都市整備委員会速記録第十三号

令和六年十月三十一日(木曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長西沢けいた君
副委員長本橋たくみ君
副委員長尾崎あや子君
理事石島 秀起君
理事加藤 雅之君
理事森口つかさ君
松田りゅうすけ君
銀川ゆい子君
平けいしょう君
原田あきら君
斉藤やすひろ君
ほっち易隆君
あかねがくぼかよ子君

欠席委員 なし

出席説明員
住宅政策本部本部長小笠原雄一君
技監青柳 一彦君
住宅企画部長松崎伸一郎君
民間住宅部長鈴木 誠司君
都営住宅経営部長栗谷川哲雄君
連絡調整担当部長大和田隆夫君
住宅政策担当部長丸山 宏司君
企画担当部長住宅市場担当部長兼務都築 裕樹君
技術企画担当部長DX推進担当部長兼務相羽 芳隆君
民間住宅施策推進担当部長三宅 雅崇君
経営改革担当部長小町 高幹君
都営住宅企画担当部長平松 紀晴君
建設推進担当部長小久保信一君
営繕担当部長小野寺弘樹君

本日の会議に付した事件
理事の互選
住宅政策本部関係
事務事業について(質疑)

○西沢委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、委員の退職について申し上げます。
 議長から、去る十月十五日付をもって、公職選挙法第九十条の規定により、土屋みわ委員が議員を退職した旨の通知がありましたので、ご報告いたします。

○西沢委員長 次に、土屋みわ議員の退職に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○平委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○西沢委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認めます。よって、理事には石島秀起委員をご指名申し上げます。
 これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認めます。よって、理事には石島秀起委員が当選されました。
 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますので、ご了承願います。

○西沢委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松崎住宅企画部長 去る十月十日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 都市整備委員会資料をご覧ください。
 目次に記載のとおり、資料は二件でございます。
 まず、一ページをご覧ください。1、住宅政策本部所管の附属機関の委員報酬額及び開催状況でございます。
 (1)では、委員報酬額を、(2)では、過去三年間の開催状況を記載してございます。
 二ページ、ご覧ください。2、政策連携団体・事業協力団体の職員構成でございます。
 過去五年分の職員構成を団体別に記載してございます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○西沢委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○本橋委員 よろしくお願いいたします。
 まず、ささエール住宅について伺ってまいります。
 さきの決算委員会においても、我が会派の伊藤議員から質問させていただきました。都は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない東京ささエール住宅の、特に専用住宅の供給に向けて取り組んでおられますが、令和五年度の補助制度の実績はあまり上がっていないとのことでありました。
 賃貸住宅のオーナーの方々に都の補助制度を知っていただき、利用を促進していくためには、貸主との関係が深い不動産業団体との協力が不可欠であります。東京ささエール住宅の専用住宅の登録促進に向け、業界団体とこれまでどのような連携を行ってきたのか伺います。

○鈴木民間住宅部長 東京ささエール住宅の専用住宅の登録促進のためには、現場の実態を把握している不動産業や賃貸管理業等の賃貸住宅に関わる業界団体との連携が重要でございます。
 不動産業団体とは、かねてより会報誌で補助制度の紹介を行っており、今年度は、会員企業が貸主からよく聞かれます、専用住宅に登録したら高齢者や障害者、外国人など、住宅確保要配慮者全ての属性の方を受け入れなければいけないのかなどの質問への回答を掲載し、顧客対応に役立つ情報を提供しております。
 また、貸主に登録を促すには、貸主と関わりの深い管理会社の理解と協力を得ることも効果的であり、昨年度から、管理会社の業界団体に会員企業向けのセミナーの開催を委託し、管理会社から貸主への働きかけの強化を図っております。

○本橋委員 業界団体と連携して、貸主に対する普及啓発に取り組んでおられることは評価をいたします。
 しかしながら、各企業の担当者も大変忙しく、制度を勉強する時間を取ることが難しいとのご意見もあります。そのような方にも制度の周知を図っていくための工夫も必要ではないかと考えます。
 そこで、専用住宅の登録促進に向けて業界団体と連携を深めていくため、どのような工夫をしていくのか伺います。

○鈴木民間住宅部長 専用住宅の登録促進をさらに進めていくためには、賃貸住宅に関わる業界団体が取り組みやすくしていくことが必要でございます。
 例えば、管理会社の業界団体に委託して開催するセミナーにつきましては、今後、対面からオンラインでの開催に変更し、会員企業が業務の都合に合わせて柔軟に参加できるように改善を図ってまいります。
 内容につきましても、実際に要配慮者を多く受け入れている貸主から、配食サービスを利用した入居者への見守りの工夫や、死後事務委任契約を活用した残置物処理の事例等を紹介していただき、貸主が抱く不安の軽減を図る実践的なものとしてまいります。
 こうした取組を積極的に行いながら、業界団体との連携を一層強化し、専用住宅の登録促進に向けて取り組んでまいります。

○本橋委員 今後は、各企業の方々が参加しやすくなるように、オンラインによるセミナーを開催するとのことでありました。このような業界団体との連携を今後とも進め、東京ささエール住宅の供給促進に取り組んでいっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、ウクライナ避難民への支援について質問をしていきます。
 ロシアによるウクライナへの侵攻も長期化し、日本にいるウクライナ避難民の方への支援に力を尽くしていくべきだと考えます。特に、生活の基盤となる住宅の提供は重要で、都営住宅に多くのウクライナ避難民の方を受け入れていると聞いています。
 ウクライナ避難民を最初に都営住宅に受け入れてから、これまでの受入れ実績について伺います。

○小町経営改革担当部長 令和三年度末から現在に至るまで、都営住宅等へ受け入れたウクライナ避難民の方々の総数は、令和六年十月二十八日時点で三百五十五組、五百五十人となっております。

○本橋委員 これまでに多くの避難民を受け入れていることが分かりました。
 ウクライナ避難民の方々が、避難生活が長くなり、日本での生計を立てざるを得ない状況になっていると思われます。日本で自立して生活していくための基本的な環境整備は国の仕事と思いますが、具体的な支援の内容について伺います。

○小町経営改革担当部長 国におきましては、令和五年十二月に改正出入国管理法が施行され、原則として、難民と同様の在留資格を得られる補完的保護対象者認定制度が創設されました。この制度では、補完的保護対象者と認定された場合、定住支援プログラムによる日本語教育や生活ガイダンスを受講できるなど、日本での自立に向けた支援が本年四月から実施されていると承知しております。

○本橋委員 国でも新たな制度をつくり、避難民を支援しているとのことでありますが、避難民の方が自立に向けて取り組む上でも、住宅が確保されていることは心強いことと思われます。
 生活するに当たり、住宅だけでなく、住戸内の備品類なども必要と思いますが、都は、どのような支援を行っているのか伺います。また、あわせて、今後の支援全般の方向性についても伺います。

○小町経営改革担当部長 都は、入居後の生活に困らないよう、照明器具やエアコン、冷蔵庫、洗濯機、ベッド、Wi-Fiホームルーター等の備品をあらかじめ用意しているほか、光熱水費等の支援も行っております。
 あわせて、都営住宅等の住まい方の留意点や自治会活動等を記載した住まいのしおりのウクライナ語及びロシア語版を作成し、配布しております。
 今後も、国や関係各局、地元自治体と連携し、情報共有を図りながら、避難民の方に寄り添った支援に努めてまいります。

○本橋委員 ご答弁にもありましたとおり、今後も、国や関係各局、地元自治体と連携し、情報共有を図りながら、ぜひ避難民の方に寄り添った支援に努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

○森口委員 マンション適正管理について伺います。
 いつ起こるか分からない首都直下地震など発生が懸念される中、築四十年を超えるような老朽マンションの耐震化や防災対策、適正管理の推進が急務となっています。
 都は、条例の下、令和二年より、昭和五十八年以前に建築された六戸以上のマンションを対象に、都内の分譲マンションの管理状況の届出を義務化するとともに、管理不全の兆候があるマンションに対しては、マンション管理士等の専門家を無料で派遣するなど、適正管理を促してきました。
 まずは、令和二年から四年間の取組によって、都内のマンションの管理不全の防止や適正管理にどのような成果や実績が出ているのか伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 管理状況届出制度は、昭和五十八年以前に建築された六戸以上のマンションに対し管理状況の届出を義務づけるもので、令和二年度から、区市町と連携して届出を促してまいりました。その結果、令和五年度末時点で、届出対象一万一千三百四十三棟に対し、届出数は一万六百六十五棟、その割合は約九四%となっておりまして、修繕の計画的な実施がない等、管理不全の兆候があるものは千八百六十二棟となってございます。
 こうした管理不全の兆候があるマンションに対しては、管理の適正化に向けて助言を行うほか、最大五回まで無料でマンション管理士等を派遣しておりまして、令和五年度までの実績は九十三回でございます。こうした無料派遣による支援の結果、管理組合の設立、管理規約の作成や総会の開催など、管理の適正化が図られた事例も出てきております。

○森口委員 令和二年からの取組で、対象となる都内マンションの九四%の届出が完了しており、管理不全の兆候があるマンションに対しては、無料で専門家を派遣するなど支援を行い、管理組合が新たに設立をされるなど、成果も出てきているとのことであります。
 このような都の管理状況届出制度の取組とともに、令和四年からは国においても、マンションにおける修繕や管理方法、資金計画、管理組合の運営状況等について、一定の基準を満たすマンションの管理計画を自治体が認定するマンション管理計画認定制度を始めています。
 都内の多くの区市において、この認定制度の実施も進み始めていますが、分譲マンションの適正管理を促していくといった都の管理状況届出制度と似た趣旨の制度でもあり、管理組合や区市にとって制度の分かりにくさが生じることなく、両制度により幅広い支援につなげるべきと考えますが、見解を伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 管理状況届出制度は、昭和五十八年以前に建築されたマンションの管理状況の届出を条例に基づき求め、管理不全の兆候を把握し、行政の助言や支援により不全の予防や改善を図るものでございます。
 一方、管理計画認定制度は、管理計画が一定の基準を満たす場合に区市等が認定するものでございまして、管理組合の自主的な取組を促すものでございます。希望に応じて公表されるため、良好な管理が評価される市場の形成につながることが期待されております。令和六年九月末現在の都内の認定数は三百五十八件となってございます。
 適正管理の促進に向け、両制度につきまして、引き続き区市や関係団体と連携し、普及を図るとともに、仕組みや手続等をポータルサイトなどでより分かりやすく整理し、周知してまいります。

○森口委員 届出が義務化されている制度と、管理組合が自主的に申請を行う制度で、それぞれ異なるわけですが、制度の趣旨や名前も似ており、管理組合や区分所有者にとって分かりやすい制度や周知となるよう求めておきます。
 国の管理計画認定制度は、適正管理が既に行われており、住民にとって安心で良好なマンションが対象になるものと思われますが、都の管理状況届出制度の対象である昭和五十八年以前に建築されたマンションの大半は、旧耐震基準でもあり、老朽化対策や耐震化など、防災対策が大変重要な課題であります。
 都の届出制度では、管理状況のほか、耐震化の状況の事項も設けられており、その届出内容から、都内のマンションの耐震診断や耐震改修の状況について、どのように実態を把握しているのか伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 令和五年度末時点の管理状況届出制度によって把握した情報によりますと、旧耐震基準のマンションで耐震診断が未実施であると回答したマンションは、届出があったマンションの約五七%でございました。
 また、耐震診断を実施したマンションのうち、耐震性がないと判定されたマンションは約五二%となっておりまして、このうち、その後耐震改修を実施したものは約二六%でございました。

○森口委員 耐震診断や耐震改修の実施状況について伺いましたが、このほかにも、未回答のマンションもあると聞いております。
 都条例の下、届出対象となっている旧耐震基準のマンションについて、約六九%が未回答か、もしくは耐震診断を行っておらず、耐震性や安全性が不明、また、約一一%が耐震改修の必要があるが、何らかの事情で耐震工事を行っていないなど、届出情報からも耐震化の推進が急務であることが分かります。
 都は、耐震改修促進計画において、令和七年度末までに耐震性が不十分なマンションをおおむね解消することを目的としており、管理状況届出情報も活用し、区市と連携をし、マンション耐震化を着実に進めることをこれまでも求めてきましたが、その取組と実績を伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都はこれまで、管理状況届出制度により得た情報を活用し、耐震診断が未実施のマンションに対しましては、マンション耐震化通信を送付し、アドバイザー派遣の活用や、耐震診断の実施を促しております。
 また、耐震診断実施後、未改修のマンションに対しましては、専門家を繰り返し派遣する耐震化推進サポート事業の案内を送付しまして、耐震改修の実施を促しております。
 これらの働きかけなどによりまして、区市と連携した令和五年度の助成実績は、耐震アドバイザー派遣助成につきましては三十六件、耐震診断助成につきましては七十四棟、二千七百二十六戸、耐震改修助成につきましては五十七棟、三千三百八十六戸でございます。

○森口委員 令和七年度末までに耐震性が不十分なマンションをおおむね解消することを目標に掲げており、届出情報も活用し、引き続き、きめ細やかな取組を求めておきます。
 届出により把握できた実態として、高経年マンションにおいては、耐震診断を行っていない、また、診断をしても耐震改修を行っていないマンションが多く、震災時の建物の倒壊や道路の閉塞、壁面等の落下による事故など懸念がされています。
 築四十年を超えるようなマンションが今後十年間でさらに急増すると懸念されている中、届出対象となっていないマンションについても年々老朽化が進んでおり、今後、適正管理に支障が生じないよう、今の段階から対策が必要不可欠であります。
 要届出マンションの管理組合は、五年ごとに届出内容の更新が必要と条例及び同施行規則で規定がされており、一昨年、私の委員会質疑において、来年、令和七年度に予定されている次の届出の更新時期に合わせて、現在届出義務の対象となっていない昭和五十九年以降のマンションについても届出の対象を拡大するなど、見直しを求め、都は検討していくとの答弁がありました。
 来年度の制度の更新に当たっては、対象を昭和五十九年以降のマンションについても広げるとともに、今回、一万件を超える届出情報などから把握をした知見を生かし、管理不全の防止が着実に進むよう、今の届出項目の内容についても見直すなど、さらなる改善を行うべきと考えますが、見解を伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は昨年度、有識者等を委員とするマンションの適正管理促進に関する検討会を四回開催しまして、届出対象の拡大や届出事項の見直しなどについて幅広くご意見をいただき、整理の上、公表いたしました。
 委員からは、例えば昭和五十九年以降に建築されたマンションは、高経年化が進行していくが、現行制度では管理状況の把握ができない状況であり、築四十年を基準に、届出対象を順次増やしていくのも有効な手法などの意見をいただきました。
 現在、国では、今後のマンション政策の在り方について検討が行われておりまして、こうした動きも踏まえながら、届出制度のさらなる活用を推進してまいります。

○森口委員 都内の高経年マンションの管理不全の防止や再生、また、防災対策の推進に向け、より実効性ある届出制度となるよう、この五年間の取組から得た知見を生かし、届出内容の改善や対象の拡大を改めて求め、私の質問を終わります。

