都建築指導事務所設置条例の一部を改正する条例案についてでございますが、これは田無市と保谷市が合併し、西東京市が設置されることに伴い、規定を整備するものでございます。
 次に、東京都建築安全条例の一部を改正する条例案につきましては、建築基準法及び建築基準法施行令の改正により性能規定が導入されたことなどに伴い、所要の規定整備を行うものでございます。
 最後に、東京都都市計画局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございますが、これは建築基準法施行令の改正により、所要の規定整備を行うものでございます。
 私の説明は以上でございますが、引き続き詳細な内容を総務部長より説明させていただきます。

○野田総務部長 平成十二年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております条例案三件につきまして、お手元に配布してございます資料1、平成十二年第三回東京都議会定例会提出議案説明資料によりましてご説明申し上げます。
 まず初めに、東京都建築指導事務所設置条例の一部を改正する条例案につきましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。改正条例案の概要を記載しております。
 本条例は、地方自治法第百五十六条第一項及び第二項の規定に基づきまして、建築指導事務所の設置及びその名称などを定めております。
 改正の理由でございますが、来年一月に予定されております田無市と保谷市の合併による西東京市の設置に伴い、規定を整備するものでございます。
 条例案の概要でございますが、東京都多摩東部建築指導事務所の所管区域から、田無市及び保谷市を削り、西東京市を加えます。
 なお、二ページから三ページには条例案文と提案理由を、四ページには新旧対照表をそれぞれ記載してございます。
 続きまして、東京都建築安全条例の一部を改正する条例案につきましてご説明いたします。
 五ページをお開き願います。改正条例案の概要を記載しております。
 本条例は、建築物の安全、防火及び衛生の一層の向上を図ることを目的として、建築基準法に基づき、建築物の敷地、構造及び建築設備並びに工作物に関する基準を定めております。
 まず、改正の理由でございますが、建築基準法の一部を改正する法律及び建築基準法施行令の一部を改正する政令において、性能規定が導入されたことなどに伴い、所要の規定整備を行うものでございます。
 次に、条例案の概要を説明いたします。
 (ア)の建築規制の性能規定化に係る条文の追加についてでございますが、従来の建築基準法では、建築物の仕上げや防火などの仕様について、具体的に材料や工法などを定めておりました。これを一定の性能を満たした場合には、多様な材料、設備、構造、避難の方法を採用できるように本年六月に建築基準法が改正され、設計の自由度の拡大や技術開発による低コスト化などが図れることとなりました。このため、都が定める条例におきましても、建築基準法におけるこのような性能規定の導入を踏まえ、例えば火災が発生した際に、建築物内の全員が安全に避難できることが検証される場合には、避難規定の一部を適用除外とするなど、法改正に合わせ条例の規定整備を行うことといたします。
 (イ)の障害者及び高齢者に配慮を要する特殊建築物に関するものについてでございますが、公益上必要な特殊建築物に、駅舎などの旅客施設や郵便局などを追加し、障害者などへの配慮を定めた条文の適用対象を拡大するなど、条例の規定整備を行うことといたします。東京都福祉のまちづくり条例の内容との整合を図るという趣旨での改正でございます。
 (ウ)の、その他についてでございますが、建築物の敷地と道路との関係を規定している条文について、都市計画区域内に適用することを明確にするほか、社会情勢の変化に合わせ所要の整備を行っております。
 なお、本条例の施行予定でございますが、本定例会で議会のご承認を得て、十一月一日から施行したいと考えております。
 ただし、福祉関連の規定につきましては、条例の適用対象を拡大することとなるため、改正内容の周知期間を設け、来年一月一日から施行したいと考えております。
 また、六ページ以降に条例案文と提案理由を、三一ページ以降には新旧対照表をそれぞれ記載しております。
 最後になりますが、東京都都市計画局関係手数料条例の一部を改正する条例案につきましてご説明いたします。
 六七ページをお開き願います。改正条例案の概要を記載しております。
 建築基準法施行令の一部を改正する政令により、「電動ダムウエーター」という表現が「小荷物専用昇降機」と改正されたため、これに合わせて条例上の表現を改めるものでございます。
 なお、六八ページから六九ページに条例案文と提案理由を、七〇ページから七一ページには新旧対照表をそれぞれ記載しております。
 以上で、平成十二年第三回東京都議会定例会に提案を予定しております条例案の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議お願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 それでは、資料要求はなしといたします。

○尾崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○田中開発企画担当部長 それでは、東京ベイエリア21並びに秋葉原地区まちづくりガイドライン、いずれも中間のまとめにつきまして、一括してご説明させていただきます。
 まず、「東京ベイエリア21(中間のまとめ)」についてご説明申し上げます。
 本件につきましては、港湾局と共管で検討を進めてまいりましたもので、港湾局からも、本日、経済・港湾委員会へ報告をいたしておりますことを、あらかじめご報告申し上げます。
 それでは、内容の説明に入らせていただきます。
 お手元資料2の「東京ベイエリア21(中間のまとめ)」の公表についてをごらんください。
 東京臨海地域は、この資料の下の図にお示しする点線で囲まれた区域で、おおむね明治以降の埋立地に相当する約七千ヘクタールの区域となっております。この区域には羽田空港や東京港が存在するほか、臨海副都心開発や大規模な跡地開発が進められておりまして、二十一世紀に向け、文化、技術、情報を世界に発信していく拠点となる大変可能性の高い地域でございます。都といたしましては、この地域の整備を図るため、土地利用や基盤整備など都市づくりの指針や、東京港などの物流機能や、拠点整備の今後のあり方を提示するための検討作業を現在進めているところでございます。今回、これまでの検討内容を中間のまとめとして公表したものでございます。今後、都議会でのご議論をいただきますとともに、広く都民の皆様や関係者のご意見をいただきまして、年度内を目途に最終的な取りまとめを行う予定でございます。
 それでは、具体的内容の説明をさせていただきます。
 お手元に資料3として概要版、資料4といたしまして本文をお配りさせていただいております。本日は、資料3の概要版によりまして説明をさせていただきたいと思います。
 まず、東京ベイエリア21の性格でございますが、総合的、長期的な視点から、東京臨海地域の役割や目指すべき方向を示すものであります。
 次に、目標年次でございますが、おおむね二十年から二十五年後としております。
 なお、より長期的な視点からの都市づくりの方向についても言及しております。
 まず、第1章では、なぜ臨海地域に着目しなければならないか、こういう視点から、国際都市としての誘引力の低下など、現在の東京が直面するさまざまな危機を克服するため、東京臨海地域の特性を最大限に活用し、東京再生のための起爆剤とするとしております。
 第2章では、東京臨海地域の持つ潜在力を四つの視点から明らかにしております。
 まず第一点は、羽田空港と東京港を擁するなど、人、物、情報の結節点に位置することです。二点目は、工場跡地など大規模な土地利用転換が進展していること。三点目は、都心から十キロメートル圏内という、都心への近接性。四点目は、多様な水域の存在であります。
 次の二ページをごらんください。第3章では、第1節で東京臨海地域が今後果たすべき役割を述べた上で、第2節で具体的な再編整備の方向を四つ取り上げております。
 まず第一に、首都圏と世界を結ぶ人、物、情報のネットワークを創造することでございます。二点目は、二十一世紀の成長を支える新産業空間を創造することです。三点目は、職住近接と豊かな環境を備えた都市空間を創造することです。四点目は、心をいやす水辺空間を創造することです。
 次の第4章では、今申し上げました第3章で述べた四つの方向を具体化するための戦略的な取り組みについて説明しております。
 まず一点目が、東京再生に向けた都市基盤の強化の取り組みです。例えば羽田空港の有効活用等では、国際空港化、二十四時間化に向けたアクセスの強化を進めるとしております。また、首都圏新空港については、国や関係自治体との連携した取り組みを進めるとしております。次の物流関係では、東京港の機能強化とサービス水準の向上等を図ることとしております。さらに、広域的交通基盤や広域的な防災拠点の整備など、都市インフラの着実な整備についても述べております。
 二点目の戦略といたしましては、自然環境と調和した都市環境の創出です。海上公園の新しいあり方や、次の三ページでございますが、親水空間の整備や環境に優しい都市づくりについて記載しております。
 三点目の戦略といたしましては、東京臨海地域における新たな都市づくりの展開です。東京湾岸道路を境といたしまして、基本的には陸側を都市的機能、海側を港湾物流機能とすることにより、バランスのとれた整備を図ることとしております。
 臨海副都心につきましては、職、住、学、遊の機能が有機的に連携した、アメニティーの高い、バランスのとれた複合的なまちづくりを目指すとしております。
 さらに、周辺地区における新たな地域整備の動向と今後の方向として、新木場地区や豊洲・晴海地区などにおきまして、水辺を生かしたレクリエーションや商業空間、都心に近い立地特性を生かした都市型住宅など、今後のまちづくりについての幾つかの提案を行っております。
 最終章ですが、臨海地域の再編整備を効率的、効果的に進めていくための新たな仕組みづくりについて課題を提起しております。例えば、まちづくりの主体となる民間との連携を図る体制づくりや、民間開発を誘導するための新たな推進策、さらに土地利用面では、工業等制限法による立地規制の緩和など、今後検討すべき課題を整理しております。
 また、再編整備に向けた新たな体制整備といたしまして、都市機能や港湾機能の広域的な連携や、財政基盤の確立などにつきまして課題を提起しております。
 なお、これらの課題についての具体的な対応策につきましては、引き続き検討を進めまして、年度内を目途に最終の取りまとめを行う予定でございます。
 以上で東京ベイエリア21の中間のまとめの説明とさせていただきます。
 引き続きまして、秋葉原地区まちづくりガイドライン-中間のまとめ-についてご説明申し上げます。
 お手元に資料5としてガイドラインの骨子、並びに資料6として本文をお配りしておりますが、本日は資料5の骨子によりご説明させていただきます。
 まず、このガイドラインの背景でございますが、秋葉原地区におきましては、郊外店等の進出を背景といたしまして、地元の商店街に危機感が高まっておりまして、これからのIT時代に対応した秋葉原地区の再生が求められているという事情がございます。
 次に、目的といたしましては、まちの将来像を産業構造を含め明らかにし、ハード、ソフト両面のまちづくりを誘導しようとするものでございます。
 性格といたしましては、今後のまちづくりの方向を示すガイドラインでございます。
 次に、このガイドラインの対象とする区域でございますが、恐れ入りますが、対象とする区域は三ページの図をお開きください。点線で囲まれた区域、駅を中心とした区域二十四ヘクタールが対象となっております。地区内には神田市場跡地など大規模な跡地が存在し、現在都施行の区画整理が行われている地区でございます。
 恐れ入ります、また一ページにお戻りいただきます。ガイドラインの具体的内容についてご説明します。
 ガイドラインの内容は次の四つの項目に取りまとめております。
 まず一点目は、導入機能、土地利用に関する検討です。
 ここでは大規模跡地の存在など、秋葉原地区の現状を踏まえまして、今後のまちづくりの方向を示しますとともに、開発コンセプトを設定しております。このコンセプトは、先日、東京都産業振興ビジョンの中で都が公表いたしました「アキハバラ・シリコンアレー」構想と連携したコンセプトとなっております。このコンセプトに基づきまして、誘導すべき産業機能の内容を一ページの下の方にまとめております。
 さらに、次の二ページになりますが、土地利用の方針といたしまして、業務系、住宅系、商業系、それぞれの方針を示しております。
 この土地利用の方針に基づく機能配置のイメージを資料の四ページにイメージ図として図面を添付してございます。この図の上の図が平面の配置図で、下の図が断面から見た配置図となっております。
 それでは、また本文の二ページにお戻りいただきまして、内容の二点目でございますが、都市基盤に関する検討でございます。
 ただいま説明した方針に沿いましてまちづくりを進めていくためには、それを支える都市基盤を整備していくことが必要となってまいります。当地区に必要となる都市基盤施設といたしまして、駐車場、歩行者ネットワーク、そして情報通信基盤の三つの施設整備につきまして、そのあり方あるいは今後の検討の方向などについて整理をしております。
 三点目のまちづくりの実現化方策では、秋葉原地区の将来像を実現していくために必要な誘導方策を示しますとともに、行政と土地処分者の役割をそれぞれまとめております。
 四点目の今後の課題では、産業機能の誘致や駐車場の整備など、今後さらに検討すべき課題を抽出しております。
 なお、最終取りまとめにつきましては、今後、地元区や土地所有者等との調整を踏まえまして、今年度末を目途に取りまとめていきたいと考えております。
 以上で説明を終わります。

