都市整備委員会速記録第七号

令和六年六月七日(金曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長竹井ようこ君
副委員長土屋 みわ君
副委員長尾崎あや子君
理事加藤 雅之君
理事森口つかさ君
理事田村 利光君
松田りゅうすけ君
関野たかなり君
原田あきら君
中山 信行君
後藤 なみ君
西沢けいた君

欠席委員 一名

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務谷崎 馨一君
次長小平 基晴君
技監小野 幹雄君
総務部長山崎 太朗君
都市基盤部長特命担当部長兼務長尾 肇太君
市街地建築部長飯泉  洋君
築地まちづくり推進担当部長高橋竜太郎君
住宅政策本部本部長小笠原雄一君
技監青柳 一彦君
住宅企画部長松崎伸一郎君
都営住宅経営部長栗谷川哲雄君
技術企画担当部長DX推進担当部長兼務相羽 芳隆君
建設推進担当部長小久保信一君
営繕担当部長小野寺弘樹君

本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
契約議案の調査
・第百五十七号議案 都営住宅六H−一三四東(葛飾区新宿四丁目)工事請負契約
・第百五十八号議案 都営住宅六H−一〇四西(清瀬市野塩二丁目)工事請負契約
・第百五十九号議案 都営住宅六H−一〇三西及び六M−一〇三西(練馬区田柄二丁目)工事請負契約
都市整備局関係
報告事項(質疑)
・築地地区まちづくり事業について
・東京都建築安全条例の見直しの考え方について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○竹井委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することとなっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和六年六月五日
東京都議会議長 宇田川聡史
(公印省略)
都市整備委員長 竹井ようこ殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百五十七号議案 都営住宅六H−一三四東(葛飾区新宿四丁目)工事請負契約
 第百五十八号議案 都営住宅六H−一〇四西(清瀬市野塩二丁目)工事請負契約
 第百五十九号議案 都営住宅六H−一〇三西及び六M−一〇三西(練馬区田柄二丁目)工事請負契約
2 提出期限 令和六年六月七日(金)

○竹井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の契約議案の調査及び都市整備局関係の報告事項に対する質疑並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 契約議案の調査を行います。
 第百五十七号議案から第百五十九号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○中山委員 本定例会に付議されております都営住宅の契約案件について質疑を行います。
 まず、本契約案件におきまして、都議会公明党が前々から実現を提案し、推進を図ってきました間取りの改善や、建て替え事業に関する説明や案内方法の在り方などでの改善などが、本契約案件でどう実現されているのかについて伺ってまいりたいと思います。
 最初に、複層ガラスの採用や断熱材の強化など省電力化に向けた改善です。
 本契約案件でも積極的に取り組むべきと考えますし、本契約案件では間に合っていない取組につきましても、できる限り早期に実施するべきと考えます。併せて見解を求めます。

○小久保建設推進担当部長 脱炭素化に加えて、居住者の健康確保の観点からも、都営住宅の断熱性能を高めていくことは重要であります。
 本契約案件では、壁、床などへの断熱材の設置や、省エネ性能の高い設備機器の採用により、品質確保法で定める断熱等性能等級における等級四の基準を満たす仕様となっております。
 さらに、令和五年七月に基準設計を改定し、複層ガラスの窓の採用や壁の断熱材の増強などにより、断熱等性能等級五以上の基準を満たすZEH水準に引き上げ、建て替え事業の基本設計に順次反映させており、令和七年度の工事発注を目指しております。

○中山委員 ZEH水準の取組は、令和七年度工事発注から取り組むという、初めての答弁がございました。ぜひ積極的な推進をこれからもよろしくお願いしたいと思います。
 次いで、私が足立区の辰沼団地の建て替えが始まる際に提案をしまして、ご努力をいただいて実現をしていただいております内容について質問します。
 単身世帯でも、離れて居住する血縁のご家族などが訪ねてきた場合などに宿泊できる、または車椅子利用になっても転居せずに、室内で車椅子の方向転換などをスムーズに行えるような、やや広い間取りの単身用住戸への取組が必要でございます。
 本契約案件での導入は可能なのか、もし可能ではない場合であっても、今後の建て替え案件においては速やかな実施を求めるものでありますが、見解を求めます。

○小久保建設推進担当部長 高齢居住者の介護者が滞在でき、小さなお子様がいらっしゃるひとり親世帯の方々なども入居できる広さと二つの居室を備えた新たな間取りにつきましては、本契約案件においては対応しておりませんが、試行を行う団地について、地域や規模等の観点から検討を速やかに進めてまいります。

○中山委員 今回は残念ながら、時期的な問題として間に合っていないけれども、辰沼団地で試行していただいております内容を踏まえて、速やかに、いつから実施するのか、そのことを決定して表明していただきたいと思います。
 また同様に、例えば単身世帯の場合、建て替え後は、少し間取りが狭く、使用料もより安い居室を希望する方と、多少家賃が高くなってもよいから、やや広めの居室を希望される方とがいらっしゃいます。こうした点につきまして、これまでは、一つの団地の建て替えの場合には、一律的に同じ広さの狭い間取りのもの、単身世帯用ですけれども、部屋しか用意されていないのが通常でございました。
 しかし、建て替えを迎えるような老朽化した都営団地では、新築時とは異なりまして、入居者は単身者が大半を占めるようになっております。入居後、多くの年月を経て単身となった入居者の方々も、新入居時は家族とご一緒に入居されていたわけであります。こうした場合におきまして、建て替え時点での居住者の世帯構成比率に合わせて新築後の居室を設計してしまいますと、せっかく建物が新しく建て替わっても、単身者用の狭い居室ばかりが多い新築団地となってしまいます。
 都営住宅に入居できる単身者の多くの方は高齢者であります。したがって、単身者用の住戸ばかりが多い団地では、建て替え後も、何年経過しても、結果的に高齢者しか入居してこないわけでありまして、高齢者ばかりが多い世帯構成となり、自治会運営もままならないと、改善を求める声を多く承ってまいりました。
 そこで、辰沼団地におきましては、単身で高齢の居住者の方に、建て替え後、狭く安い部屋を望むか、やや広く使用料がやや高い部屋を望むのか、アンケートを実施してもらって、その結果を参考に間取りの設計に臨むように提案し、実現に導いていただいております。
 今回付議されております建て替え工事契約案件におきましても、辰沼団地と同様に事前のアンケートを実施し、できる限り居住者意向に応じた間取りとするべきと考えますが、見解を求めます。

○小久保建設推進担当部長 本契約案件におきましては、現行の型別供給基準に基づき計画しております。アンケートの実施も含め、新たな間取りの試行を行う団地につきましては、地域や規模等の観点から検討を速やかに進めてまいります。

○中山委員 今回の団地は、時期的な問題がありまして既に始まっている工事でございますので、間に合わないということでございますけれども、ぜひこの点も速やかに試行の結果を検討していただいて、自治会の要望等もあると思いますから、それに応じて、できる限り積極的に提案に応じていただきたいというふうに思います。
 続きまして、同じく辰沼団地の建て替えで実施していただいた内容ですが、建築後、立地環境などの変化が発生した場合に備えての間取りを柔軟に変更できる仕組みの導入であります。
 具体的には、単身者向け住戸と二人以上の住戸とを隣接して設置して、ニーズ変化が生じた場合には、両居室間の間仕切り壁を取り払い、三人以上の子育て向け住戸などに変更して、子育てに貢献できる備えとしていくこと、それを新築から取り組んでいくことが、新築の時点から用意して備えていくことが必要ですので、その取組の実施という点でございます。
 今回の工事契約案件ではどう取り組んでいるのか、見解を求めます。

○小久保建設推進担当部長 都営住宅におきましては、将来の周辺環境の変化などにも対応できるよう、柔軟に間取りを変更できる住戸を供給していくことが重要でございます。
 平成十二年度に改定した基準設計から、一人世帯向けや二人世帯向けの住戸について、隣接する二つの住戸の間の壁を撤去し、一つの住戸として使用できるよう、改修が可能な構造を取り入れております。
 本契約案件を含め、現在建て替えを実施している全ての案件では、隣接する二つの住戸を一つの住戸として改修が可能な構造としております。

○中山委員 この点は、もう既に実施後十年以上たっているので、本契約でも実施されていますよということでございます。
 ただ、その間仕切り壁を取り払って対応した例というのは、まだないということを伺っておりまして、社会環境がどんどん変化しておりますし、足立区の北綾瀬というところでも、始発電車が少なかったのが増えたりとか、そういうこともございまして、いろいろな社会環境の変化というのはそれぞれの地域で発生していると思います。そうしたことにつきましては柔軟に対処して、しかるべきタイミングを見て、実際にその間仕切り壁を取り払うような実例というものも積極的に対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続いて、ハード面での改善ではなくてソフト面での対応であり、工事内容とは直接的に関連しませんが、これまでは、都は、大規模団地の建て替えの際は、一期、二期、三期等々と工事の実施時期は分かれますが、その際は、建て替え時期が到来した住棟ごとにしか移転説明会を実施してきませんでした。しかし、それですと、大多数の住民の方は、いつまでたっても建て替えに関する素朴な疑問にも答えていただける機会が得られず、臆測が臆測を呼んだりしまして、混乱と不安が続くことになりかねません。
 この点、今回の契約工事でも、辰沼団地と同様に、早い段階で多くの住民の方々に対して情報を提供できる、そういう機会をつくっていくべきと考えますが、見解を求めます。

○小久保建設推進担当部長 本契約案件の新宿四丁目アパートと野塩二丁目アパートにつきましては、既に最終期の建て替え工事となっており、移転説明会は終了しております。
 田柄二丁目アパートにつきましては、二期工事の居住者に対して、一期工事の居住者と同時期に建て替え事業に関する情報提供を行っており、引き続き丁寧な情報提供に努めてまいります。
 なお、今後建て替えを予定している団地につきましても、居住者の皆様が不安を抱くことがないよう、自治会の要望等を伺いながら、団地の事情に配慮し、適切な方法で情報提供に努めてまいります。

○中山委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 今申し上げましたように、大規模な団地ですと、辰沼団地などの場合だと五期ぐらいにわたって工事が実施されます。その間、住民の方々の生活は続きます。建て替えが始まったからといって、例えば体に影響が出るような、そういう修繕の必要、あるいは大きく著しく生活の質が落ちるような、そういう問題が発生した場合に、建て替えが始まったからといって、もうそこの団地の修繕は行いませんというようなことが行われますと、せっかくいろんな点で建て替えに伴って工夫を凝らしたとしても、住民の方々の気持ちが伝わっていないというふうに、丸ごと否定されてしまうようなことにもつながりかねません。
 そうした意味におきましては、建て替えが始まった後も、またこれから始めようとする際においてもそうですけれども、住民の方々の生活に大きく影響が出るような課題が生じた場合には、柔軟に修繕をしていくべきだと考えますが、見解を求めたいと思います。

○小野寺営繕担当部長 建て替え事業の期間中におきましても、既存の各住棟について、過去の修繕実施状況や建て替えの着手時期を勘案いたしまして、日常的な修繕や緊急時の修繕などを適切に実施してまいります。

○中山委員 ぜひ、大事な視点ですので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、こうした建て替え工事などが今後も安定してスムーズに実施されていくためには、その工事を受注することが可能な建設事業者の経営の安定というものが必要でございます。この点では考慮するべき課題がたくさんあるというふうに思われますけれども、本日はあえて、働き手や工事の中心となります技術者の確保という課題に絞って質疑をしたいと思います。
 まず、発注者側からの不当な業務対応依頼、パワーハラスメントというふうにいわれる場合もあるかもしれませんけれども、そうした行為の抑制について質問したいと思います。
 小池知事は、カスタマーハラスメントを防ぐための取組として、東京都としての条例の制定と具体策の構築を急ぐとしておりまして、私どもも、連合東京さんなどから、労働者団体から同様の要望を受けておりまして、会派としてもその必要性を強く認識し、実効性を高めるための提案を重ねているところであります。
 発注者と受注者との間のやり取りの課題というものは、直接カスタマーハラスメントという概念に当てはまるかどうか分かりませんし、また別の法規上、対応が必要な案件であると思います。しかし、社会的には同じ問題意識から捉えられる課題点もありますので、取り上げたいと思います。
 私が問題視したいのは、契約書や仕様書にされていない資料の作成を求めたり、ちょっとこれ頼むよということで、予定されていなかった事柄の対応をお願いしたりする、そうした事柄でございます。
 もちろん、仕様書そのものを事業者に作成させるというようなことは、本当はあってはならない大問題でありますけれども、これは受注者、受注事業者の働き方の問題というよりは、契約制度そのものの正当性に疑念を抱かせるような問題ですから、これはもう絶対に慎んでいただきたいと思います。
 ただ、こうした問題で厄介な点は、法的には許されていない行為である、やってはいけないよということはかねてから注意してあるという前提のものですから、そういうものはないということが前提となってしまっているという点であります。
 しかし、実際はそうではありません。例え話として適切かどうか分かりませんけれども、学校教育の現場では、いじめの問題というようなものも取り上げられたりしますけれども、いじめの問題を論じるときに、どこでも、どの学校でも起こり得るんだという前提で臨んでいかないと、問題の解決というのは進展していきません。こうした不当な要求というものも、やる側は、大したことをお願いしているつもりじゃないという面もありますので、気軽に行われてしまっていたりとか、あるいは年配の人が若手の職員の方に、それはちょっと頼んでおけばいいよなんてことで引き継いじゃったりとかするということがあり得がちでございまして、あるという前提で取り組んでいくことが大事だと思っております。
 都ではありませんけれど、ある区の実例としてお話ししますが、事業者の方から、私たちが働いている工事の現場を夜見に来てくださいといわれまして、複数の議員を同行して一緒にお邪魔したことがあります。
 そこでは、若い会社員の方がパソコンに向かって作業を夜中されておられまして、何をしているんですかって聞きますと、壁の中に埋め込まれている電線をレントゲン写真に映して、それを一つ一つの図面に描き起こしているという作業をしていらっしゃいました。この電線図面は今行っている工事の案件で必要な図面なんですかと聞きましたところ、そうじゃないですと。私たちの工事の後に続く工事で必要なんですと。そのことは、じゃあ仕様書に書いてあるんですかというと、書いてありませんと。せめてレントゲン写真を撮って提供するだけでいいんじゃないですかというふうに申し上げたところ、担当している役所の職員の方から、この後の工事を担う事業者の方に電線図面を渡すと私がいってしまったからと。しかし今はない。だからつくってほしいということでお願いしてやっていますということをおっしゃっていました。
 社長さんは、この若い人たちは昼間一生懸命、今の工事で働いているんです、それが終わった後、夜中こうしてパソコンに向かって作業しているんですと。こんなことを続けていたら、この子たちも辞めてしまうかもしれないし、建設業界に人は来なくなってしまうということをすごく心配されておられました。
 当然、私は、その役所のトップの方にそのことをお伝えして、それ以降の是正を求めたところでありますけれども、私が見聞きした事例は数年前の話でありまして、もうほんの一例かもしれません。これをもって現場仕事の全体像を語ることはできないかとは思います。しかし、似たような案件は今でも起こっているというふうに聞くことも多うございますので、先ほど申し上げたように、ささいなこととは思っても、請け負う側の労苦は並大抵のことではありません。
 東京都に提出する関係書類の省力化、その提出方法の簡便化、電子化などを急ぐとともに、そもそも発注者として有利な立場を利用して、契約書や仕様書に記載のない役務への協力を求めてはならない、こうした当たり前のことを徹底することから、建築現場で働く人材不足の克服に協力をしていくべきだというふうに思います。
 やむを得ず、急に何かお願いしなきゃならないことが発生した場合には、たとえ数万円、数十万円であっても、別契約できちっと対価を支払ってお願いをしていくということが当たり前かと思います。
 こうした対応を住宅政策本部から率先して実施をしていただいて、仮に今後、全庁的にこうした動きを改めなきゃいけないということで、目安箱的なものが設置されたとしても、少なくとも住宅政策本部の発注案件からは、そうした報告はないというような状態をつくり上げていくということが大事かと思っておりますので、併せて見解を求めたいと思います。

