都市・環境委員会速記録第八号

平成十二年四月十八日(火曜日)
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長尾崎 正一君
副委員長清水ひで子君
副委員長吉野 利明君
理事大西由紀子君
理事森田 安孝君
理事たぞえ民夫君
真鍋よしゆき君
竹下 友康君
かち佳代子君
谷口 卓三君
新藤 義彦君
立石 晴康君
内田  茂君
田中 晃三君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市計画局東京都技監都市計画局長兼務成戸 寿彦君
次長安間 謙臣君
技監山下 保博君
理事塩野 忠弘君
総務部長本多 靖男君
総合計画部長高田 茂穗君
開発企画担当部長山崎 俊一君
地域計画部長勝田 三良君
地区計画担当部長森下 尚治君
施設計画部長杉浦  浩君
航空政策担当部長山内 一良君
開発計画部長林 孝二郎君
建築指導部長小林 崇男君
参事河島  均君
参事只腰 憲久君
環境局局長齋藤 哲哉君
理事安樂  進君
総務部長平井 健一君
特命担当部長野田 一雄君
企画担当部長梶原 康二君
技術担当部長関  寿彰君
移管事業調整室長志村 啓文君
環境改善部長長谷川 猛君
参事小島 高志君
自動車公害対策部長松葉 邦雄君
自然環境部長江渡順一郎君
廃棄物対策部長薄  厚一君
環境評価部長町   格君
環境科学研究所次長萩本 秋彦君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
  報告事項(説明)
  ・東京都公害防止条例の改正について(東京都環境審議会の答申)
  ・東京における自然の保護と回復に関する条例の改正について(東京都自然環境保全審議会の中間のまとめ)
  ・杉並中継所周辺環境問題調査委員会報告について
  報告事項(説明・質疑)
  ・東京都総合環境アセスメント制度について
 都市計画局関係
  報告事項(説明・質疑)
  ・第百四十四回東京都都市計画審議会の付議案件について
  ・総合環境アセスメント制度の試行対象である都市計画道路放射第五号線及び三鷹三・二・二号線の環境配慮書について

○尾崎委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
 初めに、当委員会の担当書記が交代いたしましたので、紹介いたします。
 議事課の担当書記の佐藤雅美さんです。福岡理哉君です。調査課の担当書記の高畠基君です。よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○尾崎委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び都市計画局の順で報告事項の聴取を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、さきの組織改正に伴い環境局長に齋藤哲哉君が就任されました。
 また、幹部職員の一部に交代がありましたので、齋藤環境局長からあいさつ並びに紹介がございます。

○齋藤環境局長 環境局長の齋藤哲哉でございます。
 おかげをもちまして、環境局はこの四月に無事にスタートをすることができました。
 申し上げるまでもないことでございますけれども、今日、環境問題が焦眉の課題となる中で、環境への負荷を低減し、都民が健康で快適に暮らせる環境を確保し、創出していくことが求められております。こうした役割を果たすため、生産、流通、消費、廃棄の各段階におきまして環境への配慮を徹底し、総合的な環境政策を展開していくことが、新生環境局に課せられた使命であると考えております。
 職員一同、この使命を果たすために精いっぱい努力をしていく決意でございますので、委員長を初め委員の皆様方には、これまで以上にご指導、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 それでは、お手元に配布してございます環境局理事者名簿に従いまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 まず、当局理事の安樂進でございます。総務部長の平井健一でございます。特命担当部長の野田一雄でございます。企画担当部長の梶原康二でございます。技術担当部長の関寿彰でございます。移管事業調整室長の志村啓文でございます。環境改善部長の長谷川猛でございます。環境改善技術担当参事の小島高志でございます。自動車公害対策部長の松葉邦雄でございます。自然環境部長の江渡順一郎でございます。廃棄物対策部長の薄厚一でございます。環境評価部長の町格でございます。環境科学研究所次長の萩本秋彦でございます。また、当委員会との連絡を担当いたします、総務課長の宮川雄司でございます。同じく経理課長の長谷川明でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○尾崎委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○尾崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○齋藤環境局長 本日は、ご審議をいただく一件を含めまして四件の事項につきましてご報告をさせていただきますが、その概要につきまして私の方からご説明をさせていただきます。
 まず、一件目でございますが、去る三月三十一日に、東京都環境審議会から答申をいただきました東京都公害防止条例の改正についてでございます。
 本条例は、昭和四十四年に、当時激化していた公害から都民の健康と生活環境を守るために、最も先駆的かつ総合的、体系的な公害防止条例として制定されたものでございます。
 しかしながら、この三十年の間に、東京の環境問題は、社会的、経済的状況の変化に伴い、かつての産業型公害から、都民生活や事業活動そのものと密接にかかわる都市生活型公害へと拡大し、さらに、地球環境問題へ展開するなど大きく変化をしております。したがいまして、現行条例での対応には限界があるため、東京都環境審議会において、その改正のあり方について昨年三月からご審議をいただき、今回答申をいただいたものでございます。
 この答申では、ディーゼル車規制など自動車公害対策の充実強化を初め、化学物質の適正管理と排出抑制、オゾン層破壊物質の排出禁止と必要な措置、土壌・地下水汚染対策にかかわる措置、環境負荷の低減化の措置など、二十一世紀を見据えた先駆的な仕組みの導入が提言されております。
 都といたしましては、この答申を踏まえ、本年じゅうに条例改正案を都議会に提案する予定でございます。
 二件目は、去る四月十三日に、東京都自然環境保全審議会が取りまとめました、東京における自然の保護と回復に関する条例の改正についての中間のまとめでございます。
 本条例は、昭和四十七年に制定されたものでございますが、都内の自然環境及び自然保護行政を取り巻く状況の大きな変化を受け、その改正のあり方について東京都自然環境保全審議会においてご議論をいただき、今回、中間のまとめをいただいたものでございます。
 この中間のまとめでは、開発規制制度の強化や保全地域制度の拡充、屋上緑化などによる市街地の緑化の推進などを改正の基本的な考え方といたしまして、具体的には、開発に当たって確保すべき緑地基準の強化や、保全地域制度の拡充を行う観点から、里山保全地域あるいは森林環境保全地域などの新設について提言がなされております。
 都といたしましては、夏に最終の答申をいただいた後、条例改正案をまとめ、本年じゅうに都議会に提案する予定でございます。
 三件目は、杉並中継所周辺環境問題調査委員会の調査報告書についてでございます。
 昨年十一月に設置されました同調査委員会が、去る三月三十一日に検討結果を報告いたしました。
 この報告書は、杉並区井草四丁目に所在する杉並中継所周辺における環境問題及び健康影響の原因を究明するため、これまで得られた調査資料の詳細な解析、文献調査などのほか、今回実施した補完調査に基づき専門的立場から議論を重ね、その検討結果として取りまとめられたものでございます。その報告内容と今後の対応についてご説明を申し上げる次第でございます。
 最後に、東京都総合環境アセスメント制度についてでございます。
 この制度の試行の対象となっている都市計画道路につきまして、このたび環境配慮書が提出されました。
 本日、この後、都市計画局から当委員会に報告がございます関係上、総合環境アセスメント制度を所管する局といたしまして、環境局から、まず制度自体についてご説明申し上げ、ご質疑をいただくというものでございます。
 なお、それぞれの詳細につきましては担当部長から説明をいたさせますので、よろしくお願い申し上げます。

○平井総務部長 それでは、まず、去る三月三十一日に東京都環境審議会から答申のございました東京都公害防止条例の改正について、につきましてご報告させていただきます。
 資料1でございます。
 今回の答申は、昨年十月に公表いたしました中間のまとめにつきまして、都民、関係業界、区市町村の意見をいただきまして、都合三十回にも及ぶ審議を重ね答申されたものでございます。都民等からの意見の聞き取り方法及び主な意見などにつきましては四四ページから四八ページにかけて記載してございますので、後ほどごらんいただければと思います。
 それでは、内容でございます。
 表紙から二枚めくっていただきまして目次がございます。全体を、第1の東京の環境の状況と新しい条例の必要性から第5の新しい条例の名称まで、大きく五つの部分に分けてございます。これは中間のまとめと全く同じ考え方と考えていただいて結構だと思います。
 さらに、一枚めくっていただきまして一ページでございます。第1、東京の環境の状況と新しい条例の必要性についてでございます。
 ここでは、1、公害防止条例の制定経緯と現状、2、危機的な東京の環境、3、東京の環境の危機と国の法制度及び4、新しい条例の必要性の四点について述べております。
 まず、一点目、公害防止条例の制定経緯と現状におきましては、昭和四十四年、当時、激化していた公害から都民の健康と生活環境を守るため、先駆的かつ総合的、体系的な条例として制定された東京都公害防止条例でございますが、その後、東京の環境問題が産業型公害から都市生活型公害に拡大するなど大きく変化しており、現行条例ではその対応に限界があるとしております。
 二点目の危機的な東京の環境でございますが、ここでは、東京の代表的な環境問題として、気管支ぜんそくなど都民の健康を脅かす浮遊粒子状物質などによる大気汚染問題、安全な生活環境への脅威となっている有害化学物質問題、それから、将来世代に危機をもたらす二酸化炭素の増加やフロンに起因する地球環境問題の三つを指摘しておるところでございます。
 次に、二ページ中ほどでございますが、三点目の東京の環境の危機と国の法制度でございます。東京の環境の危機に対して、国の現行の法制度では不十分であるとして、(1)の自動車公害対策では、ディーゼル車の窒素酸化物の規制基準値はガソリン車に比べて緩い上、粒子状物質の規制は平成五年からとなっており、しかも、これらの規制は新車のみに適用となっていること、国が行う車の排出ガス試験方法が都内の車の走行実態と乖離したものとなっているため規制の効果が半減していること、軽油優遇税制が環境面の悪化を拡大させていること、硫黄分濃度の高い軽油が排出ガス浄化技術の開発をおくらせていることを指摘しておるところでございます。
 続いて、(2)の有害化学物質対策では、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、いわゆるPRTR法におきましては、化学物質を取り扱う事業者の多くが中小事業者であることなどの東京の地域特性に十分配慮していないこと、また、ダイオキシン類対策特別措置法では、一定規模未満の小型焼却炉について規制の対象としていないこと、さらに、現行法では土壌汚染の規制がなく地下水の汚染処理規定も十分ではないことを指摘しております。
 続いて、(3)の地球環境対策では、温室効果ガスの排出抑制やフロンなどオゾン層破壊物質の排出禁止に関する具体的仕組みがないことを指摘しておるところでございます。
 次に、五ページ中ほどになりますが、四点目の新しい条例の必要性でございます。
 国の法制度を先導し、東京の地域特性を加味した都独自の仕組みの制度化が不可欠であること、この仕組みを検討するに当たっては、環境問題が都民や事業者の日常的な活動に起因していること、また、環境問題に対する都民の関心はかつてないほど高まっていることなどに配慮すべきとしております。
 こうした点を踏まえて、東京の今日的な環境問題に適切に対応するため、現在の公害防止条例を全面的に改正した新しい条例を制定する必要があるとしております。
 続いて、七ページでございます。第2、新しい条例の基本的な考え方でございます。七つの点を掲げております。
 一点目の、新条例が所掌すべき範囲では、大気汚染、水質汚濁など典型七公害に加えて、温室効果ガス、有害化学物質など生態系への影響が懸念される分野も対象とすること、また、発生原因者等についても、物品の製造、加工等を行う工場や作業場だけでなく、自動車の使用者を初め、物品を使用・消費する者の責務と義務を明らかにするとの考え方が示されております。
 二点目の、都民の健康と安全な生活環境の確保を最優先する都独自の仕組みを導入におきましては、都民の健康と安全な生活環境を守るため可能な限り先駆的な仕組みを導入するとともに、現行条例の基本的な仕組みは継続していくべきであり、仕組みづくりに当たって、環境汚染の未然防止と環境修復、汚染物質量などに応じた責任と対策、弾力的かつ機動的な対処を重視していくものとしております。
 このほか、事業活動や都市づくりに環境配慮を重視した仕組みを導入、パートナーシップの推進と都の需要者としての率先行動、行政手続の公正・明確化、実効性の確保の重視及び区市町村の定める条例との関係について述べておるところでございます。
 次に、一一ページをごらんいただければ幸いだと思いますが、第3、新たに規定する事項の内容でございます。九項目を取り上げております。まず、一項目めの自動車公害対策に係る措置の充実強化では、アからオまでの五点を提案しております。
 提案の第一点目、ディーゼル車の排出ガス規制と違反車の使用禁止、(2)のアになりますが、ここでは、排出ガス低減装置を装着していないディーゼル車両は、都内の運行を禁止すべきこと、この措置は古い排出ガス規制の車など、環境負荷の高い車から段階的に行うべきことなどを、また、この制度の実効性を担保するため、違反には罰金等を科す必要があると提言しております。
 次に、二点目の自動車使用管理計画書の作成と提出等の義務化におきましては、一定台数以上の自動車を使用する事業者に対して、ディーゼル車への排出ガス低減装置の装着やガソリン車等への代替などについての措置などを内容とする、自動車使用管理計画書の提出などを義務づけるものとしております。三点目に、自動車購入時における環境情報の周知等の義務化、四点目に、アイドリングストップの義務づけ、五点目は、都独自の低公害車指定制度の導入を提言しておるところでございます。
 続いて、一四ページ中ほどでございます。二項目めの化学物質の適正な管理と排出抑制です。法が対象とする事業者より小規模の事業者に対象を拡大して、届け出の義務を課すこと、届け出事項は法が求めている化学物質の環境中への排出量、移動量のほかに取扱量を追加すること、一定規模以上の事業者に対して、法では求められていない事故時の対応等について記載した安全管理の方法書の提出を義務づけるよう求めております。
 次に、一六ページをごらんいただきたいと思います。三項目めのオゾン層破壊物質の排出禁止と必要な措置でございます。すべての都民・事業者に対してCFCなどの冷媒用フロンの大気中への排出の禁止、冷媒用フロンの再利用の原則禁止、フロン等の適切な回収を行う事業者を知事が認定し、管理票の使用による確実な回収などを義務づけるフロン回収認定事業所制度の構築を求めております。
 次に、一七ページ中ほどになるところでございますが、四項目めの土壌汚染・地下水汚染対策に係る措置でございます。有害物質の取扱事業者に対して、土壌及び地下水の汚染の未然防止措置、汚染処理計画書の提出などの義務を課すこと、一定面積以上の土地を改変する者に対して汚染状況調査の実施、汚染拡散防止計画書の提出の義務化などを提言しております。
 次に、二〇ページをごらんいただければと思います。五項目めの環境負荷の低減化に係る措置でございます。環境負荷の大きい事業者に対して、温室効果ガスの抑制などを内容とする環境負荷低減計画書の提出義務づけ及び一定規模以上の施設を建設する建築主に対して、省エネルギー設計などを内容とする環境配慮施設計画書の提出の義務を課すよう求めております。
 次に、二二ページになります。六項目めは小型焼却炉からのダイオキシン類の排出規制でございます。法の対象規模未満の小型焼却炉につきましては、一定の場合を除き、家庭用を含めて原則として使用を禁止すべきものとしております。
 そのほかに、パートナーシップづくりと需要者からの環境革命を推進する都の責務、新たな環境管理者制度の創設、新たに規定する事項を実施するに当たっての留意点について述べております。
 次に、二六ページから三一ページまでは第4という形になってございまして、これまでの規制の見直し事項の内容でございます。これは中間報告とほぼ同じ内容でございまして、現行の公害規制の手法については原則的にこれを継承するとともに、工場・指定作業場の範囲の見直しを初め、規制基準の強化等として窒素酸化物規制の強化など大気汚染に関すること、深夜営業等の一律的な規制規定の変更など、騒音・振動に関すること、建設工事排水の規制など水質汚濁に関すること、地下水のくみ上げ量の制限など地下水保全に関することを掲げておるところでございます。
 三二ページになります。第5の新条例の名称でございます。新しい条例は、公害の防止とともに、化学物質の排出規制など広い分野にわたる仕組みや関係者の責務を規定するものでございまして、都民の健康と安全な生活環境を確保することを最優先にしているということから、その名称は都民の健康と安全な環境の確保に関する条例とすることが適当であるとしております。
 なお、本文に続きまして、自動車公害対策など五つの対策について新たな仕組みの概略図、また、環境審議会の検討経過などの参考資料を掲げておるところでございます。
 以上、環境審議会からの答申内容についてのご報告を終わらせていただきます。

