都市・環境委員会速記録第三号

平成十二年三月三日(金曜日)
   午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長尾崎 正一君
副委員長清水ひで子君
副委員長吉野 利明君
理事大西由紀子君
理事森田 安孝君
理事たぞえ民夫君
真鍋よしゆき君
竹下 友康君
かち佳代子君
谷口 卓三君
新藤 義彦君
立石 晴康君
内田  茂君
田中 晃三君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市計画局東京都技監都市計画局長兼務成戸 寿彦君
次長安間 謙臣君
技監山下 保博君
理事塩野 忠弘君
総務部長本多 靖男君
総合計画部長高田 茂穗君
開発企画担当部長山崎 俊一君
地域計画部長勝田 三良君
地区計画担当部長森下 尚治君
施設計画部長杉浦  浩君
航空政策担当部長山内 一良君
開発計画部長林 孝二郎君
建築指導部長小林 崇男君
参事河島  均君
参事只腰 憲久君
環境保全局局長齋藤 哲哉君
環境管理部長高橋 徳八君
環境影響評価担当部長長谷川 猛君
参事梶原 康二君
自然保護部長江渡順一郎君
大気保全部長松葉 邦雄君
参事吉野  昇君
水質保全部長岡田順一郎君
助成指導部長井出 勝也君
環境科学研究所次長萩本 秋彦君
清掃局局長安樂  進君
総務部長平井 健一君
ごみ減量総合対策室長廣田 倬典君
作業部長野田 一雄君
工場管理部長桜井 武男君
環境指導部長薄  厚一君
工場建設部長長坂 俊夫君
施設部長小野 俊郎君
移管準備担当部長志村 啓文君
技術調整担当部長関  寿彰君
参事小泉 克已君
参事山田 万生君
参事梅澤 勝利君
参事稲村 光郎君

本日の会議に付した事件
 環境保全局関係
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第二百一号議案 平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 環境保全局所管分
 清掃局関係
  契約議案の調査
  ・第百八十八号議案 東京都多摩川清掃工場プラント更新工事請負契約
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第二百一号議案 平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 清掃局所管分
 都市計画局関係
  付託議案の審査(質疑・決定)
  ・第二百一号議案 平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 都市計画局所管分

○尾崎委員長 ただいまから都市・環境委員会を

開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、平成十一年度関係の契約議案の調査並びに付託議案の審査を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は、財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。
平成十二年三月二日
         東京都議会議長 渋谷 守生
都市・環境委員長 尾崎 正一殿
   契約議案の調査について(依頼)
 このことについて、左記により財政委員長へご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百八十八号議案 東京都多摩川清掃工場プラント更新工事請負契約
2 提出期限 三月三日(金曜日)

○尾崎委員長 これより環境保全局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、環境保全局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境保全局関係を終わります。

○尾崎委員長 これより清掃局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百八十八号議案、東京都多摩川清掃工場プラント更新工事請負契約を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布しております。
 資料について理事者の説明を求めます。

○平井総務部長 去る二月十七日の当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料番号3、都市・環境委員会要求資料をごらんいただきたいと思います。
 要求のございました資料は一件でございます。過去五年間の清掃工場建設工事及びプラント更新工事の契約建設共同企業体名と入札参加建設共同企業体名一覧でございます。
 これは、豊島清掃工場、渋谷地区清掃工場、中央地区清掃工場の新設工事と、板橋清掃工場、足立清掃工場、及び今定例会に契約議案として提出させていただいております多摩川清掃工場のプラント更新工事につきまして、契約建設共同企業体名及び入札参加建設共同企業体名についてお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○かち委員 それでは、区移管前の最後のプラント更新契約案件として今回提案された多摩川清掃工場分が、付託は財政委員会ですが、その前の調査依頼ということですので、何点か質問させていただきます。
 本件のプラントメーカーJVの中には、昨年の八月に、焼却炉の談合事件の際、公正取引委員会から警告を受けた大手メーカーも入っています。その意味でも慎重な検討をしていただきたいと思っています。
 さて、多摩川清掃工場のプラント更新は、ダイオキシン対策と焼却灰の減量ということで行われるとのことですが、この間、更新計画や生活環境影響調査などについて住民説明会を開いてこられ、その状況については前の委員会でもお聞きしたところですが、この住民説明会の中で、土壌調査を求める意見があったように聞いております。それで、実施されたのか。いつ実施されて、結果はどうだったのかということについてお聞きします。

○稲村参事 お尋ねの土壌調査につきましては、昨年の十月二十五日に、多摩川清掃工場周辺の三地点と工場敷地内四地点を選定し実施いたしました。
 調査結果を見ますと、工場周辺では、土壌一グラム当たり〇・二八から八・二ピコグラム、工場敷地内でも一九から六三ピコグラムでした。いずれもダイオキシン類対策特別措置法に定められた環境基準値一〇〇〇ピコグラムを大きく下回っております。

○かち委員 発生源から大気中に排出されたダイオキシンはどうなっていくかということですけれども、土壌や水系に沈着または沈降して、一部は直接食物の表面に吸着するんですね。さらに、土壌や水系での微粒子状態で移動が起こってきます。または揮発して大気中への侵入が起きる。脂肪に溶けやすく、分解しがたい、こういう性格から、生物濃縮が起こり、魚肉類などに含有されているといわれています。このように、発生源から環境への侵入経路、移行過程、そして生体への暴露過程、こういう相当長くて複雑な経路をたどる性質を持っています。
 土壌は、人や生体への直接被曝と同時に、環境媒体を通じた移動、濃縮過程として見た場合に、大変重要だといわれています。
 先ほど、基準よりはるかに低いというご答弁でしたが、既に多摩川清掃工場は三月から操業を停止しています。六カ月もたっている状態であることや、また、揮発性もあり環境媒体により移動しやすい微粒子だということからすれば、当然の値だとも思います。それでも、敷地内と周辺地域とでは数十倍の差が出ております。焼却炉が発生源になり得るということが示されているのではないでしょうか。
 九七年に東京都は、ダイオキシン類取り組み方針というのを立てました。これに基づいてダイオキシン対策を進めてきているわけですけれども、これは十二年度に改定もされるようですが、こういう取り組みが一体、ダイオキシン削減においてどのような効果をもたらしてきたのか。そういうことを検証する意味からも、焼却炉周辺の土壌調査とか、母乳などの健康影響調査のモニタリングがぜひとも必要だと思うのです。
 今後、清掃局としては、環境局に編入されていくわけですけれども、環境保全局としては今までは焼却炉周辺を除いた地域でやっていたわけですが、最も発生源と認められている焼却炉の周辺での継続的なモニタリングが必要だと思うのですけれども、そういう取り組みをやっていく意思があるかどうか、お聞きします。

○稲村参事 今回の調査は、プラント更新に先立って、現状を把握するために実施したものでございます。
 方針ということでございますが、稼働後の影響を確認するための調査を実施いたします。

○かち委員 ぜひ継続的にこういう調査を行っていただきたいと思います。既に諸外国では八〇年代からモニタリングがやられているわけですよね。日本の場合、そういう点ではかなりまだおくれていると思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 さて、今回のプラント更新では、焼却能力は六百トンから三百トンに半減するわけですけれども、今度の改修工事では、プラント部分が増築されるというふうに聞いております。ダイオキシン対策や灰溶融設備などで一体どのぐらいふえることになるのでしょうか。

○稲村参事 ただいまのお尋ねでございますが、ダイオキシン対策の実施及び灰溶融設備の整備によりまして、更新前と比較しますと、建築面積は約三〇%大きくなります。

○かち委員 多摩川清掃工場の周辺というのはかつては空き地が多かったんですね。これは、今現在は二期目で、その前、三十年代からもう操業が始まっていたわけですけれども、その後、周辺に工場ができて、今では、工場のすぐそばに高層のマンションとか都営住宅が建っている、非常に住宅地域に囲まれた、そういうところにできている清掃工場です。
 それが、焼却量は半分になるのだけれども、建物そのものは三〇%ふえるということでは、大田区や周辺住民の皆さんからは、何とか緑化をふやしてほしい、そういう声もかなり出ているわけですけれども、そういう区や住民の皆さんからの声にこたえて、緑化をふやすというような計画はあるのでしょうか。

○稲村参事 緑地面積でございますが、現在の緑地面積が約四千百平方メートルでございます。これに対しまして、更新後の緑地面積が約四千二百平方メートル。さらに、屋上緑化として五百平方メートルを計画しております。

