都市整備委員会速記録第六号

令和七年五月二十七日(火曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長西沢けいた君
副委員長本橋たくみ君
副委員長尾崎あや子君
理事石島 秀起君
理事加藤 雅之君
理事森口つかさ君
松田りゅうすけ君
平けいしょう君
銀川ゆい子君
あかねがくぼかよ子君
原田あきら君
ほっち易隆君

欠席委員 一名

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務谷崎 馨一君
次長山崎 太朗君
技監栗谷川哲雄君
理事三宮  隆君
総務部長小泉 雅裕君
都市づくり政策部長飯泉  洋君
都市基盤部長特命担当部長兼務長尾 肇太君
市街地整備部長澤井 正明君
市街地建築部長青木 成昭君
多摩まちづくり政策部長宮崎  成君
基地対策部長平松 紀晴君
総合調整担当部長吉澤 恭子君
企画担当部長藤原  新君
先端技術調整担当部長DX推進担当部長兼務松本 香澄君
景観・プロジェクト担当部長栗原 聰夫君
交通政策担当部長佐々木啓文君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長物流担当部長兼務村上 清徳君
地域公共交通担当部長池内 光介君
防災都市づくり担当部長神子 信之君
耐震化推進担当部長猪又  謙君
横田基地共用化推進担当部長猪倉 雅生君
住宅政策本部本部長山崎 弘人君
次長松崎伸一郎君
住宅企画部長連絡調整担当部長兼務鈴木 誠司君
民間住宅部長小町 高幹君
都営住宅経営部長木村 宣代君
住宅政策担当部長丸山 宏司君
企画担当部長陰山 峰子君
技術企画担当部長DX推進担当部長兼務小林 秀行君
特命担当部長都築 裕樹君
民間住宅施策推進担当部長岩田 亮一君
経営改革担当部長大和田隆夫君
都営住宅企画担当部長赤塚 慎一君
再編利活用推進担当部長飯塚 佳史君

本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・都営住宅七H―一〇七・一〇八東(江東区塩浜二丁目)工事請負契約
・都営住宅七CH―一〇二東(江東区辰巳一丁目・江東区施設)工事請負契約
・都営住宅七H―一〇三東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
・都営住宅七H―一〇七西(調布市緑ケ丘二丁目)工事請負契約
請願の審査
(1)七第一〇号の二 物価高から都民の暮らしを守ることに関する請願
報告事項(説明・質疑)
・令和六年度東京都一般会計予算(住宅政策本部所管分)の繰越しについて
・令和六年度東京都都営住宅等事業会計予算の繰越しについて
都市整備局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)七第一一号の三 交通費の負担を軽減することに関する請願
(2)七第一二号の一 全ての都民にとって便利で安く快適な公共交通機関の利用を実現することに関する請願
(3)七第一三号の二 明治神宮外苑の造園史評価に基づく再開発計画の根本的な見直しに関する陳情
(4)七第一八号 渋谷一丁目地区共同開発事業に関する陳情
(5)七第二七号 渋谷一丁目地区共同開発事業に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・令和六年度東京都一般会計予算(都市整備局所管分)の繰越しについて
・令和六年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算の繰越しについて

○西沢委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議案法制課担当書記の渡壁佑司君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○西沢委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部及び都市整備局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、提出予定案件については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項については、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、住宅政策本部長に山崎弘人君が就任されました。
 山崎本部長から挨拶並びに交代のあった幹部職員の紹介があります。
 山崎弘人君を紹介いたします。

