都市整備委員会速記録第五号

令和六年三月二十一日(木曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長竹井ようこ君
副委員長土屋 みわ君
副委員長尾崎あや子君
理事加藤 雅之君
理事森口つかさ君
理事田村 利光君
松田りゅうすけ君
関野たかなり君
松田 康将君
原田あきら君
中山 信行君
後藤 なみ君
西沢けいた君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長谷崎 馨一君
次長小平 基晴君
技監小野 幹雄君
技監湯川 雅史君
理事朝山  勉君
総務部長打田 武彦君
住宅政策本部本部長山口  真君
技監青柳 一彦君
住宅企画部長松崎伸一郎君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備委員会所管分
・第十三号議案 令和六年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十四号議案 令和六年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・第十五号議案 令和六年度東京都都市開発資金会計予算
・第十八号議案 令和六年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・第二十一号議案 令和六年度東京都都市再開発事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第六十一号議案 東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第六十三号議案 東京都市計画事業汐留土地区画整理事業施行規程等を廃止する条例
・第六十四号議案 宅地造成及び特定盛土等規制法施行条例
・第六十五号議案 東京都営住宅条例の一部を改正する条例
・第六十六号議案 東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○竹井委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書三件につきましては、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○竹井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備委員会所管分、第十三号議案から第十五号議案まで、第十八号議案及び第二十一号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○森口委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和六年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 令和六年度予算は、ポストコロナ時代において、東京、日本の抱える構造的な課題の解決に取り組みながら、新時代を切り開く一人一人の人の挑戦を後押ししていく予算となっています。
 政策評価、事業評価を緻密に実施することによる財源の確保額が過去最大となっており、財政面での絶え間ない改革の成果が表れていると考えます。
 また、子育て、教育支援、女性活躍支援、高齢者施策、障害者施策、多摩をはじめとする地域振興、防災、防犯施策など、各分野において私たちが議会で提案し、重点項目として要望してきた施策が盛り込まれております。
 具体的には、私立中学校授業料支援、私立、都立高校及び都立大学授業料無償化の各施策における所得制限撤廃、認証学童保育制度の創設、フリースクール等への支援、女性活躍施策、介護従事者、ケアマネジャー等への賃上げ支援、多摩地域の公立小中給食費無償化支援や交通網の整備施策、デジタル地域通貨プラットフォームの構築、町会、自治会やマンションの防災力強化支援等、私たちの要望に対し、幅広い分野にわたり予算が計上されたことを高く評価します。
 東京、日本のあるべき姿について、高い理想を掲げながらも現実を直視し、これまでの東京大改革のレガシーである未来への投資をたゆみなく進めること、そして都民にとっての課題の一つ一つを解決する政策を着実に実行していくことを要望します。
 それでは、各局事業について、まずは、都市整備局関係について申し上げます。
 能登半島地震含め、昨今激甚化する地震や風水害など、自然災害から得られた知見や教訓を基に、都の防災まちづくり施策を強化すること。
 耐震化、無電柱化、不燃化、東部低地帯等における高台まちづくりの推進、グリーンインフラ等、雨水流域対策の強化、緊急輸送道路全体の通行機能の確保など、各防災対策を推進すること。
 戸建て住宅の耐震化においては、省エネやバリアフリー化などの改修の機会に合わせた耐震化を推進するなど、アドバイザー制度や補助制度を拡充し、区市町村と連携した取組を進めること。
 グリーンインフラの整備に当たっては、公共施設で先行実施し、その貯留浸透や遮熱効果などを検証することで導入を促進すること。
 グリーンインフラ整備の関心を高めるため、導入実績や検証結果を気軽に確認できるよう、自治体への情報提供など広報強化を推進すること。
 緑あふれる公園、広場、農地等の整備、緑を伴う都市開発のインセンティブを強化していくこと。
 まちづくりに合わせた緑の創出として、壁面緑化や階層状につながる立体緑化などの取組を促進すること。
 生産緑地公園補助制度並びに緑あふれる公園緑地等整備事業について、さらなる拡充と市区町への活用を促進すること。