○小久保建設推進担当部長 受注者に契約書に定めのない業務を不当に行わせてはならないことから、工事の発注に当たりましては、仕様書などで条件を明示し、工事内容を明確化しております。
 工事の発注後において、例えば地中障害物対応や近隣要望による追加の安全対策が生じた場合などは、受注者と丁寧に協議し、必要となる工事金額の増加や工事期間の延伸などについて契約の変更を行っております。仮に受注者の方々から苦情等が寄せられた場合は、受注者の方々が不利益を被らないよう、迅速かつ適切に対応してまいります。
 また、都では、工事関係書類の削減、簡素化に取り組むことにより、受注者の方々の負担軽減に努めてまいります。

○中山委員 ご答弁ありがとうございました。そういうふうに、そういう情報をお寄せいただく方々の不利益にならないように、何かあれば遠慮なくおっしゃってくださいという環境をつくり上げていくことがとても大事かと思います。また、翻って我が身に当てはめても、都庁の方々の働き方改革に逆行するようなことを、私自身が慎むようにしながら取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、建造物、住まい空間としての質を落とすことなく、建築事業者の働き方改革に貢献できるような都営住宅、まあ公社住宅も同じですけれども、工事での工法や技術の改良について質問したいと思います。
 私は、建築などの工法の専門家ではありませんので、あくまで門外漢として伺うものでありますけれども、聞き及ぶところによりますと、例えば都営住宅の居室では、木製の柱材が住まわれている居住者の方から見える、現しといういい方があるそうですが、呼ばれる工法が採用されています。
 居住空間を組み立てる際の工法としては、正確な表現なのかどうかちょっと分かりませんけれども、木間仕切りや内壁と呼ばれる真壁工法と、ユニット式や外壁と呼ばれる大壁工法の二種類があるといわれております。真壁工法は、柱やはりを隠さずそのまま外に見せている間取りでありまして、大壁工法は、柱やはりを壁で囲んで見えなくしている工法といわれております。
 あくまで比較相対の観点ではありますけれども、かんなとか、のみとか、のこぎりとか、金づちとか、そうしたものを駆使して、工事現場で経験値や技術力などの発揮が求められる、いわゆる大工仕事は、真壁工法を採用する場合に、より多く多彩に必要とされる傾向がありまして、大壁工法では、そうした大工仕事力への負担もしくは依存というものをより軽減した、できる限り不要としていくような取組というふうに理解しております。
 民間建築では、集合住宅やオフィスビルはもちろんのこと、近年では戸建て住宅でも、効率性などの観点から大壁工法が大勢を占めています。都営住宅はいまだに、いろんな意味があるんでしょうけれども、真壁工法が中心となっております。
 また、新築と修繕との比較の上では、いわゆる大工仕事力というものは、より修繕の現場で技術力の発揮が求められる傾向にあると伺っております。
 今回付議されております工事案件は、あくまで新築でありまして、都営住宅の工事現場の大宗は、二十六万戸に及ぶ都営住宅の各居室における入居者の入替えに伴うリフォーム工事が占めております。新築は違うかもしれませんけれども、件数の上では修繕がほとんどということになってまいります。
 一方、不足化が進行している建築人材の中でも、特に大工、修繕の現場への仕事力の発揮が求められるのは、いわゆる営繕大工という呼ばれ方があるそうですけれども、この営繕大工の方々の不足、高齢化というのが深刻化していると聞いております。
 入居者が退去された後、次の入居者のために迅速な工事の実施が求められる空き室リフォームなどの都営住宅の修繕工事が工事全体の発注の多くを占める住宅政策本部におきましては、この営繕大工の不足や高齢化の進行は、局としてのお仕事を遂行していく上での致命的な危機となりかねません。
 人数が年々減ってきているとはいえ、現在も働いていらっしゃる営繕大工さんの大半は、財政基盤の弱い都内の中小の工事店にいらっしゃいます。経営体力の乏しい中小の建築会社が、職人さんなどの不足から倒産や廃業を一たび余儀なくされれば、再び入札への参加、受注参画を遂げていくことは非常に極めて困難なことであります。
 大事なことは、今指摘したようなことは、五年先、十年先ではなくて、今年中にも、来年にも、発生する可能性が大きいという点にあります。この点においては、座してほかの局の努力を待っていたんでは、住宅政策本部自体が追い込まれることになってしまいます。住宅政策本部として、営繕大工の確保と育成に向けて積極的に打って出るべきと考えております。
 また、新築におきましても、鉄筋コンクリートと鉄骨、それから鉄骨同士においても、軽量鉄骨、そうしたものを使っても鉄筋コンクリートとほぼ変わらない、もちろん建物の規模にもよりますけれども、そうした安定性を確保できる工法というものも、近年では生み出されていると聞いております。そうしたものを使った方が、実際に工事現場で働く方々の身体的な負担というものは非常に軽くて済む。また、工期も短くて済むというふうにお伺いもしておりますので、この点も大事な課題であります。
 居住者の方々にとって、住み心地のよさというものをしっかり堅持しながらも、建築事業者の方々の働き方改革に貢献できるような都営住宅、まあ公社住宅も含みますが、建築工事での工法や技術の改良に取り組むべきと考えます。都自ら事業者団体から進んで意見を聴取し、急ぎ対策を取りまとめるべきと思いますが、見解を求めます。

○相羽技術企画担当部長DX推進担当部長兼務 都営住宅の質を維持向上させていくためには、内装工など技能者の確保と育成に努めるとともに、工事現場の生産性の向上を図ることが重要でございます。
 技能者の確保と育成については、内装工などの技能者が担う工事で、東京都住宅供給公社において、小口・緊急修繕工事店の制度や業種ごとの分離分割発注を行い、中小企業の受注機会の確保を図っております。
 工事現場の生産性の向上については、昨年度、配管工事で、軽量かつ切断が容易な塩化ビニール管を採用するなど、基準設計を見直しました。
 今後、建設業界との意見交換を通じて、技能者の確保、育成、工事現場の生産性の向上をテーマとして取り上げ、対策を検討していきます。

○中山委員 本年四月から、罰則つきの時間外労働の上限規制が建設、運輸業界にも本格適用されております。また、資材高騰や資材の入手困難、物価を上回る賃金増への社会的要請などへの対応があり、都内をはじめ、全国の事業者の方々にとっては非常に大きな課題となっております。
 もともと、かつて三Kとやゆされて、若い方々の求人に苦労してこられた建設業界においては、昨今はもはや限界点といっても差し支えないほどの働き手の高齢化、若手人材の不足、技術者の急減に直面しています。
 こうした課題についての対応は、契約制度は、都庁では財務局、また雇用、就労政策という点では、またその経営支援も含めまして産業労働局というふうに、都庁内でも担当が分かれてはいるんですけれども、住宅政策、都営住宅の主管局は住宅政策本部であります。都営住宅の建て替えや修繕の工事が、これまで担ってきた建築事業者側での働き手不足や技術者の不足から、順調に進展しなくなるような事態を迎えてしまえば、困るのは住宅政策本部の側であります。
 長年、都営住宅の維持更新事業を担ってこられた建設関連事業者が、今日の極めて深刻な人材難の状況にも屈することなく、個々の契約案件で着実に工事を履行、完了していただくことは当然ですけれども、将来におきましても、多くの事業者が安定して事業を承継して、引き続き都営住宅等の維持更新事業を担っていただける環境を確保することが必要であります。
 住宅政策本部におかれましても、他局の事業を紹介しているだけでは事足りません。他局任せにせず、積極的に自ら手を打つべきと考えます。対応のスタートは、先ほど申し上げましたとおり、将来ではなく今すぐであります。倒産や廃業の危機は今年中も迫ってきているといって過言ではありません。七年度予算の編成を待っている余裕すらもないというふうに私は考えます。
 そこで、住宅政策本部長におかれまして、関連他局に対して具体的にベクトルを指し示して対策の強化を呼びかけ、自らも本部内においてリーダーシップを発揮されていかれるべきと考えます。決意をお伺いしたいと思います。

○小笠原住宅政策本部長 我が国の生産年齢人口が減少する中、都営住宅の建て替えや修繕の工事を円滑に進めていくためには、発注者である住宅政策本部として、建設事業者の働き方改革や人材確保につながる取組を率先して実施していくことが重要でございます。
 そのため、都営住宅の建て替え工事においては、週休二日を確保した適切な工期の設定などを一層推進してまいります。
 また、工事現場における生産性の向上に向けまして、リモートで施工状況の確認を行う遠隔臨場や、インターネット上で書類の提出を行う情報共有システムなど、デジタル技術の活用を積極的に進めてまいります。
 こうした取組に加えまして、次世代を担う人材の確保、育成に向けて、業界団体と意見交換をしながら、建設業の魅力を発信してまいります。
 これらの取組の実効性を高めながら、得られた知見を庁内で共有するとともに、建設業界の働き方改革の機運醸成を図り、工事の担い手を確保できるよう後押ししてまいります。

○中山委員 本部長、答弁ありがとうございました。
 あくまで一般論ということになりますけれども、聞き及ぶところによりますと、デフレのときには、建築業界とかいうところは比較的利益が出やすいけれども、インフレ時期になってくると出にくいという傾向にあるというふうに聞いております。
 総価契約と単価契約というものがありますが、単価契約という今現在の制度が、インフレが著しく進行しているときになじむのかどうかという点も、いろんなお声を頂戴しているところであります。
 契約制度自体は、都庁でいえば財務局でありますし、また、法規制という点でいえば、国の改正、対応というものを待たなければなりません。国との連携という点では、私どももしっかりと責任を持って取り組んでいきたいというふうに決意しているところでありますけれども、ただ、現在の法規制の中でも、より建築現場の方々の力を発揮しやすい、また、今ある課題というものを克服しやすい取組というものが可能かもしれません。そういう面では、しっかりと財務局とも連携していただいて、意見交換を図っていただきたいと思います。
 その上で、財務局との意見調整がうまく進まない場合にあっては、建築関係の法規の許される中で、場合によっては、住宅政策本部単独でも都庁としての契約の在り方の見直しを図る、そうした英断も必要なぐらいの状況であるということを申し上げて、私の質問を終えさせていただきたいと思います。
 以上です。

○尾崎委員 私の方からも、都営住宅の契約議案について質問したいと思います。
 議案百五十七号、葛飾区新宿四丁目都営と、議案百五十八号、清瀬市野塩二丁目都営は、それぞれ今回の契約で建て替えが全て終了することになります。都営住宅の建て替えによって新しくできた住戸は何戸ですか。また、それぞれの従前の戸数は何戸なのか伺います。

○小久保建設推進担当部長 葛飾区新宿四丁目アパートの建て替え後の全体戸数は四百六十五戸であり、従前戸数は三百三十七戸でございます。
 清瀬市野塩二丁目アパートの建て替え後の全体戸数は八百十戸であり、従前戸数は七百一戸でございます。

○尾崎委員 葛飾区新宿四丁目の全体戸数では、従前よりも百二十八戸増えているということになります。清瀬市野塩二丁目の全体戸数も、従前よりも百九戸増えているということが分かりました。
 しかし、葛飾区全体の都営住宅を見ると、廃止されるところもあるので、やはり今回の建て替えに関わってということだけではなく、自治体単位で都営住宅の戸数は減らさない、増やすという方向が大事だと要望しておきます。
 議案百五十九号、練馬区田柄二丁目都営は、今回が第一期目の建て替え工事になりますが、従前の戸数と、建て替えによって移転する世帯数、また、建て替えが終わったら戻ってきたいという世帯は何世帯ですか。

○小久保建設推進担当部長 田柄二丁目アパートの第一期工事における従前戸数は七十七戸でございます。従前居住者は六十三世帯であり、現在は他の団地へ移転しております。
 建て替え後のアパートに入居を希望している居住者は、移転時の抽せん会の実施時点で三十二世帯であり、その全ての世帯が入居する予定でございます。

○尾崎委員 建て替えの場合、一期工事で一旦はほかの都営に移っても、希望する方は、建て替え後に必ず戻れるようにすること、改めてお願いするものです。
 今年の夏も猛暑だと予想されています。気候危機打開は待ったなしです。東京都は、二〇三〇年までにカーボンハーフの目標を掲げていますが、二〇〇〇年度比で温室効果ガス排出量について二・三%削減、エネルギー消費量は二七%削減と、昨年公表されました。
 そこで、都営住宅の建て替えに関わり、緑地、植栽を増やすことになると思いますけれども、どういう基準になっているのか伺います。
 また、今回の工事で建て替えが終了する葛飾区新宿四丁目と清瀬市野塩二丁目の緑地の面積は幾らになるのか伺います。

○小久保建設推進担当部長 緑化につきましては、都または区市の緑化条例に定める敷地面積に応じた基準に基づき、協議の上、緑地等を整備することとなっております。
 葛飾区新宿四丁目アパートにつきましては、今回の契約議案である建て替え事業の範囲における緑化面積は約四百九十平米でございます。
 また、清瀬市野塩二丁目アパートにつきましては、今回の契約議案である建て替え事業の範囲における緑化面積は約二千九百六十平米であり、今後、団地南側に新たに整備する公園内の緑地を含めて基準を満たす計画としております。

○尾崎委員 東京都や区市の条例で、より厳しい方を満たすということになっているということもお聞きをしているところでございます。
 樹木は、気候危機やヒートアイランド対策として、CO2を吸収し、気温を下げる樹木の役割が期待されるところです。基準を満たす計画ということですけれども、基準を超える計画にしていただき、緑地の面積をより増やすことを要望するものです。
 建築業界は職人が不足しているということを聞きます。また、物価高騰の影響も大きいという声が届いています。都営住宅建て替え工事の契約にどのような影響が出ていますか。
 また、物価高騰は今後も深刻な影響があるのではないかと心配していますが、もしそういう状況の場合、どのような対策が行われますか。

○小久保建設推進担当部長 都営住宅の工事の発注に当たりましては、建設業の働き方改革に資する週休二日工事を推進するとともに、積算基準に基づき最新の単価を使用し、可能な限り実勢を反映した積算を行っており、直近の物価高騰の影響は入札予定価格に適切に反映しております。
 工事請負標準契約書には、契約後の賃金または物価水準の急激な変動により契約金額が不適当となった場合に変更を行うスライド条項を備えており、本契約議案においても、必要に応じ、本条項に基づき適切に対応してまいります。

○尾崎委員 ただいまご答弁あったように、契約後の物価水準の急激な変動等により契約金額が不適当となった場合には、スライド条項で適切に対応するということです。これは重要なことだと思います。
 建設業の人手不足問題や物価高騰への対策が求められていると痛感しています。住宅政策本部として、現場の状況をよくつかみ、スムーズに工事が進むよう求めていただきたいと思います。
 日本共産党都議団は、入居している人数で部屋の大きさが決まる型別供給には反対してきました。この間の本会議の質疑で、国は、公営住宅の型別供給の根拠となる省令は、現在は定めていないということも明らかになりました。単身者は一DK、二人用の二DK、三人用の二DK、それ以上の世帯で三DKと、型を絞って部屋の大きさを小さくする型別供給は、住まいは人権の立場から撤廃すべきです。
 先ほども中山委員からもお話がありました。都は、足立区の都営住宅辰沼団地で、バリアフリー化や介護スペースの確保を理由に、単身者の住居をこれまでの一DKもしくは二Kのどちらかを選べるようにということで、新たな間取りとして試行的に実施することになっています。
 辰沼団地での試行的実施を全ての都営住宅の建て替え時に実施すべきだと要望して、質問を終わります。