○江渡自然環境部長 それでは、私から、東京における自然の保護と回復に関する条例の改正につきまして、昨年四月に、知事の附属機関であります東京都自然環境保全審議会に諮問をいたしておりました条例改正につきまして、四月十三日に中間のまとめが行われましたので、ご報告を申し上げたいと存じます。
 それでは、資料2の中間のまとめの一ページをごらんいただきたいと存じます。まず、第1、条例改正の必要性についてでございます。
 本条例は、昭和四十七年の制定以来、保全地域制度や開発規制制度により自然の保護を図るとともに、施設の緑化義務や緑化地区、緑化協定の制度により自然の回復を図るなど、それぞれ大きな成果を上げてきたところでございます。条例の基本的理念は今なお色あせておりませんが、この間、自然環境を取り巻く状況は次のような点で大きく変化しております。
 第一に、山地・丘陵地の生態系豊かな谷戸や里山を保全するとともに、市街地においても頭打ちとなっております緑被率を向上させることが求められております。
 第二に、貴重な自然の生態系を守るために、絶滅のおそれのある種の保護とあわせて生息環境そのものの保全・回復が求められております。
 第三に、自然との触れ合いやボランティア活動に参加意欲のある都民の意向を受けとめる仕組みづくりが求められております。
 第四に、近年、環境基本条例、都市緑地保全法、行政手続法など条例に関する法律の制定や改正がございまして、それらとの整合を図る必要が生じております。
 以上申し上げましたような状況の変化に適切に対応し、都市と自然が調和した豊かな東京を実現するためには、現行条例を全面的に見直す必要があるというものでございます。
 三ページをお開き願います。第2、条例改正の基本的な考え方についてご説明いたします。
 第一点は、丘陵地・山地の緑地の保全でございます。
 多摩の丘陵地の豊かな自然生態系を有する谷戸や里山は、建設残土の埋め立て等の行為によって消滅の危機に瀕しております。一方、丘陵地、台地の都立自然公園の区域内は規制力も弱く、開発が徐々に進行しております。また、多摩西部の山地では杉、ヒノキの植林が林業の不振を背景に荒廃し、動植物の生息環境が劣化しております。こうした課題に的確に対応していくためには、開発規制や保全地域制度の強化拡充を図っていく必要があることを指摘しております。
 四ページをお開き願います。第二点目は、市街地の緑化でございます。
 東京は、都市化の進展に伴い市街地の緑が減少し、夏場の気温が異常に上昇する、いわゆるヒートアイランド現象が目立つようになってまいりました。こうした緑地が失われたことによる影響を緩和するために、市街地での大幅な緑の回復が必要であり、建物の屋上緑化などを推進していくことが求められております。
 第三点目は、野生生物の保護でございます。
 地球上には多くの生物種が存在しておりますが、近年、種の絶滅が進行しつつあり、それが人間の行動に起因するものであることが問題となっております。都におきましても絶滅のおそれのある野生生物が多く存在しております。特に、小笠原などには希少な固有種が多く存在しておりますので、開発や移入種などから保護する必要がございます。しかし、現行条例では規定が不十分なので、野生生物保護対策を効果的に進めていく上で必要なことを規定していくことが求められております。
 六ページをお開き願います。第四点目は、都民との連携でございます。
 近年、緑地保全に関心を持ち、何らかの活動を希望する都民が多くなってきております。都民の積極的な参加と継続的な活動を支える仕組み、さらには、行政、都民、NPOが協力をして緑地を保全していく仕組みを創設していく必要があるとしております。
 第五点目は、都と区市町村との役割分担と連携でございます。
 緑化や緑地の保全について都と区市町村との役割分担をより明確化し、都は広域自治体として区市町村と連携していくべきであるという考え方でございます。
 七ページに参りまして、みどりの推進委員制度につきましても、二十二の区市などにおきまして既に都と同様の取り組みがなされてきております。したがいまして、新しい仕組みを構築すべき時期に来ているという指摘をしております。
 第六点目は、法令等の制定及び改正に伴う規定の整備でございます。
 環境基本条例、都市緑地保全法、行政手続法等の制定や改正等にあわせて規定の整備を図るというものでございます。
 八ページをお開き願います。第3の新たに規定する事項と内容についてでございます。
 1の開発規制の強化の(1)、緑地基準の見直し等についてでございますが、〔1〕で開発に当たって確保すべき緑地の割合、すなわち緑地基準につきましては、対象規模を一万平方メートル以上とそれ未満に開発行為を分け、一万平方メートル以上の緑地基準を強化するのが適当であるとしております。続いて〔2〕では、開発対象地域に一定割合以上のもとからの緑地がある場合に限り、それらの緑地を残す基準を設定する、これを残留緑地というふうに表現しておりますが、それとともに、〔3〕で開発完了後も事業者が緑地を保全する努力義務規定を設けるべきであるというものでございます。
 九ページの(2)、建設残土の埋立規制による谷戸などの保全でございますが、〔1〕で建設残土による埋め立てや盛土を開発規制の対象行為といたしますとともに、〔2〕で資材置き場や駐車場の設置も開発規制の対象とするというものでございます。
 (3)、開発規制対象の規模の見直しでございます。現行条例の開発規制対象規模は一千平方メートル以上でございますが、市街化区域内で行われます一千平方メートルから三千平方メートルの小規模な開発行為は、植栽緑地が主で、現行の緑化指導と大きく変わらないため、今後は三千平方メートル以上の開発行為を開発規制の対象とすることが望ましいという指摘をしております。
 一〇ページをお開き願います。保全地域制度の拡充の(1)、里山保全地域と森林環境保全地域の新設についてでございますが、里山を積極的に維持もしくは復元する地域を里山保全地域とし、適切な管理により森林環境を育成することが必要なところを森林環境保全地域として指定することが適当であるというものでございます。
 続きまして、一一ページの(2)、保全地域の積極的活用でございます。保全地域の都民利用を増進するための規定を設けるとともに、保全計画や保全事業に関する規定の整備を図るというものでございます。
 一二ページに参りまして、(3)、全地域制度を活用した自然公園普通地域内の自然の保全でございます。現在、条例の規定により保全地域の指定ができないようになっている自然公園の普通地域、その地域内でも緑地保全地域などの指定ができるようにすべきであるというものでございます。
 続きまして、3、市街地の緑化でございます。
 条例の緑化義務に基づく緑化指導の対象となる施設の種類や届け出手続を明確に規定するとともに、自然地の開発行為については緑化義務に基づく緑化指導の規定は適用されないことを明確にする。さらには、将来は、緑化指導事務を区市町村に移行していくよう規定の整備を図るというものでございます。
 一三ページの4、野生生物の保護でございます。
 野生生物保護対策として、まず、保護を必要とする種を指定し、捕獲、採取等の行為を規制するとともに、必要があるときはその種の保護増殖を行う旨の規定を入れることといたしております。また、野生生物の生息地を保護区に指定し、一定の行為規制を加えるというものでございます。
 さらに、一四ページに参りまして、(3)といたしまして、事業の実施に当たっては野生生物の保護に配慮することと、外来種の放逐等の禁止や保護区における導入制限を設けるというものでございます。
 続きまして、5、都民との連携でございます。
 まず、(1)、保全事業の実施に関する都民参加についての規定の整備でございます。都が指定する緑地トラストなどの公益法人が保全事業を行えるように規定を整備し、それに都民が参加できるようにするのが望ましいとするものでございます。
 次に、一五ページの(2)の緑のボランティアに関する資格制度を設けるとともに、(3)の自然破壊行為について都民による都知事への通報制度を規定していく必要があるというものでございます。
 続きまして、6、都と区市町村との連携でございます。
 まず、両者は相互に協力し合うとともに、都は区市町村に対し一定の支援を行うとしております。また、一六ページに参りまして、(2)の、みどりの推進委員制度は廃止し、新たな緑のボランティア制度を構築していくことが適当であるとしております。
 続きまして、7の法令等の制定及び改正に伴う規定の整備でございます。
 まず、一六、一七ページに、行政手続法及び東京都行政手続条例の制定に伴う規定の整備が、続きまして、一八、一九ページに、都市緑地保全法の改正に伴います規定の整備が、最後に、二〇ページ、二一ページに、東京都環境基本条例の制定に伴う規定の整備が記載してございます。
 次は、8の引き続き検討を要する課題でございます。
 開発行為完了後の緑地の扱い、フィンガープラン対象地域の緑地基準の見直しなど四項目につきましては、今後も引き続き検討していくとしているものでございます。
 最後は、二三ページの第4、条例の名称でございますが、現行どおり変えないというものも含めまして、改正後の内容にふさわしいものとなるよう検討すべきであるというものでございます。
 以上が、大変雑駁でございますが、東京都自然環境保全審議会により取りまとめられました、東京における自然の保護と回復に関する条例の改正に係る中間のまとめの内容でございます。
 恐れ入りますが、引き続きまして資料3をごらんいただきたいと存じます。
 自然環境保全審議会におきましては、中間のまとめについて広く都民の意見を聴取するために、六月に直接都民の意見を聞く会を開催いたしますとともに、郵送、ファクスなどにより都民の意見を聞き、これらの意見を参考にしながらさらに審議を行っていくことといたしております。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○野田特命担当部長 杉並中継所周辺環境問題調査委員会報告について、お手元の資料4によりまして説明申し上げます。
 資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。調査委員会の報告内容でございます。
 昨年十一月に設置されました杉並中継所周辺環境問題調査委員会は、ことしの三月三十一日に調査結果を報告いたしました。そのうち主に中継所にかかわる部分につきましての内容は次のとおりでございます。
 まず、平成八年春から夏にかけて発生した健康不調についてでございます。
 第一に、平成八年春から夏にかけて発生した健康不調の状況は、その後、最近に至るまで、より広い地域で散発的に新たな健康不調の訴えがある現状とは性格の異なる現象であるとしております。
 第二に、平成八年春から夏にかけて集中して発生した杉並中継所周辺の住民の健康不調の訴えの主な原因は、杉並中継所の未処理の排水に含まれていた硫化水素が住宅内の配管や道路上の雨水ますから放出されたためであるとしております。また、同時期に井草森公園の添え木に含まれていた防腐剤の成分の揮発による影響も否定できないとしております。
 第三に、杉並中継所の汚水は平成八年七月十八日から下水道へ放流することを停止し、平成九年四月から排水処理を行った上で放流されており、また、井草森公園の樹木の添え木に含まれる防腐剤は当初の千分の一まで減少しているため、現在、これらの要因による健康不調の新たな発生はないとしております。
 次に、杉並中継所の排気についてでございます。
 中継所の排気の成分ごとの濃度を現在得られる評価指標と比較した結果からは、排気塔、換気塔からの排気が平成八年春から夏にかけて多発した急性的な健康不調の原因であるとする証拠は得られなかったとしております。
 第一に、中継所排気からは、ごみに含まれる多種の化学物質が排出されているが、排出規制されている物質はすべて排出基準以下であった。作業環境基準の規定がある物質の濃度はすべて基準値以下であった。これらの物質と症状のかかわりについて疫学的な根拠に乏しいとしております。
 第二に、平成八年当時の有訴者の分布は中継所周辺に偏っておりましたが、杉並区が昨年行ったTHI方式によるアンケート調査の調査票を解析した結果からは、平成九年以降発症の有訴者の分布は杉並中継所との関連を示していないとしております。
 資料の二ページ目をごらんいただきたいと存じます。杉並区が行った健康調査に関する概要でございます。
 いわゆる杉並病として杉並区に訴えのあった健康不調者、有訴者と申しておりますが、現在百二十一名でございます。杉並区はこの百二十一名についてこれまで追跡調査を行ってきましたが、その結果を調査委員会に報告されました。その状況は資料の表のとおりでございます。
 この調査結果からは次の点が明らかになったことでございますが、第一に、表の一番上の欄でございますが、平成八年春から夏にかけて発症したとする四十六名の健康不調者については、そのうち三十二名の症状が消失あるいは軽快しています。現在も症状の持続する者は五名で、いずれもおおむね一般的な健康異常と診断されました。調査委員会の報告とあわせて考えますと、平成八年春から夏にかけて発生した健康不調は、中継所汚水の硫化水素あるいは井草森公園の防腐剤を主な原因とする急性症状で、その多くは現在軽快治癒しており、現在なお症状の継続する者はそれぞれが固有の疾患によることが示唆されます。
 第二に、表の中ほどですが、平成八年九月以降に発症したとする人が四十五名、中継所稼働以前の時期から症状を訴えている者が二十二名、発症時期が不明の者が八名おりますが、今回、調査委員会はこれらの有訴者と中継所の排水、排気との間に疫学的な因果関係があるとは認めておりません。なお、これらの発症の原因については調査委員会の報告は言及しておりません。
 第三に、表の合計欄、有訴者百二十一名のうち六十四名は既に症状が軽快あるいは消失しております。症状が持続している者は三十四名で、うち十八名はおおむね一般的な健康異常と診断されました。残る十六名は受診しておりません。
 以上のことから、原因が不明な奇病とされてきたいわゆる杉並病につきましては、これまで訴えのあった人のうち過半数の者が軽快治癒し、現在も症状のある場合は、受診者のほとんどが一般的な診断のつく疾患であることが明らかになってきたものと考えられます。
 資料の三ページをごらんください。都としての今後の対応でございます。
 杉並中継所は、本年四月から区に移管されましたが、杉並中継所周辺の環境問題につきましては、移管後も引き続き東京都が責任を持って対応してまいります。
 まず、平成八年三月から八月までに発症した者への対応でございます。硫化水素による影響を受けた者の特定と現在の健康状態の確認等を行い、個別の被害の因果関係が確定すれば必要な措置を講じてまいります。
 第二に、平成八年九月以降に発症した者及び中継所稼働以前に発症した者などへの対応でございます。今なお症状が軽快していない者でその原因が明確でない者につきましては、区の保健所が行っております健康相談等に都は引き続き協力してまいります。
 第三に、いわゆる化学物質過敏症に関する調査についてでございます。これまでいわゆる化学物質過敏症と呼ばれる病態についてさまざまな議論がなされてきていることもあり、都は、今後、専門家の意見を聞きながら国内外の研究成果や知見を整理するなど、新たな調査を検討してまいります。
 第四に、区が実施する中継所の排気・排水や周辺の環境調査に対しましては、都は技術的協力を行ってまいります。
 第五に、都有施設の総点検でございます。今回起きました問題は、杉並中継所の地下排水槽いわゆるビルピットの構造や維持管理の不備により生じたものでした。同様な問題の再発を防止するため、ビルピットを有する都の施設につきまして、ビルピットの管理状況等の総点検を行ってまいります。
 なお、調査報告の詳細につきましては、お手元に配布いたしてございます資料5の杉並中継所周辺環境問題調査報告書の本文をごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして説明とさせていただきます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○清水委員 二点お願いいたします。
 公害防止条例に関連して一点は、都内で使用するディーゼル車の登録台数の総数はご報告いただいておりますが、この内訳を可能な範囲で詳細に、できましたら明らかにしていただきたいと思います。
 二点目は、化学物質を取り扱う業者の実態のわかるものをお願いいたします。

○かち委員 みどりの推進委員の謝金の五年間の変化、それから二番目は、みどりの推進委員活動費の五年間の変化、みどりの推進委員の地区活動の状況のわかるもの、四番目は、みどりの推進委員に類似した市区町村の制度の一覧、それから五番目は、NPOなど緑のボランティア組織の活動実態のわかるものをお願いいたします。

○尾崎委員長 ただいま清水副委員長、かち委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上ご提出を願います。

○尾崎委員長 次に、理事者から東京都総合環境アセスメント制度について報告の申し出がありますので、引き続きこれを聴取いたします。

○町環境評価部長 総合環境アセスメント制度についてご説明を申し上げます。
 去る三月二十九日に、総合環境アセスメント制度の試行対象でございます都市計画道路放射第五号線、三鷹三・二・二号線にかかわる環境配慮書が、都市計画局及び建設局から環境局に提出されました。
 本日は、環境局関係の委員会が終了しました後、都市計画局関係案件の一つとして、放射第五号線、三鷹三・二・二号線にかかわる環境配慮書について報告される予定と伺っております。これに先立ちまして、総合環境アセスメント制度について概略をご説明させていただきます。
 資料6をごらん願いたいと存じます。
 まず、目的でございます。この制度は、条例アセスメントの手続に先立ちまして、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある計画等につきまして、基本計画の立案段階から採用可能な複数案について情報を公開し、都民の意見を聞きながら計画をより環境に配慮したものに調整することを目的としております。
 次に、制定の経過でございますが、条例アセスメント制度は昭和五十五年に制定されたものでございますけれども、この制度は、事業計画が作成された段階で行われますため、計画内容の見直しが弾力的に行われにくい、あるいは広域的な開発計画などのように複数の事業を含む計画につきましては、個々の事業ごとにアセスメント手続を実施いたしますため、複合的、累積的な環境影響を適切に把握できないなどの課題が指摘されてまいりました。このような課題に対応いたしますため、平成十年六月に総合環境アセスメント制度を導入することにしたものでございます。
 次に、制度の試行について申し上げます。総合環境アセスメント制度は、我が国では初めての制度でございまして、社会的な影響も大きいことから、制度化に先立ちまして都が策定する計画を対象に試行することとしたものでございます。放射第五号線、三鷹三・二・二号線にかかわります試行は、こうした位置づけのもとに行うものでございます。
 資料7のパンフレットをおつけしておりますが、こちらの方には総合環境アセスメント制度の主な特徴や手続の流れなどについて細かく記載しておりますけれども、別紙に概要をまとめてございますので、これによりまして手続の概略をご説明いたしたいと思います。
 次ページをごらん願いたいと思います。中ほどから上の枠で囲われました部分が本制度の手続の概略を示す内容となっております。
 総合環境アセスメントの手続は、まず、事業実施主体、今回の場合は都市計画局及び建設局になりますけれども、その事業実施主体が、基本計画の立案段階から、計画の前提条件、事業費等の経済条件、技術的条件などから見て採用可能な複数の計画案を作成し、これを環境面から比較評価し、各計画案の特徴を明らかにする環境配慮書を作成し、これを環境局に提出いたします。この複数案を作成することと、参考といたしまして、事業がもたらす社会的、経済的効果や、事業費等の社会経済面の比較検討も記載できることが一つの特徴ということになっております。
 環境局は、この環境配慮書を都民に広く公表し、都民や関係区市町村長の意見提出の機会を設けますとともに、この内容を専門的視点から審査するため、学識経験者及び都民公募委員により構成いたします総合環境アセスメント試行審査会に諮問をいたします。
 この後、さらに都民への周知並びに意見を聞く機会を確保いたしますため、実施主体によります都民に対する説明会及び試行審査会によります都民の意見を聴く会を開催いたします。このように、計画の早い段階から都民や関係区市町村長の意見を聞く機会を設けていることも特徴の一つとなってございます。
 こうした手続を経まして、環境局長は、試行審査会の答申、都民の皆さんの意見等を勘案して環境保全の見地から審査意見書を作成し、実施主体に示します。また、その内容を公表することになっております。この審査意見書を実施主体に尊重していただくことによりまして、計画をより環境に配慮したものに調整することを目的としている手続でございます。ここで総合環境アセスメント制度の手続は終了いたします。
 この後につきましては、実施主体は一連の手続の結果などを踏まえまして、総合的な判断を加え事業計画につながる基本計画を策定いたします。この事業計画につきましては、条例のアセスメント手続が引き続き行われることになります。
 以上、簡単ではございますが、総合環境アセスメント制度の説明をさせていただきました。
 なお、試行対象事業の配慮書の内容につきましては、都市計画局の方からこの後説明されると聞いておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○森田委員 今説明いただきました総合環境アセスメント制度、これは、説明によりますと、我が国で初めての制度であるということで、今までは条例アセスだったんですけれども、その前にこの総合環境アセスをやるということで、これは結構なことだなと思います。まず、ここに出ている、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある計画等について、この総合環境アセスをやると。この環境に著しい影響というのは、どこが判断をしてーー都市計画局が一緒にいればいいんですけれども、都市計画局が提出した放射五号、三鷹三・二・二号線、これが対象になった理由、それから、これから環境局がこの環境に著しい影響を及ぼす計画ということを決めるんであれば、それ以外に今後考えられている計画はあるのかどうか、これについて伺います。

○町環境評価部長 対象事業がどうなるかということでございますけれども、対象事業につきましては、条例アセスメントの方で条例、規則に基づきまして対象事業を定めてございます。例えば、今回のケースの道路を参考に申し上げますと、一キロ以上の距離を持っている道路、それから幅員の要件もございますけれども、そういう定めがございまして、試行に際しましても、現在その枠組みを準用して考えてございます。
 それから、このほかに試行を考えているものがあるかというお話でございますけれども、試行につきましては、先ほどの道路のような個別の事業計画に相当するものと、もう一つ、広域的な面開発に関するようなものを試行したいというふうに考えて、これまで準備をしてまいりました。今回道路について試行の運びになったわけですけれども、広域的な開発につきましては、まだちょっと対象の案件の状況が煮詰まってこないということで、これにつきましては別途委託調査のような形で準備を進めているところでございます。具体的な事例としては申し上げるものはございません。

○森田委員 今の話ですと、道路の場合、一キロ以上で幅員がある程度大きいものはこの対象になるということですか。

○町環境評価部長 現在試行をしている考え方を申し上げさせていただいたわけなんですけれども、今後、本格実施の段階で具体的にどういう規模を設定していくかということにつきましては、今回の試行の結果も踏まえまして今後検討をしていかなければならない課題となってございます。

○森田委員 その試行と本格実施というのは何が違うんですか。地元にすれば、地元の近隣住民にしたら、試行も本格実施も余り変わらないんだけれども、この放射五号、いわゆる東八道路の延長線を単なる試行ということでやっているわけですか。

○町環境評価部長 今の試行は本格実施を前提にしてやらせていただいております。それで、今後、本格実施に向けて検討が必要な項目といたしましては、いろんな都民のご意見をいただく機会の日数とか、あるいは実施のための要綱の設定だとか、そういうようなことがございますけれども、根幹部分については本格実施を前提として、にらんでやらせていただいておりますので、単なる試行ということではご理解いただかないようにぜひお願いをしたいと思います。

○森田委員 もう一つ確認しますけれども、この総合環境アセスの対象を決めるのは環境局ですか。

○町環境評価部長 総合環境アセスメント制度は我が国でも初めての制度だということで、都の事業を対象にして試行をするということでございますが、その都の事業の中で何を選ぶかにつきましては、関係局それから政策会議等の場面で議論をした上で決定に至っております。

○森田委員 きょうは余り時間がないので、お互いに端的にやりたいと思いますけれども、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある計画ということを前提にしている以上、この決定における、政策会議等あるけれども、主導を握るのは環境局ですよね。

○町環境評価部長 この制度の所管をしておりますのは環境局でございまして、環境局が中心になって協議をしながら進めております。

○森田委員 総合アセスの基本的なところで伺いたいんですけれども、この案が出されてきて、それを環境局がさまざまな意見を聞いて最終的に答申を出して、環境局長が審査意見書というのを提出するということになっていますが、そして、計画策定への反映というふうに出ていますが、仮にこの総合アセスが行われて、局長の意見書が出た場合、これに従ってその計画について決定するのはどこですか。

○町環境評価部長 審査意見書の送付を受けた後決定をしていただくのは、事業実施主体になります。今回のケースでは都市計画局あるいは建設局が中心になって判断をされるということになります。

○森田委員 その場合、環境局長がーーこのアセスは環境面における配慮を考えた上での意見書になると思いますが、この意見書の重みづけ、都市計画局、建設局が決めるために、この意見書の重みづけというのはどの程度のものと考えたらよろしいんですか。

○町環境評価部長 この試行を実施するに際しまして、試行の根拠を定める決定をとっておりますけれども、その中で環境局長が提出します審査意見書につきましては、実施主体は尊重をするものとするという形で、その中で尊重していただくことが定められてございます。

○森田委員 そうすると、環境局が提出をする、局長が提出する審査意見書というのは非常に重要なものであるということですね。そして、このパンフレットを見ますと、確かに環境局の存在というのは、この総合環境アセスでは非常に重要ではあるなと、この矢印の流れを見ると、本当に環境局がポイントになっているなというふうに思うんです。例えば今回のこの意見書では、都民の皆さんの意見を聞きながら計画をより環境に配慮したものに調整していく、こういう仕組みですというふうに前段階で書いてあります。ところが都民の意見を聞くのは、一つは、都民の意見書として聞くのが環境局、環境局長と書いてありますけれども、それから、都民の意見を聴く会、これは審査会が聞いて、この審査会はやはり最終的に局長へ答申を出す。実施主体のところ、今回の場合は建設局、都市計画局ですが、この二つには都民がじかに意見をいう場がこの表でいうとないわけです。そうすると、都民の意見を集約するのは環境局というふうに考えてよろしいですね。

○町環境評価部長 実施主体の立場におきましても、住民に対します説明会を行うということになってございまして、その会の中で住民の意見が実施主体に伝わるということがございますけれども、トータルとして住民意見の集約をするところは環境局ということでご理解いただいて結構でございます。

○森田委員 それでは、基本的なところはもう余り時間がありませんのでこのくらいにしておきますが、具体的なことで伺います。
 放射五号線それから三鷹三・二・二号線、東八道路から来て、それを中央道、環八へつなげる、ある部分では非常に重要な道路ではあるなというふうに理解しておりますが、この環境アセスメント制度で読みますと、出てきた案について評価をするということですね。これはこれから都市計画局の説明があると思いますが、今回三つの案が出ている。A、B、C、ご存じですね。A案は、平面の道路である程度の幅員を持った、B案は、それ以上に幅員が広い、C案は、いわゆる問題になっている玉川上水を地下の下水化にしてしまう。この三案が出ているわけです。ところが私たちが事前に聞いていたのは、大分前ですよ、この三案ではなくて、一つの案は立体化する、上を通す、道路をですね、もう一つは、道路を平面で通す、もう一つは、道路を地下化する、この三つの案だったんです。同じ三つの案でも、今回のこの出てきている案と私たちが前に聞いた案とでは全然違うわけですけれども、この総合影響評価制度というのは、この出された案について審議をする、それだけですか。

○町環境評価部長 総合環境アセスメント制度は計画の早い段階で複数の案の提出を求めまして、それに対します早い段階の都民の意見、関係区市町村長の意見等をできる限り反映させていこうという制度でございまして、その案の提出につきましては、事業実施主体が、もろもろの要件の中から採用可能な案として選定されたものが出されてまいります。そういう意味では、環境局は、出されたものについてそれぞれの案を環境保全の見地から評価していくという立場でございます。

○森田委員 済みません、確認ですが、じゃ、この三案について、いわゆるA、B、C案については、事前には環境局には相談がないというふうに考えていいんですね。

○町環境評価部長 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、この試行につきまして都の事業を対象にしてやると、その過程で関係局等と協議をしながら進めてきたということで、そういう間には、いろんな話の中では出てきていたのではなかろうかというふうに思います。