 東京の新たな活力と魅力を高めるため、水辺を生かす舟運や水辺空間の利用、緑を生かす公園や都市農地の活用、空を生かす首都高地下化や無電柱化、グリーンインフラの整備など、次世代の都市空間の形成を進めること。
 都内各地域において、東京の国際競争力を高める都市再生を推進すること。
 東京ベイeSGプロジェクトの推進、KK線を活用したTokyo Sky Corridorの整備、自動運転社会を見据えた道路、都市環境整備や、自転車通行空間、駐輪場の整備、鉄道の時間差料金制、総合的な駐車場対策など、人中心のまちづくりを強力に推進をすること。
 空港アクセス線、多摩都市モノレール、多摩南北道路、ベイエリアのアクセス線、舟運等の水上交通、都市計画道路、外環道など、東京の国際競争力を高める交通ネットワークを安全かつ着実に整備をすること。
 舟運が身近な交通手段として定着するよう、船着場のアクセス向上に向けた取組や観光利用への取組、バリアフリー化など支援を促進すること。
 関係各局と連携をしながら、EVの充電環境、水素ステーションなど、ゼロエミッションビークルのインフラ導入を推進すること。
 デジタルツインや都市OS構築など、デジタルを効果的に活用したまちづくりを強力に推進をすること。
 多摩地域のさらなる発展に向け、広域防災拠点へのアクセスルート確保や、多摩都市モノレールの整備や道路交通ネットワークの整備など、取組を推進すること。
 多摩都市モノレールの子供運賃割引を着実に実施をし、子育て環境の整備や周辺のまちづくりの進展につなげていくこと。
 区市町村運営のコミュニティバス、デマンド交通への支援や、安全面に配慮をした上で、自動運転、新モビリティーを推進すること。
 都外ナンバーの広告宣伝車に対する新たな規制に関し、都内自治体と丁寧に調整するとともに、規制後は、許可権者である区と連携した調査や取締りを進めること。
 次に、住宅政策本部関係について申し上げます。
 住宅は生活の基盤であると同時に、都市を形づくる基本的な要素であり、住宅マスタープランに基づく施策を着実に実施をすること。
 若者、子育て世帯、ひとり親、高齢者、障害者など、様々な観点から住宅確保に配慮を要する方々の住宅確保に向けた支援を強化すること。東京ささエール住宅では、貸主や不動産事業者にしっかりと情報を届けるとともに、活用事例なども伝わる方法で情報提供を実施するとともに、使いやすい制度にするため、不断の見直しを行うこと。
 経済的に不安定な若者世代に対する住まいへの取組として、家賃割引制度であるステップ三十五割を拡充するなど支援を行うこと。
 高齢単身世帯の増加を見据え、見守りなど多様化するニーズに配慮するなど、高齢者が生き生きと暮らせる住宅の普及を推進すること。
 住宅の太陽光発電の整備、断熱性能の強化や多摩産材など木材建築の普及支援を実施し、ゼロエミッション東京の実現に向けた取組を強力に推進をすること。
 住宅における太陽光パネルの設置、断熱性能の向上、蓄電池の設置、テレワーク対応など、新たな日常に対応した住宅施策を推進すること。
 都民の主要な居住形態であるマンションにおいて、防災対策の強化や環境性能の向上、適正管理を促進すること。
 マンション適正管理に向け、届出制度の適切な運用を行うとともに、把握された適正管理に関する課題を踏まえ、管理組合の機能強化に向けた支援を行うこと。
 マンション防災の推進に向けては、町会、自治会と連携して防災訓練を行う場合、備蓄品や資機材の購入補助率を高めるなど、東京とどまるマンションのさらなる普及に努めること。
 都営住宅に関して、活用の強化、コミュニティ形成等、戦略的な活用を推進すること。
 空き家対策について、区市町村が円滑に制度を運用できるよう国に働きかけるとともに、区市町村への技術的な支援をすること。二〇三〇年度末までに、全区市町村が空き家等対策計画を確実に策定できるよう支援をするとともに、自治体の取組を促し、既存住宅市場の活性化や循環型住宅市場の形成に向けて、民間事業者等ともさらなる連携を進めること。
 以上で意見開陳を終わります。

○土屋委員 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和六年度予算は、都税収入の伸びを背景に総額八兆円を超え、東京都は、防災対策、少子高齢化対策、環境対策、DX推進、そして新たな感染症対策など、様々な施策を展開しています。
 そして、少子高齢化対策については、所得制限の撤廃や新たな都独自の支援策など、我が会派の要請も踏まえ、矢継ぎ早に展開しています。こうした積極的な取組は重要ですが、明確な目標や事業の終期を示すなど責任ある計画をつくり、事業の全体像、将来計画を都民に明らかにした上で取り組んでいくことも必要です。
 東京の経済は予断を許さない状況にあり、さきの予算特別委員会でも指摘しましたが、都の税収が今後も右肩上がりで推移していくとは限りません。かつて都の財政が困難な状況に陥ったことを忘れず、負の側面を常に想定した財政運営が必要です。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 都市整備局関係について申し上げます。
 一、都民の生命と暮らしを守り、首都東京の機能や経済活動を維持することができる強靱な都市を築き上げていくため、TOKYO強靱化プロジェクトを推し進めるとともに、都市づくりのグランドデザインを示した都市像の実現に向けた取組を着実に推進されたい。
 一、東京外かく環状道路の一日も早い完成に向け、地域住民への配慮と安全確保に努めるとともに、東名高速から湾岸道路までの計画の早期具体化に取り組まれたい。