○加藤委員 私からは、都営住宅に絞って質問をしたいというふうに思っております。
 初めに、都営住宅の新たな間取りについて質問をいたします。
 都議会公明党では、高齢者の生活の質の向上や孤立防止、子育て支援等への貢献という観点から、高齢居住者の介護者が滞在でき、小さな子供がいるひとり親世帯も入居できる広さと、二つの居室を備えた新たな間取りの導入を求めてまいりました。
 九月の都市整備委員会では、中山都議からの質問に、昨年度から試行開始した辰沼団地に続き、他団地での試行について検討を進めていくとの答弁をいただきましたが、現在の検討状況と今後の取組について伺います。

○小久保建設推進担当部長 都営住宅の単身者向けの新たな間取りにつきましては、昨年七月にアンケートを実施した辰沼町アパートに続き、他団地でも試行を行うこととしており、今月から文花一丁目アパートにおいてアンケートを開始いたしました。
 試行により、居住者ニーズのさらなる検証を行うとともに、建て替え団地の計画戸数や建設コストへの影響などを把握し、居住者の介護ニーズや子育て支援などにも対応できる住戸の検討を進めてまいります。

○加藤委員 今、答弁にありました文花一丁目アパートは、第四期以降の建て替えが計画されております。これまでの建て替えでは、単身高齢者にとって家族の支援がしにくい間取りだと、そういう声を多くいただいてきました。アンケートを踏まえるとともに、高齢社会に対応した間取りを増やしてもらいたいと思います。
 また、九月の質疑で中山都議が言及していたとおり、建て替え時期が到来した住棟以外の居住者に対しても、例えばマンモス団地であれば何期かに分けて進めていくと思うんですけれども、その建て替え時期じゃなくても早い段階で、多くの住民に対して情報提供を行っていただくよう求めておきます。
 次に、都営住宅の災害時対応について質問いたします。
 能登半島地震などを踏まえ、災害時の対応力がさらに求められております。都議会公明党が求めた太陽光発電設備については、都営住宅の建て替え時に設置することに加え、既存住宅においても太陽光発電設備を設置することにしたことは評価をいたします。
 そして、昨年度の各会計決算特別委員会の分科会で、都議会公明党の竹平都議から、令和四年度における停電時に有効な非常用コンセントの整備状況について質問をし、エントランスホール等に設置していることを確認いたしました。
 そこで、今後の建て替え工事において、太陽光発電設備の設置拡大に伴い、非常用コンセントの設置方針について見解を伺います。

○相羽技術企画担当部長DX推進担当部長兼務 災害時においては、安否確認や、国及び自治体から発信されます災害情報の収集などのため、居住者等がスマートフォンの充電等を行えるよう、電源を確保することが重要でございます。
 災害時における居住者の負担を考慮し、令和五年七月に改定した基準設計では、太陽光発電容量の拡大に伴い、非常用コンセントを原則各階共用廊下に設置することとしております。

○加藤委員 都営住宅が地域と協定を結び、一時的に避難者を受け入れることにもなっておりまして、エントランスだけではなく各階の共用廊下にあれば、避難している方にとっても大いに助かります。設計を終えて、今後、どこの団地に導入されるか注視していきたいと存じます。
 また都は、東京とどまるマンションの拡大を目指し、民間マンションへの非常用電源導入の補助制度もスタートさせております。被害の少ない公共住宅の住人が避難所にもし押し寄せれば、避難所はパンクしてしまいます。都営住宅をはじめとした公共住宅においても、今後、蓄電池の導入が可能となるよう対策を検討してもらいたいと要望しておきます。
 次に、都営住宅の省エネの取組について質問をいたします。
 現在、都営住宅の住棟においては、平成二十三年度から建て替え事業で、高効率型の給湯器が既に導入されていると聞いております。居住者からも、給湯がワンタッチで行えて大変便利になったとのお声をいただいております。
 東京都の家庭の省エネハンドブックによりますと、家庭部門のエネルギー消費量の割合を用途別に見ると、給湯用が約四割を占めております。このため、高効率給湯器を導入することは、従来型の給湯器と比較し、CO2削減効果が高いと考えられます。
 そこでまず、現在、既存住棟に設置されている給湯器は、どのように更新しているのか伺います。

○小野寺営繕担当部長 既存の住棟における給湯器について、およそ平成二十二年以前に設置されたものにつきましては従来型の給湯器となっており、機器の耐用年数を踏まえ、計画修繕において同様の機器に更新を行っております。

○加藤委員 従来型の給湯器が設置されている既存住棟は、建て替えを迎えるまでにはまだ相当の年数が見込まれます。こうした既存住棟での脱炭素化に取り組み、良質なストックとして維持更新し、次世代に引き継いでいくことが必要であります。
 そこで、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向け、従来型の給湯器を設置している既存の住棟においても、高効率給湯器に取り替えていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○小野寺営繕担当部長 都営住宅の省エネ化や、脱炭素社会の実現に向けて、給湯器の高効率化を図ることは有効でございます。給湯器の高効率化に当たりましては、現在設置されている給湯器の更新時期に合わせて計画していくことのほか、給湯器から発生する排水の経路を確保することや、コスト増加などの課題がございます。
 今後、これらの課題に対応しながら、既存住棟における高効率給湯器への更新について検討してまいります。

○加藤委員 今後、検討していくとの前向きな答弁をいただきました。他局では、東京ゼロエミポイントとして給湯器の買換え補助も行っております。既存の都営住宅についても、省エネを推進する取組に期待をしております。
 次に、都営住宅を活用した若年・中年単身者の就労自立モデル構築事業について質問をいたします。
 都議会公明党が今年の第一回定例会代表質問で求めました都営住宅を活用した単身の若者などに対する住まいと就労をセットにした施策の展開に対して、都は昨日、若年・中年単身者の就労自立モデル構築事業を来月から募集を開始すると発表されたところでありまして、評価するものでございます。
 そして、この事業の実施に当たっては、本年七月に葛飾区、府中市と連携、相互協力に関する協定を締結するとの発表もなされました。
 そこで、本事業を区市と連携して実施する意義と、また、募集に当たっては、入居を希望する方の利便性向上のため、DXに取り組み、速やかな入居につなげるよう工夫すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○小町経営改革担当部長 本事業は、社会福祉法人等が入居者ごとに就労支援、家計改善相談のほか、就労自立による円滑な転居などの福祉的なフォローを行う新しい試みでございます。このため、地域福祉を担う区市と連携し、モデル構築に向けて試行的に実施することといたしました。
 募集に当たりましては、オンラインでの申込みも可能とするとともに、申込者が置かれている生活状況をポイントに換算する審査を迅速かつ適正に行えるよう、自動計算ツールを活用し、来年三月以降に順次入居できるよう取り組んでまいります。

○加藤委員 居住期間は一年間というふうに聞いておりますけれども、来年三月以降に入居を開始した後、入居された全員が就労につながることを期待しております。生活の基本は住まいであり、住まいが安定する中で、いい仕事に出会い、その後のステップアップにつながっていけるよう、都としても、区市と連携してサポートをお願いしたいというふうに思います。
 次に、都営住宅居住者の支援について伺います。
 都営住宅では、巡回管理人制度というものがありまして、定期的に対象の世帯を訪問していると聞いております。まず、どのような制度なのか伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 都では、入居者の高齢化等に伴いまして、高齢者、障害者世帯に対する支援策として、平成十四年度から巡回管理人制度を導入いたしまして、六十五歳以上の高齢者世帯や、障害者世帯で希望する世帯に、巡回管理人がおおむね二か月に一回以上の定期訪問を実施することとしております。
 主な業務といたしましては、都営住宅入居に伴う各種申請、収入報告書、修繕などに関する相談や取次ぎのほか、福祉に関する福祉関係部門への紹介などの支援を行ってございます。

○加藤委員 二か月に一回では少ないという声を聞いておりまして、訪問についての現在の取組状況を伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 巡回管理人への訪問依頼がある場合などは、定期訪問以外にも対応するなどいたしまして、入居者に寄り添った対応を行っているところでございます。令和五年度は、九十一人の巡回管理人が約一万五千世帯を対象にいたしまして、延べ約二十二万八千回訪問するなど、二か月に一回以上の頻度を大きく上回る状況でございます。

○加藤委員 二か月に一回は原則であって、必要に応じて対応していると確認をいたしました。ニーズは高まっていると思いますので、今後も丁寧に対応してもらいたいと思います。
 また、世間では、ヤミバイトによる高齢者宅を狙った戸建て住宅への侵入、暴行や、集合住宅においても押売などが増加しております。
 不審者などに対しては玄関ドアを開けないことが大切ですけれども、現在は、高齢者については、音声のインターホンについては都で設置を行っているんですけれども、モニターつきのインターホンの設置は行っておりません。ドアスコープは玄関についているんですけれども、高齢者にとってなかなか玄関まで行くということも大変で、また、玄関まで行くことによって、いるという存在、在宅の存在が分かってしまい、トラブルの要因ともなります。
 音声だけでなく、姿形を見ることによって、モニターを通じて知り合い以外はドアを開けないという防犯対策として有効ではないかと考えております。都は、今後、高齢者の入居者に対して、モニター付インターホンの設置についても検討するよう要望をしておきます。
 最後に、私が令和四年第一回定例会の一般質問において提案をし実現した、大学と連携した学生入居による地域コミュニティ支援事業は、地元自治会の方から、本当に助かっているというお声をいただいており、学生さんも地域貢献に対する自覚にとどまらず、高齢者の経験や知恵といった刺激も受けていると聞いております。また、参加大学数も増加し、学生が都営住宅に入居して、自治会活動を支援するという取組が定着してきたことを実感しております。
 そして、令和五年の事務事業質疑において、私は、コミュニティ活動の活性化に向け、各団地の学生が自分たちの自治会活動への参加内容について情報交換をすることで、お互いのよい取組を取り入れるきっかけとなるような場を設けることを提案しましたが、その後の状況について伺います。

○小町経営改革担当部長 本年九月に、本事業により都営住宅に入居した二つの大学の学生が参加する情報交換会を開催いたしました。この情報交換会では、双方の大学の学生がそれぞれ自治会活動を支援する取組について発表するとともに、学生同士で意見交換を行ったところでございます。

○加藤委員 それぞれの団地で自治会活動をしている学生たちが情報交換会に参加し、自分たちの取組について紹介したり、意見交換できたとのことでありますが、この情報交換会に参加した学生からは、どのような声が上がったのか伺います。
 あわせて、この取組は今後も継続をして、団地や地域コミュニティの活性化に生かしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○小町経営改革担当部長 参加した学生からは、他大学の学生が団地の小学生から高校生までを対象とした学習教室を自ら企画、開催し、継続していることに刺激を受けたといった声がございました。さらに、他大学の事例を参考に、自分たちでできそうなことは取り入れ、後輩に引き継いでいきたいといった声もございました。
 今後も継続して、学生同士がお互いの活動について話し合う場を設け、自治会支援に関するそれぞれの活動内容の充実を図るきっかけとなるよう取り組んでまいります。

○加藤委員 学生同士の情報交換会が初めて開催されて、学生同士が刺激を受けた様子が分かりました。学生さんなので、どうしても卒業という時期を迎えますけれども、後輩に引き継いでいきたいという言葉は大変うれしく、ありがたいと思います。この取組が、その大学にとってのよき伝統として定着していけばすばらしいと思いますし、地域の一つの活性化モデルにもなっていくと思います。
 今後もぜひ広げていただくよう要望しまして、質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からは、最初に、住宅困窮者支援などについて質問していきたいと思います。
 家賃の更新時に来ていますけれどもお金がなくて払えない、年金が少なく貯金も底をついてきて家賃が払えないなどの住宅に困っている方々の相談が増えています。
 そこで最初に、住宅困窮者支援について伺っていきます。
 東京都は、住宅に困っている都民の実態をつかんでいますか。

○丸山住宅政策担当部長 高齢者や子育て世帯等の住宅確保要配慮者に関しては、都の住宅政策の基本となる計画である現行の東京都住宅マスタープランを策定するに当たり、東京都住宅政策審議会での審議の過程におきまして、国の会議資料等で示されている現状整理や、住宅確保要配慮者の実態を把握している関係者からヒアリングなどを行っております。

○尾崎委員 都は、住宅マスタープラン作成時に、ただいま答弁があったように、国の会議資料などや関係団体などから聞き取りをしたということですけれども、独自の調査は行っていないということです。
 二〇一八年の一月には、東京都インターネットカフェ難民調査の結果について公表されています。この調査は、福祉保健局が実施したものですが、大変重要な内容です。調査から明らかになったことは、若者を中心に、住宅喪失者の就業状況の七五・八%が派遣、契約、パート、アルバイトなど不安定就労が占めているということ、そして、ネットカフェなどの理由が、現在居住がない二五・八%、居住喪失のおそれがある二・一%となっていました。
 この調査は、コロナ感染症の前です。現在は、コロナの影響と長引く物価高騰という状況もあって、住宅困窮者の状況は、このときよりもかなり深刻化していることは想像できます。六年前の東京都のインターネットカフェ難民調査以降、住宅に困っている人たちの調査はしていません。都として調査を行うべきです。強く要望するものです。
 都内には、三十三の居住支援協議会がありますが、都は、取組の状況をつかんでいますか。

○鈴木民間住宅部長 区市町村の居住支援協議会の活動内容としましては、住宅確保要配慮者向けの相談窓口の設置や住宅情報の提供、居住支援セミナー等の住民への広報活動などを行っていると承知しております。

○尾崎委員 それでは、居住支援協議会は、その地域の住宅困窮者の実態を調べていますか。調べている居住支援協議会があれば、どこか教えてください。

○鈴木民間住宅部長 区市町村におけるそれぞれの居住支援協議会は、地方公共団体、不動産関係団体、居住支援団体等の関係者間での情報交換や、相談窓口における聞き取りなどを通じまして、要配慮者の具体的な困り事やニーズなど、地域の状況を把握しております。

○尾崎委員 都内には、三十三の居住支援協議会があるわけです。住宅に関わる相談なども居住支援協議会が窓口になっています。地域の住宅事情や住民の暮らしの実態をよくつかんでいる居住支援協議会のメンバーの方から、居住支援協議会として、地元住民の住まいに関わる実態調査をやりたいという声も届いています。都が居住支援協議会にお願いして、実態調査を実施していただくべきではないでしょうか。そのためにも、支援も含めて要望しておきたいと思います。
 市町村の住宅支援施策で、借り上げの高齢者アパート、高齢者への家賃支援、引っ越し費用への支援など実施しており、大変重要だと思っています。
 例えば、大田区では、住宅に困っている高齢者に、区が民間から借り上げたアパートを提供して生活の安定を図る高齢者アパートは十棟、百六十一戸あります。日野市でも、高齢者の居住の安定と福祉の向上を図る目的として、民間アパート等に居住する高齢者世帯に対し、家賃の一部助成を行っています。豊島区では、区内の民間賃貸住宅に転入、転居した子育てファミリー世帯に対し、家賃の一部を助成しています。
 また、区内の民間賃貸住宅に居住し、取壊しなどにより現在の住宅に住み続けることが困難になり、転居することが必要となった高齢者世帯等に、住み替え後の家賃の一部を助成しています。
 それでは、これらも含め、自治体が行っている独自の住宅支援に、東京都の支援はありますか。

○大和田連絡調整担当部長 都は、区市町村が社会資本整備総合交付金を活用し、公営住宅建設事業のみならず、独自の住宅施策も実施することができるよう、東京都地域住宅計画、社会資本総合整備計画を区市町村と共同で作成しております。
 都は、引き続き、東京都地域住宅計画等の作成を通じ、区市町村の取組を支援してまいります。