○山崎住宅政策本部長 去る四月一日付で住宅政策本部長に就任いたしました山崎弘人でございます。
 私ども住宅政策本部職員一同、住生活を取り巻く社会状況の変化を的確に捉え、成長と成熟が両立した未来の東京の実現を目指し、着実に住宅政策を展開してまいります。
 西沢委員長をはじめ委員の皆様方には、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、先般の人事異動に伴い就任いたしました当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 住宅企画部長で連絡調整担当部長を兼務しております鈴木誠司でございます。民間住宅部長の小町高幹でございます。都営住宅経営部長の木村宣代でございます。企画担当部長の陰山峰子でございます。技術企画担当部長でDX推進担当部長を兼務しております小林秀行でございます。特命担当部長の都築裕樹でございます。民間住宅施策推進担当部長の岩田亮一でございます。経営改革担当部長の大和田隆夫でございます。都営住宅企画担当部長の赤塚慎一でございます。再編利活用推進担当部長の飯塚佳史でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○西沢委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○西沢委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○山崎住宅政策本部長 本日は、令和七年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております住宅政策本部関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、契約案が四件でございます。
 資料1、令和七年第二回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをご覧ください。
 江東区塩浜二丁目工事などにおける都営住宅の工事請負契約議案が四件でございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして、住宅企画部長からご説明いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木住宅企画部長連絡調整担当部長兼務 それでは、令和七年第二回東京都議会定例会提出予定案件の詳細につきまして、契約案のご説明を申し上げます。
 資料1、令和七年第二回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをご覧ください。
 一ページから二ページには、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載してございます。
 三ページをご覧ください。都営住宅七H―一〇七・一〇八東(江東区塩浜二丁目)工事の概要でございます。
 住宅の総戸数は二百三十三戸でございます。契約の相手方は株式会社ノバック、契約金額は四十七億九千六百万円、工期は令和十一年七月十二日までとなっております。
 四ページに案内図と配置図を、五ページから六ページに平面図と断面図を添付してございます。
 七ページをご覧ください。都営住宅七CH―一〇二東(江東区辰巳一丁目・江東区施設)工事の概要でございます。
 住宅の総戸数は百四戸でございます。契約の相手方は立花建設株式会社、契約金額は二十四億六千百八十万円、工期は令和十年十一月七日までとなっております。
 八ページに案内図と配置図を、九ページに平面図と断面図を添付してございます。
 一〇ページをご覧ください。都営住宅七H―一〇三東(江東区辰巳一丁目)工事の概要でございます。
 住宅の総戸数は九十九戸でございます。契約の相手方は埼和興産株式会社、契約金額は十七億四千百三十万円、工期は令和十年二月十四日までとなっております。
 一一ページに案内図と配置図を、一二ページに平面図と断面図を添付してございます。
 一三ページをご覧ください。都営住宅七H―一〇七西(調布市緑ケ丘二丁目)工事の概要でございます。
 住宅の総戸数は八十八戸でございます。契約の相手方は三軌建設株式会社、契約金額は十一億四千七百六十六万三千円、工期は令和九年七月十四日までとなっております。
 一四ページに案内図と配置図を、一五ページに平面図と断面図を添付してございます。
 以上で、令和七年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○西沢委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願七第一〇号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○丸山住宅政策担当部長 それでは、資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをご覧ください。整理番号1、請願七第一〇号の二、物価高から都民の暮らしを守ることに関する請願についてご説明申し上げます。
 請願者は、新宿区の都民のくらしを守りゆたかにする会代表、大澤利彰さん外百三十八人でございます。
 請願の要旨は、都において、都民の負担を減らし、自由に使えるお金を増やすため、次のことを実現していただきたい。
 2、民間賃貸住宅における家賃助成制度(一世帯当たり月額二〜四万円)を創設することというものでございます。
 現在の状況でございますが、家賃補助制度については、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識をしています。
 都民の居住の安定確保のため、都営住宅の活用に加え、民間賃貸住宅も活用し、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図っています。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 今回の請願、物価高から都民の暮らしを守ることに関する請願の願意は、都民の負担を減らし、自由に使えるお金を増やすため、民間賃貸住宅における家賃助成制度を創設すること、先ほどもご説明あったとおりです。
 物価高騰が止まらないわけです。東京都の物価高騰対策も不十分です。日本共産党の住宅に関するアンケートには、正規社員の共働きでも都内の新築マンションは買えない、保育所の送り迎えもあるから職住近接の中古マンションを買う予定だったが、手が出なくなった、子供が大きくなり広いところに移りたいが、家賃が高過ぎる、大家さんから家賃を上げたいといわれ困っている、家賃が払えないなど、切実な声が寄せられています。
 二十三区内では、新築マンションの価格は、ちょっと古い以前の数字ですけれども、平均で一億円を超え、平均年収の十三倍を超えています。単身者の1Kの家賃は十万円を超えています。ファミリー向け物件の平均家賃は、前年に比べて月額三万二千円上昇し、二十一万円を超えました。
 東京都は家賃が上がっているという認識はありますか。

○丸山住宅政策担当部長 民間企業において、住宅価格や家賃動向に関する様々な調査が行われていることは承知をしております。
 住宅価格や家賃については、市場における需要と供給との関係や建設費など、様々な要素が影響していると認識をしております。

○尾崎委員 国の調査の平成二十五年調査二〇一三年、平成三十年調査二〇一八年及び令和五年調査二〇二三年の結果において、民間賃貸家賃について、全国と東京の平均家賃はどうなっていますか。

○丸山住宅政策担当部長 国が実施をしております住宅・土地統計調査によりますと、都内の民営借家における一か月当たりの戸当たり平均家賃は、平成二十五年調査で八万五千五百八十三円、平成三十年調査で八万八千六百八円、令和五年調査で九万四千八百二円となっております。
 また、全国の民営借家における一か月当たりの戸当たり平均家賃は、平成二十五年調査で六万四百二十三円、平成三十年調査で六万一千九百六十三円、令和五年調査で六万五千四百九十六円となっております。

○尾崎委員 国の住宅・土地統計調査からも、十年間で都内の民営借家は九千二百十九円増えていることになります。全国の民営借家と比べても、東京が二万九千三百六円も高いことが分かりました。
 家賃が異常なほど高くなっていることへの都の認識は、先ほど市場における需要と供給との関係や建設費など様々な要素が影響しているからとご答弁ありましたが、それだけではありません。
 日本共産党都議団はこの間、代表質問でも取り上げてきましたが、住宅価格や家賃の異常高騰は、大規模再開発と、それを規制緩和や減税、都有地の提供などで推進した東京都と国の政治に大きな責任があります。
 投機目的での住宅取得や転売を野放しにしたために、海外を含む投機マネーを呼び込み、住宅を投機の対象にしてしまったことも、住宅価格高騰に拍車をかけました。
 大規模再開発による住宅価格の高騰は、東京だけでなく、全国の大都市とその近郊でも起きています。大規模開発優先で、大手ディベロッパーに最大限の便宜を図る政治を転換し、誰もが安心して住み続けられる住宅への政治の責任を果たすべきだと思います。
 そこで、伺います。
 杉並区は、二〇二五年度から年間三十万円を最大二年の家賃補助を開始しています。一月三十一日の予算案を発表した際、区長は、私はこれまでも住まいは権利と申し上げており、住宅政策と福祉政策、子育て支援政策が地続きであるとの認識に立ち、安定した住まいを確保することは、健康で文化的な生活を営む上で欠かせない重要な要件だと考えていますと記者会見を行いました。そして、低所得の住民でも安定した居住できる住宅を供給するのは行政の責任だと強調しました。
 都も同じ立場でしょうか。都の住まいに対する認識を伺います。