 一、平成二十八年三月策定の東京における都市計画道路の整備方針に基づき、区部の環状道路や多摩地域の軸となる幹線道路など、都市計画道路ネットワークの充実強化を図るとともに、令和元年十一月策定の東京における都市計画道路の在り方に関する基本方針で計画の変更予定となった路線について、都市計画手続を進められたい。
 一、鉄道ネットワークのさらなる充実を図るため、国の答申において事業化に向けて検討を進めるべきとされた路線等について、国と東京都の実務者協議会の場も最大限活用しながら、関係者との協議、調整を加速されたい。
 一、羽田空港に関して、騒音対策、落下物対策、住民への周知徹底等に万全を期すとともに、一層の機能強化や国際化及び空港アクセスの整備に向けて積極的に取り組まれたい。また、水の都東京の魅力を高めていくため、舟運の活性化に向けた取組を進められたい。
 一、首都圏の高速道路は重要な都市インフラであることから、平成二十八年四月に導入された新たな料金体系の影響などを検証するとともに、国の検討状況も踏まえ、一体的で利用しやすい料金体系の実現に向け、積極的に取り組まれたい。
 一、防災都市づくり推進計画の基本方針の改定を見据え、不燃化の取組を効果的に展開されたい。また、延焼遮断帯内側の市街地の改善をさらに進めるため、区における防災生活道路整備事業や重点整備地域内の私道等の無電柱化への支援に取り組まれたい。
 一、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を促進するため、市区町村等とも連携し、所有者の取組をさらに後押しするとともに、耐震診断結果を改修や建て替え工事に確実につなげられたい。住宅については、これまでの旧耐震基準の住宅に加えて、新耐震基準の木造住宅の耐震化を進め、都内全域で耐震化を促進されたい。
 一、能登半島地震における液状化の実態を踏まえ、液状化対策のための地盤調査や対策工事に関わる費用の助成、業界団体等との協力体制の構築や工法の認定取得の支援など、戸建て住宅の液状化対策を推進されたい。
 一、地域の特性に応じた良好な市街地の形成を図るため、土地区画整理事業、市街地再開発事業などの市街地整備事業を積極的に推進されたい。
 一、屋敷林など身近な緑の保全を目指す特別緑地保全地区指定の促進に向けて、区市町村に対する土地の買取りや整備への補助を促進されたい。
 一、大規模水害時に深刻な被害が想定される東部低地帯への備えとして、緊急時の垂直避難先の確保や避難経路の整備推進に取り組む区を支援するとともに、強靱化プロジェクトに位置づけた候補地区で、高規格堤防整備の事業化に向けて地元区などと検討を進め、高台まちづくりを加速されたい。
 一、地域公共交通について、令和四年三月末に取りまとめた基本方針に掲げる将来像の実現に向け、市区町村における計画策定を支援し、持続可能な地域公共交通計画の推進に努められたい。
 一、高齢者が免許返納した際の移動手段の確保など、公共交通の充実が求められる中、路線バスの廃止や減便による公共交通の維持確保が社会的課題になっていることから、公共交通における自動運転技術の活用に向けて、技術、財政の両面から支援を進められたい。
 一、成長と成熟が両立し魅力あふれる多摩地域の実現に向け、二〇四〇年代を目標年次とした多摩のまちづくり戦略を取りまとめ、多摩地域の拠点形成に向け、まちづくりマッチングシステムの構築、道路交通ネットワークの充実など、地元自治体と連携の上、魅力あふれる多摩の実現に取り組まれたい。
 次に、住宅政策本部関係について申し上げます。
 一、空き家対策に関しては、東京における空き家施策実施方針に基づき、区市町村の地域特性に応じた取組への支援や情報提供の充実などにより、空き家の利活用を促進するとともに、市区町村支援事業も活用し、防災面からの老朽空き家対策などを進められたい。また、空き家所有者に管理の重要性を周知するとともに、地域特性等を踏まえた適切なアドバイスを行えるよう、専門家を活用した相談体制の整備など、きめ細かい支援を行われたい。さらに、循環型住宅市場の形成に向け、既存住宅市場での流通促進に取り組まれたい。
 一、居住者の高齢化や単身化が進む都営住宅において、コミュニティの活性化に向けて、子育て世帯のさらなる入居促進や高齢者世帯の生活支援の強化等により、多世代共生の推進に取り組まれたい。また、都営住宅、公社住宅において、結婚予定者に対する支援に取り組まれたい。
 一、東京都住宅マスタープランを踏まえ、東京こどもすくすく住宅の供給の促進や、貸主等への支援の充実による東京ささエール住宅の登録促進と住宅確保要配慮者の円滑な入居支援を進めるとともに、マンションの適正管理や建て替え等による再生、耐震化の促進など、区市町村等とも連携し、住宅政策を総合的に推進されたい。また、宅地建物取引業免許申請等のデジタル化や都営住宅におけるBIMの活用など、行政手続等のDX化を進め、各種施策の充実、改善に取り組まれたい。
 一、マンションの適正管理を促進していくため、管理計画認定制度の普及に向けた取組を進めるとともに、管理状況届出制度のさらなる活用により管理状況を把握し、個々の状況に応じた支援につなげられたい。
 一、マンションの耐震化促進に向けて、修繕の積立てが不十分なマンションの把握に努め、管理組合の状況を十分に踏まえながら、区市町との連携、そして専門家派遣や耐震改修補助等の支援策を効果的に進められたい。
 一、マンションの防災力強化に向けて、エレベーター、給水ポンプのための自家用発電設備や蓄電池等の非常用電源の設置、浸水時の電源保護のための止水板の設置など、各種対策を支援されたい。