○かち委員 敷地が限られた中で緑化するということはなかなか大変だと思うのですけれども、ぜひ周辺環境に共生できるような、そういう清掃工場にしていただきたいと思います。
 ところで、今回の契約金ですが、全体で百五十五億ということですけれども、この中で、灰溶融部分の契約はおよそどのぐらいになるのでしょうか。

○稲村参事 多摩川清掃工場の灰溶融設備の処理能力は、日量三十トンでございまして、これと同規模の設備では、灰一トン当たりの建設単価が六千万円程度と想定されますので、総経費としては約十八億円となります。

○かち委員 灰溶融が三十トンという点では、これからつくるもの、それから今あるものも含めて、最も小さい溶融炉なんですね。そういう意味で割高になるということもあるのかもしれませんけれども、九七年に東京都は灰溶融施設導入検討委員会報告というのを出されております。これによりますと、モデルケースでの建築単価というものが出されているのですけれども、それは、灰溶融では一トン当たり五千五百万円、ごみ焼却施設は、ごみ一トン当たり四千万円と、大まかな目安が出ているんです。これに単純に当てはめれば、今回の金額は大体百三十六億五千万円になるわけですね。今回の局の方での見積もり金額は、百五十七億五千九百四十五万円ということでしたので、落札は九八・七%という結果になっています。
 ちなみに、第四回定例会で契約議決されました板橋の清掃工場、これは焼却炉が六百トン、灰溶融が百八十トンというプラント更新でした。先ほどの基準に当てはめると、約三百四十億円なんですね。これで見積もられていたわけですけれども、落札は二百九十六億円でした。見積もりの予算からしても八七%。これから見ると、多摩川清掃工場は高いというふうに思えるんです。小型の灰溶融だから割高なのだといわれても、それを客観的に判断する基準がないんですね。昨年の予算質疑でも、我が党の山本議員がこの積算根拠をお聞きしたのですけれども、明確な答弁はありませんでした。積算根拠というものが、なぜ出されないのでしょうか。

○稲村参事 予定価格の内訳はなぜ公表されないのかということのご質問かと思いますけれども、私どもの積算体系、歩掛け、経費率等の公開や開示が実施されている状況の中で、設計の内訳を公表することによりまして、容易に発注者側の設計金額を類推することが可能になるということで、このため、将来の同種の事業にかかわる意思形成に支障が生じたり、入札の競争性を損なうおそれがあるということで、私どもでは現在のところ公表しておりません。

○かち委員 入札に差しさわるというようなことで公表できないということですけれども、しかし、私たちはこれを検討しなければならない、調査しなければならないわけですが、そのときの資料になるものがないわけですよね。そういうことで調査をしろといわれても、なかなか難しいことだと思うんです。
 九七年に厚生省が、厚生省関係公共工事費縮減対策に関する行動計画、こういうものを都道府県知事あてに出されていますよね。この中には、水道工事や国立病院などの問題と、そのほかに廃棄物処理施設整備事業費縮減行動計画というのがあります。ここの中を見ますと、積算の合理化ということで、積算の基準の公開が不十分である、積算基準の改定に時間を要しているなどの指摘もあることから、積算基準等の統一、公開、機動性向上について検討を行う、積算基準等への迅速な反映を図るべきだというふうに書かれているわけです。
 こういうことを厚生省もいっているわけなんですけれども、こういうことを受けて東京都としては、もっとこういう積算問題についての公開、公表、そして談合などが生まれないような状況をつくっていくべきだと思うのです。あれから三年たっているのですが、現時点でも依然として今までのような状況にとどまっているのか、何か改善策が持たれてこなかったのか、その辺はどうでしょうか。

○稲村参事 お尋ねの公表についてでございますけれども、今後とも、東京都全体の動向等を考慮の上、決定してまいりたいと思います。

○かち委員 議会で審議をしてほしいというふうになっていながら、その判断基準が示されないということでは、審議にもならないと思うんです。ぜひこの点の改善を求めておきます。
 次に、このプラントが完成した後には操業をしていくわけですけれども、ランニングコストというのはどのぐらいになるのでしょうか。

○稲村参事 お尋ねの更新後の多摩川清掃工場でございますけれども、電気、ガス等の年間経費ですが、焼却設備では、処理量は異なりますが、更新される多摩川工場と同じ二炉工場である江戸川清掃工場を参考としますと、おおよそ一億六百万円程度と見込まれます。また、併設される灰溶融設備の経費は、同形式の溶融炉を設置している他都市の運転実績から約九千六百万円と想定され、合わせて約二億二百万円と試算されます。

○かち委員 二億二百万円ということで、大変な維持管理、運転費というふうになると思うのですが、六年後にはこれが、自区内、その区の負担になってくるわけですね。そういう意味でも、こういう高機能な焼却炉というものをこれからどんどんつくっていくということが、将来、区の経済性の面から見ても、本当に大丈夫なのかなあというふうに考えます。
 ところで、灰溶融の今後の計画はどういうふうになっているのでしょうか。

○稲村参事 灰溶融設備につきましては、東京スリムプラン21に基づき設置されるものでございます。多摩川清掃工場などの清掃工場の建てかえ、プラント更新工事に合わせて、六工場に設置するほか、中央防波堤内側処分場内にも整備いたします。これにより、平成十八年度までに、区部の清掃工場で発生する灰の全量溶融を達成する予定です。

○かち委員 二十三区全部の灰を溶融することができるという計画であるわけですけれども、現状では、高熱の焼却処理で灰溶融することが、一番ダイオキシン対策にもなり、焼却灰も半減する。そういうことでベストであるというふうに考えられていると思うのですけれども、高熱処理というのは、また新たなダイオキシンや化学物質を生み出すことにもつながると思うんです。細菌と抗生物質の果てしない細菌戦争の道と同じだと思うんですね。そういう意味では、方向を今考え直すべきではないかと思います。
 ところで、大田区から出ているというか、大田区で可燃、焼却をしているごみの発生はどのぐらいなのでしょうか。
 東京ルールⅠによって昨年十一月から、資源回収として古紙回収が週一回始まりましたが、その実績、実態はどうなっているでしょうか。

○廣田ごみ減量総合対策室長 平成十年度におきます大田区内の可燃ごみ量でございますが、年間二十三万トン、日量に換算いたしますと七百七十トン程度と推計をいたしております。
 また、大田区内での資源回収事業は、昨年の十一月から古紙の回収を始めたところでございまして、回収を始めました昨年十一月は、日量七十二トン、十二月は七十八トン、ことしに入りまして一月は五十八トンという実績でございます。

○かち委員 大田区では既に古紙、瓶、缶の集団回収が定着していました。このような局回収が始まると、集団回収が崩れてしまうのではないかという初期の心配もありましたけれども、この間、私、調査をしてみましたところ、四月から十月までは前年の一〇八%、十一月以降はほぼ一〇〇%、局回収の影響はほとんどないということでした。
 この集団回収の古紙回収量は、年間一万八千トンということです。ですから、資源回収で出された日量平均、今の三カ月ですけれども、七十トン程度、これは、これまで可燃ごみとして出されていたものからの減量分といえると思うんです。単純計算でも、大田区にある焼却炉で処理されているごみ量は、このままいくと七千トン足らず減っていくのではないでしょうか。大田区には六百トン処理能力のある大田第一清掃工場があります。その上に、三百トンの多摩川清掃工場が本当に今必要なのかと、疑問を抱かざるを得ません。
 今後、スリムプラン21に基づいて、計画的にプラント更新、増設を進めていくと、将来、可燃ごみ量よりもプラントの方が過剰になることは、計画上からも明らかになっているわけですが、局としてはこのことをどのように考えているのでしょうか。

○関技術調整担当部長 清掃工場の整備計画につきましては、今お話がございましたとおり、東京スリムプラン21で定めておりますけれども、このスリムプラン21は、平成九年から二十三年度までの計画でございまして、この中に織り込みましたごみ量につきましては、この資源回収事業の実施、あるいは排出指導の拡大、こういうことを含みましたごみの減量というものも想定をしましてごみ量を算定しております。その結果、この計画期間の最終年であります平成二十三年度におきましては、清掃工場で焼却する可燃ごみの量を三百十二万と見込んでおります。一方、平成二十三年度の清掃工場の焼却能力は三百六十七万トンと計画しておりまして、清掃工場で焼却する可燃ごみ量との比は、約一一七%でございます。安定的な焼却体制を確立いたしまして、これを維持していくためには、ごみ量の季節変動などに対応いたしまして、一五%程度の余裕は絶対必要だということでございますので、この計画が過大な施設整備計画であるというふうには考えてございません。
 なお、スリムプラン21におきましても、おおむね五年に一度程度見直しをしていこうということを計画しておりますので、本計画が区に引き継がれた後も、清掃工場の整備計画は、今後のごみ量の変化あるいは技術の進歩、こういうことを踏まえまして、必要に応じて見直しが行われていくものと考えております。