○竹井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。

○竹井委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 三宮理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 次に、報告事項、築地地区まちづくり事業について外一件に対する質疑を一括して行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○田村委員 私からは、築地地区のまちづくりについて質問させていただきます。
 これまで知事は、築地は守る、豊洲は生かすと発言し、あたかも築地にも市場機能を残すかのような期待を都民に抱かせてきました。その後、築地は市場ではなく、食のテーマパークみたいなものへと変わり、さらに現在は、食文化というフレーズに変わってきているようです。
 そこで、知事が発言した食のテーマパークをどう具現するのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 食のテーマパークという表現は、築地の歩んできた歴史を踏まえた一つの考え方として示されたものでございます。
 事業実施方針等では、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することなどを求めてございます。
 これらを踏まえ、今回選定した事業予定者の提案では、歴史ある食を堪能できるフードホールや、日本の食産業、文化の発展に寄与するフードイノベーション拠点の整備のほか、場外市場と連携したにぎわいの形成などが示されており、考え方は具現化されてきてございます。

○田村委員 事業予定者の提案を食のテーマパークとして認識しているとのことですが、それではそのテーマパークが地元へ及ぼす影響について伺います。
 例えば、スカイツリーと周辺の商店街が分断されたように、市場跡地の開発が進めば、来街者の囲い込みがなされ、今にぎわっている場外市場が、ともすれば勢いが失われてしまう懸念があります。ただでさえ老朽化している場外市場と新しい施設とのギャップが大きくなります。
 築地市場跡地開発の影響を受ける可能性のある場外市場との連携について、どのように取り組んでいくのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今回の提案では、場外市場の食材を使った食文化をアピールすることに加え、場外市場とつながるプロムナードを整備し、連続したにぎわいの創出を図ることとしてございます。
 また、エリアマネジメント体制を構築し、場外市場などの周辺地域と連携した継続的なにぎわいづくりを推進することとしてございます。
 具体的には、子供向け学び体験の場や都民参加型イベントの企画などが提案されてございまして、事業予定者は、関係者と調整するとともに、都とも協議しながら具体化を図っていくこととなります。

○田村委員 今答弁にあったエリアマネジメント体制は、事業予定者が構築していくとのことですけれども、ぜひ、地元にもこれから、もう既に協議体はあるようですが、様々な協議体ができていくようです。事業者任せではなくて、周辺地域との連携、東京都がしっかりと間に入って進めていっていただくことを要望しておきます。
 次に、土壌汚染対策について伺います。
 築地を食文化の拠点とするのであれば、土壌汚染対策もしっかり行い、都民が安心できるように万全を期すことが重要と考えます。
 安心にこだわるのであれば、しっかりとした土壌汚染対策を講じるべきと考えますが、今後の土壌汚染対策の取組について伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 土壌汚染状況調査についてはほぼ完了しており、調査した箇所の約四割が土壌汚染対策法に基づく基準値を超過してございます。
 地下水を飲用することがないことなどから、健康被害が生じるおそれはありませんが、基準を超過した区域については、今後、土地の改変を行う際に事業者等と協議するなど、関係法令に基づき適切に対策を実施してまいります。

○田村委員 築地市場の移転先となった豊洲市場の土壌汚染対策については、基準を上回る安全対策を講じてきました。一方で、同じく食を取り扱うことになる築地のまちづくりについては、関係法令に基づき対策を実施していくと話がありましたが、これは最低限のことしかやらないといっているのと同じです。
 基準を上回る安全対策を講じた豊洲市場の対応に疑問が残り、また、土壌汚染対策に想定以上の費用がかかった場合の対応なども検討しておくべきと指摘をしておきます。
 次に、議会への説明もなく選定した提案内容でそのまま事業を進めるということでは、あってはならないとこれまでも指摘をしてきました。
 今後、都は、マネジメント体制を立ち上げ、協議、調整しながら計画のブラッシュアップを図るとしていますが、議会の意見をどうやって計画に取り入れていくのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 審査委員からは、さらなる取組を期待するものとして、世界に対して日本の食文化の魅力を発信することなどが附帯意見として出されてございます。
 今後、有識者、都及び事業予定者によるマネジメント体制を構築し、これら附帯意見への対応などにつきまして、事業予定者と協議、調整していくとともに、その内容については、適宜議会に報告しながら、計画のブラッシュアップを図ってまいります。
 さらに、この体制により、まちづくり方針で示した将来像の実現に向け、事業段階に応じて事業予定者と協議、調整を継続するなど、魅力的なまちづくりに取り組んでまいります。

○田村委員 今、議会に報告しながらというお話がありましたけれども、質問は、議会の意見をどうやって取り入れていくのかという質問ですので、それにお答えください。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 繰り返しになりますが、今後、有識者、都、事業予定者によるマネジメント体制を構築しまして、これらの対応につきまして事業予定者と協議、調整していくこととなります。その内容につきましては、適宜議会に報告しながら、そこでの意見交換等を通じまして、計画のブラッシュアップを図っていきたいと思ってございます。

○田村委員 ということは、今、意見交換という話がありましたけど、その意見交換の中で議会の意見を取り入れていくということでよろしいでしょうか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 議会に報告しながら、そこでの質疑等を通じて意見交換させていただくということでございます。

○田村委員 報告の場で意見交換があるということで、そこで取り入れられるというふうに理解をいたしました。
 本プロジェクトは、七十年もの定期借地となっており、長期間にわたり周辺地域への影響が及ぶ事業です。事業者との協定締結後も都がしっかりグリップをして、周辺地域への影響を十分に配慮して、長期にわたり相乗効果が持てるように取り組んでいただきたいと思います。
 築地市場跡地は、都心に近い超一等地であり、都民の財産でもあるその土地利用は重要です。今回の提案では、大規模スタジアムやMICE施設を建設するとされていますが、これらの施設を整備することで東京にとってどのような効果が期待できるのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今回の提案では、国際会議に対応できるMICE施設のほか、スポーツイベントや大規模展示が開催可能な多機能型の大規模集客・交流施設などを整備し、導入機能相互の相乗効果を発揮することで、国際的な交流拠点を形成することとしてございます。
 さらに、都心やベイエリアのコンベンション機能、エキシビション機能との連携による相乗効果により、東京全体の魅力と付加価値の向上に大きく寄与するものと考えてございます。

○田村委員 築地まちづくりは、都民の期待も注目度も高い非常に重要なプロジェクトです。事業者任せではなく、都が主体的に地元議会とも連携をして推進していくことを要望して、質問を終わります。

○関野委員 それでは、私も築地まちづくり事業について質問をさせていただきます。
 本事業は、都民の関心も非常に高く、地元はもとより、東京全体にとって極めて重要なプロジェクトであると考えます。民間の力と知恵を十分に活用し、東京の持続的な成長につなげていくことが求められているところです。
 そこでまず、事業者の募集から今回の事業予定者の選定までの経緯について、改めて伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 都は、令和四年十一月に築地地区まちづくり事業の募集要項等を公表いたしまして、十二月に応募希望表明書、昨年一月に質問書の受付を行い、それぞれ三十四社、二十二社及び二つの企業グループから提出がございました。
 その後、昨年二月に二つの企業グループから応募を受け付け、外部有識者から成る審査委員会において審査が実施されてございます。
 審査に当たりましては、提案内容が多岐にわたる複雑な内容であることから、当初予定していたヒアリングに加えまして、追加のヒアリングを実施し、提案の内容が丁寧に確認されてございます。
 都は、審査委員会の審査結果を踏まえまして、本年四月に、十一社で構成された企業グループを事業予定者に決定し、公表したところでございます。

○関野委員 今回の事業は、都心のまたとない広大な土地で行われる大規模な事業であり、提案の内容も複雑かつ多岐にわたるというものも、募集要項や審査基準を確認する限り想像できるところです。
 都がホームページで公表している審査結果の資料を見ると、応募者が二グループに限られたとはいえ、審査は大変な作業だったということがうかがわれます。当初の予定よりもヒアリングの回数を追加して実施するなど、丁寧に審査を行ったために、審査委員会の委員はもちろん、事務局の職員も大変ご苦労だったのかなというふうに感じます。
 一方、応募者が二グループに限られたことについては、応募者数が多ければ、その中からさらによりよい提案を選ぶことができたのではないかというふうな考え方もできます。また、募集条件が厳し過ぎたため、特定の企業しか応募できなかったものではないかといった見方や、他企業グループを排除したなどという声もありますが、そこで念のため確認します。
 応募者が二グループだったとのことですが、募集条件に問題はなかったのか、この点についてお伺いします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 都は、事業者の募集に当たりまして、あらかじめ既存の開発事例なども調査し、特定の企業しか応募できないような募集条件となっていないことを確認し、また、審査委員会の意見も聞いた上で募集要項を作成してございます。

○関野委員 都として募集条件を設定するに当たり、特定の企業だけでなく、多くの企業が応募できる条件としていたということですね。実際、先ほどの答弁でも、募集要項の公表後、募集条件を確認した上で、三十四社の企業が応募希望表明をしているということでした。
 しかし、今回の事業は非常に規模が大きく、また長期にわたると同時に、これだけの各企業をまとめるグループとなるには、企業の信頼や経験が必要であります。それぞれの民間企業にとって事業参画には慎重な判断が必要であり、結果として応募者が二グループにまとまったということだと思います。
 いうまでもなく、より多くの企業に応募してもらうことが望ましいですが、一方、そのために募集条件を緩和すれば、七十年間という長期にわたる事業を十分な体制で実施できない企業が選定されてしまうことにもつながりかねません。今回のような非常に大規模な都有地活用プロジェクトの応募には、そうした難しさがあったのだろうと理解をしております。
 実際に審査結果を見る限り、決定した企業と失格となった企業には大きな差がありました。決定した企業は、審査結果を見る限り、都の募集要項や審査基準にある条件を含めたプロジェクト案となっていますが、失格した企業については、世界で認知度の高い日本の漫画、アニメ、ゲームを文化資源としたが、築地が持つ歴史的、文化的ストックを生かした提案がなかったり、全体の管理または運営に資する人員確保などができていないなど、各種構成員、他企業とのグループ化ができていないことで失格したのではないかというふうに考えました。
 もちろん、グループではなく、一社での申込みでも可能ですが、なかなか全ての事業に精通している企業は難しいところがあるため、グループでの募集も含めたものだと理解しております。
 また、日程的にも、募集要項を見る限り、公表から応募希望表明書の受付までの間は十日間と短いですが、この受付をしなくても、提案書の受付までに公表から十か月間の時間があるなど、他企業やグループを排除したという話も当たらないというふうに考えました。
 次に、具体的な事業の内容についてお伺いします。
 先日の本会議において、我が会派は、築地のまちづくり事業を日本の経済成長を牽引していくような事業としていくべきとし、知事に見解を求めました。
 知事からは、今回の提案では、国際的なスポーツ大会やエンターテインメント、大規模展示会などが開催できる施設など、国際的な交流拠点にふさわしい多様な機能を導入することとしていると答弁がありました。都市間競争が激化する中、東京の国際競争力を高めていくために、世界中から人々を出迎える国際的な交流拠点を形成することは喫緊の課題であると考えます。
 そこで、国際的な交流拠点の形成に向けて、具体的にどのような特色ある取組が提案されているのかお伺いをいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今回の提案では、可動式の客席などを組み合わせ、多彩なスポーツ、文化芸術イベント、大規模展示等が開催可能な全天候多機能型施設を整備することとしてございます。
 また、千二百人規模のボールルーム等を中心に、国際学会から数万人規模のイベントまで対応可能なMICE機能を導入するとともに、舟運ネットワークやナイトクルーズ、浜離宮や場外市場といった魅力ある周辺資源等により、築地ならではのアフターMICEを提供することとしてございます。

○関野委員 都心に近接した築地の立地特性や、隅田川など水辺といった地域のポテンシャルを積極的に活用した提案であり、高く評価をいたします。ぜひ事業予定者と連携して計画の具体化を図っていくよう要望しておきます。
 次に、食文化について質問いたします。
 築地がこれまで培ってきた大切な食文化を今回の開発の中で生かしていくことは重要です。さきの本会議における我が会派の代表質問に対しても、世界に誇る日本の食を堪能できるフードホールや、一流料理人の経験、技を学ぶ機会などを提供する築地クリナリーセンターなどが提案されているとの答弁がありました。食に根差した築地ブランドを守り、発展させ、世界に発信することは非常に重要であります。
 そこで、築地ブランドの発信に向けて、フードホールやクリナリーセンターでは具体的にどういった取組が提案されているのかお伺いをいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 フードホールは、隅田川沿いに舟運利便施設と一体的に整備し、国内外の観光客を呼び込み、場外市場や豊洲市場等の食材を使った江戸前の伝統的な食文化を体験してもらうことで、世界に発信することとしてございます。
 また、築地クリナリーセンターでは、最先端の研究開発関連機器を備えたラボや、プロ仕様の設備、調理器具を備えたオープンキッチンなどを整備し、国内外の食関連の研究者らが交流する機会や、未来の料理人を育成するプログラムなどを実施することとしてございます。

○関野委員 舟運の利用などについては、会派としても長年取り組んできたところであり、新しい観光としても必要なことであると同時に、場外市場などとの相乗効果も期待できます。もちろん、地上から、連続性や一体化などの検討も行うことも大変有意義な取組だと考えております。
 一方、こうした施設は、つくること以上に、実際の運営やイベントなど具体的なコンテンツが重要であります。要望ですが、例えば、答弁にあったオープンキッチンを地域の子供たちを対象とした食育教育などに活用するなど、地域のニーズを丁寧に酌み取りながら取り組んでいただきたいということもいいと思いますので、要望をしておきます。
 また、地域の方々の声など、工事期間中のことに関してもよく耳を傾けていただきたいと思います。
 これだけ大規模な事業となれば、工事も相当長期間になります。長期間にわたり仮囲いがされると、どうしてもまち並みが暗くなり、閉鎖的にもなります。
 そこで、例えば仮囲いをキャンパスに見立てたアートプロジェクトを展開するなど、工事期間中におけるまち並みに配慮しつつ、事業のPRにもつながるような工夫を検討していただきたいというふうに考えますが、都の見解を伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 本事業は、施設の竣工までに長い時間を要することから、工事期間中のまち並みやにぎわいの維持等に配慮するとともに、まちづくりに対し、地域の方々に関心を持っていただくことが重要でございます。
 お話のありました工事仮囲いの活用を含めまして、今後、庁内関係部局や事業予定者とも連携して、具体的な取組について検討してまいります。

○関野委員 よろしくお願いします。
 また、周辺には銀座があり、画廊のまちということでアーティストも多いです。ぜひ検討していただくよう要望をしておきます。
 地域の方々のニーズには、このほかにも、例えば地域のスポーツ活動に利用できる場所などの提供など、いろいろとあります。ぜひ地域の方々の声に寄り添いながら事業を進めていただくよう要望もしておきます。
 少し視点を変えて、都民の安全・安心の確保という観点から何点か質問をさせていただきます。
 まず、災害時の対応であります。
 今回の事業では、災害時における地域の防災性向上に向けてどのような取組が予定されているのか、まずはお伺いをいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今回の提案では、災害時に帰宅困難者を受け入れる一時滞留スペースを敷地全体で約二・八ヘクタール確保し、飲料水、災害用トイレ、Wi-Fi等の通信手段、デジタルサイネージ等を活用した多言語情報案内等を提供することとしてございます。
 また、災害に強い中圧ガスを活用したコージェネレーションシステムを採用し、街区内の各施設に電気と熱を安定的、継続的に供給できる体制を確保するなど、地域の防災性の向上に寄与する取組を実施することとしてございます。