○森田委員 大事なことなんだ。なかろうかじゃなくて、あったのかないのか、どっちなんですか。

○町環境評価部長 正式な形ではございません。

○森田委員 ないということを聞いて、環境局の姿勢には安心をしました。というのは、ちょっと確認します、玉川上水の保護のために環境局はどのようなことをしていますか。

○町環境評価部長 環境局は、歴史環境保全地域として指定をして保全に努めてございます。

○森田委員 保全あるいは環境保持のためにお金も出していると思いますが、どのくらいのお金を出していますか。

○江渡自然環境部長 下水処理水の通水それから支障木の伐採、それから雑草の草取り、そういうようなもののために約三億円の予算を計上してございます。

○森田委員 環境局としては玉川上水は非常に重要なものである。それは環境の面、緑を保全する面、さまざまな面から重要なことであるということで、今おっしゃったように予算でいうと三億円のお金を出している。しかも、ここにあります玉川上水歴史環境保全地域、こういうことで指定書と保全計画書が出ています。これは今さら私がいうこともありませんが、ここには非常に大切なことが書いてありまして、例えば、保全の方針として、可能な限り現況を損なうことなく後世に伝えるよう保全する。また、工作物の新築、改築、土地の形質の変更、土砂、土石の採取、木竹の伐採等の行為について規制を行う。あるいは、流域住民や各管理者と協議の上、必要に応じて保全の方針及び管理の方針を改善するものとする。あくまでこの玉川上水を環境局は全面的に守ろうということで、貴重な三億円という税金も投入しているし、こういう方針もやっているわけですね。
 ところが今回の計画、これから総合アセスに入る計画による三つの案、一、二はまだこれから検討の余地はないとはいえないので、これから議論になると思うんですけれども、C案は、これだけお金をかけ、貴重な遺産であるという玉川上水を地下にしちゃう、下水にしちゃう、こういう案なわけです。これについて環境局は、これは最終的にこの総合アセスの結論というんでしょうけれども、考え方としてこの総合アセスのC案については賛成できませんよね。

○町環境評価部長 今お話のございました玉川上水を暗渠にする案でございますけれども、これにつきましても、実施主体側で経済的な条件とか技術的な条件等を踏まえて、採用可能な計画案の一つとして現在提案された案だというふうに考えてございます。
 そのいわゆるC案でございますけれども、これにつきましては、今、森田先生がおっしゃいましたように、歴史環境保全地域指定の経緯や趣旨等の点からも多くの都民意見が提出され、試行審査会におきまして慎重な審議がなされるものというふうに考えてございます。我々といたしましては、慎重にこれらの推移を見守りまして、最終の審査意見書を取りまとめてまいりたいというふうに考えてございます。

○森田委員 ちょっと部長、違うんじゃない。この三案については環境局は相談に乗ってない。環境局は今まで玉川上水に対して何をやってきたか。お金を使い、そしてこういう保護の書類までつくり、そして、これを周知し、都民のボランティアも得て、あの周辺の整備をしてきている。
 実は、きょう私現地へ行って見てきました。自分の地元なのでもともと知っているところですが、改めてあの地域をちょっと歩いてきました。これは本当にやっぱり守らなくちゃいけないものだな、古木は桜の木でもこんな太いのが何本もあるし、そしてそこに、今は残念ながら清流とはいえないけれども、川が流れて、小鳥がさえずって、私が行った十時過ぎの時間帯でも何人もの人が散歩をしていました。こういうところをもし地下化することを環境局が認めるとしたら、今までやってきた自分たちの仕事を全面否定することになるんじゃないですか。そういうことをはっきりと知らなかった計画なんだから、環境局としてはこれには賛成できないと表明すべきだと思うんですが、いかがですか。

○齋藤環境局長 総合環境アセスメントは、その環境に著しい影響を及ぼすおそれのある計画について計画立案の早い段階から公表し、ご意見をいただいて、より望ましい計画をつくっていただくというシステム、仕組みでございます。確かに提案されているC案というのは、今、森田理事がおっしゃったように、環境局としても、これまで歴史環境保全地域というものをつくって玉川上水等の保護をする、事実そのとおりでございます。ただ一方で、総合アセスメント制度、試行ではございますけれども、これを中立的公正な立場から運営する、こういう立場にも立っております。したがいまして、私としては、今の段階ではどちらというのを申し上げるのはまだ早いのではないか、これからいろんな意見を伺って、そういう意見を十分に反映させる形で実施主体が適切な計画を立てていただく、この面で十分調整をできればというふうに考えているところでございます。

○森田委員 今、局長が、このC案を否定することはいえないことは私も理解できる、これからやることですから。しかし、今までこれだけ環境局が力を入れて、都内にある本当に少ない昔からの上水、そして、その周辺というのは緑に囲まれたーー杉並も緑の多かった地域ですけれども、今非常に減ってきている。こういう貴重な自然を守るということは、環境局がやらない限り実際これできないわけですよ。このフローチャートを見ても、環境局がここで環境に全面的に力を入れない限り、玉川上水は下手をしたら地下化してしまう。ほかの案、この東八道路の延伸については具体的なことは都市計画局や建設局と私議論するつもりですけれども、環境という観点、この環境という観点では環境局がぜひ全力で守っていただきたい。その決意を伺いたいんですが、いかがでしょう。

○齋藤環境局長 おっしゃることも十分私としてはそんたくいたしまして、これからの環境行政に対応してまいりたいと思いますが、同時に、生まれて間もない総合環境アセスメント制度というものを、これもやはり育てていくといいますか、大きな重要な手続的なものにしていきたい、これがいろんな面でこれから東京の環境というものをよくしていく、守っていくということに極めて有効な手だてだと思っておりますので、そういう面からも総合的に考えながら対処してまいりたいというふうに思います。

○森田委員 もう時間もありませんので、最後に一言だけいわせていただきます。
 この総合環境アセスメント制度、できた目的もここに大きく一段大きな字で書かれているように、環境を守るためにつくったという制度ですので、そこに基本を置いてやっていただけるものと信じております。貴重な自然、そして今までも、環境局は玉川上水を守るためにさまざまなことをやってきてくれました。お金を使い、そしていろんな計画をやってきた、また、こういう制度もつくってくれた、この趣旨を私は評価して、この今回の道路、道路の必要性は私は認めますけれども、あの玉川上水のあの自然を必ず守っていただけるものと確信をして質問を終わります。

○大西委員 二つだけ伺いたいと思います。
 この総合環境アセスメント制度自体は、もともと素案の段階からやるというふうな認識でいたんですけれども、今回の試行の場合は、一応都市計画決定後のものをやっておりますよね。でも、いろんな事情がありながらも、本当は、もともとは素案の段階からやるというふうに受けとっていいんですよね。

○町環境評価部長 今回の趣旨は、計画の早い段階からやるということの趣旨でございまして、可変性の高い段階でやっていこうということでございます。

○大西委員 そういう意味では、今ある条例アセスの対象として、一キロ以上とか、いろいろこれからの検討の課題も残っているわけですけれども、本来はやはり素案の段階というところから多くの代替案、そしてそれが可能であるというような、環境局の意見を取り入れたものがたくさん上がってくることが大切なので、ここはすごい重要なところだと私は思っています。そういう中で、先ほどおっしゃった、この配慮書の中に環境局が全然入ってない配慮書が出ているということ自体、ちょっとおかしいんじゃないかなと思ってもおります。いろいろ問題があるわけですけれども、今後の開発においては、総合環境アセスメント制度がなければならないと思っているわけです。
 そういう意味では、今後、後ろの方に、十二年度中に本格実施を行うということが書いてあるんですけれども、さらに、こうした制度は民間の事業者等へ対象も拡大し、そして、なるべく早く条例化するべきだと思っているんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○町環境評価部長 総合環境アセスメント制度は、先ほども少しご説明しましたが、個別計画と広域開発計画を対象に試行をした上で本格実施をしたいというふうに考えてございまして、個別計画につきましては、今の道路プロジェクトが一つの対象になります。広域開発計画につきましては、秋留台計画のような大規模な開発計画を想定しまして、計画の熟度や特性に応じた予測あるいは評価の項目やその方法など、技術指針を作成するための検討を今進めてございます。今後、この検討結果や今回の試行を踏まえました上で、できるだけ早く実現をしていきたいというふうに考えております。

○大西委員 条例化へ実現するということで、いいんですね。

○町環境評価部長 当面は、試行から本格実施に早く移していきたいという趣旨でございます。

○大西委員 最後にします。
 指針それから要綱、条例という段階があるわけですけれども、それぞれ役割が違うし、だんだん重くなっていると思いますが、ぜひ今の開発の波に乗りおくれないように、早期に実現してほしいと思います

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。

○尾崎委員長 これより都市計画局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○成戸東京都技監 本日は、五月三十一日に開催を予定いたしております第百四十四回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件並びに総合環境アセスメント制度の試行対象でございます都市計画道路、放射第五号線及び三鷹三・二・二号線の環境配慮書についてご説明をさせていただきます。
 初めに、東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件でございますが、都市計画決定にかかわるものが全部で十五件ございまして、その内訳は区部で十二件、市町村部で三件でございます。
 その他の付議予定案件といたしまして、土地区画整理事業の事業計画の変更に伴う意見書の審査が一件、土地区画整理事業の施行規定等の変更に伴う意見書に対する東京都都市計画審議会の意見聴取が一件、廃棄物処理施設の用途に供する特殊建築物の許可が二件でございます。
 なお、今回の東京都都市計画審議会に付議はいたしませんが、都市計画手続にあわせて環境影響評価手続を開始するいわゆるアセスの前合わせ案件といたしまして、都市高速鉄道第十三号線及び一般国道一六号横浜町田立体がございます。
 次に、報告事項一件についてご説明申し上げます。
 都市計画道路放射第五号線及び三鷹三・二・二号線の環境配慮書についてでございます。
 都市計画局及び建設局は、先月の二十九日、東京都総合環境アセスメント制度の試行の一環といたしまして、都市計画道路放射第五号線及び三鷹三・二・二号線の環境配慮書を作成し、環境保全局ーー現在の環境局でございますがーーに提出をいたしました。本環境配慮書では、計画案を三案作成いたしまして、それぞれの案について、環境に及ぼす影響を予測、評価いたしますとともに、参考として社会経済面から見た比較検討を行っております。
 それでは、引き続き、それぞれの担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○林開発計画部長 二子玉川東地区の再開発についてご説明申し上げます。
 本案件は、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るために、市街地再開発事業と再開発地区計画を決定し、あわせて関連する街路、公園、用途地域等の変更を行うものでございます。再開発事業及び補助一二五号線建設事業がともにアセス条例の対象となっており、今回はいわゆる後合わせ案件でございます。この案件につきましては主要案件説明資料及び図面集で説明をいたします。
 それでは、図面集の一ページの位置図をごらんいただきたいと思います。
 二子玉川地区の位置でございますが、世田谷区の南西部に位置し、東急新玉川線、大井町線、田園都市線及び国道二四六号が集中いたします交通の結節点となっている地域であり、世田谷区の基本計画において広域生活拠点に位置づけられております。また、昭和六十一年度に東京都都市再開発方針の再開発促進地区に指定され、平成九年度には業務・商業施設マスタープランの重点地区にも位置づけられております。地区の現況でございますが、二ページの現況写真をごらんいただきたいと思います。二子玉川園駅周辺は交通の要衝でありながら、現在は十分な交通広場がなく、道路の整備水準も低い状況であり、公園も都市計画決定をなされているものの未整備の状況でございます。
 また、二子玉川園駅の西側は玉川高島屋等の商業集積があるものの、東側につきましては商業集積が低く、商店街の活性化が求められており、また、旧二子玉川園は一部がテーマパーク等に暫定利用されているものの、大規模な空閑地が有効活用されていない状況となっております。このため、二子玉川東地区について市街地再開発事業等により大規模未利用地の活用と都市基盤の整備を行い、駅周辺の商業・業務機能の集積を図るとともに、多摩川に近接する緑豊かな環境を生かした良好な住宅の供給を行い、安全で快適で活力のある複合市街地の形成を図ることとしたものでございます。
 次に、経緯でございますが、本地区につきましては、昭和五十七年に世田谷区が調査を開始し、同時に地元で再開発を考える会が発足しました。その後、昭和六十二年に、二子玉川東地区再開発準備組合が設立されて今日に至っております。
 次に、都市計画の内容についてご説明いたします。
 まず、第一種市街地再開発事業の決定です。図面集三ページの再開発事業の配置図をごらんいただきたいと存じます。
 名称は、二子玉川東地区第一種市街地再開発事業で、施行区域面積は約十一・二ヘクタールでございます。
 まず、公共施設の整備ですが、区域の南側の補助第一二五号線、交通広場約五千八百平方メートルを含む補助第三二九号線など、幹線街路四路線及び周辺の交通の円滑化を図るため、区画道路四路線の整備を行うほか、約二千平方メートルの街区公園を整備することとしております。
 次に、施設建築物ですが、建築敷地面積の合計は約七万三千三百平方メートル、延べ床面積は約四十一万七千百平方メートル、そのうち容積対象床面積は約三十五万一千百平方メートルで、容積率は全体で約四八〇%でございます。全体を五つの街区に分けて整備をいたす計画となっております。
 主要用途といたしましては、Ⅰ―a街区、Ⅰ―b街区については広域生活拠点の玄関にふさわしい店舗、事務所、またⅢ―a街区では、人が集い、憩い、にぎわいのあるまちとするため、店舗、事務所に加えてホテルを、またⅢ―b街区は、店舗等を含む駐車場を、またⅢ街区につきましては、地区周辺の二子玉川公園、多摩川などの自然環境豊かな立地を生かした良好な住宅街区として整備することとし、住宅約八百戸を建設することとしております。
 高さの限度につきましては、Ⅲ街区の住宅棟の百五十五メートルを最高として街区ごとに定めております。
 ちょっとページで飛びますが、六ページに建物のパースを掲載しておりますので、参考としていただきたいと思います。
 次に、再開発地区計画の内容でございますが、図面集の四ページの配置図をごらんいただきたいと思います。(発言する者あり)主要案件図面集、この小さい薄い案件のーー(「資料がないんだからわからないよ。説明したってしようがないよ」と呼び、その他発言する者あり)
 大変失礼いたしました。それでは、図面につきましては、この茶表紙の事前説明会資料の四七ページ、先ほど申しましたパースペクティブにつきましては、四三ページに建物のパースが載っております。再開発事業による施設建築物のパースでございます。再開発地区計画についての内容をご説明申し上げます。
 図面の四七ページでございます。再開発地区計画の区域面積は、市街地再開発事業の区域に鉄道街区を加えました約十二・一ヘクタールの区域でございます。再開発地区計画では、計画の目標を定めるとともに、広場、歩行者通路、歩行者ブリッジを主要な公共施設として定めます。また、整備計画では、地区施設として区画道路、街区公園、歩行者連絡通路を定めております。また、建築物等に関する事項として店舗型性風俗特殊営業の建築物を禁止するとともに、各街区の整備方針に合わせた用途の制限、また、各街区の特性に応じた容積率等の限度等を定めます。
 続きまして都市計画道路の変更でございますが、図面の五七ページをごらんいただきたいと存じます。幹線街路補助線街路第四九号線、第一二五号線、第三二九号線及び交通広場、世田谷区画街路第六号線、第七号線について、市街地再開発事業の決定に合わせて二子玉川園駅周辺の交通の円滑化を図り、健全な市街地の発展に寄与するため変更を行うものでございます。
 また、以上の変更に伴いまして、用途地域等また都市計画公園の変更についてそれぞれ都決定、区決定の案件がございますが、説明は省略させていただきたいと思います。
 主要事業の施行予定者、事業期間でございますが、市街地再開発事業の施行期間は平成十二年度から二十二年度を予定しております。工事は二段階で行い、Ⅲ―a街区以外につきましては平成十三年度から平成十八年度、Ⅲ―a街区につきましては平成十九年度から平成二十二年度までを予定しております。
 道路の施行期間につきましては、市街地再開発事業区域内が平成十二年度から平成十八年度まで、市街地再開発事業区域外が平成十二年度から平成二十二年度まででございます。施行予定者は、市街地再開発事業については二子玉川東地区市街地再開発組合が、また、区域外の道路事業につきましては世田谷区が事業主体となるものです。市街地再開発事業の総事業費は約一千三百億円でございます。
 最後に、環境影響評価の概略について説明を申し上げます。
 市街地再開発事業の施設建築物及び道路事業等により整備されます補助第一二五号線は、ともに東京都環境影響評価条例の対象でございまして、環境影響評価書の内容の要約は、主要案件説明資料、この薄い説明資料の方でございますが、説明資料の六から八ページに記載のとおりでございます。予測、評価項目といたしましては、再開発事業に関しては、大気汚染、騒音、日照阻害など十一項目、また、道路事業に関しては、大気汚染、騒音、振動など四項目となっております。
 予測結果でございますが、再開発事業の騒音に関する予測の中で、工事の完了後の開発交通走行時における再開発計画地周辺道路の騒音レベルの各地点の最大値は四六から六九デシベルであり、環境基準値を上回る地点における開発交通車両の走行に伴う増加騒音レベルはゼロから三デシベルとなっております。
 その他の項目については、いずれの項目も評価の指標を下回るか、適切な対策をとることにより影響が少ないとの結論となっております。また、同資料、主要案件説明資料の九ページ、一〇ページに知事の審査意見書とその対応が記載されております。おおむね本アセスは技術指針に従って行われたものであると認められており、計画書案に若干の修正を加えて評価書を作成することといたしており、都市計画を定める上で支障がないと判断しておるものでございます。
 以上で説明を終わります。