○かち委員 自区内処理ということでこの計画も進められてきていると思うのですけれども、ここにこだわって高額なプラント更新を続けていくことが、高いランニングコスト、電気、ガス、水の大量消費、エネルギー消費、やがて環境悪化につながる、このような計画が続くわけですけれども、これが四月からは区に移管になって今度は区が判断をするというようなことで見放すのではなくて、二十三区とも一体となって、五年に一回ということではなくて、早期にこの計画を見直し、検討されることを申し上げて、質問を終わります。

○大西委員 清掃工場は、別名化学工場といわれるくらい、たくさんの化学薬品が扱われているわけですけれども、一般に使用する化学薬品はどんなものがあり、年間の使用量はどのぐらいになるのか、お聞きしたいと思います。

○山田参事 清掃工場で使用される薬品類は、二十種類ほどございます。その中で、排ガス処理や排水処理に一般的に用いられる主な薬品といたしまして、苛性ソーダ、消石灰、アンモニア水、塩酸、塩化鉄などがございます。
 薬品の使用量は、今回の契約案件でございます多摩川清掃工場と同じ二炉工場の江戸川清掃工場を例にとってご説明いたしますと、この工場は焼却能力が日量六百トンでございますけれども、年間で、苛性ソーダの使用量が八百二十トン、消石灰の消費量が五百六十トン、アンモニア水は百二十トン程度使用してございます。これらの薬品に要する費用は、年間に約四千万円ぐらいになります。

○大西委員 今の工場と今回更新される多摩川清掃工場では、同じような規模とおっしゃいましたけれども、改めて、多摩川の方ではどのようになっているのか、教えてください。

○稲村参事 多摩川清掃工場につきましては、新たに灰溶融設備が併設されますが、使用する薬品の種類は、江戸川清掃工場とほぼ同様となります。
 先ほどの江戸川工場の実績から想定しますと、排ガス処理や排水処理に使用する苛性ソーダ、消石灰、アンモニア水の年間使用量は、それぞれ四百五十トン、三百十トン、六十五トン程度となります。これらにかかる年間経費は、焼却設備で二千八百万円程度となります。また、灰溶融設備で使用される重金属安定化剤として、一千九百万円程度が必要となるものと考えられます。

○大西委員 これらの本当にたくさんの薬品が使われているわけですけれども、日常の薬品の管理はどのようになさっているのでしょうか。

○山田参事 日常の薬品管理につきましては、薬品ごとに、毒物及び劇物取締法、特定化学物質等障害予防規則によります取扱方法、使用する際の基準、留意点に基づいて、薬品の安全管理の徹底を図っているところでございます。
 漏えい事故を防止するためには、法律で規定されている装置についての基準の遵守や、定期点検の励行を初め、各工場ごとに取り扱いのマニュアルを定めまして、また、職員に対しましては、薬品の化学的性質や危険性、取り扱う際の保護具の種類、応急処置などの安全教育を実施するとともに、予防規則に基づきます作業主任者を選任しまして、設備の点検など日常管理の徹底を図っているところでございます。

○大西委員 これらの薬品の、例えば地震に対する事故の心配はないのかというのが気になるところなんですけれども、その辺の対策はどういうふうになっているのでしょうか。

○稲村参事 多摩川清掃工場のプラント更新では、プラントはすべて新しいものに更新いたしますが、建物についてはできる限り現在のものを再使用する考え方で進めております。
 設計に当たりましては、建物強度を改正された建築基準法に適合させる必要があります。このことから、既存建物については、はり、柱、構造壁の増し打ち等による建物補強を行います。また、増築部分及び新たに建設する煙突につきましては、改正された建築基準法に基づいて設計を進めてまいります。このことにより、阪神・淡路大震災クラスの地震に対しても安全な建物といたします。

○大西委員 清掃工場で働く人たちの災害発生状況││いろんな危険な薬がたくさんあるのじゃないかなということが心配されるのですけれども、特に薬品にかかわる事故はこれまで起きていないのか、その辺はいかがでしょう。

○山田参事 清掃工場におきます公務災害の発生状況でございますけれども、平成九年度二十七件、平成十年度十三件、平成十一年度、二月末現在で十二件となっております。この中で薬品にかかわります事故としては、それぞれ、平成九年度一件、平成十年度一件、平成十一年度一件となっております。
 内容としましては、薬品の取り扱い作業中に薬品に触れてしまったというようなものでございます。また、工事請負業者等におきます労働災害につきましては、過去三年間において数件報告されておりますけれども、内容は、切れ、挟まれというものでございまして、薬品による災害は発生しておりません。

○大西委員 今のお答えの中で、工事請負業者については、薬品の災害は発生していないということをいわれておりますけれども、整備点検時とかにそういう事故が起きないとも限らないし、今回、こういう場所での雇用形態とか委託形態が非常に複雑なものがあるわけで、なかなかそういうものも上がってこないのじゃないかなということも推察をされるわけなんですけれども、とにもかくにも労働災害とかーーぜひ、そういう安全が保たれるようにお願いしたいと思っております。
 私どもは、このごみ問題は、本当に長期的に考えて、燃やすとか埋めるとかいうものから脱却していかなければいけないと思っております。毎日の暮らしの中でごみが出ることは今のところしようがないけれども、目の前から消えてしまえばそれでいいという問題ではないということを、それぞれが一応自覚し始めておりますので、そういう自覚をリードしていく立場にいらっしゃるのではないかと思っております。そういう意味で、分別、リサイクルというものをもっともっと徹底しなければいけないと思っております。
 区に移管後は、区やそれぞれの自治体でその処理計画をつくって、都との連携の中でやっていくわけですけれども、もしその中で、例えばこの工場をリサイクルセンターにしていこうとか、そういうことが、ひょっとして転換の向きも出てくるやもしれません。そういう場合、広域行政としての都の立場として、そういう自治体を支援していく立場におありだと思うのですけれども、その辺のところを聞かせていただいて、質問を終わります。

○安樂清掃局長 ただいまご指摘がありましたけれども、これまでの埋める、焼くということから、リサイクルあるいは減量という方向に移ってきているというのが、現在の状況であります。
 東京都もこういうことを早い時期から打ち出しておりまして、それを加速するような形で、今回、国の方でも、個別のリサイクル法も改正案が三月中にはたくさん出るというふうに思われますし、その根本法規になるような現在の廃掃法であるとか資源利用法、これの改正も予定されております。そういう中では、そういうものを受けて、今ご指摘のありましたような広域的な立場から、東京都は、そのリサイクルのネットワークづくりといいますか、こういうものに、これからは特に府県行政として取り組む必要があると思っておりますし、そういう努力をこれからもしたいと思っております。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議ない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で、契約議案の調査を終わります。

○尾崎委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、清掃局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○大西委員 ちょっと一言といいますか、今回の緊急雇用対策事業、ごみ埋立処分費の中に入っていますよね。その中で、最終処分場の緑化ということが挙げられているわけですけれども、これは聞くところによりますと、中央防波堤の内側に草花の種をまくということがありましたね。これはまた秋にも予定されているということなんですけれども、これは緊急雇用対策という目的であればそういうお金の使い方もあるかなとも思うんですけれども、緑化ということから考えたときに、ここに木を植えるとかという話はなかったのでしょうか。

○桜井工場管理部長 今回の緊急地域雇用対策の問題についてでございますが、緑化について、私どもは、草花を植え込みまして、芝生、あるいはそのような事業で、のり面の流出防止等々のために植えるものでございまして、ただいまのような、木を植えていくというような発想ではございません。

○大西委員 先ほどもいいましたように、目的が緊急雇用というところから、草花ということも出たのかなと思うんですけれども、より生産的なことを考えれば、木ということだって考えられる。木を植える方がもっと大変かもしれないので、その辺も考えていただければなとちょっと思いましたので、発言させていただきました。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で清掃局関係を終わります。

○尾崎委員長 これより都市計画局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市計画局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○たぞえ委員 今回の補正予算案で、東京都が首都高速道路公団に十二億四千五百万円の出資をするという議案が提出されています。その理由は、道路安全の向上を図るから標識ポールを取りかえると、こういう内容であります。
 首都高速道路公団が、首都高速道路全線二百五十五キロにわたって鉄製のポールの点検を行いましたけれども、その点検はどのような結果だったでしょうか。