 一、東京こどもすくすく住宅認定制度により、子育て世帯に配慮した住宅の供給を加速させるため、専有部や居住者間の交流機会の創出にもつながるキッズルームなど共用部への直接補助を実施するとともに、幅広く事業者の参画を促されたい。さらに、認定制度の認定マークの認知度を高め、市区町村等と連携して子育て世帯に情報提供することで、子育てに適した設備が備わり、また、コミュニティ形成に配慮された良質な住宅の選択が都内全域で可能となるよう取り組まれたい。
 以上をもちまして、都議会自民党の意見開陳を終わります。

○加藤委員 都議会公明党を代表しまして、当委員会に付託された令和六年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和六年度一般会計予算案は、高校授業料実質無償化の所得制限撤廃や、公立小中学校、都立学校における給食費の負担軽減、介護職員の処遇改善に向けた支援、さらには激甚化する豪雨対策やマンション防災の強化など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価いたします。
 加えて、基金を適正に管理するほか、事業評価による見直しの徹底により、過去最高の一千二百六十六億円の新たな財源を確保しています。引き続き、急激な景気変動にも耐えられるよう財政調整基金への積み増しを行うなど、財政基盤の一層の強化を求めます。
 次に、都市整備局について申し上げます。
 一、都市インフラや施設の更新を進め、活力と魅力に満ちた東京の再構築に向け、都市開発諸制度を活用して国際競争力を強化すること。
 一、木造住宅密集地域の不燃化、耐震化のために、公有地や民間による種地活用を図り、商店街などを含めた魅力あるにぎやかな移転先の絵図を描くなどして、関係者の意欲を高めること。
 一、危険度判定の取組では、相対評価から、各地の努力を正確に評価できる絶対評価への切替えを早期に実現すること。
 一、建築物の耐震化について、特定、一般を問わず緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に向け、所有者や占有者等への訪問活動などを強化し、不安の解消などに努めること。共同化や街区再編なども積極化すること。加えて、区市町村への支援を強化して、所有者の負担軽減を図り、整備地域の周辺を含め、都内全域で耐震化の加速を図ること。
 一、地震被害の低減に向けて、昭和五十六年以前に建築された旧耐震基準の住宅に加え、平成十二年以前に建築された新耐震基準の木造住宅の耐震化を支援し、住宅の耐震化を促進すること。また、液状化被害の低減のため、新築、既存を問わない戸建て建築物における対策を進めるほか、国に対し面的対策の強化を強く求めること。
 一、国答申に位置づけられた各路線の整備に向けて取り組むこと。加えて、通勤混雑の緩和、ホームドアの一〇〇%整備、ワンルート、ツールート確保にとどまらない駅出入口の完全バリアフリー化、防犯カメラの設置促進などを目指し、具体的な整備は、優先順位を明確にして補助を強化すること。
 一、タクシーを含むデマンド活用やBRTの推進、既存交通事業者への支援強化などにより、地域交通の充実を図ること。
 一、公共交通支援の観点から、トラック、バスに加え、タクシーも燃料高騰時の支援対象とすること。
 一、舟運について、災害時にも対応し、観光面からも魅力のある交通網とすること。
 一、羽田や近県の空港を含めた首都アクセス空路の複層化と時間短縮、安全な空路の不断の見直し、新技術による騒音抑制、落下物防止などを国に求めること。
 一、多摩のまちづくり戦略(素案)で示したプロジェクトを推進し、成長と成熟が両立した多摩の実現に向けて取り組むこと。
 一、所有者不明土地の活用と発生防止に向け、国や関係機関との連携を強化すること。
 一、築地地区のまちづくりについて、事前の土壌調査及び土壌汚染対策などに万全を期すとともに、事業者提案が都民の賛同を得られるよう議会で審議を尽くすこと。
 一、環境先進都市東京を目指し、快適な水環境、水と緑の回廊の実現を図ること。
 一、建築確認申請図書の保存年限の見直しと電子化を進めるとともに、民間確認機関との協議を進め、官民を通じた統一的な取組や相談対応のワンストップ化を図ること。
 一、屋外広告物の適正な在り方を目指し、条例の施行規則の改正を踏まえ、都内を通過する全ての車両を対象に取組を推進すること。
 次に、住宅政策本部について申し上げます。
 一、東京都住宅マスタープランに基づき、関係部門との連携を図り、「未来の東京」戦略に掲げたプロジェクトをはじめ、住宅施策をより強力かつ機能的に推進すること。
 一、ゼロエミッションの達成に向け、既存住宅の省エネ改修、木造ビルの建築促進を支援すること。また、都営住宅等でも省エネ改修を進めるほか、太陽光発電や省エネ機能の強化を図ること。
 一、管理不全マンション防止のため、管理状況届出制度の円滑な運営を図るとともに、分譲マンション総合相談窓口の拡充やアドバイザーの無料派遣などによって、適正管理を促進すること。あわせて、老朽マンション等の再生を一層加速化させること。
 一、東京の防災力向上を図るため、マンション等の実態を適切に把握し、在宅避難に資する施策を展開するなど、とどまるマンションの普及拡大に加え、とどまるマンションに加われないマンションへの防災上の支援を一層強化すること。
 一、都営住宅について、機能、設備の向上に努め、建て替え事業の促進を図ること。建て替えに当たっては創出用地を活用し、地元の要請に応えた福祉、にぎわいインフラ整備に協力すること。また、小笠原村における住宅政策を総合的に進めること。