○丸山住宅政策担当部長 住宅は生活の基盤であり、都民の居住の安定を確保することは重要と考えております。

○尾崎委員 住宅は生活の基盤であり、都民の居住の安定確保は重要との答弁ですが、私が聞きたかったのは、杉並区長の住まいは権利、安定した住まいを確保することは、健康で文化的な生活を営む上で欠かせない重要な要件という考えと都も同じ立場ですかと質問したんです。
 先ほどのご答弁だと明確にはお答えになっていないので、杉並区の区長と全く同じ意見ではない、認識ではないということなのかなというふうに受け止めました。
 日本共産党は四月二十四日、住宅価格高騰、家賃値上げストップ、住宅費負担を軽減して住み続けられる東京にという提言を発表しました。
 その中で、日本共産党は、衣食住というように住まいは生活の基本であり、憲法二十五条が保障する生存権の土台であること、安心して暮らせる住まいの提供は、政治が国民に果たすべき責任であること、これは東京都が都民に果たすべき責任でもあるわけです。日本共産党は、住まいは人権の立場から、自公政権と小池都政による大型都市再開発、規制緩和路線のゆがみを正し、住み続けられる東京にすることを提案しました。
 提案の一番が、住宅費を軽減する家賃補助です。イギリス、ドイツ、フランスなど欧州諸国は、住宅支援制度は住宅ローンの減税と家賃補助の二本立てになっています。
 私のところにも、物価高騰が続けばこのままでは生きていかれない、月五千円でも一万円でも家賃への支援が欲しい、こういう切実な声、寄せられています。
 東京の家賃が異常に高くなっている今、物価高で暮らしが大変なときだからこそ、東京都で家賃補助制度を創設すべきだと強く要望して、質問を終わります。

○西沢委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○西沢委員長 起立少数と認めます。よって、請願七第一〇号の二は不採択と決定いたしました。
 請願の審査を終わります。

○西沢委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○鈴木住宅企画部長連絡調整担当部長兼務 お手元の資料3、令和六年度繰越説明書によりましてご説明いたします。
 今回のご報告は、令和六年度予算の繰越明許費繰越につきまして、地方自治法施行令第百四十六条第二項の規定によりまして、議会にご報告するものでございます。
 資料の一ページをご覧ください。初めに、繰越明許費繰越総括表でございます。
 一般会計及び特別会計の各会計別に、予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載してございます。
 合計欄をご覧ください。繰越明許費予算議決額二百十二億五千三百万円に対しまして、翌年度繰越額は七十八億四千六百万余円となってございます。
 財源といたしましては、その右に記載のとおり、国庫支出金や都債などを充当してございます。
 三ページをご覧ください。こちらから事業別の内訳となっております。
 まず、一般会計でございます。
 五ページをご覧ください。繰越明許費繰越の番号1、住宅管理事業でございます。繰越理由は、都営住宅等事業会計における住宅管理事業の繰越しに伴い、その財源として繰越しをするものでございます。
 番号2、住宅建設事業でございます。繰越理由は、都営住宅等事業会計における住宅建設事業の繰越しに伴い、その財源として繰越しをするものでございます。
 七ページをご覧ください。次に、都営住宅等事業会計でございます。
 九ページをご覧ください。繰越明許費繰越の番号1、住宅管理事業でございます。繰越理由は、営繕工事におきまして、外壁塗装等に日時を要したことによるものでございます。
 番号2、住宅建設事業でございます。繰越理由は、住宅建設工事に伴う関係機関等との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 以上をもちまして、令和六年度東京都一般会計予算、住宅政策本部所管分の繰越しについて外一件のご報告を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○西沢委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。――発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。

○西沢委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、東京都技監から紹介があります。

○谷崎東京都技監 東京都技監の谷崎馨一でございます。
 西沢委員長をはじめ委員の皆様方のお力添えをいただきながら、局事務事業の適切かつ円滑な運営を図るとともに、安全で快適な都市づくりを進めるため、一層の努力をいたす所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、去る四月一日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の山崎太朗でございます。技監の栗谷川哲雄でございます。総務部長の小泉雅裕でございます。都市づくり政策部長の飯泉洋でございます。市街地整備部長の澤井正明でございます。市街地建築部長の青木成昭でございます。多摩まちづくり政策部長の宮崎成でございます。基地対策部長の平松紀晴でございます。総合調整担当部長の吉澤恭子でございます。先端技術調整担当部長でDX推進担当部長を兼務しております松本香澄でございます。景観・プロジェクト担当部長の栗原聰夫でございます。航空政策担当部長で外かく環状道路担当部長及び物流担当部長を兼務しております村上清徳でございます。地域公共交通担当部長の池内光介でございます。防災都市づくり担当部長の神子信之でございます。耐震化推進担当部長の猪又謙でございます。横田基地共用化推進担当部長の猪倉雅生でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の川崎秀一でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○西沢委員長 紹介は終わりました。

