都市整備委員会速記録第二号

令和六年三月一日(金曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長竹井ようこ君
副委員長土屋 みわ君
副委員長尾崎あや子君
理事加藤 雅之君
理事森口つかさ君
理事田村 利光君
松田りゅうすけ君
関野たかなり君
松田 康将君
原田あきら君
中山 信行君
後藤 なみ君
西沢けいた君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長谷崎 馨一君
次長小平 基晴君
技監小野 幹雄君
技監湯川 雅史君
理事朝山  勉君
総務部長打田 武彦君
都市づくり政策部長山崎 弘人君
都市基盤部長三宮  隆君
市街地整備部長三木  健君
市街地建築部長飯泉  洋君
基地対策部長金子 光博君
企画担当部長長尾 肇太君
景観・プロジェクト担当部長真島  誉君
航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務土橋 秀規君
耐震化推進担当部長谷井  隆君
住宅政策本部本部長山口  真君
技監青柳 一彦君
住宅企画部長松崎伸一郎君
民間住宅部長鈴木 誠司君
都営住宅経営部長栗谷川哲雄君
技術企画担当部長DX推進担当部長兼務相羽 芳隆君
建設推進担当部長青木 成昭君

本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
契約議案の調査
・第百十九号議案 都営住宅五H−一三一東(北区桐ケ丘二丁目GN十二街区)工事請負契約
・第百二十号議案 都営住宅五H−一三九東(足立区江北七丁目)工事請負契約
・第百二十一号議案 都営住宅五H−一一三西(世田谷区北烏山二丁目)工事請負契約
・第百二十二号議案 都営住宅五M−四〇一東(小笠原清瀬第二)工事請負契約
・第百二十三号議案 都営住宅五M−一〇四東(足立区江北七丁目)工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百三十五号議案 令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出 住宅政策本部所管分
都市整備局関係
付託議案の審査(質疑)
・第六十二号議案 東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
・第百三十五号議案 令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備局所管分
付託議案の審査(決定)
・第六十二号議案 東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
・第百三十五号議案 令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備委員会所管分

○竹井委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和六年二月二十九日
東京都議会議長 宇田川聡史
(公印省略)
都市整備委員長 竹井ようこ殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百十九号議案 都営住宅五H−一三一東(北区桐ケ丘二丁目GN十二街区)工事請負契約
 第百二十号議案 都営住宅五H−一三九東(足立区江北七丁目)工事請負契約
 第百二十一号議案 都営住宅五H−一一三西(世田谷区北烏山二丁目)工事請負契約
 第百二十二号議案 都営住宅五M−四〇一東(小笠原清瀬第二)工事請負契約
 第百二十三号議案 都営住宅五M−一〇四東(足立区江北七丁目)工事請負契約
2 提出期限 令和六年三月一日(金)