○福島防災都市づくり推進担当部長 続きまして、震災復興グランドデザインについてご説明をいたします。
 お手元の資料の番号7、8、9の三つが関連する資料でございます。資料7は、今回取りまとめました震災復興グランドデザインの中間のまとめの本編でございまして、一六ページほどのものでございます。資料8はその概要でございます。資料9はカラー刷りのパンフレットでございます。本日のご説明は主に資料8及び資料9に沿ってさせていただきます。
 最初に、資料に記載してございませんが、策定に至った経緯でございます。
 昨年九月の第三回定例都議会におきます知事の発言を受けまして、その後、具体の検討に着手いたしたところでございます。検討に当たりましては、慶応義塾大学の伊藤教授を初め七人の識者と、区並びに市の二名の職員、そして私ども都市計画局の職員が中心になって行ってまいりました。
 それでは、資料8、概要の一ページをおあけいただきたいと存じます。
 一ページの1、最初に震災復興グランドデザインとはどういうものかということでございます。いつ起きてもおかしくないといわれております直下型の地震を想定いたしまして、震災復興の過程で東京が目指すべき都市像を震災前にあらかじめ描いたものでございまして、この震災復興グランドデザインはそのモデルプランとなるものでございます。
 次に、2でございますが、震災復興グランドデザインの必要性についてでございます。震災が起きる前に、東京の復興について都民等と復興のイメージを共有しておくことが、東京を迅速に復興させるために不可欠でございまして、このことにより、東京ひいては日本の危機を回避することになるとの認識でございます。
 3でございます。次に、中間のまとめのつくりでございますが、図にありますとおり、震災復興グランドデザイン全体は、1の検討に当たっての前提以下、5の実現方策までを取りまとめる予定でございます。本日、中間のまとめは、3の震災復興の戦略プロジェクト構想までを取りまとめたものでございまして、ここまでの段階で都民の方々のご意見を伺うものでございます。おおむね十月末日までを目途にしておりまして、その後、記載にございます4の広域復興計画、また5の実現方策をまとめ、改めて都民のご意見を伺いながら策定してまいる考えでございます。
 続きまして、4の検討に当たっての前提でございます。大変恐れ入ります、カラー刷りの資料9をごらんいただきたいと存じます。この後こちらでさせていただきます。このカラー刷りでございます。
 被害の想定でございますが、図の真ん中から下にございます。この図でございますが、図の箱の一番下に記述がございまして、東京における直下地震による被害想定報告書、これは平成九年に東京都防災会議が取りまとめたものでございます。これに基づきまして作成したものでございまして、ネズミ色と申しましょうか、少し濃い目のところが地図に載ってございますが、左下の凡例にございますように、比較的大きな被害を受けると予想される区域を濃く塗ってございまして、おおむね区部の環状六号線から環状七号線沿い、環状に連担して分布するほか、中央線沿線の南北にも幅広く分布しております。
 パンフレットを開いていただきまして、左側、震災復興グランドデザインの基本的考え方についてでございます。
 今ほどご説明しました被害想定地域などが有する都市構造上の課題を、緑の箱でございますが、木造住宅密集地域の存在など四点ほど抽出いたしまして、下の楕円でございますが、このグランドデザインの目標を、被災を繰り返さない、環境と共生した国際都市の形成といたしたところでございます。
 こうした目標に、どのような方針で、また実現に向けて取り組むかの基本的な考え方でございますが、下の方に四つの基本方針を掲げてございます。一つは、震災に強い都市構造の構築、二つ目は、環境と共生したゆとりある都市の創造、三つ目は、世界をリードする高次元な都市機能・都市基盤の実現、四番目は、多様な主体の参加・協働による都市の再生を掲げてございます。
 実現の取り組みといたしましては、その青い方でございますが、被災市街地を中心とした抜本的な都市改造の推進のほか、八点ほどを掲げてございます。
 続きまして、右側の二ページを使っております大きな絵をごらんいただきたいと存じます。
 ここには、今ほどご説明をいたしました実現のための取り組みを、左上に記載がございますように、震災復興の戦略プロジェクト構想といたしまして、七点にわたってそのコンセプトをイメージであらわしたものでございます。例えば左上の被災市街地の再開発構想と申しますのは、被災地を安全、安心な市街地に形成していくものでございまして、図面の真ん中の東京全体の地図の中で、大きな被災が想定されるゾーンで主に展開するプロジェクトでございます。黄緑の地に薄い赤い色を載せた部分であらわしてございます。
 以下、表示はそのように引き出し線でごらんをいただきたいと存じます。また、上の段の真ん中の図でございますが、大グリーンネットワーク構想といたしまして、幹線道路と一体的に緑地あるいは樹林地を形成するような市街地形成をしていくというものでございまして、また、左側の真ん中、大規模な公園や大規模な公共施設をできる限り立体化した利用を目指しまして、地上部は緑やヘリポート、地下部におきましては、今後も起きるであろう、限定した地域での緊急事態を想定いたしまして、もろもろのバックアップ機能をおさめる、こうした公園を考えているものでございます。
 そのほか、右側の真ん中でございますが、中小ビルの瓦れきが大変発生をすると想定してございますが、これらの瓦れきを用いまして、地盤のかさ上げと申しますか、堤防をより後背地まで引っ張っていくというイメージでございますが、浸水のおそれをなくすなどの取り組みも提案をしてございます。
 また、左下でございますけれども、基幹交通ネットワーク構想といたしましては、基幹的な交通インフラを整備していく考えでございますけれども、例えばこの図にございますように、現在、都市部の河川などに設置されております高速道路なども地下に取り込むようなことをいたしまして、景観を取り戻すというようなこともプロジェクトの中で提案をしているものでございます。
 以上、実現のための取り組みといたしまして七つの戦略プロジェクトを提案いたしておるところでございます。
 最後に、パンフレットの一番後ろ表紙でございますが、都民の方々への問いかけでございまして、全国的にも例のない、初めての取り組みでありますことから、なかなか都民の方々にもなじみがたい内容でもある点も考慮いたしまして、幾つかの質問を載せてございます。
 また、「広報東京都」なども活用いたしてまいりますが、ご意見、ご提案を多くいただきますよう、インターネットなどでもアクセスしていただけるようにしてございます。先ほどの繰り返しになりますが、おおむね十月末日までご意見をちょうだいいたしたいと考えております。
 以上でご説明は終わります。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○清水委員 三つの報告で少しずつお願いいたします。
 ベイエリア計画については、関係区の臨海地域の計画はどのようになっているのかわかるものを示していただきたいと思います。
 二番目は、国の沿岸地域計画、この地域の計画はどのようになっているのかわかるものをお示しいただきたいと思います。
 秋葉原のまちづくりについて、一点目は、土地区画整理計画の経緯と事業費の予想について。
 二番目は、今回の計画地域内で予想される企業数や事業費についてお知らせください。
 三点目は、まちづくりのための促進要望が出されているというふうに報道がありましたが、その内容と団体などについてお知らせください。
 グランドデザインについては、阪神・淡路震災の復興経過や状況がわかるもの、それぞれお願いいたします。

○尾崎委員長 ただいま清水副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○尾崎委員長 これより陳情の審査を行います。
 初めに、一二第六号の一、国分寺都市計画公園なだれ上公園指定地等の学校施設建築許可の取消し等に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小林地域計画部長 整理番号1の一二第六号の一、国分寺都市計画公園なだれ上公園指定地等の学校施設建築許可の取消し等に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情審査説明表を二枚おめくりいただきますと、陳情に関します資料を掲げてございますので、ごらんをいただきたいと存じます。
 本陳情は、渋谷区、造研開発株式会社代表取締役福島純一さんから提出をされたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、国分寺市本町一丁目四百九十二番一ほか、面積四万六千三百八十二・六一平方メートルの国分寺都市計画公園第三・三・二号なだれ上公園指定地を含む土地に、学校法人早稲田実業学校が永続性を有する学校施設の設置認可を受けるまでの手続に不当ないし違法行為があるので、都市計画法第八十一条第一項第四号の監督処分等の規定により、都市計画法第五十三条第一項の建築許可を取り消すこと、及び当該土地における当該学校施設建築工事の差しとめなど必要な措置をとることを求めているものでございます。
 現在の状況でございますが、国分寺都市計画公園なだれ上公園は、昭和三十七年六月六日に都市計画決定された、面積約三・八一ヘクタールの近隣公園でございまして、将来事業者は国分寺市となっております。
 この公園の計画区域全域は新日本製鉄株式会社のグラウンド等として使用されてきたものでございます。
 また、平成十一年十一月四日には、学校法人早稲田実業学校から東京都多摩西部建築指導事務所に、なだれ上公園の全計画区域を含めた敷地において、中学校及び高等学校の建築について、都市計画法第五十三条第一項の規定に基づく許可申請書が提出をされました。
 次に、建築計画の概要でございますが、建築主は学校法人早稲田実業学校、理事長奥島孝康さんでございます。
 敷地の所在は東京都国分寺市本町一丁目四百九十二番一ほかでございます。
 地域地区は、第一種低層住居専用地域及び近隣商業地域、第一種高度地区及び第三種高度地区となっております。
 主要用途は、中学校及び高等学校でございます。
 規模は、敷地面積が五万四千二百五十七・五三平方メートル、建築面積が一万二千三百五十三・六三二平方メートル、延べ面積が二万四千二百六十二・九五三平方メートルでございます。
 構造及び階数は、鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造、地上三階建て、地下一階建てでございますが、なだれ上公園計画区域内につきましては、すべて鉄骨造、地上二階建てとなっております。
 東京都多摩西部建築指導事務所では、この許可申請を審査した結果、本件申請は都市計画法第五十四条に規定されております許可基準に適合しているというふうに認められることから、平成十一年十二月十四日に都市計画法第五十三条の第一項の規定に基づき建築の許可をしたところでございます。
 説明は以上でございます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一二第六号の一は不採択と決定いたしました。