○西沢委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○谷崎東京都技監 本日は、令和七年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、条例案が一件でございます。
 資料1、令和七年第二回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をご覧ください。
 東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例案でございます。
 用途地域の指定に伴い、日影規制の対象区域を改めるものでございます。
 私の説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきましては総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○小泉総務部長 条例案についてご説明申し上げます。
 資料1、令和七年第二回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をご覧ください。
 三ページをご覧ください。東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由及び2、条例案の概要でございますが、大田区における用途地域の指定に伴い、日影規制の対象区域を改めるものでございます。
 四ページには条例案文等を、五ページには新旧対照表を記載してございます。
 以上で令和七年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらさせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○西沢委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願七第一一号の三及び請願七第一二号の一は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○長尾都市基盤部長特命担当部長兼務 それでは、整理番号1、請願七第一一号の三、交通費の負担を軽減することに関する請願についてご説明をいたします。
 請願・陳情審査説明表の一ページをご覧ください。
 本請願でございますが、新宿区の、移動の権利をすべての人に!公共交通を考える会代表の本葉カツ子様外百六名から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、民間の公共交通機関の子供運賃の対象年齢を十八歳まで引き上げることというものでございます。
 現在の状況ですが、鉄道事業法第十六条において、鉄道運送事業者は、旅客運賃等の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならず、その上限の範囲内で旅客運賃等を定め、あらかじめその旨を国土交通大臣に届け出なければならないとされております。
 また、鉄道運輸規程第十条において、鉄道は旅客の同伴する六歳未満の小児を旅客一人につき少なくとも一人まで無償で運送すること、十二歳未満の小児を大人の運賃の半額をもって運送することと定められております。
 請願七第一一号の三についての説明は以上でございます。
 引き続き、整理番号2、請願七第一二号の一、全ての都民にとって便利で安く快適な公共交通機関の利用を実現することに関する請願についてご説明いたします。
 請願・陳情審査説明表の三ページをご覧ください。
 本請願でございますが、豊島区の新日本婦人の会東京都本部会長の佐久間千絵様から提出されたものでございます。
 請願の要旨でございますが、都において、公共交通における空白地域、不便地域を解消すること、どの地域に住んでいても、コミュニティバス等の住民の足が確保されるよう、自治体を手厚く支援すること、子供の体験格差を解消するため、民間の公共交通機関の運賃を安くすることというものでございます。
 現在の状況ですが、都は、令和四年三月に地域特性を踏まえた地域公共交通の目指すべき姿とその実現に向けた取組の方向性を示した、東京における地域公共交通の基本方針を策定いたしました。
 この方針に基づき、区市町村が主体となった交通不便地域解消などの地域の交通課題の解決に取り組めるよう、技術的、財政的に支援しております。
 コミュニティバスなどに対する支援につきましては、事業の立ち上げを支援し、経営の安定化を図るため、導入時の調査検討費や車両購入費のほか、運行開始後三年間の運行経費の一部を区市町村に補助しております。
 さらに、令和四年度からはコミュニティバスに加え、デマンド交通などにも補助対象を拡大しております。
 鉄道運賃につきましては、鉄道事業法第十六条におきまして、鉄道運送事業者は、旅客運賃等の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならず、その上限の範囲内で旅客運賃等を定め、あらかじめその旨を国土交通大臣に届け出なければならないとされております。
 また、鉄道運輸規程第十条において、鉄道は旅客の同伴する六歳未満の小児を旅客一人につき少なくとも一人まで無償で運送すること、十二歳未満の小児を大人の運賃の半額をもって運送することと定められております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 二つの請願について、最初に民間の公共交通機関の子供運賃の対象年齢を十八歳まで引き上げること、子供の体験格差を解消するため、民間の公共交通機関の運賃を安くすることについて質問します。
 鉄道運輸規程第十条において、鉄道は旅客の同伴する六歳未満の小児を旅客一人について少なくとも一人まで無償で運送すること、十二歳未満の小児を大人の運賃の半額をもって運送することと定められているということですが、これはいつ決まったものでしょうか。

○長尾都市基盤部長特命担当部長兼務 当該規程は、昭和十七年の鉄道運輸規程改正時に定められたものでございます。なお、鉄道運輸規程は、必要に応じて適時見直しが行われておりまして、直近では令和五年に一部について改正がなされております。

○尾崎委員 日本の子供運賃は、ただいまご説明あったように昭和十七年に定められたということです。八十三年も前のことです。時代は変わってきているのに、国が決めたことは、驚くことに戦前のことなわけです。時代遅れだといわざるを得ません。
 海外、ヨーロッパなどの公共交通の子供運賃はどうなっていますか。

○長尾都市基盤部長特命担当部長兼務 海外には様々な事例があることは承知をしております。鉄道運賃は、国土交通大臣の認可の下、鉄道事業者が届出により設定するものでございます。

○尾崎委員 日本共産党都議団は、昨年の第一回定例会での本会議と予算特別委員会で、子供の運賃について、十八歳まで子供料金にすべきだと提案しました。
 海外の事例、承知しているということでしたが、幾つか紹介したいと思います。
 カナダのトロントでは、十二歳まで無料、十九歳まで割引運賃があります。
 ドイツのベルリンは、五歳まで無料、十四歳まで割引運賃があり、加えて公共交通が乗り放題になる学生向けのセミスターチケットというのが安価で手に入り、学生や若い世代の移動の手段を確保しています。
 イギリスのロンドンは、十歳まで無料、十五歳まではバスと路面電車は無料、地下鉄は半額です。そして、十八歳までは全て半額ということになっています。
 日本がいかに遅れているのか。この遅れている部分、東京から変えていくべきだと思います。子供というのは何歳までのことをいうのですか。東京都こども基本条例の子供の定義は十八歳に満たない者となっています。子供の規定はあらゆる施策の基になると思いますが、認識を伺います。

○長尾都市基盤部長特命担当部長兼務 国の鉄道運輸規程第十条によりますと、鉄道は旅客の同伴する六歳未満の小児を旅客一人につき少なくとも一人まで無償で運送することとしておりまして、また十二歳未満の小児を大人の運賃の半額をもって運送することと定められております。

○尾崎委員 私は運賃のことを聞いたんじゃないんです。東京都こども基本条例の子供の定義を交通政策でも位置づけるべきだと思って、都の認識を聞いたんです。戦前につくった小児運賃についても、国に対して子供の定義を見直すべきだと東京都としてぜひ要望することを求めます。
 先ほど海外の状況、事例も示しましたけれども、承知しているというご答弁でしたけれども、承知しているだけではなくて、海外の事例から学ぶ必要があると厳しく指摘しておきたいと思います。
 民間バス、多摩都市モノレール、民間鉄道などで、子供への支援として運賃の引下げやフリーパスなどを実施していますが、具体的に都はつかんでいますか。