 一、令和七年度末までの都営住宅耐震化率一〇〇%の達成に向けて、分譲店舗付住棟での権利者との合意形成を強力に進めること。
 一、都営住宅居住者の高齢化に対応し、建て替え時の荷物整理などの不安の軽減に努めること。加えて、見守り機能や福祉施策との連携を強化すること。さらに、居住者が自己資金で調達した浴槽設備の都負担による更新を着実に進めること。
 一、都営住宅居住者の世代間バランスを図るとともに、自治会活動に参加する学生入居の取組を進めること。加えて、住民トラブルの原因となりやすい不適切な住まい方の是正や外国人居住者への対応など、団地自治会への支援を強化すること。
 一、都営住宅において、子育てに取り組みやすく、単身高齢者の生活の質の改善につながるゆとりのある間取りへの改善を強化すること。また、社会的な単身化の進展に即応し、入居資格の範囲や一人当たりの面積基準の見直し、募集基準の改善を行うこと。あわせて、親と子の世帯の近居を可能とする親子触れ合い住み替え募集での要件の緩和を進めること。加えて、定期募集、若年世帯向けの定期使用住宅の募集、毎月、随時募集で不断の見直しを進め、募集戸数の拡大や募集の改善を図ること。また、単身の若者等に都営住宅の空き住戸を活用して、住宅と就労の支援等がセットになった施策を講じ、成功事例を重ねること。
 一、高齢者が住み慣れた地域で安心して住み続けられるように、サービス付高齢者向け住宅の一層の供給促進に取り組むこと。
 一、管理期間が終了した都民住宅について、都として最大限の配慮に努めること。
 一、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、東京ささエール住宅の専用住宅の登録促進、公社住宅を含む家賃補助の適用実例の拡大を目指し、都市計画諸制度の活用を含め、制度の普及と醸成に努めること。加えて、高齢世帯などが抱える様々な不安の軽減に向け、居住支援法人などの育成や活用を的確に導くこと。
 一、東京こどもすくすく住宅について、安全性の確保を最優先にするとともに、子育て世帯の様々なニーズに応じた住宅が供給されるよう、事業者の幅広い取組に対して支援を行うこと。
 一、高齢者支援でも、すくすく住宅と同様の支援策を確立し、適切な誘導策を整えること。
 一、空き家対策として、相談窓口のワンストップ化を図るとともに、区市町村への支援等を積極的に行うほか、企業社債などを活用した社会貢献上の取組意欲や、都の政策連携団体が関与して、空き家対策の取組へ安心感の醸成を図ること。
 一、水没しない垂直避難場所として、都営住宅や公社住宅の空き室提供について、積極的に区市等からの要請に対応すること。
 以上をもちまして、都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。

○原田委員 二〇二四年度東京都予算案について、日本共産党都議団を代表して意見開陳を行います。
 都市整備局分予算案の特徴の第一は、予算額千百十七億円のうち、都市再開発やそれに伴う都市計画道路などに予算規模の半分以上が注がれていることです。
 本来、都市計画とは、住民のニーズに基づいて住民合意の下に進められるはずですが、各地で住民無視、ディベロッパー主導の再開発が進められ、需要と供給のバランスを全く考慮しない超高層ビル建設が進んでいます。
 ベイエリア開発では、晴海や有明、お台場地区などで大規模イベント施設とともに、ウオーターフロントを強調した超高層ビル建設を進めてきましたが、交通インフラの不足など問題が指摘されています。
 一方で、住宅耐震補強は、能登半島地震の直後でありながら予算削減となり、水害対策でも、透水性舗装など流域対策の自治体支援は微々たるものです。地域から要求の高いコミュニティバスなど、地域交通の補助金も少な過ぎます。都営住宅の新規建設は二十五年間ゼロが続き、家賃補助にも後ろ向きです。
 知事は、ベイエリアに二十二世紀型の未来都市を建設するといいますが、公営住宅の拡充や住宅耐震化、ヒートアイランド対策、断熱建築、地域交通こそ、二十二世紀型にしなければならないということを指摘し、以下、各局について意見を述べます。
 初めに、都市整備局についてです。
 臨海地域全体の巨大開発計画となる東京ベイeSGプロジェクトはやめること。
 築地まちづくりは、その都度、都民に情報を公開し、浴恩園の遺構を保存するなど、歴史と文化の保全に努めること。
 多摩のまちづくり戦略については、行政や企業主導にせず、住民本位の方針策定を進めること。
 スポーツクラスターの形成をうたいながら、球場やラグビー場の歴史と文化を踏みにじり、多数のスポーツ施設を廃止し、住民合意なく都市計画公園の計画区域を削除し、風致地区の規制を無視した超高層ビルやホテルを建設する神宮外苑地区地区計画を見直すこと。
 木造住宅密集地域の安全化対策は、幹線道路の整備や再開発優先ではなく、住民合意を重視し、耐震化、難燃化、不燃化にこそ予算を傾注するよう抜本的に見直すこと。
 緊急輸送道路の沿道建物耐震化を進めるために、テナントビルの占有者などへの支援の強化、訪問や働きかけを行う体制の強化を図ること。
 住宅の耐震化は、住宅所有者の個人責任に任せるのではなく、地震被害から都民の生命、財産と地域を守るための公共事業と位置づけ、定額制を導入し、予算を抜本的に増額すること。
 浸水被害防止のため、一時貯留施設や雨水浸透ますの設置など流域対策の大部分を都が負担するなど、幅広く自治体、個人ともに支援すること。
 洪水対策として、完成のめどの立たない高規格堤防を含む高台まちづくりを地元に押しつけないこと。
