都市整備委員会速記録第五号

令和七年三月二十一日(金曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長西沢けいた君
副委員長本橋たくみ君
副委員長尾崎あや子君
理事石島 秀起君
理事加藤 雅之君
理事森口つかさ君
松田りゅうすけ君
平けいしょう君
銀川ゆい子君
あかねがくぼかよ子君
原田あきら君
ほっち易隆君

欠席委員 一名

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務谷崎 馨一君
次長小平 基晴君
技監小野 幹雄君
理事三宮  隆君
理事都市づくり政策部長事務取扱山崎 弘人君
総務部長山崎 太朗君
住宅政策本部本部長小笠原雄一君
次長住宅企画部長事務取扱松崎伸一郎君
技監青柳 一彦君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備委員会所管分
・第十三号議案 令和七年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十四号議案 令和七年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・第十五号議案 令和七年度東京都都市開発資金会計予算
・第十八号議案 令和七年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・第二十一号議案 令和七年度東京都都市再開発事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第七十九号議案 東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十号議案 東京都建築審査会条例の一部を改正する条例
・第八十一号議案 東京都建築安全条例の一部を改正する条例
・第八十二号議案 高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例
・第八十三号議案 宅地建物取引業法等関係手数料条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○西沢委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○西沢委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備委員会所管分、第十三号議案から第十五号議案まで、第十八号議案及び第二十一号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○石島委員 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和七年度予算案の一般会計の総額は九兆円を超え、東京都は多岐にわたって新規事業や既存事業の拡充に取り組むとしています。東京、そして日本が時代の転換点に直面している今、先送りできない課題への取組と未来に向けた投資的取組の両立が求められています。
 具体的には、激甚化する災害への対応、少子高齢化対策、感染症対策を見据えた地域医療の充実、カーボンハーフ実現に向けた環境対策や老朽化が進む各種インフラの整備、そしてDXの推進など、いずれも長期的展望に立ち、実効性を検証しながら計画的に取り組む必要があります。
 そして、東京の発展と地方創生は二律背反するものではなく、共存共栄こそが我が国の持続的成長を可能にするのであり、地方との連携をさらに進めていくことが求められています。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 最初に、都市整備局関係について申し上げます。
 一、都民の生命と暮らしを守り、首都東京の機能や経済活動を維持することができる強靱な都市を築き上げていくため、TOKYO強靱化プロジェクトを推し進めるとともに、都市づくりのグランドデザインを改定し、その都市像の実現に向けた取組を着実に推進されたい。
 一、東京外かく環状道路の一日も早い完成に向け、地域住民への配慮と安全確保に努めるとともに、東名高速から湾岸道路までの計画の早期具体化に取り組まれたい。
 一、区部の環状道路や多摩地域の軸となる幹線道路など、都市計画道路ネットワークの充実強化を図るとともに、都市計画が変更予定となった路線について都市計画手続を進められたい。
 一、鉄道ネットワークのさらなる充実を図るため、事業化に向けて検討などを進めるべきとされた路線等について、国と東京都の実務者協議会の場も最大限活用しながら、関係者との協議、調整を加速されたい。
 一、鉄道事業者と国が参画する協議会を活用して、JR中央快速線をはじめ、JR東日本の都内各駅でのホーム整備を支援するなど、ホームドア整備を推進されたい。
 一、羽田空港に関して、騒音対策、落下物対策、住民への周知徹底等に万全を期すとともに、一層の機能強化や国際化及び空港アクセスの整備とともに、臨海地域地下鉄の検討、東京BRT延伸に取り組まれたい。
 一、水の都東京の魅力を高めていくため、日本橋周辺のにぎわいあるまちづくりや舟運の活性化に向けた取組を進められたい。
 一、首都圏の高速道路に関して、平成二十八年に導入された料金体系の影響などを検証するとともに、国の検討状況も踏まえ、一体的で利用しやすい料金体系の実現に向け、積極的に取り組まれたい。
 一、今年度改定する防災都市づくり推進計画の基本方針で、新たに指定する防災環境向上地区に関しては、狭隘道路が多い区部においては住民との合意形成を図り、多摩の市部では意見交換会の開催を支援するなど、取組を効果的に展開されたい。また、延焼遮断帯内側の市街地の改善をさらに進めるため、区における防災生活道路整備事業や重点整備地域内の私道等の無電柱化を支援されたい。