○長尾都市基盤部長特命担当部長兼務 一部の事業者におきまして、小児運賃の割引を実施しているということについては承知をしております。
 あくまで日本における鉄道運賃は、国の認可の下、事業者が設定しておりまして、割引につきましては経営状況等に応じた事業者の判断によるものでございます。

○尾崎委員 承知をしていると。一部の事業者でいろいろ実施していることは承知をしているということですけれども、小田急電鉄が小児IC運賃を全区画一律五十円に、京浜急行電鉄も一律七十五円にするなど、新しい動きが始まっています。
 小田急電鉄によると、五十円にする以前の子供運賃の収入は、鉄道運賃収入の約〇・七%だったそうですが、引き下げることによって、大人の需要も喚起することができた。沿線での買物の効果なども増加すると。効果を様々見込んで、一律五十円に決断したんだということでした。
 多摩都市モノレールも、たまモノこどもとおとなのワンデーパスなど、お得なパスを発売し、好評です。沿線の施設との連携も進んでいます。
 しかも、小学生よりも中学生の方が移動の範囲が広がると保護者の皆さん口をそろえておっしゃっています。このことによって、中学生の交通費の家計負担が重くなっている、こういう声も届いています。
 保護者の方々からも、子供運賃を十八歳まで引き上げてほしいと声が広がっています。しかも、十八歳までに様々な体験ができることで、学びが広がり、成長につながっていくんだということです。子供の体験格差を解消する上でも重要な問題です。都として、民間の取組に学び、都の交通政策として推進することを求めるものです。
 次に、公共交通における空白地域、不便地域を解消すること、どの地域に住んでいてもコミュニティバス等の住民の足が確保されるよう、自治体を手厚く支援することについて伺います。
 コミュニティバス、デマンド交通への運行費補助、導入時の調査検討費、車両購入費への補助など、東京都持続可能な地域公共交通実現に向けた事業費補助金の二〇二二年度、令和四年度、二〇二三年度、令和五年度の実績額と二〇二四年度、令和六年度、二〇二五年度、令和七年度の予算額について伺います。

○池内地域公共交通担当部長 補助実績でございますが、令和四年度が約一億二千万、令和五年度が約二億七千万、予算額につきましては、令和六年度が約三億、令和七年度が約五億円となってございます。

○尾崎委員 住民の移動権を保障するため、交通空白、不便地域をなくすことなどを目的に、区市町村がバス会社などに委託して運行するコミュニティバス、デマンド交通への期待が強まっています。
 二〇二一年度、令和三年度からコミュニティバスなどの所管が都市整備局になりました。先ほどのご答弁でも補助の実績や予算額は増えているということが分かります。
 しかし、運行補助については、運行開始から三年限りです。その後は、不採算路線であっても、都の財政支援はありません。しかも、コミュニティバスの運行支援は、交通空白地域などの補助要件があるために、コミュニティバスを運行していても、都の支援が対象にならない地域も多数あります。
 コミュニティバスとデマンド交通について、都が二〇二四年度、令和六年度に運行費補助をしている自治体数について伺います。

○池内地域公共交通担当部長 令和六年度に実証運行も含めまして、運行費補助を支援した自治体数につきましては、コミュニティバスが七自治体、デマンド交通が八自治体となってございます。

○尾崎委員 運行費補助は、ただいまご答弁あったんですけど、コミュニティバスで七自治体、デマンド交通で八自治体ということです。これは非常に少ない。自治体への支援が非常に少ないということになっているわけです。
 日本共産党都議団は、二〇一一年と二〇二二年に都内のコミュニティバス実施状況調査を実施しました。その後、やられていないのがちょっと残念なんで、直近の数字がちょっと分からないわけですけれども、ただこの調査で、都の補助制度が不十分で、区市町村の財政負担が重いことなど、解決すべき多くの課題があることが明らかになったんです。
 調査の結果、コミュニティバスは、四十二区市町村で実施していることが分かりました。全体として、住民の要望に応えて、路線数、運行台数、運行距離を二〇一一年と二〇二二年比べても増やしていることが、多摩・島しょでは増やしていることが分かりました。
 でも、一方で、多摩・島しょでは、利用者が減っていることも分かりました。住民の足となる重要な事業ですが、不採算で、負担増の中でも、区市町村が支えていることが明らかになったんです。
 さらに、多摩地域の負担がより大きくなっていることも分かりました。二〇二一年度の収支差は、区部で十一億九千万円、多摩地域で十八億四百万円、島しょで二千五百万円で、合わせて約三十億円にもなります。しかも、区市町村が負担している赤字補填の補助額は約二十八億円でした。その後、コロナ禍を経て、もっと増えている可能性があると私は思っています。
 町村会や市長会の予算要望でも、コミュニティバスの運行は不採算事業であるが、住民の利便性の向上は必須事業、また運行費用に対する補助期間及び補助要件の見直しを行い、継続的かつ地域の実情に合致する支援策を講じることを継続して東京都に求めています。
 日本共産党都議団は、コミュニティバス、デマンド交通の運行維持のためには、不採算で、区市町村が赤字補填している部分は都が支援すべきだと今年の予算の組替えを提案しました。都としての検討を求めるものです。
 日本共産党都議団は今年の一月九日、地域公共交通危機打開、充実への提言を発表しました。提言は、東京都が住民の交通権、移動権を位置づけた交通政策をつくること。そして、その役割を都が果たすこと。そして、具体的なこととして、交通不便地域をなくすコミュニティバスをもっと増やし、もっと便利にする提案。子供と若者、学生の移動支援へ、バスも鉄道も交通費をもっと安くする提案など行っています。東京の地域公共交通のどこが問題で、どうすれば解決できるのか、その道筋を都民の皆さんと一緒に考えようと提言をまとめました。
 今回の請願である子供の運賃、コミュニティバス等への手厚い支援は、改善が求められるものです。都として早急に検討することを重ねて求め、質問を終わります。