○尾崎委員 東京都は、区市町村が国の交付金を活用して独自の住宅施策を実施できるように、一緒に計画等を作成するということを支援しているということですが、重要だと思います。
 今年二月にまとめた第五期東京都地域住宅計画を改めて私も読んでみました。その中には、目標を達成するために必要な事業等の概要が記載されており、基幹事業の概要の一番に、公営住宅整備事業があって、公営住宅の新規建設、建て替え事業を進めるとありました。この計画の作成主体は、東京都及び六十二区市町村です。そうであるならば、私は、東京都自身が建て替えだけでなくて、都営住宅の新規建設に踏み出すべきだと指摘しておきたいと思います。
 私は、先ほど紹介した高齢者世帯への家賃の一部を助成している事業や、民間賃貸住宅の借り上げ事業などに対し、都の財政支援があれば、各自治体の独自の住宅支援策の拡充がもっとできるのではないかと考えます。住宅に困っている人から話を聞くと、今の場所で暮らし続けたいという強い要望があります。家賃が高い東京で住み続けるためには、都の支援が必要です。ぜひ、区市町村の独自の住宅施策に財政支援を行うよう、検討を求めるものです。
 昨年の事務事業質疑で、東京の家賃が高いことについて質疑しました。そのとき、都内の民営借家に居住する単身世帯の消費支出に占める家賃、地代の割合は平均で三四・八%となっており、全国平均の三〇・二%より東京が高いんだという答弁がありました。東京は、全国平均よりも四・六%高いということが分かりました。
 専門家などは、住宅の費用そのものが、私たちの幸福、生活の満足度を大きく左右する、月々の生計費の住宅に関わる費用の比率は二五%から三〇%程度という経験則を持ってきた、三〇%を超えると生活に支障が出るのではないかといった議論があるといいます。そして、世界的な視点から、所得格差の拡大や労働賃金の低迷が深刻な国において住宅費用だけが高騰してしまうと低所得者に対する影響が大きい、国によっては公営住宅の整備が進んだり補助金が存在すると述べています。
 日本では、三十年間賃金が上がらない状況があり、所得格差が広がっています。まちの再開発などの影響で、特に都心の家賃が高騰しています。こういう状況の中で、公営住宅、都営住宅の新規建設や家賃補助が急務となっているわけです。
 小池知事は、都知事選挙の公約で、アフォーダブル住宅の推進、子育て世帯の家賃負担軽減を掲げ、都議会第三回定例会で、副知事を筆頭とした体制により検討していくと我が党の質問に答弁しました。住宅政策本部は、どのように関わっていくのか伺います。

○都築企画担当部長住宅市場担当部長兼務 お尋ねの件については、副知事を筆頭とした当本部を含めた体制により検討していくこととしております。

○尾崎委員 住宅政策本部も含めた体制で検討していくということでいいわけですね。アフォーダブル住宅とは、どういうものだと認識しているのか伺います。

○都築企画担当部長住宅市場担当部長兼務 お尋ねの件については、副知事を筆頭とした体制により検討していくこととしております。

○尾崎委員 私の質問に対して、まともに答えていないんじゃないかなというふうに思います。アフォーダブル住宅とはどういうものかという認識さえも、これから検討ということになるんでしょうか。私は、都営住宅の新規建設や家賃補助そのものがアフォーダブル住宅につながると思います。
 そこで、確認をしたいわけですけれども、都営住宅は、アフォーダブル住宅に当たるのかどうかお聞きしたいと思います。

○都築企画担当部長住宅市場担当部長兼務 お尋ねの件につきましては、副知事を筆頭とした体制により検討していくこととしております。

○尾崎委員 ちょっとがっかりの答弁ですよね。アフォーダブル住宅とはどういうものかと聞いても、それもこれから検討、都営住宅はアフォーダブル住宅に当たるのかって聞いても、同じような答弁だったわけです。
 日本共産党都議団は、第三回定例会の代表質問で、アフォーダブル住宅は、払える家賃であると同時に、生活の質の向上を伴うことが大切だと考えるというように述べました。さらにいえば、住まいは人権です。憲法二十五条第一項で、全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると生存権を定めています。都は、この見地で住宅施策を行ってもらわないと困るんです。アフォーダブル住宅というのは、都営住宅の新規建設や家賃補助も当然入ってくるわけです。
 小池知事は、この間の我が党の質問に、住宅は生活の基盤であると重要な答弁を行ってきました。知事が選挙公約で、アフォーダブル住宅の推進、子育て世帯の家賃負担軽減を掲げ、副知事を筆頭とした体制により検討していくということは重要です。
 あわせて、住宅問題に取り組んでいる団体の皆さんからの声をよく聞いていただき、この間、開催されていない住宅政策審議会を開催し、専門家も含めた議論を行って、よりよい施策にすることを強く求めるものです。
 次に、都営住宅について伺っていきたいと思います。
 二〇二三年度の随時募集以外の都営住宅の募集戸数について伺います。また、そのうち毎月の募集戸数についても伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 都営住宅入居者募集におきましては、令和五年度の随時募集以外の募集戸数は一万七千二百八戸でございます。そのうち、毎月の募集につきましては、これは毎月募集のことかと存じますけれども、この戸数は五千戸となっております。

○尾崎委員 住宅政策本部の事業概要の冊子も見ました。ちょうど一二〇ページに、資料集のようになっていまして、主な都営住宅の応募状況について資料がまとまっています。この表と、ただいまのご答弁で、二〇二三年度は、二〇二二年度、二〇二一年度と比較しても募集戸数が増えていますが、その要因について伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 都営住宅では、近年、単身死亡などによります退去世帯数が増加傾向にあります。都では、入居世帯数を増やすため、募集戸数を増やしているところでございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、単身死亡などにより退去世帯数が増えたからというのが要因だということです。そうであれば、これまでも募集戸数を増やせたのではないかなというふうに思うんです。
 今回特別そうなのか、それともこの間、やろうと思えば募集戸数を増やせたことになるのではないか。ちょっとここのところで、過去も増やせる状況はあったのかどうか伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 都営住宅では、近年、退去世帯数が増加傾向にあるところから、募集戸数を増やしているところでございます。

○尾崎委員 私たち日本共産党都議団は、都営住宅の空き住戸をそのままにしないで、募集に急いで回すことを求めてきました。私も何年か前になるわけですけれども、地元の住民の皆さんと一緒に、都営住宅のどこの部屋が空いているのか一つ一つ確認して、都の担当者に一つ一つ、空き住戸の理由など確認したこともあります。住民の皆さんからは、今でも、空き住戸が多い、おかしいんじゃないかという厳しい意見が寄せられています。
 確認なんですけれども、死亡などで退去したことで空き住戸になったところを、いろいろな事情はあるにしても、できるだけ早く募集できるように取り組んでいるということも要因になっているのではないかと思うんですが、どうでしょうか。

○平松都営住宅企画担当部長 都におきましては、令和三年度から都民サービスの向上につながる募集のオンライン化を進めるとともに、書類の削減なども行いまして、入居までの期間短縮に取り組んでいるところでございます。

○尾崎委員 ということは、入居に際して募集のオンラインの効果もあって、空いている部屋をできるだけ短くしているんだということにつながっているのかと思いますが、私はやっぱり、空き住戸をできるだけ早く募集に回せるように、取組を引き続き強めていただきたいと思います。都営住宅を待っていらっしゃる方、何回も申し込んでも入れない方が大勢いらっしゃいますので、その人たちが一日でも早く都営住宅に入れるように、ぜひ、取組を強めていただきたいと思います。
 次に、私の活動地域である武蔵村山の村山団地自治会の役員さんからは、役員の成り手がいない、以前はいろんなことができたが高齢化で自治会の活動もできない、困難な状況が寄せられています。先日、東京経済大学との協定を締結したとの報道は、グラウンドなどがある武蔵村山市の村山団地の入居者からも、学生の皆さんへの期待の声、歓迎の声が寄せられています。
 初めに、これまでの大学との協定締結実績と、学生の都営住宅への入居実績について伺います。また、学生が都営住宅に入居することで、この間、自治会活動にどのような効果、変化がありましたか。

○小町経営改革担当部長 令和六年十月一日時点で、十の大学と協定を締結し、十一団地に四十九人入居しております。自治会からは、活動を手伝ってもらい助かるといった声や、学生がしっかりしていて頼りになるといった声などを聞いております。

○尾崎委員 この事業について、都として、取組の検証はどのように行っていますか。

○小町経営改革担当部長 入居後に定例的な懇談の場を設けて、自治会と学生の双方の意見を聞き、課題の解決に向け、円滑なコミュニケーションを図っております。

○尾崎委員 定期的な懇談の場があるということは、大変重要だと思います。また、自治会からは、活動を手伝ってもらって助かる、学生が頼りになると、さっきご答弁があったような声があることは効果もあるということだと思いますので、ぜひ今後も、思い切って増やしていただきたいと強く求めるものです。
 この事業は、都営住宅の目的外事業ですが、もっと大きな効果があるのは、都営住宅の入居の対象を若者まで拡大することだと考えます。ぜひ、入居対象の拡大についても検討を求めるものです。
 また、高齢化の影響で自治会の役員の成り手がなく、共益費の徴収や草むしり、廊下などの電球の取替えも困難な状況だという声が寄せられています。自治会などで実施している共用部分の管理の一部を都が代行していると聞きますが、どのようなことを行っていますか。また、自治会が利用している二〇二一年度、二〇二二年度、二〇二三年度の三年間の推移について伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 自治会等が実施している草刈りや電管球の交換などが負担になっているとの声を受けまして、都は、平成二十九年度から希望する団地について、これらの作業を自治会等に代わって実施いたしまして、その費用を住宅使用料とともに共益費として徴収する事業を行っております。
 本事業を利用している自治会等の数は、令和三年度末時点で三百八、令和四年度末時点で三百五十九、令和五年度末時点で四百七でございます。

○尾崎委員 自治会では困難であり、共用部分の管理の一部を都に代行をお願いしている自治会が、令和五年度末で四百七ということです。ご答弁いただいた三年間だけ見ても、増えていることがよく分かりました。
 困っている自治会の役員さんからは、都営住宅には障害のある人や高齢者が多く入居しているため、自治会で草刈りなどができなくなっている、自治会の総会さえも開けない状況にあり、もう限界だ、東京都が役割を果たしてほしいと、大変深刻な声が寄せられています。都営住宅の自治会から直接、現状や困っていることなどを聞き取りし、自治会の実態をよく調べていただきたいと要望するものです。
 日本共産党都議団は、この間、都道府県の公営住宅での型別供給の状況について、全国調査を行いました。東京都では、一人世帯の間取りは一DKで、三十五平方メートルとなっています。大阪府は、一人世帯の間取りは一DKまたは二DKで、三十六平米または四十九平米、まあ平方メートル、京都府は、単身入居可能世帯となっており、間取りは、南部は床面積の合計がおおむね四十平方メートル、北部は床面積の合計がおおむね五十五平方メートルとなっています。神奈川県は、一人世帯の間取りは一DKで、三十五平方メートル程度となっていますが、建て替えの既存住宅に居住する一人世帯は、二DKも選択可能であるとなっています。また、兵庫県では、建て替え前の五十平方メートル以上の住戸に居住している一人世帯が多いため、二DKへの入居を認めているということが分かりました。
 日本共産党都議団は、型別供給には反対をしてきました。特に単身者については、病気になったときや介護が必要なときには、部屋が狭過ぎるということを繰り返し指摘してきました。全国調査を行った結果、国土交通省の厳格化に従って厳しくしているのは東京都であり、他県では部屋の大きさについて柔軟に対応していることが分かりました。
 入居者の強い要望に押され、都も不十分ではありますが、単身者でも二つの居室を備えた新しい間取りを試行的に足立区辰沼アパートで行うということですが、各地から今後の建て替え時に入居者の声を聞いて、単身者でも看病に来た子供が泊まれるようにしてほしいと要望が強まっています。今後、ほかの建て替え時にも対応できるよう検討を求めますが、いかがですか。

○小久保建設推進担当部長 二つの居室を備えた新たな間取りにつきましては、居住者ニーズのさらなる検証、建て替え団地の計画戸数や建設コストへの影響などの観点から、他団地での試行について検討を進めております。

○尾崎委員 新たな間取りについて、他団地での試行について検討という大事なご答弁です。しかし、辰沼アパート、辰沼団地の入居者からは、新しい間取りを希望するが、それでも狭過ぎるんだという声が多くあります。改めて、型別供給は廃止することを強く求めるものです。
 次に、都営住宅の太陽光パネル設置状況について、建て替え住棟と既存住棟のそれぞれで、三年間の推移を教えてください。

○小久保建設推進担当部長 令和三年度から令和五年度までの太陽光発電設備の設置実績は、建て替え住棟では、令和三年度が二十五棟、令和四年度が三十一棟、令和五年度が二十六棟となっております。
 また、既存住棟では、令和三年度が二棟、令和四年度が百棟、令和五年度が百棟となっております。

○尾崎委員 太陽光パネル設置が進んでいることは重要です。私はこの間、蓄電設備を求めてきました。蓄電設備があれば、災害時でもエレベーターや共用の廊下などの電気に使えると思いますので、さらなる検討を要望します。
 次に、断熱性能について伺います。
 昨年の事務事業質疑で、国の新しい断熱性能の基準について質問しましたが、順次建て替え工事の基本設計に反映させているところであり、現時点において詳細な建設時期は未定との回答でした。
 一年経過したわけですので、改めて断熱性能について、建て替え時の実績と具体的な内容について伺います。また、国の新しいZEH水準での実施について、進捗状況を伺います。

○小久保建設推進担当部長 都営住宅の建て替えにおきましては、これまで、品質確保法で定める断熱等性能等級における等級四の基準を満たす仕様としており、直近の令和五年度における着工実績は二十五棟でございます。
 また、令和五年七月には、基準設計を改定し、断熱等性能等級五以上の基準を満たすZEH水準に引き上げ、建て替え事業の基本設計に順次反映させております。

○尾崎委員 国の新しいZEH水準は、建て替え事業の基本設計に順次反映しているとのご答弁でした。基本設計から実施設計に反映され、その後、建て替え建設の契約、建設工事着工という流れですから、今年度中に建設工事着工ということにはならず、来年度以降の建設工事となるようですが、一刻も早く進めていただけるよう要望します。
 昨年の事務事業質疑で、都営住宅の断熱性を高めていくことは、脱炭素化に加え、居住者の健康確保の視点からも重要という答弁があり、これは大変重要な観点です。建て替え時の断熱性能を高めることと同時に、既存の都営住宅の断熱性能を高めるための手だてが必要です。外壁に断熱材を貼る工法と、窓を複層ガラスなどに改修した場合の効果やコストについて検討しているということが、昨年、答弁あったわけですけれども、気候危機対策は待ったなしです。早急に実施できるよう要望するものです。
 東京大学先端科学技術研究センター減災まちづくり分野の古賀千絵特任助教授と、千葉大学の花里真道准教授から成る研究チームは、九つの市町村の四万四千七人の高齢者を二〇一〇年から約九年間追跡し、住宅の種類と死亡リスクの関連を検証し、今年の四月十一日に発表しました。結果として、民間賃貸住宅に比べ、公的な賃貸住宅に住んでいる高齢者の死亡リスクが少ない。公営住宅の入居者の方が健康であるということが分かりました。
 住宅は、健康にとって重要な要素の一つです。エレベーター設置やバリアフリー仕様、高い断熱性も重要ですが、団地の中のコミュニティや集える場所、緑がある公園や街路樹など、健康や健康行動によい環境をもたらすことも指摘されています。とても重要なことだと思います。公営住宅で安心して安全に暮らすことが、死亡リスクを少なくする、元気に長生きできる効果があるという、新しい魅力が明らかになったことは大変重要だと思います。
 入居者の皆さんが安心して暮らす上で、災害が起きたら大丈夫なのか、備えは足りているのかということも大事になってきます。都営住宅の防災倉庫の備蓄について、備蓄の購入費などは誰の負担になるのか伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 防災倉庫の備蓄品の購入は、各自治会等の負担において行っていただいております。