 一、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を促進するため、区市町村等とも連携し、耐震診断結果を改修や建て替え工事に確実につなげられたい。住宅については、旧耐震基準の住宅に加えて、新耐震基準の木造住宅の耐震化を進めるとともに、障害者世帯の耐震化等を支援し、都内全体で耐震化を促進されたい。
 一、能登半島地震を踏まえ、液状化対策のための地盤調査や対策工事に関わる費用の助成、工法の認定取得支援を進め、戸建て住宅の液状化対策については、面的液状化対策の検討も進め、推進されたい。
 一、能登半島地震において復興が長期化している現状を踏まえ、都市の事前復興に対する都民への普及啓発を図られたい。
 一、地域の特性に応じた良好な市街地の形成に向け、土地区画整理事業、市街地再開発事業などの市街地整備事業を積極的に推進されたい。
 一、屋敷林など身近な緑の保全を目指す特別緑地保全地区指定に向けて、区市町村に対する土地の買取りや再生、整備への補助を促進されたい。
 一、大規模水害時に深刻な被害が想定される東部低地帯への備えとして、垂直避難先の確保や避難経路の整備推進に取り組む区を支援するとともに、高規格堤防整備の事業など高台まちづくりを加速されたい。
 一、国土交通省白書で示された流域治水への転換に関して、民間の企業とも協働し、都内の地域特性を踏まえた検討を進められたい。
 一、地域公共交通について、令和四年に取りまとめた基本方針に掲げる将来像の実現に向け、市区町村における計画策定を支援し、持続可能な地域公共交通計画の推進に努められたい。また、市区町村による地域公共交通の再編に向けた促進策を基本方針の改定に反映するなど、地元自治体の取組への支援を進められたい。
 一、路線バスの廃止や減便に伴い、公共交通の維持確保が社会的課題になっていることから、公共交通における自動運転技術の活用に向けて、技術、財政の両面から支援を進められたい。
 一、今年度策定する多摩のまちづくり戦略に基づき、成長と成熟が両立し魅力あふれる多摩地域を実現するため、まちづくりマッチングシステムの活用、道路交通ネットワークの充実など地元自治体と連携の上、地域特性を生かしたまちづくりに取り組まれたい。
 次に、住宅政策本部関係について申し上げます。
 一、空き家対策に関して、区市町村の地域特性に応じた取組への支援や情報提供の充実などにより、空き家の地域資源としての利活用を促進するとともに、区市町村支援事業も活用し、防災面からの老朽空き家対策などを進められたい。また、不動産業をはじめ関係団体との連携や専門家を活用した相談体制の整備などにより、空き家活用に取り組む事業者と所有者のマッチングを強化されたい。
 一、居住者の高齢化や単身化等が進む都営住宅において、子育て世帯のさらなる入居促進や高齢者世帯の生活支援の強化等により、多世代共生を推進するとともに、外国人入居の対応に取り組まれたい。また、都営住宅、公社住宅において、結婚予定者に対する支援に取り組まれたい。
 一、東京都住宅マスタープランを踏まえ、東京こどもすくすく住宅の供給の促進や、貸主等への支援の充実による東京ささエール住宅の登録促進と住宅確保要配慮者への円滑な入居支援を進められたい。
 一、マンションの適正管理や建て替え等による再生、耐震化の促進など、区市町村等とも連携し、住宅政策を総合的に推進されたい。また、宅地建物取引業免許申請等のデジタル化や都営住宅におけるBIMの活用など、行政手続等のDX化を進め、各種施策の改善に取り組まれたい。
 一、マンションの適正管理に向けては、管理計画認定制度の普及に向けた取組を進め、管理状況届出制度のさらなる活用により、管理状況を把握することで、個々の状況に応じた支援につなげられたい。
 一、マンションの耐震化促進に向けては、修繕積立てが不十分なマンションの把握に努め、管理組合の状況を踏まえつつ、区市町との連携、そして専門家派遣や耐震改修補助等の支援策を効果的に進められたい。
 一、マンションの防災力強化に向けては、町会、自治会など地域との連携や賃貸マンションオーナーへの働きかけとともに、災害時のエレベーター機能の維持も含め、東京とどまるマンションに対する支援の充実を図られたい。
 一、子育て世帯が住みやすい東京の実現に向けて、東京こどもすくすく住宅認定制度により、子育て世帯に配慮した住宅の供給を加速させるとともに、幅広く事業者の参画を促されたい。さらに、認定マークの認知度を高め、子育てに適した設備が備わり、コミュニティ形成に配慮された良質な住宅の選択が都内全域で可能となるように取り組まれたい。
 以上をもちまして、都議会自民党の意見開陳を終わります。

○平委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和七年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 令和七年度予算は、私たちがこれまで強く提案してきた人への投資に力点を置いた予算となっております。政策評価、事業評価、グループ連携事業評価の綿密な実施による財源確保額は過去最大を更新しており、ワイズスペンディングの深化がうかがえます。
 また、子育て、教育支援、若者支援、高齢者施策、女性活躍支援、障害者施策、防災、防犯施策、産業振興、環境施策、多摩・島しょ地域の振興など各分野において、私たちがこれまで繰り返し重点項目として要望してきた施策が反映されておられます。