○竹井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の契約議案の調査並びに住宅政策本部及び都市整備局関係の中途議決に係る付託議案の審査を行います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百十九号議案から第百二十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○中山委員 では、契約議案、都営住宅の建て替え工事について質問させていただきます。
 私は、都議会公明党の一員として、これまで幾たびも都営住宅の設備改善を求めてきました。
 都議会公明党が実現に導いてきた成果としましては、風呂釜、風呂おけが都営住宅に設置されていなかった時代、そうした時代から、ベランダに一室を囲って小さな風呂セットを設置していただいたりとか、カチカチと小さなハンドルを回して設置する方式から、給湯器、洗面台、風呂の三点式に切り替えていただいたりとか、そういうこともございました。
 私自身も取り組んで実現に至っている事柄もございます。当初の方針では居住者負担とされておりました火災報知機の全居室への設置の際に、東京都の責任と負担による設置、取替えに導いたりとか、ドアチェーンというものが、高齢者はなかなか難しいもんですから、ドアガード、倒す式のものに切り替えていただいたりとか、ドアノブをレバーハンドルに切り替えていただいたりとか、インターホンの改善、聴覚障害者の方への対応、経年劣化による修繕区分の居住者負担となる範囲の見直し、階段のポストの、もうA4判対応に順次切り替えていただいていると思いますけれども、集会所のエアコン設置、そうしたところにAED等の工夫もしていただいたりとか、あるいは共用部の照明のLED化、これも順次計画的に進めていただいておるところでございます。
 今後も、この委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、転んでも骨折しない衝撃吸収式の畳床への変換などを実現していきたいと決意しているところでございますけれども、その上で、最近取り上げてまいりました設備改善の課題の中から二点、今後の建て替え工事で実現されていくことを目指して確認をさせていただきたいと思います。
 今回の契約議案におきましては、ドアポストはどのような仕様になっているのか確認したいと思います。
 以前より、ある時期から、建て替え後の住棟では、ドアポストの位置が従前より極端に低い位置に設定されるようになって、使い勝手が悪いという居住者の方からのお声がありまして、私の下に多数寄せられました。特に、高齢の居住者の方にとっては、しゃがみ込んで受皿から郵便物などを拾い上げなければならないことが大変苦痛であるということでした。
 また、団地自治会の方などがお知らせなどを丁寧に各戸に配布する際にも、自治会役員の方々も高齢化していますので、ドアごとにしゃがみこんで差し込んで回っていくというのは大変な負担、労作業になってしまうということでございます。
 前回、改善を求めた際に理由をお聞きしたところ、警察の方から、空き巣を狙う犯罪者などがドアポストから器具を差し込んで、鍵を開錠させようと試みる、そうしたことがあるので、それを防ぐためということでのお話があったというふうに認識しておりますけれども、ドアポストをドアの真ん中に位置させて、鍵穴から距離を取ろうとすると、どうも低くなっちゃうんですね。それを少し、ドア鍵のところから離れた反対側の方に位置を移動させて、ある程度の距離を取るということであれば、そんな低いところに置かなくてもできるんじゃないかと。これは素人の考えですから、いろんな専門的なご検討あるかと思いますけれども、居住者の高齢の方々のご苦労を思えば、何とかしてあげたいというふうに思うところでございます。
 ドアポストの位置を高くするための工夫を求めておりましたが、それが改善されていくのかどうか、見解を求めたいと思います。

○青木建設推進担当部長 今回の契約議案の玄関ドアにつきましては、委員ご指摘のとおり、防犯上、室外側からドアポストの投入口を通して、室内側のドアレバーの鍵を開けられないよう、余裕を持った距離を確保した位置にドアポストを設置する仕様となっています。
 今年度の基準設計の改定におきましては、ドアレバーの鍵との必要な距離を確保しつつ、できる限り居住者の使い勝手を考慮し、ドアポストを従前よりも高い位置としました。
 なお、今回の契約議案のドアポストにつきましても、改定内容を反映できるよう、受注者と協議を行ってまいります。

○中山委員 ぜひ、今、前向きなご答弁いただきましたけれども、ご検討を進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、バルコニーの物干し金具がどのような仕様になっているのか、この点を確認させていただきたいと思います。
 景観条例などの条文解釈などの点から、バルコニーに洗濯物を干すことをやめていただくために、バルコニーの天井に従来設置されておりました物干しざおのポールを受け止める金具、これを廃止する仕様の変更が、ある時期になされました。
 バルコニーの物干し金具の高さについても、新しく建て替えた後にお住みになられた居住者の方から、大変使い勝手が悪いというお声を頂戴したところであります。
 ベランダの手すりがございますけれども、その手すりの内側に金具を設置している場合があるんですけれども、長尺、長い洗濯物を干すときには、当然その短い高さの金具では下についちゃいますから、干せないわけですね。
 また、室内に干す場合も、通常はエアコンをつけっ放しにして乾かすしかなくなってしまいます。
 加えて、最近のテレビ報道でもございましたけれども、室内のどの位置に洗濯物を干すと一番乾くかって、番組で取り上げていましたけれども、窓際が一番乾きにくいそうなんですね。エアコンをつけっ放しにして洗濯物を乾かそうと誘導することに結果的になってしまうわけですけれども、それ自体、東京都が進めるゼロエミッションに逆行するものといえます。ベランダなどを活用して天日干しにする方がはるかに環境に優しく、カーボンマイナスともいえます。
 また、あくまで入居者の方がベランダ干しにこだわって、そうした仕様の中でやろうとしますと、物干しざおを自立できる自立式の器具ですね、コンクリートの台とか、そうしたものを購入しなければいけません。ただでさえ低所得の都営住宅の入居者の方々に、要らぬ経済的負担をかけてしまいかねません。また、そうした重いポール立ての台を近くのホームセンターなどで購入して、ベランダまで運ぶことは、高齢の居住者の方には大変な負担となってしまいます。
 引っ越しの際に、できれば、引っ越し業者の方にお願いすることも可能かもしれませんけども、引っ越した後、初めてそういうことが分かって、後で購入しなきゃいけないということになると、手間暇も経済的にも肉体的にも大変でございます。
 居住者の方が使いやすいように見直しを図るべきと考えますが、見解を求めたいと思います。