○杉浦施設計画部長 私からは、アセスの手続開始案件二件と、それから総合アセスメントに関するご報告をさせていただきます。
 まず、アセス案件でございますが、一点目は、都市高速鉄道十三号線でございます。主要案件説明資料の一一ページ、それから、ただいま追加配布をさせていただきました同じ図面集は七ページからになります。十三号線の建設事業につきましては、環境影響評価法に基づきます手続を実施しておりまして、今回はいわゆる前合わせでございまして、同法に基づき環境影響評価を行い、その後に都市計画審議会に付議することとなります。
 経緯でございますが、十三号線は、昭和六十年の運輸政策審議会答申七号におきまして、志木を起点、渋谷を終点としまして位置づけられた路線でございまして、現在、志木から池袋に至る区間は東武東上線及び営団有楽町線として既に開業されております。今回計画いたします区間は、残りの池袋から渋谷に至る約八・九キロの区間でございまして、昨年一月に営団が免許を取得いたしました。その後、関係者間で調整を重ね、昨年九月から十月にかけて都市計画素案の説明会を開催したところでございます。
 計画の内容でございますが、主要案件図面集の八ページの参考図をお開きいただきたいと存じます。
 十三号線の今回の計画区間は、起点を豊島区西池袋一丁目、終点を渋谷区渋谷二丁目としまして、延長八・九キロの区間を地下方式で計画いたします。起点の池袋におきましては、既存の有楽町線の新線池袋駅に接続いたします。ここからJR池袋駅の地下を通りまして東口のグリーン大通りから都市計画道路環状五の一号線に入ります。目白通り付近から終点の渋谷駅までは明治通りの地下になります。主要施設といたしましては、図面にありますとおり、雑司ヶ谷駅、西早稲田駅、新宿七丁目駅、新宿三丁目駅、新千駄ヶ谷駅、明治神宮前駅、渋谷駅の七駅を設置いたします。運行につきましては、営団有楽町線を介しまして東武東上線、西武有楽町線、西武池袋線とそれぞれ相互乗り入れを行う予定でございます。
 本事業は、平成十九年度の開業を予定しており、営団が施行し、総事業費は二千四百億を見込んでございます。
 次に、環境影響評価でございますが、本件につきましては、既に昨年九月から十月にかけ環境影響評価方法書を縦覧し、提出された意見及び東京都知事の意見を踏まえまして環境影響評価準備書を作成いたしております。主要案件説明資料の一二ページ、一三ページに要約を記載しておりますので、ごらんいただきたいと存じます。
 環境影響評価は、要約に示すように、事業の実施により環境に影響を及ぼすおそれのある項目について調査、予測を行うとともに、これらを行う過程において環境保全のための措置を検討した結果、規制値等が定められている環境要素につきましては、当該基準と予測の結果などとの間に整合が図られ、また、実行可能な範囲内で環境影響ができる限り回避、低減されるものと評価しております。このことから、都市計画を決定する上で支障はないと判断いたしております。
 続きまして、アセスの手続開始案件の二件目でございますが、一般国道一六号線横浜町田立体でございます。お手元の主要案件説明資料の一四ページ及び主要案件図面集の九ページをお開きいただきたいと存じます。
 本件は、東京都の環境影響評価条例の対象事業でございますので、同条例に基づき環境影響評価を行った後、関連案件を一括して東京都都市計画審議会に付議する予定で、これもいわゆる前合わせ案件でございます。
 一般国道一六号は、横浜市を起点に町田市、八王子市、埼玉県、千葉県に至る道路でございまして、首都圏の都心の方向に集中する交通を分散誘導する環状方向の幹線道路でございます。このうち、町田市鶴間地区におきましては、東名高速道路横浜町田インターチェンジや国道二四六号線等の幹線道路と交差し、慢性的な激しい交通渋滞が見られる状況でございます。そこで、一般国道一六号の自動車専用部を新たに設置する横浜町田立体を計画するものでございます。
 主要案件の図面集の一二ページ、一三ページに概要図がございますが、計画の内容につきましては、既に横浜市域におきまして開通しております自動車専用道路部分を延伸する形で一六号の中央部に高架構造を設け、町田三・四・三七号線との交差点手前まで新たに追加決定するものでございます。その導入空間を確保し、住居系におきましては環境施設帯を設置するために、現在の国道一六号の幅員を三十八メートルから六十三メートルに拡幅するものでございます。さらに、交通結節点として国道一六号の区域を拡大し、東急田園都市線南町田駅北側に交通広場を設置いたします。これらに関連して、町田三・三・三六号相原鶴間線外一路線並びに用途地域、高度地区等を変更するものでございます。
 事業でございますが、一般国道一六号は建設省が、南町田駅交通広場につきましては町田市が施行を予定してございます。
 次に、環境影響評価でございますが、環境影響評価につきましては、主要案件説明資料の一五ページ、一六ページに要約を記載してございます。
 この環境影響評価を実施いたしますのは、都市計画を定める立場の東京都知事でございます。対象事業は、横浜市緑区長津田町を起点とし、町田市鶴間地内を終点とする延長約一・八キロの自動車専用道路の新設でございます。環境に及ぼす影響の評価の結論は一六ページに記載しているとおりで、大気汚染以下七つの項目について予測、評価を行ってございます。要約に示されているとおり、大気汚染、騒音、振動に関しましては環境基準等評価の指標以下となっております。また、その他の項目については要約に記載のとおりでございます。
 以上、いずれの項目も環境への影響は少ないと考えられ、都市計画を変更する上で支障はないと判断しております。
 続きまして、総合環境アセスメント制度の試行における環境配慮書についてご報告します。お手元にグリーンの冊子があると思いますが、これをごらんいただきたいと存じます。
 私ども都市計画局と建設局は、先月二十九日、東京都総合環境アセスメント制度の試行の一環としまして、都市計画道路放射第五号線及び三鷹三・二・二号線の環境配慮書を作成しまして、環境保全局、現在の環境局でございますが、それに提出しました。
 お手元のグリーンの環境配慮書の概要の一ページをごらんください。本路線の概略を表1.3―1に、また、位置図を下段の図1.3―1にお示ししてございます。本計画道路は、杉並区久我山二丁目を起点としまして、三鷹市牟礼二丁目を終点とする延長約一・八キロメートルの四車線の幹線道路でございます。そのうち、放射五号線の区間には、計画道路の中央に玉川上水が流れております。放射第五号線の当該区間は幅員五十メートル、また、三鷹三・二・二号線の当該区間は幅員三十メートルで、ともに昭和四十一年に都市計画決定しております。
 本路線は区部と多摩地域を結ぶ重要な幹線道路でございまして、対象地域の約一・八キロメートルは、そのうちの唯一の未整備区間でございます。この区間を整備することによりまして、慢性的な渋滞に悩む甲州街道のバイパス的役割を果たすとともに、ボトルネックを解消し、住宅地に侵入する通過交通を排除するなど極めて大きな効果が期待されるものでございます。
 今回、計画案として三つの案を作成いたしまして、それぞれについて環境に及ぼす影響について予測、評価をいたしますとともに、参考として社会経済面から比較検討を行っております。
 二ページと三ページをごらんください。三つの案の放射五号線区間につきまして標準的な横断図とイメージ図を示してございます。A案は、既定の五十メートルの都市計画幅員の中で、玉川上水及びその緑地空間の保全を図るとともに、広幅員の歩道を設け沿道環境の保全を図るものでございます。B案は、都市計画幅員を六十メートルに拡幅して、玉川上水の緑地空間をさらに豊かにするとともに、環境施設帯を設け沿道環境の保全を図るものでございます。C案は、玉川上水を暗渠化して中央に車道を設けますが、代償として民地側のより身近な場所に豊かな緑や水辺を創出するもので、都市計画幅員が四十六メートルに縮小可能となるものでございます。
 続きまして、四ページと五ページをごらんください。三つの案の三鷹三・二・二号線区間につきまして標準的な横断図とイメージ図を示してございます。A案及びC案は、三十メートルの既定都市計画幅員の中で、広幅員の歩道を設け沿道環境の保全を図るものでございます。B案は、都市計画幅員を三十六メートルに拡幅しまして、環境施設帯を設け沿道環境の保全を図るものでございます。
 次に、各案の環境に及ぼす環境評価についてでございますが、六ページをごらんください。評価の結論を表にまとめてございます。
 中ほどにございますが、健康で安全な生活環境、都市と自然が調和した豊かな環境及びその他の三つの評価軸により各案の評価を行ってございます。その結果、同じページの一番下に示してございます環境面から見た総合評価の欄をごらんください、三案とも沿道地域の生活環境は保全されます。また、A案につきましては、長所としまして、玉川上水及びその緑地空間が保全されることが挙げられます。一方、短所としまして、自動車排気ガス等による玉川上水の緑地空間への影響が考えられます。B案につきましては、長所としまして、玉川上水の緑地空間の両側に緑が増進され、自動車排気ガスによる玉川上水の緑地空間への影響が軽減されることが挙げられます。C案につきましては、長所といたしまして、環境施設帯に身近で豊かな緑が創出されることが挙げられます。短所としましては、玉川上水の緑と水辺が当該の区間では消失することとなります。
 続いて、参考として、社会経済面から見ました各案の比較検討を行っております。
 七ページをごらんください。中ほどですが、利用者の視点、生活者の視点、事業者の視点の三つの評価軸により評価してございます。
 各案とも、速達性の向上や走行の安全性、快適性の向上等が図られ、その効果は同程度でございます。
 ページの一番下に示してございます、総合的な比較検討の欄をごらんいただきたいと存じますが、A案につきましては、長所といたしまして、既定都市計画であることから関係権利者数が変わらないこと、及び事業期間が変化しないことが挙げられます。B案につきましては、短所といたしまして、関係権利者数及び事業費が他の計画案に比べ増加することが挙げられます。C案につきましては、長所といたしまして、関係権利者数及び事業費が他の計画案に比べて減少することが挙げられます。
 以上が、今回作成しました環境配慮書のあらましでございますが、本件は、東京都総合環境アセスメント制度試行実施要領に基づき、試行手続終了後に、計画案を定めた上で、東京都環境影響評価条例に基づきます環境影響評価を行う予定といたしております。
 雑駁ですが、以上、ご報告を終わります。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 これよりただいまの報告事項に対する質疑を行います。
 まず、東京都都市計画審議会の付議案件につきまして発言をお願いいたします。

○真鍋委員 二子玉川東地区の再開発についてお尋ねしたいと思います。
 それで、まずお尋ねしたいのは、この再開発によりまして都市計画道路の整備が図られるということでありますけれども、世田谷区の道路整備というのは、ご案内のとおり、大変低いわけでありまして、都市計画の整備も、たしか私の記憶では四〇%台で、二十三区平均より一〇ポイントほど低かったと思います。ですから、タクシーの運転手さんに世田谷に行ってくれといいましたら、道が悪いんで行きたくないですねなんという答えがいつもあるということで、何とかしなければというのが、全般の年来の懸案だったと思います。
 その計画は、きょう報告もありましたけれども、長年かかって積み上げてこられたわけですけれども、そういう意味で、今歩道がない道路が多くて歩行者の安全が守られない、図られないということで大変厳しい状況もありまして、ある意味では大変待ちに待ったという部分があるわけです。そこで、ここでお尋ねしたいのは、今回の再開発によりまして、今申し上げましたとおり、道路整備が行われるというふうに思うんですけれども、今回の再開発事業で整備される都市計画道路というのは、先ほど幾つかありましたけれども、もう一度確認をさせてもらいたいと思います。それから、そのことに係る事業費について内訳がわかりましたら教えてください。

○林開発計画部長 二子玉川東地区再開発事業に関連いたしまして整備される都市計画道路につきましては、放射四号線、通称国道二四六号線、それから補助四九号線、通称駒沢通り、それから補助一二五号線、通称多摩堤通り、補助三二九号線、世田谷区街六号線、世田谷区街七号線、これは通称上野毛通りといわれております。以上の六路線でございます。これの総事業費につきましては、トータルで約三百八十億円余と見込まれております。

○真鍋委員 今総事業費のことを教えていただいたんですけれども、この再開発を進めるに当たって、事業費の中で、これをどこがどう負担してという形で整備されていくと思うんですけれども、その事業の内訳はどういうふうになりますか。

○林開発計画部長 先ほどご説明いたしました道路のうち、二子玉川東地区再開発事業で整備するものにつきましては四路線ございます。放射四号線、国道二四六号線、補助四九号線、駒沢通り、補助一二五号線、多摩堤通り、補助三二九号線の四路線で、その路線の再開発事業地区に係るところでございます。
 この四路線についての再開発事業としての事業費でございますが、約二百八十億円余でございます。その事業費の内訳でございますが、当二子玉川地区におきましては、道路用地の一部を再開発組合が提供するということで、再開発事業組合が約百億円余を負担するものと見込んでおります。残りの百八十億円余につきましては、公共施設管理者負担金ということで見込んでいるところでございます。

○真鍋委員 先ほどの説明の中で、総事業費が一千三百億円というふうにいわれましたけれども、今のお話を聞きますと、この再開発で整備される道路でかかる事業費は約二百八十億円、そのうち再開発組合の方が百億円、地元で持たれて、公金というか公のものが百八十億円ということで今教えてもらったんですけれども、そうすると、これ以外、この道路を整備するために百八十億円というものと、あといろいろこの計画を整備するために補助金みたいな形があると思うんですね、巷間一千三百億円という額だけが一人歩きしているんですが、公がこれに対してどういうお金を出しているのかなと。今はっきりしたのは、公共施設管理者負担金百八十億円ですよね。あとこれに補助金があると思うんですが、その辺はどれぐらい計算されているんですか。

○林開発計画部長 今回の再開発事業で想定される補助金、また公共施設管理者負担金、これらが公共側から出るお金でございますが、先ほどご説明したとおり、公共施設管理者負担金につきましては百八十億円余を計画しておりまして、その他補助金につきましては二百十億円を想定しております。

○真鍋委員 今のお話で、百八十億円と補助金が二百十億円、約三百九十億円ですね。先ほどいいましたとおり、これを、本来ですと都市計画道路というのは行政が整備しているわけですけれども、総事業費は、先ほどいわれました三百八十億円かかって、今回の整備のところが再開発事業で二百八十二億円で整備される、内訳は、約百億円が地元組合が持って、あと百八十億円を公で持つ、それに補助金が二百十億ということで数字が見えてきました。そうすると、それ以外のこの事業というのは、それぞれの地権者が負担をしていって、これ全体を整備していくということでありまして、決して千三百億円丸々公金投入ということではないということがよくわかりました。そんなことで、年来の懸案でありました道路整備、特にこれは多摩川の河川敷が広域避難場所になっておりますので、これまで一朝有事の際には、あの道路整備ーー道路の本当に脆弱なところですから、どうやってみんな逃げるんだということをいっておりましたけれども、また、先ほどもいいましたが、日常においても、抜け道になっていますし大変車が多いと、ところが歩道がありませんので、整備されていませんので、大変危険だということで、この歩道の整備が大変待たれたわけですけれども、そういうことで長年の懸案でありました。
 それで先ほどもお話がありまして、この計画を区の方でつくって十七年、二号地区に指定されて十四年、準備組合をつくられて十三年ということですね。確かに、都市計画というか、こういうまちづくりは国家百年の計なんていわれて、大変時間がかかるわけですけれども、この二子玉川の東地区の再開発についても大変これまで長い時間がかかったと思います。中に、準備組合を発足させて一生懸命やってきたけれども、どうなっているんだろうかと、推進要望が七割超えているということも聞いておりますけれども、随分時間がたったな、もう我慢できない、何でこんなにできないんだろうかなんていう話も聞いておりますが、きょうここで、今度の都市計画審議会の方に諮るんだということで報告がありましたので、ある意味では安心をしておりますけれども、この再開発事業について東京都は速やかにやっていくべきだと思うんですが、改めて都のお考えをお尋ねしたいと思います。

○林開発計画部長 二子玉川東地区につきましては、東京都の都市再開発方針におきまして再開発促進地区、いわゆる二号地区として位置づけられているとともに、世田谷区の方におきましても、広域生活拠点に位置づけております。東京都といたしましては、商業・業務機能と居住機能が調和しました複合市街地の形成を図り、道路等の公共施設の整備及び安全で快適な都市環境を目標として速やかに都市計画決定を行い、再開発事業を促進してまいりたいと考えております。

○真鍋委員 それと、きょうは進行に協力したいので最後の質問にさせてもらいますが、この二子玉川東地区の再開発でちょっと心配されているのは、地元の商店街の方々が、例えば借地権であるとかいろいろな形で今一生懸命仕事をされているわけですけれども、この整備をされた後どうなっていくんだろうか、これご心配の向きであられると伺っております。その辺のこともきちっとフォローといいますか、バックアップしていかなきゃならないと思いますし、そういう行政の役割もあると思います。そういう方々が安心してこれからも仕事を続けられるということは必要だと思うんですけれども、その辺のご支援、ご協力といいますか、当然行政としてバックアップしてくださると思うんですが、その点についてお尋ねしたいと思います。

○林開発計画部長 この再開発事業につきましては、市街地再開発組合により事業を実施することになるわけですが、組合施行の市街地再開発事業におきましては、都市計画決定がなされますと地権者の合意に基づいて事業計画を作成し、組合を設立することになります。次に、組合によりまして権利変換計画を作成し、関係権利者の従前の資産と従後の資産が等価となるように権利変換するということになりますので、土地や建物の所有者の権利は損なわれることはございません。また、借家権者につきましても、従前の貸借関係が維持されることが基本となっております。
 東京都におきましては、事業の各段階で組合設立、事業計画、また権利変換計画などについて知事が認可をおろすことになりますので、権利の大小にかかわらず公平、公正に事業が進められるように組合を指導してまいりたいと考えております。

○真鍋委員 最後に要望ですけれども、先ほどから何度も申し上げましたけれども、行政の仕事って何かなといいますと、日々その地域の方々が生活する中で、まず安全である、安心なまちをつくるということが行政の大きな役割だと思うんですね。ところが歩道もない、段差も激しい、どうやって日々生活をしていくのか、ある意味じゃ殺人道路なんていわれまして、こういうことをきちっと整備するというのが何よりも行政の役割じゃないか、また、ある意味でこれは福祉なんですね。それをきちっとやっていただきたい。この計画を進めるに当たっては、その辺の優しいまちづくりをぜひとも実施してもらいたいと思いますし、それから、今この事業を進めるに当たって、そこで生計を立てている商店の方々がちゃんと身の立つようにやっていただきたい、改めてお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

○たぞえ委員 それでは、都計審の案件について何件か伺います。
 ことし予算が通りまして国と地方の長期債務残高が六百四十五兆円と大変な事態であります。しかし、一方でバブルの夢は消えておりませんで、各地で公共事業再開発が動き始めています。その多くで、目的が定かでないとか、それから採算が定かでない、環境への配慮がない、こういう点が共通しているというふうに指摘されています。
 その一つとして、まず私は二子玉川東地区について伺いたいと思います。この開発地域は標高三十五メートルの国分寺崖線から数百年の間、丹沢や富士山など、多摩川を見ながら雄大な流れを見てきた、そういう東京百景の、江戸百景といわれています絶景地の地域であります。組合施行としても全国最大級の面積と事業費を持つものですが、一年前の試算でも一千三百億円であるといわれています。完成するには十年以上かかりますから、その事業費は予想もつきません。一体、全国最大規模のこの開発、地域内だとどういう建物が幾つ建つのか、そして、計画地の就業、居住人口は一体どうなるんでしょうか。

○林開発計画部長 再開発事業地内での建物の内容でございますが、先ほど、後ほどご配布させていただきました資料案件図面集の三ページにこの配置図がございますが、これをパースペクティブに載せましたのが六ページでございます。街区としてⅠ―a街区、Ⅰ―b街区、それからⅢ―a街区、Ⅲ―b街区、それからⅢ街区ということで五つの街区に分かれております。それぞれ先ほどご説明したような用途で建築物が建設される計画になっております。それぞれの個別の内容はこの図面集の三ページに記載のとおりでございます。
 それから、次のお尋ねでございますが、こういった建物の概要でございますが、トータルで申しますと、商業で十一万平方メートル、業務施設が約十万平方メートル、これ延べ床面積でございます。ホテルが約三万平方メートル、住宅が約九万平方メートル、その他駐車場等を含めまして全体で四十二万平方メートルでございまして……

○たぞえ委員 面積なんて聞いてない、建物は幾つかと聞いているんだから、ちゃんと答えてよ。

○林開発計画部長 済みません。建物は先ほどのとおりでございます。それから、就業人口についてのお尋ねがございましたが、全体で、この結果約一万人を想定しているところでございます。

○たぞえ委員 区域の中に高さ百五十メートル並みの商業とホテルビルが建つわけです。きょうパネルを持ってまいりました。これは都市計画局がつくった今お手元にある写真を拡大したものでありまして、ここに富士山が本当によく見えるところであります。世田谷区民にとってもこの場所は憩いの場所です。国分寺崖線から写真を撮っておりますが、この写真から見ますと、こういうふうにビルがにょきにょきと百五十メートルが幾つも建つわけですね。景観に丸々壁ができる、昔からこの開発ができますと西の万里の長城だっていわれていました。建物がつながって見える地点もあるわけです。現在の写真でいいますと、切れておりますので、中に丹沢や富士山も見える地点もあるようですが、こういう風景になるというわけです。
 こういう計画に対して、再開発地域内で営業しているある女性の方は、これはひどい、今の残り少ない東京の自然を壊すのはもってのほかじゃないかといって怒っていました。それから、開発地の中の土地所有者でありますが、開発の必要は理解できるけれども、超高層ビルまで必要なのか、もっと住民の立場で考えてほしいといっています。七十七歳のこの地域に住んでる女性の方は、美観など多摩川のイメージが台なしだ、これからは分散の時代なんだから何も二子玉川にホテルも業務も全部集めるんじゃなくて、分散してほしい、広い視野で計画してほしい、このように意見を述べていました。こういう意見は評価書案と見解書案について実に三万二千四百五十一件にも及ぶわけです。
 このビルの建設によって周辺住民は大きな影響を受けるというふうに懸念をしていますけれども、局長に伺いますが、なぜそういう住民の意思が下されているというふうにお考えでしょうか。

○成戸東京都技監 ただいま理事からご説明がありましたように、この地域はちょうど多摩川と国分寺崖線に挟まれた地域でございます。私も自宅はあちらの方面でありますので、あちらの方面に時々足を運ぶことがありますが、先ほど真鍋委員からもご質問がありましたが、駅をおりてみますと、かなり人は多いんですが、整然とした町並みが得られていない、こういうような実感を強くしておりまして、私もこの再開発事業を長年扱ってまいりましたが、駅前広場等を含めて整然と整備すべきだろうというふうに基本的には考えています。
 さて、そうした場合に建物の高さを抑えて再開発をいたしますと、どうしても壁構造になってしまいまして、先ほどお示しいただきました写真以上に富士山が見えなくなってしまう、たまたま富士山が見えるところを先生自身もご指摘いただきましたが、ああいった形で超高層にいたしますと、確かに建物が高いということでうっとうしい感じがあるかもわかりませんが、反対側から見れば国分寺崖線の一部は見える、国分寺崖線から見れば富士山が見える、そういったような、景観にも極力配慮しながらあの地域の活性化を図っていこうということで、ご提案になっているような案になった次第でございます。

○たぞえ委員 局長さん、いいますけれども、配慮の問題じゃないんですよ。私がさっきいった住民の声について、何でこういう声が示されているんですかということを聞いているんですよ。富士山をこっちから見た、あっちから見た、どうとかこうとか、そんなのはどうでもいいことなんです。皆さんの心配の声に局長としてはどのようにお考えですかと聞いたわけなんですよ。だから、そういう何かもっと住民のスタンスに立ってほしいんですよね、感性を。お年寄りの声がいっているでしょう、さっき私紹介したけれども、美観が台なしだといっているわけですよ。低くしてほしいというふうに願っているわけだから、そういうことをもっともっと住民の側に立って、私は業者にきちんと物申してほしいと思うんです。それは毎日通勤で使っていて、だんだん見なれていいところだなと思っているかもしれないけれども、それだけじゃこの問題は片づかないんですよ。
 この問題は、昨年の区長選挙だって大変大きな争点になった、いわば区政を揺るがす大問題だったんです。隣の川崎市からもたくさんの意見が寄せられている広域的な問題ですよ。十年度に行われたアセス対象事業の中では最高の意見数なんですね。それほど関心が高いんですよ。ですから、これだけの声をなぜ無視するのかということが今問題になっているんです。なぜ住民からの理解が得られないかというと、もう十二年度から工事をやると、何が何でも超高層だという、そういう態度を変えてないから住民がいろんな悩みを、困難や悲しみを今東京都や準備組合に示しているんじゃないでしょうか。こういう何も態度を変えないというところが、私、今住民の審判が示されているというふうに思うんです。そういう点でこの問題はいろんな角度から聞いてみたいと思うんです。
 先ほど質疑がありましたが、この計画は当初八三年に基本計画を立てています。この基本は都市機能が集積した複合市街地をつくる、それから、土地の有効活用、利用を行う、こういう二大目的でスタートしました。これで図面を引いているわけです。これがスタートなんですね。それから十七年が経過をしました。準備組合は八七年に設立をしましたが、九七年に組合の理事長が、ご理解をいただいたと、そして再開発事業の都市計画決定へのステップが踏み出せたというふうに、今から三年前におっしゃいました。八七年の基本計画の段階から計画は土地所有者間の意見を盛り込んで策定してきたんですか、どうですか、開発部長。

○林開発計画部長 市街地再開発事業の計画をつくるに当たりましては、先ほど申しました関係権利者の方のご意見を聞き、再開発準備組合がそういった中で再開発事業について考え、その地区の将来像を描くという中で考えてきているものいうふうに考えております。また、先ほど申しましたが、この地区は世田谷区の広域拠点都市というような重要性がある地区でございます。そういった地区としての整備を図ること、またあわせて、理事ご指摘の、非常に国分寺崖線等の景観等の保持と、こういったところを両立させるような計画、こういったものをつくるためにこういった計画策定が行われてきた、こういうふうに考えております。

○たぞえ委員 今、土地所有者の総意が生かされているとおっしゃいました。では、世田谷区と特定企業との間で特別な取り決めはなかったといい切れますか。

○林開発計画部長 ご質問の区との関係については、都として詳しいところは存じません。

○たぞえ委員 済みません。よく聞こえなかったのでもう一度お願いします。

○林開発計画部長 ご質問のことについて、どういったところでのことをご質問されているのかよく把握できませんが、区の内部事情について都として詳しいところは存じません。