 具体的には、保育料第一子無償化や無痛分娩費用の最大十万円助成、アフォーダブル住宅の供給促進、奨学金返済支援、シルバーパス制度の改善施策、女性活躍推進条例制定に向けた施策、特別支援学校等を卒業した後の進路調査、災害避難所環境の整備、防犯機器などの購入支援、カスタマー・ハラスメント防止条例施行に向けた企業団体奨励金制度、賃貸住宅の断熱改修強化策、多摩地域の学校給食費無償化や医療費助成支援、交通網の整備施策、地域医療確保に係る緊急・臨時支援事業等、私たちの要望に対し、幅広い分野にわたり予算が計上されたことを評価するものであります。
 今後も都民ファーストの視点から、東京のあるべき姿を的確に捉えながら、政策を着実に推進されることを要望いたします。
 それでは、各局事業について、まず都市整備局関係について申し上げます。
 能登半島地震を含め、昨今激甚化する地震や風水害など、自然災害から得られた知見や教訓を基に、都の防災まちづくり施策を強化すること。
 耐震化、無電柱化、不燃化、東部低地帯等における高台まちづくりの推進、グリーンインフラ等、雨水流域対策の強化、緊急輸送道路全体の通行機能の確保など、各防災対策を推進すること。
 戸建て住宅の耐震化においては、省エネやバリアフリー化などの改修の機会に合わせた耐震化を推進するなど、アドバイザー制度や補助制度を拡充し、区市町村と連携をした取組を進めること。
 首都直下型地震などによる人的、物的被害をおおむね半減させるという高い減災目標の下、重点施策として位置づけられている二〇〇〇年基準による住宅の耐震化を着実に推進すること。
 都内全域の不燃化を推進するため、既存の整備地域でも取組を一層強化するとともに、特定の対策が必要な木密地域についても、区市の取組を促進すること。
 都立公園におけるグリーンインフラの整備に当たっては、その貯留浸透や遮熱効果、生物多様性などの効果検証を進め、その成果について都民に分かりやすく共有すること。
 グリーンインフラ整備の関心を高めるため、導入実績や検証結果を気軽に確認できるよう、自治体への情報提供などの広報強化を推進すること。
 緑あふれる公園、広場、農地等の整備、緑を伴う都市開発のインセンティブを強化していくこと。
 まちづくりに合わせた緑の創出として、壁面緑化や階層状につながる立体緑化などの取組を促進すること。
 生産緑地公園補助制度並びに緑あふれる公園緑地等整備事業について、さらなる拡充と市区町村への活用を促進すること。
 東京の新たな活力と魅力を高めるため、水辺を生かす舟運や水辺空間の利用、緑を生かす公園や都市農地の活用、空を生かす首都高地下化や無電柱化、グリーンインフラの整備など、次世代の都市空間の形成を進めること。
 都内各地域において、東京の国際競争力を高める都市再生を推進すること。
 東京ベイeSGプロジェクトの推進、KK線を活用したTokyo Sky Corridorの整備、自動運転社会を見据えた道路、都市環境整備や自転車通行空間、駐輪場の整備、鉄道の時間差料金制、総合的な駐車場対策など、人中心のまちづくりを強力に推進すること。
 都市部における住宅価格の高騰や住宅の不足について動向を注視し、特定エリアの開発や再開発計画において、新築住宅の一定の割合をアフォーダブル住宅とすることを義務づけるなど、都市計画における取組を検討すること。
 ホームドア設置促進によるJR中央・総武線のホームドア設置を確実に進めること。
 燃料価格高騰の影響を受けている中小貨物運送事業者、乗合バス事業者、中小貸切バス事業者及び中小タクシー事業者に対しては、高騰分の実態に沿った支援金を交付すること。
 空港アクセス線、多摩都市モノレール、多摩南北道路、ベイエリアのアクセス線、舟運等の水上交通、都市計画道路、外環道など、東京の国際競争力を高める交通ネットワークを安全かつ着実に整備すること。
 舟運が身近な交通手段として定着をするよう、船着場のアクセス向上に向けた取組や観光利用への取組、バリアフリー化などの支援を促進すること。
 関係各局と連携をしながら、EVの充電環境、水素ステーションなど、ゼロエミッションビークルのインフラ導入を推進すること。
 自動運転技術の社会実装に向け、取組を加速されること。
 デジタルツインや都市OS構築など、デジタルを効果的に活用したまちづくりを強力に推進すること。
 多摩地域のさらなる発展に向け、広域防災拠点へのアクセスルート確保や、多摩都市モノレールの整備や道路交通ネットワークなど、都と連携をしたまちづくりを推進すること。
 多摩都市モノレールの子供運賃割引を着実に実施し、子育て環境の整備や周辺のまちづくりの進展につなげること。
 区市町村運営のコミュニティバス、デマンド交通への支援や、安全面に配慮した上で自動運転、新モビリティーを推進すること。
 次に、住宅政策本部関係について申し上げます。
 住宅は生活の基盤であると同時に、都市を形づくる基本的な要素であり、住宅マスタープランに基づく施策を着実に実施すること。
 若者、子育て世代、ひとり親、高齢者、障害者など、様々な観点から住宅確保に配慮を要する方々の住宅確保に向けた取組を強化すること。
 経済的に不安定な若者世代に対する住まいへの取組を拡充するなど支援を行うこと。
 高齢単身世帯の増加を見据え、見守りなど多様化するニーズに配慮するなど、高齢者が生き生きと暮らせる住宅の普及を推進すること。
 住宅の太陽光発電の整備、断熱性能の強化や多摩産材などの木材建築の普及支援を実施し、ゼロエミッション東京の実現に向けた取組を強力に推進すること。
 住宅における太陽光パネルの設置、断熱性能の向上、蓄電池の設置、テレワーク対応など、新たな日常に対応した住宅施策を推進すること。
 都民の主要な居住形態であるマンションにおいて、防災対策の強化や環境性能の向上、適正管理を促進すること。