○相羽技術企画担当部長DX推進担当部長兼務 今回の契約議案においては、バルコニーの物干し金物は、全ての区市等の景観関係の規定に適合するよう定めました現在の基準設計に基づき、手すりの高さに収める仕様としております。
 今後、現在の仕様に、居住者が使いやすい高さに調節できる仕様を追加することを検討していきます。
 なお、新たな仕様を追加した場合、個々の建て替え事業において、それぞれの区市等の景観関係の規定に照らして、仕様を選択していくこととなります。

○中山委員 それぞれの自治体ごとに考え方がございますので、それをしっかりと踏まえていただきながら、少しでも前進をしていただけることが大変すばらしいことだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、今回の契約議案の中にも足立区江北七丁目のアパートの契約案件が入っておりますが、二期目の工事ということでございます。
 建て替え事業の実施が決まったときに、団地の住民の方々に対してどの範囲まで説明がなされているのか、この点を教えていただきたいと思います。

○青木建設推進担当部長 江北七丁目アパートの建て替え事業の開始に当たって、平成二十九年十一月に団地自治会に説明を行った上で、自治会の意向を踏まえ、二期目の居住者を含む全世帯に団地全体の建て替え計画案の資料を配布いたしました。

○中山委員 これまで、大きな団地の建て替えが行われる際に、当然一気にはできませんので、期を分けて住棟ごとに建て替えを行うということで、その期ごとに住民説明会を行っている場合もございます。
 しかし、団地も高齢化していますので、一つの情報が入ってきたときに、自分はどうなんだろうというふうに心配される方は多くて、高齢者の方は、一概にはいいませんけれども、すごく気になり出すと、すごくそのことが頭から離れないんですね。まだあなたは当分先ですよというふうに申し上げても、引っ越しはどうしたらいいんだとか、準備はどうしたらいいんだとか、そういうことがもう気になってしまって、夜も寝られなくなっちゃったというようなことも、何年も前からそういう状態というのはお伺いします。
 私はやはり、期ごとの説明ではなくて、その団地全体の方々に情報がきちっと行き渡るように、できれば、最初は全体の方々に一回は説明して、都営住宅の引っ越しのシステムというのはこうですよ、こういうふうにやればいいんですよということをお話をした上で、期ごとの説明っていうのも必要かもしれませんけれども、そのときには、今お話しがございましたけど、資料をきちっと丁寧に配布していただいて情報が行くなど、そういう改善が必要かと思っております。この点につきましての見解をお伺いしたいと思います。

○青木建設推進担当部長 大規模団地においては、建て替え事業が長期にわたり、移転先や工事実施時期などが確定していない期もあることから、事前に自治会と相談の上、期別に対象を分け、説明を行う場合もございます。
 委員のご指摘も踏まえまして、居住者が不安を抱くことがないよう、自治会との連絡を密に取り、団地の事情に配慮しながら、適切な方法で情報提供に努めてまいります。