 外環道の東名以南延伸の計画検討を中止すること。
 東京の総合的な交通政策の柱の一つに、コミュニティバス、デマンド交通を位置づけ、都の支援を拡充すること。
 鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方に基づき、一刻も早く都内全ての駅へ可動式ホーム柵、ホームドアの設置を進めること。
 鉄道駅や車両内の移動や情報提供などのバリアフリー化を支援し、必要な全ての場所へのエレベーター、エスカレーター設置をさらに推進すること。要望のあるところは、複数ルートの設置を行うこと。
 緑地の総量を大きく増やすため、緑地、樹林地の保全をさらに積極的に進めること。
 耐え難い騒音、落下物、墜落事故などの危険が避けられない羽田新飛行ルートの中止を国に求めること。
 羽田新飛行ルートによる騒音、落下物について、地元区、住民と連携して詳細に調査すること。
 機体の問題が指摘されてきたにもかかわらず、墜落死亡事故を起こした横田基地配備のCV22オスプレイは、撤去及び特殊作戦部隊の撤退を国と米軍に強く求めること。
 オスプレイはじめパラシュート訓練など危険な訓練をやめるよう強く要請すること。
 米軍ヘリの都心や島しょでの低空飛行について米軍に強く抗議し、中止を求めること。
 日米地位協定に対する消極的な姿勢を改め、都として協定の見直しを強く求めること。
 有機フッ素化合物問題での横田基地立入調査をはじめとし、米軍機の飛行訓練の回数、飛行高度、騒音や健康被害など、米軍や基地によって生じる様々な問題の調査を行うこと。
 次に、住宅政策本部についてです。
 SDGsの二〇三〇アジェンダ及びハビタットⅢの合意に基づき、全ての都民に適切な環境と広さがあり、安価な住宅に住むことができる権利を保障すること。
 都営住宅の新規建設を再開するとともに、建て替え時に戸数を増やすこと。
 型別供給は廃止し、住まいは人権の立場から、十分な広さの住戸を提供すること。
 都営住宅の使用承継の基準を、一親等の同居家族にまで拡大すること。少なくとも生活保護受給者は直ちに承継の対象とすること。また、未成年者だけが残された場合についても、直ちに承継の対象にすること。
 期限付入居制度を廃止し、若年世帯の入居枠を都内全地域に拡大すること。
 都営住宅のバリアフリー化、本人設置の風呂釜、浴槽の公費による更新を促進し、修繕費負担区分の見直しで居住者負担を軽減すること。全ての住棟で、エレベーター設置を急ぐこと。また、共用部分の電灯のLED化など省エネ化を急ぐこと。太陽光発電設置、断熱を推進し、都営住宅こそゼロエミ住宅として位置づけること。
 都営住宅の障害者向けの募集戸数を思い切って増やすこと。
 大学と協定を締結し、都営住宅に学生が入居できる取組をさらに拡充すること。
 都営住宅の入居者の高齢化に伴い、草むしりや清掃などが困難となっているため、都の責任で費用を賄うよう、分担の見直しを行うこと。
 UR住宅や公社一般賃貸住宅をはじめ借り上げ都営住宅制度を実施すること。
 公社住宅のバリアフリー化、階段室型住棟へのエレベーター設置を進めること。共用部のLED化を推進すること。太陽光発電設備の設置、断熱など省エネ、再エネの推進を行うこと。
 公社住宅の低所得入居者に減額制度を創設すること。
 とどまるマンション事業の周知を強め、補助を拡充すること。
 マンションのエレベーターやトイレは、大震災後、点検が行われなければ、たとえ電源があったとしても利用ができない問題があり、各局横断の事業として早急に検討を開始すること。
 マンションの耐震診断、改修への助成率、上限額を引き上げるとともに、大規模改修による防災機能向上にも助成すること。
 都は第三者管理を押しつけず、マンション管理組合が自主的に管理できるよう育成支援を進めること。
 都として、若者や子育て世帯、高齢者等の低所得の賃貸人に対する家賃補助制度を創設すること。
 以上です。

○西沢委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和六年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 東京都の令和六年度予算は、法人二税などの都税収入の増加を背景に、昨年に続き過去最高の一般歳出予算額となりました。
 私たちは、未来に向けて投資をするとともに、障害の有無、雇用形態、性別を問わず、個性と能力を十分に発揮することができるジェンダー平等の確立、性的指向や性自認、家族構成などで差別されない社会を東京から実現していくことが必要との基本的理念の下、都民の経済や暮らし、生活に対する満足度を向上させていく取組が十分行われるか、政策の持続可能性は十分かとの観点から、予算案に対する質疑を行ってきました。
 物価高騰は、歴史的な水準に達しており、実質賃金の減少で都民生活に大きな影響が出ています。東京の産業、経済を支える中小企業においても、物価上昇を上回る賃上げが実現できるよう、都としても率先して機運醸成に努めていただくよう求めるものです。
 子供、子育て支援については、より一層の拡充を求め、特に学校給食の無償化については、全ての区市町村で実施することができるようにすることを、教育の無償化に向けた最優先課題として強く要望いたします。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
 まずは、都市整備局について申し上げます。
 一、能登半島地震発生を踏まえての高齢者の住宅耐震化への特段の取組、さらには二〇一六年の熊本地震の被害状況を受け、これまで都の取組が薄かった新耐震の住宅の耐震化が急務であると考える。震災時に命を守る対策として、誰も取り残さない耐震化を進めること。