 マンション適正管理に向け、届出制度の適切な運用を行うとともに、把握された適正管理に関する課題を踏まえ、管理組合の機能強化に向けた支援を行うこと。
 マンション防災の推進において、町会、自治体と連携をして防災訓練を行う場合、備蓄品や資器材の購入補助率を高めるなど、東京とどまるマンションのさらなる普及に努めること。
 都営住宅に関して、都民の財産として公平に活用されるよう、流動化を高めるような活用方法などを戦略的に取り組むこと。
 空き家対策について、市区町村が円滑に制度を運用できるよう国に働きかけるとともに、市区町村への技術的な支援をすること。
 都心部における住宅価格の高騰や住宅の不足についての動向を注視し、民間事業者による空き家の活用やシェアハウスへの改修を促進するなど、子育て世帯などが住みやすいアフォーダブル住宅の供給を推進すること。
 以上で意見開陳を終わります。

○加藤委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和七年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和七年度一般会計予算案では、保育料の第一子無償化や子供の医療費助成における所得制限の撤廃、アフォーダブル住宅の供給促進、さらには新たな調節池の事業化や防犯機器の購入支援など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価をいたします。
 また、基金の活用を図る一方、事業評価で過去最高となる一千三百三億円の財源確保へとつなげています。急激な景気変動にも耐えられるよう、基金のさらなる積立てなど財政基盤の一層の強化を求めるものです。
 あわせて、予算の執行段階においても、さらなる創意工夫を行い、無駄の排除の徹底や迅速かつ的確な事業実施を行うとともに、事業評価では新公会計制度の発生主義による行政コストをさらに活用するなど、施策の新陳代謝の一層の促進を強く求めます。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、都市整備局関係について申し上げます。
 一、都市インフラや施設の更新を進め、活力と魅力に満ちた東京の再構築に向け、都市開発諸制度を活用して国際競争力を強化すること。
 一、木造住宅密集地域の不燃化、耐震化のために、公有地や民間による種地活用を図り、商店街などを含めた魅力あるにぎやかな移転先の絵図を描くなどして、関係者の意欲を高めること。
 一、危険度判定の取組では、相対評価から、各地の努力を正確に評価できる絶対評価への切替えを早期に実現すること。
 一、建築物の耐震化について、特定、一般を問わず緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に向け、所有者や占有者等への訪問活動などを強化し、不安の解消と耐震の促進に努めること。共同化や街区再編、区市町村への支援を強化して、所有者の負担軽減を図り、整備地域の周辺を含め、都内全域で耐震化の加速を図ること。
 一、地震被害の低減に向けて、旧耐震基準の住宅に加え、平成十二年以前に建築された新耐震基準の木造住宅の耐震化を進めるとともに、介護等が必要な高齢者への耐震化を支援し、住宅の耐震化を促進すること。また、液状化被害の低減のため、新築、既存を問わず、戸建て建築物における対策や面的液状化対策を進めること。
 一、国答申に位置づけられた鉄道整備に向けて取り組むこと。加えて、通勤混雑の緩和、ホームドアの一〇〇%整備、駅出入口の完全バリアフリー化、防犯カメラの設置促進などを目指し、具体的な整備は、優先順位を明確にして補助を強化すること。
 一、タクシーを含むデマンド活用やBRTの推進、既存交通事業者への支援などにより、地域公共交通の充実を図るとともに、基本方針の改定を進めていく中で、より幅広く区市町村を後押しする取組について検討すること。
 一、都議会公明党が推進したタクシーや貸切バスも含めた運輸事業者への燃料費高騰緊急対策について、燃料価格の推移と国の動向を踏まえつつ、対策を継続すること。
 一、舟運について、災害時にも対応し、観光面からも魅力のある交通網とすること。
 一、羽田空港アクセスの複層化と時間短縮を図るとともに、安全な空路の不断の見直し、新技術による騒音抑制、落下物防止などを国に求めること。
 一、多摩のまちづくり戦略で示したプロジェクトを推進し、成長と成熟が両立した多摩の実現に向けて取り組むこと。
 一、所有者不明土地の活用と発生防止に向け、国や関係機関との連携を強化すること。
 一、築地地区のまちづくりについて、事前の土壌調査及び土壌汚染対策などに万全を期すとともに、事業者提案が都民の賛同を得られるよう議会で審議を尽くすこと。
 一、環境先進都市東京を目指し、快適な水環境、水と緑の回廊の実現を図ること。
 一、建築確認申請図書の保存年限見直しと電子化を進めるとともに、民間確認機関との協議を進め、官民を通じた統一的な取組や相談対応のワンストップ化を図ること。
 一、屋外広告物の適正な在り方を目指し、広告宣伝車については条例の施行規則の改正を踏まえ、都内を通過する全ての車両を対象に取組を推進すること。
 次に、住宅政策本部関係について申し上げます。
 一、東京都住宅マスタープランに基づき、関係部門との連携を図り、二〇五〇東京戦略に掲げた政策をはじめ、住宅施策をより強力かつ機能的に推進すること。
 一、ゼロエミッションの達成に向け、既存住宅の省エネ改修、木造ビルの建築促進を支援すること。また、都営住宅等でも既存を含めた省エネ改修を進めるほか、太陽光発電や省エネ機能の強化を図ること。