○杉浦施設計画部長 首都高速道路の標識柱の柱につきまして、昨年七月六日の午前でございますが、落下事故があったのを契機に、同形式の標識柱すべてにつきまして緊急点検を行ったわけでございます。その結果、破損しました標識柱と同時期に設置されました三百二十六本のうち、同一工事で設置された四十二本でポールの板厚が不足してございまして、このうち五本について亀裂が発見されてございます。また、それ以外にも、平成八年以前に設置されました四百六十二本のうち四本につきまして亀裂が発見されてございますが、これは板厚を満たしてございましたが、設置後経年による疲労であったと思われます。
 調査の内容は以上でございます。

○たぞえ委員 それでは、その鉄製のポールの金属の厚みは、基準に比べてどうだったのでしょうか。

○杉浦施設計画部長 公団の調査結果によりますと、ポールの基準上の板厚は八・一ミリの柱を使用しなければならないものでございましたが、一部、六・六ミリしかなかったものが発見されてございます。

○たぞえ委員 そうすると、基準よりも薄かった。しかも、思ったより早く腐敗をしてひびが入ったと。大変重大問題だと思うんですね。これは道路公団の大失態ですよ。
 今回の安全対策が出てきた契機となりました、先ほど部長からいわれた昨年の七月六日七時五分に発生した事件でありますが、具体的にはどういう事件だったでしょうか。

○杉浦施設計画部長 繰り返しますが、昨年七月六日の午前七時ごろに、首都高速三号線、これはご案内の渋谷線でございますが、大橋付近の下り線に設置されておりました非常停車帯と非常電話の案内標識、これは重量が三百キロほどございますが、その支柱が根元から折れまして、高架下の一般国道二四六号線に落下しまして、走行中の乗用車のボンネットに損傷を与えたものでございます。幸い、ドライバー等は軽傷で済みましたが、私どもとしても事の重大さを認識しておるところでございます。

○たぞえ委員 この事件の要因につきまして、議会局の調査課から当時の新聞報道記事を取り寄せていただきまして、私も読んでみました。どのマスコミも、基準よりもポールの厚みが薄いと、材料に問題があったということを指摘をしているのですが、その指摘どおりでしょうか。

○杉浦施設計画部長 実際に折れましたポールにつきましては、やはり、先ほど申しました板厚の基準よりも薄かったポールでございますので、その指摘どおりだと思っております。

○たぞえ委員 この標識ポールの設置は昨年ですから、平成で十一年ですね。九九年、昨年なんですね。で、事故が起こったのは七月だと。つけたのは一月だというんです。ですから、事故に至るまで半年もたっていないわけです。
 この標識の柱、ポールですけれども、耐用年数は何年ですか。

○杉浦施設計画部長 一般に、こういった構造物の耐用年数というのは、それぞれの構造によって異なりますが、このポール自体の耐用年数がどれくらいかというのを私も調べたわけではございませんが、例えば橋梁、あるいはそれに近いような構造物では、設計思想上、耐用年数を一応五十年程度と見込んでございます。ただし、これは一番基幹、根幹となる、けたとかそういったものの耐用年数でございまして、附属物については途中で取りかえることも可能であるということで、若干耐用年数については違う考え方が取り入れられている可能性があるかと存じます。

○たぞえ委員 事前にいただいた資料では、おおむね三十年といわれているんですね。ですから、三十年もあるのに、半年もたたないうちに折れてしまった。こういう出来事でしょう。これは明らかに、メーカーである丸一鋼管株式会社と、請負業者でありますエンジニアリング、その責任ではありませんか。

○杉浦施設計画部長 明らかに発注されました規格に基づいておりませんので、いわば不良工事であるとみなして差し支えないかと存じます。
 ただ、施工業者である道路エンジニアリングと、それから実際に材料の納入者である丸一鋼管、この間の責任の分担と申しますか、そこいら辺については、私どもとしては承知してございません。

○たぞえ委員 もう一度聞きますが、事故にかかわって、こういう企業はどういう責任を実際にとられたのですか。

○杉浦施設計画部長 発生しました事故に対して、被害者でございますドライバーあるいは車両の損害賠償費用、それから、事故に伴います必要だった応急対策、加えまして、事故後総点検した結果、板厚が足りないなどの同様な不良品が見つかったものの補修費用、これらにつきましては、施工業者の責任として、公団から損害賠償を請求しているところでございます。

○たぞえ委員 ちょっとおかしいなと思うんだけれども、きょうの補正予算の質疑で、これを修理するから金を認めてほしいと、こういっているわけですね。もうあの事故から半年以上経過している。ですから、メーカー、業者の処分とか行われているわけですが、実際に首都高に立っているポールは、その業者がつけた部分については業者が直した、こういう事実はまだ発生していないわけですね。
 もうちょっと詳しく聞きたいのですが、事故の起きた標識ポールと同じ十年度に設置された同型の標識が三百二十七本あります。丸一鋼管が製作したのは、そのうち何本でしたか。

○杉浦施設計画部長 事故が生じました標識柱と同時期に設置されたものは、私どもの調査ですと三百二十六本となってございますが、同一工事で設置された四十二本が板厚が不足してございますので、今確証はございませんが、これらの大半が丸一鋼管から納入されたものと思われます。

○たぞえ委員 私、きのう国会から取り寄せたのですが、先ほどいいました三百二十七本のうち丸一鋼管が製作したのは百十四本だったそうです。これは公団に確認をさせたものです。ですから、三百二十七本のうち三五%がこのメーカーが標識を設置した。金額は一千万円、一本十万円というふうに報告が来ています。
 都民は、公団を含めて、東京都のそういう、この道路は危ないな、走っていたらポールが落ちてくる、倒れてくるーー大変不安じゃないでしょうか。都民の怒りがおさまらないのは、やはり正しい措置がされていないからですね。
 都市計画局の今度の補正予算の説明では、耐久性の高い改良型の標識にかえて設置をするというふうに述べておられます。
 そこで、一体、丸一鋼管とはどういう会社なのか、ホームページで見つけてみましたら、このように出てまいりました、無借金体質。ですから、借金がない会社。売上高八百二億八千六百万円、経常利益百十億六千八百万円。まあ自分の会社がそういっているのですから、間違いないわけですね。業界内における財務の安定性は群を抜いていると。ですから、体力はあるんですよね。こういう企業の責任をはっきりさせないで、まだそういうものがくっついている。本当にこの安全を任せられないというふうに思います。企業はこの問題について、ごめんなさいと、こういうふうにきちんと都民におわびをしていないんですよね。そういうことをきちんとしないと、都民だって到底信頼を回復できないのじゃないでしょうか。
 やるべきことは、応分の責任と負担を求める、こういう方向だって追及できるのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

○杉浦施設計画部長 先ほど損害賠償請求等のお話を申し上げました。それに加えまして、道路エンジニアリングに対しましては、公団が三カ月間の工事指名停止措置を行うとともに、丸一鋼管につきましては、製造ミスの責任として、登録業者の合格を取り消してございます。これらに加えまして、先ほどの事故に伴う実損分、また、板厚不足等の不良品の取りかえにつきましては、費用請求をしているという状況でございます。

○たぞえ委員 警視庁に確認しましたら、現在、この問題は捜査中であると。ですから、加害者である原因者の責任が、法的にはまだはっきり出てこないんですね。七月からもう九カ月でしょう。それはいろいろ捜査しているから時間がかかるだろうけれども、高速道路が都内に走り回っているもとで暮らしている都民にとっては、やはり一日も早くこういう問題については改善も解決もしてもらいたいというのが声だというふうに思います。
 次に、東京都が道路公団に出資しようとしている根拠は何でしょうか。

○杉浦施設計画部長 首都高速道路公団法に基づきまして、公団の資本金を増加するときに、国及び関係地方公共団体は、公団に出資することができるという規定がございます。これに基づきまして、従来から、公団の事業に対しましては、国と関係地方公共団体、現時点では東京都、あるいは埼玉県、神奈川県などの近県、あるいは政令市にも及んでございますが、それらが国と同額を出資しているという、慣例的な措置でございます。

○たぞえ委員 今ご紹介がありましたとおり、首都高速道路公団法の第四条の、その資本金を増加するときは、公団に出資することができるというのが根拠なわけです。しかし、義務づけはしていないのですね。できると。だから、しなくてもいいということなんです。これは、私ぐらいでもその程度はわかるんですよ。だから、公団のこういう専門的な方にとってみたら、できるという法律なんだから、求めなくてもいいのではないかという発想だって、選択肢にあるのじゃないでしょうか。ところが今回は、補正でこれを求めると、こういうことです。
 一九五六年に制定した道路整備特別措置法に基づいて、五九年に有料道路制度を活用した首都高速道路公団が設立をしました。この有料道路制度とはどういうものなのか、簡単に説明いただきたいと思います。