○尾崎委員長 次に、一二第二六号、成城グリーンプラザ用地の宅地開発等に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○只腰開発計画部長 私からは、整理番号2、一二第二六号、成城グリーンプラザ用地の宅地開発等に関する陳情についてご説明を申し上げます。
 先ほどの資料10をめくっていただきまして、左肩に整理番号2というふうに書いてございます。それから右側に関連の図面がございます。あわせまして、陳情審査件名表というのがお手元にあろうかと思いますけれども、その三枚目でございますが、陳情の願意並びに理由が書いた書面がございます。それをあわせてごらんをいただきたいと思います。
 本陳情でございますけれども、成城グリーンプラザ地域の自然環境を守る会代表内海彪氏外千五百五名から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますけれども、先ほどの審査件名表の方をちょっとごらんいただきたいと思います。
 この願意でございますけれども、記載のとおり、成城グリーンプラザ用地の宅地開発等の動きに対し、自然環境の保護、災害時の避難場所確保の見地から関連各業界に適切な指導、勧告、監視等を行っていただきたいというものでございます。
 その理由でございますけれども、段落の二番目にございますように、当該用地は、大変自然豊かな環境があるということで、近い将来、宅地開発などによりスプロール化し、無残に破壊されることは許しがたい。次の段落でございますけれども、さらに、テニスコート等の広い面積の平地は災害発生時も貴重な空間であるということ。さらに、当該用地でございますけれども、周辺からのアクセスの観点からも、大規模な集合住宅建設には適さない。さらに、当該敷地の一部でございますけれども、外郭環状道路の計画用地に該当しているということで、その用地が広大な荒れ地として放置される可能性が強いということで、そのような理由から願意のような趣旨になっているものでございます。
 資料10にちょっとお戻りいただきまして、図面をごらんいただきながらお聞きいただきたいと思います。
 まず、成城グリーンプラザ用地等の状況でございます。図面の右にございますけれども、当該用地は、小田急線の成城学園前駅から北西に約一キロメートルに位置する約七ヘクタールの土地でございます。地区の中央を、下にございますように、野川が左の上から右の下の方に流れております。そこを挟みまして四つのブロックから成ってございます。
 また、この地区でございますけれども、上の図面にございますように、南側が世田谷区、真ん中が狛江市、それから一番上側といいますか、北側が調布市ということで、一区二市にまたがっておる地区でございます。
 ここにつきましては、サッポロビールの系列の会社が昭和四十八年からゴルフの練習場、下の図面の一番南の端でございます。それから、テニスコート、その残りの余の一部でございます。そういうような施設として運営をしているものでございます。
 なお、これらの施設につきましては、平成十二年十月末に閉鎖する旨の通知あるいは掲示が既になされていると私ども聞いておるところでございます。
 次に、この地区におきます現在の都市計画等の位置づけでございます。
 全域が市街化区域でございまして、地域地区は第一種低層住居専用地域でございます。このうち、南側の世田谷区に属する部分でございますけれども、第二種の風致地区、それから土地区画整理事業を施行すべき区域、及び関連の地区計画が都市計画決定されておるところでございます。
 さらに、図面では右側でございますけれども、地区の中央を流れる野川の左岸に沿いまして、外環というふうに図面で入ってございますけれども、東京都市計画道路外郭環状線が既に都市計画決定をされておるところでございます。
 それから、地区の東側でございますけれども、線が重なっておりますが、これが等高線でございまして、国分寺崖線及びそれと一体となった地域におきましては、東京都の景観条例に基づきまして、現在、国分寺崖線景観基本軸を平成十二年度中に策定する予定でございます。
 なお、内容は若干異なっておるというふうに聞いておりますが、この件につきまして地元議会にも陳情がなされておりまして、世田谷区においては継続審議、それから調布市及び狛江市におきましては採択というふうに私ども聞いております。
 説明は以上でございます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○真鍋委員 ただいま都の説明といいますか、状況の報告があったわけですけれども、この陳情はことしの三月二十九日に提出されていまして、きょうがもう九月でございますから。今ご説明もありましたが、これまで、昭和四十八年からですから、二十七年になるんでしょうか、成城グリーンプラザというスポーツの施設があり、その施設はゴルフ場、テニスコート、会員制でありますけれども、その会員の方々に一方的といいますか、ことしの十月末で打ち切るというお話があってから、地域で、どうなるんだろうかという声が上がりました。それで、今のお話ですと、まだまだ具体的ではなくて、現在の都市計画はこういうのがありますよ、場所はここですよというような説明なんですけれども、この開発というものが一体どこまで現時点で進んでいるのか、今どうなっているのか、これからどうなっていくのかというところが一番大事なことであると思います。
 それで、一点ずつ確認をしていきたいんですけれども、まず、ここは、今お話がありましたとおり、国分寺崖線という緑、また、世田谷区内では風致地区という指定であるとかという緑、それから、今申し上げました、スポーツ施設として地域の方々の大事な健康増進の場、またコミュニティの場である。この施設が閉鎖をされるであろう。また、そういう通知も会員に出されている。一体これがどうなるのかというのがまず一番具体的に知りたいところでありまして、現状、成城グリーンプラザはどうなっているのか、まずその点お尋ねします。

○只腰開発計画部長 ご質問の成城グリーンプラザの状況でございますけれども、先ほど少し説明いたしましたが、サッポロビール株式会社の系列会社というふうに聞いておりますが、現在のところは、サッポロスポーツプラザという会社が、ゴルフの練習場及びテニスクラブ等を経営しております。同社は、このテニスクラブの会員に対しまして、閉鎖のちょうど一年前に通知を行うというクラブの規約に基づきまして、昨年の十月に、平成十二年十月末をもって閉鎖する旨の通知をいたしたところでございます。現在、これを不満といたします会員の皆様方と経営者側との間で調停の手続が進められているというふうに聞いているところでございます。
 なお、現地におきましては、会員以外の利用者のために、テニスコートあるいはゴルフの練習場等を閉鎖する旨の掲示が既になされているところでございます。

○真鍋委員 今そういうことで閉鎖をするよという通知というか出されて、会員の方と今調停の手続中ということでありますので、まだこのところは、成城グリーンプラザといいますか、サッポロビールがお持ちなんだと思うんですけれども、そういう今調停をちょうどしていますよという間にも、いろいろな開発の準備というのが進められているというふうに巷間聞いておりますし、その辺が、その調停をしている間にそういうのがどんどん進んでいく。一体どうなるんだろうかと、これは近隣の方々が心配するのは当たり前のことだと思うんですけれども、この宅地開発についての調整や手続の状況はどうなっているのかお尋ねします。

○只腰開発計画部長 宅地開発についての調整あるいは手続の状況でございますけれども、当成城グリーンプラザが廃止された後、仮にでございますけれども、廃止された後でございますが、宅地開発を行おうとする場合、この場合はいわゆる都市計画法に定めます開発行為あるいは土地区画整理事業等の手法が想定されるところでございます。この場合の許認可でございますけれども、ちょうど一区二市にまたがるわけでございますけれども、この区部につきましては、区に私ども移譲済みでございます。すなわち世田谷区の所管事項になります。それから、開発に伴います、当然基盤整備というのが要るわけでございますけれども、その基盤整備につきましては、地元の自治体との調整が大変重要であるということになります。現在、事業者、その予定者が事業手法あるいは基盤整備の内容につきまして、地元自治体と調整を行っているところでございます。
 都といたしましては、問い合わせ等もあるわけでございますけれども、適宜関係の自治体から報告を受け、その自治体間の調整などを現在行っております。
 なお、現在のところ、この宅地開発につきましての許認可等の申請は現時点ではまだ行われてございません。

○真鍋委員 東京都の機構上というか、今の成り立ちで、区や市に事前の調整をしている。都の方としてはまだ正式に出てないんだからというようなお立場だというふうに伺ったんですけれども、先ほども申しましたけれども、一体どうなっていくのかなということが一番肝心なことでありまして、このことについて近隣の方々がきちんと承知をされないと、いろいろな不安、心配が広がるというのは当然だと思いますので、この後、都の役割等も伺っていきたいなと思うんですけれども、一方、先ほどお話もありましたけれども、成城グリーンプラザのこの土地には外郭環状の都市計画が既に決定をされていまして、この外郭環状につきましては、地下案ということで都市の基盤を強めようと、石原知事が大変ご熱心に動き出されています。この委員会でも、担当の部長さんができているということでありますけれども、この外郭環状について、現状、どういうふうな今状況になっていますかお尋ねします。

○成田外かく環状道路担当部長 外郭環状道路の状況についてのお尋ねでございますが、現在、先生お尋ねのように、地下化を前提とした外環の基本的な構造について検討を進めているところでございます。これも地元との合意形成に向けまして、現在地元団体との話し合いを精力的に進めている状況でございます。

○真鍋委員 私、かつてドイツの方に参りまして、高速道路が地下を走っていて、上が自然の森という状況を見てきまして、ああ、こういうことがもう今人間の力でできるんだなということで感心して帰ってきたんですけれども、この外郭環状の必要性、しかし、環境に配慮し、また緑を確保するという部分、その中でとり得る策がこの地下であるというふうに私は思います。
 それで、地下にした場合に、その地下の上の利用というものが、地上部の活用ですね、これがいろいろな形で活用できると思います。大事になってくるのは緑であると思うんですが、市民の憩いの場であるとか、例えば健康増進の場であるとか、いろいろなことが考えられていくわけでありますけれども、そのような外郭環状の活用といいますか、そういう工夫があってしかるべきだと思うんです。ですから、特に今回のこの地域なんかもそういう緑に囲まれたところですので、一体外郭環状はどうなってしまうのかなという、こんな心配もあります。ですから、私が今申し上げましたような地下案、そして地上部の活用というものについていろいろな工夫があるんじゃないかなと思うんですが、東京都はどうお考えなんでしょうか。

○成田外かく環状道路担当部長 地上利用に関するお尋ねでございますが、外環を地下にしたときの地上部のあり方につきましては、今後の重要な検討課題だと思っております。地上部の利用に関しましては、当世田谷地域だけではございません。外環十六キロの全線を見ながら、地域の特性やあるいはまちづくり等を踏まえた上で、地元区市等の意見を聞き、進める必要があると認識してございます。

○真鍋委員 この陳情の中身にも、外郭環状の予定地に該当しているため、半恒久的な構築物の建築が認められないことから、広大な荒れ地として放置される可能性が強く、ということでご心配をされているわけです。
 それで、今の外郭環状を凍結解除、地下案ということの今鋭意努力をされているんですけれども、この外郭環状について、例えば当該地区で、外郭環状が先にありますよと、この陳情されている方のご心配のように、そこが本当に例えば番線が張られて、中が荒涼たる荒れ地になって、それが何年も何十年も放置される、そんな状況になったら大変なことだと思います。
 また、その部分に一戸建てのお宅が建った場合、個人の権利がたくさん発生すると、一体この計画はどうなるんだろうか、こういう心配もあります。ですから、ここらが、これからもちろん区市の指導があるわけですけれども、東京都の役割というのはこういう部分でも大変大きいと思いますし、何とかそういう、この陳情書にもあるような心配を払拭するように努力をしていただきたいと思います。
 そこで、今までずっとお話を聞いてくる中で、これだけ時間がたっているわけですが、十月末日で閉鎖なんでしょうか。でも、今調停をしているということでもありますので、まだまだ東京都の方には正式に持ち上がってこないというところの今審査日を迎えていますので、大変都の方も、これからどうしていくのかというところも現時点で明確に示すことはできないのかもしれません。しかし、この成城グリーンプラザがその利用者の方々にそこまで宣言をされているとなれば、この資本主義、自由主義経済社会の中で、じゃこれはどうしてもやめなさい、ずっと維持してくださいよということも、もちろんこれが皆さんのどから手が出るほどいいたいことだろうし、それが一番円満な解決策だと私も思うんですけれども、企業が経営改善をする中で自分の権利を行使するときに、行政が一方的にだめだということもできない、こういう非常に難しい問題があると思います。だからこそ、そこに行政の役割、指導というのが大変大きな影響を及ぼすのではないか。
 また、今申し上げましたけれども、緑、それから市民、住民の方々に憩いの場、それから、これからこの東京都になくてはならない外郭環状、また、それに伴う緑の確保等、たくさんの課題があるわけでありまして、先ほど申しましたとおり、近隣の方々の、まず情報がないこと、一体東京都や各自治体は何をやってくれるんだろうかというところが一番関心のあるところだと思います。ですから、東京都は現時点でまだ何も具体的に上がってこないからというだけではなくて、今区や市の方にも、先ほどのお答えで、いろいろ確認をしているようにも聞こえました。ですから、これからこの開発が一つの可能性として具体的に進んでいくならば、東京都はどのような役割を果たしていくのか、自治体として、行政としてどのような役割を果たしていくのか。今申し上げましたとおり、近隣の方々の希望、また不安、それを払ってもらう意味でも、東京都の役割は重要だと思います。現時点のところでしか今お話しできないと思いますが、この開発がもしか進んだ場合に、東京都の果たす役割、そのことをお尋ねして私の質問を終わります。