○たぞえ委員 区の内部事情だからよくわからないとおっしゃっているわけですが、これは地権者一人一人の大事な財産、営業、居住問題ですから大事にしなければいけない問題です。ところが組合設立の八カ月前の八六年十一月の十五日に世田谷区と東京急行電鉄株式会社が、行政、企業双方がそれぞれの責任の範囲で事業の完成まで一致協力、最大限の努力を期すと覚書を結んでいるんです。これがその文書ですよ。(資料を示す)世田谷区と東急が結んだ、昭和六十一年。組合ができる前に世田谷区と東急がどういうまちをつくりますかということをもう決めているんです。その後協定書も結ばれていましたよ、どこに何をつくると。ここには地権者は入っていないんです。確かに東急は地権者です。さっきおっしゃった商店街のような人たちは全然ここには加えられていない。こういうことで事が決まっていっているんですよ。
 例えば、この覚書を具体化するために、世田谷区と東急が覚書に基づいた具体化を図ったわけですが、公園予定地二万九千三百平米については東急が世田谷区に無償で譲渡する、残り三万三千五百平米は区が買収する、こういうことが協定で結ばれている。こんなことは全然世田谷区議会に報告がなかったことです。いつ報告があったかというと去年ですよ。この環境アセスメントの案が発表されてから一年後にこういう内容が出てくる。土地所有者のたった一つの企業しか知らない、それ以外は本当に除外されてきた、こういうあり方ですから、一般地権者が入り込む余地が全然ないんです。これが都市計画の手続の方法なんですか。

○林開発計画部長 再開発準備組合の中には開発地区内の関係権利者が当然多く含まれておりまして、その人たちの大宗によって計画が立てられているというふうに考えております。現在のところ開発地権者の七割強の方がこの再開発事業についてその推進を望んでいるというふうに聞いております。

○たぞえ委員 逃げちゃ困るんですよ。地権者の中のたった一つの企業が世田谷区と協定を結んで、あらかじめ計画の方向を決めているじゃないかと私いっているんですよ。こういうことが手続の本来のルールなんですかと聞いているんだから、イエスかノーかはっきりいってください。ほかの地権者のことは聞いていないんですよ。

○林開発計画部長 現在、都市計画決定の手続のための前アセス、また、今回後合わせを行っております。こういった手続の中で都市計画の法律等に基づきまして関係権利者の意見を十分に聞いて、現在の計画案が都市計画審議会にかかっているというふうに考えております。

○たぞえ委員 全然聞いていることを答えてくれないんだよね。だから、これからの再開発事業は、こういう事前に協定とか覚書ができちゃったら、その方向に沿って進んで、そのほかの地権者の声が入らないでしょう、そういうやり方がこれからのルールなんですかと私指摘しているんですよ。ちゃんとそういうこと答えてくださいよ、大事な問題なんだから。これらの手続についてはーーその後いろんな問題についてまた聞きます。
 次に、開発による車の問題です。この開発による駐車台数は千八百台と書かれています。開発によってどれだけの車が発生するんですか。

○林開発計画部長 今回の再開発事業によりまして新たに約二万五千四百台の発生集中交通が生じると予測されております。

○たぞえ委員 開発によって新たに二万五千四百台、大変な量ですよ。三軒茶屋という町がありますが、そこに走っている二四六号国道、これが約四万台ですから相当な数があふれ返ってくるわけです。これまでも二子玉川の周辺は渋滞でメッカでした。さらにこれだけふえれば、それは渋滞どころか大気汚染も心配されます。今度のアセス案では、これだけふえても環境基準は下回るということをーー今上回っているのに今度下回る、そんないいかげんな話は聞いたことありません。
 具体的に聞きますが、車の集中による大気汚染や騒音、振動の予測の根拠になっている将来交通量の基礎資料、いつのものを用いているんですか。

○林開発計画部長 工事中の将来交通量、これにつきましては現況交通量を調査いたしまして、それに将来その工事期間中の交通量の伸び等を勘案し、それから工事現場での工事車両の台数、こういったものを足し合わせまして基礎資料の数値を予測しているものでございます。また、この再開発事業が完成した後の将来交通量の推計に当たりましては、こういった大規模開発の再開発事業等の開発に当たりまして、発生集中交通量の減退等が、これはマニュアルとして示されておりますので、そういったものをもとに発生集中量を算出し、適正な交通手段分担等を掛けまして発生交通量をはじいているというものでございます。

○たぞえ委員 何年のを使ったんですか。

○林開発計画部長 先ほどの工事中の将来交通をはじくときに、現況調査を平成八年に行っております。また、その伸びを示す資料として、経年変化を見ておりますが、それは五十八年から平成六年度までの自動車OD調査を使っております。

○たぞえ委員 将来交通量って聞いているんだから現況交通量の話をされたって困るんですよ。将来交通量の基礎資料は昭和六十三年、一九八八年の東京都市圏パーソントリップ調査で出している数字なんです。ところがそれは八八年ですよ。今回評価書を提出したのは九八年十月なんですよ。調査から十年前の資料、刻々と変わる社会の中で十年前の資料で二十四年後の将来の予測をして、こんな現実に合わないものを二十一世紀の計画に持ち込んで、だから交通量は二万五千四百台で済むなんていう、大体そういう算出のあり方自身に問題があるんじゃないですか、環境影響評価技術指針では、この現況調査や予測、評価に当たってどういうふうに留意すべきだというふうに定めているんですか。

○林開発計画部長 先ほどのご説明でちょっと舌足らずなところがございましたが、昭和六十三年度の東京都市圏パーソントリップ調査、これが現在、首都を起点に交通量を予測するための調査として最新のものでございます。交通量の予測に当たりましては、自動車だけではなくて電車、徒歩、こういったものを含めて、交通機関分担を含めて予測する必要がございますが、そういったもののデータとなるものが昭和六十三年のパーソントリップ調査に基づく、これは平成二十二年の将来自動車OD表、調査自身は六十三年ですが、予測している交通量については、平成二十二年を今のようなことで総合交通分担ということを基準に自動車交通量をはじいているものでございます。ちょっと補足させていただきました。
 そういった意味では、この資料が交通量を推定する、モーダルスプリットを勘案して交通量を推定するという意味では、最新のデータというものになってございました。
 それから、ご質問で、環境影響評価に当たって、予測、評価の実施に当たってどのように留意すべきことが定められているかというご質問でございますが、予測、評価の実施に際して留意すべき事項として、調査、予測、評価について可能な限り客観的に行うように努めること。また、調査、予測及び評価に当たって既存の資料を使用する場合には可能な限り最新の資料を収集し使用することに努めること。調査、予測及び評価に当たって可能な限り定量的に行うよう努めるものとし、定量的に行うことが困難なものについては定性的に行うこととすることなどが定められているものでございます。

○たぞえ委員 可能な限り最新の資料でやるといっているんですね、この技術指針では。八八年のパーソントリップ調査が一番新しいといいましたが、先ほど報告のありました放射五号線の環境配慮書の概要の基礎データになっていますのは、平成九年のを使っていますよ。二子玉川のは十年七月に報告書を出して、この中で、放射五号線ですが、平成九年度、道路交通センサス、こういうのをデータをきちんと使ってやっているんですよ。
 それじゃもう一つ聞きますけれども、現況調査です。選定した開発地周辺の四地点の調査は同じ地点で同じ年度に行われたんですね。

○林開発計画部長 調査地点のうちナンバー4につきましては、下水道工事のために平成八年度は現況調査ができない状況にあったため、平成三年に組合が行いました調査結果を用いております。

○たぞえ委員 ほかの三地点は別の年度ですか。

○林開発計画部長 同じ年、平成八年でございます。

○たぞえ委員 平成八年、今その他の地点についてはそういう年度をおっしゃいました。それは全国道路交通情勢調査を使ったわけです。下水道工事が行われた地点の調査は何年ですか。

○林開発計画部長 平成三年の調査結果でございます。

○たぞえ委員 答弁がちゃんとされてないから、こちらも聞くのがちょっと困るんですよ。ちゃんといいますから、ちゃんと答えてくださいね。
 四つの地点で現況調査が行われた、そのうちの一つの地点は、実は下水道局の南部第二事務所が一年二カ月間にわたって工事をやっていたんです。ですから、その期間中、駒沢通りですが、雨水管と汚水管の四百四十四メートル区間について工事をやっていた、ですからそこは通行どめだった。そこを調査しようと思ったら通行どめで調査ができないというので、この準備組合はほかの地点よりも五年前の資料をその地点だけは使って出してきたんです。ほかの三地点は五年後の調査なんです。それでバランスが崩れる。その四つの地点を一緒に持ってきて、将来の交通量はこうなりますよというのを同時に出した、そんなに年度の開きがあるのに。そんなことができるんでしょうか。きょう調べた調査と五年後に調べた調査を同じ調査として、交通量を、将来の予測をそこで立ててしまう、大変乱暴だと思うんですね。先ほど技術指針に沿って行ったというふうにいわれましたが、同一に扱うこと自身が間違いじゃないですか。

○林開発計画部長 ご指摘のとおり、平成三年のデータを使ってデータがつくられておりました。平成八年十月ごろにその他の調査を実施したわけですが、平成九年六月に評価書の素案といったものが都に提出されております。その際、都の指導のもとで手直しを行って、平成十年四月に評価書案が提出されておりますが、この地点の交通量調査につきまして、最近の時点のということであったわけですが、当時、下水道工事の期間であったために正確なデータを得る調査ができない状況であった。それに引き続きまして、駒沢通りの下水道工事に引き続きまして、環八通りの工事に伴う管理用の立て坑が駒沢通りの環八通り入り口部分に平成十年九月まで残っておりまして、引き続き現況交通量の調査ができない状況が続いたものでございます。そういったことで、データにつきまして、先ほどのような取り扱いをして予測を行ったというものでございます。

○たぞえ委員 工事期間がわかっているんだから、その工事が終わってから、ほかの地点も含めて四つ全部調査すれば、簡単なことなんですよ。何で待てないのか。結局、平成十二年度に再開発のスタートが待っているからなんですよ。そういう開発ありきだからこういう不手際が起こるんじゃないですか。
 次に、地下水です。アセスの調査で行った理由ですが、地下構造物の設置に伴い、地下水の流動の変化による影響が予想されるというふうに理由が述べられています。調査の結果は、案の定、国分寺崖線と多摩川側が標高が高いために、開発地の中心部がちょうど谷間になっておりまして、地下水はこの谷部に集まってくるとアセス案ではいっています。
 その地下水は、十カ所の地点のボーリング調査によっても、地下四・七メートルから六・九メートル地点で平均的に分布しているというふうに確認がされています。そして、ここが大事なんです。その地下水は常時安定している。結論として、いろんな高いビルが建つ、その建物の周りを回り込むから流れを阻害しないと、こういうふうに結論づけたんですね。大変水が生き物のようにーー生き物ですが、目がついたように建物を避けて流れるから大丈夫だと。建物を回り込むということ、それ自身が現況の流れを変える、遮断するということじゃないですか。どうでしょう。

○林開発計画部長 評価書案におきまして、当地区、開発地区内の地下水の流れにつきましては、多摩川の部分及び国分寺崖線部分から十分に水が供給されているということがわかっております。地下構造物によって当然その部分は地下水の流動に変化が生じるわけですが、構造物の周囲、これは空閑地もございますので、地下水の流れとしては、回り込んで流れるということでございます。

○たぞえ委員 あくまでも回り込むというふうにおっしゃいますけれども、武蔵野線のトンネル工事のあの事故のように、その遮断された水は上に噴き上げるか、必ずどっかにそれを噴き出す、そういう力があるんです。東京駅だって今そうでしょう。横須賀線、もう下は水で圧力がかかっているわけですよ。日本は最新の技術を持っているんだから、そういう地下水の流れを遮断したらどういうことになるか、そういうことすらきちんと対策も講じずに、地下三十メートルまで建物が入るわけですから、それによる阻害をどうするのかということが解決されない、大変粗末なアセス案だといわざるを得ません。
 九七年五月に河川法が改正されました。河川環境の整備と保全、これを第一の目的にはっきり書き込んで、河川の持つ自然環境とか水辺の空間に対する位置づけをはっきりしたわけです。時間がないから、そのことだけいっておきます。
 次に、動植物についてです。世田谷区で見られる野鳥の半分が水辺の鳥で占められています。この多摩川は大変水鳥たちの楽園で、開発地の周辺の川辺にはシギ、サギ、草地にはキジ、千鳥、トビ、そういう鳥類ですとか、また水を求めてアオダイショウ、ヤマカガシ、イトトンボ、ジャノメチョウ、こういう動植物が生息をしています。
 これら今私がいいましたのは、東京都の保護上重要な野生生物種に指定されているものでしょうか。

○林開発計画部長 手元に希少種のデータがございますが、先生ご指摘の、今何種類かおっしゃられたもの、もう一度質問をお願いいたします。

○たぞえ委員 時間がきょうありません。私、先ほどいいました中の、例えばキジなども絶滅の危機が増大していると指定されている鳥なんです。環境庁の危急種というものに指定されているんですね。もういなくなっちゃうんですよ、キジは。きのうトキが卵を産みましたけれども、大変なんです、キジだって。
 で、アセス案で、陸上植物や動物、水生生物は、生育ーー育つ環境ですね、それから生きる環境にない、だから予測をしなかったといっていますが、そうですか。

○林開発計画部長 事業地区につきましては、既に市街化された地域でございまして、学術的に貴重な種の植物、動物の生育は見られない、また生息環境も見られないこと、また建物の適切な配置ですとか植栽を行うことによりまして、植物、動物への環境の負荷を少なくすることができること、こういったことを理由に、環境評価書案の予測、評価項目としては選定しなかったものでございます。

○たぞえ委員 九九年十一月三十日に、東京都環境影響評価審議会が東京都知事に対して、審議会の審議結果を示して答申しました。この中ではいろいろな指摘をしているわけであります。その一つに、この植物、動物の生育についてはどう指摘をしていますか。

○林開発計画部長 審議会の審議結果でございますが、植物、動物につきましては、当該地域は国分寺崖線と多摩川に挟まれた比較的狭い地域であり、国分寺崖線の樹林地や多摩川河川敷の植物、動物相並びに育成環境との関係を考慮する必要があるので、崖線の樹林地及び多摩川河川敷における植物、動物の影響について予測、評価すべきであるという審査意見でございました。

○たぞえ委員 そう指摘しています。予測、評価をするべきだということをきちんと示しているわけです。このするべきだということは、審議会に予測、評価を行う報告の義務が生じたということじゃないですか。

○林開発計画部長 環境評価書案が今ありますから、これに、今の審議会の意見書が出ましたので、この審議会の意見に基づき環境評価書を作成する際に考慮されるものと考えております。

○たぞえ委員 指摘から三カ月半がたっているんですよ。きょうの都市・環境委員会への先ほどの主要案件の説明は、五月三十一日に開かれる予定の都市計画審議会に付議されるそのもので間違いないですか。

○林開発計画部長 間違いございません。

○たぞえ委員 事業者は、評価審議会からの指摘について、きょう、この都市・環境委員会に、その検討結果、予測、評価、こういう結果を私たちのこの今の議場の中に報告をしていますか。

○林開発計画部長 事業者からの報告はございません。ただ、先ほどお答え申し上げましたとおり、評価書案の予測、評価項目として選定はしていなかったわけでございますが、この植物、動物についての現況調査等につきましては、多摩川河川敷及び国分寺崖線の区域も含めまして広く行っておりまして、その内容を資料編に記載しているところでございます。
 また、環境評価書案本文中にも予測、評価項目に選定しなかった項目及び理由という記述の中で、計画地周辺の比較的人為的干渉の少ない国分寺崖線及び多摩川地域の連続性を確保するために、事業において、塔状に建物を配置するとか、オープンスペースに適切な植栽を施す、また再開発計画地の既存樹林、樹木のうち、存置可能な樹木について極力存置に努める、または隣接する公園等の移植活用を極力図る等の対応を行うという記述をいたしております。
 また、先ほど申しました資料編に現況調査の結果を書いておりますが、例えば、植物の種類として、ウマノスズクサが多摩川土手に小群で生息していて、適切な保全を図っていくというような記述を行っておりまして、ここに書いてありますように、影響評価、予測、評価項目に選定しなかったものの、こういった環境配慮を書いてございます。意見審査書にあるとおり、こういったことについて、意見書では、関係住民等が理解しやすいように予測、評価項目として明確にする必要があると考えております。こういった評価書案の記述等をもとに、この評価書案が作成されるものと考えております。

○たぞえ委員 環境影響評価審議会が指摘したことについて、五月三十一日に開かれるそのものの内容を私たち今議論しているんですから、事業者は、求めた結論をこの委員会に出してこなきゃいけないんじゃないんですか。そうでしょう。それを今部長が、評価書案の資料の中に入っていますとかーーどこにありますか、資料編が。見てくださいといったって、ないですよ、資料編なんか持ってないですよ。あれは配られませんよ、都市・環境委員には。配られたのは都市計画審議会委員だけじゃありませんか。こんな重要な都市計画案について、きょうの都議会には昔のアセス案そのもので、五月三十一日の本計審では、その事業者から出てくるであろういろんな指摘が報告される。こういうちぐはぐなことで、都議会の議論は昔の内容で、審議会は新しい内容でといって、どうして私がそれで、はいって返事できますか。事業者はいつ都知事に提出するんですか、これ。

○林開発計画部長 評価書を作成するにはやはり十分な日時が必要になろうかと思っております。今のところ、当然、都市計画審議会で議論される内容でございますので、五月三十一日当日にはこの評価書は提出できるのではないかというふうに聞いております。

○たぞえ委員 それはひどいですよ。きょう午前中に東京都市計画審議会の東京都議会議員説明会がありましたね。私も出ましたよ。委員長も出られた。その説明の報告の中には、環境影響評価審議会の会長が都知事に答申を出して、都知事が事業者にちゃんと調べなさいよ、予測やっていないんだからと。そしたら、評価を修正するとかとここに書いてあるけれども、そういう内容が一切午前中の会議にも出ませんでしたじゃないですか。今も出ていない。何を議論しろっていうんですか。大事な大事な環境問題について指摘をされているのに、十年七月の評価書そのものをここで議論してくださいといったって、そんなむちゃな話はないですよ。都議会は言論の府なんですよ。それを一年半も前の資料で議論して、本計審には新しい資料でやってもらいますなんて、こんなばかにしたことないですよ。委員長ね、ちょっとこういうの困るんですよね。予測、評価が出たら都議会に報告をすると、これがルールでしょう。だから、日程が決まっているから開発をどんどこどんどこやってしまう。手続はもう省略をしてしまう、報告も省略してしまう、そんなやり方がまかり通ったら、東京のまちづくり、だめですよ。改めて都議会に提出しますか。どうですか。

○林開発計画部長 知事の意見審査書につきましては、そこにございますとおり、おおむね本アセスは技術指針に従って行われたものであると認められておりまして、今の自然植物、動物については修正を加えるということで、先ほど述べましたような、今の評価書案にありますような事柄を加えて、評価書を修正することができるというふうに考えております。
 また、この審議会でございますが、この都市計画案件、今回付議するわけでございますが、上程された案件について、都市計画決定するか否か等を十分審議の上決定を行う、そういう機関が都市計画審議会でございますが、そういった必要なすべての手続をある程度の時間をかけて、その都計審を目がけていろいろ準備をしているものでございます。
 そういった中で、当委員会への報告でございますが、そういう手続終了後にその報告を行うことにしますと、適時の委員会への報告という点では問題もありまして、現在のような時期でのご報告をさせていただくことになっておりますので、その点、ご了解いただければと考えております。

○たぞえ委員 ご了解いただきたいといったって、さっきからいっているでしょう、了解なんかしませんよ。都議会が一〇〇%そろった資料で議論をするべき場なんだから、いろいろな指摘、例えば評価書案を修正するとか、自動車交通量の方策を改めて検証しますといっているんだから、そういう資料を添えてちゃんと議会に報告をしてくださいっていっているんですよ。このままじゃ、もう都市・環境委員会としては新たな報告も受けずに本計審で決定、そういう流れを踏まなきゃいけなくなってしまう。そんなことないでしょう。
 五月の都計審、一回提案を延期したらどうですか。もう一回都市・環境委員会に出したらどうですか、その分だけでも。それで何が大きく問題になりますか。何カ月かおくれたことで東京が崩壊するような問題じゃないでしょう。もっと丁寧に環境アセスというのはやるのが行政の仕事じゃないですか。もう一回答えてください。

○林開発計画部長 都市計画手続と環境アセス手続との整合と委員会との関係についてのご指摘でございます。そういった意味で、これまでの経験を通してのルールが今できているかと存じます。
 本案件につきましての都市計画審議会をおくらせたらどうかというようなご質問でございますが、先ほど真鍋委員の方にお答えしましたとおり、当案件の重要性にかんがみまして、東京都としてはできるだけ速やかに都市計画決定をいたすべきと考えておりまして、次回の百四十四回の都計審に案件としてかけたいというふうに考えております。

○たぞえ委員 世田谷区の区民の皆さんには、平成十年七月のアセス案で今説明されているんです。三回もやりましたよ、説明会。ところが、その後、審議会の指摘によって、こういうのが予測をしていないからやりなさい、自動車交通量もきちんと方策を均一にしなさいとか、全部で六つについて指摘をしていますよ。そういう指摘事項の報告が出てくるわけでしょう、五月三十一日ですか、本計審のその日に。それを区民は知らずに都市計画決定がされるということはどういうことなんでしょうか。みんなが心配していることが解決されないままに手続に入ってしまうんでしょう。どうしてそんなに焦るんですかね。