○尾崎委員 備蓄品についても、入居者数による基準などはないということも伺っていますが、災害があった場合に、入居者の安全や命を守るための備蓄になるわけです。少なくとも、必要な品物が必要なだけの量を備蓄していることが求められると思いますので、大家である東京都が備蓄品購入への補助をすべきだと要望しておきます。
 次に、都営住宅の集会所の位置づけや目的について伺います。また、地域の方たちも活用できるようになっている集会所はどのぐらいありますか。

○平松都営住宅企画担当部長 都営住宅の集会所は、公営住宅法及び東京都営住宅条例におきまして共同施設と位置づけられております。入居者の共同の福祉のために、施設として設置しているところでございます。
 また、都営住宅の居住者と地域住民との間に良好なコミュニティを形成するため、自治会、町会等の協議が調った集会所につきましては地域に開放しておりまして、その数は、令和五年度末時点では二百五十七か所となっております。

○尾崎委員 自治会、町会等の協議が調った集会所は地域に開放していると。ご答弁にあったように二百五十七か所あるということが分かりましたが、高齢化が進む中で、地域住民との関係を深めるため、また災害時の協力などを考えると、集会所の開放について、都として積極的に働きかけることを求めるものです。
 次に、災害時に備えたマンホールトイレなどは、都営住宅ではどのように備えていますか。

○小久保建設推進担当部長 マンホールトイレなどにつきましては、建て替え時に区市町村の条例等に基づき設置しております。

○尾崎委員 確認のためにお聞きしたいんですけれども、区市町村に条例等がない場合でも、都は、都営住宅にマンホールトイレなどの設置を地元区市町村に積極的に働きかけをしているのかどうか伺います。

○小久保建設推進担当部長 都営住宅の建て替えにおきましては、建設時に地元区市町と協議を行いまして、その中で、区市町の方から要望があった場合に、マンホールトイレなどを整備しております。

○尾崎委員 マンホールトイレについては、私は入居者だけの問題ではないと思っています。建て替え時に地元自治体に条例がない場合でも、建て替え時に東京都が積極的にといいますか、要望を聞くんだと、要望があれば設置するんだというご答弁でしたけれども、引き続き、このマンホールトイレの設置、非常に大事だと思いますので、東京都は、今まで以上に積極的に働きかけをしていただきたいと思います。
 次に、公社住宅について伺っていきたいと思います。
 公社住宅の自治会協議会の皆さんからも強い要望があることについて、幾つか質問します。
 都が費用を負担している公社の既存住宅における太陽光パネルの設置の実績、また、公社住宅の共用部におけるLED化の実績について伺います。太陽光パネルは都の予算に盛り込まれていますが、公社住宅の共用部におけるLED化については、都の支援はありますか。

○大和田連絡調整担当部長 既存の公社住宅における太陽光発電設備の設置につきましては、令和四年度から都が費用を負担しており、令和五年度末までの二年間で五十五棟に設置しております。
 また、公社住宅の共用部のLED照明の設置率は、令和五年度末時点で四七・六%でございます。公社住宅の共用部照明のLED化につきましては、公社において必要な措置が講じられております。

○尾崎委員 太陽光パネルの設置は、都の財政支援があって前に進んだことがよく分かりました。
 東京都公社住宅自治会協議会の皆さんからは、今年の夏の異常気象は暮らしにも大きな影響を与えており、都が進めている省エネの取組は喫緊の課題であるという意見があります。公社住宅では、共用部分の電気料金、電管球代が公益費として、居住者が家賃とは別に支払っています。
 しかし、現在の実施率は、LED化の実施率ですけれども、住宅戸数の半分にも達していない。先ほどご答弁ありましたが、四七・六%、令和五年度末時点ですが、こういう状況です。LED化が終了した住宅と、まだ終了していない住宅では、共益費負担に大きな差が生じているということです。
 そこで、公社住宅のLED化について、二〇三〇年度までに完了させる方針ではありますけれども、前倒しが必要だという要望が寄せられています。太陽光パネル設置のように都の財政支援も行って、LED化を前倒しすることを要望しておきます。
 また、公社住宅では、東京都の「未来の東京」戦略に掲げられているオープンスペースや空き店舗を活用した地域コミュニティ拠点整備を行っていますが、公社住宅の建て替えに関わって地域防災やコミュニティ活動に役立てていくために、大規模な集会所を設置する必要がありますが、都として、公社に指導してほしいとの要望が寄せられています。この点についてはいかがですか。

○大和田連絡調整担当部長 公社は、住宅の建て替え時に、高齢者世帯の居場所づくりや子育て世帯の憩いの場づくり等に資する適切な規模のコミュニティサロンを設置しております。コミュニティサロンにおきましては、防災イベントをはじめとするコミュニティ活性化に向けた取組を実施しており、都としては、公社において必要な措置が講じられているものと認識しております。

○尾崎委員 それでは、公社住宅でも防災対策は喫緊の課題です。公社住宅に防災倉庫の設置や備蓄品の購入に対し、都の支援はありますか。必要だと思いますが、いかがですか。

○大和田連絡調整担当部長 公社住宅におきましては、公社が自主防災組織等に対し、防災資機材の購入費用を助成するほか、防災資機材の保管場所を提供しており、都としては、公社において必要な措置が講じられているものと認識しております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁だと、都は、公社住宅として必要な措置が講じられていると認識しているということですけれども、果たしてそれでいいのでしょうか。公社住宅では、多くの自治会が自主的な防災訓練等を実施していますが、防災倉庫がないところもあり、不十分だとの声が寄せられているとのことです。少なくとも、防災倉庫が設置されていないところや、防災資機材など備蓄品への一部を都として財政支援を行うよう、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
 最後になりますが、家賃保証会社について質問したいと思います。
 昨年の事務事業質疑でも取り上げましたが、家賃保証業者による被害の相談が増えているということが東京借地借家人組合連合会の方たちへの相談内容からも明らかになっています。都内にある家賃保証業者は何件ありますか。

○鈴木民間住宅部長 国土交通省が公開している登録家賃債務保証業者一覧によりますと、令和六年九月三十日時点で、都内で営業を行っている事業者数は七十七社でございます。

○尾崎委員 昨年の事務事業質疑で、都内にある保証業者は七十件という答弁でしたので、この一年で七社増えているということが分かりました。
 東京借地借家人組合連合会の皆さんは、家賃債務保証業者の実態についてアンケート活動を行い、百人からの回答が寄せられたということです。その五割の方が、保証人がいても保証会社をつけさせられたと回答しています。また、回答のあった百人のうち三割が、保証会社に落とされたということです。しかも、保証会社は手数料を毎月求め、家賃の更新時には、保証会社に保証料を家賃一か月分といわれたという事例も出ています。
 国土交通省住宅局は、家賃債務保証の利用状況や、保証料等の調査を行っています。しかし、公表されているのは、平成二十八年度、この一回だけでした。この一回の調査で公表されている中身ですけれども、相談、苦情の例として、身に覚えのない保証会社から請求、説明を求めても根拠が示されない、不明瞭な請求、内訳が不明瞭、保証契約を結んだ覚えがない、更新手数料について説明を受けていない、保証会社から撤去要請された、事業者の倒産などの相談が明らかにされており、この実態のすさまじい内容が明らかになったことは重要だと思っています。
 そもそも家賃保証会社は、高齢者や障害者、低所得者の方にも住まいを保障するための制度として始まったものです。ところが、今の家賃保証は、まさにもうけるためのビジネスになっています。行き過ぎた行為はやめ、本来の制度に立ち返るよう、直ちに国に指導を東京都として求めてほしいと思います。
 私は、誰もが安心して賃貸住宅を借りられるように、連帯保証人を必要としない公的な保証人制度を創設すべきだと思います。弱い者を食い物にしてもうけるような家賃保証業者を野放しにせず、住宅に困っている都民を支援するのが東京都の住宅政策本部の重要な仕事だと指摘をし、質問を終わります。

○銀川委員 七月に都議になったばかりで、今年の予算に関わっていなかったので、教えていただきたく質問させていただければと思います。
 まず、住宅政策本部の一般会計予算のうち、住宅政策に関する企画及び連絡調整の令和六年度予算が、令和五年度と比べて八四六・二%増の約六十二億六千万円増えている理由についてお伺いいたします。

○松崎住宅企画部長 当該区分の令和六年度予算の主な増額理由は、令和五年度まで環境局予算に計上していた既設都営住宅における太陽光発電設備設置に係る経費の約六十億九千万円を住宅政策本部予算に計上したことによるものでございます。

○銀川委員 環境局の予算から、太陽光発電設置に係る経費として振り替えられたということは確認をいたしました。先ほども尾崎副委員長の質疑のご答弁の中でも、毎年増やされて、努力をされているということが分かりました。
 都としても、二〇三〇年度までに、太陽光発電を現状の約二千五百キロワットから四千八百キロワットに引き上げることを目標とされているので、今後も取組を進めていただければと思います。
 次に、都営住宅等事業会計予算の住宅管理費の東京都住宅供給公社業務委託の令和六年度予算が、令和五年度予算の二〇%増、約八十八億六千万円増えた主な理由について伺います。

○栗谷川都営住宅経営部長 東京都住宅供給公社業務委託に関する令和六年度予算が前年度予算に比べまして約八十八億六千万円増えた主な理由は、都営住宅等の計画修繕や一般修繕、入居者退去後の空き家の補修に要する費用の増によるものでございます。

○銀川委員 承知いたしました。
 では、次に、決算見込みの概要について伺います。
 まず、一般会計歳入の財産収入、予算現額約四十一億八千万円のところ、収入済額約九億三千万円、約三十二億五千万円の差異の主な理由について教えてください。

○栗谷川都営住宅経営部長 一般会計の令和五年度歳入における財産収入に係る予算現額と収入済額との差額、約三十二億五千万円は、主に土地売払い収入実績の減によるものでございます。

○銀川委員 では、次に、特別会計歳入の都営住宅等事業会計、予算現額約一千七百七十九億六千万円のところ、収入済額約千四百七十八億九千万円、約三百億七千万円の差異の主な理由について教えてください。

○栗谷川都営住宅経営部長 都営住宅等事業会計の令和五年度歳入における予算現額と収入済額との差額、約三百億七千万円は、主に建て替え事業の実績を踏まえました国庫支出金の受入額、都債発行額の減によるものでございます。

○銀川委員 決算について確認させていただきました。ありがとうございました。
 では、次に、都営住宅の総戸数が二十四万九千五百二十二戸中、足立区内が二万八千五百十戸と、都全体の一一・四%、二十三区だけに絞れば一七・八%が足立区内にあるという現況の立場から、都営住宅について幾つか質問させていただければと思います。
 まず、主な都営住宅の応募状況について伺いたいと思います。
 令和五年度の定期募集における世帯向け住戸の募集戸数は、令和三年度、四年度より増やしたため、平均倍率が減少しています。若年夫婦、子育て世帯向けの募集戸数は減少しています。
 一方で、毎月募集の若年夫婦、子育て世帯向け住戸の募集戸数は増加していると聞いています。子育て世帯の支援については、住宅政策審議会の令和元年五月三十一日の答申にも、都営住宅の在り方で一層の充実を提言されているんですけれども、若年夫婦、子育て世帯に対して、定期募集の募集戸数を減らし、毎月募集の募集戸数を増やした理由について、見解を伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 五月と十一月の定期募集では、若年夫婦、子育て世帯に対しまして、需要の多い地域の都営住宅の利用機会の公平性を確保する目的で、十年の期限付入居の募集を行ってまいりましたが、応募倍率が低い住戸も生じております。
 そこで、都は、応募倍率が高い住戸については定期募集で募集をいたしまして、比較的低倍率の住戸につきましては、毎月募集といたしまして募集戸数を増やすとともに、入居期限をつけずに募集することによりまして、若年夫婦、子育て世帯の入居希望時期に応じた申込み機会の拡大を図ったものでございます。

○銀川委員 子育て支援の一環としても、都営住宅の入居においても柔軟な取組を今後とも進めていただければと思います。
 次に、単身者向けの募集戸数は、令和三年度、四年度よりも増やしているので、平均倍率が減っているんですけれども、いまだに三十倍前後と高止まりの状況が続いています。都として、対策について伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 年四回の定期募集における単身者向けの募集に加えまして、令和四年八月から、毎月募集におきましても単身者向けの募集を開始しております。
 また、令和四年八月の毎月募集から、随時募集で応募が少なかった多摩地域の二人以上の世帯向けの住戸を単身者向け住戸として募集しており、令和六年一月の毎月募集からは、区部の住戸も対象としております。
 さらに、令和六年五月の定期募集から、居室内で病死等があった住戸を単身者でも申込み可能としてございます。こうした取組によりまして、単身者向け住戸の募集戸数の拡大を図っております。

○銀川委員 今後も増えていくことが予想される単身世帯への募集強化も、引き続き行っていただければと思います。
 では、次に、都営住宅の入居資格収入基準について伺います。
 都営住宅の入居資格収入基準、現在の基準は、平成二十一年四月から施行されたもので、十五年間変更されないままでいるんですけれども、賃金や物価は十五年前からある程度上昇しています。都として、次回の改定はどのように考えているのか伺います。

○小町経営改革担当部長 現行の入居収入基準は、平成二十四年の東京都営住宅条例改正に当たり、都内の民間賃貸住宅の家賃水準や家賃負担の状況、都民の世帯構成、収入の水準等について調査検討した結果、妥当な水準にあるとして定めております。
 都営住宅については、既存のストックを活用しながら公平かつ的確に供給することが基本であり、入居収入基準を上げた場合、真に住宅に困窮する都民の入居に大きな影響を与えると認識しておりまして、改定は考えておりません。

○銀川委員 現状は妥当で、改定は考えていないということなんですけれども、社会情勢を見ながら対応に遅れが出ないよう、よろしくお願いいたします。
 では、次に、高額所得者の明渡し状況について伺います。
 令和六年度の事業概要を見ると、令和二年度から五年度までの高額所得者の明渡し状況が載っています。これには、年度当初、認定者数と、実際に住宅を明け渡した数がありますが、例年四分の一ほどしか住宅の明渡しに至っていません。年度当初の高額所得認定者数と明渡し数の差は、つまり明渡しを求めなかった人たちの数でありますが、これはどういう理由からか伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 都は、公営住宅法などを踏まえまして、年度当初に高額所得者の認定を行って、その後速やかに、高額所得者を対象といたしまして個別説明会を開催するとともに、明渡しに向けた計画の提出を求めるなど、相談、指導を行っております。
 こうした取組の中で、退職や離婚などにより世帯収入が減少して高額所得者に該当しないこと、重度の病気や障害等により一時的に明渡し請求の対象外となることなどが判明したため、これらの方については、当該年度での住宅の明渡しを求めなかったものでございます。