○山下都市計画局長 最近、まちづくりに当たりましては、地域の個性あるいは潤い、安らぎといったことが求められております。また、都市の景観につきましても、都民の関心も非常に高まっているという状況にございます。
 都では、これらの声にこたえるため、平成九年には景観条例を定めまして取り組みを進めているところでございますが、ちょうどこの地域を通る国分寺崖線につきましても、景観基本軸を設定する準備を行っているところでございます。ご指摘のとおり、当地域は崖線や野川の豊かな自然環境あるいはすぐれた景観を有しているところでございます。開発を行う場合には、これらとどう調和させていくかということが課題になると考えております。
 また、この地域は道路交通上の課題を有している地域でもございまして、計画が具体化される際には、適切な基盤整備を指導する中で、崖線も守ること、あるいは地域の環境保全や健全な市街地の形成が図られるよう宅地開発の適切な指導に努めてまいりたいと存じます。
 都といたしましては、この開発につきましても、適法に許認可の申請がなされた場合には、必要な行政手続を行うこととなりますが、いずれにいたしましても、まだ具体的な計画が出ていないという状況でございますので、今後とも関係区市の動向を見きわめながら、関係区市とも適切に協議をしながら、我々も対応していきたいというふうに考えているところでございます。

○たぞえ委員 私も同じ世田谷区民の一人として、この陳情についてお伺いをさせていただきます。
 まず、この成城から野川の付近の地域とはどういう地域なのかということなんです。先日、私も野川沿いを歩いてこのグリーンプラザの付近を調査をしてきたんですが、ここは森や遊水池など、そういうものが連担をしている都内では有数の景勝地です。特に晴れた日には、遠く大山国定公園ですとか、また多摩丘陵だとか、大変すばらしい景色と武蔵野の面影がセットされた、本当にこのまちに住んでみたいなという気を起こさせるような、そういうすばらしい地域であるというのが私の実感であります。先日、その喜多見から国分寺まで野川を歩いたわけですが、沿川を歩く中でも、特にこの地域は国分寺崖線が目の前に迫っているという点では、東京の西の地域として本当に豊かな自然が残っているところであります。
 この地域に、ゴルフ場などのスポーツ施設が閉鎖されることによって、三井不動産建設が住宅建設計画を行おうというわけでありますが、大変住民はこの開発計画に危惧を感じていらっしゃる。そこで、どのような建築物が建てられようとしているのか。

○只腰開発計画部長 どのような建築物を建てようとしているのかというご質問でございますけれども、先ほどご説明いたしましたように、現在事業者が宅地開発を行うということで地元自治体と調整をしているということでございます。その中では、住宅系の建築物を想定しているというふうに聞いているわけでございますけれども、具体的な規模等につきましては、明確になっておらない状況でございます。

○たぞえ委員 今住宅系といわれましたが、それは低層ですか、高層ですか、どっちですか。

○只腰開発計画部長 私どもとしましては、住宅系の建築物の内容につきましては、現在、先ほど申し上げましたように、明確に承知をしておりません。

○たぞえ委員 世田谷区に三井不動産株式会社が折衝しているようですが、高さ二十メートルほどの建築物を六棟から八棟という話が行われております。東京都は世田谷区の、そうした地元自治体の折衝を確認していますか。

○只腰開発計画部長 世田谷区とは情報交換等は行っておりますが、先ほどお答えをいたしましたとおり、具体的な住宅系の建物の規模、内容につきましては私どもは承知をいたしておりません。

○たぞえ委員 それでは、東京都には今日段階で開発事業者から全く折衝がない、こういうことですか。

○只腰開発計画部長 昨年来、都にも具体的な開発手法あるいは先ほど申し上げたような都市計画上の規制等につきまして問い合わせがありまして、私どもといたしましては必要な対応を行ったところでございます。

○たぞえ委員 結局、業者は、東京都には、どういう建物ならばどういう規制を緩和できるのか、どういう用途変更ができるかなど、いろいろな具体的な事例を持って来ているわけですよ。ですから、低層か高層か、いろいろな案を持ってきて、どうだろうといっている、そのものが都民の前になぜ公表されないのでしょうか、もう一度お答えください。

○只腰開発計画部長 私どもといたしましては、開発事業者がこの宅地開発につきましていろいろな案を練っている段階というふうに聞いております。したがいまして、その住宅の規模あるいは内容等につきましては、明確になっておらないという状況でございます。

○たぞえ委員 建築確認申請が正式に出る以前に、業者は、こういうプランの場合はどうなんだろうか、こういって地方自治体に接触をしているわけですから、やはり現時点での公表、情報公開というのは東京都としてやるべきだというふうに思いますよ。周辺住民の皆さんが一番危惧しているのは、どういう建物によればどういう影響が出るか、このことについて、その建物の大きさや構造、規模が今はっきりしない、しかし、どういうものならばどういう影響があるのか、そこをきちんと都民に知らせることによって、自然の保全というのは都民と一緒に行われるんじゃないですか。
 少し具体的に聞きますが、現在、このゴルフ場の海抜は二十三・四メートルであります。仮に世田谷区に接触している構造物、約二十メートルの建築物が建った場合、その住宅棟の屋上部分の高さと、それから後ろに控えている国分寺崖線、この標高差はどのぐらいになりますか。

○只腰開発計画部長 崖線の上の高さでございますけれども、地域によりまして多少高低差があろうかと思いますが、がけの上の地盤高さは標高で四十五メートルぐらいかと思います。今ご指摘のように、二十三メートルに、仮にでございますけれども二十メートルの建築物ということになりますと、四十三メートルでございますので、がけの上の線とは二メートルの差ということになります。ただ、崖線上はご承知のように樹木がたくさん茂っているような状況でございますので、それをいい添えさせていただきます。

○たぞえ委員 四十五メートルというのは国分寺崖線の一番高い地点なんですよ。高い地点から低くなっていくわけです。その国分寺の崖線の一番ゴルフ場に面したところが高さが二十七・三メートルです。そこに住宅が張りついているわけです。ですから、二十メートル程度の建物が建てば、後ろは二十七メートルですから、もうほとんどこの景観というのは失われてしまう。五十メートル、四十五メートルという地点から見れば、現在二十三ですから、それに二十を足して四十三でしょう。四十三と四十五ですから、二しか差がない。すぐ真後ろのところが二十七・三ですから、二十三・四メートルの海抜に二十を足して四十三、そうするともう建物の裏になっちゃうんですね、この住民の住宅や景観が。ですから、何も前が見えない。しかも、野川の向こうには小田急の電車基地が、大きなコンクリートの基地が既にある。今でも見えないのに、さらに見えなくなっちゃう、こういう心配を皆さんは考えているわけなんです。こういうことになりますと、景観が現状よりも失われるというふうに考えられませんか。

○只腰開発計画部長 先ほど来申し上げていますように、具体的な建築の計画が示されておりません。したがいまして、景観に対する具体的な影響につきましては推測はできませんけれども、本地区周辺にご指摘のような国分寺崖線、こういうものもあることから、開発計画が具体化された段階では、景観に配慮するよう事業者に対して求めてまいる必要があろうかと思います。

○たぞえ委員 現状の景観に多少なりとも影響は出るというふうに今お認めいただいたというふうに思います。
 それで、こういう景観を壊してしまいかねないという住民の皆さんに対して、東京都としてはどういう考えをお持ちなんですか。

○只腰開発計画部長 今ご指摘のように、当地区に隣接をいたしまして国分寺崖線あるいは野川というのがあるわけでございますけれども、この宅地開発に当たりましては、これらとの調和を図るということは重要な課題ではないかというふうに私ども考えているところでございます。都といたしましても、関連の一区二市ございますので、その自治体との調整を図りながら、都市基盤等を適切に誘導する中で、崖線の保全等を図るなど、地域の環境や景観の保全に努めてまいる所存でございます。

○たぞえ委員 それでは、現状なんですけれども、この住宅予定地では、現在建築規制の制度はどういうものが適用されていますか。

○只腰開発計画部長 先ほどの資料の整理番号2の下の方にも記載してございますけれども、この地域でございますけれども、第一種低層住居専用地域内でございます。したがいまして、建築物の用途あるいは建ぺい率、容積率、高さの制限等が厳しく制限をされてございます。
 また、記載してございますように第二種の風致地区内でございまして、建ぺい率あるいは外壁の後退距離、建築物の高さの制限等がございます。
 また、地区計画西部地域喜多見・成城地区が定められておりまして、建ぺい率、容積率、建築物の形態あるいは意匠及び垣あるいは柵の構造の制限等がございます。
 なお、外環の区域あるいは土地区画整理事業すべき区域などの都市計画決定された地区につきましては、ご承知のように都市計画法第五十三条によります建築制限があるわけでございます。

○たぞえ委員 そうしますと、新しい建築物のプランが現実に示された段階では、現行の土地利用のあり方や用途は変更があり得るんですか。

○只腰開発計画部長 先ほど来申し上げているとおり、具体的な開発の計画の内容が明らかではございませんので、一般論でお答え申し上げますと、一般的には、開発行為あるいは土地区画整理事業等のいわゆる基盤整備、道路、公園等の基盤整備を伴う事業、こういうものがなされた場合でございますけれども、それに見合いました有効な土地利用を図るために、従来より適切な用途地域等の見直し等を行ってきているものでございます。

○たぞえ委員 現状の第一種低層ですとか第二種風致地区とか、いろいろな規制がある地域である。しかし、建物の申請次第によっては現行の用途の指定は変更せざるを得ないだろうと、一般的にそうなんだというふうに今おっしゃいました。今でもかなり規制されているのに、ここに二十メートル程度の住宅が建つような現実のプランが示されれば、それにその建物をつくる条件整備をしなきゃならぬということになるというふうに私は思うんですね。その現在のスポーツ施設の土地だけではなくて、周辺を含めて、都市基盤の整備、これはどのように今やられようとしているんでしょうか。

○只腰開発計画部長 先ほど来お答え申し上げていますように、具体的な開発計画の内容が明確ではございませんので、はっきりしたご答弁にはならないということでご容赦いただきたいわけでございますけれども、仮に周辺を含めて整備するというような委員ご指摘のような手法ということになりますと、例えば土地区画整理事業等の手法が考えられるわけでございます。ご承知のように、土地区画整理事業につきましては、換地等の手法によりまして、周辺の土地を交換をする、入れかえをするというようなことが可能でございますし、また、道路、公園等の基盤整備も同時に行われる、このような手法であろうかというふうに私どもは考えております。