○杉浦施設計画部長 道路建設は一般的には、ご案内のとおり、ガソリン税等の公的な資金で行ってございますが、急増しました自動車道路交通需要に対しまして、それだけではとても対応できない状況になってございます。このため、利用者の直接的な負担によりましてその整備を促進させる仕組みが有料道路制度でございまして、具体的には、道路の建設費、維持補修費及び借入金利息などの総費用を、一定の料金徴収期間に得られます総料金収入で賄い、償還をしていく方法でございます。

○たぞえ委員 今の答弁のように、公団は都市高速道路の建設、管理に要した費用は、一部を除いてすべて料金に反映する、これが原則になっているわけです。しかも、年数の過ぎた高速道路は無料にするという話がありましたが、私もたしか若いころ、そういうことで、いつ目の前の高速道路が無料になるのかなと楽しみにしていたのですが、私こんな年になっちゃいまして、まだ有料です。
 今回の出資については、どこが要請をしてきたのですか。

○杉浦施設計画部長 今回の出資につきましては、首都高速道路公団及び国から東京都に対して出資の要請がございました。

○たぞえ委員 都民にとっては、今度、都債という借金を都はするわけですよ。高速道路を利用していない都民にも借金を肩がわりさせるなんというのは、とんでもないことじゃないですか。先ほど答弁がありましたように、首都高速道路公団は料金収入で管理運営をする、そして、有料道路を償還期間が経過した後に無料開放する、道路資産として道路管理者に引き継ぐ制度だというのが、この有料道路なんですね。だから、無料にもしなければ、使っていない人にも、都債で借金をしてポールを直してもらうと。これはもう絶対許されないと思います。
 環境整備とか安全性というのは確かに大切です。都民の命にかかわることですから、それは進めなくてはなりませんけれども、だからといって、東京都が信頼の回復だといって旗を振る前に、もともと首都高速道路公団自身が信頼回復の努力をするべきじゃないでしょうか。公団自身は、独自にどういう資金調達をすることに、仕組み的になっていますか。

○杉浦施設計画部長 確かに公団の経営努力ということも当然のことながらしなければなりませんが、公団におきましては、平成九年に管理費の削減計画を策定し、この計画に基づきまして、平成十年度では約八十億円のコスト縮減を図っているところでございます。
 それで、今回の、例えば標識柱の取りかえに要する費用につきましては、三分の一が公団の財源から、それから、三分の一が利用者の料金から、それから、三分の一が国と地方公共団体、私どもの折半、つまり、東京都が六分の一負担をすると、そういう仕組みになってございます。

○たぞえ委員 聞いていることと違うことをおっしゃっているんですがね。私のすぐ隣に谷口監査委員がおられますが、せんだって首都高速道路公団の監査をされました。その結果が先日議会の方にも配られておりますが、この中で見てみますと、収入で、首都高速道路債券四千五百二十四億九千六百万、民間借入金百二十五億、これが十年度の収入なんですよ、東京都と関係なくね。公団というのは、これだけ収入源があるんですよ。そういう方向も公団はやっている。
 一九九七年十二月二十六日に閣議が行われまして、私は関係ないんですが、特殊法人等の整理合理化というのが決定されました。この中で、公団に対しては、自力で資金調達に努めるということが決定されたんです。公団の経営責任のより一層適切な遂行を求めているんですが、間違いないですか。

○杉浦施設計画部長 申しわけございませんが、今お話の閣議決定につきましては、不勉強で申しわけございませんが、把握してございません。

○たぞえ委員 後ほど読んでいただきたいと思いますが、そういうふうに指摘がされております。
 昨年八月、総務庁が、高速道路に関する行政監察結果に基づく勧告というのを発表しました。都市高速道路を中心としてということで、私も読みまして、首都高速道路公団と阪神高速道路公団についてきめ細かに指摘をしている文書であります。この中で、こういうふうに述べています。公団が責任を持って経営努力を行うべきで、自力で資金調達に努めるべきだというふうに指摘をしているのです。ですから、自己責任を求めているんですね。
 ですから、今回のように、国がいってきた、公団がいってきた、だから、国の二分の一なんだといって、そのまま借金都債を組んでポールを直してあげようなんというのは、これは間違いだと思います。こういうことをやっていますと、財政危機の傷口を東京都はもっともっと広げかねません。やはり再建には歳出の改革が何といっても不可欠ですが、この十一年度だけで見てみましても、首都高に対する出資は何と二百二億円です、東京都は。この十一年間で八百十一億九千二百万。こういう出資の削減は、もう避けては通れないですよ。都民からの借金じゃなくて、道路特定財源、こういうものがあるわけですから、そういうものを投資して緊急対策を講ずる、こういうことを国や公団に求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○杉浦施設計画部長 首都高速道路は、区部の自動車交通の約三割、それから物流の約四割を担います、いわば都内の道路交通の大動脈でございます。これらに対します建設や改築費に対しまして、一定の公的資金を投入することによりまして、建設コストの低減を図り、採算性を確保し、最終的には、一定の料金で常に安全で利便性の高い道路を提供する、そういうことを目的として公団に対する出資をしているわけでございまして、今回の安全対策などにつきましても、やはり安全で利便性の高い道路を提供するためのやむを得ない措置ということで出資をしているわけでございます。

○たぞえ委員 確かに大動脈であるわけで、都民の暮らしになくてはならない道路です。しかし、その安全性が危惧されたときに、やはり設置者である道路公団がその責任を負う、これは私、当然だというふうに思うんですね。そちらに座っている局の幹部の方、どう思いますか。そういうポールをつけたとき、会社が基準を下回ったものをつけた、それが落下して都民がけがをした、そういうのがあちこちにあったと。これはやっぱり業者責任をはっきり求める。そして、その入札をして、設置を決定した公団が最後まで責任を負う。このことなしに、都債をそこにどんどん、どんどん投入するというのは、これは税金のむだ遣いだと、私はそこにいらっしゃる局の皆さんに改めて申し上げたいと思うんですね。
 こういうことはたびたびあっちゃいけないことだけれども、しかし、お金というのは、我々の子孫がこれをずっと借金で負わなきゃいけないんですよ。額が十二億だから、東京都の予算から見たら大したことないなんて、そんなご事情じゃないわけですからね。やはり厳しく適切に公団にも業者にも都として対応してほしいし、東京都が進んで財政の傷口を広げるような、今回の補正での都債という執行は改めていただきたい、こういうことを強くお願いして、終わります。

○清水委員 今回の補正予算案で、都の交通三セクに対して貸付金や出資金が計上されておりますが、それらについて幾つかお聞きをしたいというふうに思います。
 まず、東京都地下鉄建設株式会社に対して九百億円の貸付金が計上されておりますが、これは都営十二号線の工事費が約三千億円ふえたことに伴う一般会計の追加負担分だということでありますが、工事費がふえた主な理由は何でしょうか。

○杉浦施設計画部長 十二号線の工事費がふえました理由は幾つかございますが、最も大きな比率を占めてございますのは、軟弱地盤対策や、下水道等の都市におけます地下埋設物を避けた難工事が必要となったことによります増加でございます。

○清水委員 こういう工事に関しては大変素人なんですけれども、普通でしたら、東京都またはこういう工事を受注している会社が、事前の設計というんですか、その土地の地盤ですとか地下埋設物などというのは当然把握をして工事費というのは予想されるというふうに、普通、都民だったらだれもが思うことだと思うんですね。
 工事費がそういうことで増加したというんですけれども、そのための基本設計とか事業費の見積もりはどうだったのでしょうか、それについてお伺いしたいと思います。

○杉浦施設計画部長 都営十二号線におきます基本設計あるいは事業費の見積もりにつきましては東京都地下鉄建設株式会社が行っておりまして、また、それらの資料につきましては、運輸省の免許申請時に申請書に添付してございます。いずれも、計画段階での必要な調査に基づく予測あるいは設計をしてはじいたものと考えてございます。