○銀川委員 都営住宅の倍率は非常に高く、十年申込みを続けても抽せんに当たらないという方もいらっしゃいます。真に都営住宅に入居を必要としている方々のためにも、退職や離婚、病気や障害など特別な事情を除いて、今後とも、収入超過者の明渡しに努めていただくようお願いをいたします。
 次に、都営住宅の建て替え事業について伺います。
 都営住宅建て替え事業については、事業概要の中で、令和六年度は三千八百戸の建て替えを予定し、今後、段階的に、事業規模を年間四千戸に拡大していくとありますが、直近五年間の実績は二千戸台が多くなっています。
 平成十六年度から遡っても、四千戸を超えたのは平成二十六年度だけであります。四千戸と目標を掲げているなら、建て替えをスピードアップすべきと考えますが、見解を伺います。

○小久保建設推進担当部長 都営住宅の建て替えにつきましては、昭和四十年代以前に建設された住棟を対象として、老朽化の度合い、居住者の移転先の確保の状況、地域のまちづくりとの連携などを勘案しながら、年間三千八百戸を目標として計画的に実施することとしております。
 近年の建て替え実績につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大、地元区市との協議、移転困難者対応等により実績が低くなっておりますが、関係機関や居住者等への対応を丁寧に行い、建て替え事業の推進を図ってまいります。

○銀川委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 都営住宅の建て替えは、昭和四十年代以前に建設された住宅を対象としていることなんですけれども、それは何戸程度残っているのでしょうか。また、新たに建て替え対象として検討することとしている昭和四十年代建設と混在する昭和五十年代建設住棟で、一体的に建て替えることが効果的なものについては戸数を把握していないとのことですが、計画的に建て替えを行っていく上で、あらかじめ集計しておく必要があると考えます。見解を伺います。

○小久保建設推進担当部長 建て替えの対象は、昭和四十年代以前に建設された団地であり、令和五年度末時点で約七万戸でございます。
 また、昭和四十年代建設住棟と混在する昭和五十年代建設住棟で、一体的に建て替えることが効果的なものについても建て替え対象としておりまして、建て替え計画案や居住者の移転先、事業の効率性等を個別に検討することとしております。

○銀川委員 足立区に都営住宅が集中し、偏在している状況の中で、都は建て替えをどう進めていくのか、見解を伺います。

○小久保建設推進担当部長 都営住宅の建て替えにつきましては、老朽化の度合い、居住者の移転先の確保の状況、地域のまちづくりとの連携などを勘案し、地元自治体と協議の上、進めております。
 今後も、地元自治体と協議をしながら、適切に建て替え事業を進めてまいります。

○銀川委員 区と連携し、地元の意見も聞きながら、建て替え事業を進めていただければと思います。
 次に、都営住宅の区市町村移管について伺います。
 事業概要の九六ページ、第2、(3)、ストックの維持・更新の項には、より住民に身近な区市町村が公営住宅を供給することが望ましいとありますが、これまで都では、約九千九百戸の都営住宅を区市町村に移管してきたとのことですが、どのような考え方で移管を進めてきたのか伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 都は、区市町村におきまして福祉施設等と連携した住宅施策の充実が図られるよう、都におけるまちづくりへの活用なども配慮しつつ、都営住宅の区市町村への移管を進めてまいりました。
 区への移管については、平成元年の都区協議会におきまして、移管対象となる団地の規模をおおむね百戸程度までの団地といたしまして、各区の受入れ意向を踏まえ、協議し、移管を進めております。市町村への移管につきましては、各市町村の受入れ意向を踏まえ、個別に協議を行うこととしております。

○銀川委員 次に、都営住宅の空き店舗数について伺います。
 都営住宅の中で、一階部分が住宅用ではなく、商業スペースなどになっている棟もあります。しかし、最近では、廃業などで空きスペースになっている場合が多く見受けられます。店舗スペースの全体数と、空き店舗になっている件数を教えてください。

○平松都営住宅企画担当部長 都営住宅における店舗には、併存店舗と、併用店舗付住宅がございます。
 併存店舗は、都営住宅の建設時に、居住者の利便施設として低層階に店舗を建設し、借地権つきで分譲したものでございます。令和五年度末時点で八百四十五区画ございますが、私有財産であることから、個々の営業状況については把握してございません。
 併用店舗付住宅は、再開発等に伴う従前居住者の生活再建のために都が設置したものでございます。併用店舗付住宅のうち、店舗部分と住宅部分が独立しているものは、令和五年度末で二百四十四区画ございまして、空き区画は五十五区画となっております。

○銀川委員 次で、最後の質問になります。
 併存店舗は分譲であり、都の管理からは離れていることを今確認いたしました。併用店舗付住宅においては、東京都が所有をしています。老朽化が進んでいる店舗もあるとのことなんですが、全てが再利用できないものではないと考えます。再利用できる店舗から優先的に活用を進めてみてはいかがかと思います。
 また、建て替えが何年も先に計画されている都営住宅において、老朽化の懸念がある店舗においては、耐震化も検討し、建て替えの時期が来るまでは、都としての活用、特に子育て支援、高齢者支援、障害者支援施設など積極的に活用してもらうよう取り組むべきだと思いますが、現状はどうか伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 都営住宅の建物や敷地は、公営住宅の用途に使用する行政財産でございますが、住宅を管理する上で支障がなく、関係局や地元自治体が公用または公共用に使う場合には、貸付け等が可能となっております。
 このため、都では、空き店舗区画の状況や建て替え時期などを考慮しながら、関係局や地元自治体からの利用希望に対しまして、可能な限り協力をしているところでございます。

○銀川委員 団地や地域住民の生活利便性の向上を図るためにも、都営住宅の店舗活用をもっと進める必要があると思います。
 また、区市町村と連携し、町会、自治会や地域住民のコミュニティ施設の設置や、意見も十分聞きながら進めていくことを求めます。同時に、都有施設等を活用した居場所づくりプロジェクトにも同様の趣旨がありますが、既存施設も同様に考えるべきと要望をお伝えいたしまして、私の質問を終わります。

○西沢委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時四十八分休憩

   午後三時五分開議

○西沢委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○松田委員 小池都知事の三期目の公約には、手頃な価格で住めるアフォーダブル住宅の推進が挙げられていました。まずはアフォーダブル住宅の観点から質問いたします。
 私もアフォーダブル住宅と聞いて、最初あまりぱっとイメージがつかなかったんですけれども、なかなかアフォーダブルハウスと知られていたり、様々各国では前からあった概念でもありました。
 一般的には低所得層、中所得層の人々が支払い可能な家賃やローンで住める住宅を示し、アフォーダブル、手が届くという言葉が示すとおり、家計の過剰な負担にならず、生活費や貯蓄が可能な家賃や購入価格の住宅を指すということです。
 その基準というのは、国や地域によって違うみたいなんですけれども、一般的な目安として、住宅費が世帯収入の約三〇%以内を示しているということが多いというふうに記載がありました。
 インバウンドの需要や外国人の投資家の参入や都心への人口集中など様々な理由で、都心の住宅価格が二〇一三年頃から上昇し、二〇二〇年以降、さらに加速をしています。
 住宅価格の上昇は都内の少子化の一因ともいわれており、手頃な価格で住めるアフォーダブル住宅の推進を、東京都としても解決に向け取り組んでいくということになると思います。
 アフォーダブル住宅とは、低所得層、中所得層向けの住宅を包含した言葉であり、中所得層へのアプローチは今後新たに取り組まなければいけない課題でありますが、住宅政策本部として、これまで住宅確保要配慮者に対しどのような施策を行ってきたのかお伺いいたします。

○丸山住宅政策担当部長 住宅は生活の基盤であり、住宅の確保に配慮を要する都民の居住の安定を確保することは重要であります。このため、都営住宅の積極的な活用に加え、民間賃貸住宅を活用した東京ささエール住宅の供給促進などに取り組むことで、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図っております。

○松田委員 都営住宅を中心にということでありますが、現在、低所得層に向けても、まだまだその部分の課題は残っています。
 それに加えまして、アフォーダブル住宅の定義の中には、中所得層についても負担を軽減していく。東京都としても、アフォーダブル住宅の推進というのが挙げられていますが、決してアフォーダブル住宅という家が建つ、建物が建つわけではないので、その安定的な住宅確保に向けて、都民の生活の質の向上であったり、先ほど申しましたが、少子化対策においても、このアフォーダブル住宅の推進は今後解決に向けて進めていかなければいけません。
 中所得者層、特に子育て世帯の負担軽減に向け、家賃補助等も含めて、ぜひ積極的に検討していっていただきたいと申します。
 次に、都営住宅の高齢化についてお伺いいたします。
 都営住宅の高齢化、都営住宅の減災、防災についてお伺いいたします。
 国の人口に占める六十五歳以上の人口の割合の推移を見ると、一九五〇年が約五%、それ以降は一貫して上昇が続いており、一九八五年に一〇%、二〇〇五年に二〇%を超え、二〇二四年は二九・三%と過去最高を記録しております。
 また、都営住宅は、その性質上、高齢化率が一般の近隣住宅に比べて高くなりやすい傾向があります。
 都営住宅の高齢化の問題でありますが、一昨年の事務事業質疑においては、令和三年度末の名義人が六十五歳以上の割合は六九・一%とのことでしたが、令和五年度末の名義人が六十五歳以上の割合は幾らかお伺いいたします。

○平松都営住宅企画担当部長 令和五年度末現在、都営住宅の入居者のうち、名義人が六十五歳以上の割合は六八・七%でございます。

○松田委員 一般の人口における高齢化率が二〇二四年、二九・三%、まあ約三〇%に比べて倍近い高齢化率が都営住宅の中には存在をしているということだと思います。
 高齢化率が高いということが全て悪いというわけではないと思いますが、居住者の年齢層のばらつきがあった方が、同じ場所を共有しているコミュニティとしても健全ともいえるとは思います。
 高齢化率を下げる施策としては、都営住宅では、居住者の高齢化が進む中で、定期使用住宅の募集や毎月募集により、若年夫婦や子育て世帯の入居推進、五月と十一月の定期募集において若年夫婦、子育て世帯向けに定期使用住宅の募集を実施し、ひとり親世帯も対象、毎月募集においても、若年夫婦、子育て世帯向けの専用枠を設けており、令和四年度四月からは専用枠の戸数を二十戸から四十戸に拡大と令和四年度の事務事業質疑の際には答弁をいただきましたが、その後はどのような施策の展開を行ってきたのかお伺いいたします。

○平松都営住宅企画担当部長 毎月募集のうち、若年夫婦、子育て世帯向けの募集につきましては、令和四年度に募集戸数を毎月四十戸に拡大し、令和五年度以降、さらに拡大を図るなど、若年夫婦、子育て世帯のより一層の支援を行っております。また、新たに令和五年四月の毎月募集から、結婚を希望する方々を支援するため、結婚予定者向け募集を行っております。

○松田委員 様々な施策展開をしていただいているとは理解はしています。
 先ほどもお話をしたとおり、都営住宅の高齢化、都営住宅のコミュニティが高齢者ばかりになってしまうと、コミュニティもそうですし、やはり震災の際のリスクについても、一般の民間住宅に比べると、リスクという部分では高くなるんじゃないかと考えます。
 つい先日、大田区にある都営下丸子二丁目アパートの住人の方から、階段に手すりが設置されていないので、震災時にエレベーターが止まったら、手すりのない階段では怖くて避難できないとご相談をいただきました。
 改めて確認をすると、都営住宅は通常屋外の階段が一般的な仕様とのことですが、下丸子二丁目アパートの場合は、屋外と別に内部にも階段があったとのことでした。屋外の階段には手すりが設置をされていましたが、内部の階段には手すりが設置されていなかったということで、このようなご相談を受けました。
 都営住宅においては、高齢化率から考え、民間の集合住宅に比べても災害対策が必須であり、高齢者の階段の昇降を補助する手すりの設置が必要と考えるが、都営住宅における設置状況についてお伺いいたします。

○小野寺営繕担当部長 都営住宅における共用部の階段の昇降を補助する手すりにつきましては、およそ昭和五十年代から設置してございます。
 それ以前の都営住宅におきましては、自治会から手すりの要望が寄せられた際、現地調査を行いまして、建築基準法等への適合、住棟の建て替え時期などを考慮し、対応が可能な場合に設置してございます。

○松田委員 今回の相談者の場合、下丸子二丁目アパートの場合は、外部の階段に手すりがあるので、震災の際にも外部の階段を使えば安全に避難は可能ということにはなりますが、聞くところによると、外部の階段に手すりがない都営住宅についてもまだ現存しているということでした。
 今から全てに手すりをつけていくのかという議論はあるとは思いますが、ぜひ住民の要望を丁寧に聞き取っていただき、また意見交換もされているということですが、外部の階段は特に足の悪い方でいうと、日常的にエレベーターを使う方が多数で、そのリスクについてなかなか気づかない部分もありますので、ぜひ丁寧な聞き取り、意見交換を行っていただければとお願いをしまして、質問を終わります。

○石島委員 首都直下地震等による東京の被害想定では、多数の避難者が想定される避難所は、飲食料等の物資の不足、衛生状態の悪化、プライバシーの確保など、必ずしも十分とはいえない避難所環境が想定されます。
 被害が軽微なマンション等では、住み慣れた自宅での避難生活を送る在宅避難が推奨されており、その備えを進めていくことが重要です。
 そこで、東京とどまるマンションについて伺います。
 災害時にも自宅での生活が継続しやすいマンションを普及させるための登録制度として、徐々に登録マンション数も増えてきていると聞いています。
 昨年度からのソフト面での防災対策を後押しするために、飲料水や食料の確保、防災用資器材等購入の補助制度や、今年度からはハード面での非常用電源設備などへの補助制度も開始していると聞いていますが、ここで改めて、東京とどまるマンションのソフト、ハード面におけるそれぞれの登録要件について伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 東京とどまるマンションは、耐震性があることに加え、ソフト面やハード面での対策が実施されていることが登録要件でありまして、対策の実施状況に応じて、星が一つから三つの段階的な登録表示を行ってございます。
 ソフト面の対策として、必須事項の防災マニュアル策定に加えまして、選択事項の防災訓練実施など四項目のうちいずれかに取り組むことなどによりまして、星が一つの表示となります。
 これに加えまして、ハード対策として、発災時に水の供給及びエレベーターの運転を三日未満行える非常用電源設備を設置した場合などには星が二つに、三日以上行える非常用電源設備を設置した場合には星が三つの表示となります。

○石島委員 ソフト面やハード面での対策の充実度によって、防災対応力の段階を表示する登録表示に区分があるという答弁がありました。
 ハード面での登録は、新しい設備の導入等、マンション内の合意形成、費用の面など、ハードルが高いと思われますが、とどまるマンションの登録状況、特にハード面での対策が実施されたマンションがどの程度あるのか、またどのような規模のマンションが多いのか伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 東京とどまるマンションは、九月末現在、三百八十六件が登録されております。このうち、ハード対策が実施されている星二つ、星三つのマンションは合わせて七十二件ございまして、このうち約七割は二十階建て以上のマンションとなっております。