○勝田地域計画部長 都市計画の手続とアセスメントの手続の関係でございますので、私からお答えをさせていただきます。
 ただいま評価書案を作成いたしまして、この後、きょうご報告の後に公表いたしまして、公告、縦覧をいたしまして、住民意見を聞くというアセスメントの手続がこれからなされるわけでございます。したがいまして、今の議論のあります内容そのものの意見、そういったものについては、こうした範囲の中で一定のものが聴取されていく、こういうことになっております。
 それから、都市計画の手続と環境アセスメントの手続の関連につきましては、趣旨といたしまして、できるだけ早い時期に、あるいは広く情報を提供していくということ、それから意見を聴取していく、こういった趣旨から、全体の調和をとりまして、それぞれの手続を相互に関連をいたしまして現在のシステムになってきておる、こういうことでございまして、途中のこうしたバランスをとっているということをご理解いただき、この今ご提案申し上げていることを進めていきたいというふうに考えております。

○林開発計画部長 都市計画決定の案件でございます。法律でいろいろと縦覧ですとか、そういった手続が都市計画法の方にありますし、環境アセスの方もそれなりの手続があって、これまでいろいろとご意見をいただくというようなことをやってきております。また、環境の審議会の方から意見書といったものも出され、それを受けて評価書を今作成中ということでございます。最終的に、都市計画の案件につきましては、都市計画審議会の場で、そういった材料をもとに十分審議の上に決定されるというわけでございますので、そういうことで現在準備を進めているということでございますので、ご理解いただきたいと思います。

○たぞえ委員 ここにいる都市・環境委員の方々は、選挙で選ばれてきた代表ですよ。一千二百万都民を代表して議会に来ているんです。そういう議員に審議会が指摘したことを報告しないままに本計審で、しかも、当日に事業者が持ってきて本計審委員に配って、こうなりましたーーあれはどう考えたって都民の納得できるもんじゃないと思いますよ。私たちこれから、こういう議題があってこういう審議が行われたと地元に報告をします。そのときに、準備組合が東京都知事から指摘を受けた中身について、実は回答がなかったんですっていわざるを得ないですね。それほど今度のアセス案の手続と中身は、大変都民の気持ちと遊離したものだというふうにいわざるを得ません。
 最後に、財政問題です。財政難の時期に、なぜこの時期にやらなきゃいけないのかという声がたくさん寄せられています。先ほどいいましたように、公園の無償譲渡ですとか、そういう問題も出てきた。ところが、その東急自動車学校の用地の営業補償額はいまだ未定で、予定している千三百億円の中にはまだこれが含まれていません。ですから、事業費はさらに膨張をすることが考えられます。
 で、確認をしますけれども、東京都が関係する事業で、国庫補助金ですとか都市計画交付金、都区財政調整交付金、そういうお金、既に組合に出しておりますか。

○林開発計画部長 当事業の基本計画策定調査等調査費について国庫補助金が支出されておりまして、東京都についてはこれを申達するという形で関与いたしております。

○たぞえ委員 都市計画決定してないのに何でお金が出るんですか、もう一回教えてください。

○林開発計画部長 先ほどご説明の市街地開発事業等基本計画策定調査等は、都市計画決定を前提にはしておりません。ですから、計画決定以前の計画策定費にも補助ができる制度でございます。

○たぞえ委員 そうすると、再開発がもしだめになった場合に、そのお金はどうなんです。だれが根拠にそんなお金出すんですか。計画決定もしていない、まだまだ事業認可までいってないのにということなんですよ。
 私の調査によりますと、八七年に準備組合が設立されました。その後、毎年六十万円のお金を世田谷区が準備組合に支出したということを区議会に報告をしています。まだ基本構想もできていないときからお金を出している。区は、そのお金は返す必要がないものだといっている。そうすると、これは補助金ですよ。事業費の概算も平成九年度にようやく出てきた。それよりずっと以前にもうお金を渡している。区はこういっています。一般会計補助金、公共施設管理者負担金とも国や都から補助金として区に補てんされるため、区の一般財源は負担はありません。そういいながらしっかり毎年六十万円お金を出している。これは、都市計画決定、あくまでもできるという前提ですべて動いているということですよ。もし、仮にも地権者の三分の二を超える人たちが事業は反対だといったらどうするんですか、こういうお金。そういう区が応分の負担をしているような事態、これが今の東京都の都市計画決定の開発の手法なんですか。計画もはっきりしてない、事業も決まっていないのに、お金だけはどんどこどんどこ流れていく、それが東京都のまちづくりのあり方なんですか。

○林開発計画部長 市街地再開発事業につきましては、基本計画づくり、また地権者の合意の形成等々に大変時間のかかるところは、委員ご承知のとおりかと存じます。一般的に、市街地再開発事業の揺籃期にこういったまちづくり協議会等に助成をしたり、それから基本計画策定費等に助成をする、そういったことでこの重要な市街地再開発事業に支援をするということは、国の方の補助制度もそういったものはございますし、そういったことで、再開発事業の揺籃期を助成するということは適切なことではないかというふうに考えております。

○たぞえ委員 おかしいですよ。何が適切ですか。やるんなら住民たちや地権者からお金を集めて、その組合が自分で調査すればいいでしょう。何で東京都や区がそれを出してあげるんですか、まだ決まってもいないのに。そういうのを税金のむだ遣いというんですよ。いわれているんでしょう、よく。地権者五十人いるんでしょう。一人百万円出して五千万円で調査すりゃいいんですよ。そういうことも呼びかけていないし、地権者とみんなが集まって、どういうビルにしましょうかということも抜け穴的にとっとと決めてしまう。そういうやり方だからこれだけ意見書が出ているんだというふうに指摘をしておきたいと思います。
 あたかも五月三十一日に決まるかのような前提ですべてが動いておりますが、決して住民の気持ちはそんなに生易しいものじゃありません。五月を見送ったとしても十分に住民の合意を得られる時間が確保できるんですから、そういうことこそ努力をするのが行政の責任だというふうに私は思います。そういういろんな問題がクリアされていないんだから、ぜひ五月三十一日はその上程を見送って、そしてきちんと合意を踏んで、指摘されている事項もきちんと手続を踏んでやるべきであるということを特に強く申し上げておきたいと思います。
 私は、そのほかに、六本木とほかのこともあったんですけれども、質問の原稿もつくってきたんですが、きょうは諸般の事情がありますので、次回の本審のときに述べさせていただきますので、担当の部課長の皆さんはよろしくお願いいたします。(笑声)
 以上です。

○尾崎委員長 この際、議事の都合により、約十分間休憩いたします。
   午後四時十三分休憩

   午後四時二十三分開議

○尾崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○谷口委員 時間の都合もありますから、簡潔にお答えをいただきたいと思うんです。
 一般国道一六号線の横浜町田立体についてお伺いいたします。
 東名高速横浜町田インターというのは、全国的にいっても有数の交通量のあるインターチェンジだというふうに考えられております。そこで、この一日当たりの交通量はどの程度で、全国的に見ると何番目ぐらいの交通量になるのか、また、周辺もかなり渋滞しておりますけれども、その状況を教えてください。

○杉浦施設計画部長 いわゆる横浜町田インターチェンジにおきます一日の利用台数は、約七万六千台でございまして、全国的に見ますと、例えば、日本道路公団所管の高速自動車国道の中では、八番目に利用台数の多いインターチェンジとなってございます。周辺の渋滞状況につきましては、国道一六号と交差する横浜町田インターチェンジや国道二四六号などの幹線道路がいずれも慢性的な交通渋滞となっており、それを避けるために、迂回交通による地域の住環境悪化が見受けられる状況でございます。

○谷口委員 この東名高速道路、これをこのあたりで越えられるというのは、いわゆる一六号線、神奈川の方、保土ヶ谷バイパスといいますけれども、そして旧一六号線、この二つしかございません。したがいまして、この横浜町田インターチェンジ周辺というのは大変な交通の難所に今までなっていたわけであります。
 ところが、平成九年に神奈川県側が立体交差化されまして、そのことによりまして、上川井というところから東名に入る車だけが上に上がれるようになりました。しかし、それでも実際問題として、時間帯によっては上に上がるよりもまだ先からかなり渋滞があるというふうな状態でございますし、少なくとも町田方面、八王子方面に出る出口を出ますと、一日じゅうスムーズに出られるということはない、この渋滞はまだ解消されていない、そういうふうな状況にあるわけでございます。しかし、差し当たって上川井から東名横浜まで立体化されたということによって、どれくらいの渋滞緩和効果があったのか、この点についてはいかがでしょうか。

○杉浦施設計画部長 おっしゃいますとおり、平成九年に上川井から横浜町田インターチェンジまでの供用が開始されましたが、建設省の調査によりますと、供用前は八王子方面から国道二四六号の交差点を通過するまで、最混雑時には三十五分かかっていたといわれておりますが、供用後は七分、比較しますと約二十八分もの通過時間が短縮されまして、渋滞の緩和に大きく貢献したものと考えております。

○谷口委員 今お答えいただいたのは、八王子側から二四六を越えて神奈川方面に向かう時間帯のようでございますね。反対回りはいかがですか。

○杉浦施設計画部長 失礼しました。逆の方向、横浜側からでございますが、上川井インターから横浜町田インターに向かって、供用前は三十分かかりましたが、供用後は十五分に短縮され、半減しております。

○谷口委員 ともかく、横浜インターを利用する車でも八万台ある。さらに一六号線というのは、いわゆる八号環状の外ではこの一六号が外の方の環状道路になっているわけでございまして、環状道路の中でも非常に重要な道路であるわけでございますから、一日の交通量というのは大変なものでございます。そういった意味で、横浜インター周辺の住民の皆さん、交通渋滞によっていろいろの不便を感じておりますし、排気ガス、環境問題等々いろいろございます。そういった意味で、恐らく、十年の九月に地元の素案説明会というのが行われたわけでございますけれども、待望の説明会であったんじゃないかなと。神奈川県側はもうどんどんよくなった、しかし東京側は余りよくならないということで、いろいろの意見が出されたんじゃないかと思うんですけれども、いかがでございましょうか。

○杉浦施設計画部長 平成十年の九月に、二日間にわたりまして地元の方から説明会という形でご意見を伺っておりますが、主な意見としましては、今後、事業に対して住民の意見がどのように反映されるのか、スケジュールはどうなるのか、あるいは用地補償の考え方はどうなるのかといった事業化を前提とした具体的な意見、また騒音、大気、振動はどのように予測するのかといった環境についての意見もあったようでございますが、事業については、先生おっしゃるとおり、おおむね賛成であったと聞いております。

○谷口委員 先ほども申しましたけれども、一六号線というのは非常に重要な道路でございますし、そういった意味で、神奈川県側が一応完成しまして、東京側が完成をいたしますと、周辺環境というものが非常に緩和されるであろうということが想定されるわけでございます。この周辺の住民の皆さんは、ともかく二四六があり、東名道路があり、そして一六号線と、非常に区画されて、しわみたいに、ちょうど東名と二四六の間に挟まれたエリアというのがございまして、ここの鶴間地域というのは大変道路、交通に遮断された地域でございますので、これをできるだけ緩和をしてあげるためにも、この立体事業というのはぜひ一日も早く実現をしてあげていただきたいと思いますし、そのつくり方も環境に優しいものにしてあげていただきたい、こういうことを要望いたします。
 以上でございます。

○かち委員 提案事項の概要の四七ページの、環状二号線の新橋・虎ノ門区間の市街地再開発事業についてお聞きします。
 この件については、九八年の十二月の都計審で決定をされた以降、変更内容として今回出されてきているんですが、それでは、その変更内容と理由についてお聞きします。

○林開発計画部長 変更の内容とその理由でございますが、委員ご指摘のとおり、本案件につきまして平成十年十二月に都市計画決定されておりますが、その後、地元と協議する中で、環境方針の変更ですとか、従前居住地により近い場所に住宅を計画するなど、住民要望にこたえるために都市計画の変更をするものでございます。
 変更内容としましては、市街地再開発事業の区域の拡大、また道路上の三階建て商業施設の一部廃止並びに施設建築物の内容の変更、関連します再開発地区計画の変更等々でございます。

○かち委員 地元の皆さんの要望にこたえる意味で今回変更されるというふうな説明でした。具体的な変更内容がちょっと抽象的だったのでもう一回確認しますけれども、一つは、高く建っている建物の左わきに建物ができますね、区有地を今度再開発地域に取り込んで住宅を百戸つくるということですね。それから、緑の線で、前回の決定では、トンネルにして道路の上に商業用地を整備するということが最大の目玉だったと思うんです。それからもう一つ、横の図でいうと、右の上にブルーの、そこが今回住宅地五十戸と商業地ということで追加をされたことが主な変更内容だと思うんですが、何はともあれ、その一番大きな変更は、トンネル方式でやる地上利用ということで計画決定したものが、今度は堀割式にして上を開放にするということなんですね。
 前回の都計審で部長さんの説明でどんなふうにいっているかといいますと、本線は、都心と副都心を結ぶ重要なアクセス道路として位置づけられており、都心の渋滞緩和及び防災性の向上などから早期整備を進めたい、そこで、道路区内に沿道区域を一部含めた再開発を行い、あわせて道路域内の建築が可能となるように立体道路制度を適用し、環状二号線部を地下化することによって計画の居住者の定住性を図ることにした。また、本線の経緯は、昭和二十一年、戦後すぐに都市計画決定されて以来五十年がたっているわけですけれども、そういう中で、その沿線の方々はさまざまな生活制限をこうむってきたわけですが、そういう中で地元からは計画の廃止を求める請願なども出されてきたという経過があったわけです。しかし、その立体道路制度の新たな導入ということによって、計画内の住民が現地に残れるというふうな計画説明だったわけですよね。そのことによって事業促進へと地元の意向が変化してきたという事実経過があったと思います。で、まちづくり協議会というものもできて、平成九年には事業促進の陳情も出される、こういう経過をたどってきたものだと思うんです。
 そういうふうな計画決定であったにもかかわらず、一年半しかたっていない今日、その大もとを切りかえてしまうといっているのは一体どういうことなのかと思うんです。立体道路制度がまさに計画促進の起爆剤になったごとくの説明だったと思うんですけれども、なぜ一年半後にこの計画をやめてしまうのか、なぜ決める前に調整をできなかったのか、その辺はいかがでしょうか。

○林開発計画部長 今のご質問にお答えする前に、ちょっと都市計画の変更内容について、少し追加でご説明させていただきますが、再開発事業地区の再開発事業の変更、これは都市計画変更案件でございますが、先ほどの地下道路、本線の排気方式の変更、これは地下道路部分の一部に開口部を設けるとともに、土壌浄化システムを併用するというようなことを今回計画しておりますが、これは都市計画の変更事項ではございませんので、都市計画の変更としては、再開発事業地区の再開発事業の変更を行う、それと関連する再開発地区計画の変更を行うというものでございます。先ほどちょっと舌足らずだったものですから追加させていただきます。
 それで、都市計画決定後二年でこのような大きな変更が出てくるのはどういうことか、なぜ事前に調整できなかったのかというご質問でございます。ご指摘のように、長い間、地元で廃案要望が強かったこの路線について、立体道路制度の創設によりまして、計画線内の居住者が現地に残れるようになったということがこの事業促進に動いたきっかけであったことは事実でございます。そういったことで、平成十年の都市計画決定におきまして大方の合意形成がなされたわけでございまして、計画線内の権利者に生活再建を切望する者が非常に多くおいでになりまして、その方に対して都市計画決定することによって先行買収が可能となることなどから、都市計画決定をいたしまして、平成十年の十二月という時点で都市計画決定をいたしたものでございます。
 その後、地元との協議の中で、きめ細かな住民要望にこたえるという観点からいろいろご相談をいたしてきたわけでございますが、そういった観点で地元の方からのご要望をなるべく計画に反映するという形で見直しを図った結果、今回ご報告しております再開発事業の変更案になったというものでございます。

○かち委員 先ほど、トンネル方式で地上利用については都市計画決定事案ではないというふうにおっしゃられましたけれども、都市再開発を進めていく上では、自分たちがどういう生活設計をこれからつくっていくかということを考えてまちづくりに参加しなければいけないわけですが、これは違うよ、でもこうだよといわれても、総合的に検討、決定していかなければならないものだと思うんです。だから、これは私たちは知らないよということでは済まない問題だと思うんですよね。ですから、今回はそのことも含めてぜひ答弁をお願いしたいと思います。
 まちづくり協議会からも、この件については要望が出されていたようですけれども、それはどうですか。

○林開発計画部長 まちづくり協議会からの要望の内容でございますが、幾つかいろいろございますが、主たるものといたしましては、排気のための換気所の廃止でございますとか、従前居住地に近い場所に住宅建設をしてほしい、事業については早期に実現してほしいというようなこと、また、住民の理解を得た上での事業の円滑な推進をしてほしい、さらに、高齢者や小規模自営者などの個別事情への対応を十分にしてほしいというような内容が主たるものであろうかと思います。

○かち委員 都市計画決定した後に、こういう要望にこたえて、今回ああいう住宅地を早期につくるという計画に変えてきたんだというふうに説明されたんだと思いますけれども、高齢者、小規模自営者などを本当に、生活をちゃんと支えられるような状況をつくってほしいと、まさにそのとおりだと思うんですけれども、この間に十六条の縦覧というものをやられて、二十五名の地権者の方から意見が出されているようですけれども、それはどういう内容だったのでしょうか。

○林開発計画部長 再開発地区計画の十六条縦覧時に二十五通の意見書が寄せられております。このうち、計画決定にかかわる主な内容といたしましては、生活再建がはっきりしていないので、新橋四丁目の整備計画区域の拡大及び再開発ビル建設計画に反対、これは今回追加する部分でございますが、この計画に反対というご意見ですとか、立体道路上のビル、三階建ての商業施設のビルの一部を廃止する案になっておりますが、この立体道路上のビル廃止に反対、この地で商売ができるようにしてほしいというようなものが主な意見でございます。

○かち委員 住民の皆さんの要望を聞いて、今回計画変更をするという説明でしたけれども、二十五名の方が意見を出されて、今度の新しい計画に賛成される方は一人もいないんですよね。二十五名全員が反対だと。そして立体道路上で商売を続けられると思っていたのに、今になってできなくなってしまったら自分の生活設計は成り立たない、何とかしてほしいと、これは当然の意見だと思うんです。
 まちづくり協議会というのは、二年間で百二十回も協議を重ねてきたわけですけれども、そしてようやくこの新しい方式によって、トンネルの上で営業できる、住み続けられるということを喜んで、それで促進をという意向に進んできたと思うんですね。それを今になってその計画が全くできなくなってしまうということは、余りにも前回の計画が即決過ぎたのではないか、もっと十分に要望を酌んだ上で都市計画決定すべきではなかったのかというふうに思うんです。
 都として、この二十五名の方の意見も踏まえ、状況をどのように受けとめて、どう対応されようとしているんでしょうか。

○林開発計画部長 委員ご質問の中で、二十五名ということでご質問いただいておりますが、二十五通で、人数としては百二十二名、三十六団体ということになっております。
 地元の方々のご意見として、やはり従前居住地に近い場所で、住宅ですとか営業ができるように、その事業の中で対応してほしいというのが非常に強いわけでございます。それに対して、道路上空の三階建てという形で前回は対応を図った部分が多かったわけでございますが、現在、それについては、従前居住地に近い場所であるけれども、そういった道路上空でない場所での住宅なり営業場所の確保ということを求める地権者が非常に多いという実態でございます。そういったところを総合的に勘案しまして、今回、事業区域を拡大いたしまして、そこに施設建築物を建設することによって、従前居住地に近い場所での居住なり営業ということが確保できるように対処したものでございます。
 ただ、こういった意見を寄せられたような方で、道路上空での三階建てビルというものに賛成している方がおられることもまた事実でございますが、そういったいろいろなご意見がある中で、先ほどのまちづくり協議会の要望という形をなるべく具体化するという形で、今回の計画案を策定いたしております。
 今後とも、そういったまちづくり協議会なり地元の方々、関係権利者のいろんなご意見に耳を傾けて、事業を進めていく必要があろうかと思っております。

○かち委員 いろいろおっしゃいますけれども、本音としては、広域幹線道路としての開業を一日も早く促進しなければならないということと、事業費も切り詰めなければならない、そういう苦肉の策の中で出てきた案ではあるかと思いますけれども、だれだって道路の上の不安定なところで商売をするというようなことよりも、できれば地域の中で今までどおり続けたいというのが一番の願いですよ。それができない中で、苦肉の策でそういうものをつくって説得をしてきたわけでしょう。それなのにもかかわらず、またそれをひっくり返すというやり方は非常に乱暴だなというのをつくづくと感じます。
 そういうふうにして、東京都がとにかく区有地を確保して、住宅地百戸を早急につくろうということですけれども、そこの地権者、それから借地人の方もいらっしゃるでしょうけれども、本当にそのことによって対応できるのかどうかということなんですが、現在の地権者、所有者、借地人も含めて、内訳はどうなっているのでしょうか。それから、先行買収というのは、実際どのように進んでいくんでしょうか。

○林開発計画部長 事業地区内の関係権利者の状況でございますが、平成十二年一月現在でございますが、土地所有者四百十八人、借地権者百十五人でございます。
 なお、お尋ねの用地先行買収の実績については、現在資料を持ち合わせておりませんので、失礼いたしたいと思います。

○かち委員 両方合わせて五百四十人ぐらいの地権者の方がいらっしゃるわけですけれども、実際ここに残るのは百人から百五十人ぐらいということを想定して、東京都として建物を建てるということなんですね。
 私、事前にちょっとお聞きしたところでは、先行買収は現在三十軒ぐらい進んでいて、待機が五十軒ぐらい、八十軒ぐらいの方はそこを出ていかざるを得ないという状況だというふうに聞きました。この間その地域を歩いてみたんですけれども、本当にビルの谷間に軒を寄せ合って生活をしている、いわゆる弱小地権者の方が多いなというのを実感しました。そういう地域の中で歯が抜けるように空地がどんどんできているわけですけれども、本当に住み続けたいと思いながらそこを去らざるを得ないという情景が目に焼きついたわけです。こういうふうに再開発という名のもとに、本当はそこに住み続けたいけれども住み続けられない状況をつくっているというのが今の再開発計画ではないでしょうか。
 今回の計画で、結局、最終的には五つのビルが建つことになるわけですけれども、このビルはどういう手法でつくられるのでしょうか。