 一、管理不全マンション防止のため、管理状況届出制度の円滑な運営を図るとともに、分譲マンション総合相談窓口の拡充やアドバイザーの無料派遣などによって、適正管理を促進すること。あわせて、老朽マンション等の再生を一層加速させること。加えて、マンション価格高騰に対して、マンションの実態を十分に把握しながら、幅広い側面から検討し、対応すること。
 一、東京の防災力向上を図るため、マンション居住者の在宅避難に資する施策を展開するなど、東京とどまるマンションの普及拡大に加え、幅広く分譲、賃貸マンションへの防災上の支援を一層強化すること。
 一、都営住宅について、機能、設備の向上に努めるとともに、建て替え事業の促進を図ること。建て替えに当たっては創出用地を活用し、地元の要請に応えた福祉、にぎわいインフラ整備に協力すること。また、小笠原村における住宅政策を総合的に進めること。
 一、令和七年度末までの都営住宅耐震化率一〇〇%の達成に向けて、分譲店舗付住棟での権利者との合意形成を強力に進めること。
 一、都営住宅居住者の高齢化に対応し、建て替え時の荷物整理などの不安の軽減に努めること。加えて、見守り機能や福祉施策との連携を強化すること。
 一、都営住宅居住者の世代間バランスを図るとともに、自治会活動に参加する学生入居の促進や移動販売の拡大など、コミュニティの活性化に取り組むこと。
 一、都営住宅共用部の維持管理は都が積極的に取組を進め、団地自治会の負担軽減に努めること。加えて、住民トラブルの原因となりやすい不適切な住まい方の是正や外国人居住者への対応など、自治会への支援を強化すること。
 一、子育てや単身高齢者の生活の質の改善につながる、ゆとりある都営住宅間取りへの改善を強化すること。また、社会的な単身化の進展に即応し、入居資格の範囲や一人当たりの面積基準を見直すとともに、定期募集や毎月、随時募集等において不断の見直しを進め、募集戸数の拡大や募集の改善を図ること。また、単身の若者等に都営住宅の空き住戸を活用して、住宅と就労の支援等がセットになった施策を講じ、成功事例を重ねること。
 一、高齢者が住み慣れた地域で安心して住み続けられるように、サービス付高齢者向け住宅の一層の供給促進に取り組むこと。
 一、管理期間が終了した都民住宅について、都として最大限の配慮に努めること。
 一、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、東京ささエール住宅の専用住宅の登録促進、公社住宅を含む家賃低廉化補助の適用拡大を目指し、都市開発諸制度の活用を含め、制度の普及と醸成に努めること。加えて、高齢世帯などが抱える様々な不安の軽減に向け、居住支援法人などの育成や活用を的確に導くこと。
 一、東京こどもすくすく住宅について、安全性の確保を最優先にするとともに、子育て世帯の様々なニーズに応じた住宅が供給されるよう、事業者の幅広い取組に対して支援を行うこと。
 一、高齢者支援でも、東京こどもすくすく住宅と同様の支援策を確立し、適切な誘導策を整えること。
 一、空き家対策として、相談窓口のワンストップ化を図るとともに、区市町村への支援等を積極的に行うほか、空き家対策へ取り組むことへの安心感の醸成を図ること。
 一、水没しない垂直避難場所として、都営住宅や公社住宅の空き室提供について、積極的に区市等からの要請に対応すること。
 以上をもちまして、都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。

○原田委員 二〇二五年度東京都予算案について、日本共産党都議団を代表して意見開陳を行います。
 都市整備局分予算案の特徴の第一は、予算額九百八十六億円のうち、都市再開発や都市計画道路などに予算規模の約半分が注がれていることです。
 東京のまちづくりは、既に持続不可能であることが明らかです。都市再開発は住環境、自然環境を破壊し、高輪築堤や神宮外苑など歴史遺産も破壊される事態が続いています。さらには、投機マネーの流入により都心から周辺地域への住宅価格を高騰させており、住民生活を脅かしています。ベイエリアでは交通インフラ不足、すし詰め状態の学校など、社会インフラ不足が深刻化するなど、まさに都市無計画です。
 一方で、災害に対する脆弱さは放置されたままです。乱立する超高層ビル自体が大震災のリスクを拡大させています。開発への莫大な補助金を改め、住宅耐震や木密地域の解消、あるいは自治体の行う雨水浸透型流出抑制策など、水害対策への支援にこそ大規模な予算を注がねばなりません。
 江東区に続き、新宿区でも超高層マンションの規制が言及されるようになりました。東京都のまちづくりの在り方は抜本的な転換が急務です。
 住宅政策本部の二千四百二十七億円余の予算は、都営住宅の新規建設や家賃補助制度の創設など、その規模を大きく引き上げる必要があります。住宅に困窮する若者や就職氷河期世代に都営住宅入居の門戸を開いたこと、ウクライナ難民の受入れなどは重要で、各会派から、さらなる受入れを求められました。この点からも新規建設は待ったなしです。真に都市整備局、住宅政策本部が都民の安心で安全な住み続けられる東京の実現のために機能することを求めて、以下、各局について意見を述べます。
 初めに、都市整備局についてです。
 都市再開発がもたらす住宅価格の高騰について調査分析し、都の誘導策の在り方を抜本的に改めること。
 臨海地域全体の巨大再開発計画となる東京ベイeSGプロジェクトはやめること。
 築地まちづくりは、その都度、都民に情報を公開し、浴恩園の遺構を保存するなど、歴史と文化の保全に努めること。
 神宮前五丁目地区まちづくり方針(案)は、旧こどもの城などの機能、役割が果たせるよう、住民の声をよく聞き、子供、若者が中心となる施設にすること。歴史的な風景である琵琶池は残すこと。