○中山委員 本日、質疑させていただいた内容は短いものでございますけれども、今回の補正予算も大事な内容を含むものだと思っております。
 都営住宅の質の確保と向上は、ハード面と、そしてソフト面、その両方にわたって、都内全体の住まいの質の確保、向上に、レベルアップに大きく貢献する効果があると思います。当然、住宅政策上のセーフティーネットという役割を担うものであります以上、居住者の方から徴収できる使用料に基づくものでございますので、ただそれには限界がある。その不足分というものは、居住者はもとより、多くの都民の方からお預かりする税金から補わざるを得ないということがございます。
 特に、収入基準を超えることなどから、もともと都営住宅には申し込めない方もいらっしゃるし、あるいはいろんな意味で、都営住宅を選ばないで生活をしていらっしゃる多くの都民の方々からもご納得をいただける、合理性に富んだものを常に保ちつつ、経費の最適化を図る必要がございます。
 大変な作業でありますけれども、その大変さは、都庁広しといえども、実際に都住政策を担っていらっしゃる住宅政策本部の職員の方々にしか、その大変さの本当のところは分かりません。その意味でも、今後とも胸を張って、都営住宅をはじめ、住宅政策の充実に向けてご努力いただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終えたいと思います。
 以上でございます。

○尾崎委員 私の方からも、都営住宅の工事契約について質問させていただきます。
 最初に、契約案件、第百二十一号、都営住宅五H−一一三西(世田谷区北烏山二丁目)工事契約についてです。
 都営住宅の世田谷区北烏山二丁目住宅は、今期で最後の建て替え工事の契約に、まず、なるかどうか伺います。
 全体での従前の戸数と工事後の戸数はどうなるのかお尋ねします。

○青木建設推進担当部長 今回の契約議案、旧烏山アパートの建て替えは二期に分けて工事を行っておりまして、本件工事はその二期目です。
 団地全体での従前の戸数は二百八十戸、建て替え後は二百九十三戸でございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、従前と建て替え後を比較しますと、十三戸と僅かではありますが、住居が増えることになります。これは大事なことだと思っています。
 それでは、建て替え工事によって生まれている都有地の活用は、どのような計画になるのか、具体化などへの検討状況について伺います。

○青木建設推進担当部長 今回の建て替え工事により、団地南西部に用地を創出することを予定しています。創出用地の活用方法は未定ですが、今後、地元区と協議を進めてまいります。

○尾崎委員 建て替えによる用地の創出について、約一千平米あるということも伺っていますけれども、活用方法は未定であり、ただいま答弁あったように、地元自治体と今後協議していくということですけれども、地元の住民の方々からは、高齢者施設などをつくってほしいと、こういう声も届いています。ぜひ住民の要望も丁寧に聞いていただきたいとお願いするものです。
 次に、契約議案、第百二十二号、都営住宅五M−四〇一東(小笠原清瀬第二)工事契約について伺っていきたいと思います。
 小笠原清瀬第二工事契約、工事概要を見ますと、住宅の種別、間取り、戸数を見ていくと、単身者の一Kはなく、通常の都営住宅の間取りとは異なりますが、これはなぜなのか伺います。

○青木建設推進担当部長 小笠原住宅は、通常の公営住宅とは異なり、小笠原諸島振興開発特別措置法に基づき、帰島を希望する旧島民の帰島促進などを目的として設置した住宅です。
 本件は、地域優良賃貸住宅制度を活用して建て替えを行うものであり、小笠原村では家族向け賃貸住宅が不足していることを踏まえ、今回、単身向けではなく、家族向け住戸を計画しております。

○尾崎委員 都営住宅と地域優良賃貸住宅との違いは何ですか。小笠原清瀬第二住宅が地域優良賃貸住宅になるのはなぜなのか伺います。

○青木建設推進担当部長 平成二十六年の特別措置法の改正の際に、小笠原諸島への帰島者が減少してきたことなどを踏まえ、法の目的に定住の促進が盛り込まれました。
 これを受け、国と協議を行いまして、建て替えに当たっては、公営住宅法に基づく低額所得者向けの都営住宅ではなく、より幅広い階層が入居できる地域優良賃貸住宅制度を活用することとしました。