○関野委員 地域の方からは、帰宅困難者対策に加え、避難所としての提供や避難者への備蓄品の提供などを求める声もあります。地元区などともよく協議をしながら、取組のさらなる充実に向けて検討いただくよう再度要望をしておきます。
 次に、土壌汚染対策についてです。
 食に根差した築地ブランドを発信していく上で、土壌汚染対策を適切に行っていくことは当然であります。
 都はこれまで、土壌汚染状況調査を実施し、その結果を公表しています。
 そこで、現在どのような調査状況で、今後どのように取り組んでいくのかお伺いをします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 土壌汚染状況調査につきましては、ほぼ完了してございまして、調査した箇所の約四割が土壌汚染対策法に基づく基準値を超過してございます。
 地下水を飲用することがないことなどから、健康被害が生じるおそれはございませんが、基準を超過した区域につきましては、今後、土地の改変を行う際に事業者等と協議するなど、関係法令に基づき、適切に対策を実施してまいります。

○関野委員 土壌汚染対策法に基づき、しっかりと対応を行うということでありました。
 もちろん、築地に中央卸売場をつくるわけではないんで、豊洲市場の整備に当たっての土壌汚染対策と同程度の対策を行うということは必要ないと思いますが、今後も法に基づき適正に対策を行い、そのことを都民に分かりやすくしっかりと情報発信することで、安心につなげていただくよう要望をしておきます。
 次に、開発に伴う周辺環境に与える影響についてであります。
 築地地区の開発に当たっては、この場所に高層建築物が建つと、東京湾から流入する風の道を塞ぎ、内陸部のヒートアイランドにつながるのではないかという懸念の声もあります。
 そこで、今回の提案では風の道への配慮はどのようになっているのか、この点についてお伺いをします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今回の提案では、敷地の中心に低層の大規模集客・交流施設を、東西に高層の建築物を分散させることで、谷形状の配置とするとともに、各建物の隣棟間隔を確保するなど、風の道を阻害しないための工夫を行うこととしてございます。
 今後、計画の具体化に当たりまして、建築計画上の工夫について複数案を比較検証するなど、周辺環境に配慮した最適な計画となるよう求めてまいります。

○関野委員 計画の具体化に当たり、さらによりよい計画となるよう検討を進めていただくよう要望をしておきます。
 最後に、今後の事業の進め方について質問をいたします。
 公表されている審査結果には、審査委員から附帯意見が付されております。例えば、文化芸術等の発信については、築地らしさを追求し、その築地らしさに根づいた独創的で魅力的な施設や取組のさらなる充実を図るといった意見が付されております。
 こういった審査委員からの附帯意見への対応も含め、今後どのようにこの事業を進めていくのか、この点についてお伺いをいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 事業予定者の選定に当たりまして、審査委員より意見が付されていることを踏まえまして、今後、外部有識者等も交えて事業予定者と協議し、提案された内容、計画のさらなるブラッシュアップを図ってまいります。
 その上で、今年度末を目途に、まちづくりの計画及び整備、運営等の条件等を定める基本協定を都と事業予定者との間で締結する予定としてございます。
 その後、令和七年度には、場外市場など周辺とのつながりにも配慮しながら、にぎわいを先行的に創出する施設に着工し、令和十四年度に主要な施設が竣工する予定となってございます。

○関野委員 築地地区まちづくりは、都民の期待も高い、非常に重要なプロジェクトであります。事業予定者と緊密に連携しながら、しっかりと前へ進めていただくよう要望をして、質問を終わります。

○加藤委員 では、私からも、若干重複するところもありますが、質問させていただきます。
 初めに、築地場外市場との連携について質問をいたします。
 場外市場は、築地市場が開場していた時代の趣をそのまま残しており、今でも多くの人が訪れてにぎわっています。外国人の旅行客にも人気でありまして、言わば築地場外市場は、築地市場と共に築地の歴史を培い、食の拠点として活気とにぎわいを育んできたと思います。したがいまして、築地のまちづくりにおいては、場外市場とともに地域全体を活性化していくことが重要と考えます。
 そこで、場外市場との連携は具体的にどのように行っていくのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 事業者募集に当たりましては、場外市場とのつながりにも配慮しながら、周辺地域などとの相乗効果をもたらす開発により、築地にふさわしいにぎわいの創出を求めてございます。
 今回の提案では、場外市場につながる一体的なプロムナード整備により、連続したにぎわいを創出するとともに、場外市場とも連携したイベントや施設の運営などの取組が示されてございます。

○加藤委員 今後の予定としましては、二〇二五年度に先行にぎわい施設の着工となっており、地区全体で一番早いオープンになると考えます。そうしますと、来客用の駐車場や駐輪場、業者の荷さばき駐車場のスペースの確保の問題も先行して出てきます。
 また、一期工事が本格化すれば、粉じん等の問題も心配されます。地元との協議の場で課題を話し合い、都としても全面的な協力や、時には指導をお願いしたいというふうに思います。
 次に、今回の提案によりますと、五万人が収容可能な大規模集客・交流施設やMICE施設等において、世界水準のイベントが実施されるなど、築地地区には多くの人が憩い、滞在することが想定されています。
 そこで、地区内の混雑対策を含めた安全な歩行者空間の確保にはどのように取り組んでいくのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 事業者募集に当たりましては、周辺地域の歩行者ネットワークとのつながりにも配慮しながら、歩行者空間を確保し、歩きやすいまちづくりを求めています。
 今回の提案では、周辺との連続性に配慮したプロムナードや立体的な人工地盤による歩車分離、歩行者サポートモビリティーの活用などによりまして、安全で快適な歩行者空間の導入などが示されてございます。

○加藤委員 次に、築地のまちが発展していくためには、何といいましても地区内及び周辺との円滑な交通アクセスの確保が重要であります。
 広域交通結節点の形成を図る築地地区では、例えば将来予定されている高速道路晴海線との接続などが大規模な複合開発であることも踏まえ、地区内外の円滑な車両動線を確保することは大変重要であります。
 そこで、今回の計画では、地区内外の道路交通計画はどのようになるのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今回の提案では、環状二号線や高速晴海線など、周辺の主要な幹線道路と接続しながら、敷地全体を周回できる地区内通路を整備するとともに、最先端のモビリティーの活用や専用レーンの整備などによるスムーズな交通処理計画が示されてございます。
 引き続き、地元要望も踏まえながら、高速晴海線を含めました地区外との円滑なアクセスについて検討してまいります。

○加藤委員 次に、この地区がまちとしての利便性を高めるには、円滑で快適な交通結節点の形成とともに、その基盤となる鉄道との接続が重要です。
 現在、この地区には、周辺も含めて幾つかの地下鉄駅がありますが、大規模スタジアムやMICE開催などを考えると、一度に大勢の人が来訪するなど交通処理に不安があります。
 そこで期待されるのが都心部・臨海地域地下鉄です。私は、この臨海地下鉄の整備を地元中央区と一緒になって当初から推進をしてまいりました。
 そこで、地下鉄整備との整合を図りながらまちづくりを進めていく必要があると考えますが、取組状況について伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 築地まちづくりでは、中長期にわたり調整しながら、民間開発と公共側の整備との連携を図っていくことが必要でございます。
 事業予定者の計画では、第一期の建築工事の竣工が二〇三二年、第二期が二〇三〇年代後半予定となってございます。
 今後は、既存の地下鉄やバスなどの効果的な活用に加えまして、将来的な地下鉄新駅との接続などを見据えながら、施設計画の具体化を図るなど、安全で快適なまちづくりとなるよう、関係者と協議、調整を進めてまいります。

○加藤委員 やっぱり一度に乗客を大量輸送できるのは鉄道でありますので、二〇四〇年代開業といわずに、第二期に間に合うように都としても取り組んでいただくよう求めておきます。
 次に、防災の面ですが、築地地区は、多くの人が訪れ交流する拠点となることに加えまして、広大な敷地を有することから、周辺地域も含めた防災活動拠点としての機能も大いに期待されます。
 そこで、今回の開発では、地域の防災性向上に向けた取組はどのように行うのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 築地地区では、募集の条件といたしまして、災害時の避難場所など防災機能を適切に果たす質の高いオープンスペースを確保することなどを求めてございます。
 今回の提案では、帰宅困難者等に対応するため、十分な飲料水や災害用トイレを備えた一時滞留スペースを確保するとともに、災害時の電力の安定的供給を維持できる体制の整備など、地域住民や来訪者の安全・安心に寄与する取組が示されてございます。

○加藤委員 次に、築地まちづくりでは、浜離宮や隅田川、東京湾といった恵まれた地域のポテンシャルを最大限活用しながら開発を進めていく必要があります。水と緑のもたらす効果は、都市に潤いや安らぎを与えるなど重要であります。都では、グリーンビズに取り組むなど、緑と生きるまちづくりを推進しております。
 そこで、この開発における緑に係る取組について伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 まちづくり方針では、生物多様性や生態系、ヒートアイランド対策に配慮した緑化等を推進することとしてございます。
 今回の提案では、壁面緑化や緑豊かな広場の設置なども含めまして、緑地面積として約七万五千平方メートルを確保することで、都が推進しているグリーンビズの取組に寄与するなど、自然とともに持続的に成長するまちの実現を目指すものとなってございます。

○加藤委員 緑被率四〇%を確保とされておりますので、大いにこの緑を期待しております。
 次に、事業予定者の提案概要では、大規模集客・交流施設など様々な用途のほかに、レジデンス棟も計画をされております。
 事業実施方針には、分譲住宅などの導入は抑制することとあります。住宅の建設については、人口増加に伴う公共施設の需要、例えば学校などにも影響を与えることから、対応策についてもしっかりと検討すべきであります。
 そこで、築地まちづくりにおける住宅整備の考え方と対応策について伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今回の提案では、多様なグレードの賃貸、分譲などの居住、滞在機能が示されてございます。
 公共施設などへの影響につきましては、今後、施設計画を具体化していく中で、入居者の属性や将来的な行政需要への影響も考慮しながら、地元区などの関係者と丁寧に協議していくよう事業者に求めてまいります。

○加藤委員 現在、晴海通り沿いの反対側に交番があるんですけれども、地元からは、地区内に交番が必要だと、そういう声があります。以前は場内にも場外にもそれぞれ交番があったそうです。所管は違いますけれども、先ほど五万人、マックス七万人というふうにいわれておりますので、こうした声にもぜひ配慮をしていただきたいというふうに思います。
 次に、この事業実施方針にですね、景観形成の方針も書いてありますけれども、庭園内部からの見え方などにも配慮と、こういうふうにもあります。
 この事業予定者の提案概要では、隅田川や築地川沿いにも高層建築が配置されていますけれども、浜離宮庭園内部からの眺望や圧迫感の軽減は、築地川沿いの水辺と一体的な景観形成のためには重要であると考えます。
 そこで、今回の高層建築の整備の考え方と配慮策について伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 募集条件では、浜離宮との連続性を重視し、庭園内部からの見え方にも配慮しながら、水辺と一体的な景観形成を図るものとしてございます。
 提案では、築地川沿いの建物を分棟、分散させることで、風の道や視線の抜けに配慮した計画となってございます。
 また、審査委員会からは、浜離宮からの見え方については、引き続き検討するよう附帯意見があったことなどを踏まえまして、今後、マネジメント体制の中で協議、調整を図ってまいります。

○加藤委員 確かに、このイメージパースを見ますと、分棟、分散で風の道や視線の抜けといった点は分かるんですけれども、景観を重視するなら、ライフサイエンス・商業複合棟とあるんですけど、ここの位置とか、または晴海通り寄りに配置すべきじゃないのかなと、私はそういうふうに思っているんですね。附帯意見があったということでありますので、ぜひ再考していただきたいというふうに思います。
 最後に、平成三十一年に有償所管替えの検討に当たって評価を行った際の貸付料は、年額百五十億円でありました。公表された貸付料は、算定すると百二億円でありまして、これは様々な募集条件などを踏まえた結果、減額されたものと考えますが、現在のこの基準賃料は妥当な水準なのかについて見解を求めます。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 平成三十一年当時は、建物用途など具体的な条件や都市基盤整備等は設定せずに試算をしてございます。
 一方、今回想定している年間賃料収入約百二億円は、一平方メートル当たりの年間貸付料基準額四千四百九十七円を基に算定したものでございます。この基準額は、事業実施方針に示された大規模集客施設や交流機能等の導入、広域交通機能などの都市基盤の整備を条件として算出したものでございます。
 外部の不動産鑑定評価を実施の上、財産価格審議会の評定を経て決定しており、適正な価格になってございます。

○加藤委員 年間賃料収入百二億円としますと、七十年間で七千百四十億円というふうになるんですけれども、国交省が公表している不動産情報ライブラリによりますと、近隣の取引価格で平米単価二百八十二万円というのがありました。それから単純計算すると、売却価格が約五千二百七十三億円ですから、約七千億円で貸して土地が戻ってくるというふうに考えると、妥当ではないかなと私は思ったんですね。
 それはさておきまして、都民の貴重な財産を有効活用して、代表質問の答弁でも得ましたように、東京の発展を牽引するエリアとして、都民にとって価値の向上に寄与する魅力的なまちの実現を目指していくよう求めまして、質問を終わります。

○原田委員 築地まちづくりについて質問させていただきます。
 築地まちづくりは、いうまでもなく築地市場跡地で行われます。本事業を質疑するに当たり、改めて築地市場がどのようなスペース、存在だったのか、思い出さねばならないと思っています。
 その廃止の際、世界遺産を推薦するイコモス国内委員会がその保存を訴えました。その市場としての価値、まず思い出したい。水産物で四百八十種、年間四十万トン、青果で二百七十種と、まさに世界最大級の市場でした。
 そして歴史です。江戸時代の日本橋魚市場から築地に移転し九十年ほど、その間、江戸前といわれる世界有数の食文化を形成しました。うまいものを出す店が増えると、それを支える仲卸の品質を見極める技術、いわゆる目利きが発達します。卸は、より早く新鮮な食材を大量に仲卸に卸す市場の機能を確保するため、直接機関車で乗りつけるという、信じられないシステムが出来上がり、その姿が扇の形をつくり出し、その機能美も高く評価されていました。
 東京の食文化、東京のまちの面白さ、今でいうとユニークベニューですよね。江戸前の食文化とか、銀座など一等地を百年近い歳月という歴史を持ってつくり出してきてくれたわけです。
 ところが、目先の金に魅せられた大企業、ディベロッパーが、逆にですよ、日本の一等地に何で市場が必要なんだといい出したわけです。これが見まごうことなき築地市場の移転の本質なわけです。
 本日は、そうした経緯を持つ築地まちづくりについてランダムに聞いていきますけれども、今後の議論の糧にしていきたいと思っています。いろいろ皆さんの質疑もありましたので、割愛するところもあると思います。
 まず、平米当たり賃料は四千四百九十七円で、月額、大体ざっと約八億五千万円の賃料となるわけですが、本計画の延べ面積は、容積率の引上げすることなく百十七万平米に及びます。その平米当たり賃料は何と七百二十六円です。百平米七万円ぐらい。私の住んでいる阿佐谷のスターロードの四畳半の小さなお店でも七万円じゃ借りられないわけですね。
 本計画は、都市計画税もかからないことを考えれば、一般的には破格の安さだと見られますが、適正な価格とするその根拠を示されたい。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 貸付料基準額は、大規模集客施設や交流機能等の導入、広域交通機能などの都市基盤の整備を条件として算出したものでございます。
 その額は、不動産鑑定評価を実施し、都の財産価格審議会での評定を経て決定したものでございまして、適正な価格となってございます。