○石島委員 私の地元の中央区ですが、住宅におけるマンションの割合が非常に高く、全世帯の九五%がマンション世帯であり、区内だけでも千棟以上の分譲マンションがあります。特に湾岸地域では、この一月から入居が始まった晴海フラッグをはじめ、いわゆるタワーマンションなども数多く立地しています。
 今、答弁があったとおり、大規模マンションではハード面での対策が進められているマンションが多いことは分かりましたが、中小規模のマンションでも階数などの条件によっては、ハード面での取組が必要であったり、ソフト面の取組だけでも十分な災害時対応ができるものもあり、こうしたマンションの規模や特性を踏まえながら、防災の取組が進んだマンションを普及させていく必要があります。
 しかし、管理組合が自らのマンションの規模等に応じた防災対策を始めようとしても、マニュアルはどのようにつくるのか、自主防災組織はどうやってつくればいいのか、また非常用電源をどうやって設置するのかなど、どこから取り組んでいいのか分からないことが課題となっています。
 現在、中央区におきましては、専門家であるマンション管理士の派遣や、管理組合のニーズに応じた各種セミナーの開催などの取組を実施しています。また、非常用電源の整備を進めるためには、専門家からのサポートが必要です。
 東京とどまるマンションのさらなる普及のため、各自治体や専門家との連携を強化し、積極的にマンション管理組合を支援すべきと考えますが、見解を伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都はこれまで、地元自治体や関係団体と連携して、パンフレット等を配布するなど、東京とどまるマンションの制度周知を実施してまいりました。
 また、都職員が区市町村等の実施する管理組合向けセミナーや防災訓練などの場で制度を説明し、登録を促すことに加えまして、関係団体と連携し、管理組合等に専門家を派遣して、個々のマンションの状況に応じて、必要な防災備蓄資器材や非常用電源設置などについてアドバイスを行っております。
 こうした取組を一層推進することによりまして、防災活動に取り組むマンションを着実に増やし、さらなる登録数の拡大につなげてまいります。

○石島委員 ハード、ソフト両面から、とどまるマンションの普及に向けた支援が実施されていることは分かりました。
 こうした取組を確実に行うことで、着実にとどまるマンションへの登録が増加することが期待できますが、一方で発災時の防災上の大きな課題としては、エレベーターの閉じ込め等の問題があります。
 都は、都市強靱化プロジェクトの中で、エレベーターの早期復旧に向けた連携などにも言及しているところでありますが、大きな地震が発生したときに備えて、どのように取り組んでいるのか伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は、東京とどまるマンションの登録マンションを対象にした防災備蓄資器材の購入補助におきまして、閉じ込め発生時の対応に利用するエレベーター用防災キャビネットの購入を支援し、昨年度は七十六件の補助を実施いたしました。
 また、今年度新たに作成するマンション防災のガイドラインにおきまして、地震発生時のエレベーター内での初動対応や、閉じ込めが発生したときの連絡方法など、具体的に取るべき行動を示し、対策の普及を図ってまいります。
 今後、関係局とも連携し、エレベーターの閉じ込め等への対策を一層進めてまいります。

○石島委員 エレベーターに閉じ込められた場合の備えが主に進められていることは理解しました。
 こうした取組に加え、エレベーターの電源確保の取組も重要です。以前、中央区内のマンションでは、電気自動車のバッテリーを利用してエレベーターを動かす実証実験が行われ、フル充電したEV車でタワーマンションのエレベーターを百往復させた結果が得られました。
 都は現在、蓄電池などの補助を開始しているところですが、災害時に利用できる電力を多様化していくことも必要だと思います。
 さらには、エレベーターが停止した場合の復旧に向けた取組も大きな課題です。マンションにおける災害時の安全・安心を確保していくためにも、エレベーターの閉じ込め対策、復旧対策、電源確保を関係局とも連携をしながら総合的に取組を進めていくことを要望させていただきます。
 また、防災対策を進めていくには、マンションの居住者、行政に加え、マンションの開発事業者等も協力して取組を進めることが重要です。中央区では、まちづくり条例によって、事業者に新築段階から五フロアごとに防災備蓄倉庫の設置を義務づけるなど、防災対策を求めています。
 都は、防災対策を進めるに当たり、マンション居住者や自治体だけの取組に限らず、事業者へも取組を求めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 マンションの防災力を高めていくには、ソフト、ハード両面から対策の底上げを図っていくことが重要でございます。
 都はこれまで、発災時に居合わせた居住者だけで確実に安否確認等が実施できる体制を備えた管理組合の事例や、浸水リスクを踏まえ、治水対策や非常用電源設備設置を実施した事例をパンフレット等に掲載してまいりました。
 こうした優良事例は、開発事業者等がマンションを整備するに当たっても模範となるものでございまして、業界団体を通じて広く周知を図ることで、災害への備えの充実を一層促してまいります。

○石島委員 都として、事業者側へ防災対策の進んだマンションを誘導する取組を実施してきたことは分かりました。
 一方、大規模開発による新築マンションの建設時の事前協議や、区のまちづくり要綱による指導などの取組により、新築段階から事業者へ防災対策を求めていくことは極めて重要だと思います。
 防災対策を進めるには、マンション居住者や自治体だけではなく、マンションの開発事業者等も協力して取り組むことが重要です。マンションの防災力向上を図るために、都が関係団体と連携し、優良事例の周知や専門家の派遣を進めることで、さらに多くのマンションが防災対策を充実させることが期待できます。
 以上の取組を通じて、マンション居住者の安全・安心を確保し、災害時における迅速な対応を図っていくことが求められます。引き続き、東京都として積極的に取組を進めていくことを要望して、質問を終わります。

○あかねがくぼ委員 私からは、まず都営住宅の空き住戸活用について伺っていきます。
 私は、今年の第一回定例会一般質問におきまして、若者や就職氷河期世代に当たる都民が低廉な家賃の住宅で生活をしながら、より安定した就労、経済状態に転換をしていくような仕組みを、都営住宅の空き住戸を有効活用して構築していくべきだと申し上げました。
 これに対して、知事より、住宅に困窮する低所得の若者、中年単身者に対して、既存の都営住宅を一時利用住宅として活用するTOKYOチャレンジネット事業、これに加えて、区市町、社会福祉法人等と連携をして、就労支援などの必要なフォローを実施し、生活の安定と自立につなげ、就労自立をしていくモデルの構築に向け取り組むとご答弁をいただきました。
 その具体的な取組として、来月から葛飾区と府中市で募集を開始すると発表されたところでございます。所管部の皆様には、実現に向けてご尽力をいただきましたこと、まず感謝を申し上げます。
 さて、本モデル構築事業は、住宅に困窮をする低所得の若者などを対象に支援をしていくものでありまして、この事業を必要とする方々に募集の情報が行き届くよう、効果的な取組を進めるべきであると考えますが、都の見解を伺います。

○小町経営改革担当部長 本事業につきましては、昨日、募集開始について公表し、住宅政策本部のホームページに特設ページを設け、募集要項や募集団地などの情報を掲載いたしました。
 あわせて、葛飾区報、府中市報への募集に関する記事の掲載や、区市窓口でのチラシの配布等も実施する予定でございます。
 また、都が本事業を委託した社会福祉法人等は、これまで各区市でも生活困窮者から相談を受けており、それらの相談者のうち、本事業の対象となる方へ紹介することになっております。
 このように様々な方法で本事業の対象者への効果的な周知に取り組んでまいります。

○あかねがくぼ委員 様々な方法で募集の情報というものが届くよう取り組んでいただいているということが分かりました。
 ただ、新しい取組ということですので、実際に進めていく中で、想定よりも応募が少なかったり、逆に応募が多くて、受け入れるキャパを超えそうだとか、そういったこともあろうかと思いますが、都度、臨機応変にご対応いただいていく、そういったことも必要であろうと思います。
 いずれにしましても、この政策の効果が最大限出せるよう、ぜひとも前向きに粘り強く改善をしながら、取り組んでいただくことを要望しまして、次の質問に行きます。
 次に、ささエール住宅についてです。
 団塊世代が後期高齢者となり、都内におきましても高齢者夫婦世帯や単身高齢者世帯、ますます増加をしていく状況です。
 一方で、高齢者や障害を持つ方など、民間賃貸住宅を借りようとしても、なかなか貸してもらえない、こういうことが多いという実態がございます。
 私も、地元の方からそういったお困りの声というのは多く届いております。例えば、六十代の娘さんと九十代のお母様が二人、親子でお住まいを探そうといったケースがありましたけれども、仲介業者さん、何件も何件も探していたんですが、結局は見つからなかったということであります。
 このように単身の高齢者ではないんですが、それでも賃貸物件がなかなか貸していただけない、こういった地域があるということは、住宅確保に困難を抱えていらっしゃるという方が、既に想像以上に多くいらっしゃるだろうというふうに思います。
 高齢者や障害を持つ方などが、それを理由に住まい探しに困るという世の中であってはならないと思います。
 高齢者等の入居を拒まないとして、都が進めている東京ささエール住宅は大変よい取組だと思いますけれども、もっと供給を増やしていく必要があると考えます。
 東京ささエール住宅の登録数を増やすためには、まずこの制度を貸主側に知っていただくことが必要でありますが、東京ささエール住宅の登録促進に向けたこれまでの普及啓発の取組について伺います。

○鈴木民間住宅部長 東京ささエール住宅の登録を促進するためには、賃貸住宅のオーナーである貸主に対する制度の認知度の向上が不可欠でございます。
 このため、不動産業団体等と連携して、貸主に対して制度の周知を行っているほか、貸主向け専門誌におきまして、制度説明の記事を掲載しており、今年度は制度のメリットや活用の方法について、多くの貸主に具体的なイメージを持ってもらうため、水回りの設備交換や間取りの変更工事をして、木造アパートの一室を専用住宅へ登録した事例などを紹介しております。
 また、今年度参加した貸主向けのイベントでは、住宅確保要配慮者を受け入れるに当たって、貸主の不安の解消を図るため、原状回復に対応できる保険や、見守り機器の種類や費用などについて、居住支援法人から具体的な説明を行っていただいております。

○あかねがくぼ委員 都としては、様々な情報を提供して、普及啓発をしているということが分かりました。
 一方で、住宅確保要配慮者は、自ら情報を得ていくということはなかなか難しいということがあろうかと思います。そこで、情報にアクセスしにくい人にも伝わるような普及啓発は重要であると考えます。
 また、貸主と借主、いわゆる需要と供給の両面に対する取組が必要でありますので、借主である入居者側の制度の認知度を上げていくということも必要です。
 現状では、まだまだ認知度は低いということで、貸主にとっては、空き室が埋まらないといった不安となり、貸主の登録が進まない一因となっているのではないかと思います。
 住宅確保要配慮者である入居者に対する普及啓発について、今後はどのように取り組んでいくのか伺います。

○鈴木民間住宅部長 東京ささエール住宅の普及啓発に当たっては、借主に対するアプローチも重要であり、都はこれまで、区市町村の福祉関係者等が集まる会議などへ参加し、要配慮者にとって身近な区市町村の住宅相談窓口のほか、福祉事務所や民生児童委員等へ情報提供しております。
 今年度は、さらに要配慮者の住まいの近くにある居住支援法人が分かるように記載したリーフレットを新たに作成しており、今後、関係者への情報提供に役立ててまいります。
 また、より広く制度を知っていただく機会を増やすため、民間の検索サイトにおきまして、住宅探しに困っている方が検索した際に、制度の情報が検索結果の中に表示される検索連動型広告を新たに開始しており、こうした取組の活用を進め、借主に情報が届くよう普及啓発に取り組んでまいります。

○あかねがくぼ委員 地域に密着をした相談窓口の経由で普及啓発をしているということに加えまして、検索連動広告という、こういった取組を新たに始められたということでございます。
 高齢者などの住まい探しについては、ご本人が探されるというケースもあろうかと思いますが、そのお子さんたちがですね、子供世代が親のために探すというケースも非常に多いですから、このようにインターネットなどの情報収集を前提として探しやすくしていただくという、そういった工夫も非常に大切であろうと思います。
 住宅確保に困窮する都民を一人でも減らしていけるように、引き続きご尽力をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

○斉藤委員 私、久しぶりに都市整備委員会に所属いたしました。十三年前に一期目のときに質問したことの成果も踏まえまして、三点ほど大きなテーマで確認をいたしたいと思います。
 まず、高齢者向けの住宅の充実についてでございますが、高齢単身化が急速に進む中、高齢者がより安心して暮らすことのできる住宅の供給は最重要課題の一つであります。
 私は平成二十一年の初当選なんですが、その選挙戦のさなか、多くの高齢者のご夫婦から、本当に、お父さんが入院して一命を取り留めたんだけれども、高齢者同士では住み続けることはできないという切実なお話をたくさん現場で伺ってまいりまして、そういったことに対しまして、当選後、直ちに住み慣れた住まいに戻ることができる、そういった高齢者の住まいの安定的な確保ということを目標に議会活動も続けてまいりました。
 病気になっても安心して住み続けられる地域をつくらなければならないという思いから、住宅政策と福祉政策との連携が重要であって、医療と介護の連携した住まいが不可欠であるということを強く主張してまいりました。
 平成二十三年、都は高齢者住まい法の改正を受けまして、サービス付高齢者向け住宅が制度化されて、それまではモデル事業など様々な制度を組み合わせながら努力されてきましたけれども、国は補助金を充てる仕組みを構築しましたので、整備が本格化してまいったわけであります。
 在宅か、施設かといった二者択一でなく、高齢者の住まいの選択肢を増やすことが都民にとって重要でありまして、東京においてサービス付高齢者向け住宅があるということ、大変意義があると考えております。
 そこでまず、サービス付高齢者向け住宅の特徴を改めて確認をしたいと思います。

○鈴木民間住宅部長 サービス付高齢者向け住宅は、高齢者の居住の安定を目的に、平成二十三年の高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部改正に伴い創設されたものでございます。
 この住宅は、バリアフリー構造を有することに加えまして、入居者の生活上の困り事の相談に応じるなどの生活相談サービスや、入居者の心身の状況に応じた安否確認サービスが提供されることなどが特徴でございます。
 なお、都におきましては、緊急時対応サービスを常時提供することなどが独自の要件として追加されております。

○斉藤委員 このサービス付高齢者向け住宅は、バリアフリーだけでなくて、様々なサービスが受けられる住宅として、住宅部門と福祉部門との連携が重要であるということであります。
 また、高齢者が増加していく中で、サービス付高齢者向け住宅は、安心して高齢者が暮らすことができるサービスや設備を備えた住宅として、今後そのニーズがさらに高まっていくものと考えます。
 供給の促進に向けまして、都が設定をしている目標と、その目標に対して、現在までにどの程度実績が上がっているかの確認をしたいと思います。

○鈴木民間住宅部長 東京都住宅マスタープランでは、サービス付高齢者向け住宅に加え、東京都高齢者向け優良賃貸住宅及び独立行政法人都市再生機構が管理する高齢者向けの優良な賃貸住宅等を含めた高齢者向けの住宅の供給数につきまして、令和十二年度末までの整備目標を三万三千戸としております。
 この目標に対する供給実績につきましては、平成三十年度末時点で累計二万七百五十一戸だったものが、この五年間で約三千七百戸増加し、令和五年度末で二万四千四百九十三戸となっております。