○たぞえ委員 このスポーツ施設のすぐそばに、区域としては狛江市ですけれども、谷戸橋というのがあります。このスポーツ施設に住宅をつくるとなりますと、その橋では持ちこたえられない。それから、国分寺崖線と現在のスポーツ施設との間の狭隘な道路、これではとても新たに集中する人口をさばくことができない。ここも広げなきゃいけない。スポーツ施設のゴルフ場の用地の中にも、それだけの人口が来るわけですから、当然、区画道路も入れなきゃいけない。こういうことが都市基盤の整備の手法としてあるわけですよね。橋も直してあげましょう、道路もつくってあげましょう、基盤整備は大いに行政がやりましょう、そういういろいろな手続を踏んで、さあ、一種低層も変えましょう、第二種風致地区も解除して、大いに住宅に適したまちにしましょうということを--これじゃ私は建築物をどうぞつくってください、こういうことを東京都が誘導しているというふうにいわざるを得ないんですよ。自然を守ろうというならば、自然の活動と経済の活動、どっちを優先するかということは、これは行政もいろいろ考えはあるでしょうけれども、今この地域は、そういった残された東京の、最後といわれるような自然環境の地域ですよ。これとどう調和するか、そこをまず優先的に考えるのではなくて、どうしたらその住宅がきちんと備わるかという、そのためのいろいろな都市基盤の整備をどうするかということに熱中してしまう。これってちょっとおかしいんじゃないかなって、私はある方からもそういうお話も聞きました。
 現在、東京都と世田谷区はその調整を図っているというふうにおっしゃっていますけれども、どういう調整を図っているんですか。

○只腰開発計画部長 先ほどご説明いたしましたように、世田谷区分につきましては、区画整理あるいは開発行為の権限が区に移譲されてございます。そういうこともございまして、ご指摘のように、事業者が地元自治体、これは世田谷区も含むわけでございますけれども、その自治体と基盤整備等について調整をしておるということで、都といたしましては、その一区二市から適宜報告を受けまして、必要な調整を行っているというところでございます。

○たぞえ委員 しつこくて申しわけないんですけれど、今いわれた必要な調整って、何ですか。

○只腰開発計画部長 先ほどの図面をちょっとごらんいただきたいわけでございますけれども、陳情一二の二六号の位置図、平面図でございますけれども、先ほど最初の説明にも申し上げましたように、世田谷区あるいは狛江市、調布市が、大変境界の入り組んだ形で当該地、境界が入ってございます。そういうことで、面的な整備ということになりますと、先ほどご指摘のありましたような地区内の道路あるいは公園の配置等につきましては、そういう区境を含めた調整が必要になるわけでございます。
 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、いわゆる境界権者が違うというようなこともございますので、その辺のそごがないように、最終的には、周辺整備としまして、都市施設の水準の高い市街地ができるような必要な調整を行っていると、こういうことでございます。

○たぞえ委員 結局、申請が出れば、建物の規模を、要求どおり東京都は対応しなきゃいけない、とめようがない。これで、どうして緑や景観を守ることができますか。
 聞くところによりますと、この建築物は、二次的な影響も指摘されているんです。大体四百五十戸だろうと。そうしますと、一世帯一台の車を持つとして、四百五十台。野川のすばらしい景観のところに四百五十台が集まってくるんだと。そうなりますと、この国分寺崖線といったって、高尾山のような立派な山じゃないんですよ。一気に駆け上れるぐらいの程度の高さです。そこにこういった車が通れば、本当にがけは大丈夫だろうかと、崖線そのものの存在にも影響しかねないというふうに皆さんは考えているわけですよ。ですから、世田谷区だけではなくて、東京の緑と歴史の存亡にかかっている問題だと、こういうふうに私はいわざるを得ないんですよ。
 調布市議会の建設水道委員会が八月三十一日、狛江市議会の環境建設委員会は五月十二日、それぞれ住民の意向を尊重して陳情を採択しました。環境への影響と負荷を防止する、そのために行政も議会も働こうと、こういう対応の姿勢なんですね。私は、東京都が、もっと環境に広域的な責任を、この景観の保全と回復に困難な事態が生じるようなことになった場合には、率先してこの保全のための方向に悠然と立ち向かう、努めるべきだと思うんですが、部長、どういうふうに悠然と立ち向かいますか。

○只腰開発計画部長 先ほど来、先生からご指摘ございますように、当地区に隣接をいたしまして、国分寺崖線あるいは野川という自然環境があるわけでございます。これらの地区の開発に当たりましては、こういうような景観あるいは環境との調和を図っていくということは、ご指摘のように重要な課題であるというふうに認識はしております。
 都といたしましても、先ほど申し上げたような、自治体間の調整を図りながら、公園等の都市基盤等の適切な誘導を図る、こういう中で崖線の保全を目指す、そういうような総合的な施策を組み合わせまして、地域の環境や景観の保全に努めてまいる所存でございます。

○たぞえ委員 道路や橋や公園をつくる、都市基盤整備をするから、適切な誘導の中で崖線の保全を図るとおっしゃいますけれども、それは担保がないんですよ。現実に、どういう建物が建つかもわからないとおっしゃっているんでしょう。どういう人口集中があるのかわからない。自然環境への影響がどう起こるかもわからないといいながら、一方で公園、道路、橋はきちんとやりますと。崖線との環境、保全しますと。そういう非常に漠然とした方向で努力目標を掲げられても、それは住民にとってみたら、何の確証もないですよ。この陳情の中で、適切な監視や指導監督はしていただきたいというふうに、陳情の方は述べられていますけれども、この都民の願いに、具体的にどうこたえるんですか。

○只腰開発計画部長 先ほど来申し上げていますように、東京都といたしましては、この宅地の開発の許認可等の申請が適法になされた場合でございますけれども、これにつきましては、必要な行政手続を行うこととなります。その際は、必要とされる都市基盤の整備を進める中で、環境保全や景観等に配慮がなされるように誘導に努めてまいるということでございます。
 なお、本陳情につきましては、先ほど趣旨の説明を申し上げたわけでございますけれども、自然豊かな環境が宅地開発等によりスプロール化し、無残に破壊される、こういうような観点から、先生ご指摘のような適切な監視、指導等をしていただきたいということでございます。
 現在、開発の具体的な内容が明らかでございませんし、また地元の世田谷区議会につきましては、この陳情につきまして、まだ判断はしていないという状況でございますので、現時点におきましては、都としての判断を明確に申し上げるには時期が早いのではないかというふうに考えております。

○たぞえ委員 何か平行線になっちゃうんで、終わりますけれども、大きい事業所も小さい事業所も、現在の都市計画法や建築基準法のもとで、こういう建物が建てられるのかと、それにはどういう規制があって、どう適用できるのかという事前相談というのがあるんでしょう。そこでは、例えば、高さとか、規模だとか、いろんなものを持ってきますよ、業者はね。東京都は、基準法だとかにクリアしていれば、はいはいと、こうやって判こを押すわけですね。
 しかし、この地域の特性というのが--全然そういう思いやりの魂がないんですよ、今までの答弁の中に。ここは、つくられた緑じゃないんですよ、何千年という歴史の中によって保たれている、だから東京都は国分寺崖線基本軸を指定しようとしているわけでしょう。そういうものを一方で出そうとしつつも、一方で開発は、出てくれば、はいと、こうやってなっちゃう。これは地方自治体として、やっぱり今までのやり方というのは見直さなきゃいけないんじゃないですか。住宅をつくって、住む方がふえるという便利さはありますよ。しかし、その分の環境の負荷というのが当然起こってしまう。そこら辺の調整が、出てこなきゃわからないといって、一発勝負のような無責任なことでは困ると思うんですよ。
 いずれにしても、自然に対する企業の責任をきちんと求めていただきたいし、それから、そういう住民や環境への影響について、責任を免罪することがないように、ぜひ自然を保護する立場で対応していただきたいというふうに思います。
 そういう意味から、この陳情については趣旨採択をするべきだと申し上げて、終わります。

○尾崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一二第二六号は保留と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で都市計画局関係を終わります。

○尾崎委員長 これより環境局関係に入ります。
 初めに、さきの人事異動に伴い、環境局長に中野英則君が就任されました。
 また、幹部職員の一部に交代がありましたので、中野局長から、あいさつ並びに紹介があります。

○中野環境局長 去る八月一日付の人事異動によりまして、環境局長を命ぜられました中野英則でございます。
 もとより微力ではございますが、委員長を初め委員の先生方のご指導、ご鞭撻を賜りまして、環境行政の充実のために全力を尽くしてまいります。どうぞよろしくご指導をお願い申し上げます。
 また、同じく八月一日付の人事異動によりまして、当局の幹部職員に異動がございましたので、お手元に配布してございます環境局理事者名簿に従いまして、ご紹介させていただきたいと存じます。
 まず、移管事業調整室長の西野和雄室長でございます。次に、自動車公害対策推進担当部長の山本憲一部長でございます。自然環境部長の高田茂穗部長でございます。また、当委員会との連絡を担当いたします参事で総務課長事務取扱の野口宏幸参事でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○尾崎委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○尾崎委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中野環境局長 平成十二年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております条例案件につきまして、ご説明申し上げます。
 今回、提出を予定しております案件は、東京都環境基本条例の一部を改正する条例案、東京都廃棄物条例の一部を改正する条例案、東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画策定協議会条例等の一部を改正する条例案、東京都公害防止条例及び東京都環境事務所設置条例の一部を改正する条例案の四件でございます。
 初めに、東京都環境基本条例の一部を改正する条例案及び東京都廃棄物条例の一部を改正する条例案についてでございます。
 これらは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び再生資源の利用の促進に関する法律の改正に伴いまして、条例の規定を整備するものでございます。
 次に、東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画策定協議会条例等の一部を改正する条例案についてでございますが、これは中央省庁等改革関係法施行法の施行に伴い、環境局所管の関係条例の規定を整備するものでございます。
 最後に、東京都公害防止条例及び東京都環境事務所設置条例の一部を改正する条例案についてでございますが、これは田無市と保谷市が合併し西東京市になることに伴い、両条例の規定を整備するものでございます。
 以上、第三回定例会に提出を予定しております案件の概要につきまして、ご説明申し上げました。
 なお、詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○平井総務部長 それでは、条例案四件のご説明をさせていただきます。
 お手元の資料1、平成十二年第三回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと思います。
 まず、三ページをお開き願います。東京都環境基本条例の一部を改正する条例案でございます。
 改正理由は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 改正の内容につきましては、五ページの新旧対照表をごらんいただきたいと思います。
 条例第二十五条第二項は、東京都環境審議会の調査審議事項に関する規定でございます。廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、産業廃棄物処理計画を策定するときには、環境審議会その他の合議制の機関の意見を聞くこととされており、都はこの規定を受けて、東京都廃棄物審議会で審議いただいておるところでございます。このたびの法律改正により、同法第十一条第三項に規定されていた産業廃棄物処理計画の策定が、一般廃棄物も含めた廃棄物処理計画の策定に改められ、同法第五条の三第三項に規定を移したため、これに合わせ規定整備を行おうとするものでございます。
 改正条例の施行期日は、平成十三年四月一日を予定してございます。
 次は、東京都廃棄物条例の一部を改正する条例案でございます。
 恐れ入ります、七ページをごらんいただきたいと思います。改正の理由は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律並びに再生資源の利用の促進に関する法律の改正に伴い、廃棄物処理施設の譲り受け等に係る手数料の規定を設けるほか、規定の整備をしようとするものでございます。
 改正の内容でございますが、一一ページの新旧対照表をごらんいただきたいと思います。まず中ほどの第九条第二項でございますが、これは再生資源の利用の促進に関する法律の名称が、資源の有効な利用の促進に関する法律と改められ、再生資源の定義が第一項から第四項に移されたため、これに合わせたものでございます。
 次に、一二ページにございます第二章の章名及び第十三条は、環境基本条例の改正内容のところでも申し上げましたとおり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正によりまして、産業廃棄物処理計画の策定時に審議会等の意見を聞かなければならないという規定が、一般廃棄物も含めた廃棄物処理計画の策定または変更のときに、審議会等及び関係区市町村の意見を聞かなければならないということとされたため、これに合わせて規定を整備するものです。
 次に、第二十四条第二項は、東京都廃棄物審議会の調査審議事項に関する規定でございますが、同様の理由によりまして規定整備をするものでございます。
 次に、一三ページから一五ページまでの別表でございます。これは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正により、廃棄物処理施設の譲り受けまたは借り受けにつきまして、従来の届け出制から許可制へ、また合併につきましては、届け出制から認可制となるため、この審査に係る手数料の規定を設けるものでございます。
 改正条例の施行期日は、平成十三年四月一日でございますが、手数料に関する規定につきましては、公布の日としてございます。
 次は、東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画策定協議会条例等の一部を改正する条例案でございます。
 恐れ入ります、一七ページをごらんいただきたいと思います。改正の理由でございますが、中央省庁等改革関係法施行法の施行に伴いまして、中央省庁の機関名や法令名が変更されるために、環境局所管の四条例につきまして、規定を整備するものでございます。
 二一ページに、東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画策定協議会条例、二二ページには、東京における自然の保護と回復に関する条例、二三ページには、東京都環境影響評価条例、二四ページに東京都環境科学研究所手数料条例の改正内容を示してございます。
 改正条例の施行期日は、平成十三年一月六日を予定してございます。
 次に、東京都公害防止条例及び東京都環境事務所設置条例の一部を改正する条例案でございます。
 二七ページをごらんいただきたいと思います。改正の理由でございますが、田無市と保谷市が合併いたしまして、新たに西東京市となるため、環境局が所管する二本の条例につきまして、規定整備を図るものでございます。
 三〇ページから四四ページまでは東京都公害防止条例、四五ページに東京都環境事務所設置条例の改正内容を示してございます。
 改正条例の施行期日は、処分が効力を生ずる日ということでございますが、両市からの申請は平成十三年一月二十一日となってございます。
 以上で、条例案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 それでは、資料要求はなしといたします。