○原田委員 今の答弁、大規模集客施設や交流機能等の導入、広域交通機能などと、こういうのが加味されると安くてもいいんだということなんですけど、大規模集客施設とか交流機能施設って、そもそも今回の計画を見ると、事業者がもうかるという施設じゃないですか。そういうのが一体何で賃料が安くなることの根拠になるのか、改めて。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 建物用途など具体的な条件や都市基盤整備等を条件に設定した評価と、条件を何も設定しない評価とでは、地代評価の前提となる条件が異なってございます。

○原田委員 いや、だから、皆さんが、具体的にはこういう施設をつくってほしいという条件を付しているから安くしてあげるんだってことですけど、大規模集客施設、もうかる施設じゃないですか。何で安くなることの算定になるんですか。根拠になるんですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 平成三十一年当時に百五十億円と算出したときの考え方は、建物の用途など具体的な条件とか基盤整備等は設定せずに、ある意味、最大有効活用のできるものとして試算をしてございます。
 一方、今回は、その大規模集客施設や交流機能等の導入、広域交通機能などの都市基盤整備を条件として算定したものでございます。
 こちらについては、外部の不動産鑑定評価を実施の上、財産価格審議会の評定を経て決定しておりまして、適正な価格と考えてございます。

○原田委員 何度か聞いて、最有効使用でないからだということでしたけど、このイメージパースを見る限りは、最有効をさらに上回るような使用の仕方をしているなというふうに感じます。
 率直にいって、大規模施設をつくる、交流施設をつくるから、お金を安くして、条件になっちゃうから、最有効使用ではないから、安く算定してあげるんだというのは、私は成り立たないなと。もうちょっと詳しい資料をいただいて、私も専門家の人たちに聞きながら、ちょっと調べたいなというふうに思います。
 都が平米当たり下限額を定めた根拠を改めてお聞かせください。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 貸付料基準額は、不動産鑑定評価を実施の上、東京都公有財産規則にのっとりまして、都の財産価格審議会の評定を経て決定したものでございます。

○原田委員 次に行きます。
 最先端技術等によるCO2排出実質ゼロをうたっていますが、本計画は、超高層を含む十棟から成るビル建築が行われることになっています。
 想定されるCO2排出量はどれほどの規模か。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 提案段階の計画では、開発後のCO2排出量につきましては、環境面での先進的な取組により、目標としたCO2排出原単位以下とするなど、一定の仮定条件を基に試算しますと、年間約四万五千五百トン以下となってございます。
 さらに、オンサイト発電やオフサイトからの電力調達等によりまして、CO2排出実質ゼロを実現することとしてございます。
 加えて、今後、社会状況の変化や技術革新の状況を踏まえ、さらに効果的な取組を継続して検討することとしてございます。

○原田委員 四万五千五百トンと。例の神宮外苑再開発の巨大開発が四万七千トンですから、それに匹敵する巨大開発となるってことなんですけど、私、何度もいっていますけど、もう大企業がCO2を出すのをただじゃなくなっちゃっているんですよね。私が環境・建設委員会に、七年前に都議選に受かって所属したあたりで、大体、気候変動対策って三百億から四百億でしたけど、今年度千九百九十億円ですよ、気候変動対策費。大企業が万の単位でCO2を出すことについて何のおとがめもないと。国際競争力だからしようがないと、そんなこといっている場合じゃないと思うんですよね。
 建材生産段階からの実質ゼロを目指しているか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 提案では、資源循環を考慮した建材や低炭素素材を選定した設計、施工段階の取組や交通需要マネジメントによる運搬の検討など、資材製造時、工事中等でのCO2削減にも配慮した計画となってございます。

○原田委員 最近、何かこういう開発で、建材生産の段階から配慮するみたいな言葉が出てきたんですけど、具体性は全くないわけですね。配慮してやるんだというだけで具体性がないと。
 建材というのは、実はめちゃくちゃCO2、その生産過程で出します。とある学者が指摘をしたところによれば、大体、その建物が年間に出すCO2の十年分ぐらい、その建材を生産するときにCO2を出しちゃうといわれているわけです。今回、年間CO2四万五千五百トンですから、十数年分といっていましたかね。十年分だとしても四十万トンぐらいのCO2を出してしまうと。本当に、エコなまちづくりとか冗談じゃないと。こんなことをやっていて、気候変動に対して、いいまちづくりになるはずがないんです。持続不可能だということは指摘したい。
 次に行きますけど、レジデンス棟は定期借地分譲にする考えがあるのかと。それとも完全に賃貸になるのか、価格帯は幾らくらいを考えているのか。先ほど加藤委員からも質問があって、分譲のところもあるってことなんですけど、つまり定期借地分譲にするってことですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 提案によりますと、レジデンス棟の一部の住宅を分譲住宅として整備することとしてございます。

○原田委員 定期借地分譲ということですよね、要は土地は貸しているのに分譲しちゃうってことは。何十年の定期借地にするのかは事業者次第ですけれども、都有地をそうなると大企業のまさにもうけのために明け渡す行為そのものだと。
 一体どれだけ分譲するつもりでしょうか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 予定戸数につきましては、承知してございません。

○原田委員 募集要項ではどういうふうに規定していたんですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 募集要項のときでは、分譲住宅を極力抑制することとしてございます。(原田委員「パーセンテージ」と呼ぶ)建築物の容積対象床面積の三%以下というふうにしてございます。

○原田委員 当初から、分譲もありだよということを、パーセンテージも示して東京都が都有地を事業者に渡すという行為が分かりました。
 文化の創造、発信、にぎわいとして、都側から、一万人以上の大規模集客施設、千人以上のボールルームを求めたのはなぜなんでしょうか。シアターホールは都側の求めに対する回答なのかどうか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 募集要項では、水と緑に囲まれ、世界中から多様な人々を出迎え、交流により新しい文化を創造、発信する拠点をコンセプトとし、一定の規模を有する大規模集客・交流施設や、国際的な交流拠点にふさわしい会議や催しができる機能を導入することとしてございます。
 このほか、東京の新たな魅力を発信できる機能の導入等を条件としてございまして、シアターホールの提案はこれを踏まえたものとなってございます。

○原田委員 東京都から求めたということなんですけれども、まるで、今度手を挙げた企業として、もうかる施設をつくりたいんで、企業が提案したかのような施設がいっぱいできると。
 シアターホール、募集要項には入っていなかったわけですけど、企業提案で舞台などができる。一万人規模になるのかな。(「千二百」と呼ぶ者あり)千二百か。千二百規模のシアターホールなんてのも出してきたということでした。
 次に行きますけれども、築地市場跡地の埋蔵文化財である浴恩園について、都はこれまでの調査で、出土するには出土したが、あまりしっかり残っていないというふうに答えてきたんですね。そうなのかって私思っていたんですけど、これまでの調査は本格調査だったのか、それとも試掘だったのか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 これまで実施してきた埋蔵文化財調査は、試掘調査でございます。

○原田委員 私ももっとちゃんと調べて質疑しておけばよかったなと思ったんですけど、そりゃそうかと。もう更地になっていたんで本格調査なのかと思ったら、まだ試掘だったんですよね。
 老中松平定信公の屋敷ですよ。浜離宮に匹敵する規模と美しさがあったといわれておりまして、それが試掘段階で出たということなわけですね。だから逆にいえば、試掘の段階でもう浴恩園の遺構が出てきたということを考えると、今後の本格調査は念入りに丁寧に行うことを求めるものであります。復元できるレベルとなれば、シアターホールとか、野球場とか、そんなのより、よほど世界から人を呼べる歴史遺構になるということを指摘しておきたいと思います。
 本計画は、巨大イベント施設と超高層ビルなどがすし詰めとなっています。現地は都有地であり、たくさんの都民が無料でずっと過ごせる場の提供がもっと必要なんじゃないですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今回の提案では、十九ヘクタールの敷地のうち、十ヘクタールはオープンスペースとなっておりまして、ご指摘は当たらないと考えてございます。
 隅田川沿いの芝生広場や築地川沿いの築地の森、波除神社に隣接する波除広場など、人々が憩える多彩なオープンスペースを整備することとしてございます。

○原田委員 私は、ご指摘に当たらないといわれましたけど、ご指摘はしていないんですよ。もっと無料でずっと過ごせる場所の提供が必要なんじゃないですかっていったんですけど、ただ、十九ヘクタールのうち十ヘクタールはオープンスペースだという、それはすごいなと思ったんですけど、一体あのパースを見ていて、どこにそんなスペースがあるのかと思っちゃったんですが、さっき答弁にあった芝生広場、築地の森、多彩なオープンスペースがあるんだといっていましたけど、それぞれのスペース、何ヘクタールなのか教えてください。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 事業者からの提案では、現段階におきまして、芝生広場、築地の森、それぞれ五千平方メートル程度と予定されてございます。

○原田委員 それぞれ五千平方メートルと、この森は。つまり〇・五ヘクタールと、二つ合わせて一ヘクタールなわけです。先ほど、オープンスペースは十ヘクタールっていっていましたけど、残り九ヘクタールはどこへ行ったんだと。どこに行くんですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 オープンスペースは、広場、森だけではなくて、プロムナードであるとか通路であるとか、それ以外にも申しました大規模集客施設の屋上であるとか、そういうことも含めまして十ヘクタールというふうにカウントしてございます。

○原田委員 今話にあったように、屋上の一部であるとか通路であるとか、そういう歩道上空地とか、そういうものが全部入れられて十ヘクタールなんだと。そりゃ歩く場所とか入れたら、どっかの軒下とか入れたら、それは十ヘクタールぐらいになるかもしれませんけれども、全部施設じゃないわけですから、通路が必要ですから、そんなのオープンスペースとは呼べないんじゃないですか。
 結局は、まとまった緑地、広場ってのは一ヘクタールぐらいしかないと、十九ヘクタール中。私は、これでは都有地を使ってできる施設としては不十分というか、根本的に間違っているんじゃないですかと。都民が無料でずっと過ごせる場の提供がもっと必要じゃないですかっていったんですけれども、ご指摘に当たらないなんてどの口でいえるのかと思うわけです。
 都民の声を取り入れるというふうにいうんですけれども、先ほど他の委員、田村委員からの指摘にも、議会の声もどうやって受け止めるのかというのについて、意見交換といいましたけど、すごく微妙な表現ですよね。
 都民の声を取り入れるというんだけれども、既に施設配置がほぼ決まった状態で都民の声を聞くというのは、順序は逆なんじゃないですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 まちづくり方針の策定に当たりましては、パブリックコメントを実施しまして、広く意見を聞くなど丁寧に進めてきてございます。
 今後も、事業の具体化に当たりましては、事業予定者によるワークショップの実施など、都民の意見を幅広く聞く工夫をしながら進めてまいります。

○原田委員 先ほども公明党の加藤委員からごもっともなご指摘がありましたよ。浜離宮の景観を重視するっていったら、浜離宮側に二百二十メートルのビルとか、超高層ビル四棟、五棟と建てるなんておかしいんじゃないのかと。せめて晴海通り沿いにやるべきじゃないのかと。そうすると風の道が塞がれちゃうんですけど、だから超高層ビルを建て過ぎなんですよ、ちょっと。所狭しと。オープンスペースは一ヘクタールしかないと、十九ヘクタール中。オープンスペースというか、まとまった広場。だからもう建て過ぎなんですよ、ぎゅうぎゅうに。
 再考を求めるとまで公明党の委員から指摘が出たのは、私は画期的だと思いますけれども、こういう声ができてから出てくることになるのは、やっぱり進め方の問題、重大にあるなと思っています。しっかり議会の声も都民の声も聞いて進めないと駄目ですよってことを改めて指摘したい。
 国際競争力といいますが、むしろ、都内の似たような超高層ビルやMICE施設がテナントや来訪者、消費を奪い合うだけなんじゃありませんか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今回の提案では、国際会議に対応できるMICE施設のほか、スポーツイベントや大規模展示が開催可能な大規模集客・交流施設などを整備し、国際的な交流拠点を形成することとしてございます。
 さらに、都心やベイエリアのコンベンション機能、エキシビション機能との連携による相乗効果も期待できるなど、東京全体の魅力と付加価値の向上に大きく寄与するものと考えてございます。

○原田委員 魅力というんだったら、築地市場の方がよほど観光客もいっぱい来ていましたし、なくなった後だって来ているわけですよ、場外市場に。よっぽど魅力的だったし、何だったらそれが潰された後は浴恩園という、世界遺産級の日本が誇る庭園が眠っているわけですね。
 国際競争力、国際競争力というんですけど、今既に、国内のというか、都内の似たような施設と競争が始まっちゃって、もう十五年も前に建てられたようなショッピングモールとか、もう人が入らなくなったりとかしちゃっているわけですよ。国際競争の前に都内で競争し合って、消費が分散されていくというか、そうことをやっていて本当に持続可能性があるのかというのを、私は本当に問いたいと思うんです。
 ほかのMICEがいっぱい開かれているというのはアジアに多いと思うんですけど、目の前は本当にきれいな海だったりとかして観光地なんですね、もともとね。そうすると、じゃあMICEの途中で、二日目はどこかで海で泳ごうかなんていうような、すばらしい環境にも恵まれているわけですけど、築地のMICEに行ったとき、海で泳ごうかなんて話にならないわけですよね。本当に国際競争力の前にバッティングしまくって、都内で。いずれこういうオフィス構想とか、ショッピングモール構想とか、ボールパーク構想みたいなのが破綻するんじゃないかっていっている人、今、共産党だけじゃない気がします。
 築地まちづくりについて、中央区は地区計画策定を予定していますか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 区の予定につきましては、承知してございません。

○原田委員 じゃあ、事業者は企画提案書の中で都市計画変更を予定しているか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 事業予定者の提案では、周辺地域に配慮した良好な市街地形成を進めるため、地区計画の適用を想定するとされてございます。

○原田委員 地区計画というのは、いうまでもなく事業者がつくるものではなく、行政がつくらなきゃいけないものなんですけれども、区の予定は承知していないんだけれども、事業者は先んじて地区計画を予定していると。地区施設とかに指定をして、広場とかそういうのを勝手に、この後、ビルとかにしちゃ駄目ですよという、縛るという意味で地区計画が打たれていくというのは、確かに地元区としては要求があるかもしれないんですけれども、神宮外苑のように、再開発等促進区を定める地区計画なんていうのを適用させて、行政を使って。容積の緩和とか、さらになんていう話もなきにしもあらずかなって思うんですけれども、再開発等促進区を定める地区計画は構想に絶対ないといえるんですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 具体的な計画は未定でございます。

○原田委員 ないとはいえずに未定だと。確かに今の時点で未定なのかなと思うんですけど、事業者に聞いて、ないっていわせた方がいいと思うんですけど。
 オフィス棟にはどのような企業が入る予定か。事業者の関連企業は入るのか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 都は承知してございません。

○原田委員 どういうふうにこの事業でもうけるのかとか、既に東京都はすごい安い価格で都有地を事業者に差し出すということが見えていると。その中で、どういうふうにその土地を使ってもうかっていくのかというのが全く見えてこないという、まだそういう状況ですよね。
 最後の質問になるんですけれども、トヨタ自動車が認証不正問題で社会的信用を失いつつありますが、そうした企業に貴重かつ広大な都有地を預けることへの都の認識を伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 事業予定者につきましては、外部の有識者による審査委員会におきまして提案された内容を適切に審査していただいた結果、選定されたものでございます。