 多摩のまちづくり戦略については、行政や企業主導にせず、住民本位の方針策定を進めること。
 住民合意なく都市計画公園を削除し、風致地区の規制を無視した神宮外苑地区地区計画を見直すこと。
 木造住宅密集地域の安全化対策は、幹線道路の整備や再開発優先ではなく、住民合意を重視し、耐震化、難燃化、不燃化にこそ予算を傾注するよう抜本的に見直すこと。
 緊急輸送道路の沿道建物耐震化を進めるために、テナントビルの占有者などへの支援の強化、訪問や働きかけを行う体制の強化を図ること。
 住宅の耐震化は、住宅所有者の個人責任に任せるのではなく、地震被害から都民の生命、財産と地域を守るための公共事業と位置づけ、定額制を導入し、予算を抜本的に増額すること。
 浸水被害防止のため、一時貯留施設や雨水浸透ますの設置など流域対策の大部分を都が負担するなど、幅広く自治体、個人ともに支援すること。
 洪水対策として、完成のめどの立たない高規格堤防を含む高台まちづくりを地元に押しつけないこと。
 外環道の東名以南延伸の計画検討を中止すること。
 地域公共交通は民営であれ都営であれ、不採算でも支えることが必要な公共サービスだという立場で、政策の大転換を行うこと。運転士不足解消への対策を強化すること。
 コミュニティバス、デマンド交通の運行費補助は抜本的に拡充すること。
 鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方に基づき、一刻も早く都内全ての駅へ可動式ホーム柵、ホームドアの設置を進めること。
 鉄道駅や車両内の移動や情報提供などのバリアフリー化を支援し、必要な全ての場所へのエレベーター、エスカレーター設置をさらに推進すること。要望のあるところは、複数ルートの設置を行うこと。
 緑地の総量を大きく増やすため、緑地、樹林地の保全をさらに積極的に進めること。
 耐え難い騒音、落下物、墜落事故などの危険が避けられない羽田新飛行ルートの中止を国に求めること。
 羽田新飛行ルートによる騒音、落下物について、地元区、住民と連携して詳細に調査をすること。
 墜落死亡事故を起こした横田基地配備のCV22オスプレイは欠陥機であり、撤退を国と米軍に強く求めること。
 オスプレイはじめパラシュート訓練など危険な訓練をやめるよう強く要請すること。
 米軍ヘリの都心や島しょでの低空飛行について米軍に強く抗議し、中止を求めること。
 PFAS、有機フッ素化合物汚染水漏出問題での横田基地立入調査を早急に行うこと。
 米軍機の飛行訓練の回数、飛行高度、騒音や健康被害など、米軍や基地によって生じる様々な問題の調査を行うこと。
 日米地位協定の見直し、横田基地や赤坂プレスセンターなど米軍基地の撤去を強く求めること。
 次に、住宅政策本部についてです。
 SDGsの二〇三〇アジェンダ及びハビタットⅢの合意に基づき、全ての都民に適切な環境と広さがあり、安価な住宅に住むことができる権利を保障すること。
 都として、家賃高騰への緊急対策として家賃補助制度を創設すること。
 東京都住宅供給公社の供給を再開し、所得に応じた家賃で住み続けることができる都型社会住宅を大幅に供給すること。
 都営住宅の新規建設を再開するとともに、建て替え時に戸数を増やすこと。
 UR住宅や公社一般賃貸住宅をはじめ借り上げ都営住宅制度を実施すること。
 都営住宅の障害者向けの募集戸数を思い切って増やすこと。
 期限付入居制度を廃止し、若年世帯の入居枠を都内全地域に拡大すること。
 大学と協定を締結し、都営住宅に学生が入居できる取組をさらに拡充すること。
 都営住宅を活用した若年・中年単身者の就労自立モデル構築事業をさらに拡充すること。
 都営住宅の使用承継の基準を、一親等の同居家族にまで拡大すること。少なくとも生活保護受給者は直ちに承継の対象とすること。また、未成年者だけが残された場合についても、直ちに承継の対象にすること。
 型別供給は廃止し、住まいは人権の立場から、十分な広さの住戸を提供すること。
 都営住宅のバリアフリー化、本人設置の風呂釜、浴槽の公費による更新を促進し、修繕費負担区分の見直しで居住者負担を軽減すること。全ての住棟で、エレベーター設置を急ぐこと。また、共用部分の電灯のLED化など省エネ化を急ぐこと。
 太陽光発電設置、断熱を推進し、都営住宅こそゼロエミ住宅として位置づけること。
 都営住宅の入居者の高齢化に伴い、草むしりや清掃などが困難となっているため、都の責任で費用を賄うよう、分担の見直しを行うこと。
 公社住宅の低所得入居者に減額制度を創設すること。
 公社住宅のバリアフリー化、階段室型住棟へのエレベーター設置を進めること。共用部のLED化を推進すること。太陽光発電設備の設置、断熱など省エネ、再エネの推進を行うこと。
 エレベーターやトイレについて、震災発生後の早期利用再開のための支援、閉じ込め防止策やマンホールトイレなどの設置補助を検討すること。
 マンションの耐震診断、改修への助成率、上限額を引き上げるとともに、大規模改修による防災機能向上にも助成すること。
 都は第三者管理を押しつけず、マンション管理組合が自主的に管理できるよう育成支援を進めること。
 以上です。

○銀川委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和七年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 東京都の令和七年度予算は、都税収入の増加を背景に、前年度当初予算に比べて七千五十億円増加し、九兆一千五百八十億円の一般会計予算額となりました。