○西沢委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○西沢委員長 起立少数と認めます。よって、請願七第一一号の三及び請願七第一二号の一は、いずれも不採択と決定いたしました。

○西沢委員長 次に、陳情七第一三号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○飯泉都市づくり政策部長 整理番号3、陳情七第一三号の二、明治神宮外苑の造園史評価に基づく再開発計画の根本的な見直しに関する陳情についてご説明申し上げます。
 請願・陳情審査説明表の五ページをご覧ください。
 陳情者は、世田谷区の中原尚之さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、明治神宮外苑の再開発に関して、次の事項を実現していただきたく、事業者に対し、次のことを働きかけること。
 (1)、戦前にあった広大な芝生を復元するため、軟式グラウンドを撤去し、中央芝生広場を再生すること。
 (2)、明治神宮外苑の外周にある諸建築物を撤去し、秩父宮ラグビー場及び明治神宮野球場のみを保存すること。
 (3)、現存している樹木を調査し、植栽を完成当初の状態に戻すことというものでございます。
 現在の状況でございますが、神宮外苑は、創建時から多くのスポーツ施設が設けられ、国民や競技者がスポーツに親しんできた場所でありますが、スポーツ施設の老朽化、広場やバリアフリーの歩行者空間の不足などの課題がございます。
 このため、緑豊かなスポーツの拠点として、さらに発展させていくこととし、平成二十五年六月に地区計画を定めました。地区計画に示した目標の実現に向けて、東京二〇二〇大会後を見据えまして、関係権利者との協議や有識者、地元区との検討などを行い、まちづくりの方向性を示しました。
 今回のまちづくりは、こうした経緯を経て、明治神宮など民間事業者が自らの所有地において実施するものであり、都は、事業者に対しまして、歴史や地区特性を生かした景観形成、魅力的なスポーツ施設の集積、豊かな自然環境の質の保全に努めることなどについて要請を行ってまいりました。
 六ページをご覧ください。
 これらを踏まえまして、事業者は、神宮外苑地区の歴史的、文化的価値を適切に継承することができるよう、眺望保全に係る絵画館の前庭部分を創建時の芝生の姿を基調として、開かれた庭として再生する計画としております。
 また、競技の継続性に配慮し、ラグビー場と野球場を連鎖的に建て替え、競技空間の拡張やゆとりある観客席の確保、ユニバーサルデザインの導入など、世界に誇れる水準の競技環境や観戦環境を備えた施設にすることとしております。
 既存樹木につきましては、詳細な調査を実施し、四列のイチョウ並木の保全に万全を期すとともに、既存樹木に加え、新たな緑も創出し、それらを適切に維持管理しながら樹木を育成することで、従来よりも緑の割合や樹木の本数を増加させ、緑空間の充実を図ることとしております。
 七ページには、現況図と再整備イメージをおつけしております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○森口委員 神宮外苑に関する陳情につきまして、意見表明させていただきます。
 昨年二月の都市整備委員会における神宮外苑地区の請願審査におきまして意見表明いたしましたが、明治神宮の内苑、外苑は、創建から終戦まで国の管理下にあり、戦後、宗教法人明治神宮が独自の事業収益をもって、内苑、外苑の施設、緑地を管理することになった経緯があります。
 明治神宮によりますと、内苑、外苑を護持していく上で、外苑での収益事業は必要不可欠であり、中でも神宮球場は、最重要施設であるとのことです。
 今回の陳情では、秩父宮ラグビー場や神宮球場の保全などを求められていますが、神宮球場は竣工から約百年が経過をし、施設の老朽化が著しく、競技の継続を図りながら、限られた敷地の中で建て替えたり改修したりすることは難しく、秩父宮ラグビー場と場所を入れ替え、段階的な整備を進めるほか方法はないという結論に至っていると聞いております。
 なお、陳情では、外苑の外周にある建築物を撤去することも求めております。地区計画の区域には、日本青年館、民間マンションやホテルなどが整備されていますが、いずれの建物も、都市計画の手続等を得て適法に建設され、既に団体や個人によって利用されており、これらの建物の撤去を求めるようなことは現実的ではありません。
 事業者の計画では、既存樹木を極力保存するとともに、新たな緑も創出をし、絵画館前の前庭部分は、創建時の芝生の姿を基調とした開かれた庭として再整備するなど、従来よりも樹木の本数や緑の割合は増加する計画が示されております。
 また、神宮外苑の象徴であるイチョウ並木の保全には万全を期すとともに、イチョウ並木沿道の建築物については、眺望点から見てイチョウの高さを突出しないよう配慮するなど、風格ある景観及び風致を保全することとしております。
 今回の神宮外苑のまちづくりは、明治神宮などの民間事業者が自らの所有地において実施するものであり、ただいま申し上げたとおり、競技の継続性に配慮しながら、老朽化したスポーツ施設の更新が図られ、緑やオープンスペースは増加をし、イチョウ並木を中心とする美しい景観が保全されるなど、神宮外苑の歴史や文化を継承しながら、にぎわいあふれる緑豊かなスポーツ拠点へとさらに発展させていくものであり、本陳情は不採択とすべきと考えます。
 しかしながら、今後まちづくりを進めていく上で、引き続き都民に分かりやすい情報発信をしていくことが重要であると考えます。都民の理解と共感の下にまちづくりが進められるよう、都としても事業者の取組を丁寧に確認していただくことを求めまして、意見表明を終わります。