○林開発計画部長 後ろの画面にも一部出ておりますが、再開発の中で六つのビルが建つことになります。その手法でございますが、Ⅰ街区、Ⅲ街区の住宅棟及びⅢ街区の三階建て商業棟及び十一階建ての業務棟、これにつきましては、権利者のための権利床となります。その他の二棟の超高層棟、業務棟と住宅棟がございますが、この二棟については、民間のノウハウが発揮しやすい特定建築者制度の活用を現在想定しているところでございます。

○かち委員 失礼しました、六つですね。それで、大きな建物とその手前の住宅棟、多分マンションか何かになるのかなというふうに思いますけれども、その二つについては特定建築者制度ということで、これちょっと聞きなれないものなので、若干説明していただけますか。

○林開発計画部長 特定建築者制度でございますが、この制度は、再開発事業施行者がみずから建築しなければならないとされていた建築物のうち、一定のものの建築を施行者以外の者に行わせる制度でございます。
 この制度のメリットとしましては、施行者にとりましては、建築費用や設計費についての負担が軽減される点、また、特定建築者にとってのメリットとしましては、みずからの創意工夫を生かした建築物を建築することができる点などが挙げられます。

○かち委員 あのⅢ街区のところは、もうご存じのように、森ビルグループが土地所有の二五%を占めているわけですね。そういう意味では、この特定建築者制度を利用して森グループが参入することは可能なわけです。手続はこれからだとは思いますけれども、都としてもそういうものを想定しているのではないかと思います。
 森グループがあれをつくるということになりますと、先ほど説明もありましたけれども、最初から開発に自分たちが参加することができるし、それから建物の敷地の整備というのは東京都がすべて行ってくれる、きれいになったところに自分たちの建てたいように建てることができるという、大変民間企業にとっても有利な制度だろうというふうに思うんです。こういう状況を見てみると、本当に大手の企業のための土地開発というのが目に焼きついてくる仕組みになっているなと実感します。
 ところで、最後の問題になりますけれども、今回の施行のやり方の変更、要するに、都市計画決定事項ではないとおっしゃいましたけれども、トンネル方式が開放型になるという点では、環境影響がどうなのかというのは、近隣の皆さんにとっては大変大きな問題だと思うんです。換気所をなくしてというのは、前回のアセスのときにも大変大きな要望となっておりましたけれども、その分やはり一・三キロの道路の下からわあっと出てくるわけですから、その問題をどのように解決されようとしているのか、対応していこうとされているのか、お聞きします。

○林開発計画部長 平成十年の十二月の環状二号線の地下化に伴う都市計画の変更及びこの第二種市街地再開発事業の計画決定、これを実施した際に環境アセスメントを実施いたしております。現在、こういった計画に変更が生じた場合には、東京都環境影響評価条例第三十五条によりまして届け出が必要でございます。手続の再実施につきましては、条例三十六条によりまして、環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認める場合は、審議会の意見を聞いた上で、全部または一部を再実施するように求めるというふうになっております。

○杉浦施設計画部長 アセスの変更のことは今、林部長が申し上げたとおりですが、今回、換気所をなくして土壌触媒という方式を採用することになったわけですが、その前提といたしましては、地下道の上部に新たに開口部を設けまして、自然換気を促すとともに、土壌浄化システムを併用することによりまして、従前の換気所方式と比べまして、環境に与える影響の差はほとんどない、同程度の機能のものが期待できるということで変更したわけでございます。
 なお、土壌浄化システムの浄化性能につきましては、大阪などの実証実験から、土壌層を透過する二酸化窒素の除去率がおおむね九割以上達成できるということが確認されておりますけれども、適用条件につきましては、かなり広大な土壌を必要とするため、それを採用できる箇所は非常に限られたものになります。たまたま環状二号線のこの区間におきましては、道路上に予定されておりました建築物の廃止によりまして、大規模空地を確保することが可能になったために、このような変更が可能になったわけでございます。

○かち委員 今回のこの道路をつくることによって、一日三万六千台から三万七千台の車が通るということで、環境悪化は必至なわけですね。前回の環境アセスのときも、五つの地点に設定をした二地点で、予測でも環境基準を超えているという状況があるわけです。そういう状況が想定されていながら、換気塔ではなくて土壌触媒でいいんだとおっしゃいますけれども、土壌触媒の実態というか調査結果というのは、東京都としては大和町で今研究中、調査中で、それがまだ結果報告として私たち手にしていないわけですよ。そういうものが、土壌触媒でやるからいいんだといわれても、それを判断する材料がないわけですよね。そういう意味では、住民の皆さんにとっても、これで本当に大丈夫だという証明、根拠がなければ安心できないわけですから、きちんとした正しいデータなり情報を提供して、やはりそれを理解してもらう努力をすべきだと思うんですけれども、その努力をする意思があるかどうか、最後にお聞きしたいと思います。

○杉浦施設計画部長 土壌浄化システムは、今までの採用例もそんなに多くございませんし、果たして信頼できるシステムかどうかということは、社会的な通念として行き渡ってはおりません。ただ、先ほど申しましたとおり、大阪でやっております実証実験から、かなり安定的に二酸化窒素は除去できると、これはある程度の土壌の面積が必要ではございますが、こういった事柄でございますので、当然のことながら、今後、地元への説明の中では、こういったさまざまなデータあるいは事例、そういったようなものを説明して、ご理解を得ていく必要があろうかと思っております。

○尾崎委員長 ほかに質問がなければ、総合環境アセスメント関係について質疑を行います。
 発言を願います。

○吉野委員 それでは、都市計画道路放射第五号線及び三鷹三・二・二号線に関しまして、総合アセスについて何点か伺いたいと思います。
 東八道路、私ども地元でございまして、先ほど昭和四十一年に計画決定されたというお話がございましたけれども、当時、私は大学へ入ったばかりでございまして、卒業する前に三鷹の中においては東八道路の工事というのは始まりまして、それから実に三十年以上たつんですけれども、その三鷹の域をまだ出切れないというのが東八道路の現状だろうというふうに思っておりまして、地元では、いつ都心へスムーズに行かれるようになるんだという声も出ているところでございます。
 今回のこの総合アセスの導入についてですが、まず初めに、この試行の対象としている区間の周辺というのは、道路が十分でない地域であるというふうにいえると思いますけれども、この周辺地域における交通の状況がどうなっているのか、伺いたいと思うんです。

○杉浦施設計画部長 今回、試行対象といたしました区間の周辺におけます道路事情でございますが、この区間は多摩地域と区部の接点になってございますが、多摩と区部を結ぶ四車線道路は甲州街道のみでございます。このため、甲州街道に交通の負荷がかかりまして、慢性の交通渋滞を引き起こしているということでございます。
 今、先生がおっしゃったとおり、今回の試行区間の西側の東八道路は鋭意事業中でございます。なかなか結ばれないということ、それから東側の甲州街道は、環状八号線の区間までは完成をしているという状況でございまして、この区間のみが全くの未整備でボトルネックになっているという状況でございます。
 このことによりまして、当該区間と並行します、例えば生活道路である幅員八メートルの下本(もと)宿通り、区境通り等の地区内道路に、計測してみますと、一日に二万台以上の通過車両が流入しているという状況がございまして、沿道住民や歩行者の安全を脅かす状況となっていると理解しております。

○吉野委員 今の放射第五号線及び三鷹三・二・二号線、この今回の試行区間が交通のボトルネックになっているということでございますけれども、その整備によりまして、この周辺あるいは東西交通にどのような効果が出てくると見込まれるかということについて、お伺いをしたいと思います。

○杉浦施設計画部長 当該区間を整備し、ボトルネック解消が図れれば、甲州街道の幹線道路の交通の円滑化が図れますとともに、交通渋滞に伴う沿道への環境影響の改善や地域の健全な発展に寄与すると考えられます。
 また、先ほど申しました並行する生活道路の下本(もと)宿通りや区境通りの住宅地域への道路に進入する通過交通を排除し、歩行者の安全性や地域の快適性を向上させ、居住環境の改善を図ることができると考えております。
 さらに、災害時の消防車等の緊急車両のアクセスや避難路としての機能が確保でき、地域の防災に対する機能が向上するなど、もろもろ極めて大きな効果がもたらされるものと思っております。

○吉野委員 地元では、あれを下本(ほん)宿通りというふうに呼んでおります。
 先ほど環境局の説明の中で、環境に著しい影響を及ぼすおそれがある計画等というふうにありましたけれども、この放射第五号線及び三鷹三・二・二号線を今回総合環境アセスメント制度の試行対象としたことの意義はどういうことなのか、お伺いをしたいと思います。

○杉浦施設計画部長 ただいま申しましたとおり、当該区間は交通のボトルネックとなっておりまして、整備の必要性が非常に高い区間である反面、放射五号線の区間は、真ん中に玉川上水が流れてございまして、これの扱いに工夫が必要な区間でございます。環境面でこの玉川上水をどう評価するかということが課題になってくるわけでございます。
 そういった意味で、今回の制度の特徴でございます複数の代替案を作成し検討することによりまして、その中で、より環境に配慮した形での整備を行っていきたいと考えているのが、今回この区間を試行対象とした理由でございます。

○吉野委員 この総合アセスを導入することによってさまざまな整備効果があるということがわかりましたけれども、その効果を発揮させるためには、どうしても早期整備が必要であるというふうに思います。放射第五号線及び三鷹三・二・二号線の整備に向けて、今後の手続等のスケジュールについてお伺いをしたいと思います。

○杉浦施設計画部長 今回の総合環境アセスメント制度の試行としての手続が順調に進みますとすれば、平成十二年度中には試行の手続を完了させたいと考えてございます。試行の手続が終わった後、計画案を定めた上で、東京都環境影響評価条例に基づく環境影響評価を行う予定でございます。こうした手順のもとで、できる限り早期に事業化を図ってまいりたいと考えてございます。

○吉野委員 より環境に配慮した道路づくりになるだろうということで期待をしたいというふうに思います。
 先ほども申し上げましたけれども、東八道路というのは、工事が順調に進んでいけばもうすぐ都心へつながるという状況になっておりますので、地元ではその意味で、早期整備というものに大変期待をされておりますので、ぜひ進めていただきたいというふうに思っております。今回の試行対象区間はさまざまな課題がある、それが解消されていけばスムーズな交通が確保されるということですから、ボトルネック等を含めて、ぜひ早期な整備に期待をしたいというふうに思っています。
 先ほど、下本(ほん)宿通りというふうに申し上げましたけれども、私たちの地域の中にも大変多くの車が流入をしてきているというのが現状でございますから、そういう意味では、この地域の沿道の住民ですとか、歩行者、お年寄り、子どもといった人々の生活の安全を脅かしているという切実な現実がございますので、そのことをこのままの状態で放置をしておくというわけにはいかないというふうにも思っております。
 こうした問題を抜本的に解決をしていただくために、当区間の整備が果たす役割というのは大変大きいというふうに私は認識をしております。この総合環境アセスメント制度はまだ試行段階でございますけれども、今回の試行を行うことにより、より環境に配慮した形で、当該区間ができるだけ早期に整備されるよう、一層の努力を要望したいと思います。
 先般も申し上げましたけれども、都市計画局がせっかく計画をつくっても、工事をする建設局の予算の関係もありますから、その意味では連携をとりながら、きちっと裏づけをつくっていくということについても局として努力をしていっていただきたい、こんなことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

○清水委員 私からも、東京都市計画道路幹線街路放射第五号線及び三鷹都市計画道路三・二・二号線の環境配慮書の概要について質問いたします。
 今回出された案は、地元では、計画の当初から、三十数年間、命と生活を守ろうとして強い反対、環境保護運動が続けられ、計画の凍結を求めている道路であります。したがって、そもそも道路が必要かどうかが問われています。ところが、出された今回の三つの案は、四車線道路を大前提にして、先に建設ありきで、東京一極集中を補完する計画になっています。先日、私もこの地域を約一時間にわたって歩かせていただきましたが、まだ桜が最後に残っているそういう天気の日でした。大変ダイコンソウが咲き乱れた本当に貴重な区内に残された自然な地域だということを実感してまいりました。この地域は、住宅が密集している商店街が長い間努力してコミュニティを形成してきた歴史ある地域だということも実感いたしました。
 先ほどからも議論されておりますように、特に今回の案で疑問に思うのは、C案の暗渠による整備です。この三案をそれぞれ見ますと、総合アセスという制度そのものにもともと限界があるんだなということも感じるわけですけれども、真に環境を守れるというふうにはならないというふうにまず指摘をしておきたいと思います。
 そこで、この計画というのは、昭和四十一年に現在の位置に変更されているというふうに伺いました。この放射五号のルートが、昭和二十一年に決められた当初と別のルートで決定をされたというふうに伺っておりますが、どのような理由によるのでしょうか。

○杉浦施設計画部長 おっしゃいますとおり、放射五号線は、当初、現在の甲州街道の位置に計画されていたものでございますが、昭和四十一年当時、甲州街道が既に環八まで幅員二十五メートルで整備されたため、再度これを四十メートルに拡幅するのではなく、当時既に現在の放射五号線の位置に、幅員五十メートルで昭和十七年から都市計画決定されておりました保健防火道路の区域を利用することによりまして、放射五号線と三鷹三・二・二号線を接続させるとともに、首都高速の四号線あるいは中央道を接続させるという観点から、総合的に判断して変更したものでございます。

○清水委員 住民にとっては、このルートというのが急に変更されたというふうに感じています。そして、示されておりますように、不自然な形に曲がったことについて説明されていることについては納得をされておりません。そして、そうしたルートに決定されていることについて不信感や疑問を持っておられます。
 そこで、次にお伺いいたしますが、先ほどもご答弁がありましたが、今回の区間がボトルネックになっているというふうにいわれるんですけれども、住民は、もっと内側の放射五号線と甲州街道の交差点がある桜上水付近がボトルネックになっていて、玉川上水に放射五号を通しても、ボトルネックの解消につながらないんじゃないかというふうに考えておりますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

○杉浦施設計画部長 今回の試行区間は、繰り返しますが、放射五号線及び東八道路の唯一の未整備区間でございます。この区間を整備することは、慢性的な渋滞の生じている国道二〇号のバイパスを整備することとなり、交通の分散に寄与することができると考えております。
 ご指摘の放射五号線と甲州街道の交差点、これも混雑はしておりますが、ここは整備が完了してございまして、なおかつ、今回の試行区間の整備がなされれば、甲州街道の交通の一部が放射五号線に転換し、ここの交差点もよりスムーズに通行でき、渋滞の緩和が期待できると考えております。

○清水委員 住民が体験をしているのは、環状八号線の井草地区に井荻トンネルが開通した後の調査では、平成七年度に二万九千台だったものが、平成九年度に五万八千台へと倍増していることを住民は体験しています。
 で、そのボトルネックの解消について、住民に対しての説明会の中では、実施設計ができてから調査をするというふうに答えられたようですけれども、関係地域の綿密な調査をされた予測ではなくて、今ご答弁がありましたように、渋滞の緩和に寄与すると考えられるということで、机上の計算でいわれているもので、到底説得力あるものになっていないというふうに考えます。
 そこでお伺いいたしますが、この地域の周辺の大気汚染の状況というのはどうなっているんでしょうか。

○杉浦施設計画部長 平成十年の東京都の環境保全局によります常時測定局の測定結果報告並びに同年の杉並区の測定報告によりますと、試行区間の周辺の大気汚染につきましては、常時測定局につきましては、二酸化窒素の測定結果については、周辺の五カ所の一般局では環境基準を達成してございますが、自排局では、周辺の四カ所ではいずれも基準を達成してない状況でございます。浮遊粒子状物質の測定結果は、一般局、自排局とも環境基準を達していない状況でございます。

○清水委員 現在でも大変大気の汚染されたということが周辺でわかります。この配慮書によりますと、この東八道路の接続する道路として府中所沢線を挙げているんですね。しかし、東八道路というのは、府中所沢線から圏央道の八王子南インターまでつながる道路なんですね。私の家のちょっと前を通る道路になるんですけれども、そういう道路につながるんです。
 それで、今回、交通量予測は四万八千台というふうにいっているんですね。この四万八千台というのは、その府中所沢線までのところで予測をしている。しかし、圏央道の八王子南インターから都内までつながっていったらどれだけ車が流入してくるのか、交通量はもっと多くなるということが予測されるわけです。この四万八千台も実施計画ができてから本アセスで行うというふうにいわれています。そして、この四万八千台で環境を調査しているわけなんです。
 この予測を見ますと、総合評価を見ると、沿道地域の生活環境が保全されるというふうにここに書いてあるんですね。四万八千台の交通量で予測をして保全されるというふうにいっているんです。しかし、道路というのはそこで終わりではなくて、今までずうっといってきたように、それがどことつながってどれだけ交通量が予測されるかというふうに、総体的に調査をするというふうになっていないし、今回の事前の四万八千台というのも、それもちゃんと調査してないということでは、なぜ今回の予測で沿道地域の生活環境が守れるというふうに判断をするのか、伺います。

○杉浦施設計画部長 今回の総合アセスメント制度の趣旨は、計画の早い段階において計画案の相互を比較するという趣旨でございますので、ある意味では、完全に詳細な調査をまだしてない段階でさまざまな考え得る複数案、そういったようなものの策定に入らざるを得なかった、そんな性格のものでございます。
 確かに、交通量推計はしてございませんが、副委員長がおっしゃるように、配分をしていないからこの交通量で済むわけないというお考えに対しましては、今回、私どもが四万八千台という数字を出した根拠というのは、設計基準交通量でございまして、いわば道路が持っている容量でございます。容量ですから、その道路にある程度目いっぱい車が通ったときを予測しているわけでございます。そういう意味で、概して、安全側に予測していると我々は思っておりますが、ただ、それは、交通量推計をきちっとやって、その結果、環境基準との照らし合わせは必要だろうとは思っておりますが、それは条例アセスの段階で再度行うことという理解でございます。
 環境の問題はいろいろございますが、こういった道路ネットワークをつくるということ、それからさらにはTDMあるいはディーゼルNO作戦、こういったことによりまして、自動車公害の防止、低減に努めているところでございまして、道路整備に当たっても、沿道環境の保全に十分配慮しながら、極力環境保全に努めていきたいと考えているところでございます。

○清水委員 その後に調査をしてから環境の基準に照らすというのは、総合アセスというのは、そうすると、机上の計算で結果を示すというような、どうも疑問が残る制度だというふうに思います。
 そこで伺いますけれども、現在の玉川上水の周辺にある植物の、時間がありませんから、数だけいっていただけませんか。

○杉浦施設計画部長 平成十年の杉並区の調査報告書によりますと、二百十種類あると記載されてございます。

○清水委員 そのうち、都のレッドデータブックに載っているものは何か、お答えください。

○杉浦施設計画部長 都のレッドデータブック一九九八年版に載っておりますのは、ヤマドリゼンマイ、アマナ、チダケサシ、ノウルシ、四種類でございます。

○清水委員 そう広くないところに二百十種類と、野生だけではないとは思いますけれども、春夏秋冬、季節によって咲き乱れる大変数の多い種類を持っている地域だなというふうに思います。それは長い間、三百年以上にわたってこの地域で歴史が刻まれていたからだというふうに思います。
 さて、数をもう一つ伺いますが、このA案、B案、C案によると、立ち退きが必要な建物の数はどのくらいになるんでしょうか。

○杉浦施設計画部長 A案ではおおむね百六十棟、B案ではおおむね二百十棟、C案ではおおむね百五十棟でございます。

○清水委員 玉川上水は、先ほども委員が触れられましたように、一六五三年に開削され、玉川の羽村の堰から四谷の大木戸までの約四十三キロを武蔵野台地の最も高い稜線に沿って掘り進められ、標高差約九十二メートルを利用して自然に水が流れるようにつくられ、約三百十年にわたって江戸東京の水を支え、流域の村を潤してきたそうです。そして、当時の水道としては世界一の規模といわれたそうです。浅間橋から牟礼橋の一・三キロメートルの間に、先ほどのご答弁にありましたほかに、ハムラソウとかノカンゾウなどの花を初め貴重な植物が生息し、野鳥もアカゲラとか数多く確認されているようです。
 先ほど、環境保全局の歴史環境保全地域に指定をされているという話がありました。緑の少なくなった武蔵野台地にあって、玉川上水は身近な水と緑の空間であり、流域の人々に特別な愛着を持たれているので、可能な限り現況を損なうことなく後世に伝えるよう保全すると、この環境保全局の歴史保全地域指定の中でいっていますし、都市計画局の景観条例の中で景観基本軸として決定をされておりますよね。両側百メートルを景観基本軸として決定するというふうになっております。遠くからも数多くの方が観察や散歩に訪れる区内に残された本当にわずかな、しかも歴史のある大事な場所だというふうなところであります。こういうところで、なぜ、そもそも道路整備ができるのかをお伺いしたいと思います。

○杉浦施設計画部長 先ほど来、ここの道路の必要性はるる申し上げましたが、その整備に当たります三案、いずれの案につきましても、玉川上水及びその緑地の保全を図るとともに、沿道環境の保全を図る観点あるいはその代償措置として、新たな緑や水辺をさらに身近に創出する案でございまして、今回の試行制度の実施要綱や技術指針にのっとって作成した適切な案であると考えてございます。これらの案につきまして都民の方々に説明し、ご理解を得ていきたいと考えております。

○清水委員 三つの案は、今いわれましたけれども、ただいま私が述べましたように、C案というのは、暗渠になって、玉川上水の自然、歴史的なそうした景観が全く損なわれてしまう、こういう案なんですが、なぜ採用可能な案としてこれが出てきたのか、お伺いいたします。B案は、広い環境施設帯をつくるとしても、先ほどお答えありました、立ち退きも二百十棟で一番多いことになっております。雑木林もなくなってしまいますし、費用も四百五十億円で一番かかるのがB案です。地域も分断され、大変ひどい案だというふうに思います。A案であっても、その内容というのはほぼ変わりはないと思います。
 最初に述べましたように、なぜC案が採用可能な案として出てきたのか、ご答弁いただきます。