 一、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化目標を進捗させるとともに、まだ耐震化されていない建築物については、分譲マンションの区分所有者間のテナントとの合意形成などの課題を解決するため、指導や助言を行って、耐震化を実現させること。
 一、豪雨対策、水害対策においては、区市が雨水流出抑制策となるグリーンインフラの活用を進める場合には、既存の補助制度に加え、公共施設や個人住宅などにおけるグリーンインフラ設置支援を行っていくこと。
 一、都においては、神宮外苑再開発の経緯などから、より積極的な関与を行う必要があると考える。知事を含めて事業の見直しを働きかけること。また、議会や住民、都民への説明責任を果たすこと。さらに、全てのイチョウ並木の育成環境を悪化させかねないように取り組むこと。
 一、品川浦の再開発事業を進めるに当たっては、単調な高層ビル群ではなく、歴史と文化を視覚的に感じ、体験することができるまちづくりを地域と共に十分議論をすること。
 一、東京のまちづくりにおいて、都市機能を絶えず向上させ、持続的成長を確かなものとしていくため、国内外に限らず、各都市の姿や優良な事例を数多く視察することで、施策にフィードバックすること。
 一、ホームドアの設置については、都は引き続き、区市町との連携などによる鉄道事業者の取組を支援するとともに、鉄道事業者が作成した整備計画について前倒しを求めるなど、ホームドアの設置を加速させること。
 一、ホームドア整備の優先整備の考え方によれば、盲学校などの特別支援学校を考慮するとしているため、西武鉄道などの鉄道事業者に対し、優先整備の考え方を踏まえた整備計画の充実、前倒しを求めるなど、ホームドア整備の推進を働きかけること。
 一、踏切対策においては、ピーク時における踏切遮断時間や歩行者などの踏切交通遮断量が大幅に増加するなど、新たな課題が存在をしている。重点踏切とともに、それ以外の踏切も対象に現地調査を行うなど、踏切対策基本方針の検証を行うこと。
 一、西武新宿線の鉄道立体化事業、そして事業化に向けた準備について着実に進めること。
 一、人々のライフスタイルが多様化し、インバウンドが増加している中、新たな交通インフラとして舟運活性化事業に取り組むこと。
 一、羽田空港の滑走路上での航空機同士の衝突事故によって、滑走路を一本閉鎖することにより、千二百便以上の航空機を欠航せざるを得なかった。羽田空港のセーフティーマネジメントに対する都の役割と責任を受け止めること。
 一、羽田空港航空機衝突事故について、あらゆる人たちが一丸となって事故の再発防止に取り組むこと。
 一、自家用車を活用するライドシェアは、利用者の安全やドライバーのみが責任を負うことなど極めて大きな懸念があることから、導入を行わないこと。
 一、都市部でのタクシー乗務員の確保に向け、二種免許試験などの規制緩和の議論が始まっているが、駅前タクシー乗り場での行列など、運用変更で改善できるものについては速やかな対応を行うこと。
 次に、住宅政策本部について述べます。
 一、都営住宅の募集に外れた住宅に困窮する都民、低所得者のデータを住宅困窮者対策に生かすこと。
 一、家賃補助制度の検討に関して、住宅扶助がどの程度家賃に影響していると分析しているのか、都内の複数区市では、収入減少者や高齢者、障害者、ひとり親に家賃補助を行っているが、民間家賃にどのような影響があるのか、それらについて分析、評価を行うこと。
 一、住まいの確保は、最もベーシックな生活保障である。財政負担の問題とせず、必要とする全ての人への家賃補助制度に踏み出すこと。
 一、民間賃貸住宅に住む高齢単身世帯、それ以外の単身世帯、多子世帯に家賃補助の制度を設けていくこと。
 一、不安定な就労状態にある若年、中年単身者の居住の安定を図る必要があることから、福祉施策とも連携しながら都営住宅を提供し、就労支援などに取り組むこと。
 一、震災時において、応急仮設住宅を提供するため、トレーラーハウスを活用するため、関係団体と防災協定を締結すること。
 一、都営住宅へのエアコンや網戸の設置を検討するため、都営住宅の居住者に設置についての意向調査を行うこと。
 一、仮放免者の支援のため、国と協議するなどして、都営住宅の活用を検討すること。
 以上で東京都議会立憲民主党を代表しての意見の開陳を終わります。

○松田(り)委員 東京維新の会を代表いたしまして、当委員会に付託されました令和六年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通予算について申し上げます。
 一般会計予算総額は八兆四千五百三十億円で、前年度比五・一%増で、過去最大だった令和五年度の予算を上回りました。
 都税収入についても、円安の恩恵を受ける輸出業者や製造業を中心に税収増の見込みであり、過去最大でありました前年度を三%上回る六兆三千八百六十五億円と見込まれております。
 ただ、法人二税に依存しております東京都の歳入は、世界経済情勢等にも影響を大きく受けるため、決して今後の展望は楽観視はできません。一昨年より続く原材料や資源価格の上昇に起因するコストプッシュインフレによるガソリンや食料品等の様々な物の値段が上がり、生活コストは上昇し、生活は苦しくなるばかりです。
 法人二税は増収となっておりますが、経済成長の恩恵というよりは、物価高、円安の影響が色濃く、今後の日本経済、そして企業の先行きは引き続き不透明となっております。