○原田委員 陳情、明治神宮外苑の造園史評価に基づく再開発計画の根本的な見直しに関する陳情について意見を述べます。
 本陳情は、神宮外苑の持つ造園史に着目し、それを破壊する外苑再開発の見直し、さらには芝生広場の復活、創建以来現存する樹木の調査と植栽に対して提案する陳情となっております。
 都や事業者は、殊さら眺望点からの景観保全についてのみ言及してきました。すなわち青山通りから絵画館を見据えた景観だけを守るといい、そこから見えなければ何を建てても問題ないとしています。
 しかし、折下吉延が設計したランドスケープは、眺望点だけでなく、中央広場を絵画館から見渡す景観も同様に重視したといわれています。現計画は、これを決定的に破壊する計画となっていることに日本共産党都議団は重大な警鐘を鳴らすものであります。
 軟式グラウンドを創建当初の芝生広場に戻すことについては、現在のグラウンド利用者の合意が得られているとはいえませんが、そもそも現計画ではグラウンドの三分の二がテニス場にされる計画となっており、この見直しを求めるという意味では重要であり、専門家からも同様の提案が行われています。
 神宮球場や秩父宮ラグビー場を現地改修する案には全面的に賛同できる要旨です。創建以来現存する樹木の調査は重要ですが、諸建築物の撤去を行い、植栽を完成当初の状態に戻すことは、市民や専門家の間で議論がまとまっているとはいえませんが、いずれにしても、造園史を無視した現計画の抜本的見直しを求める陳情の趣旨には賛同するところであり、趣旨採択を主張するものであります。
 なお、先ほど都民ファーストの委員から、明治神宮外苑の再開発は、外苑、内苑の緑地をですね、外苑、内苑を維持するためだという発言がありましたが、実際には経営面で成り立たないんだという一切の資料を明治神宮は出したことがありません。
 そうした意見をうのみにして、こうした委員会の場でいうということも、私は問題があると思っております。そうした主張をするのであれば、しっかりと明治神宮にですね、本当に今回の再開発でないと明治神宮内苑の緑地を守ることができないのかということを確かめていただきたいなということを指摘しておきたいと思います。
 意見を終わります。

○西沢委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○西沢委員長 起立少数と認めます。よって、陳情七第一三号の二は不採択と決定いたしました。

○西沢委員長 次に、陳情七第一八号及び陳情七第二七号は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○澤井市街地整備部長 整理番号4、陳情七第一八号及び二七号、渋谷一丁目地区共同開発事業に関する陳情についてご説明いたします。
 請願・陳情審査説明表の九ページをご覧くださいませ。
 本陳情の陳情者につきましては、申し訳ございません、一二ページでございますけど、一二ページの別記に記載しており、青山パークタワー管理組合、緑と住環境を守る委員会委員長の塚田雅夫さん及び株式会社日進LRD代表取締役の塚田雅夫さんから提出されたものでございます。
 恐れ入ります、九ページにお戻りくださいませ。
 陳情の要旨についてでございますが、都において、渋谷一丁目地区共同開発事業が都市再生ステップアップ・プロジェクトの趣旨にのっとり適切に進められるよう、かつ近隣住民の次の意見を反映するよう事業者に指導していただきたいというものでございます。
 具体的な意見といたしましては、1、建物の配置を南側に寄せるよう設計の変更を検討すること、2、ミタケコミチの防犯対策を強化すること、それが困難な場合はミタケコミチの廃止を検討すること、3、建物を周辺地域の住環境へ配慮した高さに調整すること、4、壁面緑化を上層階まで拡充すること、5、近隣住民との対話の場を確保することというものでございます。
 事業場所の案内図、配置図につきましては、一一ページをご覧ください。
 九ページにお戻りくださいませ。現在の状況でございます。
 渋谷一丁目地区共同開発事業は、東京都の児童会館跡地、渋谷区仮庁舎跡地及び渋谷区立美竹公園の三敷地を民間の資金力やノウハウを生かして一体的に活用することで、まちづくりを促進し、地域の活力を向上させる事業です。
 東京都及び渋谷区は、平成三十年より地元町会などと意見交換やアンケートを実施しており、意見交換等での要望を踏まえ、周辺環境への配慮、児童会館機能、体育館機能の整備や公園の再整備等を盛り込んだ事業実施方針及び事業者募集要項等を令和三年に公表いたしました。
 東京都及び渋谷区は、令和四年三月に公募により、ヒューリック株式会社及び清水建設株式会社を構成員とするグループを事業予定者に選定いたしました。
 令和五年三月に東京都と事業予定者が定期借地権設定契約を締結した後、東京都、渋谷区及び事業者は近隣住民への説明を実施しております。
 事業者は、近隣住民からの要望を踏まえ、建物配置の変更、ミタケコミチの安全対策の徹底、建物高さの低減及び壁面緑化の拡充を行うこととしております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原田委員 渋谷一丁目地区共同開発事業に関する陳情について意見を述べます。
 本陳情は、建物の配置や高さの是正、新設されるミタケコミチの防犯対策、ビルの意匠について意見し、住民との対話を求めるものとなっています。
 日本共産党都議団としては、渋谷区一丁目地区の再開発については、ステップアップ・プロジェクトについては、都立児童会館や渋谷区第二美竹分庁舎という区有地を民間大企業に明け渡し、もうけの種として差し出す計画となっていることに一貫して反対してまいりました。
 その点で、本陳情は開発そのものには反対しておらず、あくまで開発の在り方への意見となっておりますが、近隣住民としては対話の場を確保することを求める要旨については、その意を酌む必要があると考えています。
 行政主導の再開発がことごとく住民意見に沿わずに、ディベロッパーのもうけを最優先にしていることを大きな問題として、我が党都議団は厳しく糾弾してまいりました。
 超高層マンションが建った後に、さらにマンションが建ち、お互いの景観を破壊し合う計画に、およそ都市計画の名に値しない。東京都のまちづくりの問題を感じざるを得ません。
 また、陳情の中にもあるように、都市整備局市街地整備部の担当課長による事業の中核は環境改善ではなく土地の収益であるという発言があったとすればですよ、小池都知事や都民ファーストのいう稼ぐ東京というのは、近隣の住環境を売りに出して、あるいは気候変動の悪化と引換えに稼ぐということなのかとあきれるしかありません。
 今からでも遅くなく、近隣住民の声にしっかりと耳を傾け、合意を得る努力を求め、趣旨採択を主張し、意見とします。