○杉浦施設計画部長 C案は、確かに当該区間では現在の玉川上水は消失しますが、今回、試行に向けた技術指針に記載されております、損なわれる環境の有する価値を代償するものとして、豊かな環境の創造に資するという観点に沿った案であると考えております。具体的には、今より身近に豊かな緑や水辺を創出する案でございまして、新たに自然に親しまれる空間をつくり出す案として、一つの候補案として提案したものでございます。

○清水委員 なぜ代償できるんですか。先ほどご答弁いただいたように、二百種類以上の植物をどうやって代償できるんですか。三百年以上にわたる歴史を持ってつくられてきた環境ではないんでしょうか。そして環境に調和した道路とかいうふうにも書いてあります。百歩譲って、景観というのがそういうふうに保てるかもしれない、しかし四車線の道路によって出される自動車からの排気ガスによっては、植物が植生を保つことができないというふうに考えます。
 この中にあります総合評価でも、短所の中で、自動車排ガスによる玉川上水の緑地空間における生育環境への影響が考えられるというふうになっています。四万八千台というのは、直接の調査をしてない数字で出されているわけですが、この四万八千台の評価でも、生育環境への影響が考えられるというふうにいっているわけですから、それ以上になるということは確実だというふうに考えます。その行為によって環境影響を検討した結果、計画の中止とか全面的な見直しも、総合アセスの中ではそれ自体が限界がありますけれども、考慮されるべきだというふうに考えます。これだけ自然のある中で、行わないという案は考えられなかったんでしょうか。

○杉浦施設計画部長 当該区間は、道路交通ネットワークの上で欠くことのできない区間でございまして、ぜひ整備をしたいということが基本でございまして、今回の制度は、整備に当たって、現行の事業環境アセスメント制度の手続を行う前に、複数の案についてあらかじめ比較検討を行うものでございまして、あくまでも事業の実施が前提の制度でございます。したがいまして、私どもからは、何も行わないという案につきましては、提起することはできなかったということでございます。

○清水委員 杉並では、現在でも環状七号線八万六千台、環状八号線七万六千台、甲州街道八万八千台が走り、首都高速四号線が二階構造で十万四千台と合わせて二十万台が走っています。杉並区の公害患者は、昭和六十三年千七百三十五人でしたが、平成十年には二千五百十五人と一・四五倍にもなっています。住民の皆さんが三十数年にわたって自然保護、せめて残された自然を守りたい、歴史環境を守りたいというのは当然だと思いますし、大気汚染から住民の健康を守りたいと願うのは当然のことだというふうに思います。
 この地域では、JR、京王井の頭線、小田急線など、他にはなかなかない、私のところなんかとは比較にならないほど鉄道が多く通っていると思います。駅も近いところです。このような地域にこそ、最初にやるのは、道路をつくるんではなくて、自動車総量をそうした公共交通に合わせて削減をする取り組みを真っ先に行うべきではないでしょうか。都市計画局が考えられていることは、先に四車線の道路を通すということになっていると思います。公共交通の充実とかTDMとかいっておりますけれども、それは机上の計画ばかりで、実際にはこうした大型四車線道路が、環境保護や大気汚染などをーー汚染しながら進めていくというやり方には、厳しく批判をしたいと思います。
 この道路計画というのは再検討すべきことを要望して、質問を終わります。

○森田委員 私も、総合環境アセスメント制度に関連して、放射五号線等について伺います。
 私の基本的なスタンスを最初に申し上げておきますと、今、前に清水副委員長が質問しましたけれども、私は、道路をつくることは決して反対ではない、必要性は認めています。そういう前提で伺いますけれども、まず、この総合環境アセスメント制度、先ほども環境局にちょっと聞きましたけれども、この中で非常に大きな役割を占めているのは、環境局ではないかなというふうに思っています。
 この総合アセスメント制度の目的の中には、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある計画等についてこういうことをやると。最終的に環境局長から意見書が出るわけですね。今回の場合は、実施主体が都市計画局と建設局になるわけですから、意見書はこの両局に行くんですが、この環境局長の意見書についてどのような扱いをされるんでしょうか。

○杉浦施設計画部長 総合環境アセスメント制度そのものが、多分全国的にもほかに類を見ないと申しますか、そういった制度でございますので、すべからく制度の全般といいますか、最後まで今決めつけられているわけではございません。そういった中で、今回の試行の中で学ぶべきことは学びながら、よりよい実質的な制度に変えていかなければいけないという面で、私どもも建設局も環境局も同じ思いでございます。
 それで、環境局長から審査意見書をもらいますが、これにつきましては環境面での意見が出てくると考えてございますが、私どもは、そのほかに、端的に申しますと、コストとか、あるいは地権者の数とか、そういった社会経済面の要素を加味いたしまして、それで総合的に判断するのは最終的には知事であろうと思いますが、そういった総合的な判断の一つの目安とするべきものだと考えております。

○森田委員 一つの目安にするものがこの意見書なんですか。そうしたら、この環境アセスメント制度なんていうのはいいかげんなものじゃないですか。住民から意見を聞くのもこの中、住民の意見をいえるのもこの中、しかも都民の意見を聴く会のようなものをつくっている。そして、それで出てきた意見書が一つの目安、こんないいかげんなものはおかしいですよ。

○杉浦施設計画部長 失礼しました。目安という言葉は若干適切じゃなかったかもしれませんが、一つの判断要因となると思っております。

○森田委員 一つの判断要因だったら、これはごまかしじゃないですか。もう方向性を決めていて、周辺住民の意見を目先を変えるためにやっている、そうとしか考えられないですよ。そんないいかげんな制度を行政改革の中においてつくる必要なんかないじゃないですか。どうなんですか、局長。

○成戸東京都技監 この総合環境アセスメント制度をつくるときに、いろんな議論があったというふうに私も認識しております。
 その一つは、環境面だけ、環境面を中心にした総合アセス制度で、社会経済的な要因というものはその制度の外に置いて、最終的に知事が判断するときに全体で判断をしていこう、こういうような制度に現在の東京都の総合環境アセスメント制度というのはなったわけでありまして、最終的に判断するのは、そういった環境面を中心にした総合アセスでの意見、それと社会経済的な要素、その他の要素、そういったようなものを全部含めて、最終的には知事が判断をするというふうに私どもは理解をしておりますので、その辺においては大変重要な要素ではありますが、一つの判断基準であるというふうに私どもは考えております。

○森田委員 環境局と議論したときには、この中において都民の声が環境局長にいくようにーー実施主体の都市計画局、建設局には、このフローチャートでは都民の声は届かないようになっているわけですよ。そうすると、環境局長の意見書を重視しなければ、都民の声は反映できないじゃないですか。これについてどう考えているんですか。

○杉浦施設計画部長 現行の条例アセスにおきましても、アセス知事の審査意見書というのは、それなりに私ども重視をいたしております。したがいまして、今回の環境局長からの審査意見書につきましても、同様にそれなりの重視はいたすつもりでございます。

○森田委員 目安じゃなくて重視をするということですから、これは、こういう制度をつくった以上、このフローチャートを見たら、意見書が最大の、ある意味では住民の意見が反映されたものとするしかないわけですよ。そうしたら、環境局長の意見書というものを重視して、それからの政策決定、計画決定にこれは大いに生かしていかなくちゃいけない。それがなければ、この制度は何のためにつくったか理解をしかねます。それは強く要望しておきます。
 そして、具体論に入りますけれども、今回、A、B、C案が出されました。しかし、少し前まで私たちが聞いていたのは、あの東八道路の延伸、環八に出るのは、一つの方法としてーー三案確かにありました、このA、B、C案ではなくて、立体化、平面化、地下化、この三つのうちのどれにいくだろうかというのが。住民の皆さんもそのことを考えていた、我々もそう思っていた。この平面のA、B、C案に変わったのは、いつ変わったんですか。

○杉浦施設計画部長 今回の実施可能な複数案の検討の中には、もちろん当初から、立体案あるいは地下化案、それから平面案、こういったものが当然入っていたわけでございます。
 しかしながら、その後詳細に検討してみますと、まず、今回の放射五号線は、一般道路といたしまして、沿道利用の出入りや、あるいは地域の生活道路等の接続をしなければいけない、また、地下にしますと、トンネル等の構造が必要となり事業費が増大する、あるいは地下へ潜り込むところ、さらに出るところにおきまして、相当幅広い幅員が必要となってきまして、その地点での関係権利者、用地買収量も多くなってしまう、こういったようなことが判明してきまして、こういう前提のもとで地下方式をシミュレーションした結果、例えば事業費では二倍以上かかることが判明したということで、実行可能な案という中からは外させていただいているわけでございます。

○森田委員 そのことは、関係住民には話はいっていますか。

○杉浦施設計画部長 この環境配慮書を公表しましたのは先月でございますので、ある意味では、三案がこういう形であるということは公表されてございますが、地元に対しては別途説明会をいたします。それで、この三案の選定に至った経緯も含めまして、住民の方に説明をする予定でございます。

○森田委員 今までやっていないでしょう。ここに出ている、これにおける住民説明会ということでしょう。これはいつやるんですか。

○杉浦施設計画部長 来月から六月中ぐらいを考えてございます。

○森田委員 それで、先ほどの答弁によると、十二年度中にこの答申を得るんですかね、そういういい方をしましたよ。半年間で結論を出すということですか。

○杉浦施設計画部長 環境配慮書を提出いたしましたのが先月でございますので、先月からおおむね一年以内に、できましたらこの手続を終了したいという、まあ、これは私どものあくまでも希望的なスケジュールでございます。

○森田委員 私は、道路をつくることは反対ではないといっていますけれども、しかし、地元に住んでいる方、さっきちょっと伺ったら、どの計画でもやっぱり百五十世帯から二百五十世帯の人たちの移転も必要だと。こういうような計画をいまだに住民の皆さんには知らせていない。しかも住民の皆さんは、全部とはいいませんけれども、中には、地下化になった場合、自分の家の前にトンネルができたら困るんだというようなことをいまだにいっている人もいるんですよ。そういう周知というかな、計画の中身が知らされていないところでこういう計画が突然出たら、住民の皆さんは本当に驚いちゃうし、パニックになるんではないかな。これは玉川上水を守る、守らない以前の問題で、本当にもう少し東京都の都市計画局、建設局は、住民の側に立った計画を立て、もっと親切に説明をしていかないとならないんではないか。
 しかも、この総合アセスでいいますと、都市計画局や建設局は住民説明会はやるけれども、意見は全部環境局にいくんです。説明会しちゃったら、もうそれでおれたちは後は環境局長の答えが出るまで待っていりゃいいやというような形になっちゃうんじゃないですか。そして、あげくの果てに、さっきの言葉じりをとるわけじゃないですけれども、環境局長の意見具申は参考程度と。もしそうなったら、何のためにこういう計画が行われ、住民はどうしたらいいのか。こういうことを考えませんか。

○杉浦施設計画部長 そもそも総合環境アセスメント制度の一つの大きなねらいは、計画の早い段階から住民の意向を中に入れていく、そういうところにあるわけですから、当然のことながら、今おっしゃるようなことについては万全の対応をしなきゃいけないと考えております。
 いいわけになりますが、試行段階でございますので、あるいはこの試行の手順やなんか、やってみると若干不備があったり、改善すべきところがあるかもしれませんが、それにつきましては、今回の試行の中で謙虚に学びながら、よりよいものにしていきたいと考えております。

○森田委員 そうすると、試行の中で、もしかすると、A、B、C案以外にもあり得る可能性はあると考えていいんですか。

○杉浦施設計画部長 私どもがお出ししました環境配慮書につきましては、その後、環境配慮審査会にかかるわけでございますので、そこでの意向を踏まえまして、どういう審査会の意向が出るかわかりませんけれども、審査会としてそういった意向が出れば、可能性はあり得ると思っております。

○森田委員 余り与えられた時間がないんで、ここは環境局じゃないからあれですけれども、局長の意見書としては、A案、B案、C案は、A案がいいですよといういい方ではなくて、A案は、ここにもう既に出ているように、長所とか短所とか、そういう感じで出てくるというふうに考えていますか。

○杉浦施設計画部長 それぞれの案の環境に対する評価が適切に評価されているかどうかについて、審査会で審査されるということを私どもは伺っております。

○森田委員 済みません、勉強不足。これに対する評価が出てくるというふうに考えていいんですか。

○杉浦施設計画部長 この中で行いました私どもの環境面での評価といいますか、三案に対する評価が適切かどうかという判断が出てくるんだと思っております。ーー失礼しました、言葉足らずで。これに対します三案が環境面で適切に評価されているかどうかについて、審査会から意見が出てくると思っております。

○森田委員 ということは、これの域を出ないで評価をするということですか。これに書いてあることが、ある意味では正しいか、あるいは環境面から見て、これはそのとおりだとか、ここはちょっと違っているよという評価をするということなんですか。

○杉浦施設計画部長 今回策定されております試行要領においては、理事おっしゃるとおりだと思っております。

○森田委員 そうすると、環境局長の意見具申というのは、またわからなくなる、何のためにやるんですか。

○杉浦施設計画部長 今回つくりました環境配慮書が、環境面から適切に評価されているかどうかにつきまして、審査意見書として出てくるものと考えてございます。

○森田委員 そうすると、この六ページ、七ページに、影響評価の結論というふうに出ていますね。いろいろ背景があるでしょうけれども、これが正しいかどうかということをこの総合アセスというのはチェックするということですね。

○杉浦施設計画部長 今回の試行においては、少なくともそのようなことで評価されると考えてございます。

○森田委員 そうだとすると、ちょっと最初大きな声を出しましたけれども、本当に余り意味ないですね。A、B、Cを選ぶのは、結局、知事と局長はおっしゃいましたけれども、それは都市計画局か建設局、この両局が選ぶんであって、環境局は、A、B、C案のどれがいいとか悪いとかという判断はしないということなんですね。

○杉浦施設計画部長 少なくとも今回の試行の中では、A、B、Cそれぞれの環境評価が適切に行われているかどうかを評価するものであって、A、B、Cの優劣の結論までは出さないと聞いております。

○森田委員 それじゃ、ここに出ている都民の意見を聴く会とか、意見書が環境局に出される、これは何のために出すんですか。また、都民の声を何のために聞くわけですか。都民は、この環境評価が正しいか間違っているかなんていうのは、普通の人は判断できませんよね。それを何のために聞くんですか。

○杉浦施設計画部長 従前の手続に比べまして、少なくとも複数案について都民が意見を寄せられるという面では、複数案の中で都民意見が求めるものは何かということは、従前の制度に比べてはわかりやすくなるんだろうと思っております。

○森田委員 物事をちょっと整理していってくださいよ、もう時間がないんで。いいですか、最終的に出る意見書というのは、A、B、C案どれがいいとか悪いとかと出るものじゃない、事前に出たこれについて環境的に正しく評価しているかどうかをチェックするんだ、そういうことでしょう。そこに何で都民が、今度はA、B、C案に対し意見をいってーーここに出てこないじゃないですか、この最終結論に、都民の声なんというのは。都民は、特にあそこの周辺住民は、少なくともA、B、Cに納得していませんよ。しかし、A案がいいか、B案がいいか、C案がいいかといわれたら、どっちがいいかって判断するには、じゃA案がいいとか、B案がいいとかっていうことを当然いってくる。それは、しかし最終意見では何にも出てこない。これはもう都民のガス抜きでしかないじゃないですか。

○杉浦施設計画部長 三案を出しまして、それぞれ環境への評価をお聞きするわけですが、これは私ども事業者なりの意向でございますので、試行審査会あるいは試行審査会に対する意見、こういったものが私どもの考えとあるいは異なった形で出ることはあり得ると思っております。

○森田委員 でも、受ける側の実施主体の都市計画局がそういう姿勢でいたら、どんな意見書が出ても、これは何の影響もない。そうでしょう。都民の声なんかここに反映されないですよ。
 きょう、本当に時間がないんで、これはもう時間切れでまた別途やらなくちゃいけないんだけれども、こんないいかげんな考え方でやっているんだったらおかしいですよ、これ。あそこに住んでいる住民の皆さんと話してみれば、彼らは、それは一部政党に扇動されている人たちもいますけれども、そうじゃない本当に環境を考えている人たちがいるんですよ。また自分たちの生活を考えている人たちがいるんですよ。そういう人たちがこの実態を今聞いたら、本当にがっかりしますよ。自分たちがいったって何にも反映できないじゃないか。玉川上水の必要性を都市計に聞こうかと思ったけれども、それ以前の問題。これ自身が、何というのかな、本当に実態のない影響力の全くないものである。後はもう都市計画局と建設局が話して、こんなことをやらないで、じゃこの線でいくって決めちゃった方がいいじゃないですか。

○杉浦施設計画部長 今回の試行制度そのものにいろんな不備はあるかもしれませんが、少なくとも複数案を事前に提示し、計画の早い段階から意見を聞き、それから、ちょっといい漏らしましたけれども、審査意見書に対して反映させるだけではございませんで、計画策定へ反映させる意見も当然出てくるだろうと思っております。そういった意味で、聞いた意見につきましては、何らかの形で当然のことながら計画策定の中に反映していく、そういう努力はしなければならないものと考えております。それが今回、総合アセスメント制度の一つの大きな意義でもあると思いますので、その意義は忘れずに進めたいと考えてございます。

○森田委員 これはまた日を変えて、きょうはちょっと委員長も焦っているようですので、日を改めて議論したいと思います。私は今の議論の中では全くこれは納得できません。こんなようなやり方は、立場は違いますけれども、住民の側に立って考えた場合には、言葉は悪いかもしれないけれども、これは本当に住民をだますような制度になってしまいますよ。
 そこは、私もきょうも行ってきましたけれども、杉並区内ですから時々通りますけれども、玉川上水のところ、これは環境面からいっても非常に貴重な緑であり環境です。そういうことを考えたら、私は、C案を考えた都市計画局、建設局の精神をちょっと疑わざるを得ないんですけれどもね。今、石原知事は環境というものに物すごく力を入れている。そして、ディーゼル車規制なんというのは、東京都はさほどお金は出ないかもしれないけれども、民間で考えたら物すごいお金がかかる。環境にこれだけお金がかかることをやっている中において、経済性だけを考えて、玉川上水を地下化するなんという考え方をすること自身が私は全くおかしいというふうに思います。知事の環境に対する考え方ともずれているんではないかというふうに思います。
 そういうことを含めて、また機会を変えて私はこれを議論したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○大西委員 時間がなくなりましたけれども、私も、今からの開発は、本当に私たちにとって、ノーといえれば簡単ですけれども、そうはいかないところにこれからの悩みがあると思っております。そういう意味で、この総合環境アセスメント制度というものを私はぜひ進めていただきたいという思いでこれまでもいたわけですが、今、森田理事から指摘がありましたように、環境局が目指す総合環境アセスメント制度、私たちが思う総合環境アセスメント制度、それの試行に当たって都市計画局との差、そういうものを少し感じてしまいます。日を改めて、これについては私は両局でお願いしたいなと思うんです。こういうことが疑問なんだというと、いやそれは向こうの管轄ですということで、これが非常に微妙に入り組んでいる問題だけに、そういう場面もあってもいいんじゃないかと思います。
 それで、時間もないので、先ほどから問題になっていましたけれども、今回の総合環境アセスメント制度そのものの一番のメリットというのは、ここに書いてありますように、計画内容の見直しが弾力的に行われる可能性があるということ、それから、広域的な開発計画などのように、複数の事業を含む計画について、複合的、累積的な環境影響に適切に対応できるためにというような、そういうことで行われていたわけですので、そういう中では、ここの制度の流れでいいますと、まず最初の今回の指摘は、都市計画決定がされたところを対象に選んだということ、これはやっぱりおかしいんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○杉浦施設計画部長 今回の試行対象に選んだ場所につきましては、都市計画決定はされてございますが、具体的な整備の形態というのは、ある意味では白紙状態であったということでございます。その整備の基本計画策定に向けまして、幾つかの案を踏まえた総合環境アセスメントの試行を行っているところでありまして、これは最終的に一つの案に絞り込みますと、現行のいわゆる都市計画素案という、あるいは原案という形になりまして、条例に基づく環境アセスメント手続を行うということになりますが、その以前に複数案について、あらかじめ環境への影響を比較検討しようとするものでございます。

○大西委員 もともと環境への影響を非常に考えるために、複数の可能性のある代替案をつくるということであれば、まず、この配慮書を作成する時点において、今回の場合は建設局と都市計画局で決めちゃいましたけれども、本当はここに市民も含めた、そしてそこに何よりも環境に一番影響を与える環境局を入れたところでできた案、そういうものを複数に挙げるべきだったと思います。それがなくてこのままいくということが、まず先ほどからのやりとりの中の混乱の原因だと考えております。
 そして、これを見ると、A、B、C案がほんの少しずつしか変わらない。つまり計画があったところにやるわけですから、単なる手直し的でしかないというように思います。そうなると、従来のアセスメント条例とどう違うんだということが指摘できるわけですけれども、そういうことで、試行であるならばあるだけにもっと大胆に、それこそ本来の総合環境アセスメント、素案からみんなでやっていくというその姿に立ち戻った取り組みが、今回、都市計画に非常に不足していたんじゃないかなと私は思います。そういう姿勢を求めたいと思いますし、そのときにやはり市民案というものをーーこれからはそれぞれが、同じデータを提供されれば、市民だってすごくアイデアのある市民案が出てくると思います。そのときに、本当に行政としての案か、それから市民案か、どっちがいいかというコンペするぐらいの気持ちで、こういう道路計画とかこれからの開発計画に取り組むべきじゃないかなと思います。
 それともう一つは、環境局、都市計画局、非常に連携の中でやっていくべき事業であるにもかかわらず、なかなかそれがなかったんじゃないかなということを指摘して、質問を終わります。

○尾崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、報告に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市計画局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時九分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る