○原田委員 つい先日この事件が発覚をして、大きな社会問題になっているわけですけど、そういう状況において東京都はどう考えているのかなって聞いたんですけど、特にないと。
 トヨタだったり、それから三井不動産だったり、読売新聞であったり、日本を代表するようなすごい大きな会社がこの事業には加わっているわけで、よもやとは思いますけどね。でも、七十年という中で、本当に事業の継続性があるのかってことも問われると思うんですけど、それについては、この後、尾崎委員の方から質問があると思います。
 私からの質問、以上なんですが、ランダムに聞いただけでも、貴重で広大な都有地が安く貸し出される理屈が不明朗ですし、巨大な施設群により、都民が無料でゆったりと過ごすためのスペースが極めて狭く、圧迫されています。
 他の委員からは、募集要項にもあったはずの浜離宮からの景観というのへも、ちょっと重大な圧迫があるんじゃないかと、再考を求めるという指摘も行われたほどです。ホールやシアターはいずれも有料、お金を持ってこなければ全く楽しめないまちが出来上がることが分かりました。
 まるで神宮外苑のそれこそ新ラグビー場という名の三井不動産の一万五千人級のイベントホール、できるわけですよ、三井不動産の。さらには、築地の五万人級、一万人級のホールがつくられ、千名級のシアターホールとかもつくられて、今後、読売巨人軍が去るかもしれない東京ドームがどのように変わるのかも、これも東京都の許可が必要となり、注目されます。まるで東京都心部が一企業と都によってゾーニングされているように見えなくもない。
 何より、築地の歴史と価値は消えうせる、このことは東京の魅力を失うことにつながっちゃうわけですね。もうまさに、築地市場があそこにあったことによってワイルドな東京の活気というのが生まれてきた。それがなくなって、でも必ずそれの代わりになるような、そんな計画にするんですよっていっていたものは、自民党の質疑からも指摘をされましたが、どこかに飛んでいってしまったような計画になっているということです。
 本当に東京の魅力を、実は長い目で見ると失うことになるんじゃないのかという懸念を表明して、質疑を終わります。

○竹井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時一分休憩

   午後三時十五分開議

○竹井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○西沢委員 私からも、築地のまちづくりについて質問させていただきたいと思います。
 小池知事は、二〇一七年六月二十日の緊急記者会見で、築地は守る、豊洲は生かすと表明し、築地の将来イメージとして食のワンダーランドを掲げたわけであります。この五万人収容のスタジアムを中心とする計画が、どうして築地を守ることになるのかということについて理解に苦しむと、私たちも申し上げてきたところであります。
 この件について、本会議では小池知事に答弁を求めましたが、拒否をされましたので、改めて見解をお伺いしたいというふうに思います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 平成二十九年六月の基本方針で示されたのは、築地と豊洲の両方を生かすとする大きな方向性でございます。
 そのうち、築地に関しましては、都心に近接した立地特性や、浜離宮、隅田川、食文化など、地域のポテンシャルを踏まえまして、事業実施方針の策定などを進めてきてございます。今回の提案は、こうした方針等を踏まえたものでございます。

○西沢委員 基本方針で示したのは、豊洲と築地の両方を生かすことを趣旨とする大きな方向性だというご答弁でございますけれども、これは本当に、今日の質疑、ちょっとかぶるところもありますので、できるだけもちろんはしょるんですが、二〇一七年六月二十日は都議会議員選挙の直前なんですよね。緊急記者会見でそういったことをお示しになったと。
 そこで、小池知事はそこでパネルを示したんですけれども、その示したパネル、何を書いてあったのかというのを改めて確認したいというふうに思います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 緊急記者会見の様子につきましては、都のホームページにおいて動画が公開されてございます。そちらには様々な資料、スライドが映されてございます。

○西沢委員 築地は守る、豊洲は生かすってことをいってもらいたかったわけなんですよね。かたくなにそれはいいたくないのかなというふうに思いますし、そこは同情するところもあるんで、そんなに詰めるわけじゃないですけど、少なくとも七年前、築地は守ると、豊洲は生かすというようなことでありました。ある意味、当時の知事会見がいかに世間を欺くためのものであったのかの証左にすぎないのではないかというように思います。
 この築地を生かすというのと、築地は守るということでは、大きくコンセプトが違うんじゃないかと思いますが、見解を伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 平成二十九年六月の基本方針で示されたのは、豊洲と築地の両方を生かすという大きな方向性でありまして、その方向性は一貫しており、変わってございません。

○西沢委員 一貫して変わっていないといいますが、守るが生かすに変更されて、大きな方向性は一緒だというのは、まやかしじゃないかというように思うわけであります。
 この築地は守るのコンセプトは放棄して、達成できなかったと考えていいんでしょうか。お伺いしたいというふうに思います。まとめてお伺いします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 コンセプトの話でございますけれども、都心に近接した立地特性や、浜離宮、隅田川、食文化などの地域のポテンシャルを踏まえて、これまで事業実施方針の策定などを進めてきてございます。今回の提案はこれらを踏まえたものでございます。
 先ほどの、まやかしではないかというお話でございますけれども、こちらについては、繰り返しになりますけれども、平成二十九年六月の基本方針で示されたのは、豊洲と築地の両方を生かすという大きな方向性でございまして、その方向性は一貫しており、変わってはございません。

○西沢委員 守るが生かすに変更されても同じだということは、まやかしじゃないよというと。まやかしだといわれて、そのとおりですという答弁をするとは当然思わないですけれども、多く、普通に考えれば、やっぱりちょっと違ったよねというふうに考えざるを得ないんじゃないかなというように思っております。
 守るというのは、誰を守るのかということの一つは、仲卸の方々にとっては、自分たちは築地に戻ってこれるかもしれないというふうに思って、自分たちを守ってくれる、こうした幻想を抱かされる、抱かせるようなものの象徴ではないかというように思うわけであります。
 具体的な例で質問しますが、七年前の記者会見、二〇一七年六月二十日の記者会見で、場外市場の方、また、新規の参入の意向のある方などを含めた工程表を作成したいと考えております、こういうふうに知事は述べられていたわけであります。
 この工程表は誰が作成をするのか。都市整備さんなのか、中央卸売市場なのか、事業者さんなのかお伺いしたいというふうに思います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 二〇一七年六月の会見の中で、築地や豊洲の進め方につきまして、都民等へ広く情報公開しながら進める趣旨を申し上げたものでございます。
 これまで、築地のまちづくり方針の策定に当たりましては、パブリックコメントを実施し、広く都民の意見を聞くなど丁寧に進めてきてございます。
 なお、築地まちづくりに関する今後の進め方や検討に関するスケジュール等につきましても、これまで様々な場で説明するとともに、ホームページ等でも資料を公開してございます。

○西沢委員 今の答弁は私の質問ではなくて、私の質問は、工程表ですね。場外市場の方、また新規の参入の意向のある方などを含めた工程表を作成したいと。つまり築地を守るというときに、この工程表に従って築地を守ってくれる、仲卸の人たちが戻ってこれるというようなふうに思った方々の工程表だと思うんですね。
 もう今こういう状況ですから、そもそもこういったものを作成する意思はないというか、作成しないと。知事の公約違反だというような声もあるかもしれませんけれども、そういう意味での私のいうような工程表は作成しないということであればそれでいいと思いますが、いかがでしょうか。確認したいと思います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 繰り返しになりますけれども、二〇一七年六月の緊急記者会見の中で、委員が今おっしゃられたスライドに関しては、築地や豊洲の進め方について、都民等へ広く情報公開しながら進めるという趣旨を申し上げたものでございます。
 繰り返しになりますけれども、これまで、築地まちづくり方針の策定過程におきまして、パブリックコメントを実施し、広く都民の意見を聞くとともに、開発の進め方や検討に関するスケジュールなどにつきましても、様々な場で説明や資料の公開等をしてきてございます。

○西沢委員 この質問は、もうこれ以上いっても、知事が発言したことに後づけで何かいろいろいうのは、それは大変だと思うんで、そういわざるを得ないところもあるかと思いますが、少なくとも、女将さん会はじめ当時の仲卸の人たちが、知事にだまされたんだといって、公約違反だというふうにいっていることがあるということは、ご指摘申し上げておきたいというように思います。
 次に、事業者の選定経過についてお伺いします。
 当初、事業者決定が三月としていましたが、東京都はこれを五月に延期すると公表しました。改めてこの理由について確認したいと思います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 審査委員会におきまして、提案内容は多岐にわたる複雑な内容であり、改めて丁寧に内容の確認を行っていく必要があるとされたことから、追加のヒアリングが実施されることになりました。このため、三月頃を予定していた事業予定者決定を延期したものでございます。

○西沢委員 追加ヒアリングを行うことを理由に決定を延期したというご答弁でございますが、この追加ヒアリングというものは何なのかお伺いしたいと思います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 追加ヒアリングでは、前回十分に質問できなかった点や、応募者の回答で新たに生じた疑問点等につきまして質問し、提案内容の詳細を確認したものでございます。

○西沢委員 事業者の選定には、AとBという二つの事業者グループが応募したわけですが、応募条件を満たしていないということから、審査の過程でAグループが失格となったわけでありますね。
 一方、選定されたBグループには、三井不動産を筆頭に、大手ゼネコン五社のうち四社が名を連ねるなど、力の差は歴然としている。最初から出来レースであったとの印象があるということがいえるのではないかと思います。
 Aはいつ失格となったのか。また、いつの時点で要件を満たしていない可能性があることを認識していたのかお伺いいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 審査委員会の審査を通じまして、参加資格要件及び基本的な条件を一部満たしていないことが確認されたことから、失格が相当と判断されたものでございます。最終的に審査の結果を取りまとめたのは四月でございます。

○西沢委員 結局、審査経過ですけれども、不透明ではないかというようなことだと思うんですよね。
 都は、失格となったグループの企業名を明らかにするとともに、選定経過を都民に分かりやすく公表するべきじゃないかというように考えますが、見解をお伺いいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 選定に当たりましては、外部の有識者から成る審査委員会により、公正かつ丁寧に審査をしていただきました。審査経過及び結果につきましては、既に都のホームページで、議事概要や提案内容に対する審査委員の評価などを公表してございます。
 また、応募者名につきましては、募集要項におきまして、事業予定者及び次点のみを公表することとしてございまして、失格となった応募者名は公表してございません。

○西沢委員 ぜひこの審査経過がやっぱり不透明じゃないかというのに答えてもらいたいなと思いますから、公表するなどして、都民と共に築地のまちづくりを進めるんであれば、理解を得る努力をしなければいけないよということは、申し上げておきたいというように思います。
 次に、収支の質問ですね、お金の話。先ほどもちょっと質問結構あったので、私の見解ということで質問をちょっとさせていただきますが、市場会計から一般会計への有償所管替えの経費が五千六百二十三億円だったわけでありますが、築地市場跡地二十三ヘクタールのうち、環二などを除く活用という面積は十九万四千六百七十九・一一平方メートル、提案貸付料は平米当たり月額四千四百九十七円なので、年間百五億円の貸付料収入が見込まれると。
 ただし、平成三十一年一月二十三日の市場移転に関する関係局長会議、この一五ページでは、市場会計が土地を所有し、長期貸付する場合は、年間最大百五十四億円の貸付料が可能であるとも試算をしていたわけであります。
 百五十四億円といっていたのが、実際、単純にいえば年間百五億円だというような形になって、当時より地価は大幅に上がっていると思われるわけでありますが、何で貸付料の金額が大幅に安くなっているのかと。
 事実上、一つの事業者からしか提案がなかったので、比較はできないわけでありますが、この金額が妥当なのかどうか、都の認識をお伺いします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 提案募集時の貸付料基準額につきましては、大規模集客施設や交流機能等の導入、広域交通機能などの都市基盤の整備を条件として算出したものでございます。建物用途など具体的な条件や都市基盤整備等は設定せずに算出した関係局長会議での条件とは異なってございます。
 なお、この基準額は、不動産鑑定評価を実施し、都の財産価格審議会の評定を経て決定したものでございまして、適正な価格であるものと認識してございます。

○西沢委員 条件が異なるということですが、逆に、例えば、総工費が四千億円とか五千億円といわれる都心・臨海地下鉄が二〇四〇年に開業するとすると、また状況が大きく変わって、土地の利便性などは大幅に向上するというふうに思われるわけでありますが、こうした場合どうやっていくのかと。今後どのように改定していくのかお伺いいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 募集要項で示している契約条件では、賃料が土地の価格の変動により、または近隣の地代もしくは賃料に比較して不相当となったときは、協議の上、将来に向かって、賃料を改定できるとしてございます。また、契約条件にもあるとおり、契約締結後三年ごとに、物価変動率及び固定資産税路線価変動率を加味して改定できる条項も定めてございます。

○西沢委員 土地の価格は、一般的にGDPなどとの連動性が高いとか、いろいろいわれますけれども、七十年間って長いですから、この七十年間の賃料収入ですね、見込んでいるのはどれくらいなのか。総額どの程度と見込んでいるのかを確認したいと思います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 現在の貸付料基準額、提案された貸付けの範囲、その他条件が七十年間不変と仮定して計算した場合ですが、賃料収入は約七千億円となります。

○西沢委員 当然、不変ということはあり得ないと思いますし、様々な条件があるということも理解をいたします。
 ただ、やっぱりこの築地のまちづくりについては、都民の関心が高いことに加え、都議会、東京都庁的には、いろいろとあった問題なんですよね。すったもんだした挙げ句、こういうふうになっているということから、より説明責任が求められると思いますし、我々議会からしても、この問題については、いろいろと確認をしていかなければいけないというふうに思っております。
 ここで、七十年先全て決まるというよりは、適宜見直しであったりとか、収入について様々なことが、状況を見据えてやっていくというようなこと、改めて適切な収入には努めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、緑の保全についてお伺いします。
 施設などの概要では、築地川の上に築地市場跡地と浜離宮庭園とを結ぶ遊歩道のような橋が描かれております。まちの回遊性を高めるという点で、効果は高いというふうにいわれるわけでありますけれども、今日もいろいろ議論ありましたけれども、浜離宮庭園は都市計画公園である上、特別名勝、特別史跡に指定をされております。
 遊歩道は、旧稲生神社周辺に架けられ、周辺の樹木にも影響を与えると考えており、手続、説明を丁寧に行っていく必要があると考えるわけでありますが、見解をお伺いします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 築地市場跡地と浜離宮を結ぶように描かれた橋らしきものは、事業予定者が今回の提案として描いたものでございまして、現段階での決定事項ではございません。
 本プロジェクトと周辺地域との連続性確保の考え方、しつらえ等につきましては、今後、事業予定者が関係者と調整を図っていくこととなります。

○西沢委員 中央区からの要望で事業者提案に盛り込まれたというようなものなんではないかと思うので、今後の進捗を見守りたいというふうに思います。
 次に、各団体からいただいた要望に関してお伺いします。
 築地のまちづくりに関して、旧民主党時代に、近隣で難病治療のために親子が滞在できる宿泊施設を運営しているNPOからも要望を聞いてきたわけであります。
 また、二〇一九年六月十四日の都市整備委員会、我が会派の宮瀬議員がファミリーハウスについて取り上げております。施設などの概要では、小児がん患者などとその家族が、治療を受けながらも一緒に日常生活を送ることのできる滞在施設を整備とあるので、大いに期待したいわけでありますが、この滞在場所は、〔6〕のライフサイエンス・商業複合棟に整備されるという理解でいいのか。整備主体など、より具体的な内容が分かれば教えていただきたいと思いますが、見解をお伺いします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 事業予定者は、整備場所として、ライフサイエンス・商業複合棟エリアを想定してございますけれども、具体的な内容については今後検討していくということを聞いてございます。