○尾崎委員長 次に、理事者から「緑の東京計画」中間のまとめについて、報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○高田自然環境部長 緑の東京計画につきましては、都民の皆様からのご意見、ご提案をいただくために、中間のまとめを九月十二日に発表いたしましたので、ご報告させていただきます。
 本計画の策定は、都市計画局との共管事項でございます。なお、お手元の資料2は中間のまとめの概要、資料3が本文でございます。
 それでは、資料3の中間のまとめの一ページをお開き願います。計画策定の考え方でございます。
 まず、本計画の目的でございますが、二十一世紀の東京を、環境と共生し持続的発展が可能な都市とするために、東京構想二〇〇〇(仮称)と連携しつつ、緑の面からとらえた施策展開の道筋を、総合的、体系的に示すものでございます。
 次に、内容でございますが、東京都全域を対象に、おおむね五十年後における東京の緑の望ましい将来像を見据えて、平成十三年度から平成二十七年度までの十五年間に取り組むべき緑づくりの目標と施策の方向などを明らかにするものでございます。
 次に、この計画で示しております緑についてでございますが、生物の生存基盤を支え、都民の生活環境を豊かにする樹林地、草地、農地、屋上緑化を含む宅地内の緑、公園、街路樹や河川、水路、湖沼などを指しております。この計画では、このような緑の総量を示す新たな指標として、緑率を用いることとしてございます。
 次に、右の二ページに参ります。第1章、東京の緑の現状と課題でございます。
 まず第1、東京の緑を取り巻く状況につきましては、中ほどの2、減少する緑におきまして、東京の区部及び多摩では、平成十年までの約二十五年間で山手線の内側の面積を超える緑が失われたことなどを記述しております。
 次に、三ページをお開き願います。3、都民の緑への関心の高まりについてでございますが、近年の緑に対する都民の関心の高まりや自主的な緑づくりへの取り組みは、これからの東京の緑づくりを進める上で大きな推進力として期待されております。
 次に、第2、東京の緑づくりの課題でございますが、ここではまず、緑の持つさまざまな機能に着目し、これからの東京の緑づくりにおける次のような課題を挙げております。
 最初に、都市環境の改善でございます。緑が少なくなった地域では、周囲の地域に比べて気温が高くなるヒートアイランド現象が生じており、このような都市環境の悪化を緩和するために、今後は都民と一体となって緑の保全と回復を推進していく必要があるとしております。
 次に、四ページの(2)、防災でございます。東京は、震災を初めとする災害に対して、安全性を高めていく必要があり、そのためには公園や緑地などが持つ延焼防止などの機能を生かし、適切に整備していく必要があるとしております。
 (3)、潤い、安らぎ、風格でございます。公園などの大きな森や街路樹は、まちに風格とゆとりを与えるものとして活用していくとともに、河川沿いや臨海部は潤いのある水辺として整備し、また農地は緑との触れ合いを求める都民の声にこたえていくことが期待されているとしております。
 次に、六ページをごらん願います。(4)、生物の生存基盤でございます。
 多くの生物の生息地となってきた丘陵地の里山を保全していくとともに、市街地においても生物の生息地を積極的に回復していかなければならないとしております。
 さらに、小笠原諸島などの島しょでは、絶滅の危機に瀕している貴重な多くの固有種の保護、増殖が大きな課題となってきております。
 次に、六ページの下段の2、求められる緑づくりの仕組みでございます。東京の緑づくりを効果的に推進していくためには、都民の関心を具体的な行動に結びつける仕組みづくりを行っていかなければならないとしております。
 次に、七ページをお開き願います。第2章、この計画の目指すものでございます。
 一二ページにかけて、おおむね五十年後における東京の緑の姿を五つの視点から描いております。
 九ページ、それから一〇ページ、そして一二ページのイラスト等は、このような望ましい将来像をイメージしたものでございます。
 一一ページでは、こうした緑の持つ機能が最大限に活用された東京の将来像を、水と緑がネットワークされた風格都市・東京としております。
 次に、一三ページをお開き願います。第3章、計画の目標と施策の方向でございます。
 まず一三ページでは、緑づくりの目標について、さきにご説明いたしました緑率を政策指標として用いることを提案しております。
 次に、一四ページからは、今後十五年間に取り組むべき施策の方向を、五つの柱を立ててお示ししております。
 第1は、緑が守る都市環境でございます。
 緑の持つ環境改善機能を最大限に生かしてヒートアイランド現象などの都市環境問題を緩和するために、屋上緑化を推進するとともに、公園、幹線道路、河川の緑などにより連続した緑の軸を形成して市街地の緑を回復していくこととしております。また、里山などの丘陵地の緑や山地の植林地などについては、都民と協力して保全するほか、農林業の振興によって、農地や森林を守ってまいります。
 一五ページをお開き願います。第2は、緑が支える防災都市でございます。
 東京を安全な都市としていくために、防災拠点や避難場所となる公園及び防火帯となる街路樹などを適切に整備して、緑の防災ネットワークをつくるとともに、緑の雨水貯留機能を生かして、緑のダムとしてまいります。
 一六ページに参ります。第3は、緑がつくる東京の魅力でございます。
 緑によって、潤い、安らぎ、風格を東京につくり出し、国際都市としての魅力を高めていくため、巨樹を育てていくとともに、都民参加による百年の森づくりを進めてまいります。
 また、中央防波堤内側で大規模な緑地を整備するなど東京の新しい緑を創造するほか、豊かな自然と触れ合う場をつくってまいります。
 次に、一八ページをごらん願います。第4は、緑がはぐくむ生物の生存基盤でございます。
 山地や島しょなどの豊かな自然を守るために、絶滅の危機に瀕している生物種について、保護種、保護区の指定などを行い保護していくとともに、公園、学校などでビオトープの設置を推進するなど、市街地において身近な生物の生息地を回復してまいります。
 次に、一九ページをお開き願います。第5は、都民が主役で築く緑でございます。
 東京の緑づくりに都民が参加していく上で必要な活動基盤として、緑地トラストやボランティアセンターなどの仕組みづくりを進めるとともに、次の世代を担う子どもたちの自然に親しむ心を養うため、野菜づくりなどが体験できる学童農園の設置を推進してまいります。
 次に、二〇ページをごらん願います。第4章、ゾーン別施策の展開でございます。
 ここでは、二二ページにかけて、第3章でご説明いたしました施策の方向について、東京を大きく五つのゾーンに区分し、それぞれのゾーンにおける主な施策の方向を示すとともに、二二ページに広域的な緑のネットワークとゾーン区分の図をおつけしてございます。説明は省略させていただきます。
 以上で、今回取りまとめました「緑の東京計画」中間のまとめの説明を終わらせていただきます。
 なお、本内容につきましては、九月十七日の「広報東京都」において、内容の紹介と都民意見の募集について、お知らせを掲載する予定にしております。
 以上でございます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○清水委員 先ほど政策指標の掲載がありましたが、ここで掲げられています緑率の内容について、もう少し詳しくお示しください。
 二点目は、屋上緑化が既にされている例、費用などについて、わかりましたらお示しください。
 それから、区部と北多摩地域の中で、東京都の公共施設の配置状況がわかりましたら教えてください。
 同じく、区部と北多摩地域で生産緑地面積の推移をお示しください。
 以上です。

○田中委員 緑の倍増計画の総括をしていただくために、年度別の進捗状況を教えてもらいたい。
 それから、ご承知のように、炭酸ガスの削減というものを既に東京都も決めているわけでございますが、緑の倍増計画の期間中に--緑の倍増計画の当初と終了の年度における都内の炭酸ガスの発生量、できれば年度別に示していただければありがたいと思います。