○尾崎委員 小笠原清瀬第二住宅の工事請負契約は、第一回目は不調になったと聞いていますが、不調になった理由は何ですか。そのときの予定価格について伺います。

○青木建設推進担当部長 不調理由は、島しょ工事における作業員確保の困難性や、物価の高騰などの要因があったことを確認しております。
 不調になった際の予定価格は、税込みですけれども、八億四千百二十三万六千円です。
 なお、今回の契約は、不調となった事情を踏まえ、改めて積算を行ったことに加えまして、事業期間の短縮のため、外構工事を工事内容に盛り込んだことにより、予定価格が増額となっております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、島しょゆえの理由によって、前回工事契約が不調になったことが分かりました。さらに今回は、外構工事を盛り込んでいるので、一回目不調時よりも金額が増えているということも分かりました。
 最後に、この間ずっとお願いをしているわけですけれども、型別供給については、都がこれまで根拠としてきた省令が既に無効であるということも明らかになっていますので、型別供給の見直しが必要だと要望して、質問を終わります。

○竹井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○竹井委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百三十五号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、住宅政策本部所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 なければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。

○竹井委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第六十二号議案及び第百三十五号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備局所管分を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○中山委員 それでは、補正予算について質疑をさせていただきたいと思います。
 令和五年十一月に局が令和六年度予算として要求しておりました物流二〇二四年問題対策に係る項目は一件でございました。今年一月に公表されました令和六年度の東京都予算案においては、令和五年度の補正予算として項目が二件追加されまして、合計で三件が計上されているところでございます。取組を強化するとともに、補正予算として緊急に前倒しして取り組むこととしており、その点は評価したいと思います。
 そこでまず、取組を増やし、前倒しを図った理由と狙いにつきまして、見解を求めたいと思います。

○土橋航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 四月から、働き方改革関連法の時間外労働の上限規制が物流業界にも適用されまして、一刻も早く多面的な対策を講じなければ、輸送力が低下し、物流が停滞する懸念がございます。
 都は、迅速に対応すべく、物流事業者の支援や、都民の行動変容を促す広報等に今年度から着手し、年度をまたぐ債務負担を設定いたします。

○中山委員 物流二〇二四年問題への対応は待ったなしの状況でございまして、少しでも早く対策に取り組んでいくということにつきましては、大変理解できるところでございます。評価したいと思います。
 続きまして、個々の事業についてもお話を聞いていきたいと思います。
 労働力が不足する中でも輸送力を低下させないようにするためには、物流事業者の方々が効率的に荷物を運べるようにしていく工夫が必要でございます。
 しかし、まち中では、宅配事業者の方が結果的に路上に車を停車させて、走行する車を気にしながら荷さばきをしている状況もうかがえるところであります。やむを得ない事情も分かりますけれども、場所によっては違法駐車となり得ますし、そうした点に心を砕きつつ運輸業を続けていくということは、大変精神的にも負担でございまして、ただでさえドライバー不足が社会的に進む中にあって、大変申し訳ない状況だなと感じるのは、私だけではないというふうに思います。
 補正予算説明書には、貨物車駐車スペース提供事業として予算計上されております。我が党も予算要望などで毎年求めてきた事柄でございまして、運輸事業の方々にとっては大変な朗報であると感じております。
 まず、この事業の概要と取組について見解を求めます。

○土橋航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 集配送業務の効率化に向け、配送先となる住宅地等の周辺におきまして、荷さばき可能な駐車場を都が確保し、運送事業者に提供する事業を実施いたします。
 令和六年度の早期に貨物車駐車スペースの提供が開始できるよう、今年度中に荷さばき可能な駐車場を確保する予定でございます。

○中山委員 物流の二〇二四年問題に対応するために、都が運送事業者の方へ荷さばきスペースを提供していく事業を改めて緊急的な対策として行うことを決断したことを評価したいと思います。
 私は、都の荷さばき確保事業の状況を視察するために、都議会議員になって間もない頃でしたけれども、当時の東京都トラック協会足立支部の支部長さんたち役員の方々とわざわざ吉祥寺まで一緒にご同行いただいて、その状況を視察させていただいたことがございます。二十年ほど前からその取組の前進を求めて、都市整備局の皆さんと一緒に充実を図ってまいりました。
 そうした時代から申し上げてまいりましたが、物流の効率化に当たりましては、運送事業者の方々だけでその問題を解決するというのは限界がございまして、荷主や消費者の方々の意識改革を促す取組も大変有効であります。
 補正予算説明書には、物流の効率化に向けた事業者や都民に対する積極的な広報展開という項目が計上されております。都民意識が高まることが、いや応なしに荷主の方々の意識改革にも通じていくものと考えます。
 そこで、積極的な広報展開を担う目的と取組の概要について見解を求めたいと思います。