○清水委員 ここに対しての貸付金について、今までにも長い間いろいろな議論がされてまいりましたので、一つ一つ詳しく質問いたしませんけれども、設計の問題でも、じゃ、本当に地下どのくらいまでボーリングをしたのか、そして、詳細な設計がきちんとできていたのか、それによって工事費がどのぐらいだったのかということが把握をされていれば、三千億円という、このような工事費のその後の増加というのはあり得ないことだと思うんですね。
 それが主だということで、ほかにも、これまで、建設作業などの必要な用地費がどうだったのか、出入り口の建設費がどうだったのか、環状部の工事を一斉に発注して談合の疑惑が問題になったとか、いろいろなことが、この間、マスコミにも報道されましたし、いろいろな議論がされてきたと思うんです。そして、過大な設備だという指摘もされてまいりました。そういう点で、東京都が、もしこれをーー第三セクターでなくて直営だったら、こんなことができていたのだろうかというようなことも、これまで議論だったわけですね。今回補正予算に掲げられている額ではこの部分が非常に大きくなっていますが、都民は、依然、設計の段階からの問題が疑問に残っているということを、ここの部分については指摘をしておきたいというふうに思います。
 次に、新木場と大崎を結ぶ臨海副都心線の整備事業について伺いますが、ここの交通に関しては、公共交通を整備する必要性を認め、これまでも賛成をしてまいりました。しかし、今回六十七億九千万円余りの出資が計上されておりますが、今回の出資というのは、これまでと事態が違うというふうに私たちは受けとめております。そこで、幾つかの点について伺っていきたいと思うんです。
 先日、都市・環境委員会三人の我が党の議員で、ここの臨海副都心線二期区間の大崎駅から天王洲トンネルの見学を、半日かけてさせていただきました。大勢の会社の皆さんにも、局の皆さんにもご案内をしていただきまして、大変厳しい深いところで工事をされている状況をつぶさに見させていただいてきたわけなんですね。
 私たちはこれまでそういうふうな態度をとってきたわけなんですけれども、まず伺いたいのは、昨年も私、たしか七十億の出資だったのかな、この問題について質問しましたが、そのときに、工期を早めるためにシールドマシンを倍にしたということが報告をされました。一機十億円余りもする特注のマシンを使っているといわれて、早期の完成を目指しているというふうにいわれたんですけれども、地元の会社や企業にもさらに負担を求めるべきではないでしょうか。その点についてお伺いいたします。

○杉浦施設計画部長 臨海副都心線につきましては、従前から、もう既に百五十億円ほどの工事負担金という形で地元企業からちょうだいをしてございます。今回のシールドマシンをふやしたことによる増嵩につきまして、新たな地元利益を生み出すということではないと思っておりますので、さらなる負担を求めるのは困難だと考えております。

○清水委員 ここの路線は、都営十二号などと違って、都民全体が利用しかかわる、そういう公共交通とはちょっと違うと思うんですね。性格を多少異にしていると思うんです。中心はこの地域に進出をしてくる企業のためでもあり、会社の負担をさらに求めるというのは当然であるというふうに思うんですね。
 今お答えいただいたんですけれども、困難だというような結論を都自身が出してしまって、今のこの財政状況の中で維持していくことができるのかということだって問われているときに、本当にそういう姿勢でいいのだろうかと。都民には大きな負担を強いていくことになるわけですから、そういう姿勢というものをまず改めていただきたいと思うんですね。
 今回、東京臨海高速鉄道会社に対する都以外の追加出資というのはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。また、これまでの出資もどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

○杉浦施設計画部長 臨海高速鉄道株式会社に対します過去の出資でございますが、都が全体の八四%を出資しまして、残る一六%を、JR、品川区、あるいは銀行、証券、生命保険会社等の民間企業が出資を行ってきたところでございます。
 今回の出資は、最大株主でございます東京都が先行しまして会社に対する支援政策を明確に示すという意味で、会社が今後他の機関からの支援を得やすくするものでございます。そういった意味で、今回の支援をご承認いただければ、都以外の出資者などに対しましても、今後広く支援を求めていきたいと考えてございます。

○清水委員 今回の追加出資について、今いわれましたJRや他の民間企業というのは、現在どうなっているか、お伺いします。

○杉浦施設計画部長 今回の出資で補正をお願いしております額につきましては、すべて都の財源でございます。

○清水委員 ほかはどうなっているかーーほかは今回どうですかということ。

○杉浦施設計画部長 今回は、先ほど申しましたとおり、この出資を認めていただければ、今後、ほかに対しましてさらなる支援の拡大を求めていきたいと考えております。

○清水委員 そうすると、現在の時点では、まだJRや他の民間企業の出資というのはなし、決まっていないということですか。確認したいと思います。

○杉浦施設計画部長 おっしゃいますとおりでございます。

○清水委員 それでは、今回工事費が増額になった理由として、地下でのさまざまなトラブルとか、それからJRとの関係で変更になった場所というのがあるわけなんですけれども、JRとの関係で変更になった工事内容というのをご説明できますか。

○杉浦施設計画部長 今回の追加支援の中で、JRとの関係で必要となった箇所でございますが、これはご案内のとおり、JRの大崎駅まで延伸しまして埼京線等との接続を図るわけですが、その大崎の支線の施工方法が変わったことと、それから大崎駅に乗り入れるための改修工事等が増嵩の原因になってございます。

○清水委員 先日、その部分などもご説明いただいたり、全体の工事費増額のご説明をいただいて、原因者負担であるというご説明をいただいたんですけれども、しかし、整備がされると、結局、JRの乗降客などもふえるわけですよね。ですから、臨海副都心線が通るから、その仕事をしている会社、その主な出資者である東京都がそこのお金を出すんだよということで、JRなどが、民間企業などが強くそれを主張しているというふうに受けとめるわけなんですね。これ、JRが本当に便利になるんだから、どうしてJRが今の時点できちんと出資を決めないんだろうかと、そういう疑問がどうしてもぬぐえない、原因者負担というふうにいわれ、また、民間企業の負担というのも、どうしてここで負担できないのかという疑問というのは、ご説明いただいたんですけれども、ぬぐえないわけなんですね。
 それで、JRや民間企業の負担というのは、今後予想できるのでしょうか。可能性として、どうなんでしょうか。

○杉浦施設計画部長 JRは当初からこの事業への出資者でございますので、今回の追加支援がご了承いただければ、今後、JRに対しても交渉を行っていきたいと考えております。

○清水委員 では、民間事業者などの追加出資の予想というのはどうですか。

○杉浦施設計画部長 繰り返しになりますが、やはり最大の出資者の都の姿勢を示すことによりまして、他の民間企業者に対しても支援を今後求めていきたいと考えてございます。

○清水委員 私どもが入手しました臨海高速鉄道の二期区間の出資の資料によりますと、民間事業者及び品川区の出資比率分については都が一般会計で負担するというふうになっております。これは、もうこの時点でーーもちろん、JRは今回追加出資ゼロ%ですよ。ゼロ円ですよ。注釈として、民間事業者については都の一般会計で負担するというふうにこの入手した資料には書いてあるわけなんですけれども、これは、事実としてどうなんですか。もう、こういうふうに決まっているんですか。

○杉浦施設計画部長 今回お願いしております追加支援は、全体で八百弱、七百九十一でございます。このうち、約半分につきましては国の資金の導入の目安が立ってございますが、残る半分につきましては、東京都並びにJRも含めました民間資金の導入に努めてまいるということでございます。

○清水委員 しかし、都が今回出資を決めて、JRや民間に支援を求めていくといいますけれども、先日、大崎駅などで説明を受けたり、大井町駅のところでご説明を受けたりしている様子を聞くと、原因者負担だからということで、それぞれJRなどが今後追加をしていくという姿勢は、大変疑問に思うわけなんですね。
 そういう意味では、昨年、日本経済新聞が九月に、臨海副都心線の建設費の膨張は財政難の都にとって重い負担になるというふうに報道をされております。また、十一月には東京新聞が、臨海副都心線の延長部建設は都に重い負担になるというふうにして、財政難の東京都にとっては、この負担というのは大変重いというふうに指摘をしているわけですよね。
 ですから、この出資ということで都民の税金をーー都市・環境委員会だけでなく、今回は港湾局にも、公営企業にも出ているというふうに伺います。これは総額にすると大変大きな額になると思うんですけれども、今いわれましたJRの負担、それから民間企業の負担、それから地元の会社への負担は困難ということではなくて、これを求めていく。そして、その負担の方向を出してから、都の出資額を決めて、そして補正で出すと、そういう手続をしてこない限り、都民には納得できないんですよ。
 先に都が出して、そうすればJRが出してくるだろうというようなことで今までもやってきているけれども、結局は都財政にだけ負担がかかってきて、そうした民間企業の、原因者だろうということで押し切られていくというふうな予想もうかがえる中では、やはり東京都のこうした三セクへの出資というのは慎重に考えなければいけないということで、私どもは今回の臨海副都心線の補正予算について賛成できないというのは、こういうJRの負担などが決まっていない中で、現在慌てて出すのではなくて、きちんとそうしたところからの方向を打ち出して精査をしてから、補正をもう一度出し直していただきたいということを要求しているわけなんですね。そういう点では、私どもが補正予算に対して賛成できない理由の一つになっているわけなんですけれども、ぜひその点では検討をしていただきたいというふうに要望をいたします。
 最後に、多摩モノレール会社への補正の貸し付けについて伺います。
 百六十億円の貸し付けを計上しておりますが、内容について詳細にご報告いただきたいと思います。