 私たちは、未来に向けた投資をするとともに、障害の有無や年齢、性別、雇用形態を問わず、個性と能力を十分に発揮することができる東京を実現することが必要との基本的理念の下、都内経済や都民の暮らし、生活に対する満足度を向上させる取組が十分行われるか、政策の持続可能性は十分かとの観点から、予算案に対する質疑を行ってきました。
 東京都議会立憲民主党が提案してきた全自治体での給食費無償化に必要な予算がようやく盛り込まれたこと、カスタマーハラスメント対策実施に必要な各種事業、教員等への奨学金返済支援などが予算計上されたことは施策の前進であり、率直に評価をいたします。
 一方、歴史的な物価高騰が都民生活を直撃している中で、中小企業による物価高騰を上回る賃上げを下支えするための施策がこれまで以上に求められています。
 また、子供、子育て支援策の所得制限撤廃、教育の完全無償化、家賃補助の実施など私たちが重点的に求めてきた施策の実施に必要な予算が盛り込まれなかったことは極めて遺憾です。
 加えて、私たちは予算案の審議を通じて、各種計画や政策の効果検証や事業展開に関する計画立案等について、東京都が求められる説明責任を十分果たしていないことについても、重大な懸念を持っております。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
 まずは、都市整備局について述べます。
 一、子育て世帯などが手頃な価格で安心して住むことができるアフォーダブル住宅の供給が求められている。まちづくり制度を活用し、一定規模の開発事業者に対して、開発協力金の提供やアフォーダブル住宅の附置義務を課すことなどで、住宅供給を促進すること。
 一、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化一〇〇%実現のため取り組むこと。都市型震災の教訓を生かし、建築物による被害リスクを減じる改修を進め、液状化対策を推進するなど、さらなる防災力向上に取り組むこと。
 一、不燃化特区制度を活用した事業、木造住宅密集地域整備事業、都市防災不燃化促進事業、防災生活道路等整備促進事業、整備地域不燃化加速事業などを実施し、震災時の被害を軽減できる災害に強いまちづくりを推進すること。
 一、震災時に命を守る対策として、新耐震住宅の耐震化促進策に取り組み、誰も取り残さない耐震化を進めること。
 一、国際競争力の強化に資する都市の再生においては、都心部だけではなく、都内各地域の特色や個性を生かして位置づけること。
 一、鉄道事業者がホームドア整備を効率的に進めやすくするよう支援すること。
 一、ホームドアの早期整備が難しい駅についても、鉄道事業者がITやセンサーなどの技術を活用しながら、積極的に転落防止対策を講じていくよう後押しすること。
 一、都民の利益に資する東京メトロと都営交通とのサービス一体化に向けて取り組むこと。
 一、北千住駅の常磐快速線と東京メトロ千代田線の乗換えなど複数の出入口が離れた駅や路線相互に高低差がある駅において、地元区市を後押しして、乗換えルートの改善に向け取り組むこと。
 一、つくばエクスプレスとの一体整備が期待される臨海地下鉄の事業化について早期に取り組むこと。
 一、物流の二〇二四年問題への対応、ドライバーの負担軽減のため駐車対策に取り組み、荷さばき用駐車スペースの確保を早急に進めること。また、実態調査を進め、対応を実施すること。
 一、バス運転士不足などによるバス路線の減便、廃止などの課題解決に向け、国などと連携して支援の充実を図ること。
 一、PFASを含む泡消火剤が米軍横田基地から漏えいした問題の再発防止に向け、国と連携しながら米軍と協議し、速やかな情報提供を求めること。また、横田基地では、PFASを含む泡消火剤の交換が行われており、国や関係自治体と共に、それらの安全処理などを米軍に求め、立入調査で確認できるよう尽力すること。
 一、気候変動に伴って降雨量が増加し、水害リスクが増えるため、総合的な治水対策を進めるとともに浸水被害を防止すること。
 次に、住宅政策本部について述べます。
 一、住宅に困窮している世帯など、必要とする全ての人に対し、家賃補助などの新たな住宅施策が求められている。都内自治体において、家賃補助を開始する動きが出ている中、都においても家賃補助制度を新設すること。
 一、家賃補助制度については、都内の空き家が約九十万戸ある中で、既存の民間賃貸住宅をもっと活用することで、住まいの安心確保を図ること。
 一、子育て世帯の家賃負担の軽減、住まいのサポートを実施すること。
 一、空き家対策において、管理不全空き家として勧告を受けると固定資産税、都市計画税の住宅用地の特例から除外されるが、現場確認などは特別区が行うため、インセンティブが働きにくい。管理不全空き家に対する取組が着実に進められるよう、支援策の拡充に取り組むこと。
 一、東部低地帯に位置する江東五区においては、災害対策に理解のあるマンション管理組合などを対象に共用部分における防災備蓄などの増強を支援すること。地域住民の垂直避難に関する協定を結ぶなど、地域も含めたとどまるマンションの普及に取り組むこと。
 一、子育て世帯に配慮した住宅の供給を推進する上で、東京こどもすくすく住宅認定制度を促進すること。
 以上で、東京都議会立憲民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○松田委員 東京維新の会を代表して、当委員会に付託されました令和七年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通予算について申し上げます。
 一般会計の予算総額は九兆一千五百八十億円で、前年度対比八・三%増で、過去最大だった六年度予算を上回りました。