○斉藤委員 着実に進んでいるということですが、この三万三千戸という数字は、目標、これはもうまず目標を達成することは大変なんですが、その数字は一体何に基づいて出してきたのかということを考えますと、それは一つの通過点であって、今、家賃が高いというお声もありましたけれども、当然、東京都には都営住宅というすばらしい住宅ストックがあるんですが、その地域偏在もありますので、簡単には都営住宅をそういうものに活用して、そこに医療、介護を接続するということは簡単にはいかないにしましても、そういった考え方、これは国土交通省の構想、厚生労働省が高齢者住まいを担当していた時期があったんですが、結局ギブアップして、両省が手を合わせて共管になったわけですけど、事々とにかく現場の都民が住まいに困窮しないようにという流れの中で、より質の高い住宅、住生活という中で、住み続けられるということを不断に求めていただきたいと思うわけでございます。
 この医療や介護ですね、ともに連携して、地域にふさわしい住宅としていくためには、福祉局に加えて、地元自治体ですね、基礎自治体との連携も不可欠であると考えますが、サービス付高齢者向け住宅の供給促進に向けた取組について伺いたいと思います。

○鈴木民間住宅部長 都は、供給促進に向け、国の整備費補助に加えまして、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる住まいの確保を図るため、地域の診療所や訪問介護事業所などと連携を行う事業者に対し都独自に補助しております。
 また、福祉局と連携し、地域の医療、介護の拠点としても機能するよう、医療や介護の事業所が併設され、サービスを効果的に提供する体制等が整っている住宅に補助金を上乗せしております。
 さらには、区市町村と連携を図り、地域のニーズや実情を踏まえて取り組むことが必要であり、事業者の計画が当該区市町村の行政計画や都の補助を受ける際に、一部の区市町村が設定している基準などに適合するよう、必要に応じて調整を行っております。

○斉藤委員 公社住宅などでは、そういったサ高住にしたときに地域に対してそういう場所を開放したり、地域との連携なども、区市町村などがしっかりそういった要となって展開している例も伺っております。
 そのように、区市町村の連携、計画との適合というものも非常に重要であると考えます。それを実際に今一生懸命、福祉局や区市町村と連携して供給促進を図っていることが分かりました。
 一方、数を増やすことと同時に、これもかねてから申し上げてきましたが、利用者側、居住者側の立場に立ち、サービスの質の確保というものは非常に重要であります。
 サービスの質を高めて、住宅が建設されたその後も、その質を維持していくためには、行政が設備等の住宅の状況や事業者の運営状況を確認するなど、管理運営の段階においても住宅部門と福祉部門の連携が重要であります。
 そこで、サービス付高齢者向け住宅の運営状況等の確認を円滑に行うための都の施策の状況について伺いたいと思います。

○鈴木民間住宅部長 サービス付高齢者向け住宅の運営開始後、原則として五年に一度、福祉局と連携して立入検査を実施しており、住宅設備の状況とサービスの提供状況の両方を確認することで、入居者の安心・安全な生活の確保を図っております。
 また、住宅におきまして事故が発生した場合には、事業者から都への報告を求めておりますが、これまで電話や郵送により報告していたものを、今年度からはウェブを活用した報告の仕組みに変更いたしました。これにより福祉局も同時に内容を共有できることとなり、詳細な状況確認など対応の迅速化を図っております。

○斉藤委員 事業者からの事故報告についてはウェブを活用した報告により、両局での情報共有がしやすくなったということであります。サービス付高齢者向け住宅の運営管理に、DX、デジタルトランスフォーメーションを活用して、業務の改善が図られていることを確認いたしました。
 DXについては、まだ初めの一歩ということを認識させていただきましたが、今後ともDXの取組をさらに進めて、サービス付高齢者向け住宅のサービスの向上にも寄与するよう取組を進めていただきたいと思います。
 このテーマの最後でございますが、このような取組をさらに進めつつ、関係局とも連携して、サービス付高齢者向け住宅の供給促進を図るべきでありますが、見解を伺いたいと思います。

○鈴木民間住宅部長 二〇三〇年に向けて、単身高齢世帯は一層増加することが見込まれており、サービス付高齢者向け住宅の重要性はさらに高まるものと考えております。
 このため、福祉局や地元区市町村などとの連携を一層強化し、地域のニーズや実情を踏まえながら、地域の医療、介護の拠点としても機能する住宅の供給を促進してまいります。また、居住者への安否確認など、生活支援サービスにつきまして、IoTなど新技術の活用状況を踏まえながら、多様な支援に取り組んでまいります。
 今後とも高齢者が必要な支援や介護も受けながら、社会から孤立せず、住み慣れた地域で安心して住み続けることができるよう、サービス付高齢者向け住宅の供給の促進に取り組んでまいります。

○斉藤委員 これまで東京においてサービス付高齢者住宅を供給することにより、地域で暮らし続けたいという多くの都民の希望に応えてきたものであると考えております。
 これからも住宅部門と福祉部門の連携を一層強化いたしまして、高齢者の皆様が安心して暮らすことができる住環境の整備、これは地域包括ケアの真ん中に位置するようなものであると思いますが、そうした住環境の整備に取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次は空き家対策についてでございます。
 東京都における空き家の数、先日発表された国の調査によりますと、空き家数は約九十万戸と前回の調査よりも増えておりまして、倒壊して周りの民家にも危険が及ぶようないわゆる特定空き家も増加するのでないかと心配しております。
 特定空き家のように劣化の程度が進むと、手間も費用もかかることから、特定空き家の状況になる前の段階で早めに対策を行うことが非常に大事であると考えています。
 昨年の十二月には、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律が施行されまして、特定空き家になる前の管理不全空き家に対して、区市町村が所有者に対して適切な管理を行うよう指導、勧告できるようになりました。
 また、固定資産税等の住宅用地特例を解除する措置も可能となるなど、空き家問題の解決に向け有効な枠組みが整備されたところであります。
 区市町村によります管理不全空き家への対策を迅速に実施に移行していくことが必要だと考えますけれども、取組はどの程度進んでいるか、その認識を伺いたいと思います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 空家等対策特別措置法の改正を踏まえ、そのまま放置すれば特定空き家等となるおそれのある管理不全空き家等の対策に区市町村が速やかに取り組むことは、空き家の適切な管理を進める上で重要でございます。
 本年八月末時点で十五自治体が管理不全空き家等の所有者などに対して適切な管理を促す指導や勧告を行うための規定などを定めておりまして、そのうち世田谷区と練馬区では、管理不全空き家等の判定を行い、所有者などへの通知の送付を始めているところでございます。

○斉藤委員 ぜひとも少しでも早く区市町村に管理不全空き家の対策に取り組んでいただきたいと思っております。
 そこで、管理不全空き家の対策に速やかに取り組めるように、区市町村の後押しをするための施策について伺いたいと思います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 幾つかの区市町村から、管理不全空き家等の判定基準を示す国のガイドラインは、建築物等の腐朽や破損などの程度について具体的に表現していないことから活用しづらいといった声が聞かれたため、都は、その程度を写真等で明確に示すよう国に要望しております。
 また、都と区市町村で構成される空き家対策連絡協議会では、先行して取組を進めている自治体における管理不全空き家等の状況把握から判定、その後の指導及び勧告に至る一連の手順などを情報共有し、他の区市町村の取組の参考に供しているところでございます。
 こうした取組によりまして、各区市町村ができるだけ早く管理不全空き家等の対策を開始できるよう促してまいります。

○斉藤委員 国が法律をつくって、そういう制度の大枠ができても、現場の区市町村のこういった実行するに当たってのご苦労ですね、これを東京都がしっかり聞いてさしあげて、ぜひ国に対して積極的に要望など、そういったサポートを後押しすることで、区市町村の取組を後押ししていただきたいと思っております。
 管理不全空き家を増やさないためには、区市町村の取組を促すことに加えまして、そもそも空き家の所有者等の悩みに丁寧に応えていくことも重要、有効だと思います。所有者の抱える様々な悩みに応えるためには、まず相談窓口を認知してもらう必要があります。
 そのような観点から、私は令和五年の予算特別委員会でワンストップ相談窓口の認知度向上について質問を行いまして、その際、都からは、固定資産税の納税通知書にチラシを同封して、相談窓口の周知を図る等の答弁をそのときいただきました。
 その後、相談窓口の認知度向上に向けて、どのような取組を行ってきたか、その成果について伺いたいと思います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都はこれまで、できるだけ多くの空き家の所有者等から空き家ワンストップ相談窓口にアプローチしてもらうため、都のホームページのほか、区市町村の窓口を通じたチラシの配布等による周知を行ってまいりました。
 また、令和五年度には、空き家に無関心な方や遠隔地に住む空き家の所有者にも窓口を知ってもらえるよう、固定資産税等の納税通知書に窓口の案内を同封したことなどにより、前年度よりも相談件数が約二百件増加いたしました。
 加えて、今年度は、都営地下鉄の車内デジタルサイネージに、問題解決まで専任の相談員による支援が受けられる窓口のメリットを伝えるPR動画を掲出しまして、一層の認知度向上に取り組んでおるところでございます。

○斉藤委員 令和五年度、固定資産税の納税通知書に、その封筒にですね、案内を同封したことで相談が約二百件増加したと。効果が早速あったわけでございますので、せっかく窓口をつくっても、それが利用されていなければ、これはないに等しいことになってしまいますので、まずは知ってもらうことが重要であるということでございますが、いろんな努力が実を結びつつあるということが分かったわけでございます。
 大切なのは、寄せられた多くの相談を解決することでありまして、丁寧かつ的確な対応が求められることはいうまでもありません。
 そこで、相談者の悩みに十分に応えるためには、空き家ワンストップ相談窓口の質の向上、この一層の向上をさせることが重要だと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 空き家に関する相談に的確に対応するには、相談者の意向に沿った提案に加えまして、売却や賃貸から地域の交流スペースへの改修といった地域資源としての活用まで、幅広い選択肢を示すことも重要でございます。
 そのため、都は今年度から、相談窓口の運営を従来の補助事業から委託に切り替えることで、相談内容の詳細をより把握できるようにしまして、特に市場での取引が成立しにくい場合や、所有者が地域資源としての活用を希望する場合に、区市町村との連携や様々な支援制度の活用も検討するなど、相談窓口の提案力を高めております。
 こうした取組を通じて把握した情報やノウハウの蓄積を図りまして、より充実した相談対応や空き家施策の企画立案などに生かしてまいります。

○斉藤委員 質、量の両面から相談窓口の機能向上が図られていることが分かりました。
 特に私は地域資源としての活用という点は非常に重要だと思っておりまして、本当に、所有者の中には、非常に大きなおうちでありながら、それを結局どう活用しようかなと思っているような高齢の方がいた場合に、例えば地域で子供食堂をつくりたいとか、そういう地域に資する何かをしたいというところに賛同して、そうした空き家にせずに、そういうものを活用するような例もこれから出てくるんじゃないかと期待しております。
 そもそも空き家の相談は、根本的には何を相談していいかが分からないという、そういうところから始まるようであります。そのような方への相談対応が特に重要だと思います。
 特に再構築不可物件、要するになかなか建て替えが難しい物件などの対応は特に難しくて、隣地を活用しなければ、そこを活用できないような、隣地の購入打診をどうするかとか、第三者に聞くのがいいんでしょうけれども、不動産業者はどうしても何かだまされちゃうんじゃないかとか、失礼ないい方ですけど、そういう警戒心があるんですね。プライバシー、非常に重要なプライバシーであります。こういった不動産業者はどうしても営利目的になりがち、当然ですけど、なりがちです。
 こうした観点から、相談者の潜在的ニーズの掘り起こしといった課題にも今後取り組んでいただきたいと思っております。
 この問題の最後の質問でございますが、管理不全空き家の発生を予防するためには、こうした個別の取組だけでなくて、自宅が空き家になる前の段階から、どのように引き継ぐのかを事前に家族でよく話し合ってもらうなど、早めの準備が効果的であるというふうに思います。これを広く啓発することも重要であります。
 そこで、住まいを将来どう引き継ぐのかを多くの都民に考えてもらうために、どういった取組をしていくのかを伺いたいと思います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 住宅所有者やその家族に、誰も住まなくなった後の住宅について早めに話し合ってもらうことは、空き家の発生予防に有効でございます。
 都は、そのきっかけを提供するため、令和六年三月に家財整理の進め方や相談窓口の情報等をコンパクトにまとめました東京住まいの終活ガイドブックを作成しまして、都や区市町村の窓口等で配布しております。
 今後も空き家施策の主体である区市町村に加えまして、福祉や税務、産業など、関係部局とも広く連携を図り、様々な機会を捉えて、早めの対策を呼びかけることによりまして、空き家の発生を抑制してまいります。

○斉藤委員 私も東京住まいの終活ガイドブック、こういったデザインの、皆さんお持ちの方もいるかもしれませんが、東京の住まいのガイドブック、これ拝見しました。
 ちょっとコンパクトなので、字が小さいなと思ったんですけど、このサイズでないとかばんに入れてくれないということもあるようですね。こういったものをいろんな形で、東京動画とか、いろんなチャンネルというか、そういうところにも載せたりするのもいいかなと。
 できればストーリー性を持ったようなお話とか、そういったことも面白いんじゃないかと思いますが、まずは自分の住まいの在り方を事前に家族で話し合っていこうということは非常に重要な取組でありまして、非常にすばらしい取組をされているというふうに高く評価したいと思います。
 さらに、まだ空き家問題に直面していない方に、より広く認識してもらい、管理不全空き家の予防につながるよう一層努力してもらうことを要望して、最後のテーマに移りたいと思います。期待に応えて、早めに早口でいきます。
 最後はマンション政策でございます。
 都は、阪神・淡路大震災や二〇一一年の東日本大震災の際に、停電によりエレベーターが動かなくなったり、水の供給ができなくなったことで、マンションにおいて在宅避難ができなくなったことから、災害における停電時でも電力供給されるマンションとして、先ほど石島理事からもお話ありましたが、いわゆるとどまるマンションの前身となります東京LCP住宅の制度を平成二十四年度に開始しております。
 これは東日本大震災の直後から、そうした問題についていろいろ議論があった中で、私も平成二十三年の十二月に都市整備委員会で質問して、お答えをいただいた中に、ライフ・コンティニュティー・パフォーマンス、プランでなくてパフォーマンスですよね、たしかね、LCP住宅の制度が開始しました。
 その後、令和二年、二〇二〇年に登録対象とする電力供給設備を非常用発電機などにも拡大するほか、さらに防災マニュアルの策定など、いわゆるソフト面の取組も評価する制度に変更してまいりました。
 さらに、一番大きな転換点でございますが、令和五年一月にとどまるマンションへと名称を変更いたしまして、六月から新たな防災備蓄資器材への補助制度などが導入されたことは、皆様もよくご存じのことだと思います。
 この東京とどまるマンションの現在の登録状況や、昨年度開始した簡易トイレ等の防災備蓄資器材補助の状況についてお伺いしたいと思います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 東京とどまるマンションは、登録マンションを対象とした防災備蓄資器材の補助制度を開始した昨年度から本年九月末までに三百七十九件の新たな登録がございました。
 昨年度、防災備蓄資器材の補助は百三十六件行っておりまして、このうち簡易トイレにつきましては四十件のマンションで購入されるなど、それぞれのマンションに必要な資器材の購入を支援してまいりました。
 利用したマンションからは、在宅避難の準備が進み安心感が得られたなどの声をいただいておるところでございます。