 来年度以降の歳入減や必要な事業に対しての予算積み増し、緊急的な財政出動にも対応できるよう、既存事業の見直しは徹底的に行っていかなければいけません。
 既存事業の見直しにおいては、広域自治体としての東京都がやるべき事業なのか、それとも基礎自治体に財源、権限を移譲した方が効率的に事業を行えるのではないかと、事業を棚卸ししていく必要があります。また、多様化する都民のニーズを行政で全て網羅することはできず、民間でできる部分は民間へと移行することも重要です。
 都政においては、その事業は未来への投資となっているのか、将来の負担を増やすものになっていないかを物差しとして、ゼロベースで引き続き事業を見直すことが必要です。
 最後に、聖域なき事業の見直しの継続、外郭団体の統廃合による業務の効率化、都有財産の有効活用促進と、知事が就任時に述べていた公約を実行することを昨年同様に要望し、各局事業に移ります。
 まず、都市整備局関係について申し上げます。
 首都直下型地震に備え、災害に強い首都東京の形成への取組を推進すること。
 災害後、迅速な都市復興に向けた事前の取組の強化を推進すること。
 感染下での災害を想定し、都の防災計画や避難所運営を全面的に見直すこと。
 災害時の電波、電源環境のバックアップ設備の見直しを行い、情報難民をつくり出さないこと。
 災害時に備え、無電柱化を促進するとともに、交通の要所にIoTセンサーを設け、まちの混雑状況を可視化し、瞬時に情報共有をすること。
 都市の3Dデジタルマップの整備の際は、都民、民間事業者が自由にデータ活用できるよう、オープンデータとして公開をすること。
 ライドシェアにおける複数の交通サービスをITで統合し、一括して予約、決済する仕組みを導入するなど、MaaSをより一層推進をすること。
 世界的な開発競争が生じている自動運転を支援し、公道実験の推進等により、早期の実用化を図ること。
 駅の安全性と快適性を高めるため、ホームドア、多機能トイレの整備など、バリアフリー化をより一層進めていくこと。
 築地市場跡地の再開発については、そのポテンシャルを最大限引き出すべく、民間事業者の発想を十分に引き出し、一貫したエリアマネジメントがなされるよう、事業者の選定に当たること。
 神宮外苑の再開発事業においては、広く都民が納得するよう、事業者への指導監督を含め、積極的に東京都として情報発信に当たること。
 インバウンドの増加は引き続き見込まれるため、空港アクセスの強化とともに、訪日外国人にとっても魅力的なまちづくりを進めること。
 次に、住宅政策本部関係について申し上げます。
 都営住宅入居者だけではなく、入居できなかった住宅確保要配慮者に対しても包括的な支援を進めていくこと。
 都営住宅建て替えに伴う創出用地の民間への売却や民間活用事業をより一層推進をすること。
 民間住宅においても、多摩産材を含め国際産材の使用を推進するような環境づくりを進めること。
 災害時には、賃貸型応急住宅、建設型応急住宅を迅速に提供できる体制づくりを進めること。
 空き家対策については、都内では今後も増加傾向にあり、実態把握だけではなく、市区町村支援事業とも連携をしながら、空き家所有者へのアプローチを引き続き進めること。
 以上にて意見開陳を終わります。

○竹井委員長 以上で予算案に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○竹井委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第六十一号議案及び第六十三号議案から第六十六号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第六十一号議案及び第六十三号議案から第六十六号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認めます。よって、第六十一号議案及び第六十三号議案から第六十六号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○竹井委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情及びお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○竹井委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。

○竹井委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、谷崎都市整備局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○谷崎都市整備局長 当委員会所管両局を代表いたしまして、一言御礼のご挨拶を申し上げます。
 竹井委員長をはじめ委員の皆様方には、このたびの定例会に提案いたしました議案につきまして、ご審議の上、原案のとおりご決定をいただき、誠にありがとうございます。
 ご審議の過程でいただきましたご意見、ご指摘等につきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと考えております。
 今後とも、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、大変簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。

○竹井委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十一分散会