○土橋航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 物流の効率化を早期に進めるためには、運送事業者のみならず、荷主や消費者を含め、社会全体が効率化の必要性を理解し、おのおのの行動につなげていくことが重要でございます。
 今回の補正予算案では、物流効率化の必要性の周知や都民の意識醸成を図るイベントの開催などによる広報を次年度早期に実施するため、今年度から発注の準備などに取り組みます。

○中山委員 物流効率化の実現には、社会全体が問題意識を持って、消費者の方々も一緒になって取り組んでいただく必要がございます。それを促す広報に早期に取り組む意義は大きいものと考えます。
 昨今Eコマースの取引が普及しておりまして、宅配需要が年々高まっております。特に、消費者の方々が再配達削減に取り組む効果は大きく、再配達削減につながる取組を一層加速化させていくことが重要であります。
 補正予算説明書には、広報展開のほか、再配達削減に向けた啓発活動支援事業を計上しています。この事業を行う意義と取組概要についてお伺いをいたします。

○土橋航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 再配達削減に向け、消費者の意識醸成を進めるためには、都の広報に合わせまして、直接消費者に配送する宅配事業者等が啓発活動を行うことも重要でございます。
 令和六年度早々に、啓発活動の一環として実施する再配達削減キャンペーンが実施できるよう、今年度中に協力事業者を選定いたします。

○中山委員 今年度中に選定して取り組んでいくということでございますので、ぜひ円滑に進めていただきたいと思います。
 宅配事業を、現在のように効率よく、配達ミスなどが極めて少ない、ハイレベルな状態で維持できていくかどうかということは大事な課題でありまして、その状況が日本、東京の世界に誇るべき特性の一つだというふうに思います。
 大事なことは、それが当たり前、無為自然に維持されていると勘違いしないことではないかと思います。事業者の方々の大変なご努力の上に成り立っております。優れた宅配事業者の方々の中には、受持ち地域の中で、どのご家庭のどの方が毎日何時ぐらいに帰宅されているのか、昼間誰がいらっしゃるのか、そうしたことを頭に入れているからこそ、日をまたぐことなく、毎日、請け負っている大量な依頼をされた荷物をその日のうちにお届けできるという状況があるというふうにお伺いしております。
 その上、さらに基礎的自治体によりましては、そうした宅配事業者の方々に、高齢者などの見守りの活動にもご協力いただくというようなことが始まっているというふうにお伺いしております。優れたレベルの働き手を今後も長く宅配事業者の方々が確保できますよう、東京都が環境を支える意味で下支えをしていくことが、宅配事業を通じた東京都の利便性を今後も長く支えていく必須、不可欠の要件かと思います。
 二〇二四年四月を目前にして、今年度から早急に取り組むことは大変重要なことであり、今年度の取組を来年へとつなげまして、継続的にしっかりと進めていただくことを期待して、質問を終わりたいと思います。
 以上です。

○加藤委員 私からは、第六十二号議案、東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例について質問いたします。
 今回の条例改正は、都道府県が景観行政団体である区市町村に条例制定権を移譲できるという屋外広告物法の規定に基づき、町田市に権限移譲するためのものであり、初めての事例ということでありますので、取り上げさせていただきます。
 景観行政団体について調べてみますと、景観法に基づき景観計画の策定などを行うもので、現在、都内では、私の地元であります墨田区も含め、二十区六市が景観行政団体となっていることが分かりました。
 先ほど住宅政策本部の質疑があったんですけれども、そこで都営住宅の建て替えの契約案件のやり取りがありまして、ベランダの物干しざおの位置、こうしたことも景観ということが絡んでいるということがありまして、やはり生活というところにも影響をしていると。
 地元の団地の建て替えがあったんですけれども、当時は高層の十二階建てがあったんですけども、その後、建て替えをするに当たっては、最高でも九階建て、九、八、七と、こういうふうになって、そのときにちょっといろいろお聞きすると、区の景観条例も絡んでいるというようなお話をちょっとお聞きしました。そういういろんな絡みがあるということでございます。
 そうした中で、町田市は平成二十一年に景観行政団体となり、このたび都内で初めて、景観行政団体として都から条例制定権の移譲を受けるということでありますが、そもそも町田市が屋外広告物条例制定権の移譲を求めるに至った経緯、これについてまず伺います。