○尾崎委員長 ただいま清水副委員長と田中委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○尾崎委員長 次に、理事者から、大田区道におけるダイオキシン汚染について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○長谷川環境改善部長 昨日、大田区から区道舗装下で発見された高濃度ダイオキシン類汚染土壌につきまして、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく措置の依頼がありましたので、資料4に基づきまして、汚染の状況と今後の対応について、ご報告させていただきます。
 汚染場所は、大田区大森南四丁目十一番付近区道でございます。資料4の後ろの図をご参照ください。
 汚染発見の経緯ですけれども、下水道局が行った工事の掘削土からPCBが検出されたため、大田区がダイオキシン類の調査を行った結果、わかったものでございます。
 ダイオキシン類の濃度でございますが、ダイオキシン類として、土壌一グラム当たり三六から一万六〇〇〇ピコグラム-TEQでございます。最高濃度一万六〇〇〇ピコグラム-TEQは、土壌の環境基準一〇〇〇ピコグラム-TEQの十六倍でございます。
 同じく資料4の後ろをご参照ください。汚染原因ですが、ダイオキシン類の大部分がコプラナーPCBであることから、何らかの理由でPCBが地中にしみ込んだものと思われます。
 なお、周辺は大部分舗装されており、また汚染土壌の位置も地下一メートルよりかなり深いものでございますから、汚染土壌の飛散のおそれは少なく、付近は地下水も飲用にしておりませんので、住民に対する健康影響のおそれは少ないと考えております。
 次に、今後の対応でありますが、今後は法に基づきまして、都が主体となって調査を行うとともに、この結果を踏まえまして処理計画の策定を行うことになります。また、汚染土壌の処理は、原則として汚染原因者が行うことになりますが、原因者が特定できないときは、都と区で協議して実施することになります。
 具体的には、まず周辺環境への影響がないことを確認するため、付近の大気、水質及び土壌などのダイオキシン類濃度の調査を行います。また、土地の履歴を調査しまして、この結果に基づきまして旧土地所有者のヒアリング調査を行い、原因者の特定に努めてまいります。
 次に、汚染範囲を確定するため、付近の土壌について、ダイオキシン類濃度の詳細調査を行うとともに、その調査結果に基づきまして、処理方法の検討を行います。
 なお、調査及び処理方法の検討に当たっては、学識経験者から成る市街地土壌汚染対策検討委員会の意見を聞くこととしております。
 最後に、対策の実施でございますが、処理方法決定の後、ダイオキシン類対策特別措置法を踏まえまして、必要な対策を実施することといたします。
 なお、参考までに、コプラナーPCBについてご説明申し上げます。
 コプラナーPCBとはPCBの一種で、いわゆる一般的なダイオキシン類と似た化学構造をしておりまして、毒性も同じような毒性を示しますため、ダイオキシン類対策特別措置法では、ダイオキシン類と定義されております。
 以上で、ご報告を終わらせていただきます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○大西委員 この件につきましては、昨日報告を受け、ちょっと新聞を読んだ程度で、幾つか疑問点をお聞きしたいと思っております。
 まず初めに、この土壌検査を行うことになったきっかけ、経緯を教えてください。

○長谷川環境改善部長 汚染発見の経緯でございますが、本年二月に下水道局が下水道工事に伴う掘削土を処分場に搬入しようとしたところ、油が混入されていたため搬入を断られた、これが発端となっております。
 下水道局では、直ちに土壌の分析を行ったところ、PCBが高濃度含まれていることが判明いたしましたので、区に三月下旬に報告いたしました。
 区では、これを受けまして、六月中旬ごろ付近の土壌を分析し、その中でダイオキシン類につきましても三地点で分析を行いました。ダイオキシン類の分析結果につきましては、七月十九日、東京都に対して連絡がございました。
 以上でございます。

○大西委員 下水道局で調べたのが--PCBが発見されたのが三月下旬にわかって、そしてその後、それはずっと黙っていたわけですよね。それと、区がそれを受けて、ダイオキシンの調査をしてと、かなりこう、何というんですかね、対応が非常に鈍いし、結果的には、この新聞には、それで都と区の結果が出ても二カ月間公表しないということが出ていますけれども、この間、どういうことを環境局として動いていらしたんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 東京都といたしましては、区から連絡を受けました後、環境庁に対しまして、この結果をお知らせしまして、ダイオキシン類対策特別措置法の適用関係等について相談いたしますとともに、区に対しましても、東京都に対しましてダイオキシン類対策特別措置法に基づきまして措置の要請をすること、その際、東京都と共同で汚染事実を公表するように、こういう指導を行ってきたところです。
 公表がおくれましたのは、区におきまして、ダイオキシン類の補完調査の必要性だとか、あるいは住民の不安を解消するために事前に処理対策を検討すべきじゃないか、こういうような庁内調整等があっておくれたというふうに聞いております。

○大西委員 それにしましても何だかこう--二カ月、パニックに陥るとか、そういう配慮があったのかもしれませんけれども、やっぱり事態が事態であるだけに、結果的にこういうふうにして、その間どうだったんだという、住民にとっては、もう一つその間の不安というものがあるわけですから、やはりこういうときの対策というものが、もっと迅速に行われなければならないんじゃないかなと、本当に素朴な疑問として残っております。
 そして、その現在汚染された土は、どこに、どのようになっているんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 下水道工事に伴いまして掘削した土壌につきましては、現在、下水道局の大森ポンプ所内に仮置きしまして、外部に漏出することのないように厳重に保管されております。

○大西委員 都では、周りへの影響はないし、今後の対策として調べるということもいっているわけですけれども、やはり保育園、病院等がありますし、もっと調査範囲というのを、どの辺まで考えて土壌調査、そういうものを行うのか、お聞きします。

○長谷川環境改善部長 私どもとしては、先ほどご報告で申し上げましたように、周辺が舗装されていること、及び地下水を飲用に供していないことから、健康不安への影響は少ないというふうに思っております。
 ただ、今、先生ご指摘の点もございますので、私どもとしては念を入れまして、市街地土壌汚染対策検討委員会の意見を聞いた上で、周辺環境へ及ぼす影響について、項目だとか範囲等をご検討いただいた上、環境調査を実施したい、このように考えております。

○大西委員 その場合の環境調査は、土壌と、それから、地下水に関しても飲用がないから余り影響がないということですけれども、この辺は工場地帯ですし、地下水は、工場での工業用水として主に使っているということで、地元ではやはり不安があるというふうな声があるんですけれども、そういうものも考えたときに、やはり井戸水、地下水の調査、これも含まれるんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 井戸の確認につきましては、私どもと区で現在、内々に進めております。
 私どもが把握した情報では、汚染場所から五百メートルの範囲ぐらいのところに一カ所あると聞いております。この辺につきまして、区とも協議した上で、井戸が近傍にあった場合には間違いなく地下水の検査をしたい、このように思っております。

○大西委員 もう一度確認します。では今後、調査範囲を広げながら地下水も含めた土壌調査、そういうものの検査は行うんですね。

○長谷川環境改善部長 今お答えしましたように、井戸水については、ごく近傍にはございませんけれども、周辺、一番近いところ、五百メートルぐらいと聞いておりますが、そこの井戸についても範囲を広げる形で調査をしたいというふうに考えております。

○大西委員 すぐ近くに下水道処理場があるんですけれども、この辺は大丈夫なんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 汚染土壌が確認された場所に隣接いたしまして、森ケ崎処理場、大森南ポンプ室がございます。
 ただ、大森南ポンプ室は、PCBの新たな使用が禁止されました昭和四十九年以降に設置しております。具体的には、昭和五十二年に着工して五十五年に竣工しております。したがいまして、大森南ポンプ室自体が汚染原因になるということは考えられませんけれども、ごく近傍なので、土壌調査等をやることを考えております。

○大西委員 検査で汚染が明らかになりましたのは、今回、コプラナーPCBということですけれども、ほかに心配な汚染物質というものはあるんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 区からは、措置依頼文書が来たとき、参考資料という形で、ほかの土壌の分析結果も送られてきております。これによりますと、鉛、砒素も一部地点で土壌の環境基準を超えております。
 これらの汚染につきましては、ダイオキシン類の調査や処理計画の策定とあわせまして、私どもと区で役割分担を協議しまして、対応していくように考えております。

○大西委員 住民への説明が必要ということになってくるんですけれども、区が説明会を開くということも聞いておりますが、都はどういうような形でその説明会に参加するんでしょうか。
 それともう一つ、隣に運河もありますので、その運河への影響というものをちょっと心配するんですけれど、あわせてお願いします。

○長谷川環境改善部長 大田区で、本日、地域住民の代表者会議の中で、大田区の調査結果を説明すると聞いております。
 私どもとしましても、今後、東京都で調査を行いますので、区から要請がありましたら住民説明会などに参加して、専門的な見地から説明を行うことも検討してまいりたいと思っています。
 また、今、運河のお話がございましたけれども、確かに汚染場所近傍に運河がございますので、運河の水質等についても、調査を検討してまいりたいというふうに考えております。

○大西委員 今後、その調査をやっていく中で、その結果というのは、大体いつごろ出て、どういった形で報告をするんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 私どもとしては、できるだけ早く調査をして結果を出したいということで、九月二十二日に市街地土壌汚染対策検討委員会を開くことを予定しています。
 この中で、周辺の環境調査あるいは汚染範囲を確定するための詳細調査の内容について詰めていただきまして、その結果をまちまして、できるだけ早く調査をした結果を出したい、このように考えております。

○大西委員 どういう形で報告を、そのときの報告はどういうふうに……。

○長谷川環境改善部長 まだ具体的な形では想定しておりませんけれども、事の重要性にかんがみまして、調査結果については、まとまり次第、公表することを含めて考えております。

○大西委員 ダイオキシン類対策特別措置法に基づいて、今回のような場合、原因者特定をはっきりさせることが、やはり大事だと思っているんですけれども、新聞で見ますと、もともと化学工場が二、三あったということで、原因を特定できるかどうか、ちょっと不安な部分があるんですけれども、もしできなかった場合、汚染土壌の処理は都と区で協議するとありますけれども、具体的にどういう形で協議してやるのか、その辺をお聞きします。

○長谷川環境改善部長 汚染処理と、汚染処理の費用負担につきましては、今後、区と十分協議する必要があると思います。
 具体的なやり方等につきましては、ダイオキシン類対策特別措置法等にも示されておりませんけれども、私どもの今時点の考えとしては、例えば、広域的な汚染の場合は都が中心となって対応し、範囲が限られている局地的な汚染の場合は区が中心になって対応する、こんなようなことを基本としまして、今後、区と協議してまいりたい、このように思っております。

○大西委員 都と区の負担の基準というのは、どちらが負担するかといったら、広域的であるか、それによって都と区が協議していくということですよね。その場合の負担の--広域的かどうかによって都がやるか、区がやるかということで基準をつくっていくということで、いいですね。
 今回のダイオキシン、それからコプラナー、こういうものの基準値なんですけれど、これは国が決めております国の基準値しかないわけですけれども、やはり非常に緩やかな基準値といわれておりますけれども、都独自の土壌基準とか、そういうものをつくるべきじゃないかと考えるんですが、その辺はいかがでしょうか。

○長谷川環境改善部長 ダイオキシン類対策特別措置法では、土壌の環境基準をつくりますとともに、他の土壌の環境基準が決まっておる物質と違いまして、ダイオキシン類につきましては、環境基準を超過した土壌につきまして、措置の仕方が詳しく規定されております。そういう意味で、現時点では、法に基づく適切な運用に努めていきたいと考えておりまして、今現在のところ、都独自の土壌環境基準をつくることは考えておりません。

○大西委員 措置の仕方ということですけれども、これからもダイオキシン問題というものは常につきまとう問題であるわけで、やはり本当に日本の基準というのは欧米に比べれば緩やかという部分がありますよね。その辺のことは、どういうふうに都として考えていますか。

○長谷川環境改善部長 ダイオキシン類特別措置法自体が、ことしの一月から施行になったわけです。それで、今現在、果たしてダイオキシンによる土壌汚染の実態がどうあるか、まだ判明していない状況でございます。
 私どもとしては、法律に基づきまして、東京都の全区市町村の地域を一カ所以上必ず測定して、東京都の汚染実態を見て、第一にはダイオキシン類対策特別措置法に基づいて措置をきちっとやっていきたい。その上で、まだ不十分な点があったら、今後の課題として、今先生がご指摘の点等を踏まえて、今後の検討課題という形で考えていきたい、このように思っております。