 都税収入は、企業収益の堅調な推移による法人二税の増や雇用、所得環境の改善に伴う個人都民税の増などにより、過去最高だった前年度を八・五%上回る六兆九千二百九十六億円と見込まれております。
 ただ、世界情勢の不安定化が依然として続いており、特に中東や東欧における地政学的リスクの高まり、米国や欧州の金融政策の影響、中国経済の減速など日本経済に与える影響は無視できません。さらに、円安が継続していることにより、輸入品価格の上昇が続き、食料品やエネルギーコストの高騰が家計を直撃しています。
 法人二税は増収となっていますが、これは経済成長の恩恵というよりも、インフレや円安の影響が色濃く反映された結果であり、今後の日本経済、そして企業の先行きは引き続き不透明です。実質賃金の伸び悩みが続く中、物価高による都民生活はますます圧迫され、特に中小企業や低中間所得層への影響が懸念されます。
 来年度以降の歳入減への備えや必要な事業への予算確保、緊急的な財政出動への対応に加え、現在の東京都の税収状況を踏まえれば、減税による都民への還元も十分に実現可能です。そのため、既存事業の見直しにとどまらず、新規事業の立案についても、持続可能な成長を見据えた視点で予算組みをしていくべきです。
 新規事業の立案や既存事業の見直しにおいては、広域自治体としての東京都がやるべき事業なのか、それとも基礎自治体に財源、権限を移譲した方が効率的に事業を行えるのではないかと、事業を棚卸ししていく必要があります。また、多様化する都民のニーズは行政で全て網羅することはできず、民間でできる部分は民間へと移行することも重要です。
 都政においては、その事業は未来への投資となっているのか、将来への負担を増やすものとなっていないかを物差しとして、ゼロベースで事業を見直すことが必要です。
 最後に、九年前の知事の公約でもあった聖域なき事業の見直しの継続、外郭団体の統廃合による業務の効率化、都有財産の有効活用促進の公約を実現することを要望し、各局事業に移ります。
 まず、都市整備局関係について申し上げます。
 首都直下型地震に備え、災害に強い首都東京の形成への取組を推進すること。
 災害後、迅速な都市復興に向けた事前の取組の強化を推進すること。
 被災時の電波、電源環境のバックアップ設備の見直しを行い、情報難民をつくり出さないこと。
 災害時に備え、無電柱化を推進するとともに、交通の要所にIoTセンサーを設け、まちの混雑状況を可視化し、瞬時に状況を共有すること。
 世界的な開発競争が生じている自動運転を支援し、公道実験の推進等により、早期の実用化を図ること。
 駅の安全性と快適性を高めるため、ホームドア、多機能トイレの整備など、バリアフリー化をより一層進めていくこと。
 次に、住宅政策本部関係について申し上げます。
 都営住宅入居者だけでなく、入居できなかった住宅確保要配慮者に対しても包括的な支援を進めていくこと。
 都営住宅の建て替えに伴う創出用地の民間への売却や民間活用事業を促進すること。
 東京都住宅供給公社等の外郭団体への負担金の在り方を見直すこと。
 民間住宅において、多摩産材を含む国産木材の使用を推進するような環境づくりを進めること。
 首都直下型地震におけるエレベーター閉じ込め件数の被害想定を基に、早期救出に向け、東京都として具体的なロードマップの策定を進めること。
 災害時には、賃貸型応急住宅、建設型応急住宅を迅速に提供できる体制づくりを進めること。
 空き家対策については、都内で今後も増加傾向にあり、実態把握だけでなく、市区町村支援事業とも連携しながら、空き家所有者へのアプローチを引き続き進めること。
 以上、意見開陳を終わります。

○西沢委員長 以上で予算案に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○西沢委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第七十九号議案から第八十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第七十九号議案から第八十三号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認めます。よって、第七十九号議案から第八十三号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○西沢委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○西沢委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、谷崎東京都技監から発言を求められておりますので、これを許します。

○谷崎東京都技監 当委員会所管両局を代表いたしまして、一言御礼のご挨拶を申し上げます。
 西沢委員長をはじめ委員の皆様方には、このたびの定例会に提案いたしました議案につきまして、ご審議の上、原案のとおりご決定をいただき、誠にありがとうございました。
 ご審議の過程でいただきましたご意見、ご指摘等につきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと考えております。
 今後とも、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、大変簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。

○西沢委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十三分散会