○真島景観・プロジェクト担当部長 町田市は、景観行政団体として町田市屋外広告物に関するガイドラインを策定していますが、例えば広告物の大きさや色彩について、地域特性に応じて建築物の外観やまち並みと調和が取れるよう誘導することとしたものの、強制力がなく実効性が低いという課題がございました。
 このため、市は独自の屋外広告物条例の必要性につきまして、令和四年十月に市の景観審議会の答申を受けた上で、条例の制定に向けて、都と調整を行ってきたところでございます。

○加藤委員 町田市は、景観をさらによくしたいということで、実効性を高めるため、独自の条例を制定しようというふうに考えたということでございます。
 市の求めに応じ、都は、権限の移譲に向けて調整を行ってきたということでありますが、条例制定権の移譲に当たっては様々な手続があったと思います。これまでにどのような手続を経てきたのか伺います。

○真島景観・プロジェクト担当部長 町田市が令和四年十月に市の景観審議会の答申を受けた後、市から都へ条例制定権移譲について相談があり、その後、調整、協議を重ねてまいりました。
 この間、都は、町田市の景観計画の見直しや屋外広告物条例の制定に向けた検討を行う景観審議会の部会にオブザーバーとして参加し、意見を述べるなどしてきました。
 令和五年十二月に町田市との協議が調ったため、東京都広告物審議会に条例制定権移譲について諮り、了承されたところでございます。

○加藤委員 都は、市の検討にオブザーバーとして参加し、サポートするなど、市の条例制定に向けて丁寧な対応を行ってきたということが分かりました。
 条例制定権の移譲に当たっては、これまで都条例で行ってきた広告物行政の継続性や統一性というものが担保されることも重要だと思いますが、では、どのような点に留意をして協議を行ってきたのか伺います。

○真島景観・プロジェクト担当部長 都は、町田市が新たに制定する条例と都条例との整合性の確保などを前提に、町田市と条例制定権の移譲について協議を進めてきました。
 なお、町田市の条例は、基本的には都条例の内容を引き継ぎつつ、町田市の特性に応じた独自の内容が付加される予定と聞いております。

○加藤委員 町田市は、基本的には都条例の内容を引き継ぐということが確認できました。
 一方、条例制定権の移譲を受けて独自の内容を付加するとのことでありますが、市が屋外広告物条例で定める独自の内容、これはどのようなものか伺います。

○真島景観・プロジェクト担当部長 町田市の屋外広告物条例に定められる独自の内容とは、例えば、市の景観条例に基づき、地域景観資源として登録する魅力的な風景となる建造物や樹木などを、屋外広告物等の表示等を禁止する区域や物件として指定すると聞いております。
 また、里山の風景を守るため、用途地域が指定されていない地域について、屋外広告物の高さや色彩等の基準を設定するなど、都条例の基準より一部強化するということでございます。

○加藤委員 今回、町田市が都内で初めて屋外広告物条例制定権の移譲を受けることになったわけでありますが、こうした説明を伺いますと、都条例との整合を図りながら、区市町村が地域特性に応じた基準を定め、景観行政と一体となって屋外広告物の規制や誘導を行うことは、地域の魅力や活力を高める上で好ましいことだと思います。
 都は、権限移譲後も運用状況の確認や技術的支援などを行い、都全体として屋外広告物による良好な景観の形成に努めていただきたいと要望しまして、質問を終わります。

○竹井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○竹井委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第六十二号議案及び第百三十五号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第六十二号議案及び第百三十五号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備委員会所管分を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認めます。よって、第六十二号議案及び第百三十五号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備委員会所管分は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十五分散会