○杉浦施設計画部長 多摩モノレール事業でございますが、これは一般的な鉄道、軌道事業と同様でございまして、開業までに大変巨額の初期投資を要するわけでございます。したがいまして、単年度黒字に転換するまでは約十年程度を要するといった当初からの見込みでスタートしたわけでございますが、その十年間は、会社におきまして、金融機関への借入金の金利の支払い、あるいは元本償還のための多額の運転資金を要するわけでございまして、そういった仕組みの中で、昨今の金融情勢の変化を受けまして、金融機関から、赤字を続けます企業に対する融資は極めて慎重な姿勢が示されております。
 このため、会社独自では当面の運転資金の確保が困難となっているという、そういった状況を踏まえまして、今回、最大株主でございます会社が保有します車両基地用地の評価額に見合う金額を無利子で貸し付けまして、当面の運転資金に充てますとともに、金融機関からの有利子負債の繰り上げ償還を行いまして、金利負担の軽減もあわせて図ろうという趣旨でございます。

○清水委員 昨年の四月に、八王子市長、多摩市長、立川市長、東大和市長、日野市長から知事あてに要望書が出されております。多摩都市モノレールの財政措置についての要望で、また後から伺いますけれども、この中で、多摩都市モノレール事業の、借入金償還のために開業後しばらくの間はということで、初期投資額が大きいということ、金融機関からの借入金の比率が大きいという指摘をしているわけですね。
 当初計画の時点から、前回も質問し指摘をしてまいりましたが、資本金の大きさ、それから会社の自己資本のあり方についての検討というものはどうだったのか、お伺いいたします。

○杉浦施設計画部長 当初計画におきます多摩都市モノレール株式会社の資本金は百三十五億円でございまして、確かに、千二百五十億の事業規模に比べまして、約九分の一程度でございます。しかしながら、設立当時、昭和六十一年でございますが、その時点では必ずしも過小資本というわけではないと私どもも考えてございまして、現実に、その時点では金融機関からも運転資金の融資を受けられたわけでございます。そういうことを考えますと、昨今の金融情勢の大きな変化が、今回都の追加貸付を必要とするに至った主な原因であると考えております。

○清水委員 当時の状況の中で計画をされたものであったわけですよ。ですから、それが十年後も続く、二十年後も続くと、そういう予想のもとにつくって、今日金融情勢の変化ということでは、その時点でずうっとそれが続くんだということ自体が本当に適切だったのだろうかということを、今日の時点で振り返らなければいけないというふうに思うんですね。
 そのことを今もう一度いっても仕方がないので、これからどうするかという問題ですけれども、同じくその沿線の五市が七十五億の支援を行うというふうにお聞きしました。各市も、大変財政が厳しい中で、財源の手当てに苦慮されているわけですね。この五市の市長たちの要望によりますと、都の区市町村振興基金の利用を考えておられるようです。毎年二億円ずつ各市がこの振興基金を利用できるようにしてほしいというのが五市の市長さんたちの要望のようですけれども、では、この区市町村振興基金というのがどうなのかなということで、例えば八王子などは、毎年四億とか五億とかお借りをして、公民館の建設とか、それから流域下水道整備とか、それから駅前事務所、連絡所の建設とか、十年度では約二十一項目にわたって振興基金からお借りして事業をやっているわけです。
 例えば、八王子などでは四億五千万ほど十年度でお借りしているから、二億どうだろうかというふうに思うんですが、例えば立川市では十年度では一億ですよね、それから、日野市では七千万、東大和では九千万と、市が二億ずつ借りていくとーー借りられるかどうかもわからないというようなことをいわれる中で、振興基金を借りられるから大丈夫というふうになるのかなという疑問も残るんです。じゃ、各市のほかの事業はどうするんでしょうかという疑問もわくわけなんですけれども、しかし、とにかくこの振興基金が利用できない限りは、各市が財源の手当てが、財政の措置ができないということであるわけなんです。
 総務局は、いや、決まっているかどうかわかりませんとか、五年間どうなるかわかりませんなんという大変心もとない話をしていますが、各市は、都から借りて、そのままモノレール会社に渡して、それが返ってくるから市の財政は大丈夫ですというふうに担当なんかはいわれているわけなんですけれども、少なくともそういうふうに、せめて利子だけで各市が済むようになるためには、現在、都市計画局として、この振興基金の支援を最低やっていただきたいと思うんですけれども、そのお考えはどうでしょうか。

○杉浦施設計画部長 沿線各市が会社に対しましてご支援いただく際の財源につきましては、各市さんのそれぞれのご事情がございますでしょうから、原則として、各市で検討されることが妥当だと考えてございます。しかし、各市がその財源手当ての選択肢の一つとして区市町村振興基金を検討されているのであるとするなら、私どもも、会社とともに、申請に必要な情報の提供など、できる支援を行ってまいりたいと考えております。

○清水委員 さて、さらに金融機関から、少しでもこの会社への支援というのを求めるわけなんですけれども、先日の報道によりますと、都の外形標準課税構想の波紋で、一部の銀行が、多摩モノレール融資条件見直し、早期決着に難色、交渉、事実上ストップなどということで報道をされておりました。会社の借入金の負担軽減に関して、金融機関との交渉は、このようなことで報道があるわけですけれども、現在、どのような状況になっているでしょうか。

○杉浦施設計画部長 現在、私どもとしては、会社とともに、少しでも会社の負担が軽くなるよう、金利や、あるいは借入方法の変更などについて金融機関と調整を進めているところでございます。今回ご提案しております都の支援につきましてご了解がいただければ、こういった私どもの調整、交渉に対しましても大きな推進力となると考えておるところでございます。

○清水委員 銀行側のこうした姿勢に屈せず、調整、交渉を進めていただきたいと思うんですよね。六十一年に設立して以来、例えば十一年では、借入金利息は十六億払っていますよね。そういう意味では、銀行から借りて利息を払っているわけですから、外形標準課税構想が出たから、それでこちらは事実上ストップだなんというようなことにならずに進めていただきたいと思います。
 さて、最後に質問いたしますが、昨年五月に自治省から、第三セクターに関する指針が公表されました。支援する場合には、経営責任の明確化、自己努力の徹底、経営改善計画策定の義務づけなどが挙げられています。それらをどう受けとめ、どのような検討をしてきたのでしょうか。今日、第三セクター、交通関連のセクターは、東京都の財政にとっても、今挙げました三つの会社にとっても大変厳しい条件のもとで進められているわけですけれども、今後どのように指揮監督をしていくのかお伺いいたしまして、質問を終わります。

○杉浦施設計画部長 お話のございました自治省から出された第三セクターに関する指針では、安易な支援に流れることなく、経営困難となった原因を十分に調査し、その上で、経営改善の可能性を十分検討した上で、事業の存続も考慮に入れ、支援のあり方等を検討すべきとされてございますが、今回の私どもの支援策も、これらの考え方に十分配慮しながら検討を重ねた結果、取りまとめたものでございます。その過程の中で、会社に対しても、都が支援を行う前提として徹底的な自己努力を求めました結果、それぞれ会社からーー思い切った新しい経営改善計画を会社が策定し、既に経費節減と増収への取り組みを始めているところでございます。
 今後は、総務局とも協議をしながら、交通事業を目的とします監理団体のより一層適切な指導監督に努めてまいりたいと考えております。

○大西委員 多摩都市モノレール整備事業について伺いたいと思います。
 これまで、この事業を行うに当たって、事業収支見通しは何回作成なさったのでしょうか。

○杉浦施設計画部長 収支見通しの作成でございますが、第一回目が免許申請時、昭和六十二年でございます。それから、第二回目、平成八年、これは開業時期を延伸したときでございます。それから、第三回目が運賃認可時期、平成十年。主なものはこの三回でございます。