○斉藤委員 東京都のLCP住宅のときには、登録がなかなか進まずに、いろんなタイプがありました。これは墨田区の、加藤理事のご地元の墨田区で横川住宅、公社住宅にですね、そういうものを、発電機をつけて、電源を確保して登録をいただいたり、いろんな挑戦しましたが、なかなか進まなかったんですが、これを東京とどまるマンションに変えられましたら、本年九月末までに三百七十九件の登録ということで、非常に皆様から評価されている、すばらしい取組だと思います。制度のリニューアルが奏功して、登録数が増えていることを確認いたしました。
 在宅避難を続けるためには、自分の住戸で生活が継続できることが重要でありますが、簡易トイレのニーズが高いということも分かってまいりました。直近では一月の能登半島地震、大変寒い時期の厳しい震災でございましたが、こういった震災の際にもトイレが利用できなくなることによって、在宅避難ができなくなる事例もありまして、これはこういった地域よりも、東京、首都東京の方が、これはもうより一層深刻な事態になると思いますけれども、こういった地震発災時に排水管が損傷していないことを確認できないと、トイレは利用することができない。これは配管が壊れますと二次被害になってしまうということで、再開ができません。
 都議会公明党は、在宅避難を実効性あるものとするためには、トイレの確保は極めて重要であると指摘してまいりました。トイレが使用できるか否かの判断はもとより、排水管の事前点検の重要性を指摘してまいりました。
 そこで、都は今年度から、東京とどまるマンションの登録マンションを対象に、排水管の事前点検を開始したと聞いておりますが、その取組の狙いや効果等について伺いたいと思います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は本年九月から、築三十年以上の東京とどまるマンションを対象に、古い給排水管の改修方法の提案や、発災後の点検方法のアドバイスを行う専門家派遣を開始いたしました。
 古い給排水管は、大きな地震の際に損傷のおそれが大きいため、大規模修繕の際にどのように更新工事を行うか、また発災後、自ら管に損傷がないか点検する方法等をアドバイスし、速やかなトイレの利用再開により、在宅避難に支障が出ないよう後押しを行います。
 なお、既に申込みがありまして、具体のアドバイスが実施されておるところでございます。

○斉藤委員 今ご答弁ございました。このように在宅避難の実効性を高めていくためには、排水管が損傷していないことを早期に確認をして、利用再開につなげていくことが重要であります。
 今回の専門家派遣は、古い給排水管が残っているとどまるマンションの登録マンションが対象で、古いマンションが対象ということですが、もっと築年の新しいマンション、またさらにはとどまるマンションに登録していないマンションにも広くそういったことについて知ってもらう、要するに配管が壊れていて使用してしまうと二次的にほかの方に迷惑をかけてしまうということについての周知は重要であると思います。
 そこで、都は今後、今年度ですね、新たにマンション防災のガイドラインを作成していくと聞いておりますけれども、具体的にどのような取組をしていくのか伺いたいと思います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 今年度、新たに管理組合等が防災活動を実施する際の具体的な手引ともなるガイドラインの作成を開始いたしました。
 その中で、給排水設備の事業者団体等のヒアリングを行った上で、給排水管の点検方法について記載するほか、今般開始しました東京とどまるマンションへの専門家派遣で収集した点検方法等の具体的な事例も掲載しまして、年度末に取りまとめる予定でございます。
 ガイドラインの作成後は、区市町村や関係団体と連携しまして、都内各地のマンションへと普及を図ってまいります。

○斉藤委員 非常に大事な取組が開始されました。これが結局ガイドラインの作成がですね、またその中に今点検のいろんな具体的な取組が開始されたということですが、好事例など、そういったことも記載をしていただいて、より水平的に多くのマンションで管理組合にもご理解いただいて、進んでいただくことを後押ししていきたいと私も思っております。
 そして、今後は、知事が第三回の定例会の所信表明演説でも述べられましたけれども、分譲マンションに比べて、住民の入れ替わりが激しい賃貸マンションですね、賃貸マンションの防災力向上にも今後取り組んで、力を入れていかなきゃいけないと思っております。
 総務局など他局との局横断的な取組もいただきまして、マンション防災をより一層推進していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○ほっち委員 よろしくお願いします。
 まず初めに、都営住宅における移動販売についてお伺いをいたします。
 高齢者などは遠方までの移動が難しく、買物に不便な思いをしている方は少なくありません。日常の買物が困難な状況に置かれている人々、いわゆる買物弱者への支援はますます重要になってきており、継続して取り組んでいく必要があると考えます。
 初めに、現在行われている支援策である都営住宅における移動販売サービスの意義と現在の取組状況についてお伺いいたします。

○平松都営住宅企画担当部長 移動販売サービスは、居住者の日常生活の利便性を向上させるとともに、サービスを利用する居住者のみならず、周辺にお住まいの方々との交流を促し、地域コミュニティの活性化を図るものでございます。
 本日現在、十一区十一市一町で百十五の移動販売が行われており、内訳は、区部が七十七、多摩地域が三十八となっております。移動販売サービスは、平成二十九年十二月の事業開始以来、着実に実施数を増やしているところでございます。

○ほっち委員 移動サービスの都内での取組状況や、実施数が順調に推移しているということであります。
 私の地元足立区においても、今年度新たに青井三丁目第二アパートや伊興三丁目アパートなど、幾つかの都営住宅において移動販売が開始をされ、実施件数が増えているというふうに聞いております。
 先日、この移動販売の利用者の方々からもお話を伺ってきましたけれども、様々な商品があって、特にお刺身とか、お肉とか、野菜、新鮮なものが手に入って、大変ありがたいというふうな声も多くお聞きをしています。
 そこで、お伺いしますが、足立区の移動販売サービスの取組状況と区内での実施数が増加している理由についてお伺いをいたします。

○平松都営住宅企画担当部長 移動販売サービスは、日常の買物が困難な方々への支援策として、区市町が実施する買物弱者支援事業と協力して行っております。
 昨年七月に足立区内の都営住宅の自治会に対しまして、区が移動販売サービスを案内する旨の通知文を発出しまして、居住者ニーズの掘り起こしを行っております。
 また、区は、移動販売事業者に対しまして、登録を呼びかけるとともに、移動販売サービスを希望する自治会を紹介しております。その結果、足立区内の移動販売サービスは、本日現在、実施数が三十六まで拡大しております。

○ほっち委員 都営住宅の居住者や周辺住民のニーズを把握し、必要な支援を講じていくということは重要であります。
 ただいま答弁のあった足立区の取組事例などを広く周知をし、今後も区市町村と連携しながら、移動販売サービスの拡充に向けて取組を推進していっていただきたいと思います。
 そこで、今後の移動販売サービスの拡充に向けた都の考え方についてお伺いをいたします。

○平松都営住宅企画担当部長 移動販売サービスの拡充に向けまして、今後もホームページやSNS等を活用して、都民や民間事業者などへ周知してまいります。
 加えて、区の住宅担当課長会や市町村の住宅連絡協議会を通じまして、都営住宅における移動販売サービスの促進につながる各自治体の取組の好事例を紹介し、都が地元自治体と協力しながら、移動販売サービスのより一層の拡大を図ってまいります。

○ほっち委員 今ご答弁ありましたとおり、より一層のサービスの拡充を要望して、次の質問に移りたいと思います。
 先ほど来、都営住宅、まあ東京都内の住宅状況というのは、家賃が高いというふうなことがいろいろと各委員からもお話がありました。都内の家賃というのは高くなっています。また、物価の高騰や燃料費等々も高騰しているという今、望む人誰もが安心して子供を産み育てていくことができる環境を整えていくということも都政の重要な課題だというふうに思っています。
 そこで、まずは住宅セーフティーネットの中核としての機能を果たしている都営住宅における子育て世帯への支援と今後の取組について伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 都営住宅では、五月、十一月の定期募集や毎月募集におきまして、若年夫婦、子育て世帯に限定した募集枠を設定しております。
 また、昨年十一月の定期募集から、それまで対象外であった十八歳未満の児童が一人いる子育て世帯を支援する優遇倍率を新設いたしました。
 さらに、今年五月の定期募集から、若年夫婦、子育て世帯向けの定期使用住宅で将来の家族の増加等も考慮し、一部の住宅を除きまして、二人世帯から広い住宅に申込みができるようにするなど、募集方法の改善を図っております。
 今後とも子育て世帯への支援に取り組んでまいります。

○ほっち委員 続いて、都の政策連携団体である東京都住宅供給公社における子育て世帯への支援と今後の取組についてお伺いをいたします。

○大和田連絡調整担当部長 東京都住宅供給公社では、一部の公社住宅におきまして、ひとり親世帯等に対し一定期間家賃の二〇%を割り引く、こどもすくすく割のほか、子育て世帯等を対象に優先的に申込み可能な期間を設定する子育て世帯等優先申込制度などによりまして、子育て世帯への支援を行っており、ご好評をいただいております。
 加えまして、これらの取組のうち、こどもすくすく割では、契約後最初の一か月の家賃免除をする取組を本年十二月から新たに導入し、ひとり親世帯等への支援を拡充するなど、子育て世帯への支援を継続してまいります。

○ほっち委員 我が会派からの提案により、新たに、今答弁ありましたが、最初の一か月の家賃免除が導入されたということは喜ばしいことであります。この制度の導入により、引っ越しによる初期費用の負担軽減が図られております。引き続き実施していくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、先ほども質疑がありましたが、都営住宅における大学と連携したコミュニティ支援についてお伺いいたします。
 都営住宅では居住者の高齢化が進んでおり、団地自治会の活動の低下が懸念をされています。こうした中、都は団地や地域の活力あるコミュニティの形成に資することを目的として、都内の大学と連携をし、学生が都営住宅に入居して自治会活動を支援する取組を進めています。
 そこで、伺いますが、まずこの事業を拡大していくため、これまでどのように大学や各区市へ働きかけたのか、また大学との協定締結実績と学生の都営住宅への入居実績についてお伺いをいたします。

○小町経営改革担当部長 区市の大学連携部門等の会合において、本事業の紹介を行ったほか、地域への貢献に関心のある大学を直接訪問するなど働きかけた結果、令和六年十月一日時点で、協定締結大学は十大学となり、十一団地で四十九人が入居しております。

○ほっち委員 取組、着実に進んでいるとのことであります。
 次に、これまで自治会や学生からはどのような声があるのか、併せて今後に向けてどのような要望等々があるのかお伺いいたします。

○小町経営改革担当部長 自治会からは、清掃活動等を手伝ってもらい助かる、頼りになるといった声などを聞いております。
 学生からは、経験したことのない活動なので刺激となり、よい経験になったといった声や、団地の方から頑張っているねと声をかけてもらい、自治会活動参加への励みになったといった声などを聞いております。
 また、今後について、自治会からは、現在入居している学生が卒業しても次の学生に引き継いでくれるとありがたいといった声や、学生からは、自分たちの活動を後輩に引き継いでいきたいといった声などを聞いております。

○ほっち委員 今、答弁いただきましたけれども、今後もこの事業を広げていってほしいと思う一方で、先ほど自治会や学生からの要望にもあったように、今、入居している学生たちが卒業等で退去しても、これまで自治会と学生とで築いてきた自治会活動の取組が次に入居する学生に引き継がれていくためにも、学生が退去した後も安定的な入居が続くような取組、工夫が必要であると考えます。
 そこで、これまでの実績を踏まえた課題と都の見解についてお伺いをいたします。

○小町経営改革担当部長 本事業を開始して、今年度で三年目を迎えましたが、団地によっては、卒業等により学生が退去するなどして、追加の募集を行ったものの、その後の新たな学生の入居につながらないケースも出てきております。原因としまして、募集情報が学生に十分に伝わっていないことが考えられます。
 これまで協定締結大学の要請に応じて、学生向けの説明会を開催してまいりましたが、開催した大学では、募集戸数に対して申込数が上回るなど、一定の効果が見られました。今後は大学の協力を得て、全ての大学で積極的に開催していくなど、募集活動を強化していく必要があると考えております。

○ほっち委員 都営住宅の空き住戸を活用した新たな事業として始まって三年目を迎えたということで、課題もあるとのことであります。
 この事業は、自治会活動の支援がメインの目的です。自治会が助かることはもとより、学生にとっても低廉な家賃で入居することができる上、自治会活動の役に立てるという貴重な体験ができるなど、まさに双方にとってメリットがあるものであります。
 新たな団地にも学生に入居してもらい、自治会活動を支援する取組を広げていくことも大事でありますが、今の答弁にもあるように、既に入居している団地についても安定的かつ継続的な支援につながるよう、丁寧なフォローを行っていただくことを要望して、次の質問に移ります。
 続きまして、我が都議会自民党では、これまで既存住宅市場の活性化をさらに進めるべきと重ねて主張してまいりました。都は、空き家施策実施方針を策定した後、民間事業者による既存住宅を良質な住宅に改修して、適正な評価の下で販売する取組などに対し支援をする既存住宅流通促進民間支援事業を開始しております。
 そこで、お伺いいたしますが、既存住宅流通促進民間支援事業の目的と概要、実施状況についてお伺いをいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は昨年度から、安全・安心な既存住宅流通の促進と良質な既存住宅が積極的に選択、評価される流通市場の形成を促すことを目的としまして、既存住宅を良質な住宅に改修して、適正な評価の下で流通させる取組や、建物状況調査、瑕疵保険等の普及の取組を行う民間事業者を支援する事業を実施しております。
 応募があった提案について、実現可能性や発展性等の観点から審査を行いまして、昨年度三件の取組を選定いたしました。

○ほっち委員 今の答弁のとおり、今三件を選定し、事業を実施しているということでありますが、これまで選定した主な取組について、具体的な内容をお伺いいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 昨年度実施した既存住宅流通に対する支援事業では、マンションの買取り再販事業者が共用部のサッシを含む窓全体を断熱省エネ性能の高いものに改修するに当たりまして、管理規約に共用部の窓ガラス等に関する特段の定めがなく、総会の決議が必要な場合に、より簡便な手続で実施できるように、管理規約の改定を支援する取組などを選定いたしました。
 また、普及啓発に対する支援事業では、不動産事業者が既存住宅の売主を対象とする事例を紹介するセミナーを開催しまして、建物状況調査や瑕疵保険の重要性、有用性について解説するとともに、相談対応を行うことによりまして、売却時に買主に対して建物情報を開示する意識を醸成する取組を選定いたしました。

○ほっち委員 今年度も既に新しい事業が選定されていると聞いております。引き続きこうした民間事業者による好事例を増やしていくことが大切であります。
 そこで、今後、民間支援事業で選定したモデル的な事業の成果をしっかりと生かしていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 昨年度開催しました空き家シンポジウムにおきまして、建物状況調査などを活用して、既存住宅を売買する取組や、それによる効果について、選定事業者に講演していただき、その様子を収めた動画を東京都公式チャンネル、東京動画で広く公開しております。
 こうした選定事業者による先導的な取組をより広く普及させるためには、業界団体の協力が不可欠でございまして、会報誌への掲載や研修会での説明などを通して、会員への周知を行い、同様の取組が多くの事業者で実施されるよう働きかけてまいります。
 これらの普及啓発を通じて、都民が安心して既存住宅を売買できる市場の整備を図ってまいります。

○ほっち委員 聞くところによると、まさに本日、空き家シンポジウムが開催されているということであり、よい取組をしっかりと周知をしてもらいたいというふうに思っています。
 本事業の成果が今後有効な施策につながることを期待して、質問を終わります。

○西沢委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西沢委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十九分散会