○西沢委員 また、築地のまちづくりでは、築地にマグロ塚を作る会からも要望いただいているわけでありますが、当会の陳情は、二〇一九年八月三十日の都市整備委員会で継続審査になっているわけですが、いよいよまちの将来像が見えてきたというところで、築地にマグロ塚を作る会の期待も高まっていると聞いております。
 当時の質疑において、マグロ塚の扱いについて、都市整備局は、都市整備局、中央卸売市場と、夢の島公園でマグロ塚を預かっている建設局とで検討することとなると答弁をされていました。この検討の状況ないしは今後の検討スケジュールはどのようになっているのかお伺いをいたします。
 また、三局で意思統一が図られれば、築地にマグロ塚がつくられるという認識でいいのかお伺いします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 二つのご質問にまとめての形になりますけれども、現時点では、二〇一九年の当時の状況と変わってきてございません。引き続き、都市整備局、中央卸売市場、建設局の三局、関係局で検討を続けてまいります。

○西沢委員 じゃあもうこれで終わります。
 今年は、一九五四年三月一日の水爆実験でマグロ漁船「第五福竜丸」が被曝をして七十年、節目であります。マグロ塚を整備するなど築地地区からも平和に関するメッセージを世界に発信されることを期待して、質問を終わります。

○松田(り)委員 私からも、築地まちづくり事業について三点お伺いできればと思います。
 広さは東京ドームおよそ四個分、東京駅からおよそ二キロというこの場所は、都心最後の一等地といわれる場所でもございます。五万人規模のスタジアムを中心に、ホテルや商業施設をつくる予定が発表され、大きな期待と関心が寄せられている再開発でもあります。
 水と緑に囲まれた都心の大規模な土地、歴史、文化資源などのポテンシャルを生かしながら、都心の臨海部を効果的に結びつけ、民間の力を最大限に活用して、東京、日本の持続的な成長につながるまちづくりという観点から、公募型プロポーザル方式により事業予定者の募集が実施をされ、決定をいたしました。
 提案募集においては、事業者募集要項の公表から始まり、提案書等の受付までのプロセスがあります。先ほど他の委員の質問にもありましたように、一番最初のステップの応募希望表明書及び配布資料受取希望書兼誓約書については三十四社の企業からの受付、配布資料受取希望書兼誓約書については三十一社と三つのグループからの受付という答弁もございました。
 三十を超える企業から最初の応募希望があったということですが、では次に、事業者募集要項等質問書及び提案内容に関する対話申請書は、それぞれ何社の企業から提出があったのかお伺いいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 質問書は、二十二社の民間企業と二つの民間企業グループから受け付けてございます。
 提案内容に関する対話の申請書につきましては、一社の民間企業と一つの民間企業グループから受け付けてございます。

○松田(り)委員 希望表明書からすると、三十数社から二十数社に十社程度減っている状況だと思います。二十社程度残っていた質問書ですが、この後の対話申請書は、そこから一気に減って一社と一グループと、まあ二組に減ってしまいました。提案書の提出も、最終的に二グループ、二組になっていますが、一兆円規模の再開発において、この規模の再開発を行うには、一企業で実施をすることは難しいことは容易に想定をされます。
 今回決定をされました事業者においても、十一社でグループを構成されておりまして、ディベロッパー、ゼネコン、新聞社、自動車メーカーと、日本のトップの企業が名を連ねている。逆にいうと、これぐらいの規模感でないと、この一兆円規模の再開発ができないのかなというような見方もできるかなと思います。大規模な再開発のため、提案数はそこまで多くないとは想定をされていたと思いますが、提案書を提出したのが二グループというのは、あまりにも寂し過ぎるかなと個人的には感じます。
 そして、一グループについては、基本的事項の適格審査に関し、広域交通結節点の形成等、会議や催し等の機能、環境配慮等などの項目において、基本的な条件を満たせず失格と判断され、実質的には一つの案からしか東京都は選べなかったのかなというようなところだと思います。
 二つのグループのうち、一つのグループが失格となったということは、残りのグループの提案がいかに優れているか、よしあしにかかわらずそのグループを選定せざるを得なかったのではないかと見えてしまいますが、その見解をお伺いいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 審査委員会におきまして、応募者へのヒアリング等も実施しながら、全ての提案について、資格要件はもとより、事業計画等についても厳正かつ公正に審査を行っていただいてございます。
 なお、審査の結果、選定された事業予定者の評価は、ホームページで公表している審査結果のとおり、事業計画に関する全ての項目において失格者の評価を上回ってございます。

○松田(り)委員 一つの案から選ばざるを得ないが、その一つが審査基準を満たしていたので問題ないというご答弁だと思います。
 審査基準を満たしているのであればという部分はあるんですけれども、やはり東京都として選択肢が取れなかったということは、まちづくりにおいて残念だなという部分は感じます。
 提案書が何組あれば成功ということはありませんが、少なくとも基準を満たす提案が三組ぐらい引き出せるような公募体制があれば、東京都としても選択肢が増えてよかったんじゃないかなと思っています。
 この審査過程、今回については、基本的には非公開にはなっていましたが、例えば、先ほどの質疑にもあったような事業者募集要項、何人が、何組が応募している、質問をしているといったところを公開していれば、仮定論にはなってしまいますが、さらに案を引き出せたんじゃないかなと思う部分もあります。
 今後もこのような公募によるまちづくりの案件があるかと思いますが、ぜひ都として、いいまちづくりを行っていく上では、広く公募ができ、多くの選択肢を取れるというような環境づくりをしていくことが、今後やっていかなければいけないのかなと思っておりますので、多くの選択肢が取れるよう、都としても環境づくりをお願いして、次の質問に移ります。
 最後に、附帯意見について伺います。
 神宮外苑の再開発においていわれていることは、都民の声の不在という部分に、やはり納得をされていない方は、都民の声の不在ということを挙げられます。都としては、現行制度の中で滞りなく実施をしていることは、様々なまちづくりにおいて理解をしていますが、都民の求める要求のレベルというのも、時代によって変わってきているのかなと思っています。
 都民に愛されるまちづくりをするためにも、事業者任せじゃなく、都としても不断の努力が必要不可欠です。また、都民の意見を届けるためにも、都民の声をしっかりと事業者に伝えていかなければいけません。
 今回、附帯意見についても、都民等の意見を受ける機会を設けることや、計画の具体化に当たっては、都と十分に協議をすることといった意見が付されておりますが、この事業を進めていく中で、こうした意見はどのように反映をしていくのかお伺いいたします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 審査委員より意見が付されていることを踏まえまして、今後構築するマネジメント体制により協議を行いながら、事業予定者が提案した計画のブラッシュアップを図ることとしてございます。
 お話にありました都民等の意見を受け付ける機会を設けることなどの附帯意見につきましても、こうした協議を通じまして具体化が図られるよう取り組んでまいります。

○松田(り)委員 今回の審査で事業者が決定をいたしましたが、審査結果、百点満点中、六十三・五九点となっております。都において、今後、外部の有識者も入れて、事業者と協議を繰り返していくと思いますが、質問させていただいた附帯意見も含めまして、計画書のブラッシュアップを進めて、原案の評価が足りていない部分を補足し、都民の声を盛り込みながら、ぜひ百点に近い計画となるよう進めていただくようお願いを申し上げまして、質問を終わります。

○森口委員 建築安全条例の見直しについて伺います。
 東京都建築安全条例は、建築基準法の付加基準として、建築物の安全、防火及び衛生の一層の向上を図ることを目的に、主に特殊建築物や大規模建築物等に対して、昭和二十五年に規定されたものでありまして、その後、様々な社会環境の変化や社会的要請の下、今日まで適宜改正が行われてきました。
 このたびの建築安全条例の見直しは、先日、知事所信においても言及がありましたが、安全性を確保しながら、既存ストックを地域の魅力創出に生かしていくなど、今後、リノベーションによるまちづくりにも力を入れるべく、見直しに取り組むとのことでありました。
 まずは、今回の建築安全条例の見直しの目的とその主な内容を伺います。

○飯泉市街地建築部長 今回の建築安全条例の見直しの目的は、既存建築物の用途変更の円滑化や建築技術の進展等への対応でございます。
 具体的には、一階など避難階の避難経路に防火区画を求める規定や、共同住宅等の居室が道路に面していない場合に設ける窓先空地の規定などについて、合理化を図るものでございます。

○森口委員 建築技術の革新や社会環境の急速な変化、また価値観の多様化、人口動態の変化等により、建築を取り巻く環境も大きく変化をしてきました。
 都においても、人々の居住や働き方が多様化をしており、新築として次々建物を建てるだけではなく、既存建築物を共同住宅や福祉施設等に改修をするなど、ストックの有効活用やその流動化が大変重要視されております。
 そういった特殊建築物に求められる規制が建築安全条例でありますが、今の社会的要請やニーズに合わなくなった規定を見直すことで、都における既存建築物の用途変更を円滑化し、ストックの適切な有効活用を進めなければならないといった課題認識の下、建築安全条例の改定に向けて鋭意取り組んでまいりました。
 都の建築安全条例は、国の建築基準法の制限をさらに強化する付加基準として、今から七十四年前に制定されたものでありますが、建築技術の革新や防災、消火技術の進展とともに、建築物の安全性の考え方が今大きく変化をしていまして、現代の実効性ある安全の取組や社会的要請を捉えた形で、窓先空地などの規制を見直すべきと、二〇一九年、そして二〇二一年に、それぞれ質疑も行ってきました。
 そこで、今回の改正に向けた都市整備局の取組の経緯について改めて伺います。

○飯泉市街地建築部長 既存建築物のリノベーション促進などに向けて、「未来の東京」戦略 version up 二〇二三に条例の見直しを位置づけた上で、令和五年三月に東京都建築安全条例検討委員会を設置し、規制の合理化について検討を行ってまいりました。これまで検討委員会を四回開催し、条例見直しの考え方(案)を取りまとめました。

○森口委員 条例改正に向けて、有識者等による検討委員会を立ち上げるなど、丁寧に進めてきていただいたのかと思います。
 そこで、これまでの検討委員会等を通じて、今回の条例の見直しにつながる意見はどのようなものがあったのか伺います。あわせて、期待される効果についても伺います。

○飯泉市街地建築部長 検討委員会では、防火区画に関して、避難に配慮が必要な方が利用する建築物については規定を緩和すべきではないという意見や、窓先空地に関して、代替となる避難経路がある場合は規定を柔軟に考えるべきという意見がございました。
 条例を見直すことによる効果としては、既存建築物のリノベーションの促進や、建築計画の多様化などが期待できます。

○森口委員 今回の改定では、窓先空地について、一定条件の下、隣地との幅員を減らせるとともに、避難経路が確保された場合は植栽が可能となるなど、見直し案が挙げられています。
 今回の見直しにおいて、窓先空地を避難経路としない建築計画の場合であっても、引き続き窓先空地が必要であることから、隣地等との間に一定の空間を確保する必要がありますが、その理由について伺います。

○飯泉市街地建築部長 条例では、共同住宅等の居室の居住環境の悪化を防ぎ、かつ災害時の避難手段の確保を図るため、窓先空地の設置を義務づけております。
 今回の見直しでは、窓先空地に代わる代替の避難経路が確保されている場合には、窓先空地に避難の機能を求めないこととしておりますが、居住環境の悪化を防止するため、引き続き窓先空地の設置を義務づけることとしております。

○森口委員 安全面ではなく、居住環境の悪化を防ぐ目的とのことでありました。
 建築安全条例における居住環境とは、採光と通風になるわけですが、この採光と通風の確保については、建築基準法で既に必要な寸法は規定がされており、都が七十四年前に独自に定めた建築安全条例の規定により、法律以上の幅員の空地が今も都で必要なのか、見直す必要があるのではないかと指摘をいたします。
 採光と通風の確保について、換気や空調設備、室内の照明の性能の進化など、七十四年前と今では、居住環境に求める要件も大きく変わっています。
 窓先空地は、全国でも、東京都や横浜市など一部の自治体でしか規定がされておらず、都は、中規模、また小規模の建築物にも規定をするなど、その寸法も含め、最も厳しい規制をかけています。
 都の建築安全条例における窓先空地は、建築基準法の定める寸法以上に、隣地との空間を確保することを七十四年前に規定をしており、今の既存建築物の用途変更の円滑化といった社会的要請や建築技術の進展等に対応し、見直すべきものと考えます。
 また、建築安全条例七十三条において、児童福祉施設等のうち、母子生活支援施設、老人ホーム等居住もしくは寄宿の用に供する建築物または建築物の部分については、建築安全条例十九条の窓先空地等の規定を準用するとされております。この準用すると規定をされていることで、老人ホーム等福祉施設におきましても、建築基準法以上の空間を確保しなければならず、都心部において用地の確保や既存建築物の転用も大変難しく、設置が進まず、比較的郊外に新設の高級な施設が建てられているのだと思います。
 また、防火防災の観点からも、火災時に老人ホーム等の避難弱者は、窓先空地から避難するといった行動は難しく、スプリンクラー等により初期消火を行うことが、火災や煙の一酸化炭素中毒による被害から命を守る上で最も重要であるとされています。
 避難弱者として、そもそも避難器具で避難が困難であり、消防法施行令でスプリンクラー設備の設置が義務化されている老人ホーム等福祉施設においては、どのような扱いになるのか伺います。

○飯泉市街地建築部長 条例では、老人ホームなど継続して居住するための施設についても、居住環境の悪化を防ぎ、かつ災害時の避難手段の確保を図るため、窓先空地の設置を義務づけております。
 今回の見直しでは、共同住宅等と同様の理由によりまして、居住環境の悪化を防止するため、引き続き窓先空地の設置を求めることとしております。

○森口委員 共同住宅等と同様の理由とのことで、安全面ではなく、居住環境の悪化を防止するため、つまり採光や通風を確保するため、東京のみが建築基準法以上の空地が必要とのことであります。
 東京は、全国で最も広い窓先空地を設置しなければならず、老人ホーム等福祉施設の建設においても、都市部の既存建築物の用途変更や改修は大変難しく、結果、郊外に大変高額な利用料となる施設が多く、都民益を大きく損ねてしまっていると懸念をしています。
 超高齢化が加速をする中、老人ホーム等福祉施設のニーズがますます増えていまして、既存建築物の改修等で福祉施設を拡充しなければならない、そういった今の社会的要請を捉える必要があります。
 避難弱者として、そもそも避難器具で避難が困難であり、消防法施行令でスプリンクラー設備の設置が義務化されている老人ホーム等福祉施設においては、建築安全条例七十三条で窓先空地の設置を求めている規定を廃止するか、もしくは窓先空地の幅の寸法を縮小するなど、見直しが必要であると考えます。
 都の建築安全条例は、国の建築基準法の制限をさらに強化する付加基準として、他の自治体に比べて最も強い規制をかけてきた経緯がありまして、この厳し過ぎる規制の下、実際には違法リフォームなど、都の建築安全条例を守らない運用が広がってしまっているのではと大変危惧をしています。
 用途変更においても、二百平米未満の場合は建築確認申請が不要でもあり、二百平米未満で段階的に改修を行うなど、条例を守らない事例もあると聞いています。
 今回の建築安全条例の見直しによるリノベーションの促進も、大変重要である一方で、既存建築物の適正な維持管理も重要であります。そのため、都としてどのような取組を行っているか伺います。