○銀川委員 私も、渋谷一丁目地区共同開発事業に関する陳情について、四点質問させていただければと思います。
 まず初めに、本事業の計画の現状について伺います。この開発は、地域住民の声を基に、当初の開発計画から計画が変更されていると聞きましたけれども、その変更点について伺います。

○澤井市街地整備部長 北側の建物との距離を考慮いたしまして、壁面の位置を南側に〇・八メートル後退させるほか、建物高さを三・七メートル低減することとしております。さらに、壁面緑化を建物北面の四階まで実施する等の取組を行っております。

○銀川委員 建物の壁面が南側に移動した、高さが低くなった、壁面の緑化が行われたということが分かりました。
 その上で、今回、要望の中に壁面緑化を上層階までと要望されているんですが、計画で四階までになっているのはなぜでしょうか。さらには、ビルから住宅が見えてしまうなどのプライバシーの保護はどのようになっているのか伺います。

○澤井市街地整備部長 公園や周辺の緑と連携した緑豊かな計画とするため、中低層部の壁面を緑化することとしております。また、近隣の住宅と正対しないよう、建物の外壁形状を工夫するなど、プライバシー対策を講じております。

○銀川委員 プライバシー対策はぜひ強化していただきますようよろしくお願いをいたします。
 次に、ミタケコミチの防犯対策の強化を要望されていますが、どのような対策を取られるのか、伺います。

○澤井市街地整備部長 警備員が常駐し巡回するほか、死角が生じないよう監視カメラを設置する等の計画をしております。

○銀川委員 ミタケコミチの安全対策の徹底をぜひよろしくお願いをいたします。
 最後になるんですけれども、近隣住民との対話の場を確保することとされているんですが、今までどの程度このような機会を設けてきたのか、今後はどのようにしていくのか、伺いたいと思います。

○澤井市街地整備部長 東京都及び渋谷区は、事業実施方針等の策定に向けて、平成三十年十月から地元町会等と意見交換を実施しており、事業者決定後は、事業者と共に近隣住民向けの説明会を継続して開催してまいりました。今後も事業者に対し、近隣住民からの意見について真摯に対応するよう要請してまいります。

○銀川委員 承知いたしました。引き続き皆さんの声を聞いてもらうことを要望して、質問を終わります。

○西沢委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○西沢委員長 起立少数と認めます。よって、陳情七第一八号及び陳情七第二七号は、いずれも不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。

○西沢委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○小泉総務部長 資料3、令和六年度繰越説明書によりましてご説明いたします。
 今回のご報告は、令和六年度予算の繰越明許費繰越につきまして、地方自治法施行令第百四十六条第二項の規定によりまして、議会にご報告するものでございます。
 資料の一ページをご覧ください。初めに、番号1、令和六年度繰越明許費繰越総括表でございます。
 一般会計及び特別会計の各会計別に予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載してございます。
 合計欄をご覧ください。予算現額の右側の欄、繰越明許費予算議決額でございますが、六十五億一千八百万余円であるのに対して、その右側の欄、翌年度繰越額は五十九億九千九百万余円となってございます。
 三ページ以降は、事業別の内訳となってございます。
 まず、一般会計でございます。
 五ページをご覧ください。番号1、施設計画に関する調査でございます。繰越理由は、停留施設上屋建築工事に伴う関係機関との調整に日時を要したことによるものでございます。
 六ページをご覧ください。番号2、運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業でございます。繰越理由は、国の経済対策を踏まえ、燃料費高騰に直面する運輸事業者の負担軽減に向けた緊急対策として支援を行うものでございます。
 七ページをご覧ください。番号3、都市防災施設整備事業でございます。繰越理由は、先行工事の遅延によるものでございます。
 八ページをご覧ください。番号4、土地区画整理助成でございます。繰越理由は、先行工事の遅延及び土地区画整理事業に係る工事に伴い、事業者が関係機関との調整に日時を要したことによるものでございます。
 九ページをご覧ください。番号5、臨海都市基盤関連街路整備でございます。繰越理由は、富士見橋補修工事に伴う関係機関との調整に日時を要したことによるものでございます。
 一〇ページをご覧ください。番号6、都市改造でございます。繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整及び物件移転補償に伴う関係人の移転等に日時を要したことによるものでございます。
 最後になりますが、一一ページ以降は、臨海都市基盤整備事業会計でございます。
 一三ページをご覧ください。番号1、臨海都市基盤整備でございます。繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整に日時を要したことによるものでございます。
 以上をもちまして、令和六年度東京都一般会計予算、都市整備局所管分の繰越しについて外一件につきまして、ご報告を終わらさせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○西沢委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十五分散会