○大西委員 それらの計画において、区間別乗降客予想とか、運賃設定、事業収支があったと思いますけれども、ちょっと複雑ですので、ここでお聞きしたいのは、乗降客予想、これをそれぞれの年度で教えていただけますか。

○杉浦施設計画部長 乗降客の予測につきましては、立川以北と立川以南に分けまして、三回の事業収支見通しにおきましてもいずれも変えてございませんで、立川以北につきましては四万三千人、立川以南につきましては七万三千人、したがいまして、全線で十一万六千人ということで、毎回変わってございません。

○大西委員 三回その見通しを作成したということは、いろいろな状況があったからこそ三回やったんだと思うんですけれども、最初の特許申請時、昭和六十二年はバブルの前、それから最終的には運賃認可時の十年、この三回やったにもかかわらず、この乗降客数が全く同じということはどういうことなんでしょうか。

○杉浦施設計画部長 一般的にこういった交通量の予測あるいは鉄道の乗降客の予測につきましては、沿線地域の将来人口、またパーソントリップ調査の結果などを基礎資料として算定いたします。そういったことで、第一回目の特許申請時の昭和六十二年にそれらのデータをもとにして予測したものについて、基礎データがそれまで変化しなかったために同じ結果になっているわけでございます。

○大西委員 この間、基礎データは変化しなかったがためにそうだということですか。ちょっとお聞きしたところによりますと、この調査をするところは数が少なくて、委託で、結構高額でやっているということを聞いております。でも、この調査は、そういうデータを基礎にしてやっているのが、委託でなければできないのかなとちょっと疑問にも思うわけですね。データは公表されているわけですから、これまでこんなに予想が変わってきている中では、都独自での調査だってできるんじゃないかなと思ったんですけれども、その辺はどうですか。

○杉浦施設計画部長 乗降客数の予測につきましては、もちろん簡便な方法はございますが、やはり一番信頼性の高い予測となりますと、例えば、人の移動の区間ごとの内訳とか、それから将来の人口推計のエリアごとの内訳とか、いろいろな細かいものを、それらをある算定式に当てはめて予測するわけですが、大変膨大な計算量になりますので、コンピューターによる解析をしているということでございまして、専門業者に委託するというのが一般的なやり方でございます。

○大西委員 優秀な職員がたくさんいらっしゃるので、その辺も工夫の余地があるんじゃないかなというのをちょっと素朴な疑問として思いました。
 それから、立川北から上北台駅まで開業して一年半になりますが、乗降客数の現状、それからもう一つ、立川南から多摩センター間は一月に開業したばかりですけれども、その辺の見込みとの差、その辺はどうなんでしょうか。

○杉浦施設計画部長 まず、立川北-上北台間でございますが、平成十年十一月に開業してから十一年十二月までの一年余りのデータでございます。一日当たりの平均乗車人員はおおむね二万人程度となってございます。また、立川南-多摩センター間は、ことしの一月でございますが、一月十日から一月三十一日までの平均乗降人数で見ますと、一日七万人程度となってございます。これにつきましては、当初計画十一万六千人の約六割ということでございます。

○大西委員 立川北と上北台は、当初の計画だと一日が四万三千人、それが二万人ということで、半分に満たないわけですよね。そして、当初計画の六割ということですけれども、これを見ると、予測が相当過大にされているんじゃないかということがうかがえます。
 そういうふうに考えて見ると、特許申請時とか、いろいろな認可を受けるために何かクリアする数字というものが多分あるんじゃないかと思うんですけれども、それがあって、そしてそれはどれくらいだったのかということがわかれば、それを教えていただきたい。そして、クリアするために、言葉は悪いんですけれども、いいかげんに予測作業を行っているんじゃないかということをちょっといいたくなるんですけれども、その辺はどうでしょうか。

○杉浦施設計画部長 開業のための認可が受けられる乗降客数というのは特に定められてございませんし、私どもも、その認可を受けるということを目的に需要をはじいたという事実はございません。

○大西委員 私どもはやっぱり公共交通というものは必要だという立場でいるわけですけれども、今回こういう資料を見て思ったのは、公共事業というのは、どうしても結局は、最後税金でしりぬぐいをするとか、きょうはちょっと言葉は悪いんですけれども、かつ、幹部職員の天下り先になっていることから、どうもこれを見まして、公共事業を実施せんがためにこの予測等非常に大幅にずれているんじゃないかなと思わざるを得ないなとちょっと思いました。
 本当に東京といえども、このようなことをしっかり、もっと誠実に予測をしていかない限り、この財政破綻は免れないと思うので、ぜひ、そういう意味では予測作業等の仕事を誠実にやってほしい。そういう意味ではもっともっと厳しく最初の予測をやってほしいなと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○杉浦施設計画部長 当初はじきました予測は昭和六十二年のデータでございますから、その中でも、とりわけパーソントリップ調査というのは何年かに一回しかやってございませんので、そのデータをしばらくは使わざるを得ないという、そんな状況があるわけでございます。そういう基礎データを使って予測をするというその過程の中では、私どもとしては正しい予測方法だったと思っております。

○大西委員 パーソントリップの基礎調査は、それは基礎ですので、もちろんもとにはなるわけですけれども、これからいろいろその状況が変わったということは認識なさったからこそ、後に二回の見直しの策定もつけてあるわけですから、今のお答えは余り当たらないんじゃないかなと思っております。
 とりあえず、一応開業いたしました。特に立川から南に関しては、大学が三つもありますよね。そして多摩動物園もありますし、そういうことから、北に比べては、もっともっと経営状況がよくなるんじゃないかと私も期待しているわけなんです。
 それで、運賃が高いということで、今回、新学期を目指して、学割等も五割引きから七割引きへということでいろいろ努力をなさっているようですが、ぜひ経営においては、ほかのアクセス含めて、いろいろ検討していただきたい。そして、やっぱり大きな税金を使います。使っただけじゃなくて、その後も結局私たちへ返ってくるということから見れば、当初の計画の読み、これをしっかりやっていただきたいということをいっておきます。

○尾崎委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市計画局関係を終わります。

○尾崎委員長 これより付託議案に対する決定を行います。
 第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市・環境委員会所管分を議題といたします。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○たぞえ委員 日本共産党都議団を代表して、平成十一年度補正予算について意見を述べます。
 今、都民が都政に求めているのは、いうまでもなく景気の回復です。また、東京の将来についてだれもが憂えているのは都の財政の破綻状況です。今年度補正予算の課題は、この二つの課題について解決の展望を示すものでなくてはなりません。ところが、補正予算案は、この二つとも破綻させる、文字どおり大型公共事業への投資予算です。
 第一に、石原知事が編成した総額三千六百九十一億円の補正予算案は、またもや本年と並んで、景気対策の名のもとに異常な出資、貸し付けが盛り込まれましたが、本日の都市計画局質疑でも事業者の責任を明確にすることができなかったことが、このことを雄弁に物語っております。このような予算では、都民の暮らし向上を果たすことはできません。
 第二に重大なのは、補正による予算の結果、全国に例を見ない借金急増の予算となっていることです。
 今、都は七兆円を超える借金に達し、都民一人当たり五十八万三千円にもなります。深刻化した借金財政解決についての道筋を明らかにしないばかりか、都政の傷をさらに広げることは、直ちに解決しなければなりません。財政が重大な事態に陥っている現状では、景気対策と財政再建は車の両輪であり、財政再建の見通しと計画を持たない補正予算案では、景気回復をも実現させることはできないのです。
 臨海高速鉄道問題や首都高速道路公団問題について厳しく指摘された問題は、決して個別の問題ではありません。大型公共事業中心の財政の仕組みを、都民の暮らしを主役にした仕組みへの転換を図ることによって、財政の仕組みをしっかり立て直しつつ、段階的に財政再建の道を切り開く方向に向かうことが必要です。
 日本共産党は、この立場から、補正予算案に反対するとともに、公共事業型から都民の暮らし中心の予算への抜本的組み替えを求めるものです。
 その第一は、浪費の公共事業をやめること。
 第二は、暮らしに予算を重点的に配分し、都民の将来的不安をなくし、消費不況を打開する土台とすること。
 第三は、消費を温め、中小企業を守る景気対策の実行。
 第四は、補正予算こそ、財政再建の目標と見通しを明確にすること。
 こうした歳出面、歳入面の抜本的な改革を実行すれば、財政赤字を削減し、真に景気回復につながる対策を行い、暮らしや社会保障のための財源も確保できると思います。
 このことを述べて、反対の意見といたします。

○尾崎委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方は、ご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○尾崎委員長 起立多数と認めます。よって、第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市・環境委員会所管分は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時七分散会