○飯泉市街地建築部長 ホテルや店舗など不特定多数の方が利用する建築物等につきましては、事故が発生すると大惨事に発展するおそれがあることから、より一層の安全性の確保を図る必要がございます。
 建築基準法では、これらの建築物を対象に、建築士などの有資格者が定期的に調査、検査を行い、所管する行政庁へ報告することを義務づけておりまして、この制度などを通じまして、既存建築物の適正な維持管理を促してまいります。

○森口委員 建築基準法には、共同住宅など特殊建築物も、数年ごとに定期調査報告が義務づけられていますが、あくまでも自己申告届出制であるため、申告どおりの適法な状態になっているか、確認や認定がされていない問題があります。
 窓先空地のような規定を緩和する一方で、定期調査報告制度を、自己申告届出制ではなく、一定規模の特殊建築物においては確認制度、認定制度にするなど、実効性を高めるべきであると考えます。
 現在、東京都建築安全条例の見直し案についてパブコメをしていまして、広く意見を集めた後、都民からの意見なども参考に条例の改正案を取りまとめ、令和七年第一回定例会に諮る予定と伺っております。
 条例改正については、適宜、社会情勢等を踏まえて見直しを続けていくべきものと思いますが、この七十四年前に規定した窓先空地等都独自の規定は、今の社会情勢に合っていないとの意見もありまして、今後、様々な観点から見直しの検討を行うよう要望し、質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からは、築地地区まちづくり事業について質問していきたいと思います。
 小池知事は、築地は守る、市場機能を確保すると公約しましたが、今回都が選んだ事業計画には影も形もありません。
 ところが先日、六月四日の日本共産党都議団の代表質問に対し、平成二十九年、二〇一七年六月の基本方針で示された豊洲と築地の両方を生かすという大きな方向性は一貫しており、変わっていないと強弁しました。事業者の計画のどこに、築地を守り、市場機能を確保しているのでしょうか。私は、本会議の知事の答弁を聞きながら、築地女将さん会の皆さんは知事にだまされたと声明を出した当時のことを思い出し、改めて怒りが込み上げてきました。
 最初に、食文化について質問します。
 私は、築地の食文化は、築地市場と共に培ってきたものであり、築地ブランドの鍵は仲卸の目利きがあったからだと思います。築地に市場機能がなくなり、どうやって食文化を守り発信していくのか、都としてもっと真剣に考えるべきだと思います。
 そこで、施設等の概要の中で、食文化に関わる施設として、築地クリナリーセンターとフードホールが描かれていますが、事業者は具体的にはどういうものを計画しているのですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 築地クリナリーセンターでは、フードラボを整備するほか、料理人を育成するプログラムなどを実施することとしてございます。また、フードホールは、観光客を呼び込み、伝統的な食文化を体験してもらうことで、日本の食文化の魅力を世界に発信することとしてございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、単なる料理教室や体験のようにしか受け取れない状況です。
 クリナリーセンターは、スペインのバスク・クリナリーセンターが有名です。現地で四年制の料理専門大学としての扱いで、優れた教授陣など、国や地域を挙げて取り組んでいます。
 築地クリナリーセンターをつくろうとなった背景について伺います。料理学校などから要望があったのかどうかお聞きします。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 募集要項では、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、築地ならではの新たなにぎわい、交流、魅力を創造し、新たな文化を発信する機能の導入を求めてございます。築地クリナリーセンターは、それらを踏まえて提案されたものでございます。
 なお、料理学校からの要望については承知してございません。

○尾崎委員 小池知事は、二〇一七年第四回定例会で、脈々と築かれた築地ブランドは東京の宝物と答弁しました。ところが、二〇一九年一月に発表した築地まちづくり方針素案への都民の多くの批判の声に押され、築地まちづくり方針の中に食文化という言葉が少し増やされました。
 今回の築地地区まちづくり事業に対する附帯意見に、特に、かつて東京の食を支えた卸売市場があった場所として、世界的なブランドを有することを踏まえ、世界に対して日本の食文化の魅力が十分に発信されるよう取り組むこととなっています。この附帯意見を都はどう受け止めていますか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 附帯意見は、審査した際の審査委員の意見のうち、引き続き検討が必要な事項として取りまとめたものであると認識してございます。

○尾崎委員 東京都は、もっとこの附帯意見のいっていることを重く受け止めるべきだと思います。
 小池都知事は、二〇一九年第一回定例会で、築地まちづくり方針の内容について、都民の皆さんにご理解いただけますよう、引き続き、丁寧に説明を行ってまいりますと答弁しました。ところが、事業者選定など全て非公開で進められ、場外市場の皆さんからは不満の声も寄せられています。
 今後、食のにぎわい施設のフードホールについて、場外市場の皆さんの意見などは、いつ、どのように聞いていくのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 これまでも、築地市場を含む地元のまちづくり協議会等で情報提供や意見交換等を行ってきてございます。今後とも、地元区、事業予定者、都が連携して、意見交換を通じて地元の意向の把握に努めながら、事業の具体化を図っていくこととしてございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、これまでも場外市場を含む地元の協議会等で情報提供や意見交換を実施してきたということですけれども、場外市場の皆さんからは、情報は何も知らされない、新聞報道で初めて知った、要望も聞かれたことはないという声が私たちのところにも届いているわけです。
 二〇一九年第一回定例会で、知事は、都民からの意見を踏まえてまちづくりを具体化してまいります、その際、築地の場外市場、区とも連携し、適切に対応していくと述べました。そして、築地にとりましては、食文化は重要な要素の一つであり、築地に思いを寄せる仲卸業者の意見を聞きながら丁寧に対応していくといい、さらに知事は、仲卸業者の意見は丁寧にお聞きしていきたいという答弁をしたんです。仲卸業者の皆さんの意見をよく聞いていただく、場外市場の皆さんはもちろんですけれども、仲卸業者の皆さんの声も聞いていただくことを改めて強く求めるものです。
 次に、ユネスコの諮問機関であるイコモスは、築地市場を日本の二十世紀遺産に選定しました。築地再開発検討会議の中でも、築地市場のアーチの建物について、歴史的価値のある建物であり、残すべきだという意見が出されていました。日本共産党都議団も、歴史的価値のあるアーチの建物を壊さず残すべきだと要望してきました。
 にぎわいの空間のイメージ図に、築地市場のアーチの部分の鉄骨を利用しています。鉄骨はどのくらい保管しているのか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 都は、歴史的、文化的な観点から、旧築地市場の鉄骨部材等につきまして、その一部を保管しており、募集要項において活用することを求めてございます。
 なお、お話のにぎわい空間のイメージ図は、活用方法の一例でございます。

○尾崎委員 私は、鉄骨はどのぐらい残っているのかということが知りたくて質問したんです。このことには答えていないことになります。一部の鉄骨を活用するだけでは、築地市場の世界的にも貴重な美しい建造物は残らないということになってしまいます。
 次に、先行にぎわい施設は、二〇二五年度、令和七年度に着工するとなっています。先行して着工することになった理由について伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 都は、募集要項において、まちづくりの効果を促進し、価値を高めるため、場外市場など周辺とのつながりにも配慮しながら、にぎわいを先行的に創出することを求めてございます。今回の計画は、これらを踏まえて事業予定者から提案されたものでございます。

○尾崎委員 先行にぎわい施設の着工は来年度となっているわけです。場外市場の皆さんの意見をよく聞き、丁寧に進めるための今後のスケジュールについては、早急に決めていただき、場外市場の皆さんに示すべきだということを厳しく指摘をしておきます。
 次に、医療機関と連携した施設について幾つか伺います。
 事業者は、ライフサイエンス棟において国立がん研究センターとの連携をうたっていますが、これは築地まちづくり方針の中にはなかったと思います。
 医療機関との連携した施設が事業内容に盛り込まれた背景は何ですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 こちらの背景につきましては、事業予定者の方において、周辺の状況等を踏まえて提案されたものと認識してございます。

○尾崎委員 小児がん患者等とその家族が、治療を受けながらも一緒に日常生活を送ることのできる滞在施設は、築地まちづくり方針素案に対する都民の要望も強く、我が党も提案してきました。
 今回の事業概要で盛り込まれたファミリーハウスは、具体的にどういうものなのか教えてください。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 お尋ねの施設の具体的な内容については、今後検討していくことと聞いてございます。

○尾崎委員 今回の事業概要、イメージ図などから見ていくと、富裕層向けの宿泊施設でしかないというように思われます。都民が望んでいるのは、安心して治療を受けられるためにも、安い料金で安心して宿泊できる施設です。
 次に、ライフサイエンスやバイオテクノロジー、AI等の先端研究機関と連携オフィスを導入し、健康長寿社会の研究都市を目指すとありますが、予防医療や健診などもここに入るのかどうか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 施設計画や運営の詳細につきましては、今後、事業予定者において検討されるものと認識してございます。

○尾崎委員 それでは、医療ツーリズムは含まれるのでしょうか。医療分野で国際競争力の向上を目指すのかどうか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 事業予定者からの提案の中に、医療ツーリズムに関する記載はございません。

○尾崎委員 私はもう一つ聞いていて、医療分野で国際競争力の向上を目指すのですかって聞いたのには、何もお答えがなかったというふうに思います。
 このイメージ図や概要などを見ますと、やっぱり富裕層の観光客をターゲットにした医療ツーリズム、海外からの患者を優先し、もうかる医療を目指すものですけれども、そういうことが考えられているんじゃないかというふうに受け止められます。そうなれば地域の住民がかかれる病院ではなくなる。
 事業者の提案には医療ツーリズムに関する記載はないと答弁されましたが、築地地区まちづくりの方向性が国際競争力の向上ということに全体がなっているわけですから、今は記載がなくても、狙われているのは、医療ツーリズムでもうける、稼げるまちにするということではないでしょうか。そんなことを許すわけにはいきません。
 次に、土地の問題について伺っていきたいと思います。
 東京都は、民間事業者に都有地を七十年間貸し付けることになります。昨年の事務事業質疑では、貸付金額は、基準金額一平方メートル当たり月額四千四百九十七円以上であることを条件に、事業者の提案した金額という答弁がありました。
 貸付期間は七十年と長期になりますが、貸付金額については途中で変更することはあるのかどうか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 募集要項でお示ししている定期借地権設定契約書では、賃料は、土地の価格の変動により、または近隣の地代もしくは賃料に比較して不相当となったときは、協議上、将来に向かって、賃料を改定できるとされてございます。
 また、契約条件にもありますとおり、契約締結後三年ごとに、物価変動率及び固定資産税路線価変動率を加味して改定できる条項も定められてございます。

○尾崎委員 これだけの都有地を、七十年間にわたり土地を貸し出すというのは、これまでに例がありません。
 そこで、大事なことなので確認したいと思うんですが、契約締結後に土地の賃料が改定された場合には、先ほど三年ごとに改定できるということも分かりましたけれども、議会に報告されて質疑ができるのかどうか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例に基づきまして、適切に対応いたします。

○尾崎委員 それでは、やはり七十年間という長い間に何があるか分からない。そこで、事業者が破綻するなどした場合の取決めは契約に含まれているのかどうか、もしくはそうした契約を結ぶ予定はあるのかどうか、また、都民には現在公開していない事業者との契約はあるのかどうか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 募集要項で示している契約条件書では、事業者に関わる破産等の手続がなされた場合には、基本協定を解除できることとされてございます。
 なお、現時点で事業予定者と締結している契約書はございません。
 また、先ほど、医療分野での国際競争力の向上について目指すのかというご質問に対しまして、答弁漏れだというご指摘がございましたので、お答えしますと、今回、事業予定者からの提案では、国際競争力を支えるウエルネスイノベーションとして、ライフサイエンスイノベーション、医療の取組が示されてございます。

○尾崎委員 医療の分野でも国際競争力の向上の方向に向かうということですよね。
 それで、事業者が破綻した場合は、基本協定を解除できるというご答弁でしたけれども、その際は、破綻した施設を丸ごと都が背負うことになってしまわないようにしなければならないと思っています。
 そこで、大事なことなのでお聞きしたいんですが、ONE PARK×ONE TOWN事業は、三井不動産やトヨタ不動産が事業を展開するのでしょうか。それとも子会社がつくられるのかどうか伺います。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 お尋ねの件につきましては、詳細は都は把握してございません。

○尾崎委員 把握していないというご答弁ですけれども、特定目的会社がつくられるんじゃないでしょうか。そうなると、この会社が破綻したときに、親会社である三井不動産やトヨタ不動産が様々な後処理をするようにしないと、三井不動産やトヨタ不動産やら十一社は極めてリスクが少なく、あとは野となれ山となれで、この巨大事業に参入できるということになるわけです。
 最後は都民の税金で片をつけるなどということがないように、年度末に行われる基本協定では、破綻した場合の三井不動産やトヨタ不動産、読売などの責任を明記する必要があると思いますが、これについてはどうでしょうか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 契約条件書では、事業者が破産等した場合の手続について、申立てがなされた場合には、基本協定を解除することとなってございます。
 具体的にどうしていくかにつきましては、状況に応じまして、関係者と協議、対応していくことになります。

○尾崎委員 そういう点では、私が先ほど聞いた、基本協定には盛り込むつもりはないということだと思うんですけれども、まだまだこの事業は全体として不明朗です。巨大かつ都心の貴重な都有地を使った事業として、この点は看過できないので、今後も私たちは厳しく注視していきたいと思っています。
 最後にですが、情報公開について伺います。
 築地地区まちづくりは都有地の活用になります。そもそも都有地は都民のために活用すること、都民の要望を酌み尽くしていくことが大事だと考えます。審査結果の附帯意見を見ても、まちの将来像や開発内容、事業の進め方等に対し、分かりやすく、積極的に情報発信するとともに、都民等の意見を受け付ける機会を設け、それらの意見に対し丁寧に対応することとなっています。都はこの具体化をどのように行おうとしているんですか。

○高橋築地まちづくり推進担当部長 今後、都、外部有識者、事業予定者で協議を行いまして、事業予定者による具体的な取組を検討するなど、計画のブラッシュアップを図ることとしてございます。
 また、事業予定者によるワークショップの実施など、都民の意見を幅広く聞く工夫をしながら進めてまいります。

○尾崎委員 築地市場跡地は、何度も繰り返しますけど都有地です。本来であれば、都民のために、都民が要望することに活用すべきところです。
 しかし、この都民の財産である都有地を七十年という長期間、民間事業者に貸し出し、民間に丸投げの巨大開発です。現時点では、都民参加のまちづくりになっていないばかりか、地元住民、場外市場の皆さんや仲卸の皆さんの声も丁寧に聞いているとは、いい難い状況です。そして、全ての情報も都民に公表されていない状況で、民間企業のもうけを優先するようなものは白紙撤回を求めるものです。
 その上で、非公開で事業者の選定が行われました。事業者選定に関わる全ての情報を速やかに公開すること、審査委員会による附帯意見について、事業者がどう取り組んだのか、都民や地元自治体、場外市場、仲卸業者の皆さんに丁寧な説明と意見を聞く場を早急につくること、そして聞き取った意見を事業計画にどう反映させるのかなど、事業者任せにせず、都の責任で行うことを厳しく指摘をして、質問を終わります。

○竹井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○竹井委員長 請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○竹井委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、小笠原住宅政策本部長から発言を求められておりますので、これを許します。

○小笠原住宅政策本部長 当委員会の所管両局を代表いたしまして、一言御礼のご挨拶を申し上げます。
 このたびの定例会に提案されておりました契約議案につきまして、竹井委員長をはじめ委員の皆様には、ご調査、ご審議を賜り、誠にありがとうございました。
 請願陳情、報告事項を含め、ご審議の過程でいただきましたご意見、ご指摘等につきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと考えております。
 今後とも、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。

○竹井委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十三分散会