○大西委員 こういう問題は、本当に現実を知るのが怖いというのが私たち普通の庶民の偽らない気持ちなんですけれども、今回も、質問しながらも、何というのか非常に暮らしの中での怖さというものを感じます。見えないだけに、そして、におわないだけにわからないという部分が、その恐怖の中にあるわけですが、これだけに限らず、行方がわからなくなっているPCBというものはまだたくさんあると聞いておりますし、その数は都としてどれくらい把握していらっしゃるのか。そしてまた、同じようなことがこれからも起きる可能性があるわけですけれども、それに対してどういう気持ちで取り組んでいらっしゃるのか、いかれるのか、その辺をお聞きします。

○薄廃棄物対策部長 平成十年に行った全国のPCB廃棄物の実態調査結果から見ますと、代表的なPCB廃棄物であります高圧トランス・コンデンサー、これを例に都内の不明、紛失の状況を見てみますと、五十三事業所、百七個が不明となっております。これは平成四年に行った調査の保管量の約二・九%となっております。
 PCB廃棄物対策につきましては、現在、処理施設の整備が進んでいないということから、長期保管というような状況が続いております。しかし、今回の行方不明の話も出ましたように、長期保管に伴う不明等の問題、倒産等の場合を含めて、そういうことが懸念されるということから、私どもとしても適正な処理が必要であると考えております。
 幸いに、今回、焼却処理に加えまして、新たに化学処理という方法もできております。そして、一部の多量の保管事業者の中には、自社のPCB廃棄物でございますが、処理を既に開始しているところも幾つかございます。
 こういう状況を踏まえまして、東京都としては、早急にPCBの処理を進めていくということから、今年度、検討委員会を設置しまして、現在、都としての適正処理のための取り組みについて検討しているところでございまして、これは年内に取りまとめを行っていきたいと考えております。これを踏まえまして、今後、これまでの適正保管に加えまして、適正処理の促進に努めてまいりたいと考えております。

○大西委員 ぜひ、その辺をしっかり進めていただきたいと思います。
 そして最後に、やはり環境問題でこういう新聞報道を見るときに、先ほどもいいましたけれど、本当に現実を知るのが怖いなという思いがいつもするんですけれども、今回の人に対する影響とかいうのも、いろんな場合が出たときも、人に対する大きな影響はないということで片づけられますけれども、本当にそうなのかというのは、どこかで疑っていると思うんですよね。
 それで、今回のこのダイオキシンの大田区の場合にでも、やはり人に対しての影響というのをしっかり明らかにして現実を知るということが、まず一番必要じゃないかと思うんですけれども、その結果をちゃんと明らかにしていただくように、ぜひお願いしたいと思います。
 以上です。

○かち委員 私も、地元の区からこういう問題が出たということで驚いているんですけれども、知ったのが、報告をいただいたのがおととい、それでけさ、新聞報道があったということでは、この三、四、五、六、七、八、五カ月間、一体何をしていたのだろうかという、やっぱり疑問を抱かざるを得ないんです。たまたま下水道局の光ファイバー埋め込みの工事に伴って掘削をした、その土から発見されたということですけれども、それを経過の中で区が調査をすることになったわけですけれども、下水道局自身もこの土壌については調査をされたわけですよね。それは、いつごろやられて、どのぐらい出たのかということなんです。

○長谷川環境改善部長 下水道局さんの分析結果では、PCB濃度で土壌一キログラム当たり一二〇〇ミリグラム、こういう結果が出たと聞いております。
 分析自体は二月に行いまして、結果が出たのは三月というふうに聞いております。

○かち委員 この土壌は、図にもありますように、結構均一に、こう延びているわけですけれども、全体ではどのぐらいの分量があって、そしてどこの部分を調査したのかというのは、わかるんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 土の量としては、三十六立米掘ったそうです。掘った土につきましては、先ほどいいましたように、下水道局の大森東ポンプ所内で厳重保管しております。
 ただ、分析した場所につきましては、特に特定の場所を分析したのではなくて、混合された土、掘削された土自体を分析したので、どこの場所という形では特定できない、このように聞いております。

○かち委員 混合土の中から抽出をして調べた結果でも、一二〇〇ミリグラムですね。PCBだけですね、これは。ダイオキシン、TEQで調べたものではないですね。ですから必ずしも連動しないのか--連動するのかもしれませんけれども、それで詳しく区の方で分析したら一万六〇〇〇ピコグラムということで出たわけですけれども、既にこの土壌からはPCB、ダイオキシン類が出ている可能性があるということは、東京都としても十分承知をしておられたわけです。にもかかわらず、区道の下だから区が調査をするということで、いろいろ助言もされていたようですけれども、見守っていたという結果、今日の公表ということで、おくれた結果だと思うんですが、大田区としても初めての経験で、どういう対応をするかという点では戸惑いもあっただろうと思いますけれども、そういう点では、経験を十分持っている広域的な対応ができる東京都として、もっと積極的に指導、援助すべきではなかったかなというふうに思うわけです。
 この地域は準工業地帯で、私も現場を見てみましたけれども、現在はこの隣接のところは運送業とか高圧ガス会社だとか、向かいにはメッキ工場があったりとか、非常に工場地帯が密集しているわけですけれども、ここに実際に住んでいる方はおられるんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 私も現場を実際に見てみましたけれども、一番高濃度が見つかったところの道路に隣接する運送会社等に社宅がございまして、区からの話によりますと、夜間、常時居住している住民の人数としては、八人というふうに聞いております。

○かち委員 生活されている方がおられるということ、今いわれた社宅の近辺には、露出している土壌も一部あるわけですね。それから左側の下水道処理場のところにも植え込みがある。こういう点では、先ほどからコンクリートで固まっているから人体への影響がないというようなことをおっしゃっていますけれども、調べてみなければわからないという部分も含まれているわけですよね。そういう意味では、最初から安全だ、安全だという印象だけで事を進めるべきではないと思うんですよ。
 そういう点で、きょうの報告では三カ所だけに調査結果が出ていますけれども、大田区の独自の調査としては、もっと細かく調査をされていると思うんですけれども、それはどういう地点で、現状はどうだったんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 大田区からの措置依頼に伴って送られてきました参考資料によりますと、大田区は下水道局から報告を受けた後、ダイオキシンを測定した三地点を含む七地点において、三つの深度別に測定を行いました。都合二十一検体について測定を行いまして、そのうち鉛、砒素及びPCBが土壌の環境基準を超えたと聞いております。
 分析した項目につきましては、土壌の環境基準が定まっている二十四項目というふうに伺っております。

○かち委員 こういう調査をするときには、東京都ともっと綿密に連絡をとり合って、むだのない調査をすれば、もっと事は早く済んだんだろうと思うんですけれども、結局、大田区が独自に調査をやった結果は、PCB、ダイオキシン類が高濃度に出た部分の全体の調査をやっていなかったり、一部やっていたりということで、相関関係がうまくわからない、せっかくデータが出ていても、うまくわからないし、またそれ以上のことも考えられる不安要素を残しているわけですよね。
 ですから、大田区の調査で、この三カ所だけで、特に高濃度のこの一万六〇〇〇ピコグラム出た範囲だけが非常に危ない地域であるというふうには、いい切れないものがあると思うんです。先ほどいいましたように、掘削土壌のその一部を取っただけでも一二〇〇PCBのミリグラム・パー・キログラム出ているわけですから、そのすぐ先端のところではかったときに、ダイオキシン類が非常に少ない結果が出ていると、だから安心というふうには、やっぱりいえないと思うんです。そういう意味では、今回、検討委員会でどういう範囲をやるかというのが決められると思うんですけれども、安全範囲をきちんと確定をしていただきたい。それ以内の枠の中であれば、そのはみ出たところは全く無意味な状況になってしまいますし、危険が残るわけですから。
 それから、先ほど砒素と鉛が検出をされたということがいわれましたけれども、前にメッキ工場があるという点、これが問題だということは今はいえませんけれども、そういうことからもいろいろ考えられることはありますし、表層の部分と深層の部分とでは要素が違ってきたりしておりますので、そういう近辺を含めての十分な--今回はダイオキシンについてのみ調査を、委員会が設定されたのはダイオキシンだけだよということで限定されるのではなくて、近辺の安全確保をいかに保つことができるかという立場に立って、きちんと調査をしていただきたいんです。
 そういう意味では、砒素や鉛など一般の項目も含めての全体的な関連調査をしていただきたいと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○長谷川環境改善部長 ダイオキシン類に対してのお話、まず、それについてお答えいたしますけれども、ダイオキシン類につきましては、一般的な状況から見れば土壌の拡散等は少ないと思いますけれども、それが環境に影響を及ぼしているおそれもありますので、影響調査は間違いなく行います。
 それとともに、ダイオキシン類対策特別措置法では、汚染範囲を確定するための詳細な調査の実施等を規定しておりますので、汚染範囲を確定する調査も行うことを予定しております。
 今お話がありました鉛あるいは砒素等につきましては、私どもダイオキシン類措置対策の中でやるとともに、区とも協議をしまして、お互いに適切な役割分担をして対応するように努めていきたいというふうに思っております。

○かち委員 先ほどの質疑の中で、ダイオキシンの汚染度が、広域--いろいろな経過がありましたのでね。例えば前の会社が倒産してしまったりして原因者責任が追及できない場合に、行政として対応するわけですけれども、広域なところは東京都がやって、狭い部分については大田区がやるといわれましたけれど、広域とはどういうことを指しているんでしょうか。

○長谷川環境改善部長 対策とその費用分担につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、汚染範囲が決まった段階で、十分区と協議していきたいと思っています。
 ただ、ダイオキシン類対策特別措置法によれば、汚染原因者が決まらない場合、都でも区でもどちらでも汚染対策を行うことができて、もし指定地域、汚染対策を要する地域に指定した場合には、どちらに対しても処理の補助金が出るようになっております。
 今後の話し合いなんですけれども、一例としていったのは、東京都の立場としては、汚染土壌が、いわゆる広い意味の、大田区を越えて汚染の影響があるような場合には、都として、都民を守る立場からやる必要があるだろうし、これもあくまでも例なんですけれども、汚染土壌が一地域に限られてそこに封鎖されている場合、例えての例ですけれども、それはごく狭い地域の住民の健康の保全のために、一つの考えとして区がやるケースもあるんじゃないか。そう申し上げただけで、今後の協議の中で、具体的なやり方については詰めていきたいというふうに思っております。

○かち委員 汚染対策指定地域に指定をされれば国の方からも補助金が出て、どんな形であれ、やれると思うんですけれども、そうしたことがない限られた地域ということになって、しかもその大田区内であるということになると、今の状況では、大田区が、一部補助金が来るかどうかわかりませんけれど、やらざるを得ないような状況になるやに聞こえるわけですけれども、本当に行政としては降ってわいたようなこういう問題でありますので、その辺は一つの自治体だけに責任を負わせるような形にならないように、東京都としてもぜひ支援する立場で対応していただきたい、そういうふうに思います。
 これは、本当に全く偶然の結果からこういう問題になりましたけれども、私は一つのいい事例だと思うんです。先ほども見えない不安、怖さというのをいわれましたけれども、本当に何十センチ、コンクリート下何十センチには、どんな有害な物質があるかもしれないんだという現実が私たちは突きつけられたと思うんです。そういう意味では、これからもこういう対策をとらなければならない事態というのは生まれてくると思いますので、今回のことをきちんと教訓にされて、速やかに対応されることと、住民の安全を第一に確保する立場で、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 以上です。

○尾崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十四分散会